2011年10月1期負け組負け組に贈る短編小説書いてみた('A`)
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昭和60年度生まれの負け組が足掻くスレ 〜1足掻き目
35歳以上で訓練校に通ってる負け組のスレ
ド・ラ・ゴ・ン・ズ
負け組に贈る短編小説書いてみた('A`)
- 1 :10/01/27 〜 最終レス :11/08/09
- 真横にそびえ立つ高層マンションは今日も午後3時ぐらいになると、社内に降り注ぐ日中の日差しを遮ってしまった。
- 2 :
- 今のおれは某Fラン大学を卒業後、駅前にひっそりとたたずむ空き家の四階にあるブラック企業に勤めている。
- 3 :
- 職種はSE、ハードディスクなんかのセキュリティを担当する会社だ。会社が小さいだけに、他の会社からの無理難題も押し付けられ放題、そのおかげで帰宅時間はもちろん0時なんてのはざら、泊まり込む日だってある、そんなある日の出来事だった。
- 4 :
- おれはいつもどおり週末の土曜日の仕事を夜11時過ぎに終えると、会社の一室の電気を消した。消灯まで残るのはだいたいおれが最後である。
- 5 :
- その理由は、それぞれのノルマをその週毎にクリアしないといけないのだが、唯一の休日である日曜日に持ち込まないために、土曜日までに終わらせるのがおれの習慣だったからである。会社を出てから駅の駐輪場までいくと、昔の旧友であるYに出会った。
- 6 :
- Yは昔同じ高校の陸上部で部の部長だった。種目は百メートルでインターハイで三位に入賞するほどの実力者だった。その才能もあってか、大学も有名私大にスポーツ推薦でうかり、運動部のコネで大手企業に入社していた。おまけにイケメンで人気者だった。
- 7 :
- しかし、性格は最高に嫌な奴で、特に当時、五千メートルの種目をやっていたおれを目の敵にしていた。そしていつも口癖のように「短距離が遅い奴ほど長距離に逃げる」などといって長距離選手をバカにしていたのだ。
- 8 :
- そして久々にあったYは飲み会の帰りか知らないがかなり酔っていた。おれを見つけるやいなや、「おまえ、高校の時のNじゃん!!元気してたか!!」と酔っぱらいが絡む口調で話しかけてきた。
- 9 :
- 短パンマンでたから、一時中断
- 10 :
- 「おまえ、あそこのFラン大学いったんだってな、今日も残業か!?お疲れ様です〜」と酒の勢いか本心なのかわからないがおれの一番触れられたくない確信を付いてきた。
- 11 :
- おれは「おまえこそ、元気そうで何よりだよ」と言ってなんとか相手に話しを合わせているうちに、Yは呼んだタクシーで帰っていった。
- 12 :
- 自転車で家まで帰ったおれは家で一人、部屋の明かりもつけずにやけ酒をしていた。今日Yに言われた言葉が胸に刺さったまま、過去を振り返っていたのだ。
- 13 :
- 高校の部活の成績は県大会敗退レベル、大学受験は一浪するも国立にうからず私立へ、就活では、数百社も受けたが、Fラン大というレッテルに学歴フィルターがかかり企業からは祈られる。たどり着いのは今のブラック企業だけ。どんなに努力をしても人生では常に負け組であった。
- 14 :
- 才能という富で人望、学歴、地位の全てを手に入れたY。それとは対象に、努力という枷で夢、学力、名誉のどれも逃してしまった自分。
- 15 :
- そんなことを思い出しながらおれの人生は何なのかについて感慨にふけていたのだ。その夜は久しぶりに泣いた・・涙はもう枯れたと思っていたのに・・
- 16 :
-
次の日、休日はたいてい趣味で熱帯魚の世話をしているおれだが、魚の種類を増やそうと駅前のアクアプラントショップに出掛けた。
- 17 :
- 駅前といっても自分の会社の目の前にある店なだけに、なかなか入りづらいものがある。いつものように熱帯魚に見入ってしまうと後ろのお客さんにぶつかってしまった。
- 18 :
- 「すいません」とちょうど重なるように互いに謝り、同時に顔を上げた瞬間言葉を失ってしまった。「N先輩・・・ですよね?・・」と女性はこちらに尋ねてきた。
- 19 :
- そう、彼女はおれの高校時代の部活の後輩のマネージャーでもあり、密かに想いを寄せていたSちゃんだった。
- 20 :
- おれは、なぜか自分の趣味が恥ずかしくて人に喋ったことすらないのに、ましてや昔の片思いの相手に知られてしまったショックで、そのままその場を逃げだしてしまった。
- 21 :
- 喫茶店まで速足であるいて「びっくりした・・・」と声を漏らすと、後ろで「ホントにびっくりですよ、なにも逃げることないじゃないですか。」と彼女はぴったりついてきていたのだった。
- 22 :
- 仕方なしに、おれらは目の前の喫茶店に入ることにした。彼女もおれもコーヒーを注文して一段落がついた。
- 23 :
- 正面に座る彼女を改めて見ると、昔の可愛らしさを残しながら、大人の色っぽさをまとっている姿は美しくも眩しくもあった。住む世界が違うようにさえ感じてしまうほどである。
- 24 :
- 話しを聞いていると彼女は短大卒業後、銀行の受付嬢をしているらしい。まさに本職だ。
おれについてはFランに通うぐらいだから、大学受験は遊び呆けて失敗した、とか会社は暇で仕事は楽などと、適当に誤魔化した。
- 25 :
- 価値のない努力ほど人にわかってもらえないという事は、一番自分がわかっていたからである。
おれが話している時の彼女の顔はどこか寂しそうだった。
- 26 :
- そして高校時代の部活の話しに話題を切り替えた。 あれは高校の総体が終わり、三年生最後の駅伝シーズンのことだった。
- 27 :
- 駅伝メンバーはギリギリで足りていたのだが、メンバーのうちの一年生二人が急に風邪で出られなくなってしまったのだ。
- 28 :
- 後々この二人は仮病で休んだことを涙を浮かべながら謝ってきた。事の原因はYの仕業である。
- 29 :
- Yは、おれら長距離人を毛嫌いしている。Yが一年生二人をそそのかして出場を辞退させたのだ。
- 30 :
- 当時、部長であるYには誰も逆らえなかった。人望も厚く、人気者のYは彼の言うこと全てが正義だった。そしてルールでもあった。
- 31 :
- 今回の事件に関しても知っているのは三年の駅伝メンバーとそそのかされた一年生二人だけだった。
- 32 :
- あの時のことをふと思い出しながら淡々と部活について関心がないように語った。終盤らへんになると、彼女は「うそつき・・」と一言だけもらし、突然店を出ていってしまった。眼にはなぜか涙を浮かべていた。
- 33 :
- おれにはなにが起こったのか理解ができないでいた。 思えばどうしてお茶をしているのかもよくわからなかったのだ。そう、おれと彼女はそれほどまでに高校時代接点がなかったのだから。
- 34 :
-
それから半年が過ぎた12月ごろ、やはりおれは残業で一人黙々と仕事を片付けていた。その日はちょうどクリスマスで同僚達も各々の用事のため早々に帰った後だった。
- 35 :
- 3日見番徹夜続きだったおれはいつのまにか椅子に座りながら眠ってしまっていた。ふと目が覚めると自分の肩に毛布が掛けられていることに気付き、思わず「・・・・だれ?」と声にしてしまった。
- 36 :
- 最後まで頑張れよー
- 37 :
- すると、急騰室から一人の女の人がお茶を携えて近寄ってきた。そう、彼女はあのSちゃんであった。
- 38 :
-
彼女がどうしてここにいるのかもわからず一人唖然としている様子のおれを見かねたSちゃんはこう言った。「私の家、すぐ目の前のマンションなんです。先輩が今日も必死になって仕事してたから・・・つい・・・・・」
- 39 :
- おれは気が動転していた。自分の無価値な努力を昔の片思いの相手に見られたこのショックを。そして隣のマンションからいつも目の届く範囲で見られていた残業の光景を。おれはあまりの衝撃に思わず誰にももらしたことのない愚痴をこぼした。
- 40 :
- 「必死になってバカみたいだろ、笑っちゃうよな?・・・・・・」
彼女はおれをじっと凝視していた、その目は真剣そのものだった。そして声にならないような声で呟いた。「ホントに・・笑っちゃうよ・・・・・・・」
彼女は続けてこう言った。
- 41 :
- 「高校生の時、部活の全体練習が終わったあとも一人残って、校舎周りの周回コースを何周も走ってた先輩。
駅伝に向けて人一倍練習してたのに、大会に出れなくなっても誰一人責めないで、むしろみんなを慰めていた先輩・・。
- 42 :
- 先輩が浪人したとき毎日塾の自習室に誰よりも早く来て、閉館まで部屋の隅っこで一人黙々と勉強していた先輩・・。
毎日残業で、それでも休むことなく次の日も次の日もパソコンに向かって仕事している先輩・・。
私は・・いつもそんな先輩を見て励まされました。
- 43 :
- ・・ある時、仕事がなかなか上手く行かない日が多くて大変だった時期に、先輩がこの会社に入社してきたんです・・。私はいつも家の窓から遅くまで働く先輩を見てました。
- 44 :
- ・・そしたらどんなにつらい時でも、どんなに仕事を辞めたい時でも、努力してる先輩を見てるともう少し頑張らなきゃなと思うんです・・明るくなれるんです
・・・・・・・・だから・・・・・・だからそんな悲しいこと言わないで・・」
- 45 :
- 彼女は大粒の涙をハンカチで抑えながら喋った。
彼女の気持ちが十二分に伝わってきた。自分のいままでしてきたことを評価してくれる人間がいる。それはこの世で一番認めてもらいたかった人かもしれない。
- 46 :
- おれは今まで何か勘違いをしていた。成果のない努力が恥ずかしい?、がむさゃらに突き進むことが無駄?、いいやそれはちがう、大事なのは努力の結果じゃない、ましてや努力した過程でもない、本当に大切なのは努力の継続なのだ。
- 47 :
- それは今まで自分がつらぬき通してきたことである。それが今初めて人に評価されたのだ。今まで自分の中にあった重い鎖のようなものが解き放たれる瞬間だった。
- 48 :
-
おれは泣き続ける彼女の身体をそっと抱いた。
- 49 :
-
もし神様が存在するなら、きっと人の人生を平等には造っていないだろう。不公平すぎる壁も人によってはあるはずだ。例えばどんなに努力をしても結果がでないおれのように・・
でも、本当に神様がいるのなら、おれはこう思う。
- 50 :
- 多分、その壁を乗り越える力がある人だけにそういう試練を与えたんだと。
努力することを諦めてはいけない。結果はどうあれ、努力すること事態に意味があると思うんだ。だから、自分のペースでいいから、やれるだけの事はやってみようと思う。
- 51 :
-
自分なりにね。
おわり
- 52 :
- 神
- 53 :
- 目から涙が・・・
- 54 :
- age
- 55 :
- 2ちゃんで初めて涙がうるんだ。。
- 56 :
- age
- 57 :
- ahe
- 58 :
- あげ
- 59 :
- あげ
- 60 :
- あげ
- 61 :
- あげ
- 62 :
- いろいろな感情がこんがらがったまま頭の中でのたうつ。
どうしてこうなった?
簡易宿。インスタントラーメン。日雇い労働のせいで爪は黒く汚れている。洗っても落ちない。
額の吹き出物を指で触った。
ぎりぎり最低限の金しか稼げないから、この状況からは抜け出せそうもない。
行く末はホームレスか犯罪者か。
隣の部屋から中国語の怒鳴り声が聞こえる。
なぜ、こいつは携帯で話すとき、昼夜問わず大声なんだ?
おれは拾ってきた週刊文春を壁に投げつけた。
- 63 :
- 退屈な郊外で育った。
中学のとき、ヒップホップを聴き出した。ターンテーブルを買ってスケボーで遊んだ。
高校になってクラブへ行くようになった。
年上の知り合いができた。を覚えた。
よくある話だ。
高校へは滅多に行かなくなった。
単位が足りなくなった。
中退してしばらくバイトしながらブラブラしていた。一年後に通信制の高校に編入して、そこに何年か通って卒業した。
- 64 :
- 二十歳くらいから大量に飲酒するようになった。
就職しても遅刻や欠勤を度々やらかした。
クビになったり、いづらくなって退職したりして、職を転々とした。
そろそろまともになろうとした。工場に就職した。製造業だった。
日勤と夜勤が入り混じった変則シフト制だった。
夜に寝たり昼に寝たり、そのうち時計を見ても朝の6時なのか夜の6時なのかわからなくなった。
肉体的にはきつかったが金になった。
- 65 :
- 仕事も慣れてきた頃、控えていた飲酒を再開した。
数年勤めると班長なんかをやらされて、サービス残業やら休日に研修やら、段々とうんざりしてきた時期だった。
毎日深酒し、朝はいつも二日酔いだった。飲酒量はすぐに増えていった。
遅刻と欠勤を繰り返した。
ある晩、飲み屋でいざこざを起こした。通報され、駆け付けた警察に取り押さえられて留置所に入った。
器物損壊で書類送検された。
失職した。懲戒免職だった。
- 66 :
- 無職になったが、しばらく生活できるだけの金はあった。
遊んだ。店で知り合った男、いい歳のおっさんのくせして茶髪にピアス。
初めて見たそれは50ミリ程度の透明な袋に入っていて、氷砂糖を細かく砕いたようなものだった。
自宅で試した。
アルミ箔に載せてライターの火で炙り、ストローで気化した煙を吸う。
なんだ、簡単じゃないか。
一気にハマった。
酒は飲まなくなった。
酒なんか目じゃなかったからだ。
これだ、これを求めていたんだ!
見つけた。ついに見つけたよ!
おれは魅了された。
炙りからポンプ、つまり静脈注射に移行するまで二週間もかからなかった。
- 67 :
- 最初は茶髪のおっさんだけから買っていた。
そのうち複数の売人から買うようになった。
ルートを複数キープしたほうが相手の都合でキャンセルされたり遅れたりするトラブルを回避できるからだった。
繁華街に程近いマンションの薄暗い茂みなんかが取引場所だった。
買うとコンビニへ行き、ミネラルウォーターを買ってトイレに入る。
トイレのタンクの上に、ペットボトルのキャップを逆向きに置き、それに水を注ぐ。
パケから慎重にポンプへネタを移す。どんな小さな結晶の粒も絶対に落としてはいけない。
針先から水を吸い上げる。
ネタがモヤモヤと水に溶け出す。
おれはニヤける。
シリンジを指で弾いて空気を抜いたら、シャツの袖を捲り上げる。
静脈に針を差し込んでピストンを少し引くと、シリンジ内に血が少し逆流する。
それを確認すると、ピストンをゆっくり押し込む。
あ。あー。う、う、う。
「おおーっ」思わず声が出る。
店を出て歩く。
おれは心の中で叫ぶ。
おまえら!おれが今どれだけ最高の気分かわかんねえだろ!どうだよ、おれを見ろ、最高だ!まったく最高だ!
意味もなくウキウキした状態が一晩続く。
当時のおれにしてみれば、それはロマンチックだった。
思春期の頃の恋愛みたいな胸の高鳴り。まさにそれだった。
- 68 :11/08/09
- 良スレあげ
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