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2011年12月1期文学15: 小林秀雄 その三 (706) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼


小林秀雄 その三


1 :11/07/23 〜 最終レス :11/12/03
前スレ 小林秀雄 その二
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過去ログ
小林秀雄
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1285934877/

2 :
「続編というものが全く考えられない完璧な作品になっているのである」
↑カラマーゾフ兄弟評より。
どれだけバカなんだか。www
もっと早くよ、害毒を垂れ流す腐れ三流批評家……

3 :
「19世紀ロシア文学者はひと皮剥けば、皆んな無政府主義的革命家」(ソヴェットの旅)

4 :
ここはスレ違いなのかもしれないが、ドストエフスキー信者に一言いいたい。
若い頃の彼はフーリエなどの社会主義者に影響されてユートピア社会主義者グループ「ペトラシェフス
キーサークル」に入った。秘密出版を計画しそれが原因で皇帝直属の秘密警察第三課に逮捕される。銃
刑の判決を言い渡され死を覚悟するが、あらかじめ決められていた4年間のシベリア懲役流刑となる。
四年の刑を経て帰ってきた彼は熱心な「ギリシャ聖教」信者であった。そんなことならお前にいわれな
くても知っているし、ドストエフスキーに関心ある者ならあたりまえだろう、と思うかもしれない。し
かし私がいいたいのはロシアにおいて彼はいわば保守反動ともいえるほどの思想の持ち主であり、その
ような基本的なこともおさえずにドストエフスキーの「深さ」とか言う人が多すぎる。21世紀にドスト
エフスキーを語るには「にもかかわらず」や「たしかに...だが」といった留保又は覚悟がいるはずなの
にそんなことは忘れて恥ずかしげもなくぬけぬけと彼について語る人の気がしれない。

5 :
ザルーリチとか熱心に傍聴してたんだろ。
改心なんてアテにはならんね。

6 :
おっと、ザスーリチ。最初はナロードニキの革命家で、マルクス主義に転向した
のは後の西欧に亡命してからだったかな。ロシアにマルクスが
広まったのは遅かったから。
信仰と革命精神の相剋ってのがあるんだって。それがないと、
革命の結果もスターリン主義くらいな世界にしかならない。

7 :
せいぜい深読みするのは勝手だが、言葉の単純な意味で「悪霊」なんて無政府主義者批判ですよ。

8 :
駄目だ、勉強が足らん。議論の水準に達してない。

9 :
これをまとめて解説するには三行レスでは不可能だな。

10 :
小林なんかは「マルクスの悟達」で総スカン食らってから、
革命論とか話題にしにくくって、カラマーゾフ論も中途半端で
終わってる。

11 :
そもそも小説家としてドストエフスキーよりバルザックのほうが個人的には優れていると思うがこの件
についてはやめておこう。「議論の水準に達してない」というからには「深さ」が前提されているがこ
の言葉が私は嫌いである。お前らにはわからんが「私」だけにはわかるということが暗黙の内にいわれ
ているからだ。「深さ」という言葉はドストエフスキーが信者がよく使うとだけいっておく。このこと
は小林秀雄にもあてはまる。前スレッドにも「小林はベルグソンよりも深いんで、そういう安易な割り
切りを本能的に 回避しようとして、いやベルグソンは実は単なる二元論ではなくて、と いう風にいろ
いろ屁理屈をこねて見せるのだな」という文がある。実際に小林がベルグソンより深いかどうかはおい
ておくが、ここでも「深さ」という言葉がつかわれ「私」だけにはわかっているとう「ニュアンス」が
感じられる。

12 :
例えば小林秀雄の全集が英訳されてそれを英語のできるアジア人が読むとしよう。いろんな読み
方があるとは思うが彼を保守的なナショナリストと思われても不思議ではない。これをどうやっ
てべルグソンより「深い」と思うかは今は問うまい。いや彼の思想はそんな単純なことではない
というかもしれない。しかしそれは「自衛隊は軍隊ではない」というのに似て日本国内でしか通
用しないのではないか。アジア人から見ると「軍隊」にしか見えない。そのとき彼らは又彼の思
想の「深さ」がわかっていないというのだろうか。

13 :
おまいは水準が低いのが優れているというのか・・・

14 :
「マルクスの悟達」の次の文章で、大御所に難詰されて
ヘラヘラするのだって調子で適当に誤魔化してる。
だんだん初登場の時のハッシたる勢いが失せて行く。

15 :
人間を堕落させて骨抜きにしちまったら平和で戦争がなくなるだなんて
考え方は吐き気がする。

16 :
>>4
ドストが保守反動というのは、「悪霊」の発表時からずっといわれてる。
スターリン時代に発禁にされたね。逆にトルストイはソ連時代にもずっと
評価されてたね。 ソ連崩壊以後、ロシアでは両者の政治的評価に
何か変化があったんだろうかね。 ソルジェニーツィンが晩年、ロシア
民族主義的な発言やって顰蹙かったことがあったが、あれもドストの
影響なんだろうかね。
まあ、ドストが、保守反動とよばれるリアリストになったのは、シベリアに
送られて、社会のどん底、最下層の人間の実体というものをたっぷり経験
してからの話であるから、その思想には実体験に裏打ちされた強さというのが
あるんだろうよw 評価するうで留保しなければいけないとかなんとか
そんな小賢しさは人間のどん底における予測不可能性の前には
ちりぢりになって、あっという間に吹き飛んでしまうのさ。

17 :
熱い心、鎖でつないでも〜今は無駄だよ。
邪魔する奴は、指先一つでダウンさ〜♪

18 :
あの歌も阿久悠が作ったの?つーかNさんも歌えないっしょ?

19 :
>>18
いや、あれは違うw ちなみに、このあいだ、カラオケで歌ったよ。
まあ、聞けたもんじゃなかったろうけど。

20 :
ロスケも自国の19世紀革命史については今ひとつ不案内なところは
あるようだな。近代世界全体の土台に関する問題なので、取り扱う
のが、いささか難しいのだ。

21 :
>>19
無茶するなあw

22 :
小林は「ドストエフスキーの生活」で、構想段階の「無神論」なる作品を
「カラマーゾフ」に結びつけちまってるようだな。「無神論」は
「悪霊」として完成したんであって「カラマーゾフ」は構想段階では
「偉大なる罪人の生涯」だったと思うんだが。
両者は並行して構想が出来て、「悪霊」はダーウィン後に生じた新世代の
ニヒリスト革命家を、「カラマーゾフ」はナポレオン戦争の流れを汲む旧世代のナロードニキ
革命家を書く作品として裏表の関係だと言えるだろう。
小林自身も言ってるが昭和初期の日本では、資料が足りなかったんだろ。

23 :
「ドストエフスキイの生活」を書いた頃は、資料が足りなくて、曖昧に
しておいたところがいくつかあったって、後年に書いてたね。

24 :
「カラマーゾフ」のアリョーシャのモデルと考えられるドミトリー・
カラコーゾフが初の皇帝暗に失敗して拷問の末に絞首台に上げられ
たのはドストエフスキーが「罪と罰」を書いてる頃だ。ニヒリスト
世代の誕生というのはもう少し遡って「地下室」の時期。
だからカラコーゾフは実際にはニヒリスト革命家だったのだろうが、
それはドストエフスキーがフィクションとして潤色したんだろう。

25 :
カラコーゾフは没落小領主の子息だったと思うが、これはドストエフスキー
にも共通する。それとははっきり示されないが、作品の
前口上で「変わり者の活動家」を書いたと宣言した「カラマーゾフ」から
ドミトリー・カラコーゾフを同時代の読者が連想するのは、さして
難しいことではなかったかも知らない。初のロシア皇帝暗が成功した
のは、ドストエフスキーが畢生の大作「カラマーゾフ」を上梓して間も
なく死去した、たったひと月後のことだ。ドストエフスキーが最後に
遺したメッセージが、同時代の若い革命家たちにいかなる影響を与えた
かは俺は寡聞にして知らぬ。(了)
>>7
分かった?

26 :
EHカーのドストエフスキー読んだ人いる?
盗作疑惑の真相が知りたい。

27 :
ここは小林スレなのであった。(完)

28 :
ドストエフスキーのスレでも定期的にこの話題は繰り返しながら
肉付けしてんだけど、あっちはスレの流れがずっと早いからなw

29 :
>>25
352 :吾輩は名無しである:2010/12/26(日) 09:01:25
たしかに三島由起夫は小林秀雄との対談のなかでバルザックが好きだといっているが、私がいいたいの
はドストエフスキー本人といわゆるドストエフスキー好きの人達は区別しておくべき、同様に三島由紀
夫といわゆる三島由紀夫好きの人達は区別しておくべき、ということだ。例えば「カラマーゾフ」とは
「黒くぬられた」という意味で半分ジョークのような兄弟の名前であるというし、「罪と罰」の酒に飲
まれた人生に甘く弱い男マルメラードフはマーマレード男という意味であるという。他にもロシア語で
読むと半分笑かす名前や文章の中にだじゃれが使われており思わず吹き出してしまうという。しかし、
いわゆるドストエフスキー好きの人達は(例外もいるが)ユーモアのセンスなんてなく糞真面目に「
文学」を語りはじめる。三島由紀夫については別スレッド「三島由紀夫は読みづらくないか?」で感想
を書き込むやいなやおよそ「文学」好きとは思われないような文章と言葉づかいで批判を受けて閉口し
た(笑)。

30 :
ドストエフスキーは金儲けでエンターテイメント小説書いてた風にもあんま見えないぞ?
お前がドストエフスキーに興味ないことを俺は非難するつもりも全くない。
逆に俺がドストエフスキーに興味を持つことをとやかく言う奴はどう考えても
余計なお世話だろ?

31 :
世の中にはバカな奴がいるからな。

32 :
石原の|小説でも読んだら満足するんだろw

33 :
「作者は、この表題については、一言も語りはしなかった。
併し、聞えるものには聞えるであろう、
『すべて信仰によらぬことは罪なり』(ロマ書)と」(小林秀雄『罪と罰』について))。
ドストエフスキーは「犯と罰」(Crime and Punishment)と題したのであって、
「罪と罰」(Sin and Punishment)とは書きもしないし言ってもいない。
小林が「この表題」というとき、彼はヤマト・ドストエフスキー流の
「ツミとバツ」にもたれかかっていて、「ツミ」の字が
ロシヤ・ドストエフスキーにないことを疑ってみようともせぬ。
 「この表題」つまり日本名『罪と罰』については、「作者」即ちドストエフスキーのあずかり知らぬこと。だから「一言も」小林に向けて「語りはしなかった」。いや、語るわけがないのである。
(略)小林が表題以外にロマ書に探し出してきた「ツミ」もまた
ロシヤ・ドストエフスキーのあずかり知らぬところである。(略)
 東方教会のテキストは右に見るとおり西方教会のものと大いに異なり、「すべて信仰によらぬは罪なり」で終っていない。のみならずこの章は「信仰弱き者を受けいれよ」ではじまっているのだ。
 内村剛介 『人類の知的遺産 51 ドストエフスキー』 講談社 昭和53年

34 :
たしか柄谷行人なんかはドストエフスキーには決して内部化できない他者がいるのに小林はそれを無視
して「ドストエフスキーの生活」を描いてしまう、とかいっていた。今だって同じだ、信仰の問題もス
ルーして流行のドストエフスキーについて語る。翻訳で読むことは今は問うまい。「そんなことは忘れ
て恥ずかしげもなくぬけぬけと彼について語る人の気がしれない。」

35 :
大したこと言ってもないののが「〜すまい」とか、中途半端に文体に被れる方が恥ずかしいよねw
福田和也みたいなのとか

36 :
福田和也ねえ。石原慎太郎萌えのくせにね。

37 :
「犯と罰」って日本語の不自由な人みたいで恥ずかしいだろ…

38 :
初期評論で罪罰を聞いたこともないよな妙ちきりんなタイトルで
引き合いに出してた箇所あったな。他の作品か知らんけど。

39 :
Literature of the Lost Home: Kobayashi Hideo--Literary Criticism,
1924-1939 Hideo Kobayashi、 Paul Anderer (ハードカバー - 1995/11)
http://www.amazon.co.jp/Literature-Lost-Home-Kobayashi-Hideo--Literary/dp/0804725373/ref=sr_1_3?s=english-books&ie=UTF8&qid=1311600032&sr=1-3
15年以上前に英訳はもうでてる。柄谷がからんでるけどね。

40 :
Amazonのレビューとかはどうですか?

41 :
「故郷を失った文学」で小林は東京生まれ育ちの自分の無故郷感覚を、
さしたる感傷もなしに言いふらしてるな。故郷ってのが地方にしか
なくて、東京が中央ってんなら確かに小林の言う通りだ。外国暮らし
でもすりゃ「故郷」の意味もまた違って来るんだろう。
同時期の白鳥論では白鳥の地方出身者としての眼差しについてなんて
何も触れちゃいないが。

42 :
Nさんの書き込みを見るに、昼間は仕事してるみたいだね。

43 :
嫉妬すんなよ

44 :
俺も人並みに稼ぎたいよー

45 :
>>42
え??
勤労は日本人の義務でしょ!
納税と同じ様に!
義務も果たさず権利ばかり主張するのか…?
病気とかなら仕方がないがハローワークに行けよな
ふ・ざ・け・る・なー!!

46 :
の後遺症でやる気が出ねえんだよ!ふざけんな!

47 :
グダグダ言うなら持ってこい。36時間とか休みなしで働いてやるからさあ。

48 :
鈴木は人間の屑だ

49 :
逮捕歴あるの?
早く病院に行くと多分まだ大丈夫だよ、、
このままだと廃人になる未来かもだ…心配…

50 :
>>46-47
成りすましの元「S字結腸」、、
リアルで真面目に警視庁に通報したからな
威信をかけて捜査してもらうよ……。
待っていろ

51 :
荒らしてゴメン。今後は小林秀雄の話をしましょう。

52 :
>>51
手遅れだったな…
匿名掲示板とはいえ、公然と…云々
逮捕されるの待ってろよ

53 :
最高!!自衛隊が弱いのはを導入してないから。第二次世界大戦みたいにを導入すれば勝てる!!…と本気で思う。

54 :
成り済ましの中万引き犯なんて生きてる意味がないよね
ばいいのに

55 :
飲酒運転なう、で捕まって全国ニュースになるだからな。
…は罪が重いよ。

56 :
成りすましって何だよ?

57 :
趣味も悪けりゃ頭も悪いこんなクソコテが一日中書き込んでるんだから文学板も腐ってくる訳だ

58 :
そんな…ひどい…

59 :
お喋りは終わったらしい。

60 :

いま連絡があった。捜査を進める方向で検討して戴けると
刑務所入り、……ほぼ確定だな。

61 :
やったー鈴木ようやく収監か!
これでせいせいする!

62 :
カーの「ドストエフスキー」注文したわ。 さっと読んでみて、どのくらい小林が
それを下敷きにしてるのか、確認してみる。

63 :
>>33
「罪と罰」の翻訳の題名については、確か江口卓が、日本でどのように
翻訳されてきたか、その一覧を書いていたね。 小林は単にもっとも
人口に膾炙した名前を選んだと、そういうことだろうね。 小林は
ドスト翻訳したわけでもなし、ロシア語もできなかったろうからな。

64 :
つーか、2ちゃんで馬鹿話して、気を紛らわしていれば、中から足を洗えるんじゃないの?

65 :
つーか、中に人が隠れてるとか言いだして、エアコンぶっ壊したりするそうだけど、鈴木君は大丈夫?

66 :
の話はこことかでしよう。
【読書の夏】雑談スレ10【の夏】
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1311510306/
もの凄い勢いで文学板住民が質問に答えるスレ
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1311018798/

67 :
よし、万引きよし、よしと、3拍子そろった鈴木君♪

68 :
はよくねえよ!犬丸!!

69 :
鈴木の隔離スレ
http://logsoku.com/thread/love6.2ch.net/book/1244997606/
39 :(o^v^o) 鈴木雄介◆m0yPyqc5MQ :2009/06/15(月) 20:30:20
なに言ってんだよお前?いい感じのだな!
嫌いじゃないけどね。食わすのは問題だけど、
食うのは別に暴力的な感じはしないし、いいじゃん。
中学の頃とかいじめられて食わされてる奴いたじゃん。
普通は食いたくないものね。臭いし、汚いし、非人間的じゃない。
って愛を感じない?あなたのなら喜んで食べますみたいな。

70 :
の話も雑談スレでやろうぜ。正直もう面倒臭いけど気が向いたら答えてやるよ。

71 :
>>68
じゃあ、何回ぐらい食ったことあるの?

72 :
鈴木は一日三食を食ってるよ

73 :
そもそも、誰のを食べるんだろーな?
1、お母さんの、2、自分の、3、道で拾った犬の、
さあ、どれでしょう?

74 :
俺が昔2ちゃんで見た、本当っぽい話だと、
女の肛門に口をつけて、女にをさせる。
そうすると、が空気に触れることなく、食べれるから、あまり臭くない。
って話なんだよねwww

75 :
あるいは、道に落ちてるカリカリに乾いたは臭いが抜けているので初心者にはお進め!
みたいのはあるのかな?w

76 :
の事なら鈴木がなんでも知ってるよ

77 :
ここはスレでつか

78 :
鈴木が来るとの話に偏りがちになるね、どのスレでも

79 :
>>71
一度も食った事ねえよ。雑談スレでやれよ。

80 :
鈴木がすぎてついていけねえな
この人なんでこんなになんだろう

81 :
うるせえよ佃煮マニア

82 :
鈴木の三原則とはなにか

83 :
雑談スレでやれって。荒らすんじゃねえよ佃煮マニア。

84 :
出す
食う
添い寝する
の三原則

85 :
>>79
じゃあ、なんで、、言うんだよwww

86 :
>>85
言ってねえよクソ犬。よ!!

87 :
やーい

88 :
もうやめろよ。小林秀雄の話をしろ。

89 :
<<63ドストエフスキー訳者の江口卓って、江川卓の間違いでは?
もちろん野球の人とは別人。

90 :
小林秀雄―越知保夫全作品
鮮烈な小林秀雄論, 2010/5/22
By Padova (東京都) - レビューをすべて見るレビュー対象商品: 小林秀雄―越知保夫全作品 (単行本)
 題名にもなっている通り、越知保夫が書いた小林秀雄論は秀逸です。50年経過した今も、鮮烈な印象を覚えます。
小林秀雄の作品に顕現する聖性とそれを追求する求道性、さらにその道を歩くなかで、
彼が経験した神秘を論じ、論理の破たんなく肉迫する手腕には驚かされます。
 越知保夫はキリスト教哲学者吉満義彦の弟子であり、中村光夫の「好敵手」、
カトリックの批評家としては遠藤周作(若き日の遠藤周作は批評家でした)の先行者でした。
解説にもあるとおり、間接的関係ではあるものの、須賀敦子、井筒俊彦といった人物とも結びつきがあるということも興味深い事実です。
 ガブリエル・マルセル、クローデルなどフランス文学に関しても優れた論考を残している彼は、
古今集を中心に論じ、存在論的歌論ともいうべき「好色と花」という秀作を書いています。
和歌に発見するのは、美だけではなく、聖性ともいうべき実在へと向かう魂の趨勢だというのです。
 人物論的にも興味深く、小学生の時に洗礼を受けた彼は、無神論と革命を説く左翼運動にプロレタリア作家としてではなく、
一活動家として参加、逮捕、投獄されます。 この「転向」を彼は活動家としての挫折ではなく、
むしろ、キリスト者としてのつまづきだったと信じていたことです。
 人間は、思想を知ることはできても、究極的な意味では信じることはできない。
信じるべきものではない何かに人間が「信仰」をささげるときの悲劇を、やはり政治的挫折を経験したドストエフスキーと合わせ論じています。
 
 また、彼のチエホフ論も簡単に類例は見つからない。
この劇作家は現世の現実よりも、異界の姿を描き出しているというのである。
チエホフを宗教から自由な「予言者」だといったのは井筒俊彦ですが、チエホフは現実界ではなく、
異界の実相を描いたのだといった批評家はやはり、稀だと思います。

91 :
優しき預言者の遺稿, 2010/10/27
By bias - レビューをすべて見る
(VINEメンバー) (トップ1000レビュアー) レビュー対象商品: 小林秀雄―越知保夫全作品 (単行本)
すばらしい本。著者は生前、1冊の著作も無かった。
だが亡くなった直後、筑摩書房が『好色と花』と題してエッセイ集を刊行。
本書はそれを大幅に増補したものだが、没後半世紀も経って、
1冊本全集として刊行されたのは、単に追慕した人がいたからではないだろう。
(とはいえ、吉田健一、遠藤周作はじめ、著者を高く評価した著名人は多い)
なによりも文章が、とびきりうまいから。
その「うまさ」も、巧緻とか精妙とか練達というのではなく、
真直でありながら野暮ったくなく、毅然としながらも優しみがあるうまさ。
越知が敬虔なキリスト者で、挫折した左翼主義者という予備知識だけで
(読まずに)納得してはいけない。信心深くとも抜け目ない文筆家は多いし、
自虐と自尊が煩わしくつきまとった転向者も少なくない。
そうした臭味は、越知のエッセイからは全くうかがえない。
特に小林秀雄の愛読者ではないが、越知の小林論は、面白い。
越知は、小林のゴッホ理解を畏敬をもって読み解いているけれど、
自分は本書の越知の文章で、小林もゴッホも再認識した。
(すべて同意するわけではありませんが)
和歌や能を論じた古典論も、同様。
巻末の「小伝」を書いた若松英輔もいうように越知は、『本居宣長』
はじめ、越知没後に展開される小林の仕事をあたかも見通していたよう。
そんなせいか、越知の書いたものは、どれほど明晰怜悧であっても
もはや批評家の文章ではなく、預言者のそれのように思えてくる。

92 :
>>89
あ、そのとおりだ。俺の間違い。
江口じゃなくて、江川です。 間違いのご指摘ありがとう。

93 :
小林の翻訳といえばランボオだけど
アランとかも訳してるんだね。

94 :
>>996
> 吉本隆明はなあ
> ザコの戦争協力は叩くくせに
> 小林秀雄の戦争責任だけはスルーしてる
だって、小林は戦争中、天皇マンセーも戦争マンセーもほとんどしてないのでは?

95 :
>>だって、小林は戦争中、天皇マンセーも戦争マンセーも
ほとんどしてないのでは?
いや、たぶんやってるだろ?
反天皇、反戦を叩くことによってだろうが。

96 :
>>95
俺の知る限り、文庫レベルでは、
本居以外では天皇マンセーはなし。
戦争賛美は、真珠湾の時に打った魚雷の軌跡がさぞ美しかっただろう〜
ってなマヌケな記述があった程度。

97 :
世間では戦争の真っ最中なのに、
そんなことには目もくれず、中原の女を取ったとか、ランボーがどうした、とか書いてるわけで、
十分に反戦、非国民だと思うんだよねwww

98 :
帝国日本の閾――生と死のはざまに見る [単行本]
金 杭
内容紹介
この世に生まれた裸の個人たち=「豚‐人間」が、「国家の民」に生成
する政治的な力学とは何か。丸山真男の「近代的個人」観の盲点、南原
繁等オールドリベラルにとっての天皇制の意味、関東大震災時の戒厳令
と朝鮮人虐の背景、小林秀雄の思想の再検討等、近代日本の隠蔽され
た核心を暴き出す韓国人気鋭研究者の意欲的な論考。
内容(「BOOK」データベースより)
丸山政治学のアポリア、朝鮮人虐と憲法論争、小林秀雄と靖国…。
“豚‐人間”から帝国の生成解体を問う、哲学と思想史への画期的挑戦。

99 :
小林秀雄の昭和 [単行本]
神山 睦美
内容(「BOOK」データベースより)
日中戦争から連合赤軍事件まで、「ドストエフスキイの生活」から
「本居宣長」まで、時代の衝迫のなかに身を置きながら近代批評を鍛え
上げてきた小林秀雄。その軌跡を仮借なくとらえ実効ある思想を浮き彫
りにする、原理的考察の到達点。
--------------------------------------------------------------------------------
登録情報
単行本: 288ページ
出版社: 思潮社 (2010/11)


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