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2012年07月新シャア専用78: 【もしも】種・種死の世界に○○が来たら11【統合】 (209) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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【もしも】種・種死の世界に○○が来たら11【統合】


1 :2012/07/14 〜 最終レス :2012/08/09
このスレは種系SSスレのうち、まとめサイトのカテゴリで
クロス物とされるスレの統合を目的としています。
種以外とのクロスオーバーを種別問わず投下してください。
種作品内でのIF作品は兄弟スレにお願いします。
過去スレ
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1196339764/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 2【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1208353319/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 3【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1212323601/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 4【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1218203927/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 5【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1226476158/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 6【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1230651332/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 7【統合】
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1233666943/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 8【統合】
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1242394476/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 9【統合】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/shar/1254828439/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら10【統合】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1291395757/
まとめサイト
ttp://arte.wikiwiki.jp/
兄弟スレ
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 14
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1298609709/

2 :
>>1


3 :
スタトレックオンラインの動画見てたら8472が生身でビーム出してた。

4 :
新スレ立て乙です。前スレ291です。
昨夜は中途半端になって申し訳ないです。残りを投下させて頂きます。
8/13
「どなた」
「バジルールです」
 ドア越しに彼女の声がする。
 私は入室を許可すると、彼女がドアを開けて入ってきた。
 彼女の隣にはサイ・アーガイルの姿があった。
「あらあら、珍しい組み合わせね。どうしたのかしら。えーと……」
 私の部屋は殺風景な程にベッド以外は机と椅子くらいで、もう一人分の椅子しかない。
 元々4人部屋のベッドを撤去して利用しているためだが、
二人を立たせておくのも忍びないため、私はベッドの上に座り、二人に椅子を勧めた。
 彼女は恐縮して立ったままで良いと言ったが、それでは落ち着かない。
「良いのよ。今はオフ扱いなのだから、ただのおばさんよ。ほらほら」
「は、はい。……すみません。では、お言葉に甘えて」
 二人は椅子に腰掛けた。
「さて、どんなご用件?」
「はい、サイ・アーガイルのことですが、彼に上級士官への道を歩ませたいと考えていまして」
「上級士官へ……?それは、彼が望んでいるのかしら」
「はい。勝手な判断でご迷惑かもしれませんが、彼が友人を思い新型へ志願したと聞いて、
アーガイルはパイロットより人を纏める方が合っていると思いまして」
 彼女の申し出の後、サイ・アーガイルが私に宜しくお願いしますと挨拶をした。
 確かに彼は一身上の都合ということで試験を棄権していたが、まさかこんな理由だったとは。
 とはいえ、私は本来の地球連合の大佐ではない。
 私が何かを言える立場ではないが、確かに彼女の判断通り、
彼にはパイロットよりそちらの方向の方が向いているだろう。
 だが、それでも問題点はある。
「……あなたはオーブの人間で、本来は連合の士官になるべき立場に無いわ。
 それでも目指すというなら、あなたは外人部隊扱いになるわけだけど、覚悟はあるのかしら。
 尤も、私も門外漢がブランクを開けての大佐だから、人の事なんて言えたものじゃないけど、
この艦で上級職を目指す試験を受けることは可能だと思うわ」
 彼は私の言葉に、怯む事無く私の目を見て答えた。
「大佐、覚悟は有ります。是非とも宜しくお願いします!」
「私も彼の試験のサポートはするつもりです」
 彼は威勢良く私へ決意を語る。その声は部屋の外へも響くくらいだ。
 バジルール少尉も彼に協力するということだが、何があったのだろう。
 サイ・アーガイルはフレイ・アルスターと仲が良かったはずだが。……いや、そういう事ではないと思うが。

5 :
9/13
「……そう。なら構わないわ。連合の基準に適合する兵が上を目指す事を阻む理由は無いし、
キラ君の様な特例は別として、あなたがこの艦で不足する上級士官への道を目指すというなら、
私としては有り難い話ね。でも、それは正規兵になるということなのだから、
体力面も相応に要求されるわよ?」
「頑張ります!」
「分かったわ。私も試験官としての対応は取れると思うから、暇を見てやって行きましょう。
 でも、まずは下のクラスをクリアすることが先ね。そうだ、他の志願者にも門戸は開けましょう。
 あなた以外のパイロット候補生も一緒に勉強出来た方が、あなたも張り合い有るでしょ?フフ、頑張って」
 私は彼らが帰った後、しばし休憩した後にハンガーへと足を運んだ。
 私のすべき仕事は、現在進行中の計画を少しでも早く終了させることだ。
 暗礁宙域を先行するバスターとゲイツ・ステルスは探索を続けていた。
 アスランは前回の戦闘後、あえて大きく距離を置く方針を採った。
 それは敵側を油断させる意味合いもあるが、評議会が要請していた「ラクス・クライン捜索」の為であった。
 そもそもアスランは彼女の婚約者という立場も有り、
あの時点で戦闘を継続し続けるわけにも行かない政治的な事情があった。
 故に彼は足付きの戦力を削る程度に留め、自陣営の戦力の温存と捜索の両立を計る。
 見失った暗礁宙域では自軍の艦艇の残骸らしきものは確認出来た。
 幾つかの遺体も回収するに至ったが、肝心のラクスクラインの消息は不明だ。
 ただ、不幸中の幸いかどうかは分からないが、残骸には脱出艇の残骸は含まれていなかったことから、
彼女が何らかの形で生存している可能性はあると言えた。
 バスターが接触回線で話しかけた。
「ったく、アスランも厄介な立場だな。
 お姫様探しもしなきゃいけないし、足付きも追わなきゃいけない。
 俺ならお姫様探しは後回しにするけどな」
「ディアッカ、……イザークが聞いたら激怒しますよ。彼は彼女の大ファンなんですから……。
 でも、そうですね。あの状況で足付きを逃がすのは僕もどうかと思います。
 ただ、戦果を上げていることも事実。婚約者という建前も入れれば絶妙な采配と言えるでしょう」
「……お前は相変わらず頭が切れるな。
 まぁ、お偉方を納得させるには損害ゼロで船一隻撃沈は十分戦果だよなぁ。
 しかも悲劇のヒロイン探しも両立だ。……あの小賢しさは一体なんなんだ。
 あいつってあんなにセコセコ動くキャラだったか」

6 :
10/13
 ニコルは彼に問われて、しばし脳内にあるアスランの記憶を引き出した。
 彼は確かに優しいし優秀で手先も器用ときているが、性格的には優柔不断で決断力は無い方かもしれない。
 しかし、人前での立ち居振る舞いはさすがの秀才だけに隙無く動けるし、
戦闘においても身のこなしは一流だと言える。
 彼は命じられる事に忠実であり、あまり自分を全面に出す様な人間ではない。
 だが、ディアッカの言う通り彼は変わった。その変わり方は豹変と言っても良い。
「……元々は彼も次をリードする指導者の息子。相応の能力が有って然るべき。
 これまでが羊の皮を被っていただけなのかもしれませんよ。
 でも、貴方の言う通り、彼に似合わずあまりに手堅い。
 ……フフ、正直、そうした役割は僕の役目だと思ってました」
「はは、言えてるな。でも、お前、そんなことを考えて動いてたのかよ。怖いねぇ」
「そうですか?……そうかもしれませんね。
(……ですが、彼がそう動くなら、もう僕が気を使う必要はなさそうだ)」
 ニコルは心の中でそう呟きながら思わず笑った。
 自分が背伸びをしなくて良いということは、正直言えば気楽な事だ。
 これまで「このメンバー」の中で、彼は最年少でありながら「最大の気配り」を強いられてきた。
 リーダーとされたアスランは優柔不断、イザークは癇癪持ちで、
ディアッカは無関心、そして兄貴分として纏めてくれていたミゲルは戦死し、
何もしなかったら勝手に啀み合いが生じて、バラバラになりがちなこのチームを支えてきたのはニコルだった。
 ただ、今回のアスランの変化はアスランだけに限らなかった。
 これまで無関心だったディアッカは、以前と違い前面に出てくる気配もあるし、
イザークは以前より落ち着き(?)を見せてきている。
 そして自分自身、アスランの変化を切っ掛けに負担が軽くなったことは間違いない。
 それがこれまで被ってきた自分自身の「殻」を破る結果となるのであれば、
ニコル自身楽しみな面も感じていた。
 その時、センサーに一つの機影らしき物が観測された。

7 :
11/13
「センサーに反応、識別は……連合のメビウス!?
 ……でもエンジンの出力が少し違う。新型でしょうか。」
 ニコルがセンサー情報をディアッカに転送する。
 彼もその情報を見てみるが、確かにデータベースにあるどのメビウスにも該当しない。
 この期に及んで連合が新型のメビウスを開発したというのだろうか。
「……どうだろう。近づいてみないとわからねぇ。
 幸い、向こうさんとの距離もあるし、メビウスのセンサーエリアは狭い。
 もしかしたら、お姫様を撃沈した奴らの仲間……なんてこともな。」
「連合がこの宙域に来る理由はなんでしょう。ここはZAFTの領域です。
 クライン嬢の慰霊団を撃墜するメリットも無ければ、
そもそもここまでやってくる事自体が困難なはずです」
「と、すれば、この宙域にいる連合といや……足付きか」
「はい。……どうします。
 罠の可能性もありますし、単なる哨戒として出ているだけかもしれません。
 しかし、新型が来ているということは、連合の援軍が待機している可能性も」
 ディアッカは周囲のセンサー情報を見ながら自身でも思案してみるが、
先の戦闘で目立った損傷もしていないはずの足付きが潜んでいるとも思えなかった。
それでも、実際にデータは出てきている。
「……罠を張る程向こうが余裕だとは思えねぇ。
 でも、もしそうなら理由は分かる。この宙域なら身を隠し易い。
 仮に何かトラブルが有ったとしたなら、どこかに潜んで修理に励んでいるって寸法だろう。
 てっきりあの遅いドレイク級引っさげて進んでいると思っていたが、
見つからなかった理由はこういう事か。」
「……何かを待つために待機しているのか、それとも修理の為かは定かじゃないですが、
この場を選ぶ理由は仰る通り一つ……動きたくないからでしょう。
 動きたくない相手ならば包囲殲滅が常套。
 ディアッカ、貴方が艦へ繋げてくれませんか。
 僕はこのままステルスで潜行してみようと思います」
「……おい、大丈夫か。まぁ、わかった。無理するなよ」
「はい」

8 :
12/13
 バスターが離脱する。
 ニコルは彼の離脱後岩陰に隠れ、ミラージュコロイドを起動しエンジンを停止した。
 アークエンジェル艦橋では敵側のセンサー反応が消えた事に驚いていた。
「バスターが後退、グリーンが消失しました!」
「何、よく確認したのか!」
 CICからのセンサー情報の報告に、思わずバジルール少尉の声が上ずる。
「センサー情報は宙域ポイント351マーク12より離脱後消失とあります」
「……どういうことだ」
 突然消失した機体。
 詳細は先行させたメビウスとの通信を待つ他無いが、
通信をすればこちらの居場所がバレる危険性もある。
 しかし、こうした行動に対しても抜かりは無かった。
「先行するフラガ大尉に繋げ」
「はい」
 予めフラガ大尉には敵側へ接近する前に遠回りに飛行させ、
領域の幾つかのポイントに中継アンテナを散布した。
 このお陰で直接の通信を辿られずにアークエンジェルとの通信を確立させていた。
 そして、その通信も独自の新しい暗号化を施している徹底振りである。
「こちらアークエンジェル、バジルール少尉です。
 大尉、敵グリーンの消失を確認しました。何かわかりませんか」
「……こちらフラガ。敵さんはこちらでも確認出来ていない。
 どうなっているんだ。とりあえず哨戒行動の真似をしているが」

9 :
13/13
 フラガの方でもサッパリ状況はつかめていなかった。
 その時、ラミアスが通信に加わった。
「……あまり考えたくはないけど、ミラージュコロイドの可能性を考える必要があるわね」
「何だそりゃ?」
「最新の光学遮蔽技術よ。ブリッツに搭載していたの。
 もしかしたら、ブリッツを使っているのかもしれない。
 センサーを赤外線反応に切り替えてみて。
 たぶん、かなり極小の噴出反応を検出出来ると思うわ」
「わかった。やってみる」
「詳しい情報はそちらに転送するわ。これからは根比べ……というべきかしら」
「……?、まぁ、了解」
 フラガとの通信が切れた。
 バジルール少尉はモニターにブリッツの情報を引き出していた。
「艦長、ブリッツが……というよりは、
ブリッツの……情報が漏れたと考えられているのですね」
「……えぇ。大佐もさすがね。センサーラインの強化はこのためだったのね。
 あれ程のシステムが無ければ、我々は今頃蜂の巣よ」
「スクリーンに表示します」
 少尉が大型スクリーンにセンサー情報を表示した。
「こちらがまだ情報で上を行っていると信じたいですね」
「えぇ」
 二人の視線は、
消失したポイントから僅かにそれた宙域に新たに現れた反応へ注がれていた。
第15話終わり。第16話へ続く
投下終了です。有り難うございました。最初の方は前スレをご覧下さい。

10 :
ワープ10突破乙!
ボーググリーンwwレーダー範囲5000kmww
セブンにしてれば簡単な改造なんでしょうけど、SSだと造形と特撮の費用を気にせず魔改造ができるのがいいですね!
700年前の目撃者に出てきた砲塔付きヴォイジャーはけっこう好きです。
サイは上級士官目指すという事はMS土下座はなくなりそうだな。
なんかアスランが覚醒してるしこれなら凸にはならないか?

11 :
乙です!
ボーググリーン吹いたwww
なるほど、ちょっと怖いかもwww
それにしても読んでてアメリカのドラマ見ている気分になるSSだ
しかも週一というスピード!!
本当凄い文才です!!
これからも頑張ってください!!!

12 :
291です。
>10 >11
 乙有り難うございます。
 メビウスの装甲素材変更は新型も視野に入れている設定です。
 艦艇用のラミネート装甲素材と、MS用PS装甲素材のストックがあるわけで、
それらの材料を活用しながら研究を進めている感じです。
 メビウスFへの採用は試験的な意味合いもあります。(ゼロは採用していない)
 セブン側はより調達コストの低い素材の活用を求めています。
 レーダーについては、シャトルアーチャーの長距離センサー性能は、
素体のシャトルコクレーンと同等の光年単位なので、
フルスペックを利用する前提は置いていません。
 それでも従来型センサーより遥かに高性能ですが、距離以外にも制約があり、
あくまで「この世界」のスペックを基準にリミッターを掛けている設定です。
 技術系の改造については、現行の設計を発展させることを基準にしているので、
単純に省エネルギー化していたり、低コストで製造出来る様に部品点数を見直したり、
機体自体の軽量化による機動性を上げたりと、割と普通の方向でも進化します。
 ただ、セブンによる場合は通常の研究者が行う技術確立までの試行錯誤をすっ飛ばして、
C.E.に最適な形で如何にダウングレードするかという観点でやっているので、
開発出来る事は分かっている面が開発速度の差になっている感じです。
 あと、お名前募集は継続中です。
 メビウスFのパイロットが6名程必要になってます。
 階級は軍曹4名曹長2名って感じで考えています。
 種オリジナルで活用して欲しいキャラも可ですが、採用は一名で隊長扱いです。

13 :
ヤスベエ アベ。
曾々おじいちゃんの名前です。
名前は古風ですが当時は「ハイカラな人」だったとか。
という事で、新しい機体にパッと飛びついちゃった的な感じで如何でしょうか?

14 :
>13
 ヤスベエという名前だけ使わせてくださいwww
 そんな古風な名前のメビウス乗りとか、面白いですね。
 ヤスベエ・ポートマンとかそんな名前の日系人って感じで使わせて頂こうかと。
 何と言っても大西洋連邦の主要国はアメリカなので。
 年齢は29歳くらいで、曹長とかにしときましょうか。
 メビウス部隊は割と長く存在すると思います。

15 :
>>14
おお!採用ありがとう御座います。
姓はポートマンでもウィルソンでも何でもいいですよ。
設定は全てお任せ致します。
あった事のないおじいちゃんの活躍を期待してます!

16 :
スタートレックエンタープライズ借りて見たら小型シャトル2機で宇宙艦引っぱっとった。
出力パネェ。

17 :
デルタフライヤーとかスペックやばい。

18 :
種放映当時、ウェスリーの影響で石田ボイスキャラにはトラブルメーカーのイメージ持ってたww

19 :
>名前
ご参考に
さらに怪しい人名辞典
ttp://www2u.biglobe.ne.jp/~simone/more.htm
欧羅巴人名録
ttp://www.worldsys.org/europe/
最終手段として、ここの適当に命名って機能を使ってしまう手も

20 :
フォッグ・ナイト
夜霧の異名を持ち鎮圧戦が得意。やたら自国を持ち上げる。

21 :
291です。
>19
 情報有り難うございます。
 まぁ、無理矢理付けようと考えれば付けられなくはないのですが、
 そうやって勝手に付けちゃうよりは、こちらにいらっしゃる方の参加も有った方が、
みんなで作っている感も有って楽しいかなと思ったんです。迷惑でしたかね?(汗
>20
 やたら自国を持ち上げる国の人って、どこら辺の国だろう。
 大西洋連邦だと、みんな持ち上げたがる人達ばかりっぽい。w
 ナイトとか言っているから、イギリス辺りなんだろうか。
 チャールズ・フォッグ・ナイトとか、ミドルネームから因んだって感じだとハマりそうですね

22 :
今日見た映画からそのままであれだけど、
バズ・ライトイヤー

23 :
艦長のフレイへの諭し方が上手いな。
さすがある時間軸だと23年間単艦の帰還行でヴォイジャークルーをまとめていただけの事はあるわ。
多数の種族とのファーストコンタクトもしてるし、経験が違うな。

24 :
悪魔艦長はだてに数々のデッドエンドやバッドエンドを乗り越えてきたわけじゃないぜ。

25 :
恥かしながら応募してみようw
ジョニー・ガレン
軽めのお調子者。考古学教授の祖父がいる。

26 :
291です。今週分投下開始します。13分割なので2回に分けて投下になりそうですね。
1/13
第16話「通信」
 ZAFT軍ザラ隊旗艦ヴェサリウスでは、
バスターからの近距離通信で連合の足付き艦隊と思しき部隊の存在が伝えられた。
 執務室でその報を受けたアスランは、グラディスと今後の対応について協議している所だった。
 応接椅子に腕組みして対面に座る彼女は、この唐突な報に内心呆れていた。
 彼女からすれば出来過ぎた話にも思えるこの報告に、半ばこの少年の頭の中を覗いてみたく感じていた。
「……お姫様探しのつもりが、結果的に足付き追撃になったわけね。
 まさか、これも想定内というわけかしら」
 彼女からこういわれて、アスランも内心苦笑していた。
「さすがにそれはありませんよ。
 ただ、本国の増援として指揮下に入ったツィーグラーを先行させても何の手掛かりも無い。
 妥当な結果と言われれば仰る通りになるのでしょうけど」
 実際、先の戦闘を切り上げた事に他意は無いし、敵側も先を目指すものと考えていた。
 あの戦闘での対応の早さを考えれば、出来るだけ進んで体制固めすると思っていたのだ。
「まったく、足の遅いローラシアを先行させると言いながら、頭の回る事。
 で、叩くのかしら?」
「そうですね。……叩けるなら叩きましょう。
 相手がわざわざ潜む以上、そこに意味があるんでしょうから。
 とはいえ、どの道叩くつもりですが、出来ればあぶり出したいのが本音です」
「相手の目的は何かしら。
 デブリベルトに留まりながら修理をする程の損傷を受けている様には見えなかったけど。
 修理じゃないとしたら、……援軍を待っているのかしら」
「この宙域に彼ら以外の連合がやってくるとしたら、
その動きは逐一報告されるはずです。しかし、そうした情報はありません。
 援軍の線は薄いでしょう。考えられるのは新造艦である足付きが、
内部的に負荷をかけて想定外の破損をしたか、ドレイク級の損傷に問題があるかだと考えます」

27 :
2/13
 グラディスは顎に手を当て、しばし考え込む様に間を置く。
 アスランはそれを黙ってみていた。徐に彼女の口が開く。
「……最近、私も貴方の石橋の叩き方が少し分かった気がするのよね。
 私が貴方なら、この場で突貫工事はしたくない。
 でも、見つけた以上は攻撃をしなくてはならない。
 ここは最大船速で強襲し、敵に考える暇を与えずにあぶり出せれば勝ち。
 ……と考えているんじゃないかしら」
 グラディスの意見に、アスランは穏やかに微笑む。
「良いですね。やってみましょう」
 彼の即答振りにグラディスは眉を上げて驚いてみせたが、彼女も微笑んで同意した。
 その後はバスターを帰投させると、二隻を最大船速で暗礁宙域へと進ませ始めた。
 艦長日誌補足
 私は艦隊の指揮はアークエンジェルを中心に任せ、
我々が為すべき艦隊戦力の改修に努力していた。
 トゥヴォックは民間保安部隊の結成を終えると、
それをバーナードから引っ張ってきた武官に引き継がせた。
 これでアークエンジェルに不足した武官についてはひとまず補強出来ただろう。
 彼にはセブン1人で遅れがちなローのエンジン改修作業の監督に向かわせた。
 これで作業効率は上がるだろう。
 私はMSハンガーへ出向いていた。
 ハンガーでは所狭しと整備士達が働いている。
 そこにある幕の張られた例の一角へ足を運んだ。
 そこには新しく組まれつつあるMSの姿があった。
 忙しく働いている作業員達の中で、
整備主任のマードック軍曹が私を見つけて声をかけてきた。

28 :
3/13
「あ、大佐!どうしました」
「あら、マードックさん。って、もう大佐なのよね。
 ふふふ、どう?作業の進み具合は」
 私の問いかけに彼は苦笑混じりで答える。
「いやはや、ハンセン女史は凄いですぜ。
 こいつの設計もとんでもない物だったけど、これを実際に組み上げる技術は、
……俺達がおおよそ知っているようなレベルを超えている。
 なのに彼女の手に掛かれば難なく進んでしまうんだ。
 あの手は魔法かなにかですか」
 彼の驚きは無理も無い
 彼女は「我々の時代でも」高度な技術者だ。
 それがこの時代で作業しているのだ。
 いくら人間の作法に慣れてきたといっても、彼女は偽装を上手くこなす方ではない。
 しかも、この状況下で最善を尽くすとなれば、偽装どころではなく効率を優先するだろう。
 実際そのお陰でドレイク級の改修も進んでいるが、少々やりすぎた感はある。
 私は溜息を一つ付くと、彼同様に苦笑混じりに答える他無い。
「……確かに彼女は天才ね。私達でも一目置くほどよ。
 でも、時に真面目過ぎて付いて行くのが大変になるのはご愛嬌かしら。
 さて、私も作業を手伝うわ。
 分からない事が有れば彼女の代わりに答えましょう。何か有る?」
「大佐がですかい!でしたらこれなんですが……わかりますかぁ?」
 彼は私の提案にいかにも懐疑的といった表情であったが、
手に持ったパッドを操作し設計の分からない所を示した。
 私は彼のパッドを受け取り目を通す。
「……(これは神経接続型インターフェース。……フラガAIで味をしめたのね。
 それにしても……これはいつ出来上がるのかしら)
 このシステムはいわばオールガンバレル操作の試作ね。
 彼女の理論によれば、このオプティカル回路を全身に巡らせ、
それぞれの末端に電子/光コンバータを接続して、
神経伝達スピードを人間の生体性能に近づけている。
 一部ではたぶん反応速度は上回るはずだわ。
 精密部品については、我々のシャトルにある部品を利用するようね」

29 :
セブン自重しねーw

30 :
4/13
 彼は私を見て呆気にとられた表情で暫く立っていた。
 だが、ハッと我に帰ると目を輝かせ、矢継ぎ早に質問を始めた。
 その時、耳に装着したコミュニケーターがアラート音を発する。
「ちょっと待って。はい、こちらジェインウェイ」
「ラミアスです。敵母艦が動きました。
 高速でこちらへ向けて発進してきている様です」
「高速で。………グリーンはどうなったの?」
「大尉のメビウスを追って、ゆっくりこちらへ迫っています」
「そう。今の所は予定通りかしら。
 また何か変化が有ったら教えてください」
「はい。では」
 コミュニケーターの発声が消えた。
 しかし、敵の動きが気になった。
 これまで慎重に動いてきていた敵が、大胆にも高速で接近してきているという。
 潜んでいる敵を前に高速接近とはどういうことだろう。
 一撃離脱を構えるには宙域の条件も悪く、
最悪なんらの効果も上げられず仕舞いになりかねない。
 幾つか保険は掛けたつもりだが、敵の意図を計りかねた私は、
シャトルに待機させているイチェブへ通信した。
 アークエンジェルのブリッジでは、敵側の動向がセンサーを通して逐一補足されていた。
 その時、サイ・アーガイルがセンサー情報を慌てて読み上げる。
「敵ナスカ級が消えました!」
 その報告に、バジルールが声を荒げる。
「見間違いではないのか!よく確認しろ!」
「はい!……いや、間違い有りません。
 情報をそちらへミラーリングします」

31 :
支援

32 :
5/13
 そこには確かにセンサー識別からロストしていることが確認出来た。
 ラミアスがその報告を聴きしばし考えると、
手元のコンソールを動かしモニターに情報を表示した。
 そこには何かの計算結果が表示されていた。
「艦長、これは……」
「……予想だけど、もしあの距離からサイレントランされた場合に、
こちらへ到達する想定時間よ。」
「サイレントラン!?……しかし、どうして」
「敵はミラージュコロイドによる光学遮蔽を利用して潜行している。
 私達は勿論そちらをモニタリングするけど、……母艦もそうだとしたら?
……相手はミラージュコロイドの弱点を逆手に利用してきている可能性があるわ」
 ラミアスの話は大胆というには荒唐無稽とでも言える程のものだった。
 勿論というべきか、バジルールはその意見に反論した。
「敵母艦サイズでミラージュコロイド!?
 あのサイズで潜行出来る程のエネルギーがナスカ級にあるとは思えません」
「えぇ、私もそう思います。でも、たぶん目的はそれだけでも十分な陽動になる。
 潜めている私達からすれば、敵は派手に動いてくれる方が有り難い。
 だからこそ……そうしないのよ」
 ラミアスは全艦に第一戦闘配備を敷き、
敵艦の攻撃に備えてMS及びMA部隊を宙域に待機させる命令をだした。
「キラ・ヤマト、ストライク、行きます!」
「イチェブ・オドンネル、デュエル、出撃します。」

33 :
精神融合

34 :
6/13
 ストライクとデュエルが艦前方に待機し、
ドレイク級から出撃したメビウスF二機が後方に待機した。
「メビウスF-01、ヤスベイ・ラムレイ、おし、出撃する!」
「メビウスF-02、フォッグ・ナイト、出る!」
 メビウスFの初陣だが、2機はバーナード及びローのMAチームメンバーに見送られながら、
無事にリニアカタパルトを出撃して行った。
 グリーンのラインが輝き、両艦の後方に陣取る。
「……ったく、囮ってのは性に合わないねぇ」
 フラガのメビウス・ゼロは、ゆっくりと背後の「グリーン」を誘導していた。
 敵側は全くアクションを起こすわけでもなく、こちらの動きにそっと付いてきていた。
 何度か攻撃に最適なモーションをとってみたが、相手側は一切手を出して来ない。
 さすがのフラガもここまでの慎重さを見て煽るのはやめたが、敵の動きが不気味であった。
「艦との距離は………そろそろか。じゃぁ、行かせてもらいましょうか」
 フラガはエンジンを全開にして発進した。
 そのときグリーンがミラージュコロイドを解除した。
「お、乗ってきたか!?」
 グリーンがバーニアを吹かして急速に接近を始める。
 後方からターゲティングを受けていることをセンサーがアラートで知らせる。
 フラガはそのアラートを半ば無視する様に感覚を研ぎすます。
 システムがロックオンされた事を強い警報音で知らせてくるが、
彼は全力で機体を高速航行させ続けた。
 一筋の光線が通り過ぎる。彼はそれを紙一重という僅かな差でかわした。
 彼のメビウスは新しく搭載したエンジンにより、
これまでならば不可能だった細かい上下運動なども可能となったお陰の産物だ。
「……ふぅ、さすがだねぇ。アニカちゃんは天才だぁ〜♪」
 一方、グリーンを操縦するニコルは相手の機動力の高さに驚いていた。
 彼の知るメビウス・ゼロは直線的な高速航行に長けた飽くまで「戦闘機」であって、
上下左右といった飛行中の運動性能はMSに劣るものと思っていたが、
 このメビウスはエンジンが改修されて高性能になっていた。

35 :
名前募集キャラキター!

36 :
7/13
「……甘く見てはいけないですね。
 連合は着実にキャッチアップ……いや、我々を凌駕し始めている。
 引き締めなきゃ…」
 彼は努めて冷静だった。
 彼の乗る機体はミラージュコロイドの影響でかなりのエネルギーを消費していた。
 もはや無駄玉を打てる程の余裕も無い。
 引き返して補給を受けることも可能だが、艦隊側からの命令は何も無い。
 ZAFTは階級等の命令系統が曖昧な軍事組織であり、
一見すると混沌とした指揮系統を持つが、
コーディネイターはそれぞれの持てる力の最大を行使し合うことで、
最大のパフォーマンスを発揮しながら自然に連携することを旨としていた。
 故に、命令が無いということは、彼には一定の自由が与えられているのと同時に、
最大の戦果を期待されているとも言える。
 ナチュラルならば尻込みする様な制度設計だが、
彼らにとっては自由が最大の価値なのである。
 逃走を始めた敵機を確実に仕留めるためには、相手の足を止める必要がある。
 これまでならば接近戦に持ち込んで叩いたものだが、
 新型がエンジンのみ改修されたのかはわからず、無闇に接近するのは憚られた。
 ならば、やる事は一つであった。
 ニコルはゲイツの残るエネルギー全てを使ってターゲットを攻撃することにした。
 武器システムのエネルギーリミットを全解除し、ターゲットスコープを覗き込んだ。
 彼の操作で照準が絞られて行く。
「……全ターゲットロックオン、オートファイヤシステムスタンバイ。
 カウント、3、2、1……ファイヤ!!」
 ゲイツ・ステルスのビームが幾筋も放たれる。
 オートファイヤシステムにより攻撃操作が自動で駆動し正確な精密射撃を始めた。
 しかし、それらは全てメビウス・ゼロに当たる事は無かった。

37 :
支援

38 :
8/13
「なんだぁ!?、へった糞だなぁ。
 って、くそ!俺がか!?」
 フラガは自分の認識の甘さを悔いた。
 敵の攻撃は全て前方のデブリを狙ったものだったのだ。
 大型の岩などがビームにより破砕され、宙域前方に無数に飛び散る。
 このまま突っ込めば機体の損傷程度では済まされないだろう。
 彼にはエンジンを逆噴射して緊急停止させる他に道がなかった。
 そこへゲイツ・ステルスがシールドからビームクローを出して迫る。
「頂きますよ!!!」
 だがその時、彼の進行方向を巨大なビームの閃光が阻んだ。
「!?」
 そこに現れたのは、彼らが宿敵である「足付き」だった。
 いや、足付きだけではない。
 足付きからはストライクが出てきていた。
 ストライクはシュベルトゲベールを構えてゲイツに急迫する。
 咄嗟に受け止めようと盾を構えるが、斬撃を受け止めた瞬間にエネルギーが切れた。
 ストライクはそのままゲイツの左腕を切り落とすと、
その衝撃で弾かれたゲイツにバーニアを噴かして迫る。
「うぉおおおお!!!!」
 キラが咆哮する。
 半ば迷いを振り切る様に彼は突進する。
 しかし、システムが攻撃アラートを知らせた。
 彼の機体をアグニの強力なビームが擦り、
ストライクの装甲がじりじりと音を立てて悲鳴を上げる。

39 :
同化

40 :
9/13
「ディアッカ!ナイスです!」
「おう!お前は早く後退しろ!」
 ゲイツの後方からは、潜行していたナスカ級と共に複数の機体が出撃していた。
 彼らはバスターの支援砲撃と共に迫る。
 ストライクはメビウスを庇いながら後退すると、
それを援護する様に一斉に艦隊が艦砲射撃を始めた。
 宙域が両軍の攻撃で眩い閃光に包まれる。
「……アークエンジェル前進微速、特装砲用意」
 アークエンジェル艦橋では前方を睨み、冷静にラミアスが指示を出す。
 バジルールがモニターを見ながらそれに呼応する。
「ローエングリン照準、エネルギー充填率、80…90…100%充填完了!」
「丁!」
 ラミアスの号令下、特装砲が閃光を放ち前方を貫いた。
「回避!」
 グラディスの命令下、ナスカ級キグナスは回避運動をするが、
彼女の判断は一歩遅く、左舷から翼に掛けてローエングリンの光が貫いた。
 損傷した左翼から爆発音がし、激しい衝撃が艦内全域を伝う。
「くぅ、報告!」
「は、左舷壁面損傷、左翼大破。
 隔壁緊急閉鎖していますがぁ……負傷者が出ている模様です」

41 :
ポンファー

42 :
10/13
 アーサーの読み上げに、グラディスは内心腸が煮えくり返る程の怒りを感じていたが、
同時に足付きとの戦力差を改めて実感させられていた。
「今のは何なの!?」
「は、はい、センサーの記録からポジトロン反応が出ています」
「ポジトロン!?陽電子砲ですって!?!……なんて破壊力なの。
(こんなものを正面から相手するなんて聞いてないわよ。……いいわ。
 やってやろうじゃない。アスラン・ザラ、見てなさい!)
 ……キグナス前進微速、主砲照準、敵、足付き!」
「か、艦長!?」
 アーサーはこの状況でまだ前進をするという艦長の命令に戸惑っていた。
 彼女は気が触れたのか。しかし、彼女の目はいつもの力強いものだった。
「……キグナスの勇姿を見せてやるのよ!!」
「は、はい!!」
 アークエンジェル艦橋では敵側の動きに動揺が広がった。
 キグナスは損傷しつつも前進してきたのだ。
「敵ナスカ級、迫ります!」
 CICの報告にラミアスは狼狽えた。
「特攻する気!?回避!あ、訂正!!!
(……できないわ!?敵はドレイク級を狙って!?)」
「艦長!このままでは」
 迫り来る敵艦の姿に、いつも冷静なノイマンが慌てた。
「分かってるわ、特装砲用意!」
「艦長、この距離では充填が間に合いません!」
 ラミアスの命令も、即座にバジルールがそれを否定する。
 だが、彼女にはそれ以外に打開策は見えなかった。

43 :
ゴミを燃やす時間

44 :
11/13
「いいから、出来るだけ充填して放って!!!」
「艦長!」
 その時、CICのアーガイルが報告を上げる。
 彼女からしたらこんな余裕の無い状況で、
他の情報を上げられるのは正直うんざりだが、そんな事は言っていられない。
「今度は何!!!」
「後方から艦影!」
「なんですって!?」
「敵、ナスカ級です!」
「!?」
 艦橋が戦慄した。
 後方に現れたのはもう一隻のナスカ級、ヴェサリウスの姿だった。
 ヴェサリウス内部では、前方宙域の状況を冷静に見つめていた。
「ザラ隊長、足付きを捕捉しました。……さすがです」
 アデスが賞賛の言葉を告げる。
 その言葉にアスランは軽く手を挙げ返答する。
「いや、グラディス艦長程の人じゃなければ、
あの場で引き下がってこの作戦はダメでしたよ。
 本当に尊敬すべきは彼らです」
「……左様ですな。
 しかし、隊長の判断無くしても、この作戦は成立しませんよ」
「……ありがとうございます、アデス艦長。
 さて、ではヴェサリウス主砲照準!敵、足付き!砲撃用意!」
 アスランの命令下、ヴェサリウスはアークエンジェルに照準を合わせた。
 もう、その命令を下すばかりというその時、それは発せられた。

45 :
支援

46 :
12/13
「……ZAFT艦隊に告ぐ、今すぐ攻撃を止めなさい」
 ジェインウェイの言葉が発せられる。
 シャトルアーチャーのコックピットから通信を繋げたジェインウェイは、
音声通信を敵味方両方に聞こえる形で無理矢理割り込ませていた。
「……本艦隊はZAFT現最高評議会議長、シーゲル・クラインの令嬢、
ラクス・クライン嬢を保護している。
 宙域を漂っていた救命ポッドを人道的に保護した我々に対する攻撃は、
ラクス・クライン嬢の命を奪う行動とみなす。
 本艦隊は貴艦隊が即座に攻撃を停止し、現宙域から去ることを希望する。
 もし守られない場合、クライン嬢は我々と運命を共にする事は免れないことを言い添える。
 尚、彼女の身柄は本艦隊が責任を持って移送し、外交チャネルで貴国に返す用意がある」
 この通信に両軍は一時停止した。
 それは両軍にとって衝撃的な内容であった。
「………大佐、こんな………」
 ラミアス他アークエンジェル艦橋の誰もがその言葉に息を詰まらせ絶句した。
 キラもストライクの中で半ば時間が止まった様に聞き入っていたが、
そのあまりの内容に愕然としていた。
 ヴェサリウスからアスランが怒りを抑えつつ、足付きへ通信を入れる。
「……貴艦隊が……我が国民であるラクス・クライン嬢を保護したというが、それは本当か。
 その確認をさせて欲しい」

47 :
悪魔発動

48 :
13/13
 この通信に対し、一通の映像通信が発せられた。
 そこに映っていたのは、ラクス・クライン本人だった。
 彼女は自室の中でトゥヴォックの撮影のもと、カメラの向こう側へ話しかける。
「はい、その声はアスランですか。
 お元気ですか?私は元気です。それに、どこも怪我無く大丈夫ですわ。
 見ての通り狭いお部屋に缶詰ではありますけど、
地球軍の皆さんは良くして下さっていますわ。
 地球軍の方々が仰る通り、私は彼らに暖かく保護されました。
 もし皆さんがこのまま攻撃を継続されていたら、
私も貴方と会えなかったかもしれません」
 彼女は終始笑顔でそう告げるのに対し、
アスランは怒りも忘れ、半ば呆気にとられつつ言った。
「……あの、ラクス、……貴方が無事で良かった。
 あー、その、我々は地球軍の言い分を聞き入れ、一時撤退します。
 しかし、本当に……その、ご無事の様ですね」
「はい!とっても無事ですわ♪
 ですから、アスランも気を落とされないで。
 私は必ず帰ってきますから、お父様にも心配為さらないでとお伝え下さい。
 あ、出来ればですけど、本国に慰霊団のVを送って下さいますか?
 一緒に来て下さった慰霊団の皆様が映っているので、ご遺族の方にお渡し下さいましたら。
 データは通信後に送って下さるそうですので、お願い出来ますか?」
「……はい。そのように手配させて頂きましょう。
 私も、必ず貴方を迎えに行きます。その……それまでご無事で」
 この通信により、この戦いは唐突に終わりを告げた。
第16話終わり。第17話へ続く。

49 :
支援のお陰で一回で投下終了できました。
ご支援下さいました皆様、有り難うございました。
あと、お名前募集キャラを登場させてみました。
メビウス部隊の活躍は有りませんでしたが(汗

50 :
乙!
>神経接続型インターフェース
これって未来艦長が付けてた12年後にドクターが開発したっていうアレの応用か?
>自然に連携することを旨としていた。
戦場で自由主義とかw数で負けてんだから戦術もっと練れよw
そんでラクスの事伝えた艦長だけどこれが最善の手だわな。

51 :
ナスカ級ZAFTウォーバード!w
立体モノが無いから我が家のスタトレ艦船と絡ませて遊べないのが残念だ
流石悪魔艦長、非常時には色々ブッチギリで非常手段を取る、そこに痺(ry

52 :
お〜!
何かもうガンダムのSSを読んでいると言うよりは普通にSF物を読んでいる気分ですよ。
ラクスの事は原作よりもいい状態で伝えられましたな
カメラを用意していたと言う事は、やっぱり社長は最後の切り札として取っておいたのかな?
にしてもセブンが半ば暴走気味になってるwww
効率を求めちゃうから仕方ないと思うけどもうちょっと自重しようwwww

53 :
種死になったときムウが記憶喪失だけで住むはずが無い
絶対メタル刹那真っ青のボーグムウになってそうだ

54 :
そういや艦長は科学士官だったな。
それにしても神経接続型インターフェースとは、進ませ過ぎw

55 :
実は種終盤にエネルギーリボンが発生してネクサスへ跳ばされてたとか
議長やラクス、ロゴスの真の目的はこの理想郷を巡る争奪戦だったのだ

56 :
カメラ持って撮影するトゥヴォックにワロタw
まあ、ジェインウェイ艦長ならラクス拾った段階でこの程度の策と後始末は思いついてるよねえ、
この程度軽くできないとデルタ宇宙域じゃ生きていけないぜ。
次回はAAクルーに悪魔的弁舌が炸裂すると思うと楽しみです。
それと不安部隊…じゃなくて保安部隊が結成、白兵戦も来るのか?

57 :
実はスタートレックの作品中で、相手の要人を実は保護しているって言うネタは結構あったりするんだよね
惑星連邦の基本として、武力行使より交渉って言うスタンスだからこの手の対応はお手の物だ、悪魔艦長的には“楽な任務”だろうw

58 :
ラクスの血液の中に情報が隠されているのかw

59 :
艦載用フェイザーの射程ってどのくらいなんだ?
30万kmぐらい?

60 :
>>59
有効射程距離は1光秒(約30万km)らしい
フェイザーは光の速度を超えられないから、これ以上の距離は1秒以上のタイムラグが発生して発射時と命中時のズレから実用じゃないっていうのもあるんだろう
限界射程はもっとあると思う

61 :
携帯型(ハンドガン・ライフル型)も同じ?

62 :
携帯型だと大気に影響を受けそうだな。

63 :
前スレ291です。
次の17話が20分割と長かったので、
明日から少しずつ投下とかで行こうかなと。
あと、投稿時に自分の名前付けた方が良いのかなぁ。

64 :
>>63
騙り防止のためにトリップ入れてもいいんでは。

65 :
>>63
うひょー、楽しみです!
悪魔館長の厳しくもまっとうな教育シーンが毎回気持ちいいw

66 :
前スレ291です。とりあえず量産型牛になりました。
くれぐれもミルクは出ませんので悪しからず。投下開始します。
1/20
第17話「秘密」
「……あれじゃ、まるで人質だよね」
「……うん」
 トール・ケーニヒの言葉にミリアリア・ハウが頷く。
 いや、その思いはこの場に集まる誰もが感じていた。
 あの時のあの通信内容を聞いた者なら、軍のやる事の汚さに幻滅を感じるのは無理も無い。
 食堂で同じ食事をこうして取れることや休みが与えられた事は素直に有り難い事だが、
何か納得が行かない良心の呵責を感じていた。
「……でも、あの場で大佐が言わなかったら、僕達どうなっていたんだろう」
「………」
 カズイの指摘はいつもながら的を射ていた。
 あの時にジェインウェイの通信が発せられなかったとしたら、
ブリッジの指揮官達は打開策を見出せたとは思えなかった。
 少なくとも、ジェインウェイはブリッジクルー達より一枚も二枚も上手だったことは間違いない。
「そういえば、キラは?」
 ミリアリアがトールに尋ねたが、彼は首を横に振った。
 彼女の問いにはサイ・アーガイルが答えた。

67 :
2/20
「さっきマードックさんに呼ばれて整備に向かったよ。
 ……キラも複雑だろうな。
 あいつ、口では助かって良かったとか言っていたけど、相当無理している。
 フレイの件以来塞ぎ込みがちだろ?
 いや、それ以前からMSに乗って戦うってこと自体が凄い負担だと思うんだ。
 それでも正義感……って言うのかな、あいつなりに信じてやってきたと思うんだ。
 それが今回はまるで悪者だろ」
「……悪かろうと、生き残らなきゃ意味無いじゃない」
 彼らのテーブルの横に、水の入ったコップを手にしたフレイ・アルスターが現れた。
 彼女はトレーニングウェアを着て、その首にはタオルがかかり顔は汗ばんでいた。
 コップの水を一口飲むと続ける。
「私は大佐の行動を支持するわ。
 使えるものを使わないで死んだって、誰も褒めはしないわよ」
「だけど、物事には……」
「あらサイ、なら……私達はあの場で正義の味方ぶって、
悪役に大人しく殺されろとでもいうの。
 私は真っ平ごめんよ。悪者?上等よ。
 悪かろうが生き恥晒そうが、勝たなきゃ何も言えないもの。……パパの様に」
「……フレイ」
 サイはそれ以上言えなかった。
 彼女は言い終えると、カウンターの方へ歩いて行った。

68 :
3/20
 艦長日誌
 先の戦いはクルー達に動揺をもたらしていた。
 彼らは若く正義感に燃えている。
 だが、戦争は時に残酷な状況に出くわすものだ。
 我々はヒーローごっこをしているわけではない。
 その場で悪魔と罵られようと、冷徹に決断出来ずに生き残る事は出来ない。
 そして、それを理解しつつも……人とはとても繊細な生き物だ。
「……大佐、思惑通りに時間は取れ、
我々は順調に月艦隊へ向けて航路を進めています」
「……そう」
 バジルール少尉が現在の状況を報告した。
 普段はこの説明はトゥヴォックの仕事だが、
彼は他の仕事に徹してもらっているので不在だ。
 保安部は機能し始めたのだが、
職業武官と民間保安部の間の調整に時間を要しているのだ。
 だが、理由はそれだけではない。
 この艦で私に次ぐ階級を持つ彼の存在感は大きく、
この場で必要以上に威圧的な状況を作りたくなかったのもある。
 私の返事の後、彼らは一様に押し黙っていた。
「……皆さん、納得が行かない様ね。まぁ無理も無いわ。
 でも、私達は正義の味方でも何でも無い。軍人よ。
 課せられた使命を遂行する事にのみ、その能力を使わないといけない。
 ただし、私も人道を理解している。
 貴方達が良心の呵責に苛まれるだろう事もまた。
 だとしても、誰かが悪者にならなければならない時もあるのよ。
 誰か一人が悪者になることでクルーが救えるなら、私は躊躇わず悪魔にでもなる。
 ただそれだけのことよ」
 彼らには少々辛辣かもしれないが、これまでの経験上、
ここで引いては何も良い結果は生まない。
 そこにフラガ大尉が挙手し発言を求めた。
 私はそれを許可した。

69 :
4/20
「自分は大佐の行動は仕方ないと理解しています。
 自分も同じ立場なら、同様の指示を出します」
 彼の言葉にバジルール少尉も続く。
「私も大佐を支持します。むしろ、大佐に感謝しています。
 本来であれば、……作戦指揮を任された我々がしなければならなかったことを、
大佐が代行してくださり、正直、安堵しています」
 バジルール少尉は自身でもその策を過らせていた。
 だが、それを決断する余裕を見出せず後悔していた。
 ラミアス大尉もまた、彼女の言葉に続く。
「……私も、助かりました。申し訳有りません」
 まるでそれは雪崩を打つ様に、その場の参加者が皆感謝と支持を始めたのだ。
 さすがの私もこの状況には苦笑する他無かった。
「……もうやめて。ここは何かの宗教かしら。
 私は、やるべき事をしただけで、誰に感謝される話でも無いわ。
 もし何か悔いる事が有るなら、次は気をつけることね。
 さぁ、私達がすべき事をしましょう」
 私は彼らに議事を進めることを促した。
 彼らに必要な事はここで反省させることではない。
 どんな状況でも冷静に判断し決断することに慣れる事だ。
 先の戦闘は我々が完璧ではないことを認識させる上でも良い教訓だろう。
 危うい橋も渡れれば怖くないが、それに慣れると危険である事を忘れてしまう。
 それが結果的に『渡れない事もある』可能性を失念させ、重大な事態に至る。
 漫然と渡っているわけではないが、気分というものは怖いものだ。

70 :
5/20
 ZAFT軍ヴェサリウス内アスランの執務室には、
アスランの他にグラディスとアデスの姿があった。
 彼らは椅子に座りコーヒーを手に会話を始めた。
「まったく、呆れる程間の悪い話ね。
 本国の要請通りにクライン嬢は見つけた。
 でも、敵に保護され人質にとられ、
あの最高のタイミングで、……お陰でキグナスは大ダメージよ」
 そう口火を切ったのはグラディスだった。
 その表情は晴れやかとは言えないが、それも当然だ。
 この場で一番活躍しながら、一番割を食ったと言えるのが彼女の艦だった。
 損害を覚悟の上で攻撃を仕掛け、後少しという所で逃す結果となった現状は、
腸が煮えくり返る程度では済まされない。
 クルーにも死者が出たのだ。
 怒らない方がおかしいくらいだ。
「グラディス艦長、……今回は本当に申し訳有りません。
 私に非情さがあったなら、……あの場で仕留めることも出来たと思います」
「アスラン!?」
 アスランの言葉に一番驚いたのはアデスだった。
 あの温和なアスランが、まかさこのような事を言ってのけるとは夢にも思わなかった。
 しかし、この言葉は彼女に対して十分な牽制となった。
 彼の言葉に同意すれば、彼女はクライン嬢を見殺しにする事に同意する様な話だ。
 軍人として忠実な彼女からすれば、上層の命令は絶対である。
「……良いのよ。結果はどうあれ見つかった。
 後はどのように奪還するか。
 ……でも、状況はより深刻よ。
 足付きを倒せば彼女が死に、彼女を生かせば足付きも無事。
 生きたまま奪還するとなると、当然白兵戦も視野に入れざるを得ない。
 私達の戦力に白兵戦要員なんていないわよ。
 まさか、鹵獲同様にあなたがやる気」

71 :
6/20
 グラディスの言う通り、事態はより深刻な方向と言えた。
 彼女の奪還を考慮に入れると攻撃オプションが限られる。
 だからと出来ないと言って帰る事が許されるわけでもなければ、
このまま足付きをジョシュアに行かせるわけにもいかない。
 だとすれば、彼らは「どちらも」遂行出来ないといけない。
「……クルーゼ隊長ならば、私にこう言うでしょう。
 彼女を生かすのが難しいならば、
その亡骸を抱き泣いて見せるくらいの芝居は求められる……とでも。
 自分が泣いて済むのであれば、それでも構いません。
 ……だけど、問題はそこじゃない。
 見殺せば、父はシーゲル様と事を構えることになります。
 そうなれば……ZAFTは」
 アスランの口調は淡々としたものだったが、
その内容はその場に居るものを凍らせるには十分な内容だった。
 多少落ち着いたグラディスが言う。
「……国防委員長閣下の意図はわからないけど、
少なくとも議長は彼女の生還を求めているでしょうし、
国民もそれを望んでいるというのが本国の声でしょうね。
 まったく、足付きを倒しても倒さなくても、火に油を注ぐ様な話よ。
 ……あなた、この戦いは何処まで行けば良いと思っているの?」
「……そんなことわかりません。
 もう来る所まで来てしまった。現状は我々がまだ押しています。
 その間になんとか出来れば良いのですが、そもそも、私は政治家じゃない」
「あら、いずれは貴方もお父上の様に立つことになるんじゃないかしら?」
「……そんな先のことはわかりませんよ」
 アスランはそう言ってカップを口に運んだ。
 彼の言う通り、彼らが何を考え行動しようと、
事態は意図するものとは逆の方向に進むばかりだった。

72 :
7/20
 ジェインウェイはいつものシャトルアーチャーでの定例会議を招集した。
 ドレイク級の改修作業も終わり、
艦隊が月へ向かって全速で航行を始めた事で余裕ができたのだ。
 表向きはいつもの様にお茶会としてお菓子を持ち寄っての座談会だ。
「セブン、トゥヴォック、エンジン改修作業ご苦労様」
「社長、礼には及ばない。
 我々はすべき任務を全うしたまでだ。
 だが、感謝は受け取ろう」
 セブンの言葉に私は思わず笑った。
 その反応に彼女は訝しげにしていたが、そんな反応がまたおかしかった。
 トゥヴォックがそこに咳払いをして状況説明を始めた。
「……我々は現在、月軌道に向けて航行しています。
 到着はこの速度であればそう時間は掛からないでしょう。
 しかし、問題は到着してからです。
 いくら我々が偽装しようとも、
本物の軍部との接触は少々危険を伴うことが予想されます」
「それは承知しているわ。
 でも、出来れば向こう側の上層と話が出来ると良いのでしょうけど、
現状ではヴォイジャーとの通信も出来ないから、出たとこ勝負になるでしょうね」
「いえ、ヴォイジャーとの通信は確立しました」
「なんですって、いつ?」
 彼の発言は唐突で、さすがの私も目を丸くした。
「暗礁宙域離脱後にチャネルが開けました。
 ただ、チャネル発信元はボイジャーではなく、シャトルコクレーンからのものでした」

73 :
8/20
「で、どうなって?」
「話によれば、副長が連合軍の大西洋連邦の上層との接触に成功したそうです。
 彼らは我々の救出に乗り気で、援軍を派兵する用意があると告げたそうです」
「援軍ね。で、その上層の人間とはどんな人物なの?」
「副長からの話では、ムルタ・アズラエルという、
いわゆる主義者の最高幹部とのことです」
「ブルーコスモスね。信用に値する人物なのかしら?」
「それは何とも。
 ただ、副長はそう考えられる人物だと見ているようです」
「そう、わかったわ。
 後で私の方からも通信をしてみる。以上、解散」
 主義者の最高幹部が我々に興味を示したというのは話が早い。
 私は副長との通信の上で彼の情報を頭に入れた。
 彼らはいまだ劣勢にある軍の立て直しに躍起になっている。
 そして、我々の元にやってきた3隻の艦も彼の指示によるものらしい。
 彼は軍とは別の独自の情報網があるらしく、
不明のはずのアークエンジェルの位置をある程度推定出来ていたという。
 ……でなければ援軍などやってくるわけは無いが、その背景は気になった。
 アークエンジェルの展望室で一人涙を流す少年の姿があった。
 キラはこれまでの様々な出来事を思い出し、胸を詰まらせる思いを感じていた。
 人を殺してしまった事、フレイの父を守れなかったこと、
同じコーディネイターである少女を人質にして生きている事。
 そのどれもが彼の脳裏を埋め尽くし、安息させる暇を与えない。
 普段は作業に没頭することで何とか堪えていたが、
先日の一件はそうした緊張の糸が切れる出来事だった。
 現在の自分は悪役としての役回りで、
これに人殺しで役立たずとくれば最悪ではないかと自問自答していた。
 そんな自分に耐えられず涙が溢れてきて、それを止めたくても止められずにいると、
様々な感情が堰を切って押し寄せてきて、いつの間にか声を出して泣いていた。

74 :
9/20
「……まぁ、どうなさいましたの」
「テヤンディ!」
 そこに現れたのは、桃色の髪の少女だった。
 彼女の周りをハロがポンポンと跳ねる様に漂っている。
「あぁ!何やってんですか、こんなところで……」
「お散歩をしてましたら、こちらから大きなお声が聞こえたものですから」
「お散歩って……、だ、駄目ですよ。
 勝手に出歩いちゃぁ……スパイだと思われますよ?」
 キラは涙を拭いながら彼女のもとへ寄る。
 彼女はそんな彼に悪戯っぽく微笑んだ。
「ふふ、このピンクちゃんは……」
「ハロー」
「……お散歩が好きで…というか、
鍵がかかってると、必ず開けて出てしまいますの」
「ミトメタクナイ!」
 彼女の言うピンクちゃんと呼ばれるロボットが場違いな言葉を発している。
 この場違いな言動センスは確かにアスランのものと内心思いつつ、
彼は溜息をついて彼女の手を握る。
「あぁ……とにかく、戻りましょう。さぁ」
「ふふ、戦いは終わりましたのね」
「……えぇ。まぁ、貴方のお陰で」
-----------------------きりとり線----------------------
とりあえず、ここで切り上げます。またしばし後で。

75 :

早く続きが読みたくなりますね

76 :
10/20
 キラの顔をにこやかに覗き込むラクス。
 しかし、彼の表情は晴れない。
「……なのに、悲しそうなお顔をしてらっしゃるわ」
「……僕は、僕は、本当は戦いたくなんてないんです。それに、アスランは……。
 貴女も僕と同じコーディネイターなのに、人質に、するなんて……」
 キラは思い詰めた表情を再び始めた。
 彼女は彼の苦悩の深さを感じ取り、自分の手を取る手にもう片方の手を添えた。
 彼はそんな彼女の手の温もりを通じて安らぐものを感じていた。
「……気に病む必要はありませんわ。
 私は、私の存在が誰かの命を救うのであれば、それで構いませんわ。
 命に亡くなって良い命なんてありませんもの。
 出来れば誰もが笑って暮らし、話し合える方が幸せですわ」
「……でも」
「……貴方は出来る事をしたのだから、それを気に病む事はありません。
 それより、貴方がこうして無事で私とお話して下さる。
 ……そんな事実の方が、ずっと大事な事だと思いますわ」
「……貴女は」
 彼がそう言いかけた時、彼女は彼の手を引いてその身体を引き寄せる。
 無重力下で難なく引き寄せられた彼の体は、ふんわりと抱きしめられた。
 柔らかな感触と温もりが伝わる。
 彼にはその暖かさが何か特別なものの様に感じられた。

77 :
11/20
「……私は、誰でもない、ただの一人の人ですわ」
 キラは彼女の胸で再び涙をこぼしていた。
 その姿をそっと廊下の影から覗く視線が有るとも知らず。
 ハンガーはこの艦の中で一番忙しい職場だ。
 その中で連合の整備士は勿論、救出された民間人の技術者も一緒に作業している。
 この混成部隊のまとめ役を事実上しているのは、意外な事にセブンだ。
 彼女は元々男だらけの整備士達には人気が有ったが、民間技術者達もまた彼女を信頼している。
 ヘリオポリスからの救出者の中には当然ながらコーディネイターもおり、
幸いな事に高度な技術知識を持つ者も居た。
 そんな彼らは当然のごとくプライドは高く、当初は連合クルーとの間で衝突も絶えなかった。
 だが、彼女の機械的な姿勢が意外な調和を生み出す。
 彼女はコーディネイターではない(厳密には調整されているが)のに彼らを超えている。
 その絶対的な知識と技術力を知った彼らは、純粋に彼女に対する尊敬の念を持った様で、
彼女が調整することで全てが効率的に働くこととなった。
 現在では彼女に間違いを理路整然と指摘されることに快感を感じているクルーもいる。
 新しく加わったドレイク級の整備士達にも絶大な人気を誇っているようだが、
本人はそれを意に介する様子も無く、至って平然と全てのフラグを折るそつなさも学習した様だ。
 いや、当初は彼女にも苦労は有った様だが。
「セブン、見たわよ。
 随分と派手にやっているようじゃない」
「どういうことだ」

78 :
12/20
 私は珈琲カップを片手に彼女に話しかける。
 彼女の方はクルーから上がってきた作業情報を、
普段通り脇目も振らず処理している。
 彼女の良い所は、この姿勢を常に崩さない事だ。
 そのお陰で普段通りの会話を装う事が出来、我々が目立つ事も無い。
 尤も、私の存在はそれなりにインパクトを与えるに至った為、
今後は気を付ける必要はあるが。
「マードックさんが随分困っていたわよ。やってくれたわね。
 あんなオーバーテクノロジー、いくらシャトルを利用出来ると言っても、
 整合性を持たせるのは頭痛の種よ」
「あぁ、そのことか。それなら問題無い。
 彼らの技術は特異な進化をしている。
 バッテリー、ロボット、そして神経接続型インターフェース。
 彼らのガンバレルというシステムは、
我々の神経接続型インターフェースとは違う進化をしている。
 確か、要は我々の技術でなければ良いのだったな。
 ならば彼らの技術が『進歩』する分には問題ないはずだ。違うか?」
 これは予想外の答えが返ってきた。
 あれは彼女なりに状況に合わせ、論理的に判断した結果の産物だというのだ。
 確かに彼女の設計は我々の技術的アプローチとは異なっていた。
 それが地球連合の技術をベースにしているとすれば、この地球もなかなか侮れない。
「……なるほど、だからあんなに大規模な神経リンク経路を設計したわけね。
 でも、あの設計は普通の人間が操縦出来るものではないわ。
 ガンバレルは特異な空間認識能力を要求される。
 そうした意味では、フラガ大尉は特別な存在よ」
「あぁ、その通りだ。この設計は操縦者を選ぶ。
 だが、それは問題無い。幸いな事に適合者が2名いた」
「2名も?……まさか、あのテストで残した?」
「……どうやらこの世界の人間には、我々の知らない進化の道がある様だ」
「……その様ね。で、このロボットは操縦者を選ぶのかしら?」
「いや、目標はストライクと同等のスペックを目指す以上、誰にでも動かせる仕様にする。
 ガンバレルの様な特殊装備は別として、使う分には問題無い」
「それを聞いて安心したわ。
 正直、使う人間を選ぶ装備は増やしたくないもの。
 キラ君を見たでしょう?……彼は無理をしている。
 いえ、私達がさせているのよ」
「……そうだな」

79 :
13/20
 我々の視線の向こうに開発中のそれが見えている。
 まだ組み上げ途中ではあるが、その姿が徐々に出来上がりつつ有った。
 ZAFT軍、ザラ隊旗艦ヴェサリウスの執務室では、
アスラン・ザラがキグナス艦長タリア・グラディスと通信していた。
「……本当に不本意だけど、私達の艦はこのままの戦闘継続は無理ね。
 我々の方から移せる人員はそちらに移したから、彼らの事はくれぐれも宜しく頼みます」
「はい、グラディス艦長」
「悔しいけど、アスラン・ザラ、期待しているわよ」
「はい」
「また会いましょう。ZAFTの為に!」
「ZAFTの為に!」
 グラディスとの通信が切れた。
 執務室の椅子に背を深く沈めると、彼は思索に耽た。
 グラディスのナスカ級キグナスは左翼部の損傷の程度が重く、
戦闘継続は困難と判断し本国へ帰投することとなった。
 戦力の減少は痛いが、これまでの働きを考えれば十分な戦功を立てている。
 彼女は本国に帰投後昇格することが決まっており、内容としては凱旋帰国と言える。
 また、アスランへも唐突なフェイス昇進ではあったが、
それに見合った結果を出しているという判断のもと、
本国からネビュラ勲章の授与が伝えられた。
 そして、新たな援軍が派遣されることが決まった。
 日程的には連合の月艦隊への攻撃に合流させるというものだったが、
近傍宙域にそのような事が可能なほどの船速を誇る船は存在しないため、
単なるリップサービスと割り切り溜息をつくのだった。

80 :
14/20
「……ラクス、何であんなに嬉しそうだったんだろう」
 不可解な程ににこやかな彼女の表情は、
誰かに強制されて言わされているという感じは受けなかった。
 どちらかといえば、とても自然に寛いでいる様な印象を受けた。
 ただ、不可解という言葉を使いつつ、彼女にとってはそれが普通の様にも感じられ、
自分自身で何を言っているのだろうと自問自答する様な話でもあった。
 思えば彼女との関係は仲睦まじいとは言えなかった。
 勿論、喧嘩する程の険悪さはない。
 だが、喧嘩する程お互いを深く知っているわけでもなかった。
 有るのはぎこちないながらも彼女との関係をとろうと努力する自分と、
それをにこやかに受け取ってくれる健気な彼女。
 正直な感想を言えば、こんなものは飯事の様なもので、
彼女の方がそれをずっと上手く演じていた。
 それでも、あれ程自然に寛いでいる顔を見た事が無い。
 彼女の身辺には四六時中SPが付き、外出するにも自由が有るわけではないことは知っている。
 アイドルとして、親善大使として、彼女は公私ともに拘束された生活を送り、
いわば現在の状況は初めての外泊くらいの勢いなのだろうか。
 あまり深く考えると頭痛の種になりそうな気がして考えるのを止めた。
---------------------きりとり線----------------------
この辺で切らせて頂きます。残りの5つ分はまたあとで。
いつもならこの量でも1話分なんですけど。
長いと投下がやっぱり大変ですねw

81 :
支援

82 :
15/20
「キラ」
 シミュレーターの置かれた訓練ルームに入って行く彼を見て、
イチェブが彼の名前を呼んだ。
 彼は呼ばれた方を振り向いて立ち止まる。
「訓練するなら、一人より二人の方が良いだろう」
「あ、うん。そうだね」
 訓練ルームはセブンの手直しで、
シミュレーターがこれまで一台のところが二台に増設されていた。
 しかも彼女の特別調整済みの設計で、……その鬼畜設定振りに定評が有る。
 今後更に2台の増設が計画されているらしい。
 二人は特別なシミュレーション用パイロットスーツに着替えると、その中に入った。
 シミュレーターはGAT-Xに模したコックピットになっており、
先程のスーツは機体の操作時のGを擬似的に発生させる様に出来ている。
 それによりこれまでのシミュレーターより高度な体験が可能で、
二人は実際に使っている機体とほぼ同じ操作体験が出来る。
 訓練モードは普段のセブンの鬼畜練習メニューではなく、
二人での模擬戦モードを設定した。
 全てのモニター情報が実際の戦場をシミュレートする。
 それは目立ったデブリも無い現在の宙域に近い情報が再現されていた。
 そこにエールストライクとデュエルが対峙する。
 ストライクはシュベルトゲベールを、デュエルはビームサーベルを手に、
互いの間合いを計る。

83 :
支援

84 :
16/20
「……イチェブ、君は何で戦うの」
 仕掛けたのはストライクからだ。
 ストライクはエールのスピードを武器に真っ直ぐに突進してくる。
 ストレートな突撃だからこそ、身構える側としてもシンプルに構えられるが、
真正面からのエールの加速も加わった重い一撃は、
ビーム同士の衝突による衝撃も加わり一際大きな力となって返ってくる。
 ストライクはその衝撃を振り払う様に更にエールを噴かして、
姿勢を崩したデュエルに食らいつく。
「……僕は、命を守る為に必要な行動をとる」
 冷静に姿勢制御を進めるイチェブは、キラの攻撃を正確に予想して受け止めると、
その勢いを借りて反撃に転じる。
 ビームサーベルがストライクの盾に防がれ火花を散らす。
「じゃぁ、僕と戦う事になったとしても?」
「そうかもしれない。キラは僕を撃つのか」
「……わからない。でも、撃ちたくないよ!」
 盾で受け止めたストライクは、イーゲルシュテルンでデュエルのカメラを攻撃する。
 デュエルは視界を遮られるのを避ける為に間合いを取ろうとした所を、
ストライクに蹴り上げられ、後方に投げ出された。
 不意打ちを食らったイチェブだが、目視に頼り過ぎたことを反省し、
センサー情報を加味した思考計算に切り替え、更にセンサー情報自体をも補正する。
 OSの操作もコマンドラインに切り替え、全ての情報を手打ちで打ち込んで行く。

85 :
17/20
「そう。なら、僕は撃たなくても済む道を探すよ。
 それが例えどんなに不可能に近くても、可能性は必ずあるんだ。
 僕は僕の道を進むよ。それが人としての生き方なんだろう?」
「……そう…なのかな。だったら、僕はどうして戦わなくちゃいけないんだろう。
 僕も、ラクスも……同じ人間なのに、イチェブやみんなとは…違うんだ。
 それは僕が望んだわけでもなく、みんな知らずに生まれてくるのに。
 生まれた時には決まっているんだよ。そんなのって、なんか……」
 デュエルの機動が突然高速化した。
 OSの各種サポートを必要最低限以外打ち切り、
命令をイチェブ自身の手打ちコマンドで打ち込み始めた事で、
デュエル本来が持つ性能を引き出し始めたのだ。
 これはいつも使いたい手ではないが、キラはそうせざるを得ない相手だ。
 彼の様な優秀な技能のある操縦者には、お決まりの命令は対応されてしまう。
「……キラ、僕の秘密を一つだけ教えるよ。」
「秘密?」
「あぁ、僕は厳密には君達の言うナチュラルじゃない。
 僕の両親は、僕にある特別な遺伝子操作をした。
 それによって生み出された僕は、
生まれついて身体の中に毒を持って生まれてきたんだ」
 デュエルはエールの持つスピードを打ち消すため、
最小限の動作で最大限相手の行動を阻む様に動作パターンを指定。
 エールがスピードを出す前にデュエルがその軌道を阻んだ。

86 :
18/20
「え……」
「その毒を使って、ある組織を壊滅させる遺伝子兵器として作られたけど、
計画は失敗に終わり、僕は両親にも捨てられたまま彷徨う事になった。
 そこを拾って救ってくれたのがジェインウェイ社長だ」
「……それじゃ、イチェブもコーディネイター?」
 キラが相手の行動パターンの変化に対応する為にキーボードを取り出す。
 不規則機動パターンを幾つか組み、それに対する回避運動を作成する。
 迫るデュエルをエールのスピードで振り切らなければ、イチェブに捕捉される。
「……コーディネイターという程の操作はされていないよ。
 僕の身体の中に、特定の条件下で発動する遺伝子を付加しただけだから、
それ以外は普通の遺伝情報を引き継いでいるよ」
 ストライクがデュエルを突破する。
 デュエルの背後を取る事に成功したストライクは、急反転させて切り掛かる。
 強制制動を掛けた為に、強力なGがキラの身体に重くのしかかったが、
それにも歯を食いしばって耐えた。
「……イチェブは、それを隠しているんだよね!大佐はどこまで知っているの?」
「全部知っているよ。ジェインウェイ社長は僕の毒性情報を無毒化する為に、
遺伝情報の再操作をしてくれた。だから、僕はここに立っていられる」

87 :
ボーグ殺しウィルスか。

88 :
19/20
「え、ちょっと待って!
 遺伝子の再操作って、……そんな高度な技術が確立されているの?」
「毒性情報を不活化するだけだから、難しいことはしていないよ」
 デュエルが振り向いてストライクの攻撃を受け止めようと動くが、
一歩遅く、デュエルの右腕がシュベルトゲベールによって切断された。
 しかし、イチェブはその行動を予測した様に、
すぐさま切断された右腕からビームサーベルを左手で取ると、
振り返る遠心力を利用して切り掛かる。
 ストライクの頭部が切られ、メインカメラの表示が消えた。
 それでもキラは諦めなかった。
 しかし、シミュレーター側はシステムフリーズと判定した。
 キラは溜息をついた。
 そして、ヘルメットを脱いでシステムをリセットし、
通信オンリーにすると背もたれに身を預ける。
「……そうなんだ」
「キラはコーディネイターと戦うのが嫌?」
「……僕も一つ秘密を教えるよ。
 あのZAFTの司令官。僕の小さい頃の友達なんだ」
「え……」
「頭では分かっているんだ。……もう昔の彼じゃないって。
 でも、連合にいると、僕等の事をよく思わない人は沢山居るでしょ。
 僕等が命がけで戦っても、そんなの当然のことだって言っちゃう人とか。
 そんなにまでして、僕はここに居るべきなんだろうかって。
 それでもさ、ここにも友達が居て、僕等が戦わなかったら、
たぶん、みんな生き残る事なんてできないじゃない。
 僕がナチュラルだったら、こんな思いを抱かずに済んだのかな……」

89 :
支援

90 :
20/20
 デュエルのモニターには、エネルギー残量ゼロの表示が出ていた。
 キラ側のシステムフリーズに助けられたが、この様な幸運は続かないだろう。
 運も実力の内と言うが、そんな不確かなものに身を預けるのは御免だ。
 しかし、まさか敵の司令官が彼の友人だとは思わなかったイチェブは、
戦闘から頭を切り替えて暫く考えていた。
 自分自身はまだ友達との交流はおろか、
普通の人間との交流もそれほど経験しているわけではない。
 これまで様々なホロプログラムで社交的関係を勉強してきたが、生身の人間、
特に自分と同じ世代の仲間との関係というものが上手く想像出来なかった。
 それでも彼には一つだけ揺るぎない答えが有った。
「……遺伝子は全てを決定しない。
 設計図は設計図に過ぎないよ。
 どんなに精緻な設計を作っても、どんなに完璧な形を模索したとしても、
 それはそういう形や機能に出来上がったものに過ぎなくて、
たぶん僕等はこの先どんなに姿形が変貌を遂げたとしても、
人としての心を忘れちゃいけないんだ。
 それを忘れてしまったら、その時が本当の別れの時なのかもしれない」
「……僕は、人なのかな」
「大丈夫。キラは人だよ」
 イチェブはOSの隠しコマンドを出して通信記録の全削除を命令した。
 その命令は受理され、艦内のデータベースから完全に削除された。
 二人はハッチを開けて外に出る。
 ヘルメットを脱いでいるキラを見て、イチェブも脱いだ。
 そして、徐にイチェブが右手を前に出し、親指を上に立てて拳を握って見せる。
 キラも静かに手を前に出して彼の真似をし微笑んだ。
 イチェブも彼の動作を見て口元に笑みを浮かべていた。
第17話終わり、第18話へ続く。
ご支援有り難うございました。投下終了です。
7/20の最後の行のボイジャーはヴォイジャーの間違いです。
申し訳有りません。
脳内訂正して頂ければ幸いです。

91 :
量子スリップストリームGJ!
おお、キラに新たなる友が生まれたか!
しかしデルタ宇宙域のヴォイジャーの状況にキラを放り込んでみたいなw
ヴォイジャーは限界速度ワープ10でトカゲ化した艦長とパリスを元に戻せてる医療技術があるからなあ。
ボーグドローンも元に戻せるし、ボーグと8472の技術あるからこの程度の遺伝子治療は御茶の子さいさいだぜ。
死後18時間ぐらいでも蘇生もできる。

92 :
乙であります!
フレイは艦長に弟子入りでもしそうな雰囲気。
>「……僕は、人なのかな」
>「大丈夫。キラは人だよ」
まあスタトレ世界じゃ流動生命体や非実体生命体がいるからな、キラ程度のは気にするほどの差じゃない。

93 :
まあこんな言い方は何だけどCE世界程度の遺伝子操作で生まれたコーディネーター
では、スタトレに出てくる様々な生命体の前には進化どころかあらゆる面で退化した
存在にしか見えないだろうな、本編準拠では(特に精神面が)
プラントのコーディ至上主義者がそのこと知ったらどんな反応するか見てみたい
まあほかのガンダム世界相手でもでも似たようなことになるだろうけど
そういえばGガンの面子(特に師匠)はヴォイジャーの人たちにはどう映るのかな

94 :
投下乙!
原作では孤立してフレイに利用され始めたキラに新たな友情か。
人だよというシーンは何だかジンワリ来ました。
社長も上手い具合に立ち振る舞って見事に皆を纏め上げてる感じ
一方アスランは何だか冷徹になりつつある気がする・・・いい意味でw
しかしキラの悩みなんて元ボーグからしてみたら殆ど大したことない様な気がする。

95 :
キラは利用できそうにないし、フレイは自分の手でザフトと戦うコースかね。

96 :
GJ & 乙有り難うございます。
夏休み期間に入りましたね。投下回数を少しだけ上げる予定です。
週に2〜3話ずつ行けたら良いですが、無理はしません。
ただ、30話で一度お休み貰う事にしました。
なるべく9月前半中には到達したいと考えていますが、実際の所は未定です。
他にはこのキャラの登場を希望とかも参考にはするかもしれません。
基本的にはアニメ種ベースなので、外伝キャラ等は殆ど出ない状態なので。
それと、第15話の前半戦(旧スレ分)の再アップは必要でしょうか?

97 :
週2、3話とか作者さんはタキオンコアの惑星にでも住んでいるのか!?
15話前半はまーまとめサイトに載るからいいのでは。
バルカン人によるプラントコーディネイターの評価とか見てみたいなw
>>94
イチェブはその上種族にとってボーグにウィルス感染させるための実質使い捨てだったしねえ…

98 :
19分割なので、2〜3回に分けないと無理かもしれません。
とりあえず、投下出来る範囲で徐々にスピードアップ。
1/19
第18話「証拠」
「あぁ、すばらしい。まさか自分の目でここまで到達出来る日が来るなんて」
「ここがカイパーベルト。太陽系最外縁部のオールトの雲の手前ですよ。お気に召した様で?」
「えぇ、最初に聞いた時は眉唾物の話だと思っていたけど、
こうしてこの場に立ってみると、彼女の申し出を受け入れて良かったわ」
 彼女は終始ご機嫌だった。
 それは無理も無いことだった。
 このCEという世界に住む人類の中では、彼女がこの領域を通る初めての人間なのだ。
 世が世なら、彼女の一歩は小さくとも、
人類にとっては大きな一歩とでも喧伝されるだろう出来事だ。
しかし、彼女はそう出来ないことを条件にこの場に立っている。
 ある日突然仕掛けられた買収工作は、
彼女が出社し自分のオフィスでゆっくりと新聞に目を通している間に、
それは見事なまでに一瞬と言って良い程あっさり完了していた。
 世界中を駆け巡った投機資金は自身のグループ会社は勿論、
世界中の「加われば良い」と考えていた企業や、
手を出すには多額の資金が必要と断念していた企業群も含めて、
全て「VST」と名乗る企業のもとに集結していたのである。
 そして、彼女が新聞を見終えた所に、
オフィスへ何の前触れも無く入ってくる人物達の姿があった。
 先頭を歩く者はサングラスをかけた女性で、
両サイドには先住民を思わせるタトゥーをした体格の良い中年男性と、
アジア人の男が連ねていた。

99 :
2/19
「あなたがシャノン・オドンネルね。
 この会社は私の会社が買収しました」
「……何ですって?」
 私は卓上のPCから彼女の言葉の真偽を確かめたが、
確かにその通りの現実が表示された。
 それはあまりに突然過ぎて、一瞬頭の中が真っ白だった。
 そんな私に彼女はこんなことを言った。
「驚いたわ。データで知ってはいたけど、本当に私にそっくり。
 フフ、こういう偶然は何か運命的なものが糸を引いているのかしら」
 彼女はサングラスを外す。
 その顔は鏡でも見ているかの様に確かにそっくりだった。
 いや、顔だけじゃない。声も背格好も同一と言って良い程だ。
「私は貴女と取引がしたいの」
「……どんな」
「そうねぇ、確か東洋の歴史では、こういうのを影武者と言ったそうね」
「……それは、貴女の身代わりになれというの?」
「いいえ。その逆よ」
「え」
「……私が、貴女になるのよ」
 それが、キャスリーン・ジェインウェイとのだった。

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