1read 100read
2013年19オカルト99: 百物語2013 本スレ (483) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
【ヘギョミツ】ファービー20【ブルスコ】 (405)
パラレルワールド体験談 (316)
【パンピーが見た皇室、御所、皇居の夢 其の九】 (785)
S・E飛鳥昭雄・三神たけるβ版ver32 (201)
現実と違う自分の記憶★8(宮尾すすむスレ後継) (133)
「ザ・チケット」の著者108被害者の会 (148)

百物語2013 本スレ


1 :2013/08/23 〜 最終レス :2013/10/03
2013年夏。今年もこの季節がやってまいりました。
こちらは『2chオカルト板百物語2013』の本スレです。
以下は今宵の百物語を楽しむための事項となります。ご一読ください。
□■□■□■□■□■□■□
百話目終了まで、このスレでの雑談はご遠慮願います。
語り部の受付・雑談等は下記の専用スレをご利用下さい。
受付スレ:語り部希望・エントリー済み語り部の点呼はこちらです。
      http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/22553/1377252465/
雑談スレ:お話の感想や雑談はこちらでお願いします。
      http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/22553/1377252507/
代理投稿メールフォームはこちら↓
      http://www48.atwiki.jp/howto100/pages/19.html
【ルール】
○進行は、age進行です。
○本スレは進行役がご案内します。進行、非常時にも指示等はお任せ下さい。
○飛び入り語り部さん、飛び入り受付大歓迎です。まずは、受付スレにお越し下さい。
○本スレの進行の妨げにならぬよう、雑談は雑談スレにてお願いします。
○変なものが見えた際には、雑談スレでご報告するか、一話語ってみませんか。
○当企画中に起こった事象に関して、当方は一切の責任を負いません。自己責任でお願い致します。
【投稿の際の注意点】
★投稿する文章は、メモ帳等に全部書き終えてから一気に投稿してください。
★書き込む前にリロードして更新チェックをお願いします。
★お話を投稿していただける方は、このスレには書かず、『受付スレ』へお越しください。
★何か不測の事態が起きた場合は即座に『受付スレ』へご報告をお願いします。
開宴21時からです。今しばらくお待ちください。

2 :
 
 
 
                     2ちゃんねる オカルト板百物語2013
 
 
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 http://www48.atwiki.jp/howto100?cmd=upload&act=open&pageid=36&file=%E9%96%8B%E5%A7%8B.mp3
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
 
 
                            まもなく 開幕いたします
 
 
 
 

3 :
:::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:. .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: . . . . . . . . . . . . . . . . .
::::::━━━━━━━━━━━━ . . . . . . . . . . . . . .
:::::::::.夏の夕暮れ 陽は落ちて . . . . . . . . .
::::::━━━━━━━━━━━━. . .
::::.:.:. .: .: .: .: .: . . . . . . . . .
:::.:. .: .: .: . ━━━━━━━━━━
:;.:. .: .: . . . . 百の蝋燭 灯るとき
:.:, .: . . . ..━━━━━━━━━━
:.:, .:, . . . .
             ━━━━━━━━━━
              此方と彼方の境目に  
             ━━━━━━━━━━ 
                      
                    ━━━━━━━━━━━
                     静かな言の葉連なりぬ
                    ━━━━━━━━━━━

4 :
 
 ━━━━━━━━━━━━
   言の葉異形をいざないて
 ━━━━━━━━━━━━
     ━━━━━━━━━━━━
       闇が満ちゆく 夏の夜に
     ━━━━━━━━━━━━
            ━━━━━━━━━━━━   . . . . . .: .:,:
              語りし紡ぎ手いずこへか   . . . . . .: .: .:.::
            ━━━━━━━━━━━━ . . . . . .: .: .: .:.:::
                       . . . . . . . . . . .: .: .: .: .: .:.:.::::
                 . .━━━━━━━━━━━━ .:.:.:.::::::
           . . . . . . .消えしことすら誰ぞ知らん.:.:.:.:.:::::::::
       . . . . . . . . . . ..━━━━━━━━━━━━.:.:::::::::::
. . . . . . . . . . . . . . . . . .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: :.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::

5 :
 
 
 
 
 
 ━━━━━━━━━━━━━ー─────‐ ‐ -
        2ちゃんねる オカルト板 百物語 2013
                  開 演
           - ‐ ‐─────一━━━━━━━━━━━━━
 
 
 
 
◆ygcFPa2oZQさん、第一話をお願いします…
 
 

6 :
これは自分が、小学5年生も終わりに近づいた2月か3月の時の話です
その頃小学校が終わるとダッシュで帰宅し、当時ハマってたSFCのFF5を夕食までプレイするのが日課でした。
ある日いつものように友達と遊ぶこともなくダッシュで帰宅すると、家には誰もいません
『じいちゃんもばあちゃんも近所にお茶でも飲みに行ってんだろーなー』と、特に気にすることもなく2階にある自室に行き
FFの続きを夢中でプレイしていました
当時母親は昼間仕事をしており、だいたい6時半頃帰宅〜夕食準備〜7時頃夕食〜夕食最中に父親帰宅
というのが我が家のパターンで、その日も必死でレベル上げをしてると6時半頃になり、ガラガラっと玄関の開く音がして母親が帰ってきました
「ただいまー」
「おかえりー」
「またゲームー?」
「おーう」
「じいちゃんとばあちゃんはー?」
「知らーん、また近所でお茶じゃない?」
階段下からの母親の呼びかけに適当に返事をすると、「ふーん」とか言いながらパタパタと台所に入っていく音がしました
再びゲームに没頭していると
「おーい、ご飯ー」
時計を見ると7時を少し過ぎたところ、今日はここまでかーと、セーブをして部屋を出ようと扉を開けた瞬間
ブーーーーンブーーーーーン!!って、耳元にアブでも飛んできたかのような凄い音がしました
「うわあ!!」っと、声を上げて必死に頭の周りを手でパタパタしてると音がピタッと止んで
ガチャン
誰もいないはずの後ろ、つまり部屋の中から音がして消し忘れた部屋の明かりが一つ小さくなりました
??!・・・自分の部屋の灯りは昔からのガチャガチャ式で、本体の下に50センチ程の紐がぶら下がっています
つまり、いま自分の部屋で自分以外の誰かが明かりを消した・・自分のすぐ後ろで
ガチャン、ガチャン
続けて二回音がして部屋が真っ暗になりました
「うあああああああああああああ」もうね、パニックです。転がるように階段を下りて真っ暗な廊下をぶつかりながら走って「おかあああん!おかあああん!」って
(続く

7 :
続き
台所に飛び込むと、真っ暗、
「??」とりあえず何が起こってるのかわからない
台所はシーンとしてて明かりが点いてない、シンクに食材も無い
母親は帰ってきていない。
足元から頭の先まで鳥肌が立っていくのを感じました。
そのまま台所横の勝手口から外に飛び出して、母親が車を止めてる駐車場に行き半ベソをかいていると
7時半頃に母親が車で帰宅
どうやらその日は急な残業で一時間ほど帰るのが遅れたそうです。
結局自分の部屋の明りを消した『何か』も、母親のフリをして会話をした『何か』も、その時は分からずじまい
その現象はその後自分が中学に上がるまで3、4回ありました。
今、自分も大人になり人の親になって、「あー・・・もしかしてあれって・・・」と思うところはあるけど蛇足になるので伏せておきます

(了)

8 :
1本目の蝋燭が消えました・・・
◆ygcFPa2oZQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
わたくし ◆O0RKwPn0UQR0さん、第2話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

9 :
【第二話】 わたくし ◆O0RKwPn0UQR0 様  『墓行き』
(1/2)
 わたくし、帰途に就くのは徒歩が多いんですね
 こう、とっとこ、とっとこ、やって参りますってェと、
「あ、おい、やだね……え、なんだって墓地の脇に出ちまうんだろうね……この道」
 なんて、道路に文句言っても仕方が無いんですが、
 あの路地に入ると墓地の脇に出てしまう、そんな道順が一本だけある
 この、道というのが、木々が空を覆っておりまして、何より灯りが少ない
 また両脇が塀になっておりますから、月が隠れてしまうと、夜は大変な暗さです
 ぅう、こんな道ですから夜は人通りも少ない……お誂え向きな道でございますな
 さて、
 降り出しそうな空気ン中でもって、わたくしは帰り道を急いでおりました
 お勤めを終えて……ぅう、酒席の後でしたから深夜でございます
 で、わたくし、お酒が入ると物覚えが悪くなる、ま、元から好くはないんですが、
 これに輪を掛けて悪くなるってんで、うっかり例の路地に入っちゃった
 そうしますと一本道ですから、墓地の脇に出てしまいます
「あ、また、なんだってココに出ちまうン……」
 なんて、思ったところで、わざわざ戻るのも馬鹿馬鹿しいですから、
 点々とする灯りが恐いけれども、ぅう、もう、行くしかございません

10 :
(2/2)
 ぇえ、いつ雨が降って来てもおかしくありませんでしたから、
 つっつ、つっつ、つっつ、つっつと、早足で暗がりを進みます
 程無くして一本目の電燈が近付いて参りまして……二本、三本……四本……
「ぅうッ」
 喉の奥から妙な声を出して立ち止まった
 四本目の電燈の、灯りの範囲より少ゥし手前に、何か落ちてる
 風が吹いているんでしょうか、その、白っぽいのが動くんですね
 灯りの外なのも手伝って、ざわつく影が生きてるように見える
「ぅう、え、嫌だなァ……」
 なんて心地で、こう、ふぅっと上を見上げますと、
 青白い顔した人達がずらーッ……と、塀の上から顔を出して、見下ろしておりました

 ぇえ、あの、道に落っこちてたのは、コンビニ袋でございましたね
 青白い方々の、えー、その中でもって特別にひょうきんな方が、
「ご趣向だよ、いいか、生身の奴があれに驚くよ、ね、で、ひょいと上を見るってェと……」
 こんな話でもって置いたンでしょうな、え、怪談のね、この、遊びの心を知ってますよ
 お馬に乗らないでお盆前に歩ってきた方々ですから、ぅう、生き生きと、こう、人をおちょくりますよ
 きっと言ってましたよ、あン時、わたくしが上手い事引っ掛かったもンだから、
「いいねェ、おい、おいッ、いいよ、あれァ……ええ、どうもこりゃ、へっ、はかゆきが良いよォッ」
 【了】

11 :
2本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし ◆O0RKwPn0UQR0さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
希望女♪ ◆LDJ.nSAcooさん、第3話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

12 :
【第三話】 希望女♪ ◆LDJ.nSAcoo 様  『尿夢』
(1/2)
蒸し暑い夏の夜。
部屋で缶ビールを一気に飲んだ。続けて麦茶500mlを飲み干してから寝た。
朦朧とする意識の中で下腹部に重さを感じた。
早く起きないと寝小便してしまうぞ。ムックリと起き上がりトイレに入った。
我慢したせいで尿道が狭くなっているのだろう。チョロチョロとしか出ない。
やがて尿が太い線となり迸り流れ始めた。ふぅ〜気持ちいいなぁ、そう思った時
「危なかったですねぇ、なんとか間に合ったようです」
男性の声でアナウンスが流れた。
なんだこのアナウンスは?こ、これは夢ッ!
ハッとして起き上がると、幸いにも公園のトイレが目に入った。急いで駆け込むと、放尿を開始。
至福の一瞬が訪れた。しかしなんで公園にいるんだ?
こっこれも夢ッ!
ウワッ!と思いようやく目が覚めた。
膀胱がパンパンに張っている。
あわててトイレに駆け込む。
勢いよく尿が出始めた。
膀胱にそうとう溜まっていたらしく、尿がなかなか止まらない。
10分経ち20分経ち遂に1時間経過した。
1時間も小便が出続けるかバカ。これも夢かい?
ドンッドンッ!
激しくドアを叩く音でようやく目が覚めた。トイレで用をたしてる間も、ドアは激しく叩かれ怒声まで聞こえてきた。

13 :
(2/2)
ドアを開けると二人の警察官がなだれ込んできた。
「おとなしくしろ、抵抗するな!」
あっという間に組伏せられた。
顔を背けると、ぐったりと横たわる幼女の姿が目に入った。なんで僕の部屋に幼女がいるんだ?
僕は何も知らない。そうだ、これは夢だ、夢に違いない。
夢ならば永遠に続けばいいのにと思った。【完 】
なんだこのショボイ小説は?
作者の名前を見てやれ見てやれと思った。
文庫本をしげしげと眺めたが、作者の名前が文字化けしてどうしても見えない。
見えないはずだよ、これも夢じゃないか!
漏れちゃう、漏れちゃう。
ジタバタした挙げ句、やっと目が覚めトイレに駆け込んだというお話。
【了】

14 :
3本目の蝋燭が消えました・・・
希望女♪ ◆LDJ.nSAcooさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
妖場K◆ws148WRg2Aさん、第4話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

15 :
【第四話】 妖場K ◆ws148WRg2A 様  『ガサガサ』
<1/2>
母がまだ若い時、友人と二人で旅行へ行ったそうだ。
泊まったのはとある旅館。日中は温泉に買い物にと大騒ぎだったので早めに就寝することになった。
電気を消してから暫く経った頃。
??…??……
と、小さく耳慣れぬ音がした。
せっかくうとうとしていたのに、と寝つきの悪い母は腹が立ったが、気にせずまた眠ることとした。
暫くしてまた
??…??……
さっきより大きい音。
一度気になってしまうと中々無視できないもので、
母は何の音かしら、どこから聞こえてくるのかしら、とぼんやり聞いていたらしい。
???、???
あら、何か変ね。
?????????
それにこの音、この部屋で聞こえない?

ガサガサガサガサガサ!

16 :
<2/2>
枕元で一際大きいガサガサが聞こえた瞬間、母は飛び起きて電気を付けた。途端、音は止んだ。
明かりで目が覚めたのか起き出してきた友人に問うと、夢うつつにそんな音がした気がする、とのこと。
こうなっては正体を突き止めなければ眠れやしない、ねずみでも居るのならば気持ちが悪いと、家探しを開始した。
しかし見つからない。
「ねえ、あの音、この辺からしてたよね。」
ふと呟いた友人の目線の先には、貴重品を入れる備え付けの金庫があった。
わざわざ出し入れするのも億劫だからと、使っていなかったために存在を忘れていたのだ。
ゆっくりと金庫を開くと、内側いっぱいにびっしりと貼られたお札が……。
【了】

17 :
4本目の蝋燭が消えました・・・
妖場K◆ws148WRg2Aさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第5話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

18 :
【第五話】 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様  『お岩様』
後輩の話。
大学生の時分、彼は警備会社でバイトをしていた。
不思議なビルが一件あったのだという。
真夜中にそこで定時の見回りをしていると、廊下に場違いな物が鎮座して
いるのを発見した。
注連縄を巻かれた、大きな岩の塊。
そんな物がデンと置かれている。
とても人が抱えられるような代物ではない。
どこからこんな物を運んできたというのか、思わず驚愕してしまった。
慌てて管理室に連絡すると、警備の先輩は一言だけ注意してくれた。
「お岩様に粗相のないようにな」
そこは雇われ者の哀しさ、言われた通り、触らないようにして見回りを
続けたのだという。
帰りにもう一度覗いてみると、あの大岩は綺麗さっぱり消え失せていた。
「アレって一体何だったんですかね?
 会社の人でも、偉い人達は知っていたみたいですけど」
その後も二回ほど、彼はそのお岩様に相見えたのだそうだ。
【了】

19 :
5本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
林◆gw0BWXAi52さん、第6話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

20 :
《川を渡る怪異》
1/6
小学生の頃の話です
家の近くに○○大橋という橋があって、その下の川原で僕らは子供の頃よく遊んでいた
小学3年の夏休みのある晩、友達とその川原で花火をして遊んでいて、夜11時を過ぎた頃
ひとりが突然「あれ何だと思う?」と川の方を指差した。
見ると川から何かが岸に上がってきており、みんな一斉にそっちに注目した
初めは動物かと思ったが明らかに違う
全身が青白く、二股に分かれた大根のようで、その二本足で歩いている、不気味な姿だった
そいつは僕らの前をとぼとぼと歩き、道路の方へ登って行って、そして消えてしまった
今のは何だったのか、明らかにマトモなものではない
高さ60センチくらい、立って歩いていたが人間にしては小さすぎる体
夜で暗くて10mほど離れていたためそれ以上はわからなかったが、みんな怖くなって
後片付けもそこそこに花火を終わらせて帰った。

21 :
2/6
翌日になって僕は俄然、アレが何だったのか興味がわき、昨日の花火の時の仲間で当時特に
仲の良かった中嶋の家に行った
期待した通り中嶋もアレに興味を示しており、二人でアレの正体を調べようと意気投合した
アレはきっとまた夜に現れる−僕も中嶋もそう考えた
もう一度夜に大橋の下の川原へ行って調べよう、ということになった
2日後、僕は10時過ぎにこっそり家を抜け出して中嶋と合流した(中嶋の家は夜間外出OKだった)
二人で石投げや棒倒しをしながら夜を待つ
しかし現れない・・・
やっぱダメか?と諦めかけていた所へ中嶋の弟が自転車でやってきて1kmほど下流の御影橋の
近くにこの前のやつがいると言う
僕も中嶋も慌てて自転車に乗って御影橋まで駆けつけたが既に何もいなかった
中嶋が弟に何でしっかり見張っておかないんだ、とやつあたりしてたが、僕らでも怖い物を
小学1年の中嶋弟には無理な相談だっただろう

22 :
3/6
次の夜、僕と中嶋は大橋と御影橋の間を手分けして見張った
11時頃、やや御影橋よりの川の中に中嶋が遂にアレを見つけたのだ
真っ暗な川だったが、ぼうっと薄く光って見える、僕も中嶋も興奮したが、何か変である
アレが川の向こう岸に動いている
僕らは川の右岸にいるのだが、アレは左岸に進んでいるのだ、しかも水の中とは思えない速度
何であっちに行くんだよ、とボヤくが仕方がない、今から追いかけても速度的に間に合いそうにない
と僕は思ったが、中嶋の方は自転車をこいで御影橋から回り込んで必死に向うの岸まで追いかけた
右岸からずっと見ていた僕はアレが左岸に上がったあと素早く斜面を登り、急に消えたのを見た
消えたあとに白い光が小さく見えたがそれもふらふらしてやがて消えた
そこに自転車の中嶋が駆け込んできたが、僕は大声で「もういない」と言うしかなかった
汗だくで戻ってきた中嶋が悔しそうに言った
「アレはきっと川のあっち側とこっち側を毎晩行き来してるんだ」と
いったい何のために? もしその予測通りなら明日はこっち側にくるという事になるけど

23 :
4/6
ここに来て連日のもどかしさから中嶋が、人数を増やしてケリをつけると言いだした
友達に三谷というのがいて顔が広く、こいつを引き込んで翌日夕方には10人ほど集まった
この人数で大橋と御影橋の間をくまなく探し、見つけたらみんなで捕まえる作戦だ
夏休みの小学生の妙な集団を周囲の通行人が不思議そうに見ている
夜になり、初めはあちこちでデマや空騒ぎが起こってウンザリしていたが、11時過ぎ
大橋のやや下流の川の中でアレが見つかった、こっちに向かってくる
こっちに来たのは良かったが、全員あらためて異様な怪異にすくんでしまった
たれか突撃かけないかな〜とか思っているうちにとうとうアレは上陸してきた
以前見た時と同じ姿、不器用に見えるが意外と滑らかな動きだ
僕らは遠巻きに見ていたが、アレは道路の前で不意に消えた
すぐ上に白い球のようなものが浮かんでいる、昨日見た白い光はこれだと思い
僕は「あの玉だぞ」と叫んだ

24 :
5/6
相手が逃げそうに思うと小学生は俄かに元気が出てわぁわぁ言いながら追いかけまわす
一度は見失ったが結局、アレは近くのS神社の森に入った
僕らは大興奮で神社の塀を乗り越えたて突入を試みたが、神社の人が気付いたようで
ここでやばいと思った中嶋がみんなを解散させた
翌日も僕らは当然やる気満々だった
しかし神社から学校に苦情が行ったらしく、僕らは学校に呼び出されて2時間ほど説教
そのうえ僕は夜中の外出がばれて家でも親から説教された
これにより前夜までのような行動は不可能になった
中嶋はその後も単独で夜に川へ出かけ、本人が言うには あの白い玉が左岸からは近くの
N神社に飛ぶ事を調べた
夏休みが終わると中嶋はアレはきっと神様だ と言いだした
バチが当たるとヤバいから俺はこれ以上調べない、と言いだす
正直、僕も含めてみんな中嶋の報告に期待したので失望した
しかしアレが神様なのか

25 :
6/6
学校から強く叱られたことと中嶋が降りたことで、2学期になってアレの事はみんな
急速に冷めてしまった
しかし10人以上が同時に見たのだから間違いのない話だ
−−最近の話−−
最近知ったがS神社とN神社はどちらも春日神社で、つまり同じ神様を祀っている
もしかしたら本当に神様が双方の神社を1日おきに訪れていたのかもしれない
しかし春日神社にあんな神様が祀られているのだろうか
その後、中嶋は東大に進み僕も関西の某国立大に進んで今は県外にいる
中嶋とももう長いこと会ってない
あの時の事は懐かしい思い出になってしまった
今でもアレは夜の川を毎日渡っているのだろう
                                      −完−

26 :
6本目の蝋燭が消えました・・・
林◆gw0BWXAi52さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
成◆0ute.wyqdYさん、第7話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

27 :
【第七話】 成 ◆0ute.wyqdY 様  『キャンプの夜』
(1/2)
私は昔から怖がりなんだけど、幸いまだ怖い体験はしたことがないんだ
でもひとつ、子供の頃の不思議な体験を思い出したから、それを投稿することにする
私の家は裕福ではなかったから、旅行に行くことは滅多になかった
毎夏、二泊か三泊くらいのキャンプに行くのが唯一の家族での泊りがけのお出かけ
それ以外はほとんど遠出もしなかった
その年は、たまたま父の仕事の都合がついてゴールデンウィークにもキャンプに行った
5月の北海道はまだまだ寒くてね
風が強く、曇りがちだったそのキャンプ場の温度計は、ときたまマイナス1度を指していた
そんな中、夏しかキャンプをしなかった私たちの装備で耐えられるわけもなく、子供ら三人は車で寝ることになったんだ
後部座席を倒した車のトランクで毛布を敷いて、末っ子長女の私を真ん中に、兄妹三人川の字で眠りについた
いつもと違う場所、いつもと違う状況
眠れなくてもおかしくないのに、何故かすんなり私は寝入った
多分兄二人も、そうだったんだと思う
夜中、ふっと私は目が覚めた
風の音が酷く不気味に聞こえたことを覚えている
寝る前に差し込んでいたはずの街灯の光が妙に弱い気がして、何気なく窓の外を見た
窓の外、街灯の光を背に、誰かが車を覗き込んでいた
思わず大声を上げそうになったけれど、よくよく見ればそれは母の顔だったんだ
何だ、と少し拍子抜けをした
子供らだけで寝ていたものだから、様子が気になりでもしたんだろう

28 :
(2/2)
起きていこうかと少し思った
でも車のドアを開けようにも、両脇に兄が寝ている
だから私はただ母の顔をじっと見返した
母は何も言わず、ただじっとこちらを覗き込んでいた
街灯の光で、私が起きていることには気づいていたろうに、母はぴくりとも動かなかった
私はそのうち、また眠気が襲ってきて眠ってしまった
次に目覚めたのは朝だった
コンコンと窓をノックする母
何か違和感があったけれど、よくわからなかった
みんなでテントで朝食を食べた
「昨日風強かったね」
そう言ったら、父は笑って
「昨日はテントが飛ばないように母さんとずっと押さえてたよ」
と言った。
父のその発言そのものは、多分冗談だったんだろう
そういうことを言って子供をからかうのがすきな人だから
でも、私は『母さんは夜中様子を見に来てたでしょう』とは聞かなかった
だって、ふと思いだしたんだ
逆光の中に立っていたあの人は、母よりももっとずっと背が高かったってことを
【了】

29 :
7本目の蝋燭が消えました・・・
成◆0ute.wyqdYさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
NAO◆vC.kHTi4REさん、第8話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

30 :
NAO◆vC.kHTi4REさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
のん鬼◆rXpNDG7vbEさん、第8話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

31 :
【第八話】 のん鬼 ◆rXpNDG7vbE 様 『黒い木刀』
(1/2)
会社の後輩のT 君が帰宅途中、子猫を拾った。
翌日、会社から戻ると子猫が部屋からいなくなったのだという。
窓もドアも鍵が掛かっていた。子猫が潜り込めるような穴など、部屋にはない。
まさに密室で子猫が忽然と姿を消したのだという。
T 君が一緒に探してくれないかと頼ってきたので、会社帰りにT 君の自宅へ向かうことになった。
T 君の自宅は木造六畳のボロアパートだったのだ。
部屋に入り一通り探したが、子猫が逃げ出せるような穴は発見できなかッた。
「T 君、このアパートはペットの飼育は当然禁止だよね?」僕が尋ねると、禁止ですとT 君が答えた。
「子猫の存在に気づいた大家さんが、君が留守の間に合鍵を使って部屋に侵入、子猫を持ち去ったんじゃないのか?」
それはあり得ないとT 君が反論した。
「大家さん自身、猫を一匹飼っていて、猫好きです。
大家さんは不法侵入するような短気な人ではなく、温厚な老人です」

32 :
(2/2)
だったら子猫は何処へ消えたのだろう?
お手上げ状態でふと上を見ると、天井近くの棚に木刀が飾ってあるのが見えた。
普通の木刀ではない。先端にいくほど太くなっている、宮本武蔵が佐々木小次郎との決闘で使用したとされる櫂木刀だ。
それは蛍光灯の光を反射して、黒光りしていた。
「T 君、君は剣道でも習ってるの?」
「いいえ、なんでそんなことを聞くんですか?」
「だってそこの棚に黒い木刀が飾ってあるから」僕が棚を指差すと
「やだな先輩、あれは木刀なんかじゃないですよ」
そういうとT 君が木刀を棚から下ろし、首の後ろに当てた。いきなり黒い木刀がΩの形にグニャリと曲がった。
僕がビックリして見ていると、T 君が笑いながら言った。
「半年前に買った時は30cmほどだったのに、凄い成長力ですよ ‥‥‥
‥‥‥アナコンダはッ!w」
今まで後輩だとばかり思っていたT 君が、人の形をした得体の知れない闇のように思えた。
赤い舌をチョロチョロ出す木刀を尻目に、急用を思い出したと嘘をついて、僕はT 君の部屋を後にした。
ほどなくして T 君は会社を辞めてしまった。
彼が今どうしているかは知らない。
【完】

33 :
8本目の蝋燭が消えました・・・
のん鬼◆rXpNDG7vbEさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第9話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

34 :
【第九話】雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『隣を見てごらん』
友人の話。
彼がまだ小学校に上がる前の話だ。
夜、母親の運転する車に乗っていた。
助手席でうつらうつらしていると、誰かが耳元で囁いた。
「よく暢気に寝ていられるね。
 ほうら、隣を見てごらん」
寝惚け眼で運転席を見ると、そこにはハンドルを握った化け物が座っていた。
黒くてザラザラの皮膚、曲りくねった角の生えた頭、目は真っ赤に血走っている。
悲鳴を上げて逃げだそうとし、ドアを開けようと暴れ回った。
「何してるの、危ないじゃないっ!?」
大きな怒声に我に返ると、狼狽した表情の母親が、彼を真上から覗き込んでいた。
いつの間にか、車は路肩に停められていた。
「寝てたと思ってたら、アンタいきなり暴れ出してドア開けようとするんだもん。
 慌てて車を停めたけど、チャイルドロック掛けといて本当に良かったわ」
そう言って安堵の息を吐く姿は、いつも通りの優しい母だったという。
「母さんが化け物に見えていたってことは、本人には話していない。
 ただ悪い夢を見ただけって、あの時はそう説明して押し切ったよ。
 あの時の気持ちはよく覚えていないけれど、多分色々と怖かったんだろうな。
 口に出しちゃうことで現実になったらどうしよう……っていう感じね。
 しかしあの声って、一体全体何だったんだろう?」
そう言って彼は顔を顰めた。
【了】

35 :
9本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
デルモンテ針山◆CoudB9M4c2さん、第10話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

36 :
【第十話】 デルモンテ針山 ◆CoudB9M4c2 様  『首なし峠の由来』
そこは峠なんかじゃなかった。
土手へと続くただの細い路地だった。
首なし路地だとかっこ悪いので、誰かが峠と言い始めたのだろう。なんで首なしというのかも分からなかった。
首なし地蔵もないし、首なし遺体が発見されたこともない。それなのに首なし峠と昔から呼ばれていたらしい。
小学生の時、その首なし峠で蝉を捕っていた。
すると土手のほうから背広を着た男性が歩いて来るのが見えた。
夏だというのに背広なんか着て、暑くないのだろうかと奇妙に思った。
その男性、何が楽しいのかニコニコ笑いながらこっちに向かって歩いてくる。でもなんか変だった。
その男性は胴体の上に頭が浮いたように付いていて、首がない。首があるはずの空間からは、後ろの景色が見えている。
その景色の中に白いモノが現れた。
それは蝶のようにヒラヒラと舞い、男性の胴体と頭の間にある空間をすり抜けて僕のほうへ飛んで来る。
それは蝶なんかじゃなかった。
真っ白いエイのようなモノで、体を波打たせながら、真っ直ぐ僕の顔面めがけて飛んで来た。
うわぁぁッ!
僕は腕で顔面をガードしながら、尻餅を着いて倒れた。
立ち上がった時、首なし男も白いエイのようなモノも消えていた。
自宅へ逃げ帰って母親にそのことを告げると
「命の短い蝉を捕ろうとするから、バチが当たったんや」と言って母親に叱られたのです。
「完」

37 :
10本目の蝋燭が消えました・・・
デルモンテ針山◆CoudB9M4c2さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
死◆eodXldT6W6さん、第11話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

38 :
死 ◆eodXldT6W6さんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
50 ◆4gJVpc7IXさん、第11話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

39 :
50 ◆4gJVpc7IX.  『バイト先の話』
(1/3)
カラオケ店というのは心霊現象がよく起こる場所だと言われる。
その理由は、土地に対する部屋割りの効率を上げる為に廊下が入り組んでいるため、
迷い込んだ霊が出て来れないからだとか、電気機器が大量にある為影響を受けやすいだとかがよく言われる。
「つくり話だろ」なんてよく言われるけど、正直実際に現場で働いている人間からしたら
「ああ、あそこの店舗も居るんだ?」
と普通に会話にあがってくるほどよくある話だ。
僕の働くカラオケ店でも、系列の店で「出ない店」を探すことの方が難しいくらい出る店ばかりだし、当然僕の店でも出る。
僕の勤める店には女の子の霊が居て、物陰から覗いていたり、
閉店後で誰もいない筈の2階で、ドタドタ走り回る音がしたり、
何も揚げていないフライヤーで「ジュワーーッ」といかにもポテトを揚げ始めましたと言わんばかりの音がなる。
それが昼夜問わず起こるものだから、女の子は大概悲鳴を上げて辞めていってしまう。
今でこそ、本職を別に持っていて、休日の忙しい時間帯にしか働いていない僕だけれど、
3月まではフリーターとして小さなこの店舗を1人シフトで回していた時期があった。
女の子のいたずらが頻繁に起こったのはそんな時期だ。
ちなみに、僕がこの店舗に入ったのは1月なんだけれど、最初から苦手と感じるルームがあった。
2階の角にある13番のルーム、といういかにも幽霊に出てくれと言わんばかりのその部屋。
なぜか、その部屋に入ると息が出来なくなるのだ。
ただ、換気が悪くて息が出来なくなる、というだけならわかるのだけど、明らかに誰かに
胸を圧迫されるような息苦しさなのだ。
僕自身がよく「土地に拒否される」体質で、同じ息苦しさを感じることがよくあったので
「ああ、いつものやつか」と気にもとめていなかった。
幸い、部屋で感じる息苦しさも勤務時間が増えるのに反比例してと薄らいでいたので、「許してくれたのかな」と安心していた。

40 :
(2/3)
自分に初めて心霊現象とおぼしき現象が起こったのはバイトを初めて3ヶ月が経とうとした頃。
手始めは、早朝に閉店した後、掃除も終え帰りの準備をしていた時に聞こえた階段を降りる音だった。
平日の閉店は1人で行うため、店内には自分以外に誰もいない。
噂には聞いていても、初めて聴いた「たったったっ」っという足音は本当に怖かったため、その日は逃げるように帰った。
それから、上記のような現象が起こりだしたのだけれど、他にも別のスタッフと一緒に居た時には、誰もいない筈の厨房で「パーンッ!」とはじけるような音がして、
慌てて見にいったら落ちている筈のない場所に、フードを運ぶお盆が落ちていた、なんてこともあった。
そんなある日のこと。
その日の僕は早番のオープン担当で、9時頃店に入った。
一度店に入ってタイムカードを押し、その後野菜なんかの在庫を確認して買い出しにいくのだ。
何故かその日に限って、僕の心はざわざわしていた。
正直店の鍵を開ける前から、このまま開店せずに帰りたいぐらいの気持ちになっていたのだけれど、
これも仕事と割り切ろうと思った。
冷蔵庫を確認したところ、料理に使うネギとレモンが切れている。
「買い出しにいかなくちゃなぁ」と裏口を振り向いたその瞬間、

41 :
(3/3)
「わっっっっ!!!」

自分の耳元で息づかいとともに、大きな声が響いた。
「うわぁぁぁ!!!」
今までの現象と今日の気分で溜まりに溜まっていた恐怖が爆発し、僕は猛ダッシュで外に出ると
「頼むからそれだけは止めてくれ!!!」
周りに人が居れば思いっきり引かれるほどの大声で扉に向かって叫んだ。
その日の仕事中、料理の仕込み作業で厨房にいた僕の後ろでは、今まで聴いたことの無いような大きな音で
「ジュワーーーーッ」
女の子が何かを揚げる音が延々とし続けていました。
その後も、プライベートで遊びに行ったときに窓の外から覗かれたり、
しまいには黒い影として部屋の中に入り込んで来ていたり、
色んな悪戯はありますが、叫ばれたのはそれが最初で最後です。
見える人曰く悪意は無く、純粋に構ってほしいだけの霊らしいので、
毎日のように店にいた僕に遊んで欲しかったのかもしれません。
霊にあってみたいという方がもしいらっしゃいましたら、
僕は真っ先にカラオケ店でのバイトをオススメします。
僕の店ではたまにしか起こらないけれど、お客の居ない部屋からフロントに電話がかかってきたり、
信じたくないような現象も結構頻繁に起こりますから。
[了]

42 :
11本目の蝋燭が消えました・・・
50◆4gJVpc7IXさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
わたくし ◆O0RKwPn0UQR0さん、第12話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

43 :
女子割礼ってな、R切除するんだぜ

44 :
【第十二話】 わたくし ◆O0RKwPn0UQR0 様  『蝋燭』
(1/3)
 百物語といえばズラーーーッと並ぶ蝋燭が思い浮かびます、んン、まァ中には、
「蝋燭なんて邪道だィ、え、百物語は灯心だよォ、油でもって、ぇえ、これをグゥーっと……」
 なんて、自分の胃に油を注いじゃったりしてンですね
 もう半分、もう半分で100L飲んでるン、ねぇ、化物ですよ、ううン
 まあ、蝋燭、ぅう、この、若い方には馴染みが薄いンじゃないでしょうか
 バースデーケーキに刺さってたり、聖歌隊が持ってたり、あれはキャンドルってンですか
 そういうイメージが強いと思いますが、ぇえ、わたくしが子供ン頃は違いました
 白熱灯でもって照らすのは居間、と、あとは土間くらいですから、廊下なんかは真暗ですよ
 そういう時に蝋燭……ぅう、350ml缶程度の大きさですが、これは大変に重宝致しました
 で、また、蝋燭で暗ァいところを歩くっていうと、まぁ、雰囲気がありますよ
 足元を照らすようにして歩きますから、ぇえ、廊下の奥まで灯りが届かない
 夜になって戸締りをすると、これはもう、表の方が明るいという事になります
 さて、
 わたくしの幼い頃、ま、当然ですが実家に住んでおりました、山奥の古ゥいお家でございます
 ぅう、江戸の世から建ってるってンですから、土地の使い方が贅沢ですね
 何かってェと湯やご不浄なんかは外にあったン、あぁ、ご苦労様でございますな

45 :
(2/3)
 ぇえ、子供っていうと、夜中に目が覚めてご不浄に……なんて事は滅多にありません
 ゴロンと横になるってェと、こう、すとーーーんっと眠りに落ちて、朝まで起きませんから
 ただ、んン、やっぱり日本地図を書くのは嫌いですからねェ、起きる時は起きるン
 起きてしまうと、昼間とはまるっきり勝手が違います、こう、全然違う家になってる
 ぇえ、目が覚めますと真暗です、ぅう、真暗ですが、どうも、その、もじもじっと来てる
 隣で寝ております弟や従兄弟は熟睡してますから、揺すっても煩がるだけで、これは起きません
 仕方が無いってンで、枕元の蝋燭に火ィ灯して、暗い廊下を一人ぽっちで歩きます
 ぎしっ、ぎぃっ、ぎぃっ、ぎしっ……この軋む音が嫌なんでございますが、
 ぎぃっ、ぎしっ、ぎぃっ、ぎぃっ……と、先を睨むようにして歩きます
 そうしますと廊下の突き当たりが来る、L字に曲がってるんですね
 L字カーブってのは大人でも怖いですよ、先に何があるか曲がるまで分かんないですから
 ですから怖い、ぅう、怖い、けども、迷ってる時間はほとんど無い
 意を決して……ひょこ……と、ね、L字の先を覗きますってェと……
 だァれも居ない、当たり前です、夜の夜中ですから誰も居ないのが真っ当です
「あーあ、怖かったァ」
 なんて意気揚々と歩ってって、無事に用を足せた訳でございますな

46 :
(3/3)
 ぇえ、すっきりした顔でお家に入ります
 するってェと月明りも遮られちゃって、もう蝋燭の灯りだけですから……お家ン中はやっぱり暗い
 もう無性に怖くなっちゃって、土間の上がりに腰掛けて朝まで待とうかしらってンですね
 どれほど経ちましたか……ふ、と風が吹いた
 蝋燭の灯りが消える、並の蝋燭じゃありません、ただで消える筈が無い、でも消えた
「ウううううッ」
 壊れた赤べこみたいに目を走らせますってェと……何か立ってる
 廊下のL字から半分だけ見える、もう、怖いんだけども、目を離す事が出来ない
 段々々々暗がりに目が慣れてきます、相手の形が闇ン中に浮かんでくる
 するってぇと茶色だか紺色だかの浴衣を召してる、んン、男性のように見えた
「あ、お父さんかなッ」
 てんで、タターッと近付こうとしますと、男性の手がするっと胸元まで上がった
 その手でもって、こう、おいで、おいで……おいで、おいで……おいで……ってやり始めた
 もう怖くて怖くて、大声でもって泣いちゃったンですな
 大人達がバタバターッと土間の方に走ってくる気配がする、パラッと居間に灯りが点く
「どうしたのッ」
 ぇえ、これは母だったように思いますが、わたくしを抱えて心配そうに聞いてくる
 わたくしはもう顔中ぐしゃぐしゃにしながら、
「頭の無い人がそこに立ってたの」
 この話は今もって、もう、ずうぅぅっと覚えてる事なんですがね
 子供ン頃の話だってェと、えらい馬鹿にされますよ、まあ、お気持ちは分かります
 ぅう、ですから話さなくなりました、でも、今夜はちょっと話したくなった
 それでは、蝋燭の火を消しましょっか……フッ
【了】

47 :
12本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし◆O0RKwPn0UQR0さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
鉢鉢◆7dc6rjLZUgさん、第13話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

48 :
つまんねえ話ばっか

49 :
鉢鉢◆7dc6rjLZUgさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第13話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

50 :
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『トイレ入道』
友人の話。
彼は早くから、一人で夜のトイレに行けるようになっていたそうだ。
そんなある夜、いつものように一人でトイレに向かったところ。
トイレの扉を開けると、すぐ目の前に誰かが腕を組んで立っていた。
天井に頭が届きそうなほど背が高く、坊主が着るような黒い服を身に纏っている。
しかし何よりも子供心に恐ろしかったのは、その男がスキンヘッドだったことらしい。
友人がポカンと口を開けて見上げていると、大男はジロリと見下ろしてきた。
「すいません!」慌てて謝罪の言葉を口にし、扉を閉める。
閉めてから漸く「…今の誰!?」と思い至った。
再び大慌てで扉を開いたが、そこには誰も居らず、いつもの便器が鎮座している。
首を傾げながらも、用を足して寝床に戻ったのだという。
「その後も何回か、そのスキンヘッドさんは現れたよ。
 すぐ消えるんだけど、何故かいつもトイレにだけ現れてたな。
 僕は密かに“トイレ入道”って呼んでた」
そのトイレ入道は、実家がリフォームされてトイレが新しく水洗になってからは、
まったく姿を現さなくなったということだ。
【了】

51 :
13本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
妖場K◆ws148WRg2Aさん、第14話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

52 :
【第十四話】 妖場K ◆ws148WRg2A 様  『行進』
(1/3)
「山は怖いよ。」
そう語る叔父は、数年前まで車がなければ何処へも行けない程の田舎に住んでいた。
特に、職場から自宅までは山を越える必要があった。
冬のことだ。
いつものように帰宅する途中、山道を車で走っていた。雪が散らつきはじめていて、辺りももう薄暗い。
積もる前に、と急ぎ始めた矢先、急に車が止まってしまった。
何度かキーを回してみるものの、エンジンが掛からない。
後部座席に転がしていた懐中電灯を手に取ると、叔父は車外へ出た。
まずは工具が先かな。
工具はトランクに積んである。車の後方をライトで照らした。
ふと、道路の先に何か動くものが見えた。
誰かいるのだろうか。
影の見えた辺りにライトを向ける。
赤ん坊であった。
裸の赤ん坊が、こちらにハイハイで向かって来ていたのだ。
驚いて思わず懐中電灯を落としてしまう。
転がった懐中電灯が、その赤ん坊の更に後方を照らした。
何十、何百という裸の赤ん坊が列を成すようにして続いていた。それが、わらわらと叔父の方に向かってくるのである。
その余りに異様な光景に、慌てて車内に逃げ込んだ。震える手で、ロックを掛ける。キーを回す。エンジンはまだ掛からない。

53 :
(2/3)
おんぎゃー、おんぎゃー。
無数の赤ん坊の泣き声。
そして、
ぺた、ぺた、ぺた、ぺた。
四方から音がする。
窓の外に、たくさんの赤ん坊が張り付いていた。
うるさい程泣き声がこだましているのに、なぜかその顔は皆笑顔だ。
ぺたぺたぺたぺた、どんどんどんどん、おんぎゃー、おんぎゃー。
赤ん坊が這い回る音が、車の上を歩く音が、泣き声が、叔父を取り囲む。
目が、合った。

54 :
(3/3)
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
完全にパニックになって、無茶苦茶に手を振り回した。
と、何かが指に絡み付いて落ちた。
お守りだ。
交通安全のお守りをバックミラーの下に付けていたのだが、手を振り回した拍子に外れたらしい。
すがるような気持ちでそのお守りを握り締めた。
「来るな、来るな来るな。波阿弥陀仏波阿弥陀仏……」
座席の下に潜り込んで、目を閉じて必死で念仏を唱え続けた。
それからどのくらいの時間が経ったのだろうか。
余りにも帰りが遅いことを心配した家族が迎えに行き、雪に埋もれた叔父の車を発見した。
叔父はいつの間にか気を失っていたらしい。
「赤ん坊が……」
叔父はうわ言の様に繰り返したが、もちろん赤ん坊など一人もいなかったし、車も異常なく動いた。
ただ一つ、降り積もった雪の上に何者かが這いずり廻った様な跡が残っており、それは遠く山の中の方へとずっと続いて消えていた。
【了】

55 :
14本目の蝋燭が消えました・・・
妖場K◆ws148WRg2Aさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第15話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

56 :
【第十五話】 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様  『ミルクと炒り子』
(1/2)
親戚の話。
彼女が勤めている幼稚園では、時々子供たちが妙なことを言い始めるらしい。
着席するように号令すると、「この子の椅子がありませーん」と皆が訴えてくる。
「えっ、どの子の椅子が無いの?」と聞き返すと、
「この子の椅子が無いでーす」と言って、子供らは揃って教室の一角を指し示す。
しかし、彼女を含め先生方には、そこに誰の姿も確認できないのだそうだ。
大人と子供が「見える」「見えない」で押し問答をしている内に、
その見えない子は教室から出て行くのだという。
「あ、出て行っちゃった」と子供が口に出すと、それからやっと普通に授業が
始まるのだとか。
最初は悪戯かとも思っていたのだが、これが頻繁に起こるようになると流石に
先生方も気に掛かり、近くのお寺さんに頼んで御祓いをすることにした。
御祓いが終わると、お寺さんは帰る前にこう述べた。
「子供とお爺さんが一人ずついましたよ。
 まぁ、これで静かになるでしょう。
 でももし次にこんなことが起こったら、そうですな、その時はミルクと
 炒り子(鰯煮干し)をお供えしてあげてください」

57 :
(2/2)
お坊さんの言う通り、その日以降、見えない子は現れなくなった。
そして一年が過ぎた頃、また子供らが「この子の椅子がありませーん」と
口にするようになったという。
お坊さんの言葉を思い出し、ミルクと炒り子をお供えしてみた。
すると、見えない子はぱったり現れなくなったそうだ。
「それからも、大体一年周期でこんなことを繰り返していますよ。
 でも、なんでミルクと炒り子なんでしょうかね。
 ミルクが子供の分で、炒り子はお爺さんの分なんですかね」
そう笑いながら彼女はこの話を教えてくれた。
「いやそれって本当は、子供やお爺さんとは違うのじゃないかな」
そんなことを私は考えたが、口に出しては言わなかった。
【了】

58 :
15本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
阿修羅◆qbNb6Ma0MYさん、第16話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

59 :
阿修羅◆qbNb6Ma0MYさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
KMT ◆nqnJikEPbM.8さん、第16話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

60 :
『幽霊の見え方』
N市では、ある廃墟が有名な心霊スポットとして知られている。
小さな二階建ての廃屋で、外壁は白く塗られており、窓が抜け落ちている。
近くの海岸線に車を停める所もあるため、夏には肝試し目当ての連中で賑わうのだそうだ。
そこには確実に幽霊を見る方法がある、と地元で噂されている。
その方法と言うのは、明りを消して4人が部屋の四隅に一人ずつ立ち、全員で部屋の中央を指差すのだという。
大学生の四人組がそこを訪れ、実際にその方法を試してみたことがある。
その中にAさんがいた。
半信半疑だったAさん達は冗談を飛ばしながらいっせーのーせっ、と部屋の中央を指差した。
いい加減腕がだるくなってきた頃に、全員が一斉に息を呑んだ。
最初は暗闇に目が慣れて、対面にいる相手が見えたのかと思ったが、それは良く見ると老婆だった。
誰かが叫んだのを皮切りに先を争うようにして窓から飛び出した。
全員が車に乗り込み、すぐさま出発する。
口々に、見えた? お前も? 俺も見た! と確認しあった。しかし、どうも話が合わない。
Aさんの対面にいた奴は、中年の男が見えたという。
Aさんの右隣にいた奴は、子供が見えたという。
Aさんの左隣にいた奴は、若い外国の女が見えたという。
なんやかんやと言い争って、車中にふっと沈黙が訪れた。
赤信号で停車した時に運転していた奴が、そういえば、あの幽霊、お前のこと指差してた、とAさんに言った。
今度は誰も異論を唱えず、そうだ、Aを差していた、と口々に皆が言った。
「真正面にいたのは俺だけですから、俺しか見えなかったと思うんですけど……」
Aさんに見えていた老婆は、顔を歪ませ、満面の笑みを浮べていたそうだ。
【了】

61 :
16本目の蝋燭が消えました・・・
KMT◆nqnJikEPbM.8さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
鳥◆51rSCuJ4NAさん、第17話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

62 :
【十七話】 鳥 ◆51rSCuJ4NA 様 『やばいぞ』
(1/2)
あれはちょうど、数年前の夏休みの日の出来事です。
当時学生だった私は、毎日部活に明け暮れる日々で、夏休みなど遊ぶ暇がなかった気がします。
そんな夏休みが終わる頃、私は友達3人を肝試しに誘いました。
ちょうど部活が同じであった、A君、B君、部活は違えどクラスメートだったC君です。
私が誘ったのは大きな看護学校(廃校になっている)
いつも部活の帰りに目にする、大きな建物です。
この建物、私が物心ついた時から廃校であり、廃校のまま綺麗な状態で建っているという、
なんとも不思議な学校でした。
私としては、前々から何か不穏な、何か不気味なものを感じていました。
肝試し当日は、夜の10時(学生ですから)に集まり、侵入できそうな窓を探し、そこから入りました。
外から見たイメージと変わらず、中も綺麗な状態でした。
中に入ってからは4人で探索し、11時頃まで粘ったのですが、何も起こらず、
次の日、部活だったので帰ろうと思っていました。
するとクラスメートのC君が、
「何も起きないと面白く無いから、一人ずつ中に入って、二階に行って手をふろう」
と提案しました。
私は若干反対だったのですが(時間が遅かったため)他の二人はC君に煽られ、一人ずつ行く事は決定しました。
A君、C君、B君、僕の順番となり、早速A君が一人で学校の中に入っていきました(その間私達は外にいました)
3分も立たない内にA君は二階の窓から顔を出し、余裕そうな表情で、
「おーい、楽勝だぞこんなの」
と笑顔で手を振ると、すぐに、
「じゃ、もう降りるわ」
と言い、窓から顔が消えました。

63 :
>>62
0点
書き直して来い

64 :
(2/2)
私達は、何も起きなかったことに、少々落胆していたのですが、
A君が消えてからすぐに、
「やばいぞ」
というA君の声がしました。
私達3人は顔を見合わせ、爆笑していたのですが(A君がビビったと思って笑っていた)
それから数分立っても、彼は帰って来ることはなく、
彼に心配した私達は、ついに中に入りました。
中は先ほどと何ら変わりはなく、私達は懸命にA君探しました。
10分程が経った頃でしょうか、私達の中で、
「彼は私達を驚かせるためにやった」
という考え出て、私達は帰ることにしました。
翌日部活に行くと、A君くんの姿はありませんでした。
夏休みが明けても、A君の姿はありませんでした。
心配になった私は、担任の先生に聞いたのですが、
ただ「病気で入院している」と言って、
その後は詳しく教えてくれませんでした。
それからA君は卒業するまで学校に来る事はありませんでした。
A君の身に何があったのでしょうか。何がやばかったのでしょうか。そしてあの出来事と彼の入院はなにか関係しているのでしょうか。
数年経った、今でもその事が頭をよぎります。


65 :
17本目の蝋燭が消えました・・・
鳥◆51rSCuJ4NAさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
わたくし◆O0RKwPn0UQR0さん、第18話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

66 :
わたくし ◆cbf9TNtBlc 様 『幕間の物売り』
えぇ、おさーけェ、あるよォッ、お酒ッ、おさーけェ、冷ェーたお酒ェーッ
坊ちゃん嬢ちゃんにァ、ラムネがあるン……っとっと、はいはい、えぇ、お酒、あい、まいどッ
えぇ、おさー……はいはい、えっ、はぁ、はいはいはい、んン、飲みもンしかないよォ
何だって、ええ、何ですか、はぁ、はばかりが近くてしょうがねェ……あ、はいはい、そうでしょうなァ
あなた、さっきからね、まァ何杯呑んでるか知りませんけど、えぇ、大層呑んでらっしゃるン
うっふっふ、いーいじゃありませんかァ、ぇえ、ご趣向ですよ、これもォ
ねェ……あなた、こォんな明るい部屋でもって、ね、
「あぁ、なんだァ、あんまり面白くねェやァッ」
なんて言ってらしたでしょ、えぇ、あたしゃね、影でちゃあんと聞いてましたよ、うっふ
いや、いやいやいやいやッ、それが悪いってことァありません、んン、怖いしと、怖くないしと、ぇえ
これが混ざってね、ゴッチャゴッチャ、ヌッタヌッタしてンのが、これ、怪談会ですから、ねェ
あのォ……御不浄はねェ、ううン、ちょいと暗いンですよ、うっふ、うん、まァッくらなの
そういうところでもって、えぇ、思い出すンですねェ、不思議と、えぇ、うふふ
面白くないなァ、なんて思ってた話が、暗がりでもって、すーッと背筋を登ってきますよ
ね、そんで、ああ、早く出たい早く出たい、ぇえ、ちょっと怖くなってきた、なんつってるン
怪談ってのァ、怖いの、不思議なの、悲しいの、気色悪いの、理不尽なの……ま、色々ありますがね
どれも暗ァい場所に入るってェと、ね、動き出すもンだから……ぇえ、だから、御不浄は真暗なの
ところで旦那、もう一杯、いかがです?
【了】

67 :
18本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし◆O0RKwPn0UQR0さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
イエロー◆C24hL2JS8gさん、第19話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

68 :
314 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2013/08/07(水) 17:18:37.46 ID:CRChHvRzO
却下じゃ、出直してこい

↑R

69 :
イエロー ◆C24hL2JS8gさんの心に平穏が訪れることを
心より願っております
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第19話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

70 :
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『orz』
友人の話。
休日にノートパソコンで某掲示板を見ていると、まだ幼い娘さんが覗き込んできた。
色んなAAをまとめていた書き込みがあったのだが、それを見ておかしなことを言う。
「コレってね〜、○○ちゃんのお家の二階にもいるんだよ〜。
 階段上がった所で、ホントにこんな格好しててね〜。
 でもぴくりとも動かないの、とっても変なの〜!!」
娘が元気良く指し示したのは、「orz」のAAとその解説だった。
○○ちゃんというのは娘と仲の良い友達で、親同士の付き合いもあるご近所さんだ。
家族揃って皆良い人である。
そこのお宅の二階には、一体何がいるというのか。
言うべきなのか、それとも黙っているべきなのか、友人は現在悶々としている。
【了】

71 :
19本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
ザーボンさん◆F42ggkL5EUさん、第20話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

72 :
ザーボンさん◆F42ggkL5EUさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
ヤプール◆v0h8dExI/ytYさん、第20話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

73 :
【第二十話】 ヤプール ◆v0h8dExI/ytY 様 『自称霊感のない兄』
(1/3)
私の実家は、隣に墓場があり、周りは竹やぶに囲まれた、霊体験するにはうってつけの場所にある。
実際私も何度かそういった体験はしているのだが、私の兄は「自称」霊感がないらしく、
一度もそういった体験はしていない、と言い切っている。
なぜ「自称」かというと、私はこの兄と一緒に霊体験をしているからだ。
中学生の頃、私たちは二人で一つの部屋を使っていた。
夏休みのある日、兄は受験勉強、自分はゲームに熱中し時刻は既に午前1時を回っていた。
そろそろ寝るか、と電気を消して目をつぶると、何やらカタカタと音がする。
音のする方に目を向けると、机に取り付けてあるスタンドライトが揺れていた。
地震などではない、周りのものは一切揺れておらず、体も揺れを感じていない。
兄も異変に気付き、「なぁ、これって…ポルターガイストってやつ?」と震えた声で言った。
しばらくすると揺れは止んだが、また眠ろうとするとカタカタと揺れ始めた。
気になって仕方がなかった兄は、スタンドライトを動かないように固定してしまった。
すると今度は、棚に陳列してあったフィギュアがいっせいに揺れだして崩れ落ち、
さらには部屋の隅に置かれた水槽は水も溢れんばかりに激しく揺れだした。
揺れは更に、本棚へ、洋服ダンスへと伝染していく。
しかしやはり、地面は一切揺れていない。

74 :
(2/3)
我々が恐怖のあまり固まっているうちに、しばらくして揺れは収まった。
一応テレビをつけて地震速報を確認したが、しばらく待っても流れなかった。
この時の兄は初めての霊体験に若干興奮気味だったが、ひとしきり片づけをしたあとはすぐに寝てしまった。
私は怖くてしばらく寝付けなかったが、その後何も起きずにいると安心して寝てしまったらしい。

翌日、私は昨夜寝付けなかったこともあり11時すぎに目が覚めた。
兄はすでに起きていて、寝起きの私にこう言った。
「なぁ、なんか俺のガンプラめちゃめちゃになってんだけど、何かあった?」
私は愕然した。覚えていないのだ。あれだけ興奮していたのに。
さらに兄は続けてこう言い放った。
「もしかして昨日大地震に合う夢見たんだけどホントにあったのかな?」
どうやら兄の脳内では昨日の出来事は夢として補完されてしまっているらしい。
しかし、不自然に固定されたスタンドライトが、バラバラになったフィギュアが、水量の減った水槽が、
昨夜の出来事が事実であることを物語っていた。

75 :
(3/3)
人間の脳というのは不思議なもので、その人物にとって都合の悪い出来事は頭の中で都合のいいように変換してしまうらしい。
霊に関しても然り、霊などいないと思い込んでいる人は、たとえ怖い体験をしても無意識になんでもない出来事や自分とは無関係の出来事に変えてしまう。
それは「夢を見た」という形だけでなく、「誰かに聞いた」とか「自分で作った」という形にもなり得る。
あなたが今宵、百物語のために作ってきた話、本当に「作り話」ですか?

                               終

76 :
20本目の蝋燭が消えました・・・
ヤプール ◆v0h8dExI/ytYさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
X◆RJMz5okYkIさん、第21話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

77 :
X◆RJMz5okYkIさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
かいじゅうのこども◆dfdZ2nn4QEさん、第21話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

78 :
【第二十一話】かいじゅうのこども◆dfdZ2nn4QE 様
子供のころ、祖母の家に泊まったときのことです。
祖母の家は古い木造の二階建ての家屋で、都会のマンション住まいだった僕は、ぎしぎし音をたてる急な階段、木の匂い、特に濡れた雑巾で拭いた後の、静かな中の虫の声、遠くの道路を走る車の音、、、祖母の家が、大好きだった。
夜は、一階に布団を敷いて、子供たちだけで寝ます。いとこたちと語り飽きたあと、みんなが寝静まった後の時間が、何よりも好きでした。
祖母の家は、これは木造にはよくあることなのでしょうか、、、天井が、ぎしぎしと音を立てる。僕にはその音が、別のものに聞こえていたのです。
それは、死んだ人たちの声でした。戦争で死んだ人たちの。遠くの海で、誰にも知られず、朽ちていった人たちの。
もしかしたら、幻かもしれません。
けれど、僕は確かに聞いていた。
確かに……。
[了]

79 :
21本目の蝋燭が消えました・・・
かいじゅうのこども◆dfdZ2nn4QEさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
米屋◆YZbG3mcRGIさん、第22話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

80 :
【第二十二話】米屋◆YZbG3mcRGI 様&nbsp; 『上』
(1/2)
私は5階だてのマンションの2階で1人暮らしをしている。
ある明け方、ふと目が覚めた。
暑くて、窓も開けっ放しだったけれど、外が非常に騒がしかった。
起き上がって窓の外を見たけど、いつも通り、公園の木々しか見えない。
しかし木々の向こうの芝生の広場から、子供達の何十人もの声がした。とても楽しそうにはしゃいでいて、まるで小学校の昼休みのグランドのようだった。
時間を見た。朝の4時過ぎ。
まさか。
こんな朝早くに子供がこんな大勢で遊ぶかな?ましてこんな時間に大騒ぎじゃクレームになるはず。
一体どこのバカ親が騒がせてるんだ。
イライラしながら窓を閉め、布団にもう一度入った。
が、やはりうるさい。
怒鳴り込んでやろうかな、、
なんて考えていたら突然
「かーなーこーちゃん☆」
私の名前を呼ばれた。
薄目を開けて窓をチラリとみた。
逆光のように顔は見えないが、窓枠に頬づえついたシルエットが二つ見えた。
鍵をかけ忘れた。
窓を勝手に開けられた。あー最悪だークソガキめ。
そう思った瞬間、気絶しそうになった。

81 :
(2/2)
窓の外にはいっさい足場がない。どうやってここまで来たの?
そう思っていると、かわいい声で
「かなこちゃん、寝てるね」
「かなこちゃん、起こす?」
「かなこちゃん、本当に寝てる?」
「わかんない、寝たふりだったらどうする?」
「うふふふ。どうしようかな」
「ねーかなこちゃん、どうしようかな?どうされたい?ねえ」
震えないように、気付かれないように、とにかく私は寝たふりを続けた。怖くて気を失いそうだ。
ポンっと私の足に何かが当たった。多分窓際のぬいぐるみを投げているんだろう。
ポン、ポン、ポポン
次々と飛んでくるけれど、絶対に動かない私。
「えーやっぱり本当に寝てるんかな?」
「つまんない」
絶対に動かない私。
突然、ガラリと窓があく音がした。
「うるさい!何時やと思ってんのや!」
ピシャリ!と閉めたと同時に、
「だれ?」「上だ」「あー上かー」
そんな会話をした後、気配がなくなった。
広場の喧騒の中にも
「上だって」「上だよ」「上か」
そんな声が混じっていた。
あの日以来、特に変な出来事もない。
しかし、二ヶ月に一度
ガラガラ「うるさーい!」ピシャリ!という音は聞こえる。
3階か4階か5階のうちの誰かが言ってるんだろうけど、私にはもうあのガヤガヤや女の子の会話は一切聞こえないので、特に気にもしていません。
[了]

82 :
22本目の蝋燭が消えました・・・
米屋◆YZbG3mcRGIさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第23話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

83 :
【第二十三話】雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『留守番メッセージ』
知り合いの話。
大学生の頃、仲間数人で、とある有名な廃墟へ肝試しに行ったという。
少し経ってからその内の一人、ある女の子が奇妙なことを言いだした。
あの肝試しに行ってから、彼女の携帯の留守番メッセージに、
変な唸り声が入るようになったというのだ。
声は途切れ途切れだが、制限時間目一杯入っているので、
最後まで聞くことなどせずに消していたらしい。
発信先が、なぜかいつも文字化けを起こしていて確認できなかったので、
一体誰からのメッセージなのかまったくわからない。
当の彼女は単なる悪戯だと思っていたそうだ。
しかし終に我慢が出来なくなったようで、
「今晩も入っていたら、最後まで聞いてやる!」と大学の学食で宣言していた。
その翌日から彼女の姿は見えなくなり、気が付けば、いつの間にか大学も辞めていた。
友人が実家へ電話してみたが、親御さんからは「入院した」とだけ告げられ、
その内連絡も付かなくなったという。
その後、彼女がどうなったのかは不明のままである。
【了】

84 :
23本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
葛◆PJg/T8DlUQさん、第24話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

85 :
【第二十四話】
「忘れ物」1/2
夏の終わり、先輩が入院したと聞いて見舞いに行った
薄暗い病室で、底抜けに明るく、人前だとちょっと調子に乗りすぎてしまうお調子者の先輩は、ひどく憔悴しきっていた
どうしたのかと問うと、やがて先輩はぽつりぽつりと答え始めた
お盆のある日、先輩はバイト仲間の友人たちと連れ立って、肝試しに行ったそうだ
しかし、藪を掻き分けてまで辿り着いた小さなお堂にはこれといった怪異も無く、次第に先輩たちは退屈紛れにお堂を荒らし始めたそうだ
そのうち先輩は、友人たちの目もあるし、酒の勢いもあって、持っていたカッターでお堂の柱に名前を彫ったのだそうだ
途中でカッターが折れ、さすがにやりすぎた気になった先輩たちは、そのままお堂を後にした
「その帰りにファミレスに寄ったらさ、グラスが1個多いんだよ。その時は皆で、きっと肝試し帰りと思われる客を脅かすサービスじゃないか、って笑ってたんだ」
それ以来、先輩の周りでは奇妙なことが増えたのだと言う
グラスが多く置かれるのは当たり前、友人からは「後ろの女は誰だよ」とからかわれる…そして
「夜に部屋の中でさ、足音がするんだよ…部屋中を歩き回っているような足音…それがオレのベッドの隣で止まるんだ…でも誰も居ないんだよ…」
そんなことが続いたある日、先輩はお神酒を手にお堂にお参りに行ったそうだ
「でも、足音が消えないんだよ…ちゃんと謝りに行ったって言うのにさあ…」
力無くそう言って、先輩はうなだれた
「それでさ、こないだふと『足音がするなら足元を見てみよう』と思って、ベッドの隣で足音が止まった時に、下を見たんだ…」
そこには、足首から上が透けた足があった

86 :
「忘れ物」2/2
「その瞬間、足首から下しか見えないのに、何故か女が立ってオレを見下ろしているのが解って」
ぶわっと総毛立ち硬直する先輩の耳に、ボソボソと小さな声が聞こえたそうだ
「『………ですよ、……………ですよ、………ですよ』って、何か同じ言葉を言っているのは解ったけど、よく聞き取れなくて」
次第に腹が立ってきた先輩は、恐怖を振り払って声を張り上げた
「『何言ってんのか解んねーよ!もっとハッキリ言えよ!』って。そしたらさ、一瞬沈黙があってからヤケにハッキリした声が耳元で」
「 忘 れ 物 で す よ 」
気が付けば目の前に、お堂で折れたハズのカッターが突き出されていたという
一通り聞き終えてから、
「……とにかく、命が無事だっただけ良かったじゃん」と言うと、先輩は泣き笑いの表情を浮かべて、病室の床の一点を指して首を振った
「………まだそこに居るんだ」


87 :
24本目の蝋燭が消えました・・・
葛◆PJg/T8DlUQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第25話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

88 :
【第二十五話】 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様  『墓地裏の窓』
友人の話。
彼女が今住んでいるマンションは、裏側で小さい墓所と面している。
特に彼女の部屋は、窓を開けるとすぐ下に墓石が見えるのだそうだ。
「いや、これまで生きてきて、幽霊なんか見たこともないし、
 霊関係で怖い思いをしたことも無いしね。
 この部屋を契約した時も、あまり悩まずに済ませちゃった。
 何よりも他所に比べて安かったし、静かだし」
それがつい最近、ちょっと気味悪い出来事があったのだという。
「夜に部屋で寛いでいるとね、ふと冷たい風が通り過ぎるのを感じたの。
 窓を見ると、網戸以外が全開になっていたから、閉めたのよ。
 それからしばらくして、また頬に風を感じたのね。
 視線を上げると、つい先程閉じた窓が、少しだけ開いてた。
 『あれっ、確かに閉めたはずなんだけどな?』って怪訝に思いながら、
 再び閉めに行ったんだけど……」
窓の前まで行き、閉めようと手を伸ばしたその目前。
いきなり窓がガラッと開いて、そしてその直後、ピシャッと閉められた。
誰も手を触れていないのに。
現在そこの窓は、常に鍵を閉めて動かなくしてあるのだという。
「出来れば引っ越して、ここから出たいんだけど、先立つものがねぇ。
 でもまぁ、アレ以外には怖いことなんて起こっていないんだけどさ」
苦笑いしながら、彼女はそう言っている。
【了】

89 :
25本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
血豆◆UsAvvu311kさん、第26話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

90 :
血豆◆UsAvvu311kさんがいらっしゃらないようです・・・
ご無事であることを、心より願っております
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
KMT◆nqnJikEPbM.8さん、第26話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

91 :
『待つわ』
(1/3)
もう三十年近くタクシーを走らせているベテランの運転手Aさんが、
「後にも先にも、あんなに怖い目にあったのはあれだけだよ」と話してくれた。
バブル絶頂期のその日、Aさんは県外までタクシーで客を送り、上機嫌で帰路に着いた。
たった一人の客を送るだけでその日のノルマは達成。そのお客も感じのいい人で道中も全く苦ではなかった。
深夜帯の仕事だったため、高速道路には後にも先にも車は走っていない。
まるで自分だけの貸切だな、とAさんは呟き、気持ちよく車を走らせていた。
最初は楽しんで飛ばしていたものの、段々と単調な光景に飽きてくる。
眠気を覚まそうと、ラジオのスイッチを入れた。
ザーーー、というノイズの奥で、何かが囁くような声がした。
チャンネルを合わせようと何度かツマミをひねるが、一向にクリアな声は聞こえてこない。
「普通、ここだと聞こえるんだけど、あれぇ? おっかしいなぁ?」
ひとしきりチャンネルと格闘したが、やがてAさんは諦めてラジオのスイッチを切った。
調子良く走ってきただけに、なんだか水を差された気分だった。
高速道路の脇には幾つもの道路灯が並んでいる。
ふ、と前方にある道路灯に目がいった。
道路灯の煌々とした明りに照らされて、その下に何か赤い物があるのが分かった。
「え、あれ、人かぁ?」
距離が近づくにつれて赤いドレスを来ている女だった。
カクテルドレスというのか、地面に付きそうな長いスカートは下に行くにつれて大きく広がっている。
「うわぁ、気味悪いなぁ……」
無視して通り過ぎることを決めたが、やはりなんとなく気になる。
Aさんは車がその女とすれ違う瞬間、チラリと女のほうを見た。

92 :
(2/3)
女はAさんを見ていた。
直立不動で、身じろぎ一つしないが、その女の目は見開かれ、Aさんを凝視していた。
「おいおいおい、なんだよ、あれ……」
Aさんの背筋に冷たいものが走る。
ルームミラーで後方を確認すると、女はまだ道路灯の明りの中に立っていた。
その姿が見えなくなって、Aさんはようやく息を吐き出した。
ザザッ、ザザザッ、ザーーーーッ、という激しいノイズとともに、ラジオが入った。
Aさんは叫んで、ハンドル操作を誤りそうになったが、慌てて立て直す。
『ま………いつ…で…ま………』
Aさんは必死でラジオをスイッチを叩くが、一向に止む気配が無い。
『ま…わ…いつ…でもま…わ…』
もう半狂乱になりながらAさんはラジオのスイッチを叩いた。
しかし、Aさんの願いも虚しくラジオのノイズ音がじわじわと収まり、その代わり、声がクリアに聞こえてくる。
『まつわ…いつ…でもまつわ…』
“あみん”の『まつわ』だった。
ただ、それは普通の調子ではない。ただワンフレーズだけを狂ったように繰り返していた。
『まつわ…いつまでもまつわ…まつわ…いつまでもまつわ…』
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
耐え切れなくなったAさんの口から絶叫が漏れた。
同時にグイッとハンドルが助手席側に回された。
ハンドルを掴むAさんの手とは別の手が助手席から伸びていた。
高速道路脇の壁に突っ込む寸前にAさんが見たものは、
助手席に座ってAさんをじっと見つめながら、
引きつった笑みを浮べる赤いドレスの女だった。

93 :
(3/3)
「目を覚ましたら、病院だった。
 壁に突っ込んだ後、何とか自分で車から這い出たのまでは覚えているけど、その先はサッパリ」
話を終えたAさんが茶をすすって一息ついた。
一体なんだったんでしょうねその女、と問う俺に対して
「なんだったかは分からないけど、車から這い出た時、高速道路の壁の脇に花束が置いてあった。
 普通、高速道路で事故が起きても献花なんて出来ないと思うけど……あれは確かにあったんだよ。
 それで、関係あるかは分からないけど、その花束、赤い包装紙に包んであった。
 事故の衝撃か、それとも元々そうなってたのかは知らないけど、それが上下さかさまになっててさ……」
気を失う直前のAさんは、それを見て、まるで赤いドレスのようだ、と思ったそうだ。
【了】

94 :
26本目の蝋燭が消えました・・・
KMT◆nqnJikEPbM.8さん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
成◆0ute.wyqdYさん、第27話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

95 :
【第二十七話】成 ◆0ute.wyqdY様 『おとうさん』
(1/2)
中学の頃からの親友が結婚したときのゴタゴタの話
彼女の父親は、彼女がまだ小学校に上がる前に亡くなった
ということになっていた
というのも、彼女はそれが母親の嘘だと知っていたのだ
そもそもお墓も仏壇も位牌の類いもなく、それらがないのは父実家との不仲のせいという話自体、
聞くばかりの私にしても嘘臭く思える
年に一度、父親は彼女に会いに来たそうだ
8月の暑い盛り、彼女の誕生日に
決まって母親のいないとき、近所の公園でのこと
いつも、内緒だと微笑みながら頭を撫でてくれたという
プレゼントだとかお小遣いだとか、そういうものはなかったそうだけど、
普段写真でしか父親の姿を見ることのなかった彼女にとっては一年に一度だけの楽しみだった
結婚が決まったとき、勇気を出して彼女は母親に聞いたという
「ねえ、お父さんの住所教えて?」
母親は呆気にとられたように彼女を見つめたそうだ
「お父さんは死んじゃったのよ?何で今さらそんなこと言うの」
少ししてからそう言った母親に、彼女はひどく苛立った
もういい、とだけ言って、彼女は実家を飛び出した
それが結婚式の一年前の話

96 :
(2/2)
その次の誕生日、彼女は近所の公園で父親を待った
いつものように現れた父親に、結婚の話をする。
父親はとても驚いて、でもとても喜んでくれて
だけど少し寂しそうに見えた
「お母さんったら酷いのよ?お父さんは死んじゃった、なんて」
子供のように膨れる彼女を父親は苦笑しながら撫でたそうだ
「……ごめんな」
ぽつりと呟いて、式には出られない、と父親は続けた
理由を聞いてもはぐらかされ、父親はそのまま去っていったそうだ
追いかけてみても、公園を出てすぐに見失ってしまったらしい
彼女には、母親が嫌がるからだとしか思えなかった
だから余計に母親へ反発する気持ちが強まってしまった
母親に相談せずに父親の住所を調べようとした彼女は、戸籍を取り寄せた
そこに書かれていたのは、変わらず筆頭者となっている父親の名前
そして、17年前に死亡したという事実だった
以来、誕生日が来ても彼女が父親に会うことはなかったそうだ
【了】

97 :
27本目の蝋燭が消えました・・・
成◆0ute.wyqdYさん、ありがとうございました
                      γ
                      (
                      _ノ
                   /
                __
             ,、'"   .  `' 、
             i`ー  _    ',
.             l| !|      i""!|
                 }: }i    |{  !j
               〈| 'J |!   }j  :}
            _ノ;し  i}  {J  |
         ,、-,、'         ハ- 、
         ( .( '、_    _ ,ノ  ノ:i   )
        ,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
切子◆DjSl2E7hcsさん、第28話をお願いします
-----------------------------------------------------
語り部希望は【企画スレ】へ
雑談、感想は【雑談スレ】で。
規制中の方は【避難所】へお願いします。

98 :
【第二十八話】切子 ◆DjSl2E7hcs様『山のお祭り』
(1/2)
私がぜんぜん覚えていなかった話。
私が中学生のときに、母方の祖母が亡くなりました。
そのとき私は初めて田舎の祖母の家に行きました。
祖母の家は関東にしては相当な田舎で、田んぼや丘(山というほどではない)に囲まれた場所でした。
暑い夏の盛りで、学校の制服がひどく蒸れたのを覚えています。
それまでは一度も祖母の家には行ったことがなく、盆や暮れにも母だけが祖母の家に帰っていました。
私と三つ下の妹、それと父は留守番をしていたのです。
ですから、最近までずっと父と祖母があまり仲がよくなかったのだろう、などど漠然と思っていたのでした。
今年、祖母の法要があり、ふとそのことを母に話してみました。
すると母は少し意外そうな顔をして、それからこの話をしてくれました。

99 :
(2/2)
私が幼稚園に通っていた頃、実は私達一家はそろってお盆に祖母の家に行ったことがあったそうです。
まあ、私はぜんぜん覚えていなかったのですが。
そのときのことなのですが、母が妹を昼寝させているところに私がやってきて言ったそうです。
「お祭りにいきたい」と。
そんなのどこでやってるの、と母が聞き返すと、私は母を外に連れ出して少し離れた丘の一点を指差したそうです。
母が見た限りそこで祭りらしいものをやっている気配はなく、ただ森があるだけでした。
〜〜〜〜〜〜
それでも執拗にせがむ私に、そんなのどこにもないわよと言うと、私は事細かに様子を説明しだしたそうです。
どんな人がいるのか。
どんな様子なのか。
まるで実際にそこでなにかお祭りを見ているかのように。
なんだか薄ら寒いものを感じた母は、私を連れて祖母にそのことを話しに行ったそうです。
すると祖母は驚いた顔をした後、少し考えてから言ったそうです。
この子はここにつれてきてはいけないかもしれないねえ、と。
そんなわけで、その後は私を連れて祖母の家に行くことはなくなったのだそうです。
それだけで、なぜ私を連れてきてはいけないのかまでは母も知らないということでした。
また、その場所になにかしらいわくがあるとか、お寺や神社、お墓などがあるというような話もないそうです。
そもそも母もそこで育ったわけですから、おそらく何もないのは間違いないのでしょう。
だいたいあんたは昔から物覚えが悪いから・・・と、母と、一緒に聞いていた妹には笑われました。
ぜんぜん覚えてなかったのが悪いんだけど。
(了)

100read 1read
1read 100read
TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
不思議やオカルト話を披露するスレ (769)
【YES】オカ板瞬間占い【NO】101 (559)
憎しみを込めて呪うスレッド 61呪殺目 (560)
テレタビーズの時間だよ テレタビーズの時間だよ (206)
【質問】使役霊・式神スレ 13【雑談】 (639)
( ´`ω)・・・ (222)
--log9.info------------------
Blog/Wiki関連技術総合 (351)
SQL自体を勉強したい (103)
【Perl上級者コーナーPart01】 (626)
CGI: Common Gateway Interface part 13 (182)
エンコード文字列だけのスレ (204)
Velocity vs JSPでVelocityを称えるスレ (119)
●CGI作成に愛の手を・・・● (160)
【HTML】StrictなHTMLのBBSを作ろう【Perl,PHP】 (462)
一人で始めるWEB起業何が一番面白いかな? 5案目 (137)
【PHP】1が必死にPHPを勉強するスレ (102)
ウェブプログラミングで使えるデザインパターン (164)
CGIアンケートフォームの値段 (115)
PHPで2chを真似てこんなモン作ってみますた。 (130)
おいおまら誰か教えてくださいHTML・・・ (256)
【MT】犬でも使えるBLOGスレ【逝吉】 (677)
【PHP】ツリー掲示板を作ろう (380)
--log55.com------------------
Uber Eats(東京)102件目【ワッチョイなし】
Uber Eats(東京)のデリバリー210【ワッチョイなし】
デンソー期間工 その74
【MHPS】三菱日立パワーシステムズ その14
【従業員削減】日産自動車 Part.6【役員報酬増大】
★【労災隠し実況】株式会社ミヤザワ【花王東京工場】
東京エレクトロン 宮城 5
デンソー期間工 その70