2011年11月2期SF・FT・ホラー37: 【目指せ!】友達が書いた小説あげてみる【星雲賞】 (66)
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【目指せ!】友達が書いた小説あげてみる【星雲賞】
- 1 :ヘボ編集長:2011/08/20(土) 22:08:22.82 〜 最終レス :63:2011/11/23(水) 01:54:24.11
- タイトル(仮):未来革命児!!
◎プロローグ
白衣を着た男が必死に命乞いをしている。
「見逃してくれ!!」
「悪く思わないでくれ。俺達はどの道すぐに死ぬ運命だ。あの世があるとしたらあの世で会おう、そしてその時は謝らせてくれ。」男の額に銃を向けた圭はそのまま引き金を引いた。
虚しい銃声が部屋に響いた。
「終わったの?」圭の息子(達也)が圭の背後から姿を現す。圭は銃口からまだ煙が出ている銃をゆっくりと下ろすと口を開いた。
「こんな事はあってはならなかったんだ、間違っていたんだ。」今にも消えそうな声だ。
すると前から学が出て来た。
「圭、例の書物の送信準備は完了した。恐らく30分後に無事届くだろう。だが彼の提唱した理論のどっちが合っているか分からない。後者の方であればその時は・・・お別れだ。」学が言うと圭が安堵の息を漏らした。
「そうか、それで良いんだ・・・。これは作ってはいけなかった。俺達は何も気づくことができなかった。お前等を巻き込んで悪かった。達也、お前は学と逃げろ。2人のシステムは除去してある。」
その時、部屋のドアが破られ武装した機動隊が入ってきた。
- 2 :
- 続き
「逃げろ!」
「来なさい。」学が達也の腕を引っ張るが達也は振りほどいた。
「ふざけんな!お前だけ勝手に死ぬんじゃねえ!」学は強引に達也の腕を掴みながら逃げようとした。
だが、すぐに3人とも包囲されてしまった。するとその機動隊達の間から太り気味の男が出てきた。この部隊を率いる公俊だ。
「残念だったな圭、俺達の勝ちだ。この計画執行の前にお前には死んでもらう。」皮肉たっぷりの笑顔だ。
「き、貴様。これがどんな事だか分かっているのか?全ての国民、いや全ての人類が死ぬんだ!!」圭が片手で押えていた服の所から血がにじんできた。
「圭、お前のせいで俺の研究は潰され仕舞いにはこの身も追いやられてしまった。だから俺はお前の研究所のセキュリティー会社に入社し、ここの施設の構造を理解すると同時に密かに彼らの計画に加担してきた。」公俊が言うと圭が笑いながら答えた。
「相変わらず馬鹿は治ってないな。復讐じゃなくて逆襲だろ。まだ大学の時の事を根に持っているのか?女々しいデブだぜ。俺が開発品に依存している時点でお前の負けだ。すぐにお前の時代は終わる」そう言うと先程の圭の笑い声よりもさらに大きい声で公俊が笑った。
「ほざけほざけ、終わるのはお前だ。」すると圭は冷たい目で公俊を睨みつけながら言った。
「歴史は繰り返す。ならば公俊、この世界を吹っ飛ばしてでもその歴史を変えてみたいと思わないか?」その目に少しとまどいながら公俊が聞いた。
「何を言ってるんだお前。死が直前に迫って自分の言っている事が分からなくなったか?」公俊が拳銃を取り出し圭の額に向ける。
「終わりだ。」
「お前もな、あの世で会おう。」撃たれる直前、圭は不気味な笑みを浮かべた。
公俊が圭の頭を撃ち抜くと「こいつらも撃て」と隊員に合図をすると銃口が2人、いや彼等から見ると2つの物に向けられ放たれた。
- 3 :
- 友達かー
友達なー
夏なー
- 4 :
- >>3
おお!君、よく来てくれた!続きもあるからゆっくりしていきなされ!
- 5 :
- 続きまだー
- 6 :
- 続き
西暦2040年
日本国憲法第9条の破棄から27年が過ぎた。次世代コンピュータの開発で東北大震災の後の日本経済が一気に向上し、日本は不況の時代に幕を下ろした。
言うまでもないが不況を抜けた街の風景はこの数年間で大きく変わった。
一つは電車。時速500キロを超える速さで走る省エネ電車の実用化が2015年に決定し、その頃には携帯電話も形を変え携帯とコンピュータが一つに結合した。
それによって多くの市民はサングラスなどのゴーグルのレンズにモニターが映る通称HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を着用していたり、他には手袋の形をしたものを手に装着し、手を広げると人体に無害のプラズマでモニターを空間に投影するコンピュータを装着している。
車も変わった。GPSがより正確に、しかも早く現在地を特定することが出来るようになり、道路に埋め込まれている場所の情報などが書かれた特殊なチップを車がそれを認識して移動するオートドライブが可能になった。
使用者は車が走っている最中は何をしていても構わない。その為、道路の信号がなくなり、今は車の中のデザインまでもが変わった。
- 7 :
- 続き
そして、何より凄いのが世界中が力を合わせ最大のプロジェクトチームを立ち上げ、人類は地球環境のコントロールに成功したのだ。
100kmおきに巨大な柱が立っていて(特殊な素材でできており肉眼でははっきりと見えない)地球を覆いつくす巨大な透明なゼリー状の膜を張り、地球に来る落下物や有害物質から地球を守ることが出来るのだ。
シールドの表面に強い衝撃を与えれば凝固し破壊させ細かく粉砕されたチリが地球に降る。
シールドを張るための柱にはマイクロ波を受信する装置を取り付けている。人工衛星で太陽光によって得たエネルギーをマイクロ波に変えて送信された物を受信しているのだ。その為地球の9割の電力はその装置で賄われている。
さらにこの装置は地球の気候をコントロールできるのだ。地球にとって有害な空気は外(シールドの外)に出し、地域に応じた天気を設定する。それらは無人のコンピュータがコントロールしている。しかし、空は今と変わらなく青く、そして雲がある。
ちなみにシールド外は汚染されており、有毒ガス地帯でもある為、何の装備もせずに生身の人間が踏み出すことはできない。世間では、そこは政府などが緊急移動する為の非常用道路になっているとの噂がある。
- 8 :
- 続き
しかし、なぜここまで日本が発展し、世界中をリードする発展国に急成長したのか本当の理由を知るものは少ない。
客観的に見ても、特にこれと言った理由がないのだ。
国民はこの当たり前な豊かな生活に酔いしれているのだ。だから理由など考える者は少ない。皆表向きの理由だけで納得してしまうのだ。
彼はその中の一人だった。
- 9 :
- 続き
東京都台東区浅草
薄暗い部屋のカーテンの隙間から朝日が射している。食べかけのパンを残し、少し乱暴に鞄を玄関に放り投げ、国が規格しているHMDと一見、液体が入った容器にも見える自作した手作り音楽プレーヤーを着けて玄関のドアを開けた。
「行くか。」作り物の空はいつも以上に眩しく見えた。
- 10 :
- http://www.nicovideo.jp/watch/sm15353865
- 11 :
- 夏が終わる
- 12 :
- これ>>1が書いたものだったりして
- 13 :
- 続きまだー
- 14 :
- >>12
違うよ(笑)
- 15 :
- ホントに友達が書いた小説あげて晒してるのなら酷すぎる。
友達になにか恨みでもあるのか。どんなイジメだw
こんなの公開されちゃってかわいそうにもほどがある。
- 16 :
- あのすみません、作者自分です。
ID見えないんで証明できませんが上までの物語はプロローグです。
許可しているんで別に構いません。貼ったと言うので見て見たらコメントが合って驚きました。
- 17 :
- 夏だなー
- 18 :
- 続き
影 前篇
6月6日TD―A2高校 授業中というのに教室の中はいつも通り騒がしい。教員は彼らのHMDに資料を配信し、ただベラベラと喋っているだけだ。
「はい静かに、以上のように2015年に入り世界は第2次IT革命を起こしました。その1つで今私達が着けているHMDがありますがこれを率先して開発した会社はなんと言う会社でしょうか?江波戸、答えろ。」すると達也のHMDのモニターに質問内容が記された。
「K(圭)です。」達也は先生の顔を見ずに答えた。
「その通り君のお父さんの会社だね。」
「親父の話はしないでください。アイツ訳分かんねえ事ばかり話すんですよ。」
「でもいいじゃねえか、金持ちなんだからさ。」隣にいた親友の風並 孝一が話しかけてきた。それを聞いた後ろのもう1人の親友近藤 隆樹が笑った。
「いや、金が入っても家狭いし小遣い増えねえし、やってらんねえよ。」担任はしがない顔をしながらも話を続けた。
「そして、第2次IT革命が起こると景気が回復すると共に多くの失業者が出た。それは何故だ近藤。」今度は達也の後ろにいた隆樹が指された。
「今までに無い新しい便利なものが増えたからそれまで必要だったものが必要じゃなくなって、そこで働いてた従業員は終わり。それだけ。」隆樹は馬鹿にするように言うと突然孝一が笑い出した。
「ヤベェお前の親父、テロに等しい事したんじゃね?」
「だな。あいつはちょうどオレ達と同じ高3の時に革命家の映画を観て尊敬し始めたとか言っていたからな。ま、関係ないだろうけれど。でも『そこで首になった奴はそこで負けだ』とか言ってたぜ。不景気な時代に生まれると心が狭くなるよな。」達也は少し真面目な顔で言った。
「じゃあ、その貧富の差を無くす対策として政府が出した法律は?」
「類似転職法」達也は2人と話しながら言った。
「そうだ、今まで自分が働いていた仕事と近い仕事に就くことが出来るんだな。先生の時代ではあり得ない事だったな。働けない奴はって言う時代だったからな。今は日本中がバブルだからな。このまま安定するといいがな・・・。」教員は話を続けた。
達也が2人と話していると達也の父、又は達也の育った環境を僻むもの達が野次を飛ばしてきた。
- 19 :
- 続き
「おい、達也どうする?」隆樹が聞くと達也がニヤニヤしながら言った。
「昔のお前とそっくりだな。オレがここに転校してきた時も似たようなことがあったな。」
「それ言うな。」隆樹が恥ずかしそうに言うと達也は
「馬鹿は相手にしなくていい。馬鹿に馬鹿って言っても分かる訳がない。あ、これ俺がそうだったからね。」と鼻で笑いながら言った。すると、彼らは立ち上がり1人が椅子を振り上げ走り寄ってきた。残りの2人は素手で走って来る。
達也はHMDに隆樹が冗談で作った「喧嘩用」と呼ばれるソフトを起動した。
「最近のガキはキレ易いねえ、ゲームばっかやってて前頭葉が働いてないんじゃねえの?仲間連れて来ねえと何も出来ねえのかオカマ野郎!」達也が怒鳴ると3人は走って達也に襲い掛かってきた。
しかし達也がすぐに座っていた椅子と机を背後にいる2人に投げつけた。二人の目の前に机とイスが飛ぶと教室が一瞬だけしんと静間にかえる。
「バキ、ガランガラン」鈍い音と共に机とイスが落ちる音だけが教室に響いた。それと同時に二人の叫び声が聞こえてきた。途端に女子が騒ぎ始める。
「な・・・!」二人の姿を見た彼が始めて怯んだ。
「本当はお前一人だと大した事ねえんじゃねえの?」也が教室で人に手をあげたのは初めてだ。
「分かった。俺の負けだ。謝る。」
「寝言言ってんじゃねえよ。さっきまでの威勢は何処に行った?自分だけ痛い思い避けようとしてんじゃねえよ。」
「クソ!!」叫びながら隠し持っていた特殊警棒を取り出した。更に教室が騒がしくなる。達也は持ち合わせが無いので仕方なく素手で戦う体制になった。
「達也、受け取れ!」剣道部の孝一が木刀を投げてきた。HMDには戦闘の段取りが書かれていて木刀に目を向けると傷力と使い方がナビされていた。
「相変わらず中二病ソフトだぜ、遠慮なく使わせていただきます!」達也は振りかぶり相手の腰に木刀を振り下ろした。
「ギャアァアア!!」思ったほど3人は達也にとって強くなく、3人は呆気なく達也に負けたのであった。教員は呆気に取られている。孝一と隆樹に顔を向けると2人は笑い転げていた。
- 20 :
- 続き
達也のHMDには先程の彼らが映し出され、「身体異常なし 回復まで手前から40分 14分 17分」と表示された。
「怪我していないそうです。」笑いながら教員に告げた。教員は構わず授業を続けた。
この時代の学校は「やること」をやっていれば何も言われないのだ。もはや生徒の為に学校があるのではなく教員の為に学校があると考えていただければ分かりやすい。
生徒は教員の商品なのだ。それに達也を含む3人の成績はクラス順位42人中10位以内に入っているのだから当然教員は何もしてこない。
孝一が達也に話しかけた。
「お前相変らず強いな。」笑いながら言うと達也は何でもないと言うような顔で言った。
「そんな事無いよ。相手は武器を持っていたし、威勢だけで喧嘩の経験が無さそうだった。隆樹のソフトが教えてくれたぜ。ありがとう。」隆樹は少し照れる。その意見に対して疑問に思ったのか、すぐに言い返した。
「武器持っていた方が有利じゃね?」 達也は少し嬉しそうに木刀を彼に返すと話した。
「素人が武器を持つと、それしか頼らなくなって周りの事を考慮する事を忘れるんだ。だから武器の攻撃だけに集中すれば楽に相手を楽に倒せる。」これも経験からだろうか。
「なるほどな。だから自分から攻撃しなかったんだな。」
「まあそれもあるけど、馬鹿らしくて相手にしたくなかったんだ。」
「くだらねえ事知ってるね、君は。」隆樹が呆れた顔をしながら言う。
すると達也のHMDが赤に変わり担任呼び出しを告知された。
「じゃあ、行ってくるわ。大先生のお呼びだ。あーあ、どうせマニュアル教育だったら先公もシステムにして欲しいよな。いちいち学校行くのかったるいし。でもそれだと確実な教育がどうのこうのでやらねえらしいけどな。」そう2人に吐き捨てると教室を出て行った。
- 21 :
- 担任の軽い説教が終わり暴力沙汰を起こし表には出さないが複雑な思いをしながら教室に戻ってきた。それと同時に教室の中の会話がピタリとやんだ。達也の席に座って会話していた生徒が慌ててどいた。
「みんな、ごめん。気にしないで会話を続けて。」
「お前が気にしろよ!」と孝一が突っ込むと教室中が笑いに包まれた。
「馬鹿らしい・・・。」
喧嘩など今の歪んだ教育社会では日常茶飯事なのだ。教員も自分がこの世界に生き残るためなら手段を問わない。ただでさえ先程達也が言ったように教育もシステム化にしようか政府で検討されているからである。
そうすると学校で働いている教員は自動的に解雇だ。その為、教員は優秀な生徒を一流学校に進学させるためにその生徒が非行に走ればそれをもみ消し、裏で受験校に多額の賄賂を流しているという説もある。
逆に落ちこぼれの生徒は進むべき道教えず、ただひたすら自分のペースに乗るまでペナルティなどで生徒を脅しているのだ。その為彼等は非行に走ることが多く、先程の特殊警棒を持ち歩いているのもまだ可愛い方だ。
授業は終わり、教室に担任が怒鳴りながら入って来た。
「八真!暴力沙汰は起こすな!」先ほど達也に喧嘩を吹っ掛けて来た人だ。
「俺じゃねえよ、江波戸がやってきたんだよ。」すぐに八真は反論するが。
「お前の話なんか誰も聞きたくないんだよ。頼むから俺の顔を潰すのやめてくれないか?俺も出世しないと家族を養えなくなってきているんだからさ。ハッキリ言って迷惑なんだよな、お前らみたいなのがいると。それとも何か俺に恨みでもあるのか?」
「だって江波戸が―」
「黙れって言っているだろ!納得がいかないんだったら学校に来るな!」しばらくの沈黙が続いた。担任が話を続ける。
「江波戸、怪我はないか?お前には期待しているぞ。」先程とは比べ物にならない位の穏やかさで達也に話した。
「はい、ありがとうございます。怪我はありません。」
「こんな馬鹿は相手にしちゃだめだぞ。もう少しお前は上を見ないとな。今回は目をつぶるぞ。」そこへすかさず孝一が割って入って来た。
「今回もだろ?マニュアル教師さんよ!」孝一はまだ興奮から冷めてない様子だったが担任は聞こえていないふりをした。
- 22 :
- 続き
達也はクラスの中で喧嘩は多い方だ。大人達が自ら建てた規律や道徳を自ら踏み躙って子供に見せつけ、己の保身しか考えない親や教員に嫌気がさし、自分の持っている学力と言う名の権力を乱用しているのだ。
それが達也に出来た唯一の大人達に対する反抗と訴えだったのかもしれない。しかし、そんな自分に酔っているのも事実だ。
達也はこのままただ何となく時間が過ぎていくことに満足はしていなかった。喧嘩は達也の暇つぶしに過ぎないのだから。
「何かでかいイベントがこないだろうか?学校が爆破してもいい、起こるといわれて数十年が過ぎた今でも大地震が起きていないなら今起きろ、何でもいい!身内が死んでもいい。とりあえず何か大きいイベントはないだろうか!自分の人生が変わるような・・・。」
そう毎日思いながら学生生活を送っている。
達也はただ周りと同化して過ごす自分に嫌気がさしたのだ。他の2人も同じ考えを持っている。だから3人はいつまでも仲がいいのかもしれない。
そんな事を考えている達也だったがそれはもうすでにそこまで来ていた・・・。
- 23 :
- 家に着くと珍しくこの家の居候人の学が早く帰っていた。居候人と言うより、どちらかと言えば圭の付添人だ。同じ研究室に務めている圭の助手である。
圭が研究の事で何かひらめくとすぐに学を呼ぶため面倒だからという事で学が独身で一人暮らしでもあると言う理由もあり、圭が家に泊めたのだ。
しかし、最近達也は学の様子がおかしいと疑問に思っている。それは朝と夜の学が別人のように感じるからだ。
ここと言う所はないが雰囲気が違うのだ。一つ目は学が達也より早く寝ると言う事は絶対にない。しかし達也が目を覚ます時にはもうすでに起きているのだ。その為達也は学の寝ているところを見ていない。
それだけではない。学は毎日誰かに長いメールを打っているのだ。しかも時間からすると20分、長くて1時間も文を打ち続けている。
そんな疑問が多い学の事を達也は退屈しない人と見ている。
「ああ、帰ってたんだ。」達也は鞄を部屋に投げながら言った。
「久しぶりに早く仕事が済んだからな。」相変わらず学はテーブルに指を当てメールを打っている。キーボード、モニターは学のHMDからしか見えない。
「親父は?」
「またしばらく帰らないぞ。研究が忙しいらしい。」 学の言うように圭は滅多な事がない限り家に帰ってこない。だからいつも学と二人きりなのだ。いや、学も帰ってこない事が多い。でも達也は独りでいられる事にとても満足している。
「人間って欲張りだよな、ホント。便利になったんだからこれ以上追及しなくてもいいじゃん。」そう言いながら達也はソファーに座りテレビをつけた。
テレビも今のように肉眼では見えない。HMD内のバーチャル上に存在し達也の家の場合ではリビングのソファーの向かい側を見るとそこに現実では存在しないがHMD内のビジョンではテレビが存在するのだ。
これでテレビも場所を取らないし好きな所にいくつでも設置できる。もちろん移動しながら見ることだって可能だ。ではなぜリビングにはテレビが置かれているのか。
それは圭が大学生の時に自転車に乗りながらテレビを見ていた時に車に弾かれそうになったのが圭のトラウマとなり、リビングには圭が個人的に置いているのだ。
- 24 :
- 続き
「・・・・だからな。」小さな声だがかすかに学の口が動いた。
「え?」
「ああ、いや何でもない。またタイピングしながらしゃべっちまったな。」学は少し動揺しながら文章を打ち続けた。
いつもの事だろうと達也は気にも止めなかった。テレビではニュースがやっていて宗教団体が国会議事堂の前で機動隊ともめていた。
信者たちのプラカードには「人一人の価値を冒涜するな」「審判の場を公言せよ」「神が現れあなた達の過ちを裁くであろう」と意味不明な言動を書いている。
「バッカじゃねぇの、こいつら?」達也が言うと学が声を掛けてきた。
「達也、お前も今ニュース見てたのか?」
「ああ、くだらねえ内容だけどね。」と軽く言い返すと返事がなかった。学を見ると少し考えたそぶりを見せながら達也に向き直って頭に付けているHMDを外した。達也も何かを察して同じくHMDを外す。一息置いて学が口を開いた。
「達也、彼らの行動は無駄なんかじゃない。彼等はとても大事な事をしているんだ。理由も知らないのに簡単に否定するもんじゃない。」
「・・・・・。」何も言い返せなかった。いつも明るい顔をしている学がいきなり険しい顔をしたのだ。しかもよりによって彼らの事を肯定するように。学は続けた。
「達也、急にだが仮にお前が誰かに操作されてたらどうする?普通に過ごしているつもりが実は誰かに操られていたとか―」
「そいつをぶっすかなー。」
ふざけて答えた達也に対して真剣な顔で学が頷く。
「そうだろ?操作されているのに動けるか動けないかは別としてそいつを止めに行くよな?それと同じなんだよ彼等は。」言い終わった後の学は元の学に戻っていた。何かかみ合わない。
「風呂入ってくる。」その答えに関係する事は何も言い返さず達也は風呂場に向かった。
服を脱ぎ湯船に浸かる。
- 25 :
- 続き
「分からない。学さんは何を言いたかったんだろう。つまり彼等は誰かに操作されているのか・・・。」結局2時間ほど湯船の中で考えたが結論は出せなかった。
夕飯を作りテーブルに並べながら学に質問をした。
「さっきの事なんだけどあれはどういう意味?」
「え、何。オレなんか言ったけ?」学は考え事をしていたのか遅れて返事をした。
「さっきの事だよ。ニュースでやってた内容をオレが批判したら理由も知らないのに簡単に否定するなって言ったじゃん?」
「あ、ああ。だから簡単にテレビの内容を否定するなって事だよ。」学はなぜか動揺しながら言った。
「そういう意味じゃないでしょ。そしたらなんで宗教団体について話したの?あの団体を肯定するように。」
「い、いやぁ信教の自由っていうのがあるじゃん?そのことを言ったんだよ。だから簡単に人の思想を否定するもんじゃないって。」明らかに変だ。
「さっき言ってた事と違うよね?だってさっき―」
「疲れているんだ、休ませてくれ。」達也の言葉を途中で断ち切りそう言って学は自分の部屋へ逃げるように入って行った。逃がしたくなかったが話しかけるなと拒絶するオーラがあったので声をかけなかった。
あの宗教団体の事は少し知っている。ギリシャ語で「自由」という意味の旗を掲げ世界各国に存在し、世界中でテロを起こしているのだ。
先ほど国会議事堂で騒いでいた彼等はテロを起こした同士の開放を望んでいるのだろうか?いや、彼らは捕まって当然だ。関係ない人たちを巻き込んで無差別に標的の場所にいた人間をす。
しかしこんなテロリスト達を今日まで抑えられたのは日本政府が送り出した特殊機動隊のおかげもあるが実はもう一つの団体のおかげでもあるのだ。
達也の知る限りではその組織の名前はラテン語で「真実」と読む。彼等も同じく世界中で幾度となく「自由」が起こしたテロ現場に駆け付け彼らに対抗し、市民を守る。彼らこそ真の正義(自由)と言うものは多い。
でも、なぜ学さんは肯定するように言ったのだろうか?ひょっとすると・・・いや、学さんに限ってそんなはずはない。ましてや人しなど。
彼らの「自由」とは何を意味するのだろうか。自分なりに感じる自由とは誰からも縛られていないと感じられる瞬間、大切な仲間がそばにいると分かる充足感。それを自分では「絶対的自由」と呼ぶ。
- 26 :
- 続き
「ガチャン」玄関で扉の閉まる音が聞こえた。自分の部屋の窓から外を見ると学が車のエンジンをかけていた。GPSを付けていたのであとをつけようとしたのだが・・・。
達也はHMDを起動し学の車を検索しようとするとエラーメッセージが出た。何度やっても結果は同じだった。
すると丁度学から電話が来た。
「達也、人の車を追跡しているのは見えているが何があった?ただ圭の研究室に戻るだけだ、また留守番をよろしく頼む。」
「なら言ってくれたっていいだろ。今日、変だよ学さん。」
「男はみんな変人だ、急用だったんだ。大至急来てくれって頼まれて。」確かに学の息は荒かった。
「今度は何?また実験?」しばらく学は黙っていたが言葉を選ぶように口を開いた。
「まあそんなところだが今は言えない。だがこれから先の達也には大きく関わる事だと思うからいずれ言わないといけない。」
「じゃあ―」
「今は無理なんだ、いやこれからも。」達也の言葉を割って言った。
「・・・・。」しばらく互いの沈黙が続き、電話が切れているのではないかとさえ思われる時間が続いた。
- 27 :
- 続き
その沈黙を破ったのは学だった。
「何で日本国憲法第九条が消えたかお前は知ってるか?」とっさの質問に達也は戸惑うが質問に答えた。
「世界が再び兵器などの緊張状態に入ったからだろー」
「違う。」冷たい声で学は言い返す。学は続けた。
「日本が日本国憲法第九条を破棄したのは別の理由があるんだ。俺たちのコンピュータは特殊なものでできているから国に傍受されていない。それぐらい知っているよな?
あらゆるデジタル端末の物は公では言われていないが機械が傍受してている。でもさっき言った事も今から言う事も他の端末で話すなよ。お前は知るべき人間だから話すんだ。」達也は唾を飲み込み構えた。
「日本は核兵器を輸出している。」
「・・・・!!」あまりにも突拍子のない学の言葉に達也は言葉が出なかった。
「もうそれで分かるだろ。日本は平和の下で憲法を破る事が出来なかった。だから合理的にする為に破棄した。国にも公にも合理的な理由が成り立ったんだ。
そして合理的な口実を作るための基となった世界平和の歪みも日本が世界各国に煽りをかけ、再び同じ過ちを繰り返させた。今もなお日本は世界中に核、核兵器につながる兵器を売り渡している。」
- 28 :
- 「う、嘘だ!」達也がパニックを起こすが学の声も荒々しくなった。
「嘘なんかじゃない!これを見ろ。」学の視界が達也に映る。するとあらゆる線が学の前を行き交っているのだ。それもよく見ると文字になっている。
「これは・・・?」
「ネット上で送受信されて流れる情報を可視化させているんだ。」学が何かコマンドを打った。すると情報の内容によって色分けされた。こっちから操作したいが操作権は向こうにあり、達也は映像のみだ。
「この過半数を占めている金色のラインが核兵器、他武器の設計図や輸出先を記載している情報だ。」
「こんなに。」ただこれらに見とれるしかなかった。
「これでも信じられないか?君の大嫌いな日本が。」元のビジョンに戻る。
「どうやってこの情報が見えるようになってるんだ?」
「君の親父さんはそれぐらいこの研究に関与してしまったのさ。」
「・・・・・。」
「分かってくれたか?」
「何を?」学の言葉から何を分かれというのだろうか。
- 29 :
- 「ああ、スマン。話がそれたな。あまりにも深刻そうだったから別の話題を出したんだがもっと深刻になっちまったな。オレ達はとりあえず研究所に行くだけだから。内容は教えられないけれどね。」
「親父も・・・一緒なんだね。」すると学の電話が切れ、圭から掛って来た。やろうと思えば5人までの会話が可能だったが、自分が先ほどの憲法について食ってかかってくると悟ったのか電話を圭に転送したのだ。
「・・・ああ、久しぶりだな。」達也の父親が出た。
「何やってるんだよ。」達也があきれるように言う。
「悪い。最近会っていないが元気にしているか?」
「誰もいないから自由気ままにやらせてもらっているよ。」
「そうか、相変わらずなんだな。まあしばらく学も俺も帰れないから留守番宜しくな。」
「ずっと向こうにいてもいいよ。オレ自由好きだから。」
「誰だってそうだ。俺もお前ぐらいの時は同じだったな。うん、帰ってこられないかもしれないな。」冗談なのか本気なのかすらりと圭の口から出た。
「ま、まあそれじゃあね。」
「ああ、それじゃあな。」電話を切った。
今日は本当に意味不明な事ばかりある。
昼間に言っていた、退屈が埋められたみたいだ。
それにしても気になる。憲法破棄した理由。
ネットで調べても出てこないと考え結局は何もしないで寝ることにした。
それが達也にとって家での最後の睡眠となる事は知らずに。
- 30 :
- まだ終わらんぜよ
- 31 :
- 読んでる人いる?いなかったらこれで終わりにします。pixivに上がってるから良かったら、見つけられたら読んでね。
- 32 :
- あった
http://www.pixiv.net/series.php?id=1835
- 33 :
- シリーズになってるのか。
- 34 :
- 友達の小説を勝手にあげちゃいけないよ
小説の内容から察するに、中学生かな
友達には、何本も何本も小説を完成させるようにアドバイスしていたと伝えてくれ
- 35 :
- >>34 さん
すみません、自分達は大学生です。
作者の方は高校3年の時に描いていて最近ピクシブにあげました。
で、>>1(ヘボ編集長)は作画担当で作者に了承を取り2chに貼りました。IDが見えないので誤解があった事をお詫びします。
pixivの方で確認のメッセージすれば多分喜んで返してくれると思います。
- 36 :
- >>34
俺もたぶん中学生だと思ってた。
- 37 :
- 作者です。
更新されたと聞いて見に来たら凄い事になってますね。
ちなみに>>35は>>1ではないですが言ってる事は大体合ってます。
多分2人とも知ってる知り合いかもしれません。
で、タイトルが「未来革命児!!」となってますがこんなタイトルではありません(>>1は昭和チックな事が好きなので←ちなみに2人とも平成生まれです)。
題名は「CHILD REVOLUTION」です。正確には「CHILD OF REVOLUTION」かもしれませんがその綴りをあえて使うのは後で分かります。
中学生だと思うのは自分が中二病だし、pixivでもあえてタグに中二病と書いたので。
pixivではまだ更新してるので良かったら読んで下さいね。
- 38 :
- 攻殻のパクリおつ
- 39 :
- 別に何も凄い事にはなってないが、中学生以上の脳みそがあるなら、
そろそろこのスレを落として消すことを考えよう。
- 40 :
- >>38
まずパクリと言う前に分野と言う振り分けを理解しようよ。何も出来ないから批判する事しか出来ないゼロサム主義な僕ちゃん。
- 41 :
- >>39さん
作者です、落とし方分かりますか(笑)?
>>38さん
そう言われるのは内容がやはりSFだし電脳ではありませんがウェアラブルコンピュータを使用したバーチャルなのでそう思う人はいるだろうと考慮してました。
>>40さん
御指摘して下さるのは有り難いのですが>>38さんのような意見もあると思っていたので別に構いませんよ。
>>34さん
ありがとうございます。
- 42 :
- あら、いたって冷静な回答だこと
- 43 :
- 保守
- 44 :
- >>40 への返信
ゼロサム主義ってなに?
- 45 :
- 創作発表板でやれ、ボケ
- 46 :
- >>45
そんな板初めて聞いたわ
- 47 :
- >>45
知るかボケ!やる前に言え!
- 48 :
- そうだそうだ・・・え?やる前?
- 49 :
- >>48
sageはメル欄に半角で
- 50 :
- 俺は34。
>>45氏
SF・FT・ホラーであれば、この板で創作を発表してはいけない理由など無いはずです。
以前に同じように、自分の創作SFについての意見をこの板で求めた人がいて、
礼儀正しく受け入れられていましたよね?
37氏の作品は、以前ここで自作品について意見を求めた中学生の作品よりも小説的なので、
いきなりスレを落とす必要はないと思います。
もっとも作品について、罵詈雑言を浴びせられるかもしれませんがw
俺からの罵詈雑言w
劣化したラノベの文体ではなく、学校の教科書に載っていた小説の小説作法を真似たほうが、カッコイイと思いますよ。
- 51 :
- 作者です。
>50さん
ありがとうございます。確かにこの文は小説ではなく誰かに説明する為の文になってますよね。
もっと本を読んで書き直してみたいと思います。
- 52 :
- >>44 努力している人や成功者を貶める、出る釘は打ってゼロに戻す日本のいらない文化。
特にに自分は何もしないくせに他人の努力や成功を妬ましく思う人間がこれをする。
- 53 :
- 「"ゼロサム主義"」でググるとこのスレがトップにくる
あまり一般的な単語ではないようですね
まぁwin-winで行きましょうよ
- 54 :
- 作者です
>>1の作画担当の人が勝手にタイトル書き変えたりと色々好き勝手やられたりしたので、辞めさせました。
なのでもう一度文章を見直し小説のほうに専念したいと思います。
- 55 :
- まあまだ、学生なんだし、小説の書き方から学ぶのも悪くないよ。
頑張ってな。
- 56 :
- うん、がんばる
- 57 :
- >>1の作画担当の人が勝手にタイトル書き変えたりと色々好き勝手やられたりしたので、辞めさせました。
gj(グットジョブ)
俺はSF者として、作者の才能を全面的に認める事は出来ない。
(俺だって、俺だって、俺だって、俺だって、俺だって、俺だって、俺だって、俺だって、俺だって)
作者さん、文庫本で売れている文体を真似るのは、卑怯ではなくて戦略。
- 58 :
- 作者です。>>56は自分じゃないです。
>>57さんありがとうございます。文体を模倣するですか。
そういう描き方もあるかもしれないですね。
- 59 :
- 某作家はデビュー前、小説を書き写したそうだ
書道で言う臨書
絵画で言う模写
- 60 :
- そうなんですか、小説書く以外にも読みまくるのもいいかもしれませんね。
http://www.pixiv.net/series.php?id=1835
若干書き直しました。
- 61 :
- 作者です。
これを漫画orアニメにしたいと思っているんですが、初っ端だと隅々まで描かないといけなくて(絵描きも0からのスタートなのでレベルの高い人に会える自信がありません)
きついような気がしたので絵を少なくする為にノベルゲームみたいにしようかと考えているんですが、この3つ(漫画、アニメ、ノベルゲーム)だとどれがやりやすいですか?
あるいは人に観てくれますか?
ゲームプログラマーは知り合いにいるので先日声を掛けさせていただきました。
前絵描き担当の人は(辞めさせた理由を詳しく書くと長くなるので割愛します)多分彼自身の考え方も変わる事が出来ないと思うので>>54に書いたように辞めてもらってます。
- 62 :
- まず、作品を面白いと思ってくれる人を探すことから
- 63 :
- >>59は、記憶違いだったようです
冲方丁が「ストーリー創作塾」という本で、
好きな小説の文章を口に出して読みながら書き写しましょうと勧めていました
>>61
>>この3つ(漫画、アニメ、ノベルゲーム)だとどれがやりやすいですか?
脚本家という立場で制作チームの一員になって、この作品を形にしたいんですね
小説を書こうとしているのかと、誤解していました
どれが一番やりやすいかを知っている経験者がここに通りがかる可能性は、低いかと思いますよ
- 64 :
- 分かりました。
適当に探してみます。
ちなみにpixivの方(掲示板の方は旧物でタイトルも書き換えられたので)で読んでみた方で何か感想があれば宜しくお願いします。
- 65 :
- >>63さん
初めはライトノベルの小説にしたいと思いましたが、いきなり手にとってもらえる自信がありません。
なので別の作品にしてからでも小説は出来るんじゃないかとアドバイス頂いたので考え直しました。
- 66 :63:2011/11/23(水) 01:54:24.11
- 俺の素人考え
>>65氏が(漫画、アニメ、ノベルゲーム)で自分の思うような作品を作るには、
プロデューサー兼映画監督のような仕事をしなければならないのではないかな?
モノが出来なかったら、トラウマが残ると思う
例え失敗作でもモノが出来たら、いい勉強になると思う
俺は素人だけどw
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