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2013年17アニキャラ総合71: 【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 13【一般】 (132) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 13【一般】


1 :2013/03/29 〜 最終レス :2013/09/18
ここはローゼンメイデンの一般向けSS(小説)を投下するスレです。
SSを投下してくれる職人は神様です。文句があってもぐっとこらえ、笑顔でスルーしましょう。
18禁や虐待の要素のあるSSの投下は厳禁です。それらを投下したい場合は、エロパロ板なりの相応のスレに行きましょう。
次スレは>>950を踏んだ人が、またはスレ容量が500KBに近くなったら立てましょう。

2 :
前スレ
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 12【一般】
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1305455931/
過去スレ
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 11【一般】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1287763738/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 10【一般】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1255756428/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 9【一般】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1222956916/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 8【一般】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1198461642/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 7【一般】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191748088/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 6【一般】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184419565/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 5【一般】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1178641673/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 4【一般】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1171710619/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 3【一般】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1156249254/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 2【一般】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1146976611/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ【一般】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1143018114/

3 :
保管庫
ttp://rozen.s151.xrea.com/
ttp://www.geocities.jp/rozenmaiden_hokanko/
ttp://rinrin.saiin.net/~library/cgi-bin/1106116340/
避難所(規制時投下先)
ローゼンメイデンのSSスレ 避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14657/
3 :
■スーパーリンク
ttp://www.tbs.co.jp/rozen-maiden/
ttp://www.tbs.co.jp/anime/rozen/
↑ TBS公式 (下段が今夏放送開始の3期公式)
ttp://p-pit.ktplan.ne.jp/
↑ もものたね (原作PEACH-PITのHP)
ttp://www.gentosha-comics.net/birz/index.html
↑ コミックバーズ
ttp://kanaria.ddo.jp/rozen_upload2/
↑ アップローダー (画像関連)
ttp://i.cool.ne.jp/rozen-aa/
↑ ローゼンメイデンAA保管庫
ttp://futaba-info.sakura.ne.jp/cgi/dic/chara/ziten.cgi?action=aiu_i
↑ 虹裏キャラ辞典 (実装・赤提灯など)
ttp://rozen.sync2ch.cc/
↑ 2ch RozenMaiden過去ログ倉庫

4 :
以上テンプレでした。
では13スレ目開始です。

5 :
こっからトリつけます。TEGです。
47話が出来上がりましたので投下します。
日をまたぐことになりますがご了承ください。
12スレ目が容量ギリギリ+投下する際スレが落ちてたので
13スレ目を建てさせていただきました。あとアニメが
正式に決まったようなのでテンプレに微妙に追加してます。

ではいきます。
RozenMaiden Fortsetzung 47【雛苺と猫屋敷】

6 :
[2005/05/07 13:13]
[桜田家 風呂。]
雛苺「よいしょ……っと」
雛「……じゃあ、行ってくるのー!」
真紅「気を付けて行くのよ。何かあったらベリーベルを飛ばして
   頂戴。」
雛「うぃ!」

 5がつ7か、晴れ! きょうはね、3時のおやつの時間まで、
猫さんとお出かけするの! 翠星石は時計屋さんに行ってるの。
蒼星石がおやつを作るお手伝いをするんだって。
 真紅はくんくんタイム中なの。ヒナは前に見たお話だったし、
『2時間すぺしゃる』だから、ヒナはお外で遊んでくるの。
 今日は土曜日だから、ジュンはもうちょっとしたら、がっこう
から帰ってくるの。のりは、おしごとがおやすみでお昼寝中なの。
おやつの時間には起きるのよ!

雛「ねこさん、お待たせーなのー!」
猫「にゃあ。」

7 :
[13:28]
[道中、塀の上。]
 猫さんの背中に乗って、いざ出発なの! ヒナは、こうやって
猫さんの背中に乗りながら、ベリーベルと一緒に猫さんとお話し
するんだけど…… 今日は違ったの。

猫『…… ヒナ、しっかり捕まっとけ。』
雛「うゆ? ……いま、喋った?」
ベリーベル{……!}チカチカ

 ベリーベルはね、猫さんの気持ちを、ヒナに教えてくれるの。
でもね、この時は、ヒナにはほんとうに猫さんがおしゃべりして
いるように聞こえたのよ。

猫『オレと遊んでくれてるからな。……礼と言ってはなんだが、
  秘密の場所を教えてやる。』
雛「ひみつの……? どこなの?」
猫『なあに心配するな。大丈夫。乗せてってやるから、来い。』
雛「うん!」

8 :
[13:37]
[森の中。]
 いつもの道から森の中に入って、木と木のあいだをすり抜けて
ヒナたちはひみつのばしょに行ったの。猫さん、とっても速いの。
お昼寝していた鳥さんも、びっくりして起きちゃったみたい。
 しばらく猫さんと走っていたら、目の前がパッと明るくなった。
そこにあったのは……

猫『さあ、着いたぞ。』
雛「うゆ? ここは……」
猫『どうだ、すごいだろう。』
雛「……もしかして、猫さんのおうちなの!?」
猫『まあ、そんなところだな。』

 おっきな樹の下に、古いおうちがあったの。まるで樹のなかに
おうちがあるみたい。上のほうは、樹の葉っぱに隠れて全然見え
なかったのよ。

9 :
猫『……まあ、もっともここは、オレとダチが勝手に乗っ取った
  だけなんだけどな。』
雛「だち?」
猫『……トモダチ。……オレとオマエはダチ、ってな。』
雛「おともだち!? ここにいるの!?」
猫『……今はメシを探しに、その辺ふらついてるだろ……』

 おともだちの猫さんも、ここにいっしょに住んでるんだって。
さっそく、おうちに入ってみるの! おじゃましまーす、なの!

10 :
[13:39]
[猫屋敷。]
 おうちに入ると、お部屋の中にも森があったの。壁にはツタが
はえていて、緑色の壁になっていた。なんだかヘンな感じなの。

猫『……たぶんここも、昔はヒトが住んでたのかもな……。ま、
  少し前までホントにいたけどな。』
雛「そーなの? ……それって、お化け……?」
猫『いや、お化けじゃねえよ。アイツもココを綺麗にしてたけど、
  最近は全然来ないからな……』

 猫さんは、誰かを思い出してるみたい。そしたら、お部屋の中
の森から、黒猫さんがひょっこり出てきたの。この黒猫さんは、
水銀燈のおともだちなのよ。

11 :
雛「あっ! 黒猫さんなの!」
猫『ん? おお、戻ったか。』
マーキュリー『おっ、オマエのダチっていう子かい。』
猫『ああ。日頃の礼ってな感じで、連れてきてやったんだ。』
雛「だち…… うん、おともだちなの!」
マーキュリー『へえ。……あの子の、水銀燈の、妹なんだろう。
       たまに、見かけてたけどな。』
雛「うん! 雛苺っていうのよ!」
マーキュリー『雛苺、か。』
雛「うゆ! 黒猫さんもここに住んでるの?」
マーキュリー『まあな。乗っ取っただけだけどな。オレの名前は
       マーキュリーってんだ。』
雛『まーきゅりー? マーキュリーっていうのね!』
マーキュリー『ああ。いい名前だろう。あの子のマブダチって子
       に、つけてもらったんだ。』
雛「うん! とってもステキなの!」

12 :
 翠星石が、前にのりのまんがのご本を読んでて、ジュンとのり、
真紅にも、『マブダチってなんですか』ってきいてたの。
 ヒナが『どうしたの?』ってきいたら、翠星石は『そ、そんな
せりふがあっただけです』って言ってたの。ジュンは、『簡単に
言うとすごく仲のいい友達』って教えてくれたよ。
 水銀燈と、とっても仲のいいお友達…… 黒猫さんに、素敵な
お名前をつけたのは、めぐなのかな?

猫『惚れてたのになあ。アイツがここにいた頃からよ。』
マーキュリー『うるせえ。水銀燈が幸せならいいんだよ。』
雛「どうしたなの?」
猫『イイヤ、こっちの話だよ。……なあ、ヒナよ。』
雛「うゆ?」

 猫さんが、急にヒナを呼んだの。おめめが、なんだかキラキラ
してたの。

13 :
猫『オレにもよ、……名前を付けてくれないか。』
マーキュリー『そいつぁいいや。』
雛「うん、いいよー! えーと…… うーと……」

 どんなお名前がいいのかな。ヒナのおともだちだから、素敵な
お名前がいいの……

雛「! 『うにゅ』にするの!」
マーキュリー『うにゅ……!? ハハハ、うにゅ、だとよ。』
うにゅ(猫)『……なるほど。いいんじゃないか。ありがとよ。』
雛「どういたしましてーなのー♪」

 猫さん……『うにゅ』ってお名前、すごく喜んでくれたのよ!
だから、ヒナもうれしいの!

14 :
雛「ヒナのすきなものに、『うにゅー』っていうのがあるのよ!
  白くて黒くて赤くて、甘くて丸いの!」
マーキュリー『…… あれか、』
うにゅ『テッカじゃねえの? たまにメシ漁りに行ってる所によ、
    サカナがあるだろ、アレの……』
雛「ちがうの! おすしじゃないの。いちごが入ってるのよ!」
うにゅ『ん? いちごが入ってるのか?』
マーキュリー『ああ。オレには分かったぜ。甘くてイチゴのなら
       和菓子屋の裏で見た気がするぞ。……オレは食わ
       ないけど。』

 マーキュリーは、すぐに『うにゅー』のことが分かったみたい。
ヒナが帰ってこれてすぐのとき……水銀燈もすぐ分かってたの。
やっぱり、なんだか似てるの。

15 :
マーキュリー『ヒナの好きなものってんなら、よかったじゃんか。』
うにゅ『ああ、光栄だよ。ブチの奴にも自慢してやる。』
マーキュリー『ところでそのフワフワしてる奴は? 水銀燈も、
       なんかそういうやつを飼ってたような……』
雛「ベリーベルっていう精霊なの! 水銀燈のは、メイメイって
  いうのよ! ねっ、ベリーベル♪」
ベリーベル{!}チカチカ
マーキュリー『コイツにも名前あんのか。 ……その光の玉って、
       すげえのか?』
うにゅ『コイツは頼りねえように見えるけど、結構すげえんだ。
    オレたちの見えないところとか、見てくれるんだぜ。』
マーキュリー『へえ。やるじゃん。』
ベリーベル{……♪}フルフル
雛「あっ! ベリーベルも喜んでるのよ!」

16 :
[13:51]

 しばらくおしゃべりしていると、ベリーベルが何かを見つけて、
ぴかっと光って……それを、照らし出したの。

ベリーベル{!}ピカッ
雛「どうしたの!? ベリーベルっ」

 そしたら、ヒナたちのすぐ後ろから……、一匹のネズミさんが
ふらふらしながら出てきたの。

ネズミ「ウッ ウウーン……」
雛「ひっ!? びっくりしたの……!」
うにゅ『んんっ? オイ、ネズミだ! 久しぶりのご馳走ってか。
    ヘヘヘ……』
ネズミ「キェ!? キイー!!!」

17 :
マーキュリー『……イヤ、こいつは多分マズいネズミだぜ。おい、
       服まで着てやがる……』
うにゅ『なんだ、マズいのか。』
ネズミ「ソーダ! 俺ハ食ッテモ美味シクナイゾ!!」

 そのネズミさんは、黒い服を着ていたの。まるで……ラプラス
みたいな真っ黒い服だったなの。それに……

ネズミ「食ッタラ文字通リ、マズイ事ニナルゾー!!」
マーキュリー『ソレは、ウマいことを言ったつもりか……』
うにゅ『…… ヘンなネズミだなぁ。ピエロかっつうの。』
雛「ネズミさんも喋ってるの!?」
ベリーベル{……}チカチカ
雛「うゆっ!? そうなの。」

18 :
 このネズミさんは、本当に喋ってるのね。そういえば、真紅と
水銀燈から聞いたことがあるの。おしゃべりなネズミに会った、
って……そっか、このネズミさんなのね。
 
ネズミ「アア! 『名無しの森』カラ来テ アノ教会ニ潜リ込ミ
    黒薔薇ノオ姉サンヲ 探シニ来タハイイガ……迷ッタ!」
雛「きょうかい? このおうちの近くにあるの?」
ネズミ「イヤ…… 訳モ分カラズ走ッテタラ ココニ……」
マーキュリー『教会からか…… オイ、オマエもしかしてあの道
       を通ってきたんじゃねえか?』
ネズミ「……ア アア…… 通ッテキタガ ……マズカッタカ」
マーキュリー『けっこう、開けてなかったか?』
ネズミ「ヒイッ! タ、確カニ通リヤスカッタ……」
マーキュリー『なるほど…… 水銀燈、なかなかいい道を作って
       くれたみたいだ。』

 マーキュリーが、森の向こうがわを見てつぶやいた。そして、
ネズミさんを服ごとひょいっとつかんで、頭の上に乗せてから、
ヒナたちを見て言ったの。

19 :
ネズミ「ナナッ、ナニヲッ……!?」
マーキュリー『ヒナ、うにゅ、そこの道を通っていくぞ。ホラ、
       ネズミも。そのまま捕まってろよ。』
雛「うゆ!? ここから行けるの?」
うにゅ『あの教会に行くには一回、大きな通りまで出ねーと……』
マーキュリー『まあ着いてきなって。とびきり近道だ。』
マーキュリー『オレからも、日頃の礼って奴をさせておくれよ。
       ネズミ、オマエはオレにしっかり捕まってろ。』
ネズミ「キッ、キイー!」
うにゅ『よし、オレの背中に乗っていけ、ヒナ!』
雛「う、うぃ! ベリーベルっ、ついてきて!」
ベリーベル{!}フワフワ

 ヒナとうにゅ、ベリーベル、ネズミさんとマーキュリーとで、
おうちの中にあった森の中に入っていった。そしたら、その中に
ながい道ができていたの。お昼なのに、薄暗かったのよー。

20 :
[14:08]
 森の中のトンネルを、ぐんぐん走ってると……

うにゅ『……これ、どこまで走るんだ……?』ドドド
雛「すごいのー! まるで、ツバメさんみたいなのぉぉ!」
ネズミ「―― ――!!」

 とつぜん、目の前が真っ暗になって……
 
雛「!?」
ネズミ「!!」
マーキュリー『ストーップ』
うにゅ『おうっ って……うわあああ、止まれねえええ!!』
雛「わあ〜っ! ぶつかるの〜!!」

ドドンッ!
 なにかに、ぶつかったみたいなの……。

ベリーベル{……!?}ヘロヘロ
雛「うゆ〜っ…… あうっ、うにゅ、だいじょうぶ?」
うにゅ『あてて…… な、なんとかな……』
マーキュリー『雛苺、うにゅ、大丈夫かよ? ついたぞ。』
雛「ついたの……? ……ここは」

21 :
[14:09]
[旧礼拝堂。]

 あたりを見まわすと、ヒナたちは古い礼拝堂のすみっこのほう
にいたの。うにゅもネズミさんも、びっくりしてるみたい。

ネズミ「オオ! 帰ッテコレター!! ナンテコッタ!!」
雛「…… ここって、古い礼拝堂なの。水銀燈が住んでた……」
うにゅ『うおっ、本当だ。あのケモノ道から、行けたのか……』
マーキュリー『ああ。水銀燈から教えてもらってたんだ。』
マーキュリー『……ケモノ道を作ったの、あの子なんだぜ。自慢
       の剣で、壁をぶち破って、森を切り拓いたんだろ。』
雛「水銀燈、すごいの……」
ネズミ「…… 流石ダ」
マーキュリー『気分が変わったときはあの屋敷……、『はなれ』
       って建物にふらりと行ってたんだってよ。』
うにゅ『アイツ、それであの道を通ってあの屋敷に行ってたのか。』

 うにゅたちのお家にあった森とこの礼拝堂を、水銀燈が繋いで
いたのね!

22 :
[14:14]

ネズミ「フウッ、トッ、トニカク…… ココニハ、黒薔薇ノ……
    水銀燈ハ イナインダナ……」
雛「うん…… 水銀燈、ここにはいないの。」
ネズミ「ソーカ…… マアイイヤ。 ……ドウヤラ、イイ報告ガ
    デキルナ…… キズナハ、本当ニ広ク……ソシテ深ク。」
雛「……ネズミさん?」
うにゅ『ひたってんのかな』
マーキュリー『さあな……』
ネズミ「…… 契約ダケジャアナク…… 人間ヤ動物トノ友情。
    物ヘノ愛情…… 今マデモ見テキタガ」
ネズミ「アア 最高ノ、娘タチダ…… 夢ノヨウダ。」

23 :
雛「ねえ、ネズミさん。水銀燈に用事って、なんだったなの?」
ネズミ「ンン、アッ、ソウイエバ ……水銀燈ニ、逢イタイッテ
    イウ、ピエロノ人形ガ居テナ。」
マーキュリー『連れてきてないのか?』
ネズミ「アア…… 『無意識の海辺』デ待ッテル……」
雛「そっか。水銀燈に、逢いに来てほしいのね。」
うにゅ『…… どーやら、野良のオレには想像もつかない世界に
    生きてきたみたいだな……』

 ピエロさんの人形は、前に水銀燈の世界で見たことがあるの。
元気にしているみたいだけど、どうしたのかな……?

24 :
[14:22]
 みんなでおしゃべりしていると、礼拝堂の中にあったおっきな
鏡が、ぴかーっと光りだしたのよ。この鏡が、nのフィールドに
繋がってるのね。

ネズミ「サテ…… ソロソロ帰ルカ……」
雛「ネズミさーん! お名前、なんていうの?」
ネズミ「…… 『名無しの森』カラ来テイルカラナ…… 名前ハ」
雛「……なんだか、いつもお顔が寝てるときみたいだから……、
  『ユメミネズミ』ってお名前にするの!」
ユメミネズミ(ネズミ)「……!? 寝テルミタイッテ……」
マーキュリー『いいんじゃないか?』
うにゅ『ニャハハ、言われてみりゃあな…… そりゃマズそうだ。』
雛「ヒナね、むしむしQとか、どうぶつ図鑑で、生き物のお名前
  をいっぱい覚えたのよ!」
ユメミネズミ「……フフッ、ソレッポイナ……。 アリガトウヨ。」

25 :
[14:25]
ユメミネズミ「名前ナンテ…… ト思ッテイタガ、悪クナイナァ。
       ドーヤラ、イイ夢ヲ…… 見ラレソーダ……」

バシュウゥゥ……
 ユメミネズミさんは、フラフラしながら鏡の中に吸いこまれて
いったの。うにゅは、目をまんまるくしておどろいてたよ。

うにゅ『!? ……どうなってんだ、鏡の中に入っちまった!?』
雛「うゆ、鏡の中に帰っちゃったの。」
マーキュリー『眠くなったから、寝に帰ったんじゃないのかぁ?
       水銀燈の奴も、鏡から出たりしてたっけな。』
うにゅ『や、奴の寝床は、鏡の中なのか……?』
マーキュリー『オレも初めて見たときは、くわえてたマタタビを
       吹き出してしまったぜ……』
雛「……えへへ、なんだか……うにゅ、おもしろいの……♪」
うにゅ『え? ……そーか? ニャハハ……』
マーキュリー『ニハハ……』
ベリーベル{♪}フワフワ

 みんなで笑ってたら、おなかがすいてきたの。もうそろそろ、
おやつの時間なの。

26 :
[14:28]
[旧礼拝堂前。]

うにゅ『……明日寿司屋で、大トロ拾える日だろ。遅れんなよ。』
マーキュリー『まかせとけって。じゃ、元気でやれよ。……雛苺、
       水銀燈にもヨロシクな。』
雛「うん! 今日はほんとにありがとなの! また遊びにいくね、
  マーキュリー!」
うにゅ『さ、帰るとしよーぜ…… じゃ、また明日。』
マーキュリー「ぅにぃ〜!」

[14:32]
[帰り道。]

 うにゅの背中に乗りながら、ヒナはうにゅとおしゃべりしたの。
とちゅうで、お店の前をお掃除していた槐をみつけたの。ヒナと
うにゅ、ベリーベルがあいさつしたら、ふふって笑ってくれたよ!

うにゅ『あの日、オマエがビスケットをくれてから……』
うにゅ『たまーに、町の中でオマエを見かけては、遊んだよな。』
雛「うんっ、いっしょにお庭でゴロゴロもしたの!」

27 :
うにゅ『ポストから帰るときに、オマエが幸せそうな顔をしてた
    のもまだ覚えてるぞ。あの人間に抱かれてな。』
雛「あっ、トモエね! ヒナも覚えてるの!」
うにゅ『こないだもブチの奴と、オマエの姉ちゃん…… 翠星石
    だっけ。ポストまで走って行ったよな。楽しかったなぁ。』
雛「うん! 真紅も今度、うにゅたちと遊びたいって言ってたよ!」
うにゅ『そーか。それは楽しみだ。ブチに紹介してやるか……』

[14:38]
[塀の上。]

 小川の近くのお家にある柵を登ったら、うにゅがよく使ってる
塀の上にあがれるの。ジュンのお家まで、あと半分かな。

うにゅ『オレにも、友達が増えたもんだ。猫だけじゃなくってな、
    オマエとか、オマエの姉ちゃんや妹だな。契約者、って
    人間もだ。みっちゃんってのが、一番強烈だったな……』

28 :
雛「うゆ!? うにゅ、みっちゃんに会ったこと、あるの!?」
うにゅ『おお。金糸雀ってオマエの姉ちゃんも一緒にな。アイツ
    とはよく『せんにゅうさくせん』をやってるぞ。』
雛「そうなの! すごいでしょ、金糸雀! ヒナも『おとり調査
  ごっこ』で遊ぶのよ!」
うにゅ『おお。たまにだけど、腹が減ってると調子が悪いのか、
    迷子になったりするけどな。ニャハハハ…… いちばん
    寂しがりだった黒のアイツも、今じゃマブダチだ。』
雛「それって、マーキュリー?」
うにゅ『ああ。アイツ、最初はオレやブチの奴に襲い掛かってな。
    ハハ、まあずっと喧嘩だったよ。』
雛「うゆ…… けど、いまは仲良しなの。なにか、あったなの?」

29 :
うにゅ『いつだったかな…… ドロボーがよ、屋敷の中にしのび
    こんで荒らしてたもんで、その時居たオレとブチ、んで
    マーキュリーとあと何匹かで追い出してやったんだ。』
うにゅ『それからさ、アイツと同じカマのマタタビを食うように
    なったのは…… カマってのは冗談だけどな。』
雛「そうなの。その時から、おともだちになったのね!」
うにゅ『ああ。……よーし! しっかり捕まってろ。走るぞー!』
雛「わーい! 走るのー!」
ベリーベル{!?}
 うにゅは、塀の上もどんどん走れるの。ヒナ、最初はちょっと
怖かったけど、今ならだいじょうぶ! もうちょっとで、ジュン
のお家に着くのよ! ベリーベルも、がんばるのよ!

30 :
[14:45]
[桜田家そば。]

 ここまで来たら、ジュンのおうちが見えてきたの。……うゆっ、
のりと、真紅の声が聞こえてくるのよ。

のり「ねえ真紅ちゃん、翠星石ちゃんはお出かけしてるのよね?
   ヒナちゃんはー?」
真紅「もうじき、帰ってくる頃だわ。『おやつの時間』までには
   帰ると言っていたわ。あの子は、必ず時間は守るのだわ。
   それに今日はトモエも来るから……」
のり「そうだね! じゃ、用意して待ってましょう!」

うにゅ『……おっ、呼んでるみたいだぞ。』
雛「うん! じゃあ、また遊ぼうね!」
うにゅ『今日は本当にありがとうな。ヒナ。』
雛「ヒナこそ、ありがとなの! またね、うにゅ!」
うにゅ「……にゃぉー! にゃあー。」
雛「ばいばーいなのー!」
ベリーベル{♪}フワフワ

31 :
 それから、おやつの時間の前に、ジュンがトモエといっしょに
帰ってきたの。それでね、ジュンとトモエにきょうのおでかけの
ことを話したら、トモエは『今度は私も一緒に行きたいな』って
言ってくれたの。ジュンも『僕も行こうかな』って言ってたの!
 ……この時代で、ヒナたちのいちばんおおきな夢はかなった。
もうすぐ、ヒナたちがずうっと思ってきた、いちばんながい夢が
叶うのかな。
 けど、もしそうなったら、ジュンやのり、トモエたちとは……
……ううん、きっとだいじょうぶ。しあわせな答えを、ヒナたち
で見つけるの。かならず、見つけるのよ。
 おやつを食べたら、きょうのことをお話ししに水銀燈のところ
に行ってみるの。トモエもめぐとおべんきょうするって言ってた
から、いっしょなの!

32 :
[15:44]
[桜田家 玄関。]
巴「おじゃましましたー。それじゃあまた月曜、学校で!」
ジュン「おお。またなー。」
雛「いってきまーすなのー!」
紅「いってらっしゃい。夕ご飯までには帰ってくるのだわ。今日、
  花丸ハンバーグよ。」
雛「やったぁー! はなまるさんなのー! さあ、ベリーベルっ、
  もういっかいお出かけするのよ!」
ベリーベル{♪}フワフワ

[15:55]
巴「ねえ雛苺、めぐさんのお家でもおやつ作るけど、いっしょに
  作ろう?」
雛「作るー! あっ、ヒナもめぐとトモエとおべんきょうする!」
巴「そう! じゃあ、ノートを買ってあげる。苺の柄のね。」
雛「わーい!」
                      【第48話に続く】

33 :
 ハイ、以上で第47話「雛苺と猫屋敷」は終了です。
この話は、第48話に続きます。それではまた次回。

34 :
復活乙

35 :


36 :
を?

37 :
ちょっと関係ない話になるけど、
「ローゼンメイデンが普通の女の子だったら」ってのはどうなったの?

38 :
消滅した
したらばのまとめ掲示板では残った僅かな住民の間で合意ができてたよ
新作を投下したい人はしたらばの方に投下してほしいらしい

39 :
【2013年】ニコ超パーティ / ボーカロイドライブ1
http://youtu.be/WepwzAGCRTU?t=3m37s
【2013年】ニコ超パーティ / ボーカロイドライブ2
http://youtu.be/KUw-W-sxcSM

40 :
>>38
SSまとめサイトは健在だべ?

41 :
>>40
何処かにまとめwikiが……あった筈だよな?どうだっけか?

42 :
どうなんだよ?

43 :
「ローゼンメイデンが普通の女の子だったら」
本スレは落ちて再建されず
Wikiとしたらば掲示板は健在
ttp://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/7014/
再建するしないについては一応こんな感じ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7014/1262307587/684-696
その後はぱらぱらと上のスレにレスがついてるが、再建しようって動きはない

44 :
>>43
おおお!!サンクス!!

45 :
>>43
「ローゼンメイデンが普通の女の子だったら」のWikiには
かなりの良作、名作が揃ってるな!驚いた!
「一つ屋根の下」ってエタったの?
面白かったのに…
続きが読みたい…

46 :
書けばいいさ
お前だけの薔薇乙女を……!

47 :
ローゼンメイデンのSSでお勧めある?
バトルでもシリアスでも感動でもギャグでもカオスでも下ネタでもマジキチでも
何でもいいから面白くて読み応えのあるSSを私に教えてくれ給え!!!

48 :
>>47
ぷん太のサイトへ池

49 :
あれ?誰も居ない?

50 :
ここにいるよ

51 :
>>47
ぷん太以外なら
ローゼンメイデン・アパートメント
水銀燈……なんて綺麗なんだ……!
どっちもぷん太に収録されない理由がわからない良作
6月の薔薇乙女シリーズはまとめられてるのになあ
水銀燈はドール達の母になるようです、は風呂敷広げまくった挙句エタったらしい
最初の頃は面白かったのに
地の文ガッツリ系なら
読み専が書くローゼンメイデン二次創作 (完結)
ドールがうちにやってきた (エタったかも)

52 :
>>51
おお!ありがとう!!

53 :
>>51
全部読んだぞ!
新アニメが放送される前に読めて良かった!
どれも最高だったよ!

54 :
またローゼンメイデンSSが隆盛を極める事を願う!!!

55 :
いよいよだ…………!!!
数分後には一日千秋の思いで待ち続けた新アニメがいよいよ放送される!!!!

56 :
バーズ版全8巻(新装版全7巻)が第一話にまとめられるってのは聞いてたが…
ちょっとこれは…う〜ん…大丈夫なのか…?
伏線とか皆無じゃん…
これはちょっと厳しい気がする…
まぁファンとして最後まで見届ける所存だが。
OP&EDは曲も映像も最高だった!
次回予告の山口店長と斎藤ちゃんの遣り取りも良かった!

57 :
お〜い…誰も居ないの…?

58 :
SSのスレのURLってどうやって調べりゃいいの?誰か教えて!

59 :
普通に

60 :
もう党員とかねぎまは消えたかな?

61 :
>>47
いいから面白いローゼンSS教えろよ
このスレに色々挙げられてるヨ
見て来給え

62 :
大分前に読んだ贋作の水銀灯と無職男の話はかなり良かったよ
あの本編への繋げ方は中々考えてると思ったし最後も綺麗にまとめてた
マジで涙目になったのはあのSSが最初で最後だったなあ…

63 :
ローゼンメイデンが普通の女の子だったらのまとめサイトにある「一つ屋根の下」って結局どうなったの?ちゃんと完結した?

64 :
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4330751.jpg

65 :
新アニメも放送開始した事だし、新作SSでお勧めある?

66 :
>>65
何故新しい物に拘る?
温故知新…古くても名作は名作、古き良き名作を読み直して来い!!!

67 :
SLPYってブログあんじゃん?
あそこのローゼンメイデンのSSって…ちょっと変じゃね?
ノリと勢いに付いていけないっつーか…

68 :
別に

69 :
更新早いし最新話のネタすぐに取り込むし伏線もあるし結構好き
このスレで話していいのか分からないから黙ってたけど

70 :
>>69
お勧めを是非教えて頂きたい!

71 :
前置きがいらないのは「バラトーーク!『ジョジョの奇妙なメイデン』」とか「薔薇乙女我慢大会」とか
SLPY 黒歴史 でぐぐると本人の書いたリストと解説が出るからそこで探しても良い
オリ設定の続き物も好き、ローゼンのフォロワーが作った人形を「野薔薇」って呼ぶとか

72 :
>>71
あざっした!!!!

73 :
>>62
ピクでそれっぽいの発見したけど、なんだあれふざけんなよ!





( つдT)目からなんか垂れてきたじゃねーか…

74 :
ジュンと蒼星石ので何か良いのありませんか?

75 :
私はローゼンメイデン第5ドールの真紅・・・・・・だった。

76 :
鳥居純吾

77 :
何か面白いの無いの?

78 :
>>77
逆にきみ自身のおすすめを紹介するんだ
そうすれば何か反応が返るかもしれない

79 :
>>77
参考までに
◆ネット小説情報局 - ◆二次小説サーチ@ネット小説情報局 検索結果(検索ワード:ローゼン / 検索条件:and)
http://chaopara.sakura.ne.jp/data1/main.cgi?mode=search&page=1&sort=id_new&word=%83%8D%81%5B%83%5B%83%93&method=and&engine=pre
NEWVEL2 キーワード検索 ローゼン
http://www.newvel2.jp/nv/re.cgi

80 :
>>79
ホゥ……実に興味深い……!!

81 :
当然興味深いだろ
無論興味津々だろ
一応意味深長だろ
確かに魅力的だろ

82 :
全部水銀党のじゃねーかwww

83 :
一つ屋根の下は結局未完なのね…
そらさん…

84 :
 どうも御無沙汰しておりました。
5か月間、お待たせしてしまい大変申し訳ございません。
スレが残っていてよかった。みなさん、ありがとうございます。
 この間に新アニメが放送開始され、雪華綺晶に7年越しに声が付き、
ラノベ第3弾ツヴィリンゲが発売され、超豪華なBD-BOXが発売され、
本編もまた重要な局面に近づきつつあり、今年末にはねんどろ真紅が
念願の発売と、ここ半年ほどでよりローゼンが熱くなってきています。
 さて明日、というか今日の夜21時ごろから、このスレに書いてきた
【RozenMaiden Fortsetzang】第48話を投稿しますよ。
もう少しだけお待ちいただければ幸いです。

85 :
>>84
マジでか!?
待ってンぜ!!!

86 :
 お待たせいたしました、今から
RozenMaiden Fortsetzang 第48話を投稿します。

【RozenMaiden Fortsetzang】
※このSSは04年〜06年にアニメ化された「Rozen Maiden」
 「Rozen Maiden Traumend」及び「Rozen Maiden Overture」
 をベースにローゼン関連原作を混ぜ合わせたものです。
 ので、トロイメント12話の続きから始まっているという体で進んでいます。
 第47話現在、ジュンは高校2年生になっています。
※第1話は9スレ目から始まります。以後10スレ目に第8話から、
 11スレ目に第29話から、12スレ目に第33話から投稿しています。

では行きます。
48【水銀燈の霧幻譚】

87 :
【水銀燈の霧幻譚】
[2005/05/07 15:45]
[上井戸谷ハイツ502号 柿崎家。]

めぐ「もうすぐ4時かぁ。水銀燈、起こしてあげなきゃ。」
めぐ「ふふっ、巴ちゃんと雛苺が来るの、楽しみにしてたもんね。
   さて、紅茶でも飲もうかな……」
めぐ「ゆーめはー、風ー……♪」

銀「すぅ…… すぅ……」
めぐ「嬉しそうな顔して寝てる。なんだか、起こすのも……」

88 :
[15:47]

銀『お父様…… ふふっ』

 5月7日の昼下がり…… 私は、夢を見ていた。私が時々見る、
幸せな夢。舞踏会の会場で、お父様と踊る……そんな夢。
 突然、お父様が私の手を引いて歩き出した。

銀『…… お父様 どちらへ……?』

 導かれるまま歩き続けていると、なにか霧のようなものが私の
まわりを包んでいることに気づく。

89 :
銀『これは……霧?』

 時間がたつにつれて、霧が晴れて、明るくなっていく。目の前
に広がったのは、静かな雰囲気の河原だった。川の水面は、日の
光を映していて、とてもまぶしかった。
 お父様は、そんな川をただじっと見つめていた。

銀『いつのまに、河原に…… さっきまで、屋敷の中にいたのに』
銀『それに屋敷の近くには、川なんて流れて……』

 記憶が正しければ、薔薇屋敷の周辺には川はなかったはず……
町並からして、日本ではないようだし…… 考えを巡らせている
と、川の上に小舟が浮いているのが見えた。

90 :
 小舟には、男がひとりと、女の子が3人乗っていたわ。何やら、
楽しそうに話をしているみたい……

銀『…… いったい何なのかしら…… お父様、あれは……』
銀『……お父様!? …… !?』

 お父様の顔を見ようとしたとき、急に景色が歪みだし、それが
無数のあぶくに変わり、はじけて消えた。この虚無感に、どこか
覚えがあった。

銀『…… ……こ、これは……』
銀『……この、感じ…… 無意識の、海……』

 無意識の海に流される寸前の…… 久しく味わっていなかった、
もう体験することはないと思っていた、心が宙に浮くような感覚。
以前、蒼星石に、真紅に、薔薇水晶に倒された時のような……
 お父様の手を握っていたはずの手は、ドアノブを握っていた。
遠くの方から、ごうっと、水流の音が聞こえた。

91 :
銀『……!』

 迷う暇はなかった。勢いのままに、ドアを開ける。開け放った
ドアには、『0』と書かれていた。

銀『ゼロ…… ってことは』

 昔の私なら……、 夢でも、確かにそばにいたはずのお父様が、
そこにいない孤独に打ち震えるだけ…… そんな選択肢を選んで、
このままあの鉄砲水に流されていたはず。
 そして私は水の音が聞こえる中で、ドアから差し込む強い光に
包まれて…… 夢から、覚めた。

92 :
[16:12]
[めぐの部屋。]

銀「はッ……!? はあっ……、はあ……」
めぐ「水銀燈!? どうしたの、顔が真っ赤……」
銀「ち、ちょっと、ヘンな夢を見たのよぉ……」
めぐ「そっか。……でもさっき、笑ってたような……」
銀「……そうね、途中まではいい夢だったんだけど。」

 めぐったら、相変わらず私がお昼寝していると、こっそり鞄を
開けて私の寝顔を見るのが好きなようねぇ…… 別にいいけど。
 鞄から起き上がって、めぐの部屋からリビングに移ったとき、
インターホンの音がした。みつやオディールの家もそうだけど、
最近は画面に訪問者が映るのね。便利なものだわぁ……。

93 :
ピーンポーン
めぐ「はぁい。」
[こんにちはー。柏葉です。]
めぐ「あっ、いらっしゃい! 上がって上がって!」

 画面に映っていたのは、雛苺を肩に乗せたトモエだった。

柏葉巴[ハイ、おじゃましまーす。]
雛苺[おじゃましまーすなのー!]

 そういえば、めぐ、4時ごろにトモエが来て、いっしょに勉強
とかおやつ作りをするんだ、って張り切っていたわねぇ。雛苺、
器用にトモエの肩に乗ったまま、両手を振って笑ってるわぁ。

94 :
[16:40]
[柿崎家 リビング。]

めぐ「っと、最後の問44だけど……、 過去にあった事と反対
   のことを願っているから、カッコの中は仮定法の過去完了
   が入る……『had come』ね!」
巴「……すごい、全部合ってます。あっ、これで全問終わりだ。
  けっこう早かったですね! 私も宿題が片付いちゃった。」
めぐ「ほんとだ、30分も経ってない。……そろそろ、おやつに
   しない?」
巴「そうですね。ちょっと、お腹がすいたし……。」
めぐ「ふふっ。……雛苺は、イチゴ味のクッキーがいいかな?」
巴「はい、イチゴ味で。あの子、きっと喜ぶわ。」

95 :
[16:44]
[めぐの部屋。]

雛「それでねっ、マーキュリーたちが抜け道を教えてくれたの!」
銀「そお。……あの獣道、役に立てたならよかったわぁ。」
雛「うん! それで、ユメミネズミさんだけど…… 水銀燈に、
  逢いたいって言ってたの。」
銀「私に?」
雛「うゆ。でも、なんで逢いたかったのかは、言ってなかったの。」
銀「……ということは、やろうと思えば、礼拝堂にも自由に行き
  来できるってことねぇ。」
ギイッ
めぐ「水銀燈ー、雛苺ー。クッキーを作るわよー。」
雛「うよ!? くっきぃ!? わーい!!」
巴「雛苺は、イチゴ味にしよっか。水銀燈は?」
銀「…… ふふっ、私もイチゴがいいわぁ。」
雛「いちごっくっきー♪ すいぎんとーと、ともえとめぐとー、
  いっぱいいっぱい作るのよー♪」
銀「もう、あんなにはしゃいじゃって……」

96 :
 この後、4人でイチゴ味のクッキーをたくさん作って、穏やか
な時間を過ごしたわ。……2年前の夏、ジュンの家で真紅と私が
クッキーを作ったときの話をしたら、みんな笑ってたわぁ。
 あの日、ジュンの家でスコーンを作っていて、『真紅が砂糖と
塩を間違えた話』を聞いて……そしたら、今度は私の方が砂糖と
重曹とを間違えて手にしてた、……という話よ。

銀「私としたことが、アレは不覚だったわぁ…… 砂糖と塩なら
  まだしも、重曹と間違えるなんて、ねぇ……」
巴「そう、重曹とお砂糖をねぇ。ふふっ、私も小さいころにね、
  お砂糖とお塩を間違えて紅茶に入れちゃって。」
めぐ「そうなんだぁ。わりとよくあるのかなぁ。」
雛「おさとうと、おしお、そっくりだからまちがえちゃうのよ。
  このまえも、トモエのパパがコーヒーにおしおを入れてて、
  とってもしょっぱそうだったの……」

97 :
雛「だから、ヒナがおさとうのケースのほうに、いっぱいシール
  を貼ったの!」
めぐ「あっ、かわいい♪ 雛苺のノートにも、たくさんシールが
   貼ってあるね。くんくんがいっぱい♪」
巴「さっき買ったノートなんですけど、くんくんのシールも一緒
  に買ってあげたら、『いっぱい貼るの!』って言って……」
巴「自販機でジュースを買うついでに、ちょっと公園に寄って、
  袋を開けて、ノートに二人でいっしょに貼ったんです。ねっ、
  雛苺♪」
雛「うん!」
めぐ「そうなんだ。ふふっ、かわいいね……♪」
雛「めぐも、くんくん好きなの!?」
銀「最近、めぐも第一期第一話から観始めたのよぉ。今度、真紅
  からDVDを借りようと思うから、よろしくねぇ。」
巴「ふふっ……」

98 :
[18:43]
[めぐの部屋。]

 トモエたちが家路に就いた後、めぐのお父様が夕ご飯の買い物
から帰ってきた。私は、めぐと2人で部屋の中で寛いでいたわ。
今日の夕ご飯はカレーライスだそうよぉ。
 ふと、めぐが思い立って、押し入れを開けた。

めぐ「そうだ、押し入れの中に……絵本があったはず……」
銀「絵本?」
めぐ「巴ちゃんが、雛苺が絵本すきだよ、って言ってたからね。
   ここに遊びに来た時に、読んでもらえたらな、と思って。
   押し入れにしまいっぱなしも、寂しいしね。」
銀「そぉ。……けっこう、絵本持ってるのねぇ……。」
めぐ「うん、私が小さいころ、入院してる時に、おばあちゃんが
   よく持ってきてくれてたんだ。」

99 :
 めぐが押し入れの中から取り出したのは、絵本だった。次々に
絵本が出てきて、全部で30冊ほどの絵本が部屋の真ん中に積み
上げられた。

めぐ「……パパがね、『ここに引っ越ししたときに、お前の物は
   全部持ってきたから』って言ってたのを思い出したんだ。」
銀「ふふっ、いいわねぇ。名前まで書いてもらって。」
めぐ「けっこう綺麗でしょう? ……あはは、絵本も、あんまり
   読まなかったんだよね。気が付いたら、もう、絵本を読む
   ような歳じゃなくなってたし。」
 めぐは今、19歳。全部の絵本の裏側に、油性ペンで書かれて
いた「かきざき めぐ」の名前は、全て残っている。絵本自体も、
そんなにくたびれていなかったわ。

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