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2011年11月1期3: 他に行き場所の無い作品を投稿するスレ3 (592)
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他に行き場所の無い作品を投稿するスレ3
- 1 :10/08/05 〜 最終レス :11/11/11
- とりあえず書いてはみたものの、一体どのスレに投稿するべきか分からない自作の作品を投下するスレです。
仲間外れの方、空気読めない方で、想像力と妄想力をもてあまし気味の方は是非、こちらのスレへどうぞ。
批判、批評、ご意見はなるべく簡潔に。変に貶したり感情的にならずに優しく見守ってあげましょう。
【過去スレ】
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ2
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1248339137/
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1223547316/
- 2 :
- いちおつ
- 3 :
- http://blog.livedoor.jp/torotoro19810730/
俺のイラストブログです。
本当に行き場所が無い創作意欲です。
イラストレーターになりたいです。ご意見ご感想まってます
- 4 :
-
例えば風俗嬢とか。
モテない男が、風俗で出会った女の子を連れ出す。
その娘がすごくいい娘で、優しくて、仮初めにしても男と本気で両思いになったとして、
男は彼女が風俗で働いていることが受け容れ難くて、衝動的に連れ出してしまう、
そんなことをすれば自分にも彼女にも不利益が及ぶことが分かっていながら。
連れ回しても、彼女は彼にしっかり従いてきて、お腹がすいて、深夜の牛丼屋に二人で入る。
他の客は殆ど居なくて、静かで、彼は衝動的に連れ出したこと、冷静に考えればとんでもないことをしていることに気づきたくなくて、
焦燥しきった頭で、黙っている。
彼女も黙っている。彼に対して怒っているのでも呆れているのでもなく、まるで駆け落ちのようなその状況に甘んじている。
彼はふと、こんなところに来たいんじゃなかった、と思う。
大好きな彼女を、もっと気の利いた場所、ダイニングバーかなんかに連れていきたかった。
これじゃ、普段一人で来ているのと同じだし、だいいち彼女に失礼なんじゃないか……
そんなふうに思って、「ごめんね、こんなトコで……」なんてぼそぼそ呟いたりするのだが、
彼女は優しく笑って、「一人だと来れないから、嬉しい」なんて言ってくれる。
彼はそれが嬉しくもあり、彼女が不憫でもあり、自分が不甲斐なくもあり、複雑な思いを抱えながら、二人の夜は更けていくのだ。
……という場面を、映画かマンガかで観たような気がするのだけれど、
この筋書きにピンときた方、いらしたら作品名を教えて下さいませ
- 5 :
- 世界が歪む。終焉のレクイエムが世界の終わりを告げる。
視界が霞む。厭世の怨念は何時しか、激痛を伴い全身を激しく痙攣させる。
世界は朱い。辺りは紅く赤い、けれど何よりも美しい湖で、私はそこに独り浮かんでいる。
視界は赤い。そして、そこで私は永遠の静寂に沈む。
そうして私は救われる。
有らん限りの厭世で世界をした私は、きっともうすぐ救われる。
きっと
- 6 :
- そういえば詩スレも落ちたままだからここに投下するしかないのか
立て直しちゃうかな
- 7 :
- ほしゅ
- 8 :
- ageんぬ
- 9 :
- 創作というほど立派なものでもないのですが、せっかく作ったのだから人に見てもらいたいです。
よろしくお願いします。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11773923
クオリティー的に、どこに貼ればいいのか分からなかった…orz
- 10 :
- 二人の声を一人で演じわけてたのか
すごいな、全然気づかなかった
ゲーム自体は置いていかないの?
- 11 :
- ', ;l: ll kr'´ ィイィ彳彳彳彳 〜 君はベストオブマイフレンド 〜
ヾ州ィイイィ彳彳彡彡彡 http://www.youtube.com/watch?v=JMKr1X-zLjY
_ __ ,′ ``ヾミミミ
,. '´;:.:.:.:.::::::::.:.:.``ヽ ,′ -‐ミミヽ/ミミミミミ ♪この世に生まれたときから
,. '´..:.:.:,. -─‐‐- 、;;;:;:.:ヽ〈 ,′ミミミミヽ 僕らはいつも一緒さ
/ .:.:.:.:.:.く ``ヾ「ヽヽヾミニ二二ミヽ `ヾミミミ
./ .:.:.:.:::::::::::::〉 ∠二二ニ彡' V/ T TTにニニニニニニニニニ==== ♪悲しいことたくさんあったね
/ .:.:.:.:::::::::::::::/ -='ぐ / l ||¨´ ̄`` . :; 傷つくことばかりだけども
/ .:.:.:.::::::::::::::::/ '''´ ̄` / `Y´ . ;..:
,′.:.:.:.:::::::::::::〈 ヽ____ノ', .;: .;: ♪夢みたいな出来事も
i .:.:.::::::::::::::::::::::', ,;;;'ハミミミヽヽ .,.:; .; :.;:. 僕らはいつも探していた
',.:.:.:.:/´ ̄`ヽ;;;', .;;;' ``ヾミヽ j! ,. ′.;: .;:. :
',.:.:.:ヽ い( ミj! )ミミj 、 、 ', ., 、:, 、 .; :. ♪君はベストオブマイフレンド…
',;;;:;:;:入 _ ..:;.;:.:;..:`Y ミj! 、 、 ', ., 、:, 、 僕らはずっと一緒さ
';;;:;:.: `フ´ _ノ . ;: .;: .; :. ;:. ;:.`Y´ 、 、 ', ., 、:, ,. '´
Lノ´ ̄ , ィ´ .:; .:; . ;:. ;:. ;: .;: .; :. ;:. ;} 、 、 ', ., 、:,,.: '´
ノノ ____\ ;.: .;: . :;. :;. :;. :; .;: .;: .;人 _; :; :; ィ´`ヾ 作詞家 佐藤英行へのリンクはこちらへ
,. '´  ̄ ̄``¨¨ー',:;;,,:,;:,;,. '´ /;;;;;;;;;;;;;;;/ ' http://www.music.ne.jp/~golsato/
- 12 :
- 「・・・・・・ミュージシャンの夢は、絶対に諦めない!」
俺の名前は、佐藤英行。お前ら覚えておけ。亡き尾崎豊の遺志を受け継いだ男だ。
http://www.music.ne.jp/~golsato/
世間の無理解に苦しめられ、ついに命を落としてしまった尾崎豊。
俺はそれが悔しかった。だから俺はこの時代にあえて尾崎イズムを貫くんだ。
ミュージシャンを目指して苦節23年。既に俺も43歳になってしまった。俺もまた、世間の無理解に苦しめられている。
尾崎から受け継いだ俺のメッセージを、世間は受け入れようとはしないからだ。
だが俺は決して諦めるつもりはない。
お前らに俺の熱い志を説いて、再び尾崎豊の精神を具現化すべく、俺は戦い続ける。
それが俺の見出した「本当の自分の姿」なのだから。
お前ら、俺の曲を聴いてくれ。そして俺と尾崎豊の伝えたかったメッセージを、理解して欲しい。
BEST OF MY FRIEND bY HideyukiSato
http://www.youtube.com/watch?v=JMKr1X-zLjY
みんな一緒にねHideyuki Sato
http://www.youtube.com/watch?v=Kltx0ryd_0I
胸がつぶけそうな愛しい唄(Arranged Cover)HideyukiSatoh
http://www.youtube.com/watch?v=9WSGXCOwfPg
傷痕(傷跡 Arranged Cover)Hideyuki Sato0
http://www.youtube.com/watch?v=OPHaolqWlgs
- 13 :
- バカがいるみたいなんで
晒し上げしてやる
- 14 :
- おかりします。
- 15 :
- 母親とケンカした。原因はわたしだ。
口で勝つことはないと分かりきっているのに、わたしは精一杯の反抗を試みた。
冷静に考えれば、わたしが悪い。しかし、収まりがつかない。事実の裏返しは事実を蝕む。
めっきは何時か剥がれ落ち、貧相な真実が露になることは、人類が知恵を掴んで以来、いにしえからの理。
わたしの弱いところを感情的に責める母親に対して、論理的かつ冷静な態度を演じ一人の『女子』としての主張するもの、
永遠のライバルとなる『母親』には打ち勝つことが出来なかった。罵りあいは大抵、声の大きい方が優位に立つ。
大きな声はさらに大きな声を呼び、部屋中黒い文字でいっぱいに埋め、もはや相手の眼を見て話すことさえ出来なかった。
「ちちちちちち!!」
「ぶんちゃん!うるさいよ!」
「じっ、じっ!!」
人の声が広がる所、飼い鳥のセキセイインコが仲間のお喋りだと勘違いをして、わたしと母親の間に割り込む。
「ぴい!みうーらくん!ぴい!」
無邪気で悪気がない分、小鳥がわたしを追い詰めた。風景な鳥かごの中、美しい色のインコが人間の言葉を話す。
「うるさい!」の母親の一言で、ぶんたは声を止めると、ぶるぶるっと羽根を振るわせる。照れ隠しのつもりか羽繕い。
しばし静寂が部屋に戻り、羽の音だけがかすかに聞こえる。電灯のひもが揺れていることにいまさら気付いた。
小鳥ごときに仲裁されたことが、なんだかくやしくて、くやしくて。母親の姿がひずんで見える。頬がヒリヒリと痛い。
鼻をかむ素振りをしてハンカチをそっと取り出す。昭和生まれの母親は随分と根深いもの、それでもわたしに追い討ちの言葉をかけた。
「三浦さんちの伸くんを見てみなさ……」
「もう、しらない!」
気が付くと廊下を駆けて、玄関ではやっつけで靴を履き、制服姿で表に飛び出していた。スカートが捲れていても、気にする暇はなかった。
限りなく青い空が憎い。団地の階段を駆け下りれば駆け下りるほど地上に近づくことが、何気なく憎い。
我が家がある棟から数メートル駆けると、いつもは気にしていなかった団地が大きくわたしの二つの眼に映っていた。
ゆがんで、ひずんで、大きくて。これ以上の形容は認めない。行く当てもないのに、まだまだ暑い半袖のシャツのままアスファルトを歩く。
「小田?」
聞きなれた声。小さな頃から聞きなれた声。
学校の部活帰りなのか半開きのスポーツバッグを肩から掛けて、額に汗を光らせる男子高校生。
それは真っ暗な大洋で羅針盤もコンパスも失った船の前に、漁火の群が現れたときのよう。
たとえ、このままでは力にならなくても、存在だけで全ての安堵を手に入れたと等しい。
「見ないでよ。三浦」
三浦と言う男子はわたしの住む団地でずっと同じ棟に住む動物好きの優男だ。
背ばっかり高くて、人の世話焼きばかりするヤツだ。幼馴染みで、しょっちゅうウチにお邪魔している。
その分、わたしが見せる弱さを知り尽くしているので油断ならない。弱さを見せたら三浦を止められない。
わたしは目に光るものを湛えながら、両手を握りこぶしでぎゅっと堪える。
「逃げたの」
「え?何が?」
「ウチから逃げたの。インコが」
「そうなんだ……。大変だな」
今、何故母親とケンカしたかが分かった気がする。
この口のせいだった。母親から頂いた、たった一つの口のお陰だった。
人間の口はどうしようもない欠陥品。ウソをついたり、ウソをついたり、ウソをついたり。そして、ウソをついたり。
インコの嘴が羨ましい。真実だけを反復し、曲げることを知らないインコの曲がった嘴が欲しい。
泣き顔を偽った咎の償いに、インコの嘴でわたしの舌を引き抜いてくれ。
- 16 :
- 「……えっと、三浦さ」
静かな場所とは心地が良いときと、すこぶる悪い場合がある。無論、現在は後者だ。
会話がつづかない為に出来る静かな空間は、いち早くここから逃げたい気持ちを生み出すが、生まれた結果予想外の育ち方をすることもある。
いきなり三浦は「まってろ。小田」という言葉とスポーツバッグを残して、わたしと小田の住む棟へと駆け出した。
世話焼き人間はある限度に達すると、自分のことなどどうでもよくなるのだろうか。
満々とコップに満ちた水が溢れ帰るように。
三浦のスポーツバッグをわたしが拾い上げると、半開きのチャックがさらに開ききれいな紙袋に包まれた手のひら大のものが入っていることに気付いた。
男子のバッグには不釣合いの可愛らしい紙袋は、少々わたしの興味を引いた。
「……」
目の前のアスファルトに大きな影が伸びる。しかも長細い影がおまけについている。
「ぶんちゃん、そう遠くに逃げてないって」
「え……」
虫取り網片手に、背の高い三浦の立つ姿はわたしには心苦しいものだった。
世話焼きに、ウソツキに、うるさ型。
インコから見れば、人間たちは彩り豊かに見えるのだろう。そんな人間たちを見てれば、いつしか自分が人間だと勘違いしてくる。
ただ、人間と違うことは『ウソをつかないこと』ということだけ。
たかがインコのことを考えているうちに、自分が恥ずかしくなってきた。ぶんたにも会いたい。
「おーい!ぶんちゃーん」
三浦の叫び声が団地じゅうに響く。風に乗って、林を抜けて、雲まで届け。ひしひしと三浦の純情がウソツキを焦がす。
虫取り網を肩に掛けて、わたしを手招きしていっしょに飼い鳥の名前を呼ぶことを誘う三浦はバカなぐらい世話焼きだ。
いつしかわたしも必死にインコが居もしない林の中で、インコの名前を呼び続けていた。
捜索を諦めない三浦は、少し弱音を吐く。
「せっかく買ってきたのになあ」
「え?何?」
「ブランコ。プラスチックの造花が付いていて、ぶんちゃんにぴったりと思ったのに」
多分、あの紙袋の中身はブランコだ。インコ用のブランコだ。
鳥かごからぶら下げるブランコ。三浦がぶんたの鳥かごを見て「寂しい」と言っていたことを思い出した。
世話焼きってば!
「ぶんちゃんに花ブランコ、乗ってもらおうよ」
「う、うん」
出来ることなら、ウソツキより世話焼きになりたかった。世話焼きならうるさ型でも器用に立ち回れるだろうし。
もしかしたら、三浦といっしょならウチに帰る口実が出来るかも。勝手に出て行ったわたしを許してくれるかもと。
青い鳥を追い駆けて、チルチルは青い鳥を探し続け、ミチルは現実に帰る。魔女の住む団地の棟へと戻る決心。
「三浦。もしかして、ぶんたはウチに帰っているかも。ほら、ウチの子……。自分を人間と思っているから」
「人間って……。面白いな、小田は」
「もしかして、ウソついてるって思ってるでしょ」
三浦は少し呆れながら虫取り網を林で振り回していた。三浦の興味はもはやぶんたにしかない。
そしてわたしは、また一つウソをついて、花ブランコに乗ったインコを思い浮かべながら三浦の裾を引っ張る。
おしまい。
- 17 :
- http://twitter.com/wan_ko_house/status/24105501345
辛い話にならなかったよ!!!!遠子センパイ!
投下終了。
- 18 :
- 面白かったよ。
確かに辛い話じゃないねw
いい話だ。
- 19 :
- 描いちゃ!描いちゃ!描いちゃ!描いちゃぁぁぁぁわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!彼方彼方かなたぁああぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!描いちゃの描いた無限 桃花たんの赤み掛かったポニテをクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
描いちゃのふぇえにっしょくたんあざとかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぇぇえええんんっ!!
SDキャラ化されて良かったね星野さん!あぁあああああ!キモかわいい!星野さん!キモかわいい!あっああぁああ!
天候擬人化スレもキャラ増えて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!にっしょくスレが再立してない!!!!あ…SDスレも嘘スレもよく考えたら…
描 い ち ゃ の い る ス レ が 再 立 し て な い!?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!夕鶴クライシスぅぅぅぅぅぅううううううううう!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルトシュラぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!創発なんかやめ…て…え!?見…てる?コスプレしたいかづちが僕を見てる?
練刀悪世巣猿参婆盆寄生が僕を見てるぞ!ロリ魔獣ちゃんが僕を見てるぞ!離島擬人化の沖ノ鳥島たんが僕を見てるぞ!!
ロダのスイカさんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕には描いちゃがいる!!やったよよし子!!ひとりでできるもん!!!
あ、コテ変えた描いちゃああああああああああああああ!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあバンディッド霧崎様ぁあ!!じ、Gーー!!発子ぉおおおおおお!!!はさみさぁあああん!!
ううっうぅうう!!俺の想いよ描いちゃへ届け!!創作発表板の描いちゃへ届け!
- 20 :
- _,. -−─−-- 、_
,. '´ _ -−ニ二二`ヽ、
/ / _,.−'⌒ヽ,ノ``'ミ,、
,.' / / ,,イ゙\ /入、ヾ,
. / / // -‐''"_ ヽ l l′/`_''l}
' / ,.イii/ /∠´ `ヾ' l lレ''´ ヾ
/ ,.' ii/u i{,_,, ゚ }! l li{,_,. ゚ } ?
. / /ii i/u uヾく,_,ノ′ l lゞi-rイ
,' /-、 i| u ' ' ` ,__〉〉 | ? ?
. /l 「ヾ'i| ,.r‐ `'U'U_,ィ}|
/ | ー}.l| /,r 'T"丁 ̄| ̄ | l|'|
}i iト、}( l! ,イ |__, ⊥ _|__,l|.ト、
`i iiiハ `| i l_/ _,ノノ|| \
. }iij. |. l |Y/ ‐┴''" ||\ \
゙l! | l|. 仁 _,__ || \ \
/ | |l lニレ'´ `ヾ'、 || \ \
/ |. |ヽ 「]、 ヾ>、|| \
/ .| |. ヽ`「ヽ }H|\
| | ヽ`「ヽ、、,__,,ノj‐|| ` ー─
u | | \`'〔`'T''''''T´ ,ノ|
| | \ ` ̄ ̄ ̄ /
| | `−──‐′
- 21 :
- 愛されてんなwww
- 22 :
- おかりします。連投です。
「本当の価値」
その男は焦っていた。
働き口がないまま所持金が底を突き、しばらくは手持ちの物を売り払って
なんとかやってきたものの、滞納した家賃も大家の許容範囲を超え
わずかでも支払ができなければ、すぐに出て行けと言われている。
ただ、それよりも深刻なのは今日の飯代すらないということだ。
『このままでは、泥棒とかするしかないかも』
男は善人とは言えないまでも社会人になってからはまともに働いてきたのだが…。
そんな時、
「ただいまM公園にてフリーマーケットを開催しております。お時間のある方は…」
と広報車がやってきた。
男の家財はほとんど売り払ってしまったが、本と少しのガラクタがある
『なんとかフリマで金に変えよう』
それが、男にとって最後の良心だったかもしれない。
男は片っ端から部屋の中のものをバッグに詰めるとM公園へ駆けつけた。
運の良いことに参加料は無料だった。
適当な場所を見つけると、男は地面の上に直接、本やガラクタをならべた。
1時間、2時間と時が経っても、客は皆素通りして行く。それもそのはず
並んでいるものはどれとしてまともなものは無く、手垢にまみれた本や
人気の無い古臭いフィギュア、その辺で拾ったようなちょっと綺麗な石ころ
といったものばかりなのだ。
終了まであとわずかという時間になって、ひとりの老人が男の前に立った。
「君、それはいくらかね?」
老人の指差すものを見ると、それは石ころの中に混じったタイルだった。
男が中学生の頃、後輩から巻き上げた財布の中に入っていたもので
瑠璃色に光る魅力的なアーモンド形のタイルだったが、宝石の類ではなかった。
今の境遇から察すれば、幸運のお守りですらないだろう。
続く
- 23 :
- >>22続き
「君、それはいくらかね?」
老人に再び問われると、男はここぞとばかりに言った。
「ご、5万円…です」
「おお、そうか。君にとっても大切なものなんじゃな、ではあきらめよう」
『しまった!』男は吹っかけすぎたことに後悔した。
この老人を逃してしまったら後が無いかもしれない。
「待ってくれ!3万…いや1万でいい!買ってくれ…買ってください!」
「本当にいいのかね?1万円でも?」
「ええ、それでけっこうです」
「ではいただこう。どうやら訳ありのようじゃ、3万円でどうかな?」
『ありがたい、これで2ヶ月は暮らせる』
男の顔に安堵の表情が浮かび上がる。
老人はタイルを受け取るとしみじみと眺め、本当にうれしそうに去っていった。
『待てよ…』
男はしばらくして、老人の言葉に何か引っ掛かりを感じた。
『あの爺さん「君にとっても」って言ってたな。「君にとっても」ってことは
「わしにとっても」ってことだろ?もしかしてすごいお宝だったのかも!』
男は老人にまんまとだまされたと思った。
『だからあの爺さん余裕で3万払ったんだ!』
あわてて周囲を見渡すと、あの老人が公園から出て行くところだった。
『じじい!』
男の心は欲望に乗っ取られ、良心はすでに吹き飛んでいた。
『あいつの家をつきとめて、相応の金額を巻き上げてやる!』
男は老人の後をつけて行く。山の手のほうへ向かう、高級住宅街だ。
やがて老人は一軒の邸宅に入っていった。
老人の物腰にたがわぬ大邸宅だ。
続く
- 24 :
- >>23続き
『10万…50万か』
勝手に値踏みをすると、意を決してチャイムを鳴らす。
屋敷の奥で重厚な音が鳴っている。インターホンではなさそうだ。
分厚い木製の扉が開くと、先ほどの老人が門の所までやって来た。
「ああ、先ほどの青年か、何か…」
言い終わらないうちに男はずかずかと敷地の中に入り込む。
「じじい、だましたな!」
「何のことじゃ?」
「とぼけんじゃねえ、さっきのタイルだよ!お宝なんだろ?」
「何を、あれはただのタイルじゃよ」
「嘘つけ!ただのタイルに3万も払うなんて、考えられねえ!」
「君だって大切にしておったんじゃ…」
「うるせえ!」
思わず手が出てしまった。老人は転倒し、鈍い音がした。
『意識が無い、やべえ死んだかも』
男は逃げようと思った、が
『いかん、タイル、俺の指紋がべったり!』
あわてて老人のポケットを探す。無い。
『くそっ、屋敷の中か』
男は袖にくるんだ手で分厚い扉を開けると、慎重に屋敷の中へ忍び込む。
人気は無い、一人暮らしのようだ。
目が慣れるまでは薄暗くてよく見えない。
しばらくすると重厚な造りが見え始めた。高そうな調度品の数々。
シャンデリア、螺旋階段、テレビでしか見たことの無い洋館風の内装。
ふと、床に目を落とす。大きく絵が描かれている。鳳凰か?
さらに目が慣れてくる。絵だと思ったのは、モザイクだった。
細かい破片を埋め込んで、大きな模様を形作っている。
男の目にもそれは荘厳で完璧なものに見えた、たった1箇所
鳳凰の目に当たる部分にぽっかりと開いたアーモンド形の穴を除いて…。
終わり
- 25 :
- きれいに落ちてるな
星新一のショートショートみたい
- 26 :
- 22-24です
>>25
読んでもらえてうれしいです。
ちょっと本文で訂正
×『なんとかフリマで金に変えよう』
○『なんとかフリマで金に換えよう』
- 27 :
- ラストが意外で面白かったよー
- 28 :
- この町を出て都会に行く。ぼくがそう言った時の、彼女の驚いた表情と反応は大袈裟すぎて胡散臭いぐらいだった
何故? どうして? 考え直さないかな? この町が嫌い? 嘘だよね? 冗談だよね?
彼女は今の年齢の半分くらいの時から読者が好きでよく感想を聞かせてくれた。頃は無邪気で他愛もない感想を、年齢を重ねるにつれ、知的で落ち着いた感想を楽しそうに話してくれる
そんな彼女からは信じられない狼狽っぷりに動揺したぼくはその場から逃げ出してしまった。
謝らなくちゃ。彼女を傷つけてしまったのだから。そして町をでる理由を、叶えたい夢があることを、キチンと話そう。きっと分かってくれる。
そう思っているけれど、心臓は早鐘のように鳴り、体は動いてくれない。しかし、心臓の音にあわせるように、玄関のチャイムが鳴った。彼女が追いかけてきたのだ。
扉を開ける。彼女がいた。彼女は、腕を後ろに組んで穏やかに微笑しながら優しく言った。
「さっきはごめんね。いきなりの事で驚いちゃったんだ。大丈夫。落ち着いた。そして君が町を出る理由を考えたんだ。大方、夢を叶えたい! だとかその辺でしょ? それについて私なりに意見があるの。いつもみたいに聞いてくれる?
人はね、よりよく生きたい、もっと幸せになりたい、から夢をみるの。不幸になりたい、なんて願ってる人いないよね。君の夢もそうでしょ?
でもね文明は人類が夢を叶えてた結果なんだよ。
つまり、今、君がいるこの世界は遠い昔に誰かが夢みた理想郷なんだ。
それを否定するの? 『もっと』ってまだ思うの? いつまで続くの? 1万人がそれぞれに夢を目指して、たった1人だけが叶えて、残りのみんな不幸になって犠牲になって、そうやって何度も繰り返して、それでもまだ幸せにはなれないの?
『生きる』ってそういう事だよ。よりよく。今よりももっとよく。決して今に満足できない。してはいけない。満足したなら他の者より先に死ぬ。そうやって『生きた』のが人間なんだ。だから、人間は幸せにはなれない。
ねえ、もう頑張らなくてもいいんだよ。もしかしたら幸せになれるかも、だなんて勘違いして、自ら苦しみに飛び込まなくてもいいんだよ。だからさ、
一緒に死のうよ。 今に満足しようよ。人間止めようよ。この下らない生存競争から手を引こうよ。そして、幸せになろうよ。」
彼女は、後ろに隠していた包丁で、ぼくを、刺した。
- 29 :
- 思わず笑ってしまったので、お詫びにここに貼る
66 名前: 名無しさん@十一周年 [sage] 投稿日: 2010/09/24(金) 00:18:45 ID:X+5RiURf0
流石に今回はやべぇよ…そろそろ方針転換するか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
___ ____
| ◎| /. /|| ∧_∧ \ /
|.][:| | ̄ ̄| ||(@∀@;) カタカタカタ
|= | \  ̄\_ | l ̄\と ) ∧ ∧
「二二二二二二二二「二二二| (`ハ´*)
. || | || | (====) と とヽ
. || \ ||. \ || ヽ ヽ〜
. ||___] . ||___]. ロ=O し'ヽ)
+ * +
___ __*_ ハッ! *
| ◎| /. /|| ∧_∧ + *
|.][:| | ̄ ̄| ||(@Д@;) ☆彡 アイヤ〜♪
|= | \  ̄\_ | l ̄\と ) \ ∧ ∧
「二二二二二二二二「二二二| ⊂(`ハ´*) < 昔の心に戻る魔法アル
. || | || | (====) \ ,)〜
. || \ ||. \ || ( ( |
. ||___] . ||___]. ロ=O ∪
撃ちてし止まん!一億総火の玉!
鬼畜英米!大東亜共栄圏!
∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
___ ____
| ◎| /. /|| ∧_∧
|.][:| | ̄ ̄| ||(,@∀@ ) カタカタカタ
|= | \  ̄\_ | l ̄\と ) ∧_∧ アイヤー!!
「二二二二二二二二「二二二| (|i|`ハ´) 戻しすぎたアル!!
. || | || | (====) / つ_つ
. || \ ||. \ || 三 人 Y
. ||___] . ||___]. ロ=O ──☆ 三 し'<_>
- 30 :
- http://ncode.syosetu.com/n9550n/
時代劇風なんですけどどうですか・・・
自分のお気に入りではあるんですが依然コメント付かないし・・・
文字多すぎで会話少ないんですがよければご意見いただきたいですorz
- 31 :
- ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281197869/l50
批評依頼なら、ここに頼め。
このスレは、黙って自分の創作を晒す場であって、作品の批評をする場ではない。
- 32 :
- >>31
>>30です
ありがとうございます
以後気をつけます
- 33 :
- タカシはその厚みがあり黒光りする日記帳をいつも持ち歩いていた。
タカシは毎日律儀に日記を記していた訳ではない。
とはいえ、毎日ちゃんと記していたものがあった。
タカシにとって"それ"は自らの空想を辿り留めておく手帳だった。
その名も"たかしDiary"。身も蓋もない。
タカシは"たかしDiary"の活用法について悩んでいた。
書かれているのは他愛も無いガキんちょの戯れ言と、ヘタクソな落書きである。
タカシ自身、そのくだらない内容が価値あるものだとは考えてはいなかった。
このままでは"たかしDiary"は誰の目にも触れず焼却炉行きである。
タカシは長年書き続けた戯れ言をみすみす捨て去るのは惜しいと考えていた。
"たかしDiary"を発表する何かしらの場を求めていた。
そこでタカシは"たかしDiary"が自分が書いたものではなく、他の誰かが書いた事にすれば良いと考えた。
タカシ、8歳の事である。
- 34 :
- 近衛志保伝
第一次聖星学園紛争後の話
いつも可愛らしく微笑んでいる聖星学園副生徒会長の近衛志保だったが、今日に限って
プンプンふくれっ面をしていた。
「やっぱりあの脳筋雌ゴリラどもが邪魔なんです!
せっかく千沙様の誕生日なのに、
このままでは千沙様に志保のプレゼントを渡せないんです!」
そう、この日は、生徒会長の鬼頭千沙の誕生日であった。
近衛は鬼頭が大好きで、毎夜、鬼頭を想っては眠れぬ日を過ごしていた。
近衛は、鬼頭に何度も想いを伝えようと試みてはいたが、
その都度、鬼頭親衛隊に阻まれてきた。
かつて、第一次聖星学園紛争において、鬼頭派と近衛派は血を血で洗う凄惨な闘いを繰り広げ、
近衛は鬼頭に深手を負わせ、後一歩のところまで追い詰めていた。
紛争は、近衛が和睦に応じ集結したが、鬼頭親衛隊は、冷酷を極め聖星の菩薩と呼ばれた近衛に対し、
決して警戒を解くことはなかった。
紛争が集結したとはいえ、可愛い顔で微笑みながら鬼頭派を切り、返り血を全身に浴びていた近衛の姿を忘れることはできなかった。
- 35 :
- 近衛志保伝
第一次聖星学園紛争についてはまた後日語ろう
今日は、鬼頭千沙の誕生日である。
近衛志保は鬼頭千沙にずっと片思いをしてきた。鬼頭は近衛のその想いを知らない。
近衛が用意したプレゼントは、手編みのマフラーである。
鬼頭の周りは鬼頭親衛隊により固められている。
近衛は整ったきれいな眉を眉間に寄せながら、思案した。
- 36 :
- 近衛志保伝
「千沙様と脳筋メスゴリラどもを引き離すんです。
千沙様だって、いつもあんなゴリラどもに付きまとわれて本当は困っているんです!
千沙様が一人きりになるとき、結界を張るんです!」
近衛の立案した作戦はこうである。
鬼頭はりりしい性格であるが、花を愛し、学園の一遇にある薔薇園の手入れをよく行っている。
鬼頭はそのときは親衛隊を薔薇園に入れさせない。
鬼頭が薔薇園で孤立した隙に、近衛は薔薇園全体に強力な防御結界陣を敷き、
親衛隊の介入を防ごうとした。
近衛は防御結界陣の達人であり、第一次聖星学園紛争では、聖星最強とうたわれた鬼頭ですらも近衛の防御を破ることはできなかった。
親衛隊切り離し作戦を立案した近衛は、いつもの微笑みを取り戻した。
そんな近衛のことを、旧近衛派はもちろん、かつての敵である鬼頭派ですらも、見惚れるくらい可愛らしいと思った。
「千沙様、待っていなきゃだめなんです。志保がお誕生日プレゼントを差し上げるんです」
作戦の発動が近づいている。
- 37 :
- 近衛志保伝
近衛はこの日のために、一ヵ月かけマフラーを編んだ。赤をベースにした。鬼頭が赤い薔薇が好きであったからだ。
一方、近衛の作戦を露とも知らない鬼頭は、いつものように一人で薔薇園に入った。
鬼頭に先んじて薔薇園に入っていた近衛は、木立に隠れ気配を消しながら鬼頭を見守った。
徐々に近衛の防御結界陣が薔薇園を満たしていく。
薔薇の手入れをしながら、鬼頭は僅かな空気の揺らぎを感じ、妖刀和泉守國貞を手元に引き寄せた。
このときには既に防御結界陣は完成しており、鬼頭親衛隊が薔薇園に近寄ることはできなくなっていた。
親衛隊はこの異変に何も気付いてはいない。
近衛は思った。
「千沙様、おばかさんです。隙だらけです。
もし、千沙様の命を狙う輩がいたら、これほど危険なことはないんです。
千沙様は志保がお守りするんです!」
近衛が気配を消しながら鬼頭の背後に近づき、声をかけようとしたその刹那!
- 38 :
- 鬼頭の和泉守國貞がひらりと舞い、鬼頭と近衛の間の2メートルほどの空間を切り裂き、
近衛の首に張りつこうとした。
居合いである。鬼頭の剣陣はあまりにも素早く誰も見抜くことはできない。
近衛志保を除いては。
鬼頭が刀を繰り出した時、近衛は既に、鬼頭の剣陣を見切っていた。
近衛は防御の達人である。この程度ならかわそうと思えばいくらでもかわすことができた。
だが、近衛は、鬼頭の剣圧を感じながら、決して避けようとはしなかった。
近衛は悲しく淋しなった。
大好きな鬼頭にされるなら仕方ないかと、第一次聖星紛争で多くの鬼頭派を切った自責の念もあった。
ただ、近衛は鬼頭にせっかく編んだマフラーを渡したかった。
近衛は微笑みながら、そして少し泣いた。
- 39 :
- 近衛志保伝
鬼頭の繰り出した刀がひらりと舞い、鬼頭と近衛の空間を切り裂き、白く美しい近衛の首筋に張りつこうとした。
居合いである。鬼頭の剣陣は素早く誰も見抜くことはできない。
近衛を除いては。
近衛は、鬼頭が刀を繰り出した時、既に剣筋を見切っていた。この程度ならかわそうと思えばいくらでもかわすことができた。
だが、近衛はそうしなかった。
大好きな鬼頭にされるなら仕方ないかと、第一次聖星学園紛争で多くの鬼頭派を切ったことの自責の念もあった。
ただ、近衛は大好きな鬼頭に手編みのマフラーを渡したかった。
近衛はたまらなく悲しく切なくなった。
近衛はいつものように微笑みながら、そして静かに泣いた。
- 40 :
- 近衛志保伝
鬼頭の剣陣が近衛の白く美しい首筋に当たるその刹那、全ての動きが止まった。
近衛の瞳から涙が頬を伝わる以外には。
鬼頭は和泉守國貞を投げ捨て、近衛を抱き寄せた。
まさか、近衛であったとは。鬼頭は刺客に襲撃されたと勘違いし咄嗟に剣陣を放ったが、あろうことか近衛を切ろうとしてしまった。
学園最強とうたわれる鬼頭千沙であったが、かつて聖星の菩薩と呼ばれた近衛の強さは痛い程知っている。
そして何より、鬼頭は誰よりも近衛のことを可愛らしいと想い、心のなかで大事にしてきた。
- 41 :
- 『真夏の果実』
「かあさんっ!かあさんっ!」
尾崎少年は、そう叫びながら階段を駆け下りた。顔には満面の笑み。そう、今日から夏休みなのだ。
うれしさのあまり自分を抑えることのできない尾崎豊少年。
まさか彼がこれより十数年の後、あのような最期を迎えるとは、今の彼を見ても誰も想像できまい。
窓から差し込む初夏の陽射しが、尾崎少年の頬を刺す。
「かあさんっ! ・・・ねえ、かあさんってば!」
尾崎少年はもう一度母を呼ぶ。母の返事が無いことにもどかしさを感じた。
そのまま階段を大きな足音を立てながら降りきった尾崎は、母のいる台所の扉を勢いよく開ける。
そして彼は、予想だにしなかった光景を目にしてしまったのだ。
「…か、母さん?」
尾崎少年の笑顔は凍りついた。目の前の光景が信じられなかった。
尾崎少年はそのまま立ち竦んでしまった。
台所の採光窓から差し込む朝日の中に母は居た。普段通り尾崎少年に優しく微笑みかけている。
しかし何かが違った。いつもの母とは、決定的に何かが。
「・・・勇太。やっと起きたの、遅いでしょ?」
母の言葉も、いつもと変わらず柔和だった。そこまではいつもの母であった…しかし!
逆光の中で立つ母は全裸であった。
さらに驚くべきことに、母の股間には、黒々とした巨大なペニバンが巻き付けられていた。
20センチは優に超える巨大なシリコンラバーコーティングのディルド。
それは不気味に起立し、なめらかでかつ鈍い輝きを放っている。
爽やかな初夏の陽射しの中で、その存在感は明らかに異様だった。
母は食卓の椅子から立ち上がるとゆっくりと尾崎少年に歩み寄った。
歩みを進めるたびに母さんの股間に装着されたディルドが大きく揺れる。
「駄目じゃない、勇太。もっと早く起きなきゃ。学校に遅刻するでしょ…」
母はいつもと変わらない笑顔で語りかけてくる。
しかし、笑顔で細くなった目から漏れる輝き…尾崎少年をおびえさせる何かがちらつく。
「で、でも母さん、今日から学校は…学校は夏休みだよ」
立ち竦んだまま尾崎少年は答えた。その声は震えている。
額にはうっすらと汗がにじみ出る。明らかに自分が緊張しているのがわかった。
気づくと自分の心臓が激しく動悸を打っている。
口の中に唾がたまり、尾崎少年は気になった。おそるおそるたまった唾液を飲み下す。
母はさらに歩み続ける。台所の床板がぎしっと軋む音が、ことさら大きく響く。
台所は無音だった。その無音の部屋の中で、母の歩む足音だけが、不気味に響き渡る。
- 42 :
- 母は尾崎少年の目の前で立ち止まった。
全裸の母は中年太りしていた。弛んでだらしなく下に垂れた房、ドス黒く大きい輪、丸々と迫り出した太鼓腹。
くたびれた中年女特有のくすんだシミだらけ肌は、どこか脂っぽい。
母の吐く息が、尾崎少年の頬を掠める。タバコのヤニのにおいが混じった生臭い匂いが、尾崎少年の鼻腔を刺激する。
「そ〜う、今日は学校は夏休みなの…」
母はそう呟くと、もう一度大きく微笑んだ。尾崎少年の数センチの所で母の双眸が止まる。
尾崎の緊張を読み取ったのか、母はそこで一瞬真顔になり、直後に歯をむき出して笑った。
「ひいっ!」
尾崎は思わず悲鳴を上げた。母の、不気味に赤く染まった唇の間から、黄色く濁った前歯がギラリと光った。
犬歯はまるで猛獣のそれのように巨大に伸び、その先端は残酷なほどに尖っている。
そして尾崎少年をまっすぐ見つめる目。その目の輝きに尾崎少年は震えた。
母の双眸…それは赤く不気味に輝く魔物の目そのものだった。
「うっ、うわああーっ!」
尾崎少年は絶叫した。
同時に失禁してズボンとブリーフを汚す。膝がガクガクして全身が震える。
もはや立っていられなかった。崩れるように膝から床に倒れた。
いつの間にか大便まで漏らしていた。床には短パンの裾から漏れ出た大便が散らばった。
ついには尾崎少年は泣き出した。
そんな尾崎少年を、母は嘲るような目付きでを見下ろしていた。
そこには、あの優しかった母の姿は何処にもいなかった。
尾崎少年を、まるでくだらないものを見てるかのようにジッと凝視していた。
沈黙が支配する。その空気が重い。尾崎少年のすすり泣く声だけが、虚しく響き渡る。
突然、母は尾崎少年のシャツの胸倉を掴んだ。
「勇太!貴様なにをしでかしたっ!このボケナスが!」
母は尾崎少年の胸倉をつかみ、引き上げると、思い切り床に叩きつけた。
その顔は赤銅色に染まり、怒気が溢れていた。
目は大きく見開かれ、気に満ちた視線が尾崎少年を睨みつける。
「…か、かあさんゴ、ゴメンなさいっ!ボ、ボク…あの」
尾崎は泣きながら謝る。しかし恐怖と恥辱で上手く言葉にならない。
すると母の握りこぶしが、尾崎少年の頬を殴りつける。
鈍い音とともに、尾崎少年は自分の前歯が砕けるのを感じた。
頬の内側が大きく裂け、塩っ辛い血が口の中に広がっていく。
その感触を確認する間もなく、再び母の拳が尾崎少年のこめかみを打ち据えた。
(される!)
尾崎少年はそう直感した。
- 43 :
- するとどうしたことか、突然母の表情が変わった。今まで赤銅色に染まった表情が、スッっと平静に戻る。
尾崎少年から目線を外すと、そのまま虚空を仰ぎ見、何かを考えている。
(…な、何考えているの?母さん!)
尾崎は何か嫌な予感がし、不安げに母の表情を見上げる。
この沈黙そのものが、尾崎少年を恐怖に陥れた。
激しい痛みが尾崎少年を襲う。鼻からは鼻血が垂れ、口の中も唾液混じりの血で満ちてゆく。
痛みは激しくなる動悸とともに繰り返し尾崎を苛め、さらに痛みが増してゆく。
だが、だがそんな痛みなどもうどうでもよかった。
目の前に立ちすくむ母の存在そのものが、尾崎少年の幼き心を打ち砕いてゆく。
しばらくの沈黙の後、突然母は何かを思いついたらしく、ゆっくりと尾崎に目線を向けた。
「…床を掃除しなきゃね、勇太。あなたが、こんなに汚しちゃったんだから」
全く抑揚の無い声で、母は言った・・・。
・・・尾崎少年は母の命令通り跪くと床に口を近づけた。
四つん這いの格好のまま大きく口を開けて舌を突き出す。
目の前には、先程自分が垂れ流した糞便が散らばっている。
尾崎少年は目をつぶった。悪臭を我慢しながら、口の中から舌を突き出す。ゆっくりと己の大便に、舌先を伸ばす。
背後から強圧的な母の視線を感じた。決して躊躇は許されない、そう尾崎少年は悟った。
意を決した尾崎少年は、舌先で大便を掬い取り、そのまま食べた。凄まじい悪臭で吐き気がした。
「オラッ!もっとちゃんと食べるんだよっ!モタモタすんじゃねえっ!」
母さんはそう叫ぶと、手にした革鞭で尾崎の丸出しの尻を思いっきりしばいた。
「あうっ!」
尾崎は悲鳴を上げた。尻の肉に鋭い痛みが走る。皮膚は裂け、その傷口から血が滲み出す。
そこを狙い再び母は鞭をたたきつけ、泣き出す尾崎の様を見ながら高笑いを繰り返す。
そんな痛みに身体を震わせながら、尾崎少年はもう一度床に口を付けた。
舌で己の糞便を掬い上げ、泣きながら嚥下した。
「…アハハハッ!この豚野郎、自分の食ってやがるぜ!アハハハハッ!」
母さんはなおも笑った。同時に右手で自分の股間に仕込んだペニバンの茎をシゴきだした。
「待ってなよ勇太!全部掃除し終わったら、貴様の汚いケツを犯してやっからよっ!アハハハハッ!」
その間も尾崎少年は延々と床に散らばる自分の糞便を食べ続けた。
泣きながら、そして少し喜びながら。(了)
- 44 :
- スカをうpするキチガイは
- 45 :
- 食べてる時にの話するな!食欲がなくなる
- 46 :
- 近衛志保伝
鬼頭の剣が近衛の白く美しい肌に届くその直前、
全ての動きが止まり、ただ近衛の涙の雫がその頬をながれた。
鬼頭「近衛!大丈夫か!怪我はないか?すまぬ。私が悪かった。
こんなに泣いて、恐かったか?もう大丈夫だ。私がついている」
鬼頭は刀を投げ捨て近衛を力一杯抱き締めた。
近衛は誰も見たことのないくらいの美しく可愛らしい笑顔をつくりながら、今度は
声をあげて泣いた。
近衛がこんなに泣いたのは母が家を出たあの時以来だった。
近衛は鬼頭の剣が恐かったから泣いたのではない。そんなものは避けようとすれば
いくらでも出来た。
近衛は、鬼頭に斬られてもかまわないが、マフラーを手渡せなくなることが悲しく
て泣いた。
そして今、誰よりも大好きな鬼頭に抱き締められ、心配されていることが嬉しくて
嬉しくて、だから、微笑みながら泣いた。
近衛「志保は恐かったんです、もう千沙様
なんか大嫌いです!
千沙様なんておばかさんです!」
そう言いながら、近衛は、鬼頭の腰にしっかりと手を回し、鬼頭に抱き締められて
いる。
鬼頭「近衛、すまぬ。もう大丈夫だ。ほらな、私がついておる。
だからな、恐くないからもう泣くな、なっ」
近衛は、泣き止まない。近衛はずっとこうして鬼頭に甘えたかった。
近衛「じゃあ、私のことずっとずっと守ってくれないと嫌です。
あと、私のことこれから志保って呼ぶんです。」
近衛は甘えた。大好きな鬼頭に抱き締められながら、これ以上ない幸せを感じた。
近衛は、プレゼントの手編みのマフラーを鬼頭の首にそっと巻いた。
その赤いマフラーは鬼頭をよりいっそう美しく映えさせた。
> 近衛はいつものように微笑み、そしてまた、嬉しくなって泣いた
>
>
- 47 :
- >>45今夜はカレーか・・・
- 48 :
- 近衛志保伝
近衛志保は何故いつもニコニコ微笑んでいるのか?
聖星学園学園長の桐島冷子は近衛志保の母である。
いや、母であったと言ったほうが正解かも知れぬ。
かつては、近衛冷子といった。
近衛志保が八歳の頃、物部の乱があり、冷子は越境作戦の参謀として戦いに行った。
作戦が終了し、冷子は家に帰ってきたが、近衛は母がまるで別人のように思えた。
姿形は同じ、だが、中身が違う。
だがそれでも近衛にとって冷子は母であった。たくさん甘えた。
ある日冷子は、近衛に家を出ていくと告げた。物部一族は全滅したが、
物部の首領である物部天獄が生存しているという情報を得、
追討に行くためである。
「これは仕方のないことですから、志保さんは我慢しなければなりません」
と冷子は最後に近衛を抱き締めながら言った。
近衛は泣いた、力一杯泣いた。そんな近衛に冷子は言った。
「志保さん、笑いなさい。どんなに悲しいことがあってもいつも笑ってニコニコして
いなさい。
そしたらきっと良いことがあるのです」
近衛は泣きながら不器用に微笑んだ。冷子はなんて可愛い子なんだろう、と想い
別れざるを得ない我が身の不幸を呪った。
物部許すまじ、と冷子は近衛の微笑みに誓った。
近衛はこの時以来、いつもニコニコ微笑んでいる。
微笑みですむのなら、前を向くことができる、近衛志保はそう固く信じている。
- 49 :
- 近衛志保伝
第一次聖星学園紛争後の物語
庭園重大事件を皮きりに学園を二分する近衛派と鬼頭派の抗争が発展し
第1次聖星学園紛争と呼ばれるまでの血を血で洗う戦いとなっていく。
仕掛けたのは近衛派である。
薔薇栽培を趣味とする鬼頭は学園内庭園では配下の親衛隊をつけることを嫌い、
庭園内には親衛隊は立ち入らなかった。
ただ、園芸部の雅薫のみは鬼頭に気に入られ薔薇栽培を手伝っていた。
その頃、近衛志保は、中立を保っていた速攻に優れる黒蝶グループを配下に置き
暗部隊を練っていた。
庭園に鬼頭と雅薫の二人しかいないとき、近衛率いる黒蝶暗隊が庭園に潜入した
近衛は防御結界陣構築の達人である。
黒蝶暗隊二十人が鬼頭を包囲した時点ですでに庭園には防御結界陣が張られ鬼頭親
衛隊の行く手を阻んだ。
近衛「千沙様、あなたおばかさんです。あなた、志保のこと舐めているんです。
今、私たち戦争しているのです。ふふ」
近衛がニコニコしながら可愛い顔でいう。
黒蝶暗隊が近衛の笑顔に見惚れるぐらいであった。
だが、近衛にも弱点があった。近衛の防御陣は学園内最強の鉄壁を誇るが、
攻撃は一撃集中型で、初動の一撃がかわされた場合には体力を失い、
防御陣が崩れる。このときを鬼頭の逆手斬りで狙われたら命はない。
- 50 :
- 近衛志保伝
庭園重大事件では、黒蝶暗隊を囮に使い、鬼頭の逆手斬りが途絶えたところで
近衛が薄い剣陣を放ち、鬼頭を斬り深手を負わせた。
ここまでは近衛の作戦勝ちである。
しかし、近衛が鬼頭にとどめを刺そうとするとき、
園芸部の雅薫が鬼頭の刀を取り近衛に切り掛かった。
庭園重大事件にて雅薫は鬼頭を庇い、
そのはかない身を散らした。
近衛は雅薫を斬るつもりはなかった。
近衛がひるんだとき、庭園に張っていた結界が破れ、
冷泉率いる鬼頭親衛隊が鬼頭を取り巻き陣形を構築し、戦線は硬着した。
この日を境に鬼頭派と近衛派の闘いは熾烈を極めた。
最終的には互いにこれ以上の犠牲は出せず、近衛が鬼頭に謝罪し近衛派を解散する形
で、
和解がまとめられた。
和解の席上には学園長の桐島冷子が立ち会った。
桐島冷子「鬼頭さんを生徒会長とし、近衛さんを副会長とします。これでおしまいに
しましょう」
近衛には紛争に無関係な雅薫を斬ったことに負い目があり、
また、近衛はこれ以上人を斬りたくはなかった。
近衛は、桐島学園長の決定に従い副会長として鬼頭の下に就いた。
だが、近衛派内の最右翼の黒蝶グループはこの和解に満足しなかった。
黒蝶グループは当初中立を保っていたにも拘らず、
近衛に懐柔され、近衛派につき多大の犠牲を払ってきた。
それが急に終戦とは納得のいくものではない。
黒蝶グループは、近衛を裏切り者として近衛に狙いをつけた。
- 51 :
- 近衛志保伝
近衛志保は、黒蝶グループに狙われていることは承知していた。
だが、近衛はあえてその時が来たら、
この身を差し出すのも構わない
と考えていた。
庭園内に建てられた雅薫の慰霊碑で祈ることが近衛の日課となっていた。
「志保には祈ることしかできないんです。志保は、本当におばかさんです」
近衛がいつものように庭園の慰霊碑で祈りを捧げているとき、
近衛を取り囲む空気が沈殿し、気で満ちた。
「来るべき時が来たんです。
志保は構わないんです。ただ、死ぬ前に最後に千沙様にお逢いしたい。一目でいいん
です」
そんなことを考えながら、
近衛はいつものようにニコニコ微笑んだ。
「おかしいです。何で志保はこんな時に千沙様のこと想ってるの、私・・」
近衛の顔がみるみるうちに赤くなっていく。
近衛の様子を伺っていた黒蝶グループは恐れた。
近衛は我らの気配に気付いているはずなのに、
あの余裕は何か、ニコニコしながら顔を赤くしたり小さく笑ったりしている。
何故、我らを恐れないのだ?
- 52 :
- 近衛志保伝
近衛に気を取られていた黒蝶グループは、
その背後にいた鬼頭に気付かなかった。
黒蝶「!鬼頭っ!」
時すでに遅し。
鬼頭は妖刀和泉守國貞を逆逆手に持ち、黒蝶グループ全員を照準に捉えていた。
鬼頭の波状逆手斬りは第一波で六人斬れる。この間合いなら、瞬時に第四派まで繰り
出せる。
完全に勝負あった。
鬼頭「下郎、近衛に手を出したらただでは済まさぬ。戦争は終わったのだ。
それが解らぬのであれば斬る」
鬼頭の刀が共鳴を起こし始めた。
黒蝶は全身に寒気を覚えた。鬼頭がこれ程とは・・・あの庭園重大事件の時の比では
ない・・・
黒蝶「分かった。約束する。今後近衛には手をださん」
鬼頭「ふっ、下郎。近衛がその気ならば、貴様等などとうに斬られておる」
黒蝶グループが去った。
近衛はあたりの空気が元に戻り、そして鬼頭千沙を感じた。
あの方がいるんです。近衛は辺りを見回したが、誰もいない。
鬼頭の気が薄れ消えていく。近衛は鬼頭の残り香を抱き寄せ、
いつものように微笑みながら、静かに泣いた。
- 53 :
- 近衛志保伝時系列
近衛と鬼頭の
近衛派の朱雀暗事件
庭園重大事件
第一次聖星学園紛争勃発
第一次聖星学園紛争の和解
黒蝶グループによる近衛襲撃未遂
近衛の千沙様バレンタインデー大作戦!
近衛の千沙様お誕生日プレゼント大作戦!
学園某重大事件
鬼頭親衛隊が消えた日
近衛の闇が始まる
第二次聖星学園紛争勃発
第二次聖星学園紛争終結
近衛自決未遂
- 54 :
- 近衛志保伝時系列その2
近衛の救済
第二次物部の乱
鬼頭と近衛が国軍遠征部隊に編入され、長きに渡る戦いに入る
国軍鬼頭師団の結成
近衛が師団参謀長に就任
鬼頭と物部天獄の死闘
物部天獄死す
- 55 :
- 近衛志保伝時系列その3
鬼頭、国軍第三軍司令官に就任。
近衛、第三軍参謀長に就任。
この頃より鬼頭と近衛の亀裂が修復のつかないものになる
鬼頭率いる第三軍によるクーデターとその成功
鬼頭、国軍最高司令官兼救国会議議長に就任
近衛、国軍参謀総長に就く
- 56 :
- 近衛志保伝時系列その4
近衛参謀総長暗未遂事件
近衛、首都防衛師団を率いクーデター決行
近衛によるクーデター失敗
軍事法廷にて死刑判決下る
物部の残党による近衛救出作戦
近衛、物部の残党の首領となる
鬼頭自らによる物部征伐軍遠征
鬼頭不在の隙を突いた旧政府のシンパの首都制圧
- 57 :
- 近衛志保伝時系列その5
鬼頭の危機
鬼頭と近衛の再会
鬼頭率いる国軍と近衛率いる物部軍の和解
国軍と物部軍、首都攻勢
近衛、国軍参謀総長に復帰
名誉回復なる。物部一族の自治区誕生
近衛、国軍最高司令官に就くと同時に国家副総統になる
鬼頭は国家総統に。
近衛による鬼頭逮捕
近衛志保の接吻と鬼頭千沙処刑
近衛志保の後悔
完
- 58 :
- 近衛志保伝
近衛志保の呼び名の遍歴
聖星の菩薩→師団のお嬢ちゃん→人斬りのお嬢ちゃん
→三軍のお嬢ちゃん→お嬢ちゃん総長→物部の女神
- 59 :
- (1/5)
【 最後の戦場 】
「…少尉、あんたもだったけど、良い人だな!」
伍長は言った。息も絶え絶えに。
敵軍の放つ重砲の音が山間をこだまする。
時折、私達の傍らで砲弾が炸裂し、飛び散った榴散弾の破片が兵士や辺りに生える灌木を引き裂く。
「伍長、死ぬな、死ぬなよっ!」
私は伍長の体を抱えながら、大声で励ました。
伍長は死ぬ。間もなく死ぬのは、もはや明らかだ。それほど伍長の負ったの傷は深かった。
だが、こんなところで伍長を死なすなんて、私は耐えがたかった。
…突然、丘の向こうから小銃弾の放たれる音がした。
それと共に、けたたましい軍馬の嘶きが山間に響き渡った。
敵軍の騎兵大隊だ。それが大きく旋回し、我らを包囲すべく戦線を突破してきたのだ。
同時に谷の向こうから、山麓の我らの砦に向けて機関砲が猛攻撃を開始された。
重量のかさむあの機関砲……ついに敵はこの決戦火器を運び上げてきたのだ。
遠方から重砲の轟音が響いてくる。前線の砦が落とされ、重砲射撃の視認ができるようになったのだろう。
私の眼下に広がる斜面のあちらこちらで、重砲の炸裂による爆発が起きている。
そのたびに、今日まで共に戦ってきた友軍兵士達が粉々に吹き飛び、斃れてゆく。
もはや敵軍の優位は決定的なものとなった。
騎兵大隊の旋回行動と、正面の機関砲。重砲による絨毯爆撃。
敵軍は我々に対し止めを刺しに来たのだ。
爆破され土煙が上がる砦からは、戦友たちの悲鳴と怒号が響いてくる。
塹壕が吹き飛び、共に戦い抜いた戦友たちの肉体が引き千切られてゆく。
今日まで必死に支えてきた戦線が、今ここで遂に崩壊してゆく。
それはまるで幻を見るようだった。あれほどまで、あれほどまで耐えてきたのだから。
受け入れがたい現実を前に、私は伍長の体を抱きかかえながら、ただ唖然としてそれを見つめることしかできなかった。
…友軍部隊が退却を始めた。
いや、もはやそれは敗走と言ってよい。
正面戦線が完全に崩壊すると共に、敵軍の主力部隊が文字通り到した。それはまさに怒涛のごときであった。
榴散弾が炸裂するたびに、逃げ惑う友軍兵士たちが吹き飛ぶのが見える。
もはや戦いではなく、一方的な虐であった。
今までこの戦線を共に維持してきた戦友たちが、敵兵の銃火の前で次々と斃れてゆく…。
- 60 :
- (2/5)
「…しょ、少尉。逃げてください。お、俺になんかに構わないで。」
伍長は咳き込みながら私に言った。
「しゃ、喋るな伍長! 俺たちは絶対に生きて帰るんだっ! 俺も、お前も、そしてみんなもっ!」
私そう叫びながらは伍長の手を握り返した。
大量に失血したせいなのだろうか、伍長の手はまるで死人のそれのように冷たい。
伍長は少し微笑むと、私の手を握り返した。
伍長の握り返す手の力の弱さに、私は思わず唸った。
ふと見ると、この砦の中隊長である先任大尉が、騎馬に跨り戦線から逃げ去る姿があった。
総崩れになったこの戦線に踏みとどまり、まだ必死に戦っている兵士たちがいるにも関わらずにだ。
退却命令も出さず、撤収のための指揮もとろうとしない。
あの先任大尉は戦友たちを見捨てて逃亡したのだ。
こんなクズのために、我々はここで血を流してきたのか…この伍長も!
伍長がこのような無茶な作戦に身を挺することになったのも、そもそもあの大尉の下らない思いつきなのだ。
伍長の性格や嗜好を知り、ならばとその作戦を私に命じたのも、あのクズのような先任大尉なのだ。
許せない!
「…も、もういいですよ少尉。なかなか…悪くない人生だった。」
伍長はそういうと、静かに目を閉じた。
それが伍長の最後の言葉となった…。
- 61 :
- (3/5)
―― 数時間後、自軍の砦は完全に崩壊し、敵軍が乗り込んできた。
私は伍長の死体を抱きかかえながらその場にしゃがみこんでいた。
奇跡的にも、私は生き残っていたのだ。
吹き飛んだ土砂に汚れ、戦友たちの生き血を浴びながらも、私は生き残ってしまったのだ。
私の周りには、戦友たちがいた。 共に笑い、共に戦い、共に励ましあった若者達だ。
それが今、無残に引き裂かれた骸となって、私の周りに転がっている。
私の膝の上にも、伍長が眠っていた。
生きていたときと変わらぬ笑顔を浮かべながら、安らかに眠っている。
胸に穿たれた銃創さえなければ、伍長は死人には見えなかっただろう…。
…しばらくすると敵兵たちが砦に乗り込んできた。
既に我々中隊が全滅した、と思い込んでいるのだろうか。
警戒心が薄れた敵兵たちは、足取りが軽い。
まるで散歩でもしているかのように我々の陣地を合歩している。
私はそうした彼らを呆けたような目で見つめていた。
全てが崩壊し、戦友たちや伍長の無益な死を目の当たりにし、私には現実感が失われてしまっていた。
ただ、無限無窮の諦観が、私の心の中に満ちていた…。
…敵兵の一人が私に気づいたようだ。
新任少尉である私は、おそらく占領されたこの陣地で生き残っている唯一の士官であろう。
敵兵たちが群がり、私に立つように言う。
異国の言葉であるが、彼らが何を言っているのかくらいは判る。
既に武器を手にしていない私に対し、明らかに警戒心は薄い。
彼らが士官である私に寄せる関心は、私の持っているであろうわが軍の機密情報であろう。
もっとも、任官僅か二年程度の少尉に、一体どれほどの情報価値があるかは疑問だが。
銃を向けられても、私は動かなかった。ただそこにしゃがみこんだまま虚空を見上げていた。
敵兵たちが何かを叫ぶ。だが私は動かなかった。
伍長の死体を抱いたままの私に、敵兵たちは異様な空気を察したのだろうか?
兵たちは私を囲み、銃を向けつつも、何もしないでいる。
引き金を引けば、私は戦友や伍長たちと同じくヴァルハラの地へ赴くことが出来るというのに。
もはや抜け殻となってしまったこの私に、まだ何かせねばならぬ使命でもあるというのだろうか?
そう、私には何か為さねばならない使命が・・・?
- 62 :
- (4/5)
…しばらくすると、敵の将官たちがやって来た。
敵軍東部方面軍司令官及び方面軍の高級将校たちであった。
この砦の戦略的価値を彼らも知っていたのであろう、数個師団を投入して、この地域の制圧に望んでいた。
たった一連隊の戦力で、我々は三ヶ月も戦い抜いていたのだ。
敵軍の最高指揮官である中将は豊かな白髭をたたえた、長身痩躯の哲学者のような容貌をしていた。
その周囲に連なる参謀連中が並んでいた。軍司令部付き作戦参謀らしく、みな切れ者という感じだ。
数週間に渡って膠着したこの戦線に、火砲集中と騎兵による一気に撃滅する作戦を立案したのは、彼らであろう。
少なくとも敵は本気であったのだ、本気で我らに戦いを挑んできていたのだ。
何故だろう、それが私にとって少し嬉しかった。
戦友たちの死も、僅かだが報われたのではないか、と思った。
奇妙な考えであることはわかっている。
だが本気で挑んできた相手と精一杯戦って死んだのだから、それは戦士として幸せなのではないか?
私は少し微笑んだ。
そのまま声を出して笑い出した。
なぜか笑いが止まらなかった。
伍長の冷たい骸を抱えたまま、私は狂ったように笑い出した…。
…敵の高級参謀たちが、奇妙な目で私を見つめているのがわかる。
おそらく私を戦闘で気がふれてしまった経験未熟な若手士官とでも思ったのだろうか?
確かにその見方も間違いではないであろう、既に私は狂気に踏み込んでいると、どこかで自覚している。
敵将校らが浮かべた表情には、どこか私に対する憐れみすら浮かんでいる。
ところが私は、そんな彼らの姿すらおかしかった。喩えようもなくおかしかった。
私は笑い続けた。ただ笑い続けた。
すると、敵方面軍司令官の中将は、私に無防備に歩み寄ってきた。
まるで敵同士であることを忘れ、普通に会話を交わしにきたような、そんな何気ない様子で。
数多くの戦友を目の前で失い、精神の平衡を失ってしまった哀れな若者への憐憫なのだろうか?
敗軍の兵である私に対して、銃火を交えた相手に対する敬意でも表するつもりなのだろうか?
…私はこの敵軍の将官を憎んでいるわけではない。
ここが戦場なのは百も承知なのだ。互いにしあう敵同士であることも。
この私もまた敵の兵士たちの生命と人生を奪ってきたのだから。
このような場で、このような私に、かくのごとく接するこの敵軍の指揮官は、実に立派な軍人だと思う。
だが、まだ我々は白旗を揚げては居ないのだ!
- 63 :
- (5/5)
そう、この砦だけはまだ、敵軍に降伏を表明したわけではないのだ。
私は、いや、正確には「我々」は、まだ負けていない。
先任大尉が卑怯にも逃亡してしまった今、ここの砦の最高指揮官は、唯一生き残った士官であるこの私だ。
この私が降伏を正式に表明しない限り、ここの戦闘は終わっていない。
「…あんたもだったけど、良い人だな!」
伍長の声が聞こえた。あの言葉。
伍長とこの私が、命がけで取り組んだ、特攻挺身作戦…。
そうだ、私と伍長の戦いは、まだ終わっちゃいないんだっ!
敵軍中将が私の目の前でしゃがんだ。
少し憂いを帯びた優しげな微笑みで、私に何かを語りかけようとする。
その瞬間、私は伍長の死体のズボンをずり下ろした。
その異様な行動に、周囲の兵士たちが虚を突かれた。
我に返った参謀の一人が何かを察し、中将の肩に手を掛け、引き戻そうとする。
敵兵たちが、何かを叫びながら慌てて小銃を私に向ける。
その全ての動きがスローモーション映像の如く、私には見えた。
絶叫しながら、小銃の銃口を私に向ける敵兵たち。
参謀たちに強引に引っ張られ、そのまま地べたに崩れる中将。
何かの命令を叫びながら、慌て取り乱す参謀たちの表情。
下半身丸出しになった伍長の死体を、うつ伏せにひっくり返す私。
その瞬間、数発の銃声が響いた。
同時に、私は笑った。
体の方々に熱い衝撃が突き刺さった。
不思議と苦痛はなかった。
「…あんたもだったけど、良い人だな!」
伍長の無邪気な笑顔。
それがおそらく私の見た最後の記憶だ。
同時に、私は伍長の肛門にねじ込んでおいた爆弾の起爆ピンを引き抜いた。
伍長の肛門の中に突っ込んであった、実に5キロもの強化爆薬が砦の中で炸裂した…。
私と伍長の最後の戦いは、こうして終わった…。(終わり)
- 64 :
- >63
ひでえええwwwwwwww
- 65 :
- これはwwwwwwwww
- 66 :
- 私と伍長の最後の戦いは、こうして終わった…。(おしり)
- 67 :
- 「そうはつ」で、あいうえお作文
そこで見ている
内気な君も
恥ずかしがらずに
創りゃんせ
底の見えない
埋もれた才能
発掘しますぞ
付き合うぞ
粗製乱造?
打たねば当たらぬ
貼れよ晒せよ
次々と
想像妄想
浮かれて暴走
白紙の感想
ツライぞう
- 68 :
- うはw
これはすごい
- 69 :
- (1/6)
【 希望の星 】
「本当にこれでいいのね?」
真由美は呟くように言った。
世界の果てのこの場所で。 吹き荒ぶ寒風が真由美の髪を煽る。
私は煙草をくわえると、風をよけるようにして手を覆った。
私は煙草の煙をゆっくりと吸い込んだ。
焼け付くような刺激が喉元を通過する。一瞬、軽い目眩のような感覚に襲われた。
真由美は私の傍らに寄り添い、そっと私の手を握った。
私はその手を握り返すこともせず、ただ煙草の煙を吸いながら暮れゆく空を見つめていた。
真由美もまた無言であった。それが当たり前であるかのように。
それはかつての我々の姿でもあった。
「…日下部くん、本当にすまない。」
高原は私に近づき、そう言った。そして苦渋の表情を浮かべて顔を背けた。
既に老境に入ったその顔は、消え行く夕日を浴び、刻まれた深い皺を一層引き立たせる。
私は無言でうなづき、少し笑顔を見せた。
この地で生まれ、この地を拠り所に生きてきた我々は、今日、この地を捨てねばならない。
誰もがそうだ、誰もが全てを失うのだ。
高原もまた、この地で数十年に渡って築き上げた全てを失うのだ。
それは彼にとって人生の全てであったはずだ。
それを捨てることは、同時に人生を捨てることでもある。
だが、我々はそれでも、最後の希望にすがらなければならない。
高原は私に向き直った。元老院議員であったときのような、厳粛な表情を浮かべて。
その真摯な表情を浮かべたまま、私に無言で手を差し出した。
私は煙草を加えながら、その手を握り返した。
ごわついたその肌の感触は、事のほか冷たかった。その冷たい手が、私の手を強く握り返す。
かつては私と敵対していた高原という男の、熱き思いをそこから感じとれた気がした。
高原は海原を見遣り、そのまま振り返ることなくゆっくりした歩調で丘を下っていった。
私はその高原の背中を見た。
老人のか細い背中が、この荒れ果てた荒野の果ての中で、この上なく頼りなげに見える。
だがその歩みは、残された最後の希望へとつながっているのだ。ここにいる全ての人と同じく。
高原は少しよろめきながら、海岸に屯す人々の群れを目指して進んでいった。
煙草の煙が風にたなびき、火の粉の欠片が空に舞い上がる。
時折、弱々しい陽射しが雲の切れ間から差し込む。
それはまるで光の柱であるかのように。
ここは最後の場所。最後の希望の場所だ。
滅び行く世界で、最後の希望がもたらされる世界の尽きる場所だ。
- 70 :
- (2/6)
「本当、あなた、よくやるよね…」
真由美は海原を見ながら、再び口を開く。
少し笑っているようだ。出会ったあのころのように。
私たちはこの地で、この地で愛し合った。
そして真由美は今日、この地を捨てて希望へと旅立つ。
ここに最後に生き残った我々の、最後の希望へと。
我々の目の前にいるこれだけの人数だけが、この世界に残る最後の人間たちだ。
もはや我らの後ろには、誰も存在しない。
ただ空虚な、死と沈黙のみが支配する、無限の荒野でしかない。
僅かにたどり着いたこの人間たちだけが、来たるべき最後の希望を得られるのだ。
そう信じて、我らはここまでやってきたのだ。
「いや…俺は別に構わないよ」
確かに私は構わなかった。私だけは自ら望んでこの滅亡の地に残ることを決断したのだ。
そう、自ら望んだのだ。この絶望の世界にただ一人残ることを。
いやそれだけではない、彼らの希望を叶えるためにも、私がここに残らねばならないのだ。
最後の希望を見届け、ここにいる人たち全てが救われるのを見届ける。
それは安っぽい自己犠牲に殉じるのではない。そうするのが私の務めでもあるのだ。
その後、私は再び荒野に戻るのだ。 絶望と、虚無のみが広がる無限の荒野に。
今、我々が来た道を引き返して。
砂浜の焚火の炎が、一際大きく燃え上がる。
その火の粉が高く舞い上がり、風に煽られて踊る。
間もなくだろう、最後の希望が訪れるのは。
私はもう一度煙草の煙を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
「ねえ、やっぱり何とかならないの? 考えれば何か手立てはあるんじゃないの?」
真由美は私の方に向き直った。珍しく感情的な声だった。
もっとも少し詰問調の口調は相変わらずだ。短かった私との結婚生活の時から真由美は変わらない。
私は真由美の視線を頬に感じた。だがあえて振り返らなかった。
見なくても分かるのだ、今、真由美がどのような表情をしているのかを。
私がかつて愛した女なのだから。
私は無言のまま、浜辺て焚かれる焚火の炎を見つめ続けた。
この世界で最後に燃え上がる、文明の輝きであろう。
全てが最後、全てが終わり…ただひたすら無限の掟が、この世界の全てを統べる。
たった一人、私だけを残して。
私は吸殻を砂の上に放った。小さな火の粉を散らしながら、乾いた砂の上に落ちる。
ブーツの裏でそれを踏みつけ、焔を消す。
- 71 :
- (3/6)
「もう一度、何か…」
真由美はそう言いかけて、そのまま沈黙した。
真由美は今、何を思っているのだろうか? 短かった結婚生活か? 死んでしまった我々の娘のこと?
すれ違いの末、もはや修正不可能なほどに広がってしまった互いの距離?
肌をすり合わせたあの頃は、もはや過去だ。
かつて愛し合ったという事実だけが、私と真由美には存在する。
決して彼女を嫌っているわけではない。だが、我々二人の関係は、あの時全て終わっているのだ。
そう、それだけなのだ。だから真由美が私のことを気にかける必要など、もう無い。
本当は真由美もわかっているはずだ。
…夕日の明るさが失せてゆく。
風はいよいよ鋭さを増し、まるで乾いた大地に突き刺さるかのように、吹き荒ぶ。
砂浜に拠立する巨大な鉄の塔の窓から、電燈の明かりが漏れ始めた。
同時に反重力ジェネレーターエンジンの独特な振動が、辺りの空気をふるわせる。あと少しだ。
東の空に赤い月が満月となって昇り、鍵十字の星座が南天を通過するその日。すなわち今日のことだ。
その今日、最後の天使が、我らの世界を訪れる。
それが我々に残された、たった一度の、それでいて最後のチャンス。
数千年前に失われた文明の作り上げた恒星間宇宙船が、惑星軌道上のその位置に留まる最後のタイミング。
いま目の前にある地上発射ロケットが、その軌道までたどり着けるのは、この時しかないのだ。
そう、目指すはマイクロブラックホール駆動炉12基を搭載した、超空間航法が可能な『空の船』、アルゴ号。
我らの先祖がこの地に降り立ち、その後惑星の軌道上に打ち捨てられた、八千年前の恒星間移民船。
その方舟が我らの星の軌道上に留まる、最後の時なのだ。
徐々に衛星軌道上から離脱し、そして今日を逃せば、このアルゴ号は閉曲線軌道を離れ、永遠に失われる。
これを逃せば、我らは永遠にこの地に取り残される。
滅びの運命のみが待つ、絶望の世界に。
希望の世界…それは星の海が広がる果て、天極星の右方二時の方角に輝く、仄かな五等星のことだ。
あの地にたどり着くことこそが、我らの最後の希望なのだ。
かの星の名は ”太陽”という。
その第三惑星、その名は”地球”。
そこは八千年もの昔、我らの祖先たちが旅立った星だ。
八千年前の祖先たちは、この星の海にどのような思いを抱いて乗り出したのだろうか?
八千年前の祖先たちは、この我らの星に、どのような希望を抱いて降り立ったのだろうか?
- 72 :
- (4/6)
そして海岸沿いの崖に横たわるようにして佇む船の名は、ミケネ号という。
八千年前、アルゴ号を軌道上に捨てた我らの先祖が、この星に降り立った際に乗り込んでいた箱舟だ。
八千年前、我らの先祖たちは、この船からこの地に降り立ち、初めてこの星の大地を踏みしめたのだ。
その船が、今、我々の希望へと旅立つ礎となっている。
この星を捨てるという、彼らの取った行動とは逆の形で。
その船のメインエンジンが八千年ぶりに息を吹き返した。
焚火を囲んでいた人たちから歓声が上がる。希望は繋がれたのだ。
この滅び行く世界の中での唯一つの光明が、今、確かな輝きとして人々の心を照らす。
抱き合い、手と手を取り合い喜ぶ群集たち。 若き者も、老いたる者も、すべて等しくこの希望の光に縋っている。
最後の光、最後の希望。
「さあ真由美、君も行けよ…。」
私は遂に真由美を見た。真由美もまた、私を真っ直ぐに見返した。
その顔には一切の表情がなかった。まるで怜悧な大理石の彫像のような、そんな顔だ。
私はそのまま真由美の顔を見つめ続けた。
真由美もまた、私の目をじっと見つめていた。
遠くから聞こえる歓声と、海原を吹きすさぶ風の音だけがする。
我ら二人の沈黙は、百万の言葉よりも雄弁だった…。
夕闇が辺りを支配し、既に暗くなっている。
海岸に灯されたミケネ号の窓明かりと、消えかけた焚火の炎だけが煌々と辺りを照らす。
これが消えた瞬間に、おそらくこの世界はすべて絶望の場所となるであろう。
その僅かな明かりを受けた真由美の表情は、なおも動かなかった。
かつて私が愛した女、私の妻であった女。私の一人娘の母だった女。
人々がミケネ号に乗り込んでゆく。みな、嬉々とした表情を浮かべて。
希望の光に満ちた船内に、吸い込まれるように消えてゆく。
「さよなら…」
真由美の最後の言葉は、少し潤いを帯びていたように思えた。
吸い込まれそうなほどに美しい瞳だった。死んでしまった娘、香奈子に受け継がれた瞳の色だった。
その瞳を私は見続けた。しばし見とれるように。
私は微笑んだ。真由美もまた私に微笑み返した。
真由美は歩き始めた。丘を下り、ミケネ号に向かってゆっくりと。
私はその後姿を眺め続けた。寒風の中を進む彼女の背中をずっと。
砂浜を下る彼女の足取りは確かだった。
意を決し、未来へとつながる道を、迷うことなく歩いている。私にはそう思えた。
真由美は私を振り返ることなく、ミケネ号にたどり着いた。
脚立を昇り、開け放たれたハッチの光に消えてゆく真由美の姿を、私はただ黙って見送った…。
- 73 :
- (5/6)
…ミケネ号のハッチがゆっくりと閉じてゆくのが見える。
いよいよ出立の時だ。それは同時に、私が為す最後の仕事の合図でもある。
アルゴ号はマイクロブラックホール駆動炉を12基備えた恒星間宇宙船である。
だが超時空航法が可能なアルゴ号ですら、太陽系第三惑星”地球”にたどり着くまでに約720年もかかるのだ。
我らの希望は光を超越してもなお、これだけの天文学的時間を必要とする。
その間、乗組員たちは眠り続ける。
この地に残された96名の乗務員たちは、棺桶の中で、希望の地にたどり着くのを夢見ながら。
アルゴ号へとたどり着くために必要なミケネ号。
その打ち上げのためには、どうしても管制塔からの軌道修正制御が必要となる。
地上から、ミケネ号の軌道を修正し、プラズマ推進の制御を行う誰かが必要なのだ。
その操作が出来るのは、生き残った97名の人間たちの中で、私一人。
航空管制官でもあった私ただ一人だ。私は迷うことなく、ここに残ることを決断した。
絶望の中で、唯一つ残された希望の火を消さないために。
そして娘、香奈子の眠るこの大地で、共に最後の時を迎えるために。
寂しさの中、たった一人で死んでいってしまった香奈子。
私も真由美も傍にいてやれなかったために、死んでしまった香奈子。
もはや香奈子をひとりぼっちにしたくはなかった。
この大地に眠る香奈子の傍にいてやることが、私の最後の希望だ。
私もまた歩き出した。
管制塔…今回の脱出のために急ごしらえで作られたそれが、暗い荒野の中で静かに起立している。
無数のアンテナで飾り立てられたそれは、まるで骸骨のオブジェのようだ。
私はその塔にたどり着くと、階段を登った。
風が止み、いつの間にか星空が広がっている。
香奈子が好きだった星空は、今や生き残った96名の希望の海だ。
いや、この星空を見つめながら最後の時を迎える私にとっても、希望だ。
管制塔の各装置は、急場凌ぎで組み立てたせいか、どこか不恰好だ。
しかしこの不恰好な電子制御装置のみが、希望へ連なる細い蜘蛛の糸でもある。
私は各装置の電源を入れ、装置のチェックを始めた。
すべて順調…その旨を、無線でミケネ号に伝える。
ミケネ号からの返信は、犠牲となってここに残る私への感謝と謝罪の弁で満ちていた。
私は苦笑いしながら、その返信を受け取った。
真由美からは、何もメッセージがなかった。
それでいい、と思った。あの真由美の見せた最後の笑顔がすべてを物語っていた。
それ以降、私の中から真由美という女の存在は完全に消え去った。
- 74 :
- (6/6)
発射台の船体固定器具が外れ、ミケネ号は凄まじいプラズマの炎を上げて浮き上がる。
まるで地上に太陽が現れたような輝きが、この管制塔の管制室の窓から差し込む。
私は偏光フィルターを掛け、ミケネ号の各データを示すモニタを確認する。
幾つかのデータ修正を加え、ミケネ号の船体をアルゴ号に向ける。
あとはモニターをチェックすれば、問題はない。
この失われる世界の、最後の希望の方舟へ、アルゴ号へとたどり着けるだろう。
まもなくミケネ号の輝きは漆黒の闇の中で小さな光点となり、星に紛れた。
予定では今より2時間15分後にアルゴ号に到着し、無事アルゴ号と接続するはずだ。
私は胸のポケットから煙草を一本取り出した。
急ごしらえのはずの管制室にも関わらず、何故か壁には「禁煙」とかかれた張り紙が貼られている。
その丁寧に手書きされた文字に敬意を表し、私は苦笑いを浮かべながら煙草を元に戻した。
アルゴ号との接続が成功し、太陽系へ向けてアルゴ号が旅立ったという通信が入った。
私は手荷物の中からコニャックのボトルを取り出し、紙コップに注いだ。
少し無粋だな、と思ったが、私はその紙コップを手にとり、夜空に向かって乾杯した。
願わくば、彼ら96名の仲間達が無事に地球のたどり着けますように。
願わくば、彼ら96名の仲間達を、暖かく迎えてやってほしい。
そう祈りながら、私はコップに並々と注いだコニャックをすべて空けた。
喉が焼けるような刺激が心地よかった。
すべてが終わった。
私は管制室から外に出、荒野を見渡す。見事なまでの荒れ野だ。
既に黄昏を向かえ、ただ滅びの瞬間を待つだけの荒涼とした大地だ。
だが私は、この世界を愛していた。
娘が眠る、この大地のことを。
私は再びコニャックのボトルを取り上げると、それをそのままラッパ飲みした。
この滅び行く世界に向かって、乾杯した。
ついでに管制塔の階段の手すりの上に仁王立ちし、そこから大地に向かって思い切り立小便をしてやったわ。(おしり)
- 75 :
- またお前かwwww
- 76 :
- http://imepita.jp/20101004/786430
スーパー腋毛フェニックスというインスピレーションに従いクリーチャーを描いていたが、筋肉が面倒になったのでマスコット系で落ち着いた。
- 77 :
- 脚こえぇよw
- 78 :
- >>67
あいうえお作文とはまたレアな投下だな
最後のとか韻がいい感じ
>>69
いい話だったのに、おしりってwww
>>76
顔と足のギャップ……
- 79 :
- >>76
足だけそれなのが恐怖の対象にw
- 80 :
- 彼は、私を通して他の人を見ている――
そう感じたのはいつからだろうか。
放課後。
靴箱を開けたらラブレターが入っていた。
白いきっちりとした封筒だけど、雰囲気でそれとわかる。
定期的に貰っているが、今回は1ヶ月ぶりだろうか。
それにしても古典的な方法だ、恋文って。
なぜメールしない。
そもそも靴箱って、どうして直接渡しに来ないんだ、最近の男の子は。
なんてことを思い、それでも少しは緊張しながら中身を読む。
「……はいかいいえだけでも返事ください、中西修吾。……誰?」
知らない名だ。
ごみ箱に捨てようと思った事もあるけど、とりあえずは持って帰る事にしている。
書いた人の気持ちを無碍にはできないから。
「中西修吾……あ〜そうか、確かくおんのクラスに居たな〜」
「何ひとりごと喋っているんですか?そら先輩」
振り返ると、不思議そうに私を見つめる少年がいた。
「……何でもない。サークルは今終わり?」
「僕の自由に終わります。1人しかいないサークルですから」
そういうと彼は靴箱を開けた。
こいつはラブレターとか貰ったことはあるんだろうか、とその中性的な横顔をぼんやりと眺める。
一学年下のはずなのに、私より身長が少し高い所とか、敬語しか話さない所とか、最初会った時に先輩だと思った大人びた表情とか、理由も聞いたことないけど、真っ白な髪とか、
「……何ですか?人の顔見て」
「……なんかムカついつきた」
「え?」
「くおん、カラオケ」
言って振り返らずに歩き出す。
どーせ付いてくるに決まってる。
私がお茶と言えばすぐに買ってくるし、深夜に呼び出してもすぐに来てくれる。
「そら先輩、カバン忘れてますよ」
カバンを二つ持ち、私の影のように後ろにぴったりと付いてくる。
カラオケ店でお酒でも頼んで普段聞けない事全部聞いてやる。
そうほくそ笑む私と、影のように付いてくる久遠の二つの影が、夕陽を背景に並んで続いていた。
- 81 :
- 民族楽器を擬人化して、女の子にしてみよう。
【三味線】
酸いも甘いも噛み分けた大人の女。
機転がきき、何事も如才なくこなすので人からは頼られるが、飄々としてどこか掴みどころが無い。
【二胡】
繊細なロマンチスト。
感性や想像力が豊かだが、時に妄想がエスカレートして、周りから引かれてしまうこともしばしば。
【バラライカ】
男勝りの姐御肌。
裏表がなく気っぷがいいので、皆にしたわれている。
色恋沙汰には無頓着だが、それなりの格好をすればかなりの美人。
【ゴング(ガムラン)】
天然系不思議ちゃん。
その言動はどこかズレており、周りと話が噛み合わないことはしょっちゅう。
ただ時折、かなり鋭いことを言うので、一目置かれている。
【シタール】
良家のお嬢様。
成績優秀でプライドは人一倍。カリスマ性もあり、常に取り巻きがいる。
少々理屈っぽく、話が長いのが玉に傷。
【サンティール】
セクシー姉さん。
スタイル抜群、も抜群。その色気には、同性でも思わずドキドキしてしまう。
でも実は恋愛経験はゼロで、男性とは手を握ったこともロクに無いほど。
- 82 :
- 【パンフルート】
素朴な田舎娘。
不器用だがひたむきで、常に優しさと笑顔を周囲に振り撒く。
あまり目立たないが、その健気さにやられた隠れファンは多い。
【ケーナ】
謎の。
神出鬼没でどこかミステリアス。
見た目はが妙に大人びて、達観しているところがある。
【スチールドラム】
陽気なムードメイカーで、常に周りを明るくする。
実はかなりの苦労人。弟たちを育てるため、母親代わりに家計を切り盛りしている。
【トーキングドラム】
三度の飯より噂好き。
ありとあらゆる情報を集め回っては、あること無いこと吹聴する。
時にはトラブルもあるが、調子と愛嬌の良さで乗りきってしまう。
【ディジュリドゥ】
元気一杯の野性児。
やることなすこと全て豪快、細かいことは気にしない。
ちなみにかなりの巨。
- 83 :
- アドバイスくれ。
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0165645-1286581041.jpg
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0165646-1286581041.jpg
- 84 :
- >81
頭湧いた擬人化厨は巣に(・∀・)カエレ!!
- 85 :
- (ガリレオの思考実験)
まずは、↓の前提Aが、正しいと仮定しよう。
前提A:「『重い玉』と『軽い玉』では、『重い玉』の方が早く落ちる』
で、つぎに、『重い玉』と『軽い玉』を紐で結びつけて、落下実験を行ったとする。
そうすると、
・『重い玉』は、速く落ちるのだから、『軽い玉』を↓に引っ張る。
・『軽い玉』は、遅く落ちるのだから、『重い玉』を↑に引っ張る。
ようは、『重い玉』の方が速く落ちるが、結局は、『遅く落ちる軽い玉』という足手まといを引っ張って落ちることになるため、
『重い玉1個』のときより、遅く落ちることになる。
というわけで、紐付の『重い玉』と『軽い玉』は、「中間ぐらい速さ」で落ちる、と結論できる。
だが、それって、おかしくないだろうか?
だって、『重い玉と軽い玉を紐で結んだ物体』をひとつのカタマリとして考えるなら、あきらかに『重い玉』よりも重い。
だから、『重い玉だけ1個』を落としたときより、速く落ちるにきまっている。
なのに、上記の結論では「ひも付きの2つ玉」は、
『重い玉』より遅く落ちることになってしまった。
ありゃりゃ、おかしなことになってしまった。
ということは……。
前提Aが間違っているのである。
「『重い玉』と『軽い玉』では、『重い玉』の方が早く落ちる』という前提は
成り立たないのである。
だから、前提Aの反対である「重い玉も軽い玉も同じ速さで落ちる」が、正しい前提になる。
という思考実験から、ガリレオは、この事実に気がついたのだ。
- 86 :
- 数学の先生
「パターン問題だけ暗記して他は捨てろ。理系こそ国語で点を取れ」
国語の先生
「理系のみんなは国語に時間かけられないから、適当に切り上げて理科で点とってください。」
理科の先生
「本格的なことをやり始めるとすぐ大学の範囲になっちゃうから理科はほどほどに。英語に時間かけてください。」
英語の先生
「国語力や論理的思考ができなければ英語はそもそも無理です。数学や現代文をまず徹底してください。」
- 87 :
- 「各教科まんべんなく勉強しろ」で済む事を無駄に長々と書いて
物書き()気取りになっちゃう人って…
- 88 :
- これから>>87さんことID:JXJvPaLLが、面白いことを書き込んでくれます。
>>81や>>86なんかゴミに見えるくらい面白いのを書いてくれますので、みなさん期待しましょう。
- 89 :
-
∩___∩
__ _,, -ー ,, / ⌒ ⌒ 丶| 今、どんな気持ち?
(/ "つ`..,: (●) (●) 丶 ねぇ、どんな気持ち?
:/ :::::i:. ミ (_●_ ) |
:i ─::!,, ハッ ミ 、 |∪| 、彡____ 褒めてもらえると思ったんだよね?
ヽ.....::::::::: ::::ij(_::● ハッ / ヽノ ___/ 褒めてもらうために無い頭をひねって
r " .r ミノ~. ハッ 〉 /\ 丶 一生懸命考えた長文が
:|::| ::::| :::i ゚。  ̄ \ 丶 相手にもされないのが悔しくて
:|::| ::::| :::|: \ 丶 顔真っ赤っかにしてageレスwwww
:`.| ::::| :::|_: /⌒_)
:.,' ::( :::}: } ヘ /
:i `.-‐" J´ ((
↑ID:GEeeLysf
- 90 :
- わかったから何か書いてください。
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/kouri/1281177203/202
- 91 :
- >>90
書き忘れた。文句はその人に言ってください。
あと、それだけケチをつけるんだからさぞ面白いのを書ける方だと信じてます。
ぜひ書いてください。お願いします。
- 92 :
- □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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- 93 :
- (1/2)
【 創作文芸板の作家志望A氏 】
「ダメだダメだダメだ!これじゃあ、ダメだ!」
ハードファンタジー作家志望のAは、薄くなった髪の毛をかきむしりながら絶叫した。
「これではノーベル文学賞に送ったところで、誰も俺の高尚かつ気高い思想を理解してもらえない!」
Aの目は不気味なほどに見開かれ、血走っていた。完全に狂人の目そのものだ。
言葉にならない唸り声をひとしきり上げた後、Aは立ち上がった。
そして机上の原稿用紙をグシャグシャに鷲掴むとゴミ箱へぶん投げる。
「くそっ! また最初から書き直しだ!」
有りもしない才能を有ると勘違いし、決して見つからない才能を追い求めるA。
実は彼のような存在こそ現代社会におけるファンタジーなのではないか?
ところが数分後、Aはおもむろにを下ろし、貧弱なを掴んだ。
「とりあえず溢れ出る才気を発散させないと、ボクの内部で核融合爆発を起こしちゃうからな…」
訳のわからないことを呟きながら、Aは本棚の隠し引き出しから、彼の座右の書を取り出した。
それはロリ専門写真誌だった。Aはお気に入りの小学五年生の少女・絵梨ちゃんのページを開く。
まだ未成熟なその肉体の瑞々しさに、Aは溜まらぬ欲情を覚える。
完全に児童ポルノ規制に引っかかるご禁制を後生大事に抱えるA…そう、彼はにしてロリなのだ。
「むう、た、堪らないナリ!」
の被った包皮を丁寧にむきながら、Aは自分のをしごき始めた。
頭の中で彼は、写真の中の絵梨ちゃんをひん剥いて裸にしていた…もちろん脳内の想像の世界で。
まだ僅かな隆起しか見せない絵梨ちゃんの両房を荒々しく掴み、首を舌でペロペロと舐める…妄想の中で。
恥じらいと不安な表情を見せる絵梨ちゃんを見下ろしながら、Aは嗜虐的に微笑んだ。
そう、絵梨ちゃんは、俺が開発してやるんだ。
この小娘を性奴隷にして、まだ見ぬ快楽の坩堝の中で甘美なリビドーの溺れるのだっ!
Aの右手はさらに激しく上下する。
カビ臭い四畳半の中で、Aの生臭い吐息が満ちてゆく。
快楽に顔を歪めながら、Aは笑った。その口元から覗く乱杭歯は黄ばんで虫歯だらけだ。
くすんだ素肌、緩みきった肉体、不潔さ漂うその容貌…そんな一人の醜男が今、ーに浸っている。
それが作家志望のクズ人間、Aの現在の姿だった。
- 94 :
- (2/2)
数分後、Aは華々しく果てた。
赤黒くひん曲がった貧弱なの先端から、生臭い精液が飛び散る。
精液は勢い余っての写真誌にまで飛び散り、恥ずかしそうな笑顔を見せる少女の写真に降り注いだ。
「ああっ!」
Aは慌てた。
彼にとって女神であり天使である絵梨ちゃんの御真影に、
汚らわしい精液が粘着してしまったのだ。
大急ぎでティッシュを引き出すと、絵梨ちゃんの写真にへばりつく精液を拭う。
ゴシゴシとこするが、粘ってへばりつく精液は、絵梨ちゃんの写真に染みこんでしまっており、中々落ちない。
一瞬、Aの脳裏に「もしかして俺、絵梨ちゃんに生で顔射しちゃったのかも!」という戯言が浮かぶ。
そのイメージに酔いしれ、萎びかけた自分のペニスが少し反応したのがわかった。
「そんなことより、早くザーメンを拭わないと、絵梨ちゃんの写真がヨレヨレになっちゃうよ!」
と、少し唾液で濡らしたティッシュでこすってみるが、印刷が少し剥げただけであった。
仕方なくAは雑誌を持ち上げた。そのまま絵梨ちゃんの写真を、舌でぺロリと舐め上げた。
自分の口の中に、自分の精液の生臭い臭いが充満し、Aは思わずむせ返る。
「もう、この際だから絵梨ちゃんを食べてしまおう」
そう思ったAは雑誌のページを破りとると、自分の精液の降りかかったそのページを丸め、口の中に放り込んだ。
良く咀嚼する…すると自分の精液の味に混じって、憧れの小学五年生・絵梨ちゃんの甘い味がしたような気がした。
そのページを丸呑みしたころ、Aは呆けたような笑顔でケタケタと笑いだした。
Aの苦渋の日々は続く…。(おしり)
- 95 :
- いろいろと笑えない件。
- 96 :
- ______
| |.| ∧∧
=====(,,゚Д゚)∩=
|_|.⊂ ノ
/ 0
し´
\ えっ…と、糞スレはここかな…、と /
 ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧∧ ∧∧ __._
∩゚Д゚,≡,゚Д゚) |.|
`ヽ |)====
| _ |〜 .|__|.|
U U
∧∧ ミ _ ドスッ
( ,,)┌─┴┴─┐
/ つ. 終 了 │
〜′ /´ └─┬┬─┘
∪ ∪ ││ _ε3
゛゛'゛'゛
- 97 :
- >>96
必死すぎワロタ
- 98 :
- 【 続・創作文芸版の作家志望A氏 】
ついに失業保険を打ち切られたAは、盛岡にある関東自動車工場のトヨタ車組み立てラインにつっ立っていた。
今はクレーンに吊るされ流れてくる未完成の車体に、よくわからない謎の部品を取り付ける作業をしている。
「あれ、ボクは確か、ノーベル文学賞を受賞してベストセラー作家の仲間入りをしているはずだったような?」
Aは首をかしげながら、手に取った謎の部品を車体に取り付けた。
まあ、記憶違いかな?と、醜い顔で少し笑ったAは、手にした部品をチラリと眺めた。
その部品は縦20センチ、横15センチ、高さ15センチほどの直方体をしている。
つや消しの色が塗られたその表面には「危険 取り扱い注意」という文字が書かれたラベルが貼られていた。
またそのラベルには髑髏のマークと、放射性物質を示すマークが描かれていた。
「ふーん、なんだか危なそうだなあ…」
そのラベルに書かれている内容をロクに理解できないまま、Aは嬉々として作業に没頭した。
何故って?他のラインの仕事よりも時給がよかったからだ。
通常のライン作業であれば、時給は僅か1000円ほどで、日研総業による中間搾取分を抜くと僅か時給550円。
しかし現在Aが就いたラインでの仕事は、時給で実に3400円と高額だ。
悪名高い日研総業の中間搾取分を差し引いても1800円。
これはAの人生の中でも最も高額であった。
週末、給与明細を見て大喜びをするA。
既に作家として印税生活することなど、忘れてしまったかのように。
もっともそんな夢など忘れてしまうほうがいいんだが。
各種手当ての欄に書かれた、「重度危険作業特別手当て」という文字の意味もわからぬまま、
Aはいつもより少し重めの給与袋を大事そうに懐にしまった。
しかもAにとって、もっと嬉しかったことがある。
給料が出るたびにAのところに毟りに来るヤンキー上がりの同僚が近寄らなくなったことだ。
それどころか廊下ですれ違っても、怯えたような表情をしてAに道を空ける。
ロッカールームも別室で、出入り口もまた別。
工場内の作業工程も完全に隔離され、最近では彼らに出会うことすら稀だった。
「いやあ、やっぱり幸せって誰にでも巡ってくるんだなあ…」
そう呟きながらAは、皮膚のアチコチにできた紫色の腫瘍をぽりぽりと爪で掻きながら笑った。
最近目眩が増えてきたのも、血便が良く出るようになったのも、今のAにとっては大して問題ではなかった。
目の上に出来た赤黒い腫れ物からの出血や、あごの端のリンパ節の肥大も大して気にならない。
「もしかしてボク、大金持ちになっちゃうかも!うふっ!」
不治の病に冒された病人を見るような周囲の目線も、今のAにとっては羨望の眼差しにしか感じられなかった。
結局、資本主義というのは、「馬鹿と鋏は使いよう」だということだ。
Aには未来はあるのか? そしていつかベストセラー作家になるという夢は叶うのか?(おしり)
- 99 :
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