2011年10月1期FF・ドラクエもし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら18泊目 TOP カテ一覧 スレ一覧 削除依頼
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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら18泊目


1 :11/12/17 〜 最終レス :11/12/29
このスレは「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」ということを想像して書き込むスレです。
「DQシリーズいずれかの短編/長編」「いずれのDQシリーズでもない短編/長編オリジナル」何でもどうぞ。
・基本ですが「荒らしはスルー」です。
・スレの性質上、スレ進行が滞る事もありますがまったりと待ちましょう。
・荒れそうな話題や続けたい雑談はスレ容量節約のため「避難所」を利用して下さい。
・レス数が1000になる前に500KB制限で落ちやすいので、スレが470KBを超えたら次スレを立てて下さい。
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい。
・物語の続きをアップする場合はアンカー(「>>(半角)+最後に投稿したレス番号(半角数字)」)をつけると読み易くなります。
前スレ「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら17泊目」
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/ff/1294636197/
PC版まとめ(更新停止)
ttp://ifstory.ifdef.jp/index.html
新まとめ「DQ宿スレ@PC&Mobile」
ttp://dqinn.roiex.net/
避難所「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」(作品批評、雑談、連絡事項など)
ttp://jbbs.livedoor.jp/game/40919/
ファイルアップローダー
ttp://www.uploader.jp/home/ifdqstory/
お絵かき掲示板
ttp://atpaint.jp/ifdqstory/

2 :
落ちて数日経っていたので勝手ながら立てました。

3 :
スレ立て乙!
そして◆DQ6If4sUjgさんも乙!

4 :
なんかどっかで聞いたような設定だなァ

5 :
スレ立て乙です!
さっそく投下させて頂きます。

6 :
前スレ>>358の続きです
「ひゃー!?」
うおぉっ!? 何だ何だ!?
絹を引き裂くような声に飛び起きる。
眠い目を擦りながら辺りを見回すと、ドアのすぐ近くで
婆さんが目を皿にしてこっちを指差しているのを見つけられた。
ジーナ婆さん……だよな。ってことは、下の世界に戻ってこられたのか。
「あんたたち!
泊めたと思ったらいなくなって、いったいどこにいってたのさ!」
腰を抜かしながらジーナ婆さんが叫ぶ。
あ、そうか。上の世界に行く時は体ごと移動しちゃうんだな。
「すみません、お騒がせしてしまって。大丈夫ですか?」
ボッツがベッドから降りて婆さんに歩み寄る。
俺はというと、ボッツの手伝いをするわけでもなく、婆さんの顔をガン見していた。
うーん、確かにあのジーナの面影がある。若い頃は美人だったんだなぁ。
「何じろじろ見てんだい。わしの顔がそんなに面白いかい?」
「あ、いえ。すみません」
とっさに謝ると、やれやれといった風にため息を吐かれた。おお、こわいこわい。
杖とボッツの手を借りながら、婆さんがよっこいせと立ち上がる。それだけでも重労働のようだった。
「ふう、ありがとうよ。あぁそうそう、朝食ができてるよ。
さっさと顔洗って……んん?」
ジーナ婆さんはそこまで言いかけて、
さっきのお返しというわけではないだろうが
俺たちをじろじろと見回し、それから首を傾げた。
「……あれ。いま気がついたけど、あんたたち、わしの夢に出てきた人にそっくりだの。
それに昨日までのあの辛い夢は見なくなったし……。
けど夢と違って、あの人は死に、わしはこの町に住みついたのさ」
そう言って寂しそうに首を振る婆さんの言葉に、俺はずんと胸を突かれた。
ああ、そうか。
そうだよ、上の世界はあくまで夢なんだ。
あのイリアとジーナは幸せになったかもしれないけど、
婆さんから見れば、恋人を失ってしまったという現実は変わらない。
ジーナ婆さんのイリアは帰ってこないんだ。
……俺たちのやったことに意味はあったんだろうか?
「おや?ところであんたが持ってるそのリング。
わしが若いころなくしたリングによく似ているねえ」
婆さんが隣に立つボッツの手を取り、
その指にはめられた指輪をまじまじと見つめた。
いやこれは、と弁明しようとするも口ごもるボッツに構わず、
婆さんは眉をしかめて凝視し続けたが、やがて顔を上げた。
「さて? 誰かにあげたんだったか……。
いやだよ。もうろくはしたくないものだねえ。ほっほっほ
陽気に笑うジーナ婆さんに、俺たちは曖昧な笑みを返すことしかできなかった。

7 :

さあどうしたもんかと考え始めたその時、がちゃりと扉が開いた。
ノックもなしに無礼な、と思ったのかどうかはわからないが、
婆さんは睨めつけるように振り返った。
「ごめんくださいよ。ここにジーナさんという……」
扉を開けたのはよぼよぼの爺さんだった。
渋い緑色の服を着て、婆さんと同じように杖をついている。
年齢はよくわからないが、婆さんと同じくらいだろう。多分。
ジーナ婆さんは扉のすぐそこに立っていたので、爺さんから見ると、
部屋に入ってばったり出くわす形になった。
みるみる間に爺さんの目が大きく見開かれ、なぜだか表情が喜色に染め上げられていく。
……あれ?何だろう。おかしいな。俺はあの爺さんとは初対面のはずだ。
なのにどうして、爺さんの笑顔に既視感を覚えるんだろう?
「ジーナ? ジーナだね!」
「誰だいあんた?」
突然現れた人間に呼び捨てにされたからか婆さんの声は刺々しい。
俺の位置からだと表情は見えないが、きっとじろりと睨みつけているんだろう。
しかしそれに気圧されるばかりか、爺さんは顔をくしゃくしゃにして喜んでみせた。
「おおっ、おおっ。しわくちゃでもよくわかる。やっぱりジーナだ!
わし……いやっ、オレだ! イリアだよ、ジーナ!」

         ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・
            ,. -─- 、._               ,. -─v─- 、._     _
            ,. ‐'´      `‐、        __, ‐'´           ヽ, ‐''´~   `´ ̄`‐、
       /           ヽ、_/)ノ   ≦         ヽ‐'´            `‐、
      /     / ̄~`'''‐- 、.._   ノ   ≦         ≦               ヽ
      i.    /          ̄l 7    1  イ/l/|ヘ ヽヘ ≦   , ,ヘ 、           i
      ,!ヘ. / ‐- 、._   u    |/      l |/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_、l イ/l/|/ヽlヘト、      │
.      |〃、!ミ:   -─ゝ、    __ .l         レ二ヽ、 、__∠´_ |/ | ! |  | ヾ ヾヘト、    l
      !_ヒ;    L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /       riヽ_(:)_i  '_(:)_/ ! ‐;-、   、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
      /`゙i u       ´    ヽ  !        !{   ,!   `   ( } ' (:)〉  ´(.:)`i    |//ニ !
    _/:::::::!             ,,..ゝ!       ゙!   ヽ '      .゙!  7     ̄    | トy'/
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、    r'´~`''‐、  /        !、  ‐=ニ⊃    /!  `ヽ"    u    ;-‐i´
 !    \::::::::::::::ヽ   `ー─ ' /             ヽ  ‐-   / ヽ  ` ̄二)      /ヽト、
 i、     \:::::::::::::::..、  ~" /             ヽ.___,./  //ヽ、 ー

8 :

「イ、イリア!? あんた生きてたのかい? ほんとにイリアかい?」
「おうともよ! このオレがそうカンタンにくたばるかってんだ!」
ああ、その台詞は間違いなく。
それに印象的なあの笑顔。
「イリア!」
「ジーナ!」
杖が彼女の手から滑り落ち、がらん、と鳴る。
婆さんと爺さんはどちらともなく駆け寄り、抱擁を交わした。
そのままキスまでしてしまいそうな勢いだ。
「ホントはこの町に寄る気はなかったんだが、おかしな夢を見てな……」
「そうかい……。あんたも夢を……。ちょっと待っておくれよ」
夢? ジーナ婆さんと同じ夢だろうか?
婆さんは俺たちの方を振り返り、首から提げていたペンダントを外すと、
鎖ごとボッツに手渡した。途端にボッツが目を張り、
慌てて視線を婆さんと手の中のペンダントの間を往復させ始める。
いつもは凛々しい眉が今では困ったように八の字だ。
「あんたたち、これが必要なんだろ?
これがカガミのカギさ。さあ、持っておいき」
「ジーナさ―――」
何か言いかけるボッツを押し留め、婆さんは静かにかぶりを振った。
その手はイリア爺さんの手をしっかりと握っている。
「私にはイリアが戻ってきてくれた。もう形見はいらないのさ」
そう言って笑うジーナ婆さんは、
すっかり全部の荷物を下ろしたかのように穏やかだった。

9 :

教会の人たちに世話になったと告げ、
道具屋で準備を整えた後、俺たちはアモールの町を発った。
月鏡の塔に向かうためだ。
(私を夢から救ってくれたのもきっとあんたたちだね。
ありがとうよ。世話になったね。気をつけてゆくんだよ。
そのカギをつかえば月鏡の塔に入れる。
もし伝説が本当なら、そこにはラーの鏡というすごいお宝があるはずさ)
(もう少し若かったら、オレたちが行きたいところだがな。
オレたちの時代は終わった。今度はお前さんたちの番だ。気をつけていきなよ)
二人の言葉を思い出しながら、俺は黙々と歩を進める。
―――奇跡、とでも言うのだろうか。
俺たちが夢の世界でイリアを助けたことで、
現実のイリアはその夢に導かれるようにアモールの町を訪れ、
ジーナと再会を果たすことができた。
夢も現実世界に影響を与えることができるのだ。
俺たちのしたことは無駄じゃなかったんだ!
って言っても、俺はただボッツたちについていっただけだから、
正しくは“ボッツたちのしたことは”、なんだけどさ。
ため息が漏れる。
自分の無力さを痛感させられるわ、色々とグロいもの見せられるわ、
もう俺の人生どうなっちゃってんの?
赤がトラウマになりそうです。
「おい、何しょげてんだ? めでたいことが続いたってのによ」
人知れず卑屈になっていた俺の背中を、ハッサンがばんばんと叩いてきた。
やめて、朝食が出そうになるからマジやめて。
「いや……俺、何もできなかったし」
「何言ってんだ。イリアの手当てをしたのはお前だろ?」
「それはそうだけど、ミレーユに言われなかったらそれもできなかっただろうし……」
「タイチ。私、貴方は目の前で傷ついている人を見捨てられるような人じゃないと思うわ。
きっと誰に言われずとも、手当てしてくれていたんじゃないかしら」
ミレーユがわざわざ振り返ってそんなことを言ってくれる。
しかも優しい微笑み付きなもんだから、
俺の心臓はゴムボールのように勢いよく跳ねるはめになった。
やっべえ超不意打ち。もうこれだけでしばらく頑張れるわ。
「それにしても、ジーナさんたち、本当に仲が良かったわね」
「ああ。再会を手伝うことができて良かったよ」

10 :

先頭でファルシオンの手綱を牽いていたボッツも振り返る。
そうだな、あの洞窟で生き別れたっきり何十年も会えなかった上に、
ジーナ婆さんは恋人を自分の手にかけてしまったと思ってたんだ。
これから思う存分イチャイチャするんだろうなぁ。
まあ、老人ができるイチャイチャなんて限られてるけど、うん。
そのへん追求するのは野暮ってもんだな。
「でもよお。あの爺さんたち、伴侶は取らなかったのかね。
ジーナ婆さんなんてずうっと教会で下働きしてたらしいじゃねえか」
「馬鹿だなハッサン、それだけお互いを思い合ってたってことだろ。愛だよ、あ……」
俺が急に口を半開きにしたまま固まってしまったため、
三人が不思議そうに、あるいは心配そうに顔を覗き込んできた。
慌てて「何でもない」と弁解すると、とりあえずは納得したのか、三人は雑談に戻っていった。
どこかで聞いたことあると思ったら。
足を止め、すっかり小さくなってしまった町を振り返る。
―――アモール。スペインだかポルトガルだかで、“愛”って意味の言葉じゃないか。
これ以上ないくらい、あの町にぴったりな名前。
当てはまりすぎててちょっと怖いくらいだ。
何か俺の世界と関係あるんだろうか……? まあ何故か言葉が通じるくらいだし、なあ。
いいや面倒臭い、これ以上止まってると置いていかれちまう。
とっとと行こ―――ぐほおっ!?
「タイチてめえ、言うに事欠いて馬鹿とは何だ!」
「苦しい苦しい! いや、気づくの遅すぎね!?」
「なんだとお!」
ちょ、やめて絞めないで! ギブギブ!
完璧に絞めに来てるハッサンの腕に必死にタップするが、
じゃれてると思われてるのか猛攻はまったく弱まらない。
お願いだから気付いてハッサン!
人間が猛獣にじゃれられると大怪我するように、
お前の腕も冗談で人を絞めてもいいようにはできてね……え……。
「!! ハッサン、やりすぎよ!」
「え? あっ!」
「タ、タイチー!!」
呼びかけたり頬を叩いたり体を揺さぶったりと、
みんなの健闘とは裏原に、俺の意識は闇の中へと真っ逆さまに落ちていく。
ああ……目が覚めたら、ミレーユの膝枕の上だったらいい……なぁ……。
ぐふっ。
タイチ
レベル:5
HP:1/32
MP:13/13
装備:ブロンズナイフ
    くさりかたびら
    けがわのフード
特技:とびかかり

11 :
アモールやっと終わった!
ちょっと長くなりすぎたので、次回からはテンポ良くを目指します。

12 :
おつ。
今回も面白かったよ。
実際のゲームでは伝えきれない、
細かい描写がほんと好きだわ。
ハッサンとのやりとりも相変わらずだしw
今回みたいなフリも楽しみだなぁ。

13 :
乙!
ええシーンや

14 :
>>6の続きです。
「ここが月鏡の塔か……」
みんな揃って塔を見上げるので、俺もそれに倣ってみる。
建築には詳しくないけど、しっかりと煉瓦が組まれてるし、頑丈って感じがするな。
天を突かんがばかり、というほどじゃないが、そこそこの高さだ。軽く五階はあるだろうか。
塔の外見は大雑把に言えば凹状になっていて、
その真ん中に……おい、なんか部屋がまるまる一個浮いてるぞ。いったいどうなってんだ。
何か四方から電撃みたいなのが走ってるけど、あれが支えてるのか?
「タイチ、お前の世界にある“ビル”って建物もこんな感じなのか?」
いや〜……もっと高いものもあるかな。あと部屋浮いてないし。
「この塔より高いのか!? っはぁ〜……」
呆れてるのか感心してるのかよくわからない声出すなよ。
反応に困っちゃうだろうが。
なんでハッサンがビルのことなんか知ってるのかというと、まあ答えはひとつしかない。
ここに来るまでの間、話の物種にと俺の世界について色々話してみたのだ。
ただ、電気やガスについての説明はどうにも難しい。
俺の世界の人間は魔法が使えない代わりに、
自然の力を応用するのが上手い、みたいなよくわからない説明しかできなかった。
ああでも、みんな興味津々で聞いてくれたのは嬉しかったな。
ただ、なんでかハッサンは建物の話しになると、ちょいちょい質問してきては
「か、勘違いしないでよねっ!別に建物になんか、全然まったく興味ないんだから!」
みたいな態度を取るんだよなぁ。モヒカンマッチョのツンデレとか誰得だよと言ってやりたい。多分通じないけど。
まあそれは置いといて。
固く閉ざされた扉にカギを差し入れ、そのままくるりと回す。
小さく錠が下りた音がした。
カギを抜き、そのまま取っ手を引いてみると、
大きな扉はそれまで黙り込んでいたのが嘘のように、あっさりと開いていった。
「この奥にラーの鏡が……。よし、行こう!」
少なくとも二十年以上侵入者はいなかったはずなのに、
塔の中は意外と埃っぽくなかった。
部屋の隅に蜘蛛の巣が張ってるくらいだ。
てっきり山のように積もってるものかと思ってたんだけど。
ってことは、つまり……。
「魔物が巣くっているかもしれないわね」
「へへっ、そうこなくっちゃ。あっさり手に入ってもつまんねえしな。なあ、タイチ?」
同意を求めてくるハッサンに、俺は「もちろんだ」と応えてみせた。
もちろん強がりだ。
何十年ぶりかの来客を、格好の獲物を、魔物たちは張り切って出迎えてくれるだろう。
髪の毛ひとつ残さず食い尽くそうと襲いかかってくるに違いない。
そう、手加減なんかしてくれるわけがないのだ。
……正直言うと、ラーの鏡とかどうでもいいから今すぐ帰りたいです。
なんで鏡が魔王倒すのに必要なんだよ。鏡が弱点なの?
実はすっげえ不細工なのに美形だと思い込んでて、
それを自覚させて憤死させる狙いなの?
ああもう、めちゃくちゃ怖い。

15 :

月鏡の塔という名前に因んでるのか、
入って角を曲がったところの壁が、なんと鏡張りになっていた。
五メートルはあろうかという大きな鏡がそれぞれ柱を挟んで並んでいる。
うっへえ、顔負けだなこりゃ。
降りる階段が二つあったのでさっそく下に行ってみたはいいが、
ひとつは宝箱(鉄の胸当てだった)、もうひとつは行き止まり。
隠し扉がないかと壁を叩いてみたりもしたけれど、
進めそうなところはまったく見当たらなかった。
ざんねん!! おれたちのぼうけんは これで(ry
……なんて馬鹿言ってる場合じゃない。
使い道はよくわからないけど、俺たちにはラーの鏡が必要なんだ。
壁ぶっ壊してでも進まないと……。
それにしても、よくもまあこんなでっかい鏡用意したよなあ。
量産に成功してる俺の世界でも全身を映せる姿見は一万円くらいはするってのに。
どこの誰が建てたかは知らんが、
設置にはむちゃくちゃ金かかったんだろうことが容易に推測できる。
魔王倒せちゃう鏡だもんな、金かけるのもわからなくはない……か?
鏡越しに頭を悩ませてるボッツ、ハッサン、ミレーユが見える。
ちなみに立ち位置は、
|  鏡  |  鏡  |  鏡  |  鏡  |
 ボ
                俺
         ミ                 階段
    ハ
といった感じだ。
いやー、こうして並んで見ると、ほんと俺浮いてるわ。何この醤油顔、ふざけてるの?
「みんな、ちょっと来てくれ!」
全員がボッツの調べていた鏡の前に集まる。隠し扉でも見つけたんだろうか?
「この鏡、何か変じゃないか?」
「変って?」
「いや、どこがどう、とは言えないんだけど……」
困った顔で言い淀む。そう言われてもこっちが困るって。
……ん? あ、あれ?
俺は信じられない思いで目の前の鏡に手を伸ばした。
ほどなく鏡に届いたが、鏡の向こうにいるはずの自分と、指と指が触れ合うことはなかった。
鏡に映っているのは、ボッツ、ハッサン、ミレーユと、そして塔の内装。
……そこにあるはずの、俺の姿が、ない。
思わず右隣の鏡の前に駆け込めば、
日本人特有の掘りの浅い顔が視界に飛び込んできた。俺だ。
なんだこれ、いったいどうなってんだ?
「悪いな太一、この鏡三人用なんだ」ってか?

16 :

「どうやらこの鏡が鍵を握っているようね」
「行き止まりなだけに? なるほど、なかなか上手いこと言うな」
「そ、そうかしら? そんな上手くはないと思うけど……」
「この中に隠し部屋があるのかもしれないな。よし、調べてみるか」
ボッツが鏡の中の自分の顔をコンコンと叩いた。
ハッサンとミレーユのやりとりはスルーですか。
……ん? 今、鏡の中のボッツが仰け反ったような……。
「くっ! このまま大人しく引き返せばよいものを」
うわっ、喋った!?
「ばれては仕方がない! ここから先へは進ませぬぞっ!」
鏡の中のボッツ、ハッサン、ミレーユの表情が一変した。
本人とは似ても似つかない凶悪な顔つきだ。
「進ませぬぞっ!」だってえ?そんな勇ましく言ったって、
鏡を壊してしまえばこっちのも、の……おおぉぉおおおおぉぉぉぉぉ!!?
 *ポイズンゾンビが あらわれた!
な、な、なんじゃこりゃあああああ!!
鏡から腕が生えて、ボッツの顔が鷲掴まれてるうううぅぅぅううう!?
紫色な上に、今にも腐り落ちそうなほどドロドロなその腕からはひどい腐臭が漂っている。
「ボッツ!」
ああっと、ボッツくんふっとばされたー!
「ちくしょう、こいつら!」
ハッサンの声にはっと振り返る。
ガッツが足りなかったボッツに気を取られている間に、
どうやらこちら側へ侵入を許してしまったようだ。
既に目の前には土気色の髪、紫色の肌をした三匹の化け物が迫っていた。
なるほど、こいつらが鏡の中で化けてたのか。
ふふん、惜しかったな。あと一匹いれば誤魔化せたかもしれなかったのに。
って、あ! こいつらアレか、まさかゾンビってやつか?
うわー、ジルやクリスたちはこんな化け物と戦ってたのか。
口がきけるぶん、こっちのゾンビの方が賢いみたいだけど。
「みんな! そいつらの後ろ……!」
何とか起き上がったボッツが叫ぶ。
その声に従い、ゾンビたちの後ろをよく見れば、
なんと、いつの間にかあれだけ大きかった鏡が消え失せていた。
その先には通路が広がっている。これは、つまり……。
「こいつらを倒せばいいってわけだな。いいね、実に単純明快だ」
「腐臭に混じって毒の臭いがするわ……。気をつけて行きましょう」
ハッサンがポキポキと指を鳴らし、ミレーユが構える。
後ろで金属の擦れる音がした。ボッツが剣を抜いたのだろう。
すー、はー。深呼吸をひとつ。臭いが我慢だ。
それに合わせるように、俺はゆっくりと、腰に携えていたブロンズナイフを抜いた。

17 :

怖い。恐ろしい。毒があるって?
いったいどんな毒なんだ。即効性だったりしないよな?
あいつらに噛まれたら俺もゾンビになっちゃうんじゃないか。
うっかりどこかを掴まれて、そこから溶けてぐずぐずになったりしたら。
ああ嫌だ、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。恐怖で押し潰されてしまいそうだ。
――――なのに、どうしたことだろう。
胸が躍る。口元が緩むのを止められない。
血が沸々と煮えたぎり、全身の体温が上昇していくのがわかる。
体がわずかに震えていたが、それが恐怖からのものではないことは明白だった。
「マヌーサ!」
マヌーサ。確か、敵をまぼろしに包んでしまう呪文だったっけ。
ひとたび効いてしまえば、まぼろしに気を取られている敵を
一方的に攻撃できるという、なかなか凶悪な呪文だ。
ゾンビたちの眼前に霧がかかっていく。
効いたのは一匹だけだったようだけれど、それでも十分だ。
「タイチ! マヌーサがかかった奴は任せた……ぞっ!」
振り回される腕の群れを、
銅の剣でいなしながらボッツが言う。
以前の俺ならそれだけで怯んでしまいそうな台詞だ。
けれど、今なら言える。
強がりでも虚勢でもなく、心から。
「ああ、俺に任せろ!」
俺の啖呵を聞いていたかは知らないが、
マヌーサがかかったゾンビが頼りない足取りながらもこっちに突っ込んできた。
素早い! ゾンビのくせに生意気だ!
まぼろしの霧に包まれながらも俺の位置はわかるらしい。
腐っても魔物ってことか。
さあ、行くぞ。
両手で武器を握り、体の向きは相手に対してやや斜め。
脇は締めて、大きく足を開く。そのとき片足は必ず一歩後ろに。
……大丈夫だ、身体が覚えてる。
ゾンビが大きく腕を振り上げる。よくよく見れば爪は獣のように鋭く、
人間の柔らかい肉なんか容易く切り裂けてしまいそうだった。
馬鹿! 怯むな、俺! 思わず逃げ腰になってしまう自分を叱咤する。
一瞬でもあいつから目を離したら死ぬと思え。
喉笛を震わせながら振り下ろされた五本の指爪は、俺の頬を掠めつつも、空を切った。
まぼろしの俺を切り裂いてしまったゾンビはその手応えのなさにバランスを崩す。
背中がガラ空きだ!
「うおおおおおおおっ!!」

18 :

「脇が開いてる!肩も上がってるぞ、力みすぎるな!」
「オス!」
「片足は必ず後ろだ。軸足を意識しろ!」
「オス!!」
月鏡の塔に到着する二週間ほど前のことだ。
ハッサンに絞め落とされた後、三人の間で何かしらの会議が行われ、
その結果、しばらく俺を心身ともに鍛えることが決定したらしい。
目が覚めるとこれまた知らない天井で、
しかも知らない婆さんが顔を覗き込んできたもんだから、
年甲斐にもなく大騒ぎしてしまった。
まあ婆さんが杖で小突いてくれたおかげで、すぐ落ち着けたけど。コブができたぜチクショウ。
婆さんの名前はグランマーズ。
名前っつーか、そう呼ばれているらしい。
が、普通に呼ぶには長いためか、ハッサンは婆さんと呼んでいるようだ。
グランマーズは高名な夢占い師であり、ミレーユはボッツたちと出会うまで、
グランマーズの元で夢占い師の修行を受けていたとか何とか。
そこに半透明になったボッツたちと、
一緒に旅をすることになったとのことだった。
しかし、ボッツとハッサンによれば、ミレーユは初対面にも関わらず、
こっちのことを最初から知ってるような態度だったらしい。
居場所等はグランマーズの占いで知ったようだが、それにしても引っかかる部分が多いとか。
うーん、ミステリアス。
「隙あり!」
「おわっ!?」
バランスが足元から崩されて、俺の体は情けなくも尻から転倒した。
足払いに引っ掛かるとかないわー……いててて。
痛みに気を取られてる間に、空を切る音とそよ風が耳と頬を撫でた。
はっと目を開けると、俺の顔のど真ん中に木の棒を突き付けているボッツの姿。
くそ〜、また負けた!
ご覧の通り全然敵わなかったわけだが、
平和ボケした日本人には魔王討伐なんて向いてないんじゃないだろうか。
当たり前だけど、ただ型をやるより実戦の方がずっと難しい。
覚えた型を意識しつつ、相手のどこを攻撃したらいいかとか
考えながら動かなきゃいけないとかマジ無理ゲー。
だからって、ここで諦めたら置いていかれること間違い無し。
グランマーズと二人暮らしなんてまっぴらごめんだ。
あ、そうそう。占いと言えば、せっかくなのでどうしたら
元の世界に戻れるのか占ってもらった。
魔王を倒せば戻れる、なんて俺の直感と推測でしかない。
そんなのお約束な展開よりも、もっと楽な方法があるかもしれないじゃないか。
それで先生、どうなんですか!? うちの子は助かるんですか!?
「魔王を倒せば自ずと道は開ける……と出ておるぞ」
うん、お約束って大事だよね☆

19 :

そうして淡い希望を打ち砕かれたり、つら〜い修行を積んだりして、
二週間後、俺たちはやっとこさ月鏡の塔へとたどり着いたというわけだ。
「俺なんかのために魔王をほっといていいのか?」と尋ねると、
「確実に討伐するためだから」という答えが返ってきた。
確かに一理ある……が、申し訳ない気持ちになったのは言うまでもない。
その分修行には真剣に取り組ませていただいた。
たぶん俺の二十一年間で一番身を入れた出来事だったんじゃないだろうか。
この世界のため、ひいては自分が元の世界に帰るためなんだから、
一心不乱にならんでどうするって話なんだけど、さ。
眼前の敵めがけて、ブロンズナイフを振り上げる。
刃はゾンビの背中を下から上に撫でるように、しかし確実に切り裂いた。
一瞬遅れて緑色の体液が吹き出したが、そんなのにいちいち怯んではいられない。
返す刀で右肩の付け根を突き刺してやると、ゾンビは声にならない悲鳴を上げた。
よし、いける!この調子で……。
「この、人間風情がっ……調子に乗りおってえぇぇ!」
ゾンビがそう言い放った次の瞬間、
ナイフが手からすっぽ抜けたかと思うと、俺の足は地から離れていた。
や、や、やばい。顔ごと鷲掴まれた上に持ち上げられてるううううう!?
爪が頭とかに食い込んで超痛いんですけど!
それに腐臭と、何とも言い難い臭い―――ミレーユの言葉を借りれば、毒の臭いってやつだろうか―――が
混じったものがダイレクトに伝わってくる。鼻が曲がりそうだ。
後で食べよう後で食べようと思って、うっかり冷蔵庫の中で
腐らせてしまったサンマが思い出されるぜ。
あれはもったいなかったなぁ……。
って、そんなこと考えてる場合じゃねえええ!!
てめっ、離せこの野郎!触感どろどろしててキモいんだよ!
「よくもやってくれたな……最高の毒をプレゼントしてやるわい」
ゾンビは腐って崩れた顔で器用に笑ったかと思うと、
口を貝のように閉じ、頬をぷくうっと膨らませた。
ちょっ、これマジでやばいんじゃないか!? 離せっ、離せっつーの!
必死にもがいてみるが奴の腕はびくともしない。
腐ってるくせに人間並みに頑丈っておかしいだろ!
色々間違ってるよこのゾンビ!
抵抗する俺をあざ笑うように、無情にもゾンビの口は開かれていく。
いやに鮮やかな紫色の気体が俺めがけて吹きかけられ、俺の視界は紫一色に染められた。
――――紫色の気体がすっかり消えた頃、俺の身体は床に投げ出されていた。
「!! タイチーっ!!」
「ちくしょう! てめえら、どきやがれっ!!」
「どうじゃ、わしの毒は。人間の身にはさぞかしつらかろう」
「っせえ……ぜんっぜん、へいきら、っつの……」
平気なわけがない。
胸が焼けつくようだ。吐き気がする。
頭がくらくらして、立ち上がろうと足に力を入れようとしても言うことを聞かない。
舌が痺れてろれつが回らねえ。

20 :

「ふん、強がりを。まあよい、久々の獲物じゃ。
喰う前にちょいと弄ばせてもらおうかの」
ゾンビはそう言うと、憎々しげに右肩のナイフを抜き、後ろへと投げ捨てた。
床を転がる乾いた音が無情に響く。
声や物音から察するに、ボッツたちは他のゾンビどもの相手に手一杯のようだ。
つまり、助けは望めない。自分で何とかしないといけないんだ。
壁際までいけば、なんとか身体を起こすことができる……かもしれない。
俺は鉛のように重い腕を何とか動かし、
出来損ないのほふく前進で身体を運び始めた。
「おやおや、下手に動くと毒の回りが早くなるぞ?」
うるせえ、このドSゾンビ。
そう言われるとさっきよりも苦しくなってくるような気がしちゃうだろうが。
だけど、身体を起こせたところでどうする?
この状況を打破するには、いったいどうすればいい?
ナイフはあいつの背後、身体はろくに動いてくれやしない。
めまいがひどいけど、意識は考えごとができるくらいにはハッキリしている。
……ぐ、まずい。うまく呼吸できなくなってきた。
犬のように浅い呼吸になってしまう。
もうこうなったら、少しでも遠くへ逃げて時間を稼いで、
ボッツたちの助けを待つしか――――ぐえっ!?
「てめえっ……何、しやが……!」
地面を這う俺の背中にゾンビの足がめり込んでいる。
これじゃ、動くことすらままならないじゃねえか。
くそ、身体を押し潰される感覚が気持ち悪い。
ただでさえ呼吸しづらいっていうのに。
不服を唱える俺にゾンビは応えず、
ただ、ところどころ抜け落ちた歯列を見せて笑うのみだった。
あ、しっかり牙もあるのね。
「ぐっ!」
足をどけられたかと思うと、
蹴られた勢いで仰向けにさせられた。
今度は胸、ちょうど肺のあたりに足が押しつけられる。息、が……!
ぐりぐりと圧迫してくる足を何とか押し返そうとするが、
本格的に毒が回ってきたのか、ほとんど身体に力が入ってくれない。
今の俺じゃ、腕を上げることすら重労働だろう。
「まったく、マヌーサなどと小賢しい真似を。
貴様をした後、あの娘も嬲りしにしてやるわ」
「……ミ、レーユを……?」
「まだ喋る気力が残っていたか。
そうよ、あのような美しい娘にはなかなか出会えぬからな。
たっぷり遊んでやった後、大切に大切に躍り食いしてやろうぞ」
下卑た笑い声が上から降ってくる。
耳障りなその声に、鈍りはじめていた思考が冴えていくように感じた。
再び血が煮えたぎるようなあの感覚が戻ってくる。
けれど、それはさっきのような、自分の力を試せる高揚感からなんかじゃない。

21 :

「あの人に、手ぇ、出すな……絶対、指一本触れさせ……うっ!」
「ろくに動けぬ身体でよくもそんなことが言えたものよ。
しかし、ずいぶんと毒の回りが早いのう」
またもや持ち上げられる。
けれど今度は顔ではなく、首を掴まれていた。
苦しい。
息が。
「脆いものだ。加減を間違えたか、それとも貴様が弱いのか」
――――今、なんつった。
「もうよい、飽きた。死ぬが――――」
「…………えよ……」
「うん?」
「俺は……弱く、ねえ……!!」
ボッツが稽古つけてくれた俺を!
ハッサンがアドバイスしてくれた俺を!
ミレーユが呪文を教えてくれた俺を!
脆いとか、弱いとか、言うんじゃねええええええええええええええ!!!!
俺は痺れ始めていた腕を死ぬ気で掲げ、
手のひらをゾンビの首元めがけて突き出し、
あらん限りの声で叫んだ。
「ギラ!!!」
閃耀が走る。
帯状の炎がゾンビの首から上を包み込み、燃やし尽くさんと飲み込んでいく。
今にも首の骨を砕こうとしていた腕の束縛は
あっさりと解け、俺はどしゃりと硬い床へ墜落した。
ゾンビは塔のてっぺんにまで届くんじゃないかという絶叫をあげながら、
燃え上がる自分の顔を掻きむしる。
腐敗した肉体はよく燃えるのかは知らないが、
当然のごとく腕に燃え移り、更に苦痛を味わうこととなった。
霞む視界の中、頭と腕を失ったゾンビが崩れ落ち、
しばらくのたうち回った後に動かなくなったのが見えた。
へへっ、アンデッドが炎に弱いってのはお約束だよ、な……。
 *ポイズンゾンビを やっつけた!
タイチ
レベル:9(修行の成果)
HP:4/71
MP:20/24
装備:ブロンズナイフ
くさりかたびら
    けがわのフード
特技:とびかかり

22 :
なぜか120分制限が無くなりました。忍法帖がレベルアップしたのかな?
>>12
ありがとうございます!
細かすぎて助長になってないかちょっと心配です。
ハッサン動かしやすくて、気をつけないと他の二人が空気になりがちですw
>>13
ありがとうございます!
アモールのイベントいいですよね〜。

23 :
>>18の場面転換がすごいわかりづらかったので、
保管庫の方で加筆しておきました。
「ここどうなってんの?」という方は一読して頂ければ。
投下したのよりはわかりやすくなってる……はず。

24 :
乙!
タイチの成長の仕方がリアルでいいね

25 :
おつおつ!

26 :
ほしゅ!

27 :
>>14の続きです。
意識が朦朧とする。指一本動かせない。
糸が切れた操り人形のよう、っていうのはこういうことを言うんだろうか。
俺は今、どこにいるんだ?
俺は今、目を開けてるのか?
俺は今、目を閉じてるのか?
俺は今、呼吸をしてるのか?
どこか遠くから音が聞こえてくる。どうやら聴覚は正常らしい。
ばたばたばた、と何かがなだれ込むような音がした後、
更に騒がしい、色とりどりの音が耳を刺激した。
肩のあたりを強く掴まれ、揺さぶられているのがわかる。
何だよ、もう。うるさいな……。
「おい、生きてるか!?」
「ミレーユ!」
「わかってるわ! キアリー! ベホイミ!」
「起きろ、タイチ!!」
あ―――?
「タイチ! よかった……」
「あぁ、おれ……、……ありゃ」
起き上がろうとするが上手くいかない。
二度目を試みようとしたところでミレーユが手を貸してくれ、
壁に背中を預ける形で身体を起こすことができた。
あの身体全部を蝕むような感覚が消えている。
両手を開いたり閉じたりするのに合わせて、
むーすぅんーでーひーらーいぃて、と口ずさんでみた。
まったく問題ない。
どうなってんだ……? さっきまであんなに苦しかったのに。
「キアリーよ。解毒の呪文」
ああ、そういえば……グランマーズの家で修行してた時に、
そういう呪文があるって教えてもらったっけ。便利な呪文もあるもんだ。
と、不意にミレーユが後ろを振り返った。
俺も釣られてそちらに目をやるが、そこには動かなくなったゾンビたち以外、何もいない。
「ミレーユ? どうしたんだ?」
「……いいえ、何でもないわ」
何だろう……まあいいか。
ああ、解毒の呪文かぁ。
俺の世界にもあれば、せっかくうまいもん食ったのに死んじゃう人もぐっと減るだろうに。
ほらあれ、なんだっけ。フグ……そう、フグ鯨とかさ。
あれ食うためなら死んでもいいって人いるみたいだし。
って、違う。あれは漫画の中の食い物じゃないか。
……俺、まだぼうっとしてるな。
霧を振り払うように頭を振ってみる。
晴れない。
決してミレーユを疑うわけじゃないけど、まだ毒が残ってるんじゃないだろうか。

28 :

「実は俺もあいつらの猛毒喰らっちまったんだけどよ。
まあ確かに苦しいし、体力削られたんだが……。
タイチみたいにいきなりぶっ倒れるとまではいかなかったんだよな」
同じ毒を受けたのに? この違いは何だ。アレルギー反応とかいうやつだろうか。
「考えられるとしたら……そうだな、タイチは別の世界から来ただろ?
だから俺たちと違って、耐性がないのかもしれない」
「……何度か喰らえば、俺も耐性つくかな?」
「だめよ、そんなことしちゃ。危ないわ」
「ま、毒なんて受けなきゃいい話さ。俺たちだってついてr……いや」
言いかけて、ハッサンは首を振る。
そしてやたら神妙な顔で俺に向き直ると、がばりと頭を下げた。
ちょちょちょちょっと、いきなりどうしたんだよ!?
「タイチ! すぐ助けに行けなくてすまなかった!」
「……本当にすまない。マヌーサがかかっていたとはいえ、
いきなり一匹を任せるなんて、俺もどうかしてたよ。俺かハッサンのどっちかがつくべきだった」
「ごめんなさい……」
なんてことだ。
ボッツはわざわざ立ち上がって深々と頭を下げ、ミレーユもしゅんと小さくなっている。
ハッサンなんてほぼ土下座に近い格好だ。
や、やめてくれよそういうの! 俺もちょっと興奮してて油断してたし!
逆上しちまったけど、あいつの言うとおり、俺が……弱かっただけの話なんだからさ。
これからもっと強くなれるように頑張るから、ボッツたちが気に病む必要はないから……
だから、顔を上げてくれよ。何か、その、困るだろ。
とにかくボッツ、お前座れ!きっちり90°のお礼なんかしてるとマジで王子に見えてきちゃうぞ!
「う……」
うん、やっぱりこいつを黙らせるには王子ネタだな。大人しく顔を上げて座りやがった。
続いて、ミレーユとハッサンも顔を上げてくれた。
ありがとう、なんて言われたけど、知ったこっちゃない。
だいたいお礼を言うのはこっちだっつうの。
それにしても――――俺はようやくはっきりしてきた頭をもたげ、右手を見下ろした。
ギラ。グランマーズの家で修行してた時、何とか覚えられたただひとつの呪文だ。
人によって覚えられる呪文は違うらしく、メラ、ヒャド、バギ、ギラと試してみて、
俺が素質ありと判断されたのがギラだった。
毎日精魂尽き果てるまで練習して、何とかモノにしたものの、
肝心の威力はまあまあ、といった感じだったはずだ。
「さっきのギラ、明らかに普通の威力じゃなかったよな?」
「火事場の馬鹿力ってやつかねえ」
「そうね……呪文の強さは、本人の資質によって
多少変動はするけれど、それほど大きく変化しないはずよ」
「やっぱさ、追い詰められたことで俺の隠された力が覚醒したとかじゃないかな」
「ふふ、どうかしら」
いーや、十分あり得る。
漫画とかなんかじゃお約束だしな。イヤボーンっていうんだっけ?
いやあ、俺もまさかイヤボーンする日が来るとはなぁ。中二心をくすぐられるなぁ。
「ったく、こいつ調子に乗ってやがるな。まあいいや、このまま少し休憩したら出発しようぜ」
「ああ」
ちょっ、何か冷たくない? もうちょっと乗ってきてもよくない?

29 :

こんにちは、あたしバーバラ! 花も恥じらう1〇歳よ。
……なんでそこ伏せるのかって?
やだっ、女の子の年齢追及するなんてモテないわよ!
……ホントはね、あたしにもわからないの。
気がついたら知らない町にいて、覚えてることといったら自分の名前くらい。
記憶喪失ってやつみたい。
なんでか体が透けてるせいで、誰に話しかけても気がついてもらえないし、
もうこれからどうしようって時に、ラーの鏡の噂を聞いたの。
その鏡、真実を映すんだって。
鏡にすら映らない今のあたしでも、もしかしたらラーの鏡になら映るかもしれない!
あわよくば身体を取り戻せるかも……。
そう思って、魔物から逃げつつ月鏡の塔へ向かったの。
んもう、なんであいつらにはあたしが見えるのかしら?
魔物になんか気づいてもらえたって全然嬉しくないわ!
そんなわけで、何とか目的の場所には無事辿り着けたんだけど……。
「!! タイチーっ!!」
「ちくしょう! てめえら、どきやがれっ!!」
どうも先客がいたみたいで、しかもここの主っぽい魔物と戦ってたの。
腐った死体をずっとずーっと強くしたようなのが三匹!
たとえ一匹でも、きっとあたし一人じゃ太刀打ちできなさそうな相手だったわ。
そいつらと戦ってたのは四人組のパーティだった。
四対三なんだから勝ち目は十分……そう思うでしょ?
だけど、一人で戦ってたらしい男の人は既に動けなくなってて、
今にもとどめを刺されそうになってた。
仲間の人たちは目の前の敵が邪魔で助けに入れそうもない。
あたしも頭が真っ白になっちゃって―――気がついた時には、もうメラを撃っちゃった後だった。
凝縮された小さな火の玉が着弾する寸前、
男の人の手から閃光がほとばしった。
ギラだって! あたしだってまだ覚えてないのに!
……忘れてるだけで、本当は使えるのかな?
ともかく、男の人が放ったギラは、なんとあたしのメラとまぜこぜになって――――
魔物の首から上と、腕をあっという間に焼き尽くしちゃった。
残りを片付けた仲間の人たちが男の人の元に駆け寄っていく。
……あ、キアリーかけてる。これであの男の人も助かるかな。
ようし……。
あたしは彼らの背後を足音が立たないようにそうっと走り抜けた。
大丈夫だよね。
たとえ気づかれても気のせいで片付けられる……はず。
「? ……」
「ミレーユ? どうしたんだ?」
「……いいえ、何でもないわ」
ほらね。
あの人たちの目的もあたしと同じ、ラーの鏡に決まってる。
先を越されたらおしまいだわ。急がなくっちゃ!

30 :

―――けれど、その十数分後。
あたしはまたもや途方に暮れていた。
もうっ、何なのこの塔は!
何だか作りがややこしいし、ちょっと歩いただけで魔物は出るし、もうやんなっちゃう!
あーあ、ちょっと休憩しようっと。
相変わらず何も映らない鏡の前に、あたしはぺたりと座り込んだ。
……それにしても、さっきのは何だったんだろう?
まさか一発であんな魔物を倒せちゃうなんて!
すごかったなぁ……思い出すだけで胸がドキドキしちゃう。
偶然なんかじゃなくて、もしも、もしもちゃんと使えるようになったら――――あ、だめ。
それにはまずこの体をどうにかしなくちゃいけないんだ。
はぁ……あたし、一生このままなのかなあ。
「ねえ、君」
「ひゃっ!?」
顔を上げると、ツンツン頭の男の子があたしを見下ろしていた。
え? え? 今、あたしに声をかけたの?
思わずきょろきょろと辺りを見回したけれど、
この場にはあたしと男の子を始めとした四人しかいない。って、いうことは……!
「あ、あたしが見えるの?」
「うん」
何のためらいも遠慮もなく、男の子は頷いた。
こっちを見てる。
返事をしてくれた。
――――あたし、あたし、人とお話してる!
どうしよう、飛び上がるくらい嬉しい!
意思の疎通ができる! 会話ができる!
たったこれだけのことがこんなに嬉しいなんて!
「やっと見つけたわ! あたしの姿が見える人を!
みんな見えないみたいで話しかけても返事もなくて……。ホント寂しかったわよ」
もうホント、寂しすぎて死にそうだったんだから。
でもこの人たち、どうしてあたしのことが見えるんだろう?
町中駆けずり回っても気づく人なんていなかったのに。
……あれ、なんで照れくさそうに笑ってるの?
「あの……手」
「えっ? ……あっ、ご、ごめんなさいっ!」
あたしったら、いつの間にか男の子の手を握っちゃってたみたい。
や、やだな、変な子だと思われてないかな。
あ、この人、よく見ると結構かっこいいかも……って、違う違う! わ、話題変えよう!

31 :

「ほ、ほらっ。鏡にもあたし映らないのよ。イヤになっちゃうよね」
そう言って、鏡の前で一回転してみせる。
男の子たちは向こうの景色が見えちゃってるあたしを見ても、
ちっとも驚く素振りを見せない。まるで見慣れてるという風に。
もしかして、あたし以外にも身体が透けちゃってる人って、結構いるのかな。
「でも人のウワサ話くらいは聞けたから、この塔のこと、ラーの鏡のこと知ったんだ。
ラーの鏡になら、あたし映るかもしれないって。
それでここまで来たけど、この塔ややこしくて、もうイヤって感じよね。
でもあなたたちに会えてよかったわ。上まで行くつもりでしょ。
あたしもついていこうっと!」
人と話すのは久しぶりだったせいか、会話できるってわかったとたん、
立て板に水を流すように一気にまくし立ててしまった。
男の子があっけに取られてるし、女の人も少しびっくりした顔であたしを見ている。
うう、しかたないじゃない。本当に久しぶりだったんだもん。
「おいおい、ずいぶん強引なヤツだな」
「何よ、いいじゃない。あたし、ずっと寂しかったんだから」
「まあそれには同情するけどよ……。どうするボッツ?」
「え、えーっと……」
「こんなところに一人残していくわけにはいかないわ。とにかく連れていきましょう」
「やった! ありがとう!」
いい人たちでよかった! ……っと、いけない。
「まだあたしの名前を言ってなかったね。バーバラっていうの」
「バーバラか。俺はボッツ」
「ハッサンだ」
「ミレーユよ。よろしくね」
「えっと……タイチ」
なるほどね。
ツンツン頭がボッツ、モヒカンの人がハッサン、女の人がミレーユ、それから……。
「あなた、タイチっていうのね。
さっきはどうなるかと思ったけど、元気になってよかったわね!」
「えっ?」
「……あ!」
いっけない、つい口が滑っちゃった。
でもまあいっか、別に隠すようなことでもないよね。
あたしは塔に着いた時に戦うみんなを見かけてたこと、タイチの手助けをしたことを正直に話した。
すると、神妙に聞いていたはずのボッツとハッサンとミレーユの顔がみるみる
「ああ、そういうことだったのか」といった納得の表情に変わり、タイチに視線を集中させた。
当の彼はがっくりと肩を落としている。
あれ? あたし、何かまずいこと言った?

32 :

「マジで? 俺の隠された実力とかじゃないの?」
「なんていうか……気を落とさないで、タイチ」
「わっはっは! そんなこったろうと思ったぜ!」
「くっそ〜……なんだよ、喜んで損した!」
ああ、そういうこと。勘違いしちゃったのね。
ふふふ、なんかこの人面白いなぁ。
あのメラとギラの練習、お願いすれば付き合ってくれるかも。
「それはそうと、バーバラ。
あなたもきっと上の世界から来たのよね? 戻り方はわかる?」
「え、えっと……あたし……
どうしてこんなことになったか、なんにも思い出せなくて……」
「まあ……そうだったのね。つらかったでしょう」
ミレーユが優しく肩を撫でてくれる。うん……。ホント寂しかったよ。
あれ、何だか急に静かになったような。
ふと顔を上げると、みんな揃って眉を八の字に下げていた。
ミレーユは柔らかく微笑んでくれてるけど、
ボッツはうつむいちゃってるし、ハッサンは気まずそうに頬をかいてるし、
タイチは何だか落ち着かなさそうにしてるし……。
あ、やだ! あたしが変な話しちゃったから!
「あ、ごめん。邪魔をしちゃったね。さあ、しゅっぱーつ!」
わざと明るい声をあげて、パーティの先に立って歩き出してみる。
すると、みんなの足音がどたどたと音を立てて慌てて追いかけてきた。
背後から「ひとりで行くなよ!」と咎める声が聞こえてきたけど、
それには責める調子はまったく無くて、むしろ親しみを感じた。
えへへっ、一緒に歩く人がいるっていいなあ!

33 :
あー、もうっ! ホントにここの塔、ややこしいったらありゃしない!
目には見えないのに鏡には映ってる階段とか、
鏡の前から移動したら割れちゃう水晶玉とかはまだいいわよ。
でも、塔って普通登るものでしょ? お宝っていったら普通一番上にあるものでしょ?
なのに部屋が降ってくるなんて! めちゃくちゃにも程があるわ。
タイチもあたしと同じ心境なのか、顔が引きつってしまっている。
「ファンタジーもここまで極まると……」とか何とかぶつぶつ言ってるけど、ファンタジーって何かしら?
まあいいや、きっとあの部屋にラーの鏡があるのよねっ!
逸る心に急かされながら下まで降りて、扉も何もない、小さな部屋に足を踏み入れる。
他の部屋となんら変わらない内装。
けれど、小さな階段を視線だけで登ってみると、
人の顔より一回り大きいくらいの大きさの鏡が奉られていたのを見つけることができた。
「あったわ! これがラーの鏡よね!」
横取りされるはずもないのに、
あたしは誰よりも早く階段を駆け上り、ラーの鏡の前に陣取った。
楕円型の鏡の周りには金の装飾が施されていて、
細かい模様を見ているだけで目がチカチカしちゃいそう。
備え付けられている燭台の炎の灯りに照らされて光るラーの鏡は、
目的を忘れて見とれちゃいそうになるほどきれいだった。
ああ、ドキドキする。……もし映らなかったらどうしよう。
ううん、大丈夫!これは真実を映す鏡なんだもの。
あたしは恐る恐る膝を曲げ、ラーの鏡を覗き込んでみた。
すると――――
「……映る! 映るわ! この鏡には あたしの姿が映るよ! 思った通りだわ」
鏡の中には、オレンジ色の髪の毛をひとつに束ねた女の子――――
あたしの姿がしっかりと映り込んでいた!
ああ、よかったぁ! これであたし……、…………。
「…………でもそれだけよね。
この鏡にだけ映ったって、みんなにはあたしの姿が見えないまま……」
ラーの鏡はあたしの姿を映すだけで、それ以上は何もしてくれない。
あたしの身体の色を取り戻してはくれない。
うつむくと、縛ってる髪が流れて頬に触れた。
あたしは喋れる。痛みも感じる。喉も渇くし、お腹が空けば物だって食べられる。
あたしは今ここに、しっかりと生きている。
なのにどうしてみんなには見えないんだろう。
おかしいよ、こんなの。わけわかんないよ。
ボッツたちに気づいてもらえたのはすごく嬉しかった。
けど、あたし、もっとたくさんの人とお話したい。
鏡にすら映らない、誰にも相手にされない生活なんてイヤ。
そう思うのは贅沢なのかな……?
「バーバラ」
ボッツ? なに……きゃっ! つ、冷たいっ! 何するのよおっ!
……え? 何これ? あたしの身体、きらきら光ってる!? やだ、まぶしっ……。
思わず手で目を覆おうとしたけれど、全身が光ってるんだから意味がない。
それならば、と目を閉じる。それでもまぶたの裏が明るかった。
少ししてから、そうっと目を開けると……カラシ色の手袋が見えた。あたしのだ。
えっ? えっ? まさか!

34 :

ぱっと右手を掲げてみる。
向こうの景色が見えない――――あたし、透けてない!
ボッツたちを振り返ると、みんなニコニコと笑顔を浮かべていた。
もしかして、さっきふりかけられた水って……!
「こんなことできるなら、もっと早くしてくれたらよかったのに。意地悪ね」
「ごめん。俺も、ラーの鏡に映るのかちょっと興味あったからさ」
「もうっ! ……でもよかった。これで誰とでもお話ができるわ。
さて……と。じゃあ、あたしはこれで」
目的達成! もうこんなめちゃくちゃな塔には用は無いわ!
あたしは階段を一段飛ばしで駆け下り、みんなの間を縫って部屋の外に出た。
そうよ、一秒でも早くここを出て……、……あれ?
……と思ったけど、あたしこれからどうしたらいいのかしら?
記憶がないんだから、どこに帰ればいいのかわからない。
どうしてこんな目に遭うはめになったのか、そもそも自分が何者かもわからないのよね。
あたしはくるりと振り返り、こっちをぽかんと見ていたボッツたちをじーっと見つめてみた。
「う〜ん……。見たところ、あなたたち悪い人じゃなさそうよね」
ハッサンはぱっと見ちょっと怖そうだけど結構頼れるし、ミレーユはすっごく優しい。
タイチは普通の人って感じ。けど、ちょっと不思議な雰囲気よね。
ボッツは……えへへ。
「そうね。しばらくはあなたたちについて行くことにするわ。いいでしょ?」
「ええ? ずいぶん強引なヤツだな。まっ、俺も人のことを言えないけどな。
どうするボッツ? この娘を連れていくかい?」
「まあ……いいんじゃないかな。ここで会えたのも何かの縁だし」
「そうこなくっちゃ!今日からはあたしも仲間よ。よろしくねっ」
ひとりひとりと握手を交わす。
ボッツの時だけちょっと緊張しちゃったのはヒミツだよ。
ハッサンの言う通り、ちょっと強引なやり方で
仲間になっちゃったけど、まあこういうのもアリよね?
ボッツたちがいなかったら、きっとあたし、まだ半透明のままだったもの。
恩返ししなくっちゃね!
 *バーバラが仲間にくわわった!
タイチ
レベル:9
HP:60/71
MP:20/24
装備:ブロンズナイフ
    くさりかたびら
    けがわのフード
特技:とびかかり
「……今回、俺のステータスいらなくね?」
そうかも。

35 :
連投だけど気にしない!
バーバラ視点難しい。可愛く書けてるといいんですが。
>>24
ヘタレですが何とか成長できました。
ありがとうございます!
>>25
ありがとうございますっ!

36 :
乙!!
バーバラ良い感じだ

37 :
乙です!
視点が変わりましたねーこれからも楽しみにしてます!

38 :
保守

39 :
>>タイチの人
おつ!
バーバラktkr
視点変わるのも面白いもんだね。
タイチの(´・ω・`)具合ワロタwww

40 :
このスレに来なくなって2年以上経ったけど、ふいに思い出して来てみた。
タカハシさんがいてビックリした。
色んな物語は元気にしてるんだろうか。

41 :
>>40
最近はめっきり投下が減ってしまったね
やっぱり規制のせいなのかな

42 :11/12/29
ちょっと早いが
作家の皆様、今年も楽しませてくれてありがとう
来年も楽しみにしています
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