2012年3月一般書籍106: 2ch厨房が新書等のベスト 5冊目 (468) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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2ch厨房が新書等のベスト 5冊目


1 :
良い本を選ぶ、と。そゆこと。
落ちたので新しくたてました
wiki
http://www6.atwiki.jp/nasakenai/pages/69.html
前スレ
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/books/1252923832/

2 :
引き続きご検討おねがいします 前スレで推薦されていたもの
田中利幸『空の戦争史』(講談社現代新書)
中村好寿『軍事革命(RMA)− <情報>が戦争を変える』(中公新書)
安達正勝『物語フランス革命』(中公新書)
越澤明『復興計画 - 幕末・明治の大火から阪神・淡路大震災まで』 (中公新書)
神野直彦『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書)
竹内淳『高校数学でわかるマクスウェル方程式』(ブルーバックス)
桜井弘 編『元素111の新知識』(ブルーバックス) >>370
牧野雅彦『ヴェルサイユ条約―マックス・ウェーバーとドイツの講和』 (中公新書)
内田義雄 『戦争指揮官リンカーン―アメリカ大統領の戦争』 (文春新書)
小和田哲男 『戦国の城』『戦国の合戦』(学研新書)
泉三郎 『岩倉使節団という冒険』 (文春新書)
津田左右吉『支那思想と日本』(岩波新書)

3 :
岩波ジュニア新書って、ジュニア用というともったいないってのがあるな。
下手な濫造新書より、ジュニア新書の方がわかりやすく、本質的に高度なことを言ってたりする。

4 :
>>3
遅塚さんのフランス革命とかな

5 :
>>3
ただあの語り口が、なんか気持ち悪い

6 :
>>3
岩波ジュニア新書って語り口が辺なの?

7 :
ちくまプリマーにも中公ラクレにも大人向けの内容のものあるぞ

8 :
中公ラクレは、そもそもジュニア向けじゃないでしょ。

9 :
いつのまにか4スレが落ちててビビったw
スレ立て乙

10 :
前スレで推薦されていた新書の感想書く。
平田オリザ『演劇入門』(講談社現代新書)。タイトルから予想されるような、演劇史の概説でもなければ、演劇鑑賞初心者のための作品案内でもなく、
またアカデミックな演劇理論を講じたものでもない。「戯曲を書く・演劇を作る」ためのハウツーを実作者の立場から論じ、
そこから言葉や社会における「リアル」とは何かを考えていこうというスタンス。
戯曲の書き方については、映像作品のシナリオとの違いを明確にしつつ、実にシステマティックというか工学的にその組み立て方を説明している。
どちらかというと理系的・合理的な思考をする人のようだ。後半では、演出・俳優の問題と絡めて、
「他者との対話」「コンテキスト」といった言語論やコミュニケーション論的な方向に分け入っていく。
また演出家と俳優との間にある権力性についても、クリアに考えられている。
通読すると、この人は日本の演劇及び社会において、まずはモダニズムを確立することが必要だと考えているらしいことがわかる。
60年代から続くアングラ系の小劇団などでは、作品は非常に前衛的なのに、劇団の内部は古臭いドロドロした村社会だったりするのが気に食わない、という感じだろうか。
こういうきれいに整理された方法論を持ち、クールで明晰な頭脳を持った芸術家というのは、ある意味ユニークかもしれない。

11 :
ところで、個人的には演劇などほとんど見たことないし、ましてや戯曲を書いてみたいと思ったこともなく、
平田オリザの戯曲も一つも知らないわけだが、この本を読んで特に演劇に興味が出たということもない。
一般的にも、「映画はたまに見るけど演劇なんか見たことない」という人がほとんどではなかろうか。
だいたい上演する場も持っていない素人が戯曲なんか書いてどうしようというのか。
一応、高校の演劇部などが対象だとは言っても、戯曲を書こうなどという人はごく一部だと思うのだが。
どうもこの人は演劇人口の裾野を広げようと企んでいるらしく、なにやら野望の臭いがプンプンする。
実際、鳩山内閣官房参与になったりしてたし、『芸術立国論』などといいう著作もある(これはまだ読んでないが)
別に利権が目的ではなくて、純粋に演劇を広めて社会を良くしようと考えているのだろうが、いずれにしろ理念を上から押し付けるのはちょっと勘弁と言う感じ。

12 :
伊藤之雄『元老・西園寺公望』(文春新書)。従来の西園寺公望像に若干の変更を加えた評伝。
冷静で地道であるが情熱や気迫に欠けた政治家という従来のイメージに対して、頑固で時に激怒する性格であり、決して情熱に欠けていたわけではない点、
粘り強く状況によっては柔軟に事に当たるが、自分が重要と考える事案に関しては決して後には引かないという一面を強調している。
長寿ながら常に病気がちだった体調面の事情や、三号まで抱えた女性関係と家庭の事情なども詳しく書かれていて、美化されざる実像に迫っている。
グルメとして食い意地のはった側面も容赦なく暴露されている。晩年には軍部の増長と粘り強く戦うが、ジリジリと押し切られていく経緯が詳細に描かれている。
穏健なナショナリストというのが著者による西園寺の総評のようだ。
これを読んだ後、岩井忠熊『西園寺公望−最後の元老−』(岩波新書)(書かれたのはこっちの方が先)も読んだ。
いずれにしろ地味な人なので、ある程度日本近代史に興味がないとちょっと退屈。

13 :
ロシア史ってないんですか?

14 :
ロシア史
http://shinshomap.info/theme/history_of_russian.html
こうしてみるとロシア史の新書ってあまりないね。
革命とソ連の歴史はそれとして非常に重要だから通史には組み込みにくいしね。
ソ連終了後のロシア現代史もこれはこれで重要だし。

15 :
>>10
おまえ平田とかww
正気でいってんのか?平田ってどんな奴か知らないんだろ

16 :
>>15
多分このスレに貴方以上に演劇にうるさい人はいないと思うよ。
ぜひ新書を推薦してもらいたい。
>>10-12
ところで、>>10-12 を読むかぎり、
どうもベストに推薦しているようには思えないんだが、
評者としてはどっちのつもりなんだろう。
読んでみた結果、これは自分も推薦します、推薦しません、
という結論の部分も書いてほしい。
明らかに絶賛してれば言わずもがなだが、これはどちらか微妙だ。

17 :
>>16
最初に推薦したのは他の人だからなぁ。
自分も推薦したい時は推薦しますと書くけど、
微妙な時には「推薦しません」とはっきり書くのは気が引ける。
よほどひどいと思わない限りは「いいとこもあるし悪いとこもある」としか言えんな。

18 :
>>17
なるほど、スタンスがよく分かった、ありがとう。
平田オリザについては前スレで、
   220 名前:無名草子さん[sage] 投稿日:2009/11/20(金) 01:36:12
   演劇なら平田オリザ『演劇入門』『演技と演出』講談社現代新書は?
   どちらもだいぶ前に読んだっきりなんでまったく内容覚えてないが。
と名前が挙がっただけなのを覚えていたから、
今度のレビューは初めての積極的な推薦かもしれなくて、
その辺の意向を知りたかった。
レビューは読書の参考にしてます。今後ともよろしく。

19 :
ヨーロッパ史も微妙だよね

20 :
仏教でおすすめの本教えて。

21 :
おまえら仏教好きだな。俺もそんなに嫌いではないが。
新書でも啓蒙書でもないけど、京極夏彦の『鉄鼠の檻』って読んだ?
禅の入門書として最適だと思う。あと鈴木大拙とか無門関とか読めば?

22 :
末木文比士の『日本仏教史』(新潮文庫)でも当たってみたらどうよ。

23 :
聖人になりたい

24 :
普通に生きていくのが一番大変

25 :
ひろさちや
幸せになる禅

26 :
>>25
それって最近CMでやってるやつ?
メガネかけた坊さんのやつ?

27 :
経済本が少ない気がする。
経済といえばマンキューとかスティグリッツだよな

28 :
>>21
頭悪すぎ。あれは禅ではない
それでもとっかかりとして「鉄鼠の檻」を読むのであれば、新書ではないが秋月龍みんの「公案」をすすめる

29 :
経済学はまともな学者が書いた本はエコノミスト様の本に埋もれる。

30 :
>>29
まさに「悪貨は良貨を駆逐する」のね。
経済学以前の言葉だが

31 :
あと教育学もひどいよ。「俺の教育論」が書いてあるだけの本ばかり。大学で研究する先生がかわいそうだよ。

32 :
尾木ママを駆逐しろよ

33 :
テス

34 :
新書が雑誌化しているという指摘はうなづけるね。昔なら総合雑誌の特集で書いてアタ町菜事が新書に置き換わった。

35 :
ネットを見るようになってから、総合雑誌とか論壇雑誌は読まなくなったな。
以前は気になる記事を立ち読みぐらいはしたけど、それすらやらなくなった。

36 :
俺は論壇誌六冊読んでいる。つまり世界以外。ネットの情報などはゴミ。
次号が発売されるまでに読むだけで大変だ。

37 :
「世界」一冊だけを批判的に読んだ方がマシだろ

38 :
世界って岩波が出してるやつだよね

39 :
そう。
昔は大学生の頃、それを読むことがスタンダードだったな。

40 :
何歳だよ、お前w

41 :
アメリカ史にアメリカの20世紀〈上〉1890年~1945 年 (中公新書)はどうかな?
読んだことある人いる?

42 :
「インド文明の曙―ヴェーダとウパニシャッド (岩波新書)」辻直四郎
これは名著だね。
インド勉強しようと思ったら、はずせない本だと思う。

43 :
今、6冊も論壇誌出てるか??

44 :
>>42
その本知ってる

45 :
>>43
文藝春秋中央公論正論WILL新潮45VOICE

46 :
>>42
アマゾンにはレビュー一つもないな。本当に名著なのかよ

47 :
いまでは入門書、専門書ともに良い本が出ているから

48 :
>>46
古い本だから。

49 :
古い本ならなおさら

50 :
一〜二冊しか本を出していないマイナー著者でも名著ならアマゾンにレビューは数件はあるし、
レビューが1つもないとか眉唾すぐる

51 :
アマゾンレビューなんぞを名著の判断にするとはアホすぎだろ。

52 :
辻直四郎(1899-1979)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%BB%E7%9B%B4%E5%9B%9B%E9%83%8E
を眺めただけで帝大の偉い先生なのは分かるし、
『インド文明の曙』で検索をしてみれば、
大学新入生向けのブックリストや、
シラバスやレジュメの参考文献にもよく出てくる。
これが名著らしいのは確かだ。
問題は、特にインド学を専攻しない一般読者にとって、
いま読んでも面白い文章なのかどうか。
たとえばウェブ上の文献案内には、
>辻直四郎、「インド文明の曙:ヴェーダとウパニシャッド」(岩波新書)、1967
>ヴェーダに関する入門書。著者渾身の書であるが、
>日本語が難しい。とはいえ、必携。
http://www015.upp.so-net.ne.jp/sanskrit/washo.htm
とするものもある。
なお、そこでは新書判に近い「CenturyBooks」の
>針貝邦生、「ヴェーダからウパニシャッドへ」、清水書院、2000
のほうを「記述は辻博士の本より明解」な入門書としている。
例えばこれが >>47 のいう
>いまでは入門書、専門書ともに良い本が出ているから
に当たるんだろう。この辺を読み比べれば判断がつくかも。

53 :
名著だって言うから買ったぜ。
古本屋で200円。

54 :
最寄のブクオフに行ってみたけどなかったな。ちょっと探さないとダメみたい。
復刊されてるのかな?

55 :
復刊はまだみたいよ。
http://www.fukkan.com/fk/VoteComment?book_no=30783

56 :
まぁネット通販で買うのが早いんだろうけど、
amazonの古書通販だと、ちょっとプレミア付いてたりするのなw

57 :
amazonのレビューこそ良書を導く羅針盤となる。
それに載ってないってことは駄本決定

58 :
それはない。

59 :
それがあるから困る

60 :
ちょっと古い本だと名著でもアマゾンにレビューがない本なんていくらでもあるよ。

61 :
ネットだとそこそこ良い本が名著扱いになってたりするね。
隠れた本というので誰もレビューしてないとかよくある。

62 :
名作でもレビュー0とかごまんとある

63 :
ぜんぜん人気のない名作、って変な感じ

64 :
既にベスト入りしてる中でAmazonレビューが無いのはこのあたり。
やはり古いものに多いね。
梅原猛『哲学の復興』(講談社現代新書、1972年)
小路田泰直『「邪馬台国」と日本人』(平凡社新書、2001年)
尾佐竹猛『湖南事件』(岩波新書、1951年)
奥井智之『60冊の書物による現代社会論』(中公新書、1990年)
詫摩武俊『性格』(講談社現代新書、1971年)

65 :
>>64
それもし読んだら、そのうち俺がここに感想書くわ。
amazonには書かないけど。昔amazonにレビュー書いたらボツられたり改竄されたりしてムカついたので。

66 :
中公旧版の世界の歴史もレビューないよな

67 :
>>62
例をあげてみろよ。
レビューもないような本に名著はないよ。
勝手に名著って崇めてるだけ

68 :
小田亮『レヴィ=ストロース入門』(ちくま新書)はリストに入ってる?

69 :
>>68
入ってない。俺も良書だと思いますけどね。

70 :
Amazon様最強やな

71 :
アマゾンは変なレビューがけっこうあるから、基地外見たさには楽しめる。

72 :
>>71
どんなレビュー?

73 :
>>41
>有賀夏紀『アメリカの20世紀』上(中公新書)
上だけ読了。あまり期待しないで読んだが割と面白かった。貧富の格差による階級が形成された19世紀末から、
「革新主義」による繁栄と大衆消費社会の成立、そして大恐慌を経て、第二次大戦参戦、日本への原爆投下まで。
経済史・社会史的な叙述が中心。「革新主義」というのは著者も認めているように多義的なので、ちょっと捉えにくい概念だ。
マルクス主義の影響力が強かった日本では「革新」と言うと社民主義的な政治勢力を指していたが、
ここで言う「革新主義」はもっと広い意味で使われている。「技術革新」の「革新」の意味に近いか。
(日本でも80年代以降になると「革新・進歩主義=左翼」という図式は崩れてくるが)
20世紀初頭以来のアメリカ的理念である「革新主義」は科学主義・合理主義でもあったと述べられているが、
一方でアメリカ人というのは非常に宗教的な人々でもあるわけで、その二つの傾向がどのように関係しているのか疑問に思った。
並立しつつ対立しているのか、表裏一体のものなのか。

74 :
大恐慌とニューディール政策に関しては一章を費やして詳しく書かれている。
この辺は現在の世界不況に絡んで、いまだに経済学者の間で議論が絶えない部分でもあり、
「軍需によって恐慌を脱した」という著者の見解がどこまで正しいのかはよくわからない。
しかし第二次大戦下の米国内では豊かさを享受したのは確かなようだ。
戦争に関して、軍事や戦闘についてはほとんど書かれておらず、もっぱら銃後の社会状況に焦点が当てられている。
黒人や女性、貧民、日系移民など、社会的弱者に重点的に注目している。
岩波だったら、もっとイデオロギッシュにアメリカ的な弱肉強食社会を糾弾したりするところだろうが、
変に思想的になることなくバランスがとれた記述。下巻は気が向いたら買う。

75 :
その本は名著だよな。

76 :
水嶋ヒロの小説もベストに入れよう

77 :
>>75
これも読んでおくといいよ
http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/mobile?date=20100904

78 :
最近の本で名著はないの?

79 :
http://blogs.dion.ne.jp/morningrain/
↑既出だが、この人は良さそうな新書を上手く選んでレビューしていて参考になる

80 :
既出じゃないだろ。はじめてみたわ。

81 :
既出にも程があるな

82 :
おすすめの本教えてくれよ。

83 :
ベストに入っている竹田青嗣『哲学ってなんだ』(岩波ジュニア)がずいぶん前に問題になってた(アンチも多い模様)ので読んでみました。
体裁としては近代哲学入門なのだが、かなり竹田の思想に偏った特殊な内容だと思う。
岩波ジュニアというのは中高生対象だが、子どもを自分の思想で洗脳してやろうという態度の著者が多いのだろう。
思想的に偏っていると言っても、岩波にありがちな左翼的に偏っているわけではなく(むしろ反マルクス主義的なスタンスが鮮明)、
竹田と西研のほぼ二人だけで共有されている現象学原理主義的な社会思想である。副題に「自己と社会を知る」とあるように、
竹田の在日としての出自を起点としてアイデンティティの問題と近代社会をどう捉えるかという問題が提出されており、
それらに対して答えを出せるのが近代哲学だとしている。2章では哲学の方法の基本原則を三つ挙げている。
@概念を使うA原理を提出するBつねに一からやり直す(再始発)である。この@とBについてはほとんど異論はないと思う。
が、問題となるのはAであって、ここから敷衍して
「哲学とは絶対的な真理を捉えるものではなく普遍的な理解を深く広範なものにしていくための思考方法である」と定式化される。
これは竹田現象学独自の見解であって、明らかに現代哲学の共通見解ではないだろう。

84 :
3章では哲学上の難問として、「嘘つきパラドックス」・「アキレスと亀」・「カントのアンチノミー」が取り上げられる。
カントのアンチノミーについての解釈は、正統的なものなのかどうかはわからないが、これはこれで筋は通っていると思う。
ところが、最初の嘘つきパラドックスの扱いがちょっと不味い。普通は論理学的分析を中心に扱われるものだが、
これに対していきなり現象学的本質観取を適用してしまっている。竹田は、哲学とはパズルを解くことが目的ではない、と言う。
分析哲学でもそれ自体を目的としているわけではないが、パズルを解く事は重要だ。
著者は暗黙のうちに分析哲学・言語哲学的アプローチを切り捨ててしまっており、哲学入門としては偏った態度となっている。

85 :
4章ではカント・ヘーゲル・ルソーについて説明し、キルケゴール・ニーチェ・ハイデガーに少し触れた後、フッサール現象学の説明。
ここでは、自由論・市民社会論に絡んで、ヘーゲルとルソーを高評価している。同意するかどうかは別として、この部分は思想として面白いし有益な議論だと思う。
現象学については、今まで竹田や西研の本を読んできたものにとっては「またか」という感じのものだろう。
アカデミックな現象学と竹田現象学とのズレというのも問題になるのだろうが、素人の自分としてはそこはどうでもいい気がする。
それより現象学を思考の原理とすること自体に疑問がある。例えば「科学」の普遍性と現象学による基礎付けの問題など。これについては色々思うところはあるが省略。
5章では、ヘーゲル・フロイト・現象学を参照しながら、改めて自己とアイデンティティの問題を論じている。
この辺は思春期の頃に読んだら何か感じるところもあったかもしれないが、今は別に〜という感じ。
まとめると、哲学入門書としては偏っていてオススメできないが、思想ヲタ向けの思想本としてはまぁいいんじゃないのというところ。
長文レビューするほどの本じゃないがなぜかすげえ長文になってしまってすいません。

86 :
自分は竹田と西研の本は割と読んでいて、西の『哲学的思考』も読んだし、『完全解読ヘーゲル精神現象学』(講談社選書メチエ)も買って読んだ。
後者はあまり評判良くないが、個人的には樫山欽四郎訳の『精神現象学』を読んでてさっぱり理解できなかったところ、アンチョコとして十分役にたった。
だから哲学アカデミズム方面から差別されている事に関しては擁護したい気持ちもある。
だいたい、アカデミックな哲学者が一般向けに書いてる本も、トンデモっぽいのは山ほどある。
哲学者って自分勝手な妄想を書き連ねても許されるのかと呆れるくらい。その中では竹田・西田の思想はむしろ常識に近く穏健な方だろう。
竹田は最近ヘーゲル関連の新書も2冊ほど出しているが、古本屋で安いのが出たら買うかもしれない。
思想としてはほとんど同意できないし興味も持てないが、柄谷行人あたりと本格的な論争をしたら面白いとは思う。
いままでにも相互批判とかやってきてるんだろうけど、自分はよく知らない。

87 :
>>83
竹田の本はカスだそ。

88 :
>>86
おすすめの本を教えてください。

89 :
>>87
カスじゃない本を教えてください

90 :
>>89
竹田以外のほとんどの本。

91 :
チョンの本を読んでて恥ずかしくないの?

92 :
91のような奴の方が恥ずかしいと思う。

93 :
>>92
お前、在日か?

94 :
違う。

95 :
え?オレ在日日本人だけど

96 :
ひねくれすぎだろ。

97 :
何を読んだらいいか迷ったときには、とりあえず世間で話題になってるのを読んでみるのもいいのではないか。
オレは最近、内田樹の『日本辺境論』を読んだよ。内田は大嫌いだからしんどかったけどw

98 :
「ルポ出所者の現実」面白かったよ。

99 :
犯罪関係だと、浜井浩一・芹沢一也『犯罪不安社会』(光文社新書)の続編である、
浜井浩一『2円で刑務所、5億で執行猶予』(光文社新書)は読んでおくべき。
著者の言い分に同意するかどうかは別として。
あと河合幹雄『日本の人』(ちくま新書)ね。

100 :
河合隼雄じゃなくて?幹雄?
初耳やで。

101 :
頼藤和寛「わたしガンです ある精神科医の耐病記」(文春新書)はいいぞ。闘病記だけど
名著だ。避けたくなるようなテーマの本だけど、一度は読んでおいた方がいい。
新書じゃないけど「人みな骨になるならば」を偶然読んで感激して、一時この人の著作を読んでいた。
人生を考えるのにいい本だよ

102 :
闘病記なんてよみたくねーよ
さっさとしね

103 :
それよりなぜいつから癌を告知するようになったのか知りたい。

104 :
もし癌になっても治療する金もないし、とっとと死にたいね。
気軽に安楽死させてくれるような制度にならないかなぁ。
楽に死ぬ方法って実はほとんどないよね。

105 :
test

106 :
>>100
こういうの恥ずかしいよな

107 :
何が恥ずかしいのかがわからん。

108 :
>>64
梅原猛『哲学の復興』(講談社現代新書)。初版が昭和47年(1972年)という古めの新書。
1章では、デカルトの二元論と西欧近代主義・理性中心主義を批判し、生と死を視野に入れた生命主義的哲学を提唱する。
仏教の優位も主張している。これといった特徴もないごく典型的な近代批判。現在で言えばディープエコロジーの理念に近いか。
2章では平和主義を論ずる。まずカントの永久平和論を検討。次にヘーゲル・マルクス・ニーチェにおいて闘争を肯定している事を確認。
さらに、マルクス主義・毛沢東主義における「正義の戦争」肯定を批判。ここでは平和主義に基づいて左翼が批判されているわけである。
そして再びデカルトにおいて生命尊重の理念が欠けている点を批判。さらに旧約聖書の伐さと比べて仏教の生戒に見られる生命尊重を称える。
3章ではサルトル批判。「病める哲学者」というサルトル評は割と当たっていると思った。
4章ではトインビーを参照しながら中国について論じる。当時は文革真っ最中だった点に注意。
最後に西欧近代文明の行き詰まりと、日本古来の「自然主義」の弱さ(自然に甘える傾向)を指摘し、
「欲望の文明」からの脱却を訴えて終わり。時代背景を考慮しつつ、思想史的位置づけを考えながら読むと面白いかもしれない。
が、要は素朴な近代批判なので、いまさら特に目新しい部分はない。

109 :
皮肉な意味でちょっと面白かったのは、平和論の部分で、冷戦を背景とした「全面核戦争による人類滅亡」への怖れが平和主義の基盤となっている点。
今となっては、戦争のイメージはすっかり変わってしまい、人類滅亡を盾に平和主義を唱えても説得力は薄くなった。
自分は梅原猛という人には全然興味ないので、他に本も読んだことないし、業績も知らない。
ただ別の人の本で出ていた、脳死・臓器移植問題に関する発言は興味深かった。
脳死を人の死と断定することには反対だが、仏教的な慈悲の行為である「菩薩行」として本人の意思で臓器を提供するのは認めて良いとのこと。
ちょっと御都合主義っぽくもあるが、落とし所としては悪くないと思う。

110 :
>>64
詫摩武俊『性格』(講談社現代新書)。これも古い新書で、1971年発行。
まず結論から言うと、古くさすぎて読む価値なし。この時代の心理学がどんなものか興味のある人だけ読むがよかろう。
第二章で、クレッチマーと宮城音弥による性格類型論について長々と書かれているが、なんらかの客観性があるようにも見えず、
かと言って鋭い人間観察眼を感じるでもない、血液型占いみたいな記述が延々と続く。
類型論に対する批判と、もう少し客観性のある特性論についても説明されているが、こっちの方はサラッと流されている。
後半は発達心理学に関する説明のようだが、人間はだいたいこんな感じで育っていきますよ〜
というような常識的に誰でも知っているようなことしか書かれていない。
最後の「共感性」に関する部分だけはちょっと面白いかもしれない。

111 :
読むがよかろうって、すげえ偉そうw

112 :
>>107
無知は恥ずかしいことだろう。

113 :
頭悪いやつばっかりだな、このスレは。

114 :
オレになんか用か?

115 :
偉そうなんだよ、消えろよ。

116 :
「頭悪い」とか「偉そう」とかただの罵倒しかねえのか

117 :
もっと建設的な発言はないのか?

118 :
うん

119 :
>>110に関連して、やはり心理学なんかは新しい本の方がいいということで、
村上宣寛『心理学で何がわかるか』(ちくま新書)をオススメしておきます。
まぁエビデンス重視を掲げている割には、ちょっと乱暴なところもあるような気もしますが。
なんでもそうですけど、鵜呑みは禁物ということで。
既にベストに入っている中では、認知系の下條信輔、市川伸一、行動系の杉山尚子などは
今読んでも充分面白いと思います。

120 :
あと、さっき読み終わったんだけど、
輪島裕介『創られた「日本の心」神話』(光文社新書)は個人的に非常に満足した。
演歌の系譜学。昭和歌謡にまったく興味のない人が読んで面白いかどうかはわかりませんが。

121 :
市川伸一って有名だよね

122 :
ドイツ史とアメリカ史の良書を教えて。

123 :
年末なんだから今年のベストでも選ぼうぜ。

124 :
今年のベストは本スレでやるもんじゃね?

125 :
祥伝社は、祥伝社新書より『なぜ韓国は、パRを全廃できたのか』(若宮健 著)を
 発売した。価格は798円。
2006年秋、韓国ではパRが禁止され、総店舗数約1万5,000店、総売上高は約3兆円にも
 のぼっていたパR店が姿を消した。なぜ、韓国にはパR全廃を実現できたのか?
 パR依存症の問題を取材してきた著者が、日本と韓国のパR事情の共通点と
 違いを検証。日本における政界や警察、広告、メディアとパR業界との癒着等、
 ほとんど報道されることのないパR業界の裏側にひそむ問題を浮き彫りにする。
 journal.mycom.co.jp

126 :
>>125
これ、面白そう

127 :
>>124
こっちでやったっていいだろう

128 :
今年のベスト教えてください

129 :
新書はくず本の寄せ集め、ベストなどない

130 :
ベスト新書があるやん

131 :
ベスト新書って何?

132 :
>>122
ドイツ史ということで、浜本隆志『魔女とカルトのドイツ史』(講談社現代新書)を読んでみた。
ドイツ史の裏面に流れるカルトの水脈を辿り、ナチスと関連付けたもの。
第一章は子供十字軍、異端審問、鞭打ち苦行、「舞踏病」、ポグロムについて。第二章は「ハーメルンの笛吹き男」、
第三章は魔女狩り、第四章ではナチス、第五章では群集心理・集団妄想についての社会学・社会心理学的な総括。
第六章ではドイツの基層文化を宗教学・民俗学的に分析し、ドイツの民族文化にカルトに感染しやすい特殊性があると主張している。
この本では、古代中世以来の前近代的カルトと近代の惨禍であるナチスとの連続性を強調しており、
差異に関してはあまり注目していない。近代合理主義の暴走という側面を強調する近代批判の論調は多いので、
そちらの方はスルーしたのかもしれないが、片手落ちの印象がある。
ドイツ文化のカルト親和的な特殊性というのも、直感的にはありそうではあるが、実証的根拠はどうなのかとも思う。
細かいところだが、一章で出てくる集団ヒステリー性の舞踏症状を「舞踏病」と称するのはいかがなものか。
神経性疾患としてのハンgン舞踏病とはっきり区別するように注記すべきではないか。
2004年発行だから、割と新しい本なのだが、分析の枠組みが素朴すぎるような気がする。個々の事例は面白いし読みやすい。
普通のドイツ史に興味あるなら『ハプスブルク家』(講談社現代新書)あたりを最初に読んだほうがいいでしょう。

133 :
書き忘れたが、『魔女とカルトのドイツ史』も『ハプスブルク家』も既にベストに入っている。

134 :
>>132さんのレビューは最高です。
いつも勇気づけられています。もっと続けてください

135 :
本人w

136 :
>>135
自演なわけないだろ。

137 :
万一自演でも別にいいじゃないか。許してやれよ。

138 :
今年の新書のベストを書こうと思ったら、今年出た新書はほとんど読んでない事に気がついた。
本読むの遅いから全然追いつかないんだよね。
欲しい本全部買ってたら破産するし、積ん読で圧死するしね。
図書館で新書借りる気にもならないし。

139 :
じゃここ最近読んだ中でのベストでも教えてくれよ。

140 :
じゃあ2009年のまで入れた個人的ベスト5
@浜井浩一『2円で刑務所、5億で執行猶予』(光文社新書)…2009年
A輪島裕介『創られた「日本の心」神話』(光文社新書)…2010年
B石黒浩『ロボットとは何か』(講談社現代新書)…2009年
C濱口桂一郎『新しい労働社会』(岩波新書)…2009年
D浅川芳裕『日本は世界5位の農業大国』 (講談社+α新書) …2010年

141 :
面白そうだと思いつつも買ってないのは結構ある。
なんか今年は中公が不調で岩波が結構頑張ったような印象があるけど、どんなもんでしょ?

142 :
人文は相変わらず中公が面白かったと思うけどなあ。
経済関係が人気あったから印象弱いけど。
岩波は今年ほとんど買ってないことに気付いた。

143 :
てs

144 :
>>142
もしよければ今年の中公で良かったのを教えてください。

145 :
お。書ける。
今年の岩波はかたい本が多かった印象があるね。
老舗なんだからこれくらいの堅さで良い。
創刊したばかりの「歴史新書y(洋泉社)」は歴史好きなら楽しめると思う。

146 :
>>140
中公新書の本がないじゃん。
やる気あんの?

147 :
>>146
自分で選んでて「中公入ってないなぁ、光文社2冊も入ってるなぁw」とは意識してたけど。
今年読んだ中では印象に残ってるのがないんだよね。

148 :
試しに『石と人間の歴史』(中公新書)というのを買ってきた。
正月にでも読む。

149 :
ロボットとは何かってのは有名だよな、よく名前を聞く。

150 :
>>144
すごく個人的な興味から読んだのであまり参考にならないかもしれないけれど、
清水克行『日本神判史』はすごく面白かった。

151 :
年末年始をワクワクして過ごしたいから、知的なワクワクできるような本を教えて。
もちろん、新書じゃなくてもいいから。

152 :
知的なワクワクというのは、本人にとって簡単すぎてもダメだし理解不能すぎてもダメな絶妙なところにあるもの。
それは本人にしかわからない。

153 :
大学生だしどの本も簡単ってことはないと思う。
だから難しすぎない本でなければ何でもいいからおすすめ教えてください。

154 :
もうちょっと縛りがないと薦めらんない

155 :
こういう自信がある奴は高校生用の入門書読んどけよ。
岩波ジュニア新書かちくまプリマー新書で面白そうな本を買ってこい。

156 :
自信?なにいってんだ、こいつは。

157 :
おまえら喧嘩するならお菓子やらないぞ

158 :
今年の甥へのクリスマスプレゼントは新書20冊

159 :
俺の甥へのプレゼントはAV20本だった

160 :
それはマジで感謝されるな

161 :
今年もありがとな、おまえら。
もっと、来年は書き込めよ

162 :
ああ

163 :
年明けてもうた…

164 :
あけおめ、ことよろ

165 :
>>162
おい、うそつき。書きこんでないじゃねーかよ

166 :
書きこむことがないからな

167 :
オレ、宮台の『日本の難点』を遅まきながら読んだので後で感想書くよ。
ちゃんとしたレビューじゃなくて、チラ裏的なことをだらだら書くと思うけど。

168 :
どんどんかきやがれ。

169 :
2010の新書ランキングってどこかにない?

170 :
佐藤信夫の国家神道って本をベストに入れようぜ。

171 :
>>170
佐藤信夫の?いくらググってもそんな本出てこないんだけど…

172 :
神国日本 (ちくま新書) 佐藤 弘夫 (新書 - 2006/4) でしたわ

173 :
>>172
それかなり前に買ったけど読まずに積んであるわ。今度読もう。

174 :
日本語について扱った本でおすすめの本教えて

175 :
ベストって古い本ばっかりじゃね。
2010年、2009年のベストとかを考慮しながら新しくどんどんいれていこうぜ

176 :
新書の積ん読だけでも300冊ぐらいあるので、とても2010年出版までたどり着けません

177 :
とっとと読めよ。何やってるんだよ

178 :
おすすめの経済学の本教えてください

179 :
全くの初心者なら大竹文雄『経済学的思考のセンス』(中公新書)が無難か。
ゲーム理論方面から入るのもひとつの手なので、梶井厚志『戦略的思考の技術』(中公新書)でもいいかも。
岩田規久男はせっかちな人には読みにくいのではないかと思う。
因果関係を一歩一歩踏みしめるように地道に説明していく文章なので、粘り強い人じゃないと退屈するはず。
正直、経済学が面白いと思える人ってどれくらいいるのか疑問。
経済学って独特の難しさとつまんなさと陰鬱さと冷酷さがある。
だからエコノミストと言われている人でさえ、あまり理解していないことが多い。

180 :
>>174
日本語についての本ってたくさん出てるけど、どれがいいのかわからんね。
言語学とか国語学とかいろんなアプローチがあるだろうしね。
新書では金田一京助とか外山滋比古あたりから読めばいいんじゃないすか。
俺は去年くらいに、文章読本の類(谷崎・三島・井上ひさし・丸谷才一等々)をまとめて読んでみたが、
結局、斎藤美奈子の『文章読本さん江』が一番面白かったわ。新書じゃないけど参考まで。

181 :
見てわかるように、文章読本を何十冊よんでも別に文章なんて上手くならん。
しょせん本人の才能だわな。

182 :
ハウツー本系全て(会話,勉強法etc)に言えることだけど
何冊読んでも自分の能力は上がらないのが鉄則。

183 :
2、3冊読むぐらいなら効果はあるのだろうけど、そこをいきすぎて自己啓発マニアとか受験術マニアになるとどうしようもないw

184 :
新書じゃなくても大歓迎だよ、ここは。

185 :
新書は分量も手ごろで読みやすいけど、ゴミみたいな内容のものが
増えたな。そのうち新書の出版が下火にならないか心配

186 :
新書出版は、自転車操業状態。
数打ち当たるだから、ゴミ本がほとんど。
内容よりもタイトルでいかに買わすかが勝負。
衝動買いにささえられているのが新書である。

187 :
内容水増しが多くて疲れる。光文社とかさ。

188 :
>>180
新書以外ではどんなんがあるの?

189 :
知らん。言語学・日本語学関係は見通し悪くて、素人としてはうかつなことは言えんな。

190 :
学術的な責任は持たないけど、一応
井上ひさし『私家版 日本語文法』 (新潮文庫)をお勧めしておくか。

191 :
>>190
井上ひさしだと・・・

192 :
日本語なら山口仲美の岩波から出てる日本語の歴史なんていいんじゃねぇの。

193 :
>>192
ああそれブックオフで買って積んである。そのうち読むわ。

194 :
>>172でお薦めされた佐藤弘夫『神国日本』(ちくま新書)を読んでみました。
森喜朗の「神の国」発言事件を受けて、改めて日本の神国思想についてイデオロギー的レッテルを外して考えてみようという本。
Wikiの宗教系新書のベストには既に、末木文美士『日本宗教史』(岩波新書)、井上順孝『神道入門』(平凡社新書)、
菅野覚明 『神道の逆襲』 (講談社現代新書)の三冊が入っている。自分は一応三冊とも読んでいるが、内容はあまり覚えていない。
が、末法辺土たる辺境の小国日本に仏が神の姿を借りて顕現するという「本地垂迹」をもって「神国思想」の元とする説は、
末木文美士『日本宗教史』とほぼ同じだと思う。つまり本来「神国」とは日本の優越を誇る思想ではない、と。
この本では、古代から中世にかけての神観念の変容を分析しながら、神仏習合の成立を追う。

195 :
後半では、蒙古襲来及びナショナリズム高揚と神国思想を単純に結びつける通念が批判される。
蒙古襲来の前に、院政時代における寺社勢力関の紛争による権力秩序の危機を鎮めるために神国思想が説かれ、
また念仏などの新仏教弾圧の論理として神国思想が説かれていることが指摘される。
神国思想は蒙古襲来という外的要因よりも、国内秩序の危機に際して、権門内部の融和と協調を促すイデオロギーとして浮上した。
最後の天皇の権威の変遷と神仏との関係が述べられる。中世になると天皇の存在は神国の目的ではなく神国が存続していくための手段となる。
近世から近代にかけて、神国思想は自国中心主義へと旋回するが、その過程については軽く触れるにとどまっている。
全体的に「神国思想=自国中心主義」という通念に対する批判だが、根底から覆すというほどではなく、修正程度のものだろう。
菅野覚明『神道の逆襲』のような強い思想性もないし、癖がなくて読みやすいと思う。

196 :
『神国日本』のついでと言ってはなんですが、自分は背景となる日本の中世に関する歴史を全然知らないので、
補う意味で今谷明『室町の王権』(中公新書)というのも読んでみました。副題「足利義満の王権簒奪計画」。
まず、院政の成立から世俗権力喪失に至るまで、ざっと天皇家権威の変遷を概観した後、
足利義満が天皇の権力と権威を簒奪していく政治的策謀を追っていく。後円融院がじわじわと精神的に追い詰められていく過程で、
ドメスティックバイオレンスに至ったり、自未遂事件を起こしたりして、自ら権威を失っていく様を生々しく描き出している。
実質的な権力を奪うだけではなく、祭祀権・国家祈祷権を得ることが権威の獲得のために重要であることがよくわかる。
結局、義満は、乗っ取り完遂目前で急死してしまい、計画は頓挫する。その後は紛争の調停者の役割を負うことなどによって天皇の権威は回復していく。
信長・秀吉の時代になっても、皇室の権威を無視することはできず、秀吉などは積極的にその権威を利用していくわけである。
徳川体制では天皇の力を封じ込めることに意を尽くすことになる。中世における政治の本質を明快に描き出した名著。
文章は無駄のない名文なのだが、難しい漢語や歴史的用語が頻出するので、読みやすいとは言えない。
自分も歴史に疎くてちょっとハードルが高かったが、たぶん日本史好きの間では夙に評価が高い本だと思うので、お薦めしておきます。

197 :
>>196さん、レビューありがとうございます。
いつもあなたのレビューに元気づけられております。
あなたのレビューは僕の心の支えです。

198 :
>>193
その本いいぜ。面白い。
俺も日本語とか漢字とか言語学とかに造詣が深い人におすすめの本とか聞きたいんだけど、誰かいないのかな。

199 :
高島俊男でいいんじゃないの?

200 :
>>198じゃないが、高島俊男は有名すぎて結構知ってるんじゃない。

201 :
『漢字と日本人』がベストに入ってるしな

202 :
日本語でいったら金田一とかはどうなの?
それとか大野晋とかさ。

203 :
金田一の三代目も何か新書を出してたな。三代目っつっても推理漫画のあれじゃなくて。

204 :
人日記でも出してるの金田一はじめは?
なぜ僕が行くところ行くところで必ず人事件が起きるんでしょう?って。

205 :
今日は神保町にいってきた。

206 :
>>203
山口仲美ってテレビに出てたのか。知らなかった。

207 :
平凡社から日本語の歴史シリーズとかってなかったけ?
殆ど何も知らないけど

208 :
>>192 山口仲美『日本語の歴史』(岩波新書)読みました。バランスよく読みやすく書かれた日本語の歴史概説。
まず奈良時代については、万葉仮名の発明、そして現代より発音の数が多かった事が述べられる。
平安時代は文章に関して、「漢式和文」「万葉仮名文」「草仮名文」「ひらがな文」「宣命体」「漢字カタカナ交じり文」の成立と使われ方を説明。
鎌倉・室町時代では、係り結びの衰退・連体形と終止形の同一化といった古代語の変容に焦点を当てる。
中世には早くも現代語に連なる言葉の変化が現れたというのは驚き。江戸時代は、洒落本や人情本の会話部分に注目し、当時の話し言葉を復元する。
町人言葉に関しては現在の話し言葉とかなりの共通性が見られるようになってくる。
明治以降では、言文一致体に向けての苦闘の歴史をたどる。これは日本近代文学の歴史とも重なってくる。
特に難しいところもなく、知りたいことはだいたい網羅されていて、高校古文の副読本としてもお薦めできる良書。
ただ序文で語られる著者の言語観が素朴すぎる感じがするのがちょっと不満なところ。(ここには現代言語学と日本語学との乖離という問題が潜んでいるような気がする)
それと、著者は言文一致を無条件で支持しているようだが、個人的には文語体の良さというのもある程度残して欲しい気もする。
たとえば、聖書の句を引用するときなどは文語体の方がいいと思うのだが、どうでしょうか。

209 :
言語繋がりで、去年評判になった、今井むつみ『ことばと思考』(岩波新書)も読んでみた。
「異なる言語の話者は、世界を異なる仕方で見ているか?」という問いに対して、心理学的にアプローチする。
地道な実験と実証を積み重ね、言語が思考に与える影響について納得できる知見が得られる良書なのでお薦めしておく。
自分はスティーブン・ピンカーの『思考する言語』を読んだ時、言語と思考の共通性・普遍性を強調し差異を軽視しすぎる
少し独断的な分析に釈然としなかったので、『ことばと思考』の後半で軽くピンカーが批判されているのには納得した。
(自分はNHKブックスで出ているピンカーの本は全部読んでいるので、ピンカーの主張も一応理解できるのだが)
もちろん、一方では極端な社会構築主義を採る社会学者とか実証性を軽視する精神分析学もあるので、
そういったものへの批判としてもこの本は有効だろう。
あと言語関係では、白井恭弘『外国語学習の科学』(岩波新書)もお薦めしておく。
世の中には個人的経験と独断に頼った英語学習法がいっぱい流通しているわけだが、
そういったものに騙されないためにも読んでおいたほうがいいかも。

210 :
>>209
もっと日本語、言語学系でお勧めの本教えてよ

211 :
>>208
知ったか乙。お前は現代言語学について何も知らないのによく言えるな。

212 :
>>211
知ったかじゃないならお薦めの新書を書け。さもなくば消えて首でも吊れ

213 :
>>212
は?調子にのるなよ?

214 :
まぁまぁ、知ったかぐらい許してやれよ

215 :
まぁただ知ったか扱いしても代わりとなる良書でも紹介してくれないと批判の意味ないよね

216 :
まぁ確かに、知ったかもいい加減痛いから批判してもいいんじゃないかな。
言わないと本人も気づかないし。

217 :
言語の専門家にそんな上から目線で論じられるなんてさすがっす

218 :
じゃあ自分の著作でも宣伝しろよ、専門家

219 :
あんまりイライラすんなよ仲良くしろ

220 :
長文けなされたくらいでイラッとするなら最初から書くな

221 :
>>220
おまえ思い込みが激しいって周りのひとに言われね?

222 :
中公ヴィーコ後半部ワケワカンネw

223 :
【芸能】AKB48とモーニング娘。に見る人気アイドルグループの悩みとは?〜『グループアイドル進化論』
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1297284927/

224 :
>>198
漢字なら大島正二の新書は外せまい。『漢字伝来』『漢字と中国人』。
藤堂明保『漢字の過去と未来』もおすすめ。

225 :
>>224
大島正二の本は結構前に挙がってたぞ。

226 :
>>224
高島俊男と大島正二辺りはすでに定番じゃね

227 :
今週の本棚・情報:新書大賞に村山斉さん
 書店員や書評家らの投票で選ぶ「新書大賞2011」(中央公論新社主催)が、村山斉(ひとし)さん
の『宇宙は何でできているのか−−素粒子物理学で解く宇宙の謎』(幻冬舎新書)に決まった。2010
年に刊行された新書の中から「最高の一冊」を選ぶ賞で、今回が4回目。
 以下の順位は(2)藻谷浩介著『デフレの正体』(角川oneテーマ21)(3)内田樹(たつる)著
『街場のメディア論』(光文社新書)(4)大竹文雄著『競争と公平感』(中公新書)(5)瀧井一博著
『伊藤博文』(同)。詳細は、同社刊行の『中央公論』3月号に発表されている。贈賞式と記念講演は3
月8日に東京・八重洲の八重洲ブックセンター本店で。
毎日新聞 2011年2月13日 東京朝刊
http://mainichi.jp/enta/book/news/20110213ddm015040037000c.html

228 :
一位はともかく二位が藻谷か…
日本の人文系インテリのレベルがわかるな。
内田樹あたりをチヤホヤしててくれた方がまだ無害なんだが。

229 :
藻谷と同列の風下に置かれてる大竹涙目w

230 :
ウィキが全然更新されないんだけど、どうなってるの?

231 :
>>227
これって、去年までみたいに新書大賞の本が出るんじゃなくて
雑誌の中央公論の発表だけになるのかな?
もし、そうなら非常に残念だけど、今の新書の粗製濫造状態なら
仕方がないでしょうね。
中央公論のサイトから、新書大賞の記事のごく一部
http://www.chuokoron.jp/2011/02/post_63.html
ちなみに、前スレが終わった新書スレ
新スレが建っていないようですが、需要がないのかな?

232 :
新書大賞の過去のやつが見れるサイトない?
てかそういう受賞作品が見れる一覧ないかな?
日経の経済書ベストとかさ。

233 :
テス

234 :
>>231
書き込み制限で建てれない

235 :
>>231
何かの陰謀ですよ、きっと

236 :
もうたってますよ。

237 :
新書 30
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/books/1297931802/

238 :
漢字だったら日本の漢字とかがいいような気がするな。
岩波新書のね。

239 :
新書30か。

240 :
森島恒雄の『魔女狩り』が面白かったんだけど、ここでの評判はどんな感じなんだろ
構成がきちんとしてて、キリスト圏に馴染みのない俺でも読めるくらいには面白かったんだが

241 :
>>238
笹原宏之ね。この↓レビューを見る限り面白そうだな。
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0601/sin_k274.html
>>240
買って積んである。そのうち読むつもり。

242 :
>>240
それよんだことあるよ。

243 :
僕はないお!

244 :
「YES」と会社に宣言したら、欲しかった人生がおとずれた! (「ドリームスキル・クラブ」シリーズ) [単行本]
後藤 克也 (著)

245 :
>>240
森島恒雄『魔女狩り』(岩波新書)読んだ。欧州中世の異端審問から魔女の歴史について詳細に書かれた新書。
ほぼ同じ題材が論じられている、浜本隆志『魔女とカルトのドイツ史』(講談社現代新書)と比べてみると、
浜本の方では社会心理学的・民俗学的な分析が主体だが、森島の方では全体的に宗教的な狂信と欺瞞の悪を糾弾する姿勢がが強い。
拷問と処刑の詳細など残酷なエピソードが目白押しなので、読む側としては感情を刺激され、
「キリスト教って最低」「中世って暗黒すぎる」という感想に収斂しがちになってしまう。
それはそれで仕方ないと思うが、偏った歴史観になってしまうので、中世の他の面を綴った歴史本も読んだ方がいいのかもしれない。

246 :
第二次世界大戦物でおすすめ教えて。
日本に関してね

247 :
図解雑学 太平洋戦争

248 :
>>246
探せば腐るほどあるよ?
加藤聖文『大日本帝国崩壊』中公
入江昭『日本の外交』中公
戸部良一『外務省革新派』中公
大江志乃夫『日本の参謀本部』中公
池田清『海軍と日本』中公
山室信一『キメラー満州国の肖像』中公
遠山茂樹『昭和史』岩波
東郷和彦『歴史と外交』講談社
もう後ろの、同じレーベルの本の名前が列挙されてるところを見てくれ……

249 :
あ、おすすめか……

250 :
>>249
やっちまったな。

251 :
太平洋戦争 決定版 (歴史群像シリーズ)1〜10
新書じゃないけど

252 :
日本語論って言ったら素人目からしたら金田一春彦が有名な気がするんだけど、実際のところ評判とかはどうなの?

253 :
地震すごいな

254 :
とりあえず生きてる俺

255 :
何で生きてるんだよ

256 :
生存&保守

257 :
ちっ。

258 :
ファーストインパクトから早二週間か…

259 :
早いよね

260 :
初日は本棚から本が全部飛び出し、新書の積ん読タワーも崩れた。
家にいたら本に潰されていた。

261 :
>>260
潰されてしねばよかったのに。
蔵書は俺が全部もらったのに、残念。

262 :
復興age

263 :
失われる半世紀sage

264 :
のんのん

265 :
核兵器のしくみ (講談社現代新書)
原発事故で原子力に興味を持った人にオススメです

266 :
復興無理age

267 :
闘う言語学者、小島剛一
http://d.hatena.ne.jp/elmikamino/20101019/p2
知らなかったけど、この新書は隠れた名著っぽいね。絶版ではないようだ。

268 :
昨日の余震も生き延びた俺

269 :
宮城県民かい?

270 :
このスレ落ちそうだから何か書き込んどく。
今読んでるのは小林正弥『サンデルの政治哲学』(平凡社新書)
まだ半分だが、それなりに掘り下げられてるしよくまとまってると思う。引っかかるところはいくつかあるが。
面白いかというと、この手の話はもう飽きたかなというのが正直なところ。

271 :
積み本を読んでます。

272 :
この板でもスレ落ちることなんであるのか?

273 :
前スレは773で落ちてるな

274 :
新書でもコツコツ真面目に読んでると頭は良くなるな。
数年前の事を思い出すと本当に馬鹿だったもんな俺。
もちろん今も馬鹿かもしれんけど、馬鹿かもしれんと反省できる程度には頭良くなったのは確かだな。

275 :
新書ってバカにされるけど、バカにされてるのは勝間とかそういう類の本だろ

276 :
新書ブームはホントひどかったわ。

277 :
確かにゴミ本が爆発的に増えたから選択眼は必要。

278 :
入り口は読みやすい物から入っていくのはかまわんと思う。
最初からハードなのに挑むと挫折するおそれがある。
まず読書を習慣化する必要がある。
俺も最初は新潮新書とかPHPのを読んでた。脳に負担が少ないからな。
慣れてきたら意識的に選んでいかなければいけない。
ゴミ本を速読多読してる奴がいるけど、あれはオススメできない。
批判するためにあえて変な本を読むというのはアリだが。

279 :
微妙なのはどう考えてもひどいタイトルなのに、
じつは良書だったりするやつは本当に損

280 :
をはいたサルか?

281 :
募金したら「自分勝手」「偽善者」と批判された女性
5月05日17時25分 提供:アメーバニュース/国内
質問サイト・ヤフー!知恵袋で、地震の募金をして批判を受けた女性の質問が話題となっている。5月5日9:00現在、閲覧数23万件以上というアクセス数を記録している。
その質問は「地震の募金で偽善者といわれましたが・・。」というものだ。
その女性は職場の年上女性と買い物に行った際、おつりを募金箱に入れようとしたら「なんで500円玉まで入れるの???」と、
質問攻めにあい、その後もしつこく募金金額について聞かれたようだ。
そのため女性が軽自動車を買おうとしていたお金を全て募金したことを話すと、
「それって自己満足じゃない???募金する人って偽善者だと思うんだよねーーー」
「それで貯金なくて老後に生活保護うけたりしたら一緒じゃん!!!!」
「自分勝手じゃない!!」とスーパーで言われたと言う。女性は話してしまったことを後悔していると共に、ストレスがたまり、知恵袋に投稿した模様だ。
これに対して「あなたのように誰にも言わず自分の気持ちだけで募金される事は素晴らしいと思いますね」
「ただの募金を偽善扱いすれば、何をしたって誰もが偽善者でしょう」「貴女の事を悪く言う人はいませんよ。安心してくださいね」
「あなたは間違っていません!!」などの回答が寄せられた。
http://news.ameba.jp/20110505-225/

282 :
>>281
意味が分からないよ

283 :
をはいたサルは名著だよな。

284 :

【社会】 敦賀原発で、放射性物質漏れ
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1304930975/

285 :

漏れたのか

286 :
つまり尿漏れ用をはけということか

287 :
森島と浜本の魔女狩りの本はいずれも文章が良質で読みやすい。魔女狩りはきわもの的な興味しか持たれてないようだが、
ヨーロッパ人の精神構造を理解する上で糸口になると思う。反捕鯨運動のエキセントリックさと魔女狩りには通底するものが
あると感じる。必読だよ

288 :
またか…末木文美士・国際日本文化研究センター教授が東日本大震災を「天罰」と主張
http://togetter.com/li/130222
一部で「まさか末木氏がなあ…」という感じで叩かれている天罰発言ですが、自分は発言の是非はともかく、全く意外という感じは受けませんでした。
というのは、以前この人の『日本宗教史』(岩波新書)を読んだ時、「割と原理主義に好意的な人だな」というちょっと嫌な印象を持ったから。
その時書いたレビュー↓
http://www6.atwiki.jp/nasakenai/pages/148.html
「一神教より多神教の方が寛容だというのは嘘だ」というのが末木先生の主張だが、
やっぱり一神教が原理主義化すると怖いよ。魔女狩り然り反捕鯨然り。

289 :
原理主義の意味をわかってない人はさすがにバカすぎる

290 :
いわゆる名著を教えてよ。
お前ら一杯知ってるんでしょ?

291 :
>>290
世界の名著全66巻
http://ameblo.jp/mothra-flight/entry-10007345867.html
日本の名著全50巻
http://ameblo.jp/mothra-flight/entry-10007338232.html

292 :
>>291
全66巻もあるのか?

293 :
福田歓一『近代の政治思想』岩波新書、1970、
梅棹忠夫『知的生産の技術』岩波新書、1969、
の2冊を買ったから、読む。
まだ新大学生だからね。
本ばかり買ってると、満足に昼メシすら買えやしない!

294 :
>>293
岩波くらいなら図書館でかりたらいいのに

295 :
仏教を理解する上でこの本ってどうですか?
仏教に詳しい人っているかな?
http://www.amazon.co.jp/dp/4122038669/

296 :
>>295
読んではないけど
ひろさちやが書いてて悪質ってことはないと思うよ

297 :
と、人物を間違えた
わかんないです。すいません

298 :
初期仏教から上座部→大乗→密教と歴史的な変遷をたどりながら、
それぞれの違いを明確にしてて、とてもわかりやすい本だったと記憶してます。出家と在家の違いを入院患者と通院患者に喩えたり、
どこから菩薩になるのかを図で説明してたり。
手にとってみるのが吉。

299 :
>>297
誰と何を勘違いしたの?

300 :
>>299
いやーかんべんしてくさいw

301 :
>>295はひろさちやっていう作者であってるから間違ってないんじゃないの

302 :
某ひらがなの作家を混同してたと予想

303 :
『ふしぎなキリスト教』良いなぁ。

304 :
>>289にバカと言われたので、小川忠『原理主義とは何か』(講談社現代新書)を読んでみたが、
これは意外に良かった。全体像をザックリと概観できる。

305 :
>>303
良書?

306 :
>>304
Amazonでの評価も高いね。

307 :
>>305
この分野については全く判らないから買ったんだけど、
扱う守備範囲も広めで、それ故に浅くなりすぎてないと言えるかな。
テーマはキリスト教の思想・考え方。
高校で世界史をやった人なら、楽しめるかと。
一応は、対談方式になってるから、読みやすいね。

308 :
他にもキリスト教系の本でいいのないの?
講談社学術文庫から出てる「キリスト教の歴史」ってやつどうなのか気になってる。

309 :
◆岡崎勝世『聖書vs.世界史』講談社現代新書(1996)
史学史におけるキリスト教の立ち位置を記述。
聖書の内容そのものを説明するのではなく、
「聖書の内容が真実だと信じられたために従来の歴史学でどのような珍妙な説が唱えられてきたか」を主題に設定している。
視点はおおむね客観的で、毒舌的な文言は皆無。
史学史だけでなく、哲学史に興味がある人も読んでおいた方がよい。
各章が各時代区分(古代・中世・近世・近代)に対応しており、
1つの章につきそれぞれ5人くらいの学者が紹介されている(古代と中世は少なめ)。
1人に割かれるページは2ページから7ページほど。
俺はこの本を読んで初めてリシャール・シモン(旧約聖書は嘘ばかりという説を確立した人)を知った。
◆飯山雅史『アメリカの宗教右派』中公新書ラクレ(2008)
ブッシュ政権の末期に書かれた本。
アメリカの宗教右派についての概要が分かる。
色々な有名人や団体の名前が出てくるので、憶えたければメモが必要。
存命の者も含めて既に歴史的な評価が定まった人物の紹介が多いので、時論的な割には情報の消費期限は長い。
宗教学よりも政治学的なものを求める人に向く。思想の内面に踏み込んだ記述は少ない。
(図書館コードでいうなら100ではなく300に置かれるべき本)
類書に中公新書の『アメリカと宗教 保守化と政治化のゆくえ』があるが、こちらは内容を忘れた。

310 :
>>309
素晴らしいレビューに感動した

311 :
>>309
どっちも有名な本ですね。

312 :
今年のベスト新書は?

313 :
今年はまだ半分も終わってないし

314 :
今のところの候補は?

315 :
>>314
まず自分が挙げれば?

316 :
>>315
お前が挙げろよ。

317 :
>>316
お前が挙げろ。

318 :
じゃあ俺が。

319 :
>>318
どうぞどうぞ

320 :
去年の冬頃から新書の質が一気にガクッと落ちたよな
本当にこれといって印象に残るモノも感銘を受けたモノもない
だからこそ、そろそろ何か凄いヤツが出そうな気がしてる

321 :
去年の新書ベストって何だったの?

322 :
最近は岩波と平凡社が頑張ってる印象があるけどな。
個人的に積ん読がMaxに達してるので最近のは全然買ってないが。
去年出たのでも欲しいけどどうせ読みきれないから買ってないのが結構あるわ。
あわてて買わなくてもそのうちブックオフに出てくるかもしれないしね。
というかここ数年、新書の8割はブックオフで買ってるわw

323 :
そうですか。どうでもいい わ

324 :
>>321
「新書がベスト」

325 :
>>323
どうでもよくないわ。

326 :
うざ

327 :
>>321
宇宙はなにでできているか

328 :
>>327
それ売れたみたいだね。

329 :
>>328
あ、新書大賞とまちがえたw

330 :
>>329
何を間違えたの?

331 :
教えて君うざいで賞

332 :
>>331
そのレスをする時、面白いと思った?

333 :
日本語に関する本が読みたいんですが、新書文庫単行本でおすすめの本はないでしょうか?
岩波の「日本語の歴史」は読みました

334 :
個人的には、フランス・ドルヌ&小林康夫『日本語の森を歩いて』(講談社現代新書)
が内容が濃くてびっくりした。ただし割と本格的な内容なので難解。
もう少し気軽なものが読みたければ、高島俊男の『お言葉ですが…』シリーズが10巻以上出てるから、それ読めば?

335 :
『日本語の21世紀のために』丸谷才一 山崎正和

336 :
>>333
俺のおすすめは、
井上ひさし『國語元年』(中公文庫)
ぜんぜん学力なくても読めるしね。
これで面白いなぁ、と思ったら、言語学からのアプローチでも、
国語学(日本語学)からのアプローチでも、いかようにも。

337 :
井上ひさし(笑)

338 :
なんか井上ひさしアンチがいるようだな。
あの人の資料収集の徹底ぶりはすごいよ。
晩年の政治的振る舞いは嫌いだけどな。

339 :
井上ひさしを叩く奴は低学歴・不勉強な人が多い

340 :
自作自演乙。

341 :
井上ひさしって最近やっと死んだんだろ?

342 :
まぁリアルでは品性下劣な奴だったらしいけどな。
平和とか言ってる一方で奥さん殴って離婚したりしたんじゃなかったっけ。
だがそれと個々の書いた物の評価は別。

343 :
DVワロタwww
真性のクズだな。

344 :
井上の生前にDVは違法じゃなかったからねぇ

345 :
>>344
頭大丈夫か?

346 :
ゴリゴリの嫌煙主義者だって「100年前のナントカ大統領は煙草を吸っていたから悪人だ!」とは言わないよ
当時はそれが当たり前の習慣だったんだから

347 :
>>346
頭の中がお花畑だね、君。

348 :
ホットケーキ。

349 :
>>334>>335
小林康夫の日本語の森を歩いてと初耳です。はじめてききました。
ちょっと本屋に行ったときにでも拝読してみます。
高島俊男の「お言葉はですが」は定番ということもあってほとんど読んでしまいました。
他に何かおすすめとかってありますかね?

350 :
外山滋比古は?っていうか高島俊男を全部読んでるくらいなら、こっちが教えて欲しいくらいだわw

351 :
おいなんか語れや

352 :
う〜ん……

353 :
ぼちぼち読んでますわ、いろいろと。本読むの遅いから積ん読が減らなくて大変。
日本語関連エッセイでは林望の『日本語の磨きかた』『日本語へそまがり講義』(PHP新書)というやつ。
そつはないけど、これといった特徴もない軽い読み物だったな。
あと川北稔『イギリス近代史講義』(講談社現代新書)も読んだ。
岩波ジュニアの名著『砂糖の世界史』の著者。
これあちこちで評価が高いので、読むのが楽しみだったんだけど、
自分的には引っかかるところが結構多くて微妙でした。
詳しくは論じませんが、要するに経済史を記述する上で世界システム論と標準的な国際経済学とのズレをどう考えるかという問題ですね。
まぁ面白いところも多いので一般的にはオススメの新書だと思います。

354 :
PHP新書(笑)

355 :
今年出た中で面白かったの…何だろうなあ

356 :
もう新書は全部電子書籍にして欲しい。家に本の形で置いておく気にならない。1冊200円くらいで。ブックオフで100円で転売されるよりマシだろ

357 :
俺は割と全体をパラパラ見てから買うので電子化はちょっと嫌。
冒頭の2,3ページだけサンプルにされてもよくわからない。

358 :
俺も電子化は困るな
本の形で置きたくないなら図書館で読めよ

359 :
社会科学の本だと、まず終章を読んで作者の価値観やイデオロギーの偏向を知る、
自分が最も詳しいテーマの節を読み、どこまで事実や用語法に誤りがないかを確認する(ここに間違いがあれば本の全文が信頼できない)
という読み方がデフォだから、小説と違って積極的にネタバレしてもらわないと買えない。

360 :
全部の電子化はダメだけど、電子化が主流になってもいい気がする。
検索できるのは大きいわ。

361 :
クソ本はみんな電子化でおk

362 :
まぁ両方出せばいいかもね。

363 :
最近出版された本で評判がいい本ってある?

364 :
おいまた落ちるぞー

365 :
ここはもうあれだろ、本スレが荒れた時の避難所くらいの意味しかないだろ。

366 :
このスレのアクティブユーザーは何人なんだろうか?

367 :
いないから、こうなんだろね。

368 :
いるよ、ここに。

369 :
もう落としちゃえ

370 :
age

371 :
サゲ

372 :
最近面白い本を読んだんだがレビューしていいか?

373 :
どうぞ。

374 :
レビュー書いても、内容について具体的に批判してくれるならいいけど、
ただ意味なく叩くだけの奴が多いんだよなこのスレw

375 :
それはオマエが論評にすら値しないものを書くからだ

376 :
いや、ほんとに意味もない書き込みもあるだろ
文面からそれが信用できる書き込みか、個々人が判断するしかないね

377 :
合田正人『吉本隆明と柄谷行人』(PHP新書)読了した。
ちゃんとしたレビューは書けないし書く気ないので、意味ない感想だけ書き殴っとく。
これ知的高級連想ゲームだね。関連する哲学者や現代思想家の名前が芋づる式にだらだら出てくる。
あと複雑系とか科学の断片的な話題など。この人のレヴィナスの入門書もそんな感じで散漫だった。
それだけに参照すべきものはだいたい網羅されてる感じはする。
割とわかりやすく書かれてるけど、やっぱり吉本と柄谷の本をある程度読んでないと意味不明だろうなと思う。
俺は吉本の『共同幻想論』は通読したけど、『心的現象論序説』は半分で挫折、
『言語にとって美とはなにか』は20ページで挫折しました。あと『最後の親鸞』とかは読んだ。
柄谷の本は10冊ぐらいは読んでいる。
で、結論としては、この手のインテリが何を考えてるのかだいたいわかったからまぁよかったかな。
俺にはあんまり関係ないけどな。

378 :
ふむ、長文のくせに内容がない。

379 :
吉本や柄谷がそういう芸風だから、どうしても真似しちゃうだろうね。
読んでる本の影響は大きいよ。

380 :
吉本とか柄谷とかオワコンにこだわるやつの気が知れないよ ´・ω・`;

381 :
俺は終わってないからこそ問題だと思うけど。
現代思想や現代哲学というか人文系全体で共有されているある種の価値観、
たとえば市場経済に対する紋切り型の敵意とか、実証性の軽視とかが、
思想全体を貧しくしている。
しかし彼らがそういう思想を持つのはそれなりの理由があるわけで、
そのあたりを内在的に検討しないといけないと思う。

382 :
ただ吉本なんかは80年代に高度消費社会を肯定的に評価していたわけだが、
これも単に右肩上がりの経済に無自覚に乗っかっただけの薄っぺらなもんだよな。

383 :
東とかは「市場経済に対する紋切り型の敵意」を批判してるでしょ?
徐々に終わりつつあるんじゃないの

384 :
先日、内田樹の『街場のメディア論』読んだけど、終わる気配はなかったがなw
左翼・右翼・ポストモダンを問わず、思弁的な事をやってる知識人はみんなそっち系の感じ。
もちろん、一方には紋切り型の市場原理主義は厳然としてあるのも確かだけどね。池田信夫とかね。
ま、どっちもどっちではなかろうか。

385 :
広井良典『コミュニティーを問いなおす』(ちくま新書)が09年の大佛次郎論壇賞、
内田樹『街場のメディア論』(光文社新書)が2011年の新書大賞で3位。
そして昨年のサンデルブーム。311の大震災も相俟って論壇の主流は共同体主義に傾いてる感がある。
その中でも保守主義的なものから左翼的なものまでいろいろあるんだろうけど。

386 :
古川隆久『昭和天皇』はどうなの? 評判良いみたいだけど

387 :
そういう評判の良い本があるなら何でもっとはやく書き込まない。

388 :
自分で調べなさいな。

389 :
原武史の『昭和天皇』(岩波新書)がそこそこ面白かったから、もういいやって感じ。
古川先生のは何か斬新な視点でもあるの?

390 :
積ん読をちょっとずつ消化中だが、正直あまり推薦したいような本はない。

391 :
原たけしって有名?

392 :
有名かどうかは知らんけど、岩波新書の昭和天皇が出た時はそこそこ話題にはなったな。

393 :
そこそこって微妙だな。

394 :
思想史の人だからな。

395 :
最近のなかでおすすめの新書ないの?

396 :
最近の動向は本スレの方に行った方がいいだろう

397 :
岩波の日本の漢字って本いいよ。、

398 :
移民について書かれた新書ってないですか?
「移民と現代フランス」は翻訳がひどいそうで

399 :
移民か〜…面白いネタのはずだが、新書では見かけないな。
なんかあったかな?

400 :
>>399
どうやら新書では上記の「移民と現代フランス」以外は無いっぽい

401 :
古いけど、中公のこれはどう?
林瑞枝 フランスの異邦人―移民・難民・少数者の苦悩
http://www.amazon.co.jp/dp/4121007166/

402 :
>>401
ありがとう。しかし確かに古いですなw
30年も経てばまた状況が変わってきていそうですが。
いちおう図書館で目を通してみます

403 :
じゃあ、新書じゃなくても良いから何か良い移民の本教えて

404 :
レッド・ツェッペリン「移民の歌」

405 :
「物理学とは何だろうか 上・下」(朝永振一郎)
敗戦後日本の散文の最も美しいものの一つ。
「私の万葉集 一〜四」(大岡信)
日本語詩歌の源泉。

406 :
ここで聞くことじゃないけど、半藤一利の本ってどうなの?
有名すぎて一冊も読んだことないんだけど。

407 :
>>404
ツッコミ待ちなんだろうか

408 :
半藤一利ってまだ生きてんの?

409 :
落ちちゃうぞ。

410 :
では落ちる前に読んだ本の感想を
鈴木眞哉『刀と首取り』(平凡社新書)
日本刀の歴史における実際の使われ方を実証的に明らかにし、日本刀にまつわる神話を解体する。
また日本刀の主な使いどころであった「首取り」の実態に関して史料を引きながら詳述している。
戦場において日本刀の武器としての重要度は高くなく、初期には弓矢、鉄砲伝来以降は鉄砲が主体で、日本の戦争は元々遠戦志向だった。
接近戦においても槍が主体であって、刀は脇役であった。そして戦場における刀の用途は主に「首取り」であった。
論旨明晰でわかりやすいが、繰り返しが多くややクドい。武術や軍事に興味がある人なら面白く読めると思う。

411 :
田中圭一『百姓の江戸時代』(ちくま新書)
上の『刀と首取り』以上に、既成の歴史学の通念に対する批判が辛辣であり、近世史学の根本的見直しを提言する姿勢が強い。
講談社現代新書で『貧農史観を見直す』というのがあったが、その流れにある歴史啓蒙書だろう。
今までの近世史学では、支配者側からの視点で法や制度の建前的な表面だけを見ているようなものであって、百姓の活き活きとした実態を取り逃がしているという。
たとえば、「定免制」という数年間分の作量の平均を基準とした年貢の固定化について、
通説だと幕府の方が年貢の増額と安定化を意図して百姓に強制した制度であったかのごとくだが、実際は百姓の方から検見制よりは定免制の方を要望したのである。
ちょっと考えてみれば、年貢が固定していた方が、努力して豊作を目指すインセンティブが生じるのは理の当然かもしれない。
検見制で、豊作の時はその分年貢を増額されていたら、努力する気が失せる。他にも百姓が主体となって制度を変えさせたり、勘定奉行を罷免させたりした例が紹介される。
身分についても、農工商に関しては、身分の上下は建前であって、実際は職分に過ぎなかった。
侍も含めて、身分間の移動は少なくなかったという。それに百姓は文字通り「百姓」であって、農業だけではなく、ものづくりをやり、商売もやった。
また田畑永代売りの禁止についても、ほとんど有名無実で、実際には売買は盛んであった。
村から村への人の移動、商品の流通も盛んで、江戸時代というのは資本主義が芽生え育った時代である。
百姓一揆の関しても、従来は追い詰められた貧農のやぶれかぶれの暴動というイメージが強いが、実際はもっと理性的で秩序があり目的の明確な抗議の方法だったと言う。
近世史学における経済史的見地の欠如を痛烈に批判していて自分には面白かった。

412 :
南川高志『ローマ五賢帝』(講談社現代新書)
一般には「平和と安定の時代」とされる五賢帝時代の陰の部分を実証的に明らかにしている。
また一般に世襲より優れたものだと言われる、優秀な者を選んで皇位を継がせる「養子皇帝制」も、実質的なものではなかった事が暴かれている。
後世では賢帝という評価が定着したハドリアヌスにしても、政治的勢力の均衡に苦慮し、即位の際には元老院議員の処刑、
後継者決定の際には姪の息子のフスクスと義兄のセルウィアヌスを処刑するなど、血なまぐさい事件を起こしていて、古代では暴君との評価だったという。
これらも政治力学的均衡を取るためのやむを得ぬ措置であったことが、婚姻や血縁関係・諸勢力の繋がり方を
「プロソポグラフィー的研究法」で実証的に調べていくことで明らかにされる。特に後継者騒動の際のいくつかの謎は鮮やかに解決されているようだ。
哲人皇帝のマルクス・アレニウスも、帝国内を統めるために、パルティア戦争やマルコマンニ戦争を戦わなくてはならなかった。
本来は政治や戦争より、静かに哲学をしていたかった学者肌の人物だったということで、人間的には非常に興味深い人である。
五賢帝時代に対して、既にあるイメージを持っている人には目からウロコの内容かもしれない。
ただ、俺のように「五賢帝って誰?」レベルのゆとり君にはとっつきにくい。もっと初心者向けかと思っていた。
そもそもシーザーが大活躍する時代や、カリグラやネロのような暴君が大暴れする時代に比べても地味な時代である。
先に高校世界史レベルのローマ史をおさらいしておくか、モンタネッリ『ローマの歴史』(中公文庫)のような気楽に読める入門書を併読するといいかもしれない。

413 :
H.G.ウェルズ『世界史概観』上(岩波新書)
約220ページ×上下巻で世界通史を詰め込んでいるので、かなりスカスカの内容かもと思っていたが、結構中身は濃い。
最初の三分の一は、地球の誕生から人類の誕生・石器時代という先史時代を扱っていて、狭義の歴史の叙述はその後に始まる。
1944年という時代に書かれた本(65年に改訂・66年に邦訳出版)なので、60年以上前の知見であり、古生物や原始人類に関する情報などはかなり古くなっていると思われる。
しかし当時の科学の水準に依拠した、それなりに緻密な叙述で、ほとんど違和感はない。
ヨーロッパ中心史観・白人中心史観も退けられているが、やはり今読むとその残滓がそこはかとなく感じられる。
ギリシア史とローマ史に関して、もう少し詳しくわかりやすく書いてあることを期待していたが、さすがにこのスペースでは厳しかったようだ。
インド・中国、アラブにもちゃんと目を配っており、構成は見事だと感じた。歴史観としては、知の歴史・理性の歴史という観点をとっているように見受けられた。
宗教も科学も理性の進歩という価値観で評価されているようだ。もっとも、精神分析や文化人類学の知見も取り入れられていて、単純な進歩史観は薄まっている。
こうした観点からなのか、ローマの時代についての著者の評価は低い。知的にはあまり進歩しなかったという見方をしている。
それに対して、哲学・数学・科学の進歩に寄与したアラブに対して賛辞を惜しまない。十字軍と教会の権勢の高まりと退廃について述べて上巻は終わる。

414 :
H.G.ウェルズ『世界史概観』上(岩波新書)
約220ページ×上下巻で世界通史を詰め込んでいるので、かなりスカスカの内容かもと思っていたが、結構中身は濃い。
最初の三分の一は、地球の誕生から人類の誕生・石器時代という先史時代を扱っていて、狭義の歴史の叙述はその後に始まる。
1944年という時代に書かれた本(65年に改訂・66年に邦訳出版)なので、60年以上前の知見であり、古生物や原始人類に関する情報などはかなり古くなっていると思われる。
しかし当時の科学の水準に依拠した、それなりに緻密な叙述で、ほとんど違和感はない。
ヨーロッパ中心史観・白人中心史観も退けられているが、やはり今読むとその残滓がそこはかとなく感じられる。
ギリシア史とローマ史に関して、もう少し詳しくわかりやすく書いてあることを期待していたが、さすがにこのスペースでは厳しかったようだ。
インド・中国、アラブにもちゃんと目を配っており、構成は見事だと感じた。歴史観としては、知の歴史・理性の歴史という観点をとっているように見受けられた。
宗教も科学も理性の進歩という価値観で評価されているようだ。もっとも、精神分析や文化人類学の知見も取り入れられていて、単純な進歩史観は薄まっている。
こうした観点からなのか、ローマの時代についての著者の評価は低い。知的にはあまり進歩しなかったという見方をしている。
それに対して、哲学・数学・科学の進歩に寄与したアラブに対して賛辞を惜しまない。十字軍と教会の権勢の高まりと退廃について述べて上巻は終わる。

415 :
H.G.ウェルズ『世界史概観』下(岩波新書)
絶対王政の時代から第二次大戦まで(付録では60年代に出た改訂部分が載っていて、そちらは戦後の冷戦時代まで記述されている)
この下巻のほとんどが近代と現代の記述に割かれていて、著者の同時代の問題意識からか、両世界大戦(特に第二次)については詳細に述べられている。
旧版のラストでは、なぜかまた生命の誕生について再論していて、妙に悲観的なムードで終わる。
改訂版では第一次世界大戦後の状況から書き直されている。スターリンや毛沢東に対する評価は辛辣であり、またアメリカのマッカーシズムの赤狩りについても批判している。
近代から現代に近づくに従って、政治家や国家の愚行に対する批判的口調が熱を帯びてくる。
通史と言うには近現代史の比率がバランス的に多めではあるが、名著と言っていいと思う。
以上はすべて既にベストに入っているもの
あと二重投稿してしまいました本当にごめんなさい

416 :
>>415
おつ。なかなか熱が入ってていいね!

417 :
レビューのお手本みたいな文章だな。
読んだことないけど内容が想像できるし読みたくなってくる。

418 :
ほめてんだかけなしてんだか。
落ちちゃうのであげ!

419 :
>>418
明らかにほめてると思うぞw

420 :
test

421 :
age

422 :
保守

423 :
小林登志子『シュメル−人類最古の文明』(中公新書)「シュメル」という古代文明の名については、自分の記憶の中に全く存在しておらず、
こんなの世界史で習ったっけ?などと思っていたが、メソポタミア文明の中でも最古のものということである。
考古学的要素も強く、遺跡や遺物の図版が豊富である。最初に三笠宮崇仁による推薦文が載っている。
序章ではメソポタミア史とその風土について、ざっと概観している。
第一章は世界初の文字の発明について詳論していて、この章がもっとも興味深い。
文字の前身としてトークンとブッラという物が存在していた事や、交易の記録の必要から文字が発明されていったことなど。
文字よりも経済の方が先なのかという驚きがある。そして粘土板に書かれた文字だったからこそ長い時の試練に耐えて残ったという点にある種の感動がある。
紙だったら残っていなかったであろうし、現代の電子メディアの情報は後世に残せるのかという思いもよぎる。
第二章では食と農について。シュメル人はビールやパンやなつめやしなどを食していた。
第三章ではハンコについて。最初はスタンプ印だったが、後に円筒印章が一般化する。
第四章では「ウルのスタンダード」と称するモザイクパネルに描かれた像や王碑を手がかりに当時の戦争の実態を推測。

424 :
第五章では王が弱者救済のために行った徳政について。また法の起原を探る。現存する最古の法典として「ウル・ナンム法典」が紹介される。
ただしこれは厳密には法典とは言い難い要素があるらしい。
第六章ではアッカドとの関係を始めとする当時の国際情勢を叙述。この辺から少しわかりにくくなる。
第七章では当時の教育・学問・文学について書かれている。学校の実態なども結構くわしくわかっているようだ。
第八章では宗教について。このあたりもゴチャゴチャしていて、あまり面白くないし頭に入りにくい。
キメラ的な怪獣ムシュフシュや霊鳥アンズーは印象に残る。
第九章では旧約聖書に出てくるバベルの塔のモデルになった「ジグラト」という塔について述べられる。
そしてウル第三王朝の滅亡へと時代が進む。滅亡の原因は、異民族の侵入に加えて、土壌の塩化による大麦の収穫減、飢饉による国力の減退だったとのこと。
最後にシュメル文化の継承について語って終わる。個々の文化や文物についての解説は面白く読めるのだが、歴史の流れはちょっとわかりにくい。
あと、この著者が女性であることは読み終わってから改めて名前を読んで気づいた。本文を読んでいる間は女性っぽい感じは受けなかったのだが。

425 :
林健太郎『ワイマル共和国』(中公新書)。第一次世界大戦後からナチスが政権をとるまでのドイツの歴史。
史上最大の民主主義憲法と言われたワイマル憲法を持った共和国がなぜ長続きしなかったのか、そしてなぜナチスの台頭を許したのか、その経緯を詳細に描く。
左翼政党と右翼政党が複雑に入り乱れ鬩ぎ合う政治的混沌、ヴェルサイユ条約による過酷な賠償金の重荷、
ソ連との関係、ようやく経済復興がなりつつあるところに襲来した世界恐慌、右翼陰謀家達の失敗、これらがナチス台頭の前提条件となった。
分けても、恐慌に対して財政緊縮政策を取った点を経済政策上最大の失敗として指摘しているのは見事。
(知られているとおり、ナチスによる政権奪取後、ヒトラーはアウトバーンなどへの公共投資により失業を解決し景気を回復させた)
63年初版の割と古い本だが、左派に対しても容赦なく厳しい評価をしているので、おそらく当時は左翼からの批判は多かったであろう。
しかし、今読むとバランスもとれており明らかに妥当な分析と感じる。むしろ今こそ読むべき名著だと思う。
以上2冊は既にベストに入っているもの。

426 :
芝健介『ホロコースト』(中公新書)。先に『ワイマル共和国』を読んだので、その流れで長らく積ん読だった本書を手に取った。
ホロコーストについては『夜と霧』などを読んで「知ってるつもり」なのだが、まとまった歴史書は一冊も読んだことはなかった。
ナチス関係の新書は今までにもたくさん出ているようだが、ホロコーストについての新書はこれが決定版か。
冷静な筆致でユダヤ人に対する迫害と大量虐の過程が淡々と記述されている。
序章では、ヨーロッパの歴史上に伏在した反ユダヤ主義の潮流をざっとたどり、第T章から第X章まで、ナチスのユダヤ人政策の変遷を追っていく。
まずユダヤ人の追放→次にゲットーへの隔離→ソ連侵攻の際の行動部隊による大量射→強制収容所・絶滅収容所と進んでいく。
追放やゲットー政策が行き詰まることによって、絶滅政策が場当たり的に採用されていったということらしい。
収容所というとアウシュビッツが有名だが、その前段階の「ラインハルト作戦」におけるいくつかの絶滅収容所での犠牲者は、アウシュビッツより多い。
しかし、証拠隠滅と生存者が少ないことから、その全貌はなかなか明らかにならず知名度が低かったが、近年やっと研究が進んできたとのこと。
終章では歴史学におけるホロコースト研究の歴史と現状を述べている。犠牲者数については約600万という数字に充分な根拠があることが示されている。
また外交と戦争を中心とした国家史を記述する伝統的な歴史学ではホロコースト研究は軽視された、と述べられており、これはちょっと意外であった。
実証は困難であろうが、それだけに歴史家はその解明に全力を尽くしていたのだと思っていた。
ドイツの伝統的歴史家フリードリヒ・マイネッケの『ドイツの悲劇』という戦後すぐ出版された現代史書ではホロコーストに全く言及されてないそうである。
戦後すぐでは不明のことが多かったとは言え、完全無視とはひどい話だと思った。
人間悪の極致と言えるこの残虐行為がたかだか80年前の出来事であったこと、この一見異常な行為が反面、凡庸なありふれた悪でしかなかったことに今更ながら恐怖する。
そして現在イスラエルがパレスチナに対して行なっていることを考えるとさらに複雑な気分にもなる。
ナチスに関しては、もう一冊まとまったものを読んだほうがいいかもしれない。

427 :
他に最近読んだものを列挙しておく↓
蟹澤聡史『石と人間の歴史』(中公新書)→地質学の権威が書いた、石の文化の歴史。ちょっとマニアック。鉱物オタ向け。
日端康雄『都市計画の世界史』(講談社現代新書)→自分には読みこなせなかった。都市計画図は豊富なので、そういうのを見るのが楽しい人向け。
長谷川英祐『働かないアリに意義がある』(メディアファクトリー新書)→中身が濃く平易で丁寧な説明。科学啓蒙書のお手本。
阿部彩『子どもの貧困』(岩波新書)→良書だとは思うが、少し引っかかるところも(もしかしたら後で詳しく書く鴨)

428 :
>>426
>たかだか80年前の出来事?
すまん70年前だったか

429 :
宮本太郎『生活保障・排除しない社会へ』(岩波新書)読了。
これは良書。福祉・社会保障関連新書の決定版か?
ただ、一点引っかかる点が…(詳しく書く気はないが、マクロ経済政策の軽視がどうしても気になる)

430 :
スウェーデン型福祉社会政策に興味ある人は上の『生活保障』と共に
岡沢憲芙『スウェーデンの挑戦』(岩波新書)も読んでみてください。

431 :
氏家幹人『かたき討ち』(中公新書)読了。この人は新書をたくさん出しているが、自分が読んだのはこれが初めて。
主に江戸時代の仇討ちの諸相をたどっっているが、正攻法ではなく絡め手というか、ややひねった角度からアプローチしている。
一章では室町時代に始まった「うわなり打」という習俗が取り上げられる。本妻や先妻が後妻を妬んで打つというもの。
すわけではなく、先妻が親しい女どもをかたらって後妻の家に押しかけて暴れる。これが習俗化することによって、深刻な紛争を防止するガス抜きになった。
本来の仇討ちとはかなり距離があるが、めちゃくちゃ面白いのは確か。二章は「さし腹」。これは恨む相手を名指しした上で自ら切腹することによって、
その相手も切腹に追い込まれるということである。これも普通の仇討ちとは違う復讐だが、面白すぎる。現代では、いじめられっ子の自がしばしば問題になり
「自するくらいなら戦え」などと言われたりするが、復讐のための自というのは案外日本の伝統から来ているのかもしれない、などと思った。
三章は「太刀取」。これは敵(かたき)が逮捕されて死刑が決まった時に、犠牲者の遺族が自分の手で処刑させてくれということ。
四章以降でも、衆道がらみの仇討ちや、女の仇討ちなど、正統からちょっと外れた事例が紹介される。特に衆道ネタは実に濃い。
七章の「狙われている者に頼まれたら、必ずかくまうのが武士の作法だった」という話も面白い。

432 :
九章・十章では、仇討ちに関する制度と法について論じられる。
十一章では「妻敵討」という、姦夫姦婦つまり間男と不貞妻を寝取られ夫が討つという、これまた周辺的な事例が検討される。
十二章では仇討ちを当時の人々がどう受容していたのかに触れて、その演劇性が指摘される。
十三章では再び手続き論で「帳付」について。最後に敵討ちと武士道のあり方・考え方の歴史的変遷をざっと素描する。
よく言われるように、江戸時代初期には荒々しい戦士のリアリズムとしての武士道がまだ残っているが、後期では武士道は美学化し観念化するわけだ。
全体的に読みやすく、史料の引用もすべて現代語訳されており、サービス満点で娯楽性も高い。
ただ紹介されている諸エピソードが、当時の典型的な事例なのか特殊な事例なのかは注意して判別しながら読む必要があるだろう。
復讐と倫理・法の関係や、現代の死刑問題を考えるのにも役立つかもしれない。

433 :
久しぶりに来たら、良レビューが。


434 :
小島剛一『トルコのもう一つの顔』(中公新書)
名著であるとのネット上の評判を読んで買ったもので、結論から言うとやはり名著だった。
著者は言語学者で、トルコの少数民族言語の調査のため、トルコを何度も旅している。
一章では、自転車やヒッチハイクでトルコを旅した時の、トルコ人の人情豊かな歓待ぶりが綴られている。
二章からは「トルコのもう一つの顔」すなわち陰の部分を掘り起こしていく。
まず大きなものとしてはクルド人問題だが、トルコ当局はクルド人の存在自体すら公式には認めていないらしい。
そしてクルド語やその他の少数民族言語もトルコ語の方言だとして、独立した言語だとは認めていないと言う。
(言語学的には方言とは言えないほどかけ離れているとのこと)
著者は学問的良心に従って、少数民族と言語の調査を進めていくが、当局の妨害やトルコの知識人らの無理解に阻まれ苦闘する。
また、外国人である著者を歓待する親切でお人好しのトルコ人が、同時に少数民族や異端の宗教を露骨に差別するのである。
それが人間というもんだと言えば身も蓋もないが悲しい事実。

435 :
最後にトルコ政府は、著者を懐柔しコントロールしようとする。
著者はこれに対して大人の対応をし、妥協しつつ監視されながらも最大限に機会を利用して研究を敢行する。
このあたりの駆け引きはスリリングである。そして最終的には国外退去命令を受けてしまう。
内容も興味深いが、特に驚くべきは著者のコミュニケーション能力である。
短期間で様々な少数民族言語をマスターしてしまう語学力もさることながら、
民謡を歌っては現地の人々の心に溶け込み(著者は音楽好き)、折り紙で子供の心を捉える。
外国どころか日本中を旅しても友達ひとりすらできるかどうかわからない自分には羨ましい限り。
91年出版の本で、20年前の事情であるから、その後のトルコの状況については新たに情報を得なくてはならない。
これの続編も単行本で出ていて、より本音剥き出しで書かれていてさらに面白いらしい。
名著と言っていいと思うが、ちょっと気になるのは「できすぎ」感。
著者の行動や会話を著者自身が再現し構成していて、後半は小説みたいになっている。
もう一つの名著『ルワンダ中央銀行総裁日記 』もそうだったが、著者がかっこよく描かれすぎてる感はある。
もっとも著者が言うには、謙譲の美徳などトルコでは通用しないとのこと。

436 :
モース研究会『マルセル・モースの世界』(平凡社新書)読了。複数の研究者による、一応入門を意識して書かれた概説書。
第一部では、モースの弟子でもあった岡本太郎との関わりを導入として、モースの人類学的直観がどのようなものであったのかを描き出している。
第二部の第一章では、レヴィ=ストロースに連なる思想的系譜を考える上で、モースにとっての「フィールド」として社会主義協同組合運動があったことが指摘される。
二章では、モースの学問的師として、母方の叔父であるデュルケムと並ぶ影響を与えた、シルヴァン・レヴィというインド学者が紹介される。
ヴェーダなどの文献を読むことによって、最初の主著『供犠論』が準備された。
第三章ではその『供犠論』と同時期に出筆された「社会主義的行動」という論文について。モースの宗教論と社会主義的思想に共通するものは何か。
第四章では、モースが従来の宗教論に対して、どのように認識論的枠組みを修正したかが検証される。
第五章は未完の『ナシオン』という著作について。しかし、この「ナシオン」なるものが(英語で言えばネイションなのだろうが)
モースにとってどのようなものなのかわかりやすくまとめられているわけではない。

437 :
次の第六章はよく知られている『贈与論』についてであり、これだけはわかりやすかった。文章も他のよりわかりやすい(筆者は佐久間寛)
ただしこれも、従来の交換・所有の面から『贈与論』を見る一般的な見方とは異なり、
モースの社会主義思想や当時の経済学批判と連動した生産面についての考え方に焦点を当てた、一段階レベルの高い議論をしている。
いずれにしろ、現代の左派・右派・ポストモダン問わず「市場主義批判」的思想全般の大元締めと言っていいのではないか(柄谷行人・内田樹・中沢新一・広井良典・佐伯啓思etc…)
第七章ではモースの芸術論・音楽論での影響と「全体性」ということについて。(近代西欧的な「芸術のための芸術」ではなく、社会や人間の生活全体に関わる芸術、というようなこと)
正直、第六章以外は文章も生硬なものが多く、内容も初心者にはハードルが高い。少し歯ごたえがある方が好きな人にはいいだろう。
そういえば平凡社新書の『闘うレヴィ=ストロース』も難しくて初心者向けではなかった。
自分はモースの本は一冊も読んだことがないので、ちくま学芸文庫から出ている『贈与論』くらいはそのうち読もうかと思う。
評価 ★★★

438 :
今回から五段階で★を付けてみた。もちろん私の独断なので気にしないでください。
★★★★★=名著・新書ベストに推薦
★★★★ =良書・オススメ
★★★  =まぁまぁ
★★   =いろいろ不満 
★    =読まなきゃよかった
ちなみに小島剛一『トルコのもう一つの顔』(中公新書) は★★★★★です。

439 :
きだみのる『気違い周游紀行』(冨山房百科文庫)きだみのるは上の『マルセル・モースの世界』でも、モースの弟子としてチラッと言及されている。
じつは岩波新書の『にっぽん』がベストに入っているのだが、これは絶版なので自分は読んでいない。このまま復刊したら岩波をほめてあげたいが。
『気違い周游紀行』の方が絶版ではないし手に入りやすいと思う。
ちょっと事前のイメージと違い、著者は教養を前面に出し、最後までインテリとしてのアイデンティティーを捨てない。
村民とは一定の距離を取り、その知識人と民衆との微妙な距離感から一種のユーモアを引き出している。
ある意味、上から目線とも言えようが、決して蔑んでいるわけではない。文化人類学的な参与観察といった趣。
「気違い」というのは、村民の前近代性を表象しているようだが、それほど不合理な行動をしているようには見えず、やはり「気違い」というのは失礼だろうと思う。
は助け合い共同体ではあるのだが、人々の示す本性はむしろ、利己的で小狡く嫉妬深い。
近代的都会の感覚からは不合理に見える行動も、の中で生きるにはそれなりに理にかなっている。
教養も近代性もないが、彼らなりに筋の通った生活の知恵や土着の倫理を、著者は少しの揶揄を交えつつ愛情込めて描き出している。
著者はこの本を出したことで、結局村には居づらくなったらしい。さもありなんというところだが、ちょっと悲しい顛末ではある。
名著 ★★★★★

440 :
ヨーロッパや中東あたりの近現代史の新書でおすすめある?

441 :
ゲーム理論入門 武藤滋夫
★★★★

442 :
ニュースに騙されるな 椎名健次郎
★★★★★
テレビ局や記者クラブの実情を体験者が
ここまで大胆に書いた本はなかったと思う

443 :
厨房ではないが
情報提供
■下山の思想(五木寛之)(200Pくらい) 

評価 ☆☆☆☆

文字数少なめ、サクサク読めた
世代が違うと理解し辛い場所がある、戦争の時代を生きた人なら共感できるそう
現代社会を下山の時代に例えてる点が面白かった

444 :
適菜収が公式サイトでこのスレで選ばれたことを宣伝文句に使用しているんだけどどう思う?
俺は匿名スレでこういうことをされると自演し放題になっちゃうから、
商業利用ないしは本人の公的な使用が発覚した段階でスレから外すべきだと思う。
あまりにも評価が高いものはまた別だが、適菜収の新書がそれに該当するとも思えないし。

445 :
>>444
こんな場末のスレの宣伝効果なんて微々たるもんだし気にすることはないんじゃないの?
ニーチェの超訳だって、ネタとして面白い程度の評価だったし。

446 :
だからその程度の評価なのに
本人が公式のサイトに引用しとるのが問題なのよ
まあこのスレで紹介されたという一文を見て
はたして宣伝効果があるのかというのは俺も思うけど
こういう例があると自演して自分のサイトに載せる奴が出てくるかもしれんし
単純にスレの議論の中立性を守る意味で厭だな〜と思うわけです

447 :
> 本人が公式のサイトに引用しとるのが問題なのよ
どういうふうに問題があるの?

448 :
匿名スレという設計上、自演を排除できないからな。
しかし所詮2chだし、「2ch厨房が選ぶ」と銘打ってあるし、
権威を帯びるおそれはないけどなw

449 :
>>444
自己愛が強そうで、一般大衆を見下してる様なところが
2ch厨房と同類だよな。だから選ばれて嬉しかったんだろうw

450 :
そういや、ステマって言葉をよく見かけるようになったな。
この過疎スレでやっても意味ないだろうけど。

451 :
新書初心者です。
新書は、一冊でザックリその分野が理解出来るものと理解してるのですが、合ってますか?

452 :
どう理解しようとも君の自由だよ

453 :
>>451
入門書や概説書みたいなタイトルなのに、中身はそうじゃない、というのも結構多いので注意。

454 :
人間関係を上手くやっていく本、神経図太くなる本、
対人関係のストレスを解消する本などありますでしょうか?
対人恐怖症の本はいくつか読んだけどいづれも一般論の域を出ない感じでした。

455 :
新書はだいたい一般論だからねぇ
自己啓発的なことを期待するのはお門違い

456 :
古川隆久も原武史も両方とも
大正天皇、昭和天皇という題の著書があるね(全部が新書ではないが。)
大正は古川<原、昭和は古川>原 かな?

457 :
>>451
遅レスですが、新書一冊ってこんなもんかもね。 つ
私は昔から「異業種の人から、業界話を聞く」のがたいへん好きなのである。
あまりに熱心に話を聞くので、相手がふと真顔になって「こんな話、面白いですか?」
と訊ねられることがあるほどである。
私が読書量が少なく、新聞もテレビもろくに見ないわりに世間の動向に何とかついて
いけるのは、「現場の人」の話を直接聞くことが好きだからである。
新書一冊の内容は、「現場の人」の話5分と等しい、というのが私の実感である。
(さよならアメリカ、さよなら中国、内田樹ブログ)

458 :
新書じゃなくてもいいからもっと教えて

459 :
>>444
このスレで選ばれたことを書いてるの?
すごいな。こんな場末のスレまでチェックしてるんだ

460 :
磯部潮『発達障害かもしれない』(光文社新書)読了。医学博士・臨床心理士の著者による、発達障害に関する基礎知識。
ここではあまり重症ではない軽度発達障害…高機能自閉症、アスペルガーを中心に、LD(学習障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)にも言及する。
まずは、現代の精神医学の定説では、自閉症とは生得的な脳の障害だということを強調し、世間の無理解に警笛を発する。
著者は、医者でさえ「社会的ひきこもり」と「自閉症」の区別がついていなかった例を挙げているが、いまだに知識人の間ですら無知がまかり通っていると思われる。
(吉本隆明・上野千鶴子・養老孟司らが、自閉症に関する偏見に満ちた俗説を垂れ流していたのは、そう古いことではない)
診断に際しては、アメリカ精神医学会の診断基準「DSM-W」か、WHOの「UCD-10」が用いられる。
また、自閉症やアスペルガーやその周辺も包含した「自閉症スペクトル」という概念も場合に応じて用いられる。
先天的な脳の疾患*であるため、基本的に根治は不可能なので、可能な限りで社会に適応できるように「療育」するということになる。

461 :
学会の定説だけでなく、著者独自の考えを述べた部分も多く、中には憶測レベルのものも見られた。
精神疾患については依然としてわからない事だらけであり、著者もわからないことについては「わからない」とはっきり書いている。
しかし、わからないからと言って何もしないわけにはいかないので、臨床の現場では、経験と勘によって仮説を立て試行錯誤していくしかない事はあるだろう。
その限りで仮説だと断った上で「こうではなかろうか」と書くことは許されると思う。
ただ、「環境ホルモンや食品添加物の影響も少なからずあるのでは」などと書くのは、あまりにも根拠薄弱なのでまずいと思う。
(一応「確たる証拠はみつかっていない」と断ってはいるのだが)
こうした憶測を安易に書いてしまうと、発達障害に対する世間の俗論を批判できなくなってしまうのではないか。
若干の不満はあるが(重症の場合には言及されていないなど)こうした知識が広まる事は重要だと思うので、評価高めの星4つ★★★★。
*最近では「環境要因」も大きいという研究結果が出されている。ただし、この場合の「環境」とは「母胎内環境」などが主だと思われる。
以下参照↓
http://d.hatena.ne.jp/bem21st/20110706/p1

462 :
>>460
レビュー乙です。
感動しました

463 :
おすすめの漢字の本教えてください。

464 :
>>463
白川静

465 :
福田歓一『近代民主主義とその展望』(岩波新書)。1977年第一刷発行の岩波黄版。序章では現代史についてザッと触れる。
第一章は民主主義の歴史、第二章は民主主義の理論を検討、第三章・終章では民主主義の現状と展望、という構成になっている。
歴史編では、まず古代ギリシアのデモクラシーを検討する。これは近代民主主義に影響を及ぼしたものの基本的には別物である。
古代ギリシアでは自由民の共同体としてのポリスは初めから与えられたものであるのに対して、
近代民主主義は理論上は「社会を構成する原理」として我々が立てるものである。
この「主義」としての近代民主主義の直接の起原は、一つはアメリカ独立と憲法、もうひとつはフランス革命であった。
民主主義思想の祖と言われるロックやルソーも民主主義という語の近代的用法を確立したわけではない。
実質的な政治運動として起こったのはイギリス・ピューリタン革命である。
ここで「民主主義とは長い歴史の中で直線的に成長してきたのだ」というような通念が批判される。
英国で長い歴史を持っていたのは「立憲主義」であって、民主主義とは異なる。
この立憲主義がいかにして議会制民主制を確立し近代民主主義に繋がっていくのかが詳細に述べられる。
イギリスとフランスの革命やアメリカの独立、その他少数者の抵抗運動といった複数の契機が、法や制度や思想の変革につながり、
構成原理としての民主主義が生じた。さらに共産主義の流れも民主主義と合流する。

466 :
第二章の理論編では「自由と平等」という価値原理、「代表」と「多数決」という機構原理、「討論と説得」「参加と抵抗」という方法原理がそれぞれ検討される。
第三章では、大衆化の問題、管理社会の問題、共産主義社会の問題、非西欧社会(インドや中国)の民主主義などについて。
終章では、民主主義の条件として近代的な人間個人の人格の自立(の歴史性)や、国家・ナショナリズムの問題、冷戦や軍備競争の問題などを指摘している。
この本が発行された当時の時代による制約は若干ある。当時はまだ冷戦が続いている時代。
著者はソ連に対してはかなり厳しい見方をしているが、中国の「下からの民主化」についてはかなり楽観的である。
文革の惨状がまだ伝わっていなかったのだろうか?自分が感じた違和感は僅かにそれだけであった。
正直、自分は政治学とかあまり興味が持てない方なのだが、これは文句なしの名著★★★★★
難しい言葉は使われていないが、これはまさにフーコー的な系譜学であり、正確な理解のためには精読が要求される。
新書としては品切れ絶版?であるのは解せない。岩波青版の『近代の政治思想』の方は在庫があるようだ。

467 :
>>464
高島俊男の本とかおすすめ。

468 :
>>465
乙です
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