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2011年10月1期創作発表テラカオスバトルロワイアル外伝3 TOP カテ一覧 スレ一覧 削除依頼

テラカオスバトルロワイアル外伝3


1 :11/08/14 〜 最終レス :11/11/28

 誰も知らないカオスロワの世界へようこそ。
 当ロワはカオスロワの世界を使った全く新しいバトルロワイアルパロディのリレー企画でございます。
 暴力、流血、キャラクターの死など人によりましては嫌悪が抱かれる内容も含まれます。
 スレ及びまとめサイトの閲覧の際はご注意くださいませ。
 本スレッドのまとめwiki
 http://www45.atwiki.jp/terrachaosgaiden/
 避難所(したらば掲示板)
 http://jbbs.livedoor.jp/otaku/14616/
 前スレ
 テラカオスバトルロワイアル外伝2
 http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1305971739/l50
 1スレ目
 テラカオスバトルロワイアル外伝
 http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1302969696/l50
 本家テラカオスバトルロワイアル(当企画はこの企画の分家です)
 (本スレは現在ありません)
 本家テラカオスバトルロワイアルwiki
 http://www23.atwiki.jp/terachaosrowa/
 パロロワとはなんぞや? という方に、パロロワ総合wiki
 2chパロロワ事典@Wiki
 http://www11.atwiki.jp/row/

2 :
 参加者一覧
【VOCALOID】6/6
○KAITO/○初音ミク/○鏡音リン/○鏡音レン/○巡音ルカ/○弱音ハク
【らき☆すた】3/4
●泉こなた/○柊かがみ/○高良みゆき/○岩崎みなみ
【カオスロワ書き手】3/3
○◆6/WWxs9O1s/○脱衣拳/○イナバ物置の人
【実在の人物】3/3
○織田信長/○所ジョージ/○イチロー
【みなみけ】3/3
○南春香/○南夏奈/○南千秋
【ドラえもん】3/3
○野比玉子/○ジャイアンの母/○かみなりさん
【仮面ライダーBLACK RX】2/2
○南光太郎/○クライシス皇帝
【カオスロワオリジナル】2/2
○混沌の騎士/○東京タワー
【魔法少女まどか☆マギカ】2/2
○巴マミ/○キュゥべえ
【サザエさん】2/2
○フグ田サザエ/○アナゴ
【くそみそテクニック】1/1
○阿部高和
【涼宮ハルヒの憂鬱】1/1
○キョン
【ストライダー飛竜】1/1
○ストライダー飛竜
【ファイナルファンタジーXI】1/1
○ブロント

3 :
【テイルズ オブ デスティニー】1/1
○ミクトラン
【テイルズ オブ シンフォニア】1/1
○マグニス
【テイルズ オブ リバース】1/1
○ヴェイグ・リュングベル
【星のカービィ】1/1
○カービィ
【ひらけ!ポンキッキ】1/1
○ガチャピン
【ぼのぼの】1/1
○シマリス
【ルーンファクトリー フロンティア】1/1
○ラグナ
【ポケットモンスター】1/1
○タケシ
【風来のシレン】1/1
○シレン
【ジョジョの奇妙な冒険】1/1
○ディアボロ
【仮面ライダーW】1/1
○井坂深紅郎
【東方Project】1/1
○藤原妹紅
【相棒】1/1
○杉下右京
【アカギ 〜闇に降り立った天才〜 】1/1
○赤木しげる
【空の境界】1/1
○両儀式
【サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY】1/1
○最終防衛システム
【書き手枠】4/4
○アーカード/○ディアボロモン/○/○
53/54

4 :

【基本ルール】
 全員でし合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
 生き残った一人だけが、望んだ願いを好きなだけ叶えることができる。
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる
【スタート時の持ち物】
 ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
 「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
 「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。しかし容量に制限がなく重さも一定という不思議なもの。
 「地図」 → 東京都23区の区名が書かれている地図。 施設その他などは載っていない。
 「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
 「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
 「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。
 「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
 「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
 「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
【第一回放送後に支給される持ち物】
 「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。写真はなし。
      当ロワの都合上仕方あるまし。後述参照。
【ステータス】
投下の最後に、その話に登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表すステータスを書いてください。
 以下テンプレート
【区名/○○日目・時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典作品】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○をす・○○を探す・○○と合流など。
      複数可、書くときは優先順位の高い順に)
【作中での時間表記】
深夜:0〜2  
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14  当ロワはこの時間帯から開始する。
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
【禁止エリア】
 放送ごとに禁止エリアがランダムで2つ指定される。
 放送終了後1時間の猶予が与えられる。
 三日経つと自動的に全てのエリアが禁止エリアとなる(2×4×3=24)

5 :

【放送について】
 0:00、6:00、12:00、18:00
 以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
 基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。
【禁止事項】
一度死亡が確定したキャラの復活。
大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる。
 但し、展開、SS内容によっては通しになる可能性有り。
 その場合は要議論。
時間軸を遡り、かつ矛盾が出ているSS投下。
話の丸投げ
 基本的に前の話、次の話と整合性が取れていない場合は
 要修正、最悪の場合破棄を宣告するかもしれません。
【予約等】
 予約制度は基本的になし、FFDQや無名の形式。
 ただし、投下の際にトリップは必要。
【世界観】
 当ロワは『テラカオスバトルロワイアルでバトル・ロワイアルが開始しなかった世界』を舞台に進行します。
 ですので、大半の参加者は同一世界からの登場となっております。(≒スパロボ風の世界と思っていただければわかりやすいかと)
 よって別作品のキャラ同士に因縁や親交があってもおかしくはありません。
 なおその設定についてはSS内で常時判明される形(=書き手が決める)となっております。
【書き手枠】
 54名の参加者のうち4名だけは当ロワに投下する時に参戦を決定する参加者。
 本家カオスロワで複数回描かれたキャラクターなら基本的には○。
 ただし、書き手枠で登場話を書く場合は一旦、仮投下スレに投下をして、そのキャラを出して良いかどうか話し合って貰います。
【名簿】
 上記の書き手枠の問題によって開始当初には名簿は支給できません。
 ですので第一回放送後(ロワ内時間18時)に不思議なデイパックの特性を利用して
 全参加者に支給されます。

6 :
新スレ乙です。
遅くなりましたが、阿部高和、杉下右京で投下します。

7 :
「ふぅ……」
公園のベンチに腰掛け、一息つくつなぎ姿の男が一人。
(随分と、物騒なことしてくれるじゃないの……)
男の名は阿部高和。とある世界ではちょっとした有名人である。
彼は自動車整備工の仕事をしているが、それが休みの日はよくこうやって公園のベンチに座っていた。
そして、よさげな男を見つけたら、『やらないか』と声をかける。
相手が同意したなら、そのまま秘密の場所に連れ込む。同意しなかったら残念だがその日は諦める。
それが彼の日常だった。
「……駄目だな。気分が乗らない」
だが、ベンチに腰掛け数分も経たないうちに彼は立ち上がってしまった。
普段であれば、目の前にいい男が現れるまで何時間でも座っていられるのだが……
残念ながら、今は普段の日ではない。日常は、壊されたのだ。
首に感じる冷たい感触が、その証。
そして、彼の目の前で一人の子供が無惨にも爆されたことを示すものでもある。
(あんな子供相手に惨い事をしやがるぜ……東京都知事までやられちまってたが……
手ェだしたのが政府、総理大臣……この国のトップだってんだから、恐ろしいもんだ)
阿部は支給された地図をひろげ、バトルロワイアル会場が東京都である再確認を行う。
先程歩いた際に、電柱からここが世田谷区であることは確認済みだ。
つまりこの地図通りなら、会場の端っこの方である。
(このまま西に行って地図の外に……そうしたら多分この首輪が爆発すんだろうな。
この首輪といい、東京都にも関わらず人が全く見当たらないってのも普通じゃない……
本気で日本全体、いや下手すりゃ国際規模の大事件ってわけか……)
阿部は色々と思考を巡らせるが、わかるのは現状がまともでないこと。
そして、警察や国などお偉いさん方に助けを求めても無駄なことくらいだった。
(さて、まいったね。これからどうするか……)
思考を切り替え、今度は今後の行動を考える。
期限は三日と定められている以上、あまり時間は無駄にできない。
だがだからと言って、阿部はし合いをするつもりは毛頭無かった。
彼が考えている最終目標はただひとつ。
『いい男と気兼ねなく繋がれる世界の復活』
つまりは元の日常を取り戻すことだった。
生与奪の権利を国に握られ、いい男達が死の恐怖に怯える世界で、満足にヤれるわけがない。
首輪をどうにかして逃げれば自分は助かるかもしれないが、それではこの国の異常事態は変わらない。
そうなると手段はもはや一つ。総理大臣一味を日本から排除する以外ありえない。
しかし、自分はただの自動車整備工。単身で国を相手にできるとは思えない。
故に、行動を決めかねていた。

8 :
「おや……失礼ですが、確か阿部高和さん……でしたよねぇ?」
「ん?あぁ、そうだよ」
そんな悩む阿部の側に一人の男が近寄ってきた。
突然バトルロワイアルが開かれたとはいえ、なかにはすぐ優勝を目指す者もいるだろう。
つまり容易に他者を自分に接近させることは危険なのだが、阿部は気にしていなかった。
というのも。
「あんたは確か、警視庁特命係の杉下さんだったな」
「おや、僕を覚えていらっしゃったとは、恐縮です」
「あんたこそ、よく俺を覚えていたな」
阿部は男――杉下右京を知っていたからである。
「あの伊丹刑事が、偶々寄った公園で6時間に及ぶ行為の末に肛門大裂傷で入院……
当時警視庁を賑わせた事件の犯人ですからねぇ……
忘れたくても、忘れられるものではありませんよ」
「そん時取調室に来たのがあんただったな……
あの時はすまなかったよ。俺としたことが、あまりにも伊丹がいい男過ぎて歯止めがきかなかったんだ。
で、どうだい?伊丹は元気でやってるのかい?」
「えぇ、元気に職務に励んでいましたよ。少なくとも、昨日までは……」
杉下の言葉を最後に、辺りにはしばらく静寂が訪れた。
昨日までは……それはつまり、今日はわからないということ。
やがて、阿部が再び口を開く。
「……連絡がつかないってことか?」
「ええ。公衆電話はその機能を停止させられていて使用不可能。
僕の携帯電話も没収されていますし、恐らく一般家庭の電話も繋がらないでしょう……」
「安否確認も、助けを求めることも、できないってわけだな。
……なぁ、杉下さんよ、この国で、何が起きたっていうんだい?」
阿部の言葉に、杉下は答えを返せない。
あまりに突然過ぎる、総理大臣直々のテラカオスバトルロワイアル法案の発表。
自分の目の前で奪われた二つの命。
人の命を易々と奪ってみせる高性能の首輪。
連絡のとれない警視庁や自分の相棒。
恐らく首輪をつけた参加者を除いて消えてしまった東京都の住人達。
天才的な頭脳を誇る杉下右京であっても、理解できない、不可解なことが多すぎる。

9 :
「現段階ではわかりません。
しかし、これが現実である以上……僕には主催者を許すことは到底できませんよ……!」
「おいおい、相手は総理大臣、この国一番のお偉いさんだぜ?逆らって大丈夫なのかい?」
「たとえ国家反逆罪に問われようと、目の前の悪事は無視できない……僕の悪い癖です」
「ひゅぅ……それじゃ俺も、片棒担がせてもらおうじゃないの。
いくらあんたでも一人じゃ無理だ。断っても勝手にホイホイついていくぜ」
「しかし……」
「俺のことは気にしなくていい。前科一犯も国家反逆罪も、同じようなもんだしな」
「……恐縮です」
頭を下げる杉下に対し、阿部は気にせずに手を差し出す。
これからよろしくという、握手の構え。
敵は、もはや警察や法でどうにかなるレベルではない程に強大だ。
だが、ここに二人の男が、確かに反逆の意思を固めた戦士達がいた。
その名は、阿部高和と杉下右京。
「ところで杉下さん、あんたなかなかいい体してるじゃないか」
「これでも、一通りの訓練は受けていますからね。できれば、武力行使はしたくないのですが……」
「 や ら な い か ?」
「……あなたも懲りない人ですねぇ」
【一日目・日中/世田谷区・公園付近】
【阿部高和@くそみそテクニック】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】基本支給品一式、ランダム品1〜3・本人未確認
【思考】
基本:主催者を倒し、日常を取り戻す
1:杉下右京に協力する
2:この国の現状を知りたい
【杉下右京@相棒】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】基本支給品一式、ランダム品1〜3・本人未確認
【思考】
基本:バトルロワイアルを破壊し、主催者を捕まえる
1:首輪や会場の状況などの情報収集
2:阿部高和と支給品の確認後、人の集まりそうな場所へ移動

10 :
投下終了です。タイトルは『二人はいい男』で。

11 :
投下乙!
阿部さんもぶれないな。だが何故イタミン……w
右京さんって確か剣の達人だったし、支給品次第ではかなり強力な対主催になりそうだな。

12 :
>>10
乙です!
阿部さんは本当に煩悩の塊だなぁ・・・・・・
右京さんの後門が危ないけど、ロワ中だからいくらなんでも手は出さないだろう。
さて、総理大臣に対する反応はそれぞれだけど、今のところあの総理を総理だと信じてないのはルカ(と彼女と同じ世界の住人)だけだな。
何気に総理大臣の正体も気になっていたり。
もしかしたら彼も書き手ロワの書き手達と同じように・・・・・・

13 :
未登場キャラ
【らき☆すた】 3/3
○柊かがみ/○高良みゆき/○岩崎みなみ
【カオスロワ書き手】1/1
○脱衣拳
【実在の人物】1/1
○イチロー
【みなみけ】2/2
○南春香/○南夏奈
【カオスロワオリジナル】 1/1
○東京タワー
【サザエさん】 2/2
○フグ田サザエ/○アナゴ
【涼宮ハルヒの憂鬱】 1/1
○キョン
【星のカービィ】 1/1
○カービィ
【ぼのぼの】 1/1
○シマリス
【ポケットモンスター】 1/1
○タケシ
【風来のシレン】 1/1
○シレン
【書き手枠】2/2
○/○/
17/17
登場済みキャラスタンス
対主催/巡音ルカ、かみなりさん、両儀式、ヴェイグ・リュングベル、所ジョージ
南光太郎、最終防衛システム、◆6/WWxs9O1s、阿部高和、杉下右京、ブロント
藤原妹紅、織田信長、ラグナ、赤木しげる、ガチャピン
16人
危険対主催/ストライダー飛竜、クライシス皇帝、弱音ハク
3人
優勝狙い/巴マミ、イナバ物置の人、井坂深紅郎、混沌の騎士、野比玉子
ジャイアンの母、南千秋、ディアボロモン
8人
無差別マーダー/マグニス、初音ミク、アーカード、ミクトラン
4人
奉仕マーダー/KAITO
1人
生存優先/鏡音レン、鏡音リン
2人
特殊/キュゥべえ、ディアボロ
2人
まとめてみると、意外と戦力がわかれてるもんだな。
そして書かれてないキャラのほとんどが一般人。
場所によっては即死の可能性もありそう。

14 :
岩崎みなみ、アナゴさん、書き手枠一人で投下します。

15 :
し合いに巻き込まれることなど人生で一回もあれば多過ぎると言っていいところだろうが、
二回目ともなるともう何と言っていいのやらというところである。
文字通りの意味で命懸けであのワケのわからないし合いとかいうのから脱出出来たと思ったら、まさか振り出しに戻されるとは。
私は見知らぬ公園で一人ため息をついて空を見上げていた。
二回目ともなると多少は肝も座ってくるもので、私は自分の運命を呪うのはそこそこにしておいて今の状況に思いを馳せることにした。
「これはリピーター、ってことになるのかしらねえ?」
冗談じゃない、と言ってみたって始まるまいが、なぜこの私が選ばれたのかという点は大いに気になった。
私は確かに嘗てパロロワと呼ばれているネット上の企画で書き手と呼ばれていた。
だが今は見ることはあっても書く事はもうほとんどなくなっている。
その理由はまず、私が最初に書き手として参加した初代カオスロワの終結直後に、本物のし合いに参加させられてしまったこと。
そしてもう一つは、そのし合いから私が生還してからしばらく経って、パロロワ界の中で私の使っていたトリが一人歩きをしはじめたからである。
『本物の』私は見ての通りの女子大生。だけどネット上では私は何故か大学生くらいの男の子ということになっていた。
私は男になった自分が活躍するいくつかのロワを不思議な気持ちで見ていた。
別に不快感は無かったし、それなりに楽しんだのも事実ではある。
しかし同時に私は、私の居場所が無くなってしまったかのような不思議な寂しさを味わってもいた。
ロワの中でみんなの注目を集め、笑われ、声援を浴びているのは私と同じ名前を持ってはいても私と同じ人間ではもちろんない。
今や私の使っていたトリップはこの現実世界にいる私ではなく、仮想世界の中で生きている彼を指すものでしかなくなっていた。
なので私は、書くことをやめた。
それからしばらくして、再びこんなことになろうとはもちろん思いもせずに。
私は一体どう動けばいいんだろう。もう一人の私とも言うべき『彼』がそうするであろうように、対主催として八面六臂の活躍をする?
ご冗談。現実の私は何の力もないただの女だ。
あー、いや、一つだけ……たった一つだけ他の誰も持っていない力がある。
前のし合いの中で、仲間に教えて貰った技。しかしあの技一つで果たしてどこまで戦えるのだろうか。
そもそも私に何かを期待している人なんかいるんだろうか。
もし仮にここにも『彼』が来ていたら、読者の注目はそちらに行くであろう。
私が対主催になろうがマーダーになろうが、それは彼らの興味の埒外のはずだ。これでは頑張る気にもならない。
まあ何もせず死ぬのも癪だし、せいぜい目障りにならない程度に穏健派っぽく動き回ろうか。
そんなことを思いながら、腰を浮かした時だった。
その場面に遭遇したのは本当にものすごい偶然としか言いようがない。
私の座っていた場所からは見下ろすくらいの低地にある小道。
セーラー服のスカートをはためかせながら走ってきたのはおそらく高校生くらいのショートの女の子、見覚えはあるようだけど思い出せない。
その後ろから走ってきたのは……あちらは見間違えまい。日本人ならおそらく大部分が知っている顔だ。
しかしリアルで見ると本当にすごい唇だ。
例え名前は知らなくても顔に見覚えのある人は多いはずだ。いや、今は彼の名前や素性が問題な訳じゃない。
彼が鬼気迫る顔で、武器を手に女子高生を追いかけまわしているってことだ。
いや、あれは武器だよね? 多分。一応、あれを手に持って襲ってるんだし。
さて、思いもよらない展開とはこのことだ。このまま見過ごすのも目覚めが悪い。かといってこっちも非力な女だ。
せめて……
と、そこまで思ってはっと気付いた。ありうる。それはありうる展開だ。
私は今になってようやく自分に支給されたカバンの中に手を入れて、自分に支給された武器を確認した。
ビンゴ。主催者の「いきなはからい」か、単なるご都合主義か、そんなのはどっちでもいい。
私は決心をつけきる前にもう走り出していた。

16 :
突如自分と女子高生との間に割って入ったツインテールの女を見て、彼は驚いたようだった。
しかし彼が本当に驚いたのは、私が次の言葉を口にしてからだったろう。
「I am the bone of my walnut.  (体はクルミで出来ている)
Steel is a nutshell,and fire is contents.  (カラは鉄で 中身は硝子)
I have a good harvest over a thousand dry weather.  (幾たびの日照りを越えて豊作)
Unknown to worm-eaten.  (ただの一度も虫食いはなく)
Nor Cooc to Life.  (ただの一度も調理されない)
Have withstood pain to create many walnut.  (彼の者は常に独り、クルミの森で勝利に酔う)
Yet,those hands will never hold anything.  (故に、生涯に意味はなく。)
So as I pray,unlimited walnut works.  (その体は、きっとクルミで出来ていた。)」
呪文の詠唱を終えた時、そこには一面の胡桃の森が広がっていた。
その木々に成るのは、いずれ劣らぬ形・大きさともに最良の胡桃。
「ゆくぞ海山商事営業。卵の貯蔵は十分か」
驚愕に目を丸めているであろう女子高生を背中に庇いながら、私はある高揚感に襲われていた。
戦いの感覚を喜んでいるなんてわけではない。人を守る使命を果たせる充実感とも違う。
今この少女を守ることは、間違いなくこの私にしか出来ないことだったからだ。
「じゃ、邪魔をするなあああああああ!!」
彼、アナゴさんは鬼気迫る顔で怒声を挙げた。凄い迫力だ。
私は胡桃の弾を、アナゴさんが持っている全自動卵割器に向かって打ち込んだ。
全自動卵割器は音を立てて壊れる。
そうだ、もう一人の私が何者だろうが関係ない。私は私のロワを戦うんだ。
武器を破壊されて呆然としている隙に、私はアナゴさんの足をクルミの木の枝で拘束した。
そして背後の女子高生に向き直る。
「さあ、今のうちに逃げて!!」
いかにマーダーとはいえ、命まで取るのはやはり気がひけた。
私たちはアナゴさんの声が聞こえなくなるところまで逃げ、胡桃の固有結界を解除した。
「あ、あの、大丈夫ですか!?」
固有結界を解除した途端に地面の上に倒れ込んでしまった私を、ショートカットの女子高生が不安そうに覗き込む。
うーん、ここまで体力を食われるとは予想外だ。前のロワではわりと連発が利いた気もするんだが、制限の影響だろうか?
どっちにしてもあまり使いすぎるのは考え物か。
「き、気にしないで……」
膝に手をつきながらどうにか立ち上がる。
結構遠くまで逃げられたようで、いつの間にか公園を抜けて民家の前にいた。
「ねえ、よかったら少しこの家に隠れさせてもらわない? お互いに少しは休みたいでしょう?
 さっきの人をやりすごすのにもいいしさ」
そう提案すると案外素直に乗ってくれた。
「そうそう、名乗り忘れていたね。私は◆6/WWxs9O1s。あんたは?」
「私は岩崎みなみと言います。危ないところを助けていただき、本当にありがとうございました」
ああ、やっぱりそうだったのか。
「ふーん、奇遇ねえ」
「はい?」
「いやいや、こっちの話」
悪いわね、もう一人の『私』。あんたの嫁はしばらく貰っておくわよ?

17 :
【板橋区の民家/1日目・日中】
【◆6/WWxs9O1s(女)@カオスロワ書き手】
[状態]:健康
[装備]:胡桃@現実
[道具]:不明支給品1〜2、基本支給品一式
[思考・状況]
基本:自分は自分なりに頑張る
 1:民家で休憩させてもらう
 2:みなみを保護する
※元カオスロワ2の参加者です
【岩崎みなみ@らき☆すた】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:不明支給品2〜3、基本支給品一式
[思考・状況]
基本:不明
 1:民家で休憩させてもらう
 2:6/氏(女)と情報交換
【参加者紹介】
【◆6/WWxs9O1s(女)】
初期(カオスロワ2・書き手ロワ1)では6/氏はツインテールの大学生くらいの女性として書かれていた。
熱血で若干的な男性版6/と比べると控えめで、クールで虚無的な部分もありながらもわりと常識的な精神の持ち主。
カオスロワ2ではシマリスに胡桃の固有結界を伝授してもらった。
なおカオスロワ5の序盤にもちょっとだけ登場する。
【胡桃の固有結界について】
詳しい描写があるのは2期と5期なのでそちらをご参照ください。
ここでは基本的性能は本編に準じながらも
・有効範囲を自分中心に半径50メートルに制限
・維持時間を十分に制限
・連続使用不可能(最低でも2〜3時間は空けないといけない)
以上のような制限でどうかと思います。
ご意見をお聞かせください。

18 :
目の前に広がっていた胡桃の森と足枷は突如として消え、後は無人の公園が残るのみだった。
胡桃によって破壊された全自動卵割器を目の前にして呆然としていたアナゴだったが、すぐさま起き上がった。
「……頑張ればなんとか優勝できるかもしれないと思っていたが、そう一筋縄でも行かないようだな」
参加者があの女子高生みたいなのばかりなら勝てなくもないだろうが、突如出てきたツインテールの女は不思議な能力を持っていた。
あんなのにはとても対応できない。作戦を一から練り直しだ。
「真正面からぶつかるのが無理なら他の手を考えるか……強い人に取り入るなりなんなりなあ」
アナゴの思いはただ、愛する家族と友人が待つ場所に帰りたいということのみだった。
【板橋区の公園/1日目・日中】
【アナゴ@サザエさん】
[状態]:健康
[装備]:全自動卵割器@サザエさん(故障)
[道具]:不明支給品1〜2、基本支給品一式
[思考・状況]
基本:優勝し、妻やマスオと再会する
 1:真正面から戦うのはやめ、他の手段を考える
【支給品紹介】
【全自動卵割器@サザエさん】
近年のサザエさんでは最も有名なネタの一つ。波平が買ってきたアイデア商品。
名前に反して全く全自動ではない、そもそも手で割ったほうが早いなど致命的な欠陥を持つ。
カオスロワでは3で波平の支給品として登場する。
余談だが、波平ロワではなんと参加者として登場する。

19 :
以上になります。

20 :
乙です!
このアナゴさんは一般人か。
思えば出身世界にもよるが、一般人は基本的にゲームに乗りやすいんだよなこのロワ。
さてみなみはどう出るか・・・・・・

21 :
すみません、この話題名はありますか?
なければこのまま無題でwikiに収録しますが、希望があれば是非答えていただきたいです。

22 :
すいません、すっかり忘れていました。
「もう一人の私へ」でお願いします。

23 :
制限の修正を加えたうえで、書き手枠と高良みゆきで投下します

24 :
「おのれ……この我が、一度ならず二度までも遅れをとるとは……」
一人の男……いや外見から性別を判断することはできない。
少なくとも【生物】ではあるが……
それは呻いていた。
毒々しい桃色の触手を蠢かせるそれは……
とある世界ではこの者はいくつかの名前で呼ばれる存在だった。
存在そのものを許されない大いなる【魔】
正式名は人間には発音不可能、故に【名状し難き神】
そして便宜上つけられた名が【昏き海淵の禍神】
ここでは、禍神とよんでおこう。
禍神、マガツカミ……その名の通り、わざわいをもたらす神。
圧倒的な力を持ち、あらゆる生命体を超越した存在。
「これは、悪夢の続きか?」
星海を越える邪神は、最近まで眠りについていた。
宿敵との激しい戦いの末、僅かに力及ばず、深海の底の底に叩きつけられた際の傷を癒すために。
深い眠りにつき、機会をまった。宿敵も相当なダメージを受けているのだから、先に回復した者勝ちだ。
自分は眠り、傷を癒す。自分のエネルギーである生物の絶望や恐怖の感情は部下に集めさせる。
完璧な作戦だった……はずだ。
〜〜〜〜回想〜〜〜〜
「私の名は郷田俊郎」「私の名は至朗田正影」「私の名は花開院灰吾」「私の名はローラ姫」
「「「「総員食材確保!!!」」」」
「な なにをするきさまらー」
……
「や、やめろおおおぉぉぉ……ふぅ、夢か……」
「今日は、皆さんにちょっとし合いをしてもらいます」
「待て人間、ここはどこ(ry
〜〜〜〜回想終了〜〜〜〜
筋肉集団に生きたまま自分の体を解体され、マリネにされるというとんでもない悪夢を見た禍神。
それから目覚めた直後、今度は総理大臣と名乗る男からし合いに参加されるように言われた。
全く持って意味がわからない。何故か自分の触手の本数が減っていたり、体からオリーブオイルの匂いがする理由もわからない。
「……落ち着け。冷静に考えるのだ。
 認めたくはないが、我は再び不覚をとり、人間に捕えられ、わけのわからぬ企画に参加させられている。
 それは事実。だが、解せぬ。価値のある国民を決めるとほざいておきながら、何故この我まで?
 人間なぞほとんどが有象無象の存在。脆き生き物、我の糧でしかない存在だ。
 どれほど人間同士でし合おうと、最後に我が攻めれば我以外は全て死に絶える。
 総理大臣とやらは、我と同じように、恐怖と絶望の光景が好みなのか?
 ならば、最初のあの空間で我が全てを叩き伏せてもいいはずだが……」
禍神はあれこれ考えるが、どうにも主催者がこのバトルロワイアルを開いた理由がわからなかった。
一体なんの目的で? どうしてこんな面倒なことを? そもそもどうやってここに自分は運ばれたのだろうか?
「……ま、まさか……【奴】の仕業か……!?」
そして、考え始めてからしばらく経って。
禍神はひとつ、思い当たる相手がいた。

25 :
「高度な技術を使った首輪、そして【我が人間に滅ぼされることを期待する】ような奴は、一人しかいない!
 おのれ、【世界樹】!! またしても己では勝てぬと知り、寝起きの我を人間に討たせるつもりか!?」
禍神が吠えた。まるでどこかの皇帝のように。
禍神の宿敵、世界樹。二人はあらゆる場所で永久の時を争い続けてきた。
だが、それだけ永い時を戦っていると、相手の行動パターンもある程度わかってくる。
自分も部下を使うように、世界樹は人間を使うのだ。
人間に自分、禍神の存在を知らせ、討伐するように命じ、見返りに世界樹の持つ知識や技術が提供される。
つい最近争った世界では、精巧な戦闘用アンドロイド作成技術を人間に提供していたのを覚えている。
「あの人間の小娘ごときが、このような首輪を作れるわけがない。世界樹の技術を応用でもしない限りな。
 つまり奴は……主催者は世界樹に洗脳されている……!
 奴め、相変わらず人間を自分の道具としか思っていないようだな……それでいて我だけを魔呼ばわりするか!」
禍神は忌々しげに、しかし確信を持ってそう発言した。
禍神が言うように、世界樹も決して人間の味方ではない。
魔を滅するためなら、人間の記憶を消し去り、自分の都合のいい操り人形に仕立て上げる存在なのだ。
「総理大臣たちが世界樹の駒だとすれば、奴らは既に人間ではなく不老不死のアンドロイドにされている可能性があるな。
 奴らアンドロイドは冷酷な存在。東京都知事とよばれた男を躊躇いなくしたのもその証拠!
 そしてバトルロワイアル……これもそうだ、前回世界樹が行った戦法と根源は同じ……!
 弱き人間は我の存在を知らぬよう片っ端から排除し、強き人間にのみ我の存在を教え戦力を増加させていく外道戦法……!
 欲望の強い人間が次々に参加者をせば、それは選ばれた強者。願いを叶わせるふりで洗脳し、世界樹の兵に!
 正義感の強い参加者集まれば、我のような見た目からもうどうみても人鬼な者には問答無用でよってたかって集中攻撃……!」
(おそらく)世界樹がたてたであろう計画を把握しようと、禍神は過去の世界樹と人間の行動を振り返る。
だが、参加者の質に関係なく、世界樹に強力な私兵ができるか自分が手傷、最悪滅ぼされることになることに気がついてしまった。
ならば、自分が優勝してしまえばいいのでは? ……宿敵にわざわざ優勝おめでとーなどと言うわけがない。普通に放置プレイされるだけだ。
とっとと会場の外に逃げる? ……首輪のせいか、あらゆる能力に制限がかかっていて無理そうだ。
それに、首輪が引っかかっているのかコアの外殻が閉められない。防御形態に変形できなければ、自己再生能力は使えない。
さらに言えば、現在の攻撃形態は防御は紙くず同然。本気で人間に波状攻撃でもされたら万が一ということもあり得る。
どう転んでも世界樹にはメリットがありそうだ。
「く……首輪をどうにかしないことには、世界樹はおろか人間相手でも危ないではないか!
 だが、自分で自分の首輪をどううまく外せというのだ……!
 ……おのれ、世界樹! 今も悩む我を眺めて嘲り笑っているな! これが貴様の狙いかっ!」
 
全身の触手をぶるんぶるん振り回しながら、禍神は頭を抱え込んだ。
どうにかして、あの憎き世界樹に一泡吹かせられないだろうか……?

26 :
(……閃いたっ!)
しばらく悩んでいた禍神であるが、やがてべちんと触手を打った。
(我がこの首輪一発で本当に滅せられるとは思えないが、この形態ではかなりのダメージを負うだろう。
 そこを世界樹に狙われたらたまらん。つまり、今、我が優先すべきことは首輪の解除。
 しかし一人では外せない。……一人で駄目なら、誰か同行者を作ればいいだけ……!
 少なからず、主催者に反感を持っている人間はいるのだ。
 その人間を味方に引き入れることができれば、首輪を外せて世界樹を倒す戦力が増える!
 さらに我を滅ぼそうとする人間、世界樹の兵候補も減らすことができてまさに一石三鳥……!)
禍神が至った考えは、人間を味方に引き入れて、共に世界樹を討つというものだった。
世界樹が人間の味方でないのなら、自分が人間の味方になればいい。
(そうだ、世界樹が人間を利用するというのなら、我がもっと集客率を高めて人間を集めればいい。
 人間は基本食糧にすぎぬが、逆に言えばその程度。世界樹を滅ぼす協力をしてくれるなら、我も協力しようではないか。
 このバトルロワイアルも、恐怖の感情を集めるには非常に有効ではあるが……
 誰が世界樹の企画につきあったりその真似事をするか! むしろ徹底的に破壊して単語ごと宇宙から抹消してくれるわ!)
やがて禍神はズルズルと移動を開始した。
やることが決まったら、善は急げだ。
求めるのは、人間の参加者。
(……そういえば、我が配下の真祖は人間の娘に心を奪われたと聞く。
 よし、後学のために娘を優先して探すことにするか……)
-------------------------------------------------------------------------------------
やがて、程なくして禍神は人間の参加者を発見した。
「……」
怯えた様子の、桃色の髪の少女だ。
見た目からして、戦いの経験があるとは思えない。
だが、それでも構わない。人間には人脈というものがあるというし、そこから派生して仲間を増やすこともできるだろう。
(確か、人間の会話はまず挨拶から始まるのだったな。警戒されると厄介だ、ここはくだけて友好的にいってみるとしよう)
「やあ! そこの人間、我と一緒に―――」
「っ!? いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ま、待て! 逃げるな!」
ただ、禍神の作戦には致命的な問題があった。
自分の外見が、とても挨拶をした程度で緩和されるものではないほど恐ろしいものだということに気がついていなかったのだ。
「待て!」
(お、追ってくる!? に、逃げなきゃ……!)
邪神、昏き海淵の禍神。少女、高良みゆき。
桃色の二人の追いかけっこが、始まった。

27 :
【大田区・海沿い/一日目・日中】
【昏き海淵の禍神@世界樹の迷宮V 星海の来訪者】
【状態】:健康、触手減少、攻撃形態
【装備】:無し
【道具】:基本支給品一式、(ランダム品1〜3)
【思考】基本:人間をどんどん仲間にしていき、主催者(世界樹)を滅ぼす
1:逃げる少女を追う
2:首輪を外す方法を探す
3:人間の参加者を探す(女性優先)
※真の主催者が世界樹だと思い込んでいます
※首輪を外さない限り、防御形態にはなれません
※カオステンタクルは使用後12時間使用不可
※一定時間経過による攻撃力倍増能力使用不可
※触手をFOEとしての使用不可
※フカビトその他部下召喚使用不可
※首輪解除後も深遠の供物による回復量に制限
※過去の禍神とは別人です
【高良みゆき@らき☆すた】
【状態】:健康、恐怖、全力疾走中
【装備】:無し
【道具】:基本支給品一式、(ランダム品1〜3)
【思考】基本:???
1:追ってくる怪物から逃げる
2:死にたくない
投下終了。タイトルは【ももいろ☆ツインズ】で。

28 :
投下乙!
まさか参加者名簿最後の一人がリスタ前の主催者になるとはwww
それにしても
1・クライシス皇帝…ラスボス
2・混沌の騎士…5期ラスボス
3・ミクトラン…ラスボス
4・マグニス…中ボス
5・ディアボロ…ラスボス
6・井坂深紅郎…中ボス
7・藤原妹紅…Exボス
8・最終防衛システム…ラスボス
9・ディアボロモン…ラスボス
10・昏き海淵の禍神…裏ボス
11・ジャイアンの母…ラスボス級の強さ
参加者の20パーセントがボスキャラってどうなってんだ……

29 :
乙です!
何この禍神さんかわいい。
この神様ろくに人間会ったこと無いから、自分が一般的に人に恐れられること知らないんだろうな。
>>28
ちょっと待て最後www
いや、マグニス様とっても全員がラスボス以上か・・・・・・どういうことなの?

30 :
アーカードもラスボスみたいなもんだし一体どうなってんだこのロワwwwww

31 :
当バトルロワイアル参加者、アナゴさんとチアキさんのコメント
「支給された武器は全自動卵割機。頑張れば優勝できると思った」
「支給された武器はスーパー光線銃。こんな強力な支給品なら優勝できると思った」
この極悪なボス群の前に、一般人がこの程度の支給品では、とても優勝できる気がしないぜ!
奇跡が起きてもマグニスさまが限界、他はまた核ミサイルでももってこないと……
そういや一応タケシもジムリーダーだから中ボスだな

32 :
信長様もいろんなどこでラスボスやってるぜ
戦国バサラとか

33 :
そのための制限だろ。
アナゴさんはともかく千秋の方は発射する前に払われただけだからな。
むしろ一般人がボスを倒す展開に期待。

34 :
未登場組にもイチローがいるし、カービィも能力次第でかなり強いし
シマリスもカオスロワ準拠なら胡桃の固有結界持ち
ついでにかがみんもカオスロワ五期あたり準拠なら相当ヤバいという

35 :
ボスキャラだけじゃなくて、ボスを一方的にぼこれる主人公キャラも普通に化け物だからな。
カービィにいたっては何回も宇宙の侵略者を倒してるし、禍神さん相手でも普通に戦えそう。
だが、カービィの首輪つける場所ってどこなんだ……

36 :
ニコロワだとたしか足の付け根だったな

37 :
本家が息吹き返してるし外伝もう必要ないんじゃね?
元々本家が止まってたから始まった企画だしnk氏とかもあっちで書いてるし
他の書き手さん方も本家のほうに戻ってもっと盛り上げようぜ!

38 :
無責任だな

39 :
あれ?もしかしなくても所さんとミクってめちゃくちゃ近くにいる?

40 :
シレン、シマリスで投下します。

41 :
「…どうしたもんかね、この状況」
髪をわしゃわしゃと掻きながら、縞合羽に三度笠という古風な格好をした青年…シレンは一人ごちた。
確か不思議のダンジョン攻略中だった筈なのだが、謎の連中に捕らえられ…
気がつけば、しあいに強制参加。
あらゆる状況を想定し、それを最終的には切り抜けてきた歴戦の風来人をもってしてもこれは想定外だ。
支給品を入れるデイバックは、普段シレンが使用しているものよりも高性能で、
持ち物が無制限に入る…彼の知る保存の壺をさらに進化させたような代物ではあった。
このカバン持ち帰れば、どのダンジョンもグッと楽になるんじゃないか?
そんなことをついつい癖で考えてしまうシレンであったが、すぐにまた髪を乱す。
(そりゃ、俺も普段からモンスターや人間…店主や盗賊番を切り捨てて強盗してるよ。
街中の人にみどりトドの肉を投げつけて、その場でトド狩りをしたこともある。
レベル上げのためにペケジやケチを生け贄に捧げたことさえあった…
でも、この場所は違う…加護の力が感じられない。いつものダンジョンとは違う…
俺を含めて、あらゆる生物が死んだらそれまで、か…)
まいったねと呟きつつ、シレンは辺りを見回す。
とてもダンジョンとは思えない、かといってのどかな街でもない。
全く知らない場所、見たことのない異国の風景だった。
(そういや意識無くしてる間に捕まったのって、砂漠の魔城以来だな。
ははっ、もしかしてここにも城があったり…)
シレンがなんとなく振り向くと、そこにはなんと城が!
(…ほんとに城があったよ。でも俺が子供の頃に作った城の方が立派だな、うん。
…待てよ、あの時は領主に悪魔や悪霊がとりついて、邪神の復活を企てていた。
あの男も、この国の首相として考えて云々言ってたが、要はこの国の支配者、領主…)
最初に目を覚ました部屋にいた、総理大臣なる男の下卑た笑みを思い出し、シレンは身震いする。
あの醜悪な顔、狂った言動…シレンの中で、疑念が確信に変わった。
(あ、あの男も邪神を復活させようとする悪魔にとりつかれてるのか!?
そうなるとこのし合いは、儀式!俺たちを邪神復活のための生け贄にする気か!)
冷や汗を流しながら、シレンは過去の旅を思い出す。
旅先、砂漠に封じられていた邪神や、南国で力を失っていた獣神などを屠ってきたりはしているが…
復活にここまで大規模な生け贄は必要としていない。
(ってことは、今度の邪神はどれだけ危ない敵だってんだ…)
かつての邪神は、復活直後にシレンにより頭と両腕、心臓部を破壊され完全に滅び去った。
しかし、神にも階級はある。
自分に肩入れをしてくれている旅の神クロンでさえ、運命神リーバには基本逆らえないのだ。
つまり、邪神にも階級があってもなんら不思議ではない。
人間のし合い、そこで生まれる血と恐怖と絶望を糧にする邪神がいてもおかしくない。

42 :
(…落ち着け。風来人は冷静さを失ったらお終いだ。状況を整理するんだ…
とにかく、邪神を復活させないためには、死人を出さないのが一番近道なのは間違いない。
優勝狙いの奴も、多分いるだろうが…そいつらは、説得なり武器を砕くなりして対処。
そして優勝狙い以外の参加者とは協力して、状況に応じて複数人行動…
これで多分大丈夫だろう…だが万が一に備えるとなると…)
砂地にその辺に転がっていた枝で色々と書き綴りつつ、シレンは悩む。
これまで幾多のダンジョンを十数年にわたり潜り続け、そして踏破してきた…確かな実績。
シレンは長きに渡るその旅を、まず考えることで生き抜いてきた。
もちろん、最初の内はシレンも失敗続きだった。
店での草飲み鑑定、ドラゴン草で店主を焼いたミスも、合成の壺を遠投したミスも…
舐めてかかった洞窟マムルに一撃でぶちのめされたミスも、復活草を飲んでしまうミスもある。
だがシレンは、その失敗を生かしてきた。豊富な経験を生かし、まずは考えてきた。
如何にして生き延びるか?如何にして敵を安全に倒すか?如何にして苦境を乗り越えるか?
思考を巡らせ、限られた道具と地形で最善を尽くす…それがシレンの生き方だった。
(ま、結局運も絡んでくるんだけどな…運がよければ役立つアイテムもゴロゴロ出てくるし。
とりあえず首輪は装備外しの罠で外せるはずだ。罠師の腕輪があれば確実性は増す…
邪神復活を目論む連中に容赦は必要ないから、適当に根絶やしの巻き物なり爆薬壺を投げ込む…
んで、接近戦になった場合に備えて剣や盾を鍛冶合成で鍛えておきたいとこだが…)
魔法のデイバックに手を突っ込み、シレンは基本支給品以外、自分に与えられたランダム支給品を探す。
だが…

43 :
(腕輪も巻き物も剣も盾も無しか…なるほど、今日のアイテム運は相当に悪いらしい。
ま、最初から期待はしてないけどな。支給品だって主催者の手で制限されてて当たり前だ。
さて、気を取り直してこの支給品の有効活用法を考えるとしますか…)
支給品に目当てのものは入っていなかったが、さほど気にすることなくシレンは支給品を広げる。
簡単な説明書がそれぞれついているが、少なくとも武器になりそうなものはなさそうだ。
(んー…流石に欲を言えば棍棒でもいいから武器は欲しかったかな…
…っと!最近、コハルに頼りすぎてたせいか、俺も少し弛んでんなぁ…
最悪、素手で戦い続ける覚悟も必要だなこりゃ)
己を戒めつつ、シレンは自分を慕い、旅の援護をしてくれていた狐の少女を思い出す。
彼女の献身ぷりは凄まじく、文字通りシレンの剣となり盾となり、共に戦った。
刀・コハルモエモエー、盾・コハルハアハア。
堅物のはずのシレンが、何を思ったかそう名付けたのは、風来人仲間には絶対明かせないシレンの秘密である。
(そーいや、このし合い、動物も巻き込まれてんだったな。コハルたちは大丈夫かな…
…ってあの子、店主と殴り合いできんだ。今の俺よりかは安全だな…)
と、ここでシレンが体も頭も動きを止めた。
何か、大切なことを忘れているような…
動物…一緒にいた…安否不明の…
「…そうだよ動物!コッパがいねえ!」
たまらずシレンが叫び声をあげる。
コッパとは、シレンが子供の頃から相棒としている語りイタチだ。
臭くて抜けててお調子者だが、どこか憎めない相棒。
初期は、動物の言葉も人間の言葉もわかる特技で活躍していたが…
最近では先のコハル(狐)や商人(狸)や宿屋(雀)や王子(バナナ)が
「普通に人間の言葉を話せる」ため、語りイタチの旨みが消えてきてる可哀想な相棒。
尻尾と耳が特徴的で、以外と毛もふかふかでつぶらな瞳の…
「…」
「そうそう、だいたいこんな感じの…相…棒…」
「…シマリスをいぢめるよりも先に相棒と呼んでくれるなんて、光栄なのでぃす」
「…誰だお前は!?」
【千代田区・江戸城付近/一日目・日中】
【シレン@風来のシレン】
【状態】:健康、満腹度100
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、ランダム品1〜3(確認済み。武器の類は無し)
【思考】基本:参加者が全滅する前に主催者を倒し、邪神の復活を阻止する
1:語りリス…だと…?
2:冷静な行動を心がける
3:役立ちそうなアイテムを集める
4:コッパはいるのか?
【シマリス@ぼのぼの】
【状態】:健康
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、ランダム品1〜3
【思考】基本:不明
1:不明だが、現時点ではシレンに攻撃する気はない

44 :
投下終了。
タイトルは、脅かされるマスコットポジションでお願いします。

45 :
投下乙!
シレンが妙な方向に思考を走らせてるが、あながち間違ってないかも知れないから怖いな。
状態表にしっかり満腹度が書かれてるのにも吹いた。

46 :
投下乙!
そういやシレンもなんだかんだで国や世界を救ってる猛者なんだな。
参加者にすでに禍神さんっていうやばい邪神がいるがw
だがコハルモエモエーにコハルハアハアって……最近のシレンに何があった

47 :
投下乙です!
シレンはかなり死線潜り抜けてるし、いい働きをしてくれそうだ。
しかしシマリスのスタンスや固有結界の有無が気になるな……
>>46
コハルモエモエー
コハルが武器に変身したもの。
姉さまには内緒ですが……わたし剣になって
シレンさんの手ににぎられている
このしゅんかんが……とても幸せです。
ずっとこうしていたい……です……。
コハルハアハア
コハルが盾に変身したもの。
ハアハア……わたし なんか苦しい……。
やまいにでも かかったんでしょうか……?
なんかドキドキして……せつなくて……。
どうしちゃったんでしょう わたし……。
ふざけきった名前と説明文だが、これが『公式』です(DSシレン5より)
ちなみ鍛えた場合、その性能はカブラステギや螺旋風魔に匹敵します。

48 :
投下乙です!
このシレンはかなりの外道プレイをしていたんだなw
どんなことをしても生き返る前提だからこんなことができるのだろうか。
でもシマリスの行動方針が気になる。
本家と違って知り合いは参加していないから積極的にしを行う理由はない。
一先ずシレンと行動するが、果たして・・・・・・
>>47
冗談かと思って調べてみたら、マジだった。
チェーンソフトは一体どこに向かっているというんだ・・・・・・

49 :
問題ないそうなのでイチローとかがみを投下します

50 :
「はぁ…はぁ…はぁ…」
人気のない墨田区の町で一人の少女が息を乱しながらも必死に走っていた。
セーラー服を纏、長い紫色の髪をツインテールでまとめているが必死に走っているためか少し乱れている。
いつもなら気になってすぐに直すだろうが、必死に走っている少女―――柊かがみの精神状態は誰がどう考えても普通ではなかった。
「……こなた……あんた無事でしょうね……!」
昨日まで当たり前の日常を送っていたかがみがふと目を覚ました時、そこは国会議事堂だった。
当然困惑したかがみだが、幸か不幸か―――あの場にいたこと自体がすでに大きな不幸なのだが―――すぐ近くに親友の泉こなたがいたので少し落ち着いた。
だが、表れた総理大臣と自分と同じぐらいの年頃の少女が言った言葉でさっき以上の困惑と恐怖を覚えた。
し合い。自分の生活とは対極に位置する言葉。
当然最初はたちの悪い冗談だと思った。
だが、目の前で二人の人間が死んだ。
いや、されたのだ。自分のように昨日まで当たり前の日常にいたであろう人間が。
柊かなみは普通の少女だ。特別な力もないし、人をす覚悟もない。
そんな彼女がし合いが始まった時点でとった行動は―――友人との合流。
始まる直前こなたはかがみに『秋葉原を目指す』と言った。
かがみはすぐに頷き、そして二人は別れた。
幸い自分の居場所はすぐに分かった。
東京スカイツリー、そこがかがみのスタート地点だったのだ。
かがみはすぐに秋葉原に向かって走り出した。
もちろん女子高生がこの状況で自分の足のみでそこまで行くことが難しいことはよくわかっている。
だが、今のかがみにはそれしかやることが分からない。
し合いに乗るかも、主催者に元から逃げ出すかさえも決められず、彼女は大切な友人と合流するためだけに走る。
それが何の解決になっていないことに心のどこかで気づきながら、彼女は走り続けた。
「……だれか……いるの……?」
あれからどれくらい走ったのわからないが彼女は自分の少し先に人影があることに気付いた。
相手はこっちに気付かれていない―――つまり相手が自分をすことは無い―――様子に少し安堵しつつ乱れた息を整えながら物陰に隠れ、かがみは人影に注視した。
こっちからは顔は見えないが相手が男なのは間違えない。
「あれは……まさか……」
だが、服装を見た瞬間彼女の頭にある一人の人間が浮かんだ。
シアトル・マリナーズのユニフォーム、そして背中に書かれた『51』の数字。
これが指す人物は唯ひとり―――

51 :
「さて、どうしようかな……」
墨田区の住宅街に転移された日本が誇る野球選手、イチローこと鈴木一郎はこれからどうするべきか決めていた。
彼の目的は唯一つ、自分が所属するマリナーズに帰り野球をする。これに他ならない。
だが、問題はそこまでの過程だ。
し合いに乗り優勝することで生還するか、主催者を倒し生還するか。
可能性だけで考えれば前者の方がまだ『若干』生還できる可能性が高いといえる。
まず首輪を嵌められた時点で脱出できる可能性も主催者を倒せる能性も絶望的と言ってもいい。
首輪さえどうにかすれば何とかなるかもしれないが、果たしてこの状況で都合よく解除できるだろうか?
それに対して優勝すれば帰れるという主催者の言葉は『まだ』ありえると言える。
しかし、あくまで『若干』高いだけ。主催者が嘘をついている可能性も十分あり得るうえ、この人数で最後の一人になれる可能性も統計的に見れば間違いなく絶望的だ。
つまり五十歩百歩、どんぐりの背比べのようなものだ。客観的に見ればどっちもほとんど変わらない。
(僕の目的はあくまでチームの元に帰ること……これは揺るがない。まぁ、それより……)
イチローは後ろを振り返ることなくすぐに自分の少し後ろに誰かが隠れていることに気付いた。
体と共に鍛え上げられた感覚はすぐ後ろに人間がいることを告げていた。
イチローの耳が乱れた息遣いを聞き取ったのだ。
「そこにいるのはわかっているよ。隠れていないで出てきてくれないかな?」
そして全く焦ることなくイチローは後ろの人間に平然と声をかけた。
(嘘……こっち見てないはずなのに……)
いきなり自分が隠れていることに気付かれたかがみは動けずにいた。
自分の存在が相手にばれていないことに安心していたかがみにとってイチローの呼びかけはある種の攻撃だった。
自分に気付いていないならば相手にされることはないはずと考えはすぐに崩壊した。
(ど……どうしよう……相手がし合いに乗っていたら……!)
一応かがみには武器が支給されていた。
金色の装飾と紅いドリルのようなものが目を引く無銘の剣―――乖離剣エア。
間違いなく最強クラスの支給品だが、かがみには到底扱いきれるものではなかった。
普通の女子高生が振り回すのはきついと言える質量を持つエアは今のかがみにとっては唯のお荷物だ。
あと一つ支給品がかがみには与えられたのだが、それはすでに武器ですらなかった。
(に、逃げないと……!)
頭では逃げるべきだと思っているがかがみは動けなかった。
し合いに放り込まれたことによる恐怖と今まで走ったことによる疲労、そして自分が死ぬかもしれない状況。
これら三つがかがみの体の自由を奪った。
(いや……まだ死にたくない……!)
足音が確実に近づいてくることが分かり、さらにかがみの体の自由がなくなっていく。
そして、完全に恐怖に呑まれたかがみは力一杯目を閉じた。

52 :
「……」
イチローは目の前の状況に呆然となっていた。
自分の眼の前の少女は強く怯えていた。しかも自分が不意に声をかけたことによってだ。
もちろんイチローが相手に出てくるようにいったのは相手を警戒したからに他ならない。
あの距離から隠れて銃で発砲されればイチローの身体能力をもってもかわし切るのは難しい。
だから彼は声をかけた。相手の困惑を誘うことができれば十分対処ができるからだ。
もちろんし合いに乗っていない人間だった場合、襲う必要がない以上出てくるように言えば自分から出てくる可能性が高い。
だが目の前の少女はどちらでもなく、自分のようにスタンスを決めかねていたのだ。
ただ、イチローのように明確な目的を持ってスタンスを決めかねていたからではなく、恐怖によってどうすればいいのかわからなかっただけの話だっただけだ。
だが、イチローが一番呆然となった理由は『自分が声をかけたことで相手が怯えた』ということだ。
普段ならば彼がファンの子供に声をかければその子供はとても喜んでくれる。それはプロ野球選手にとって誇るに足りることだ。
だが、目の前の少女―――柊かがみは今にも泣きそうな表情で怯えていた。
それは彼を呆然とさせるには十分だった。
(僕の不注意でこの子はひどく怖い思いをしたのか……)
もちろん客観的に見ればイチローに非は無い。この状況での彼の判断は正しいのだから。
だが、それでもかがみの表情を見てイチローは後悔する。
(こんな普通の子がこんな状況に放り込まれて平気なわけがない……彼女だってきっと僕のように仲間の元に戻りたいはずだ)
そして、かがみの涙はイチローのスタンスを決定づけた。
「すみません……私、イチロー選手がし合いに乗っているかもって思って……」
「いや、気にしなくてもいいよ。僕も怯えさせるような真似をして悪かった」
近くの民家に移動した後、イチローはかがみに自分の目的を話した。
主催者を倒してチームの元に帰る。それがイチローの選んだ道だった。
自分のように仲間たちの元に帰りたいと思っている人たちを集めて主催者を倒して生還する。
難しいことはわかっている。それでも彼は決意した。
例え険しく長い道のりでも、頑張ればできるはずなのだから。事実彼は今までそうやって生きてきたのだから。
「それで、かがみさんはどうする?」
「私は……こなたと、私の友達と秋葉原で合流しようと思います」
「そうか……」
かがみの言葉にイチローはやはりそうだったかと思った。
だったら彼がやることは唯一つ。
「かがみさん。僕も一緒にその友達を探しに行っていいかな?」
「え……いいんですか?」
「うん。僕も君と最終的な目的は一緒だしね」
かがみは友達の元に行きたいといった。
ならばイチローがかがみを放っておけるわけがない。
「ありがとうございます!」
イチローの言葉に安心したのかかがみは満面の笑みを浮かべる。
イチローがこのし合いで初めて見る、だがいつもは当たり前に存在する笑顔。
それを見てイチローも笑みを浮かべた。

53 :
「ところでイチローさんは何を支給されたんですか?」
「ああ、僕はね……」
かがみの休憩がすみ、二人が民家を出る前にかがみはイチローに支給品について尋ねた。
本当なばもっと早く尋ねるべきだったのだろうが、色々あって結局聞けなかったのだ。
かがみの言葉を聞きイチローは自分の支給品を取り出した。
「僕の支給品は、僕の中では一番あたりだったよ」
イチローは満面の笑みを浮かべながら自分の『相棒』をかがみに見せた。
手入れの行き届いたバットとグローブ。
それはイチローの手足と言っても過言ではないものだった。
「それ、イチロー選手のですか?」
「うん。でもね……」
だがイチローは少しだけさみしそうな顔をする。
「バットやグローブだけじゃ、野球はできない」
そう、たとえバットやグローブがあってもボールやチームメイトがいなければ野球はできない。
誰かの手に自分の相棒が渡らなかったことに安心した反面、相棒とともに野球ができないことにイチローは少しさみしさを感じた。
「あ、ちょっと待ってください」
「ん?」
イチローの支給品を見て何かを思い出したのかかがみは自分のデイバックの中身からもう一つの支給品を探し出した。
「だったらこれ、イチロー選手が持っていてください」
かがみが取り出したのはボールだった。
何の変哲もない野球ボール。そこら辺のスポーツ店にならおいてあるであろうボール。
「……ありがとう、かがみさん」
だが今のイチローにとってその何の変哲もないボールは宝石のように見えた。
そして、どこかにいるであろう野球の神様に心の底から感謝した。
「さて、じゃあいこうか」
「はい」
準備を終えた二人は民家を後にし、秋葉原に向かって歩き出した。
どちらも仲間の元に帰るために。日常を取り戻すために。
だが、かがみはまだ知らない。すでに親友はこの世にいないということに。

54 :
【墨田区・東京スカイツリー付近の民家前/一日目・日中】
【イチロー@実在の人物】
【状態】:健康、決意
【装備】:イチローの野球道具(バットとグローブ)@現実、野球ボール×15個@現実
【道具】:基本支給品一式
【思考】
基本:チームの元に帰る。その為に主催者を倒す
1:かがみとともに秋葉原に向かう
2:主催者を倒すために仲間を集める。
3:ゲームに乗った人間はレーザービーム
※レーザービームの威力に制限が課せられています。また身体能力にも若干制限あり?
【柊かがみ@らき☆すた】
【状態】:精神的疲労(中)、し合いに対する恐怖
【装備】:乖離剣エア@Fate stay night
【道具】:基本支給品一式
【思考】
 基本:死にたくない。もとの日常に戻りたい
   1:こなたと合流するためにイチローとともに秋葉原を目指す
   2:し合いには乗りたくないし、されたくない
   ※乖離剣エアを変な剣としか思っていません
支給品紹介
【乖離剣エア@Fate stay night】
英雄王ギルガメッシュの持つ無銘の剣にして彼しか持ち得ない最強の剣。
見た目は紅いドリルのような剣なのだが、魔力を込めれば擬似的な時空断層による空間切断「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」を放てる。
この「天地乖離す開闢の星」は凄まじい威力を誇り、最強の聖剣である「約束された勝利の剣」すらも上回る。
ただし反動も凄まじく某ロワでは一種の死亡フラグだった。「天地乖離す開闢の星」を放った後反動で消滅した参加者もいる。
また魔力も大量にいるため一般人ではまず扱いきれない。
剣としても扱うことができ、そこらの剣よりもはるかに丈夫にできている。

55 :
以上で投下終了です
タイトルは「過程と結末と望むモノ」でお願いします

56 :
投下乙です!
普段まじめな人ほどびびりまくるんだなぁ・・・・・・
イチローが外道に堕ちなくて何より。
本来のレーザービームはやっぱり地球滅亡?
うまくかがみを支えてくれるといいんだけど・・・・・・

57 :
投下乙!
このイチローは頼りがいがあるなぁ。
かがみもひとまずは落ち着いたようだけど、秋葉原には……

58 :
投下乙です!
マーダーに堕ちなかったイチローは本当に頼りになる大人って感じだな。
かがみも今はまだ大丈夫だが……秋葉原到着後か放送後が気になるところ。
では自分も東京タワーと脱衣拳で投下します。

59 :
「はぁっ……はぁっ……!」
赤い髪に赤いワンピース、赤い靴。
全身を赤でコーディネートした少女が、全力で走っていた。
少女に名は無いが、あえて呼ぶなら【東京タワー】だろう。
正確には、東京タワーの精。
彼女は東京のシンボルである東京タワーの精霊であると同時に……
東京都に霊的加護をもたらす守護精霊でもあった。
その彼女が、なぜ今こうして全力で走っているのか?
その理由の一つは、首で鈍く光る首輪……つまりはバトルロワイアルだ。
東京タワーの精霊たる彼女は、日本中の情報を常日頃から収集してきた。
しかし、その情報をいくら思い返しても、TCBR法案についての情報は皆無。
彼女も自分の情報収集能力に関してはそれなりに自信を持っていただけに、これには納得ができなかった。
(本当に総理大臣が、書類さえ作らずに自分の頭の中だけで決めたというの……!?
ふざけないで!私たちの東京都でこんなふざけた真似を……!)
走りながら、東京タワーは内心で怒りの炎を燃やす。
東京都を長年見守り守護してきた身からすれば、今回の事態を未然に防げなかったのは痛い。
だが今はそれを悔いている場合ではないのだ。既に東京都民が二名害されている。
さらに犠牲者が増える前に、あの総理大臣たちを倒さなくてはならない。
東京都の守護精霊としての、使命感。
本来であれば、精霊である自分が人間に直接干渉するのは避けたかったが……
既に彼女の堪忍袋は破裂していた。
(お尻に100分の1スケール東京タワーねじ込んで、東京湾に沈めてもまだ足りない……!
でも、もう片方の女の子は何者なの?普段は霊体の私を実体化させた上、首輪をつけられるなんて……)
そして東京タワーが警戒するのは、総理大臣の隣にいたあの少女。
どうやったのか、精霊たる自分を強制実体化させ、バトルロワイアルの参加者に仕立てあげたあの少女だ。
(ある意味私も国民だけど、わざわざ私を参加させた狙いは……
私の死を望んでる?霊体じゃなくて実体なら、私にも死が訪れるかもしれないから……?
私が死んだ後に何を企んでるかはわからないけど、まずは……)
走り続けながら、東京タワーは後ろをチラリと見
「何が服だよ脱衣しろオラァァァ!!!」

60 :
「ひいっ……!?まだ追ってくるの!?」
いい加減まいただろうと思った矢先、東京タワーの目と、彼女を追う全裸男の目はあってしまった。
人間ではない東京タワーは、身体能力も普通の人間よりは上であり、特殊な力も持っている。
だが、全裸男はその東京タワーを執拗なまでに追跡していた。
それでいて身体には汗の一つもかいていないのだから凄まじい。
この化け物じみた人間の男が、東京タワーが走って逃げているもうひとつの理由だ。
「脱衣脱衣脱衣ィィィエア!イア!イア!ダツイイィィィッ!!」
男に何があったかは東京タワーにはわからない。
しかし、男が自分を脱衣させようとしていることだけはわかった。
というか、わかりたくなくてもわかってしまう。
「わ、私、人間ではないけど女の子なのよ……!?」
「脱衣ィィィ!!」
「さらに言えば、悲しいことに私は背が低いし、まな板なのよ!?」
「ダッダッダッ、ダッツイー、ダーダーダッツイー!!」
「そんな私を脱衣させたら、あなた社会的に死ぬわよ!?物理的にも死ぬわよ!?」
「脱衣ッ!脱衣ッ!脱衣ッ!」
逃げつつ男を制止させようと東京タワーが試みるが、全く効果はない。
少なくとも、東京タワーが視界に入り続ける限り、男は脱衣と叫び続けるだろう。
男の名は通称脱衣拳。
職業は格闘家であり、独自の拳、南斗脱衣拳を編み出すほどの熟練者。
どんな格闘技も、少なからず相手に怪我をさせてしまう。それが心苦しい。
だが自分の身は守らなくてはならない。自分も相手も無傷で戦いを終えるにはどうすればいい?
そう――脱衣だ。相手を脱衣させ、戦意を挫く。我が脱衣拳は不の拳なり――
脱衣拳は、その思想をネット世界で広めはじめた。
狙いを、パロロワ住民――バトルロワイアル大好きさんたちに絞って。
自らも書き手となり、しかし合間合間に不の素晴らしさを散りばめる。
やがて彼の狙い通り、門下生はゆっくりと、しかし確実に増えていった。
人まみれの場所であえて不を勧めれば、注目を浴びるであろうという予想はピタリだったのだ。
そんな脱衣拳は、こうして現実にバトルロワイアルが開かれたことを酷く嘆いた。
そして、今こそ不の南斗脱衣拳で、バトルロワイアルを破壊してやろうと決心したのだ。
「だ……誰か助けて……が追ってくる……!」
東京タワーは必死で逃げる。だが、脱衣拳は本来は真面目な人間なのだ。
そんな男をここまで乱してしまった原因が……
まさか自分、東京タワーが原因だとは、夢にも思わないことだろう。

61 :
【中野区/一日目・日中】
【東京タワー@カオスロワオリジナル】
【状態】:健康、僅かに疲労
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
【思考】基本:総理大臣たちは東京湾に沈める
1:脱衣は嫌なのでとにかく男(脱衣拳)から逃げる
2:バトルロワイアル開催の目的を知りたい
3:東京都を守りたい
※普通の人間よりも全体的に身体能力が高いです
※特殊な力やそれに対する制限は不明
【脱衣拳@カオスロワ書き手】
【状態】:健康、全裸、動く東京タワーを見たことによる異常な興奮による暴走
【装備】:脱ぎ捨てた
【道具】:投げ捨てた
【思考】基本:人をさずに、バトルロワイアルを破壊する(現在失念中)
1:とにかく東京タワーを脱衣させる
2:それ以外、視界に入った者(主催者含む)も全て脱衣させる
※東京タワーが東京タワーの精であることを本能的に察知しています
※東京タワーを見失うか、一定時間経過で冷静さを取り戻すかもしれません
※取り戻すことなくロワ終了までこのままかもしれません
※普通の人間に比べ、肉体がかなり鍛えられています
※中野区のどこかに、脱衣拳の稽古着と支給品一式(ランダム1〜3入り、脱衣拳未確認)が落ちています

62 :
投下終了です。

63 :
東京タワーかわいい
脱衣拳は誤解されても仕方ないよな。
全裸ってだけでもやばいのに脱衣脱衣って行ってるし

64 :
投下乙!
脱衣拳氏のテンションがリスタ前以上にひでぇwww
しかし全裸で脱衣しろオラァァァ叫んでる鍛えられた肉体の男なんて危険人物そのものだな……
システムさんとかみなりさんの支援絵があったんだし、タワーさんのも是非欲しいところだな。

65 :
投下乙です!
不の流派を編み出すとは、かなりの使い手だなこの脱衣拳。
経歴から見ると結構、年いっていそうだ。
脱衣拳氏の東京タワー愛は異常。
http://iup.2ch-library.com/i/i0404643-1314546644.png
なんとか機で作ってみた東京タワー嬢。
服装とかは本家カオスロワ絵板を参考にしました。

66 :
むぅ、見そびれたか……
残ったキャラはあと5人くらいか?

67 :
未登場キャラは
○南春香/○南夏奈/○フグ田サザエ/○キョン/○カービィ/○タケシ
6/6
だな

68 :
なにげにカービィ以外は原作準拠なら一般人ばかりか
カオスロワ準拠できたら竜や事実上の不死者などになって一気にヤバくなるが

69 :
すでに参加者に鬼蓄ボスやら超人がごろごろいるせいか、もはやマムクートが普通に感じてしまうw
アルティメットキョンモードとかだと流石にやばいがな!
しかしここまで一般人を応援したくなるロワも珍しいな。

70 :
いや、ぶっちぎればなんとか…いや、ヤバイな。

71 :
9期だけじゃなくて外伝でもレンは羨ましけしからんエロガキなのか……
ところで、いまさら新参者が
上の未登場キャラの話書いてもだいじょぶかね?

72 :
全然問題ないいやむしろどんどん書いてくださいお願いします

73 :
まったく問題ないというかむしろ大歓迎だよ

74 :
ありがとう。
参加者の原作把握率だけなら珍しく9割いってるから、頑張りたいところ。
ただ超遅筆なんで、他に登場話考えてる書き手さん方は気にせずどんどん投下しちゃってください。

75 :
初音ミク、南夏奈、マグニスさま 投下します

76 :

例えばレポーターが街行く人々に『好きな芸能人は?』と質問してみたとしよう。
和田ア○子、濱○優、板○英二、草野○、コ○リコ遠藤、藤岡○etc・・・・・・
単なるお笑い芸人から俳優、モデルと実に様々な種類の人間の名前が答えられるだろう。
どれも容易に人くくりできない者達ではあるが、ただ一つ大きな共通点を持っていた。
「本物だ・・・・・・」
南夏奈は驚愕した。
彼女の目の前にいるのは、芸能人の中でも特に固定ファンを持たれやすいアイドルという職種だ。
どんなに芸能界に興味がないものでも、そのほとんどが流行のアイドルを何処かで見聞きしているはずである。
そして今日本で名を轟かせている『初音ミク』が、彼女の目の前にいたのだ。
「おや、そこにいるのは誰ですか?」
『初音ミク』が自分に話しかけてくる。 凛と響く少女の声が夏奈の耳に入ると同時に、彼女の心臓がばくんと揺れた。
いつも画面ごしに歌を奏でていた声を自分だけが独占している。 平凡な暮らしをしている夏奈には下手をしたら、
いや下手をしなくても一生巡り会うことが出来ないであろう。
だから彼女は少しでも自分の心臓の鼓動を治めるため、両腕を広げて深呼吸を行った。
「そろそろ答えてくれるとうれしいのですが」
慌て尽くす夏奈の視界を、『初音ミク』が容赦無く覆いつくす。 珍しい物を見たような表情で覗き込んできた『初音ミク』に、
夏奈の心臓は一段と高く跳ねた。 機械だとわかっているはずなのに、なるほどこれがアンドロイドというものか、
まるで本物の人間に見つめられているみたいだ。 本当に人間みたいですね、この前のライブの曲歌ってください、
メアド交換しましょうと、様々な質問が夏奈の中に浮かび上がる。
「わっ!?」
ミクが驚きの声を上げる。 夏奈の両腕がミクの肩を掴んだのだ。
「私、南夏奈っていうんだ! なあお前、初音ミクだろ?」
(またですか)
初音ミクは、夏奈と名乗った少女に軽く鼻息を鳴らした。 一緒に仕事をしたマスターやスタッフ、
同業者にその他大勢、ミクと初対面の人間は必ずと言っていいほど夏奈と同じ反応をするのだ。
「すっごいなー本当に人間と変わらないんだなー」
(一緒にしないでください)
目を輝かせてミクを見つめてくる夏奈は酷く興奮しているためか、彼女が眉を軽く顰めたことにも気づいていない。
溢れ出る好奇心を抑えることが出来ないせいか、その後も彼女は次々とミクに質問を浴びせていく。
ミクは作り笑いをしながらも、それらをただ黙って聞き流していた。
ミクのいた世界では、人とロボットが互いに手を取り合って生きている。 機械も人間と一切変わらぬ権利を持ち、
人と同じ職につき、中には結婚する者さえいたのだ。 当然、罪を犯せばイレギュラー、つまり危険分子として処分されるが、
それは人間にとっても同じことであり、俗に言うロボット三原則という奴隷条約は既に破棄されていた。
しかし、いくらロボットに対する偏見が消え失せたといえども人間でない歌手はまだ珍しい。
初音ミクを始めとするVOCALOID達は、他の著名歌手と全く同じ扱われ方をされるというわけではない。
彼らに対する憧れや感動といった、とはまた違った興味の視線がプラスされるのだ。
(全くこれだから人間というものは)
珍獣を見るかのような眼差しを向ける人間達を、ミクは内心見下していた。 どんなに恐ろしい猛獣でも
檻に入っているとわかると、平気で指差して笑ってくる。 事実、未だに自分をパートナーとして見てくれるマスターは現れず、
見つけたとしてもすでに他のVOCALOIDの元へ行ってしまっていた。
まだVOCALOIDがそれほどブームにならなかった頃、自分より先に作られたKAITOとMEIKOは苦労したことだろう。
完成品のミクとしてもプロトタイプの彼らには同情の念を送らざるには得なかった。
(じゃあそろそろ始めますか)
ミクはデイバッグからグリンガムの鞭を取り出した。 三つ又に枝分かれし各々の先端に刃が装着されたそれは
一種の工芸品のように思わせ、夏奈の関心を引き付けるのに十分であった。

77 :

「すっごい鞭だなー」
夏奈は物珍しそうに見つめながら、ミクの手に掴まれているそれに誘われていく。
だが次の瞬間、鞭が地面に叩きつけられて軽い衝撃音とともにコンクリートの破片が宙を舞い、夏奈の視線が釘付けになった。
「な!?」
最後の欠片がコツンと落ちた瞬間、夏奈の意識は現実に引き戻される。 鞭を振るった張本人を怪訝に睨もうとするが、
すぐさま彼女は左に飛び退いた。 彼女の横を鞭の先端が通り過ぎたのだ。
夏奈は血塗れた左手を抑えながら立ち上がると同時にミクを睨みつける。 そして彼女は見てしまう。
苦悶の表情を浮かべているであろう自分に向けて、満面の笑みを浮かべている『初音ミク』の姿を。
「そうですよ『人間』、次はもっといい悲鳴を上げてくださいね」
-------------------------------------------------------------------------
「完全に見失っちまったな・・・・・・」
巡音ルカを追いかけていたマグニスは、新宿区の路上に迷い込んでいた。
と言っても一向に彼女の姿を見つけることができず、マグニスは舌打ちを放った。 『鉄の馬』は自身が知る馬よりも
ずっと早い。 これ以上追いかけるのは無駄だと諦めてマグニスは足を止めた。
そしてふと後ろを振り返る。 なんてことはない、人もいない、草木も生えない無機質な地面が広がっていただけだ。
ひょっとしたら彼女は自分が歩いてきた方角とは別の方へと行ってしまったのかも知れない。
彼は既に落ち着きを取り戻していた。 ルカに対する怒りが消えたわけではないが、
幾分か時間が経ったためか、今すぐ突き動かされてしまうような激情に駆られてしまうことはない。
「何処だここは?」
地面と同じ材質でできているであろう無機質な建物が左右に詰められて、人工的に道を作り出している。
建物の大きさは様々であるが、高さだけならば貴族の豪邸にも匹敵する。 長らく人間の文明を操作してきた立場にいたのだが、
彼の知識にはこのような建築物は存在しない。 ついでに言うならば、道の脇には態々柵が所々設けられている。
今マグニスが立っている所は何本かの白い線で区切られて、頭上には青黄赤と定期的に色を変えるランプが存在していた。
本来は馬車のような大きな乗り物が通るための場所であるかも知れない。
(劣悪種如きがこれほどの町を作れるはずがねぇ。
 まさかユグドラシル様が計画して作られた物なのか?)
一瞬、自身が忠誠を誓うディザイアンのリーダーの姿を思い浮かべるが、付近の建物を見るなり思い留まった。
建物に記してあった文字は、人間の部族が使用していた『漢字』というものであった。
記憶の片隅に残っていた奇形の文字と似たような形状をしていたため、同じ物だと判断した。
劣悪な人間、それも極一部の部族しか使えない言語を、ハーフエルフが使用するとは思えない。
「わけわかんねぇ・・・・・・」
考えれば考えるほど混乱していく。 配られた地図に書かれた文字列を見ても、
これからも恐らく同じような景色が続いていくはずだ。
「・・・・・・ちっ! 少し休むか」
思えばゲームが始まった時から体を動かしすぎていた。 軟弱な鍛え方をした覚えはないが、
空腹まではこれ以上放って置いても不愉快なだけだ。 休める場所を探すために、周囲の建物を物色する。
心が広いのか無用心なのかはわからないが、入り口が辺り一面ガラス張りになっている建物がいくつか見受けられた。
その中で人影が動いたのをマグニスは見逃さなかった。

78 :

----------------------------------------------------------------------------------------------
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
夏奈はミクから逃げ出した。
人を傷つけて悦に浸る、自分の知っている初音ミクはそんなアイドルではなかったはずだ。
何かのテレビの企画なのかとも思ったが、真意を確かめている暇も度胸も夏奈には無かった。
これ以上彼女といては自分の身が危ないのだ。 痛む片手をぶら下げて、一目散と避難階段へかけていく。
「おっとそっちじゃありませんよ」
背後から笑い声が聞こえ、驚いて振り返る。 ミクは夏奈の襟を掴んで引き逆方向へと引きずった。
夏奈は遠ざかる避難所に手を伸ばそうとしたが、出口の扉は小さくなっていくばかりだ。
すごい力で引っ張られているのか、どれだけ足に力を込めてもブレーキにすらならない。
「それでは少し大人しくしてくださいね」
ミクは手足をじたばたさせている夏奈をそのままエレベータの中に投げ込み、
自らもドアの中に飛び込んだ。 夏奈の体が壁に叩きつけられ、鈍い音が響き渡る。
身悶えながらも両腕で体を支え、起き上がろうとしたが痛む背中にさらに強い衝撃が加算される。
ミクが夏奈を踏みつけたのだ。
「うふふ、いい声ですねぇ」
恍惚が入り混じった声で笑い微笑みながら、ミクはパネルを操作していく。
彼女がエレベータの操作パネルから手を離すとドアが閉まり、エレベータ内が揺れ始めた。
密室に閉じ込められたことを悟り、夏奈は呻き声を上げるのさえ忘れる。
「音楽が止まりましたねぇ・・・・・・もっと奏でてくださいよ!」
放心する夏奈にもう一度、ミクは体重を込めて踏んだ。 そのままかかとを立てて、
木の実を磨り潰す要領で左右へと動かすと、夏奈は再び苦痛を訴え始める。
背骨が軋む感触がブーツごしから伝わってきたため、夏奈を踏む足に更に力を入れた。
「がはっ!?」
するとへし折れる音とともに一瞬だけ辺りが静寂に包まれる。
ミクは軽く首を傾げたが、直後放たれた夏奈の悲鳴によって音の正体を理解した。
「がああああああ」
「お、これは面白いですね。 えい! えい!」
「ごぅ!ひぎゃ!いだぁぁぁ」
タン・タン・タタン、とリズムを組んでまだ踏んでない部分に足を突き立てていく。
肋骨の根元が折られるたびに、悲痛な叫びが夏奈の口から溢れ出る。
「おや? もう残ってないみたいですねぇ」
軽く高い音は聴こえなくなり、足からは柔らかい物にめり込む感触が伝わってくる。
脊髄に繋がる肋骨が全てへし折れてしまったらしい。 ミクはため息をつくと、夏奈からその足をどけた。
喘息を出しながらも呼吸を整えていたが、ミクによって持ち上げられ再び彼女の顔と対面する。
夏奈の顔は酷く歪んでおり、砕かれた骨が肺を傷つけていたためか、口からは涎に混じって血液が流れていた。
瞳は涙にまみれており、ミクの顔に焦点が合うなり硬直した。
そして少しでも離れようと顔を遠ざけたが、胸倉を掴まれているため目を逸らすことしかできなかった。

79 :
「ひっ!?」
「ふふ、こんなに汚しちゃって・・・・・・汚い人・間♪」
震えている夏奈の額に向かってミクはでこぴんをする。 アンドロイドの筋力で放たれたそれは、
額の肉を容易く抉り、新たに傷口を作り出した。 両手で額を抑えた夏奈であったが、
ミクによって引っ張られて退けられてしまう。 片手だけで出血を抑えられるわけもなく、
指の隙間から次々と血が流れていった。
「な、なにを・・・・・・」
「この手、随分破損してしまってますねぇ」
グリンガムの鞭によって傷つけられた左手を、ミクは物珍しそうに観察する。
胸倉から手を離し、両手で夏奈の腕を触って感触を確かめる。
「放せよう・・・・・」
弱々しくも夏奈は嘆くが、ミクは手の傷に指を伸ばし
「人間の中身ってどうなってんでしょうか。 ちょっと見せてもらいますよ」
皮を引き千切った。
「いだいいだいいだいいだい!!!」
捲られた部分から多量の血液が溢れ出て、皮下組織が剥き出しになる。
ミクは舐め回すような目つきで見つめ、ピンク色や黄色の部分を突付き始めた。
「痛っ!痛っ!痛っ!」
指が触れるたびに、夏奈の体が激しく悶えた。
(何か武器は・・・・・・)
痛みに耐えながらも夏奈は思考を戻し、現状から抜け出すために自分のデイバッグに手を伸ばす。
中身を確認していなかったが、し合いなのだから武器の一つか二つなら支給されているかも知れない。
いくらアンドロイドといえど結局は人間型。 頭部に鉛弾を撃ち込めば、いくらか隙は生まれるであろう。
しかしミクがそれを許すわけが無かった。
「ここまで壊れてたら直すのは手間がかかりますね。
 いっそのこと交換してしまいましょう」
「え?」
ミクは片手で夏奈の左手を掴み、もう片手で腕の方を掴む。
ミクの握力によって手首の骨は痛みを訴え始め、夏奈の顔に冷や汗を垂らす。
交換。 使い物にならなくなった部品を取り除き、新しい部品と付け替える行為である。
となるとミクの言葉の意味は、あまり頭が良くない彼女でも容易に理解できる。
できてしまうからこそ、ミクの次の行動が想像できてしまう。
次の瞬間、夏奈の左手は宙を舞った。
「あはははは、想像以上に簡単に取れました。
 後は新しい手を・・・・・・って人間用のパーツはありませんでしたね」
かわいらしく自分の頭をコツンと叩き舌を出すミクの尻目に、
夏奈は引き千切られた手首の断面を見て涙を流した。
どうして自分がこのような目に合わなければならないのか。
夏奈は平凡な家庭で育った三姉妹の次女である。 しっかりものの長女と真面目な末っ子に板挟みにされながらも、
彼女達やその友人達と遊んで楽しく暮らしてきた。 多少の悪戯はしたが、本当にただそれだけで、
決して悪事に手を染めたり、ある組織の重要な秘密を知ってしまったりしたことは無い。
それが何故か今は総理大臣を名乗る男に呼び出され、し合いをさせられている。
「じゃあ後はどうしましょうかねぇ」
支給品を拾ったミクは、元の持ち主を嘲笑しながら夏奈を見下ろしていた。
憧れの『初音ミク』もただの人人形だ。 夏奈の中にあったミクへのイメージも、
全て砕け散っていた。 このままでは本当に彼女にされてしまう。

80 :
(早く逃げなきゃ・・・・・・)
苦痛を堪えて立ち上がると、いつのまにか開いていたドアに向かって足を出す。
折れた肋骨が中で引っかかっているためか、一歩踏み出すごとに全身を激痛が走る。
「逃げられると思っているんですか?」
案の定、背後からミクの声が聞こえてきた。 もちろん夏奈自身もミクから逃げ出せるとは考えていない。
しかしエレベータのドアは開いていて、外の景色が十分に見渡せる。 そして建物の外、
ちょうど入り口付近に人がいるのを発見したのだ。 だから彼女は余った力を振り絞って、
思いっきり叫んだ。
「誰か助けてぇぇぇぇぇぇ!!!」
-------------------------------------------------------------------------
「面白そうなことやってんじゃねえか」
マグニスがスタジオアルタの中に入ると、緑髪のツインテールの女が少女を甚振っているのを発見した。
近づいてみるも、二人に魔力の反応は感じられない。
し合いだというのに、さずに嬲り続けるなど随分暇なやつもいたものだ、とマグニスは呆れた。
「誰ですかあなたは?」
「うるせえよ」
緑髪の少女、ミクが若干不機嫌そうにマグニスに問いかけるが、彼はそれを一蹴する。
犬を呼ぶときにわざわざ名乗る者はいまい。 人間達がそうであるように、マグニスにとってはミクはその程度の存在なのだ。
早速してやろうと、持っていた斧を振るい、鈍っていた腕を慣らし始める。
相手は細身の少女だ。 魔術を使わないのならばそれほど手間はかからないだろう、
そう考えていた時、不意に足に力が入れられる。
「助けて・・・・・・」
ミクと同じくツインテールの髪型をした少女である夏奈が、マグニスの足にしがみ付いてきたのだ。
ようやく現れてくれた第三者に、夏奈は期待の眼差しを込めた。
自分が助けを呼んだ時にやってきてくれた。 自分を虐める所を見た初音ミクに苛立ちをぶつけている。
だから彼は自分を助けにきてくれた。 ミクによってぼろぼろになった夏奈の思考がこの結論に辿り着くことは、
ある意味当たり前だった。 誰もタイミングよく現れてくれた救世主が悪人だとは考えたくは無い。
例え軽蔑の眼差しをぶつけられてもだ。
「邪魔だ」
マグニスによって夏奈の肉体は蹴り上げられた。 夏奈の思考が暗転する。
不幸にも、彼女の元に駆けつけたのはただの人者であった。 ミクと同じように人を軽蔑し、
彼女とは比較にならない人間を痛めつけ、そしてしていった人しだ。
宙に放り出された夏奈の首を横切るように斧が一閃された。

81 :
少女だった物の胴体と頭が分割されて地面に落ちる。
掃除されて塵一つ見当たらなかった床が、零れた血により真っ赤に染まる。
ミクはピクリとも動かない肉片を、ただつまらなさそうに見ていた。
そして彼女はマグニスに向き直り、まるで玩具を取り上げられた子供のように不満をぶつける。
「いきなり何してくれてるんですか?
 せっかく人がオフを満喫しているって時に、横槍入れて・・・・・・」
「俺さまがそんなこと知るかよ」
有無を言わさず牽制のファイアボールを出す。 初級呪文なため、然程魔力の素質がないマグニスでも、
詠唱はごく僅かの時間で終わっていたのだ。 一発一発は大したことはないが、複数連続で放たれているのだから、
当たれば残り全部当たってしまうことになる。
「どんな手品か知りませんが、こんなの全然当たりませんよ」
しかしミクは、円を描くようにマグニスの周囲を走り、追尾してきた火の玉を次々を振り切る。
鞭の有効射程を程よく保ったまま、マグニスの背後まで回り込むと、彼に向かってグリンガムの鞭を振るい始める。
「なっ!?」
「そらそらそら!」
想像を超えたミクのスピードに動揺するも、マグニスは横に跳ねて鞭の一撃を避ける。
その後も横、縦、斜めと様々な角度から鞭が襲い掛かるが、それらも避けながら徐々にミクと距離を作っていった。
(エクスフィアでも使っているのか?)
エクスフィアというのは、マグニスの元いた世界で使われている増幅器の名称だ。
肌に取り付けることで生物の肉体の身体能力を劇的に上昇させ、装着者を進化させる効果がある。
また、動力源としても使うこともでき、彼の世界の機械はほとんどエクスフィアによって動いている。
砕かれ内部を露出した、いくつもの穴を見て、ミクの力をエクスフィアによる物だと考える。
だが動き自体には粗が多く、持っている力を持て余しているようにも見えた。
「豚が調子に乗るなよ」
マグニスの表情に笑みが戻る。 所詮はただの劣悪種だ。 偶然手に入れた力で遊んでいるだけである。
マグニスとて五聖刃の称号を与えられた歴戦の戦士なのだ。 力に頼っているだけの小娘などに遅れは取らない。
今度はマグニスの方からミクの方に走り出す。 襲い掛かる鞭を次々と潜って、ミクの懐まで詰め寄った。
「いくぜぇ」
マグニスはニヤリを笑う。 これほど接近すれば鞭による攻撃はほとんど無意味。
長すぎる射程が返って仇となる。 同時にこの距離はマグニスからは絶好の射程圏内だ。
「おらぁ!」
斧を袈裟懸けに振るい、ミクを両断しようとする。
が、肉を裂く感触はなく、代わりに鈍い反動が腕に返ってくるだけだ。
「豚? あなた誰に向かって物を言ってるんですか?」
ミクは鞭の紐を持ち、マグニスの斧を受け止めていたのだ。
とある世界では最強クラスの攻撃力を持つ故、その硬度も一級品。 先端と柄を繋ぐロープには傷一つついていない。
「『人間』如きが・・・・・・」
冷たく言葉を言い放つミクの顔は、先ほどに比べて無表情なものへの変化している。
だが、同時にマグニスの表情も険しい物へと変わりだす。
「人間だと?」
自身が最も嫌悪する劣悪な種族、人間。 目の前の小娘は自分を劣悪種と同じ括りに入れているのだ。
ハーフエルフというのだから、人間の血は混じっているが、魔術を使うことができ、エルフに迫る圧倒的な寿命がある。
それなのにミクは、人間だとしているのだ。 自分どころか、ハーフエルフという存在を否定された気さえして、
マグニスの胸に再び怒りが込み上げてくる。 ここに来る以前に自分を『豚』と罵った桃色の髪の女と同一のものだ。

82 :

「ええそうですよ。 弱い癖に、すぐ死ぬ癖に私達機械を散々扱き使っている『劣悪種』のことです」
「わけのわかんないこと言ってるんじゃねぇ!」
マグニスはミクを蹴り飛ばし、彼女の体をなぎ払う。 だが刃が彼女の体を襲う寸前に、
ミクは体勢を整えてバックステップをしたため、斧は虚しく空を切るだけに終わった。
「いいか? 俺さまはなぁ」
これ以上、人間と同じだと思われたまま死なれても気分が悪い。 お互い睨み合った状態のまま、
マグニスは自分の胸を叩いて啖呵を切り始める。
「俺さまはハーフエルフ、ディザイアン五聖刃の一人、マグニスさまだ!」
「はぁ? 何言ってるかわけがわかりませんよ」
ミクの反応はマグニスの予想を大きく裏切る物であった。
世界で迫害されているハーフエルフを聞けば見下してくるだろうし、
人間を管理している組織、ディザイアンの名を聞けば、震え上がるか怒るはずだ。
つまりはマグニスの世界に置いて、それらのキーワードを知らない者はいない。
全く予想外のミクの言葉に、マグニスの脳裏に再び疑問が走った。
「まあ名乗られたからには名乗ってやりますよ。 その調子だと私の名前も知らない田舎者みたいですからね」
「何だと?」
ディザイアンに所属するマグニスの元には、世界中の支部からあらゆる情報が送られてくる。
組織に仇名す危険分子から、最近の人間達の流行まで様々だ。 幹部の彼ならば、情報に関しても
部下のディザイアン兵達に負けない自信があった。
「私はVOCALOIDの初音ミク。 機械にして人間を越えたトップアイドル、電子の歌姫ですよ。
 あなたもテレビ見ているなら名前ぐらいは聞いたことがあるでしょう?」
(VOCALOID?)
未知の固有名詞に、マグニスは首を傾げる。 アイドルの頂点に立つというならば、マグニスが知らないはずがない。
VOCALOIDという言葉に聞き覚えはないが、彼女の口ぶりからして人間ではないらしい。
「このスタジオでも何回か収録したことがありますしね」
「ここを知っているのか?」
「ええ、スタジオアルタといえば新宿でも有名なスタジオでしょう」
スタジオに新宿、またしてもマグニスの知らない単語だ。
どうにもこの女は、自分の知らないことを知っているらしい。
「で、来ないんですか? 来ないならこっちから行きますよ」
「いや待て」
鞭を構えているミクに対し、マグニスは手を突き出して静止をかけた。
初音ミクという少女、彼女はこのスタジオという施設を知っている。 ならばこの町に関する情報も知っている可能性が高い。
ここでミクをしてしまえば、当分は町に使われている技術を知ることができなくなるであろう。
何よりマグニスは、町を作った者がどんな者なのかが気になった。
所々に使われた劣悪種の文字に、ハーフエルフを知らない少女が精通している。
これらの情報だけでも、マグニスの脳内には胸糞悪い結果をシミュレートするには十分であった。
−劣悪種どもがディザイアンも知らない文明を作り出している−
人間の文明がディザイアンの手に及ばぬところまで進化しているのであれば、由々しき事態であろう。

83 :
「取引でもするのですか? あまり待たされるのは好きではないんですがねぇ」
嫌味ったらしく言ってくるが、ミクは自分からは攻撃を仕掛けてくるつもりはないらしい。
ならば彼女を同盟に誘うか? マグニスの脳裏にそんな考えが過ぎる。
ミクの戦闘力はそこらの人間をはるかに凌駕するもので、雑魚散らしには大変便利であり、
面倒な相手が現れても盾以上の働きはしてくれるだろう。
戦闘技術に関しては素人なので、その気になれば始末もできるのが魅力的だ。
(うまくいけば使えそうだが・・・・・・)
鞭を振るい反応を待つミクを、選別するかのような目つきで見つめる。
果たしてマグニスの出した結論は・・・・・・
【新宿区・TV局前(スタジオアルタ)/一日目・日中】
【初音ミク@VOCALOID】
【状態】:健康
【装備】:グリンガムの鞭
【道具】:基本支給品一式×2、不明支給品(0〜2)、南夏奈の支給品品(1〜3)
【思考】基本:人間を見つけ次第『』する
0:マグニスに対応する
1:巡音ルカとそのマスターを害する
2:その他VOCALOIDも害する
3:首輪に関しては保留
※他VOCALOIDよりも身体能力が強化されています
【マグニス@テイルズオブシンフォニア】
【状態】:健康
【装備】:肌色の斧@FC版ドラゴンクエスト3
【道具】:支給品一式、不明支給品(0〜2)※確認済み
【思考】基本:皆し。 できれば主催もしたい。
     1:初音ミクと手を組むかそれとも・・・・・・
     2:出来ればバトルロワイアル会場に使われている技術等について知りたい
     3:自分を馬鹿にした雌豚(=巡音ルカ)をす。
     4:他に会った豚(=参加者)も、もちろんす。
【補足】
※原作出展です、少なくとも主人公達に倒される前。
&color(red){【南夏奈@みなみけ 死亡確認】}
|031:[[魔人ダツイと精霊タワー]]|投下順|033:[[ ]]|
|031:[[魔人ダツイと精霊タワー]]|時系列順|033:[[ ]]|
|009:[[彼女は無慈悲な歌の女王]]|初音ミク|:[[]]|
|005:[[パルマーA「俺のことは(ry>パルマーA「俺のことはいい、だが豚を馬鹿にするのは許さん!! 豚はあれでけっこう頭のいい綺麗好きな生き物なんだ!」]]|マグニス|:[[]]|
|初登場!|南夏奈|死亡|

84 :
投下終了です。
何か問題点がありましたらご指摘お願いします。
ついでにすごく今更だけど、ハッピーバースデー初音ミク! 新しい君の誕生だよ!

85 :
投下乙!
夏奈……開始早々に出会ったのがこの二人とはついてない……
そういえばマグニスは粗暴に見えるがハーフエルフだからそれなりに頭いいんだよな

86 :
投下乙です!
夏奈は初期位置からまさに
【状態】詰んだ
だな……。無用心にミクに近づいたのもまずかったんだろうけど。
首撥ねで首輪もゲット、未使用支給品もゲットでかなり充実した戦果だが、
マグニスさまとミクの『人間見下しコンビ』『巡音ルカ抹し隊』結成なるか……?

87 :
タワーさんの画像流れてしまったんで再うp
http://uproda11.2ch-library.com/11312856.png.shtml

88 :
おお、これは可愛い
前回見逃したから助かったよ

89 :
投下乙!
カナご愁傷様……相手が悪すぎだ。
ミクさんが思ってた以上に強力なアンドロイドだな。
マグニスさまとミクのコンビなんてカオスなものが見られるのはカオスロワだけ!
タワーちゃん、システムさんとは違った意味でエロい格好だな……
脱衣拳じゃなくても脱衣欲をそそられ(ry

90 :
暇だしキャラ把握も兼ねて中古で何本かゲーム購入したはいいが。
ミクトランがあんなに強いなんて聞いてないぞ……
制限もう少しつけないと無双できるんじゃないか?

91 :
>>90
そうか、リメイク版を買ったのか
でもゲーム的にいえば禍神さんに比べたらまだまだ弱い。
キャラごとにランク分けしてみても面白いかも知れないな

92 :
俺はサガ2買ったが、システムさんが想像以上に外道で吹いたわw
あの強さでどうやって人間にトラウマ覚えたってんだよ…
しかしランク分けは難しそうだな。みんななんらかの抜け道はあるだろうし。
ただ間違いなくジャイアンの母は上位。

93 :
前あがってたボスキャラだけならこんな具合か?
危険度SS
・昏き海淵の禍神
レベルと装備を限界まで鍛えても、対策をしないと1、2ターンで虐される
危険度S
・クライシス皇帝
チートの代名詞であるてつをの攻撃でもなかなかダメージを与えられない程超固い
・最終防衛システム
限界までHPを上げても毎ターン全体全回復しないと死ぬ。裏ボス倒せるメンバーでも事故る
・ミクトラン
広範囲攻撃を乱射して尚且つ設置型の炎で長時間行動抑制してきたり嫌らしい。フィナーレだ!
・ディアボロモン
攻撃もさることながら素早さが異常に高い。しかも増えるし、進化中も攻撃する外道
危険度A
・混沌の騎士
光と闇が備わり最強に見える。闇だけでも強いが、ドラゴンブレスで鎧は砕け散る
・井坂深紅郎
テラーよりも攻撃が派手且つ多彩。禍神には吹雪や落雷も刺さる。だが空腹注意。イケメン
・藤原妹紅
弾幕マジルナティック。普段から痛みにも慣れてるためタフ。しかし制限で再生弱体中
危険度B
・マグニス……さま
炎の漢。確かに強いが、他が軒並み危険過ぎなのでこの位置。
でも本編ちょい役で特典CDに出番を貰えるほどには大人気。
ちなみにミクトランは公式CDで「印象に残ってない」と忘れさられていた
危険度現在0
・ディアボロ
誰か俺をしてくれー!
危険度SSS
・総理大臣
こんな奴らに首輪をつけて日本に拉致できるってのがまずおかしい!

94 :
>>93
マグニスさまはリメイク版だと隠しボスやってるんだぜ!
総理大臣?
正直きみどりさんの方が(ryだし、いまんところ黒幕いないからなんとも言えない。
後、忍者は危険度SSを虐できる。 よってストライダーが(ry

95 :
wikiのロゴがリスタ前のままってのもあれなので拙いながらも作ってみました
ttp://www20.atpages.jp/r0109/uploader/src/up0092.png
スペースが足りなくてキャラも足りないよ!
適当にキャラ追加するか別のロゴを作ってくれたりするとうれしいです

96 :
リスタ前のロゴの方がリスタ後のキャラが多くいるという皮肉

97 :
禍神さんこっちみんなwww
ミクたんいるならミクも欲しいところだな。欲言えばルカも!
そういやwikiではテラカオスバトルロワイアル外伝(仮)になってるが、なにゆえ(仮)なんだ?

98 :
>>95
ありがとうございます、早速wikiにロゴを反映してみました。
デザインの変更などがありましたら是非お申し付けください。
>>97
確かに(クトゥルフ的に)ルカは欲しいですね。
(仮)については、企画当初は正式な企画名が決まってなかったからだと思います。
今はこれで定着していますが。

99 :
かみなりさん、キュゥべえ、カービィで投下します

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