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2012年1月2期携帯ゲーキャラ66: パワプロクンポケットバトルロワイアル Part5 (146) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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パワプロクンポケットバトルロワイアル Part5


1 :10/03/18 〜 最終レス :12/01/20
野球をあまりしない野球バラエティゲームのやっぱり野球をしない二次創作リレー企画。
パワプロクンポケットバトルロワイアル!
(残虐な表現が多分にあるので嫌悪感を覚える方は注意してください、同じ理由でsage推奨)
パワプロクンポケットバトルロワイアル専用したらば
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11574/
(予約はここにある予約スレで行ってください。予約期間は三日間です)
まとめwiki
http://www33.atwiki.jp/pawapokerowa
(MAPはここのメニューから飛べるページにあります)
前スレ
パワプロクンポケットバトルロワイアル Part4
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1260344795/
過去スレ
パワプロクンポケットバトルロワイアル Part3
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1233666233/l50
パワプロクンポケットバトルロワイアル Part2
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1217460066/l50
パワプロクンポケットバトルロワイアル
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1215357377/l50
【基本ルール】
全員でし合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
優勝者のみ元の世界に帰ることができる。 (優勝者は願いが叶う?)
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
>>2->>3は書き手として参加したい!という方は読んでいただけると幸いです。
話を読むだけなら、分からない単語(首輪とか禁止エリアとか放送とか)があった時に初めて見る程度でOK

2 :
【ステータス】
投下の最後にその話しに登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表すステータスを書いてください。
テンプレはこちら。
【地名/○○日目/時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典シリーズ】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものなどはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○をす・○○を探す・○○と合流など。
       複数可、書くときは優先順位の高い順に)
【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12
 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24
【能力制限について】
裏出展の参加者→基本制限なし。移動速度、耐久力は制限有り?
メカ亀田→一部武器は制限?
超能力→体力消費増大?
死んだ人は生き返りません
友子の体内にある暗示装置→威力制限と疲労(程度は暗示の内容と書き手の裁量次第?)
しあわせ草ドーピング選手→ドーピング済みで銃を避けれる時期は要制限
それ以外の身体能力が少し上がった程度ならOK
しあわせ草→特に制限なし、よく効く薬草みたいなもの
霊体相手でも物理攻撃は必ず効く、ゲーム中で効かなくてもロワ会場では効く

3 :
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【地図】に挙げられているのと同じ物。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。(ただし第一回放送まで支給されていない、もしくは見ることが出来ない)
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
【『首輪』と禁止エリアについて】
ゲーム開始前からプレイヤーは全員、『首輪』を填められている
(かならずしも首輪の形である必要性は無し。参加者の形態などによってはチップなどになっている)
首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ
(例外はなし。不死の怪物であろうと、何であろうと死亡)
開催者側は、いつでも自由に首輪を爆発させることができる
24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ
『首輪』を外すことは専門的な知識がないと難しい
(下手に無理やり取り去ろうとすると、首輪が自動的に爆発し死ぬことになる)
開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると、首輪が自動的に爆発する
【放送について】
放送は6時間ごとに行われる。つまり0時開始だとすると6時、12時、18時、24時ごとになる
放送内容
「禁止エリアの場所と指定される時間」
→出来るだけ離れた地点を2〜3指定。放送から1〜2時間前後ずつで進入禁止に
「前回の放送から今回の放送までに死んだキャラ名」
→死んだ順番、もしくは名簿順に読み上げ
「残りの人数」
→現在生き残っている人数
「主催の気まぐれなお話」
→内容は書き手の裁量で

4 :
参加者名簿
3/3【パワプロクンポケット】
○教頭/○進藤明日香/○平山紀之
4/4【パワプロクンポケット2】
○荒井紀香/○曽根村/○二朱公人/○凡田大介
4/4【パワプロクンポケット3】
○たかゆき/○鋼毅/○三橋一郎/○四路智美
1/1【パワプロクンポケット4】
○天本玲泉
1/1【パワプロクンポケット4裏】
○プレイグ
2/2【パワプロクンポケット5】
○埼川珠子/○塚本甚八
1/1【パワプロクンポケット5裏】
○愛
4/4【パワプロクンポケット6】
○青野柴夫/○荻原新六/○島岡武雄/○ほるひす
3/3【パワプロクンポケット6裏】
○落田太二/○ヘルガ/○メカ亀田
7/7【パワプロクンポケット7】
○東優/○芹沢真央/○倉見春香/○七味東雅/○野丸太郎/○ブラウン/○レッド
3/3【パワプロクンポケット7裏】
○黒羽根あやか/○七原正大/○布具里
8/8【パワプロクンポケット8】
○上川辰也/○黒野鉄斎/○白瀬芙喜子/○高坂茜/○灰原/○森友子/○八神総八郎/○リン
4/4【パワプロクンポケット9】
○太田洋将/○九条英雄/○椿/○夏目准
2/2【パワプロクンポケット9裏】
○エリ/○カネオ
7/7【パワプロクンポケット10】
○アルベルト・安生・アズナブル/○越後竜太郎/○大江和那/○神条紫杏/○十波典明/○浜野朱里/○芳槻さら
2/2【パワプロクンポケット10裏】
○タケミ/○ピエロ
3/3【パワポケダッシュ】
○小波走太/○二ノ宮金太/○芽森わん子
1/1【パワポケ甲子園】
○甲子園児
60/60
ネタバレありの名簿
http://www33.atwiki.jp/pawapokerowa/pages/28.html

5 :
テンプレ終了
ここからは第二回放送を本投下します

6 :

〜〜〜〜〜〜〜♪
諸君、天を見上げたまえ!
お天道様が諸君らの生を称えるかのように燦然と輝いているであろう!
生を実感出来る喜びを存分に噛みしめつつ、二回目の放送である!
まずは定例通り禁止エリアの発表。
あ〜れほど言ったのに引っかかた間抜けが居たであるの巻。
吾輩、自分の言葉を無視されるのはあまり好きではない性質ではないである。
もちろん、だからどうしろと言うわけではないであるよ?
諸君らも好き好んで禁止エリアに突っ込むわけがないであるし。
我輩たち我威亜党は、禁止エリアを減らす、なんてことをする気はさらさらないである。
故に吾輩に出来ることなんてこうして注意をうながすことだけであるからな。
……それではこれより一時間後、『午後一時』より禁止エリアとなるエリアの発表である。
メモの準備は出来てるであるな? それでは、発表する!
B-4
F-4
G-1
以上の三つである!
良いであるか、例によって一時間後であるぞ?
くどいように思えるかもしれんが命に関わることであるからな!
おおっと、今回は無駄口を叩きはせんさ。
さて、それでは皆がお待ちかねとなっている死者の発表であるな。
知り合いは死んでおらんと良いなあ、まあ結局さなければならないであるがな!
では、いくであるぞ。
東優
九条英雄
黒野鉄斎
進藤明日香
二朱公人
野丸太郎
浜野朱里
芳槻さら
この七人、たったの七人である。
この結果は誠に遺憾であるなぁ、最初の滑り出しと比べて半数にも減っているである。
とは言え、着実に人数が減っているという点は評価できるである。
逆に言えばそこだけしか評価出来ないとも言えるであるがな。
まあ、吾輩から言えるのはたったひとつだけ。
精々最後の一人まで頑張ることである!
それでは第二回放送、終了であーる!

7 :
   ◆   ◆   ◆
「ふぅ……」
チバヤシ公爵は六時間に一度の放送を終えて軽く息をつく。
今の仕事に不満があるわけではない。
本人としては結構ノリノリでこの放送の時間をまだかまだかと待ち遠しく思っているほどだ。
逆に言ってしまえば、今は手持ち無沙汰と言うことになる。
六時間に一度の放送、それだけが我威亜党幹部であるチバヤシ公爵の現在に与えられた仕事らしい仕事である。
「チキン男爵、お茶」
「へいへい……何が悲しくて幹部になってまで茶汲みなんてやらなくちゃいけないんだろうなぁ」
チキン男爵は軽くため息を出しながら、荒っぽくチバヤシ公爵の前へとお茶を差し出す。
チバヤシ公爵は、うむ、と頷きながらお茶を口に含む。
だが、よっぽど渋かったのか大きく表情を歪めてチキン男爵を睨みつける。
そんな視線も何処吹く風、チキン男爵は思い出したように口を開く。
「んで、業務連絡。秋穂侯爵の仕事は完全に終わったってよ」
「ほう! ……で、具体的にあやつは何をやっていたのだ?」
「さあな……新種の生物兵器か? それとも怪しげな黒魔術か?」
「ふむ……」
チバヤシ公爵は亀田皇帝と秋穂侯爵だけが知る秘密の任務。
思えば――――いや、最初から感じていのだが――――亀田皇帝だけが知る秘密というものは多すぎる。
チバヤシ公爵も、秋穂侯爵も、あやか伯爵も、チキン男爵も、全員が体良く利用されているのが現状だ。
「……まぁ、利用価値があるうちは尻馬に乗っかかるに限るであるな」
「あん? なにか言ったか?」
「茶汲みをしているのは情けなくもあの間抜けな探偵に世界各地で負けたのが原因なのだ、と言ったのである」
「ぐっ……!」
聞くんじゃなかった、と顔をしかめながらチキン男爵が下がっていく。
その後ろ姿をニヤニヤと眺めながら、彼が入れた不味い茶を口に含む。
「さてはて……あと何時間で終わるであるかね……」
 

8 :
投下終了です

9 :


10 :
◆jnvLTxNrNAさんが規制巻き込まれ中ということなので代理投下をー

11 :
レッドは己の情けなさに腸を煮えくり返らせながら、来た道を引き返して東に向かっていた。
神社にいた者達は皆、野丸太郎も銀髪の女とピンク髪の女の二人組も芳槻さらも見ていないと言っていた。
人に向かってロケットランチャーやマシンガンをぶっ放つような連中が人の集まりそうな施設を避ける理由はない。進んで近づいて行くはずだ。
当初、二人組が商店街の西の出入り口から出て行くのを見たため、二人組は西に向かったと判断したが、
消防署には誰もおらず、七味達も襲われてないとすると、連中は商店街から西ではない別の方角に向かった可能性が高い。
つまり二人組は西の出入り口から出て西に向かったように見せかけて別の方角、
おそらく真逆の東に向かったのだとレッドは考えた。
そう判断して、今ならまだ間に合うと思い、一度東に戻ることにした。
「クソっ!俺はまた判断ミスをっ!
 こうしている間にも連中がまた人しをしているかもしれないのに!
 その場合、それは判断を過った俺のせいだ!クソっ!」
誰に言い聞かせるわけでもなくレッドは呟く。
しかし言葉に出してみると、より一層自分が情けなく感じられ、その事により一層腹が立つ。
………レッドは気づいていない。この判断こそが間違いであることに。
レッドの追いかける4人中3人、白瀬芙喜子と愛、野丸太郎はレッドの当初の判断通り商店街から西に向かったことに。
そしてその内の1人、野丸太郎はレッドが神社で情報交換をしている間に神社の北を西に向かって突っ切り、禁止エリアに突っ込んだことに。
更に残る2人、白瀬芙喜子と愛はレッドが神社に行く途中にも、神社から戻る途中にもその前を通った消防署にいたことに。
何故レッドは白瀬達と出会うことができなかったのか?
レッドが白瀬達と出会うチャンスは行きと帰りで2回あった。
白瀬達は何回か消防署を出たり入ったりしていたのだが、レッドが消防署の前を通った時、白瀬達は2回とも消防署の中にいたのだ。
1回目は白瀬達が時間軸について話し終わった時。
その時は白瀬達がうまく気配を消していたため、レッドは気づかなかった。
2回目は白瀬達が野丸太郎及び、巨大人クワガタと戦闘した後、これからのことについて消防署の中で話し合っている時。
この時は1回目に消防署には誰もいないと判断したために、特に見向きもせずスルーしてしまった。

12 :
それに、もっとレッドの目を引きつけるものがあった。
巨大人クワガタの死体と戦闘の跡である。
戦闘の跡は状況から見て恐らくクワガタとのものだろう。
問題は何故こんなバケモノがいるのかということと、誰がこのバケモノを倒したのかということだ。
しかし気にはなったものの、何より優先すべきことがあるためその場は後にした。
☆ ☆ ☆ ☆
商店街より東の市街地には、役場、映画館、港がある。市街地を外れれば学校と野球場がある。
レッドは東に戻りながら、商店街より東のどの施設に行くかを考え、結論を出し、その場所にたどり着いた。
そこは学校。
市街地から出たのは、市街地と神社の往復でかなりの時間を潰してしまったため、
あの二人組がまだ市街地にいると考えるのは甘いと考えたからだ。
レッドは早速学校のグラウンドに足を踏み入れる。
レッドには時間がない。
危険分子の抹というヒーローとしての使命を一刻も早く完遂させるため、今は一分一秒が惜しいのだ。
学校に何もなければ危険分子が他に害をなす前に別の場所に移動しなくてはならない。
レッドはグラウンドを見渡した。すると部室棟横の木の下に人を2人確認した。

13 :
☆ ☆ ☆ ☆
「ふぅ〜
 30分あればできると思ったが、なかなか骨が折れる」
ヘルガと夏目准は部室棟横の記念樹の下に二朱公人の墓穴を掘ることにした。
やはり埋葬するからには、それらしい場所にしたい。
しかし成人男性1人が収まる穴を掘るのはかなりの重労働である。軍人で体を鍛えているヘルガをもってしてもだ。
スコップが1本しかなかったため交代で掘っていたが、2人ともそろそろ腕が疲れてきていた。
(そろそろ30分か……)
十波典明が芳槻さらを説得、保護しに校舎に入ってからまもなく30分経つ。
30分経っても十波が戻らないことから何かあった、おそらく芳槻さらと接触できたことは間違いない。
約束ではヘルガたちも十波のところに駆けつけなければならない。
さらを説得する過程で問題が起きた可能性、あるいはまったく別の問題が起きた可能性があるからだ。
「夏目、そろそろ30分だな」
「……そうですね」
二朱の埋葬に固執していた准だが、約束は約束である。
それに学校に来た本来の目的は芳槻さらの保護だ。
(もう少し待ってて下さいね……二朱さん)
准は心の中で二朱にそう伝えると、ヘルガと共に校舎に向かって歩き出そうとした。
しかし
「お前たち、そこで何やってる!?」
2人の前にレッドが立ちはだかった。

14 :
☆ ☆ ☆ ☆
木の下の2人に近づいていくにつれ、俺は木の下には2人ではなく3人、いや2人と1人だったものがいることに気づいた。
1人だったものは木に背を預け座っている体格のいい男。目と胸から血を流して死んでいるのが一目でわかる。
そしてすぐ側でスコップで穴を掘っている軍服を着た女とその様子を見守るメイド服の女の2人だ。
おそらく2人はあの男をし、あげくの果てに埋めてしまう気だ。
俺はグッと奥歯を噛み締めた。
(この島にはどうしてこんなに悪がはびこっているんだ!)
怒りが沸々とこみ上げてくる。
(目の前の人間が悪なら答えはただ一つ、倒すのみ!
 それが正義のヒーローだ!)
2人がこちらを向いた。
「お前たち、そこで何やってる!?」
軍服の女が銃を構えてきた。
きっとあの銃で男をしたに違いない。
「貴様ぁ!!」
俺は軍服の女との距離を詰めるべく足を踏み込んだ。

15 :
軍服の女は俺の動きに驚いたようだった。
俺にそんな脅しが通じるとでも思ったのだろうか?
俺は踏み込んだ足で地面を蹴ると軍服の女との距離を一気に詰め、銃を持った手を蹴り上げる。
軍服の女の手から銃がこぼれ落ち、腕が跳ね上げられる。
そして腕が上がったことでがら空きになった左わき腹に右アッパーをいれた。
軍服の女の身体がくの字に曲がる。感触から言って、あばらを1、2本もらった。
女は膝をついてせき込んでいる。しばらくは動けないだろう。
ここで止めをさしてもいい。だが敵は1人ではない。もう1人、メイド服の女がいる。
俺はメイド服の女の方に向き直った。
女は軍服の女が取りこぼした銃を構えていた。自分の頭に向かって。
俺は驚かされた。
(どういうつもりだ!?)
さすがに手が止まる。女のやってることの意味がわからない。
女が引き金を引いた。しかしあるはずの銃声がしない。
「モデルガンよ」
「モデルガン……だと?」

16 :
☆ ☆ ☆ ☆
ヘルガたちはレッドに事情を説明した。
二朱公人はもともと仲間で、30分ほど前に襲撃されてされてしまったこと。
それで、二朱を埋葬しようと穴を掘っていたこと。
反射的にモデルガンを構えたのはこの島の状況では仕方なくて、最初から交戦の意志は無かったことを話した。
「本当にすまない!」
「いや、私たちも誤解されてもおかしくないことをしてたんだ。すまなかったな。
 私はヘルガ。そっちが夏目准だ。し合いには乗っていない」
「俺はレッド。正義のヒーローだ。
 もちろんし合いには乗っていない」
レッドはヘルガたちから話を聞いて素直に謝った。
誤解とはいえし合いに乗っていないヘルガを負傷させたのだからばつが悪かった。
「本来ならここで情報交換の一つでもしたいのだが、
 私たちには芳槻さらを保護しに行った十波典明のところに駆けつけるという約束があってな。
 時間がないんだ」
「芳槻さら……だと?」
レッドの身体が強ばった。
「あぁ、私たちが学校に来た目的は芳槻さらの保護だ
 今は十波という男が1人で芳槻を探して校舎に入っている。
 30分経っても戻らないから芳槻と接触できたことはたぶん間違いないが、
 何か問題が起きた可能性がある」
「ふざけるな!!お前たちは知らないかもしれないが、
 芳槻さらは俺の仲間だった甲子園児をした危険人物なんだぞ!
 そんな奴を保護だと?そんな甘い考えは今すぐ捨てろ!
 奴は倒すべき悪だ!」
「それは違うよ」
2人の会話に准が割って入った。
この島で准はさらを助けるために行動してきた。
レッドは甘い考えと言うが、准にとっては甘い考えではないし、捨てるつもりもない。
「たしかにあの子は私のお腹を刺したり、私の知り合いのピエロさんをしたり、
 あなたの言う甲子園児って人をしたかもしれない。
 でもね、私はあの子を悪だとは思わない。
 こんな島にさえ来なければあの子は普通の女子高生だと思う。
 私はあの子をこの島のひどい状況から救ってあげたいの」
「だがしかし、奴は悪となった!もとがどうだったかは関係ない!
 悪は悪だ!そして悪は倒さなければならない!」

17 :
「あの子は好きでしをして悪になったんじゃない。
 さなきゃされるっていう状況がそうさせたの。
 誰もがあなたみたいにこんな状況でも自分を見失わないほど強いわけじゃない。
 事実、私も二朱さんに会わなかったら自分がどうなっていたかわからない。
 あの子みたいにしをしていたかもしれない。
 でも二朱さんに会ったから私は私でいれたの。
 で人は変われる。それはあの子も例外じゃない」
「変われるだと?その考えが甘いと言うんだ。
 例え変わったところで奴は人という罪を犯したんだ!
 その罪は死をもって償わなければならない!」
「死ぬことが罪を償うことだと私は思わない。
 ごめんねって謝ってくれたら私はあの子を許すつもり。だってこの状況じゃ仕方ないから。
 でも死んじゃったら謝ることもできなくなるんだよ?」
「芳槻さらが謝れば貴様は奴を許すかもしれん。
 だが俺は許せない!奴が謝ったところで甲子はどうなる?
 生き返るのか?生き返るわけないだろう!
 奴が犯した罪は謝罪の言葉だけで許せるものじゃないんだ!
 悪いが俺は貴様の考えは理解できない!
 俺は何と言われようと悪を倒すという自分の正義を貫く!」
レッドはそう言い切ると校舎に向かって歩き出した。
しかし准が先回りしてレッドの前に両手を広げて立ちふさがる。
「悪を倒すだけが正義じゃない!
 悪から弱い人を守って、救い出すのも正義だって私は思う!」
「確かにそうだ。だがな、芳槻さらは悪だ!悪に差し伸べる手はない!
 そこをどけ、夏目!」 
レッドの怒号に准はレッドを睨みつけることで返す。
正直、准はレッドが怖い。
レッドがヘルガに繰り出したパンチは素人の准から見ても強烈なものだった。
あのパンチが准にレッドに対する恐怖心を植えつけていた。
しかし、准にとって一番怖いのはこの島で二朱と共にやってきたことが無駄になること。
さらがされること。
このままレッドを通せば間違いなくそうなる。そんなのは絶対にイヤだ。
その意地が准の勇気を駆り立てる。
だがレッドにしてみれば准は自分の正義を邪魔する障害物でしかない。
「どうしてもどかないと言うなら……」
レッドは准の鳩尾に拳を叩き込んだ。
「かはっ」
准の腹部には刺し傷がある。幸いにも傷が開いたということはなかったが、
激痛が走り、准の意識を刈り取った。
准は膝をつきそのままうつ伏せに倒れ込んだ。

18 :
「貴様……」
今まで状況を見守っていたヘルガが声を上げる。ここまでする必要があるのかというのがヘルガの本音だ。
「ヘルガ、俺が芳槻さらを倒しに行っている間、夏目を頼む」
「待て!芳槻さらの保護は死んだ二朱の願いでもあるんだぞ!」
「俺に悪を助ける道理はない。
 強いて言うなら、これ以上悪事を働けないように息の根を止める。
 それが俺なりの慈悲だ」
そう言い残すとレッドは校舎に向かって走って行った。
悪を倒す為に。
【F-3/学校/グラウンド/一日目/昼】
【レッド@パワプロクンポケット7表】
[状態]:人者に対する激しい怒り
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ナオのリボン@パワポケ10表、超人ライダーボトルキャップ、ゴーカート@パワポケ7表
[思考・状況]
1:校舎に行き芳槻さらをす
2:1のあと野丸or2人組(白瀬、愛)を追い、仲間に害を為す前にす
3:2のあと病院に向かう
4:黒野鉄斎の保護
5:レッドとして反省し、ブラウンの分も悪を倒す
6:東やほるひすを守る
7:余裕があれば第3放送前後にホテルに寄る

19 :

【夏目准@パワプロクンポケット9】
[状態]:気絶中
    腹部に刺傷(立ち上がれる程度には回復)、深い悲しみ
[装備]:スコップ
[道具]:支給品一式×2、スパナ、拡声器、不明支給品0〜4個
[思考・状況]
1:さらを助けてあげたい
2:レッドに対して不信感
3:二朱さん……
4:九条さんに会いたい。
5:十波がさらを救えるか少し不安。
【ヘルガ@パワプロクンポケット6裏】
[状態]:右肩に怪我
    左わき腹の肋骨の1本にひび
   (走ったりなど激しい運動に支障をきたします)
[装備]:モデルガン、ナイフ、軍服
[道具]:ラッキョウ一瓶、支給品一式
[思考・状況]
基本:亀田という悪を育てるために亀田に立ち向かう。
1:あまりにも亀田に対抗する戦力が大きくなってきた場合はそれを削る。
2:レッドに対して不信感
3:十波を少し信頼。

20 :
代理投下終了
レッドの暴走がさすがすぎる
言っていることは一理あるけど、それが極端すぎるのがまさに7のヒーローだぜw
まだまだ事件が起こりそうな学校に放送後もwktkする話だったw

21 :
まず2作とも乙
そろそろ主催にも動きが出てきました
主催が動かんと対主催が動けないから
今後の展開に繋がっていけばと期待
レッドォォぉぉ!!
ヘルガは間違いだからしょうがないとしても
准は殴らんでも普通に振り切って行けばいいだろ!?
わざわざ腹殴りやがってえぇぇ!!!

22 :
投下&代理投下乙!
レッド空回りっぷりがひどいな…
関わる人がドンドン死んでくぞ

23 :
もう時系列は二回放送後ってことでいいの?

24 :
いいと思いますよ

25 :
『偉人の選択』の開始時点で10時過ぎ、終了時点が10時半ぐらいなので、
まだまだワンクッションいけるところは多いとも思います。

26 :
おお、新しいスレ立ってたのか
気付かんかったぜ

27 :
ほしゅ

28 :
十波典明、レッド、投下します。

29 :

屋上へと続く階段を前に、レッドは一人感慨を覚えていた。
――思い返してみれば、長かった。
実際はまだ半日も経っていないのに、何日も追いかけ続けていたような錯覚がある。
それだけ、この瞬間を待ちわびていたという事だろう。
レッドはふと、近くに備え付けられている時計に目をやった。
その針は、12時のほんの僅か前を指している。
恐らくあと数分もすれば、再び放送が聞こえてくるのだろう。
だがここで、はやる気持ちを抑えてまで放送を待つ必要など何もない。
どうせその時が来れば、勝手に放送は流れるのだ。
(待っていろよ、芳槻…)
決意を胸に、小さく息をつく。
無意識のうちに彼の拳が固まってゆく。
レッドは、静かに階段を上り始めた。

30 :

  ●  ●  ●
「あの出来事」からどのくらい経っただろう。
今でも脳裏に焼き付いて離れない、あの出来事。
振り払っても振り払っても、十波の頭にはあの映像が回り続ける。
いきなり目の前が眩い光に包まれて、さらがスローモーションのようにゆっくりと倒れていった、その映像が。
十波の目の前でさらが死んだのは、これで二度目だった。
一度目はさらが自ら命を絶って、二度目は突然他人にされて。
昔も今も、自分は何もできなかった。
さらの命の灯が消えていくのを、ただ眺めている事しかできなかった。
だから、ずっと泣いていた。
二度と動かないさらの体に突っ伏して、いつまでも泣いていた。
自分の無力さが途方もなく悲しくて。
十波の涙は止めどなく流れていく。まるで、枯れる事を知らないかのように。
――それからどの位経っただろう。
気がつくと、十波のすぐ近くには人がいた。
いや、人と呼んでいいのかどうか分からない――全身を赤いコスチュームで包んだ、はっきり言って「変」な人物。
この場に似つかわしくないその風体に、十波は思わず顔を上げる。
見れば、その人物もこちらに顔を向けている。
そして、十波の目とレッドの目がマスク越しに合った。
その瞬間。
「が…はっ…」
十波の体が、音もなく地面に沈んだ。

31 :

  ●  ●  ●
追い続けていた者が死んだ事から生まれた、奇妙な喪失感。
甲子の仇をこの手で討てなかった事への、身勝手な怒り。
目の前の少年が新たな「悪」なのではないかという、僅かな疑念。
それら全てがレッドを衝動に駆り立てた。
気がついた時には既に遅かった。
自分の右手に残る衝撃が、自らの行動を如実に物語っていた。
だがその途端、レッドは早くも後悔することになる。
いくら何でも、まずかった。
少年は純粋にさらの死を悲しんでいた。それ位はレッドにも分かる。
例え芳槻が『悪』の存在であろうとも、目の前の少年には関係のないことだ。
ましてや、少年がさらをしたなどと考えられるはずがない。
(クソっ!俺は…)
結局、レッドはまた誤解してしまったのだ。
いきなりの出来事に驚いたのか、少年は口を開かない。
何も分からぬままに腹を殴られたのだ、それも当然だろう。
自らの行為の謝罪をするため、レッドは十波のもとへ歩き始めた。

32 :

  ●  ●  ●
〜〜〜〜〜〜〜♪
突然、会場内に音楽が鳴り響く。
時間が正午を迎え、放送が始まったのだ。
東優
九条英雄
黒野鉄斎
進藤明日香――
音楽が鳴りやんでから少し経ち、死者の読み上げが始まった。
その声からは、同情の響きなど微塵も感じられない。
二朱公人
野丸太郎
浜野朱里
芳槻さら――
きっと会場の誰もが、自分の行動を中断してこの放送に耳を傾け始めているのだろう。
  ●  ●  ●
十波に歩み寄る途中で、レッドはその放送を聞いた。
東の死を知って、複雑な感情が沸き起こった。
野丸の死を知って、胸に安堵が広がった。
さらの死を知って、放送が真実であると改めて思い知らされた。
そして何よりも、この場で未だにし合いが続いているという事実がレッドを苛立たせた。
――俺はこんなところで、何をやっているんだ?
自分がこうやって空回りしている間にも、死んでいる人がいるかもしれないのに。
不意に猛烈な焦りに襲われる。
よく考えれば、芳槻さらが死んでいる以上、もうここに長居する必要はないのだ。
自分にはまだ、平山の死の原因となった二人組を探すという使命が残っている。
居ても立っても居られなくなり、レッドは十波へ向かっていた歩みを止める。
レッドの体はゆっくりと方向を変え、屋上の入口へと向き合う格好になった。
怪訝な顔をしている十波に背を向け、そのまま彼は走り出した。
このし合いを止めるために、十波への謝罪も忘れて。

33 :

【F-3/学校/グラウンド/一日目/昼】
【レッド@パワプロクンポケット7表】
[状態]:人者に対する激しい怒り
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ナオのリボン@パワポケ10表、超人ライダーボトルキャップ、ゴーカート@パワポケ7表
[思考・状況]
1:2人組(白瀬、愛)を追い、仲間に害を為す前にす
2:1のあと病院に向かう
3:黒野鉄斎の保護
4:レッドとして反省し、ブラウンの分も悪を倒す
5:ほるひすを守る
6:余裕があれば第3放送前後にホテルに寄る
【十波典明@パワプロクンポケット10】
[状態]:「人を信じる」という感情の復活?
    さらを失ったことによる大きな喪失感、右上腕に怪我
[装備]:バタフライナイフ、青酸カリ
[道具]:支給品一式
[思考・状況]基本:さら……
[備考]
1:……?
2:さらルート攻略中に他の彼女ルートにも手を出していた可能性があります。
3:たかゆきをタケミの作ったロボットだと思っています。
4:タケミを触手を出す事の出来る生き物で、し合いに乗っていると思っています。
5:高坂茜とメカ亀田の名前を知りません。
6:さらが過去から連れてこられた、と思いました。
※北側校舎屋上に十波が蹴飛ばした機関銃(残弾中程度)が落ちています。
※本当に「人を信じる」という感情が復活したかは、後続の書き手さんにお任せします。
 復活しなかった場合、
 1:信頼できる人間とは「何故自分と手を組むのか、その理由を自分が理解できる人物」を指します。
 2:逆に「自分の理解できない理由で手を組もうとする人間には裏がある」と考えてます。
 の記述をお忘れなく。

34 :
以上、投下終了です。
展開の矛盾、誤字脱字などがあれば指摘お願いします。
しかし、本スレへの投下は緊張しますなw

35 :
投下乙でした!
若干冷静さを取り戻したレッドとさらを失ってある意味生きる意味を失った十波……
この2人は個人的にキーマンだと思っているので、午後の2人の行動に期待を膨らませてます!
これからも頑張って下さい!

36 :
乙です
あと黒野はすでにしんでいるので
3:黒野鉄斎の保護はおかしいです

37 :
>>36
その通りですね、失礼しました…
お手数ですが、レッドの状態表を以下の通り差し替えお願いします。
【F-3/学校/グラウンド/一日目/昼】
【レッド@パワプロクンポケット7表】
[状態]:人者に対する激しい怒り
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ナオのリボン@パワポケ10表、超人ライダーボトルキャップ、ゴーカート@パワポケ7表
[思考・状況]
1:2人組(白瀬、愛)を追い、仲間に害を為す前にす
2:1のあと病院に向かう
3:レッドとして反省し、ブラウンの分も悪を倒す
4:ほるひすを守る
5:余裕があれば第3放送前後にホテルに寄る

38 :
ほしゅ

39 :
保守

40 :
守れ!

41 :
死守だ! シシューッ!!

42 :
ほす

43 :
ああ、静かだ…

44 :
なかなか更新されないなぁ

45 :
雑談しようぜ

46 :
スレ放置?

47 :
放置されたのかな?
なんだか寂しい。

48 :
投下が無い時こそ本スレは盛り上げるべきだと思うんだ
というわけで、玉砕覚悟で雑談ネタをば
【パワポケ11・12から参戦させてみたいキャラは?】
俺は12から典子を出してみたいな。完全に趣味だけど

49 :
デス・マスとか

50 :
開田くんの底力

51 :
主催者側にジオットさん入れる

52 :
俺はあえての平良木を推す
あのオッサンは何かとやらかしてくれるはずだ

53 :
今思ったがなぜ水木がいない!
しかたないから11の水木を飛び入り
参加させたい!!

54 :
ポケ11より、スキンヘッド天道翔馬、柿元兄弟&支給品として魔人のランプ、シズヤのツボ、ハピネスX
これは個人的な趣味。
ポケ11裏より、支給品としてハタ
11裏登場メンバー以外もハタ化させてみたい。
ポケ12より、田西
実は常識あるいいヤツだった田西の活躍に期待。
ポケ12裏より、氷の姫君サラ、イーベル、ゲンティン
あ、でも10表の芳槻さら出てるしな…
あと支給品に11裏、12裏の武器とか。

55 :
田西は口調のせいで危険人物の扱いを受けそうだw

56 :
パワポケ11からババヤガンなんてどうだろう?
探知機が支給されるロワではその能力から活躍が期待できるんじゃ…?
まぁ本編で活躍少ないから書きづらいけど…

57 :
犬井は最強マーダーになるな。
12裏の主は錬金術が強そうだけど
裏のキャラってスキル使えないのかな?

58 :
6人組はどちらかと言えば主催側だろう
てゆうか6人組を主催に加えたロワもおもしろいと思うw
スキルは無しじやないか?
10裏と11裏と12裏のキャラしか持ちようがないからそれ以外のキャラと公平性に欠けると思う
現在出場中の10裏のタケミもスキルについてはロワでは触れてないしね!
上の3つだけでロワするならありだけど…

59 :
ならマーダーじゃなくてジョーカーかな?
6人組はミスターkが明言されてないよね。
13でも出てこなかったりしてw

60 :
ていうか13は出るのかw

61 :
パロロワ事典のメニューからパワポケ消されてるけど、ここの総意?

62 :
代理投下を開始するぜー

63 :

紫杏が放送を聞いたのは、学校を出た直後の事だった。
放送が嘘を言っていない限り、芳槻さらはやはり死んでしまった事になる。
ひょっとしたらまだ生きているのでは…という淡い期待も、結局は捨てる羽目になってしまった。
眩しいほどに緑が輝く周囲の風景も、今に限っては何だか嘘っぽく感じた。
紫杏に自然を愛でる趣味は無いが、それを空虚などと思ったことは一度も無かったのに。
(…やっぱり、動揺してるのかな)
多分、いや、きっと動揺しているのだろう。
何故だろう。自身の将来を思えば、他人の死の一つや二つで思い悩んでなどいられないはずなのに。
紫杏がまだ、小心者で弱い自分を捨て切れないせいだろうか?
例えジャジメントの指揮官という立場になろうとも、自ら手を下すことはないと高を括っていたせいだろうか?
顔と名前を知っている程度だとは言え、知人をこの手でめてしまったせいだろうか?
「…紫杏、これ回収しといたで」
後ろを歩いていたカズが、いきなり口を開いた。
その手に握られているのは、学校の屋上で放たれたレーザーライフル。もちろん、紫杏に手渡す素振りはなかったが。
あのまま十波の傍に放置しておくのは危険だということは、紫杏にも痛いほどよく分かる。
だが、それでも今は一番見たくない物だった。隠しきれない歪んだ表情が紫杏の顔に浮かぶ。
「堪忍してや…いつかは見せなあかんのやから」
「あまり気にしないでくれ、カズ。私は怒っちゃいない」

64 :

少しの沈黙。カズは話題を変える。
「…あのな、全然関係ない話なんやけど…
 十波、めっちゃ泣いとったやろ?」
紫杏の返答を待っているのか、カズは話を続けない。
仕方なく、ああ、と気の無い返事を返す。
「紫杏…お前は辛ないんか?
 …いや、紫杏だけやない。
 ウチも辛いし、十波も辛いやろうし、一緒におったあの子も辛いはずや」
紫杏は押し黙ったまま答えない。
辛い、と答えてしまうのは簡単だ。憔悴し切ったような表情をそこに添えるのも簡単だ。
紫杏は今まで、ずっとそうして生きてきたのだから。
ただ、安易な「辛い」という言葉に逃げたくはなかった。
それは偽善でも使命感でもない。
そんなことでは、将来に幾度となく訪れるだろう“死”の度に同じ感情を覚える事になってしまう気がしたからだ。
ここであえて苦しい道を選ぶのも悪くない――そう思っていたのだ。
結局、悪いとは思いながらも答えは返さなかった。
会話は途切れ、重苦しい雰囲気が辺りを包む。
ただ、気まずい空気の中で会話を続けるよりはずっと気が楽だった。
カズも恐らくは同じような気持ちを抱いているのだろう。
数分ほど経つと、視界の隅に何かの施設が現れた。
整然とした並びで座席が連なり、その合間を縫うようにして照明器具が見える。
その施設が何なのか、紫杏にはすぐに見当がついた。
(……野球場、か)
とりあえず優先すべきは、混乱した頭にゆっくりと整理をつけることだろう。
湧きあがってくる様々な感情にはひとまず蓋をして、紫杏は入口をくぐった。

65 :

  ●  ●  ●
「御来客、みたいですよ」
手元の探知機に視線を落としながら、あやかが呟く。
「へーぇ」
杖を弄る手は止めずに、プレイグが返事を返す。
「これはまた分かりやすい返事ですね、プレイグさん」
「いや、あのなぁ。
 どうせまた、何や面倒臭いことせなあかんのやろ?」
二人が寛いでいるこの場所には長椅子もあり、一息入れるには最適の場所だった。
もしも接近している二人組が何らかの休息を目的としている場合、十中八九ここへ訪れる事になる。
それだけに、このまま手をこまねいて待つわけにはいかないはずだ。
どうせ変身だの魔法だの要求されるに決まってんねん――プレイグの質問からは、半ば諦めのようなものも感じられた。
だが、あやかの返答は予想外のものだった。
「いえ、今回ばかりは必要ありません。
 …と言うのもですね、今回の二人は『安全』だからです」
「安全?」
「はい。一人は正義感あふれる自治会長。まあ、かなり疑り深いきらいはありますけどね。
 もう一人も特殊な能力を持ってはいますが、性格からして無抵抗の人間に襲いかかるような事はないでしょう」
楽観的すぎる、ととれないこともない。
プレイグはさすがに危うさを感じ、聞き返す。

66 :

「いやいや、そんなに上手く行くかいな?
 そんなん言うてて油断してされました、じゃ下手なシャレにもならんで」
あやかの顔に微笑が浮かぶ。分かってないですね、という表情が露骨に読み取れた。
「おやおやプレイグさん、何か私を見くびっているようですね。
 私だって、裏付けもなしにこんな事を言ったりしませんよ?」
それに、読みが外れたら外れたで面白いじゃないですか――続けようとした言葉は辛うじて呑みこんだ。
納得しかねたような顔をしたプレイグがまた何か言おうとしたその時。
カチャリ、とドアが開いた。
ほんの数メートルの間を置いて、ドアを開けた張本人・紫杏とあやかの目が合う。
「…失礼、邪魔をしてしまいました」
再びドアを閉めかけた紫杏を、あやかは呼び止めた。
「いえいえ、一向に構いませんよ。
 それより貴女、かなりやつれてますね?
 何なら私達が他へ行きますから、ここで休んではどうです?」
「…お気持ちは有難いですが、結構です」
そう言い残し、紫杏はその場を立ち去ろうとする。
しかしあやかは構わず、紫杏の背中に再度言葉を投げかけた。
「まあ、大方の見当はつきますよ。
 貴女が気に揉んでいるのは、『芳槻さら』の死――ですね?」
紫杏の背中が、ピクリと揺れた。

67 :

  ●  ●  ●
(…何者なんだ、この女?)
芳槻さら、死、神条紫杏。
目の前に居る女は、この三つをいとも簡単に結びつけて見せた。
放送だけではどう転んでも出来ない芸当だ。
初めて女を見た時に覚えた直感が、より一層強さを増すのが感じられた。
すまない、少し一人で頭を整理したいんだ――野球場に入って間もなく、紫杏はそう言ってカズと別れた。
そして単身入ったサロンのような場所。
女を目にした途端、普通ではない雰囲気を感じた。
だから紫杏は、交渉に持ち込む事もなく部屋を後にしようとしたのだ。
立ち去れ、逃げ出せ。紫杏の理性は今も叫んでいる。
話の運び方からして、女は紫杏を何らかの形で「壊そう」としているのは明白だ。
だが――いや、だからこそ、逃げ出すことに抵抗を感じる。
紫杏が自らに課した「苦しい道を選ぶ」という宿題が、いつしか自分自身を縛ることになっていたのかもしれない。
「おっと、自己紹介が遅れましたね。
 私は黒羽根あやか――いえ、ここはあやか伯爵と名乗っておきましょうか」
「…伯爵、ですか?」
爵位。どこかで聞いたことがある。
「ふふ。お気づきのようですね。
 ご想像の通り、私はこの場でジョーカーという役回りを務めさせてもらってます。
 もっと月並みな言い方をすれば、『スパイ』という所でしょうか」
真偽のほどは分からないが、にわかに興味深い話が舞い込んできた。
下手な相槌を打って話が逸れるくらいなら、喋るだけ喋らせるのが吉だろう。

68 :

「そういう立場上、私は色々と利点を得ているわけです。
 なかなか優秀な探知機も支給されていますし、参加者の方々についてもある程度は把握済みです」
なるほど探知機があれば、放送と関連付けてさらと紫杏を線で結ぶ事が出来る。
よりによって学校の辺りを見ていたのも、決して偶然とは言い切れない。
学校には比較的人が集まっていたし、位置もここからならかなりの近場だ。
暇つぶしがてら観察しておくにはうってつけの場所だろう。
「と、前置きはこの位にしておきまして…
 芳槻さらをしたのは誰か、それは私にも解りません」
一呼吸置いて、続ける。
「ただ、貴女に罪の呵責を感じさせる事はできます。
 何故止められなかったのか。
 あるいは、何故してしまったのか」
そろそろ、か。
紫杏は唇を噛みしめ、覚悟を決める。
「あまり隠しだてするのは好きではないので、率直に言いましょう。
 私が把握している限りの情報では、芳槻さら、十波典明、この二人は相思相愛と言っても差支えないでしょう」
嘘だとは考えにくい。目の前の女がジョーカーだと言う事も、この情報も。
それだけに、怖い。
何を知っていて何を言いたいのか、それが掴めない。
「それに、一つ興味深い点がありましてね。
 十波という少年は、どういうわけか芳槻さらが『死んでいた』と思っていたらしいのです。
 つまり――」
紫杏の理性は、なおも大音響で叫ぶ。耳が痛いほどに。
「…失礼します」
結局、紫杏は音をあげた。
あやかが言わんとする事は、紫杏にも理解できた。
それを今となってはどうしようもないんだと割り切れるほど、紫杏は強くない。
改めて、自分が捨てきれない、情けないほどの弱さを感じた。

69 :

十波とさらとの間に横たわる矛盾と、病院で一笑に付したタイムマシンの話。
もし紫杏が平静を保っていれば、この二つを結んで気休め程度でも自分を慰める事もできただろう。
だが、紫杏は余りにも疲れ過ぎていた。
頭の整理をつける間もなく、次々と追い詰められてきたせいで。
今はただ、何も考えまいと必死だった。
【G−3/野球場/1日目/日中】
【神条紫杏@パワプロクンポケット10】
[状態]:脱力感、両ひじ、背中に軽いうちみ
[装備]:バット(デイパックの中)
[道具]:支給品一式、詳細名簿、ノートパソコン(バッテリー消耗小)、駄菓子数個
[思考]?????
基本:どのようにも動ける様にする。
1:どこかで頭を整理したい。
2:生きて帰って平山の言葉を伝える。
3:出来ることならカズと十波には死んでほしくない。が、必要とあらば……
[備考]
※このし合いをジャジメントによる自分に対する訓練か何かだと勘違いしています。
※島岡の荷物は、島岡を害した者に持ち去られただろうと判断しました。
※小波走太一行とは情報交換を行っていません。
【大江和那@パワプロクンポケット10】
[状態]:全身打撲、疲労(中)
[装備]:六尺棒、レーザーライフル
[道具]:支給品一式×2、不明支給品0〜1、携帯電話、塩素系合成洗剤、酸性洗剤、油、ライター
[思考]
基本:バトルロワイヤルを止める。
1:紫杏!?
2:病院へと戻る。
【備考】
※重力操作にかけられた制限の存在に漠然と気付きました。
※桧垣東児特性しあわせ草エキスは一本きりです。

70 :

  ●  ●  ●
「…なかなか逃げませんでしたね」
ドアが完全に閉まったのを確認した後、あやかは言った。
「なんや、早う逃げてほしかったんかい?」
プレイグは、解りやすい驚愕の表情を浮かべて問い返す。
「ええ、気分としてはそうでしたね。
 食事も終わって満ち足りた気分でしたから、さすがに面倒になってきまして」
「ほんなら最初っから止めへんかったらええやないか。
 なにもあの姉ちゃんが自分から留まってたわけやないで?」
理解できない、といった面持ちでプレイグはあやかを見つめる。
それを横目で見ながら、あやかはこともなげに言い放つ。
「だって、それじゃあまりにもあんまりでしょう?
 それに、私は何度も逃げる機会は作ってあげましたよ。
 あそこまで聞いたのは、私ではなく彼女の意志です」
「…まったく、ホンマに食えん女やな」
賛美とも軽蔑ともつかない口調。
あやかの考え方には、基本的に今でもついていけない。
ただ、あやかのやり口、獲物のとらえ方、そんな諸々を少し楽しみにしているのも事実だった。
そんな自分に何より驚いたのはプレイグ自身ではあったが。
「…と言うか、最後まで逃げへんかったらどうするつもりやったんや?
 あの姉ちゃんがトラウマ背負ってたから良かったようなものの、よう考えたらあんまり大した事は言うてへんで」
あやかの口元に微笑が浮かぶ。
まだ私という人間を理解していないんですね、とでも言うように。
「それはそれで、面白いと思いませんか?」

71 :

【G−3/野球場内部サロン/1日目/日中】
【黒羽根あやか@パワプロクンポケット7裏】
[状態]:歓喜、満腹、テンション↑
[装備]:妖刀ムラマサ@パワプロクンポケット7裏、日本刀
[道具]:支給品一式、高性能型探知機、充電器、タオル数個
[思考・状況]
基本:し合いを円滑に進めるために動く。方法は問わない。
1:とりあえず今は満足。
2:ゲームに乗っていない人間はす、マーダーに出来そうだったらする。
3:名探偵は、今度こそこの手で………
[備考]
1:参加者全員の顔と詳細情報についての知識を持っています。
2:探知機はあやかには反応しません。
【プレイグ@パワプロクンポケット4裏】
[状態]:健康、満腹
[装備]:ハヅキの杖@パワプロクンポケット4裏
[道具]:支給品一式、カレー調理用セット(食材三人前、包丁鍋フライパンスプーン皿、いずれも汚れてる)
[思考・状況]
基本:『し合い』に乗り、優勝を目指す。
1:あやかについては保留。とりあえず今はさない。
2:もっとまともな杖が欲しいでホンマ……
[備考]
※杖がなくとも呪文を唱える事に支障はありません。精神的にほんの少し落ち着かないだけです。

72 :
代理投下終了です
久々の投下、乙でした!
紫杏が若干揺れ気味で面白くなりそうだぜw
伯爵も伯爵でやりたい事やって楽しいそうだなーw

73 :
乙です
今後紫杏がどうなるか見ものだな

74 :
保守しなきゃだーめ

75 :
保守

76 :
シシュだ、シシューッ

77 :
8/15時点で仮投下が来てた…
こっちには投下しないの?

78 :
お久しぶりです。
書ききったものの、あまり自信がなく、仮投下スレに投下しました。
そして夏休み中の予想外の忙しさに、そのまま放置してしまいました。
無責任なことをしてすいませんでした。
それで、改めて今日読み返してみたのですが、やっぱり酷いかなと……
自分的には破棄になっても全く構わないのですが、後学のためにも是非皆さんの意見が聞きたいです。

79 :
よろしくお願いします。

80 :
オレは問題ないと思うけど

81 :
そうですね、じゃあ率直な意見を述べさせてもらいますと…
異なる3人の考えがリンクする、というアイデアは良いと思いますが、
そこに至るまでの過程が短絡的すぎるのではないかという気がします。
特に十波パートに関しては今までの方向性を180度覆しており、読む側としても受け入れにくい印象を受けました。
最後に、反応が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。

82 :
>>81さん
そうなんですよね。
2人の心境、2人の向かう方向をそれぞれ今までと真逆にしたいわけなので、
誰が読んでも納得するそれなりの理由を示して、厚みをださなければならないのですが……
今回は破棄にします。
やはり、自分自身も納得いってないので。
それで、できるだけ練り直してみようかと思います。
再投下の目処が立ち次第、再予約させて頂いてもよろしいでしょうか?
もちろん、我こそは!という方がいらっしゃればお譲り致します。

83 :
まってるよ〜

84 :
保守保守! 頑張ってください!

85 :
したらばの方も本スレの方も大分止まっているけれど、投下してみようかな…
初心者だけれども、このロワが好きすぎるので…

86 :
ぜひぜひ

87 :
大歓迎です!

88 :
保守

89 :
保守

90 :
ほす

91 :
保守

92 :
あけおめ保守

93 :
過疎でも保守

94 :
フォッシュ

95 :
フォッシュマグナ

96 :
保守

97 :
hosu

98 :
…みんな生きてるか

99 :
保守

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