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2011年10月1期ニュー速VIP+医者と会長に生かされた話しをする
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浮気してる母親とその浮気相手を潰す
知障の絵描き★4
同窓会での話
大切にする
医者と会長に生かされた話しをする
- 1 :12/01/13 〜 最終レス :12/01/15
- スペック
>>1当時二十歳♀
医者 五十半ばくらい?
会長 某大手水産会社の会長 年齢は分からないけど爺
- 2 :
- さあ、語り給え
- 3 :
- ありがとう
wifi調子悪くてID変わったかな?
自分は母子家庭で、五人兄弟。
高校で必死にバイトと勉強をして地元ではそこそこ難関で有名な大学に入った。
成績が良かったから返済不要の奨学金ももらえた。
大学生になってバイトも時間を増やせた。
それでも生活は楽にならない。一番下は小学生の妹、当然お金はかかる一方だった。
- 4 :
- スレタイに靡な物を感じてやってきました
- 5 :
- 水商売も経験した。授業に響かない程度に沢山バイトをいれた。
私大だから授業料は一年で100万近く、それに兄弟の生活費。
母のパートと私のバイトでは賄えなくなっていた。
そのストレスで母は私をよく責めるようになった。
お金が足りないこと、水商売に手を出したこと。
どうすればいいのか分からなかった。
そんな時、家庭教師を始めることになった。
- 6 :
- 挿入はされたの?
- 7 :
- イカされた訳ではないがお気に召すだろうか。
家庭教師先として辿り着いた家は正しく豪邸だった。
インターホンを鳴らすと身なりの整った小綺麗なおじさまが顔を出した。
先生ですね、愚息ですがどうぞ宜しくお願い致します…
貧しく、両親はお互いに夢中でろくに躾も受けてこなかった私は気が引けた。
品性って初見でも痛いほど感じるよね。
- 8 :
- おっさん頑張れ
- 9 :
- 愚息、と紹介されたが息子さんは充分すぎるほど努力家で聡明な子だった。3つ程しか歳は変わらない。
ノート一杯に書かれた予備知識を前になぜこんな子が家庭教師を、と教えるのを躊躇った。
90分はあっという間だった。
「先生、食事でも如何ですか?」
先程のおじさまが手招きをした。
- 10 :
- 愚息って言われると、違う事考えるよね
- 11 :
- おっさんではない(´・ω・`)
リビングに向かうと、既に食事が整っていた。
お寿司だった。
息子のA君が「こんなもので申し訳ありませんが」と謙遜した。普段何を食べているんだ…
食事を摂りながら聞かれるがままに自分の話をした。
父親がいないこと。兄弟が沢山いること。沢山勉強したこと…
おじさまもA君も終始頷きながら話を聞いてくれた。
- 12 :
- /ヾ
ゝイ丿
/ /
/ /
/ /
∧ ∧ / // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
シコ ( ゚Д゚)、 / /< おい!愚息。もちつけ!
/ ヽ、 / / \______
シコ ( ) ゚ ゚/ヽ、/⊂//
\ ヽ、 ( /⊂//
\ ⌒つ /
(  ̄/ /
| |O○ \
| | \ \
| ) | )
/ / / /
/ / ∪
∪
- 13 :
- >>12
さすがですわ
- 14 :
- 無事に家庭教師の契約も結べ、お腹一杯になって帰宅した。
余談だが家のなかにエレベーターがある光景が忘れられず大学の友達に話したら「うちにもあるよ?」と返ってきた。
その週末、派遣のバイトでホテルの清掃に向かうことになった。
- 15 :
- >>14
そのホテルでおじさまと相手に会ったのですね!
- 16 :
- ホテルに着いて色んな指導を受けて清掃に取り掛かった。
婚礼によく使用される有名なホテルで初めて足を踏み入れたことに感激した。
「ちょっと、この靴の汚れを取れる場所知らない?」
不意に白髪のお爺さんに声を掛けられた。
- 17 :
- 「昔はそこらに靴磨きってのが居たんだけどね」
よく見ると鳥の糞が靴にべったりだった。
「お取りしますよ」
洗剤と歯ブラシで擦ると糞はあっさり取れた。
お爺さんは目を丸くして「女の子にこんなことさせて申し訳ない、ありがとう」と封筒を手渡して去った。
封筒には12万円入っていた。
- 18 :
- 吹き飛んだ
- 19 :
- 住む世界が違う…バブル期だったらありえるかな
- 20 :
- 実話なんだ
返そうにもどこの誰だか分からない。
いつ会えてもいいようにそのまま持ち歩いた。
それから平日は家庭教師、週末はホテル清掃に勤しんだ。
父親がいないことを知って以来、家庭教師先では頻繁に食事に連れていってもらった。有名なフレンチ、和食、どれも一人では手の届かないレストランだった。
本当に良くしてもらった。
- 21 :
- 全文テキスト化してないだと…
- 22 :
- 読みづらくてごめんね
2ヶ月ほど経って、ホテル前でまたあの白髪のお爺さんに再会した。
お金を返す機会だと駆け寄った。
「あの、以前靴を掃除したものですが」
ああ、と笑ってお爺さんはお辞儀をした。
「あの時はありがとう」
「いえ、あの、お金を返したいんです」
「大した額じゃないからくれてやるよ」
お爺さんはまた封筒をくれた。
- 23 :
- というか、一方的に封筒を押し付けてまたどこかに行ってしまった。
今度は名刺が入っていた。
某水産会社の会長だということ、彼のものであろう電話番号とアドレス。
その夜早速連絡をいれた。
- 24 :
- まあ、ゆっくりでいいので続けてくれ
- 25 :
- 支援
- 26 :
- なにかうp
- 27 :
- >>1
面白い。読んでるぞ!
- 28 :
- 続きを知りたいので保守
- 29 :
- ありがとう、うpは後で考えるね!
電話をしてもいいものか分からなかったからとりあえずメールを作成した。会長さんはauだった。
『靴磨きの>>1です。勝手に連絡をしてすみません。お金の件、せめてお礼をさせて下さい』
貧乏だったからお金を借りたり戴いたり、奢られたりすることは、真っ当な理由がないとじゃないと嫌な性分だ。よく友人には損な性格だね、と笑われる。
- 30 :
- >>29 貧乏性というやつだな 何となくわかる
まして靴磨いたぐらいで大金貰えるなんて、普通何か裏があると思うよな
- 31 :
- すぐに返事は届いた。時間は21時くらいだっただろうか。
『今 接待が 終わった ところです。 御丁寧に 連絡嬉しかったです
明日は 空いていますか?』
会長さんは独特な空白の使い手だった。
―明日は空いていますか?
「失礼ですが、どのような意味ですか?」
必死に考えても分からなかったからそう送った。
- 32 :
- >>30
ほんとそう
「興味が あるのです 大丈夫ですから 明日の 19時にホテル○○のロビーにおいで 下さい」
怖い、行きたくない。
けどお金も返したい。
悩んだ末、意を決してホテルに向かった。
- 33 :
- 肝座ってるな
俺ならチビリそうだ
- 34 :
- お金が大金だったからね(;´・ω・`)
ホテルがホテルだったため、洋服は一張羅を選んだ。
出迎えてくれた会長はカラフルなスーツで、ドン小西を彷彿させた。
「中華は好きかな?ここのは殊においしいよ」
部屋に直行するのかと思い込んでいた私は拍子抜けだった。
- 35 :
- 現実離れした話だなwww
>>1がかわいいから釣られてやるか
- 36 :
- 本当なんだよう…でも釣りと思ってても読んでくれて嬉しい
食事は最高だった…が、今後のことを考えると不安で胸がいっぱいになった。
会長は色んな話をしてくれた。
大体のホテルは名前を言うだけで部屋が取れること。大学時代のこと。
仕事のこと。プライベートなこと。
そして、娘さんのこと。
- 37 :
- 興味深く読んでます。
- 38 :
- 支援
- 39 :
- 支援
- 40 :
- C
バンバン!(AA略)
- 41 :
- バン はよ
バン(∩`・д・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
のんびりでもいいから書いてほしい
- 42 :
- スマホの調子悪くてID変わるけど1です
保守ありがとう
「え…!」
携帯の液晶に映る女の人をみて、思わず声をあげてしまった。
「>>1さんに似てるだろう?」
鏡を覗いたかのようにそっくりだった。
娘さんに似ているからここまでしてくれるのかな、とぼんやり考えた。
「今お幾つなんですか?」
「…亡くなったんだよ。生きていたら、えー幾つかな?」
- 43 :
- 「ご去されたんですか?あの、すみませんでした。何も知らずにずかずかと」
なんて地雷を踏んでしまったのだと後悔した。
傷付けてしまっただろう。
「君がそんなこと知っていたら警戒しちゃうよ。生きてなくとも自慢の娘なんだ。別嬪だろう?」
私に似たのかな、と豪快に笑う彼が会長である理由が分かった気がした。
- 44 :
- 結局ここでも私は身の上話をするはめになった。
同情されることは好まないので、なるべくあっさり事情を話したつもりだったけど、話し終える頃には彼は目に涙を貯めていた。
「…」ぐすん
「すみません、そんな大それたことでもないのに…」
「アヤ(仮名です)、苦労したんだなぁ…」
「アヤ?」
「娘の名前だよ」
「??」
「毎月少額でいいから振り込ませてくれないか」
- 45 :
- 突然の申し出に硬直した。
「お気持ちは嬉しいですがそうしていただく理由が私には…」
「何を言うんだ、君はアヤに似ている」
「理由になりませんよ」
「娘に似た子が苦労をしているのに放っておけないよ、放っておきたくないよ!」
「でも無償でそれは流石に」
「じゃあ…仕事を与えよう」
名案だと思った。
- 46 :
- 「よし、これなら就労として手伝えるね」
「どんな仕事ですか?」
「ここに電話番号を書いて。後で秘書から連絡させるよ」
どうやら秘書とは、ずっと一緒というわけでもないらしい。
その後、何事もなかったかのようにタクシー代を渡され解散となった。
「今日は本当に楽しかった!」と連呼する会長を見ると何だか本当のお父さんのように思えた。
- 47 :
- タクシー代として10万円も入っていてまた怒涛の謝罪とお礼のメールを入れることとなった。
貧乏だけど、誰かから同情されて、恵んで貰いたいと考えていた訳ではない。
貧乏だからこそ、プライドを持って自らの手で稼いでいきたい。
だから、今回の出逢いはうろたえることの連続だった。
そう言えば今まで誰かに頼ったことはない。
- 48 :
- 要するに擬似近親相姦スレか?
- 49 :
- 期待
- 50 :
- 支援
- 51 :
- 支援ありがとうございます
それから暫くは大学もバイトも忙しい日々の連続で、会長の「就労」とやらも忘れかけていた。
家庭教師は相変わらず「重要」と赤ペンでびっちり埋まったノートとのにらめっこで、自分のレポートは〆切との追いかけっこだった。
学費はどうにか間に合いそうだったが、母からの追い討ちは手を緩めてくれなかった。
- 52 :
- 母もまた、金銭面では誰かにすがることをしてこなかった人間だ。
が、その頃は持病のメニエール病が悪化していたらしく、働くのが困難になっていた。
「お金を…」とせがまれることが多かった。
生まれた頃から実家は某カルト宗教団体にはまっている。
多忙な時期に、知らないおばさんが家を訪ねては、
「ちゃんとあなたが信心しないからお母さんこうなっちゃったのよ!」「何もしてないんだからせめて祈りなさい!」
と一方的に好き勝手喋っていった。
- 53 :
- 私はどちらかと言えばキリスト教系の大学だ。そのお陰で、入学時に「あんたあんな大学に行くなんて地獄にいくよ」と周りの信者に散々言われ、目が覚めた。
他人の努力を勝手な偏見で野次るような宗教が誰を救うんだ。
認められたり、報われたりしないと人間はやる気をがれる、とは知らなかった。
今思えば、もう限界が近付いていた。
- 54 :
- 期待
- 55 :
- 顔色があからさまに悪くなっていたのだろう、A君とおじさまには「栄養が不足していませんか?」と度々気遣われた。
その心配さえ素直に受け入れられず、「ダイエットをしているもので」と嘘を吐いた。
「無理なダイエットは宜しくありませんよ、コラーゲンというものは飲んで肌に作用するものではありません…あ、キツければ授業減らしても構いませんからね?」
おじさまはやはり医者だ、と思った。
「大丈夫ですよ、本当にありがとうございます」
「せめて何か栄養のあるものを食べましょう、今週末空いていますか?Aとお食事致しましょう」
「いつも連れていってもらってばかりなので忍びないです…」
言い終えた瞬間に綺麗なキッチンが目に入った。
「宜しければ、私に作らせていただけないでしょうか」
- 56 :
- 料理は好きだ、よく色んな人に振る舞ってきた。
最初こそ悲惨だったが、歳を重ねるにつれ、「美味しい」と褒められるようになっていた。
しかし、「本当に美味しいものを沢山食べることで舌を肥えさせると、自分が料理をするときに決して不味いものは出来ない」というおじさまの口癖がネックだった。
果たして、彼らの口に合うのだろうか?
「それはいいですね、じゃあお願いしましょう。食材はこちらが用意致しますから何なりと仰って下さい」
- 57 :
- 支援
- 58 :
- 週末ならレポートも終わっているし、バイトも多くない。
何とか彼らが喜んでくれそうなものを作りたいと切望した。
インターネットや本屋さんでレシピをみて回った。
翌朝、
「○○会長のお申し付けによりご連絡差し上げました」と電話が入った。
案の定、例の「就労」だ。
- 59 :
- 追い付いた
>>1は今何歳?あと美人?
- 60 :
- 「業務内容は幾つかありますのでご自身が生活に差し支えのない程度に、とのことです」
ひとつ。食品のモニター。食べて感想を送る、というものだった。
ふたつ。送られてきた何らかの文書を英語と中国語に訳して返す。
みっつ。定期的に送られるテーマに沿ってレポートを書く。結構な量になるらしい。
ご覧の通り、本来ならわざわざ仕事にしないようなものばかりだった。
- 61 :
- いい話だ
- 62 :
- 読んでるぞ
- 63 :
- ありがとうございます。
今は22です。私が美人かは分かりませんがネットやチラシ、ヘアカタログモデルをしてたので何処かでお会いしたかもしれませんね。ご参考までに。
「では、二つ目でお願いします」
「翻訳業ですか?」
それが一番仕事っぽいと思えたからだった。
「ではこちらから契約に於いての書類を発送させて頂きますね。給料は恐らく歩合になるかと」
充分だと思った。
「ありがとうございます」
「こんなこと会長が言い出して、びっくりしましたでしょう。頑張ってくださいね」
- 64 :
- 学科が英語や中国語の専攻なのでそれほど心配はしなかった。
訳なら腐るほどしてきた。
大丈夫だろう。
そして迎えた週末。
あろうことかおじさま達の前で、倒れてしまった。
- 65 :
- 酷い胃痛で目を覚ますと、ソファーベッドに横たわっていた。
おじさまが冷静に対応してくれた、とA君に聞いた。恐らく貧血だろう、とも。
「心配しましたよ、倒れちゃうから」
「ごめんね、A君お腹空いたでしょ」
「先生が元気なのがいいんです、食卓を囲む時は尚更」
まじまじとA君を見る。
よく見たのは初めてかもしれない。
…野球選手のムネリンとやらに似ているらしいけど、テレビをあまり観ないから分からない。
「ありがとう」
そう言うと、「先生の教えかた好きなんです」とはにかんだ。
- 66 :
- 面白い
- 67 :
- ゆっくりでいいので書き込んで下さいね
- 68 :
- みなさまありがとうございます。
>>1です。
スマホの調子が宜しくないのでトリップをつけておきますね。
- 69 :
- 誠実にがんばって生きてきた>>1の、
シンデレラストーリーであることを期待しながら、
次の書き込みを待ってます。
- 70 :
- 「安静にしていてください」
おじさまが戻ってきた。
「ダイエット無理しすぎていませんか?」
おじさまは恐らくダイエットじゃないことに気付いていただろう、A君の手前そう気遣ってくれた。
「今夜はどうぞお泊まりになってください。ゲストルームが空いていますから」
「そうだよ先生、今日は無理しないでよ」
「ありがとうございます」
目の前の慈悲溢れる親子と会長。
彼らに会って、沢山お礼を言えるようになったなぁ、と感じた。
- 71 :
- 嬉しいです(;_;)
こんな拙い文章を面白いと言ってくれるなんて、感激です。
ゲストルームは二階の突き当たりにあった。
10畳ほどの洋室にだだっ広いクローゼットがあった。
ウォーキングクローゼットというらしい。
そんなものはテレビの所謂「セレブ」と持て囃される人のみの所有出来るものだと思っていた。
最も、そういう番組を観ても、セレブ、とは有名人という意味でお金持ちを安直に表すわけではない、なんてことしか考えられないくらい物欲もない。
なんならこの4畳ほどのクローゼットで生活出来そうだ。
元々二世帯住居にする予定だったらしく、二階にもお風呂やトイレ、洗面台、果てはキッチンまでも完備されていた。
時刻は21時をまわっていた。
- 72 :
- 全力で保守
- 73 :
- 貧血のあとの湯船は良くない、とのアドバイスでさっとシャワーを浴びることにした。
部屋に戻るとドアの前に、アロマの加湿器が置いてあった。
丸い形状で、水が揺れ動くのを外から眺められる構造だ。
置き手紙があった。
「お好きなフレーバーをどうぞ。お大事に。A」
箱の中にはラベンダー、グレープフルーツ、グリーンティー、ラベンダーの香料である瓶が入っていた。
彼の精一杯の見舞いに、入れすぎだよ、と思わず笑った。
- 74 :
- 朝は5時に起きて朝食を準備した。
5時半にはおじさまも起きてきて、目一杯私の体調を気にしたあと、ウォーキングに出掛けられた。
和食と洋食はどちらが良いか尋ねそびれたので、どちらも用意した。
IHの三口コンロを使ったのは初めてだったが、こんなに便利なのかと感動した。
散々お世話になっといて、こんなことしか恩返し出来ていない自分に嫌気がさした。
- 75 :
- 6時半頃、おじさまが帰ってきて、シャワーに向かった。
A君も着替えてリビングにやってきた。
「ご飯、先生が作ったんですか?!もっと寝てて良かったのに…」
「こんなことしか出来ないからさ。A君、昨日のアロマありがとう。快眠だったよ」
「よかった、何の香りにしました?」
「グリーンティー。グリーンティーって香りがあるんだねぇ」
そうでしょ、とA君は嬉しそうに頷く。
「先生、あれ、あげます」
- 76 :
- ダメだよ、といいかけるより先にA君が言う。
「あれ、少し前に先生の為に買ったんです」
お年玉で情けないですけどね、とA君が笑う横でそういえば、と思い出す。
あれ、新品だったような…
「先生に教えてもらい始めて、成績伸びたんです。父にも誉められました」
「あれだけ努力できるんだから私の力なんて微量すぎるよ」
「あれだけ努力してたのに今まで分からなかったんです、先生のお力でしょう?感謝して当然です!」
うっ、と息詰まる。
この子は人を丸め込む天才なんじゃないか。
- 77 :
- Aめっちゃいい子だな
やっぱり育ちが良いからか…
- 78 :
- その日は10時からバイトがあったので、朝食に箸をつけないうちに帰宅の準備をした。
おじさまにもお礼を言いたかったが、噂通りおじさまの朝風呂は長い。
仕方ないので置き手紙をして家を出た。
駅まで送ってくれたA君は、ずっと「如何に朝食が美味しかったか」を語ってくれたので、気恥ずかしかった。
電車に乗って、戴いたアロマの箱を見つめる。
そういえ、10万円頂いても、こんな小洒落たものを買う発想に至らなかった。というか、相変わらず余裕はない。
自分の世界に全く違う色が加わっていく。
それが斬新で嬉しかった。
- 79 :
- バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・) バンバンバンバン゙ン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
- 80 :
- >>1早くしてくれ、悶死する!www
- 81 :
- わあありがとうございます
出先なので暫しお待ちを(´;ω;`)
- 82 :
- 倒れて以来、自己嫌悪が脳内で犇めくようになった。
もう全て投げ出したい。
何もかもを捨てて旅でもできたら、と憧れを抱くようになった。
一週間も経たない内に、会長から書類が沢山送られてきた。
文章とは、小説だったり、エッセイだったり、論文だったりとジャンルはバラバラだった。
共通して、あまり文章量が多くないことに気付いたのは、それらを一週間余りで訳し終えた時だった。
- 83 :
- やりきった後の達成感は私を元気付けた。
データを送ると、秘書の方から
「会長が非常に喜んでいらっしゃいました」と連絡がきた。
宗教のおばさんに言われた、
「あなたはなにも出来ない」
その言葉がずっと心に残っていたらしい。
私でも誰かの役に立ったじゃないか。
もう少し頑張ってみよう。
単純だけど心からそう思えた。
- 84 :
- 見てるよ
- 85 :
- 続きはよ
- 86 :
- 嬉しいです、ありがとう。
会長からの給料は相変わらず破格で、何だか済まない気持ちだった。
その後、お陰で免許を取ることが出来た。
それから少し経った頃。
樹木の葉は紅く変化し始めただろうか。
「先生、父が倒れたんです」
「こんな時間に非常識なのは承知しています、すみません」
深夜にA君からの連絡を受けた。
- 87 :
- 飛び上がって、翌朝の授業の準備、財布、携帯を持ってタクシーで病院に駆け付けた。
紹介がないと入れないという大きな総合病院のロビーに、A君は佇んでいた。
「意識はあるみたいです、今原因を調べているようで」
流石に心細かったのか、落ち着きがない。
「…医者にかかっているからもう大丈夫だよ、安心して待とう。一緒にいるから」
こんな言葉がやっとだった。
- 88 :
- それでそれで?
- 89 :
- 医者も会長もバツイチ?
- 90 :
- 面白いので保守
- 91 :
- 支援
- 92 :
- 会長さんの奥様はご健在でした。
おじさまの奥様はずっと昔にお亡くなりになったそうです
保守ありがとうございます
「医者でも医者にかかるんですよね」
A君は当然か、というように項垂れる。
先述の通り彼には母親がいない。
唯一無二の肉親だ、と聞いていた。
深夜のロビーで二人、ただ待つほかなかった。
- 93 :
- どれくらいの時間が経ったのか。
意識しない内におじさまの担当医とおぼしき男の人がA君を呼び出した。
戻ってきたA君を前にして、病状は聞けなかった。
「暫く入院だそうですが、ひと安心と言ったところです。呼び出してすみません」
あまりにも気丈に振る舞うから子供扱いをするのは気が引けた。
「いいよ、寧ろお世話になってきたから今度こそは私が手伝いたい。何か出来ないかな」
これならきっと彼の自尊心を傷付けないだろう。
「先生」
少し考えて彼は答えた。
「じゃあ家事を手伝ってくれませんか?」
- 94 :
- 感じが古いなw
あと、英語と中国語専攻もないわけじゃないが
専攻はどちからが多い
- 95 :
- 漢字が古い
- 96 :
- 上智か
- 97 :
- 同志社だと思った。
- 98 :
- 保守
- 99 :
- 立教、ICU、上智あたり?
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