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2011年10月1期ロボットゲーゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目 TOP カテ一覧 スレ一覧 削除依頼
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ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目


1 :10/11/21 〜 最終レス :11/12/26
ここは、アラドとゼオラの娘ゼラドを中心とした、
スパロボオリジナルキャラの子供達の成長を暖かく見守るスレです。
※注意事項※
 子供たちの家族構成、性別、容姿、能力、人間関係などの設定は各職人さんにお任せください。
 主役はバランガ家を中心とした子供達全員です。
 嫌なネタはスルーの方向でお願いします。
 ネタを各際は、なるべく過去ログに目を通しましょう。
 版権キャラについては適度に空気を読んでください。
 その他議論は本スレではなく議論板でお願いします。
 過度の自分語り、投下に対しての質問も議論板でお願いします。
<<前スレ>>
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十一代目
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1260210254/
<<まとめサイト>>
ttp://banpresto-srw.com/
ttp://www.geocities.jp/soremowatashida/
<<まとめwiki(Juneログ含)>>
ttp://www28.atwiki.jp/srwkdm/
<<議論討論板>>
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/5816/
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/otaku/5816/
<<人物辞典>>
ttp://www.geocities.jp/zeradlove2005/index.html
ttp://zeradlove2005.hp.infoseek.co.jp/index.html
<<お絵かき掲示板>>
ttp://bbs4.oebit.jp/zeradlove2005/bbsnote.cgi
ttp://banpresto-srw.com/bbsnote/bbsnote.cgi
【登場人物紹介】
 アラド&ゼオラ→ゼラド(姉)・アオラ(弟)
 アルマナ&クォヴレー(?)→ルナ(♀)
 ギリアム&ヴィレッタ→ヴィレアム(♂)
 ハザル&ルリア→ハザリア(♂)
 キャリコ&スペクトラ→キャクトラ(♂)
 ゼンガー&ソフィア→ゼフィア(♂)
 リュウセイ&マイ→マリ(♀)
 リュウセイ&ラトゥーニ→リトゥ(♀)
 トウマ&ミナキ→トウキ(兄)・ミナト(弟)
 セレーナ&ルアフ→レイナ(♀)
その他、保護者、人格持ち機動兵器、先生方、近所のオッサンオバサンのみなさん

2 :
 【前スレのまとめ!】
31代目スレ開始!まとめwikiが出来ました! →久保を捜せ!この町はゼラドの庭!
→オスソワケ!カイツ兄妹が訪問する! →誰の指輪だ!紫雲姉妹が谷口ジローごっこ!
→クリスマス!無人の街で二人きり! →カーチェイス!ミズルのハンドル捌きは性格悪い!
→サムズアップ!レラの男気! →ハゲタカ!最上重工を買い叩け! →泥沼!ゼフィア
先輩は更生出来るのか! →ムダヅモ!ゼラドの強運と分の悪い賭け! →記憶喪失!
大学生生活と恋模様! →ヤマトナデシコ7変化!ルサイケをレディにせよ! →ODE
地上波初制覇!アオラに嫉妬するヴィレアム! →デート!他人に気をまわす克夜!
→バランガ夫婦!旅行癖に隠された真実! →ソーラーカーレース!ディストラはどこへ行く!
→邪馬大王国幻想記!バレンタインデーになにをする! →地道に行こう!麻雀勝負と
その意味! →この町に涙は似合わない!探偵ゼラドは泣かないぞ! →2本足!マーズの
データ不足! →武士道エイティーン!ゼフィアのサムライスピリッツ! →EXCEED!
記憶喪失者だらけの冒険! →ミナト☆自演乙!真摯でキモいアイドルオタ! →ゼラド伝!
OG町の夜明けぜよ! →告白!摩訶不思議な中学生女子! →我が家の歴史!もの凄く
ダイジェストっぽい! →ODE存続の危機!MCハマーにこだわるヴィレアム! →
ゼラド・イン・ワンダーランド!深層心理に潜むものは!? →ミナミのマーズ!きれいな
アギラ婆さん! →上海万博!そして地下でのバカラ勝負! →敵味方!ふたつに裂かれた
ハザリアとマリ! →異世界!ラ=ギアスの存在は誰に信じてもらえるのか! →ブルマ!とん
でもないブルマフェチども! →陵辱がすべて!ミスティリカの信条! →七夕!アルタイル
とベガに思いを馳せるハザリア! →アル=ヴァン・インパクト!月面師弟対決! →ノン
ストップ月面師弟!アル=ヴァンはオッサン臭い! →女子更衣室!桃源郷を目指す面々!
ラミア「私の名前はラミア・ラヴレス。
 ご覧の通りのニートだ」
アクア「いきなりなにをいっているんですか。
 違いますよ、あなたはバンプレストオリジナルキャラクターの子供たちが通う、
 このOG学園に勤務する教師、ラミア・ラブレス先生ですよ」
ラミア「働きたくないんだ」
アクア「しっかりしてくださいよ」
ラミア「ただもう、無性に働きたくないんだ」
アクア「なにいってるんですか、もう。
 ちょうど『スーパーロボット大戦OG・ジ・インスペクター』も放映中じゃないですか!
 頑張りましょうよ! 次の仕事に繋げて行きましょうよ!」
ラミア「新作とか続編とかないんでありんす」
アクア「ありますよ! ガルムレイドとかそのパイロットが出るまで頑張りましょうよ!」
ラミア「ガルムレイドにパイロットなんかいない」
アクア「いますよっ!」
ラミア「それでなくても、この先ブリットごときに『人間が残る』とか説教されるのが
 イヤでイヤで仕方がないのに」
アクア「ごときとかいわないでください!」
ラミア「シロー・アマダ少尉ならいいんだ。
 部下の命を背負って戦ってきたバッグボーンがあるから。
 しかし、ブリット風情では・・・・・・、ハァ」
アクア「もうっ! だったらプロデューサーに頼んでカイ少佐あたりに変更してもらえばいいじゃないですか!」
ラミア「お前は事務所の力関係というものを軽視している」
アクア「生々しいこといわないでくださいっ!」

3 :
ヒューゴ「え〜、このスレはですね、
 バンプレストオリジナルキャラクターの子供たちを捏造して楽しもうという」
アクア「ヒューゴぉ! なにしれっと解説始めてるの?
 ラミア先生の鬱をどうにかしてよ!」
ヒューゴ「俺、サイボーグだから鬱とかちょっと」
アクア「サイボーグ関係ないでしょう。
 このままじゃ、ガルムレイド登場前にシリーズが終わっちゃうわよ!」
ヒューゴ「ガルム・・・・・・、れいど・・・・・・?」
アクア「なにキョトーンとしてるの!?
 その、初めてそんな単語聞いたみたいな顔はなんなの!?」
ヒューゴ「たまに思うんだ。
 俺、ほんとはバンプレストオリジナルキャラクターじゃないんじゃないかって」
アクア「なんで自分の存在そのものに疑問感じ始めてるの!?」
ラミア「なあ、いまイノベイターに覚醒したら、
 軍の施設に隔離されて働かずに飯が食えるんだろうか」
ルアフ「まあ食べられるけど、ー出来なくなるよ?」
アクア「しれっとなにいってるんですかっ!」
ラミア「週3ペースで脱走するが、問題ないか」
ルアフ「問題あるに決まってるじゃないか。
 君、隔離の意味わかってるの」
ラミア「大尉相当の待遇を要求する」
ルアフ「いや、君少尉じゃん。さすがに、働かずに昇進するのはあり得ないよ」
ラミア「ハァ・・・・・・、考えてみたら、私はブリットごときとおなじ階級なのか。
 もうイヤだ。軍人生活に夢も希望もない」
アクア「ラミア先生、とっく軍人生活してないじゃないですか」
ラミア「あぁ、でも、シロー・アマダ少尉もおなじ階級か。
 どうして私はおなじ階級の人間に説教されなきゃならないんだ。
 せめてブリットを降格させてほしい」
アクア「勝手にブリットさんを降格させないでください!」
ラミア「ハァ・・・・・・、やむを得ない。
 ー出来なくていいから、アクア先生と一緒に監禁して欲しい」
アクア「どうして私を巻き込むんですかっ!」
ラミア「ーはしなくて済む、ーは」
アクア「ーー言い過ぎです!」
ヒューゴ「なあ、俺サイボーグなんだけど、ーって出来るのかな」
アクア「ヒューゴ! ヒューゴはっ、そのっ、ーとか必要ないじゃない!
 わたっ、わたっ!」
ルアフ「ねえねえ、准将とエセ霊帝って、どっちが偉いと思う?」
アクア「知りませんよ、そんなもん!」

4 :
ラミア「えー、では、うちのニート予備軍どもを紹介する」
アクア「生徒捕まえてとんでもないこといわないでください!」
ゼラド「えっ? えっと、わたし、ニート予備軍なんですか?」
ラミア「無い内定でべそをかく様がありありと想像できる」
ゼラド「そんなぁ〜」
ヒューゴ「ゼオラさんとアラドさんの娘、ゼラド・バランガ。
 成績は、まあ、ちょっとアレ。
 精神年齢は実年齢より若干低め。
 巨、素直、大食らい」
ラミア「なあ、お前の父親、スパロボ以外で見かけないことに定評があるんだが、
 実はニートなんじゃないのか」
ゼラド「えぇっ! うちのお父さん、ニートなの!?」
アクア「生徒にイヤなこといわないでください!」
ラミア「出勤するフリをして、公園で一日潰しているんじゃないのか」
ゼラド「うえぇぇぇ」
アクア「バランガさん、泣かないで!
 ラミア先生のうわごとだから!」
ルアフ「でもさ、大食らいのアラドさんとゼラドくんとアオラくんを養いつつ、
 奥さんがパート出てる様子もないし、
 その上アラドさんがニートっていうのはあり得ないんじゃないの?」
ラミア「ハァ・・・・・・、つまりあのアラドが、いまは結構稼いでいるという結論になるのか。
 私とアラド、どこで差が付いた。
 慢心、環境の違い・・・・・・」
アクア「勤労意欲の差じゃないでしょうか」
ゼラド「わっ、わたしっ、勉強頑張りますっ!」
アクア「まあ、頑張るのはいいことよ」

5 :
レイナ「ラミア先生、どうしちゃったんですか。
 教育熱心な先生だったじゃないですか」
ヒューゴ「レイナ・レシタール。セレーナ・レシタールさんの娘。
 胸デカい、ウェストがアレ、尻デカい。
 鞭とか振るう。諜報部という名の新聞部を主催している。
 あと片思いの相手は」
レイナ「わー! わー! わー!
 母ひとりっ、子ひとりの母子家庭で暮らしてますっ!」
ルアフ「いやいや、レイナ、しょっぱなからウソいっちゃダメだよ。
 君のお父さん、ちゃんといるじゃん、ここに」
レイナ「母ひとり、子ひとりの母子家庭で暮らしてますっ!」
ルアフ「力強く言い直したっ!?」
レイナ「あっ、あとエルマにはいつも世話になっていて、感謝しています」
ルアフ「ほかにいうことがあるでしょう!?」
レイナ「うちにお金を入れない居候が居着いてるのが、目下悩みの種です」
ルアフ「話を逸らすんじゃないよ! それとこれとは別の話だろう?」
アクア「いや、あんまり別の話じゃないと思うんですけど。
 ちゃんと家にお金いれましょうよ」
ルアフ「飲み代とかいろいろ、あるじゃないかっ!」
アクア「堂々となにいってるんですかっ!」
ラミア「ハァ、働かずに食べていけるなら、これに勝る幸せはないと思わないか」
ヴィレアム「ラミア先生、いったいどうしちゃったんですか」
ヒューゴ「ヴィレアム・イェーガー。
 ヴィレッタさんとギリアムさんの息子。
 成績優秀、スポーツ万能、要領最悪。
 片思いの相手は」
ヴィレアム「うわぁっ!」
アクア「ヒューゴ! どうして生徒の恋愛事情に詳しいの!?」
ヒューゴ「俺、サイボーグだけど結構恋愛の機微をわきまえてるからな」
アクア「えぇっ! そうなのっ!」
ヒューゴ「もちろんお前が、年下はダメって発言してたこともちゃんと覚えてるぞ」
アクア「昔の私のバカーっ!」
ラミア「先生な、お前の片思い、成就しないと思うんだ」
ヴィレアム「真面目な顔して絶望的なこといわないでください」
ラミア「最近だと、幼馴染みっていうのは噛ませ犬ポジションらしいし」
ヴィレアム「やめてくださいってば!」

6 :
ラミア「無職でも2人ないし3人の子供を設けられるという証拠を目にすると、
 こう、希望が湧いてくる」
トウキ「いや、俺たち見るなりなにいってるんすか」
ミナト「うちの親父、ちゃんと働いてますから、フリーターと無職は違いますから」
ヒューゴ「トウマさんとミナキさんの間に生まれた双子、
 トウキ・カノウとミナト・カノウ。
 カノジョいるほうがトウキで、いないほうがミナトだ」
ラミア「先生な、いいこと教えてやる。
 フリーター経験はいくら積んでも職歴にならないんだ」
トウキ「ウソぉっ!?」
ラミア「つまり、お前達の父親の履歴書は真っ白ということだ」
ミナト「うわぁぁぁぁ、どうしよう、兄貴」
トウキ「落ち着けミナト!」
ミナト「でも親父、いつまで経っても正社員にならないし」
ラミア「ならないんじゃない、なれないんだ」
アクア「生徒の危機感をムダに煽らないでください!」
クリハ「トウキくんは定職になんて就かなくて大丈夫です!
 ちゃんと私が養いますから!」
トウキ「いや、それあんまフォローになってないよ?」
ヒューゴ「クスハさんとブリットさんの娘、クリハ・ミズハ。
 ウェスト細い、ヒップ細い、バストという概念は存在しない。
 トウキのカノジョ。
 貧、無、ド貧。
 あと汁とか作る。あとがない」
クリハ「胸がないって、複数回いいませんでしたか!?」
ラミア「先生な、お前のとこの糖尿の気がある父親に
 『人間が残る』とか説教されるかと思うと、
 今からバイオコンピュータが焼け切れそうなんだ」
アクア「バイオコンピュータなんて積んでないでしょう」
クリハ「お父さん、家庭で発言権ないんだから、
 職場でくらい説教させてあげてください」
アクア「いやいや、その言い草はおかしいから。
 家庭でもお父さんに発言権あげましょうよ」
ラミア「今度の『スーパーロボット大戦L』では強化パーツという概念がないそうだ。
 つまりお前は胸パッドという強化パーツを装備出来なくなるのだが、どうだ」
クリハ「バカなぁっ!?」

7 :
ラミア「しかし安心しろ。
 代わりに、各機体にボーナスが設定されており、
 機体の組み合わせで強化されるシステムになっている。
 つまりお前は、相対的に胸が大きく見えるような相手とペアユニットを組む必要がある」
クリハ「そ、そうなんだ」
アクア「やめてくださいラミア先生!
 どう相対的に見ても、クリハさんに胸があるように見せられる人物なんて
 この惑星に存在しません!」
ラミア「ふぅ、ようやく勤労意欲が湧いてきた」
アクア「生徒を糧にして勤労意欲を湧かせないでください」
ラミア「このスレはだな、バンプレストオリジナルキャラクターの子供たちを捏造して」
ヒューゴ「あ、それ俺がもういいました」
ラミア「・・・・・・もう、イノベイターでもイノベイドでも、どっちでもいい」
アクア「ああっ、もう、またっ! 面倒くさいっ!」
ルアフ「それじゃあよい子のみんな、『スーパーロボット大戦L』をフラゲしても、
 ネタバレしちゃダメだよ? じゃあねぇ〜!」

8 :
先生達スレ立て乙です

9 :
復活乙です

10 :
 【放課後 教室】
ゼラド「う〜ん」
レイナ「どうしたの? 帰らないの?」
ゼラド「レイナ、わたし、どうしたらいいんだろう」
レイナ「なにかあったの?」
ゼラド「あのね、昨日、アオラの部屋にカッターナイフを借りにいったの」
レイナ「弟さん、カッターナイフとかたくさん持ってるものね」
ゼラド「そっ、そしたらね、その、パソコンの裏に・・・・・・、
 えっと、その、ね、ねえ」
レイナ「ね?」
ミツハル「なるほど。
 つまり、弟さんのパソコンの裏に『姉、ちゃんとしようよっ!』
 のパッケージが転がっていたと、そういうことだね」
レイナ「なにしれっと教室に入り込んでるんですか、部外者がっ!」
ミツハル「『姉、ちゃんとしようよっ!』は
 きゃんでぃそふとから発売しているエロゲーシリーズさ。
 妹萌え全盛の世の中に対して、あえて反逆して姉萌えを前面に出しているんだ。
 主人公は6人ないし8人の姉と18禁的な恋愛をすることになる」
レイナ「誰かーっ 先生! 守衛さん!
 がっ! 女子高生相手にエロゲーの解説するがここにいます!」
ミツハル「ははは、ひとを不審者みたいにいわないでくれたまえよ」
レイナ「不審者ですよ!」
ミツハル「ちゃんと正当な理由があってここにいるんだから」
レイナ「えっと、設備の搬入かなんかですか?」
ミツハル「女子高生と無性に会話したくなるときって、あるじゃないか」
レイナ「おまわりさーん!」
ゼラド「いっ、いいの、レイナっ! ほっ、ほんとのことだからっ」
レイナ「なんであんたが女子高生と会話したくなってるのよっ!?」
ゼラド「えっと、そっちじゃなくて」
ミツハル「弟さんが姉モノのエロゲーを所持していた件だね?」
ゼラド「・・・・・・まあ」
レイナ「えぇっ!?」
ミツハル「しかも、金髪ポニーテール姉のタカネから攻略していたんだね」
ゼラド「いや、そこまではわかりません」

11 :
ゼラド「わたし、どうしたらいいんだろう」
レイナ「どうしたらって、ねえ」
ゼラド「そりゃ、アオラも男の子なんだから、
 その、ああいうの、持ってるの、少しは、その、わかるよ?
 でも」
レイナ「18禁の姉ゲーはねえ・・・・・・、ちょっと」
ゼラド「そうだよっ、18禁だよ? アオラ、まだ16なのに・・・・・・」
ミツハル「たしかに、16にして18禁のエロゲーはまずい。
 18歳未満の人間が18禁のものを所持しているなんて、あっちゃならないことだよ。
 ねえ、そう思わないかい?
 さっきから会話に入りたそうに教室をウロウロしているヴィレアム・イェーガー君」
ヴィレアム「えぇっ!?」
ミツハル「具体的にいうと、
 月に2回、隣町の工場の裏にひっそりと建っている自動販売機目指して
 自転車で爆走しているヴィレアム・イェーガー君!」
ヴィレアム「うわぁぁぁぁーっ!」
 ダッ ピシャンッ!
ゼラド「あっ、ヴィレアムくん!」
レイナ「行っちゃったわね」
ミツハル「ふふ、イスルギの工場の敷地内に、
 古き良きエロ本自動販売機を設置して地域社会と青少年の健全な育成に貢献する男、
 ミツハル・イスルギ」
レイナ「自分ちの工場の敷地内でなにやってるんですか」
ミツハル「あっ、彼ね、巨モノのエロ本を中心に購入してるよ」
レイナ「その情報を伝えてどうするつもりなんですか」
ミツハル「いや、別に、よかったねえと思って」
レイナ「べっ、別によかっただなんて思ってませんからねっ!」
ゼラド「もうっ! いまはヴィレアムくんのことなんてどうでもいいよっ!」
ミツハル「なにげにヒドいこというね、この子は」
レイナ「まあ、今は弟さんのことのほうが優先ですから」
ゼラド「アオラ・・・・・・、なんであんなものを・・・・・・」
レイナ「う〜ん」
ゼラド「わたしが、お風呂上がりに下着姿でウロウロしてたのがいけなかったのかなあ」
レイナ「そりゃあんた悪いわ」
ミツハル「年頃の弟さんがいる家庭でそういうことはやめようよ」
ゼラド「でもっ、お父さんだって、お風呂上がりは一丁でウロウロしてるんだよ?」
レイナ「それはまた、話が違うでしょう」

12 :
ゼラド「お姉ちゃんだって、お風呂上がりはスケスケのネグリジェで廊下とかウロウロしてるし」
レイナ「うん、ほんとに悪いのはディストラさんだったね」
ゼラド「お母さんはちゃんとパジャマ着てウロウロしてるけど」
レイナ「とりあえず、あんたの家族お風呂上がりにウロウロしてないと気が済まないの?」
ゼラド「でもでもっ! お兄ちゃんはお風呂上がりでもピシッとパジャマ着てウロウロするよ!」
レイナ「ウロウロはするんだ」
ゼラド「どうしたら、お兄ちゃんお風呂上がりに一丁でウロウロするようになるんだろう」
レイナ「なんか話の焦点ズレてきてない!?」
ミツハル「久保さんがお風呂はいってる間に、
 パジャマをハサミでズタズタに切り刻んじゃえばいいんじゃないかな」
レイナ「猟奇的な助言やめてください!」
ゼラド「そうか!」
レイナ「そうかじゃない!」
ゼラド「そうだよ、アオラのことだよ!」
レイナ「あんたが話ズラしたんでしょうが」
ミツハル「ま、ふざけてないで真剣に助言させてもらうとだね」
ゼラド「ええ」
ミツハル「部屋に鍵をつけるべきだと思うよ」
ゼラド「ええっ!?」
ミツハル「そして、弟さんのことは常にゴミを見るような目で接するべきだと思うよ」
ゼラド「そっ、そんなことしたら、アオラが傷付いちゃうよぉ〜」
ミツハル「なにいってるんだい!
 肉体的にも社会的にも、傷付くのは君なんだよ?」
レイナ「やめてください、生々しい!」
ミツハル「つまり、あれでしょ?
 自分のことを性的な目で見てるかもしれない弟さんと、
 ひとつ屋根の下で暮らすのが不安なんでしょう?」
ゼラド「うぅ〜、そこまでは」
レイナ「ちょっとはオブラードに包んでくださいよ」
ゼラド「わたしはただ・・・・・・、アオラまだ16なのにあんなゲームやってたら、
 よくないんじゃないかと」
レイナ「まあよくはないでしょうね」
ミツハル「君の弟さんさあ、エロマンガ描いてなかったっけ?」
ゼラド「まあそれはそうなんですけど」
ミツハル「それで、いままでなんか問題起こしたことあるの?」
ゼラド「ないですけど」
ミツハル「つまりさあ、そういうことなんじゃないの?」
ゼラド「えっ?」

13 :
ミツハル「たとえば僕は、アイミちゃんを妹のように可愛がってるけど」
レイナ「思い出したように妹扱いしますよね、アイミのことを」
ミツハル「でもべつに、フツーに妹ゲーやるし」
レイナ「あんまりフツーじゃないと思います」
ミツハル「ほかにも、夕暮れ学園ADVも乙女心カウンセリングADも
 魔法学園強制合宿ADVもドタバタモミモミADVも
 兄妹三人で幸せを目指すADVも妹×妹LOVEエロADVも
 フツーにこなすけど」
レイナ「全然フツーじゃありません。なんですかそのとちくるったジャンル名」
ミツハル「珍妙なジャンル名を付けるのが、最近のトレンドさ」
レイナ「一生知りたくありませんでした、そんなトレンド」
ミツハル「でも、アイミちゃんにヘンなことしたいと思ったことは一度もないよ!」
レイナ「当たり前ですよ! 思ってたらその場で通報ですよ!」
ミツハル「せいぜい、制服姿で一緒に登下校したいなと思うくらいだよ?」
レイナ「アウトです」
ミツハル「いや、思っただけだよ? 実行しようとはしてないよ?
 制服を買うまでに留まってるよ?」
レイナ「制服買ってる時点でもうダメですよ!」
ミツハル「制服っていっても、アレだよ? アイミちゃん用のを4種類ほどだよ?」
レイナ「あ、もしもし、警察ですか」
ミツハル「通報したってムダさ! 僕がなんのためにお金持ちだと思ってるんだい!?」
レイナ「女子の制服買うためじゃないと思います!」
ミツハル「じゃあ聞くけど、学ランなんて買ってなんか楽しいのかい!?」
レイナ「真面目な顔してなにを主張してるんですか」
ミツハル「つまりさ、二次元と三次元はあくまで別なんだよ」
ゼラド「まあ、それはそうなんでしょうけど」
ミツハル「僕だって、魔女っ娘妹に誘惑されるADVとか」
レイナ「もうエロゲーのジャンル名羅列はいいですから」
ミツハル「べつに、フツーに3次元のカノジョいるし」
レイナ「いたんですか」
ミツハル「なにその意外そうな顔。
 僕だって、いつまでもフラれてばっかじゃないよ。
 最近は、女性のほうが参加費用を払うタイプのセレブ専門の婚活パーティに出て、
 いかにも焦ってる感じのアラサー婚活女を札束で引っぱたいて釣り上げてきて、
 クリスマスが近くなってから計画的に捨てるのがマイブームさ」
レイナ「紛う事なき人間のクズですね」
ミツハル「今年のクリスマスは寂しくないよ!
 だって寧々さんと一緒だもん!」
レイナ「まったく邪気のない瞳でそんなこと主張されても、
 あたしはいったいどうしたらいいんですか」

14 :
ゼラド「どうしよう、
 アオラが婚活パーティに出てアラサー婚活女性を遊び半分で引っかけた挙げ句に
 クリスマスは『ラブプラス』で遊ぶのを楽しみにするような大人に育っちゃったら」
レイナ「落ち着きなさい。
 あんたの弟、べつにセレブ専用の婚活パーティに出るアテないでしょう」
ミツハル「そうだよ。
 たとえいっときでもアラサー婚活女ごときに夢をくれてやるのは悪いことだけど、
 『ラブプラス』を愛でるのはまったく悪いことじゃない!」
レイナ「もう黙っててください」
ミツハル「これはなんとなくだけど、
 君の弟さんは、たぶん凛子ちゃんあたりがタイプだと思うよ」
ゼラド「わかりました!
 もしもアオラが『ラブプラス』を所持してたら、DSごとまっぷたつにへし折って捨てます!」
ミツハル「おまわりさーん、ここに人犯がーっ!」
レイナ「あんたに警察を頼る資格はない!」
 【バランガ家】
ゼラド(そうだよね、アオラだって男の子だもんね。
 ああいうの持ってるからって、実際にヘンなことするわけないもんね)
ゼラド「ただいまー」
ゼオラ「ああ、おかえりなさい」
ゼラド「お母さん、どうしたの?」
ゼオラ「・・・・・・実はねえ、アオラの部屋を掃除してたら、こんなものが」
ゼラド「う、うわあぁぁぁっ!」
ゼオラ「これ・・・・・・、その・・・・・・、あれよね・・・・・・、なゲームよね・・・・・・」
ゼラド「そっ、そうだと思うけど」
ゼオラ「やっぱり・・・・・・、よくはないわよねえ・・・・・・」
ゼラド「でっ、でででもねっ、お母さんっ!」
ゼオラ「やっぱり、捨てたほうがいいのかしら」
ゼラド「えぇっ! それはダメだよ、お母さん!」
ゼオラ「そりゃあね、
 あの子も男の子なんだから、こういうものに興味を持つのもわからないわけじゃないわ。
 でもねえ、これは、その、あれでしょう?
 18歳未満は買っちゃいけないものでしょう?」
ゼラド「でっ、でもっ! そんなっ、勝手に捨てちゃうなんてっ!」
ゼオラ「親としてはねえ、子供がヘンな方向に行かないように、ちゃんと管理しないと」
ゼラド「ちちっ、違うのっ!」
ゼオラ「違うって、なにが?」
ゼラド「それっ、わたしのなのっ!」

15 :
ゼオラ「・・・・・・は?」
ゼラド「だからっ、それ、アオラのじゃないのっ!
 えっと、あのっ、わっ、わたしのパソコン調子悪かったからっ!
 アオラの借りて・・・・・・っ!」
ゼオラ「あのねえ、ゼラド。すると、なんなの?
 あなたは、弟の部屋で、弟のパソコン使って、姉が弟にいかがわしいことするゲームやってたっていうの?」
ゼラド「ちょ、ちょー面白かったもん! 文句あるっ!?」
ゼオラ「文句あるって、あなた」
ゼラド「じょっ、女子高生がなゲーム持っててなにが悪いのっ!?」
ゼオラ「いや、だからね、これは18歳未満が」
ゼラド「わっ、わたしっ、そういうのっ、大好きだもんっ!
 愛してるっていっていいもん! 生きがいといっても言い過ぎじゃないもん!
 それを捨てられたら、わたしがわたしでなくなっちゃう!
 だから、捨てちゃダメーっ!」
ゼオラ「・・・・・・はあ、じゃあ、もう勝手になさい」

16 :
 【ゼラドの部屋】
アオラ「姉ちゃん! 俺の部屋に入った!?」
ゼラド「ああ、アオラ、ダメだよ。
 ああいうの、持つなとはいわないけど、ちゃんと隠しとかないと」
アオラ「ちっ、違うよ! あっ、あれは友達から預かっただけっ!
 お、俺のじゃないんだからっ!」
ゼラド「へ? そうなの?」
アオラ「そっ、そうだよっ! あったり前じゃないか」
ゼラド「はぁ〜、よかったあ〜。
 アオラがヘンな方向に行っちゃったらどうしようって、お姉ちゃん心配しちゃった」
アオラ「なな、なにをいってるんだよ。
 もうちょっと弟を信用しろよなっ!」
 【翌日 学校】
アオラ「ラッシュぅ〜っ!」
ラッシュ「おお、おはよう」
アオラ「おはようじゃないっ! お前から預かってたゲーム、姉ちゃんに見られたぞっ!」
ラッシュ「ああ、それは災難だったな」
アオラ「災難なんてもんじゃないよ。
 姉ちゃん、昨日から俺を見る目が挙動不審なんだぞ?」
ラッシュ「フラグ立ってるんじゃね?」
アオラ「お前はアホか! うちの姉ちゃんはエロゲヒロインじゃない!」
ラッシュ「でも、プレイはしたんだろ?」
アオラ「ひっ、ヒナノ姉ちゃんだけだよっ!」
ラッシュ「銀髪だな」
アオラ「おっ、お前こそリアル姉とかカノジョとかと同居してるくせに、
 よくもあんなもの買えたよなっ!」
ラッシュ「そういう環境下でこっそりプレイするのが、楽しいんじゃないか」
アオラ「ゴメン、ラッシュ。お前、カッコいいよ」
ラッシュ「よせよ、スカルプルムが見てる」

17 :
なりきり板でやれよきめぇ

18 :
うん
やっぱりゼラド大好きだわ

19 :
 【バルマー寮】
ハザリア「妹よ」
ルル「あら、なんでしょう兄上」
ハザリア「兄に、この兄に、人生相談をするがよい」
ルル「は?」
ハザリア「なんでも、世間では
 妹の人生相談に応じてやっていると、ゴスロリ可愛い後輩から告白されるという
 都市伝説が流布しているらしい」
ルル「まあ兄上、清々しいほど利己的な動機ですわ」
ハザリア「さあ、兄を、この兄を頼るがよい。忌憚なくな」
ルル「あるといえばあるのですが」
ハザリア「なに、あるのか」
ルル「なんですの、自分から振っておいて」
ハザリア「いや、本当に相談があるとは思っていなかったのでな」
ルル「わっ、私にだって悩みくらいありますっ!」
ハザリア「ああ、わかったわかった。そら、いってみよ」
ルル「ここでは少し」
ハザリア「なんだ、もったいぶるな」
ルル「私の部屋に、いらしてくださいます?」
 【ルルの部屋】
ハザリア「『JUNE』に『Chara』か・・・・・・。
 相変わらず、生命体として間違った嗜好の本棚だな。
 貴様は繁殖の意味がわかっておるのか」
ルル「最初に確認しておきますが」
ハザリア「なんだ」
ルル「・・・・・・笑いませんか?」
ハザリア「ああ、笑わん笑わん。
 この本棚を見た時点で、どうせろくな内容でないことは予想できるからな」
ルル「本当に?」
ハザリア「くどいぞ」
ルル「ご存じのとおり、この部屋はもともと和室であったのを
 私の意向で洋室にリフォームしたものなのですが」
ハザリア「ああ、そうだったな。
 まったく、和室のほうが風情があってよかろうに」
ルル「その名残なのでしょう。こういう、空間があるのですが」
 ズル・・・・・・

20 :
ハザリア「本棚のうしろに襖?」
ルル「驚きました?」
ハザリア「うむ、BL雑誌がぎっしり詰まった本棚を動かしてのけた
 貴様の意外な腕力に若干引いた」
ルル「なっ、中身のことです!」
ハザリア「中身といってもなあ」
ルル「これですとか」
ハザリア「『Popteen』? ああ、ファッション誌か」
ルル「これですとか」
ハザリア「『冬 クリスマスコスメカタログ』?」
ルル「こっ、こういうものも!」
ハザリア「・・・・・・『アルマテラピー入門』?」
ルル「『恋空』の初版本なども・・・・・・、あるのですが」
ハザリア「はあ、それなりに価値があるのだろうな」
ルル「ど、どう思われます?」
ハザリア「どうといわれても、なぜこんなものを隠しておる?」
ルル「私、実は・・・・・・、そうなんですの」
ハザリア「『そう』、とは?」
ルル「ティーン雑誌が大好きで!
 週末ごとに自分へのご褒美にスイーツを買ったりするのが習慣で!
 岩盤浴とかホットヨガのお店も大好きで!
 隠れ家的なレストランでパスタを食べるのも大好きで!
 ネイルアートとか凄く憧れますし!
 ケータイ小説に感動して涙してしまいますし!
 『・アンド・ザ・シティ』もBOXで所有していますし!
 ロハスな生活にも超憧れるし!
 ケータイをラインストーンでデコったりしたいし!
 ほっ、本当は!
 髪の毛だってふわもてカールにしたいし!
 小悪魔的なメイクもしてみたいんですの!」
ハザリア「はあ、そうなのか」
ルル「わ、私・・・・・・、おかしいのでしょうか」
ハザリア「ああ、おかしい」
ルル「わっ、笑わないと仰ったじゃないですか!」
ハザリア「笑ってはおらんだろう。
 BL雑誌を臆面もなく陳列した本棚の裏に、
 なぜこんな普通なものを隠しておるのか、理解に苦しむ」

21 :
ルル「だって・・・・・・」
ハザリア「だって?」
ルル「スイーツ(笑)とかいってvipでバカにされるじゃありませんの」
ハザリア「わかった。貴様はバカだ。
 よく考えてみろ。vipでバカにされたくらいで、なんの実害がある」
ルル「だって、こういうのは、いかにも頭の悪い女が好むもののようで・・・・・・」
ハザリア「貴様に知性なんぞ求めておらんわ。
 スイーツ(笑)でも甘味でも、勝手に好きでいろ。
 どうせ俺の人生にはいっさい関係がない」
ルル「そう・・・・・・、ですわよね」
ハザリア「ああ、父上にはバレんようにしておけ。
 父上は、スイーツ(笑)とか本気でバカだと思っておるからな」
 【数日後 バルマー寮】
ハザリア「いま帰ったぞー。なんだ、誰か来ておるのか」
 バンッ!
ハザリア「なんだ?」
ルル「・・・・・・っ!」
ハザリア「おい、どうした」
ルル「・・・・・・っ!」
 ダッ!
ハザリア「なんだあやつは。突然外に走り出したりして。
 情緒不安定なヤツだ」
ハザル「ハザリアか」
ハザリア「おお、父上。久しぶりですな」
ハザル「ちょっと、ここに来て座れ」
ハザリア「どうしたのですか」
ハザル「お前達の様子を見ようとやってきたのだが」
ハザリア「はあ、それは珍しい」
ハザル「驚かせてやろうとこっそり寮に入ってみたところ、
 ルルがこんなものを手にしているのを見かけた」
ハザリア「・・・・・・クローバーの、『ガンダムDX合体セット』ですな」
ハザル「そうだ。ファーストガンダムでも希少な合体メカだ」
ハザリア「ファーストガンダムのくせにアンテナが黄色くて、
 ガンダムがわけわからん槍を持ってるヤツですな」

22 :
ハザル「キャノピーを開けるとガンダムの生首が出てくるのがチャームポイントだ」
ハザリア「ファーストガンダムにはそぐわないオモチャ感ですな」
ハザル「このオモチャ感がよいのではないか!」
ハザリア「ははっ、仰るとおりです」
ハザル「しかし、問題はオモチャ感云々ではない!
 見ろ! せっかくの『ガンダムDX合体セット』が!
 なんだかキラキラ光る宝石みたいなものでゴテゴテと飾られているではないか!」
ハザリア「そうですな」
ハザル「なんだその薄いリアクションは!
 この『ガンダムDX合体セット』はな、
 ガンプラ登場以前にバカ売れしていたのだぞ!」
ハザリア「していたのだぞって、まるでリアルタイムで観てきたように。
 父上は、別にファーストガンダム世代ではないでしょうが」
ハザル「そんなことは問題ではない!
 この飾り方は・・・・・・、まるでスイーツ(笑)ではないか!」
ハザリア「あ、いや、父上、この程度でスイーツ(笑)と決めつけるのは早計では。
 ルルもあれで女子でしょう。
 なんだかわかりませんが、
 女子はケータイとかをゴテゴテ飾り付けるのが大好きではありませんか」
ハザル「こんなフジツボのような装飾を好むのは頭の軽い女だけだ!
 うちの賢く聡明なルルがこんなものを喜ぶはずがない!」
ハザリア「心配しすぎです父上!
 そもそもスイーツ(笑)は『ガンダムDX合体セット』を買ったりしません!」
ハザル「こうしれはおれん」
ハザリア「父上、どこに?」
ハザル「決まっている。ルルの部屋だ」
ハザリア「おっ、お待ちください父上!
 いかな父親とはいえ、年頃の娘の部屋に勝手に入るのは」
ハザル「放せハザリア! 可愛い娘が、スイーツ(笑)になってしまうかどうかの瀬戸際なのだ!
ハザリア「別にスイーツ(笑)でもよいではありませんか!
 特に実害はないのだから!
 消費に貢献している分、割れ厨とかよりはるかにマシです!」
ハザル「バカをいえ!
 スパゲッティをパスタとか呼んでしまうのだろう!
 デザートをスイーツとか呼んでしまうのだろう!
 10ページに1回登場人物がされるような小説でなぜか感動するのだろう!
 『グータンヌーボ』で意外と奔放な恋愛観を披露した挙げ句に、
 ヘキサゴンファミリー入りしてわけのわからんCD出したりするのだろう!」

23 :
ハザリア「落ち着いてくだされ父上!
 スイーツ(笑)のみんながみんなヘキサゴンファミリー入り出来るほど
 芸能界は甘くありませぬ!」
ハザル「うちの可愛い娘をシンスケの魔の手に染めるわけにはいかん!」
ハザリア「そのへんのスイーツ(笑)にかかずらわっているほど
 シンスケは暇ではありません!」
ハザル「貴様! ちょっと沖縄行ってシンスケの店に火を点けてこい!」
ハザリア「父上は息子を放火犯にするおつもりですか!」
ハザル「貴様、よくフラフラと旅行しているだろう」
ハザリア「別に放火してまわっているわけではありませぬ!」
ハザル「臆するな! 可愛いルルのために、放火くらいいかほどのものだというのだ!」
ハザリア「父上は、息子のほうは可愛くないのですか!」
ハザル「貴様は可愛い、しかしルルのほうがもっと可愛い!」
ハザリア「父上、ハザリアはガッカリです」
ハザル「スイーツ(笑)など、vipでは嘲笑の的なのだろう!
 娘が間違った方向に行こうとしているのなら、正してやるのが親の躾というものだ!」
ハザリア「どちらかというと、BL趣味のほうを叱るべきなのではないのでしょうか。
 生命体として」
ハザル「バカをいえ。BL趣味を叱ったりなどしたら、ルリアに怒られるではないか!」
ハザリア「なぜBL趣味で母上が怒るのですか」
ハザル「貴様は、ルリアがガンダムW大好きな時点で察せられないのか」
ハザリア「俺が浅薄でした」
ハザル「わかったらそこをどけ」
ハザリア「どいたら、いかがなされます」
ハザル「決まっている。家捜しだ。
 ルルの部屋にスイーツ(笑)的なものがないか確かめる」
ハザリア「あったら、いかがなされます」
ハザル「捨てるに決まっているだろう、ひとつのこらず」
ハザリア「父上、それはまずい。
 本人が以内間に勝手に部屋を荒らした挙げ句にものを捨てるのは」
ハザル「では貴様は! ルルがスイーツ(笑)になっていくのを指をくわえてみていろというのか!」
ハザリア「ここは俺に任せてはいただけませんか。
 ルルと、話してみますから」
ハザル「貴様がか?」
ハザリア「もう少し息子を信用してくだされ」
ハザル「貴様はちょいちょい地球で問題を起こしているからな」
ハザリア「報告書を読んでくだされ。すべて理由あってのことです」

24 :
ハザル「わかった。貴様に任す。
 もしもルルがスイーツ(笑)的なものを所持していたら、責任持って捨てろ。
 ひとつ残らずだ。
 そしてシンスケの沖縄の店に火を点けてこい」
ハザリア「なぜそんなにシンスケの沖縄の店に火を点けたいのですか」
ハザル「安心しろ。そちらは、バルマー情報部の総力を挙げて
 東京03の仕業ということにしておく」
ハザリア「父上、地球のテレビ大好きではありませんか」
 【町中】
ハザリア「しかし、ルルめはどこに行ったのだ」
ハザリア「よく考えてみたら、なぜ特に仲がいいわけでもない妹のために、
 こんなに歩き回らなくてはならぬのだ」
ハザリア「ああ、馬鹿馬鹿しい。
 やめだやめだ。うむ、そうだ。ダテ家に行って和菓子を食おう」
ルル「待ってください!」
ハザリア「ん?」
真龍「着いてこないでください」
ルル「そんな、真龍」
真龍「ごめんなさい。わたし、そういう爪をしている人とは今後お付き合いできません。
 お願いですから、もう学校で話しかけないでくださいね」
ルル「そんな・・・・・・、真龍・・・・・・」
ハザリア「ああ、和菓子が食いたい」

25 :
 【公園】
ルル「うっ・・・・・・、うっく・・・・・・っ」
ハザリア「ウザい。泣くな」
ルル「うぅ・・・・・・っ」
ハザリア「経緯くらい聞いてやる」
ルル「うぅっ、お父様に叱られて、悔しくて、悲しくて、
 つい衝動的にネイルサロンに入ってしまいましたの・・・・・・」
ハザリア「ネイルサロンというのは衝動的に入る場所だったのか。初めて知った」
ルル「そしたら、店を出たところで、真龍に出くわして」
ハザリア「あの娘は、貴様の友人ではなかったのか」
ルル「こんな爪では・・・・・・、トーンを貼ることも出来ませんもの。
 ・・・・・・真龍に愛想を尽かされて、当然ですわ・・・・・・」
ハザリア「トーン貼れなくなったくらいで縁を切るような輩とは、
 友達付き合いを考え直した方がいいぞ」
ルル「かっ・・・・・・、勝手なことをいわないでくださいまし!」
ハザリア「いや、俺の意見は、至極全うだと思うのだが」
ルル「あっ、兄上に、なにがわかるんですのっ!」
ハザリア「知るか。貴様の友人関係などに興味はないわ」
ルル「友達のいない兄上に、友人関係のなにがわかるというんですのっ!」
ハザリア「ルルよ、兄はいま、予想以上に傷付いておるからな」
ルル「あっ、兄上はっ、いつもそうです!
 私のことなんかほったらかしで! 私のことを、妹とすら思っていないのでしょう!」
ハザリア「ああ、そうだな。
 幼いころの貴様は病弱で、父上も母上も貴様にかかりきりだった。
 父上は俺よりも貴様が可愛いなどと仰る始末だ。
 ウザい生き物が身内にいるものだと、うざったかった」
ルル「・・・・・・だったらっ、私のことなど放っておいてください!」
ハザリア「ああ、放っておくか。
 だが、その前に」
ルル「なんですの、その手は」
ハザリア「例の、真龍といったか。
 あの娘のケータイ番号をよこせ」
ルル「なにをっ」
ハザリア「貴様なんぞに興味はない。
 好きの反対は無関心だ。
 そして俺は貴様のことが大して好きではない。
 だが、嫌いでもない」
ルル「・・・・・・っ、さんざんほったらかしにしてきて、今さら兄上顔しないでください!」
ハザリア「ふんっ、勘違いするなっ。
 貴様がヤケになって、ケータイ小説よろしくドラッグやに手を染めるようになったら、
 ええと、ああ、そうだ、政略結婚の道具に使えなくなってしまうではないかっ!
 そうだ、俺は、自分の手駒を守るために行動するにすぎんっ!」

26 :
 【別の公園】
真龍「ルルに頼まれたんですか」
ハザリア「ふんっ、誰があんな愚妹のいうことなど聞くものか」
真龍「ルルと仲直りしろとでも、いうつもりですか」
ハザリア「そんなつもりは毛頭ない。
 どちらかというと、BL友達など屁の役にもたたんから、
 縁を切ってくれたままで一向に構わん」
真龍「だったら、どうして私を呼んだんです」
ハザリア「トーンを貼れなくなったぐらいで縁を切る、
 貴様の思考回路が気に食わんだけだ」
真龍「トーン貼りのことなんて、誰がいったんですか。
 トーンが貼れなくたって、コミックワークスとかで処理するとか、いくらでも方法はあります」
ハザリア「では、なぜあのようなことをいった」
真龍「ショック、だったんです。
 まさか、ルルが、あのルルが、あんなスイーツ(笑)みたいな爪をするなんて」
ハザリア「俺から見れば、BL趣味のほうが遙かにキモいのだが」
真龍「お兄さんはっ! ルルのなにを知っているんですかっ!」
ハザリア「ううむ、見栄を張って入れをしていることくらいしか」
真龍「ルルはっ、あの子はっ、凄い子なんですよ!
 『キン肉マンU世』ではセイウチン×チェック・メイトというカップリングを考案し!
 『銀牙 -流れ星 銀-』ではベンとハイエナを絡ませて!
 最近のイベントでは『瑪羅門の家族』ネタで翔×惷という禁断の絡みを実現し!
 他にも、他にもっ、斬新なカップリングを考案し続けてきて・・・・・・っ」
ハザリア「やめろ、頼む、やめてくれ。
 腐女子だ腐女子だとは思っていたが、
 俺の妹がそんなに痛いタイプの腐女子だったとは知りたくなかった」
真龍「ルルは・・・・・・っ、私の親友で、憧れで、誇りでした・・・・・・」
ハザリア「俺はまったく誇れん。
 座敷牢にでも放り込んで一生日の目を見ないようにしてやりたい」
真龍「そのルルが・・・・・・っ、あんなっ、スイーツ(笑)のような真似を・・・・・・っ!」
ハザリア「どう考えてもスイーツ(笑)の方がまともだと思うのだが」
真龍「スイーツ(笑)なんて・・・・・・っ!
 『・アンド・ザ・シティ』みたいな不潔な生き様に本気で憧れて、
 『グータンヌーボ』でオッサンが好きとか言い出して、
 あまつさえ、ヘキサゴンファミリー入りして気持ち悪い歌を歌い出したりするのでしょう!」
ハザリア「不思議だ。
 スイーツ(笑)の最終到達点はヘキサゴンファミリーというのが
 世間での共通認識なのだろうか」
真龍「まさか・・・・・・、ルルがあんなことをするようになったのは、お兄さんの影響じゃないでしょうね」
ハザリア「兄からどんな影響を受ければ爪をフジツボのように飾り立てるというのだ」
真龍「自分でわからないのですかっ!」
ハザリア「なにか理不尽なことをいわれているような気がする」
真龍「そうよそう、きっとそう、あなたが諸悪の根源。
 あなたがルルを変えてしまった。
 返して。あの、キラキラ光る瞳でカップリングを語っていたルルを返してください。
 あんなルルは・・・・・・っ、偽物・・・・・・っ、紛い物・・・・・・っ!
 返して! 本当のルルを返して!」

27 :
ルル「偽物偽物、うるさいですわ!」
ハザリア「・・・・・・貴様」
真龍「ルル・・・・・・」
ルル「真龍。あなたのいう、本当の私とはいったいどんなものですの?」
真龍「それは」
ルル「眉目秀麗、スタイルファッションセンス共に抜群。
 スポーツ万能、学業優秀。
 作ったサークルはすぐさま壁サークルに格上げ。
 あまつさえ、陸上の全国大会で活躍する、超完璧で超可愛くて超美人の、
 ルル・カイツのことですの?」
ハザリア「待て、貴様にそんな超人設定はない。
 いったいいつの間に陸上の大会に出たことになっておるのだ」
真龍「そうよ! 本当のルルは!
 可愛くて人望厚くて面倒見がよくて!
 いつもひとが考えつかないような素敵なカップリングを思いつく、最高の親友だったわ!」
ハザリア「おい、貴様はルルに洗脳でもされておるのか?」
ルル「そう、それも私」
ハザリア「貴様に臆面という言葉はないのか」
ルル「でもね、真龍。
 私、パスタ、大好きなんですの。
 岩盤浴もホットヨガも、何時間でもいられるんですの。
 ラインストーンのキラキラは、何時間見ていても飽きないんですの。
 『深イイ話』を、本当に人生が変わってしまうように感じるんですの。
 本当に、そういうの、大好きなんですの。
 愛しているといっても過言ではないくらいに」
真龍「それは・・・・・・、私より・・・・・・、友達よりも大事なの?」
ルル「そんなはずないじゃないですの!」
真龍「じゃあ」
ルル「BLが好き、ホモが好き、でも、スイーツ(笑)もおなじくらい好き。
 真龍のことも、シンスケとおなじくらい好きですわっ!」
ハザリア「・・・・・・俺は、いまあり得ないし文句を聞いたような気がする」

28 :
ルル「私は、真龍と仲直りしたいですわ」
真龍「それは、私だって」
ルル「じゃあ」
真龍「でもっ!」
ルル「なんですの?」
真龍「ダメっ、やっぱり、ダメ・・・・・・っ!
 頭では分かっていても、やっぱり、私、ヘキサゴンファミリーが嫌い・・・・・・。
 シンスケのニヤケ面が、生理的にイヤっ。
 ヘキサゴンファミリーのニヤニヤ笑いも、本当にイヤっ!
 なんていうか、『アッコにおまかせ!』の出演者陣を見ているような気持ちになるの・・・・・・っ!」
ハザリア「もはや、スイーツ(笑)関係ないような気がする」
真龍「・・・・・・どうしよう、ルル、わたし・・・・・・っ、仲直りしたいのに・・・・・・っ、
 出来ない・・・・・・っ、どうしよう、どうしよう・・・・・・・っ!」
ルル「真龍・・・・・・」
ハザリア「まあ待て、貴様、これを見ろ」
真龍「なんです、それは」
ハザリア「クローバーの『ガンダムDX合体セット』だ」
真龍「見せないでください! そんな・・・・・・、気持ち悪くデコレートされたもの・・・・・・!」
ハザリア「そう、キモくデコレートされている。
 しかし俺は、これを見たとき、妙な違和感を覚えた。
 なぜ、『ガンダムDX合体セット』なのだ?
 デコるのなら、ケータイにでもしておけばよいのに」
真龍「それは・・・・・・」
ハザリア「おそらくうちの妹は、Aメカ×Bメカとか、キモい妄想をしていたと思われる」
真龍「ルル!」
ルル「間違っていますわ、兄上。
 正確には、Aメカヘタレ攻めのBメカ誘い受け、さらにコアファイターの横恋慕萌えですわ」
ハザリア「うむ、予想より相当ひどい。
 わかったか、スイーツ(笑)も好き、BLも好き、合体メカも好き。
 ルルというのすべてが、このクローバーの『ガンダムDX合体セット』に集約しておるのだ」
真龍「ルル! やっぱりあなたは、ルルだった!」
ルル「真龍」
真龍「ごめんなさい、ルル・・・・・・。わたし、あなたの気持ちなんてこれっぽっちもわからず」
ルル「いいんですのよ、真龍っ、真龍・・・・・・っ」
ハザリア「・・・・・・俺は今、世の中でも希に見るキモい抱擁を目撃しておる」

29 :
 【ダテ家】
ハザリア「あぁ、やはりダテ家は落ち着くなあ」
マリ「勝手に人んちで落ち着くな」
ハザリア「黙れ! 黙れよ!
 いま寮に帰ったら、否応もなく沖縄のシンスケの店に火を点けて
 東京03を芸能界的に抹せねばならないのだぞ!
 もう、俺はほとぼりが冷めるまでダテ家でくつろぐ!」
マリ「お前・・・・・・、なにいってるんだ?」
リトゥ「ずいぶん疲れてるみたいだけど、なにかあったの?」
ハザリア「ああ、詳しくはいえんが、妹の面倒を見ていた」
マリ「あれ、お前んとこ、そんなに仲よかったっけか」
ハザリア「ふ、ふんっ、勘違いするなっ!
 べ、別に家族愛とか兄妹愛とか、そういう生臭いものではないのだからなっ!
 妹の面倒を見ているとゴスロリ可愛い後輩から告白されるという
 都市伝説を真に受けただけなのだからなっ!」
マリ「お前、いつからゴスロリ可愛い後輩にそんな執着するようになったんだよ」
ハザリア「黙れ、黙れよ!
 ゴスロリで可愛くてしかも後輩だぞ、貴様っ!
 ある種クローバーの『ガンダムDX合体セット』だろう!」
マリ「なにをいっているのかわからない」
リトゥ「そっ、それはっ! ゴスロリ可愛い留年生とかじゃダメなの!?」
マリ「リトゥっ!? 思い詰めるなリトゥ!?」
ハザリア「留年しているような輩なら、
 浮かれたことしとらんで勉強しろというわ」
リトゥ「わっ、わたしっ、勉強頑張る!」
マリ「はあ、まあ、奮闘したんだな」
ハザリア「二度目はないと思え」
マリ「まあいいや。和菓子でも食べるか?」
ハザリア「ああ、頼む。台所の上から2番目の棚に塩大福が入っているはずだから」
マリ「なんでうちの和菓子のありかを把握してるんだ、お前は」
 プルルルル。。。
ハザリア「おい、電話だぞ」
マリ「お前のケータイだろ。お前が出ろ」
ハザリア「もしもし・・・・・・、うん? ああ、わかった」
マリ「誰からだったんだ?」
ハザリア「ああ、間違い電話だった」
マリ「はあ?」
ハザリア「俺の妹が、あんなに可愛い声を出すはずがない」

30 :
アオラ「俺のルルがこんなにライフライナーなわけがない」

31 :
 【ゲーム屋】
ミスティリカ「ゲーム屋に着いたぞ!」
ゼフィア「『スーパーロボット大戦L』発売か」
ミスティリカ「PUのことならわたしに訊いてください、ゼフィア先輩!
 そんなもの使わなくてもシングルユニットでアタックコンボ攻撃爽快です!
 あと適当にストフリ突っ込ませとけばクリア余裕です!」
ゼフィア「そこらへんのバランスは調整されていると思うが」
ゼフィア「もう一度訊くが、本当に予約していないんだな?」
ミスティリカ「もう、何回それ訊くんですか。
 なんでゲーム買うのにいちいち予約しなくちゃならないんですか、めんどくさい」
ゼフィア「そうか、よかった」
ゼフィア「予約していたものですが」
店員「はい、商品こちらになります」
ミスティリカ「あれ? 2つ?」
ゼフィア「ひとつは、お前のだ」
ミスティリカ「は? え?」
ゼフィア「その・・・・・・、お前と知り合ってから・・・・・・、
 パRにはまってしまったのは痛恨の極みだが・・・・・・、
 自分の弱さを知ることが出来たわけだし・・・・・・、
 その、わりと楽しかった・・・・・・。
 だから、それはその礼だ」
ミスティリカ「ひ・・・・・・っ」
ゼフィア「ひ?」
ミスティリカ「いやぁぁぁぁぁっ!」
ミスティリカ「ランさん、ランさん、ランさぁぁぁんっ!」
ラン「ゼフィアちゃん! ミスティリカちゃんになにしたん!
 こないに泣いとるやないの!」
ゼフィア「いや・・・・・・、俺は」
ミスティリカ「酷いんですよ、ゼフィア先輩ったら!
 わたしを、まるでいっぱしのレディのように扱うんですっ!
 わたしはっ、わたしはメスブタのように扱われないと萌えないのにぃーっ!
 こんな酷い仕打ち、生まれて初めてですっ!」
ゼフィア「・・・・・・人格形成に関わるトラウマでも抱えているのか、お前は」
 【マーズの事務所】
ラーナ「主人公のパートナーはアンドロイドですか。
 きっと、種族を越えたフラグとか構築するんですよ。
 胸が熱くなりますね」
マーズ「おれは仮設5号機をサイキョーにする作業に入るから、スキにして」
ラーナ「んもう、ロボくんたら、指って10本もいらないと思いませんか?」
マーズ「わぁい、ジュミョウの差があるカップルさいこー。
 だからその、超イタそうな器具しまって」

32 :
 【学校】
克夜「アンドロイドだとかサイボーグだとかはどうでもいいんだ。
 ハーレムエンドがあるかどうか、問題はそれだけだと思わないか」
ランディ「お前はキャラクター紹介ちゃんと読んでるのか」
克夜「アンドロイド2体と、鬼畜攻めっぽいお兄さんを含めた変則ハーレムか。
 思い切ったね、バンナム」
ランディ「・・・・・・その予想が正しかったとして、お前それでいいのか」
克夜「ハーレムエンドがなくてなんのスパロボだい!?」
ランディ「お前はほんとスパロボをなんだと思ってるんだ!?」
克夜「ギャルゲ」
マキネ「違うよ、シミュラマだよ」
ランディ「懐かしい単語出してるんじゃねえよコノヤロー!」
 【トラビス家】
アサキム「うはwwwwwwwwwマジコンでフラゲ余裕でしたwwwwww購入厨乙wwwwwwwwうぇwwwww」
メール「ダーリン、これはアサキム、蹴り出していいと思うんだけど」
ランド「まあそういうなよ」
メール「ダーリンはアサキムに甘すぎる!」
アサキム「メール、君は物事の一側面しか見ていないね」
メール「違法行為だという一側面だけ見えてれば十分だと思う」
アサキム「働いていない僕が、ほかにどうやってゲームソフトを入手すればいいのさ」
メール「働きなよっ!」

33 :
Lの主人公の子供はどんななんだろうか・・・?

34 :
 【演劇部 部室】
ユウカ「リア充エクスプロージョンすればいいのに」
ハザリア「リア充爆発すればよいのに」
マリ「どうしたんだよ」
リトゥ「ほら、今日の体育で、PUの実習があったでしょ?」
マリ「ああ、スパロボL発売に合わせて」
リトゥ「ペア・・・・・・、組めなかったらしいの」
マリ「ああ、体育は男女別だし、同性の友達いないからなあ、あの二人」
ハザリア「べべ、別にヴィレアムと組もうとして失敗などしていないのだからなっ!
 少し、ほんの少し躊躇しているうちに、
 あやつがキャクトラなどと組んでしまっただけなのだからなっ!」
マリ「勝手にひとんち上がり込んで、ひとんちの米食べて、
 ひとんちのテレビ観て、ひとんちの父さんとゲームして、
 ひとんちの居間に布団敷いて昼寝してくやつが、いったいなにを躊躇したんだよ」
ユウカ「体育の授業に出た時点で肩で息してるのに、
 『好きな人同士ペア組んで』っていわれた瞬間にHPがガリガリ削れていく思いだった。
 気が付いたらヒューゴ先生と柔軟体操してた」
リトゥ「キャクトラくんとかは普通に蹴飛ばしたりするのに」
マリ「二人ともさあ、異性に対する傍若無人さを、なんで同性相手に発揮できないんだよ」
ハザリア「だって、女はなんのかんのいいながら俺に着いてくる生き物ではないか」
マリ「誰だよ! こいつをここまで甘やかしてきたのは!?」
リトゥ「主にマリなんじゃないかなあ」
マリ「えぇっ!」
ユウカ「男はどんなに邪険に扱ってもヘラヘラ寄ってくる生き物じゃない」
マリ「ユウカさん、それよそでいったらダメですからね! ぶっ飛ばされますよ!」
ハザリア「だいたい、PUとか意味わからんし!
 おっ、俺は収束攻撃とか持ってるし、全体攻撃のほうが効率がよいのだっ!」
マリ「それサルファのシステムだしさあ」
ユウカ「ツイン精神とか意味わかんなくてあんま使わないし」
マリ「それOGのシステムだしさあ」
ハザリア「誰だ、PUなど考えたのは! 誰が得するのだ!」
マリ「ユニットたくさん出せて得じゃないか」
ユウカ「生徒の自主性の成長を阻害してるとしか思えないし」
マリ「協調性を伸ばす役には立つんじゃないかなあ」

35 :
マリ「リア充爆発しろとかいってさあ、お前別に非リア充じゃないだろ」
ハザリア「リア充はアルベロ教諭と柔軟体操したりしない」
マリ「ほら、わたしみたいな可愛い女の子といつも一緒にいるしさ」
ハザリア「・・・・・・ハァ」
マリ「うん、悪かったよ。ちょっと調子に乗ってたよ。
 だからそんな、道路で死んでる猫を見るような目をするなよ。
 でも、わたしだって女の子なんだから、
 ちょっとは自分のこと可愛いって思っててもいいじゃないか」
ハザリア「まあ、貴様がいればほかはどうでもいいか」
マリ「え? そうか? えへへ・・・・・・、
 って、えへへじゃないよ!
 リトゥ、リトゥーっ! わたしをっ、わたしを引っぱたいてくれっ!」
リトゥ「えぇっ! どうしたの、急に」
マリ「早く! 心を持ってかれる前に!」
リトゥ「えっと、じゃあ」
 バチーン
マリ「危なかった、さすが洗脳はバルマーのお家芸だな」
ハザリア「ラブプラスの友達版があればいいのに」
マリ「うん、わかってるよ。
 お前は気が弱くなってろくでもないことを口走ってるだけなんだ。
 他意はないんだそうに決まってるクソッ」
ユウカ「エアギターの友達版とかあればいいのに」
マリ「現実から逃げないでください」
ハザリア「もう、友達を作るためだけの部活を作ってしまいそうな勢いだ」
マリ「演劇部どうするんだよ」
ユウカ「金髪巨と友達になりたい」
マリ「正気に戻ってください!」
マリ「とにかく、このままじゃ二人とも社会に出るときとかに困るよな」
ハザリア「逆に考えろ。社会に出なければ問題ないのではないか?」
マリ「そこは逆に考えちゃダメなところだ」
ユウカ「フィオルんとこに永久就職するからいい」
リトゥ「異世界をフラフラしてるひとのとこにお嫁に行くのは、
 ある意味普通よりコミュニケーション能力必要だと思うけど」
マリ「ほら、これでも読んで参考にしろよ。
 わたしも、転校前はぼっちだった的な設定があったような気がするし」
ハザリア「『会話がとぎれない話し方 66のルール』・・・・・・だと・・・・・・」
ユウカ「『聞くとは反応すること』・・・・・・、
 『いきなり質問をしない』・・・・・・、『相手の気持ちをくみ取る』・・・・・・」
ハザリア「俺の・・・・・・、負けだ・・・・・・!」
マリ「敗北宣言!?」
ユウカ「リア充はみんな、こんなにいろいろ気を遣いながらトークしてるの? ・・・・・・怖」
マリ「重く受け止めすぎですよ!」
ハザリア「たぶん、念動力Lv1とかのほうが習得簡単な気がする」
マリ「Lv1じゃR-GUN乗って終わりだよ!」

36 :
 【翌日 グラウンド】
ヒューゴ「はーい、じゃあ好きな人同士ペア組んで」
ミスティリカ「レタスせんぱーい、ペア組みましょっ!」
レタス「なぜ同級生を先輩呼ばわりなんですの、あなたは」
ミスティリカ「なにいってるんですかレタス先輩。
 ミスティリカが思わず先輩呼ばわりしてしまうほどのエロボイスをしておきながら!」
レタス「わたくしの声は断じてエロくありませんっ!」
ミスティリカ「いいから早く柔軟運動をしましょう、そしてアヘ声を出しましょう」
レタス「あなたは柔軟運動の本質を間違えていましてよっ!」
ユウカ「・・・・・・えっと、あの」
ミスティリカ「あら、保健室登校のユウカさん。
 二日続けて体育に出るなんて珍しいですね」
ユウカ「えっと、あたし・・・・・・、大きい・・・・・・ょ」
レタス「突然なにをアピールしだしてるんですの!?」
ユウカ(おかしいな。オトコはこれでたいていホイホイ着いてくるのに)
ミスティリカ「そんなもの、わたしだって大きいですよ、レタス先輩!」
レタス「わたくしに振らないでくださいまし」
ユウカ「べ、べつにあんたが貧っていってるんじゃなくて・・・・・・。
 あんたのは・・・・・・、その・・・・・・、可愛い」
レタス「なんかマジっぽくてひくのでやめてくださいません?」
ミスティリカ「レタス先輩のはただの美だと思ってませんから!」
レタス「そんなフォロー求めてなくてよ」
ミスティリカ「レタス先輩のはわたしの手にすっぽり納まるサイズですし、
 揉みしだきようによっては千変万化の形状を示しますし、
 このわたしの指技によって先端部分は実にファンタスティックな・・・・・・!」
ユウカ「あ、あたしだって超揉みしだくし」
レタス「揉むという前提で話すのをやめていただけなくてっ!?」
ミスティリカ「なにいってるんですか。
 揉むだけにとどまるはずないじゃないですか、レタス先輩!」
レタス「揉むのもダメだといっているんですけれど!」
ミスティリカ「わたしにかかれば、
 イキ顔スレスレのアヘ顔から極限のアヘ声を引きずることも可能ですよ、レタス先輩!」
ユウカ「あ、あたしだってアーティストの端くれ。
 超イイ声で鳴かすし」
レタス「咲美さん、ペア組みません?」
咲美「え、べつにいいけど」

37 :
 【廊下】
ミスティリカ「なんか突っかかってくると思ったら、お友達を作ろうとしてたんですね」
ユウカ「上手くいかない」
ミスティリカ「そういうことなら、わたしに相談すればいいのに。
 なにしろわたしのお父さんは、版権キャラと仲良くなることにかけては
 バンプレスト1との呼び声も高いんですよ、家庭内で!」
ユウカ「知らなかった・・・・・・。
 そういうのはてっきり、カズマ・アーディガンとかジョッシュ・ラドクリフの
 テリトリーだと思ってた」
ミスティリカ「うちのお父さんは、いまでも週3で猿渡さんちに遊びに行ってるんですよ!」
ユウカ「マーベラス・・・・・・。
 週3ペースで遊びに来られるとか、よっぽど仲良くない限り迷惑で迷惑で仕方ないはず。
 あたしだったら確実に居留守を使ってるレベル。
 それを許すなんて、ミスト・レックスとミスター猿渡の間には想像を絶するほどの
 友情がビルドされてると考えざるを得ない・・・・・・!」
ミスティリカ「いいですか、まず教会に行きます」
ユウカ「チャペルに」
ミスティリカ「擬態獣の群れをコンボ武器で一掃します」
ユウカ「まず、擬態獣をコールする必要があるのね」
ミスティリカ「直後、コンボ武器を壊します」
ユウカ「・・・・・・破壊?」
ミスティリカ「友達完成です」
ユウカ「・・・・・・マーベラス。
 なにをいってるのかわからないのは、きっとあたしのリア充レベルが低すぎるせいだと思う」
ミスティリカ「参戦早々光子力研究所の面々に罵声を浴びせられたどっかのハーレム騎士とはわけが違いますよ!」
ユウカ「えっと、あんたが、その、友達になってくれるっていう選択肢はないの?」
ミスティリカ「え、なんでわたしが。
 わたしは、あれですよ、最低の屑ですよ?
 友達なんてそんなもの、猿渡さんしかいりませんよ!」
ユウカ「・・・・・・超マーベラス。
 親子二代にわたって強固な友情フラグをビルドするなんて、
 ミスター猿渡はさぞかしリア充な人生を送ってるに違いない・・・・・・」

38 :
 【教室】
ユウカ「チャペルに行かない?」
レタス「は? どうして」
ユウカ「えっと、擬態獣の群れが来てる」
レタス「擬態獣が!? どうして今ごろ」
ユウカ「一生懸命お願いしたら、快くいらしてくれた」
レタス「・・・・・・そのムダなネゴシエーション能力を、なぜもっと有効に活用しないのでして?」
ユウカ「で、チャペルに」
レタス「あなたが呼んだのなら、あなたがお引き取り願えばよろしいんではなくて?」
ユウカ「ぐすっ、頑張って擬態獣たちにネゴシエーションしたのに」
レタス「どうしてそんなものを頑張ったのか疑問に思いましてよ」
 【トラビス家】
ランル「は? あたしとラーナちゃんがどぎゃんして仲良くなったかって?」
ラーナ「最初はそんなに仲良くありませんでしたよね」
ランル「あれはあからさまにラーナちゃんが感じ悪かったからだと思うっちゃ」
ラーナ「わたしは、話しかけるタイミングとかうかがってたんですけれど」
ユウカ「そう、そういう状態から、どうやって仲良くなったの」
ラーナ「チェーンソーと月刊少年ガンガンで殴り合いました」
ユウカ「・・・・・・怖っ。世の中のリア充は、みんなそんな試練を乗り越えて友情をビルドしてんの?」
ラーナ「あのとき、ハガレンがすでに連載終了してたらわたしが勝ってたと思うんですけれど」
ユウカ「ドラゴンエイジとかで代用しちゃダメなの?」
ランル「ユウカしゃんユウカしゃん、別に真似しようとせんでよかと」
アサキム「そういうことなら僕に聞いたらいいじゃないか」
ユウカ「そうだ、こういうことは頼りになる大人に聞くのがベスト」
ランル「ユウカしゃん、気付いて。
 まだ陽も落ちちょらんうちからネトゲばやっちょる大人が頼りになるはずがなかと」
アサキム「まず、雪原に行くんだ」
ユウカ「雪原とか、いきなりリア充レベル超高そうなワードが出てきた」
アサキム「相手の肉体に痛みと恐怖を刻み込むんだ」
ユウカ「十分に発展した憎しみはもはや愛情と区別がつかないということね」
ランル「アサキムおじさん!
 アサキムおじさんはいつセツコしゃんと友達になったっちゃっ!?」
アサキム「ランル、世の中にはね、ストックホルム症候群という言葉があるんだ」
ランル「中学生相手になにを教えてるっちゃ、このゲーム廃人は!」
アサキム「今日は特別に、もう一つの闇に祝福された秘技を授けよう」
ユウカ「闇に祝福されるとか、どんなテクなのかイメージも出来ない」
ランル「気にせんでよか。ただの厨二ワードっちゃ」
アサキム「まず、相手の大切な人をさらうんだ」
ユウカ「多少のリスクは負うべきということね」
ランル「ユウカしゃん、気付いて!
 友達作りはそんな悲壮な決意で行うものじゃなか!」
アサキム「そしてさも自分が助け出したかのように装うんだ」
ランル「アサキムおじさん、詐欺師って言葉知っちょる?」

39 :
 【翌日 B組】
ユウカ「あんたの大切なひとは預かった」
レタス「大切な人? まさか、お父様!?」
ユウカ「エ、タカヤ・ナンブだけど」
レタス「なな、なんでタカヤさんなんですのっ!?」
ユウカ「付き合ってんじゃないの?」
レタス「つつ、付き合ってませんしっ!
 べべ、別にタカヤさんのことなんかなんとも思ってませんしっ!
 そりゃ? ちょっとはお世話になりましたよ?
 でで、でもっ、わたくしの賭場通いを邪魔したりしますしっ!
 そそ、そりゃ、博奕をさせるとなんのかんのいいながら引き締まった横顔を見せたりするのは・・・・・・、
 えっ、わたくしはなにをいっていますのっ!?」
ユウカ「じゃあ、あたしはいったい誰をさらえばいいの?」
レタス「なんであなたの人さらいの相手をわたくしが考えねばならないんですの?」
ユウカ「しょうがない。
 雪原で肉体に痛みと恐怖を刻み込むほうがいい?」
レタス「なんなんですのっ!
 わたくしはいま、『屋上来いやオラ』といわれてるんですのっ!?」
ユウカ「屋上・・・・・・。そういうのもあるの?」
レタス「なんなんですの、あなたはこの間からっ!
 わたくしをシメたいんですの?」

40 :
ユウカ「ぐすっ。もういいのよ、あたしなんて。
 どうせ1組だけハブられたカップルの娘だし。
 よくわかんない余り機体をあてがわれるような存在なのよ」
レタス「どうして急に半ベソになるんですの?」
ユウカ「だいたいおなじくらいの時期にサルベージされたのに、
 友達も彼氏もいるあんたとはレベルが違うのよ」
レタス「かか、彼氏はいませんしっ!」
ユウカ「あたしなんかがリア充だなんて、見果てぬドリームだったのよ」
レタス「なにをいっているのか1個もわからないんですけれど」
レタス「ハァ、わたくしから見れば、滅多に会えないとはいえ
 彼氏のいるあなたのほうがよっぽどリア充なんですけれども」
ユウカ「彼氏くらいあんたにだっている」
レタス「だだ、だからっ、彼氏じゃありませんしっ!」
ユウカ「あたしは、クラスに同性の友達が欲しかっただけ」
レタス「えぇと、ひょっとして、あなた、わたくしと友達になりたくて妙なことをしていたんですの?」
ユウカ「最初から一貫してそう行動してた」
レタス「まったく気付かなかったんですけれど」
ユウカ「もはや万策尽きた感が凄い」
レタス「でも、どうしてわたくしなんですの?」
ユウカ「ン?」
レタス「だって、おなじクラスで同性でしたら、
 べつに咲美さんもミスティリカさんもいるじゃないですの」
ユウカ「えっと、キャベ・・・・・・」
レタス「キャベツとかいったらぶっ飛ばしますからね」
ユウカ「キャベジン」
レタス「ひとまわり悪くなって返ってきましてよ!?
 あなた、やっぱりわたくしのことが嫌いなんじゃなくてっ!」
ユウカ「そんなことない。あだ名で呼び合うのとか、超憧れるし」
レタス「いまのはですね、悪口というんです」
ユウカ「それに・・・・・・、あんたのふくらはぎは、超ロック・・・・・・」
レタス「ええと、すみません。
 わたくしだって、あなたのことが嫌いなわけじゃないんですけれども。
 そういうフェティッシュな友達選びをする方とは、
 もう少し時間をいただけなくて?」
 【演劇部 部室】
ユウカ「なにが悪かったのか皆目見当も付かない」
マリ「ところでですね、誘拐したタカヤをどこに置いてきたのか話してくれませんか?」

41 :
ユウカはともかくハザリアは歯ぎしりするくらいにリア充だよなぁ
まぁユウカはアナーキー姉妹の姉くらいダメだ

42 :
保守

43 :
あげ

44 :
 【B組】
克夜「ランちゃんランちゃん、お昼食べたかい?」
ランディ「いや、まだだけど」
克夜「よかったら一緒に食べに行かないかい?」
ランディ「べつにいいけど、この時間じゃ学食混んでると思うぞ?」
克夜「せっかくだから外に食べに行こうじゃないか」
ランディ「ん〜、時間、大丈夫かな」
克夜「大丈夫だよ、手早く終わる店だから」
ランディ「ファーストフードかなんかか? べつにいいけど」
 【ラーメン二郎】
克夜「ここだよ」
ランディ「んん? なんか聞いたことある店名だな。
 ラーメン屋特集かなんかで取り上げられてたのかな。
 そうすると、結構有名な店なんだな。
 へー、OG町にもチェーン店があったんだ」
 ガラッ
ランディ「・・・・・・おい、なんか店内の雰囲気が異様なんだけど。
 なんで誰も会話してないんだ? しかもなんかブツブツいってるし」
克夜「シッ、いいから食券を買うよ」
ランディ「ふーん、食券式なのか。
 っと、細かいのねえや。千円札で、と」
克夜「ギルティー」
ランディ「は?」
克夜「なにやってるの、君。二郎は両替所じゃないんだよ。
 お札で買うとタイムロスが発生するじゃないか。
 あらかじめ崩してくるのがマナーだろう?」
ランディ「いやいや、お前はなにをいってるんだ」
克夜「席が空いたよ。座ろう」
ランディ「なあ、なんでこっち見ないんだよ。俺の質問に答えろよ!」
店員「トッピングのカスタマイズはどうなさいますか?」
ランディ「ふーん、カスタマイズなんて出来るんだ」
克夜「大ブタW野菜マシニンチョモカラメアブラマシマシ」
ランディ「お前どうしちゃったの!? それ、月面魔法の呪文かなんかか?」
克夜「ハァ、やれやれ、君はコールも知らないのかい?
 トッピングのニンニク、アブラ、野菜は量の増減がタダで出来るんだよ。
 ヤサイマシマシニンニクカラメアブラ、みたいにね」
ランディ「みたいにねっていわれても、1個もわかんねえんだけど!?」
克夜「あ、いまの彼のトッピングなんで」
ランディ「なにか得体の知れない注文をされたよ!?」

45 :
 ヘイオマチッ
ランディ「・・・・・・なあ、俺はラーメン食べに来たと思ってたんだけど、
 なんだよ、これ。ドンブリいっぱいのモヤシが運ばれてきたんだけど」
克夜「ギルティー」
ランディ「それもさっきからなんなんだよ!?」
克夜「食事中は私語厳禁。常識だろ?」
ランディ「それはまあ、そうだけど」
克夜「さ、さっさと食べるよ。15分以内が原則だ」
ランディ「こんな大量のブツ、そんなスピードで食えるか!?」
克夜「まあ、小サイズでもだいたい2000カロリーあるね」
ランディ「ブタのエサじゃねえかっ!」
克夜「いいかい、二郎では『ロット』の概念が重要なんだ。
 たとえば、一度に作られる麺が4人分なら4人分が1ロットとなる。
 で、これを客に出すと同時にまた新しく1ロットを茹で始めるわけだよ。
 でも、そこで4人分作ったうち、3人が食べ終えたのに1人がノロノロ食べていたらどうなる?
 このとき、完成しつつあるロットは4人分あるのに席は3つしかない。
 出すべき麺は3人分だけ・・・・・・!
 このとき、店は4人分のロットを使い切れない!
 1人分の麺を捨てなければならないという悲劇が発生するんだ・・・・・・っ!」
ランディ「席が空いてから茹でればいいんじゃね?」
克夜「だからロティストは、いっときのロスもないように
 麺を口にかっ込まなければならない使命を持っているんだ・・・・・・!」
ランディ「なんか知らない単語出てきたよ?」
克夜「さ、わかったらさっさと食べるよ」
ランディ「1ミリもわかってねえけど、とりあえず食うわ。
 でもなあ、これ、食っても食っても麺が見えてこないんだけど、
 ほんとにラーメンなのか?」
克夜「君、なにか勘違いしてるみたいだけど、二郎で出してるのはラーメンじゃないよ」
ランディ「じゃ、なんなんだよ!?」
克夜「二郎っていう食べ物だよ」
ランディ「もう1個も意味が分からねえ。
 ようやく麺が見えてきたと思ったら、なんかスパゲティより太いし!
 スープは背脂ギトギトだし、変に甘いような辛いような味だし!
 ニンニクは大量に入ってるし! どうなってるんだよ!
 ハァ、なにもかもが濃すぎる。水でも飲まねえと」
克夜「ギルティー」
ランディ「だからそれ、なんなんだよっ!?」
克夜「水を飲むわずかなタイムロスがロットの乱れに繋がるってわからないのかい?
 事前にポカリスエット1リットル飲んでおくのは常識だろう?」
ランディ「お前の常識はどうなってるんだ」
克夜「それより、さっさと食べないでいいのかい?
 僕はすでに大ブタを2枚食べ終えてるんだけど」
ランディ「なあ、残すっていう選択肢は」
克夜「ギルティー」
ランディ「チクショウ! 麺がどうしたってんだ!
 生きてる俺たちが、麺なんかよりよっぽど大事だぜ!」ズルッ

46 :
 【道路】
克夜「それにしてもランちゃん、君、今日はいいとこなしだったね。
 ちょっとジロリアンの自覚が足りないんじゃないかい?」
ランディ「・・・・・・やられた。 この野郎、常連だ!
 なんか妙な専門用語使いやがるし。
 俺を妙な世界に引っ張り込もうとしてやがる!」
克夜「まったく、食事感覚で来られちゃ困るんだよ」
ランディ「じゃ、なに感覚で行くんだよ!」
克夜「じゃ、今日の失敗にメゲずに明日は大ブタに挑戦してみようか」
ランディ「二度と行くか、あんな妙な店!」
克夜「ま、みんな最初はそういうんだけどねえ。
 二度三度と通ってるうちに」
ランディ「二度も三度も行かねえっていってんだろっ!」
克夜「僕さ、いつかハーレムメンバーを引き連れて二郎を訪れたいんだ」
ランディ「あのな、俺、あれを完食できる女子とは付き合いたくない」
克夜「あーあ、つゆだくな感じの美少女が乗ったロボ、降ってこないかなあ」
ランディ「俺たち、いま午後の授業に出られねえレベルでニンニク臭ぇけどな」

47 :
ロットファイター克夜ふいたw
もはや我慢の限界だな

48 :
なにここ

49 :
よもや復活していたとはwいまさら気づいたヨ
Lにインスペと燃料もそれなりだし細く長く行きたいねぇ

50 :
 むにゅっ
ランル「ひゃっ、どうしたとね」
ラーナ「やっぱり、わたしよりランルさんのほうが若干が大きいです」
ランル「そんな、大した差じゃなかとね」
ラーナ「しかし、勝ち誇っていられるのもいまのうちです」
ランル「いや、べつに勝ち誇ってなか」
ラーナ「知っていますか。
 『このライトノベルがすごい!』のキャラクター女性部門において、
 上位5名のうち4名が貧で、巨は残念なのがひとりいるだけなんです」
ランル「ごく、つまりそれは、貧のほうが勝ち組という時代が来るということとね?」
クリハ「違うわ、完全に間違っているわ、あなたたち」
ランル「はっ、クリハ先輩!」
ラーナ「この完璧な理論の、どこにほころびがあるというのです?」
クリハ「あなたたちが生きているのはライトノベル業界じゃない、
 スパロボ業界なのよ!」
ラーナ「・・・・・・なんという、説得力」
ランル「うちひしがれたっちゃ」
クリハ「カットインで揺れしない女性パイロットに価値はない。
 それがスパロボ、バンプレオリの世界なのよ」
ミスティリカ「なんかなくても大丈夫よ。
 昨今の陵辱ゲーでは、髪コキが標準装備されてるから」
ラーナ「なるほど、がなければ髪を伸ばせばいいんですね」
ランル「あの・・・・・・」
ミスティリカ「スパロボが陵辱ゲーか否かなんていう問題は、
 どうでもいいのよ、重要なことじゃない」

51 :
 【竜巻亭】
ミツハル「スレイチェルくんさあ」
スレイチェル「うるさい、出て行け」
ミツハル「あれ、なに? ガーバリオンって」
スレイチェル「スレイチェルにいわれたって知るものか」
ミツハル「グラヴィリオンとかさあ、ほんと、なんなの?
 どこの製品なの? 特許関係とかどうなってるの?
 ほんとさあ、うちのリオンをキモい感じに改造するのやめてくんない?」
スレイチェル「スレイチェルだって、ちょっと一瞬ガンバルガーに聞こえたのである」
ミツハル「そもそもの発端は、あれだよ。アーマリオン。
 安心安定がウリの傑作機リオンに、あんな改造したのはどこのどいつだよ。
 ちょっともう、呼び出してよ」
スレイチェル「呼びたかったら勝手に呼べ」

52 :
>>50
虚クリハさんの言葉はさすがに説得力あるぜ
>>51
ミツハルも知らないとはトロンベの偽装は完璧だなw

53 :
 【校門前】
ゼフィア「アルトリート! 学校を抜け出して買い食いに行くな!」
アーク「おぉっと、ゼフィアの旦那だ。逃げなきゃ!」
ゼフィア「スレイチェル! 制服を着ろ!」
スレイチェル「ヴィルベル」
ゼフィア「ジェグナン! ちゃんと登校しろ!」
ユウカ「べー」
 【武道場】
ゼフィア「俺はゼフィア・ゾンボルト。
 風紀を正す剣・・・・・・、か」
ゼフィア「ひょっとしたら俺は・・・・・・、全然風紀を正せていないのではないか・・・・・・?」
ゼフィア「なにか会話自体通じているのか心配になってきた・・・・・・」
ミスティリカ「ハァ、ゼフィア先輩、ちょっと後ろ向いてくれますか?」
ゼフィア「なに?」
 バチーン!
ゼフィア「なっ!?」
ミスティリカ「もっとお尻突き出してくださいよ、叩きにくいじゃないですか」
ゼフィア「なにを」
 バチーン!
ゼフィア「ぐっ!」
ミスティリカ「そうやって自己嫌悪にひたるのは楽でしょうよ。
 でも、それって根本的な解決になりませんよね?」
ゼフィア「俺は・・・・・・」
ミスティリカ「ようするに、あれですよね。
 ゼフィア先輩、楽になりたいだけですよね」
ゼフィア「なにを」
ミスティリカ「風紀を守るとかなんとかいって、ほんとは心当たりあるんじゃないですか?」

54 :
 バチーン!
ミスティリカ「ゼフィア先輩は、ひとより優位に立ちたいんですよね?
 だから、常に正しくあろうとするんですよね?」
ゼフィア「違っ・・・・・・!」
 バチーン!
ミスティリカ「みんなのために自分が頑張る。
 なぜなら自分は正しいから。違います?」
ゼフィア「俺は・・・・・・っ、そんなつもりは・・・・・・っ!」
ミスティリカ「ほんとはみーんな思ってますよ。
 あーあ、ゼフィア先輩ってめんどくさい。
 上から高圧的に・・・・・・」
ゼフィア「違うっ!」
ミスティリカ「違いませんよ。ゼフィア先輩、賢いからわかるでしょう」
 バチーン!
ミスティリカ「だからこれは、正しいゼフィア先輩への、罰ですよ」
 バチーン!
ゼフィア「やめ・・・・・・っ」
ミスティリカ「イヤなら逃げたらいいんじゃないですか?
 ゼフィア先輩の腕力なら、女の子ひとり振り払うくらいわけないでしょう?」
ゼフィア「俺は・・・・・・っ」
ミスティリカ「『僕は駄目な子』ですって、いってみてくださいよ、ゼフィア先輩」
ゼフィア「なっ・・・・・・!?」
 バチーン!
ミスティリカ「鏡で見ますか?
 下級生の女の子にお尻突きだしてバチーンされてる。
 これが正しい人間の姿ですか?
 ものすごく無様ですよ」
 バチーン!
ミスティリカ「正しくなんかない、駄目な人間だって、認めちゃいましょうよ」
ゼフィア「俺は・・・・・・」
 バチーン!

55 :
ミスティリカ「『俺』じゃないでしょう、『僕』でしょう」
 バチーン!
ゼフィア「駄目な・・・・・・子・・・・・・」
ミスティリカ「聞こえません」
 バチーン!
ゼフィア「ぼく・・・・・・」
ミスティリカ「さあ」
ゼフィア「だめな・・・・・・子・・・・・・」
ミスティリカ「もう一度!」
 バチーン!
ミスティリカ「いっちゃってください、ゼフィア先輩」
 バチーン!
ミスティリカ「いままでいえなかった分・・・・・・!」
 バチーン!
 【ランのアパート】
ミスティリカ「ランさぁ〜ん!」
ラン「なに、どうしたん?」
ミスティリカ「ひどい! あまりにもひどいです!
 わたし、Mなのにぃ・・・・・・、S役やらせるなんて、
 ゼフィア先輩はとんだ鬼畜です!」
ラン「なんやよぅわからんけど、顔グチャグチャやないの。中入り」
ミスティリカ「あ痛っ!」
ラン「ちょぉ、手、真っ赤やないの。なにしたん?」
ミスティリカ「んもう、素手でのスパンキングって、すっごく痛いんですよ?
 ああ、でもやっぱり、Sのフリして痛みに打ち震えて悦んでるわたしって、
 なんて最低の屑なのかしら」

56 :
お父さんの名台詞を織り交ぜながらナナとカオルのスパンキングを再現か
ミスティリカは本当に最低の屑だな

57 :
ミスティリカって肉体的はMでも、精神的にはSだからなあ
ゼフィアを堕落させるのが趣味だし

58 :
ミスティリカ「ところで、ゼフィア先輩って不能なんでしょうか」
ラン「へ? そ、そんなことはあらへんと思うよ?」
ミスティリカ「だってゼフィア先輩、あれだけバチーンされて、まったくおっきしてなかったんですよ」
ラン「お・・・・・・、ぉっきって」
ミスティリカ「お父さんだったら廊下で一発バチーンされたら、もうフルおっきなのに」
ラン「アトリーム人はそんな性癖ばっかりなん?」
ミスティリカ「廊下でバチーンするのは、
 アトリームでもっともポピュラーな求愛行為ですよ」
ラン「どないなってるの、アトリームは」
ミスティリカ「基本、子作りからお葬式まで、人生の一大イベントは廊下で行われます」
ラン「なんで廊下で」
ミスティリカ「あ、廊下っていっても、あれですよ?
 10分に1回くらいの頻度でひとが通りかかる廊下ですよ」
ラン「お葬式よね? お葬式の話しとるんよね?
 お葬式には、もっとひとがたくさん来たほうがええんやないかな?」
ミスティリカ「ちょっと、子作りの話してるときにお葬式の話なんてしないでくださいよ、
 縁起が悪い」
ラン「ウチのアホ! 薄々わかっとったはずやのに!」
ミスティリカ「でもほら、アトリームって2000年も平和だったじゃないですか。
 人口が爆発して、みんな廊下もないような兎小屋に住まざるを得ない住宅事情だったんですよ。
 おかげでみんな子作りできなくて、少子化の一途を辿ってたそうです」
ラン「もう、なにもせんでも滅んどったんやないの、アトリーム」
ミスティリカ「やっぱり廊下じゃなくて武道場だったのがいけなかったんでしょうか。
 んもう! ミスティリカ、不完全燃焼です!
 ランさん! わたしちょっと全裸になりますから、
 この首輪で公園とか引きずりまわしてくれませんか?
ラン「ウチになにをさせるつもりなん?」

59 :
マリ「いろいろ考えた結果、
 こいつを甘やかしてきたのはルナなんじゃないかという疑惑が生まれてきた」
ルナ「わっ、わたしが、なぜ!?」
ハザリア「ガキのころからこやつは、
 俺がどんなに逃げても後を突いてきて、非常にウザかった記憶がある」
マリ「ほらみろ、ほらみろ! ルナが追いかけたりなんかするから!」
ルナ「なっ、なにをいう! 結局いつも逃げていたくせに!
 いつもいつも、わたしを置いて森だの山の中だのに逃げ込みおって!」
ハザリア「黙れ、黙れよ!
 俺が手塩にかけて制作した数々の秘密基地に、貴様のような頻尿女を近づけてみろ!
 野外放尿に及ばれでもしたら台無しではないか!」
ルナ「じゅっ、十歳まで夜尿を垂らしていたお主にいわれる筋合いはないわっ!」
ハザリア「あれはっ! 無意識下だったからノーカンなのだ!
 貴様は意識があっても平気で尿するではないか!」
ルナ「どんな理屈だそれは!」
ハザリア「十二歳のころ、
 貴様ひとりが尿意を催したばかりに遠足のバスが停まったことを忘れたとはいわせぬぞ!」
ルナ「あっ、あれはっ、どうせお主とわたししか乗っていなかったではないか!」
ハザリア「バルマーは少子化なのだ!」
マリ「ほら、ほーら! やっぱりこいつを甘やかしてたのはルナだったんだ!
 わたしは関係ないんだ!」
ルナ「いや、地球でいうと中学にあがるあたりから、わたしとこやつは疎遠だったぞ」
ハザリア「うむ、こやつ、なにを思ったか急に男装し始めて孤高のキャラなど気取るようになったから、
 俺としては生温かい感じの距離を取り、
 男装写真をエペソとかサルデスと共有する程度の関係に止めていた」
ルナ「捨てろ! すぐにその画像を捨てろ!」
ハザリア「案ずるな。nyとかやってるヒラデルヒアには渡らぬように留意していた」
ルナ「確実にエペソかサルデス経由で流出しておる〜っ!」
ハザリア「ところで貴様、男装時はどちらのトイレで尿していたのだ」
ルナ「尿から離れろ!」
ハザリア「無理だな!
 俺の脳内で、貴様の存在は『尿』というカテゴリーの中に放り込まれておる!」
リトゥ「共通の思い出がいっぱいあるって、なんか憧れるなあ」
マリ「尿関連の思い出ばっかり共有してる関係って、わたしはすごくイヤだな」

60 :
廊下でだの姫様の尿道だのOG町の子供達の風紀はかなり乱れてるな
こりゃ確かにイシハラ都知事も規制したくなるわ

61 :
青空の下、姫様と並んで放尿したら、どんなに心地よいだろう。

62 :
 【カノウ家】
マーズ「なー、カノウ兄弟のおかーさんとふたりきりでクリスマスを過ごす予定のほーさー」
ミナト「うるせえ! そんな予定はねえよ!」
マーズ「そろそろカンネンして、お宅の妹とフラグ建てさせろよー」
ミナト「お前もなかなか諦めねえな」
マーズ「おれはあれだよ、『不屈』とか持ってるジシンあるよ」
ミナト「べつにお前、友達なら中学生たちとつるんだりしてんじゃねえか」
マーズ「おれはっ! 同年代のトモダチが欲しーの!
 ! ! !」
ミナト「連呼するやつを妹と会わせられるか」
マーズ「なーおい、妹なんて、知らねーうちにアニキばなれしてくもんなんだよ。
 どーせ手放すんなら、甲斐性のある相手に託すほーがいーと思うなー。
 おれはそー思うなー」
ミナト「ちょくちょく危ないお兄さんがたとトラブるやつとつるませられるか。
 うちの妹、まだ10歳だぞ」
マーズ「おれなんか三歳だぞ!」
ミナト「じゃあ全然同年代じゃねえじゃねえか!」
マーズ「ガチの三歳児なんざー会話成立しねーじゃねーか!
 会話の通じる! ! !」
ミナト「お前、って言葉が気に入ってるだけなんじゃねえの」
 プルルルル。。。
マーズ「ちっ、仕事だ。
 いーか、おれぁーおやじと違ってハンパなフラグ建てたりしねーんだからなっ!」
ミナト「あー、はいはい、仕事がんばってこい」
 ピンポーン
ラーナ「こんにちは。
 カノウ兄弟の、お母さんとミッテ先生に挟まれたクリスマスを送る予定のほうのひと」
ミナト「送らねえよ!?
 俺のクリスマスはAKB48のイベント会場にあるって前世から決まってんだよ!」
ラーナ「マナさん、といいましたか。
 お宅の妹さん、どこにいるのか教えてくれませんか?」
ミナト「なんだよ、入れ替わり立ち替わり。
 あいつに頼まれたんじゃねえだろうな」
ラーナ「頼まれてませんけど、
 あんなに会いたがってるんだから会わせてあげるくらいいいじゃないですか」
ミナト「はぁ、あのな、うちの妹、まだ10歳なんだよ」
ラーナ「わたしは14歳です」
ミナト「すっごくフツーの子なんだよ。
 成績は中の下っていうか、ちょっとトロくて運動は苦手っていうか、
 そんなだから、この町はちょっと危険過ぎて田舎に疎開させてるんだよ」
ラーナ「いわゆる、チャオズは置いてきた。
 ハッキリいってこの戦いにはついてこれそうもない、ということですね」
ミナト「ひとの妹つかまえてチャオズ呼ばわりもどうかと思うけどな」
ラーナ「べつにロボくんは妹さんに危害を加えようとしているんじゃないじゃないですか。
 仮にそんなことを考えていても、ロボット三原則があるから手出し出来ません」

63 :
ミナト「あのな、うちの妹、基本フツーの子なんだけど、
 フツーよりちょっとかなり怖がりなんだよ。
 ドラクエのモンスターでも怖がるレベル。
 あの仮設5号機を擬人化し損ねたような四本脚と遭遇してみろ。
 火が点いたように泣き出すぞ。
 そんで、あいつはあいつで、ロボのくせにいっちょまえに傷付いたりするんだろ。
 会わせないほうがいいんだよ」
ラーナ「当人がいないところで、そんな判断を下してしまうのはどうでしょう」
ミナト「どうでしょうったってなあ、どっちも子供なんだし」
ラーナ「だからわたしが事前に行って、
 ちょっと見た目がジョージ秋山とAのほうの藤子不二雄先生をごっちゃにしたような外見だけど、
 決して危険はないと説明してあげたらいいんじゃないでしょうか」
ミナト「理屈でわかっててもどうにもなんないことってあると思うぞ」
ラーナ「真摯に話せば通じると思います」
ミナト「だから相手は10歳児なんだってば」
ラーナ「チェーンソーをちらつかせながらこんこんと説得すればわかってくれると思います」
ミナト「うん、それはな、脅迫っていうんだ」
ラーナ「妹さんの居場所を教えてください」
ミナト「教えません!」
ラーナ「ぶぅ」
 【カノウ家前】
ラーナ「強情な非モテです。非モテになるのもやむなしと頷かざるを得ません」
ランル「あの、ラーナちゃん?」
ラーナ「なんです?」
ランル「よかの?」
ラーナ「なにがです」
ランル「だっ、だって、その、ロボットくんとマナちゃんて子が会っちゃったら、
 ロボットくん、その子のこと好きになっちゃうかもしれんとよ?」
ラーナ「はぁ、まぁ、そうなるかもしれませんね」
ランル「そっ、それでよかの?」
ラーナ「なんです、ランルさんにしては煮え切らない物言いですね」
ランル「だって、その、あのぅ、ラーナちゃんは、
 ロボットくんのこと、その、す、好きなんと違うの?」
ラーナ「まあ、好きか嫌いかでいえば好きですけど、
 ランルさんがエルオーブイイー的な意味でいってるなら、それはどうなんでしょう」
ランル「どうって」
ラーナ「わたしがロボくんと呼んでいるとおり、あの子はロボットですよ。
 繁殖する必要がないんです。
 だから繁殖のために恋愛感情を持つことはありません」
ランル「それは、そうかもしれんけど、ラーナちゃんは」
ラーナ「わたしがあの子に持っている感情は、
 妬みと僻みと尊敬と、コンプレックスと、そういうグチャグチャです。
 だってあの子は、あんなにちっちゃいのに、ひとりで商売をして生きているんですよ。
 わたしたちなんて、ただの中学生じゃないですか」
ランル「そりゃ、まあ、すごか子だとは思うけど、
 あんま手放しで誉められる子でもないと思うっちゃ。
 見た目以前に、がめついし、喋り方も品がなかし、そのへんのもの拾って食べたりするし」

64 :
ラーナ「まあそういう子です。あの子もちょっと偽悪的ですしね。
 でもあの子は、あんなに頑張ってるのに、あんまり報われてないんです。
 事務所に帰っても家族はいないし、いつもひとりです。
 せいぜい聖闘士星矢のオモチャかDVD眺めるくらいしか楽しみがないんですよ。
 せめてわたしくらい、誉めてあげたっていいじゃないですか」
ランル「でも、女の子紹介するっていうのは」
ラーナ「欲しいものとかありますかって聞いたら、
 最上重工のオモチャ部門と答える子に、お金で買えるもの渡して喜ばれると思いますか」
ランル「でも、だって」
ラーナ「なんでランルさんが必死な感じなんですか」
ランル「それじゃラーナちゃんが」
ミスティリカ「つまり寝取られ希望ということですね、モントーヤさん!」
ランル「あんたなに聞いちょったの!?」
ミスティリカ「その心意気に打たれました!」
ランル「あんたどっから現れよったの!? ねえ、ねえっ!?」
ミスティリカ「ちょっと待っていてくださいね」
 ガラッ
ミスティリカ「あなたのリアル妹を紹介してください、カノウ兄弟の陵辱なほうさん!」
ミナト「絶対にイヤだし、兄貴だって陵辱なんて切ってねえよ!」
 ピシャッ
ミスティリカ「ふふ、計画通りです」
ランル「なんの意味があったの!? ねえ、なんの意味があったの!?」
ミスティリカ「まあ見ていてください」
 プルルルル。。。
ミナト『もしもし、ああ、兄ちゃんだけど』
ミスティリカ「感度良好です!」
ランル「盗聴器・・・・・・! あの一瞬で・・・・・・!」
ラーナ「不安を煽って、電話をさせる計画だったのですね」
ミナト『うん? べつに用ってわけじゃねえんだけど。
 ちょっと心配になってな。なんか変わったことねえか?
 ああ、そんならべつにいいんだ。
 じゃ、年末年始は家族でそっち行くから』
ミスティリカ「ュ音から番号を特定して・・・・・・と」
 プルルルル。。。

65 :
ミスティリカ「もしもし、ああ、久しぶり。
 わたし、この間地元に帰ってきて。
 あれ、いやだ、あなた娘さん?
 あらあら、声そっくりね。全然分からなかったわ。
 いまいくつになるの? そう、わたし、あなたが赤ちゃんのころに会ったことあるのよ。
 覚えてる? そう、それであなたったら」
ランル「あんひとぁなんばいっちょるとね」
ラーナ「さあ」
ミスティリカ「会話の内容自体に意味はありませんよ。
 通話を長引かせて、その間にウィルコムのGPSサービスを使って、と」
ランル「ストーカーっちゃ。ガチのストーカーの手口っちゃ」
ミスティリカ「わたしだって、電話番号さえわかれば住所特定できちゃいますよ、モントーヤさん!」
ランル「ラーナちゃん、あたし、あんまあのひとと付き合っちゃいけんって
 お母しゃんから言われちょるんだけど」
ラーナ「ミスティリカさんはためになることをたくさん教えてくれる、
 とても頼りになるひとです」
ランル「健全な生活を送る上で、いっさい必要なかことばっか教えてくれる気がするけん」
ミスティリカ「住所が割れましたよ。秋田の田舎です。
 どうやらお母さん方の親戚に預けられているようですね」
ラーナ「すぐに向かいましょう。旅費なら、解体業で稼いだ分があります」
ミスティリカ「わたしはどうしようかしら。
 最近ゼフィア先輩がパR打たないから、貯金が余ってるんですよね」
ランル「あ、あたしはお金とかないから」
ラーナ「わたしたちって、まだ子供料金で乗れると思うんです」
ミスティリカ「ウフフ、交通システムを陵辱するなんて、なかなか最低の屑の発想ね」
ランル「ラーナちゃん? なんであたしの袖つかんどるの! ねえ!?」
 【秋田の無人駅】
ミスティリカ「無人駅に着いたぞ!」
ラーナ「バスは・・・・・・、2時間に1本しか出ていませんね。
 待っているのも面倒です。歩いていきましょうか」
ランル「なんであたしが」
 【雪道】
 シャク シャク シャク シャク
ランル「へくちっ、あたし、基本暑いところで暮らしてたから、
 寒かとこは苦手っちゃ」
ミスティリカ「こういう寒村では、
 新婚初夜の嫁を村で共有するという風習があるそうですね。
 ああ、なんて卑しい集落なのかしら」
ラーナ「調べてみたところ、いまから行くトオミネ家は、
 無職のお嫁さんの本家筋に当たる家で、
 このあたりでは地主として昔からそこそこ栄えていたそうです」
ミスティリカ「そういう家の出だから、無職の夫を抱える度量があったのね。
 ああ、やっぱり男は無職に限るわ」
ラーナ「わたしは普通に働き者が好きですけれど」

66 :
ミスティリカ「あら、男でありながら稼ぎひとつなく、
 忸怩たる思いを抱きながらも現状を打破するだけの行動力も決断力もなく、
 日々積み重なっていく劣等感を劣情に変換し、
 朝に昼に晩に叩きつけてくるその心情たるや、想像しただけで眼鏡曇るじゃない」
ランル「この自然溢れる景色を前にして、心洗われるとかそういうことはなかですか」
ラーナ「それで、ランルさんはどういうタイプが好きなんですか」
ランル「恋バナ? いまのは恋バナだったん!?」
ミスティリカ「やっぱり、収入のないひとのほうが好きですよね?」
ランル「あっ、あたしはっ、そういう、収入のこととか、よくわからんけん、
 ただ、一緒に笑ったりとか、そゆのが、好きだと思うけん」
ラーナ「気に入りました。うちに来てミヅルをファックしていいですよ」
ランル「なんでっちゃあっ!?」
ミスティリカ「気に入りました。
 このペニバン付けてランさんをファックしてきていいですよ」
ランル「あんたなに持ち歩いてるっちゃ!?」
ラーナ「かの、世界的に有名な14歳、綾波レイはこんなことをいっています。
 レッツファック」
ランル「綾波レイはそんなこといわんちゃ!」
 ガサッ
ランル「ひゃっ、なにっちゃ?」
擬態獣「ギャオオオォォォ!」
ランル「なんで擬態獣が!?」
ラーナ「田舎ですからね。牛とか熊とか擬態獣くらい出るでしょう」
ランル「疎開先でこれって、この世界はどんだけ危険に満ちあふれてるっちゃ!?」
ミスティリカ「擬態獣はそこはかとなく再生能力を持っています。
 手足をやってもあんまり意味がないので、
 頭を優先的に潰してください」
ラーナ「わたしはチェーンソーとドライバーを持ち歩いていますが、そちらは」
ミスティリカ「わたしはペティ・ナイフとマドラーを数本」
ランル「あの、あたし、月刊少年ガンガンしか」
ラーナ「十分対抗できますね」
ランル「待つっちゃぁーっ! どう考えても、あたしの装備だけ貧弱すぎるっちゃぁっ!」
ラーナ「仕方ありません。わたしが電車の中で呼んでいたヤングガンガンを進呈しましょう」
ランル「驚くほど焼け石に水っちゃ!」
ラーナ「『咲-saki-』って、なんで不定期掲載なんでしょう」
ランル「知らんちゃ!」
ラーナ「6体いますから、1人2体ずつ分担しましょう」
ランル「分担もちょっと考えて欲しかぁーっ!」
 10分経過
ランル「はぁっ、はぁっ」
ラーナ「意外と出来るものですね」
ミスティリカ「まさかヤングガンガンがコンボ武器だったなんて、
 ダンナーベースもつかんでいない情報ですね」
ランル「きつかったっちゃ、メチャクチャきつかったっちゃ」

67 :
ラーナ「この擬態獣、どうしましょうか」
ミスティリカ「道路に転がしておくのも邪魔だし、煮ちゃいましょうか」
ラーナ「いいですね、わたしが解体しましょう」
ミスティリカ「わたし、飯ごう持ってきてるんです」
ランル「あのぅ」
ラーナ「手ぶらで行くのもなんだし、お味噌はマナさんへのお土産にしましょう」
ミスティリカ「ランルさん、悪いけど、そこの川で水を汲んできてくださる?」
ランル「その飯ごう、ペニバンとおなじ鞄に入れてあったんじゃ・・・・・・」
 【トオミネ家前】
ミスティリカ「トオミネ家に着いたぞ!」
ランル「いちいちいわんでよかですよ」
ラーナ「ランルさん、呼び鈴押してきてください」
ランル「え、ラーナちゃんが行けばよくなか?」
 ばんっ
 ブロロロロロ
ランル「なんぞね、いまのクルマ」
ラーナ「スーパーの閉店時間が近いんじゃないですか。
 田舎だから早くに閉まってしまうんでしょう」
 ぴんぽーん
ランル「あれ? 出ないっちゃ」
ミスティリカ「あれ、門の鍵があいてますよ?」
ランル「だからって勝手に入んのは・・・・・・」
使用人「うぅ・・・・・・」
ランル「ちょっと、どうしたっちゃ!?」
使用人「男たちが突然やってきて・・・・・・、お、お嬢様を・・・・・・」
ランル「まさか、誘拐!?」
ラーナ「ミナキ・カノウさんといえば、いい歳してフリーターの夫を抱え、
 3人の子供を養える程度には特許料を取っている方です。
 このとおりご本家はお屋敷だし、不埒な考えを持つ人がいてもおかしくはありません」
ランル「なに落ち着いてるっちゃ! けっ、ケーサツ!」
ラーナ「こんな田舎で、警察が駆けつけるまでどれだけかかるんですか」
ランル「でっ、でもっ」
ミスティリカ「ああ、齢10歳で拉致監禁のフルコースを体験出来るなんて、
 カノウさんちの末っ子はなんて羨ましいんでしょう」
ランル「いっ、一刻も早く追わんと!」
ラーナ「ナンバーもわからないのに、どうしろというんですか」
ミスティリカ「さっきのクルマ、後ろの方に5とか3とか2とか並んでいましたけれど、
 それは些細なことですよね?」
ランル「ナンバー覚えちょったなら早くいうっちゃ!」
ラーナ「はぁ、この家、クルマありますか?」

68 :
 ブロロロロ
ランル「見えた! あのナンバーっちゃ!」
ラーナ「雪道に車輪跡が残っていたのが幸いでしたね」
ランル「早く回り込んでっ!」
ラーナ「道路の幅が足りません。ちょっと、あのクルマの動き停められますか」
ミスティリカ「んーっと、じゃあ後ろから車輪にナイフ当ててみますけど」
ラーナ「ランルさん、ちょっとハンドルお願いします」
ランル「わっ、ちょっと!」
 ちゅいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんっ!
誘拐犯A「な、なんだぁっ!」
誘拐犯B「急にクルマが」
誘拐犯A「バラバラにぃ・・・・・・っ!」
ラーナ「マナさん、いないようですね」
誘拐犯A「ば、バーカ! 俺たちゃただのシンガリよ!」
誘拐犯B「ガキなら、とっくにアジトに・・・・・・!」
 どすっ
誘拐犯A「は・・・・・・?」
ミスティリカ「見えますか? 肺と腎臓の隙間に刃が滑り込んでるでしょう。
 ほら、ナイフがビックンビックンいやらしく動いてる。
 これ、上と下とどっちに動かしたらいいのかしら」
誘拐犯A「だっ、駄目だっ! どっちにも動かしたら駄目だっ!」
ラーナ「そっちのそのひとはどうしましょうか。
 ねえ、腎臓って、ふたつもあったらウザいと思いませんか?」
誘拐犯B「思わないっ! 必要っ、腎臓は2つ必要っ!」
ミスティリカ「楽しい宴会でしたね」
誘拐犯B「なんで過去形なんだっ! よせっ、近づくなっ!」
ランル「あのぅ、身の安全を考えるんなら、
 早いとこマナしゃんの居場所を話したほうがよかですよ?」
誘拐犯A「あっ、ああ! ガキなら、ほら、そこの角反対側に曲がって、3つめの曲がり角を右に!」
誘拐犯B「潰れた工場があって、その中にいるよ!」
誘拐犯A「ほ、ほら、話したろ? だから早く病院に」
ラーナ「ウソをついていないとも限りません。
 真偽がわかるまで、そこの木に縛り付けておきましょう」
誘拐犯A「ウソなんてついてねえよぉ!」
ラーナ「せっかくヤングガンガンもあることだし、
 『咲-saki-』のコスプレをしてもらった上で縛り付けておきましょう」
誘拐犯A「やめろぉーっ!」
誘拐犯B「こっ、こんな雪道で『咲-saki-』のコスプレなんてさせられたらっ!」
誘拐犯A「だっ、第一衣装がねえじゃねえかっ!」
ラーナ「ああ、なるほど。
 では、咲と原村さんが仮眠室で仮眠を取っていたときの格好を再現してもらいましょう」
ミスティリカ「ああ、布団の横にスカートが畳まれてたあのシーン」
誘拐犯A「よせぇぇぇーっ!」

69 :
 【廃工場】
ミスティリカ「廃工場に着いたぞ!」
ランル「それはもうよかですから」
 パァン!
ランル「は?」
ラーナ「ランルさん?」
ランル「あ、あれ」
 どさっ
ラーナ「ランルさん、ランルさん!」
誘拐犯C「よーし、そこまでだ。お前ら、そこで手を挙げろ」
誘拐犯D「あいつら、連絡がつかねえと思ったら妙なのに捕まりやがって」
誘拐犯C「で、お前らなんなの」
ラーナ「っ」
 ダンッ!
誘拐犯C「な、なんだこいつっ! 銃が見えねえのかっ!?」
ラーナ「ランルさんを撃ったな! 解体してやる!
 『咲-saki-』のコスプレをさせた上で、あばら骨を一本ずつへし折って引きずり出してやる!」
誘拐犯C「チェーンソーを下ろせ! ほ、ほんとに撃つぞ、このっ!」
ラーナ「ああ、まずはその右腕がいりませんか!」
誘拐犯C「ひっ」
ランル「いかんちゃ! ラーナちゃん!」
ラーナ「は?」
ランル「そんな、おっかないことばっかいってちゃいかんちゃ。
 ラーナちゃん、ちゃんとかわいか女の子なのに・・・・・・」
ラーナ「ランルさん、どうして」
ランル「さすが月刊少年ガンガンっちゃ! 9mm弾くらいじゃビクともしないとね!」
構成員D「はっ、早くそいつをはなせ! でねえと今度こそ!」
ランル「ラーナちゃん!」
 パァンッ!

70 :
マーズ「あいてっ!」
構成員D「は?」
マーズ「ちっ、ヤスモンのタマぁ使いやがって。
 ちゃんと貫通させろよなー、ボケがぁー」
構成員D「な、なんだこいつ、脚が4本?」
マーズ「は、なんだよ。まだ撃つかい。いーよ、撃てよ。
 ゆっとくけど、おれをすなぁー、ちぃーっとホネだぞ。
 おれぁー『不屈』とか持ってんかんな」
構成員D「ひっ、ちっ、近づくなバケモノっ!
 おっ、俺のバックには」
マーズ「奥州パロスボ会がどーかしたかい」
構成員D「へ」
マーズ「おめー、あすこの木っ端構成員だろ。
 上のほーが急に経済になっちまったもんだから、
 ケチなシノギが出来なくなって、上納金も払えなくなって、
 にっちもさっちもいかなくなって誘拐やらかしたってか。
 どーせそのうちバカやらかすだろーから体よく破門しよーってハナシになってたのに、
 よりにもよってこんなことしでかしやがって」
誘拐犯D「な、なんで」
マーズ「だってよ、パロスボ会を経済にしたの、おれだもん」
誘拐犯D「は?」
 ばんっ
組員A「いたぞっ!」
組員B「てめぇ、代紋に泥塗りやがって!」
組員C「マーズさん、大丈夫ですか!」
組員D「来いっ! 組のハジキまで持ちだしやがって!」
誘拐犯C「ちょ、ちょっと待てよ!」
誘拐犯D「どうなってんだよ、一体!」
マーズ「連れてきな。あー、いちおー、ひでーことすんじゃねーよとゆっとかぁー」
組員A「ご面倒おかけしました!」
マーズ「待ちな。『咲-saki-』のコスプレはしてもらおーか」
誘拐犯C「イヤだぁぁぁぁぁーっ!」
ミスティリカ「え、なに? 縛らないの? せっかく準備してたのにぃ〜」
マーズ「ねー、このひとぁー年長者としての自覚とか誇りとかそーゆーのねーの」

71 :
ラーナ「ロボくん」
マーズ「めんどーなことすんじゃねーよ」
ラーナ「知ってたんですね、この村の場所」
マーズ「そりゃ知ってんよ。ちっと調べりゃーわかるし。
 このあたりじゃートオミネってけっこー有名だし」
ラーナ「じゃあ、あのも」
マーズ「だってこの村、セキュリティあめーんだもん。
 こーゆー田舎じゃー、オマワリよりのほーが頼りになるし」
ラーナ「そこまでしておいて、なんでマナさんには会わないんですか」
マーズ「知らねーの? 妹を口説くにゃー、まず兄貴の了解得ねーといけねーんだよ。
 そーしねーと、さみしー兄貴はぼっちの宇宙船に引きこもって
 ミョーなロボ作り出しちゃうんだぞ」
ラーナ「ロボくん、わたしを引っぱたいてください」
マーズ「そこの! おめーか、ラーナちゃんにミョーなこと吹き込んだなぁー!」
ミスティリカ「あぁ、いの一番に疑惑を向けられるわたしって、なんて最低の屑なのかしら」
マーズ「キミもね、おれがロボット三原則積んでること知ってて」
ラーナ「あのとき、わたしは一瞬ためらいました」
マーズ「は?」
ラーナ「あのまま放っておけば、もうマナさんはロボくんと会うことはない。
 マナさんと会わせようとここまで来たのに、
 土壇場になるとそんなことを考えてしまうんです。
 わたしはそういう子なんです。
 卑しくて意地汚い、そういう子なんです」
マーズ「あー、そーだね、いやしくていじきたねーね」
ラーナ「ぐすっ」
マーズ「ニンゲンてなぁー、もともといやしくていじきたねーイキモノだろ。
 そーゆーの、おれぁーずいぶん見てきたんだ。
 いまさらカミングアウトされねーでもわかってらー」
ラーナ「そう、ですね」
マーズ「まったく、くだらねーことしてんじゃねーよ。
 キミの助けなんざーなくったって、おれぁー建ててーフラグは勝手に建てらぁー」
ラーナ「ロッ、ロボくんはいつもそうです!」
マーズ「ん?」
ラーナ「ひとりでずんずん先に行ってしまって!
 わっ、わたしはどうしたらいいんですか!
 わたしはなにをしたらいいんですかっ!
 なにをしたら、ロボくんは喜ぶんですかっ!」
マーズ「なにもよろこばねーよ。よけーなことすんじゃねー。
 おれぁーひとからなんかしてもらうの、あんま好きじゃねーし」

72 :
 ぱんっ
マーズ「あいてっ」
ランル「あんたはっ! なんてこというっちゃ!
 ラーナちゃんが、ラーナちゃんがどんな気持ちでっ!」
ラーナ「やめてください、ランルさん」
ランル「でもっ」
マーズ「ふんっ、わけわかんねー。
 キミもさ、することなくてヒマなら、おれの事務所の掃除でもしてよ。
 聖闘士聖衣神話シリーズの肩のとことかにホコリたまっちゃってんだ」
ラーナ「え、でもロボくん、あれには触るなっていつも」
マーズ「たっ、棚が高くて手が届かねーんだよ!
 ゆ、ゆっとくけどなっ! 神話のほーだけだかんな!
 聖闘士聖衣大系シリーズのほーに触ったら、しょーちしねーんだかんなっ!」
ラーナ「わかりました。わたし、掃除します。
 『咲-saki-』のコスプレをして!」
マーズ「『咲-saki-』のコスプレは、いらなくね?」
ミスティリカ「アトリームにもヤングガンガンはありましたよ。
 地球とは比較にならないほど『咲-saki-』のスカートが短いね」
ランル「それはもう、通報されるんじゃなか?」

73 :
ヤングガンガンでどうやって擬態獣を…

74 :
一人で書いてるんだったら、自分のブログでやれば?

75 :
クォヴレー「つれー 昨日実質1時間しか虚無に還ってなかったからつれーわー
 実質1時間しか虚無に還ってないからなー」
クォヴレー「かぁーっ!今から帰っても2時間しか虚無に還れないわ〜!
 ほら見て?かぁーっ!」
クォヴレー「俺ってそんなに並行世界彷徨ってるイメージあるー?
 それどこ情報?どこ情報よー?」
クォヴレー「へぇー このアストラナガン2年くらい前に流行ってたよね
 2年くらい前に見たわ」
クォヴレー「マジ飽きたわー ほんと飽きた 並行世界とかまだやってる奴いるの?
 ほんと飽きたわー! 俺が一番先に飽きたわー」
クォヴレー「お前はいいよな・・・
 俺なんてパイスーがかっこいいいだけだもんな・・・」
クォヴレー「パイスーがかっこいい割に因子が足りません」
クォヴレー「お姫様とのフラグをへし折るけど パイスーがかっこいいです!」
クォヴレー「すいません・・・
 パイスーのかっこよさで補える範囲のアイン・ソフ・オウルしてすいません」
クォヴレー「あっ、ごめん 並行世界のこと考えてた」
クォヴレー「・・・ほらまた語っちゃったじゃ〜ん
 ったくホント俺から並行世界の話引き出すの上手いよなぁ」
クォヴレー「量産型νガンダムとイングラムに激似なのが1人なんですけど
 SRXチームの教官職あいてます?」
クォヴレー「あれ・・・え?
 イングラムに激似でもアヤ大尉との絡みってないんだ」
クォヴレー「うっわそうだ 今日並行世界の番人あったんだー」
クォヴレー「今日?俺?ED後? 並行世界の番に〜ん」
クォヴレー「どう思いますヴィレッター?
 みんな並行世界の番人に頼りすぎだと思うんですけど
 どう思いますヴィレッター?」
クォヴレー「並行世界の番人って因果律から解き放たれるのー?
 みんなにうらまれるってー!
 なぁみんなにうらまれるよなー?
 リュウセーイ!リュウセーイ?リュウセイ帰ったー?」
クォヴレー「ちょっとそれじゃまるで俺が自我を獲得したバルシェムみたいじゃーん
 まるで俺が人造生命として生まれながら自我を獲得し
 ついには並行世界の番人になった存在みたいじゃーん」
クォヴレー「ディス・レヴよ、その力を解放しろ!テトラクテュス・グラマトン・・・!」
 さあ、時の流れを垣間見ろ!
 ぼくはがでっかいです!」

76 :
test

77 :
ディストラ「わたしがアストラナガンに似てるって
 いつから気付いてました?」
ディストラ「え?今私の話してるんですか?
 それともアストラナガンに話してるんですか?」
ディストラ「ご主人様はきっと
 私がアストラナガンに激似じゃなくても
 パイロットになってくれたんでしょうね」
ディストラ「アストラナガンに似てないのってどんな気分ですか?」
ディストラ(頼みますよぉ・・・?ほっといてくださいよぉ・・・?
 私がアストラナガンに激似だって気付かないでくださいよぉ・・・?)
 「ガンスレイブ!」
ディストラ「かんべんかんべーん!
 虚空からの使者って言うのマジ勘弁してくださいよー もー
 悪魔王の名を冠した銃神って言ってくださいよー
 マジ虚空からの使者はかーんーべーんー!」
ディストラ「お兄さんは別に虚空からの使者じゃなくないですか?」
ディストラ「このゲマトリア修正したいですか?・・・でもな〜!
 修正したいですか?ねえ修正したいですか?
 ・・・でぇもなぁ〜!」
ディストラ「このゲマトリア修正したらやばいんでしょーねー・・・
 ん?いや別に?続けて続けて?」
ディストラ「ん〜・・・
 それじゃあ いっちょ 胸部解放でもかましてきますか!」
ディストラ「あらら・・・今まで私がどんだけ胸部解放って
 私が私の逮捕を帳消しにしてきたか分かってますか?」
ディストラ「この身のこなし このひと・・・
 キョラー(胸部解放の超上手いひと)ですね」
ディストラ「3ターン待ってあげます
 今すぐ私に2万円貸すか
 私の半ベソ胸部解放を見るか選んでください」
ディストラ「私の勘だとこの町内そんなに長くないですよ・・・
 3日間連続胸部解放してたのに
 そんなに逮捕されませんでしたからね・・・」
ディストラ「イングラムなんていないんです!
 イングラム・プリスケンはもうこの世界にはいないんです・・・!
 ここにいるのは・・・クォヴレー・ゴードンです!
 わたしのおそそはでっかいです!」

78 :
ハザリア「あぁ、ダルい。生きる気力が湧かん。
 もう、周囲に黙って結婚して事務所辞めて突然文学賞デビューしたい気分だ」
マリ「出来るものならやってみろ。
 まず、結婚しなくちゃな」
ハザリア「え」
マリ「は?」
ハザリア「・・・・・・その、そういうことを女の側からいうのは、筋が違うと思うのだ」
マリ「やめろよ! モジモジするなよ!
 つっ、突っ込んだだけ! わたしはツッコミを入れただけ!
 催促したとかなんとか、そういうのじゃないから!」
克夜「あのふたり、ほんとに付き合ってないのかな?」
アーク「知らね。実はまわりに黙ってるだけでほんとは付き合ってんじゃね」
克夜「ところでKAGEROU読んだんだけどさ」
アーク「なんでそんなこと俺に報告するんだよ」
克夜「アルトリートくんの場合、心臓引っこ抜いてもあとから生えてくるのかな」
アーク「生えてくるわけねえだろ! 俺をなんだと思ってるんだ!?」
克夜「アルトリートくんの臓器を売買する会社を作ったら、
 ハーレム建設の費用とか稼げると思うんだ」
アーク「俺を臓器工場のように見るな!」

79 :
なんで復活なんかさせたんだよ
どうせまたネタ書かれずに潰れるんだろ
目に見えてるじゃねえか
余計なことするな
静かに眠らせてやれ

80 :
 【朝】
 ガラガラガラガラーッ
レイナ「なにかしら、いまの。急に頭の中に浮かんできて。
 それにしても、妙な白昼夢よね。
 OG学園が突然土砂に埋まっちゃうなんて。
 べつに、学校のそばに山があるわけでもないのにねえ」
 (予知)  (久しぶり)
   (今朝、ゼラドは早めに家を出た) (もう学校に着いているはず)
(急げ) (ゼラドが危ない!) (ゼラド!)   (すぐに学校に)
レイナ「え、なに? 今度はヴィレアムの声?」
 ダッ
レイナ「えっ、ヴィレアム? 本物?」
ヴィレアム「なにいってるんだ、悪いけど、いまちょっと急いでるんだ」
 (ゼラド) (ゼラドが危ない) (ゼラドを助けなくちゃ) (ゼラド!)
レイナ「ちょ、ちょっと待ってよ! まさか、ほんとに崖崩れが!?」
ヴィレアム「え、お前、なんでそれを」
 ガラガラガラガラーッ
ヴィレアム「くそっ、遅かったか!」
レイナ「あり得ないわよ! なによこれ! この土砂、どっから現れたのよ!?」
ヴィレアム「ゼラド! ゼラドを探さなくちゃ!」
 (いた)  (ターゲット)
  (最優先事項) (予知能力者) (ヴィレアム・イェーガー)
(確保) (抹) (消去) (包囲して)
    (発砲許可) (自爆許可)
レイナ「ちょっと待ってヴィレアム! そっち、危ない!」
ヴィレアム「なんだよ、俺はゼラドを!」
 ダダダダダーッ!
ヴィレアム「な、なんだ? マシンガン!?」
レイナ「こっち! こっちなら、『声』が聞こえない!」
ヴィレアム「声って、お前なにいってるんだ!?」
レイナ「そんなの! あたしだってわかんないわよ!」

81 :
レイナ「あんた、あの土砂を予知したの?」
ヴィレアム「あ、ああ。ここのところ予知能力が発動することなんかなかったのに。
 でも、お前がなんでそのことを?」
レイナ「よくわかんないけど、急に頭の中に浮かんできたのよ」
ヴィレアム「まさか、お前も予知能力を?」
レイナ「わかんないわよ。でもそのあと、あんたの声が聞こえて」
ヴィレアム「声? 俺、声なんか出してないぞ」
レイナ「だから、わかんないってば! とにかく、聞こえたの!」
ヴィレアム「議論はあとだ。とにかく、一刻も早くゼラドを助けないと」
レイナ「バカッ! いったでしょ、学校は危ないのよ!」
ヴィレアム「じゃあ、どうしろっていうんだよ!」
レイナ「落ち着きなさいよ! とにかく、警察へ、それか軍の施設でも」
 【路地裏】
レイナ「はぁっ、はぁっ、どうなってるのよ!」
ヴィレアム「警察も消防も軍の施設も、ヘンな兵隊に占領されてた。
 近づくなり発砲されたぞ」
レイナ「ちょっと、ケータイ! ネットのニュース見て!」
ヴィレアム「世界中で同時多発テロ? 軍も警察も、一挙に制圧された?
 通信網も途絶、月やコロニーとも連絡が付かないって?」
レイナ「駄目! 通話が通じない! このニュースも、ずいぶん前の更新だし!」
ヴィレアム「どうなってるんだよ! どこかの侵略か!?」
 (ヴィレアム・イェーガー)  (逃げた) (見つけろ) (必ず見つけ出す)
    (行動範囲をしらみつぶしに) (草の根分けても)
  (探す) (見つけ出す) (す) (害する) (消去する)
レイナ「ヴィレアム! こっち!」
ヴィレアム「なんだよ!」
レイナ「また『声』が! なんでかわかんないけど、あんたに対する意てんこ盛りよ!」
ヴィレアム「なんで俺が!」
レイナ「とにかく逃げないと!」
 (B地区32 いない) (B地区33に移動)
 (A地区48 いない) (どこだ) (検索範囲を広める) (なんとしてでも)
レイナ「ダメッ! こっちにも!」
ヴィレアム「じゃ、どこへ」
 キキーッ
アイミ「レイナっ、乗って!」
レイナ「アイミぃっ!?」

82 :
 【イスルギフード】
ミツハル「やあアイミちゃん。またお友達を連れてきたんだね。
 ささ、そっちの部屋で休んでもらうといい」
 (あーあ、めんどくさ。
  そりゃアイミちゃんを保護するとはいったけどさあ、
  なにも次々友達連れ込むことないじゃないか。
  正直ウザいわー。アイミちゃん以外どうでもいいってえの)
レイナ「また『声』が?」
ミナト「レイナ、無事だったか!」
トウキ「どうなってんだよ、これ」
 (うはwwwwwwリアル女子高生の匂いテラウマスwwwwww
  男共どっか行かないかな)
レイナ「ミツハルさん、すぐにこの部屋から出てってくれませんか」
ミツハル「えぇっ!? なに、恩知らずかい!?」
レイナ「女子高生の匂いがどうとか、キモいこといってたじゃないですか!」
ミツハル「な、なにいってるのかな。
 僕は、あれだよ? 成熟した大人の男性だよ?
 女子高生なんて、そんな未成熟な生き物なんかに」
 (DSに8×4染みこませると『ラブプラス』の臨場感が断然上がるってネットで読んだけど、
  今度やってみようかな)
レイナ「DSに香水なんかかけたら壊れますよ!」
ミツハル「えぇっ!?」
アイミ「レイナ、ちょっとヘンだよ。ミツハルさん、DSの話なんてしてないのに」
ミツハル「そうだよ、ははは、DSってなんだい?
 僕、携帯ゲームはゲームボーイミクロしか持ってないよ」
レイナ「すぐわかるウソつくのもどうかと思いますけど」
ヴィレアム「そういえば、さっきも『声』がどうとかいってたよな。
 なんだったんだ、あれ」
レイナ「よくわかんないけど、まさか、そんなはずないし」
ミツハル「あー、はいはい、つまり、急にテレパス能力に目覚めちゃったってわけね。
 なに? 『レイナふたたび』とでもいって欲しいの?
 だったらまず、家政婦としてやたらドロドロした家庭にばっかり派遣されないと。
 じゃないと、なにが『ふたたび』なんだかわかりゃしないよ。
 僕、『家族八景』のほうが好きなんだけど、なんで『ふたたび』ばっかり映像化されるのかなあ。
 そりゃあ三作目はアレがアレして土壇場でアレだから映像化ムリだとしてもさあ」
レイナ「なんの話をしてるんですか!」
ミツハル「芦名星みたいにスーパーモデルみたいな家政婦が来たら、正直ひくよねって話」
レイナ「そうじゃなくて! テレパスとかなんとかっ!」
アイミ「念動力がそんなふうに覚醒したんじゃないの?
 ほら、お父さんから遺伝した」
レイナ「いもしない人物から遺伝なんかするわけないでしょう!」
ミツハル「ああ、いま、そういう家族間の事情とかどうでもいいから。
 けっこう緊急事態なんだよね」

83 :
ヴィレアム「そうだ。俺、全然状況がわからないんだけど、どうなってるんだ?
 ゼラド、ゼラドはどこだ?」
アイミ「それが・・・・・・」
ヴィレアム「なにがあったんだよ、おい!」
ミナト「怒鳴るなよ」
トウキ「学校の上から突然土砂が降ってきたと思ったら、
 ヘンな兵隊がいっぱい来て、クリハとかゼラドを連れてっちまったんだ」
ヴィレアム「お前、それを黙って見てたのか!」
トウキ「抵抗したに決まってんだろ! でも、相手の数が多すぎたんだよ!」
ミツハル「さらわれたのは、バランガくんとかミズハくんとか、
 あー、あと最上重工のバカ息子とかアトリーム産のとか。
 重慶で任務中だったSRXチームとか、テスラ・ライヒ研とかも押さられちゃったみたいだよ。
 マオ社なんか、世界中の工場やら研究所が制圧されてるんだって。
 あそこまで大規模な電撃作戦やられたら、抵抗なんてする暇ないよ」
 (うはwwwwwwマオ社ざまぁwwwwwwマオ社の不幸で飯が美味いwwwwww!
  月の本社も制圧されちゃわないかな。つか火事にならないかな)
レイナ「緊急事態だっていっときながら、なんてこと考えてるんですか!」
ミツハル「ちょっと、勝手にひとの考え読まないでよ。プライバシーの侵害だよ?」
レイナ「聞こえるんだからしょうがないでしょう!」
アイミ「なんでかわからないけど、イスルギはあんまり被害を受けてないみたいで」
ミナト「それで俺ら、ここに逃げてきたんだけど」
ミツハル「んー、どうも連中、念動力者とかなんとか、そういう異能力者を集めてるみたいだね。
 マオ社はそういうのよく研究してるから、標的にされちゃったんでしょ。
 バッカじゃないの。
 念動力なんて、不安定過ぎて兵器としちゃ信頼性が低すぎるって最近じゃ見向きもされないのにさ。
 そこ行くと我等がイスルギは安心確実な兵器を卸してるからねえ」
レイナ「やけにヴィレアムを狙ってたのも、予知能力者だから?」
ミツハル「あ、そっか。そっちの彼は予知能力者だっけ。
 レシタールくんのテレパス能力で運良く助かっただけで、
 本来は君もさらわれる側だったんだろうね」
ランディ「ちょっと待て、それじゃ、ラ・ギアス生まれの俺がさらわれてない理由が説明つかない」
ミナト「あ、ランディ1/2、いたの」
ミツハル「加えて、ただの邪気眼を邪気眼と見抜くだけの洞察力を替え備えてるか。
 なかなか油断ならない相手だよ」
ランディ「おぉい! なんかシリアスな話してるはずなのに!
 この期に及んで俺は邪気眼扱いかよ!」
ミツハル「うちみたいな末端部門は無事だけど、イスルギの本社も押さえられてるんだよね。
 ああ、お母さんの身の上が心配だなあ」
ランディ「無視か!」
 (あーあ、お母さん失脚しないかなあ。
  お母さん派の役員ども、犯人に逆らって処刑されないかなあ)
レイナ「もう、犯人ミツハルさんなんじゃないですか?」
ミツハル「な、なにをいっているんだ、母を案じる息子に向かって」

84 :
 ガチャッ
マーズ「みっつはーるさーん! あんたとーとーやったね!
 マオ社無力化! これで地球からひとつ悪が減ったー!」
ミツハル「このロボ野郎が残ってるってことは、
 アンドロイドとか人造生命の類はあんまり珍しくない連中みたいだね」
ラーナ「ランルさんが連れ去られました。
 あなたが犯人だというなら、容赦しませんよ」
ミツハル「だから、僕じゃないってば。
 やろうと思っても、僕じゃムリだね。
 学校はどこからともなく降ってきた土砂に埋まっちゃったんだろ?
 世界規模で同時多発的に軍隊送り込んできた手口といい、
 おそらく相手は恐ろしく大規模で高性能な転移技術を持ってる。
 そんなもん、イスルギやマオ社どころか、バルマーやゾヴォーグでも開発されてないよ」
ヴィレアム「じゃ、まったく未知の勢力からの侵略だっていうんですか?」
レイナ「ちょっと待ってよ! あいつら、ヴィレアムを名指しで探しまわってたのよ!
 未知の相手なら、なんでそんな」
ミツハル「知らないよ、そんなもん。とにかく情報が少なすぎる。
 こっちもホットラインがいくつか残ってるし、まずは情報収集だね」
ヴィレアム「そんな悠長なこといって! ゼラドになにかあったら!」
ミツハル「それはまあ、大丈夫なんじゃないの?
 あいつら、軍の施設とかと一緒に病院まで占拠してさ、
 負傷者の治療までしてるんだって。
 まあ、征服した後で戦力か労働力として組み込むつもりなんだろうね。
 高度に組織化された動きといい、それなりの知能を持った相手なんだろう。
 ほっとけばそのうち、犯行声明なり要求文が発表されるさ」
 (交渉可能な相手ってことは、イスルギの営業力の見せ所だよね。
  ふふふ、ここで見事な采配を見せれば、社内での僕の評価もウナギ上がりだぞ。
  お母さん派のジジババ共を黙らせるいいチャンスさ)
レイナ「ミツハルさんは、もう、俗物過ぎて逆に安心出来ますよ」
ヴィレアム「でも。俺はいきなり発砲されたぞ?」
トウキ「え、そうなの?」
ミナト「俺たちもヤツらに抵抗したけど、銃床で殴られただけだったぞ」
ミツハル「君、どっかで世界規模の恨みでも買ったんじゃない?」
ヴィレアム「そんな」
レイナ「いったい、なにがどうなってるの?」
 【マオ・インダストリー月面本社】
ハザリア「クソッ! はなせ、はなせよ!」
マリ「なにするんだ!」
 どさっ!
ゼラド「マリちゃん、ハザリアくん!」
ルナ「お主らも捕まったのか?」
ハザリア「あぁっ、くそっ! なんだあいつら!
 リクセントで駅弁食らってたら、いきなり!」
マリ「あの駅弁、まだ食べかけだったのに!」

85 :
ルナ「お主らはまた、学校をサボってなにをしているかと思えば」
克夜「ねえ、そんなことより、この部屋見覚えがあるんだけど、
 マオ社の月面本社じゃないの?
 うわぁーっ! イヤだぁーっ! 地球に帰してくれぇーっ!
 シャナ様が! シャナ=ミア様が僕を浚いにやって来るーっ!」
ミスティリカ「それより、浚っておいて
 手首縛りも亀甲縛りも桃縛りも直立不動一本縛りも椅子上M字開脚縛りも
 開脚長棒固定縛りも吊り縄縛りも片脚吊りも狸縛りもないなんて、どうなってるの!?
 監禁舐めてるんじゃないの!?」
タカヤ「なぁ・・・・・・、なんで俺だけ、がんじがらめに縛られてるんだろう?」
 プシュッ
???「まさか、ベーオウルフが繁殖してるとは思わなかったわ。
 あなたたち、念のため、手足を切断しておいて」
レタス「いきなり出てきてなに恐ろしいこといってるんですの、あなたは!」
???「だってそれ、ベーオウルフの幼生体でしょ?
 いきなり巨大化なんかされたら面倒だわ」
克夜「タッちゃんは巨大化なんかしないぞ!
 ちょっと、身体の一部が有事の際見る者のトラウマになるほどに
 太く長く逞しく巨大化するだけだ!」
???「やっぱり巨大化するんじゃない」
レタス「タッ、タカヤさんはそう頻繁に巨大化する方ではなくってよ!」
???「頻繁でも希でも、巨大化すると聞いたからには放置しておけないわ」
タカヤ「君たち、よけいなこといわないでくれ。
 俺の手足が危険にさらされてる」
ハザリア「待て、貴様、ベーオウルフといったな?」
???「あら? あら! あなた、ハザリア、ハザリア・ゴッツォ! そうでしょう?」
ハザリア「いや、俺はハザリア・カイツだが」
???「あら、ご両親離婚でもしたの?
 ああ、でも、地球に留学して来たと思ったら
 1年もしないうちに頭部を切断された状態でボートに乗って漂ってたあなたが生きてるなんて。
 わたしが知ってるあなたとは別人とわかってても、うれしいわ」
マリ「なにやらかしたんだ、お前は」
ハザリア「貴様はいったいなにをいっている!」
 ダンッ!
イングレッタ「背中を突いて壁に手を着きなさい」
???「転移してきた?
 ユミル隊! イーサッキ隊! ラヴレス隊! お願い!」
 がしっ! がしっ! がしっ!
イングレッタ「くっ・・・・・・!」
ルナ「キツネ目!」
???「こっちの特殊部隊かなにかの子かしら。
 でも、ひとりで飛び込んでくるなんて、なに考えてるの?
 いくら強力な戦士でもWRシリーズに集団で組み付かれたら手足も出せないでしょう」

86 :
ゼラド「WRシリーズ?」
ハザリア「やはりか。貴様、シャドウミラーのいた世界の人間だな?」
???「シャドウミラー?
 アインストに蹂躙された地球を捨てて、自分たちだけさっさと逃げた腰抜けの軍隊がどうしたの。
 ひょっとして、この世界にもいたの?」
ルナ「お主、何者だ?」
マナ「わたしはマナ・カノウ。
 地球とバルマーの絆が産んだ子供よ」
 【イスルギフード】
社員「若社長、マオ社のオレルアン工場から極秘ホットラインです」
ミツハル「え、あそこ占領されたんじゃなかったの?」
イルム『よかった! ミツハル、お前は無事だったか』
ミツハル「やあやあ、おいたん。久しぶりですね。
 嫁のコネで座る役員の椅子の具合はどうですか」
イルム『皮肉を聞いてる暇はない。
 マオ社はオレルアンも月の本社も押さえられちまった。
 最上重工や、お前のとこの本社もおなじだろ?
 俺はいま、地下の秘密シェルターで通信してるけど、いつまでもつかわからない。
 いままともに動けるのは、お前のところだけだ』
ミツハル「いやいや、買いかぶりすぎですって、おいたん。
 僕はしょせん、末端の食品部門の長ですからね」
イルム『そうか。お前とは、けっこう長い付き合いだったと思ってたんだけどな。
 最初に会ったころ、お前はまだ12歳だったか。
 あのときお前は・・・・・・』
ミツハル「イルムおじさま。いまは地球圏存亡のとき。
 マオ社だイスルギだ、企業間のつまらないしがらみは捨てましょう」
イルム『そうかミツハル、俺は信じてたぞ』
ミツハル「もちろんですともおじさま!
 嫁に隠れてラブプラス嫁との愛をコツコツと育んでおられるおじさまを!
 リンという名の嫁に隠れて、凛子ではなく愛花をラブプラス嫁に選ぶ勇者を!
 どうして見捨てられましょうか!」
イルム『へへっ、やっぱり、最後に頼りになるのはラブプラス紳士同盟だな』
レイナ「なによこの最低のやり取り」
ミナト「地球圏は、もうダメかもわからねえな」
 【マオ・インダストリー月面本社】
ルナ「バカな! わたしが以前会ったマナは!」
マナ「ええと、名簿名簿っと。
 あなたは? ルナ・ティクヴァー? へえ、お母さんの娘なんだ。
 わたしの並行世界同位体には見えないけど、ねえ、なんでカノウじゃないの?」
ルナ「わっ、わたしはお母様とクォヴレー・ゴードンとの間に出来た子だ!
 カノウと名乗るはずがないだろう!」
マナ「ゴードン? 知らない名前ね。
 この世界にはお父さん、いないのかなあ」

87 :
ゼラド「並行世界のマナちゃんが、なんでこんなことを!」
マナ「あなたは、ええと、ゼラド・バランガ?
 元ノイエDC兵、スクール出身のアラド・バランガの娘ね。
 あれ、なんであなた引っかかっちゃったのかしら。
 べつに目立った反応はないんだけどなあ」
ハザリア「ここにいるのは、念動力者だのニュータイプだの異星人だの、異能力者ばかりだ。
 貴様、そんな人間を集めてなんとするつもりだ!」
マナ「そうね。念動力者、ニュータイプ、フューリーの末裔に惑星アトリームの生き残り、
 不死身の男にベーオウルフの幼生体やスフィアの切れっ端、並外れた貧、
 この世界にはずいぶんたくさんの異能力者がいるようね」
クリハ「待って! いま、なにかヘンなの混じってた!
 念動力者! わたし、念動力者枠で捕まったのよね!?」
マナ「ここまで虚無的なまでの貧は、わたしたちの世界では観測もされなかったわ。
 わたしが学者かなにかだったら好奇心を刺激されたんだろうけど、
 安心してね。あなたたちに危害を加えるつもりはないから。
 学校や研究施設にいたほかの異能力者のひとたちも別室に入ってもらってるけど、
 傷ひとつ付けていないわ。
 ベーオウルフだけは怖かったから、厳重に隔離したけど」
ハザリア「信用する理由はないな。教えてやれ、アルトリート!」
アーク「なんで俺に振るかなぁっ!?」
ハザリア「俺は信じておるぞ、貴様はいざというときはやれる男だ!
 勇気を出せ! 自分を信じろ! 熱くなれ! もっと熱くなれ!
 この虚弱貧弱無知蒙昧な侵略者に、貴様の不死身っぷりを見せてやれ!」
アーク「取って付けたように煽ったってダメだ!
 ついさっき、タイムダイバーの姉ちゃんが無力化されたばっかじゃねえか!
 俺に何が出来るっていうんだよ!?」
ハザリア「フラグ建てればよいだろう。貴様、そういうの得意ではないか」
ミスティリカ「アルトリートさん! 異性間の陵辱はレベルが高すぎてあなたにはまだ無理です!
 向こうに行ってシラカワさんに陵辱されておいで!」
ハザリア「やかましい黙っておれ!」
アーク「開口一番手足切断するとか言い出す女相手に欲情なんか出来るか!?」
ハザリア「どうせ貴様は、手足ちょん切られた端からにょきにょき再生するのだから問題ないだろう」
アーク「そこまでにょきにょきと再生はしねえよ!
 俺だって死ぬときゃ死ぬんだ!」
ハザリア「案ずるな! 貴様がダルマ男となった暁には、
 俺が手ずから障害者を撮影し、ビデ倫に叱られてやる!」
アーク「ひょっとしてそれが贖罪のつもりなのかてめぇはっ!?」
マナ「はぁ、不死身の男がいるとは聞いていたけど、あなたがそうなのね」
ハザリア「フハハハハ! こやつの不死身っぷりはちょっとスゴいぞ!
 観念してフラグを建てられてしまえ!」
マナ「抵抗するなら、コンクリートに沈めるけど大丈夫?」
アーク「うん・・・・・・、それは・・・・・・、生きてても死んでても手も足も出せないね」

88 :
マナ「先に行っておくけど、
 この部屋はカルケリア・パルス・ティルゲムをマイナスに入れて念動力を無効化してるし、
 サイトロンもクリスタルハートもない状況じゃ、あなたたちに大したことは出来ないわ。
 だから、妙な抵抗はしないで。
 わたしは極力ムダな犠牲を出したくないの」
ハザリア「確認したいが、我々は捕虜か?」
マナ「あんまりそういう言い方はしたくないけど、まあそうなるわね」
ハザリア「ならば、こちらには抵抗しない代わりに相応の待遇を求める権利がある!」
マナ「そうね。ジュネーヴ条約って、こっちの世界でもおなじなのかしら」
ハザリア「地球の条約なんぞ知るか!
 我等がバルマー国家元首のご息女であらせられるところの、
 ルナ・ティクヴァーを有象無象と一緒くたに扱ってよいと思っておるのか!」
マナ「わたしはお姫様扱いなんてまっぴらごめんだけど、そっちが望むならそうするわ。
 ソファでも用意したらいいのかしら」
ルナ「いや、わたしはべつに」
ハザリア「ソファなどいらぬ!
 利尿効果たっぷりのルイボスティーを1.5リットルほど用意せよ!」
ルナ「なにをいっておるのだお主はぁっ!」
マナ「わかったわ。わたしだって、世界が違えば姉妹だったかもしれない子に
 喉が渇いただなんていってもらいたくない。
 すぐにがぶ飲み出来る温度に調整したルイボスティー1.5リットルを調達するわ」
ルナ「そんな要求は呑まんでよい!」
ハザリア「ひとつ確認しておく。
 貴様、先ほどこの室内では念動力を封じているといったが、
 その場合ルナめはどこで放尿すればよいのだ!」
マナ「あ、そうか。すぐに終わらせるつもりだったから、あんまり考えてなかったな。
 ええと、わたしにいってもらえば」
ハザリア「携帯トイレの提供を要求する!」
ルナ「はなせキャクトラ! このルナ、虜囚の辱めなど受けぬ!」
キャクトラ「いけません姫様、早まらないでください!」
ミスティリカ「わたしだって、放尿してくれる人がいれば肉便器になりますよ、ティクヴァーさん!」
マナ「わかったわ。携帯トイレは必要ないということね」
ルナ「お主はなにもわかっておらぬ!」
マナ「すぐにルイボスティーを用意するから、待っててね」
 プシュッ
ハザリア「フム、予想以上にいろいろわかった」
ルナ「はなせキャクトラ! この馬鹿者の頭をカチ割ってやるのだ!」
ハザリア「落ち着け。俺とて、いたずらに貴様の膀胱をいじったわけではない」
ルナ「いたずらにいじられてたまるか!」
ハザリア「よいか、俺は先ほど、虚弱貧弱無知蒙昧だのアルトリートとフラグを建てさせるだの、
 ひととしてかなりの屈辱を味わう挑発を行った。
 しかし、ヤツはそれに対して極めて理性的に対応した」
ルナ「それがどうした!」
ハザリア「わからぬか。
 アインストの類に憑依されたり、こちらを見下しているような侵略者ならこうはいかん」
ルナ「それはそうだが」

89 :
ハザリア「さらにいえば、
 ヤツはルイボスティーだの携帯トイレだの、非常にバカバカしい要求にも従った。
 こちらをいたずらに傷付けたくないと何度かいっていたが、それは本当だろう。
 ヤツの出自を考えれば、タカヤなど真っ先に処刑していそうなものだが、それもしておらぬ。
 そして、こちら側の能力への対策も事前に準備している様子だった。
 結論をいえば、ヤツは人智を越えたバケモノの類ではない。
 人間だ。
 それも、かなりの自制心と注意力を買え備えている。
 そういう相手なら、こちらにも交渉のしようがあるということがわかる」
ルナ「なるほど、無意味にルイボスティーなどを要求したわけではないのだな」
ハザリア「当たり前だそして出されたものに手を付けないのも犯人を刺激する危険があるから
 貴様は速やかに利尿効果たっぷりのルイボスティー1.5リットルをガブ飲みしろ」
 プシュッ
マナ「利尿効果満点のルイボスティー1.5リットルを持ってきたわよ」
ハザリア「ルナめが利尿効果抜群のルイボスティー1.5リットルをガブ飲みしている間に聞くが、
 貴様、異能力者ばかり集めてなにをするつもりだ」
マナ「別になにもしないわよ。
 あなたたちは、本命を特定する上でノイズとして引っかかっただけ。
 だから恨みもないし、危害を加えるつもりもないの」
ハザリア「本命といったな。
 では貴様、その本命とやらには、恨みもあれば危害を加えるつもりもあるということか」
マナ「ハザリア、あなたはやっぱり、別世界でも賢いのね」
ハザリア「答えろ! 貴様の狙いはなんだ」
マナ「ヴィレアム・イェーガーをすことよ」
 【イスルギフード】
社員「若社長! マオ社の月面本社から通信です」
ミツハル「よっし来たぁっ!
 入社当時、おもっくそ縁故採用なのに営業の最前線に放り込まれて
 鍛えられた交渉力を見せてやる!」
レイナ「ミツコ社長って、スパルタだったんですね」
マナ『初めまして、ミツハル・イスルギさん。
 わたしはマナ・カノウ。
 こことは、極めて近く限りなく遠い世界から来た異邦人です』
マーズ「マナちゃんだって!
 どいてろミツハルさん! おれがそっこーでフラグ建ててやんよ!」
ミツハル「あっ、こらっ!」
マナ『その声、キャズマ・アーディガンくん!?
 何度いわれても、あなたに電話番号教えるとか、あり得ませんから!』
マーズ「びえーっ、一面識もないひとに、1秒でフラれたよ〜!」
ラーナ「おお、よしよし、たんとお泣きなさい」
マーズ「ちぇっ、よく見たらじゃねーじゃねーか!
 年増に用はねーよ、引っ込めばばー!」
ラーナ「ロボくん的に、女子高生なんてババァの領域です。
 女子中学生で、ギリギリ年上のなお姉さんカテゴリーです」
マーズ「そんなこともいってねーよ?」

90 :
ミナト「ウソだろ! うちのマナは、まだ10歳のはずだぞ!
 ありゃどう見ても」
マナ『お兄ちゃん! お兄ちゃんでしょう!
 ああ、よかった。お兄ちゃんが生きてた!
 別人だってわかってても、わたし、すごくうれしい!』
ミナト「俺を知ってるのか?」
マナ『当たり前でしょう! この宇宙で、たったひとりの大切なお兄ちゃんだもの!』
トウキ「おい待て、いま、たったひとりとかいわなかったか?」
マナ『ああ、お兄ちゃん。待っててね。すぐにこの世界を平和にしてあげる。
 あいつを! 憎い憎いあいつをして! すり潰して! し尽くして!
 素粒子ひとつ残さず、完膚無きまでにズタズタに切り刻んで!
 今度は、今度こそ、お兄ちゃんだけは幸せにしてあげる!』
マーズ「おい、なんだあのヤンデレ妹。
 そのうちひとりで機動兵器乗り回しはじめっぞ」
ミナト「うちの妹の並行世界同位体があんなに××なはずがない」
マナ『安心して。なにも心配いらないのよ。
 だってわたしたち、半分しか血が繋がってないじゃない!』
マーズ「なーおい、おれのデータベースだと、
 半分血が繋がってたら、もーアウトなんだけど、
 あのキモウトはなにゆってんの」
ミナト「俺にはもう、なにがなんだかわからない」
ミツハル「つまらない愛憎劇はよしてくれ。
 それで? 君はこちらの人間をずいぶん拉致したみたいだけど、
 なにが目的だい?
 侵略者だっていうなら、今クールの空気読んでイカのかぶり物でもして来てもらいたいものだね」
マナ『わたしに侵略の意図はありません。
 こちらにいらしていただいた人たちについては、なんら危害を加えていませんのでご心配なく。
 こちらの要求を飲んでいただければ、速やかにお返しします。
 イカのかぶり物はしません』
ミツハル「き、金属生命体のコスプレは?」
レイナ「なんの交渉をしてるんですか!」
マナ『こちらの要求はただひとつ。
 ヴィレアム・イェーガーの身柄です』
ミツハル「え、いいけど」
レイナ「快諾し過ぎです!」
ミツハル「でも、あんなヘタレな高校生つかまえて、どうするっていうの」
マナ『します』
レイナ「なっ・・・・・・!」
ミツハル「君、彼女になにしたの」
ヴィレアム「おっ、俺はなにも!」
ミツハル「いや、その、すって宣言されちゃうとねえ、
 なんだ、人道的判断っていうか、世論の影響も考えて、そうやすやすと渡すわけには」
マナ『はぁ、こういうことはあんまりいいたくないんだけど、
 こちらには、地球中から集めた異能力者及び要人の身柄があります。
 その中には、あなたのご両親であるミツコ・イスルギさんやニブハル・ムブハルさんも含まれます』

91 :
ミツハル「見くびるなよ! このミツハル・イスルギ!
 たとえ目の上のたんこぶな肉親が肉塊に変えられようとも!
 卑劣な侵略者の要求に屈すると思うのかい!?」
レイナ「ミツハルさん、目ぇキラキラし過ぎです」
マナ『要求に従ってくれない場合、
 彼らを入れたコロニーをお宅に向かって落とします』
ミツハル「要求を飲もう」
レイナ「ちょっとぉぉぉぉーっ!」
 【マオ・インダストリー 月面本社】
ハザリア「すると貴様は、ヴィレアムひとりをすために次元を越えてきたというのか?」
マナ「そうよ」
ハザリア「学校を土砂で埋めたり、世界中の施設を占拠したのもか?」
マナ「ほかになにがあるの?」
ハザリア「もっとこう、こっそり来てこっそりしてこっそり帰るというわけにはいなかったのか?」
マナ「なによりスピードが要求されたからね。
 最初は学校ごと圧死してもらおうとしたわ。
 それが失敗したから、このフェイズ3に移行することになったの」
ハザリア「いくらなんでも大袈裟過ぎはしないか?」
マナ「だって、相手はヴィレアム・イェーガーなのよ!?
 転移装置の容量さえ許せば、WRシリーズ1億体に加えて、
 ナシム、ゲベルの両ガンエデンを持ってくるはずだったんだから」
ハザリア「いったい、ヴィレアムめのなにをそんなに危険視しておるのだ」
マナ「この世界にはずいぶんたくさんの異能力者がいるけどね、わたしの世界は違ったの。
 ベーオウルフは暴れるし巨大化するし最終的には増殖までし始めるし、
 永遠の闘争がどうのこうのいってた電波軍隊は知らないうちにどこかに逃げてるし。
 リュウセイ・ダテを始めとするSRXチームはベーオウルフにされたし、
 ヒリュウ改はインスペクターの攻撃で轟沈、
 ハガネはホワイトスターでの交戦で轟沈、
 ゼンガー・ゾンボルトはオウカ・ナギサたちスクール出身者と戦ってアースクレイドルに埋まったわ。
 月面で見つかったフューリーの遺跡からは冷凍睡眠中の事故かなにかでミイラ化した死体しかなかったし、
 惑星アトリームの存在は『欠片』と呼ばれるエネルギーの中にわずかに痕跡を残すだけだった。
 そしてチームTDは飛行中の事故で
 フィリオ・プレスティ先生を残して全員死んだわ」
ハザリア「むしろ、フィリオ・プレスティが死んでる世界って存在してるのか」
マナ「地球はアインストに埋め尽くされるところだった。
 それでも、諦めないひとはいたわ。
 ミナキお母さんと出会ったお父さんは地球を開放するために立ち上がって、
 ときをおなじくして偽帝からの解放を望んだお母さんも立ち上がった。
 やがて出会ったお父さんとお母さんは手に手を取り合い、勝利を手にしたの」
ハザリア「それは、ハッピーエンドなのではないのか?」
マナ「平和は長く続かなかった。
 わたしたちが生まれたあたりからかしら。
 どこからともなく発生した隕石が次々と地球に落ちてくるようになったの。
 せっかく復興中だった都市は破壊されて、ひともたくさん死んだ。
 その中には、わたしのお兄ちゃんもいた」
ハザリア「あちらの世界のミナトか」
マナ「可愛そうなお兄ちゃん。
 大好きな『少女時代』のコンサートに行く途中で、
 隕石に当たって『求命阿』と叫びながら死んでしまうなんて」

92 :
ミナト『ウソだっ! 俺は、いかにも未熟な容姿と歌唱力で
 それでも一生懸命歌って踊る日本型アイドルが大好きなんだ!
 あんな改造品軍団、なんの琴線にも触れねえよ!』
マナ「シャドウミラーが残したアギュイエウスとリュケイオスの残骸、
 フェル・グレーデン博士の研究を元に研究した結果、
 隕石が降ってくる原因はヘリオス・オリンパスの息子、
 つまりヴィレアム・イェーガーという名の予知能力者だということがわかった」
ハザリア「あやつの予知能力など、せいぜい晩飯のオカズを予知する程度の役にしかたたぬぞ」
マナ「そうね。
 たとえば彼が、『オカズは魚だった』という予知をして、
 魚を肉に変更するように行動したとするでしょ?
 その場合、『オカズは魚だった』という世界はどこに行ってしまうの?」
ハザリア「パラレルワールドとして分岐するのではないのか?」
マナ「いいえ、消えてしまうのよ。
 そして、世界がひとつ消えてしまう余波は次元境界線を接する世界にも及んだ。
 わたしたちの世界の場合、それが降り注ぐ隕石だったということよ」
ハザリア「しかし、予知能力者はヴィレアムめひとりではないだろう」
マナ「そうね。シャイン・ハウゼンやラーダ・バイラバンも、ほかの世界に影響を及ぼしてるでしょう。
 だから彼女たちもす。
 でも、それよりもなによりも、優先するべきはヴィレアム・イェーガーの害よ」
ゼラド「待って! だからって、すだなんて!
 ほかになにか方法はないの!?」
マナ「わたしたちだっていろいろしたわよ!
 イージスの盾で星ごと覆うことまでした!
 でも、隕石は盾の内側から現れて、やっぱり地表に降り注いだ!
 まるで、わたしたちを滅ぼすことだけを目的とするようにね!」
ゼラド「でも、だって」
マナ「53京26兆9億3000万超」
ゼラド「え?」
マナ「ヴィレアム・イェーガーによって死んだ、直近1年分の人数よ。
 たった1年、観測出来ただけでもこれよ。
 全人数を計上すれば、それこそ天文学的な数字になるわ。
 これほどの人数を自覚なくすヴィレアム・イェーガー!
 まさに外道!
 これを放っておけというの!」
ゼラド「でも、わざとじゃ」
マナ「じゃあ、あなたは、
 わざとじゃないなら愛しいお兄ちゃんをされて黙っていられるの!?」
ゼラド「それは」
マナ「お兄ちゃんの死体はね、原形を留めていなかった!
 こんな悲劇をこれ以上続けさせるわけにはいかない。
 わたしたちの世界を守るため、
 あらゆる並行世界の平和を守るため、
 死んでいった仲間たちのため!
 わたしはヴィレアム・イェーガーをさなくちゃならない。
 それが、たった1人生き残った戦士であるわたしの使命よ!」

93 :
 【イスルギフード】
ミツハル「確認するけど、イェーガーくんを引き渡せば、
 君たちは人質も各施設も開放してくれるんだね?」
マナ『当然です』
ミツハル「わかった。イェーガーくんを引き渡そう」
レイナ「ちょっと!」
ミツハル「僕は、はっきり言って並行世界云々の話なんて眉唾ものだと思ってる。
 仮に本当だったとしても、顔も見たことない並行世界の人間が何億人死んだって知ったことじゃないね。
 でも、彼女が各施設のミサイル発射装置、およびコロニーの制御を手にしていることは
 目に見えている事実だ。
 彼女がその気になれば、この地球を寒くして誰も住めなくすることも出来る。
 末端とはいえ、僕だってイスルギの長だ。
 社員の命を守る義務がある。
 社員とその家族の命を引き替えにして、イェーガーくん1人を生かすべきかといえば、
 残念ながらノーと言わざるを得ないよ」
ヴィレアム「うん。俺も、それでいいと思う」
レイナ「ヴィレアムまで、なにいってるのよ!」
ヴィレアム「父さんがいってたんだ。予知能力は呪われた力だって。
 俺は、その意味がイマイチわかってなかった。
 でも、ようやくわかった。
 知らないうちに何億人も死なせときながら、
 ぬくぬくと生きてられるほど俺は神経太くない」
レイナ「ヴィレアム、それは」
ヴィレアム「俺は死ぬべきだと思う」
アイミ「バカッ!」
レイナ「アイミ」
アイミ「ヴィレアムはそれで楽かも知れないけど、残されたひとはどうなるの!
 ヴィレアムが死んだら、わたしは悲しいよ!
 ゼラドはどう! きっとゼラドは、もっと悲しむ!
 自分だけ楽になろうとしないで!」
ミツハル「ちょっと、どこ行くのアイミちゃん」
アイミ「ミツハルさん、格納庫にカーゴリオンありますね」
ミツハル「ちょっとちょっと! あんなのでなにするつもりなの!」
アイミ「ゼラドたちを助けに行きます。
 カーゴリオンなら、大気圏脱出能力がありますよね」
ミツハル「そりゃあるけども! あれは物資運搬用の機体だよ!
 武装なんて対空機銃しか付いてないし!
 わかりやすくいうと、旧シリーズのミデアだよミデア!?」
アイミ「無謀に機銃撃って撃墜されたりしませんから、心配いりません」
ミツハル「心配しないわけないじゃないか!
 お父さんやお母さんがどうなったって知ったことじゃないけど、
 アイミちゃんが死ぬのだけはイヤだ!
 アイミちゃんだけは僕の家族なんだ!
 ろくな武器もなしに犬死にさせるような真似・・・・・・っ!」

94 :
フィリオ「武器ならあるよ」
ミツハル「よけいなこといわないでください、フィリオ先生!」
フィリオ「装甲は少し薄いけど、エネルギーフィールドやミサイルジャマー、
 ハイパージャマーに分身能力を完備。
 機動力を極限まで高めてあるから、回避性能も防御力も申し分ない。
 さらに、コンビで運用することによって
 予知能力のデータを片方に伝え、相手の一歩先を行く攻撃が可能な機体だ」
ミナト「フィリオ先生! まさかそれは!」
フィリオ「ああ、フェアリオンさ」
ヴィレアム「・・・・・・俺が乗るんですか、フェアリオンに」
フィリオ「タイプGは予知能力者向けの機体だからね」
ミツハル「うわぁぁぁっ! やめてくれ!
 あんなイロモノはイスルギの製品じゃない!
 クライアントの注文じゃなかったら絶対作らなかったよ、あんなもん!」
ヴィレアム「もうちょっと、ほかのありませんか」
フィリオ「ほかのT-LINKとか積んだ機体は、基地ごと向こうに押さえられてるよ。
 このフェアリオンだって、リクセントからのオーバーホールでたまたまここにあるだけで、
 本当なら向こうに確保されていただろうね。
 情報じゃ、リクセントも制圧されたらしいし」
レイナ「でも、フェアリオンって式典用だし、けっこう旧式じゃないですか?」
フィリオ「なんのために僕がいるここに持ち込まれたと思っているんだい。
 ちゃんと、OSからなにから最新型にしてあるよ。
 特に新規に組み込んだWRシステムは自信作でね」
レイナ「なんの略ですか」
フィリオ「『渡り廊下走り隊システム』に決まってるじゃないか」
レイナ「アイミ、カーゴリオンで頑張りましょう」
ミナト「よっし、行こうぜヴィレアム。
 タイプSの操縦は俺に任せ解け。
 実は、俺も開発にちょっと協力してるんだよな。
 『渡り廊下走り隊』システムは、ちょっとスゴいぞ。
 『うしろ髪ひかれ隊システム』や『うしろゆびさされ組システム』の直系なんだから!」
ヴィレアム「いや、でも」
ミナト「並行世界のっていっても、あれは俺の妹だろ。
 たったひとりの兄貴としちゃ、ケジメつけねえと」
トウキ「・・・・・・なあ、誰か俺の名前をいってみろよ」
ランディ「どうしたんだよ、クウキ・カノウ」
 【通路】
レイナ「ちょっと待ちなさいよミナト!」
ミナト「なんだよ」
レイナ「その、タイプSなんだけど、あたしが乗ったほうがいいんじゃないの?」
ミナト「なにいってんだよ、『渡り廊下走り隊システム』には、
 『初恋ダッシュ』や『完璧ぐ〜のね』の振り付けの知識が必要不可欠なんだぞ。
 俺の方が適任だよ」
レイナ「でも、フェアリオンってコンビの連携が鍵なんでしょ?
 だったら、いまテレパス能力があるあたしのほうが」
ミナト「だからだよ」

95 :
 (わかんねえのかよ、こいつ)
レイナ「なによ」
ミナト「テレパス能力なんてなくてもわかるよ。
 ヴィレアムのやつ、ゼラドのことしか考えてねえだろ。
 そんな状態のあいつの考えを読み続けるなんて、お前しんどいだろ」
 (覚えがある)  (絶対に自分に振り向いてくれない相手を想い続ける)
   (つらかった) (苦しかった)  (切なかった)
  (こいつにそんな想いは)
レイナ「やめてよ! いまさらそんなこと言い出すの!」
ミナト「俺の考えが読めるんなら、わかるだろ!
 お前はここで大人しくしてろ!」
レイナ「ねえ、ミナト。あんた昔、あたしにパンチの仕方教えてくれたことあったよね」
ミナト「なんだよ急に」
 ボスッ
ミナト「ぐほっ!」
レイナ「・・・・・・ごめん」
ミナト「・・・・・・お前、バカだろ」
レイナ「そうね」
 【マオ・インダストリー 月面本社】
マナ「輸送機の中に機動兵器と思われる熱源がふたつ。
 奇襲でもするつもりのようね。
 なんという卑劣・・・・・・っ!」
ハザリア「行くのか」
マナ「ヴィレアム・イェーガーは、ヴィレアム・イェーガーだけは生かしてはおけない」
ハザリア「なあ、わずかに絡んだだけだが、俺は貴様のことが嫌いではない。
 戦力を考えれば、貴様は地球ごとヴィレアムをすことが出来る。
 しかし、貴様はそうしなかった。
 貴様は非常に紳士的だった。淑女といったほうがよいか。好感すら覚える」
マナ「ハザリア、女癖が悪いのもいい加減にしないと、
 こっちの世界でも首を切られるわよ」
ハザリア「復讐者の末路など、ろくなものにならぬ!
 考え直すことは出来ぬのか!」
マナ「出来ないわね。わたしは幸福な末路なんて望んでいないから」
ミスティリカ「カノウさんの復讐はただの復讐だと思っていませんから!」
マナ「いいえ、徹頭徹尾、ただの復讐よ」
 【宇宙空間】
アイミ『たぶん、機動兵器の大軍が出てくると思う。
 交戦する必要はないから、ソニック・ドライバーで一気に突っ切って。
 マオ社本部に乗り込んで、ゼラドたちやリュウセイさんたちを解放すればなんとかなると思う」
レイナ「待って、それじゃアイミひとりを置き去りにすることに」
アイミ『リオン系には慣れてる。
 なんとか振り切るから、気にしないで』
ヴィレアム『なあ、ミナトはどうしたんだ?』
レイナ「急に気分が悪くなったんだって」

96 :
 (来た) (ヴィレアム・イェーガー)   (お兄ちゃんの仇)
  (許せない) (す)   (この蹴りで蹴りす!)
レイナ「もの凄い怨念! 来るわよ!」
アイミ『でも、熱源がひとつだけ?
 ちょっと待って! このエネルギー数値、特機にしても異常過ぎる!
 ダメ! ふたりとも、すぐにカーゴリオンから出て!』
 ドカァァァァァァァン!
レイナ「アイミィィィィィーっ!」
ヴィレアム『大丈夫だ。脱出したらしい』
マナ『フェアリオン。予知能力者を増長させる呪われた機体!
 リクセントにないと思ったら、そう、イスルギにあったの。
 許せない。あれほどいったのに、まだ予知能力を使おうとするなんて!
 まさに外道!』
レイナ「あれは大雷鳳? でも」
ヴィレアム『レイナ、避けろ!』
 (正面右5度から) (凄まじい加速で来る!)
マナ『太陽の捕獲!』
 ズガァァァァァァン!
レイナ「なによいまの、ちゃんと避けたのに、左腕が吹き飛んだわよ!?」
マナ『予知を使うつもりなら、発動以前に蹴り貫く!
 DGGのフレームを使って組み上げられた、まったく新しいガンエデン!
 地球とバルマーの総力を結集したこの機体!
 ダイナミック・レインフォースメーント・ジョイント。
 この、大麗嬢で!』
ヴィレアム『ダメだレイナ、逃げろ!』
マナ『そうね逃げなさい。
 わたしはヴィレアム・イェーガー1人をせればそれでいい。
 ムダな犠牲は出したくないの。
 どうせ時代遅れのAMじゃ、この大麗嬢の相手にはならないわ』
レイナ「イヤよ!」
マナ『聞き分けのないことをいっていると!』
レイナ「人質をすって言うの? でもね、人質を取ってるのはあんただけじゃない。
 ヴィレアムが戦えば、予知能力が発動して、またあんたの星に隕石が降るわよ!
 大軍を出さずに1機で出てきたのも、ヴィレアムに長く戦わせないためでしょう!
 違う?」
マナ『なんという卑劣なっ!』
レイナ「地球ごと人質にしたあんたにいわれる筋合いはない!」

97 :
ヴィレアム『やめろレイナ!』
レイナ「ヴィレアム!」
ヴィレアム『俺は別に、ここで死んだっていいんだ。
 でも、お前まで死ぬことは!』
レイナ「イヤよ!」
ヴィレアム『レイナ!』
レイナ「何億人、何兆人死のうが知ったことじゃない!
 地球がどうなったって知ったことじゃない!
 でも、あんたがっ! あんたが死ぬのだけはイヤっ!
 あんたが死ぬなんて許せない!
 異世界が滅ぼうと宇宙が滅ぼうと、あんた1人だけは生かす!」
マナ『なんという身勝手、なんという利己主義、なんという危険思想・・・・・・っ!
 まさに外道!
 ヴィレアム・イェーガーをかばうなら、あなたも生かしてはおけない!』
ヴィレアム『避けろレイナっ!』
 (右手から急旋回!)  (超エネルギーをまとっての蹴り!)
  (避け・・・・・・)
  (・・・・・・)
レイナ(!?)
レイナ(ヴィレアムの予知が、消えた?)
レイナ(それとも、あたしのテレパス能力が消えた?)
レイナ(違う)
レイナ(ヴィレアムが、『予知出来ない状態』になる)
レイナ(そんな状態は・・・・・・)
レイナ(ヴィレアムが、死ぬ・・・・・・?)
レイナ「うわぁぁぁぁあーっ!」
 がしっ!
マナ『このっ、離しなさい、離せっ!』
レイナ「DGGのフレーム使ってるなんて口を滑らせたのが間違いだったわね。
 コックピットの位置はおなじね?
 どんな装甲してるか知らないけど、コックピットの目の前で自爆すれば・・・・・・っ!」
マナ『なに考えてるの! やめなさい!』
レイナ「終わりよ、マナ・カノウ!
 怯えろ! 泣け! 叫べ! ヴィレアムをそうとした罪を悔いろ!
 マナぁっ! そして地獄に堕ちろ! 絶望の中で!」
 (ダメぇぇぇぇーっ!)
 カッ
ヴィレアム『いまのは、ゼラドの声?』
マナ『なによ今のは、宇宙が一瞬白く光って。
 大麗嬢? どうして? なんで動かないの!
 大麗嬢! 大麗嬢! 動いて、動いてよ!
 ヴィレアム・イェーガーが目の前にいるのに!』

98 :
 プッ
フィリオ『マナくん。よくやってくれた。作戦は成功だ。速やかに戻ってきたまえ』
マナ『フィリオ先生? 待って、わたしはまだヴィレアム・イェーガーをしてない!』
フィリオ『たった今、地球に落ちてくる隕石はすべて消えた。
 脅威は去ったんだ』
 【マオ・インダストリー 月面本社】
フィリオ「すると、君は向こう側の世界の僕ということか。
 長生きはするものだね」
向こうのフィリオ『お互い様だね』
マナ「いったいどういうことですかフィリオ先生!
 あんなに色々やってもどうにも出来なかった隕石が、突然消えるなんて」
フィリオ「レイナくん。君は、まだテレパス能力が残っているかい?」
レイナ「あれ? そういえば、なにも聞こえない」
フィリオ「やっぱりね。
 おそらくテレパス能力の存在が、予知能力の中で変数になったんだ」
レイナ「どういうことですか?」
フィリオ「たとえば、ヴィレアムくんが自分にとって好ましくない事態を予知して対策を立てたとする。
 この時点で時間の改変が起こる。
 でも、テレパス能力者が予知能力者のそばにいて、
 予知能力者のあずかり知らないところで予知への対策を立てたらどうなる?」
レイナ「どうって、ようするに予知が外れるだけでしょう?」
フィリオ「そう。つまり、予知能力は予知能力じゃなくなる。
 宇宙はもとの混沌に戻り、時空連続体の破壊は止まるということさ」
マナ「でも! その女はもうテレパス能力を失ってるんでしょう!
 だったら、また並行世界の消滅が起こるじゃない!」
向こうのフィリオ『それがね、どうやら時空連続体の構造自体が変わってしまったようなんだ』
マナ「はぁ?」
向こうのフィリオ『時間が連続した流れではなく、
 細かなひとかたまりごとが接続された、ブロック構造型時空とでもいうのかな。
 そういう感じに変わってしまった。
 仮に予知による時空改変が起こっても、
 その影響は微々たるもので並行世界の破壊までには繋がらなくなってしまったんだ』
マナ「なんでそんなことが突然」
向こうのフィリオ『宇宙だって、黙って消滅させられたくはないんだろう。
 だから様々な対策が発生した。
 レイナくんのテレパス能力も、予知能力のカウンターとして発生したものだろう。
 そして時空の構造が変わるに至り、危機は去ったと見るべきだ』
マナ「そんなの! 一時的なものかもしれないじゃないですか!
 いいえ、そうよ、きっとそう、
 ヴィレアム・イェーガーが命惜しさにその場しのぎをやったのよ。
 そうよそうよそうに決まってるなんという卑劣なんという外道・・・・・・っ!」
向こうのフィリオ『ここまでの改変がふたたび起こる確率は、10の100兆分の1程度だよ。
 実質、ゼロだと見ていい』

99 :
マナ「でも、完全なゼロじゃない!
 そんな奇蹟みたいなことが、都合良く続くはずがない!」
向こうのフィリオ『すでに起こってしまったものは奇蹟じゃない。事実だよ』
マナ「奇蹟が起こるなら起こるで、なんでもっと早く起こらなかったのよ!
 どうして、どうしてお兄ちゃんが死ぬ前に起こらなかったのよ!
 どうしてお兄ちゃんが死ななくちゃならなかったのよ!
 まだよ、まだ終わってない!
 そいつはまだ生きている! お兄ちゃんをしたそいつの罪は、まだ消えてない!
 返せ! お兄ちゃんを返せぇっ!」
ヴィレアム「う・・・・・・」
ミナト「よせ!」
マナ「離してよ! お兄ちゃんじゃないくせに!」
ミナト「フィリオ先生たちの説明はよくわかんなかったけど、
 ようするにお前の世界の危機は去ったんだろ!
 だったら、これ以上やるのはただの復讐だ!」
マナ「ただの復讐のなにがいけないの!
 お兄ちゃんをされたのよ!
 ほかでもない! たったひとりのお兄ちゃんを!」
ミナト「お前は立派だよ! 街ごと焼き払ったってよかったのに、そうしなかった!
 人質のみんなだって、ケガひとつしてない!
 俺なんか、マナをされでもしたらなにするかわからねえ!
 でも、お前はそれでも自重し続けてたんだ。
 頼むから、誇れる妹のままでいてくれ!」
マナ「わたしのお兄ちゃんはもういないのよ!
 あんたなんかに誇られたって、知ったことじゃない!」
ミナト「ヴィレアムをされたら、悲しむヤツがいるんだ!
 兄貴が必要なら、俺がお前の世界に行ってやる!
 どうせ俺なんかいたっていなくたっておなじなんだから、どうってことねえ!
 だから、ヴィレアムは許してやってくれ!」
マナ「なによ・・・・・・、お兄ちゃんじゃない、くせに・・・・・・」
ミナト「ああ、お前の兄貴じゃない。
 でも、それでもやっぱり、お前の兄貴はミナト・カノウなんだろ。
 だったら責任取らせてくれ」
マナ「ダメだよ、お兄ちゃんは、やっぱりわたしの世界の人間じゃない。
 わたしのお兄ちゃんは、やっぱり死んだんだよ。
 死んだひとは、絶対に生き返らない。
 わたしから、お兄ちゃんの死まで奪わないで」
ミナト「ああ、そうだな。やっぱりお前は立派な妹だ」
マナ「う・・・・・・、うぅ・・・・・・っ、ひっぐ、うぐっ、うわぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
ミナト「ああ、そうだよ、泣け、泣いてけ」
 【一週間後】
レイナ「案外、すぐに復旧するもんよね」
ゼラド「マオ社も軍の施設も、占領されただけで、どこも壊されてなかったっていうしね」
レイナ「出来た侵略者だったのねえ、あの子」
ヴィレアム「はぁ・・・・・・」
レイナ「どうしたのよ」
ヴィレアム「俺って、外出歩いてていいのかな」
レイナ「出歩いていいに決まってるじゃない。あんたなにもしてないんだから」
ヴィレアム「でも、俺がなにもしてなくてもひとが死んでたって聞くと」
ゼラド「それは解決しちゃったんでしょ? なんでかわかんないけど」
ヴィレアム「でも、いつまた」
レイナ「もう、うっとうしいわね!
 あんたの予知能力がまた悪さするようなら、
 あたしにテレパス能力が発生してカウンターになるんでしょ!
 だから、あんたがわたしのそばにいる限り大丈夫ってこと!」
ヴィレアム「それにしたって、なんか、近くないか?」
レイナ「ちっ、近くていいのよ!」

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