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2012年5月レズ・百合萌え603: ジャンプとかサンデーとかマガンジンなどで百合 (614) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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ジャンプとかサンデーとかマガンジンなどで百合


1 :07/03/01 〜 最終レス :11/07/15
ジャンプ「サンデーとかwww発行部数少な杉wwwwwwwザコスwwwwwwwwwwww」
サンデー「そ、そんな事いわないでよ・・・ぉ」
ジャンプ「うるせーよwwお前なんていらねwwww」
マガジン「お前またサンデーちゃんいじめてんじゃねーぞっ!」
ジャンプ「うはwwwwwマガジンきやがったwwwwwwww発行部数俺より少ないヤツは黙ってろよwwwwwwwwwwwwww」
マガジン「ほらサンデーちゃん、あっち行こう」
ジャンプ「聞こえねーのかwwww敬語使えよwwwwwwwwwwww」
マガジン「あっちにガンガンちゃんもいるから、一緒に遊ぼう」
サンデー「でも、ジャンプちゃんが・・・」
ジャンプ「おいwwww無視すんじゃねーよ」
マガジン「ほら、いいからいいから」
サンデー「あ、ちょっと・・・マガジンちゃん?」
ジャンプ「おいコラ待てよwwwwwwww無視すんなっつって・・・
マガジン「ウゼーんだよついてくんな!」
ジャンプ「・・・・・・無視、すんな・・・って、サンデーまで・・・」

2 :
ジャンプ「マジでいくなよ・・・」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ジャンプ「サンデーの、バカ・・・」
???「・・・ジャンプちゃん?」
ジャンプ「あぅ・・・・・・?」
サンデー「ジャンプちゃん、ジャンプちゃんも向こうで一緒に遊ぼ? マガジンちゃんもいいよっていってくれたから」
ジャンプ「な、なんだよいきなり・・・?」
サンデー「マガジンちゃんも、さっきはちょっと気が立ってただけみたいだから。私は全然ジャンプ君は悪くないと思うよ?」
ジャンプ「な、は・・・・・・あ、ありが・・・・・・」
サンデー「???」
ジャンプ「べっ別にマガジンなんかと遊びたくなんかないもんね」
ダッ
サンデー「・・・・・・そんな、走って逃げなくてもいいのに・・・」

3 :
マガジン「ジャンプは、いないのか・・・?」
サンデー「え・・・うん、なんか用事があるみたいで帰っちゃったんだ・・・ あはは・・・・・・」
ガンガン「あらあら、それは残念。」
サンデー「うん・・・(なんかあたしから逃げるみたいに・・・)」
マガジン「まあそれなら仕方ないな、なら私達だけで遊ぼうか それでいい、サンデーちゃん?」
サンデー「・・・うん、そうだね」
 ・・・・・・せっかくだから、ジャンプちゃんと一緒に遊びたかったのにな・・・

4 :
名前: 名無しさん@秘密の花園
E-mail:
内容:
次の日
サンデー「ジャンプちゃん、いるー?」
ガチャ
ジャンプ「・・・・あん? なんのようだよサンデー?」
サンデー「はらジャンプちゃん、昨日は先に帰ちゃったからさ 今日は一緒に遊ぼ、ね?」
ジャンプ「は? いきなり何言い出すかと思えば・・・(恥)」
サンデー「ね、いいでしょ?」
ジャンプ「うるせーなwwww仕方ねーからちょっと待・・・・・・
マガジン「ああサンデーちゃん、ここにいたんだ」
サンデー「え?マガジンちゃん!?」

5 :
マガンジンw

6 :
マガンジン?

7 :
スレタイに騙されたwwww

8 :
久々にワロタ
こういう基本をおさえたスレがどんどん立つのがこれからの百合板なんだよな
最近は見る人を選ぶスレばかりで困る

9 :
こういうのばかりの方がもっと困る
スレの細分化は当然のことだろうが

10 :
おもろいんだがジャンプちゃんが、ぜんぜん男の子なのがなぁ。
あといつも屋上にいるような感じで、チャンピオンちゃんもよろしく。

11 :
こんな職人芸的なスレはマジで久しぶりだぜw

12 :
wktk

13 :
百合なのか?

14 :
wktkさせてごめんなさい、こんな糞スレ立ててごめんなさい
本当はVIPに立てようと思ったのに間違えて18禁のこの場所でこんな糞スレ立てちゃいました
エロはないです
もうぬほど恥ずかしくていままでこのスレを覗く事ができませんでした
マジでごめんなさい、全世界に向ってごめんなさい
何方か好きなようにこのスレを活用してください、それだけが私の望みです

15 :
誰か書き込めよ
住人がいれば糞スレも良スレになるんだぜ?

16 :
糞スレは所詮糞スレ

17 :
くそスレあげ

18 :
正直、過疎りまくってる板でこういう突発スレはよくないよね
あげ

19 :
俺の中でのイメージ
サンデー→優しい、僕っ子だったらなお良し
マガジン→クールビューティー、男装麗人って感じ
チャンピオン→空気、いるのかいないのか分からない
ガンガン→ほんわかお姉さん、腹黒?
花とゆめ→お姉さま、美人
(女性向けのは他知らない)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
百合姫→いわゆる痛い女、一人称は俺
ジャンプ→DQN
誰かガチでレズなキャラが欲しい

20 :
せっかく俺が書き込んだのに人がいないのであげます

21 :

 クッキー =そこそこになんでも出来てそこそこにモテる普通の女の子だったが、
         あるときを境にヴィヴィアンウエストウッドとかミルクとかしか着ない
         個性的な子になってしまった。孤独。鋭敏。
         成績が悪いが、国語だけは優秀。意外なセンスのよさを感じさせる。
         童顔だが化粧は濃い。香水はアングロマニアでタバコはブラスト。
         かつて仲の良かったマーガレットからはガチで心配されている。
プリンセス=一見大人しいが、実は独自の世界観を持っている子。
        感受性が豊か、言語感覚が鋭い、世界史などの知識が豊富、
        反面現実味が乏しい。上っ面がやさしいので気づきにくいが、
        実はセカイ系カルチャーに染まりきっている。
LaLa、はなゆめ=ガーリーで夢見がち、恋に恋する仲良し女の子二人組み。
           ほわほわした言動から奇矯に思われがちだが、
           すこし夢見がちなだけで、センスじたいは一般的。
           ホストの物まねをやったり吸血鬼ごっこをしたりバイオリンを弾いたり
           ピアニストになりきったり妖精のまねっこをしたりと、
           いわゆる「ごっこ遊び」が好きなふたり。
           ツモリ、チャオパニ、ハウエル好き。好きな雑誌はsoupとspring。
あすか、ゼロサム=ボクっ子とオレっ子の二人組み。
             英国少年をイメージしたあすかとゴルチェ信者のゼロサム、
             双方受け攻め成り立っているが二人ともTSぶっている上に
             自己陶酔しきった破滅的な恋愛に走りたがるために
             ここの板の住人受けは悪いかもしれない。
             双方KERAっ子。たまにピンナップに載る。

22 :
糞みたいな妄想上げんなチンが
しかも百合姫が痛い子とは何事だカスが

23 :
落ち着いて百合子!
貴女は貴女の道を行けばいいのよ

24 :
百合姫なんて雑誌はどう考えても痛いだろ、BL系と同じようなもんだ

25 :
わざわざここで自虐ネタにもってく意味が分からん

26 :
百合子可愛いよ(;´Д`)ハァハァ

27 :
>>21
なんか納得できるキャラだ
きっと少コミはヤリマン

28 :
ヤリマンいいな、相手の性別によるけど

29 :
このスレ作った職人さんにまた来て欲しい
と、期待age
チャンピオンちゃんはきまオレの鮎川みたいなだといいな

30 :
コロコロ→小学生 ロリっ娘

31 :
コロコロちゃんはサンデーちゃんの妹?

32 :
ガンガンとゼロサムは仲の良い従姉妹
でもブレイドは…

33 :
>>31
そういや、お母さんが一緒だったねw

34 :
サンデーちゃんのようなお姉ちゃん、欲しいなあ…

35 :
りぼんとかマーガレットとか其処ら辺のも誰か性格付けして欲しい

36 :
電撃姉妹

37 :
一番ぶっ飛んだ性格っぽいなw>電撃姉妹達

38 :
正反対な性格のエースちゃんとASUKAちゃん

39 :
>>29
一度あんな発言しちゃったらくるに来れないだろうね
と思いつつあげてみる

40 :
なかよしちゃん、子供だ子供だと思ってたらいつの間にか大人になって…
昔はかわいかったのに、今時の子になってしまたよ…

41 :
なんなんだここは?

42 :
ジャンプちゃん「スーパージャンプ姉さん…ウルトラジャンプ姉さん…
ヤングジャンプ姉さんまで…」

43 :
正直エースちゃんは萌える気がする

44 :
ブレイドちゃんは皆の嫌われ者

45 :
ハイパーコロコロちゃんは存在を秘匿されたミステリアスっ娘

46 :
続きを期待age

47 :
そろそろこのスレでもっとも可愛らしいサンデーちゃんについて語ろうか

48 :
ボンボンちゃんが・・・

49 :
ボンボン=エロ

50 :
チャンピオンRED……なんとなく独特で周りから避けられてる感じ。だけど実際話すととてもいい子。故に仲のいい人とそうでない人との差が激しい。みたいな感じがする。
          口癖は「できる、できるのだ!」

51 :
ゴング「なーに見てんだよ!」

52 :
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53 :
なんの雑誌だかわからないのがあるから困る

54 :
ブレイドちゃんはなんだかんだ言って可愛い気がする
つーか擬人化キャラで関連のニュースや事件なんかをやらせたら結構いいと思うんだが
誰か試しにやってみて

55 :
誰か書いて(´・ω・`)
ヤンマガとかヤンサンとかヤンジャンとかヤンアニとかヤンガンは?

56 :
ヤンガンの面白さは異常です

57 :
ジャンプとサンデーって家族なんでね?
上のやつ近親相姦じゃね?
萌えね?

58 :
そうなんだよ
従姉妹っつーかこのスレのせいで妄想ばっかりふくらんでどうにもならん。本家筋がどうとか二人の家の確執がうんちゃらかんちゃら・・・
住人にキバヤシさんはいないのか!

59 :
ボンボンに妹? ができるらしい

60 :
この秋登場のジャンプスクエアは、ジャンプちゃんの妹?
本家に確執ある異母姉妹とかでもいいな。・・・だれか性格付けよろ

61 :
一ツ橋グループ?ナニソレおいしいの?
な俺がヘタレながら日々の妄想をヘタレ小説風味にしたのを
ここに書き込んじゃったら住人さん的にはどうですか
スペック→
 ・一ツ橋グループ?ナニソレ(ry
 ・雑誌は三大少年誌以外あまり知りません。ごめんなさい
 ・本誌はジャンプを黄金期に一時期購入。現在は喫茶店にあったら読みます
  サンデーはほぼアニメ
  マガジンは喫茶店にあったら絶望とねぎまと時間あるときに新約。デスノートも読めたらもうけた気分
以上です。
すべてがこのスレの意見とウィキペディア頼りです。知識偏ってるから偏見に満ちてるかと思われます
お返事もらえたら幸いです

62 :
是非よろ。待ってる

63 :
期待age

64 :
お返事どうもありがとう。ageて下さった方も感謝です。
もうちょっと反応を見ていてから、反対意見が見受けられない時はお言葉に甘えさせてくださいね^^
それと、スレの立て主さんの文章をリスペクトとして組み込んじゃったんですがやっぱマズいスかね;
転載(?)って事になるのでしょうか?
でも・・・!でもこの3人娘の会話が俺の妄想のすべてのはじまりなんだあああっ
2ちゃんにレス以外載せるのはじめてで;
マズかったら指摘、罵倒、なんでもくださいまし〜;;;

65 :
正直スレタイに騙されてきただけのものですが、楽しみにしときます

66 :
まず最初に謝罪させてください
文章ってなんて難しいんでしょう
せめて他人が読んで分かるような文章をうんうん唸ってアレコレ試しましたが・・・
無理でした!
典型的な「例のアレ」しか出来ませんでした
スレ汚してしまってすいません
最後にスレの立て主さん、会話パクって申し訳ありません
スレタイまでをもパクリましたが、直した方がいいかと勝手に感じた部分だけ手を加えさせていただきました
もうスレを覗く事がありそうにないご様子でしたが、もしも目に入ってしまったには怒鳴りつけてください
トレース(?)された上に手を加えた!になるんでしょうか。ひたすらに申し訳ありません;;;
では。以下、例のアレがえんえんと続きます・・・

67 :
「ジャンプとかサンデーとかマガジンで百合」
昔、昔の物語。
日本にとある出版系列のグループがありました。
日本児童への教育に熱心な家の人達で築いたグループで、日本の子供達なら誰でも一度くらいはご本を読んだことあるかも?
たいそう、子供たちが大好きな一族でしたので。
教科書だってお医者さんの本だって、子供をよろこばせる雑誌だって作ります。
これはその最後の、雑誌を作っていた家柄に起こった、とある代のお話です・・・。

68 :
でも。本家筋の皆さんは集まって相談しあいました。
・・・この家ってこの先、生き残れるんだろうか?
あまりに心が優しすぎやしないか?
一族は相談を進める。
もしも。家系に競争相手がいるとしたら?
ここで一気に全員の議論は加速する。
そうだ。もう一つでいい、分家を作ったらどうだろう。
たしかあの家に弟妹がたくさんいたはずだ。
・・・一族は話し込む。
ちょうどおなじような家族構成の、弟妹からひとつ分家を出さないか?
こうして、小学館の家から似たような弟夫婦が別れてそれぞれ家を持つこととなりました。
分家のほうは集英と名乗る事で決まりました。

69 :
どちらにも娘達がいたので、一族の話し合いは娘たちへも・・・。
ちょうどおない年っていなかったか?確かどちらも娘だ。
都合がいい、安全だ。
うん、安全だ。安全に双方で競争しあう。お互いが磨きを掛け合って、しかもどちらも我々の家の庭の中で争ってるんだ。
これほど娘達を傷つけない争わせ方ってあるか?
どんどん深く、現実的に。
更に互いを同じ学校にさせるんだ。
千代田女学院はどうだろう?いいね、あそこならおなじ業種の女子が集まる。だとしたら別の会社の女子との社交技術まで磨かれる。
へー、まるでそれは将来への準備のようだ。
しかも他の空気も吸わず出版界の空気だけ吸う。それは素晴らしい。だとしたら育った娘達は・・・。
彼らはお互い笑顔で頷き合ったのです。
我々の庭で成長する、この世界しか知らない純正な娘達なんだ!
こうして仕上がった土台に、頷き合ったその笑顔はいわゆる会心の笑顔ってヤツでした。

70 :
そして、時代は現代へ!
「サンデーとかwww発行部数少な杉wwwwwwwザコスwwwwwwwwwwww」
「ジャ、ジャンプちゃん・・・そんな事いわないでよ・・・ぉ」
「うるせーよwwお前なんていらねwwww」
「お前またサンデーちゃんいじめてんじゃねーぞっ!」
「うはwwwwwマガジンきやがったwwwwwwww発行部数俺より少ないヤツは黙ってろよwwwwwwwwwwwwww」
「ほらサンデーちゃん、あっち行こう」
「聞こえねーのかwwww敬語使えよwwwwwwwwwwww」
「あっちにガンガンちゃんもいるから、一緒に遊ぼう」
「でも、ジャンプちゃんが・・・」
「おいwwwwお前ら無視すんじゃねーよ」
「ほら、いいからいいから」
「あ、ちょっと・・・マガジンちゃん?」
「おいコラ待てよwwwwwwww無視すんなっつって・・・
「ウゼーんだよついてくんな!」
「・・・・・・無視、すんな・・・って、サンデーまで・・・」
千代田女学院ではあんまり良家の子女とは言えない言葉が飛び交ってる。
まだ初等部を卒業したばかりとは言え、あまりに自由すぎる。
が、学校側も個性の尊重、と教育方針をうたっている。だから実質礼儀作法に関しては野放し状態だ。
締めてる所と言えばクラス分けぐらいか?
クラスはきっちり彼女たちの成績で上位順で分けられてはいる。
将来、彼女たちは自分の家の家業を継ぐのだ。
成績はさすがになにがしろには出来ない。

71 :
・・・それは学生たちも感じ取って、おのずとクラスでの立場も決まっていた。
一番最初の言葉はジャンプちゃん。
集英家の何番目かの娘だ。集英は新興の家柄とはいえ、ここ最近の業界ではかなりの出世頭だ。
中でもかなりの成績を誇る彼女は現在絶好中。
言葉も荒くなろうものか。
外見は悪くはないのだが・・・。
ちょっと勝気そうだが活気に満ちた瞳。表情がくるくる変わるポジティブさ。
それが場面が変わればドキッとするほど綺麗にも見えるから人を惹きつけて離さない。
自分でも分かってるのか、だからあまり自分を律するとか関心なさ気だ。
クラスでもやりたい放題で、しかも成績は残すから誰も何も言えないのが現状。
・・・ただ、マガジンちゃんを除いては、だが。

72 :
マガジンは割りとジャンプにもハキハキと物言いするから、大人しいサンデーを連れて避難させてやった。
ったくなんでオレがお子様たちの面倒見なきゃいけないんだか。
あー、もう本当ジャンプって子供だよ、おガキ様だよ!!
サンデーと言えば、マガジンの後を付いていきながら視線は落としたままだ。
足取りも・・・
「ん?疲れてる?」
マガジンがさっぱりとした口調で振り返った。
「え、あ、う、ううん!」
サンデーはすぐに顔を跳ね上げて優しい笑顔になった。
マガジンは内心は思うところあったが、口調を改めて、
「ごめん。サンデーちゃんはオレたちのグループでも無理してるんじゃない?」
マガジンがサンデーの顔を覗き込んで微笑んだ。
「オレら歩くのやたら速いしなあ。付いて来るのに精一杯ってカンジ!」
そして快活に笑い飛ばした。
マガジンちゃん。講談と言う古い出版社の家柄の、これまた何番目かの娘。
今こそはスカートも短くして可愛いしぐさで笑顔振りまいたり、と変化はあるものの実は昔はこの辺りでは相当のカオだったらしい。
美しい髪をさっそうとひるがえして喧嘩を買うどころか喧嘩を楽しむような姿は近所の記憶にも新しい。
・・・きっと昔もステキだったんだろうなあ・・・・。
小学館サンデーはぽーっとその笑顔を見た。
サバサバした雰囲気と頼りたくなるような可愛い・・・というよりも美人、って表現したいんだけどなぁ。
学校の外では男子が「可愛い可愛い」と騒いでるのが不思議だ。
マガジンは立ち振る舞いもきびきび潔くて美人・・あ、違う。麗人、って言うのかな、こういう場合・・・。

73 :
「どした?やっぱオレらに付いて来るの疲れちゃう?」
「え?う、ううん!だから私は本当にマガジンちゃん達といるの楽しいし・・・」
「あはは。でも無理してる感はあるな〜」
「そ、それは私がトロイし・・・その、みんなのノリを壊してるって言うか・・・」
あー、そうかもね。マガジンは言わんとすることが分かった。
この少女は心根が優しすぎる。あまりハメを外さない真面目さだ。
妹のコロコロちゃんなんかは外しまくりなのにね〜。マガジンは苦笑した。
妹って気楽!
「でも使用人はかなりスポーツ出来るのいるじゃん」
「え、うん・・・」
「甲子園、体操、メジャーリーガー、なんでも揃ってる?
さっすが一ツ橋グループは雇える使用人は違うわぁ〜」
またカラカラ笑うマガジンにサンデーはもっと視線を落とした。
「でも・・ジャンプちゃんの家の使用人はもっと・・・その、期待されてるし・・・・・」
そこまでで言葉は途切れる。

74 :
彼女たちは一流の名家なので、使用人も半端じゃない事も前もって添えさせて欲しい。
と、言うかおのおのの家の情熱が半端じゃない。
マガジンが言った通り、例えばスポーツ。
メジャーリーガー、Jリーガー、オリンピック選手は当たり前。
学問なら有名な探偵の子孫。医師なら珍しいのでは獣医までいる。
身を守るための格闘のプロですら選り取りみどり。
・・・・すべて彼女たちの成績の為に。
彼女たちが将来、家業を継ぐためにおのおのの家が必だ。
「無理しなくってもいいよ?だいたい、ジャンプとサンデーちゃん達ってさ。元々、えーと、その・・・」
今まで歯切れのよかったマガジンが言いよどんだ時。突然サンデーがさえぎった
「違う!!!」
マガジンは驚いて目を見開いた。
「違うよ!私は・・・ジャンプちゃんが好き!大好き!!仲良くしたい!お母様たちが許さなくたって・・・!」
後は唇をかみ締めた。

75 :
おっどろいたぁ。
マガジンは授業中、くるくるシャープペンを指で回しながら上の空だった。
だってガッコの教師、ヌルイしぃ。家に住み着きの家庭教師のがよっぽど使える。
暇なのでサンデーを盗み見る。
あーあ、真面目にノート取ってるわ。
マガジンは苦笑した。
真剣に黒板を見て、先生がポイント!なんて本当だかどうだかな事まで必にペンを動かしている。あの真面目さはほんっと賞賛に値する。
オレ、ダメ〜。
なので、観察する。
授業中にだけ掛けている眼鏡が似合ってるな。
柔らかい顔つきが授業中には真剣になるからかな?
ちょっと笑みをもらす。
本当はかなり優秀なはずなのに努力だけは怠らない。
表情からは学問を学べる事への楽しみしか見られない。それ以外の理由なんてないみたいに。はは、教科書にしたい位のムスメ!
・・・なんてゆーか、あの娘はガツガツしたトコよねえ。
・・・・・オレやジャンプなんて成績欲しさに割りとお行儀の宜しいコトしないのに。
そこでマガジンは視線を落とした。
なんだよねぇ・・・。
そこなんだよね。あの娘はおっとりとして優しい笑顔でいつも礼儀作法も正しい。
いっつも人の和ばっかに気を配ってる。
現在、クラスでボス風吹かせてるジャンプとはそこが違う。なんでだろ。
成績順位なんて興味すらナイってカンジ。こりゃオレらと人種違うわ。
上の空のマガジンを見すかしたようだ。
「マガジンさん!次を読んでください」
「あ、はい!」
マガジンは急に観察を中断されて立ち上がった。
まず。あれ?今ってなんの授業だっけ。

76 :
そして放課後。
ジャンプが
「イェーイ!サッカーグラウンド一番乗りぃー!」
スクールバックをかっさらうように教室を飛び出す。
サンデーは何かジャンプに言いたかったのか。
でもその隙もなかったらしく後姿だけを見送った。
「サンデーちゃん、もしかしてサッカーしたかったりして?」
その様子をガンガンちゃんがからかう。
クラスのちょっとしたお姉さん的存在のガンガンはさり気なく気が回せる。
無理を見せない様子が余裕を感じる。
長身なのだが、そのさり気なさで威圧感とかはまったく感じない。
その逆だ。理知的な空気とあわせてクラスメイトが頼りたがる美少女。
「う、ううん。私は読書、好きだし・・・」
学級文庫の小泉八雲をちょっとだけ持ち上げた。小泉八雲はサンデーの一番の愛読書だ。
「あら、でもスポーツだって得意じゃない」
「それはクラスのみんなだっておなじだよお」
苦笑いしてから、チラっとクラスメイト達を見回す。
白泉姉妹だってそうだ。スポーツ得意なはず。
サンデーの目が羨望の目つきになる。
でも姉妹そろっておなじような趣味だから持ち寄ったファッション雑誌や、最近は劇団にも興味があるらしい。仲よさそうに情報誌を覗きあって楽しそうだ。
・・・いいなあ。やっぱ双子だと趣味も合って仲がよくなるんだなあ。
他だってそうだ。
苦手科目に気づく事のがめったにないのに、それでも自分の趣味をあまり曲げない。全員がなにか特色がある。
これが個性尊重の教育なのかな。

77 :
「ふぅん。じゃ、今何考えてた?」
ガンガンはいたずらっぽく覗き込む。
「え!あ、ううん・・・。その、個性ってなんだろうなあって。
個性って誰かが誰かと仲良くなるのと関係あるの?」
ガンガンは「ん?」と首をかしげる事で説明を促す。
「だから・・・あ。
そっか。こう言った方がいいんだ。
ガンガンちゃんは誰かと楽しく話したいなあ、とか思うときって趣味が合う人と話す?
一緒に共有出来るって言うのかな、この人と仲良しになりたいなあって思う時ってどんな時?
反対に・・・・・その、この人とは一緒にいたくないなあ・・とか、好きじゃないかも?とか思う事は・・・」
最後がだんだんと声が小さくなっていったのでガンガンはさらっと遮った。
「そりゃあるけれど」
「うん!」
「言っちゃっていいのかな?他人の感想って悩んでる時には返って荷物になる事、あるゾ?」
サンデーは心の中を見透かされたようで顔が熱くなる想いがした。
「参考程度ならいくらでも言うけど」
「そ、それをお願い!」
「そおねえ・・・」
ガンガンは手元の自作品に視線を落とした。

78 :
ガンガンの趣味は工芸なので、今面白いと思ってる天然石ビーズアクセをもてあそぶ。
どうしよっかな。
サンデーちゃんの心をむやみに傷つけたくないけど。
「私は無関係の人との交友が好きよ」
サンデーの表情があからさまに曇った。
「日常に関係してくるのとまったく無縁の人とお付き合いするのが好き。
しがらみがない関係って奴ね。
もしかしたらクラスメイトともこれは表面上のお付き合いなのかもね。
学校の外の人といる方が好きなんだな。あ、これは感想だからね」
ガンガンはいっそうサンデーを覗き込んで困ったように笑う。
「お互い、イヤ〜な世界とか知ってるでしょ?
そういうの、いちいち背負ってまで友情を築きたいって思わない。
しょせんこの学校だって・・・まるで将来への準備体操だなぁって。
感じたりして。学生のうちから慣らしとけ、みたいに」
サンデーの表情はどんどん曇っていく。

79 :
ガンガンは、でもここで顔を上げた。
そして満面の笑みを浮かべる。
「で、こぉーんな本音言えちゃうのも学生ユエなんだな!」
「え・・・」
「将来、公の場でこんな事私が発言でもしてみたらどう?
ちょっと想像してみて?」
サンデーはちょっと驚いた顔をして、そしてすぐに声に出して笑った。
「あはは!」
「だから、この学校はスゴイ!」
「・・・え」
「と、私は思ってる。さっきはあんな返事したけど・・・。
もしもよ?
もしも・・・自分の辛さを理解しあっこ出来るからこその関係が・・・あったらステキだなあって。
ちょっと期待持ったりして」
「それは・・・」
「もしかしたら楽な人よりも、手軽な人よりも、一番に優先させるとっても深くて固い関係なんじゃないかって・・・私は、そう、感じてるの」
「だからこそ・・・」
「そう。
お互い、理解できるからこそ。嫌な事も辛い事も理解できて共有できるからこそ生まれる一番深い物。
サンデーちゃんには分かる?」
サンデーは上の空のような口調で、でも
「なんとなく・・・」
言いたいことが不思議と理解できた。
「甘いかもしれないんだけどねぇ。でもいいじゃない!
学生だもの、ちょっとくらい甘いくらいの希望とか夢とか持っちゃえ持っちゃえ!」
後は気持ちよく笑ってまた作業に戻る。
サンデーは読んでいた本を開いたままの状態で
「学生だから・・・」
ぼんやりとつぶやいた。

80 :
ここでまずお詫びを
ガンガンちゃんをはじめ、この後に続々と「名前は分かる」雑誌が出てきますが、すべてが勝手なイメージです。さーせん!
お好きな雑誌がほにゃららにされた方、特にJSMの三誌のファンの方、さーせん!!!

81 :
さてさて、こちらは女子サッカー部。
ジャンプを主将としてマガジン、チャンピオン・・・などなどを中心にかなりのいいチームに仕上がっている。
見学に来る女子ジュニアの初等部生たちの憧れの的だ。
今は集まったメンバーで、部活最初のミーティング。
「なんだよ、マガジンうぜーよ口出しすんじゃねーよ」
「そーゆー言い方止しなよ」
「お前、じゃあチャンピオンがジャッジのたんびに審判につっかかるのどうなのよ」
「ガキは黙ってな!不当なときは喧嘩売る覚悟くらいで上等さ」
「オレそーゆーのダメ〜。楽しくなきゃスポーツじゃないじゃん。
いいじゃん、じゃ、そん時さ、マガジンがパンツでもチラって見せたら?審判ジャッジ変えるんじゃねー?」
そこまで言ってジャンプはケタケタ笑い声を上げた。
全員が眉をひそめたが中でも苦虫を噛み潰したようなのがマガジンだ。
「しかもパンチラとパンモロでジャッジが変わってきたらさらに吹かね?
おまえらどこまで好きなんだよ〜って。笑えるー!」

82 :
チャンピオンちゃんはここでジャンプを一括したい気分になった。
ちょっと古風なくらいの和風美人のチャンピオンは正直、ジャンプとマガジンのここ最近に腹を据えかねていた。
中でもジャンプの態度は目に余る。自分の成績がいい事を盾に、言いたい放題・やりたい放題だ。
成績と品格を一度に求めるのはいけないことか?
「・・・やっぱ、おなじ穴の狢ってのは理解しあえるのか?」
チャンピオンが低く言った。
「あー?」
「あんたら、実はすっごいお互い理解しあってんじゃねえか?
同属?割と似てるよな」
「は・・・」
「どうせ自分達でも分かってるんでしょ?あー、なんか似てるなー、とかさ」
ジャンプの表情が固まった。
「あー、その点衝かれると痛いなー、とか。私たち競い合ってるんだし、分かるんじゃない?
お互い触れてほしくないトコロとか?」
「・・・!」

83 :
これに。
立ち上がったのはマガジンだった。
「・・・・チャンピオンちゃん?」
「・・・」
「言いたい事は痛いほど分かるわ・・・・・」
マガジンはそこまで言って、ふ、と肩の力を抜いた。
「・・・ただみんなの前だけはカンベン。
後でゆっくりジャンプと傷でも舐めあっとくよ。
でもきっかけはありがと!やっぱあんたはこの学校にいないと困るよねー!」
マガジンはチャンピオンの肩にがしっと手を回すと部室に向かって
「さーて!他メンバーは意見あるかなー?
そういや成人女子のサッカー試合、見た?オレたちのお姉さんたちの試合。将来、ああなりたいよねー!
・・・・・」
後はマガジンがその場をまとめだしてジャンプは呆然とそれを見ていた。
「・・・・・なんなんだよ・・」
ジャンプはしだい奥歯を食いしばった。
気に入らねー・・・!

84 :
「・・・おまえら一体なんなんだよ・・・」
ジャンプの目はミーティング以来、怒りで解けそうもない。
ここは校舎の屋上。
マガジンが手すりを背にしてジャンプを睨んでいる。
あの日以来、ヘンな緊張感が学院に流れている。
ので、マガジンはジャンプを呼び出した。
「あんたの我が物もしょーじきそろそろしんどいわ」
この場所を選んだのは、マガジンは今に至るまでは結構ここでサボってたからだ。
「だから今から、あんたにだけ本音ぶっちゃけトークしまーす。
おっと、逃げるな」
「逃げてなんか!!」
「聞きたくなくても、そろそろ現実を見据えなきゃいけなくない?
売り上げが〜、とかで誤魔化し効く?
オレは効かないけど。将来、どーすんの?だーれも聞いてくれないよ?
本音なんて言えるの?弱音吐けるの?
どこで?
誰に?
身に染みて分かってくれて共感してくれる存在と?」
「きょ、共感なんて、オレは・・・!」
「ストップ。
じゃ、まずオレの本音から。
それ、最後まで聞けたらあんたの普段の強さって奴も認めてあげる。
出来なかったらチキン。
どう?」
ジャンプは胸がドキドキするのが分かった。握った手が震える。

85 :
マガジンはそれを遠目から見守った。
・・・・・もしも誰かがこんな彼女を見たら信じるだろうか?
あの強気で勝気なジャンプが。
どんな逆境でもいつでも根性だけは失わなかった娘が。
「手短に。
媚?売るのが楽しい性格なんて買ってでもなりたいわあ〜」
ジャンプの表情が。悲痛にゆがんだ。
「や、止め・・・」
「そう?じゃ、明日からあんたのあだ名はチキン。
いいなら逃げな」
ジャンプは震えを抑えるように、でもなにか感じるところがあったようだ。
マガジンの口がまた開くのを待つような視線。
「おっけ!
あんたは媚び売るのって、楽しい?
返事はいいよ。オレはね。
ちっとも楽しいって思わないわ。
成績が伸びようと、本当は知ってるから。周りの人、みーんなオレが媚で成績伸ばしてるのを」
マガジンの視線はジャンプの目から一瞬も逸れない。
ジャンプはこんな時なのにまったく別の事を考えてた。
そういやこのオンナ、昔はめっちゃ喧嘩っぱやくって強かったんだ。
もちろん当時は髪型、洋服、まったく気遣ってなどなかった。けど・・・

86 :
「でもね。親が媚びろって言ったら、そう教育されたら媚びるわ。
本心はどうであれ・・・・・成績がなきゃ、オレ、即切られるしね。
切られて、どーせ分家の子供でも連れてきて、苗字だけ据えてその子供に継がせるのよ。
今は媚びないと安心もできないくらいよ。
あはは、アレってちょっと癖になるね。もしかして依存症かも」
なのにここ最近のマガジンは・・・彼女の言うとおり媚・・本当は単語ですら聞きたくないが・・・・・自分で認めてるくらいに、媚、が売りってくらいだ。
どんなに嘲笑われようが成績のために・・・なんでもしてる。
制服のスカートの丈は短くなる一方だ。そのくせ、クラスでは宝塚の男役みたいな振る舞いでクラスメイトに溶け込んだり・・・。
表での甘えた声との、その二面性にちょっと心配になるくらいだ。
でもそれは自分だって・・・
「あんたさ。今言った事、実は分かってない?」
ジャンプの肩が揺れた。
「・・・あんた、昔は良かったなぁ、とか思ってない?」
「う・・・」
「ありのままの自分を受け入れてもらえて。楽しくおおらかに」
「それは・・・・・」
「今じゃそんなあんた、誰が受け入れてくれるんだか。
ま、オレも一緒なんだけどねー。
だからあんたの気持ちがちょこっと分かったり・・・」

87 :

ここでジャンプの上体が跳ね上がった。
「分かるもんか!!!」
それまでは大人しくマガジンの話を聞いていたジャンプが怒声をあげた。
「あんたに分かるもんか!!!あんたにはいないじゃないか!
いないじゃない競争相手なんて、親族にいないじゃない!!!」
マガジンはちょっと気圧された。
「そ、そりゃいないけど・・・。
じゃ、じゃあ白泉姉妹なんてどうなるの?あの娘たちは・・・」
「あれは姉妹じゃない!オレは・・・オレはサンデーの為に用意された存在なんだ!!!」
マガジンは息を呑んだ。

88 :
「分かる?誰も分かるはずがない!!!
オレは、集英家はアイツらの為に用意された存在なんだ!
本家筋が守りたいのはあの家だけなんだ!オレ達は捨て駒なんだ!!!
媚がなんだって言うんだ!それくらいしなきゃ、成績残せなきゃオレ達は意味がないんだ!」
ジャンプの怒鳴り声は止まらない。
「・・・おまえとは違う、違うな、お前は挿げ替えが効くとか言ってるけどオレなんて捨て駒の挿げ替えだよ。
あはは、笑えよ、媚ぐらいいくらでも売ってやる!それで小学館家も本家筋も傷が付くことがないんだしね。興味すら持ってもらえねー。
あはははは。安心してやりたい放題出来るね。きったねぇ〜って方法だってなんだって使うよ、成績こそが唯一だね。
おまえに分かるか。これがオレ達のお仕事なんだよ!小学館サマがお上品にお商売をなさる、オレ達はその為のどぎたねー部分をするんだよ!小学館サマが良心的な安全なモノをご提供なさる、その為にオレ達はなんだってするよ。
なんだって・・・
なんだって・・・・・」
吐き出しながら、ジャンプは感情が高ぶってきたのか。・・・今までのことを思い出してしまったのか。
しだい、涙声になってきた。
最後は我慢しきれないのかしゃくりあげだす。それでも立ってるのはちょっとマガジンも認めたが。
マガジンがジャンプに歩み寄った。
気づかずに手放しで泣きじゃくってるジャンプを軽く胸に抱いてやった。
「・・・言っていいよ」
「ひくっ、う、うるせ・・・っ」
「誰もいないし、オレしかいないから。全部吐き出しちゃえ。
おなじじゃないけど、たぶん一番近い理解してあげられるだろうし」
ジャンプは泣きながら、歯を食いしばった。

89 :
「・・・・・・・羨ましかった・・っ」
「うん」
「いいな。いいな、サンデーは。
大事に大事に守られて。
あは、あの娘達はきっとオレがどうなろうと、関係ないんだよ。
きっと本家筋は最後の力を使ってでも守るんだ。
・・・・・オレとは大違いだ。妹のコロコロだってそう。
そういやおまえんとこのボンボンは?」
「・・・・・」
マガジンは奥歯をかみ締めただけで何も言わなかった。
「じゃ、分かるよな?
あはは・・なんかすっげー惨め。
もお惨め過ぎてどおでも良くなっちゃうよ。
・・・嫌いたければ嫌えよ。あはは、クラスメイト全員、オレの事嫌ってるの知ってる。
オレ、やり方汚ねえし。
でもおまえは・・・」
マガジンはただ頷いた。
「・・・やっぱ分かってくれるのおまえだけかもな。
ダメだ、オレ。・・・なんかもう時々疲れるんだ。しょーじきしんどい。
あはは、全力疾走してどんな手を使っても先頭にいなきゃいけないのに・・・サンデーはおっとりお上品に走ってても何にも言われないんだぜ?
あはは、きっと今まで出来なかった逆上がりが出来ただけで「お嬢様すごい!」なーんて拍手喝采なんだ。
・・オレは・・・出来て当たり前、みたいなのに。
出来なきゃいる意味すらねーっつーの。あははは。
すごい違いだ・・・・。すごい違い。
だからかなあ」
やっとジャンプがマガジンに視線を上げた。

90 :
「・・・・・憧れる」
マガジンは痛そうな表情をした。
「いいなあ。いいなあ。
あんなおっとりと・・・誰にでも優しい。
あれは飢えてないからなのか?
あのサンデーがガッツく事ってないのかなあ」
「・・・」
「誰かや何かを必で求めたり・・・
あいつは誰にでも優しいし、お友達に囲まれてるよね。
あはは、誰かを必要なんてしなくていいよね。
いいなあ。いいなあ。
おまえらはいいなあ。
なんの含みもなくサンデーと一緒に笑ってられていいなあ。
いいなあ。
いいなあ。
羨ましいなあ、オレだって、オレだってなんの含みもなくサンデーと・・・」

91 :

ここで。
「やったぁ!やっと見つけた。マ・・・」
突然、屋上の扉が開いた。
「ガ・・ジンちゃ・・・・・」
ジャンプとマガジンはとっさに離れた。
ジャンプは急いで制服のすそで目をぬぐう。
マガジンはさすがに落ち着いている。
「どうしたの?慌てて。
サンデーちゃんらしくもない」
空けた扉から手を離せないように、二人からも目が離せないらしい。
息せき切ってやって来たのかサンデーは呼吸ははずんでいた。
の癖に、ごくっと細い首が鳴った。
「あ・・・・」
ジャンプは必に目をこすっている。
「あの・・・国語の先生がマガジンちゃんを探して来いって・・・・・・・その、ごめんなさい、なんか私、いっつも間が悪いよね。
す、すぐ帰るから!」
後はまるできびすをかえすようだ。来たばかりの階段へとダッシュする。
「・・・!」
それにジャンプの体が揺れる。
でも、
「追っかけなくっていいの?」
マガジンに冷静に言われると、瞬間でカッと顔を赤くした。
「うるさい!やっぱりおまえ、大っ嫌いだ!ね!今すぐね!
喧嘩なら買ってやる、オレに傷でも付けたら世間が黙ってないぞ!」
そう言ったきり、歯を食いしばって拳を固くしたジャンプをマガジンは哀れむように見下ろした。

92 :
何がしたいんだ、これ・・・
18禁板だと言うのに。
バーバーパパですら百合百合に出来る神もいると言うのにバカバカバカ!

93 :

翌日。
きちんと始業前5分前にはいる、クラスメイトでも良心派で教室は賑わっていた。
サンデーはグループこそ違うが仲良くしている、白泉姉妹の熱心な話に嫌がらずにひとつひとつ頷いている。
あんまり熱くなりすぎて特定の役者に高い歓声があがるのにすら嫌な顔をしない。
そこへ
「・・・・・」
朝礼にも出なかったジャンプが無言で入ってきた。
ジャンプは成績がいいから教師も何も言わない。

94 :
サンデーが気付いて視線を上げるのと同時に、
「あーあ、教室にうっとーしー奴いるとほんっと空気悪っ」
サンデーに向かってものすごい足早に近づいた。
「え、ジャンプちゃ・・・」
周囲も驚く。
「教師に言ってクラス替えしてもらおっかなー」
「!」
ジャンプがサンデーの肩を小突き出した。
「イヤなオンナいると成績下がるんですけどー。とか。
教師、みんな私に逆らえないしぃー。
聞いてくれるよね。誰かさんを別のクラスにするくらいー」
「ジャ・・・」
「そもそも自分がイヤなオンナって気づいてないわけ?
あー、ヤダヤダ空気読めないってサイアクー。だからあんた嫌われてんのよ、あんたそうやって誰にでも笑っていいかげん・・・」
そこで。
教室全部に響くような一括があがった。
「サイアクは誰よ!!!」

95 :

全員が注目する。
仁王立ちになってマガジン。
すごい迫力だ。
クラスメイトは今更、彼女の過去を思い出す。そう言えばこの少女は・・・
「あんた、好かれてると思ってるわけ?
それこそサイアクだよ、うっとーしーのは、誰ですかッ?あ?!」
全員が恐ろしそうにマガジンを見守る。
「マガジン・・・」
「ああん?成績?
あんたからそれ取ったら何が残るわけ?」
ジャンプの肩が大きく揺れた。

96 :

「教えてよ。ほら、言ってごらんよ」
「あ・・・」
「成績悪くなったあんたを誰が振り返るわけ?
だーれも振り返らないわよ。あ、でも伝説になったりして?
みんなで笑うかもねぇ。
『そういや昔、ジャンプっていなかった?』」
「・・・や、止め・・・・・・・・・・」
「『アイツ、誰にでも媚び売りまくってさあ、そりゃみんな離れてくっつーの(笑)』」
ジャンプの足がガクガク震えだした。
よっぽど恐ろしいのか歯までカチカチ合わなくなりだす。
「『な、お前がジャンプ買わなくなったのいつからー?』
あっははー、伝説?その時も自慢したら?
日本で一番売れてるのは〜とか。あ、売れてた、の間違い?
あっははー。かぁーなしぃ〜」
「・・・・・・・・あ・・・あ・・・・・・・・・」
「さぁ〜びしぃ〜。ねえ?あっははーん」
ジャンプの震えがさらにひどくなる。
かぶりまで振る。聞きたくない、と言わんばかりに。
次くらいにとどめか。
演説のような独断場のマガジンがさらに口を開いたとき・・・・。

97 :

教室に大きな平手の音がはじけた。
こんどこそ教室が静かになる。
まさに水を打ったようだ。
全員が息を呑むのも出来ない。
「黙りなさい!!!」
平手の主はサンデーだった。
あの大人しいサンデー。冷静さを失ったところなんて誰が見たか。
ましてや・・・かなりの怒りなのか。
おだやかな瞳が、怒りで芯の強い彼女らしく固く強く光っている。
その足でジャンプへと戻ると彼女を腕に抱き込んだ。
「ジャンプちゃんの悪口いう人は例えマガジンちゃんだろうと許さない!!!
許さない、私の忍耐強さは周りの誰もが認めるわよ!一生許さない、ぬまで恨むわよ、絶対に後悔するわよ!
どこにいようとぬまで追って、ゆ・・・許すもんか!!!」
ジャンプは・・・。
それをサンデーの胸の中で聞いた。
・・・・・ひとつひとつ、最後まで。
振るえは止まっていた。
サンデーの胸は思ったとおりの優しさで、振るえどころか頭が理解をしてくれない。
まったく頭が回らない。

98 :
一方。ぶたれたマガジン。
頬を押さえてサンデーの様子に目を丸くしていたが・・・ふっと顔を緩めた。
気分よさ気に教室を見渡す。
教卓で一部始終を眺めていたガンガンに視線をとめる。
そうして「どう?」なんて、まるで自分の手腕の感想でも求めるように右肩をすくめた。
ガンガンは吐き出す大きな息と、笑顔が顔いっぱい満ちるのが自分でも分かった。
満足そうな笑顔。
あ、今ので返事になったかしら。
賞賛の笑顔。これには感嘆しかない。
やっぱりマガジンは基本が出来ている。底が深い。
あれだけ周りから含みある視線を向けられようと中々揺らがない。
そりゃあ・・・ガンガンは悟られないよう自嘲する。
誰だって媚なんて売りたくもない。私だって昔はもっともっと自由におおらかに・・・。
そこまで考えて、自分へもケリをつけるように

99 :

「ケンカはおしまい!」
手をぱん!と高く打つ
「サンデーちゃんは気持ちが高ぶってるみたいだからジャンプちゃんと一緒に一休みでもして来なさい。
サンデーちゃん図書委員?
図書室でも中庭でもどっか一息つけるところでジャンプちゃんと頭冷やして来ること!
さー、他のみんなは授業始まっちゃうぞ?
すーぐ先生来ちゃう。席にまず着こうよ」
言いながらパンパン手を打き続ける。
それが合図だったようだ。緊張で静まり返った教室がほっとほどける。
周囲同士で落ち着きの安堵しあったり、今驚いた自分を照れるように笑い流しながらおのおの席へと急ぎだす。
状況が分からないようなサンデーに向かってマガジンはその手拍子へ軽く顎をしゃくった。
「痴話げんかはヨソで、って?」と言葉を添えてからおどけた風にちょいっと首をすくめる。
後は自分の席へすたすた戻る。
サンデーとジャンプだけが教師が来るまでその場にへたり込んでいた・・・・・。

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