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2013年17新シャア専用75: 刹那が種・種死に介入するようです15 (377)
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刹那が種・種死に介入するようです15
- 1 :2013/06/25 〜 最終レス :2013/09/12
- 「もしも刹那がコズミック・イラに現れたら」について語り合い、
SSを投稿し、職人をGJ!するスレです。
荒らし煽りは徹底スルー、職人さんへの敬意を忘れずに。
次スレは>>950を踏んだ方か480KBからお願いします。
スレは、基本的にsage進行です。
前スレ
刹那が種・種死に介入するようです14
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1364138750/l50
まとめページ:
ガンダムクロスオーバーSS倉庫
http://arte.wikiwiki.jp/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/10411/1297454125/
刹那以外の00キャラの来訪等違う形の00・SEEDクロスSS、
新規職人さんも随時大歓迎です
- 2 :
- 二
- 3 :
- >1乙
いやこれはアーヴァンクを横から見ただけでなんたらかんたら
- 4 :
- ↑なぜBX-4がw
そして1乙樽
- 5 :
- 諸君!
新スレの挨拶、すなわち>>1乙という言葉を謹んで送らせてもらおう!
- 6 :
- 敢えて言おう、>>1乙であると!!
- 7 :
- お前も>>1乙だ
- 8 :
- 前スレ埋まったね
- 9 :
- ねー
- 10 :
- だったら>>1さん・・・
俺にとっては、あなただって乙すべき大切な仲間だ!(BGM:Life Goes On)
- 11 :
- メイン>>1が乙しただと!?狙ったか、刹那介入スレ15!!
デカルト機できました。
よりによって広域規制巻き添えでPC>携帯で打ち直しでの書き込みなのでURL間違ってたら済みません。
http://itp.2ch-library.com/i//0952433-1373296977.png
機体は22m程度を想定。
メインカメラは前スレで出たご意見を全部採用してみました。
上から、変形時、リミッター解除時&胴体、射撃戦モード、格闘戦モード(青目でカバー開いている方)、電子戦&特殊機能使用モード(色々閉じてる方)になります。
腕の間の白いのは肩部内蔵型増設バッテリーユニット、ライフルはホールドオープン、上に18連エンブロック・クリップと単発実包、グリップ後方にドラゴンブレス弾(実在するショットシェル)を配置してます。
低レベルな上、部位毎のバラバラで申し訳ありませんでしたm(_ _)m
- 12 :
- これかな
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0952433-1373296977.png
- 13 :
- >>12
それです。やっぱりミスってた…
ありがとうございますm(_ _)m
- 14 :
- なんというネクスト
- 15 :
- スローネっぽい
- 16 :
- 鷲尾福地石垣の成分が融合してるな
正直これは種世界にゃあミスマッチすぎやしないか?
- 17 :
- アリーヤとアルケーを足して2で割った感じ
- 18 :
- アリーヤっていうかライールっていうかグリントっていうか
- 19 :
- うん、どこから出してきたんだこのデザインラインと突っ込みどころ満載だな
(強いて言えば柳瀬かもだが)
だが異質感が出てていいと思う
- 20 :
- もはや原形の欠片も見当たりませんが、元々はブリッツのラインを基に改変してたんです。
ところがNジャマー入れるとなった時にバイタルパート内に収めようとした結果、どう見ても重量過多な感が否めなくなってしまって…おまけに変形機構も入れる予定だったので…
結果、内部容積と見た目機動性、趣味とコンセプトをごちゃ混ぜにぶち込んだ結果がこれです。もはやデュエルもブリッツも消えてしまいました。
- 21 :
- トンデモ兵器枠になりそうw
いっそデストロイレベルの巨体にしてしまうのも面白いか
- 22 :
- 00世界でフラッグとスローネをミックスさせたらこういうデザインになるかもしれんが、コズミックイラのMSじゃないな
ザムザザー系列のMAデザインでもないし
ただ、382氏がAC好きなのは伝わってきた
- 23 :
- 一番左端が戦術機のスラスターに見える
- 24 :
- まぁ待て、バーニアはCEの面影があるぞ
- 25 :
- 初見でバスターソードとサイドアーマーが戦術機のやつに見えた
が見方によっては頭を格納している時はフォビドゥンの系譜に近い
それにユークリッドを人型にしたと考えれば或いは
>>24
バーニア辺りにはIWSPの面影を見た
- 26 :
- 皆日曜だぞト裸ンザム!
- 27 :
- 日曜日だよ全員ト裸ンザム!!
- 28 :
- ファフ○ー・MSモデル・マークネイキッド、ト裸ンザムで発進します!
- 29 :
- 今日の種死リマスターは、アスランがセイバーでミネルバに合流する回のようだな。
それはさておきガ裸ッゾでト裸ンザム!!
- 30 :
- 部屋の冷却にGN粒子を使いすぎた
- 31 :
- パンツ
- 32 :
- こんばです。仙台は雨が降って涼しくなってます。皆さんの地元はどんな感じでしょうか?
では投下します。ちょっと急ぎ目に執筆したので文法がおかしいとこあるかも。
- 33 :
- 7日後、US艦内第27医療室
「大尉、術式終了です。お疲れ様でした」
「…いや、ありがとう」
デカルトが新たな左腕を動かしながら、医務官に礼をする。
「…存外早く済むものなんだな。1ヶ月は掛かるものかと思っていたが…」
「大体の施術はナノマシンの仕事でしたからね。尤も、軍等の管轄の下の施術は16年ぶりの筈ですが…」
「…聴かなかった事にしておく…」
施術は、殆どが出血を伴わないものだった。
施術期間の殆どが右腕に繋がれた筋電探知機によるデータ集めであり、BMIの術式は接続部の移植以外は初日の注射数本で終わり、義手.義眼の移植も神経節や皮膚の定着も含め3時間の施術で終了してしまった。尋常な医療技術ではない。
「随分インチキじみた医療技術じゃないか。こんなのが一般に出回っているのか?」
「いえ、むしろこの施術は真っ黒と言っても過言でもありません。16年前にナノマシン絡みらしいバイトハザードが起こってて、それ以来生物実験も何もかもがタブー視されてしまって…」
「バイトハザード…一体どんな?」
「詳しくは知りません、国連レベルでの情報統制が敷かれていて…噂では生物兵器のようなバケモノが出たとか言われてますが…まあそのお陰で他の技術立証も出来ず、足止め状態なのが今の医療技術の現状ですね。」
国連レベルで情報統制を敷くとなると、さぞ大規模な実験だったのだろうか。
「…成る程な。術後は安静が第一か?」
「今日1日比較的安静にしていれば大丈夫でしょう。組織定着進度もクリア済みですし、このまま即実戦行きも可能です。まあ、義手に慣れるものと考えてもいいですね。あと、機体担当の技師が後で第7ハンガーに来て欲しいそうです。だいぶ形になったみたいですよ」
「了解」「お大事に」
医務官に軽く会釈を交わし、デカルトは医務室を後にした。
- 34 :
- 「お!やっと来なすったか、マイカスタマー」
「待たせたな。機体が形になったと聞いたが?」
デカルトがハンガーに着くと、色黒に近いアジア系の技師が迎えてくれた。今まで作業に当たっていたのだろうか、体からは鼻を摘みたくなるような汗と機械油の匂いが漂ってくる。
「…おっと申し遅れちまった…R&Lテクノロジー第二技術部MS研究部長、アレックス・イノウエであります!機体のほうは7割方上がっておりますが…」
イノウエがハンガーの下のほうを見ると、そこに横たわっているであろう機体の上に、保護用であろう黒いシートが掛けられていた。その下では数人の技師が作業に携わっている。
「おいスティーブ!さっさと邪魔なシートを片付けろ、機体との顔合わせだ!!」
イノウエの怒号が飛び、技師達がシートを片付け始める。どうやら足はまだ組み上がっていないらしく、足周りのシートはそのままだ。
「…大きいな。4mはデカくなったか?おまけに外観も大きく変わっているが…」
「何せパーツ共有率は10%止まりですからねぇ…02から引き継いだのはフレームと一部内装、それにマニュピレータ程度でさぁ」
頭を掻きながらイノウエがごちる。その手元には部品の一覧らしき本がある。厚さからして尋常な枚数ではない。
「ま、変わったのは外観や部品だけじゃないんでね。運用自体も02とは別モンだ」
言いながら、デカルトにフォロスクリーン端末を手渡す。その中に入っていたのは、「P02-C1LWSP」すなわちこの機体の運用マニュアルだった。
「02デュエルは白兵仕様に近かったが、こいつは完全な奇襲・電撃戦仕様だ。機体はNジャマー領域の如何を問わずのステルス性を与える為、前面を中心にRCS低減をさせてある。
全身だと数分って制限付きだがミラージュコロイド展開も可能だ。フライトユニットはロケットとジェットの統合型を採用、宇宙大気圏問わず運用可能だ」
「RCS低減?Nジャマーでレーダーを無力化出来るのにか?」
「あんたの上司、アズラエルの兄ちゃんからの要求さ。俺らはそれに合わせてこいつを調整してんだ。…ザフトの連中は専用のNジャマー搭載MSを持ってるが、地球にゃNジャマー領域下に無い地域も多いからな。
海洋なんかは敷設したNジャマーが地熱を得られず稼働出来ずに転がってるって噂もある」
- 35 :
- Nジャマーを包む削岩ユニットとそれの原形になった対隕石用破砕兵器「メテオブレイカー」は堅い地面に接地した上で掘り進む事が前提になっている。
ところが海底は柔らかい海洋堆積物に包まれている影響でユニットが安定せず、横転ないし空回りし易い。おまけに余りに高い地熱を持つ地形や地震が多発する地域にも適応出来ない。
結果として太平洋の孤島や海浜地帯はNジャマーが効果を発揮出来ない事が多く、日本やアイスランド、カリフォルニアやオーブ等はNジャマー領域下にある国土が非常に少なくなっている。
「つまりは非Nジャマー領域下の不穏分子に対する先制攻撃と施設破壊がこいつの運用方法か」
「そういうこった、要するに一番槍の機体そのものだな。ま、それに特化し過ぎたせいで対MS戦闘は不得意になっちまったがな…」
そう言いながらまた頭を掻く。その理由は、マニュアルの次のページに込められていた。
「こいつのメインアームは70口径8インチ砲Mk.47、18連エンブロッククリップ給弾方式で総弾数が予備も合わせて二丁で108発。
対艦戦闘と空力補正用に大型のブレードを装備してるんだが、そのせいで一丁15t近い大物になっちまった。こいつでMSを撃つのは正直無茶ってもんだな…」
「…まるで長槍だな…」
「対MS用には副腕とアンカー兼用のヒートブレードを装備してるが、むしろそれしか無いってのが実情だ。それ以外だと対地対空迎撃用の散弾ロケットしか無い。
おまけに重量削減の為にバイタルパート以外は耐候カバー程度の装甲しか張られていない。全く極端な機体になっちまった」
イノウエの言うとおり、手足等の装甲は悉く20mm程度に抑えられており、耐弾性は期待出来そうにない。ただ、フレーム強度はかなりのものであり、空中分解の危険は無さそうだ。
「つまりは、パイロットの腕に全てが懸かるという訳か…」
「そういうこっですな。ま、旦那の許可が降りるなら、あのデカブツの資材を使って構造を強化するのも可能ですが?アレの装甲、見たところかなりの強度っぽいですが?」
「…」
ガデラーザは軍の機密の塊だ。無闇やたらに探られるのは拙い。かといって、ただ置かれていてもいずれ調べられるだろう。ならばいっそ…
「…こいつの完成と調整が完了次第、お前の云うデカブツ、ガデラーザから使える部品を抜き取る。Nジャマー領域下でも使えるものがあるかも知れない。」
- 36 :
- 「ほうほう…そいつぁ面白そうだ…!技術屋としちゃあね…」
「但し、調査中は俺の指示に従え。こちらにはこちらなりの事情がある。」
どうやら、うまく乗せることが出来たららしい。GNドライヴが気懸かりだが、この脳量子波の伝わり難さからいって、既に稼働状態ではないだろう。
どの道、ガデラーザの装甲素材たるEカーボンは元は建設資材だ。GN粒子を浸透させなければ機密レベルの技術には及ばない上、こちら側の技術レベルを向上させる事が可能かも知れない。
それが出来れば、もし連邦軍と連合が接触する事になった際の友好の始点にも成りうる。これは悪い話ではない。
「どの道、一度下見をしてみないことにはどれだけの資材を再利用出来るか解らん。ガデラーザは今どこにある?」
「あのデカブツなら…確か第8艦船ドックに収容されてたなぁ。全長700m、全幅300m、高さ100m、この船最大の空間だ。艦内図を見ればすぐ判ると思いますぜ」
「分かった。今日はありがとう。お陰で機体に乗る心構えが出来た」
会釈もそこそこに、デカルトは足早にハンガーを出た。以前より妙に軽くなった左腕を鬱陶しく思いながら。
- 37 :
- 投下完了です。何故かすぐ先ではなく超終盤のほうの展開が頭の中に浮かんで執筆が遅れる今日この頃。
デカルト機の腰のフライトユニットはモロに戦術機が元ネタです。殲撃10型の機動がカッコ良かったんだもん(但し知ったのは半年前)
では今日はこれにて
- 38 :
- >>382氏
乙です
バイオハザードと来たらもうLRの研究所に下水道、あと発電所でわらわらしてたあれしか...
デカルト機もロマン武装に産廃の代名詞の拡散バズとゴミナントお断り仕様だし
後、NJに関しての設定って連合が原作であれだけ早くMS量産出来てた事も繋がりますね
- 39 :
- 382氏乙
ガデラーザってELSに侵食されたときコンテナにファングあったっけ?
あれが残っていたらファング無双のデュエルが出来そうだな。
- 40 :
- 乙です!なんかAOZに登場しそうな「とりあえず理論上は作れるんで作ってみました」なトンデモ兵器になったなぁ…wそれが良いわけなんですがw
それにしてもデカルトにとっては義手とか義眼とかは馴染みが薄そうだなぁ…。
西暦世界では再生医療発達してるっぽいし。
- 41 :
- 脳細胞の修復処置は完了したとか言っちゃうレベルだもんね
ただ今回読んでこのSSの医療技術だとリハビリ等に時間取られなそうだと思った
遺伝子改造やらが流行った世界とは発達する分野が違うだろうし
- 42 :
- お疲れさまっす!
義手っていうと、サンダーボルトの
ダリルもか… デカルトのはどんな義手
ですかね〜
- 43 :
- >>40
だよな>再生医療
ニールの潰されて失明した右目が数週間の治療で生身の右目を再生できるレベルだもんな
・・・よくよく考えると凄い技術だよな
アリーも確か半身なくなったのを戻したんだろ?
即死してなけりゃ救助治療までの時間が短ければどんな怪我でも治せるんじゃないかと思うレベルだ
- 44 :
- >>43
その医療技術をもってしてもどうしようもないという疑似GN粒子障害って怖えぇ…
- 45 :
- >>44
そのトンデモ医療技術をもってしてもどうしようもないという疑似GN粒子障害を全快させる
トランザムバーストはもっとすげぇな
- 46 :
- クアンタムバースト>トランザムバースト>擬似GN粒子>ガンダム西暦の医療技術
こうしてみると、大した事ないな!
- 47 :
- バーストは悪玉コレステロールを善玉コレステロールに変える様なもんだと思えば良い。
- 48 :
- 別のトコでは某宇宙蟲の腸内細菌病を治療してたりもしたなw
- 49 :
- 後の西暦ではGN粒子健康法とかトランザムバーストダイエットとか流行ってたりして
- 50 :
- 劇場版からさらに時を経てそれなりの数の純正GNドライブが確保できたなら
あるいは擬似GNドライブがGN粒子そのものは純正と同等になるほど技術が進めば
GNエステとかGNサウナとかGN温泉とか生まれてるのかもなwww
- 51 :
- 自然中のGN粒子を貯め、定期的に放出する。GNダム(ボソッ
- 52 :
- さてと…参議院選挙の結果よりも職人の投下が待ち遠しい私はガ裸ッゾでト裸ンザム!!
- 53 :
- negative。操作ミスって色々消えてしまいました。ちょっと今週は無理っぽいです。申し訳ありません。
というわけで俺もト裸ンザム!
- 54 :
- なんとぉー!?裸ンザム!!
- 55 :
- 昨日『中居の“ミ”になる図書館』見てて思ったけど、CEとOOの時代って『書道』の文化は存在しているのかな?
アニメ本編にはそういった描写なかったけど
- 56 :
- 炒飯の趣味が日舞だってんだから書道くらい残ってるんじゃないの
- 57 :
- 00でも残ってるんじゃないか?
ブシドーが日本かぶれになってたし
- 58 :
- CEはオーブが日本語使ってるし(『忘れん』の件とか不安は有るが)00はブシドー居るし
国がとして無かろうが列島がある以上余程の事が無いと消えないと思う
多民族国家や連合国家でも、地形によって言葉からして違うとかざらにあるし
- 59 :
- さてと日曜日になったからガ裸ッゾでト裸ンザム!!
- 60 :
- あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー
あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅー
こんばです。先週はバグって済みませんでした。投下します。
…高校時代に戻りたいなぁ
- 61 :
- 「いやー、酷いなこりゃ。バラすのも一苦労だ。」
翌日、技術部の殆どが、ELS漬けになったガデラーザに群がっていた。
目的はNジャマー領域下でも使用可能な筈のファング管制用量子通信機の摘出、なのだが…
「本当、何なんだよこの金属体はよぉ!?」「判っていたとはいえ、やり切れないよなぁ…」
ELSの侵食が胴体部や動力部に集中し、厚い金属体に阻まれて未だに本体に辿り着けない状況になっていた。
「…仕方ないな…。機首砲口のほうはどうだ?」
溜め息をつき、デカルトが指示を出す。あそこを通るということはGNブラスターの機関部に触れられるという事になる。そこにGN粒子が残ってでもいれば…
(…その心配は…無さそうか?)
しかし、そのGN粒子の気配が全く感じられない。それどころか、ELSが発する筈のあのけたたましい脳量子波の叫びも聞こえない。感じられる脳量子波は、作業従事者の未知の技術に対する好奇心と興奮程度だ。
(機関部単体なら、機密レベルは低い…大丈夫そうか)
最新技術の結晶に見えるガデラーザだが、実は脳量子波技術以外はそうでもない。コスト削減の為、各部Eカーボンの質や、武装のパーツ単位の質をGN-XWよりも低く抑えている他、各パーツの40%近くをコストの安い民生品に置き換えている為だ。
GNブラスターも機関部はGN粒子兵器にはあまり向かないプラズマキャノンの機関部を集積多層化したものに過ぎず、その大威力を叩き出す超大型GNドライヴもかつて行われていた対反政府勢力に対する通信妨害に用いられていた大容量可変出力型の流用である。
それらの工夫もあり、300mを超す超大型MAにも関わらず一機あたりの建造費はブレイヴ試験飛行隊所属の6機編隊の6割増しにまで抑えられており、パイロットの条件が非常に厳しいガデラーザがブレイヴと次期主力の座を争う事が出来たのはこれあってのことである。
「大丈夫そうです!皮膜も疎らです!」
どうやら侵食された際に閉じていた為か、砲口部はかなり状態がいいらしい。内部の侵食状態にもよるが、メンテナンス用の通路は問題無さそうだ。
「よし!全員砲口から内部に侵入、量子通信機を探せ!無重力下での整備が前提の機体だから足元には注意しろ!」
- 62 :
- 「…で、頑張ったこれかい?大尉」
「…悪いな」
2時間後、デカルトは「また」技術研究室に足を運んでいた。
「替えがある腕だからって無理させるのを悪いとは言わないが、もうちょっと丁寧に扱ってくれないかな?制御部以外は安上がりだからまだいいけど…」
そうぼやきながら、技師が押し潰された左腕の配線を外していく。傍らには同じように壊れた義手が二つ、無残な姿を晒していた。
メンテナンス用の通路であっても、ガデラーザの内部は意外と狭い。普通であればメンテナンスハッチを解放する事でユニット毎の交換も可能な設計にはなっているが、そのハッチがELSまみれではどうしようもない。
砲口部は侵食が軽度であったが、やはりと言うべきか内部はELSに所々が侵食されていた。そのELSを作業に先んじて撤去していたのだが、剥がれてくる破片から作業従事者を庇った結果、瞬く間に義手を破損してしまったのだ。
「…生身の命には代えられん。連中が無事なら壊した甲斐はあるさ。」
「…それはそうなんだがなぁ…そんな危険を冒すなら本体を一回ポッキリと折ったほうがいいんじゃないのか?」
「…あれだけの大物を折るって発想がどこから出るんだ…?…それより」
ふと、デカルトが義手着用時から不満に思っていた事を口に出す。
「この義手、何でこんなに軽いんだ?付けないよりはマシだが、ここまで軽いとバランスが取れなくて困るぞ」
「あー、バラスト入れとくべきだったか」
技師が思い出したように引き出しから鈍色に輝く物を取り出し、義手の前腕を外部信号で操作する。すると前腕の片側のカバーが跳ね上がり、内側に色々物が入りそうなスペースが現れた。
「普通じゃ普段は何も入れないんだが、お前さんの場合は片腕だってのを忘れてたよ」
「…何やら訳ありのブツとでも言いたげだな」
「いやいや、こいつはもとより純正の軍用品さ。これならどうだ?」
瞬く間に配線を繋ぎ直し、デカルトに伺いを立てる。義手は先程とは段違いに重くなり、生身の腕と変わらない程の重さになっていた。これならば日常的な違和感も解消されそうだ。
- 63 :
- 「こいつは元々はアメリカ海兵隊の兵士強化計画、HBMSPの産物だ。四肢を機械に置き換えることによる総合的戦力の強化の、な」
技師は説明しながら端末を操作し、あるファイルを開く。そのファイルに入っていたのは、HBMSP計画の概要だった。
「発案は今から60年は前になる。日本の如月生体工学研究所のキサラギ研究員の論文が初出だった筈だ。全く、あの国はタブーってもんを恐れないから怖いもんだ。ま、あの大戦の後じゃ仕方ないって面もあるがな」
別のウィンドウで今度は年表を表示する。時期は―西暦の終わりとコズミック・イラの始まり、その狭間の時期である。
「再構築戦争、もとい第三次世界大戦。アレで出た死傷者は尋常じゃなかった。それが連中を刺激したんだろうさ。特に四肢の銃創が原因で失血死した兵士は多かったからな…」
この簡素な年表からは何があったかは読み取れない。しかし、人類史上最大規模の戦争であった事に変わりはないだろう。
「四肢の一時的サイボーグ化によるバイタルパート以外の出血の根本的阻止、腕部への緊急医療品収納による即時救命環境の向上、被弾時のパーツ交換による早期復帰。世界の一番槍たるアメリカ海兵隊にとっては有り難いものだっただろうさ」
「切除した四肢は保存、退役時に再接合、か…。ということはこれも?」
「ああ、アメリカ海兵隊制式軍用義手MA-24E-7。今も海兵隊の、さらには各国兵士や民間人の命をも救ってる、ヌアザの銀腕(アガトラム)さ。お前さんの場合は本当にヌアザの銀腕と同じだがな」
「…仕事を全うするまではミアハはお預けか…」
「そりゃ違いないな、デカルト」
いつの間に入ってきたのか、ハイネマンが何やら指令書のようなものを持って後ろに立っていた。実に一週間ぶりだろうか。
「…久しいなハイネマン。用は自分にか?」
「ああ、お前の機体の試験飛行命令みたいだ。ちょっと覗き見してみたが、なかなか面白そうな内容だぞ?」
「…?どういう事だ?」
「…ま、こういうこったよ…」
ハイネマンは、その指令書の一枚で紙飛行機を折り、わざとらしく高い仰角で放り投げた。
紙飛行機はぐんぐんと高度を上げ、少し滞空したと思うと一気に高度を下げ、元の場所に戻っていった。
「素晴らしく、ファンタスティックな眺めだと思うぜ?」
ハイネマンの視線は、ただただ天井の先へと注がれていた。
- 64 :
- 投下完了です。
義手の開口機構はフラッグのソニックブレイド収納機構まんまと思って下さい。アレかっこいいよね。
…一部ミスったまま投下しちゃったのは内緒だ…
恥曝しヽ(0w0)ノイジェークト!!
- 65 :
- 乙!
一瞬R-TYPEUやらの設定が思い浮かんだが退役すれば返してくれるんだ・・・
人を助けるという範疇に収まってて良かった
どうでもいいけどアガートラーム云々の洒落た切り返しがスッと出てくるのがいい
- 66 :
- >>382氏GJ!
こちらも久々の投下、お待たせして?申し訳ありません。
例の如くあまり長くはありませんがご容赦下さい。
- 67 :
- MSのコクピットで見ていたのとは違う、目が眩む様な強い日差しにアスランは目を細めた。
調整された人工的な光しか無いプラントでは、
この様な肌を焼く程の日差しは体験出来ない。
そういう意味では希少な体験をしているのだが、
今のアスランにとっては親友を殺した罪を晒し出されている様で気が滅入った。
「アスラン、連絡が取れたぞ。迎えが来る」
船室から金髪の少女、カガリが顔を覗かせた。
先程見せた涙は、今はその跡を目じりに残すのみとなっていた。
「連絡・・・?」
「ザフトとのだ。他に何があるんだ?・・・お前ホントに大丈夫か」
呆けた様子のアスラン心配するカガリ。
心外だな、と口にするものの、色々な事が有り過ぎて一杯一杯なのは事実だった。
「・・・・でもやっぱりお前、あのパトリック・ザラの息子だったんだな」
「気付いていたのか」
予想外の発言に、アスランはさっきに増して呆けた顔になる。
その反応に、馬鹿にするなとカガリは頬を膨らませた。
「当然だろう?ザラって性で、育ちも良さそうだしな。しかもザフトの赤服だ」
施されたコーディネートレベルも高そうだ、とは言わなかった。
カガリ自身、そういう人の見方は嫌いだ。
こう見えて、カガリは各主要国の内情は大体把握している。
勿論、プラント最高評議会議員、パトリック・ザラの名も頭に入っていた。
「それに連絡したらすぐ迎えを寄越すと来たもんだ。
それも、お偉いさんの御曹司だからだろう?」
何か思う節があるのか、彼女は口をへの字にして顔を顰めた。
しかしアスランはそれに対して首を振った。
「そんな事は有り得ない。父上は、そういう事をする人じゃない」
「お前・・・」
行方不明になった息子が見つかったのだ。親なら早く無事を確かめたいのが当たり前で、
寧ろそうで無い方がおかしいくらいなのに、アスランはそれを否定した。
母が死んだあの日から、アスランは父とまともな親子としての会話をした事が無い。
以前に増して仕事に没頭する様になった父の背中を幻視し、アスランは悲しげに言った。
子を子として見てくれない父が悲しいのか、
それを仕方ないとどこかで諦めてしまっている自分が悲しいのか。
「きっと迎えが早いのは・・・アイツのせいだ」
アスランが水面の向こうを指す。
釣られて視線を向けると、連絡であったザフトの船が近付いてきていた。
その船上にいる人間の姿がハッキリするより先に、
波の音に負けない大声がカガリの耳を突いた。
良く見ると、大声を出しているのは船から乗り出している銀髪の男だ。
凄まじい形相でアスランを睨んでいる。
「・・・お前の知り合いか?」
- 68 :
- 「まぁ、そんな所だ」
戦友なのだろう。少しばかりの嬉しさを滲ませるアスラン。
ただその声とは裏腹に、その横顔は今すぐにでも壊れてしまいそうなくらい歪んで見えた。
「ちょっと待て」
ザフトの船に移る準備を始めようとするアスランを呼び止めて、
カガリは自分の胸元に光っていた首飾りを外した。
「ハウメアの護り石だ。お前、自分で思ってるよりずっと危なっかしいからな。
これに守って貰え」
「・・・キラを殺したのにか?」
投げられた冷めた視線に、一瞬怯んでしまう。
しかし、まるでアスラン自身に向けている様なその視線に、
カガリは護り石をぐいっと突き出した。
「もう誰にも死んで欲しくない。それだけだ」
「・・・・・・」
ほら頭下げろ、と護り石を自分に掛けようとする彼女に、アスランは素直に従った。
記憶が正しければ、この石はかなり貴重で付けられる人間自体限られる代物だった筈だ。
その場の勢いで譲り受けて良い物では無い。しかしアスランは断れなかった。
それを突き出す彼女の顔が、瞳だけで泣いていたから。
「貴様、どのツラ下げて帰っていた!」
ザフトの船に移ったアスランに向けられた第一声は、戦友の怒声だった。
「ストライクは討ったぞ」
「ふっ」
慣れた調子で怒声を流したアスランに、イザークは頬を緩ます。失ったモノは数多い。
それでも、常に自分の先を奔る男は健在だ。
イザークにとって、これ以上嬉しい事は無かった。
「だが、」
「ん?」
「なんださっきのは!貴様、クライン嬢というものがありながら・・・!」
「・・・・・・」
一瞬の間の後、胸に提げた護り石を摘まんでアスランは首を振った。
「お前の思う様な話は無いぞ。
大体、イザークは女性経験が無いから簡単にそういう想像をする」
「なっ・・・!」
的確な指摘に、イザークの顔が固まる。
彼はアスランより一つ年上であったが、堅物なその性格が災いしてか女性経験が無い。
その容姿、家柄、士官学校での成績、どれをとってもモテそう、
実際女子人気はあったのだが、浮いた話は一つも無かった。
一時期はディアッカとのホモ疑惑が流れた事もあった程だ。
ディアッカの軟派具合を知っていた身近な仲間達は反応に困ったものである。
- 69 :
- 「おっ、俺はまだまだ修行中の身だ。
プラントの、コーディネーターの未来を憂いれば、女遊びなどしている暇は無い」
「分かった分かった」
アスランにとっても、この状況でイザークの真っ直ぐさは救いだった。
キラの死、ニコルの死、考えなければ、悲しまなければならない事はいくらでもある。
でも今は、戦友に甘えるとしよう。
今まで張り詰めていた体からホッと一息抜いて振り返れば、
カガリの乗ったオーブ船は既に波間の向こうへと消えてしまっていた。
戦闘機の編隊に誘導され、アークエンジェルは海上を進んでいた。
既にザフトの制空圏を脱出して、アサスカの防空隊と合流していた。
艦内は戦闘の事後処理が一先ず済み、警報も解除された事で静けさを取り戻していた。
その通路を、何時もに増して背筋を伸ばして歩く女性が一人。
「アーガイル二等兵」
「どうしたんですか艦長?」
警報が解除されて非番に入ろうとしていたサイに、女性―――ナタルが声を掛ける。
手には両手に収まるサイズの黒い箱が三つ。
続く言葉は、サイには信じられないものだった。
「ヤマト少尉とケーニッヒ二等兵の遺品整理をしろ」
「えっ、だってまだ死んだと決まった訳じゃ・・・」
「MIAだ。そういう決まりだからな」
三つの内の二つの箱を一方的に渡されたサイは、無言のまま立ち尽くす。
黒い箱を渡されて、実感の無かった友人達の死が、じわじわと実感を帯びていく。
「返事は」
「はっ・・・はい・・・」
依然呆けたままのサイの姿に、ナタルの心が不愉快な軋みを立てた。
ここで謝ってしまうのは容易い。自分の指揮で、自分の命令で死なせてしまったと。
しかしそれは傲慢だ。自分の力不足を棚に上げて散々使いまわした結果の彼らの死だ。
謝るなど言語道断だった。ただその事実を確認し、身に刻む為に、
ナタルは本来なら部下に任せれば良いだけの仕事を自分で行っているのだ。
「・・・後は、マジリフ曹長の分か」
トボトボと歩いて行くサイを見送り、ナタルは残り一つの箱を見やる。
遺品整理は、基本的に死んだ者と親しかった者が行う。
単に部屋にある私物を回収するだけなのだが、
箱に入り切らないモノも余す事無く持って行ける様に、
という古くからのシキタリの様なものだ。しかし刹那と親しかった者が思い付かない。
口数少なくとも誰にでも分け隔てなく接していた彼は、
逆に言えば特別親しい者もいなかった。
「・・・どうするべきか」
一瞬ムウにでも頼もうかと考えたが、今彼は戦友を一気に失って怒りに身を焦がしている。
- 70 :
- 親しい者を失った喪失感を、悲しみではなく痛みに変換出来るのは
戦士として優れた特性といえる。
しかし、当の刹那達を置いてきた張本人である自分が
彼の前に立つ事は流石に避けたかった。
今ムウがこの黒い箱を見たら、本当にスカイグラスパーに飛び乗って捜索に出かねない。
「仕方ない、自分でやるか」
それが一番厄介事が少ない。ナタルは陰鬱な気分のまま、黒い箱を見詰めていた。
カギの部分に穴が開いたドアを潜ると、その先には殺風景な部屋が広がっていた。
どこを眺めても、軍の備品以外の物が見当たらない。
ベットもしっかりとメイキングされているせいで、
カマル・マジリフなど初めから存在しなかったと言われても信じてしまいそうだ。
「あったのは・・・これだけか」
唯一あった私物と言えば、ナタルが今握っている端末である。
見た事の無い型だったが、恐らく映像端末の類だろう。
黒い箱にそれだけ入れると、素手で開けたというドアの穴以外、
本当に何も、刹那の存在を感じさせる物は無くなってしまった。
さっぱりとし過ぎていて、悲しみも、罪の意識すら湧きづらい。
ディンを足止めする為に、最期に見せたジンオーガーの後ろ姿が、
あまりに潔過ぎたせいかもしれない。まるで大空を翔る風の様な人だった。
ナタルが一人感傷に浸っていると、艦内放送から自分を呼ぶ声が聞こえた。
どうやらそろそろアラスカに着く様だ。
部屋の電気を消し、ナタルは感傷を振り払う様にその場を後にした。
- 71 :
- 支援
- 72 :
- >>71支援感謝!
投下終了です。
刹那が風の様な人、というのは刹那は空(宙?)から大地を見ているから瞳が茶色で
マリナが大地から空を見ているから瞳が蒼い、という又聞き設定からです。
次回は皆さんお待たせ?のELSさんががが。
ではでは。
- 73 :
- お二方乙!
ガデチャンにELSついてきてたのか
もし活動してたらAFC?BTW?なにそれおいしいの?な大災害にもなってたかも
>>378氏お久しぶりです!
ナタルさん出てきて嬉しいけどせつねえ…
だれかナタルさん助けたげて!ドミニオンに載るか載らないかにかかわらず壊れてまう!
- 74 :
- 投下が1日に2本も!
こんなにうれしい事は無い
乙です
- 75 :
- >>378氏だ!>>378氏のSSだ!
投下乙です
ELSさんは今オーブにいるんでしたっけ?
- 76 :
- 382氏378氏乙
確かELSクアンタは刹那でもどこにいるのかわからない、現在行方不明状態だったはず
- 77 :
- 378氏お久しぶりです!!
久々の更新、すっごい嬉しいvv
刹那とキラは生きてるけど、AA組はまだ知らないもんなぁ・・・
ナタルの行動は表面だけ見ると凄く冷たい感じがするけど、アニメで見た時も仲間の死に引きずられないようにって
ことなんだろうなって思ってました
規則大事な人だけど、その根っこは仲間を守るためってのがちゃんと分かる良いキャラですよね
ドミニオンに行っちゃうのかどうかで死亡フラグが決まる・・・
マリューが整備班だし、ぜひAAの艦長として残って欲しいなぁ
- 78 :
- 382氏378氏投下乙でした!
>>72
刹那とマリナの瞳の色の設定は公式のものではないけど、二次作品好きにはとても素敵な話ですね
- 79 :
- 378氏、382氏、乙。
ナタルさん、その謎の通信機はきっとお守りです。
- 80 :
- こんばんわ、更新ラッシュに乗り遅れた864です……。
多くは語りません、ただ一言。
もう、仕事がいやになってきました(泣
では、え〜っとかなり短めの9話目です。
- 81 :
- 刹那の発した一言、凍りついたトレミーのブリッジ。
皆思うことはひとつであった。大出力衛星軌道兵器−−−−メメントモリ。
それに類する兵器、『ジェネシス』がこの世界にはすでに存在していた。
ならば、それに似た兵器が開発され、一方的な虐殺が行われようとしているのか?
刹那はブリッジに居る仲間の考えていることがわかっていたのか、ゆっくりと頭を振り話を続ける。
「焦燥感がある。何か行動を起こさなければならない。さもなければ、取り返しの付かない事態になる。
そう、感じるんだ」
「イノベイターの直感?」
「分からない」
フェルトの問いかけに短く答える刹那。
そっと胸の上に手を当て微かに表情をゆがめている刹那のことを、フェルトは心配そうな瞳で見守っている。
- 82 :
- 今、彼らの置かれている状況はあの当時と違う。
あの時はメメントモリを破壊すれば、目前にある問題はひとまずクリアしたといえた。
だが、CEの収集できた情報は限られていて、一体これから何が起こるのかすら皆目見当が付かない。
刹那の話してくれたことを踏まえ、スメラギはイアンに状況確認をしつつ思考を奔らせる。
「イアンさん、ガンダム各機の状況はどうなっていますか?」
問いかけられたイアンは、携帯端末に上げられている情報を読み上げながら自分の意見を加え報告する。
「ダブルオークアンタに関しては、量子ワープ以外問題ない。
サバーニャ、ハルートについては現在急ピッチで修復を進めている。だが、如何せん損傷箇所が多すぎる。
まだまだ時間がかかりそうだ。二機に搭載してあったGNドライブはすでにケルディムとアリオスに装着済。
また、一から建造しているラファエルは当初の予定より早く終わりそうだ」
「そうですか。戦力に関しては一応整っている。あとは刹那の言うこれから起こる『なにか』が気になるところね」
スメラギは己の考えたことをまとめるようにつぶやくと、オペレーター席にいるフェルトの傍に寄る。
幾つか情報収集について確認しているのか、途切れ途切に会話の切れ端が聞こえる。
おそらく、情報収集ルーチンの構成について議論しているのだろう。
- 83 :
- 画面越しに存在しているティエリアも、電子情報をトレミーの処理能力を使いある程度独自に構築していた。
ゆえにその会話の輪に入ろうとしたが、一瞬にして表情を険しくし仲間に警告を発する。
『皆、緊急事態が起こった。モニターに映像を回す』
簡潔に伝えるティエリアの声色に、焦りの色が見える。
いったい何が起こったのか。全員が固唾を呑む中、切り替わった映像には巨大な物体が映し出された。
「これは」
つい先ほど見たばかりのものだ。この世界の悲劇の始まりと言える建造物、コロニー・ユニウスセブン。
死者の無念を思うと、黙祷を捧げたくはある。だが、そうではない。
『フェルト、ユニウスセブンの軌道をシミュレートしてみてくれ』
ティエリアの言葉と、映し出されたユニウスセブンの動き。ハッと何かに気が付いたフェルトがすぐさま
キーボードを操作し軌道のシュミレーションを行う。
コンピューターがはじき出した結果に、フェルトは顔を青ざめさせながら結論を告げた。
「ユニウスセブンは現在本来の軌道から反れ、地球の重力に引かれていますッ」
「そんな、どうして…」
全員が息を呑む中、マリーが唇を震わせながらつぶやいた。
100年の単位で安定軌道に乗っていたはずのユニウスセブン。直径10キロ近くになるそれが地球に
落下すれば、あの美しい水の星は死の星と化してしまう。
多くの自然を残し、美しい営みを見せるあの星が死んでしまう。マリーの胸に言いようのない痛みが走った。
- 84 :
- 「フェルト、軌道修正は可能か!」
矢継ぎ早に刹那が問いただす。焦りのためか口調が荒く、問うというより詰問するかのようだった。
苛立ちを含む彼の声色に怯えもせず、フェルトはすぐさまキーボードをタッチし計算をする。
「…………あれだけの質量のものを再び安定軌道に戻すのは、現状では不可能です」
フェルトの答えを聞くと、刹那は苦虫を噛み締めたように顔をしかめる。
一瞬の空白。何をすればいいのか、どうすればいいのか。
思考が追い付かず明確な答えを出せずにいるなか、スメラギに、全員に問いかけるように彼がつぶやいた。
「スメラギさんよ、今俺たちは分岐点に立たされてるんじゃねぇのか」
「分岐点?」
いつもの軽さ消え去り、真剣な面立ちで頷きロックオンが続ける。
言葉に出来ずに居る自分たちの想いを聞くかのように、クルー全員が彼の言葉に耳を傾けた。
「ああ。このままこの世界のやつらに任せておけば、俺らには波風立たない。
だが、助けられる命を見捨てることになるかもしれねぇ。それを良しとするのか、しないのか。
そういうことじゃねぇのか、今の俺たちの立ち位置は」
「それは……」
スメラギが思い詰めたように翳りが見える。
自分たちの存在が明るみになれば、無用の争いを生む可能性がある。それによって失われる命がある。
だが、同時に現状この世界ではあれだけの質量のものを完全に消滅させるだけの手立てがない。
フェルトに調べてもらっているが、現在遺伝子調整を受けたもの、コーディネーターの軍隊・ザフトが破砕
作業をすべくメテオブレイカーを準備しているとの情報が入っている。
だが、それにしてもあくまで出来るのは砕くことだけだ。
- 85 :
- 小さくなった破片が、都市部や都市周辺の海などに落下すれば、どれだけの被害をもたらすか……。
直感的に語ったロックオンの言葉は、まさに的を射ていた。このまま見過ごせば、民間人がシェルターに
非難していたとしても、尋常ではない被害をもたらす。
思わずスメラギは自分の唇を噛み締める。
「スメラギさん、僕たちに戦術予報をください」
「−−アレルヤ?」
不意に掛けられた言葉に、スメラギは顔を上げる。
視線の先には、確信に満ちた顔をするアレルヤがいた。
彼が小さく頷き、考えていたことをゆっくりと語る。
「偽善だ、エゴだと誰かに後ろ指を差されてもかまいません。それでも、僕は……助けられる命を見捨てたくないんです」
アレルヤの言葉はとても不器用で、でも自らが苦しみに抜いた先にたどり着いた答え。
その想いに従った言葉はとても重く、価値あるものであった。
『そう思ってるのは、あなただけじゃない』そんな想いをのせ、マリーがそっとアレルヤの大きな手を握る。
言葉にしなくても伝わる想い。アレルヤは胸のうちで火がともるように熱いものが込み上げた。
- 86 :
- ティエリアが小さく微笑む。アレルヤの言葉を受け、胸のうちに響いた懐かしい言葉を口にする。
『僕たちソレスタルビーイングに沈黙は許されない。そうだろう、みんな』
「そうね、そうだったわね。私はソレスタルビーイングの戦術予報士、スメラギ・李・ノリエガ。
立ち止まることは許されないわね」
ティエリアの継げた言葉に息を呑み、そしてスメラギは決心した。
晴れやかな表情となったスメラギは、メンバー全員の顔をゆっくりと見ていく。
ラッセ、イアン、リンダ、ミレイナ、ティエリア、マリー、アレルヤ、ロックオン。
そして懐かしさに涙ぐむフェルトと、決然とした表情を崩さない刹那。
数瞬、瞳を閉じスメラギは思考を奔らせる。以前から考えていたプランも合わせ、思い描く姿が見えると
スメラギは小さく微笑みを浮かべ告げる。
「刹那。現状稼動できるMSでユニウスセブンを破壊できるのはダブルオークアンタのみ。あなたに行ってもらうわ、いいわね?」
「了解」
「ミレイナ、フェルトと交代して情報収集に当たって頂戴」
「わかったです!」
「あの、スメラギさん?」
突然交代を命じられたフェルトは釈然としなかった。何か、不手際でもあっただろうか。
フェルトが感じているであろう感情を先読みし、スメラギは小さく笑みを零しながら指示を下す。
- 87 :
- 「フェルト、あなたには他にやってもらうことがあるわ」
「やってもらうこと?」
フェルトが小首を傾げる。オペレーター以外の仕事などした事のない自分に、出来ることなどあるだろうか。
鎌首もたげる不安に顔を曇らせる。彼女のことを慮ってかスメラギが頭の中で思い描いていたミッションプランを提示する。
「フェルト、あなたには刹那のサポートをしてもらいます」
「サポート、ですか?」
「まだ細かいところまで詰めてないけど、今回のミッションについて説明します」
ゆっくりと語るように説明を始めるスメラギ。
淡々と語る大まかなミッション内容。だが、次第に自分の置かれた立場を理解するとフェルトは頬を朱色に
染め困惑した。刹那のサポート。それは文字通り、彼の半身として過ごす日々の始まりを告げた。
- 88 :
- しくしく。
382さん、378さん、投下乙です。
自分には今これでせいいっぱいです。
では、ご意見ご感想いただけたら幸いです。
でわ…
- 89 :
- 乙。ちょっとジパングを思い出した。あっちと違ってこっちは頑張れば帰れそうだけど。
- 90 :
- 乙!
ところでスメラギさんって、イアンにもため口じゃなかったっけ?
- 91 :
- >>88
乙です。
種組との絡みが楽しみです。
- 92 :
- 864氏投下乙
そういえば864氏の話では378氏の話と違ってELSの星に行く前にCEに来たから刹那は普通のイノベイターで機体もダブルオークアンタのままでしたな
- 93 :
- 久々に来たら更新ラッシュきてたー!
皆さん投下乙です!
CB組がこれから種の歴史に介入してくると思うと楽しみ
あと>>72の設定が二人の関係性から凄くしっくりきた、でも公式じゃないのね
- 94 :
- >>65
R-TYPERよ、大丈夫だ問題ない
なにしろバイドもここにいるからだ
- 95 :
- 864氏、乙です。
- 96 :
- ドアの穴懐かしすぎ
- 97 :
- さてト・・・乱THE☆無!
- 98 :
- 今日はお盆だから投下はさすがに無いだろう
と思いつつ、もしかしたらの可能性に備えてガ裸ッゾでト裸ンザム!!
- 99 :
- ト裸ンザムをさせてもらう!
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