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2013年05月新シャア専用6: 刹那が種・種死に介入するようです14 (566)
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刹那が種・種死に介入するようです14
- 1 :2013/03/25 〜 最終レス :2013/05/06
- 「もしも刹那がコズミック・イラに現れたら」について語り合い、
SSを投稿し、職人をGJ!するスレです。
荒らし煽りは徹底スルー、職人さんへの敬意を忘れずに。
次スレは>>950を踏んだ方か480KBからお願いします。
スレは、基本的にsage進行です。
前スレ
刹那が種・種死に介入するようです13
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1357226308/
まとめページ:
ガンダムクロスオーバーSS倉庫
http://arte.wikiwiki.jp/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10411/1297454125/
刹那以外の00キャラの来訪等違う形の00・SEEDクロスSS、
新規職人さんも随時大歓迎です
- 2 :
- 敢えて言わせてもらおう>>1乙であると!!
- 3 :
- 刹那!>>1乙はするなよ! 了解 >>1乙
- 4 :
- 前方から>>1乙を確認、援護する
- 5 :
- 俺が、俺達が、>>1乙だ!!
- 6 :
- >>1乙色に染め上げる!
- 7 :
- 前スレ>>983
LOSATみたいなCKEMとかがあるじゃないか
まぁただでさえクソ高いミサイルに初速1500m/sオーバーなんてやるから
一発当たりの単価が高すぎて軍最大の敵たる米国議会に潰されたがwww
- 8 :
- スレ立て乙です
>>7
まだ前スレ埋まってないよw
- 9 :
- >>8
規制で書き込めなかった、スマヌ(´・ω・`)
- 10 :
- 規制だったらこっちにも書き込めないだろw
- 11 :
- 378氏のSSの最新話すごい気になるところで終わったんだな〜
なんか綾波思い出してしまったwww
- 12 :
- 378氏だけでなく864氏の話も続きが気になるよね。それだけでなく378氏の話の
>左手には長い円柱と太い円柱を組み合わせた、異様な物体が保持されていた。
この装備が何なのか気になるよね。
- 13 :
- >>12
ネオサイクロンアームストロング…ゲフンゲフン。
ウォーハンマー的な何かなんじゃないかと予想してみる。
圧倒的質量を叩きつけてパイロットやPS装甲をダウンさせるのが狙いとか。
- 14 :
- しまった!間違えたぁ〜!!
装備の疑問は378氏の話ではなく382氏の話のことだった……orz
- 15 :
- フルメタに出てきたHEATハンマーも捨てがたい・・・
- 16 :
- >>11
それだとキラ死んじゃうじゃないですか、やだー!
- 17 :
- 機関銃+大量のアーマーシュナイダーを装備したという事はEN削りつつ武器破壊と装甲の隙間を狙うのかな?
気になるのは虎の子の武装だが形から想像するとハンマーしか浮かばないな
- 18 :
- ガトリングとかキャノンだと思った
- 19 :
- パイルバンカー・・・?
- 20 :
- >>12
バッテリー組み込んだPS棍棒とかだったらロマン
- 21 :
- TP装甲って重要部分だけだっけ?
それはブルーフレームだけ?
- 22 :
- >>21
青枠は劾が基本避けるか受け流して攻撃を食らわないからコクピット周辺のみを二層構造にして
被弾したのを感知して発動するようにした、結果的にTPと同じ構造になっただけの例外
それ以外でPS系の装甲持ちは間接や内部機械以外の全身(攻撃自由、無限正義、運命、伝説は間接も)
- 23 :
- その四機は最大稼働時にフレームに負荷がかかった際、一時的に強度を増せるんだっけ?
- 24 :
- >>23
いえす、棒立ちで最大稼働してキラキラしてたストフリは装甲どころかフレームまで紙だったのかも
- 25 :
- 刹那は最終回までにPS装甲搭載MSに乗るのかな
順当に行けば次はM1だろうがC.E世界のガンダムに乗ったらどこまで強くなるのか気になってきた
- 26 :
- 正義からフェストゥム、もといファトゥム外してバッセルと対艦刀積んだ背負い物付けてみたり
大破したキラのストライクをジンオーガーのパーツで修復してストライクリペアとかやったり
カラミティで脳量子波によるセルフマルチロックをして目標を狙い撃っちゃったり
駄菓子菓子、量産型の魔改造で無双するせっさんもこのまま見ていたいような気もするな
- 27 :
- フェストゥムじゃELSクアンタと対を成す機体になってしまう、色的な意味で
- 28 :
- ストライクとまでは行かなくても、M1かダガー一機あれば大分楽になるな
- 29 :
- うむ。
運動性能さえ高ければ、装備が凡庸でも
勝てる。
- 30 :
- シモンズ「ルージュをカマルさん様に調整するわ」
カガリ「えっ」
- 31 :
- 刹那ならIWSP使えるだろうが使わなそう
重いわアホ!!ってとっととパージしそう
- 32 :
- 刹那「万能装備?ただのデッドウェイトの事か、それより速さを頼む」→ジンオーガー
カガリ「万能装備?あの使いにくいヤツか、簡単で素早い方がいいな」→ルージュ
求めた物はそこまで差がなかった筈なのに、本人達の技量差と整備班の違いでここまで違う結果に
- 33 :
- ふと思ったんだが、CE世界の現状って親熊から見たら最低最悪な感じだよな
ザフトは15才の子供を戦わせてるし連合はソキウスや生体CPUやエクステンデット造ってるし
何処の勢力も超兵なんて目じゃないレベルで大人の役割や人の尊厳ってもんを無視してるから
- 34 :
- >>33
CBがそれこそ武力介入するようなネタだよね。
- 35 :
- コーディネイターで15歳はもう成人とみなされるらしいけど
どう見ても子供だもんな…
- 36 :
- 15で成人という規則もコーディの優位性を確立するために作ったようなもんだとどこかで聞いたことがあるなぁ
どこで聞いたのかはさっぱり思い出せないから、嘘かもしれないけど
- 37 :
- テロから始まった遺伝子調整者国家に、良くも悪くも現実の大国をスケールアップした連合国家
国民の安全や国の利益より個人の理念を優先する国家、テロ国家から分裂してできたカルト集団
単体で1作品の悪役や黒幕を担えそうな勢力が多数集まってるからなぁ>CE世界の勢力図
- 38 :
- アロウズやってる事は大概だけれど、CE世界にマトンたんあったら
地球やコロニーの人間の数がアロウズなんて目じゃないだろうな…
- 39 :
- ルージュは刹那に使ってもらった方が・・・
フォビドゥンはマジでヤバいから
最悪キラ達に任せるとしてもプロヴィデンスが待ってる
- 40 :
- イージス再利用はできたっけ
- 41 :
- イージスは確か木っ端微塵になってなかったか
- 42 :
- 刹那がルージュに乗るとなると色を青に変えなくちゃな!
- 43 :
- 塗装出来ないが電圧弄れば可能だな
問題はパワーエクステンダーにより電力上がった結果赤くなったという設定だが・・・
初期設定が赤に変わっただけで色変え目的で弄っても性能据え置きという事にすればいいか
- 44 :
- >>43
もっと電圧上げてトランザムカラーにしようぜ
- 45 :
- 金色になるぞ
- 46 :
- あぁデフォルト設定だと電圧に合わせて色変わっちゃうから気になるなら個人設定でパーソナルカラー設定しろって話か
エクステ装備で更に固くなった分は据え置きつつ青にするのも可と
ならエクシアカラーで
- 47 :
- PS装甲自体重くなるから嫌いそうだけどな刹那。
- 48 :
- >>45
ELS「あなたはそこにいますか?」
刹那「」
- 49 :
- 刹那がPS装甲持ちの機体に乗っても起動させずに戦いそうな気がするw
…とはいえPS装甲って起動させないからって機動力が上がるってこと無いんだっけか?
- 50 :
- 電池の持ちがいいくらい
TP装甲の合理さぱねぇ
- 51 :
- TPもなぁ......二次創作でも言及されてたけど、ちゃんと作動するかどうか信頼性の問題とかあるしなぁ
二重装甲で表面がセンサーだから同じ所に着弾し続けたら感知して発動する前に貫通されたりとか
通常装甲の方は一戦毎に交換する必要あったり構造の複雑化とかで整備員泣かせだったりとか
- 52 :
- ちなみに相(phase)ってのはshiftではなくtransするものらしい
- 53 :
- いっそPS装甲は全排除して発砲金属装甲で軽量化&運動性向上すればよし。
- 54 :
- しかしMSサイズだと実体弾に強いくらいしか意味が無くなったPS装甲が根強く使われているのは何でなんだろう?
試作機レベルならオールラミネート装甲のMSがあっても良いもんだと思うんですが。
確か廃熱さえ間に合えばビームには無敵なんですよね?
- 55 :
- >>54
あれビームの熱量を機体全体に分散させて防ぐ代物だが劇中描写でもある通り
戦艦級の大きさでも割りとすぐ熱量ヤバくなっちゃうんで
MSに載せてもどうなんだというのがある。
- 56 :
- ビームでチン!パイロットはホカホカ
- 57 :
- 自由正義の盾がなけりゃそれでよかったのかもしれないけど…
損傷描写一回だけじゃないっけ?
- 58 :
- >>57
あれはZと同じ原理の盾だから仕方無い。てか作画的に(ry
- 59 :
- シールドを高速回転させて
ビームの粒子を拡散させれば・・・
- 60 :
- 回るシールドって西暦のMSには結構採用されてますよね。
GN−Xだと小型のGNフィールドまで発生してるし。
- 61 :
- >>55
冷却ジェル積めばマシになるけどその分重くなるしな
ヴァーチェやセラヴィーみたいな高火力・重装甲設計ならいいけど
- 62 :
- >>60
ユニオンにしてもAEUにしても、MSが戦闘機の延長なのであんまり重い装甲提げて行けず
コンピュータ制御で『弾く』ディフェンスロッドが進歩したって背景があるのよアレ
ので、設計思想が全然違う鉄人は実体盾をスネに装備してたよな
- 63 :
- >>60
グラ公は上手いことコントロールしたが、
気休めだよね〜
- 64 :
- >>63
それがな
2期1話を見ると、カタロンのリアルドがジンクスのビームライフルをディフェンスロッドで弾いてるのが確認できるんだわ…
あながち気休めとは言い難い程度の有効性はあった模様
- 65 :
- サーシェスはイナクトのディフェンスロッドでエクシアのライフル弾いてたし
13話
- 66 :
- 人革連のMSは戦車からの発展だっけ?
だから重装甲・高火力で機動性は低め、脚部を損傷して行動不能になると棺桶と化すから、脚部にシールドを付けてる
ソースの1/100ティエレンの説明書が押入れの奥深くにあって確認不可なので曖昧だが
ティエレン長距離砲撃型が好きな俺は異端ですか
- 67 :
- 逆にティエレンで嫌いなものがない
- 68 :
- 長距離砲撃型は某2Zでは心底やらしかったですw(射程的な意味で)
- 69 :
- ティエレンのあの、鉄臭さというか、現実の戦車を反映した無骨なデザインが好きでなぁ・・・
逆に種や種死のMSは全体的にシュッとしてるよなー 細身のシルエットの機体が多い
・・・って思ったらザウートとカズウートがいたわ
- 70 :
- >>69
戦車に押されるMS()ですね。
虎もあんなんいらねー・・・とか言ってた。
- 71 :
- おいおいCEの戦車舐めんなよ?リニアガンタンクの部隊は彼の砂漠の虎のMS部隊を撃退できるポテンシャルあるんだぜ?
- 72 :
- MSの利点を殺した上で既存の戦車に火力と射角で優れてる程度の程度の機体だしなぁ
装甲を過剰にした結果そこら辺の装甲車に負けんじゃないかって機動性になってるし
ジンに手持ちか背負い式の長距離砲持たせた方がよっぽど柔軟な運用が出来ると思うんだが
しかもガズウートになって肩はビームだから曲射不能、手持ちは使いきり式ミサイルになって
継続的な支援、瞬間の火力、弾幕、と支援機に求められる全てで各パック装備ザクにさえ劣ってるし
- 73 :
- 変形はロマンだから(震え声)
- 74 :
- 鹵獲したバスターを改造したりすんのかな?
- 75 :
- 増設したスラスターとPS装甲でミサイル乱射突撃からの0距離散弾をブチ込むとか
スモークディスチャージャーで煙幕を張って自分だけ脳量子波で狙い撃つぜぇとか
- 76 :
- >>75
ミサイルはみんなスモークディスチャージャー、手持ち武器はランチャーの代わりにお馴染みグランドスラム。
機体コンセプト?なにそれ美味しいの?なバスターになったりはしないだろうかw
ソードカラミティの例があるからありえないと言い切れないとも思うんだが…w
- 77 :
- 週一で更新するとか、378さんマジすごいと思います。
あー昨日は会社の花見とかで、マジで面倒くさかったであります。
火をたいて、ひたすら肉だの焼きそばだの作って……これが社畜ですね、分かります。
と、いう自分のことは置いておいて、今週はなんだか上手くまとまっていないな、
蛇足的なことばかり書いて話が進んでいないんですが、うpしてみようと思います。
- 78 :
- 「綺麗ね、アレルヤ」
「そうだね、マリー。こんなに穏やかな気持ちで地球を眺めたのは、初めてかもしれない」
トレミーの展望室で無重力に抱かれ、二人は飽きることなく外に映る景色を――――
青と白のコントラストの美しい地球を眺め続けていた。
ダブルオークアンタの創る量子ゲートを越え、何の因果か分からぬが訪れてしまった
異なる世界の地球。何処までも深い海の青、流れ続ける雲の隙間から垣間見える新緑の
深い山々、多くの人が暮らしているであろう平地の都市部。
それらすべてが愛しく、マリー・パーファシーは満ち足りた微笑を浮かべ、傍らに寄り
添う最愛の男の肩に頭を乗せ『ほぅっ』と艶かしい吐息をついた。
彼女の隣にいるアレルヤは、体を預けるように寄りかかるマリーの温もりに癒されながら、
同じく地球を眺める。
この異世界に訪れて早一週間。
スメラギの指示の下、トレミーの前クルーが自らの成すべきことに取り組んでいた。
ガンダム各機の修復、及びGNドライブの付替え作業。この世界に関する調査と情報収集。
貨幣を手に入れるためデブリベルトに浮かぶ物の物色。非常事態の時のための待機行動。
炊き出しの準備などなど。
- 79 :
- それらの合間を縫って、アレルヤとマリーはただ穏やかな気持ちで蒼い地球を眺め続けた。
ソレスタルビーイングの武力介入時には、周りのことを見ている余裕など無く。アロウズ
と戦っていたときなど、追われ続け皆疲弊しきって周りを見る余裕すらなかった。
今、この世界に訪れたのは神が与えてくれたひと時の安らぎなのではないか。
隣に寄り添う彼に、『アレルヤ』と洗礼を与えた銀髪の彼女は、そう思わずにいられなかった。
だが、アレルヤは――――
『この世界は一体何なんだ』
訪れた瞬間に瞳に飛び込んできた壮大で、豊かな自然を思わせる地球。
その光景に目を奪われたのもつかの間、トレミーを外部から見つけられないよう
スペースデブリに身を潜めようと移動した際に見えた砂時計のような物体。
それらが幾つも並び固まっているさまはまるでコロニーのようだとアレルヤは感じた。
では、この世界の人たちは宇宙に移住するだけの技術力があるというのか?
自分たちの住んでいた世界、西暦では小型のバナール球型のコロニーが開発を進められ
細々と宇宙進出を行っているのが現状だ。
こちらでは西暦とは比べ物にならないほどの大規模な宇宙移民が進められているのか?
- 80 :
- また、地球に見とれているマリーには悪いが、アレルヤにはもうひとつ不安があった。
この世界の貨幣を入手するため、デブリベルト帯に存在するものの物色。ロックオンと
アレルヤ、イアンの三人で行っている時に見つけてしまったもの。
無数に存在しているMSと思わしき機体の残骸。
手足のもげたもの、頭部を壊されたもの、コックピットが破壊されたもの。
ティエレンに似たモノアイの機体に、西暦では見たことも無いシンプルなデザインの機体。
アレルヤの胸中には不安という名の靄が掛かっていた。
この世界にもMSが存在する。
デブリベルトに存在する残骸の数から、大規模な戦闘が頻発していたのではないか。
スメラギほどの先見の明がアレルヤに無くとも辿り着く答え。回収作業をしていた後、
パイロットスーツから着替える際にロックオンと交わした会話を思い出した。
『俺たちは相当厄介なところに来ちまったのかもな、アレルヤ』
『キミもそう思うかい、ロックオン』
『ああ――――だが、まだこのことは誰にも言わないほうがいい。下手に不安を煽っても
しかなねぇからな』
『僕たちは良いとして、イアンさんは?』
『ああ、大丈夫だろう。機体の解析だの解体だのに大忙しだからな』
『…………そうだね』
二人でやれやれと言いたげに首をすくめた。
もしかすれば、この世界は自分たちがいた世界よりも――――
- 81 :
- 「アレルヤ…………アレルヤ?」
「え、あ――――どうしたんだい、マリー」
「どうした、じゃないわ。あなたの端末、鳴っていない?」
間近でマリー・パーファシーが心配そうにアレルヤの顔を覗き込んでいた。
雪のように透き通る白い肌に、自分のことを心配そうに覗き込む潤んだ瞳。アレルヤは
美しい彼女を間近で感じ、思わず頬が熱くなった。
物思いにふけっていて、自分でセットしておいた携帯端末のアラームに気が付かなかった。
いつもらしからぬ彼の様子に、マリーの表情が不安そうに揺れる。
「なにかあった、アレルヤ」
「大丈夫。僕は大丈夫だよ、マリー」
「そんな――――あなたにとって、私ってそんなに頼りにならない?」
「いつも頼りにしているよ。ただ、まだよく分かっていないことだから、君を困らせたく
ないんだ。だから、もう少しだけ待ってくれるかな、マリー」
「あなたがそう言うのなら――――」
困ったように目尻をたれ下げて笑う彼を見ると、マリーはそれ以上追及が出来なかった。
炊き出しやMSでの待機行動しかしていない自分では、彼の感じている何かを知ることが
出来ない。歯がゆい思いに駆られながら引き下がるマリー。そんな彼女を見ていると、
アレルヤは胸がちくりと痛んだ。
アレルヤは、不意に頭の片隅に小さな疼きを感じた。
- 82 :
- 『いいじゃねぇか、教えてやってもよ。そんなことくらいでへこたれるようなタマか?』
(……ハレルヤ!)
『ま、好きにしろよ。下手な隠し事して、愛しのマリーに愛想尽かれるのはお前なんだからよ』
(マリーに言えるわけがない。もしかすると、この世界では僕たちが想像出来ないほどの
争いに満ちているなんて。地球を見て嬉しそうにしているマリーに――――)
『戦うことしかできねぇバカが、あのRねぇちゃんみてぇに頭使ったりするから
そうなるんだよ。バカはバカなりに動くしかねぇだろ』
(キミのそういうところが、羨ましいよ)
『ケッ、言ってろ。いいか、てめぇがヘマこいて死にそうになったら、俺が動く。
いいな、よく覚えとけぇアレルヤ』
(頼りにしてるよ、ハレルヤ)
突然脳内で響くハレルヤとの会話が終わると、不意に手を引かれる感覚が訪れる。
視線を向けると、マリーがやや不満そうな表情で手を引っ張っていた。
「もう、休み時間はおしまい。行きましょうアレルヤ」
「そうだね、マリー」
- 83 :
- 『マリーに愛想尽かされる』
――――ハレルヤのつぶやいた一言に不安になったアレルヤは、とある行動に移る。
生命の神秘で満ち溢れ、美しい地球。それを見ていられる時間が終わり、不満そうにして
いるマリーの細い体を抱き寄せたのだ。
彼女が握っている手を自分の体のほうに引き寄せ、胸元で抱き締める。
唐突に引っ張られたため、彼女の艶やかな白銀の髪がふわりと広がった。
「ちょ、ちょっとアレルヤ!」
「ごめん、マリー」
泣きそうに震えるアレルヤの声。
謝っているのは、先ほどの話すことの出来ない『何か』のことだろうか?
気にしていないといえばウソになる。でも、彼女としてはそれよりもアレルヤに無理を
して欲しくない。辛いことがあれば、自分を頼って欲しい。ただその一心で言ったこと
なのに。
キュッと抱き寄せる彼の背中に自分の腕をまわす。
ふわり、彼の無駄なく鍛え上げられた逞しい体をただただ優しく包み込むように抱き返す。
「もう、いい歳した大人なのに甘えん坊ね、アレルヤ」
「こんな風にみっともなく甘えるのは君にだけだよ、マリー」
- 84 :
- 胸元から顔を離し、アレルヤの顔を見上げるマリー。
彼女の瞳に映るのは、照れくさそうに顔を赤らめている彼の姿が映る。
最愛の人が自分を頼ってくれる。それだけで胸のうちが満たされたマリーは少女のように
はにかんだ微笑を浮かべ、ギュッと抱き返した。『もう、仕方ないわねこの人は』
そんな想いを乗せて。
互いの心のわだかまりの溶けた二人は、展望室を後にする。
自分が出来る最大限のことをするために。
ほんの少し前まで、新婚夫婦のように初々しい二人のやり取りがあった展望室に入れ
替わるようにやってきた人物がいた。
展望室のガラスに手を当て、壮大に広がる蒼い地球を睨むように見つめ続ける青年。
先駆者、イノベイターに変革したガンダムマイスター、刹那・F・セイエイ。
「――――異なる世界の地球」
イノベイターの直感が囁いている。この世界を訪れたのは、偶然かもしれない。
だが、何かをなさなければならない。そう、彼には確信があった。
- 85 :
- 『プシュッ』
ひとり、ただ黙々と彼が思考し続けていると、誰かが訪れた気配があった。
ゆっくりと刹那は振り返る。訪れた人物を確認するために。
振り返った先には、淡い桜色の前髪で表情を隠した女性が立っていた。
どんな時でも明るく、変革に戸惑う刹那のことを気にかけ続けてくれていた彼女。そんな
彼女らしからぬ何処か落ち込んだ様子に、刹那は気に掛かった。
「フェルト、どうした…………何かあったのか」
抑揚の抑えられた声で、刹那は尋ねる。
彼の声色を知らぬものであれば、形式的に尋ねているように聞こえたかもしれない。
だが、彼女――――フェルト・グレイスは知っている。
刹那が自分のことを本当に心配しているからこそ、声を掛けてくれたのだと。
鬱々とした思いと、刹那が掛けてくれる暖かな想いに感極まり、彼女は涙を零した。
「なっ!!」
刹那が珍しく慌てる。気丈な女性であるフェルトがこのように泣いている姿など、彼は
今まで一度しか知らない。ELSとの最終決戦の最中、彼らと分かり合おうと無茶をして
トランザムバーストを使用、脳に損傷を受け目覚めたときだけだ。
- 86 :
- あのときの――――生きたい。変わりたい。未来を見たい――――そんな想いのない混ぜ
になって手を差し伸べた一輪の花。
目覚めたときには大粒の涙に囲まれたフェルトが手を握っていて、そして抱きしめられた。
あのときの彼女は、刹那が目覚めることを信じ、また彼が目覚めた喜びで涙を溢れさせた。
だが、今の彼女はあの時とは異なる雰囲気を醸し出している。
暗く深い闇に引きずり込まれ、悲しみで泣いている。そんな印象を彼は受けたから焦った。
『何故泣いているんだ、フェルト』声に出すことの出来ない想いが、刹那の胸によぎった。
『トンッ』――軽く床を蹴り、無重力に身を任せ、ゆっくりと刹那のほうに身を寄せる。
泣き顔を見られたくないのか、フェルトは俯いたまま刹那に胸板に額をつけた。
「ッ!!」
「ごめん、刹那。でも、今は…………今だけはこうさせて」
「――――フェルト」
力なく悲しみにくれた声で囁くフェルト。彼女の華奢な身体が小さく震え、それが刹那の
胸元に届く。凛とした強さを持っていたフェルトのこんな一面を見て、刹那は小さく息を
呑んだ。
優しい一言でも。否、何かに傷ついているフェルトを、励ますことの出来る器用な一言
すら言えぬ自分が恨めしい。
- 87 :
- (ロックオン、あんたならこんな時、どうする)
頼れる兄貴分であり、自分やフェルトに多くのものを遺して行った隻眼のガンダム
マイスターを思い出す。あの男なら、今のフェルトを癒すことが出来るだろうか。
だが、自分はそんな器用なことなど出来ない。自らの不器用さを理解しているからこそ、
刹那は己のできる最大限のことを行おうと意を決する。
「フェルト、何があった?」
先ほどよりも幾分声色に優しさが宿る。
刹那の問いかけにようやく応えられるようになったのか、フェルトがノロノロと彼の
胸板から額を離し、顔を上げる。
「この世界のことを調べていたら、痛感させられたの」
「なにを?」
フェルトの悩みに短く応対する刹那。
彼らしい応え方にホッとしたのか、フェルトは苦笑を浮かべながら――――彼に次の
一言を言っていいのか迷いながらも、思わず胸のうちを彼女は零してしまった。
「ひととひとは、分かり合えないのかなって」
「なっ!!」
- 88 :
- フェルトの口からもたらされたのは、刹那にとって衝撃的な一言であった。
ひととひとは分かり合うことが出来る。運命のいたずらで出会った彼女を知り、触れ合い
イノベイターに変革したことで確信に変わったこと。
分かり合うことは決して不可能ではない。そのことはフェルトも知っているはず。なのに
何故そんな風にフェルトは思ってしまったのか。
刹那の驚愕でゆれる表情を見ると、フェルトはいたたまれなくなった。
やはり言うべきではなかった、刹那を困らせてしまうだけだった。
そんな想いが胸のうちを占めると、彼女はすぐに申し訳なさそうに謝ってしまう。
「ごめんなさい、刹那。あなたを困らせるようなことを言って」
「いや、俺は大丈夫だ。それよりも、フェルト――――本当にキミはそう思っているのか?
ひととひとが分かり合えないと」
「…………この世界の情報に感化されたのかしら。思わずそう感じちゃった」
瞳に溢れる涙をそっと拭い、フェルトは困ったように笑ってみせる。
その少女のように儚い佇まいに、刹那の胸中に言葉に出来ない想いが小さく宿った。
- 89 :
- ゆっくりとフェルトのか細い肩に、刹那は手をそっと乗せる。
幼少期より戦場を渡り歩いてきた彼の固く無骨な手が、柔らかく彼女に触れる。
突然のことに、思わずフェルトは驚いた。刹那が誰かに自分から誰かに触れる――――
それも自分に触れてくることなんてなかった。
思わぬ事態に、フェルトは頬が熱くなった。
「俺たちは分かり合えている。戦争がなくなることを願い、ひととひとが分かり合えると
信じている。そう――――だな、フェルト」
「あッ…………うん、刹那」
真摯に見つめてくる刹那の瞳に吸い込まれそうになる。フェルトは頬が熱くなるだけで
なく、自分の鼓動が高鳴る想いを抑えきれず思わず頷いた。
刹那の言葉もまた、フェルトに言うというより自分に言い聞かせている節がある。
だが、それでも言葉の端々に、彼女の心が少しでも軽くなるような彼の想いが乗っていた。
フェルトが頷いてくれるのが分かると、刹那の表情が微かに変わる。
仲間だけがごく稀に見ることが出来る刹那の微笑み。
フェルトは久しぶりに見せるそれに嬉しくなった。ELSとの対話以降、彼は少しずつ
昔のような柔らかさを取り戻している。そう、思えたから。
『トレミーの全クルーに通達します。これより緊急ミーティングを行うため、ブリッジに
至急集合してください。繰り返します、トレミーの……』
スメラギの館内放送が響き渡る。
フェルトと刹那は互いの顔を見合わせ頷く。
おそらく、今後のCBの方針を決めるためだろうミーティング。
しかし、刹那は知ることになる。フェルトが何を見て、ひとが分かり合えないのかと
呟いてしまったのかを。それを知ったとき、彼は――――
- 90 :
- ……アレルヤがこれでもかというほどに暴れました。
最初はアレルヤの話は800字程度に流して、刹那→フェルト→ブリーフィングの
予定だったんです。
気が付いたらアレルヤ×マリーのラブものになってしまっていたのでござる。
うん、話を書くって自分にとっては予想外の方向に流れるから恐ろしや。
次回は種運命方面からアプローチかな?それとも、ブリーフィングかな?
と、言うわけで、ご感想ご意見を頂けると嬉しい限りです。
- 91 :
- 乙
ラブラブアベックども爆発しろ!
そして一つ。R「ちゃん」!?スメラギさんが!?
歳的におっp…
- 92 :
- 乙でした!
アレルヤメインの話はとても珍しいので、読んでて楽しかったw
…しかしラブラブし過ぎると、三十路行き遅れの予報士と乱れ撃ちに背後から殺される可能性大だな
戦闘シーンのない日常描写でしたが、それぞれの心情がちゃんと見えてよかったな
何気ないシーンを丁寧に描くって、結構難しいんだよなぁ…
フェルトが知った情報はナチュラルとコーディの泥沼差別合戦だろうけど
人が分かりあえるという希望が示された西暦世界から来た人間にとっては
再び人の闇を見せつけられるようで結構ショックだろうな
刹那がそれを知ったときどう動くのか、今後に期待!
- 93 :
- 乙でした、864氏。
…戦闘中と比べれば遥かに和やかムードの会話が続く…清涼剤効果最高ですな!
さて、こっちも投下します。正解者はいたのかな?
- 94 :
- 先ほどから森の中で奇妙な戦闘が行われている。
三機のMSがとある敵に対して攻撃をしている。それはいい。だが、その『敵』のほうは何だというのか。
「こっのバカが!鬱陶しいんだよ、雑魚!!」
そう叫びながらオルガは胸部のビーム砲『スキュラ』をその敵に叩き込む。だが放たれたビームは一本の木を焼いただけで終わった。
その木は射線上にあったものではない。放たれる直前のスキュラの射線を塞ぐように『放り込まれて』きたものだ。
オルガ達が倒そうとしている敵、デカルトが駆るGAT-01は、先ほどから妙な行動をとっている。
近接戦を挑む訳でもなく、機関銃で数射しただけで後ろに下がっては木をアーマーシュナイダーで切り倒している。そしてそれをこちらの射撃に合わせるように放り投げてくる。
そんな行動が、オルガ達にとってはこちらを舐めているとしか捉えられず、苛立ちがどんどんエスカレートしていっている。
『…あんまし長引かせるとキツいかもよ…』
緑のMS、フォビドゥンが青いMS、カラミティに肘で小突くように接触回線でごちる。
「うるせぇシャニ!一人で先走って片腕斬り飛ばされたてめぇに言われたくねぇ!」
『うっ…』
痛い所を突かれ、シャニが沈黙する。
数分前、膠着状態の戦況を打破しようと大鎌『ニースヘグ』で斬り掛かりにいったシャニは、カウンター気味に左肘の間接部をアーマーシュナイダーで斬り落とされていた。
それに続こうとしたMA形態で突撃したクロトは、乗機のレイダーの第二の両腕とも言えるアフラマズダを両方斬り飛ばされていた。
しかし、アーマーシュナイダーにしては切れ味が良すぎる。だがクロトは心当たりがあるらしい。
『あいつ、サーベル用のバイパス使ってやがる…PS部以外狙えばビームサーベル並みに切れ味は出る筈だぜ…?』
- 95 :
- アーマーシュナイダーは内部のバッテリーを動力源とする高周波ブレードの一種だ。
だが肝心バッテリー容量が少なく、単体では待機可能時間ですら1分に過ぎず攻撃状態は2回発動がやっとという有り様だ。それ故、バッテリー再チャージ用にサーベルと同規格のエネルギーバイパスが設けられている。
その為MS本体のバッテリーで通常時より7倍近い高出力ダイレクトドライブも可能なのだが、高負荷によりシュナイダー本体が数分で使用不能となる等問題も多い、両刃の剣と言える機能だ。
「…チッ…あっちの札が切れるまで待つか、先に仕掛けるか…っ!?」
あれこれ思考していると、不意に今まで肩等を狙っていた機関銃が頭部を狙い始めた。これまでより長い連射だった。
シミュレーション上でも実戦と環境は変わらない。ザフトが仕掛けたNジャマー効果下。つまりレーダーは使い物にならない。赤外線センサーも同様だ。通信も接触回線程度しか不可能。
つまり、カメラ破損は致命的な損傷だった。何発か食らったが、片目がやられた程度であまり問題はない。
「チッ…やっぱ面倒くせぇ!!クロト!シャニ!やっぱ速攻で決めっぞ!下手に遊んでたらこっちの手が読まれっかもしんねぇ!先突っ込む、畳み掛け任せんぞ!」
『速攻で瞬殺してやるぜ!!』
『…はいはい…』
応答を確認し、カラミティを疾らせる。二人共何時も通り、『あの日』以前から何も変わらない。
小さい頃からあまり落ち着きの無い二人と過ごしているオルガは、何時の間にか二人の手綱を牽く役割になっていた。本人はその気は無かったのだが…
(…何でこんなんやってんだか、俺は…。…それよりもっと…)
奴の左のブツが気になる。しかし、オルガの意識はそれよりも敵そのものに向かっていた。
彼らはこの施設に入ってから、シミュレーションで身内かCPU相手にしか強い敵とは殺り合っていない。だが、目の前に新顔の手練れがいる。それだけで、オルガのテンションは上がりに上がっていた。
(本っ当に面白れぇ…新しい奴と殺り合うのは…)
「最っ高に!面白れぇよなぁッ!!!」
オルガの殺気に応えるように、カラミティが一気に加速した。
- 96 :
- 「…やっと突撃か、遅いんだよガキ共が!」
呟きながら、消耗したアーマーシュナイダーを切り倒した木に突き刺す。木は42本目、アーマーシュナイダーは6本目だ。
さっきから左腕は攻撃していない。マウント機構を持たない『ジョーカー』は離す訳にはいかない。
だがそれもお終いだ、一気に叩き潰すお膳立ては全て済んだ。
先ほどから切り倒して投げていた木は、様子見の為の身代わりだった。
おかげで反応速度、射撃の癖、挙動、それに、連中の弱み。全て脳量子波無しで把握出来た。流石に常時脳量子波を使うのは辛い部分がある。
あの三人の技量は、そこまで大したものではない。ただ、連携が異様なまでに綿密なだけだ。
これまでの攻めは主にカラミティが先陣を切ってのものが主であり、それが脅威だった。
カラミティが隙を作り、フォビドゥンが一撃を浴びせ、レイダーが畳み掛ける。
これらの連携が全て成功すると彼らはかなりの脅威となり得る。一方、一つでも欠けると隙が多く出来てしまうのが彼らの弱みだった。
「…PS装甲…どれだけの物か見せて貰う!」
左トリガーに指を掛ける。引くのは只の一度。それで勝ち負けが決まる。
01を走らせる。ブースターも過負荷運転。見る見るうちに三機が近づいて来る。
カラミティの各砲が光を帯びる。あちらも一発で決める気らしい。
「いい度胸だ。…だが!」
アーマーシュナイダーごと、木を投げつける。相手も反応し、木の葉越しに光が広がっていく。
全ては計画通り、あとは叩き込むだけ。
01を屈ませる、シールドも掲げた状態でパージ。
ほぼ同時に、ビームが頭上を通り過ぎていった。木は一瞬で燃え尽き、シールドは見る見るうちに溶け、ビームの末端が装甲を焼いていく。
だが、致命傷ではない。そして目標は有効範囲直前。
大きく左腕を引く。まるでストレートパンチだ。反応良くカラミティがシールドを掲げるが、もう遅い。
「貰ったァッ!!」
左腕を勢い良く伸ばす。
左腕に保持された『それ』の先端がカラミティのシールドに接触した瞬間、轟音と閃光が周りを一瞬で包み込んだ。
- 97 :
- ―YOU DIED―
轟音と閃光が一瞬で途絶えたと思った矢先、こんな表示がオルガの目の前に出た。
「…は…?…な…何だ?…何なんだよ?…何なんだよこれは!?」
何が起こったのか判らなかった。いきなり過ぎて理解すら出来なかった。
だが、モニターの片隅に移っているものが、何が起こったのかを示していた。
シールド、左腕、胴体にかけて、つまり『それ』の一直線上に位置していた部分全てが悉く赤くなっている警告表示が。
「…こんなものか…」
『それ』を放った張本人は、既にフォビドゥンにトドメを刺そうとしていた。
デカルトが造ったモノ、それは単純に言えば、HEAT弾を連続作動させる『杭』のようなものだった。
その昔、第二次世界大戦の最中に、大英帝国が『PIAT』という対戦車兵器を開発した。
アメリカの『バズーカ』やドイツの『パンツァーファウスト』のような火薬で打ち出す対戦車兵器ではなく、バネの力でHEAT弾を打ち出す兵器だ。
デカルトが造ったものは、HEAT弾を打ち出すのではなく、HEAT弾そのものを装置に付けたまま叩き付けその場で作動させるもの。
それも単発式ではなく、HEAT弾作動の反動で作動部を後退させ同時に次弾を装填、さらにバネで作動部を跳ね返し、また相手に叩き付ける、連発式のものだった。
デカルトが造ったHEAT弾はかなり大ざっぱに造った間に合わせのもので、口径あたりの威力は正規品と比べれば霞程度のものだ。
だが、その不足を187cmという大口径と14発フルオート連発という数で強引に補った結果、シールド、PS装甲、内装を悉く貫通した上に胴体そのものを吹き飛ばすという大威力を実現することになった。
但し、こちらも無傷ではない。間接全てをロックしていた左腕は完全に粉砕され、頭部も左が完全に機能を失っていた。胸部も左側が黄色に染まっている。
だがデカルトにとって不満なのはそこではない。
「…大層な御託を並べておいてこの程度で突貫とはな…」
要は、PS装甲が予想より脆かったという所に不満を抱いているらしい。自分で壊しておいてこれである。無茶苦茶としかいいようがない。
- 98 :
- 尤も、残り二人に対する心理的ダメージは想像を絶するものがあったようで、ピクリとも動かない。四肢をアーマーシュナイダーで切り刻まれてさえ。
「ゲームは終わりだ。次は楽しい説教の時間が待ってるぞ、良かったな。3馬鹿」
接触回線でイヤミを吐き捨てながら、レイダーのコックピットの装甲の隙間に、限界出力のアーマーシュナイダーをゆっくり突き刺してやった。
- 99 :
- 投下完了です。
結局ACVのHEATパイルに落ち着きました。これが私のドミナントだ!
…若干HEAT弾の口径が大き過ぎる気がするけど気にしない…気にする人はとっつくぞ?
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