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2011年11月2期37: 好きなようにしかやらない (231) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼

好きなようにしかやらない


1 :10/12/01 〜 最終レス :11/11/17
ってことだけをだいじに。
鉛の現実も薔薇色の未来も虹色の夢も真っ赤な嘘も、全部等しく肯定してやりたい。
もしくは適当に無視してやりたい。気ままに悪態ついてやりたい。
あれがだめとか、これがだめとか、そうしなきゃいけないとか、そうあるべきとか、
書き手にとってとか読み手にとってとか、そんな普段強制されていることは普段頑張っておけばいい。
読みたい奴は読むし見たくない奴は見ないだろ。
書く事も、読むことも、だれも強制しないしされない。
それは多分、実はどこでもそうなんだけど、明記しておきたい気分で         立てちゃった。

2 :
 [ ランチタイム ]
平日の真っただ中
太陽の日射活動と芝生の光合成とだけが
精勤に行われ
陽気なゴーストタウンの路地路地は
ハエ1匹の影もない
となれば
ランチの看板を掲げているうちの店も
開店休業状態で
オーダーストップまであと30分
机も、棚も、床も磨いて
カスターも、楊枝も、雑誌も整え終え
手持無沙汰のウエイターは
散り散りに持ち場を離れる
留守番担当は 俺
でもまあ、俺もこの仕事について長いわけで
(半乾きのシルバーの山をスプーン・フォーク・バターナイフに仕分けながら)
もう十分心得てはいる
(そうならないことを祈りながら)
そういう時に
そういう時に限ってやってくる
(願いは大概、様々なファクターによって無下に、確固と、却下される)
そしてやっぱり、ドアのベルが鳴る

3 :

客はいらねえ
客は、いらねえ
何でお前らはよりにもよって、集団になって襲来するのか
客はいらねえ
お前らいらねえ
水とお茶出し水とお茶出し、ご案内して水とお茶出し
 厨房に到達しないオーダー
 手元で束になっていく伝票
 最初のテーブル「お水おかわり!」
客はいらねえ
お前ら出て行け
客はいらねえ
よその店へ行け
客はいらねえ
金もいらねえ
ボーナス0でも飯は食える
家賃も光熱水費も落とせる
一刻も早くその扉閉めてお前らよりも高いランチを食いに行ってやる
結婚できねえ
彼女もいねえ
俺は独身貴族様だぜ
カレーのごはんを盛ってる場合じゃ
(ネギとナメコと巻き麩とワカメ)
味噌汁椀に具を入れてる場合じゃ
それでも立て続けに、ベルが鳴る

4 :

客はいらねえ
お前ら帰れ
揃って違うメニューを頼むな
刺身定食が仕上がりかかるもビールオーダーで完遂しない
追加はいらない
新規もいらない
子供椅子にはセルフで変えてくれ
勤勉だとか誠実だとか
親切とかホスピタリティとか
俺にないものを求めないでくれ
ないものはない
残念だがない
他を当たれよ
10円やるから回れ右して
クソ忌々しいドアから今すぐ全員旅立ってしまえ
俺に求めようとしているそれらの
おいしくて、ステキで、キラキラして、腹もちのいい、人道的なものたちを探しに
俺がオーナーだったら、こんな害悪は即刻解雇
俺が上司だったら、こんなバカは明日から北京
俺が先輩だったら、こんな根性悪はフルボッコ
俺が同僚だったら、こんな雑菌いびって排除
俺が後輩だったら、こんなキ印夜道で粛清
それなのに
戦場に立つのは俺オンリーロンリー

5 :

オーナーは沖縄に家族旅行
上司はここから5分の自宅で昼寝
先輩はマイセン片手にチャリンコで仕入れ
同僚は1円パRに繰り出し
後輩は彼女とランチの最中
俺からの着信は拒否されているか到達しないか受信されないか確認されない
客はいらねえ
孤軍奮闘
客は、いらねえ
だんだんテキトー
定食につけ忘れた漬物がちょっとしたオブジェを形成している
お前ら黙れ
おかわり禁止
炊飯ジャーを開けるのが怖い
客、は、い、ら、ね、え
もう来ないでくれ
作動が疑わしい長針と
訪れないラストオーダー
客はいらねえ
カムバック、スタッフ
客は、いらねえ
カムバック、コック
終わりの見えないランチタイムに
朗々と、ベルが鳴る

6 :
[ 眺陽 ]
あなたの話を聴いていると
自分がいかに矮小であるかまざまざと思い知らされて
それがあんまり鮮明で
わたしは縮こまって涙せずには居られなくなるのです
そしてそれが頻繁なもので
ついには
あなたの声が聞こえるだけで
わたしは惨めな気持ちで蹲らざるをえなくなりました
それは明確な敗北で、
自己の全面的な否定で、
過去及び現在の自分への拒絶や
未来の自分への悲観であり、
痛みと寒さと嗚咽を伴うものであります
であるのですが
同時にあなたの声そのものはというと
コロナと光輪が絶えず明滅する
速い鼓動で打つ太陽のようで
あなたが呼吸のように難なく、何気なく落としていく言葉は
学者たちが数千年に渡って引き継ぎ研究し続けても
到達することのない宇宙の真理に似て
わたしは火に飛び込んでいく蛾のように
それに触れようとせずにはいられないのです
それは、苦しいものでしょう
それは、甘美なものでしょう

7 :

世界は喚き立て、轟音となって
あなたの跡を隠蔽し、風化させようとしますが
わたしは無量大数の文字の海からあなたの言葉を見つけ出し
那由他の振動の空からあなたの声をつかまえるでしょう
今のわたしには
それらを欠いて続いていくことが
もうすっかり
できなくなっているのです
あなたの叫びに
天球が瓦解しそうな夜
あなたのうたに
地上が一斉に花咲く朝
どうか気付かないままでいて欲しい
同じ時
同じ世界で
薄暗く醜い、
どうしようもなく無価値な生命が
聞こえないように小さく、微かな声で
あなたがいつか、語った言葉で
訥々と、
鳴いています

8 :
 [ギターの長谷部]
長い指をして
どんなコードも楽々なんだぜ
うちの長谷部
ギターの長谷部
視線を斜めの床に落として
お客さんをまるっきりシカト
時々魂がよそに旅発ち
気持ち良すぎて帰ってこない
困った長谷部
ギターの長谷部
職人芸を繰り出す指と
鋭利に澄まされている耳
正確でそれ以上にカッコイイプレイ
ベースの俺より無論ドラムより
ボーカルよりも目立つしモテる
役得長谷部
シャイボーイ長谷部
「ギターの事は任せておいてね
でもそれ以外は期待しないでね」
愛機歌わすのに全身夢中で
コーラスにマイクに戻れない
間に合わない長谷部
途中から参加長谷部
ボーカルが睨んでみせても
見てないぜ長谷部

9 :
邪魔なマイクからまた遠ざかって
コーラスに毎度遅刻するんだ
ボーカルはもう苦笑いだぜ
実はボーカルよりもいい声をして
実は俺よりいい歌を書く
ハーモニカもピアノもできる
なのにギターだけが友達長谷部
他はみんな要らないらしい
産道の途中で分けてくれれば
喜んでもらってやったのに
卑怯だぜ長谷部
無邪気だな長谷部
ジャンプには非協力的な癖に
いい気持ちでくるり回転長谷部
きっとコーラスにはまた間に合わない
お前のギターを聞き過ぎると
俺の指がお留守になるだろ
ドラムも不正確になるし
ボーカルもなおざりだ
お客>>さんはも>う熱病>み>たい>>>>で>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
長谷部のギターに引っ張られて>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>時間も世界も湾曲していく>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>坩堝の混沌の中で>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

10 :
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>目をつむって弾いている長谷部だけが>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>何物とも交わらずに>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>くっきりと、鮮やかな輪郭で>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>
凛と在って                       生きている。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
長谷部、お前の親父はさ
音楽の神様だったんじゃないか
お前さ
天国に里帰りして
もうしばらく
戻ってくるなよ

11 :
人間3人には今少し
過酷な修行が必要なハズだ
待ってて長谷部
見守って長谷部
そして俺たちが折れそうになったら
弾いて長谷部
俺が書いたやつ
ギターソロが5分位の
斜め下の床を見ている
端正な顔にライトが落ちている
上がらない睫に光が積っては
ギターの振動に振り落とされる
すましているような
無表情が崩れない
でも熱っぽく歌い上げまくるギター
誰よりも狂乱しているギター
宣言しとくぜ長谷部
お前のファン一等は
譲らねえよ、この俺だ
たぶん会場中の誰も彼もが同じことを考えていた

12 :
[ボーカルの佐藤]
どちらかというとダミ声なのに
佐藤の歌は海のおとがする
夏休みの、海のおと。
「海はでかいぞ、大きいぞ」
佐藤が何を歌おうと、
その響きは大抵こんな感じ
「海はでかいぞ、大きいぞ」
理不尽への怒りに震える歌
恋人への切ない恋の歌
何を歌わせたって同じ
「海はでかいぞ、大きいぞ」
100%でバカ丸出し
海のない県で生まれた佐藤
親には愛されなかった佐藤
テレビでしか海を見たことがない
「いつかお金を貯めて
豪華客船で世界を回る」
夢は大きい甲斐性なし佐藤
アパートを滞納で叩き出され
ギターの部屋に居候中
「海はでかいぞ、大きいぞ」の為に
「海はでかいぞ、大きいぞ」な歌を書く
「海はでかいぞ、大きいぞ」な歌を歌う限り
佐藤に敵うボーカルはいない
「海はでかいぞ、大きいぞ」
佐藤の見たこともない海は

13 :
広くて、深くて、眩しくて、おいしい
50しかもってないくせに
200くらいの一生懸命で歌う
100%のバカ佐藤
お客さんが佐藤を神様みたいに言う
女の子達が佐藤を神様みたいに褒める
のばされる沢山の手がちょっとしかない佐藤を奪っていく
親には愛されなかった佐藤
トークの練習をはじめる
友達がいなかった佐藤
汚い字を覚えようとしている
お前がそれを覚えきれないうちは      忘れちまって更から始めるうちは
お客さんはお前を好きだと言ってくれると思うよ
バカな猿はかわいいだろう
賢過ぎるサルは撃たれるんだぜ
「海はでかいぞ、大きいぞ」な声で
似合いもしない歌を歌っている
らしくない革ジャケに着られて
日に日に増える鎖をじゃらじゃらとさせて
「海はでかいぞ、大きいぞ」の為に
「海はでかいぞ、大きいぞ」な歌を書く
お前がいつか、歌いたくなる歌
お前がいつか、帰りたくなる歌
「海はでかいぞ、大きいぞ」

14 :
俺が歌ってみても
入道雲は筋雲になるし
青空はどんより鉛色
海は近くのドブみたいだし
何より小雨が止む気配がない
佐藤のうた1
佐藤のうた2
電話帳の隣に挟まっていく
佐藤のうた3
佐藤のうた4
気乗りのしない歌をだらだら書くうちに
「海はでかいぞ、大きいぞ」だけがサクサクと仕上がっては電話帳の横に挟まりに行く
金は貯まったのか佐藤
居候を終わらせる為のじゃなく
それで金はたまったのか佐藤
世界一周するためのさ
「海はでかいぞ、大きいぞ」
お前の見たこともない海は
広くて、深くて、眩しくて、おいしい
「海はでかいぞ、大きいぞ」
お前はラーメンを奢ってもらう時の
嬉しそうな顔で歌っていたんだ
「海はでかいぞ、大きいぞ」な歌を歌う限り
佐藤
お前はうちの無敵のボーカル

15 :
この糞過疎板ははしゃぐ子供を
お母さんみたいにたしなめよる
全文を読むにはここを… に捕まるまでが30行、
連続投稿は5回まで。
長さは致命的だねえ

16 :
子供は好きなようにしかやらないのが自然であるのに
いつもどこか自ずと縛られているものだ/抜山殿宙

17 :
 [ドラムのチャーシュー]
チャーシューは
出会った時には既にチャーシューだった
下手すりゃ
生まれる前からチャーシューだったのかもしれない
アグーとか
テビチとか
ポークだとか
違うあだ名も流行ったけど
気付けばチャーシューに戻っていた
肉と脂肪だらけの体に
夢と希望を格納して
離陸する爆撃機みたいな勢いで
ドラムセットを叩きまくる
その激しい動きが
なぜカロリー消費に繋がらないのかは
うちの7不思議の一つなんだ
チャーシュー
呼ばれて返事をする温厚な豚
チャーシュー
本名が思い出せない
律儀に送ってくる年賀状の
送信欄にチャーシューって書いてくる
自虐的な肉
チャーシュー
俺はお前が結構好きだけど

18 :

二の腕何とかならないか
お前のことは信じているんだ
たぶんその二の腕が悪い
お前のことは頼りにしている
たぶん二の腕が良くない
だらしなく垂れたたぷんたぷんが
お前のプレイの邪魔をするんだ
右上のシンバルが駄目だ
いっつもクラッシュシンバルだけ駄目だ
他叩く時に辻褄合わせて何にもなかった顔をするけど
右上のシンバルが遅れる
いっつも右上のシンバルが遅れる
ダンベルもかくやの重量で
贅肉共が腕をのろくする
チャーシュー
チャーシュー
痩せろよチャーシュー
少しでいいから
走れよチャーシュー
お前から脂肪が消えたからって
お前はお前じゃなくならねえよ
お前から脂肪が消えたからって
お前の希望はなくならねえよ
チャーシュー
チャーシュー

19 :
情熱の豚
ドラムはデブの免罪符じゃねえ
ドラムだってモテる奴は  いるかもしれない
チャーシュー
心を鬼にして言ってやる
チャーシュー
俺達とおやつと
どっちか片方を選んでくれ
俺達はおやつとは歩いて行けない
俺達は腕のたぷたぷとは進んで行けない
チャーシュー
俺達の方が上か?
チャーシュー
おやつよりは上か?
じゃあ夜食よりはどうなんだ?
マヨネーズとはどうなんだ?
ドラムのチャーシュー 泣き虫のロース
ドラムのチャーシュー 繊細なカルビ
ボーカルより夕食が好き
ギターより昼飯が好き
ベースの俺より朝食が好き
でもデザートよりは俺達が好き
仲良くやっていける気がする
その二の腕が邪魔をしなければ
俺達はきっとずっと友達
その二の腕が邪魔をしなければ

20 :

チャーシューチャーシュー ドンパパドンパ
頑張れチャーシュー    ドンパパドンパ
チャーシューチャーシュー ッシャシャ ッシャ
気張れチャーシュー    ッシャシャ ッシャ
チャーシュー…
チャーシュー…、
お前、
本名ほんと何だっけ

21 :
[ 草原の結末 ]
初霜の朝、
キリギリスが死んだ。
蟻は、勝利した。
春の若菜を食み、
夏の月に歌い、
秋に小さな家庭を持った
好き放題して
全力で遊び
蓄えも備えもしなかった
キリギリスは死んだ
当然に潰えた
巨きな躯は蟻の餌となる
キリギリスが死んだ
草原は沈黙した
春のわらべ唄は失われた
夏の恋の歌は失われた
秋の子守歌ももう聞くことはできない
全ての喜びの歌が消え失せた
無音がキリギリスの死を報せ
草原中の蟻が集まりだす

22 :

蟻/の/節/足/が/動/く/音/が/増/殖/し/増/殖/し/草/原/を/黒/く/蝕/ん/で/い/く
蟻は、蓄えた。
蟻は、備えた。
春に労働し
夏に労働し
秋に労働し
冬にも労働する
それは巣穴の建築に始まり
荷役に育児に管理に戦争
己を捨て時に命も賭けて目前の務めを果たした
蟻は勝利した
当然に永らえた
初霜の朝のこと
. 倉庫には十分な備えがあり
痛いほど冷えた朝のこと
. 草原中の蟻が
枯れ草と霜の上でのこと
. キリギリスの体に噛りついた
百の、千の、万の蟻が
ところ構わずと顎を埋め
キリギリスの腹、胸、尾、脚、顔、目、触覚、羽、全ての器官に喰らいつき、
外骨格を砕き、腸(わた)を食い破り、肉を引き千切り、体液を啜り

23 :
蹂躙した、憎悪を以て。
抹消した、慟哭と共に。
腹に入ったキチン質の破片が
口に残る体液の苦みが
喉に張り付いて剥がれない羽が
蟻たちを苛んだ
重い腹を、むかつく胃を、込み上げる嘔吐感を
堪えて蟻は只管貪ったが
キリギリスの羽は、蟻のものにはならなかった
キリギリスの脚は、蟻のものにはならなかった
キリギリスの歌は、蟻のものにはならなかった
キリギリス、の、もの、は、何、一、つ、蟻、の、もの、に、は、なら、な、かっ、た。
 蟻はやがて、荷役に戻る
キリギリスの上に降った死は、蟻の隣にも常に在り、
蟻も明日を迎えられるかは分からない。
春を目にできるかは分からない。
間違いないのは
蟻のそこまでの道のりは全て労働と労働と労働と労働によってのみ作られているということ。
 蟻は千々に、荷役に戻る
日が昇り、霜が消えて、
歌が失われた草原の上、キリギリスは痕跡もない。
蟻は、勝利した。
.                                            蟻は、勝利した。

24 :
もうずっと前に、同じことしか書かないねって言われたことがある。
それは確かにそのとおりで、当時の自分はそれから一生懸命、同じ内容や同じ風景、同じ単語や同じフレーズを避けようとしていた訳なんだけど。
好きに使えば良かった。
大抵、先に登場させてしまった文よりも
後に登場させたくなった詩の方が余程、
その文字には似合っていたんだから。
忘却に臥せる過去の為に現在をすなんて、どうかしている。

25 :
 [ 嫌だ ]
会社から
全速力で、逃げ帰った
玄関を開けて後ろ手で施錠し
ブーツにつまづきながら革靴を脱ぎ捨て
タイトスカートが裂ける勢いのスライドで部屋へ飛び込み
ヘアーネットのバレッタと
髪を標本のように固定するピンを
続け様に引っぺがして壁に投げつけ
拘束しているゴムを毟り取り
頭頂辺りをかきあげた
本棚に据えた鏡の中に火の目をしたライオンがいる
体を締め付けるベストを頭から脱ぎ
隷属の証のタイを引っこ抜き
窒息しそうなワイシャツを半ば破るようにして払い
全部をまとめて丸めてゴミ箱に押し込み
そしてゴミ箱を窓の外へ投げる
少し遅れて
蹴り上げたタイトスカートと
下着にもその後を追わせる
宇宙のどこへなりとも行ってしまえ

26 :

ベットにもたれて
自分を守るように、体育座りをした
それからのろのろとストッキングを引っ張った
すうぅ      ぽ と抜けた先には
纏足みたいに
歪に変形した私がいた
どうして社会は
こんなにも凸凹とした動物を
直線の立方に押し込むのか
ブ!ブ!ブ!ブ!
突如振動する携帯にびくりとし
老人のように緩慢に立ち上がると
相手先も確認せずにドアを開けて、便器へ放る         黙れ、黙れ黙れうるさいうるさい
壁からモジューラージャックを引き抜き
電話にコードをぐるぐると巻きつけて
窓の外へ遠投する    あまり飛ばない
あ!あ!
もう!!!!
放っ!て!お!い!て!く!れ!!!

27 :

どこか遠くへ行きたかった
行きたい場所は思い浮かばない
泣けば楽になれるようにも思われたが
どす黒い澱は胸でがんがんと滾るばかり
眼球は荒野のように乾いた
だん!と壁を殴りつけた拳が擦り剝けて、痛みと貧弱さに声を上げる
いつだって世界は強固で、高圧的で
一生命の抵抗などものともせず
巨大なロードローラーで轢き均していく
タオルケットと毛布を引き抱いて
ベッドの上で渦になる
喉笛に喰いついてやりたいという牙と
ひびが入ったかもと女々しい拳
活火山のように痛む頭
全部をひっくるめてタオルケット
寝て。
まずは寝て。
その後のことはその時考えよう
きっと今日も夢は見ない
この先も死んでも夢は見られない
360°余さず取り囲む鋼鉄製の現実を
落ちる意識で朦朧と舐めさせられていた

28 :
 [ 夜は寂しがり ]
昔々、ご先祖様がまだ猿だったころの記憶なのかな
夜になると寂しくなるんだ
何かがあったわけじゃなくても
夜というだけで寂しくなるんだ
子供がいたなら
家族で川の字になるよ
恋人がいたら
一つの布団でぎゅってする
でも相も変わらず部屋には誰もいなくて
僕はここに来てしまうんだ
難しい討論や
とりとめのないケンカや
きれいで高そうな絵があったりもするここに
僕は花丸のついたテストを置いたり
大好きなCDを置いたりして
たぶんお母さんを待ってる
来るわけはないけれど
お母さんはきっと
すごいわねって褒めたり
頭をいい子いい子したり
大好きな歌を一緒に聞いてくれる
来るわけなんてないけれど
お母さんはきっと
お母さんてきっと
そういう存在だと信じている

29 :

もうとっくに大きくなったのに
夜の町が怖いんだ
一人で餌も取れるようになった
夜の家が寒いんだ
ここを過ぎていく人たちは
難しい討論や
とりとめのないケンカや
きれいで高そうな絵を見ることに夢中で
僕のことには気づかないけれど
僕の絵具だらけの指が
いつかあんなふうな絵を描ける日が来たら
僕のお母さんではなくても
頭をいい子いい子したり
歌を一緒に聞いてくれるのだろう
その時は
僕の窓からの月がどんなか
僕の町の星がどんなか
鉢の朝顔が負けずに咲いていることとか
僕の目玉焼きがどんなにおいしいかを
お母さんみたいなその人に
いっぱいいっぱい伝えたい

30 :
[ 就寝 ]
今日もいろいろなことがありました
それを話す相手はいないので
山盛りの話したいことを抱えて僕は
ベッドで眠りにつきます
色とりどりの風船につられている夢の国は雲の上
青い空に映える白いお城と虹のかかる滝エメラルドの木
流れ星が降り注ぐ頂を目指してカモメが飛んでいきます
以前のように
僕も毎晩、そこへ飛んでいこうと空を泳ぐのですが
抱えたものたちがひどく重くて海に落ちてしまいます
 白濁する海は
リサイクルの途中の古紙のようで
どろりとした繊維の中に夥しい文字の断片があり
それらは口から入って僕を息苦しくさせ
鼻から入って頭の奥をつんとさせます
抱えていた今日の出来事たちは
ゆっくり融解して忘却の白と混ざりまた少し海を深くします
生ぬるい白と苦い文字の海に溺れて沈んでいく僕に
 はるか上方
夢の国からの楽しそうな声が
スパンコールのように降るのでした

31 :
[ 補填 ]
雷雲みたいにピリピリとして
見境なく稲妻を打つ
小さな可愛いキングキドラ
大丈夫だよ
すぐに良くなる
街は荒れ狂う怪獣だらけで
死傷者も怪物へと羽化を始める
だからといって
僕らに心がないわけじゃない
心はある
心はあるよ
それはカルシウムだったりするだろう
あるいはビタミンかもしれない
随分けずられた睡眠かも
ちょっとの気分転換なのかも
僕には
そして君には
心はある
愛はあるよ
足りてないのは栄養だとか
ほんの僅かな休息なんだ
指先の小さなささくれや
靴ずれの痛みが君を暴れさせる
胸の奥の古傷や

32 :
刺さったままの言葉が傷んで君に炎を吐かせている
自転車のかごをいっぱいにして
僕が牛を届けに行くよ
野菜ジュースもつけてあげる
どんどん上がる太陽を尻目に
仕事をさぼって二度寝をしよう
起きたら楽しい歌を歌おう
工作ばさみを片手に持って
夜に町中の電線を切ろう
真っ暗な町は機能を失い
みんなぐっすり眠れるだろう
君の傷がかさぶたになるまで
いたいのいたいのとんでいけって
いたいのいたいのとんでけってする
君の牙がとれて笑顔になるまで
僕はとんでけってするよ
心にはまた翼が生える
自転車のかごをいっぱいにして
町いっぱいの天使が牛配達に出る
野菜ジュースもおまけに付けて
おひさまの匂いがたくさん染みた
金色の羽根をぱたぱたさせて

33 :

きっと1週間とか1ヶ月後には
世界中が天使だらけになって
地球はお日様になる
きんきらきんのお日様になる
君がまたキングキドラになったら
僕がまたとんでけってするよ
僕の翼が落ちた時には
君が牛を運んできてね
36度5分ぐらい
僕らはとってもあったかい
心はある
愛はあるよ
冷酷でも無機質でもない
人でなしなんかじゃないんだ

34 :
 [ 歌う魚 ]
黒いスポーツバッグと擦り切れたギター入れ
それだけを持ってお前は年をとった
仕事はすぐにクビになるし
勘当同然の家には帰れない
居候している連れとケンカして部屋を飛び出しては
駐輪場の隅っこで寝ている
ゲロを抱いて寝ている
絵にかいたような社会のゴミ
人間はいいやつなんだけど
異臭でできた街のゴミ
取り柄がそれしかない癖に
ギターは下手だし声はガラガラ
全然割に合ってない
呆れる周囲に少なからず傷つきながらもお前は歌う
底抜けで
アホみたいな
ノリだけいい
ポジティブな歌
みんなお前よりは腹空かしてない
みんなお前よりはいい暮らししてる
「走ろうぜ」ってお前は歌うけど
歩くどころか立つことすらままなってないのはお前なんだぜ
「いいことある」ってお前は歌うけど
良いことなんてなかったじゃねえか

35 :
陸の上でたった一匹
ぴちぴちと跳ねている魚
乾いた世界は厳しくて
お前には雨の1滴もない
お前が仲間だと思っていたものは
お前とは違う生き物だった
地に足をつけることを覚えて
今では陸を進む両生類
お前は違う生き物だった
お前はエラ呼吸しかできない
お前は水を離れられない
時間の巨大な力を以てしても
お前を水から引き離せない
誰とも知れないものに向かって
お前はやさしい歌を歌う
慰めるような歌を歌う
涙と鼻水とでベショベショになって震えて夜を越すのはお前なのに
やさしい歌しか歌えない
慰めるような歌しか歌えない
大切にしてきた恋が砕けても
家族同然の仲間と別れても
絞り出すのは
力いっぱい叫んでみせるのは
底抜けで
アホみたいな

36 :
ノリだけいい
ポジティブな歌
お前がやってきた海の水は
きっと温かかったんだろう
うちで預かっている4枚のレコード
お前がまだ人間だった頃
『お前は魚だぜ』って教えてくれたあいつらは
針を落とす度俺の部屋を電気クラゲだらけにしてくれるけれど
「あいつらの海はあいつらの海」
お前はそこでは生きていけない
どこにあるんだろうなお前の海は
お前が楽に呼吸できて
好きに泳ぎまわれる大きな海は
うんざりするほど続く陸を渡り
お前は辿り着けるんだろうか
のたうつ体で?
擦り切れた尾ヒレで?
ひび割れる鱗で?
焼けつく喉で?
…たった1匹で?
  見つかるといいよな 
.                                    お前の海が、さ

37 :

かえるだった俺やあいつらの
幼稚園ぐらいのオタマジャクシたちが
車や部屋でごきげんに鳴くのはさ
矢沢や忌野や甲本じゃなくて
お前が歌ってたやつなんだぜ
前回ケンカをして1か月
そろそろまた泣きついてくる頃
冷蔵庫の発泡酒を買い足して
レコードの針の残りを確かめて
お前が来るのを待っててやるよ
俺のギターの弦を張って
お前が来るのを待っててやるよ

38 :
[ 月へ梯子をかける方法 ]
夜の深い、深い黒を
パーカッションとピアノがスノードームの緩やかさで収集する
アルト・バリトン・ソプラノサックスが
秒針の細やかさで満月に照準を合わせると
トランペットとトロンボーンが煮え滾った金をぐにゃりくねらせ
積った闇を縁で灼きながら月光を逆流して神酒の海へ
ドラムが金を叩いて冷やしなだらかな坂へと加工すれば
ギターはそこに刻みを入れて精巧な梯子に仕上げる
お日さまが海で眠りにつく刻
金星色の楽器を持った
黒服の集団を連れておいで
森の中でも
ビルの谷でも
集まる場所はどこだっていい
彼らが’音楽’を始めさえすれば
北の空は勝手に回り出し
南の星はあまねく流星になる
みるみるうちに幾筋にもレゴリスに到達する金の梯子を
お気に入りの靴で
楽団と一緒に昇っていこう
両手のチョップスティックスをカンカンいわせて
ライオンみたいな合いの手を入れて
地球と一緒に眠りにつくのは
老けてからでも遅くない

39 :
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3173437

40 :
>>39 見たかったけど見られなかった、、
[ いろんな人がいます。 〜詩板を家族に説明する〜 ]
はい、もしもし?
―ああ、何? また…用がないならかけてこないでって言ったじゃん
え? 環境? まぁそれなりに…うん、田舎で、全然人がいないけどね。
独り言は5回までって決まってて、昼も夜も静かで長閑だよ。
……友達………? いや、できたよ。いる。いやいるって…ホントに!!!
ええ?例えば?? う〜〜〜……アンダ…安田くんとか、ハヤトくんとか、やさしいあく――宅間君とか、
ダーザインさんとかボルカさんとか… あー…え? うん、そう、外人。外人のおじいちゃん。
ドミニク共和国だかどっかからきた…そうそう、うん、日雇いで…成田空港で働いてるみたい。
殿宙…いや、電柱を秒速5mmで磨いたりとかそういう。
…え、女の子? …いや、いるよ。…いるって! 犬大好き…な…………、女の子……あ、……ちーちゃん! ちーちゃんとか。
………どんなこォ? …うーーーん…えろいおっさん…じゃなくて、、みらいのおくさん…
………あれ、今何て言った?
うわ、違…あ、いや、そうじゃな…――言い間違えたの! ……違、、………え? 何してる人???
…んーーと。その、詩板で…しいたで……しいた…  け……
.                          …しいたけの、栽培?

41 :
 [ 恋する鮭は攻撃的 ]
真っ赤な夕日があの娘に見える
石狩川はあの娘の匂いがする
あの娘のことを考えるのに夢中
あの娘の綺麗な紅色の腰
あの娘の意志の強そうな額
あの娘で世界を埋め尽くしたい
だから今は
後生だから
だから今は話しかけるな
あんたが俺を呼んでいる
偉そうに俺の名を呼び捨てにする
貧相な俺をうっとりするあの娘の世界から無理に引きずり出そうとしている
俺は許可しない
許可しない俺は
今俺の名を呼んでいいのは
あの娘ただひとりなんだぜ
 あんたはあの娘のお父さまか?
 あんたはあの娘のお兄さんか?
 あんたはあの娘の弟くんか?
 あんたはあの娘のお母さまか? 違うだろ、なあ違うよな?
だったら俺は許容しない
俺に話しかける事も
あの娘への想いの外郭に指紋を付けることも許さない
あんたの都合なんて知るか
その他のことなんて知ったことか

42 :
どっか行け
よせ
俺に構うな
誰に迷惑をかけるでもなく慎ましくボーッとしているだけだろ
あっち行け
よせ
俺に触るな
春と夏と秋と冬がいっぺんに押し寄せているような
あの娘の世界に浸かっていたい
真っ赤な夕日があの娘に見える
今日何を食べたか覚えていない
石狩川があの娘で溢れる
周囲の障害物が見えない
邪魔する気なら容赦しないぜ
ヒグマだって容赦しないぜ
頭突きで択捉まで吹っ飛ばすぞ
石狩川の藻屑にしてやる
ダムも滝も関係ないぜ
誰も俺を止められないぜ
あの娘がきっとそこにいる
朝焼けの鱗を輝かせて
ニヤけて千鳥足する進路
想いだけがビュンビュンギュンギュン
光の速さで水きりしながら石狩岳の頂で跳ねた

43 :

俺が彼女とデートしたから
豊平川は彼女の愛液まみれ
この水は流れてきたんだ
そう、ずっと上流から
暇があったら山にでも登って見ろよ
最近、川の始まりの場所を見たかい
ほんの一滴さ
一滴と言っちゃ少し大袈裟だけど
下流と比べりゃほんの僅か
そいつが海へと向かって
合流して 分岐して
溺れるほどの激流へと向かう
その中流に居る俺たちのせいで
川は愛液まみれ
最高だろ?
全部嘘だから
豊平川なんて     無い

44 :
>>43 ・・・・・・同一人物だったのね(笑
   酉見てなかったよ ゴメン

45 :
[ ジャンピン・ジャック・バーニー ]
ピョンピョン跳ぶぜJ.J.バーニー
大好きな歌を聴きながら
100デシベルじゃ足りないぜ
4億デシベルぐらいは要るぜ
部屋を丸々スピーカーにして町内全部に聴かせてやりたい
地球を丸々スピーカーにして隣の星にも聞かせてやりたい
俺の貧弱な心臓は
ドラムの助けなしじゃエンストするぜ
俺の不健全な血液は
ギターなしじゃフロウしないぜ
生命の危機
命がピンチ
でかい声で歌わせて
ピョンピョン跳ぶぜJ.J.バーニー
ゴキゲンな歌を聴きながら
下の部屋が怒鳴ってくるなら
Stompで床を突き落としてやる
隣が壁を叩いてきたら
倍のリズムでお返ししてやる
iPodが100回なくなるなら
101回買ってくるだけのことだ
集めたデータが吹っ飛ぶなら
好きなのからまた保存するさ
ジャンピン・ジャック・バーニー 灰色い斑の
音楽なしじゃもげちまう耳と
歌わずに居られない喉をした
ジャンピン・ジャック・バーニー 巻き毛のうさぎ

46 :
ビートのない分娩室に
音を寄こせとぐずって生まれた
そこらの茂みに幾らでもいる
落ち着きのないケツをしたうさぎ
俺の可愛いミニスピーカー
完全防水ハニーとお風呂
シャンプーが頭で弾けてる間
シャワーを構えて1曲行くぜ
1曲のはずが5曲になって
風呂で温まってもうあと5曲
ピアノがいいよなチャーンチャチャンー
ベースがいいよなドゥイーン イ〜〜ン
換気扇から俺の声が公害となって流れていく
張り合って外で雀が鳴いてる
ピョンピョン跳ぶぜJ.J.バーニー
お気に入りを歌いながら
近所の奴が遠巻きに見てる
すぐ近くのドアがバタン閉じる
でもね奥さん
音楽はイイよ
あなたの料理に、掃除に、買い物に、家庭に
いつか1曲進呈しますね
とびっきりいかがわしい感じの
ジャンピン・ジャック・バーニー 心の狭い
ジャンピン・ジャック・バーニー 前歯の尖る
ピョンピョン跳ぶぜ
J.J.バーニー
月まで飛ぶぜ
調子が良けりゃな

47 :
「ベルベッド」
ジリリリリン うるさい
このベッド うるさい
ベルベッド
あ、俺人の名前勝手に使うから
ジリリリリン 寝れない
このベルベッド
名前欄はあてにならないぞ?
返品できますか
ベルベッド
クーリングオフで
おふっ!で

48 :
>>47 
ヽ(`Д´)ノ
誰もが酉を覚えられると思うなよぬうう

49 :
 [ 同床異夢/別床同夢 ]
カーステレオから流れる気だるげな女の声を
手でひらひらと払いながら心の中で別の歌をうたう
運転席の表情は
来季の流行りを値踏みするようで
今日のおかずを思案するようでもある
隣にいて
空間を分け合う
同じ皿の料理をとり
同じニュースやドラマを消費する
一つの風呂に入り
一つのベッドで眠りにつく
そして違う夢をみる
これ以上は望みようのないぴったり閉じた個体間距離
触れ合っている背中は温かいけれど
二人の視線は右と左
違う風景を見ている
少なくとも過去の一点では
二人の心はひとところにあり
視線は互いのものと重なって
嬉々として大きさを増す瞳の奥に射していた
それは

50 :
一点ではなかったかもしれない
二点かも
十か所位あったのかもしれない
美化された過去は触媒となって現在を迅速に腐食させる
黄金のメッキがはがれて中の酸化銅を露呈させる
いっそぬくもりは要らない
返却される1/2の空間は部屋を寒くするだろう
皿の料理は余るだろうし
シーツは冷たくなるだろう
それでも
違う空の下でいい
違う時間に起きて 寝て
全く別の食事をとって
広いベッドで迷子になっても
同じ夢をみていたい
一人でみるには大き過ぎる夢
同じ未来を目指したい
二人でなければ届かない位置の
遠く、遠く離れていてでも
心はひとところにありたい
交わしたのは
約束したのは
欲しかったのは
縛り付けたのは
贈ったのは
体じゃなく 心だった

51 :

二つの心が出ていったカゴに
二つの体が取り残されて
日干しになるのを待っている
歳月を消費している
ここに戻ってこなくてもいい
地平の果てでも、どこでもいい
帰らない二つの心が
同じところにいればいいな
二つで揺れていればいいな

52 :
[ 届け、この想い ]
あなたへの気持ちを
俺なりに表現してみました
 ギッチリと、つまようじ
つまようじの館の惨劇
あなたへの心を込めて
俺なりのプレゼント
 犇く つまようじ
乗車率200パー
振るくらいじゃ出ない
叩いても出てこない
蓋を外しても微動だにしない
立てこもり隊つまようじ
なぁ
わざと、やってるんだぜ
今日も つまようじ

53 :
[ 移ろうもの ]
好きなうたをききながら
それはとっても素敵なうたで、そのぶん余計に
どんどんと悲しくなる
ぐんぐんと哀しくなる
僕はあとどれくらい、このうたを好きでいられるだろうか
大好きだった本
何度も読んだ本
いつかのためにしまってある
でもいつかはこない
きっとこない
僕はあの本を二度と読まない
望んでいるわけではないのに
移ろってしまう
変わってしまうよ
なにものでもなく、僕自身が
変わらない歌声をきかせてくれるレコードは
一言一句たがわずにある文章は
移ろわない
移ろわないがゆえに
移ろってしまうよ
僕と一緒に歩いていけない

54 :
手の中にある大切なものたちは
星のようだったものたちは
みるみると褪せてただの石ころになってしまう
つかまえてきた蛍みたい
てのひらにぽつり罪悪感
そんな痛みさえ、僕はもうあまり感じなくなって
こころはどんどん強くなる
こころはぐんぐん鈍くなる
むかしの僕が毛嫌いした『大人』に育ってしまって
やがては
今の僕の宝物を燃えないゴミの日に出すだろう
僕はとっても飽きやすいから
このうたは
今の僕のためだけのうただ
胸の高鳴りは
今現在の僕だけのものだ
明日の僕はもうきっと今の僕ではないだろう
だから今は
この素敵なうたと、それを大好きだと思っているこの心を
死なないでって、
消えないでって、
祈る形の手の中に
ぎゅっと固くとじこめる

55 :
[ ←↑←→↓→ ]
僕は[3,287,90]
そこから↑→→↓←↓←↑→←
君は[19804,25,491]あたりを
←↓↓↓→←↑→ってとこかな?
…遠くて見えない
見える気がしないや
僕はいまどこかな
またわかんなくなった
ねえ、ちょっと見えない?
頭とか。
…無理かな。
僕はいまどこかな
ますますわかんなくなった
アレはあいつな気がする
あっちは全然知らない奴だ
→↑←↓超きまま
↑↑↑→超テキトー

56 :
どうせみんな超テキトー
どうせみんな超きまま
→↓→←スキップスキップ
↓→→↑ステップステップ
またどっかで会うでしょ
立ってりゃそのうちぶつかるでしょ
こんちわ、バイバイ、あっち行く?…あっそう
こんちわ、いてえな、すいませんした、もうごめんて!
こんちわ、こんちわって、もういいよ、えっ何
こんちわ、またね、バイバイ、バイバイ
こんちわ、それもいいねー、バイバイ、またね

57 :
  [ 致死曲 ]
今まで一度も
疑問に思わなかったシートベルトが
窮屈でたまらなくなる
かなぐり捨てて
アクセルを
べったり踏み込みたくなる
80、100、140…
メーターは記録を更新する
地平近くの月はがらんどうの巨星
穏便の底に隠れていた
熱情が赤く咲く
この音をこのまま聴きながら死んでしまえたらどんなにか良いだろう
飛び出す猫でも
急なカーブでも
何でもいいから切欠が欲しい
この声を最後にブツッと死んでしまえるのならそれはなんと素敵だろう
他の幸せに渇く前に
今で終わってしまいたい
ドラマチックな旋律と
夢みたいな編曲の
とっておきのナンバー
内側剥き出しのボーカルと
稲妻しているエレキギターの
大好きな曲

58 :

僕を犯罪者にする
僕の細胞を活性化する
全部の鎖をぶっ壊す
道路を滑走路にしちゃう
僕をす
最高に大好きな曲

59 :
糞スレ。後になったら自分的に削除してやりたいスレNo.1に輝く気がする。
…No.1に輝くって、きれいだな、字面がキンキラして。

60 :
  [ ビョーキ ]
あなたに恋をしました
姿を見るだけでどきどきして
声を聞けばひゃーと嘆息する
あなたの言葉を始終諳んじて
知らないうちに鼻歌している
 皿は割るし
 挨拶は間違う
 オーダーの入らないワインを注ぎ続ける
あなたに恋をしました
おかげでうわ言しか出てこない
ビジネス単語を並べていたキーが
恋愛小説の文字列を叩きだす
勘弁してほしい
でも止まらないし止めたくないし
求婚する時必死で踊ってる
あのジャングルの鳥の気持ちが分かるよ
浮かれちゃってたまらないんだ
あなたに恋をしています
叶いっこない馬鹿みたいな恋
鏡の自分に吐き戻しする
ケージのセキセイインコみたいな
恋をしています 今はいないあなたに
25年前のあなたに
僕のオムツがまだ外れない頃
ヘッドバンキングしていたあなた

61 :

48歳子持ちのあなたは
変わらずぴょんぴょん跳ねているとか
もう孫も大きいでしょうか
どんな歌を書いていますか
2010年秋のことです
あなたに恋をするバカがここに発生
1985年に
大量発生したのと同じ類
3Dデジタルのテレビを以てしてもあの頃のあなたの前には行けないけれど
あなたに恋をしました
仕事はちっとも進まない
僕はあなたに恋してるんです
25年も昔の影に
浮かれちゃってたまんない

62 :
[ 素敵なコート ]
オリーブの表面にたくさんのポケット
裏地は起毛でぬくぬくフサフサ
フードはなめらかキューティクルのラビットファー
私のお気に入りのコート
幼稚園の時好きだった
近所のお兄さんが着ていたのに似ている
地表から昇る冷気を歯牙にもかけず
後ろからまるっと抱いてくれる
どこへ行くにも付き合ってくれて
黙って話を聞いてくれる
文句は言わない
食費もいらない
とっても素敵なコートがあるの
だから
あなたは要らない
コートは
あなたと違ってヤニ臭くないし
あなたと違って汗臭くない
あなたと違って酩酊しないし
あなたみたいにくちゃくちゃ音を立てて食べない
あなたみたいに愚痴を言わないし
あなたみたいに傲慢でもない
粗暴でも無神経でも嫉妬深かったりもしない

63 :

そりゃ気の利いた文句は言えないけれど
あなたのだって知れたものでしょ
そりゃお金を稼ぐことはできないけど
あなたもすずめの涙よね
冬がちっとも寒くないの
裏地は起毛でぬくぬくフサフサ
とっても素敵なコートがあるの
後ろからまるっと抱いてくれる
あなたは要らない、必要ないの
ちっとも要らない
必要ないの

64 :
[ 畑育ち ]
秋冬は過ごしにくい季節だ
周囲の農家は収穫三昧
俺料理しないぜ
断るけど
おばちゃんはお構いなしだ
カボチャにサツマイモにサトイモ キノコ
冬瓜レンコンアスパラシシトウ
どれも生じゃ食えないぜ
見事に全部食えないぜ
拡張の一途を辿る下駄箱前の食えないラインナップ
銀河系でも目指してんのか
腐れベシタボーはコロニーになる
倍、倍、倍、倍、倍、々、  …バイバイ
リセッシュとかファブリーズとかそれ的なもの:::::::::::::::
リセッシュとかファブリーズとかそれ的なもの::::::::::::::::::::::

65 :

花粉症だけど春は好きだ
春は葉物が多いもんな
俺料理しないぜ
断るけど
おばちゃんは聞く耳もたねえ
キャベツキャベツレタスキャベツそしてキャベツ&キャベツ
エブリデーがキャベツ記念日
キャベツに窒息する前に消費し続けて通路確保だ
虫のように食うぜ
虫と共に食うぜ
虫も共に食うぜ
キャベツ臭えぜタンパク源
あんまり出てくんなよタンパク源
もういいってタンパク源
虫、虫、蟲、蟲、無視、無視、   バタフライ、バタフライ、  …バイバイ
モンシロとかモンシロとかそれ的なもの88888888888888888
モンシロとかモンシロとか黄色い蛾とかそれ的なもの88888888888888888
とうもろこしが好きだ
ゴールドラッシュとかサニーショコラとか生でいけるとうもろこしが好きだ
夏はまだかな
早く来ねえかな
窓を開けると向こうの畑で
おばちゃんが二期目のキャベツを植えていた

66 :
注意して、注意して、
この書き込み欄でもっかい挿入してみたりもするのに
消えてしまう文頭の空白は何でなんだろうなぁ。
でも残ることもある。
気 分 な の か 、ス レ ?
お前が一番、好きなようにしかやらねえな…
連投規制するし、35scしかたってないって 細かすぎるよママン

67 :
[ ヒャッホウ ]
内緒だぜ、
俺、凄いラブレター拾っちゃった。
なにが凄いってお前、ちょっと見てみろよ
ココ、こことか。どえらいセクシー。脳髄にクルね。
鉄パイプで殴られたみたい
後ろから刺されたみたい
出血多量で死んじゃいそう
クラクラするね
下半身にくる
いやいろんな意味でよ?
ソレだけじゃなくてな?
はー こいつが俺宛てだったらね
はー こいつがホント俺へだったらね
でも知らねえよ
これはもう俺のだもん
ようこそラブレター 俺様のとこへ
ご主人様はどいつだい?
ようこそラブレター 俺様のとこへ
宛先にはもう行けねえよ
もっともっと読みたくなって
俺、深夜徘徊しちゃった。

68 :
お前にも今度見せてやろうか
小山のようなラブレター。
トレーラーにして3台分。
読んでると自然歌になるぜ
文字を追うごとに立てなくなるぜ
俺を泣けるくらいちっぽけにするけど
世界をこの上なくカラフルにする
それはもう
グレートバリアリーフの海底よりひどい
なあお前これ
本にしたら儲かるだろうな
手に取ったバカがこぞって前かがみ
もじもじしながらレジに並ぶんだ
それを笑いながら印税暮らし
明日から死ぬまで印税暮らし
でもいらねえな
300億でもいらねえ
これはもう俺のだもん、お前にも見せたくなくなってきた
これはもう俺のだもん、俺より夢中になるのはだめだ
はー こいつが俺宛てだったらね
はー こいつがホント俺へだったらね
世界ってすんごい残酷
世界ってすんごいキレイ
ラブレターばんざい ばんざいヒャッホウ!
ラブレターばんざい ばんざいヒャッホウ!!!
俺、今ならお前にだってキスできそう

69 :
   [ とりとロック ]
コンビニ弁当をつつきながら
三河湾に沈む夕陽を見ていた
テトラポットでできた堤防の
脇の道でアイドリングして
カーステレオが大音量で流すロックは
ジムニーを銀色にするだけに飽き足らず
とがったままで外へ飛び出し
太陽の断末魔とさざ波を徒に裂く
オレンジ色の液体金属
退屈な海の温度が緩慢に上昇していく
ポテトサラダがなくなった時
それは丁度ハスキーボイスが反社会的な発言を吐き捨てていたところだったが
浜との境の単子葉類の茂みから
 ぼろり
黒い丸がまろび落ちた
それは
笑ってしまう程、円形のフォルム●
イソヒヨドリか
黒丸に目を凝らすのだが、逆光で色が判別できない
そいつは爆音の銀塊に興味津津、と言った体で接近してきた

70 :
 とり、未知との遭遇
言っとくけど、
と運転席の自分をアピールして俺
これ狙いなら眼鏡違いだぜ、
ミミズじゃなくてスパゲッティだ
そしてその上はお前の仲間、と
俺は照り焼きチキンをがぶりとして、とりを威嚇した
 とり、無頓着に前進
丸い体をころころ左右し
心持ち、ドラムのリズムに乗って
 何、お前うるさいの好きなの?
黒い丸は
もうジムニーと影が触れるところで
ばねの上にでもついてるのかという勢いで上体を振りはじめた
 とり、ヘッドバンキング
 お前
 ロックだねえ
ギターがメタリックブルーからゴールデンイエローに
バカ抜けに明るい、ハッピーなナンバー
 なあ
 とり、白米だけなら分けてやろうか

71 :

神島の灯台の灯が青白く海に落ちた
漁船の遠影が霞に朧
頭だけちょっぴりの太陽
ぶんぶんぶんぶん
ころころ黒丸
 ああくそ、
 行きてえなあ、ライブ
自転車一台、通らない道
ジムニーと
足元に黒い丸
 とり、お友達にならないか?
  お断りか
  ああ、  そう
  ああ、  だよな
ぶんぶん、ぶんぶん、
ころころ、ころころ

72 :

…?
2回とも間違えてるな
       ×バンキング→○バンギング    銀行かよ

73 :
[ ギターマン ]

泣いてた
歌うお前を見て
泣いてた
買いかぶってたんだ

見誤ってた
お前はいつもなんでもできたから
大丈夫だと
スーパーマンだと思ってた
お前だったら
歌いながら弾けると思ってた
いつもみたいに
つむじ風のギターと
少し甘めの声で
一人になっても大丈夫だと
ピアノもベースも打ちこんどきゃいい
お前一人で問題ないと
俺間違ってた
何も分かってなかった
お前は多分
全部知ってたんだ

74 :
マイクの前に突っ立つお前は
かつてないほど貧相だ
一昨年の夏に買ったギターは
あんまり好きじゃない音のやつ
それでも俺
お前の指が
弦を押さえるのをじっと見ていた
ギターはついに、鳴らなかった
録音のチープな演奏に
気乗りのしない破れかぶれの声
鳴かないお前のギターは
今までのどの演奏より衝撃的で
会場は声を詰まらせた
俺も、
隣も、
みんな泣いてた
葬式みたいな会場内に
空々しい演奏が続いていく
弾かないギターをぶら下げたお前は
翼をむしられたニワトリみたいで

鼻水が止まらなかった
女の子がすすり泣いてた
いつもの端整な詩はどこにもなくて
インスタントのアメリカンみたいだ

75 :

誰がお前からギターを奪ったんだ、
俺か?あいつか?客か?お前か?
俺か?俺か?だって、こんな、
何も楽しくないよ、最悪
分かってたんなら早く言えよ
今すぐマイクなんてけり倒して
いつもの曲を弾いてくれよ
演奏の持ち時間は決まっている
後何分、お前はこの拷問を受け続けるのか
後何分、俺たちはこの罰を受け続けるのか
涙でも堪えるかのように
お前が斜め上を仰いだ

76 :
  [ 負け犬 /リライト]
街頭で流れたビートルズ
それは隕石のように落ちてきて
交通事故のようにガキを撥ねた
打たれて立ち尽くしていたガキは
9歳なりのお年玉を前借りして
4年分のお年玉を前借りして
ストラトキャスターを買った、それが次の日。
ガキはバカだから考えもしない
明日の自分のことなんて
ガキはバカだから1つしか知らない
今の自分が、何をしたいのか
コウカイって何それうまいの?
フアンって何それイカスの?
ゲンカイってそれって強えの?
ミノホドってそれって食えるの?
おれ今いそがしいの
何で沈んじゃうかな、太陽
おれもっともっともっと起きてたい
ちっちゃくて困るな、世界ー
―――――――――――――――――――――――

77 :

いつの間にか行方知らずの夢
趣味もやりたい事も忘れて
すっかり袋小路の24歳
階段の踊り場で青二才は
絞首台のロープを望んでいた
窓が開くんなら飛び降りたいな
車が来るなら飛び出したいな、やらないけどね、 そんな毎日。
今日も明日も昨日のトレース
しがない老後を安直に予測
聡いつもりの青二才に
蹴りを入れにくる、9歳のガキ
ギムって何それオモロいの?
カロウって何それ超クール?
シャカイってそれって飛ぶの?
シゴトってそれってすげーピカピカ?
おれすっごくいそがしいの
何で終わっちゃうかな、今日
おれもっともっともっとやるんだ
すげえなおれ、スーパー宇宙大グレートマッハ神くらいかっこいいなーおれー
くるくる走り回るガキは
青二才の自尊心を容赦なくぶち壊して踏みつける
深度を増していく悔恨と絶望
その都度青二才はガキの息の根を止め続けた

78 :
俺はお前なんて知らない
くたばれ亡霊
死んで二度と出てくるな、もう二度と、二度と
お前が馬鹿にしている俺は
お前の、お前自身のなれの果てだろうが
―――――――――――――――――――――――
21世紀のテレビに連れてこられた
古い透徹なロックは
俺の腐りかけの不発弾に着火
焼夷弾の勢いで爆発した衝動により
常識・恭順・制約といった積み上げたものは瞬間蒸発
焼け野原の更地となった胸に
赤々と炎だけが残った、 それが先日。
やってられるか、もう知らねえよ
明日の自分のことなんて
俺は俺のやりたいようにやる
今の自分がしたいことだけを
後悔だなんて糞の役にも立たねえ
不安がる暇があるなら動くぜ
限界を語れる程やってねえ何一つ
身の程なんて弁えてやらねえ

79 :
もし過去に戻れるとしても
俺は親に借金してストラトを買うし
残業しては踊り場で絞首台のロープを探す
そうしない人生だなんて
気持ち悪くて選びたくない
うるせえんだよガキ
見下してんな青二才
好きに浪費したにせよ
周囲の強制を受けたにせよ
お前らはお前らのターンを使い果たした
俺は俺のやりたいようにやるぜ
お前らの言うことだってきくか
今一番偉いのは俺
お前でも、お前でもないの
喚け、がなれ、でも聞いてやらない
ジジイの俺にだって口出しさせない
今この時の俺は楽しかったって
バラ色の記憶だけ土産にしてやるから
自分の番まで指くわえてな
俺今忙しいんだ
勝手に沈んでいくなよ、太陽
俺もっともっともっとやりたいんだよ
短すぎ、足りねえよ、一生
俺今凄ぇ楽しくてさ
何で終わろうとするかな、今日
俺もっともっともっとやってやる
かつてのどの俺よりもお気楽に、ご機嫌に、夢中に、ハッピーに。

80 :
  [ 本当に ]
本当にいい声してるよね、
君の声を聞いてるとさ、オリエンタルランドを思い出すんだ
 あなたがしばしばそう褒めるから
 私はそのたび悲しくなります
今年はどっちに行こうかなって
去年はランドだったから今年はシーかな、でもランドもまた行きたいんだ
 オリエンタルランドに思いを馳せるあなたの目には入りませんが
 私は確かに、飽きもせず毎度、律儀に傷ついているのです
あなたの心が降り立つオリエンタルランドは
晴れた空にシンデレラ城が白く映えて
ビッグサンダーマウンテンのコースターが音を立てて走り
ポップコーンのキャラメルの匂いやミッキー型の風船が飛んでいく下を
お昼のパレードの列が賑やかにやってきて
沢山の花でできたティーポットの上から
アリスとウサギがステップを踏みながら
あなたやあなたの奥さん、あなたの2人のお子さんに
お菓子を放ってくれるのでしょう
こんな声欲しくなかったんです
あなたにオリエンタルランドを思い出させてしまうような
こんな声欲しくなかったんです
あなたの低音が歌えないような、そんな役に立たない声は

81 :

いっそ交換してくれませんか、あなたのインディゴブルーの声と
あなたはオリエンタルランドを手に入れて
私はあなたの歌を手に入れる
本当に、本当に、本当に、本当に、
そうできたら、本当に良いのに。
本当にいい声してるよね、
君の声を聞いてるとさ、オリエンタルランドを思い出すんだ
私の本当と
あなたの本当
大丈夫ですか、そんなに軽々しく使ってしまって
欲しいですか、オリエンタルランド
私は欲しいですよ、インディゴブルー、
私は欲しいですよ、インディゴブルー、      それはもう、本当に。

82 :
 [ ライオンハート ]
冬将軍はロン毛
ご自慢の白髭と銀髪を靡かせ
雑踏をぴゅうう吹き抜けては
お気に入りのロン毛を愛撫する
それが美女の黒髪でも
枝毛だらけの茶髪でも
野郎が無精で伸びてるものでも
何ならマルチーズやコートのファーでも
お構いなしの見境なしだ
また来やがったな
前方で吹きあがった木の葉に
俺は肩と首をすぼめる
俺のイカしたロングは
先端だけカールしてまるで獅子心王
 今年も
 冬将軍 meets 獅子心王
毎年毎年くでぇよ、ジジイ
凍った指が強引に掻き回した毛先に
ほっとりと
雪がのった

83 :

散髪屋のどデカい椅子で
ぐっすり眠りこけていたら
気づいた頃には時すでに遅し
ライオンはジャガーになっていた
夕焼けも不発の帰り道
ライト過ぎる毛先を両手で握って
冬将軍が下校中の女子高生やまだメイク前のの髪を
喜々として撫でるのを俺は眺めていた
あのロン毛のは
もう俺には構わないだろうな
俺を俺とは気付かないだろう
気付いたところで興味がないか
クソ、くたばれ糞ジジイ
永久凍土の郷土に帰れ
もうあのジジイと格闘しながら出勤しなくていいんだな、俺
地下鉄で電車が来てもジジイに困らされることはないんだな、俺
おでんの屋台で脛を蹴られることも?
シャツやシーツを飛ばされることも?
薄情過ぎねぇ? 糞ジジイ

84 :

フワッフワ軽い梳かれた髪は
飾り羽か紋白蝶
悪くねえよ? 糞ジジイ
ちょっとだったら触っていいぞ
今日だけだったらくしゃっとしていい
俺が思うに
小野小町よりクレオパトラのがエロい
長けりゃいいってもんじゃないだろ
聞いてんのか糞ジジイ
もう少し遊んでけよ冬将軍
かわいいジャガーがここにいるぜ
ちょっぴり髪を乱しぎみに
体温の息をはぁはぁ言わせて
噛みつきっこしようぜ、ジジイ

85 :
   [ バカばっか ]
前から気になっていることがあった
俺には一つ、気になっていることがあった
大体察しはついたんだけど
嫌な予感はしてたんだけど
蓋をしておいた方がいいように思えて
今日まで聞かずにきてしまった
久しぶりに
発泡酒じゃなくビールなんて飲んじゃって
俺上機嫌で
お前上機嫌で
思いつくのを片っ端から
交互リクエストで一緒に弾いた
佐藤の声は8月の空
隣室を気にしないデカさで
ビールを感じない伸びやかさ
俺の声は千鳥足しながらコーラスを入れてたけれど
上機嫌は止まってしまった
演奏は止めてしまった
酔った頭でも気づいてしまう
どうしたって気づいてしまう
前からずっと気になっていたこと
佐藤お前さ、

86 :

俺、お前の歌まぁ好きだわ
ひらがなばっかの歌詞だけど
ド直球は悪くねえよ
で、
佐藤、お前さ、
俺の歌、嫌いじゃね?
すっげえ!って顔して佐藤
悪びれなく笑顔で佐藤
だってお前のさ、むずかしくて分かんねぇんだもん
おひさまとか海とかの字は好きだし
あとコードなんかはカッコイイんだけどな
言ってる意味が分んねぇよな
もう、バカバカバカバカバカ佐藤
ああ、だろうよ、バカバカバカバカバカ佐藤
難しくねえよ!
今日び小学4年の教科書よりフレンドリーだぜ
漢字はちゃんと3割以下だ
お前にはルビも手書いてやったろ

87 :

もう、バカバカバカバカバカ佐藤
ああ、だろうよ、バカバカバカバカバカ佐藤
お前の歌が俺を引き上げる
お前のバカが俺を引き下ろす
総天然色のお前世界
バカでできてる佐藤ワールド
いったいどこに連れてこうっての
俺は頭で
お前はハート
いったい俺らをどうしてくれるの
俺らは体で
お前は心
好きなとこに連れてけよ
お前のビートが望むところへ
お前のバカが行きたい方へ
付き合ってやるよ
それがどんなにバカな道でも
それがどんなにダメな道でも
俺がイカスと思う道ならな
お前の空が広がるとこならな
自己責任なのが、泣けてくるね
バカバカバカバカバカ佐藤
バカバカバカバカバカお人好しバカ俺

88 :
[ おかえり、夢 おめでとう、僕 ]
夢を見た。
僕にとってそれは全く久しいことで
数えてないけど
恐らく1年近くはなかったことで
笑ってしまった。
もう、嬉しくて。
僕の夢で
マツコ・デラックスが食い逃げをしていった
夢の中で僕は弱腰ながらも追いかけてしまったけれど
またいつでもおいで
僕に夢を見せてくれるなら
満漢全席で精一杯おもてなしする
おかえり、僕の夢
大事にするから、そこにおいでよ
えらいぞ、すごいぞ、できたな、僕
だんだん、少しずつ、取り戻せるさ
夢を見た。
僕にとってはそれは全く驚きで
それも1日に2つも見られるなんて
べそかいちゃった。
もう、嬉しくて。
僕の夢で
小堺一機がひき逃げを謝罪してた
夢の中で僕は突っ立ってそれを聞いてるだけだったけれど
声をかけてあげれば良かった
一緒に謝ってやれば良かった
悪いことをしたな、もう一回会いたいな
帰ってきたんだね、僕の夢
酷いことしないから、そこにおいでよ
やったな、頑張ったな、おめでとう、僕
だんだん、少しずつ、取り戻せるさ
だんだん、少しずつ、進んでいけるさ

89 :
[ ピアノ   −スペシャルマシーン− ]
俺がまだ幼稚園の頃
父は家を出て行って
教師だった母は日常の勤務の傍ら
俺と弟とを育てた
母は俺に
同じく教師になって欲しかったようで
教員試験の項目である水泳とピアノの教室に
月謝を持たせて通わせてくれた
だが
年端もいかないガキには
母子家庭の生活費における月謝の重みなんて計れる筈もなく
俺にとってのピアノはというと退屈生産マシーンだった
最初に課された楽譜は『バイエル上巻』
これが決定的に、良くなかった
分厚い冊子の中に延々と続くメロディとは呼べないようなオタマジャクシたちの整列
弾いても聞いても
どこまで行っても無味無臭
家には母が借りてきてくれたピアノがあったが
俺がその椅子に座るのはレッスンに向かう1時間前だけだった
当然、俺の腕は上達せず
ピアノ教室で弾かされてみてはその都度きつく叱責された
俺にとってのピアノは怒られる原因創出機
毎週木曜の夕方4時がずっとずっと嫌だった
9年間、ずっと絶え間なく嫌だった

90 :
当時の俺には分からなかったんだよ
脳無しのアホなガキには知り得なかった
目の前の黒い機体がどんなに凄いスペシャルマシーンかってことが
今の俺は思うんだ
あの時、
鍵を押さえる指のカーブをぎりぎりと強制されていたあの最初の日、
「ド」を何度も押させる事じゃなくて
例えばPiano Manとか
例えばDaydream Believerとか
例えばShout To The Topとか
何か最高に格好良い曲を弾いてもらえていれば違ったんじゃないかって
俺が先生だったら何曲でも弾いて、そして言ってやったのにな
「一生懸命練習すれば、君だってこうクールに演れるぜ」
脳無しのアホなガキにだって音楽へのドキドキは備わってる
それは生まれるずっと前から
胸の中で最新鋭なんだ
『バイエル上巻』と『バイエル下巻』に実にきっかり6年かかって
『ブルグミュラー』でもう3年
俺の憂鬱なピアノキャリアは中学卒業というタイムリミットにより終わりを迎えた
もう赤い椅子は俺を縛れない
調律もしていない安い鍵盤は俺とお付き合いする口実を失った
俺は無性に嬉しかったよ
さようならだな、またはないぜ
内側の赤いベルベッドが褪せている埃だらけの黒いカバーをしっかり被せて
俺はピアノを葬った

91 :

実家を出てもう十年と少し
ピアノはよその家にもらわれていって
俺の指はギリギリと強制させられたあのブリッジを忘れてしまっている
失いきってしまって今更
 そいつらが惜しいんだ
今度は譜面どおりに弾くことが目的じゃなくて
今度はいつかの試験に役に立てることが目的じゃなくて
最高に格好良い曲をがなり散らす為に
あいつらが必要なんだ
オタマジャクシ
オタマジャクシ
知ってるよ、基礎は大事だよな
柔軟なブリッジを作って
まずは右手だけで
まずは左手だけで
練習しなさいってうるさいお母さんはいない
そこは違うと怒る先生もいない
俺が、俺自身の意思で、俺の為だけに弾きたいんだ
調子外れの音を出す黄ばんだ鍵盤もないけど
俺のPC用ボードは
たん、たんと指のタッチで響く
冬のボーナス、エレクトーンくらいは買えるかな

92 :
美しく燃える森
Bad Day
ハスキー(欲望という名の戦車)
Welcome Back
弾きたい曲はいくらでもある
ああ、
どれからにしようかな
簡単なのからなんかじゃ駄目だ
超やりたいのから始めないと
俺がのろのろ1曲にとりかかっているうちに「超やりたい」は褪せちまうだろう
先生、そのあたりは俺
あんたからきちんと教われた気がするよ
あんた達は危なっかしい俺に
遠くがよく見える眼鏡をかけてくれた
俺に必要だったのは
すぐ目の前の
手元や足元を見ることだったけどね
折角貰ったメガネを俺、こないだ叩き割っちまったけど
どうか許して欲しいんだ
あの度の合わないレンズで今まで俺
20数年もの間、頑張ってたんだからさ
世界ってこんなにもはっきりしているものなんだな、感動
あんがとね先生
あんたの為にも、を付け加えて
俺すっごい好きな曲を弾くよ
それが1ヶ月でも3カ月でも
1年かかったとしても
俺全然。
超楽しいんだ。

93 :
 [ 通りを挟んで ]
通りの向こうの雑貨店で
君の姿を見かけた
レジに前かがみになって
とっても真剣に
小さな財布から小銭を探しているようだ
また大好きなフィギュアでも見つけたのか
小学生の顔をして
店員のお姉さんが包んでくれるのを
落ち着きなく待っている
いつもの君を知ってる身としては
それがあんまりに可愛らしくて
ちょっと紅茶を噴いちゃった
すぐに
そこの扉を開けて出てくるんだろう
この調子だとたぶん
少し走るくらいの勢いで
ひょっとしたら
スキップだって混ざりかねない
世界で一番しあわせって笑顔で
かけっこ一等賞って顔で

94 :

君の幸せを損ねてしまわないように
僕は鞄からテキストを出して
読んでいるふりで顔を隠した
あわよくば
テキストの下から
跳ねるようにスライドしていくコンバースが見えたらいい
ドアチャイムが派手に鳴って
テキストのインクの匂い
テーブルに遊んでいる木漏れ日
皿を汚している生クリーム
紅茶の蒸気
あっという間に遠くなる足音
青空に引かれた飛行機雲が端からするする溶けていく
ああ、確かに今日は最高の日だよ
全く君の感じてるとおり

95 :
  [ 浜田君 ]
2次会のカラオケルームで
俺達はボラになった
それほど
浜田君の熱唱は衝撃だった
いうなればベルマーク委員、
いうなればユスリカ
地べたを這いずる視線と表情を隠す長い前髪
初対面のうちは挨拶も言えない
シャイで内気なレコードコレクター、それが浜田君
好きなアーティストについて語るところも
好きな音楽について語るところも見たことがない
受信機能しかついていないかに思われていた浜田君が
マイクを握って離さない
3秒後には倒れて死ぬんじゃないか、
そんな恐ろしい勢いで
怒涛の、炎熱の、激流のシャウトを叩きつける
今にも部屋をブチ破りかねない悪霊にでも憑かれたような鬼気迫るダンスを放つ
4匹のボラは身が竦んで
コーラスどころか
合いの手どころか
手拍子もできない

96 :

沈黙する、タンバリン
宗教じみた、浜田君のパフォーマンス
流暢なカラオケのサウンドと
土石流みたいにでたらめでパワフルで台無しで破壊的な
浜田君ボーカル
俺達は
掌の汗を感じながら
自分たちのリクエストがこの狂人に片っ端から消化されていくのを
気配を消して見守る他なかった
それは
二十数年溜め込まれて
腐敗か、発酵か、とにかく変質してしまった浜田君なのだろう
浜田君の咆哮
浜田君の暴
浜田君の澱
浜田君の激情
浜田君の慙愧
浜田君の意思表明
俺の鈍い耳が
浜田君の残したザラザラでぼやけている

97 :

浜田君、
あれ、いい歌だよな
俺、あれすっごい好き
それとその後の、
もう少し仲良くなれたら
そんな話もしてくれるかな
なぁ、
浜田君、
今度は俺らもコーラス入れんぜ
なぁ、
浜田君、
今度は俺も歌うかんな
また一緒に行こうぜ
それこそ明日にでも
なぁ、生意気な浜田マン
俺のシャウトでボラになれ

98 :
     [ 辞表の裏に長々と ]
ボス、今日はあんたに言ってやろうと思ってさ
最後の機会だから洗いざらいぶちまけちまうよ
あんた凄いカッコ悪いぜ
前からずいぶんと
カッコ悪い
俺たちが自分のささやかな英雄を称えていると
あんたは古き良き時代の神様たちを連れてきて
俺たちの興奮を台無しにしちまうよな
大人げないんじゃねえの、ボス
あんたと俺たち
生まれた時代が違っただけだろ
開祖は神聖。ルーツは偉大。んなこた俺らにも分かるけど
そんな博物館に入っちまった化石なんかより
俺は今鳴いてる鳥のがいいんだ
ノイズの奥でぼそぼそしてる始祖鳥なんかより
杉のてっぺんで太陽噛んでるホオジロのが俺は好きなんだ
あんたの頭をでっかくしている
その40数年を取っ払って聞いてくれボス
すべり台の前でどつきあうガキの気持で聞いてくれボス
あいつらの曲なら何がいいか、って話をしても
ボス、あんたはどマイナーなタイトルばかりを上げ連ねる
そんなビッグタイトル出してきやがってって
俺たちを見下しにかかる
なぁボス、

99 :
"タイシュウニゲイゴウ"したがらないボス、
個性ってのはそうじゃねえだろ
大衆の支持を受けるものに流されていくのは違うけど
大衆の支持を受けたものを除外してかかるのも違わねえのか
あんた本当にソレが好きなのか
ソレが一等好きなのか
あんたしかいない、見栄や虚勢を張る相手がいない無人島で
生涯聞いて過ごしたい曲はボス、ホントにそれなのか
ボス、Pでちっちゃいちんちくりんボス、
胸に手を当てて考えてみろよ
目を閉じて、ガキのあんたに聞いてみろよ
あんたの生き方をとやかく言う気はないけど
あんたはだいぶカッコ悪いぜ
周囲の目を気にして無理して
自分の好きなものを曲げちまうなんてさ
何だっていいじゃねえか
あんたが好きならそれでいいじゃねえか
結果それが俺と一緒だって
結果それが大衆と一緒だって
あんたはあんたじゃなくならないだろ
ていうかハナから
俺やあんたは大衆の一部なんだぜ
俺らはスペシャルじゃない
俺らはオンリーワンじゃない
替えのきく安いネジだよ
個性気取ってもたかがネジだ
諦めて

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