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2012年5月アニキャラ総合111: あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part310 (630) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part310


1 :12/04/30 〜 最終レス :12/05/21
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。
(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part309
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1333288264/
まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

     _             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /    ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
             ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!


     _       
     〃  ^ヽ      ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
    J{  ハ从{_,    ・クロス元が18禁作品でも、SSの内容が非18禁なら本スレでいいわよ、でも
    ノルノー゚ノjし     内容が18禁ならエロパロ板ゼロ魔スレで投下してね?
   /く{ {丈} }つ    ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l      ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。


.   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’     ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
               姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。

2 :
 第八十六話
 超獣軍団陸海空! アディール完全包囲網完成
 
 磁力怪獣 アントラー
 海獣 サメクジラ
 宇宙海人 バルキー星人
 オイル超獣 オイルドリンカー
 古代超獣 スフィンクス
 さぼてん超獣 改造サボテンダー 登場!
 
 
 怪獣は、一体で現れるとは限らない……
 
 怪獣は、一体で現れるとは限らない。怪獣とは、自然の摂理から外れた特異な生命体であり、その大半はひとつの事例につき
一体の出現で終わることがほとんどである……だが、時には同時多発的に複数体の怪獣が現れることもあり、その際の脅威と被害は
単体で出現したときを大きく凌駕する。
 記録を紐解けば、大怪獣軍団を結成しての総攻撃をもくろんだジェロニモンの討伐をはじめ、東京を壊滅の危機に追い込んだ
グドンとツインテールの同時出現、MACを崩壊寸前まで追い込んだ兄弟怪獣の襲撃と枚挙に暇がなく、そのいずれも特筆すべき
決戦として人々の記憶に残されている。
 数はそのまま力となる。怪獣たちはウルトラ戦士のように助け合うことは知らなくても、ただ群れるだけでそのパワーは
何倍にも跳ね上がり、それはしばしば人類とウルトラ戦士たちに苦杯を味わわせてきた。
 もっともシンプルにして、もっとも強力な攻撃手段。ついに怒りの臨界点を超えたヤプールの悪意の奔流は、ゴーガの復活に
はじまってアディールを、罪のない大勢のエルフたちを飲み込もうとしている。エルフたちは、これまで確かにディノゾールを
はじめとする怪獣たちの襲来を跳ね除けてきた。しかし、ヤプールが自分たちに対してまるで本気を出していなかったことを、
彼らはその誇り高さゆえに気づくことはできていなかった。
 自分たちに迫り来る危機の重大さに対する自覚はなく、エルフたちは人間と同じ過ちを犯そうとしていた……
 
  
『ネフテス空軍、第二戦隊に緊急要請。突如アディール市内に正体不明の貝獣が出現し、現在市街を破壊中。至急、来援を請う』
 その報が、東方に逃走して消息を絶った蛮人の巨大戦艦を捜索中の第二戦隊にもたらされたとき、彼らの受けたショックは
小さいものではなかった。
「警備部隊ののろまどもめが、いったいどこに目をつけていたのだ。我らの神聖な首都に敵の侵入を許すとは、信じがたい怠惰だ。
だがまあいい、安全なところでのうのうとしている連中にはいい薬だ。貸しを作ってやれば、およそ連中の態度も改まるだろうて。
全艦隊に集結命令を出せ、蛮人どもは後回しだ。アディールに急行するぞ!」
 駐留部隊に毒を吐きながらも、艦隊司令は分散していた全艦隊に集結命令を出した。サハラの各地へ飛び去っていた
索敵部隊の艦艇や竜騎士が司令艦隊に向けて転進し、艦隊は堂々たる陣形を組んで首都アディールへと向かう。

3 :
新スレ乙です

4 :
 その陣容は、戦艦十二隻、巡洋艦二十隻、駆逐艦、水雷艇他小型艦艇四十隻、総勢七十二隻の大艦隊である。竜の巣で
第一戦隊が壊滅して以来、旧式艦から試験航海すらおこなっていない新型艦、はては練習艦に武装強化をおこなっただけの
仮装巡洋艦まで加えて再建した努力が実った結果であった。
 だが、半数が寄せ集めに近くても、その戦闘力は疑いようもない。乗組員は猛訓練を積んだ精鋭ぞろいだし、兵装はあるだけの
最新兵器が惜しげもなくつぎ込まれている。もし、ハルケギニアの五カ国の全艦隊を合わせたとしても、これに勝つのは困難を
極めるに違いない。
 現に、彼らの大半は先日の東方号との接触で、まんまと取り逃してしまったことに屈辱を覚えてはいたが、まだまともに
勝負すれば負けなかったであろうと自信を保っていた。その不満を、アディールを襲ったという怪獣を倒すことで晴らそうと、
乗組員たちの士気は高く、さらにその後に二匹の超獣が現れて、首都警備部隊が壊滅的な損害を受け、一刻も早い来援を
請うとの悲鳴のような報を受けるにいたって頂点に達した。
「おのれ、我ら砂漠の民の象徴たるアディールをよくも……我らの力、土足で踏み込んだ愚か者どもに思い知らせてやるぞ。
総員、日ごろの訓練の成果を見せよ。敵を殲滅するぞ!」
 火山の噴火にも似た乗組員たちの声がサハラの空を揺るがせた。
 誰一人、負けることなどは考えていない。水軍から流布し始めていた鉄血団結党の精神、これまでにディノゾールなど
サハラに出現してきたいくつもの怪獣を撃退してきた実績による自信、大いなる意志は我らを守りたもうという信仰、
砂漠の民は蛮人との戦いには一度も負けたことがないという歴史による自尊心、その他根拠薄弱な自負。
 もろもろあれど、彼らには必勝の信念があったことだけは間違いない。
 ただし、自信も過ぎれば過信、うぬぼれという次元に上り詰めれば害悪としかならないことを彼らは忘れていた。
「司令! 前方に黒い雲……いえ、煤煙が見えます。アディールが、アディールが燃えている」
「やってくれたな、絶対に生かしては帰さんぞ。全艦戦闘配備、我らの真の力を侵略者どもに見せてくれる」
 第二戦隊の各艦は、戦闘隊形に陣形を変更して、砂漠の果てに海と共に見えてきたアディールに可能な限りの全速で急行する。
 
 しかし、怒りに我を忘れた第二戦隊のエルフたちは、アディールのみに目が向かってしまい、自分たちの足元に危機が
迫っていることに気づいていなかった。
 堂々たる隊列を組んで飛ぶ鋼鉄の艦隊の後ろから、砂漠に海でクジラが海面のすぐ下を泳いでいるときのような波が
生まれて追っていく。それは信じられない速度で艦隊を追い抜き、ある一点で止まると、そこを中心にして蟻地獄のような流砂を
作り出し始めた。
 直径は十メートル、二十メートル、五十メートル、百メートルとどんどん大きくなり、蟻地獄は島をも飲み込めるのではないかという
巨大さにまで達した。もしも、第二戦隊の乗組員たちが冷静であったなら、見張り員でなくとも誰かが気づいたかもしれない。
だが、彼らは首都を攻撃されたということで余裕を失い、戦士として大切な冷静さを完全に欠いていた。
 一心不乱、猪突猛進とばかりにアディールに向けて突き進んでくる第二戦隊を正面から見て、アディールの建物の屋上で待つ
緑の複眼の宇宙人は、愉快そうにつぶやいた。
「ファッハッハッ、ようやく来たか、身の程知らない愚か者どもよ。わざわざ殺されに駆けつけてくるとは、我らの怖さが
まだわかってないようだな」
 ヤプール譲りの意地の悪さを内包したいやらしい声。奴の目には、エルフの艦隊などはなんの脅威にも映っていない。
スフィンクスとサボテンダー、二大超獣に目がくらみ、己の分もわきまえない愚か者たちへの対策などはとうに打ってある。
だがもう少し待とう、ただつぶしてしまうだけなら簡単だが、奴らには自らの雄大で精強なだけの姿をこの街のエルフどもに
見せてもらわなければならない。

5 :
「おおっ! あれを見ろ、空軍の艦隊だ」
「わたしたち、助かったのね」
「やった! これで勝てるぞ。我ら砂漠の民の力、蛮族どもに思い知らせてくれ!」
「おい、高いところに行って見ようぜ」
 艦隊の姿が街からも見えるようになると、逃げ惑っていた市民たちの中に喜びと安堵が流れ始めた。追い詰められたとき、
人の思考は極めて単純化する。そうすることによって肉体の操作をスムーズにし、脳にかかるストレスを軽減するのだが、
世界を白と黒、生と死、勝利と敗北とに単純に二元論化して行動するときが一番危ない。詐欺師は、そのどちらからも
見えない灰色の狭間に潜んでいるものなのだから。
 味方の艦隊の到来を、喧嘩に負けそうな弱虫が親が助けに来たときのような感覚で人々は迎えた。建物の屋上や
高台に昇り、手を振って歓迎の意を表する。水竜を操って助けに来た水兵たちが、早く乗れと言っても聞く耳を持っていない。
「がんばれよ! やっつけてくれ」
 常勝不敗のネフテス空軍の不敗神話が、アディールを襲う災厄を一瞬のうちに粉砕すると信じて、エルフたちは声援を送る。
それは一般市民だけでなく、ネフテスを管理する評議会の議員たちも同様であった。
「おお、とうとうやってきてくれたか。我が無敵艦隊が! 皆の方々、ほれご覧なされや」
「ううむ、壮観かな壮観かな。あれぞ、我ら砂漠の民が選ばれたる民である証。あれほどの艦隊、蛮人どもがあと千年かかっても
築けはするまいよ」
「どうやら皆様、これで一安心のようですな。どれ、あとは高みの見物とまいりましょうか。誰か、前祝いの杯を用意せい」
 冗談が飛び出るほど、彼らには余裕が生まれていた。いや、むしろアディールが襲われているというのに、彼らの態度と
口調には緊張感がいやに欠けていた。共和制に近い政体をとるエルフたちの代表者たち、様々な部族から選び抜かれてきた
者たちといえば聞こえはいいが、彼ら議員の大半はこれまでの在任中にこれといった成果をあげたこともなく、ただ毎日を
前例に従って定例の業務を遂行してきたのみに過ぎない。
 もしも任期中になにか不手際を起こせば、それはその議員を送ってきた部族全体の恥となるために、彼らは自らの責任で
行動を起こすことを嫌う。そのため、この非常時にあっても議員たちのほとんどは議場から動かず、無難以上の指示は
出されていない。ハルケギニアと同様に大きな変革がなく数千年を経過してきたネフテスの社会形態もまた、いつの間にか
気力を失っていたのだ。
 これが、テュリューク統領が東方号をすぐに迎え入れなかった理由のひとつである。彼ら議員たちには、急な変革を
受け入れる余裕や意思がない。テュリューク統領の不在になすところがなく、誰も率先して代役を勤めようとはせず、
誰かが代わりに始めてくれるのを待つばかりの連中には、話し合いを持ちかける価値すらない。
 このアディールの中で、もっとも高く美しい白亜の塔の一室から、窓越しに見下ろす風景は絵画のようであり、下には炎、
上には雄大なる大艦隊と、まるで歌劇を見ているような非現実的な輝きを彼らの瞳に焼き付けている。地上をはるか数百メイルの
この場所には、街の壊れる音も、人々の逃げ惑う声も聞こえはしない。
「さて皆さま、勝利の瞬間には杯を掲げるのをお忘れなく。不肖わたくしめが、乾杯の音頭をいたしましょう」
 期待するのと、責任を丸投げするのはまるで違う。彼らはそれに気づかず、また気づこうともしていない。
 当然、艦隊側でも言われるまでもなく、火砲のすべてを発射態勢にして、精鋭の竜騎士たちも愛用の魔法武器を持って
全騎飛び立っている。

6 :
 人間の使う兵器を大きく上回るエルフの武器、それがありったけ火を吹けば島でも吹き飛ばせる。先日の竜の巣の大敗は
罠が待っているところで十分に力を発揮できなかったがゆえのものだ。今度は、地理的条件も問題はなにもない。相手は
たったの二匹、こちらは世界最強のネフテス空軍だ。
 負ける要素などどこにもない、新兵すら恐怖心なく闘志を燃やす。
 
 が、もうなにも怖くはないと思うほどの高揚感は、彼らに油断という最強最悪の敵となって張り付いていた。
 
 勝ったも同然と、大砲に手をかけて浮かれる彼らの側には、すでに逃れようもないところに敵が迫っている。砂漠に
巨大な蟻地獄を作り上げ、その中から鋭い牙のようなあごを開いて空を見上げる巨大な甲虫。その大あごの中から、
虹色に輝く光のカーテンが空に向かって放たれたとき、ネフテス空軍の崩壊が始まった。
「し、司令! 右舷二時の方向に光の壁が!」
「なにっ! なんだそれは。うん!? どうした操舵士!」
 がくんと船が揺れ、司令は操舵士を怒鳴りつけた。しかし、操舵士は自分のミスではないと蒼白になりながら叫んだ。
「た、大変です。舵が効きません!」
「なんだと! そんな馬鹿な。ぬわっ!」
 船がまた揺れ、今度は舵取りのミスではない証拠に船は異常な機動を取り始めた。牽引している竜を逆に引きずるように
横滑りをしていき、さらに遼艦も次々に操舵不能と信号を出してくるではないか。
「艦隊は、光の壁に吸い寄せられています」
「なんだというのだ!? くそっ、なんとか振り切れ!」
「無理です。すごい力です!」
 鍛え上げた竜の力がまるで役に立たずに、艦隊は磁石に吸い寄せられる砂鉄のように光の壁に吸い寄せられていった。
あの光の壁はなんだというのだ? 司令の疑問は、ふと下を見下ろした見張り員の絶叫で回答を得た。
「し、司令! 光の壁の根元を見てください」
「な!? な、なんだあれはぁ!」
 司令と、彼に準じたエルフたちの目が驚愕に見開かれた。砂漠にできた巨大な流砂の渦巻き、その中心から、まるで
死神の大鎌をふたつ合わせたようなあごを持つ、五十メイルには及ぶのではないかという甲虫が上半身を出している。
光の壁は、その甲虫のあごのあいだから放出されていたのだ。
「なんだあの化け物は! 参謀長」
「は、あんな生物がサハラにいるとは聞いたことがありません! おそらく、あれも敵の用意した怪獣かと。見てください! 
ど、どうやらあの光の壁は我が艦隊の鉄を磁石のように吸い寄せているようです」
 参謀長の悲鳴と同時に、船体の装甲版が千切れ飛んで光の壁に吸い込まれていった。ほかにも銃や剣など、手持ちの
武器のほかにもありとあらゆる鉄でできたものが吸い寄せられていく。竜騎士たちも自らやドラゴンに身につけさせている
鎧が引き付けられているらしく、ズルズルと引っ張られていっている。

7 :
 もう間違いはなく、どういう理屈かはわからないが、あの甲虫の出す光の壁は鉄を吸い付ける性質を有しているらしい。
しかしどうしようもない、戦艦は鉄の装甲版で全体を覆っているし、大砲をはじめとする兵器はみんな鉄で出来ている。
 このままでは引きずり込まれる! そうなったら……司令はためらわずに怒鳴った。
「攻撃だっ! ありったけの砲撃をあいつに叩き込め!」
 すでに発射準備が整っていた大砲がいっせいに放たれる。正確に狙いをつける暇もあろうかな、大小合わせて数百の
門数ならば、そのすべてが外れることなどはありえない。
 蟻地獄の中が火の海になり、甲虫にも数十発の砲弾が着弾したのが見て取れた。蟻地獄の中は、舞い上がった砂と
硝煙で黒く染め上がり、一寸先さえも見えないほど熱と混沌が渦巻く世界となった。これならば、少なくともただではすまないと
司令から砲手まで含み笑いを浮かべた。
 しかし、一陣の風が運んできたのは勝利ではなく愕然とした敗北の光景であった。
「なっ! 馬鹿な……無傷だと!?」
 甲虫の黒光りする外皮には傷どころかわずかなへこみすらなく、まるで磨き上げた鏡のように光沢すら放っているではないか。
 信じられない、あの怪獣の体は鉄でできているとでもいうのか? いや、仮に鋼鉄で全身を覆っているとしても耐えられる
破壊力ではないはずだ。固い、などという次元を通り越している……勝てない。
 攻撃されたわけではない。怪獣は、ただ砲撃を受け止めただけなのに、高揚の極地にあった空軍将兵の士気はもろくも破壊された。
 
 第二撃、第三撃も結果は変わらない。その光景を、緑の複眼の宇宙人は次元を通して眺めてせせら笑っていた。
「無駄だ無駄無駄。そいつの外骨格の強度は怪獣界の中でも一二を争う。ヤプールの技術をもってしても再現のかなわない
アントラーの鎧殻を前にして、そんな旧式兵器で歯が立つものか」
 空軍の攻撃はかすり傷ひとつつけられず、力の弱い船から光の壁に飲み込まれていく。
 圧倒的な防御力と、恐るべき磁力を放つ光の壁。それこそが、この磁力怪獣アントラーの能力である。
 地球では、初代ウルトラマンが活躍していた時期に中近東の砂漠に現れたという報告があり、そのときも同様の能力で
科学特捜隊とウルトラマンを苦しめていた。鎧殻はスーパーガンやスパイダーショットはおろかスペシウム光線もまったく
受け付けず、光の壁と形容される虹色磁力光線はジェットビートルの推力でさえ抗えない吸引力を誇っていた。
 蟻地獄の中に潜むアリジゴクそのままに、アントラーは引きずり込んだ船を自分の下まで引き寄せると、その船を
大アゴでがっちりとくわえ込んだ。すると、鋼鉄でできているはずの船が紙細工のようにひしゃげさせられて、真っ二つに
食いちぎられてしまったではないか。
「戦艦が、あんなにもろく」
 破壊された船はバラバラになって流砂に巻き込まれ、蟻地獄の中に飲み込まれて消えていく。乗員は、生身の何人かは
飛んで逃げたようだが、船内に閉じ込められたままの者や、体に鎧や金属製品を身につけていた者は逃げられずに、もろともに
引きずり込まれて砂中に消えた。

8 :
 その瞬間、艦隊に残っていた最後の士気は雲散霧消した。
「あ、あ……に、逃げろぉぉっ!」
 ここにいては助からないという現実が、彼らの行動を決した。我先にと武器を捨てて船から飛び降りていく。士官の中には
何人か止めようとする者もいたが、彼らも自分の船が光の壁の直前まで来ると前言を翻して逃げ出した。
 もはや空軍の誇りもなにもなく、軍艦からごまを振るように乗組員たちが逃げ出していく。忠誠心も美しさもあったものか、
死を恐れずに戦うという言葉が崇高な響きを持つのは、万に一つも、一パーセントでも勝算があってこそだ。虫の餌食になって
生き埋めにされる未来しかないとわかっていて、誰が船と運命をともにしようと思うか。それでなお残りたがるのは、状況が
見えていない馬鹿者か、敗北を死と考えている大馬鹿者しかいない。
「無様だな」
「あーあ、ありゃ全滅だなぁ。も少し早く気づいて艦隊を分散させれば、ちっとは残ったかもしれないのに」
 せせら笑う二人の宇宙人。偉容を誇ったネフテス空軍艦隊はもはや見る影もなく、枯れ葉が雨水とともに排水溝に
流れ込むのにも似た惨状で磁力光線に吸い込まれては、下で待ち受けるアントラーの餌食となっていく。
「全滅だっ」
 同様の言葉がアディールのあらゆる箇所で流れた。たった今の今まで期待と希望のすべてを込めていた艦隊が、
なんの役にも立たないオモチャ同然の代物だと思い知らされた絶望。それは彼らエルフのなんでもない市民たちが
はじめて味わう無力感……かつて、地球でもハルケギニアでも何度も繰り返されてきた、侵略者たちの黒いプレゼントの
洗礼が、負けを経験したことのないエルフたちの心を急速に蝕んでいった。
「もうだめだぁ! 逃げろぉぉっ!」
 自分たちの力ではどうしようもないことへの純粋な恐怖、それを前にしたとき人もエルフも心は限りなくもろくなる。
市民たちは他者を押しのけて逃げ惑い、魔法で空を飛ぼうとしたら同じような他人とぶつかって道に落ちる悲惨な
光景が続出した。勝利の美酒の前祝いをしていた議員たちは茫然自失とし、我先にと議場から飛び出していった。
それは臆病ではなく、目の前に土砂崩れや竜巻が迫ってきているというのに逃げない人間がどこにいるだろうか? 
ライオンに追われて逃げ惑うシマウマを臆病と誰が言うであろう? 彼らはまさにそれであった。
 パニックはさらに助長され、街の被害を住人自らの手で作っていく。
 軽い好奇心や怖いもの見たさで逃げずに残っていた者が、気づいたときには手遅れになっていて超獣に襲われる。
 スフィンクスの火炎が街を焼き、球形サボテンの形で転がりまわるサボテンダーが街を蹂躙する。それらはまるで、
抗いようもない天災のようで、美しい街が見るも無残な瓦礫の山へと変えられていく。
「破壊だ、破壊しつくせぇぇ!」
 猛攻はとどまるところはなく、スフィンクスの触覚が光り、破壊閃光が建物を爆砕した。さらに、サボテンダーの押し倒した
建物がドミノ倒しのように崩れて他の建物を連鎖的に破壊していく。街の壊れる音に、スフィンクスの吼えるような声と
サボテンダーの笑うような声がいっしょになって、エルフたちの狂騒はさらに増していった。
 しかもそれだけでは当然すまない。空軍を全滅させたアントラーは街に侵入して破壊活動を開始した。かつてアントラーに
蹂躙されたバラージの街のように、家々が無慈悲につぶされてゆく。首都警備部隊の竜騎士たちは、それでも勇敢にアントラーを
食い止めようとするが、空軍の砲撃さえ通用しなかった相手に竜騎士の軽微な武器でかなうはずもなく、強力な先住魔法も
大アゴを振るうだけで涼風のように払い飛ばされてしまった。
 
 圧倒的な破壊を続ける超獣と怪獣、一体でも手に負えないというのに、それがいまや三体。しかも、奴らと戦うはずだった
空軍艦隊は戦う前に全滅してしまった。

9 :
 怖いものなしで、好きなように街を破壊する怪獣と超獣に対してエルフたちは無力だった。自棄に近く向かってくる抵抗などは
無に等しく、強固な皮膚を通すにあたわず、逆に圧倒的なパワーは精霊の守りを薄紙のように通過した。
 スフィンクスの火炎が焼き、サボテンダーのとげが貫き、アントラーの力が崩す。すでにアディールの四分の一が壊滅し、
死傷者の数も天井知らずに増え続けている。
 絶望の声が流れては怪獣の声と炎に飲み込まれて消えていく。だが、絶望の中だからこそあきらめない者たちも
そんな中にはいた。
 幼い子を抱えた母親が。
「お母さん、怖いよぉっ」
「大丈夫よ、大いなる意志が、お母さんがきっと守ってあげるからね」
 恋人の手をつないだ若い男が。
「も、もう逃げられないわ! 私たち、ここで死ぬのよ!」
「あきらめちゃだめだキエナ! 君には僕がついている、この手は決して離したりしないぞ!」
 絶望の淵にあっても、いいや絶望の淵にあればこそ、守るべき誰かを持つ者たちはあきらめてはいなかった。我が身を
捨てても守り抜きたい誰かのためなら、絶望になど構っている暇はない。その、無償の愛が彼らにひとりでいるときには
持つことのできない”強さ”を与えていたのだ。
 アディールの一方はスフィンクスとサボテンダーが暴れまわり、反対側はゴーガに破壊されて道がめちゃめちゃになっている。
さらに別方向からはアントラーが迫ってきており、陸からアディールを脱出する道は閉ざされた。もちろん、先住魔法を使える
エルフたちはメイジたちのように空を飛んで逃げることもできるが、空に飛び上がればスフィンクスの一万三千度の火炎熱線と
サボテンダーのトゲミサイルで打ち落とされるか、サボテンの花弁に似た口から伸びる真っ赤な舌にからめとられて捕食されてしまった。
 陸と空を塞がれて、残った逃げ道はただひとつだった。
「水路だ、海に逃げろ!」
 アディールは半水上都市であるために、その半分を海にせり出している。陸路をふさがれ、空軍が全滅してしまった以上、
残る海路へ向けて市民は殺到した。精霊の力を用いて水中で呼吸ができるようにするくらいはエルフであれば誰でもできるので、
溺れる心配はなく水路に飛び込んで船にたどり着く者、水竜やイルカのような慣れた動物にしがみつく者など、水路はまるで
渋滞する道路のようになって、海へ向かってエルフたちが流れていっている。
 
 そしてその海には、ネフテス最後の軍事力といえる水軍が集結しつつあった。
「エスマーイル同志議員殿、アディール駐留艦隊の全艦出港完了いたしました」
「よろしい。二番艦から五番艦までは本艦に続いて戦闘態勢をとれ。悪魔どもめ、目にもの見せてくれる」
 艦隊旗艦たる鯨竜艦の艦橋で、ひとりの男が憮然として腕を組んでいた。
 彼は名をエスマーイルといい、軍人ではなくネフテスの評議会議員のひとりである。役職は水軍の総司令官に近く、
ほとんどの議員が非常時にあっても議場から動かなかったのに対して、数少ない自分の足で行動を起こしたひとりだった。
「同志議員殿、やはりご自身で指揮をとられるのは危険では? 駐留艦隊でまともに戦闘可能な船は、本艦を合わせても
わずか七隻です。現在、近隣海域の艦隊にも集合命令が出ております。それを待ってから戦端を開かれても」
「君はアディールが灰燼に帰してから戦い始めることに意義があると思っているのかね? それまで逃げ隠れして、
すべてが終わった後にのこのこ出かけていって、君は誰に勇を見せるというのかね?」
「はっ! 自分が臆病でありました。どうぞ、お見捨てなきようお願いいたします」
 兵に確かな決意を込めた視線を向けると、エスマーイルは怒りに紅潮し、臆病とはほど遠い顔で炎上するアディールと、
そこで暴れる超獣たちを睨む。

10 :
 が、彼は勇者と呼ぶには眼の色は暗い色で染まっていた。
「歴史開闢以来、何人にも犯されたことのない砂漠の民の聖なる都が……許さんぞ、異敵どもめ。我ら砂漠の民こそ、
この世の頂点に立つ選ばれし種族なのだ。大いなる意志の恩寵も知らない野蛮人どもめ、絶対に生かしては帰さん」
 平和を守る意志や使命感よりも、傷つけられたプライドに憤る自己中心的な怒りが彼の胸中の大半を占めていた。
 ギラギラとした瞳は眼前の敵しか見えておらず、エルフらしく彫刻のように整った顔は頬がこけて幽鬼のような恐ろしさが
漂っている。彼の率いる水軍艦隊は、先日の竜の巣の戦いで壊滅し、今やこの少数艦隊が残るのみ。再建は思うように
進んでおらず、力こそが誇りの源泉であると信ずる彼のような人種にとって耐え難い恥辱であったのだ。
 その敵が目の前に現れた以上、勝ち目があるなしは関係ない。賭け事に負けた浅はかな男が、今度こそ今度こそと
安い意地で挑んでは身包みをはがされていくように、エスマーイルの目に見えている世界は狭かった。
「砲撃用意、長距離砲戦を挑む。街を飛び越えて直接怪獣を狙うのだ」
「ど、同志議員、それは危険です。もし砲弾がそれればアディールにも甚大な被害が出ます」
「奴らが海沿いまでやってくるまで待っていては何もかも遅い。それに、日々鍛錬を積んだ諸君らならば、狙いを
外すようなことはあるまい、違うかね?」
「は、はあ……それと、街から避難してきた市民たちの乗る船から救いを求める声が多数届いております。見捨てるわけには……」
「この忙しいときに……砂漠の民の誇りよりも我が身の安全をはかるとは恥知らずな連中だ。ええい、輸送船と修理中の
船があっただろう! 私はそんなことに関わっている暇はない」
 もはや彼は『軍事力』がなんのために存在するのかすら見失っていた。いや、彼からすればこれが正しい軍のありかた
なのであろう。水軍は砂漠の民の力の象徴であり、その存在そのものが神聖で犯すべからざるものとなっている。
その進撃を邪魔するのならば、同じ砂漠の民であろうと反逆者にしか見えない。
 彼は自らを疑わない、自らを種族の誇りを守る正義の使途だと。
「我ら砂漠の民、鉄のごとき血の団結を持って、異敵を殲滅せん。大いなる意志よ、我らを導きたまえ」
 独善の怪物、鉄血団結党の党首であるエスマーイルは、己の正義に従って、まだ多くの同胞が取り残されている街への
砲撃を指令した。
 
 長射程の大口径砲弾が鯨竜艦から放たれ、山なりの軌道をとって超獣と怪獣に向かった。
「うん? なんだ、まだ身の程わかってねえやつがいたか」
 砲弾の飛ぶ甲高い音を聞いて、暇をもてあましていた赤い目の星人がおもしろそうに言った。これだけ力の差を
見せ付けられながら、よくもまあ無駄な抵抗をする気になるものだ、バカにせずしてどうしろというのか。
 案の定、砲弾は当たって爆発はしたが、三匹のどれにもかすり傷も与えることはできなかった。むしろ、外れた砲弾で
広がった被害のほうがでかいくらいで、星人は腹を抱えて笑った。

11 :
「あっひゃっはっはは! ざまあねえ、てめえでてめえの街を壊してたら世話ねえぜ。無駄な努力ってやつは、ほんと笑えるぜ。
ああいうことすっから、下等生物っていうんだろうなあ。あっひゃっひゃっひゃっ」
 赤眼の星人は心底おかしそうであった。それは、星の海を自在に飛ぶことのできる多くの宇宙人が地球人を見たときと、
共通の感覚であっただろう。地球人の使う程度の兵器を、大半の宇宙人は歯牙にもかけない。それだけ、彼らと人間との
あいだには覆しがたいテクノロジーの差というものがある。
 だが、抵抗をしてくれるということは、それをひねりつぶす楽しみが残っているということだ。せっかく呼ばれてきたというのに、
退屈で腐っていた赤眼の星人は、同じく愉快そうに肩を震わせていた雇い主に顔を向けた。
「おい、ヤプールの代理人さんよ」
「フフ、わかっている。そろそろ頃合だろう、海に逃げて安心しているバカどもと、まだ勝てるつもりでいる大バカども……
宇宙の海賊と異名をとる貴様の実力、見せてやるがいい」
「けっ、ようやく出番か、待ちくたびれたぜ。おい、この仕事が成功したら、この星の海の支配権を俺に譲るって約束、
破りゃしねえだろうな?」
「心配するな、お前が海の支配権で満足するというならくれてやろう。我々の目的は、あくまでマイナスエネルギーなのだからな。
それよりも、言うだけの仕事はしてもらえるのだろうな? バルキー星人」
 答えは、口元に浮かんだ不敵な笑みだった。アディール全体を見渡せる建物の屋上から、エルフたちでごったがえしている
海を見下ろして、右手を高く掲げて叫ぶ。
 
「こぉい! サメクジラァァッ!」
 
 指をパチンと軽快に鳴らし、赤眼の宇宙人・バルキー星人は高らかに叫んだ。
 その瞬間、アディールの洋上の海面に怪しい波がざわざわと浮かんだ。黒々とした影が海面下を高速で走り、真っ赤に
光る怪しい目がアディール洋上の艦隊と船団を睨んで、生き物としては考えられない速度で迫っていく。
 その脅威に、最初に気づいたのは動物たちだった。イルカが主人たちの命令に背いて暴れだし、続いて鯨竜たちが
威嚇するようにうなり声をあげはじめる。エルフたちは、そのおびえるようなイルカや鯨竜の反応に、おとなしくさせようとするものの、
砲撃の轟音が自分たちに近づく本当の危機に気づくことを許さず、それが最悪の結果につながってしまった。
 突然暴れだした一頭の鯨竜が舵取りのエルフの命令を無視してあらぬ方向に泳ぎだした。しかし、すさまじい速度で海面下から
飛び込んできた影が鯨竜の下を通過したとき、海は赤く染まって鯨竜の悲鳴がこだました。
「な、なんだ!? なにがいったい!」
 致命傷を受けて海没していく鯨竜の上で、脱出しようと慌てるエルフたちが絶叫する。惨劇はそれにとどまらず、二匹目、三匹目の
鯨竜が同じ目に合う。生き残った鯨竜たちはそれぞれ勝手な方向に逃げ出した。もはや鯨竜艦隊は艦隊としての体をなしておらず、
悠然たる鯨から一瞬にして逃げ惑う鰯の群れへと転落した。

12 :
「なんだ! いったいなにが起きている。敵はまだ攻撃してきていないぞ!」
「ど、同志議員殿、海です。左舷海中になにかがいます、すさまじいスピードです!」
「海中だと!? ええい、副砲群撃て、そいつをしとめろ!」
 主砲はすべてアディールを向いている。鯨竜艦の小口径砲が手照準で次々とうなり、海面に水柱をあげる。そして、その水柱の
群れの中から海面を割り、海上に飛び出してきた凶暴なシルエットにエルフたちは戦慄した。
「なんだあれは!? サメ? いやクジラなのか?」
 クジラの巨体にノコギリザメのような鼻と鋭い角、しかしただのクジラではない証拠に、その泳ぐ速さは二百ノットを軽く超え、
大砲の照準が追いつかない。
「うわあ! 突っ込んでくるぞ!」
「回避ぃ! だめだ、間に合わないぃっ!」
 抵抗する暇すらなく、槍のような怪獣の鼻先が一匹の鯨竜艦の腹を貫いた。分厚い皮膚も皮下脂肪も何の役にもたたず、
串刺しにされた鯨竜は悲痛な断末魔をあげて沈んでいく。
 あの巨大な鯨竜をただの一刺しで殺してしまうとは。エルフたちは眼前の怪獣の凶暴さに驚愕した。鯨竜は全長百メイルに
及ぶ巨体を持ち、この世界の生物としては最大級の大きさを誇る。それゆえに、皮膚も装甲を張るまでもなく頑強で、たとえ
大砲の撃ちあいをしたとしても簡単に傷つくことはないのにも関わらず、なんなんだあのバケモノは!?
 あっというまに半数の鯨竜艦を失った水軍艦隊は、怪獣におびえる鯨竜たちを押さえることもできずに算を乱していく。
 この世界の常識を超えた遊泳速度と攻撃力を持つ怪魚。その正体こそ、宇宙海人バルキー星人のペット、バルキー星の
海の生態系の頂点に君臨する海獣・サメクジラであった。
 ドキュメントZATの末尾に記載があり、地球の海の支配を企んだバルキー星人のしもべとして船を次々に沈めまくった。
水中移動速度は二百ノットを超え、鋼鉄を軽く切り裂くヒレと三メートルの鉄板も貫通する鋭さの鼻の前にはマンモスタンカーすら
一瞬で海のもくずと化してしまう。
 鈍重な鯨竜では逃げ切るすべはなく、サメクジラはイルカが小魚の群れを追い込むときのように周辺を高速で旋回して、
なぶりように弄んでいる。
 だが、本当に悲惨な目に会っていたのは鯨竜やその乗組員ではなく、助けを求めて近寄っていたアディールの市民たちだった。
「うわぁっ! こ、こっちに来るな」
「お、おれたちは味方だぞぉ!」
 逃げ回ろうと暴れる鯨竜が、小船やイルカで漂っていたエルフたちを巻き込んでいく。全長百メイルの鯨竜の巨体や、それが
巻き起こす波は単純に凶器になる。魔法を使うのが間に合わずに巻き込まれていく者、逃げようとして別の誰かにぶつかって
海に投げ出されてしまう者が続出した。
 水中さえももはや安全ではない。二百ノットという超高速で泳ぎ回るサメクジラの作り出した乱海流がイルカでも乗り切れないほどの
流れになって無秩序に暴れ狂い、潜って逃げようとしていた者たちはもみくちゃにされていく。
 それでも、もう海しか逃げ道はない彼らは必死に沖合いに出ようと争った。外洋にさえ出れば、飼いならされている水竜などが
放牧されている場所があるので安全なところまで行ける。それだけが彼らに残った唯一の希望であった。
 しかし、その希望を打ち砕こうと、バルキー星人はテレポートでアディールから消え、巨大化してサメクジラの暴れまわる海上に出現した。
 
「ウワッハッハハ! 逃がしゃしねえよぉ、今日からこの海はこのバルキー星人が支配する。てめえらはサメクジラのエサになれえ!」
 
 高笑いしながら現れた巨大星人に、逃げ道を塞がれたエルフたちは悲鳴をあげて右往左往した。
 バルキー星人はそれを愉快そうに見下ろし、まるで幼児が水溜りに落ちた蟻をつついて喜ぶように、頭部のランプから発射される
断続光線『バルキービーム』で狙い撃っては沈めていく。エルフたちの中には星人に対して反撃を試みようと魔法を使おうとするが、
台風並みに荒れ狂う海の上では思うにまかせず、海を安定させようとすればバルキー星人が襲ってくる。

13 :
 サメクジラのいる海は完全にバルキー星人の遊び場となっていた。かつて同族が太平洋で船舶を無差別に沈めまくった残忍さは、
この個体においても変わっていない。
 だが、エルフたちもまだ戦意は失っていない。
「使用可能な砲門はすべて巨人を狙え! 悪魔ども、きさまらなどになにも渡しはせん」
 エスマーイルは血走った目で叫んだ。プライドの高い者は自らの敗北を決して認めようとしない、さらに自己に陶酔する者や
差別主義者にとっては、他者に敗北することは自身の否定そのものにつながるから徹底的に現実を否定する。
 が、彼のヒステリックな叫びは戦意を喪失しかけていた水軍を瓦解の一歩手前で食い止める効果はあった。
「う、撃て! 撃てーっ!」
 生き残っていた鯨竜艦の砲がうなり、砲弾がバルキー星人に集中する。
「おわぁっ!?」
 思いもかけない反撃はバルキー星人の意表をついた。水軍艦隊は全滅寸前になりながらも、訓練を積んだ錬度を発揮して
バルキー星人に砲弾を浴びせかけ、それで残数少ない竜騎兵たちも生き返って魔法をぶつけはじめた。
「効いてるぞ、ようし今だ、ありったけを叩き込め!」
「こ、この虫けらどもが!」
 四方八方からの攻撃にはバルキー星人もたまらなかった。手でハエを追い払おうとするように暴れるが、攻守が逆転したら
エルフたちもやられっぱなしでいられるかと攻撃を強め、水竜がバルキー星人の足に噛み付いたりもしはじめる。星人は
逆上してサメクジラに助けを求めることも忘れていた。
 
 悪あがきが思った以上の効果を生み、バルキー星人を押しているエルフたち。一度は逃げるのをあきらめかけた市民たちも、
わずかに落ち着きを取り戻して沖合いへの避難を再開した。バルキー星人の命令を失ったサメクジラはそれを止められず、
バルキー星人はエルフたちの集中攻撃を受けてじだんだを踏むばかりだ。
 だが、そんな無様な光景をもうひとりのヤプールの手下は見逃していなかった。
「バルキー星人め、口ほどにもない。調子に乗って冷静さを欠くからこうなるのだ……仕方ない、手を貸してやる」
 緑の複眼が怪しく光り、アディール洋上の空がガラスのように割れる。そして、開いた異次元ゲートの真っ赤な裂け目の奥から、
青い体をうろこで覆い、鋭い鼻先を持つ超獣が海に降り立った。
「やれ! オイルドリンカー、存分に暴れるがいい!」
 三匹目の超獣、オイル超獣オイルドリンカーがその姿を現した。名前どおり石油を好物とするオイルドリンカーは、口から
体内のオイルを利用して作り出した高熱火炎を吐いて、逃げようとしていたエルフたちを攻撃し始める。
「ま、また出たあ! 引き返せ!」
「もうどこに逃げろっていうのよ。ああ、もう終わりよ。みんな死ぬんだわ」
 逃げ道は完全に塞がれた。オイルドリンカーの出現は、きわどいところで持ちこたえていたエルフたちの最後の士気さえも
打ち砕き、バルキー星人も解放されて、怒りのままの攻撃が降り注ぐ。
 陸も空も海も、怪獣と超獣と宇宙人にふさがれて、アディールは牢獄の囚人も同然であった。
 包囲網は徐々に縮まり、エルフたちは海からやっと逃げ出してきたばかりの街に押し戻されていった。
 もはや、誰の目にもヤプールがアディールの陥落や破壊などといった生易しいことを考えているわけではないことは明白だった。
奴はアディールに市民全員を閉じ込めて、一人残らず抹殺しようとしている。そして、自分たちにはすでに包囲網を抜けるだけの
力は残されていないことも。
 アントラーの大アゴが高層建築物をはさんで噛み潰し、スフィンクスとサボテンダーが美しい街を自分たちにふさわしい砂漠に
戻していく。バルキー星人は再び調子に乗って、サメクジラとオイルドリンカーを率いて水竜をなぎ倒し、水軍の残存戦力を
すりつぶしていく。

14 :
「ハッハッハハ! 壊せ、もっともっと壊せ。だが、まだこんなものではないぞ……最後の一人になるまで恐怖させ、絶望のうちに
滅亡させてくれる。もっともっとあがくがいい、そうすればするほどお前たちは我らの力を思い知ることになるのだ!」
 ヤプールは強大な力を思う存分に振るうことに酔い、ひたすら破壊の快楽を追及することをやめない。
 まさに、現世にある悪魔そのもの。ただし、ヤプールはただの悪魔ではなく、生きとし生ける者すべての映し鏡であることを
忘れてはいけない。ヤプールと同等に残忍で卑劣な人間などいくらでもいる、我々が自らの醜部を認めずに隠そうとする限り、
ヤプールは永遠に不滅なのだ。
 エルフたちの抵抗はしだいに微弱になり、生き残った空軍もアディール防衛部隊も生身でけなげにも防戦を続けているが、
それがなくなったときにすべてが終わってしまうと、生き残ったエルフたちは肩を寄せ合って、大いなる意志にひたすら救いが
あることを祈り続けた。
 
 だが、いくら祈っても神は現世に救いは寄こさない。大いなる意志といえど、奇跡の安売りはしないだろう。なぜなら、奇跡とは
この世に生きる者たちによってもじゅうぶんに起こし得るからである。
 危機に瀕したアディールを救援に訪れるものは、空軍主力が壊滅した今となってはあるはずがない。けれども、あるはずがない
南の空から、あるはずのない速度で現れた巨影。
「見えた! アディールだ!」
 東方号はついに念願のアディールをその眼中におさめることに成功した。だが、圧倒的多数の戦力を誇り、なおかつまだどんな
隠し玉を用意しているかわからないヤプールに対して、東方号が逆転の兆しになりうる可能性は、はなはだ低いといわざるを得ない。
 
 
 続く

15 :
今週はここまでです。
アディール決戦編二回目、敵となる怪獣超獣も頭数が出揃ってきました。登場させる怪獣は全シリーズから、ああでもないこうでもないと
迷いに迷いまくりましたが、実際書き始めてみると楽しかったです。でも、まだ出るのでお楽しみに。
ウルトラマン列伝ではついにエースも出ましたね。しかも我らのゾフィー兄さんの登場する回とは心憎い限りです。
ゼロ魔はアニメも終わり、原作のほうもクライマックスに近づいてきてますが、こちらもまだまだ目が離せません。まだ脳内にストックしてる
イベントや使いたいキャラはいるので、それは三部で使い切りたいと思います。特にタバサをそのままにしておくわけにはいきませんからね。
 
では次回、東方号参戦、VS超獣軍団です。
スレ立てのついで、と言っては失礼か、代理投下終了

16 :
代理乙です
空飛ぶフネで水雷艇って何するんだ?

17 :
>1及びウルトラさん、乙。
>16
ルーデるんだよ。

18 :
ウルトラの人、代理投下の人お疲れ様です。
これからも頑張ってください。
皆さん今晩は。四月も終わり日中が暑くなってきました。
桜も散り、季節はこれから夏というところですね。
さてと、特に何もなければ21時丁度から投下開始です。
よろしければ支援ついでにお付き合いお願い致します。

19 :
あれ?投下きてる?

20 :
>>19
申し訳ありません。
忍法帖の関係で今は長文が投稿できないようです…

21 :
他の人が待つことになるかも知れんからそういう時はすぐ言うべきやったな

22 :
>>21
本当にすみません。何分こういう事は初めてでして…
以後スレの書き手として気を付けます。

23 :
どんまい、代理行くよ

24 :
ドンマイ
ウルトラにゼットンとキングジョーとジャミラとゴモラはまだ登場せんのかね

25 :
四方を白色の壁に囲まれた広い部屋の中、一人の男が杖を片手に佇んでいた。
顔から判断すれば二十代後半くらいに見えるがそんな風に自分を見せないためか、立派な口髭を生やしている。
手にしている杖は軍の官給品であり、レイピアをモチーフにしたデザインは美しさと実用性の両面を兼ねていた。
平民が着るような薄い胴着を羽織ってはいるが、体から自然と滲み出る雰囲気は彼がただのメイジではないと周りに知らせている。
最も、この場には彼一人だけしかいないので大して意味はないのだが。
天井のフックに引っ掛けられたカンテラは微動だにせず、その真下にいる男を照らす。
頭上から降り注ぐ弱い光を浴びながらも、彼は明りが届かぬ前方の闇を見据えていた。
――奴を接近戦に持ち込むためには、距離を縮めなければいけない。
心の中でそうつぶやいた時、赤く小さな゛光の球゛が彼の頭上に三つほど現れた。
男の手のひら程もある長方形の赤い゛光の球゛は出現して五秒ほど空中で静止した後、゛光弾゛と化なって男に向けて飛んできた。
何の前触れもなくそれなりの速度で飛んできた゛光弾゛に対し、男はその場で跳躍する事によって回避する。
普通の人間がバッタのように跳躍する事はできないが、メイジならばレビテレーションやフライ、そして『風』系統の魔法をある程度扱えれば跳ぶことはできる。
男がその場から跳びあがったと同時に、彼の両足がついていた床に゛光弾゛が突き刺さり、三秒ほどして勢いよく爆ぜた。
床に着地した男の顔に爆発で吹き飛んだ木片が顔に当たるも、彼はそれを気にすることなく周囲の気配を探る。
―――近づいて一気にトドメとくるか、それともまだ距離をとって慎重に攻めてくるか…答えは?
瞬間、灯りの届かぬ暗闇の中から先程と同じ長方形の゛光弾゛が五つも飛んでくる。
男は再び跳躍して回避しようと試みるが、今度の゛光弾゛はどうあっても彼に直撃しなければ気が済まないらしい。
跳躍した男が立っていた場所を通過した゛光弾゛はそのまま直進することなく、大きなカーブを描いて男の方へと戻ってきたのだ。
『火』系統の魔法で同じような追尾機能を持つ゛ファイア・ボール゛のそれとは威力も凶悪さも桁が違う赤い゛光弾゛は、空中で無防備状態となった男の背中へと突っ込んでくる。
しかし男は焦ることなく軍に所属していた時に覚えた呪文の速読で゛レビテーション゛を唱え、自身の体を上昇させた。
今いた場所から更に高いところへと飛び上がった直後、音を立てずに五つの赤い゛光弾゛がスゴイ速さで通り過ぎていく。
男を二度、仕留め損ねた゛光弾゛は今度こそと言わんばかりに再びカーブを掛けようとしたが、三度目を許すほど彼は寛容ではなかった。

26 :
―――゛ラナ・デル・ウィンデ゛
男が脳内で呪文を唱えると、こちらに向かってこようとする゛光弾゛へ風で出来た鎚が振り下ろされる。
俗に゛エア・ハンマー゛と呼ばれた呪文はその威力をもって五つの゛光弾゛を纏めて風で押しつぶし、爆発させた。
赤い光をばら撒いて爆散したそれを空中で浮かびながら見ていた時、頭上からかなりの速さで迫ってくる気配を感じた。
忘れもしない。あと一歩というところで邪魔に入り、自分に敗北の味を教えてくれた彼女の気配を―――確かに感じ取ったのである。
―――なるほど、頭上か!
心の中で叫んだ直後、今度は白く大きな菱形の゛光弾゛が二つ空中にいる彼へ目がけて降ってきた。
速度自体は先程の赤い゛光弾゛ほどではない。その代わりなのか赤い゛光弾゛よりも大きく、中々の迫力があった。
クルクルと風車のように回りながらゆっくりと自分に目がけて落ちてくるその光景は、いいさか不気味である。
しかし男はそれに惑わされず、冷静な判断でもってスッと後ろに下がる。
一メイル程下がったところで菱形の゛光弾゛が男のいたところを通過し、そのまま地面へと落ちて行った。
だがそれを見届けるよりも先に―――――――相手は剣を片手に仕掛けてきた。
―――――このまま仕掛けるつもりか?
すぐさま迎撃態勢を取りつつも、男は向かってくる少女の姿をハッキリと捉えていた。
明りが天井のカンテラただ一つだけという暗い闇の中で艶やかに光る黒のロングヘアーと、頭に付けている白いフリルのついた赤リボン。
リボンと同じ色の服やそれと別途になった白い袖、セミロングの赤いスカートと首に巻いた黄色いスカーフ。
そして左手に納まっている三つの赤い゛光弾゛と右手に握られた剣まで、ハッキリと男の眼は捉えている。
しかし…容姿だけを一目見ればすぐさま異国の者だと想像できる彼女の顔だけは、黒い靄のようなモノが掛かっていて良く見えない。
その理由は良くわからないが、男はそれに興味はなかったし調べる気も無かった。
だがこの時、男は思っていた。「ようやくこちらに近づいてきた」と。
――面白い…その勝負、受けてやろう!
彼はこちらに向かって急降下してくる紅白の少女に向けてそう叫ぶと、自身が持つレイピア型の杖に『ブレイド』の呪文を掛けた。
騎士が良く使う、杖に魔力を絡ませて刃とする魔法であり、得意な系統ごとにその色と威力が大きく違ってくる。
『風』系統の使い手である彼の『ブレイド』は強く緑色に輝き、彼の上半身と短くも立派な顎髭を照らし出す。
その間にも紅白の少女は、右手に持った剣を大きく振り上げてこちらに突っ込んでくる。
男はそれに対し突撃するようなことはせず、菱形の゛光弾゛を避けた時と同じく横に素早く移動して回避した。
あと一歩というところで回避された少女の斬撃は空気を切り裂き、そのまま地面に向かって直進していく。

27 :
―――良し!もらっ…何?
こちらに無防備な背中をさらけ出した相手に笑顔を浮かべた男は、そのまま接近して斬りつけようと思ったが、少女の対応はあまりにも早すぎた。
地面まであと三メイルというところで、少女は赤いリボンとスカートを大きくはためかせて空中で一回転し、頭上にいる男へと体を向けたのである。
時間にして僅か三秒。そうたった三秒で再び攻撃の態勢を整えた少女の身軽さに、男はアルビオンのニューカッスル城で感じた戦慄を思い出す。
あの時もそうだった。全てが順調だったというのにあり得ないところで状況を覆された挙句、反撃できぬまま無様な姿を晒した。
こちらに体を向けて態勢を整えた少女は、男が軽く驚いている間に左手に持った三つの゛光弾゛を勢いよく飛ばしてきた。
先程と同じく中々の速度突っ込んでくるそれに気づいた時、男は回避ではなく゛光弾゛を撃破することを選んだ。
―――えぇい!始祖の御加護を!
彼は心の中で半ば自暴自棄な気分で始祖ブリミルに祈りながらも、迫りくる゛光弾゛を『ブレイド』の掛かった杖で勢いよく切り払う。
魔法に刃によって緑色に光る杖は音を上げることはなかったが、近づいてきた三つの゛光弾゛を見事に切断することは出来た。
長方形から不格好な四角形になり、数も六つに増えた光弾は斬られた場所でその動きを止め、そのまま赤い霧となって散ってゆく。
だが、直撃しかけた゛光弾゛を切り払った彼にとってそんな事は過ぎた事で、どうでも良い事であった。
何故なら…霧散していく赤い霧の中から、剣を振り上げた紅白服の少女が飛び出してきたのだから。
――――何…だと…!?
今度は回避も迎撃する暇もなく、男はただただ驚愕するしかなかった。
紅白の服をはためかせ、血を求めて鈍く光る刃先が迫ってくるなか…男は見た。
少女の顔を覆う黒靄の隙間から見える赤い瞳と、青白く発光する左手の甲に刻まれた―――使い魔のルーンを。
「まだだっ!まだ、俺は…」
今まで閉じていた口を開き、心の底から叫んだ瞬間。
少女の放った一振りは強力な一撃となって、男の胴体を易々と両断した。

体中にまとわりつく汗による不快感で、ワルドは暗い寝室に置かれたベッドの上で目を覚ました。
だいぶ見慣れてきた新しい天井が目に入るよりも先に、彼は上半身だけを勢いよく起こす。
ただただ不快な汗に濡れた体と、得体の知れない息苦しさに苦しみつつも、ワルド唯一自由である両目だけを左右上下に動かす。
明りひとつない暗い部屋の中で彼は壁のフックに掛けられた黒いマントを見つけ、ついでテーブルの上に畳まれたトリステイン魔法衛士隊の制服と自分の杖が目に入る。
悪夢から目覚めてから数十秒ほど経ってから、今自分のいる場所がハヴィランド宮殿の中にある一等客室なのだということを再確認した。
あれは夢だったのか。そう呟こうとしたが思うように声が出ない。
恐らくうなされていた時からずっと口を開けていたのか、口の中が異様なほど乾いているのに気が付く。
次いで、喉をジワジワと炙るかのような痛みが襲い、ワルドは堪らずベッドのそばに置かれた水差しへと急いで手を伸ばした。
蓋を兼ねて飲み口の上に被せられていたコップを手に取るとそのままベッドの上に放り投げると、中に入っていた冷水を勢いよく口の中に流し込む。
ゴクッゴクッと勢いのある音と共に冷水は乾ききった彼の喉を通過し、潤いを与えて胃袋へと入っていく。
乾ききっていた喉が元に戻っていくのを感じながら、ワルドはアルビオンの水が与えてくれる祝福を心行くまで堪能した。

28 :
中身をすべて飲み干したワルドはホッと一息つき、ふと空になった容器を見つめた。
底にわずかな水が残っている容器は未だ冷気が残り、彼の右手から温度を奪っていく。
「夢…夢の中でも負けてしまうのか…」
手に持った空の水差しを持ちながら、ワルドはポツリと呟いた。
時折、思い出すかのように彼があの夢を見始めたのはそう、゛あの日゛起こった゛ある出来事゛が原因であった。

゛あの日゛―――それは、彼が今いる国『神聖アルビオン共和国』が旧き王権を打ち滅ぼした日。
全てが順調に進んでいた筈だった。あと一歩で、自分に与えられた任務を完遂できると彼は信じていた。
しかし苦労の末に積み重ねていった涙ぐましい努力という名の塔は、たった一人の少女によって蹴り倒され…呆気なく瓦解した。
『努力を積み重ねる事は至難の業だが、それを崩す時はあまりにも容易い』
かつて何処かで耳にした言葉の通り、勝者になりかけていたワルドは一瞬にして敗者となった。
任務を完遂する為の過程で右胸を刺して排除した少女は剣を片手に不死鳥のごとく蘇り、驚くべき速さで自分の分身ともいえる遍在を裂いていく。
もしもその時の様子を例えるのならば…そう、一本の゛剣゛が人の形を成して襲いかかってきたようだった。
迷いが一切見えない太刀筋と目にもとまらぬ素早さ、そして遍在達をいとも簡単に切り裂くその姿を目にすれば誰もがそう思うだろう。
目の前の光景に驚いている間に遍在は全て倒され、気づかぬうちに形勢は逆転していた。
そして彼は、目の前で起こった事に対して有り得ないと叫んだ。
―――馬鹿なっ!何故生きてるっ!?何故…
咄嗟に口から出たワルドの言葉に、少女――博麗霊夢は鬱陶しそうな口調でこう答えた。
『うっさいわね。起きたばっかりの私の耳に気に障る声を入れないで欲しいわ』
機嫌の悪さが露骨に見えるそんな言葉と、突然の襲いかかってきた強い衝撃を胸に受けてワルドは敗れた。
こちらの過去や事情など一切知らない、二十年も生きていないような少女の理不尽さをその身に感じながら。

「クソっ…あいつさえ。あいつさえ蘇らなければ俺は…」
回想の中で霊夢の嫌悪感漂う表情と自身の胸に受けた屈辱、そして仕留め損ねた゛元゛許嫁のルイズを思い出し、ワルドは頭を抱えた。
あの後、ワルドは無事に助けられた。胸に直撃したであろう少女の攻撃は強力であったが、不思議な事に傷跡どころか少し大きめの痣で済んだ。
幸い痣の方もクロムウェルのお墨付きで出してくれた水の秘薬で綺麗に無くなったが、それでも彼の胸には今もなお゛跡゛が残っている。
それは不可視の傷。他人には一切理解できない、心の中に未だ存在する屈辱と後悔、それに怒りが加わって傷の治癒を妨げていた。
何故あの時、もっと速くにルイズを殺さなかった?何故殺した筈の霊夢が蘇った?
彼は自らの傲慢と余裕が生んだ過ちと、自分を敗北に追いやった霊夢への殺意が頭の中をグルグルと流れている。
それは一見緩やかな流れの河に見えるが、一度荒れれば数万のも人々の命を攫っていく死神の河であった。
今の状態の彼を挑発すれば、例え始祖ブリミルであっても彼が放つライトニング・クラウドによって真っ黒焦げの焼死体に変わるだろう。
それ程までに彼は二人の少女に対して異様なまでの殺意を抱くと同時に、そんな自分に苛立っていた。
「クソ…『閃光』のワルドが…あんな子供に殺意を持つなんて…情けないにも程がある!」
そう言って彼は手に持っていた容器を思いっきり放り投げた。
数秒遅れて、一等客室に相応しい造りの壁にぶつかった容器が音を立てて割れ、ガラスの破片が飛び散った。
窓を通して入ってくる双月の光を浴びてキラキラと輝くガラスの破片は、まるで今のワルドの、自分の情けなさに涙する彼の心を表しているかのようであった。

29 :

今日も今日とて平和な魔法学院の休日。
その日、ギーシュ・ド・グラモンは一人食堂にある休憩場のソファーに腰かけ、ボーっと天井を見つめていた。
遥か頭上にある天井には日の光が届いていない所為か薄暗く、その全貌を彼に見せようとはしない。
まるで雨雲のように暗いそれを見続けていたら、不思議とギーシュは得体の知れない憂鬱を覚えた。
「光の届かぬ暗部の先には幸があるのかな?…それとも、破滅?」
何処か哲学めいていてそうでない彼の独り言は、人気のない食堂の中に広がり消えていった。
今の時間帯、食堂には奥の厨房にいるコック長や調理担当の者たちを残して、他の給士やコックたちは使用人宿舎に戻って休憩をとる。
なので今はギーシュだけがポツンと、人を寄せ付けぬ平原に咲く一輪のバラのように、その存在をアピールしていた。
しかし、なぜ彼が食堂にいるのかというと別にお腹が空いるからというワケではない。大事な人との待ち合わせをしているからだった。
その人は女子生徒で、ギーシュがこれまで口説いてきた女の子たちの中でも一際輝き、彼にとって特別な存在であった。
ギーシュがいつもの悪癖で他の女の子と一緒にいても、怒ったり暴力を振るったりするが別れるようなことはない。
ある時は別れを告げられたこともあるのだが、自然とよりを戻していつもの様にツンと澄ましながらも優しく接してくれた。
それは例えれば゛赤い糸に結ばれたカップル゛ではなく゛磁石の如きカップル゛と誰もが答えるだろう。
例えどんなに離れていても、どんなに嫌だったとしても最終的にはお互いがくっつくしか道は残っていないのだから。
しかしギーシュにそれを問えば必ず「美しき薔薇に囲まれた幸せなカップルさ」という、彼のナルシスト精神がこれでもかと滲み出た答えがでるだろう。
それほどまでにギーシュは彼女を…『香水』の二つ名を持つモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシを愛している。
今日はそんな彼女と一緒に休日のトリスタニアでデートをする予定だったのだが、少しだけ問題が発生していた。
朝食を食べ終え一時間ほど自室で休んでからすぐに馬で学院を出るはずだったのだが、肝心のモンモランシーが部屋で香水を作っていたのだ。
「ごめんギーシュ、一時間もあるから新作の香水を試しに作ってて…ちよっと食堂で待っててくれない?すぐに行くから」
実際にその様子は見ていないものの、ノックしてすぐに帰ってきた返事とドアの向こうから微かに匂って来た花や薬品系の臭いですぐにわかった。
普通の男なら怒るだろうが、彼女の事を一番知っていると自負するギーシュはドア越しに笑顔を浮かべて了承し、その場を後にして今に至る。
二つ名の通り、モンモランシーは香水に関する知識と技術は学院一であり、それはギーシュだけではなくほかの生徒たちも知っている事だろう。
様々な植物や果物の匂いを均等に混ぜて作り上げる彼女の香水は街でも大人気で、時折大量に作った香水を街で売っていることもある。
ギーシュにとってそんな彼女はとても誇らしく、素晴らしい恋人゛たち゛の中でもひときわ輝く存在であった。
そして、そんな彼女と街に出かけられる自分はなんと美しい男か。とひとり自惚れしていると、食堂の外から二つの声が聞こえてきた。
ギーシュが今座っているソファのすぐ後ろにある窓を通して伝わってくるその声は、正に青春真っ只中と言える女の子の声である。
最初は誰の声なのかわからなかったが暇つぶしにと思い後ろを振り返ってみると、そこには見覚えのある少女が二人、ここから少し離れたところで何かを話していた。
同級生で『ゼロ』の二つ名を持つ事で有名なルイズが召喚した博麗霊夢と、彼女と一緒にルイズの部屋へ居候している霧雨魔理沙であった。
「街に行くからついでに誘おうと思ったけど、まさかシエスタも街に出かけたなんて…とんだ無駄足になったわね」
「私はともかく、お前の場合は無駄足というより無駄飛行じゃないか?」
紅白と黒白というハッキリと目に映る二つの少女は話に夢中なのか、窓から覗くギーシュに気づいていない。
シエスタという、何処かで聞いた覚えのあるような無いような名前に首をかしげつつ、興味本位と暇つぶしでギーシュは話を聞いてみることにした。
これは盗み聞きなどという邪な事ではない、偶々耳に入ってきただけだから聞いてみるだけさ。と心の中で思いながら。

30 :
「しっかしあれだな。急に暑くなってきたよな…こう、私たちがこの世界へ来るのを見計らったかのように」
魔理沙は遥か上空にある太陽を横目に、右手をうちわのようにして顔を仰ぎながら呟く。
「本当ね。もし幻想郷でもこんなに暑くなったら、境内の掃除をしてる途中に日射病にでもなっちゃうじゃない」
それに対して霊夢は腕を組み、まるで親の仇と言わんばかりに太陽をジッと睨みつけた。
「もしかしたら月が二つあるせいで、意地を張った太陽が無駄に頑張ってるのかもな」
魔理沙の口から出たトンデモ仮説に、霊夢はやれやれと言わんばかりに首を横に振る。
「そうだとしたら、私たち人間がいい迷惑を被ってるってワケね。全くイヤになるわ」
「同感だ。お互い張り合うのなら、私たち人間様が被害の被らないところでやって欲しいものだぜ」
二人は燦々と大地を照らす太陽を睨みながら、そんな事を話し合っている。
無論彼女らの後ろには食堂の窓からのぞくギーシュがおり、太陽と月の話もバッチリ聞いていた。
(何だ、ゲンソーキョーとかケイダイ…聞いたことのない単語だ。それに゛この世界゛って…)
そして霊夢たちの口から出た謎の単語を耳に入れ、目を丸くしつつも覗き見を続けることにした。
二人の話をこのまま聞けば、他人が知らない゛何か゛を知れそうな気がしたから。
「それにしても、こんな天気の良くて暑い日に街へ出かけるなんて…曇った日にでも行けばいいのに」
「お前の場合、もしも急須や湯飲みが壊れたりしたら雲の日、雨の日、雷の日、雪の日、吹雪の日、槍の日、弾幕の日でも人里に買いに行くな。これだけは何か賭けてもいいぜ」
自身の満々な魔理沙とは一方的にドライな霊夢は、イヤそんな事は無いと言わんばかりにヒラヒラと手を動かしながらも言葉を返そうとした。
「お生憎さま。私なら急須を捨てざるを得ないようなヘマは――――…したわね」
しかし、言い終える前に先週の出来事を思い出した彼女は最後のところで言葉を変え、恥ずかしそうに右手で自分の後頭部を掻いた。
魔理沙はそんな霊夢を見て軽く笑ったが、その顔には若干の苦味が混じっている。
「まぁ…あの時の事は忘れようぜ?もう一週間も前の事だし」
「その一週間前のヘマで暑い街に繰り出す羽目になったのは…元はといえばアンタの所為じゃないの?」
「?…どういうことだ?」
「だってホラ。アンタとルイズが森でタバサと出会わなかったら、あんなお茶と呼べないような呪物もどきを受け取らずに済んだかもしれないし」
「じゃあ言うが、もしあの時タバサと出会ってなかったらお前の命がどうなってたかわからないぜ?」
別に脅してるワケじゃないぞ。と最後に付け加えながら魔理沙がそう言うと。口を閉じた霊夢は目を瞑り、盛大なため息をついた。
「じゃあ結局は、アレに対する知識が無かった私が悪いワケねよ?」
気怠さと嫌悪感が混じった雰囲気を体から放つ霊夢の肩を、魔理沙が軽くたたいた。
「まぁ、それに関しては私も共犯だぜ?」
だから気にするなって。と最後にそう言って、魔理沙は笑顔を浮かべた。
その笑顔は夏の海のごとく爽快で、とても涼しげな気配を放つものだった。
やけにポジティヴな黒白の魔法使いに対し、紅白の巫女は沼のようなジト目で睨みつけ、文句を言った。
「アンタと共犯ですって…?私はアンタみたいな泥棒はしないわよ」
「何度も言うがあれは一応゛借りてる゛だけだぜ。死ぬまでな?」
最後の言葉を魔理沙が締めくくり、二人はそさくさとその場を後にする。
食堂の窓からジッと二人を眺めていた男子生徒の視線に気が付かぬまま。

31 :
離れてはいたが、バッチリと二人の話を聞いていたギーシュは遠ざかっていく霊夢と魔理沙の背中を見つめていた。
話の内容から察するに、おそらく二人は街へ出かけるのだろう。それは違いない。
しかしそれよりも彼が気になっているのは、二人の会話の節々から出た謎の単語と言葉であった。
ゲンソーキョー、ケイダイ。…そして゛この世界へ来る゛という魔理沙の妙な言い方。
謎の単語はともかくとして、魔理沙の言葉に、ギーシュは何か秘密があるのではないかと思った。
もしかすると…キリサメマリサという、この学院では゛以前にルイズを助けた恩人゛という事以外謎が多すぎる少女の真実がわかるかもしれない。
魔理沙はここへ来て以来、多くの生徒たちに色々な事を聞かれたのだが、持ち前の達者な口ぶりで今まではぐらかしてきた。
無論ギーシュもその一人であり、今まで彼女に関しては「どこか男気のある勇敢で活発な美少女」という感じで見ていたが、今になってそれが変わった。
―――こう、私たちがこの世界へ来るのを見計らったかのように
―――――――私たちがこの世界へ来るのを見計らったかのように
       『この世界へ来るのを見計らったかのように』
              『 こ の 世 界 』
頭の中で彼女の言葉が反芻し、ギーシュの脳内を満たしていく。
そこから導き出される答えは、決して普遍的な人生を歩んできた人間には理解できない答え。
惜しむべくは彼、ギーシュ・ド・グラモンもその普遍的な人生を歩んできた人間の一人に過ぎないという事だ。
多数である彼らの唱える゛常識的な思考゛が少数に支持される゛非常識な答え゛を否定し、全く見当はずれな回答を探そうとする。
「キリサメ…マリサ、k―――――ッ…イィッ!?」
彼女は、一体…。と言おうとした瞬間―――――何者かが彼の後頭部を掴んできた。
「ォ、オオゥ…!…ウグ!?」
鷲掴み、というものでは比喩できない程の握力で掴まれた彼の頭から、メキメキと縁起でも無さそうな音が聞こえてくる。
一体誰なのかと問いただそうとしても、あまりにも頭が痛すぎて声を出す暇もない。
まだ両足が地面についている分マシだが、このままでは宙吊りにされる可能性も考慮しなければならないだろう。
最も、今の彼にそこまで考えることができるのかどうかは定かではないが。
そうこうしている内に掴まれてから三十秒ほどたった時、後ろから声が聞こえてきた。
「へぇ〜、やっぱり学院中の女の子に声かけてる男は違うわねぇ」
その声は、痛みに苦しむギーシュに――否、ギーシュだからこそ鮮明に聞こえたのである。
いつも何があっても傍にいてくれて、離れていても気づいたら戻ってきてくれる…金髪ロールの素敵な子。
「学院の子や゛私゛には飽きたから。次は『ゼロ』の使い魔と得体の知れない居候を試し食いしようってワケね」
プライドは高いがそこが素敵で笑顔も気品があり、貴族の女の子として非常に理想的な彼女。
キュルケのように大き過ぎず、かといってルイズやタバサのように小さ過ぎもしない、安定した体のバランス。
趣味で作る香水やポーションは、彼女が得意とする『水』系統の魔法と彼女自身の知識と才能によって生まれた一種の芸術。
これだけだと非の打ちどころのない素敵貴族子女なのだが、彼女には一つだけ欠点があった。
それは恋する女の子なら誰もが持っているであろう、『嫉妬』の感情。
気になる相手が他の女の子へと目が向いた時、それが爆発して小さな暴力を引き起こすことがある。
問題はたったの一つ。今ギーシュの頭を掴む彼女の暴力が手でも足でもなく―――文字通りの「水責め」だということだ。
「うん…うん決めたわ!今日は街で貴女とお買い物する筈だったけど。予定を変える事にするわ♪」
最後にそう言って、満面の笑みを浮かべた少女――モンモランシーは杖を取り出した。
まるで盛りの付いた野良犬の如く、色んな子に色目を使うダメな彼氏もどきを…これから作る水の柱へと埋め込むために。

32 :
以上で今月の投下を終えます。
今月は延期していた東方求聞口授が発売して自分には嬉しい月でした。
自分のSSももうすぐゼロ魔三巻のタルブの戦いへと動いていきます。
そこは自分なりに頭を動かしてアレンジを効かせて行きたいとも思っている次第で…
では皆さん、また来月に…
ここまで、代理終了

33 :
>>24
ゴモラは出たぞ

34 :
無重力巫女の人乙です
ギーシュぇ…… そのあと水柱に頭をねじ込まれて拷問ですねわかります
いっそ永淋に去勢薬でも作って貰えば…… モンモンは永淋に弟子入りしそうだ

35 :
>>24
ジャミラはそっとしておいてやれよ

36 :
被爆星人・・・

37 :
よーしパパこれから第十九話投稿しちゃうぞ〜

38 :
エラーで書き込めないよ…

39 :
何だよ『あたり〜』って…
しょうが無いので避難所に投下します。

40 :
>>36
ウル魔が閲覧禁止になるわ

41 :
予告
いわく、7都市のひとつを灰に変えた悪魔の使い
600億$$の賞金首
人類初の局地災害指定
関わった事件は200を超え、被害総額は20兆$$オーバー
他にも数多の伝説を作った男が今、ハルケギニアの地で新たな伝説を生み出す!
「使い魔?僕が?」
「そうよ!アンタは私の使い魔なの!」
・・・使い魔として
「これは一体なんの騒ぎなのよ!このトンガリ頭ぁ!」
「それは僕の方が聞きたいくらいデース!」
人間台風(ヒューマノイドタイフーン)と呼ばれる所以
「な、なんなの・・・その傷だらけの身体・・・!?」
「あんまり女の子には見られたくなかったなぁ・・・」
彼の名は・・・
「ぼ、僕のワルキューレが一瞬で・・・!?」
「一体・・・何者なんだ!」
ヴァッシュ・ザ・スタンピード
暴走という名をもつ男の物語がまた始まる!
            《TRIGUN・ZERO》
近日 公開

42 :


43 :
>>40
幾らキチガイ連中でもそこまでの権力はないだろうさ

44 :
ふと、リリなのStsの自称凡人ことティアナが召喚されたらどうだろうと思った。
なのはさんに撃墜された、劣等感の塊の頃とか。

45 :
作者次第です

46 :
あーもう、なのはの人まだー?

47 :
いまだにシリーズがしぶとく続いてる孔雀王から呼ぶとしたら、孔雀かアシュラか王仁丸かな

48 :
意外と遊戯王シリーズのキャラって少ないな
最終十代はユベルが問題だけど最終遊星なら問題なさそうだけど

49 :
サイヤのひと恋

50 :
>>44
ティアナさんってガンダムでいうとリ・ガズィぐらいのポジションだっけ?

51 :
ただし確変はいるとトランザムする

52 :
よくアンリエッタが無能扱いされるけど、ハマーン様やラクスが王女だったらトリステインはゲルマニアと同盟いらなかっただろうか?
ウェールズが御大将だったら王統派はレコンに負けなかっただろうか

53 :
無能というより公私混同が酷いというべきな気が…

54 :
無鉄砲
かな

55 :
結果出してるし才能はあると思う

56 :
家庭教師にアリストテレスかルキウス・アンナエウス・セネカ付いていれば
性格的に覇王か暴君になるタイプではあると思う
ロマンチストで激情家だし

57 :
トップが無能でも、周囲が有能なら何とかなるものだしな

58 :
……スレ違いなネタではあるが
もしもアンアンが王女でなく魔法学園のメイドさんだったら…
序盤で才人と関係持って駆け落ちしてたりしてw

59 :
>58
そんなことになるシチュエーションか……ルイズが虚無と発覚、ヴァリエール朝の誕生。
後の遺恨を残さぬ為と暴走した何者か(有力なのはワルド)に襲われ、命からがら逃げ出したアンリエッタはオールド・オスマンによって助け出され、学園でメイドとして就業する事に。
対外的にはアンリエッタの影武者になる筈が、没落したので一般人として生活することになったとか。

60 :
いや深い意味はないんだ
序盤の彼女の行動は、まあヒロインとしては結構ありがちな行動なんだよな
人の上に立つ人間としてはマズイどころの話じゃないがw

61 :
恋人に手紙届けて欲しいから戦場に行って頂戴
こんな事を頼む時点で国のトップとしてはあかんわなw

62 :
結果的に無駄に終わったがバレたら面倒な手紙を回収し
獅子身中の虫になっただろうワルドを早い段階で排除
さらに風のルビーを手に入れることに成功
ほぼ狙ってないけど結果的には国のためにもなっている
これぞ天性の資質

63 :
勘違い系主人公、アンアンとな

64 :
しかし、その手紙って本当にバレたらまずかったのかねぇ。
「同盟を結ぶのを阻止するために作られた偽物ですよそんなの。全く、始祖の血を引く王家に弓引くだけあって薄汚い謀略が好きなようだ」
と、言った感じで強弁すればいいだけだと思うがなぁ。
ゲルマニアの皇帝はその血と、将来的に国を併合するために「王女」が必要であって、別に「アンリエッタ」が好きなわけでもあるまい。
なら、彼女が傷物でも気にしないだろうから「ですよねー。そんな嘘が通じると思っているの?馬鹿なの?さ、結婚しましょ。同盟結びましょ」
と、口裏合わせるだろうし。
てか、いくら友とは言え国内の有力貴族の娘を生還の望みが薄い任務に投入とかも正気の沙汰では無いよね。
殺されてもやばいけど、もし捕虜になったらとてつもなく面倒なんだが。
さらに言えばウェールズの亡命とかも何を考えているのやらだよね。
レコンキスタの連中にトリステイン侵攻の大義名分を与える事になるし、大体彼が亡命してきてもゲルマニアとの結婚&同盟は避けられないのに。
好きでも無い男の元に嫁ぐ姿でも見せたいのか?この女は。

65 :
本当このスレの人間って考察するの好きだよな

66 :
>>65
だよなwww
問題は作者がそこまで設定を練っているかだ・・・
後このスレでロイヤルビッチって言ったら怒られる?

67 :
ロイヤルビッチはいまやタバサの称号でもあっからな
なんやかやで一番まともなのはイザベラ

68 :
タバサはビッチではないから問題ない

69 :
おいおい
ゼロ魔にまともなヒロインなんて居るわけないだろ?

70 :
アンリエッタを無能無能言うが、竜王を討伐する勇者に二束三文のはした金しか渡さないドSな王様に比べれば有能だろう

71 :
魔王を倒すための真の勇者を決めるために勇者を国中から呼び寄せて
バトルロイヤルさせる王様とかもいるしな、それよりは全然マシ?

72 :
>>70
いやあの王様は優秀だよ
この勇者ならはした金で十分と見ぬいた眼力は称賛に値する
実際魔王倒してるんだから最小限のコストで目的を達成した名君だろ

73 :
>>66
週刊連載とはいかなくても、それなりのペースで書かないいけないから
そのときの思いつきでだした設定や伏線、使わなくて消えたのもあるし
作者もそこまで手間かけんだろうね(笑)
>>67,68
まあ、青春まっさかりの恋愛脳な時期だしいいんじゃね。
作風が作風だし

74 :
>>721
ある意味ただもんじゃないのは確かだな
一人娘が宛もない旅にでる勇者についていくのを許してるし
ルイズもローラの愛ならぬルイズの愛をサイトに持たしたほうがいいな。

75 :
誰かデュープリの人の代理お願いします

76 :
アンカみすった(笑)
>>721じゃなくて>>72

77 :
>>75
なんか代理スレのほうでエラーが出て云々言ってるけど

78 :
>>72
どうも、プレイヤーの前にけっこう大量に”勇者”が旅立っているらしいよ
結局帰ってきたのはほとんどいないので、あの対応で正解

79 :
王様「さぞかし思いっきりつらーい怖ーい思いをするじゃろう
  しかも、超痛かったり死んじゃったりするじゃろう
  しかしワシは責任はとらん!そのために金を渡した。金で解決じゃ!」

80 :
>>79
痔は治りましたか?
…話は元に戻すが、ヒロインキャラをそれなりの地位と責任のあるポジションに据えるのは
扱いがかなり難しくなる気がするな
普通のヒロインだとよくある、主人公を助ける為の無鉄砲な行動が非難の的になりやすい
かなり古い作品だが、ナデシコのユリカがSSだとアンチの対象になる理由がそこだし

81 :
神坂 一コレクションに掲載されている短編に、勇者の支度金に関わる話も有ったな……

82 :
で、それがゼロ魔とどんな関係が?

83 :
>>62
任務から帰った後に鳥の皮がそう言ってるSSもあった

84 :
ふしぎなことに急に焼き鳥を食いたくなってきた

85 :
ルイズに王位を押し付けてサイトととんずらしちゃうアンリエッタとか読んでみたいな

86 :
よしIFスレに行こう

87 :
ん?いろいろミスってんな…
鳥の皮× 鳥の骨○
アンカ62× 64○

88 :
>>71
アニメ化決定した直後に原作と作画が喧嘩して第一部完で打ち切りなったシャイナダルクって漫画には
魔王討伐の為にそこらの奴に勇者認定して魔王討伐に出しまくってる国が問題になったりしてたな

89 :
>>85
もしウェールズが存在しない世界ならありそうだなw
最初に出会ったときの手のひらにキスであっさり惚れて、レコンキスタ戦での軍功をもって
シュバリエに、才人を銃士隊の一員にしてルイズから寝取るとか

90 :
サイトとアンリエッタの夫婦ネタ
サイト「ただいまぁ、あー疲れた疲れた。水精霊騎士隊の仕事もくたびれるぜぇ」
アンリエッタ「お帰りなさいあなた。ご飯にする?お風呂にする?それとも寝るぅ〜?」
サイト「なんでいきなり寝るなんだよ!もういいからメシだよメシ!」
アンリエッタ「はいあなた。ニラレバ炒めと、生タマゴ〜」

91 :
>>90
志村けんと研ナオコの夫婦コントかよw

92 :
ハルケにも赤まむしドリンクは存在するのか

93 :
ジュリオ「今更、言えるわけがないでしょうね。6000年もの昔からケンちゃんラーメンが存在していたなどと」
ヴィットーリオ「新発売とずっと信じ続けていたわけですからね。信仰とは恐ろしい」

94 :
そういえば動植物ってどうなってんだろ
馬、鼠、鳥系は殆ど同じみたいだが、あと蛙もか
虫とか魚もいるのかな
すんごい精力増強剤になるようなのも(ry

95 :
食い物ネタで思ったけど
竜の肉って美味いのかな(笑)
成竜のもも肉なら、もの凄いデカいマンガ肉が取れそうだし、巨大なハム作れそうだ。

96 :
肉食の動物の肉はまずい

97 :
スッポンの生き血〜ってのもあるぞ。うぇっうぇっうぇっ

98 :
投下もない様子なのでデュープリ代理行きます

99 :
第十九話『裏切りのワルド』
昨夜ルイズと喧嘩別れをしたままミントはニューカッスル城からの脱出準備の為城の中を駆け回っていた。
そう、火事場泥棒だ。
脱出船が出発する時間まではまだまだ余裕がある。それまでにありったけのお宝を回収しなければならないのだ。
(今頃結婚式始めてるのかしらね………風のルビーはルイズがウェールズから預けられるだろうし…ワルドが何か企んでるっぽいのは気になるけど。)
多少気にはなるが今は時間が無い…今はお宝だ。

___礼拝堂
ルイズは戸惑っていた、今朝方早くにいきなりワルドに起こされ、ここまで連れてこられたのであった。
昨夜のミントの言葉と滅びる王家のショックもあり殆ど眠れていなかったルイズはワルドにこれから結婚式を挙げよう等と突然言われて戸惑い、混乱したまま状況に流されて此処まで来てしまった。
ウェールズの好意で貸し与えられ、ワルドの手によって頭に乗せられたアルビオンの秘宝の一つ『白の花冠』は白の大陸アルビオンを形容する様に魔法の力で瑞々しく咲いた白い花で作られたそれは美しい物だった。
いつも身に付けていた黒いマントも今は純白のマントで着飾り、簡易的ではあるがその姿はまさに花嫁以外の何物でも無い…
ヴァージンロードの先には荘厳なステンドグラスと神々しく聳える始祖ブリミルの像があり、その袂には皇太子としての礼服に身を包んだウェールズが心から祝福しているのだろう…ルイズを暖かく見守っていた。
「さぁ、ルイズ。僕の花嫁。」
そう優しく言ってワルドがルイズの手を優しく引き寄せウェールズと始祖の像へと一礼を行う。

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