http://www.narinari.com/Nd/20100814076.html http://www.narinari.com/site_img/photo/2010-08-18-121659.jpg http://www.narinari.com/site_img/photo/2010-08-18-121756.jpg 鉄の骨組みだけという、無機質な姿でジッとたたずむ送電線の鉄塔。そこに美しさを 感じ、“鉄塔好き”を公言する人も少なくないが、基本的にはどれも似たようなスタイル で、デザイン性が加えられる余地はあまりないと考えがちだ。しかし、アイスランドの 電力会社は以前、そんな鉄塔のデザインを募るコンペを実施。これに米国の建築 事務所は“人型”デザインを提出し佳作となったのだが、先日別のコンペで受賞した ことをきっかけに注目を集めている。 英紙デイリー・テレグラフによると、この“人型”デザインを生み出したのは米国の 「Choi+Shine Architects」という建築事務所。そもそもは2008年3月、アイスランドの 電力会社が行った鉄塔のデザインコンペに出品されたものだ。建築事務所公式サ イトの説明では、「物理的、コスト面において建設可能で、耐久性のある鉄塔」の アイデアを生み出すのがコンペ参加の条件だったそうで、その答えとして導き出した のが“人型”の「The Land of Giants」だった。 「The Land of Giants」は「(イースター島のモアイ像のように)偶像的な鉄塔を建設 しよう」と考えたものだという。従来の鉄塔よりもコストを軽減できるほか、1基ごとに 容易にポージングできる点も売りの1つになっている。
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事務所の公式サイトでは、“人型”の鉄塔が送電線を持って今にも歩き出しそうな 姿や、両手で力強く持ち上げている姿など、さまざまなイメージを見ることができる。 また、腰や胸のラインの骨組みを変化させることで、男女の区別をつけることも。 まるで夫婦のように2基の鉄塔が並んだイメージなど、現実にこうした鉄塔が立っ ていたら、風景が一変するほどのインパクトと面白みがあるのは間違いない。 電力会社のコンペでは佳作と評価されたものの、残念ながら建設対象作品には 選ばれなかった。ところが先日、Boston Society of Architects(ボストン建築家協会) が開いたコンペ「2010 Unbuilt Awards」で、この作品が4つの入賞作のうちの1つに 選出。2年越しで、デザインのインパクトが評価された形となった。 これにより、建築情報系だけでなく欧米の一般メディアも「The Land of Giants」を 紹介。一気に認知度は高まってきているようだ。果たして、この鉄塔案を採用する 会社は現れるだろうか。