2011年10月1期創作発表casa cube story カーサ・キューブの小説を書こう!
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casa cube story カーサ・キューブの小説を書こう!
- 1 :11/08/24 〜 最終レス :11/11/27
- カーサ・キューブとは
デフォは四角四面の白い住宅商品のこと。
窓は天窓とスリットのみで、玄関以外からの侵入は基本的に不可能。
こいつを舞台にした小説を書こう。
>http://www.casacube.com/
尚、俺は関係者ではありません。
- 2 :
-
――“カーサ・キューブ”。
二十一世紀初頭、地球人類に牙を剥いた外宇宙知的生命体カーサ星人が侵略のために用いた、超巨大空中要塞である!!
外観はおよそ純白の立方体であり、天窓とスリットは確認されるが、玄関以外からの侵入は基本的に不可能!!
地上のあらゆる兵器をもってしても傷つくことのないこの白亜の城に、もし脅威を与え得る者がいるとすれば――!?
それは!!
裏切りのカーサ星人科学者が製造した黒金の巨人“カーサ・ロボ”と、
そのパイロットとして選ばれた少女玖珂(くが)アサカだけなのだッ!!
- 3 :
- すごいやん
- 4 :
- カーサ・キューブに引っ越してみた。
「なんじゃこりゃあ!」
俺がジーパン刑事ばりの叫びを上げたのはもちろん理由がある。
ドアを開けると、巨大な象がいたのだ。
これは何かのCMなのか?
当然、中は象のために全て吹き抜けになっていて、人の居住スペースなど
無きに等しい。
施工主は言った。
「お客さん、動物好きだって言ってたでしょ。だからこの象を無料で提供し
ます。当然ながら象はこの四角四面の空間から外に出ることはできません。
一生大事にしてやって下さい」
俺の脳裏で象との暮らしが早送りで展開していった。
俺は最後の、ある疑問に突き当たった。
「あのさあ、この象死んだらどうやって処理すんの?」
「死んだら……ですか」
「そう。死んだらだよ」
「……」
「……」
- 5 :
- もぐもぐ
- 6 :
- 「うわあ、また地震だ!」
カーサ・キューブに引っ越してからと言うもの、毎晩俺は地震で目が覚める。
その地震は並の地震ではなく、天地がひっくり返るような激しいものだった。
そして、地震が収まると、決まって天窓の遙か彼方、空の方でこんな声が聞こえるんだ。
「丁!」
「半!」
- 7 :
- 俺はいわく付きという家屋から少し離れた場所に、カメラを立てて見張って
いた。
とても住宅地とは思えない山林。
自者が好む樹海風な場所に、かつては流行もした白く四角いデザイン住宅
が建っていた。
キューブ宅が傾いているのは、地震か何かのせいだろうか。
一ヶ月がすぎ、軽装の女性が二人、キューブ宅を見つけた。
「ここよ、間違いないわ」
などと話し声が聞こえる。
女性達は少し話したり、住宅の前で記念撮影をした後、傾いたキューブの中
に足を踏み入れていった。
俺は生唾を飲んで、カメラのファインダーを覗く。
まもなく、家の中から、ゴトゴトとただならぬ物音、そして悲鳴が聞こえた。
そして、おそらく天窓からだろう。青空に向かって真っ赤な血飛沫が上がっ
た。
血飛沫に混じって、女性達の内臓みたいな肉の断片や、体の部位が吹っ飛び、
俺のカメラの目前に落ちてきた。
【ごちそうさまぁ〜】
人間の声帯から出たものとは違う、低すぎる声が空間全体に響く。
すまない。
俺は女性達に謝った。
この映像を撮りたいがために、ネットに都市伝説の話をばらまいたのは俺な
んだ。
明日の夜には、この映像が投稿動画サイトに上げられる。だがそれは、単な
る特撮映像として、他の映像に紛れて、削除もされず、埋もれていくだろう。
投稿動画サイトに上げられる怪奇映像の大半はフェイクだ。
だがそのおかげでおぞましい怪奇が生きながらえているのもまた……。
- 8 :
- カーサ・キューブのドアを開くと、中に一回り小さなカーサ・キューブが入っ
ていた。
またそのドアを開けると、また一段小さなカーサ・キューブが入っていた。
またまたそれのドアを開けると、更に小さなカーサ・キューブが入っていた。
まったくなんてマトリョーシカな住宅なんだ?
やがて手のひらほどのカーサ・キューブのドアを開けると、あの女の子が
飛び出てきた。
アリエッティが−−
- 9 :
- その家の前には、「店番」の小さな美少女が立っていた。
「いらっしゃいませ」
俺は入場料千円を払い、カーサ・キューブの壁にかけられた非常用のハシゴ
を登っていった。
ガルバリウム製の屋根を歩いて、天窓の一つにたどり着いた。
そこからのぞき込むと、一組の若い夫婦が激しい行為の真っ最中である。
この家の住人は、こうやって稼いで住宅ローンを返済しているらしい。
俺は屋根を降りると、先ほどの少女に囁いた。
「今度は君のひとりプレイが見たいな。今の三倍払うよ」
- 10 :
- なんとあのゲゲゲの鬼太郎親子が、大枚をはたいてカーサ・キューブを買っ
たそうだ!
しかし資金が足りなかったため、壁一枚まるまるヌリカベになっている!
スリットガラスも何枚か足りなくて、長方形の穴が開いているだけ。
おかげで一反木綿が出入りし放題だそうだ!
室内のあまりの白さに、目玉親父は目を悪くし、サングラスをかけて住んで
いる!
「おい鬼太郎。わしらの新居はちと失敗だったようじゃのう」
- 11 :
- 刑務官「堀江貴文! ここが貴様の入る場所だ」
堀江は白い四角い家に放り込まれた。
外から鍵がかけられ、開けることができない。
堀江「なんだよここは。中が真っ白じゃんか」
中には何も家具がなく、窓は細いスリットで抜け出すことはできない。
収監室にはぴったりの家だ。
堀江「しばらくここで暮らすことになるのか……」
堀江が広い吹き抜けを見上げると、大きなシーリングファンが回っていた。
天窓が何カ所かあるようだが、脚立でも無い限り登ることはできない。
それは堀江貴文専用に作られた刑務所内のカーサ・キューブ第一号であった。
- 12 :
- (事件発生。出動レベル《急》。全員出動せよ。繰り返す)
突然、カーサ・キューブの壁が外れた。
前、後ろ、左右、そして天井までも。
バラバラに離れて、そして変形してゆく。
それぞれ人格を持った、ロボットに。
ロボットのうちの数体は翼を生やし、その他の数体は車輪を取り出して、
現場へと直行していく。
後に取り残されたのは、そこの住民である若夫婦だ。
「なんでこんな時に出動するんだよ?!」
「変形する家なんて買うんじゃなかったわ。これじゃあ政府の補助金だけ
では割りに合わないわ!」
二人はの真っ最中だった。
- 13 :
- 俺はなけなしの金をはたいて、キューブ型の住宅を買った。
俺のは縦が200センチ、横が50センチ、高さが40センチの白い箱だ。
そこにはトイレもキッチンも風呂もない。
電気も水道も何もない。
ただ俺の体だけが入れる真っ暗で小さな箱だった。
ちょうど顔の位置にある天窓から、悲しそうに中をのぞき込む親戚たちの顔
が見えた。
- 14 :
- ちょwww悲しす…
- 15 :
- 若手女優の草柳知子は30代ちょい手前で念願のマイホームを手に入れた。
カーサ・キューブと命名された四角四面のデザイン住宅だ。
「あー、いいわねぇ、新築って。なんだかスタンリー・キューブリックのSF
映画みたい」
施工完了、引き渡しが完了してから三ヶ月経った頃だろうか。
午前八時に〈それ〉は起きた。
「あれ、開かない。ドアが開かないよ」
撮影所へ出勤しようとした草柳知子は、玄関のドアが彼女の外出を頑とし
て受け付けないことに焦った。
「ひどいよ。何この欠陥住宅」
草柳知子はすぐに、施工会社のオムニホームに電話した。
『おはよう、草柳さん、ちょうど電話が来る頃だと思ってました』
副社長の城島の声がした。なんだか受話器の向こうで含み笑いをしている
ような雰囲気が漏れてくる。
「城島さん、ひどいじゃない。撮影所に行きたいのにドアが開かなくなって
るじゃないですか!」
城島はわびる気配もなく、鋭く言い放った。
『ひどい? ひどいのはあなたのほうでしょう草柳さん』
「えっ?」
『あなたはその家の、残金をまだ払っていませんよね。確かローンは組まず
にキャッシュで支払っていただくことになっています』
「あ……あーっ!」
忘れてた。残り500万円。まだ入金してなかった。
『おっと、今からすぐ入金すると言ってもダメですよ。あなたは逃亡の恐れ
がある。よってそのカーサ・キューブからは出られません』
「そんな、でも外に出ないと入金も何もできないわ。何とかしてよ」
『何とかはしますよ。まずあなたには、1日3食、オムニグループから食事が
配達されます。食事は横のスリット窓から差し入れます。ダイエット食なの
でご安心を』
「ひどい。なんかここ刑務所みたいだわ」
『勘が鋭いようですね。我々オムニグループはゆくゆくは刑務所も経営して
いく予定です。実はカーサ・キューブは刑務所のサンプルでもあるんです』
草柳知子はなんとか冷静さを保とうと深呼吸を繰り返した後、
「食事を含めてライフラインが確保されているのはわかったわ。でもそれだ
けじゃ500万の支払いができないようだけど」
『心配ご無用。あなたは自宅で仕事をしていただきます』
ふいに、あらぬ方向から音がした。草柳知子が背を向けているほうのスリット
窓を叩く音がした。
草柳知子が振り返ると、トレンチコートを着た男が薄ら笑いを浮かべて
立っていた。
男は指で、知子にこちらに来るように合図をする。
「なによ。気持ち悪いわね……」
男はコートの前を開けた。その下は何も着ておらず、知子は男のを目
の当たりにしてしまった。
「きゃ、!」
『呼ばわりはひどいな。それはあなたの大事なお客さんですよ』
「何を言っているの?」
『あなたは今日からここで風俗の仕事をしていただきます。営業時間は昼の
12時から深夜0時まで。その間、ネットで募集をかけた男達がカーサ・
キューブのスリット窓からいきり立ったモノを差し入れてきます。あなたは
窓を開けて、それらを一本残らす扱いてスッキリさせてあげて下さい。なあ
に、客は室内には絶対入れませんから、あなたの身の安全は守られています。
この家は防犯は完璧なんですよ』
こうして草柳知子は自宅待機のハンドサービス嬢となり、マイホームの残
金と食事代の支払いに勤しむことになったのである。
このことは女優・草柳知子の黒歴史として後々まで語り継がれることと
なった。
- 16 :11/11/27
- カーサ・キューブのモデルルームを見にいったら――驚いた。
中にエレベーターがあるのだ、円筒形の。
「乗ってみますか?」
営業の女が意味ありげに笑う。あきらかに裏がありそうな目つきだ。
だが俺は女の美貌に負けて、彼女とともにエレベーターに乗り込んだ。
「一体、どこまで続いているんだ? もう十分以上上昇しているぞ」
「これ実は軌道エレベーターなんですよ。大気圏スレスレまで上ります」
「なんだって?」
「最上階には、カーサ・キューブの本当のモデルルームが建って、いえ浮い
ています。眺めは抜群ですよ。毎日ガガーリンの名台詞をつぶやけますから」
「なんでそんなものを作ったんだ?」
「カーサ・キューブの気密性を売るためのパフォーマンス、とでも言えばい
いのでしょうか。最上階についても、決して外に空気は漏れませんし、放射
能、紫外線その他も入ってきません。安心してくださいな」
安心――できるかよ!
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