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2012年1月2期アニキャラ総合61: あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part305 (647)
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あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part305
1 :12/01/03 〜 最終レス :12/01/25 もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。 (前スレ) あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part304 http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1323232807/ まとめwiki http://www35.atwiki.jp/anozero/ 避難所 http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/ _ ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■ 〃 ` ヽ . ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ! l lf小从} l / ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから! ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,. ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね! ((/} )犬({つ' ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね! / '"/_jl〉` j, ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね! ヽ_/ィヘ_)〜′ ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない! ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね! _ 〃 ^ヽ ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ? J{ ハ从{_, ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも ノルノー゚ノjし 内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね? /く{ {丈} }つ ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。 l く/_jlム! | ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。 レ-ヘじフ〜l ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。 . ,ィ =个=、 ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。 〈_/´ ̄ `ヽ ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。 { {_jイ」/j」j〉 ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。 ヽl| ゚ヮ゚ノj| ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。 ⊂j{不}lつ ・次スレは>>950 か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。 く7 {_}ハ> ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。 ‘ーrtァー’ ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。 姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。 ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。 SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。 レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。
2 : >>1 スレ立て乙です。 ありがとうございます、ごめんなさい、ありがとうございます
3 : >>1 スレ立て乙!
4 : 一乙 ハルケギニアにゲッター線が降り注ぐ
5 : 1. 初恋ばれんたいん スペシャル 2. エーベルージュ 3. センチメンタルグラフティ2 4. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS 5. ファーランド サーガ1、2 6. MinDeaD BlooD SS誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって エーベルージュを語るスレ 3年目 http://toro.2ch.net/test/read.cgi/gal/1248267409/701-800 センチメンタルグラフティ総合35代目 http://toro.2ch.net/test/read.cgi/gal/1299264100/701-800 Canvasシリーズ総合 Part21 http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1302172024/201-300 【2次】ギャルゲーSS総合スレへようこそ【創作】 http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1298707927/101-200
6 : >>4 進化が始まるんだね!?
7 : 新年あけましておめでとうございます。 スレ立て乙です。 私の方の52話……は、除夜の鐘に間に合わずもう少しブラッシュアップ したいのでまたの機会とさせてもらいますが、Call of Different ACT7の 代理をこれから始めたいと思います。
8 : フーケは咄嗟に声を上げたがそれで何かが変わるとは思わなかった、これ程強引な侵入だ、きっと私をしに来たに違いないと思っていた 地面に転がる小さな鉄のような物を蹴りながら歩いてくる、コツコツコツと 再度死を覚悟したフーケは見えた顔に驚いた、見たことのある顔だったのだ 「あ、アンタは…?!」 「やぁこんばんわ、ミス・フーケ、貴女に会いに来ましたよ」 顔と言うには語弊のあるスカルフェイスがひょっこり顔を出して挨拶をしてきた 「ミスタ・ゴースト?!一体何のために?!」 ゴーストはM92Fをホルスターから引き抜き笑うように目を細めた 「俺がフーケをひっ捕まえて何をすると言っていたか思い出して下さい」 フーケは顔を青くしてハッハッと息を荒くして目に涙を浮かべる、そう言えば恐ろしい事を言っていた まさかただすよりも酷い事をする為、それだけの為にこんな所にまで来るとは思わなかった 「は…はは…ふふふ」 もう、笑いしか出なかった、絶望、恐怖、絶対的な死、逃れる術は無い ゴーストが牢屋の鍵にM92Fを当て、引き金を引く、いとも容易く鍵が壊された 牢の扉を開け一歩、また一歩と近づいてくる するとM92Fをホルスターにしまい手を差し出した 「…ふぇ?」 目に涙を浮かべきょとんと女の子座りのフーケが驚きの声をあげる 「冗談ですよ、ミス・フーケ、貴女を助けに来ました」 「え、ふぅぇ…」 フーケの顔がみるみるふにゃっと崩れていく、ゴーストはフーケの手を取り体を優しく引き起こす 「行きましょう」 ゴーストが優しく囁く…が、切羽詰った声でローチがゴーストに激を飛ばす 「早くして下さい!!さっきの爆発でココに人が押しかけてくるのも時間の問題です!出る為には人をさなきゃならなくなりますよ!」 「分かった、分かった!畜生!もうちょっと甘い空間を与えてくれてもいいじゃねぇか!38になってようやくだと思ったのに!」 「あ、あんたらまさかココまで一人もしていないのかい?!」 「そうですよミス・フーケ、さぁ、急ぎましょう」 ローチは二人を連れ、警戒しつつ走りながら考えていた、一人もしていないが先程のはどうなんだろう、いやいやきっと魔法で作った何かだノーカンノーカン フーケは二人に守られながら穴の開いた道を越え通路を走る、すると途中で倒れている二人の人間を見つけた 「これ、確実に、片方…!」 「死んでない、死んでなんていませんよ、全く、ローチも酷い事をする」 そう、先程無力化した二人である、片方は泡を吹いて倒れもう片方はどう考えても力技で叩き潰した感が強い、地面真っ赤だし 勿論泡を吹いている方がローチ、レッドカーペットを作ったのがゴーストだがどう考えてもフーケの言う「片方」はゴーストの方だ 「確かに泡を吹いてた方が酷いってなら俺ですけどね!」 ローチが半ば自棄で言う、流石にそろそろゴーストの無茶苦茶な物言いにも慣れてくる 階段に差し掛かったところでローチは止まり二人を待たせる、どうやら上から降りて来ているようだ 「…クソ…仕方ない」 ローチが階段の下の階へと腰からスモークグレネードを手に取りピンを抜き投げる ガン、カラン、キンと鉄の音が下に向かって転がり落ちていく、その後少しのラグを置き煙が撒かれる
9 : 「下だ!下の階にいるぞ!!急げ!」 兵士が怒号を上げ地下一階を調べようともせず全員を引き連れて駆け下りていく 足音が遠ざかって行った頃合を見てローチが付いて来いと指示を出す 「あんた等…慣れてるんだね…」 「どっちかと言うと前方の敵を皆しにする方が慣れっこだけどな」 フーケの問いにそれ以上の答えを示すゴースト、敬語どこ行った 「お喋りは後です、ルイズに朝までには戻るつもりだって言ってるんですから」 ローチがP90を再度構え階段を上ってゆく、どうやら牢屋方面内部に人が密集したため関係の無いと思われる場所は過疎状態となっている様でザル警備だ 出口へと続く通路を走ると先程ゴーストが気絶させた人間がそのまま気絶していた、どうやらこの道を誰も通らなかったようだ 出口のドアをゆっくりと開け、周囲を確認する、先程より人が多くこのまま見つからず逃げるのは難しそうだ 「あいつを狙え、上手く行けば逃げれるようになる」 ゴーストの指示を聞きローチは一度息を深く吸いしゃがんだ状態でP90を構える、全く動かない、まるで石になったように 「足を…掠らせ…よく狙…3…2…1…許せよ」 カリンッ 数秒後に歩哨が倒れ足を押さえのた打ち回る、それに気付いた他の歩哨が足を押さえている歩哨の方へ走っていく 「急げ!」 ゴーストの声で三人が一気に外へと走り歩哨の視界外を通りチェルノボーグの監獄から逃亡した ゴーストは一頭の馬にフーケと二人乗りを楽しみ、ローチは一人で馬を操る 「ゴースト!俺はこのまま学院に戻ります、大事な妹が帰りを待ってるんでね!」 「あぁ!分かった!今日は付き合わせて悪かったな!今度礼をする!」 ローチはゴーストの言葉を聞いた後サムズアップして離れて行った 「アイツ、妹がいたのかい…?」 「あぁ、ルイズってガキの事をまるで妹のように溺愛してんだ」 「妹のように…かい」 フーケが声のトーンを暗くする 「お前にもいるんだろう?フーケ、おっと俺に敬語は似合わねぇから素にさせて貰ってるぜ」 「それも…いつばれたんだろうね…ミスタ・ゴースト?」 ゴーストには見えないがフーケが一度驚きの顔をして苦笑いする、彼はどこでその情報を得たのだろう、と 「こいつは普通にお前が言ってるのを耳に挟んだ、それと俺の事は普通にゴーストと…いや…」 ゴーストが一度言葉を途中で止め少し考え込む 「どうしたんだい?」 「サイモンと呼んでくれ、俺の本名はサイモン・ライリーだ」 にやりと笑って(見えない)明るい声でフーケに伝える 「それはアンタにとって重要な事じゃないのかい?それと…どうして私を助けたんだい…? アンタにとって私に本名を教えるのも私を助けるのにもメリットが無いじゃないか」 「あぁ?んなもんお前に惚れたからだよ、言わせんな恥ずかしい!」 「なっ…ほ、惚れたってアンタ…!」 「あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー…」 フーケが顔を真っ赤にして大声を上げる、しかし当のゴーストは鼻歌を口ずさみ馬の手綱を握ったままだ フーケは自身の容姿に自信はあったが色恋沙汰に手を伸ばす心の余裕も時間も無かった そして何よりもこれ程までにストレートな好意を向けられた事が無いのだ、セクハラしてくる人間は数あれどこんな事は一度も無かった 精神的にも身体的にも生娘なのだ、もう顔真っ赤で目も当てられない状態である
10 : そういった所で事前に場所を確かめておいたゴーストがある町で馬を停めた、町の名前は考えてない、王都以外ならどこでも良かった、ムシャクシャ(ry 「自分の首にどれだけの賞金が掛けられていたか分かるか?」 「確か…六万エキューと聞いた事があるよ」 「OKだ、全額じゃなくて悪いがその内の半分をお前にやる、それで故郷に帰って妹さんと仲良く暮らしな 一週間以内に持ってくる、それまでここの宿屋か何処かに隠れていろ、こいつをやる」 フーケは絶句して口を開けたままになる、そりゃそうだいくら惚れたと言ってもそこまでして貰うなどありえる筈が無い その上袋を一つ手渡された、ずしりと重く金属の音がする、先ほど言っていた言葉から金である事が予測される、しかし量が多い 「どうしてここまでしてくれるんだい…?」 「そうだなぁ…気まぐれだな」 「アンタ…狂ってるね…私を助けて見つかったら指名手配されるって思わなかったのかい?」 「そうだな狂ってる、それに指名手配は慣れっこさ、じゃぁな」 ゴーストは身を翻しひらひらと手を振って馬へと歩いていく 「待ちなよ…サイモン、私にはまだアンタに用があるんだからさ」 「あー?」 フーケに腕を掴まれ引き止められた事でゴーストが気の抜ける声を出す 「私は…まだアンタに礼をしていないよ…」 フーケはごくりと唾を飲みゆっくり、途切れ途切れに言葉を紡ぎ出す 「わ、私の…こんな身体でよければ…自由にしてくれていいよ…は、初めてだから…上手く…出来ないかもだけど……」 ゲームや漫画のイケメンキャラならばここで自分の身体を大事にするんだ〜等と言うだろうが残念ながらゴーストは兵士であってファンタジーのイケメンキャラじゃない 「じゃぁ遠慮無く頂いちまおう、そこのINNでいいな?フーケ」 「ま…マチルダって呼んで…サイモン」 信 頼 と 実 績 の 朝 チ ュ ン 同時刻 ・・・・・・ ・・・・・ 場所記録無し 彼女は目に涙を浮かべ必死で逃げていた、廊下を走り、草むらへ隠れ、ただただ逃げていた 「ルイズ!まだお説教は終わっていませんよ!ルイズ!どこへ行ったの?!」 彼女を追う人の声がする、彼女はいつもより視線が低く歩幅も小さい、明らかに異変だ、しかし彼女にとってそれは異変ではなかった 声をし、涙を流す、痛みがあるわけではない、ただ悔しかった、悲しかった、苦しかった 「ルイズお嬢様は難儀だねぇ」 「本当だね、上の二人のお嬢様は、あんなに魔法がおできになるっていうのに」 声が聞こえる、自分を探す人達だろう、彼女はまた悔しくて涙を流し奥歯を噛み締め逃げ出す 走り続け目的の場所に到着した、とても大きな庭にある池だ、もっと言えば目的の場所は池に浮かんでいる小船 彼女はその船に入り元々用意していた毛布に包まって顔を隠し、声をし、泣く 目も瞑り泣き続けしばらく経っただろうか、ふと目を開け毛布を取るとそこは先程までの池ではなかった 小さな小屋、窓もガラスはなく扉も無い、否、扉どころか後ろを見ると床さえも無かった、船は支えられている 「何よこれ…」 身体はもう幼き少女ではなかった、魔法学院で勉学を学ぶ今のルイズだった 船から立ち上がり隙間の開いた空間を跨ぎ横の床に立つ、恐る恐る小屋から出るとやはり知る所ではなかった 木々が生い茂り大きな湖があり、坂を上がった所には木で出来た家が建っている 立っているだけではいけない、と坂を上るとそこには信じられない光景が広がっていた 「何よこれ…!人が…!!」 数え切れぬほどの人が家の前で死んでいた、見れば家の外だけではない、家の中にも大量の人間が死んでいた、そして今も死に続けている 「ローチ、転送が完了したぞ!俺が玄関を抑えている間にDSMを回収しろ!」 家の前に見た事のある人物が聞いた事のある声で現れた、銃を構えて撃っている、どうやらローチもいるらしい ローチも家から出てきた、やはり銃を構えて撃っている、次々と人をしていた、見た事の無い光景、信じられなかった
11 : 「これより回収地点へ向かう!ローチ、行くぞ!」 その声でゴーストとローチが走り出す、自分も走り出す、怖い、怖い、怖い、怖い、ローチの元へ走る、笑って欲しい、冗談だと言って欲しい 「ローチ!待って!教えて!!これは、これは何なの?!」 しかしその声は届かない、振り向いたかと思えば自分にではなく後ろの銃を持った人をすために、立ち止まったかと思えば木の後ろに隠れるため ゴーストも同じように銃を撃ち人をし走る、二人とも服は赤黒くなり無傷どころか既に大怪我を負っている事がわかる 「今から向かいます!ローチ、行くぞ!」 ゴーストが誰と喋っているのかも分からないが何かに答えローチを呼ぶ、ローチはそれに合わせ走り出す 急に地面が炸裂する、爆発したようだ、何が何か分からない、恐怖で涙が出てくる、頭を伏せ身体を丸める 「いや、嫌、イヤ、いやいやいやああぁぁぁぁ!!!助けてよ!誰か助けてよぉ!!」 もうプライドもクソも無い、ただ怖かった、泣き叫ぶ、何かに縋り付きたい、誰でもいいから助けて欲しい しかし自分よりも遥かに恐怖を感じるはずの人間がいる事を思い出す、その二人を見ようと顔を上げたとき ローチが爆発に吹き飛ばされた、木に身体を叩きつけられ、地面を転がり落ちていく 「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ローチ!!!!」 ルイズが震える足で走り出す、しかし足がもつれ倒れてしまう、痛みは無い、ただ立ち上がり走るだけの事さえ出来ない自分が悔しい 「しっかりしろ!」 ゴーストがローチの服を掴み引きずる、ゴーストが何かを投げた、赤い煙が上がる、ルイズは立ち上がり声を荒げる 「走れ!走りなさいよ!ルイズ!!ただ前に進むだけじゃない!いくらゼロでも走るだけなら誰だって出来るわ!走りなさい!!!」 ルイズはフラフラと体を前に倒し重心を前に移動する、そしてそれを支えるように足を前に出す、それを繰り返し走る 何か空を飛ぶ変な物が先程までルイズがいた所に滞空する、ドラゴンには見えないがその何かが吼えた 後ろの人間達を紅い霧へと変化させて行く、ただしているのだ、ローチも引き摺られながら銃を撃っている 次に少し離れたところに先程の空を飛ぶ何かに似た物がいくつか飛んでくる 「頑張れ!」 ゴーストがそう叫んだ時ローチの腕が力なくだらんと垂れる、持っていた銃も放して力無く引き摺られる 「いやぁっ!!ローチ!!駄目!死んじゃ駄目ぇ!!」 ルイズが引き摺られていくローチに縋り付こうとするが手がすり抜ける、触れる事が出来ない ここでようやく理解した、これは夢なんだと、しかし夢だと理解してもあまりにも現実的過ぎる夢に完全に夢だと認識できない 自分は見る事しか出来ないのか、歯を食いしばる、触れる事は出来なくても声は出せる、聞こえていない様だが呼ぶ 「ローチ!しっかり!死んじゃ駄目!頑張って!」 ローチがうっすらと目を開ける、それにいち早く気付いたゴーストがローチの腕を掴み引っ張り上げる 「さぁ立つんだ!」 肩を支えローチも足を引き摺りながらも歩いていく、先程飛んできた何かから人が何人か出てくる 「もうすぐそこだぞ!」 出て来た内で服装の違う一人がローチとゴーストに近づく、何か…嫌な予感がする、近付かせてはいけない、そんな気がする 「DSMは持ってきたか?」 「駄目…駄目…駄目!駄目よ!」 しかし通じない、服装の違う男はローチとゴーストに近付いてしまう 「ここに!」 「ご苦労・・・これで一つ片付いた」 男は笑った、哂った、にやりと笑みを浮かべて、手を腰に回す、嫌な予感は………的中した 後ろから見る形になっていたローチの背、場所的には腰と言うべきか、そこから血が吹き出た、二度、三度、小さく血が溢れる ローチの身体から力が抜けて行くように倒れる、男はその手に銃を持っていた、この男が撃った、裏切った 「嫌ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
12 : 「何をする?!」 ゴーストが銃を手に取ろうとする、しかしゆったりと、余裕を持った動きでゴーストの頭に銃を突きつけられ抵抗の時間も無く撃たれた ゴーストの頭が大きく仰け反り血や紅い何かが背後に撒き散らされる、死んだ、確かめるまでも無い 「あぁ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 二人に触ろうとするが触れる事は出来ない、やはりすり抜ける、涙が溢れてくる、嗚咽がこぼれる 男が指示をしたのか何人かの人間がローチとゴーストを運ぶ 「やめて!やめてぇ!!」 男に掴みかかろうとするが無駄、盛大にすり抜けて転がる、倒れたまま止めてと懇願するが聞こえていない 放り捨てた二人に何かを掛けている、駄目だ、駄目だ、駄目、駄目、駄目、駄目 二人を撃った男が吸っていた葉巻を二人に投げる、止めれない、もう立ち上がる事さえ出来ない 二人を炎が包みブスブスと焼いていく、燃やしていく、自分はただ見る事しか出来なかった 「やめてええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 「やめてええぇぇぇぇぇぇ!!」 何とか夜のうちに帰って来れたと安堵したのもつかの間、ルイズが跳ね起きた 「どうした?!ルイズ、大丈夫か?」 ローチがルイズの元へ素早く移動する、たった今まで悪夢を見ていたのだろう 「はっ、はっ、はっ…」 息が荒い、過呼吸寸前である、ローチはルイズの頭に手を置き撫でる 「落ち着けルイズ、これが現実だ、いままでお前が見ていたのは夢だ、現実じゃない」 「はっ…ローチ…ローチ、ローチ!」 ルイズはローチの名を何度も呼びローチの胸に顔を埋め、泣き出した、ローチは大丈夫だと何度も言い聞かせ優しく撫で続ける ルイズは今だ鮮明に覚えている夢の内容とふとある事を思い出した、それは二人を始めて見た時である ローチは体中大怪我だらけで腹部から夥しい量の血が出ていた、ゴーストは体中大火傷を負っていた ルイズは泣きじゃくりながら夢の出来事をローチに伝える 「人が、いっぱい、ヒック、死んで、ローチと、グスッ、ゴーストが、エグッ、逃げて、二人とも、撃たれて、焼かれて…!」 「…そうか、怖かっただろう、忘れるんだルイズ」 「ローチ、お願い…ヒック…一緒に寝て…私、怖いわ…」 「あぁ、分かった、一緒に寝てやる」 ローチはルイズにしがみ付かれながら頭を撫で、歌を歌う 「Sing, sing a song Sing out loud Sing out strong Sing of good things not bad Sing of happy not sad.」 やがてルイズは安らかな寝息を立てて再度眠りの世界へと旅立った 「使い魔の契約…メリットは大きいが何かヤバイ物があるな…俺の過去の記憶を見たのか…?」 グローブで覆われた左手の甲を見て小さく呟いた
13 : 以上です、本当に申し訳ありません、以後このような事が無いように最大の注意を持ってやって行きます 思えば私は投下すれば高確率で何かに引っかかっている気がします。何が悪いんでしょうか、私ですね、今回は私の注意力のせいです もしこんな阿呆でも許してやるよ、と思われる方が居られましたらどなたか本スレへの代理投下をお願い致します、本当に心から謝罪申し上げます ---- ここまで ---- 以上、代理投下でした。 それでは、今年もマイペースで進めることになりますが、よろしくお願い 致します。
14 : 作品の投下はとても素晴らしい、そぉだろぅスティンガーくぅん?
15 : トリップつければおk
16 : >>14 そ、そうだよね、素晴らしいよねコーウェンくん
17 : トミーロッドのパラサイトエンペラーvsキメラドラゴンの合成生物対決、勝つのはどっちだ!?
18 : しまぶー作品が他と比較できる規模と思うなw 子供にすげーって分かり易くする為に全部桁違いだから >>萌え萌えさんとCoDさん投下&代理乙 次スレが無かったのはあれだが巨大AAで埋められるよりは有意義だったと思うぜ!
19 : いや流石に次スレへと誘導どころか、立てもせずに埋めるのは糞だろ 投下前にちゃんと残りバイト数は確認しておくべきだし、しっかり次スレを建ててから前後に分けて投下 無理だと途中で気づいたなら一旦中断して、誰かに頼んで立ててもらい誘導してから続きを投下する 当たり前のことだろ
20 :
21 : >>19 が必死すぎてワロタ あのスレ学者かよw
22 : 最悪重複することだってないとは言えないんだし 最低限の配慮や払うべき注意が欠如してたのは事実
23 : あの回収任務は明らかに141を壊滅させる為の作戦だったもんなあ
24 : ちょっとキモイ
25 : セイロンでも汚く罵る口調だといかんね
26 : CoDの人が浅慮で間抜けだったというだけの話だな 謝ってるし今後やらなければいいと思うけどね これを機にテンプレに入れておいてもいいんじゃないの?注意事項として
27 : そういえば、専ブラだと容量出ないのな。
28 : >>27 chaikaだと出るけどね。
29 : 初夢はルイズが48年後のトリステインに飛ばされる話だった
30 : >>29 なんじゃ、そりや? 猿の惑星みたいに未来に飛ばされて「ここはハルゲニアだったんだ」と泣け叫ぶルイズを想像した。
31 : お久しぶりです。10話が完成したので誰もいないようなら10分後ぐらいに投下したいと思います。 なんか色々遅くて済みません、失踪とかするつもりはないので 生暖かい目で見てもらえれば幸いです
32 : ゼロと魔王 第10話 聖剣 フーケが聖剣を奪って逃げたのち、生徒は全員寮に帰されていた。 だが、ルイズ達は帰らず、今は学院の外にいた。 「ちょっとラハール!なんで寮に帰らずに学院から出てるのよ!!」 ちなみに、学院から出れた理由は、フーケが現れ、学院全体が混乱していたからである。 もっとも、最初はラハールだけが行こうとしていたのだが、それにルイズ。ギーシュ。それになぜかタバサやキュルケまで付いて来ている。 「エクスカリバーを取り戻すのだ」 「ハァ?何言ってんの?大体それは教師が取り戻s・・・」 ルイズがラハールを説き伏せようとしたのだが、すべてを言う前にラハールが遮った。 「出来るわけがなかろう」 「・・・え?」 ルイズとしても理解が追いつかなかった。 たしかに、フーケはかなり強力なメイジなのだろうが、学院の教師もトライアングルメイジや、スクウェアメイジがいるのだ。 その強力な教師の何人かが向かえば、討伐自体は難しくないのでは?というのがルイズの率直な思いだ。 だが、ラハールの答えはかなり簡潔なものだった。 「それならば、オレ様が本気を出して勝てる奴があそこにはいるのか?」 ラハールが強いのは、戦ったギーシュとキュルケは知っているが、それでもラハールの本気を知らないこの2人は、ラハールが何を言っているのかを完全には理解できていない。 だが、ルイズは召喚した時、ラハールの強さを目の当たりにしている、そして今ラハールが言っているのは、あの時の力を出したラハールに勝てる奴がいるのか?と言う事である。 当然答えはノーであるが、それだと分からない事がある。 「・・・フーケはそんなに強いの?」 ルイズの質問はもっともだろう、ラハールが本気を出して戦わなければ、勝てないと言っているのだから。 だが、ラハールの答えは違った。 「あいつ自体の強さは知らん・・・知らんが、まずいのはあいつではなく、エクスカリバーの方だ・・・」 「どういう事?あれは儀式用の剣だって話よ?」 「儀式用?バカを言うな、あれ自体が強力な魔力を持つ剣だぞ?」 「でもそう言うのって、大体主を選ぶ、とかそんなものなんじゃないの?」 いまいち話を飲み込めていない感じのキュルケであるが、除け者はごめんだとばかりに思った事を質問する。 それの質問に対して・・・と言うより、キュルケ自体に嫌そうな顔をしながら答えた。 「たしかにあの剣はオレ様を主に選んでおるが、漏れ出た魔力がその剣を持った奴に作用して、そいつを強化してしまうのだ」 説明しながら、あの時の事を思い出して、また嫌そうな顔をする。 「よく分からないが、どこへ行っているのかね?と言うより、フーケの居場所を知っているのかね?」
33 : ギーシュが皆が少なからず思っていたことを口に出して聞いた。 それにラハールは、面倒そうにだが、きちんと答えた。 「知っていると言うより、エクスカリバーの魔力を追って行っているだけだ」 簡単な風に言っているが、本当の所、ラハール自身そういう事が苦手なため、自信はない。 だが、エクスカリバーの所有者と言う事と、エクスカリバー自体が発する魔力自体が膨大なため、かろうじて、こっちなんじゃないか?という具合である。 この場にエトナかフロンかオゾンがいれば、そっちに完全に任せるのだが、残念ながらいないため、自分でやるしかないと言うのが現状である。 少し歩いたのち、エクスカリバーの魔力が漏れ出ている小屋を発見した。 「・・・ここか」 ラハールが身構えたのを見て、キュルケとタバサは警戒を始めた。 ギーシュは態度だけは変わらない感じであるが、緊張しているのを隠せていない。 そして、その中で一番役に立たないルイズだが、せめて心構えはと、堂々としている。 「・・・作戦は?」 「ふん、決まっておろう・・・奴がエクスカリバーを持つ前に勝負をつける!」 それは作戦か?と思わなくもなかったが、時間を掛けるわけにもいかないため、奇襲で一気に片を付けるのには全員が賛成だった。 そして、全員が身構え、自分が使える最大の魔法を小屋にぶち込んだ。 派手な爆発や爆炎氷の矢で小屋は跡形もなく吹っ飛び、終わったかと思ったが、爆発で巻き上げられていた土煙が晴れたその場所には、エクスカリバーを持ったフーケが立っていた。 「ゲホッ!ゲホッ!・・・なんだい一体・・・」 どうやら運悪く、エクスカリバーを持ち上げた所に魔法を叩き込んだため、当のフーケ自体にはさほどダメージはなかったようだ。 だが、これで一気にまずくなったのはラハール達だ。 数の上では勝ってはいるが、相手はエクスカリバーを持っているため、どう考えても勝ち目はない。 「チッなんでここが・・・!?」 フーケも自分が置かれている状態に気がつき、ゴーレムを作ろうとするが、それよりはやくラハールは動き、すでに相手に斬りかかっている。 フーケはどうしようもないとさとり、バックステップで避けるが、そのバックステップでとんだ距離がおかしかった。 あきらかに10メイル以上元いた場所から動いてる、普通の人間の動きではまずない。 それだけ飛べば、ラハールでもすぐには距離を縮めれない、そしてフーケは、ゴーレムを一瞬で作成した。 「この剣を持ってると調子がよくてね!さあ、この場所を知った以上、生かして帰さないわよ」 「チッ!【メガファイア】」 ラハールが、フーケめがけてメガファイアの魔法を放つが、ゴーレムに阻まれてしまう。 そしてどうやら、エクスカリバーの力で、フーケ自身のスペックを底上げされており、ゴーレムには焦げ目ひとつない。 「な!?私の魔法を相した魔法よ!?」 それに一番驚いたのはキュルケだった、なぜならそれは、自分の魔法も通じないと言う事なのだから。
34 : 次にタバサが魔法を打ち込んでも、同じようにゴーレムに阻まれる。 当然、ゴーレム自体は傷一つない。 ギーシュは言わずもがな。 「なら物理攻撃なら!!」 ラハールが斬りかかるが、自分の手がしびれるだけでダメージを与えられていない。 「デルフ!根性で斬ってみせろ!」 「相棒無茶言うんじゃねぇ!斬る前にこっちが折れちまう!」 「えぇい!使えん奴め!!」 ラハールの無茶ぶりにデルフが反論するが、今はそれでころではない。 「惨めだねぇ、まあ、これでもくらって死にな!!」 そういう言ったと同時に、ラハールにゴーレムの拳が落ちてくるが、ラハールは難なく避けてしまう。 どうやら、堅いばかりでスピード自体は普通のゴーレムと一緒ぐらいみたいだ。 何回か殴ろうとするがまるで当たらない。 周りではキュルケやタバサ、それにギーシュが魔法を当てて来るが意味は全然ない。 だがさすがに面倒になったフーケは、攻撃目標を変更した。 「おやおや、そこのお嬢ちゃんは腰を抜かしてるのかい?」 「え?」 それは、腰を抜かして地面に座っているルイズだった。 これがただのメイジならば、ルイズも腰を抜かすなんてことはなかったろう。 それどころか、ゴーレムに魔法の一発でも入れていただろう。 だが、エクスカリバーを持ったフーケは魔法が効かなく、絶対的な強さを見せている。 それが、ラハールと初めて会った時の事を思い出し腰を抜かしたのだ。 「まずは、弱いのからってね。まあ、運がなかったね」 そう言い、ゴーレムの拳がルイズにせまる。 キュルケとタバサとギーシュは別の所に移動しており、ルイズを助けることは不可能だ。 だがそこへ、ラハールが突っ込み、ルイズを掻っ攫って行く。 「あ、ありがt・・・」 「礼はいい・・・それよりオレ様の力を元に戻せ!!」 一瞬何を言われたのか分からなかった、だが、理解するのに時間はかからなかった。 「待って・・・待ちなさいよ!それって・・・」 「今奴に勝つにはオレ様の力を戻さないと無理だ。そうでないなら、あとは全滅だけだが、オレ様はこんな所で死ぬつもりは毛頭ないからな」 ルイズも頭では分かっている、今生き残るためにはラハールの力を元に戻す以外ないだろう。 だが、元に戻せるかもわからない上に、そして、それをすれば、ラハールがもう二度と自分の所には戻ってこないような気がした。 それはそうだろう、自分はえらそうに言うだけで、ラハールの足ばかり引っぱっている。 今さっきもそうだが、聖剣杯の時も自分のせいで負けた。 これで見放されない方がおかしい、そして、そこまで考えて今度は別の意味で怖くなってきた。 たしかに、出会った時も怖かったが、今はそれ以上に大切な使い魔だと思っている。 自分を認めてくれた、そして、いやいやながら自分の使い魔になってくれているこの使い魔が自分から離れる事が。 「えぇい!何を迷っておるのだ!」 「??????どうせ・・・」
35 : 「あぁ?何か言ったか?」 「どうせあんた、私から離れるんでしょ!!」 その言葉にラハールはこう答えた。 「あたり前であろうが」 それだけの言葉なのに、ルイズはひどくさびしく、そして悲しくなった。 だが、その先の言葉は意外な物だった。 「オレ様は魔界の王だから、ずっとここにいるわけにはいかん。だがな、オレ様はこの世界が気に入ったから当分いるぞ?」 「・・・・え?」 「まあ、どうせ今帰っても暇なだけだしな、それならばこっちにいた方が何倍も楽しめるしからな。感謝しろよ」 いつもなら、バカを言ってるんじゃないわよ!ぐらい言うのだが、その言葉を聞いてうれしくなった。 そして、自分の足で立ちあがった。 「ありがとう」 それは素直な自分の気持ちで、そして感謝の言葉だ。 「さて、あいつを倒すぞ!」 「うん!」 そして、ルイズはラハールに命じた。 「あなたの力を開放しなさい!」 それでラハールの力が戻るかわからないが、そう言えばいいような気がした。 そして、その予感通りラハールの力は解放される。 「ハーハッハッハッハッハハッハッハ!!魔王ラハール様 完 全 復 活 !」 ラハールの力が戻り、ラハールの魔力が暴風の様に荒れ狂う。 ルイズ以外の全員があまりの魔力に呆然としていた。 それはそうだろう、少年の様な成りをした人物が放出していい魔力量ではない。 だがそれは、ただの少年ではなく、正真正銘の魔界の王である。 「さ〜て、オレ様に刃向ったらどうなるかその体に教えこんでやろう」 この場面にエトナが居れば、「言い方がエロいですよ陛下」ぐらいの軽口を叩くのだが、今は誰もがラハールの魔力に驚き軽口を言う余裕がない。 「何か物足りんな・・・まあいい、さあ素直にエクスカリバーを返せば見逃してやらんでもないが?」 「・・・・ハッ!?ば、バカを言ってるんじゃないよ!今の私は誰にも負ける気がしないよ!」 「ふん、すでに負けるフラグをたてるとは、やるな貴様」 「馬鹿にしやがって!もういい!!つぶれな!!!」 ゴーレムがラハールを殴ろうとし、直撃する直前でズドーンと言う轟音と共にひっくり返った。 「な!?一体何をした!?」 「見えなかったのか?それなら今度はゆっくりやってやろう!」 ラハールは飛び上がってゴーレムの頭に手刀を落とした。 ただし、かなり距離が離れており通常ではまず当たらない。
36 : だが、またしてもズドーンと言う轟音が響く。 「魔法か!?」 「馬鹿者、オレ様はまだ魔法を使っておらんぞ?これは単なる衝撃波だ」 今この空間にいる人間は全員あまりのスケールに、驚いたと言うより、呆れかえっていた。 それでもフーケだけはすぐに正気に戻り、ゴーレムを立たせてラハールに掛かっていこうとする。 「つまらんな、まあいい、そろそろ終わらせてやる」 立ち上がったゴーレムは拳を構えて、殴りかかろうとした所にメガファイアの魔法で牽制する。 もっとも、今回はゴーレムの手が消し飛んでしまったが・・・ それでも、エクスカリバーで強化されたフーケには、消し飛んだ腕はすぐに修復させ、すぐに体制を立て直す。 「チマチマしても仕方ないか・・・ならば大技で片を付けてやろう」 一気に魔力を高め、技を発動させると、魔力を固めた球がゴーレムの周りに集まった。 1つ1つが高魔力で作られた球に囲まれ、逃げる事は不可能だ。 「ッ!?」 「さあこれで終わりだ!【魔王玉】!!」 すべての魔力球が一斉にゴーレムに襲いかかり、一斉に爆発し、破壊の限りを尽くした。 その破壊され尽くされた場所では、魔界の王が高笑いをしていた。 「ハーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」 ちなみに、ルイズ達は、少し前にシルフィードで空に逃げていて無事だった。 そして、全員の感想はこうだ。 (うわ〜・・・・) さすがに全員フーケに対して同情していた。 ラハールはひとしきり高笑いをしたあと、満足したのか、爆心地からエクスカリバーを探し始めた。 それに続いてルイズ達も空から降り、探し始める。 エクスカリバーを見つけたのは、それから少ししてからである。 ちなみに、フーケはエクスカリバーを持っていたおかげで、ラハールの放った魔王玉をくらった後でも、五体満足でのびていた。 フーケからエクスカリバーをとり、ラハールはエクスカリバーを虚空に消した。 「まったく、面倒な事をさせおってからに・・・」 ここに、オスマンかコルベールがいれば、ラハールがあの時に返してもらわなかったからと突っ込むのだが、生憎とそのやりとりを知っている者は今誰もいない。 「ねえラハール?あんたそれ使うの?」 「ん?・・・・・・・・」 ラハールとしては、本気でいい思い出がない剣なだけに、あまり使いたくないと言うのが現状である。 なので適当に話をずらすことにした。 「そんな事はどうでもよかろう、それより、オレ様の力を封印するのならとっととしろ」
37 : 「え?なんで?」 「そうだよラハール、なぜそれだけの力を持っていながら封じるんだい?」 「そうね、普通にそのままでいいんじゃない?」 タバサ以外の3人は、なぜラハールがそんな事を言うのか、本気で分からなかった。 だが、ラハールの返答はかなり簡単なものだった。 「力を封じられた状態の方が面白くなりそうだと思ってな。それに、この世界の住人はオレ様が本気を出したら手も足も出んからつまらん」 「何それ・・・まあ、いいわあなたの力を封じるわ」 その言葉だけで、ラハールの力が封じられた。 「この封じられるときの感覚は好かんな・・・まあいい、それでは帰るか」 その言葉に、全員が勝手だと思い、そして全員が賛成した。 そして、これは、とあるメイジに召喚された魔王が、世界を巻き込んで大暴れする幕開けでしかない。 所変わって・・・と言うより、世界変わってここはラハールが治める魔界の魔王城、そこでとある天使がラハールを探し回っていた。 頭にバンダナをまいたこの天使は、とある事件からラハールの事が好きになった天使である。 ちなみに、フロンの妹で、名前はオゾン。 「おーい!ラハール!遊びに来たよー!・・・ダメだ、いやしない」 ラハールの私室に行っても、棺桶があるだけで中にはラハールはいなかった。 そうこう探している内に、ロクな物はない(サクラ談)の宝物殿に来ていた。 「ここにいるわけないk・・・うん?なんか変な物を感じるな」 そして、宝物殿の中に入り見つけたのは、時空のひずみだった。 「なんでこんな所に?まあいいや、ここにもラハールはいn・・・」 いないと言おうとして、ラハールはよくこういう事に巻き込まれると言う事を思い出した。 そして、今邪魔な姉は天界にいる、そしてあの魔神も仕事で出てるらしい・・・つまりラハールは1人で巻き込まれたのでは?という推理にたどり着いて。 「今ならラハールと2人きりじゃん!」 と言う、結論にたどり着いた。 それでも、さすがになんの確証もなく突っ込むのはないなと思い直し、一度宝物殿から出ようとしたところで事件が起こった。 「あ!オゾンちゃんだ〜!」 六角帽子をかぶった子供がオゾンに突っ込んできた。 「え?ちょ!?」 バランスを崩し、六角帽子の子供共々時空の歪に入り込んでしまった。 そして、後に残ったのは、時空の歪だけであった・・・
38 : 今回はここまでです。 次はもう少し早く上げれるように頑張りたいと思います。 それでは次回まで待っていてください
39 : 魔王さん乙 無理はせずご自分のペースで長く続けて下され
40 : 新年からいろいろ来てくれてうれしいもんだ
41 : 魔王さん乙っす。 いいね、面白くなってきた。 ファミ通文庫組の自分としてはワクワクしてきた(笑)のでこれからも頑張ってほしい。 あと力のリミッターという設定が面白いと思った。 なんか新年開けてから懐かしい顔触れ続出で・・・ いったい何が始まるんです?
42 : アーマゲドンだ(キリッ
43 : タルブにネオデンマークのMF母艦が不時着 内部に搭載されていた未知の兵器、ガンダムはハルケギニアの戦争を一変させた しかし、そのあまりの強さが世界の破滅を招かぬために、世界は4年に一度、各国代表のガンダムを戦わせ その優勝国に4年間の世界の統治権を与えるガンダムファイト構想を定めた そしてブリミル暦6242年、第一回ハルケギニアガンダムファイトがラグドリアン湖で開かれる マルトー「ガンダムファイトーッ!」 リュリュ「レディ・ゴー!」
44 : テスト
45 : 過疎ってる?
46 : 「風の偏在(キリッ)」とかやってドヤ顔してるワルドに、それを上回る分身技をぶつけてみたい。 個人的には偏在を使った直後に、周辺の物影から… 「しまっちゃうよ〜」 「しまっちゃうよ〜」 「しまっちゃうよ〜」 『でゅ〜わ〜♪』 と、しまっちゃうおじさんの集団とか。
47 : 分身と言えば、やきたてジャパンの世界レベールのピエロだな
48 : ナルト「影分身の術!」
49 : ワルド「僕の偏在より数が多いなんて!」 朧「あなた、もっと技の本質を見極めなさい」
50 : 銀時の空気嫁分身でワルドを圧倒
51 : スーパースリーのマイトなら
52 : 紅麗と幻十郎(だっけ?) 分魅使うの あとスパロボより ヴィンデル、アリア、ハルノ いずれも機体性能でしょって突っ込みは無しにしてw カイ少佐は本人込みで増えるけどね
53 : 13:20から小ネタを投下します。 「キガタガキタ!」から「鬼形冥」召喚です。
54 : 「ルイズガキタ! 〜『キガタガキタ! 「恐怖新聞」より』より〜」 トリスタニア・某街道の某交差点。 横断しようとする人々を遮断する棒が下り、その外側には人だかりができている。 その中、それも遮断機のすぐ前に黒髪メイド服の少女・シエスタの姿があった。 反対側にある遮断機のすぐ向こうに、1人の少女の姿があった。シエスタがいる位置からでは、顔は棒で隠れて見えない。 するといつの間にかその少女が遮断機の内側に侵入し、シエスタの方に接近してきた。 「あ、渡れますね」 「え!?」 一緒にいた同じくメイド服の少女の声も気にせず、シエスタは遮断機をひょいとくぐって街道を横断しようとする。 ──シエスタは後にこう語っている。 『向こう側から女の子がごく自然に渡り始めたのが見えたんです。だから私も誘われたようについつい渡ってしまったんです。……え!? 女の子は確かにいましたよ。……誰も見ていない? そんなはずはありません』 と──。 シエスタとすれ違いしばらく歩いたところで、少女は目を見開いて振り返った。 ……首を半回転させて。 「馬車に轢かれてぺっしゃんこ、馬車に轢かれてぺっしゃんこ」 街道アンジー 以前この交差点で轢かれた少女が地縛霊となったものである。 「アンジー」は本名ではない──という噂もあるが、詳細は定かではない。
55 : アンジーが伸ばした腕は蛇のようにうねりつつ伸張し、シエスタの頭部をわしづかみにしようと迫る。 ……が、その直前、少女のものと思しき手がアンジーの手首をつかみその動きを封じる。 「そこまでよ、この悪霊め!」 桃髪の少女・ルイズがアンジーの腕をひねり上げた直後、ルイズの傍にいた少年がシエスタを抱き寄せる。 そのシエスタの額をかすめて、数十台の馬車の列が高速で通過していった。 「あ……、わわわわああー!?」 目の前を高速で通過していく馬車の列に、シエスタは驚愕の声を上げた。 「失敗!? 失敗失敗失敗失敗失敗失敗──ちっ」 アンジーは忌々しげにそうまくし立てると、ごそりと体が崩壊していった。 「逃げたわね」 「いいさ。お前など敵ですらない」 ルイズ・少年がそう言った次の瞬間、遮断機が上がり人々が3人の元に到する。 「わ……、うあーっ! 何をやってるんだ、君達は!」 「え? え?」 「シ……、シエスタ、大丈夫? 怪我は無い?」 「い、いえ、あの……」 「いきなり遮断機をくぐるなんて……。自でもする気だったのか!?」 「そ……、そんなあ」 シエスタは何が何だかわからず、ただ狼狽するばかりだった。 「し……、知りません。私知りません」 一方、ルイズ・少年は集まってきた人々とは別の方向に視線を向けていた。 (そうよ、彼女は知らない事なのよ。少女のふりをした地縛霊の仕業なのだから) (これが起こる事を知っていたのはボクとルイズ、そうしてもう1人) 2人の視線の先には、新聞紙が集まって形成されているような巨大な女性の頭部が空中に浮遊し、2人をじっと見下ろしているのだった。 「あんたは全部知ってるのよね、恐怖新聞!!」 「お前には負けない!! 『予言』は全て覆してやる!! 『鬼形礼』のような犠牲者はもう出させない──そう誓ったんだ!」 2人の名はルイズ・ヴァリエールと鬼形冥。恐怖新聞に取り憑かれたメイジと使い魔だ。
56 : その夜、2人は14歳になったばかりだった。 「シンブーン!!」 声と共にルイズの部屋の窓を突き破って、新聞が室内に飛び込んできた。 「うわっぷ! な……、何よ!?」 眠っている自分達の顔面に覆い被さってきた新聞を、ルイズは慌てて払いのける。 「し……、新聞!? 誰だよ、こんな悪戯するのは〜」 目を擦りつつ2人は枕元の時計に視線を移し、うんざりした表情になる。 「……夜中の12時!?」 だが、1面に掲載されている記事の内容に2人は思わず目を見張る。 『恐怖新聞 深夜刊 現代の予言書 恐怖新聞が再び!! 鬼形一族の1人である鬼形冥と彼を召喚したルイズ・ヴァリエールは、本日14歳となったため恐怖新聞を購読する資格を得たと判断された。 そのため、35年間発行停止となっていた恐怖新聞が再刊となった模様である。 恐怖新聞の購読料は100日分の寿命であり、これは何人たりとも例外無く漏れなく徴収されるものである! (恐怖新聞は予言が外れた場合、代金とされる100日分の寿命は頂きません)』
57 : 時間は進んで2人がシエスタを助けた日の深夜、2人は寮の自室で就寝準備を整えていた。 「今日は何とか覆す事ができたけど、守るだけじゃきついわよ。まったく!」 と言いつつ2人がベッドに入った直後、枕元の時計が12時を示し……、 「シンブーン!!」 声と共にルイズの部屋の窓を突き破って、新聞が室内に飛び込んできた。 降り注いだ新聞紙と窓ガラスの破片に布団から這い出す2人。 「くそっ、ゆっくり眠る事もできないのか! で……、明日は何があるってんだ!?」 舌打ちしつつ配達された恐怖新聞に目を通す冥だったが、すぐにルイズ共々顔色が変わる。 直後、2人は寮を飛び出し町へと駆け出していくのだった。 (人の不幸を予言する恐怖新聞は、書かれている事に外れる事が無いわ。つまり不幸のみをもたらす新聞よ。だから──) 深夜の住宅街を全力疾走するルイズ・冥。2人の脳裏には先程配達された恐怖新聞の見出しが浮かんでいた。 『鬼形冥とルイズ・ヴァリエール、予言の阻止失敗!? 2回目の事故を見逃した』 (予言は今回2回目があったんだ! 午後6時と午前1時と! 昨日の新聞には午後6時の分1つしか出ていないから、騙されたんだ。くそっ、でもそれは詐欺だろ) その先にあるのは、2人が夕方事故を防いだ街道の交差点。 (──だから私達はその予言を外れさせるのよ。不幸を止めるのよ)
58 : 一方その頃、件の交差点では……。 「んっ、んっ」 若い女性が1人、石畳の間の隙間に足首を挟まれ立ち往生していた。 「やだあ、抜けない! もう、何で……? 馬車が来ちゃうよ。誰かいないの!?」 「きゃはははははははははは! そうよ、あたしが邪魔してるから抜けないのよ。大好きよ大好きよ、もう放さない!」 必死で足を引き抜こうとする女性には、アンジーの長く伸張した四肢が幾重にも絡みついていた。 幾つもの馬車の前照灯が交差点を照らし始める。 「ほらほらほらほらほらほら! 轢いて轢いて轢いて轢いて! 轢け轢け轢け轢け! 一緒に轢かれてぺっしゃんこ!!」 女性が絶望の表情で光に視線を向けたその時、 「恐怖新聞と共謀してボク達を騙したのか。力の無い地縛霊のくせにやるじゃないか。だけどな」 「確かに私達には霊能力は無いけど、悪霊に対抗する知恵はあるのよ!」 そう言いながら、ルイズ・冥が花束片手に息を荒くして到着した。 そしてアンジーの横っ面に花束を叩きつける。 「!? ンギギギギギギギ……」 すると花束の花が吸い寄せられるようにアンジーに突き刺さり、さらに高速回転してえぐり始める。 「痛いだろう! 当然だ! その花はお前が死んだ場所に供えられていた花だ。みんなの『心からの善意の花』だもの!」 「あんたがここで死んだ時、みんなが悲しんだわ! だけどあんたはそんなみんなに逆に嫌がらせを始めたのよ! 『もっと同情しろ』『もっと優しくしろ』っていうねじくれた根性があんたを悪霊にしたのよ。悪霊の身に『善意』は辛いでしょう」 「ガガガ……、ギギギギ」 花にえぐられる苦痛に堪えきれず、アンジーは身をよじって女性から離れかける。 「あんたの不幸は馬車に轢かれた事じゃないわ。生きてる人間を妬んだ事よ!!」 「他人を巻き添えにするな! 迷惑だ!!」 この機を逃がさず、ルイズはアンジーを女性から引き剥がし、冥はその女性を抱え街道の外に跳び退く。 (あんたのような甘ったれた悪霊がいるから、恐怖新聞みたいな悪霊(やつ)までが図に乗ってはびこるのよ!!) アンジーを正面から馬車に叩きつけた後、ルイズも遅れて街道から跳び退いた。 その場に取り残された女性の鞄が馬車に引きちぎられて、中身が路上に散乱する。 「あ……、悪霊なんか、『へ』でもねーや!!」 「あああああ! また邪魔をまた邪魔をまた邪魔を! しかも私を馬車にぶつけたな2度轢きしやがったなあああ──」 馬車の正面に貼り付いたアンジーの声が次第に遠ざかっていく。 その上空では、夕方にも出現した新聞紙で形成された女性の頭部が忌々しげに2人を見下ろしていた。 (『ちっ、失敗か』って顔をしているわね)
59 : ──今は亡きキガタレイへ。 私とメイは毎日が恐怖新聞との戦いです。神経が磨り減る事ばかりです。大変です。 でもやめません。あなたのような犠牲者を出さないためにも戦い続けます。 私とメイが無事生き残れるよう、あなたも見守っていてください。 ルイズ・ヴァリエール──
60 : 以上投下終了です。
61 : 乙 そういやアニメ始まったな
62 : 乙 本家の恐怖新聞をネタにできないものか…
63 : 分身。ハゲマントさんの反復横跳びとか
64 : 分身… パワポケのデイライトの能力なら光の屈折利用して分身(但し立体映像)できるんじゃね?
65 : 仮面ライダーBLACK・RX・ロボ・バイオは分身に入りますか?
66 : それいうんだったらゴジラとビオランテやスペゴジだってねえ
67 : メフィスト先生の針金細工とか
68 : 柳生十兵衛の離剣の剣や スプリガン、ボーマン教官のドッペルゲンガーは おもしろい勝負が出来そうだ
69 : 流石にWaqwaqのカーフはマイナー過ぎて名前挙がらないかw
70 : 忍者戦士飛影だな
71 : ココウケンのカストロさんを忘れてもらっては困る
72 : フォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォフォ
73 : ガタガタキリバガタキリバ 火野映司(全メダル付き)が召喚とかはまだないんだっけ
74 : ズバッと参上ズバッと解決なあのヒーローなら間違いなくワルド以上の遍在を魅せてくれる。 そろそろ戻ってこないかなぁあの人も。楽しみにしてるんだが
75 : 忍者といえばハットリくんを忘れてはいかんでござるよ
76 : トリックベントですね、わかります
77 : なにげに「ピューと吹く!ジャガー」のハマーさんも分身が出来る。 実は結構スペック高い
78 : ザ・ペインも蜂使った分身が出来たな
79 : 実は六つ子
80 : 甘いぞ!ネオドイツのゲルマン忍者を忘れるとはなにごとだ!
81 : >>79 ドラゴンボールのムラサキの分身の術がそういうオチだったな 六子じゃくて五つ子だが
82 : 小ネタ投下乙 ・・・実は今年の初夢が恐怖新聞を投擲される夢でした
83 : >81 あ、そうだっけ? おそ松君とのダブルミーニングのつもりだったんだけど。
84 : ドラゴンボールで分身と言えば天さんでしょう。
85 : セルがセルJr.を生み出すのはアリかな?
86 : ルイズもサイトも自業自得な面は確かにある、チートやる奴らはそういうもどかしい点も気に入らないんだろう が、そういう奴らはたかが16、7の子供になにもかもうまくやれと言うことがそもそも神視点の無理ゲーということに気づいてない
87 : 分身といえば、マーベルからマルチプルマンを呼んでみては。 時々分身が勝手なことをしだすけど。
88 : しまった誤爆した
89 : どうもうつけですこんばんは。 三話目がまだ半ばだったりしますけけれど、時間が大丈夫でしたら4時20分より二話目投下したいと思います。 だんだん長くなってきたので不安がいっぱいです。
90 : 『豊久』 自分を持ち上げて誇らしげに笑う父。周囲を囲む仲間たちもその光景を見ながら笑みを浮かべ、口々に豊久を褒めちぎる。 沖田畷(おきたなわて)の戦い。元服もまだしていなかった豊久が初陣を飾った大戦。激化が予想され、一度は本国へ帰還することも命じられたほどの戦で、豊久は見事、武将の一人を討つという快挙を成し遂げた。 『初陣で侍首か! 良か! 良かにせじゃ!』 手放しに褒める父に、豊久も思わず笑みを深める。あどけなさの抜けていない顔つきは「にせ(若い青年)」と呼ぶに相応しく、着込む鎧もまだ大きい。それでも確かに豊久はこの日、一人の武士となった。 それが誇らしく、嬉しい。自分を抱き上げている父、家久も同じ思いだろう。 島津家久。豊久の尊敬する、今は亡き親父(おやっど)。 『豊久!』 「……っど。親父!」 怒鳴るように出た自分の声で、豊久は眼を覚ます。跳ね起きた体にはサラシのようなモノが巻かれているが、出血どころか傷口さえもほとんど見られない。 確か自分は、直政の首を落とさんと槍兵に飛びかかり、至る所を刺されたはずだ。そんな傷がこんなに早く良くなるはずない。 そして何より、自分は山の中を歩いていたはず。と豊久はそこまで思い出し、周囲を見渡した。石造りの壁に、見慣れない物の数々。部屋の入り口はやたら重厚な造りをしており、城の門を思わせる。あるいは牢獄か。布団が台座の上にあるのも、奇妙な話だ。 「……どこだここは」 到底地獄には見えない光景に、豊久は呟く。もちろん行ったことがあるわけではないので、地獄である可能性も考えてはいるが、どちらかと言えば極楽浄土だろう。少なくとも聞き及んでいた地獄ではない。 あるいは、もしくは、 「俺(おい)は、死んじゃなかのか?」 それが一番現実的な考えだろう。だとしたら次は、一体誰が自分をここに連れてきたかだ。徳川はあり得ないだろう。だとしたら農民か。それなら農民に嫌疑がかかり迷惑をかける危険性がある。 ここまで良くしてくれた人らに迷惑かかるのは忍びない話だ。その前に腹をかっさばくか出ていかねば――とまで豊久が考えたその時、音を立てて扉が開いた。瞬時に布団の横に立てかけてあった刀を抜こうとして、止まる。 「あ、良かった、目が覚めたんですね。沢山お怪我されていたと聞いていたので、もう少し眠っていられるかと思いましたが」 入ってきたのは、これまた見慣れぬ服を身に纏った、一人の少女だった。抜きかけた刀を、豊久はとりあえず納める。 「お腹空いていますよね。今お食事お持ちします」 そんな明らかに攻撃意思を見せた豊久にも、少女はにっこりと笑ってみせた。 第二話 「見知らぬ国のトリッパー」 部屋を後にした少女は、その手に銀の盆を持って戻ってきた。盆の上では器に入れられた白い液体とも言えない物が湯気を立たせており、室内に匂いを充満させる。腹が鳴って豊久は自分の空腹に気付いた。 「お待たせしました。どうぞ、食べてください」 盆を豊久の膝上に起き、少女が微笑む。食べてください、ということは食べ物なのは確かだろう。濁りに色は似ているが、匂いは全く違う。 加えて盆の上に箸は無く、代わりに杓子のようなものが置かれていた。多分これで掬って食べればいいのだろう。不慣れな手つきで持ち、白い液状のものを掬って食べる。 一口目で、目を見開いた。器を直接持ち、一気に平らげる。途中野菜や肉があり、それも程良く煮込まれていて美味い。食べ始めてから豊久は一度も器を置かずに白い物を食した。あまりの勢いに驚いたのか、少女が目を丸くしている。 「だ、大丈夫ですか? そんな一気に食べて」 「大丈夫じゃ。こげんにうまいものは、初めて食うた」 本心からそう伝えると、少女は嬉しそうに笑い、礼を言う。が、豊久の物言いに引っかかったことがあるのかすぐに表情を変えて、不思議そうに豊久を見た。 「でも初めて、ですか?」 「おう、何ぞこれは」 質問に少女は僅かに不思議そうな顔をしたまま、食べ物の名を教えてくれた。「しちゅー」と言うらしい。聞いたことの無い名だった。
91 : 「しちゅーか。どこの飯だ?」 「えっと、特にどことは……。やっぱり、シチュー自体初めてなんですね」 「はあ、本土はこげん美味いもの普通に食うとるのか」 驚き混じりに、と豊久は呟く。薩摩の飯も美味かったが、こんなに肉がごろごろ入ってることはあまりない。 「どこから来たんですか? えっと……」 少女が言い淀んだ理由を、豊久は理解する。そういえばこっちも相手の名前を聞いていなかった。立つ少女へと向き直り、布団の上に正座をする。 「すまん、名前を言うてなかったの。無礼じゃった」 「いえいえ! そんな気にしないでください! あ、私、シエスタって言います!」 「しえすた、か。俺は島津豊久。島津家久が子じゃ。こんたびは、まことにありがとうごわぁた」 そしてそのまま深々と頭を下げる。布団に擦り付ける手前まで下げられた頭にシエスタは困ったように言葉を返す。 「そ、そんな大げさですよ。頭上げてください!」 「いんや、大げさなことなか。助かったんは事実じゃ」 その上飯まで世話になったとくれば、本来お礼だけではすまないことだ。一宿一飯の恩。今は野太刀と短筒ぐらいしか持っていないので、どう返せばいいか悩みものである。だとすれば、一度薩摩に帰ってから再び訪れるのが順当なところだろう。 「でも、失礼ですが変わったお名前ですよね」 「そうか? どっちかと言えば、しえすたの方が変わっちゅう思うが」 「そうですか? トヨヒサ様って、どこの生まれの方なんですか?」 「薩摩。ここ……がどこかわからんが、ずっと南に行ったとこにある国じゃ」 サツマ? とシエスタは首を傾げる。九州にあると付け足しても、シエスタの首は余計に角度が深まるばかりだ。 「すみません、聞いたこと無いですね……」 答えに、豊久は愕然とする。確かに京などに比べれば田舎だろう。が、仮にも城と思わしき場所付きの人間が知らないとは。 「そうか、知らんか。のう、しえすた。ならここはどこだ?」 質問に、今度はシエスタが驚いた表情をする。どうやら知らないことがありえないような場所らしい。なら、京の辺りか。しかし自分は確か、関ヶ原から逃げている途中だったはず。なら伊勢か? と予想する。が、シエスタの回答はその予想を容易く裏切った。 「ここはかの有名なトリステイン魔法学院ですよ」 「……とりすていん?」 聞いたことの無い名前だ。そんな国があっただろうか。 「はい。ハルケギニア大陸の西に位置する、トリステイン王国。そこにある魔法学院です」
92 : ◆◇◆ 一日の授業を終えて、ルイズは早足で学院の廊下を歩いていた。真っすぐ目指すは自分の部屋。今、ルイズの部屋には昨日の儀式で召喚した男が眠っている。 傷は何とか塞がったものの、朝になっても男の意識は戻らず、死んだように意識を失っていた。仕方が無いので学院のメイドに任せて置いて出てきたが、男は目を覚ましただろうか。気になってルイズは今日一日、授業が身に入らなかった。 たとえそれが、まだ契約に至っていない仮の使い魔だとしても。そう、ルイズは結局、男との契約に至っていなかった。 奇妙な話だと、ルイズも思う。春の使い魔召喚の儀式とくれば、何よりも優先される儀式だったはずだ。前例を聞いたことは無いが、相手が人間だとしても例外ではないだろう。加えて、相手が気絶していたとしても例外なく契約するように言われるはずだ。 ルイズは全力で再召喚を訴えただろうが。一日置いて、ある程度ルイズは冷静に物事を考えることが出来るようになっていた。 しかし、その伝統が簡単に覆された。伝統を重んじる貴族が、学院が、簡単に覆した。きっと、そうせざるを終えない何かがあるのだろう。それも、学院内で、だ。恐らくだが、学院長であるオスマンも関与しているだろう。 魔法が使えないという点を除けば優秀な生徒であるルイズは、一日でその結論へ辿り着いた。辿り着いて、溜め息をつく。召喚は出来た、とのことで進級できるとの話になっているが、これもおかしな話だ。 明確にされているわけではないが、召喚したから問題なし。というものではないだろう。これからのことを考えると見当のつかなさに気が重くなった。 あれこれ考えているうちに、自室の前へ到着してしまう。自室のドアを開けるのをここまで躊躇うのは初めての経験だ。重厚な造りのドアはより物々しく映り、いっそうルイズの気分を暗くする。溜め息まじりにドアの取手を手にし、開けた。 「!」 ドアを開くと、朝は気絶していた男が体を起こしている姿が目に入った。右手には、男が召喚の時に携えていた剣。鞘から半ば抜きかけたそれを、男はルイズの姿を見て押し止めたようだ。 隣ではそんな男の行動に表情を青ざめさせうろたえるメイド、シエスタの姿もあった。テーブルに置かれた空の食器を見るに、男が目を覚ましたので食事を与え、話していたというところだろう。とりあえず、食事が出来る程度までは回復したらしい。 剣呑な目つきでルイズを見ていた男が、口を開く。 「お前は、あん時の」 妙な訛りのある言葉だった。口調も貴族に対する物言いではないが、気疲れしているのもあり、不問とする。あん時の、というのは召喚した時のことだろう。 あれほどの重傷を負いながら意識があり、そのことを覚えている男の生命力に、表情には出さずにルイズは驚く。 「目、覚ましたのね」 使い魔未満の年上、それも男を相手にどう接して良いかわからず、短くルイズは返す。平民相手なのだから下手に出る必要は無い。かといって居丈高に接するには、相手に妙な迫力があった。もう少し相手を知っていれば、この妙なやりにくさも払拭出来るのだろうが。 そんなルイズの思いをよそに、男がベッドの上で正座をする。 「俺は島津豊久ちゅうもんじゃ」 そしてそのまま、男は深々と、布団につくほど頭を下げた。 「こんたびは、助けてくれてありがとうごわぁた」 突然の行動にルイズは言葉を返せず、ただ瞠目する。顔を上げた男は、口に笑みを浮かべ、言葉を続けた。 「今しがた、しえすたから聞いた。お前が俺を助けてくれたとな」 視線を移すと、シエスタが小さくなって頭を下げる。余計なことをしたと思っているらしい。別段気にしないが、置いておき、そっけなく返した。 「そ。わたしはルイズ・ド・ラ・ヴァリエールよ」 「るいず、か。やっぱい、変わった名前じゃのう」 何気に失礼なことを言われ、ルイズは目を細める。が、シマヅトヨヒサと名乗った男は気にする様子がない。何か言おうとするも、それも遮られた。
93 : 「で、るいず。助けてもらったんは本当にありがたいんじゃが、俺は一旦薩摩に帰らんといけん。借り(かい)は必ず返す、俺を一旦薩摩へ飛ばしてもらえんか」 「……飛ばす? 何言ってんの、あんた。それにサツマってどこよ」 「……るいずも知らんか。ほいなら、日本ちゅう国は知っとるか?」 ニホン。聞いたことのない国だ。歴史でも聞いた覚えは無い。首を横に振り、ルイズは答える。 「聞いたことも無いわ。そんな国」 言葉に、豊久の目つきが変わる。剣呑、というよりは思案するような目だ。口にした国のことが関係しているのは言うまでもないだろう。サツマ。ニホン。帰らなければならない、ということは、故国か。傷だらけだったことから戦争中の国だろう。 そして豊久は勝ったか負けたかは知らないが、帰る途中だった。が、戦時中の国でニホンやサツマなど聞いたことがない。考えられるとしたら、ロバ・アル・カリイエの一部か。 「のう、るいずが俺をここへ呼び出したんだろう? 帰すことはできんのか?」 「無理よ。『サモン・サーヴァント』は呼び出すだけの魔法だから。あんたをそのサツマだかに帰す魔法は無いわ」 豊久の表情がわずかに険しく歪む。叫んだりしないのは、ルイズが女であり、子供だからか。いきなり見知らぬ国へ飛ばされ帰れないとあっては、心中穏やかではないはずだ。 それでも堪えた豊久に、ルイズの心にも申し訳無さがむくむくと首をもたげた。助けたのも確かだが、これとそれは別だ。 「……本当に申し訳ないけど、あんたをサツマに帰すことはできないの。ねえ、ロバ・アル・カリイエに聞き覚えは無いの?」 「なか」 短く答え、豊久は頭を掻く。そして小さく短く溜め息をつくと、苦笑して足を崩した。 「……ま、仕方なか。幸い、俺は死んどらんからの。それで良しとせねば、罰が当たるちゅうもんじゃ」 諦めにも似た言葉。が、その表情は諦観のそれというにはあまりにも清々し過ぎた。潔すぎる豊久の態度に、逆にルイズが心配になる。 「ちょ、ちょっと。そんな簡単に諦めるの? もっとなんかあるんじゃないの、普通」 「諦めたわけじゃなか。御養父どのがどうなったか気にならんといえば嘘じゃ。じゃっどん、俺にはここがどこかわからん。夢か現実(うつつ)なんかもわからん。それなら、悩んどらんでさぱっと次を考えた方が良か」 それに、御養父どのならきっと大丈夫じゃしの。とまで言われてしまえば、ルイズとしても返せる言葉は無い。 使い魔になってもらえる可能性が高くなったということは、ルイズからしたら有難いことだが、自分が同じ境遇に陥ったら大騒ぎする自信があるだけに、その考え方は常軌を逸しているように思えた。 ルイズが言葉に詰まったのを見てか、黙っていたシエスタが苦笑しながら言葉を発する。
94 : 「そう、かもしれませんね。もしかしたら、先生方なら何か知っているかもしれませんし」 「おう。ここがどこの異国かはわからんが、不思議と言葉は通じとう。案外、日本の近くかもしれんしのう」 前向きすぎる発言。考えてないだけかもしれ無いが、その考えは悪くない。笑う二人にルイズもつられて笑い、会話に参加する。 「ま、そうね。呼んじゃったのはわたしなんだけど……」 それでなんだけど、と続ける。豊久が悪い人間ではない。むしろ、好感の持てる人物だと言うのは分かった。が、ルイズにはもう一つ問題が残っている。 「わたしね、あんたを春の使い魔召喚の儀式で呼んだのよ」 「らしいのう。で、つかいまとやらは何だ?」 使い魔について、ルイズは掻い摘んで説明する。主を守ること、主の目となり耳となること、硫黄やコケなどの秘薬を収集すること。 そして春の使い魔召喚の儀式とは、『サモン・サーヴァント』を行い、使い魔を召喚する神聖かつ重要な儀式であることを。失敗すれば留年だったり、実家で恐ろしい目にあったりするなどなど……若干脱線しつつ、豊久に現状に至るまでの経緯を話した。 ところどころ豊久も分からないことがあったのか口をはさんだりしたが、それにも答え、苦労しながら理解を得た。 「なるほど。要は付き人みたいなもんか。で、俺はるいずのそれになうために呼ばれたと」 「そ。……だったんだけど、あんたは傷だらけだし、ミスタ・コルベールは『彼が目覚めてからにしましょう。その時は私に伝えてください』なんて言うし……」 言って、思い出す。まさか目を覚ましていると思わなかったため忘れていたが、コルベールに伝えなくてはいけないのだ。きっとそこで、何か話も聞けるのだろう。やや日が暮れそうではあるが、まだ夕食の時間ではない。 「……だからこれからちょっと、ミスタ・コルベールのところへ行きましょ。夕食もまだだし」 「あ、なら私、マルトーさんにトヨヒサさんの分のお食事も用意してもらえるよう、話を通しておきますね」 「ありがとう、よろしくね」 シエスタからの提案に、ルイズは有難く乗ることにする。これから色々と考えるべき案件が出てくるだろうが、それはひとまず置いておき、目先のことから片づけることにした。 「それじゃ、行くわよ。ついてきて」 この時間、コルベールはどこにいるだろうか。部屋から出る前に考えて、とりあえずルイズはコルベールがもっともいそうな彼の研究室を目指すことにした。
95 : ◆◇◆ コルベールは思いのほか早く見つかった。たまたま部屋へ戻ろうとしているところを捕まえることが出来たのだ。 コルベールも流石に昨日の今日で豊久が目を覚ましているとは思っていなかったらしく、大層驚かれた。それはいい。豊久自身もルイズも同じく驚いたことだ。笑顔で「良かったね」と言われたのは素直に頷くことも出来た。 が、この状況はどういうことだろう。 「ここが学院長室? か?」 「……ええ、そうよ」 コルベールに報告へ行ったはずの二人は、何故か理由も説明されないまま、学院長室へ行くこととなっていた。 トリステイン魔法学院の学院長といえば、齢百を超えると言われる偉大なる魔法使い、オールド・オスマンだ。 ややじみた人物ではあるが、魔法の腕は確かとされている。関与しているのではと予想していたルイズも、まさかコルベール飛ばしてすぐ学院長とは思ってもいなかった。 ドア、と呼ぶにはあまりにも堅固な扉をノックする。聞きなれたオスマンの声が中から聞こえ、ルイズは扉を開けた。 物々しい音を立てて、扉が開く。が、扉を開けた先にまず目に入ったのは、学院長の席に偉そうに座る、男の姿と、黒地の生地に描かれた、花のような形の謎の家紋だった。予想外の光景に、ルイズは言葉を無くす。 が、隣にいる豊久は違った。目を剥き、唸るように声を出す。 「木瓜紋(もっこうもん)……!」 家紋を見ながら言って、すぐさま腰かける男へ視線を移す。部屋に入ることも忘れ、豊久は男に声をかけた。その目つきは険しく、男に対する警戒心がありありと浮かんでいる。 「……お前(ぬし)、織田家の家中のものか」 「家中ゥ!?」 豊久の言葉に、男が嗤う。左目の眼帯に、後ろでまとめられたボサボサの頭。生えた無精髭は浮かべる笑みと相まって男の貫録をひと押しするものとなっている。肌の色は豊久とよく似ており、雰囲気もどことなく通ずるものがあった。 「虚けを抜かせ。俺(おれ)が織田で、織田とは俺よ」 その言葉が引き金だった。豊久が腰の剣を素早く抜き、構える。しかし距離があり、それを余裕としたか、男は動じず、ニヤニヤと豊久を嗤っていた。 「誰だ手前ぇ!」 「俺は信長」 言い切る男。細められる豊久の目。一触即発の空気の中、男は続けた。 「織田前右府信長であるぞ」 一歩、豊久が学長室へと踏み込んだ。ルイズからすれば一瞬の出来事。気付けば前にあった背中に、ルイズは声をかけようとする。しかしそれより早く男が動いていた。手に持ったものを豊久に突き付ける。銃だ。が、同時に豊久も抜いた切っ先を喉元へとつけていた。 動けば両方死ぬ。緊迫感の中、男達のやり取りは続いた。 「危ないのう、うつけが」 あくまでも豊久を馬鹿にするような物言いに、豊久が噛みつく。 「うつけは貴様だ! 信長だと!?」 声に反応して、切っ先も揺れる。いつ刺さるとも分からない動きにルイズは息を呑み、同時に先ほど叫ばなかった豊久が声を荒げていることにも驚いていた。 「信長公はとうの昔に死んでおるわ! なればここはあの世で、貴様は信長を騙る鬼か!」 「わしが死んだだと……? やはり、そうなっているのか」 「何をわけわからんことを……!」 豊久が動こうとする。が、振りかぶるよりは引き金を引く方が早いだろう。そうなれば、先に食らうのは、 「トヨヒサ!」 「ほっほっ、二人ともそこまでにせい」 声が重なる。先ほど聞こえた、オスマンの声だ。それに反応して二人の動きが止まった。信長は鼻でつまらなそうに笑い、豊久は訝しむように壁際に立っていたオスマンの方へ目をやる。 ほとんど睨んでいると言っても遜色ない視線を送られても、オスマンは笑みを崩さなかった。
96 : 「どうやら、私の予想が当たったようじゃのう、ミスタ・ノブナガ」 「はん、わしは知らん。一方的にこいつが知ってるだけじゃ」 「知り合いなの?」 「……直接は知らん」 ルイズの問いかけに豊久はまだ表情を険しくしたまま答えた。 「が、こいつは死んだ。京本能寺で明智勢に弑逆されたわ。18年も昔にな!」 「な……にっ……!?」 豊久の言葉に今度は信長が表情を変える。 「馬鹿を言えい! 18年前だと!? 金柑頭(ハゲ)が本能寺に寄せてきたのも、ここに俺がすっ飛ばされて来たのも! まだ一月と経っておらんわ!」 「フン。だから言うたのだ。お前は鬼か亡者と。でなければ、名を騙る物狂い(いかれ)よ」 立場が逆転する。が、互いに言えることが尽きたのか睨み合う形となり、室内に沈黙が降りる。その空気を容易く払ったのは、やはりオスマンだ。 「まあまあ、二人とも、落ち着くのじゃ。ミス・ヴァリエールも驚いておる。まずは、互いに武器を下ろして。の?」 オスマンの声色に敵意はないと悟ったか、信長が武器を下ろすのに合わせて、豊久も剣をしまう。一触即発の空気もやや薄れ、まだ部屋の外側で置いてけぼりだったルイズもようやく室内へと足を踏み入れた。 学院室に入るのは緊張したが、オスマンに促され来賓用と思わしきソファへと腰を落ち着ける。固くなるルイズを見ながら、オスマンは口を開いた。 「いきなり呼び出す形になってすまんのう、ミス・ヴァリエール。今のである程度分かる通り、君が呼び出した彼は、どうやらミスタ・ノブナガと同じ世界からやってきたようでのう」 「同じ世界、ですか?」 国ではなく、世界。妙な言い方にルイズは首を傾げる。 「うむ。どうやら彼らは、こことはまた違った世界からやってきたらしいのじゃよ」 違う世界。それはどういうことか。 「のう、ミスタ・ノブナガ。君のいた世界は、どんな世界じゃったかな」 「月が一つ。妖術(あやかし)使う奴は聞いたことあるが、見たことねー」 ぶっきらぼうな口調。どうやら拗ねているのか、微妙に唇が尖っている。豊久より年上だろうに、分かりやすい。 「何を言うとるか。月は一つじゃろ」 「はん。なら空見てみい空。そこの窓からのー」 言葉に従って、豊久は窓際へ向かう。そこから外を眺めて、すぐに信じられないといった面持ちで戻ってくると、豊久は再び叫んだ。 「どうっ……いうことじゃあれは!」 「わしに怒鳴るな! わしだって知らんわボケ!」 子供じみたやり取り。二人をよそに、オスマンはルイズへ話を続ける。 「というわけじゃ。で、ここからが本題なんじゃが――」 オスマンの口から語られたのは、さらに信じられないことだった。 今、ハルケギニアでは二人と同じように異世界からやってきたと語る人物が、何人か見られているということ。その中には狂暴で、人間とは思えない輩もおり、各地で暴れ回っている奴もいるということ。そしてそれが戦の火種になりかけていること。 だからか、とルイズは納得する。豊久が危険人物であれば、学院としても早々にしかるべき対処をするつもりだったのだろう。『コントラクト・サーヴァント』を後にしたのも、そういう背景があったのだ。 ただでさえ各国から貴族が集まっているトリステイン魔法学院だ。戦争への導火線に火を落とすようなヘマは、学院として避けたかったのだろう。 幸い、豊久は危険人物ではなかったが。
97 : 「お前はどこの誰ぞ! この俺に偉そうにしおって」 「島津! 島津豊久じゃ! 家久が子のな!」 「島津ぅ……? …………。……おう! 九州の! はじっこの、ものすごいド田舎のか!」 「す!」 ……若干、変わったところはあるが。 「ほっほっ、元気じゃのう。若い若い」 「……止めなくて良いのですか?」 「なに、じゃれあっているだけじゃて」 じゃれあう。というにはあまりにも空気が刺々しい。が、長年生きるオスマンにしてみれば、二人は子供のように映るのか、微笑を浮かべている。 「ま、でもこのままでは本題に入れんしの。ミス・ヴァリエール、君は彼を使い魔にすることに異存はないか?」 問われ、ルイズは考える。短い時間ではあるが、豊久という人物はなんとなく見えている。一本気な性格。ちょっと訛りが変で、細かいことに捕らわれない考え方の持ち主。もちろん、まだよく分からないところも多い。 兵士だと思われるが、どれほどの実力を持っているのかは未知数だ。先ほどの動きは、恐ろしく滑らかであったが。 躊躇いが無いと言えば嘘だ。ドラゴンとかグリフォンとかに憧れないと言えば嘘だ。使い魔は主人を現すとも言う。人を使い魔にしたなんて聞いたこともないし、実家に知られたらどんな騒ぎになるかも分からない。 見知らぬ国からやってきた男とかいうのも付け足せば、自宅へ呼び戻されかねないほどだ。常識で考えれば、外れ。声高に再召喚を乞い、駄々をこねるところだ。それが例え許されないことだとしても。 だが、ルイズはそうしなかった。なんとなく気になる男だった。ルイズからしたら信じられないほど、竹を割ったかのようにさっぱりとした考え方。見知らぬ土地へやってきたのに平然としていられた、その胆力。常軌を逸している。 そして正直、そこに何よりも魅かれる。 「はい、ありません」 気付けば自然と、そう答えていた。この解答にこの先、何度も後悔するのだとしても、それは今悩むことではない。ルイズが即決でそう答えるとは流石のオスマンも予想していなかったのか、感心したようにルイズを見て首肯し、穏やかな笑みを浮かべた。 認められたようで誉れ高くなり、嬉しくなる。 が、本番はここからだ。 「ねえ、トヨヒサ」 立ちあがって、信長と諍っている豊久に声をかける。取っ組み合いのやり取りにまで発展しかかっていた二人だが、話しかけられるとピタリと止まり、ルイズの方を見た。黒色の瞳が四つ向けられる。深い深い黒色。 が、不思議と最初のような迫力は感じない。故にすんなりと、言葉が続いた。 「わたしの、使い魔になってくれない?」 それは、貴族らしからぬ言葉だった。命令ではなく、お願い。すんなりそんな言葉が出てきたあたり、自分は冷静じゃないのかもしれないと思ったが、気にしない。相手は平民で、見知らぬ世界の住人で、本来なら高圧的に接している相手だ。 他の生徒が見たら、貴族の誇りはどうしたと思われるだろう。が、それも気にしない。勢いがある内が花だ。どうせここでからかってくる者はいない。 「使い魔、か」 豊久が呟く。悩むのは当然だろう。きっと豊久には、仕えていた人間がいる。御養父、というのがそうだろう。そんな人物を相手にルイズは「自分に仕えろ」と言っているようなもの。 常識的に考えれば断られるものだろう。それならそれでも仕方がない。自分でも疑問に思えるほど落ち着いた心情で、そう思えた。 そんなルイズを見て、信長が笑う。からかうような嫌な笑みだ。からかってくる人間が、そこにいた。 「は。曲がりなりにも貴族が懇願かのー。情けないと思わんのかにゃー」 「お前は本当に空気の読めん嫌な奴だの! 人が真剣なちゅう時に!」 空気をぶち壊されてルイズが挫けかけるのを見てか、豊久が信長の胸ぐらをつかんで怒鳴る。だが信長は気にする様子も無くそんな豊久を鼻で笑い、言葉を重ねた。 「上に立つ人間が懇願してどうするというのだ。不遜に、傲慢に、横柄に命令を下すのが、上に立つ者の務めだろう。対等に扱えば調子に乗るだけだぞ」 「そげん調子だから反逆されるんじゃ! うつけもんが!」 「なんだとぅ!?」 侃々諤々とした言い争いに、先ほどまでの真面目な空気は完璧にお流れとなった。オスマンの頬も引きつっており、ルイズに至っては今にも地に膝をつけそうだった。無自覚のうちに緊張していたのか、張っていた糸が弛んだ分どっと疲れが押し寄せる。 が、信長は遠慮しない。
98 : 「考えてもみい豊久。お前も帰るとこがあるだろう。俺にもあるぞ。帰ってあの金柑頭ぶちしてやらにゃーならん。お前にもあるだろう、なんか」 「む……。じゃっどん、帰る方法がなかではないか」 そこでよ、と信長はルイズとオスマンを見る。浮かべている笑みは同じように見えて、いつのまにか変質していた。見透かされるような目つき。ルイズの背筋に冷たいものが走る。それさえも見越したか、嘲るように笑うと、その視線をオスマンにだけ向けた。 「のう、オスマン。お前がこの学院で一番優秀な魔法使い、というのなのだろう?」 「まあ、の。一応、私が長をやっておるからのう。そう言っても過言ではあるまい」 「本当に帰る方法は無いんだな?」 信長の問いに、オスマンは「今のところは」と言葉を濁す。 「今のところは、とはどういうことだ」 「私だって始祖ブリミルのように万能ではない。使えぬ魔法だってあるし、知らぬ魔法もある」 「なるほどのう」 なら、と信長。 「その方法を探せい。ここは教育する場所に過ぎぬのだろう。なら、妖術――魔法か。魔法を調べたり作ったりする連中もおるだろう。そいつらを使え。そんで探せい」 傲岸不遜な物言い。だが信長の言う通り、魔法を研究する機関はある。ルイズの姉の所属する王立魔法研究所(アカデミー)。そこなら、ルイズやオスマンも知らない魔法を知っているかもしれない。 「オスマン、お前はさっき言っていたな。俺達と同じような連中が、各地に現れていると。暴れていると。なら、何故俺らをさなかった」 「君らがその者達と同じように暴れまわる人間か分からんかったからのう。無益な生は好まん」 笑い捨てる。馬鹿にするように。否、実際馬鹿にしているのだろう。 「確かめる前にされたら、元も子もないだろう。危険性を考えるんなら、会った最初に俺を捕縛しているはずよな。が、しなかった。のう、オスマン。それは何故だ」 「……何が言いたいのかのう?」 「俺たちは使える。そのことをお前は知っていた。敵意の無く、そして使える人間はさん。そう考えるよな。世界が違えど、上に立つ輩の考えはそう変わらんだろう」 だから、 「取引じゃ。お前が何を考えてるか、俺は知らん。会って間もないからのー。だが、俺らは使える。少なくともお前はそう考えている。なら取引じゃ」 「……その具体的な内容は?」 「こいつ、そこのの使い魔やる。俺、お前の考えていることに協力する。無論、そん時ゃこいつも一緒だがな」 こいつ、と指さされたのはもちろん豊久だ。勝手に事が運ばれていく。ルイズや豊久の意思は完璧に無視していた。気付いたルイズが烈火のごとく信長に噛みつく。 「ちょ、ちょっとアンタ! 勝手に話を進めるんじゃないわよ!」 「なんじゃい、嬢ちゃんにとってもその方が都合良いだろうに。俺らは帰る手だてを探してもらえるし、衣食住困らん。嬢ちゃんは使い魔を得る。一石二鳥どころか三鳥ではないか」 「でもアンタが決めることじゃないでしょう!? 使い魔に関しては別! わたしとトヨヒサの問題よ!」 「煩い奴よのう。じゃあ豊久、お前はどうなんじゃ」 「……俺に難しいことは分からん。お前みたいに策術(しかけ)に秀でてるわけじゃなか」 話を振られ、騒ぎ立てるルイズとは対照的に、腕を組んで静かに豊久は言う。その目がルイズへと向けられた。黒々とした瞳。こちらに来てから一度も揺れたことの無い意思の強い瞳。一気にルイズの中で緊張の糸が再び張り詰めた。伴って、胸が高鳴る。 「るいずに俺が助けられたんは事実じゃ。感謝してうのも確か。が、薩摩に帰りたいんも確かじゃ。御養父どのも、きっと待っちゅう」 言葉を区切る。それもそうだろう。考えてみれば分かる。あんな傷まみれになってまで守り通そうとした人がいるのだ。戦争中とあれば、その安否が気になるのは当然のこと。それが君主だったとすれば、おいそれと違う者の下につけるはずがない。予想通りだ。
99 : 「が、そいでるいずへの恩を返さんは、俺の法度に背く」 俯きかけていた顔を上げる。目が合うと、豊久はニィと口端を釣り上げた。 「俺が使い魔にならんと、るいずは困るんだろう?」 頷く。便宜的に進級を許された身だが、それもどうなるかは分からない。 さらに使い魔を再召喚するとなれば、呼び出した使い魔が死んでいなくては出来ない。仮に元の世界に豊久が戻れたとして、それが死亡扱いになるのかも分からないのだ。使い魔のいないメイジなど、聞いたことも無い。 「なら、俺は構わん。借りは必ず返す。信長が何を考えちゅうかはしらんが、俺も帰り方が分かるまでは、るいずの使い魔をやってえい」 信じられないくらい、あっさりとした返答だった。部屋でもそうであったが、この男に迷いというものは無いのかと思ってしまうほどである。同時に、無理を言ってるのでは無いかとも。 「……本当に良いの?」 「良か」 力強い返答。同時にパチパチと乾いた音が室内に響いた。音の方を見ると、オスマンが手を叩いている。 「ほっほっ、良かったのう。ミス・ヴァリエール。こういうことなら、私も尽力しなくてはな。ミスタ・ノブナガもそれで良いじゃろう?」 「……ああ、構わん。俺に出来ることなら協力してやろう」 話は纏まった。あとは契約である。が、ここでまたひと騒ぎが勃発した。無論、豊久と信長だ。主には信長がからかってきたのだが。 「フハハハハハ、契約の方法とやらは接吻であるか! 良かったのーこんな若い小娘と接吻で来て!」 「黙れクソボケ! 餓鬼か手前ぇ!! こんぐらいの歳差珍しいことじゃなかろうが!」 「はいはい、そうだのー珍しない珍しない」 「ぶっされてぇか!」 ここまで騒がれてやりにくいのは、契約するルイズ本人だ。初めてなのだからなおさらである。気にしていないそぶりで――その実、頬を朱色に染めて――呪文を紡ぐ。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」 唇を重ねる。顔が熱い。唇を離すと、豊久もルイズみたいに頬を染めてこそいないが、困ったように頬を掻いていた。慣れていないのだろう。少しだけ微笑ましくなる。 「むっ」 だが、その表情はすぐ変わった。眉間にしわを寄せて、左手の甲に視線を向ける。本当なら、全身を焼けるような感覚が襲っているはずだ。が、豊久は表情こそ変えど、大きな反応は示さなかった。やがてそれが治まったのか、その表情が和ぐ。 代わりに怪訝そうな目となっている。左手の甲には、契約をした証のルーンが刻まれていた。オスマンもそれを見て、満足げに頷く。 「うむ、どうやら上手くいったようだのう。では、ミスタ・トヨヒサ。私も力を尽くしてはみるが、正直どうなるか分からん。それまでの間、ミス・ヴァリエールのことを、よろしく頼む」 オスマンにそう言われ、豊久は力強く頷いた。
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