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2012年1月1期文学20: 古井由吉 (292) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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古井由吉


1 :10/09/10 〜 最終レス :12/01/03
前スレ
古井由吉
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1253315514
http://2chnull.info/r/book/1253315514/l50

2 :
このタイミングでこそ、というのは分かるのだが
今立てるのは無理があるのではないかと思う
何はともあれスレ立てありがとう

3 :
保守

4 :

□過去スレ
////古井由吉////
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1005404132/
…… 古井由吉 2 ……
http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1060697769/
……古井由吉 3……
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1061814199/
・・・・・・古井由吉 04・・・・・・
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/book/1108773391/
・・・・・・古井由吉 05・・・・・・
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/book/1176917553/
・・・・・・古井由吉 06・・・・・・
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/book/1247591859/

5 :
「蜩の声」は、今までにないほど古井氏の「私」の出ている作品だと感じた。

6 :
今週の週刊現代だったかな、古井さんが
ブックリスト10冊あげていたのは。

7 :
「わが人生最高の10冊」ですね。
  1:オイディプス王(ソポクレス)
  2:オレステイア三部作(アイスキュロス)
  3:旧約聖書から預言者の書
  4:詩経
  5:楚辞
  6:八代集(古今和歌集から新古今まで)
  7:史伝 伊澤蘭軒(鷗外)
  8:思い出すことなど(漱石)
  9:断腸亭日乗(荷風)
 10:黴(秋声)
古井氏らしい美しいラインナップですよね。
読書を突き詰めると、こういうところに行き着くのですね。

8 :
単なる懐古厨

9 :
懐古って?
「顔古趣味」と古典を読むこととの、区別もつかない?
それに、日本語もあまりうまく使えないのかな?
「懐古」と言うからには、古井氏がギリシア時代に生きていたとでも思っているのかな。

10 :
「懐古趣味」を「顔古趣味」と間違って入力しているようでは、
若い方の言葉遣いを注意などできないな。お恥ずかしい。ごめんなさい。
ともかく、古典は読めないといけないと思うけれども。

11 :
古井先生の小説は見事なまでの懐古芸じゃあないですかね。
洗練に洗練を重ねた詩的懐古の域に達してますよ。
>>8さんは否定的な意味あいで懐古厨と切り捨てたんだと思いますが。
古井文学は懐古の否定詩学の金字塔を打ち立てました。
私はこういう繊細な倦怠と美的衰弱に向かう否定詩学的な小説が好きです。
ただ古井さんの“老いの倦怠”だけでなく、若々しさのある倦怠と官能を描いた小説も読みたいと切望してきました。
松浦寿輝の詩、たとえば『鳥の計画』なんかだとそのような世界が描かれているような気がしますが、
松浦氏が「小説」として描くと“中年男の憂鬱と倦怠”というパターンが多い。
そこで吉田修一の初期の小説――「WATER」や「最期の息子」――には若者の倦怠や憂鬱の片鱗が描かれているように思え、吉田さんの作品世界に期待したのですが
結局は全然違う方向に流れていってしまいました。若者には懐古すべき時間的肉体的な深みも相対的に少ないから
という単純な理由ではなく、古井さんの作品世界の深みに到る味を醸し出そうとしても、
それこそ単なる老いぼれの薄っぺらい懐古趣味に堕してしまうからそこからは逃れようとするのでしょうかね。

12 :
>古井先生の小説は見事なまでの懐古芸じゃあないですかね。
>洗練に洗練を重ねた詩的懐古の域に達してますよ。
細菌の古井さんの小説は、確かに記憶を反芻することで成立していますね。
「懐古」と呼ぶかどうかはともかく。
>ただ古井さんの“老いの倦怠”だけでなく、若々しさのある倦怠と官能を描いた小説も読みたいと切望してきました。
さすがに、今の古井さんにそれを求めるのは無理というもの。『妻隠』や『櫛の火』を書いていた頃とは、作家自身が違っていますから。
『野川』のような書き方で、部分的に描かれることが、これからあるのかどうか。
でも、誰がいるんでしょうね。
『鳥の計画』? 「愛魚」などはエロティックですね。
ところで、吉田修一さんはあまり読みませんが、すぐれた作家なのですか?

13 :
またまた変換ミス。
「細菌」は「最近」です。頭がぼけてきたのかな?

14 :
いえ、古井細菌で納得しました。ずっと読み続けてますが
なぜかは分からなかった。感染すると取りつかれるのだと思いました。

15 :
>感染すると取りつかれるのだと思いました。
座布団1枚、ですかね。
私も感染歴、けっこう長いですが、物語中心の読み物が、
詰まらなくなるという症状がでたりしますね。

16 :
>それに、日本語もあまりうまく使えないのかな?
>「懐古」と言うからには、古井氏がギリシア時代に生きていたとでも思っているのかな。
他人の言葉遣いを云々する以前に、自分の日本語の不勉強を恥じるべきだね
古井の読者ってこの類の馬鹿が多そうだな〜

17 :
蚕解雇やかましいな。俺が適当に打ち込んだ1行レスでガタガタ引っ張らんでいいよ

18 :
>>7
源氏物語がないじゃないか

19 :
11は
頭の相当に悪い
頑固爺にちがいない
文章も劣悪で読めたもんじゃない

20 :
東進の今井宏もかつて古井読者だったという。
http://ameblo.jp/imai-hiroshi/day-20100912.html

21 :
誰?

22 :
>他人の言葉遣いを云々する以前に、自分の日本語の不勉強を恥じるべきだね
>古井の読者ってこの類の馬鹿が多そうだな〜
ああ、お気に触ったようで申し訳ない。
私など、「馬鹿」ということばを相手に対して使わないよう、小学校時代に教えられた世代です。
そんなことばを使う自分の方が「馬鹿」なんだよと教わりましたから、あなたよりよほどよい教育を受けられたと自負しています。
上の文などのように、自分の過ごした時代は良かったなどということを書くのが、
懐古厨なんでしょうかね?

23 :
『杳子』は芥川賞受賞作では『飼育』と並ぶ最高傑作ではなかろうか。
最近の芥川賞とはレベルが違う。
文学の極北として、古井とクロード・シモンを挙げたい。

24 :
あの頃でオワタでしょ。日本の近代文学。

25 :
初めて読んだのが杳子だった
冒頭の、河原で石を積み上げてる描写で賽の河原を連想して
死人の小説なのかと思ったな
河原の石についての描写は本当に素晴らしい

26 :
>あの頃でオワタでしょ。日本の近代文学。
そうかもしれませんねえ。
とは言え、古井さんはその後も一人書き続けていて、
同じパターンの作品を書くことはなく、
いまだに進化・し続けていますが。

27 :
>>18
八代集が入っている。
源氏物語じゃなくて八代集を入れることに古井由吉の見識がうかがわれるよ。
ただ>>7に聖書の預言書が挙げられていたけど
ほんとうに古井由吉挙げていたのかな?
預言書なんていくつもあるし、
日本語訳(だいたいどの聖書訳のを、だろうか?)した預言書に
文学的な強度なんてあるんだろうか?
そもそもクリスチャンでもない人間に預言書のたぐいは極めて退屈なんだが…。
アンケートの実物をみたわけではないので即断は禁物だが。

28 :
>>27
見識ってなんだよ、教えてくれよ
しかし>>7って、小説とかエッセイでよく取り上げるネタだけど、
詩経と楚辞なんてどっかで書いてた?

29 :
>>28
日本文学史上では八代集にある勅撰和歌集のほうが
源氏物語よりはるかに重要だということさ。
外人はともかく、本来の日本文学における影響度ははるかに高い。

30 :
そろそろ『仮往生伝試文』を読もうかな。

31 :
小島信夫スレ立ててよぉー

32 :
>>31
古井スレでリクするなら、小島ではなく、森敦でもなく、なにがなんでも後藤明生だろ、常考。

33 :
武揚っていってることは普通のことなんだよな

34 :
>詩経と楚辞なんてどっかで書いてた?
確かに、あまり記憶にありませんね。
ただ、『漱石の漢詩を読む』のセミナーの際、
「ある時期から古い詩をいろいろ読んだ。
『古詩源(こしげん)』というものまで読んで、天才のオンパレードだった」と
語っていらっしゃったので、その時期に読まれたのではないかと?

35 :
『やすらい花』どうよ?

36 :
>『やすらい花』どうよ?
1篇1篇がこれまでの連作より長いだけに、
読者側の集中の持続が鍵になる作品集でしょう。
私は、「生垣の女たち」が、神韻漂う絶品と思います。
「杳子」を思わせる女性の登場する「掌中の針」を評価する方もいます。
ともかく「読んでごらんなさい」としか言えないです。
手にとって1日1作読めるのなら、「自分はそれなりに日本語が読める」、
そんな自覚をもってよい試金石だと思います。

37 :
『夜明けの家』以降での、私の好きな短篇を各連作集から敢えて一つ。
『夜明けの家』から「島の日」(美しい)
『聖耳』から「日や月や」(能の形式ですね)
『忿翁』から「巫女さん」
『辻』から「始まり」
『白暗淵』から「地に伏す女」
『やすらい花』から「生垣の女たち」
うーん、1作だけというのは辛すぎるが、複数可とすると、とめどなくなるからなあ。

38 :
>>7といい古詩源といい、いかにも古井由吉という感じだな。
漱石は沈徳潜を明暗で小道具として使っていたし、随筆にも書いてる、その繋がりもあるね。
あの漱石漢詩の本、セミナーがあったんだ。まだ読んでないけど。

39 :
鴎外の史伝、伊澤蘭軒か北条霞亭を出してきて読み始める、これ何て小説でしたっけ。

40 :
>あの漱石漢詩の本、セミナーがあったんだ。まだ読んでないけど。
岩波市民セミナーとして都合4回行なわれた講義をまとめたのが、
『漱石の漢詩を読む』という、あの本です。
会社帰りに急いで神保町の「信山社」のビルに向かい、
お話を伺えたのは、楽しい経験でした。

41 :
>鴎外の史伝、伊澤蘭軒か北条霞亭を出してきて読み始める、これ何て小説でしたっけ。
北条霞亭でしたよね。確か、妻の五百(でしたっけ)の日常のことが引かれていて、
三日に一度髪を洗っただか、入浴しただか。
『魂の日』かなとも思ったんだけれども、ぱらぱらとめくっても見当たらないし、
何だったか今すぐに出てこないので、当たってみます。

42 :
>>鴎外の史伝、伊澤蘭軒か北条霞亭を出してきて読み始める、これ何て小説でしたっけ。
『白髪の唄』でした。「鶯の夢」の章に出てきます。
>確か、妻の五百(でしたっけ)の日常のことが引かれていて、
>三日に一度髪を洗っただか、入浴しただか。
これは勘違いだったようで、引かれていません。
そもそもそんなものがどこかにあったかすら定かではない。
お恥ずかしい限りですが、
自分の記憶などそもそも自分のものではないのでしょうし、
だからこそ反芻が必要なわけでしょうね。

43 :
>ほんとうに古井由吉挙げていたのかな?
>預言書なんていくつもあるし、
>日本語訳(だいたいどの聖書訳のを、だろうか?)した預言書に
>文学的な強度なんてあるんだろうか?
>そもそもクリスチャンでもない人間に預言書のたぐいは極めて退屈なんだが…。
>アンケートの実物をみたわけではないので即断は禁物だが。
記事に書かれていたというのは事実ですよ。
そもそも預言者のことばについて古井氏は、
『魂の日』や『神秘の人々』を書く中で、かなり本格的に論じているし、
単に思いつきで挙げているわけではない。
「亡国」と人心というものに関わる関心のようです。

44 :
>>27
武陽隠士、一本取られましたねw

45 :
>>43
『魂の日』も『神秘の人々』も未読なので、古井由吉の“預言書”への言及はまったく存じませんでした。
古井由吉、ドイツ語訳の聖書などもにも目を通しているのでしょうね(ルーテル訳とかかな?)。
しかし「亡国」というキーワードには納得です。
ご教示ありがとうございます。
>>44
もともと一本取りたくて>>27のレスはしたわけではないからね。

46 :
武陽の西洋方面に関する知識の欠落が露出されましたか(笑)おやはや(笑)

47 :
舞踊の歴史方面に関する痴識(笑)キリスト凶方面に関する痴識(笑)も中々酷いものです殻ねぇ〜(笑) 藁貸し増すねぇ〜(笑)

48 :
>>46
また引きこもりのおバカさんですか?
古井由吉がアンケートで預言書(どの預言書かいまだ不明なんだが。すべての預言書だろうか)を挙げた云々についての話だったのだが…。
意味不明だよ。
だいたい預言書はユダヤ的なるもので西洋じゃないんだけどね。無知な奴だw
クリスチャンの私には預言書なんて非キリスト教徒が読んでも致し方ない宗教書だと思っているのさ。
まあガキのときから欧米文化にドップリ浸かった私には、
日本の文物(古典文学も含みます)に逃げ込みたい気持ちもわからないだろう。
専門も日本に関連した学問なのは、むしろ欧米可が過ぎた日本人だからさ(福音主義の教会は米の植民地のようなもの)。
基本的に福音主義のクリスチャン連中は日本の文物に興味ない(私も十代はずっとそんな感じだったろう)。
水村美苗(さいきん読売新聞になかなか面白い小説を連載している)の気持ちが痛いほどわかるね(あそこまで英仏語は出来ないが)。
ところで…旧約聖書くらいは目を通して下さいね。いろいろと無知まるだしですよw
しかし出てくるとは…マジで驚いたな。
本当一年中なにやってんのかな…一日中パソコンに貼り付いてるんだねw
きゃははは
気持ち悪い〜。

49 :
藁貸しという>>47というコテは
狸の自演コテだけどね。
鈴木なんとかというコテもそう。マグナとかもそうだな。
他に名無しだったり、いきなり現れてくる新コテもだいたいそうだね。
一年中ヒマでパソコンにかじりついて自演してる。
まあバレてないと思っているのはこいつ自身だけだろうな(笑)
こいつの自演を見破るには
私に対するレスでわかるよ。
自演コテが総力を挙げてくるからねw
そいつらが補完しあってるのがつきまとわれてる私にはよくわかる(私にはバレてめいいと思っているのだろうか)。
しかし…預言書が西洋的とか、つくづく無知まるだしw

50 :
>>49
>他に名無しだったり、
もうそれなら誰でも該当するじゃん。
>私に対するレスでわかるよ。
要するに私に批判的な物言いはするな、ってことでしょ。
それなら最初からそう言いなよ。
急に口調変えて悪し様に罵ったりしないでさ。
これ以上は雑談スレにでも行ってやってね。

51 :
>>50
すぐわかるのですよ
狸様ご本人が私に言われて堪えたらしい罵倒をやたら気にされている
名無しさんですからw
他の方々はお狸様の自尊心には興味ないですから(笑)
しかしつくづく見え見えの自演をされますね…狸=鈴木=藁貸し=マグナ=?コテ=ときどき名無しwどのw
まあ旧約聖書もろくに読んでないような方が西洋を云々されるのはどんなものでしょう(笑)
預言書が西洋的とかよく分からないことをぬかすのも
たまらなくお馬鹿でウンザリさせられますな(失笑)

52 :
人に噛み付くだけが能の薄汚い蚋。

53 :
コテ付きが迷いこんでるのか
落ちたスレは穏やかすぎるくらいだったが・・・
帰るスレもないんだろうな
やれやれ

54 :
人はすべてのことを知ることはできないのでね。ミスもあるし。
弱いところをつつき合っても、あまり楽しくはないな。
話かわって、
古井由吉氏は、すぐれた読者に向けて書いているということを
誰かとの対談で語っていたが、おそらくそれは現在の読者だけではなく、
50年後、100年後の読者のことも含めてなのだろうと思う。
古井氏は、日本近代文学がおそらく自分をもって終わる、
という明確な自覚のもとに、自分が前代の日本文学や古典への
一つの門、通路となる覚悟で書き、語っていると思う。
書くもの、語るもののそこかしこに漱石や修正などの引用がでてくること、
中世説話が引かれたり、メジャーな古今、新古今だけでなく、
好忠のような埋もれがちな歌人の歌や、玉葉集・風雅集、連歌など、
よほど熱心な読み手でなければ気付かないような、
2番手クラスの古典まで埋め込んでいるのは、
後世の読者の中にいくたりか登場するであろうすぐれた読者の
導き手であろうとしている、そう思われてならないのだ。
だから、今のふつうの読者であるわれわれが読めなくても嘆くことはない。
私は読もうと努力しているという限りにおいて、「一読者」を名乗っているわけだが。

55 :
>漱石や修正などの
「秋声」ですな。いぢめないでね。

56 :
>>55
いじめがいぢめに(ry

57 :
>いじめがいぢめに(ry
気付いてくださって、ありがとう。
たのしくやりましょう。

58 :
>>7のリストを見て「古井先生とおなじ本を読みたい!」と思うような人が
古井とおなじオイディプス王を読もうとするときには
ホフマンスタールのドイツ語訳 König Ödipus にあたらないといけないのかな。
どうなんだろ。やっぱり武陽が言うようにここでの預言書もドイツ語訳が主なのかな。
すくなくとも日本で「預言書」って指し方は一般的なものではないような?
>>45
『神秘の人々』は若いブーバーの本を導きの糸とした本だったし、
ブーバー=ローゼンツヴァイクのものかもなー。
前に古井を読んでいてふっと列王記上 19 : 11, 12 を思い浮かべたことがあってだな。
あ、どの本だったかは忘れたので、これはさえずってらと思ってほっといてくれ。

59 :
>古井とおなじオイディプス王を読もうとするときには
>ホフマンスタールのドイツ語訳 König Ödipus にあたらないといけないのかな。
最初に何で読んでいたかは不明ですが(おそらく日本語訳)、
雑誌の記事によれば、最近はギリシア語で読んでいらっしゃるようです。
以下引用
「初めて読んだのは大学を卒業した頃。西洋の古典はどういうものか、
という関心から読み始めましたが、最初は半分もわからなかった。
だけど気になって、年齢の節目や境遇の変わり目など、事あるごとに
何度も読み返し、60歳を過ぎてからは、20代で少しかじっていたギリシア語を
おさらいし、原語で読んでいます。
<中略>
これを読んだ人は、最初は自分はそんな境遇ではないと思っても、
次第にそうなりかねなかった自分というものがわかってくる。
女性に巡り合い、一緒になって、よく考えると自分の母親に似ていたり、
父親との葛藤にしても、誰だって何かしらを抱えているでしょう。
年を経て読み返すと、だんだん思い当たるところが出てくるんです。」

60 :
>>59
一読さんサンキューです。雑誌って、ここで話題の週刊現代ですか?
引用の後半部分、なんだか広告の文章みたいですね。
オイディプス王に関してこれを言われると正直のところ勘弁してくださいって感じですが。
あまり引っぱる話でもないのですが、
ホフマンスタール翻訳のオイディプス王に関して述べた文章が探せばどこかにあると思います。
たしか高校在学中に勉強を始めたドイツ語でしたよね、古井のドイツ語は。
最初に読んだのが大学を卒業するかしないかの頃となるとたぶんそっちを読んだし、
ずっと読んでいたんじゃないかなーと思うんですが、どうなんでしょー。

61 :
>引用の後半部分、なんだか広告の文章みたいですね。
>オイディプス王に関してこれを言われると正直のところ勘弁してくださいって感じですが。
古井氏の語りをインタビュアーが「週刊現代」読者のために
わかりやすくまとめた記事ですからね。
そのインタビュアーに、やさしく噛み砕いて説明したのだろうな、
と私は解釈しますが。
>高校在学中に勉強を始めたドイツ語でしたよね、古井のドイツ語は。
>最初に読んだのが大学を卒業するかしないかの頃となるとたぶんそっちを読んだし、
>ずっと読んでいたんじゃないかなーと思うんですが、どうなんでしょー。
その可能性は否定しません。日本語訳だろうと私が推測したのは、
インタビュー記事のその前あたりに、
1)世界文学全集のぞっき本をたくさん読んだ、というエピソードが
書かれていて、その流れで『オイディプス王』の話題になっている
ようにもみえたことと、
2)ドイツ語訳でという記述が明示的になかったから、
に過ぎないので。

62 :
漱石の「猫」でもなく「坊っちゃん」でもなく「草枕」でもなく
「こころ」でもなく「明暗」でもなく「夢十夜」でもなく
「思い出すこと」ってのがいかにも古井っぽい

63 :
NGName、NGWord設定は”武陽”ですよ。
準備完了したら引き続き、楽しくやりましょう!

64 :
>>61
今度こそありがとう。これ以上は週刊現代を求めたほうがよさそうです。
で、たぶんそれで自身のゲスの勘繰りを恥じるのみでしょう。
インタビューというと今年の冬かな、比較的最近、朝日かなにか新聞で
短いものを読んだんですが、氏は、地域のはずれに住んで星を読み世の動きを占い、
訪問して来る者にそれを伝える牧人に小説家をなぞらえていたように記憶しています。
世田谷のあのへんに住んでいながらマジで古代中世の風を感じていそうですネ。

65 :
>「思い出すこと」ってのがいかにも古井っぽい
「思い(ひ)出す事など」には、修善寺の大患として知られる大吐血、人事不省の
時期の本人による回想が描かれていますからねえ。
辛うじて死を生き延びた大作家の言葉に、何かを読み取っているわけでしょう。
古井氏は結局、その時期の漱石と『明暗』を書いていた死を間近に控えた
時期の漱石について、当時作られていた漢詩も含めて、関心があるわけですよ。

66 :
古井氏の著作の中で、『魂の日』は実のところ、古井氏について
かなり重要なことを教えてくれる書物ではないかと思う。
病後(頚椎ヘルニア)の回復期に書かれたという点で、
漱石における修善寺の大患後の回復の反復でありつつ、
身体性と病いへの深い自覚から、過去の文学における身体感覚や、
中世基督教女性信者の病中での行為と言葉まで吟味されていく。
それはさらにギリシア悲劇やユダヤ教の預言者のことばの吟味にいたり、
それを介して結局は、「神への信」の問い直しにつながるわけだ。
カフカの作品なども、その過程で読み直されている。
黙示録とパウロの言葉もまた。
読む機会があるなら、それを逃すことなく読むべき散文であると思います。

67 :
>>63
そろそろ”一読者”も追加だな

68 :
>>48
水村美苗なんて「福翁自伝」を
ごく最近まで読んでいなかった粗忽者だっての。
お前も大同小異だろwww
きゃはははwww

69 :
>>68
おやおや>>52のような情けない恨み節を残された狸様ですかw
私は水村美苗当人じゃないんで、あいにく堪えないんですがw
ていうかこのスレ、君がさんざん私にやりこめられて
ぐうの音も出ないのがレスの流れで読みとれちまうぜw
引きこもりさんwああ気持ちわりい〜

70 :
競馬予想再開しろよ

71 :
読み取れるのは、複数人からのレスを自演だ、私には分かると言ってるヒス女だけじゃ?

72 :
『やすらい花』所収の傑作「生垣の女たち」冒頭から引く。
引用開始
夏のたそがれ時に縁側に坐って庭越しに正面の生垣を眺める老人の姿を、
男は妻を亡くして一年ほどになり、そんな時刻に一人暮らしの五階の住
まいから思い出して、見えるはずもないその昔の影を探すことがある。
暗くなった地面に蚊遣りの匂いが流れて、老人の背後には薄い電灯を映
して障子が閉ざされている。今晩は、ただいま帰りました、と男は声を
かけて縁先を通る。若い足取りが自分でさわがしく感じられた。老人は
顔をあげて、遠くを過ぎる人影を追う目つきから、ふいに居ずまいを改
め、いまにも立ち上がって迎えそうな動きを肘のあたりに見せたが、あ
あ、お帰り、今日も暑かった、とくつろいでまた生垣のほうに眺めふけ
った。何を見ているのだろう、と男は母屋のはずれから離れのほうへま
わりかけて振り返ると、暗がりから生垣が淡く浮かびあがり、ところど
ころに這いかかる、夕顔がほんのりと花をひらいた。見つめる老人の髪
の、照り返しか、と妙なことを思った。庭木の梢に細い月が掛かってい
た。
あの老人の年も越えてしまったか、と男は今に返る。数えで七十になり
ました、この秋には満でも七十です、と老人はおしえた。あなたたちに
とってはいずれ、古来稀でもなくなるでしょう、と言った。その秋の末
に亡くなった。

73 :
初期の頃の古井由吉は
いい意味でほんとうに秋声っぽかったな。
『黴』に古井プリズムを通して書き直したような作品もいくつかあったし。
というよりは『黴』を読むと古井由吉を読んでる気分にさせてくれる(これもいい意味で)。
古井由吉とか秋声はいずれにせよ日本文学学の最高峰だろうね。
中上健次もそうだけど、結局日本文学では秋声の流れがいちばん小説としての強度がある気がする。

74 :
小説としての強度がある(笑)藁貸し増すねぇ〜(笑)

75 :
> 小説としての強度
安っぽい言葉だなw

76 :
いちいち噛みつく程の事ではあるまいてw
古井先生は当然の事として
中上の文章にも俺は引き込まれるものを感じるな
中上の文章は清く正しく美しい日本語ではないから
読みにくいだの下手くそだのの一言で片付けられたりしてるのをこの板でも見かけたりするが

77 :
『夜明けの家』所収「島の日」から引いておく。
耳もおのずと澄ましたか、遠くからでも干潟で騒ぐ鳥たちの声が
伝わってきた。頭上をゆっくりと灯台の光が掃いていたが、潟の
海そのものはすでに夕闇に閉ざされて、墓丘の上からは見えなかっ
た。しかし今になり、西の残照に応えて、夜の下で紫金色に光り
渡る干潟が見える。闇の底で動かずにいた牛馬たちが草を食んで
また歩き出す。ほのかな明るさをたよりに鷹が天にあがり、宙に
留まって懸命に羽ばたくと、その翼のまわりに淡い紫金の光が集
まる。潟では無数の生命がいよいよ忙しく駆け回る。

78 :
>>74>>75
またかよ狸w
もう狸コテのことも無視するぜ(あおりレスだけして放置はするがねw)。
短いレスで端的にいうにはそれ以外便利な言葉ないだろう。
>>76
だいたい日本の古典を読みこんでない人は中上健次の文章いやがる。
丸谷才一はべつだけどね。

79 :
一読者さんが引用を重ねてる理由を考えたら?

80 :
>>79
意味不明?私にいうなよ。
新参者か?
前スレから書き込みしてるんだよね私。

81 :
嘘こけ。お前なんか殆ど見かけたことねーよ。

82 :
>>81
前スレに五回ほど書き込みしてる。少ないから目立たず埋もれてるんだろう。
古井は二十歳前後で読みまくったから
当分居座ろうかなw
由吉がらみでムージルと好忠についていろいろ書き込みしようかと思うが(昔なもんで記憶あやふやだが)。

83 :
前スレは一言駄レスだらけで死んでたな
今の方がまだマシ

84 :
確かに中上の文章って読みにくい
日本の古典がどうのこうのじゃなくて独善的なのが原因だよ絶対

85 :
今いくつなん?

86 :
>>85
32

87 :
読みにくいのは確かだが近代以前の流れを汲む文章である事くらいは分かってほしい
その上で批判なり何なりとすればいいが
読みにくいね、下手だねの一言で片付けてしまえると思ってる鈍感さは悲しいね
古井先生は決してそんな事は言わなかった

88 :
>>84
それには一言いいたいな。
あれは欧文脈や言文一致体を脱臼させて
日本語の可能性を追求したいという野蛮な意志から導き出された文体なんだよ(中上本人の発言を参照のこと)。
日本の近代および古典文学のエキスがふんだんに詰め込められている。

89 :
>>85
古井先生は72歳。11月で73。

90 :
中上は十代から古典を読み漁った口だからな
四十を過ぎて源氏を読んだ古井よりある意味早熟だった

91 :
しかしそう考えると今の文学の恐ろしい貧困はどうしたことだ。
彼らに匹敵する作家なんて、出てくる土壌すらもう無くなっているように思える。

92 :
古井先生はこれから円熟期

93 :
>>89
もうじき死ぬな。

94 :
>>91
日本語の歴史を背負って書いてるかどうかだね
彼らに何かを持っているとしても才能だけでしょ
バックボーンがない

95 :
間違えた
彼らが何か持っているとしても

96 :
古井由吉って音楽について何か書いてたことある?
エッセイの類はまだ読んだことが無いんだよね。

97 :
盛況ですね。
読まずに何かを発散したい人も多いようですが、
今を生きている古井氏の作品が読める幸福は、
後になれば得がたいものになってしまうので、
読めるときに読んでおきたいものです。

98 :
三島スレのゴミと差がないよ

99 :
9月20日ですよ〜。古井先生いつまでもお元気で〜

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