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2012年4月新シャア専用282: デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ14週目 (463) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ14週目


1 :09/09/06 〜 最終レス :12/04/04
このスレはデモンベインのエキスを種シリーズにブチ込んだ混沌の箱庭です。
このスレに参加する諸兄には、旧神に連なる者として恥ずかしくない言動を望む。
以下は注意事項
・荒し、煽り、騙り、は原則で禁止。
・上記を破った者はインスマスの海にて『深きものども』と一生戯れて貰う。
・爆破作業はシュリュズベリィ教授に許可を得てから。
・ドリルは西博士と無数の漢達の夢であり浪漫だからして、これを止める事は無理であり不可能かつインポッシブルなのであ〜る。
・九郎ちゃんの パイルバンカーの露骨な使用は禁止。エロスは程々に。ネタとしては全然OK。
・ニャルさまが見てる。
・議長は根暗なオタ・・・・・・オカルト趣味
・SAN値に注意しながらまったりやりましょう。
・■■■■■■■■■■■■■■■
・90日ルールはド・マリニーの時計でも無効化できません
大十字九朗とシン・アスカの事件簿

2 :
前スレ
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ13週目
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1231642454/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ12週目
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1216587689/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ11週目
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1208767253/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ10週目
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1202564245/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ9週目
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1195926370/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ8週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1195305278/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ7週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1189555998/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ6週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1183219896/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ5週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1173516725/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ4週目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1165308646/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ3週目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1160223218/
デモンベイン>>>>>>>種シリーズループ2週目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1155649090/
デモンベイン>>>>>>>>>>種シリーズ
ttp://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1146806109/
まとめサイト(ガンダムクロスオーバーSS倉庫)
http://arte.wikiwiki.jp/
旧まとめサイト(ガンダムクロスオーバーSS倉庫)
http://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage

3 :
>>1
乙〜

4 :
>>1
時計の針の巻き戻し作業 乙

5 :
ハルヒのエンドレスエイトとでも比べてればいいよ種は

6 :
保管庫に新作投下されてるのを知って来てみれば既に過去ログ行ってたorz
ともかくGJでした!

7 :
>>1
乙!

8 :
ハヅキと共に探偵業を行うシン・アスカ。
「「俺(私)達は二人で一人の探偵だ。さぁ、お前の罪を数えろ!」」
こんなネタが浮かんだ

9 :
それ、どこのライターだよw
つか、それでライカさんを思い出したが、あの人もある意味ライターなんだよなw

10 :
保守

11 :
マギウススタイルってWみたいなもんだよな
両方の意志反映するし勝手に魔術使えるし

12 :
複数の人格の意思反映の元祖というと勇者シリーズかな?
初期では完全に統合してたけどファイヤージェイデッカーあたりは別個の意思を保ってたし

13 :
アストレイで改造クローンがきた件
これって本人の情報さえあれば、そこらの人間を改造洗脳をすれば簡単に量産キラや量産シンを生み出せる事に
は!侍さんのアスラン量産フラグか?

14 :
マブラヴオルタネイティヴ

15 :
お侍といえば新作の装甲悪鬼村正のOPがスゲーカッコよかったぜ
莫大な金と時間があってエロゲ以下の動きしかしないガンダムOPて何だったんだ…

16 :
待ちなよ
金はあっても時間はなかったんだよ
主に邪神Yのせいで

17 :
おいおい邪神"H"だろ
Yだと同僚と被るからやめておくれよとニャル様が仰ってたぞ
同僚さんもあんなのと略称被るなんていやだろう

18 :
トゲ付きハンマァをブンブン振り回してる金髪美女Lが上司にいそうな連中ですな

19 :
保守

20 :
じゃあ
邪神 Y・M・F・M
・・・いかん、ファミコン時代のグラフィックで想像したら真剣に気持ち悪くなってきた・・・
orz

21 :
保守

22 :
ええい!なにかネタはないのか!!

23 :
ドリル

24 :
トルネード!

25 :
フロート!

26 :
スピニングダンス!
ってカリスかよ!!

27 :
R-TYPE FINALにドリルフォースなんていうものがあった

28 :
>>26
良いノリしてるじゃないかw
しかしデモベといえば鬼械神や魔術師はもちろんだが
ハンティングホラーも欲しいところだなライダー的に
乗ってしまうとに取りされるかを喰ってしまうかの二択だがwww

29 :
>>28
シンがカニバリズムと聞いてry

30 :
一人三役スゲー(実質4役)アルの中の人。
フレイの中の人より勝手る。

31 :
>>28
片腕を失ったマユが改造されて少女同士の百合ですね

32 :
>>28
何故か脳内でに搾り取られるかを食うかに変換されて
シンがロイガー、ツァールに搾り取られてるの思い出したぜ……

33 :
「シンの脳みそおいちぃ」

34 :
>>33
毛その5@ノータリン へ(´ρ`)ノ~
麻酔で痛覚して意識あるまま味噌をスプーンでエグってくんですね

35 :
>>30
? アル・エセル・紅朔の三人だけじゃないの?

36 :
アトラックナチャの断片もCV神田さん

37 :
そうなんか。でもほとんど喋ってないよなアレ、「ふふ」くらいじゃん
バルザイも擬人化してればな〜

38 :
今日のナイアさんのループアップデート情報
デモベも擬人化して、クトゥルーも擬人化して、ヨグパパも擬人化して、ついでにアーカムも擬人化しました

39 :
>>37
某ジ娘の如く膝を抱えてどうせ私は量産品……とか今日も投げられ砕かれる....とか呟く黒づくめの女性を幻視した

40 :
ま、まあ確かに素質如何では呪文一つで作れたり
素材調達して一から作れたりするもんだしな…
でも逸品物っぽいリベルレギスの黄金の剣と打ちあえるんだしやっぱ良い物ではあるって

41 :
突然だがまたあの男が叫んでるらしい。
今度はデモンベインの世界を破壊したかと……。
ニトロプラスオンリーの雑誌であのライダーのパロディをしたばっかりに……。
そこで全てを断つデモンベインを出すなんざわざとだろう!(良い意味で)
ちなみに西博士はバンドを始めました。

42 :
kwsk

43 :
>>42
その雑誌でデモンベインのショートストーリーが掲載されてた。
その中でディゲイドネタをやってた。
ちなみに冒頭でいきなり宇宙ごと昇華してるデモンベインがいます。
善悪関係なく全てを…です。
これによって、平行世界も消えるとかなんとか。
それだけに、途中で『通りすがりのデモンベインだ』と言い放っては、
あの人が叫ばずにはいられないでしょうw
ちなみに今までデモンベインの小説を書いた人達がSSを書いたようです。
なお、バンドやってるドクターウェストは、大十字九郎が最初に活躍した時代から、
10年ほど経った後の話のようです。
お母様…西博士に仲間が出来ました。
似たような●●ガイが偶然という名の最悪なをしてしまい、
今では集まってバンドなんぞ組んでます。
そして新曲を披露なんぞしてます。チアキでなくてもツッコミしたくなります。
…まあ、ガチバトルをしてるようですが。例に例によってまた何かやらかしてるらしいですので。

44 :
tntn

45 :
しかし、この作品でアルファオメガが出てくるとは・・・・・九朔の人はどうしてるんだろうか

46 :
あ、思い出した。
例のディケイドネタをかましたのは二人の九朔だったりしますw
通りすがりのデモンベインだ!覚えておけ!!とw
まあ、ツッコミも入ってますけどね。

47 :
士たちと九朔達の競演見てぇ

48 :
九朔がアナザーブラッドのことを「紅薔薇の」って呼んでたな

49 :
ガントレットにスペルカード化された魔導書をスラッシュして機神召喚するのは格好のネタだな
これが最新のに合わせると、ネクロノミコンメモリーとか出てきそうだぜ

50 :
つーかス○シウム光線の直撃喰らってんのに火傷で済んでるジョージマジぱねぇ。

51 :
>>49
紅朔が九朔のマギウススタイルモード(飛翔のオマケ絵のあれ)になれば
Wと同じ状態といえるんじゃ…

52 :


53 :


54 :
もう一か月も投下がない…
旧神方はまだこないのか

55 :
ってか実質あの人だけでこのスレ保たれてるようなもんだからな

56 :
職人様を降臨させるにはアニメ化等してくれないと厳しいか……
機神飛翔、アニメ化しないかな……

57 :
紅薔薇のマギウススタイル想像すると生肌率高いボンテージになるのは何でだろ……

58 :
>>56
アニメよりもOVAもしくは劇場版で超ハイクオリティなのが見たいな
元々劇場版デモベってコンセプトだし近年だと空の境界とか前例もあるからアリだと思うんだ

59 :
>>57
だってエロ本だし

60 :
ドクターにもっと活躍の場を

61 :
>>59
ヨウラン「本当はえろいくとぅるー神話と聞いて」
ヴィーノ「ロードビヤーキーな速度でdで来ました!!」

62 :
劇場版は厳しいなー。スパロボ通説で言うと機神飛翔でも出れないし。
クオリティの高さを期待するなら劇場版だけど、個人的にはOVAがいいなー。
時間的満足感は劇場版だが、内容的満足感はOVAに軍配ががが……!
度し難いな……。

63 :
つ「ファントムOVA」

64 :
>>62
グレラガみたいに小分けで劇場上映すれば両立できんかな?
西博士のデモベ組み立て〜ウェイトリィ戦あたりで分ければ丁度よさそう

65 :
後編がまさかの「完成してるーーー!?!?」からスタート
オチがまさかの基地外エンド
DVDは西ENDが本編で本筋がオマケになるクオリティ
九朔「んなわけないじゃん!!w」
九郎「やっぱり?w」

66 :
ネタがないので装甲悪鬼村正について。
あれの一章の教師ってある意味キラだと思う今この頃
負債の加護がなけりゃあんな感じで大技連発でガス欠起こして自爆するだろ
公式で隕石フルバしたらパワーダウン起こすってあるのに

67 :
>>66
達磨にしたりするしな
マジにリアルキラ過ぎる

68 :
>>67
そういや達磨もいっしょだな
あと戦闘者としての基礎教養とかを知らない、
偶々強力な力を手にして調子こいたパンピって点も

69 :
 空から現れたMSが、自分を見下ろしている。シンは呆然とその姿を見つめていた。
 赤い翼を広げて、機体は一気に降下。エールカスタムへ向かってくる。
「ええ!?」
 衝撃がシンを襲った。半壊したエールカスタムが、MSに抱えられ再度空へ浮上していく。
『おい、まだ生きてるか?』
 接触回線越しに声が聞こえる。若い男の声。
「あ、あんた誰だ!?」
『ん? おいおい、俺を忘れちまったのか? えーと映像は、っと』
 ひび割れたモニターに映るパイロットの姿を見て、シンはまさかと息を呑む。
 オレンジのパイロットスーツ。バイザーの奥に覗く同じ色の髪と、不敵な笑みを浮かべる顔。
 何よりも特徴的なのは、声。聞き覚えのある、よく通る陽気な声を聞いて、何故すぐ思い出せなかったのか。
 ──何故なら、彼はこんな所にいるはずの人間ではないからだ。
「嘘だろ、なんであんたが……ハイネ!」
『話は後だ!』
 瞬間、急な加速にシンの身体が揺れる。エールカスタムを抱えるハイネの機体に、デストロイの攻撃が
再開されたためだ。飛んでくる無数のビームを、ハイネ機は急機動で立て続けに避ける。
『ったく、やっぱピーキー過ぎるぜこの機体……一度ミネルバまで戻るぞ!』
 抗議の一声すら発せぬまま、再度の加速にシンの身体がコクピットシートに押し付けられる。
 翼から光を噴き上げてデストロイの攻撃範囲から離脱したハイネ機は、そのまま一直線にミネルバへと向かった。
 自身の身分を告げてミネルバのハンガーに着艦したハイネは、コクピットを飛び出すや否やエールカスタムへ
駆け出した。走りながら、状況が分からず右往左往するメカニック達を、軽やかな走りで避ける、避ける、避ける。
脊髄損傷で下半身がまともに動かなくなった男とは思えない動き。
 エールカスタムに辿り着くと、既にコクピットが開きシンが這い出ている途中だった。
「ようシン、無茶したもんだな。ギリギリセーブだったぜ」
「ハイネ……!」
「待て!」

70 :
 詰め寄ってくるシンと周囲のメカニックたちを、一喝で制するハイネ。静まり返るハンガーの中、
ヘルメットを脱いでシンを見据え、有無を言わさぬ剣呑な表情を作る。
「今は悠長に話してる暇はねえ。シン、確認させろ……お前、まだ戦えるか?
 あのデカブツをブッ潰せるか?」
「……どういう意味ですか?」
「あー、つまりだ……割り切れてるか、ってことだ」
 シンがどのような経緯を辿ってきたかは、ハイネも知っている。
 エクステンデッドとの交友と戦い。アスランの死。捕虜の脱走の手引き。インパルスの剥奪──哀れではあるが
ザフトからすれば愚かな行為の数々。数日とはいえ行動を共にし、シンの気質を少なからず知るハイネには、
シンがどれほど悩み苦しんだか、ある程度は想像が付く。
 潰れかけている、もしくは完全に潰れているようなら見限る──それがハイネ個人の判断であり、
デュランダル議長にも既に了承を得ていた。
 だがシンは一度目を伏せた後、しっかりとハイネを見返した。
「割り切っては、います。戦えもします。でもあのデカブツは落としても……ステラは、しません」
 ハイネは目を剥く。理由はシンがパイロットを知っているからでも、さないと言ったからでもない。
 シンの目を見たからだ。真っ直ぐに自分を見つめてくる目を……迷いのない、決意を秘めた瞳を。
「俺は、俺達はステラを助けます……そう、決めたんです」
「……そうかよ」
 ハイネは笑った。シンはまだ潰れていない……いや、それどころか大きく化けたことを確認し、確信した。
 ──ならばこそ、渡す事が出来る。
「なら、こいつに乗ってけ」
 背後に立たずむ、自分が乗ってきた機体を指差す。
「ZGMF-X42Sデスティニー。お前の機体だ、シン」
「お、俺の機体……?」
「そう。こいつはインパルスの戦闘データを元に全てのシルエットの能力を統合する形で造られた、
 いわばインパルスの兄弟機だ。そしてお前のデータと能力に合わせ、各種調整が施されてる。まだ不十分だがな」
「け、けどなんで……俺は規律違反を犯して、インパルスを剥奪されたんじゃ!?」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ?」
 シンの背を叩き、赤い翼の機体──デスティニーの前に押し出すハイネ。呆然と、シンがデスティニーを見上げる。
「お姫様を助けに行くんだろ? こいつは、そのための力になってくれるさ」
「ハイネ……」
「行って来い。慣れない分は、俺が通信でサポートする」
「……はい!」
 意を決したのか、コクピットに乗り込むシン。見送りもそこそこに、ハイネは背を向け走り出す。
「さて、ブリッジに上がって通信を借りますか。多少の説明も必要かね、っと」

71 :
 ミネルバから飛び立つ、ZGMF-X42Sデスティニー。遥か前方にはデストロイとファントムペイン、
そして彼らと戦うルナやレイ、ティトゥス、フリーダムの姿。
「なんて性能……!」
 戦場を視界に収めながら、コクピットの中でシンは舌を巻いていた。多少動かしただけで、
デスティニーの凄まじい性能が理解できた。データベースに登録されたカタログスペックに目を通し、
それは確信に変わった。
「一部関節のPS装甲化、新型の推進システム、分割式装甲駆動システム……
 それにこの動力源、ハイパーデュートリオンってのは……核エンジン!?」
『どうだシン。デスティニーの凄さが少しは分かったか?』
『押さないでください! そんなに寄ってこなくても向こうに聞こえますから!』
 ミネルバとの通信ラインから聞こえるハイネとメイリンの声。モニターに映ろうとメイリンを押し出そうとする
ハイネの姿が、やけに子供っぽい。
『ようやく艦長の説得が終わった……こちらはハイネ・ヴェステンフルス。FAITH権限により、
 これより俺がブリッジより戦闘指揮を取る。全機、聞こえてるか?』
『ハイネ!?』
『ということは、先ほどの機体に乗っていたのはお主か』
 繋がった通信から仲間達の声が聞こえる。溢れかえる困惑や納得の声を、静粛にとハイネが気取った声で鎮める。
『指揮を取るといっても、作戦は実にシンプルだ。シンのデスティニーを突っ込ませ、デカブツを止める。
 他の者はその他の敵機を迎撃、シンのサポートだけに集中しろ』
『デスティニーって……新型、今シンが乗ってるの!?』
『……しかし、突撃戦法は一度失敗しています。相手も警戒していますし、二度目は難しいのでは?』
『それが出来るんだよ、デスティニーならな』
 レイの指摘にニヤリと笑いながら、ハイネがシンに告げる。
『シン、デュートリオンビーム受け取り準備だ』
「え、でもこの機体って核……」
『いいから。驚くぜ? メイリン、ビーム照射だ』
 ハイネの言葉に従い受け取り態勢に入ったデスティニーに、デュートリオンビームが照射される。
直後デスティニーに現れた変化に、シンは己が目を疑った。
「嘘だろ、このエネルギー供給値……インパルスの三倍、いや四倍以上!? いくら核動力だからって」
『それがハイパーデュートリオン。核動力とデュートリオンを併用し、既存のエンジンを遥かに上回る
 エネルギー供給効率を可能にした動力システムだ』
 シンの驚いた様子に、予想通りとハイネが笑う。
 核動力は半永久的にエネルギーを生み出すが、単位時間ごとに生み出すエネルギーには限界がある。
ハイパーデュートリオンは核動力にデュートリオンのパワーを上乗せし、一時的にだが核動力の限界を
超えたエネルギーを機体に供給する事が可能なのだ。
『上昇した出力は機体やスラスター、武装のパワーにも直結する。当然バカでかい出力を余すことなく
 使えるようデスティニーは設計されてる。核とは違ってデュートリオンのエネルギーは限りがあるから、
 全開出力だと五分程度しか保たないけどな……だがその五分の間は現行で、デスティニーに勝るMSは存在しない』

72 :
 モニターの向こうで、ハイネが自信満々な顔を浮かべる。予想以上の能力を持つデスティニーに、
シンが唖然とする中、
『……ハイネがここまで豪語するなら、出来るのだろう』
『シン、もう一度やろう! ザコはまたあたし達に任せなさい!』
『レイ、ルナ……』
 励ましの言葉と共に、仲間達が再度ファントムペインに攻勢をかける。ウィンダムをインパルスのライフルが
撃ち抜く。アビスのビーム砲が消し飛ばす──そして、オーガアストレイの刀が斬り裂く。
『行け、シン。己の言葉を、意思を全うせよ!』
「ティトゥスさん……皆、サポートしてくれ! このデスティニーで、今度こそやってみせる!」
『任せろ』
『ミスらないでよね、シン!』
 決意を新たにシンは操縦桿を思い切り前に倒し、ペダルを最奥まで踏み込んだ。
 限界まで広がったデスティニーのウィングスラスターから、推力を伴って赤い光が噴き出す。
その姿は光の翼を広げる天使か、はたまた悪魔か。
 光翼をはためかせ、デスティニーが凄まじい速さで空を駆ける。
 仲間が開いた敵機群のわずかな隙間を抜け、シンは一直線にデストロイへと駆け抜ける。
フリーダムを無視して振り向いたデストロイから、ビームとミサイルが一斉に放たれた。
『シン、ビームシールドだ!』
 突き出した両手の甲に装備されたナックルガードから光が溢れ、二枚の盾となってデスティニーを守る。
ザムザザーやデストロイのリフレクターと原理は同じ、効果範囲を絞りMSサイズまで小型化させたものだ。
 攻撃をビームシールドでことごとく防ぎ、デストロイへ攻め込むデスティニー。だが上空から新たに
ウィンダムの一団が迫り、ビームライフルを連射する。
 ビームシールドを一旦カット。分割式装甲を採用し、人間並みの滑らかな動きをする機体がビームを避ける。
機体を捻りながらライフルで牽制をかけつつ、背部の左右に装備された武装ラックの左側を展開。
脇の下に展開した砲身のグリップを左手が掴む。
 ガナーウィザードやブラストシルエットのデータを元に造られた、高エネルギー長射程ビーム砲。長い砲身に、
ハイパーデュートリオンから大出力が限界まで供給される。
『フルパワーでぶっ放せ!』
「どけえぇぇぇ!」
 トリガーオンと共に、迸るのは熱と光を伴った凄まじい出力のビーム。ビームの放出を続けたまま、
シンは機体ごと砲身を振り回す。光の奔流が、ウィンダムを次々と薙ぎ払う。

73 :
 だがビームを巧みにかわし、デスティニーに迫る一機があった。ライフルから放たれるビームを
ビームシールドでで受けるデスティニーへ、紫色のウィンダムが距離を詰める。
「ネオか!」
 ライフルを腰の裏にマウントし、ビーム砲をラックに収納。今度は右背部のラックに右手を伸ばすデスティニー。
グリップを掴んで構えると折り畳まれた刀身とビーム刃が展開、デスティニーの全長を超える巨大な剣となる。
 対艦刀アロンダイト──英雄の剣の名を頂く、大型ビームソードだ。
 サーベルを構え、デスティニーへ迫るウィンダム。デスティニーにアロンダイトを構えさせ、
シンはデスティニーを加速させる。
 デスティニーとウィンダムがすれ違う──ウィンダムの右腕と右足、そしてジェットストライカーの
右翼が宙を舞う。全く反応出来ぬまま、ウィンダムはデスティニーの超高速の斬撃に右半身を断ち切られたのだ。
 動きの鈍ったウィンダムを捨て置き、デストロイへ向かうシン。フリーダムの攻撃をものともせず、
デストロイはデスティニーに右腕を打ち出した。
「今度こそ……ステラ!」
 アロンダイトの切っ先を正面に構え、デストロイの右腕へ突っ込む。ビーム砲に併設された
陽電子リフレクターにより鉄壁の守りを持つ腕だが、リフレクターにも完全には防げぬものがある。
『アロンダイト先端の刃は対ビームコーティング仕様だ! デスティニーのパワーと加速が合わされば、
 リフレフターを貫ける!』
 ハイネの言葉通り、リフレクターにアロンダイトが突き立った。デスティニーのパワーに翼の推力を上乗せし、
一気にシールドを貫通。ビーム砲に深々と剣の突き刺さると、発生装置に異常が起こったのかリフレクターが消える。
「うおおおおおお!」
 突き刺さったアロンダイトのビーム刃を展開、そのまま一気に振り払う。ビーム砲が真っ二つに切り裂かれ爆散、
残った右腕の動きが鈍る。
 右腕を退けデストロイに向き直ったその時、シンの顔が蒼白になった。デストロイは戦艦数隻や町の大半を
一撃で吹き飛ばした、両肩の超大型キャノン砲をデスティニーへと向けていた。
 すぐさまアロンダイトを戻し、両腕のビームシールドを起動。防御範囲を設定できる最大限まで広げる。
 ビームシールドの展開と同時に、キャノンが火を噴いた。凄まじい破壊力がデスティニーを襲い、
コクピットが揺れる。だがビームシールドはかろうじてキャノンの威力に耐えていた。シールドに遮られて散る
ビームの飛沫が、デスティニーを照らす。
 やがてビームが減衰を初め、シンが軽く息を吐こうとしたその時、
「なっ……!?」
 左右から迫る黒い影。巨大な二つの影の正体は、デストロイの両腕だ。掌を広げた巨人の腕が、デスティニーを
押し潰さんと迫る。高出力ビームが間近にありセンサー能力が一時的に低下していたのと、一瞬の安堵に
認識が遅れた。回避が間に合わない。左右から迫る大質量。
『シン! 両腕の──』
 鈍い音と衝撃が、ハイネの声を遮った。

74 :
「終わったか」
 デスティニーが潰される様を、ウィンダムを何とか安定させたネオは見つめていた。
 PS装甲も衝撃はしきれない。あの大質量をもろに受けては関節や内部機構、それにパイロットは無事では
済まないだろう。エネルギーの喰い過ぎでフェイズシフトダウンを起こし、ペシャンコになっているかもしれない。
 あの機体にシンが乗り換えたのに、ネオは動きで気づいていた。だからこそステラにさせたくはなかったが
結局自分は返り討ちにされ、シンはデストロイに返り討ちになった。
「これが戦争だ……いやだねえ」
 言いながらも、ネオは現実を肯定する。目の前の現実を生き抜くしか自分には出来ないから。血塗れで悲惨な
現実を潜り抜けた先に、エクステンデッドたちの未来を望むしかできないから。
「すまねえな、坊主……?」
 その時ネオの耳に、遠雷のような音がかすかに聞こえた。
 ──音の発生源は、デストロイの両腕の間。
「……まさか」
 二度目の雷音。両腕が震え始めたかと思うと、徐々に合わさった掌が離れていく。
 中心で翼持つ機体が両腕を突っ張り、デストロイの腕を押し返していた。
 押し返そうとする機体の両掌が青い輝きを発し、その手が触れているデストロイの掌は焼け爛れ、ひび割れている。
「なんなんだ……その機体はなんなんだ、坊主!?」
 眼前の現実が信じられず、ネオが叫ぶ。冷静さを失った彼は、背後から迫る巨大な機影に気づかなかった。
「……がっ!?」
 背中からの衝撃に、意識が刈り取られる。
 おぼろげに認識できたのは薄暗い視界に映る、黄色に塗られた機体と白い戦艦の姿だった。
 激しく鳴り続けるアラートをやかましく感じながら、シンは状況を確認する。
 二度の攻撃で損傷を与えても、デストロイの腕の力は未だ強大だ。デスティニーの内部機構はかなりのダメージを
追い、関節部PS装甲が鉄色の光と共に蓄積する熱を放射し続ける。
 だが、あと一撃加えれば──デスティニーの掌に宿る蒼い光が、その輝きを増していく。
「止まって、いられるかぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!」
 デスティニーに搭載された新機軸装備の中でも、最も特異で未知数の力を持つ武装。掌に露出した、
高出力のビーム発生装置そのもの。冠された名の意は──
『そうだ! その兵装こそ、【掌に握った槍】──』
「貫け──パルマ・フィオキーナ!」
 悪魔の両腕から放たれた霹靂の如き砲声と閃光が、巨人の両腕を貫いた。
 爆発を起こし崩壊していく両腕を押し返す。翼から赤い光を放ち、掌に蒼い輝きを灯して、デスティニーが駆ける。
『デュートリオンはあと一分も保たねえ! 一気に決めろ!』
 デストロイの口から腹から背中から、細いビーム太いビーム無数のミサイルが次々と、立て続けに放たれる。
デスティニーは右に左に上に下に、縦横無尽に空を駆け全てをことごとくかわす、かわす、かわす。猛火が
捉えることができるのは、軌跡と残ったデスティニーの残像だけ。
 デスティニーがデストロイに迫る──その途中、シンは両腕を失ったデストロイに攻勢をかけようとした
フリーダムを視界に捉えた。
「やめろ!」
 方向を転換し、フリーダムに肉薄するデスティニー。迎撃される前に、デスティニーはフリーダムに
体当たりする。
 街を破壊するデストロイを倒す──フリーダムの行動する理由はともかく、行動そのものは間違っていないと
シンは思う。しかし、

75 :
「俺はステラを助ける! あんたにさせるわけには、いかないんだ!」
『……っ! 君は……!』
 接触は一瞬。デスティニーに体当たりされフリーダムが吹き飛ぶ。二機の間を、デストロイの攻撃が通り過ぎた。
フリーダムから踵を返し、デスティニーは再度デストロイへ向かう。
 デストロイの眼前で急停止。側頭部に装備された機関砲四問が連射されるが、デスティニーには
豆鉄砲程度の効果しかない。しかしこの距離でデスティニーに攻撃できるのは機関砲か、さもなくば
口部分のビーム砲だけ。果たして、口部ビーム砲がチャージを始める。
 光を宿す顔面の前で、デスティニーが右腕を引く。掌に宿る光が、これまでで一番の輝きを放つ。
「こんな兵器……ステラにはいらないんだ!」
 口から放たれたビームに、デスティニーは右腕を突き出し突っ込んだ。ビーム同士が干渉しあう中、
光の奔流を引き裂いて突き進む。
 ──破壊の光の中を、破壊者は駆ける。大切な物を救うために。
 デスティニーの掌が、デストロイの頭部に触れ──蒼い光が、顔を撃ち抜いた。
 怖い。怖い。怖い──デストロイのコクピットで、ステラは涙を流して震えていた。
 恐ろしいモノが来る。赤い翼を持ち、全てを壊す蒼く輝く手を構え、悪魔のような顔をしたMSが来る。
 どんな攻撃もあいつには通じない。当らない。敵は近づいてくる。
 そしてとうとう目の前まで来たそいつが頭を吹き飛ばし、視界がノイズに染まった。
 怖い。怖い。怖い──このままじゃされる! 死んでしまう!
「イヤ、イヤァ! 死ぬのはイヤ、イヤァ!」
 頭を抱え泣き叫ぶステラ。恐怖に呑まれ、ただ涙を流すことしか出来ない。
 もう誰も守ってくれない。ネオも、■■■■■も、■■■も、そして──
「え……?」
 今、自分は誰のことを考えた? 知らない顔、知らない声……知らない人の、記憶。
「あ、あう……イヤ、イヤァ……誰か、だれか助けて!」
 頭が割れるように痛い。痛みを伴う記憶の奔流が、ステラの恐怖を更に煽る。
『──泣かないで。もう、大丈夫だから』
 通信機から聞こえる声に、ステラは涙に濡れた顔を上げた。
 聞いたことがない声。なのに聞いたことがあると、胸の中で自分の声が叫ぶ。
『もう、怖がらなくていい。怖いことなんてない……怖い思いなんて、させないから』
 コクピットを開くよう、声が促す。ステラは声に従い、震える腕で開閉スイッチを押した。何故声に従う気に
なったのか、ステラ自身よく分からない。ただその声を聞くだけで、恐怖は幾分か柔らいでおり、
「この、声……」
 自分はこの声の主を知っている──奇妙な確信を持って、ステラは開いたコクピットの先に目を向けた。
 眼前にいたのは、赤い翼を広げるMS。血の涙を流す顔の下にあるコクピットが開き、
赤いパイロットスーツを着た人影が現れる。
 幼さを残した顔、黒い髪、紅の瞳──優しい笑みを浮かべる少年の顔を見た瞬間、ステラの
記憶のキャンパスに塗られた白の絵具が一気に剥がれ落ちる。
 蘇る記憶と共に、再び溢れ出る涙。翼のMSが近づき、コクピット同士が触れ合う。
「約束を、果たしに──助けに来たよ、ステラ。ルナやレイと一緒に」
 少年が──ステラと約束を交わした彼が、手を伸ばす。
「……っ! シィィィィンッ!」
 シンの胸に、ステラが飛び込んだ。しっかりと抱き止めるシンの胸で、ステラは泣き続けた。

76 :
「……なんなんだ……」
 フリーダムのコクピットで、キラは身を震わせていた。
 大型MSとザフトの新型らしき機体が接触し、パイロット同士が抱き合っている。
その光景を前に、キラの心は大荒れに荒れていた。
「何をやってるんだよ、君たちは……!」
 フリーダムが二人へと駆ける。右手には、刃を形成したビームサーベル。
 抱き合う二人が気づいて驚愕の表情を向ける中、サーベルを振りかぶる。
 敵を助けると言い、それを実行したザフトのパイロット──まだ歳若い少年の視線と
フリーダム──キラの視線が重なった。
「君たちは何をしてるんだ……僕は、僕達は平和のために戦っているのに……」
 ──僕は、助けられなかった。犠牲にするしか出来なかった──トールも、フレイも、そしてアスランも。
 キラは少年に叫ぶ。初めて感じる名状しがたき昏い思いに、激情を煽られて。
「なのに、君たちは……君は!」
 君は いったい なんなんだ!
『させて……たまっかぁぁぁぁ!』
 サーベルが振り下ろされる直前、フリーダムの左翼を地表から飛んできたビームが撃ち抜いた。
バランスを崩した機体を建て直し、キラはビームの飛んで来た方向を見る。
「なんで!」
 右腕と兵装ポッドを失ったカオスが、左腕でライフルを構えフリーダムへ向けていた。
外部音声から、荒い息と共に叫び声が響く。
『そいつらは……そいつらはなぁ……俺の、俺の大事なヤツラなんだよ! 俺の妹分とダチに、
 舐めたマネしてるんじゃねぇぇぇぇ!』
 カオスがライフルを乱射する。回避しながら、キラの苛立ちが更に増していく。誰も彼も──
「……ふざけるな!」
 ライフルを撃ち返し、棒立ちのカオスの左腕を破壊する。更に両足、頭部と四肢をもぎ、
ダルマになった胴体が地に落ちる。
 その様にキラの顔が無意識に笑みを作った瞬間、
『『やめろぉぉぉぉ!』』
 背後から、重なった男女の叫び。光の翼を広げて、デスティニーが大剣を構え迫っていた。

77 :
「やらせるか!」
「スティングを、いじめるな!」
 ステラを足の上に乗せ、シンはデスティニーをフリーダムに向けた。振り下ろしたアロンダイトが、
フリーダムの右翼先端を掠める。
 距離を取り、デスティニーとフリーダムが睨み合う。
「何考えてるんだ、コイツ!」
 先ほどのフリーダムは、間違いなくシンとステラをそうとした。これまでメチャクチャしながらも、
少なくとも故意には直接命を奪うことを避けてきたフリーダムの、突然の凶行。
「なんで、いきなり!」
『シン!』
 デスティニーの傍にインパルスが並ぶ。カオスを庇うように、アビスとオーガアストレイが立つ。
そして遠方から放たれたビームの奔流が、フリーダムを牽制する。
 デストロイの停止と共にファントムペインの戦線は崩壊し、生き残りは次々と離脱を始めている。
状況はフリーダム対ミネルバMS隊の様相を呈していた。
 囲まれて冷静さを取り戻したのか、フリーダムは離脱しようと背を向けた。反射的に
シンは追いかけようとするが、
「うわ!?」
 フリーダムの後方から迫る四本の光。デスティニーとインパルスがかわすと、ビームは無防備の
デストロイに突き刺さった。装甲を貫通こそしなかったが、そのままデストロイの巨体が倒れる。
『シン、アークエンジェルだ! フリーダムが逃げる!』
 現れたアークエンジェルに、フリーダムが着艦する。すぐさま踵を返しエンジン全開で離脱しようとする
大天使の殿には、黄色で塗装されたムラサメが付いていた。
「追いかけることは、出来るけど……」
 抱えたステラとアビスが抱えたカオスの胴体、そして周囲に広がる荒れ果てたベルリンの街に目を向ける
シン。今はなんとか救い出した友人たちの身体や、住民の救助が優先だ。
『深追いはすんなよ。憎たらしい連中ではあるが、それよりも目の前の自体をなんとかしなきゃな』
 FAITHであるハイネの言もあり、追跡を選択から消し去る。戦いを終わらせステラや、そして図らずも記憶を
取り戻したスティングまで助ける事が出来た。ようやく感じる安堵と嬉しさに力を抜くシンのパイロットスーツを、
ステラが弱々しく掴んだ。
「ステラ?」
「シン……」
 節目がちに、言うべきか否か迷うような素振りを見せるステラ。シンは彼女が何が言いたいのか、
なんとなく理解できた。
「捕虜って形になるけど、連合の兵士だって生きてるなら救助する……もちろんネオだって。だから安心してくれ」
「ありがとう、シン」
 弱々しい笑顔を浮かべるステラに、シンは微笑み返す。
 ──【連合とザフトによる戦争】の末期に起きたベルリンの戦いは、ようやく幕を閉じた。

78 :
「どうやらザフトの追撃はなさそうだな」
「お疲れ様でした、バルトフェルド隊長」
 ムラサメを降りブリッジに戻ってきたバルトフェルドをミリアリアやノイマン、チャンドラが出迎える。
しかしこの場にいるべき一人が見あたらないことに、バルドフェルドは首を傾げた。
「ラミアス艦長はどこにいったんだい?」
「それが……医務室に」
「……なるほど」
 歯切れの悪いミリアリアの言葉に、複雑な顔でバルトフェルドは頷いた。
 ベルリンに入ってすぐに撃ち落した、隊長機らしいウィンダム。何故かアークエンジェルのカタパルトに
突っ込んできた機体からパイロットを引きずり出すと、出てきたのは仮面の男。
 その仮面の下から現れたのは、アークエンジェルのクルーなら誰もが知っている──そ
してマリューにとっては、忘れられない男の顔だったのだ。
「本当に彼なのかね?」
「DNAデータの解析がまだ途中ですけど、今のところ同一人物なのは疑いようがないってことです」
「そうか……で、キラは?」
「それが、また部屋に閉じこもっちゃって……マードックさんや整備班の人達が止めようとは
 したらしいんですけど、その……」
「どうかしたのかい?」
「……投げ飛ばされたらしくて」
 バルトフェルドが頭を抱える。それだけ動けるなら怪我の心配はないが、どうやらキラは相当
参ってしまっているらしい。更にこんな時に、あの男の幻影まで現れる始末。
 救いを求めるように、バルトフェルドは独語した。
「ラクスは不在、キラは情緒不安定、オマケにムウ・ラ・フラガそっくりの男……まったく、厄介なことばかりだよ」

79 :
 深遠から、意識が浮かび上がる。
 意識だけでなく、身体にも感じる浮遊感。左腕だけがやけに重い。
 薄く開いた目に軽い痛みを感じ、すぐ閉じる。水の中で目を開けたときと同じ感覚。
 その時ようやく、自分は今水の中にいるのだと分かった。何故息ができるのかと思って、口元や鼻、耳に
呼吸器やら何やらが取り付けられているのに気が付く。
『……そうか、ベルリンに。いやそれは誤算だ、予想外だ。今回は動かぬだろうと踏んでいたし、
 アウグストゥスからもそんな動きは聞いていなかったのだがね。ターミナルも知らぬ独断で
 動いたということかな?』
 男の声がする。くどい物言いの老人の声。しかし情熱と野心を感じる、精力的な声。
 再び目を開ける。ぼやけた視界に見えるのは目の前を下から上に流れていく泡、そしてずっと奥に立っている
輪郭の歪んだ人物の影くらい。その人物に右手を伸ばすが、途中で透明の壁にぶつかる。
『おや、これはこれは。この段階で目覚めるとは、やはり抵抗力があるのかな?』
 目の前の人物がこちらを向いたようだ。耳に聞こえる声は、この人物のものらしい。
 この声はどこかで聞いたことがある──誰だったかと考えるが、目覚めた直後で回転しない頭は思い出せない。
『気分はどうだね? 今しがた左腕の移植が終わったばかりなのだが』
 男の言っている事もよく分からない。ただ言葉の中の、『左腕』という言葉が引っかかった。
 自分の左腕を持ち上げ、視界に収める──瞬間、自分の時が止まった。
 この腕は──これは、何だ?
 水にぼやけた視界でも、はっきり分かる。直線と曲線の混じった輪郭。鮮やかな赤で染められた外装。
獣のように鋭く伸びた指先は、五本全て自分の意思通りに動く。
 自分に繋がった、自分のモノではない金属の腕。自分の本来の左腕は何処に……そう、あの時に──!
 意識が一気に覚醒していく。自分は何者か、意識を失う前の自分が何をしていたか、目の前の男が何者か──
全てを思い出したアスラン・ザラは声を上げようとし、
『目覚めたところ悪いがまだ、まだ君への処置が完全に済むには時間がかかる。暫く、もう暫く
 眠っていてくれたまえ』
 口元の呼吸器から酸素以外の何かが送られてくる。呼吸器を外そうとするも体に力が入らず、
覚醒しかけた意識が再び沈み始める。
 呼吸器から排出された二酸化炭素が大きな泡となり、暗くなっていくアスランの視界を通り過ぎた。
to be continued──

80 :
めちゃんこ遅くなりましたこんばんわ。
もはや月一ペースすら保てなくて申し訳ない。
おそらくもうしばらく似たような状況が続くと思いますが、お待ち頂ければ幸いです。
さてハイネ復活でデスティニー初陣で大暴れの巻。前回の歌はハイネがコクピットで歌ってましたw
デストロイが少々あっけなくやられてますが、後々戦闘力のインフレが起こる(予定)ので
これくらいやっとかないとマズイのです(汗)
デスティニーの設定ですが、オリジナルと異なっている部分が多々あります。特にハイパーデュートリオンは
スーパーモード扱いと言う超展開(爆)。けど実際本編ではなにがデュートリオンなのかよく分からん。
ストフリやインジャはもちろん、デスティニーもデュートリオンビームでエネルギー補給してる描写なかったよね?
次回よりついに、ついにシンとキラのガチバトル編に突入!
多分原作より展開はこれでラスト……といってもシンが運命乗ってたりキラがイッちゃってたり大分違うけどw
まずは議長再登場とエクステ組の、決戦の前準備ってところかな。

81 :
逆十字乙!
よかった・・・やはりこうでなくてはならない
みんな助かって良かった・・・
立場と体質問題があるけれど、そんなもんきっと乗り越えてハッピーエンドに辿りつけると信じてる
キラはむしろ歪んでるなりに人間味があるのだとむしろ安心するとこですかね
今回の狂乱は・・・
そしてアスランも・・・何を移植されたのだ!?

82 :
アインソフオウルGJ!!!!!!
これだよ!これが正しき後継機の初戦闘だよ!
前機体を上回る圧倒的性能を披露し、尚且つ囚われのお姫様救出って最高のシチュエーション!!
そして必のパルマ・フィオキーナとくりゃ! テンション最高ですwww

83 :
デスティニーかっこええ…スティングもいい長兄っぷりだわ

84 :
カオスの乱入に泣いた。
運命もてっきりオートパイロットで来たのかと思ってたけどハイネも生存してたんだよなそういえば……
これぞ主役機だ!

85 :


86 :
最近のガンダムより、普通にデモンベインのが面白かった

87 :
運命かっけぇ…
これぞ後継機って見せ方だな!しかもまだ完成してみたいだから本完成が楽しみだ
そしてキラさんは歪みに歪みまくってる
シンとキラの差はやっぱ仲間がいるかいないかなんだよな…基本的にyesマンばっかで、叱る人が碌にいないから

88 :
GJの嵐!
これぞ後継機の正しい初登場だ……。
ハイネも復帰?したしスティングも無事だし。これからが不安ですが。
アウルの件含めて議長が何かの対策を練ってることを祈りたいです。
キラが歪んでる通り越してどうかしてるけどこの精神の変わりようは外的要因もあるんだろうか?
しかし敵ながら虎さんには同情を禁じえない。
アスラン頑張れ!頑張って自我を保て!紳士に負けるな!

89 :
キラのSAN値が激下がりしてるんじゃないのか?

90 :
GJだ!
所でさ、投下が少ない理由考えてみたんだけど
1:デモンベインは書くのが難しい
2:内容が複雑で一回プレイしてみないと書けない
3:その時点でデモンベインは良作だと気づく
4:1とあいまって駄作が生まれそうになり、
3のためデモンベインを汚したくないため諦める
だと思うんだ。何とかならないか?
ついでにいうと機神咆哮でロイガー&ツァールがカットされてるの何とかならないか?

91 :
5:西博士の台詞回しがどう頑張っても上手く再現できない
これも追加で。

92 :
ちょいと口が悪いが、キラ含め原作のAA勢にSANなんてないだろう。狂気かYESマンだけだ。
それはともかく、GJ! GJ! GJ!!
これこそがシンのような熱い主人公のためのイベント! 理不尽はさらなる理不尽によって破壊される! これこそが、ガンダムでありデモンベインである!!
……いかんねぇ、実にいかん。あまりに素晴らしかったが故に、そう故に熱くなってしまったよ。そうとも! 実に実に素晴らしかったのだから!
王道で何が悪い。王道を歩んだ上でのASTRAYがあるはずなのに、アニメではASTRAYですらない外道ではないか! ……と失礼。口が過ぎました。
ともかく、常々デスティニーに光をと叫んできた私としましては非常にうれしい展開。原作でなんのこっちゃわかんなかった分割装甲とかハイパーデュートリオンとかもう最高です!
さぁ、次回に期待しつつ、装甲スキーとしてはアスランの義手(?)のデザインが気になる。“天使”系なのか“MS”系なのか楽しみでしかたない。

93 :
>>90
6:そもそもこの板は新シャア板
このスレ以外見てないからたまに忘れそうになるw

94 :
>>92
原作でもキラがアスランと相打ちするまでは度々下がりつつもあったと思うぞ、それ以降は発狂しとるがw

95 :
とりあえずGJ!
素晴らしい後継機っぷりだ素晴らしい。
やっぱりデモンベインならこうでないと

96 :
>>90
某所の作者さんもデモンベインのクロス相性は最悪だと言ってたしな〜……こればかりはどうしょうもない気がする
ロイガー&ツァールは息子が活用してるからいいんじゃね?

97 :
しかし息子はアトラック=ナチャやニトクリスの鏡は使わない…
初期状態だと自称騎士の誇りでトリッキー系の上記武器使わないってのはあるかもしれんが
終盤の状態なら使うかな?

98 :
魔道書としてはアルたんの半分しか持ち合わせてない筈だから欠落してるのかもな

99 :
アクションパートの鬼械神戦では普通に使ってなかったけ。

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