しかしそれでも、アナリストが現在、頑固なユーロ危機で想定されるコストとして出している金額よりも2-3.5兆 ユーロ安上がりになる上に、各国の議会に対して正当化もし易いだろう。いずれにせよ北部欧州は、ユーロ建て 債務の暗黙の軽減により棚ぼた利益を得ることになりそうだ。 それよりもむしろEU首脳陣が事態を成り行きに任せなければ、ユーロ版リーマン・ショックを引き起こし、 欧州中部の銀行システムが(リーダーシップの欠落とかなり以前に滅茶苦茶になっていた金本位制厳守により) 崩壊するのを許した1931年5-10月に発生したメルトダウンを繰り返す危険を冒すことになる。この危機の余波は ロンドンとニューヨークへ及び、第二次米国銀行危機を引き起こし、不況を世界的な不況に変えたのである。 リーマン危機の中で世界中の銀行とそれに連動したカウンターパーティーに何が起こったのか理解したいのならば、 ウィリアム・アレン氏とRicchild Moessner氏による『The International propagation of the financial crisis of 2008 and a comparison with 1931』は一読の価値がある。BISが公表したばかりの身の毛もよだつ報告だ。 ワシントン(FRB、米財務省、ホワイトハウス)だけが崩壊を防いだ。 ユーロ版リーマン危機はもっと酷いものになるだろう。というのも、ヨーロッパにワシントンは存在しない。 またその一方で、債権者は主権国家そのものへの信頼を大きく失ったからだ。様々なチャネルを通じて、 ロンドンとニューヨークは即座に巻き込まれるだろう。フェイサム・コンサルティングによる研究結果によれば、 ドイツ、フランス、オランダ、ベルギーの銀行はCDSを用いて、地中海クラブの債務の大部分をアングロ・ サクソンの債務で保証している。CDSの額はイタリアが2,920億ドル、スペインが1,680億ドルだ。
ドイツの脱原発の結末 ドイツの「エネルギー革命」はフランスとチェコからの原発電力の輸入への依存を意味する(部分抜粋) ttp://www.spiegel.de/international/business/0,1518,786048,00.html ドイツは2022年までに脱原発を果たすと決めたが、この結果ドイツは急速に電力輸出国から輸入国に転じている。ドイツ政府の原子力 からのの離脱というお題目にもかかわらず、その実態は隣国のフランスやチェコからの原発の電力を買うことになるだけである。 ●(電力料金値上げなどの)好ましくないサプライズが行先に見えてきた ドイツ連邦統計局は経済成長と電力需要の増加に見合うためには、脱原発により、電力輸入が不可避という。ライプツィヒにある European Energy Exchangeはドイツの電力料金の変化をモニターしているが、最近10%近くの大幅な料金高騰が起こっているという。 ●電力輸出国から電力輸入国に ブラッセルに本拠を置くEuropean Network of Transmission System Operators for Electricity (ENTSO-E)は欧州諸国の (国境を超える)電力をモニターしているが、コンピュータのモニター上では電力の輸出はブルーで、輸入は黄色の矢印で示される。 最近数カ月間、ドイツについてブルーよりも黄色の矢印が増えてきている。ドイツがどの国から電力を輸入しているのかを、 このモニター画面はリアルタイムで示すが、それはフランス及びチェコなどである。 ●ドイツ国内で脱原発して、隣国の原発電力で、その穴を埋める ドイツ物理学会の前の気候変動部会の代表であるKonrad Kleinknechtは、こういう政策は「ドイツの偽善」であるという ●オーストリーなどの隣国や東欧がドイツへの輸出の機会を伺う ●揚水発電の為に夜間に電力を使い水を蓄えて、国際電力料金の高い、風の少ないピーク時に水力発電電力を売るというロンダリングも ●ドイツ国内の電力業界には不満や抵抗も ドイツ国内の電力会社は、自己の原発を廃止し、リストラして、それよりも技術的に上にあるとは限らない隣国の原発の電力を買うこと に抵抗があって、政府の計画に従うことに抵抗がないとは言えない
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ttp://blogs.wsj.com/marketbeat/2011/11/07/heres-what-europe-could-learn-from-the-new-york-mets/?mod=WSJBlog Here’s What Europe Could Learn From the New York Mets By Mark Gongloff NOVEMBER 7, 2011, 9:40 AM ET ヨーロッパが、ニュヨーク・メッツ(球団)から学べることがあってですね・・ WSJマーケットビート Brown Brothers HarrimanのMarc Chandlerのアドバイス As European growth estimates are reduced, there will be pressure for more austerity to ensure reaching fiscal targets. This has been seen in France most recently, where next year’s forecast has been cut to 1% and the government is drawing up plans for an estimated 6 bln euros in new savings. Euro zone countries are seeking to reduce budget deficits to 3% of GDP in 2013. Europe needs to break the trap of pro-cyclical fiscal policy or it risks triggering a dangerous spiral. Perhaps, like the Mets’ home run fences, the targets should be relaxed. ニューヨーク・メッツがホームランをより出やすくするために、フェンスを設置しなおしたように、目標達成が大変困難であればルールのほうを 変えてしまうという手があって、ヨーロッパ(時にフランス)は財政規律回復の目標が景気に対して厳しすぎる状況では、そのルールを見なおし たほうが良いのでは、という御宣託。 *困難なときに、目標やルールを変えるというのは日本ではあまり受けそうにないけれど、アングロサクソン流現実思考では十分有り得る話で(ry