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2011年10月1期創作発表非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part24 TOP カテ一覧 スレ一覧 削除依頼

非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part24


1 :11/11/10 〜 最終レス :11/11/28
1999年刑行された小説「バトル・ロワイアル」
現在、様々な板で行われている通称「パロロワ」はリレー小説の形をとっておりますが
この企画では非リレーの形で進めていきます。
基本ルール
・書き手はトリップ必須です。
・作品投下前の登場キャラクター、登場人数、主催者、舞台などの発表は書き手におまかせです。
・作品投下前と投下後にはその意思表示をお願いします。
・非リレーなので全ての内容を決めるのは書き手。ロワに準ずるSSであればどのような形式、展開であろうと問いません。
・非リレーの良さを出すための、ルール改変は可能です。
・誰が、どんなロワでも書いてよし!を合言葉にしましょう。
・「〜ロワイアル」とつけるようになっています。
  〜氏のロワは面白いでは、少し話題が振りにくいのでAロワ、Bロワなんでもいいのでロワ名をつけてもらえると助かります。
・完結は3日後だろうが5年後だろうが私は一向に構わんッッッ!!
前スレ
非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part23
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1316437302/
非リレー型バトルロワイアルwiki
ttp://www26.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1.html

2 :
>>1
スレ立て乙です

3 :
スレ立て乙です。

4 :
スレ立て乙です!
新スレ最初で恐縮ですが四字熟語ロワ09話投下します
それと、最近投下されたssへの短い感想をしたらばに投下しましたー

5 :

 仮想ショッピングセンター、娯楽施設。
 一望千里の一件(03)以降、しばらく屋上(04)や駐車場(06・07)、
 あるいは施設の外壁(05)などに行っていた視点が再び施設内に戻ってきたこの機会に、
 この施設の全容について語っておこうと思う。
 娯楽施設は9マスに分けられたこの世界のうち、北東の3つのエリア、
 B-1、C-1、C-2にまたがるように、ずでんと大きく建っている。
 2階建て、屋上駐車場あり。1階→2階の移動は階段かエスカレーターで、施設の各所にある。
 屋上駐車場と2階を結ぶのは全てエスカレーターで、1エリアにつき1つある。
 施設内は商店街を建物化して二段にしたような造りで、
 買い物客は中央の広い通路を主に通り、両サイドに並ぶ様々なお店を回ることでショッピングを楽しむ。
 疲れて休みたくなったら、ところどころに配置されているソファーやベンチで休んだり。
 フードコートへ行っておしゃれにデザートタイムとしてもいい。
 もちろん娯楽施設の名前通りゲームセンターもあるから、し合いに疲れた参加者はここで遊ぶのもいいかもしれない。
 まあぶっちゃけイ○ンである。分かる人にはわかる。
 
 入っているお店は飲食店、デザート屋などの食べ物系と、男性もの女性ものの服屋や、靴屋。
 またアクセサリーショップなどもあるが、ほとんどの店にあるものはし合いに全く役立たない。
 出来ることはといえば、普通のスーパーのような食材コーナーがある一角で食料を調達するか、
 破顔一笑のように飲食店に入ってそれを行うかの、食べもの入手の行動が一つ。
 C-2にある薬局や、B-1の総合ショッピングエリアには治療薬が一応置いてあるので、
 そこで治療に使う道具を調達することもできる。
 武器の調達という面で見れば、飲食店を巡れば恐らく包丁などが飽きるほどあるはずだ。
 また、楽器店やスポーツ用品店はあるようなので、そこで殴るものくらいなら手に入ると思う。
「だけどま、今はそれより洋服かねぇ。軽妙洒脱の名を負う者として、だぼだぼのパジャマってのはさすがにな」
 そんな娯楽施設の、位置にしてC-1エリア一階にある紳士服屋で愚痴を呟く男が一人。
 姿見の前に立ちながら蝶ネクタイを絞め、ようやく身支度を整え終わったらしい男の名前は軽妙洒脱といった。
 ぴしっとしたクリーム色のスーツを身に着け、どこから調達してきたのかクシを使って髪を整えている。
 ただし整えるほどの髪は……げふんげふん。
「しかしなんだ、こうしてみれば僕もまだまだ若いじゃあないか。
 人間、何度かある人生の転機を迎えるたびに老けていくというけれども、いざし合うとなると若返らざるを得ないのかもしれん。
 目がギラギラして仕方ありゃしない。後でまた薬局に行って、目薬でも貰ってこようかね」
 身体は資本、時は金なり。
 だよねぇ、と軽妙洒脱は独り言、言葉を宙に空回りさせる。
 休日に家で着ていただぼだぼパジャマの姿のままこの娯楽施設に連れてこられてしまった彼が覚えていることは二つ。
 一つ、いろいろあって場末の小さなバーで、ウエイター兼ショー芸人をやっていたこと。
 二つ、自分はこれまでの人生において……敗北者であった、ということ。
「さて。せっかくの”転機”だ。ここから僕も、”勝てる”ようになるといいけどねぇ

6 :

 店にもう用はない。じゃらり、と重くなったデイパックを持ち上げる。
 軽妙洒脱はし合いの開始から今までの間、静かに娯楽施設の中を回って色々なものを集めた。
 ハンバーガーショップや飲食店を回って包丁を二振り、フライパンを一つ。
 楽器屋で笛やシンバルなどショーに使えそうなものをなんとなく。
 スポーツ用品店からは、学生時代にやっていた野球を思い出してしまったためにか、金属バットを一つ。
 また薬局や食品売り場にも赴いて、少なくとも二日分の食糧と怪我のフォローは出来るようにしておいた。
 途中、ゲームセンターで先手必勝という青年に出会ってしまったときは心底背筋が震えたが、
 見かけ好青年な彼は第一放送終了まで荒事を起こさないことにしているらしく、エアホッケーのゲームに付き合わされるだけで済んだ。
 放送の後。残り十二人になったとき彼がどんな行動を起こすのかは知らない。
 でも、とても自信満々な顔で銀縁メガネをくいっと上げるあの仕草は、
 軽妙洒脱にはとてもできない”勝ち組”のオーラを纏っていた。
「はあ。あの子はきっと、まだ人生で”負け”ってもんを経験してないんだろうねぇ。
 ま、だから若人は強いんだけど。嫉妬しちゃうなあ」
 そういえばエアホッケーのゲームでも、つい熱中して三セットくらい行ったのだが完膚なきまでに全敗だった。
 もやもやとした、漠然とした”負け”が多くなる三十代の自分にとっては、久々のすがすがしい負けだったようにも思う。
 次会うことがあったらまた……そう言って彼とは別れ、すっかり忘れていた身だしなみを整えようとこの紳士服店に来たが、
 本当はもっと、ああやって遊んでいたかった。
「でもまあ。ここはし合いの場だしね」
 店を出る。
 さて、とりあえずの最善の行動だけをとってきた軽妙洒脱だったが、いよいよ行く当てがなくなってしまった。
 いや……もう一度薬局に行って、目薬を取っていくんだったか。
 まだ痴呆になるには早い歳だと思っていたのに、さっき言ったことすら忘れるとなるといよいよ注意すべきなのかもしれない。
 と。
 C-2に向かって一歩を踏み出そうとした軽妙洒脱は――視界の端に、黒い何かを捕らえた。
「ん」
 ぱっと首だけ振って確認すると、そこにあったのは機械のようなものだった。
 黒いフォルムの円盤のようなもの。出入り口と中央通路の交差点にある広間のような場所に、ちょんと転がっている。
 まるで誰かの落し物のように。
 ぽーんと投げたらそこに落ちてしまったかのような、ある種の必然性を感じるそれは、軽妙洒脱に妙な予感をさせた。
 拾いにいかなければいけない。あれを、自分は拾う義務がある。
 漠然としたそんな感情に突き動かされるようにして、一応周りに気を付けながらゆっくりと歩いていき、取る。
 するとそれは……最後の力を振り絞るようにして、伏せられていた画面を、”ぴこん”と光らせた。
 点が――二つ。レーダーのような画面に映って、消えて。もうその機械は動かなくなった。
「……?」
 一瞬疑問に思った軽妙洒脱はしかしすぐに思い至る。漁船が魚の影をレーダーに表すように、
 この機械は参加者の位置を映し出すのではないか、と。
 つまり、点が二つ映ったということは、
 このすぐ近くに誰か参加者が居るということを表しているのではないか?

7 :

 そう思って軽妙洒脱は辺りを見回す。すると広間から二階に行く階段、中央階段の後ろ側に足があった。
 靴と黒のニーソックスを履いた足が、床に。
 ぴくりとも動かずに、投げ出されていた。
「おいおい?」
 慌てて駆け寄った軽妙洒脱が見たのは、凄惨な光景だった。
 黒髪を長く伸ばしたその少女には――”顔”と呼べる場所が無くなっていた。
 階段から落ちたあと無意識のうちにその場をのたうちまわったのか、階段の数か所と近くの床の大部分は血で汚れていて、
 その血さえもう止まっているものの、誰がどんな魔法を使ったらこうなるのかという風に、少女の顔は……破れてしまっていた。
 目も。鼻も。口さえもどこにあるのか分からない。
 ただ、赤黒い肉を露出させて。すでに嵌っているパーツを無理やり人間福笑いとして遊んだあとのような、
 あるいは、顔に人的な泡立てミキサーを当ててひたすらかき回したような、
 そんなレベルの混沌が――混沌として恥じないような堂々さで、彼女の元の顔を分からなくしていた。
 しかしまだ、生きているようだった。
 気絶しているだけで……少女の元・口にあたるだろう切れ込みのような部分はしっかりと息を吸い込んでは吐いていたし、
 顔から垂れた血を点々と付けている制服の腹部も上下している。
 少女、一望千里は、まだ生きていた。
 ……それを見て軽妙洒脱は、何かを諦めたような表情でデイパックを開き、中身を漁りだす。
 少し迷った後、長い包丁を一つ取り出すと彼は言う。
「さて。すものと、さないもの。”勝ち組”はいったい、どっちなんだろうね?」
  
【C-1/娯楽施設一階・中央階段】
【一望千里/女子高生】
【状態】顔面崩壊、気絶
【装備】なし
【持ち物】なし
【ルール能力】会場全体を透視できる(使用不可)
【スタンス】気絶のため不明
【軽妙洒脱/ショー芸人】
【状態】健康
【装備】包丁
【持ち物】基本支給品、壊れたレーダー、包丁、二日分の食糧、
     ショーに使えそうな楽器、金属バット、フライパン
【ルール能力】不明
【スタンス】人生、勝てるように。

8 :
投下終了。キャラの掘り下げを次の話にふっ飛ばすこのやり方、
話は早く進むんですが……いつかしわ寄せがきそうです
あと、10話+合計100kb突破はこの話でした。見て頂いてる方いましたらありがとうございます。
次回の登場人物は切磋琢磨、一刀両断、紆余曲折、破顔一笑の予定。

9 :
スレ立て乙です。
そして投下お疲れ様です。
改めて顔面崩壊って怖……
まあなんてわけで数だけロワ投下します。
題名:貫き通す副会長

10 :

〜一〜
「おかしなはなし」
目の前で無いような胸を張って特別名言でもないただの愚痴を発するのはさっき初めて知った女の子だ。
そんな女の子の愚痴に俺は同意する。
俺自身、心当たりが無いとは言い切らんがこんな目に遭う理由が分かんねえ。
世の中、いつからこんなにも無秩序になっちまったんだ。
「共同生活」を強要させられるわ。
「戮実験」を無理強いされるわ。
「性的行為」を見せつけられるわ。
まあなんにせよこの一時間を振り返ってみれば、酷いありさまだった。
昔、会長と初めては良いものだ、とか語りあった気がするが、ものによるってことが十二分知る羽目となった。
俺はこんな初めてはいらない。
少なからず、平和で終わるはずであった俺のハーレム物語。
【生徒会の一存シリーズ】においてそんな異質なストーリーはいらなかった。
例え吊り橋効果で俺の好感度が急上昇しようが、俺はそんなストーリーは経験したくない。
この俺。
杉崎鍵は、語り部であり執筆者である。
故に本来であれば、俺はこの物語が【完結】したときに語るべきなのであるのだが、
ところがどっこい、俺はこの物語の起承転結の内容が全くもって分からない。
もしかしたら俺は直ぐに死ぬべきところなのかもしれないし、案外ちゃっかり最後まで生き残っているかもしれない。
それならそうで一向として構わないんだが、生涯俺はこの物語を執筆しようだなんて思えなかった。
当たり前だろう。
なにせ俺のハーレムメンバーの動向が分からないうえに、死ぬかもしれないんだぜ?
語るわけないだろ。
それでも尚、語ろうだなんていうイカレタ奴がいれば俺はそいつをぶん殴る。
きっとそんな奴は【DEAD OR LIVE】だなんてカッコつけた変な奴だろうからな!
さて、話の腰を折ってしまった。
ともあれ俺はこの展開を潰してやる。
会長も、知弦さんも、深夏も、真冬ちゃんも―――。
みんな、死なせはしない。
守るんだ―――――俺が。
ハッピーエンドで終わらすんだ。
決めたぞ。
この物語の最後の文は会長に倣って幼く行こう。
それでいい。
みんなの受けを期待するストーリーじゃないんだ、今回は。
出版する訳じゃない。
執筆する為じゃない。
今回は富士見ファン○ジア文庫のみなさまはお休みだ
こんなの提出できるわけないしな。
さあ、では始めようか。
俺のハーレム物語から分岐したルート攻略を。
そして、最後はこれで飾るんだ。
では――――――。
『めでたし、めでたし』

11 :

〜二〜
というわけで、時間の巻き戻し。ていうか回想。
今の俺にある語り部技術はほとんど無いからな。
このぐらいは使ってもいいだろ。
「―――――――――はあ」
ということで開幕早々俺が吐いた言葉と言えば溜息だった。
そりゃ出るさ、溜息の一つぐらい。
……こんな目に遭えば。
共同生活――――か。
とんだおまけもなけりゃ美少女もいるだろうし(少なくとも四人)、喜んで受け入れたけど――――こりゃ駄目だろ。
はっきり言ってイカレテやがる。
正気の沙汰じゃあねえよな。
「……それによ」
隠れながら、ある場面を見つめる。
変なオッサンと、少女が性的な意味で交わっている場面を。
「――――ああもうダメダメ、あんなんダメだって」
自分で見ておいてなんだが赤面してしまう。
―――言っておくけどね。
いっつもあんな事言ってるけどな、俺はああいうのに耐性ないんだぞ。
エロゲもそういう場面はスキップさせてるし。
「…………」
さて、とは言ったところでどうするべきかなあ。
「アーッ!」なんて悲鳴が聞こえたから駆けつけてみたらこの有様。
神様許してください。俺のライフポイントはもう零です。
そうはいっても女の子の方が嫌々そうなのはひしひしと伝わってくる。
なんか諦めている節が見受けられるけど……。
けど――――ここで快楽に溺れている訳じゃあやはりなさそうだな。
「なら、どうするべきかなあ」
俺は呟く。
――――が、本当は既にやることは決めたりする。
何って? そりゃあ女の子を救うんだよ。
俺はし合いとやらには乗らない。
―――勿論のこと願いとやらが気にならない訳じゃないし、出来る限り会長たちが脱出できる為に動きたい。
だが、その為に主人公が落ちてちゃあ――――わけねえよな。
俺が堕ちたら、物語はバッドエンドに変わってしまう。
少なくとも会長達は――――悲しむから。
悲しむから―――俺はいつも通りにいなければ。

12 :
女の子に優しいヒーローの様な俺で。
そんなことを考えていた時だった。
「…………貴方は、あの人をどうするの」
「俺はこれからあの野郎をとっちめに―――――ってうわっ!」
気が付くと自然に俺の隣には美少女がいた。。
銀髪をなびかせながら、琥珀色の瞳をこちらに向けて。
薄茶色、もしくはクリーム色のブレザーに焦げ茶色のスカートをはいた一人の少女。
別に俺にどこぞのZ戦士の如く気配を読むことは流石に無理だけど、だからといって気を抜いていた訳ではなかった。
だから、さすがにここまで近づかれていると気付く者だけどな………。どうやって近づいてきたんだろうか。
「あたしの名前はかなで。立華かなで」
かなでちゃんと名乗った少女は、俺の顔を見る。
―――――ああ、成程、俺が名乗って無かったな。
「お、おう。俺は杉崎鍵だ。―――――もしよかったら結婚を前提に付き合ってくれ。絶対幸せにするから」
これは俺をどんな時でも維持するにはやはり欠かせない。
――――俺はいつも通りでいかなければ………。
「?」
いや、そこで首を傾げられても。
………この子はツッコミじゃないのか―――――って、んなことよりも!
「………お、おい、かなでちゃん! 今はそんなこといってる場合じゃ―――」
と、言いつつ俺はかなでちゃんのいたほうを見る。
だけど誰もいなかった。
「て、えっ!?」
辺りを見渡す。
すると背後に振り返った時、彼女の姿を発見した。
いつの間にかあの現場に向かっている。
「ちょっと―――――」
俺を制止の言葉を掛けようとしたが、
よくあるドラマのように右手を肩の高さまで上げて、逆に俺に制止の合図を出す。
「ここは――――任せて」
すると、俺が言葉を返す暇もなく彼女は既に駆け出していた。
はっきり言って、描写するほど、俺はその光景を目視できなかった。
次の瞬間、俺の視界に映っていたものとは………。

13 :

〜三〜
「いだっ、いだだだだだ、ギブギブギブッッ」
生憎俺には何ていうのか分かんないけど、よくある刑事もののドラマなんかでよく見かける、
相手の背中に跨って手を固定させる――――多分亀甲縛り的なものを縄で締めてないけどそんな感じをイメージしていただければ多分分かるんじゃね?
あ、言っておくけれど幾ら「亀甲縛り」って言葉が分かんなくたってウィキ○ペディアとかで調べちゃだめだぜ! お兄さんとの約束だよ!
っつーかさ。それも大概なんだけど。
「…………はあ、かなでちゃん。――――あんたどうやってここまで来たんだよ………」
不思議だった。
そりゃそうもなるだろ、いきなり消えちゃたんだから。
「はっ! もしかしてかなでちゃんはヤードラット星人からの使者だったのか!」
「…………?」
かなでちゃんは、こちらを向かないが、それでも首を可愛らしく傾げていた。
………むう、かなでちゃんはあまりそっち方面は嗜まないのかな……。だったら俺はいったいどうやってキャラを見出せと言うのだろう。
ま、それも置いといて……。
「………さて、そこのお嬢ちゃん。お怪我はないかな?」
「―――――実際やられるとくりむ達の気持ちも分からなくもねぇな……」
「ん? なんか言ったか」
「いや、何でもない。――――。一応礼を言っておくよ。この野郎から救ってくれてありがとう、お二人さん。
 俺の名前は◆VxAX.uhVsM。Vxとでも呼んでくれたらいいよ。―――――なんかむずかゆいけど二人の名前は何かな」
「立華かなで」
「俺は杉崎鍵だ。――――ま、名前の件については触れないでおくよ」
それにしても、えらくボーイッシュな子だ。
深夏もボーイッシュなのだが、それとはまた一味違う感じ。声がハスキーボイスだからかな。
「ねえ」
と、隣にいたかなでちゃんがどういう力が働いてるのか、片手で大の大人を固定させたまま、俺のズボンの裾を引っ張る。
「ん? どうしたの。かなでちゃん」
「この人、どうすればいいの?」
「…………えーとねえ」
くそっ、これが噂に聞く天然と言う奴か!
恐ろしいぜ、恐ろしすぎるぜ! く、くぅ。こんなの後先考えてから行動しろ、とか言えねえじゃないか!
まあ………そうだな。
「とりあえず、一旦行動を不能にさせとけば……」
そんな事を言っていた最中。

14 :
ガサガサと音が響いた。
「………とりあえず、その話は後にしよっか」
人が来たのは明らかだった。
だから、暢気に話をしている場合ではない。
「あ、そうだ。――――これ」
と、Vxさんがの腰のあたりを弄って………とある銃を取り出した。
そしてVxさんは――――構える。
勿論、人に銃を平気で向けているという行為に抵抗を覚えない訳でもないが、
確かにここは――――異常事態。この男のような外道かもしれない。それによりにもよって一番最初に出遭った男がこのだ。
………さすがに過剰反応とは言い難かった。
ガサッ
その音を最後に、人影が現れた。
見た目20代の金髪ショート。白衣を着た女性がそこには―――いた。
〜四〜
「あ、あのぉ……」
おどおどとした調子で、その成人女性は登場した。
見た目、特別武装をしているようには見えない。
―――――ただ、かなでちゃんの超人的なにかを見せつけられたあとじゃ油断は。
余談だが、あのは既に抗う気は失せ、潰れている。
「――――――――――あなたは?」
だがやはり黙ったままに行かず、沈黙に耐えきれなくなった俺は恐る恐る聞いてみた。
かなでちゃんは、あのを捕らえたままなので腰を下げているけど、Vxさんは銃を構えているままだ。
……いざとなってもこちらの優勢には変わりないと思うし、まだ焦る場面ではない。
「私は浅井うららよ。とある学校で保健医をやっていたんだけど」
「………し合いには?」
「――――乗ってないよ。できれば妹であるきららとさららを探したいところ」
と、ここまでは中々順調だったんだがとあるが空気を壊した。
「はっ、そんなの信用できるかよ。ほら、信用して欲しかったらそのバックをこっちよこして服でも脱いで武装はしてないって証明して見やがれ」
空気が固まる音がした。
伏せていた顔をうららさんに向けて。
あのが、空気を壊した。
「………………」
Vxさんが奇妙な、むしろ不気味な笑顔をしたかと思ったらあのの足を思い切り踏んづける。
「……チィ、てめぇさっきあんなに気持ち良くしてやったのにそんな態度をとるのかよ」
「俺はてめぇなんかに媚声の一つ上げてねえよっ!」
「ァアッ!?」

15 :
「…………ったく、俺が創っておいてなんだがてめぇはいつもそんなんなのかよ」
「創ったってんだよ。てめぇは俺の母親か」
そんなよくわからない応酬を繰り広げている間、
かなでちゃんは律義にを捕らえたまんまだった。
で、うららさんはという―――――と?
「あ、脱ぎ終わったよー」
「うわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
脱いでたっ!
なんか脱いでた!
なんだっ!?
ここには俺も含めしかいないのか!?
どうしてこうなった。 もうやだこの国!
こんな時俺はどうするべきか。
―――――そんなの決まっているだろ。
「――――かなでちゃん、Vxさん。逃げるぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
逃走だった。
かなでちゃんも、無表情の裏で怪訝さが窺えて、俺の言葉にも素直に聞いて。
あのを解き放つこととなったが、俺の方へ向ってきてくれた。
最後に、Vxさんが、あちら側に拳銃を向けながら、こちらへ少しづつ逃走して着て、
ある程度距離を取り、振り返ると。それと同時に全力でこの場を去った。
〜五〜
どんよりとした曇り空の元。
さも健全な運動をしているかのような爽やかな汗を掻きながら、随分と根慣れた様子で行為をしている。
行為。この場合は性行為のことを指し、子作りだのなんだのとかいう話ではなく、純粋に快楽を得るために性行為を行う男女の姿がそこにはあった。
強姦魔と保健医。
そんな二人の、醜い、されど麗しく。
犯した人間など数知れず、そんな快楽など幾度もなく味わってきた。
だから、止められない。
のように、病みつきになってしまった。
強姦魔は犯しているというスリルも極まり。
保健医は犯されるというイマジンが重なり。
結果的に、二人のボルテージは最高潮へと達する。
声が、漏れる。
男の指が、女の密を掻きまわす。
同時に沁み渡る快感。

16 :
次いで響き渡る媚声。
そこに言葉はいらない。
そこに思考はいらない。
らに、乱れて。
あらぬ甲高い声が、この場を支配する。
互いに何を言わずとも、やりたいこと。正しくはヤりたいことが理解できた。
そう言う意味では、杉崎鍵の指示は正しいものであり逃げて正解である。
声にならない声。
熱い吐息。
発情する思い。
事は進み、発展する。
互いの性器を合わせる。
瞬間、歪な音が鼓膜を支配した。
ねっとりと。もしくはじっとりと絡まりつき、纏わりつき。
瑞々しい女性の肌と、少し荒れた男性の肌が、重なりあう。
白濁した液が、混ざり合う。
卑しく厭らしい音が二人の間で響きわたる。
懸命に腰を振る。
己の快楽を得るために。
乱な奴らどもは、今日も今日とで――――変わらなかった。
【一日目/深夜/H-8 住宅街】
【長谷川裕治@他の書き手様のオリキャラ】
[状態]快楽、裸
[装備]
[道具]
[思考]
基本:優勝はしたい。女は気に入ったら奴隷にし、気に入らなかったらす
1:この女と交わる。
2:準備をする。
[備考]
※どのバトルロワイアルにも参加してない時系列からの参戦です
※性欲に制限はなかったようです
※近くに服とディパックを放り投げました
【浅井うらら@他の書き手様のオリキャラ】
[状態]快楽、裸
[装備]
[道具]
[思考]
基本:し合いには乗らない。妹のさららを捜す。
1:この男と交わる
[備考]
※どのバトルロワイアルにも参加してない時系列からの参戦です
※性欲に制限はなかったようです
※近くに服とディパックを放り投げました

17 :

〜七〜
…………やべえ、やべえ。
あいつらやべえ。
俺は心の中で何回もそう思った。
ただ追ってこなかったのは幸いだ。
「さて、ここいらで一旦落ち着こうぜ」
俺が二人に声を掛ける。
「…………はあ、はあ」
一方はVxさん、随分と疲労の顔が見れる
「…………」
一方はかなでちゃん。こらちは走ったと言うのに随分と涼しげだ。
「で、疲れているとこ悪いけどこれから二人はどうするの?」
「………あたしは人を探したいわ」
「じゃあさ、俺と一緒に行動しないかい?」
「………別にいいけど」
と言うことで、かなでちゃんが仲間に入った。
簡単に仲間に心強い仲間が入ったことは幸いだ。
けれど、Vxさんは。
「俺は遠慮しておくよ。一人の方が動きやすい」
そんなことを言ってきた。
「うーん……。俺達はあんなことしないよ」
どの口が言うのやら、というツッコミはだぜ。みんな。
ハーレム王こと、俺は女性の心を読むことは訳ないぜ!
「とは言ったものの、俺には俺の考えもあるんで。それじゃあここでお別れとしよう」
「………大丈夫?」
「ああ、俺を舐めて貰っちゃ困る」
そら心配したくもなるんだけど。
最初の接触があんなのなんだから。
だけど。
「まあ、そういうなら俺は何も言わんよ」

18 :
「そりゃどうも」
そして五分位後、俺達は別れたのを覚えている。
〜八〜
というわけで見事、偶然にも長谷川の魔の手から逃れた◆VxAX.uhVsM。
そんな彼の今現在の指針は既に決まっている。
危うく、長谷川のおかげで完膚なきまでに潰された希望(ぜつぼう)が再熱する。
ある意味では、杉崎鍵は失敗した。
こいつは、助けるべきではなかった。
枷が外れる。
鎖が千切れる。
故に、自由。
故に、―――――――自由。
だから、笑える。
「…………ふふ」
そんな彼が企むことと言えば、簡単である。
脚本を、創るのだ。
一から物語を作り上げる。
自分好みの、自分色のストーリーを。
元々、書き手とはそういう生き物であり、生業である。
だから、自分と言う。◆VxAX.uhVsMと言う名の歯車を。
かみ合わせる。繋ぎ合せる。
そして、思い描く通りの最高のエンディングを。
「…………ふふ、楽しみだなあ」
次の瞬間、高笑いが響く。
ハスキーボイスな声で、多大な害を振りまくであろうその声を。
DOLシリーズ本編の首謀者の◆VxAX.uhVsMの陰謀は始まったばかりだ。
非リレー書き手、◆VxAX.uhVsMの旅路はまだまだ始まったばかりだ。

19 :

さあ、狂え。
さあ、踊れ。
さあ、舞え。
さあ、戦え。
さあ、さあ、さあ―――――。
DOLシリーズ外伝作品の施行。
同時に、DEAD OR LIVEの終局へと事は向かい始めた。
【一日目/深夜/H-8 住宅街】
【◆VxAX.uhVsM@非リレー書き手】
[状態]女体化、健康
[装備]
[道具]
[思考]
基本:物語に関わり、完結させる。
1:………手始めに。
〜九〜
ということで、そんな事もありつつ一時間が経過した。
………。
まあVxさんのことも気がかりなのだが、それもそうでこちらもこちらで大変であったりもする。
立華かなでちゃん。
その知り合いとは、音無結弦、仲村ゆり、日向秀樹、ユイという人たちらしい。
………。
今、目の前で広がっている光景。
それは、麻婆豆腐を食している光景。
かなでちゃんが、美味しそうに麻婆豆腐を食している光景。
事の次第は、とある住宅街。
誰かいないかと考えて、住宅街にあった家内に侵入した。

20 :
そこまではいい。
ただ、そこで俺が何かの見物はないかと冷蔵庫を開けたのが間違いだった。
「……………」
目の前で美味しそうにパクパクと、小さな口で必死に、されど決してまずいなどという概念を思わせないうっとり顔で、食すかなでちゃん。
そ、そこで俺は麻婆豆腐を見つけたのだ。―――――――――激辛の。
思わず絶叫した俺の元に、駆けつけた彼女が僅かながらに目を輝かしたのを、俺は覚えている。
「……………」
「……………」
沈黙。
俺達の間にはあんまり会話が無い。
あの碧陽学園の生徒会室ではありあえない様な光景が、そこにはあった。
ただ、変えようとは思えない心地よさがそこにはある。
ま、しばらく行動が止まっちゃうけど。
「可愛いから許す」
そう、可愛いから許しちゃう。
俺はそういう人間だから。
ギャルゲ、エロゲの主人公の如く、俺は女の子を思いやらなきゃな。
「?」
もう何度見たことか、首を傾げる彼女を傍に俺は微笑む。
―――――――そういや、林檎は無事かな。そんな事を思いながら俺はかなでちゃんを見つめ続けた。
めでたく、終わらそう。
そんな幻想を胸に秘めて。

21 :
【一日目/深夜/H-8 住宅街・住宅内】
【杉崎鍵@生徒会の一存】
[状態]健康
[装備]
[道具]KS×1、RS(1〜3)
[思考]
基本:いつも通りに動く
1:かなでちゃんと行動
2:みんな(桜野くりむ、紅葉知弦、椎名深夏、椎名真冬)とかなでちゃんの知り合い(音無結弦、仲村ゆり、日向秀樹、ユイ)を探す
[備考]
※飛鳥に会いに行く前からの参戦です
【立華かなで@AngelBeats!】
[状態]健康
[装備]
[道具]KS×1、RS(1〜3)
[思考]
基本:し合いには乗らない
1:この人(杉崎鍵)と行動
2:みんな(音無結弦、仲村ゆり、日向秀樹、ユイ)とこの人の知り合い(桜野くりむ、紅葉知弦、椎名深夏、椎名真冬)を探す
3:悪い人には容赦をする気はない
[備考]
※卒業式直前からの参戦です
※Angelplayerは今現在はほとんど制限を受けていません
※harmonicsに気付けていません

22 :
投下終了。
生存調を出そうと思ったら完全に失敗したパターンだ。
まあ………いいや

23 :
>>1乙です。
四字熟語>顔面破壊されて…起きて気付いたらどうなるのか…怖い怖い
数>おい、俺黒いぞ、あと長谷川はいい加減止まれ、自重と言う言葉を知らんのか(考えた奴ののセリフ)
投下します。
DOL4th28話 悩、私
登場人物:河田遥、霧切響子、桑田怜恩

24 :
「……私、此処…何処?」
先ほどまで眠っていて、気だるい体を起こして彼女は言った。
周りを見ると見たことが無いような施設。
そして蘇ってくる記憶。
近くで見せしめとなった高校生のような少年。
再び始まってしまった、し合い。
「…何故、生私?」
まず彼女が思ったのは、なぜ自分が生き返っているか、だ。
あの時自分は、青木百合にされて死んだ。
死んだら終わりなのだと思っていた。
「終、不来?」
色々考えながら、名簿を開く。
ある名前を見つけ彼女はある種の恐怖を覚えた。
青木百合、最後に自暴自棄になった私をした本人。
危険人物だと言うことも、すぐに分かった。
「丹羽、君…!?」
次に見つけたのは、前のし合いで味方となってくれた人だった。
そして、彼女が一番信頼している人物。
彼女が一番好きであるといっても過言ではない人物。
「……長谷川祐治」
最後に見つけたのは長谷川祐治。
あんな場でも自分を犯そうとした人間。
信頼は…出来ない。
ブルースさんはいないようで、名簿を見終わる。
デイパックに手をかけようとしたところで、視界がぶれた。
それと同時に彼女は前のめりに倒れる。
後頭部に痛みを感じながら、意識は闇に消えていった。

25 :

「…あら、起きたのね」
目が覚めると、目の前に一人の女の子がいた。
手袋をしていて、凛としているような女の子だった。
「私…何故?」
「襲われて気絶させられていたのよ…犯人はすでに捕まえてあるけれど」
「…彼……?」
「そうよ…ねぇ……桑田君?」
「……るせぇよ」
手足を縛られた赤い髪の高校生が見えた。
彼がきっと私を気絶させた本人なんだろう。
「さて…何個か質問があるわ、桑田君」
「…んだよ」
「まず…何故貴方が生き返っているの?」
「知るかよ…俺もいつの間にかここにいたんだよ」
彼も、また私や丹羽君のように生き返ったらしい。
誰かの手によって。
いや、きっとあの主催の男の手によって。
「……そうね、じゃあもう一つ聞くわ…何故この人を襲ったの?」
「………死にたく、ねぇからだよ」
「…………意味が分からないわね、それがどうして襲う事に繋がるのかしら」
「他の奴をさないと、自分が死ぬ羽目になるだろうが!あの時俺はすげぇ怖かったんだ!
 死ぬ瞬間、もうこれ以上ないほどに怖かったんだ、あんな感覚…二度と味わいたくねぇ…だから…」
「無責任にもほどがあるわね」
「…だとぉ…?」
「あなたは自分が良ければそれでいいのかしら、自分が味わった恐怖を他人に押し付けているのよ
 自分が苦しんでいる事を他人に押し付けるのは最低の所業よ…分かっているのかしら?桑田君」
「………」
桑田君、と言われた男の人は黙りこんでしまった。
そして、女の人は私の方を向いた。

26 :

「…さて、一つ聞くわ」
「私、何聞?」
「……とても個性的なしゃべり方ね…それとは関係ないけれど…私が聞きたいのは、桑田君…彼をどうしたい?」
「…?」
「解放する、拘束したままにする…好きにすればいいわ」
「………」
いきなりそんな事を言われても、どうすればいいか分からない。
だから私は…私は………。
【午後/G-7御伽話市】
【河田遥@オリキャラ】
[状態]後頭部に痛み
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:丹生君、探。
1:私……。
[備考]
※DOLオリロワ死亡後からの参戦です
【霧切響子@ダンガンロンパ】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:このし合いを止める。
1:返答を待つ。
2:苗木、十神を探す…他の希望ヶ峰学園メンバーは?
3:死者が生き返る事に「謎」。
[備考]
※本編終了後からの参戦です。
【桑田怜恩@ダンガンロンパ】
[状態]手足拘束
[装備]棒状の物@??
[所持品]基本支給品、不明支給品(0〜1)
[思考・行動]
基本:死にたくない。
1:………。
[備考]
※本編死亡後からの参戦です。

27 :
投下終了です。

28 :
皆様投下乙です。
四字熟語ロワ:09重い荷物
○オ○ですね分かります
自分が前行った所は一階にツ○ヤがあったなー飲食店は魅力的な店が沢山あった
しかし一望千里の顔面はエラい事になってしまってるな、女の子にとって最悪だ
軽妙洒脱、一望千里をどうするんだ
数だけロワ:貫き通す副会長
長谷川とうらら……w この分だときららもさららもなぁw
DOL4th28話:悩、私
河田遥キターこれからどうなるか期待
突然ですが、EXオリロワ2ndを打ち切りたいと思います
今度こそ頑張ると言っておきながらこの体たらく、読んで下さった皆様には本当に申し訳なく思っています
もう少しキャラの設定等を練った上でやり直したいと考えました
まだロワを書くのは続けたいと思っていますので、どうか宜しくお願いします
EXオリロワ2ndを読んで頂いた方々本当にありがとうございました

29 :
投下します
タイトル:瞬
登場人物:Tさん(3rd)、速水祐司、◆8nn53GQqtY、◆WYGPiuknm2

30 :

「………何とか………逃げ切れたっぽいですね………」
「…………はぁ………はぁ………そう、だな…………」
自分も速水さんも、お互いに息を切らしている。無理もない、ずっと走り続けていたのだから……。
正確な距離は分からないが、かなりの距離があったはずだ。
その上、速水さんはWYG氏を背負って走っていたのだから、自分以上に疲れているだろう。
長時間の休憩を挟みでもしないと、今後の行動に支障が出てしまう可能性が出てきてしまう。
「………中、入りませんか?外より、良いと思います」
「そうしよう……」
ふらつく足をなんとか動かし、建物の中に入っていく……と同時に、鼻をつく異臭。
生で嗅いだことはあまりないが、これは間違い無く血の臭い。
もしかしなくても、この中で誰かがされてしまったのは間違い無い。その人が、誰かは分からないけれど……。
しかし、もしその人を見つけた所で、自分にはどうすることもできない。せいぜい、冥福を祈る事しかできない。
ただでさえマイナスな方向に気分は向いていると言うのに……さらに、気分は沈んで行く。
(………私、なんでこんな所にいるんだろ………)
不意に、そんな思いが頭の中に浮かび上がってくる。
昨日、眠りにつく前までは、平和な日常を送っていたのに、今はいつ死んでもおかしくない状況の中にいる。
そう考えると、何とも言い表せない悲しみがこみあげて来て、ついつい涙がこぼれてしまう。
……自分も、書き手としてキャラクターの死を書いたことはあるが、それはあくまで創作だ。
現実に死を目の当たりにするのとは、天と地程の差がある。
(………)
デイパックから水を取り出し、少し飲む。少々ぬるいが、そんなことを気にする余裕なんてない。
本当は、何も口にする気にはなれないのだが、走ったおかげでかなり汗をかいている。
失った水分くらいは、ちゃんと補給しておかないといけないだろう……。
できれば、汗で濡れた服も着替えておいた方が、動きやすくていいのだろうが、生憎着替えなんてない。
病院内を探せば、入院患者の服やらは見つかるだろうが、探しに行ける気力は持ち合わせていない。
「………この人、まだ起きないな。そろそろ目覚めてもいいころなんだが」
「そうですね………でも、いつか目覚めますよ」
自然に目覚めるのを待って、起きてからあそこで何が起こったのか、今まで何をしていたのか聞けばいい。
そうすれば、何故あんな事になっていたのかも分かるし、これからどうするかも決めることができる。
――このままだと、当分目覚めそうにはないが……気絶しているとはいえ、結構度胸があるんだなあ、と思った。

31 :
まあ、WYG氏だって好きで眠っている訳では無い。ただ、気絶しているだけだ。
もしかしたら、とんでもない悪夢にうなされているかもしれない。表面上は、何の変化もないが。
……どんな悪夢であろうと、この過酷な現実より、いくらかはマシだとは思うが。
そんな物があるなら、一度お目にかかりたいくらいだ……だからと言って、別に見てみたいと言う訳ではないけれど。
(……いつか目覚めるとはいえ、できるだけ早く起きてくれるといいんですが)

ひんやりとした空気。静まり返った空間。そして、どこか霊的な物を感じる部屋……霊安室。
中央にある机のような場所に、「自分」の遺体を乗せ、その上から布をかけて、手を合わせる。
「………すまないな……俺」
出来ることなら、手厚く弔いたい所だが、生憎今はそんなことできそうにない。
今出来ることと言えば、せめて遺体が荒らされそうに無い場所に移して、冥福を祈ることくらいだ。
……自分の無力さに、腹が立つ。
自分は今まで、何のために親父に従事していたのか。
何のために、自分は異能の力を持っているのか。
「くっ……」
拳を強く握りしめ、爪が掌に食い込む。
皮膚が切れ、血が流れ出てくるが、もう1人の自分が感じた苦痛に比べれば、屁でもないだろう。
しかし、いくら悔やんでもいくら悲しんでも、失われた命は絶対に戻ってはこない。絶対に……。
大事な物は、失ってから分かると良く言うが、今の状況がまさにその通りだった。
もう1人の自分は命を落とし、xzはどこかへ行ってしまった……。
一体、どうしてこんなことに……。3人で、このゲームを破壊しようと思っていたのに……。
でも、自分は諦めない。例え、両腕を砕かれようが、生きている限り何度でも立ち上がってやる。
絶対に、負けてなるものか。絶対に、負けない。こんな下らない物に、負けてたまるか――!
(……行くか)
こんな所で悪いが、少し待っていてくれ、もう1人の俺。
必ず、このゲームを破壊して、お前を弔うから……少し、少しだけここで待っていてくれ。
志を心に強く刻み、霊安室を後にした。
(しかし……どうするかな。全く、ゲーム破壊の目途も立たないし)
地下から1階に上がり、ロビーに向かう通路を警戒しつつ歩く。
人の気配は感じられないが、用心するに越したことはない。なにしろ、自分は今丸腰なのだ。
多少の敵なら、光弾で応戦することも出来るだろうが、さっきも見たように銃を携行している奴も、ここにいる。
銃相手では、流石に光弾では速度で勝てない。それに、傷力でも銃の方が上回る。
(この力は、人をすための物じゃない……だから、対人傷力はあまりない……)

32 :
相手が、霊やそれに準ずる物なら、かなりのダメージを与えることも出来るかもしれない。
だが、前にも分かったように、今自分には何らかの制限が課せられている。
つまり、力の上限が強制的に下げられている、と言う事だ。これがどういうことかは、もはや説明するまでもない。
「……首輪……やっぱり、これに何かが……?」
自分の首に巻き付いている忌わしき首輪。
もう1人の俺は、首輪についてなんらかの仮説を立てていたようだったが……その仮説を知ることは、もうできない。
しかし。
首輪に仕掛けがあるのは間違い無い。もう1人の俺の遺言から、それだけは何とか予想できた。
しかし、肝心の仕掛け本体については、何も分からない(……もう1人の俺を責めるつもりはない)。
「…………っ!?」
不意に、何かに足を取られて転んでしまう。
一体何だ、と思い引っかかったであろう場所を見てみると……デイパックが、1つ転がっている。
誰かが落とした物か、それともこれが放送で言っていたデイパックなのか、それは分からない。
どちらにしても、自分にとって役に立つ物が出てくるかどうかなんて、開けるまでは判断しかねる。
一応開けている時に襲い掛かられたりしないように、近くの診察室に入る。
(出来るだけ、いい物ならいいけれど)
そう思って取り出したのは、1枚のDVD。タイトルは、「3rdダイジェストムービー」とか言うらしい。
一体これは何なのだろうか?この3rdとは一体何を指しているのだろうか……。
何かの映画の総集編のような物なのだろうか。映画だとしても、映画のタイトルが書かれていないのはおかしい。
……とにかく、内容は現時点では確認しようがない。どこかでDVDを再生できればいいのだが。
そう思って、DVDを自分のデイパックの中に仕舞った時、
(……気配か)
病院内に何者かの気配を感じた。位置まではわからないが、そう遠くはないだろう。
気配を気取られないように、誰の物か分からない気配の元へ忍び寄る。
……相手が自分以上の手練れなら、気配を少し消したところで気づかれてしまうだろう。
だが、感じるのは気配のみで気は感じられない。少々楽観的だが、おそらくゲームに乗っていないのだろう。
(乗っていないなら、首輪の事を話すこともできる。信じてくれるかは分からないが……)
流石にこんな突拍子もない話を、すんなり信じてくれる人はいないだろう。
それでも、話してみる価値はあるかもしれない。もしかしたら、新たな可能性も開けるかもしれない。
「………この人、まだ起きないな。そろそろ目覚めてもいいころなんだが」
「そうですね………でも、いつか目覚めますよ」

33 :
話し声が、不意に耳に入ってくる。声色からして、男女のペアだろうか?
さらに、声から結構な疲れを感じる。長い間歩き続けて、ここに辿り着いたと言った所だろう。
……これ以上、隠れて様子を伺う必要もないだろう。そろそろ、向こう側に行ってみるか……。
「……ちょっといいか?俺は怪しい奴じゃない……」

「……ちょっといいか?俺は怪しい奴じゃない……」
突然、自分達に声をかけてきた人。
顔を見てみたものの見覚えはない。一体、この人は誰なのだろうか?だが、どこかで見た気もする……。
一体、どこで見たのだろうか?そこら辺の記憶があいまいで、良く思い出せない。
……名前を聞いてみようか。そう思って聞こうとした矢先に、
「名乗った方がいいか……俺は……Tさんだ」
と、相手の方から名乗られてしまった。
相手が名乗ったなら、こちらも名乗った方がいいと思って、こちらも名前を名乗った。
「……◆8nn53GQqtY、です」
「速水祐司です」
自分の名前に、いささか違和感を感じたようだったが、すぐにその表情は消えた。
それよりも気になる事は……この人が、今確かに自分のことを「Tさん」だと言った。
……この人が、本当にあのTさんなのか?もしかして、名前を騙る偽物である可能性もある。
しかし、今の段階ではこの「Tさん」が本物か偽物か、自分には確かめる術はない。
いくら聞いたところで、相手は自由に言い逃れができるし、際限無く嘘をつくことだって可能なのだ。
「それで、Tさんはここで何を?探し物でも……?」
「……本当は、俺以外にも2人いたんだ。でも、1人はされて………」
「!!」
と言う事は、病院に入って臭っていた血の臭いは、そのされた人の物だったのか……。
「もう1人は、その時に別れてな……」
「そうですか……失礼かもしれませんが、その2人の名前を教えていただけませんか……?」
長い長い沈黙。
これを聞くのが、Tさんにとって辛いことだと言うのは十分理解している。
だが、気になるのだ。
もし、された人が、自分の親しい人だったら。もし自分の知り合いなら、放送で死を知るよりこちらの方が……。
「されたのは…………もう1人の俺、だ」
「……え?」

34 :

思わず、おかしなトーンで聞き返してしまう。もう1人の俺、とは一体何なのだろうか?
言葉通り考えるとするなら、もう1人の俺とは「Tさん」と言うことになるが……とても信じられない。
……疑問をぶつけるのは、「別れた方の仲間」が誰か聞いてからにすることにした。
「それで……別れた仲間は……?」
「ああ……◆xzYb/YHTdI……だ」
「……xz氏……!?」
xz氏はTさんと共に行動していたのか……。
でも、何故別れてしまったのだろうか?Tさんの強さがあれば、1人でいるよりよほど安全なはずなのに。
考えたところで、その時のxz氏の気持ちを知ることは出来ない。されてなければいいのだが……。
知人が死ぬなんて、考えたくもない。
「知り合いなのか?」
「ええ……大丈夫でしょうか……」
「分からない、だが危険かもしれない……もう1人の俺の死に、かなり動揺していたからな」
なんだか、胸騒ぎがする。
もしかして、xz氏がとんでもないことをしてしまうのではないか……例えば、ゲームに乗ってしまう、とか。
もしそうだとしたら、できるだけ阻止したい。知り合いが人をめるなんて、見過ごす事はできない。
……あくまで胸騒ぎがするだけで、乗ってしまったかは分からないが、それでも心配なのは変わらない。
「……さっきされたもう1人の俺、って一体……」
「うう………」
さっきの事を聞こうとした時に、うめき声が。
……どうやら、やっとWYG氏が目覚めたようだ。これで、作戦や計画を立てることができる。
それに、さっきの事を聞いてみたい。あの時、何がどうなってあんな状況になってしまったのかも気になる。
本人にとってはつらい事かもしれないが、時間をかけてでも聞きだしたい。
「……大丈夫ですか?」
「心配しなくても大丈夫だ、もう普通に動けるよ……ところで、これは8n氏のデイパックか?」
「ええ、そうですけど」
「そうか……よし……」
そう言うとWYG氏は自分のデイパックから素早くロケットランチャーを取り出し、構えたまま後ずさりしていく。
一体どうしたのだろうか……。まさか、持ち逃げでもするつもりなのだろうか?
まあ、さっきまでWYG氏は丸腰だったのだ、武器を手に入れたいと言う気持ちは分からないでも無いが。
「それじゃ、さよなら」
「えっ?」
その瞬間、轟音と共に、自分の方向に、ロケットランチャーの弾が高速で向かって来ていた。
……自分は走馬灯のようなものを見た。今まで自分の人生であったことが、めまぐるしく駆け巡って行く。
懐かしい子供の頃。いろんな体験をした学生時代。そして、今の自分……。それらが、一斉に……。
ああ、自分はここで死んでしまうのか。何も成し遂げられずに、ここで倒れるのだろうか?
あれほどのスピードで飛んでくる弾頭をいまさらかわすなんてことは、とてもできない。
それに、もしかわせたとしてそれがTさんか速水さんか、どちらかに当たってしまったらどうする?
……弾頭は目と鼻の先。もう、決断している暇もない。
「WYG氏―――――」

35 :


「―――――」
爆音とともに、8n氏のいた場所から火と衝撃波が撒き散らされる。
この爆発では(確認するまでもないだろうし、確認する術もないが)まず生きてはいないだろう。
それよりも今気にすべきことは、今の爆発でいろんな場所に炎が燃え移ってしまったと言う事だ。
幸い、自分の今いる場所は病院のすぐ近くなので逃げるのには苦労しないが、あの2人はどうするだろうか?
出口がここだけではない以上、他の場所から外に出るだろうが……その後、自分を追って来るだろう。
「8nさん!……くそっ!!」
「この炎じゃどうしようもない……一旦外に!」
相手が遠回りしている間に、自分は悠々と病院から逃げ出す。
こうしている内にも、炎はどんどん勢いを増して、辺りにある物に燃え移って、どんどん燃やして行く。
……これほどの火事なら、消防車でも持ってこないと鎮火するのは難しいだろう。
現に、さっきからスプリンクラーが懸命に消火活動をしてはいるが、焼け石に水。全く火の勢いは衰えていない。
(……病院がなくなるのは痛いが、仕方無い。これも必要な犠牲として考えるか)
【一日目・黎明/E-6:病院】
【◆WYGPiuknm2@非リレー書き手】
[状態]:健康、精神ダメージ(小)、罪悪感
[装備]:ロケットランチャー@コマンドー
[所持品]:支給品一式、予備弾
[思考・行動]
基本:やはりゲームに乗る
1:今の内にここを離れる
【◆8nn53GQqtY@非リレー書き手 死亡】
死因:爆死

36 :
「8nさん!……くそっ!!」
「この炎じゃどうしようもない……一旦外に!」
Tさんと名乗った男に促されるまま、ロビーから走って離れていく。
8nさんのことが気にならない訳ではない。だが、あの爆発では、とても助からないだろう……。
それに、もし助かったとしても、治療できないほどの傷を負うのは目に見えている。
そんな状態では、いたずらに8nさんを苦しませるだけだろう。
「他の出口は……」
「確かこっちに急患用の入り口があった筈だ!こっちから出るぞ!」
「分かった!」
Tさんに誘導されるがまま、急患用の入り口から外に飛び出す。
そのまま病院の外壁に沿って、走って正面の入り口の方まで向かう。
(もし、相手がこうやって追って来るのを想定して待ち構えていたらどうしよう……)
その時は……どうしよう。あれだけ強い武器を持っているのだ、使わない訳が無い。
またこちらに向かって撃ち込まれたら?今度は病院内と違って屋外なので、外れる可能性も上がるかもしれない。
それでも、かなりの脅威なのには変わりが無い――。そんな事を考えながら、一気に表に踊り出る、が。
「…………誰もいない」
「逃げられたようだな………」
……既に人の気配は無く、あるのは病院内に渦巻く炎の音と非常ベルの音くらい。
そんな中、自分ができることと言えば、地面に膝をつきただただ項垂れることだけだ……。
【一日目・黎明/E-6:病院:正面玄関付近】
【速水祐司@絶体絶命都市2】
[状態]:健康、肉体疲労(中)、悲しみ
[装備]:組長のバット@龍が如く2
[所持品]:支給品一式、不明支給品(確認済み)
[思考・行動]
基本:何故こんなことになっているのか調べる。
1:8nさん……
【Tさん@途中参加者】
[状態]:健康、血濡れ、悲しみ
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品×2、Anabiotics@S.T.A.L.K.E.R.×5、3rdダイジェストムービー@その他
[思考・行動]
基本:この実験とやらを壊す。
1:……くそ……
2:xzが心配だが……首輪のことも気になる
※病院2FにイングラムM10が落ちていて、Tさんの血の海が広がっています
※病院が火事になりました。
≪支給品紹介≫
【3rdダイジェストムービー@その他】
Tさんが病院内で見つけたデイパックに入っていたDVD。詳細不明。

37 :
投下終了です

38 :
投下乙です…8n氏がぁ
投下します
DOL4th29話 お前は僕を
登場人物:アリス、桐木リスト

39 :
「まったく、冗談みたいな話だよね?アリスちゃん」
「……」
二人の人間が話していた。
一人は金髪で制服を着ている。
もう一人は囚人服のようながらの服を着ている少女だ。
「……ねえ、一つ聞いていいかい?」
「…何、なの?」
「君の知り合いの名前を全員教えてほしいんだよ?…あと、信頼できるかできないかもね?」
「……分かったの」
信じてくれたのかは分からないが教えてくれた。
キサラギさん、トモエさん、ユコさん、ランさん。
全員…信頼できる。
「うん、ありがとうね?…良かったら僕も探すの手伝おうか?」
「…………お願いします、なの」
「うん、じゃあ行こうか?」

40 :

アリスちゃんはゆっくり立ち上がって歩き出して行った。
それを僕は、とりあえず追いかけていった。
【午後/E-1墓地】
【アリス@クリミナルガールズ】
[状態]健康
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:人をすのは…嫌なの。
1:この人と行くの。
2:みんなも出来れば探したいの…。
[備考]
※少女地獄突入後、騎士化前からの参戦です。
……さて、あとは僕の独白と行こうか。
僕はこれについて結構…いや、かなり怒っているんだよ。
表面上はそう見えないかもしれないけどね。
彼も馬鹿な事をしたものだよね…。
僕を敵に回すのは御伽銀行を敵に回すのと同じ。
御伽銀行を敵に回すのは理事長を敵に回すのと同じ。
あの理事長を敵に回すのは死に等しい。
……さあ、行くぞ糞野郎。
お前は僕を怒らせたんだからな。
僕を怒らせるとどうなるか…思い知れ。
【午後/E-1墓地】
【桐木リスト@オオカミさんと七人の仲間たち】
[状態]健康
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:し合いを止める。
1:アリスちゃんと行動する。
2:外部と通信がとれる所に行きたい。
3:呪いに関しては保留。
4:森野君たちを探す。
[備考]
※原作オオカミさんとたくさんの仲間たち終了後からの参戦です。

41 :
投下終了です。

42 :
初めまして、そして皆様方 投下乙です。
自分も非リレーロワをここで始めてみようと思いました。
稚拙ですが、OP投下します。ロワ名は『無鉄砲・適当ロワ』です。

43 :
第0話 オープニング……的な? 
 
 常闇。
 光さえない届かない暗く黒い闇の中。
 その催しものは静かに幕が開こうとしていた。
「ここは……」
 紫色のドレスの少女がようやく目を覚ました。
 そして、眼をこすり……………
「まだこんな時間か……寝よう」
 再び、眠りについた。
 でも見てください。この幸せそうな少女の寝顔を……
 あなたはこんな顔で寝れますか? 
 ◆◆◆ 
『ああ……寝ないでください……というか起きろ!!
 ……ですが、これはこれで中々面白いとは思うので構いませんがねぇ……』
 誰も聞き覚えがない男の声が響く。
 数人がまだ寝ているが、男はそれでも話を続ける。
『今から、貴方達には……し合いしてもらう!!!』
「うるせえ!! し合いなんてやってられっかよ!!」
『やるでしょう!! そういうことになってるんですから!』
 無茶苦茶言う主催者に噛みつく参加者がいたが主催者は動じない。
 だって、主催者だから仕方ない。だが、まだ数人は起きる気配すらない。
  
『それでは今からルール説明をさせてもらいますが……
 聞けよ、一回しか言わないから! 絶対聞けよ!! 聞かねぇとその首輪爆破すんぞ!!
 あっ……寝てる方は別にいいですよ、起きなくても……もういいですから』
 その言葉でも数人は起きる気を起こさないので主催者はもう諦めた。

44 :
『ルールは簡単。
 最後の一人になるまでし合いをしてもらう……簡単でしょ?』
「……それで最後の一人になったらどうなるのよ?」
『そうですね……何でも願いを叶えさせて挙げましょう。
 例えば【百万の富】でも【永遠の名誉】でも……あるいは【死者の蘇生】でも……
 まあ、どれも【最後の一人】なったらの話ですがね……』
 主催者のその一言に何人かがざわめく。
 それでも何人かは起きないが、主催者は弁を振るう。
『それともう何点かですが……
 もう気付いてる方も多いでしょうが……貴方方には首輪を付けさせてもらいました。
 その首輪に衝撃とかなんか与えると爆発するので気を付けてください』
「……つまり、首輪の解除はそう簡単には出来ないってことか?」
『さぁ……そこは私から何とも言えませんね。
 ……やれるもんなら、やってみろよ……失敗するとこうなるからな』
 ポン!!
 乾いた爆発音が響いたが、何人かはまだ寝ている。
 その傍らでは身体が木端微塵になった『人間』だったものが転がっている。
『分かりましたか?』
「……いや、さっぱり……?」
『ああ、もうこいつらめんどくせー、もう始めていいですか■■■さんたち?
 ええと……それと今のは禁止エリアとか入ったら爆破するから、忘れんなよ!
 あと放送とか途中でやるけど……ああ、なんか怠くなってきた。
 あと今からデイバック配ったら……し合いはじまっからな!!』
 主催者はもう半ば自棄になっていた。
 支給品が入ったデイバックを参加者たちが配られると……。
 参加者は次々と会場に転移していった。
 ◆◆◆ 

45 :

『これで良かったのか……』
『上出来です……ですが、途中から投げやりになったのは感心できませんがねぇ』
『だって、あいつら話聞かねえんだもの……』
『いやいや、二人とも少し落ち着けよ……
 我々はどっしり構えてなければならない……それが道理だ』
 誰も居なくなったOP会場で主催者らしき奴らが駄弁る。
 彼らは主催者かもしれない。そうでないかもしれない。
 
『……というか、見せしめで死んだ奴の遺体は?』
『ああ。なんか知らんが生き返って、会場に行ったよ』
『……………は?』
『だから、
 な ん か 知 ら ん が 生 き 返 っ て 、 会 場 に 行 っ た よ 』
『まぁ、し合いではたまにあることですね!』
『ハハハハハハハハハ……ねーよ』
 主催者たちは何を考えているかはそれは誰も分からない。
【見せしめは会場に向かったそうです】

46 :
以上がOPです。
これからがルール等です。
参加者名簿
【人造昆虫カブトボーグ V×V 4/4】
 ○松岡勝治/○龍昇ケン/○シドニー・マンソン/○天野河大輝
【魁!!クロマティ高校 4/4】
 ○前田彰/○豪ヒロミ/○北斗の子分/○阿藤快
【テニスの王子様 4/4】
 ○樺地崇弘/○石田銀/○仁王雅治/○越前南次郎
【東方Project 3/3】
 ○八雲紫/○八意永琳/○八坂神奈子
【ドラえもん 3/3】
 ○骨川スネ夫/○スネ夫の父/○スネ夫の母
【MUSASHI -GUN道- 2/2】
 ○ロウニン/○タクアン和尚
【イナズマイレブン 2/2】
 ○基山ヒロト/○不動明王
【ドラゴンボールZ 2/2】 
 ○ベジータ/○ブロリー
【テイルズオブシンフォニア 2/2】
 ○マグニスさま/○パルマコスタの市民A
【サムライスピリッツ 1/1】
 ○橘右京
【ボンボン餓狼 1/1】
 ○テリー・ボガード
【ムダヅモ無き改革 1/1】
 ○金将軍
【スーパーロボット大戦OGシリーズ 1/1】
 ○キョウスケ・ナンブ
【テラカオスバトルロワイアル 1/1】
 ○ノイ・ドヴァイ
 31/31
【主催者 不明】
【ルール】
参加者全員で最後の一人になるまでしあう。
最後の一人には何でも願いが叶う。
あと首輪には爆弾が仕掛けられている。
放送の時間は不定期。
死者の発表から主催者からの為にならない話まで色々。
禁止エリアを発表するかどうかも不定。
もしかしたら、放送しないかもしれない。
あと細かいルールは多分ない。

47 :
支給品一式の中身
・食料(2日分)
・水(7日分)
・バナナ(1本〜6本)
・酒(一升瓶一本)
・地図(非常に見づらい)
・時計(ロレックス製高級品)
・懐中電灯(電池不要)
・メモ帳(スーパーのチラシを再利用したもの)
・墨汁と筆(太筆)
・ランダムアイテム(1個〜3個)
時間帯表記 0:00開始

深夜:0〜2 黎明:2〜4 早朝:4〜6 朝:6〜8 午前:8〜10 昼:10〜12
日中:12〜14 午後:14〜16 夕方:16〜18 夜:18〜20 夜中:20〜22 真夜中:22〜24
地図
 1234557
A主海原原原山病
B海海原雄山山山  
C原原原池原山原  
D原原原原原原原  
E原沼原原原原原  
F原原原谷原商原  
H原原民原原原崖  
          
主=主催者本部、山=山
沼=沼、雄=なんか出っ張った所
原=野原、商=商店街 
池=池、病=病院
民=民家、崖=崖
谷=谷

48 :
それでは続けて第一話投下します。
登場キャラ 龍昇ケン、八意永琳

49 :
 第一話 二人の天才
「まったく……ふざけている」
 A―3の草原。
 赤と青のナース服のような服を着た女性がその怒りを表情に出した。
 彼女の名は八意永琳。このよく分からないし合いの参加者の一人だ。
 主催者の適当な説明で分かったのはただ一点。
 これからし合いをしろということ、だ。
「食料と地図と名簿……知り合いは……八雲紫に八坂神奈子か……
 輝夜とウドンゲやら霊夢とか魔理沙はいないみたいね……あと、なにこれ?」
 彼女の武器は入っていなかった。
 入っていたのはテニスのラケットだった。
 それをしっかりと、何度か振るう。素振りは基本である。
「打撃武器程度にはなりそうね」
 ラケットは人を傷つけるためにあるんじゃない!!
 ……と、どっかから聞こえてきそうだった。
 
 そんな時である。
 彼女の目の前にある少年が現れた。
 黄色い中華風の服を着た肥満体型の少年だ。
 その少年を見て、永琳は警戒を怠らない。
「おおっと、お姉さん、そのラケットを収めてくれ。こっちは丸腰だ」
「……信用できないわ、貴方、名前は?」
「俺かい? 俺の名は龍昇ケンだ。その名簿にもそう書いてある」
 どこか自信満々に話す少年――龍昇ケン。
 その自信満々のケンに永琳は質問を投げかける。
「そう……貴方はし合いに乗っている?」
「ハハハ、乗るわけないだろ、何故ならば……」
「何故ならば……?」
「そう、俺は三年間の厳しい修行の末に……天才になったからだぁぁぁぁぁ!!」
「な、なんですってー!?」
 たった三年で天才になった発言を聞き、永琳は驚きを隠せない。
 天才である彼女に面と向かって三年程度の修行で天才になったとは片腹が痛くなった。

50 :

「だからこそ言おう……俺はこの戦いの結果は分かった」
「へぇ…それでどうなるのよ?」
「天才の俺のやり方について行けずどんどんと仲間が倒れていく……お姉さんもその一人だ」
「私も!? なんでよ!?」
「お姉さんもそこで倒れるでしょ! 俺のやり方に着いていけないんだから!!」
「そ、そうなの……?」
「そして、ただ一人生還した俺はこう答えるのさ……
 『俺の生還の秘訣だって? 全ては満漢全席のおかげかな!』」
(どうしよう……この子、頭おかしいんじゃないの?
 というか、なんかいつの間にか仲間になりますよ的になってるのよ……)
 ケンが話す未来完了形の話に永琳は頭を抱えたくなった。
 が、無用な生はしないことを決めていた。
 理由としては非常に面倒くさくなったからだ。
「貴方、知り合いはいるの?」
「ああ、勝治とリュウセイの親父さんがいる」
「その人たち、信頼は出来るの?」
「勝治は俺の親友だよ、リュウセイの親父さんは……どうだろう、世界征服とか狙ってるしなぁ」
 永琳は再び頭を抱えたくなった。
 自称天才の次には世界征服を狙っているという知り合い。
 しかも、ケンの口ぶりからすると恐らく、ケンの友達の父親だろう。
 
「ああ、もうわかったから……」
「んっ、どこに行くんだ?」
「……適当に考えておいて」
「そうか! うーん……どこに行くんだろう?」
 ケンが適当に考えている間に永琳はその場から去った。
 これ以上話していても無駄と判断したからである。
 
(さて、これからどうしようか……
 まずは首輪をどうにしよう……木端微塵になるのは痛そうだからね)
 移動中に永琳は考える。
 永遠を生きる蓬莱人には死など無い。
 しかし、痛みは残る。故に彼女は木端微塵になるのは御免なのだ。
 だが、彼女は知らない。
 その能力さえ制限が掛っているかもしれないのだ。 
 それを彼女は知らない。

51 :
【A―3・深夜】
【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V】
【状態】ボーグ脳的に健康
【服装】決戦用の服
【装備】なし
【道具】支給品一式、ランダムアイテム(0〜3)
【思考】
基本:主催者を倒し、脱出する。その後、リュウセイと決着を着ける。
0:お姉さん(永琳)がどこに行ったか適当に考える。
1:自分のボーグマシン(キー・オブ・ザ・グッド・テイスト)を探す。
2:ビッグバンは警戒する。
【備考】
※参戦時期は第50話のリュウセイ戦の直前です。
【八意永琳@東方Project】
【状態】精神的疲労(小)
【服装】いつもの服
【装備】不二のラケット@テニスの王子様
【道具】支給品一式、ランダムアイテム(0〜2)
【思考】
基本:脱出優先。
1:首輪の解除を優先する。
2:ビッグバン(天野河大輝)を警戒する。
3:八雲紫と八坂神奈子については……保留。
4:ケンは放っておく
5:まともな人は……いないな。
【備考】
※参戦時期は少なくても風神録よりも後です。
※再生能力に制限が掛っているかもしれません。
支給品紹介
【不二のラケット@テニスの王子様】
 青学の天才・不二周助のラケット。
 何の変哲もないテニスラケットである。
以上で投下終了です。
これからよろしくお願いします。

52 :
初めまして。ずっと読み手だったのですが、ここでロワを書きたいと思います。
まだopは書けてないですが、とりあえず名簿だけ。
題名《XXバトルロワイアル》
【参加者】46/46
【戯言シリーズ】6/6
○戯言遣い ○玖渚友 ○零崎人識 ○西東天 ○千賀ひかり
○絵本園樹
【Fate/Zero】5/5
○言峰綺礼 ○遠坂時臣 ○間桐雁夜 ○キャスター ○バーサーカー
【MAR】5/5
○虎水ギンタ ○ナナシ ○アラン ○ペタ ○キメラ
【家庭教師ヒットマンREBORN!!】5/5
○雲雀恭也 ○六道骸 ○スベルビ・スクアーロ ○ベルフェゴール ○古里炎真 
【空の境界】5/5
○両儀式 ○黒桐幹也 ○黒桐鮮花 ○浅上藤乃 ○白純里緒
【魔法少女おりこ☆マギカ】5/5
○美国織莉子 ○呉キリカ ○佐倉杏子 ○千歳ゆま ○巴マミ
【Angel Beats!】5/5
○仲村ゆり ○音無結弦 ○日向英喜 ○ユイ ○竹山
【ぬらりひょんの孫】5/5
○奴良リクオ ○雪女 ○黒田坊 ○玉章 ○家長カナ
【とある魔術の禁書目録】5/5
○一方通行 ○インデックス ○浜面仕上 ○滝壺理后 ○フィアンマ

53 :
>>52の人とは別人ですが、新ロワを書きたいと思います。
では、オープニングを

54 :
00:フラスコの中の人々
白。真っ白な空間に、人々はいた。
気付けば、そこにいた。
剣の神様と呼ばれる剣豪も、人外の化け物も、何の力を持つわけでもない女子高生も、誰もが誰も気付かぬままに。
何時の間にか、そこにいたのだ。
前後左右、全てが白色に塗り潰された世界に、五十五人の人々がいた。
強い者と弱い者。考える者と考えぬ者。
闘う者と闘わぬ者。争う者と争わぬ者。
多種多様な人々がそこにいて、多種多様な様相で時間を過ごしていた。
あるものは思考を回転させ、あるものは楽しげに笑い、あるものは怯え竦む。
知人を見つけ話しかける者もいる。
異常事態の中での友人との再会に涙を流す者、そんな知人に励ましの声を掛けながら肩を抱く者。
因縁の相手との再会に不穏な空気を流す者、在るはずのない存在に声を無くし呆然と立ち尽くす者。
人々は自由だった。
真っ白な空間に縛られながらも、確かに狭い狭い自由を過ごしていた。
―――ザ、ザザ―――
そして、それは唐突に始まった。
―――お前たちにはこれからし合いをしてもらう―――
言葉は短く、具体性に欠けるものであった。
ただ、言葉の後に、ボンという軽い音が響いた。
そのボンという音が、人々から自由を奪い去った。
少なくともこの音がなければ、人々は狭い自由を享受できていたのかもしれない。
この音が、この音がもたらした惨劇がなければ。

―――理解したな―――

白色の世界に、真紅が舞っていた。
何百もの真紅が暴力的な勢いで周囲を穢す。

―――死にたくなければ、戦え―――

人々の半分は、何が起きたのか理解できなかった。
だが、もう半分は理解する。
理解し、沈黙を通す。


55 :
―――生還できるのは、最後まで生き延びた一人のみ―――
集められた五十五の人々は、五十四となった。
声は多くを語らず、ただ命じる。
命を握り、凄惨な争いを行えと、迫る。
―――生き残った者には、望みの全てを叶えてやる―――
声は多くを語らず、ただ命じる。
我欲に付け込み、凄惨な争いを行えと、迫る。
―――だから、生き残れ―――
声は、ただ命じる。
争いを、戦いを、し合いを。

―――運命を、因果を、打ち破れ―――

そして、開催される。
争いが、戦いが、バトルロワイアルが、始まる。
因果を打ち破る闘いが、始まる。
人々は、音も無く、争いの場へと移されていった。

【フラスコの中のバトルロワイアル―――開催】

56 :
【参加者】
【喧嘩商売】 5/5
○佐藤十兵衛/○入江文学/○工藤優作/○金田保/○田島彬
【魔法少女まどか☆マギカ】 5/5
○鹿目まどか/○暁美ほむら/○美樹さやか/○佐倉杏子/○巴マミ
【嘘喰い】 4/4
○斑目貘/○梶隆臣/○伽羅/○ビリー・クレイヴ
【岳 みんなの山】 4/4
○島崎三歩/○椎名久美/○阿久津敏夫/○横井ナオタ
【ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】 4/4
○苗木誠/○霧切響子/○江ノ島盾子 /○舞園さやか
【バカボンド】 4/4
○宮本武蔵/○佐々木小次郎/○本位田又八/○伊藤一刀斎
【ひだまりスケッチ】 4/4
○ゆの/○宮子/○沙英/○ヒロ
【魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st】 3/3
○高町なのは/○フェイト・テスタロッサ/○プレシア・テスタロッサ
【ベルセルク】 3/3
○ガッツ/○キャスカ/○ゾッド
【マクロスFrontier】 3/3
○早乙女アルト/○ランカ・リー/○シェリル・ノーム
【第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇】 2/2
○クロウ・ブルースト/○アイム・ライアード
【天元突破グレンラガン】 2/2
○シモン/○カミナ
【寄生獣】 2/2
○泉新一/○後藤
【装甲騎兵ボトムズ】 2/2
○キリコ・キュービィー/○フィアナ
【アカギ 〜闇に降り立った天才〜】 2/2
○赤木しげる/○鷲巣巌
【機動戦士ガンダム00】 2/2
○刹那・F・セイエイ/○マリナ・イスマイール
【賭博覇王伝 零】 2/2
○宇海零/○末崎さくら
【とある魔術の禁書目録】1/1
○上条当麻
【54/54】
以上でオープニング投下終了です。

57 :
皆様投下乙です
自分も1つ、始めさせて頂きます

58 :

バトルロワイアル。
それは、沢山の人間が集められ、理不尽なし合いを強いられる、狂気のゲーム。
常人では、到底考えつくことの無い、命を玩ぶゲーム。もし思いついたとしても、実行には移せないであろう物。
しかし、中には。
中には、それを実行できる力と富を持つ者も、いる。
そのような人間が、バトルロワイアルを思いついたら、どうなるだろうか?
◇□◇
気がつくと、自分は見覚えの無い場所で、何かに座らされていた。辺りを見渡してみるが、暗くてよく分からない。
しかし、かろうじて人影のような物が見える事から、ここにいるのが自分だけでは無いようだ……。
そう思って立ち上がろうとするのだが、足や腕がピクリとも動かない。咄嗟に手の方を見てみるが、全く異常はない。
まるで、金縛りにあっている様な気分だ。
(一体、何なんだ……)
良く分からない状況。
辺りが見えない暗闇。
動かせない手足。
不安を煽るためにこんなことしてるなら、その目論見は成功してるな……と、心の中で苦笑いを浮かべてしまう。
しかし、実際の所自分は不安になっている。一体、ここはどこなんだ?そして、何故こんな所に自分がいるのか?
そんな心の声に反応するように、辺りが一気に明るくなる。
(眩しっ……)
暗闇の中にいたせいだろう、いきなりの眩い光に目が眩んでしまう。
光に目が慣れるのには少々時間が必要だったが、なんとか目が慣れてくれた。
慣れてきたついでに、辺りを改めて見回してみる……。
(……知らない人ばっかりだな)

59 :
見える顔は、全て知らない顔だった。中には、どこかで見たような顔もあったが、良く分からない。
だが、1つだけ共通する物があった。全員、何故こんな所にいるのか分からない、と言った表情なのだ。
いつのまにか良く分からない所に自分がいて、なおかつ動けないとなれば当然の反応だろう。
それに、もう1つだけ気が付いたことがあった。
……まるで、映画館のように部屋?の前方に他より高くなっている場所、ステージがある。
映画館の様に、椅子は横とくっついている訳ではないが……。
それから5分くらい経っただろうか?正確な時間は分からないが、まあそのくらい経っているだろう。
相変わらず手も足も動かせないまま、ただ時間が流れて行くだけだった。
誰も、この5分の間に声を出さなかった。「出さなかった」のか、それとも「出せなかった」のかは分からないが。
とにかく、ずっと沈黙が続いていた。
(本当に何なんだ?何のつもりでこんなことを?)
そう思っていた矢先。
ステージの端から、スーツに身を包んだ1人の男がゆっくりと歩いて出てきた。
(あいつって確か……白石亮介とか言う奴だったかな……)
白石亮介。
確か、白石財閥とか言うグループのトップだったはずだ。テレビとかに何度か出てるのを見かけた事がある。
自分とそうそう歳は変わらないだろうに、それでも大会社を牛耳るほどの権力をにぎっているとは。
……いや、今はこんなこと考えている場合じゃない。何故、そんな奴がこんな所に……。
そう思っている間に、前の男は口を開いた。
「こんにちは皆さん。僕は白石亮介と言う者です。皆さんに集まって貰ったのは他でもありません」
急に、背筋が凍るようなモノを感じる。
まるで、これから、もの凄く恐ろしい……「何か」が始まるような気がする。
白石は十分な間を取った後、一言言った。

60 :
「……皆さんには、これから『し合い』をしていただきます!」
(…………し合い…………?)
こいつは一体何を言っているんだ……!?
人を訳の分からない所に連れて来ておいて、その上「しあえ」だなんて、正気の沙汰とは思えない。
人間、権力を握るとどこかおかしくなってしまうのだろうか……。
「冗談なんかじゃないですよ?証拠をお見せしましょう……持ってこい」
白石が合図をすると、柱のような物に縛りつけられた男が袖から数人の人間に連れてこられる。
その男の口には猿轡が嵌められており、首には……何か首輪のような物が付いている。
一体、何をするつもりだ?と思っていた時。白石は懐を探り何かを取り出す……小さくて良く見えない。
そして、懐から出した何かを、男の方に向ける。
「今から起こることはCGではありません。皆さんの命に関わることですから、見逃さないようにお願いします」
何を……と思っている内に、辺りに爆発音が響きわたり……男の付けていた首輪が爆発した。
一瞬にして、何かが焦げたような臭いと血の血生臭い臭いが、辺りに充満する。
(うっ……)
「はい、と言う訳でこれが現実だと言うことが分かっていただけましたでしょうか?分からなくても、理解してください。
 皆さんの首にも同じ物が付いています。それがどう言う意味か、馬鹿な人でも分かるはずです。
 ……それでは、今からルールを説明致しますので、聴き漏らしの無いようにお願いいたします」
◇□◇
「以上で、ルール説明は終わりです。何かご質問はございますか?あ、もう動いたり喋ったりできますよ」
「……どうして、こんなことを?」
俺よりちょっと年上くらいの男が立ち上がり、質問をぶつける。
「……それにはお答えできません」
「自分が質問はあるか、って聞いたくせに……!」
「申し訳ありません。時間も押しているので、質問タイムはここまでです。では、皆さん頑張って下さい」
そう言うと、再度照明が落ちる。またもや、暗闇が辺りを包む。が、今度は何かが違った。
……何だか体が重い。それに、かなりの眠気が襲ってくる。一体、なぜいきなりこんなことが……。
頬を叩いたり、腕を抓ったりしてみるが、眠気は全く取れない。それどころか、さらに眠くなってくる。
「うう……くそっ……」
もうだめだ……。何をやっても、徒労に終わってしまう。
完全に睡魔に自分の意識が乗っ取られる寸前に、白石の忌わしい声が聞こえたような気がした。
「さあ、ゲームの始まりだッ!」
【新・需要無しロワ スタート】

61 :
【ルール】
最後の1人になるまでしあう。最後まで生き残れた者は、元の生活に戻る権利と願いを叶える権利を与える。
制限時間は無いが、死者の出ない状況が6時間続くと、「戦意なし」と見なし全員の首輪を爆破する。
全参加者が死亡する、または1人だけが生き残るとゲーム終了となる。
ただし、全参加者が全滅した際は、「優勝者なし」となりゲームオーバーとなる。
【支給品について】
携帯電話、メモ帳と筆記用具、懐中電灯、ランダム支給品(1〜3個)の入ったデイパックが配られる。
武器になりそうな物は全て没収される。ただし、武器になり得ない物はスルーされる。
【携帯電話の機能】
形状はスマホみたいな形。何があっても絶対に壊れない。バッテリーは1週間経っても切れない。
ルール確認・マップ確認・時間確認・名簿確認の他に、会場内のみだが通話も可能。
ただし、番号は一切登録されていないのでかける際には番号を調べる必要がある。
【放送について】
2時間ごとに放送が行われ、前の放送から今の放送までで死亡した参加者の名前と、禁止エリアが放送される。
【首輪について】
放送は首輪から聞こえるが、音は装着者にしか聞こえない。
また、2時間ごとに増える禁止エリア内に立ち入ると、15秒程度の警告音の後首輪が爆発、死に至る。
首輪の爆発はかわせず、爆発を受けると確実に即死する。首輪の爆発による死は「絶対に」防げない。
なお、他の首輪の爆発や爆発物に巻き込まれての誘爆は起こらない。
【会場について】
会場内にある施設の使用は自由。食料も、街にある物を自分で入手すること。
【地図】
  1 2 3 4 5 6 7 8
A海海工駅街街森海
B海海森道森ググ森
C海森ア道湖森森海
D海橋川川川シ駅海
E海街病道道森海海
F海海駅道森花海海
G海海道学道森海海
H海海海海船海海海
工:廃工場 駅:ただの駅 街:普通の街 森:木の生い茂る森
道:舗装された道 グ:グロズニィグラード(MGS3) ア:夜見島金鉱社宅(SIREN2)
シ:ショッピングモール 湖:普通の湖 橋:ただの橋 病:病院 花:ロコヴォイ・ビエレッグ(MGS3)
学:普通の高校。高台にある 船:ブライトウィン号(SIREN2)

62 :

主催者:白石亮介
【オカルト・ネタ(3/3)】
○Tさん/○Tさんのライバル/○教会育ちのKさん
【オカルト(9/9)】
○◆QRD1C7q2yA/○◆ldeLulMgzU/○俺◆.tSNa900PI/○探検隊◆mkzhpRgp3Y
○大岡真座衛門国近/○YOU/○いのり/○507/○おそうじマン
【メタルギアソリッド3(3/3)】
○ネイキッド・スネーク/○ザ・ボス/○ジョニー
【SIREN2(5/5)】
○永井頼人/○三沢岳明/○藤田茂/○阿部倉司/○三上脩
【ヤマジュン(2/2)】
○阿部高和/○日高良司
【オリジナル(6/6)】
○宮村洋介/○篠原淳平/○高橋純一/○被験体01号/○被験体02号/○被験体03号
以上28名

63 :
投下終了です

64 :
OPのタイトルが無かった……
タイトルは「ゲーム・スタート」です

65 :
凄い賑わってるみたいなので、自分も一つ始めます
[才能ロワイアル]
op:才の宴・序幕

66 :
あれ。此処は何処だろうか。
僕ーーーー氷上十座(ひがみ・じゅうざ)は、いつの間にか見知らぬホールに立たされていた。両腕を太い鎖が繋ぎ、まるで罪人のようでもある。
僕は普通の人間ではない。
《才能保持者》。偉い学者たちの間ではそんな風に呼ばれているらしいね。
なぁに、僕の才能はちっぽけなものでね、他に比べると見劣るよ。
絶海の孤島・《雨ヶ島》。
日本海の真ん中にある癖に地図に載ることは決してない。
何故か。それはこの島のとある秘密が原因となっている。
決して公には出来ない、非人道的と蔑まれても致し方ないレベルの禁忌ーーーーー即ち、《才能保持者》たちの隔離研究施設という秘密がある。
僕を含めて18人、そこにずっと幽閉されている。
他の住人との会話は許されず、毎日自由気ままな生活を送るだけ。
与えられる部屋なんてのもそこそこ広くてね、不満を言うのは贅沢だ。
さてと、話を戻そうか?
今僕が居るホールは、僕の部屋の外の空間だ。当たり前だけど。
微かに残る思い出のーーー《体育館》に似ている。
周囲を見渡せば、僕みたいに拘束された人間たちが皆不満そうな顔で立っていてーーーーーー、その身から放たれる気に冷や汗。

67 :
間違いない。僕と同じ、此処の住人たちだ。
顔を知る人物は一人として居ない。
「えー、《才能保持者》の皆々様。お集まりいたたき有り難う」
白髪、老け顔に眼鏡と『いかにも』な老人が、そう言った。
その顔には見覚えがある。
《管理人》高宮総一郎。この隔離施設の長で、僕たちの命はこの男に握られていると言っても過言ではない。
で、問題はその高宮管理人が何故ここに居るか、だ。
高宮総一郎は基本的にモニターでしか僕の前に現れなかった。
その奴が姿を現したーーーーこれは、由々しき事態だ。
「さて、今日。この《病棟》は閉鎖されることが決定した。政府の判断でな、君たちも晴れて自由の身ーーーーとは、いかない」
隔離施設の閉鎖。
それはつまり、危険な《才能保持者》を解き放つことになる。
そんなことを政府、この施設のスポンサーは許さないだろう。
ここで全員処分、か?
「解放されるのはたった一人。その座を巡り、君たちにはし合いをして貰う」
脳の中に、情報が嵐のように流れ込んでくる。
僕らの才能を機械的に再現した人工テレパスらしい
………わお。こりゃあたまげた。
冗談でも何でもなく本当にし合いをさせるようだ。

68 :
「さあーーーー君たちを待つのは栄冠か死か?それは君たちが決めることだ!これよりバトルロワイアルを開始するーーー!!」
再び意識が堕ちて、僕らの悪夢は幕を開けた。
[才能ロワイアル]  開幕

【参加者】18/18
献体番号1:緑川雄一  献体番号10:田村達也
献体番号2:神田臣次  献体番号11:壱外終真
献体番号3:柳詩織   献体番号12:白崎ミュートン
献体番号4:白黒条信長 献体番号13:琴間倫
献体番号5:坂上天悟郎 献体番号14:氷川十座
献体番号6:九条照代  献体番号15:零宮あゆみ
献体番号7:北村裕治  献体番号16:阿久津豊吉
献体番号8:長谷川慶  献体番号17:東刹那
献体番号9:永瀬鴻太  献体番号18:永瀬湊

69 :
【ルール】
最後の一人になるまでし合い、生き残った者を解放する。
一生を二度遊び尽くして尚余るだけの富も与えられる。
彼らの首には首輪が装着され、才能の質を無視して起爆すれば即死する。
4時間に一度放送を行い、12時間死者が出なかった場合すべての首輪を爆破する。
【エリア】
 1 2 3 4 5
A崖 崖 崖 崖 崖
B崖 学 森 病 軍
C崖 デ 森 廃 墓
D崖 団 発 旧 崖
E崖 崖 灯 崖 崖
崖=崖 学=小学校 森=森 病=病院 軍=軍事施設
デ=デパート 廃=廃ビル 墓=墓 団=団地 発=発電所
旧=旧校舎 灯=灯台
これにて投下終了です

70 :
民さん投下乙です。
自分も無鉄砲・適当ロワ 第2話投下します。
登場キャラ 骨川スネ夫、スネ夫の父、スネ夫の母、金将軍、キョウスケ・ナンブ

71 :
 第2話 孤狼が吠える頃に……
 ―――創造は破壊、破壊は想像。
 ―――貴様らはここで……朽ちろ……!
 ―――フフ、フハハハハハハハハハハハッ、ハハハハハハハハハハハッ!!!
 凶悪な笑みを浮かべ、声高々に嘲笑う。
 全ては静寂な世界を創るために…その為に全てを破壊する。
 
「………ボォォォォグ、オンッッッ!!!!」
 そして、彼は支給されたロボットに搭乗した。いや、搭乗というよりもその上に乗っかった。
 その直後、そのロボットに……そのオプションパーツに変化が訪れたのはその直後であった。
 それは変化というよりも……『変異』や『変質』という言葉の方が相応しいであろう。
 ◆◆◆

72 :
 一方、その頃……
「悪いな、金将軍! このSRX三人用なんだ! お前の勝ち目はないや!」
「そうざます!! ホホホホ!!!」
「さぁ、スネ夫やるんだ!」
「つか、3対1とか卑怯じゃね?……つか、若干、詰んでね?」
 スネ夫のランダムアイテム――R-1とサイコントローラー。
 スネ夫の父のランダムアイテム――R-2パワードとサイコントローラー。
 スネ夫の母のランダムアイテム――R-3パワードとサイコントローラー。
 さらに、彼らのスタート地点は同じE―6だった。
 故にさっさと合体(not性的な意味で)した
 そう、天下無敵のスーパーロボット『SRX』の完成である。
 そして、それに伴いスネ夫の父と母は精神コマンド要員と化した。
 一方の金将軍のランダムアイテムはただ一つ――増えるワカメ。
 増えるワカメと言ってもヴィンちゃんの機体ではない。
 水をかけると増える乾燥食品である。
 そして、不運にも彼のスタート地点もE―6だった。
 これが格差社会というものだ。
「僕のパパが主催者の友達でね!」
「おっとスネちゃま、それは内緒の話ざます!」
「さぁスネ夫さっさと止め、刺すんだ!」
「……つか、ヤバいんじゃね?」
  
 増えるワカメを増やそうとする金将軍。
 だが、その健闘も空しく少しワカメは少ししか増えなかった。
 グシャッ……と鈍い音共に金将軍はあっさりと踏みつぶされてしまった。
 その金将軍の肉塊と傍らでは少しずつではあるが、ワカメが増えている。
「パパが主催者の友達でホントによかったよ!」
「そうざますね!」
 なんと彼らは主催者が放ったジョーカーだった。
 それ故に支給品がこんなにも優遇されているのだ。
 そんな時、スネ夫の父があるものを察知した。
「……んっ、熱源反応か? 起動兵器かな? サイズは…なんだたった18mくらいか」
「全く馬鹿な奴もいるもんだな、のび太じゃあるまいし!」
「そうザマス! こっちの方が大きくて強いざます!」
 三人が乗ったSRXに向かってとんでもない勢いで突っ込んでくる兵器が一体。
 が、サイズ差がとてつもなくある。それを見て、完全に天狗になる骨川一家だった。
「いっけーー!!」
 スネ夫の思った通りに動くSRX。
 しかし、次に刹那、骨川家の皆さんは驚愕の表情を浮かべることになる。
 なんと3倍近くあるサイズ差があるはずなのに……
「そんな……パワー負けしてる!?」
 SRXの拳がその目の前の機体に捉えられている上に、押し返されているのだ。
 その機体の頭頂部に操縦している男が口元歪ませ笑う。

73 :
「押せよ……!! ミラクルグッドテイストケンダイザァ!!」
「……ッ!? ママ!?」
「ね、念動フィールド。オンざますぅ〜!!」
「……させん……!!」
 男が乗っている『ミラクルグッドテイストケンダイザー』の胸部が開いた。
 すると、そこにエネルギーが収束していく。
 
「朽ちろ……!! 古き者共よ……!!」
「「「―――メインモニターが、光っ……?」」」
 そこからは一瞬だった。
 零距離から放たれたエネルギー砲が念動フィールドの発動前にSRXをぶち抜いた。
 サイズ差やら物理法則やらを完全に無視した衝撃と熱が骨川家を包み込んだ。
 そして、そのままC―6の山まで吹っ飛び……そのまま爆散した。
 本来、エネルギー兵器など付いていないはずのオプションパーツだった。
 だが、男――キョウスケ・ナンブ、いや『ベーオウルフ』の影響でそれを得てしまった。
 
 
 俗にいう―――アインスト化である。
「……創造する…望まぬ世界を、破壊……
 ……ククク…フフ、フフフフ……創造は破壊、破壊と創造……創造と破壊、破壊の創造……」
 支離滅裂な言動を繰り返すベーオウルフ。
 そんな彼は今、最初の場で起こったことを思い出していた。
 それは『空間転移』である―――恐らくはそれを使えば『奴ら』を追える。
「逃がさん……憎み合う……世界を……広げる者達……
 創らなければならない……世界を……静寂でなければならない……
 ……俺が……そう!! 俺、こそがぁっ!!!
 ……フフフ……ハハハハハハハハハハハハッッ!!!!」
 
 参加者及び主催者を全て撃ち貫き、奴らを撃ち貫く。
 静寂な世界を創るために……狂気に塗れた孤狼が行く。
 
 
【骨川スネ夫@ドラえもん 死亡確認】
【スネ夫の父@ドラえもん 死亡確認】
【スネ夫の母@ドラえもん 死亡確認】
【金将軍@ムダヅモ無き改革 死亡確認】
※SRX@スーパーロボット大戦OGシリーズは大破しました。(C―6の山に突き刺さっています)
※E―6からC―6の山の一部までの一部の地形が破壊されました。
※増えるワカメは現在もE―5で増殖中です。

74 :
【E―6・深夜】
【キョウスケ・ナンブ@スーパーロボット大戦OGシリーズ】
【状態】アインスト化
【服装】地球連邦の服
【装備】ミラクルグッドテイストケンダイザー@人造昆虫カブトボーグ V×V(アインスト化)
【道具】支給品一式、ランダムアイテム(0〜2)
【思考】
基本:―――――全て、撃ち貫くのみ。
 1:主催者の転移技術を手に入れる。
【備考】
※『向こう側』の『キョウスケ・ナンブ』です。所謂『ベーオウルフ』です。
※参戦時期はアクセルがこちら側に転移した後です。
※ミラクルグッドテイストケンダイザーはアインスト化の影響により巨大化しました。(現在18mほど)
支給品紹介
【ミラクルグッドテイストケンダイザー@人造昆虫カブトボーグ V×V】
 人造昆虫カブトボーグ V×V第29話でケンが使ったプションパーツ。
 「フリーオプションだろ。見せてやるぜ技術大国の力を!」
 ……どっから見ても、パーツに見えない。
以上で投下終了です。

75 :
月報落ちしたロワが一定期間投下がないロワに移されたようだけど雑多ジャンルだけ移されてないのはなぜだろう・・・

76 :
新ロワラッシュ凄いな…w 自分も新ロワOP行きます

77 :
0:オープニング(俺得ロワ6th)
57人の様々な種族の人々がそれぞれ個室に閉じ込められていた。
個室には大きなモニターが設置され、入口と思われる扉は固く閉ざされビクともしない。
全員の首には、黒い金属製の首輪がはめられていた。
突然、モニターが点き、身体の引き締まった赤い雄の竜が映し出される。
『初めまして、まずは自己紹介しよう。俺の名前はヒリューだ、知ってる奴もいるかな?
お前らに集まって貰ったのは、あるゲームをして貰うためだ。
これからして貰うゲームは…バトルロワイアル。し合い。
お前らにはし合いをして貰う。最後の一人になるまでな。
……身に覚えのある奴も結構いると思うが、どうだ? うん?
まあいい、とにかく、最後まで生き残った奴が優勝、生きて家に帰れるぞ。
……信じられないって奴もいるだろうから証拠、見せるよ』
画面が突然切り替わる。
猿轡をはめられ壁に手枷足枷で拘束された紫色の身体の大男が映し出される。
マントに水着に似た衣服、筋肉隆々の身体はRPGに登場する「魔王」を思わせる風貌。
事実、彼はとある世界の魔王であった。そして、彼の首にも黒い首輪がはめられている。
『彼はとある世界の魔王…妻子と部下をゲームに参加させると言ったら激怒してきたから、こうして見せしめになって貰う事にした。
彼の首に注目してくれ、お前らの首にも同じ首輪がはめられているはず…それはゲームを円滑に進めるための物だ。
無理に外そうとしたり、ゲームの邪魔をしたり、逃げようとしたりすれば……こうなるからな』
ピィーーーーー、バァン!!
短い電子音の後に、魔王の首輪が爆発し、鮮血が飛び散った。
魔王はしばらく血を吐きながらもがいていたが、やがてガクリと項垂れ脱力し、静かになった。
そして画面が再び切り替わり、ヒリューが映し出される。
『まあこんな所だ…流石に冗談でも何でも無い事は理解して貰えただろう?
クククッ……じゃあ、簡単にルールを説明しておくよ』
楽しそうに笑みを浮かべるヒリュー。
それを見た多くの者が凄まじく嫌悪感を持っただろう。
そして、しばらくの間、し合いの大まかなルールの説明がなされた。

78 :

【基本ルール】
参加者全員で最後の一人になるまでし合って貰う。
最後まで生き残った一人が優勝者となり元の自分の世界へ帰る事が出来る。
参加者の間のやり取りに反則は無くゲーム会場の施設の利用も自由。
ゲームの確実な進行の為、参加者全員に特殊金属製の首輪を装着する。
首輪は無理に外そうとしたり、立入禁止エリアに進入したり、
主催者に刃向かったり(ゲーム進行に大幅な支障を来す恐れがあると判断された場合)
すると爆発する仕掛けになっている。首輪を爆破された参加者は死亡する。例外無し。
ゲーム開始の際、支給品の入ったデイパックを参加者に渡す。
デイパックは四次元構造で、参加者(死体含む)、明らかに規格外の物以外は、
何でも入れる事が出来重量も変わらない。
基本支給品一式として最初から入っている物は以下の通り。
■ルール小冊子
■地図
■名簿
■コンパス
■懐中電灯
■懐中時計
■メモ帳と鉛筆
■水と食糧
■武器などのランダム支給品(1〜2個)
0:00、4:00、8:00、12:00、16:00、20:00に主催者からの放送が行われる。
内容は死者と禁止エリアの発表。放送から一時間後に指定のエリアが禁止エリアになる。
また、地図の外や上空100メートル以上も禁止エリア扱いとなっており、侵入すると首輪が作動する。
12時間新たな死者が出なかった場合、その時点での生存者全員の首輪を爆破する。
つまり優勝者無し(ゲームオーバー)となる。 また、参加者が全員死亡しても同様。

魔法や特殊能力の類は威力、効果を大幅減少。
ゲームを破綻しかねないものは使用不可能とする。
【時間帯表記】 ※早朝開始
早朝:4〜6 朝:6〜8 午前:8〜10 昼:10〜12 日中:12〜14 午後:14〜16
夕方:16〜18 夜:18〜20 夜中:20〜22 真夜中:22〜24 深夜:0〜2 黎明:2〜4

79 :
そしてルール説明が終わる。
『…まあこんな所だ…分からない事はルールの小冊子を読んでくれ。
…し合いを拒否しても結局は死ぬだけだからな? 肝に銘じておいてくれよ?
それじゃあ、ゲーム開始と行こうか、ハハハッ』
参加者の個室の中に催眠ガスが流し込まれ、参加者達は一斉に意識を失った。
参加者達が抱く感情は、怒り、困惑、悲しみ、沈黙、愉快、それぞれ違ったが、
薄れ行く意識の中、赤い邪竜の笑い声が聞こえるのだけは、全員同じだった。
【魔王@VIPツクスレ・もしもシリーズ  死亡確認】
【残り  57人】
【俺得バトルロワイアル6th  GAME START】
----
≪オリキャラ紹介≫
【ヒリュー】
RPGファンタジー風世界のとある地方で一大勢力を築いている邪竜。20代半ば。
己の欲望の赴くまま行動する事を信条としており、更に頭も切れ戦闘能力も高い。
彼に惹かれて配下に加わる者も多い。精力絶倫。
----

80 :
マップは打ち切ったEX俺オリロワ2の物を流用します。
≪主催者≫
1/1【オリキャラ】
○ヒリュー
≪見せしめ≫
1/1【VIPツクスレ・もしもシリーズ】
○魔王
≪参加者≫
21/21【オリキャラ】
○アインリア/○糸賀昌明/○大谷裕次郎/○カイテル/○シリウス/○谷口誠/○碑文谷直紀/
○氷室勝好/○宮本春樹/○レックス/○伊賀榛名/○稲垣葉月/○太田かずみ/○小神さくら/
○ゲレート/○東儀由利恵/○ツェツィーリア/○中根玲奈/○費覧/○レイ・ブランチャード/○レオポルト
12/12【自作キャラでバトルロワイアル】
○ケトル/○鈴木正一郎/○玉堤英人/○ノーチラス/○森屋英太/○ラト/○エヴィアン/○エルフィ/
○北沢樹里/○倉沢ほのか/○仲販遥/○フラウ
9/9【VIPツクスレ・もしもシリーズ】
○アレックス/○ブライアン/○ゴメス/○ヘレン/○ダーエロ/○ムシャ/○ハー妹/○娘様/○嫁様
6/6【非リレーロワスレ書き手】
○◆6LQfwU/9.M/○◆VxAX.uhVsM/○◆ymCx/I3enU/○◆xR8DbSLW.w/○◆8nn53GQqtY/○◆meUMrrZs9o
5/5【ドラえもん】
○ドラえもん/○野比のび太/○源静香/○剛田武/○骨川スネ夫
3/3【◆VxAX.uhVsM氏のオリキャラ】
○河田遥/○古川正人/○長谷川祐治
2/2【◆6LQfwU/9.M氏のオリキャラ】
○守谷彩子/○神谷茜
58/58
投下終了です。58人でしたすいません

81 :
新ロワが続々と誕生していて刺激になります。
そんな刺激を受けて、久しぶりに投下します。
ごちゃ混ぜロワ 47:凶兆の黒猫
登場人物:風間望、支倉未起隆、藤香、シュヴァルツ・カッツェ

82 :
支援

83 :
誰もいない森を歩きながら、ふと考えた。
智に働けば、角が立つ。
情に棹差せば、流される。
意地を通せば、窮屈だ。
とかくにこの星は住みにくい……
なーんて、文学にも精通している事をはからずも披露してしまったけれど、今の状況ははっきり言ってグッドとは言い難いねえ。
おっと、自己紹介が遅れてしまったね。
僕の名前は風間望。
鳴神学園3年H組の生徒だ。
おっと、レディーの皆、サインは後にしてくれよ。
何せ今僕はとんでもない所にいるんだからねえ……
どういう状況かって?
それはね……
し合いのど真ん中に、いるのさ。
正直ここにとばされた時、何が起こったか悔しいけれどさっぱりわけが分からなかったよ。
僕は怖い話を坂上君に語るよう日野に頼まれて、さっきまで学校の新聞部の部室で語っていたはずなのに、気がついたら見た事のない大広間。
そしたら目の前に日野がいるんだからそりゃ驚いたよ。
しかも、し合え、ときたもんだ。
嫌になっちゃうよ、もう。
まぁ、僕自身はこのいっぱいいる地球人がどうなろうと知ったこっちゃないんだけど、それでもちょっとだけ許せないって気分もあったな。
まず第一に、僕を巻き込んだこと。
こんなイケメンの僕をし合いなんて非道な場所に連れ込んだら僕の女性ファンが黙っちゃいないと言うのに、それも分からないほど暗愚だったのかなあ、日野の奴は。
第二に、坂上君を巻き込んだこと。
彼は僕の事を宇宙人だと見抜いた、なかなかの逸材。
もっと彼の事をじっくり知りたいと思っていたのに彼が死んじゃったらどうするんだ、全く。
そして――日野はあの名前も知らないがなかなかの美女を爆した事。
正直うるさい女性は好みじゃないんだが、あの女性はなかなかの美女だったな。
それになかなかのスタイルだったし、悪い女性じゃなかったと思う。
そんな彼女を、日野はあっさりと爆して見せた。
正直許せないとかそういう感情よりも――引いたよ。
とまあ、そんな事を考えている僕の横には協力者がいるんだけど……
彼も僕と同じようにこの星の人間じゃあないのさ。
この長髪の男は支倉未起隆――本名ヌ・ミキタカゾ・ンシ。
マゼラン星雲から来た正真正銘の宇宙人だ。
彼は地球人にはない、特殊な力を持っている。
それは、『自分の身体をある程度のものに変化させることができる』力。
初めて見た時は正直、驚いたよ。
今まで結構な宇宙人を見てきた僕でも、こういうタイプの宇宙人は見たことが無かった。
しかし幸いだったのは、彼がこのし合いに乗った存在ではなかったと言うことだね。
更に運のいい事に、ここに連れてこられている彼の友人――東方仗助、だっけか?は正義感の強い頼れる存在だと言う。
更に不思議な力を使えるって言うそうだ。
これはもしかすると、天は僕に味方しているのかなあ?
ふふふ……

84 :
 

85 :

一歩、また一歩と藤香は歩を刻んでいく。
二人分の荷物はやはり重いが、このような重みなど、苦にもならない。
今まで自分が歩んできた人生に比べれば――このような荷物など塵芥の如き軽さだ。
ただ、憎い。
純粋な憎悪の感情だけが、今の自分を動かしていた。
私を捨てた父親への憎しみ。
その自分を捨てた父親に愛されたあの小娘への恨み。
それが、今の自分を動かしている。
このし合いについて、藤香は何も知らない。
あのメガネの男も知らないし、そもそもここがどういうところであるかのさえも知らない。
自分の記憶を辿ろうとしても、靄がかかったかのようにある一点から記憶は途絶える。
気がつくと、自分の立っていた場所はあの研究所ではなく見知らぬ大広間。
そこで告げられた『し合いに参加してもらう』という宣告。
そして二度目のブラックアウトの後には手に見知らぬデイバックを持たされていた。
何とはなしに、その中にあった名簿を見た藤香に衝撃が走った。
――御堂島優。
藤香が恨みを抱く、憎むべき小娘もこのし合いに参加させられている。
それを知った藤香は動きだしていた。
あの小娘をすのは自分だ。
それも、途方もない深い絶望を与えてなぶりしにしなければ、この恨みは晴らせない。
そうして歩いていた先で、藤香は一人の屈強な男に出会った――

86 :

現状は、はっきり言って良いとはお世辞にも言えない。
というよりも、はっきり言って悪いと言わざるを得ない。
支倉未起隆はそう考えていた。
し合いという異常な場に巻き込まれて、最初に出会った風間望という男は幸いにもし合いには乗っていない人間――もとい、宇宙人であったが、問題はそこではない。
今二人に武器らしい武器は一つもない。
自分のデイバックから出てきたのはごくごく普通のサッカーボールが一個と琵琶が一挺。
そして風間のデイバックから出てきたのは――なんと白旗が一本。
正直言って、これを見た瞬間ショックを通り越して笑いが漏れそうになってしまった。
だが現状は呑気に笑っていられるような状況ではないことは明白だ。
とにかく今は一刻も早く仲間を探し出さねばならない。
幸いというかなんというか、この場には仗助がいて、康一もいる。
数々の難敵を打ち破ってきた二人と合流できれば、もしかしたらこのし合いも打破できるかもしれない。
それに康一と合流できれば山岸由花子も味方になってくれるだろう。
――だが、問題は吉良吉影もいること、か・
そう悩みながら歩いているのだが、その悩みを増幅させるのがこの相棒、風間望の存在。
この男、協調性というものがほとんど感じられない
何を考えているか全く読めないし、他人に自分を合わせようという姿勢を全く感じない。
スンバラリア星人というのは全てがこういうタイプなのか、とさえも思ってしまう。
こうして歩いている間もどこを見ているのか……
「未起隆くん、あれを見たまえ。」
「え?」
突然の相棒の言葉に驚いて彼の指さす方向を向くと、そこには色白に見える細い女性が立っていた。
まるで何かを探すように慎重に、それでいてその歩みを止めることなく歩くその様は少し恐怖すら覚える。
「あれは?風間さんの知り合いですか?」
「いや、僕も知らない人だ……しかし、未起隆くん、これは由々しき事態だと思わないかね?」
「はい?」
「こんな危険な場に女性が一人でいるなんて、危険にもほどがあるだろう!君も男ならその程度のこと分かるんじゃあないのかい?」
「……はあ。」
「…ノリが悪いね、君。」
「すいません、まだこの星について未知の部分が多いもので。」
「……まあいい。行くぞ、未起隆くん。」
「え?」
突然の申し出にキョトンとする自分をおいてけぼりにするかのように、風間は話し続ける。
「あの女性は何か困っているに違いない、だから助けに行くんだよ。」
「……そうでしょうか?」
「まあ、みていろよ未起隆くん。」
そう言うが早いが、風間はその女の元に白旗を持って走って行ってしまった。
(……大丈夫なのでしょうか。)
未起隆のその不安は、見事に的中してしまった。
女性に声をかけた風間に、その女性が刀を突き付けたのである。

87 :


88 :

(これは一体どういうことだろうねえ……)
シュヴァルツ・カッツェはし屋である。
その仕事に絶対の自信と誇りを持ち、何人もの命を闇へと葬ってきた、冷酷無比のし屋。
そのプライドに傷がつけられたのは、一年前の話。
鳴鏡館の面々に、自分のプライドは粉砕された。
みじめに命を乞い、逃げるようにドイツに逃げた。
それから一年間を、鳴鏡への復讐を果たすための修行と傷の治療のために費やしてきた。
そして、捨陰党のものと共に鳴鏡を亡き者にせんとしようとした時だった。
自分が見たこともない大広間にいたのは。
(し合え、ねえ……)
カッツェには、死に対する躊躇いが無い。
そのようなものがあっては、し屋なんて名乗れるわけがない。
カッツェの手の中にあるのは、軽くも金属の冷たさは十分に伝わってくる自動小銃。
添付されていた紙には『タチバナの銃』としか書いていなかった。
タチバナとはこの銃の持ち主であろうか。
だがそういったことはカッツェにとっては瑣末な事。
カッツェはし屋で、カッツェの手の中にある銃は、十分に人をせる『武器』なのだから。
(良いぜ、メガネくん。乗ってやるよ。このシュヴァルツ・カッツェのバトル・ロワイアル……みておくが良いよ……)
そう決意して立ち上がった瞬間だった。
何かの気配を感じたのは。

89 :
 

90 :

風間望の目の前に立つその女は、異様な雰囲気を醸し出していた。
色素が抜け落ちてしまったかのような真っ白な肌、何日もものを食べていないんじゃないかと思ってしまうほどの細い身体、そして並々ならぬ決意のようなものを湛えたその瞳。
そんな彼女は今、風間に鋭い刀の切っ先をこちらに向けている。
「あなたに聞きたい事があるの。」
「……な、なんだよ、物騒な真似はやめてくれ」
「御堂島優って女の子……みなかった?」
「女の子?」
「そう、年はあなたと同じかそれより少し下……見るからに弱そうな女の子よ。」
「さ、さあ……みていないよ?」
必死に冷静さを取りつくろうとしても、風間の顔面からは冷や汗は出尽くし、今はもう脂汗しか浮かばない。
手にしている白旗も、小さく震えるだけで何も起こらない。
そんな彼とは対照的に、藤香は淡々と、それでいて刀身は一ミリもぶれさせることなく風間を問い詰める。
「本当に?」
「ほ、本当だよ!だからそんな物騒なものしまって、ね?」
「…だったらなんであなたはさっきからそんなに後ろを気にしているの?」
「!!」
風間の額に、更に脂汗が浮かんできた。
「何か隠していると……身のためにはならないわよ。」
その凄みに風間の口の中がどんどんと乾いていく。
そうこうしている間にも、切っ先はどんどんと風間の顔面に近づこうとしていく。
それなのに、風間の脚はボルトで固定されたかのように動かない。
ついにその切っ先が顔面手前三センチまで来た時に、風間は藤香の後ろに誰かが立っているのを見つけた。

91 :

(…どうすればいいんだ?)
現状は、今まで経験した何よりも悪い。
あの刀を持った女性は、間違いなくこちらに気づいている。
風間の不用意な行動がこの酷い現状を生み出したのだが、今はそんな愚痴を言っている場合じゃない。
どうする?どうする?
――もし、この場に仗助がいたらどう動くだろうか?
康一だったら?
億泰だったら?
……それらの考えは、全部無意味だ。
何故なら今ここにいるのは自分一人だけだから。
…どうする?
@この場から逃げ出し、何も見なかったことにする。
A刀の女性に真正面から立ち向かい、成敗する。
Bこっそり近づき、風間を助けて逃げ出す。
……ダメだ、どれも自分一人で出来ることではない。
それほどまでにあの刀の女性は鋭い気を発しているし、風間は足手まといになってしまいそうだ。
それに、自分の宇宙人としての能力――アース・ウィンド・アンド・ファイヤーでも風間を助けるのに役立てる術が浮かばない。
八方塞だ。
このままでは風間はあの女にされ、自分にもその凶刃は向けられるだろう。
しかもよく見ると、あの女は二人分のデイバックを担いでいる。
それはつまりどういうことか…?
ミキタカにはそれが分かってしまった。
…これはもしかすると、最悪を想定しなければいけないかもしれない。
そう実感したその思いは、一発の銃声で吹っ飛んだ。

92 :


93 :

ガゥン
その音は、あまりにもあっけなく響いた。
その音と同時に、目の前の女性がゆっくりと崩れ落ちた。
突然の事態に風間は、ただただ目を白黒させることしかできなかった。
それでも、今さっきまでつきつけられていた鋭い刃は今はもう地面に落ちてしまっている。
そのことを理解すると風間は大きく息を吐いた。
(た、助かった。)
そう思うと、固まっていた足も段々と動いてくる。
額を流れる汗も、脂汗から冷や汗へと移行していった。
とはいえ、目の前に死体があるという状況は何とも複雑な気分だ。
なるべく見ないようにしようと前を向いた風間の目の前には――一人の男が立っていた。
フリルをあしらったピンク色のシャツは、はっきり言ってセンスがあるものとはいえない。
頭にかぶっている帽子も古臭く、その帽子についている花もどこか女性的だ。
(やれやれ……こんなナンセンスな男に助けられたと言うのか…ま、良いか。)
「やあ、こんなところに連れてこられるとは災難だったね。」
目の前の男が口を開いた。
「……君は一体誰だい?」
「…僕かい?僕はカッツェ。シュヴァルツ・カッツェさ。」
たしかそんな名前は名簿にあったな、と風間は記憶を引き出した。
「しかし、助かったよ。一体どうしてこんな目にあったか分からなくて混乱していたんだ。僕は風間望。鳴神学園の3年H組の――」
と、いつものように自己紹介をしようとした風間だったが、そのお喋りは一発の銃弾で封じられた。

94 :

木の陰に隠れながら、支倉未起隆は呆然としていた。
突然現れたフリルの男が、風間に刀を突き付けていた女性を射した。
そしてそれに安堵した風間も撃った。
間違いない。
あの男はし合いに乗っている――!
そう理解した瞬間、未起隆の体中を汗が滑り落ちた。
「……誰かいるのかい?」
その男の声だろうか。
耳に入った突然の声に未起隆は思わず声をあげてしまいそうになった。
――現状は、果てしなくまずい。
いま自分はどう動くべきなのだろうか?
手持ちの装備では戦うことなどできやしない。
もし仗助とか億泰ならば、何らかの手を使って戦うのであろうが、生憎未起隆にはそういう発想は浮かばなかった。
「誰かいるのなら……出ておいで、楽にしてあげるから……」
その声の響きは悪魔のそれにも似ていて、未起隆はただただ汗を流すことしかできない。
(……はっ、そ、そうだ!これを使えば!)
未起隆はバックの中に入っていたサッカーボールを取り出すと、思いっきり声のした方へと投げた。
そしてそれと同時に自分は逆方向へと逃げ出した。
カッツェの前には血だまりとその中に突っ伏した二つの死体、そしてサッカーボールが一つ転がっている。
「呆気ないものだなあ…」
くるくると、銃を回すとカッツェはその銃でくい、と帽子のずれを直した。
「ま、難しい仕事でもなさそうだな。」
カッツェの目的はただ一つ、このし合いを生き延びる事。
その上で、邪魔になる者は全員し、最終的にこのし合いに優勝する。
このし合いには、かつて自分に屈辱を与えた鳴鏡の空蝉、辰美の両人がいる。
復讐の機会にこれ以上の場はない。
無論、誰かに討ち取られていたならそれはそれで構わない。
自分の目的は復讐ではなく、生き延びることなのだから。
「…ひとまず、どこに行こうかなあ……病院なんか人が集まりそうだなあ……ふふふ……」
奇しくも、カッツェが狙いを定めたその場へと、未起隆も走っていたのだった。
だが、それを知る者はだれ一人としていない。
【藤香@クロックタワーゴーストヘッド 死亡】
【風間望@学校であった怖い話 死亡】

95 :

【A−5森/1日目午前】
【支倉未起隆@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:精神的動揺(中)、疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、熱唱びわ@戦国BASARA
[思考]1:とにかく今は逃げる。
   2:風間さん……
   3:仗助と合流したい。
【シュヴァルツ・カッツェ@ブシドーブレード弐】
[状態]:健康、精神高揚
[装備]:タチバナの銃@まほらば
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み)、サッカーボール@せんせいのお時間、風間の支給品一式(食糧小消費)、藤香の支給品一式(アイテム未確認)、忍者刀@忍たま乱太郎
[思考]1:し合いに乗り、優勝する。あくまで優勝。
   2:可能であれば空蝉、辰美に復讐したい。
   3:サッカーボールを投げた相手を追ってみる。
[備考]:カッツェの前に、風間の死体、藤香の死体、白旗@現実が転がっています。

96 :

【支給品紹介】
【白旗@現実】
風間望に支給。
見ての通り、白旗。
現代においては、主に停戦交渉や降伏を現すために使われることが一般的。
【サッカーボール@せんせいのお時間】
支倉未起隆に支給。
ごく普通のサッカーボール。
興津高校2年A組の生徒、末武健太がいつも持っているもの。
【熱唱びわ@戦国BASARA】
支倉未起隆に支給。
見た目はごく普通の琵琶。
装備して出撃するとそのステージのBGMがそのキャラ専用BGMに変化するのだが……このロワにおいてはほぼハズレアイテムといっても過言ではない。
【タチバナの銃@まほらば】
シュヴァルツ・カッツェに支給。
水無月家に仕えるメイド、タチバナがイタリアで水無月まひるを助ける時に使った自動小銃。
小型ながらも威力はなかなかのもので、タチバナはこれを使いまひるを誘拐しようとしたイタリアのギャングを一蹴した。
投下終了です

97 :
投下乙です。そして、全員登場おめでとうございます!
では自分も、二ヶ月ぶりに投下します
雑多ジャンルバトルロワイアル
39話:さらばいとしき女(ひと)よ
登場キャラ・姉原聡史郎、フェイト・テスタロッサ

98 :

前方三十数メートル先に、人間らしき生命体の接近を確認。
バルディッシュは、そのことをいちはやく感知していた。
しかし彼は、まず黙秘することを選択した。
主の命令は絶対であり、バルディッシュはフェイト・テスタロッサの願いを叶えるべくして存在する。
しかし、今だけは。
恐怖して逃げるマスターに、連戦を強いる真似はさせたくなかった。
極限の環境で追い詰められているマスターの手を、続けざまに汚させたくなかった。
しかしデバイスの葛藤も虚しく、彼のマスターはそれを見つけてしまった。
「バルディッシュ、灯りだ……」
  ◆
「バルディッシュ、灯りだ……」
フェイトは灯りの消えた工場地帯にともる小さな光源を見とがめた。
路上の街頭とは違う、下方から上空を照らすよう向けられた灯り。
それはつまり、懐中電灯を持った人間がそこにいるということを意味している。
バルディッシュを握りしめる両の手が、少し震えた。
「さなきゃ」
普段よりも機械的な操作で、急ブレーキをかけた。
高速で流れ去っていた眼下の夜景が、ぴたりと静止する。
バルディッシュに報告を求めたところ――躊躇いを見せたが――灯りの持ち主は魔力を持っていないとのこと。
つまり、最初に出会った少年はさっきの女性とは違う、魔法の使えない管理外世界の人間だ。
どこの誰か知らない、けれどどこかの世界の一人の人間の命を、フェイトは刈り取らねばならない。
主催者に捕らわれた母を助けるために。
見逃すことは、許されない。
ついさっき、化け物じみた女性から逃げ出したのとは違う。
相手は魔力資質のない、一般の人だ。
し合いに乗った強者だから放置した方が得だとか、逃げなければされていたとか、そんな言いわけを用意することができない。
ここで見逃せば、『他の参加者と出会ったにも関わらず、看過した』ことになってしまう。
それは、主催者からの要求を無視したことを意味する。

99 :
主催者は言っていた。
『ただ、君の監視は特別念入りに目を光らせているというだけだ。』
――さなきゃ、母さんがされる。
母さんを助ける為に人をす。
それは仕方がないこと。
そして、許されない事。
でも今のフェイトなら、きっとそれができる。
そして今のフェイトには、それしかできない。
――だってわたしは、最低なんだから。
フェイトはもう、人者になっている。
自分をとめてくれた勇敢な男の子を、血まみれにしてした。
それだけじゃない。
フェイトは罪を犯したのに、それでも自分の命惜しさに、魔法を使っていたのだ。
死んでもいいと思っていたのに、それでも母さんの為にないと思っていたのに、
そういうのを全部忘れて、自分が死にたくないと怖がっていた。
その対象が化け物だったから罪の意識が小さかっただけで、それでも魔法を傷目的で使ったことには変わりない。
だからフェイトは諦めた。
幸せになることを。
そして、自分が誰かを助けられるとか、主催者の命令に反抗できるとか、そういう希望を持つことを。
希望を持てるほど、心も力も強い人間ではない。
あの『狼』に、それを暴き立てられてしまったのだから。
母さんには、笑っていてほしい。
フェイトは、幸せになってはいけない。

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