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2012年2月レズ・百合萌え375: 【ブラバン】吹奏楽で百合【クラリネット】 (200)
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【ブラバン】吹奏楽で百合【クラリネット】
- 1 :09/09/12 〜 最終レス :11/12/18
- 吹奏楽をネタとした百合SSを書いてください。
じゃんじゃんお願いします。
- 2 :
- 吹奏楽部って確かに文化部の中では割と異質な存在だよね
中学の卒業式のとき女の子達がボロボロ泣きながら後輩達と抱き合ったり手握ってるのを見て
「吹奏楽部って凄いところなんだなあ」と思ってた
何というか、上下の繋がりが異様に濃い感じ
- 3 :
- 「あなたのクラリネット、ずいぶんいやらしい音を立てるのね」
「あ、やぁ、先輩っ……!」
- 4 :
- >>2
確かに、吹奏楽は『女子』ってつく部活より関係が濃い。
体育祭とかで「先輩、頑張ってください!」って応援するのは当たり前だし、
可愛い子とかは先輩に抱きつかれたり、頭撫ぜられたりされてたよ。
これが他の部でも当たり前かもしれないけど、上下の繋がりが濃いのは確実。
- 5 :
- 元吹奏楽部ノ
毎年、新入部員は各楽器にバランスよく振り分けられる。
そして、それぞれの先輩に手取り足取り教えてもらうわけさ。
個人練習や全体練習の他に、楽器ごとや金管・木管に別れて練習することも多い。
逆に学年別に行う練習はない。
女の子が多い部活だし、必然だわね。
- 6 :
- 「ほら、ちゃんと吹いて」
「あ、ひゃ、せ、先輩……!」
「どうしたの、早く吹いてよ」
「で、でもっ先輩っ……!」
「吹いてよ、ほら早く」
「あっ、ふ、ふけ、ません、先輩……!」
「吹けないの?こんなに下をびしょびしょに濡らして……本当いけない子だね」
「すいませ……んぁ!」
「こんないけない子はお仕置きだよ?」
「せ、先輩っ――!」
みたいな妄想(ry
- 7 :
- スウィンガールズの話題はまだかい?
- 8 :
- >>7
しってるスウィングガールズでしょ?
田舎の高校がジャズする話。結構昔の映画だよね。
確かに女ばっかでてくるけど、百合なのかな。
- 9 :
- 元部員だけど、確かに繋がりは濃い。
そして後輩→先輩への憧れ度合いも凄い。
暇になると楽器交換して遊ぶこともあったから、間接ちゅーは日常茶飯事。
強豪校なら大会前に合宿もやったりするから、一緒に入浴も慣れっこだったり…
- 10 :
- 私は中学時代からエーラー(H.ヴーリッツァー)でした。
周りと音が全然合わないので困りまった。だから程度が悪いプラ管使わされて参ってました。
ソロコンとかアンコンの時しかエーラーを使えなかったなあ。
高校は吹部がなかった。
大学はあったから吹部に入りたかったけど、バイト不可能なのを聞いて止めました。
いつか吹部に復活したかった。
- 11 :
- 先輩とハグなんて普通だったなぁ。憧れの先輩には会う度に抱き付きにいってたww
- 12 :
- 同じパートだと先輩相手に相当なぶっちゃけ話もしてた。
違うパートでも仲良くなると可愛がってもらえた。
思い出もかなりある……が、SSは全く思い付かないw
- 13 :
- >>12
SSは難しいかww
ならば、百合な体験談など聞かせて欲しいものだw
- 14 :
- 百合かどうか…って感じだけど
大会は人数制限あるから、下級生は大会ごとにちょこちょこメンバー入れ替えってよくあるよね?
私がそれで高2の県大会出れなくて、ぶっちゃけ実力的に代表になれるかは微妙だったから、待機中に不安な顔してたら、ステージ袖の暗い中で他のパートの仲良い先輩と目が合った。
その時口パクで「(次の大会、)連れてくから」って言われて半泣き。
実際代表になれて、表彰式後、泣きながら真っ先に抱き締め合った。
「ほら言ったじゃん」って言った先輩が素敵だった。
…やっぱただの青春のいい思い出じゃんw
- 15 :
- >>14
すごくいい思い出だね。きゅんとした。
中学の時の話。
ボーイッシュなクラリネットの女の子(Altoclなどもこなす、楽器うまい、コンマス)がもてもてだった。
最高、3人の後輩と2人の同級生から好意を持たれていた。まぁ憧れも混じったようなあいまいなものだったようだけどね。
- 16 :
- 中学の時ふざけて先輩2人がキスしようとしてた
ふざけてるとわかっていても顔を赤くしてしまった
あとでからかわれた
- 17 :
- >>15
ありがとう。
そういえば、私より身長15センチ位低い、タメのホルンの子とは毎日の抱擁が日課だった。
その理由が、お互い結構胸あるんだけど、15センチの身長差で凹凸がちょうど良く収まったからw
みんなも普通のこととして見てた。
- 18 :
- >>14
>青春のいい思い出
だがそれがいい。
ならばよし。
- 19 :
- >>16
>あとでからかわれた
実は本気だったけどばれちゃったのでテキトーにごまかすために
からかうふりをして茶化したのかもしれないじゃないか
別にばれても困らないけど小っ恥ずかしいので
照れ隠し的な意味でからかったのかもしれないじゃないかああああ
- 20 :
- そういう思い出があって、とてもいいと思う。
自分は関係ないんだけど、違うパートの先輩が同学年の先輩の胸を触っててエロイな、と思った。
こう撫でる感じ。触られた先輩は別に何も反応してなかったけど、自分が反応してしまったww
- 21 :
- >>20
胸触るの、日常風景だったなぁ…
私は触られる方だったけどw
- 22 :
- 私の知る吹奏楽部は、楽器の性格が人柄や見た目に出てるような感じだったなあ。
フルートパートは可憐なお嬢さんのような子が多くて、
コントラバスなんかには長身の男前な麗人が。
そして二人の間には広い音域の差を越えた信頼関係が。
すまん百合にならんかった。つい懐かしくて書いてしまった。
- 23 :
- >>20
先輩は後輩に胸のサイズを聞いたりww
スポブラかブラか聞かれた記憶があるw
>>22
分かりやすくていいなw
じゃ、他のパートはどんな感じだったんだい?
- 24 :
- >>23
もちろん一概には言えないんだけれど、クラリネットの子はまじめで根気のある子だったり、
トランペットは程度の違いはあれど華やかで目立つことが好き、とかかな。
もともとの性格もあるけど、楽器に影響されてくるからそういうことが起こるのかもね。
出番の少ない楽器の子はいやでも我慢強くなるし。まあ私なのだが。
- 25 :
- 高校のとき大好きな同じパートの先輩が居たなぁ
夏のコンクールの練習の休憩時間にウォータークーラーで水飲んでたら斜め後ろから
ほっぺに指でつんてされたからそっち見たら
その先輩にキスいきなりされてムムってなったことがあったなぁ
まぁそれまでもハグやほっぺチュウは日常的だったけど
あっ、さっと胸の先
指先で撫でられるなんてこともそういやあった
クラブ自体がそんな感じだったかも
- 26 :
- >>24
336 :名無し行進曲:2009/09/08(火) 13:07:49 ID:MUtCIcsX
Fl・Pic 上品だけどエロ
Ob ストイックなエロ
Fg 天然エロ
Cl ムッツリエロ
Sax ド変態
Hr マニアックエロ
Tp 絶倫
Tb ヘタレ
Eu 勘違い
Tu ドM
St.bass ドS
Perc 病気持ち
あくまでイメージ
こんな感じ?ww
- 27 :
- >>26
よく見つけてきたね…w
うん まあ 間違ってないと思うよ 。。w
そうすると自分はドMなわけだ。道理で弦バスと相性がいいんだな。
数年前のことを思い出すために、数年前に大好きだった曲を聴く。
そういえばこのクラシックのCDは君の家にもあるもので、と言うよりも君の家にあったから私も欲しくなったのかもしれない。
初めてこの曲を君の家で、父親のものだという立派な機材で聴いた時、それまでは歌謡曲ぐらいしか聴いていなかった私には、君の趣味が高尚に思えたものだ。
そして同時に、また君と私との違いに気付かされた。
そっと君の横顔から視線を逸らし、座った床とそこに落ちる自分の影に目を落とした。それでも耳だけは澄ませていた。ハープの音で始まるイントロ、続くユーフォニウム。
なおも美しい音楽が流れ込んでくるこの胸は、その時も仄かに、なにかやりきれない感情を抱いていた。
そしてそれは、今も変わらない。
みたいな感じのだらだらねちっこいのなら書けるけど、スレに勢いがついてくるまでなら書こうか?
- 28 :
- >>27
おおお、是非お願いしますw
てか、文章の綺麗さに驚いたww
>そうすると自分はドMなわけだ
私もドMさww
- 29 :
- 同じく続き期待。
そして私は病気持ちな訳でww
- 30 :
- 私、病気持ちじゃないはずなのに…w
- 31 :
- あたし
ムッツリなのかww
そいえばうちの学校でも抱きついたり胸触ったりは日常茶飯事なかんじだったかも。
本番前とか、緊張してる子に先輩や同学のこが「大丈夫だから、ね??」って言いながら抱き締めたり頭なしなししたげたり、手をぎゅって握ってたりとかもあったしね。
でもやっぱり先輩後輩の信頼関係や親密度がほかの部活より高かったなぁ。
- 32 :
- なるほど、私は絶倫か。
- 33 :
-
ドMナカーマ(*´∀`)人(*´∀`*)
期待に応えられるかわからんけど、書けるだけ書いていきます。読んでくれてありがとう励みになります。
また夜には投下できると思うのよ。待っててなのよ。
- 34 :
- ド変態が通りますよー、っと。
うん、確かにパート内の空気はアレだったな。女子しかいなかったし。
- 35 :
- >>33
まってます!!!
自分はどうせヘタレですよっと。
Cl,Sax,Hrは特に納得ww
- 36 :
- >>33
楽しみにしてまーす。
ここ数レス、自然とパート紹介できてるwすごすw
しかし病気持ちには納得いかないわけでw
そういや高校時代、大会でビジネスホテルに泊まった時に、
Fl、Ob、Tp辺りの人たちが集まって有料チャンネルを見てたって言ってたな…
- 37 :
-
唇の形と、指の長さ。
入部してすぐに、顧問の先生、そして先輩たちの前に私たち新入りは並ばされ、指示されたように口の形をつくったり、腕をのばしてみせたりする。
すべてが初めてのことで、何を基準に品定めされているのかもわからない。
それでも指示通りに背筋をのばして腕を高くあげてみせると、目の前に築かれた人の山々からは腕が長い、指も長い、と囁めく声。
あの子はどんな音を奏でるだろう。どんな音楽が好きで、どうしてこの吹奏楽部を選んでくれたのだろう。
一年や二年の見てきたものの違いはあれど、新しい季節に躍る気持ちをのせた視線が、私たちの上を熱っぽく撫でていくのを感じる。
どうやら私の体躯は、見合った楽器を決めるのにそれほど苦労するものではないらしいということだけは想像できた。
それにしたって、こんなに大勢の前に立ち、しげしげと注視されることなど初めてだ。同性とはいえ、いや同性だからこそ、気恥ずかしさが込み上げてきて頬の奥が火照ってくる。顔を伏せて唇をかみしめたい気持ちになったが、それは到底叶わない。
- 38 :
-
あなたは、チューバになったからね。あのきんきらした大きなかたつむりみたいなやつ。
別室に控えていた一年生の中の私に向けて、愛くるしい笑顔を惜しげもなく浮かべながら近付いてくるその人のやわらかな雰囲気こそが、既にかたつむりを思わせるのだが、そこには触れずに素直に頷き、よろしくお願いします。と目を見て伝えた。
おまえのめだまはどこにある、と頭の中で勝手に流れはじめた旋律に反して、彼女の目はしっかりと初対面の私の瞳に印象を残した。
今日は以上です。
もっと書きたいのに技量が足りんです。
明日もよろしくです。
- 39 :
- >>38
遂にキターと思ったら生しかよww
先輩に優しく奏でられちゃう新入りを早く見たいです先生
- 40 :
- 歴史が動く瞬間に立ち会っているのかもしれないな…。
- 41 :
- >>38
文章神並みに上手いではないかww
しかも「あなた」と同じパートだから親近感わくなw
楽しみにしておりますw
- 42 :
- >>38
楽器選びのシーンがリアルすぎてびっくりですww
続きがたのしみです、ご自分のペースで構わないですが、待ってます。
- 43 :
-
「まずはねえ、楽器を吹く前にマウスピースっていうので練習するの。」
楽器庫から借りてきた赤いメトロノームを両手で抱きながら廊下を歩く。
隣りを歩く先輩は、すでに練習場所に必要なものはあるということでほぼ手ぶらだった。明日からは運ぶもの多いから、こんなんじゃ済まされないけどね、と笑っている。
低音パートが集まって練習しているのだという、音楽室からほど近いところにある教室には。
窓から入る午後の陽射しを楽器の表面が反射して、壁や床に光の輪が浮かんでいた。
奥から鳴っていたロングトーンが止むと、そのまわりにあった光の輪が揺らいで、すっと人影が現れた。
「あ、その子、私もいいなって思ってました。背が高くて大きい楽器向きだし。かと言ってその口の大きさと唇の厚さは、コントラバスにするには惜しいし。」
そう言って、にへ、と大きな口で笑う。真顔の時は整った顔立ちなのに、笑うと一気に愛嬌のある顔になる。背が高くてなんとやら、というのは私ではなくてこの人にこそ合っている形容だと思った。
そういえば、日頃から顔周りをよく使っているからなのか、吹奏楽部というところには笑顔の魅力的な人が多い。
- 44 :
- ***
「自己紹介も済んだとこで、ここでちょっと残念なお知らせがあります。あなたの分のマウスピースなんだけど、ね……。」
そこまで言うと、初めに話しかけてくれた方の先輩である三年生の花房先輩は、もう一人のチューバパートである二年生の白岡先輩のほうにちらと目をやった。
つられてそちらを見ると、白岡先輩はこちらに、というよりは花房先輩になにか言いたげな視線を投げ掛けている。
しかし私の視線に気付くと、なんでもないよ、とでも言うように苦笑いをしたあと、また楽譜に目を落とした。
よく事態が飲み込めなくてぽかんとしていたのだろう。
私は頬をつつかれる感触でやっと花房先輩に向き直ったのだった。
「ええと、本来は予備のものがちゃんとあるんだけれどね。ちょっと管理がよくなかったみたいで使い物にならないから、自分のを買うまで、私のもので代用してもらわないといけないの。」
そして、私の手には彼女のものらしいマウスピースが手渡されたのだった。ずしりと重たい金属のそれは、ほんのすこし温まっているような気がする。あくまで、気持ち程度。
- 45 :
- 「うん、それじゃあまずこれの吹き方からね。…って、やっぱりこれじゃ説明しづらいよね…。」
むむむ、と言いながら腕組みをし、あさっての方向を見ている。どこまでが天然なのだろうか、と失礼なことを考えていると、ぱっとその顔が晴れた。
そうだ、しろさん、と言って手を打ち、輝いた目で、しろさんという愛玩動物のような名で呼ばれてしまったらしい白岡先輩を振り仰いだ。ちなみにその人の名字はしろおかではなくしらおかと読む。正直、首を傾げざるを得ない。
「ね、いまだけでいいからしろさんのマッピ貸して?」
今日もまたこんなところで終わるわけです。狙ってやっているわけではないです、断じて。
マッピというのはマウスピースの略称。
わたしのときは楽器決めとかこんなのだったよ、っていうのがあれば聞きたいれす。
お読みくださり感謝です。
ちなみに残念なお知らせですが歴史は変わりませんw
ではまた明日お会いしましょうノシ
- 46 :
- >>43
ああもう、続きが気になるww
自分のところは、希望をとって楽器を選んだよ。
人数が多い所はオーディションで決めた。
あくまで中学の話だけどw
- 47 :
- うちの中学も一通りやって、希望とって、オーディションって感じだった。
私は第4希望のパートだったけど…orz
高校は経験がほとんどだったかな。
- 48 :
- 「そうなるんじゃないかなって、思っていました。五分くらい前から。話の流れ的に。」
幾度となく練習に集中することを阻まれているにも拘らず、白岡先輩のまなざしは優しい。もしかして、この二人の間では見慣れた光景なのかもしれない。
「じゃあ、洗ってきますね、マウスピース。」
そう言って立ち上がる彼女を、彼女にそのことをまさしく頼んだはずの花房先輩が不思議そうに見返した。
「え、なに、そのままでいーよ?」
あいかわらずのゆっくりした調子で紡がれた言葉に、目を見開き、え、と感嘆詞を投げてから、白岡先輩は勢いそのまま、手からマウスピースを取りこぼしそうになった。
「そ、の、ままって。あの……きたないですよ?」
「えー。でも一応タオルで拭くし。ちょっとだけだし。それにここから水道遠いんだもの。」
でも、となおも反論しようとするその人の目は泳いでいる。そして、短く切りそろえられた髪から覗く耳が、色づいてきているのが見えて、
それが伝染したように私の胸の鼓動が急にうるさくなったような気がした。
- 49 :
- 「ああ、わかった。しろさん、間接キス。ってやつを気にしてる?まさかその動揺ぶりは。」
そのわかりやすいほどに動揺している人を前にしてこの落ち着きぶりは、もはや只者ではないかもしれない。
さすが低音パート、さすが三年生。安定感が違う。と、あわてふためく頭の片隅で、場違いなところに感心した。
「ちがいますって、私は、初日から一年生の前でそういう怠けた行動は、あの、慎まないと、って……。」
ふーん、そっかー、といった適当な相槌で、まさに腕押しされるのれんと化している花房先輩は、ふむふむとうなりながらてくてくと白岡先輩に歩み寄る。
そして彼女のマウスピースごとその手を握ると、お互いの色の違う上履きの先をくっつけ、ほんのすこしつま先立ちをした。
未だ異論を唱えようとわずかに開いていた唇に、そっと唇を重ねる花房先輩の横顔は、やわらかい桜色をしていた。
- 50 :
- 「きみの唇は楽器を吹くため、そして私に奪われるためにあるのだから、ちっちゃいことをつべこべ言うんじゃありません。えへん。」
ほんの短い一瞬で場の空気をがらりと変えることにまんまと成功し、形勢逆転、といったところの表情である花房先輩は満足気に勝利宣言をする。
すっかり赤くなってしまった頬を隠すように俯いたまま、走り込みしてきます、と低く言い捨てて、白岡先輩は教室の扉を抜けていった。
いってらっしゃい、と手を振る花房先輩のもう片方の手には、勝ち取ったマウスピースがしっかりと握られていた。
「それじゃ、練習、しよっか。ごめんね、ごたごたしちゃって。あの人ったら聞き分け無いよねえ。」
うーんとねえ、とりあえず吹いてみよう、じゃあ私お手本ね、と言って笑う。
マウスピースに唇を当てるその瞬間、彼女がそっと愛おしそうに瞳を閉じるのを見てしまった私は、
自分の手の中にあるマウスピースが、手渡された時よりも湿度や温度を増しているような気がしてならなかった。
***
やっと百合っぽい場面に入れた!
なかなか面白い展開に持っていけないのが悩みっす。
あなたのGJが明日のやる気をつくります。読んでくれてありがとでした。
- 51 :
- >>48
すっげぇええぇええええぇええwww
>「きみの唇は楽器を吹くため、そして私に奪われるためにあるのだから、ちっちゃいことをつべこべ言うんじゃありません。えへん。」
ここ、ヤバイwwキュンしちゃいそうww
主人公がうらやましいですww
先輩いいよ、先輩
続き楽しみしてます!
- 52 :
- やばいっす…GJっす!!
いやぁ……これ歴史変わりますよww
読んでて思い出した。
そういえば、二つ下の後輩に貸したマッピを返してもらってないww
- 53 :
- >>50
はぁん、始まる前からなんてたまらない部活動なんだ
- 54 :
- >>50
GJGJGJ!!!!!!よかった!かなり萌えたww
- 55 :
- しばらく開けていなかった引き出しに手をかけた。
今日の午後から、友達が私の部屋に遊びに来るというから、掃除をしていたのだ。
埃を薄く被った棚からは、中学生のときに使っていた吹奏楽の楽譜が大量に出てきた。仕舞い込んだまま忘れていたらしい。
はじめてレギュラーになれて、先輩から手渡された楽譜には、曲名の横に「がんばれ」と手書きの文字で書かれている。
たったそれだけのことなのに、妙にうれしくて、大会が終わってその曲を練習することがなくなっても、
その楽譜は譜面入れの一番初めのページに入れて、毎日その日の練習の前に眺めた。
わたしのと違って、右上がりの強い、きっちりとした字。
当時のころのようにその、たった四文字のメッセージを眺めていたらふいに思い出した。
たしかあの引き出しの奥。
- 56 :
- 少しの引っかかりの後に開いた引き出しの記憶通りの場所に、それはあった。先輩から借りたままのマウスピース。
毎日磨いていたころと比べると、少し曇ってしまったかもしれない。
どうして忘れていたんだろう。鮮やかな思い出ごと曇らせてしまったような気がする。一緒に仕舞われていた専用のクロスを手に取り、
息を吐きかけ、それを磨き始めるとぽつりぽつりと思い出されてくるあの日のこと。
同級生と毎日がお祭りみたいにはしゃいでいたこと。楽器の扱いが荒いと先生に叱られたこと。
そして一番この胸に迫ってくるのは、このマウスピースの本当の持ち主である先輩とのこと。
わたしが先輩からこのマウスピースを貰ったのは、先輩たちの引退式のあと。
いつもの練習場所の放課後の教室で、先輩がいないと淋しくなります、すごく、とっても。そんなようなことを、わたしは往生際悪く、
彼女の片手を強く掴んだまま意地悪く吐き続けた。そんなことしてもどうにもならないのに。先輩は悪くないのに。
「言いたいことがあるのなら、あたしの目を見て言いなよ。」
なにか焦らされたような調子のその一言で、わたしは知らず知らず俯いていたことに気付く。はっとして顔を上げる。
予想していたよりも厳しい表情をした先輩と目が合う。その瞬間何かが、嗚咽となって、涙となって、わたしの内側からはじけた。
どちらからとなく抱きしめあったわたしたちはそのとき、先輩と後輩、ではなくて、
ただふたりきりの、どうしようもなく他人をもとめてしまう愚かな人間だった。
- 57 :
- 先輩の制服の胸に、わたしの涙のあとが残ってしまったことにやっと気付けたのは、わたしが泣き疲れたころだった。
「わたし、こんなに誰かと会えなくなるのがつらいのは初めてなんです。先輩だけなんです。自分でも変だって思うんですけど、でも」
今度は、ちゃんと目を見て伝えた。恥ずかしくて一息になってしまった。
続ける言葉が見つからなくてしどろもどろになってしまったわたしを抱く先輩の腕に力が増す。
「目、閉じて。」
ごく至近距離で囁かれた言葉に従うと、柔らかくて温かくて、すこし涙の味がするものが唇に触れた。
「あ。」
クロスにぽたりと涙が落ちて、我に返るともうすぐ約束の時間だった。こんな顔で、こんな気持ちで誰に会えるというのか。
急用で、今日は約束を反故にします。そんな文面のメールを約束の相手に送りつけると、次にアドレス帳を表示する。
先輩の名前を探して、番号を確かめ、発信ボタンを押した。こんな気持ちはいつ以来だろう。
呼び出し音を数える。一回、二回。三回、四回。
「はい、もしもし。」
変わっていないその声は、懐かしくて、愛しくて、電話口で泣き出してしまった私は、彼女を大いに慌てさせてしまった。
- 58 :
- ***
きゃーーーできるだけ毎日同じ時間に投下したかったのににすすいません
何書こうか悩んで、>>52さんのおもひでを拝借しました。
あせってすごい勢いで書いたのですが、もっとよいおはなしを書きたいすなあ。
読んでくださるひとがいるから書けるのです。ありがとでしたー
- 59 :
- >>58
んんんん!と思わず唸ってしまった
これはGJ!!短いのに深い想いが伝わってくるっていうか、きゅんとする
でも友達ちょっとカワイソスw
- 60 :
- >>59
ああ、この友達はうざったく言い寄ってくる男友達だとあとがきに書くのを忘れてたw
本編に書いて雰囲気壊したらやだなと思いまして。
そしたらうっかり頭の中から排除してしまいましたw
- 61 :
- >>60
なぜ主人公に片想いの幼馴染の女の子という設定にしなかったんだぁぁぁ
違う学校に通っていて普段は会えないんだけど、ある年の演奏会を見に行って演奏中の主人公に胸キュン
以後密かに楽器を練習してみたり……とかなったら萌えるじゃまいか
- 62 :
- >>61
ほほう、なるほどそんなことが…ありえますねw
私は、他の学校に行った大好きな子が新しい場所で知らない野郎どもに囲まれているのが我慢できなかった子なので、こんな設定になってしまったのだと思います。
うん、より萌えるのならどちらでもよいですw
あと、女の子大好きなので、女の子との約束は何があっても反故にしないから、主人公もそこが私に似てしまった…かなあ。
- 63 :
- あ、>>60と>>62は同じ人です。PCから電話になったです。まぎらわしくてすみません。
- 64 :
- http://inu-chan.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-8b40.html
- 65 :
- >>58
これはGJ!
いい思い出だ、なんか胸にキュンときたww
てかもうこれでお終い?
- 66 :
- 今日は書けませんでした…
>>58の続きも、構想が纏まったら明日以降書くかもです。
GJありがとうこざる
だめだねむい。
- 67 :
- >>66
あ、52です。ちょっと2ちゃんを離れてた間に私の呟きを拾ってくれたなんて……ありがとうございます!!ひたすらGJです!!
きゅんきゅんしながら続きをお待ちしてますw
- 68 :
- 昨日、同じ吹奏楽部だった子に暴露された
メールで「私、あなたの事好きだったんだよ」と言われ驚愕
自分は同じ部の先輩が好きだったから、あの頃自分と友達と先輩とで三角関係ができあがってた事に驚いた
こういう事もあるんだねぇ
- 69 :
- 中学の時サックスだったけど、1年の時のメンバーがヤバかった。男もいたけどほとんど練習来ないから普段は女だけで3年の先輩2人と1年3人。
パーリーのかっこかわいいバリサク先輩・小柄でかわいくてエロいアルト先輩、学1かわいいテナー・細くてかわいいアルト・私(アルト)だった。
アルト先輩が本当にエロくて、口を開けば下ネタだった。Cカップらしいんだけど胸をおっきくするための運動とかをパートの時間にやってたw
テナーがBカップで特に必になっててかわいかったよ。
1年アルトの子はほんとまな板で、みんなで揉んであげてたなぁ…
当時E近かった自分はかわいい女の子達に毎日胸を揉まれて幸せでしたw
バリサク先輩はあんまり話に加わらないで「もう!練習するよ!」って感じだったけど、たまに話を盗み聞いては「…こんな感じ?」と実践していて今思い出すと1番萌えるかもw
ある日、アルト先輩がかわいい喘ぎ声の出し方を研究するとかで私が胸を揉んで「ぁんっ」とか声出されたり、逆に参考にするとかで揉まれて声出させられて正直興奮した…
だってみんなかわいいんだもん
やっぱりサックスは変態かもしれん…
- 70 :
- >>69
部員少ない!うちの学校は結構大所帯だったから先輩2人同級3人って想像すると凄く新鮮
人数減るとやっぱり関係というか親密度はよりラブラブになっていくのかなあ
しかし喘ぎ声の練習とかマジでなにやってんだw
- 71 :
- >>70
まああとは男も一応いるけどね
仲いいっていうか本当に友達感覚。アルト先輩はタメ口許してたし私も次の後輩には許してたな
あと百合関係ないけど万年銀賞のくせに今は部員増え続けて楽器が足りずに1年全員リコーダー吹いてるらしいw
付け足しになるけど、下手な部だし練習の部屋も音楽室ともう1個しかなくて、自分達は廊下とかで練習してたんだよな…
廊下で胸揉み合ってあんあん言ってたと思うとw
- 72 :
- >>71
アルト先輩とか言うから某アルト姫を連想しちまったじゃねーか!
奴が本当に姫だったらどんなによかったか・・・
- 73 :
- ヒント:サックスとセックスの語感
あとは分かるな?
- 74 :
- あげ
- 75 :
- サックス、俺よりでしゃばるな
- 76 :
- >>75
キミキスネタだと気付くのに時間がかかったw
- 77 :
- 確かにサックスはえろい。
顧問のサックスの発音が、セックスの発音と同じで「サックス」という言葉が顧問から発せられる度、皆凄いニヤニヤしてた。
休憩時間とか、そういう話は当たり前だし。本当えろかったんだな。
- 78 :
- オナニー日本一決定選wwww
http://hp.xxpocketxx.jp/japanno1/
- 79 :
- 百合とか関係なしに女子中学生も女子高校生もエロいと実感できる良スレ
- 80 :
- >>79
そうだよ、最近の子供達は皆えろいんだよ。
えろいマンガを学校に持ってきたり、普通にオナヌーの話したりしてるんだよ(・ω・)
- 81 :
- あげ
- 82 :
- 過疎ってるから書きかけだけど投下
「じゃあね」
「バイバイ」
「また明日ね」
一年生で同じクラスのトランペットの子と、クラスは違うトロンボーンの子を見送って、私は部室の引き戸を閉めた。
「さむ……」
吹き込んできた風に、思わず身を竦ませる。只今の時刻は午後七時半。昼はまだまだ暖かいけど、朝晩はめっきり寒くなった今日この頃。この部室のストーブが稼動し始めるのも、そう遠くはないのかも知れない。
私は部室を見渡した。目の前には指揮台。左奥にはカバーが掛かった打楽器類。整列している譜面台。
夏の大会前は八時過ぎまで賑わっていた部室も、近頃この時間まで残っているのは私だけだ。誰もいない部室というのは何か寂しい。
いや、違う。今日は私だけではなかった。
私は向かって左奥の、戸棚で仕切られたスペースへと向かう。そこは楽器の出し入れをしたり、昼は大きな机で部員が昼食を取ったりする場所だ。
その一角。クラリネットパートに割り当てられた場所で、
「おかえり、ちーちゃん」
同じパートの先輩が、笑顔で手を振っていた。
「どうも」
私は会釈をして、机に置いておいたクラリネットを手に取る。
「ちーちゃんはまだ残る?」
「はい。八時過ぎまではいます」
「ふーん、そっか。それなら私もそれ位に帰ろっかな。ちーちゃん、途中まで一緒に帰ってもいい?」
「あ、ハイ。大丈夫です」
「やったー。じゃあ一緒に帰ろうね」
三年生が引退してからは、この先輩がパートリーダーと、コンサートミストレス略してコンミスを務めている。当然クラリネットの腕は上手だし、明るくて面倒見がいいから、多くの人に慕われている。
私ももちろん憧れていた。
とりあえずここまで。残りはまた投下します
- 83 :
- >>82乙!
今、凄く勢いがないところだからそういうのがあるだけで助かる。ありがとう!
続き、楽しみにしてる。
- 84 :
- >>82
GJ!
続き楽しみにしてます。
高校の時、タメのホルンの友達と「キスしてる風」写真を撮った。
階段(しかも外w)の段差を利用して、横からいいアングルを必に探してもらい…
完成度はなかなかだったけど、何やってたんだw
- 85 :
- >>84
何やってんだよww
自分も小説を書こうと思うが、後輩→→←←先輩はどうかな?
「自分が先輩に恋していると気づいていない後輩」と「後輩が好きだと気づいているが、それを認めたくない先輩」でどうだい?
- 86 :
- それはあちきにとってはブラバンに限らず需要がありんす
- 87 :
- >>85
いい!
先輩がツンデレ風味だと尚…って思ったけど、それは気にせず自由にドゾー
- 88 :
- あげあげ
- 89 :
- 自分、吹部にはいってるけど・・・・こんなんだったっけ・・・・
- 90 :
- クラって独特のキャラが多い気がする
この前は自の名所や闇の儀式のついて議論してた
- 91 :
- >>90
そもそも吹奏楽部という空間自体(ry
そういえばうちのクラもステレオグラムを異様に勧めてくる変な子だった
ところでIDがとってもSSでしてよ
- 92 :
- 6年間吹奏楽部でしたが
その間常に恋と憧れを往来しながら想っていた先輩は
年に1度会うか会わないかの今となっても
夢に出るほど愛してやまない存在ですなぁ。
初めて出会ってから現在までの10年余・・・
恋人(彼女)も数名いたにもかかわらず
今でも夢に出ると嬉しいのと罪悪感とで複雑な朝を迎えます。
- 93 :
- >
- 94 :
- 私はとある先輩が好きです。
挨拶をすると返してくれるだけで嬉しい程、大好きです。
でも先輩は私の事が嫌いみたい……とても悲しいです
- 95 :
- あげ
- 96 :
- か弱いフルート女子と
頼りになるチューバ女子の
不器用な恋とか萌える…。
- 97 :
- 浮上
- 98 :
- 先輩、と私は呟いた。その声は、穴ぼこだらけの防音壁に吸い込まれていった。
先輩は何も言わず、私の頬に手を置いた。先輩の手はひんやりしていて、心地よかった。少しずつ近づく瞳に、歪曲した私の顔が映っていた。私は瞳を閉じ、その直後、唇に柔らかな感触が生まれた。遠くから野球部の掛け声が聞こえ、間延びしたエンジン音が走り去っていった。
初めてのキスはブドウの味がした。先輩の舌先が私の唇を無理やりこじ開け、何かを押し込んできた。それは先ほどまで先輩が口にしていた、
グレープ味のグミだった。先輩は唇を離し、
「おいしい?」
と訊ねた。瞼を開けると、鼻先が触れ合うほど近くに先輩の顔があった。綺麗なアーチを描くまつげが、うそみたいに透き通った白い肌が、舌
を伸ばせば届く距離にあった。私は床に視線をそらし、グミを飲み込み、一言「はい――」と呟いた。誰もいない音楽室は私の発した音全てを吸い込んでしまいそうで、その声が先輩に届いたかどうか、私は不安になった。
少しの間の後、くすり、という笑い声が聞こえた。先輩の二重瞼が、三日月のように半円を作って私を見つめていた。「よかった」と先輩が言った
頃には、私は再び視線を床に投げていた。
「君は、まだした事ない?」
え? と私は問い返す。「何をですか?」
「そこまで言わせるの?」
心臓の鼓動がこれまで以上に早まる。血液が体中をめぐり、顔中が日に当てられたように暑くなる。口に溜まった唾を飲み込むと、喉がバカみ
たいに渇いてるのに気付いた。私は静かに深呼吸、鼻から息を吸いそっと口から吐き出す。瞼をぎゅっと握ると、胸の底に溜まっていた言葉が自然にせり上がって来た。
「まだ、した事ないです」
そう、と先輩は言った。「私でいいの?」
「先輩が、いいです」
「後悔しない?」
「どうしてそういうこと聞くんですか?」そらしていた視線を真っ直ぐにぶつける。
「だって君は」と、そこでいいよどみ、今度は先輩から目をそらす。「その、すごく、可愛いから」
「――先輩ほどじゃありません」
「お世辞はあんまり好きじゃないな」
- 99 :
- 「お世辞なんかじゃありません」思わず飛び出た言葉は、私が思っていたよりもずっと大きい声になった。私は一瞬だけ口をつぐみ「みんな言ってます。
同級のみんなも、クラスの男子も、クラリネットの先輩美人だねって。その言葉聴くたびに私少し得意げになって、その後に悲しくなるんです。先輩は私に優しく
してくれますけど、それはたまたま今クラの後輩が私だけだから、それだけの理由で色々教えてくれるだけなんじゃないかって。そうずっと思ってました。
優しい先輩は好きだけど、誰にでも優しい先輩はあまり好きじゃないです。だから、」
突然、先輩が人差し指で私の口を押しやる。真っ白な前歯を見せて、しー、と歯の隙間から声を吐き出す。心なしか先輩の顔は、いつもよりほんのりと赤くなっているように見えた。
「ありがとう」先輩は首をかしげ、私の顔を覗き見る。真っ直ぐな黒髪が、動きに合わせて横に垂れた。野球部の声が聞こえる。バットにボールが当たったときの、突き抜ける音も。
音楽室の窓はボロッちくて、風が吹くたびにがたがた音を立てて揺れた。
「君の事好きだよ。一目ぼれだったと思う。初めて見たときね、こう、胸にきたんだ。バカみたいて思うでしょ? 昔のマンガじゃあるまいし。でも、本当。
私、ずっと君の事見てた。3連符の真ん中はいつも走り気味になるのも、曲の出だしはいつも力みすぎて音程が高くなるがちになるのも、みんな知ってる。
お弁当のはしがケロッピーだってのも知ってるんだよ? 家に帰ってからも、君の事ずっと考えてた。いやらしいことだって、たくさん想像した」
幻滅した? と先輩は聞いた。私は勢いよく、何度も何度も首を振った。先輩は良かった、と微笑んだ。「ここんとこ、君の事しか考えてられなかった。
部活に来るのが毎日楽しみで、二人きりのパート練習がこの上なく心地よかった。けど、それもいつか終わる日が来るんだって思うと、すごく怖かった。
私が卒業したら、きっと君は私のことなんか忘れちゃうんだって、そう思うと夜も眠れなかった。――だから今日君を呼んだの。忘れて欲しくないから。
もしいやな思い出として残っても、忘れられるよりはずっとましだって思ったから」
「忘れません。きっと何年もたって私が大人になっても、しわくちゃのおばあちゃんになっても、絶対先輩の事は忘れません」
ぎゅっと手を握り締めた。手のひらは汗で湿っていた。雲が流れて、窓越しに光が流れ込んできた。宙に舞う埃が白く耀いて、私と先輩の間を漂い始めた。
先輩は4つんばいになって、私の握り締めた手の上に手の平を置いた。先輩の顔半分に光が差し、のこり半分を影で塗りつぶしていた。その中で、先輩は確かに笑っていた。
私だけに見せた、私だけの微笑だった。
「ねぇ」と先輩は言う。「キス、していい?」
その言葉があまりにも真剣で、私は思わず噴出してしまう。「さっきしたじゃないですか」
「それは練習。こっちが本番」
「私の初めては、練習だったんですか?」
「じゃあさっきのが本番で、これからのが練習」
「順番、逆ですよ」
「私たちらしいじゃない。入れ違いてことでしょ」
私の反論は、先輩の唇に阻まれた。私は瞼を閉じ、口の力を抜いた。先輩の舌と私の舌が絡み合う。口のはしから唾が垂れ、制服のスカートにシミを作った。
私たちは長い時間舌を絡ませ、互いに互いを求め合った。
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