2011年10月1期創作発表み、右の眼球がー! TOP カテ一覧 スレ一覧 削除依頼

み、右の眼球がー!


1 :11/09/20 〜 最終レス :11/10/11
右の眼球から発する悪魔的な刺激に俺は悶絶している。おそらく闇世界の帝王、ダークネスビガンジに定期報告でもしているのであろう。
ぐはっ!
それにしても、なんと悪魔的な痛みだろうか。常人であれば三秒も持たない。俺並の精神力があればこそ耐えうる死と隣合わせのギリギリな痛み。
「おい、右の目玉よ?これ以上この俺様に執拗な痛みを与えるならば、目玉焼きにしてくれようぞ?」
脅しの効果はてきめんであった。右の眼球はあっさり定期報告を辞め、大人しく深い眠りについた様である。

2 :
「なんなのあいつ?さっきから目押さえながらブツブツいってる。まじきもいんですけどー」
「あー、佐々木陽介でしょ?あいつ頭イかれてるよねー?キッモー」
「・・・」
昔はもっと明るくて、優しくて、面白くてなんでも知ってた。そんな陽介が、いまは見る影もない。どうしてこうなったのだろう?幼馴染の私にさえ、陽介の態度はよそよそしくなった。最近では誰かと親しく話している所も見た事がない。

3 :
俺は更なる身体の異常を敏感に察知した。俺の身体は闇世界の帝王、ダークネスビガンジに支配されつつあるのだ。
「ちっ!今度は何だ!」
思わず声も、漏れる。左の手の甲の静脈がピクピクしている。まずい!これはダークネスビガンジの手下であるダークデストロイが近づいている合図だ。

4 :
俺は直ぐに辺りを見渡した。まだ、ダークデストロイは教室には入ってきてはいないようだ。どうする、考えろ!このクラスメイト30名を無事救う方法を・・・
ふと、周りの声が聞こえて来た。
「何、あいつ?キョロキョロしやがって、マジキモい。」
「てか、いつも一人じゃね?」
「ぎゃはは!友達いねーんだよ!決まってんべ!」
ふん、辞めた。こいつら全部ダークデストロイにられてしまえ。マチと目が合った。直ぐに反らす。マチは、マチだけは、救いたい。そう思う。

5 :
「町子、カラオケいくっしょ?」
今、陽介と一瞬だけど目があった。すぐに目をそらされたのは、やっぱり私の事が嫌いだからだろうか?
「おーい、町子!聞こえてますかぁ?って、何?赤松の事見てた?えー!町子、赤松の事すきなんだ?」
「ち、ちがう!別に赤松君の事見てたわけじゃないし!」
赤松隆と目が合い、微笑まれた。ああいう自意識過剰な男はあまり好意が持てない。

6 :
「あー、町子顔真っ赤だよー」
「あ、本当だー!ちょー可愛いんですけどー!」
こういう時、赤面症ってのは本当に不利だ。私としては、単純に注目されて恥ずかしいだけなのに、変な誤解をされやすい。ふと気になって、陽介の方を見ると別段興味なさげに窓の外を見ていた。少し安堵し、少し胸が痛む。
「分かったわ!初々しい町子の為だ!この安藤小鳥、一肌脱ぎ脱ぎしちゃうわ。」
「え?」
小鳥は口も回るが、それ以上に行動力が凄まじい。赤松の席に向かうと既になにか話をしている。

7 :
「良かったね、町子?小鳥の奴、赤松誘う気だよ?」
まずい、このままではこの2人に流されるまま赤松とつきあう事になりかねない。
「雪!違う、違うから!私別に赤松好きじゃない!」
思いがけない私の大きな声に、目の前の佐原雪は目を見開き、直ぐに微笑んだ。
「そうなの?町子、ごめんね。早とちりしてたよ。」
そういうと、雪は大声で小鳥に叫んだ。
「小鳥ーあんたの勘違いだよ。町子、別に赤松の事好きじゃないってさー」
「えー!マジ?そうなんだぁ、ごめん町子ー、マジ許してよ。て事だから赤松ごめん。勘違い」
なにもそんなに大声で言わなくても良いのに、私の顔はまた熱くなる。
「町子ー。あんだけ大声で叫べば誤解も解けるよね?いるんでしょ?このクラスに好きな奴。」
そういって微笑む雪の頭に軽くチョップをする。陽介を見ると、まだ、外を見ていた

8 :
左手の甲の静脈がいよいよ激しく脈を打つ。俺の身体の中心から警告音が絶え間なく響く。窓の外を伺う。大丈夫、まだ奴はいない。
「おーい、町子!聞こえてますかぁ?って、何?赤松の事見てた?えー!町子、赤松の事すきなんだ?」
思わずマチを見る。顔が赤く染まっている。そうか、マチは赤松の事が好きなのか。
視界がボヤける中、校門に立つ喪服姿の大男を見つけた。定まらない思考の中、一つだけはっきりと理解できたのは、ダークデストロイがやって来たと言う事だけだった

9 :
三年前、俺はいつもの様に学校帰りに友達とゲームセンターで遊んでいた。もっとも俺は格ゲーのセンスがなく、いつも友達がボタンを押す手の動きを眺めているだけだった。
「お?こいつツエー」
中野が格ゲーで負けている所を見た事がなかったので、気になって、対戦相手を観察してみる。
反対側の機械に座っている男は、全身黒づくめのスーツに黒いネクタイをしている。葬式帰りなのだろうか。
「うわ、負けた。」
中野の画面にはYOU LOSEの文字。
「中野が負けるの初めて見たかも」
「そうか?てか、相手マジつえーわ。どんな奴はだった?」
「ん?あー喪服で・・・」
喪服の男は既にいなかった。見渡してもゲーセン内にはもういない。
「帰るべ」
「あ、ああ」
外は雨が降っていて走って帰ったのを覚えている。

10 :
中野と別れた後、雨が激しさを増したので、傘を持たないおれはコンビニで雨宿りをする事にした。
「傘が欲しくないか?」
雑談を立ち読みしていると、隣から声を掛けられた。店員かと思って見ると、小太りで変な柄T着たおっさんだった。
「は?え、何ですか?」
「傘が欲しくないか?と聞いている」
外を見ると、いよいよ本格的に雨が降っていてやみそうもない。かと言ってビニール傘を買うのも勿体無い気がする。
「いや、別に・・・」
「いや、傘が必要になる。悪魔から身を護るための、な?」
そう言うと少し照れた様にかおを赤らめた。何こいつ、本気で気色悪い。

11 :
面白そうだ、続きを待つ

12 :
露骨に嫌な顔をして雑談に視線を戻すと、おっさんに雑談を取り上げられた。
「え?」
マガジンラックから別の雑談を手に取る。こういう危ないおっさんには関わらない方が良い。
また、雑談を取り上げられた。
「え?」
「なんすか?」
関わりたくはないが、無視するとまた雑誌を取られそうなので、話しかける事にする。
「へえ?君こういうグラビア好きなんだぁ?いがいかもー」
「はあ?」
一体このおっさんは何者なのだろうか。ここまで気持ちの悪い人間が実在するとは、俺はまだ世の中を知らな過ぎたのかもしれない。
「ふーん」
おっさんは表紙のグラビアを食い入るように見入っている。何してんだこいつ、ばいいのに。

13 :
期待

14 :
「おっと、すまない。自己紹介が遅れた。我が名はダークネスビガンジ、闇世界の帝王である。」
う、うわぁ。まじかよこいつ、マジもんの中二病患者だよ。いたぁ。ペロちゃんのTシャツ着てる小太りのおっさんで、更に中二病患ってるてどんだけ重度なんだよ、欲張り過ぎだろ自重しろ。いやいやいや、これはキツイ。こんなになりたくないわぁ。

15 :
俺はひどく落ち込んだ。この目の前のおっさんが、とても哀れに思えたからだ。たぶん、小学生の頃のあだ名は、濡れ雑巾とかそんなんだ。友達なんか1人もいなくて、昼休みはトイレにこもってひたすら、トイレットペーパーをひっぱってたりしてたんだろう。
で、生徒会かなんかがトイレットペーパーの減り方が異常な事に気が付いて、極秘調査に乗り出して、濡れ雑巾の仕業だって事が全クラスにバレて、結局居辛くなって不登校とかそんなだろう。
そんな、歪な青春を過ごした末がこれなんだろうと思うと、無性に悲しくなってきた。

16 :11/10/11
test

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