2012年3月アニキャラ総合350: 型月×リリカルなのはクロススレ40 (853) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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型月×リリカルなのはクロススレ40


1 :
ここは、『TYPE−MOON関連作品』と『リリカルなのはシリーズ関連作品』の、
キャラクター同士の交流等を想像したり、SSを書いたりするスレです。
【前スレ】
型月×リリカルなのはクロススレ39
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1290595435/
【まとめ】
型月×リリカルなのはクロスまとめwiki
http://www9.atwiki.jp/tmnanoha/pages/1.html
 規制時の連絡・代理投下依頼etc.はこちらに
  型月×リリカルなのはクロススレ緊急避難所
  http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/tmnanoha/2/
 外部のサイトで掲載されている作品についてはこちらで
  型月×リリなのSSについて語るスレ
  http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/tmnanoha/4/
【注意】
 ・基本sage進行です。書き込む際は、E-mail欄に「半角」で『sage』と入力してください。
 ____      ________               _______
 |書き込む| 名前:|        |   E-mail(省略可): |sage     |
  ̄ ̄ ̄ ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ・作品を投下される方はトリップの着用をお願いします。
  (名前欄に書いた名前・タイトルの最後に『#■■■■』を追加する。#は半角。■は任意の文字列)
 ・キャラの強弱、戦う両者の戦闘内容等の議論は荒れる原因にもなるので自重しましょう。
 ・荒らしに構う人も荒らしの仲間になってしまいます。華麗にスルーしましょう。
 ・次スレは>>980が立ててください。>>980が踏み逃げした場合、有志か>>990が宣言して立てて下さい。
 ・容量が足りなくなった場合も適時お願いします。

2 :
建て乙

3 :

投稿待ってるよ

4 :
>>1乙に還る転生

5 :
セイヴァーって実際強いの?

6 :
狐によれば、決勝までの全員と比べてもケタ外れらしい
ビームもとい後光の力でサーヴァントに成仏しろって圧力でもかけてるんじゃないかと思う
伝説では億を超える悪霊悪魔を一撃など、対霊ならイエス以上じゃないかと
無限の残骸もシュワーっと全滅させかねない
仏舎利とかあるけど、聖性はイエスに劣るかも(1に還るというか0に帰す感じで、イエスは−を+にするって妄想イメージ)
なにげに中国圏で数少ない神仙以上の存在ってのはポイントか
死因は毒キノコ
物理面の性能が不明で、神秘・コンクリ落としとかやられたら抵抗できずに死にそうではある
神性スキルで菩提樹の悟りが破られたらどうなるかもわからん

7 :
釈迦の死因のセンダンニは豚肉料理だって説もあるけどな。
どっちみち史実では当時かなりの高齢だったから、毒キノコでなくても普通に軽く食中毒で致命的だったろうけど。
拳法の達人だったという伝承も、一応あることはある。

8 :
ふーむ

9 :
クー・フーリン「後輩と一緒に現地妻を探しにきた@ミッドチルダ」
ディルムッド「光の御子の占いによれば、ここに俺の真なる忠義を捧げる御方がいるらしい」

10 :
二人揃って不遇な結果になるように思えてならない……。

11 :
キャス狐さんとリリカルなのはキャラの組み合わせは、やはりティアナ一択かねえ。声的に。

12 :
クロノに張り憑いてほしい
>>9
文化的に狼=侮辱なんで、フェイト・八神はよろしくない
だから別の家に行ってね!

13 :
エクスカリバーって聖剣って言うけどどこが聖なんだ?
聖王家はオリヴィエの前から「聖」王家なのか…
セイヴァーの一に還る転生ってなんだ!?
現世で悟れないなら来世で出直せとでもいうのか
そして、体から仏舎利が採れるのか
モブ被害者の皆さんに御守りとして配りたい

14 :
通称「最後のゆりかごの聖王」
聖王がゆりかご乗ったら死ぬ運命だけどお国のために乗らなきゃダメよ
だからオリヴィエは第〇代目の聖王
ちなみに元々、聖王の鎧は聖王が生き残るために生み出され植え付けられた後天的なものだった

15 :
>>13
属性の陰陽に関わらず『尊い』剣だとかどうとか桜ルートで黒カリバー開放を見た士郎が言ってた様な
星の触覚の一部みたいなものなのでスゲーってことかと
エアはそれ以前のものみたいだが

16 :
聖剣は、アロンダイトも聖剣だったが背信で格を失った
単にキリスト教信仰による幻想の属性じゃないかな
カリバーの代名詞が聖剣なのは、メロダックやグラムに連なる「聖権」、神に下賜された王国の統治権の象徴として強調しているのかもしれない
騎士王=聖剣=聖権で
仏舎利(仏の遺骨)は直死への抵抗が増すからお守りとしては効果あるかも
清い人が持つと増えるとか、リアル仏舎利の総体積は人間以上とか
聖王教会も名のあるベルカ騎士の聖骸物を扱ってるから、それ扱いで裏ルート取り引きできるねカリムさん!

17 :
カリムさんに必要なのは黒さ
驚きの黒さ
間違いなく黒さであろう

18 :
シグナム「よし」
はやて「ありゃ?シグナムー、新しい私服??」
シグナム「これから、フェイトやシャマルと合コンに行くのです」
「後輩に、我々も社会人として生きるなら、合コンも学んだ方がいいと言われたました」
「シャマルは何度か実戦経験もあるとか。ヴィータにも勧められて」
はやて「ふ、ふーん。ま、まだフェイトちゃんには早いんちゃうかな?」
シグナム「海は任務期間が多いので、今がいい機会だとリンディに。適齢期うんぬん、と」
「では、行った参ります」
はやて(独身・2?歳)「」
合コンの相手は―――
・グレアムが紹介する、古い騎士と戦士たちだった
・魔術教会のエリートだった
・渋い声をした黒いコートの三人組だった

19 :
>魔術教会のエリートだった
魔術師って表向きには貴族か芸術家なんだよな……。
エリート「シュポンハイム修道院次期院長のコルネリウス・アルバ、芸術家ってヤツで、専門は人形造りと古代文字の研究さ。ヨロシク☆」
超エリート「ロンドンで芸術家をやっているケイネス・エルメロイ・アーチボルトだ。手広く才能を持っていると自負するよ」
新進気鋭のエリート「あー、ロンドンに住む芸術科講師のウェイバー・ベルベットだ」

20 :
一番下しか成功してねえw
本人は不満だけど

21 :
芸術家なら4次キャスターと龍ちゃんがいるじゃないか

22 :
合コンだからね合コン

23 :
>渋い声をした黒いコートの三人組だった
若い神父「最近はzeroの文庫化で何かと忙しいヤング綺礼だ。よろしく頼む。」
店長「アーネンエルベで店長をしているジョージだ。よろしく。」
なまもの?「吾輩のペンフレンドともどもよろしく頼む。」

24 :
>>23
胡散臭い神父と裸コートの学者と静止してる坊さんだろ

25 :
近頃リーマンに転職したんじゃなかったっけ神父

26 :
>>23
俺の誘導弾を全て回避するとは、やるな貴様

27 :
ジョージひとりのビッグショー

28 :
若言峰「スカリエッティ、ご飯の時間だぞ」
バツイチの神父って芸術家より地雷だと思うの

29 :
娘のほうはBC兵器ばりだが

30 :
死別ってバツイチになんの?

31 :
ランサーも妻が後を追って死んだがバツイチなのか
なのは・セイバーはどうなるというんだ

32 :
フェイト「私もママなんだよ…」

33 :

ランサー「誰が親かってのは、生んだ育てたじゃねえ。子供(ガキ)がテメエで決めるもんだ」

34 :
オルタばりに黒くなってヘルム装備で
「I'm your mother」
と告げるなのはさんが脳裏をよぎった

35 :
>グレアムが紹介する、古い騎士と戦士たちだった
ランス「arr…arr…ar-!!」
ヘラクレス「■■■ー!!」
毛呂「■■■ー!!」

36 :
sage忘れてた。失敬。
>>19
最初の二人死んでるじゃんw

37 :
>>24
彼らなら店長の後ろにいるぞ。

38 :
毛呂って誰だよ?
>毛呂氏は藤原北家の流れで、中世、武蔵国入間郡毛呂郷の在地領主であった。
>『毛呂流大谷木家系図』によれば、太宰権帥藤原季仲の子周防前司季清が毛呂郷に移り毛呂冠者を称したとみえている。
>季清の毛呂土着には、武蔵七党の一つである丹党との婚姻関係があったようだ。
>毛呂冠者季清の子が毛呂氏の基盤を築いた毛呂太郎季光である

39 :
かーきーこーめーなーいー

40 :
あ、書き込めた
>>38はほんとに誰だ? プロフィールかかれても分からん

41 :
参考資料民明書房じゃなかろうな

42 :
ググると、毛呂って地名と武士はあったみたいだな

43 :
スバル達の大食いやネロのホテル襲撃って体積的にどうなんだろうか
そして、サーヴァントは魔力分解するのに、どうして大食い対決がセイバー>バーサーカー>ランサー、士郎>桜>(若さの壁)>アーチャーとなるんだろうか
毛呂氏について
ttp://www2.harimaya.com/sengoku/html/moro_kz.html

44 :
食べるということに関する気概の問題だろうか?

45 :
F-15を食らった海魔が一番か

46 :
経歴でいえば海魔よりネロ、ゴルゴン、黒桜か
闇の書は圧倒的だが食べると言えるか微妙なライン
白天王はあの体をよく維持できるな

47 :
なのはやフェイトもいっぱい食べてるなら、そうか魔法は消費カロリー大きいのかと納得できるけどねえ。
そうか、近接戦闘組はカロリーを消費して身体強化をする的な魔法を使っているんだな。
くぅ、なんてうらやましい魔法!

48 :
まあフォワードはカロリー消費激しいってやたらと食ってたな

49 :
フォワードというかベルカ式前衛組がな
ミッド式は間食が多かったと歳時記で語られてるが
―――で、デスクワークなのに両方やってるはやてさんは太ったそうな

50 :
同席すると同じように食べてしまう気持ち、わかります
―――でも大丈夫!!ボクと契約してくれれば、太る心配のない身体にしてあげるよ!
さあハヤテ、早く願いごとを決めて、英雄になろう!!

51 :
ムーンセル「こっちと契約すれば体重1/6サービスが付きますよ!!」

52 :
>>51
『重さ』は変わっても『質量』は変わらんからな

53 :
吸血鬼だ!吸血鬼になれば確実に美形補正が+される!!
くそっ、我々はたった一人の少女すら救うことができないのか?!

54 :
吸血鬼になっても不幸なのは変わらんよ
さっちんという前例あるし

55 :
ガトー「認めん。認めんぞおおおお!!俺の嫁なる乙女は聖女なりい!」
ガトー「ぽっちゃり系など認めぬう!!」
ガトー「星よガイアよ!アラヤに聖杯よ!!はやてをガリガリさんにし給え!!」

56 :

       _   ___ __
ねーよ
     / =->ァ' ,. , '  、、>ァ< ̄`ヽ、
  ,.-、(ヽ!  /ヽ,.Α┴Α⊥! }ヽ.ン`ヽ  i
 _ヽ、ヽ ヽレ'^)ii/yヽ /ヽ',. /  ,.-、 }  ) / わたしのスマートボディさんがガリガリにィ〜!?
.ヽ`__/ ` _k_iji_i_@i i_@i_,.!--'ク/_/ //
(二_   /,.-、_○_,. -、    ヽ,.<ヽ、
   `ヽ/ /ヽ、j_i_i,. -'´ヽ_,.-‐'_,//
    i  i          iヽ、/   /
    i  i   ,. --r――イ  i    /
    ヽ ヽ/     /i  i   /
     `ヽ、ヽニiニiニiニ'  i_i__/
        `ー(  ̄)‐''" (__}ー )
           ̄      }ニ/

57 :
ガリガリさんがほしいならギルっちに頼め

58 :
最近投下が無くて寂しいお…
リリブラの人も結末を決めかねてるのかな

59 :
いろいろ広げたからな

60 :
カレイドスコープが気になっているわたくし

61 :
気になるっていうと、連載作品はみんな続きが気になってるよ。
はやてルートとも、Lyrical Nightも、みんなみんないいところでとまってるじゃねーか。
やっぱり人がいなくなると、投下する魅力とかなくしていくのかね…?

62 :
プリズマでなのはさん主人公に考えてるんだけどさ
英霊の大幅弱体化設定が微妙に邪魔なんだよね
純粋なステータスダウンやゴッドハンドがB以上貫通とか、槍弓がバゼットに殴りされるとか
純魔力が通るのはやりやすいんだが
設定改悪しちゃっていいのかな

63 :
改悪になるか、改善になるかは貴方次第

64 :
>>62
プリズマと本編では設定面でも結構違うみたいだから、別物と割り切るなら良いんじゃね
ここで評価されるかはしらん

65 :
なんつーても二次創作はオリジナルありきだから決して改善にはならないと思ってる。つか言っちゃダメ
けど説得力や面白さが弱ければ白い目で見られる
設定の改変は難しいね
独自解釈やこじつけの範囲でなんとかかんとか
兎も角期待させてもらうことが決定したので頑張っておくんなまし
しかしViVid…
正統派「魔女」…だと……
呪術に悪魔使役とはやる

66 :
まあ面白ければいいんだが…Vividはまだ未読だが、またなんか出たのかw
自分は独自設定結構書き込んでる方なので、新たに何かがでてくるとちと困る。
とりあえず上手く取り込める分ならどうにかしたいが。

67 :
そういえば正統派の魔女ってことは何式だあの子?

68 :
ミッド式
ベルカ式
両儀式
百式
好きなの選べ

69 :
ギルガメッシュ「我が本物の魔女かベッドの上で確かめてくれるわ!!」

70 :
沙条綾香も元々は魔女っぽい術使っていたんだっけ

71 :
鍋をグツグツやるのはキャス子もやってたな
竜の火や刃が利かなくなる軟膏や、相手の親族を操ってしたり、ウェディングドレス(超ナパーム)とか魔女魔女してる
リリカルの悪魔ってなんなんだろうな
ゴーレムや虫人間、レアスキルの魔力犬とかもいたが、あれとは別か
型月の悪魔は、妖精さんのが悪魔っぽいよね

72 :
>>71
元がエロゲーなので触手モノに出てくるようなクトゥルフ的な物だと思う
シャマルさん指揮する位ならメスゴ…キャス子さんが指揮をするほうg

73 :
古代ベルカって何で滅びたんだっけ

74 :
大規模次元震で古代ベルカ含んだ複数の世界がアボン
原因不明、ゆりかごの仕業って説があるらしい

75 :
古代ベルカ時代の時点でロストロギア扱いだからなアレ
リインなら知ってたかもしれんね

76 :
基本的にサーヴァントは亡国の方々
国への愛着はさて
ヴォルケンズも昔の記憶は定かでないが

77 :
>>76
英霊は基本、自分の故郷が滅んでいても世の常と諦観するよ。
これで世直しするとか言い出したら頭のネジが抜けているレベル。

78 :
>>77
セイバーさんのことっすね。

79 :
>>62
聖杯の用意した身体なら100%の性能を発揮できるってけど、
札の作った身体や生身では100%を発揮できないと考えてるが。
強い英霊ほど容量食って弱体化するけど、弱い英霊なら弱体化なしで案外理性とかも残ってるかもしれんぞ。

80 :
>>78
死ぬ直前そのままの状態だから他の英霊とは現世への執着度やスタンスが違うだろう

81 :
英霊は基本全盛期の状態で召喚されるからな
Extraのアサシンはもしランサーだったら老人で召喚されるらしいし

82 :
そもそもアルトリアは英霊じゃないからな

83 :
>>79
>強い英霊ほど容量食って弱体化
プリズマだとそんな設定があんの?

84 :
>>ひろやまさん初めまして。いつも楽しくプリズマ☆イリヤ読ませています。
  ちなみに一番好きなキャラはセラお母さんです。
  無印から読み直して気になったのですが、
  夢幻召喚で英霊化している時のイリヤたちの性能って原作の英霊たちのパラメータや
  クラススキル、保有スキルは同じでいいんですかね?
  セイバー化した美遊が通常攻撃でゴッドハンドの効果でA未満の攻撃を無効化する
  バーサーカーを一回しているとこをみると、筋力は凛がマスターの時の
  セイバーと同じくAだと考えられますし。でも美遊がBランクのゲイボルクで
  バーサーカーをしているから、ゴッドハンドのランクが落ちてA未満の攻撃でも
  せたとも考えられますし。確か黒化英霊の全パラメータって1〜2ランク
  落ちているんですよね。ですがその場合凛たちの魔術が瞬間契約の大魔術(Aランク)
  以外効かなかったことと矛盾しますし。セイバー・美遊が通常攻撃でバーサーカーを
  せたのはエクスカリバーのランク自体がA以上だったからだと
  一応の説明もできますが。一番無理がないのは美遊の使ったゲイボルクが
  カレイドステッキのAランクの強化のおかげでBランクからAに上がっていたからだと
  考えることもできますが……。
  色々考えても答えが出せすこの場で質問させてもらっている次第です。
  別に重箱の隅をついてひろやまさんの作品を批判する気はありません。
  こういう読者の想像の余地が残るってヤツも大事だと思いますし。
  長く語りましたが、これからもプリズマ☆イリヤの執筆頑張ってください。
>なっげー質問キターーーーー!!
>一応作者として設定をお答えしておきますが、あくまでプリズマイリヤは
>Fateの2次創作的位置づけの作品であり、原作設定と一部異なる可能性があります。
>そして私自身、完全に矛盾無くストーリーを作ってるつもりもありませんので、
>相当なノイズや掛け違いが含まれる可能性があります。
>それをふまえた上で、解説どうぞ。
>仰るとおり、黒化英霊は原作英霊とくらべてかなりパワーダウンしています。
>バーサーカーの場合ゴッドハンドも弱体化しており、
>ランクB未満の攻撃をを無効化、となっています。
>んで、カードをインクルードして作った宝具の方は、ほぼ原作通りのランク。
>ですので、ゲイボルク(Bランク)が黒バサカを貫けたわけです。
>エクスカリバー(Aランク)も当然通ります。
>凛とルヴィアが繰り出した拘束魔術はテンカウント(Aランク)の魔術なので
>これまた通ります。
>それ以外に凛たちがした魔術攻撃は、ずっと下のランクのものです。
>凛たちは「テンカウントなら通る」という事実は確認できましたが、
>通る・通らないの境界がどこなのかまでは分かっていません。
>ちなみに筋力等のステータスがAというのと、攻撃ランクのAとは別の概念です。
……と、これで大丈夫でしょうか。
最低限の整合性は保ってるつもりですが、あんまり自信もないのでお手柔らかに…。

85 :
>>84というわけで、大幅に弱体化してはいる
ライダーの対魔力B?を見る限り、クラススキルは通常通りか
強い英霊は大抵その精神・スキルも強靭であるから、弱体化の幅は大きいと言えるかもしれないが、容量云々という話は今のところない?
土地に巣食うオバケとなっているから供給面での不足はなさそう
サーヴァントというシステム上、何かしらの欠損はある
けど、下位とされる者も英霊化によって一定ラインは保証されてる
大英雄に関しては「さらに強くなる」と加点式に考える方が正解に近いのか

86 :
どんなサーヴァントも所詮は死人
どうして生前にかなうものか
本当の英雄なら、どんな特典よりも、心のありようで限界が決まるはず
そういう意味では、現世でどれだけ力を絞れるかはますますマスター次第になってくるか

87 :
ネロ皇帝「生前のがまじ百倍つええのだぞ?」

88 :
ゼスト「死んでからが華」

89 :
でもまあ、都合のいい状態のが保存・召喚できるのは強み
老害というかキチガイと化した死去間近の精神状態のアレキサンダーとか呼ばれても何だし

90 :
>>85
別に容量じゃなくて器でもいいけど、
聖杯の用意した形すらない無色の器なら英霊を完全な形で再現できるけど、
霊媒(札)という形の定まった色のついた器では、英霊は器の影響を受けて完全な再現は出来ないし、注がれる量に対して器も小さいからそれだけこぼれるモノが増えるって話。
英霊の格を決めるのが量ならこぼれるだけだけど、密度だと器が割れるだろうなぁ

91 :
ヘラクレスとギルガメッシュなら、後者の方が格が高いが、前者の方が遥かに呼びにくかったりする
聖杯の器って言っても、バリバリに土地とマスターに依存する使い魔状態だよ
クラスシステムも器としては欠損前提の歪なもの
カタチのない物を器とするのは聖杯でも無理って話だが、カードじゃますます荷が重いってのはわかる
カード一枚で英霊の真似事を可能にするプリズマのインストールは正気の沙汰ではないな
闇の書をコンパクト化して使い易くしたようなブツだ
ギルガメッシュとかあったら聖杯戦争以上の奪い合いになるな

92 :
ギルガメッシュの能力の一部召喚とか、あいつは一部だけでもチートすぎる。
というか、一部だけの召喚ということは、呼び出される原典も格落ちしているのだろうか…。
けど、プリズマのこのカードがA'sとかのリリカル世界に落とされたとかの話は作れるかもしれんねー

93 :
ギルっち出たらバビロンは倉だけで中身カラッポだったりして
ただの空スペアポケット状態で

94 :
ゲートオブバビロンの連射速度なんかは落ちてるだろうけど、
戦闘本能だけで動くから慢心・油断はなし、
しかも基礎能力はもともとトップクラスで、スキルを持たないため、
補正の影響を受けにくい。
あれ、これ強すぎねえ?

95 :
いやいやいや、もしもプリズマにギルがでてくることがあれば、王であるがゆえに現象になっていようが自我を失わずとか無茶やってそうだよw
ギルならそれくらいやるよ!
そして、スペックが落ちてるのに気づかずにいつもの通りやろうとして敗れるよ!

96 :
プリズマ一期の黒化英霊4次と5次入れ替えたら悲惨なことになるだろうな
初戦で物量戦仕掛けてくるライダーやら防御無視で一撃必仕掛てくるアサシンやら…
そして一番やばいのがセイバー戦で乖離剣出して鏡面世界ぶっ壊してしまうイリヤ

97 :
五次でも三騎士の内2つが抜かれているから楽に見えるだけですよ
ゲイボルクも大活躍
ただ、海魔の群れは魔法少女の天敵であることは間違いない
>>96
残念ながら、アサシンが出てくるならエセ侍の方ではないかと
鏡面世界は黒英霊のエクスカリバーでも抜けたから、魔力反射の平面を無視できる属性をつけた超出力ならなんでもいいかもしれない

98 :
>>93
ギルが顕現してる間は大丈夫じゃないかな。
そしてやっと倒して使ってみてもアーチャーのカード(弓が出る)と同じで、便利な倉庫があるだけという。
>>96
4次ランサーとか魔法防御抜けてきそうだもんな。
出番のなかった5次ランサー&アーチャーも出て欲しかった。
>>92
それは普通に面白そうだねー。
普通にロストロギア扱いされるだろうから、A's以降なら誰絡んできてもおかしくないし。
でもルビーとかも付いてきそうで怖い。
……あれ。
仲良し五人組で丁度二人ほど魔法少女じゃない子がいたような。
マジでありかもしれん。ちょっと考えてみる。

99 :
それにしても此処ではforceの話されないな。Vividは時々されるのに……
人気無いのか?

100 :
いやあ、デバイス変えちゃ駄目だろうというかなんというか
戦闘機を魔改造したランスロットに合わせて、アーサーが聖なる手榴弾でテロ始めたような気持ちがだな
呂布が超中華ロボではなくRYOfu-05先行量産型だと許せるかどうか微妙だぞって感じだ

101 :
戦闘がブリーチ並に長く続いてるせいであまり語るところがないのよね
一応あげてみると
・はやてがブラスター3使った巨大氷塊でフッケバイン落とそうとしたけど刺された
・フッケバインはアルカンシェルも余裕でした
・トーマリンチでが銀十字破壊

102 :
そしてフッケバインはG秋葉に落とされたと

103 :
アルカンシェルを防ぐとはどういう理屈だ?
アルカンシェル自体の理屈も割と曖昧だったけどさ、そう防げものでもないはずだが
ヘラクレスやメデューサは実在しなかったみたいだけど、ベルカの百王にもそういう存在はいそうだよね
ヴォルケンリッターを悪役解釈してる人がサーヴァントとして召喚したら、感情のない騎士として出てくるのだろうか
あるいは「モデルの人物」が中身になるのか

104 :
どんな大層なもんでも魔導に由来するものなら効きません、で一応の説明はつくだろ
物理現象と思える空間歪曲をどう乗り越えたのかは確かに謎だが
リアクトの恩恵かな

105 :
フッケバイン(艦)と書いておかないとややこしいなこれ

106 :
ブンドル艦やケルナグール艦と同じ扱いかよ

107 :
首領がカレン・フッケバインだからそれも間違いではないよ
黒騎士トーマはレールガンや粒子砲喰らってもほぼダメージが無かったりとかなりアレ
斧で首の骨砕かれたと思ったら割りと平気だったアイシスは多分普通の人間じゃない
ヴィータとエリオを同時に軽くあしらうカレンは久々の強キャラのヨカン
押されつつも戦闘中にトーマの育成方針に想いを馳せるなのはさんマジ余裕

108 :
>106
組織名、個人名、艦船名とあるからややっこしいのよね
さてカレイドスコープ第二三話『極光・黒』の投下を開始します

109 :

#1
「それで、ディードはセンターへっスか」
「あぁ、腕の調整を含めて当分は入院になるとかで、
マリーさんは当分そっちに行くってさ」
外は大変っスねと言いながらソファーにごろりと転がるウェンディ
一人がけのシートに座ってノーヴェはいつもよりほんの少しだけ険しさの増した顔で
窓の外に目を移した
「天気―――悪いな」
曇天の空、窓から見える景色はどこまでも荒れ模様の海ばかり
陸地が見えないのは海上隔離施設なのだから仕方がないが、
それだけに空模様だけで気が滅入る
「ノーヴェ、ウェンディ」
「N姉」
「ディエチも、どうしたんスか?」
難しい顔で部屋に入ってきた二人に向き直り、
引っ張ってきたらしいカートもといコンテナに二人で首を傾げる
「固有武装じゃないスか、
施設に持ってきてよかったんスか?」
「マリーさんが特別に許可を取ってくれたんだ」
「ティアナが追っていた事件の犯人が最近海岸線に現れることが多いらしくてな、
我々の武装隊指揮下での出動もありえるそうだ」
出動自体は望むところだが、武装隊指揮下というのは穏やかならざる話だ
自分達N2Rの出動は基本的によほどの緊急時、それも災害出動に限られるのだが
「マジっスか?」
「八神二佐からの要請があったそうだからな、
実際、機動六課のメンバーが全員召集されている」
複数の魔法生命によるかなり大掛かりな事件のようだ、
と言いながらNがコンテナの梱包を解いていく

110 :

各々自分の装備を取りだそうとしてノーヴェは一人首をかしげた
自分の固有武装の代わりにクリスタルの付いたペンダントが置かれていたからである
「何だこれ?」
どこと無く見覚えがあるが―――
「あぁ、忘れていた、
ノーヴェ、ジェットエッジはもともとスバルとギンガのデバイスのコピーだっただろう?」
ベースとなる遺伝子データが同じと言うこともあり、
ノーヴェの固有武装はスバル達のデバイスを基に開発されている
もっとも開発当時、ノーヴェ達はジェイル・スカリエッティ配下のテロリストであり、
穏便に言って盗作であるのだが
「それで先日、マリーさんが待機モードを実装することにしたのだ」
現在は取り合えずストレージ程度のAIを搭載しているが、
行く行くはインテリジェントタイプのAIを搭載するつもりであるらしい
その為には外装はともかく内部は大分弄らないといけないとのことである
起動させると“start up”と言う電子音声と共に馴染みの武装が装着される
装着型ゆえの手間が省けるのは有難い
「やっぱ待機状態があると便利っスね」
いーなーと指をくわえるウェンディ
彼女とディエチの装備は閉所では使い辛い大物なので尚更である
『緊急連絡、N2R聞こえますか?』
「早速呼び出しか―――こちらN2R」
施設のスタッフからのコールにNが答える
心なしか焦っているような気がするのは気のせいか
『現在施設が攻撃を受けている、
襲撃者はランスター執務官が追っていた事件の犯人のようだ』
スタッフの説明と共に空間モニターが展開し、
外部映像に蠢く触手のようなものを引き連れた異形の怪人が映し出された

111 :

各々自分の装備を取りだそうとしてノーヴェは一人首をかしげた
自分の固有武装の代わりにクリスタルの付いたペンダントが置かれていたからである
「何だこれ?」
どこと無く見覚えがあるが―――
「あぁ、忘れていた、
ノーヴェ、ジェットエッジはもともとスバルとギンガのデバイスのコピーだっただろう?」
ベースとなる遺伝子データが同じと言うこともあり、
ノーヴェの固有武装はスバル達のデバイスを基に開発されている
もっとも開発当時、ノーヴェ達はジェイル・スカリエッティ配下のテロリストであり、
穏便に言って盗作であるのだが
「それで先日、マリーさんが待機モードを実装することにしたのだ」
現在は取り合えずストレージ程度のAIを搭載しているが、
行く行くはインテリジェントタイプのAIを搭載するつもりであるらしい
その為には外装はともかく内部は大分弄らないといけないとのことである
起動させると“start up”と言う電子音声と共に馴染みの武装が装着される
装着型ゆえの手間が省けるのは有難い
「やっぱ待機状態があると便利っスね」
いーなーと指をくわえるウェンディ
彼女とディエチの装備は閉所では使い辛い大物なので尚更である
『緊急連絡、N2R聞こえますか?』
「早速呼び出しか―――こちらN2R」
施設のスタッフからのコールにNが答える
心なしか焦っているような気がするのは気のせいか
『現在施設が攻撃を受けている、
襲撃者はランスター執務官が追っていた事件の犯人のようだ』
スタッフの説明と共に空間モニターが展開し、
外部映像に蠢く触手のようなものを引き連れた異形の怪人が映し出された

112 :
しまった同じの2回投下してる

113 :

「うわっ、怪人ッス、モンスターっスよ!」
「ウェンディうるさい、
―――あれ、でもこいつ手負いみたいだよ?」
モニターに映る男の姿は明らかに満身創痍である
うつろな目と大仰な身振りは何処か舞台役者的な雰囲気と狂気を感じさせる
「私とノーヴェで迎撃、ウェンディとディエチは職員達の退避を」
「了解!」
取り回しの悪い大型武器をつかう上に遠距離砲撃が専門であるディエチに
施設内の防衛戦は無理だ、
本音を言えばエアライナーを持つノーヴェに退避を任せたいところだが
彼女は閉所での戦闘では主力である、外す訳には行かない
「まずはあの男を施設の外に放り出すぞ、お前は化け物にはかまうな」
なんでも無限に沸いて出て来るそうだ、と廊下を走りながらノーヴェに指示を出す
それはそれで無視できないがこの人数ではそもそも対処など出来ない
ならば元凶を叩く以外に選択肢は無いだろう
後の問題は、自分のISでどこまで施設の被害を抑えて相手できるかだ
爆破専門の自分の能力に苦笑しつつ、Nはコートの下からスティンガーを取り出した

114 :

#2
慟哭と悲観とが彼の心を支配していた
自らの工房を土足で踏み荒らす不埒者との小競り合いの最中、「それ」は現れた
「騒がしいので覗きこんでみればこういうことか」
堕ちた聖女、黒い騎士
暴君の一撃は工房となっていた地下水路を、其処にあった一切のモノごと薙ぎ払った
何故に聖があの様な姿になってしまったのか?
其処に居たのは穢れ無き心で祈りを捧げる聖女などではなく、
咆哮一つで全てを薙ぎ払う漆黒の暴竜の化身であった
何者が聖をあのように汚してしまったのか?
まったく持って嘆かわしい
その身を汚し肉の一片、血の一滴、魂さえも汚してよいのは自分だけだと言うのに
「神か!
またしても神などと騙るモノの仕業か!」
妖魔の群れを引き連れ荒れた海へと踏み入りながら、
彼は天に向かって呪詛を吐いていた
「よろしい、これが我が行いに対する報いと言うのであれば、
私もまたそれ相応の誠意を見せねばなるまい」
吐くだけ吐いてから彼はたどり着いた陸地に押し入ると、
大仰な身振りを交えて天を仰いだ
「今また再び我らは救世の旗を掲げよう!
見捨てられた者は集うがいい、 貶められたる者も集うがいい」
無尽蔵に沸いて出る怪魔の群れが一つの方向性を持って蠢き出す
施設の中へと動き始めていたモノ達も音を立ててそれに倣う

115 :

「私が率いる! 私が統べる! 
われら虐げられたる者たちの怨嗟は、必ずや『神』にも届く!
おぉ天上の主よ! 我は糾弾をもって御身を讃えようッ!」
深い霧が周辺を覆い、荒れた海にその流れとは別の怪異を生み出す
「傲岸なる『神』を! 冷酷なる『神』を! 我らは御座より引きずり下ろす!
神の愛した子羊どもを! 神野に姿たる人間どもを!
今こそ存分に貶め、陵辱し、引き裂いてやろう!
神の子たちの嘆きと悲鳴に、我ら逆徒の哄笑を乗せて、天界の門を叩いてやろう!」
呪を唱える最中、目の端に人影を捉えた気がしたが彼は意に介さなかった
おぞましき肉の群れが溢れ、彼を飲み込み肉塊となり、
なお溢れかえって山となり、施設より溢れて島となる
深海の奥深く、螺旋の城で眠る古きものの眷族が目を覚ます
大いなるモノがその身を震わせ、今まさに動き出そうとしたその瞬間―――
『黒』が全てを多い尽くした
「……は?」
大海を両断し、瞬時に沸騰、蒸発させていく黒い光
恐怖でも憎悪でも畏怖でもない、ただ純粋で圧倒的な暴力の中―――
「……おぉ、ォ……」
彼は見た、押し寄せる極光の果てに、
かつて己もまた追いかけた輝きを、いつかはと求めた栄光の姿を
なぜ忘れていたのか
嗜虐と涜神を尽くした第二の生を終わらせたこの大いなる光を
「私は、一体……」
誰に向けるでもない呟きが口からこぼれるより先に、
黒い光は全てを事象の彼方に消滅させていった

116 :

#3
同時刻ミッドチルダ海上
嵐の空を翔る白い影があった
「この調子なら、あと五分くらいでつくかな、キャロ」
「うん」
隔離施設からの救援要請に真っ先に反応したのは
一番近い支所に来ていたエリオとキャロであった
乗り込んできた相手の素性から言えば速やかに脱出すべきなのだが、
天候が悪く脱出艇をかねた連絡船では途中で転覆しかねない
隔離施設の規模は決して小さくないが、
相手はほぼ無制限の物量を誇るロストロギアの使い手である
安全な場所は無いだろうし、施設の規模ゆえにNたちでは手が回りきらないだろう
「あの霧、なんだろう?」
向かう先が霧に覆われているのに気づきエリオ達は二の足を踏んだ
単純に悪天候によって発生したものでは無さそうである
「キュウゥ!」
「フリード、どうしたの?」
霧の向こうを睨みつける様にしてフリードが低く唸り声を上げる
動物ゆえの感覚で霧の向こうに何か危険を感じているのかもしれない
見えないほど濃い霧の向こうを見据えようとエリオが目を細めた後ろで
キャロがビクリと肩を震わせた

117 :

「キャロ……ひょっとして、何か大きなモノを召喚しようとしてる?」
「うん、……多分ヴォルテール級の希少種」
「そんなものまで?」
単純に真竜規模の召喚と言うだけでも相当だが、
あの魔導師が召喚するのだとしたらマトモな物である筈が無い
そもそも真竜のような希少種は並大抵の召喚魔導師には呼び出せない
通常術者と召喚獣の関係が前者を主、後者を従とするのに対し、
希少種はその存在故に関係が逆転してしまうからである
「そうだ、アルトリアさんなら何か知ってるかも」
通信を聖王教会につなぐ、
呼び出しに答え通信に出たアルトリアはエリオの説明に眉を寄せた
『真竜というものの霊格がどれほどかは分かりませんが、
あの男にその様なモノを“呼び出す資格”は無いでしょう
ですが―――』
「あの男の持つロストロギア―――『螺旋城教本』でしたっけ、
なら可能だということですか」
エリオの相槌に呼び出すと言う行為だけであればと頷くアルトリア
つまりどう言う事かといえば
「―――呼び出された召喚獣の制御が出来ない、ってことですか?」
青ざめた顔でキャロが声を上げる
召喚技術と被召喚者の制御というのはどちらも召喚術者にとって必須の技術である
召喚自体は転移系の一種であり、呼び出された側が召喚者に従うかは
魔力制御だけでなく互いの意思疎通なども必要とされる
ただ闇雲に強力な存在を呼び出した挙句、手綱を取ることを放棄するなど
召喚師の常識としてそんなことは“してはならない”

118 :

『もとよりそのような常識的な思考など持ち合わせていないのは明白です
―――呼び出されたものが私が以前見たのと同じものであるなら、
対城宝具か、それと同等の神秘でなければ倒せません』
再生速度が異常すぎてそれ以下の攻撃では追いつかないのである
加えて下手に触手の射程距離に近づけばその時点で捕食される可能性も考えられる
「そんな規模の攻撃なんて―――」
『少なくても、其処からでは施設に被害を出さずに、
と言うわけにはいかないでしょうね』
攻撃と言うものは通常、威力に比例して効果の及ぶ範囲も広くなる
霧の向こうに朧気に見える影は既に数十メートルに達しており、
当然それを一撃で倒すとなればその向こうにある隔離施設もただでは済まない
「分かりました、まず何とか施設から引き離します」
後のことはあれを片付けてからだ、通信を終了し霧の向こうへと視線を戻したところで、
デバイスのセンサーが何かに反応した
「え、エリオ君、あそこ……」
「え? ……えぇ!?」
デバイスの示す先を見て二人は目を見張った
荒れた海を“歩く”人影を見つけたからである
バリアジャケットを着ていないようだが魔導師だろうとひとまず納得したものの、
天候を抜きにこの辺りは危険である
とにかく退避を促そうと結論し二人はフリードをそちらへ向けた
「すいませーん」
こちらの声に、人影は立ち止まると首だけでゆっくりと振り返った
着崩したダークスーツにサングラスと言う黒尽くめ姿、
くすんだ金髪が無ければ闇に紛れてしまうだろう装いである

119 :

「こちらは時空管理局です、現在―――」
警告しようとするエリオ達を片手を挙げて制すると、
人影は霧深い沖合い―――隔離施設の方へと向き直った
「竜騎士か、そう言えばそんな者もいると言っていたな
―――ちょうど良い、下郎を追い回すのも飽きたところだ」
どうせアレが出てきては面倒だからな、
と言いながら翳した右手に黒い魔力が吹き上がる
そのまま全身を覆いつくした魔力の渦が黒い剣と甲冑を形作ったことで、
ようやく二人は自分達が誰に話しかけていたのか思い至った
「まっ……」
上段に構えられた剣が黒い極光と化すのを見て取って、
二人が止めに入るより早く、危険を感じたフリードが身を翻す
「『約束された』―――」
水面を踏みしめた足もとから広がった波紋が波を踏み潰す
振りかざした余波が突風となり辺りをなぎ払う
「―――『勝利の剣』!!」
黒い断層が海を絶つ
突風に当てられて海に落ちながら、エリオたちはそれを呆然と見送るより他無かった
「―――さて」
嘘のように凪いだ海に仁王立ちし、
自らの成したことを見届けると、セイバーはゆっくりと二人を振り返りかけ、
ほう、と何かに気づいて空を見上げ、直後に上空から降り注いだ物を叩き落した

120 :

「やってくれんじゃねぇか、テメェ」
続いて伸びてきた光の帯を伝って降りてきたノーヴェがセイバーを睨みつけながらほえる
さらに遅れて他のN2Rのメンバーが現れ、エリオたちは伸ばされた光の帯―――
エアライナーの上に引き上げられた
「大丈夫っスか二人とも?」
「ウェンディさん達こそ」
「ノーヴェの勘が当たってな、間一髪だった」
Nによればひとまずの避難が完了したところで、
良く分からないがとにかく脱出しないとまずい気がする、
というノーヴェに促され荒れた海と深い霧という最悪の状況で無理矢理船出した直後、
霧の奥から現れた怪物ごと施設の約三分の一が黒い極光に飲み込まれたという
「直撃していたら施設が丸ごとなくなっているところだった、
広域魔導師の全力砲撃か、希少種の生体砲かといった処だったが―――」
抑えていながら尚目視できるほどの黒い霞のような魔力の色だけで、
犯人が誰か一目瞭然である
言いながら視線を向けたその犯人であるセイバーはと言えば、
ノーヴェの怒声に対し、威勢がいいなと口の端を吊り上げていた
「よく吠える獲物だな―――
その威勢に見合うだけのモノがあるかは知らんが」
ぞんざいに振り上げた剣が空を切る
「いざ死力を尽くして来るがいい、
我が剣に賭けて、その全てを打ち砕く!」
その宣言が開戦の合図となった

121 :
今回は以上です

122 :
おお! 投下乙! そしてGJでした。

123 :
おお、投下が。
そして美味しいところできれたー!
次回もまってますよー!

124 :
GJ!!
蛸が召喚されると大小なく障気があるからな
消されるとは思ったが……元帥、乙
大海魔はまともに相手するなら対城が必要だけど、被害を気にしないなら内部の魔本へ対軍ピンポイントや連発でもいけるかもね
一般人を守るのは難しい

125 :
10mの津波ってどうしようもないな
大火力も駄目だし、広域凍結は乗り越えられる
広域結界か空想具現化か、そんな幻想でなければ

126 :
チャクラシールドとイレイザーヘッドで

127 :
光になれえぇ禁止な

128 :
ではウルトラバリアーで

129 :
あんな超局所的サランラップでどうやって津波防げと

130 :
こんにちは、「Fate/EXTRA  白い魔導師」の作者です。
二月中び一回更新すると言いながら、私生活がドタバタとして三月へ、
三月に入ったら知っての通り、
地震でまたも書く暇を見つけられずに今日へ至りました。
幸い、この地震で自分を含め親類縁者や友人知人に怪我人はいない様です。
どうにか近日中に更新しようと思っています。
読者の皆様方、そして今も被災地で不便な生活をされている皆様方の一時の慰めになれば幸いです。

131 :
生存報告乙です
声が聞けただけでも嬉しい
いくらでもお待ちしておりますのでご無理はなさらず
流行り病にも気を付けて給れ
みんなもインフルエンザには気を付けような!な!

132 :
魔術ではルーンお勧め
旅の安全、火付け、健康管理に役立つよ
魔法ではシャマルの補助魔法がよい
型月キャラでは、直死に反した蘇生ができて本人もタフ、交渉・工作が得意なシエル
なのはキャラでは電気供給や運送ができそうなフェイトが役立てる

133 :
人 それを便利屋という

134 :
はやてはそういう便利魔法ないの?

135 :
しいて言うならシャマルそのものか

136 :
災害救助ならロッサの犬群れ
空飛ぶし海潜るし障害物なんて関係ねぇ

137 :
そこはセインさんの出番じゃね?

138 :
予言者の著書で事前対策
制約キツいけど

139 :
あらゆる障害物を排除して突き進むバーサーカー(5次)が一番だろう。
自然災害程度じゃあ傷一つ付かないし。

140 :
バサカが一番の災厄なんだが

141 :
集団レベルの体力・状態回復を使えそうなキャラがセイヴァー(と英雄王)くらいなんだよね
しかも、サーヴァントにしたら仏舎利とか採れなさそう
キャス子は陽性の魔術が得意でないようだし
魔導師も環境を問わないBJに、回復促進や障害除去ができても救えるのは一人ずつだ
バゼットが・ランサーが刻んだルーン石の御守りでも拡散させる
聖杯さん!おねがいします!

142 :
傷・体力・BJに加えて魔力まで回復する静かなる癒しを忘れておいでか
高位の魔導師は無から有を産み出して肉体の再生ができるらしい
シャマルの活躍に期待される

143 :
何が出来なくてもいい
くぞ、ついてこれるか―――!

144 :
ってらっしゃい
お土産わすれないでね!

145 :
第六次聖杯戦争の代わりに行われた聖杯戦争規模の解体ドンパチってサーヴァント召喚可能になるのかな
蟲爺やアインツベルンなんかは裏技使えそう
クロノやユーノの方が、立場的に舞台に相応しいかな

146 :
魔術師との策略を交えた戦いなら、なのは達をデウス・エクス・マキナとして使った方が綺麗かもね
ホロウの最後の夜じゃないけど
……はやてちゃんの活用法はラスト付近の殲滅とか以外ないのか
蒐集スキルが広域特性にされてるような気がする
魔力があるとサーヴァントはタフになるというが
セイバーと小次郎のHPは極端に違うわけではない
サーヴァントの霊核だけでHP相当の魔力タンクが、使える魔力の他に大容量ある(聖杯の世界穴用燃料の数分の一)と見ていいのかね
大ダメージや霊核に攻撃受けるとタンク自体が破壊されるとして
リリブラさんやプリズマの純粋魔力攻撃で小次郎が一発昇天したら可哀想だよね

147 :
小次郎は単体じゃ対魔術防御が皆無だから直撃したら普通に即死じゃね

148 :
むしろ問答無用で落とされる方が小次郎らしくていいんじゃない?
反対に万が一にも間合いに入ったら、問答無用で首飛ばされそうだしw

149 :
アサ次郎「全裸が最強と聞いて」

150 :
あいつ剣の間合いに近づくまで気配遮断してるから何もできないって心配はない
一応、小次郎もサーヴァントだから聖杯で魂と精神をすり潰せば魔力になるよ。
ただ、本人の身体には実体化レベルしかないだけでさ。
耐久Eな上に低HPだけど幽霊属性を活かして、両腕に被弾爆砕くらいなら撤退して時間回復できるかもしれない。
心眼(偽)Aによる危機への予知能力と敏捷A+の反応速度は最高だが、地形ごと誰も知らないうちに事故死する事はあり得る…。

151 :
小次郎は英霊ではなく亡霊で、キャスターに疎まれているため、他のサーヴァントに比べて能力が劣るイメージがある。しかし剣の英霊以上の技量を持っているので、もしキャスターに相応の力を与えられていたなら結構活躍できたのではないだろうか。
花札だと葛木先生の眼鏡にくくられていたから、条件次第で攻勢に打って出れたと思いますし。

152 :
うん

153 :
相応の力といっても現段階以上になんかあるかね
山門結界だけで十分結構なもの与えられてると思うが

154 :
剣術は最強と云われるも、し合いはアーチャー以下とされるからね
キャスターは山門に魔術や宝具を減衰させる強力な結界を張ってもいた
本人の性質上、あれがベストな配置なんだろう
キャスターと協力して打って出ると一見強そうだけど、寺が留守になり、連携にも穴があると思う
魔導師でも組みにくいサーヴァントだよ
いろいろ戦力へ計算しにくい
はやてと組んだら互いの長所をし合うかも

155 :
はやてと相性のいいサーヴァントなんているわけ……ライダーがいいな

156 :
もし闇の書があのままだったなら……はやては桜同様に「被害者のまま加害者になる運命」の持ち主ですからね。
いや、案外「王」の属性で征服王イスカンダルの方だったり?

157 :
統べ子見る限り、ギルが来る可能性もあるかと

158 :
統べ子がギル呼んだりしたら、長所をすどころかマジにし合うんじゃないか。

159 :
雑種と塵芥のコンビか

160 :
コントの間違いじゃねえか?

161 :
ユーノがイスカンダルを召還したら、最後には家臣に加わるんじゃないかと思う。

162 :
「ユーノ、お主を愛しておる」
「なのは、ごめん……」
「ユーノくーん!!(b^ー°)」
「そんなことだから、でないのだ征服王」
「そんなお前はではないだろうアーサー王」
「我への初夜献上を許すぞ、夜天の王」
「ししし、ちゃうわ!」

163 :
特別編読んだけどなのはさんとシグナムの壮絶なシバキ愛は一見の価値アリだな
ゼロ距離ブラスター砲撃に耐えたりファルケン避けたり
GODのタイムリープ設定は何かに生かせないものか

164 :
ゴールデンふゆきくん
「こんにちわ、僕ふゆき! すっかり人気者になって毎日大忙しだよ!
せいはいくん?
ああ、いましたねそんなの(笑)」

165 :
この台詞
もはや中身がランサーって話じゃねえなこのマスコット

166 :
しかし地震以来投下がねぇな
職人さんたち無事なんだろうか

167 :
エイプリルフール過ぎてから言い出すのも何なんだが
はたして誰がどんな嘘をついたのか気になるな
はやてとか遠坂とか琥珀さんとかはしょうもないことを吹き込んでそうだが

168 :
生存確認できたのも二人だけ
人も減った気がするな

169 :
>>167
ランサー「ホットドッグは犬肉じゃないらしいぜ?(さあどう出る狼野郎……)」
ザフィーラ「確かに普通は犬肉など使わんが、それがどうした?」
ランサー「えっ」
ザフィーラ「えっ」
ざわ……ざわ……

170 :
一応職人つーか、なのぎるとか書いてた者です。
ちと最近立て込んでいるのと、規制くらってたりしていたので書き込みしてませんでした。
生存報告は某所のSSの修正でしようかと思ってたんですが、もうちょっと長くなりそうなのでここで。
私のこと心配している人はそんないないでしょうけど、まあそんなわけで書き込み。
カレイドルビーZERO、今年のうちに始めたかったが、さてどうしたものか…。

171 :
報告乙ですー

172 :
ここにまた新たな希望の光が
花札氏やリリブラさんも生きてますかのぅ

173 :
過疎っているのもあるから、ネタだしというか構想中の話とか書き込んでみるけど、
なのぎる外伝あるいは、某所の長編との間をつなぐ短編『聖王vs英雄王 海鳴の死闘編』とか。
精神的に不安定なフェイトさんと冬木市全ての人間が死に果てたかのような陰気な顔をした慎二がコンビで事件を解決する『吸血鬼の贄』。
中学生の凛が無印に介入する『カレイドルビーZERO』。
…くらいかな。
あと小ネタというか、それらの話を前提として磨伸風な凛となのはの魔術修行の話とかぼちぼと。
蒔寺「やっぱりあれか、修行というからには何頭もの象を飛び越えるとかするのか?」
氷室「汝の修行≠フイメージは偏っているぞ」
三枝「ねえ、やっぱり二人とも、覗き見とかよくないよ」
巨大な石を前にした凛となのは。
凛「まず最初に、この岩の角を全て素手で削り落としてみて」
「「721(な・に・い)!?」」
まあこんな感じの…書けたらいいなあ。
カレイドルビーZEROはなのぎると同じく構想は固まってるからやってみたいんだが…リリブラ二章分くらいにはなりそうだから二の足踏み中…。
というか、自分もがんばるから
みんながんばれ

174 :
岩削りくらいなら魔力抜きでも普通にできそうで困る、とViVidを見てたら思う
あの世界の少女達はなんかおかしい
トラックを両断するくらいなら魔力要らなかったり

175 :
>>174
あれは「ほとんど」で、少しは魔力いったと思う。
確か立ち読みだったから記憶違いかもしれんけど、切る前に足元に魔法陣でてた。

176 :
そうだっけ
実は俺も立ち読みだからあまり覚えてない
個人ブログには、魔力要らないスゲーみたいに書かれてたからそうだと思ってたわ

177 :
アインハルトさんは魔力抜きで川を底が見えるくらい割る拳出せるから

178 :
>>174
天瞳流は元はなのは地球の剣術だろうからな
管理局も把握出来ないであろう特殊技術や異能者の宝庫

179 :
天瞳流が永禅不動八門に連なる流派だったとかしても、なんら不思議じゃねえw

180 :
あの地球は政府レベルでかなり公然と特殊なことやってるから管理世界も知らないってことはないと思う
むしろ、あれはとらハ世界恒例の何故かやたら強い部活で武道やってる学生たちの分類だろう

181 :
管理外世界の9歳児の日常風景まで記録されてるくらいだし
五次以前の聖杯戦争の記録も残ってそうだ

182 :
アンリ
「武器(デバイス)なんて捨てて素手かかってこい。高町なのは―――」
「かかったなマヌケ――
、タルウィ・ザリチェで切り刻んでやるガ―――へぶっごぇっ!!!???」
「テメエ、人間じゃねええええのぉおお!?」

183 :
うら若き少女の部屋にベンチプレスが置いてあったり優雅なティータイムを過ごしながら筋トレする様子は実にシュール
そんな細腕で〜とも思ったが今更か
アーチャーより小次郎の方が筋力上だったりするし

184 :
何故か4次5次ハサンの筋力は高いが描写上には全く現れない
また、4次ハサンは最終にして最高クラスのハサンのようだが、外道に頼った5次ハサンは割と落ち零れ臭が
スカ博士と組めば色々相性が良さそうだが…

185 :
五次ハサンは改造人間だし

186 :
ここは機動6課本部の作戦会議室、そこの空気はどんよりしていた。当然である、先ほどの戦闘機人との戦闘で
最初は圧倒していたが、突然乱入してきた男によって新人ズとシグナム、ヴィータが返り討ちにあったのだ、しいて
たとえるなら流○う翼た○のオー○攻防戦でユー○クに挑んだ特務隊のようにそれはもう(物語の設定で)ボッコボコ
にされたのだ。
だからこうして対策会議が行われているが、部隊長たる八神はやては自室に引きこもったままで、会議室にいるなのはと
フェイトもイライラがたまっていた、その男はランサーと呼ばれるサーヴァントであることは判明したが、これからどうするか
の会議なのに引籠っているはやてにある意味意を覚えていた、こんな危機的状況なのにまだショックを受けて、引籠って
いるはやてに…しかし、突然ドアがあくと嬉々したはやてがやってきた
「よっしゃ、あのランサーっていうサーヴァントをやっつける方法が出来たで!」
「「な、なんだってーーーーー」」
はやての嬉々した声にはもるなのはとフェイト、あの男に勝てる方法があることに
どうやって勝つのかと聞くなのは、はやてはない胸を…くぁwせdrftgyふじこlp
ではなくそこそこある胸を張って自信満々にいう
「あのランサーは、本名はクン・フーリンっていうんや、メガ○ンシリーズや人修○のお供で有名な奴やな
 確かにあいつは強い、けど倒せないわけではあらへん…今度出てくるときはガジェットもつれてくると思うんや
 そこでそのランサーに近い位置にいるガジェットを攻撃して、被弾させる、そして被弾したガジェットはコントロール
 出来ずにランサーにぶつかってそのままサンドイッチでピチューンって寸法や」
と色々な意味で無茶苦茶な作戦案を立てるはやてであった…そしてなのはとフェイトは見た、はやての手にあるTUTA○Aの袋に
男性声優を根こそぎ動員したがそれでも足りずに俳優まで引き摺りだした、話数がぶっ飛んでいるOVAがあることに…
まぁ、当然そんな作戦成功するわけもなく、結局はやての飯で釣ったセイバーによってランサーは倒され
事なきをえたそうです

187 :
何故種二次

188 :
そこまでにしておけよブリテン

189 :
文庫化したゼロの挿絵で大海魔がフルカラー化してたがほんとデカいな
あれがバビロン4本で3割削れるとか、どんな宝剣神槍を投げたんだ
もったいないもったいない

190 :
なのはを凛の孫にしたい

191 :
なのはさんが士郎のポジションにいたらFate開始時点で綺麗な慎二が見られたんだろうか、とふと思った

192 :
そこで、遠坂永人の落とし種としてリン・トオサカをだな
>>189
はやて「ちょうど試したい新作の空間魔法があったんよ。英雄王。あんたが無限の財を捨てるなら、その悉くを回収してみせようやないかァ!!」
キャル「あっ、あの原始肉スッゴい欲しいです!!」
凛「武器はいいから!杖とかゴブレットとか狙い目よ八神さん!」
士郎「盾とかいいんじゃないか?」
エリオ「流石、これが新生ネオ六課ツヴァイの力!」
ティアナ「みんな!モタモタしちゃ駄目よ!」
グリフィス「おお、漏れた宝具も回収回収…」
イリヤ「ほら!早く来なさいよ!」
バゼット「遅れました!!ナノハを呼んできましたよ!」
なのは「みんな、なにしてるのかな? お は な し き か せ て …?」

193 :
一家全滅して切嗣に拾われるなのはか
魔術の筋は良さそう
しんちゃんは桜に続いてなのはにも手を出そうとするも魔術でお話されるかもなー

194 :
>>193
前々から思うんだが、そんな誰彼構わず力を振るって言う事を聞かせようとするキャラじゃないだろ。そもそも慎二をボコボコにしても解決策にはならない。
桜の扱いに何度も慎二に突っ掛かって、慎二からすればちょっと可愛いけどウザイ女として士郎と凛を足して二で割った様な関係になるんじゃない?

195 :
士郎ポジのなのはと凛の関係が面白そうだ
あと一成との関係
なのは「一成君、生徒会室でご飯にしよう」
一成「う、うむ。衛宮の料理はうまいからな」
的なイベントを期待してしまう

196 :
なのはに対抗して凛が理系の勉強に強くなりそう
そして地学から山師へ……

197 :
>>193
血筋的に最強のサラリーマン忍者ならぬ
最強の学生忍者になると予想

198 :
「痛い? でも(ry」
「くそ…何なんだよ、名前も知らない奴が!」
「なんて男前…」
10年後、慎二はツンデレ
何かに目覚めた桜

199 :
だがしかし切嗣には関わった女性を不幸にしてしまう困った属性がある。
藤ねえ並みの幸運をなのはに期待できるだろうか?

200 :
なのはは関わった人間を戦場に巻き込む困った属性があるから…

201 :
なのはも純粋だから正義の味方を目指していくだろうなぁ
士郎より静かでありながら過激派で

202 :
士郎と変わらない展開になってく可能性も大きいんだよなあ
なのはと士郎の大きな違いは、同じ方向性を向いた仲間だったり組織だったりするし

203 :
大きな違いと言うなら生き方になるんじゃないかね
積極的に人と関わりを持つタイプではない士郎となのはでは似ているとは言えないし
また結果を重視する士郎に対してなのはは過程を見届けるタイプ
士郎の救済は広く、なのはの救済は深い
(キャラは似てるのに)なのはは周囲に恵まれてるけど士郎は孤独で可哀想、みたいな意見はよく見かけるがちとわからん
必然とちゃうんかなと
なのはさんが士郎の代わりに聖杯戦争に参加したらかなりの苦労があるに違いない
主にほっとけないお人好し凛さんの

204 :
表面は似てるけど芯の部分はむしろ対照的ですらあるな>なのはと士郎

205 :
昭和ライダーと戦隊ヒーロー位?
男は一人道を行くタイプだしなぁ士郎は

206 :
士郎は切嗣の教えで女には甘いし、困ってる人もほっとけないが、根が燕条巴みたいなsラ気質があるんだよな
誇りとか大好きなのに、つい反対のことばかり言ってしまうのは、死んでも悪化するばかりだったな
なのははセイバーのが互いに照らし合わせやすいかね
なのはは一番頑張ってるだけで、局の仕事は向いてない方だと思う
やはり、仲間の力が(過剰)戦力的にも精神的にも大きい
ああ、アーサー
貴女には愛が足りなかった

207 :
士郎は仲間を置いてけぼりにしがちだからな
そういう意味じゃEXTRAの無銘はうまくやった方。末路は同じだけど

208 :
ハッピーエンドを迎えるためには仲間が必要ということが往々にしてある
けど、士郎とアルトリアは自分一人でいい。孤独で構わないというスタンスだからな
なのはは一人で突っ走りがちだけど自分に仲間は必要と認識してると思う。

209 :
士郎の場合は一番影響力あった切嗣がちゃんと子育て出来てないのがまずかったよな。
いっそのこと一緒に世界回って正義の味方ツアーしつつ教育していけばもっと突き抜けてただろうに。

210 :
それ女しになるフラグな気がするw

211 :
そして命中率100%で種残していくとw

212 :
ランサーとかも最期の戦いに仲間が間に合っていればな
仲間思いで一緒に戦いたいと思っていても、それが叶わぬときもある
ある人が限り、絶対に避けられない結果を運命というんだろうか
リリカルでロマンチックな人間なら引き合う絆を運命と呼びたくなるが
アーチャーによれば、自分では変えられないものが運命なのだから、それを変えうるものは出会だけなんだろうなぁ
>>211
あの二人はスナイパーだから、狙った相手しか子供できないよ
他の肉体関係は本番前の調整(キリ

213 :
なのはの方は能力を活かせる意義ある仕事を与えてくれる組織があったけど、
エミヤ達は表の組織では魔術の被害に対応仕切れないから片手落ちだし、
裏は一般人なんて殆ど気にして無いから、最終的には孤独にならざるおえない。
そういう点では確かになのはの方が恵まれてるな〜。
                              

214 :
なのはにどれだけ実力があっても、教会や協定みたいな組織しかなかったら、
どんだけ悲惨な事になったか。
そもそもエミヤ達が組織ではみ出さずにやってけるかも疑問だが
戦闘関係に限らず書類なんかも相当ヤレると思うだが
  

215 :
組織の目的の根本な違いがあるのだから仕方ない
管理局は社会全体の安全や治安維持を目的とした公の組織
協会は構成員のみの利益を追求・保護するための私的な組織
士郎が理想を達成するなら協会とは別の組織を作る必要があった
士郎と同じ立ち位置ならなのはも組織の人ではいられない気がする

216 :
そんな理想にそった組織を作れたとしても、個人でも目の敵に
されてたもんが、集団になったらそらもう集中攻撃受けんの確定
かくてエミヤは孤高の道を歩みなり         
立ち位置っつーか、あんな組織しか選択肢がなかったらという事で

217 :
管理局のような組織が無ければ士郎のように苦労するのは間違いないだろうけど、逆に士郎と違って仲間や慕う人間はやはりいる気がする
今度はこっちが守るからっていうフェイトや弟子にしてくれっていうスバルみたいな
士郎も救った上で導くことができていればまた違った未来があったかもしらん

218 :
そんな理想にそった組織を作れたとしても、個人でも目の敵に
されてたもんが、集団になったらそらもう集中攻撃受けんの確定
かくてエミヤは孤高の道を歩みなり         
立ち位置っつーか、あんな組織しか選択肢がなかったらという事で

219 :
失敬
二度打ちしてしまった

220 :
ていうか名前欄にsageって入れてるよ

221 :
士郎の場合、近道しようとして逆にすごい勢いで本意から遠ざかってくからどうにも救いようが
テロ屋と同じ理屈というか奴もテロ屋というか
まあそれはアーチャーの場合で、本編での士郎は弁護士とか警察とかもっと現実的な道を見つけるようだけど

222 :
みなさんお久しぶりです
ちまちまと書いていた第16話が一区切りついたので、投下します
ちなみに自分は西日本在住なので震災の影響はありません

223 :
第16話 「暴君の剣T -Tyrant Sword the First-」
 ――八日目 PM13:10――
「……以上が事件の概要です」
説明を終え、はやてはブリーフィングルームに集まった隊員達を見渡した。
スターズ。ライトニング。ロングアーチ。
そして機動六課以外の関係部隊の隊長格達。
ブリーフィングルームを埋め尽くすほどの視線が、壇上のはやてに注がれている。
「不明な点があれば仰ってください。解答できる範囲でお答えします」
発言を促すも、聴衆達は口を閉ざしたままだ。
無理もないだろう。
先ほどの説明で伝えた状況は、歴戦の士官達を黙らせるには充分だった。
数日前に高官達へ報告した内容よりも情報は削られていたが、あえて伏せた部分を差し引いても異常過ぎる。
"聖杯"と"サーヴァント"――
未知なる魔導技術の結晶である祭壇と、それによって召喚された人外の戦士。
そんな代物がミッドチルダに解き放たれたのだ。
臨席している現場部隊の指揮官達は、文字通り寿命が縮む思いをしていることだろう。
「八神二佐」
陸士部隊の三佐が声を上げた。
外見は若いが、階級から考えて部隊長クラスのようだ。
「召喚装置……その、聖杯とはロストロギアなのですか。
 機動六課は古代遺物管理部隷下で、それもレリック専任の部隊なのでは」
要するに、この案件を機動六課が主導するのは越権行為ではないかと訊ねたいらしい。
こういう疑問は想定の範囲内だ。
はやてはアクセントをできるだけ抑えて、落ち着いた声色を心がけて返答する。
「仰るとおり、聖杯そのものはロストロギアの定義には当てはまりません。
 しかし、先日の一件を顧みれば、サーヴァントを維持する魔力源としてレリックが狙われていることは明白です」
「では、初動の聖杯破壊任務に機動六課が当たった理由は?」
容赦ない追求だが、三佐の態度からは悪意や敵意は感じられない。
あくまで健全な意見交換の一環として、疑問点を問い質しているだけなのだろう。
「最も大きな理由は、陸上部隊に出動を要請する時間的な余裕がなかったことです。
 当時の状況から考えて、突入があと少し遅ければ、更に多くのサーヴァントを召喚されていたと思われます。
 被害を最小限に食い止めるための緊急措置――そう考えて下さい」
三佐は納得した様子で頷いた。
はやては真面目な表情を維持したまま、心の中で胸を撫で下ろす。
毎回のことだが、他部隊との折衝には多大な精神的疲労が付きまとう。
古今東西、陸海空軍はそれぞれ仲が悪いものらしいが、機動六課の立場はとりわけ不安定だ。
元々、六課は様々な裏技を駆使して編成された部隊である。
その上、現在は局外の人間まで雇い入れている――という扱いになっている。
そんなイレギュラーに向けられる視線は温かいものではない。
不当に縄張りを侵されたと誤解されないためにも、細かなことでもしっかり説明する必要があるのだ。

224 :
「二佐、私も発言していいですかね」
壮年の士官が軽く片手を挙げる。
さっきの三佐とはまるで雰囲気が違う。
現場からの叩き上げだと一目で分かった。
「実行犯はレリックを狙っていて、ガジェットドローンとの関係も疑われる……
 それは理解できますが、今後の対策はどのようにするのですか?
 まさか場当たり的に撃退するだけというわけにはいかないでしょう」
この人、わたし達を試しとるな――はやてはそう直感した。
前線部隊で経験を積んできた士官にとって、はやては新品同様の上官だ。
今後の方針すら示せないようでは指揮官失格だと考えているのだろう。
これは佐官として乗り越えなければならないハードルだ。
「対策は二つの方面から行ないたいと考えています。
 一つ目は、実行犯と目される次元犯罪者の足取りを捜査すること。
 これについては皆さんの捜査能力に頼ることになると思います」
組織というのは不思議なもので、地位や階級が重要視される一方で、経験豊かな古株の影響力も極めて大きい。
恐らく、あの士官は陸士に少なからぬ影響力を持っているはずだ。
はやてがナカジマ三佐を頼りにしているのと同様、多くの上官が彼を信頼しているに違いない。
もしもここで無様を晒せば、機動六課は陸上部隊からの信頼を一気に失うことになる。
「もう一つは、レリック密売組織の徹底的な検挙です。
 こちらは主に機動六課が請け負うことになるでしょう」
「と、言うと?」
壮年の士官が発言の続きを促した。
どうやらはやての指針に関心を示したらしい。
まるで、模範解答を知っている教師が生徒の解答を待っているような雰囲気だ。
「空港の一件では、彼らは異様なまでの正確さで、我々の想定を遥かに上回る戦力を投入してきました。
 そして、陽動として用意されていた偽の運搬計画には全く反応を示していません。
 考えられる原因は……管理局が密売組織の拠点を摘発する以前から、その組織に目をつけていたというところでしょう」
要は、管理局がレリックを『横取り』する形になったということだ。
『目をつけていた』というのが、襲撃対象としてなのか、取引相手としてなのかは分からない。
どちらにせよ、摘発の時点からずっと追跡されていたと考えれば、偽の輸送作戦に引っかからなかったことも頷ける。
……この仮説に弱点があるとすれば、より可能性の高い仮説が存在するということ。
地上本部立案の陽動作戦が漏洩したという、致命的な仮説が。
「第七管理世界で摘発したのは拠点の一つに過ぎず、例の密売組織自体は活動を継続しています。
 まずはこの組織の壊滅と、保有するレリックの回収を作戦目標とします。
 構成員を逮捕できれば何らかの情報を得られるかもしれません」
はやては壮年の士官から一旦目を離し、周囲を見渡した。
「サーヴァントの弱点は、存在の維持にすら魔力を消耗するというコストの高さです。
 その魔力的コストは生身の人間が支払うには莫大過ぎます。
 供給源を断てば大きな打撃を与えられるはずです」
情勢は混迷の只中にある。
こんな状況で身内を疑い出したらきりがない。
第一、地上本部の情報漏洩など、それこそ機動六課の権限が及ぶ事案ではないのだ。
それに、既に専門の部署に調査を要請してある。
六課は自分達にできることをすればいい。

225 :
「なるほど、実行犯の追跡と魔力源の撲滅を二本柱とする戦略ですか。こいつは忙しくなりそうだ」
壮年の士官は上体を揺すって笑った。
はやての示した方針は、彼が考えていた戦略とおおよそ合致したようだ。
ハードルは越えた――はやての肩から力が抜けた。
これできっと、彼の指揮する部隊ははやての方針に従ってくれる。
「他に質問が無いようなら、部隊の配置を決定したいと思います」
はやては緩みかけた気持ちを引き締め、声を張り上げた。
今はまだ、味方との衝突を回避した段階に過ぎない。
本当の戦いは、まだ始まってすらいないのだ。
 ――八日目 PM17:51――
「やれやれ、随分長引いたわね」
ブリーフィングルームから程近い、白く清潔な廊下の一角。
遠坂凛は全身に溜まった疲労感を搾り出すように、ぐっと伸びをした。
「時間通りに終わる会議なんて幻や」
「幻だからこそ期待しちゃうのよ」
はやては休憩用のソファーに腰を下ろした。
他部隊とのミーティングは、予定されていた終了時間を二時間もオーバーし、先ほどようやく終了した。
合計五時間以上に及ぶ会議は体力だけでなく精神力も削っていく。
ここ一週間の多忙さも手伝って、はやての疲労はピークに達しつつあった。
「それで、今後のスケジュールはどうなるの?」
「せやな……ここんとこ出撃してなかったし、一週間以内には戦線復帰かな」
疲労を胸の奥に押し込めて、はやては和やかな笑顔を浮かべた。
空港とホテルでの戦闘を最後に、機動六課は戦闘行為に参加していない。
理由は極めて単純。
新隊員を加えた部隊運用の訓練に掛かりきりだったのだ。
スターズに衛宮士郎。
ライトニングにセイバー。
二人とも、近接戦闘を得意とする魔導師と騎士である。
既存のフォーメーションとの相性は悪くないが、それでも調整は必要不可欠。
贅沢を言えば、後一ヶ月はかけたいところだ。
「あなたも大概ワーカーホリックね」
凛が呆れたような態度を見せる。
彼女も書類上はロングアーチの隊員だが、役割はあくまで地球との折衝と情報解析。
他の二人とは異なり、戦闘のコンビネーションを考慮する必要はない。
そういう意味では、あまり忙しさを増やさない人である。
「好きで忙しくなってるわけやないんよ」
「どうだか。たまには休まないと、糸がぷつっと切れちゃうわよ」
「あはは。シャマルにも似たようなこと言われたわ」

226 :
尤も、シャマルの場合は凛のような冗談めかした口調ではなく、本気の忠告だったのだが。
ふと時計に目をやると、今まさに午後六時になろうとしているところだった。
「お腹すいた……」
はやての口からシンプルな欲求がこぼれ落ちた。
朝は会議の準備で忙しく、朝食を摂る暇もなかった。
会議の開始までの短い時間に軽食を食べ、後は延々とミーティング。
空腹度を示すメーターがあるなら、針が最低値を振り切りそうな勢いだ。
「それじゃ、何か食べにいこっか」
凛は休憩用ソファーから立ち上がり、ぐっと伸びをした。
赤い服が身体に密着して細身の輪郭が浮き出る。
「ここの食堂でええ?」
「んー、士郎に作ってもらうとか」
「それもええなぁ」
先日、衛宮士郎に振舞われた料理の味を思い返す。
料理を得意とする者にとって、他人の作った美味しい料理は否応なしに興味をそそられる。
ましてや同年代の男の料理とあっては、物珍しさも手伝って関心数割増しである。
"聖杯"の件が一段落したら、今度は自分が作った料理を食べてみてもらおう。
色々苦労をかけてしまったお詫びと、ささやかな対抗心の充足とで一石二鳥だ。
そんなことを考えながら、はやては凛の後を追って立ち上がろうとした。
「――――あれ?」
ぐらり――と。
廊下が歪み、傾いた。
おぼつかない脚で辛うじて踏み止まる。
建物に異変が生じたのではない。身体に異常が生じたのだ。
視界が急激に暗くなっていく。
頭の中身が頭蓋骨の内側を走り回っているかのようだ。
はやては両手で膝を押さえ、平衡感覚が元に戻るのを待った。
「大丈夫、八神さん?」
「……うん、ちょっと立ち眩みしただけや」
顔を上げ、深く息を吸い込んだ。
視界の縁に滲む暗闇が急速に消えていく。
大した症状ではないはずだ。貧血か、もしくは立ち眩みか。
どちらにせよ一過性のものだろう――はやては自分にそう言い聞かせた。
ここからが正念場だというのに、隊長が過労でリタイアなんて笑い話にもならない。
「やっぱり立ちっ放しは疲れるなぁ。座っとったみんなが羨ましいわ」
そもそも、疲労が溜まっているのは自分だけではないはずだ。
未知の敵との戦いを強いられているスターズ分隊とライトニング分隊。
慣れない土地と組織に馴染まなければならない衛宮士郎達。
編成再編を終えたばかりの両分隊を支援するロングアーチの面々。
"聖杯"の全貌を知らされることなく任務に就く陸士部隊。
彼らの苦労を思えば、自分の疲労など軽いものだ。
「それじゃ、遠坂さん。今日は和食がいいって、衛宮君にお願いしといてな」
意識しての行為か、それとも無意識の所作か。
はやてはさり気なく壁に手を突いて、身体の負担を軽くしようとしているようであった。
皮肉なことに――この献身は、八神はやてという少女の心身を想像以上に消耗させていたのだ。
その事実を彼女自身が悟るのは、まだ先のことになる。

227 :
 ――第七管理世界 辺境  現地時間 AM10:15――
山脈を囲む、鬱蒼とした森林地帯。
辺りに人工物の陰はなく、文明の音も聞こえない。
響き渡るのは風が木々を撫ぜる音色と、梢に羽を休める鳥の囀り。
そして雪解け水を含んだ渓流のせせらぎ。
陽光を弾く水面は、さながら砂金を散りばめた玻璃のよう。
清流は水晶よりも澄み渡り、巌の狭間を流れ落ちる様は静謐と呼ぶに相応しい。
まさしく人の手に寄らぬ芸術である。
その流れの只中で、一人の少女が身を清めていた。
積もりたての淡雪よりも白い肌。
望月の光を紡いだ柔らかな髪。
流麗で、しかし情動の欠落した面貌は、まさに彫像。
自然美の懐中にありながら、少女の美しさはまるで埋没していない。
それどころか、この秘境そのものが少女を際立たせるための舞台にすら思えてしまう。
万人が見惚れる美貌と、万人が傅く威容。
相反する要素が矛盾なく内包されている。
ちゃぷりと少女の手が水に沈む。
そうして汲み上げた一掬いの水を、少女は己の顔に打ち掛けた。
飛沫が頬を跳ね、首筋と房を伝って落ちていく。
不意に少女が顔を上げる。
唸るような音を引き連れて、小さな影が空を横切った。
管理局がガジェットドローンUと呼称する飛行機械。
下弦の月にも似たその機体が、大きな弧を描いて少しずつ高度を落としている。
「ようやく来たか」
少女は裸体のまま河原に上がった。
途中でアタッシュケースのような箱を拾い、遮蔽物のない場所で立ち止まる。
その堂々とした振る舞いからは、羞恥の気配が微塵も感じられない。
仮にここが数百の観衆に囲まれた舞台だとしても、少女は怜悧な表情を崩しはしないだろう。
「望みの品だ、受け取れ」
ガジェットドローンが低空を飛来する。
両者の影が交錯する瞬間、少女は一抱えもあるケースを腕力だけで真上に放り投げた。
同時に機体底部のアタッチメントが展開。
すれ違いざまにケースを確保し、木々を掠めて飛び去っていく。
風圧の残滓が木の葉を舞わせ、水面を激しく波打たせる。
数秒と待たず、ガジェットドローンは豆粒ほどの点に姿を変えた。
旋風が止み、河畔に静けさが訪れる。
少女は何事も無かったかのように、太い枝に掛けてあった着衣を回収し始めていた。
飛び去ったガジェットドローンがどこから来てどこへ行くのか。
そんなことには一切関心を払っていないようだ。
「しかし、興醒めだ。これでは掃除屋の方がまだ早い」
少女はぽつりと呟いた。
未だ来ぬ思い人を待ち侘びる乙女のように。
獲物の接近を待ち伏せる狩人のように。
森の彼方、火の粉を孕んだ黒煙が静かに立ち上っていた。

228 :
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:15――
「なるほど。話に聞いていた以上に広大な樹海だ」
セイバーは一旦足を止め、眼下の密林を見渡した。
青空の下、地平の果てまで広がる広葉樹林。
山脈と河川が横切る以外に途切れた箇所はなく、ただ手付かずの森が続いている。
人類が科学を手にする以前、ヨーロッパ大陸を埋め尽くした森林地帯を髣髴とさせる。
「ここは管理世界の中でも特に自然が残されている場所らしい」
吹き付ける強風を物ともせず、シグナムがセイバーの隣に立つ。
二人が下っているこの岩山からは、地平線までを余すところなく一望できる。
その分、森の上を吹き抜ける風が集中し、ちょっとした突風の吹き溜まりとなっていた。
「犯罪者には勿体無い環境だな。自然保護区の認定を与えておくべきだ」
「仕方ないでしょう。ここは明らかに潜伏向きの地形です」
「ああ、それは否定しない」
一時間ほど前、彼女らはレリック密売組織の残党掃討の任を受け、第七管理世界に降り立った。
その密売組織とは、先日の空港におけるレリック争奪戦の発端となった組織である。
つまり、今回の作戦は"偽造聖杯"を造った者達への牽制でもあるのだ。
作戦内容は以下の通り。
まず二個分隊を五つの班に分けて捜索を行う。
第一班――高い空戦能力を持つなのはとフェイト。
第二班――スターズ分隊副隊長のヴィータと補充要因の衛宮士郎。
第三班――コンビとしての相性が高いスバルとティアナ。
第四班――第二班と同様の理由により、シグナムとセイバー。
第五班――第三班と同様の理由により、エリオとキャロ。
適正と相性を考慮して編成された各班は、地上と空中の両面から拠点を捜索することとなった。
……もっとも、全く危なげのない編成かといえば、否と言わざるを得ない。
昔からの関係である第一、三、五班は心配する必要はないだろう。
シグナムとセイバーからなる第四班も、両者の性格からして衝突することはないはずだ。
問題は第二班だ。
「さて……シロウは上手くやれているのでしょうか」
「保証はできないな。ヴィータはどうしても感情を優先しがちだ」
「シロウも似たようなものですが、優先する感情の種類は違いますね」
互いの評を聞いて、二人はそれぞれ肩を竦めた。
態度とは裏腹に、大切に思う人のことを優先してしまうヴィータ。
己のことを大切に思えず、他者のことを優先してしまう士郎。
あり方の輪郭が類似していながら、全く異なる中身を持つ二人。

229 :
「ましてや、士郎は私のようなものすら庇わずにはいられない性格ですから」
「なるほど、それは確かにヴィータと相性が悪い」
シグナムは短く息を吐いた。
ヴィータは衛宮士郎のことを快く思っておらず、相互理解がまるで進んでいない。
ここ数日の共同訓練も、第一印象の悪さを払拭するには足りなかったのだ。
そんな状況で、ヴィータのプライドを逆撫でするようなことが起これば、本格的に衝突しかねない。
「……編成を間違えたかな」
小さく苦笑を漏らした瞬間、シグナムの元に緊急通信が入った。
第五班――エリオとキャロの班からだ。
『た――助けて――助けてください!』
「どうした、キャロ!」
『エリオくんが、エリオくんが――!』
並々ならぬ雰囲気に、シグナムだけでなくセイバーまでもが身を引き締める。
キャロが放つ必死の叫びは、事の重大さを認識させるには充分過ぎた。
『エリオくんが――――されちゃう!』
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:00――
「これは――――」
遡ること、十数分前。
森林地帯を探索していたエリオとキャロは、突如として開けた土地に出くわした。
川の流域でもなければ、樹木の生えない湿地帯でもない。
事前に取得した地形図によれば、ここには十数メートルほどの大岩が座しているはずなのだ。
しかし、二人の眼前に広がる光景は、完全な更地――
――――否、大地に深々と刻み込まれた、一直線の傷痕であった。
エリオは深い断層の縁に膝を突き、大地の傷痕の表面を調べた。
手をかざすと、高熱の残滓が僅かに感じられる。
表層の岩や砂はガラス状に変質して固まっている。
巨大な重機で掘り返されたのではない。
凄まじい高温によって、地表そのものがごっそりと蒸発させられたのだ。
周辺の木にも焦げた跡があり、小規模な火災が起こっていたことを窺わせる。
「大出力の魔法……? まさか、いくらなんでも……」
熱が残留していることから考えて、実行犯はまだこの世界から出ていないだろう。
皆を呼ぶべきかもしれない。
そんな考えがエリオの脳裏を過ぎった。
この破壊が自然現象によってもたらされたとは考えにくい。
だとすれば、強力な兵器か神話級の召喚獣、あるいは超高ランクの魔導師か。
もしくは―――サーヴァント。
いずれにせよ、自分たち二人だけで対処できる代物ではない。

230 :
「フェイトさんを……駄目だ、広域探索中だからすぐに来れるわけがない」
次に思い浮かんだのは『誰を呼ぶべきか』という選択肢である。
できるだけ近くにいて、できるだけ強く、できるだけ迅速に呼べる班。
広域探索中の第一班を呼んだとしても、二人が来るまでに実行犯は遠くへ行ってしまうかもしれない。
しかし、第三班と合流しても戦力が二倍になるだけで、規格外の強敵に勝てるとは限らない。
「エリオくん、あれってもしかして……」
悩むエリオの傍らで、キャロは断層の端を指差した。
炭化した木々の近辺に人工的な物体が落ちている。
エリオはその正体を理解し、表情を強張らせた。
「建物の……残骸」
直感が二つの事象を結び付ける。
機動六課が追いかけていた密売組織の拠点は、ここに『在った』のだ。
ほんの少し前に、何者かの手によって、僅かな痕跡を残して抹消されてしまっただけで。
恐らくは、口封じのために――
「キュクルーッ!」
突如、フリードが甲高い鳴き声をあげた。
「ようやく来たかと思えば、幼子が二人か」
森に澄み切った声が響き渡る。
エリオは咄嗟に顔を上げ、ストラーダを構えた。
断層の向こう側の森林から、小柄な少女が歩いてきていた。
背丈はスバルと同程度。
肌は透き通るように白く、美しい金髪を後頭部で編んでいる。
黒を基調にまとめられた衣装は、少女らしさと高貴さを併せ持っているように見えた。
そして何よりも、新たにライトニングに加わった少女、セイバーと容姿が酷似していた。
「キャロ! 逃げて!」
少女の琥珀色の瞳に見据えられた瞬間、総身を圧倒的な気が貫いた。
咄嗟に放った叫びが終わるより早く、黒き少女は一歩で断層を越えていた。
「まず、一人」
「――――!」
≪Sonic Move.≫
可能な限りの速度で跳び退くエリオ。
その胸を激しい灼熱感が襲う。
斬られていた。
少女の手には漆黒の剣。
その切っ先には赤い血糊。
灼熱感から数瞬遅れ、胸に走る激痛――
「エリオくん!」
キャロの悲鳴が、揺らぎ掛けていたエリオの意識を繋ぎとめた。
両足で地を踏み締め、ストラーダを黒き少女に振り向ける。
血の飛沫が足元に赤い斑点を散らした。
「くっ――――」

231 :
思ったよりも傷は深いらしい。
バリアジャケットのお陰で助かったというべきか、バリアジャケットがありながらこの有様というべきか。
「――我が求めるは、戒める物T 捕らえる物!」
「キャロ!?」
エリオの叫びにも関わらず、キャロは錬鉄召喚の詠唱を開始した。
友人が目の前で傷つけられたという事実が、彼女から離脱という選択肢を奪っていた。
「言の葉に答えよ、鋼鉄の縛鎖! 錬鉄召喚、アルケミックチェーン!」
魔力を帯びた鋼鉄の鎖が、瞬時に黒き少女を拘束する。
だが、少女は顔色一つ変えることなく、冷徹にキャロへと視線を移した。
氷の杭を打ち込まれたかのような怖気が、キャロの背筋を走り抜ける。
憎悪なき気。敵意ではなく、純然たる排除の意思。
少女の手の中で、漆黒の剣が握り直される。
「そ……蒼穹を走る白き閃光! 我が翼となり――」
「駄目だ! 逃げるんだ!」
「――――この程度か」
鋼鉄の鎖が一瞬にして砕け散る。
黒き少女から放たれた魔力の奔流が、物理的な衝撃となって鎖を粉砕したのだ。
「――て、天を、駆けよ!」
「キャロ――!」
詠唱よりも更に速く、黒き少女の姿が掻き消える。
≪Sonic Move.≫
もはや思考を挟むことすらもどかしい。
目にも留まらぬ神速に、限界を超えた最高速で追い縋る。
漆黒の剣による刺突がキャロの細身を抉る刹那、ストラーダの切っ先が刀身を打つ。
僅かに軌跡の逸れた刃は、バリアジャケットに包まれたキャロの左肩を掠めるに留まった。
「僕が相手だ! キャロに手を出すな!」
「……私に挑むか」
黒き少女はストラーダの刃を払い、一歩で数メートルの距離を離した。
痛みを堪えるエリオの後ろでキャロは力なく崩れ落ちた。
その膝にフリードが降り、黒き少女を激しく威嚇する。
「娘、私と同じ顔をした女に覚えがあるだろう?」
そう告げて、黒き少女は剣の切っ先をキャロへと振り向ける。
あの少女と同じ顔――
「奴をここに呼べ。猶予はそこの男が死ぬまでだ」
「そんな……!」
突然の宣告に凍りつくキャロ。
エリオは胸の鮮血を拭うことも忘れ、決意と共にストラーダを構え直す。
恐らく勝ち目はないだろう。
それでも、ここを退くわけにはいかない。
たとえ何があろうとも。
「大丈夫。心配しないで、キャロ―――行くよ、ストラーダ」
≪Empfang. Speerangriff.≫

232 :
投下終了です
タイトルの割に当の本人の出番は最後の方だけ
何かこういうことは前にもあったような
そして投下終了と共にさるさんなのも前にあったような

233 :
と。
今気づいた。
投下乙!
そしておかえりなさい!
ずっと待ってました!
そして黒セイバー対セイバー!
次回が待ち遠しいです。

234 :
復活キター!
諦めていた訳じゃない、待っていたんだ!
帰ってからじっくりよませてもらいまする

235 :
GJ 作者さんが帰ってくるのを嬉しく思います

236 :
拙作について少々報告と相談を
Lyrical Nightのバックナンバーを、第1話から順番に、
誤字等の微修正を加えた上で、外部サイトのArcadiaへ投稿しようと思っています
ストーリーなどは完全にそのままなので、書籍の第二版のようなものになるかと
現在作業中の第17話以降につきましては、まずこのスレに投下してから、
暫くの間をおいて外部にも投下していくという形で考えています
つきましては、このスレのまとめwikiを外部で紹介することの是非を問いたいのですが、いかがでしょうか

237 :
考え無しの意見だけど、いいんじゃないでしょうか
人が増えるきっかけになるかもしれんし
ここへの投下がなくなると言われたら悲しかったけど
折角頑張って書いたのだから、なるべく大勢の目に触れ感想をもらいたいものですよね
あぁ過疎

238 :
いいんじゃないかな。
自分もArcadiaとこっちで同じ世界観の連載してたし。
幸か不幸かこのスレにはそういうルールがないし。
ルールを作るほど盛んに投稿はなかっただけだけど。
だいたい型月?なのはのまとめは投稿あれば500くらいで、Arcadiaだとうまいこといけば一話でpvが四千とか五千まわるし。
ただ、まとめて投下するとあれなんで、一話か二話づつ、二日三日くらい間を空けるといいですよ。
投稿数が多いのにpvと感想が少ないと読む人が少なくなるという悪循環。
あと最近はとらハ板のが型月板よりも反応いいみたいですねー。

239 :
フォースでギルガメッシュVSフィッケバインファミリーなんて思いついたけど
一家の能力てんでないからわからん…
もしVividにサーヴァント達がいたら?
コロとリオナのBJ作成時に嬉々して加わるメディア、そしてアインハルトの使用するデバイス
に自分の手を加えそう…葛木と軋間にストリートファイト挑むアインハルトな展開が
集団戦でサーヴァントチーム(強いけど連携とれないもうダメぽ)VSなのはチーム(能力が劣るが連携で補う)な展開も面白そうだし
イスカンダルと王について語り合うアインハルトとか、イスカも何だかんだで可愛がりそうだけど
アルクェイドがvividに混じっても違和感ないんだが

240 :
格闘戦はアンリミテッドコードでもメルブラでもしているし、そういう意味では無印とかより型月との相性はvividはいいかもね。

241 :
白純とかビョンビョン跳ねたり食べたり、四季も面白い能力持ってたりするけど、陸戦オンリー(近距離型)は多いなあ
怪人だからビーム撃てないのは仕方ないが
>>232
GJ!
セイバー同士の対決だと、シグナムは手を出すのだろうか
続き楽しみ

242 :
フッケ一家の固有能力はまだはっきりせんからなぁ
サイファーの対鋼破蝕
ドゥビルの鎧化に高速再生に短距離瞬間移動
ステラの戦艦強化能力
アルナージの重火器装備能力
話が進とには何とも

243 :
ディルムッド「皆には、フィオナ騎士団の入団試験をしてもらう」
「第一の試験は詩だ」
「第二の試練は下半身を埋めて周りから次々と投げられる槍を盾で防いでもらう。ヘイタロイが協力してくれたから張り切るように」
「第三は完全武装の騎士(ランスロット)から森で逃げてもらう」
「第四は高跳び、第五は薬草……第十……」
「まじないや秘術の類は禁止だ。破れば―――喜べ。先達である光の御子に心の臓を貫いて貰える」
「見事に試験を突破した者には、ゲッシュを与え栄えある戦士と認める」
「最後に、昨年度唯一の合格者からのアドバイスを聴くように」
なのは『(六課の)みんな!頑張って!絶対合格できるよ!!』
ディルムッド「(エリオ。貴様には期待しているぞ……!ティアナ。お前の努力は知っている……!)」
「(そして、ハヤテ。お前が参加するとナノハから聞いた時は驚き、熱い友情に感動したものだ!!)」

244 :
先生!はやてちゃんが息してません!
ちゅーしていいですか!

245 :
まぁ、ネコ的には後ろの人の紅蓮の太刀を交わせる猛者ならOKでは?
と言っておく、まぁかわした所で鉄槌に殴られる運命なのですが
『カレイドスコープ』外伝02
EX『Book of the dark』01
出来ました

246 :
ではスタート
#1
「先輩、相談があるんですけど」
放課後、衛宮士郎はそう校門前で呼び止められた
呼び止めたのは日本人離れした金髪の後輩である
「アリシアか、どうしたんだ?」
家庭環境がいささか複雑すぎる後輩だが、かといって相談されるのは珍しい、
もっとも彼女とは知り合ってまだ精々一月くらいなのだが
「実は―――」
相談があると言いつつ新都へと足を向ける彼女について歩くこと暫く、
大橋の袂まで来たところで彼女は改めて口を開いた
「フェイトが仕事で困ったことがあるって言ってきたんですけど―――」
「フェイト―――って、確か……」
アリシアの姉だよな? と言いかけて士郎は首を捻った
妹だったような気もする―――そもそも対外的に姉妹という肩書きなだけで
実際は複雑を通り越した関係なのである
という訳で
「なんでさ?」
アリシアのアパート、通信モニター越しのフェイトの相談に士郎はむうと唸った

247 :

『なんでって―――、その私はあんまり―――』
だから―――と水を向けられた部下も難色を示す、かと言って
「いやホントに俺から言わせると分かんないぞ?」
首を傾げる、この二人がどうしてここまで気後れするのかさっぱり分からない
「魔導師としてどうなのかは分からないけど、フェイトもティアナも美人だろ、
ミスコン位いい線いくと思うけどな」
なにがそんなに自信ないんだ? と士郎は本気で首をかしげた
余程価値観に相違があるのでもない限り、
彼女らで自身が無いのなら世の「美人」の半分くらいは嘘になるというのは言いすぎか?
『そ、そう言ってくれるのは嬉しいんだけど……』
真っ赤になって照れるフェイト、ティアナのほうも目を白黒させている辺り
あまりそういうことは言われたことがないらしい
「なぁアリシア、フェイト達の周りって男居ないのか?」
「いえ、なのはのお兄さんとか、クロノとかいっぱい居るはずですけど……」
小声で聞くとそんな返事が返ってきた
なんというかあれだ、頭数が多くても意味が無い典型かもしれない
多分女子高のノリなんだろうな……
『え、エリオ……とか?』
『フェイトさん、そういう意味じゃないと思いますよ?
ここで言うならせめてユーノ司書長かヴァイス曹長あたりじゃないと」
しっかり聞こえていたらしい、
それは兎も角として、士郎の質問の意図を正しく受け取ったのはティアナだけのようだ

248 :

「でも、フェイトがこっちで学校行ってた時は共学だよね?」
『うん、そうだけど……』
「ティアナは訓練校の頃とか、男の子と付き合ったりとか無かったの?」
『その頃はあんまり、その……人付き合いが良くなかった頃なんで』
その後は局でエリートコースを進んで一気に高嶺の花と化してしまい、
実際に言い寄ってくる男はなかなかいない、という訳である
「そのユーノ司書長とかヴァイス曹長ってどんな人なんだ?」
他に思いつくあてはなさそうだと感じティアナのいう人物について問う
場合によっては士郎より余程相談相手として適切なのではないだろうか?
「そうですね、司書長はあんまり面識が無いんですけど、
ヴァイス曹長は―――」
微妙な間で理解する
こういう話にはいの一番に食いついてくるタイプだけど、
それだけに絶対余計な煽りを入れる人物なのだろう

249 :
しえんいたす

250 :

「あ、なんか理解した、
裏でトトカルチョとかやってるタイプなんだな、藤ねぇみたいに」
「え、藤村先生そういうことやってるんですか?」
士郎の言葉に意外―――でもないのか? と複雑な顔をするアリシア
教師としては真面目だが、脱線する時は全力で果てしなく明後日の方向に突っ走る
穂群原学園の迷物教師は伊達ではない
「なんだかこのままだと埒が明きそうも無いな、俺じゃ力になれそうもないし
とりあえずその辺り俺の方でも相談できそうな奴を探してみる」
『うん、ありがとう』
礼を言われるようなことはしてないぞ、と返しながら通信を終了する、
いい加減いい時間になっている、女の子の家に長居するのもどうか
「でも、相談できる人なんて居るんですか、先輩?」
「一応いるぞ、それも身近に」
士郎の返事にアリシアは首をかしげた

251 :
#2
翌日の放課後の学校
「で、私のところに来た、と?」
そんなこと相談されてもね、と遠坂凛はジト目で士郎を見てため息をついた
「そもそも学祭のミスコンなんかとは規模が違うでしょうし、
政治的な意図があっての開催って線は否定できないんじゃないかしら?」
「ミスコンが?」
「別に意外でもないでしょ
なんか聞いた限りだとちょっと前に大きなごたごたがあって組織改変の真っ最中らしいし、
そこから余計な目をそらすにはいいんじゃない?」
「そらすんですか?」
凛の言葉にアリシアが首を傾げる
「民主主義がどうのって言ったって実際に政治の舵を切るのは政治家でしょ?
一度世の中の視線をそらしておいてその間に作業を進めたいってところかしらね」
世間の目というのは確かに大事だが、それにあまり騒がれるのも問題だ
「どっちにしても拒否するぐらいなら乗ればいいと思うけどね私は、
勝負事に負けるのは面白くないじゃない?」
その辺りの話題は面白くない、と凛が話題を戻す
「あれで確かにフェイトは負けず嫌いなところもありますけど」
「遠坂と違って控えめだからな、そういう所、
ティアナもそういう目立ち方はしたくないみたいだし」
「もったいないわねーアイツら」

252 :
支援のじじょう。

253 :
そもそもあのスタイルで自信ないとか何様よ?
そんな贅沢私も一度味わってみたいわよ
タケウチセンセイバストガホシイデス……
「あ、諦めたらそこで試合終了ですよ遠坂センパイ……」
「アンタが言うか……アンタがぁ!!」
がっちりとアリシアの胸を鷲掴んで凛が叫ぶ
制服のベスト越しでもはっきり分かる膨らみはさすが洋物(違う)である
「落ち着け遠坂、(目のやり場的に)やりすぎだぞ」
アリシアの制服のリボンを引っ張り、ベストのボタンに手をかける凛を慌てて止める
流石にここで(なくても)人に見られるのは大いに不味い
「とりあえず、他にどんなのが居るのか候補者教えてくれる?」
居住まいを正した凛の問いにアリシアが口を開こうとしたところで、
何かに気づいて士郎はそれを手で制した
「誰か来る」
「教師、それとも柳洞君あたりかしら?」
部活動をやっている生徒以外は概ね帰宅した後である、
見咎められるのはあまり好ましくない

254 :

「あれ?」
身構えた三人の前に姿を現したのは予想に反して女生徒だった
長い三つ編みを揺らし、眼鏡の下で戸惑った顔をしている
「間留美さん?」
「テスタロッサさん
……っと、えっと……?」
人間関係が理解できないといった体裁で女生徒が目を白黒させる
どうやらアリシアの知り合いのようだが
「クラスメート?」
「はい、部活はやってないと思うんですが……」
凛と目を合わせるなり気まずそうな顔で目をそらす女生徒に疑問を感じるが、
素の遠坂凛におどろいているのだとすれば理解できる
学校ではお淑やかな優等生である為、
不敵な顔で机に腕を組んで腰掛けているという構図がまったく想像できなかったのだろう
面食らっている彼女を尻目に場所を変えようと凛に目線で示され
士郎たちは彼女に声をかけながら教室を出た

255 :
#3
それから数日後、
アリシアがバイトを終えて帰宅の途に付いたころであった
新都ビルの辺りをふらふらと歩いている男だった
身なりは高級そうで、荷物からして海外からやってきた旅行者といった風体だが、
それにしても何処か怪しい
気になって目で追っていると、不意に眼が合ってしまった
真夜中遅くのビル街という場所というのがさらに災いした
人気がさっぱり無い処で立ち止まっていた為男は迷うことなくこちらに歩み寄ってきた
「…………」
生気の抜けた落ち窪んだ目がこちらを確認し、興味を失ったように踵を返す
ほっとして気が変わらないうちに立ち去ろうとこちらも踵を返す
「危ない!」

256 :

振り返った直後、彼女は誰かに突き飛ばされてしりもちをついた、
何が起きたのか分からない目の前で、
先ほど自分のいた場所を得体の知れないものが通り過ぎ
「な、え?!」
ガツンという音が響いて『何か』が地面に落ちる、
自分の目の前に赤紫の人影が現れその『何か』を拳で叩き落したのだと気づくまで
彼女は数秒を要した
「見たことも無いゴーレムですが見た目ほど頑丈でもないようだ、
そこの貴女、立てますか?」
こちらに視線を向けずに聞いてくる人影に行動で示す、
その赤紫の人影―――長身の女性は鉄くずと化した『何か』を蹴り飛ばすと
男の方に向き直った

257 :

「では逃げなさい、この男は私が引き受けます」
女性の視線の先、
あの怪しげな男の周りにいつの間にか不ぞろいな形の何かがいくつもたむろしていた
オオォォォォォォォォォ
「ひっ!?」
そうは言っても女性とはそもそもの心構えが違う、
異様な『声』に竦みあがり、アリシアは耳を押さえてうずくまった
「性質の違う複数の使い魔の同時制御に平行しての呪詛ですか、
もしやと思いましたが、やはりホンモノのようですね
―――トマス・ホルバイン!!」
「―――ほう、極東は田舎だと思っていたが
流石に聖杯戦争などという大儀礼を行うほどの場となれば私を知るものもいるか」
アリシアを庇うように女性が構えなおす
口の端を吊り上げて女性の物言いに答えると男は手にしていた『本』を開いた
途端、一際大きな『声』があがる
聴覚によらない『声』が直に脳髄を焼く
悲鳴を上げることも出来ずに塞ぎこんだアリシアに女性が一瞬視線を向け、
不味いなと舌打ちする
彼女は知らなかったが、女性にとっても
満足に身も守れないような足手まといを背負っての戦闘経験はほとんどないのである
不利を承知で女性が拳を握りなおしたその時だった
一台の車がエンジン音を響かせながらそこへ飛び込んできた

258 :
支援の重ね当て!

259 :

「バゼット女史!?」
運転席から顔を覗かせた少女が眼鏡の奥で目を丸くする、
意外な人物に驚いた、という体の少女に対し、女性も一瞬驚きの表情を見せ、
すぐさまアリシアの手を取った
「ミス・マルミアドワーズ、頼めますか?」
「はい!」
後部座席のドアが開く、
いきなりの出来事に動きの止まっていた男の周りにいた異形がこちらに向かってくるが
「よっ!」
助手席に無造作に置かれていた瓶のようなものを窓から放り出す
偉業に当たって瓶が弾け、魔術的な轟音と閃光が当たりに広がる
それに男が一瞬ひるんだ隙に、息も絶え絶えのアリシアと女性を乗せると、
ドアを閉めるのもそこそこに少女は車を急発進させた

260 :
今回は以上です

261 :
投下乙でした!
というか、アリシアは色々とトラブルに巻き込まれているなw

262 :
投下乙です
ちょうどいいことに自分も次ができたので、後に続かせて頂きます

263 :
第17話 「暴君の剣U -Tyrant Sword the Second-」
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:05――
「標的の分散を確認。引き続き観察を続行」
機械的に強化された視覚が、遥か遠方の光景を捉える。
地平の果てまで広がる遠大な樹海。
その一角に突き出した岩肌に、青い装甲服を纏った長髪の少女が座している。
「やはりそうくるか。ディエチは監視を継続、他の者は指示を出すまで待機だ」
紫色の髪を短く切り揃えた女が少女の隣に立つ。
ディエチと呼ばれた少女は、小さく頷いて遥か彼方に視線を向けた。
彼女らの後方では、同じ設計の装甲服に身を包んだ少女達が、思い思いの有様で戦いの時を待っていた。
そのうちの一人、赤い髪をした小柄な少女が、不満そうな表情で紫髪の女に異を唱える。
「トーレ姉、どうしてすぐ攻撃しないんだ?」
「この作戦行動では『彼ら』の協力を受けている。
 騎士王が相手を見定めるまではこちらが手を出すことはしない」
トーレと呼ばれた女は、表情を崩すことなく少女の発言に応じた。
しかし、それでも赤髪の少女は納得できていないようだった。
腕を組み、しきりに足を鳴らして、森林の彼方を見やっている。
「ノーヴェってば、そんなにイライラしてどうしたッスか」
「ウェンディ……」
深桃の髪をした少女が声を潜めて話しかける。
決定を下したトーレの手前、表立って尋ねることが憚られたのだろう。
「あいつら、信用ならないんだよ」
赤髪の少女――ノーヴェは苦々しく吐き捨てた。
「英霊だかサーヴァントだか知らないけど、あいつらはドクターの考えを理解しようとすらしちゃいない。
 それどころか、真っ当に話ができる奴がひとりもいないだろ」
「うーん……確かに、唯我独尊が二人と、意識があるのかも分かんないのが二人ッスけど……」

264 :
ノーヴェに釣られてウェンディも言葉を濁す。
彼女達が『彼ら』と呼ぶ者達は、ありとあらゆる面で理解の範疇を超えている。
人格、価値観、戦闘能力。そのことごとくが別次元。
だがそれは単に超越しているという意味に留まらない。
純粋に、思考回路を理解することができないということでもある。
「でも、一応協力はしてくれてるッス」
「それもどうだか」
ノーヴェは岩肌にもたれ掛かり空を仰いだ。
その顔は明らかな不快感で歪んでいる。
「ウェンディ……あんた、あの金ぴか野郎と会ったことあるか?」
唐突な質問に、ウェンディは戸惑う様子を見せた。
「金ぴかってアーチャーのことッスか? 遠くから見たことはあるッス」
「面と向かってみれば分かる……」
一旦、言葉が途切れる。
ノーヴェの右拳が、ぎり、と音を立てて握り込まれる。
「あいつ、私達のことガラクタだって言ったんだ」
「ガラクタ……」
ウェンディは言葉を失った。
当人を前にして言い放つには、余りにも常軌を逸した発言。
まがりなりにも共闘関係を結んだ相手に向ける言葉ではないだろう。
ノーヴェは掌に拳を叩き付けた。
乾いた音が岩山に響き渡る。
「だから連中は信用できないんだ!」
「―――そこまでにしておけ、ノーヴェ」
岩山の下方から別の少女の声がした。
四人がいる場所より一段下がった場所に、黒い眼帯を巻いた銀髪の少女が佇んでいる。
その姿を見止め、ノーヴェは急に大人しくなる。
「N姉……だけど……」
「信頼できないなら、しなくても構わない。だが彼らとの共闘はドクターの決定だ」
「……分かったよ」

265 :
Nに諭されて、ようやくノーヴェも矛を収める。
それを見届け、トーレは姉妹達に次なる指示を下した。
「ディエチ。敵戦力の分散の内訳は把握できそうか」
「十人を五つのグループに分けたみたい。隊長格は……空中からの探索に移る模様」
「それ以上は分からないか……ノーヴェ! ウェンディ! 我々も行くぞ」
トーレに名を呼ばれ、二人はハッと顔を上げた。
「りょ、了解!」
「了解ッス!」
挑むべき標的は樹海の奥底に。
彼我の戦力はおよそ二倍。
それでもなお、彼女達に撤退の文字はない。
Nはコートを翻し、遥かな崖下を睨み付けた。
「今回の目的は戦闘データの収集だ。手の内は晒すな」
そう告げて、Nは先陣を切って斜面を駆け下りていく。
眼下の森林地帯には、一直線の爪痕が深々と刻み込まれていた。
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:15――
「―――行くよ、ストラーダ」
≪Empfang. Speerangriff.≫
エリオは力強く大地を蹴りつけた。
ストラーダの噴出口からほとばしる魔力が、エリオの肉体を一気に加速させる。
唯の一歩で即座に最高速へ到達。
地表を飛翔するが如く、黒いドレスの少女へ一直線に突進する。
「ああああっ!」
間合いはたったの数メートル。
スピーアアングリフの速度ならば一秒と掛かるまい。
だが――

266 :
「――遅い」
黒き少女が僅かに身体を反らす。
ストラーダの切っ先がドレスを掠め、幾許かの繊維をちぎり取る。
だが肌を裂くには至らず、エリオは勢いのままに少女の真横を通り過ぎた。
「このっ……!」
エリオは初撃の失敗を悟るや否や、利き脚を地面に叩きつけて強引に身を捻った。
強烈な慣性が臓腑を圧迫する。
ストラーダを握る腕が容赦の無い遠心力に苛まれる。
五体が千切れんばかりの苦痛を捻じ伏せて、エリオは再び黒き少女に狙いを定めた。
――少女と視線が重なる。
その瞳に敵意はない。
ただ邪魔なものを見るような目を向けている。
しかし、エリオはそれに憤りを覚えることができなかった。
相手の態度に感想を抱けるのは、精神的な余裕があるときだけの特権だ。
敵が笑っていようが泣いていようが、精神に余裕がなければ気にかけることすらできない。
今のエリオは明らかに決着を急いでいた。
密売組織の拠点を消滅させたのが彼女なら、その魔法を使われる前に倒さなければならない。
それはエリオにとっての絶対的な勝利条件であった。
エリオの背後では、キャロが通信画面に向かって必死の要請を繰り返している。
黒き少女の要求通りセイバーを呼ぼうとしているのだろう。
だが、第四班の担当区域までは相当な距離がある。
今から救援を要請しても、数分やそこらでは到着しまい。
せめてそれまで耐え切らなければ。
「ストラーダ!」
エリオがストラーダを振るい、ルフトメッサーを少女へ繰り出す。
同時に地を蹴り、スピーアアングリフを発動し再加速。
空気刃の後を追って黒き少女に急接近する。
「小癪な真似を」
片手で振るわれた漆黒の剣がルフトメッサーを打ち払う。
――やはり、速い。
この剣速なら、返す刃でストラーダを迎撃することすら容易だろう。
スピーアアングリフの速度など黒き少女には問題にもならない。
≪Sonic Move.≫
だが、そんなことは承知の上だ。
「――――――――っ」
黒き少女の眼前から、エリオの姿が掻き消える。
直線から曲線へ。
エリオは最大速で少女の背後に回り込み、渾身の刺突を放たんとする。

267 :
「その技は二度も見た」
「がっ……!」
苦痛の声を漏らしたのはエリオの方だった。
脇腹に漆黒の刀身が突き刺さっている。
滲む血液がバリアジャケットを赤く染め、冷酷な刃を伝って白い手を湿らせる。
少女は剣の柄を逆手に握り、振り返ることなくエリオの腹を抉っていた。
まるで、そこに現れることが分かっていたかのように。
「わざわざ前方に注意を引いた以上、次の一手は奇策だろう」
漆黒の刃が引き抜かれる。
粘り気のある血糊が糸を引き、溢れた鮮血が脚を濡らす。
エリオは力なく崩れ落ち――――
「まだ、だっ!」
「…………!」
――――上体を捻り、刺突の続きを繰り出す。
少女は猛獣じみた瞬発力で、弾かれるようにしてエリオから離れた。
「これで終わりか?」
それでもなお、黒き少女に傷を与えるには至らない。
ドレスの傷を気にする素振りも見せず、少女は剣の切っ先をエリオへ振り向けた。
ストラーダが地面に突き立てられる。
エリオはストラーダを支えにして、少女を睨みつけた。
肩で息をする度に、脇腹の傷から血液が溢れ出る。
速度、力、戦闘経験……全てにおいて遅れを取っているのは明白だった。
「……キャ……ロ……」
「エリオ君……」
胸の傷からも依然として鮮血が滴っている。
少女の体躯とは裏腹に、繰り出される斬撃の威力はでたらめだ。
バリアジャケットが露ほどの役にも立っていない。
恐らくは、攻撃に合わせて魔力を放出し、速度と威力を底上げしているのだろう。
原理はスピーアアングリフと同様だ。
ただ、その出力が桁外れなだけで。
一合にどれほどの魔力を解き放っているのか想像するだけで恐ろしい。
「ストラーダ…………もう一度、行くよ」
あちらの単なる一撃が、こちらの必に匹敵、あるいは凌駕する。
それは埋めようもない力の差。
しかし裏を返せば、必を当てることさえできれば充分な一撃になるはずだ。
≪Nein! Halten Sie!≫
ストラーダが主の無謀を制止する。
エリオはそれを聞き流し、腰を深く下げてストラーダを構え直した。
「なるほど、死を望むか」
黒き少女が剣の柄を両手で握り込む。
少女の獲物は明らかに両手剣だ。
今まで片手で振るっていたのは戯れに過ぎなかったのだ。
次の一撃はこれまでの斬撃を凌駕する。
それでも、なお。

268 :
「――――!」
キャロが叫ぶ。
けれどその声は、スピーアアングリフの加速に入ったエリオへは届かない。
あるいはキャロと共闘すれば、ここまでの傷を受けることはなかったかもしれない。
だが、代わりにキャロが傷つく危険性が跳ね上がる。
この胸と脇腹の刀傷がキャロに刻まれていたかもしれないのだ。
それだけは絶対に許容できない。
幸いにして、黒き少女はエリオが戦う限りキャロに手を出さないつもりらしい。
ならば、それに乗ることこそがエリオにとっての最善手。
「あああああっ!」
間合いそのものはストラーダの方が長い。
だが黒き少女は一撃目でストラーダを打ち払い、二撃目で自分を両断するだろう。
血の詰まった皮袋を断ち切るように、何の感慨も、手応えすらもなく。
漆黒の刀身がストラーダを弾き飛ばす。
返す刃が動けば、それで終わり。
次の瞬間、エリオはソニックムーブを発動した。
彼我の距離が瞬間的にゼロとなる。
吐息すら感じられそうな間合い。
凍りそうな瞳が目と鼻の先で見開かれている。
「これで――――」
右拳を握り込む。
無意識に収束した魔力が資質を示し、微かな紫電を放つ。
「――――どうだ!」
抉るような拳が直撃する。
衝撃緩和を放棄した高速移動のままの一撃。
しかし響き渡った音は生身の身体に対する打撃音ではなく、金属を殴ったような音であった。
「貴様を甘く見ていたことは認めよう」
エリオの放った拳は、鈍い銀色の手甲に包まれた掌に防ぎ止められていた。
黒いドレスを纏った身体の中で、右腕だけが甲冑を身に着けている。
まるで騎士甲冑の一部だけを展開したかのように。
「だが、私には届かない」
黒き少女がエリオの拳を握り締める。
まるで重機械に挟まれたかのような圧力で拳を掴まれ、エリオは苦痛に喘いだ。
「う、ぐぁ……!」
骨格が軋み、激痛が脊柱を貫く。
少女は乱暴に腕を振り上げ、エリオを高々と放り投げた。
人体を片腕で投げ捨てるという不条理も、次に生じた異変の前では些細なことだった。
「私に触れられた褒美だ。我が旭光の錆と消えよ」
莫大な魔力が一瞬のうちに集積し、漆黒の剣を暗黒色の魔力光で包み込んだ。
聖性からは掛け離れた気に大気が凍りつく。
少女は禍き光の大剣と化した剣を振り上げ、落ちゆくエリオを冷たく見据えた。

269 :
   エクス
「約束された――――」
「駄目ぇーーー!」
キャロの叫びと共に、無数の鎖が黒き少女に絡みつく。
それは先に発動したアルケミックチェーンよりも、遥かに力強く少女の身体を拘束する。
得られたのは一時の執行猶予。
ささやかで、か弱い抵抗。
少女は魔力の迸りで鎖を吹き飛ばし、光の大剣を薙いで跡形もなく焼き払う。
余りにも圧倒的な暴力の前では、鋼鉄の鎖も糸屑に等しい。
けれど、勝ち取れた一瞬は決して無駄ではなかった。
「お願い、フリード!」
白竜が翼を広げて旋回し、落下していたエリオをその背で受け止める。
旋回を続けて高度を落としながら、フリードは少女めがけて火球を乱れ撃った。
「――竜種擬きが」
黒き光の大剣が火球を一刀の下に薙ぎ払う。
その隙にフリードは着陸を果たし、満身創痍のエリオをキャロの許へと送り届けていた。
「エリオ君!」
エリオは意識を失っていた。
キャロの腕の中で力なく倒れ、鮮血を流し続けている。
必死に声を掛け続けるキャロの傍へ、黒き少女の足音が近付いてくる。
光の大剣は既に解体され、漆黒の刀身が露になっていた。
「身命を挺して姫を護る騎士と、その身を案ずる姫か――
 騎士どもが見れば手放しに賞賛しそうな光景だ」
それはまるで死刑執行人のように。
一歩近付くごとに、死が明確な形を帯びていく。
「何、案ずるな。共にかせてやろう」
「……!」
キャロはきつく唇を引き結び、黒き少女と対峙した。
ケリュケイオンを付けた手を突き出し、抗戦の意思を明確に示す。
しかし華奢な脚は小刻みに震え、大きな瞳は動揺に揺れている。
「エリオ君に近付かないで……」
やっとのことで搾り出した声からは、明らかな恐怖の色が見て取れた。
黒き少女はキャロの抵抗など気にもしていない。
フリードの咆哮にすら怯みもせず、淡々と歩を進めていた。
「終わりだ」
漆黒の剣を片手で構え、たった一歩の踏み込みで、残された間合いを塗り潰す。
キャロには悲鳴を上げる猶予すら与えられなかった。
「あ――――」
気付いたときには全てが終わっていた。
眼前で降り抜かれる漆黒の剣と、それを受け止める黄金の剣。
聖剣同士がぶつかり合う金属音が響き渡る。
一瞬の間を置いて、二振りの聖剣が互いを突き放し合った。

270 :
「待ちかねたぞ、セイバー」
黒き少女は表情一つ変えることなく、気の矛先を闖入者へと切り替えた。
少女と生き写しの容姿の騎士。
金色の髪に碧い瞳。黄金の剣と白銀の鎧。
「セイバー……さん?」
「すみません、遅くなりました」
キャロの呟きに、セイバーは振り返ることなく応えた。
如何なる手段を用いて、たったの数分でここまで辿り着けたのだろうか。
その答えはセイバーの姿を見れば見当がついた。
両足を包む装甲に土と泥がこびりついている。
文字通り走り抜けてきたのだ。
人知を超えた脚力を駆使し、密林を踏破して掛け付けたのだ。
「キャロは早くエリオの手当てを。このサーヴァントは私が引き受けます」
セイバーの声を聞き、キャロはハッと平静を取り戻した。
自分が今なすべきことはサーヴァントと戦うことではない。
何のために治癒魔法を習得したというのだ。
キャロはフリードの助けを借りてエリオを運び、治癒魔法による応急処置の準備を始めた。
「貴様が遅いものだから、つい戯れが過ぎてしまった」
黒き少女がエリオとキャロを一瞥する。
死力を尽くして挑んできた敵だというのに、治療を止めるつもりはないようだ。
つまるところ、エリオはもはや関心の対象ではないということだろう。
セイバーは聖剣を隙なく構え、いつでも黒き少女を斬り捨てられる姿勢を取った。
「"偽造聖杯"が召喚したサーヴァントは四体……貴様がその四体目だな。
 だが……何故私と同じ姿をしている……!」
「私はお前だ。それ以外の理由はない」
下らない問いだと言わんばかりに、黒き少女は言い捨てた。
肌と瞳の色合いに差異こそあれ、両者の背格好は完全に同一だ。
「なるほど……サーヴァントは属性が反転して召喚されることもありうる。
 貴様は"偽造聖杯"によって召喚された、私の悪の側面ということか」
「悪、か。それはどうだろうな」
睨み合う二人の騎士。
その後方で、キャロは空を見上げて視線を巡らせた。
第四班はシグナムとセイバーの二人で構成されている。
しかし、何故かシグナムの姿が見当たらない。
通信で助けを求めたときには、二人とも同じ場所にいたというのに。
「シグナムは第三班のところへ向かいました」
キャロの疑問に気が付いたのか、セイバーは問われるより先に話し始めた。
構えを崩さず、黒き少女に対する警戒を一切緩めぬままに。
第三班といえばスバルとティアナからなる班だ。
どうしてそこにシグナムが向かわなければならないのか。
理由を想像して、キャロは恐怖に竦んだ。
「まさか……」
「第三班は、正体不明の敵の攻撃を受けています」

271 :
もう一体のサーヴァント――
最悪の想定がキャロの脳裏を駆け巡る。
だが、セイバーはそれを否定する。
「いいえ、サーヴァントではないようです」
字義通りの正体不明。
素性も目的も分からない突然の攻撃。
ある意味ではサーヴァントよりも厄介な敵だ。
それはセイバーの表情に浮かんだ焦りの色からも読み取れる。
「もう一人の私よ! あれは貴様の配下か!」
「答える舌を持たん」
嘲りを込めた言葉が吐かれる。
黒き少女は完全武装のセイバーとは反対に、漆黒のドレスという軽装のままだ。
唯一の例外は、エリオの拳を防ぐために出現させた右腕の手甲のみである。
「セイバー。私が何故武装しないか分かるか?」
「何……?」
黒き少女は漆黒の剣を地面に突き立て、無機質な瞳でセイバーを見据えている。
突如、右腕の手甲が暗黒色の燐光と化して消失する。
「脆弱な貴様の相手をするには不要だからだ。その剣は私に触れることすら叶わない」
「世迷言を―――!」
セイバーは一瞬にして間合いを塗り潰し、神速の一撃を繰り出した。
音すらも追い抜く斬撃は、しかし黒き少女に届かない。
片手で握られた漆黒の剣によって完全に防ぎ止められていた。
「失望したぞ、セイバー」
両腕に対して腕一本。
たったそれだけで、セイバーの斬撃はやすやすと受け止められた。
黒き少女は黄金の剣を弾くと、大きく後方へ飛び退いて間合いを取った。
「第五次の聖杯を破壊して以降は、マスターの魔力に頼って現界し続けているのだろう。
 能力は良くて全盛の四割……いや、三割も出せればいい方だ。違うか?」
黒き少女の指摘を受け、セイバーは押し黙った。
サーヴァントの維持には莫大な魔力が必要となる。
それが足りなければ、性能の発揮に支障が生じるのは自明の理である。
「だがそれは貴様も同じだ!」
セイバーは声を荒げた。
「"偽造聖杯"は確かに破壊した! 今の貴様も魔力が足りていないはずだ!」
「現実を見ろ。見苦しい」
黒き少女は、漆黒の剣を両手に持ち替えた。
「貴様は"偽造聖杯"を破壊するために聖剣を使い、魔力の大半を使い果たした。
 だが、私はこの断層を作り出してなお魔力の不足はない。それは揺るがし得ぬ事実だ」
漆黒の剣に莫大な魔力が集積する。
禍々しい魔力光が折り重なり、再び光輝の大剣を顕現させる。
壮絶な密度の魔力が、際限のない加速と増幅を繰り返し、漆黒の剣に比類なき力を与えていく。

272 :
「好機をやろう。宝具を構えろ」
あからさまな誘いだった。
ただセイバーを害することが目的なら、有無を言わさず宝具を放てば良い。
それをしないということは、英霊の象徴たる宝具を以って、正面からセイバーを打ち破るつもりなのだろう。
同一の宝具の撃ち合いとなれば魔力量が勝負を左右する。
本当に魔力量の差が圧倒的なら、試すまでもなく結果は見えている。
だが、セイバーに拒否権はなかった。
何故なら、すぐ後ろではキャロがエリオの治療を行っている。
セイバーが拒否すれば、禍き旭光は二人を焼き払う。
「くっ……!」
――光が集う。
黒き少女の魔力とはまるで異なる、清浄な光輝の渦が聖剣を包み込む。
輝きは更なる輝きを呼び、光の渦が聖剣の周囲に束ねられていく。
しかし、足りない――
あの暗黒を祓うには出力が圧倒的に不足している。
少女が述べていたことは真実だったようだ。
セイバーと黒き少女の間には、確然たる魔力量の差が存在していた。
「理解したか。それが今の貴様だ」
「…………ッ!」
歯を食いしばるセイバー。
その視界の端に小さな白い影が躍り出た。
「キャロ!」
「私も戦います! 護られてばかりなんて……!」
キャロの手を包むケリュケイオンから薄桃色の光が溢れる。
「我が乞うは、城砦の守り。聖剣の騎士に、清銀の盾を」
≪Enchanted Defence Gain.≫
「猛きその身に、力を与える祈りの光を」
≪Boost Up. Strike Power.≫
複数種類の強化を同時に掛けるツインブースト。
攻撃と防御の双方がブーストを受け増幅されていく。
たとえ結果がどちらに転ぼうと、確実にセイバーを支えられる術式である。
「感謝します……無駄にはしません!」
セイバーは柄を力強く握り、光輝の剣を高らかに掲げた。
それを見て、黒き少女も暗黒の剣を振りかざす。

273 :
   エクス
「約束された――――!」
        エクス
「――――約束された」
莫大な魔力が空間を軋ませる。
唯一無二の聖剣が激突するという異様――あるいは、奇跡。
その結末は、一瞬のうちに訪れる。
       カリバー
「――――勝利の剣ッ!」
  カリバー
「勝利の剣――――!」
密林の奥、白光と黒光が互いを刻み合う。
その衝撃は莫大な熱量を帯びて拡散し、木々を容赦なく焼き払い、薙ぎ払っていく。
二つの光がもたらす破壊の灼熱が、地上にもう一つの太陽を生み出していた。

274 :
投下終了です
相変わらずの肝心なところでのさるさん
長すぎるのだろうか

275 :
おお!
重ねての投下とは!
気付かなかったので支援できませんでしたが、こっちもまた続きがきになる展開です。
続き待ってます!

276 :
ko-j氏 Lyrical Night氏共に乙
…もしも、士郎がレジアスの部下だったら?
と、呟いてみる

277 :
ko-j氏、リリナイ氏乙!
悔しさを糧に頑張れエリオ
4年後にはもっと強くなってるさ
PSP「ねんどろいど じぇねれ〜しょん」 発売決定
■現在判明している登場キャラクター
ブラック★ロックシューター(ブラック★ロックシューター)
デッドマスター(ブラック★ロックシューター)
ブラックゴールドソー(ブラック★ロックシューター)
セイバー(Fate/stay night)
ライダー(Fate/stay night)
遠坂 凛(Fate/stay night)
高町なのは(魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st)
フェイト・テスタロッサ(魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st)
涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒの憂鬱)
朝比奈みくる(涼宮ハルヒの憂鬱)
長門有希(涼宮ハルヒの憂鬱)
www.famitsu.com
ジャンルはRPGで合体攻撃もあるとかなんとか
バンナムじゃなかったら期待していたのに

278 :
スパロボスタッフが関わってれば少しはましになる

279 :
>セイバー(Fate/stay night)
>ライダー(Fate/stay night)
>遠坂 凛(Fate/stay night)
3大ヒロイン……?

280 :
>>277
まぁ、六年後ぐらいには立派にボスキャラのカマセを
にゃんか、こう、随分小ぃっさいコマの隅でしてた様な気がしなくも無いですが

281 :
http://k.pic.to/14z9pe
http://n.pic.to/126ej9
http://l.pic.to/13chv9
http://l.pic.to/13c9ev
http://m.pic.to/12m8ni

282 :
>>279
何も 問題は ない

283 :
>>274
おちゅ。
絵を脳内再生余裕でした。

284 :
日曜のうちに書けるだけ書いておこうと思ったら、一区切りついてしまった
せっかくなので投下です

285 :
第18話 「暴君の剣V -Tyrant Sword the Third-」
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:15――
道とは人々が歩んだ痕跡にできるもの。
先人が原野を行き、木々を払って初めて人の通る道が生まれるのだ。
故に、手付かずの森林には林道などという気の利いたものは存在しない。
この森林地帯も、例に漏れず獣道以外の道は拓かれていなかった。
「……おい」
ヴィータは木の根を跨ぎ、グラーフアイゼンで枝を除けながら、ぽつりと呟いた。
声量が小さかったのか、返答はない。
少し間を置いて、ヴィータは改めて後ろを行く衛宮士郎に声を投げかける。
「おい。今、何か聞こえなかったか?」
「そうか……?」
士郎は怪訝そうに辺りを見渡した。
今は、二人分の足が草木を踏む音と鳥の囀りだけがささやかに響いているだけに過ぎない。
深い森だ――ヴィータは足を止めずに梢を仰ぐ。
重なり合う枝葉の狭間から漏れる木漏れ日は、まるで光をはじく水面のよう。
人の手が加わっていない森林は空気すらも清浄で、息を吸うだけで疲労が消えてなくなりそうだ。
これで、涼しい風さえ吹いてくれれば言うことなしなのだが、生憎と無風の状態が続いていた。
「何だったんだろうな、あの音……」
異音がしたのはほんの一瞬で、もう聞こえなくなっている。
まるで金属と金属を激しくぶつけ合うような、甲高い音だった。
金属音と言っても、街中であれば聞き流してしまう程度のものだ。
工事現場の騒音の方が何万倍も耳障りなくらいである。
しかし自然環境下で生じる音ではないで、どうしても気になってしまう。
「――そんなことより」
ヴィータは唐突に振り返り、じろりと士郎を睨んだ。
バリアジャケットを着込んでいるヴィータに対し、士郎は相変わらずの服装だった。
即ち、機動六課の制服を着用して、上着の前ボタンを全て外した格好である。
「お前な、ここは戦場だぞ? こんな格好でどうするつもりなんだよ」
「こんな格好って、普通だろ?」
「全然普通じゃねぇぞ」
もはや呆れ返るより他になかった。
機動六課の制服には魔術的効果は一切付与されていない。
防御力はいわゆる『布の服』も同然だ。
そんな状態で攻撃を受ければ、生身の身体に直撃するに等しい打撃を受ける。
緊急時ならまだしも、今回は自ら敵地へ乗り込む作戦なのだ。
プロテクションもバリアジャケットもなしに臨める戦場ではない。
「バリアジャケットなら用意してあるだろ。何で着てないんだよ」
「そうなんだけど、鎧とか着て戦うのは慣れてないからな……」
士郎は左手首に巻かれた簡易型のストレージデバイスを軽く撫でた。
待機状態のストラーダよりも小さく、腕輪かリストバンドを連想させるデザインをしている。
はやて経由で陸上本部に掛け合って用意した装備だ。
搭載されている機能は限定的で、通信機能とバリアジャケットの展開に絞られている。
それでも作戦効率を高める役には立つだろう。

286 :
「使いたくないっていうなら――任務の邪魔だから今すぐ帰れ」
ヴィータは知らず厳しい口調になっていた。
衛宮士郎という男と一緒にいるだけで、不思議なくらいに心がざわつく。
解釈のしようがない感情だった。
自分自身の感情だというのに、どうして苛立ちを覚えてしまうのか分からない。
知らないところでなのはが危険に晒されていたから?
いや、それは筋違いだ。
首を突っ込んだのは、なのは自身の意思。
衛宮士郎を恨む理由にはならない。
"聖杯"やサーヴァントについて肝心なことを隠していたから?
……それも違う。
確かに納得はできないが、理解はしているつもりだ。
第一、情報の隠蔽は組織からの要請なのだから、一個人で翻せるものではない。
それとも――――我が身を省みない無謀な戦い方が癪に障るから?
「……ちっ」
会議の折、後で士郎を締め上げてやうと思っていたことを、今更になって思い出す。
一週間も前のことを引きずっている辺り、自分は意外と根に持つ性質のようだ。
「副隊長?」
「いいから、作戦中はバリアジャケットを着ろ。いいな」
ヴィータは命令口調で言い含めた。
衛宮士郎の書類上の階級は三等陸尉であり、三等空尉のヴィータと同程度の階級に相当する。
しかし、実務上は名実共にヴィータの立場が上という扱いになっている。
理由は幾つか存在するが、士郎の階級は一時的な任官に過ぎないのが最大の理由だろう。
「まさかとは思うけど、聖杯戦争とやらの間も、そういう格好で通したんじゃねーだろな」
「そういう格好っていうか、制服や普段着だったかな」
それを聞いて、ヴィータは呆れ返ったように溜息を吐いた。
あのバーサーカーのような人外が跋扈する戦場を、よもや普段着で戦い抜こうとは。
生き残れたから良かったようなものの、冷静に考えれば自行為、むしろ自そのものだ。
普通なら間違いなく何十回と死んでいる。
「無謀ってもんじゃないだろ、それ」
ここまでくると変な意味で尊敬の念すら覚えてしまう。
地球の軍隊の方が、よほど充実した装備で身を護っているくらいだ。
ヴィータは語気を強め、更に士郎へ詰め寄った。
「いいか? あんたは曲がりなりにもあたしの部下なんだ。
 勝手に無茶されて勝手に死なれるのはお断りだからな」
「…………分かった、試しに着てみるよ」
士郎は気難しそうにそう答えた。
ああ、これは納得できていない反応だ――ヴィータは腰に手を当てて吐息を漏らした。
バリアジャケットを着用することには同意したが、無茶をしない保証はできない、というところだろう。
無茶をすることに慣れた人間に対して、口頭での注意はあまり意味がない。
身体に染み付いた感覚のまま、息をするように無茶をしてしまうものだ。
そしていつか、取り返しのつかない事態を招く。
なのはが撃墜されてしまったときのように――――
「これ、どうやって使うんだ?」

287 :
ヴィータが考え込んでいる間、士郎は簡易デバイスを弄り回していた。
放っておいたら使い方を調べるために解体しそうな勢いにも見える。
「普通は一言で展開できるんだけど、こいつはとにかく機能を簡略化してるからな……
 バリアジャケットを展開するときは、ここをこうして……」
ヴィータが士郎にデバイスの扱い方を教えていると、唐突にリインからの通信が入った。
それも単なる連絡通信ではなく緊急通信だ。
『大変です! 緊急事態です!』
「緊急なのは分かったから落ち着け!」
『えっと……第三班と第五班が攻撃を受けています!』
そのとき、ヴィータの視界の端に銀色の光が奔る。
ヴィータは反射的に士郎の身体を突き飛ばした。
「避けろ!」
「うわっ!」
短剣が士郎のいた空間を横切り、樹木の幹に突き刺さる。
ヴィータは一瞬のうちに思考回路をフル回転させた。
攻撃地点――三時方向、上方三十度。距離は不明。樹上からの投擲と思われる。
攻撃手段――短剣一振り。空港を襲撃したサーヴァントと手法が類似。
『何があったんですか!?』
「リイン! さっきの訂正しろ! 第二班も襲われてるってな!」
ヴィータは振り向き様に四つの鉄球を展開。
勢いのままに、グラーフアイゼンで打ち飛ばす。
≪Schwalbefliegen.≫
魔力を帯びた鉄球が木々の枝葉を散らし、推定攻撃地点に到する。
シュヴァルベフリーゲンが幹を粉砕した瞬間、二つの影が凄まじい速度で飛び出した。
「来るぞ、エミヤ!」
「分かってる!」
士郎の手の中で魔力が格子を描き、瞬時に細身の両刃剣を構成。
銀の刃が高速の敵襲を迎え討つ。
それと同時に、ヴィータのァーシルトがもう一つの攻撃を防ぎ止めた。
「……女!?」
士郎が驚きの声を上げる。
両刃剣と鎬を削る薄刃の短剣。
それを握っていたのは、銀色の髪をした小柄な少女だった。
琥珀色の隻眼が至近距離から士郎を見据える。
材質の差か、短剣が両刃剣の刃にめり込んでいく。
短剣が寸断されるや否や、銀髪の少女は後方へ大きく飛び退いた。
「こいつらサーヴァントじゃないのか!」

288 :
ヴィータはグラーフアイゼンを振るい、殴りかかってきた長身の女から距離を取る。
少女は地に足をつけて短剣を構え、女はふわりと宙に浮いて士郎とヴィータを見下ろした。
どちらも青と薄紫のボディースーツに身を包み、少女はその上から長の長いコートを羽織っている。
士郎とヴィータは互いに目配せした。
この敵を知っているかと、言外に尋ね合う。
返答は、どちらも否。
聖杯戦争の縁者でなければ、機動六課の知る犯罪者でもない。
完全に未知の敵なのだ。
警戒を露わにする士郎とヴィータを、紫髪の女は冷徹に睥睨していた。
「お前たちに恨みはない。運が悪かったと諦めろ」
「何を言って……――――!」
刹那、女の姿が突如として掻き消え、ヴィータが真後ろへ吹き飛ばされる。
殴り飛ばされたのだと気付いたときには、打ち上げるような追撃がヴィータを襲っていた。
「がっ……!」
「ヴィータ!」
駆け寄ろうとする士郎の鼻先を、銀髪の少女の蹴撃が掠める。
首筋を狙って放たれた短剣を剣で弾き、士郎は少女と対峙した。
少女の得物は短剣二本。
それらを左右に一本ずつ逆手で握っている。
長剣を相手取るには間合いが不足しすぎている武装だ。
士郎は剣を左手で構えながら、右手で左手首のデバイスを起動させる。
≪Set up.≫
陸士部隊共通デザインのバリアジャケットが士郎を包む。
白兵戦を考慮した造りになっており、純粋に防御力の向上だけを望める設計だ。
「デバイスか――データの修正が必要だな」
少女が左手の短剣を、士郎の顔面めがけて投擲。
同時に重心を低くした体勢で疾駆する。
士郎は飛来する短剣を打ち落とし、少女の右手の短剣目掛けて剣を振るった。
が、少女は即座に右腕を引き、身体を翻して士郎の手元を鋭く蹴り上げた。
「このっ……!」
「まず、一人」
長剣が手を離れて宙を舞う。
士郎はそれの回収を諦め、素早く次の剣を投影する。
  トレース・オン
「投影、開始!」
形成するは取り回しに秀でるソードブレイカー。
攻撃用としては物足りないが、少女の追撃を防ぐには最善の武装だ。
だが――
≪Analyse error! Emergency shutdown!≫
悲鳴のような警告音声が鳴り響く。
次の瞬間、バリアジャケットが弾けるように消滅した。
「なっ……! お、おい!」

289 :
想定外の出来事に驚きながらも、士郎は少女の短剣を受け止める。
しかし、左手に握られた三本の新たな短剣は、完全に意識の外であった。
少女の擲った短剣が、無防備になっていた士郎の胴体に突き刺さる。
更に、少女は士郎の胴を蹴りつけて間合いを離した。
「――――くそっ!」
弾かれた長剣が落下し、士郎と少女の間の地面に突き立った。
デバイスの故障にしては最悪のタイミングだ。
よりによって懐へ踏み込まれた瞬間に壊れてしまうとは。
士郎は歯を食い縛り、胸と腹に刺さった短剣を引き抜いた。
ねっとりとした血糊が糸を引き、制服のワイシャツに赤い汚れを広げていく。
「痛っ……」
「…………」
血腥い光景を前にしても、少女は僅かに眼を細めるだけであった。
それを見て、士郎は少女の覚悟を理解した。
この少女は敵対者を傷つけることに迷いがない。
場合によっては生命を奪うことも辞さないだろう。
だが、それを楽しむような素振りは全く見出せなかった。
つまるところ、彼女は彼女なりの理由と決意を抱いて、士郎とヴィータに刃を向けているのだ。
「……本気、なんだな」
「無論だ。戯れで刃を振るう趣味はない」
少女の手元に、左右三本ずつ合計六本の短剣が出現した。
それに呼応するように、士郎も両手を大きく広げた。
放棄されたソードブレイカーと両刃の長剣が、魔力の燐光と化して消失する。
    トレース・オン
「――投影、開始」
士郎の手中で、陰陽の夫婦剣が形を成していく。
少女は両腕を交差させて投擲の構えを取った。
次に繰り出される一手は、どちらが先手を取ったとしても、これまでの剣戟を越えるだろう。
短剣を握る少女の指に、ぎり、と力が篭る音がした。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
士郎と少女が刃を振るう上空で、ヴィータは肩をしきりに上下させていた。
初撃を無様に喰らい、追撃も回避しきれず、戦いの場を強引に空中へと移された。
弄ばれている――そう表現してもいいだろう。
ヴィータを奇襲した女は十数メートル前方で滞空している。
呼吸すら乱さず、表情一つ変えることなくヴィータに視線を向けている。
手足の計八箇所に展開したエネルギー翼は飛行魔術の類だろうか。
未だに、ヴィータはそれすら見切ることができずにいた。
「…………畜生」
悪態を突き、額の汗を拭う。
あの女は強力な武装を用いているわけではない。
ただひたすら、速いのだ。
「本気を出せ。そんなものではないだろう」

290 :
女の姿が掻き消える。
「しまっ……!」
打撃が頬を叩き、乾いた音を響かせる。
直後に反対側の脇腹に一撃が入り、背中に強烈な衝撃。
間髪入れず腹部と肩口、顎を痛みが襲う。
あまりに速過ぎて、殴打なのか脚撃なのかすら見切れない。
≪Panzerhindernis.≫
多面体のバリアがヴィータを覆う。
すると女は攻撃を中止し、再び一定の間合いを置いてしまう。
護りを固めれば間合いを取られ、攻めに転じれば一方的に甚振られる。
さっきからこれの繰り返しだ。
戦闘速度が違いすぎる。
ヴィータの攻撃は、威力偏重の重い一撃か直線的な突進が中心だ。
シュワルベフリーゲンの速度を誘導精度では確実に振り切られるだろう。
選択肢の殆どが、圧倒的な速度差の前に封されているのが現実であった。
「相性最悪だな……」
当てられるとすれば、コメートフリーゲンの榴弾による面制圧。
だが、そのためにはギガントフォルムのグラーフアイゼンを振り抜かねばならない。
相手の速力なら、効果範囲から容易く離脱できるに違いない。
「けど……」
基本的なところに思考を立ち返らせる。
あの女は、一体何のために自分達を襲ったのだろうか。
真相は分からないが想像することはできる。
恐らく"偽装聖杯"絡みの勢力だ。
密売組織の残党か、サーヴァントを率いる勢力かは定かではないが。
もしも、ここで自分達が敗れたら、奴らは満足して引き上げるだろうか。
――――答えは、否だ。
奴らは他の隊員達にも攻撃を加えるだろう。
新人達を、シグナムを、セイバーを、フェイトを。
そして、なのはを。
もしかしたら、既に別働隊が襲い掛かっているかもしれない。
そこにこんな強敵が合流すればどうなるか――想像するまでもない。
「けど……やるっきゃない!」
ヴィータはァーヒンダネスの障壁を解除した。
そしてシュワルベフリーゲンの鉄球を配置する。
「無駄なことを――――…………む?」
攻撃を再開しようとした女が足を止める。
ヴィータは何度も腕を振るい、際限なく鉄球を出現させていた。
四つ――
八つ――――
十二――――――
十六――――――――
二十――――――――――
二十四――――――――――――

291 :
大量の球がヴィータを覆い隠し居ていく。
まるで鉄球で編み上げた球形の檻のようだ。
「それで私の攻撃を防ぐつもりか?」
女が高速の旋回を開始する。
風を切る音がヴィータの周囲を飛び交い、逃げ場などないことを知らしめる。
だが、ヴィータは女の行為を気にすることもなく、己のデバイスに命令を下した。
「いくぞ、グラーフアイゼン!」
≪Jawohl. Raketenform.≫
カートリッジが排出され、グラーフアイゼンがラテーケンフォームに変形。
噴射口から放たれる推力を受け、ヴィータはその場で猛烈な回転を開始する。
そして、勢いのままに周辺の鉄球を次々に弾き飛ばした。
「――――小癪な」
全方位シュワルベフリーゲンの高密度掃射を、女は曲芸じみた機動で回避し尽くしていく。
ヴィータはその隙に、グラーフアイゼンをハンマーフォルムに再変形。
無数の鉄球を制御する体勢に入る。
如何にハンマーフォルムが魔法制御能力に長けるとはいえ、これだけの数を操るのは困難だ。
それを見逃されることなどありえない。
「血迷ったか、ベルカの騎士」
鉄球が大きな弧を描いて戻ってくる。
長身の女は再攻撃を許さない速度でヴィータに向けて加速した。
「ぐっ……!」
脊柱まで響く打撃が内臓を揺らす。
二発、三発と重ねて繰り出される攻撃を、一向に見切ることができない。
この女の速度は桁外れだ。
少なくとも、かつてヴィータと戦った頃のフェイト・テスタロッサを凌駕している。
あれから更に能力を昇華した、今のフェイト・T・ハラウオンにも迫るだろう。
そのスピードを何とかしなければ反撃すらままならない。
≪Panzerhindernis.≫
多面体のバリアが再びヴィータを包み込む。
ただし、真正面を除いて。
前面を解放したァーヒンダネスの籠の中で、ヴィータはグラーフアイゼンを振りかざした。
奇妙な形状のバリアを前に、長身の女が高速移動を停止する。
「何のつもりだ……?」
「どうした? 正面からは怖いのかよ」
速力の差が圧倒的なら、移動経路を限定して対抗する。
初歩にして至難ともいえる戦術を、ヴィータは全方位が開けた空中で成し遂げようとしていた。
バリアタイプの障壁も熟練すればシールドのように展開できる。
ヴィータが実行したのはその逆だった。
全方位バリアから一部を除いた状態で展開し、攻撃を正面からのみに限定しているのだ。
「無駄なことを」
女の姿が消えると同時に、ヴィータの頬に打撃が炸裂する。
直後、離れた場所に女の姿が見えたかと思うと、またも消失と同時の打撃が繰り出される。
超高速のヒットアンドウェイ。打っては離れ、離れては打ち込むシンプルなアクション。
単純な手段ではあるものの、迎撃をかわすには最善の方法だ。

292 :
「…………っ!」
ヴィータは押し負けたボクサーのように防御を固め、眼にも留まらぬ猛攻を耐え忍んでいる。
被弾箇所が身体の前面に限定されただけで、状況は全く変わっていない。
これではまるでサンドバッグだ。
宙を飛び交う無数の鉄球も、一つ一つの制御が甘いせいで容易く回避されていた。
けほ、と小さな咳をする。
微かな血の飛沫が飛び散った。
「まだだ……まだ、早い……」
一方的に痛め付けられながらも、ヴィータの眼は死んでいない。
防御の隙間から、攻撃が来る方向を睨み続けている。
腹部に一撃。
ガードしていた腕に一撃。
脚の残像が下方から蹴り上げる。
――――少しずつ慣れてきた。
遠ざかる寸前、焦りを抱いた表情が見えた。
十数メートル先で停止し、心臓が止まりそうなほどの超高速で接近。
ガードの緩んだ顔面に右のストレートが――
「そこだっ!」
ヴィータは繰り出された女の腕を掴んだ。
もう片方の腕で女の胴体を抱き込み、離脱を強引に阻止する。
「何っ!?」
女が初めて感情を露わにする。
グラーフアイゼンによる打撃が間に合わないなら、素手で捕まえるまでだ。
しかし、それも口で言うほど簡単ではない。
狙っていると気取られればお終いの一発勝負。
自分の動体視力と反射神経に全額賭けるギャンブルだ。
「これでもう、逃がさない」
女の顔を見上げ、口の端を吊り上げて笑う。
敵に向けた嘲笑ではない。
己に向けた自嘲の笑みだ。
衛宮士郎の無謀に苛立っておきながら、自分も無茶をしようとしている馬鹿への嗤いだ。
ここで負ければ、自分のせいでなのはが苦しむ。
だから、退けない。
結局のところ、あの苛立ちは同属嫌悪だったのかもしれない。
動機は違えど輪郭は同じ。
大切なもののためなら、自身を省みない大馬鹿者だ。
――――ふと、思う。
自分がこんな理由で無茶をするなら、衛宮士郎の無謀にはどんな理由があるのだろうか、と。
「グラーフアイゼン!」
≪Jawohl!≫

293 :
空中を飛び交っていた無数の鉄球が一斉に進行方向を変えた。
すべてはこの瞬間のための布石。
魔力を帯びた起爆性の鉄球が女の背中目掛けて到する。
「ちょこまか動く鳥には、鳥籠がお似合いだろ」
「――――――――」
狙い通りの展開。狙い通りの一手。
一つだけ誤算があったとすれば、それは女の左腕を自由にさせていたことだろう。
筆舌に尽くしがたい激痛が、右肩から体内を貫いた。
「――――この使い方だけは、隠し通すつもりだった」
「か――――ふ――――っ」
呼気と共に、真っ赤な血が口から溢れる。
ヴィータは霞む視界で、激痛の原因を見た。
女の左腕から生えたエネルギー翼が右肩に突き刺さっている。
――やられた。
アレをなのはのアクセルフィンの同類だと思い込んでいた。
飛行と高速移動のための付属品に過ぎず、攻撃には全く寄与しないと。
腕から力が抜ける。
制御を失った鉄球が、慣性のままに到する。
「なの……は……」
女がヴィータの戒めから逃れる。
爆破範囲から離脱する刹那、両腕の光刃がヴィータの総身を切り刻む。
鮮やかな血飛沫が舞う中、無数のシュワルベフリーゲンの爆発が全てを包み込んだ。
士郎が何度目かの短剣の投擲を弾いたとき、凄まじい爆風と爆音が密林を揺らした。
咄嗟に空を仰ぐと、木々の梢の向こうで、爆発の余波が破片を撒き散らしていた。
「まさか……」
爆炎を割り、真っ赤な装束の少女が煙を引いて落ちていく。
その色は布地の色だけではない。
全身から流れ出る鮮血が、白磁の肌までをも染めていた。
「ヴィータ!!」
士郎は干将莫邪を投げ捨てて駆け出した。
突然のことに、銀髪の少女が攻撃の手を止める。
いくら味方が窮地に立たされているとはいえ、迷うことなく敵に背を向けたのだ。
「――何をしている!」
少女が六本の短剣を投擲する。
短剣は狙い過たず士郎の背中に当たり、血肉に柄まで突き刺さった。

294 :
「がっ……」
激痛に表情が歪む。
それでもなお、士郎は走り続けた。
ヴィータが地面に叩きつけられる寸前で、滑り込むように受け止める。
事はそれで終わりではない。
二人分の体重と運動エネルギーが士郎に襲い掛かる。
背中に突き刺さった短剣が、身体と地面の間で掻き乱され、血肉を深々と抉り取っていく。
受け止めた衝撃に腹部を、短剣に背部を痛め付けられながらも、士郎はヴィータを支えて立ち上がる。
「ヴィータ! しっかりしろ!」
返答はない。
ヴィータは士郎の腕に抱かれ、意識を失っていた。
まるで糸の切れた人形のようだ。
全身、負傷のないところを探すほうが難しい。
刀傷に打撲痕、火傷に爆発物の破片。
だが確かに呼吸はある。
今すぐ手当てをすれば間に合うはずだ。
「計画変更だ。お前達には死んでもらう」
目と鼻の先に長身の女が降り立つ。
士郎は反射的にヴィータを付近の草むらへ突き飛ばした。
次の瞬間、右腕の光刃が士郎の胸を袈裟懸けに切り裂いた。
眼にも留まらぬ神速の斬撃。
苦痛の声が漏れるよりも速く、二撃目が肉を断つ。
「…………がはっ」
「辛うじて身を引いたか。だが――」
切り込まれた深さからすると確実に肋骨は切断されている。
吐血したことを見るに、あるいは肺にまで達したか。
絶え間ない斬撃の嵐が士郎の血肉を切り刻む。
飛び散った鮮血が草木に掛かり、緑の葉を赤く染めた。
「――――っ!」
「む――――」
視線が交差する。
女の瞳はまるで狩人のように冷たく。
士郎の瞳は折れることのない意志に満ちていた。
           トレース オン
 「――――投影、開始!」
女が僅かに動きを止めた一瞬、投影された剣が斬り上げるように振るわれた。
逆袈裟に切り裂くはずの斬撃は、しかし女の高速移動によって空振りに終わる。
「なるほど。戦意は折れていないようだな」
無傷で距離を離したかと思われた直後、女の頬に一筋の血が伝う。
いつの間にか、左の頬に斜めの傷が刻まれていた。
執念と言うべきだろうか。
士郎が放った斬撃は切っ先だけとはいえ届いていたのだ。
そこに、銀髪の少女が後方から声を掛ける。
「負傷したのか」
「……掠り傷だ」

295 :
女は顔色一つ変えずに言い捨てた。
確かに士郎の一撃は届いていた。
だが、それだけだ。
命を奪うには程遠く、撤退させるにも至らない。
対して、士郎は少女との連戦も含めて体中に傷を負っている。
傷は決して浅くはなく、放置するだけで失血死しかねない有様である。
「く……は……」
それでも士郎は、剣を構えたまま女と少女の前に立ち塞がっていた。
士郎のすぐ後ろには気を失ったヴィータが倒れている。
故に、衛宮士郎という男は退かない。
心臓が止まる瞬間まで、立ち上がることを諦めない。
そのとき、遠方で凄まじい爆発が巻き起こった。
黄金色と宵闇色の魔力が鬩ぎ合い、地上に灼熱の領域を創り出す。
爆圧が木々を薙ぎ、遥かに離れた士郎達をも呑み込んでいく。
肌を焼く暴風の最中、士郎は剣を地面に突き立てて、猛烈な圧力に抵抗した。
「ぐうっ……!」
「潮時だな――終わらせる」
紫髪の女が逆巻く暴風を切って肉薄する。
もはや、士郎に抗う術は残されていなかった。
骨肉は深く傷つき、残された体力も暴風に耐えることに使い切ろうとしている。
剣を持ち上げて盾にする動作すら難題であった。
できるとすれば、この身を盾として受けることだけ。
防ぎようのない斬撃が振り抜かれる。
だが、光刃が士郎に届くことはなかった。
渦を巻く光の盾が光刃を防ぎ、女の動きを押し留めていた。
「何――――?」
「そこまでだ」
低木が力強く踏み折られる。
鬱蒼とした木陰から、重厚な手甲を付けた男が姿を現す。
褐色の肌は鍛え抜かれた筋肉で膨れ上がり、肉体そのものが強靭な盾のように思われた。
「まだ続けるというなら、この『盾の守護獣』が相手をしよう」
手甲の男――ザフィーラは士郎を庇うように足を止め、拳を握り込んだ。
暴風が止み、森林が静寂を取り戻す。
女の背後で銀髪の少女が短剣を構える。
それが投じられるより更に早く、ザフィーラは拳で地面を殴りつけた。

296 :
携帯からセルフ支援

297 :
もうちょっと早くしておくべきだったか

298 :
「させるか!」
鋼の軛が怒涛の勢いで地面を吹き飛ばし、女と少女の周囲を一瞬にして制圧する。
樹木を根ごと掘り返し、成木の幹をも砕き、堅牢な拘束条の檻で二人を覆う。
地形すら変える牢獄に閉じ込められ、少女は焦りに眉をしかめた。
「しまった……!」
「これは想定していない事態だな」
少女とは対照的に、女は平静を崩していない。
まるで現状を窮地とは考えていないかのようだ。
ザフィーラの背後で、士郎が血に塗れた顔を上げる。
「……盾の……守護獣?」
「この姿で会うのは初めてだな。本隊からの増援だ」
ザフィーラは手短に答えた。
余計な説明で時間を食うわけにはいかない。
ヴィータと士郎は重傷を負い、女と少女は完全には無力化されていない。
迅速に片を付けなければならない状況なのだ。
「潮時だな、退くぞ」
女が誰かに合図を送るように手を上げる。
次の瞬間、彼方の岩山から凄まじい威力の砲撃が放たれ、鋼の軛を直撃した。
「なんだと……!」
破壊までは及ばないものの、表層に少なからぬ亀裂が走る。
女は即座に光刃を振るい、砲撃を受け脆くなった箇所を切り裂いた。
破片が飛び散る中、女と少女が宙に身を躍らせる。
隙のない連携に、ザフィーラの阻止も間に合わない。
女は小脇に少女を抱え、森の奥へと飛び去った。
「逃げられたか」
ザフィーラは悔しそうに呟き、鋼の軛を解除した。
掘り返された地面が崩れ、樹木の残骸が音を立てて倒壊する。
「そうだ、早く合流地点に戻ってシャマルの治療を……」
投影された長剣が形を失って消滅する。
支えを失った士郎は、そのまま前のめりに倒れこんだ。
「いかん!」
すかさずザフィーラが士郎を受け止める。
――意識を失っているようだ。
深過ぎる胸の傷からは鮮血が止め処なく流れ、ザフィーラの騎士甲冑を濡らしていく。
傍で横たわっているヴィータも目を当てられないほどの重傷だ。
「よもや、これほどとは……」
ザフィーラはヴィータと士郎を担ぎ上げた。
大きな肩に乗せられたヴィータが、ザフィーラの青い衣を弱々しく握る。
単なる無意識の行動か、それとも悔しさの表れか。
それを悟る手段をザフィーラは持ち合わせていなかった。

299 :
寝る前支援

300 :
さるったので携帯から完了宣言
自分は敵役を強く書くのでナンバーズも強いです

301 :
投下乙!
ザッフィーカッコヨス
作品内で成長のある新人ズなら兎も角、これだけフルボッコにされて勝ち目はあるんでしょうか
期待
ナンバーズの強さに関してはやはり賛否が別れるところでしょうか
まぁ士郎の方もミョーに頑丈だしこれはこれで
…生身にN姉ナイフ食らったらISで爆散させられるような気ががが

302 :
プリヤが総出で果てしなくダメ人間だった、そりゃイリヤも逃げるって

303 :
プリズマとのクロス?
祭り、もといvividならルビーもサファイアも魔法少女の選び放題。問題は……登録に必要なヲトメのラヴパワーが同性に向いていることか。

304 :
いや、今月のコンプのプリヤ本編、例のほれ薬が出たりダメットの駄目っぷりが加速してたり
他もいろいろ士郎がクラスメートにフラグ立ててたとか、蛙の解剖とか
ちなみにルビーちゃんは純粋な博愛精神に触れるとエラー起こすから気をつけてね

305 :
主人公の専用装備たるものはちゃんと持ち主を選んでないとな、うん

306 :
主人と書いてオモチャと読む
まあ最近は贄ともいうが

307 :
今回の歳時記、ノーヴェが有能すぎる
N2R一の資格保有者(陸、水の救助、救急救命、ストライクアーツ2段、指導員資格)とか
そしてウエンディはダメな娘という
あと、カレドヴルフ・テクニクス社、非人格所有方汎用デバイス(つまり人格の無い人形)の量産とか
スッゲー黒いんですけど……

308 :
なんかちょうど良くノーヴェとウェンディの出番が
ということで第19話投下です

309 :
第19話 「暴君の剣W -Tyrant Sword the Fourth-」
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:20――
「こうなっては千年の樹海も儚いものだ」
熱気を孕んだ風が吹き抜ける。
黄金の光輝と漆黒の旭光の衝突は、今まさに静かな終幕を迎えようとしていた。
残されたのは焼けた地面。
そして、薙ぎ払われた無数の木々の残骸。
甚大な破壊をもたらした灼熱と暴風も、もはや僅かな残滓を残すのみ。
視界を遮るものは何もなく、ただ荒涼たる青空が広がっている。
「悠久の時を経た樹海も、灰燼に帰せば原野に等しい……」
黒きドレスの少女は漆黒の剣を払い、焼け爛れた土に突き立てた。
硝子細工のような少女の肌には傷一つ付いていない。
爆風の中心付近に在りながら、衣の端々が煤汚れているに過ぎない。
見渡す限りを尽滅の光に均された荒野の上で、倦怠を隠すこともせず佇んでいる。
「そうは思わないか? セイバー」
怜悧な瞳が、セイバーの変わり果てた姿を捉える。
白銀の鎧は其処彼処が砕け、青き衣も絶え間ない流血で赤黒く染まっている。
そして聖剣の柄を握る右腕は、肩口からごっそりと千切れかけていた。
「……貴、様……」
澄んだ碧眼が黒き少女を睨み返す。
大勢は決した。
聖剣同士の激突はセイバーの敗北に終わった。
あえて敗因を述べるなら、魔力量というリソースの差だろう。
黒き少女が指摘したように、今のセイバーは魔力が著しく不足していた。
こうして立っていられることが奇跡に等しいほどに。
もしキャロの強化を受けていなければ、激突の余波を受けた時点で消滅していたに違いない。
「セイバー……さん……」
セイバーの後ろで、キャロが弱々しく立ち上がる。
バリアジャケットは全壊一歩手前まで破損し、顔も四肢も土塗れだ。
しかし幾重もの守りに保護されたためか、身体へのダメージはさほどではなかった。
限界寸前まで耐え切ったバリアジャケット。
ケリュケイオンが発動した防壁。
そして、自ら壁となって余波を浴びたセイバーの肉体。
三重の守りがキャロを圧倒的な暴力から守り抜いたのだ。
「無様だな。その程度の傷、充分な魔力があれば半刻と待たずに癒えたはずだ」
「黙……れ……!」
セイバーは右肩を反対の手で掴み、力任せに胴体の断面に押し付けた。
食い縛った歯の間から苦悶の声が漏れる。
「キャロ……鎖を召喚して、右肩を縛ってください……」
「は、はい!」

310 :
キャロは請われるままにアルケミックチェーンを召喚。
セイバーの千切れかけた右肩を胴体に縛り付ける。
爛れた肉が圧迫され、濁った体液が滴り落ちる。
拷問にも等しい苦痛に耐えながら、セイバーは聖剣を左手に持ち替えた。
さしものサーヴァントといえど、肩が繋がるまでは右腕で剣を振るうことは不可能だ。
その意味でも既に決着は付いていた。
両者の基礎性能が同等ならば、片腕を欠いた側に勝機はない。
「……答えろ、もう一人の私」
セイバーは口の端から伝う血を拭い、黒き少女を見据えた。
その戦意に満ちた眼差しを、黒き少女は無手のまま受け止める。
「貴様達の目的は何だ……何故この世界に害を成す!」
「それは我々に問うべきことではないな」
ブーツの底が冷え固まった土を踏み締める。
黒き少女は漫然とした足取りで、苦痛に喘ぐセイバーへ近付いていく。
地面に突き刺した剣はそのままだ。
今のセイバーには武装すら不要という意思の表れであろうか。
「我々は召喚された身の上に過ぎん。召喚者の意図など興味もない。
 お前と剣を交えようと考えた理由ならあるが――どうやら無駄足だったようだ」
無手の敵が近付いてきているというのに、セイバーとキャロは何もすることができなかった。
少女はおもむろにセイバーの顎を掴み、強引に顔を上げさせた。
琥珀色の無機質な瞳がセイバーの碧眼を覗き込む。
「私と貴様、どちらの在り方が王に相応しいか競うつもりでいた。
 だが、よもやここまで零落しているとはな」
「なに……!?」
黒き少女の声色に失望の色が混じる。
予想だにしない侮辱を受け、セイバーは柳眉をしかめた。
言うに事欠いて零落とは。
とてもではないが聞き捨てられる言葉ではない。
しかし、黒き少女は鉄のような表情を崩そうとすらしなかった。
「傷の治癒もできぬほどに魔力を使い果たし、それでも私に傷一つ与えられていない。
 これを零落と言わず何と言う。その小娘を庇って消滅したほうが、まだ名誉を守れたろうに」
セイバーは砕けんばかりに歯を食い縛った。
生き残るよりも名誉ある死を――
それは暗に、今の姿は無様極まりないと言い切ったも同然だった。
「ここで息の根を止めておくのが慈悲というものか。やはり『私』が落ちぶれるのは見るに耐えん」
やおら踵を返し、黒き少女は突き立てていた剣を引き抜く。
剣を手に、セイバーに止めを刺すべく振り返り――
「フリード!」
キャロの叫びに応じ、白竜の咆哮が響き渡る。
主を救うべく、フリードが地表に触れんばかりの低高度を飛来する。
樹木が消え失せた荒地の上には、巨大な竜の滑空を妨げるものなど何一つない。
「――竜種擬きが」
唯一、黒き少女を除いては。

311 :
「いや……あの小娘か」
フリードは聖剣の余波を上空でやり過ごしていた。
しかし黒き少女の読み通り、それはフリード自身の判断ではない。
キャロがセイバーの支援に回る直前に、予め指示を出しておいたのだ。
激突が起こる前に離陸するように。
そして万が一のときには救援に来るようにと。
この瞬間を以って、黒き少女の標的は切り替わった。
焼け焦げた地面を靴底が踏み締める。
地を蹴りつけた反動と膨大な魔力の奔流が、華奢な体躯を瞬間的に加速させる。
フリードの背中にキャロとセイバーが飛び乗る。
再上昇のため翼を振り上げんとした刹那、頭上に小さな影が翻った。
「厄介な芽はここで摘ませて貰う」
漆黒の剣がキャロの首を目掛けて振り抜かれる。
それを受け止めたのは、満身創痍のエリオが翳したストラーダの柄であった。
「うぐっ――――!」
「――――貴様」
柄に右手を、穂先に左手を。
まるで盾のように斬撃を防ぎ止める。
この防御は幸運に幸運が重なった結果だった。
フリードが上空へ退避したとき、エリオもその背に乗せられていたのだ。
それが絶好のタイミングで意識を取り戻し、凶刃を防ぐ好機を手に入れたのである。
文字通り、ストラーダを『盾』として。
ストラーダに亀裂が走る。
斬撃が停止したのは一瞬に過ぎず、バターにナイフを通すように柄を寸断する。
だが、その一瞬が明暗を分けた。
フリードは黒き少女から遠ざかるように上昇し、刃はエリオとキャロに触れることなく宙を斬る。
重力に引かれて落ちていく黒き少女。
重力に抗って飛翔する白き竜。
少女は空中で身を捻り、猫科動物のごとき軽やかさで着地する。
そのときには、既にフリードは遥か彼方まで飛び去っていた。
やがてフリードの影が見えなくなったところで、黒き少女は踵を返す。
鉄面皮を貫いていた横顔に、表情らしきものが薄っすらと浮かんでいた。
「……懐かしい眼だ」
漆黒の刀身が魔力に還元されて消失する。
随分離れたとはいえ、聖剣を振るえば容易く撃ち落とせる距離だ。
しかし、黒き少女は追撃を加えようとしなかった。
「円卓を囲んだ騎士共も、かつてはあんな眼をしていた」
それは懐古か、憐憫か。
黒き少女は焼き払われた地を歩き去り、森の中へ姿を消した。
「ああ……いずれ絶望を知る瞳だ」

312 :
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:20――
二振りの聖剣が極大の光をぶつけ合った直後のこと――
ティアナは独り、道なき道を走り続けていた。
入り組んだ樹の根。
生い茂る低木。
スポンジのような腐葉土。
天然の障害物が隙あらば足を取ろうと待ち構えている。
「はっ、はっ、はっ……」
開きっ放しになった口から、荒い呼吸音が漏れる。
喉の奥に血の味が広がってくる。
どうしてこんなことになってしまったのか――
ティアナは数分前のことを回想して、現実から意識を遠ざけようとした。
あれは作戦開始から半時間ほどが経過した頃。
スバルと二人で森林を探索していたところ、不意に正体不明の敵が襲い掛かってきた。
当然、ティアナ達は密売組織の残党だと判断して応戦を試みた。
ところが、突如として森の奥で巨大な爆発が起き、その隙にスバルと分断されてしまったのだ。
遥か前方から金属塊同士をぶつけ合うような音が響いてくる。
スバルと敵が戦っている音だ。
地面を蹴る足に力が入る。
早くスバルに追いつかなければ。
しつこく追いかけててくる、もう一人の敵を振り切って。
「連れないなぁ。無視しないで欲しいッス」
広葉樹の梢が激しく揺れ動く。
大きな金属のプレートを担いだ少女が、梢から飛び降りてティアナの行く手を塞いだ。
蒼いボディースーツに、背中でまとめられた桃色の髪。
ティアナとさして年頃の変わらない少女だ。
「このっ……!」
ティアナは咄嗟にクロスミラージュを振り向け、直射の魔力弾を放った。
しかし少女は器用にプレートを傾けて射撃を防ぐ。
先ほどからティアナの射撃は一発も少女に届いていない。
あるときは回避され、あるときはプレートで防がれ。
全てを巧みに対処されていた。
だから、今度の攻撃は一手加えてある。
「それだけッスか? 何だかつまらな――」
余裕ぶっている少女の真横から、もう一発の魔力弾が飛来する。
直射弾は少女の注意を引き、プレートで視界を塞がせるためのブラフ。
それと同時に横へ放った誘導弾が少女を襲う。
「――うわっと!」
紙一重のところで少女は身を引いた。
誘導弾が鼻先を掠め過ぎていく。
「まだまだっ!」

313 :
二撃目を回避されるのは想定の範囲内だ。
カートリッジを左右二発ずつリロード。
十発前後のスフィアがティアナの周辺に出現する。
「クロスファイアシュート!」
「ちょ、や、わぁ!」
防御と回避のために体勢を崩した少女へ魔力弾が到する。
射撃の雨に押し流され、少女は受身も取れず転倒した。
多くはプレートに遮られたが、何発かは確実に直撃したはずだ。
少女が立ち直る前に次なる一手へ移行する。
≪Optic Hide.≫
身体とバリアジャケットの表面に複合光学スクリーンが展開。
全身を光学的に不可視とした上で、ティアナはスバルの戦っている方向へ駆け出した。
「あ、あれ? どこ行ったッスか!」
肩越しに戸惑いの声が聞こえる。
少女はティアナが消えた瞬間を目視していない。
つまり、ティアナの姿が見えなくなった理由を知ることができないのだ。
単に隠れたのか、見えないところまで移動したのか、あるいは不可視になったのか。
それすら理解できていないに違いない。
「――――っ!」
だが、ティアナは唐突に足を止めた。
前方に光の球が浮かんでいる。
大きな木と木の間を漂うように、流れるでも落ちるなく、静かに道を塞いでいる。
設置型の魔力弾――
ティアナは即座にその光球の正体を看破した。
恐らくは、機雷のように接触を感知して起爆するタイプだろう。
周囲を見渡すと、同じものがあちらこちらに設置されている。
「しまった……」
爆発が直撃すれば大ダメージは逃れ得まい。
風圧を受けるだけでも、オプティックハイドを解除させるには充分な衝撃だ。
問題はそれだけではない。
起爆させてしまえば、一発で少女に居場所がばれてしまう。
そうなれば今までの努力が水の泡だ。
「おっと、逃がさないッス!」
後方から魔力弾が見当違いの方向に飛んでいく。
二発、三発と立て続けに放たれるが、どれも向きや高さがばらばらだ。
まるで狙いが定まっていない。
居場所が分からないのを弾数でカバーするつもりなのだろうか。
そのうちの一発が、ティアナの傍の木に直撃した。
瞬間、魔力弾が炸裂し、衝撃波と破片を撒き散らす。
「榴弾!?」

314 :
連射された魔力弾が、群生する広葉樹に当たっては炸裂していく。
傷力のある断片や砕けた木片が飛散して、木々の間を隈なく塗り潰す。
ティアナは思わず歯噛みした。
姿さえ隠せばどうにかなるというのは、些か考えが甘かったようだ。
直撃を避け、榴弾の範囲から逃れ、設置型の魔力弾を潜り抜けなければならない。
森の向こうではスバルの戦う音が聞こえ続けている。
ティアナは思考回路をフル回転させ、最短経路を迅速に算出しようと試みた。
そのとき、頭上の梢で榴弾が炸裂。
撒き散らされた木の葉が、ティアナのすぐ近くの設置型魔力弾に接触した。
「……え?」
――――起爆。
間近で生じた爆風がティアナの身体に襲い掛かる。
爆圧が体重を押し流し、薄い鼓膜に衝撃を叩きつける。
オプティックハイドの光学スクリーンを剥ぎ取られながら、ティアナは土の上を転がった。
「くうっ!」
頭が痺れる。
耳鳴りが意識を掻き乱す。
間近で爆風に晒されたせいで、鼓膜が悲鳴を上げていた。
「痛たた……」
口に入った土を吐き出して、どうにか身を起こす。
相手は抜群の万能型だ。
直射に榴弾に設置弾。更には盾としても使える補助装備。
この調子なら誘導弾や砲撃魔法まで使えてもおかしくはない。
充実した射撃に補助装備とくれば、中距離戦において隙を見出す余地はなさそうである。
「…………」
救援要請は既に済ませてある。
もう少し粘れば、シグナム副隊長が到着して助けてくれるはずだ。
――それで、どうする?
助けが来るまで格好悪く逃げ惑う?
一人では窮地を打開することもできない弱兵として助け出される?
「そんな、こと……」
「やっと見つけたッス」
片膝を突いたティアナの眼前に、大型プレートの砲門が突きつけられる。
桃色の髪をした少女は、どこか楽しそうな表情でティアナを見下ろしていた。
まるで最後の一人を見つけた、かくれんぼの鬼のようだ。
一度武器を捨てて、応援が来るまで時間を稼ごう。
そんな考えが脳裏を過ぎった瞬間、心の底から猛烈な反発心が湧き上がってきた。
逃げるのは嫌だ。
降伏するのは嫌だ。
助けられるのは嫌だ。
弱いのは――――嫌だ。
「……嫌だ……」
「はい?」

315 :
客観的に見れば、この状況はチェックメイトに近い。
目と鼻の先には大口径の砲門。
一方、自身は立ち上がることすらできていない。
クロスミラージュは手元に握ったままだが、構える暇など与えてはくれまい。
それでも、ティアナは諦めることができなかった。
正義感ではない。
誇りと呼べるほど美しくもない。
ただ――弱い自分を認めたくないという、意地のためだけに。
ティアナの輪郭が素早く横へ動く。
砲門は瞬時にそれに追随し、息が掛かるほどの至近距離から魔力弾を放つ。
着弾した瞬間、ティアナの輪郭は陽炎のように掻き消えた。
「嘘っ!?」
少女がフリーズする。
動いて見えたのは、ただの幻影。
ティアナ自身は動いてなどいなかった。
フェイク・シルエットの幻影を高速で移動させ、少女の咄嗟の反応を誘ったのだ。
策は成り、少女は完全にティアナから注意を逸らしていた。
地面を蹴って立ち上がり、同時にクロスミラージュを少女へ振り向ける。
「動かないで。……これで形勢逆転ね」
「あっちゃあ……」
ティアナと少女の間合いは僅かに数十センチ。
少女は戦闘の全てを大型プレートに頼り切っている。
つまり、プレートの内側にさえ踏み込めば砲撃の標的にされることはない。
砲撃以外にも武装があれば話は別だが、今はそこまで考慮していられる状況ではなかった。
「武装を解除しなさい。それから両手を頭の後ろに持っていって、そこに伏せて」
ティアナは平静を維持したまま、一語一語ゆっくりと語りかけていく。
非傷設定といえど、この距離なら充分なダメージになる。
相手もそのことは理解できているはずだ。
だが、桃髪の少女は余裕の表情を崩していない。
銃口を突きつけられているという現状すら、突破可能な状況なのだといわんばかりに。
「早くしなさい!」
「いやぁ、一本取られたッス。まさか幻術まで使えるなんて」
少女が開いた手で頭を掻こうとしたのを、もう一丁のクロスミラージュを突きつけて制止する。
ここまできたら油断はできない。
いざとなれば力尽くでも武装を奪うつもりで、ティアナは重ねて命令を告げる。
「喋らないで武器を捨てて」
「武器ってこれのことッスか?」
次の瞬間、少女が異常な速度でティアナに密着した。
プレート後部から噴出する推力が、少女を強烈な勢いで加速させる。
少女の腕に掴まれて、ティアナは後ろ向きに宙を舞った。
「けふっ……!」

316 :
不意打ちの加速が内臓と脳髄を揺らす。
スバルの声があっという間に遠退いていく。
想定外だ――
少女のプレートは想像以上に高機能の武装だった。
射撃装置としての攻撃的機能。
物理的な盾としての防御的機能。
そして、この移動的機能。
まさに万能兵装と呼ぶに相応しい代物だ。
少女はティアナを両腕で抱えたまま、プレートの上に飛び乗った。
「今度は幻術なんか使わせないッス」
相当まずい状況だ。
この速度で大木にでもぶつけられれば大打撃は避けられない。
喩えバリアジャケットの上からでも意識を奪うには充分だろう。
ティアナは拘束から逃れようと試みたものの、両足が宙に浮いた状況では暴れることすら難しい。
「こ……のぉ!」
今度は銃口を少女かプレートに向けようとする。
だが、巧みに腕を掴まれて上手くいかない。
攻撃を当てることができず、さりとて強引に抜け出すこともできない。
――――だからといって、諦めるつもりも毛頭ない。
ティアナは両腕を左右に突き出し、立ち木に向けて魔力のアンカーを射出した。
クロスミラージュと樹木を繋いだワイヤーが、ティアナと少女を引っ張って減速させる。
「くうっ!」
「きゃん!」
プレートが少女の足から離れて飛んでいく。
衝撃を受け止めた腕と肩に激痛が走り、クロスミラージュを取り落とす。
慣性のままに、ティアナと少女は重なり合ったまま弧を描いた。
無茶苦茶なやり方だが、これで拘束からは脱出できた。
後は、この速度で地面に叩きつけられる衝撃に耐えるだけだ。
不意に視界が開ける。
空を覆い隠していた広葉樹の枝葉が消え、真っ青な空が視界を埋め尽くす。
何が起こったのか理解した瞬間、ティアナの思考回路は凍りついた。
視界の隅には断崖の岩肌。
遥か下方には広大な樹林。
プレートから投げ出された二人は、進行方向にあった崖から投げ出されてしまったのだ。
上向きの勢いが途切れ、吐き気のする浮遊感が総身を包む。
「きゃあああああーーーっ!」
「いやぁぁぁぁぁ! ノーヴェぇぇぇぇぇ!」
成す術もなく、重力に引かれて落ちていく。
二人分の悲鳴だけが、空しく樹海に響き渡った。

317 :
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:22――
デバイスに覆われた右拳がぶつかり合う。
激突音が消えるより早く、インラインスケート型のデバイスのハイキックが相し合った。
「まさかこの程度なんて言わないよな!」
赤髪の少女が吼える。
更に足のローラーを急回転させて距離を取り、右腕を突き出す。
拳から放たれた魔力弾がスバルの足元で炸裂し、土と朽葉を舞い上げた。
「つっ……!」
スバルは戦いにくそうに表情を歪めた。
まるで鏡と殴り合っているような気持ちだ。
少女とスバルのデバイスは異常なまでに似通っている。
右腕のスピナー付きのガントレット。
両足のインラインスケート。
形状から機能に至るまで瓜二つだ。
武装が同じなら、必然的に戦い方も類似してくる。
その結果、二人の戦いは同じ流派の格闘家が打ち合うような状態となっていた。
「ギン姉と組み手してるみたい……」
相手に聞こえない程度の小声で呟く。
酷似しているのは外見もなのだが、スバルはそれを実感していない。
自分の顔というものは想像以上に記憶に残らないものなのだ。
仮に、この場にゲンヤかギンガのどちらかがいれば、両者の類似に目を剥くことだろう。
「まだまだぁ!」
赤紙の少女の足元でローラーが唸りを上げる。
急加速と同時の右ストレートを、スバルはナックルスピナーで受け流す。
続けて繰り出される、密着状態からの膝蹴りと肘鉄も凌ぎ切り、飛び退くように距離を離す。
スバルは足を突っ張って減速しながら、手元に魔力のスフィアを形成した。
「ディバイン……バスターッ!」
加速をつけた右拳で魔力スフィアを射出する。
直撃すれば一撃で敵を打ち倒し得る威力を秘めた魔力弾。
だが、赤髪の少女はボクサーのような身のこなしでそれを回避し、一気に間合いを詰める。
「そんなの当たるかよ!」
伸び切った右腕の間合いの内側に潜り込まれる。
右手では防御も迎撃も間に合わない。
「終わりだ!」
「このっ……」
腕を引き戻すより先に少女の右拳が放たれる。
スバルは咄嗟に、自由になっていた左拳で少女の右肘を殴りつけた。
大した威力のない素手の一撃だが、拳の軌跡を僅かに乱すには充分だ。
豪拳がスバルの頬を掠め過ぎる。
「……やるじゃねぇか」

318 :
二人は互いに右腕を突き出した格好で目線を合わせた。
スバルの顔の真横でスピナーが回り続けている。
その抉るような回転音が、スバルの神経をざわめかせる。
今はまだ、どちらも決定的な打撃を受けていない。
無傷で攻撃を凌ぎ合っているだけだ。
均衡が破れるとすれば、予想だにしないことが起きた瞬間だろう。
どちらからともなく、ローラーを逆回転させて間合いを離す。
戦闘スタイルが似ているということは、望ましい間合いも同じということ。
二人は申し合わせすらなく、同時に停止して構えを取った。
「ねぇ、どうして攻撃なんかしてきたの」
スバルは警戒を維持したまま、少女に疑問を投げかけた。
最初は密売組織の残党かと思ったが、それにしては戦いを楽しみすぎているように思える。
目的のために戦っているわけではなく、戦うこと自体が目的であるかのようだ。
少女が口の端を上げる。
疑問をぶつけてはみたが、実のところ返答は期待していなかった。
わざわざ奇襲を仕掛けてきた相手が情報を漏らすとは考えられない。
だが、少女の反応はスバルの想像を越えていた。
「半分は任務で、もう半分はあたしの興味かな」
そう言って、インラインスケートの爪先で地面を叩く。
「あたしと同じ奴が、どういう風に生きてきたのか知りたかったんだ」
「……わたしと……同じ?」
呆然とするスバル。
少女は首肯し、獰猛に笑った。
「けど良かった。多分――――あたしの方が強い」
その瞬間、森の向こうから絹を裂くような悲鳴が聞こえた。
ティアナともう一人、聞き覚えのない少女の声だ。
スバルは反射的に悲鳴のしたほうへ振り向いた。
「ティアナ!?」
「余所見してんじゃねぇ!」
気付いたときには手遅れだった。
赤髪の少女の拳が胴体にめり込んでいく。
「――――ッ」
吹き飛ばされ、背中から大樹の幹に叩きつけられる。
スバルの口から声にならない呼気が漏れた。
衝撃で肺の中の空気が押し出される。
「終わりだ、タイプゼロ!」
赤髪の少女が拳を振り被る。
スバルは指一本動かせないままに、渾身の打撃を叩き込まれようとした。
そのとき、銀色の蛇が木々の間を滑り抜け、少女の手甲を打ち払った。
強靭なワイヤーで無数の刀身を繋いだ、刃の大蛇。
シュランゲフォルムに変形したレヴァンティンの刃だ。
「ちっ、増援か。運が良かったな」

319 :
少女は即座に状況を判断、その場で急ターンして走り去った。
一対二の不利を直感したのだろう。
遠ざかるローラーの回転音と入れ替わるように、シグナムがスバルの傍らに降り立った。
「大丈夫か、スバル」
「は、はい……それよりティアが……」
腹部と背中の鈍痛を堪えて身を起こし、悲鳴のしたほうへ向き直る。
あの悲鳴はただ事ではない。
しかし、知らない誰かの悲鳴も混ざっていたことも気に掛かる。
もう一人の敵にやられてしまったのなら、聞こえてくるのはティアナ一人の悲鳴のはずだ。
駆け出そうとするスバルに対し、シグナムが緊迫した声を投げた。
「待て! 単独行動はするな」
「でも……!」
スバルは抗議しようと振り返った。
だが、シグナムの真剣な顔を見て言葉を呑んでしまう。
「他の班も攻撃を受けている――被害は甚大だ。これ以上の犠牲を出すわけにはいかない」
犠牲という言葉に、スバルは凍りついた。
シグナムは大袈裟なことを言う人物ではない。
あえて過激な表現をしたということは、実際にそれだけの被害が出ていることを意味する。
「重傷四名、軽傷一名。重傷者のうち二名は意識を取り戻していない」
合計負傷者五名。
これは作戦に投入された前線兵員の半数に相当する。
一般に、兵力の二割が戦闘不能になれば、その部隊は正常な継戦能力を失うとされる。
半数というのは壊滅に近い大打撃だ。
スバルは顔を青ざめさせ、消え入るような声で呟いた。
「あの……意識がない二人っていうのは……」
シグナムは暫し間を挟んだ。
その情報をここで伝えるべきか考え込むように。
「――――第二班、ヴィータとエミヤシロウだ」

320 :
ということで、投下終了です。
同じ能力同士のぶつかり合いというのは燃えポイントだと思うんだ。

321 :
GJなんすけど、一つ疑問
このノーヴェ、ガンナックルとジェットエッジじゃなくてリボルバーナックルつけてるのは何で?
スターズ隊と赤毛コンビのパワーバランスはこんなもんかなぁ?
このティアナ原作7〜9話の頃の精神状態だろうし

322 :
あれ……? と思って読み返したら、シーンを1つ次話に回したせいで意味が分からなくなってる……!
やっぱり追加しとかないと

323 :
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:24――
ノーヴェは一人森の中を疾走していた。
足のローラーを高速で回転させ、不整地を滑るように進んでいく。
目指す先はウェンディの悲鳴がした方向。
確か、あそこは切り立った崖になっていたはずだ。
悲鳴の原因は、恐らく崖からの転落。
戦っている最中に誤って敵と諸共に落ちてしまったのだろう。
「……ちっ」
思わず舌打ちをしてしまう。
ノーヴェは内心の焦りを隠しきれなかった。
確かにあそこは崖だが、バリアジャケットでも着ていれば死にはしない程度の高さだ。
ウェンディが無事であること自体に疑う余地はない。
問題は、武装を失ったウェンディが管理局に捕らえられる危険性の存在である。
ライディングボードを持つウェンディが落下したという事実は、彼女がボードを失っている可能性を示唆する。
装備を失った状態で敵に見つかったら、抵抗の余地もなく捕縛されてしまうだろう。
「最悪の展開だな……」
一刻も早く駆けつけたいと思う反面、最短距離を走ることができないという現実が立ちはだかる。
崖下にはウェンディのみならず管理局の局員まで落ちているはずだ。
つまり、先ほど交戦した二人も崖下を目指すに違いない。
最短距離を走るならば、崖下へ向かう敵からの妨害に耐えなければならない。
故に最短距離は走れない。
少々の遠回りをし、それでいて敵よりも早く辿り着く必要があるのだ。
更に加速を加えるノーヴェ。
その足元で激しい火花と破裂音が生じた。
「うわっ!?」
インラインスケート型の武装に亀裂が走り、金属部品の破片が飛び散っていく。
利き脚を突っ張って急制動をかけるも、遂にホイールまでもが砕けて弾け飛んでしまう。
結局、停止に成功した頃には武装の原型が殆どなくなっていた。
「こんなときに……ドクター、ちょっと恨むぞ」
ノーヴェは泣き言交じりに呟いた。
タイプゼロの装備をコピーした武装だったが、やはり複製品では性能的な限界があるらしい。
本物との打ち合いに加え、戦闘機人の身体能力で用いたことも重なって、部品への負荷が閾値を越えたようだ。
しかも、ノーヴェはタイプゼロよりも蹴撃に偏重した戦い方を好んでいる。
移動用を想定して作られた武装では強度に不安があった。
「……回収は後でいいな」
両足の装備と右腕のガントレットを外し、草陰に放り投げる。
ガントレットも使用感がいまいち身体に合わない。
ノーヴェの弱点を補うための射撃兵装を追加したせいで重量が増し、使い勝手が悪くなっているのだ。
「やっぱり、あたし用の武装を設計して貰わないと」
装備を放棄し、ノーヴェは己の脚で走り出した。
同じ先天技能を持つということで、武装もデータから複製したものを与えられた。
しかし、それでは己の性能を活かしきれないということがよく分かった。
それだけでも今回のデータ収集作戦には価値があった。
だからこそ、必ずウェンディを助け出して、一人も欠けることなく帰還しなければならない。
ノーヴェは非武装状態での速度低下に舌打ちをし、走りながら通信ウィンドウを開いた。
「N姉……ごめん、救援お願い!」

324 :
これでよし、と
やっぱりシーン構成は慎重にやらないと駄目だなぁ

325 :
リリナイ氏乙!
投下ペースが素敵
ティアナも乙
ギャグキャラと絡むとお堅い彼女もグダグダに
なのフェイは誰と戦ってるんでしょうかね
>>307
歳時記は半同人半公式だから信用していいのかどうか…
ガン〇ムが作られる日も近いな

326 :
リリナイ氏投下乙!
本当に最近の投下ペースは素敵すぎるぜ…!
そしてその場に居合わせられないから支援できないなあ。
そろそろ事態の説明が六課にきちんとされる頃合いかな。
次回にも期待だ!

327 :
>>325
いや、ノリはともかく設定関連語ってる部分は信用すべき資料じゃないの?
そうじゃないと公式としての意義なくなるよアレ

328 :
>>327
劇場版に登場するなのはは大人なのはが変身魔法で演じている、が歳時記だが、
パンフの長谷川漫画では並行世界扱いだったりするし
如何にもネタっぽい時があるので話し半分というか、そんなスタンスで見てるが、どうなんだろ
割と普通にKATANAの直撃を食らってるミウラちゃんの体は一体どうなってるのでしょうか
はっきりと実体剣だと言われた得物で血すら出ないってどういう事だってばよ
デバイスに第五世代とかあるあたりBJも日々進歩してるのだろか
つか格闘家相手に剣士が対策練るとかジークどんだけ強いのよ

329 :
某先生がセイバーさんの首の骨折ってなかったっけ?

330 :
>>328
そこが割と難しい部分だけど、劇中劇として語られる時と並行世界として語られる時両方オフィシャルというか
映画についてキャラが言及する時にメタ発言用の設定として劇中劇って言う設定があるっぽい
あと、映画は歳時記ではなのはがやったのはアクション監督と模範演技では? 「スタントもやります」って言ってヴィータその他に止められたらしいけど

331 :
そろそろ一連の戦闘も一段落
ということで、第20話投下します

332 :
第20話 「暴君の剣X -Tyrant Sword the Fifth-」
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:25――
青空に無数の爆発が巻き起こる。
ガジェットドローンU型の残骸が、金属片の雨となって樹海へ落ちていく。
火の粉と黒煙の帳を割り、純白の外套が空を切る。
「これで十五機……」
フェイトは自らが破壊したガジェットドローンに一瞥もくれず、一直線に飛び続ける。
――ぎり、と奥歯を噛み締める。
先ほどから立て続けに飛び込んでくる通信は、どれも悪いニュースを伝えるものばかりだった。
作戦目標であった密売組織の拠点の消失。
サーヴァントを含めた正体不明の敵の出現。
エリオとキャロ、セイバーとシロウ、そしてヴィータの負傷。
ティアナのシグナルロスト。
実に、投入戦力の半数が離脱するという有様だ。
バルディッシュを握る手に力が篭る。
こんなにも被害が広がったのは、作戦立案のミスに原因があるとしか思えない。
捜索範囲を広げるために班を細分化し、結果として一斑あたりの戦力を低下させてしまった。
言い換えれば、各個撃破を容易にしてしまったのだ。
その結果がこれだ――悔やんでも悔やみきれない。
せめて通常の分隊単位で行動していれば、被害はこれほど甚大にはならなかっただろう。
「早くしないと……!」
フェイトは更に速度を上げた。
第五班とセイバーが戦った相手は、セイバーと同じ能力のサーヴァントだったという。
それが何者なのかは、後でセイバーから聞きだす必要がある。
だが、その正体が何者であるにせよ、最も警戒すべき存在であることは変わらない。
最初の夜に"擬似聖杯"を破壊したセイバーの力。
謎のサーヴァントも同じ力を使っていたという。
はっきり言って、新人達が相手取るには強大すぎる相手だ。
エリオ達はフリードに乗って離脱したが、それで相手が諦めるとは限らない。
最悪のパターンを防ぐためには、一刻も早く皆と合流する必要がある。
先を急ぐフェイトの前方に、十数機のガジェットドローンU型の機影が見えた。
「邪魔しないで!」
急制動を掛けバルディッシュを構える。
それに呼応するように、ガジェットドローンが全方位に散開した。
ガジェットドローンが"擬似聖杯"の一味の配下にあるのか、それとも偶然居合わせただけなのかは分からない。
しかし、今はどちらだろうと同じことだ。
邪魔をするなら撃破して進むのみ。
≪Plasma lancer.≫

333 :
周囲に展開したスフィアから弾体が四方八方に放たれる。
直撃を受けたガジェットドローンは一撃で爆砕。
外れた弾体も軌道を切り替えて追いすがり、標的を次々に撃ち墜としていく。
半分と掛からず全てのガジェットドローンが爆発の中に消える。
一機残らず墜としたことを確認して、フェイトは再び飛翔しようとする。
そのとき、後方から聞き馴染んだ声がした。
「フェイトちゃん!」
「なのは……」
フェイトは空中に留まって、なのはが追いつくのを待った。
申し訳なさと気恥ずかしさで顔を伏せる。
早く合流しなければという焦り、ついなのはを置き去りにして先を急いでしまっていった。
「その、ごめんなさい、先走ったりして」
皆が心配なのは、なのはも同じはずだ。
それなのに自分だけが平静を失い、他人に負担を与えている。
「それはいいの……けど、お願いだから、一人で行かないで」
なのはのお願いは、どこか矛盾しているように聞こえた。
フェイトは思わず口を噤む。
先を急ぐのは構わない。けれど一人で行くのは駄目だという。
それはつまり、自分がサーヴァントに倒されてしまうことを心配しているのではないだろうか。
「……分かった」
フェイトは頷き、合流地点の方へ向き直った。
自惚れるわけではないが、それなりの実力を備えている自負はある。
管理局から与えられている空戦ランクS+は伊達ではないのだ。
だが、なのははフェイトの実力を正しく踏まえた上で、あえて身の安全を心配している。
ならば忠告を聞き入れない理由はない。
実のところ、フェイトはサーヴァントの脅威の大きさを把握し切れていない。
それは相手を甘く見ているというわけではなく、判断材料が少なすぎるという意味だ。
断片的な映像資料。
魔術協会から提供された情報。
なのはや遠坂凛から聞いた証言。
フルパワーとは思えない相手とのたった二回の交戦。
これらがフェイトの知る全てである。
『百聞は一見に如かず』という言葉の通り、一度の実戦は百回の情報収集に勝る。
しかし魔槍使いとの二度に渡る交戦は、相手の全力を受け止めたとは言い難かった。
"偽造聖杯"の破壊に際して、僅か数合打ち合っただけの一戦目。
レリック輸送作戦に際して、実力の一端を垣間見た二戦目。
どちらの戦いも、バーサーカーが全力を出していたように思えなかった。
あの魔槍に秘められた魔力の作用が、たかが物理的な強度の向上で終わるとは考えられない。
思索を打ち切って、フェイトは小さく頭を振った。
机上の空論であれこれ考えても意味がない。
それに、自分となのはが揃えば怖いものなんて――――
「行こう、なのは」
「待って!」
飛び出そうとしたフェイトの行く手を、なのはの腕が遮った。
何事かと横顔を見やる。
なのはは何もない空間を睨みつけ、口元をきつく引き結んでいた。

334 :
「どうしたの、急に―――」
そう言い掛けた瞬間、何の前触れもなく虚空が揺らぐ。
高密度の魔力が渦を巻き、空間自体を歪めかねない圧力で幾重にも捩れ重なっていく。
陽光を余さず束ねたかのような黄金に輝く魔力光。
物質の域にまで収束した魔力が、質量ある存在として具現する。
それは、神話が形を成した如き黄金の船。
揚羽蝶の翅のようなエメラルドの翼を広げ、虹の後光を背負う神域の威容。
「――――久しいな、魔導師」
甲板に据えられた黄金の玉座から、その男は尊大な声を発した。
贅を極めた黄金の甲冑。
逆立つ金色の髪。
全てを黄金色に彩られた中にあって、埋没することなく燃え盛る紅の双眸。
この世の全てを見下す眼差しで、黄金の男は嗤っていた。
フェイトは言葉を失っていた。
そして、理解した。
これが英霊というものだと。
「ギルガメッシュ……!」
フェイトの隣で、なのはが絞り出すように言葉を紡ぐ。
数年を共に過ごしたフェイトですら、初めて聞くような声だった。
「我を拝する許可を与えた覚えはないが。……まあ良い、許そう」
黄金の男―――ギルガメッシュは、玉座に頬杖を突いたまま二人を見下ろしている。
その表情と声色はあくまで尊大。
その態度と姿勢はあくまで悠然。
武器を手にするどころか、身構える素振りすら見せていない。
なのはとフェイトを対等の相手と思っていないことが明らかだ。
「まさか、本当にあなたが召喚されているなんて……」
対するなのはは、いつでも攻撃に移れるようにレイジングハートを構えている。
その横顔は緊張感と警戒心に満ちていた。
まるで、ギルガメッシュの一挙手一投足から目を離さまいとするように。
フェイトは声を潜めて、なのはに疑問を投げかけた。
「なのは……あれは……?」
「アーチャーのサーヴァント、ギルガメッシュ……でも……」
なのははフェイトに視線を向けず、うわ言のように答えた。
――アーチャー。
何らかの武装による射出攻撃を得意とするサーヴァント。
だが、黄金の船に搭乗したその姿は、むしろライダーのクラスに相当するように思えた。
「でも……どうして私のことを覚えているの?」
≪Gilgamesh. You should have been killed by Mr.Emiya.≫
レイジングハートがなのはの言葉に同調する。
貴方は衛宮士郎に倒されたはずだ、と――
ギルガメッシュの顔に初めて感情らしい感情が浮かぶ。
「下らぬことを思い出させおって」

335 :
憎悪か、それとも生理的な嫌悪感か。
いずれにせよ、ギルガメッシュは苦虫を噛み潰したように表情を歪めた。
それを見て、なのはが更に声を荒げる。
「消滅したサーヴァントは記憶を引き継げないはずでしょ? どうして私や衛宮君のことを覚えてるの!」
「喚くな、魔導師。貴様の声は頭に響いて耳障りだ」
ギルガメッシュが片手を上げる。
それに呼応するように、背後の空間が水面のように波打った。
≪Master!≫
「…………っ!」
なのはがレイジングハートの先端を振り向ける。
背後の波紋から現れたもの――――それは、金細工で飾られた濃緑色の豪奢な酒瓶だった。
目を丸くするなのは。
余りにも場違いな代物の出現に、フェイトはきょとんとして酒瓶を見やった。
まさか、何らかの武器なのだろうか。
そう思ってみたが、やはりどう見ても酒瓶以外の何物でもない。
「サーヴァントの得た経験は、書物に記された記録程度にしか引き継がれない……確かにその通りだ。
 だが、我は貴様と贋作者のことをしかと覚えている。その意味をせいぜい考えておけ」
更に別の空間が波打ち、金と宝石に彩られた杯が、ギルガメッシュの手元に現れる。
こちらも一目で至宝と理解できる美麗な杯だ。
「どういう意味なの……?」
「推測するに充分な材料は与えた。後は己の頭で考えろ」
ギルガメッシュは、敵前とは思えない様子で器に酒を注いだ。
いや、この男にとって、この場は敵前ですらないのだろう。
玉座に凭れ、泰然と頬杖を突き、美麗なる酒器を傾ける。
それはさながら、臣民を睥睨する王者の眼差し。
戦場で酒を煽るという常軌を逸した行動に、フェイトは思わず声を上げた。
「あなた……何のつもり!?」
「――ん?」
ここに至り、ギルガメッシュは初めてフェイトへ目線を向けた。
燃えるように紅く、氷のように冷たい瞳。
なのはに向けていた関心は微塵もなく、宴に紛れ込んだ異物を一瞥するような様相すら感じられる。
「見ての通りだ。今は貴様らと事を構えるつもりはない」
「じゃあ、どうして……」
どうしてこんなところに現れたのか。
そう問おうとした矢先、ギルガメッシュはフンと鼻を鳴らす。
「戯れだ」
口を開くのも面倒だと言わんばかりの態度で言い捨てる。
フェイトは思わず耳を疑った。
戯れ――つまり、この行為は単なる暇潰しでしかないということだ。
今までに戦ってきた敵とは決定的に異質だ。
己の利益を求める次元犯罪者とも、切なる願いのために戦っていた者達とも違う。
戯れと称して戦場に乗り込んでくるなど聞いたこともない。
そのとき、フェイトを眺めるギルガメッシュの眼差しに、初めて無関心以外の感情が混ざった。
口元を歪め、靡な笑みを浮かべる。
まるで、新しい玩具を見つけた獅子のように。

336 :
「ふむ……そうか、貴様がスカリエッティの言っていた……」
「スカリエッティ!?」
フェイトは目を見開いた。
――ジェイル・スカリエッティ。
よもやこんなところで、あの広域次元犯罪者の名を聞こうとは。
予想だにしない展開に焦燥が掻き立てられる。
このサーヴァントはスカリエッティと繋がっている。
それは、スカリエッティが"偽造聖杯"を巡る一連の事件に関わっているということではないのか。
フェイトが数年に渡って捜査し続けてきた次元犯罪者。
プロジェクトF.A.T.E.の嚆矢たる男が。
ギルガメッシュは混乱するフェイトの心情を構う様子もなく、総身を舐めるように観察する。
「…………っ!」
フェイトの背筋に悪寒が走る。
大蛇に睨まれた仔栗鼠の心境は、きっとこういうものなのだろう。
対等の存在だと思われていないことが、視線からだけでありありと理解できる。
フェイトはザンバーフォームのバルディッシュの柄を強く握り締めた。
「喜べ、拝謁を許す。今日の我は機嫌がいい。人間の贋作には望外の僥倖であろう?」
――人間の、贋作。
その一言を聞いた瞬間、フェイトの中で何かが弾けた。
雷光の如き速度で飛翔し、無防備なギルガメッシュにバルディッシュを振り下ろす。
有無を言わさぬ神速の一撃。
しかし、フェイトの奇襲は一枚の盾によって完全に防ぎ止められていた。
「贋作――誰に刃を向けている」
ギルガメッシュは指一本動かしていない。
片手で頬杖を突き、もう片方の手で酒器を持ち、玉座に深々と腰を下ろしているだけだ。
バルディッシュを防いだ瑠璃色の盾は、突如として虚空に現れたのだ。
「フェイトちゃん!」
なのはの叫び声が聞こえる。
一瞬にして逆上した頭が急速に冷静さを取り戻していく。
「くっ……」
フェイトは盾に弾き返されるようにして、なのはの隣へと戻った。
盾は現れたときと同じく、何もない空間に溶け込んで消えていった。
後に残されたのは、何事もなかったかのように杯を傾けるギルガメッシュの姿のみ。
あの一言は侮辱でも挑発でもなく、純然たる本音に過ぎなかったのだろう。
「……ごめん、なのは」
軽率な行動だったことは理解している。
けれど、どうしても憤りを抑えることができなかった。
自分自身が否定されたからではない。
ギルガメッシュの暴言は、フェイトだけでなくエリオまでもを否定する。
それだけは許すことができなかったのだ。
不意にギルガメッシュが動いた。

337 :
酒瓶と杯を空間の彼方へ戻し、甲冑を鳴らして立ち上がる。
なのはとフェイトは咄嗟にデバイスを構えた。
バルディッシュとレイジングハートが口々に苦言と忠告を呈する。
≪Master. The act ahead was rash.≫
≪There is no chance of success. I propose withdrawing.≫
だが、ギルガメッシュはなのは達から視線を外し、どこか森の彼方を眺めていた。
口の端に邪悪な笑みを浮かべ、不快そうに目を細める。
「狂犬め、勝手に飽いて引き揚げたな」
そして、横目で二人を一瞥する。
「戯れは終わりだ。贋作よ、次に会うことがあれば、身の程を弁えた振る舞いを覚えておけ」
ギルガメッシュと黄金の船が眩い光に包まれる。
あまりの眩しさにフェイトは目を細めた。
太陽を直視したかのような痛みが眼窩を貫く。
数瞬の後、黄金の船は光輝と共に姿を消していた。
「消えた……」
魔力光の残滓が大気に溶けていく。
後に残されたのは荒涼とした青空と、微かな熱を帯びた一陣の風。
フェイトは痛いほどに力を込め、バルディッシュの柄を握り締めた。
「フェイトちゃん、気にしちゃ駄目だよ」
「うん、ありがとう……」
浮かべた微笑は、わざとらしいくらいの作り笑顔。
人間の贋作―――
ギルガメッシュの残した呪は、フェイトの心の底に墨のように染み込んでいた。
あの男はスカリエッティを通じてプロジェクトF.A.T.E.のことを知っている。
その上で、フェイトのことを贋作と言い切ったのだ。
理解できない……理解したくもない思考回路。
分かり合うことができないと確信できる存在。
世界の全てを軽んずるその紅眼を、フェイトは忘れられそうになかった。
 ――十二日目 第七管理世界 辺境  現地時間 AM11:30――
「――…………んっ」
目を覚ましたティアナの視界に、いっぱいの木漏れ日が飛び込んだ。
眩しくて、思わず目蓋を閉じそうになる。
けれど、再び意識を手放しそうになってしまい、ティアナは無理やり意識を覚醒させた。
身体がひんやりと冷たくなっている。
地面に手を突いて起き上がろうとして、自分が置かれている状況を理解した。
眼前には切り立った崖が聳え立ち、断崖の真下を見るからに深そうな川が流れている。
川の周りには丸石の敷き詰められた河原が広がり、その周囲には深い森。
流水の音と鳥のさえずりが、辺りの静けさを一層強調している。

338 :
ティアナは立ち上がり、自分の体を検めた。
バリアジャケットは解除され、六課の制服姿に戻っていた。
その上、全身が頭から靴の中までずぶ濡れだ。
どうやら川に落水した後で河原へ上がり、そこで意識を失ったらしい。
落下時の状況を思えば大怪我をしていないだけで幸運だろう。
……となると、気に掛かるのは川から上がった方法だ。
自力で這い上がったのだが、単にそのことを忘れているというなら別に構わない。
問題は、他の誰かに助けられた場合だ。
この地区には定住者がいない。
旅行者が来ているという情報もないので、その『誰か』とは十中八九――
「うわっ! やばい、起きてるッス!」
「誰っ!?」
ティアナは声のした方へ振り返った。
思わず『誰』と言ってしまったが、声の主は見当がついている。
「起きないうちに済ませちゃおうと思ってたのに……失敗ッス」
想像したとおり、濃桃色の髪に蒼いボディースーツの少女が森の傍に立っていた。
両手を肩の高さに上げていて、戦意のないことをアピールしているようにも見える。
―――いや、実際に戦意がないのだろう。
少女が使っていた武装は、ティアナ達が断崖に投げ出されたと同時に、どこかへ飛んでいった。
こうして手ぶらでいるということは、未だ回収できていないに違いない。
「…………」
ティアナは少女の行動に気を配りつつ、クロスミラージュを手に取ろうとした。
そして、崖の上でクロスミラージュを紛失していたことを思い出す。
「しまった……」
小声で失態を悔やむ。
デバイスを失ったのは止むを得なかったが、それを失念していたのは明らかなミスだ。
警戒を露わにするティアナに対し、少女はひらひらと両手を振って見せた。
「そんなに怖い顔されると困るッス。ここは一時休戦ってことで……どうッスか?」
「よしっ、点いた」
ティアナは燃え上がる種火を前に、会心の笑みを浮かべた。
緊急時のために管理局支給のサバイバル道具を所持していたのが幸いした。
この火種を使って焚き火を起こせば、冷えた身体を温めると同時に、居場所を知らせる狼煙にもなる。
ポシェットが防水仕様だったことにも感謝しなければ。
「後は消えないように燃料を加えて……と」
あらかじめ集めておいた枯葉と枯れ枝を少しずつ加えていく。
これは訓練生時代に受けたサバイバル講習で得た知識だ。
都会生活に馴染んでいると実感しにくいのだが、生木は想像以上に燃えにくい。
乾燥していない木材は、質量の五割が水分で構成されるという。
そのため、生木をそのまま火にくべても、水分が真っ先に熱を奪って蒸発し、燃焼を妨げてしまう。
いわば消火剤と燃料を同時に燃やそうとするようなものだ。

339 :
全く燃料にならないというわけではないが、乾燥させた状態に比べると質が劣ってしまう。
どうしても使いたい場合は工夫が必要となる。
だが、幸いにも乾燥した枝葉を多めに収集することができたので、余計な苦労をする必要はなかった。
「やっぱり覚えておいて損はないのね」
ティアナはしみじみと呟いた。
訓練生時代の実践演習もたまには役に立つようだ。
当時は、使うかどうか分からないサバイバル講習よりも、もっと有意義なことを学びたいと思っていた。
今となっては、当時の自分を殴ってやりたいとすら思っている。
焚き火が充分な火力を得たことを確かめて、ティアナは少し離れたところで二つ目の焚き火の準備に入った。
一つ目は暖を取りつつ着衣を乾かすためのもの。
二つ目はあえて煙を立てて狼煙とするためのものだ。
通信装置が手元にあればよかったのだが、流石にそこまで都合はよくなかったようだ。
火力が強まったところに、今度は生木を投入する。
生木は燃えにくい。
水分が多過ぎるせいで不完全燃焼を起こしてしまう。
しかし狼煙として使う場合は、あえて不完全燃焼させて大量の煙を発生させるという使い方があるのだ。
全ての準備を終えて、ティアナは煙の少ないほうの焚き火の前に座った。
「ふぅ……」
上着を脱ぎ、平らな岩の上に広げて置く。
川の水でワイシャツの生まで濡れ鼠だ。
肌にべっとりと張り付いて、かなり気持ちが悪い。
シャツ越しに身体のラインや下着が露わになっているが、特には気にならなかった。
異性と居合わせているならまだしも、一緒にいるのは名前も知らない赤毛の少女。
恥じらいを覚えるシチュエーションではない。
「スバル、大丈夫かな……」
ワイシャツの胸元を引っ張り、塗れた布と胸の間に隙間を作る。
胸に何かが張り付いていると変な息苦しさを覚えてしまう。
ティアナはさり気なく、赤毛の少女へ目線を向けた。
あの少女とは一応の停戦協定を結んでいる。
といっても、互いに手を出さないという簡潔なものなのだが。
少女は河原の傍の大樹にもたれかかって、何やら神妙な顔付きで―――
「――――くしゅん!」
盛大な、くしゃみをした。
ティアナは思わず呆れ返った。
妙に真剣な顔をしていると思ったら、単にくしゃみを我慢していただけだったらしい。
警戒してしまった自分が馬鹿みたいだ。
「ちょっと、あんた」
「……何ッスか?」
呼びかけてしまってから、軽く後悔する。
けれど今更引っ込めるのも格好がつかない。
ティアナは少し間を置いて、馬鹿を重ねる覚悟を決めた。
「場所くらいなら貸してあげるわよ」
そう言って焚き火の反対側を指で示す。
馬鹿らしいことだとは思っている。
幾ら停戦協定を結んだとはいえ、自分達の命を狙った敵なのだ。
そんな相手に暖を与えるなんてお人よしにも程があるだろう。

340 :
けれど今回に限っては、こうしなければ何かが負けてしまうような気がした。
崖から落ちた後、ティアナは間違いなく気を失っていた。
知らないうちに自力で川から上がっていたというのは、正直に言うと考えにくい。
つまり、あの少女がティアナを河原へ引っ張り上げたに違いないのだ。
その行為にどんな意図や気紛れがあったのかは分からない。
単に捕虜として情報を引き出すつもりだったが、味方の到着前にティアナが目覚めただけかも知れない。
だが、少女の真意はどうあれ、助けられたという事実は本物だ。
要するに、つまらない意地を張っているだけ。
助けられっ放しでは居られないという、ささやかなプライドの表れだった。
「ほんとッスか!?」
少女は満面に喜色を浮かべて焚き火の傍にしゃがみ込んだ。
ティアナの苦悩などまるで気付いていないようだ。
何だか、あれこれ考え込んでいることが馬鹿らしく思えてくる。
自分もこれくらい能天気になれたら、生きていることがもっと楽しくなるのだろうか――
「……そうだ。助けはすぐには来ないと思うッス」
「えっ……?」
急に話を振られて、ティアナはつい聞き返してしまった。
不意打ちだったので聞き逃しかけたのもあるが、それ以上に発言の内容が予想外だった。
崖下の河川に落下しただけなのだから、救助も崖を降りるだけで充分だろう。
徒歩で降りるのは難しくても、飛行魔法が使えれば容易いはずだ。
「さっきの崖を降りたらすぐに助けて貰えるとか、そんなに単純な状態じゃないッス」
だが、少女は首を左右に振って、ティアナの考えを否定した。
恐らく表情から考えていることを読み取ったのだろう。
「あの崖の下は深くて流れの速い川になってたッス。
 だから、どうにか岸まで辿り着いたときには、随分流された後だったッス」
「そっか……ここは下流ってわけ……」
頭の中で周辺地形の地図を思い浮かべる。
確か、あの川は途中で二つに分岐していたはずだ。
ここが分岐点より下流なら、少々厄介なことになる。
「狼煙を見つけてくれることを祈るしかないわね」
「そうッスね……」
焚き火を挟み、揃って空を仰ぐ。
まさに呉越同舟と呼ぶに相応しい状況だった。
森と川に囲まれた小さな船の上で、敵と味方が揃って助けを待っている。
全く以って奇妙なシチュエーションである。
「ねぇ、どうして私たちのことを襲ったの?」
ティアナは会話が途切れる前に次の話題を振った。
流石に面と向かった状態で沈黙していられる度量はない。
真相を聞きだせる見込みは皆無だが、黙って相対しているよりはマシだろう。
「あーっ、それは駄目ッス。任務の内容は秘密ッス」
そうか、任務なのか――ティアナは内心で呟いた。
本人としては情報を隠蔽しているつもりなのだろうが、いまいち詰めが甘いようだ。

341 :
或いは『任務』であること自体はバレても問題ないという考えなのか―――?
思考が深読みに陥りつつあることに気付き、ティアナは小さく頭を振った。
相手の目的と全容が分からないせいか、嫌でも考え過ぎてしまう。
ひょっとして、このとぼけた態度も作戦ではないか、だの。
実は仲間が物陰から観察し続けているんじゃないか、だの。
色々なパターンの想定が次々と浮かんでは消えていく。
「それはそれとして。今の自分にどんなことができるのか確かめるのって、結構楽しくないッスか?」
――そんな雑多な考えは、たった一言の前に全て霧散してしまった。
頭がフリーズする。
自分にできることを確かめたい。
まさか、敵と考えていた相手から、こんな台詞を聞くだなんて。
「ば……馬鹿じゃないの? そんな理由で襲われる方は堪ったもんじゃないわ」
「そりゃそうッスよね」
赤毛の少女は笑いながら髪を掻いた。
自分の意見を馬鹿にされたというのに、あまり気にしてはいないようだ。
その余裕がどこから来るのかは分からない。
けれど不覚にも――――少しだけ、羨ましいだなんて思ってしまった。
「――――――――おー……い……」
森の向こうから誰かの声がする。
ティアナと少女は反射的に眼を見合わせた。
申し合わせるでもなく同時に立ち上がり、大急ぎで別々の茂みに身を隠す。
無論、乾かしていた上着を回収した上での緊急避難である。
来訪者が少女の味方であればティアナが窮地に陥り、ティアナの味方であれば少女が窮地に陥る。
双方の事情が重なったが故の行動の一致だったが、奇妙な連帯感すら感じられる瞬間であった。
「…………」
ティアナは息を潜め、声の主の出現を待った。
暫くして、木陰からコートを羽織った少女が姿を現した。
銀髪に黒い眼帯、そして青系統の色合いのボディースーツ。
機動六課の隊員でもなければ、管理局の人間でもない。
明らかに赤毛の少女の仲間だった。
その姿を見止めたのか、遠く離れた草陰から赤毛の少女が飛び出した。
「N姉ぇ!」
「ウェンディ、こんなところにいたのか」
ウェンディ――それが赤毛の少女の名前らしい。
明らかに年下の少女を『姉』と呼んでいるように聞こえたが、それはどうでもいいことだ。
ティアナは、赤毛の少女の名前を知ったという事実に対し、奇妙な感情を覚えていた。
あえて表現するなら、高揚感の一種だろうか。
けれど、敵の名前という情報を得られた高揚感とはまるで違う。
適切な表現が喉元まで出掛かっているが、それ以上は意識がストップをかけてしまっている。
「管理局の人間はどうした」

342 :
銀髪の少女がウェンディに問いかける。
管理局の人間、つまりティアナの居場所を尋ねているのだろう。
ティアナは手元に魔力スフィアを生成した。
クロスミラージュのサポートがなくても、これくらいのことならできる。
万が一のときには、これを使って逃げる時間を稼ごう。
ティアナはそう考え、覚悟を決めた。
「逃げられちゃったッス」
さも当然であるかのように、ウェンディは答えた。
ティアナが森に逃げ込んだところを見ているはずなのに、何故かそれを告げようとしていない。
「それより、あたしの武装と拳銃みたいなデバイスが落ちてなかったッスか?」
「ライディングボードなら姉が回収した。だがデバイスの方は見ていないな。何ならディエチかノーヴェに捜索させよう」
「いや、ちょっと気になっただけッス。早く帰還しないとクア姉に怒られるッスよ」
ウェンディは銀髪の少女の背中を押して森の奥へと姿を消した。
それを見届けた後で、ティアナは木に背を預け、ぺたんと座り込んだ。
どうやら見逃されてしまったらしい。
だが、不思議と嫌悪感は湧いてこなかった。
自分にできることを確かめたい。
赤毛の少女――ウェンディはそう言った。
それは必然的に、自らを高めようとする向上心の存在を意味する。
だからという訳ではないだろうが、ウェンディに対するティアナの感情は複雑怪奇に揺らいでいた。
他の敵がどういう考えをしているのかは分からない。
もう一人の赤髪の少女などは、容赦なくスバルに襲い掛かっているように見えた。
さっきの銀髪の少女も、幼い顔には不釣合いな性格をしているのかもしれない。
だけど――――
「何に考えてるのよ、わたしは……!」
――世迷言だ。
ティアナは激しく頭を振って、浮かび上がってきた妄想を振り払う。
不思議と理解できてしま思考回路。
分かり合うことができるかもと思わせる存在。
そんな相手が敵にいた。
ただそれだけのことではないか。
思考をリセットしようと、空を仰ぐ。
どこまでも澄み渡る青空を背景に、桃色と黄色の魔力光が大きな旋回と降下を始めていた。

343 :
以上で投下終了です。
次回からはサブタイトルも変わるはず。

344 :
乙!すっごくGJだぜ••••
スバルー!NTRてるぞー!

345 :
リリナイ氏GJ!
割と親切で大人しいギル…だと……
同作品元キャラ同士の戦いが続いてますが、一段落ついたようなので次のステージから動きがありそうかな

346 :
投下GJです、なんだろう、VIVIDあたりでヴィヴィオに「贋作」呼ばわりする展開
も見てみたいな
キャス狐がSTSにやってきたら割と面白そうだな、ナンバーズ各々に変な綽名つけそうだし
でもアルフとザフィの出番がなくなりそうだけど、スバルと同じ中の人だけど

347 :
最近リリナイ氏の投稿が続いていて嬉しいもんだが、他の面々にもきて欲しいもんだぜ。
というか、リリブラ氏がやはり心配だな…生存報告でもせめてしていただけるといいのだが。

348 :
理想郷の方でリリナイの人物補足資料なるものが投下されてるが、どうでもよさげな所まで結構細かく考えてあるのね
うむ、読んでて楽しいなこういうの

349 :
設定資料は諸刃の刃でもあるがなw
リリナイ氏みたく巻末にちょっと載せてるのはいい感じかな。
昔のSSは一話の前にだらだらとオリ設定とオリキャラとがずらずらた並べてあって…。

350 :
>>349
本の頭にある『登場人物紹介』ぐらいなら気にならないんですけどね。
特に話が長くなってオリキャラの数が増えてくると整理するのに役に立つ。
オリジナル事件を書くとしたら、
どうしても関係者として結構な数のオリキャラが出ることになりますからよく混乱します。

351 :
sage忘れました。
ごめんなさい。

352 :
そうだね。オリキャラの扱いとかは結構困る。
クロスSSの専用スレだと、あんまり多くオリキャラを扱うのはなんだかちょっと躊躇われて、
結局自分は別のところに投下したけど、今となっては別にその必要はなかったかもとも思ったり。

353 :
キャス狐がかわいすぎて生きているのが辛い。

354 :
おろろおぉ〜ん

355 :
マスターのうしろをパタパタと走ってついてくるロリキャス狐なんてのがあったな

356 :
唐突ですが、第21話を投下します。
書きたい場面を一話で書ききれなかった……

357 :
第21話「鉄槌の騎士、大いに惑う」
 ―― 十三日目 PM11:40――
暗闇に幾つもの空間モニターが浮かんでいる。
大きさは様々。映し出される光景も千差万別。
時間も場所も、映像の主役たる人々もそれぞれ異なっている。
あるモニターは深い森林の中を。
あるモニターは地平線まで抉れた更地を。
あるモニターは荒廃し尽くした市街地の痕跡を――
一つだけ共通しているのは、どれも死力を尽くした戦いの瞬間であるということだ。
「さて……実戦データも充分に蓄積できたわね」
見渡す限りの空間モニターを前に、クアットロは冷ややかにも見える笑みを浮かべた。
第七管理世界における管理局部隊への強襲作戦も、おおよそ計画通りと言える成果を収めることができた。
多少のトラブルはあったが、それも許容範囲内の出来事に過ぎない。
現状、全てはクアットロの思惑のままに進んでいる。
「後は、今までのデータを解析して最終調整に反映すれば……」
「クアットロ」
不意に名前を呼ばれ、クアットロは声のした方へ振り返った。
出入口の所から、銀髪の少女がクアットロを見やっている。
その右目は黒い眼帯に覆われ、左目のみが暗がりで爛と光を湛えていた。
急なことだったので少し驚いたが、別段特別なことが起きたわけではない。
十二人のナンバーズの一人、N―――
第七管理世界での作戦行動に参加していた彼女が、ようやく帰ってきただけのことだった。
「あら。お帰りなさい、Nちゃん」
「ドクターはどこに?」
Nはクアットロの猫撫で声を聞き流して、単刀直入に本題を切り出す。
クアットロは不満足そうな顔をしながら足元を指差した。
「下にいるわ。例の新しい玩具に御執心みたい」
「そうか、あれのところに……」
「ドクターらしいといえばそうだけど、最近は特に顕著ね」
そう言ってわざとらしく肩を竦める。
空港襲撃とレリックの強奪。
ホテル襲撃とルーテシアの奪還。
第七管理世界での管理局部隊襲撃と戦闘データの収集。
ここ最近の作戦行動は、全てクアットロの発案と指揮によるものだ。
元より、彼女たちの主は綿密な戦術や策略などに然したる興味を示さない性格だった。
関心の対象には並々ならぬ労力を注ぎ込むが、そうでなければ放置することも厭わない。
――だが、近頃は少々度が過ぎている。
本来の目的を忘れていやしないかと思ってしまうほどである。
無論、クアットロには主のことを責める意図など全くない。
それが主の意思というならば、粛々と従うだけだ。
「そんなに"聖杯"は興味深い対象なのかしら」
クアットロは流れるような仕草で空間モニターを操作した。
大小のモニターがサイズを変える。
やがて幾つかの大画面を残して、残りの画面が消失する。
それを見て、Nは隻眼を細めた。

358 :
「これは……先ほどの戦いの……」
「ええ、入手したばかりの戦闘映像よ」
四つの画面が暗闇に浮かび上がっている。
クアットロはそれぞれの画面を順番に見やった。
ガジェットドローンによる遠距離撮影なので音声は殆ど拾えていないが、映像は充分に実用的だ。
ノーヴェとウェンディが管理局の陸士と戦っている映像――
戦況は概ね優勢だった。
圧倒的な優位というわけではないが、互角以上という評価は下せるだろう。
ノーヴェの固有武装が試作段階である点と、ウェンディの性格的なマイナスを考慮に入れれば、性能面では勝っていると判断できる。
トーレとNが管理局の騎士と戦っている映像――
戦闘データとしてはこちらの方が有用だろう。
充分なスペックを持つ戦力同士の衝突は、実戦でもなかなか得られないデータである。
特に、情報が不足していた双剣士のデータを集められたのは僥倖だ。
黒い騎士……セイバーの戦闘映像――
セイバーの実力を改めて確認できたという以上の意味はなかった。
大抵の魔導師では勝ち目がないことは既に分かっている。
あえて言うなら、管理局側の白いセイバーとの性能差がはっきりした点が収穫だろうか。
そして、ギルガメッシュとエース・オブ・エースの映像――
これは最も『惜しい』映像だ。
ギルガメッシュは未だに力の底を見せていない。
エースとの戦闘を通じて片鱗だけでも確かめられたらと期待したのだが、上手くはいかなかったようだ。
一通り目を通した後で、クアットロはNの映っている戦闘映像を拡大した。
全身の数箇所を負傷した双剣士が、白と黒の刀でNの短剣を弾いている。
魔法体系は、既知のもので言えばベルカ式に近い。
当然、ミッドやベルカと独立して発展した魔法体系が、既知の概念に収まるとは限らないのだが。
「物理的な刀剣類の転送か、魔力からの生成かってところかしら?
 強力な魔法を使うわけじゃなさそうだし、警戒には値しないか……」
クアットロは同意を求めるようにNへ視線を送った。
しかし、Nは気難しそうな表情で映像を見上げている。
「何か言いたそうね」
「ああ……」
相槌だけ打って、Nは口を噤んだ。
この反応を見るに、直感では注意すべきという感想を抱いたが、その理由を言語化できていないのだろう。
直接鎬を削った者だけに分かる感覚というものだろうか。
クアットロはモニターの映像を一時停止した。
Nの投じた短剣が双剣士の背に刺さった瞬間だ。
「そんなに警戒するなら、あなたのインヒューレントスキルを使っておけばよかったでしょう」
ナンバーズはそれぞれ独自のスキルを持つ。
Nのそれは、金属を爆発物に変換するランブルデトネイター。
あのとき投げつけた短剣を爆破していたなら、今更警戒する必要などなくなっていたはずだ。
「こちらの情報を与えないため、あえて戦闘能力の隠蔽を優先した。
 ……今は判断ミスを犯してしまったと思っている」
「ふぅん。でも、トーレにあっさり斬り捨てられてるわよ?」

359 :
クアットロは興味なさそうに映像を見上げた。
たとえ双剣士の実力が想定以上でも、ギルガメッシュかセイバーをぶつければ容易に潰せるに違いない。
所詮はその程度の脅威でしかないのだ。
あの男がセイバーを斬り伏せ、ギルガメッシュを追い詰める姿など想像もできない。
「私の直感的な判断だ。無理に理解を求めようとは思わない」
Nは踵を返して廊下の方へ歩いていく。
そして、途中で足を止めて振り返った。
「アレは眼前の敵に背を向けてまで、他人の保護を優先した。
 よほどの善人か、あの騎士と深い関係にあったのか、さもなければ、価値観が――――いや、これはよそう」
そう言い残して、改めてこの場を後にする。
一人残されたクアットロは、全ての空間モニターを消して浅い溜息を吐いた。
まるで、妙な謎掛けを残されたような気分だった。
よほどの善人――管理局に組するくらいなのだから、少なからぬ自己犠牲の精神を持ち合わせていても不思議はない。
深い関係――クアットロは全く興味のないところだが、自らの命を投げ出す理由としては説得力がある。
ここまでは理解できる。
だが、最後に言いかけたのは何だったのだろう。
あの剣士との戦闘で、発言を躊躇うほどの違和感を感じたとでもいうのだろうか。
「……考えるだけ無駄かしら」
クアットロは自分の判断を信じることにした。
双剣士の人格がどうあれ、戦力的にはサーヴァントを打倒しうる程度ではない。
そんなことよりも、我の強すぎる英雄たちを如何に御するかが問題だ。
「過ぎた力は身を滅ぼす……あの連中の二の舞だけは避けないとね」
 ―― 十四日目 AM10:10――
ヴィータは廊下の壁に背を預け、真っ白な天井を見上げた。
天井も壁も清潔な白色で統一されている。
鼻腔をくすぐる消毒液の臭いといい、実に病院らしい光景である。
廊下に他の人影はない。
ヴィータだけがぽつんと佇み、むき出しの二の腕を抱くように腕を組んでいる。
今のヴィータは機動六課の制服や騎士甲冑ではなく、薄手の患者衣を着用している。
露わになった肌には包帯が巻かれ、痛々しい傷跡の存在を暗示していた。
そして普段は二つに纏めてある長髪も背中に流し、足元は素足にスリッパ――いわゆる入院患者の装束だ。
「ったく、あたしも人のことは言えねぇな……」
思わず悪態が口を突いて出る。
先日の戦闘における負傷は、ヴィータに少なからぬ休養を強要していた。
プログラム体のヴォルケンリッターであるためか、通常よりは短い入院で済むらしいが、それでも暫くは戦線に出られそうにない。
入院沙汰の直接的な原因となった傷は、件の女に突き刺された右肩の貫通傷だ。
シュワルベフリーゲンの誤爆は、咄嗟にァーヒンダネスの障壁を完成させることで防いでいた。
全身への斬撃は比較的浅く、騎士甲冑の護りもあって、重篤なダメージには至っていない。
けれど、ヴィータは不機嫌そうな態度を崩していなかった。
「……ふん」

360 :
ヴィータは苛立ちも露わに鼻を鳴らす。
敵の思惑通りに分断され、一対一で敗北を喫した……それ自体は構わない。
敗北は恥ではなく、恥じ入る暇があるなら、問題点を見直して今後に繋げるべきだからだ。
しかしその『問題点』を考えると、己に対する苛立ちを覚えずにはいられなかった。
他人の無茶を咎めておきながら、自分は無謀な戦いで病院送りなんて、正直言って笑い話にもならない。
「ほんと、どの面下げて会えばいいんだか」
当の相手も同じ病院に運び込まれたらしいが、まだ会いに行っていない。
形式上とはいえ部隊内の上役なのだから、無事を確かめてやるくらいはするべきだろう。
理屈では理解できているのだが、どうしても気が進まなかった。
素知らぬ顔で接するべきか。
あるいは反面教師にしろとでも言って開き直るべきか。
いずれにせよ無様なことになりそうだ。
それを思うと、病室へ向かう足が鈍ってしまう。
「おや、もう傷はいいのですか」
「…………?」
不意に廊下の向こうから少女の声がした。
そちらに目線をやると、真っ白な廊下の真ん中にダークスーツの少女が立っていた。
背丈はヴィータよりも頭一つほど高い程度。
涼やかな碧眼と背中で括った金糸の髪が特徴的な要望だ。
「なんだ、あんたか。そっちこそ怪我してるんじゃねーのかよ」
ヴィータは胸の前で腕を組み、ダークスーツの少女と向かい合った。
彼女のことは知らない相手ではない。
聖杯戦争を識る騎士――セイバー。
衛宮士郎から少し遅れて機動六課に合流した、なのはの『知り合い』とやらの一人だ。
「先日は魔力が尽きて丸一日動けませんでしたが、重篤な負傷はありません」
「へぇ、頑丈なんだな」
「いいえ。キャロの護りがあってこそです」
微笑みを湛え、セイバーはヴィータの言葉に答えた。
ヴィータは腕を組んだままセイバーを観察する。
年齢はスバルやティアナと同年代、或いは少し年下といったところだろうか。
少々服装が中性的だが、線の細い輪郭といい、脂肪の少ない体つきといい、普通の少女にしか見えない。
勿論、そういうギャップは自分が言える立場ではないのだが。
「そういうもんなのか? というか、その……何だ……」
視線を泳がせながら、気まずそうに頬を掻く。
もしセイバーがスバルやティアナと『同じ』なら、ヴィータもこんな戸惑いは覚えなかっただろう。
管理局において、若年層の戦闘員は珍しくない。
十代半ばで最前線に立ち、類稀な戦果を挙げるというだけであれば異端視するほどではないのだ。
けれど、セイバーの場合は事情が異なる。
何故なら彼女は―――
「やはりサーヴァントと共に戦うのは不安ですか?」
生真面目な態度でそう言われ、ヴィータは慌てて首を横に振った。
「まさか。あんたのことを悪く思ってるわけじゃねーよ」

361 :
―――サーヴァント。
聖杯と呼ばれる儀式装置によって召喚される、地球の英雄達の化身。
この"偽造聖杯"事件においても、その規格外の力で機動六課を苦しめている存在である。
ヴィータが聞いた話では、セイバーは前聖杯戦争の勝者であり、終結後も自らの意志でこの世に残っているそうだ。
確かに、機動六課と敵対する者達と同じ仕組みで形作られた存在ではあるのだろう。
しかしそれは、さしたる問題ではない。
「……エリオとキャロを襲った奴のことだ」
「…………」
ヴィータは真剣な表情でセイバーを見上げた。
先日の戦闘で新たに現れたサーヴァント。
"偽造聖杯"から召喚されたと思われる四騎の一体。
その姿はどういうわけかセイバーに瓜二つだったという。
「まさか、双子の姉妹っていうオチか? それとも同じ奴が重複して召喚されることもあんのか?」
「……本来ならありえないことですが、アレは紛れもなく私自身でした」
セイバーは、暗に『ありえないことが起こっている』と断言していた。
英雄をデータベース内の情報と捉え、それをコピーしてくるだけと考えるなら、重複召喚も起こりうるように思える。
だが、それは門外漢の勝手な想像に過ぎないのだろう。
「姿形のみを真似るサーヴァントはいるかもしれません。ですが、英霊を象徴する宝具は唯一無二。
 宝具を模倣しうる英霊など――私は一人しか知りません」
「で、その一人は姿を真似たりできないわけか」
ヴィータの予想を、セイバーは小さく頷いて肯定する。
「根本的な性能が同等であれば、付加的な要素が明暗を分けます。
 ですが、私は聖杯の補助を受けずに現界しているので、十全の力を発揮できていません。
 しかもその上に、先日の莫大な魔力消費が重なっては……」
それはつまり、彼女が『黒いセイバー』に性能面で劣ってしまうということを意味する。
物理的には存在しない人物を、魔力等を駆使して具現化させる―――
こういう風に考えれば、サーヴァントはヴォルケンリッターに似ていると言える。
だが、両者の間には大きな差異が存在していた。
ヴォルケンリッターは最初から具現化されることを想定して創られている。
闇の書が人造物であることを考えれば、間接的ながら人の手によって生み出されたものであるとも言える。
一方、サーヴァントは過去の英雄――即ち『英霊』を、特殊な使い魔として召喚したものだという。
成り立ちが異なれば、聖杯や闇の書といった『後ろ盾』なしで存在し続けることの難しさも変わってくるのだろう。
むしろ代償が戦闘能力の低下だけで済むのなら、安すぎるくらいなのかもしれない。
そこまで思考して、ヴィータは一つの矛盾に思い当たった。
「……ちょっと待てよ。"偽造聖杯"はあんたが宝具とやらでぶっ壊したんだろ? それなら条件は同じじゃないか」
通常、サーヴァントは聖杯なくして存在できない。
その理を覆すならば、少なからぬ代償を支払わなければならない。
ならば、"偽造聖杯"から召喚されたサーヴァントが超絶的な戦闘能力を維持しているのは、一体どういうことなのか。
「考えうる可能性としては、まず受肉していることが考えられます。
 実際に、物理的な肉体を得ることで十年以上現界した実例もありますから。
 ですがサーヴァントの受肉を可能とするような奇跡など、そう起こせるものでは……」
セイバーの言葉にも戸惑いの色が見え隠れしている。
サーヴァントは戦場を駆けた英雄であり、学問として魔道を修めた者ではないはずだ。
自分達のこととはいえ、魔術的な仕組みについては専門外なのだろう。
ヴィータはしばし考え込み、ある仮説に辿り着く。
「ロストロギアか……」
「魔術が今よりも発展していた時代の遺物……ですか」

362 :
「ああ。過去の英雄の召喚なんて規格外のことができるロストロギアは無いだろうけど、
 サーヴァントの存在を維持したり、受肉させたりする程度なら可能かもしれない」
現代の人間に成しえないことなら、現代には存在しない技術に頼ればいい。
安直で他力本願な考えだが、ロストロギアの絡む大事件というのは、大概がそういう動機で起こされている。
有名どころで言えばPT事件もそうだ。
何事かに行き詰ったとき、人は過去に解決策を求める。
今回の事件がそうではないと、どうして言い切れるだろう。
「くそっ……いよいよ大事になってきたな。悠長に入院なんてしてる場合じゃなさそうだ」
サーヴァント四騎に、青いボディースーツの謎の敵。
更にはガジェットドローンと呼称される自動機械。
機動六課はこれだけの戦力を敵に回さなければならないのだ。
それを思えば、地球からセイバー達を招いたなのはの判断は適切だったと言わざるを得ない。
魔導師ランクを持たない外部協力者という体裁であれば、部隊ごとのランク制限にも邪魔されずに済む。
仮のランクを付与するにしても、機動六課に都合のいい値を割り振ればいいだけのこと。
つくづく、扱いやすい言い訳を考えたものだ。
「あたしは外出許可を貰って六課に戻る。あんたはエミヤに養生するよう言っといてくれ」
病室に帰ろうとするヴィータの背中に、セイバーが意味深な言葉を投げかける。
それは呆れと諦めが混ざり合った、溜め息交じりの一言だった。
「ヴィータ、もう手遅れです」
「……あん?」
手遅れだと――――?
一瞬、最悪のシチュエーションが脳裏を過ぎる。
ヴィータは即座にそれを振り払った。
衛宮士郎の容態が急変したなら、セイバーが落ち着き払っているはずがない。
ならば、手遅れとはどういうことなのか。
数秒だけ思考を巡らせた後、ヴィータは思わず眉をしかめた。
動揺とも激昂ともつかない感情が、ふつふつと背筋を沸き立たせる。
「シロウは今朝方、病院を抜け出しました」
「――――あの馬鹿ッ! てめーも止めろよ!」
セイバーが言い返すのも待たずに、ヴィータは自分の病室に向かって駆け出していた。
廊下は走るな。病院では静かに。そんな社会通念はとっくに頭から抜け落ちた。
重傷を負って二日やそこらで復帰しようとするなんて無謀過ぎる。
ヴォルケンリッターやサーヴァントならまだしも、衛宮士郎は純然たる人間なのだ。
肋骨を寸断されるほどの傷が命に関わらないわけがない。
仮に、士郎の負傷が彼自身の責任であったなら、ヴィータがここまで焦ることはなかっただろう。
けれど実際にはそうではない。
二対二の戦いで、どちらか一方が先に欠ければどうなるか―――答えは明白だ。
ヴィータは病室に飛び込むや否や、洋服棚から外出用の服を引っ張り出した。
病室の扉を閉めることすら後回しに、大急ぎで私服に袖を通す。
≪Meister, schliesen Sie bitte eine Tur.≫
「いいんだよ、んなこと!」

363 :
ベッドの枕元で、待機状態のグラーフアイゼンが慎みの無さに苦言を呈す。
しかし、ヴィータは即座にその苦言を突っぱねた。
ここは個室であり、通行人もいないのだから、誰に見られることもない。
そもそも、こんな貧相な体を見ようという物好きなどいるものか。
ヴィータは数分とかからずに着替えを終え、背伸びをして備え付けの鏡を覗き込んだ。
赤色の長髪は一晩寝込んだせいですっかり荒れ放題だ。
だが、櫛を通したり三つ編みに結っている余裕などない。
ヴィータはグラーフアイゼンを掴み、長髪をなびかせたまま、廊下へ取って返した。
「ああ、待ってください、ヴィータ」
病室を出たところで、セイバーがヴィータを呼び止める。
ヴィータは先を急ぐ気持ちにブレーキを掛け、足踏みをしながら振り返った。
「……どうかしたのか?」
「ちょうど私も帰るところです。送っていきましょう」
そう言って、セイバーは片手を挙げた。
人差し指に引っ掛けられたキーホルダーに付いていたのは、見るからに使い込まれた単車の鍵であった。
 ―― 十四日目 AM10:20――
高架上のハイウェイを、二人の少女を乗せたオートバイが走り抜けている。
ハンドルを握るのはダークスーツを纏ったセイバー。
ヴィータはその細い腰にしがみつき、風圧に攫われないよう堪えていた。
猛烈な風切り音が鼓膜を震わせる。
絶え間なく耳を騒がせる風音の合間を縫い、車のエンジン音が遠ざかっていく。
――凄まじいスピードだ。
さっきから何台もの自動車を追い抜いている。
ドップラー効果を残して消えるエンジン音にも慣れてきた。
ふと、下らない雑念がヴィータの脳裏を過ぎる。
サーヴァントは歴史や神話の英雄を召喚したものだと聞いている。
ということは、バイクの運転は召喚されてから習得したのだろうか。
「右に曲がります。気をつけて」
容赦なく吹き付ける向かい風に混ざって、セイバーの警告が聞こえる。
ヴィータはセイバーの柳腰を抱きすくめた。
その数秒後、二人を乗せたバイクは大きく右に傾き、緩やかなカーブを抜けていった。
繊細で確実なハンドル捌きだ。
あんなに速度を出していたのに、不安定さを微塵も感じさせない。
ハイウェイを降り、閑散とした一般道を疾走する。
この調子なら後十分と掛からずに隊舎へ戻れるだろう。
「…………」
セイバーが言うには、衛宮士郎は例の作戦から丸一日経って目を覚まし、即座に六課へ戻ろうとしたらしい。
一体何が彼を突き動かしているのか、ヴィータには見当もつかない。
義務感、正義感、焦燥感、反骨心、自尊心、恐怖心――――
どれもありえるようでいて、どれもありえないように思える。
ただひとつだけ言えるとすれば、鉄槌の騎士もすっかり腑抜けてしまったということだ。
「…………くそっ」
ヴィータはセイバーの背中に額を押し当てた。
轟音を立てるエンジン部の振動が、背中を通じて頭の中にまで伝わってくる。

364 :
八年前―――なのはが瀕死の重傷を負わされた一件以来、無茶なことをする連中のことが、やけに気にかかるようになってしまった。
心配なら通信でも何でもすればいいと思われるかもしれないが、今の士郎は通信用の道具を持っていない。
最悪のタイミングで壊れた役立たずのデバイスは、シャーリーのところに送って原因を調べてもらっているところだ。
外の隊員に通信を繋いで取り次いでもらうことも考えたが、却下した。
そこまでしたら、まるで衛宮士郎のことが心配でしかたがないように誤解されてしまいそうだ。
無茶といえばティアナのことも気になる。
ここ最近、ティアナは何かに焦っているようであった。
今のところ、問題視されるほどのミスは犯していないが、その予兆らしきものは見え隠れしている。
今回の作戦におけるシグナルロストがいい例だ。
やむをえない事情があったことは理解できる。
だが、一歩間違えば命を奪われていたかもしれない状況だったことも否めない。
「どうかしましたか、ヴィータ」
「いや……なんでもない」
二人を乗せたオートバイは、依然として速度を緩めることなく、六課隊舎への道を辿っている。
ヴィータは返事をしてしまってから、ひょっとしたら無意味な返答だったかもしれないと考えた。
セイバーの声は風に混じって辛うじて聞き取ることができる。
けれど、ヴィータの声は向かい風に逆らう形にならざるを得ない。
そんな状況で返答を聞き取れるのだろうか。
「……なぁ、セイバー」

365 :
聞こえるかどうか分からないなら、面と向かっては聞きづらいことを訊ねてみよう――
何気なくヴィータはそんなことを思いついた。
返事があればそれでよし、返事がなくても問題はない。
「エミヤって昔からあんな奴なのか?」
遠くに機動六課の隊舎が見えた。
ここまでくれば到着までほんの少しだ。
けれど、セイバーは何も答えようとしなかった。
恐らく質問が聞こえていなかったのだろう。
だが、それで構わない。元より返答を期待した質問ではないのだから。
セイバーは無言のまま駐車場にオートバイを滑り込ませる。
車体が停止すると同時に、ヴィータは後部座席から飛び降りた。
結われていない長髪が風圧で乱れ放題になっていたが、今はそんなことを気にしているときではない。
そのまま隊舎に向けて走り出そうとするヴィータに、セイバーが声を投げかける。
「ヴィータ」
「ん……?」
何事かと振り返ると、セイバーは柔らかな微笑でヴィータを見やっていた。
「シロウは今も昔もああいう人です。きっと死んでからも変わることはないでしょう」
「――――そっか。参考になった」
ヴィータはセイバーに向けてひらりと手を振って、隊舎へ駆け出した。
馬鹿は死んでも治らないということか。
しかし、この格言を誇らしげに言われる人間など初めて見た。
まるで死んだ後のことが分かっているかのような口ぶりではないか。
「さてと。命令無視して脱走した仕置きは、キッチリしとかないとな」
左の手の平に右拳を叩きつけ、乾いた快音を響かせる。
衝撃で全身――とりわけ右肩の傷に鋭い痛みが走る。
だが、ヴィータは平然と口の端を吊り上げて、大股で隊舎の中へ入っていった。
その背中を見送ったセイバーは、誰もいない駐車場の中央でぽつりと呟いた。
「……まぁ、やりすぎたりはしないでしょう」
単車を押して格納庫へと歩いていく。
二人の仲裁に入るのは、これを持ち主に返してからでも遅くはなさそうだ。

366 :
以上で投下終了です。

367 :
リリナイ氏乙!
投下があるのはいいことだ
N姉はわざとIS使ってなかったのね納得
今さらだがステエキも大変だな、原作以上に
StSだとまだ4話5話て辺りなのにこんなわけのわからん連中と…
士郎は今後もヴィータとの絡みが多そうね
やはりツンデレは扱いやすいということだろか
ここでもギルとタメはらされそうななのはさん頑張れ
「雑種」ではなく「魔導師」と呼ぶ、一々覚えてる辺り少しは認めてるのかな

368 :
>>367
エミヤシロウ(&士郎)を「贋作者(フェイカー)」と個体識別するのと、同程度には意識されてるみたいな
同じ「一人軍隊」でも、英雄王と相対するのは、何故か夜天の主ではなく冥王さまな印象よね

369 :
>>368
ヤツの場合個体識別つーか侮蔑の意味を込めて、じゃないか
雑種よりも低く、より適した
なのはさんの場合、とんでもなくまともと言えばそうだし、とんでもなくブッ飛んでると言えばそれもそうだし、英雄王も困っちゃうよね★

370 :
つまり変種

371 :
リリナイ氏はコンスタントに投下してくれるからうれしい
じっくり読ませてもらいますぜ

372 :
スレの容量は大丈夫なのだろうか
とかいいつつ、第22話投下します

373 :
第22話「インフェリオリティ・コンプレックス」
 ―― 十四日目 AM09:55――
ヴィータが士郎の病院脱走を知り、大いに荒れる少し以前。
六課隊舎の一室に二人の女の姿があった。
「これで四騎のサーヴァントが全部分かったわけだけど……ちょっと想像以上だね」
なのはは窓際にもたれ掛かり、浅く顔を伏せた。
半月前にミッドチルダに降臨した四騎のサーヴァント。
バーサーカー、アサシン、セイバー、アーチャー。
正規の定数である七騎には届かないが、これだけでも脅威としては大きすぎる。
まして、先日の戦闘で姿を現したセイバーとアーチャーの真名を考えれば、脅威という表現すら過小評価となってしまう。
「まさか……よりによって、ギルガメッシュが召喚されてるなんて」
「そうね。可能性があるってことは分かってたけど、現実を突きつけられると眩暈がするわ」
赤い外套の女――遠坂凛もなのはに同意する。
第五回聖杯戦争におけるギルガメッシュの強大さは筆舌に尽くしがたいものがあった。
絶対的自尊心を背景とする油断と慢心がなければ、この場にいる二人は半年前に死んでいただろう。
これは誇張などではない。
実際の戦闘を経て得た確信である。
「それにもう一人のセイバーまで現れたわけだから、こっちのセイバーが万全でも互角以上にはなれないわね」
凛は淡々と、しかし焦燥感を帯びた声で現状を確認する。
先日の戦闘は六課に悲観的な状況をもたらした。
それは未知なる敵の確認でもなければ、多数の戦闘要員の負傷でもない。
新たなサーヴァントとの遭遇――最優と最悪が敵に回ったという事実である。
「この調子だと、ちょっと厳しいかも……」
なのはは片手で顔を押さえた。
沈む思考と平行して、現行戦力を以って敵戦力に対抗する手段を模索する。
どんなに困難な状況であろうと、諦めるという選択肢は決して持ち得ないのが、高町なのはという人間だ。
まず、新人達を対サーヴァント戦に臨ませることはできない。
そもそも、サーヴァントを人の身で打倒しようと考えること事態に無理があるのだ。
考えうる最善の一手はマスターを攻略すること。
或いはサーヴァントの存在を維持している『何か』の効力を失わせることだ。
対サーヴァント戦はそのための時間稼ぎか、純粋な迎撃・撃退と考える。
倒せなくて当たり前だと割り切ってしまえばいい。
そうなると、この戦略を他部隊に周知徹底する必要性が生じてくる。
現時点で共有しているのは、管理局の管轄下における戦闘で得られたデータと、ごく基本的な情報のみである。
殆どの魔導師は、ギルガメッシュやセイバーの具体的な戦闘能力について何も知らない。
情報共有を疎かにすると、現場の独断で無謀な戦闘を挑み、悲惨な結末を迎えてしまう危険がある。
それだけは避けなければならない。
ということは、魔術協会に仔細を報告し、理解を求めなければならなくなったということだ。
こちらでサーヴァントが発揮した力については、管理局が把握できた範囲であれば、上層部の判断で情報の拡散と共有ができる。
しかし、地球における聖杯戦争でなのはが得た知識と経験を拡散するのは、魔術協会との協定に抵触する恐れがあった。
明確な禁止事項として挙げられているわけではないが、幾つかの条項に掠めていると想定されるのだ。
場合によっては、エルメロイU世に骨を折って貰うよう頼まなければならないだろう。
もしも理解が得られなかったら。
そのときは――――

374 :
「高町さん」
「え? な、何?」
急に名前を呼ばれ、なのはは顔を上げた。
腕を組んだ凛が、じっとなのはの瞳を見据えている。
「一応言っておくけど、暫くの間は私とセイバーを戦力に数えないでね」
「……うん、分かってる」
なのはは真剣な表情で頷いた。
先日の戦闘で、セイバーは魔力を殆ど使い果たしてしまった。
戦線へ復帰するには三日か四日、宝具の再使用には更に一週間以上掛かるだろう。
これには根拠がある。
最初の日、セイバーは宝具を使って"偽造聖杯"を破壊した。
そこから数えて、前線に合流したのが三日余り後、宝具を使ったのがそれから八日から九日後にあたるのだ。
この状態で宝具を発動し、結果としてガス欠寸前になったことを考えると、宝具の使用は最低でも十二日、できれは半月ごとに限定したいところである。
無論、この日数は凛が魔力の大半をセイバーに傾け続けた場合の計算である。
彼女が大量の魔力を消費すれば、その分だけセイバーの魔力の回復が遅れてしまう。
得意の宝石魔術ならば、本人の魔力を温存しながら、事前に貯蔵した魔力を使って戦うことができる。
しかし弾数に限りがあり、魔力の余裕がないため新規調達も難しい。
これはいざというときのために取っておくべきだろう。
「遠坂さんの魔力に余裕がないってことは、衛宮君に供給するのも……」
「難しいわね。ギルガメッシュが召喚されてると分かった以上、何とかして融通したいところだけど」
凛は掌を下にして、ひらひらと片手を振った。
あちらを立てればこちらが立たない。
まるで鎖か何かで縛りつけられたかのような息苦しさだ。
もちろん時間さえ掛ければ、充分にコンディションを整えることはできる。
ただし、敵がそんな猶予を与えてくれるとは到底思えないのだが。
「……あ、もうこんな時間……」
なのはは何気なく時間を確かめ、はたと窓際から腰を離した。
「そろそろティアナが来る予定だから、込み入った話はここまでにしないと」
「今日もミーティング? 隊長さんは大変ね」
からかうようにそう言って、凛は部屋を後にした。
一人残されたなのはは、複雑そうな表情で窓外を見やった。
訓練場の片隅でスバルと士郎が準備運動をしている。
格納庫付近ではヘリのメンテナンスが行われ、何時でも作戦に臨める準備を整えている。
以前と変わらない、朝の風景。
けれども、なのはの顔から憂鬱の色が消えることはなかった。
このままでは、機動六課は確実に敗北するだろう。
それは確信にも似た予感。
あと少しだけ運命を味方につけなければ、互角の戦いを演じることすらできない。
強力な追加の戦力。
敵の弱点となる情報。
優位に働く状況。
今以上の大部隊を統制できる権限。
どれでも構わないから、せめてもう一匙の幸運を。
贅沢な願いだというのは分かっている。
だけど、そうでもなければ、あの子達を護れない―――
なのはは祈るように瞼を閉じた。

375 :
 ―― 十四日目 AM10:15――
「シグナムさん! ちょっとお時間よろしいですか?」
六課隊舎の廊下を歩いていたシグナムの背中に、人好きのする声が投げかけられた。
振り返ると、小包を抱えたシャリオ・フィニーノが、小走りで駆け寄ってきているところだった。
「シャーリーか。多少なら構わないが、どうかしたのか」
「先日の依頼の件で、お話ししておきたいことがあるんです」
なるほどその件か、とシグナムは納得した。
二日前の作戦が終了した直後、シグナムはシャーリーに二つの依頼を申し込んでいた。
それらは、どちらも衛宮士郎のデバイスに関する依頼だ。
本来なら指揮権上の上役にあたるヴィータが処理すべき案件だったが、状況が状況である。
ヴィータと衛宮士郎は、両者共に戦闘で負傷し、病院へ後送。
その際、シグナムはヴィータから調査依頼の代行申請を頼まれていたのだ。
「分かった、話を聞こう」
「ありがとうございます。でも、ここでは少し……」
そう言って、シャーリーは不安そうにあたりを見渡した。
まるで、誰かに話を聞かれることを恐れているかのようだ。
重大な問題を孕む依頼ではなかったはずだが。
シグナムは首を傾げながらも、近くのブリーフィングルームを視線で示した。
あそこなら外部に声が漏れる心配もない。
二人は足早にブリーフィングルームへ入り、扉をしっかりとロックした。
「……シャーリー。三尉のデバイスに何か問題でもあったのか」
声のトーンを僅かに落とす。
先日の戦闘で、衛宮士郎に供されたデバイスが誤作動を起こし、バリアジャケットの展開に失敗したと聞いている。
シャーリーに依頼した案件の一つが、その事故の原因究明であった。
素直に考えれば、デバイス自体の初期不良といったところだろう。
だが、そのデバイスはヴィータが地上本部に要請して用意させたものだ。
初期不良があったとすれば、それは本部の管理下において発生したトラブルと見て間違いない。
幾ら何でも、簡易的なデバイスの製造にすら失敗するほど、地上本部の技術力が低下したとは思えない。
シャーリーは暫しの間を置き、一言ずつゆっくりと語り出した。
「要求された仕様に不足点はありませんでした。エラーの原因は、そこに要求していない機能が付与されていたことです」
「何……? 要求していない機能だと?」
「はい。エミヤ三尉のデバイスには、魔法を解析するための機構が組み込まれていました」
シグナムは思わず表情を歪めた。
誰がやらかしたのかは知らないが、信じがたい行為である。
大方、長きに渡って存在を秘匿してきた魔法組織の技術に興味を惹かれたのだろう。
しかし、これは極めて軽率な行いだったと言わざるを得ない。
衛宮士郎の魔法を無断で解析するということは、協定外の手段で情報を入手しようとしたことを意味する。
これは協力相手――魔術協会に対する背信行為と捉えられてもおかしくない。
「恐らくは、解析エラーが発生した場合の処理記述が不完全だったために、システム全体がハングアップしたものと思われます。
 きちんとエラー処理を記述できていれば、解析だけを停止させて他の機能を走らせていたんですが……
 初歩的なバグですけど、実装に費やせる期間が短いときは見落としがちな箇所ですから」

376 :
シャーリーはシグナムの顔色を窺いながら報告を続けている。
彼女の地位では、魔術協会という未知なる魔法組織の存在は知らされていないはずである。
それでも、組み込まれていたプログラムの異質さから、事の重大さを悟ってくれていたらしい。
特に人のいる場所で話すのを躊躇ってくれたのは助かった。
加えて、解析プログラムの存在が分かりやすい形で露呈したのも不幸中の幸いだ。
正常にエラー処理を終えて終了していたら、悪質な仕込みの存在に気付くことなく、例のデバイスを使い続けていたかもしれない。
そして解析プログラムを組み込んだ首謀者は、何らかの理由をつけてプログラムをアップデートしていたに違いない。
こう考えれば、早い段階で企みに気付けたこと自体が最善の展開なのだ。
勿論、誤作動のせいで怪我をした衛宮士郎の前では口が裂けても言えないが。
「他に、このことを知っている者は」
「私とシグナムさんしか知りません。デバイスの解析は私一人でやりましたし、話したのはシグナムさんだけです」
シグナムは口元に手を当て、無言のまま考え込んだ。
率直な考え方をすれば、情報が無闇に拡散していないのは運が良かった。
事実を明かすのを最低限の範囲に留め、弊害を最小に押さえ込むことが期待できる。
残る懸念は、問題の機能を組み込むことを決定したのが誰で、どんな目的を抱いているのかということだ。
せめて――情けないことではあるが――単純な功名心や知的好奇心に突き動かされた結果であってもらいたい。
これ以上の陰謀を抱え込むのは御免だった。
「状況は把握した。ヴィータには私から伝えておく。この件については、今後一切他言しないように」
「……了解しました」
あえて厳しい表現を使い、厳重に言い含める。
拡散さえ防ぐことができれば、手の打ちようはいくらでもある。
シャーリーは重大な問題なのだと確信するであろうが、それくらいなら許容範囲内だ。
重苦しい空気がブリーフィングルーム全体を覆う。
雰囲気を変えようと、シグナムは新しい話題を持ち出した。
「ところで、もう一つの依頼はどうなってる?」
「あっ、はい。順調に進んでいます。でも、やっぱりエミヤ三尉の意見を聞いておきたいですね」
シャーリーは顔に掛かる前髪をかき上げ、彼女らしい笑顔を見せた。
やはりこういう表情の方がずっと似合っている。
シグナムは柄にもなく、そんなことを思った。
気の滅入るような策謀や駆け引きは自分達の役割だ。
こんな裏社会じみた領域に、何も知らない者を巻き込んでしまうわけにはいかない。
「三尉の意見はすぐに必要なのか?」
「それはもちろん。何てったって、エミヤ三尉の専用デバイスの設計なんですから」

377 :
 ―― 十四日目 AM10:30――
鉄拳と長剣が激突し、火花を散らす。
強烈な金属音の反響が消えるより早く、振り抜かれた片手剣の刀身をローラー付きのブーツが蹴りつける。
「――――はぁっ!」
スバルは上体を素早く捻り、全身を宙に浮かせて二段目の回し蹴りを繰り出した。
旋風のようなその連携を、士郎は身を僅かに逸らして回避する。
勢いをさぬまま、スバルは左腕だけで着地し、右脚のローラーの側面を地面に触れさせた。
直後にローラーが高速回転。
スバルの全身が左腕を中心に回り、士郎の軸足を蹴り払う。
「このっ――――!」
士郎は重心を崩されると同時に、左手の剣を投擲。
咄嗟に投げつけた剣は、リボルバーナックルのスピナーに容易く弾かれるも、士郎が体勢を整えるだけの時間を稼ぎ出す。
スバルの繰り出す追撃の拳が、再度長剣と相する。
次の瞬間、スバルの眼前に片刃の長刀が突きつけられた。
それは、片手剣を擲って無手になっていたはずの左手に握られていた。
「はぁ……はぁ……」
二人とも動きを止める。
やがてスバルは呼吸を整え終えると、朗らかに口元を綻ばせた。
「ちぇっ。今度こそ一本取れると思ったんだけどなぁ」
士郎の武器が魔力の破片と化して消えていく。
「段々動きが良くなってるじゃないか。すぐに追い抜かれそうだ」
「まさか、まだまだですよ」
二人は互いに矛を収め、思い思いの体勢で談笑をし始めた。
ティアナは少し離れたところから、その光景をぼうっと眺めている。
スバルと士郎の訓練はいつもこうだ。
口頭での指導や魔法の教育は他の人に任せて、ひたすら一対一の模擬戦を繰り返している。
これはもう模擬戦ではなく組み手の類ではないだろうか。
思い返せば、最初に会った日もそうだった気がする。
どうやら、互いに組み手方式の訓練スタイルが気に入ったようだ。
視線を僅かに動かし、士郎を視界の中央に収める。
それにしても奇妙な話である。
士郎がこんなに早く訓練に復帰するなんて、ティアナは予想もしていなかった。
前回の作戦が終わるなり重傷を負ったとして後送され、丸一日帰ってこなかったと思えば、こうして平然と隊に顔を出している。
同時に後送された二人は、まだ退院していないというのに。
単に、重傷だというのが大袈裟な表現だったのだろうか。
それとも――
「一人で考えたって意味ないか」
ふぅと短く息を吐く。
理由はどうあれ、衛宮士郎はここにいる。
無許可で病院から抜け出したのでもない限り、問題のある状況ではないと考えていいのだろう。
そんなことよりも……
ティアナは思考の方向を切り替える。

378 :
先ほどの組み手は、確かにいい勝負だった。
スバルと士郎の組み手の中では、最も勝ち星に近付いた一戦だったように思われる。
これを素直にスバルの成長と捉えることは容易だ。
今までの訓練と、先日の戦闘経験で一気に能力が向上したと見ることもできる。
だが、ティアナはそれを率直に受け止めることができなかった。
あの組み手の結果は、スバルが急成長したというよりも、むしろ逆ではないだろうか。
そんな気持ちが頭の中から離れてくれなかった。
「…………」
ティアナは士郎を凝視すると、その様子をじっと観察した。
士郎は地面に直接腰を下ろして、立ったまま休憩するスバルを見上げている。
微笑みを浮かべてはいるが、額には薄く汗が滲み、呼吸も荒い。
どうやら随分と疲労しているようだ。
体力馬鹿のスバルと正面から打ち込みあったのだから、疲労を覚えるのも当然のことではある。
しかし今日はその度合いが尋常ではない。
以前の組み手では、もう少し体力的な余裕を残していた気がする。
まるで、別のことに体力を奪われているかのようだ。
これ以上考え込んでも答えは出そうにない。
どうせなら二人の会話に参加してみよう――
ティアナはそう考え、スバル達のところへと歩き出した。
「エミヤ三尉。一昨日の戦闘の分析は聞いていますか?」
用意しておいたドリンクを二人に手渡しながら、何気ない態度で訊ねてみる。
多少意味深な態度で質問しても、彼ならきちんと答えてくれるだろうが、そこは気分の問題だった。
「いや、まだ聞いてない。昨日は殆ど寝込んでたからな」
「そうですか」
ティアナは士郎から数歩分の距離を置いて腰を下ろし、ポケットからメモを取り出した。
「確認された敵戦力は最小で六人。姿は確認できていませんが、更にもう一人いた可能性もあるそうです」
メモを広げ、内容を淡々と読み上げていく。
確認戦力は六名――または七名。
スバルとティアナが交戦した、スバルに鏡写しの戦闘スタイルの少女と、多機能ボードの使い手。
ヴィータと士郎が交戦した、空戦技能持ちの女とナイフ使いの少女。
そして、その二人に対する援護砲撃を放った未確認対象。
ただしこれについては、他の四名の誰かによる援護の可能性も考えられる。
「残り二名は、サーヴァントだと思われます。どちらもミッドチルダでは初めて確認された対象です」
ここまで読み上げたところで、ティアナはさり気なく士郎の反応を注視するようにした。
見ておきたいのは、残りの報告を聞いた瞬間の反応だ。
「最後に―――これは隊長達の会話を偶然聞いて得た情報なんですが」
ティアナは一呼吸おいて息を整える。
これを耳にしたのは本当に偶然のことだ。
今朝、本日の訓練スケジュールを確認するために、なのは隊長のところを訪れたときだった。
なのは隊長がロングアーチの遠坂凛に対し、深刻な表情で何かを話しているのを聞いてしまったのだ。
突然のことだったので、聞き取れた内容はほんの少しに過ぎない。
それに、立ち聞きしたと告白する勇気がなかったので、一部とはいえ会話を聞いていたことは、隊長達には秘密にしてある。
「サーヴァントの一体はギルガメッシュと言うそうです」

379 :
次の瞬間、士郎がドリンクのボトルを握り潰す。
樹脂製の容器がひしゃげ、淡白色の液体が地面に飛び散った。
「……っ!」
「シロウ……さん?」
予期せぬ反応に、ティアナは思わず身を竦めてしまった。
スバルも大きな瞳を一層丸く見開いて驚いている。
敵となるサーヴァントの詳細を少しでも得られたら、という意図で漏らした情報だった。
しかし返ってきたのは、楽観的な想像を遥かに越える反応。
驚愕と疑念と――それ以上の敵愾心を滲ませた戦士の眼差し。
まるで、あの狂戦士と対峙したときのような。
「……あ、悪い」
士郎はすぐに普段どおりの雰囲気に戻り、ばつが悪そうに手元を見下ろした。
二度と使い物にならないボトルから、半透明の滴がしたたり落ちている。
「やっぱり知ってるんですね。そのサーヴァントのこと」
ティアナは強い語調で問い質した。
だが、士郎は答えない。
視線を逸らし、口をかたく引き結んでいる。
それは肯定にも等しい沈黙であった。
「ちょっと、ティアってば」
スバルが後ろからティアナの肩を揺する。
まるで尋問のような物言いに、気が気でなくなったのだろう。
それでも、一度加熱してしまった感情は収まらない。
「どうして私達には秘密にしてるんですか? 私達が弱くて頼りないからですか!」
身を乗り出し、声を荒げる。
士郎は唐突に激昂したティアナに対する驚きを浮かべ、仲裁を求めるようにスバルを見た。
けれどスバルも親友の豹変に戸惑っているだけで、場を収めることができずにいる。
私は、なんてことを―――
ティアナは思考の片隅で己の愚行を呪った。
情報管制が敷かれていることはとっくに分かっている。
セイバーから聞いた機密が数日後に正式発表されたように、聖杯絡みの情報は必要に応じて公開される取り決めになっていることが明らかだ。
それは明確な事実であり、同時に、一個人が勝手に情報を漏らしてはならないことの証明でもある。
なのに、ギルガメッシュというサーヴァントの存在が伏せられていた責任を、衛宮士郎に押し付けようとしている。
これを愚行と言わずになんと言うのか。
「貴方みたいな人には分からないかもしれないけど、私だって頑張ってるんです!
 強くなりたいって、頑張って…………それなのに…………」
声が潤む。
滲んだ視界の向こうでは、士郎が戸惑った表情でティアナを見上げている。
もう止められない。
後はもう全てを吐き出してしまうだけだ。
「それなのに……」
強い人――――
心も、身体も、自分よりずっと。
狂戦士を相手に怯むことなく、かつてはサーヴァントを倒したというほどに。

380 :
「私は……信頼されていないんですか……?」
倒すべき敵のことを明かされない。
それはつまり、彼らと共に戦う資格がないということ。
ティアナ・ランスターはその程度の力しか持たない、弱い人間なのだ。
そんなこと、分かっているつもりだった。
彼らや隊長達のような天才とは違う。
自分はサーヴァントと戦えるほどの力を持っていない……と。
だけど、現実を突きつけられるのは身を裂かれるように辛かった。
苦しくて、苦しくて、苦しくて、気が狂いそうだった。
『護られるだけの足手まといに過ぎない』と断言されてしまったかのように感じていた。
――その結果が、これだ。
「……ランスター」
士郎に名を呼ばれ、ティアナはびくりと肩を震わせた。
興奮状態から一転し、この場所に居たくないという衝動が、胸の奥底から湧き上がってくる。
名前を呼んだその口は、次にどんな言葉を紡ぐのか。
慰めか。憤りか。説教か。同情か。型に嵌った綺麗事か。
たとえどんな言葉だとしても、今のティアナには耐えられそうにない劇薬だった。
「あ、あ……」
喉が震えて声が出ない。
激情の冷めた思考回路は後悔の渦に沈んでいた。
「……ごめんなさい!」
どうにかしてその一言を絞り出し、ティアナは弾かれるように駆け出した。
自己嫌悪が胸をぎりぎりと締め付ける。
何故あんなことを言ってしまったのだろう。
何故エミヤ三尉にぶつけてしまったのだろう。
この愚行そのものが、己の精神的な弱さを浮き彫りにしたようなものではないか。
「ホントに……莫迦だ……!」
後ろの方からスバルの声がしたけれど、今更足を止める度胸なんてない。
いっそ消え去ってしまいたいという思いを抱えたまま、ティアナは訓練場から走り去った。

381 :
以上で投下終了です
ヴィータの出番まで書きたかったけど、長くなりそうだから泣く泣く次へ

382 :
おつ

383 :
これはフラグが立ったと解釈してよろしいのか
度々いわれてるが、士郎は凡才だけど努力して(明後日の方向に)結果を出してるある意味なのは以上の理想形だし。
まあ、ほんとの理想形といえるのは黒助だろうけど

384 :
スバルってバサカ並みの怪力じゃなかったっけ?技量は未知数だが腕力だけなら

385 :
リリナイ氏乙!
五次関係者一同「またお前か」
うむ、正常な反応だ
なんかもうティートと言っていいほどじっくり書かれてますな
過去のなのはと似た所のあるキャラとしてStSで描かれた彼女ですが、卑屈になる・ならないが大きな違いか
そろそろ大ポカやらかす頃かな?
士郎はまだ投影やらUBWやら別の才能があるが、クロノは猫先生から才能ナシのお墨付きをもらった生粋の努力型だったな
努力だけで才能ある者に並ぶ凡才がいてもいい
同時に、努力に励む天才がいてもいい
凡才の努力家にその努力量を異常と言わしめる天才の努力家がいてもいい

386 :
ゴチャゴチャ考えてて、割と主人公向きだよな、ティアナは。
アニメ後半のオープニングだと、なのはとスバルがメインみたいに描かれてたけど、ティアナの方が内面が想像し易くてメインにし易いよ。

387 :
よく言われることだが、都築作品主人公は成長要素があまり無いからな
悩みはあっても人格は物語開始時点でほぼ完成してて、心の成長はヒロインの役目で主人公はその成長を支え見守る
なんつーか古いタイプの主人公
そういった意味ではなのはは本当に主人公してる
ヴィヴィオを含め、これまでの主人公は自分で選んで力を得たヒーロータイプだが、Forceのトーマは巻き込まれた被害者で等身大の主人公だと言ってたな

388 :
成長要素っていっても、最近のアニメは尺短いから、そこらは仕方あるまい。
ティアナが主人公向きってのは同意。
StSの時間軸だとティアナは使いやすいよな。

389 :
GODの限定PV見てきたが
雷刃「強くて凄くてカッコイイー!
そう、やっぱり僕最強ー!!」
統「生まれ変わって手に入れた、王たるこの身の無敵の力!
無敵!無限!我こそが王よ!!」アミタの必ザ・ワールド

390 :
なのはが出会うのがユーノじゃなくゾーゲン虫というほのぼの話はありませんか?

391 :
毎回虫にナニされて魔力をチャージしてから変身する魔法少女か

392 :
>>391
ただいま寄生中でググるといい

393 :
あさりよしとおかよ

394 :
最近規制されてしばらく離れてたが、すっかり勢いなくしてるなあ。
とりあえずvividとかForceとか見たが、「万が一」とか考えて手の内知っといた方がいいからというなのはさんはさすがだと思ったw

395 :
張り付いてるけどレスポンス無さすぎで書き込みづらい俺
戦いながら相手を看るのが楽しいらしいし、ただ育ててみたいだけかと思いきや先のことも考えてるよな
そこだけ聞くと凄く物騒だがw
集束魔法伝授されたくさいミウラだが、集束魔力注ぎ込んだブーストはロマン

396 :
収束魔法は確かに浪漫。
だけど、リリカルなのは世界では思えばシリーズごとに前回での主人公側の有利が覆されていく設定が付与されている感じがあるなあ。
A'sでは砲撃に対して接近戦を挑む相手が出てきて
StSではなのはの魔法を阻害するAMFがでてきて
そして今のForceでは魔法そのものがまったく通じないときてる。
Forceはペースが遅いので、今後クロスに混ぜるとしてもVivid中心になるだろうな

397 :
現状対策が不十分な一般感染者のさらに上位個体だから手の内知っておかないわけにはな
実際歯が立たなかったし
射程内にいるだけでぬっされるようなもんにどう対策取るねんて思うが
インターミドル優勝者は文句無しに世界最強(の未成年)らしいが、やはり参加は管理世界に限られるんだろうな
TKOで勝ち進んでる魔女っ子だがその一族が出てきたら面白そう
色々と秘匿してそうで

398 :
まあお約束の展開として、決勝とか近くになって、管理外世界で密かに継承されてきた聖王流の使い手とかでてきてヴィヴィオと対決するとかあるんじゃね?

399 :
ふとwiki見たらカレイドの23話が入ってなかった

400 :
今さらだけどリリナイのなのはさんには令呪あったよな
セイバーと契約してるとかだと思っていたが違ったのね

401 :
>>400
令呪になる前の聖痕だよ
英霊召喚したら令呪に変化するけど、その前のミミズ腫れっぽい奴

402 :
>>401
あれ、そうだったか
読み直してこよう

403 :
コンマテ4出たけど、没企画サーヴァントが10人くらい出てた
ジークフリートとかジャンヌとかゲオルギウスとかのメジャーや、アトランテやスパルタカスなんて渋い英雄も
ジャンヌは対魔力EX(周囲関係なくあらゆる魔術が逸れる)、聖人スキル(次から1つ:秘蹟補助・カリスマ上昇・ターン回復・聖骸布作成)持ちの自爆宝具持ち
オリヴィエの聖王が聖人スキルの上位互換で良さそうなので、これは朗報だな
で、問題児のカルナさん
たぶん、ヘラクレスとルーを足して3で割って小型核ミサイル10本つけたくらいの強さ
出たよ出ちゃったよまさかの対国宝具
核兵器に例えられるとか、英雄王のインド核はこれか?
加えて鎧も神でも破壊困難
宝具ランクEX
EXランク宝具ではなく、最強の証である宝具ランクEX
さすが最高神の化身とも言われるガチ戦闘系の上位神霊

404 :
こういうのって本編より強いのが多かったりするよな
買ってないからわからんが、没になったのはインフレさせすぎたからとかかな
>オリヴィエの聖王が聖人スキルの上位互換で良さそう


405 :
空気読まずに、Lyrical Night23話投下します

406 :
第23話「For whom?」
 ―― 十四日目 AM10:35――
ミッドチルダ時間、午前十時三十五分。
管理局の凡その部署と同様に、機動六課も日々の業務に取り掛かる時刻。
出勤した隊員達がいつものように施設を行き交い、敷地内に独特の雰囲気が満ちていく。
そんな中、ヴィータは廊下を脇目も振らずに走っていた。
「くそっ……。何であたしがこんなこと……!」
頻りに毒づいているものの、足を止める気配はない。
ただ只管に、屋外訓練場までの最短ルートを一直線に駆け抜けていく。
警備担当の局員に尋ねたところ、衛宮士郎は隊に戻るなり訓練場へ直行したらしい。
怪我人のくせにどういうつもりなのだろう。
「ヴィータ副隊長!?」
「どうかしたんですか?」
隊員達とすれ違うたびに、驚きと好奇の入り混じった眼差しが向けられる。
怪訝な目で見られるのは無理もない。
今のヴィータの格好は、副隊長という立場にまるでそぐわないのだ。
いつもの三つ編ではなく、背中に流したままの髪。
六課の制服ではなく、普通の少女が着るような服。
どれを取っても、職場に出勤した士官の格好ではない。
『何か緊急事態でもあったのか』と勘ぐられるのは当然だ。
「野暮用だ! 気にすんな!」
ヴィータは隊員達の声を適当にあしらった。
いちいち立ち止まって説明するなんて、面倒くさいにも程がある。
第一、どうやって事情を他人に説明しろというのだ。
向こう見ずな大馬鹿野郎が病院を抜け出したので、居ても立ってもいられず追いかけた、とでも告げるのか。
そんなこと、口が裂けても言えるものか。
何やら作業中だった隊員を押しのけ、ヴィータは屋外訓練場に足を踏み入れた。
朝方の風がふわりと髪を揺らす。
少し奥へ進むと、林の向こうから複数人の声が聞こえてきた。
ティアナとスバル――そして士郎。
話の内容は聞き取れないが、談笑しているわけではなさそうだ。
「訓練できる体調じゃないだろうに……何やってるんだ?」
ヴィータは士郎達の会話に加わろうと歩き出した。
会話が弾んでいるところ悪いが、少しばかり士郎を借りてこよう。
ここまで振り回されたのだ。いっそ説教でもしてやらなければ気が済まない。
そんなことを考えながら、ヴィータは木陰から顔を出し――
「私達が弱くて頼りないからですか!」
――咄嗟に幹の後ろに身を隠した。
突然の出来事に心臓が激しく鳴っている。
「貴方みたいな人には分からないかもしれないけど、私だって頑張ってるんです!」

407 :
ヴィータは幹に身体を隠したまま、こっそり三人の様子を窺った。
地面に座り込んだ士郎に対して、ティアナが必死に食って掛かっている。
スバルはその傍で戸惑っているだけだ。
一体どういう状況なのか、さっぱり分からない。
はっきりしているのは、ティアナと士郎の間に軋轢が生じてしまったということだけだ。
「強くなりたいって、頑張って…………それなのに…………」
ティアナは涙ぐみながら訴え続ける。
強くなりたい。
強くありたい。
純朴な理想の前に立ちはだかる、現実という壁の存在を。
「それなのに……私は……信頼されていないんですか……?」
今にも泣き出してしまいそうな横顔だ。
ヴィータは幹に背を預け、口をきつく引き結んだ。
ティアナが激情を露わにした経緯は分からない。
けれど、彼女にとっては譲ることのできない『何か』があったのだろう。
「…………」
「…………」
不意に会話が小さくなる。
ティアナと士郎が、何やら短い言葉を交わしているようだ。
しかし、ヴィータのところまでは声が届いてこない。
どうにか聞き取れないかと身を乗り出した瞬間、ティアナが弾かれるように駆け出した。
「ティアナ!」
その後を追ってスバルも走り出す。
ヴィータは唖然としたまま、その光景を見やっていた。
何が起きたのか即座に理解することができなかった。
「アイツ何言いやがったんだ……?」
一人残された士郎を、ヴィータは身を隠したまま睨みつけた。
聞き取れなかった会話の中身は見当もつかない。
けれど、それがティアナをおかしくさせたのは明白である。
「おい! エミヤ――――」
士郎がティアナを追って立ち上がろうとした瞬間、ヴィータは木陰から飛び出した。
直後、士郎の身体がぐらりと傾く。
士郎は苦痛に顔を歪め、地面に膝を突いた。
シャツの胸元に赤黒い血が滲む。
「ぐっ―――」
「―――なっ!?」
ヴィータはフリーズしかけた思考をたたき起こして、士郎の傍に駆け寄った。
袈裟懸けに刻まれた胸の傷。
流血はそこから滲み出ている。
「この馬鹿っ! やっぱり塞がりきってねーんだろ……」
思わずきつい言葉が口を突いて出る。
しかし、ヴィータは血の気が引くのを自覚せずにはいられなかった。
自分が青いボディスーツの女に勝ってさえいれば、こんな傷を負わさせることもなかったのだ。
どうしても少なからぬ自責の念を感じてしまう。

408 :
「大丈夫だ……気にしないでいいから」
そんなヴィータの心境を知ってか知らずか、士郎はそう呟いた。
呼吸は荒く、額はに大粒の汗が浮かんでいる。
ヴィータは歯を噛み締めた。
一体何が大丈夫だというのだ。明らかに激痛を堪えている顔ではないか。
逆上にも似た怒りが喉元まで上ってくる。
だが、ヴィータは辛うじてそれを飲み込み、努めて冷静な態度で声を掛けた。
「さっきティアナが走っていったけど、何があったんだ?」
あえて傷のことから話を逸らす。
『傷は痛むのか』と問い質してみたところで、この男は頑なに否定し続けるに違いない。
無謀を厭わない者が、無謀を諌める声に耳を貸すわけがないのだ。
それに、胸からの出血も大分収まってきている。
いきなり身体を動かしたせいで、塞がりかけの傷口が少し開いただけなのだろう。
「……どこから聞いてたんだ?」
「自分達が弱くて頼りないからなのか――って怒鳴ってたところからだな」
ヴィータは正直に答えた。
どうやら士郎は、別に盗み聞きを咎めるつもりはないらしい。
ならば包み隠さず答えたほうが懸命だ。
「そうか……」
士郎は短い前髪をくしゃりと掻き乱した。
俯き気味のその顔からは、明らかな困惑と後悔の色が見て取れる。
そのまま数秒ほど躊躇してから、士郎は囁くように事情を口にした。
「『どうして大切な情報を秘密にしてるんだ』って言われたんだ」
「…………秘密って、おい…………」
ヴィータは思わず口篭った。
立ち聞きしたティアナの発言と、士郎の証言。
この二つを繋ぎ合わせるのは、余りにも容易過ぎる。
重要な情報を与えられていないという事実――
それによる疎外感がティアナを苦しめているのだ。
「くそっ……考えてみりゃ当たり前だ」
苦々しく呟き、ぎゅっと唇を噛む。
犯罪捜査において、事件に関連する情報は何よりも重要なファクターである。
事件に至る顛末を把握し、推定される犯人像を共有し、関係者との連携を密にする……
それらは捜査の基本中の基本であり、欠かすことのできない基本原則だ。
だが、今回は少しばかり状況が異なってる。
政治的に複雑な事情のため、ティアナのような末端の局員には、正確な知識や情報が与えられていないのだ。
"聖杯"がミッドチルダに齎された経緯。
"サーヴァント"なる『召喚獣』の正体。
捜査協力者たる"魔術教会"の存在、並びに衛宮士郎達の来歴。
これらは高度の情報統制を受け、機動六課の中枢部と一部の将官クラスを除いて秘匿されている。
ヴィータ自身、それが任務遂行の支障になることは想定していた。
しかし情報統制を受けているという事実そのものが、新人達のプライドを傷つけるというのは想定外の展開だった。
「俺も、本人から聞くまで気付けなかった」
士郎の言葉はどことなく沈んでいた。
声のトーンを落とし、悔やむように訥々と喋り続ける。

409 :
「何が『力になれることがあるなら』だ。何も出来てないじゃないか……」
「エミヤが気に病む必要なんかねぇって」
ヴィータは士郎の自責に割って入った。
「ティアナはあたし達の部下だ。あいつが悩んでるなら、あたし達が真っ先に気付かなきゃ駄目だったんだ。
 あんたにそこまで責任を負わせるわけにはいかねーよ」
そう。衛宮士郎という男にとって、ティアナは一時的な共闘関係にあるに過ぎないはずなのだ。
メンタル面のフォローに手が回らないのも当然であり、むしろそれをやらせようというほうが間違っている。
むしろ、ティアナの件で責を負うべきなのはヴィータのほうだろう。
「副隊長としてあるまじき失態って奴だな……。
 他の心配事に気を取られて、新人に向ける注意が疎かになってたんだ」
陸上部隊の場合、新人陸士の教育は主に陸曹クラスや先任の陸士が行う。
しかしスターズ分隊とライトニング分隊では、下士官に相当する兵が欠落している上、陸士も新人しか在籍していない。
そのため、士官クラスである隊長と副隊長が新人教育を直接担う、ある意味で歪な運用形態を採っていた。
歪ではあるが、豊富な実戦経験を直に伝えられるという利点を持つ体制でもあった。
だが、今回はこの体制が裏目に出た。
"聖杯"の出現に"サーヴァント"の召喚――それらとレリックの関係性。
ここ半月、機動六課にとって無視できない大事件が連続的に勃発している。
隊長陣は管理局内外との会議や折衝に追われる日々が続き、従来の業務に注力できていない。
シグナムも事件の調査に駆り出されることが多く、新人教育に関わる時間は殆どなかったはずだ。
「あたしがしっかりしてなきゃいけなかったのに……」
―――不甲斐ない。
ヴィータは己の横っ面を殴りつけたい衝動に駆られた。
他の隊長や副隊長が忙される中、新人達の状態を最も間近で把握していたのは、他ならぬヴィータ自身である。
それなのに、これまで一体何をしていたのか。
事件のことや私的なことばかり気にかけて、ティアナの変調を見落としてしまったのではないのか。
「いや、俺にも責任はある」
そう言って士郎は首を振った。
「何日か前に、ナカジマから相談されてるんだ。ランスターの様子がおかしいって。
 たぶん、高町達が忙しすぎたから俺に相談したんだと思う」
士郎は木の幹にもたれ掛かり、苦しそうな吐息の合間を縫って話し続ける。
額に浮かんだ脂汗の粒が、顔の起伏に沿って滴り落ちていく。
胸からの出血が収まったとはいえ、傷の痛みまで消えたわけではないのだろう。
「けど、俺に出来ることなんか殆どなかったからさ。
 魔術の腕は他人に教えられる程じゃじゃないし、ランスターのことをよく知らないから、相談にも乗ってやれない。
 だからせめて訓練の相手くらいはと思ったけど……結局、何の力にもなれなかった」
「………………」
ヴィータは短く息を吐いた。
士郎の物言いからは誇張や偽りは感じられない。
今、この男は本心を曝け出しているはずだ。
ただし、それは意外を通り越して、尊敬の念すら感じてしまう代物であるのだが。
「そんな理由で病院から脱走したのか?」

410 :
呆れた―――心底呆れ返った。
一時は意識を失うほどの重傷を負ったというのに、他人のために病室を抜け出すなんて。
勿論、それが『親しい人』や『大切な人』のためというなら共感できる。
しかし、新人達と士郎は半月前に会ったばかりの間柄に過ぎず、そんな命令など下っていない。
これはもう、お人好しというよりも―――
「……馬鹿だろ、アンタ」
「はは……よく言われるよ」
自分のことよりも、付き合いの浅い他人のことを優先する。
きっと世間一般では『善人』と呼ばれる性格だろう。
それは紛れもない美徳だ。
けれど、美徳も度が過ぎれば欠点となる。
「笑い事じゃねーぞ!」
ヴィータは思わず士郎の胸倉に掴みかかった。
ティアナの件で一時的に静まっていた苛立ちが、再び鎌首をもたげてくる。
「こんな無茶ばかりしてたら、いつか酷いことになるに決まってる!
 溜まりに溜まったツケが最悪のタイミングで爆発して! それで……!」
―――脳裏を過ぎる鮮やかな光景。
白いバリアジャケットを染める鮮血。
腕の中で冷たくなっていくなのはの身体。
心が真っ黒に塗り潰される音を、ヴィータは一生忘れられないだろう。
「あたしは……そんなの、もう見たくねぇんだ……」
きつく握り締められたシャツから、赤い血がじわりと絞り出される。
士郎が負った傷は紛れもない重傷だった。
医者の見立てによると、あと二センチ深く踏み込まれていたら、心臓に致命的な傷を負っていたかもしれないという。
僅か二日で歩き回れていること自体が、ある種の奇跡のようなものなのだ。
「ヴィータ…………」
士郎はヴィータの急変に目を丸くしている。
無理もないだろう。
事情を知らない士郎にしてみれば、ヴィータが唐突に取り乱したようにしか見えないはずだ。
それでもヴィータは感情を抑えることができなかった。
「頼むから、無理だけはしないでくれ……」
「……ごめん」
士郎の返答はひどく簡潔なものだった。
たった一言の謝罪の言葉。
しかし、それは無謀を冒したことへの謝意ではない。
「ごめん……。俺には、こんなやり方しかできそうにない」
ヴィータの瞳をまっすぐ見上げ、士郎はそう言い切った。
微塵の迷いも躊躇いもなく、無謀な生を送ることしかできないと断言したのだ。
それこそが真実であると確信した眼差しが、ヴィータの青い瞳を見据える。
「……っ!」
ヴィータは思わず目線を逸らした。
掴んだままの胸倉を突き放し、士郎に背を向ける。

411 :
「勝手にしろ!」
色々な感情が入り交ざって、頭の中がぐちゃくちゃになっていた。
あの男は無謀な生き方しかできないと自覚していて。
そんな人生を変えるつもりなんかなくて。
けれど、それを『ごめん』と言うような変な奴で。
まったく訳が分からない。
そのとき、ヴィータの後ろで士郎が立ち上がる音がした。
「え、おい、どこ行くんだよ」
「決まってるだろ。ランスターを追いかけないと」
ふらつく足取りで歩き出す士郎。
ヴィータはその裾を引っ掴み、強引に歩みを止めた。
「お前は―――!」
お前は馬鹿か。
そう言い掛けて、ヴィータは口を閉じる。
これは無意味なこと極まりない一言だ。
衛宮士郎という男は、自覚症状のある馬鹿野郎なのだ。
そんな相手に『馬鹿か』と言っても止められるわけがない。
「―――行かなくてもいいんだよ。
 ティアナのことはスバルが良く知ってる。あたしよりもな」
一言ずつ、区切るように喋っていく。
こうやって話すことで、熱くなりすぎた思考回路が少しずつ冷えていく。
「だから今はスバルに任せとけ」
機動六課の他の誰よりも、スバルはティアナのことを知っている。
新参者や上官が相談に『乗ってやろう』と言い出すより、ずっと心安く話せる相手だろう。
士郎もそれを自覚していたらしく、足を止めてヴィータへ向き直った。
「なぁ、ヴィータ」
「で、アンタはまず医務室に行け! まずはさっさと包帯巻き直してこい! 着替えもあるから!
 それが終わったら病院に戻って診察! 早期退院できるように申請しといてやるから! 分かったな!」
士郎が何か言い出すより先に、ヴィータは畳み掛けるように命令を飛ばした。
こういうときは勢いで圧したほうが懸命だ。
「分かったら復唱!」
「わ、分かった」
さしもの士郎も、ヴィータの勢いに負けたのか、大人しく返答した。
ヴィータは腰に手をあて、ふん、と鼻を鳴らした。
もしかしたら、最初からこうやっていたほうが良かったのかもしれない。
「けど、病院に行くのはヴィータと二人でだな」
「は? 何言って……」

412 :
士郎の顔を見上げようとして、頭を上向きに傾ける。
その瞬間、空がぐるぐると回転し、視界が隅の方から急速に黒ずんでいく。
「……あれ……?」
奇妙な浮遊感の中、ヴィータは自分の体が仰向けに倒れていくのを感じていた。
平衡感覚や上下感覚がまるで働かない。
立ち眩み―――それもとびっきり酷い奴だ。
『しまった』と悔やんだときには、もう遅い。
重傷を負っていたのは士郎だけではなかったのだ。
ヴィータ自身の負傷も、どう見積もっても軽傷とは言いがたい。
それを失念していた原因は、士郎への憤慨と少なからぬ慢心。
ヴォルケンリッターという人外の存在であるという油断が、ダメージの深刻さを甘く考えさせたのだ。
「おっと!」
そのまま転倒するかと思われた瞬間、大きな手がヴィータの背中を支えた。
頭に張っていた黒い靄が、時間の経過と共に薄れていく。
視界に写ったのは、澄み渡った青空と、見慣れてきた男の顔。
意地っ張りの大馬鹿が心配そうにヴィータの顔を覗き込んでいた。
「……悪ぃ、もう大丈夫だ」
ヴィータは逃げるようにして、士郎の腕から離れた。
無茶を咎めた直後にこの様とは、幾らなんでも情けなさ過ぎる。
「やっぱりヴィータも病院から抜け出して来たんだろ」
「う……」
隠しきれるとは思っていたわけではないが、面と向かって指摘されると、流石に気まずくなる。
ヴィータは士郎から視線を逸らしながら、さり気なく後髪を手櫛で梳いた。
櫛も入れていない長髪に、ただ動きやすいだけの私服。
今のヴィータの服装は、お世辞にもきまりのいい格好とは言えない。
「アンタが脱走しなけりゃ、あたしだって大人しくしてたんだよ」
それらしい憎まれ口を叩きながら、ヴィータは思考を巡らせる。
ヴォルケンリッターであるということに慢心し、被害を甘く見積もりすぎたのは事実だ。
しかし、そもそもヴィータの実態はプログラム体であり、人間とは根底的に造りが異なる。
それを思えば、むしろこの程度で重体となっているほうがおかしいのではないか。
これではまるで、人間のような―――
「そりゃそうだけどさ。そっちこそ、あまり無茶するなよ。ヴィータは女の子なんだから」

413 :
―――ぷつん、と。
思索の糸が千切れる音がした。
「…………はは、ははは」
ヴィータは待機状態のグラーフアイゼンに手をかけた。
そして、そのまま握り潰さんばかりに力を込める。
「グラーフアイゼン。ギガントフォルムだ」
≪Meister!?≫
士郎の放った呟きは、面白いくらいにヴィータの神経を逆撫でした。
頭の中で渦巻いていた雑念が消え、思考が急速にクリアになっていく。
理由はよく分からない。
分からないが、どうしようもなく腹立たしくなったのだ。
≪Beruhigen Sie sich bitte.≫
落ち着くよう進言するデバイスの声も、今のヴィータの耳には届かない。
獰猛な笑みを浮かべ、掌に拳を打ちつけながら、士郎へ一歩ずつ歩み寄る。
つい先ほど倒れ掛けたばかりという事実は、もはや思慮の埒外だ。
「お、おい。ヴィータ?」
士郎は戸惑った様子で後ずさった。
どうやら、自分の一言が相手を怒らせたことに気付いていないらしい。
これはもう身体に直接教え込まなければ。
「よく分かんないけど、落ち着けって」
「うるさい! いいから逃げるな!」
逃亡の隙を与えず飛び掛る。
数秒後、訓練場に二人の怪我人の怒号と悲鳴が響き渡った。

414 :
以上で投下終了です
今回はちょっと短めかも

415 :
久々に乙!
起きてからじっくり読ませてもらいまする

416 :
乙!
ヴィータと士郎のコンビイイね!

417 :
乙!
何このラブコメ
ニヤニヤせざるを得ない

418 :
BJに特攻服が出たなりぃ
最近の若い子はファッション感覚なのか

419 :
バリヤジャケットが部隊で統一されないのはデバイスの問題だろうか
アースラ隊とかは一緒だっただけに
>>404
買ってきた
アポクリファはネトゲで聖杯戦争しよう(キーキャラはジャンヌ)ってもので、ウロブチ他の色々な人がサーヴァント考えたが企画ごとポシャった
耐久EXのドMスパルタクス、女フランケン、水着切り裂きジャック、成金な坂田金時、偽弁慶、明らかに弱キャラの男の娘アストロフォなどなど個性の強さはフェイク並みだけに惜しい
カルナはきのこ考案のインド神話の半神英雄
英雄としてはヘラクレス(神話)よりの名誉がないクー・フーリンって感じ
余りある実力を発揮できぬ不遇の大英雄
スキル数的におそらく知名度補正のマイナスをそこまで受けてないので、地元アーサー、クー・フーリン、イスカンダル他も同じように酷い性能となる可能性大

420 :
まあアポクリファ鯖は知名度補正でオミットなんて考慮されずに
スキルも宝具も挙げられるだけ挙げたってとこだろうな
というかジャンヌが大英雄クラスの能力値なのに驚いたw
そしてジークフリードが意外と控えめなところにも

421 :
>>420
アストルフォ「槍と戦車と本オミットされた・・・・・・」

422 :
アストルフォさん本人貧弱なライダーのくせに宝具も貧弱だからな
魔術師でも逃げ出すが、魔術に強いサーヴァントなら耐えられる敵退散宝具一個とかまじロックンロール
しかもでっかい角笛吹かなきゃならんとか隙大きすぎ
もうハサン以下と言ってよかろう
ジャンヌは重要NPCだし、型月だと抑止の後押し受けた英雄の代表の疑いあるし、現代フランスの町娘があれだから
フランス内だとローラン、カール大帝、ナポレオンと首位争いする英雄だろからねえ

423 :
しかしライダークラスなんだから乗り物もってなくちゃおかしいよな
ヒッポグリフは幻獣ランクの幻想種だし、これに乗ってればそれなりに強そうだが

424 :
買ったった買ったったエクストラマテリアル
とりあえず、紹介を兼ねて打ち込むぜえ
一応、公式と言ってもボツ企画だから正式なデータでないのに注意
ヴラド三世とかいますよ
自分が少しだけ省略や注釈を入れてるのにも注意
>>403
最高神の化身の神霊ってカルナじゃなくてカルキの方ではないかな

425 :
【キャッチコピー】竜血の騎士
【真名】ジークフリード 【クラス】セイバー(ライダー)
【出典】ニーベルンゲンの歌 【地域】ドイツ
【属性】混沌・善 【性別】男
【身長・体重】190cm・70kg
【武装】剣(身の丈ほどの大剣)
【ステータス】筋力B+ 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運E 宝具A
【スキル】
【宝具】バルムンク、etc
【備考】不死身、発話障害、財宝持ち、王、胸部と首に発光、背中に菩提樹の葉跡(弱点)
【キャッチコピー】太陽神の子
【真名】カルナ 【クラス】ランサー(アーチャー、ライダー)
【出典】マハーバーラタ 【地域】インド
【属性】混沌・悪(正しくは秩序・善)【性別】男
【身長・体重】178cm・65kg
【武装】槍(黒炎の刃だけで本人を超える巨大なサンライトハート)
【ステータス】筋力B 耐久C 敏捷A 魔力B 幸運D 宝具EX

426 :
【スキル】
『対魔力』 C:ただし宝具である黄金の鎧の効果を受けているときは、この限りではない。
『貧者の見識』 A:
 相手の性格・属性を見抜く眼力。言葉による弁明、詐欺に騙されない。
 天涯孤独の身から弱きものの生と価値を問う機会に恵まれたカルナが持つ、相手の本質を掴む力を表す。
『騎乗』 A
『無冠の武芸』(-):
 様々な理由から他者に認められなかった武具の技量。
 相手からは剣、槍、弓、騎乗、神性のランクが実際のものより一段階低く見える。
 真名が明らかになるとこの効果は消滅。
 
『魔力放出(炎)』 A:カルナの場合、燃え盛る炎が魔力となって使用武器に宿る。このスキルは常時発動しており、カルナが握った武器はすべてこの効果を受けることになる。
 
『神性』 A:
 太陽神スーリヤの息子であり、死後にスーリヤと一体化するカルナは、最高の神霊適性を持つ。
 この神霊適性は神性がB以下の太陽神系の英霊に対して、高い防御力を発揮する。

427 :
【宝具】
『日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ&クンダーラ)』
 カルナの母クンティーが未婚の母となることに恐怖を感じ、息子を守るためにスーリヤに願って与えた黄金の鎧と耳輪。
 太陽の輝きを放つ、強力な防御型宝具である。光そのものが形となった存在であるため、神々でさえ破壊は困難。
 カルナの肉体と一体化している。
『梵天よ、地を覆え(ブラフマーストラ)』:対軍、対国
 カルナがバラモンのパラシュラーマから授けられ対軍、対国宝具。
 クラスがアーチャーなら弓、他のクラスなら別の飛び道具として顕現する。
 ブラフマー神の名を唱えることで敵を追尾して絶対に命中するが、呪いにより実力が自分以上の相手には使用できない。
『梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)』
 隠されたカルナの宝具。奥の手。飛び道具のブラフマーストラに、カルナの属性である炎熱の効果を付与して発射する。
 もとより広い効果範囲を持つブラフマーストラの効果範囲をさらに広め、威力を格段に上昇させる。
 その性能は核兵器に例えられるほど。
『日輪よ、死に随(したが)え(ヴァサヴィ・シャクティ)』
 神々をも打ち倒す、一撃のみの光槍。雷光でできた必の槍。
 インドラが黄金の鎧を奪う際、カルナの姿勢があまりにも高潔であったため、それに報いねばならないと思い与えた。
 黄金の鎧と引き換えに顕現し、絶大な防御力の代わりに強力な“対神”性能の槍を装備する。
【備考】無慈悲、寡黙、思慮深い、義理堅い、不干渉的、本質を鋭く突くため嫌われる

428 :
ジークはTYPEMOON、カルナはきのこが設定
【キャッチコピー】串刺し公
【真名】ヴラド三世 【クラス】ランサー
【出典】史実 【地域】欧州
【属性】秩序・中庸 【性別】男
【身長・体重】190cm後半・80kg台
【武装】槍(白く繊細なダブルセイバー)
【ステータス】筋力C 耐久C 敏捷B 魔力A 幸運D 宝具B
【スキル】
『護国の鬼将』:
 あらかじめ地脈を確保しておくことにより、特定の範囲を“自らの領土”とする。
 この領土内の戦闘において領主であるヴラド三世は高い戦闘ボーナスを獲得できる。
 “極刑王(カズィクル・ベイ)”は、これで作成した領土内においてのみ行使可能な宝具である。
【宝具】
『極刑王(カズィクル・ベイ)』
 大地から大量の食いを出現させ、敵を串刺しにする。
 効果範囲は半径1km、杭の数は最大2万本に及ぶ。
 次第に数を増す杭は敵の退路を塞ぎ、時間が立つごとに回避を困難にする。
 また、杭の数が増すと呪的な心理効果が発生し、ミルモのに恐怖と精神的圧迫を与える。
『鮮血の伝承(レジェンド・オブ・ドラキュリア)』
 後の口伝によるドラキュラ像を具現化させ、吸血鬼へと変貌する。
 ドラキュラ伯となったブラドは通常のスキル・宝具を封印される代わりに、
 身体能力の大幅増幅、動物や霧への形態変化、治癒能力、魅了の魔眼といった特殊能力と、
 陽光や聖印という弱点を獲得する。
【備考】虚淵設定、祖国への強迫観念、気配り細やか、ドラキュラ物は大人な態度でスルーするが“うっかり”破壊してしまう

429 :
【キャッチコピー】荒法師
【真名】武蔵坊弁慶 (注:偽物です)【クラス】ランサー
【出典】『義経紀』『平家物語』他多数 【地域】日本
【属性】混沌・善 【性別】男
【身長・体重】199cm・88kg
【武装】七ツ道具(刀や長物)
【ステータス】筋力A 耐久B+ 敏捷C 魔力D 幸運C 宝具C
【スキル】
『くろがねの傳(いつき)』:
 そこにいるだけでマスターの身体能力を強化する。
 弁慶は数え六つで疱瘡にかかり肌が黒くなった。
 この色は母がつまりで鉄を食べたための生来の色とする説もある。
 傳(ふ、いつき)とは、神に仕える僕のこと。
 牛若を少年神と見ると、お供の弁慶は神話的な定番イメージに合致する。
『怨霊調伏』:
 “臨兵闘者皆陣列在前”の九字が成す、邪悪な呪いへの抵抗呪文。
 成功すれば敵の魔術を封じ込められる。
 演じるという海尊自身の属性と勧進帳のくだりに象徴される弁慶の即興能力により、
 魔術を封じるだけではなく、限定的ながら敵の魔術を覚えて使用することも可能になる。
『白紙の勧進帳』:
 対象が逆らうことの出来ない存在が発行した「宝具を使うな」という命令書を、その場で偽造する。
 判定に成功すれば命令書を信じる、信じないに関わりなく、対象は宝具を封印される。
 ターンごとに抵抗判定があり、抵抗に成功した場合、再び宝具が使用可能な状態に復帰する。

430 :
【宝具】
『八ツ道具』:威力 小
 対戦相手の英霊が持つ宝具を、七ツ道具の8つ目として奪い取る。
 こうして奪い取った宝具は、初めて見る武器でも使いこなすことができ、
 数ラウンド後には持ち主のマスターに投げ返してダメージを与える。
 宝具を手放す理由は能力的な制限というより、しばらくすると彼がその宝具の使い心地に飽きることにある。
『弁慶仏』:威力 中
 その場の空間を大長刀で荒々しく削り出し、荒法師の姿の分身を複数体生み出す。
 分身はすべて弁慶と同等の攻撃力を持ち、敵からの攻撃を引き受ける壁にもなる。
 一度の宝具使用で削り出される分身の数は1〜7体からランダムで、結果は使用した弁慶にも決められない。
 以後、弁慶の攻撃力は建材な分身の数だけ増加する。
『五百羅漢補陀洛渡海』:威力 大
 遊行聖の大行列を呼び出す。
 彼らは補陀洛渡海(西方浄土を目指し、棺桶のような舟に封じ込められ、流される即身成仏の行)の旅に出る者たちである。
 呼び出された行列はその場にいるすべてを進行方向へと押し流す。
 その場にいる者は抵抗判定に失敗するたび、強制的に移動させられ、最終的には浄土へ連れて行かれ成仏する。
 南無。
【備考】甚六さん設定。弁慶本人ではなく最後の合戦で逃げ出した常陸坊海尊が仙人となり弁慶を語り続ける、理想の弁慶を演じるひょうきん者

431 :
>>422
ダルタなんとかさんも首位争いに入れてあげようよ
あれ、こいつフランス人だっけ?

432 :
地球出身の最強魔導師といえば?
「エースオブエースことナノハちゃん!」
「使い魔を含めれば引退したグレアムではないかと」
「かの機動六課に他にもいる?ハハハ、フェイトは我らがミッド出身で、シグナムはベルカ出身だろ?」

433 :
【キャッチコピー】イスラエル王
【真名】ダビデ 【クラス】アーチャー
【出典】旧約聖書 【地域】ユダヤ・キリスト教文化圏
【属性】秩序・中庸 【性別】男
【身長・体重】171cm・62kg
【武装】スリング(投石紐で手のひら大の石を旋回させて投擲)
【ステータス】筋力C 耐久D 敏捷B 魔力C 幸運A 宝具B
【スキル】
『神の加護』:
 王者になると預言された優れた肉体と容姿。
 ライオンや熊の尻尾を掴んで叩きす俊敏さと腕力がある。
 彼は自分が復活せし者、ダビデ本人の魂を持つとは考えていないが、生前も今も神の使者であることに変わりはなく、
 神の恩寵を感じられればそれでよいと思っている。
『神性』:
 キリストの祖としての弱い神霊適性。ナザレのヨセフとほぼ同格にあたる。
 ダビデ自身はただの羊飼いにすぎない。
 しかし、キリストの威光(神の威光ではなく)を背景とする宝具、
 例えば“聖骸布”、“聖釘”、“聖槍”あるいは“聖杯”などに対しては、それなりの耐性を発揮する。
『竪琴の演奏』:
 イスラエル王国の王・サウルの悪霊を祓ったダビデの竪琴(キヌュラ)には破魔の効果があり、聞く者の精神を平穏に保つ。
 ダビデが竪琴を弾くあいだ、敵味方を問わず槍の命中率が極端に下がる。
 この竪琴による悪霊祓いのエピソードは、現代でいう音楽療法と解釈されることもある。
『カリスマ』:
 軍団を指揮する天性の才能。
 ダビデは2代目イスラエル王として全部族を舌だえ、32万を超える兵を率いてエルサレムを制圧した。
 彼の人生は戦争に次ぐ戦争であり、あまりに血塗られていたため、
 神が神殿の建築を許さなかったほどである(神殿建築の役割は息子・ソロモンに譲られた)。

434 :
【宝具】
『五つの石(Hamesh Avanim)』: 威力 小
 巨人ゴリアテを打ち倒した投石器。五つの石はダビデの寛容を表し、
 4発めまではあえてはずすことで警告を発するが、5射目は急所に必中する。
 サーヴァントならば一時的に意識を喪失し、
 その後、相手の主武装はダビデのものとなる(もしくは使用不能になる)。
 投射するものは単なる石が変容したものなので、無制限に補充が可能である。
『燔祭の火炎(Sacrifice)』: 威力 中
 旧約聖書・民数記にいう「神の命令によって燃え上がった、明るくもっともあつい熱をおびた火炎」。
 使用すると幻の香炉から立ち上がった紫の煙が相手を取り巻く。
 じきにシナイ山を思わせる雷雲と霧が立ちこめ、点より遣わされた業火が、
 神の意に沿わぬ者を一滴の血も残すことなく焼き尽くす。
 炎は全体で祭壇を形成する。
『契約の箱(Ark)』: 威力 特大
 モーゼが授かった十戒が刻まれた石版を収めた木箱。
 ペリシテ人を退けてエルサレムを掌握したイスラエル王ダビデは、
 そこを都と定めこの契約の箱を運び上げた。
 宝具としての効果範囲は狭いが絶対的であり、
 箱に触れた者の魔力を問答無用で奪い、す。
【備考】
さわやかイケメン、冷静なリアリスト、他者に敬意、ナイズバディーの女性が弱点で二言目には「妻に迎えたい」
踊りの才能は皆無だが大好き、寝取りで家臣を謀した

435 :
紹介乙。
相変わらず型月設定の英霊はぶっとんだ連中ばかりだな…つーか、ダビデだのカルナだの恐ろしいスペックだな…。
ここまでの強烈な連中にさえギル様は対抗できちゃう訳?
すげぇうそくせえw

436 :
つうかさあ
今更そんなの並べたって、基本はリリカル勢に身体強化魔法が確認できないという隙につけ込んで鯖tueeeただけだしな
筋力差とかどうすんだよ?
ロードローラー持てます、凄いねって程度の連中が
身の丈から数十倍にした鉄槌を振り回す奴に優勢ってもう失笑ものでしかなねえよ?
結局、ミサイルやレーザー避けてたのもあいつらが強かっただけじゃん
このまま幸せ回路全開で鯖tueeeするより、パワーバランス見直した方が良いんじゃね?

437 :
ダビデの契約の箱って自分では触れるのかな
契約の箱を武器に戦闘すれば、かなり強くね

438 :
小箱を振りかざして襲いかかってくるオッサンなんてシュールすぎる
>>436
まぁまぁ
Forceに期待しようず

439 :
だからさあ最初から戦力見誤ってたのにForceに期待も何もないっしょ?

440 :
ん? つまり魔導師とか騎士のが鯖より強いんだから、それで設定組み直せってこと?
パワーバランスなんて書き手がその話の中のご都合で決めればいいと思うよ。

441 :
オレもそれで良いと思うが偶に愚痴ぽくつっこまれるぐらいは義務だと思ってくれよ

442 :
ぐるぐる振り回すヴィータの新型物理ハンマーの最大加速した速度がセイバーの剣速と同じくらい(威力、手数は互いに異なる)だから、たぶん隊長クラスと三騎士サーヴァント全般が得手不得手を均すと対“強個体”存在としてどっこいどっこい
必技でさらに色々変化つくよー、だと思うよ
城に籠もった各27祖をどれだけ狩れるか(城ごと潰すのはあり)で評価すると何か分かるような気がする
>>437
問答無用だから本人も駄目な気がする
魔力を奪い取るからゴッドハンドをし切る展開に使えるかも

443 :
>>436
グラーフアイゼンの材質も分からないのに重さ比べとか、はっきり言って失笑モノだぞ
仮に鉄槌というのが文字通り「鉄」だとすると、ぶっちゃけ使いものにならないし
ギガントハンマーが「さらば、グラーフアイゼン! こんにちは、潰れかけた何か!」状態になってしまう
あと「重力に逆らって持ち上げる」のと「特に重力に逆らうわけでもなく動かす」のとでは必要な力が段違いだし

444 :
まぁ、そもそもスターダストフォールや錬鉄召喚みたいな物質操作魔法があるのに、
ヴィータだけは純然たる筋力のみでギガントシュラークを使ってるっていうのはちと無理があるんじゃ
あれを筋力だけで使ってるなら、通常のギガントフォルムの取り回しに困るなんてありえない
200kgのペンチプレス上げてる人が150円のペットボトルの扱いに苦慮するような比率だぞ

445 :
鉄の比重から考えると数千トンは優に超えるとからな
速度はsts編でレーザー避けから考えて光速以上となる
って考察するとクロスどころじゃなくなるしな
fateの筋力の描写はセイバーが時速400で迫る数トンコンクリを
前方に放物線上に放ったのが最大値だと思うけど
運動エネルギー換算しても、ヴィータには遠く及ばないからな
ってスゲーな
>>442
契約の箱を投げれば問題ない
そんなこと絶対にしないけれども

446 :
強さ議論は荒れるから嫌だなあ
けどROMってる人はいるのね。なんか安心したw
>>436
>基本はリリカル勢に身体強化魔法が確認できない
ちょっとまてwVIVID読んでるか?
つか無印の頃からバンバン使ってるだろ
>>444
デバイスの材質は確かに不明だなー
魔力刃は兎も角、実体剣の方は特に
偶に壊れたり砥ぐ奴がいたりとかまぁそんなん
ただ魔導士の筋力は結構スゴイかも
アインハルトの部屋にあるベンチプレスが大きさ的に300〜400kgはありそうだし
そこに魔力の強化が乗っかるわけだからぬ
まぁあれだ、皆でVIVID読もうぜ!!!!!!!
FORCEもよろしく!

447 :
>>445
数千トンの鉄なんて自分の落下の衝撃で自壊するわw
魔法でどうこうしてると考えるなら、動かす力だけ魔法を使わない謎仕様になってしまうし
>>446
素材関連で一番謎だと思うのが、グラーフアイゼンが砕けたことだな
金属製なら、砕けたりせずに延びたり曲がったり、精々千切れたりするはず
ダイヤモンドやガラスがハンマーで粉砕できるみたいに、極端に靭性が低い素材を使っているとしか考えられない

448 :
まあ、魔法的な金属でできたものを魔法的な手段で使用している、つまり魔法なんだろう>ギガントシュトラーク
あいつら普通にそら飛んでいるし、重力とかそういうのをどうにかできるんじゃね?
いくらなんでもその一事をもってヴィータの筋力すげーとかいうのは、ちょっと頭が悪すぎるw

449 :
重量を無視する体術とかその内両方に出るから気にしてはいけない
変身魔法の生物的なアレコレとかサーヴァントの服装の時代的なアレコレとか深く考えてはいけない
なぜゲイボルクが中らないのか?そういうことだ

450 :
古代ケルトの戦士は全裸にボディペイントだったということは考えちゃいけないな

451 :
>>448
どっちでもいいが、そっちのほうが凶悪な性能になりそうだな

452 :
Forceの人型端末ラプターが人間の数十倍の筋力と一応の指標があるな
人間の数十倍程度で極超音速のハンマーとか振れるんだろうか?
AEC装備使える様に調整されてるらしいが

453 :
それにはまずあの世界の人間の定義から考察せんとな

454 :
魔法とかジェットとか電磁加速とか慣性制御とか、Asで見せたヴィータの独楽ハンマーとか

455 :
酒呑童子って美少女鬼でゴールデンさんったら惚れてたのかよ
武装もカートリッジ式の電動マサカリとかフリーダムすぎるだろ
外見もフェイトちゃんそっくりだし、色々と許せんな金太郎

456 :
ライタ画のフェイトちゃんとな!

457 :
ボツ企画サーヴァントの画像一覧
ttp://typemoon.wikia.com/wiki/List_of_Fate/Apocrypha_characters
>>455
そんな餌に俺がつられクマー!
どう見ても違いますありがとうございました
まあ、ゴールデン氏の宝具は15発のカートリッジで威力を上げたり、3発つかって対軍宝具にしたりとリリカルチックでバルディッシュと呼びたくなる
あれ、紫電一閃とか叫んでも真名開放できそうだなあ

458 :
ゴールデン・イーター!!
カートリッジ、リロード!ガシュッガシュッガシュッ
ゴオォォォルデェン・スパァアアアクッ!!!
俺の名はゴールデン
そう、プロゴルファー猿や!

459 :
いや、ガチで金太郎は何かがおかしい
ヴァルケンリッターの一因なんじゃないか

460 :
伊吹萃香もどきに惚れてるバルディッシュもどきを持った金太郎
特異な点を一行でまとめてみたが、確かに何かがおかしいな

461 :
>>459
逆に考えるんだ
金太郎がザフィーラのデザインモチーフになった、そう考え…無理だ

462 :
金ちゃんの顔どっかで見たようなと思ったらアイシ21の阿含だったわ
中身はだいぶ違うみたいだが

463 :
フェイトとゴールデンが合体したら顔だけ金太郎の電気(人面)になりそう

464 :
>>463
それもう伝奇妖女

465 :
Fate/Apocryphaはどうにかして
PCなり携帯ゲーム機なりでADVかRPGに作り替えた形で出ないかと思う
もし実現したらジル・ド・レェとジャンヌの絡みを作ってほしい
ジャンヌに執着している彼だから
もしジャンヌ本人に出会えたらそして共闘関係を結べたら
歓喜のあまり一時的に正気に戻るかもしれない
最終的に彼女に討たれることになっても満足した顔できそうな気がする

466 :
ジャンヌっぽい人連れてきてあげれ

467 :
じゃあワールドヒーローズから

468 :
金ちゃんとギルっちが対峙したらどうなるか

469 :
最近のおすすめを教えて下さい。
熱い作品求めてます

470 :
まずsageます

471 :
次に服を脱ぎます

472 :
そして足を広げます

473 :
そこに蜂蜜を塗りたくります

474 :
あとはアリクイを召喚して

475 :
ディープキスを堪能します。

476 :
さらにそこから

477 :
穿ります

478 :
いつまでやってんだ塵芥共

479 :
木偶風情が王を騙るか。

480 :
サーヴァントにも男の娘の波が来たし

481 :
なのはには僕っ娘一大ムーブメントが
と思ったらミウラちゃん最下位だったでござる

482 :
そろそろ投下がほしい頃合い

483 :
ここしばらくPCから物理的に離れてた、
そして明日からまたはなれるのでその前に
カレイドスコープ二十四話『隼燕月火』を投下します

484 :

#1
「はあぁぁぁぁぁぁ!!」
剛と柔、二つの剣が交錯する
打ち合わせること数合、シグナムは柳に風と自分の剣を受け流す相手の技量に驚嘆した
フェイトの扱うバルディッシュ・ザンバーフォーム程ではないにしても、
相手の剣は分類するなら野太刀などと呼ばれる長尺刀の類である
にもかかわらず相手は自分と同等か、それ以上の速度をもって
自分の剣を受け流し、そらしてみせるのである
それでもシュランゲフォルムを使えば楽に勝てるだろうが―――と思いつつ、
シグナムはあえてシュベルトフォルムでの勝負に拘る事にした
決して、出し惜しみではない
―――そのような余技にかまけては死ぬ
首元を掠める剣風に、冷や汗を流しながらそう思う
手足狙いの一つもあれば身を盾にして踏み込むものを、
一撃必、変幻自在な太刀筋はその全てが断頭の鎌であった
「このまま切り結んでは千日手であろうな―――
手の内の一つも見せてはどうだ?」
ひとしきり切り結んだ後、涼やかな顔に笑みを浮かべそうのたまう男
その目はシグナムの一挙一動を見逃さず、彼女が手札を選んでいたことを見抜いていた

485 :

「出し惜しみをしたつもりは無いのだがな、
そちらの剣舞に押されて出す暇が無かった」
偽り無く本音を述べる
互いに無傷なのは刃を合わせるばかりで切りつけあうまでに至らなかったからである
「その言葉、素直に賛辞と受け取っておこう
では仕切りなおしの手始めに―――まずはこちらから一芸披露するとしよう」
だらりと下げられていた刃が肩の高さまであげられる、
それはこの男が始めてみせる構えらしい“構え”であった
男の名―――上げた名乗りが正しいならば繰り出されるのは一つだろう
佐々木小次郎の名前ぐらい剣豪小説のひとつでも紐解けばすぐに出てくる
問題は、その技が名こそ知られてはいても詳細は知られていないと言うことだ
「秘剣―――燕返し」
頭上から股下までを断つ縦軸の一の太刀
一の太刀を回避する対象の逃げ道を塞ぐ円の軌跡の二の太刀
左右への離脱を阻む払いの三の太刀
「く―――っ!?」
三連撃などというレベルではない
同時に振りぬかれていた三つの刃がシグナムの首を薙いでいた
「ぬっ!?」
驚愕は同時、ついでからんと乾いた音が石畳に響いた

486 :

「面妖な―――躯まで鋼であったか」
「まさか」
首筋に手を当てながらシグナムはその言葉を否定した
―――まさか騎士甲冑の防御フィールドを抜けないとはな
どうやら何の細工も施されていない日本刀だったらしい
これならば恐れる必要は無かったか―――そう思うシグナムの前で、
男は懐から何かを取り出した
「本来ならば勝負ありというところであろうが―――
これで幕切れでは興ざめも甚だしい、性に合わぬが得物を換えるとしよう」
キンっと音を立てて手にした飾りが長刀へと変化する、
見覚えの有るその変化は紛れも無く―――
「アームドデバイス……」
衣装が変わらないのはバリアジャケット等の機能を持ち合わせていないか、
魔力資質が無いといったところだろう
どちらにせよ、持ち替えた以上先の刀のようなことはあるまい
今度喰らえば、間違いなくこちらの首が落ちる
「それでは、改めて仕切りなおしといこうか」
手ごたえを確かめるように剣を構えなおして言う男に、
我知らず首筋を確かめながらシグナムはそれでも口元に笑みを浮かべていた

487 :
#2
同時刻遠坂邸前
「スバル、そっちはどう?」
『観測開始から結構経つけど何にも無いよ』
そうか、と頷いて通信を切る、遠坂邸の玄関はきれいに施錠されており、
門扉には魔力を用いた―――魔術的な鍵が掛けられていた
こちらも異常無し、である
今のところはという前置きつきかもしれないが
一先ず街を一回りしておくか、と坂道を下っていたティアナは、
道なりに並ぶ洋館の一つに見覚えのある大男を発見した
「何してんのよアンタ?」
「なに、知人の屋敷の近くまで来たものでな、
挨拶をと思ったがなにぶん夜分が過ぎたようだ」
ひっそりとした明かりの消えた家である
それを見て、あぁそう言えばと彼女はあることを思い出した

488 :

「ロードエルメロイの旧知の人だったのよね、
奥さんが亡くなられて、今は息子夫婦の所にいるそうよ」
暫くすれば戻ってくるみたいだけど、というティアナの言葉に
そうか、と男は真顔で静かに黙祷した
「そういえば公園はどうだったの?」
「随分と怨念が蟠っておったが、残留思念の類だなありゃ
余が召喚された時の聖杯戦争の跡だろうが、此度のことには関係なかろう」
“見える”人だったのかと思うが、
そもそもサーヴァントというのはそちら側なのだそうだ
「程度の差こそあれ世に未練を残していると言う意味では違いは無いからな」
故に聖杯の召喚に応じたのだ
不意に真顔でまじめなことを言うライダーに考えさせられる
「未練……か……」
未練を残さずるものは幸いだ
彼らは自らに満足している、故に後悔も無い
未練か後悔か―――三ヶ月前ミッドで起こった事件に対し、
事が大きくなるまで自分が連れていた副官の闇に気づけなかったことは、
いまだ真新しい苦い記憶だ

489 :

『ティア〜』
思わず物思いにふけっていた彼女を現実に引き戻したのはスバルからの通信だった
なんでもシグナムと通信が繋がらないのだと言う
「柳洞寺の人たちに遭遇した、って可能性もあるけど
―――わかった、取り合えず行って様子を確認してくるわ」
『了解、こっちは―――』
モニターの中でスバルが横に視線を移す、
何か気配を感じたのだろうか?
『子供―――こんな時間に?』
驚きに声を上げたスバルが気を取り直すより早く、
画面の中でその瞳がさらに見開かれた
『消えた―――?』
目を瞬かせて状況を確認するスバル
マッハキャリバーはスバルの言う少女をセンサーでは確認していないという
「もしかして、幽霊?」
「否定はせんな、
そこも霊地には違いない」
ライダーが口を挟む、
だが、スバルは普通の人間よりも夜目が利く
それゆえに引っかかる
「スバル、やっぱり柳洞寺で一度合流」
『うん』
シグナムも交えて一度状況を確認すべきだろう
通信を閉じて踵を返そうとしたところで新たな通信が入ってきた
発信者はレヴァンテイン―――シグナムからの救援要請だった

490 :
#3
剣舞は続く
見たところ相手の得物はデバイスというよりも、
対魔導師用近接兵装として最近研究されているものの一種のようだ
JS事件以降AMF等の反魔法技術の研究が改めて注目されるようになってきており、
管理局側も戦技教導隊を中心にその対策に追われている
無論、数年がかりの計画ではあるのだが
相手の得物もそうした実験で作られた試作品の一つなのだろう
「ふむ……」
一息つきながら相手が握りを確かめる
同じ得物でも整備後の調整には違和感が入るものだ
まして得物自体を持ち替えたのならそう簡単に握りが合うわけが無い
―――付け入る隙があるとすればそこか……
浅く首を薙いだ一撃に肝を冷やしながら距離をとり、
八双に構えるとシグナムは己が愛剣に呼びかけた
「レヴァンテイン!」
呼びかけに答えレヴァンテインから勢い良くカートリッジが排出される
そのままこちらが膝を撓めるのを見て取って、相手も剣を静かに振り上げた
この一合が勝負
互いに構えで持って示し合わせ、
一切の迷いなくそれを形になした
「秘剣―――燕返し」
「紫電……一閃」

491 :

紅蓮と月光が交錯し、ややあって、小さな音が鳴った
「見事、よもや刀ごと叩き斬るとは……
剛の一刀 見せてもらった」
「握りの合わぬ剣は太刀筋を曇らせる……
最初の剣に私の甲冑を斬るだけの力があれば結果は違っていた」
真に匠の業となれば髪の毛の先ほども無い僅かなずれですら大きな違いとなる
振りなれぬ太刀でもって振るわれた業がその筋をほんの僅か狂わせた
それが勝敗を分けたのだった
「なに、詮無きことよ
―――燕を追って生まれた剣では隼は斬れなかった、
ただそれだけであろう?」
涼やかな笑みには些かのかげりも無い
刃を振りぬいた姿勢のまま、男は音も無く塵となって虚空に消えていった
「……」
残心の姿勢のまま、振り返りもせずに男を見送ったその身が崩れ落ちる
彼女の首に走る二つの筋からは、絶え間なく血が流れ落ちていた

492 :
#4
時空管理局本局・無限書庫、有重力区画
「状況はあまり芳しくないみたいだな」
報告書を見ながらのクロノの発言に、ユーノは資料を探す手を止めて彼を振り返った
「遠まわしに僕をせっついてるように聞こえるのは気のせいかな?」
「まさか、
それで効率が上がるほどのんびりしてはいないだろう?」
実際その通りだ、誰がどう言おうと無限書庫の効率はこれ以上上がらない
それはクロノだって弁えている
「状況次第だが、僕が地上に降りることも考えた方がいいかもしれない」
「クロノが?」
腕は鈍ってないつもりだというが、
本局提督ともあろうものがそうそう最前線に出ていいのだろうか?
「彼女達と気心が知れていて、
曲がりなりにも連携がとれる魔導師が他にいるなら任せるさ」
確かに六課の魔導師と気心が知れていて連携がとれるとなるとそう多くは無い
実力も考えればあとは教導隊に何人かいればいいほうだろう
「僕もといいたいところだけど、無理そうだ
とてもじゃないけど付いていけそうに無い」
防御魔法だけなら何とかなるだろうが、
動けない盾では役に立つまい

493 :

その折、ばさりと書類の落ちる音が鳴った
振り返ると、長い金髪を三つ編みにした司書が書類を取り落としたまま、
青い顔で通信を受け取っていた
「アリシア、どうした」
彼女は魔力資質こそ無いが優秀だ、
こんな醜態をさらすなどよほどの事だろう

494 :

「クロノ……」
声をかけると血の気の失せた顔ですがり付いてきた
空間モニターに映る情報はどうやら六課から自分達に当てられたもののようだ
よほどのことが有ったらしいな、と思いつつ通信をつなぎなおす
『遅い、何しとったんやクロノ君!』
モニターに浮かんだシャーリーが口を開く前に、
割り込んできたはやてが血相を変えて怒鳴りつけてきた
「すまない、無限書庫の中でもこの辺りは最近通信が繋がりにくくてな
それではやて、―――何かあったのか?」
反省はともかく言い訳をするつもりは無い
それよりも彼女達の上司として把握すべきことは現状である
アリシアの反応を見るにどう考えても吉報はありえまい
本局の設備の調整は必要だとは思うが補助ラインは引いてほしいと思う

495 :

「とりあえず良い情報からな
―――キャスターの消滅が確認された、場所はミッドチルダ海上隔離施設付近、
コレに伴う被害で施設の三分の一が吹き飛んだらしいけどな」
人的被害は無いけど、というはやての言葉に一先ず安堵する
個々の攻撃力を別にすれば最も危険な存在であるキャスターが倒れたのは大きい
「それで、悪い話は?」
『キャスターの工房を調査しとった108部隊が工房に戻ってきたキャスターと接触、
交戦中に横槍を受けて工房ごと薙ぎ払われた
犯人は逃亡するキャスターを海上隔離施設付近の海上にて殲滅、
駆けつけたN2Rとライトニング隊を撃破した後、何処とも無く姿を消したそうや』
負傷の度合は様々だが特にフェイトとエリオが酷いという報告に、
アリシアが青ざめた顔でクロノの服の裾を掴む
彼らのもとにシグナムの撃墜が報告されたのはそれから暫く後のことだった

496 :
今回は以上です

497 :
乙乙!

498 :
投下乙
そして行ってらっしゃい

499 :
遅ればせながら投下乙!

500 :
クラッシュエミュレートって便利なシステムかも
これで心置きなくスポーツマンシップに則ったしあいができるな

501 :
服は大破しても体は無傷はお約束

502 :
カレイド投下乙
燕返しの対処どうするかと思ったら結局力押しか
鈍ってたぶん差し引いてもそれでようやく相打ちだけど

503 :
燕返しの対処法っていったって基本的に回避は不可なんだろ?
後退しても踏み込まれれば意味ないだろうし、この場合だとBJも期待できないし
剣と鞘使って防ぐか、今回みたいにカウンター打つしかない気がするんだが
他になにかあるだろうか

504 :
まあぶっちゃけ得物を替えたほうが興ざめではあったがな

505 :
剣技で劣る相手だがセイバーは二度も勝ってるよな

506 :
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できればなのはFATEキャラのみで揃えたかったが

507 :
第24話「紫電の原石」
 ―― 十四日目 AM10:35――
「起きてる? エリオ」
フェイトは病室の扉を少しだけ開けて、小さな声でそう言った。
個室の窓際に据えられたベッド。
その上に病院服のエリオが横たわっている。
扉をゆっくりと押し開く。
ベッド脇の椅子に座るキャロの背中が見えた。
キャロがフェイトへ向き直り、唇の前に人差し指を当てた。
『静かに』というジェスチャーだ。
どうやらエリオは眠っているらしい。
フェイトは物音を立てないように気をつけながら、後ろ手に扉を閉めた。
「さっき眠ったばかりなんです」
囁くようにキャロは言う。
「……そっか」
フェイトはエリオの寝顔に視線を落とす。
思っていたよりも安らかな寝顔だ。
一昨日の戦闘で、エリオは胸と脇腹に深い傷を負った。
治癒魔法による応急処置のおかげで大事には至らなかったが、暫しの入院は避けられなかった。
それは確かに痛ましい出来事ではある。
しかし、周辺が更地よりも酷く破壊されていたことを考えると、これだけで済んで良かったと思わずにはいられない。
「フェイトさん。あの施設跡の捜査はどうなってるんですか?」
「うん……まだまだこれから、かな」
小声を維持したまま言葉を濁す。
結論から言うと、エリオが負傷した場所は確かにレリック密売組織の拠点が『存在した』地点であった。
ただし施設そのものは『黒いセイバー』の宝具によって、僅かな痕跡を残して消滅させられていた。
当然、ろくな証拠物品など残されているはずもなく、生き残りがいるか否かも判然としていない。
これは、ある意味では最悪の捜査妨害だ。
密売組織の構成員の総数は、地道な捜査によって推定できている。
たとえ皆しにされたとしても、遺体さえ確認できれば『組織は壊滅した』と認識することができる。
だが、今回のケースではそうはいかない。
一人残らずされたのか、幸運な生き残りがいるのか、それとも施設の抹消は偽装に過ぎず全員逃げ延びているのか。
そんな根本的なことすら把握する術がないのだ。
組織の壊滅さえ確信できれば、その追跡の任に就いていた人員を別の捜査に回すことができる。
けれど、現状ではそれができない。
全員物理的に蒸発した可能性すらある組織の為に、少なからぬ人員を割き続けなければならないのである。
「でも良く頑張った。それは間違いないよ」
エリオの額に掛かる前髪を指で除ける。
フェイトは微笑みを浮かべようとしたが、ぎこちない中途半端な表情を作るのが精一杯だった。
黒いセイバーとの戦いにおいて、エリオがどれだけ死力を尽くしたかはフェイトも聞き及んでいる。
管理局局員として、騎士としては間違いなく賞賛に値する働きだろう。
だが私的な身内としては、無茶をして欲しくないという思いがあるのも否めない。
 

508 :
――――そんなこと、エリオが管理局に入ると決めたときから覚悟していたはずなのに。
いざ傷ついたエリオを前にすると、どうしても個人的な情が強くなってしまう。
バリアジャケットすら意味を成さない英霊の斬撃。
エリオは二度も血肉を抉られた。
痛かったはずだ。苦しかったはずだ。
それでもエリオは立ち上がり、最後までキャロを守り抜いた。
それが誇らしくて、胸が苦しかった。
「ねぇ、キャロ……」
フェイトはキャロの方へ視線を落とした。
そして、思わず言葉を詰まらせる。
キャロは膝の上でぎゅっと拳を握り、小刻みに震えていた。
「……私、怖かったんです」
「それは仕方がないよ。それにキャロは怖くても頑張ったでしょ?」
キャロの細い肩に腕を回す。
あの戦いでは、誰も責められるようなことをしていない。
誰もが力の限り戦い、自分に出来ることを成そうとした。
不幸にして目的に届かなかったとしても、それを責める者などいるはずがない。
「違うんです……」
キャロはおずおずと首を振った。
「エリオ君が死んじゃうんじゃないかって、それが怖かったから……
 ……ううん、今も……今も怖くて……」
膝の上に置かれた拳は一層強く握られ、大きな瞳は遣る瀬無く揺れ動いている。
彼女を支配している感情は、恐怖かそれとも罪悪感か。
いずれにせよ、本当に言いたいことを言えないでいるように見えた。
「誰かに生きていて欲しいと思うのは当たり前のことだよ」
「……違うんです……私は……」
「大丈夫。キャロは何も間違ってない」
フェイトはそっとキャロを抱き寄せた。
恐らく、目の前で仲間が傷ついたことにショックを受けて混乱しているのだろう。
そのせいで感じなくてもいい自責の念を感じているだけなのだ。
だから今は、少しでも心を落ち着かせてあげなければ。
「皆すぐに良くなるから。安心していいの」
「…………」
キャロはエリオの寝顔を哀しそうに見やった。
そうして静かに席を立つと、扉のところで肩越しに振り返る。
「私、もうエリオ君に戦って欲しくないって……そう思っちゃったんです」
「……! キャロ……!」
呼び止める間もなく、キャロは病室から出て行ってしまう。
フェイトは伸ばしかけた腕を力なく下ろした。
足音がぱたぱたと遠ざかっていく。
まるで、この場から逃げ出そうとするかのように。
「そう……だったんだ」

509 :
さっきまでキャロが使っていた椅子に座り込む。
キャロの気持ちを理解し、慰めていたつもりだった。
しかし、どうやらそれは完全な空振りであったらしい。
つまるところ、キャロの不安はフェイトの想像よりも深いところに根ざしていた。
いわば『このままでは死んでしまう』という瞬間的な恐怖ではなく。
『こんな戦いを続けていたら死んでしまう』という継続的な恐怖心。
戦いそのものへの参加を忌避する、戦士にあるまじき思考。
けれどフェイトは、そんなキャロの憂いを非難しようとは思わなかった。
――――否、非難することができなかった。
「私と同じこと……考えてたんだ」
確かにエリオは死力を尽くして戦った。
しかし、勝機のある戦いであったかといえば、贔屓目に見ても否定せざるを得ない。
キャロはそれを誰よりも近くで目の当たりにしてしまったのだ。
刃に裂かれる肉を。飛沫となって飛び散る鮮血を。
命など容易く刈り取られるモノだという現実を。
彼女にとって、エリオは死んで欲しくない存在だった。
それが仲間意識や友情によるものなのか、もっと親密な感情なのかは、フェイトには分からない。
とにかく、キャロは例の死闘を通じてそれを確信し、同時に理解したのだろう。
この戦いを続けている限り、エリオは死の危険から逃れられない。
つまり、死んで欲しくないという願いを成就させるには、エリオ自身が戦いから遠ざかるしかない、と。
「我が儘だなんて、怒れないよ」
ほんの一瞬とはいえ、フェイトもそれを望んでしまっていた。
部隊長失格と言われても仕方のない弱音だった。
しかし、そんな私情を抜きにして考えても、現状の作戦体制を続けることには異論の余地がある。
「今のままだとサーヴァントとは戦わせられない……それなら、いっそ……」
フェイトは俯いて目を伏せた。
"偽造聖杯"に、そして"サーヴァント"に関わり続ける限り、前回のような戦いからは逃れられない。
仮に新人達とサーヴァントを戦わせないよう決めたとしても、敵がその意図を理解してくれるはずがないのだ。
常識的に考えれば、組みし易いウィークポイントとして狙われるに決まっている。
戦闘に関わらせる時点で危険――そう考えるべきだろう。
「……やっぱり私一人じゃ決められないよね」
これ以上は機動六課の部隊運営方針に深く関係する。
たかが一個分隊の隊長、それも遺失物管理部の正規隊員ではないフェイトの裁量を超えてしまう。
けれど、一度はやてとなのはに話してみる価値はあるはずだ。
機動六課の大きな方針転換。
新人達の実戦参加の一時中断について――

510 :
 ―― 十四日目 AM11:00――
「…………結局、眠れなかったや」
病室のベッドの上でエリオは一人呟いた。
顔に乗せていた腕を除け、真っ白な天井を見上げる。
「ちゃんと寝なきゃいけないのは分かってるんだけどな……」
黒いセイバーとの戦闘から二日。
腹部と胸の傷は未だ塞がりきってすらいない。
今は体力を回復するためにも十分な休養が必要な時期だ。
それは嫌というほど分かっている。
けれど頭の理解とは裏腹に、身体はどうしても寝付いてくれなかった。
「よっと」
エリオはゆっくりと身を起こした。
キャロの回復魔法と病院での治療のお陰で、これくらいの動作なら痛みもあまり感じない。
とはいえ、まだ訓練に参加できるほどではないのだが。
「訓練……か」
訓練。トレーニング。強くなるためのルーティンワーク。
何度も耳にして何度も口にしてきた言葉。
そんな当たり前の単語が、聞いたこともないような響きを帯びて、胸の奥へと溶け込んでいく。
まるで渇いた喉に冷たい水が沁み込むように。
不意に、エリオは身体を動かしたくなる衝動に駆られた。
それを自覚するが早いか、足先にスリッパを引っ掛けて立ち上がる。
既に申し訳程度の眠気も覚めてしまっていた。
医師からは無理に動かないように言われているが、これくらいなら問題ないだろう。
一歩踏み出すごとに、胸と脇腹の治療跡が軽く疼いた。
「――だから――っての」
「けど――だろ――?」
扉に手をかけたのと同じタイミングで、廊下から誰かの話し声が漏れ聞こえた。
幼子に近い少女と青年に近い少年の声―――どちらにも聞き覚えがあった。
エリオはちょっと躊躇ってから、病室の扉を一気に開けた。
「どうしたんですか? ヴィータ隊長にエミヤさん」
通り過ぎようとしていた二人組が振り返る。
想像通り、そこにいたのはヴィータと衛宮士郎だった。
エリオの記憶が確かなら、彼らもこの病院に入院しているはずである。
しかし彼らの格好はどう見ても私服だ。
それに二人とも様子がおかしい。
まるで、拙いところを見られたと言わんばかりの反応だ。
「あー……ちょっとな」
ヴィータはあからさまに言葉を濁していた。
さり気なく士郎を見上げ、睨むような視線を送る。
「あ、ああ。別に何かあったわけじゃないぞ」

511 :
士郎はぎこちない態度でヴィータに話を合わせている。
どうやら二人して何か隠し事をしているらしい。
エリオは少し考え込んで、頭に浮かんだ疑問を思考の隅に追いやった。
不可思議な態度ではあるが、わざわざ理由を聞き出すほどではないだろう。
第一、訊ねたら答えてくれる雰囲気でもない。
「それより! お前、ベッドから降りて平気なのか?」
「えっ? ……あ、はい。痛みもないですし」
ヴィータに詰め寄られ、エリオは遠慮気味に答えた。
実際は、痛みが無いのは麻酔や治癒魔法のお陰なのだろうが、あえてそれには触れなかった。
「それに……皆が頑張ってるのに、僕だけ動けないなんて嫌ですから」
「……はぁ。どいつもこいつも」
ぽつりと呟いて、ヴィータは士郎に向けて目を細める。
「何だよ」
「何でもねーですよ」
やっぱり何かあったらしい。
しかし、エリオの想像力では何があったのか想像することはできなかった。
「それにしても、二人とも元気そうで良かったです。……けど、その……」
「セイバーなら大丈夫だ。俺達よりずっと早く回復したよ」
言いよどむエリオの言葉を士郎が引き継いだ。
エリオは驚いて目を丸くした。
確か、セイバーはエリオよりもずっと重篤な傷を負っていたはずだ。
それも、半身が千切れかけたという表現が比喩にならないほどの重傷である。
たった二日で回復したと言われても、俄かには信じられない。
「ひょっとして、もう部隊に復帰してるんですか?」
「あたしが聞いた限りだと、ロングアーチのほうに顔を出してるみたいだ。
 スターズとライトニングはしばらく自主訓練だからな」
今度はヴィータが応えた。
どうやらセイバーが回復したのは本当のことらしい。
「……凄いなぁ……」
胸に去来する驚きの感情。
そして、それ以上に大きな気持ちの高鳴り。
エリオは思わず息を呑んだ。
二人の隠し事の内容は分からないが、この感情の正体なら理解できる。
「……あのっ! 聞いておきたいことがあるんです。
 僕達を……新人達を戦列から外すっていう話、隊の議題に挙がってますか?」
「はぁ?」
ヴィータと士郎は顔を見合わせた。
「そんな話は聞いてねぇな。あたし達が蚊帳の外っていうなら別だけどさ」
「……そうですか。すみません、変なこと訊いちゃって」
キャロとフェイトの会話を聞いたのはわざとではない。
目を瞑って眠ろうとしているところに、フェイトがやって来てキャロと話し始めたのだ。
盗み聞きは宜しくないと分かってはいたが、どうしても寝た振りを止められなかった。
 

512 :
エリオに戦って欲しくないというキャロの願い。
キャロと同じことを考え、サーヴァントと戦わせられないというフェイトの迷い。
それらはエリオにとって思いもよらないものだった。
彼女達から見れば自分も心配され守られる立場に過ぎないのか。
プライドが傷ついたというわけではないが、自身の未熟さを見せ付けられたような気がした。
「まさかとは思うけど、お前も訓練に戻りたいって言うつもりか?」
「ええっ!? いや、あの、それは」
心の片隅で思っていたことを言い当てられ、エリオは慌てふためいた。
ヴィータはエリオの反応を訝しげに眺め、語気を強める。
「焦る気持ちはわかる。けどな、自分が弱いと思って焦っても何の特にもならねぇんだよ。
 そうやって先を急いでも結局は自滅するだけだ」
「分かってます……けど、違うんです」
エリオは躊躇い、視線を落とした。
そして、意を決したようにヴィータと視線を交わす。
「後もう少しで何かが掴めそうなんです。
 だから、この感じを忘れないうちにやれることをやりたくて……」
今よりも強くなりたい。
強くなって皆を守れるようになりたい。
それが、エリオの心を昂らせる衝動の正体。
黒いセイバーと自分の戦闘能力には絶望的なまでの差があった。
腕力、技術、精神力。全てにおいて天と地ほども掛け離れていた。
それでも――いや、だからこそ得られたものがある。
圧倒的な腕力の相手をどう凌ぐか。
圧倒的な技術の相手をどう掻い潜るか。
圧倒的な精神力の相手にどう挑むか。
ただの訓練や凡庸な戦闘では決して得られない、異質の経験値。
思い出すだけで胸が高鳴る。
脇腹を貫いた刃の感触も、今となっては『こうすれば回避できたかも』という試行錯誤の対象だった。
この感覚を忘れてしまう前に、自らの糧としたい。
もしもエリオが焦っているとしたら、きっとこの衝動によるものだろう。
「だから、僕は……」
一昨日の戦いを通じて、エリオは己が更に強くなれるはずだと確信していた。
黒いセイバーとの戦いで見せた技と動きは、その殆どが直感的な肉体の反応の結果であった。
それを訓練にフィードバックして鍛えこめば、きっとあのとき以上に―――
―――キャロを護り切れるはずだ。
「……はぁ、分かったよ」
ヴィータは根負けしたように溜息を吐き、額を掻いた。
「早いこと訓練に戻れるように具申しておいてやる。
 ただし、退院許可が下りるまでは安静にしろ。いいな?」
「……はい!」

513 :
エリオは思わず姿勢を正して返事をした。
それを見て、ヴィータは苦笑にも似た笑顔を浮かべる。
「エリオ。良かったら俺も訓練を手伝おうか」
「本当ですか!?」
気前良くそう言った士郎だったが、ヴィータに軽く肘打ちされて顔をしかめた。
「お前のじゃエリオの手本にはなれないっての」
「なんでさ」
「当たり前だろ」
くるりと踵を返すヴィータ。
エリオに背中を向け、士郎と向かい合う格好だ。
髪を解いて私服を着ているせいか、普段と雰囲気がまるで違う。
これではまるで普通の女の子のようだ。
……そんなこと、エリオは口が裂けても言えないのだが。
「お前の戦い方は自分から突っ込んで押し切るタイプじゃないだろ?
 どっちかといえば、相手の攻撃を捌いて押し返すやり方だ。
 組み手や模擬戦の敵役ならともかく、エリオの手本になるにはタイプが違い過ぎるんだよ」
士郎はヴィータに胸を突かれながら押し黙っている。
どうやら、ぐうの音も出ないほどに言いくるめられているらしい。
「で、今のエリオに必要なのは、戦闘スタイルを改善してくれるお手本なわけだろ。
 畑違いな大馬鹿野郎はお呼びじゃねーってわけですよ」
「言いたい放題だな。それじゃあセイバーなら向いてるっていうのか?」
飛び交う言葉は罵声一歩手前だが、会話の雰囲気自体は悪くないように見えた。
エミヤさんも隊に馴染んでるんだな―――エリオはそんなことを考え、軽く安堵した。
特に、ヴィータは他人に対して棘のある態度を取る癖がある。
決して悪意があるわけではないのだろうが、付き合いの浅い人から誤解を受けやすいのも否めない。
そんな彼女と打ち解けることができたのなら、他の皆とも上手く付き合うことができるはずだ。
「セイバーか。あいつならぴったりだな」
ヴィータがエリオへ向き直る。
「後はシグナムと……高速戦闘についてはフェイト隊長から教わるのがいいか」
「それならセイバーには俺から話しておこうか。……多分、凛に許可を貰わないと駄目だけど」
「セイバーにシグナム、フェイト隊長。後はあたし達も敵役くらいならしてやれるな」
ふと、エリオは場の空気が変わりつつあることに気がついた。
何故か集団でエリオを鍛えることが前提になりつつある。
鍛えてくれること自体はありがたいのだが、急速に話が纏まり過ぎている気がしてならない。
「あの、他の人達と相談しなくてもいいんですか?」
おずおずと懸念事項を切り出す。
自分が言ったことが切欠とはいえ、こうも上手く話が進むと気後れしてしまう。
しかし、二人の反応は至極あっけらかんとしていた。
「セイバーなら快く受けてくれるって」
「シグナムも向上心のある奴は好きだと思うぞ」
それはどちらも鬼コーチ気質ということではないだろうか。
考えていたことが表情に出ていたのか、ヴィータは意味深に微笑みながらエリオの肩を抱いた。
――いや、抱いたというよりは掴んだというべきか。

514 :
「皆がお前みたいに前向きならよかったんだけどな」
そう囁いたヴィータの横顔は、どことなく哀しそうに見えた。
何があったのか尋ねることすら憚られるほどに、自虐的な哀しい笑みだった。
「あの……」
「今日はゆっくり休んどけ! 無理してると復帰が遅れるぞ? なぁ、エミヤ」
「そうだな。ヴィータを見てるとそう思うよ」
ヴィータは陰りの消えた顔でにやりと笑う。
士郎もその皮肉を受けて肩を竦めている。
どうやら適当にはぐらかされてしまったらしい。
エリオは釈然としないままに病室へ戻ろうとして、ふと扉にかけた手を止めた。
「そうだ。もしフェイトさんやキャロに会ったら伝えてください。僕は大丈夫だから――って」
二人は怪訝そうな表情を見せたが、すぐにエリオの頼みを受け入れた。
「分かった」
「会ったらそう言っといてやるよ」
「――――お願いします」
迷いも疑いもない返事を聞いて、エリオは病室の扉を開ける。
これで少しはゆっくりと眠れるような気がした。
というわけで投下終了です。
いつも終了宣言のレスの手前でさるさんになるので、予防的にここで宣言。

515 :
リリナイきたー!
おっつおっつ

516 :
おつつつつつつ

517 :
第25話「君の声」
 ―― 十四日目 AM10:40――
時空管理局地上本部、防衛長官執務室。
その主であるレジアス・ゲイズは、恰幅の良い体を椅子に沈め、部下の報告に耳を傾けていた。
「以上が本件の調査報告です」
「…………」
頭痛を堪えるようにこめかみを押さえる。
先日、機動六課からのクレームがレジアスの元に飛び込んできた。
内容は本局支給の簡易デバイスの初期不良。
本来ならレジアスよりも下の部署で処理される、些細な案件に過ぎない。
だが今回は少しばかり事情が違った。
「要するにデバイスを用意した担当者の独断専行ということだな?」
「はい。それ以外の者の関与は見受けられません」
余計なことをしてくれる―――レジアスは小さく吐き捨てた。
この一件は、よりによって地球の『魔術協会』からの出向者が被害を受けている。
担当者は功名心から実行に至ったのかもしれないが、論外もいいところだ。
『魔術協会』の人間に対して無断で魔法を解析しようとは。
あの組織がどういう性格をしているのか知らなかったに違いない。
「フォード一佐。地上本部は魔術教会との協調関係を最重視している。何故か分かるか?」
急に問いを向けられ、一等陸佐の階級章をつけた士官は戸惑いの色を見せた。
しかしすぐに態度を正し、教本に載せられるくらいに整った答えを返す。
「『聖杯事件』を迅速に解決し、市民への影響を最小限に留めるためであります」
「一つはそれだ」
レジアスは椅子を軋ませて立ち上がった。
大きな窓の外にはミッドチルダの街並みが広がっている。
道行く人々は『聖杯事件』なる戦いの存在すら知らず、普段と同じ平穏な日々を送っている。
この平穏を維持することは、地上本部に架せられた大きな使命である。
だが、それだけでは足りない。
ひと時の平和を、現在の平和を守るだけでは意味がないのだ。
「もう一つの理由は、この『聖杯事件』が終わった後でも関係を維持する足掛かりとするためだ」
「関係維持……でありますか」
「そうだ。現状は、魔術協会という秘密主義の集団と接触できる千載一遇の好機でもある。
 今回の事案を処理するにあたっては、決してこのことを忘れないように」
一佐はしばし切れ長の目を丸くしていたが、やがて事の重大さを把握したのか、表情を引き締めた。
本件の事実関係の追跡調査と事後処理は彼に一任されている。
その責任の大きさを改めて実感し、心持ちを新たにしたようだ。
間違っても重責に押し潰されることはないだろう。
さもなければ、佐官のトップである一等陸佐は勤まらない。
「肝に銘じます。それでは、失礼致します」
一佐はお手本のような敬礼を残して執務室を後にした。
レジアスはそれを見送り、再びデスクの椅子に腰を下ろした。
「奇跡的に掴んだ糸口なのだ。簡単に手放してたまるものか」

518 :
いわゆる『聖杯事件』の解決は地上本部の果たすべき役割。
それ自体に誤りは一切ない。
だが、レジアスの思考は更に先を向いていた。
現在の平穏を守るだけでは足りない。
更に先の――未来の平穏をも守る備えが必要なのだ。
不本意なことに、今の管理局は本局隷下の部隊に戦力が偏重する傾向が強い。
その理由として事件規模の大きさが挙げられるが、市民の住まう地上を蔑ろにするなど言語道断だ。
事件さえ解決できれば良しとする本局には、永遠に理解されないであろう理屈かもしれない。
「この好機を本局の連中に横取りされるわけにはいかん。
 何としても魔術協会を繋ぎとめておかなければ……」
―――魔術協会。
魔法関連技術が存在しないとされた第97管理外世界において、長きに渡って息衝いてきた自治組織。
その歴史は千年に迫るとも、或いは越えるともされ、古代ベルカの崩壊よりも遡るのは確実だと思われる。
だが、真に驚くべきは単純な歴史の長さではない。
管理局による幾度もの調査を経ても、存在の片鱗すら気取らせなかった隠蔽と情報操作の技術。
更に言えば、それほどの技術を発達させた原動力――――狂気じみた秘密主義である。
恐らく魔術協会は、事件解決後には外部との干渉を再度遮断するつもりに違いない。
そして、長年に渡って研鑽を重ねた隠蔽技術によって、管理局の追跡を容易く回避し続けるはずだ。
こうなってしまえば、たとえ本局でも魔術協会と接触するのは困難だろう。
では、もしも魔術協会との間に十分な信頼関係を築くことができたとしたら?
管理世界に組み入れることは不可能でも、人材や技術を融通しあう状態に至る希望はある。
それも地上本部が独占的に。
「ああ……そうだ。故にしくじりは許されん」
レジアスは重々しく独り言を呟いた。
『聖杯事件』の捜査機能と魔術協会から提供された情報は、今のところ全て地上本部に集約されている。
しかしそれは、魔術協会が折衝の窓口として指名した機動六課が、地上本部の隷下部隊であるという以上の理由はない。
万が一、地上本部の働きに不満を抱かれでもすればどうなるか。
協会が事件から手を引いてしまうだけなら、まだいい。
最悪の場合、地上本部は当てにならないと考えて、本局に鞍替えされてしまう恐れもあるのだ。
下手をすると、本局が魔術協会との間に関係を築き、交流から得られる利益を独占してしまうかもしれない。
「軌道六課は気に食わんが、協会に繋がる糸口として相応の働きをさせなければな」
これまで、レジアスは合法非合法を問わず様々な手段で地上の戦力不足を補ってきた。
スカリエッティの研究にも少なからぬ期待を寄せていたが、結局は犯罪者のすることなのか、実用化の目を見ることは無かった。
このように手痛い失敗を喫した件もあったものの、全体としては犯罪発生率の低下を実現できている。
しかし、まだ足りない。
地上本部の権力を手中に収めたレジアス・ゲイズも、いずれは後進に地位を譲るときが来るだろう。
果たしてその後継者は、今の自分と同等以上の戦力維持策を執ることができるのだろうか。
それを考えると、引退までに長期的な戦力確保の道筋を確立しておかなければ、と思わずにはいられない。
事と場合によっては、再び非合法的な手段に訴えることになるかもしれない。
きっと、それでもレジアスは迷わないだろう。
全ては地上の平和と平穏の為に。それがレジアスの信念なのだから。

519 :
 ―― 十四日目 AM10:35――
機動六課の隊舎裏で、ティアナは一人座り込んでいた。
どこからか工具の音が漏れ聞こえてくる。
兵員輸送ヘリの整備でもしているのだろうか。
「何やってんだろ、私」
日陰の涼やかな風がほてった体を冷ましていく。
それと同時に、加熱した思考回路も平静を取り戻していく気がした。
「焦ったって何にもならないのにね」
ティアナは額に掛かる前髪をくしゃりと掻き揚げた。
とてもではないが、自嘲せずにはいられない。
ここ数日のティアナ・ランスターは明らかに平常心を欠いている。
それこそ無様すぎて嗤えてくるほどに。
発端は、サーヴァントとの数回の戦闘を通じて、己の弱さを再認識したことだった。
未熟であることは理解していた。
まだ成長途中に過ぎないことも自覚していた。
―――そのつもりだった。
だが、見せ付けられた現実はあまりにも過酷であった。
遥かな高みにあると思っていた隊長達や副隊長達ですら、死力を尽くさなければならない戦いがあると知ってしまった。
つまり、これまで自分が歩んできた道程は発展の『途中』ではなく、ほんの始まりに過ぎなかったのだ。
喩えるなら、砂漠を横断するキャラバン。
地獄のような灼熱に耐え、目的地までの数分の一を踏破したと思っていたら、実はゼロにも近い微々たる距離であり―――
そんな絶望が襲い掛かってきたのだ。
これがティアナの心に焦燥感を生じさせた。
早く強くなりたい。
兄の汚名を雪げるほどの実力が欲しい。
先を急ぐ感情と、引き上げられたハードルのギャップは、もはやどうしようもないところまで広がっていた。
彼女を更に焦らせたのは、身近な仲間達の自然な態度であった。
圧倒的な相手にも臆することなく立ち向かい、諦めることを知らない闘志。
そして、それを特別なことだと考えず、当たり前のように振舞う姿。
無様に焦る自分とは正反対であるように感じられ、直視することすら憚られた。
「……訓練……戻らないと」
ティアナは俯いたまま立ち上がった。
強くなりたいなら鍛えなければならない。
たとえ、それがどんなに情けなく思えたとしても。
訓練場に向かって歩き出そうとしたところで、聞き慣れた声がティアナを呼び止めた。
「ティア!」
振り返ると、スバルが息を切らせながら駆け寄ってくるところだった。
「途中で見失っちゃって……探したんだから……」
スバルはティアナの目の前で立ち止まり、膝に手を置いて呼吸を整えている。
どうやら延々と走り続けていたらしい。
子犬のような瞳で見上げられ、ティアナは視線を逸らした。

520 :
「別に追いかけてこなくても良かったのに。どうせすぐに戻るつもりだったんだから」
「いいのいいの。あたしが好きでやってるんだから」
相変わらず、スバルの表情には屈託の陰もない。
この半月で遭遇した出来事は殆ど同じなのに、焦りや自虐がまるで感じられない。
――――そう。ティアナが羨んでいるのは、この強さだ。
「ねぇ、ティア」
スバルがティアナの顔を覗き込む。
何だか不安そうな表情だ。
考えていることが面に出るのも、昔からあまり変わっていない。
「何か悩んでるなら、あたしに相談してよ」
「――――――」
思わず息を呑み込んでしまう。
思考が顔に出るのは自分の方だったか。
いや、あんな荒れた態度で走り去ってしまったのだ。
何も悩んでいないと考えてくれると期待するほうに無理がある。
「……スバルは平気なの?」
「えっ……?」
ティアナに問い返され、スバルはきょとんとした表情になった。
やはりティアナがどんなことに思い悩んでいたのかまでは理解していなかったようだ。
「あたし達、何の役にも立てないかもしれないんだよ?
 戦力になれないだけじゃなくて、足を引っ張るかもしれない……見捨てられるかもしれない……」
不安を口にする度に、胸の奥のざわめきが一層大きくなっていく。
事件の捜査から外されて、六課の戦力としても数えられなくなる―――
他者から見れば行き過ぎた妄想に思えるかもしれないが、ティアナにとっては十分に可能性のある結末だった。
「それでも、あんたは平気なの?」
スバルは答えない。
二人の間を冷たい風が吹き抜ける。
沈黙は氷のように空気を固くし、ティアナの心に圧し掛かる。
ティアナは唇を引き結び、眼差しを伏せた。
こんな形で心情をぶつけて締まったのは失敗だったかもしれない。
軽蔑してくれと言っているも同然ではないか。
「ティア……」
スバルの腕が動く。
ティアナはぎゅっと瞼を閉じた。
しかしスバルの取った行動は、ティアナの想像とはまるで違う、穏やかなものだった。
「……えっ……?」
柔らかい感触がティアナの体を包む。
目を開けると、スバルの肩と横顔が間近にあった。
「ティアの気持ちは分かる――なんて言わない。
 そんないい加減なこと言えないから。でも……」
背中に回された腕に力が篭る。
そして、名残を惜しむように離れていく。

521 :
「役に立てないかもしれないって思うのは、役に立ちたいっていう決意の裏返しだと思うんだ。
 あたしは、ただ自分に出来ることを精一杯やろうとしてるだけ。
 ティアみたいに立派なことは考えられないし、ティアのそういうところ、凄いと思ってる」
ああ、どうして―――
「だから、そんな顔しないでよ。……ね?」
―――どうしてこんなに、屈託のない笑顔で笑うことができるんだろう。
「……ごめん。あたし、あんたみたいに楽観的にはなれない」
ティアナは自分の腕を抱いた。
スバルと向き合っていると、知らず知らず彼女のペースに引き込まれそうになってしまう。
いっそスバルのように振る舞えば気持ちが楽になるのかもしれない。
だが胸の奥に淀む意地と躊躇いがそれを拒んでいた。
この期に及んで情けないとは思う。
けれど、これは不安の楔が心に深く突き刺さっていることの表れでもあるのだ。
「大丈夫だって。あたしも一緒に頑張るから」
それでもスバルは、心の垣根を強引によじ登ってきてしまう。
更に性質の悪いことに、それが不思議と不愉快には感じられないのだ。
スバルにぎゅっと手を握られて、ティアナは目の前の笑顔から視線を逸らす。
油断したら顔が緩んでしまいそうだった。
「頑張るって、何を頑張るのよ」
「うーん……他の人に聞いてみよっか」
余りにあっさりと言うものだから、ティアナは危うくスバルの暴言を聞き流すところだった。
「……他の人に!? あんた何を……」
「あー、悩みを打ち明けるとかじゃなくてね。
 スランプはなかったのか、とか。どうやって強くなったのか、とか。
 そういうのをさり気なく聞いて参考にすればいいんじゃないかな」
ティアナは押し黙った。
確かに建設的な意見ではあるが、どうにも気が進まない。
気恥ずかしいというべきか、気が退けるというべきか。
とにかく肯定の返事をすることに抵抗があった。
そもそも、ティアナが抱く悩みを解決する手段にはなっていない。
効果的に鍛える方法を教えて貰ったとしても、効果が出るのはだいぶ後になるはずだ。
偽造聖杯絡みの事件で活躍できないという焦りの解消には、何の役にも立たないだろう。
「でも、私は……」
「遠慮してたら何も始まらないでしょ。ほらほら!」
スバルがティアナの手を握ったまま走り出す。
―――スバルはいつもこうだ。
一度これと決めたら決して譲らず、さながら暴走特急のように突っ走ってしまう。
迷惑だ。全くもって迷惑だ。
こんなことをされたら、付き合わずにはいられないじゃないか。
ティアナは知らず、口元に優しい笑みを浮かべていた。
心の奥に根ざした不安は未だ消えていない。
けれど、今だけはその存在を忘れることができる気がした。

522 :
 ―― 十四日目 AM10:45――
「えー。エミヤ三尉、もう帰っちゃったんですか?」
シャーリーが心の底から残念そうな声を上げた。
シグナムは通信用のウィンドウを閉じ、項垂れるシャーリーを見やった。
まるで遊び道具を取り上げられた猫のような落ち込みようだ。
よほど新しいデバイスの開発を進めたかったとみえる。
「先ほどヴィータと連絡が取れた。どうやら病院を無断で抜け出していたらしい。
 もう帰ったというか、連れ戻されたというほうが正確だな」
シグナムは『連れ戻された』という部分を強調した。
重傷を負ってから三日と経っていないのに、こうも無茶をやらかすとは。
ワーカーホリックのようには思えなかったが、人は見かけによらないということだろうか。
呆れ返った様子で事情を説明するヴィータの顔が、今も脳裏に残っている。
あんなに愉快な表情のヴィータは滅多に見られない貴重品だ。
「デバイスの機能とバリアジャケットのデザインについて話し合いたかったのに……」
「それは残念だったな」
あまりに口惜しそうにしているものだから、ついからかうような口調になってしまう。
しかし、三尉のデバイスとやらにはシグナムも興味があった。
戦い方からすると刀剣型のデバイスが相応しいように思われる。
だが自分の魔法で得物を作り出せる以上、わざわざデバイスを武器とする必要はないかもしれない。
ならば防具型にして機能を防御と支援に集中させるのも一つの手だ。
そこまで考えて、シグナムは小さく苦笑した。
こういうことを考えてしまうのは生まれついての戦士の性という奴だろうか。
「デバイスの機能は本人と相談しないと駄目だが、バリアジャケットのデザインは構わないんじゃないか?
 こちらで草案を考えておけば話し合いも円滑に進むだろう」
「そうですね。デザインについては、他のお二方の意見を取り入れて叩き台を作ってみましょう」
他のお二方とは、三尉と同じ世界から来た遠坂凛とセイバーのことである。
彼らは元の世界で共に戦った関係だという。
それなら相談相手としてこれ以上の適役はいないだろう。
「確か二人ともロングアーチに詰めていたはずだ。少しばかり時間を貰ってみようか」
シグナムは近場にいそうなロングアーチの隊員に対して念話を試みようとした。
その機先を制するようにシャーリーが口を挟む。
「それには及びません。既にトオサカ一尉からはリクエストを取ってあります」
「……そうか。準備がいいな」
シャーリーは手早く空間ウィンドウを開くと、デザインのラフスケッチらしきものを表示した。
正規のデザイン規格ではなく、あくまで大まかな要望を絵にした状態らしい。
一見したところでは、露出の少ない服に僅かばかりの装甲を足したような外観をしている。
特徴的なのは丈長の腰布とコートだろうか。
特にコート周りの設定はやたらと細かくなっている。
ノースリーブの上からコートを羽織るように、という指定は如何なる拘りの産物なのだろう。
色指定は赤が七割程度に、黒が三割。
この辺りは一尉の服の配色とよく似ている。
ふと、シグナムは首を傾げた。
シャーリーはリクエストを取ったと言っていたが、ここまで詳細だと草案も同然だ。
もしかして、デザイン上のモデルが存在しているのだろうか。

523 :
「シャーリー。一尉はどんな様子でリクエストに答えていたんだ」
「えっ、様子ですか?」
唐突に質問を投げかけられ、シャーリーは戸惑ったように虚空を見上げた。
「楽しそう……というか、悪戯でもしてるみたいな感じでした。
 考え込んだりはしていませんでしたね。リクエストもすらすら答えて頂いて」
「そうか」
何となくだが、このデザインに込められた意味が読めてきた気がした。
恐らくは三尉にとって思い入れのある意匠なのだろう。
それも、一尉の悪戯心やからかいの標的となるような思い入れが。
「とりあえず、これは案の一つとしておこう。三尉には要相談だ」
「色についてはトオサカ一尉を説得したいところですね。
 スターズとライトニングは白を基調としてますから、三尉も合わせて頂きたいところです」
シャーリーは大真面目にそんなことを言った。
「それは重要なことなのか?」
「もちろん! まず形から入れば心も繋がりやすくなるはずですから」
拳を握って熱弁されるシグナムだったが、内容は話半分に聞き流していた。
そもそもシグナムとヴィータの騎士甲冑も白から逸脱した配色なのだ。
今更バリアジャケットの色がどうこう言われても、正直困る。
「まぁ、冗談は置いときまして」
「……冗談か」
「当たり前ですよ。それで、デバイスの機能の件なんですけど」
シグナムの反応をさらりと受け流して、シャーリーは空間ウィンドウを閉じた。
ここから先は口頭での報告になるということらしい。
「防御関連の機能は一式取り付けるとして、やはり詠唱補助機能は除外すべきですよね。
 ミッド式ともベルカ式とも違うみたいですし、技術的な懸念が多すぎます。
 詠唱代替用のプログラムを構築するだけでも数ヶ月は必要でしょう」
先ほどの冗談めかした態度から一転、真剣な口調で語り始めるシャーリー。
シグナムは無言の首肯でシャーリーの主張を肯定した。
技術的な難易度もあるが、政治的にも三尉の魔法を解析することは望ましくない。
もちろん先方がそれを希望すれば話は別なのだが。
「そうだ、シャーリー。一旦ヴィータと通信を繋いで、三尉に取り次いでもらうのはどうだ?」
デバイスを持たない三尉とは直接的な遠距離通信を行うことができない。
しかし、同じ病院にいるヴィータと通信を繋ぎ、三尉にもその場に居合わせて貰うという形なら実現可能だ。
「なるほど、それなら今すぐに相談できますね」
「問題はヴィータが納得してくれるかどうかだな」
ふと、先ほど見せられたバリアジャケットのデザイン案を思い出す。
あの赤を主軸とした配色は、ヴィータの騎士甲冑を髣髴とさせる色合いだった。
ヴィータがその案を知ったとき、どんな反応をするのだろうか。
……傍にいた三尉に訳もなく怒りをぶつける。
そんな光景が、自然とシグナムの脳裏を過ぎっていた。

524 :
投下終了です
ここ暫く戦闘を書いていない気がする

525 :
おつちゃん
中将はあんな穀潰しどもは当てにせんだろう
超過大評価でもしてるなら別だが

526 :
投下乙でしたー。

527 :
投下乙
……そうか、ペアルックか
いいぞもっとやれ

528 :
すっかりこのスレも寂しくなったものだ…で、リリナイでもこの調子だと撃墜イベントは発生するかな?
さすがに本編どおりにはならないだろうけど、ちょっと楽しみ。

529 :
あそこは最大の難所だしな…というのは考えすぎか
丁度本スレでも何度目になるかわからん議論がががが
まーヘイトっぽくならなけりゃそれで
しっかしリリブラ氏は無事なんかね
EXTRA氏も見なくなったし心配だ

530 :
そういえば今年はまだリリブラ氏見てないね…。
俺が知らんだけかもしれんが。
3月にあんなことがあったので、かなり心配だ。
撃墜イベントは様でも様々な議論があるが、ティアナのキャラを立たせるという意味では非常に重要だった。
状況が全然違うのでまったくそのまんまというのはないにしても、それらしいのがあるとやはり嬉しいかもね。
SS書き諸氏がどう料理するのかが楽しみではあるんだ。

531 :
なんかエクストラの続編が出るんだそうだぜ。
このスレ的にはまたネタが増えたってところだろう。ちょっと楽しみ。

532 :
今度は何セイバーだろうか
その前にまほよ出せ…って一応ツッコミ
12月のGODも楽しみだ
既存の設定・制約をぶん投げたゲームらしいハジケぶりに期待

533 :
あたらしいセイバーはさすがにでないと思うけどなw
きのこの日記みたらキャス狐は続編に出るみたいに書いてあったし。
赤セイバーの続投だろう。
もしかしたら青セイバーとか黒セイバーが登場するかもしれんが。

534 :
青セイバーも赤セイバーもどこが男装なんだと突っ込みたかったが
今回もあれがウエディングドレスと言うことにびっくりだよ

535 :
桜さんがメインというだけでごっそりと雰囲気が変わってて、もう色んな意味で感心したわw

536 :
なんか聖杯桜さんがエクストラ世界の浸食とかしているみたいだけど、ラスボス化した桜が別の世界に侵略って、SSっぺーなーとか思ったw

537 :
そろそろ投下ないかなー

538 :
GODはプレシアにリニスも参戦とかなんかもうカオス過ぎる
時の操手パネェっす

539 :
>>536
実際にその設定のSSあったな、クロス物だったけど

540 :
>>538
マジすか…。
もう本当なんでもアリだな。
というかなのはのhollow化というか…つまりまあ、クロスやりたい放題ということだな。

541 :
リニスはフェイトの魔法の原型的な技を使う
ママンはプレシアフィンガーは無かった。やっぱ鞭ですよねー
磔刑…だと…

542 :
個人的にはユーノがどんな具合にマテリアルやなのはたちと戦うのかがみたいなー。

543 :
ラウンドシールドで押し潰す....とか?

544 :
全方位バリア突進があるとか

545 :
円錐型にしたバリアを押し付けて動きを止めてから止めの一撃を叩き込むとか?

546 :
ラウンドシールドの微妙な配置と攻撃型の魔導師とのコンビ前提だが
爆縮レンズみたいなモノの効果を期待した連携攻撃ってできないだろうか
まあ、実現したと仮定してこれはどう見ても傷目的だから
モンスター相手等の抹しても特に非難を受けない相手にしか使えないだろうが

547 :
星光ちゃんの燃える掌底がイカス
某所のマジカル八極拳なのはさんを思い出したわ

548 :
マジカル八極拳にベルカ風八卦掌、リリカル御神流…もうなんでもアリだよね。
つか、PC壊れてデータが消えて、モチベがだだ下がりだったんだが、そろそろ、な…。

549 :
zero見忘れるなよ諸君

550 :
zeroのために待機中だぜ

551 :
ufotableいい感じに気合入り過ぎでワロタ
一時間とかw
世代の積み重ね、血筋の歴史がモノを言う魔術師と、魔導師は真逆と言っていいか
人が魔力を持たない世界で極稀に生まれる魔力保持者ほど魔力は莫大な傾向があり、魔導師として大成しやすい、だしな

552 :
zeroは評判いいな。
これを期にクロスオーバーSSも増えて欲しいもんだが。

553 :
コミック版もいいぞ

554 :
そろそろカレイドルピーZEROの準備も始めとかないとなあ…。
その前になのは無印全部見返すのは面倒だが。
いや、いっそFate/MAGICALGIRL'sで聖杯戦争になのは勢が登場するのにした方が楽かもしれん。

555 :
じらしプレイなんてお父さん感心しません

556 :
PCがぶっ壊れて、テキスト飛んでモチベが落ち込んでたのです。
とはいえ、さすがにね。
しかしこのスレもすっかり寂しくなったんだぜ…。
書いてた人の一人がTwitterしてたんで話しかけてこのスレの話題だしたら
「まだ生きてたんですかこのスレ」
とか言われた時は悲しかった…。

557 :
みんな飽きちゃったのかねー寂しいもんだ
最悪、ここは理想郷SSの感想スレでも良いんじゃないかと思う。・・・ようになった
最低でも俺一人は飛び付くけど、感想を述べる人が少ないと書き手のモチベが続かないだろうし、ブログで晒すのと大差ないしな現状じゃ
いや勿論ここでも投下はあって欲しいけどね
あー月光が読みたいなー半年以上楽しみにしてるんだけどなー

558 :
リリカルブラッドの続きはまだですか?

559 :
リリブラさんはマジ心配だな……。
今年の前半にアレがあったし。
今まで長くともこんなに長期間音沙汰がないのは初めてだし。
最悪の想像をしてしまうぜ……。

560 :
ROM勢は沢山居るのね

561 :
改めてZEROのアニメと原作を読み返しつつ思うが、遠坂陣営のオーパースペックぶりからしたら、なんでこれで勝てなかったんだとw
アサシンに暗攻撃を波状で毎日仕掛けてマスターに神経の消耗をしかけ、でてきたところギルが串刺し…で簡単に勝負ついてたぞw
というかギル一人で気ままに戦わせただけで全部済んでたかもしれんのだがッ

562 :
そりゃあれだ、遠坂家の呪い「うっかり」にきまってるじゃん。

563 :
ウェーバーの立てた仮説はそのまま魔導師を指してる気がする

564 :
そろそろリリナイ氏の投下を期待してもいい頃…。

565 :
ふと今気づいたら、カレイドスコープがまとめに22話までしかないな。
これ勝手にまとめといていいんだっけ?
いいんならまとめとくけど。

566 :
特に誰がまとめるとかそういう決まりはなかったはずです。

567 :
そうなんですか。
では随分と遅くなったけど、カレイドスコープの二十三話、まとめにいれときます。

568 :
カレイドスコープの二十三話 まとめwikiに登録しておきました。

569 :
カレイドスコープの第二四話『隼燕月火』をまとめwikiに登録しておきました。

570 :
ウェイバーの出した魔力効率化の論文って間違いじゃ無いだろ。
アオアオさんが似たような方法で魔術構成してなかったっけ?

571 :
つか間違ってたらグレートビックベンロンドンスターさん(だったか?)は生まれねぇ

572 :
のちに、一声かければ時計塔の勢力が一変するとまで言われるようになるウェイバー。
となると確かにケイネスによって一蹴された論文にも真実味が出てきますな。

573 :
所詮ケイネスって精神的には小物だしな

574 :
無駄に難解な講釈たれてリソース無駄遣いしてりゃ効率悪くもなるわな
でも他人には理解できない難しいことやれる俺スゲーが一般的な魔術師ならそうもなるか

575 :
どうしてだろう…ZEROもVividもそこそこ盛り上がっているのに、このスレの寂しさは…。

576 :
二次創作が盛り上がるタイプの作品じゃ無いからじゃね?
もちろん書く奴はいるだろうが少ないよきっと

577 :
公式クロスもやったのになw
ZEROアニメ化の影響は大きいと思うのだが
それまでの脳内ビジョンが正しく鮮明になったし
VIVIDとFORCEもアニメ化する未来を信じて――

578 :
自分としてはプリズマイリヤのアニメ化はして欲しいのだがな。
ルヴィアの声はレアヌタ版で。

579 :
頭冷やそっかガンド

580 :
なのは世界の人達がプリズマ世界のハーレム状態の士郎を見たらどんな顔をするのかには興味はあるな
案外スルーされそうな気もするが
とりあえずあの世界の士郎はさっさとセラを嫁に貰うべき

581 :
平行世界だが、お兄ちゃんが同じような状態だから気にしないんじゃね

582 :
マテ娘漫画が始まるみたいだな
型月で言うと黒セイバーや猫アルクが主人公やるようなもんか

583 :
>>582
なんだと!?

584 :
>>582
そ、ソースは何処だ…?

585 :
>>584
今月のコンプエース
思いのほか人気が出ちゃったんでスピンオフやります、なーんて既視感
都築の仕事量は異常

586 :
>>585
そうか。ありがとう。
見落としていた。
まあ都筑の仕事量は異常だな。
きのこの仕事量もたいがい多いんだが、シナリオ作業は最初に終わってないといかんので、それが世に出るまでのスパンが長くなって、結果としてあまり仕事してないように見えるってのがあるな…。
しかしそうかー。
マテリアル娘たちの話は…楽しみだ。
まさか、こんなにキャラが立ってオモシロおかしい連中だとは、ゲーム発売前は思ってもいなかったぜw

587 :
>都筑の仕事量は異常だな
月々の原稿+なのはオタ搾取用カラー原稿+夏冬コミケ用同人
→今日もゲマズに、金という名の引換券を持っていく仕事が始まるお…

588 :
コンプエース確認してきた。
確かにマテリアル娘たちの漫画化について書いてあるわ。
ただし詳細は来月号…か。
ちょっと楽しまだ。

589 :
どうでもいいがスピンオフしすぎて原作がわからなくなってるぞ
なのはの時点でとらハの存在知らんやつとか結構いたのに

590 :
トライアングルハートのスピンオフである魔法少女リリカルなのはの続編である魔法少女リリカルなのはA'sのメディアミックスである魔法少女リリカルなのはA's the Battle Of Acesのスピンオフであるマテリアルずの漫画だな

591 :
もはや系譜が必要なレベル

592 :
魔法少女リリカルなのはY's
魔法少女リリカルなのは〜The Oath of Uminari〜
魔法少女リリカルなのは〜失われた次元の都アルハザード〜
魔法少女リリカルなのは〜聖王の匣〜

593 :
ZEROおもすれー
ディルかっけえしイスカが良いキャラしてるなぁ
ViVidの方は超熱いな
ゴーレム操作を応用した術者自身の身体操作つー荒業
ロケットパンチも投げ返す覇王流体術パネェ

594 :
zeroは序盤はいいよなあ
後半はドロドロというか爽快感が薄れていってあまり好きではないが

595 :
虚淵だぞ

596 :
>>595
万言に勝る一言だな。

597 :
虚淵以前に「ベルゼルクの鷹の団編は後半ドロドロで好きじゃない」
とか「スターウォーズEP1〜3は後半ドロドロで(ry」
とか言うようなモンじゃね〜か。最初からBADEND安定だろ。

598 :
二次創作としては使いがいのあるキャラ多いんだけどね
ジルみたいにきすぎたやつはいるが

599 :
プリズマ☆イリヤにあのキャラが登場。
まあ、謎の美少年なんて魔法少女物ではありがちだし、ありえなくもないか。
しかし、オチがひどい…。

600 :
子ギル?イリヤとか俺得すぎるぜw
というか、子ギルは性格能力共にかなりのキャラとの組み合わせができるんだよな。
こと戦闘面に至っては一人で十分という気がしないでもないが。

601 :
EXTRAやAPOCRYPHAでごっそりサーヴァントが出揃ったし、組み合わせごちゃ混ぜ聖杯戦争INなのはも出来そうだなw

602 :
子ギルは一見性格はいいものの、少し話すと『ああやっぱりコイツはあいつの子供時代だ』とわかりますからね……

603 :
そういえばEXTRAの漫画版に、APOCRYPHAのサーヴァントがちらっとだけでてきてたよね。
なんか赤セイバーさんの好みだったらしいが。

604 :
赤セイバーさんはギリシャ大好きだから
アレはEXTRA本編でもあったシーンだけどAPOCRYPHAのデザインが出たから
漫画版に絵付きで出演したわけだ

605 :
プリズマツヴァイがある程度めどがついたら何か思いつきそうな。
早く次のコンプエース発売しろ。

606 :
http://q.pic.to/sehb
すんげーデコボココンビになりそう

607 :
>>606
相性の善し悪しさえわからない組み合わせだなw
そういえばEXTRAの設定だと、なのはがマスターとしてムーンセルにいてもいいわけだよな。
怪我とか病気の治療でそのまま…みたいな。

608 :
魔術師間での知名度的に切継が守護者になってるかも…とか思った
そしてもしスバルがなのはの前に切継に遭遇して"正義の味方"に憧れて居たら……

609 :
つまり・・・どういうことだってばよ?

610 :
10を救う為に1を見捨てるハードボイルド系魔法?少女ナックル系
キリツグに合う為に冬木に行ったら切継の死と後を継いだ男の成れの果て(エミヤ)と遭遇して聖杯戦争に挑む
溢れだす聖杯の泥、キリツグモドキ二人にドキワク大興奮なコトミネ
魔術師による人類の危機を抹消する為に召喚される魔術師し そんな妄想が今過った
そして忘れ去られてイリヤとお茶飲んでるシロウ

611 :
士郎は想像で作り上げた理想像の切継に憧れてただけだし、なんかちがうような
スバルが真実を知れば寧ろ恩人のゲスっぷりに悲しむんじゃね
クロノも将来の夢だったらしいが、定義はそれぞれだな>正義の味方

612 :
つうかキリツグもエミヤもパニッシャー系の人だし
似た様なダークヒーローには共感されるかもしれんが
他の"正義の味方"には否定されたり敵対されたりするだろ
それに「人類の救済」をお題目に外道に手を染める奴なんて昔から悪役の定番の一つだしな

613 :
もうゼロ開始前の健康体なおじさんに闇の書を渡すしか…

614 :
なのはでは居ないな>「人類の救済」をお題目に外道に手を染める奴
強いて言うならグレアムか
道を誤った師が弟子に正されるというのも定番の一つだな
砕け得ぬ闇は金髪ロリだったでござるの巻

615 :
そういや士郎が士貴に会ったら天然の正義?っぷりに発狂するなんて話もあったが
ときに歪んでるなんて言われるが裏返って負の感情を増幅されてもまったく歪みなかったなのはさんでもそれに近いことが起きそうな気もする

616 :
それって士郎アンチが志貴持ち上げるためにWikiに書いて騒いでた捏造じゃなかったっけ?
公式にはランサーとアーチャーばりに相性悪いくらいしか言われてなかったはず。
なのはと士郎が出会ったらやっぱり相性悪いんじゃないかってのは同意
止まるかどうかは別にしてなのはは士郎の無茶を諌めようとするだろうね

617 :
憶測が飛び交ってるよな
1のために10を切り捨てられる志貴と、全てを救うことを目指しだめなら10のために1を切り捨てる士郎では〜とか
人に優先順位をつけられる志貴と、そうじゃない士郎とでは〜とか
何が起きても何とかなるさケセラセラな志貴と(ryとか
士郎は鬱陶しがるかもだが、なのはは士郎を嫌うことは無さそう。つかなのはが人を嫌うところが想像できない
無茶して死にかけたりする士郎もまた、なのはにとっての救済対象となりえるだろうから、
相性は悪くても付き合いは続くと思う
切継とは最悪つーかなのはにとって否定せざるを得ない相手、なんてイメージ
アチャとか切継に「私(達)がやるから!」とOSHIGOTOを分捕っていくなのはさん

618 :
人貴VS英霊エミヤとか笑えねえ

619 :
ZERO見ててディルムッドが気になったからケルト神話調べてみたら、ケルト戦士は歌や曲芸が得意なのな
ディルムッドは槍投げ百発百中って、「槍兵のクラスを侮るな」って台詞まじ謙遜
グラニヤ姫まじビッチ
……個人的にディルムッドの敵で、呪いの猪よりむしろ、『空飛ぶ石臼に乗って、臼から無数の針を飛ばしてしに来る』のが色んな意味で怖いと思いました
そして、ケルト神話のクー・フーリンが俺の知ってるクー・フーリンじゃなかった
ホッケーで1人対150人パーフェクト勝ちとか、縫い針を空中に投げて互いの針穴に通して鎖を作るとかファンタジーじゃねえよ
聖闘士でもやってろ

620 :
インドの神話にゃ思考と同じ速度で空飛ぶ船から印度レーザーや印度核ミサイル飛ばして来る不死身の泥棒なんてのもいますが

621 :
そっちはSFだな
いや、神話なら神話らしい表現ってあるでしょ
百人力とか雷雲とか
そういう話してて欲しかったという

622 :
日本は女装してしに行く知名度MAXなアサシンとか
妄想保管MAXな陰陽師(実際は占星術師だったらしいが)とか位だな
小説描写が反映して魔界転生してそうな人も何人かいるが

623 :
氷室の天地自重

624 :
ぼくのかんがえた最強偉人たちが、ほとんどキン肉マンのノリだった件…予想できたことではあったが――

625 :
まあ現実がさもしければさもしいほど妄想はたくましくなるから
蛮族騎士王さんの地元とか

626 :
しかし食事に関してはその妄想力は働かなかった

627 :
何となくマテ子達と鯖って結構相性良い気がしてきた
雷神とキャス子とか
星光と征服王とか
王とディルやギルガメとか
三人纏めて子育てに奔走する保父エミヤとか

628 :
BOAではまだキャラが掴みきれてないのよね
GODでは序盤から登場して色んな側面が見れるようだし期待
でも統べる子とギルの相性最悪なのは間違いない

629 :
敗因は同族嫌悪か

630 :
シュテルと我様は相性良いと思う

631 :
あーあと雷刃はなのはさんを見てると不快感が募ってコロコロしたくなる
似たような人(?)とは仲良くなれなさそうね

632 :
なのはとエミヤの関わりは年代別に色んな解釈があるな〜
無印Asのなのは、本編の士郎
経験と実績をつんだ大人なのは、行き着くとこまで行っちゃったエミヤ
でも士郎に救われるフェイトはありえても、(本編より酷い状態かも試練)
なのはの心性に救いを見出すアンリマンユってのは想像できん
士郎はなのは程スムーズに行かなくても
あの捩れてた真っ直ぐさじゃないと届かない相手もいる気がする

633 :
プリヤが確信に向かってるなぁ、
とりあえずミユは平行世界の士郎の実妹ってことでFA?
あとフォースにクリス登場
リインユニゾンのシグナムとオカンなアギト
あと劇場版の守護騎士は絵が最新になった以外あんま変わってない、
フェイトはSTSのソニック風BJなのはさんは胸当てが増えた

634 :
FAじゃね
一応ユニゾンリインと互角の統べ子が無限の力とか言ってる闇子はどんなもんだろうね
発売まで1か月切ったし楽しみわはー

635 :
ていうか暗黒面を増幅されてる闇の欠片なのはさんとか
あれまったく反転してなかったぞどいうことだどんだけ歪みねえんだよある意味怖い

636 :
ネガティブだったり凶暴化してたりともはや別人に変わってたのが、フェイト・ヴィータ・ザフィーラ
辛い過去や絶望した瞬間といった時期の“再現”だったのが、はやて・シグナム・リイン・シャマル
他には、クロノは闇の書に対する憎悪の増幅
大雑把に纏めるとこんな感じか
とはいっても全ルート共通してるのはフェイト・ヴィータ・ザフィーラだけ
ルート次第ではなのは同様に、残滓である自覚があり倒してくれと懇願したり、助言したり、夢見心地だったり
GODでも残滓は登場するっぽいが、今回も変化無しなら歪みないの確定だなぁなのはさん

637 :
人間なら誰にでもある歪みがない、ということは、ある意味人間味が薄いとも取れる。
「普通」という特別だった幹也みたく、「歪みがない」という歪みを抱えてるのがなのはということなのかね。
そういえば、なのはって主人公にもかかわらず、メインになってるエピソードが少ない…
巻き込まれたり、仕事だったり、常に外部から登場してる。

638 :
>>637
ある意味主人公してるとは思うよ?
EATMANのボルト・クランクって分かるだろうか。あるいはゴルゴ13。
少年誌的な成長の物語は……きっと空白期に済んじゃったんだろうなぁ……

639 :
その辺は劇場版A'sのインタでも触れられてた
なのははA'sでも主人公だが、悩まないし迷わない、葛藤もない(それはフェイトが担当)
事件のど真ん中で自分が正しいと信じる道を突き進む、
悲しい思いをしている人を(力ずくでも)助けるという主人公
だから今回の劇場版ではひたすら戦ってます
てな感じだった
主人公の形も千差万別つーことですな

640 :
>>637
お前は間違ってる!
人間は正しすぎちゃいけないんだ!!
みたいな?

641 :
あれこれ考察するのは楽しいことだが、行き過ぎたそれは原作・設定の否定だったりする
1を1と受け入れられぬ者こそ歪み
ああこれこそ古よりの月厨の悪癖である
あの頃の素直な心を思い出し、時折自重致せ

642 :
日本語でおk

643 :
そんな貴方にカーニバルファンタズム
頭空っぽにしてみるがいいさ

644 :
>常に外部から登場してる
その認識は間違ってない
PT事件だってなのはがいなくてもクロノがいるから事件は解決できた、って都築は言ってる品
ただなのはがいたことで一寸は良い結末が迎えられたんじゃないかってのが無印
完成した物語に突っ込んだイレギュラーがなのはなんだろう

645 :
どうでもいいがそろそろ投下があるとありがたい
職人さんも減速気味なのか最近ちとご無沙汰

646 :
規制食らってたんでねー。
けどそろそろ何か投下したいな

647 :
しかしマテリアル娘たちは普通に楽しい。
ロードのツンデレ具合にはきゅんきゅんしたw
あの三人が砕け得ぬ闇を探して冬木に来るくらいの話はできそうな気はする。
誰と絡ませていいかは解らんが

648 :
「…参ります」
「超電磁バインド十文字斬りーーーッ!!」
「アロンダイトォー! エクスカリバァー!」

649 :
>>646
期待!

650 :
ムーンセルがロストロギアとして管理局に発見されて
内部の虎聖杯と冬木の虎聖杯の不思議パワーで
なのは、sn、extraのカオスな聖杯戦争が始まる所まで妄想した。

651 :
>>650
ムーンセルの中にもあるのか、虎聖杯w

652 :
管理局with聖杯イラネな人達VS聖杯ホシスなグループ其々 になりそだね
なのはキャラじゃプレシア・スカ博士・レジアス・クアットロくらいしか欲しがりそうなのがいないし
つかGOD世界なら全盛期の英雄から、大人になった凛の孫まで呼べるのかな

653 :
>>651
藤村先生の依頼を全てこなせば出現する。

654 :
>>650
よく考えたら虎聖杯が元凶だったらタイコロ勢も出せるんじゃね?

655 :
>>653
ゲームやってなかったんでしらなかったわ。
まあ虎聖杯はおいとくにしても、平行世界の可能性だのジュエルシードだの、両作品を混ぜ込むためのアイテムとか状況はふんだんにあるんだよなー。

656 :
GOD面白かったー
以下ネタバレ
マテ娘主役のストーリーとは思わなんだわ。特に統べ子は序盤から終盤まで目立つ
砕け得ぬ闇は防衛プログラム以上の戦力で素のなのは達が束になっても無理ゲー
それに捨石となって挑む焼滅の炎シュテルちゃんイカス
雷刃はさらにアホ可愛く
統べ子は尊大・バカ・ツンデレに
そして彼女らにも明るい未来はあった。感動した
つーかこれで何人目だロボ子
新主人公が中盤空気で、シリーズ主人公の出番かなと思いきやなのはさんもあまり目立たない
フェイト・はやて周りは充実。過去の因縁の差か
しかしゲームスペックは相変わらずのなのはさんでした。ラスボスもワンサイドゲーム

657 :
リーゼ達のヴォルケンやリインへの噛み付きが酷かったがハラオウン親子が聖人すぎるだけであれが普通なんだろな
だからこそヴィータもクロノに対して超従順で懐いてるんだろうし

658 :
闇の書事件の解決と共に和解したものと勝手に思ってたんだが、やっぱそう簡単には済まんわな
恨んでる関係者はリーゼ達以外にもまだまだいるんだろな
ラストのなのはさんとシュテルの「大人になった時に再戦」は次作のフラグか

659 :
被害者遺族から相当言われたり管理局内でもよく思ってない人が多いみたいだからな
クロノやカリムって優秀な上司や権力者が後ろ盾に居ないと潰されてたろうな

660 :
つかタイムマシンとかロストロギアは最早何でもアリか
ただし過去は変えられてもそれで現在や未来が変わることはないし、
過去に干渉すれば新たに並行世界が生まれるだけ
よってプレシアの願いは勿論、初期セイバーの願いも叶わんが

661 :
時間を移動しても型月みたいな死者蘇生は出来ないっぽいな

662 :
ヴィータのクロノ贔屓が前作ゲームの影響だって聞いて借りたらクロノが善人すぎて泣いた
クロノは士郎にとっての理想的な自分だと思う

663 :
はやてもリーゼやグレアムに寧ろ感謝してるくらいに善人だったGOD
なのはキャラはよくよく考えるとその精神性に驚かされるってことが多いな
描写はサラッと流すのが殆どだし皆明るく振舞ってるから気づきにくいだけで
気づいた時には、当然なことであるはずのそれに今まで何故気が付かなかった、っていう
ゲーム版はその辺の補完の意味合いもあるようで新しい発見があるな
ユーリのFDBが相手の体から抜き出す得体のしれないモノはなんだ
エンシェント・マトリクスって名前からして対象の起源とか存在とか概念的なものだろうか

664 :
メインキャラが重度のお人よしばっかりだからな
クロノとはやてなんて神の如き優しさだし

665 :
175は小さめ

666 :
s
t
-
t
a
k
a
i
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e
z
w
e
b
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n
e
.
j
p

667 :
レジアスも根は善人ってぐらい悪人が居ない世界だからな
士郎にとっては理想郷だな

668 :
非傷とかは泣いて喜ぶな
年月補正で相手の防御魔術を問答無用でぶち抜くって手加減のし難さだし

669 :
「喜べ少年。お前の願いはようやく叶う」という言葉を見るに
絶対悪のいない世界は士郎にとってはディストピアなんじゃなかろうか

670 :
旧ギルガメッシュの世界洪水の終末剣エンキはヤバいネタだな
よく映像化したもんだ

671 :
志貴と士郎って同学年だと思ってたが志貴が一学年上だったんだな
>>669
それは単なる煽りで士郎の理想の世界はホロウの昼間
誰も何も失わず幸せって現実では有り得ない世界

672 :
ホロウのアヴェンジャーは士郎の一面って知らない人が多いみたいだな
客観的に見た場合は自分自身でもあんな生き方はゴメンって結論だったのは吹いた

673 :
669じゃないが、stay night の方は知ってるがホロウはプレイしてないのよね実は
士郎にとっての理想の世界と、士郎の目指す正義の味方の形ってどんなもん?

674 :
理想の世界
 皆が何も失わず幸福な世界
正義の味方
 10(悪も)を救える存在
士郎は本編開始時点で既に実現不可能なのは理解してる

675 :
理想の世界は士郎らしいな
けどSN序盤で言峰に「正義の味方とは悪をも救う存在だぞ」と指摘されて驚愕してたのが疑問なんだよな
言峰に指摘されるまで「正義の味方像」は固まってなかったのだろか
あとその悪であるコトミ―KILLしちゃったのもよくわからんのだ

676 :
あくまで理想だから
士郎は魔術師同士ならし合いも仕方ないと覚悟してる

677 :
なるほど
本編士郎はアーチャーのようにはならないと言われてたが
割り切れない理想に生き続けたのが英霊エミヤで、
理想に生きるがある程度割り切ることができたのが士郎つー感じでいいのかな
それと、士郎は他人に優先順位を付けられないと言ってた人が居たんだが間違ってるよな?

678 :
アチャも結局は多数の犠牲が出る前に悪を切り捨てる生き方をしてるので同じ
他人に優先順位は付けられるが自分自身が最下位どころかその順位付けの中にさえ入らない

679 :
さんくす
じゃあアチャと士郎の違いってなんなの?

680 :
実は性格とかの違いは殆ど無かったりする
エクストラでアーチャーの言動は演技で素はほぼ士郎のままなのが判明してる
違いは経験の分だけ強いのと悪を切り捨てるまでの判断が速いぐらい

681 :
なら守護者になってしまったのは偶々めぐり合わせが悪かっただけか
スッキリした
長々とお付き合い下さりありがとう

682 :
士郎はSN開始時点で割り切ってる方だよ、どのルート後でも社会的にもまっとうな道に進むってことだし
いざとなると後遺症が覗くぐらいで

683 :
全てを救う正義の味方! つーアオリで勘違いしがちだが、実は結構普通の熱血主人公だよね士郎は
救えない悪は倒すとことか、好きな女の子の為に体張るとことか
エクストラはやってないんだが、アーチャーは中二病患ってるんか
赤原外套ェ・・・

684 :
そうそう奈須が王道主人公を書いてみたらああなったって感じ
褒め言葉として頭おかしいとか狂ってるとか使うもんだから
赤ーチャーの方はエクストラの通りだとほんとどうしようもないクズすぎるな

685 :
王道からは外してる
志貴とは真逆のオタクには受け難いキャラを意図して書いてるのは言われてる

686 :
正直Zero見た限りだとサーヴァントがなのはやフェイト相手に勝負になるとは思えない

687 :
そういうのはいいから

688 :
>>687
待て、>>688の言い方だとなのはフェイト>鯖という事に....
なんにせよ書き手次第だがな

689 :
まあ、勝てないなら勝てないで、からめ手で戦う話もありでしょう。
助ける人が要らないときを選んで、毒を盛るとか。

690 :
GODで判明した戦闘力とか
U-D(出力5〜35%)>>>>>(超えられない壁)>>>>>その他全員
欠片プレシアはクロノが全く歯が立たなかったり、攻撃をいれても平然としていたりと、死にかけでも超強い
リニスはなのは・フェイト・シグナム・リインに勝利。プレシアに肉薄する程度
アミタは単純な戦闘力はなのはに劣るっぽいが単身でトリプルブレイカー以上の火力を放てる
U-Dはそれに耐えるし、
原作A’sの闇の書防衛プログラムの防御結界が4枚だったのに対して、U-Dはヴィータ「20枚くらいは壊せたはず」
対抗プログラム持ったマテ娘も協力が無ければ普通に世界終わってそうな娘

691 :
なのははどこまでもインフレしていくな
クロス考えてる人には悪いけど実際サーヴァントじゃもうどう足掻いても勝てなさそう
だからって卑怯な手段で毒盛って倒すとか情けなさの極みだしw

692 :
だからって「サーヴァント>なのは」になってる作品がケチつけられるようなことにならないといいね

693 :
>>691
何処を読んでインフレしてると思ったんだ....?
単純にU-Dが強いって話でなのは達の強さは変わってないんだが

694 :
>>692
元々、相手が音速超えてないなんて低いハードルが前提だったりと
ケチから始まったようなものだしどうでもいいや

695 :
毒が卑怯といっても、そこは書き方でしょう。
たとえば、
「狙撃を卑怯だ」とするか、「はるか遠くから一発で射抜くスナイパーのかっこよさ」を書くか。

696 :
Prototypeなら派手さでも負けんかも知らん

697 :
投下が無さすぎてヤバい

698 :
もう五ヶ月か

699 :
prototypeのギルって本編より格下の設定だし
強く見えるのも弱く見えるのも演出の問題もあるだろう

700 :
統べ子「然り」

701 :
世界を洪水で滅ぼせるとかより本編の鯖の方が公式で強いと言われてるからな

702 :
だって恐らくその世界を洪水で滅ぼせる宝具も持ってたりするんでしょ?

703 :
ゼロ出るまで鯖の音速超えも比喩とか言われてたな

704 :
さすがにそれは本編もHAもやってない奴の戯言
というか、今は虚淵関連の話題はやばいから持ってこない方がいい

705 :
もう全部虎聖杯に任せちゃえば良いと思うの

706 :
虎聖杯の力でなのは世界に出現するエミヤ
だがcc版の衣装のためセクハラで訴えられる事に
とか?

707 :
セクハラ?
なに、赤フン絞めて女性に掴み掛るザッフィーに比べればまだまだ

708 :
>>704
やってる奴の意見がそうだったりする
当時は月姫キャラ>Fateキャラって意見が多くて志貴がサーヴァントと同等ぐらいでサーヴァントでは祖に勝てないって扱い
だからサーヴァントが音速超えしてると厳しいのでそこら辺は比喩でごり押しされてた

709 :
シグナムの最速で音速超えと違って何の根拠もないのに音速超え否定されてたからな

710 :
なのはさんもファルケン避けるくらいには速いしな
んでフェイトやシグナムはもっと速い
つーかフェイトなんかFORCEでは、ソニック無しで瞬間移動能力持ちとタメ張れるとかわけわからん速さだし
とはいっても、速さだけで強さが決まるわけではないが
技量で勝るシグナムは模擬戦でフェイトに勝ち越してるし、
なのはは高い空間把握力と反応速度でフェイトの不意打ちにカウンター決めるし
理想郷でも、クロス作品であーだからこーだから絶対こっちが勝つ、とかって主張を見かけるがナンセンス極まりないな
何のための混ぜ合わせなのかと。考えることからの逃げ
その点リリブラは良かったなー
鯖やギルの強大さを描きつつ、なのは達の彼女達らしい立ち向かう意志と戦い方が丁寧に描かれてて凄く好き
一見型月にになのはが押されてるように見えるが、実はなのはらしい泥臭い戦いに飲まれているという

711 :
なのはの戦いは泥臭くないだろ
自分を完璧にコントロール出来てるから常に優雅で自信に満ちている

712 :
なのはキャラ全般を指して言ったんだが。しかし優雅?
じゃあド根性気合熱血バトルってことで

713 :
なのはのバトルは泥臭くはないと思う

714 :
なのはは泥臭いとか優雅とかじゃなくてとにかく派手な印象

715 :
なのはのバトルはプロレスって感じだからな

716 :
クリーンなんだろう
泥臭い、血生臭い所を敢えて省いてる感じ

717 :
Forceは大分毛色が違ってるけどな

718 :
じゃあ月姫とクロスさせちゃえばいいじゃない!
実際問題強さ議論起こりにくいよね
更新まだかなー

719 :
時空管理局も一応は警察だし、StSは刑事モノと思えば(戦争映画とかの血生臭さがないのも)納得できる、かな?

720 :
管理局は警察っつーか常備軍持った国連だろ

721 :
管理局は管理世界が運営している機関であることを知らない人は多いな
二次でたまーに見かけるような管理局の暴走とかムリ

722 :
期が変わる毎に世界観も変化しているような錯覚がある

723 :
俺たち一人一人の中にいろんな管理局があるのさ

724 :
同じくなのはさんも色んなのがいるからな

725 :
拡大解釈とか願望とかあるからなぁ
職務のためなら娘を切り捨てる事も辞さない冷血なのはさんとか
悪も溢さず救うことを絶対としアヴァロンさえ投影する完璧超人士郎とか
これも二次創作の醍醐味だと思っているが

726 :
>>725
それは、ただの作者の操り人形でしかないんだよな
被ってる皮が薄くなって中の作者が透けて見えるというかねぇ

727 :
ユーノとか凄まじいからな
メインの場合は例外なく作者の自己投影だし

728 :
>>725
そこまでするのなら、神様転生のオリキャラでいいじゃない、と最近は思ってしまう・・・
昔はその手の奴も普通に読めたんだがなぁ。(特にSHIROU)

729 :
最強系はオリ主は勿論だが、好きなキャラだったとしても読めぬ
恥ずかしく、むず痒く、甘酸っぱくもあり、読むのが辛い
それを同作品内でやる分には全然良いんだが、クロスでやっちゃうのは何だかなー
理想郷でも、専用板があるのに、ツエーされてる側の作品の板に堂々と投下する人ってどんだけ自信あるんだって思うわ

730 :
お前らのそのお客様な態度がここのSS過疎を導いたと何故分からぬッ…!

731 :
理想郷も今やこんな雰囲気だしほとんどなろうに流れているな―
まあ数少ない投下されるssはひどいのはないし良作が多くなっているけど

732 :
あまりにも投下が無いので今からなろうで「なのは fate」で検索してくる

733 :
>>732
そんな大雑把な条件だと、あそこじゃオリ主モノしか引っかからないのでは?

734 :
>>732
冗談抜きで死ぬぞ

735 :
お、俺・・の・知って・・・る
キャ・スター、と・・・違う・・・・・・・

736 :
神 転生 ハーレム きびしめ
ばっかやなw

737 :
二作を絡めた話ができるだけでも楽しいよ俺は
勿論、投下があるともっと楽しくなるんだが

738 :
糞読者様はおとなしくSSを語るスレにでも籠もってろよ
他人のーにケチつけて喜ぶような馬鹿はいらね

739 :
確かに馬鹿にするような言い方は良くないな
自分のーなんてもんを衆目に晒すなら賛否あって当然だけどね

740 :
>>731
生きてるのって何かあったっけ
七ツ夜と魔法 しか見た覚えがないんだが……

741 :
七夜ものなんて数に入れなくていい

742 :
月光は一年経っちゃったしな
エターが惜しまれる作品だ

743 :
ちゃんとした七夜なら良いんだ
ただしNANAYAテメェはダメだ

744 :
誰かあのMBAAの爽やか厨二ボーイを再現出来るお方はおらんのだろうか

745 :
エターナルサンダーソード! 相手は死ぬ!

746 :
フツメンがナルシスト厨二発言してる事に突っ込むSSとかは無いんだろうか

747 :
それはモニターの前の俺たちの仕事です

748 :
リリナイの続きはまだだろうか

749 :
志貴って二次の影響でイケメンと勘違いされてるが実際はモブ顔のフツメンなんだよな

750 :
なのはキャラは美人設定とかほぼ無いな
シグナムとフェイトがそれとなく触れられたくらいしか

751 :
クロノはイケメン設定だったかと
ゲームでもキリエに三年後ぐらいに会いたかったとか言われてるし

752 :
クロノにイケメン設定なんてあったっけか
同性のフェイトにもデートだうんたら言ってたし、キリエは単にああいう正確なだけじゃないかな
なんつーかビッチキャラ?

753 :
クロノは基本スペック原作と変わらないと作者言ってるから普通にイケメン設定だな
なのはの旦那として作られただけあって異常にハイスペックだし

754 :
とらハやってないから知らなんだわ
主人公にイケメン・美少女って居るにはいるけど少ないよな
大抵、並か中の上くらいで
型月なら式くらいか

755 :
志貴はフツメン、士郎は不明、式は超美形、EXTRA主人公はそこそこイケメン
型月はこんな感じか

756 :
なのは 不明
ヴィヴィオ 不明
トーマ 不明
アミティエ 不明
恋愛がストーリーに絡まないから必要ないんだろうな
式が普通顔だったら色々違っていたのかしらん

757 :
エクストラの女主人公みたいにそこそこと明言されて無い限りはメイン格の女は何も言われない限りは美人が二次元の常識だからなのはとかは普通に美人じゃね

758 :
はい?

759 :
作中の評価を当てにするなら、なのははクロノ好みの可愛い子で、士郎は後のイイオトコか

760 :
まあヒロインを意味無く並以下の容姿に設定する必要は無いから
最低でも上の下ぐらいの容姿では有るんだろう

761 :
今月のFは、ようやくまとも出てきたウォーハンマーが普通武器すぎてリアクションに困るな
ハードルが上がったと思えばいいのか、梯子外されたと思えばいいのやら・・・

762 :
AEC武装そのものが感染者へのかませ武器みたいだからね
フォートレスでさえ初戦で全壊っていう
魔導武器(第5世代)が復活するまでの繋ぎに過ぎんのだろ
特にカノンとハンマーはモブ魔導師も使用可な量産機だしなー
Fは敵勢力がかなり多そうなのが気になるな
フッケだけでも大所帯なのに、グレンデル一家に胡散臭いヴァンデイン社に
あとなのはさんマジ怪力

763 :
>>757
なのはとすずかとアリサが超美少女三人組で周囲の男からモテモテが二次のデフォだが
EXTRA主人公のクラスで三番目ぐらいの容姿ってそのクラス次第でそこそこかも微妙な気も

764 :
フェイトとはやても加わって超美少女五人組になるがそのクラスで三番目なら超美少女だな
赤セイバーからの評価で容姿は並からそこそこ美形で確定してるが

765 :
と、ここんところずっとまとめからのリンクで見てたから、このスレちゃんと書き込めてたというのに今日気づいた。
よかった。
住人たちはまだいたんだ…!
とりあえず月光はごめん。
PCがアレして駄目になってから一応六割書きなおした。
一応、六割…のつもりだが、もしかしたら無闇に長いバトルになるかもしれないので六割のつもりが二割という可能性も…。
最後までどうなるかというのは決めているので、その内に再開するとは思う。
もしかしたら外伝としてヴィヴィオ主役の「魔法使いの娘」をこっちに投下するかも。そっちは確実に四割書いてる。
タイトルは那州雪絵先生の漫画から。
マテリアル娘たちにはちょう萌えたので、彼女らを主人公にした「DARK AGE」とかも考えてるけど構想だけになると思う。
とりあえず遅くなったけど、今年もよろしくお願いします。

766 :
生存キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!
餓死しそうなんで早く投下頼んます

767 :
マテリアル娘たち、特にロードがかわいすぎて色々と困る。

768 :
合体強化の流れは予想通りだったが、やっぱいいもんだなああいうものは
臣下との絆こそが王にとっての砕け得ぬ闇だった、つーのは熱かった
「臣下無くして何が王か!」

769 :
マテリアル娘といい、EXTRAといい、次々と新素材は出てきているんだがなあ…。
このスレはなかなか元気にならない。
書き手たちには帰ってきて欲しいもんだぜ。

770 :
普通に考えれば書いてた人は大体社会人になってるぐらいだから増える事は無いだろな

771 :
すでに社会人だった人は忙しいか…あるいは、去年の三月のアレに巻き込まれた書き手がいたとしても、不思議ではないからなあ…

772 :
両方ともそろそろ古いに入る作品だからな

773 :
まとめまトップページから、当スレへのリンクを修正しときました。

774 :

劇場版A’sが7月14日に決まったな

775 :
しかし避難所の業者の書き込みの数は酷いな
あんなんで騙されるのいんのかね

776 :
>>752
今さらだけどキリエは戦闘前台詞じゃなく戦闘後の去り際の一言がどちらかというと重要
ビッチを装う必要がない素を見せるシーンでも3年後に会いたかったって言ってる

777 :
トーマも結構変人だな
ちょっと良くしてもらっただけで、人犯・誘拐犯にさえ好意を持つとかねぇ
なのはさんみたいなヒーロータイプでなく、等身大の主人公とのことだから割と普通の奴かと思いきや

778 :
人をしなければ狂うとか死ぬとかいう話を聞けば、まあ色々と思うところあると思うよ。
まだトーマがどんなキャラなのかってのはよく解からんところがあるが、Forceはまだ話を作るには情報が少なすぎるな。

779 :
つってももうじき連載開始から3年経つわけだが

780 :
掲載誌とか連載の問題はあるけど、三年ででてきてる情報並べても、まだ話作るのには足りてない感じ。
これからまだどんでん返しがいっぱいでそうという意味で。

781 :
病化特性とかエクリプス症状の抑制とか敵サイドの目的とか、謎が多いな
なのはさんの果たす大きな役割とかの伏線もあるし
その点VIVIDはわかりやすい

782 :
とりあえずなのははゲームのマテリアルとかそっち方面からのが話作りやすそうではある。
マテリアル娘たちとかキャラたちまくってるしな。
FateもEXTRAのキャス狐と赤セイバーたんがとてもよい。
最近赤セイバーが活躍するSSを幾つか見たが、フェイトのサーヴァントに赤セイバーって組み合わせは面白いんじゃないかって思ってる。
アルフと一緒に、フェイトを可愛がりつつ慰めてたりするんだよ。
丹下ボイスで。

783 :
パワーが一番あるから優先的に回復させたとシュテルに煽てられるレヴィ
実はプログラムが一番単純だっただけつーのには笑った
EXTRAとのクロスは読んでみたいな
このスレでも書いてる人いたがエタっちゃったし

784 :
書けるかな?

785 :
よし書けた、
今週中あたりにカレイドスコープの続きをアップ予定
って去年最後にあげてからどんだけたってんだ?

786 :
>>783
肉体的な力も魔力の最大出力も実際にレヴィが一番高いみたいだけどな

787 :
>>785
おおっ。
まっていました!
自分も明日あたりに理想郷になんとか投下できそうです。

788 :
型月の魔術師は対機械類対策は既に出来てるらしい

789 :
>>787
月光の人ですかいな?
楽しみ

790 :
>>789
あと5kbくらいー。
にぎやかしにここに投下してもいいかなーとか思ったけど、さすがに無理がありますよねー。

791 :
>>790
どうかなぁ
リリナイの人がそうだったけど、あなたの場合途中からになっちまいますからねー
こっちには以前からの予告作品を投下すればいいんじゃないかな!かな!
丁度今日、別作品とのなのはクロスSSが久々に投下されてたのを見て、まさか!?と思ったのは内緒

792 :
>>788
zero以降は近代兵器でって作品が地味に増えてたが影響は有るんだろうか

793 :
>>791
よそで連載されてた作品を途中から別のスレで…という例はないでもないですが、まあ今回は見合わせました。
そしてさっき投下してきました。
予告作品に関しては、さてどうしたものかなー。

794 :
おっしゃああああああ
読んでくる

795 :
ちなみに分割したので、今日か明日また続きは投下するのだが。

796 :
>>792
SSで士郎が、切嗣戦法の真似をしなくてよくなったのは大きいと思う

797 :
さて、それではカレイドスコープ二十五話『騎士』投下開始します
#1
クロノ達が報告を受けるより時間は少しばかり遡る
気が付くと雨はやんでいた
「づっ……」
ガレキの中から痛む体を引きずり出すと、
ギンガ・ナカジマは力なく座り込んで大きく息を吐いた
キャスターとの交戦中に乱入してきた黒い影―――セイバーの一撃を前に、
誰もがなすすべなく吹き飛んだ
「見世物になる程度には出来がいいようだな」
背筋を凍らせる声にギンガはきしむ体を起こした
何故気づかなかったのか、その男はギンガのすぐ目の前に立ち彼女を見下ろしていた
値踏みするというよりも、ふと見下ろした地面に綺麗な石が落ちていた、
といった趣で、男は無造作にギンガを掴むと強引に引きずり上げ、
これまた無造作に手を離した
「態々我が手を貸してやったのだ、
産まれたばかりの子鹿程度には自分を支えて見せよ」
手荒いが、恐らくほんの気まぐれなのだろう
でなければとっくに死体になっていてもおかしくない
折れそうになる膝を必死に支え、ギンガは改めて男に向き直った
「貴方―――何?」
「下らん問いを繰り返すのが役割か木偶人形
そもそも誰に断って口を開くか?」
グイと顎を掴んでギンガを黙らせると男は海の方へと視線を投げた
視線の先、水平線の彼方に僅か黄色い光が見える
あの方角は―――海上隔離施設?
遠すぎて判然としないが恐らく広範囲に展開されたエアライナーの光だろう
とギンガは当たりをつけた
「あれは貴様の同類か?
よくもってはいるが所詮は雑兵、群れを成したところでセイバーにはかなわん」
薄汚れた雑念に成り下がっているとは言え力だけは有り余っているからな、と
状況が見えているのか、ふんぞり返って男は遠方の出来事に評を下した
「雑念―――?」
ギンガの疑問は男には聞こえなかったらしい、
彼方を望むその表情ははたして―――

798 :

#2
上空に縦横に張り巡らされた黄色い光の帯から旋風が落下する
「リボルバァァァ!!」
振り上げた脚にエネルギーが渦を巻く
「スパァイクッ!!
振り下ろされる鉄槌に対し、黒騎士はすくい上げるように剣を振り上げた
激突する脚と剣、一拍の間を置いて発生した衝撃波に二人は大きく跳ね飛ばされた
「ノーヴェ!」
光の帯―――エアライナーの上に転がるように乗り上げたノーヴェにNが駆け寄る
当の本人は転がった姿勢のまま無い膝を押さえて舌打ちした
まずいな―――
この負傷では近接格闘戦タイプであるノーヴェを戦力としてカウントすることは出来ない
かと言って彼女を戦場から離脱させるということは自分達が足場を失うということである
「キャロ、ノーヴェをフリードに」
「はい!」
安全圏とは言いがたいが自力で動けない以上これが善後策といったところだ
白銀の飛竜の背にノーヴェを預けるとNは黒騎士に向き直った

799 :

「さて、どうするか?」
ノーヴェが抜けるとなると前衛はエリオとウェンディの二人だが、
射撃型と格闘型とはいえ前衛がウイングバック二人だけでは心もとない
集団戦におけるウイングバックの役割は前線に踏みとどまって戦うよりも
機動性による撹乱と後衛、中堅の護衛といった遊撃なのである
「相手は見るからにフロントアタッカーなんだが、な!」
ゴウと力の猛る音に別のエアライナーへと飛び移る
振り返ったNが見たのは先ほどまで自分の立っていた足場(エアライナー)を
叩き割る剛剣の一撃だった
そのまま落下する相手に向けスティンガーを数発発射する
ISランブルデトネイターにより小型ながら驚異的な威力の爆弾と化した短剣はしかし、
着地する為に姿勢を正そうと黒騎士が放った魔力に巻き込まれ
唯の一つも掠めることなく盛大な花火と化した
「奇襲ならばいざ知らず、
最初から弾けると分かっているのなら対処のしようなどいくらでもある」
他に芸は無いのかと言いたげであるが
地上であればいざ知らず、このような海上では手ごろな金属など無い以上、
Nに出来ることは頭を使うことぐらいだった
「やっかいだな」
機動力で言えばエリオやノーヴェのほうが上ではないかと思うのだが、
その他の要素、防御力と攻撃力、そして攻撃範囲が段違いなのである
本人は基本的に剣の間合いで戦うのを身上としているらしく
積極的に広範囲攻撃を行うことは無いが、下手な長射程砲撃などを撃てば
力づくで周辺一帯薙ぎ払って反撃してくる始末である

800 :

「ディエチの二の舞は避けねばならんが
かと言ってノーヴェがコレでは……」
戦闘開始早々
フルパワーで撃ったヘヴィバレルごと薙ぎ払われディエチは戦線を離脱していた
かろうじて拾えた通信によればイノーメスカノンこそ大破したが、
本人は一応生きているらしい
とはいえ、その状況で高所に展開したエアライナーごと叩き落され
波に呑まれたとあっては楽観できるはずも無く、
救助に回れないのがもどかしいが、そんな余裕はない
「ウェンディ、弾幕を!」
「ウィッス!」
フライングボードを構えたウェンディが矢継ぎ早にエリアルショットを発射する
とにかく動きを止めなければ、策を練るも何もあったものではない
「小賢しい!」
魔力任せの跳躍で弾幕から抜け出す
いくらかは当たっていたはずだが、鎧には傷一つない
どうやら防御フィールドを抜けなかったらしい
黒騎士の鎧の構造は一般的なバリアジャケットのそれと大筋では変わらない、
とは黒騎士と元を同じくするアルトリアの弁であるが
ここまで堅牢だともはや“聖王の鎧”レベルである

801 :

「Nさん!」
こちらに向かってこようとする黒騎士に対し、スピーアアングリフでエリオが割って入る
前衛としては正しいが、果たして通じるか?
「なるほど、騎士の気構えはあると言うわけか―――」
張り巡らされたエアライナーの一本で向かい合いながら、
エリオに何か感じるものがあったらしく口の端を吊り上げる黒騎士
見た目だけで言うなら体格的にはほぼ同等、
武器の差でリーチはエリオがやや有利の状況である
「エリオ、無茶すんなよ!」
フリードの背中に居るノーヴェから声がかかる
割って入った結果、ウェンディやNの射線を塞いでしまう形になっているのを
危惧してのものだろう
エリオとて身の程は承知している、正直に言ってシグナムを真正面から打ち破る相手に
単騎で特攻するほど間抜けではない
それでも数度に渡り立ち回り、
今この場にいる中でもはや唯一であるクロスレンジ担当としての役割を全うする
「良い槍捌きだ、だが―――まだ甘い!」
鍔迫り合いの最中不意に黒騎士の足が跳ね上がり
受け止めたストラーダの柄ごとへし折らんとするかのように跳ね上げた足が突き出される
飛びのいて衝撃を逃がしながら、エリオは相手の反則じみた魔力に改めて歯噛みした
武装型のはずなのにあんないいかげんな蹴りの威力がスバルさん以上なんて……
蹴りの一撃でひしゃげたストラーダの柄に目を落として歯噛みする
はたして、仮に相手が無手であったとして、自分は勝てるだろうか?
土台無理な話な気がしてきた
今のこの場にいる全員が総がかりでも恐らく一撃入れるのも厳しいのではないか?
「万策尽きた訳でもあるまい、
騎士ならば己が剣にかけてあがいてみせよ」
剣を向けてのその言葉にエリオは知らぬ間に口の端を吊り上げていた
どうしようもない状況下、乗れば負ける勝負でありながら、
その一言はエリオにとって乗らずにおれないものであった

802 :

これほどの暴君に成り果ててなお、その心の奥底においてこの人はまだ騎士なのだ
ならば、ここで退くような騎士道は少年には存在しない
聖王医療院でエリオは幾度かランサーと話す機会を得た
なのはやフェイト達とは違う、恐らくはシグナム達とも違うであろうその生き方、
考え方に思うところがあったというのもある
年頃の少年らしく英雄譚に憧れたというのもある
だが少年の関心を最も引いたのは男の生き様だった
決して約束を違えず、最後まで友の名誉の為に生きた英雄
その生涯は華々しい栄誉と、そしてそれ以上の悲劇に彩られていた
あるとき少年は問うた
なぜ“そうなる運命”を明示された日に一人前と認められようとしたのかと
男の答えはシンプルだった
「たいしたこたぁねえよ、単に今日がそうなのかって思っただけさ」
その先にある栄光も破滅も理由にならない
“今日この日に武者立ちの儀を受けたものには最高の栄誉と破滅が与えられる”
そんな重大な話をたったそれだけの理由で決められるものだろうか
「ま、深く考えんなって、
―――女を泣かせるような男にロクなのは居ねえからな」
笑い話でもする様に男は話を締めくくった
その背中に少年が何を感じたのかは、今はまだ少年自身も知る由もない
だけどきっと、これは騎士として間違ってない

803 :

「Nさん!」
こちらに向かってこようとする黒騎士に対し、スピーアアングリフでエリオが割って入る
前衛としては正しいが、果たして通じるか?
「なるほど、騎士の気構えはあると言うわけか―――」
張り巡らされたエアライナーの一本で向かい合いながら、
エリオに何か感じるものがあったらしく口の端を吊り上げる黒騎士
見た目だけで言うなら体格的にはほぼ同等、
武器の差でリーチはエリオがやや有利の状況である
「エリオ、無茶すんなよ!」
フリードの背中に居るノーヴェから声がかかる
割って入った結果、ウェンディやNの射線を塞いでしまう形になっているのを
危惧してのものだろう
エリオとて身の程は承知している、正直に言ってシグナムを真正面から打ち破る相手に
単騎で特攻するほど間抜けではない
それでも数度に渡り立ち回り、
今この場にいる中でもはや唯一であるクロスレンジ担当としての役割を全うする
「良い槍捌きだ、だが―――まだ甘い!」
鍔迫り合いの最中不意に黒騎士の足が跳ね上がり
受け止めたストラーダの柄ごとへし折らんとするかのように跳ね上げた足が突き出される
飛びのいて衝撃を逃がしながら、エリオは相手の反則じみた魔力に改めて歯噛みした
武装型のはずなのにあんないいかげんな蹴りの威力がスバルさん以上なんて……
蹴りの一撃でひしゃげたストラーダの柄に目を落として歯噛みする
はたして、仮に相手が無手であったとして、自分は勝てるだろうか?
土台無理な話な気がしてきた
今のこの場にいる全員が総がかりでも恐らく一撃入れるのも厳しいのではないか?
「万策尽きた訳でもあるまい、
騎士ならば己が剣にかけてあがいてみせよ」
剣を向けてのその言葉にエリオは知らぬ間に口の端を吊り上げていた
どうしようもない状況下、乗れば負ける勝負でありながら、
その一言はエリオにとって乗らずにおれないものであった

804 :
「キャロ!!」
「エリオ君!!」
柄を修復し突撃姿勢に構えながら叫ぶ
退けないと示す少年に対し、上空で事の成り行きを見守っていた少女は
引きつった声を上げるしかなかった
「やらせてやれ」
静かに、キャロの背中を押す声が上がった
事実上戦線を離脱し、フリードの背で傍観者と化していたノーヴェである
「でも……」
振り返り同乗者を見る少女の顔は歪んでいる
理由は分かる、ノーヴェにとっても少年は友人であり、
ある種の“生まれ”という意味では身内ですらある
それでも―――
「やらせてやれ、でないと死ぬぞ?」
一人で突っかかる方が危険なのだ、
だからこそのお前の力ではないのかと、ノーヴェは言うのだ
それは残酷な現実だった
「我が乞うは、清銀の剣 若き槍騎士の刃に祝福の光を」
迷った末に閉じられた瞳が大きく見開かれ、右手の宝珠に光が灯る
「猛きその身に、力を与える祈りの光を」
左の宝珠にも同様に光が灯る、両の手のブーストデバイス・ケリュケイオンに掲げるのは、
必勝の宣託か、それとも死にく者への手向けか
“Stahlmesser”
身構えた穂先に桃色の刃が宿る、
引き絞るように腰を落として身構えるエリオにセイバーは口の端を吊り上げた
「馬抜きのジョストか、よかろう受けてたつ!」
刺突の構えで向かい合い全身に魔力をほとばしらせる
時が止まったかのような静寂に誰もが息を呑む
「一閃……必中」
膝が沈む
「メッサぁぁぁ・アングリフ!」
咆哮するストラーダの噴射口、乾坤一擲の気魄を持ってエリオは地を蹴った

805 :
今回は以上です

806 :
投下GJした!
エリオは頑張る男の子だなあ。
あ、子ギルモード解除したんですか。
ちと残念。
次回も楽しみにさせていただきます。

807 :
カレイドスコープ二十五話『騎士』まとめに保存しました。

808 :
乙です
エリオ頑張れ

809 :
乙です
エリオが素晴らしくカコイイ

810 :
現代の魔術師に近代兵器はもう通じないだとエクストラで士郎が銃火器装備だったのはマナが枯渇してたからなのか

811 :
近代兵器対策ってどの程度のもん?
切継のトンプソンなんかはケイネスに効いてたと思うけど

812 :
>>810
別に士郎は魔術師しではないからな
人間相手なら問題なく使えるでしょ

813 :
現代の魔術師に近代兵器はもう通じないだとエクストラで士郎が銃火器装備だったのは
(切嗣みたいに魔術師しとして有効だからではなく、単純に)マナが枯渇して(自分の魔術が使えなかっ)たからなのか
って言いたいんじゃねえのそれ

814 :
非傷設定や威力調整ができればいいんだけどな。地球の魔術。
ぶっちゃけ管理局の業務も、魔法でのそれが有効かどうかで伐度が違ってくる…のは、Forceみてたらわかる。
あととりあえずプリズマイリヤアニメ化おめ!

815 :
近代兵器対策ってどの程度のもん?
心構えの問題じゃないかなぁ、四次の時点で聖堂教会は防弾法衣着てたりしてるし、
ボクシングで足技や関節技を使う位の反則という認識からプロレスの凶器攻撃くらいに認識あらためたとかそんな感じ
ケイネスみたいにいちいちブチ切れたりせずに落ち着いて対応できるとか、
ちゃんと魔術処理した防弾ベスト着るようになったとかみたいな

816 :
攻撃手段が魔術だけっていう認識さえ改めりゃ大分違うはずだがなあ
まあ魔術師同士の一騎討ちでも八極拳使う女もいるし

817 :
フラガ式ボクシング使う女もいるしなw

818 :
>>815
魔術師が科学を下に見て何の対処してなかったのは第四次ぐらいの時期まで
今では普通に対処してるぐらいしか判明してない

819 :
対近代兵器無敵バリヤーを編み出したとかではないのね
プリヤアニメ化かー
劇なの2ndに続いて楽しみができたわい

820 :
そりゃ個人が戦闘機と戦うのがナンセンスな世界だしな

821 :
どの世界でもそんなの無駄
型月とか暗示や洗脳の有る世界だと操縦者にそれで終わりだし

822 :
プリヤって脚本協力に都築真紀先生とか参加しねーかなー。
そしてあの番外編のクロスのアニメ化もしたら面白いのになー。
作者の違うクロスオーバーをアニメ化した例は日本ではほとんどないはず……多分。
そしたら型月×リリカルなのはクロススレにももちっと注目が上がることも、ないか。

823 :
あのクロスは両作品ファンの間では黙されてるような・・・
ねんじぇねで何か妄想できるかと思ったがそうでもなかった

824 :
プリマとの部分は可もなく不可もなくで、もっぱらアレだったのは対談のとこ

825 :
あの対談の内容そのままだとセイバーと凛が互角になっちゃうからな

826 :
都築「型月すげぇ」
武内「フェイトちゃん萌え―」
5年後に再開してリボン交換の約束
こんな感じだったか
あのヨタ話でマジ議論は流石に頭固いような

827 :
>>822
ここ数年でやったのはルパン対コナンとワンピ&トリコか、ワンピとトリコはまたやるんだっけ?
PSPなのは一作目を最近始めたんだけど、ヴィータシナリオの欠片なのはさんの歪み無さに吹いた

828 :
カーニバルファンタズムみたいなはっちゃけクロスオーバーでもしてくれんかね

829 :
しかしスピンアウトの魔法少女ものってこれで何個目だ

830 :
>>827
ああ、結構あったんだなあ。
となると、プリヤ&リリなのもあり得る…!
ゲームの闇の欠片たちはそれぞれの一面らしいが…リニスまで戦って確かめようするのには吹いたw
【話を聞く/聞かせる】はミッド方言で戦うというなんてのは使い古されたネタだが、あれでは否定しかねるw
あとユーノが地味に強い。
シュテルに師匠なんて呼ばれたり、なのはと休日デートしてたり、あの世界ではなんかフラグたってるのかもしれんね。
スピンアウトの魔法少女モノは、ざっと思いつくので今回で四作目だが、まだあるとは思う。

831 :
オーフェン×スレイヤーズの映画もあったな

832 :
>>830
その程度で何とかなるのは最初からくっ付いてる
ハラオウン家と八神家が全員で恋人になるように応援と協力をしててくっ付かなかったのがなのはとユーノ

833 :
GOD内の戦闘結果で強さを測るのは難しいんじゃないかな
ユーノはシュテルに優勢?、シャマルに五分、アインに劣勢
なのはさんもシュテルに勝利、アインハルトを圧倒、ヴィヴィオに敗北、とまぁ状況と相性次第
参考になりそうなのは、U-Dの別次元っぷりとプレシア・リニスがやたら強かったことくらいかな

834 :
ゲーム性能の話で>>831も実際にユーノが強いとは思ってないと思うが

835 :
スピンアウト魔法少女というとプリティーサミーが最初か?
あとはぽえみぃに小麦になのはと続くか
ラジカルレヴィは脚下だな

836 :
>>834
えーどう読み取ればゲーム性能の話だとわかるのよ
ストーリーの話を続けてるし文脈的にもこう解釈するはおかしくないと思うけど
どちらの意味で言ったかは本人にしかわからんのだが・・・?
ベホイミちゃんもそうだな

837 :
>>835
巻末のオマケ漫画、それも一発ネタだしなぁ
とはいえなのはももとはと言えば似た様なものだけど
そういえばあのネタの頃から以外に世知辛い世界観だったな

838 :
トカレフマカロフケレンコフ

839 :
>>832
いいじゃないか…ゲームでユーノなのカップリングの夢を見たって…。
公式は百合になっている。
幾度の続編を超えて独り身 
ただの一度の告白もなく ただの一度も補完されない
彼の者は常に一人 フラグを折られ出番も無く
その公式は、きっと百合になっていた。
…SSには無限の夢があるんだぜ…?
>>833
まあゲーム内バランスを言い出せばメルブラとかアンコとかな。
設定ではどうにもならない組み合わせなのに、というのは普通にあるよな。
ただ、所詮ルート次第であるけど、シュテルの師匠発言やViViD組との対決なんかの台詞を聞くと、地味に妄想がわいてくるんだ。

840 :
なのはは特定の誰かとカプを作らなかったからけっこう層を取り入れることが出来たような
ただforceのなのは達に対してはファンもいい加減誰かとくっ付けてやれよに変化しているけど

841 :
いやいやなのフェなんかは絶対ムリだぞ
DOGDAYSの嘘バレでフェイトが男とくっついて赤ちゃんこさえたと誤報が流れた時の騒動ときたら・・・
都築も反応して回答出すくらいにはいろいろとあったようだし
男女カプを望まない層はまだまだ多い
で、そのための男性主人公なんじゃないかな
裸見たり同じベッドで寝てたりとか結構イチャコラしてるし
なのはでボーイミーツガールを見たい人もこれでいいよね!的な
まだファンのついていない新キャラなら反対派なんて生まれようがないし

842 :
適齢期ってなんなんだろう

843 :
経済力や社会的な立場を無視し
人間を単に動物の一種としてみるなら中高生位だと聞いた

844 :
せっかくのクロススレだからクロスカプの話とかあってもいいのに…とは思うけど、
やっぱりクロスカプには抵抗もまだ多いよね。
きまった相手のいない人間同士の組み合わせなら、まだいけそうな気はするけど。

845 :
まとめ見てアレ? と思って読み直してみたら……
だれか>>803にあたる部分編集して、もしくは編集の仕方教ええくれないか、あそこ丸々余分なんだ

846 :
>>845
wikiの左上にある「編集」をクリックして、「ページ編集」にすると、投稿ページにいけるぞ。
編集の仕方は投稿サイトのcgiと大差はないので、簡単にできる。
まあ、今俺が修正してきたんだが。
重複してたんだな。
報告乙。

847 :
>>846
あ、少し書き落とした。
「ページ編集」は、修正したい該当ページでクリックすると、そのページの編集ができるようになるのな。
やってみると意外と簡単だよ。
簡単すぎて、外部からも弄れるがな。
確か三年くらい前か。
リリブラさんのなりすましがここかなのはSSスレで書く気がなくなったとか書き込みして、その直後に全削除してったなんてことがあったっけ。
あんときゃびびった

848 :
>>846 847
修正とその方法ともにありがとうございます

849 :
イリヤは完結しちゃうのかそれともまた新章突入するのか
なのはも四期アニメ化欲しいなぁ

850 :
なのはは四期のアニメは、まだしばらく無理だろう…それとも、vividやForceの前の期間の事件とかでならできるかもしれんが。
いっそゲームのアニメ化の方が可能性あるんじゃねーかな?
イリヤは新章いって欲しいと思うんだがどうなんだろうな。
そろそろリリナイ氏とかの投稿ないかな。
楽しみにしているんだが。

851 :
プリズマの特典映像とかでコラボ漫画が映像化されたりしないかな。

852 :
なのは×プリヤSSが読みてぇとは誰も言わないという
原作者同士がもうちょい仲良かったら発展もありそうだが
GODのフローリアン姉妹もWAのオマージュが多いし

853 :
>>852
どこらあたりでクロスさせたものかなあとは思うね。
なのは×プリヤ
プリヤツヴァイが始まる前あたりになのはと遭遇…は漫画のアレベースにして、どういう話にするか…。
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