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2013年01月社会・世評64: ■◆社会の掟・因習からの開放、進化◆■ (207) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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■◆社会の掟・因習からの開放、進化◆■


1 :2012/03/22 〜 最終レス :2013/01/03
人間社会にはさまざまな掟や因習が満ちています。
特に抑圧の強い社会や組織では非合理かつ人間性を歪めるような因習・風習が
なかなか改善されません。
しかし、インターネット、携帯電話など情報化の進んだ現代では、社会の悪い掟、因習、文化を
どんどん改善していかなければ、やがては世界から取り残されてしまうでしょう。
一人一人の国民が身近にある悪い掟、風習、文化に負けずに戦っていくことが大事です。

2 :
野田総理、平野、細野、枝野、田中、小川、自見、その他大臣及び与野党国会議員はその家族共々、福島原発周辺部へ
業務命令で住居を移転して、政策、施策を検討しながら、仕事をしなさい。仕事とは検討する事ではない。
すぐ結論を出し実行する事である。能無しで、性格と頭の悪い政治屋どもが高給を受け、特権に胡坐をかきながら
この1年間の無策を反省することなくのうのうとしている現状は「へど」が出るほど情けなく、恥ずかしい限りだ。
身をもって現地体験を業務命令で経験させなければ彼らはその使命、職責を理解できない。想像力、企画力、思考能力
が全く働かない。犬畜生にも劣る連中である。全国民もこの際、現在の政治家の本質、能力、人間性に目覚めて、
「税金泥棒連中」を早急に排除し、監視を徹底する行動を始めましょう。

3 :
ネットから開放しろ。
パソコンを捨てろ。

4 :
2チャンネルにサヨナラするのが最初だよ。

5 :
【話題】 全国の暴走族、初めて1万人切る 上下関係や「おきて」の厳しさ敬遠
2011/02/10(木) 10:19:43
昨年1年間で全国の警察が把握した暴走族の構成員数は9064人で、
統計を取り始めた昭和50年以降で初めて1万人を下回ったことが10日、
警察庁のまとめで分かった。
グループに属さないケースが増え、実態の把握が難しくなっているという。
警察庁によると、構成員の数は昭和57年の4万2510人をピークに減少傾向にあった。
構成員の半数以上は上下関係や「おきて」を嫌ってグループに加入せず、
数台でのゲリラ的な暴走行為が目立った。暴走族のグループ数も昨年から76減り、507だった。
一方で、平成14年から減少していた暴走行為への参加人数は1714人増加して3万6961人だった。
警察庁は「摘発しても仲間の情報を持っていないケースが多く、実態がつかみにくい」と説明している。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110210/dst11021010070001-n1.htm

6 :
● 暴力団の「掟」とR気質  1/2
暴力団には、その集団の生活上の行動基準として、制裁を伴う強制的な規範であるいわゆる
「掟」という不文律があります。
暴力団は、親分の優越的な支配に対する子分の無抵抗の従属がその基本原則となっており、
親分の命令であればそれが理非善悪いずれであろうとも、これに従うのが子分の使命であり、
不断の心構えでなければならないというのが、「掟」の根幹をなしています。
すなわち、「掟」はつきつめてみますと、内容的には複雑なものではなく、親分に対する
「忠誠心・仁義」、仲間同志に対する「義理・人情」を欠くような裏切り行為を絶対にしては
ならないということにつきていると言えます。裏切り行為に対しては、苛酷な制裁が待ち受けています。
こうした「掟」は、組織の一体性を保持して行くための、暴力団の集団生活の慣行から生まれた
身分法則であり、いわば、集団と親分に都合よくできています。
このような特殊な倫理観、価値観に支配されている暴力団〜R社会では、必然的に一般社会とは
異なる独特の行動様式、R気質が生まれ尊重されています。
その1つが、彼らは、なににも増して原始的で粗暴な「力」をその信条としていることがあげられます。
この社会における地位も支配も、その最後の決定要素は常に暴力であり、その爆発的な行動のみが
英雄視されるわけです。これこそが彼らの生命線であり、これを抜きにしてはR気質は
ありえないと言っても過言ではありません。


7 :
● 暴力団の「掟」とR気質  2/2
その2つが、いわゆる「男」の観念であります。これは、つまり「男になろう」とか、「男になった」、
「男らしい」とか言われるように、抽象化、美化された観念でありますが、暴力団社会では、
例えば、敵対する相手との抗争事件で逃走したり、受けた恥辱をそのままにしておくと、いわゆる
「男がすたる」として、極力これを排撃しようとする態度に出るといったようなことです。
その3つが、「力」に関連した「攻撃性」であります。すなわち、自分に対立するもの、自分のほかに
存在するものを認めまいとする不断の攻撃的態度であります。それ故に暴力団社会では、既存勢力に
対抗して新勢力が生まれると、さらに新勢力を倒す勢力が生まれるというように、その地位上昇
(売り出し)をめぐって、いわば無限の悪循環が行なわれて行くわけです。
その4つが、彼らの日常行動において最も重要視される「顔」(面子)であります。
暴力団社会においては、「顔」(面子)の問題は彼らの生活基準であり、行動の中核をなすもので
あります。すなわち「顔」は暴力団社会における身分的序列に直接関連をもち、従って、互いに
「顔を売ろう」と張り合い、「顔がつぶれる」ことをもって最大の屈辱としています。つまり顔は、
Rの威信を表したものであるところから、「顔(面子)をつぶす」、「顔に泥を塗る」ことを
極度に嫌い、このような場合には、その相手方に対して、強烈な物理的反撃を加えることになります。

暴力団ミニ講座 4)
http://www.web-sanin.jp/gov/boutsui/mini04.htm

8 :
社会のルール、法律、約束、マナーを守りましょう。

9 :
自分が間違ったら素直に謝る。ネットでブログでいろいろ詮索した文章
を書いてぜんぜんづれていたなら、正直に間違いを認め考えを訂正する。
これが人間として、特に嘘八百であっても、そのことを隠す、強引に
持論を押し切る、正当化することがはびこっている日本人に絶対必要なこと。

10 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 1 ///////
宮本 政於著 「在日日本人」 ジャパン タイムズ 1993年刊より
    序のことば − ”掟破り”の着地点
 ニューヨークで長期間、精神分析の教育と医療にたずさわっていた私の厚生省入りが正式に
決定したのは、1986年の夏であった。それに先立つ二月下旬のこと、「面接をするから一時帰国
してもらえないか」との連絡が厚生省より入る。某省からニューヨークに派遣されている友人に
この面接の話をすると、「「ニューヨークに住んでいるお前に対して一時帰国までして面接
ということは、採用したいからだ。受けるべきだ」と勇気づけてくれた。
/////////////////////// 「在日日本人」 ///


11 :
島国根性は自分勝手な思考を持つ人間であり、人間として悪の権化である事実

12 :
スターウォーズ的に言えば、
日本人(の歴史)は「自らの生きる道を選べない人が多いので」フォースの暗黒面に取り付かれて
シスに転進した堕落ジェダイみたいな存在。

13 :
日本人として育って、ろくな人間になっていない年寄りとか老害の自浄化
するどころか、彼らの年金や既得権益、土地成金に寄生することを
なんとも思っていない人間が、特に地方を中心に圧倒的に多いから、
現代において意味の無い形骸化した慣習・因習がいつまでも温存する。
現役のころはその因習をおかしいと思いながら、リタイア後は
退屈さからの逃避としてジジババがしがみつくから、柔軟な習慣ということには
絶対にならない。
戦争で自滅するか、難民闘争で環境が変わるか、天変地異で消滅するかしか
変わりようが無い。三番目の天罰的状態がそう遠くないだろう。
自業自得的な一億総シロアリ・総精神病ともいえるから。

14 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 2 ///////
 アメリカ国内なら西海岸は別として、面接と言っても日帰りができる。だが行き先が日本では
そうもいかない。休暇というものは、遊ぶために使うと決めている私だが、このときばかりは
清水の舞台から飛び降りたつもりで、一週間の休暇を取って日本に向かった。厚生省での面接は
三日間にもわたり、幹部たちは医療・福祉全般にわたる考え方から、プライベートなことにまで、
微に入り細に入り聞いてきたことを覚えている。だが官僚組織に浸透している労働感覚、
すなわち"滅私奉公"について言及した幹部は一人としていなかった。どうやら「同じ日本人なら、
当然組織のために自分を犠牲にするのだろう」と思ったようなのだ。これが大きな間違い
であったことに、幹部たちも最近になって気がついたようだ。
/////// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


15 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 3 /////////
        "いじめ"なのか"しつけ"なのか
 一九九三年五月、私の単行本としての第一弾である『お役所の掟』(講談社)が出たとき、
直属の局長が私を呼びつけ、厚生省幹部たちの不手際のために私を採用してしまったことを
嘆いていたのである。そのくだりを紹介しよう。
局長 「君の採用試験に立ち会った人たちは、役所には個人の生活など存在しないことを
教えたのかい」
私 「六人ほどの幹部の方から面接を受け、どんな仕事がしたいのかは聞かれましたが、
そうした掟についてはなにも説明はありませんでした」
局長 「そうか、君の本のタイトルではないが、『お役所の掟』をきちんと説明していれば、
君だって厚生省を職場として選んだかどうかわからなかっただろう」
///////////////////////////// 1993年刊 ///


16 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 4 ///////
私 「そのとおりです。終わりが明確でない垂れ流しの勤務時間、土・日出勤は常識だ、
休暇など定年になってから考えればよい、意味のない会議のために資科作りをさせられる、
みんなと同じように行動しないと、帰国子女さながらの"いじめ"に遭う、そう説明を
受けていたらだれも就職などしませんよ」
と、まあこんな調子だった。
 私の役所での不適応の原因は価値観の違いが最大の原因なのだが、この"いじめ"についても、
それが明確に出る。
局長 「"いじめ"というが、それは君の勝手な見方だ。そもそもわれわれ役人が"いじめ"など
するはずがない」
私 「食事をしていたら、仕事を終えてから食べろと言って、私だけ食事を中断させる。
ちょっと遅刻してきたからと言って、みんなを前にして女性職員に『宮本にはお茶を出すな』
などと言う。これらはみんな"いじめ"だと思うのですが」
///////////////////// ジャパンタイムズ ///


17 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 5 /////////
局長 「いやいやそうではない。そういうのは"しつけ"と呼ぶのだ。早く役所の環境に慣れてほしい
という親心があるからこそだよ。それを歪曲して取られたのではたまったものではない。
まあそういう親心がわからないのだから、君は役所には向いていないと、言われるのだよ」
 集団の論理に染まるのが当たり前だと思うなら、なるほど私が経験したことは集団生活を送るための、
ありがたい"しつけ"となる。ところが、私のように一人ひとりの個性を大切にすべきだと思う
人間にとっては"いじめ"にしか感じられない。
 私はれっきとした日本人であったはずである。ところが「個人の生活の満足より、掟のほうが
重要だ」という日本社会に入ってしまうと、正直なところ、私は日本人だったかどうか、
つい自信がなくなってしまうこともある。
 『お役所の掟』が引き起こした波紋は、外国のメディアにまで広まり、取材攻勢に驚いたのだが、
これだけ外国勢が興味を示したということは、私が彼らと同じ視点で物事を見ているからだろう。
///////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


18 :
しつけと称し全裸で放置し暴行
2012年04月02日17時11分 提供:産経新聞
 内妻の長男(4)に対し、平手打ちしたり孫の手でひっかくなどの暴行を加え、約2週間の
けがを負わせたとして、大阪府警和泉署は2日、傷害容疑で、大阪府和泉市肥子町、警備員、
鈴木義幸容疑者(41)を逮捕した。
 同署によると、鈴木容疑者は「しつけのつもりでやった。初めは手でたたいたが、
孫の手のほうが効果があった」などと容疑を認めているという。
 逮捕容疑は、今年2月12日午後、和泉市内の内妻(26)宅で、男児が夕食を食べないこと
などに腹を立て、男児の頭を平手打ちしたり、竹製の孫の手で太ももや尻をひっかいて
傷を負わせたとしている。
 同署によると、鈴木容疑者は暴行を加えた後、男児を全裸にしてベランダに放置。
男児の泣き声を聞いた近所の住民が110番していた。
http://news.livedoor.com/article/detail/6428768/

19 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 6 ////////
 そうなると、
 「宮本さんは、やっぱり『在日日本人』ね」
 と私をからかった、友人の言葉が現実味を帯びてくる。
 たしかに日本的な物差しで見れば、私は変わっているほうに入るのだろう。だが、私だって、
日本文化の真髄である"わび""さび""みやび"などの素晴らしさも十分に知っているつもりだ。
しかし、ひょっとすると、これも「在日日本人」ならではの、あこがれかもしれない。
 とはいえ、私が、なにもかも欧米の基準で物事を見て、その文化に染まれと、言っているのでは
ないことだけはわかってほしい。
 帰国が決まってからは、日本的環境に順応するためにはどうしたらよいか、私なりに真剣に
考えたのは、その証拠だと言いたい。
////////////////////////// 宮本 政於著 ///


20 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 7 ///////
        ファッションもクルマも変えてみたのだが……
 ちょっと恥ずかしいのだが、私が、まずいちばん頭を悩ませたのは、私の趣味とするファッションの
ことだった。
 コーネル大学医学部とかニューヨーク医科大学を職場としたのも、ニューヨーク、それもマンハッタンの
持つファッション感覚を吸収したいとの思いがあったからだ。ファッションを自分の生活から切り離して
考えるなど、思ってもいなかったのだ。
 やはり、私が厚生省に入省ということを聞きつけた別の友人は、次のようなアドバイスをしてくれた。
 「お前はデザイナーと間違えられるような格好をしているときがある。日本の官庁はとても保守的で
ファッションとはいちばん縁の遠いところだ。目立つことは決してプラスとはならない。だから服装など
無頓着であるという姿勢に変えたほうがよい」
/////////////////////// 「在日日本人」 ///


21 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 8 ///////
 そこで、私の帰国準備の最初のステップは、新しい服を揃えることから始まった。どちらかと
言えば、地味な服を何着も買ったのである。だが悲しいかな、日本の組織社会で生活をした
ことがなかった私、色さえ抑え目であれば大丈夫と思ってしまったのだ。ところが、日本株式会社の
幹部職員の感覚からすると、イタリアンファッションは、遊びのイメージなのだ。遊びの
感覚があってこそ、よい仕事もできる、そう言いたいのだが、"いじめ"を"しつけ"と解釈する
お役所である、とても遊びを日常生活の中に取り入れる余裕などない。おかげで、ありがたき
"しつけ"、いや"しごき"を招く結果となってしまったのだ。
/////// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


22 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 9 /////////
 服装以外にも、どのような車に乗るべきか、そんなことにまで気を配った。というのも、某大手の
商社マンでニューヨークに赴任している友人が、私の車について次のようなアドバイスをくれたからだ。
「おい、日本に帰るんだってな。ところで、あの真っ赤なポルシェはどうするつもりなんだ」
「日本に持っていこうと思っているよ」
「ばか、お前は日本の役所を知らない。オレの会社は通産省の管轄だが、役人の前に出るときは
いつもより地味な格好をしていく。役人が赤いポルシェなんて、ひんしゅくを買うだけだ」
///////////////////////////// 1993年刊 ///


23 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 10 ///////
「しかし、走り具合とかデザインが気に入っているから乗っているのだし、エンジン音も
なかなか魅力的だよ。手放したくないな」
「なにを言っているのだ。オレだってスポーツカーは大好きだ。でもこうしてアメリカに
いるからこそ乗っていることができるのだ。日本に帰ったらクラウンだ」
 車一つで、ちょっとオーバーではないか、そう思い、日本にいる友人に尋ねてみたところ、
同様の意見である。結局、涙を飲んでポルシェを持って帰ることはあきらめたのである。
///////////////////// ジャパンタイムズ ///


24 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 11 ///////
        個人を犠牲にしてはならない
 国際化社会の中でリーダーシップを取らなければならなくなっている日本。そこで、日本人が
いちばん大切だと思っている"調和"の論理で世界を説得しようとしても、私と役所の関係のように、
"調和"どころか、国際社会では不協和音が増すばかりだ。
 だが、噛み合わないからといって、そのままでよいとは言えないはずだ。なにしろ、欧米との
摩擦は、そのまま日本国民にマイナスとなって跳ね返ってくるからだ。
///////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


25 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 12 ///////
 こうした現状を見れば見るほど、「個人を犠牲にして組織のために」という考え方をなんとか
変革していきたい、という思いが強くなったのだ。その結果、
「『集団の調和』という教義のために、思っていることも一言えず、個性を伸ばすこともできない。
そんな我慢の毎日など、いいかげんにしたほうがよいのではないですか。あまりにも犠牲の
代償が大きすぎますよ」
 こう訴えることが日本の改革につながる、そう考えた。
 その第一弾が『お役所の綻」である。そして第二弾が、この『在日日本人』なのである。
////////////////////////// 宮本 政於著 ///


26 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 13 /////
 本書では、精神分析医としてニューヨークで診た日本人の患者のうち、日本的な組織優先の
価値観から自分を解きほぐすことができずに、適応不全を起こした人々に、まず登場してもらい、
そして厚生省で「不適」マークを押された私自身の"症状"をオーバーラップさせてみた。
 当然のことではあるが、ここでは精神分析の概念をより多く登場させた。日本的集団主義の
問題点をより明確にしたかったのと同時に、集団という組織形態が、人の心にどのようなネガティブな
影響を与えるのか、それをきちんと知ってもらいたかったからだ。一人の「在日日本人」の嘆きが、
日本の国際化の一助になれば幸いだ。
 最後に一つお断りしておきたいことがある。それはこの本で紹介されている症例は、プライバシー
保護のため、背景などを含め多少変化を加えてあるということである。もちろん精神分析という
科学的なデータには影響がないように配慮をしてあるので、症例検討としての有効性は十分に
保たれている、と考えている。
・・・・
//////////////////// 「在日日本人」 ///


27 :
そろそろ本題に入ってくれ。

28 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 11 /////
        カラオケも特訓したが……
 新しい環境に適応するための努力は帰国してからも続けた。カラオケの練習に励んだのも
その一つである。ニューヨークでは、カラオケと称する、のど自慢に興味を持っていた友人は
いなかった。だから話では聞いていても実際に体験をしたことがない。だが、帰国してみると、
日本では人間関係を保つためのコミュニケーションとして、カラオケが独特の地位を占めている。
 付き合いだからと言って、下手な歌を聞かされ、しかも歌いたくもないのに歌わなければ
ならない。こうした習慣に憤れていなかった私にとって、カラオケはカルチャーショック
というストレス以外なにものでもなかった。
///////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


29 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 12 /////////
 しかし、こんなことでめげてはだめだと思い、二、三曲は歌えるようにと、CDを買い込み
練習を始めた。ところが、ちょっとやそっとの練習ではとてもうまく歌えない。音程を
外さずに歌えるようになるには、かなりの練習が必要となる。だが家の中で練習しては、
聞かされるほうも不愉快だろう。そこで、どこで練習をしたらよいものかと考えた。
車の中なら、だれにも迷惑をかけないだろうと思って、車をインスタントのスタジオ
としたのだ。だが、私の車庫には屋根がない。車のそばを通りがかった人たちはさぞかし
「変な人がいるものだ。止まっている車の中で一人で歌を歌っているなんて」と思ったに
違いない。
////////////////////////// 宮本 政於著 ///


30 :

/// 序のことば − ”掟破り”の着地点 13 ////////
 とまあ、私も日本社会になじむようにいろいろと努力をしたものだった。
 だが、不思議と日本の組織社会は、そうした努力は認めようとせず、個を滅する発想を
共有した、と認めるまでは、執拗にプレッシャーをかけてくる。
 "しつけ"なのか"いじめ"なのか、これは価値観の違いだから、どちらが絶対だ、と
言うつもりはない。でも、日本的集団が容認している"しつけ"を素直に受け入れると、
みんな同じ色に染まってしまう。
 そんな恐ろしさがあることだけは、知っておくべきだ。
/////////////////////// 「在日日本人」 ///


31 :

///////////////////////// 「在日日本人」 ///
 宮本政於著
 単行本「在日日本人」 1993年10月ジャパンタイムズ発行 ¥1,529
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4789007081/
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4789007081.html
http://books.rakuten.co.jp/rb/item/9623899/

 文庫本「「弱い」日本の「強がる」男たち」 1998年03月 講談社+α文庫 \819
http://www.amazon.co.jp/dp/4062562529/
http://books.rakuten.co.jp/rb/item/958653/
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062562529.html
/// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///////


32 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 1 /////////////
宮本 政於著 「在日日本人」 ジャパン タイムズ 1993年刊より
第二章 人間性をむしばむ日本的「残業」観
    日本的甘えが座礁するとき
        企業戦士M氏は、なぜか死にたくなった
 日本では同僚以上に活躍し、出世街道を走っていたのにアメリカ生活で挫折を感じる
エリート銀行マンがいた。なぜ彼はつまずいてしまったのだろうか。
 秋も深まりつつある十一月上旬、電話が入る。
「ちょっとお話ししたいことがあるのですが」
と言ったきり電話の向こう側は沈黙。だいたいこのような電話は大きな問題があることを
示唆している。
///////////////////// 「在日日本人」 ///


33 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 2 /////////
「実は主人のことでご相談があります」
とおそるおそる話してくる。
「どのようなことですか」と聞くと、
「主人は某都市銀行ニューヨーク支店のM副支店長なんですが、主人の生活態度がいつもと
違ってきているのです。それで心配になって」
と言う。これはきっと女性問題だ、などと想像しながら、
「アポイントはいつにしましょうか」と聞くと、
「是非、今日お会いしたいのですが」といやにせっぱつまっている。
「それでは今晩七時にオフィスに来てください」と言って電話を切る。
夜、私のオフィスを訪れてきたのは、小柄で上品そうな装いの、三十代後半の女性であった。
「主人が死にたいと言っているのです。なんとかしてください」
 こう彼女は切り出した。
///// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


34 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 3 //////////
「もう少し詳しく話の内容を教えてください」と促すと、
「私たちはアメリカに来て一年になります。初めのうち主人は『別天地だ。家も日本の五倍の広さは
あるし、庭までついている。もう日本など帰りたくない』とニューヨーク赴任を喜んでいたのです。
ところが三カ月ぐらい前からなのですが、なんとなく私への接し方が変わってきたのです」
とここまで言うと、黙ってしまう。
「どんな変化なのですか」と促すと、
「口数が少なくなってきたのがいちばん大きな変化でした。それに加え、料理に関してなにも
言わなくなったのです。主人はとても料理にはうるさいのです。だからいったいどうしたのだろう、
と思いました。しかも帰宅時間が毎日のように午前様となったのです。どうしたのかと思い、
聞いてみても『仕事が忙しい』の一点ばりです。これはきっと、アメリカが素晴らしいの連続
でしたから女でも作ったのか、初めはそんな心配をしていたのです。いろいろと探りを入れても
みました。ところがそのような兆候は見られないのです」
//////////////////////// 1993年刊 ///


35 :
>>1
同意

36 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 4 //////////
 また沈黙である。心配しているのが手に取るように伝わってくる。
「食欲とか睡眠についての変化はありませんでしたか」
「確かに食欲は以前と比べて落ちてきています。睡眠も、帰ってくる時間が遅くなるだけ、少なく
なっています。『どうしたの』と聞いても『いや、別に』とつっけんどんで相手にしてくれない
のです。でも初めのうちは、しばらくすれば元に戻るだろう、そう思ってほうっておいたのです。
私も子どものこととかコミュニティーでのボランティアの仕事などで忙しかったので、そう
心配ばかりしていられなかったのです」
 ここまで話すと、急に涙ぐむ。二分ほど沈黙の後、
「ところが先週のことなのですが、夜食をつつきながら小声でぶつぶつとなにか呟いているのです。
『あなた、何ですか』と聞いても私のほうを見ようともしない。いったいどうしたのだろうと
近寄って、もう一度聞いてみると『日本に帰りたい』と言うのです。あれだけアメリカに愛着を
持っていた人がどうして、とびっくりしてしまいました。
//////////////// ジャパンタイムズ ///


37 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 5 ///////////
 でも、もっとびっくりしたのは『オレはもうマンハッタンになんか行きたくない』と言うのです。
『いったいどうしたのですか』と聞くと、一言ぽつりと『死んでしまいたい』と言って、それ以後
私が何を聞いてもしゃべらないのです。これは心の問題だ、そう思ったのですが、だれを訪ねて
よいのかわからない。それに精神科の先生の元を訪ねたということを他人に知られたくありません。
迷いに迷ってイエローぺージをめくって先生にお電話をした。こういうことなのです」
これだけの内容を、まったく見ず知らずの私に話すということは、それだけ切迫した状況だ。
そう判断してよい。そこで、
「お話はよくわかりました。できるだけ早い時期に、ご主人を連れてきてください」
と次の日の夜六時のアポイントを与える。ところが夜も真夜中を回ったころ、M氏の奥さんからの
電話でたたき起こされる。
「主人に『医者の診断を仰ぐ必要がある』と言ったところ目茶苦茶に怒り出したのです。『オレは
気違いではない。精神分析医のところなど絶対に行かない』と言って部屋に入り鍵をかけて
出てこないのです」
/////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


38 :
戦争・核兵器・原発・権力争い・経済紛争…嫌な事は、全て亡者どもが原因だ。
そして、今までの価値観・社会が亡者どもを生んでいる。
※ 贅沢・見栄の欲→金・権力→支配欲→悪事→失う恐怖→亡者の心
対策は、逆の思想「あるがままを堪能し魅せる事が、最高の贅沢・見栄」「亡者は患者」を広め治療するしかない。

39 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 6 //////////
 おろおろしているのが手に取るようにわかる。だが心の問題を扱っていると、よくある
話でもある。そこで、本人を説得することにした。
「ご主人と話をさせてください」と頼むと、
「あれだけ怒っていたのだから、電話口に出るかどうかわかりません」
と不安そうな答えが返ってくる。待たされること十五分、M氏が電話に出てくる。ところが
奥さんの言っていたような剣幕はまったく感じられず、か細い声で、
「○○銀行のMです。家内がいろいろご迷惑をかけています」と言う。
 一回も面識がなく、精神状態が動揺している患者の場合、長い間電話で話をするよりも、
必要不可欠な会話の内容にしオフィスに来させるようにしむけなければならない。M氏のような
場合、私のオフィスに翌日来てもらい、診察をまず受ける、それがいちばん重要なのだ。そこで、
「奥さんからの話を総合すると、かなりのストレスがたまっているようです。奥さんも心配
していますし、明日の朝七時に必ず私のオフィスに来てください」
と言う。
/////////////////////// 宮本 政於著 ///


40 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 7 //////////
だが、予想していたとおり、
「精神分析なんて必要ありません。会社に知れたらクビになってしまいます」
と日本人独特の精神治療に対する偏見が出てくる。この偏見は自分の首を絞めることになって
いるのだが、その実態に気づかない人が圧倒的に多い。こうした精神治療を受けたがらない
という姿勢は、周りの目を意識する、という日本人の横並びの発想と深い関係がある。だが、
M氏の奥さんはちょっと違った。周りの目などより、自分の家族のほうが大切だという、ごく
自然な考え方で家族の健康を考えたのだ。だからこそ、M氏と私の対応を親子電話で聞いていて、
「わかりました、明日七時に伺います」と優柔不断な彼の代わりに返事をしてきた。
/////////////////// 「在日日本人」 ///


41 :
日本を立て直す唯一の道は、他人種国家にすること。

42 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 8 ///////////
 さて、翌朝、眠い目をこすりながらマンハッタンのオフィスに着くと、M氏と奥さんはもう
待合室で待っている。中肉中背のM氏は、背を丸め、おどおどした様子で名刺を差し出す。
 私は、前日、奥さんが話してくれたことをかいつまんで説明し、どうして日本に帰りたく
なったのかを聞いてみる。すると、
「実は海外勤務などしたくなかったのです。でも会社の命令とあってしぶしぶ引き受けたのです」
と本心を打ち明ける。
///// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


43 :
因習に全く屈服しない男女からなる社会の方が、画一的な社会よりも面白いであろう。
by ラッセル

44 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 9 /////////////
「日本での勤務評価はたいへんよかったので、ニューヨーク支店の副支店長としての転勤命令
となってしまったのです」とも言う。
「でも奥さんの説明だと転勤を喜んでいたと聞きますが」
「アメリカの居住環境には魅せられたのですが、仕事環境は悪夢のようなものです」
と矛盾点を自分なりに説明してくれる。
/////////////////////////// 1993年刊 ///


45 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 10 //////////
    「甘え」の心理が無責任体制をはびこらす
 精神分析の講義を聞かされているみたいで、本来知りたいと思っている内容と違うではないかと
お叱りを受けるかもしれないが、一言このM氏の対応について、精神分析的な説明をさせてもらいたい。
 さて、何が言いたいかと言うと、精神的な問題を呈している患者に対し、彼らの心の中にある
矛盾点を指摘することは、患者の予後を知るためにとても重要であるということなのだ。
 M氏のように、精神分析医に矛盾点を指摘された場合、自分なりにその矛盾点を説明でき、
より客観的に自分の置かれている環境に対処できるような対応ができるという場合は、患者の
予後は良い。ところが、精神的な問題が重症になってくると、こうした矛盾点を指摘されたりすると、
自分で説明できないばかりか、逆に精神的な動揺が顕著になり、これまで以上に症状は悪化する。
/////////////////// ジャパンタイムズ ///


46 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 11 ///////////
 すなわち、患者の話すことの中にある矛盾の指摘は、患者の精神状態の診断を的確に行うためには
欠かせないテクニックなのだ。M氏のように、矛盾点を説明できたということは、心にまだ余裕がある、
そう考えてよい。だから彼の対応ぶりを聞いていて、これならば外来で治療ができる、そう
思いながらニューヨーク支店での仕事の内容を聞いてみたのである。
「副支店長が決裁しなければならないものも結構あるのですが、通常は支店長が最終的な決定を
行うのです。ところが支店長の席は事実上空席なんです。彼はブラジルに支店を作ることに忙しく、
私は支店長代理という辞令をもらうことになり、実質的にはなにもかも私にまかされることに
なったのです。決断をすることは昔から好きではありませんでした。だからそれでなくとも、
責任が大きくなったことで気が滅入っていたのに、支店長代理とはもう目の前が真っ暗に
なったのです」
/////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


47 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 12 //////////
 こうして彼の話を聞いていると、「責任を負いたくない」そんな性格が浮き彫りになってきたのである。
責任の所在が明らかになるということは、批判の矢面に立たされることでもあるから、傷つきやすい
性格の人はそのような状況を嫌う傾向にある。M氏の場合、責任を回避したいとの性格は、裏を返せば
傷つきやすい性格だとも言えるのだ。
 外国という地に来ることで不安は増大していた。それに加え、自信が揺らいでいたM氏は、自分の
判断はひょっとして批判を受けるのではないか、そう思い始めたのだ。こういう心理状態に置かれると
不安はますます増大する。
//////////////////////// 宮本 政於著 ///


48 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 13 /////////
 不安という感情を好む人はいない。当然、不快な状況に置かれれば、その状況から脱しようとする
のが人間の心理である。不安を排除すればよいのだが、不安を完全に取り去ることなどそう簡単には
できない。だが、そうは言っても不安も増大すれば病的な感情となる。人間の体は病気と戦う
すべを知っている。そこで、M氏の場合どうやって不安と戦ったかというと、昔優しくかばって
くれたお母さんの元に逃避しようとしたのだ。子どものときを思い出してもらえれば、すぐわかると
思うのだが、通常、お母さんは子どもを保護してくれる存在である。だから、不安を感じた
子どもは、お母さんの元に逃げ帰り不安を解消しようとする。
///////////////////// 「在日日本人」 ///


49 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 14 /////////
 大人になっても大きなストレスがかかると、人間はそのストレスから逃れようと、無意識に昔、
自分を保護してくれた人の元に帰ろうとする。その相手は通常、母親であることが多い。
こうした現象を専門用語では退行現象と呼ぶ。
 M氏は、外国に住み副支店長という重責を負わされ、しかも傷つきやすい性格でもある。
これまで以上に不安は増大し、自分を保護してほしいという願望が高まった。その結果、無意識的に
母親への依存度が高まったのである。実生活でどのように退行現象が現れたかは、追って説明
していく。さて、M氏の職場での様子はというと、集中力が欠けたり、物忘れが多くなった。
それがいらいらに転じて、部下からは気難しい上司だとの印象を与えるようになったのだ。また、
M氏は前章のA氏と同様に、アメリカにおける勤労感覚に対する違いによるカルチャーショックも受けた。
///// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


50 :
なんとなく良スレの気配を感じる

51 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 15 /////////////
 M氏は自分の感じたカルチャーショックを次のように語った。
「いちばん困ったのは残業をしてくれないことですね。また昼休みというと、仕事が途中でも
食事に出かけてしまうのです。仕事を中心にスケジュールが組めない、これが一番の悩みでした」
 この、仕事第一の価値観と、個人の生活優先の価値観とのぶつかりあいはA氏と同じだ。
 お客の獲得には、ティッシュペーパーを持っての挨拶回り、雨の日でも風の日でもお客が
取れるならば、無駄とわかっていても足を運ぶ、そんな企業の論理の中で育てられたM氏は
A氏同様、悲しいかな、アメリカの個人を大切にする考え方についていけなかったのだ。
/////////////////////////// 1993年刊 ///


52 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 16 ////////////
「私にとって生活の充実とは仕事に熱中していることです。ところがアメリカ人は自分の生活を
第一とする。アメリカに来て一年近くになりますが、こういった考え方はどうもしっくりきません。
しかも私の銀行は日系のアメリカ人を結構多く使っているのです。また日系以外のアメリカ人の場合、
日本に住んでいた経験があるとか、日本文化に興味を示しているとかが、採用の場合の大きな
考慮の材料となっています。
 だからニューヨークといっても、責任は多少日本にいたときより重くなるかもしれませんが、
人間関係ではそれほど異和感がなくてすむかと思っていました。ところが、日本人独特の気持ちを
彼らがある程度理解してくれるものと思っていた私が間違っていたことに気がついたのです。
しかも、理解しないばかりか、日本人が大切にする仕事第一の価値観をバカにしてくるのです。
がっくりきてしまいました」
////////////////// ジャパンタイムズ ///


53 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 17 /////////
「もう少し具体的に説明してくれますか」
「そうですね、残業に対する感覚の違いがショックでした。彼らはよほどのことでない限り
残業などしません。日本では残業といっても、半分以上はサービス残業が占めています。
でもこっちでは働いた時間全部がお金になるのです。しかも給料に比較して一時間当たりの
報酬は二倍となります。日本でこのレートで残業代がつき、しかも働いた残業時間は全部
お金になる、と言ったらほとんど全員残って残業しますよ。アメリカ人の勤労意識に接して、
こうまで日米で違うものかと思ってしまいました」
///////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


54 :
日本の労働環境は異常

55 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 18 ///////////
 ここにA氏とは違った、M氏独特の問題点が浮かびあがってきている。M氏は、日系人も含めて、
日本を理解しているアメリカ人たちはお互いに気持ちを察し合うことができるものだ、そう
信じ込んでいたのだ。思い込みの度合いの大きいM氏は、それとともに精神面で繊細な部分がある。
日本にいたときにはこの性格が、以心伝心、あうんの呼吸という人間関係にプラスとなっていた。
ところが、こうした繊細さはアメリカ社会ではもろさとして現れてしまったのである。
 相手は自分と同じ考え方をする、いや同じであってほしい。そう思っていたのに、現実は大きく
違っている。同じであってほしいという願望と、そうでなかったときの失望。このギャップに
彼は耐えられなかったのだ。それに加え、M氏は自分の信じていた価値観がまったく受け入れ
られないどころかバカにされている、そんな現実に接したため自尊心が傷つけられたのだ。
//////////////////////// 宮本 政於著 ///


56 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 19 /////////
        「以心伝心」社会と「イエス・ノー」社会の衝突
 人間、性格的に繊細であればあるほど、あうんの呼吸で人間関係を運ぼうとするし、そうした
対応を得意とする。この、あうんの呼吸とか、以心伝心は、言語による対話がなくても、
動作など直感力を頼りにしたコミュニケーションを言う。
 この対話の基本型は、親と子どもの間に成立しているコミュニケーションに由来し、母性本能が
強い人とか精神的に両親、とくに母親との結びつきが強い人間にはよく見られるパターンでもある。
また、このような対話方式をとる人は人見知りをする傾向も強いことを知っておく必要がある。
///////////////////// 「在日日本人」 ///


57 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 20 ///////////
 ところが欧米では、言葉という媒体を使っての会話が進められる。会話も当然論理的な展開となり、
イエスかノーの対応が不可欠となる。こうした対応は責任の所在が明確にされ、またリーダーの
存在価値も出てくる。こうしたコミュニケーションの違いは、M氏と部下たちの間にぎくしゃく
したものを作り上げてしまった。
「この間ちょっと金利の計算をする必要があって、お願いするよ、と頼んだのです。ところが
『これから休み時間だから駄目』と言って席を立ってしまうのです」
「どう感じましたか」
「どう感じたかって、当然、急いでいるからこそ頼むのです。それでなければ頼むわけが
ないでしょう。それをわかってくれないのですよね、アメリカ人は」
///// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


58 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 21 ///////////
「腹が立ちましたか」
「そうですね。腹が立つよりがっかりしました。とくに自分に対して腹立たしい気持ちが
出てきました。そう思ったら、どうしてこんなやつらと一緒に仕事をしなければならないのだろう。
そう感じるようになり、なんか自分がみじめに思えたのです」
「なるほどね。いちいち説明させないでくれ。そこまで上司に言わせるなんて、そんな気持ち
だったのですか」
「そのとおりです。やはり先生は日本人だ。でもニューヨークで日本の良さを求めても
手に入らないのですよね」
 M氏は、急に顔を輝かして私を見る。どうやら彼の気持ちを理解することができた私に共感を
覚えたようなのだ。私は彼のこの反応を見ていて、つくづく、以心伝心のコミュニケーションに
慣れていた社会から、はっきりと物事を発言しなければ意思の疎通がない社会にくるということは、
ストレスの多いことなのだ、そう同情してしまった。しかし、安易な同情は禁物だ。
///////////////////////// 1993年刊 ///


59 :
これの初版1993年か
テレビとファミコンと部活のことしか頭になかったわ
あの当時にウォルフレンを読んで理解できる日本人はいたんだろうか

60 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 22 ////////
「ところで、仕事と自分の生活のけじめをつけるアメリカ人の仕事ははかどっているのですか」
と質問する。
「それがね。不思議なんですよ。仕事のでき具合は決して悪くないんです。なにしろてきぱき
仕事をこなしますからね。雑談もあまりしません」
「そうすると、仕事がたまりそのしわ寄せがくるというより、アメリカってこうも違うのだ、
それに対するショックがいちばん大きいみたいですね」
と文化圏が変わることによるストレスに焦点を出てると、
///////////////// ジャパンタイムズ ///


61 :
うっわーこのインタビューの日本人と仕事したくねーーーーーー
でも日本にはそういう人多いんだろうな
だから最悪の労働環境あああああああああああああああああああ

62 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 23 /////////
「私など、日本では上司の雑談を聞きながら仕事をしていたものです。仕事の合間にいろいろな
話をするとストレス解消になるのです。ところがアメリカは本当に日本と違います。一度ある
部下にヤンキースの試合がどうなったかをちょっと尋ねたのです。ところがうるさそうな顔をされ、
『自分は仕事をしているのだ、そんな話はあとにしてくれ』と言われましてね。
 どうも昔の癖がとれないのか、ついつい仕事中、部下に話しかけてしまうのです。そうしたら
『日本人って相手のプライバシーを気にしないのですね。でも私は、日本人ではありません。
これから、部下に対しても話しかけるときはアポイントをとるようにしてください』と嫌みを
言われる始末です。しかも相手は二十代そこそこの女性ですよ。腹が立つやら憎らしくなるやらで、
こんな思いをするなら日本でのんびりしていたほうがましだ、と思うようになったのです」
と憤懣をぶちまける。
/////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


63 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 24 ///////////
 彼が言う「アメリカ社会はあうんの呼吸で仕事が進められない」という部分はよく理解ができた。
だが、仕事とプライベートな部分をごっちゃにして仕事を進めることをよしとしているM氏の
判断には、アメリカで社会人生活を始めた者として、不思議なことに憤るものだと思わずに
いられなかった。
        仕事より家族のほうが大切なのは世界の常識だ
 M氏の部下の仕事ぶりは結構熱心のようだ。それに業績も落ちているわけでもない。彼の話を
聞いていると、彼が文句を言うほうがおかしい、そう思ってしまう部分も大分あった。なぜなら、
彼の部下の勤労態度はアメリカの企業社会では、ごく当たり前のものだからだ。
////////////////////// 宮本 政於著 ///


64 :
静岡は最低なところだよ
静岡市民は集団ストーカー漬け
保守的な土地柄だから、慣れ親しんでしまっている
右向けば右、左向けば左
北朝鮮人のようだよ・・

65 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 25 //////////
 しかしそういう私もアメリカに来た当初はM氏と同様のショックを受けた経験がある。二つほど
例をあげよう。私がまだアメリカに行ったばかりのエール大学付属病院でのことだ。
 ある患者の血液検査が必要となった。そこでこれまでの検査結果と比較しておこうと思い、
午後一時に患者が来ることもあって十二時ちょっと前に検査室にいる秘書に過去の検査結果を
病歴から引き出しておくように指示した。ところがこの秘書はもうすぐ十二時で食事だから
午後一番にする、と言ったのだ。まだ日本的な勤労概念から抜け出ていないころであったので、
なんという対応だと内心怒ったものであった。でも考えてみれば、この秘書は私に、
「緊急ですか」と聞いたのだ。そこで私は、
「いや、緊急ではない」
///////////////////// 「在日日本人」 ///


66 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 26 ////////
と答えた。その結果としての秘書の回答であったのだ。緊急でないのだから、仕事を優先させる
必要などまったくなく、冷静に考えてみれば怒る私のほうが間違っていたのだ。
 もう一つは、ミネソタ州立大学で精神分析医になるためのトレーニング中に起こった例である。
まだ精神分析の基本とは何かを暗中模索の段階のことであった。ある日、女性の精神科医で
友人でもある同僚が教授に、
「緊急事態です。私の両規が結婚生活の危機状態に陥っています。家族で集まって話し合いを
したいので、明日から三日間ほど仕事を休みます」
と言ったのだ。やはり日本的な価値観から抜け出られなかった私は、
「どうして両親のことで、しかも生死を争うようなことでもないのに、三日間も休むのだろう」
と思った。
///// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


67 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 27 ///////////
彼女が急に休暇を取ることで、全体の仕事にかなりの影響が出ることはだれの目から見ても明らか
だったのだ。私が驚いたのは、そのことを十分知っているはずの教授の返事を聞いたときである。
「それは重大な問題だ。三日と言わず必要なだけ休んでよい」
と言ったのだ。きっと日本だったら、主任教授は、
「何を言っているのだ。親が病気とか危篤なら休むのもかまわない。たかが夫婦喧嘩ではないか。
そんなつまらない問題で休暇を取るなどよく言える。三日も休まれたら仕事に滞りをきたす。よく
考えてから、もう一度来なさい」と言って門前払いを食わすだろうと思ったのだ。このとき、
「なるほどアメリカ社会は、家族を組織に優先させるのだ。そして精神科という医学の基本は、
友人とか家族の間に起こった問題を克服することにあるのだ」ということに気がついた。
/////////////////////////// 1993年刊 ///


68 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 28 /////////
 この気づきが、私の人生観を変える一つの要因となったことは間違いない。
 こうして私自身が、カルチャーショックを体験するにつれ、M氏を診察するころは、アメリカ流の
合理的な考え方が身についていた。だが、大学卒業までは日本で暮らしていた私である。M氏が
いろいろと述べたショックをある程度理解はできた。ただ、アメリカでの仕事環境に慣れるにつれて、
日本で教えられてきた"仕事第一"の発想は、"組織のために"と発展し、結局、個人とか家族を
大切にしない発想であることに気がついた。そこで新たに日本に根づいた"仕事第一"の発想を
分析すると、これは一種の精神論であることがわかってきた。
/////////////////// ジャパンタイムズ ///


69 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 29 ///////////
 自分も家族も省みず、ひたすら組織のために働けば、最後に恩恵は犠牲の精神を貫いた人に行く。
このような"仕事第一"の発想は、第二次世界大戦のとき日本軍が兵站を軽視し「兵隊などにたいして
食わせなくとも、気持ちさえ張りつめていれば、戦争には勝てる」といった現実を無視したバカげた
精神論を主張したこととその基本を共有する。「兵姑が充実するからこそ戦争に勝てるのだ」
これが客観的な見方なのである。こうした精神論は現実を無視した一種のヒステリーでもある。
すなわち感情論なのだ。しかもこの感情論の始末に悪いところは、集団という組織の力を借りて、
置かれた環境を客観的に分析されることを拒否し続ける性癖があることだ。
/////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


70 :
結婚式で歌い踊り死刑宣告=村のおきてに違反−パキスタン
 【イスラマバードAFP=時事】パキスタン北部の山間部にあるコヒスタン地区のガダ村で最近、結婚式で
歌って踊ったことが罪に問われ、女性4人、男性2人に地元の宗教指導者から死刑が宣告されたことが分かった。
警察が29日までに明らかにした。
 ガダ村には、結婚式は男女別々に祝わなければならないとする厳しいおきてが存在する。
男女6人は歌い踊る姿を携帯電話で撮影されていた。(2012/05/30-06:08)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012053000053&rel=y&g=int

71 :

/////////////////////// 「在日日本人」 ///
 宮本政於著
 ハードカバー「在日日本人」 1993年10月ジャパンタイムズ発行 ¥1,529
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4789007081/
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4789007081.html
http://books.rakuten.co.jp/rb/item/9623899/

 文庫改訂版「「弱い」日本の「強がる」男たち」 1998年03月 講談社+α文庫 \819
http://www.amazon.co.jp/dp/4062562529/
http://books.rakuten.co.jp/rb/item/958653/
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062562529.html
/// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///////////


72 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 30 /////////
        人間性を損なう組織への忠誠心
 私はアメリカでの経験を通じて、自分の生活を考える前にまず仕事、というバランスを欠いた
生活をしていると、いつのまにか、個人とか家族の生活が、組織体という大きなカの前に屈して
しまうことに気がついた。だからM氏のように、アメリカ人の仕事感覚に目くじらを立てていると、
「Mさん。会社のためにと言ってはりきっているけれども、そんなに忠誠を尽くしても所詮組織とは
冷酷なものですよ。しかもその忠誠心は、本当に大切にしなければならない、自分の生活とか
家族との生活をむしばんでいるのですよ。もっと覚めた目で自分の所属する組織を見たほうが
いいですよ」
 そう言いたくなってしまう。
//////////////////////// 宮本 政於著 ///


73 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 31 ///////////
でも、精神分析はあくまでもストレスを解消する方法を教えるのである。社会改革を唱えるところ
ではない。だから治療上は実生活が円滑に営めるように、いろいろとテクニックを教えるように努めた。
 ではアメリカでは、どのように個人生活を優先させるのか。その考え方は私が長くいたコーネル大学で
次のように現れていた。
 まず、勤務時間帯は、午前八時から午後四時である。その間一時間の昼食時間が入り、それに加え
午前と午後に十五分のお茶の時間がある。このお茶の時間は勤務時間内として換算されているか実質
勤務時間は六時間半である。仕事はよほどのことがない限りこの時間帯の中で終了する。残業などは
ほとんど存在しない。帰り支度は三時半ぐらいになると始まり、午後四時ともなると判で押したように、
みんないなくなるのである。中には「自分は昼食時間に仕事をする。だから一時間早く帰る」。
そう言った人もいたぐらいだ。
///////////////////// 「在日日本人」 ///


74 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 32 ///////////
 こうした対応がとれるのも個人の時間と勤務時間とが明確に区別されているからである。そのため
病院といえども終業時間直前にオフィスを訪れるようなものなら、なんでこんな時間に来るのだと
嫌な顔をされる。とくに私が勤務していた病院は、外科とか内科など緊急な患者を扱う部門が
なかっただけに、終業時間ぎりぎりに訪れてくる人に対していい顔をしなかった。最初このような
対応を見た私は、
「患者のためを思って、もう少し優しさがあってもよいのではないか。あまりにもドライ過ぎる
のではないか」と、言ったことがある。ところが、私の意見を聞いたある上司は、
「四時を境に次のスタッフがバックアップの体制を取るので、別に患者をないがしろにしている
のではない。それより、『なんでこの患者のために自分たちの時間がつぶされるのか』と思いながら
勤務するほうがよっぽど患者に失礼だ。病院は常に患者中心主義で患者は迷惑を被らないように
なっている。また、患者のためにといっていつまでも仕事をしていたら際限がない。どこかで
区切りをつけなければならない」
と、言う。
///// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


75 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 33 /////////////
初めはそのような考え方になじめなかったが、患者たちの待遇を見ていると上司が言ったように、
患者の権利は十分に守られているどころか待遇そのものが日本よりもはるかによい。このような
実態がわかるにつれて、私も終業時間にけじめをつけることは、患者にとっても私自身にとっても
とても大切なことだということがわかってきたのだ。
        部下の仕事も自分の仕事
 病院ですらこのような対応である。ましてや、急患などがなく、仕事の先読みや繁忙期が
把握できる金融機関で、そんなに残業する必要があるのだろうかと思ってしまう。
//////////////////////////// 1993年刊 ///


76 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 34 /////////
 もちろんアメリカの金融マンも激職だ。一分を惜しんで働いている人も大勢いる。しかし、彼らの
仕事にはメリハリがあり、年がら年中、十時、十一時が終業時間となっているなど聞いたことがない。
そのうえ、M氏はA氏同様自分の仕事だけでもたいへんなのに仕事を残して帰ってしまった部下の
仕事も引き受けていたようだ。どうも私のところを訪れた企業戦士の多くは、部下の仕事まで
やってしまう人が多かった。責任感が強いというか、根っからの仕事人間というか、お人好し
というか、指導力がないというか、そんな性格が見て取れた。
 そのような患者の一人であったM氏は、部下の残業を一手に引き受けたことに対して、このように
言っていた。
「本来、部下がするべき仕事が全部私のところにまわってくるのです」
「どうして部下の仕事をするのですか」
///////////////// ジャパンタイムズ ///


77 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 35 ///////////
「残業は断る。仕事が結構あっても昼休みだといって後送りにする。そうなればだれかが仕事を
しなければならない。そうでしょう。だれもしなかったら本社から怒鳴られるのは私なんです」
「でも、仕事がとても多ければアメリカ人といえども残業をしますよ」
「いったん断られると、それを押して命令をするのがとてもおっくうになるのです」
「でもあなたは支店長代理でしょう」
「それはそうですが、昔から人に命令するのは好きではないのです。日本だとみんな一生懸命
働きますし、それに仕事が山とあれば、私から、言わなくてもみんなで仕事をさばいてから帰ろう、
そういった感覚で仕事ができました」
/////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


78 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 36 ///////////
「ところでMさん、ここはどこだと思いますか」
「先生に言われなくとも理解しているつもりなのですが、これまでの習慣を大きく方向転換するのは
難しいのです。結局、部下が帰社してからも一人だけ残って仕事をすることになってしまうのです。
帰宅時間は日本にいたときと変わらない深夜帰宅です。ところがニューヨークの深夜は日本と
違ってぶっそうで、いつもおどおどしながら帰るのです。仕事で疲れているうえに、身の安全も
考えなくてはならないなんて、本当にニューヨークって嫌なところですね」
 アメリカは日本より安全が保たれていない、というある一面の事実をM氏は語ってはいるのだが、
どうも自分の新任地での不安と管理者としての問題点をニューヨークの社会問題に置き換えている。
///////////////////// 宮本 政於著 ///
79 :あぼーん:あぼーん
あぼーん
80 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

81 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 37 ///////////
        "人見知り"するからこそ「甘えたい」
 こうしてM氏の話を聞いていると、彼の繊細さ、あうんの呼吸での対話を好む傾向が強い部分、
また人見知りするとか傷つきやすい性格がはっきりしてくる。このような性格は、彼が
母親離れをしていないことを証明するものでもあった。
 日本の仕事環境は、"人見知り"をする性格を持っている人たちにとっては楽な部分がある。
新しい環境に慣れるような努力をしなくともよい環境が整備されているからだ。たとえば
日本の"仕事第一"の価値観は人間関係を広げなくともすむ。いつも同僚とだけ一緒に生活を
することになるからだ。"建前"優先であることと"年功序列"の徹底も、妬みなど感情に大きな
起伏が起きないような人間関係を営むことができる。
///////////////////// 「在日日本人」 ///


82 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 38 ////////
 ところが欧米の環境では、日本にあるような、"年功序列""終身雇用""建前と本音の使い分け"
"根回し"など、攻撃的な感情を回避できるような制度が社会に存在していない。本音第一
なのだから、どうしても人間の持つ攻撃的な部分も研ぎすまされる。だから"人見知り"をする
性格の人たちにとっては、攻撃的な対応に正面からぶつかってしまい、不安だとか不信など
いろいろな感情が誘発されてしまうのだ。結果として不安定な精神状態となる。
 "人見知り"をする性格は母親離れと深い関係があると前に述べたが、その部分に説明を
加えよう。そこでM氏にもう一度登場願おう。
///// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


83 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 39 ///////////
 M氏を診てから四日後のことである。M氏の奥さんから電話があった。
「主人がいる前ではちょっと言えなかったのですが、もう一度、時間を割いていただけませんか」
との依頼である。オフィスを訪れた彼女は、
「先日は取り乱していたので、全部先生にお話しすることはできませんでした。でも、先生の
耳に入れておきたいことがあります」と切り出した。
/////////////////////////// 1993年刊 ///


84 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 40 /////////
「よくよく考えてみると、ニューヨーク勤務の辞令が出てから動揺していたそぶりはありました。
いつも持って出る鍵を置き忘れてしまい大騒ぎになったとか、靴下の色が左右違っていたりなど、
普段だったら起こらないようなミスが結構ありました。でも、栄転だから責任を感じているの
だろう。そう思ってあまり深く考えなかったのです。確かにニューヨークに来てからはいらいら
しています。子どもたちにもあたるとか、日本にいたときはそんなことは一度もありませんでした」
「子どもを殴るとか、そういうことですか」と聞くと、
「そうですね。たまにはあったと思います。もう一つ大きな変化がありました。それは主人は、
甘えん坊のところがあり、以前はなんでも私に相談してきたものだったのです。ところがこのころは、
毎晩のように母親に電話をしているのです。また母親も母親で、日本から主人宛の宅急便が
毎週のようにくるのです」
/////////////////// ジャパンタイムズ ///


85 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 41 /////////
 この話を聞いて私は「なるほどな」と思った。と言うのも、彼が部下たちをリードできなかったのは、
部下たちとの対応に甘えを求めようとしていたからだ。部下の甘えをある程度容認するのは上司の
役目かもしれないが、部下を持ったら、部下に甘えてはならない。これは管理者としての原則だろう。
この原則はアメリカでも日本でも同様だ。しかし、アメリカ社会では、部下からの甘えだってあまり
見られない。これは両者ともに独立した個人だという認識の下で上下関係が成立しているからだ。
 最初に会ったときから性格的にM氏には、甘えたいという部分がかなりあると分析していた。それが
アメリカに来て、ストレスを受けたことにより、不安も増え、それが「甘えたい」との気持ちをより
強く引き出すようになったのだ。ところが奥さんは子どもの世話などで忙しい。それにM氏にとって
見栄もある。奥さんに極端な甘えぶりを見せるのは恥ずかしいという部分もあった。その結果、
奥さんを通り越して、心はお母さんに行ってしまったのだ。だからこそ毎日のように、お母さん
コールとなってしまったのである。
/////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


86 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 42 ///////////
 奥さんの話によれば、お母さんの息子に対する独占欲はかなりのものだそうで、結婚十年以上
たっても彼は一人前に扱ってもらえないそうだ。だからストレスがうっ積して甘えてくる息子から
電話がかかれば、かわいそうに思うと同時に可愛くてしかたがなかったのだろう。
「息子をいちばんよく知っているのは母である私だ。嫁ではとても対処できない」
 そんな意識がM氏の母親の中で強く出るようになったのだろう。毎週のように送っている宅急便は
その顕著な現れなのだ。一時的にはこの母親の対応はM氏のストレスを軽減させた。だが、長期的な
視野に立つと、このような母親の対応はM氏の心の自立に寄与しないばかりか症状を悪くするばかり
であった。地球を半周したところにいるお母さんに電話をすることによって精神的な均衡を保って
いることは、非現実的な行為である。逆に、お母さんに甘える気持ちが強くなればなるほど、M氏の
心の中で「お母さんが自分のストレスを解消してくれる唯一の人である」、そういった錯覚に浸る
ことになったのだ。ストレス解消の最大の方法は、現実に対処できる能力を培うことである。
それでなくとも厳しい現実で、そこから逃避すればするほど錯覚に浸る度合いは強くなる。
結果としてストレス症状は悪化するばかりなのだ。
////////////////////// 宮本 政於著 ///


87 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 43 //////////
 M氏は日本での"親方日の丸"体制で、みんなで仲良く、自分の生活も仕事もごちゃまぜの、
"公私混同"社会に郷愁を覚えている。だが郷愁感が高まれば高まるほど彼の症状は重くなる。
そこで、上下関係をはっきりさせ責任が明確にできる環境であっても、不安が多く出ないような
方向に持っていく治療を行うことにした。
「現状の睡眠不足、食欲不振、自殺願望などの症状を軽くする。アメリカ社会でいろいろな
ストレスを受けたとしても不安がそれほど出ないようにする。これは治療を行うにあたっても
最低の目標です。それには最低週三回の精神分析治療が必要です」
と、再び訪ねてきたM氏に治療方針を言う。だが初めのうちは、
「精神分析医のところに行くのなどとんでもない」
と言っていたM氏である。だから彼がこうした方針にどのような反応をするかな、と思っていると、
「えっ!!週三回もですか」と驚きの声をあげたものの意外と素直に、
「わかりました。先生の言うとおりにします」との返事が返ってきた。
/////////////////// 「在日日本人」 ///


88 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 44 ///////////
    「上司のオレが遅くまでいるのに、なんだ!」 − 運命共同体のバカらしさ
 通常、精神分析治療は患者の性格とその人が置かれた環境との間で生じる問題に焦点を当て、
どうしたら周囲の環境になじめるかを探るものだ。だが、M氏の場合、最初から性格に触れるのは
時期尚早と、まずアドバイスを与えることから治療は始まった。
「アメリカでは上司は部下より能力を持っていることが暗黙の了解となっています。部下に
オレはこんなに能力があるのだぞ、と力を誇示することがとても大事です」
「では、どうすればよいのですか」
「どうしても残業が必要な場合はその理由を相手に説明して、『これは命令だ。従わなければ
ならない。嫌なら解雇する』、こんな調子での対応も必要となるのです。部下が『残業はお断り』
と言ってきたとき、『はい、そうですか』とうなずいて、副支店長が部下の仕事をしていたのでは
パカにされるだけです。ところで残業の理由として、副支店長のオレが遅くまでいるのになんだ、
などの対応は口が裂けても、言ってはいけません」
///// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


89 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 45 //////////
 彼はこの最後のコメントに飛びついて、
「そう、本当に私が、言いたいのはそれなんですよ。上司が仕事で残っているのに部下は知らん顔、
この精神に腹が立つのです。そうですか、そういう言い方は駄目なんですね」
とがっかりしたような顔をする。またアドバイスに対しては、
「先生の言うことはわからないこともないのです。私も日本では管理職のポストに結構長くいましたから、
日本人が相手だったらそれぐらい言えます。でも英語で説得をするわけですからね。しかもこちらの
正当性を強調しなければならない。それでなくとも英会語は上手ではないのです。部下を相手に英語で
論陣を張るなんて考えただけでも寒気がします」
と彼は抵抗を示す。
///////////////////////// 1993年刊 ///


90 :
スレ保守

91 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 46 ////////
そこで、部下たちにどのような言い回しで対応したらよいのか、手取り足取り説明をしてあげる
ことにした。ストレス過多の環境に人間が置かれると、退行現象という症状が出現することは
前に述べた。M氏の治療の過程で、この退行現象に焦点を当てることが不可欠になった。そこで
退行現象とはいったい何なのか、それをもう少し掘り下げて説明しておこう。
 人間はストレスを多く受け過ぎると、不安を経験しなくてすんだ幼児の時期に戻りたいという
願望が出現する。なぜ、幼児の時期に不安が少なくてすんだかと言えば、母親なりそれに準ずる
存在が、幼児の不安を代わりに吸収していたからである。見方を変えれば、母親的存在が子どもを
不安がらせないような対応をしていたのである。
//////////////// ジャパンタイムズ ///


92 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 47 /////////
 だが人間は成長するにつれて、ストレスを消化できる能力が培われる。ところがストレス
消化能力を超えてしまうようなストレスがかかると心はストレスをため込んで、膨れ上がって
しまう。こうなると、人間は不安を感じる。どうして不安かと言うと、ストレスにより膨れた
心が粉々に砕けてしまうのではないかと感じるようになるからだ。こうした不安は不快な感情
でもある。だから人間はこうした状況に置かれると、そこから逃避しようとする。逃避できれば
ストレスも減少し同時に不安も感じなくなる。ところが、逃避できる場所がないとストレス
過多となり、不安も解消できなくなり症状の出現となるのである。
////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


93 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 48 /////////
 ただ、幼児期に父親がアルコール中毒だったとか母親が蒸発してしまったなど、不安定な
家庭の環境で育った場合、ストレスを自分の中で処理する能力が著しく減退する。だから
ストレスを受けた患者の治療をする場合、彼らの幼児体験の把握が必要不可欠となる。もちろん
M氏の場合、彼の幼児体験についていろいろと探りを入れたのは言うまでもない。ただ、
幼児体験はよほどのことでない限り、本人は覚えていない。ほとんどの記憶は無意識の中に
しまわれているからだ。だから、患者の症状、言動の端々から推測していかざるを得ない。
しかし、治療が進んでいくと患者の意識の中に過去の体験が蘇ってくるのである。
////////////////////// 宮本 政於著 ///


94 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 49 ////////
        母親離れの促進はストレス解消の万能薬だ
 さて、精神分析治療の原則の一つなのだが、母親への依存の状態が病的にまで高まって
しまった場合、まず母親との依存関係を切る必要が出てくる。M氏の場合、まさにそのケースで、
病的な母親との依存関係を切るところから治療が始まった。
 母親との依存関係を断ち切る第一歩は、私がM氏に対し、手取り足取りの対応をすることで、
彼の母親に示している甘えや依存を肩代わりする、そのような形でスタートした。
////////////////// 「在日日本人」 ///


95 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 50 ////////
 次のステップは、お母さんコールを段階的に減少させることであった。治療を始めて二カ月目で、
週一回しかも十五分以内とする、というゴールをもうけた。同時に奥さんとのコミュニケーションが
十分にできるような環境作りを行った。週三回のカウンセリングのうち一回は奥さんも同席して
もらうことが、コミュニケーションの増加に貢献した。
 睡眠不足などの生理的な症状には、精神安定剤を処方した。M氏は、薬の種類と量がもっと
多くてもよいと不満を示したが、薬に依存されたのでは精神分析治療は可能でなくなる。
だからターゲットとする症状は不眠のみとして、不安などの症状に薬を投与することは極力避けた。
このような治療が功を奏したのか約一カ月後には睡眠不足も消失し、二カ月もたつと食欲も
戻ると同時に、ぎこちなさはあるものの部下を統率していくだけのエネルギーを有することが
できるようになった。
///// 「弱い」日本の「強がる」男たち ///


96 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 51 ///////////
        ひとりぽっちが怖いから「もたれ合う」
 M氏を治療していて、私は「親方日の丸」とか「お上」という言葉を意識することになった。
それは、どちらも母離れができていないことから生じる、個人が組織に抱く意識だからだ。
 そこで、日本での組織社会が個人の心理に与える影響について考えてみると、組織体は疑似
母性的な役割をする。その典型が官僚組織である。組織体は「親方日の丸」とも呼ばれる。
これは組織体がその内部にいる人たちを手厚く保護することに由来している。ここには母親と
子どもの心理的な癒着が構築されていると言ってよい。
///////////////////////// 1993年刊 ///


97 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 52 ///////////
 こうした心理的な関係は民間と官僚との間にも成り立っている。その証拠に官僚は「お上」
とも呼ばれている。母親は子どもから見れば「上」の存在であり、また保護してくれる存在
でもある。こうした、「親方日の丸」または「お上」意識には日本人の理想化した母親像が
投影されている。苦境に陥っても抱きかかえてくれる、いたわってくれる、問題を解決して
くれる、こうした一種の理想化された母親的なイメージを「お上」に重ね合わせているのだ。
 そこで、「親方日の丸」にどっぷり浸かることにより心の均衡を保ってきた人が、急に
母親的存在を失うと、どのような現象が心の中で起きるのだろう。迷子になった子どもを
例にとって考えてみよう。母親が一緒にいれば、子どもは好奇心一杯で走り回っている。
ところが母親を見失ってしまうと、これまでの元気はどこに行ったのかと思うくらいに、
泣き出しおろおろする。好奇心など、消え去ってしまうのだ。
/////////////////// ジャパンタイムズ ///


98 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 53 /////////
 ここで、もう一度M氏に見られた症状を振り返ってみると、母親を見失ってしまい、
ひとりぼっちでふるえている子どもの心理とよく似ていることがわかる。
 「親方日の丸」の心理は「もたれ合い」の人間関係を作り出す。「もたれ合い」社会には
メリットもある。ちょうどシマウマが群れをなして自分たちを守るように、見知らぬ環境に
接した場合の不安を取り除いてくれるからだ。しかし、問題はいったん「もたれ合い」社会に
どっぶり浸かってしまうと、そこからはずれたときに、「ひとりぼっちだ、どうしよう」
という不安が著しく募ってしまうことだ。
/////////// 講談社プラスアルファ文庫 ///


99 :

/// 日本的甘えが座礁するとき 54 ///////////
 一言でM氏の置かれた状況を言うならば、甘えに浸ることができる日本人社会から、甘えを
認めないアメリカ人社会に移った、この変化についていけなくなってしまったために起こった
現象だと考えてよい。しかし、M氏の不適応の責任は、彼が育ってきた環境にもある。
「年功序列・終身雇用」というシステムは、人間の独立心を育てない。多くの人は冠婚葬祭、
課内旅行、運動会、その他のサークル活動に職場単位で参加することに疑問を投げかけないだろう。
ところが、この職場単位での参加が、独立心の芽を摘むのである。結果は日本人から会社を
とったらゼロであり、国際社会でははみ出し者というレッテルを張られてしまう。ニューヨークに
赴任したM氏は、アメリカ人から個人としての対応を迫られた。個人としての対応とは、具体的には
自分の意見を述べることであり、最高管理者としての責任を負うことでもある。このM氏の症例は、
あまりにも日本人的なケースということでニューヨーク時代の私の記憶に今でも残っている。
//////////////////////// 宮本 政於著 ///


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