じゃがいものような形をしたルテティアの大きさは101キロ×121キロ×75キロ。表面はでこぼこしていて小さなク レーターが各所にあり、直径55キロの大きなクレーターもあった。山のように連なった出っ張りや断崖、比較的 最近にできたとみられる滑らかな平原もあった。 氷や水の痕跡は見当たらず、過去に熱せられたことがあると推定される。また、宇宙の厳しい環境においても 「風化」は見られなかった。先端はレゴリスと呼ばれる分厚いちりの層に覆われ、ルテティアが宇宙空間でゆっくり と回転するたび地滑りのように表面に沿って流れ出していた。 1立方メートルあたり3400キログラムという高密度や、大型な点、原初をとどめた表面から、ルテティアが過去 に研究されてきたどの小惑星とも違うタイプであることが分かると、各論文は指摘する。 ■減りつつある微惑星 論文の1つを執筆したパリ天文台(Paris Observatory)のステファン・エラール(Stephane Erard)氏は、ルテ ティアは微惑星の可能性があると話した。微惑星とは、約40億年前に太陽系が形成される際に凝集して惑星 を形作った微小天体のことだ。 微惑星は、宇宙ちりが集まってできた塊が大きく成長し、自らの引力を備えるようになった岩石と定義される。 他の物体を引きつけてやがて惑星胚となるが、惑星になり損ねた微惑星はそのまま軌道を回り続けると考えら れている。 エラール氏によると、微惑星は長い年月の間にほかの天体と衝突して粉々に割れ、小惑星となる。このような 小惑星は数百万個あるが、大型の微惑星の数は比較的少なくなっているという。 小惑星 21 ルテティア:低質量で高密度 M. Pätzold, T. P. Andert, S. W. Asmar, J. D. Anderson, J.-P. Barriot, and 7 more http://www.sciencemag.org/content/334/6055/491.abstract 彗星探査機ロゼッタ搭載VIRTISにより観測された小惑星 21 ルテティア表面の組成と温度 A. Coradini, F. Capaccioni, S. Erard, G. Arnold, M. C. De Sanctis, and 44 more http://www.sciencemag.org/content/334/6055/492.abstract 小惑星 21 ルテティアの撮像:原始太陽系の微惑星の名残り H. Sierks, P. Lamy, C. Barbieri, D. Koschny, H. Rickman, and 53 more http://www.sciencemag.org/content/334/6055/487.abstract Rosetta Flies by Lutetia Science 28 October 2011: 430. http://www.sciencemag.org/content/334/6055/430.5.full 関連ニュース 【宇宙開発】彗星探査機「ロゼッタ」 2014年までしばし冬眠へ/ESA http://toki.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1307636249/-100 【宇宙】彗星探査機ロゼッタ、小惑星「ルテティア」へのフライバイ成功 http://toki.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1278831225/-100 【宇宙】青い三日月? 欧州宇宙機関の探査機ロゼッタが、地球を撮影 http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1259125077/-100 【社会】探査機「ロゼッタ」搭載のオシリス、63.3万キロ離れた位置から地球を撮影 http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1258329767/-100 【宇宙】彗星探査機ロゼッタ、最後のスイングバイ http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1258158656/-100 【宇宙】彗星探査機ロゼッタ、6日早朝に小惑星と接近 http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1220442566/-100 【宇宙】ロゼッタ、休止モードから再起動 http://news24.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1215424182/-100