2011年11月1期6: 【無限桃花】創発発のキャラクター総合4【H・クリーシェ】 (41)
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【無限桃花】創発発のキャラクター総合4【H・クリーシェ】
- 1 :11/10/17 〜 最終レス :11/11/11
- 創発発のキャラクターで創作するスレです。
もちろん新たなキャラを創作するのもアリ。
ハルト閣下は専用スレがあるのでそちらでやったほうが喜ばれるます。
作品まとめ
創作発表板@wiki - 創発発のキャラクター総合
http://www26.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/300.html
キャラまとめ
創作発表板 裏まとめwiki - キャラクター
http://www1.atwiki.jp/souhatsu_ggg/pages/35.html
避難所
創発発のキャラクター総合in避難所2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1293469882/l50
前スレ
【無限桃花】創発発のキャラクター総合3【H・クリーシェ】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281113345/l50
関連スレ
【魔王】ハルトシュラーで創作発表するスレ 3作目
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1283782080/l50
ウーパールーパーで創作するスレ+(・─・)+2匹目
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1283595918/l50
- 2 :
- >>1乙
- 3 :
- >>1
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- 4 :
- さりげなく、まとめも対応してた。乙。
- 5 :
- 念のため
- 6 :
- ところで足土寄生って何と読むのだ?
- 7 :
- そくど規制?
- 8 :
- うん、そくど
- 9 :
- 暴走族や危険な運転をする走り屋を取り締まる寄生か。
いい奴じゃね?
- 10 :
- 発子「ねえ、桃花……あなたが出会ったなかで一番弱かった寄生はなにかしら……
こうと考える寄生でもいいわ……」
桃花「寄生に強い弱いの概念はない、あれは人にとりつき蝕むモノ、ただそれだけだ」
発子「質問が悪かったわ、子供が遊びで話す
トバイアス・アンドリオンと甲鱗のワームどちらがふさわしいか?
その程度の話でいいわ」
桃花「……足土寄生というモノがもっとも弱い、だが手にあまる」
発子「足土寄生……名前は強そうね」
桃花「例えばあなたの前に足土寄生がいるとする、半分に距離を詰めた、
すると……あなたの速度は二分の一になる」
発子「……」
桃花「更に距離を半分詰めた、すると速度は四分の一に、また半分につめた、更に遅く、八分の一に……
近づくにつれ速度は減衰する……さて問題、足土に到達するのはいつ?」
ゴゴゴゴゴゴ
桃花「私は、一生たどり着けない気がする……」
- 11 :
- 混ぜ方うまいなw
- 12 :
- 帰宅して玄関を開けて、無造作に靴を放り投げて、歩き出す前に靴下まで脱いで、裸足で冷たい廊下の上に立つ。
外は雨が降っていたので、履いてた靴は陰干しするべく乾燥剤を入れた下駄箱に押し込んで、濡れた傘は下駄箱の影に立てかけておく。
時計を見ると、夜の八時になろうとしている頃だった。早く帰ったわけでもないし、遅くもない。私にとってはそんな時間帯だ。
部屋着に着替えるより先に冷蔵庫を開けて、ペットボトルに入った冷たいジュースをラッパ飲みして、また冷蔵庫にしまう。
ここまでやって、私はようやく帰宅した、と自分で思のだ。玄関を開けてからここまで、ルーティンワークとして一つにまとまっている。
そして、冷蔵庫の影に隠れている小汚いソフトボールを見つけて、私はため息をついた。
「……また部屋ん中うろうろして。落ち着いてられないのかしら」
私はそれを持って、居間に移動して、テーブルの上にそれをそっと置いた。
それに一瞥くれてから、さっさと上下スウェットの部屋着に着替え始める。着替えながらも、ちらちらとそれに視線を送るが、それはぴくりとも動かずに、ただのソフトボールのままだ。
着替えて、服を丁寧にクローゼットにしまって、テーブルの前に座る。改めてコップに注いだジュースを飲みながら、そのソフトボールを指でちょいちょい突いてみる。
「おい、いい加減馴れろよ。一人の時は動き回るクセに。それとも腹減ってスネてんの?」
ソフトボールは突かれるまま、テーブルの上をころころと転がるだけだった。
にしても汚いボールだ。定期的に洗ってはいるが、ほっといてもスグに汚れてしまう。泥が染みついたならまだしも、新陳代謝で垢が出てくるような、脂ぎった汚れ。後でまた洗おう。こんなのが私が居ない間に私の部屋をうろついている、となると、正直気持ち悪い。
このボールは、ちょっと前に海に出かけた時に拾って来た物だ。
寄生という化け物を二匹ほど始末して、その時にお世話になった海の家の爆お姉さんに別れを告げ、一人で海岸沿いを歩いていたら、コレが浜辺にぷかぷか浮いていた。
私は脚を止めて、じっと見つめた。なぜならば、ほんの微かに、ホントにちょっとだけ、寄生の力を感じたから。
私が近づくと、ぷかぷか浮かんだソフトボールからは、先端が赤く輝く触覚らしきものが数本伸びて、もぞぞと像みたいな、芋虫みたいな脚みたいなのが伸びて、げっ歯類の前歯のような歯が上下左右斜めから生えた、身体の半分ほどを占める大きな口を開いた。
そして、横に浮かんでた木片を触覚で掴んで、ビート版代わりにして、ばちゃばちゃと泳いで逃亡を図った。
しかし、波に押されて前に進むどころか押し流されていた。
それでもめげずに一生懸命逃げようと、このソフトボールの寄生は水面を短い脚で叩いている。
何分くらい見てたかは忘れたけど、浜辺の波に負けて引いては戻るコイツをじっと見ていたのを覚えてる。
引いては戻り、引いては戻り。ぱちゃぱちゃと水飛沫をあげながら必死こいて逃げようとする謎の生物と、突っ立ったままじっとそれを見ている私。
差し込む夕陽と、ざーざーと静かに奏でる波打ち際。我ながら、それはもうシュールな光景だったと思う。
- 13 :
- あまりに健気で可哀想なんで、とりあえず拾ってみると、そのまま触覚や脚は引っ込めて固まってしまった。ただのソフトボールになった。
普通なら寄生はぶっすところなんだけど、コイツは怯えて、出来る限り私に寄生だと気付かれないように擬態している。モロにばれてるのは置いといて。
こんな奴は見た事がない。寄生を大量に生み出した当の私ですら、こんな奴は知らない。
なんかすのも可哀想な気がして忍びないし、寄生である以上はほっとく訳にも行かず。
判断力が低い優柔不断な私は、とりあえず持ち帰る事にした。
そして、しばらくコイツを飼育して、現在に至る。
※
「もう三か月もウチに居るのか」
夏の海の時は汗をかくほど暑かったが、今はもう夜になると寒気がする季節だ。
その程度の期間、コイツを飼育しているが、いまだに懐かれたとか、こっちの存在に馴れたとかいう様子はない。私が近づくと、初めて見つけた時のようにソフトボールのフリを決め込むか、すべてをさらけ出して逃げようとする。
かと言って、食事を与えると目の前で堂々ともぐもぐ食べ始めるので、結局は馴れたのか。
板チョコを半分に割って目の前に置くと、細長い、先端が赤くぼんやり光った触覚が数本伸びて、チョコを丹念に嗅ぎまわる。それが食べ物だと解ると、もぞもぞと脚を出して、やたらと大きな口を開け、器用に触覚を使ってチョコを口まで運び始める。
食事の時は非常におとなしく、ゆっくり、もぐもぐと食事をしている。
しかし、ふと思ったのだが、コイツが食べたチョコは一体どこに行くのだろうか。
寄生という化け物は基本的に霊的エネルギーそのものである。なので、単体では食事どころかエネルギーを補給する事自体が出来ない。文字通り、ほかの何かに寄生し、それ自体を我が物にすることによって成り立つ。単体では無意味なのだ。
人間に取りつけば、それは人間と同じ生活サイクルで生きる。普通に食事を取り、休息し、生命を維持するのだ。
同様に、妖怪の類に取りつけば、それは妖怪と同じになる。
見た事は無いが、機械の類に取りつけば、おそらくは外部から電源なり燃料なりを補給するだろうし、電磁波という実態のないものに取りついた奴は、おそらく電磁波が発生するメカニズムそのものを利用していると考えられる。
動物なら動物らしくだろうし、植物なら植物と同じになる。
それが寄生なのだ。
既存の生命や、妖怪、物に取りついて、それに成り代わる。
では、こいつはどうだろう?
何に取りついているかと言えば、捨てられたソフトボールだ。そもそも生命なんて維持する必要がない、ただの物質だ。
物質に取りつく奴が居ない訳ではないが、たいがいは別系統のパワーソースを持っている。いわゆる九十九神や、それこそ機械など。電磁波などはそれそのものがエネルギーだ。
でもコイツは、ただのゴムの塊に過ぎない。
自ら動くわけでもなく、自分で動かなければただのボールである。こいつにソフトボール本来の動きをさせようと思ったら、グラウンドでキャッチボールやらティーバッティングをしないといけない。
もちろんそんな事したってコイツのエネルギー補給にはならないとは思うけど。
- 14 :
- 相対性理論によると、物質はエネルギーと置き換えられる。つまり、コイツが食べた物は本来ならば別の物となるか、エネルギーにならなければならない。
だが、コイツはトイレにも行かなければ、先ほど述べたようにエネルギー補給そのものが必要ない。食った物がほぼ完全に消えて、せいぜい垢みたいな汚れが出てくる程度だ。完全なまでにエネルギー保存の法則を無視している。
某美人物理学者が言ってたように、どこかの多重次元にでもエネルギーが逃げているのだろうか。もし三次元空間に食った物が全部戻ってきたら、それは中々の量になっているだろう。全部エネルギーに置き換わったら、関東一円を消滅させる程度の核爆発が起こる。
しかし、コイツはそんなのお構いなしに、もぐもぐとチョコを食べる。もちろん、何も起こらない。仮に寄生状態で動くエネルギー補給をしているのだとしても、明らかに容量オーバーなのに。不思議だ。
ちなみにコイツ、何でも食べるわけじゃない。特に鶏肉が大嫌いで、意地でも食べない。それどころか、私が鶏のから揚げでも食べようものならば、悲壮感溢れるくらいの勢いで攻撃してくる。攻撃力は皆無だけど。
それはもう酷い暴れっぷりで、無視して食べてると、大泣きしながら部屋の中を暴れ回る。まるで鶏肉を食べる事自体が許せないかのようだ。
最初こそウザい程度くらいに思っていたけど、あまりにも悲しそうな表情をするのでこっちが辛くなる。おかげで最近は自宅で鶏肉料理は一切口にしない。
と、どうでもいい事を考えながら見ている。
あっという間にチョコは無くなってしまった。
「……ん?」
食べ終わったコイツは、じーっと私の飲んでいたジュースを見つめている。
どこに目があるかは解らないけど、見ているのは解る。
「はいはい」
指でコップを押して、目の前に持っていってやると、触手で掴んで持ち上げて、がぶがぶと飲み始めた。
チョコと同様に、コップの中のジュースは未知の空間へと押し流されていく。この時点で飲み食いした量はコイツの体積の半分を軽く超していると思われる。
豪快にげっぷをして、飲み干したコップはちゃんと私の方へと返してくる。さっき食べたチョコの包みも、自分で丸めて自分でゴミ箱に捨てる。躾が要らないのだけはとても助かる。
チョコの包みについてある当たりのマークを見つけたら、それだけはよけてテーブルの上に残して行く。私がこれを集めているのを知っているらしい。
この当たりのマークを七つ集めると金のなんとかファイトが貰えるらしい。今から楽しみだ。
ゴミ箱に丸めた銀紙を捨てて、再びテーブルの上に戻ってきたこいつは、触手で私の手をぺちぺちと叩いて、おかわりを要求してくるが、食べ過ぎは良くないし、そもそも食べる必要もないので我慢させる。けっこうしつこく要求してくるが、私がダメと言えばたいがい諦める。
一度だけ、あんまりしつこいモンだから、パチッと電撃出して脅かした事があった。
そしたら、よほどビビったのか、大口開けて触手も脚も全てさらけ出し、びろーんと伸びて失神してしまった。
脅かす程度のつもりだったのだが、コイツにとっては恐怖以外の何でもなかったようだ。
そして、チョコを貰えなくて落ち込んだのか、えらいげんなりしてテーブルの上でうなだれてしまった。面倒な奴。
ちなみにコイツ、名前は路歩崩。じぽほう、と読む。
寄生の名前が大半が自分で勝手に名乗るので、名前の由来は解らない。
「ほれ、なんか言ってみろ」
「うア、おーむ……」
突っつくと、鳴き声のような喋り声のような、どちらともつかない声を出す。
寄生の言語能力は、取りついた物に左右される。人間に取りついた場合、その人間が持つ言語能力をそのまま引き継ぐ。もちろん、言語に限らず、あらゆる知識や技能まで引き継ぐ。
他の可能性としては、取りついた物が元来非常に高い知能を持っていて、それが寄生されることによって、言語能力を発現する。コイツを拾った時に戦ったイルカの寄生はその類だろう。
- 15 :
- もう一つは、人間以外で言葉を操る存在。神や、妖達に寄生した場合。
例を上げると、私の知る限りでは最強の寄生、悪世巣。元は日本中で信仰された神の一体だ。光り輝く炎の尾を持つ、狐の妖怪、御前稲荷。いわゆるお稲荷さん。
長く生きているだけあって、知識も賢さも、そしてその強さも、本来ならば私よりはるかに上だ。真正面から挑めば、おそらくまともに戦う事すらできないかもしれない。
寄生となった悪世巣も、当然その能力を持ったまま寄生となった。むしろ、寄生である事が弱点ともなっただろう。本来であれば無敵の能力も、寄生の弱点までをも取り入れてしまったのだから。
また、たとえ妖でも、元から言葉を操れない存在ならば、寄生となっても言葉は操れない。
妖は人が創る物だ。故に、人が望む姿を取る。
好む好まざるではなく、人がそう思えば、そういう姿になってしまう。
例えば、ウチのクソジジイことバカ天狗の婆盆は……あ、彼は寄生ではなかった。べらべら喋るし。ともあれ、人がただ暴れ回る暴力や怒りや憎しみの象徴を思い描けば、それはそのまま妖の始まりとなるのだ。
八岐大蛇のような、数多い人間の怒りの結晶のような怪物は、そのようにして誕生した。
そして、コイツである。目の前でチョコのおかわり貰えなくて、テーブルの上でうなだれているコイツ。
何の寄生かと言えば、ソフトボールだ。オリンピック種目のソフトボールで使うソフトボールだ。もちろん喋るわけがない。ていうか、まず自分から動く物体ではない。寄生が好んで寄生する物とは思えない。
でもコイツ、喋るし、おまけに食べる。さらに言うなら、泳ごうとまでした。
考えてもみよう。ソフトボールがそんな真似するだろうか。たとえ寄生といえど、寄生は「取りついた物」の能力を受け継ぐ。だから、本当ならばソフトボールの寄生なら、ただのソフトボールと変わらないはずなのだ。
なので、私の予想では、コイツは元は別の寄生だったのではないか、という結論に行きつく。
恐らくだが、当初は言語能力がある、そこそこの化け物だったろう。だが、何かしらの原因で、それが打ち砕かれた。寄生の力も発散してしまって、仕方なく、命からがら、そこら辺に落ちていたソフトボールに寄生し直して、現在に至る。
砕かれる前の寄生の力を少しばかり受け継いだまま。
何かしらの原因を考えると、やっぱり他の寄生だろうと考えられる。
寄生の力は寄生でしか払えない。つまり、コイツは自分よりはるかに強い別の寄生に苛められたかなんかして、力を大きく失ったのだ。今も寄生でいられるのは、ある意味で奇跡だ。本当ならそのまま消滅していてもおかしくはない。
となると、前に電撃で脅かした時にビビりすぎて失神したのも合点がいく。私の電撃は純度百パーセントの寄生の力そのものだ。過去の経験がトラウマにでもなっているのだろう。それを思い出して、恐怖のあまり失神した。
前にコイツを苛めた寄生がどんな奴か気になるほどだ。きっと、とんでもなく恐ろしい顔をした鬼かなんかに違いない。
「……あ」
うなだれていたコイツは、気が付いたらそのまま寝ていた。
それも触覚は出したまま。もっとも、これもいつもの事。自分から寝床に潜る事もあるけど、たいがいはどこでも寝てしまう。
はっきり言えば隙だらけ。とても、最初に逃亡を図ったとは思えないほどに堂々と眠っている。
一向に懐かないし、言う事はあんまり聞かないけど、やっぱり、少しは私に馴れてはいるらしい。
眠ったコイツを鷲掴みにして、段ボールを切ってこしらえた寝床に放り投げた。中に敷いた毛布の上に、どさっと転がるが、コイツはそのまま眠ったまま。
投げるなんて酷いと思われそうだが、そもそもコイツはソフトボール。投げられてしかるべし。
……寄生を飼っているなんて、余所に知れたらどう言われるだろうか。
実は、まだ誰にも内緒で、こっそり飼っているのだ。
私にたまに仕事を持ってくる某組織なら、血相変えてさっさと始末しろと言うのだろうか。それとも、サンプル目的に譲ってくれとか言うのだろうか。
同じく、私と同様に寄生と深く関わり合った私の育ての親にも教えていない。きっと彼なら、ひとしきり笑った後に、「好きにしなさい」とか言うだろう。
- 16 :
-
※
晴れた朝だった。
昨日は面倒なのがさっさと寝たので、私は一人で深夜まで某電子掲示板で呑みながら遊んでいた。
日付が変わった頃に寝て、目が覚めたら、朝の九時くらい。昨日の夜は雨が降っていたが、朝にはすっかり雨雲もろともどこかに消えていた。
寝起きのぼんやりした頭で、ぼけーっと部屋を見回した。
「うん?」
カーテンが僅かに開いていた。そこから、日の光が差し込んでる。
「あいつかよ。外にでも出たいのかな?」
私はカーテンの前に立って、一気に開けた。やっぱり居た。窓のレールの上の際どいスペースに立って、じーっと外を見ているソフトボールの化け物。
「ちょっと、なに窓にへばりついてんだよ。外の人に見られたら……あ」
昨日の雨は、朝方まで降っていたらしい。
私が目覚める少し前に、雨は過ぎ去ったみたいだ。
「これ見てたの?」
ソフトボールの化け物は、珍しく私の問いかけにも応えず、じっと窓の外を眺めている。
遥か空の向こう、雨上りの、綺麗な虹が私にも見えた。
おわり
- 17 :
- 投下終了
- 18 :
- そんで酉の一部をミスるというw
- 19 :
- 投下乙
これが路歩崩ペット化計画か
七つ集めると金のなんとかファイトてwww
- 20 :
- 投下乙。一体何がもらえるんだろうw
http://loda.jp/mitemite/?id=2590.jpg
- 21 :
- 乙ーなるほどそうなるか。
しかし寄生は身内化するといちいち可愛いなw
- 22 :
- 彼方の家の窓でけぇw
- 23 :
- そこはかとない切なさが…
- 24 :
- バスト72のアイドルに見えた
- 25 :
- でも72ってめっちゃ小さいよなw
- 26 :
- 塗り壁のこと悪く言うなよ!
- 27 :
- http://loda.jp/mitemite/?id=2597.jpg
- 28 :
- やめろwwwwwww
- 29 :
- まあ彼方もバストはうわなんか雷g
- 30 :
- 直りん「大量の胸パットはさめば?」
- 31 :
- ttp://loda.jp/mitemite/?id=2602.jpg
- 32 :
- ひなのさん何してんすかwwwwwww
にしても珍しいセクシーショットwww
- 33 :
- ひなのもなにしてんのw
- 34 :
- はっちゃんの投票が最近止まったなと思ってたら謎太郎が桃花を捕える位置についていた件。
- 35 :
- とある少女にまつわる話をしよう。
彼女はまだ平和だった頃、最果ての地にある村で捨てられているのが発見された。
齢は三つほどだろうか。肌や髪の色はこの辺りの人々と異なり、また言葉を喋らない。
そして手には白亜色の石のようなもので出来た腕輪をはめていた。
村人は彼女を迎え入れるかどうかで大いに争った。
当時、大国の一つが魔界の門を開き、異界の化け物を引きつれ世界征服をし始めた頃で
この最果ての地にも少ないながらもその魔物たちが進行してきていた。
もしもこの娘が魔物の子供だとしたら?
そういった不安が村人たちに広まっていたのだ。
魔術師がいればわかるかもしれないがそういった類の者はいない。
そんな論争を止めたのはその村の大地主の一人だった。
「こいつは俺が引き受ける。何かがあれば全責任を負う」
大地主の家は歴史も古く、まだ現当主も信頼に厚かったため
村人たちはこの娘を男に任せることにした。
それから時は十年後に移る。
娘は一人の美しく強い剣士へと成長した。
魔物たちの進行により、その世界では村単位で自衛団を持つことが当たり前となっていた。
それゆえに子供たちは小さいころから厳しい剣の修行を受けてきたのだ。
そしてある一定の実力を得たものは正式に自衛団として村を守る仕事を担ってきた。
娘も例外ではなく、明日の試験に合格すれば自衛団入りとなるはずだった。
その事件が起きなければ。
当日。好天に恵まれ、試験は予定通りの時刻より始まることとなった。
期待と不安を感じながらも訓練生は思い思いにその時刻を待っていた。
試験会場の広場ではその準備が整えられている。さほど手の込んだものがあるわけでもないが
これを見に来る村人たちの席を準備しなければいけないのだ。
ふと会場に影が落ち、雲でも出たかと村人が天を仰いだ。
影は何のためらいもなく、その巨体で村人を潰した。
赤い巨体とそれに見合う巨大な翼。鞭のような鋭く長い尻尾と人の腕よりも太い爪が付いた手足。
その生き物はドラゴンと呼ばれる魔物だった。
今までいわゆる下級と呼ばれる魔物しか来ることがなかった村に突如出現した上級魔物に村人たちは
逃げる間もなくされた。
すぐに自衛団が来るものの前述の通り、この村には下級程度の魔物を相手する装備しかないのだ。
ドラゴンは向かってくる人間たちを少しだけ尻尾を動かし、肉片へと変え
逃げる人間には火の息と建築物の瓦礫を飛ばすことでしていった。
試験のために待機していた娘は尋常じゃない空気を感じ取り、広場に着いたときには
見る影もないくらい破壊されつくした町並みと血の海、そしてそこに鎮座するドラゴンの姿があった。
ドラゴンは娘を一瞥する。それだけで娘は動けなくなった。
生物としての絶対的な強者が目の前にいる。自分という弱者がどれだけ努力しようとも乗り越えられるほどの。
逃げ出したいはずなのに足が動かない。ドラゴンが長い尻尾をやおら持ち上げる。
確実な死が目の前に迫ってきたとき、娘はあるものを見つける。
自分をここまで育ててくれた当主の死体を。
次の瞬間、振り下ろされた尻尾は宙を舞ったと壊れた家屋に落ちた。
娘が拾われたときから付けて来た白い腕輪は今、彼女の手の中で剣となっている。
その後は一瞬だった。尻尾を切られたことに驚いていたドラゴンは次に首を切り落とされたのだ。
鉄の剣を歪め、魔法すらも通らぬというドラゴンの肌を呆気なく切り裂いたのだ。
村人たちが見たのは、血まみれの広場に佇む赤い少女とそれと混ざることのない白を持つ剣だった。
その娘の名は大地主ソーニャ家の養子、シカという。
- 36 :
- 桃花乙。相変わらず読みにくそうですらすら読める文w
これが例の自警団か。
- 37 :
- >>35
おー彼女の話か
- 38 :
- 一応、元・無限桃花なんだよなシカ
- 39 :
- そして物語はさらに五年後から始まる。
シカ・ソーニャが十八歳のときのこと。風の噂によると世界の大部分は既に支配されたと言う。
あの惨劇以降何度か上級の魔物が来たもののソーニャの活躍により、危険は回避されていた。
誰もがソーニャこそが自衛団の団長になるべきだと言ったが本人はあまり乗る気にならず
結局副団長にすらならなかった。
「みんな期待してたのになんでならなかったんだ?」
ソーニャが拾われてから十五度目の冬。新団長選出が終わった後日のこと。
団長に選ばれた青年はソーニャにそう尋ねた。
ソーニャはしばしの間考えを巡らせた後、懐から一枚の手紙を出した。
「私は行ったことないが……。ここより南に向かった先に町がある。そこから手紙が来たんだ」
青年はそれを受け取り、読む。堅苦しい文章を噛み砕いて言うとこういうことだ。
『力を貸して欲しい』
「なるほど」
青年は納得がいった。青年はソーニャのことをよく知っている。あの日試験を受けるはずだった同期だからだ。
ソーニャは正義を強く信仰している。助けを乞われればそこに馳せ参じてしまう。
「行くんだな」
「正直すごく迷った。ここだって上級の魔物が来る。でも町は……その大きさ、人の密度ゆえにここより来るんだ。
私の骨を埋める場所はここだと思っている。だけど今だけは、今だけは町を助けに行かなきゃいけないんだ」
「ああ、村のことは任せろ」
ソーニャと青年は曇天の下、共に誓い合う。
数週間後、ソーニャは村を出て、町へと向かった。
余談ではあるが青年はソーニャに好意を持っていたが、ソーニャはそんな気は毛頭なかった。
違う板で使ったことのあるものだったのでトリ変えました
- 40 :
- 乙。館にくる五年前か
- 41 :11/11/11
- 桃花乙ー
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