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オレンジ


1 :2011/03/17 〜 最終レス :2013/06/05
俺んち

2 :
ピヤノ

3 :
しりとりか?

4 :
日本の皆さん!* 自衛隊が来てくれました〜!*
もう だいじょうぶで〜す!*  安心してくださ〜い!☆
だげと…自衛隊でも ダメだった…*
しかし! 日本の危機を救うために ついに! あの男たちが立ち上がった!☆
皆さん! ハイパーレスキュー隊が 来てくれました〜!*
もう だいじょうぶで〜す!*  安心してくださ〜い!☆
スゴイ男たちが見せる 巨大な興奮と感動!*
だげと…ハイパーレスキュー隊でも ダメだった…☆
次に 筋肉ババアが やってきた*
今回 救済にやってきてくれた永瀬美月さん(38才)は
歴代の筋肉熟女の中でも さらにキレた筋肉の持ち主です!☆
毎日のトレーニングで鍛え上げられた腹筋・背筋・上腕二頭筋!*
片手でリンゴを粉砕し つぶすほどの握力!☆
しかし、誰も この筋肉ババアには 期待していなかった…*
みんな、あきらめムードだった☆
この筋肉ババアは 細いチ●ポをちょっとマ●コに入れられただけで
「ダメぇ〜! こわれちゃう〜!」と泣き叫ぶほど 弱かった*
「てめぇなんかの出る幕じゃねぇ」「なに カンちがい してんだヨ!」
「こんなヤツ、ダメだ…」と 誰もがあきらめかけていた その瞬間!☆
ついに! 奇跡が起きた!!*
観衆から どよめきが起こった!!☆
筋肉ババアは観衆に向かって「行くぞ〜!!」とアピールした!*
筋肉ババアは観衆の反応をエネルギーに変えた!☆
そして、筋肉ババアが 叫んだ!
「これから! この私が! 日本を引っ張っていくぞぉ〜!!
 金の無いヤツは オレンチに 来〜い!!」*

5 :
果汁100%のオレンジジュースほしい

6 :
今日は何日?

7 :
僕は念動力を使うことができます。
最初は、紙みたいな柔らかいものしか曲げることができなかったけど、
最近では雷を曲げて国会議事堂のてっぺんを破壊したり、東京タワーを曲げたりもできます。
今はスカイツリーを曲げるために気を溜めています。
最近では念動力を使ったビジネスも展開していて、念動力でオレンジを搾った
念動力オレンジジュースを好評発売中です!
(でも、普通の小売店では取り扱っていません。
サイコワールドという別次元で発売中です。この次元にワープするには、伝説のマンホールの下の超磁力瞬間移動エレベーターに乗る必要があります。)

8 :
『それなんて、僕の「脚本作り(ブックメーカー)」?「大嘘憑き(オールフィクション)」は安心院さんに返却してしまい、事実上無用の能力ですが…。』

9 :
年賀状の配達は無事すんだかどうかわかりますでしょうか。

10 :
ヤミノリウスなら、オレンジはぎゅっと握り潰してから食べるんだろうね。
ギアスなら、ジェレミアとアーニャが心を込めて育てたオレンジが食べたい。

11 :
オレンジカードってまだあるの?

12 :
どうだろうな

13 :
おっさんか

14 :
「らしくない」なんてね 笑うのはやめて

15 :
『真夏の果実』
「かあさんっ!かあさんっ!」
英行少年は、そう叫びながら階段を駆け下りた。顔には満面の笑み。そう、今日から夏休みなのだ。
うれしさのあまり自分を抑えることのできない英行少年。
まさか彼がこれより十数年の後、あのような悲惨な最期を迎えるとは、今の彼を見ても誰も想像できまい。
窓から差し込む初夏の陽射しが、英行少年の若々しい頬を照らす。
「かあさんっ! ・・・ねえ、かあさんってば!」
英行少年はもう一度母を呼ぶ。母の返事が無いことにもどかしさを感じた。
そのまま階段を大きな足音を立てながら降りた英行少年は、母のいる台所の扉を勢いよく開けた。
そして彼は、予想だにしなかった光景を目にしてしまったのだ。
「…か、母さん?」
英行少年の笑顔は凍りついた。目の前の光景が信じられなかった。
台所の採光窓から差し込む朝日の中に母は居た。普段通り英行少年に優しく微笑みかけている。
しかし何かが違った。いつもの母とは、決定的に何かが。
「・・・英行。やっと起きたの、遅いでしょ?」
母の言葉も、いつもと変わらず柔和だった。そこまではいつもの母であった…しかし!
逆光の中で立つ母は全裸であった。
さらに驚くべきことに、母の股間には、黒々とした巨大なペニバンが巻き付けられていた。
20センチは優に超える巨大なシリコンラバーコーティングのディルド。
それは不気味に起立し、なめらかでかつ鈍い輝きを放っている。
爽やかな初夏の陽射しの中で、その存在感は明らかに異様だった。
母は食卓の椅子から立ち上がるとゆっくりと英行少年に歩み寄った。
歩みを進めるたびに母さんの股間に装着されたディルドが大きく揺れる。
「駄目じゃない、英行。もっと早く起きなきゃ。学校に遅刻するでしょ…」
母はいつもと変わらない笑顔で語りかけてくる。
しかし、笑顔で細くなった目から漏れる輝き…英行少年をおびえさせる何かがちらつく。
「で、でも母さん、今日から学校は…学校は夏休みだよ」
立ち竦んだまま英行少年は答えた。その声は震えている。
額にはうっすらと汗がにじみ出る。明らかに自分が緊張しているのがわかった。
気づくと自分の心臓が激しく動悸を打っている。
口の中に唾がたまり、英行少年は気になった。おそるおそるたまった唾液を飲み下す。
母はさらに歩み続ける。台所の床板がぎしっと軋む音が、ことさら大きく響く。
台所は無音だった。その無音の部屋の中で、母の歩む足音だけが、不気味に響き渡る。

16 :
母は英行少年の目の前で立ち止まった。
全裸の母は中年太りしていた。弛んでだらしなく下に垂れた乳房、ドス黒く大きい乳輪、丸々と迫り出した太鼓腹。
くたびれた中年女特有のくすんだシミだらけ肌は、どこか脂っぽい。
母の吐く息が、英行少年の頬を掠める。タバコのヤニのにおいが混じった生臭い匂いが英行少年の鼻腔を刺激する。
「そ〜う、今日は学校は夏休みなの…」
母はそう呟くと、もう一度大きく微笑んだ。英行少年の数センチの所で母の双眸が止まる。
英行の緊張を読み取ったのか、母はそこで一瞬真顔になり、直後に歯をむき出して笑った。
「ひいっ!」
英行少年は思わず悲鳴を上げた。母の、不気味に赤く染まった唇の間から、黄色く濁った前歯がギラリと光った。
犬歯はまるで猛獣のそれのように巨大に伸び、その先端は残酷なほどに尖っている。
そして英行少年をまっすぐ見つめる目。その目の輝きに尾崎少年は震えた。
母の双眸…それは赤く不気味に輝く魔物の目そのものだった。
「うっ、うわああーっ!」
英行少年は絶叫した。
同時に失禁してズボンとブリーフを汚す。膝がガクガクして全身が震える。
もはや立っていられなかった。崩れるように膝から床に倒れた。
いつの間にか大便まで漏らしていた。床には短パンの裾から漏れ出た大便が散らばった。
ついには英行少年は泣き出した。
そんな英行少年を、母は嘲るような目付きでを見下ろしていた。
そこには、あの優しかった母の姿は何処にもいなかった。
英行少年を、まるでくだらないものを見てるかのようにジッと凝視していた。
沈黙が支配する。その空気が重い。英行少年のすすり泣く声だけが、虚しく響き渡る。
突然、母は英行少年のシャツの胸倉を掴んだ。
「英行!貴様なにをしでかしたっ!このボケナスが!」
母は英行少年の胸倉をつかみ、引き上げると、思い切り床に叩きつけた。
その顔は赤銅色に染まり、怒気が溢れていた。
目は大きく見開かれ、殺気に満ちた視線が英行少年を睨みつける。
「…か、かあさんゴ、ゴメンなさいっ!ボ、ボク…あの」
英行少年は泣きながら謝る。しかし恐怖と恥辱で上手く言葉にならない。
すると母の握りこぶしが、英行少年の頬を殴りつける。
鈍い音とともに、英行少年は自分の前歯が砕けるのを感じた。
頬の内側が大きく裂け、塩っ辛い血が口の中に広がっていく。
その感触を確認する間もなく、再び母の拳が英行少年のこめかみを打ち据えた。
(殺される!)
英行少年はそう直感した。

17 :
するとどうしたことか、突然母の表情が変わった。今まで赤銅色に染まった表情が、スッっと平静に戻る。
英行少年から目線を外すと、そのまま虚空を仰ぎ見、何かを考えている。
(…な、何考えているの?母さん!)
英行少年は何か嫌な予感がし、不安げに母の表情を見上げる。
この沈黙そのものが、英行少年を恐怖に陥れた。
激しい痛みが英行少年を襲う。鼻からは鼻血が垂れ、口の中も唾液混じりの血で満ちてゆく。
痛みは激しくなる動悸とともに繰り返し英行少年を苛め、さらに痛みが増してゆく。
だが、だがそんな痛みなどもうどうでもよかった。
目の前に立ちすくむ母の存在そのものが、英行少年の幼き心を打ち砕いてゆく。
しばらくの沈黙の後、突然母は何かを思いついたらしく、ゆっくりと英行少年に目線を向けた。
「…床を掃除しなきゃね、英行。あなたが、こんなに汚しちゃったんだから」
全く抑揚の無い声で、母は言った・・・。

・・・英行少年は母の命令通り跪くと床に口を近づけた。
四つん這いの格好のまま大きく口を開けて舌を突き出す。
目の前には、先程自分が垂れ流した糞便が散らばっている。
英行少年は目をつぶった。悪臭を我慢しながら、口の中から舌を突き出す。ゆっくりと己の大便に、舌先を伸ばす。
背後から強圧的な母の視線を感じた。決して躊躇は許されない、そう英行少年は悟った。
意を決した英行少年は、舌先で大便を掬い取り、そのまま食べた。凄まじい悪臭で吐き気がした。
「オラッ!もっとちゃんと食べるんだよっ!モタモタすんじゃねえっ!」
母さんはそう叫ぶと、手にした革鞭で英行少年の丸出しの尻を思いっきりしばいた。
「あうっ!」
英行は悲鳴を上げた。尻の肉に鋭い痛みが走る。皮膚は裂け、その傷口から血が滲み出す。
そこを狙い再び母は鞭をたたきつけ、泣き出す英行少年の様を見ながら高笑いを繰り返す。
そんな痛みに身体を震わせながら、英行少年はもう一度床に口を付けた。
舌で己の糞便を掬い上げ、泣きながら嚥下した。
「…アハハハッ!この豚野郎、自分のウンコ食ってやがるぜ!アハハハハッ!」
母さんはなおも笑った。同時に右手で自分の股間に仕込んだペニバンの茎をシゴきだした。
「待ってなよ英行!全部掃除し終わったら、貴様の汚いケツを犯してやっからよっ!アハハハハッ!」
その間も英行少年は延々と床に散らばる自分の糞便を食べ続けた。
泣きながら、そして少し喜びながら。(了)

18 :
(1/2)
 【 創作文芸板の作家志望A氏 】
「ダメだダメだダメだ!これじゃあ、ダメだ!」
ハードファンタジー作家志望のAは、薄くなった髪の毛をかきむしりながら絶叫した。
「これではノーベル文学賞に送ったところで、誰も俺の高尚かつ気高い思想を理解してもらえない!」
Aの目は不気味なほどに見開かれ、血走っていた。完全に狂人の目そのものだ。
言葉にならない唸り声をひとしきり上げた後、Aは立ち上がった。
そして机上の原稿用紙をグシャグシャに鷲掴むとゴミ箱へぶん投げる。
「くそっ! また最初から書き直しだ!」
有りもしない才能を有ると勘違いし、決して見つからない才能を追い求めるA。
実は彼のような存在こそ現代社会におけるファンタジーなのではないか?
ところが数分後、Aはおもむろにパンツを下ろし、貧弱なRを掴んだ。
「とりあえず溢れ出る才気を発散させないと、ボクの内部で核融合爆発を起こしちゃうからな…」
訳のわからないことを呟きながら、Aは本棚の隠し引き出しから、彼の座右の書を取り出した。
それは幼女ロリ専門写真誌だった。Aはお気に入りの小学五年生の少女・絵梨ちゃんのページを開く。
まだ未成熟なその肉体の瑞々しさに、Aは溜まらぬ欲情を覚える。
完全に児童ポルノ規制に引っかかるご禁制を後生大事に抱えるA…そう、彼は童貞にしてロリなのだ。
「むう、た、堪らないナリ!」
亀頭の被った包皮を丁寧にむきながら、Aは自分のちんちんをしごき始めた。
頭の中で彼は、写真の中の絵梨ちゃんをひん剥いて裸にしていた…もちろん脳内の想像の世界で。
まだ僅かな隆起しか見せない絵梨ちゃんの両乳房を荒々しく掴み、乳首を舌でペロペロと舐める…妄想の中で。
恥じらいと不安な表情を見せる絵梨ちゃんを見下ろしながら、Aは嗜虐的に微笑んだ。
そう、絵梨ちゃんは、俺が開発してやるんだ。
この小娘を性奴隷にして、まだ見ぬ快楽の坩堝の中で甘美なリビドーの溺れるのだっ!
Aの右手はさらに激しく上下する。
カビ臭い四畳半の中で、Aの生臭い吐息が満ちてゆく。
快楽に顔を歪めながら、Aは笑った。その口元から覗く乱杭歯は黄ばんで虫歯だらけだ。
くすんだ素肌、緩みきった肉体、不潔さ漂うその容貌…そんな一人の醜男が今、Rーに浸っている。
それが作家志望のクズ人間、Aの現在の姿だった。

19 :
(2/2)
数分後、Aは華々しく果てた。
赤黒くひん曲がった貧弱なRの先端から、生臭い精液が飛び散る。
精液は勢い余って幼女の写真誌にまで飛び散り、恥ずかしそうな笑顔を見せる少女の写真に降り注いだ。
「ああっ!」
Aは慌てた。
彼にとって女神であり天使である絵梨ちゃんの御真影に、
汚らわしい精液が粘着してしまったのだ。
大急ぎでティッシュを引き出すと、絵梨ちゃんの写真にへばりつく精液を拭う。
ゴシゴシとこするが、粘ってへばりつく精液は、絵梨ちゃんの写真に染みこんでしまっており、中々落ちない。
一瞬、Aの脳裏に「もしかして俺、絵梨ちゃんに生で顔射しちゃったのかも!」という戯言が浮かぶ。
そのイメージに酔いしれ、萎びかけた自分のペニスが少し反応したのがわかった。
「そんなことより、早くザーメンを拭わないと、絵梨ちゃんの写真がヨレヨレになっちゃうよ!」
と、少し唾液で濡らしたティッシュでこすってみるが、印刷が少し剥げただけであった。
仕方なくAは雑誌を持ち上げた。そのまま絵梨ちゃんの写真を、舌でぺロリと舐め上げた。
自分の口の中に、自分の精液の生臭い臭いが充満し、Aは思わずむせ返る。
「もう、この際だから絵梨ちゃんを食べてしまおう」
そう思ったAは雑誌のページを破りとると、自分の精液の降りかかったそのページを丸め、口の中に放り込んだ。
良く咀嚼する…すると自分の精液の味に混じって、憧れの小学五年生・絵梨ちゃんの甘い味がしたような気がした。
そのページを丸呑みしたころ、Aは呆けたような笑顔でケタケタと笑いだした。
Aの苦渋の日々は続く…。(おしり)

20 :
 【 続・創作文芸版の作家志望A氏 】
ついに失業保険を打ち切られたAは、盛岡にある関東自動車工場のトヨタ車組み立てラインにつっ立っていた。
今はクレーンに吊るされ流れてくる未完成の車体に、よくわからない謎の部品を取り付ける作業をしている。
「あれ、ボクは確か、ノーベル文学賞を受賞してベストセラー作家の仲間入りをしているはずだったような?」
Aは首をかしげながら、手に取った謎の部品を車体に取り付けた。
まあ、記憶違いかな?と、醜い顔で少し笑ったAは、手にした部品をチラリと眺めた。
その部品は縦20センチ、横15センチ、高さ15センチほどの直方体をしている。
つや消しの色が塗られたその表面には「危険 取り扱い注意」という文字が書かれたラベルが貼られていた。
またそのラベルには髑髏のマークと、放射性物質を示すマークが描かれていた。
「ふーん、なんだか危なそうだなあ…」
そのラベルに書かれている内容をロクに理解できないまま、Aは嬉々として作業に没頭した。
何故って?他のラインの仕事よりも時給がよかったからだ。
通常のライン作業であれば、時給は僅か1000円ほどで、日研総業による中間搾取分を抜くと僅か時給550円。
しかし現在Aが就いたラインでの仕事は、時給で実に3400円と高額だ。
悪名高い日研総業の中間搾取分を差し引いても1800円。
これはAの人生の中でも最も高額であった。
週末、給与明細を見て大喜びをするA。
既に作家として印税生活することなど、忘れてしまったかのように。
もっともそんな夢など忘れてしまうほうがいいんだが。
各種手当ての欄に書かれた、「重度危険作業特別手当て」という文字の意味もわからぬまま、
Aはいつもより少し重めの給与袋を大事そうに懐にしまった。
しかもAにとって、もっと嬉しかったことがある。
給料が出るたびにAのところに毟りに来るヤンキー上がりの同僚が近寄らなくなったことだ。
それどころか廊下ですれ違っても、怯えたような表情をしてAに道を空ける。
ロッカールームも別室で、出入り口もまた別。
工場内の作業工程も完全に隔離され、最近では彼らに出会うことすら稀だった。
「いやあ、やっぱり幸せって誰にでも巡ってくるんだなあ…」
そう呟きながらAは、皮膚のアチコチにできた紫色の腫瘍をぽりぽりと爪で掻きながら笑った。
最近目眩が増えてきたのも、血便が良く出るようになったのも、今のAにとっては大して問題ではなかった。
目の上に出来た赤黒い腫れ物からの出血や、あごの端のリンパ節の肥大も大して気にならない。
「もしかしてボク、大金持ちになっちゃうかも!うふっ!」
不治の病に冒された病人を見るような周囲の目線も、今のAにとっては羨望の眼差しにしか感じられなかった。
結局、資本主義というのは、「馬鹿と鋏は使いよう」だということだ。
Aには未来はあるのか? そしていつかベストセラー作家になるという夢は叶うのか?(おしり)

21 :
         │ト、l、 /´, '`⌒'´ `ヽ: : .
          ヾヽ!lV/ / ,/ /  ,' ハ、: .
       ,ィニ≧ゝレ' / /  ,./   / , ハ : : .
      く<-‐7´ _」] l l/_,∠/   / / / い : : .
        ̄ノ/: :f r'l l /レ'/、_/‐ト'、/l| li l : : : : .
      . : {ハ : :|{(l|y==ミ   _ノ、/ソリ ll | : : : : :
      : : : :ヽヽ: :|、lハl、゙      ⌒ヾlノリ ll l : : : : : :
      : : : : : : : : V\ヽ、 `ー  ゛ノルんイリノ : : : : : :  
      : : : : : : : : : ,.--、_ハ`‐r=ニ--、′ノ. : : : : : : :
      : : : : : : : : /  /-ョロ'ヲ´   i l : : : : : : : : : :
      : : : : : : : 〈  ,ハフ'兀「     ! } : : : : : : : : :
      : : : : : : : : ヽ,   ト{‐lハ. ヽ ' ノ : : : : : : : :
        : : : : : : : 〈 ,  !{ソ   ヽl/|、: : : : : : : :   ,r-、
       : : : : : : `ヽ  V     j _ノ ,スヘ_ノ7--‐イ∧〈
          : : : : : : : { /     ,ハ、  _//く 〈 ___ r'九〈ハ.}
          : : : : : : :レ'    ' ,ハヘニイヽ_厂 、ノソト}〈V´
            : :_ノ‐- 、'  {∧ トヘ_「    {Y: :仔 之_
            〈l ̄>-、_ 丶レ^ヽ厂`    上l_:/Z/ソ‐′
        r个y'⌒ll_,/‐、;_,、ト、__ト、  ` ー/「>,、 └トf‐′
      {_Y^lヽ、,ど , ,  〈__j,ハ、) 、_イソ´`ヽヘ、ノ、lフ
      ヽ>ゝハ 〈ノ{ l! ハ_j人lJ  /ソ: : : . ノフく_.イ
       〉 〈、ソ´ UU     、ノ入 : :__rクー<__〉
      ∠__, 〈_⊥、′  i  _,rくソヽ√ヽフ

22 :
旧文明のAVを発見して電マ潮吹きやスカトロに目覚めた少女が究極の快楽を求めて旅に出る。
まだ見ぬ巨大なペニス「エクスかリバー」を捜し求めて、世界中の男たちとエロエロバトルを繰り広げるお色気ストーリー。
中々見つからない「エクスかリバー」。だが最後に主人公は愛のあるセックスに目覚めた。
そう、本当のエクスかリバーは貴方の身近にあったんです。それは愛する人のちんこなんですよ。完全18禁。

旧世界の少女型ヒューマノイド「南極2号」と邂逅した主人公。
ただのシリコン人形でしかないこの人形に恋をしてしまう。だが、周りはわかってくれない。
「そんなので自慰行為にふけってないでちゃんと受験勉強しなさい」と母親に怒られて引き離されてしまったり、
周りの同級生たちには「Rー人形」とバカにされたりと散々な目に遭う。
だが主人公は彼女との愛を貫こうとする。夜な夜な彼女のオナホールやR穴にちんこを突っ込んでは愛を確かめ合う。
そしてある夜、ついに彼女に人格が誕生する。
「今まで私のことを愛してくれてありがとう。でも私は穢れています。旧文明時代に散々男の慰み者になってたんですよ」
「それでもかまわないさ!俺は君が好きだ。君と永遠に一緒にすごしたいんだ!」
ふたりは永遠の愛を誓い合った。
それからしばらくして、精神病院に隔離されている主人公の姿があった。診断は統合失調症。
現実と妄想が全く区別できないという重症レベルであった。
だが主人公は幸せだった。隔離病棟の部屋のなかで、愛を誓い合った彼女と一緒にすごせるのだから。
誰にも邪魔されることなく。

23 :
旧世界の書庫から団鬼六の作品集を発見した主人公。
彼はこの作品の退廃的かつ官能的な倒錯美に感動を受ける。
主人公はもともと旧世界の移籍発掘調査隊に所属する学者であったが、
SMの道を追求するために、学者としてのキャリアを放棄する。
亀甲縛り、三角木馬、ろうそく責め・彼の唯一の理解者である恋人のS女王のとともに数々のSMを追求する主人公。
時にアナル開発で未だかつて無い快楽におののき。マゾ調教の苦しみの果てに至極の快楽の園の存在を知る。
こうして堅苦しい学者肌だった主人公は徐々にM奴隷としての本性を解放してゆく。
だが、こうした主人公の行為は、この現代文明において認められるものではなかった。
当局はこのような卑猥で野蛮な思想や行為を取り締まるべく、行動を開始したのだ。
官憲の手から逃げ出す主人公。そして悲劇は起きた。
彼の最大の理解者であり、彼の女主人でもあったS女王が、官憲の撃った弾に当たり、死んでしまったのだ。
主人公はS女王の死に慟哭する。官憲に取り囲まれる主人公。そして彼は死を覚悟する。
だがそのとき、主人公たちに理解をしめしたSやMの趣味に目覚めた地下活動家が彼を救出しに現れたのだ。
そう、主人公のSM趣味は、好事家たちの間で密かに広まり、官憲の目を盗んで多くの理解者を生み出していたのだ。
こうして主人公は九死に一生を得た。
だが、主人公は自分の最大の理解者であったS女王の死という事実を前に、ふさぎこんでしまう。
もうSMはやめよう、こんなことを始めなければ彼女も死ぬことは無かったのだと。
しかし主人公の前に一人の少女が現れた・・・それはS女王の妹だった。
少女は自分がどうやらMであるらしいので、主人公に調教してもらいたい、と願い出る。
躊躇する主人公。なぜなら主人公はMであり、Sではないのだと少女に言う。
だか、真性のM奴隷である少女は、主人公が実はMではなくSであるということを本能で見抜いていた。
そして少女は主人公に告げた。
「S女王姉さんさんの死は確かに痛ましいです。でも実はS女王姉さんさんは、Mだったんです。
主人公のあなたがSであるのに何故かMプレイに興味を示したので、姉さんはあえてS女王として振舞っていたんです」
主人公は驚愕する。そうか!そうだったのか!
その夜、主人公は少女(少女M)とM奴隷調教プレイを開始する。
そして主人公は自分の本性に目覚めたのだ。S趣味の男である自分に。
それからしばらくして、地下活動にいそしむ主人公の姿があった。彼はSM地下組織のリーダーとなっていた。
傍らには、彼のM奴隷となった少女Mの存在があった。主人公専属のマゾ奴隷。
主人公は少女Mとともに方々の地下劇場で多くの支持者たちを前にしてSMプレイを実践してみせる。
こうやって現代文明の中でSMプレイが着実に広まって言ったのだった。
だが、ついに官憲はSM地下組織のアジトを発見。主人公は官憲の手に捕らえられてしまう。
過酷な拷問を受ける主人公。だが最初Mとして調教してきた彼には、それすら快楽であった。
官憲は言う「全ての罪を認めよ。そしてSMは罪悪であると宣言し、SM地下組織の解散を命じろ!」
だが主人公は拒絶する。
「受け入れることはできない。人間は全てSMの気があるのだ。SMを罪悪と認めたら、それは人間の本性を否定することになってしまう!」
こうして主人公の処刑が決まった。
そして処刑の日。主人公は新ゴルゴダの丘を、巨大な十字架を背負って登らされたのだ。
主人公がよろめくたびに、鬼のような官憲が容赦なくムチで打ち据える。気持ちいい!
そしてついに主人公は十字架に掛けられる。
密かにSMを信奉しているものたちは、群集の中で涙に暮れる。
だが事前に主人公は彼らに告げていた。
「俺にとっちゃこの羞恥プレイは、究極のSMプレイなんだ、だから悲しむのではなく、うらやんで欲しい」
そうして彼は十字架に掛けられ、死んだ。
だが主人公の意思は、少女Mを中心としたSM地下組織たちによって各地に広まってゆく。
何度も弾圧されてもなお、SMを信奉する者は後を絶たなかった。
そして主人公の死から400年後、ついにSMは現代文明社会の国教となったのである。

24 :
旧世界の移籍から発掘された和式便器。だが現代の人間はこれの用途がわからず、戸惑ってしまう。
「これは一体なんなのだ?」
「乗り物ではないだろうか?」
「いや、これは帽子かもしれませんぞ!」
学者たちは議論を重ねるが、一向に真実は判明しない。
だが、一人の学者が珍説を唱えた。
「これは食器ですよ」と。
初めは回りの学者は取り合わなかった。
だが、彼はそれを学者たちの目の前で実演してみせたのである。
「いいですか、まず、一人の人間がここに仰向けに寝ます」
一人の男が仰向けに寝た。
「次に、この謎の物体の下の穴を、自分の口の中へはめこみます」
仰向けに寝た男の口に、便座の流出口はねじ込まれる。
「そしてもう一人が、この食器の上にお尻を出してしゃがみます」
別の男が、便座の上にケツを出してしゃがんだ。
「あとは上の男がうんこをして、このレバーを引けば、下の男の口の中に自動的に食べ物が流し込まれるのです」
この学者は未来のノーベル賞を受賞した。

25 :
(・∀・)ガリレオ!
( ゚Д゚)ガリレヨー!
(・∀・)ガリレオ!
( ゚Д゚)ガリレヨー!
( ゚Д゚)ガリレオフィガロー!
(・∀・)マグニフィコー
オ━━(・∀・)━オ━( ・∀)━オ━( ・)━オ━(  )━━(Д゚ )━━( ゚Д゚)━━!!
(;´Д`)アイムジャスタプーアボーイノーバディラブズミー
(;´Д`)ヒージャスタプーアボーイフロムポーファムリースペーリンヒズライフロムヒズウォッツコシティ
( ゚Д゚)イジカムイジゴーウィルユレットミゴ
(・A・)ビスミッラッ!
(;´Д`)ノー!
( ゚Д゚)ウィウィルナッレチュゴ
(・∀・)レヒゴー!
(・A・)ビスミッラッ!
( ゚Д゚)ウィウィルナッレチュゴ
(・∀・)レヒゴー!
(・A・)ビスミッラッ!
( ゚Д゚)ウィウィルナッレチュゴ
(・∀・)レヒゴー!
( ゚Д゚)ウィウィルナッレチュゴ
(・∀・)レミゴー!
(;´Д`)ネバネバネバネバレミゴー!
オ━━(・∀・)━オ━( ・∀)━オ━( ・)━オ━(  )━━(Д゚ )━━( ゚Д゚)━━!!
(・A・)ノー!(`Д´)ノー!( ゚Д゚)ノー!(´ゝ`)ノー!(#゚Д゚)ノー!(;゚A゚)ノー!(・A・)ノー!
(・∀・)ママミヤママミヤ
( ゚Д゚)ママミヤレミゴー
(・∀・)ビーヤーズブハズアデボプッタサイドフォーミー
(;´Д`)フォーミー!
(;´Д`)フォーミー!

26 :
【世界の概要】
鮮魚料理屋の生簀の中。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
間もなく裁かれる鯵。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
海で群れを成してスイスイ泳いでたところを捕まえられて水槽に入れられ、漁港直送で店に到着。
まだ腕の未熟な板前のつたない包丁裁きで、苦しみながら悶絶死。
【備考・要望があればお書きください】
素敵な美女に美味しく召し上がっていただいたのが唯一の救い。
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【世界の概要】
便器の中。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
うんこ。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
うんことして便器にひねり出され、その後おしっこを引っ掛けられ、挙句にケツを拭いた紙を投げつけられる。
散々な目にあった果てに、下水管に流されて死ぬ。
【備考・要望があればお書きください】
極太の一本糞だったのが、唯一の誇りだ。
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【世界の概要】
伝説の剣があり、様々な魔法が用いられ、モンスターやドラゴンが跋扈するハードな中世ファンタジー世界。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
ただの農民。それ以外なんの属性なし。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
ごく普通の農家に生まれてそのまま成長し、真面目に農民として地味に生活し、
近所に住む村娘と結婚して子供ももうけ、戦乱に巻き込まれることもなく平和裏に一生涯を過ごし、
家族に見守れながら安らかに死ぬ。
【備考・要望があればお書きください】
波乱万丈のドラマは一切なし。
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【世界の概要】
伝説の剣があり、様々な魔法が用いられ、モンスターやドラゴンが跋扈するハードな中世ファンタジー世界。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
辺境の森の中でひっそりと生活する温厚で平和的な野生動物の子供として誕生。
父と母の愛に包まれてすくすくと成長する。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
平和で穏やかな日々を過ごしていたある日、
突然伝説の剣を持つ自称勇者が彼らの生息地に乗り込み、「魔物退治」と称して彼らの群れを襲撃
その勇者のパーティーに参加している黒魔法使いや竜騎士やらの攻撃によって親兄弟を皆殺しにされ。
さらに伝説の勇者と抜かす狂った男の伝説の剣で切り殺される。
【備考・要望があればお書きください】
伝説の勇者はこの殺戮によってレベルUPを果たし、特殊技能「炎の魔剣」を使えるようになった。

27 :
【世界の概要】
伝説の剣があり、様々な魔法が用いられ、モンスターやドラゴンが跋扈するハードな中世ファンタジー世界。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
その世界で最大の国家の第一王子として誕生。もちろん王権を継承する第一継承権の持ち主。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
王となるべく帝王学を幼き日から学ぶ。戦いに赴き若くして武勲を為す。
国民全てが期待する若く勇敢な王子だった。
が、若干変態の気があり、
ある日王宮の浴場で肛門の棒石鹸を突っ込んで遊んでいたら、
直腸が裂けてしまい敗血症になってあっさり死亡。
【備考・要望があればお書きください】
その後、国王の地位にはまだ幼い弟王子が就く。
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【世界の概要】
伝説の剣があり、様々な魔法が用いられ、モンスターやドラゴンが跋扈するハードな中世ファンタジー世界。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
主人公は伝説的な勇者の血を受け継ぐ一族の末裔として産まれ、ある日突然世界を救う使命に目覚めて旅に出る。
時は乱世であり、解き放たれた古代魔法によって魔界の魔物たちが跋扈し、多くの国々が覇権を巡って戦い続ける。
そんな戦乱の世の中で、転生した魔界の王が現れ、この美しき世界を恐怖に陥れる。
主人公はそんな中で戦いを続け、仲間達と出会い、最後に魔王を倒して救世主となるべく戦いに身を投じることとなる。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
村を出た少年は伝説の剣を手に入れ、魔物たちを殺戮して経験値を積む。
途中で魔法使いや僧侶、騎士や没落貴族の若君と出会い、彼らと旅を続ける。
魔王の陰謀を知り、彼らはその野望を打ち砕くために、世界の混沌の中心・ネクロポリスへと向かう。
だがその途中で、魔王の腹心であり強力な時空魔法を用いる魔界伯爵と戦い、彼の魔法で別世界に飛ばされてしまう。
たどり着いた先は20世紀末の不況に喘ぐ日本。
そこで勇者は倒すべき敵を見失い、仕方が無くハローワークへ赴き、製造業の日雇い派遣の仕事で糊口をしのぐ。
だが、魔物を倒せば何故か金が手に入ったかつての世界とは異なり、ここではそんな簡単に金は入らない。
サブプライムローンで始まった世界同時不況の波が日本に訪れ、彼は生産調整に入った工場からリストラを宣告される。
路頭に迷った勇者は役所に生活保護を申請するも、そもそも戸籍がないため申請は却下。
ついに行き詰った勇者は残った金で酒を買い、近くの公園のベンチで飲み始め酔ってそのまま眠りこける。
翌朝、ベンチの上で冷たくなっている勇者が発見され、無縁仏として埋葬される。
【備考・要望があればお書きください】
元の世界では、魔王が遂に野望を達成し人間界を支配。
美女を侍らせ、人民を搾取、虐殺を繰り返し、魔界千年王国を築き上げる。

28 :
【世界の概要】
全面核戦争が起き、全ての人類が滅亡してしまった世界。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
たった一人残された人間。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
核シェルターから出て、生態系が完全に変わってしまった過酷な世界で必死に生き延びようと努力する。
ある日、何とか生きている人間はいないかと世界中を回る旅に出た。
放射能の影響で巨大化した昆虫や、かつての地球には存在しなかったような畸形生物たち相手に戦い、
主人公はそんな過酷な生存競争を必死に生き延びる。誰かがいるはずだ、という希望を胸に。
そしてついに、あるところで核シェルターを発見する。
生きた人間がいるのではないか、という期待を込めてその扉を開けるが…。
そこにはシェルターの中では外に出られないまま互いに食い合って死んだ人間の無残な死体が散らばるだけだった。
数十年後、老人になった主人公は、浜辺で夕陽を眺めながらゆっくりと死んでゆく。
彼の死によって、地球から完全に人類は姿を消し、滅び去った。
【備考・要望があればお書きください】
その後の地球は、新たに進化したゴキブリが支配。
高度な文明を築き銀河全域に支配圏を広げ、巨大な銀河帝国が完成する。
彼らは、浜辺で死んだ主人公の死骸に群がり、その脳を食って知識を受け継いだあるゴキブリの子孫であった。
そういう意味では、人類の英知は受け継がれていたといえよう。
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【世界の概要】
ある戦争の戦場の最前線で孤立した小部隊.
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
堡塁が突破できず、友軍から孤立してしまっている小部隊で、さらに敵の大部隊が戦線に近づいて来ている。
多くの砲が打ち込まれ、火薬と土煙が巻き上がる中、戦友たちが次々と被弾し斃れる。
自分は一兵卒として銃を持って敵を撃つが、何せ相手は多勢無勢。間もなく部隊は絶滅してしまいそうで…。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
そんな中、中隊長が自分を呼び寄せた「愛している。今だから君に告白したい」と中隊長は涙ながらに告白。
突然の告白に自分は驚くも、中隊長の熱き思いに心を打たれ、自分も実は中隊長に惚れていたことに気づく。
中隊長はポケットから指輪を取り出し「キミにはめて欲しい」と頬を赤らめながら差し出す。
気づくと自分の目から滂沱の涙が溢れ、「ちゅ、中隊長!」といいながら中隊長に抱きつき、キスを交わす。
戦友たちの祝福の中、生き残った従軍牧師の下で自分と中隊長は結婚式を挙げ、ついに結ばれる。
その瞬間、敵の戦車砲が塹壕に直撃し、自分も中隊長も、戦友たちも全員戦死する。
【備考・要望があればお書きください】
もちろん女なんか一人もいませんよ、ええ。

29 :
【世界の概要】
一枚のパンティー。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
高級ランジェリーショップで売られている、新作のセクシーランジェリー。
この春の新作で、オーソドックスなデザインを基盤にしながらも、女性のウェストラインを際立たせるカットが売り。
比較的高価であるも、同種のシリーズの中でも売れ行きが好調。
そしてある日遂に、素敵な女性があなたを購入。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
普段キャリアOLをしている彼女のお気に入りのパンティーとなり、時折彼女の股間を覆う栄誉ある任務を務める。
もちろん彼女は履く時に、ラヴェンダーの香水をシュッと一振り。
時折蒸れることがあるも、彼女の素敵な花園を大切に大切に守り、洗濯用ネットで丁寧に洗濯してもらう幸せな日々。
だがある時、彼女には彼氏が出来る。勝負パンツとしてあなたは彼女の股間を守る立場に。
複雑な思いを抱きつつ、彼女の股間の最終防衛ラインを担ったパンティだったが…
彼氏とのベッドインのさい、興奮したその彼氏は彼女の股間からあなたを強引に引き千切り、あなたは破られる。
結果、彼女の花園は男の欲情で穢れ荒らされる。が、彼女はその男の荒々しい愛撫を受け入れ、幸せを感じる。
薄れゆく意識の中で、あなたは男に抱かれた彼女の快感に酔いしれる表情を目にする。
「幸せにね…」そう呟いたあなたは、ゆっくりとパンティーとしての生涯を閉じてゆく。
【備考・要望があればお書きください】
セックスの後、彼女は大切にしていた自分のパンティーが破られて床に丸まっているのを発見。
少し惜しい気持ちが湧いたが、「また買いなおせばいいかな」と呟き、少し悲しげに微笑む。
そして笑顔のまま永劫の眠りに就くあなたを手にすると、優しくゴミ箱へ放り込んだ。
なお、彼女はこの男と1年半ほど交際したのち結婚し、一男一女を儲けて76歳で死去。
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【世界の概要】
人間の大腸。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
あなたは腸内細菌として、ご主人様の食べた食べ物を消化分解し、腸内環境を整える仕事を日々こなす。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
毎日一生懸命腸内で頑張っていたのだが、ご主人様の最近の不摂生で腸内に悪玉細菌が増加。
あなたたちのような健全な腸内細菌たちが脅かされ、悪玉細菌が我が物顔で跋扈するようになる。
そのうちに腸内の悪玉菌支配も着々と進み、このままでは腸内環境が悪化し、便秘となってしまう。
「頼む、ビフィズス菌をもっと食べてくれ!」「オリゴ糖を!オリゴ糖を送ってくれ!」
仲間の善玉菌達は悲痛な叫びを上げ、あなたの目の前で死んでゆく。
「この世(腸内)に神はいないのか!」と、遂にあなたは神に向かって叫んだ。
そのときだった。突然腸内に、肛門、直腸方向から大量の水が流れ込んできた。大量の生理食塩水だ。
「な、何だこれは!」
と、叫ぶ間も無く、その大量の生理食塩水は腸内全てを満たす。
善玉菌、悪玉菌、宿便や腸内廃棄物全ては、その区別なく激しい奔流になかに飲みこまれていく。
それは神の罰だ。遂に神の罰が下ったのだ。
薄れゆく意識の中、あなたは腸内の全ての穢れが洗い流され、清められてゆくのを目撃する。
「ああ、遂に、遂に天国は近づけり……」
そう呟いたあなたは、ゆっくりと生理食塩水に飲み込まれ、流されてゆく。
そのまま腸内を満たした生理食塩水は、全てを孕んだまま肛門から溢れ出て、トイレの便器に吐き出されていった。
【備考・要望があればお書きください】
茉莉子は彼氏とのアナル浣腸プレイで実に10日ぶりの排便。
便秘が解消されて大満足後、彼との濃厚なエッチで何度も絶頂に達し、素敵な夜を過ごした。

30 :
【世界の概要】
睾丸および子宮
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
精母細胞から細胞分裂して生まれた精子。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
激しいセックスの末、共に生まれた仲間達とともに勢いよく噴出。
尿道を伝い、熱い子宮の中に解き放たれる。そこから戦いは始まった。
「異物侵入だ!」と警戒した女体の免疫細胞たちが、子宮内粘膜から現れて次々と攻撃。
多くの仲間達は免疫細胞たちに捕らえられ、食われてゆく。
それでもあなたは屈しない。生き残った仲間達とともにさらに奥へと進む。
そう、運命のあの卵子と出会い、一つになるためだ。
遂にたどり着いた子宮の奥。そこには煌めくばかりの魅力を放つ卵子が鎮座。
生き残った精子は数千万。卵子は一つ。今まで染色体を分け合った仲間達が、その瞬間に敵となった。
「うおーっ!」と声を上げて殺到する精子たち。そしてついに、ある精子が卵子の元にたどり着き、その胸に抱かれた。
ああっ、全てが終わった。あなたは受精卵を目の前に、遂に力尽きる。
薄れゆく意識の中、受精卵が着床し、ゆっくりと細胞分裂を始めるのを見た。
「幸せにな……赤ちゃんとして無事生まれて、精一杯長生きするんだぞ」
そう言ってあなたは、追いかけてきた免疫細胞に捕らえられ、無残に引き裂かれて死ぬ。
【備考・要望があればお書きください】
中出しセックスで望まぬ妊娠をしてしまった女は、妊娠発覚の後に彼氏に伴われて産婦人科へ直行。
そこで堕胎手術を受け、新しい生命はこの世に生まれ出ることなく、消されてしまう。
「こんど発射するときは、アナルで出してね」と彼氏に言う女。
そんな女に対して、「顔面にぶっかけてやるよ」と答える彼氏。
あなたの兄弟たちの受難は今後も続く。
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【世界の概要】
伝説の剣と様々な魔法が用いられ、モンスターやドラゴンが跋扈するハードな中世ファンタジー世界。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
その作品を書こうとしている作家。
血湧き肉躍る波乱万丈のハードファンタジーの完成を目指し、ロクに仕事もせずに実家の四畳半でシコシコ。
パソコンでエロ画像検索してRーしたり、エロ動画をダウンロードしてRーしたりする日々。
もちろん作品構想もいい加減で、作家の能力なんてまるでない。
辛い現実から逃避するために、「有名作家になりたい!」「こんなファンタジーヒーローみたいにかっこよく生きたい」
とかそんな非現実的妄想に浸る日々。
ついに失業保険が打ち切られ、それでも仕事もなく、もはや尻に火がついた状態に。
親に泣き言言って金を貰ってラノベ大賞に自作の自慢のファンタジー小説を送りつける。
これで俺もラノベ作家だ、アニメ化されたりして有名作家の仲間入りだ、獲らぬタヌキの皮算用。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
だが、大賞を獲るどころか一次審査で下読みに呆れられ、数ページ読まれただけでゴミ箱行き。
痛い中学生でももっとマシなの書けるぜ、というレベルの稚拙な作文など、資源の無駄遣いに過ぎんのよ。
だけど本人の中ではいつの間にか自分がヒットメーカーになってる。
ついに大賞発表の日、当然だが自分の名前は載ってない。
そんな馬鹿な、そんなはずはない!そう憤った貴方はぶち切れ、編集部の抗議の電話。
適当にあしらわれて切られると、今度はその出版社に出向く。
玄関で警備員に制止され、「審査員を呼べ!審査員を!俺の作品ちゃんと読んでんのかよ!」と絶叫。
そのまま警察に連行される。
【備考・要望があればお書きください】
馬鹿みたいな夢見続けてないで、作家の夢なんか諦めろって。
お前らには無理だよ。

31 :
【世界の概要】
現代の日本。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
在日朝鮮人の家に生まれるも、家族は既に通名を名乗り、通常の日本人を装って生活している。
そのため自分が在日朝鮮人であることを知らずに育つ。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
2ちゃんねるなどに没頭し、嫌韓に目覚める。
戦後の自虐史観に毒された言論風潮に憤りを覚え、左翼言論を繰り返し宣伝する朝日新聞やTBSを批判。
従軍慰安婦問題や、植民地支配の問題について、韓国や朝鮮に謝罪する必要などないとの意見を持つ。
また日本人女性を貶める内容の記事を海外に発信し続けた毎日新聞に対しても抗議の電話を入れる。
狂信的ネトウヨとしての思想を育みながら、青春時代の人格形成がなされた。
教育勅語を暗誦し、神州思想に没頭、学校にもたまにしか行かずに日本人の精神の追及のために日夜思索を続ける毎日。
ところがある日、父親が苦労して入学させた私立中学校の修学旅行でオーストラリアに行くことが決定。
今まで何故か海外に出た事がなかったため、初めてパスポートを取得することになった。
日本の法務省外局に出向いて書類を作成しようとしたが、何故かパスポート申請却下。
理由を尋ね、そこで自分が日本国民でないことを生まれて初めて知る。
泣きながら家に帰り、オモニに文句を言う。オモニが「仕方が無かったのよ」と泣き崩れるのを見て、遂に火病。
オモニを力いっぱい殴りつけて昏倒させ、オモニはそのまま脳内出血で死亡してしまう。
気が動転してしまい、気持ちを落ち着けるために台所にあったJINROをボトル一気呑みするが、
それがスイッチとなり、ついに民族病でもある火病が大爆発し、高校から帰宅した姉を無理矢理強姦する。
泣きながら抵抗し大騒ぎする姉を絞め殺し、さらに屍姦を繰り返す。
近所の人が騒ぎを聞きつけ、警察が駆けつけるまで姉の屍を犯し続け、遂に緊急逮捕される。
その後、少年鑑別所の独房に入れられ、アイデンティティーがゲシュタルト崩壊を起こし、首吊り自殺で死亡。
【備考・要望があればお書きください】

さてどうしようかね。

32 :
【世界の概要】
伝説の剣があり、様々な魔法が用いられ、モンスターやドラゴンが跋扈するハードな中世ファンタジー世界。
【そこにおける自分の社会的地位と周辺事情】
主人公は郊外の住宅街で生まれ育ち、現在は地元の県立の商業科の高校二年生。
父は地元の機械部品工場の工員。母は地元のスーパーマーケット「サニーマート」の惣菜コーナーのパート勤めの主婦。
いよいよ来年受験若しくは進学という時期になり、とりあえず地元の私立大学への進学を目指す主人公。だが両親は渋い顔をする。
我が家ではそんな経済力は無い。地元の国立大学なら進学を許すが、そうでないなら早めに就職して欲しいと主人公に懇願。
高校の成績も思わしくなく、求人票を元に地元の企業に履歴書を送るも、なしのつぶて。
同級生たちが次々進路を決定し、唯一の親友といえるヲタの友達も地方二種公務員試験にあっさり合格(主人公は落ちる)。
唯一の友人を失い、ヤンキー連中にいじめられ、馬鹿にされる日々が続く(ヤンキー連中も進学、就職はほとんど決まってる。)
このままじゃもうデッドエンドだ。どうしよう。もう俺、駄目かもしれない。
同じ遺伝子を受け継いだとはとても思えない一つ下の弟は、ルックス抜群、成績優秀、運動神経も素晴らしく、
主人公よりも先に凄い美少女の彼女と付き合いだし、兄より先にとっとと童貞喪失。
さらに大手予備校の特待生として無償で東大文系クラスを受講し、偏差値70台をたたき出している。
そんな優秀な弟を尻目に、主人公は青年漫画に掲載されたピッチピチのアイドルのグラビアを眺め、Rー三昧の毎日。
現実は厳しい。というかほとんど終わってるよあんた。このままでは高校卒業とともに無職ニートになってしまう。
ああ、俺はどうすればいいんだ。誰か助けてくれ。
【どうやって育ち、そして人生を終えるのか】
ある朝ふと目覚めると、主人公は剣と魔法のファンタジー世界にいた。
伝説の剣を帯びた勇者に生まれ変わった主人公は、そこで様々な冒険を繰り広げる。
忌まわしきモンスターたちとの死闘、悪の魔法使いとの壮絶な戦い、麗しき美女との恋。
いつしか主人公は、世界を破滅に導く魔王を打ち倒し、このファンタジー世界を救った救世主としてその名を轟かせた。
ファンタジー王国の国王に就任した主人公は、その後数々の良策を実施し、民を救い、名君として慕われた。
傍らには絶世の美女たる王妃が、王たる主人公を支え、ついでに素晴らしいセックスのパートナーだ。
しかも子孫をたくさん残さなきゃならないので、王妃公認の元で後宮を造り、3000人の美女を侍らす。
さらに敵対していた悪の帝国との戦争でも、圧倒的勝利を収め、遂には世界を統一。千年王国を築き上げた。

【備考・要望があればお書きください】
父と母、弟は、病室に呼ばれた。主人公は今、意識不明の状態で病室のベッドに横たわっている。
自室でロリータ系アイドルの水着グラビアを眺めながらRーに励んでいた主人公。
児童ポルノガチガチの小娘を脳内で裸に剥き、思う存分いたぶるイメージに、興奮が異常なまでに高まった。
「ああ、たまらないよ! たまらないよ梨香ちゃん!」己のちんこをこする右手が激しさを増す。
「ああいっ! イクッ!」遂に、絶頂を迎えた主人公。その瞬間だった。
あまりの興奮で増大した血流量が、脳内の大事な血管を圧迫。耐え切れずに遂に破裂、脳梗塞を引き起こした。
数時間後、夕食に降りてこない主人公を心配した母親が、主人公を発見する。
ロリータ系エロ本を前に下半身丸出しで横たわっているという、実に情けない姿で。
救急車が呼ばれ、市民病院に運ばれて緊急手術。だが時すでに遅く、主人公は植物状態になった。
「今後の治療方針は、人工心肺装置での生命維持となります」と医師がクールに告げる。
出来の良い弟は、情けない兄を、たまたま視界に入った汚物を見るような目で眺めた。
こんな兄なんぞ死んだ方が良かったんじゃねーの、そう思った弟は、廊下に出た。
凄い美人の彼女と携帯で会話し、明日のデート(&セックス)の約束を取り付ける。
両親もまた、目の前に横たわる冴えない長男を、虚ろな目で見下ろした。
「どうせなら、このまま死んでくれればいいのに……」母はそう呟いた。父は無言のまま、愚かな息子を見下ろした。
窓から差し込む夕日が、徐々に明るさを失ってゆく。間もなく、夜が来る。

33 :
                   /`:ー=、二 ..ー...、
               「 ̄ ̄ ̄:.`ヽ:..:..:...:.\:.:.:.:.:.\
              __j\:...:ヽ:.ヽ:...:...:..:ヽ:...:.:.ヽ、-、:ハ
             }:..:\ヽ:..:.l:...ヽ:.、:ヽ:..l:.l:.ヽ:.レ\ヽ!
             ハ:...トヘト:...:l、:.,.lLA:A:.ト:|:...:ト|_:.:イ:丶ヽ
            ,小:.ヽ:ヽ ヽ:|ヘ:.「l「_⊥.!_:.:...l|:__:/:.:.:.lハ:|
           /:...:.ト:./´:ヽ  | ーチィて::ル'l...:.!⌒}l:..:.小 }
           l:l!:.|:..l:.ヽ:ト,≧、 ´ ヾ:斗:|:....|_ノ:|:./::.|:.l
           lハ{ヽト.:ト.代:z〉    ´  .!:|..:..|:.:...|/:.:.:.:|:.
           |ハ{ヽトトヽハ´ ` _._-ノ  ノイ:...:!:.l...!:.:.:.:.:.| l
           |   ヽトトヽ ト...      /...:.l:.:l...|:.|:.:|:.:.| l:..l
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                /⌒`丶ノ  /~""'''‐- i:.:.:\:.:.:.:.:ヽ
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          /´     ニ二ヽヽ   '⌒_ー‐{{l__,: ォ‐、:::::: :: !
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         ',        l    ::(_::   ``ト、   |   !:::/
           ト、__   __,ノ !             !     |  |:::{
          | /  ̄     ヽ         ノ|     |  !:::|
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          l     l                ヽ:::ヽ、
           |             /    ヽ:l:::}
           |           /         l|::|
           |   \       /           !ハ
           |    \       /

34 :
遠くから響く銃声を耳にしながら、俺は窓の外の景色を眺めた。
暗い曇天の空から冷たい大粒の雨が降り、普段は鮮やかに見える峰が霞んでいる。
テーブルの上に死にかけたゴキブリが這い回っている。
俺はテキーラのボトルを手に取ると、それをそのままあおった。
間もなくだ。間もなくここに奴らが来る。それは誰にも止められないのだ。
消えかけたランプの明かりが、部屋の中で揺れ動き、スザンナの影を揺らす。
彼女は乾いた瞳のまま、天井を見上げている。
心は既にここにはない。遠くどこかに捕らえられ、戻るべき場所を見失って久しい。
俺はライフルを手にした。これだけが血路を開く相棒だ。
ここから脱出しなければならない。そう、もう奴らは間もなくここにやってくるのだ。あとわずかの時間で。
ケントはオブジェリチ3番街の交差点で歩哨に立っている。
彼からの無線が着次第、俺たちはすぐさま出立しなければならない。
おそらく今夜だけが、ここから脱出できる最後のチャンスだ。
これを逃してしまったら、次の機会まで我らは生き残れないであろう。
俺は立ち上がった、そのまま窓辺に近づく。窓の桟に転がる蛾の死体を手で払い、カーテンを空ける。
眼下には、ツスリム通り、その向こうはツスリム河。川面には、既に腐りかけた死体が幾つか浮かぶ。
エドワード、クンツ、マリア、タイレルの死体も、そのまま放置されている。頭蓋骨を砕かれたまま。
再び遠くで銃声が響いた。今度は数発、おそらく夜を待たずして出てきた奴らだろう。
サンドとゴドノフがいる東4番街の方だ。おそらく彼らの方角は、もうふさがれている。
俺は窓辺からもう一度ツスリム河を見た。破壊された鉄橋の鉄骨が、まるで爪のように虚空を貫く。
スザンナは部屋をゆっくりとうろつく。目は焦点を結んでおらず、相変わらず何も映し出していない。
俺は彼女の方に近づくと、肩を優しく抱き寄せた。強く触れれば壊れてしまいそうな細い肩が、僅かに震えている。
汚れたブロンドからは、うっすらと汗の匂いが立ち昇る。俺はその中に鼻先を埋め、軽くキスをする。
今夜、スザンナは俺の手で殺さねばならないのだ。彼女の頭を打ち砕き、完全に殺害しなければならないのだ。
それはスザンナにとって救いなのかも知れない。もはや決して戻ることの無い、スザンナの精神。
死は、時に救いとなるのだ。
銃声が散発的に響くようになってきた。まもなく夜が来る。それは長い夜だ。
俺たちの中で一体何人生き残れるか、それはもう分からない。
絶望も長く付き合うと無感覚になれるのだ。
それまでは散々逡巡しようとも、変えられない運命は受け入れるしかない。
でなければ取り乱して、不様に死ぬだけだ。

35 :
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           ,イ  / ト  , -/  l    l   ',ヽ
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              ノ l    l  /  l   /   ノ l  l
             l  L   l く_ノ l  /  /  ノ   \
             l ノ l   l     !  /   ',       ',
             し〈ヽl   \     /     ヽ\ 、.ソ
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36 :
・・・プレハブ小屋の周囲で、何台もの車が停車する音がする。
タイヤが砂利を噛み、おそらくは白褐色の土煙を上げながら。
同時に車の扉が開く音、トランクから何かを運び出す物音がする。
車から降りてきた男たちは、何か叫びながら駆け回っている。
おそらくは十人以上、もっといるかもしれない。俺は拳銃の銃把をグッと握り締めた。
S&Wリボルバー、357マグナムホローポイント弾が六発。胸ポケットにさらに十二発。
脇にあるのはレミントンのショットガン。鹿撃ち用の散弾が、装填数五発、その他に九発。
絶望的だな、と思った。心拍が高鳴るのを感じた。
俺はしゃがみ込み、書類の詰まった棚の脇に寄りかかる。ブラインド越しに差し込む午後の日差しが、やたら眩しい。
銃を握り締める手は震えてた。なぜなら、確実に殺されることが分かっているからだ。
アドレナリンが分泌されているのがわかる。額に汗が浮かび、口が渇いてゆくのも分かる。
ほんの僅かだが尿意を感じた。ここまで差し迫った状況で、それは滑稽に思えた。
今、尿意を開放したところで、おそらく十分後には俺は生きてないだろうから。
そうなのだ、もしかしたら数分後に、俺は死んでいるかもしれない。
なのに、今のこの時点では、俺は全くの五体満足なのだ。
どこにも病は無いし、きわめて健康で、若さと精気に満ち溢れている。
何事も無ければこれからも何十年と生き延びられるだけの生命力溢れた若き肉体なのだが・・・。
死は目前に迫っている。それは確かだ。
テーブルの上には、既に事切れたマサユキが横たわっていた。
目をカッと見開いたまま、顔にはまだ汗を浮かべながら。胸から腹に掛けて、大量に血を流したまま。
昨日腹を撃たれるまで、マサユキも元気に跳ね回っていたんだよな・・・。
だけどマサユキは、もう飯を食うことも、女とやることも、バーサーカーでラリってタコ踊りすることもない。
少しずつ腐ってゆく、ただの肉塊だ。まあ残念だなマサユキ。つか俺も結構ヤバイんだけどね。
タケシもコウジもみんな夜のうちに逃げやがって薄情なやつだ。
つか、賢いって見方もあるがな、眠りこけてた俺は全然気づかなかった。
外で砂利を踏みしめて走り回る足音がした。
やつらが一気に突入しないのは、こちらが武装してることを知っているからだ。
もう残弾数は、これっぽっちしかないんだけど。
やつらはタケシもコウジも逃げていないことも、マサユキが死んでついに俺一人になってしまったこともまだ知らない。
だから警戒している。そりゃそうだ。こんな腐れガキ二人を始末するのに、怪我したり死んだりしたくないもんな・・・。
・・・再び尿意を感じた。
くそっ! と俺は罵る。今度は差し迫ってる感じだ。
これから殺されるってのに、肉体はとても健全に機能している。
精神の認識と、肉体の認識は異なるんだな。精神の方では、確実な死を既に知覚している。
肉体の方では、自分が死ぬなんてこと思ってもいやしない。
というか肉体はそういうのを自覚する意識などないんだろうが。
意識するのはそもそも精神の方だし・・・とかなんとか。
で、この後に及んで、その肉体の方が激しい尿意を俺に訴えてきやがる。
俺が殺された後、外にいるやつらはションベン漏らしてる俺の死体を見るだろう。
そしてあざ笑うだろうな、こいつ、ビビりまくって死んでやがる! 情けねえ! とかなんとか・・・。
何かくやしかった。
そんなことを考えている間も、俺の膀胱は激しい尿意を訴えかけてくる。
早く開放してくれ! 早く俺を楽にさせてくれ! と。
それはむしろ、俺自身が今言いたいことなんだよ。それこそ絶叫したいくらいにだ。

37 :
「くそっ!」俺は罵った。
誰に罵ったかだって? 知るかそんなこと。
俺は銃を握り、ついでにショットガンを抱え、床を這い始めた。
プレハブ小屋の隅にある、トイレの方へ。
同時にやつらが小屋をぐるりと取り囲んだ気配がする。
まもなく突入してくるだろう。・・・いや、やつらは問答無用に撃ちこんでくるだろう。
俺みたいなガキなんぞ、いちいち捕らえてどうこうするわけないもんな。
ゆっくり、物音を立てずに。姿勢はなるべく低く。死が確実なのに、俺はまだ必死に生き延びようとしている。
弾丸に当たらないように頭を下げるのも、膀胱が尿意を訴えるのも、俺が生きたいと思ってる証だ。
床を這うときに、太ももが床の砂埃をジャリジャリと擦る音を立てる。そのほんの僅かな音すら、いらだたしく思う。
やつらに聞こえたら、中での俺の居場所が分かってしまうだろ! 俺は小さく舌打ちをした。
マサユキがくたばったテーブルの横を這う。
マサユキの腕がだらりと、机の端からたれていた。乾きかけた血がべっとりこびりついている。
力ないその腕は、年頃の青年らしい艶をまだ残していた。
色白で細く、青い血管が数本浮き上がった腕は、手首に奇妙な幾何学模様のタトゥーが施されている。
今まで、マサユキの腕なんて普段はそんなにマジマジと見たことなどなかった。
マサユキが死んで初めて、俺はこいつの腕を間近に見た。
何度か殴り合いのケンカをしたことがあるが、この手で俺の顎を殴りつけたこともあったな、と思い出す。
たいていケンカは俺が勝ったんだが、正直俺たちは二人ともケンカは弱いほうだったな、そういえば・・・。
俺はそのマサユキの手の下を潜り抜けて進み、ついにトイレの扉の前まで来た。
膀胱の方といえば、尿意がさらに高まり、一刻も早い開放を訴えかけている。
俺は顔を顰める。すると額にたまった汗が、俺の鼻筋を伝い、唇のところまで流れてきた。
舌先で汗のしょっぱさを少し感じる。
ションベンもこうやって汗で全て流れ出てくれりゃ楽だったのに、と思った・・・馬鹿げてることだが。
ところで一体やつらは何をしているのだろう。小屋の壁の向こうで、何やらガヤガヤと騒いでいる。
もうとっくに突入してもおかしくはないだろうに。やはりこちらが銃を持っていることを警戒しているのだろうか?
俺は床から手を伸ばし、トイレの扉の取っ手を掴んだ。きつい姿勢のまま、その取っ手をゆっくりと廻す。
カチャリ、という音が、沈黙する部屋の中でことさら大きく響く。俺はまた苛立ち、チッ! と舌打ちをした。
ゆっくり、ゆっくりと身を起こす。膀胱がしびれるような尿意が、姿勢を変えるたびに俺を苛める。
くそっ! よりにもよって何で今なんだよ!
だが、結果として、このションベンが俺の命を救うことになるとは、この時はまだ気づかなかった・・・。
・・・トイレの中で、俺はゆっくりと立ち上がる。壁にもたれながら、ゆっくりと。でも尿意は俺をせかす。
それだけではない、やつらがいつ攻撃を始めるか分かったもんじゃない。
ドアを閉めようとして思いとどまった。何というか、逃げられなくなってしまいそうな気がしたからだ。
確かに俺はもう逃げ場がない。外の世界へと脱出できる見込みなど、もう無いんだ。
でも人間は絶望の中でも見せかけの希望みたいのにすがるんだよ。
もしかしたら「何かあって」逃げられるかもしれないとか。根拠など全然無いんだが、そう思いたいんだ。
だからちょっとだけ扉に隙間を残した。と、いうよりも、死に場所がこの臭い便所ってのが嫌だったんだろうな。
マサユキですらテーブルの上で死んでるってのに、俺は臭い便所の中ってのは不公平じゃないか・・・。
・・・ベルトを外す。バックルの金具がカチャリと音を立てるたびに、俺はビビリまくる。
静かに、ここに居ることを悟られるな! そんなこと自分に言い聞かせて。
アルミの格子が嵌まった窓ガラスは、いわゆる曇りガラスで外の様子はわからない。
むやみに眩しい西日が、窓から差し込む。
この窓の外には青空が広がっているんだろうな。
そこは空気が澄んでいて、鳥なんかは何事も無いようにチュンチュン鳴きながら飛び交ってるんだろうな。
俺は恨めしく、その窓をにらみ、同時にズボンとボクサーショーツを下ろすという器用なマネをした。
しかも音を立てずにだ、十分後にはおそらく何の意味の無い行動になってるんだろうけどさ。
自由というやつのありがたみが、これほどひしひし感じ取れたことなかった。
畜生! と罵りたい気分だった。怖くて悔しくて目に涙が浮かぶ・・・。

38 :
・・・いよいよ俺は自分のチンポを引っ張り出した。
濃く生える陰毛の中で、本日のチンポさまは殊更小さく縮こまっていた。まあ普段も控えめなサイズなんだけどな。
今は俺の心情をそのまま表しているかのように、可愛らしく身を竦ませてやがる。
俺はちょっと笑った。目に涙を浮かべながら、ほんのちょっとだけ。
バカみたいだな。別に何が面白いってわけでもないのに・・・。
便器にチンポを向ける。和式のそのトイレの、水のたまったところを避けるように、チンポの狙いを定める。
今や破裂寸前となった俺の膀胱さまは、たまりにたまった尿を搾り出そうと痙攣を始めた。
さあ、いよいよだ!
俺はついに、水門を解き放った。途端に熱く黄ばんだ液体が迸った。
凄まじい勢いであった。飛沫を飛ばしながら、黄金色の放物線が白い便器にぶち当たる。
俺の股間を圧迫していた圧力が、徐々に緩んでゆく快感に、「・・・あ、ああ〜っ!」と思わずため息が漏れてしたった。
至福のときだった。おそらくあと数分後に死ぬってのに。
だが、俺は笑顔だった。尿はたっぷりとたまっていたらしく、勢いが全く衰える気配がない・・・。
・・・すると背後で、ゴトリ、という音がした。
尿が便器に当たる音に混じって、その音が俺の鼓膜に届いた。
プレハブ材の軋みか何かだろう、と早合点しようとした。
だけどさ、よく考えてみたら、俺は殺し屋十人くらいに囲まれてるんだよな。
さらに今度は、ゴンッ! ゴトリ! ゴロゴロ・・・という嫌な音が続く。
俺はションベンをジョロジョロと放出しながら(だって一向に止まる気配が無いんだもん)少し首を後ろにひねる。
トイレのドアの隙間から、トイレの前の床を見た・・・手榴弾だった。
俺はとっさにトイレの取っ手を掴み、そのドアをバタンと閉めた。
我ながらびっくりの行動だよ。結局これが生死を分けたんだと後で理解したんだがね。
もちろんションベンは出たまま。直ぐに熱い液体が俺の太ももをぬらし、ソックスやブーツの中に染み入った。
うわっ、やべえ!(色々と)、と思った瞬間だった。
ドバンッ!という鼓膜がぶん殴られたような音と共に、俺は吹っ飛ばされていた。
巨大なものが何か勢いよくぶつかったような衝撃が俺を襲い、体が弾き飛ばされる。
体勢を整えている暇などなく、俺の上に大量の瓦礫が落ちてきた。
立ち上がる、なんて出来っこない。そもそもショックで俺の思考は完全に止まってた。
考える間も無く俺はプレハブの屋根の下敷きになる。途端、二発目が炸裂し、爆音が轟いた。
すると俺に降り注いだ瓦礫が再び吹っ飛ばされる。ついでに俺も強烈なタックル喰らったようにどっかに転がされた。
俺は必死にもがいた。だけど何もできないまま瓦礫や角材が再び俺の上にのしかかってくる。
とにかくひたすら痛い。
俺は下半身丸出しでションベンをジョロジョロと垂れ流したままだ。
しかもズボンは完全に降りきった状態。その素敵なファッションのまま、必死になって瓦礫を払おうとする。
だけどダメ押しのように中腰の俺の上に壁材が倒れてきた。
今度は、砂利の上にうつぶせに斃された。もう何がなんだか分からなかった。
うつぶせのまま、俺は顔を地面にうずめた。砂と砂利が入り混じった地面の中で、俺は三発目だかの爆音を聞いた。
今度は俺の背後で何かが破壊され、崩れてゆく音がした・・・。
遠くから「すっげー爆発だな!」「マジやりすぎなんじゃないすか?」とか大声で怒鳴りあってる声がする。
「破片とか飛んでくるから、頭下げろや!」と野太い声で命令してるやつがいる。
それらの声は、瓦礫が立てるガラガラという騒音に混じって、くぐもって聞こえた・・・。
しばらくして、俺は自分が瓦礫の山の下敷きになっているということが分かった。
そしてびっくりしたことに、自分が生きていることも分かった。
やつら、手榴弾なんか使いやがったんだ・・・やりすぎだろ。
ガキ二人Rのに、オーバースペックすぎ。信じられねーやつらだよな。
ついでに言えば、俺のションベンはようやく止まった。
腹から足が全部ションベンでグショグショ。お漏らしは幼稚園以来だよ・・・。

39 :
・・・次に始まったのは銃撃だった。
外の様子がまるで分からないが、やつらは小屋(たぶん半壊くらいじゃないかな?)に向かって撃ち始めた。
俺たちがまだ四人全員揃ってて、なおかつ武装してると警戒してるんだろう。
だとしても今の手榴弾三発で全滅してるって考えるのが普通じゃないだろうか?
もっとも俺は今のところ生き残っているんだが。
瓦礫の下で、泣きながらうめき声を押し殺して、ついでにションベン塗れで。
泣きながら俺は何故か明るいほうへと向かった。つっても1メートルくらいだけど。
もはや本能みたいなものだと思う。暗いところに閉じ込められるのが嫌だっただけなんだろうと。
もちろん下半身丸出しでションベン塗れで、グスングスンと泣きべそかきながら、音を立てないように・・・。
銃声が鳴り響くなか、ついに俺は出口に辿り着く。
途端、俺は唖然としてしまった。そこがピケ資材置き場だったからだ。
「・・・えっ?」自然にそんな声が出たと思う。
背後では銃声が鳴り止み、やつらがガヤガヤと騒ぎながら瓦礫の山に向かってる。
足で瓦礫に乗っかり、ぶつぶつ文句良いながら。
・・・そう、全部背後からなのだ。さきほどの銃声も全部、背後から鳴り響いていた。
偏差値の低い俺の頭脳でも、色々と理解できた。
俺は吹っ飛ばされたのだ。吹っ飛ばされたのは、おそらくは十数メートルくらい。
プレハブ小屋のトイレの位置から、ピケ資材置き場までの距離が大体それくらいだった。
ションベンしながら、トイレの扉をとっさに閉めたのがよかったのかもしれない。
アルミ製のドアだったが、手榴弾の爆破と破片で破壊される前に、ドアごと吹っ飛んだんだろう。
安普請のプレハブ材だったから、手榴弾の爆破であっさりと崩壊したんだろう。
だから俺は助かったわけだ。
一メートルもないところで手榴弾が爆発したにもかかわらず。
アルミのドアが盾となり、ついで魔法の絨毯になって。
ついでにプレハブの屋根がシェルターになり、二発目と三発目の爆発から俺を守ったのだ・・・。
・・・何ということだ! 何という・・・僥倖。

40 :
背後でやつらが話し合う声がする。
「・・・小僧たちの死体あったか?」
「ひき肉になってんのがあるけど、こいつか?」
(おそらくそのひき肉は、元マサユキだったやつだろう)
「つか、こんだけ派手に吹っ飛ばしたら、死体確認できねーよ」
(それはお前らが馬鹿だったからだろ、やりすぎなんだよ。こっちはラッキーだったけどな)
「まあ良いんじゃね? てかこの瓦礫の下に埋まってんのか?」(・・・ヤバ!)
俺はプレハブの屋根の下から滑りでた。下の地面が砂利なのが腹立たしかった。
だが、やつらはどうやら本気の馬鹿らしく、こっちに気が回っていない。
とにかく俺は這ったまま、ピケ資材置き場の裏へと回り込んだ。
必死だった。もちろん心臓が口から飛び出そうだった。見つかったら即射殺されんだから。
だが、うまいこと崩れた瓦礫の山の陰になっていたため、俺は無事に資材の後ろに回りこめた・・・。
・・・パイプの隙間から、俺はやつらの様子を伺った。
兄貴分らしい金髪に染めた偉そうなやつが、子分衆の連中になんか指図してるように見えた。
子分衆は散弾銃やらライフル銃やらを抱え、その辺に唾を吐いたりしながら車へ向かってる。
俺はその姿を、ジッと見つめる。まだ危険は去っていない、と俺は自分に言い聞かせる。
丸出しの下半身が、午後の風に晒されて妙な感じだ。
ションベンで濡れたままのズボンとパンツが、奇跡的にも俺の足首に絡まったままだ。
もう泥まみれ。だが下半身丸出しのまま逃げるよりもマシだろう。
やつらは車からポリタンクを取り出した。その中身を瓦礫の山に撒き散らす。
匂いで直ぐにわかった。それはガソリンだった。
俺はやつらに見えないように後ずさりする。
もう少しあとにフェンスがあり、その向こうには用水路が流れている。
吹き晒しの河原で身を隠せそうなのは、その用水路くらいしかない。
やつらは車に乗り込んだ。が、二人ほどまだ残ってるのがいる。
うち一人が口に咥えていた煙草を手に取ると、瓦礫の山に放り・・・小走りで車に駆けてゆく。
車は四台、その車が全部発射し、資材置き場の敷地から出る。
ちょうどそのタイミングでプレハブの瓦礫が火を噴き始めた。
俺は車がもっと遠くまで走り去るのを、ジッと堪えて待った。
炎はどんどん大きくなってゆく。マサユキの火葬の手間が省けたな、と俺は思い、何故か笑った。
ダチの死を悼む気持ちが無いのかよ、と言われそうだが、俺は自分の命が助かったほうがうれしかった。
車は河原の土手を登る道を登りきった。このまま走れば湾岸の西扇島区へと向かう道だ。
俺は立ち上がり、炎を一瞥した。ついでにションベンと泥で汚れたズボンとパンツを引っ張りあげる。
ジットリとした嫌な感触だが、今はこれで我慢するしかない。
俺は走り出した。フェンスを越え、用水路の中にもぐりこみ、そのまま振り返ることもせず。
逃げ切ってやる! 俺は笑顔を浮かべながら、そうつぶやいた・・・。(おわり)

41 :
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42 :
俺は今のことだけ考えて、後先は考えないタイプだった。それは認めよう。
  23歳 独身 無職  山城 裕也
俺はあの時、日本の首都 東京にいた。この後どんなことに巻き込まれるかなんて知らずに
ただひたすら、いつもの様にパチンコにあけくれていた。
財布の中身がすっからかんになり、パチンコ店を出て今日を生き延びるために機械に金を借りに行く。
そんな生活を毎日続けていたんだ……いや違った沖ノ島って島の近海だった。
俺はあの時、そう、畜生、沖ノ鳥島近海の東京近郊のブエノスアイレスにいたんだ。
思い出したくもねえ素敵な過去って奴さ……そんなときあのアマから聞かされたんだ。
人工島の原子炉のプルトニウムを狙う計画があるとよ。ご苦労様なこった。
めんどうくせえので俺はパスするつもりだったんだがねえ。(フェードアウト)
人工島の秘密の一室。そこに山城裕也はいた。下半身裸という奇妙な格好で。
「誰だ! 俺の肛門にプルトニウムをねじ込んだ奴は!」と、山城裕也は叫んだ。(暗転)
「――まいったわね……この台風じゃ本土への定期便、出ないかも……」
先輩の代理として設備の管理ソフトのメンテナンスに来ていたシステムエンジニアの女性、本多 奈美は溜息をついた。
メガフロートにある原子力発電所、なんて最初は緊張したが、彼女のする仕事はいつもと変わらない。
「よし、これで完璧!後は担当者に確認のサインを貰えば帰れるんだけど……」
ふと奈美は窓の外に目をやる。灰色の空から激しく叩き付ける雨に外の様子はほとんど見ることが出来ない。
「やっぱり今日は帰れないかな……てかそれより誰よ! 私のマムコにウラニウム235を突っ込んだ人は?」
本多奈美は叫んだ。不覚にも今まで気づかなかったのだ。
「このままじゃ私の子宮が原子炉になっちゃうじゃない。ふざけるのもいい加減にしてよね。」
システムエンジニアである奈美は、システムエンジニアらしいしぐさでスカートのホックを外し、
システムエンジニアらしい動作でパンティーを脱いだ。
一体誰が彼女のマムコにウラニウム235をねじ込んだのだろう?
ふと昨日、ケツの穴の中でプルトニウムを核反応させ、病院に担ぎ込まれた山城裕也の事を思い出した。
そう、特殊な趣味の持ち主である山城のことだ。
おそらく今まで人類が感じたことのない凄まじい快楽を追及しようとしたのだろう。
やれやれ、と奈美は溜め息を付く。私にはそんな趣味はない。私はいたってノーマル。
彼氏との週二回の濃厚なセックスで充分なのだ。
パンティーを抜いた奈美は、誰も居ないロッカールームで下半身裸になった。
20代後半の、腰周りに適度な肉付きが乗った彼女の肉体は、かなりエロティックだ。
彼氏であるところの猪熊総兵衛による巧みな愛撫の成果だろう。
まだ少女らしさが残っていた彼女の肉体を、大人の女にしたのは、今の彼氏の猪熊なのだ。
猪熊が「ちょっと濃いよね」と賞讃する奈美の陰毛。やや剛毛のその陰毛は、女子高生時代は悩みであった。
だが、大学時代の彼氏である蛇川鉄三郎(彼女が処女を与えた相手である)は、これを褒めた。
「陰毛が濃い女って、情が厚いんだぜ」その一言が嬉しかった。
蛇川はその後彼女にRやアナルの調教を施したが、そんな過酷なプレイに絶えられたのも、蛇川のこの一言があったからだ。
そんな蛇川も、化学の実験の際、濃硫酸を誤って肛門に流し込んでしまい、あっけなく死んでしまった。
それもこれも、もう過去の事だ。
奈美は少し前向きにかがみ、脚をがに股に開く。
「こんな姿、他人には見せられないな」と少し苦笑いする。
もっとも実際は猪熊との濃厚な情事の際に、もっとあられもない艶姿を披露しているのだが。
大きく広げた股間の奥、やや伸びきった大陰唇の間から、例のイエローケーキの先端が見えた。
完全にずっぽりはまっているそれは、緩やかな核反応を起こしているせいか、チェレンコフ放射で鈍く光っている。
奈美は指を伸ばし、そのウラニウム235を抜き取ろうとする。先端部は僅かに熱を帯びている。
かなり奥までがっつりはまっているせいか、強く引っ張っても中々出てこない。
おそらく子宮頚部の辺りまで食い込んでいる可能性がある。
「困ったな…はやく抜き取らないとここに誰か来ちゃう。」
奈美は少し焦り出した。
すると突然、背後から何者かが声を掛けた。
「それを抜いちゃ駄目だっ!」

43 :
「ダメとは言えませんが、パンティーっていうのはオヤジらしいですよ?」
女子ロッカールームに突然の闖入者があったにも関わらず、意外にも奈美は冷静に答えた。
そう、いきなりおっさんの声…うら若き女性が下半身丸出しでくつろいでいる最中に、一体なんの積もりなのだろうか?
奈美は声の主の方を振り返る。
すると、ロッカールームのドアの所に、この原発の制御室副室長・狸沢邦彦の姿があった。
降りしきる雨に打たれたのか、全身が濡れている。
おそらく走って駆けつけたのだろう、激しい息遣いで両肩が上下している。
そして奈美を睨みつける狸沢の両目は血走っている。
その目線は奈美の大きく広げられた局部に向けられ、まるで貫通せんばかりに鋭い。
常に冷静沈着で職員達の信望も厚い狸沢とは思えないほど、その表情は鬼気迫っている。
「な、奈美さん! それを…それを抜いたら絶対に駄目だ!」
再び狸沢は叫んだ。今まさにウラニウム235を抜かんとする奈美を制止しようとでも言うのか、
その場で両手を奈美の方へ差し出した格好のまま立ち竦んでいる。
二人はしばしそのまま静止した。微妙な空気が、他に誰も居ないロッカールームに流れる。
しかも奈美は下半身全裸、両脚を押し広げた格好のまま、自分の局部を狸沢に晒している。
そのことに気づいた奈美は、ハッと我に返った。
「ちょ、ちょっとっ! な、何で狸沢副室長がこんなところに…ここは女子更衣室ですよっ!」
奈美は大声で叫んだ。冷静に考えれば、この場に狸沢がいることの方がおかしいのだ。
何の断りもなく、年頃の女性が一人たたずむ女子更衣室に中年のおっさんが立ち入っている。
変態? 痴漢?慌てて奈美は両脚を閉じ、すぐ傍に放り投げてあったバスタオルで股間を隠す。
そのまま今度は狸沢に向かってはっきりと奈美は言った。
「狸沢副室長、まさか痴漢なんですか! ひ、人を、警備員を呼びますよ!」
奈美はそのまま、壁際にある警報ブザーの方に目線を移した。
狸沢が何かしようとしたら(そう、この私の肉体を玩ぶとかそういうこと)、すぐにアレを押そうと。
だが、そんな奈美の意思など無関係に、狸沢は再び言った。
「駄目だ、今きみのアソコに突っ込んであるウラニウム235を抜いたら…大変なことになる!」
狸沢の様子は明らかに変だ。
痴漢ではなさそうだ…奈美の魅力的な肉体を目の前にし、欲情しているというようには見えない。
激しく興奮しているようだが、それは何か危機が迫っている、そんな感じのようだ。
別の類の変態なのではないのか? そう奈美は訝った。
奈美の怪訝な様子を察したのか、狸沢は差し出した両手を下ろすと、少し目線を逸らせた。
そのまま申し訳なさそうな表情を浮かべ、だが決然として再び奈美に向き直った。
「奈美さん、今、あなたの局部に挿入されてるウラニウム235を引き抜いたら、その瞬間に核爆発が起きてしまうんです。」
核爆発? これを抜いたらウランが核反応を起こすってこと?
それよりもこの副室長は何を言っているのか?出来の悪いジョークでも言っているのか?
奈美は唖然としてしまった。
数メートル先でたたずむ副室長の姿を見る。その姿は変態のそれではなく、真剣そのものだ。
思わず手にしているバスタオルを落としてしまった。
再び下半身が露わになり、股間の黒い剛毛がロッカールームの照明に照らされて鈍く輝く。
再び沈黙が訪れた。二人の間に広がる僅か数メートルの空間が、恐ろしく空虚に広がる。
ロッカールームの空調の音だけが、ゴウンゴウンと低い音を響かせていた。

44 :
沈黙を破ったのは再び狸沢副室長だった。
彼は下半身まるだしのまま立ち竦んでいる奈美に向かって、状況を説明し始めた。
国籍不明のテロリスト集団がどうやらこのメガフロート原発に工作員を送り込み、
ここに秘蔵されている核物質を盗み出そうと画策していたという。
先日、ここの職員である山城裕也のケツの穴にプルトニウム239をねじ込んだのも、おそらく彼らの仕業だという。
このときは山城裕也がいち早くそのことに気づき、慌ててこれを抜き去ろうとした。
しかし、肛門から核物質を引っ張り出そうとしたところ、プルトニウムは核反応を始めてしまったのだそうだ。
そう、先日のあの事故は、山城個人の趣味から起きた事故ではなかったのだ。
他の職員たちは、山城の肛門遊びの趣味がエスカレートして、
ケツの穴の中での核反応を楽しもうとしたために起きた悲劇だと思っていたようだ。
だが真相は違った。これは山城個人の趣味を利用したテロリストたちによって起きたテロ事件だったのだ。
結果山城はこの施設内で、正確にはこの施設内にいるときに肛門内で核反応を誘発してしまい、
テロリストの目論見は失敗したらしい。そしてこんどは、ターゲットを奈美に絞ったという。
奈美の気づかないうちに、奈美のマムコにウラニウム235をねじ込み、
奈美がこの施設から帰る途中、拉致をする計画だったようだ。
奈美は驚いた。
私のマムコが、そんな国際的陰謀の舞台になっていたなんて。
美しい下半身を晒したまま、奈美はそのまま立ち尽くしてしまった。
奈美が下半身を裸のまま晒していることに、ようやく気づいたのだろうか?
狸沢は軽く咳払いをした。同時にバツの悪そうに目線を逸らす。
「あ、いや、失礼。…そ、その奈美くん。早く、服を来てくれたまえ」
狸沢はすこしどもりながらそう言った。
奈美の方も少し慌てて床に落ちたパンティー(オヤジっぽい言い方)を拾い上げ、それを脚に通して履いた。
その際、己の股間に突き刺さっているウラニウム235の硬さを感じ取った。
猪熊のあそこもこれくらい長い時間、硬度を保ってくれたら嬉しいのに。
そう奈美は思った。この危急存亡の時に不謹慎だとわかっていたが。
パンティー(おっさん風の呼称)を履き、スカートのジッパーを上げたその瞬間、突然館内放送が響き渡った。
「テロリスト襲撃! 国籍不明のテロリスト集団と、警備隊が現在海上で交戦中です!」
と同時に、館内の警報ブザーがわんわんと甲高い警報音を発し始めた。
耳を劈くような凄まじい音…職員たちに安全エリアに退去するように、というアナウンスも流れる。
「さ、早く奈美くん。この場から立ち去らなければ!」
狸沢は奈美に近づき、その手をとった。だが奈美は動けなかった。気が動転してしまったのだ。
そもそも東シナ海海上にこのような施設を作ったこと自体、安全保障の意識が欠落していると思えた。
そんなこと、安全保障の専門家でない奈美にだってわかる。
なのに海上にメガフロートを敷設し、なおかつ核施設の建設を強行してしまったのだ。
エネルギー最貧国である日本のエネルギー需要をまかなうために、というお題目で。その結果がこれだ。
遠くから爆音が聞こえてくる。
それと同時に、おそらく海上からだろうか? 機関砲の連射音が壁越しに聞こえた。
「早く、奈美くん。こんなところにいたら大変なことになってしまう!」
狸沢は強引に奈美を引っ張った。奈美はよろめきながらも狸沢のあとについてゆく。
そう、私のアソコには、ウラニウム235がねじ込まれている。
私もあのテロリストたちのターゲットなんだわ!全身の怖気が走った。
テロリストのターゲットとして狙われている現在の自分。
しかも自分のヴァギナには深々と核物質が挿入されている自分。私そのものが核兵器なんだ!
奈美は狸沢とともにロッカールームから廊下に出た。ふと見渡すと、すでに方々の外壁が破壊されている。
またあちらこちらから絶え間なく爆音が響き渡る。
各所で炎が上がり、スプリンクラーが猛烈な勢いで圧力水を噴射する廊下を、奈美は走った。
これから私はどうなってしまうのだろうか?再び愛する猪熊に会えるのだろうか?
流れる涙を拭おうともせず、奈美は狸沢とともに廊下を走り続けた。

45 :
その後の展開
1、テロリストとメガフロート警備隊の激しい戦闘が行われる。
2、多くの警備兵が戦死し、ついにメガフロートに武装テロリストたちが乗り込んでくる。
3、職員と生き残りの職員たちが、武器を取り戦う。(最初は「武器なんか使えません!」と泣き言を言ってるが、
  仲間たちが次々と死んでいき、ついに武器を手にしてテロリストを撃つというエピソードが挿入される)
4、テロリストの目宛は、奈美のマムコに仕込まれてるウラン。
  職員たちの中から奈美を探そうとする。その際、誰か(例えば狸沢)が奈美を庇って逃す。狸沢は死ぬ。
5、奈美は狸沢の犠牲を無駄にしないよう、巨大施設(迷路みたいに複雑でとても広い)の中を逃げる。
6、一方、海上のこの位置にメガフロート核施設を建設したのは、政府与党内の売国的政治派閥・豚蛆派の陰謀だった。
7、テロリストに攻めやすい位置にこれを設置し、この施設内の核物質をテロに渡し、
  なおかつ警備責任不備の責任を日本政府になすりつける計画だった。
  さらにその核物質を用いてアメリカ軍基地を核攻撃し、
  アメリカ軍が総崩れになったところに某国の軍勢が日本に攻め入る、という壮大なものだった。
  (実はこれもフェイクだったりする。)
8、そう、全ては奈美のマムコにねじ込まれたウラニウム235が鍵なのだ。
9、一方、メガフロート内では、奈美はまだ逃げていた。
   核施設内は原子炉があるため頑強にできており、職員達も結構奮戦していた。
   しかもまだ建設間もない時期であり、まだ運転していないために核物質は奈美のマムコの中にあるやつのみ。
   (テロリストたちの武装襲撃を察知した自衛隊諜報部が、核物質のメガフロートへの移送をとりやめた経緯もあった)
10、このとき、JCIAの職員でもあり、かつては特殊部隊員でもあった奈美の恋人の猪熊が潜入する。
   嵐が近づいている最中、小型潜水艇で単独で乗り込んできたのだ。
   情報収集と、恋人奈美を助けるために。という感じで。
11、血眼になって奈美を探すテロリストたち。
   奈美のマムコの核物質を取り戻さないと、全ての計画が台無しになってしまう。
   だが遂にテロリストの手下たちが奈美たちを発見し、奈美たちもこれまでか。
   と、その瞬間、猪熊が手下たちを斃し、奈美たちを救出する。ここでちょっとしたラブシーン。
   (セックスはない。そりゃマムコにウラニウム235詰まってるんだから無理。せいぜい抱きしめてキス)
   奈美は、駆けつけた恋人猪熊や、生き残った職員たちとともに施設内で必死にサバイバル。
12、日本政府、自衛隊は、奈美の存在と生死を知りたかったが、相変わらず内部の情報をつかめない。
   さらにアメリカ、及び東シナ海海上という理由で中国や韓国が外圧をかけてくる。
   中には大事にならないうちにメガフロートごと核攻撃で破壊消滅させるべきという意見も出てくる。
   (アメリカは安全保障のため、某国と豚蛆派は証拠隠滅のため)
13、制御室に立て篭もった職員たちと奈美たちは、テロリストの知らない周波数で遂に連絡を取り合う。
14、外部に状況を知らせるためには、破壊された外部との通信アンテナを直す必要がある。
   それゆえ施設内を自由に動ける奈美たちの協力が不可欠と連絡。
15、奈美たちはテロリストたちと戦ったりしながら、何とかミッションを遂行。
   遂に外部との連絡が取れるようになる。
16、連絡を受けた日本政府、及び自衛隊特殊部隊は状況を知り、なおかつ奈美の生存を知る。
   (奈美が人間核兵器状態であることもこのとき知る)
17、テロリストたちに外部と通信していることがばれる。奈美の仲間たちは必死に通信設備内で防戦。

46 :
18、一方、東京では、東京地検特捜部が豚沢派の事務所を家宅捜査する。
   理由は政治資金規制法違反だが、このとき豚沢派党首の豚沢一郎と某国のつながりが発覚。
   ついにマスコミが動き始める。
   某国は計画を断念。日本国内に潜ませた暗殺者の手で豚沢一郎は狙撃され死亡。
19、犬神率いる自衛隊特殊部隊が緊急出動。
   攻撃型ヘリ数機に乗り込み、メガフロートを占拠するテロリスト集団を急襲。
20、このとき制御室内部に立て篭もった職員達が捨て身の突撃。
   自衛隊特殊部隊と共同してテロリスト集団を挟撃しようと画策する。
   (だがそのとき、テロリストの中にいた殺し屋が動き出すカット。もちろん証拠隠滅のために。それは後に出てくる)
21、ようやく助かる…奈美はそう安心した。
22、そのとき、猪熊が突然、奈美の仲間の職員たちに銃を向け、次々に殺し始めた。
   そう、猪熊も裏切り者の一人だったのだ。
23、イケメンにして両刀使い(このとき初めて奈美は知るけど)の猪熊は、ホモの趣味のある山城と関係を持ち、
   その肛門にプルトニウムをねじ込んだ張本人だった。
   さらに奈美とのセックスの際、奈美のことをスーパーテクで散々イかせ、
   奈美が絶頂失神状態になったときに、奈美のマムコにウラニウム235をねじ込んだのだ。
24、猪熊は豚蛆派の意を受け、テロリストたちとは別行動で奈美(とそのマムコのウラン)を確保するのが目的だったのだ。
   豚蛆派は敗戦革命を目指し、テロリストを送り込んだ某国と協力しあう一方で、
   みずからも猪熊のような工作員を用いて核物質の確保を目論んでいたのだ。   
   場合によっては、自らその核物質を入手し、日本政府に対して直接行動を起こそうとしていたのだ。
25、猪熊は奈美に、「日本を壊滅させ、俺たちの理想の世界をつくろう…二人で」とか言って奈美を篭絡しようとする。
   もちろん彼の狙いは奈美のマムコの中のウラン。
25、「私はあなたのこと、本当に愛していたのよ」と涙に暮れる奈美。
   だが多くの人間を犠牲にして何が理想の世界だ!と猪熊の甘言を退ける。
26、奈美に拒絶された猪熊は、今までと態度を豹変させる。そして奈美に向かって銃を発射しようとする。
   そんななか、ボイラー排気パイプの存在に気づいた奈美が、傍にあった斧でそれを破壊。
   熱せられた蒸気が直撃した猪熊はその場で昏倒。その隙をついて奈美は逃げ出す。
27、傷ついた猪熊は奈美を必死に追う。だが、いつの間にか潜入した某国の殺し屋の狙撃で、猪熊は射殺。
   奈美の見ている前でゆっくりと海に落ちてゆく。
28、「さあ、ウラニウム235を返してもらおう!お前の身体ごとな!」と殺し屋は言う。
   奈美は恐怖に震えながらも、パンティー(おっさん風)を脱いで下半身裸になり、股間に手を突っ込む。
   「これ以上近づいたらこのウランを引き抜くからね! そしたらこの施設ごと吹っ飛ぶわよ!」
   殺し屋は動ぜず、「やればいい、それはそれでこちらとしても都合がよい」
29、そのとき、特殊部隊隊長の犬神が殺し屋と銃撃戦をし、殺し屋を仕留める。テロリストも無事制圧。
   でも、奈美の心は晴れなかった。愛していた男の裏切りと死…それが彼女の心を曇らせる。
30、大団円。
  (一応ヲチ:奈美は技術スタッフや婦人科医の手で無事にウラニウム235を抜き取ることに成功する。
   中身を抜き取ってマムコをもてあました奈美は、助けてくれた犬神に
   「使えるかどうかあなたで試してほしいの」と言い寄る。
   傷ついた心を慰めるように犬神は奈美を抱きしめ、濃厚なセックスを楽しむ。)
31、字幕ロール。

47 :
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  .{:::ヽ::::ノ:::::\          ヘ   ノ         /:::::::::ノ:::::::}

48 :
「・・・なあユウジ、ちんこにこれ塗ったら気持ちいいかな?」
バーサク状態(※バーサーカーでラリホー状態のことをいう)のケンタが、ヘラヘラ笑いながらそう言った。
俺はマユミとセックスをしながら、「さあね、どうだろ?」と答える。
マユミはというと、俺のちんこにまたがったまま「ああどうしよう!何かの声が聞こえるの!ああっ!」とよがってる。
まあマユミはバーサーカー初めてだったからな。いきなりぶち込まれて相当すっ飛んでんだろう。
自ら腰を振るマユミ。その胸で大きく揺れる丸い乳房を揉みながら、俺はマユミの締め付けを楽しんでいた。
俺のチンコも、いつもとは違う疼痛のような、電気でしびれたような心地よさが伝わってくる。
特に亀頭周りのそれは素晴らしく、緊張を解いたら直ぐにでも射精しちまいそうだ。
普段以上にガッチガチで、本気ではち切れんばかりに勃起した俺のチンコ。
教壇の上ではアツシがユカにまたがって、ゲラゲラ笑いながら互いの股間をいじくりあってる。
何度発射したんか知らんけど、二人ともザーメンと愛液まみれなのは凄いね。
バーサーカーのカクテルってのは、性欲を増進させっからなあ・・・。
バーサーカーは効力が強力すぎる薬物であり、純度の高い原液を皮下注射、静脈注射、筋肉注射はしない。
というよりマジでやったらマジで吹っ飛ぶらしい、実際は見たことないが狂って暴れまわるんだとか。
裏ルートで出回るバーサーカーは純度を落としたものが普通だ。
医療用のアンプルも出回ることがあるが、安全だが高価だから一般的ではない。
通常は元締めが原液を仕入れ、それを希釈して加工し、現場の売人の下ろす。
一番多いのは、グルコースと混合した錠剤を舌下摂取する形だ。通常は「キャンディ」っていう。
その名の通りキャンディ感覚で口に放り込む。効果もゆるやかで(つまり安全)、しかも溶けてなくなるまで持続する。
しかもその辺の中高生でも気軽に手を出せる低価格でもあるので、現在主流だ。
五粒セットで、この中学じゃ1万ってとこかな。お得意さんには割引もあるんだ。
キャンディみたいなのは、セックスすると性感が増し、性欲も増進するんだ。
だから年頃の性欲満タンなガキにはもってこい。Rーだったら十発近くだせるぜ、試してみろよ。
今日俺たちが使ってんのは元締めの黒川さんが「お礼に」と俺のくれたバーサーカーの原液。
原液のままじゃまず死ぬんで、蒸留水にぶち込んで希釈液作ってスピリタスとジュースに混ぜて飲むんだ。
カクテルって言うんだが、悪いがこれ、キャンディなんかよりもガチで気持ちいい。マジいいぜ。
俺のアニキは高校中退後に黒川さんのとこで働いてて、北市原界隈の中高生にバーサーカー売ってた売人なんだ。
もっとも今はアホがアニキのことをサツにチクリやがったんで、鑑別所にぶち込まれちまったんだが。
俺はアニキを密告しやがったそのチーマーのアホをケンタと一緒にボコって運河に放り捨てたってわけ。
んで、黒川さんがその礼に、と、俺に直接、ただで原液おろしてくれたわけ。好きに使えってさ。
んで、俺は見込みがあるってんで、この中学担当の売人ってことになった。今月だけで50万くらい儲けたな。
売り上げが90万くらいで、仕入れや上納金、その他の経費を差っ引いた金額がこんなもんだ。
中学のガキは大して金ねーからな。まあ悪くはないわな。
そんで今日はまあ慰労会という感じだ。アホの頭蓋骨を金属バットでつぶしたのはケンタだし。
学校内で客集めんのも上手く、俺の商売の営業担当みたいなことやってくれてるしな。
で、ケンタが、「一度バーサク決めて乱交してーんだよ」と擦り寄ってきたんで、な。
そんで俺はケンタやアツシ、タツヤをつれて、マユミとミカとかユカを(バーサーカーをタダで出すと言って)呼びつけた。
んで、放課後の二年A組でセックス慰安バーサク中ってとこだ。まあ、そんな感じだよ・・・。
「・・・なあユウジ、バーサーカーさ、チンコに塗ってセックスしたらぶっ飛ぶんじゃねーの」
またケンタが言ってきた。完全にラリホーしてやがる。
泡吹いて倒れてるミカは、ヴァギナからザーメン溢れさせながら痙攣してる。
まあ、そこに希釈液残ってると思うから、それ塗ってやってみたら?ミカちゃんはもうグロッキーみたいだけどね。
で、俺は仰向けのまま、マユミのRを下から突き上げてやった。
マユミは絶叫し、一度大きく痙攣すると再び上り詰めた。
すげえクスリだね。マユミが「ああ、光が見える! 神の言葉が聞こえるっ!」だってさ。
そのまま俺の上に崩れ落ちるマユミ。マジで天国見てんだな、マユミ。

49 :
「で、何だってケンタ? チンコに擦り込むって?」
俺はマユミのRにチンコを突き上げながら面倒くさそうに答えた。
「ああ、チンコだよ。そこにバーサーカー塗ってRにぶち込んだら俺もミカもスゲエ飛べるんじゃねーかな?」
そう言うとケンタはケタケタと笑い始めた。バカかこいつ。いいんじゃね?試してみろよ。どうなるか知らんけどよ。
と、そろそろ俺もイきそうになったんで、マユミを押し倒して正常位になった。
マユミの引き締まったケツに腰を叩きつけると、俺も20秒で絶頂に達したので、やれやれとため息をつきながら中出しした。
マユミはその寸前に再び絶頂に達したらしく、俺がザーメンを搾り出している間、悲鳴上げて白目剥いて泡吹いてた。
いやあ、俺が想像した以上に凄いな。何かザーメンがいつもより大量に出るし。
で、俺はたっぷり余韻を楽しんだあと、マユミからチンコを抜いた。
さすがにバーサーカー、あれほどたっぷりと射精したのに、未だに棍棒みたく勃起したままだ。スゲエ。
一方ケンタは四つんばいで、俺に汚らしいケツの穴を向けながら、希釈液の入った瓶を探していた。
まさか俺を誘ってんのか? と一瞬思い、笑った。ついでにマルボロの箱から一本取り出すと、それに火を付けた。
俺は立ち上る煙の行方を目で追いながら、仰向けに寝転がる。
驚くべきことに俺のチンコは未だに隆々と勃起し、先端を天井に向けたままでいる。なんつーこった。
「・・・おいユウジ、もうボトル、空だぞ。 新しいのどこだよ?」
ケンタは四つんばいでケツの穴を俺に向けたまま、ついでに半分しなびかけたチンコをぶらぶらさせたまま聞いてきた。
まず汚らしいそれを隠せ、と心でつぶやきながら、俺は面倒くさそうに身を起こす。
やれやれ、また作るんかよ。面倒だねえ。
キャンディで我慢してくれりゃそれで住むのに。何なら尿道にキャンディねじ込んでみる?
で、俺は手近にあったバーサーカーの原液のバイアルを手に取った。
黒川さんは軍の病院にツテがあるらしく、これは軍放出品のマジモンなんだぜ。
未だにケツを向けてごそごそやってるケンタの滑稽な姿に、俺は顔をしかめた。
とりあえずこの原液のバイアルを渡そうか。と、ふと、ここで一つジョークが浮かんだ。
このバイアルごとケンタのケツにねじ込んじまったらどうだろ?
いいね、それ。俺は思わず自分のジョークを自画自賛した。
もちろん、まずい。なにせこれ、バーサーカーの原液。このままケツの穴に突っ込んだら肛門が爆発しちまうって。
これをビーカーで少なくとも50倍くらいは希釈しなきゃ、人間ぶっとぶぜ。
今遊ぶぶんなら、注射器でせいぜい数CC出せば十分だし。
やれやれ、と俺はため息をつきながら、希釈用の蒸留水の入ったボトルを取るために立ち上がろうとした・・・。
その瞬間だった。
「・・・ねえっ! もっと! もっとしてよ! ねえっ!」
いきなりマユミが俺に抱きついてきた。お前、さっき十回くらい逝ったのに、もう帰ってきちまったんか?エロい女だなおい。
「もっと〜っ! もっとあたしにぶち込んで掻き回してよぉ〜」
マユミは俺の首に腕を回し、頬やら唇やら首筋やらにキスしまくり、なおかつ丸い乳房を俺の胸に押し付ける。
俺のチンコは先ほどから勃起したままだが、さすがにザーメンの弾倉はすっからかん。あんだけ発射したんでね。
すると突然、マユミは俺の手にあるバーサーカーのバイアルに目を留めた。
これは原液だからダメ、と言おうとしたその瞬間、すでにバイアルはマユミの手に奪い取られていた。
「これ、Rに塗ったら、すっごく気持ちよさそ〜」
まずい、マユミの目が飛んでる。カクテルが効きすぎたか?
おい、それ返せよ、と俺が手を伸ばすと、マユミはケラケラ笑いながらそれをかわし、バイアルのキャップを捻る。
「それ高いんだよマユミ、冗談はよせって」
少し怒気を帯びた俺の声をよそに、マユミはバイアルを開けた。俺の方をいたずらっぽい目で見つめる。
おい、ふざけるなよ!と俺は怒鳴り、立ち上がる。
だがマユミはすばやく後ずさりし、傍にあったテーブルの上に座ると両足を大きく広げた。
黒々とした陰毛の下の、赤紫色のヴァギナ。そこから俺が先ほど流し込んだザーメンが滴っている。
「ねえユウジくん、もう一回セックスしてよ。ねえっ!」
うふふっ、とマユミは俺に向かって微笑んだ。
そして、そのバーサーカーで満ちたバイアルの瓶を、自分のRに突っ込んだ・・・。

50 :
・・・Rにバイアル瓶をくわえ込んだまま、マユミは体を大きく痙攣させた。
何度も、まるで電撃喰らったように弾け、床に崩れ落ちる。
ひっくり返ったマユミはガチでヤバい状態だった。そんなの一目見ればバカでも分かる。
物凄い悲鳴を・・・いや、もはや吼え声と言ってもいいだろうな、あれ。
野太い声で吼えながら、両手両足をばたつかせる。
素っ裸だからなおさら不気味だった。マユミのスレンダーな白い肢体が、見る見る赤黒く変色していく。
か細い四肢が激しく痙攣するたびに、パンプアップしてゆく腕や足に静脈が何本も浮き出てくる。
マユミの全身が、傍目で見ても異常なくらいに筋肉が盛り上がっている。
髪の毛は全て逆立ち、吼え声は怒気をはらんだうなり声に変わってゆく。
なおも暴れるマユミは、立ち上がりかけた途端によろめき、けたたましい音とともに机の列に倒れこんだ。
やべえ、と俺は思った。が、どうしようもなかった。
崩れた机の中でうなりながら暴れるマユミの姿を、唖然として見つめることしかできなかった・・・。
・・・異変に気づいたケンタが、どうしたん? キメ過ぎてぶっ壊れたか?とマユミに歩み寄った。
その瞬間だった。崩れた机の中から弾け飛ぶように、マユミの体が跳ね起きた。
その瞬間には、マユミの顎は、ケンタの左前腕に噛み付いていた。勢いあまってケンタは、そのまま床に倒れこむ。
同時にケンタを突き飛ばすように、マユミは高く跳ね上がり、教卓の上にダンッ!と着地した。
マユミの口には、ケンタの左前腕がぶら下がっていた。
「・・・うへ? う?」
ケンタはおそらく状況を飲み込めていないのだろう、無くなった己の左腕を見つめながら、呆けた表情を浮かべている。
傷口は切断されたものではなく、引きちぎられズタボロだった。
肉の繊維とへし折られた骨が、あふれ出る血の中で妙に痛々しい。
教卓の上では、マユミがケンタの左腕をバリバリと噛み砕いていた。
その脇の、教壇のところではアツシとユカが、不思議そうな表情でマユミを見上げている。
バーサーカーのせいだろう、おそらく恐怖など感じてはいまい。
いや、それどころか、目の前の現実を正しく認識などしていまい。
一方、ケンタは自分におきたことを理解し始めたのだろうか、うめき声が徐々に悲鳴に変わってゆくのがわかる。
呆けたような顔に、徐々に苦痛と恐怖の表情が浮かぶ。同時に無くなった左腕を抱えながら、絶叫を始めた。
マユミはケンタの左腕を無造作に放り投げた。それは俺の目の前にゴトリと転がり落ちる。
肉のカスがわずかにこびりついた象牙色の骨が、窓から差し込む西日の中で鈍く光った。
「う、ひぃ!」
俺は思わず悲鳴を上げてしまった。だがケンタの悲鳴の凄さに、それは掻き消えた。それがよかったのかもしれない。
教卓の上のマユミはうんこ座りの体勢のまま、もがき暴れるケンタをジッと見つめていた。
赤く血走ったその双眸はまさしく・・・血に餓えた獣のそれだった。同時に、マユミは口元を緩ませ、ニヤリと笑った。
真っ赤な唇の間からのぞいたその歯は、まるで研ぎ澄ました刃物のような牙だった。
マユミの筋肉が、脈打つようにうごめく。
「ケンタ! 逃げろっ!」
反射的に俺は叫んだ。
俺が叫ぶのとほぼ同時に、マユミの肉体は人間離れした跳躍で、血まみれで転がるケンタに踊りかかった。
まさに一瞬だった。飛ぶ、というよりも一瞬にして吸い付いた感じだった。
同時にバキリ、という鈍い音が教室中に響き、わずかに送れてケンタの断末魔が鳴り響いた。
ケンタの上に覆いかぶさるマユミの、異様に筋肉質な背中。
その背中の向こうで、ケンタの肉体が砕かれ、血しぶきが飛び散った。
まもなく断末魔は尽きた。その間、俺は動けなかった。完全に恐怖に震えていた。
すると、マユミはゆっくりと俺の方に振り返った。顔に笑顔を浮かべながら。

51 :
金色に輝く瞳、耳まで大きく切り開かれた唇、唇の間からは、ケンタの血で穢れた牙がずらりと並んでいるのが見える。
だが、間違いなくマユミは笑っていた。そのマユミの喜悦が、何故か俺にはわかった。
マユミの笑顔の向こうには、無残に引き裂かれたケンタが見えた。
首や胴体が奇妙にゆがんだケンタは、体のあちこちにある裂傷からダラダラと血を垂れ流している。
やはりへし折られた大隊の間に、だらしなくしなびたペニスが垂れ下がっていた。
おそらく糞ももらしたのだろう、その股間の辺りに、茶色い液状の汚物が飛び散っていた。
俺にはそれが、喩えようもなく不潔なものに見えた。ケンタへの同情や憐憫などが、なぜか全く浮かばなかった・・・。
「・・・ねえ、ユウジくん。何かね、声が聞こえるんだよ」
唐突に、マユミはそうつぶやいた。金色に染まったマユミの目が、より輝きを増したように見えた。
同時に、血まみれの口元がさらに大きく、まるで笑ったように大きく裂けた。
寒気がした。マユミはなおも俺を見つめ続ける。俺もまた、マユミの黄金色の瞳に吸い寄せられている。
その瞳は、まさしく魔性のものだった。もはや人間のそれではない。
マユミはふと目を閉じると、まるで何か物音を捕らえようとするかのように耳を澄ました。
しん、と静まり返った二年四組の教室で、マユミは俺には聞こえない何かを聞いている・・・。
「・・・ほら、ユウジくん。聞こえない? 何かきれいな音楽みたいな、そんなささやきがさ?」
マユミは目を閉じたままだ。その音に身をゆだねてるような、恍惚の表情を浮かべている。
目を閉じたマユミの顔・・・ケンタの血で塗れたその恐ろしい顔は、なぜだろう、喩えようもなく美しく見えた。
この静寂の空間が、恐怖の沈黙が、何か至高の美を具現化したかのようにすら思えた・・・。
・・・突然、沈黙を引き裂くように、けたたましい笑い声がした。
教壇のところでラリホーしながら交尾していたアツシとユカだった。
マユミの異様な姿を見て、弾けるように大笑いしている。
何がおかしいのかはわからない。こいつらはバーサーカーを相当ぶっこんだから正気じゃないんだろう。
クスリで呆けたまま笑うユカの姿に、何故か俺は怒りを覚えた。
何か高貴なものを壊されたかのような、そんな感じだ。
不思議なことに、俺は本気でそう思い、アツシとユカの態度に苛立ちを覚えたんだ。が、声が出なかった。
金色に染まったマユミの双眸が、再び真っ直ぐ俺に注がれているのを感じた。
殺意なのか? いや違う。それは違う。何故かそれがわかった。
マユミの視線には、むしろ殺意以上の恐怖がそこに潜んでいるように思えた・・・。
「・・・ねえ、なんかケンタがグチャグチャだよ〜。チョーやばいっ!」
ユカはアツシに抱きつきながら大笑いしている。笑いすぎて、咳き込むほどに。
アツシもユカを抱きしめると、つられるように爆笑し、両手をパンパンと叩いてる。
俺の額に汗が滲んだ。緊張なのか恐怖なのか、よくは分からない。
だが何故か無性に怒りが湧き起こる。アツシとユカの嘲笑が、神経にチクチク突き刺さる。
はち切れそうな何かが、この教室を包んでいた。ちょっと触れれば全てが弾け飛びそうな、そんな感じ。
破裂寸前の巨大な風船、そんな感じのものかな・・・。

52 :
・・・ゆらり、とマユミが立ち上がったのが分かった。俺は横目でその姿を見た。
ケンタの生首・・・何故か脊髄が長い尻尾のように引っ付いたそれを、マユミは手でつかんでいる。
おそらく物凄い力で引きちぎったのだろうか、頭蓋骨が砕けケンタの顔が戯画のようにゆがんでいる。
でかい精子だな、なんて面白くも何とも無いギャグが浮かんだ。
俺は以外に冷静なのかも知れない。恐ろしくて叫びたい気分なんだが。
ケンタの生首を、マユミは無造作に床に捨てた。床に当たったそれは跳ね返ることも転がることもなく、そこで止まった。
そのケンタの哀れな目が、俺に向く。もはや生命の光を失ったその瞳が、俺を突きぬけ、窓の外を見つめていた。
ペタ、ペタという裸足の足音が、教壇に向かっている。
そのマユミの足音は、攻撃のタイミングを見計らっている。それが直ぐに分かった。
ヒリヒリするような、ユカとアツシを消し去ろうとする、すさまじい殺意がそこにはあった・・・。
俺は次に何が起こるかを、正確に悟った。
俺は次に何をすべきかを、正確に悟った。
マユミが床から飛び上がったその瞬間、俺は教室の窓に向かって駆けた。
ダンッ! という衝撃音と、ギャッ! という悲鳴を背後で聞いたように思えた。
俺は何故か途中で、全裸ではまずいな、と思った。この状況で、信じがたいほど馬鹿げてるが。
窓に向かう途中の椅子の背凭れに掛けてある制服のズボンを、すばやく取り上げる。
バーサーカーの残りも始末しなきゃまずい、とも思いあたった。だが、それはやめた。
そのまま俺は三階にある二年A組の窓を体当たりで突き破った。
肩で思い切り体当たりした瞬間、バンッ! という衝撃音が響いた。
下は市原運河。下水と溝鼠の死骸で満ちた東京の大動脈だ。
全裸でズボンを握り締めたまま、俺は宙を舞った。
熱を孕んだ風が、俺の裸の体を包んだ。茜色になりかけた空に、うっすらと月が見える。
西日が俺の皮膚を焼く。何故か心地いい、と思った。次の瞬間、俺は真っ暗な水の中に落ちた。
気絶する寸前、俺が飛び出した窓にマユミを確かに見た。
それは、アツシの血まみれの生首を口に咥えている、マユミの恐ろしげな姿だった。
破壊神カーリー、というのが俺の感想だ。軒並みだけどな。西日を浴び、血まみれの女神となったマユミ。
その金色に輝くマユミの双眸が、確かに俺を見下ろしていた。
俺はその目を真っ直ぐに見返していた。その瞬間、悲鳴を上げていたように思う。
下水の悪臭が俺を包み込み、一気に暗闇が俺を覆った。そして俺は気絶した・・・。

53 :
・・・集中治療室で目覚めた俺は、あれから三日間も眠り続けていたことを知った。
北市原区第24中学校爆破テロ事件。あの事件がマスコミでそのように報道されているのをここで知った。
三日前の七月十二日、中学校校内で結成された「マルクス・エンゲルス革命同盟」なる左翼集団が暴発したという。
校内で武装蜂起をし、数人の教員と警備員を虐殺、さらに生徒ら30名以上を人質として政治犯の釈放を求めたという。
首都警察は通報を受け、直ちに揮下の東京管区特殊機動隊を出動させた。
が、マルエン革同(※上記団体の略称)には北朝鮮の軍属工作員が混じっている、という未確認情報が流布される。
すると、「これは敵国の軍事作戦である」という主張で、陸軍第一師団が強引に介入を主張したらしい。
警察がそれを無視し、特殊機動隊を投入。人質救出と犯人確保を行おうとした。
その瞬間、校舎が大爆発を起こした、という。
死者は実に62名。恐るべきことに、校舎内にいたとされる犯人および人質の生存者はゼロ。
突入した特殊機動隊員も13名が殉職した。
陸軍省は直ちに内務省警察庁に厳重抗議。現在は内務大臣の辞任問題にまで発展している、という・・・。
テレビでは、爆破され廃墟になった第24中学の校舎の瓦礫が映し出されている。
未だに煙がぶすぶすと立ち上り、周辺のビルにも被害が及んでいるのか、壁が崩落したり窓が割れたりしていた。
カメラの前で、レポーターらしきメスが、何故か警察の対応を批判している。
過激派への批判を回避するあたりは、さすが自称・進歩的左翼メディアである。
・・・だが、俺には何のことか、さっぱりわからなかった。
テレビで犠牲者の名前を読み上げられ、その中にケンタ、アツシ、ミカ、ユカの名前があった。
そして、マユミの名前もそこにあった。
俺は爆風で吹き飛ばされ、運よく市原運河のドブ水の中に落ちて助かった、ということになっているらしい・・・。
警察の調書では、俺はそういうことになっている。
というか、目覚めたと同時に、刑事にそう事情を説明され、調書にサインを求められた。
俺は面倒くさいので、とっとと調書にサインをした。
俺のバーサーカーはおそらく爆破で吹っ飛び、証拠は全部消えたな、と思い、ちょっとため息を漏らした・・・。
安心と、もったいなかったな、という投げやりな気分で。
ケンタやアツシ、ミカやユカへの憐憫の情はまったく浮かばなかった。
そして何故か、マユミへの悲しみも、全くなかった・・・。

54 :
・・・俺がマユミを見たのは、それから5年ほど後だった。
俺は驚くべきことに、大学生をやっていた。しかも結構名門の大学だ。
その日、俺は道端で、携帯で彼女と話していた。場所は湾上市にある新東京国際展示場の前の交差点だ。
近くに中々のデートスポットがあるんで、俺は最近こましたばかりの彼女と待ち合わせをしてたわけ。
場所が分からない、という彼女に、待ち合わせ場所の交差点の位置を説明してたときのことだった。
交差点の向かい、辺りを威圧するように立ち並ぶ巨大な尖塔がある。
最近急速に勢力を伸ばしつつある、あるカルト教団の教団施設だ。
この辺りには不釣合いなこの建物の前に、おそらくは信者らしき群集が屯っていた。
巨大なゲートと、その中へと続くロータリーに、数台のリムジンが入ってくる。
俺は携帯を片手に、そんな光景を何気に眺めていた。
リムジンが停車すると、後部座席の辺りに信者たちが群がっていく。
おそらくボディーガードらしき体格のよい男たちが数人、別のベンツから降り立った。
彼らはリムジン付近の信者を押しのけて後部座席の扉を開けた。
別の数人は入り口までの道を開くため、人員整理をしている。
俺は電話口の彼女の声を聞き、生返事をしながら、なぜかそんな風景をじっと見つめてたんだ。
虫の知らせなのかね? 俺にもよくわからないが、俺はずっと眺めてたんだ。
すると、リムジンから一人の長身の美女が降り立った。もうそれで十分だった。俺は完全にあっけに取られていた。
その女は、マユミだった。
彼女はフェアリーマザーを名乗り、聖フェアリアス教会なる狂信カルト教団の教祖になっていた。
俺は携帯を握り締めながら、唖然としてしまった。
マユミは、端正なその顔に微笑みを浮かべながら、信者たちに軽く手を振る。
信者たちは一斉にその場に座り込み、両手を合わせて彼女の前でひざまずいた。
異様な光景だった。マユミはその群集の中を、まるで無人の野を行くかのように、悠然と歩く。
まるで別人のようなたたずまいだった、でも、間違いなくマユミだ。
すると、マユミはふと歩みを止めた。そしてゆっくりと、俺の方へと顔を向ける。
俺はその場で、足に根が生えたように立ちすくんだ。
マユミの目が、俺に注がれた。距離はおそらく、70メートルはあるだろう。しかもこちらも人ごみの中にいる。
だが、間違いなかった。マユミは俺の視線を感じ取ったのだ。
その俺の視線に応えるかのように、マユミは真っ直ぐこちらを見返してきた。
俺の周囲の人間たちがざわつく。きれいね、だとか、凄い威厳あるね、とか、かなり美人だね、とか、そんな喧騒だ。
だが、マユミの瞳は、正確に俺を捉えていた。あの日の夕方に見た、あの金色に輝く獣の瞳で。
マユミが一瞬、俺に微笑んだように見えた・・・。(おわり)

55 :
                /⌒⌒フ--ィー、
             ィ¬'/x ―――‐ 、  >、
           __f´ >'   ̄ ̄ ̄ ¨ < 、 >、ィ=====ー 、
            ノ /  ,   |ヽ厶ヽ  \\ -く       \
              }// / j ヽ. 「  ヽ:|  、ヽ Vイ――ァ
           //  / /|  | |, ― 、||ヽ ヽヽ∨   /
         , イ斗 /  / , /┤i/l |     l|ヽl |│|ヽ  ヽ
        / |/ | / :! |/ / // j/   示ァxl |│| }―≦
     /  |/ |i|  i|│/ィテ心/     ki:爿 ,小|ーf´   X
      |    ヽ|i|  i| ヽ { V::ji}    弋zソ/│ノ 八/≧ヽ
      |     ∨ヽ \ \ゞ-'  ,        ム‐'  /    ハ
         /  \i ヽ.-     __ ,    /ィ ´/       }ヽ
          ̄ ヽ_/|  へ、      / /r‐x      ∧リ
              // |:/| | 勹r=--<r―'⌒{  ヽ    ト. }
           { { || v:l\ {v===/ 77{  ̄`  }     } '
               Vハヽ  \ ,ィ≠v-h } }ハ こ  /   ∧
            ヽハ   /ー‐' } }〈//{ ー― ' }  x ' j/
               { {  /   O/ , ノ/ ヽ     /| {/
             Vハ/     / / }     ーr‐' jー'
              ヽ{    ///´    /  /
                 ∧ // ,ィ     /  /
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  ___r‐r‐――― '   ヽ.j    /      |   '           ¨ー 、__
  } | |            /   /      │ {                  /
  \\ヽ        /   /         j  ',               /
    `-≧ー===≠≦     '        / ヽ  ',              /
      //   「ハ     |     , -'  r‐、>ー――――x    /
     / /    厂ヘ   |   - ' ィ--<______ / ヽ /
    ___{___}_ -- ヘ >ーr ' ___ノ \           \イ´ }\
  / /    __ - ヽー―'   \  ー――― 、    / ヽ∧ ヽ

56 :
もう終わりだね。今日まで頑張ってきたけど、それももう終わり。
間もなくここの核融合炉は溶解し、この施設は大爆発を始めるよ。もう誰も助からないんだ・・・。
この湾上都市のエネルギープラントは大爆発を起こし、周囲半径100キロくらいは完全な死の世界になる。
数百年から、果ては数万年先まで。放射能に汚染された土壌が広がるだけの、死の世界だよ・・・。
僕は手にしたサブマシンガンをテーブルの上に置いた。
部屋の中には、先ほどまで我々に抵抗していたエネルギープラントの職員たちが血まみれで倒れている。
無駄な抵抗なんかしなければ、彼らをここまで痛みつけてなかったのに。楽に死なせてやっていたのに。
命令どおり原子炉の制御棒を抜いて暴走させれば、仕事も早く済んでたのに・・・馬鹿な奴らだ。
けたたましい警報が鳴り響き、モニターには危険を告げる文字が点滅している。
でもね、明らかに上昇した炉心温度は、もはや停められないんだよ。
原子炉の核融合反応はとっくに臨界を越えてるんだ。
破滅の光が、ここから放たれるんだよ。全てを浄化する光が・・・あと少しで世界は滅ぶんだ。
僕はふと、警備用モニターに目をやった。
降りしきる雨の中、危険を察知した軍関係者が、施設に殺到しているのが見える。
特殊部隊員を満載しているであろう武装ヘリが、施設の上空を飛び回っているのが見える・・・もう遅いのに。
僕の同志たちが、ここに持ち込んだ機関砲でアーミーの連中に応戦している。
しばらくすると、モニターの映像の中で、アーミーの武装トラックの一つが炎上を始めた。
僕は、そんな虚しい光景を呆然と眺める。特に感動はない。ただ虚しさだけが、僕の心に去来する。
僕はタバコに火をつけた。喉をチリチリと刺激する煙を心地よく味わいながら、僕は笑った・・・。

原子炉の暴走が進み、完全に制御不能になった。すると、モニターに総員退去を命じる表示が出る。
どこに退去しろ、と、言うつもりなんだろうか? これからこの辺り一体は完全に死に絶えるのに。
全ての安全システムを破壊し、通信回線も破壊した。
唯一、政府安全保障室への回線だけが生きている。もちろんわざとだ。
今頃、政府は恐慌状態だろう。ざまあみろ。
僕はそのままウイスキーを取り出し、同志である美弥子に飲ませた。
彼女は先ほどの銃撃戦で腹を撃たれ、間もなく死ぬ。
だが愛する女の死を目の前にしても、悲しみは出てこない・・・むしろ幸せすら感じる。
僕だって同じだんだから。あと30分もあれば、僕も彼女とともに、この世から消滅するのだから。
この辺りに住まう、数百万人のくだらない人間たちとともにね・・・。
でもね、みんな。それは、とてもとても幸せなことなんだよ・・・。

57 :
・・・美弥子が事切れるのを見た僕は、そのウイスキーボトルに口を付けた。
彼女の口紅が僅かに付着するウイスキーボトル。
何度も唇を重ね、何度も僕のペニスを愛撫してくれた美弥子の唇だ。
僕はそのボトルの口に、最後の口づけをした。そのまま中身を思い切り煽った。
焼けるような刺激が喉に流入する。僕は少しむせながらも、その火傷しそうな琥珀色の液体を胃袋に流し込んだ。
少し涙目のまま、五月蝿く警報を鳴らすモニターに向かって乾杯と一言。
もう終わりだね。
施設内に特殊部隊員たちが突入したようだ。遠くからだが銃声が聞こえる。
サブマシンガンではなく、カービン銃の音がする。ここが核施設であることを忘れているのかな?
どちらにせよ、もうそんなこと言ってられないのだけど。
僕はサブマシンガンを手に取った。美弥子の死体から、サブマシンガンの予備弾倉と手榴弾を取る。
最後の戦いかもしれない。もしかしたら、世界を破滅に導く盛大な花火を見られないのかもしれない。
それが少し残念に思えた。
無線機から同志の村上が呼びかける声がする。直後、村上の絶叫が響き、同時に容赦のない銃声がした。
村上も一足先に、永遠の世界へ旅立ったようだ。
まもなくここにも来る。もう遅いのにね。もう停められないのにね。
管制室の廊下で同志が、軍の兵士たちと撃ちあいをしている。
炉心の融解を告げるメッセージか表示された。間もなく爆発が起こる。 さあ、もう終わりだ。
僕はモニターを見た。雨に打たれながら、装甲車や軍用車が佇むその光景。
この目の前で繰り広げられる殺戮の光景が、僕が見る最後の映像となるだろう。
おそらくすぐ後に、凄まじい光と熱線が僕を包み、その一瞬で僕はこの世から消滅するだろう。
最初に放たれた大量の中性子線で、おそらくこの地域数百メートルの人間は即死するのだ。
そのすぐ後に放たれる放射能の熱線が数十秒、辺りを焼き払う。
さらに巨大なエネルギーが一気に放たれ、この地域は全て破壊しつくされる。
最後に、大量の放射能を含有した雨が空から降り注ぎ、大地を穢してゆく。
僕もその一部となって、大地を穢してゆくつもりだ。(おわり)

58 :
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59 :
ズンッ! という衝撃音と共に、目の前のビルの窓ガラスが一斉に割れた。
一瞬ほど送れて、叩きつけるような爆風が道路をはさんだ此方のビルのテラスに突っ込んでくる。
俺は銃を手にしたまま床に放り出されリノリウムの床に叩きつけられた。
キーンという耳鳴りがするが、それ以外の音が殆ど聞こえない。
まるで周囲を分厚い防音壁で囲まれてしまったかのようだ。起き上がろうとするも、体のあちらこちらが痛む。
まるで水の中からの声のように、「立ち上がるな! 伏せろ!」と怒鳴る声。
視界前方に舞い上がった土煙が視界を遮る。その褐色の煙の中で幾つもの火花がちらついた。
同時にブンッ! ブンッ!といった感じの鈍い音を立てながら、俺の周囲を銃弾がよぎった。
奇跡というべきか、あれほどの衝撃の中で俺はライフルを手放さなかった。
俺は仰向けのまま、己の足の向こうに広がる煙幕へ向けてフルオートで連射した。
もちろん無茶苦茶に。これで当たればラッキーというものだ。
聴力が回復するに従って、周囲でバチバチと弾ける音がする。
同時にコンクリートの破片が降り注ぎ、顔や袖をチクチクと刺す。
恐怖に駆られた俺は仰向けのまま室内へと逃げ込もうとする。
このままじゃ的になってしまう。土煙が消えたら向こうから丸見えだ。
俺の鼻先から数センチのところを、弾丸が駆け抜けた。その弾丸は俺の背後で弾け、モルタルの壁を砕く。
全身にモルタルの破片が降り注ぎ、その幾つかが目に入る。
俺は目を覆い、尻込みするように積んである土嚢の裏に飛び込んだ。
「栗原! そこはダメだ、引け!」
薄まる煙の向こうから、そう命令する声が聞こえる。やはり足立小隊長だ。
足立隊長は片岡と二人で、階段の踊り場のところでうずくまっている。
足立隊長が指で階段の方を指す。そちらへ後退という意味だ。
そこまでの距離は8メートルくらいか?瓦礫だらけの足場の悪い床なうえに、一切障壁が存在しない。
チュンッ!という鋭い音とともに、俺の目の前の土嚢から土煙が上がった。
確実に俺は狙われている。俺は応射しようか、と思ったが、とてもそんな状況ではない。
片岡が物陰から顔を覗かせ、一気に銃弾を撃ち込んだ。途端にその片岡に向かって、向こうからの一斉射撃が始まる。
片岡は壁際に引っ込み、頭を抱えてうずくまる。足立が片岡を怒鳴りつけるのが見える。
ここでふと、俺は思った。匍匐前進でもどうせ丸見えだ。なら立って、一気に駆け抜けた方が早い。
どうせここに居たらいずれやられる。時間はもうない。
そう決断した俺は、恐怖を紛らわせるために何か叫び、土嚢の裏から飛び出した。
向こうで足立が両手で戻れ、と合図している姿が見えた。
また、うずくまっていた片岡が膝の間から顔を上げ、驚くような目で此方を見ている。
バシッ! チュンッ! という破裂音と共にモルタルの破片が大量に飛び散る。
俺は一歩目、二歩目と瓦礫の上を飛び上がり、飛び込むべき場所だけを見ていた。
スローモーションの中に居るような、まるで現実ではないような、そんな感じがした。
一歩目も二歩目も、もどかしいくらいに動きが遅い。まるで水の中でもがいているようだ。
靴底から礫状のものを踏み潰す感触が伝わる。その不安定さが俺を苛立たせた。
視界の僅か左で足立が俺に向かって何かを叫んでいる。
俺は一瞬、そちらに目線をやり、再び戻した。

60 :
左足で三歩目を踏み込んだ瞬間であった。
わき腹から背中にかけて、鈍器で殴られたような衝撃が走った。
同時に左足が地面を掴み損ね、大きく横に滑る。俺は何とかバランスをとろうとした、と思う。
だが、俺の体は投げ出されるように宙を舞った。あれ? と俺が思ったとき、右肩が激しく床を打った。
直ぐ後に、俺のこめかみの辺りが、床に衝突する。そのまま俺は床を滑った、と思う。
砂利のような瓦礫が、俺の肩や背中にめり込み激痛が走った。俺は顔を顰め、うなった。
おそらくこの間は、ほんの二秒ほどではなかったかと思う。
なのに、この時の情景は今でも鮮明に覚えている。そう、嫌になるほど克明に。
俺の体は壊れたおもちゃのように、床の上に投げ出された。
床の上で、これまた仰向けで停止したとき、俺の左肩から耳に掛けて衝撃が走った。
まるで物凄い熱い棒で叩かれたような、そんな感じだった。
まもなく、全てが元に戻った。再び飛び交う銃弾の衝撃音がブンブンと響く。
モルタルの壁がバラバラと崩れ落ち、俺に降りかかる。
いったい、何が起きたのだろう?こんな見通しの良すぎる場所で、俺は何で寝転がっているんだろう?
直ぐ後ろで、ガチャンというガラスの割れる音がした。そこはトイレで、その窓が割れたのだ。
その破片が、俺の上に落ちてきた。鋭い先端が俺の頬を軽く切り、ガラスの破片が口の中に入る。
とっさに俺は、破片を吐き出そうとした。そして俺は、自分の体を見た。
左足が潰れていた。左わき腹が十センチほど裂けて盛り上がり、血がべっとりと滲んでいた。
俺は動転し、左手でその傷口を押さえようとした。が、すでに左腕は、上腕の中ほどから失われていた。
肘よりも手前のところで引きちぎられたようになった左腕が、俺の目の前に現れた。
唖然としてそれを見ている俺の顔に、ぺちゃぺちゃと血が垂れてきた。
立ち上がらなきゃ、と俺はもがく。そこで気づいた。俺の腰から下が、全く動かないことに。
俺の視界が、徐々に暗くなっていった。おそらく失血して意識が薄れたのだろう。
もっともそんなことは、随分後になってから気づいたのだが。
薄れゆく意識の中、向かいのビルの屋上でベッドシーツが何枚も干してあるのが見えた。
ああ、こんな土煙の中で干したりしたら、また汚れちゃうだろな、と俺は思った。
誰かが、俺の体を抱きかかえた。俺はなすがままに、その誰かに体をゆだねた。
瓦礫の上を、俺は引きずられている。背中からガリガリと瓦礫をつぶす感触が伝わった。
俺はそこで意識を失った。

61 :
目覚めたのは、陸軍第12病院の集中治療室であった。
蛍光灯の青白い光が、俺の目の中に溶け込むように照り付けていた。
全くの無の世界から、ゆっくりと形作られるように目の光景が出現した。
とはいっても、それは淡いクリーム色をした天井でしかなかったが。
頭がぼやけている。何も考えられない。おそらくは数分ほど、俺はそのまま天井を見上げたままだったと思う。
俺の左脇に、幾つもの医療用の機器が並んでいるのに気づいたのは、さらに数分経過してからだった。
寝転がったまま、俺はゆっくりと視線を移した。
オシロスコープのモニターに、規則的に何かの波形が描かれている。
画面の隅に幾つかの数値データが表示され、何秒かごとにその数値が上下する。
俺はどこにいるのだ?目覚めて一番最初に、俺が意識して考えたことはそれだった。
それは目覚めからたっぷり十分以上掛かっていたと思う。
医療用機器から目線を外し、俺は再び天井を見上げた。映像は先ほどよりも鮮明だった。
蛍光灯の隅っこの方に、それを作ったメーカーのロゴらしきものが小さく見える。
何も思い出せない。いや、正確に言えば、何かを思い出そうとする努力が億劫だ。
濃い靄の中を漂っているような、全てがそんな曖昧な感じだ。
俺はそのミルクのような靄に沈み込むように、再び眠りについた。
次に目覚めたとき、俺は医師と看護婦数人に覗き込まれていた。
マスクを付け、銀縁の眼鏡を掛けた医師が、ガラス球のように無機質な目で俺を見下ろしている。
看護婦の一人が横を向き、手にした点滴用の袋をフックに釣っていた。
俺は数回ほど弱々しく瞬きをした。無性に眩しかった。
医師はそれを確認し、「目覚めましたね」と穏やかな口調で言う。
状況は全く分からない。こいつらは一体何しに来てるのだろうか?
俺は医師の目を見返したが、医師は直ぐに俺から視線を外した。
脇にある機器の方に向き直った医師は、看護婦に何かを告げる。
左腕が無い、と気づいたのはそのときだった。
形の良い看護婦の尻、その手前に、ぐるぐるに包帯の巻かれた俺の左腕があった。
肩より先、ほんの十センチほどで、俺の腕は途切れている。
それを見て俺は、おそらく驚いたと思う。
だが同時に、腕が失われているということを既に自分が知っていたということにも、何故か気づいた。
そう、俺は知っていたのだ。俺に一体、何が起こったのかを。

62 :
俺の肉体を貫いた弾丸は、合計三発。ちなみに一発目と二発目はほぼ同時だったという。
まず一発目が俺の左わき腹に侵入し、そのまま脊柱を砕いて貫通した。
これで俺は腰から下の感覚を、永遠に失うことになった。
二発目は俺の左足の大腿下部の、左膝に近いあたりに侵入した。
銃弾は大腿骨を破壊すると同時に砕け、大腿四頭筋および大腿二頭筋を目茶目茶に引き千切った。
医師は俺の左足を治癒不可能と判断し、恥骨より12センチの場所から左足切断手術を行った。
三発目は俺が倒れた後だった。倒れたとき、左肩から左耳に掛けて熱い棒で叩かれた感じがした、あの時だ。
その弾丸は俺の上腕の肘より上のところで、完全に左上腕骨を砕いた。
兆弾した弾丸は俺の耳の肉を僅かに剃り、さらにこめかみを掠めて飛び去ったという。
左腕は弾丸の衝撃で引きちぎれ、既にあの場で切り離されていた、という。
左半身全滅だな、と俺は思った。
もちろん、こんな状態になって冷静でいられるわけがない。
だが一度に多くのものを喪失したショックで、俺は感情を露わにする術を忘れてしまっていた。
医師が上記のことを告げているとき、俺はまるで他人事のようにそれを聞いていた。
自分に起こった現実として受け入れるには、あまりにも突飛過ぎたからだ。
俺の精神はまだ、自分がまだ五体満足であると意識したままなのだ。
だが現実の俺の肉体はもはやそうではない。そのギャップを、受容できていないのだ。
俺は泣き叫ぶんじゃないか、と思った。だがまだ、何も起こらなかった。
医師はおそらく鎮静剤やらモルヒネやらを投与しまくってるんだろう。
夢と現実の間の曖昧な場所で、俺の弛緩した意識がプワプワと漂っていた。無気力なままに。
陸軍に入隊したい、と俺が言ったとき、父は強く反対した。
実際の戦闘はそんな甘いもんじゃないんだぞ。
殺し合いの中に身を置くということは、自分にも死が降りかかってくることでもあるんだ。
二ヶ月ほど前に他界した父は俺を睨みつけ、そう諭した。
実は父にも従軍経験はある。PKO活動の際、ゲリラ武装蜂起の鎮圧のために、国連軍が派遣されたときだ。
もっとも父は戦闘員ではなく、配電技術を担当する技術下士官としてであったが。
ゲリラを放逐した後の治安維持活動が主任務であり、そこでインフラ整備にかかわっていた。
二度ほど現地ゲリラの襲撃され、あわや殉職するところであったという。
地味で目立たない、そんな父の従軍経験を俺は軽蔑していた、と思う。
勇敢さも格好良さもないようなそんな仕事を、果たして従軍といえるのだろうか、とすら思った。
それに引き換え、俺が希望するのは対テロ特殊部隊であり、都市型ゲリラ戦の精鋭だ。
過酷で激しい戦場の中で、俺は己の可能性を知りたかったのだ。いや、それは嘘だな。
単純に俺は、軍の精鋭部隊とかゲリラ戦とかの格好良いイメージに憧れていただけかもしれない。
強靭で勇敢な兵士というイメージに、自分の理想を重ね合わせていい気になっていただけの、ガキだったんだ。
元々運動能力の高かった俺は無事に合格し、さらに24ヶ月の訓練を受け、陸軍特殊部隊の兵になった。
そして初めての戦闘。そのたった一回の戦闘で、俺は今のこの状態になったわけだ。

63 :
中隊長の正岡少佐が俺の病室にやって来たのは、俺が意識を取り戻して一週間してからだった。
正岡によれば、俺は名誉除隊とともに第三等級勲章が送られるそうだ。
同時に俺は直ちに二階級特進の措置がとられ、下士官の二等軍曹に昇進するという。
そのため傷痍軍人保険医療費及び傷痍軍人年金は下士官に准ずることになった。
その後、正岡は弾けるように敬礼をし、それに俺は応じた。
退出寸前、正岡は俺の右手(俺の唯一の健常な部分)を握り、気を落とすな、と声を掛けた。
俺はハイ、アリガトウゴザイマスと答えた。
自分でションベンもクソもできないのに、気を落とさないで居られる人間などいるのだろうか?
この日から、リハビリテーションが始まった。
リハビリ施設は病院と併設されている。病院と同じく軍の付属施設である。
そこは俺と同じように体のあちこちを失った軍人たちが群れていた。
ここでは手一本や足の一本が無い、なんてのは可愛いほうだった。
全身の7割を火傷したやつとか、両腕を綺麗になくしたやつとか、さらに両足までなくしたやつとかもいた。
最近の武器は性能が向上しているなと思った。なにせ20mmの榴散弾がフルオートで撃てる時代だからな。
俺はその中に入り混じり、異様に腋臭がくさいインストラクターと共にリハビリを開始した。
障害者向けの社会復帰プログラムとして、最低限の生活ができるように身体機能を回復するためだ。
俺は一生涯、車椅子で移動することが決定している。
車椅子からベッドの移動は、絶対にマスターせねばならない能力なのだ。
実はこれがきつい。なにせ俺には左腕もないのだから。
残念ながら軍の傷痍軍人年金では専属の介護士を雇うことは無理だ。
さらに自分の排泄物の始末の訓練も行った。
脊椎損傷である以上、大便はゴム手袋をした指で直腸から掻き出さなければならないのだ。
もちろんペニスは勃起することはない。そんな感覚ももはやないのだ。
精巣が残っているから、子供を作ることは可能だそうだ。だがこんな俺と結婚しようとする女なんかいるか?
殺し合いの現場では、相手だけではなく、己にも死が降りかかってくる。
父はそう言っていたが、今の俺はそれが理解できる。
ちなみに父は戦場で、一度だけ人を殺していたという。
俺が特殊部隊の選抜プログラムを終え、入隊試験に最終合格を果たしたときにそれを父から告げられた。
二度目にゲリラに襲撃されたときで、サブマシンガンで応戦し相手のゲリラを斃した、という。
そのゲリラは、若い女性だった。そしてそのことが、父の生涯の重しとなった。
人をRことは、また同時に己をRことにもなる。
たといそれが身を守るためであったとしても、相手を殺したという事実は消えない。
俺の場合は、相手のゲリラを殺そうとし、そして誰も殺していない。
あれほどの戦闘だったにもかかわらず、相手のゲリラは軽傷者が一人いただけだったという。
つまり誰も死ななかった戦闘で、俺だけが左腕と左足をと半身の感覚を失い、廃兵になったのだ。
しかも俺にとっては初めての戦闘体験。特殊部隊の精鋭が聞いてあきれる。
戦争なんてそんなものだ。俺は何も成せず、何も成し遂げることなく、ただ壊れてしまった。
馬鹿げた憧れと、安っぽい英雄願望を抱いたまま、紙細工の人形のように。
その重しが、引きちぎれた肉体を持つ23歳の若者に、重く圧し掛かる。

64 :
週一度の検査通院とリハビリ施設での能力回復訓練。
俺は人生が続く限り、ずっとこれをやり続けることになる。
風の噂で、かつての同僚たちが、俺の判断ミスを嘲笑っていると聞いた。
混乱の中で気が動転し、無謀にも敵の銃口の前に飛び出して自ら的になった愚か者。
なるほど確かにそうかもしれない。それは事実でもある。
やつらもボロ雑巾みたいになっちまいやがれ。過激派連中のパイプ爆弾で内臓撒き散らしてRば良い。
俺は心の中でそう祈った。そして心の中で泣いた。
俺の祈りは時に通じ、そして時に裏切られた。
かつての同僚たちの死亡記事や負傷の話を聞くと、俺はひそかにほくそ笑み、心の中でガッツポーズをとっていた。
自分が歪んでいってるのがわかる。そりゃね、それくらいわかる。
だからなんだってんだ? 何か問題あるのか?
ならお前らも、やる気まんまんのゲリラの銃口の前を無防備に走ってみろよ。
運がよければ俺みたいになれるぞ? どうだ?
殺し合いの現場ってのは、死ぬのは相手だけじゃないんだ。
自分の体を敵の弾丸が貫き、血肉が切り裂かれ、骨が砕かれるんだよ。
俺は俺の心がゆっくり死んでゆくのを感じる。
窓から夕日を眺めているときに、ケツの穴から自分のクソを指で掻き出しているときに。
死に切れなかった俺は、こんな惨めな煉獄の道を歩いてゆかねばならないのだ。
この煉獄の苦しみに耐えかねて、爆弾でも作ってどっかに送りつけてやろうか、なんて思ったりする。
なにせ訓練プログラムで作り方知っているんだから、
そんなことを想像してにやけてる俺もいる。それもまた今の俺の姿だ。
殺し合いの中に身を置くと、自分にもまた死が降りかかる。
父の言葉を、もう俺は十分に理解していると思う。そして父が自殺してしまった理由も。
死は時に、救いとなるのだ。そしてそれは俺にとっても。 (終わり)

65 :
                -‐、_ /\__ ,へ、/´`ヽ、_
            ,≠ニ二 ヽ 7《 「/.く         ̄`ヽ
               /   ,ィ´:ヘ..イ ̄   /!∧ノ"゛゙゛∨ヽlヽ \
              ノ ,.イ ..:::/ .::/!_ Ww',ム/N 、V^   ヾv ',
              ハ:!.::::;::l,イ/:;:::://ゝ/,ィミ、 !、W:!从:::`ヽ、:}ノ
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            ハ:::::::::ノ:::l::;:`V^V    `      ({リゞ|::::ハ: }
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',:l  l::::l、::∨ヽ:_> ` ´/::::/./::.  ...  ヽ.      /      〉、v〈ヨ)
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               ∧              〉′   !      rく::::::ソ' .l ∧
              i'::∧          /     ll      L彡´  ll 斗、
          〈::::::::::..         /       !:!            l `ヽ |

66 :
「みなさん、こんにちは! 今度写真集を発売させていただいたエリナですっ! よろしくお願いします!」
短く切り詰めた短いスカート。大きく胸元を強調したノースリーブ。
露出度の極めて高いステージ衣装を着用し、エリナはステージの上で愛想を振りまいていた。
新人グラビアアイドル、エリナ。18歳になったばかりの、初々しい魅力に溢れた美少女アイドル。
今日は新しい写真集の販売促進のためにファンイベントだ。
決して広くは無い特設イベントの部屋。だがそこには、既にむさ苦しいヲタたちがひしめき合っている。
露出の高い胸元や、スカートの裾から伸びる健康的な脚線美は、彼らの熱い視線を捕らえて離さない。
自分の体を貫かんばかりの、欲情に満ちた視線。その視線を全身に浴びながら、エリナは怖気がした。
そんな己を喚起するかのように、エリナは必死に笑顔を作る。気持ち悪いのを我慢して。
作り笑いの笑顔が、少し不自然かも、と脳裏に過ぎる。だが、客席の男たちは、そんな笑顔でもわいわいと沸き立つ。
そこには「湾上シールド」と呼ばれるアイドルの親衛隊たちもいた。
清純派アイドル好きのロリコン集団でおなじみの、狂信的アイドルマニアの連中だ。
エリナは受け入れがたい欺瞞を感じた。うその作り笑いで、彼らをだましているような、そんな気分。
虚構の世界だ、とわかっていても、やはりその気持ちは抑えられない。
エリナはステージの横をチラリと見た。そこにはマネージャーの美穂がいる。
美穂は満足げな微笑んでいた。エリナはその笑顔をみて、少し安心できた。
大丈夫、私はやれる、そう自分に言い聞かせる。
マネージャーの美穂さんは、凄く素敵な大人の女性だ。
昔はアイドルグループの一員として活躍したらしいが、今は知的でクールな美人キャリアウーマンって感じ。
スタイリッシュなスーツと、切りそろえた短髪、シンプルなメイクでも十分綺麗な面立ち。
颯爽としたそんな美穂は、エリナにとって憧れの存在でもある。
いつかあんな素敵な女性になってみたい、美穂はエリナにそう思わせるような、そんな女性だった。
「ご苦労さまエリナ。今日のイベント、うまくいったわね。」
握手会を終え控え室に帰ると、美穂は労うように声を掛けてきた。
正直言って、イベントは決して楽しいものではなかった。
好きでもない相手に愛嬌を振りまく自分に、どこか嫌悪を覚えているのも確かだ。
でも、美穂さんのこうした一言で、そうした悩みも吹き飛んでしまう。
この人が支えてくれるから、私は頑張れる、エリナはそう思っていた。
「でもねエリナ、まだちょっと躊躇があるみたいね」
美穂はそう付け加える。その一言は、喜んでいたエリナの心に、チクリと刺さった。
もしかしたら、見抜かれているのかもしれない・・・美穂さんくらい賢い人なら、それくらい分かってしまうかも。
「まあ大丈夫よエリナ、慣れの問題だから。プロの水に馴染むまでは気合入れて、ねっ!」
美穂はそう言うと、エリナに微笑みかけた。端正で怜悧でクールな美穂さんが時折見せる、抜群の笑顔。
その笑顔は、不安定なエリナの心を解きほぐす。
だが、美穂の眼鏡の奥の瞳は笑ってはいなかった。笑顔の奥で、エリナのことを冷徹に見つめるその瞳。
エリナは、その冷ややかな視線に、全く気づくことはなかった。
「エリナ、今日はこれから打ち合わせがあるの。大丈夫よね?」
タクシーに乗り込み、美穂が運転手に行き先を告げると、そう言った。
「打ち合わせ、ですか?」
事務所を出発するときに確認した限りでは、今日はこれで終わりのはずだった。
久しぶりのオフ……少し部屋の掃除でもしようかな、と思っていたのだが。
エリナは美穂の顔を見た。携帯を覗き込む美穂の横顔・その端正な横顔を、窓から差し込む夕日が照りつける。
細身の眼鏡のレンズが、日差しを反射して茜色に輝く。素敵な人だな、とエリナは思った。
「あのね、急遽決まっちゃったの。突然なんだけど、何か用事でもあったの?」
美穂は携帯のメールをチェックしながらたずねてくる。用事、といっても別に大したことはなかった。何の問題もない。
「いえ、特にありません。大丈夫です。ところで何の打ち合わせなん、」
エリナがそう聞き返すと、その言葉を遮るように、
「そう、よかった空いてるのね。ありがと」
美穂は有無を言わさずそう答えると、どこかにメールを打ち始めた。
その美穂の冷たさが、エリナは気になった。

67 :
「エリナちゃんかぁ。可愛いねぇ」
湾上都市、南大路区にある南大路インペリアルホテル。
そのスイートルームには、湾上テレビジョンのプロデューサー、野上忠信が待っていた。
たるんだ腹の肉、薄くなった頭髪、下品な笑顔を浮かべたその中年男は、それでいて芸能界では重鎮だ。
湾上テレビジョンのドラマ部門のプロデューサーであり、そこのトップだからだ。
野上はエリナの直ぐ隣に腰掛けた。エリナは笑顔を作りながらも、僅かに腰を引いてしまう。
作り笑いの虚しさを、ここでも感じる。しかも今回は、さっきのようなファンではなく、テレビ局のプロデューサーだ。
エリナはぎこちない声で、ありがとうございます、と答えるのが精一杯であった。
「ちょっと、電話を掛けてきますね。」
美穂は突然そう言うとソファーから立ち上がり、素早く隣室に向かった。
ごく自然に、何気ないような動作で。
「えっ?」
エリナは思わずそうつぶやいた。
美穂さんが立ち去れば、この部屋は自分と野上の二人きり。
不安になったエリナは、扉の向こうに消えゆく美穂の後姿を目で追う。
美穂さんは全く振り返らない。ハンドバッグの中から携帯を取り出しながら足早に隣の部屋へ歩いてゆく。
そのまま美穂さんは向こうへ消え、扉は閉まった。
突然、首筋の生ぬるい息が吹きかけられた。
酒くささとヤニ臭さ、それに加齢臭の入り混じった嫌なにおいが鼻腔を突く。
ゲエッ!きもい!エレナは思わず身体をのけぞった。もう、それは反射的な動作だった。
だが、野上の力強い腕が、エリナの肩を掴む。
「今日はねぇ、エリナちゃんの、主演ドラマの企画の話があって君に来てもらったんだよぉ」
野上は満面笑みを浮かべ、甘ったるい声でささやいた。
エリナの耳元で。熱い吐息を噴きかけながら。全身の怖気が走る。背筋に鳥肌が沸き立つのを感じる。
エリナは、野上の目を見た。笑顔を浮かべた気持ち悪い中年男がそこにいた。
だが、その目は笑っていなかった。欲情の炎がちらつく血走った目が、エリナを真っ直ぐ捕らえていた・・・。
「い、あうあ。」
エリナは言葉を出すことができなかった。自分が震えているのが分かる。どうしていいのか、わからない。
すると、野上はエリナの手首を掴んだ。力強く。
「大丈夫だよ、エリナちゃん。優しくしてあげるからねぇ」
野上はエリナの身体を抱き寄せた。抗おうと身をよじったが、野上はそれを許さない。
さらに頬を強引に引き寄せられ、唇がいきなりエリナの唇に重なった。
「んっ! んんっ! や、やめてください!」
エリナは野上の身体を突き飛ばした。
「こんなの嫌っ!助けて、美穂さん!」
素早く立ち上がったエリナは、捕らえようとする野上の手をすり抜け、出口へと向かう。
突然、目の前で部屋の扉が開いた。
「み、美穂さん!」
そこには、美穂が立っていた。エリナを見下ろしながら。
普段とは打って変わって、まるで物を見るような冷ややかな視線で。
だが、エリナはその視線に気づかず、泣きじゃくりながら美穂の胸に飛び込んだ。
「助けて美穂さん! 私っ……ワタシッ!」
美穂の胸にもたれながら、エリナは泣き喚く。
だが、美穂は抱きとめてくれなかった。
いつもの美穂さんなら、エリナを優しく抱きしめてくれるはずなのに。

68 :
美穂の手が、ゆっくりとエリナの肩の上に乗せられた。
それは何かを探るように、首筋からエリナの後頭部へと移動する。
黒くつややかな黒髪を、美穂の手は優しく撫でた。まるでその髪を梳くように、丁寧に。
そのまま美穂は、エリナの耳元に口を近づけた。
口元には、微笑みが浮かんでいる。どこか残酷な、それでいて喜んでいるような微笑が。
「ダメね、エリナ。そんなことじゃ」
美穂はエリナの耳元でそう囁いた。そしてフッ!と笑った。
「えっ?」
エリナは顔を上げた。そこには美穂さんの顔があった。相変わらず微笑みを浮かべて。
細身の眼鏡の奥の目は、エリナに注がれていた。
そしてエリナはようやく気づいた。その目が決して笑っていないことに。
その目はまるで温情の無い、冷酷非情なものであることを。
突然、エリナの腕を掴んだ。それは力強く、乱暴な手つきだった。
そのままエリナを羽交い絞めにすると、エリナの上着を破りとった。とっさのことに、エリナは全く抵抗できなかった。
破かれたブラウスは無残に垂れ下がり、ブラに包まれた小ぶりな乳房が敏感に弾ける。
美穂はその乳房をブラの生地の上からやさしく撫で回し始めた。
乳房の周りから、指先で丁寧に、なぞるように、徐々に中央へと。

69 :
「み、美穂さん?」
エリナの声は震えている。その声に応えたのは、美穂の冷たい笑みだった。
「ねえ、言ったでしょ、エリナ。あなたにはまだ躊躇があるって」
美穂の手がエリナのブラの中に差し入れられる。
冷たい指先が、エリナの乳首を捉えた。その冷たさが、エリナを思わずたじろがせる。
「芸能界ってね、エリナ。そんなに甘いところじゃないのよ」
乳房を弄っていた美穂の手が素早く滑り降りた。そのままエリナのスカートをめくり、太ももを撫で回す。
「い、いやぁ」
エリナは逃れようとする。だが、美穂のもう一方の手はエリナを硬く締め上げて離さない。
ももを撫でていた美穂の手が、ゆっくりと上へと登る。さするように、肌のキメの一つ一つを堪能するように。
なぜなのだろうか?エリナは、自分の恥部が僅かに熱を帯びてきているのを感じた。
今まで感じたことの無い感覚。だけど、どこかそれを予感していたような。
そしてそのことを、美穂に見抜かれているような。
「うふふっ」
耳元で美穂さんが微笑むのが聞こえた。その吐息がうなじを這い、エリナの首筋を舐める。
ぞくっ、とエリナは震えた。だがなぜだろう、先ほどの野上の時とは違い、どこか甘い。
そのタイミングを見計らったように、美穂の手はエリナのショーツの下に侵入した。
「み、美穂さん!」
足を閉じようとする。だけどできない。美穂さんの指が、あまりにも巧みに蠢く。
それは密生した恥毛を掻き分け、なおも進む。より敏感で、より潤った、熱い場所へ。
冷たい美穂の指先が、ゆっくりと包皮をめくる。その下の、豆粒のようなRに、美穂の指が触れた。
「あ、ああっ!」
膝がガクガクと震える。抑えていた何かが崩れた。と、同時に、自分の体の芯から、何か熱いものが迸った。
息がますます上がる。鼓動はどんどんと高鳴ってゆく。腰から力が抜けてゆくのが分かる。
ショーツが濡れたのがわかった。自分でもそれが信じられなかった。
だが、ショーツの生地が恥部の肌に張り付くような、あの感じがはっきりと感じ取れた。
美穂の指は遠慮しなかった。潤いを帯びたクレヴァスに、滑るように侵入する。勝手を知ったような、手馴れた動きで。
ビクンッ! と腰が反応した。同時にもう一度、体の奥から熱く何かが滲み出た。
反射的に膝を閉じようとする。だが、美穂の膝がその動きを許さない。
全く抵抗ができない。抵抗しようという意思がくじかれてゆく。そしてついに美穂の手がエリナのヴァギナを探リ当てた。
「もうこんなにお漏らししちゃってるのね、エリナ」
ヴァギナを優しく弄りながら、美穂は囁いた。そしてそのまま美穂は、エリナと唇を重ねる。
美穂の舌がエリナの唇を割り、舌と舌が絡み合う。生暖かい吐息が溢れる。それはとても甘い香りがした。
唇がゆっくりと離れた時、美穂とエリナの唾液が混ざり合い糸を引いた。
それは名残惜しそうに長く伸び、音を立てずに切れてゆく。
美穂と目が自分に注がれているのが分かった。これから獲物を味わおうとする凶暴な獣の目つきで。

70 :
エリナはベッドの上で、うつ伏せにされた。
既に幾度かの絶頂感を味わっていた。美穂の巧みな手業で。
体に全く力が入らない。既に全ての服は脱がされていた。
自分のヴァギナから自分自身が迸らせた液が垂れるのを感じる。
それは予想以上に量が多く、あふれ出て太ももの内側をゆっくりと流れた。
誰かが、エリナの目の前にひざまずいた。
手がそこから伸ばされ、エリナの顔を撫でる。
その手は頬を捉えると、エリナの顔をゆっくりと持ち上げた……野上だった。
既に全てを脱ぎ払った野上が、己の股間の一物を突き出していた。
絡み合った陰毛の中から汚らしく起立するそれは短く、節くれだっている。
独特の悪臭がそこから立ち上り、エリナは思わずむせ返った。
そのエリナの口の中に、勃起した野上のペニスが強引に進入してきた。
それはエリナの口を塞ぎ、なおかつ奥へと突き出される。
吐き気がした。
だが、エリナはその野上のペニスに丁寧に舌を這わせた。
そうせざるを得なかった。自分でも何故だかはわからぬままに。
鼻腔が野上の密生した陰毛の中にうずまる。
野上の濃い体臭がする。汗と加齢臭が入り混じった、怖気の立つような悪臭だった。
「ああっ!エリナちゃん」
野上は腰を振っていた。脈打つペニスがエリナの口の中で暴れる。
エリナは泣いていた。泣きながらも、必死になって野上のペニスをしゃぶる。
もう自分が何をしているのかがわからなかった。とにかく、この地獄のような時間が早く終わって欲しかった。
涎が口の中にたまり、唇の端から溢れ出る。それはときおり、ポタポタとベッドシーツの上に滴り落ちた。
「最高だよ、エリナちゃん! う、……あ、があぁっ!」
野上はついに達した。
達したと同時に、一度大きく腰をビクッと弾ませる。直後、脈打つ男根から大量の精液が吐き出された。
それはエリナの口の中に全て注がれた。
「ん、うぐんっ」
あまりの生臭さに、エリナはむせ返る。顔を顰め、その不快感に必死に耐える。
だが、沸き起こる吐き気を抑えるのはつらかった。
何度もえづき、ついには咳き込み、その汚らしい欲望のしずくをベッドシーツの上に吐き出す。
(もう、終わった?)
エリナは呆然としながら、そう願った。とにかく、早く終わって欲しい。
まるで靄の中を漂っているような、そんな曖昧な意識の中でエリナは願った。
これが現実ではありませんように、悪い夢でありますように、と。

71 :
「よく頑張ったわね、エリナ。 ご褒美をあげないと、ね」
後ろから美穂の声がした。それはとても遠くから聞こえてくるように思えた。
(美穂さん? ねえ、これ、夢なんですよね?)
エリナはそうつぶやきながら、縋るようにその声の方を振り返った。
そこには、美穂が仁王立ちしていた。
裸の上半身には、形の良い乳房が二つ並んでいる。
そして下半身は、巨大な張型を仕込んだぺ二バンが巻きつけられていた。
蛇が鎌首をもたげたようなその巨大な張型は、蛍光灯の光の下で鈍く輝いている。
まるで血に餓えているように、ゆっくりと揺れ動きながら獲物に狙いを定めているように。
エリナは恐怖した。その信じがたい目の前の光景に。ありえないような美穂のその姿に。
そんなエリナを、うっすらと微笑みを浮かべた美穂が冷たく見下ろしていた。
体が動かない。声が全然出ない。おそらくはバーサーカー、最近芸能界で流行している新型麻薬の影響なのだろう。
もちろん、エリナにはそんなことはわからなかった。恐怖におののきながらも、エリナは何も抵抗できなかった。
そんなエリナの後ろに、美穂はひざまずく。
「可愛いお尻」
美穂は、エリナの小ぶりな尻をゆっくりと撫で回した。美穂の視線が、エリナの恥部に注がれる。
そこでは濡れそぼったラビアが痙攣していた。ときおり花芯から、ゆっくりと花の蜜が滴る。
その美穂の視線が、エリナの体を熱く火照らせる。
何故だろうか、自分にそんな嗜好があるなんて今まで知らなかった。
「この可愛いお尻で、バカなヲタの坊やたちがRーしてるのよ、エリナ」
クスッ、と美穂は笑った。おかしそうに、なのに恐ろしく残酷に聞こえる。
美穂さんの本当の姿を、エリナは初めて知った気がした。
今まで知的で怜悧な仮面に隠されていた、その残酷きわまりない本当の美穂さんの姿を。
「でもね、エリナ。あなたもそろそろ学ばなきゃだめよ」
美穂さんの声が恐ろしかった。猫なで声のように、優しく甘い囁き。
なのに何故だろう、これほど恐ろしいのは。なのに何故だろう、これほど快感なのは。
「ひっ!ひぐっ!」
それは突然だった。美穂の指がエリナのヴァギナに突き入れられた。
一気に、迷うことなく。それと同時に、その美穂の爪がエリナのヒーメンを裂く。
「痛っ!ううっ!」
激痛がエリナを貫いた。まだ誰もたどり着いたことのない、エリナの体。
それが今、破られた。それも美穂の手によって。幾度も体がのたうつ。未体験の激痛が、エリナを苛める。
膣の中から、血が流れ出てくるのを感じた。それはゆっくりと溢れ、クレヴァスに滲む。
それを美穂は、ゆっくりと舌で掬い取った。美味そうに、丁寧に、エリナの秘所をぬぐうように。
「ごめんなさいね。エリナも早くコレを捨てたほうがいいと思ったの」
美穂の舌は更に奥に進む。に差し入れられたそれは、先をすぼめ、さらに奥の粘膜を舐める。
女の体の全てを知り尽くした、絶妙な舌技。エリナは短くあえいだ。そして再び絶頂に達した。
それから、どれくらい時間が経っただろうか?
美穂の張形がエリナの膣内で無遠慮に暴れる。穢れを知らぬ桃色の粘膜が、硬い張型で無残にいじめられる。
エリナは嗚咽していた。ベッドシーツを歯でかみ締め、その激痛に耐える。
だが、その痛みの中に、確実に快感を感じ取っていた。
幾度も絶頂に上り詰め、そのたびに熱い愛液を吹き出し、痙攣する。
そして、再びエリナの目の前に野上が現れた。まだ勃起していない、ふにゃふにゃなペニスをエリナの口にあてがう。
「エリナちゃん、もう一回頼むよぉ。これから長い付き合いじゃないかぁ」
絶望的なその言葉を遠くで聞きながら、エリナの意識は徐々に薄れてゆく。
エリナは、その野上のペニスを口に含んだ。朦朧としながら。
そして野上がついに果て、エリナの口の中に精液を放ったとき、既にエリナは失神していた。

72 :
ヴァギナを貫く激痛で、エリナは目覚めた。軽い頭痛がする。体を起こすのが億劫だ。
ここはホテル。南大路にある、インペリアルホテル。確かそうだった。
昨日の夜、打ち合わせでここに来たんだ。
エリナは寝転がりながら、横を向く。そこは窓だった。地上54階のプレジデンタルスイートの。
窓の外は快晴だった。南大路区の向こうの、房総半島を望む海が広がっていた。
その海は日差しを受け、キラキラと輝いている。
眩しい光が、エリナの顔を照らす。その眩さが、なぜか無性に痛い。
そして、ふいに昨晩の事を思い出した。
ここで繰り広げられた、あの恐るべき凶行を。無残に引き裂かれ、穢されてしまった自分を。
美穂さんの、あの姿を。
エリナは身震いした。だが、ヴァギナに残る痛みが、それが現実であることを残酷に訴える。
血で染まるベッドシーツが目に入る。自分が流した血、それに愛液、野上の放った精液、唾液。
それらが全て入り混じり、生臭いセックスの匂いが立ち上っている。
その汚らわしさに、エリナは慄然とした。
エリナは泣いた。はらはらと、目から溢れる涙が頬を流れ落ちた。
それを拭おうともせず、エリナは涙が流れるままに任せた。
突然、携帯が鳴った。エリナは、その携帯をゆっくりと取り上げる。
着信画面を見ることなく、そのまま電話に出て、耳をすませた。
「よく眠れたかしらエリナ?」
美穂さんだった。昨晩のことなどうそであるかのような、そんな爽やかな声色。
エリナは無言だった。返事の言葉が浮かばなかった。
ただ呆然と携帯を手にしながら、美穂さんの言葉を待つ。
普段なら、美穂さんは叱るだろう。言われたらちゃんと返事をしなきゃダメよ、という感じで。
だが美穂さんは何も言わない。それが怖かった。
「いい報告よエリナ、あなたの主演ドラマが決まったの。月9枠で」
美穂さんの声は笑っているようだった。喜びでキラキラしている。
それが、エリナには残酷に響く。エリナはなおも呆然とし、返事をしなかった。
「あと今日はオフよ。詳しい話は後でするから、じゃあね!」
美穂は明るく電話を切った。その美穂の声を、エリナは眩しい日差しの中で呆然と聞いた。
まるで現実とは違う世界の話のように。(おわり)

73 :
                  ____
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         「7フ!:^ヽヒツ`ヽX, -=ミ从: :{
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       i  ノ                 |       ト、: : : : :ー=彡   )'   ノ'
       l/       /      `ヽ|       ,   \: : : :`ヽ
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     Y       {     ゞ'   ;!     !         ノヽ
    八        人          ハ      ト . __ ノ     丿
      个 .   .イ         .イ: :{     |
      |  |                ノ: : i     ト、
      | |            ∧ハ}    j: :.ヽ
     | |              i }  !    {`ヽハ
       ,  ,′            |  |   i`ヽ乂
     ' /               ',   !    .
.    , /             V  |    |
    , /                   ヽ j    |
     /       j         ∨   |
.    /                      ∨   |
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   ;    \         /      '.  |
   !     ヽ       /          '. |
   |          爻  /        j   i
.  /|          、爻_ノ        ,'   |
 / !        イ `ヽ        {    |

74 :
一方、ヘイドレクは、何故か朱雀四条区にある関東自動車梶i※偶然の一致)朱雀四条工場にいた。
そこはトヨタ(※似たような名前の別の自動車会社)の車体を作っている世界的工場である。
だが一方で、ここは湾上都市版奴隷工場としても知られている。
安い給与、過酷な労働条件、社保も厚生年金も無く、労働基準法などほぼ無視。
利益重視の方針からコストカットと雇用調整が徹底的に行われ、ワーキングプアのたまり場とも言うべき工場。
ヘイドレクはそんな組み立てラインの一つで、黙々と仕事に従事していた・・・。
クレーンに吊るされレールに乗って流れてくる未完成の大きな機械の箱。
それが目の前に来たら、ヘイドレクは手早く、よくわからない謎の部品を取り付ける。単純でバカでも出来る作業だ。
「あれ、ボクは確か、世界を救う伝説の勇者として勇敢でかっこよく戦ってたような気がしたけど?」
作業を続けながらヘイドレクは首をかしげる。
記憶をたどってみると、、謎の劇団に勧誘されて方々の保育園で着ぐるみ人形劇をやってたような?
あれ、違ったかな?謎の会社の営業マンとしてイボつきのコンドームの訪問販売をやってたっけか?
ヘイドレクの貧弱なおつむは混乱する。
まあ、無理すんなヘイドレクくん。君のおつむじゃその辺が限界だからさ。
それよりも仕事の手が止まると、凄く怖い製造ラインの監督官にまた折檻されちゃうぞ。
いいのかヘイドレク君。あの折檻されたら三日くらいは血まみれのウンコしなきゃならなくなるんだぞ。
「まあいいや、へへへっ!」
口元から垂れる涎をツナギで拭いながら、ヘイドレクは手に取った謎の部品を車体に取り付ける。
どうせ記憶違いだろう、最近は自分の記憶が混濁して、時々自分の名前も忘れちゃうくらいだし。
さて、再び目の前に大きな箱がやってきた。
ヘイドレクは手早く部品を取り上げ、そこに取り付ける準備をはじめる。
その際、ふと手にした部品をチラリと眺めた。
その部品は縦20センチ、横15センチ、高さ15センチほどの直方体をしている。
表面はつや消しの黒色で、手に持つとちょっと重い。
そしてなぜかそこに「危険!! 取り扱い厳重注意!!」という書かれたラベルが貼られている。
またそのラベルには他に幾つもの髑髏のマークと、放射性物質を示すマークが描かれている。
「ふーん、なんだか危なそうだなあ」
ヘイドレクの頭脳では、そのラベルに書かれている内容などロクに理解できまい。
こういうヘイドレクみたいなおめでたい奴が、このラインに廻されるんだがね。
「ま、いっか! てへっ!」
ヘイドレクは嬉々として作業に没頭した。

75 :
それと、ヘイドレクくんはここ最近、とっても幸せなんだ。
え、何故って?それは簡単。他のラインの仕事よりも時給が良いからだ。
通常のライン作業であれば、時給は僅か1000円ほど。
さらに日研総業による中間搾取分を抜くと僅か時給550円。奴隷産業と言われる所以がよくわかる。
しかし現在ヘイドレクくんが就いたラインでは、時給で実に3400円。
他のラインとは比べ物にならないくらいに高額だ。
もちろん悪名高い日研総業の中間搾取分はある。それを差し引いても1800円に達する。
この給与はヘイドレクくんの今までの人生の中で、最も高額なものだったんだぜ。
そしてついに週末、待ちに待った給料日!
どきどきしながら給与明細を見たヘイドレク君。 もう大喜びではじけちゃいそうです。
美味しいプリンアラモード食べたりプレミア付いたエリナちゃんの写真集や美少女フィギュア買ったり、
それからそれからえっと……もうヘイドレク君、興奮しすぎて脱糞しちゃいそう!
各種手当ての欄に書かれた「重度危険作業特別手当て」という文字。
とてもとても大事なんだけど、ヘイドレクくんは当然そんなの見落としている。
それだけじゃないんだ、ヘイドレクくんにはもう一つ嬉しいことがあった。
それは給料が出るたびにヘイドレクのところに毟りに来るヤンキーたち。
そいつらがここ最近、ヘイドレク君に全く近寄らなくなったのだ。
それどころか廊下ですれ違っても、怯えたような表情をしてヘイドレクくんに道を空ける。
もっともロッカールームも別室で、出入り口もまた別、工場内の作業工程も完全に隔離されているので、
ヘイドレク君はこうしたかつてのいじめっ子たちに出会うことすら稀になっていたんだが。
とにかく心の平穏な日々が続く幸せに、ヘイドレクくんは喜びの色を隠せない。
「いやあ、やっぱり幸せって誰にでも巡ってくるんだなあ」
そう呟きながらヘイドレクくんは、皮膚のアチコチにできた紫色の腫瘍をぽりぽりと爪で掻いた。
最近目眩が増えてきたのも、血便が良く出るようになったのも、今のヘイドレクくんにとっては大して問題ではなかった。
目の上に出来た赤黒い腫れ物からの出血や、あごの端のリンパ節の肥大も大して気にならない。
「もしかして、このまま大金持ちになっちゃうかも、うふっ!」
不治の病に冒された病人を見るような周囲の目線も、今のヘイドレクには嫉妬と羨望の眼差しにしか感じられなかった。
結局、資本主義というのは、このような奴隷をたくみに用いて固定費を減らし、利益を上げるのが一番なのだ。
湾上都市の発展には、こうしたヘイドレクくんのような使い勝手の良い奴隷たちの血と汗が不可欠なのだよ。
嗚呼、ヘイドレクくん、君はどうなってしまうんだ!

76 :
          /          イf它メミー-   < _  く ̄\
         ィ⌒´/ ̄廴   / {い辷彡ク―- 、 \\  _〕 \ヽ
        f´l |  /  / ハ/ / >=≠=ー-   \ \ヽ __厂ヽ \
       | //   / ///   ′    ヽ ` 、\ヽ (_  ∠二ニ、
      /⌒7⌒ー┬ァ   / / /  l   |   l     \  l l / - ― r'
    /| //  /厶  l /  / l l|   l| |l  | |l   l ト、| 〃.::.::.::.:て |
     ヽ|′  ノ  /ヽィl   ′| l|   l| |l  | |ト、  | l | l〈″ ::.::.::. 〈|
      lノ     ´ ̄ 川  l| |||」|   l|`T 7 ハT | l | | | ::.::.::.::.::.::| |
      ⊥∠ ̄`ー-<⌒ 川  |l kヘ 八   | |/,,斗=ミk j | ! | ::.::.::.::.::. | |
    \::.::.:-‐''´ ̄ ヽノ川  |l_|孑テミ\ | l〃 弋ヅ゙} ' 从 |::.::.::.::.::.::.| |\
      ヽ ::.::.::.::.::.::.::..\ノ|  lヘド _ゞソ       ̄ / /|_j::.::.::.::.::.::.| |\ ヽー- 、
       ヽ ::.::.::.::.::.::.::.: >ヘ l 八     、       / /l |´::.::.::.::ー―{  、  ̄ ヽヽ
          \::.::.::.:: /..:::..\{  ヽ     __,、   イ l| |\::.:..\::.「::.弋_ \ \ }ノ
           〉、::.:〃.::.::.::.::|〔_ト   ト   ` ̄  /┼ノ |::.::.ヽ::.::.ヽ|::.::.: ノヽ l\ ヽ
         / ハh ::.::.::.:: j  |  |├]>  <__/l/  ; ::.::.::.::.::.::.::.: /   '.| ヽ ゛、
.        / / l | | ::.::.: //..::|  |ノ└―イロト、  /  ∧::.::.::.::.::.::.::.: { | l |、  }|
       / / ハ」 ::.:://..::.::. ' 〃   〃 || || ヽV  ′ヽ ::.::.::.::.::.::. 〉 l || \ ノノ
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       |i:i:iハi:i:{ ノl:i:iゝ   ゝ、::.::.::.::.::.::.::.:::..\     / .::.::.::.::.:: イ
       人{  ヽ′       〔 ̄::.::.::二 ィ::]{≫==≪}[::.r―‐::.::.:|
                    ヽ::.::.::.:ニ=::]{≫=≪}[::.::.ー‐.::.::/

77 :
ヘイドレクは死んだ。その死は実にあっけなかった。まるで虫けらのように死んだ。
仕事中、とつぜん白目を剥いてぶっ倒れ、全身を激しく痙攣させ、
体中の穴という穴から真っ黒な血を噴き出しながら、のた打ち回り、
耳を劈くような凄まじい悲鳴をあげ、そのまま息を引き取ったのだ。
ヘイドレクの死体のむごさは筆舌に尽くしがたかった。
髪の毛は殆ど抜け落ち、体の皮膚はところどころが腐って剥がれ落ち、
むき出しの肉からは腐った肉汁がダラダラと流れ、すさまじい悪臭を漂わせ……。
そんな凄いことになっちゃったヘイドレクくんだが、つい十分前までニコニコと笑いながら仕事してたのである。
「自分は妖精と話せるんだよ。妖精たちが言うには、僕は近いうちに神として生まれ変わるんだってさ」
そんなたわ言をほざきながら。痛み止めのバーサーカーで完全にラリホーになりながら。
何というあっけない最期なのだろう。でももしかしたら、とっても幸せだったのかもしれない。
ヘイドレクの死体は、ありとあらゆる毒物と放射能で汚染されていたため、数日間放置された。
その間にも彼の小太りの肉体は崩れ、腐肉は溶け出し、恐るべき悪臭を放ち続けている。
だが、トヨタ自動車(※という名前の架空の会社)側も、いつまでもラインを止めておくわけには行かない。
利益のためなら奴隷を使え、それがこの悪徳企業(※あくまでも架空の会社だけど)のモットーなのだ。
さて、ヘイドレクの死体だが、危機管理の専門家たちが色々な委員会で会議を開き、その処分方法が検討された。
結局、湾上帝国大学医学部医学科教授、山之辺友厚教授の研究室が研究材料として買い取ることになった。
100グラムあたり2円、処理費用は買い手側負担、それが湾上トヨタ側が提示した条件であった。
山之辺は煙草を二本ばかし灰にし、数本の電話を掛けたのちにそれを了承した。の、だが。
「うっ、おええっ!」
殆ど原型をとどめないほどに腐りきった肉の塊を前に、研究員の一人、牧村忠則は思わず吐き気を催した。
手にしたガイガーカウンターの針は完全に振り切れている。凄まじい放射能だ。
ヘイドレクの腐った肉体からは高濃度のプルトニウム239すら検出されている。
そもそも、このヘイドレクなる男は何者なのだ?
「俺はファンタジー世界で大活躍する伝説の勇者さまなんだぜ」と世迷い事を言うオツムの弱いファンタジーヲタ。
幼女アイドル絵梨ちゃん(※後に"エリナ"という名でグラビアアイドルデビューをした)のファンのロリコン。
実際はただの社会不適合者の落ちこぼれのワープア奴隷。
何でこんな男が、ここまでもてはやされなければならないのか?
研究員たちは怖気を感じつつ、そんな疑問を抱く。
腐りきったヘイドレクの体のあちこちには、瘤のように盛り上がった腫瘍がある。
山之辺教授によれば、これは特殊なバイオケミカル処置を施した新種のアンスラックスによるものだ。
胸から腹の辺りには、謎の巨大なカビがビッシリと生えている。
その先端にはそれぞれ胞子嚢が出来ており、胞子とともに紫色の瘴気を吐き出している。
これも山之辺教授曰く、「地球上のどのBC兵器よりも強烈」らしい。

78 :
「と、とにかく早く、地下の研究施設にこの腐った肉の塊を運ぶぞ・・・さあっ!」
牧村は研究員達に声を掛ける。だが、研究員達の表情には戸惑いが浮かぶ。
そりゃ牧村だって嫌だ。でも仕事は仕事なのだ。研究は研究なのだ。
シャベルのような道具で床にへばりついた液状の肉をこそげ取る。
掬い取るたびに、その半液状の物質はどろどろと溶け出し、床に流れ落ちる。
防護服を纏い完全に外気を遮断しているのだが、それでもその匂いが伝わってくるようだ。
その汚物を、彼らは黙々と運搬用の容器の中に流し込んでゆく。悪夢のような作業だった。
胴体であった部分はまだ骨が残っており、腐った肉を貫き黄褐色の先端が突き出ている。
牧村がそこにシャベルを突き入れた瞬間だった。
膨張した腹が突然破れ、中からおぞましいハラワタが吹き出るように流れ出た。
「もうっ、もう嫌だ!俺、こんなの扱うのなんか絶対に嫌だっ!」
若手の研究員の一人が泣きながらへたり込んだ。
おそらく胃なのだろうか、袋状に膨張した臓器が弾け、中身が飛び散る。
さらに毒々しい無数の原色に染まったハラワタが、床一面に流れ出た。
それをみて、研究員は全員、悲鳴を上げた。
散らばったヘイドレクのはらわた。そこには見たこともない芋虫がびっしりと蠢いていた。
それらは腐りきった肝臓や脾臓などを喰らい、薄気味悪いほどに丸々と太っている。
「凄まじいな」
普段は冷静な牧村も、この凄まじい惨状に思わず目を瞑った。
ところが、である。
「ん、あれは何だ?」
牧村は、不思議なものに気づいた。おぞましいほどに腐りきったヘイドレクの死体。
その腐肉と腐汁と畸形の蟲たちの間に、奇妙なものを見つけたのだ。
それは、ちんこだった。
間違いなかった。腐ったはらわたの中から、勃起したちんこが隆起していたのだ。
短小で包茎、包まれた包皮の中から奇妙な亀頭を覗かせながら。
腐敗せずに、まるで生きているときと同じく、名残惜しそうに勃起をしていた。
「なんで生殖器だけ、腐敗せずに残ったんでしょうかね?」
同僚の研究員、村上洋二は不思議そうに尋ねた。
牧村は無言だった。そりゃそうだ、そんなの分かりようがない。
牧村の目の前で、そのヘイドレクのちんこは、時折痙攣を繰り返す。
小さめなそのサイズながら、その逞しさに牧村は思わず唸った。
死してもなお、欲情を続けているのだ。それほどにヘイドレクは女に餓えていたのか?
確かにヘイドレクは、モテる気配の無い男であった。
ロリコンでファンタジーヲタ、ヘイドレクという男を評すれば、たったこの二語で終わる。
それくらい退屈で何も無い男なのだ。
だが今、牧村たちの目の前で、死してもなお勃起し続けるちんこ。
その凄まじい妄執、恐るべき執念……ヘイドレクの魂は、未だ欲情を燃え上がらせていたのだ。
牧村は、思わず目が潤んだ。
防護服ゴーグルで顔を覆っているため、流れ落ちる涙を拭うことができない。
他の研究員たちに涙を見られないよう、牧村は顔を背けた。
人間の業や欲、そういった穢れを超え、ここまでしてもなお逞しく立ち上がる力強い意思。
その凄まじさ、その圧倒的なまでのパワーに牧村は圧倒されていた。
牧村は思わず、そのヘイドレクちんこに手を合わせた。
腐汁と腐肉の中でもなお、力強さをみなぎらせて勃起を続けるそのペニスに。
そして、どうしたことだろうか。牧村の後ろにいた研究員たちもまた、両手を合わせている。
まるで祈りを捧げるように、目を閉じて。

79 :
「神だ」
誰かがつぶやいた。
「神が降臨なされたのだ」
別の誰かが、それに続く。神? 何のことだ? ここに居るのは全員研究者じゃないか。
中世の狂信じみたオカルティズムを排し、近代的理性と論理をもって全てと対峙する科学の使徒であるはずだ。
それが安易に神という言葉を語り、神に祈りを捧げるとは、愚かではないのか?
だが牧村も、己の中に近代的理性とぶつかり合う原始的崇拝とアニミズム信仰の衝動を感じ取っていた。
否定しようにも、否定しがたい本能的、かつ原始的な畏怖。
そんな中でも、彼らのつぶやきは、いつしか祈りの詠唱へと変わってゆく。
そして牧村は見た。
ヘイドレクの、その腐肉となった死体の中で、勃起したちんこが輝きだしているのを。
チェレンコフ光か?と牧村は思った。が、そうではなかった。
ちんこは、輝きながら痙攣している。そしてそれは徐々に、ゆっくりだが徐々に大きく成長しているのだ。
まるで、腐った肉を滋養分のしているのかのように。
そんな光り輝くちんこを、研究員たちは祈り、崇めている。
詠唱の声はいつしか絶叫に近くなり、泣き出しているものもいる。
その声の呼応するように、ヘイドレクのちんこが振動を始めた。
振動するたびにますますその大きさを増し、かつて勃起時12cmほどだった短小ちんこが、今や1mを越えている。
はっとなり、牧村は科学者としての自覚を取り戻した。
「一体これは何だ!それとお前ら!そんな祈りは止めろ!」
牧村は叫ぶ。だが目の前のその光景は、彼の理解の範疇を完全に超越していた。
研究員たちは祈りをやめない。それどころか、防護服を脱ぎさり、ヘイドレクのちんこを前に跪くものすらいる。
「防護服を脱ぐな! 放射能や菌に汚染されるぞ! やめろっ!」
牧村の必死の制止も虚しかった。その間もちんこは更に巨大化し、その輝きをさらに増す。
そしてついに、その亀頭は天井にまで達した。そのまま天井の板をメリメリと破壊し、突き破る。
「避難だっ! みんなもうダメだ! ここから出るんだ!」
牧村は命ずる。だが誰もそれに応じる気配がない。中には全裸になり、踊り狂ってる者すらいる。
詠唱は歌となり、その歌はヘイドレクのちんこの糧となり、そして……ああそして。
「うわあーっ!」
ヘイドレクのちんこはついに天井を突き破った。
同時に建物は崩壊し、牧野を含め、そこに居た研究員全てを押しつぶしてしまった。

80 :
それは壮大な光景であった。
夜ともなれば東京湾のど真ん中に浮かぶ煌びやかな摩天楼。
10億ドルの輝きは海の水面に反射し、その壮麗な景観に更に彩りを添える。
そんな湾上都市のど真ん中に、恐ろしく肥大化した男根が聳え立っているのだ。
グロテスクなまでにリアルで、しかも仮性包茎。
見てるだけでイカ臭さがにおってくるような、そんな汚らしいちんこ。
それはヘイドレクのちんこだった。
湾上都市の摩天楼群の中から突き出たそれは、さらに逞しく成長している。
月明かりが輝く夜空に向かって、真っ直ぐ、一直線に。
だが、その根元は地獄絵図であった。 突如現れた巨大なRは、湾上都市の町を破壊してゆく。
ビルはなぎ倒され、道路や橋は寸断され、石油コンビナートは爆破し、大地は地割れた。
人々は欲情の渦に飲み込まれ、老若男女が入り乱れて壮大な乱交パーティーの修羅場と化して行く。
追いも若きも、みな欲情でギラ付きながらその辺で交尾を始める。
そのまま破壊され行く町の瓦礫に押しつぶされ、巻き起こった竜巻に飲み込まれ、波にさらわれてゆく。
いつしか雲を突き抜け、その先端の陰茎亀頭が成層圏に達する。
大気圏を突き抜けた五十嵐のRは、宇宙空間に到達した。
それは恐るべき光景であったろう。
青く美しい地球から、ヘイドレクの仮性包茎のRが悠然と起立しているのだ。
そのおぞましさ、冒涜的な汚らわしさは、もはや筆舌に尽くしがたい。
地上に生き残っている人々は、その突如として現れた巨大なRを、ただ唖然と見つめていた。
意味などまるでわからない。理解などまるでできない。ただただ驚愕しながら、立ちすくんで。
天高く聳え立つヘイドレクの仮性包茎R。
果たしてこれは、現代に現れたバベルの塔なのだろうか?
それとも、新たなる時代を向かえ、降臨した神の顕現なのであろうか?
突然、ヘイドレクのRが激しく痙攣を始めた。痙攣、と表現してよいものなのだろうか?
大地より天を貫く巨大なペニスが、何かを堪えるように揺れ動いたのだ。
その振動は、大地と空気を激しく揺らした。赤黒いその肉の柱から、衝撃波と言うべき凄まじい振動が放たれたのだ。
その衝撃はもはや圧倒的であった。それは世界に嵐を呼び起こした。台風なみの巨大竜巻を発生させた。
地殻そのものを揺すり、大地震を引き起こし、挙句に巨大な津波を引き起こした。
山脈は割れて崩れ、川は溢れ返り都市を押し流し、大海は荒れ狂った。
火山が噴火し、巨大な火炎弾が雨あられと都市に降り注ぎ町を破壊し、人々を焼き尽くした。
それでもヘイドレクのRは、痙攣は止めない。
表面に浮き出た静脈は不気味なほどに脈打ち、膨張してゆく。
さらに膨張するヘイドレクちんこは、もはや破裂寸前だ。
天を貫かんばかりに、その仮性包茎ちんちんは激しく膨張してゆく。

81 :
「な、何なんだあれは!」
湾上都市の外れ、更科区の河川敷で、ユウジは叫んだ。
真っ暗な夜空に突如現れた、巨大な、そして実に汚らしいちんこ。
辺りに突風と波が押し寄せ、遠く汐入区の石油コンビナートの辺りからは、巨大な炎が上がっている。
大地は揺らぎ、立っているのもつらいほどだ。
地面は方々で地割れを起こし、破裂した水道管からは水が溢れかえっている。
方々のビルは倒壊し、人々が押しつぶされる。
だが何故だろう、押しつぶされる人々はみな、老若男女入り乱れて激しく乱交セックスを繰り広げていた。
大波が押し寄せようと、突風が吹き荒もうと、大地が割れ、建物が倒壊しようと、彼らはセックスをやめない。
それどころか満面に笑みを浮かべ、詠唱の言葉を叫びながら、何度も何度も絶頂し、それでも腰を振り続ける。
一人の女学生は、数人の薄汚い浮浪者の男たちの口もヴァギナもアナルも塞がれ、中出しされている。
だが、さらに肉棒を求めようと女学生は次から次へと男のペニスを求める。
男たちもそんな女学生に次々と己の精液をぶっかけ、白い柔肌にペニスを擦り付ける。
むさ苦しい浮浪者たちのうめきと、女学生の喜びの声は、祈りの詠唱の中へと綴られてゆく。
中年のおっさんが老婆とセックスをしている。
しなびた乳房を露にしながら、老婆は中年の太鼓腹の下で数十年ぶりの絶頂感を味わっていた。
快楽の叫びはそのまま崇拝の言葉となり、祈りの詠唱へと連なる。
女教師は担当する男子生徒数人のペニスを何本もくわえ込み、その若きエキスを搾り出そうと奮闘している。
性欲過剰な年頃の男子生徒たちは、何度射精してもすぐさま勃起が回復し、再び女教師の乳房やヴァギナに放つ。
その法悦のあえぎは何時しか祈りとなり、神を求める言葉として紡がれてゆく。
聖R教団の教団本部ビル最上階では、フェアリーマザーがRーしていた。
本名:高橋マユミ・・・変な超能力を持つ中毒女は、巨大な張型をヴァギナにねじ込み、ぐりぐりかき回している。
もう何度も絶頂に達し大量の潮を吹いても、己の肉体の火照りが抑えられない。
「ああ、ユウジ! 私にぶち込んで!」その彼女の言葉すら、祈りとして昇華してゆく。もはや地獄、いや天国。
湾上都市に住まう人間全てが、理性の仮面を脱ぎ捨てて本能の喜びを解放し、
その情欲の炎のながで悶え、叫び、そして昇天していく。
そして、その尽きることなきその快楽のヴァイヴは、ヘイドレクのちんこの振動と共鳴していた。
ヘイドレクのちんこが震えるたびに、数十万の男たちが射精する。
ヘイドレクのちんこが痺れるたびに、数十万の女たちが潮を噴き出し昇天する。

82 :
「あ、哀号」
ユウジに殴り飛ばされた独立共和連合の親衛隊員が苦しそうに唸る。
純度の悪いバーサーカーを満州連邦から密輸し、シマ荒らしをしてた朝鮮族のチンピラだ。
ユウジはハッとなった。今、殴りつけていた朝鮮族のチンピラを見下ろす。
そいつは砕かれた鼻から血をダラダラ流していた。へし折られた前歯の間から血泡を吹いていた。
そして制服のジッパーの間からはみ出た極小のペニスは……勃起していやがった。
己のペニスを右手で弄りながら、哀号、哀号と叫んでいるチンピラ。
ユウジにへし折られた指で、勃起してもなお小さいペニス握っている姿は……恐ろしく醜悪だった。
そして、そのチンピラは、ユウジのことを見ていた。まるでユウジの美丈夫なその姿に欲情しているような、そんな目で。
「こ、この野郎」
生理的な嫌悪感が、ユウジの体を電撃のように駆け抜けた。
それはもう理性の範疇を超えた本能的な嫌悪感であり、抑えの効かない憤怒だった。
気づいたらユウジは、鉄パイプを振り回していた。
それを何度も何度も、目の前の汚らしいチンピラの頭蓋骨に叩き込んでいた。
打ち込むたびにその頭は形状を失い、柘榴のように潰れてゆく。
頭髪の生えた頭皮が剥け、その裂傷から頭蓋骨の骨片や黄褐色の脳組織がむき出しになる。
顔はもはや原型を失い、ズタズタになった顔面からは血がダラダラと流れ出す。
それでもユウジはやめなかった。自分がコントロールできなくなっていた。
隣で別のチンピラを殴っていたマサアキが、あわててユウジを抑えようとする。
やめろユウジ、もう死んでる、と叫びながら。だがユウジはやめなかった。
高杉を突き飛ばすと、今度はマサアキがぶん殴っていたチンピラの方に飛び掛っていった。
逃げようとするそいつの後頭部に鉄パイプを振り下ろし、それから何度もたたきつけた。
殴りつけるたびに飛び散る血や肉片が、端正なユウジの顔にこびりつく。
その顔は笑っていた。憤怒を通り越し、ついには躁的な狂気の世界にたどり着いた笑みだ。
ユウジの狂いっぷりに、同じ北市原フリーダムのメンバーたちが蒼然とする。
ここまでキレたやつだとは、彼らも知らなかったのだ。もう、誰も止めるものは居なかった。
天を貫くヘイドレクのちんこ。それはついに嵐を呼んだ。
突如沸き立った黒雲が、美しかった月の夜空を覆う。そして怒涛のごとく激しい雨が降り出した。
血まみれとなったユウジは、その雨の中でもチンピラの虐殺をやめなかった。
もう5人目。チンピラの持参したマチェットを奪い取り、それでチンピラのボスを切り刻んでいる。
ザクッ、ガツッ、という肉と骨を断つ音が、激しい雨音の中でも不気味に響く。
そしてついに、そのチンピラのボスの首を、マチェットで切断した。
綺麗に切断するのではない、マチェットの刃でゴリゴリと千切りとるように。
フリーダムのメンバーたちは、そのユウジの姿を呆然と見守っている。
だが、先ほどと違うのは、彼らのユウジを見つめるまなざしが、憧憬と敬意に溢れていることだ。
感動のあまり泣いているものすらいる。
ユウジは彼らの方を振り返った。顔は血まみれ、その血は激しく降る雨と入り混じり、ユウジの美しい首筋を伝う。
そしてその目は完全に見開かれていた。薄いブラウンの瞳が、遠くコンビナートからの爆炎に照らされ、琥珀のようにきらめく。
それは澄み切った瞳だった。気味悪いほどに。ユウジはチンピラのボスの首を右手で頭上に高く掲げた。
散々殴りつけられ、何度も刻まれたその生首は、ほぼ原型をとどめていない。
だが、それは新生フリーダム誕生の旗印であった。
ここは俺たちの王国だ、俺たちはここの支配者なのだ。
ユウジの目は、他のメンバーたちにそう訴えていた。
敵の首を高らかに掲げるユウジ。その背後には、天を貫く巨大な五十嵐知徳のちんこ・・・。
それはまさに王権神授であった。
「うおおおーっ!」
ユウジ・・・本名、松沢ユウジは叫んだ。言葉にならない叫びを。
それに呼応するかのように、他のメンバーたちも叫びだした。
その雄叫びは、血に染まる北市原の河原に響き渡った。
荒れ狂う風雨すら、その叫びを消し去ることはできなかった。
今、ここに新生フリーダムが誕生したのだ。松沢ユウジをボスとする、狂気の集団が。
彼らは叫びながら手に武器を握った。彼らの聖戦が、これから始まるのだ。

83 :
そんな酸鼻極まる下界の殺戮を睥睨するちんこ。
ヘイドレクの仮性包茎ちんこはそれでも、ぐんぐんと伸びてゆく。
ついには月軌道を超えた。亀頭は月面をかすめながら、それでも先を目指す。
金星を抜け、水星を通り過ぎ、太陽すら通り過ぎてゆく。
太陽の数万℃の灼熱すら、このちんこを押しとどめることができない。
長らくヘイドレクの亀頭を覆っていた包皮は、その熱で焼き消えた。
ついには完全にズル剥け、赤黒い亀頭が全て露わになる。
これほど壮大なスケールで行われた包茎手術など、かつてあっただろうか?
だが、充血した亀頭は灼熱の炎を受け、尚も怒張をやめない。
敏感な亀頭は太陽の熱を直に受け、神々しく輝きだした。
同時に尿道から、大量のカウパー氏腺液を滴らし始めた。
遥か彼方から地球を眺めた宇宙人がいたら、おそらく驚愕しているに違いない。
青く美しい地球から、下劣で汚らしい一本の巨大な包茎ちんこが大宇宙に向かって勃起しているのだから。
果たしてこのちんこは、どこに向かうのだろうか?
永遠の虚無が広がる深宇宙の果てに、このちんこを受け入れてくれるヴァギナがあるとでも言うのであろうか?
ああっ……ついに宇宙が震えた。
地上では生きるもの全てが、神の降臨を祝福した。
全世界が、この巨大なちんこに祈りを捧げる。
その詠唱はさらにちんこを喜ばせる。ちんこは激しく振動し、それが宇宙を揺すり、かき乱す。
ソドムとゴモラ、いや、ノアの洪水以来とも思える災害が世界各地で巻き起こる。
その滅びの嵐の中でも、人々は祈りをやめない。むしろ喜んで己を生贄に捧げる。
遠く南方の宇宙から、火炎の剣を携えた大天使ガブリエルが降臨した。天空を切り裂く巨大な翼が海をなぎ払う。
人類がかつて経験したことのないタイタルウェーブを巻き起こる。
極星から舞い降りた蒼き馬に跨る髑髏の騎士は、手にした巨大な鎌で地上をなぎ払った。
堕落した魂たちが刈り取られ、黄泉へと送られた。
生きとし生ける者全てに、審判が下されたのだ。
だが、それは同時に祝祭であった。祈りの全ては、己の死や滅亡すら歓迎する歓喜そのものだった。
そう、その全ては歓喜……悦びなのだ!そして、ああそして!

84 :
突然、振動が止まった。
そう、今まで天地を揺るがしていたあの脈動が、突然止んだのだ。
すべてが静寂に包まれる。シンとした、空気すら動かないような、喩えようも無い沈黙。
それでもそれは浄暗の闇夜のような、静謐とした神聖。
全ての人々は待った。天国が現れるのを。
そしてついに、その瞬間は訪れたのだ。
硬直したRが、再び大きく反応した。一度だけ大きく。
直後、膨張しきった亀頭の最先端から、大量の精液が吐き出された。
痙攣しながら精液を吐き出し続けるR。
ビクン、ビクンとときおり弾けるように、Rは脈動する。
痺れながらもなおも、名残惜しげに精液を吐き出し続ける。
最後の一滴まで、残すことなく全てを搾り出すように。
ヘイドレクのちんこは、星々の明かりを受け、鈍く輝く。
その輝きの中から奔流となって吐き出される精液。
ヘイドレクという男の、恨みと苦しみと苦悩の全てが、昇華されているのだ。
銀河宇宙を汚らしい精液で汚しながら。
どんな女性にも決して受け入れられない、ファンタジーヲタでロリコンの醜男。
その男の人生の業の全てが、遥かなる大宇宙で希釈されてゆく。
大量の精液を受けてもなお、その無限の深遠は漆黒の帳に包まれたままであった。
その闇の奥に向かって、ヘイドレクの精液は流れてゆく。
永遠に。どこにもたどりつくことなく。孤独のまま、未来永劫。
無限の虚無のみが、ヘイドレクのカルマを受け入れてくれたのだ。
ヘイドレクのちんこはなおも射精を続ける。
射精を終えるまで、実に5日間も掛かった。
それはヘイドレクという男の、最後の意地であったのかもしれない。
ついに、最後の一滴の精液を吐き出し終えた。
それはしばらくそのままの形を保ち続ける。
まるで死んだような静寂を保ちながら。
そしてゆっくりとちんこは萎縮していった。
膨張していた亀頭は緩み、肉茎は力を失ってゆく。
最後には、まるでもたれかかるように、大地に崩れ落ちた。
そしてその瓦礫の中から、ヘイドレクは再び湾岸都市に降り立ったのである。(おわり)

85 :
              l: : : : : |  _rャォ_1二1_ー- 、         __  __
              l: : : : : lイヘ爻シ___  ¨ヽ ヽ   __「i__」└' 厶、__
              !: : : : : |, イ ̄´    ¨丶 \__r::┘    .:::::::     」_
          |: : : : : :!  ,   l    |   r‐水r┴::::    :::::.    :::::::」_
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      /: : : : : : :入     ̄L._ ´!: ;.イヘ: : : j     |: : :ヽ::Li:::::::::::...r」:::イ」

86 :
みなさん、私の名前はフェアリーマザー。聖R教団の最高指導者であり、偉大なる預言者です。
誰ですか? 私のことを「高橋マユミ」だなんて名前で呼ぶのは?
私はフェアリーマザーですよ、高橋マユミなんてそんな名前、知りません。
そんなこと言い続けていると、あなた、地獄に落ちますよ。いいんですか?
さて、みなさん、今日みなさんにお集まりしていただいたのには訳があります。
それは私、フェアリーマザーが神からのメッセージを受け取ったからです。
それはそれは、とっても衝撃的な内容で、私は思わず戦慄してしまうほどでした。
そうです。そのことを皆さんにお伝えしようと、今日ここに集まっていただいたのです。
さて、私ことフェアリーマザーは、今ここに予言します。
今から三日後、地球は滅亡する、ということを!
何ですかみなさん、その不審げな表情は?
私ことフェアリーマザーに対して疑問を抱くと、灼熱地獄の炎で赤外線加熱調理されてしまうんですよ。
いいんですか? 時間を掛けてたっぷりローストされた挙句、地獄の鬼たちに美味しく食べられてしまうんですよ。
まあいいでしょう、そんなこと。それよりも、今、私がここに予言したことは、間違いなく事実です。
信じる者は救われるんですよ皆さん。
そうなんです、この穢れきった人類社会は、あと72時間ほどで、全て灰燼に帰します。
私は預言者なんですよ。だから全ての未来を見通せるのです。
私がこの能力に気づいたのは、忘れもしない先月か先々月の……多分夏くらいの出来事です。
英文法と日本史、それと物理Tで赤点をとってしまったあの夕陽が美しい日のことでした。
私ことフェアリーマザーは、そのとき絶望の淵に立たされていました。
おそらく明日返される古文と数学U、数学Bの点も芳しくないはず。
このままでは私は留年が決定してしまう、そう思うと、とてもやり切れませんでした。
それに、好きだった隆司くんが親友の美奈と付き合い始めたのも、ちょうどこの頃だったんです。
隆司君からは、「は、お前が俺のこと好きだって? うげえっ! やめてくれよブス、キモいんだよ!」
と辛い言葉で別れ話を持ちかけられたのです。
おそらく、これは美奈のたくらみです。美奈が隆司くんを騙しているに違いない、そう私は思いました。
隆司くんも、本当は私のことを愛しているはずなんです。
なのに、美奈みたいな女のせいで、私に本当の気持ちを言えなかったのです。
挙句にこんな酷い言葉を隆司くんに吐かせるなんて酷い!美奈は間違いなく魔女です。許せません。
隆司くんとは前世からの運命の人だと、タロットフォーチューン占いでも示されているのに……。
そんなこんなで、心がズタズタになってしまった私は夕陽を見に、近所にある西美浜海岸に向かいました。
夕日を眺め、この傷ついた心を少しでも癒そうと、そんな気分でした。
道すがら、下品で無教養で安っぽい男たちが、私のことをジロジロと見てきます。
私がそちらを振り返ると、「すっげーブス!」とか言ってあざ笑っています。
おそらく彼らは私をナンパしようとしていたのでしょう。
だけど私が、彼らにとってはあまりに高嶺の花で手が届かず、自棄になって毒づいてるんでしょう。
哀れな人たちですよね。本当にまいっちゃうわ。
そう、私は隆司くんしか愛していないの。
あなたたちみたいな下品な男にホイホイとついて行くほど軽い女じゃないんです。ふざけないでください。
何ですか! その「何見てんだデブ」とか、「こっち見るな。キモいんだよブス」って言葉は!
私をナンパしようとして失敗した腹いせなんですか!? 全く、最近の人たちは失礼極まりないです。
不愉快な気持ちが湧きあがり、私は少し顔をしかめながら、早足で海岸に向かいました。

87 :
夕陽に照りつけられた海は、眩い黄金を散りばめたように煌めいていました。
ああ、美しい、と私は溜め息を付きました。この地球の偉大さと自分の小ささに慄然とし、思わず体が震えました。
このままでは私は留年してしまうかもしれない。
それに前世からの運命に人である隆司くんが、美奈みたいな女に惑わされて堕落してゆく。
なのに私は何もできない、それがとても悔しくて、気づいたら涙を流していました。
そんな時だったのです。私に神の啓示が降りたのは。
ほんの一瞬の出来事でした。まるで雷に打たれたかのごとく、私の背筋に戦慄が走ったのです。
水平線に沈みゆく太陽の輝き、その中から大天使ミカエルさまがツラトゥストラとシヴァを引きつれて現れたのです。
右手には杓、左手には巨大な鬼太鼓を抱え、額には血のように赤いルビーは埋め込まれてます。
まるでバーサーカー中毒者の如く瞳孔の開ききった双眸から、まるでレーザーのような輝きを放っています。
もちろん3人とも全裸です。まるで棍棒のような男性特有の…あの、その、恥ずかしくて言えません!
私はたじろぎ、その3人の神たちを見つめながら(主にその股間を)、立ち竦んでしまいました。
すると神々たちは、私に向かってこう言い放ちました。
「大日如来からの言伝がある、貴女は預言者であるぞ!世界滅亡を世の者どもに伝えるのだ!」
そういうと彼らは消えていきました。
でも、意味がわかりません。多分私は預言者なんでしょう。
私も前々から自分が特別な人間であることは、薄々悟っていました。
でも、本当に預言者としての能力があるなら期末テスト前に教えて欲しかったです。
期末テストの答えを予言できるようにしといて欲しかったです。
まったくタイミング最悪です。神って結構気まぐれなんですね。
あと、なんか世界が滅亡するとか言ってたけど、それって今言われても、って感じです。
だって世界が滅亡するなら、今更警鐘をならしたところで運命は変わらないでしょ?
それなら何もわざわざ言わなくてもいいし、黙っていたほうが良かったんじゃないですか?
私って結構あたまいいですよね。みなさんもそう思いません?
それに今、美奈みたいな性悪女なに、私の隆司くんがかどわかされてしまっているんですよ。
もうこんな世界なんて滅んじゃえばいい、ってそう思いませんか?
だけど、そんな疑問も些細なものでしかありませんでした。
とにかく私は神の啓示を受け、身を震わせるほどの感動の中にいたのです。
ああ、やっぱり私は特別な運命を背負って生まれてきたんだ、ってことが、これで証明されたんですから・・・。
その瞬間でした。突然、私の脳内に、あるイメージが浮かびました。
家でお母さんが台所に立ち、夕飯のカレーを作っている光景を!
まさか、これが予知能力なの?私は驚き、それを確かめるために急いで家に戻りました。
玄関を開けると、家の中からカレーの香ばしい匂いが漂ってきます。
私は叫びそうになる自分を抑え、台所のドアを開けました。
するとどうでしょう。台所で、お母さんがカレー鍋をぐつぐつと煮込んでいたのです。
「あら、おかえんなさい」
そう能天気に言うお母さんの前で、私は絶句したまま立ち竦んでしまったのです。
「マユミ。今夜はあなたの大好きなカレーライスよ」
母はそう言って私に向かって微笑んでくれました。
だけど、そんなお母さんの声も、まるでどこか遠いところから響いてくるように聞こえました。
本当だ、本当だったんだ! 私は預言者になってしまったんだ!
私は恐れおののき、そして己の運命に驚愕してしまいました。
未来を予知できる能力……それが私に!

88 :
それからというもの、私は預言者として、学校で数々の予言を行いました。
だけど私の預言者のレベルはまだまだ成長段階らしいです。
そのころは、私の予言が当たる確率はまだ1割ちょっとってところだったかな?
でも一割くらいは当たってました。今も同じくらいですけど……あ、いや、これは内緒だった。
とにかく、同級生たちは、この私を煙たがりました。
おそらく私が彼ら彼女らの不幸な未来を予言すると、恐れていたのでしょう。
人間というのは、つらい現実を突きつけられるのを嫌がりますからね。
そうなんです、人間ってとても弱い生き物なんです。だから私も、同級生たちを許しました。
とはいえ、それからまもなく、もともと友達がすくなかった私の周りには、ついに誰もいなくなってしまいました。
特別な能力を持つ人間というのは、常に孤独な運命に晒されるのです。
でも、私はめげません。
目の前で美奈が、まるで私に見せ付けるように隆司くんといちゃつくのを見ても、もう恐れません。
私の予言では、隆司くんは来世で私の恋人になり、結婚することが決まっているからです・・・。
そしてつい先日、私は見たのです。そう、それこそ、この地球が滅ぶという予知夢です。
今から三日後の正午、突然千葉県市川市にある環境保全センターの焼却炉から悪魔たちがたくさん出てくるのです。
その日収集された可燃ごみを焼却処分するために、環境保全センターの職員がガスバーナーのスイッチを入れます。
そのスイッチを入れた瞬間、その焼却炉が地獄と繋がってしまうのです。
繋がるとともに、地獄の業火の如く燃え上がる可燃ごみの中から、見るもおぞましい醜悪な悪魔達が飛び出してきます。
その悪魔達は地上に飛び出し、巨大な黒い翼を広げ、数十万匹もの群れを作って世界中に広がってゆきます。
そして彼らは人間達、生きとし生けるもの全てに襲いかかり、その血肉を喰らうのです。
特に美奈みたいな泥棒猫は、一番気持ち悪い悪魔に、生きながらゆっくりと食べられ、
長時間かけて苦しみながら、泣き叫び許しを請いながら、それでも許されることなく無残に殺されるのです。
私の隆司を奪った罰だから当然です。ざまあみろ、って感じですよね。
とにかくそうやって世界は滅亡します。人類のみなさん、覚悟はいいですか?
預言者である私がそう言うんだから、多分間違いないと思います。(おわり)

89 :
                   /~~"'_,,--、
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          ,{/ソ/|. l  | | _|_ヽ,!,l   .l,l,/l/,l_ /l |   |.l ヽ>ト
         (ノノ/ | /l  l,×_,!,,_ ヽ\ノノ _,,,,,!_メ、l/l ./.li l iフ`ヽ
          ` /.l .l/ lヽ .i ∧フ~i`    'i_ノ~∧ / ./_/l / li ヽ_,,ゝ
          { _ヽ,-ヽi\l C'-''     丶-'O //~ ~~ヽノ
        / ̄/   〉、l ""     '     "" 、i       ヽ
         |   /    Y . {{\   ⊂⊃  / .}}  i    l
         l   |.   ⊂|  {{  `. - ___ , イ   }}.  |⊃   |
        ヽ ヽ    |  {{ ,_      _,,,   }}  ト   /
           ヽ ヽ、  |/ {{  ~"''ヽ /~    }}  、|  ./
          ヽ  ~'t/  .{{     .::..       }}  l===i
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         //ヽ   ト、               /"~ '"~ノ    /    l l
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90 :
腹に激痛に走って、背中辺りがものすごく熱い。息も上がって、心泊数が跳ね上がる。
けど、背中の傷口からは、血が流れている感覚があった。とても不気味で気持ち悪い。
(もしも、ここで死んだら誰が悲しむ?両親か?仲間か?友達か?)
みんなは年老いて、俺なんかの存在は忘れる。"死"なんてただの記憶の一部でしかないからだ。
"死にたくない"そんな感情が頭に何度も回り巡っている。
煙に曇った空の中で倒れた俺なんか目もくれず、銃声は木霊している。
1944年6月6日。俺は船に揺られて、上陸への準備をしていた。
トンプソンを握る左手は、汗でグッショリで、銃を落としそうになる。
隣の奴が、嘔吐物を吐いた。強烈な臭いにつられて、近くにいた奴が海に吐いた。
なんとも言えない沈黙が広がって、死に対する恐怖が混み上がる。
「開けたら、すぐに散開しろ、砲撃の餌食になるな!以上だクズども!」
だが、「開けたら、すぐに散開しろ、砲撃の餌食になるな!以上だクズども!」と叫んだまさにその瞬間だった。
突然、目の前の世界が一変してしまった。
ノルマンディー海岸に怒涛のごとく押し寄せていた米軍海兵隊の猛者たち。
その彼ら屈強の兵士たちが身にまとう軍服が、いきなり可愛らしいセーラー服に変貌してしまったのだ。
初夏らしい夏服のセーラー服は、濃紺の襟にシルバーの三本ラインを縫いこんだ古風なデザイン。
涼しげな胸元には、鮮やかな紅のスカーフがたなびき、年頃の乙女たちの胸元を彩っている。
短めのプリーツスカートはノルマンディー海岸を吹きすさぶ風に煽られ、逞しき兵士たちの毛脛、太ももが露になる。
中には可愛らしいピンクのリボンやキュートなカチューシャをつけているものまでいる。なんということだ。
今まさに上陸せんとする連合軍兵士たちが、突如そんな乙女チック女子高生スタイルに変貌してしまったのだ。
「な、なんなんだこれは!」「一体これは何事だ!」
連合軍兵士たちは、風に煽られるスカートの裾を押さえ、恥じらいながら口々に叫ぶ。
砲火が行き交い、方々で爆音がとどろく戦場の真っ只中で、戸惑うゴツイ乙女たちの姿。
方々で黄色い悲鳴が上がる。というかそんなつもりなくても、思わず言葉づかいが女の子っぽくなってしまうのだ。
だが、彼らはさすがにアメリカ海兵隊、鍛え上げられた勇猛果敢な兵士たちだった。
ピンクや水玉模様やキティちゃんの描かれたM1カービンを担ぎながら、それでも彼らは海岸に向かう。
パリを、フランスを解放し、ひいてはヨーロッパに平和をもたらすのだ、という熱き正義感が彼らを突き動かす。
だが彼らが浅瀬を駆けるたびにスカートはめくれ上がり、純白のパンティーと毛むくじゃらの太ももが露になる。
笑ってはいけない。それと戸惑ってもいけない。もちろん足を止めてもいけない。
砲弾が飛び交い、方々で炸裂している今、それは死を意味するのだ。
俺はM1カービン(銃身はレモンイエローとピンク。ストック部分にパティ&ジミーのキャラ)を肩に据えた。
座礁した強襲揚陸艇の船体の陰から身を乗り出し、ドイツ軍の堡塁に狙いを定める。
先ほどからあの堡塁から放たれる榴散弾が、俺たちの中隊の上陸の妨げとなっているのだ。
堡塁から突き出た大砲。そこから放たれる榴散弾は、中隊の集結ポイントに降り注ぎ、
スィートチョコの破片が当たり一面に散乱。海岸一体に実に香ばしい甘い匂いを振り撒いていやがるのだ。
しかも砲弾の中にはバニラソースが仕込まれているらしく、俺たちの顔にバニラクリームの飛沫が飛び散る。
「まだバレンタインまでは八ヶ月以上あるってのに気が早いな」
と俺は三等兵見習いのジミーに言い、ニヤリと笑った。
ジミーは俺たちの中隊の中では主にモンブランタイプの手榴弾作りに長けている気の良い坊やだ。
ハイスクールを卒業したばかりで海兵隊に入隊してきたジミーは、ことのほかセーラー服がよく似合う。
「そうっすね、デイブ二等兵。それにこのクリームは練りが足りませんよ」
ジミーはそう答えると、その辺の砂浜に落ちていたチョコの破片にバニラクリームをつけて、口に放り込んだ。
剛毅なやつだ、と俺は思った。それと海兵隊員がセーラー服を着ていることに違和感が無くなっている自分に気づいた。
なんてことだ、慣れというのは恐ろしいものだ。こんな死と隣り合わせの戦場に俺は馴染んでしまっている。

91 :
揚陸艇の船べりから慎重に身を乗り出し、俺はゆっくりと狙いを定める。狙う先は、あの大砲の根元のあたり。
大量のチョコを惜しげもなく打ち込んでくるドイツ軍。物資が不足気味というのはデマなのだろうか?
俺の数メートル横に、今度は巨大な何かが落下してきた――マドレーヌ砲だっ!という叫び声がする。
そして二秒ほど遅れて、天空を切り裂くような巨大な爆音が辺りに響き渡った。
着弾よりも後に発射音――つまりマドレーヌ砲は、何と音速を超越して飛んでくるのだ。
だが、それでマドレーヌが型崩れを起こさないのだから、ドイツの技術力は凄いとしか言いようが無い。
俺は船べりから吹き飛ばされ、揚陸艇の船底に叩きつけられた。
それと同時にマドレーヌ特有の甘いバターの香りが、俺の鼻腔をくすぐる。実においしそうな匂いだ。
パリ占領以来、ドイツ軍はフランス菓子の数々を徴収し、戦場に投入している。
その噂は耳にしていたが、これほど美味しそうな洋菓子を目の前に撃ち込まれては、こちらもたまらない。
「大丈夫ですか?デイブ二等兵」
ジミーが俺の体を抱き起こしながら声を掛けてくる。俺はジミーの肩につかまらせてもらい、起き上がった。
ジミーはサッカーボールほどもある巨大なマドレーヌの破片を抱え、それをムシャムシャと食べている。
「海水が掛かってしょっぱいですけど、この塩っ気がむしろマドレーヌの甘味を引き立てますね」
ふと俺は不思議に思う。このジミーはやたらお菓子を食べまくるのに一向に太る気配がない。
スイーツは別腹だっていうでしょ?と前にジミーは言っていたが、こいつの別腹はブラックホールなのだろうか?
俺は顔にべっちょりと付いたカスタードクリームを拭うと、再び船べりから体を乗り出す。
女子高生姿の海兵隊員は、やはりこの遠方からの超音速マドレーヌ砲撃で圧倒されていた。
巨大なマドレーヌの生地の下敷きになり、スイーツに押しつぶされそうになっている者。
マドレーヌの甘味に「ちくしょう!蜂蜜を隠し味に使うのは反則だ!」と泣き叫ぶ者。
勇猛果敢な海兵隊員たちが、今やメランコリーをこじらせ自室でさめざめと泣きながらRーに耽る女子高生のようだ。
もちろんなんのこっちゃわからんが、女々しい海兵隊員(セーラー服姿)が右往左往してる姿を想像してくれればいい。
それよりも第101空挺部隊は一体何をしているのだ?
やつらはこのマドレーヌ砲のある拠点へ奇襲攻撃を仕掛けたはずじゃなかったのか?
途中で駄菓子やでベビースターラーメンやフェリックスガムを買い食いでもしているのか?
とにかく今は目の前の堡塁のチョコレート砲を何とかせねばなるまい。
俺はリズムカルに響き渡るマドレーヌ砲の爆音をシャットアウトした。
今はあの堡塁、あそこだけを狙うのだ。あのチョコレート砲(バニラソース充填のとっても美味しいやつ)だけ。
ふと、堡塁の前の土嚢から、人影が見えた。ドイツ兵だ。
硝煙の煙で白いシェードの掛かったような景色の向こうで――ん、あれは一体なんだ?
そして俺は、そのドイツ兵の姿をみて再び仰天してしまう。
そう、彼は実に見事なメイド服を着用なさっていたのだ。

92 :
言い忘れたが、もちろん俺も可愛らしいセーラー服を着ている。
ついでに言っとくが、もちろんこれは俺の意思ではない。そんな趣味はない。断じてない。
というかどうしてセーラー服を俺たちが着てるのか、どうやって連合軍兵士全員が突然女子高生スタイルになったのか、
それとこのことが一体どういう目的なのか、ドイツ軍の新兵器なのか、アイクの趣味なのかも皆目見当つかないんだが。
そんな混乱した状況に置かれているにもかかわらず、俺は大声で笑ってしまった。
堡塁の中で、やはり我々と同じく戸惑いの表情を浮かべながら、
それでもメイド服のスカートの裾を指でつまんで駆け回っているドイツ兵の姿を見て。
しかもよく観察すると、ベトンで固められた防御要塞の随所に、他にもメイド服姿のドイツ兵たちが蠢いているのが見える。
ゲルマン民族特有のゴツい体を窮屈に包み込む可愛らしいメイドさんのお洋服。
その手にはオーブンで焼きたてのクッキーやアップルパイを乗せたトレーを抱え、それを砲手たちに手渡す。
砲手たちはその美味しそうな焼き菓子を丁寧に型崩れしないよう、アハトアハトなどの砲に装填する。
その手際のよさに俺は関心してしまった。さすがナチスだな、メイドさんの鍛え方も伊達じゃない。
俺は脇に落ちていたマドレーヌの破片を口に放り込んだ。
ジミーの言ってた通り、海水の飛沫が掛かっているせいか塩っぽいが、それがよりまろやかな甘味を引き立ててる。
こんど中隊長殿に進言してみよう、アメリカ海兵隊のマドレーヌも隠し味に塩と蜂蜜を用いてみては?
俺は再びM1カービンを構えた。ちなみに俺は中隊の中で一番の腕を持つ狙撃手でもある。
決して狙撃向きではないこのM1カービンで、400メートル先の的にフルーツキャンディーの弾をワンホールショット。
どうだ参ったか。これが海兵魂というものだ。あの堡塁のドイツ兵を射抜くことなど、余裕だ。
  ※ ちなみにこの戦いは、お菓子やスイーツを投げつけあって先に泣き出したほうが負け。

93 :
                                      \ 、
                     -─vャ=ミ -──- .         } }
                /   (⌒ゾ´  ̄ ̄`ヽ   \‐- 、   //
                   /   ノ)  ̄`ヽ ,.  -─      ⌒ヽ//
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              -ニ        /  /  ..:/  / ;   \ ̄⌒ヽ
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              ,/⌒\乙 /  |  .:/ 斗==ミ、/    |  |   ::|i  |   | 
            {∠二ニj ノイ  | ::j 〃__,)心 ヾ     | ノ- 、/||  |   | i
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            |─r‐/⌒ー-ミ.   ノ / / / / /V\\\\\ V⌒⌒\
            / /         V⌒{ /     /二∨ \      ‘,    〉


94 :
まずこれがフリ。天才現る。
219 名前: 名無しの青二才 [$50ベリー] 投稿日: 2011/04/18(月) 20:12:30.73 ID:OLi7H5wj
 世界の主要都市は戦闘機で爆撃され壊滅状態。
 瓦礫の上の機関銃座は残り後少しの弾薬を残し放置されていた。
 ボロボロになったジープの運転手はこちらを見ながら見下した表情で見ている。
 ・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!
 カッとなる衝動を抑えてゆっくりとこの数年のことを思い返す。
 アメリカの南北分裂、第6次中東戦争、ヨーロッパ内戦。そして、東京都湾上市の抗争。
 この数年間で世界は大きく転覆した。
 主要国家は紛争内戦で壊滅状態。発展途上国は資源の奪い合いでボロボロ。
 かつて世界に危険とみなされた国はこの惨状を高台から見下ろしている。
 何でこんなことに…?
 誰もが絶望し、誰もが希望を捨てて武器を持って戦いを挑んだ。
 そして誰も助からず、誰も助けることはできなかった。
 馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
 馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
 馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
 何度も悪魔がささやく。悪魔は人間だ…。
 悪魔なんてものは存在しない。

95 :
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
それは突然だった。授業を受けていたとき、俺は教室中に響き渡るような大声でそう叫んでしまっていた。
もちろんこれは俺の意志で叫んだのではない。俺の頭の中に住み着いているイタズラ好きの妖精が言わせたのだ。
しまった、と、思ったときにはもう遅かった。
今日もまた妖精のやつが唐突に俺の脳神経を勝手にいじくりやがったのだから。
「くそ、ふざけるなよ」俺は何とかこやつをを抑えようとした。
だが妖精は、してやったりと笑い、俺の脳細胞の迷路の奥へと逃げ込みやがった。
目の前で教室中が静まり返っているのが見える。クラスメイト全員の目が俺に向けられているのがわかる。
そしてみんなが口々に「なにこいつ?」「また中二病?」とささやいているのも分かる。
待ってくれみんな、俺のせいじゃないんだ。俺の頭の中に勝手に住み着いた妖精のせいなんだよ。
俺はそう弁明しようとした。だが出てきた言葉はまたもや俺の意思とは無関係な言葉だった。
「――世界の主要都市を戦闘機で爆撃して壊滅状態にしてやろうか!」
もちろんこれも俺の意思ではない。あの妖精に俺の脳神経を勝手にいじくって言わせてるだけだ。
まだ大学出たての国語の女の教師は、教壇の上から心配そうに俺を見ている。
――いや正確ではないな。心配というよりも何か気持ち悪い虫を唐突に見つけてしまったときのような顔をしてる。
そりゃそうだろう。俺だって今の自分を傍から見てたら、今のあんたと同じ反応をしてると思うよ。
だけど厄介なのは、その「気持ち悪い虫並み」に気味の悪いことになってるのが当の俺自身だってことだ。
――ともかく落ち着こう。このままだとまた赤っ恥をかいてしまう。
俺はカッとなる衝動を抑えてゆっくりとここ最近の出来事を思い返した。
だが頑張って思い返そうとしても、口から出てくる言葉は、ただ一つだけだった。
「――馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
またやりやがった。妖精のやつめ。今度という今度は絶対許さないぞ。
俺は脳神経細胞のロココ的迷宮の中を逃げ惑う妖精のやつを必死に追いかけた。
だがやつは巧みに俺から逃れ、さらに奥へと逃げ込んでゆく。
しかも妖精のやつ逃げながら楽しそうに笑っていやがる。
マジむかつく。ふざけんじゃねえよ。てめえ逃げんなよ。ここは俺の脳味噌の中なんだぞ。

96 :
一方で教室の中の俺は「――馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」と、
壊れたレコードのようにエンドレスで言い続けている。国語の女教師は完全にドン引きしていやがる。
彼女の顔には「何で私の受け持ちの生徒にこんなのがいるわけ?」というメッセージが顔に書いてある。
え、これも俺のせいなのか?俺のせいだっていうのか?俺のせいじゃないだろう。
俺の脳の中に勝手に住み着きやがった妖精のやつが全部悪いんだよ。
――それよりも頼むみんな。俺を頭が完全におかしい人を見るような目で見るのはやめてくれ!!
――そうだ。ここ最近のことなのだ。この妖精が勝手に俺の頭の中に住み着いたのは。
ある日突然に俺の脳味噌の中に奇妙な妖精が引っ越してきたのだ。それからというもの俺は散々であった。
半裸で女子更衣室に突入して無期停学処分を喰らったり、体育の時間中に突然校庭の隅で野グソを始めたり、
奇声を上げながら三階の教室の窓から中庭に向かって放尿したり、同級生たちの行き交う廊下でRーをしたり、
うちのばあちゃんに近い年齢の女教頭に突然愛の告白をしたり、ついでに結婚を申し込んだり、挙句に断られたり、
断られたショックで四階の窓から飛び降りようとしたり、でも誰も止めてくれず本当に飛び降りたてしまったり、
なのに無傷で校庭に着地してしまったり、なぜかそのまま一匹の美しいアゲハチョウに変身して飛び立ったりしたのだ――本当に。
――え?何を言ってるか全然わからないって?
そんなの俺にだってわからないんだよ。俺にもよく分からないことを君たちに解るように説明しろという方が無理だ。
とにかく俺は今必死なのだ。自分の脳の迷路の中で妖精と鬼ごっこをしながら、
一方で教室でバカの一つおぼえみたいに馬鹿馬鹿言ってる自分を抑えようとしているのだ――察してほしい。

――この際はっきりと言っておこう。それもこれも全て>>219の責任なのだ。
>>219に書かれたたった十数行のレスだけで、せっかくのスレ主のアイデアも全ておじゃんにしてしまったのだから。
だってそうだろう。>>219のレスを読んでしまったら「笑うな」というほうが無理だ。
こんなオモシロ文章など、狙ってもまず書けないだろう。
俺だって結構我慢してきたんだ。これは本当だぜ。結構我慢して笑いを堪えていたんだ。
――だが、ついに>>219に反応してしまった御仁が現れてしまったのだ。
それが>>220だ。>>220もまた>>219のネタを読んで俺以上に敏感に反応してしまったのだろう。
その結果>>220氏の中に悪魔が目覚めてしまった――俺の中に突然妖精が住み着いてしまったように。
つまり>>219の投げつけた爆弾が>>220氏の中に眠っていた悪魔を目覚めさせたと言っても過言ではない。
さらに>>240氏が新たなドラマを勝手に始めてしまったじゃないか。なんだよこれ?意味わかんねえよ。

97 :
――そして俺の頭の中では今問題となっている妖精が暴れまわっている。
今までROMオンリーでたまに適当に読み流してたのに急に堰を切ったように書き出したのもこの妖精のせいだ。
そして今俺は海馬から脳梁を渡り左前頭葉に逃げこんだ妖精に向けて、
>>219ご自慢の機関銃座というやつをぶっ放しながら追い掛け回しているところだ。
なのに妖精のやつはすばしっこくて、俺のぶっ放した弾を全部ひょいひょいよけてあっかんべー。
弾は俺の脳細胞をぶっ壊し、脳神経回路を何本も引きちぎった。
それを見てさらにブチ切れた俺は「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」とわめきながら全力で飛びかかった。
よっしゃ捕まえたぞと思いきや、腕の中には小学校二年生のときに教室でウンコを我慢していたときの思い出(結局もらしたんだけど)、
その瞬間、過去のトラウマが甦り、俺は恥ずかしさのあまり「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!」と絶叫。
そしてふと見上げると妖精のやつは、そんな俺のこっけいな姿をバカ受けの表情で見ている。超むかつく!
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
俺は再びやつに飛びかかった。だがつまづいてしまい、そのまま勢いよく脳の神経束に転がり込んでしまう。
そりゃもちろん妖精のやつは逃げやがったさ。だけど大変なことになっちまった。
俺の脳の神経回路が見事に混線してしまいやがったのだ――。
――ところで問題だ。人間って脳の神経回路がグチャグチャに混線してしまったら、どうなると思う?
――はい正解。その通りだよ。もう教室での俺は大変なことになってしまったんだ。
だがそれをいちいち記す必要を俺は認めない。いや本当に勘弁してくれ。
もうそんなことしたら俺は精神が壊れてしまうかもしれない。
え?もう壊れてるだろうって?いや壊れてないさ。こうなったのも全てあの妖精のせいなんだから。
というよりも妖精を目覚めさせ、俺の脳味噌に送り込む原因となった>>219に責任をとってもらわなきゃならない。
そんなことを俺は考えながら、俺は同時に教室の中でクラスメイトたちの前で服を一枚一枚脱ぎだしていた。
――おい待て!頼むやめてくれ!俺!なぜそんなに楽しそうに鼻歌を歌いながら色っぽく脱いでゆくんだ?
周りを見ろ!クラスのみんがが全員思いっきり引いてるぞ。
さっきまで笑っていた田中や高橋や渡辺すら「洒落になんねえ」って顔してるぞ。
おい、よせそれは!なぜパンツに手を掛ける!馬鹿やめろ!パンツを下ろすな!頼むよ俺!
ああっ!何でだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(暗転)

98 :
――しばらく後、俺は屈強な教師たちに組み伏せられていた。
そのとき俺は全裸だったと思うが、誰かが持ってきた毛布に包まれていたように思う。
毛布の隙間から周りを見ると、俺を見つめるクラスメイトたちがいた。
みんな呆然としている。女子の中には泣いているのもいた。
俺は何とかそこから脱出しようともがく。そして全ては妖精のせいであって俺の責任ではないと弁明しようとする。
だが、体育教師の正岡が俺の顔面を思い切り殴りつけて「いい加減にしろ!この変態め!」と怒鳴りつけた。
なんで?何で俺が変態なんだよ、ふざけるなよ。全部あの忌々しい妖精のせいなんだよ!
――そんな俺の目の前に、あの妖精が現れやがった。教室の床に押さえつけられている俺の目と鼻の先にだ。
妖精のやつ、羽をパタパタ羽ばたかせながらこっちを見下ろしてニヤニヤ笑ってる。
俺は思わず、「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」と叫ぶ。
でもよく考えたら教室内に機関銃座などない。あるのはせいぜい先ほど射精したばかりの萎びかけた俺のペニスくらいだ。
だが俺の体は教師たちに押さえつけられて完全に身動きが取れない。
それを見越した上で、妖精のやつは俺の鼻先で笑いながらお尻ぺんぺんしたりあっかんべーしたりしていやがる。
この野郎!と俺はもう一度もがくが、もちろん全く動けない。
まもなく遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。どうやら学校にやってきたようだ。
周りのクラスメイトたちのざわめきが更に高まる。どうやら隣のクラスの連中もやってきているようだ。
――すると突然、妖精のやつが俺の耳元にやってきた。
俺はもがいたが、がっちり押さえつけられてるので全然動けない。
この妖精が全て悪いんです!こいつなんですよ先生!と訴えるが、なぜか周りは全然気づいてくれない。
どうやらこの妖精は、俺にしか見えないらしい――何てこった!
そして妖精は嘲笑混じりの声で、俺に耳に向かってこうささやいたのである。
「――何度も悪魔がささやく。悪魔は人間だ…。悪魔なんてものは存在しない。」
――????
全然意味わかんねえよ。おい>>219。全部お前のせいだぞ、どうしてくれるんだよ。
かくして俺は全裸に毛布をまとった格好でパトカーに乗せられて学校を後にした。
その後俺は家庭裁判所なる場所に引っ立てられ、精神鑑定とやらを受けることになったのである。

99 :
                  ,、-'"  ̄ ̄ ̄ ̄ ``ヽ、  |レ! ____
                   /,、-'´        _____ ヾリ/   `ヽ、
               //         '´    ヽ          `ヽ、
              //             , - へ、``ヽ、      \
              /  / __, --┐      /    ヽ    \  \    ヽ
            /  /-‐'´// // /    /        ヽ  __ \  \ \ ヽ
           /  //  // / / /    /     |   ヽ |  `ヾ、   \ ヽ'、
         /  / / r'r'´/  / /  /       |   ヽ '、  //\   ヽ ゙!
         ,'  / /   |レ'´ / / /  /         | |   ', ヽ ヽ  ヽ   ヽ |
          | /  |__/  / / ,ィ' |  |         | |   i ヽ ヽ r'|   ヽ!
          |/   /    / / / | ||  |! /|    |  | |!   |  ヽ/ L|   ヽ ',
          |   |    // !/ | | | || / |    | | | ||   |   〈   |、  ヽ 〉
        .! // |   //-||---| ト、! ||| | |   .! || |/| ハ |  |  | |`Y´ ヽ ヽY
        |/ | | | /|| ミlレ'T'T''ヾヽ|リ| |   |/! /!L|/___| || | ! |  | |  | |、 | |
        || |! | | | ||| ` ト-'::r:/` ゙|| |、  |j /〃/--- .、「!||| ||  | |  |、!|| | |
         | |l || | ト、|、   `` ''"   ||ヽ!ヽ |/ /'´ |__ノ::::/ヾ_| 川  ||ィi  | V| |/
         | |ヽ| !|ヽ| ト、ヽ       !   ヽ.|   ┴-- ' '´ |/ /| /l/レ‐く/ //
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