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2011年10月1期イベント企画波平さんがバトルロワイヤルを主催するスレ
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波平さんがバトルロワイヤルを主催するスレ
- 1 :07/08/06 〜 最終レス :11/11/21
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\ \_/ / \ ころしあいをしてもらいます
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______.ノ (⌒)
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レ::::::::::::::::::|/::: ̄`ー‐---‐′
- 2 :
- うわーやられたー
- 3 :
- 主催:磯野波平
参加者:磯野サザエ 磯野カツオ 磯野ワカメ フグ田マスオ 磯野フネ フグ田タラ
波野ノリスケ 波野タイコ 波野イクラ 伊佐坂難物 伊佐坂甚六 伊佐坂ウキエ
伊佐坂オカル 裏のおじいちゃん 裏のおばあちゃん サブちゃん 三河屋店主
中島ヒロシ 花沢花子 ハヤカワ カオリ 橋本 西原 先生 ホリカワ
岡島さん アナゴさん アナゴ婦人 花沢花之丞 リカちゃん リカママ 課長
泥棒 警官 大工のジミー 大工の棟梁 全自動卵割り機 タマ ハチ 雪室先生
39/39
- 4 :
- 地図地図
- 5 :
- ご町内でいいだろ
- 6 :
- はだしのゲンバトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1186587709/
JUMP CHARACTER BATTLE ROYALE 2nd -Part.5-
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1181473569/
波平さんがバトルロワイヤルを主催するスレ
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1186384764/
新システム制漫画アニメバトルロワイアル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1180288858/
ローゼンメイデンバトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1186324761/
二次創作リレーでバトルロワイアル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1184426094/
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル第8部
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1183731158/
メカ・ロワイアル(仮)開催議論スレ
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185952109/
サンライズバトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185898379/
2ch削除人バトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185707906/
母キャラ&美人先生キャラでバトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185721650/
マガジンキャラクターバトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185722747/
SUNDAY CHARACTER BATTLE ROYALE
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185723420/
赤松キャラバトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185721146/
- 7 :
- 国会議員バトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185689688/
少年漫画でバトルロワイアル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185650876/
サッカー日本代表バトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185637739/
戦国武将でバトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185634156/
拉致被害者バトルロワイヤル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1185036325/
駄目元でこんなバトルロワイアルを提案してみる
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1184927484/
二次元キャラ・バトルロワイアル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1184822129/
戦闘少女バトルロワイアル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1181627911/
ドラえもんのび太のバトルロワイアル
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1147937544/
- 8 :
- その場に集められた人間の中に、事態を理解しているものなど誰もいなかった。
何しろ全員が、夜寝ている間に連れ去られて今ようやく目をさましたばかりなのである。
彼らが目を覚ましたのは暗い倉庫のような密室だった。
「おい橋本、一体これはどういうことだよ?」
「俺が知るわけないだろ?」
小学生たちが恐怖におびえている。
「ばあさんや、一体何が起こったのかの?」
「さあおじいさん、夢でも見ているんですかね」
老夫婦が呆然と立ち尽くしている。
「親方、俺たち一体どうなるんすか?」
「ええい、大工たるものこんなことでいちいちビビってんじゃねえ!!」
大工の師弟が顔に青筋を浮かべている。
中でも一番騒がしい親子がいた。
「カツオ、これもあんたの仕業ね!!」
「そんなわけないだろう姉さん。ボクにこんな力は無いよ」
「そうですよサザエ。馬鹿なことをいうんじゃありません」
そのいつもは愉快な一家も、さすがに不安を隠せない様子だった。
「そう言えば、お父さんの姿がないですけど」
「本当ねえ、どこにいってるのかしら」
その時だった。薄暗い倉庫の中に光が灯された。そして天井の梁の上に一人の老人が立っていた。
「やあみなさん。今日ここに集まって貰ったのは他でもない、みなさんを罰するためだ」
その老人の姿に、全員が息を呑む。
「お、お父さん!!」
「磯野さん、これは一体何の冗談ですか?」
老人、磯野波平は淡々と答える。
「この中に許されざる罪を犯したものがいる。そう、昨日ワシの盆栽を壊していったものだ。
ワシは憎き犯人を捜そうとしたがどうしても見つからない。そこでワシは考えた。どうせなら全員しんでもらおうとな」
その告白に、全員が愕然とした。
「そう、思い返してみれば君達はいつもワシを軽視していた。ハゲだの電球だのと毎日のようにワシの頭をからかった。
もうワシは我慢の限界だ。これを期に、全員に死んでもらいたい。
しかしワシが直接手を下すのももったいない。そこでみんなにはこれからし合いをしてもらう。
最後まで生き残った一人は、命は助けてやるし商品としてワシの盆栽と髪の毛の一部をあげよう」
- 9 :
- 「ふざけるな、だれがそんなものに従うか!!」
「そうですぞ磯野さん、馬鹿なことはおやめなさい」
青年と老人が波平の言葉に反駁する。それを波平は愉悦を込めた目で眺めた。
「やれやれ、反抗分子には早々に消えてもらいましょうかね」
波平がそう言うや否や、二人の首に付けられていた爆弾が爆発した。
宙を舞う二つの首。
「アニキ!!じいちゃん!!」
死体に駆け寄る少年。
「さて、ワシが本気なことはわかっただろう。それでは早速ゲームスタートじゃ。
ワシに逆らったものはあということを忘れずにな。なお、開始後三年以内に死者が出なければ全員の首輪を爆発させるぞ。
それでは健闘を祈ろう」
そして四十人の参加者たちは、それぞれ彼らが毎日暮らしている町内の別々の場所にワープしていった。
【ゲームスタート】
【中島のおじいちゃん 死亡確認】
【中島の兄 死亡確認】
残り40人
- 10 :
- あげ
- 11 :
- omosiroku nattekitajaneeka
- 12 :
- いつもは家族の笑顔が並ぶ磯野家の居間も、今日ばかりは不穏な空気に包まれていた。
「全くしあいだなんて父さんも何考えてんのかしら」
「ええ、困ったもんだねえ」
顔を見合わせてため息をつくサザエとフネ。
「でもお買いもには行かなくっちゃ。夕飯の支度もあるし」
「いけませんよサザエ。三郎さんたちや花沢さんのおうちもし合いに参加しているんですよ。
迂闊に出歩いたりしたら大変じゃない」
「そうは言うけど母さん……」
その時だった。突如居間の窓ガラスが割れ、何かが部屋の中に転がり込んでいた。
それを見たサザエは悲鳴を上げた。
「イヤー、生首ー!?」
「あらまあサザエ、これは八百屋さんじゃないかい!!」
いつもサザエたちにおいしい野菜を提供してくれていた八百屋さんは、もはや物言わぬ頭部だけの亡骸に成り果てていた。
「だれがこんなヒドイことを……」
フネは窓の外を伺ったが、すでに誰の姿も無かった。
部屋の中には、ただ八百屋さんの無残な死に様を目の当たりにして号泣するサザエと割れたガラス、夥しい血、それを見守るフネと
八百屋さんのうつろな顔だけが残された。
「よし、これでいい。これで磯野家の連中は家族の中の誰かが八百屋をしたと思い込み、疑心暗鬼に陥るに違いねえ」
夕焼けの中にたたずむ小さな公園。低い太陽が遊具の長い影を形作っていた。
その公園の水のみ場で血のついたノコギリを洗いながら、笑みを浮かべる男がいた。
彼は大工のジミー。かつて磯野家の風呂と物置を直した彼は、磯野家の造りについては熟知していた。
「八百屋の旦那も馬鹿なもんだ、自分は波平さんに呼び出されなかったからされないと思い込んで……
少し悪いけれど、これも家族の深い信頼で結ばれた磯野さんちを内側から崩すため。
こうでもしないと棟梁しか味方のいない俺は勝ち目がねえからなあ」
しかしそう悪態をつく彼の頬には一筋の涙が伝っていた。
人をしたのだ。その事実はいくら心の中で正当化しても消えても小さくなってもくれない。
やがて日は沈み、公園も町もし合いが始まってから最初の夜を迎えた。
- 13 :
- 【一日目 午後六時】
【磯野家】
【フグ田サザエ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:動揺・家族の安全を最優先
【磯野フネ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:動揺・家族の安全を最優先
【公園】
【大工のジミー】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:大工道具一式(カンナ・金槌・釘・ノコギリ)
思考:冷静を装っているが動揺
【八百屋さん 死亡確認】
残り40人
- 14 :
- 制限時間三年バロス
- 15 :
- 参加者少ないのに終わりが見えなさそう
- 16 :
- 一週間くらい何事もない日が続いたりすんのかw
これ読みたいwwwwwwwwwww
- 17 :
- 日常生活送りながらロワ。
・・・セカイ系?
- 18 :
- 磯野カツオは、重い足を引きずって学校に向かっていた。
背中にはランドセルを背負い、頭には制帽を被っている。果たして今日は無事に家に帰ってくることが出来るのだろうか。
(幸い、うちの家族はまだみんな無事だけど……)
この三日間で、カツオのクラスメートのうち実に四分の一が犠牲になっていた。
ある者は学校で、ある者は家で、ある者は路上で無残な姿で発見された。
まだ中島や西原、花沢ら特に親しい友人たちは無事であるが、それを不幸中の幸いなどと言っていい状況でもない。
(父さんがあんなことをしなければ……いや、父さんをあそこまで怒らせた僕たちが悪いのか)
家族の中に人者がいるとは考えたくないが、町の中に人者がいることはもう疑いようが無い。だからカツオは学校へ向かう足も進まなかった。
「磯野のお兄様ー!!」
どこかで聞き覚えのある声を耳にしてカツオは振り返った。
「キミは……マホちゃん?」
忘れもしない、かつて中島にラブレターを出し(いや、正確には中島の兄にだったのだが)カツオと中島を散々振り回した
番組史上屈指のロリキャラである。
ツインテールにボーダーニーソックスという出る番組を間違えたとしか思えない容貌の彼女は、息を切らせてカツオのもとに駆け寄ってきた。
顔面は蒼白、足取りもおぼつかない様子だ。
「どうしたんだい、一体?」
「お、お兄様、中島のお兄様の弟が……」
そしてようやくカツオは気がついた。マホは背中から血を流していた。
- 19 :
- 「磯野、そこをどいてくれ!!」
マホを追ってきたかのように姿を見せたのは、カツオにとって信じられない人物だった。
「僕はお前だけはさないから。だから、僕の言うことを聞いてくれ」
中島は手に鉈を持っていた。その刃には僅かながら血が付着している。それが意味すること。
「まさか、中島……」
マホは中島の姿を見たまま、まるで悪魔に魅入られたかのように固まっている。その背中には浅いながらもはっきりと切り傷があった。
「嘘だろ……」
「磯野、僕にはもう何も無いんだよ。じいちゃんも、兄貴も、波平おじさんにされてしまった。もう生きていても仕方が無い。
最初はさっさと死のうと思ったよ。でもどうせなら、最後に何か磯野、キミに残して行きたいんだ」
中島はいつものように平静な声で淡々と告げる。しかしカツオには、そこにいるのが中島の姿をした別のものとしか思えなかった。
「僕はキミを優勝させる。そのために他の連中を皆しにするんだ。まずはそこにいる、僕にふざけたラブレターをよこした生意気な女だ」
マホは震える手でカツオにしがみ付いた。カツオはただ呆然と親友の顔を見ることしか出来なかった。
「そいつを僕に引き渡してくれ、磯野」
中島が一歩歩み寄る。自分なんかのために人者になろうとしている彼の気持ちは理解できないものではなかった。
もし立場が全くの逆だったら、カツオも中島と同じ行動を取っていたかもしれない。
- 20 :
- (でも、だからってさ、中島)
カツオは歩み寄ってくる中島の目を見据えながら、マホの手を握った。
「今日は学校はサボろう。父さんに後で叱られるけどさ」
そう嘯いて、カツオはマホとともに走り出す。その後を中島が追った。しかし脚力ではカツオに分がある。
問題は怪我をしているマホの存在。カツオはひとまず角に逃げ込むと、そこにあったゴミバケツの陰に隠れてランドセルを向かいの家の塀の向こうに向かって投げた。
後から来た中島は、それを見てカツオたちが向かいの家の庭に逃げ込んだのだと思った。
狙い通りに中島が塀をよじ登って向こうに消えたのを見て、カツオはマホに囁く。
「今のうちだ」
二人はもと来た道を引き返した。
とりあえず落ち延びたのは花沢不動産の裏である。ただし今は花沢はいない。
花沢の父はいるだろうが、信用していいかどうかはわからない。
「磯野のお兄様……」
マホの顔はすっかり汗ばんでいた。幸い傷はさほど深く無いようだが、手当てくらいはしないといけないだろう。
「まずはうちに戻ろう」
「その後どうされるのですか?」
「やらなきゃいけないことが出来たみたいだ」
それはもう、最優先で。
- 21 :
-
【三日目 午前八時】
【花沢不動産裏手】
【磯野カツオ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1・マホを連れて磯野家まで逃げる
2・中島の目を覚まさせる
【桜井マホ】
状態:背中に浅い切り傷
装備:支給品一式
武装:不明
思考:生き延びる
【かもめ第三小学校付近】
【中島】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:ナタ
思考:カツオ以外を皆しにし、カツオを優勝させる
- 22 :
- NHKで大河ドラマとして太平記をやると聞いた時、當然主人公は大楠公(楠木正成)と思い、全巻をビデオに撮ろうと張り切っ
ていたが、逆賊足利高氏が主人公と聞いて愕然とした。原作(吉川英治、私本太平記)がそのようになっているそうであるが、「梅
松論」ならいざ知らず「太平記」と名付ける以上は、大楠公を無視したり足利高氏を賞揚したりすることは許されないのではなかろ
うか。足利高氏の肩を持って書かれている「梅松論」ですら、大楠公に對しては稱贊を惜しまないとのことであるのに、NHKドラ
マの楠木正成は足利高氏に阿諛追從する道化役にされている。役者も重みのある人を起用するならまだしも(演技は上手なのかも知
れないが)輕佻浮薄な役者を起用して意識的に「河内の田舎武士」を演じさせている。役者自身も、大楠公を演じている自覺がまるで
ないようであり、チャンネルを變えると馬鹿面を晒して「ラーメン」や「冷藏庫」の宣傳を行っているから始末が惡い。心ある日本人の
崇敬を一身に集めた大楠公を演ずる以上は、己も大楠公に成り切り、少なくとも放映期間中は輕佻浮薄なコマーシャルの出演を斷る
位の見識を示して欲しかった。昨年の西郷南洲(隆盛)役に續き、NHKは我々の崇敬する人物を意識的に侮蔑しようとするのか!
\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ζ
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(6-------◯⌒つ|
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/ `- 、 /|ヽ | ̄ ̄ ̄|,;
/ \ 介 ノ \ || .:||ー、
/ ヽ、 \| |/ || :||ニ、i
/ ヽ ヽ ||___,||ー_ノ\
- 23 :
- これは映画化決定だな
- 24 :
- …続きまだかぁ
冨樫張りの休載っすね
- 25 :
- 続き待ってる奴なんかいたのかww
自ロワの手が開いたら書いてみるよ
- 26 :
- 続きは?
- 27 :
- 魔性の宮ヴィ・アラガデロ
- 28 :
- 予約入れていいか?
- 29 :
- タモリ鉄道博物館
・名古屋市営地下鉄の車内搭載発車促進メロディーはフジテレビ系「なるほど・ザ・ワールド」の時間切れ前警報音を参考にして考案されたものです。
・ドレミファモーター(京浜急行)は芸能界の鉄道ファンタモリさんがテレビ朝日系「タモリ倶楽部」の中でで考案しました。
・名鉄パノラマカー7000系の発車音・走行音・減速音・停止音は日本テレビ系「欽ちゃんの仮装大賞」の不合格の時の効果音に似ている。
・西鉄のnimocaは歌手でタレントで倖田來未の実妹であるmisonoさんが考案したのもです。
タモリ空耳アワー
・高校三年生: あ、あー、あ、あ、あー 合ーコン三年生ーーーーーーーーーー
タモリさん名古屋大好き
・タモリさんはエビフリャーの名付け親です。
・タモリさんは日本の中で名古屋が一番好きであり、且つ地元の人以上に名古屋の文化や風習に詳しい人です。
・タモリさんは自分の第2のふるさとは名古屋であると言っており、将来名古屋市役所から名古屋親善大使として任命されると思います。
- 30 :
- くそっカツオめ!!!!!!!
- 31 :
- 企画解除
- 32 :
- 磯野家内が八百屋の生首のことで揉め、カツオがマホを連れて中島から逃げていたのと同日同刻。
一人の男が磯野家に侵入を試みていた。
「この匂いは……血!! やっぱりおじさんたちもし合いに乗っていたんだな」
そう玄関先で呟くのは、磯野家にとってもっとも馴染みのある客の一人であるノリスケだった。
しかし今日のノリスケは磯野家に昼ごはんをご馳走になりに来たわけではない。
その手には一本のゴルフクラブが握られていた。
「おじさんやマスオさんは無理でも、タラちゃんやフネさんくらいなら……」
そう言いつつも、動揺は隠し切れない。
今まで家族同然に付き合ってきた人々なのだ。簡単にせるわけがない。
しかし、そうしなければタイコやイクラにまで危険が及ぶ可能性がある。
磯野家は固い絆で結ばれているが、それゆえに万が一団結してし合いに乗った場合、とてもノリスケ一人では太刀打ちできない存在となる。
「そうだ。何もさなくてもいい。一人か二人を再起不能なくらいの重症にするだけでも十分なんだ……」
そう呟きながら、ノリスケは意を決して磯野家の扉を開け―――られなかった。
伸ばした右腕の肘から先が一瞬のうちに切り落とされたからだ。
「え?」
状況を理解できないノリスケの声。そして次の瞬間、ノリスケの体は十を超える肉塊へと切り刻まれた。
今わの際に愛する家族のことを思うことすら、ノリスケには許されなかった。
磯野家の玄関先に残ったのは、かつて磯野家を愛していた男だったモノ。それを屋根の上から見下ろす存在があった。
「本当に良く切れるのね、この糸」
ワカメはノリスケの血で赤く染まった糸を回収しながら呟いた。この『罠』を仕掛けておいたのは正解だった。
うっかり家族の誰かがひっかかる可能性もあったが、その時は玄関から出入りするのを止めて裏口を使ってもらえばいいだけのこと。
磯野家を訪ねる人間がほぼ必ずこの正面玄関を使う以上、このトラップは得物を選ばず必ず作動するのだ。
「さあ、これからが大変だわ。ノリスケおじさんの死体をどこかに隠さないと。お姉ちゃんやお兄ちゃんには特に気をつけておかないと……」
家族を守るために悪魔と化した少女は、かつて慕っていた叔父の亡骸を感情の無い目で見下ろしていた。
- 33 :
-
【三日目 午前八時】
【磯野家正門】
【磯野ワカメ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:ワイヤー
思考:
1・家族以外の人間を皆しにする
2・ノリスケの死体を隠す
【波野ノリスケ 死亡確認】
残り39人
- 34 :
- し合い三日目も正午を過ぎた。
居間に座り新聞を読んでいるのは、波平が不在となった磯野家では実質的な家長の任にあるとも言えるフグ田マスオである。
サザエとフネは買い物に出ている。うろつくのは危険だが、二人いればむざむざされることもないだろう。
それに、されるのが怖いからといって何も外出しないでは生活できない。
大量に食料を買い込んで篭城するという手もあるだろうが、そんな量の買い物をすれば近所の人にもあっという間に狙いを読まれてしまうだろう。
もとよりこの家にしたって決して堅牢な城ではない。家に無理矢理押し入りでもされたら危険なのには変わりないのだ。
ならばむしろ今までどおりの生活を演じ、まるでし合いになど乗る気は無いというフリをしておくのが得策。
しかしマスオ自身は今までのように普通に生活を送るわけにはいかない。
波平は彼らしあいの参加者に、この町から一歩たりとも出ることを禁じているからである。
それでも波平はどう手を回したのか、し合いの期間中はマスオの会社から十分な生活費が振り込まれるらしい。
(さて、し合いも三日目だ。ここまではなんとか全員無事でこれたけど、ここからはそうもいかないだろう)
すでにご近所では何人もの犠牲者が出ているのだ。しかしそれを捜査するための警察すら町内には入れないという状況。
(お義父さんもいったいどういうコネがあったんだか……まあ、あまりその辺のことは考えても仕方が無い)
何しろ相手は警察すらも意のままに操れるのだ。日本政府すらも支配していると思って間違いないだろう。
テレビや新聞でも、ここ数日この町で起きている人事件は全く報道されていない。
よってマスオは、波平の居場所を突き止めて説得し、し合いをやめさせるという選択肢はすぐに放棄した。
次善の策は、なるべく家族に犠牲者を出さないようにしてこのし合いをやり過ごすということ。
少なくとも猶予はあと三年あるのだ。その間持ちこたえてさえいれば、どこかで波平側にも綻びが生じるかもしれない。
- 35 :
- 次にマスオは、このし合いに参加している人物の中で信頼に足るのは誰かを考えた。
まずは親友であるアナゴ。彼がし合いに乗るなどありえない。
続いて課長。あの人も人を犯すような上司ではない。彼らは信用に足るはずだ。
しかしこの町の住人ではない彼らには、こちらから居場所を把握できないという欠点がある。
町内をしらみつぶしに調べれば潜伏場所はわかるだろうが、そんなことをするリスクのほうが大きすぎる。
(だが、ノリスケくんはどうだろう……)
彼もマスオの親友である。しかしアナゴと違うのは、彼は妻子もし合いに参加させられていることだ。
もしかしたら、家族を守るために修羅になるという道を選ぶかもしれない。
考えたくは無かったが、ありうる展開だ。
(となると、ノリスケくんと迂闊に合うのは危険だな。あとはいささか先生や花沢さんの家族も同じ理由で危ない。
となると、今すぐ連絡が付きそうな中で、『利用』できそうな人間は……)
マスオの頭にはある人物が浮かんだ。
ちょうどその時、まさにその人物の声が狙い済ましたようなタイミングで磯野家に響いた。
「ちわーす、三河屋でーす!!」
- 36 :
- 【三日目 午後二時】
【磯野家】
【フグ田マスオ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・何が何でも家族を生き延びさせる。そのためには他人を利用することも厭わない
1・サブを仲間に引き入れ、利用する
【サブちゃん】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1・注文をとる
- 37 :
- 泥棒 警官
予約していいですか?
- 38 :
- どうぞどうぞ
- 39 :
- 花沢不動産を経営する花沢家は、まだ一応はし合いからは距離を置いた生活を続けていた。
父親の花沢花之丞、娘の花子、そして名簿には記名されていない母親。
堂々と普通の生活をしているにも関わらず彼らが狙われないのにはそれなりの理由があった。
彼らはこの町では不動産屋としてそれなりの信頼と地位を得ている。
敵に回すよりは味方につけたほうが得策なのは明らかだし、他の参加者を皆しにして優勝を狙うにしても、
支援者の多い花沢家をまだ序盤の段階で攻撃するのは自分の首を絞めるだけの結果になる。
そして当然、そのことを利用しようとする者も現れ始めていた。
「花沢さん、本当に私達を匿ってくれるのね?」
「もちろんよ!! 私の家は町の中でもかなり安全な場所だから、しばらくはここにいて様子を見るといいわ」
花沢不動産の応接間にはランドセルを背負った少女が三人。
ここの娘の花子、その同級生のカオリと早川である。
花沢不動産がし合いに乗った参加者から標的にされにくいということは、子供でも気付いていた。
「それにしても、磯野君たちが心配だわ……一体どこにいっちゃたのかしら」
カオリが口にしたのは、今日一日姿を見せなかったカツオと中島のことである。
「やっぱりもう二人とも……」
「ちょっと、ハヤカワさん!!」
「そうよ!! 二人ともそう簡単に死ぬような奴らじゃないわよ!! 意外と今頃、何か波平さんを倒す秘策を練ってるんじゃないかしら」
カツオの嫁を自認する花子が断言するような口調で言う。それを聞いてカオリとハヤカワも幾許か安心した。
確かに勉強は出来なくともこういう状況下では頭が回りそうな連、何より友情という強い絆で結ばれている。
きっと心配することは無い。
「それより、私達は私達で今後の方針を練りましょう。ちょっと待ってて、今ケーキとジュースを入れるから」
花子はそういうと、店の奥に引っ込んでいった。
- 40 :
-
「あら、早川さんは?」
ケーキとジュースを三人分用意して戻ってきた花沢は、応接間にいるのがカオリだけなのを見て尋ねる。
「何か忘れ物をしたから、一旦取りに戻るって言ってたわ」
「そうなの? 途中で何も無ければいいけど……」
そう言いながら花子はカオリにケーキとジュースを勧めた。
数分後、カオリは息を引き取った。
机の上に倒れこみ、もうピクリとも動かない親友を見て花子はほくそえむ。
「あんたが悪いのよ……あんたが、磯野君をたぶらかすから……」
この光景を誰かが見たとしたら、自分を疑うだろうか? それは無いだろう。
何しろ、花子もカオリが食べたのと同じケーキを食べ、同じジュースを飲んでいたからだ。
さらに、三つあるケーキとジュースから自分の分を選んだのはカオリ自身である。
そう、この状況下なら誰も自分が毒を盛ったとは思わない。疑われるのは自分の父か母だ。
「にしても、ちょっと予定が狂っちゃったわね。やっぱり早川さんを待ってから二人まとめて始末したほうが良かったかな?」
そう思ったが、そもそも早川がちゃんと戻ってくるという保証は無い。
何より、憎き恋敵は少しでも早く始末したかった。この激情に押された判断が果たして今後にどう響いてくるか……
「まあいいわ。それより早くカオリちゃんの死体をどっかに始末しないとね。早川さんが今にも戻ってくるかもしれないし」
しかし結局、この日彼女が早川に再会することは無かった。
【カオリ 死亡確認】
- 41 :
- 【三日目 午後四時】
【花沢不動産】
【花沢花子】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:毒薬
思考:
基本・恋敵はす。他の人間は未定
【ハヤカワ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:不明
- 42 :
- し合いだなんて、そんなバカなことが本当に行われてるわけないじゃないですか。
実際にされてる人がいる? いえいえ、そんなこと私は信じません。
きっと他のみなさんは何かを勘違いしているか、私達親子を騙そうとしているんでしょう。
だって、ニュースでも全然言ってないし、お巡りさんとかも全然捜査に来ていないじゃないですか。
え、それは波平さんがマスコミや警察を牛耳っているから?
そんなわけありませんよ。それに私は昔から、新聞やテレビって言ってないことは信じないようにしてるんです。
それにね、私達親子がこうして今も平和に暮らしているのがその証拠。
あら、やっと娘が帰ってきましたわ。あら、そとでお花を摘んできたの?綺麗なお花ねえ。
さ、そろそろ晩御飯にしますから、手を洗ってらっしゃい。
え?
さっきうちの娘が手にしていたのはお花じゃなくて、人間の子供の手首みたいに見えたって?
いやあねえ、そんなわけないじゃないですか。
さて、このお花は花瓶に挿しておこうかしら。
【よく公園にいるガキ大将 死亡確認】(名簿外)
- 43 :
-
【三日目 午後四時】
【リカちゃんの家】
【リカママ】
状態:健康、現実逃避
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・し合い?そんなの現実じゃありませんよ
【リカ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:不明
- 44 :
- 投下されててワロタwww
とりあえず乙。おもしろかったです
- 45 :
- 自分は生まれながらの悪人だった。
生まれてからこの方、泥棒という犯罪稼業以外はやった試しがない。
同じ家に何十年間も入り続けたりしているせいで前科も相当のものだが、それでも泥棒をやめることは出来ない。
それしか生きる方法を知らないからだ。
しかし、人しとなると話は別だ。
たとえ入った先の家で住人に騒がれても、そんなことは頭を掠めもしなかった。
それも、街の住人全員が参加しての『し合い』。狂っているとしか思えない。
しかし、今更犯罪者である自分なんかに何が出来るというのか。
他の連中と力を合わせてし合いを止める? 無理だ。自分を信用してくれる仲間なんかいるわけがない。
優勝して生き残る? もっと無理だ。盗みはしても、人をすのなんかごめんだ。
結局自分は、きっと何も出来ないまま誰かにされて終わるのだろう。
し合いが始まってから、すでに三回目の夜が明けた。
『今日、されるかもしれない』という思いは日増しに強くなっていく。
しかしそれでも生活はしないといけない。街中が事実上の無政府状態になっているのだけが泥棒にとって追い風といえた。
- 46 :
- 今更けちな盗みぐらいで騒ぐ奴はいないのだ。そう思い、さっそく一軒の家に忍び込もうとした時。
「こら、貴様何をしている!!」
振り向くと、そこにいたのは毎回彼を逮捕する顔馴染みの警察官だった。
「不法侵入の現行犯で逮捕する!!」
そう言って手錠を取り出す警官。
「ひいっ、か、勘弁してくださいよ!! 今更逮捕だなんて、大体あっしみたいな小悪党に構ってる場合じゃねえでしょ!?」
「何を言う!! どんな状況下だろうが、犯罪は犯罪だ!!」
警官はこともなげに言った。
「確かに現在、わが派出所には『今後三年間、この町内で起こる犯罪は、人等の重犯罪を含めて一切の捜査を禁ずる』という指令が出た。
しかし、本官はそんな指令に従うつもりはない!! たとえ三年後に警察官の資格を剥奪されるとしても、この街で起こる犯罪は全て一人で捜査する!!
そして人犯も含め、全員を逮捕してみせる!!」
その言葉を聞いて、泥棒は膝の力が抜ける気がした。
自分が『あくまでも泥棒稼業に徹する』という決意をしたのとはわけが違う。
この警官は、自分自身の誇りにかけて自分の職務を全うしようとしているのだ。
(あーあ……こんな立派なお巡りさんになら捕まっても構いやしねえや。それに、
もう塀の外も中も一緒だ)
- 47 :
- 観念した泥棒は、大人しく警官に連行されようとした。
その時、二人はすぐ近くから、破壊音としか言いようの無い騒音が聞こえるのに気が付いた。
突如、泥棒が侵入しようとしていた家の垣根が音を立てて崩れ、その向こうから巨大な乗り物が姿を見せた。
慌てて飛びのいた二人がよく見ると、それは一台の巨大なロードローラーだった。
見るとすでに家は破壊された後。更にロードローラーが走ってきたと思しき道は、家も車もすべからく整地されていた。
そしてその操縦席を見た警官は驚きの声を上げる。
「あ、あなたは、磯野さんの家の裏のおじいさん!!」
ヘルメットも付けずに操縦桿を握っているのは、白い髭を蓄えた、いつもは優しい老人だった。
「これはこれはお巡りさん。今日もお仕事ご苦労様ですじゃ」
まるで世間話のように言う老人。その様子は、一見普段とどこも変わらないようにも見えた。
「お、お爺さん……一体何を……」
「いえ、これは波平さんからワシに支給された武器ですじゃ。せっかくですから乗り心地を試そうと思いましての」
「い、いけません、すぐにやめてください!! さもないと、器物損壊と道路交通法違反で……」
「ほっほ、聞けませんのう」
- 48 :
- そういうと老人は、再びロードローラーを発進させた。
警官は腰を抜かしている泥棒の手を引いて逃げる。
「そんな……どうして、あのおじいさんが……」
「お巡りさん、もうこの街の人間はとっくに普通じゃねえんですよ。あの爺さんも正気を失っているだけだ……
もうおしまいです、この街は」
言いながら、泥棒の胸には郷愁にも似た諦めがこみ上げてきた。
(ああ、やっぱり俺は、この街とこの街の連中が好きだったんだな)
泥棒はがっくりと膝をついて、もう目前に迫った死を受け入れようとしていた。
(ごめんよ親父、お袋……情けねえ生き方の末に、こんな死に方しちまって)
だが、警官はそんな彼の手を引いて立ち上がらせた。
「本官はあの車を止める!! お前は安全な場所に逃げ、他の住人たちにこの事を伝えてくれ!!」
「え、えええええ!! お巡りさんそれは無茶ですぜ!! あんなのをどうやって……」
「出来る出来ないを議論している暇は無い。どんなことをしてでも市民の生命と財産を守るのが本官の職務だ!!」
そう言って腰の拳銃を抜く警官。けっして向こう見ずでもやけになっているわけでもない。
心から、住民を守るための最善策を考えている男の顔だった。
「……お巡りさん」
「どうした、早く避難しろと」
「いいんですかい? あっし、ひょっとしたらそのまま逃げちまうかもしれませんよ?
それにあっしも体力と悪知恵には自身がありやす。一人よりは二人でしょう?」
「お、お前……」
- 49 :
- 警官は少し思案していたが、やがて諦めたように肩を竦めた。
「犯罪者に背中を預けることになるとは、きっと始末書ものだな」
「できればあっしの罪も帳消しにしてくれませんかね?」
二人が話している間にも、ロードローラーは電柱やゴミ箱をなぎ倒して二人に着実に近づいてきた。
「ほっほっほ、ぶっちぎりにしてやりますぞ!!」
【四日目 午前十時】
【磯野家から見て街の北側の路上】
【警官】
状態:健康
装備:支給品一式、不明支給品
武装:拳銃、警棒
思考:基本・あくまでも警官としての職務に従い、住人たちを守る
1:裏のおじいちゃんを止める
【泥棒】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1・警官と一緒に裏のおじいちゃんを止める
【裏のおじいちゃん】
状態:錯乱
装備:支給品一式
武装:ロードローラー
思考:???
- 50 :
- それは、彼にとってはあまりに長い旅だった。
足は棒になり、持ってきたジュースとお菓子も底をついた。
それでも彼は必死で、町内で自分の行ける所まで歩こうとした。
自分と、大切な「友達」を守るために。
「ここならもう大丈夫ですぅ」
フグ田タラオはそう言って、町外れ、つまり出入り禁止区域との境界線ギリギリのところにある公園のベンチに腰を下ろした。
一人でこんな遠いところまで来たのは初めてだった。
出発したのは朝早くだったのに、もう太陽が随分と高く昇っている。
そして、タラオは背負っていたリュックサックから「友達」を取り出した。
『ありがとう、タラチャン。でも、本当に良かったの?』
ようやく外の空気を吸えた全自動卵割り機は、疲れをタラオに気付かれないように隠しながら尋ねた。
「はいですぅ。ママもパパもおばあちゃんもワカメおねえちゃんも、なんだか様子がおかしいですぅ。
だからみんなが元の優しいみんなに戻るまで、ここに隠れるですぅ」
三日前、ジミーが磯野家に投げ込んだ八百屋の首は、磯野家に確実に波紋を呼んでいた。
みんな一見すると平静を保っているが、その実薄々ながらも
(磯野家内に人者がいるのではないか?)
- 51 :
- と思い始めていた。まだタラも同じだった。
そして一方で、マスオとワカメは何か家族に隠し事をしているとしか思えなかった。
二人ともどこか様子がおかしいし、突然理由をつけて家からいなくなったりする。
そして昨日の晩、ついにタラオは見てしまったのだ。
ワカメが夜中、こっそりと庭を掘って、そこに前から埋めてあったらしいノリスケの死体を掘り出すのを。
見たものが信じられず、呆然とするタラオの目の前で、ワカメはノリスケの死体を一輪車に積んでどこかに持っていった。
その時だった。タラオが家出を決意したのは。
それは子供なりに考えた、自分と友達を守る手段だった。
『それにしても、僕はまだ信じられないよ……優しい磯野家の人たちが、そんなことをするなんて』
歩き疲れてベンチに横になったタラオの横で、全自動卵割り機は不安そうな口調で言った。
『波平さんだってそうだよ……僕を買ってくれた時の波平さんの嬉しそうな顔、僕は忘れてないよ。
今まで僕たちを買っていくお客さんたちは、みんなどこか面白半分というか、冗談の種に買っていくような感じだったけど、
あの人だけは心から僕を必要として買ってくれたんだ。僕にもわかるよ。
- 52 :
- それに、磯野家に行ってからもずっと大事にしてくれた。それなのに……』
「大丈夫ですよ」
タラオはいつものように、無邪気な笑顔で言った。
「きっと、おじいちゃんもワカメお姉ちゃんもみんなも、たまたまちょっとだけ悪い子になっているだけなんですぅ。
だからきっと、すぐにみんな元に戻るですぅ。死んだノリスケおじさんだってきっと帰ってくるですぅ」
『タラチャン……』
そんなことはありえない、とは言えなかった。
なんでこの子はこんなに強いんだろう。
機械である自分には人間の気持ちなんかわからないけど、ここまで家族を信じることが出来るのって、やっぱりすごいと思う。
『ねえタラチャン、どうして僕を連れてきたの? 僕なんか、さっさと壊してしまえば、タラチャンたちが生き残れる可能性は上がるのに』
「そんなの出来ないですぅ!! 全自動卵割り機は、僕の大事な友達ですぅ!!
だからいつまでも一緒にいるですぅ!!」
『……そうかい、ありがとう』
所詮は子供の戯言と、侮る気持ちもどこかにはあった。
実際には、自分は「ずっと大事に」されてきたわけではない。
買ってしばらくすると、自分は台所の棚の奥にしまわれて滅多に使われなくなった。
だからこの子の気持ちもじきに冷めるんじゃないかと思っていた。
しかし、ただ「友達だ」と言ってもらえるというだけで、なんでこんなに安心できるんだろう。
- 53 :
- 『タラチャン、これからどうするの?』
「全自動卵割り機はここに隠れているですぅ。僕はカツオ兄ちゃんを探すですぅ」
『カツオくんをかい?』
「そうですぅ。きっとカツオ兄ちゃんなら、いい考えを思いつくですぅ。カツオ兄ちゃんさえいれば安心ですぅ」
完全に叔父である少年を信頼しきっている顔だった。
確かにカツオは利発な少年だし、タラオが憧れるのもわかる。
しかし彼はもう三日も姿を見せていないのだ。無事である保証はない。
(でも、タラチャンがそう言うなら……きっと無事なんだろうな。ちょっとやそっとじゃ死にそうにない人だし)
何よりも、なんとしてもカツオに会うのだという決意をしている少年の顔を見ると、水を指すにはなれなかった。
『ねえ、タラチャン。もし、生き残ったらさあ―――』
コロコロ、と。
二人が座っているベンチの足元に、小さい石のようなものが転がってきた。
「あれ、何ですか?」
タラオがベンチの下を覗き込もうとする。
まるでそのタイミングを狙っていたかのように、その爆弾は爆発した。
『タ、タラチャン!! タラチャン!!』
爆煙が晴れたとき、全自動卵割り機は必死で少年の名前を呼んでいた。
彼の損傷は、外装や腕の一部の破壊。致命傷というには程遠い。
ベンチが爆風除けになったのと、もともと硬い機械の体であったことが幸いした。
- 54 :
- しかしそんな自分の状況なんかよりも、タラオの無事を早く知りたかった。
「ぜん……じ、どう……」
タラオはいた。地面の上に伏せていた。
もう、どう見ても助からないような傷を負って。
『タラチャン!! 大丈夫!? 痛くない!? しっかり!!』
励ます声に微笑みで返して、タラオはゆっくりと呟く。
「ごめんな……さ……ですぅ。ぜん…りきは……早く……逃げ……ですぅ……」
『そんな、嫌だよ!! 僕はタラチャンがいなけりゃ嫌だ!! カツオくんに会うって言ってたじゃないか!!
またみんなで暮らすって言ってたじゃないか!! だからダメだよ、僕と一緒にいてよ!!』
まただ。
なんでみんな、自分のことを一人で置き去りにするんだ。
先に売れていった仲間たちも。
自分をすぐに使わなくなった磯野家の人たちも。
そして―――初めて出来た、大事な友達さえも。
「ママ……パパ……みん……もっと一緒……いたかった……ですぅ……」
『タラチャン!! また一緒にお歌歌おうって言ったじゃないか!! 絵本も読もうって言ったじゃないか!!
三輪車で一緒にお出かけして……公園で一緒に遊んで……約束、したじゃないか……』
もういくら叫んでも、タラオの体は動かなかった。
(なんで……なんで僕は人間に生まれなかったんだ。同じ人間であったなら、さっきの爆発で、一緒にただろうに……)
しかし彼には、涙の流し方さえもわからなかった。
(やったか……)
爆弾の威力を確認するという目的は十分に果たせた。
- 55 :
- 木っ端になったベンチと、幼児の死体。そして、彼のおもちゃらしきものが公園の隅に転がっている。
人を、した。しかし彼は自分でも驚くほど冷静に、自分のしたことを受け入れられた。
(のんびりしてちゃいられない。こうしている間にも、磯野や中島、橋本たちは危ない目にあってるかもしれないんだ)
西原は、残りの爆弾が入った鞄を持ち上げて立ち上がった。残りは五発。慎重にいかないといけない。
(出来ればパソコンも欲しいな……何かわかるかもしれないし、解析したいこともある)
ふと、なぜこんなにも自分は冷静なのだろうと思った。
そんなのは決まっている。
磯野、中島、橋本の三人は、自分にとって本当に大切な仲間だからだ。
(あいつらのためなら、俺は何をやったって惜しくはない……)
そして西原が去った後には、あまりにも静かな公園だけが残された。
【四日目 午前十時】
【町外れの公園(よくアニメに出る公園とは別)】
【フグ田タラオ 死亡確認】
【西原】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:小型爆弾×5
思考:基本・カツオ、中島、橋本を生き残らせるために他の参加者をす
1:どこかに移動して休憩
2:パソコンが欲しい
- 56 :
-
【全自動卵割り機】
状態:破損(命に別状なし)
装備:なし(支給品焼失)
武装:なし
思考:
1・今は何も考えたくない
※タラオの支給品は焼失しました。
- 57 :
- やべぇ普通におもしれぇww
- 58 :
- 卵割機wwwww
- 59 :
- ロワスレか、懐かしいな……と思って覗いたら稼動してるww
名無しキャラばっかなのに成り立ってるしwww
- 60 :
- こんな過疎なのにこのクオリティwwww
- 61 :
- あげ
- 62 :
- 過疎してるけどまだ使ってる?
- 63 :
- ここはFFDQロワ以上のスローペースだからな。使ってるといえば使ってるのかもしれない。
- 64 :
- 面白いwwwwwwwwwwww
- 65 :
- キャッチャー
↓
捕手
↓
保守
- 66 :
- 良スレage
- 67 :
- あ
- 68 :
- 保守
- 69 :
- ちくしょー!
続きくれ保守!!!!
- 70 :
- ヌルポロワイヤル
続きが気になる
- 71 :
- てす
- 72 :
- 「もう一度だけ確認しておくが……」
白い顔をした若い男が口を開くと、立ち去ろうとしていた年嵩の男は面倒くさそうにため息をついた。
「今更なんだ?」
「もし乗り気がしないというなら、断ってもいいんだ。自分の家族だけを守るために動いたっていいんだ」
若い男はそう言って目を細めた。丸顔のこの男が微笑むと、うっかり心が和んでしまう。
年嵩の男は体ごと男に向き直った。
「ここまで話しておいてそれは無いだろう。そんなことをするよりは、この場では協力するふりをしておいて途中で裏切るほうが有利だろう。
いや、何ならこの場でお前をしてしまえばもっと話は早い」
「ああ、なるほど、それもそっか!!」
若い男は呑気に笑う。
その姿からはとても強い決意を伺うことは出来ない。この話を持ち込んできたのは彼のほうなのに。
しかし彼と長年付き合ってきた男は、彼が自分を油断させるために演技をしたりするような男ではないことを知っていた。
先ほど彼らが交わした約束はただ一つ。
このし合いにおいて彼らのどちらかが死ぬその時まで、彼らは自分の家族だけではなく相手の家族も等しく守る。
担保など何も無い。いつ相手が裏切るかわからない。
それでも彼らはその点に関して不安を感じなかった。
「お互いが裏切らないと信じているから」ではない。「たとえ裏切られても、それはそれでいい」と思っているのだ。
それは、同じ町で同じ時間を長く過ごした者だけが抱ける思いだった。
「なあ、あんたにとっては家族って何だ?」
年嵩の男の問いに、若い男はしばし無言で髭を撫でていた。
「……僕は、自分の母親も父親も兄弟も知らない。そんなものを求められるような身分でも無かった。
一日一日を生きていくだけで精一杯で、他の誰かのことなんか目にも入らなかった。ましてや誰かと一緒に生きるなんて……
だけど、今は……」
その口調に悲壮さは無く、純粋に昔を懐かしむように彼は言った。
「その日あの人に拾われなければ、僕はこの歳まで生きられなかった」
そうか、と一言だけ答えて、年嵩の男は外に出た。
- 73 :
- 彼にとっては家族は自分の生きる全ての意味だ。
では自分にとっては何なんだろうか。
自分は生まれたときから今の家族と一緒だった。母親の温もりも知っている。
だから彼のような理由で家族と一緒にいるわけではない。だとしたら、一体……
まあいいか。そんなことはこれから死ぬまでの間に、ゆっくり考えるとしよう。
【四日目 正午】
【磯野家の軒下】
【ハチ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:基本・自分の家族を守る
1:タマの提案に乗る
【タマ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:基本・自分の家族とハチの家族を等しく守る
- 74 :
- おお久々の新作!!
ガチシリアスでいい話なんだが絵を想像したら吹くw
- 75 :
- この世界の話をしよう。
わたしはまだ上手く話せないし、長い話も苦手だから聞き苦しくなるかもしれないけど、良かったら聞いてほしい。
かなり長い間、私は母以外の人間を知らなかった。
私には父親がいないわけではない。両親は人並みに私を愛してくれていたと思うし、私は彼らに何一つ不満があったわけではない。
しかし私は父の顔を知らない。
顔を合わせたことが無いから知らないというわけでは無い。私は間違いなく父と母と三人で暮らしている。
―――否、『そういうことになっている』。
実際には私は父に関する記憶は無い。ただ「父がいる」ということを知識として「知っている」だけだ。
それは例えて言えば、「食べた記憶が無いのにおなかが膨れている」みたいなものだ。
父のことだけで無く、私は私に関することすら満足に知らない。
毎日どんな朝ごはんを食べているのか? どんな幼稚園に通っているのか? 好きな子はいるのか?
それは私が間違いなく毎日経験していることだ。にも関わらず、それらのことを思い出そうとすると必ず頭の中に靄がかかったようになる。
自分が何者なのかだけは知っている。
しかし、それだけしか無い人間になど何があるというんだろうか。
やがて私は子供なりに理解した。
どうもこの世界において、私は背景の中に埋もれた脇役みたいなもんで、どこかにいる主役を際立たせるだけに存在するのだと。
そしてその主役とは、おそらく私が何故かいつも一緒に遊んでいるあの男の子、いやその家族全員らしい。
彼らには私に無い全てのことが与えられていた。
決して羨ましかったとは言わない。決して妬んだ訳ではない。
私と彼らとでは与えられた役目が違うというだけなのだから。
しかし、こう考えることを止めることは出来なかった。
この世界が彼らを主役とした世界ならば、どこかに私が主役になりうる世界だってあるんじゃないかって。
だから、波平さん――その、この世界の主役である家族の父である人が私たちを集めて「し合いをしろ」って言ったとき、私はこれはチャンスだと思ったのだ。
私たちの生活は一変した。つまりそれまでの世界は崩壊したということ。
ならば、私がこの「し合い」という新しい世界の中で主役になることだって可能なのではないだろうか。
- 76 :
-
私の母親だった人は、今、床の上にうつぶせに倒れている。
知らなかった。幼稚園児である私でも、背中から思いっきり刺せば大人をせるんだ。
「今までありがとうね、ママ」
さて、安心してはいられない。私がしたのはまだ二人だけ。主役になるにはまだまだ足りないんじゃないかって思う。
繰り返すが、私は彼らが羨ましかったわけではない。妬んでいたわけでもない。
あえて理由を言葉にするなら……「好奇心」、だろうか。
ああでも、さすがにちょっと疲れちゃったし、人しばっかりするのも飽きるし……
ママの血で、ちょっとお絵かきでもしようかしら。
【四日目 正午】
【磯野家の軒下】
【リカ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:出刃包丁、斧
思考:基本・このし合いの「主役」になる
【リカママ 死亡確認】
残り37人
- 77 :
- 「マスオさん……本気でそんなことを言ってるんですか?」
ここは磯野家のマスオの部屋。そこに招き入れられてマスオの話を聞かされていたサブは、思わず身を乗り出してたずねた。
「おいおい、冗談でこんなことを言ってるわけないだろう?」
マスオはいつものように陽気に答える。しかしサブはいつものようには笑って答えられない。
「でも、本当に人しをするなんて……」
「甘いことを言ってちゃいけないよ。もう実際に何人もの人が死んでるんだよ? こうしている間にだって、僕の家族や
君の店の人が命を落としているかもしれない。実際にはし合いに参加している人のほうが多数派なのさ」
ちょうどこのサブのように、初日の波平の説明を聞いていてもなお、し合いに積極的には参加せず、かと言って
自衛手段も取らず、つまり以前までと変わらぬように生活をしている者も決して少なくは無かったのだ。
だが当然そのような者は他の好戦的な参加者の餌食にされるだけである。
文字通りの意味でし合いの犠牲者となるか、もしくは今この瞬間のサブのように、狡猾な参加者に言いように付け込まれるか。
「繰り返すけど、僕と君の間にある繋がりは薄いから、他の人たちには僕らが結託していることがバレにくい。
それに僕らにしたって、余計なしがらみが無い分行動しやすいって面もあるだろう?」
マスオはあくまでもいつもの調子でサブに語りかける。
「そして別に君に人しをしろって言ってるんじゃない。ただ、他の人たちの様子を探ってくれって言ってるだけだ。
それは君の立場なら簡単だろう?」
「いや、まあ、そりゃあ……」
この状況下でも御用聞きとしてあちこちの家に出入りしているサブほど、その役目に適任な者はいないだろう。
- 78 :
- 「だけど、僕は別にそこまでしなくてもって思うんですけど」
「つまり、そこまでして生き残りたくないってことかい?」
サブは口ごもってうつむいた。どんな状況下であろうと、生き残りたいかと問われていいえという人間はいない。
「もちろん君にだってメリットはある話だと思うよ。もし君の情報から危険そうな人がわかったら僕が責任を持って排除する。
君は手を汚さないし危険な目に遭うこともない。もちろん疑われることもないってわけさ」
もちろん詭弁だ。実際には、マスオよりもあちこちの家に出入りしているサブのほうが疑いの目で見られる可能性が高いだろう。
だがサブの返答は、まったくマスオの期待に沿うものだった。
「……わかりました。でも、本当に偵察するだけですからね?」
【三日目 午後五時】
【磯野家】
【フグ田マスオ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・何が何でも家族を生き延びさせる。そのためには他人を利用することも厭わない
1・サブを利用する。切り捨てることも覚悟の上
【サブちゃん】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1・マスオの案に乗る
2・注文を取る
- 79 :
- 参った。
食料が底を尽いてしまった。
オヤジとオフクロが家に帰ってこなくなってから丸二日、いつかこうなることはわかっていたけどうちには
思ったよりも蓄えが無かったみたいだ。
今まではし合いにビビって家から一歩も出なかったんだけど、さすがにもうそんなことは言ってられない。
このままじゃされる前に飢え死にだ。
だけど、やっぱり外に出るのは怖い。
この四日間、学校にすら行かなかったくらいなのだ。
オヤジとオフクロももうされているのだろう。ましてや俺は最初に波平おじさんに集められたメンバーなのだ。
オヤジたちよりもされる可能性は高いと言えるんじゃないだろうか。
けど、さっきから腹は鳴りっぱなしだし、もう限界だ……
駄菓子でもいいから食いたい、でも……
そうだ、変装すればいいんじゃないか!!
俺は家中をひっくり返して、使えそうなものを探した。
そして黒いビニール袋を頭から被り、目の部分に穴を開けて覆面を作った。
これでバッチリだ。少なくとも、これで誰も俺を見ても俺だとはわかるまい。
そこが一番重要なんだ。
俺はオフクロの財布からお金を失敬してポケットに入れると、急ぎ足で家を出た。
さっさと食いたいものだけを買って帰ろう。
俺は全速力で道を走り―――
すさまじい音と熱が俺の体を襲った。
- 80 :
- (やったな……)
西原は爆弾で吹き飛ばした人間の元に駆け寄った。
子供のようだったが、見るからに怪しい奴だった。何しろ頭に覆面をつけていたのだから。
おまけにやけに焦ったように走っていた。人をして逃げるところだったのかもしれない。
(こんな奴が、磯野や中島や橋本をすんだ……俺は絶対に許さないぞ!!)
そして誰をしたのかあらためようとした西原は、覆面の下に守ると決意した親友の顔を発見したのだった。
【四日目 午後五時】
【町の北部】
【橋本 死亡確認】
残り36人
【西原】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:小型爆弾×4
思考:基本・カツオ、中島、橋本を生き残らせるために他の参加者をす
1:呆然
- 81 :
- 続きktkr
- 82 :
- ぬるぽ
続きが気になる
- 83 :
- 続き待つ間に感想でも書いていこうぜ
そのほうが作者のモチベーションも上がるだろうし
- 84 :
- >>83
それもいいね
感想というか全般的に面白いし、これからどうなるかホント気になる
全自動卵割り機が出てきた時はクソワロタwww
- 85 :
- マーダーが多いわりに優勝狙いマーダーが少ないのは、やはり
商品がしょーもないものだからだろうかw
- 86 :
- 続きまだかな。
まだかな。
- 87 :
- なんか次のロワ語りまで新作ないような気もするけどw
- 88 :
- 期待age
- 89 :
- 保守上げ
- 90 :
- http://www19.atpages.jp/imagelinkget/get.php?t=v&u=blog-imgs-31.fc2.com/s/c/a/scarfacebalalaika/20081119152126.jpg
http://img.zoome.jp/img13/diary/fc19/83101_3_d1_3.jpg
http://popup777.net/wordpress/wp-content/uploads/20090630_11.jpg
http://img01.ti-da.net/usr/rightriot/%E3%82%B5%E3%82%B6%E3%82%A8%E3%81%95%E3%82%93.jpg
- 91 :
- 波hey!!
- 92 :
- 「全く、いつの間にかこんな異常事態にも慣れてしまったなあ」
ベッドに腰掛けてコップに入った水を飲みながら、一人の男が嘆息する。
男の名を知る者はいない。特に気にかける者もいなかった。
みんなが知っているのは彼の職業のみ。すなわち、かもめ第三小学校の五年三組の担任教師、ということだけだった。
今彼はいつも生徒の前では着用しているスーツを脱ぎ捨て、上半身は下着さえも脱いで肌を露にしている。
当然普段ならこんなだらしの無い姿を生徒に見せることなど無い。
普段であったら、だ。
「先生、もう起きてたんですか?」
ベッドの中から、女の――というには随分と声がした。
彼女はさっきまで先生が入っていた布団の中に、生まれたままの姿で包まっていた。
彼女はあろうことか、先生が担任するクラスの生徒の一人だった。
「ハヤカワ……」
先生は辟易とした様子を隠そうともせずに言った。
「お前はもう家に帰りなさい。なんだったら送ってあげるから」
「イヤです」
彼女は迷いもせずに言った。
「先生の側から離れるくらいならされたほうがまだマシです」
「ご家族だって心配してるだろうと言ってるんだ」
「もう私なんて死んだと思って、諦めているかもしれないじゃないですか」
そういう彼女の顔は、あまりにも無邪気な子供のそれだった。
「バカを言いなさい。そう簡単に子供のことを諦められる親なんかいるもんか」
「だけど、どうだっていいんです。もう他の人たちのことなんか」
まるでごく当たり前の摂理を言うような顔で告げるハヤカワの姿を見て、先生は静かに後悔する。
(やっぱり、彼女の告白を受け入れるべきじゃ無かったな……)
- 93 :
- 「先生のこと、本気で好きなんです」
彼女にそう言われたのは果たしてどれだけ前のことだったか。
そこまでは本当によくある話。小学校という場では日常茶飯事と言ってもいい。
彼にとっても決してはじめての経験というわけでは無かった。だから軽く諭すくらいにして、笑い話にしてしまえば良かったんだ。
しかし、いくら断っても叱ってもアタックを続ける彼女のあまりの熱意に押され、気がついたら彼女と唇を重ねていた。
それから果たして、何度こういう朝を迎えただろうか。
お互いに家族や他の生徒たちの目を盗んで逢引を続ける毎日。日常の中に確かな非日常があった。
それが今では、し合いという非日常の中で非日常的な営みを続ける毎日。
いや、今ではもはやハヤカワと共に夜を過ごすことだけが「日常」というべきか。
彼の周りの世界はあまりにも変わってしまった。
すでに彼の受け持つ生徒のうち半数近くが死亡。
家が町外にある者はし合いが始まってからは帰宅することが出来ず、成すすべなく夜の街をさまよっていたところを
一人また一人とされたのだ。
ハヤカワの親友の一人であるカオリや中島、西原、磯野たちは行方不明。
そしてつい昨日、彼らと同じグループである橋本が遺体で発見された。
それでもハヤカワの様子には目立った変化は無い。
まるで何事も無かったかのように、先生の隣で無邪気な微笑を浮かべている。
(磯野……中島……お前たちは無事なのか?)
そう心の中でつぶやく先生の不安げな横顔など意に介さず、ハヤカワは彼の手に指先を重ねて言う。
- 94 :
- 「先生は、どこにも行きませんよね? ずっと、私と一緒にいてくれますよね?」
(違う……こんなの、間違ってる)
先生の中の理性的な部分がそう告げる。
こんな関係の果てに待っているのはきっと破滅だ。
いや、仮にお互いにこのし合いから生還できたとして、その先に一体どんな未来があるって言うんだ?
少なくとも、これからこの子が生きていく人生の中には自分はいちゃいけない。
いちゃいけないんだ。
だけど、彼は気がついたら彼女に顔を寄せて唇を重ねていた。
「ハヤカワ。私は、どこにも行かない。お前を守る。必ず一緒に生きて残ろう」
それが本心なのか偽りの言葉なのかさえ、もう彼には分からない。
これは、あまりにも悲しい恋だったから。
先生はハヤカワから唇を離すと言った。
「さあ、服を着なさい。学校へ行こう」
彼は授業をするために彼の職場である学校へ行くつもりだ。
彼と彼らの日常を守るために。
- 95 :
- 【五日目 午前7時】
【先生の家】
【先生】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・ハヤカワを守る
1・学校に行き、授業をする
【ハヤカワ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1・先生とずっと一緒にいる
- 96 :
- おまw
新作来てるw
先生wwwww
- 97 :
- 自分の人生はきわめて平凡であったが、恵まれた幸せなものだったとは思う。
若い時はそれなりに色々あったが、歳を取った今は子供たちも独立し、優しい夫と二人で長閑な暮らし。
裏の家には愉快な一家が住み、そこの子がよく遊びに来てくれる。
何の不満も無い平和な生活。こんな生活がずっと続くものだと思いたかったが、もはや自分たちに残された時間は短い。
いつかはどちらかが先にく。
その日がいつ来てもいいように、毎日を楽しく過ごす。彼女はいつからか、自分の生きる意味をそう決めていた。
本当なら、裏の家の子供たちがこの先どんな人生を送るのかをずっと見守りたい。
夫とも、ずっと一緒にいたい。
だけどそれはかなわない願い。
だから、一日一日を大切に暮らす。
掃除や洗濯、料理といった妻の務めはしっかりと果たし、二人が穏やかに暮らせる家を守る。
それだけでいい。
そう。
たとえ今、彼女が長年掛けて綺麗に掃除してきた部屋が、割れた花瓶や破れた障子などが散乱する無残な有様をさらしているとしても。
彼女が作った料理が床の上にぶちまけられているとしても。
それらが全て、彼女の愛する夫の手によるものだったとしても。
―――そして、その夫が今、波平から支給されたロードローラーに乗り、町中を破壊しながら走っているとしても。
彼女は散らかった部屋を、ゆっくりながらも片付ける。
今彼女の夫は正気を失っているが、いつかは元の夫の戻って帰ってくるはずだから。
自分がやるべきことは、あくまでもこの家で平穏な生活を続けることだけなのだから。
「―――おじいさん、この家のことは私に任せておいてくださいね」
- 98 :
- 【四日目 午後6時】
【裏のおじいちゃんの家】
【裏のおばあちゃん】
状態:健康
装備:支給品一式、不明支給品
武装:不明
思考:基本・何があってもこの家を守る
1:夫の帰りを待つ
- 99 :
- 桜井マホは、磯野家の子供部屋に匿われていた。
彼女の家は町の外にあるらしく、し合いの間は帰りたくても帰れないらしい。
他に頼る者もいないので、カツオに連れられる形で磯野家に連れてこられた。
他の家族も彼女を保護することには同意した。
それから五日。彼女の傷は見た目ほどは深くなかったらしく、サザエやフネの手当ての甲斐もあってすでに出血も止まっていた。
問題は、体の傷ではなく心の傷。
まだ年端もいかない子供が、同じ子供にとはいえ刃物で刺されたのだ。その恐怖は容易に消えるものではない。
それでもマホが正気を保っていられるのは、ひとえにカツオをはじめとする磯野家の人々の親身な看病のお陰だった。
磯野家の長である波平は、このし合いを始めた首謀者には違いない。
だが、マホが見た磯野家はそんな男の家族だとは思えないくらい明るくて暖かい人々だった。
今日も磯野家のメンバーと一緒に朝食を食べたマホは、カツオたちの部屋でワカメに貸してもらった本を読んでいた。
何もしないでいるとあの時の恐怖が蘇ってきてしまうのだ。
その時、磯野家の玄関が開く音がした。外出してきたカツオが帰ってきたらしい。
現在も学校は平常どおり授業を行っているらしいが、カツオとワカメはそれには出席していないようだ。
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