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2012年2月レズ・百合萌え120: ★The L Word・Lの世界に萌えよう!in百合版★3 (942)
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★The L Word・Lの世界に萌えよう!in百合版★3
- 1 :09/05/20 〜 最終レス :12/02/04
- レズ・百合好きな老若男女が仲良く、特に真面目にLの世界を語るスレです
萌え中心なのでSSなんかもぜんぜんOKです。自由な感じでどうぞ!
でも人の嫌がることはしないように各自責任を持ってかきこしてください
- 2 :
- 2げっと!
- 3 :
- in百合版→in百合萌え板
- 4 :
- >>1 GJ!!!おつれす
- 5 :
- あなたがキラです
- 6 :
- SS投下してくれている人にお願いです。前回の内容をよく覚えていないので
前回と合わせて明日ここに投下してして頂けないでしょうか?よろしくお願いします
- 7 :
- 前々回まえまでのが残っていたので。
私は投下人ではありませんw
958 :名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/10(日) 08:13:56 ID:kfa5ile0
前回の続きのSS投下。貼るなうぜぇという人はスルーを。
翌々日からはスタジオを閉めて一週間のハワイでのロケーション撮影に臨んだ。一週間のしかもハワイ
での撮影など滅多にある事では無い。晴天時と夜の撮影は順調に進み二日間で終了したが案の定雨中の
撮影は天候に左右されるため雨待ちとなった。従って雨が降らない限り私には何もやる事が無く翌日は
朝からビーチに出た。快晴で多くの人が各々の楽しみ方で時間を過ごしていた。
ビーチバレーに興じる人々、サーフィンを楽しむ人、のんびりとビーチに横たわる人、子犬と戯れる人、
砂浜で遊ぶ子供達。歩きながら彼らにレンズを向けシャッターを切る。その間も私は無意識に女性の体
を物色していた。そして私の目がビキニ姿でデッキチェアーで寛ぐ一人の女性に止まる。銀髪に近い流
れるようなブロンドの髪が印象的でスリムな体に見覚えがあった。ロスからハワイまでのフライトに乗
務していたキャビンアテンダントだ。私達はすでに五時間のフライト中に親しくなっていた。私は彼女
に近づいて声をかけた。
「Hi…リンダ」
彼女は私を見てサングラスを取る。
「Hi、シェーン偶然ね」
「仕事は?」
「この日に合わせて休暇を申請しておいたの。シェーンは仕事だったよね?」
「そう。こっちは仕事で来てるのにハワイでの休暇なんて贅沢だよね。羨ましいよ」
「何の仕事でこっちに?」
「これ」
彼女にカメラを向けてシャッターを切ると目を丸くする。
「カメラマンなの?かっこいい。ね、撮って」
笑いながら立ち上がってポーズを取る。
「いいよ。もし良かったらこの後付き合わない?」
シャッターを切りながら彼女を誘う。
「あら、仕事は?」
「今は雨待ち。だから天気が続く間は暇なの」
「あら、撮影も大変ね。いいわ、付き合っても。それで何処へ連れて行ってくれるの?」
「私は始めてだから君に案内してもらうつもりだったのに」
「私だって観光で来たことなんてないから…」
「それじゃレンタカーでも借りて走ってみようか」
その日は夕暮れまで走り回ってリンダをモデルに撮影しまくった。
「今日は付き合ってくれてありがとう。おかげでいい写真が撮れたしそろそろ帰ろうか」
「帰り道に夜景が綺麗なタンタラスの丘があるから寄らない?」
「それじゃその後で食事でもどう?モデルのお礼に奢るから」
そこから一時間も走らないうちに目的地に着いた。私達は車を止めて公園の展望台まで歩く。
「ワオ!凄い」
眼下にはホノルルの夜景が広がっている。
「でしょ。ここはハワイ一夜景が綺麗な場所だって」
- 8 :
- 959 :名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/10(日) 08:14:57 ID:kfa5ile0
周りにも大勢の観光客がいた。私は構わず彼女のウエストに腕を回す。
「二人きりだともっとロマンチックなのにね」
「私を口説いてる?あなたってやっぱりゲイなの?」
「どうしてゲイとかストレートとか拘るの?もっと気楽に考えようよ。そうだな…私を男とか女とか
考えないで単に一緒に居て楽しめる相手かどうか考えて」
「勿論、最高に楽しいわ」
「ならそれでいいじゃん」
リンダは苦笑しながらも腰に回した私の腕を外そうとはしなかった。さらに引き寄せて耳元で囁く。
「君はレズビアンじゃない。それは分かってるから身構えないで肩の力を抜いて…ただ君のセクシーな
唇にキスしたいだけなんだ」
私は彼女の長い髪を耳の後ろに掛けそのまま耳元を優しく噛んでキスをする。彼女はうっとりと目を閉
じてされるがままになっている。
「キスしてもいい?君が許してくれるまで待ってる…」
唇を耳元から頬に滑らせて彼女の唇の端にキスして腰に回した腕を上下に撫でる。
「シェーン…」
「…うん?」
「キスだけで済むかしら?」
「…うん。キスだけ…今の所は」
二人の間にあった数センチのギャップが彼女からのキスで完全に無くなった。
すぐにリンダから口を開いて私の中に舌を絡めてきた。彼女の腰に当てた手をシャツの下に潜り込ませ
指先で素肌を撫でる。すると彼女は両手を私の頬に当てよりキスを深めた。流石に回りの目が気になり
彼女を驚かせないように静かに唇を離す。
「これ以上続けるとキスだけじゃ治まらなくなりそう」
耳元で囁くと彼女も頬を赤らめて小さく頷いた。
「ホテルに戻りましょ」
結局私達は食事もしないでホテルに戻り愛し合った。
その後も雨は降らず予定していた期間での撮影は諦めざる終えなかった。機材をロスに送る準備をして
いると携帯が鳴り発信相手を確認するとケリーだった。
「シェーン?ちょっとまずい事になって…」
「何?マークの事?」
「コンタクトが取れたらシェーンに連絡するつもりだった。本当よ。でも…その日のうちに彼のアパー
トで…それを先日スタジオで会った彼女…カルメンに見られて」
「OMG!」
「彼女マークの恋人ですって?どう言う事なの、恋人の浮気に彼女も関わってたって事?」
「ちょっと理由があって…何も話さなかった私が悪いんだ。それでカルメンは?」
「昨夜、部屋を飛び出したまま…マークが携帯にかけてるけれど電源が切られてるみたいで。」
「彼女の携帯番号わかる?」
「ううん。シェーンは聞いてないの?」
「こっちの番号は教えたけれど彼女の番号は聞いてない」
「あなたらしくないわね。いつもなら強引に聞き出すくせに」
「とにかくマークに番号を聞いてみて…ケリー?マークにこの事は」
「何も話してないわ。私だってどうなってるのか分からないんだから」
私はじっとしている事が出来なくて部屋を歩き回る。知らず知らず爪を噛む。
恋人の浮気現場を直接見せるつもりなど意図した事では無かった。少しでも彼女に与えるショックを和
らげようとマークとケリーが腕を組んで歩く程度のツーショット写真を見せるつもりだった。
私はアリスに携帯を繋いだ。
「アル…早く出てよ!アリス、アリス」」
呼び出し音が虚しく響くだけで苛立って携帯をベッドに投げ出す。
頭を冷やすためにシャワーを浴びて出ると携帯が鳴っていた。慌てて取り上げる。
「アル!待ってたんだ。今何処に居る?」
「ラジオの収録を終えたとこ。シェーン今ハワイなんでしょ」
「そんな事より昨夜カルメン見なかった?」
「…どうして?」
「いいから教えて」
「うーん…教えていいものかどうか…」
「何?彼女どうかしたの?」
- 9 :
- 960 :名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/10(日) 08:16:37 ID:kfa5ile0
「あんたが彼女狙ってたのは知ってるからさ…がっかりさせるのも悪いけど聞きたい?」
「聞きたい!」
「昨夜さミルクでカルメンに会ったらパピと一緒でさ」
「パピ!?」
「そう。今朝も二人で腕なんか組んでプラネットに来てた。一晩一緒にいてパピが手を出さないはずが
ないからね。シェーン残念、先越されたよ」
私はショックでベッドに倒れこんだ。パピは何故か私を疎ましく思っていて何かと絡んで来る。
もっと悪い事に女に手が早く私が誘うつもりでいる女を横取りするのが彼女には堪らなく楽しいらしい。
「Hello…シェーン大丈夫?生きてる?」
「…もういい…彼女が無事ならそれでいい」
「無事ってどういう意味?」
「みんな私が悪いんだ。自業自得ってやつ。仕事中に電話してごめん。おやすみ」
「シェーン!シェーン!」
私を呼ぶ声が聞こえたが無視して電源ごと切った。
翌日昼過ぎに重い足を引きずってスタジオに戻りビールを取り出してソファーに腰掛ける。携帯を取り
出して電源を入れると何件かのメールと着信があった。溜息を付いてそれを投げ出す。
自分のやる事に間違いはない。成功するのは当然のことと高を括って一週間の長期ロケにも出かけてし
まった自分が情けない。巻き込んでしまったケリーには謝りに行かなければならない。
そして問題はカルメンだ。彼女に謝罪するのは当然だがパピと一緒のところは見たくない。彼女の気持
ちが良く分かった今自分のしたことに重い責任を感じた。取り合えず着替えを持って家に帰る。
家に着くとカルメンの車が止まっていたがあたりを見回しても彼女の姿は無い。家の鍵を開けようとす
るとロックが外れていた。カルメンからは合鍵を回収していたので不信に思い静かにドアを開けるとキ
ッチンでカルメンがヘッドホンを着け腰を振りながら料理を作っていた。私はそこに立ち止まったまま
呆気に取られたが直ぐに我に返り彼女の耳からイヤホンを引き抜く。
カルメンは驚いて後ろを振り向いた。
「マークと別れたにしては随分とご機嫌そうだね。確かに彼との事は私が悪かったと思ってる。でも私
が君を好きだと知っててどうしてここに…私の家にパピを連れ込んでるんだ」
「シェーン…あ、御免なさい。アリスが隣のベットに話をつけてくれてここに泊めてくれたの。私はシ
ェーンの留守に入るのは断ったんだけれど。」
戸惑い気味に言葉に詰まりながら話す。
「それはいい。私のせいでマークの所を出る羽目になったんだから。でもパピを連れ込むなんて…」
「パピ?」
「そうパピだよ。マークの家を出た夜からずっと一緒だったでしょ?」
「シェーン…パピって誰?そんな人知らないしここには私しかいないわ」
彼女は不信気に私を見詰める。長い付き合いではないがカルメンが嘘を付くような人間ではない事は分
かる。私は何がどうなっているのか分からなくなっていた。
「だってアリスが…」
その時私の脳裏にアリスのニヤニヤ笑いの顔が浮かんだ。私は片手で両方の目を押さえて唸った。
「クソ!アリスの仕業だ」
カルメンに背を向けてアリスの携帯番号を押す。
「アリス!」
「Hiシェーン。やっと帰って来た」
「アル…今カルメンと居る。」
「本当は電話を貰った時あんたがあんまりがっかりしてたから、からかった事を白状しようとしたんだ
けど電話が切られてそれから繋がらなくなって…」
「なんでそんな事を?」
「ごめんね。最近女の子とばかり遊んで私達とは付き合い悪いじゃん?それにカルメンとのことそんな
に真剣だとは思わなかったからつい軽い気持ちで…」
私は溜息を付いたが彼女を責めるつもりは無かった。そのおかげで自分のカルメンへの気持ちも再確認
出来た。
「アル…もういいよ。私も自分の気持ちを確認出来たことだしね。でもどうしてアルがカルメンをここ
へ連れて来れたの?」
「ああ、詳しいことはカルメンから聞いて。今デイナと一緒なんだ…じゃね」
私は苦笑して携帯を切りカルメンに振り返った。彼女は心配そうにこちらを見ていた、
- 10 :
- 961 :名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/10(日) 08:18:06 ID:kfa5ile0
「カルメン…ごめん。その色々誤解してて。それにマークの事だけど私のやり方も不味かった。結局二
人の間を駄目にしたみたいで。どうしたらいい?何でも言って」
彼女は首を振って私に近づく。
「もういいの。シェーンの言う通りだった。私がマークの浮気のこと分かってて見ない振りしてた。
マークが一緒にいた彼女の名前は?」
「…ケリー」
「ケリーとマークが一緒の所を見たときは頭がパニックになって…。それでアリスに電話をして理由を
話したらシェーンの自宅の鍵をベットから借りてくれて」
「ちょっと待って。私のせいなんだから私に電話をしてくれればいいのに。それにどうしてアリスの番
号を知ってるの?」
「あなたが居ないのはアリスから聞いて知ってたから。私達気が合って良く会ったり電話したりしてる
の。アリス私に良くしてくれて彼女いい人ね」
二人が親しくしていることは初耳で驚いたがアリスがいい友人なのは間違いない。
「そうなんだ…。それでマークとはどうするつもり?」
彼女の口から復縁を望む言葉は聞きたくなかったがそれを望むなら聞き入れるしかなかった。
私達はビールを飲みながらソファーに移動した。
「…落ち着いてマークとの事考えてみたんだけど別れることに決めた。そう決めたら肩の荷が降りたみ
たいで気が楽になって」
その言葉に彼女に気付かれないようホッと息を吐く。
「でも、シェーンと付き合うという条件は無しよ」
「勿論…これからゆっくりと私のこと分かってくれればいい。さ、夕飯の支度中だったでしょ、一緒に
作ろう」
- 11 :
- 962 :名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/10(日) 08:18:59 ID:kfa5ile0
「あら、作れるの?」
「失礼な…レタスくらい千切れるさ」
彼女が笑いながら私の肩を叩いてシンクに向かい夕飯の支度の続きをしながら話しかける。
「シェーン。お願いがあるんだけど…アパートを探す間ここにおいてくれる?」
「いいよ。こっちからお願いしたいくらいだ。それで仕事はどうするの?今迄通りあそこで踊る?」
正直私は他の人間にカルメンの裸体を見てもらいたくは無かった。
「せめて…もう少し露出の少ないクラブとかに変わらない?マークと別れたなら収入が多少減っても大
丈夫でしょ」
キッチンテーブルに腰を掛けて彼女の背中に話しかける。
「でもここの家賃も払わないといけないから」
「いいよ、いらない。ずっとって分けじゃないし…これでも金銭面で苦労はしてない」
「でも…」
「気になるなら体で払って貰ってもいいけど…いや、その方が嬉しい」
彼女のヒップを見詰めて言うと気配を感じたのか不意に振り向き私は急いで視線を逸らす。
「シェーン」
振り返って軽く睨む。
「嘘だって、冗談だから。でも本当にお金は受け取らないから」
彼女が溜息を付いて首を振る。その時ある考えが私の頭に閃いた。
「それじゃ、たまにでいいからモデルになってくれる?」
「…」
「駄目かな?仕事をクラブに変えてたまに写真を撮らせて欲しい」
「…たまに?」
彼女は視線を下に落として聞く。
「そう。ちょっと待ってて。あの時の写真、まだ君に見せてなかったよね」
私はプライベートの写真は家の裏の暗室でDPE処理していた。彼女の写真も乾燥作業の最中だった。
それを急いでクリップから外して彼女の元へ持っていく。
「どう?」
彼女は20枚ほどあるプリントを手に取り一枚一枚丁寧に見ていく。その手元を覗き込む。
「美しいと思わない?完璧な体だよ。もっと君を撮りたいんだ」
「…正直、自分の体に自信がなければストリップなんて出来ない。でも…こんなに綺麗に撮ってもらえ
るのはカメラマンの腕がいいって事もあるんじゃない?」
彼女は恥かしさなのか嬉しさなのか頬を紅潮させて私を見る。
「こんな美しいモデル使わない手はない。お願いします」
彼女の手を取り哀願するように頼み込む。カルメンは唇を噛んで考えていたが暫くして頷く。
「…分かったわ」
「本当に?やった!有難う。二人でいい写真を撮ろう」
嬉しさの余り彼女を抱きしめて頬にキスを繰り返す。
「シェーン。分かったから落ち着いて。ね、食事にしましょう」
彼女は興奮する私を笑いながら宥めてテーブルに手を引いた。
- 12 :
- 968 :名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 08:15:26 ID:DcpOSkVs
前回の続きのSS投下。貼るなうぜぇという人はスルーを。
食後に私達はソファーに移動して寛いでいた。
「ああ、美味しかった…。時々はここに戻って食事作ってもらおうかな」
彼女が作ったマカロニチーズの味を思い出す。
「ニューヨークにいた頃からずっと自炊してたし、家族が多かったからママにも良く手伝いを頼まれた
わ。だから料理には自信があるわ。シェーンは作らないの?」
「そうだね。ほとんどスタジオで寝起きしてたから…あそこにはキッチンなんてないしね」
「でも若いのにギャラリーまであるスタジオを持ってるなんて凄いよね。しかもあんなに広い」
「ああ…でもあれは借りてるだけだから」
「それでもレンタル料は払ってるんでしょ?シェーンは何歳であのスタジオを手に入れたの?私とそん
なに年も変わらないのに」
「…大したことないよ。それより君の写真なんだけどギャラリーに出しちゃ駄目かな?プライベート写
真として取って置くつもりだったけれど予想以上の出来でさ。勿論、非売品にするけどね」
もう一度写真を眺めながら尋ねるとカルメンはそれを私の手から取り上げる。
「どれを飾るの?これなんかどう?」
その中の一枚を見せて聞く。
「駄目、駄目その写真は堅すぎる。」
「じゃこれ」
「それは誰にも見せたくない。私のプライベートコレクションに加える」
「これは?」
一枚ずつ私に見せて意見を聞く。私はそれを取り上げようと座ったまま彼女に手を伸ばす。
「カルメン駄目だよ。ほら貸して私がいいと思うのは……」
その瞬間私の手が空を掴んでそのまま彼女の上に覆いかぶさりカルメンの胸に私の顔が埋まるという状
態になった。
「…柔らかい…」
カルメンが私の頭を軽く叩く。その手を素早く取り頭上に押し付ける。いつでも拒む事が出来る強さで。
「カルメン…」
もう片方の手で彼女の頬を優しく撫でてゆっくり唇を近づけるが彼女もそれを拒むことは無かった。
私は口を開く事なくキスを続け顔を離す。私達の視線は絡み合う。
「もう我慢出来ない。もし嫌ならこの手を払いのけて」
自分の声が興奮で掠れているのが分かった。
「…シェーン…嫌じゃない…でもどうやってあなたと付き合っていいのか分からない」
彼女の声も震えていた。私は無言で彼女の首に顔を埋める。
「ミルクで聞いたあなたの噂…私には不特定な人と寝るような人とは付き合えない。愛する人に自分以
外の女性を見て欲しくないから。私と付き合うことになったら他の女性とは寝ないと言ったよね?それ
は約束?私は守れないような約束ならいらない。でも嘘だけは付いて欲しくない」
彼女は私の背中を撫でながら囁く。
「私も約束は嫌いだ。それを守れなかった時の相手の悲しみが分かるから…」
「…どうして相手の悲しみが理解出来るの?シェーンも裏切られた事があるから?」
脳裏に私の両親とシェリーの顔が浮かぶ。それを振り払うように頭を激しく振って叫ぶ。
「違う!違う!そんなんじゃない!」
「…シェーン、大丈夫だから落ち着いて」
- 13 :
- 969 :名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 08:17:31 ID:DcpOSkVs
カルメンは私の頭を優しく撫で子供を宥めるように背中を軽く叩く。不思議な事に彼女に抱きしめられ
ていると私の体はいつのまにかリラックスした。撮影ロケの疲れもあって私はカルメンの腕の中で眠っ
ていたらしく気付くと彼女も私の背中に腕を回したまま微かに寝息を立てていた。どうすれば彼女を起
こさないでこの体勢から抜け出せるか考えるうちに悪戯心が湧いてきた。私の唇のすぐ横に彼女の耳が
あり舌先でその耳朶を舐めて口に含む。彼女を目覚めさせる事なくその行為に満足した私は更にエスカ
レートさせる。そのまま舌を滑らせて首筋にキスを続ける。そしてあるポイントに唇を置いた時今迄規
則的だった呼吸が乱れ私の背中に置かれた手に力が篭った。私は彼女のその反応に満足して唇を移動さ
せるとその手からも力が抜けた。少しづつ彼女に回した腕を引き抜いてそれを胸に持っていく。
私の手は女性として小さい方ではないがそれでも彼女の乳房は私の手に余る程だった。その裸体は私の
目に焼きついているがこうして実際に触れるとその大きさを実感した。力を入れても指が埋まる事無く
その弾力で押し返される。マークはどうしてこの素晴らしい体を自ら手放したのか理解できない。
でもそのおかげでこうして私がカルメンを抱きしめる事が出来る分けだが。胸から手を放して彼女の腿
に移動させジーンズの上からそっと撫で上げる。直接その肌の感触を確かめられないのがもどかしいが
今はいかに彼女の目を覚ます事無く触れていられるかだ。二本の指で脚の付け根から腿にかけて撫で続
けると眠っている筈の彼女の手が私の手を力無く押さえ付ける。カルメンの顔を見るがまだ目覚めた様
子は無い。これ以上やれば冗談では済まなくなると分かっていたがその頃にはもう自分の密やかな行為
を押さえきれなくなっていた。彼女の手をそっと外してジーンズのタックボタンとファスナーを下ろし
私は唾を飲み込んでその手をファスナーの間から忍び込ませた。下着の上から彼女の大切な部分を強い
刺激を与えないように擦る。暫く続けるとそこから指先に熱が伝わり同時に彼女の口から吐息が洩れた。
ショーツの横から直に触れようとした私の手がはっきり意思を持った手によって阻まれた。
「…あ、これはほんの出来心で…やり過ぎたゴメン」
一瞬固まったが悪戯が見つかった子供の様に愛想笑いで誤魔化す。
「……そんなに私が欲しい?」
私の手を握り締めたまま払いのける事無く掠れ声で囁く。言葉を発する事無く壊れた玩具のようにただ
首を縦に何度も振り続けた。不思議な事に私の指先は更に熱くなっている彼女を感じる事が出来た。
そっと私を押しのけて彼女は自からジーンズを脱いで再びソファーに横になろうとした。私は首を振り
彼女の手を取り立ち上がる。
「寝室で…」
私達はお互い着ている物を脱がせ合った。彼女は立ったまま全裸の私の体に手を這わせ肩から腕にかけ
てキスを続ける。
「無駄な贅肉が一切付いていない綺麗な体…鍛えてるの?」
「知ってる?カメラマンて以外と肉体労働だって事。カメラ、レンズ、スタンド、レフ板、その他諸々
それを担いで歩くんだよ。車を降りてから何キロも。嫌でもこの通り筋肉が付いてしまう」
笑って腕を曲げて三角筋から上腕筋を見せると彼女はそこを確かめるように撫でる。次に私を立たせた
まま彼女はベッドに腰を掛けて私の割れた腹筋にキスをする。
「凄い…」
「それ褒め言葉になってない…男じゃないんだから。被写体としてなら私の体と君の体、どちらを撮る
か聞かれたら迷わず答えるね。この体と」
彼女をベッドに押し倒して強引に唇を奪うと私の性急な行為に驚いて軽く抵抗する。しかしすぐにその
体から力が抜けて彼女の腕も私の背中を這い回る。私は舌で彼女の下唇を舐めて口を開くように促す。
小さく開いた瞬間舌を潜り込ませて口中を自在に犯す。唾液がお互いの舌に纏わりついて顔を離すと銀
色の糸を引く。私達は視線を外さないで息を弾ませたままお互いを見る。
「どうして急に許してくれる気になったの?」
「約束を破られた方の気持ちが分かると言ってくれたから」
「…でも約束は出来ない」
カルメンは私の首に手を回して抱き寄せる。
「うん…約束はいらない。…もうおしゃべりは止めて」
- 14 :
- 970 :名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/17(日) 08:19:31 ID:DcpOSkVs
偶然触れた彼女の左胸から激しい鼓動を感じ緊張を解すつもりでふざけて飛び掛った。
「飢えた狼にお預けを食らわすとどういう事になるかみせてあげるよ」
両手を頭の脇に押さえつけて唸りながら首筋を舐めて甘噛みし肩、胸、臍、脚、とじっくり時間を掛け
て最後に足の指を一本ずつ口に含んで舌で愛撫する。
「…シェーン…そこ汚い」
小さく抵抗するがそれを無視して続ける。十本の指を全て舐め終わる頃には彼女の口から悩ましい喘ぎ
声が洩れていた。彼女の体を私の唾液でマーキングすることでまるで自分の物に感じる。
「カルメン…この体は私のものだよ」
私が小指を口に含んだまま囁くと彼女は言葉なく何度も頷く。それに気を良くした私はいきなり両足を
広げてその間に体を入れ彼女の中心部に顔を近づける。まだその体の感じるポイントには一切触れてい
ないにも関わらずそこは十分に濡れていた。思わず唾を飲み込んで渇きを癒すようにむしゃぶりつく。
その瞬間カルメンは悲鳴を上げて背中を反らし私の髪を痛いほど握り締める。その痛みを無視して噛ん
で舐めて吸って飲み込む。彼女の喘ぎは絶える事無くその口から洩れている。私にとってそれは心地良
い音楽のようでいつまでも聞いていたい。
「アアッ…シェーン…もう…止めて…お願い」
一時間近くイかされる事無く延々と続く愛撫は拷問に近いのだろう。ついに泣いて中止を求めてきた。
そこで漸く体を上げてカルメンの汗でしっとりした髪にキスして囁く。
「ごめんね…美味しかった」
満足して喉を鳴らし首筋を舐めるとまるで本当の狼になった気分だった。今度は彼女を絶頂に導く為に
再び体を下ろそうとするとカルメンの両手が私の首に絡む。
「もう、許して…変になりそう」
紅潮した顔で目に涙を溜めて私に哀願する。
「でもまだイってないでしょ?」
「これ以上されたら…自分がどうなるか分からない」
「そうなったカルメンが見てみたい」
意地の悪い笑みを浮かべて軽いキスをする。
「バカ…」
彼女はキスを返し甘えた声で囁いて私の首に回した手から力を抜いた。再び脚の間に顔を埋めて彼女を
イかせる為に舌を使う。今までの愛撫で十分に高まっていた彼女の体はヴァギナに舌を挿入するだけで
両腿に震えが走った。しかし今迄聞こえていた喘ぎ声が聞こえなくなり彼女を見ると手の甲を噛んで声
が洩れるのを耐えていた。その手を外させる。
「駄目だよ、血が出てるじゃないか…」
傷ついた箇所の血を舐め取り両手にシーツを握らせる。
「両手はこのまま。噛んだりしたらイかせてあげないよ」
数分後カルメンは泣き声を上げながらクライマックスを迎えた。ラブジュースを綺麗に舐め取り満足し
た私は這い上がって彼女の弛緩した体を抱きしめキスする。
「ごちそうさま」
わざと舌なめずりしてニカッと笑う。
「…赤頭巾ちゃんになった気分だわ」
まだ涙が治まらない様子で啜り上げながらそう言って私の肩に顔を埋める。私はクスクス笑いながら彼
女の髪を撫でる。
「可愛そうな赤頭巾ちゃん…助けてくれる猟師さんはここにはいなかったみたいだね」
「ジャーン…猟師さん登場!遅すぎたかもしれないけど」
ドアを全開したアリスがライフルを構えたポーズでこちらに狙いを定めていた。私は呆気に取られて口
が聞けない状態でいた。
- 15 :
-
前回の続きのSS投下。貼るなうぜぇという人はスルーを。
カルメンも一瞬間が空いた後悲鳴を上げて私に抱きついて顔を隠し私は素早く
シーツを引き上げて二人の体を覆い隠す。
「アリス!」
「Hi…シェーン、カルメン」
アリスも流石に気まずいのか視線を宙に彷徨わせて後ろを向いた。
「な、なんでここに居るのさ」
いそいで床からシャツを拾い上げショーツとジーンズを身に着け、カルメンのことを考えてアリスを部
屋から連れ出した。冷蔵庫からビールを取り出してアリスに渡す。
「デイナと一緒じゃなかったの?」
「彼女、明日試合があるから今夜は泊まれないって。今送っていった帰り」
「何でここに?」
「カルメンの事が心配で…。本当はあんたとのこと相談されててさ。私は止めたんだよね…シェーンと
はそういう関係にはならない方がいいってさ。あんたは友達としてなら最高だけど彼女となるとね…分
かるよね?私が何を言いたいのか」
「彼女の事…本気だよ」
アリスは寝室を振り返りカルメンがいない事を確認して声を潜める。
「けど、シェリーはどうするの?カルメンにシェリーの事伝えてないでしょ?」
私は溜息を付いて髪を掻き毟る。
「今シェリーの事は関係ない」
「関係ない?だってあんたとシェリーは……」
その時廊下を歩く足音を聞いてアリスに目配せした。奥から衣服を身に着けたカルメンが照れた笑いを
浮かべてアリスに話しかけた。
「アリス…シェーンとの事…御免なさい。あなたの言葉を無視した分けじゃない。でもシェーンの事
これ以上拒めなかった」
カルメンはアリスの前に膝を付いてその手を握りながら許しをこう。アリスもそれに首を振る。
「私に謝る事じゃないわ。カルメンの気持ちの問題だから…でもこうなったと言う事は気持ちにけりが
付いたということね」
アリスが溜息を付きながらカルメンの髪を撫でる。
「うん。シェーンの事好きなんだと思う」
カルメンが私の方を向いて少し頬を赤らめて告白する。私は思わず彼女の横に座り込む。
「本当に?良かった…ずっと断られてたから。それじゃ付き合ってくれるんだよね?」
彼女の両肩に手を置いて確認するように顔を覗きこむ。その時アリスがわざとらしく咳をして立ち上が
り私の肩を叩く。
「シェーン、今夜はもう遅いから帰らない?ほら明日は朝から撮影があるって言ってたでしょ」
「ハァ?明日は休むつもりで…」
アリスは尚も私の袖を引く。溜息を付いてカルメンを振り返った。
「そうだった…急な仕事があったんだ。カルメンごめん、今夜は帰るけれど明日必ず連絡するから」
彼女の目に淋しさが過ぎった。
「ああ…先に車へ行ってる」
- 16 :
- アリスが気を利かせて外へ出て行った。カルメンの顔を両手で包んで軽いキスをする。
「ごめんね…アリスが私に何か話しがあるみたいだ。良い所で邪魔が入っちゃったけれど楽しみはまた
明日」
「シェーン…」
カルメンは私の首に両腕を回してしっかりと抱きつく。私は少しまごつく。
「どうしたの?」
彼女は小さく首を振る。
「分からない…。あなたに対する気持ちを自覚したら急に…離れたくない」
私の顔に微笑みが広がる。彼女の体をきつく抱きしめ返す。
「うん…私も離れたくない。このままずっと愛し合っていたい」
私達は何度もディープキスを繰り返す。私の手は彼女のTシャツの下に滑り込む。それを見計らった様
に玄関ドアにノックがあり渋々彼女の体から手を放す。
「アルがドアを蹴破る前に行かないと…おやすみ」
私とカルメンの手がゆっくりと放れようとする瞬間再びどちらからともなく抱きあって熱いキスをする。
ゆっくり唇を離し額をつけたまま囁く。
「これじゃいつまで経っても帰れない」
「じゃ帰らないで…」
「愛してるカルメン…おやすみ」
もう一度カルメンにキスをしてドアを開けた。
「おやすみのキスだけで5分以上掛かってる」
アリスが車のドアにもたれて腕時計を覗きこんだまま言う。私も同じようにアリスの隣で体を車にもた
せ掛けた。
「妬かない、妬かない」
「赤頭巾ちゃんは猟師の登場を望んでなかったってことね」
苦笑してジーンズのポケットから煙草を取り出し咥えてケースをアリスに差し出すが彼女は首を振った。
火を着けて大きく吸い込む。
「それで…何か話しがあったんでしょ?」
「シェリーの事」
煙を吐いて片手で髪を掻き上げる。
「ともかくシェリーの事は時が来たら私から話す」
「時が来たら?その前に彼女が知ったらどうするの。マークの事で十分傷ついてる彼女を更に傷つける
事になるんだよ?」
「シェリーのことはアリスしか知らない。他から洩れることは有り得ないよ」
アリスは私とシェリーの出会いから現在に至るまでの経緯を全て知っている。
「私が言ったら?」
私は驚いてアリスを見詰める。
「どうしてそんなにカルメンに肩入れするのさ」
アリスは溜息を付いて肩を落とす。
「カルメンにじゃない、あんた達二人に…だ。彼女は多分始めて会った時からあんたに引かれていたの
かもね…。だって一度会っただけの人物に恋人の相談なんてしないでしょ。だから二度目にカルメンと
会った時にマークとの痛手を癒すなら新しい恋をするのが一番だと思って軽い気持ちであんたと付き合
うのもいいかもと言ったんだ。ストレートの彼女がまさかあんたに本気になると思わなかったから。
だからカルメンからあんたの事を本気で相談された時不味い事になったと思った。あんたに彼女は幸せ
に出来ない事は分かってたから。だから反対したんだ。でもこうなったらカルメンに…二人にずっと旨
く行って欲しいからその妨げになる様な原因は排除して置きたい」
「だからシェリーの事を?」
私は無言で頷く彼女を抱きしめる。
「ありがとう…アル。でも彼女との事はもう暫く待って欲しい。カルメンを泣かせる様な事はしない」
彼女は数回頷いて私の頭にキスをして私達はそれぞれの車に乗り込んだ。
- 17 :
- 続きは?二回目もエロいのお願いね
- 18 :
- >>7-14さんありがとうございました!
今回も良かったです。来週も楽しみにしてます!
- 19 :
- 最近はもう毎週楽しみにしていまつ(´∀`*)
明日ももしよかったらおながいしまつ
- 20 :
- 前回の続きのSS投下。貼るなうぜぇという人はスルーを。
昨晩のうちにケリーに連絡を入れて訪問の予定を告げ、時間までハワイロケでの写真現像に取り組んだ。
家を出る前にカルメンに電話を入れたが通じずメールを送信しておいた。
それから30分後私はマークの部屋の前に居た。ノックする手が何度も止まる。一体どう言って切り出せ
ばいいのか…。これ以上迷っていても仕方が無い。諦めてドアを叩く。直ぐにドアは開いた。
「Hiシェーン…入って」
「Hiケリー」
ケリーに案内されたリビングには背の高いハンサムな男が微笑んで立っていた。微笑んで?なんでこの
男は自分を罠に掛けた私を前にして笑っていられるんだ?彼は私に手を差し出した。
「マークだ」
「シェーンです。よろしく…彼女たちから聞いたと思うけれど今回の事いくら頼まれたことと言え私が
口を出すべき問題じゃ無かった。ごめん。ついカルメンの気を引きたくて…結局君たち二人の間を壊す
ことになった」
私は彼の手を取ったまま一気に言った。
「…そうかも知れない」
マークはそれだけ言って私にソファーに座るよう促し彼は壁にもたれたまま口を開いた。
「それにカルメンにも言ったが僕は浮気なんてしていないしね。彼女は信じてくれなかったけれど」
私は驚いて彼を見上げる。
「それなら何故もっとカルメンが納得するまで話し合わなかった?」
彼は溜息をついて視線を逸らせた。
「…君、カメラマンなんだってね。実は僕もカメラをやってる。ただしムービーの方だけど」
それは初耳だった。
「カルメンは僕にとってそれが仕事にしたい程の物だとは思ってなかった様だ。趣味くらいに捉えてた
のかも知れない…。実はロスに来たのもここが映画の本場だったからさ。ここに来れば少しでも映画に
携わる事が出来るかも知れないと思ったんだ。実際はそんなに甘く無かった。ここに来て半年色々当た
ったけど素人同然の僕なんか雇ってくれる所なんてなかった」
ここに住んでカメラ関係の仕事をしていればそういう類の話は腐る程聞く。夢破れて故郷に帰るか挫折
して薬に頼る…良くある話だ。
「そんな時バイト先で知り合った男で自主映画を撮ってる奴らがいて無理を言って撮影に参加させて貰
ったんだ。それから…カルメンに嘘を付いて夜出かけるようになった。どんな雑用でも楽しかったよ。
映画に携わっている事が出来れば」
私の脳裏に夢中でカメラに取り組んでた頃が蘇った。そうだあの頃は私もそうだった。仲間こそ居なか
ったがカメラで被写体を捉える時の高揚感は何物にも変えがたい。
「何故それをカルメンに言わない?」
- 21 :
- 「…お金を借りたから…それも僕の親に」
「逃げてきた親から?」
「そう…」
「どうして金なんか」
「あと少しの資金繰りがつかなかったんだ、映画のね。完成しなければ映画会社へ持ち込むことも出来
ないだろ?そんな事出来ない。絶対に」
彼の気持ちは良くわかる。幸い私の仕事は映画のようなランニングコストは掛からない。
「でも彼女なら全て打ち明ければ分かってくれるんじゃない?」
マークは再び大きな溜息を付いて首を振る。
「…お金を借りる代わりに交換条件があったんだ。カルメンと別れる事」
私は絶句した。彼はそれを飲んだのか。
「そんな事カルメンに打ち明けろと?生活費を全て彼女に稼がせておいて僕は好きな事のために彼女を
売ったって?」
マークは黙って聞いていたケリーの隣に座り込んだ。私には何も言う事が出来なかった。私自身も似た
様なものだから…。
「シェーン…マークを責めないで。彼のやった事は確かに酷い事だと思う。でも彼の事をよく知ろうと
もしなかったカルメンにも非があるとは思わない?」
ケリーはマークの肩を撫でながら私を見る。
「マークを責める積りなんて無いよ。でも二人共もっと良く話し合う必要があったんじゃないかな」
「ああ。だからお願いだカルメンにはこのまま僕が浮気をしたと思わせておいて欲しい」
私は本当の事を話してこれ以上彼女を傷つける積りなど無い。
「勿論。ひとつだけ確認するけどもうカルメンの事を愛して無いの?」
「…正直彼女は何もかも一人で抱え込んでしまって僕に相談すらしてくれた事がない。一人で働いても
愚痴ひとつ零さない…僕にとって彼女は強すぎる人だ。その点ケリーは何でも僕に話してくれる。一緒
に笑うことが出来るんだ」
彼はそう言ってケリーの顔を見る。カルメンがマークに相談しないのはきっと彼に対して負い目を感じ
ているのだろう。両親から一人息子を引き離してしまった事に対して。家族思いの彼女だからこそなの
かもしれない。
「それが彼女の優しさなんだと思う」
「…こんなこと僕が言うのもおかしいと思うけどカルメンのこと頼むよ」
「私からもお願い…結局私が本気になったこともこんなになった原因のひとつだから」
マークとケリーが私に言う。しかしシェリーの顔が過ぎり私にはそれに答えることが出来なかった。
私は複雑な思いでハンドルを握っていた。彼の行ったことと今の私の状況のどこが違うと言い切れるの
か。アリスの言葉が蘇ったがそれを振り払う。家に着いて車から飛び降り小走りに玄関ドアに近づくと
中から激しい音楽が洩れてきた。ドアから中をそっと覗くとカルメンが中央で踊っている。私は裏へ回
り倉庫から手近にあるカメラを掴んで裏口から彼女の邪魔をしないようにそっと中に入りキッチンテー
ブルに腰を下ろす。彼女は私に目を止め踊りを止めようとしたが私は首を振りそのまま続けるよう促す。
フラメンコを踊る彼女の顔には汗が噴出している。多分だいぶ前から踊っているのだろう。私はカメラ
を構え踊る彼女を撮り始めた。撮影に集中し始めると時間が経つのも忘れてシャッターを切り続ける。
彼女もきっと同じで踊り始めると時間を忘れるのだ。フラメンコの音楽が終わった時彼女は何も話さず
肩で息をしてタオルで顔を拭う。すぐに次の曲が始まる。先程のフラメンコとは打って変わってスロー
テンポなダンス音楽だった。カルメンはその音楽に合わせてステップを踏み始め私に手を伸ばす。
- 22 :
- 誘っているのだろう。私は笑って首を振るが彼女は譲らず次は指先で私を招く。降参した私はカメラを
テーブルに置いて差し出されたその手を取り彼女のウエストに手を回す。カルメンは私の肩に手を回し
頭を肩に預ける。私たちは何も話さないでただゆっくり静かにステップを踏み続ける。
「フラメンコも踊れるんだ…」
彼女の頭にキスをして囁く。
「次の仕事先決めたの。そこのステージで踊るから少し練習しておかないと」
小さく頷いて彼女の首筋に唇を押し付けてそこを吸う。
「あ…キスマークは付けないで」
「どうして?もう明日から働くつもり?」
笑いながら軽いキスを続ける。
「そうじゃないけど消えるまでに時間がかかるわ」
「OK…場所変えよう」
ゆっくりと唇を重ねて肩を抱き寄せ両手を彼女のタンクトップの下に潜らせ乳房を愛撫するとその口か
ら呻きが洩れる。暫くして右手を引き抜き彼女の体のラインをなぞりながらゆっくり腰を撫で丈の長い
フラメンコスカートをたくし上げようとするがなかなか旨く行かない。
「脱がせた方が早くない?」
てこずっているのを見て彼女が笑いながら言うが私は首を振る。
「見るにはいいけれど事を始めようとするには不便なスカートだね」
私が文句をつけながら左手の助けを借り漸くスカートの下に手を伸ばして腿の内側を撫で上げる。
暫くその皮膚の感触を味わってショーツの端に指先を引っ掛けて下ろす。カルメンは自らそれを取り去
り両手を私の首に回してキスを求める。その間も私たちは曲に合わせて軽いステップを続ける。
私の手が彼女自身に触れた瞬間軽く息を止めるのが分かった。
「カルメン…ね、カルって呼んで言い?」
彼女は小さく笑って尋ねた。
「どうして?私の名前、そんなに呼びにくい?」
「そうじゃない。私だけが呼ぶことが出来る愛称が欲しいだ。だから君をカルと呼べるのは私だけ」
「いいわ…」
彼女は笑いながら私にキスする。そしてそのままディープキスに移行して本格的に彼女を愛撫し始めた。
「シェーン…シェーン!」
カルメンが私にしがみ付いて声を上げる。指が強い締め付けで動かすことが出来なかった。
「カル…マークに会ってきたよ」
私は彼女の心がマークに無いことを再確認するために話始めた。しかしその声は彼女には届いていない
のか喘ぎ声を上げて首だけを上下させる。
「彼に謝ってきたんだ…彼と君を別れさせることになったこと」
私たちのバックでは何曲も音楽が再生され続けている。しかし最早二人にステップを踏んでいる余裕は
無くなっていた。愛撫の手を緩めるとカルメンはもどかしげに腰を私の手に擦り付ける。
「聞いてる?」
耳元で囁くが目を閉じて喘ぐ彼女に聞こえているか定かではない。
「ああっ…お願い止めないで!続けて…」
私はクスクス笑ってキスする。
「昨日はもう止めてって言ってたのに…」
彼女の腰を机に持ち上げると片足を私の腰に巻きつける。
薄っすらと目を開いたカルメンが焦点の定まらない視線で私をぼんやりと見つめる。そして声を出さず
唇だけを動かす。私は微笑んでゆっくりと頷いた。
「…私も愛してる」
そして再び彼女の中の指を動かし始めた。
- 23 :
- 30分後私たちはベッドに身を寄せ合って横になっていた。
「ケリーが君に悪い事したと言ってた」
「もう良いのに…今の私にはシェーンが居てくれる」
「うん…始めて愛してると言ってくれたね。嬉しかった」
「そう?いいわ何度でも言ってあげる。愛してる、愛してるわ…シェーン。だからあなたの事もっと知
りたい」
「…私の生まれはオレゴンで26才。両親は二人とも生きているのかんでいるのかさえ分からない。こ
れでいい?私には語るべき事なんて何もないってこと」
私が体を起こしてベッドから出ようとするとカルメンが腕を掴む。
「シェーン…怒ったの?もしそうなら謝るから帰らないで」
溜息を付いて体をベッドに戻す。
「…いやカルが悪い分けじゃない。ただ人には触れられたくない部分てあるでしょ。私の場合それが私
生活だってこと」
その時やっと自分の対応がカルメンを傷つけた事に気が付いた。彼女の肩を抱き寄せる。
「…ごめん。いつか話せる時がくるまで待っててくれる?カルにならそれが出来そうな気がする」
人差し指で彼女の顔を上げさせ謝罪の意味を込めて唇にキスを置く。
「今夜は泊まってくれる?」
「うん。お腹すいたね。まだ何も食べて無いんだ。一緒にシャワー浴びてそれから二人で何か作ろう」
ベッドから飛び降りて彼女の手を取る。
「待って…何か着させて」
「そのままでいいから。バスルームはすぐそこじゃない…さあ、早く」
無理やり彼女をベッドから引っぱり出して戯れながら浴室へと向かった。
- 24 :
- 指入れられてから、達するまで30分以上もかかるもんなの?
- 25 :
- 続き楽しみにしてます
- 26 :
- わたしも楽しみにしてまつw
- 27 :
- 「待って…何か着させて」 に萌えました。
明日もよろしくおながいしまつw
- 28 :
- 前回の続きのSS投下。貼るなうぜぇという人はスルーを。
それから一ヶ月ほど何事も無く順調に私とカルメンの付き合いは続いた。いや、少なくとも私はそう思
っていた。ある日仕事中にシェリーから呼び出しを受けた。彼女からの連絡は不定期だが断ることは出
来なかった。普通なら仕事中に連絡が来ても会う時間は夜の遅い時間に限られていたがその時は珍しく
直ぐに来て欲しいとのことだった。幸い急ぎの仕事でもなかった為すぐにビーチハウスに出向いた。
いつも通りリビングに直行したがいつもならソファーに座っているはずのシェリーの姿が見えない。私
が暫くそこに佇んでいると一人のメイドが入ってきてシェリーが寝室で待っていると言う。いつもと異
なる態度に不安を覚えたがスポンサーである彼女と会わない分けにはいかない。溜息を付いて寝室に向
かいドアをノックする。
「入って」
私はドアを開く。そこにはナイトドレスを羽織ったシェリーがワイングラスを片手にベッドのヘッドボ
ードにもたれていた。
「今日は何?こんな時間に呼び出すなんて」
「…最近仕事に身が入ってないようね」
彼女が私を見てグラスに口を付ける。
「どういう意味?仕事を疎かにした覚えは無いけれど…」
「新規の雑誌社の依頼を断ったようね」
溜息を付いて首を振る。
「あれは撮影期限が短かったのと三件の仕事を掛け持ちしてたから断るしかなかった」
「それだけかしら」
彼女はそう言って手元のファイルをベッドに投げた。それを取り上げて中身を取り出す。そこにはカル
メンに関する資料と彼女と私のツーショット写真が数十枚あった。
そこに写っているのは二人が街を歩いている写真、プラネットに出入りしている写真のほか窓から家の
中を撮ったのだろうキッチンでキスをしながら戯れているものもあった。
盗み撮りに怒りが込み上げるが自分を落ち着かせて出来るだけ冷静に声を抑えて聞く
「盗撮ですか…」
「あら、あんたが最も得意とする事じゃなかったかしら。私がスポンサーとして付いてなければあんた
今でもパパラッチのようなハイエナ同様の仕事をしてたんじゃないかしら」
彼女と出合った頃の自分を思い出し自虐的に微笑む。
- 29 :
- 「そうかもしれない…。その事に関しては感謝してる。だから今あなたに酬いるためにこうして仕事を
してるじゃないですか。ここに写ってる場面だってランチタイムと仕事が終わった後のプライベートタ
イムで、決して仕事を休んだりしてる訳じゃない」
シェリーは煙草を咥えて火を着ける。
「問題はそこじゃ無いわ。その娘が問題だと言ってるの」
「何故?今迄だって色々な女性と付き合ってきた…」
「今迄は黙認してきたわ、遊びだと分かっていたから。でも彼女は駄目。…理由はあんたが一番分かっ
てるんじゃないのかしら?私は遊びであんたのスポンサーになってるわけじゃない。あんたの将来に投
資してるの。スティーブだってそれを分かってるから私たちの関係に口出ししないのよ。こんな娘に夢
中になってる時間があったら一枚でも多く写真を撮って経験を積みなさい」
私はファイルをシェリーに投げ返す。私生活まで彼女に縛られなければいけないのか。
「勿論スポンサーになってもらった事は感謝してます。でも私生活まで口を出さないで欲しい」
私がそう言うと彼女は声を立てて笑い出した。
「シェーン…あんた何か勘違いしていない?今のあんたと私の立場は結してフィフティーフィフティー
では無いって事。私はあんたに資金と仕事を調達する。でもあんたが成功するまでは、あんたに私生活
なんてないのよ。あんたは私が飼ってる…かわいいペットよ。ご主人様に爪や牙なんて立てないで」
彼女は笑って煙草の煙を吹きかける。ここまで言われているのに私には反論する事さえ出来なかった。
彼女にとって私との関係は最初からそれだけのものだったのだ。始めから分かっていた事だったのに私
は何を期待していたのか。
「シェリー…始めから…始めて会ったあの日からその積りだったの?私が本気であなたに恋をしたあの
日からあなたにとっての私はペットでしかなかったなかったの?」
私はもう彼女に恋をしていない。しかしこの時私の心は血を流していた。私の視線に耐えられなくなっ
たのかシェリーは目を逸らした。
「そんな昔の話はもういいでしょ。さあ、ここへ来て…」
シェリーは自分の隣を手で叩く。しかし私は無言で首を振る。
「シェーン…まだ分からないの。これは命令よ、こっちに来て私を抱きなさい」
今の私に出来ることはカルメンの為にもその要求を拒否することだけだった。
「他のことなら何でもします。でもあんたと寝る事はもう出来ない」
「…彼女を愛してるの?」
「はい。心から」
シェリーは溜息を付く。
「私とどっちを愛してる?」
私は苦笑しない分けにはいかなかった。
「あなたに対する愛は随分前に枯れてしまった。あなたから酷い仕打ちを受けたあの日に…それを分か
ってて聞くんですか」
彼女の顔に一瞬、悲しげな表情が横切るがすぐにいつもの余裕のある笑みが浮かぶ。
「もういいわ。あんたの気持ちは良く分かった。今日はもう帰っていいわ」
私はホッと溜息を付く。彼女は私に向かって手で去るように促した。
「分かってくれてありがとう…」
踵を返して寝室のドアを開けた。その時私の背に彼女の声が声を掛ける。
「あ、明日仕事が終わったら来て。今日出来なかった仕事の話があるから」
私は振り向かないで首だけで頷き外へ出た。まだ珍しく日が出ている時間で車には戻らずビーチに降り
て行ってウィークデイを楽しんでいる人々を見ながら腰を下ろすと自然にシェリーとの出会いが蘇って
来る。当時里親の元を飛び出してハイスクールに行かず好きなカメラを持って小遣い稼ぎにパパラッチ
紛いのことをしていた。あるセレブの娘を誘惑して家に入り込み彼らの密会写真をネタに強請りまがい
の事をした時、仲裁役のシェリーと始めて会い一目で彼女に夢中になった。私にとって初恋だった。
十代の小娘を手玉に取るくらいシェリーに取って造作もないことだったのだろう。既婚者だった彼女は
私の求愛に煮え切らない態度を取り続けついに切れた私が駆け落ちを持ちかけた。それを知った夫のス
ティーブが男達を使って私をレイプした。彼らは終わった後捨て台詞を言った。
「これ以上シェリーに手を出すとこれだけじゃ済まない」
- 30 :
- と。幸か不幸か私はレイプで傷つく程平坦な道を歩いて来ていなかった。しかしそれを知ったシェリー
は償いの意味を込めてだろう私のスポンサーになりカメラマンとして成功するまで援助すると申し出た。
私はそれを愚かにも信じてシェリーに感謝さえした。しかし真実は私に飽きたシェリーがスティーブに
依頼した事だった。その真実を目の当たりにした瞬間から彼女に対する愛は失われ代わりにカメラマン
としての未来を手に入れた。当時は怒りより彼女の傍にいたいが為に素直にその条件を受け入れた。
そして現在に至っている訳だ。今はもう彼女に対して哀れみさえ感じられなくなっていた。彼女が私を
ペット扱いすると同様私にとっても彼女はカメラマンとして成功する為の道具でしかなかった。愛の無
い遊びと仕事だけのはりの無い生活に生きがいを与えてくれたカルメンの手を放す分けにはいかない。
- 31 :
- 来週もおながいしまつ
- 32 :
-
前回の続きのSS投下。貼るなうぜぇという人はスルーを。
翌日いつものようにランチにカルメンと待ち合わせをしてプラネットに出向く。店の外で中から出てき
たアリスとデーナに鉢合わせした。
「カルメンと喧嘩でもしたの?」
二人の第一声がそれだった。
「いや…どうして?」
「彼女の様子が変だったから…ね?」
デーナがアリスに同意を求めて聞く。
「どうしたんだろう…。ありがとう、聞いてみるよ」
二人と別れて中に入るといつもなら私に手を振ってくる彼女だが今日は何か考え込んでいるように俯い
たままで両手をテーブルの上で組み合わせていた。私はキットに目で合図をしてカルメンのテーブルに
近づいて彼女の肩に手を置く。驚いて見上げた顔色が悪かった。
「Hi…カル。元気ないね」
「シェーン…そんな事ない。気のせいでしょ。さあ、今日は何を注文する?」
取ってつけたような台詞に動揺が見えた。やはり何かあったのだ。
私は彼女の隣に腰を下ろす。
「もうキットに頼んだ」
「…そう」
気の無い返事をして再び下を向く。
「カル。何かあったのなら話して」
「別に何も無い」
彼女の顔を下から覗き込んで話を促す。暫く私と視線を合わせて観念したように口を開いた。
「…どうしてシェーンは家に戻って来ないの?」
- 33 :
- 彼女の質問に面食らう。
「戻ってるじゃない。カルの料理を一緒に食べて楽しく過ごしてるでしょ?」
「そうじゃない。毎日一緒に眠りたいの。シェーンが泊まるのは週に4.5日でしょ?自分の家なんだか
らこちらに戻ってくればいいじゃない」
私は溜息をついてカルメンの髪を撫でる。
「カル…どうしたの急にそんな事を言い出すなんて」
「急じゃない。シェーンが帰るたびに思ってた。それとも一緒に暮らせない分けでもあるの?」
彼女の目が何かに怯えている様に私を見つめる。
「仕事が忙しいから…今の私は一分でも無駄に出来ないんだ。早くプロとして一人立ちしたいから…」
少しでも早くシェリーから離れてカルメンと幸せになりたかった。
「それじゃ今夜だけでも一緒に居てくれる?」
「…いいよ。でもカルだって仕事があるでしょ。とにかく仕事が終わり次第帰るから」
それを聞いた彼女は急に立ち上がり出入り口に向かって歩き出す。私は驚いて彼女に声を掛けたがそれ
を無視して出て行ってしまう。それをみていたキットが慌ててカウンターの中から出てきた。
「彼女どうしたの?」
私は無言で肩を竦める。
「追わなくていいの?あんたたちうまく行ってると思ってたのに…」
「…彼女、私が家に帰れない理由が仕事以外にあると思ってるみたいで。今夜話し合ってみる」
「シェーンももうあのスタジオから出てもいいんじゃない?」
「キットまでそんな事いうの?別に好きであそこに居る分けじゃないのに」
不満な声を出すと彼女は笑ってカウンターに戻って行った。昨日のシェリーとのやり取りで精神的に
参っていた私はこれ以上口論は避けたかった。結局カルメンをそのままにして仕事に戻りシェリーとの
約束の時間が来て店を出た。
今夜はシェリーもいつも通りリビングのソファーで私を待っていた。私は収支関係のディスクを彼女に
渡してビールを飲んで彼女がPCから目を放すまで静かに待つ。
「OK…シェーン昨日は言い過ぎたわ。ごめんなさい」
彼女は部屋の電話を取り上げてワインを持って来るようにメイドに言い付けた。
「今日いいワインが手に入ったの。飲んでみて」
- 34 :
- 嬉しそうに私に微笑む。始めて会った時と変わらない魅力的なほほえみだった。
「シェリー…今夜は約束があって早く帰らないといけないんだ…」
「シェーンと飲むのを楽しみにしてたの。お願い一杯だけでいいから」
待つほどの事も無くワインを運んだメイドはすぐに居なくなる。シェリーはワイングラスを私に手渡し
て彼女の持つグラスと軽く触れ合わせる。
結局そのまま押し切られた形で再びソファーに腰を下ろす。
「ね、私たちが始めて一緒に旅行に行った時の事覚えてる?シェーンがどうしてもカナダのホープウェ
ルロックに行きたいからって寒い所はいやだって言ってる私を無理やり飛行機に乗せた事」
私の横に来て彼女も腰を下ろし、笑って思い出を語りながら私に寄り掛かる。
いつになくシェリーのリラックスした態度に私の彼女に対する姿勢も和らぐ。
「…覚えててくれたんだ。私との思い出なんてシェリーには無いと思ってた」
「バカね。いいわ、私たちの思い出をなんでも質問してみて」
「何でも?」
その後のやり取りで以外に彼女が二人の思い出を忘れずに居てくれている事が心地よくそれに釣られて
ワインを口に運ぶ回数も増えていた。
「悪い、シェリーもう本当に帰らないと…」
時間の経過に驚いて立ち上がったその瞬間私の目の前は暗闇に包まれた。
頭に残る鈍い痛みと太陽の眩しさに思わず顔を顰めて目をそっと開ける。見覚えのある部屋が私の視覚
に飛び込んできた。しかしそれは有りえない事だ。どうして私はシェリーのベッドに彼女と二人全裸で
居るのだろう。覚醒しきれない頭で何が起きたのか思い出そうと試みるが無駄だった。とにかくここか
ら出なければならない。私はシェリーを起こさないように静かにベッドから抜け出して散乱している二
人の衣服から自分の下着とシャツを身に着けジーンズを手に取った。
「もう帰るの?」
私は混乱してシェリーを振り返り聞く。
「どうして私はここに?昨夜は…」
この時始めてあのワインに薬が入っていたことに気付いた。
「昨夜は大変だったのよ?私たちがベッドで盛り上がってる時に彼女…カルメンがここへ乗り込んでき
てあんたを返せって。それで言ってやったわ。シェーンが家に帰らないのはあんたが居座ってるのが原
因なんじゃないかって」
- 35 :
- 彼女が話している間にジーンズと靴を履こうとしたがその言葉に私の動きが止まる。
「…まさかベッドに居るところを見せる為にカルメンをここに来るように仕向けたのか?」
彼女なら遣りかねない。私は深呼吸をしてシェリーを睨む。
「こんな汚い手を使って何が望みなの?」
「何を望むか?決まってるでしょ。シェーン、あなたよ。あんな小娘に盗られたくない、絶対に」
信じられない言葉に首を振ってドアを開けた。
「これから私はあんたのペットでも無ければ持ち物でも無い。あんたとの関係もこれで終わりだ」
「ここから出て行けばカメラマンとしての道は絶たれてしまうのよ。今迄築き上げてきたもの全てを失
うのよ。それでもいいの?」
狂ったように叫ぶシェリーを無視して屋敷から飛び出しカルメンに会うために家に向かった。
- 36 :
- 来週も楽しみー
- 37 :
- 来週もよろしくおながいしまつ
- 38 :
- エロ こい
- 39 :
- こいこい
- 40 :
- 前回の続きのSS投下。貼るなうぜぇという人はスルーを。
車を運転しながらカルメンに携帯を掛けた。当然繋がらないものと思っていたので彼女の声が聞こえて
来た時は一瞬言葉に詰まった。
「…シェーン」
「…カルメン…落ち着いて話を聞いて欲しい」
彼女に言いながら私自身にも言い聞かせて車を路肩に寄せて止める。
「彼女から今迄のこと…あなたたち二人の間にあった事全て聞いたわ」
「彼女の言ったことなんて聞かなくていい!私の言うことを聞いて」
「じゃシェリーの話は全てでたらめなの?嘘なの?あなたたちが愛し合っていたこと、あなたがシェリ
ーに一緒に逃げてと頼んだ事、あなたの夢を叶えられるのは彼女だけだってこと」
「…嘘じゃない。でもそれはずっと昔の話だよ。私たちが出会った頃の…。全て聞いたと言ったね?
それじゃ今の私たちの事彼女はなんて言ってた?金とセックスだけの関係だと言わなかった?今私に必
要なのはカルメン、君だけだ。彼女とはもう二度と会わない。今度は約束してもいい」
「…二度と会わない?じゃあなたの夢はどうなるの?シェリーがいなかったら今のあなたは居ないと彼
女は言ったわ。私の為に自分の夢を捨てられる?私ならそんな事出来ない…いくらシェーンの為でも踊
りを諦めることなんて出来ない!」
最後は涙声で聞き取れなかった。私は溜息を付いて彼女が落ち着くのを待つ。
「誰も夢を諦めるなんて言ってない。シェリーが居る居ないに関わらずカメラマンになる夢は捨てない
し誰のためにも夢を諦めることもしない」
「愛してるの、シェーン…私のためにあなたの今迄やってきた事を台無しにして欲しくないの。だから
と言ってあなたとシェリーの関係を認められるほど私は寛容じゃない」
「カル…私にどうしろと言うの?まさかもう終わりなんて言うんじゃないよね?」
「そう受け取って貰っても構わない…」
次の瞬間通話が遮断される音が耳に響く。
「待って!カル!カルメン!」
私は暫く耳元から携帯を放すことが出来なかった。
- 41 :
- どうやって自宅に戻ったのかさえわからないまま重い体をソファーに横たえ放心状態でいた。ふと棚に
飾ってあった私とカルメンがふざけて撮った写真の入ったフォトスタンドが無くなっているのに気付く。
私がもっといい写真を入れようと言ったが彼女は譲らなかった。なんてことはない写真。カルメンの首
に私が腕を回し耳元にキスをしてふざけて笑いあってるセルフタイマーで撮った他愛も無い写真。アン
グルも構成もメチャメチャな写真。それでもその時の二人のお互いに対する愛情が伝わってくる写真。
何故彼女がそれほどこの写真を気に入っていたのか始めて分かった。写真を見るのは一般の人なのだ。
プロの撮った技術的に優れた写真より素人が撮っても何かが伝わる写真のほうが余程人を引き付けるも
のだ。立ち上がり家を飛び出すと再び車に乗り込みハンドルをマークのアパートに向けた。駐車場に彼
女の車が止まっているのを確認して胸を撫で下ろす。改めて自分のカルメンに対する気持ちを確認しな
がら階段の一段一段を昇る。部屋のドアを静かにノックして暫く待つが応答が無いことを不信に思いド
アノブを回すとゆっくりとそれは開いた。室内は無人のように静まり返っていて私はカルメンの姿を求
めて廊下を進む。そしてリビングに達した時そこから女性の泣き声とそれを慰める男の囁く声が聞こえ
てきた。私は息をして足を止めた。
「彼女に直接確かめた方がいいと思うよ」
「もういいの。シェーンを信じた私が莫迦だった。あんな遊び人だった人が私なんかに真剣になるなん
て有り得ない事だったの。遊ばれていただけだった。マーク…私を許して、もう一度やり直したいの」
「僕は大歓迎だよ。ケリーとはすぐに別れるから」
私は信じられなくて部屋を覗き込むと二人がソファーで抱き合ってキスをしているのが目に飛び込んで
きた。それを見て思わず目を閉じた。彼女が私を待っててくれてる様な気がしてこうして出向いてきた
自分が惨めだった。二人に気付かれないように部屋から出てドアを閉じ階段を下る。来た時に確認した
カルメンへの愛が少しも変わっていないのを悲しく思いながら。
そのままスタジオに戻り機材を片付けて暗室、プライベートルームと順に整理し終わり最後にギャラリ
ーを見回す。その頃にはもう真夜中になっていた。壁から我が子ともいえる作品の一点一点を外し始め
最後の一枚になる。カルメンのヌード写真。これは私が一番気に入っていて客にも評判が良かった物だ。
買い手もいたが私がそれを断った。薄暗い間接照明の中で見ても彼女の生き生きした生命力が伝わって
くる写真だった。いつもなら落ち込んでいる時でもそれをみると自然と笑みが浮かんだ。しかし今夜は
悲しい気持ちのままそっとパネルに指を這わせる。
「カル…さよなら。幸せに」
- 42 :
- 一晩かけてスタジオの整理をして眠らないまま鍵をかけ『close』の札をドアに掛ける。六年間使い慣れ
たスタジオだ。少しくらい感傷に浸るのもいいだろう。私は首を振って苦笑しながら車に乗り込んだ。
家に帰るとアリスの車が止まっていた。もうどこからか情報を得たらしい。
「Hi…アル」
ドアを開けながら中にいるであろうアリスに声を掛けた。朝からビールを片手にソファーに胡坐をかい
たアリスが言う。
「シェーン…カルメンともシェリーとも別れたんだって?これからどうするつもり?」
「流石にジャーナリストの情報網は早いね」
「茶化さないでよ。マジで心配してるんだからさ」
「うん…分かってる。別れたよ。二人と」
私はアリスの隣に鉛のように重い体を沈め彼女の肩に寄り掛かる。
「ここからも出て行く」
「ここからって…ロスからって事?」
アリスの手が私の肩に掛かり私はただ頷く。
「そっか…。彼女たちはそれを知ってる分け?」
「二人には何も言ってない。でもシェリーは分かってるでしょ。別れた以上私はここに居られない事く
らい」
アリスは頷いてビールを煽る。
「あんたももっと要領良く立ち回ればこんな事にはならなかったのに…。でも器用に出来ないのがシェ
ーンのいい所でもあるんだけどね。でもカルメンは良く承知したね」
私は立ち上がって冷蔵庫からビールを取り出して一口飲んでソファーに戻る。
「…彼女はマークのところに戻った」
「嘘!それは有り得ない」
「どうしてさ。昨日彼のアパートを訪ねたんだ…そこにカルメンが居て…マークとキスしてた」
アリスは急に立ち上がり外に出て行く。私は驚いたがそれを止める気力も無くただ黙って彼女の後姿を
見送った。手に持ったビールが異常に重く感じてそれをテーブルに置き目を閉じると数秒もしないで睡
魔に襲われもう何にも抵抗する気は無く深い眠りに引き込まれた。
- 43 :
- エロは?
- 44 :
- 前回の続きのSS投下。貼るなうぜぇという人はスルーを。
肩を揺すられて目が覚めた。辺りはもう薄暗くなりかけていた。
「シェーン…客を連れてきた」
私の顔を覗きこんでアリスが後ろを指差す。目を擦ってその人物を確かめるとマークだった。
脳裏を昨日のカルメンとマークが掠める。
「マーク…」
「やあ…シェーン」
「シェーンのスタジオの前をうろうろしてたから声を掛けてみたんだ。作品を見に来たとか…じゃ私は
帰るよ」
アリスはマークの肩を押して室内に入れた後手を振って出て行った。
「どうしたの?今日は…」
「実は…昨日のこと謝りにきたんだ」
「昨日の事?」
「僕のアパートに来たでしょ?カルメンはあんたがあそこに来る事分かってたんだ。それでわざとあん
な芝居をしてあんたに見せたって分け。彼女帰り際僕に『悪者にしてゴメンなさい』と言って出て行っ
た」
スタジオで一人片付けをしていた時ふとカルメンはわざとあの場面を見せつけたのではないかと思った。
シェリーから何もかも聞いたカルメンなら私の為にそれくらいするだろうと。
「…多分そうじゃないかと思ってた」
「分かっててそのまま帰ったのか?ならカルメンを捨ててその人の元へ戻るつもりか?」
「…そうだよ。あんな芝居をしてまで私にカメラを続けることを願ってくれているのなら」
「嘘だろ?本当はカルメンはあんたと一緒にいたいと思ってるに決まってるじゃないか。シェーンだっ
てそんな事わかってるだろ?」
マークは私の両肩を掴んで声を荒げる。私は彼の手を払いのけて二、三歩後退した。
「マーク…私は今の立場を失いたくないんだ。分かって欲しい」
彼は溜息を付いて踵を返した。
「僕はシェーンのこといい奴だと思ってた。だからこうして昨日のカルメンの行動を釈明しに来たんだ。
でも僕の勘違いだったらしい」
そう言い残してドアを開けて出て行った。私はソファーに腰を下ろして頭をソファーの背もたれの上に
首を反らせて大きく息を吐く。
- 45 :
- 「どうして彼にあんな嘘を?」
アリスがドアを開いて入ってくる。
「なんだ…。帰ったんじゃなかったのか」
「気になってさ…」
アリスと顔を見合わせて笑う。
「何処へ行くのか知らないけどシェリーと別れたのならカルメンも一緒に連れて行ってやりなよ。どう
して自分から彼女の手を放すのさ」
「…いつかやって見たかったんだけど写真を撮りながら気侭に国内を巡ろうかと思ってる。幸い一人で
旅するくらいの貯えは出来たしね。でも家も無い、仕事も無い、そんな不安定な生活にカルメンを巻き
込む分けには行かないから」
「それを決めるのは彼女自身なんじゃないの?もう一度話し合ってみなよ…」
私は肩を竦めてアリスを見る。
「明日には雑用も片付くから明後日にはここを出るつもり…。だからカルメンに会っても私の事は話さ
ないで」
翌日はルームメイトのジェニーに電話をして家を出て行く事を話した。彼女は私の良き理解者で詳細を
語らなくても私のやりたい様にすれば良いと快諾してくれた。そして倉庫兼暗室も片付いた。埃にまみ
れた棚で私がシェリーと知り合う前に必で働いて買った一眼レフのカメラを見つけた。思わず手に
取って状態をチェックして微笑む。もう十年近く前の代物だが手入れさえすれば問題なく使えそうだ。
私はこれを持って行くことに決めた。その日ベッドに横になったのは十二時を回っていた。目を閉じる
と自然に彼女の顔が浮かぶ。このまま何も言わないで別れてしまってもいいのだろうか。今の私はもう
プロになろうとかヌードを撮りたいとか具体的な望みは何も無い。ただ何でもいい自分で見て撮りたい
と感じたものを撮影したかった。そんな感覚はカメラを始めたばかりの頃感じたものでそれを楽しいと
思う。たった二ヶ月にも満たない関係だったが私にそういう初心の頃の夢を再び持たせてくれた人だ。
そんな人に誤解されたまま行ってしまってもいいのか。いや、そういう大切な人だからこそ自分の我侭
に付き合わせるのは躊躇いがあるのだ。自問自答し答えが見つからないまま体を丸めていつしか浅い眠
りに付いた。
夢を見た。彼女が眠っている私の背後に滑るように入ってきて背中から体を包み込むように私を抱きし
めて囁く。
- 46 :
- 「シェーンの傍に居たい…お願い…愛してるの」
背中に暖かく濡れるものを感じて不意に目を開ける。飛び起きて後ろを振り返るが誰もいる筈も無い。
急いで着ていたタンクトップを脱いで涙で濡れた部分を探すがそんな形跡は全く無かった。私は溜息を
付いて明るくなり始めた部屋を眺めて立ち上がり身支度を整えてドアに鍵を掛ける。それを他のスペア
キー等と一緒に封筒に入れ隣のベットとティナの家のポストに落とす。荷物は昨夜のうちに車に積み込
んでおいた。運転席に乗り込み先程見た夢を考える。夢?本当にあれは夢なのか?暖かい涙のりアル感
はまるで現実そのものだった…。賭けてみよう。私は携帯を取り出しアリスの番号を押す。早朝だとい
うのに直ぐ返事が帰って来る。
「シェーン、今から発つの?」
「うん…。アリスありがとう」
「たまには連絡しなさいよ」
「勿論。それじゃ行くから…。さよなら」
「うん。またね」
通話を終え車をアリスのアパートに向けた。通行人の居ない早朝の中彼女はまるで約束をしていた様に
歩道際に佇んでいた。車を彼女の真横に着ける。
「Hi」
「Hi」
顔を見合わせて微笑みあう。
「一人?」
私が聞く。
「ええ…。カメラマンになりたいんですって?」
「ああ」
「モデル雇わない?」
「いいね。でもモデル料は払えない」
彼女の瞳がエロティックに輝いて私の体を眺める。
「…体で払ってくれればいいわ」
私は苦笑して首を軽く傾け彼女に乗るよう合図する。彼女は大して大きくないバッグを後部座席に放り
込んで助手席に乗り込んできた。
「…今朝うちに来た?」
- 47 :
- 私は気になっていた事を聞いてみた。しかし彼女は首を振る。
「…ううん。どうして?」
笑いながら尋ねるがそれが嘘なのか真実なのか私には判断出来なかった。
「いや…何でもない」
こうして賭けに勝った今どうでもいい事ではないか。私は笑いながら左手で彼女の右手を握り締めた。
「賭けたんだ。もしここに君が居なかったらこのまま行くつもりだった。君は?」
「私も…。もしここにシェーンが来なかったら忘れるつもりだった」
私たちは見つめ合いキスを交わす。
「愛してる?」
「誰よりも…」
「どこか行きたい所ある?アア…あなたと一緒なら何処でも…というベタな台詞は無しで」
「…相変わらず自信家ね。シェーン…見て」
彼女がアリスのアパートを指差す。そこには自分の部屋から顔を出して手を振っているアリスの姿があ
った。私はカルメンと繋いだ手をアリスに見せ付けるように振りかざして未来に向かってアクセルを踏んだ。
- 48 :
- いい作品でつた。作者さん、ありがとん!!
- 49 :
- CR Lの世界
出るらしいね
- 50 :
- CRって?
パチンコ?
- 51 :
- 今週のエロはなしですか?
- 52 :
- シーズン4の3あたりでやってたショットガンて、吐いた煙草の煙をもう一人が吸ってまた吐くの?
めっちゃセクシーだった
- 53 :
- ベットとジョディの?
- 54 :
- ジェニファー・ビールスってなんであんなに若く見えるの?
フラッシュダンスの頃のまんまじゃん…
それにひきかえ…シビル・シェパードの老いたことといったら
最初は「誰?このアゴなしおばさんは」って思っちゃった
昔はあんなにきれいだったのに
- 55 :
- 今までSS書いてくれた人へ
まだSS投下してくれるのですか?毎週楽しみにしてたので、それだけ教えて下さい。
- 56 :
- 私も同じくです。毎週楽しみにしてました
今後どうするのか教えて下さいm_ _m
- 57 :
- 同じく今後のこと聞きたいで〜す!
- 58 :
- ..>>55 >>56
とりあえずここまでのつもりです。
おまけであと一話エロシーンありのを投下しようかとも思った
のですが力尽きました。いつか投下するかも…です。
こんな拙い文章を読んでくれて有難う。
- 59 :
- >>58
えぇぇぇ!その1話気になります!
投下お願いしますm(_ _)m
- 60 :
- 毎週楽しみにしてたのに、残念です…
もしご自分でブログとか開いて小説はじめる時はぜひ教えてください
>>59 の方に便乗してw私もその1話、ぜひ見たいです!!
もしよろしければ投下してください
- 61 :
- >>60さんに同意です。
是非投下してください。
楽しみにしています。
- 62 :
- 皆さんに同意です。楽しみに投下待ってます!
是非お願いします!
- 63 :
- そろそろseason5のDVDが発売ですねー
レンタルに走る人が多いのかな?
また誰か日本に来てくれないかな
- 64 :
- 次来るとしたら誰だろうね
ケイトとレイシャの二人で来るのもいいかもしんない
- 65 :
- 明日SS楽しみにしています。
- 66 :
- 私もです!!よろしくおながいしまつ
- 67 :
- dat落ちしそうなので、あげときます。
- 68 :
- 吹き替え版シーズン5レンタルまだ?待ちくたびれた
- 69 :
- 吹き替えの何がいいの?
- 70 :
- 吹き替えのが字幕より情報多いんだぜ
同じ1文でも詳しく翻訳されてるのが吹き替え
- 71 :
- 声優さんピッタリだから吹き替えのほうがいい
シェーンの声優さんの声カッコイイ
- 72 :
- レンタルも21日からじゃないの?
シェーンは木内レイコさんだよね。
すごくセクシーな声だと思う、ベッドもデイナも。
- 73 :
- 明日レンタル開始なんだ!
楽しみすぎる〜 あの世界に入りたい
- 74 :
- シーズン5見た!
シェーンパートはもはやエロゲだなw
シーズン4じゃすっかり所帯くさくなってたシェーンだけどまた女たらしに復活しててうれしい
- 75 :
- 4巻以降は9/3からか・・
焦らしプレイ乙
- 76 :
- まじか
まだ見てないけど3巻しか出てないからシーズン5は3巻で終だと思ってた
まだあるんだ うれしい
- 77 :
- 6巻まであるぞ
短いと思われるのは6シーズン
全8話だからDVD4枚かな
- 78 :
- 明日レンタル期待あげ
- 79 :
- やっぱりLの世界面白いなぁ
シーズン5一番面白いかも シーズン1の頃と比べるとジェニーもはや別人すぎてワロタ
今のジェニーとマリーナが再開したらどんな感じになるんだろうw
- 80 :
- マリーナを見てももうあまり動揺しないかもね
でもS5終盤、シェーンとソファーで語り合ってからのジェニーには好感が持てる
- 81 :
- ティナとも和解したしね
- 82 :
-
- 83 :
- 最近彼女の付き合いで見始めたんだがそのうちベットも妊娠するのか?
女二人なんだから二人共子供産むんだろうと思うんだが
- 84 :
- シェーンおたです。最近暇だったのでSS一本つくってみた。
始めて投下したシェーン、カルメン、モリーの3PSSの後日談でシェーン至上主義です。
そんなSSはいらないという人はスルーを。
シーツから伸びた一本の腕がAM 8:00を表示した蛍光盤から鳴り響く電子音を遮断した。
そのままの状態で数秒が過ぎ、もそもそとシーツから顔を出したシェーンは隣で眠るカルメンが目を覚ましていないのを見てホッとして
胸の上に載っている彼女の腕を外しベッドを静かに出るとキッチンに向かった。キッチンテーブルで朝食を取っているモリーとキットを見
て笑顔を見せる。
「おはよう…モリー」
「おはよう、シェーン」
シェーンがモリーのこめかみにキスを置くとくすぐったそうに肩を竦めて挨拶を返す。
「おはよう、キット。いつも悪いね、朝食を運んでくれて」
「開店前だから気にしなくていいよ。それにベットからあんたたちの事頼まれているしね」
キットがシェーンにダブルショットとべーグルを手渡しながら笑う。
「今モリーから聞いたんだけど今日からサンフランシスコだって?シェーン寂しくなるんじゃない?」
「インターン期間中だからしょうがないよ」
- 85 :
- モリーは今CUの法科大学院へ通っていてインターンシップの真っ最中で明日からサンフランシスコで行われるにインターンとして出廷
する事になっていた。彼女の母親は二人の交際には猛反対でそれに焦れたモリーがシェーンの所へ押し掛けてきて今に至っている。
「それに一週間だけだから…私が居ない間カルメンにたっぷりサービスして上げて」
モリーは笑いながら隣でべーグルに齧り付いているシェーンの膝に手を置いて軽く揺する。
コーヒーを啜っていたキットがそれを聞いて急に咳き込む。
「モリー…サービスってどういう?」
ニャッと笑って聞くシェーンに赤面したモリーが慌てて弁解する。
「そういうサービスじゃなくて…」
「そういうって…どういう?」
からかうシェーンの肩をモリーが軽く叩く。
「はいはい朝からご馳走様。二人ともいい加減にして。私は一人身なんだからね。モリーもそろそろ出かけた方がいいんじゃないの?」
時計を見たキットがモリーに声を掛ける。振り向いて時間を確認したモリーが慌てて立ち上がった。
「いけない遅れちゃう。それじゃね…シェーン」
行って来ますとシェーンの唇にキスをしてドアの横に用意してあったスーツケースを押しながら出かけて行った。
ドアまで送っていったシェーンがテーブルに戻るとモリーが居なくなるのを待っていたかのようにキットが話しかける。
「シェーン…カルメンにお願いがあるんだけど」
「何?キットの頼みなら断らないと思うよ」
シェーンが椅子を引いて腰掛けようとするとキットがその手を押し留めた。
「カルメンが昨夜遅かったのは分かってる。でも急いでるの…」
「…キットにそう言われちゃね。じゃ、少し待ってて」
申し訳なさそうに頼むキットに頷いてカルメンの眠る寝室へ向かった。
続きはまた明日。
- 86 :
- ドアを開けて中に入るとカルメンはまだ気持ち良さそうに熟睡していた。
毎晩遅くまでDJをしている彼女は最近ではプラネットは勿論、他のクラブ、プレミアパーティー、オープニングイベント等にも呼ばれるよ
うになりロスでも名前を知られる様になっていた。
シェーンは実力があるからだと言うがやはりキットのおかげだといつも感謝していた。
そんなキットの頼みだが流石に疲れて眠るカルメンを起こすのは気が引けた。
「キットの頼みじゃ、しょうがないよね」
独り言を呟いてカルメンの肩を軽く揺するが反応は無い。
「カル…。起きて、キットが話したいことがあるんだって」
少し力を込めて揺するが一向に起きる気配は無い。腕組みをして溜息を付く。
「しょうがないな」
そう呟いてカルメンの足元に回りシーツをそっと持ち上げるとその中にゆっくり体を滑り込ませる。
素脚のつま先から上へ序徐にキスを置いていきTシャツを捲って臍にもキスをすると小さい笑い声が聞こえてきた。
「うーん…シェーン…もう少し眠らせて」
「…ゴメン、でもキットが…頼み事があるんだって」
そう言いながらもシャツを捲り上げる手を止めないで遂に胸の上までそれを押しやる。シェーンは目の前に曝け出された両方の乳房を優し
く揉み上げて啄ばむように幾度もキスを繰り返す。
「…ああ…」
カルメンの口から溜息とも喘ぎともつかない声が洩れる。
- 87 :
- 「今夜…プラネットに行ったら…事務所に顔を出すわ」
序徐に乳房を揉む手に力を入れ乳首を口に含んで吸い付くとカルメンの両手が更なる快感を求めるようにシェーンの頭を抱き寄せる。
「ア…ン…キスして…」
カルメンの胸元から顔を上げたシェーンはそれに答えて噛み付くようなキスをして直ぐに舌をカルメンの口内に入れ彼女も喜んでそれを受
け入れる。
息が切れるまでお互いの舌を蹂躙する様なディープキスを続けその間もシェーンの手は休む事無くカルメンの体を愛撫し続ける。
その手が下半身に移動しようとした時ドアにノックがありシェーンは渋々カルメンの体から手を放した。
「キット、待ってて直ぐ行くから!」
外に怒鳴った後何が起きたのか把握出来ないで固まっているカルメンのTシャツを下ろし説明する。
「やだ、キットが来てたの?もう、どうして早く言ってくれないの!」
素早くベッドから出て洗面所へ駆け込み、シェーンがその後を追う。
「だから起こしたんだって。けどカルメン起きなくてさ…。キスしたら起きるんじゃないかと思って」
「OMG!あれがキスなら公然猥褻で全世界の街角から逮捕者が出る事になるわ」
「カル…悪かったよ。謝るからそんなに苛めないでよ」
「もう、どういう顔でキットに会えばいいのよ」
カルメンが髪をときながら鏡越しにシェーンを睨む。
「キットはそんな事気にしないよ。さあ、おいで」
シェーンがカルメンの腕を取り洗面所からキッチンにエスコートする。
「キット…お待たせ」
「…おはよう…キット」
二人は照れ笑いを浮かべて椅子に掛けてこちらを見ているキットに声をかける。
「おはよう、カルメン…悪いわね、寝てる所を起こして。」
「ううん、それより何?頼み事って」
- 88 :
- 椅子に掛けながらキットが差し出したコーヒーを一口飲んでカルメンが聞く。
「実は昔の仲間がサンフランシスコでクラブを開店させて明日から5日間の予定でオープニングパーティーの予定なんだけれど契約してた
DJが事故で腕を負傷してね。それで急遽他のDJを探したんだけど生憎急なことだから…」
「OK,OK…大きな仕事も入ってないしプラネットの方さえなんとかして貰えるなら大丈夫。行くわ」
カルメンはキットが全てを話す前に言葉を遮って頷いた。
「アア!カルメンありがとう。恩に着るわ。プラネットは大丈夫だから向こうをお願いね」
「エエッ…カルメンまでサンフランシスコに行っちゃうの?寂しいよう」
シェーンは拗ねるようにテーブルに体を乗り出してカルメンの手を握る。すると彼女が大丈夫よとでも言うようにその手をポンポンと軽く
叩く。
「たった5日の間よ、シェーン。これが今日の午後便のチケットでホテルも予約済みよ。機材なんかも搬入は終わってて…後は現地に行っ
て足りない物があれば手配してくれるそうだから」
キットがチケットと数枚の資料をカルメンに渡しながら話す。
「今9:00前だから今から準備すれば飛行機の時間までには十分間に合うわね。シェーン…そう言う分けだからゴメンね」
立ち上がるとシェーンの頬にキスをして準備に取り掛かるために裏のスタジオに戻った。
その後姿を見送って情け無い顔で大きな溜息を付いたシェーンを見てキットは笑いを噛みした。
続きます
- 89 :
- wktk
- 90 :
- SSは別スレ立ててやれよ
- 91 :
- 今日はないんだ…
(´・ω・`)ショボン
- 92 :
- 続き早くみたいです。
- 93 :
- 別スレでやって欲しいな。スルーと言ってもこれだけ場所とるから嫌でも目に入るよ
- 94 :
- >>1 にSSはOKってあるから問題ないかと
いやなら見なきゃいい
- 95 :
- 3日後。サンフランシスコ
今日のも無事に閉廷してモリーは担当弁護士と共に所近くのバーで軽く飲むことになった。
担当弁護士はパーカーという三十代後半の男性で頭のきれるやり手弁護士と噂の人物だった。
「君の参考資料は良く出来てるよ。インターン中だとはとても思えないな」
「そう言ってもらうのは嘘でも嬉しいわ。を目の当たりにするようになって何時も思うのは弁護士はクライアントとの信頼関係が如何
に大事かって」
「それは弁護士とクライアントの関係に限った事じゃない。男と女にもいえる事だ…」
パーカーは自分のグラスを持ち上げて軽くモリーのグラスに打ち付ける。モリーは肩を竦めて苦笑した。
「うーん…それは口説かれてると受け取ってもいいのかしら?それとも本当に例え話…」
モリーが話終わらないうちに彼女の手からグラスを取り上げてその手を引く。
「踊らないか…」
パーカーはモリーに考える時間さえ与えず半ば強引にダンスフロアに引っ張り二人はそのままステップを踏み出した。
モリーは担当弁護士との諍いは避けたかった。暫くしてパーカーがモリーの耳元に囁く。
「今夜ホテルに行ってもいい?」
「それは…止めた方が良いと思うわ。二人の為にも」
「どうして?二人とも独身だし…君に彼が居たとしても僕は構わない」
モリーは苦笑して彼の肩から手を外す。
- 96 :
- 「ゴメンなさい。仕事仲間と関係は持ちたくないの。それに私、愛してる人がいるし…」
「そうか…残念だ。…君に愛されてる男は幸せ者だな」
「…誰も男性だなんて言って無いけど?」
パーカーは彼女の言葉に驚いた顔をした。
「…君、レズビアンなのか」
「レズビアンかどうか自分でも分からない。彼女と知り合う迄は男性と付き合ってたもの。ただ今愛してる人が女性なのは確かよ」
モリーは踊りの輪から外れて席に戻り彼もその後を追う。
「帰るわ。今夜は有難う…また明日ね」
彼は驚きから立ち直る事が出来なくて呆然と出口に向かうモリーを見送った。
その日の深夜。店が閉店準備に掛かる頃カルメンもラストの演奏を終えようとしていた。
そこに客の一人がビールを彼女に差出しカルメンは手を振って断った。
「何年振りに合った友達にそれは無いんじゃない?」
カルメンはその声の主に視線を合わせ暫くその顔を見詰めていたが数秒後に口を手で覆い叫び声を押さえた。
「エヴァ・トーレス!ワァ、久し振り!元気だった?」
「HI…カルメン。ハイスクール以来だから10年振りだね」
二人は何度も抱き合って再会を懐かしんだ。
「どうしてここに?今こっちに居るの?」
カルメンは嬉しさの余り興奮して矢継ぎ早に質問をぶつけそんな彼女にエヴァも笑って答える。
「落ち着いてよ…。ここは私のホームグランドだよ。どこのクラブに誰が来てるのか自然に耳に入って来るしね。こっちへ来て
かれこれ5年以上になるしね」
二人が話す間に演奏も終わり次々に客達も出口に向かって消えて行く。
「これから一杯付き合わない?」
「喜んで。片付けるから少し待ってて」
- 97 :
- 「そういえば前から言ってたよね、音楽関係の仕事がしたいって。それを実現させるんだからあんた凄いよ」
「それなりに努力したから。エヴァは今何してるの?」
「リムジンの運転手。使う時は言って、サービスするから」
二人は深夜営業の小さなバーで飲んでいた。時間が遅い為か客もまばらで店内は会話するには程よい静けさを保っていた。
店の一番奥に向かい合わせで座り小声で話し続ける。
「相変わらず女の子泣かせてるでしょ…そのリムジンで」
「さすがカルメン。見透かされてるね。で、そっちは?彼女いるのかフリーなのか」
カルメンはふとエヴァの視線を外す。それをみたエヴァは眉を顰めた。
「そうね…色々あったけど、今は彼女となんとかやってる…」
カルメンの口調から決して今の彼女との間が順調では無い事を感じ取った。
「昔と変わってない…相変わらず嘘が下手だね。何を悩んでるのかな?私の昔の彼女は」
グラスを持つカルメンの手を優しく擦る。
「別に嘘は付いて無いわ…ただ…私は欲深いのかな」
溜息を付いてエヴァから視線を外したまま首を横に振って答える。
「話してみなよ…力になれ無いかもしれないけど人に話すことで気が楽になる事もあるからさ」
暫く躊躇ったがその言葉に後押しされ重い口を開いた。
彼女はエヴァにシェーンとの出会、結婚式でのシェーンの逃走、彼女とシェーンそしてもう一人のシェーンの彼女モリーの三人
での同居、をざっと語った。
- 98 :
- 最後まで聞き終えたエヴァは大きく溜息を付いた。
「…なんてドラマチックな人生なんだろう。それに比べて私のは全く面白みの無い人生だよ…」
「それ皮肉?私はドラマチックな人生なんていらない。モリーには悪いけどシェーンと二人で平凡に暮らせればそれでいい」
「うーん…悪いね、カルメン。それに付いては私には何もコメントする事は出来ない…あんたならわかるよね」
エヴァは完全なモノガミーで複数の女性と同時に付き合うことに何の罪悪感も感じずそれが原因でカルメンと別れたという経緯
があった。
「勿論…そのせいで私たち別れたんだもの。どうして私って遊び人ばかり好きになるのかな」
首を振り肩を落とすカルメンにエヴァが笑いかける。
「もう直ぐ夜が明ける…そろそろ帰ろうか。ロスへ戻る前にもう一度ゆっくり会おうよ。その時二人で考えようカルメンがどう
すれば幸せになれるのかを」
「あんたと考えていい案が浮かぶとは思わないけど」
カルメンは笑いながらエヴァの背中を叩き二人は笑いながら白みかけた外へ歩き出した。
次の夜。ミルクで
「ネェ…踊らない?」
アリスとカウンターで飲んでいるシェーンに若い女の子が声を掛けてきた。
「ゴメン…今はそんな気分じゃないから」
シェーンは女の子の顔も見ること無くそっけなく断る。残念そうな素振りをして彼女達から離れていく女の子の背を見送りなが
らアリスが呟く。
「マジ?…あんたが女の子の誘いを断るなんてね。何も起きなきゃいいけど」
「アリス…あんただって知ってるでしょ。カルメンたちと同居するようになってから他の子とは一切遊んで無い事」
「冗談だよ。分かってるよ、あんたが遊んで無いことは。でもさあれだけ女の子を取っかえ引っかえしてたあんたがね…」
カルメンもモリーも居ない今アリスはシェーンが羽を伸ばして遊びまくるものだと思っていた。しかし彼女の予想に反して真面
目に二人が帰るのを待つシェーンに驚いていた。
「まぁ、恋人の帰りを健気に待つシェーンは新鮮だね。でもそれが普通なんだよシェーン?」
シェーンがカルメンとモリーの三人で暮らすと言い出した時には流石にアリスも信じられないで反対した。
「あんた何考えてんの!そんなの旨くいく分けない無いじゃん。大体あの二人が同意するわけ無いでしょ?」
所が数日後にすんなり三人の同居が決まったとシェーンから聞かされた時は随分と驚いた。
「どうやってあの二人を丸め込んだの?まあ今は良いとしてもこんな関係長く続く筈無いからね。関係が壊れた時傷つくのは彼
女たちなんだから…。特にカルメン…あんた前にも酷い事したんだからさ。もう少し彼女の事考えてあげなよ」
アリスは二人の結婚式の時シェーンが逃げ出した事をカルメンに直接伝えた人間だった。アリスの責任では無いがまるで自分が酷
い事をしたように感じてカルメンにはある種の負い目を感じていた。
- 99 :
- 「本当ならあんたが感じるべきなんだからね…。どうして私がやってもない事に負い目を感じなくちゃならないの?」
当時はシェーンに向かって良く愚痴ったものだった。未だにそれを感じていてついカルメンには肩入れしてしまう。
「悪いことしたと思ってるよ。だから戻ってきてくれた時はもう放さないと誓ったんだ。でも…モリーも放したくない」
「あんたねぇ…いい加減にしなさいよ。その一人を選べないという優柔不断さが二人を傷つけることになるんだからね」
「二人とも泣かせない様にするし、三人で幸せになって見せるから」
何処から来るのか裏づけの無い妙な自信にへらへら笑いながら気楽に幸せを請け負うその顔を殴りたくなったものだった。
アリスは周りを見て声を潜める。
「三人で旨く行ってる?その…セックスは。どうしてるの?やっぱり3P?」
「そうでもない。三人でヤるのは二人共嫌がるんだ。だから今迄に…5回位かな。三人とも活動サイクルが違うしね。夜はモリーと
ヤって朝はカルメンて感じで…。デートだって殆ど二人きりで出掛けるし」
興味津々で聞くアリスを見てシェーンは可笑しそうに笑いながらビールを一口飲む。
「カルメンもモリーもお互いに嫉妬しないのかな…。カルメンだってあんたがシェリーと浮気した時は凄い剣幕で怒ってたじゃな
い…。なのにモリーとあんたがセックスしてて何も感じない分け無いと思うんだけど」
「さあ…どうなんだろう。二人ともお互いの事は余り話さないし。私が居なくてお互いに時間がある時は二人で買い物にも行って
るみたいだから仲が悪いわけじゃないし…もっと二人を仲良くさせれば三人でやらせてくれるかなぁ…」
最後は独り言のように小声で言ってアリスを見る。
「私にそんな事聞かないでよ。あんたのセックスライフなんて興味無いし」
そう言って顔を顰めるアリスにシェーンが口を尖らせて文句を言った。
「アリスが先に聞いてきたんじゃないか!もういいよ。そんな事よりアリスはどうなのさターシャと住むと言ってた件」
アリスは急に渋い顔をして首を振って溜息とともに口を開く。
「なんかね…。中々お互いの意見が合わなくてさ」
「人の事を心配する前に自分達の事をなんとかしなよ」
「あんたのどうやって3Pをやるかっていうくだらない悩みもね」
カウンターの下でお互いの脚を蹴飛ばしながらも二人の上半身は何事も無いように平然とビールを飲み干した。
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