2011年12月1期SF・FT・ホラー7: 木の上のまくらのすけ (2) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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木の上のまくらのすけ


1 :11/12/08 〜 最終レス :11/12/09
「木の上のまくらのすけ」とみんなは少年のことを呼んだ。
 なぜかというと、少年は木登りが得意で、よく他のだれも登れないような高い木の上に登っては、そこでぼんやりとしていたからだ。
「あぶないぞ、あぶないぞ」と親や先生たちは口をすっぱくしていったが、こればかりは止められなかった。木登りそのものよりも、木の上でひとりぼんやりいろいろなことを空想するのが、少年は好きだった。
 木の上は別世界だった。
 そこは彼だけの王国であり、親も先生も友達もいなかった。雲がすぐ手のとどくところにあり、下の世界とはちがった風が吹いていた。
 わたつみ神社の境内にある楠の大木が、少年のお気に入りだった。天気の良い日は、たいてい、学校がひけるとまっすぐわたつみ神社にかけつけた。
 ときどき悪童どもが「まくらのすけ! まくらのすけ!」とはやしたてながら追いかけてくることがあったが、木の上に登ってしまえば、少年に恐いものはなかった。いくら悪童どもがはやしたてようと、石を投げようと、はるか木の上の少年にはとどかなかった。
http://gogonoyuurei.sakura.ne.jp

2 :11/12/09
木の上のまくらのぬるぽ
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