2011年10月1期会計全般試験村上春樹的会計士試験 TOP カテ一覧 スレ一覧 削除依頼

村上春樹的会計士試験


1 :08/10/26 〜 最終レス :11/06/07
「彼は今年の4月頃何をしてたの?」
「肢別に夢中だったよ。」肢別チェック、かつての星。
「その後短答はどうなったの?」
「散々だったね。」
「あなたは気付いていた?」
「遠くから見れば、」と僕は論文総まとめにマーカーを引きながら言った。
「大抵の特化厨は幸福そうに見える。」

2 :
気持ちを整理するのにはもっと長い時間がかかった。
まず一番最初にTACの言ったことを信じるか信じないかという問題があった。
僕はそれを純粋な可能性の問題として分析してみた。
感情的な要素を見渡せる限りのフィールドから徹底的に排除した。
それはさして困難な作業ではなかった。
僕の感情はそもそもの最初から仕手に刺されたみたいにぼんやりと麻痺していたからだ。
7割を切る可能性はある。と僕は思った。

3 :
「どうしてトレンドに逆らって原価計算なんかするわけ?」
「変ですか?」
「わからないな。君は本試験1ヶ月前のいま計算をするし、僕は逆に理論をする。
そのあいだにははっきりとした違いがあるし、僕としてはどちらが変かというよりは、
まず違いをはっきりさせておきたいんだ。お互いのためにね。
それに、管理会計の話は君が先に持ち出したんだよ」
「そうですね」
彼は言った。
「ところで池邊問題集はお持ちですか?」
もちろん、と僕は言った。

4 :
「複数正解の問題はございません。」
電話の向こうの男性は僕に冷たく言い放った。
「ふぅ・・・そうか・・・」
相変わらず、審査会のホームページに変化はない。
「風評に惑わされることなく」
ふと、どこかの予備校が唐突にこの言葉をアップした場面を僕は回想していた。
その予備校によれば僕の点数は71点になるらしい。
「たぶん受かったと思います」とブログを更新するのに
そう時間はかからなかった。自然と体が動いていたのだ。
しかし、監査で2問。管理で1問。僕は68点だった。
「終わりか・・・」
僕はパソコンの電源を入れたまま、顔を上げ、
机のまわりをぐるりと見まわしてみた。
僕は今どこにいるのだ?
でもそこがどこなのか僕には見当もつかなかった。
いったいここはどこなんだ?
僕の目にうつるのは簡単すぎる、多すぎるという
無数のレスだけだった。
僕はどこでもない場所のまん中から伸びるスレッドを眺めつづけていた。

5 :
そして2ちゃんねるの予想はいつものように僕を混乱させた。
いや旧試験とは比べものにならないくらい激しく僕を混乱させ揺り動かした。
僕は頭がはりさけてしまわないように身をかがめて両手で顔を覆い、そのままじっとしていた。
僕は自分が短答対策で犯した失敗のことを考えた。
実務指針、委報あるいはポケット六法、もう戻ることのない想い。

6 :
「き、君はどんな予備校を選択するの?」と最初に会ったときヴェテはそう言った。
「どこでもいいんだよ。僕の場合」 と僕は答えた。
「TACだって、大原だって、LECだって何だっていいんだよ。
多くの友人がで通っているところに飛び乗るんだ。本科生としてね。」
「合格実績のいい予備校でやるんだね。」とヴェテは訊いた。
「いや合格実績は関係ない。とにかく友人さえ多ければいいんだよ。」 と僕は答えた。
しかし、その答えは彼を混乱させてしまった。
「よ、よくわからないな。そ、そんなことしたら失敗することもあるだろうし、内容も調べないで不安じゃないかい?」
彼の言うことはもっともだった。
「ぼ、僕はね。ゆ、有名講師が好きなんだよ。」とヴェテは言った。
「2ちゃんねるで評判のいい講師を調べてさ、た、単科で申込んで、カリキュラムを自分で組むんだよ。」
なるほど世の中にはいろんな手法があり、目標があるんだなと僕はあらためて感心した。
ヴェテのお気に入りにはスタペの代わりに2ちゃんねる会計板が登録してあった。
「こ、これを毎日眺めてるとさ、ひ、評判がわかってくるんだよ。」
ヴェテは2ちゃんでマスターベーションするんだぜと僕が友人に冗談を言ったことがあったのだが、それはあながち間違いではなかった。

7 :
「また言っているの?」
「ああ、今年の合格者減少は間違いない」
「去年も言ってなかった?」
「ああ、去年は外れたが・・・」
「一昨年もその前の年も予想は外れたわよね?」
彼女はコーヒーを飲み干すと席を立った。
「風評に惑わされないでね」
背中を向けたままそう言い放つ彼女に僕は何も言えないでいた。
どれくらい時間がたっただろう。
テーブルの上にはコーヒーカップが二つ。
彼女の残り香がある狭い部屋で僕はPCに電源を入れた。
「今年こそは減るはずなんだ。」

8 :
カフェは海の見える高台にあり、僕が椅子に座ると、
髪の長いウエイトレスが冷たいオレンジジュースと二個のドーナツをだしてくれた。
僕は膝に砂糖をこぼさぬように注意してドーナツを半分食べ、オレンジジュースを飲み干した。
「おいしかった?」
「とてもね」
彼女は下唇を軽く噛んだ。
「今年で終わりにするわ」
僕は煙草に火を点け、煙を3回吐き出す間、黙ってカウンターの羽目板の木目を眺めていた。
「嘘はつきたくないのよ。」
「わかってるよ。」
僕たちは黙り込み、リロードするたびにあらわれる短答落ちへの煽りレスをずっと眺めていた。

9 :
「あなたは本当に当てる気があるの?」
彼女は真剣な目で先生を見ていた。
「どうだろう、よく分からないな。正直なところ、僕にはさしあたって当てなければならない理由が無いんだ」
途端に彼女の表情が険しくなった。
「どうして?あなた講師でしょ?」
「講師だからいいのさ。いいかい、毎年予備校には多くの入門上がりが参入してくる。
僕が曲がりやと気づかれるまでは僕の仕事はなくなることはないんだよ。」
先生はまるで朝になれば ニワトリが鳴きますよ、とでも言いたげな当たり前の口調で答えた。
「すべての人に気づかれたらどうするの? 2chでは風評を出してるのはTACと言われてるのよ?」 と彼女は言った。
「いいかい、ドーナツの穴と同じことだ。
ボーダーの低下と捉えるか、あるいは非上昇として捉えるかはあくまで形而上学的な問題であって、
それで予備校としての価値が少しなりとも変わるわけではない。」
「いや、そういうことじゃなくて・・・」彼女は陰鬱なロシア文学のような顔をした。

10 :
僕はどちらかといえば、社交的な類ではなく、家に引きこもることを好む人間だ。
かといって、世間とやらで問題となっているところの、そういう類のものでもない。
単に俗物の世界をあまり好かないだけなのだ。
しかし、いつまでも世間を嫌い、受験生の身分に甘んじていられないことは僕自身が
一番分かっている。そういえば去年も同じことを考えていた。
こんな僕でも、当然現実社会に打って出るべく、
去年就職活動なるものを人並みにはやってみたのである。
俗物の世にでるからには、できることなら自分の希望を叶えたいと、
法人を選り好みしすぎ、すべからく全滅してしまったのである。
もっとも、肝心な試験結果の足止めを頂戴してしまったのもまた事実ではあるが。
世間からしてみれば、このご時世、何を贅沢をなどと
怪訝な目で見られることは百も承知だ。
しかし、きたくもない法人に行くなどということは、僕は考えられなかったのである。
そう、僕はシュールなリアリストであると同時に、
ペシミスティックな引きこもりだったのである。

11 :
「あちらへどうぞ」と面接官の男は言った。「あちらに裏口があります」
「なぜ裏口なんですか」
「私がどうして代表社員になれたと思う。努力?IQ?
要領?まさか、その理由は能力があったからさ。時間を守るね」
その瞬間、僕に電気が走る。やれやれ20分も遅刻しては落ちたも
同然だ。

12 :
面接を受けるというのは非常に重大なことのようにも思えるし、
逆にまるでたいしたことじゃないようにも思える。つまり自己療養行為
としての面接があり、暇つぶしとしての面接がある。
終始自己療養行為という面接もあれば、終始暇つぶしという面接もある。
はじめは自己療養行為であったものが暇つぶしで終る例もあれば、逆の場合もある。
なんというか我々の就職活動は民間企業の就職活動と根本的に異っているのだ。
我々は民間志望ではない―これは僕の就職活動にとって、ひとつの重大なテーゼである。

13 :
age

14 :
ー乙

15 :
わろたあげ

16 :
僕が受話器を持ち上げるまでに、ベルは8回鳴っていた。
誰からだろう、と僕は思った。でも、わからなかった。
「もしもし、新日本監査法人の者ですけど、内定おめでとうございます」
と電話の向こうの男は穏やかな口調で言った。
「ちょっと待って」と僕はあわてて言った。「あなたはたぶん電話番号を
間違えていると思う。あなたはどこの人間に電話したんだろう?」
「んーと、待って下さいね」と彼は言って、受話器からメモを取り出すような
音が聞こえた。「えーと、マイページNoが・・・」
僕だった。「僕です、それは」と僕は言った。
「じゃあ、間違ってないじゃないですか」
「ちょっと待ってください。確かに僕のところにかかってきた電話です。
でも僕には全然理解できない。あなたはどうして僕のところに電話したんだろう?」
「掛けるように言われたからです」と彼は当然という口調で言った。
「誰に?」
彼は一瞬言葉に詰まり、「君に好意を持っている匿名のレディに。その人が上司に
命令してきたんです。分かるでしょう、どういうことだか?」
あのマダムだ、と僕は思った。これがホストクラブの客の彼女が言っていた
「プレゼント」なのだ。ルックスが足りないためにあずさの裏口から帰されたたのも
すべてはこののためだったのだと僕は理解した。

17 :
やれやれ

18 :
うんざりだよ。
村上春樹スレなんて、もう何度も見たんだ。
やれやれ。

19 :
期待しないでみてみたら
不覚にも>>1からワロタ

20 :
>>1
最高!!

21 :
続きはないの?

22 :
http://mentai.2ch.net/tax/kako/1015/10155/1015517467.html
http://mimizun.com/log/2ch/exam/school6.2ch.net/exam/dat/1153486187.dat

23 :
今NHKでやってる。
古臭い議論を展開するオッサンだという印象。

24 :
「会計士業界は深刻な就職難です」
「気をつけましょう」と金融庁は言った

25 :
わからん!

26 :
どこが面白いんだ?

27 :
>>1
久々に村上春樹を読んでみようと思えたよ。
心地いいな。

28 :
(;^ω^)

29 :
春輝的会計士試験スレはここですか?

30 :
やれやれ…
僕は簿記した

31 :11/06/07
暗記は理解の対極としてではなく、その一部として存在している
僕が大学生のころ偶然に知り合ったある講師は僕に向かってそう言った。

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