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2012年09月政治98: カレル・ヴァン・ウォルフレンを叩くのってなぜ?v3 (520)
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■■■東京のR文化を規制すべき■■■ (604)
不良債権問題の解決はRの殲滅から174 (805)
公務員の給与削減、賞与&退職金カットは国民の総意24 (433)
☆不況は政治と行政の所為?・原因分析 (235)
よもや公務員がここまで腐ってるとは思わないじゃん (418)
カレル・ヴァン・ウォルフレンを叩くのってなぜ?v3
- 1 :2010/12/06 〜 最終レス :2012/10/23
- 僕はどうみても、これからの日本って
ウォルフレンのような分析が日本国内で叩かれる
世論が強いようじゃこのまま落ちぶれてドキュソ国民
になってしまうような気がしてなりません。
日本の将来を憂いながら、彼の鋭い分析
をたたく日本人ってなに?
- 2 :
- 前スレ
カレル・ヴァン・ウォルフレンを叩くのってなぜ?v2
http://money4.2ch.net/test/read.cgi/seiji/1121679821/
- 3 :
- カレル・ヴァン・ウォルフレン 公式ホームページ
このウェブサイトは日本の読者のみなさんとの新しい触れ合いの場として設けたものです。
http://www.wolferen.jp
- 4 :
-
民主党の鳩山由紀夫前首相は24日、国会内で開いた外交問題に関する同党議員の勉強会で
「『日米同盟』と金科玉条のように言われているが、米国が日本をどのような目で見ているのか、
真の意味での信頼関係があるのか、根源的なところが問われなければならない」と述べた。
朝鮮半島の緊張が高まる中、国内外で波紋を呼ぶ可能性がある。
鳩山氏は「せっかく政権交代を果たしたのだから、政権交代の意義を失わせてはならない」と指摘。
新たな日米関係を模索する必要性を強調した。
勉強会ではオランダのジャーナリスト、カレル・V・ウォルフレン氏が日米関係と日本政治をめぐって講演した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101124/plc1011242001021-n1.htm
- 5 :
- ルーピーとカレピー、
お馬鹿コンビだな。
恥さらし。
- 6 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 1 ////////////////
カレル・ヴァン・ウォルフレン著、原著1989年発行
日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、篠原 勝 (翻訳)より
・・・・・
4章 <システム>に仕える人びと
<システム>の抱き込みがいかに逃れようのないものであるか、その典型が労働運動、教育界の一部、
マスコミなどである。これらは、他の非独裁社会では、敵意をあからさまにはしないにしても、
既存の社会・政治権力の秩序との間で、多かれ少なかれ垣常的な緊張関係にあるのが、普通である。
日本の "飼い慣らされた" 労働組合については、すでに見てきた。学校やマスコミも、もちろん
<システム>の存続にかかわる重要な要素である。もう一つ極端な例として、犯罪分子までが
− 他の国では、権力の埒外と考えられている − <システム>に支配されている。
<システム>の抱き込み体制がいかに広範に及んでいるかを示す好例である。
学童と、ジャーナリストと、暴力団とを一緒くたに論じるのは、意地が悪いと思われるかもしれない。
だが、現実には、日本の学校も新聞も犯罪組織も、いずれも共に<システム>に仕える高度に政治化された
存在である。真の対抗勢力の存在を容赦しない<システム>だから、重要な社会組織はなんであれ、
抱き込んでしまわなければ気がすまない。したがって、日本の管理者の主要グループを時おり
脅すほどの社会組織は、いずれ権カヒエラルキー下部の二次的構成員として組み込まれてしまう。
マスコミと、犯罪組織も特異な形態ではあるがその範疇に入る。そして、日本の学校がそのいい例だが、
比較的力の弱い社会組織は、<システム>全体の目的に完全に従わされる破目になる。
//////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
- 7 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 2 ////////////////
<システム>に従う教育制度
日教組というきわめて闘争的なアンチ<システム>組織がその存在基盤を、<システム>の
人材養成に重要な役割を果たし、本質的に性質の異なる<システム>構成員同士を結束させる、
その当の教育制度に依存しているのだと言っても、皮肉には聞こえるだろうが驚くことではない。
かねてより日教組は、あからさまに<システム>に奉仕することになるであろう道徳教育の
導入を強力にはばんできた。管理者階級の重要な成員は、日本の教育はこのために大きな欠点を
抱えていると考えているのだが、日本の教育はひそかに、そうとはわからない形で<システム>に
好意的なイデオロギーを教えているのだ。しかしもっと重要なことは、教育が、試験選抜制に
もとづくヒエラルキーの維持にほぼ完全に服従していることである。学校が、いく重にも重なり合う
さまざまなヒエラルキーの成員となる人材を集め、選別する人材選別マシーンとして機能している
のである。この選別機能は、あらゆる段階での有名校に顕著で、人材選別以外の学校の機能は
どこかに忘れ去られたと思わされるほど強調され、その結果、日本の若者の知的成長を
大いに阻んでいる。
////////////////////////// 原書1989年刊 ///
- 8 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 3 ////////////////
知的な芽をつむ学校
日本の教育制度は、世界一ではないにしても世界有数の立派な制度として海外でも評判が高い。
この評判は、世界中でおこなわれる数学のテストでの日本の学童の高得点(多くの場合、最高点)に
もとづいており、また日本の経済的成功と関係があると思われているためである。日本の教育が
高い評価を得ていることは外国の教育専門家の意見にもうかがえる。彼らは、日本の学校の
水準の高さ、母親に見られる教育熱心さ、膨大な量のデータを丸ごと吸収する生徒の能力に
強い印象を受けている。
日本の児童生徒が、国際的な筆記テストで高得点をとるのは、別に驚くべきことではない。
まさに、そのたぐいのテストのために、小学校から高校まで訓練されるのである。しかし、
そのテストが、たとえば自分で考えて結論を引き出したり、事実を抽象し、その抽象を理論的に
構成したり、自分の考えを小論文にまとめる、あるいは外国語で自分を表現する、あるいは、
単に質問する能力でもよいのだが、そういった能力を評価するテストであれば、たちまち、
日本の教育制度の欠陥がどこにあるかが露呈してしまうだろう。
////////////////////////////// 早川書房 ///
- 9 :
- このスレ久しぶりに復活したね。
- 10 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 4 ////////////////
日本の教育の目標は、英語の education という言葉の原義 "精神の諸力を生み育てる" から
遠くかけ離れており、単に事実情報を伝えることにとどまっていると思われる。生徒に合理的に
考える能力を錬磨させるどころか、日本の教育制度はこのような目標には冷淡である。
自発的に考え、自発的に行動することは、ほぼすべての学校で組織的に抑えられてしまう。
独創性に対する許容度が低いのである。生徒は、論理的に思考したり、当を得た質問を −
いや、実際には、どんな質問もいっさい − しないよう教育される。逆に、丸暗記に重点が
おかれる。だから、日本で "成績がいい" 学生の頭の中には、膨大な量のデータが詰まっている。
(逆の仮説をするならば)もし学生がそのデータを体系化し、そこから整った人生観を
見い出せたとしても、自力でそうしなければならなかったのである。ある教育問題の専門家は
次のように言っている。教育の目的は「テクノ=メリトクラート(試験評価で選抜された
専門技術者)制に必要な、志気と技術をもった労働者階層を養成することである。
テクノ=メリトクラート社会には、厳格な身分制と細かい調整のゆきとどいた組織社会
という環境の中で、着実にその能力を発揮できる社会意識をもった個人が必要だからである」。
////////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
- 11 :
- ウォルフレン教授 2010年12月11日
長年日本の政治と社会を研究してこられた教授に、今の民主党・菅
政権はどのように映っているのか。民主党再生の処方箋はあるのか。
http://iwakamiyasumi.com/archives/5163#more-5163
- 12 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 5 ////////////////
ある人間が<システム>の、どのヒエラルキーの、どの部署の、どのレベルに行けるかを
教育が決定づけるのは、日本に限らず大概の国で見られることだが、日本の場合、教育による
この機能は、欧米のどの国よりも、また、おそらく共産圏のどの国よりも情け容赦なく徹底的に
働いている。日本の教育制度はイギリスのパブリック・スクールや大学の卒業生のネットワークと
よく似ているが、それより何倍も拡大した規摸をもち、<システム>中の各所に散らばって、
<システム>に求心力を与えるエリート階級を形成する。
//////////////////////////// 840円(税込) ///
- 13 :
- >>11
久々のウヲ節。相変らず陰謀論が好きだなw
ウヲの英語は聞き取りやすいね。
- 14 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 6 ////////////////
人材選別は教育のごく早い時期から始まるが、なぜそうなのかを理解するには、まず逆の方向、
つまり、毎年、大企業や官庁に卒業生を供給する大学の方から見ていかなければならない。
日本の高等教育は、東大、もっと具体的に言えば、その法学部を頂点とするヒエラルキーを
形成する。東大の卒業生なら、首相の座や自民党の重要ポストを獲得するための一番の跳躍台
である大蔵省に入るチャンスが多い。東大はまた、将来の産業コングロマリットの経営者の
人材も供給する。東大とほぼ同じレベルの京大や他の旧帝大もエリート層の一部分をなす。
東大ブランドが、どれほど尊重されるかは語りつくせない。過去一世紀にわたり、東大法学部は
日本のトップ管理者のほとんどを、 "聖選" してきた。その卒業証書は実質上、日本の
支配階級へのパスポートである。
/////////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
- 15 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 7 ////////////////
フランスの政治について詳しい人は、それがグラン・ゼコール(フランスの大学校)にも
見られる制度だと指摘するかもしれない。だが、グラン・ゼコールの場合には、一つの大学に
限られず、多数の大学がある。しかも、学生が何を専攻し、どれだけ熱心に学んだかが
ひじょうに重要である。
ヒエラルキーの中でランクは一つ下になるが、名声があり入学も難しいのは、私立大学の
早稲田と慶応である。早稲田の名声は、多くの政治家やジャーナリストを輩出しているためであり、
慶応の方は、経済界の上層幹部を送り出していることによる。その次のヒエラルキーに、
中央、明治、上智、立教、青山、日大といった、中位ランクの大学がある。関西地方には
同志社、立命館などがある。その下には、過剰なほど多くのより小規模な地方の国・公立大学、
私立の総合大学、私立の単科大学、女子短期大学、専修学校、芸術大学や音楽大学などがあって、
それぞれに独立した無名の小さなヒエラルキーを形成する。
//////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
- 16 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 8 ////////////////
日本では、大学教育の質が上層管理機構に昇るための基準にはならなかった。一九世紀の
最後の数十年に、政治的決定を下す特権が世襲その他の非選抜によらず試験によって選び出された
者に与えられることが確立した後、議論は、教育の質でも内容でもなく、どの権威による試験が
選抜の役を果たすべきかに集中した。日本の管理者のヒエラルキーの頂点に立つ条件を持つ
東大法学部の卒業生が、今日、在学中に学ぶことは、多くのヨーロッパの大学や質の良い
アメリカの大学の学生が卒業までに学び取らなければならないことに比べれば、かなり内容に
乏しいといえる。
////////////////////////// 原書1989年刊 ///
- 17 :
- 著作権侵害スレ
- 18 :
- 1989年当時は日本が異質に思えたんだろな。
当時は欧米以外に認知される国は本当に少なかったし。天和門事件起こした中国も
目立つ存在じゃなかった。
あの頃に比べれば、カレルのおっさんも少しはマシになったんじゃないか?
鳩山の勉強会に参加するなんて。アメリカが、日本の政治主導を損ねさせてると
気付いてきたんだろうな。
政治主導を求める小沢・鳩山ラインをぶち壊し、菅馬鹿を担いだのもおそらく
アメリカと財務省だろうしな。
- 19 :
- 昔はこのおっさん、日本はこのままだと破産すると言って、中曽根に窘められたんだよな。
「破産の危機もないのに、破産すると危機を煽るのは如何なものか」と中曽根はカレルに
問い詰めとったな。
規制緩和して世界の潮流に乗らなければ、日本も出遅れると、カレルやターガート・マーフィ
辺りがさかんに馬鹿こいてた時代があった。
「こいつら、アメリカの恐ろしさを知らんのか?」ってマジで思った。
ベンジャミン・フルフォードはようやく気付いたらしいけど(最近は過剰気味だが笑)
日本が朝鮮に被害を与えたとか言ってたのにも大笑いしたが、その辺はマシになったんだろうか。
- 20 :
- ただ、俺は政治主導がいいのか、官僚主導がいいのか、まだ結論出せてない。
超大国アメリカの超権力から守るにはどうすればいいのか。
これも考えなければならん。
小沢が目指す政治主導か、鉄壁で良い意味で閉鎖的な官僚組織がいいのか。
財務省をはじめ、日本の官僚組織は大量の資産を保有しているだろう。
アメリカが何を仕掛けてくる国か分からない以上、鉄壁閉鎖的官僚に任せるのも
悪くないと思うしな。迷うな、こりゃ。
- 21 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 9 ////////////////
逆に、最下位ランクの大学であっても、エリート大学より授業の質が、必ずしも劣るわけ
でもない。逆に、中位から上の大学は、どれだけ内容がお粗末でもそのランクから落とされる
ことはないし、有名大学としての評判を失うこともない。官庁も大企業も、就職試験はだれでも
受けられることになっている。しかし、実際には、慣例どおりの人数割り制に従って、新卒者が
採用される。教育界のヒエラルキーは経済界と官界のそれに対応している。中堅企業は、
東大法学部の卒業生を採用しようとは夢にも思わないであろうし、また同じ意味で、中央大学の
卒業生が経済界のトップにのし上がることはひじょうに少なく、政府の要職につくことは
ほぼ皆無といえるだろう。
/////////////////////////////////// 早川書房 ///
- 22 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 10 ////////////////
日本人は、つき合う相手の学歴を熟知している。筆者の知り合いのある外国人が、ガールフレンド
から、三カ月間会わないでほしいと言われたことがある。彼女の姉が東大卒の人物と見合いをして、
身上調査をされている最中だったのだ。つまり、絶好の縁談をとり逃さないためには、家族の
一人が外国人と交際しているということも含め、マイナス条件はいっさい排除されるのである。
日本では、官・財界の "エリート・コース" とは無関係なコースに進むことになる医・工・
自然科学分野の学部を除けば、学生が大学の四年間、どんな勉強をしたかということは、
ほとんど問題にされない。法学部、経済学部、商学部では、もっぱらそれぞれの分野で
管理行政的側面から、学者がどう言っているかを教えるだけに終始し、単に<システム>の
より高いレベルに参入するために好まれる学部でしかない。
///////////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
- 23 :
- 中国が近代化出来なかった理由。
それは、村落共同体の欠如と、国家の管理能力欠如に求められるという。
中国の社会には「宗族」という集団があったが、もっぱら血縁集団に終始し、
政治的な役割は果たさなかった。
王朝権力が郷村制、明代里甲制などで農民編成を行い、農民側は王朝権力を
直に受けることになるが、その権力から逃れるために賄賂社会が蔓延ることになった。
そしてその賄賂社会が、皮肉にも王朝側が国家の把握を完璧に行なえなかったことに
繋がっていった。
- 24 :
- アンソニー・ギデンズが言うように、国民国家は「国家権力が国民一人一人、国土の隅々まで
管理でき、把握している必要がある」。
だが中国の歴代王朝は、この条件を満たさなかった。国家が土地調査を行なうにしても、
調査員が賄賂漬けで全く正確に把握できない。清末民初でもこういう状態が続いた。
その結果、近代的な法の施行、税制の確立など夢のまた夢であった。
蒋介石は税の徴収や徴兵をどのように行なったのか。それは、保長と警察が武装して
農村に入り、税を強奪し、人さらいのように男子を拘束して連行したという。
それも勢力の強い宗族村よりも、弱い宗族村を狙い撃ちにしていたので、弱い農民達は
「牛社会」を結成して徴兵に対抗した。
このように、中国の歴代王朝は国民を直接支配すれども、国民や国土の管理の面では
大きく見劣りし、その結果、近代法・税制・徴兵制などの確立に梃子摺り続けたのであった。
そしてそれは、農村側に管理能力のある村落共同体が欠如していたことにも、大きく理由を
求められよう。
- 25 :
- 訂正「国家権力が・・・把握している」→「国家が・・・把握している」
- 26 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 11 ////////////////
筆者は早稲田大学で四年間教えたことがあるが、その時に知ったのは、学内の最上位にランク
されている政経学部でも、学生はほとんど何も勉強しないということだ。専門分野の本 −
それも特別よく知られてもいない本のことが多いのだが − を数冊読むだけだし、たいてい、
読んだこともわずかしか頭に残ってないようだった。それでも学生が授業に出席するかぎり、
通常は、単位を与えるようにと大学側から指示された。
卒業は、ほとんど自動的なものだ。ほかよりよく勉強した学生は、官庁や一流企業に入る
チャンスが増える。だが、有名大学で四年間なにもしなかった学生の方が、能力はあるが
ランクが下の大学を出た者よりは、つねに、上位ランクの就職先を見つけられるのである。
たいていの学生にとって、大学は、厳格な組織に組み込まれる企業に入る前の、つかのまの、
息抜きの場にすぎない。
//////////////////////////// 840円(税込) ///
- 27 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 12 ////////////////
人生をかけた詰め込み学習
多くの日本人が、 "いい大学" に入った学生は "のんびり" してもいいと考えているのだが、
ある意味では、これは正しいといえる。そのような大学に入るには、極度に神経をすり減らす
準備が必要だからだ。時には金や親のコネがものをいう − 特に私立医大や歯科大に入るには
− こともあるが、たいがいの場合、定員の一〇倍、二〇倍、あるいは、それ以上いる
競争相手に勝つために、志を抱いた若者が努力するしかない。そのための最短距離は、
これまで合格者をたくさん出したと定評のある高校に入ることだ。事実、日本の高校は、
大学の合格率を基準にしてランクづけされている。全国にある五四五三の高校の中の
わずか三校から、東大合格者の約一割が出る。
/////////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
- 28 :
- 中国人いわく「日本が受験戦争なら、中国は受験核戦争だ」
韓国の受験戦争もすごい。
- 29 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 13 ////////////////
大学受験の合格率で学校の品定めをするのは、日本中の人の楽しみのひとつとさえいえるかも
しれないが、平均より上とみなされている高校では、学生は受験勉強に時間の大半を費やす
ことになる。いわゆる有名校なら、入試問題(べーバーテストがほとんど)の傾向に対する
研究は万全だし、また、入試問題を作る側の大学教師も、正解をかなり恣意的に決めることが
多いから、このような高校では、学科をきちんと教えるよりも出題者の意図が読める達人を
つくる訓練に力が注がれる。
英語を例にとれば、受験生は、実用的な英語力にはあまり自信のない教授がつくる、多項目
選択肢問題の試験に合格するように勉強する。こうした試験には、あいまいでまぎらわしい
問題や、明らかな文法的な誤りが含まれていることも多い。英語は、数学、国語とならんで、
大学入試の三大主要科目の一つとされていて、生徒は大学教育まで含めると一〇年間にわたって
英語を学ぶが、わずかな例外を除き、英語で意思の疎通ができるところまではいかないのである。
//////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
- 30 :
- ウォルフレンも21年前は以前のフルフォードと同じ心境だったんだろう。
「何としても日本を正しい方向へ!」
キリスト教的な観念の持ち主。
絶対的に正しい尺度があり、そこに向かわせなければならないと考える。
だが、フルフォードはアメリカが日本の政治主導を奪っていることに今は気付いている。
アメリカにとっては、政治的に独立した日本の誕生は望まない。
日本の資金を、自由に突っ込める日本でいてほしいのだ。
それは小沢一郎も、鈴木宗男も知ってるはずだし、田中角栄も分かっていたはずだ。
- 31 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 14 /////////////////
数学や物理は筆記試験向きであるから、学校の授業では数学で合格点がとれるようにと
努力する。一方、歴史やその他社会科学系の科目については、ある専門家がいみじくも
言ったように「クイズ・マニアのかわりに、学者がつくった瑣末な事実の記憶コンテスト
以外のなにものでもない」ようだ。
入学試験がただごとでなくなるにつれて、学校の正規の授業時間の後に開かれる "塾"
という一大下請け民間産業が繁栄することとなった。塾も、入学試験の合格率によって
ランクづけされている。名門大学の入試に失敗した学生の多くは、時として三年も四年も
続けて再挑戦し、その間、浪人生は塾や予備校に通う。そして、塾も予備校も、膨大な
数の学生を受け入れるため、どんどん増えている。予備校の教え方には、秘伝伝授的な
ところがある。授業は、公表された過去の入試問題の詳細検討、分析、解説と、まるで
新しく発見された古代中国の文献を古典学者が扱うようにして、進められていく。一部の
プロの予備校講師は、ラスベガスのギャンブルで必勝法を教えて金をもらう "賭の理論家"
さながらに、客である学生用の確率理論を案出したりもする。
///////////////////////////// 原書1989年刊 ///
- 32 :
- 日本の真の権力者は誰か?それを問うたウォルフレン。
今度は、アメリカの真の権力者は誰か?を問う番だ。
自作自演の同時多発テロを起こしたのは誰か?
まあ、アメリカの大統領が真の権力者ではない事は明白だろう。
- 33 :
- 「アメリカのシステム」を誰が作り出し、誰が運営しているのか?
鳩山はなぜ総理を退陣しなければならなかったのか?
鳩山会合に出席したウォルフレンはこれをもっと考えろ。
- 34 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 15 ////////////////
さて、名門高校に首尾よく入るには、名門中学に行くことがほとんど絶対条件である。
<システム>内の上級コースに賭けると親が決めた子供たちは、二つ、三つ、あるいは四つと
違う中学をかけもち受験する。そして、有名高校への進学率がもっとも高い中学校に入る
ためには、しかるべき小学校に行くことがまた重要になる。小学校の評判は、逆に、その
小学校からランクが高い中学や高校への合格率で決められるのだ。有名小学校の入試用の
練習問題集まで市販されている。しかし実のところ、選択は、もっと幼い時期から
始まっていることも多いのである。
////////////////////////////// 早川書房 ///
- 35 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 16 ////////////////
ゆりかごから官庁まで
小学校から大学まで、比較的楽をして行きたければ、大学付属の高校、中学校、小学校、
また時には幼稚園までついている、金のかかる私立学校に進む手がある。いったん、この
コースに乗れば、上にあがる各段階の試験はほとんど形式的なものとなる。このエスカレーター校に
入る一番の早道は、上位校につながる幼稚園に入ることである。という次第で、入園に際して
極端に多額の金がいる有名幼稚園がいくつかあり、実際に、独自の入園テストをおこなっている。
幼稚園あるいは小学校レベルからはじまって、エスカレーターの一番上に大学まである有名学校には、
慶応、学習院、成城学園、青山学院などがある。こうした幼稚園の入園テストでは、目撃した
人の話によると、ひらがなを読んだり、ブロックを組み立てる能力などが試されるということだ。
//////////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
- 36 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 17 ////////////////
ある例では、お定まりのテストのここぞという時に、幼い子供に紙に包んだアメが渡された。
関係者の視線がいっせいにその子に注がれる。彼は、アメの包み紙をきれいにたたむか、
ぽいと床にすてるか、テストされていたのである。
しかし、ほんとうの出発点はさらに幼い時にある。幼稚園の入試に成功するよう、三歳児に
家庭教師をつける母親までいるのだ。東京のある有名幼稚園に入るには、幼児用の塾で特訓を
受けるのが普通だ。しかるべき幼稚園に子供を入れるという目的だけのために東京に引っ越してくる
親の話も、よくきく。幼稚園の入園保証つきの出産広告を出した産院さえあらわれた。
///////////////////////////////// 840円(税込) ///
- 37 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 18 ////////////////
女の子も、官庁入りを目指すのなら男の子と同じコースで競争できる。だが、野心のある
両親をもつ女の子の大半は、平行する別のコース、つまり私立女子大学ヒエラルキーの中に
送られることとなる。この道は良縁を願う母親のためだけでなく、一流の花嫁を自社の
従業員にと探し求める会社の採用係にとっても重要である。また、製造業で働く質の高い
工場労働者を供給するための、ブルーカラー版高校ヒエラルキーもある。
/////////////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
- 38 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 19 //////////////
"試験地獄"
教育制度は、<システム>の中でももっとも批判される要素である。元通産審議官天谷直弘は、
「わが国の現在の教育システムは、出来のよくないロボットしか作り出せないようだ」と述べている。
また、日本の教育が作り出すのは芸を仕込まれたアシカだ、と日本のもっとも多才な評論家の一人、
加藤周一は言う。 "受験地獄" と、それが生みだした "教育ママ" は、つねに非難の的になる。
"教育ママ"は、教育の全段階でわが子を押し上げるのに懸命なあまり、子供からあたりまえの
生活をとりあげてしまっている。日本では、子供の成績の良し悪しは主に母親の責任とされるので、
わが子の入試の成否は近所づきあいでも彼女の地位に大きく影響することになる。受験生をもつ
家では、家族全員の運命がその子に託されたかのように気をつかい、試験日が近づくとみな息を
殺して生活する。入試に失敗すれば心理的な荒廃がおとずれることにもなる。それも、受験生
本人だけではない。子供に強いられる人間ばなれした努力、そしてそれに伴って家族の間に広がる
緊張感が、今や、日本の中産階級の家庭でくりひろげられる主要なドラマになっている。
/////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
- 39 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 20 //////////////////
子供たちが真剣にとりくむとなると、ただひたすら入試に向けて勉強するために遊びも、趣味も、
スポーツも、友達とのつき合いも、全部あきらめさせられる。それも、入試前の二年間ほぼずっと
である。学校と塾から戻れば、さらに深夜まで詰め込み勉強がある。ある塾は、一二歳の子供を
対象に、土曜の夜九時から日曜の朝六時までの詰め込み授業をおこなっている。一部の子供は
軍隊さながらの肉体耐久鍛練に参加させられる。一四歳で午前一時にまだ勉強机に向かっているのも、
別にめずらしくはない。数時間、詰め込み学習をした後は、もうほとんどなにも頭に入らない
ことなど問題ではなく、彼らとしては、熱心にやっている、そして、忍耐力で頑張っている
ところを見せることが重要なのである。
/////////////////////////////// 原書1989年刊 ///
- 40 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 21 //////////////////
このような試験による選抜システムがうまくいくのはひとえに、日本の子供たちが我慢して
耐えるからであろう。また、子供たちがこれほどまで親のいうなりになるのは、日本の子供と
母親の関係がわからなければ理解できない。日本の典型的な子育てでは、世の中はどう機能
するかという普遍的な成り立ちを教えるのではなく、子供の気持ちを操作することによって、
何が正しいおこないなのかを、教えることが多い。したがって、たいていの場合、子供は、
母親の顔色を見て善悪を見分けるようになる。つまり、教育ママは自分の子供に強い罪の
意識をうえつけることもできるので、それを彼女は、子供の勉強に拍車をかける手段に
使うわけである。
入試の悩みや失敗が原因と思われる自殺が新聞などで大きく取り上げられ、学齢期の子供の
死の主因が受験地獄であるかのような印象を与えるが、実際は、そうではない。しかし、
子供の人格形成上に与えるゆがみ、親子関係のトラブルなどが、慢性的な試験不安によって
悪化することはたしかだ。
///////////////////////////////// 早川書房 ///
- 41 :
- おいおい、韓国では高校3年生は夕食も学校で食べるぞ。
日本の受験競争などたかが知れている。
- 42 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 22 ////////////////
日本人のほとんど全員が受験制度は過酷であり、廃止すべきだということに同意しているし、
同時にほとんどの人が、今後も選別方式を変えるなんの手も打たれないであろうことも知っている。
つまるところ、この制度は<システム>の意向にもののみごとに合致しているわけだ。頭の中に
詰め込まれた膨大な量のデータが、ほとんどなんの役にも立たず、学生たちが(英語の場合
のように)正しく学び直すのも難しい間違った癖を身につけてしまったとしても、選抜されて
トップまで行くような人は非常に粘り強いし、きわめて記憶力が良いことであろう。官界と
経済界が高く評価するのは、創造性よりも、持続性、献身的な態度、そして記憶力である。
/////////////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
- 43 :
- 日本人のほとんど全員が受験制度を廃止すべきだと思ってるのか?
んなわけねーだろ(笑)
官界はともかく、経済界が創造性を重視していないとでも思ってるのかよ?
日本は世界の名だたる特許大国だぞ
- 44 :
- ★良書悪書 人材を劣化させる「就活断層」 - 『くたばれ!就職氷河期』 1
池田信夫/アゴラ 2011年01月22日13時58分
くたばれ!就職氷河期 就活格差を乗り越えろ (角川SSC新書)
著者:常見 陽平 角川SSコミュニケーションズ(2010-09-10)
販売元:Amazon.co.jp ★★★★☆
就活に走り回る学生には、日本の労働市場のゆがみが集中的にしわ寄せされている。特に
「リクナビ」などの就職サイトが就活を大きく変えた。会社回りには物理的な限界があるが、
サイトから応募するのは簡単なので、学生は手当たり次第に有名企業に応募する。その結果、
人気企業のエントリー数は5万人以上になり、会社説明会も数千人規模になり、応募のハードルを
上げるためにエントリーシートは複雑で膨大になる。
しかし大手企業は、実際には「20校リスト」と呼ばれる有名大学(旧帝大〜MARCH)からしか
採用したくない。本書によれば、都内の私大生がある金融機関のセミナーを予約しようとしたら
すべて満席なので、不審に思って別名のアカウントをつくり、所属を「東大」にしたらすべての
セミナーに空きができたという。激増する応募を「足切り」するために、学歴差別がソフトウェア
によって自動化されているのだ。
つまり学生は有名企業に集中する一方、企業は有名大学に集中し、それ以外の学生にも企業にも
チャンスがない就活断層が拡大している、と著者は指摘する。就職サイトで見かけ上の募集範囲が
広がったため、もともと大手企業には絶対に入れない学生が大量に応募し、リクルート活動に
エネルギーを浪費する。他方、掲載料が数百万円もするリクナビにPRを掲載できない中小企業は
学生を採用できない。
- 45 :
- ★良書悪書 人材を劣化させる「就活断層」 - 『くたばれ!就職氷河期』 2
これに対して政府や財界が「卒業後3年間は新卒扱いにしよう」とか「会社説明会は4年生の8月
からに自粛しよう」などと呼びかけても意味がない。こういう横並びの採用が行なわれるのは、
長期雇用によって人材が企業にロックインされるため、中途採用では優秀な人材が採れないからだ。
このような硬直的な労働市場を生み出しているのは、労働者を企業にしばりつける退出障壁である。
長期雇用の保障されている大企業では、幹部になれる人材は会社に残るので、転職するのは
昇進の見込みのない二流の人材だと見られる。したがって企業は、中途採用で手垢のついた
二流の人材を採るより新卒でピカピカの人材を採って社内で教育したほうがいい。この教育コストを
回収するには長期雇用が必要だから年功賃金や年金・退職金などによって退出障壁を高める
・・・という悪循環になっているのだ。
この構造は、私がサラリーマンだったころからまったく変わっていないどころか、就職サイトで
悪化している面もある。企業の人事担当者は、口先では「尖った人材」や「肉食系のガッツの
ある若者」がほしいなどというが、実際に採用するときは4億円(生涯賃金)の固定費になる
ことを考えると、汎用サラリーマンとして使い回せる有名大学の無難な人材になってしまう。
就活断層は求人と求職のミスマッチを拡大し、若者の就職機会を奪うと同時に企業の人材を
劣化させている。これは日本の企業システムに起因する問題なので、規制改革によって簡単に
解決できるとは思えないが、少なくとも政府が退出障壁を高くするような制度はやめ、企業年金を
ポータブルにして退職金や付加給付に課税するするなど、雇用慣行に中立な制度にすべきだ。
なお著者(常見陽平氏)には、2月2日のアゴラ就職セミナーで就活断層の実態をくわしく
話していただく予定である。
http://news.livedoor.com/article/detail/5288090/
- 46 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 23 ////////////////
ところで、日本の教育に対するこうした見方は、ま新しいものではない。日本最初の外国人
教師の一人、アメリカ人宣教師ウィリアム・グリフィスは、なんと一八七四年に日本の教師に
ついてこう書いているのだ。「彼らの第一の仕事は、とにかく生徒の頭の中にしゃにむに知識を
詰め込むことであった。少年の精神力を豊かにし高め、知的なものの見方を広げ、自分で
考えるよう教えたりしたのでは、教師の仕事に反するのだ」
この学校制度を通して、日本の管理者階級の出身家庭は高度に均質化される。理論的には
出世の階段はすべての者に開かれているのだが、貧しい家庭は、子供を授業料の高い私立校に
行かせることもできないし、一流国立教育機関へ入れるための準備ができる家庭環境を
整えることはまず無理である。
///////////////////////////////// 840円(税込) ///
- 47 :
- なぜウォルフレンがこのように日本の教育に否定的かというと、日本人にも
問題がある。受験競争は韓国や最近の中国の方が、さらに熾烈さを極めている。
特に中国は一人っ子政策のせいか、教育熱は想像を絶する。
だが、中国人は「俺達は歴史的に科挙の伝統がある」と、試験熱を否定的に
考えたりしない。韓国人もそうだが、中国人も自己肯定的な民族である。
一方、日本人は自己否定的な民族だ。特に欧米人に弱く、彼らに「日本の教育は
問題だ」「変えたほうがいい」と言われると、「そうですね」とか「問題だらけ
です」と言って終わってしまう。
- 48 :
- 「否定的な意見を浴びてもそれに同調するだけで、自分の意見を言わない」
これこそ、日本人が極めて異質な民族に見える根源であろう。
ウォルフレン自身「中国人の方が日本人より親しみやすい」と言っている。
彼は一時、中国という国家にも問題が多くあるのを忘れたかのように中国賞賛に
走っていた。
「自分の意見を言うより、他人の意見に耳を傾けるのが大人である。」
これが日本人の美徳なのだが、ウォルフレンには永遠に理解不能な美徳だろう。
- 49 :
- 耳を傾ける価値はあると思っている
唯一気がかりなのは、俺が政治経済に関心の薄かったガキのころに
ウォルフレンの本を買ったということだ
こういう本はマスコミが仕掛けないと当時の情弱丸出しの俺みたいなのは
手出さないからな
だからウォルフレンはただの御用学者じゃないかとどうしても疑ってしまう
- 50 :
- しきりに「管理者」という言葉を使うウォルフレンには、笑わされる。
彼の問題は、日本のシステムは時代ごとの「管理者」の見えざる権力によって
生み出されたと誤解している。
以前に指摘したが、彼は日本史をほとんど理解していない。
日本人の家族より団体のルールを尊重する気質、自分の意見より相手に合わせる
気質は、中世惣村社会から生み出された可能性が高く、管理者なる支配者による
見えざる権力によって生み出されたものではないのである。
- 51 :
- 室町時代に京都の荘園領主が、税の徴収を確かなものとするため大阪の村に乗り込んだ
日記があるが、彼はそこで日本の農村の独自の「文化・ルール」を発見した。
特に家族・血縁より農村のルールを重視するシステムに驚いたようである。
荘園領主も驚く、この血縁にも勝る団体の掟至上主義。
これは決して支配者階級によって日本国民に与えられた物ではなく、むしろ人民の側から、
「下から沸き起こってきたもの」なのである。
- 52 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 24 ////////////////
このようにして、あらかじめ憤重に選別された日本企業の "メンバー" は<システム>の他の
部分でしかるべき地位を占めているから、自社にとって役に立ちそうな昔の同窓生との
つきあいを大切にする。契約や法律外でこうして保たれる日本の企業および官界の人脈は、
細かくはりめぐらされたネットワークとなり、<システム>の神経系統の役割を果たす。
この情報ネットワークのおかげで、重要な情報は、<システム>内の各部にちらばる関係者全員に
文字どおり分単位で伝達される。このネットワークはまた、<システム>の構成員間の衝突をも
緩和するのに役立つ。産業コングロマリット内では、多くの場合、経営陣の出身校別の
私的なグループができ、さらにコミュニケーションが深められる。
////////////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
- 53 :
- ウォルフレンはさも日本だけが世界で尋常ではないような言い方をしているが、これは
以前のベンジャミン・フルフォードと同じである。
「共産主義国家より云々」とかいう過激なフレーズまで飛び出したりする(笑)
だが、フルフォードはすでに気付いた。
アメリカも特定のエリート集団によって運営されていたことを。
- 54 :
- 世界の金融システムも、おそらく特定のエリート集団のネットワークによって采配されている
だろう。どういう経緯があったのかは知らないが、中川昭一の不審な会見や死も、もう一度
検証されるべきだ。
ウォルフレンは世界の闇に気付いたのだろうか?鳩山の勉強会に参加したというならある程度
気付いたのかも知れないが。
だが、どこの国も大なり小なり、特定のエリートによって統治されているのは疑う余地がない。
- 55 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 25 ////////////////
創造性の欠如
多項目選択肢問題テストの達人を作り出すことに主眼をおく教育制度からは、独創的な
考えを持つ者は選び出されない。知的好奇心は既成の秩序や慣行をおびやかす恐れがあるから、
積極的におさえられるのだ。このため日本の教育環境は、創造的な考えには冷たい。だが、
ここ数年、産業界と官界の一部から、このような日本人の創造性の貧困を問題にする声が
あがりはじめている。一九八七年に、アメリカ在住の日本人利根川進博士が医学部門で
ノーベル賞を授与された時、多くの新聞が指摘したのは、何十年間か海外で学び海外の研究所で
仕事をするという刺激がなかったら、受賞できなかったであろうということだ。日本の大学
にいる科学者は、有能な研究者を下積みの地位にしばりつける極端に硬直した学界ヒエラルキーと、
文部官僚の過度の規制とに妨げられて思うように研究もできないのである。
//////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
- 56 :
- ウォルフレンのように、欧米人は自分の意見を言わない人間を尊重しない。
よって、日本人はまことに変な人間に見えたことだろう。
創造性の貧困という彼のイメージも、基本はここから招来されている。
しかし、日本人の創造が貧困であるはずがない。
特許取得大国であり、ノーベル賞もアジア諸国では群を抜いて多い。
だが、彼は日本人よりも、中国人のように自分の意見を言いまくる中国人が
お気に入りであるのは論を待たない。
どれだけ中国が独裁体制にいようとも、中国人が自分の意見を主張しまくる限り、
ウォルフレンにとっては日本より中国の方が良い国家に見えるのである。
- 57 :
- 何が言いたいのかわけわからんw
そもそもウォが中国人のことに言及してることすらほとんどないん
だけど。
- 58 :
- ウォルフレンは中国人は日本人より親近感が涌くってずっと言ってたけどな。
森永卓郎との対談でも「あなたは中国を過大評価しすぎですね」って言われてたし。
中国の歴史も過大評価し、明の鄭和の遠征を例に挙げ、その優秀さを褒め、欧州が
中国を追い抜けたのは近世に入ってからだ・・・なんて評価まで飛び出してたぞ(笑)
- 59 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 26 ///////////////////
戦後の三〇年間は、創造性の問題もそれほど心配にはならなかった。それというのも基本的な
発明の多くがすでに公開されており、技術も安く買えた。しかし、日本の産業が、前人未踏の
分野に踏み込みはじめ、外国の特許が以前ほど簡単には入手できなくなるにつれ、日本にも
発明者が必要になってきたのである。これに対する懸念は、通産省の定例報告書で創造力問題が
必ず取り上げられることや、いわゆる第五世代コンピューターの研究プロジェクトで開発に
携わる非常に若い研究者が、創造性が発揮できるようにとの配慮から、欧米人のように
くつろいで仕事をするよう勧められることに表われている。
//////////////////////////////// 原書1989年刊 ///
- 60 :
- >59
心配しなくても、日本はどの国に対しても特許輸出が輸入を上回る国だ(笑)
- 61 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 27 ////////////////
一九八五年の夏、当時の中曾根首相によって設置された、教育学者、学識経験者、財界人が
構成する臨時教育審議会は、教育制度全体への批判以外のなにものでもない第一次答申を発表した。
報告書によると、日本の教育が作ってきたのは、明確な個性を持たず、まともに考えることも
できず、自分で判断もできないといった特徴をもった、型に嵌まった人間であった。報告書は
創造性の障壁になるものについても言及している。要約すれば、報告書は、リベラル派知識層が
長年訴えつづけてきた不満の多くをとりまとめたものであった。とはいえ、報告書に盛られた
対策は、文部省代表と自民党内の教育改革派など、あまりリベラルでない審議会メンバーの
意見を色濃く反映していた。(このことから、女性による民間教育審議会が、親たちの真の
希望を無視していると中曾根審議会を非難し、独自の報告書を発表した)。一九八六年および
八七年に発表された第二、第三の臨教審答申は一段と逆行が進み、個性的な考えの人間を
教育する必要性を無視する後退した印象になっている。
///////////////////////////////////// 早川書房 ///
- 62 :
- ウォルフレンは何でもかんでも日本のものは良くない的な発想に満ちてたよね、当時は。
日本の子供がゲームにはまってるのを「支離滅裂の世界を子供に与えている」と
批判したり、漫画・アニメを批判したり。
これらを日本という国家だけの特異現象として描いていた。
でも、その後日本のアニメ・漫画・ゲームは世界を席巻した。
ウォルフレンの考えは見事に外れ、これらのものが日本発の世界的娯楽へと成長
したんだね。
- 63 :
- ウォフレンは最初の一冊だけ読んだ。
底の浅さは気になったけど、当時の出版業界としては斬新であったし、知ってはいることでも改めて平易な文章で語られると勉強にもなった。
2冊目は立ち読みの段階で放り投げた。
ちょっと政治に詳しい人間なら誰でも知っているようなことを羅列しただけの本に思えた。
いま。
当初、筑紫哲哉がRュしてたことからも解るようにウォフレンはサヨに好かれる。
で、ウォフレンはサヨに媚びを売ってるようにしか思えない状態。
一冊目に感じた「底の浅さ」はこれだったかと気付く。
- 64 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 28 /////////////////////
"質の高い労働者" の養成
財界のトップが、創造性の欠如について不満を述べるのはよいが、日本の学校が今日のように
なった責任のかなりの部分は、彼らがとるべきだろう。一九六〇年代初めに、経済団体の代表
(経済審議会)が経済発展に最適な状況をつくるため、国の教育制度を一部手直し、学校を
「高い技術をもった高質の労働者を養成する訓練所」にする必要性を「経済発展における
人的能力開発の課題と対策」として提言している。その二年後には、日経連の教育特別委員会が、
高等学校の役割についてさらに具体的な提言をすることとなった。これに続いて、他の
主要経済団体もそれぞれの提言をおこない、やがてこれらは、政府の中央教育審議会の
基本答申に組み込まれた。答申にもられた提案はその後、各種の委員会の具体的計画に、
もり込まれ、七〇年代に文部省が改定したカリキュラムに徐々に反映されていった。
///////////////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
- 65 :
- 日本が創造性を欠いているって議論は、最近ほとんど聞かなくなったな。
一昔前は確かに「創造性欠如」ってよく言われてた。
だけどこれは単なるイメージでしかない。
これも当時、外国から「日本人は西洋の物真似ばかりして創造性が発揮できてない」
てなことを言われ、相手の意見を受け入れるのが得意な日本人が「仰るとおり」と
いうパターンを辿ったんだろうけど(笑)
- 66 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 29 ////////////////
このようなカリキュラム改定の結果、教師の推定を総合した統計によれば、小学校児童の三割、
中学生の五割、高校生の七割が授業について行けなくなっている。公立校では理解の遅い
子供のために授業のペースを落とすことはできない。というのも学童の約九割が公立の学校に
通っており、そこでは全体のカリキュラム構成も、進度も、文部省によって決められて
いるからである。
産業界の提言にもとづいて立案された教育計画の一環として、教育当局は、どの上級学校へ
進学させるかの進路指導にあたって、すべての生徒を成績によって五段階に分けた。
八○年代になると、偏差値の子供への圧力はさらに増大した。
//////////////////////////////// 840円(税込) ///
- 67 :
- 「詳細を見るとあれくらいの嫌疑で大新聞が一面で国家反逆罪が起きているごとく報じるのは愚の骨頂です。
日本の政治が下着で裸踊りをしているような愚行です。日本の政治やメディアはもっと誇りを持つべきです。
小沢氏のような政治家がいることを誇りにすべきです。 」
「国民ではなく高級官僚や新聞が彼を潰したいのです。既得権が侵害されると恐れているのです。
世界中を見ても一人の政治家に対してかくも長期にわたる中傷キャンペーンの対象になるのは極めて稀で異例です。
なぜでしょう?政治資金に汚い?ちょっと待ってください。 」
「これを問題だと理解したのは小沢一郎氏だけです。小沢氏はこの点を改める必要があると再三言及しています。
対米隷敵態度を変えない限り中国は日本を真剣にあつかいません。」
(カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel van Wolferen、1941年4月 - )は、オランダ・ロッテルダム出身のジャーナリスト、研究者。
現在はアムステルダム大学比較政治・比較経済担当教授)
さらに、検索すると、Youtubeでウォルフレン教授のコメントを聞くことができる。便利な世の中になったものだ。
(p)http://www.youtube.com/watch?v=lskSGIbq0GU&feature=BF&list=ULGTVbdhiMKFs&index=22
(INsideOUT2/16(水)「アメリカとともに沈みゆく自由世界」1/3:必見!)
- 68 :
- 対米隷敵態度を変えない限り中国は日本を真剣にあつかいません
全くその通りや。ロシアも同じだろう。
だけど隷属を望んでるのはアメリカだけどな。
鈴木宗男も「石油の問題がある限り、日本がアメリカ隷属を断ち切るのは至難の業」
って言ってるし。
それに、反小沢キャンペーンは既得権益者だけでなく、アメリカも関わっているわな。
アメリカは対等な日米関係など、全く望んどらんし。
- 69 :
- ウォルフレンの言ってること(最近何言ってるか知らないから「言ってたこと」だけど)は
かなりステレオタイプな日本文化論だから反発が多くても当然だが、
しかし当たってる部分は少なくない
多くの日本人は外的形態としては集団主義だが、
内心は必ずしも集団主義じゃない(仕方なく集団に従ってるだけ)
だから、ウォルフレンの言説はそうした日本人のアンビバレンスを
刺激しやすいんだろうよ
- 70 :
- 今、youtube見てきた。
ウォルフレンもようやく気付いてきたわけだな。
アメリカなんぞ、昔から今と変わらんやばい国家だった。
日本は異質だ!我々と違う!とずっと言ってきた修正主義者たち。
でも、アメリカだって政治や企業、軍、金融、メディアの癒着の問題を
ずっと抱えてきたわけだ。B・フルフォードもようやく気付いた。
ただ、鈴木宗男(彼も偉大な政治家だ)が言うように一筋縄ではいかんわな。
石油に頼り切る構造を改めない限りは。
- 71 :
- >69
まあ、彼は「日本は韓国やアジアに害を与えた」などと言ってる男だからな。
従軍慰安婦も「多くが証言しているから日本軍が(慰安婦の強制連行に)関与していただろう」
的な発言をしていたし。
歴史の発言はチャンチャラおかしい。
特に「日本は(植民地統治で)韓国に危害を与えた」は、俺を目茶苦茶刺激したぞ(笑)
- 72 :
- >>71
まあ完ぺきな人間はいないからな。
是々非々でトータル支持できなければ、価値観がまるで違うんだろう。
- 73 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 30 //////////////////
日本の学校では、ふつう、ほとんどの生徒が自動的に進級し、卒業する。だが、この教育制度が
好む "優れた記憶力" のない子供の大半は、一二歳になる頃には自分が社会階層の中か下で一生
過ごさなければならないことに気づく。中・高生の暴力や青少年犯罪がますます顕著になるのは、
このやりきれなさが直接の原因だというのが、日教組の見方である。学校の荒廃をさらに悪化
させているのは、通常、一学級の生徒数が四〇人から五〇人に達する大人数であることだろう。
こんなに大勢の生徒がいては、生徒の一人一人に教師が個人的に接することはほとんど不可能だ。
その反面、生徒のランクづけ制度の導入によって、教師が生徒を間接的に支配する力は
増したのである。
///////////////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
- 74 :
- 電通を批判したから、マスコミから無視されている。
- 75 :
- ウォルフレンの説は、とにかく日本の制度を悪く悪く解釈すればこうなります、
みたいなものだな。
日本人は創造性がない、その理由は硬直した教育制度にある、なんとかしないと
これからの日本経済にとっても悪い・・・
全部、イメージによる連鎖だな。
それに青少年犯罪って言うが、世界的に見て青少年犯罪は日本は多くないし。
まあこれは89年当時の話なんだろうけど。
ただなあ、これは教育ってより労働市場の流動性の問題だと思うな。
もっと転職しやすい社会になればいいってのは賛成だな。
- 76 :
- オザーさんがもっとオープンな社会にってのは
ぜひ実現したいな。
官僚が権限持ち過ぎ=規制多すぎ=流動性がない
- 77 :
- ホントの事言っちゃうから評判悪いのね。
特に日本では。
- 78 :
-
/// 早川書房 //////////////////////
カレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen) (著)、篠原 勝 (翻訳)、
原著1989年発行、邦訳 早川書房1990年発行
「日本/権力構造の謎」 The Enigma of Japanese Power
日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、840円(税込)、ISBN: 4150501777
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9940226551
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=18988933
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150501777/qid=1104753738
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40b9c78bede2b01032ee?aid=&bibid=01055138&volno=0000
http://books.rakuten.co.jp/RBOOKS/0000650744/
////////////////// 絶賛発売中!///
- 79 :
- 盗聴Rストーカーハゲソネがすり寄ってからおかしくなったんじゃないか
- 80 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 31 ////////////////////
厳しい校則で激増する校内暴カ
一九八○年代前半には、校内暴力に関連して、一般の人々も今の教育制度の欠陥をいやと
いうほど思い知らされることになった。一九八三年の数カ月間、新聞には生徒に襲われた教師の
記事があふれた。卒業式の後、復警だといって教え子に待ち伏せされ、襲われた教師もいる。
給食やハサミを顔に投げつけられた教師もいる。日本の学校は極端に世論を気にし、校内の
不祥事はたいてい外にはもらさないため、警察や新聞社の耳に届いた事件は、氷山の一角に
すぎないだろう。さて、一九八五年になって、もっと深刻な問題が表面化した。集団で弱い者を
いじめたり、からかったりする大がかりな "いじめ" 現象が、日本中のあちこちの学校で起こっている
というのだ。警察庁と法務省も、この問題について報告書を出し、つづいて文都省も、同省
はじまって以来の暴力事件の調査を四万校の小・中学校で実施することになった。日教組の
全国大会で判ったことだが、組合員教師の約半分が学校の秩序維持には、時には体罰も必要だと
考えている。ある弁護士グルーブが調べた九八五校の大半で、生徒がほとんど毎日のように
教師に殴られたり蹴られたりしているという。こうした処罰の方法は、 "いじめ" と密接に
関係があると見られる。
////////////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
- 81 :
- 体罰がなくなったのが80年代と今との一番の違いだろうな。
今では教師が生徒を叩けば問題になるし廊下に立たせる事もできなくなった。
バケツ持って廊下に立つなんて風景も今や昔だ。
でも、教育に体罰は必要だと俺は思うな。
- 82 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 32 //////////////////
ここで旗色を鮮明にしようとばかりに、朝日新聞がいくつかの実例を社説で取り上げた。
その一つは、ある中学教師が、喫煙しているのが見つかった女生徒の家に行き、その子に
包丁で切腹してRばよいと言ったあと、床に土下座して謝るその子の頭を蹴ったという
事件である。新聞で報道されるよりもっと多くの事件が、調査によって明るみに出たことからも、
学校での体罰は日常化していると、この社説は結論した。当局の調査が明らかにしたのは、
他の子供とどこか違う子を、先頭に立って集団で制裁する教師が多いことや、不文律に違反した
生徒を除け者にするのにも教師がしばしば同意を与えていたということである。周囲に自分を
合わせることは日本の社会では高く評価されるが、 "いじめ" が同調を強いる目的でおこなわれる
のは許されない、と結論で述べている。前述の臨教審リベラル派メンバーは、新聞社代表との
会談で、この問題は日本社会全体の秩序の乱れを反映しているとまで言いきった。軽い(時として、
それほど軽くない)形の威嚇は、社会における権力のヒエラルキーを維持するのに役立つと
考えていることは、ふだんはおくびにも出さない彼らなのだが、思わず本音を吐いてしまったようだ。
生徒にけしかけて弱い者いじめをさせる教師は、まさしく<システム>がいかに機能するかを
示す一つの範例といえる。
//////////////////////////////// 原書1989年刊 ///
- 83 :
- 日本の教育や教師の質は高い。
そう言い張るのは台湾の老人達である。
彼らは日本式、中国式の2つの教育を経験し、そう言い切る。
中国では孔子節で先生にお金を差し出すのが慣わしと言う。しかも強制である。
大陸出身の教師は生徒達の文房具代の一部をピンハネしたり、いい学校に転勤
できるように賄賂を渡すなどは普通にあったという。
そこでいい学校とは、裕福な学校の事で、裕福な学校なら補習授業を開いて
稼げる。大陸の教師は生徒より自分の儲けしか考えていなかった。
間違いなく日本の教育のレベルは高い。教師は公の精神が高く、また教え子が
「公の精神」を持った人間に育って欲しいと、真剣に考えているだろう。
台湾人はそんな日本の教育を非常に高く評価するのだ。
- 84 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 33 //////////////
規則の大量生産
いじめ問題は、各新聞にセンセーショナルな記事と怒りの社説を書く機会を与えた。しかし、
この問題には、はるかに重要な意味がこめられているのである。これはいわば象徴的な問題で、
深く道徳がかかわっている。すなわち、二つの陣営が支配権をめぐってしのぎを削る闘いを
くり広げており、勝者のやり方で若い世代を<システム>に適応させようというものであった。
この種の問題はどれも、戦前の教育慣行の復活に有利な土壌づくりを目指す、しつけ重視の
文部省と、教育問題に熱心な自民党内のグループを、ある程度、利するものである。これに
反対する陣営には活動家教師、問題を憂慮する知識人と親たちがいる。管理者の考えでは、
米占領軍当局が国粋主義的な教育を一掃して以来、しかるべき "道徳" 教育の不在が、今の
教育制度の最大の問題だとする。政府の見解は、中曾根元首相の発言にあるように、この問題の
大もとは各家庭と社会全般に規律がないためだとしている。
//////////////////////////// 早川書房 ///
- 85 :
- いじめは世界的に存在する。昔、ここは変だよ日本人でもいじめ特集をやって
議論していたな。
それは日本人の子供に道徳が欠如しているからではなく、日本が同質的な教育を
重視し過ぎているからでもない。
これは、人間の根源的な問題なのである。
エンセン井上はハワイでは日系人がいじめの対象になりやすいと言う。
それは体力的にからり劣っているから。
また、ちょっと変わっている子やブサイクな子とかもいじめの対象になりやすい。
これは世界共通である。
日本でもいじめの対象になりやすいのは、そういう子である。
教師に反抗的で、体制に順応しにくそうな人間は、日本ではいじめの対象になる
というより、いじめる側にまわりそうな気がする。
- 86 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 34 ////////////////
一方、日弁連(日本弁護士連合会)は、本当の問題は校則が厳しすぎるためだと反対の結論を
出している。公立中学や高校で増える校内暴力について、日教組はその原因を、ついていけない
授業や、生徒をランクづけする制度にあるとしているが、管理主義をさらに強化することによって
対処しようとする学校が多くなっている。校則は、一九七〇年代末頃から急激に増えはじめた
もので、馬鹿げた制限が多い。
日弁連は、子供の人権の重大な侵害が広範に見られるという結論の報告書をまとめた。
日弁連が調べた大半の学校で、生徒の座り方、立ち方、歩き方、そして、手を上げる時の角度や
高さまでこと細かに規定した校則が適用されている。下校路を指定している学校も多い。
級友と道で会話を交わすのを禁じている学校もあれば、給食のおかずを食べる順番を決めている
学校まである。このような校則は、自宅でも休暇中でも適用される。原則として、夕方六時以降は
外出禁止で、起床時間も定められている。日曜日も例外ではない。読んでよいのは学校の
選んだ図書に限られ、見てよいテレビ番組を決めるのは、親ではなく学校である。
休暇中の家族旅行にも、許可が必要な学校もある。
///////////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
- 87 :
- 校則はアジア諸国の中では厳しいほどではない。
今の中国やタイの校則は一昔前の日本のような感じだろう。
90年代中国では、男性が長髪にしただけで警察に監視されたらしい。
90年代当時、中国のミュージシャンが日本に来て言ってたな。
彼らにしてみれば日本は校則が緩すぎるように見えるらしいな。
なんせ今では茶髪の生徒も多くなったから。
ただし、校則が緩まればいじめが減るなんて思えないけど。
全世界にいじめがある。これは常識。前もイギリスのいじめに対する学校の
取り組みを紹介した番組がテレビでやっていたし。
日本が欧米諸国よりいじめが少ないなど言えるだろうか?到底言えないだろう。
- 88 :
- 日本が欧米諸国よりいじめが少ないなど言えるだろうか?到底言えないだろう。
日本が欧米諸国よりいじめが「多い」などと・・・に訂正
- 89 :
- 読んでよいのは学校の 選んだ図書に限られ、見てよいテレビ番組を決めるのは、
親ではなく学校である。
休暇中の家族旅行にも、許可が必要な学校もある・・・
これらは89年以前の話だろう。
だが、あるフランス人が言ってたが、フランスの教育は厳しく、日本のアニメの
ような喜怒哀楽の入ったテレビ番組は子供は見てはならないと考えられてるらしい。
キャンディ・キャンディはフランスの男の子もこっそりと隠れて見ていたらしいが、
喜怒哀楽をストレートに感じられる内容に驚いたらしい。
こういう番組はフランスでは子供は見てはいけないというのが、当時のフランスの常識だった。
はっきり言って、日本のテレビ番組にはあまりにも品がないものもある。
そういう番組を子供に見せるのを規制するのは、何もおかしいことではないと思う。
いや、日本の番組をヨーロッパで流したら、ヨーロッパの学校全部が見てはいけない
番組を指定するだろう(笑)
- 90 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 35 ////////////////
このスパルタ教育の学校の生徒全員が、常時制服着用が義務付けられているのは、いうまでもない。
そのほか、髪型も同じでないといけない。生まれつき巻き毛か、髪の色が黒くない女子生徒は、
学期が始まる時点で、それが生まれつきである旨、母親の証明書を提出しておいたほうがよい。
バーマをかけたり髪を染めることは厳重な処罰の対象となるからだ。
規則が多ければ非行が減るという考え方にもとづいて、これだけ多くの校則がつくられたのは明らかだ。
だが、これは少なくとも部分的には誤算だった。日弁連も日教組も、無意味な校則は、生徒同士
あるいは生徒の教師に対する暴力事件と直接的な関係があると見ている。校則を強化し、 "生産的" な
社会人の必要性を説くやりくちは、明治時代への逆戻りといえよう。あの時代にも、一般教養教育を
受ける権利を求めるリベラルな思想に対して、同様の反動が起こったからだ。
///////////////////////////////// 840円(税込) ///
- 91 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 36 ////////////////
この反動傾向は、日教組の力が弱まりつつある今、止めようがないようだ。そして日弁連は、
行き過ぎを指摘することはできても戦う態勢にはない。日本の新聞は、時々、警告を発しはするが、
一貫した姿勢で対処するわけではなく、ましてや深く調査して分析するところまではいかないようだ。
文部官僚に批判的にみえる編集委員が、一方では、校内暴力は家庭でのしつけが足りないからだ
という公式見解を支持する書き方をする。管理者が教育方針と統制の方式を定める権利とその
可否に関して、新聞がとる姿勢は、せいぜいよくみて、両面肯定的であり、きわめて日本的な
マスコミの体質そのものである。
////////////////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
- 92 :
- 校則や髪型の規制なんかは、他のアジア諸国にもある。
現在の日本はかなり緩い方だろう。
89年も遠くになりにけりだな。
- 93 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 37 ////////////////
座敷牢につながれた日本の新聞
日本のマスコミは、教育制度に比べれば独立性が高く、一見したところ<システム>内で仇役の
立場を演じているように見える。ところが、日本の新聞かほぼ一貫して見せる"反体制"の姿勢は、
いたって表面的なものである。日本の新聞は、決して<システム>を"真正面から本格的"に論じる
ことはない。時折、<システム>の一部構成員に対して激しい怒りを示すことはあっても、それが
二、三週間以上続くことはまずめったにない。また、その怒りも、かえって他の競合構成員の
利益になることが多い。なによりも重大なことは、新聞が<システム>を分析しようとはしないし、
<システム>の本質的な特徴やそれがどの方向に日本を導いているかについて、読者が検討できるよう、
批判的な観方を用意していないことなのである。
//////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
- 94 :
- 日本の教育は素晴らしいが、日本の新聞は馬鹿の集団。小沢、がんばれ。
- 95 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 38 ////////////////
この点において現代日本のジャーナリストは、初期の新聞や一九二〇年代の新聞で働いた先輩に
くらべ勇気がないといえる。一八六八年の革命的な変化(明治維新)とともに、国の指導者を
助けるものとして、新聞が登場した。初期の新聞記者や編集者の多くが、政府の役職の選にもれた
武士だった。一八七〇年代には、彼ら日本の新聞人の草分けは、新しく成立した少数独裁政府が
すべきことは何か、いろいろと比較してどの方向に日本の政治が発展していくのが望ましいか、
活発に議論を展開した。もっとも、当時は「報道の自由の概念はまだ成熟していなかったのだが、
政府が新聞をより厳しく規制する方法もまだ成熟していなかった」から、このような議論も自由に
展開できたのであろう。その後、報道の自由の概念と、それを規制する方法が、同時に発達していった。
すでに一八七〇年代の中頃には、新聞社は一八七五年の新聞紙条例に定められた刑期を務める
覚悟のできた"獄中編集者"を雇っていた。
////////////////////////// 原書1989年刊 ///
- 96 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 39 ////////////////
自主検閲の伝統
一九世紀末の数十年かは、権力保持者も新聞の協力を得るのに、それほど強硬な手段に訴えなくても
よかった。ジャーナリストが、新しくつくられた神格天皇の神話と"家族国家"という国家主義的思想を
広めるのに、重要な役割を担うことになったのである。二〇世紀のはじめの三〇年間は、当局の
一貫性に欠けた気まぐれな検閲のもとに生まれた自主検閲を通して、おもに新聞が規制された。
公の指示は不明確で抽象的であいまいだったので、なにが検閲されるのかさえ判らなかったのである。
米騒動や、一九二三年の関東大震災後の朝鮮系住民に対する襲撃など、重大な事件がいろいろあっても、
新聞紙上ではほとんど注目されないか無視された。共産党の結成やその後の消息を書くことはいっさい
タブーだった。以上のような明らかに政治的に重要な話題でなくても、不快な事柄はすべて、"愛国心"
という上からの圧力の結果、黙殺されることとなった。法律や新聞紙条例は、このような抑圧の
脇役的な手段にすぎず、官僚が好んで用いたのは記録に残らない個人的な警告だった。これは、今も、
日本の官僚の広く用いる常套手段である。つまりだれも責任を問われない、とらえどころのない
規制法である。
///////////////////////////////////// 早川書房 ///
- 97 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 40 ////////////////
一九二〇年以降、報道の自由に対する抑圧は度を深めていった。今日の日本の知識人の共通認識
とは違って、これは"軍国主義"が盛んになった結果というよりむしろ、実際は、官僚側の規制と
報道機関ので"自主規制"とが相乗した結果である。
自主検閲は、今も、日本のきわだった特徴として受け継がれている。新聞社、通信社、放送局は、
記者クラブを通して政府や経済界のニュースを集める。記者クラブは公式に検閲がおこなわれていた
戦時中に出現したもので、ジャーナリストとその取材対象である<システム>側の各組織体とが
共生するための制度化された機関である。ジャーナリストの側からいえば、重要なニュースを
見逃す心配がないから役に立つし、権力者には、報道媒体の自主規制を円滑化するなによりの
方法である。その数約四〇〇を数える記者クラブは、すべての省庁、政府機関、日本銀行、自民党、
警察、経済団体など、日本を円滑に運営していく役目を担う、ありとあらゆる機開や人物に付随して
設置されている。記者クラブに出入りするのは、一六〇以上の報道媒体を代表するおよそ一万
二〇〇〇人のジャーナリストである。クラブを通さずに、主要機関からほんとうのニュースを
収集するのは難しい。実質的にはまったく不可能なときすらある。日本でおこなわれる正式の
記者会見は、こっけいなくらい、演出されたものである。
////////////////////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
- 98 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 41 ////////////////
首相には、毎日、主要な新聞から派遣された記者数人が密着し、彼がどこにいこうとも離れず
ついて行き、彼の言葉はすべてメモに取る。中言根が首相だった時には、毎週、禅寺に座禅に
行くときだけ、記者クラブのメンバーは同行を禁じられていた。政治家の自宅に夜うちをかけるのは
記者が好んで用いる方法で、何時間も待った後、パジャマ姿でくつろいだ大物自民党議員が
家族なみに部屋に招き入れ、話のひとつも聞かせてくれるかもしれない。もっとも忠実な内輪の
記者が、政治家とプライベートに話し合えるのだが、重要な新事実が判明したり何かふっと
漏らされても、特別待遇の資格を失いたくないから決して公表したりしない。お互いに、
このような場で得た情報は決して印刷されないと了解しているのである。時には、記者クラブの
メンバーが、取材対象の人物から贈り物をもらうこともある。
/////////////////////////////////// 840円(税込) ///
- 99 :
-
/// 〈システム〉に仕える人びと 42 ////////////////
大半の日本人記者は、一日中、記者クラブの仲間と時間を過ごし、クラブ関係以外の情報源には
あまり接触しないのが通常だ。記者クラブでは会員記者が、報道すべきか否かを、時には記事の
調子までを協定する。筆者の同僚のある日本人記者によると、ある大手新聞の記者は、掲載しないと
クラブで協定したのに自分のところだけ記事にしてしまったため、六ヵ月間にわたり記者クラブの
出入禁止処分を受けたという。実際には、別のデスクの同僚が他の情報源から入手した情報を
もとに記事を書いたのだから、彼は責められるべきではないのだが、そうしたことは情状酌量の
根拠にはならなかったようだ。こうした記者クラブは、かなり排他的で、在日外国記者協会の
代々の会長の一〇年以上の交渉のかいもなく、外国人ジャーナリストには、記者クラブの多くが
門を閉ざしたままである。
//////////////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
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