2013年01月エロパロ547: ヤマトナデシコ七変化 その2 (356) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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ヤマトナデシコ七変化 その2


1 :2008/01/25 〜 最終レス :2012/11/27
落ちてたので立てました。
前スレURL貼れる方お手数ですがお願いします。

2 :
待ってました。職人さんカモーン

3 :
新スレ乙です!!待ちわびておりました。
ごぶさたしてます、227です。
また以前のように賑わいますようにと心から祈ります。
新スレ記念に即興でさくっと小ネタをば。時間が出来たら続き書きます。

***************************************************************
クリスマス、正月商戦が過ぎた途端に巷にはバレンタインの文字が躍りだす。
乃依に簡単だけど手が込んでる感じで美味しいチョコのお菓子を教えて、と請われブラウニーを一緒に作った。
練習はばっちり、ほんとにありがとう〜と上機嫌の乃依を見送り、即自作分を部屋に隠したのが昨日の出来事。
・・・前回と同じ轍を踏んでなるものか。
思い返すだに忌々しい。
我ながら自信作だったのに、あのまぶしい生き物が食い散らかして、挙句に・・・・・・
「うぎゃあ、駄目よだめだめ、忘れるのよ!!」
千切れんばかりに首を振り、スナコは記憶を振り払った。
「今回は乃依さんが全部持ち帰ったことになってるしっ、部屋に持ってくところも誰にも見られてないし」
だから大丈夫。と気持ちを入れ替えキッチンで紅茶を淹れて慎重に部屋へ戻る。
「くふふふふっ」
冬休み中に見そびれたホラーDVDをデッキにセットし再生ボタンを押して、
いそいそとケーキを取り出しまず一口。
「あぁ、やっぱ上出来・・・(はぁと)」
一日置いてしっとり重みと艶を増した生地と、絶妙な歯応えの胡桃。
ふくよかに広がり鼻へ抜けるココアの芳香。
うっとりと細めた視線の先には飛び散る血しぶき。
これぞ至福のときに他ならない。
上気した頬に手を置きながら、もう一切れ、と手を伸ばす。
「おい中原スナコ、腹減っ」
・・・どうしてこの生き物は。(お約束)
********************************************************
いきなりエロなしかよ!!!!てな感じですみませn
続き以降、エロにもってけるようがんがります。。。

4 :
ぬぉお〜!!!新スレ!!
どんなに待ち望んでいたことかw
>>1さん乙!
227さん待ってます!(´∀`)

5 :
>>3
うっとりと細めた視線の先には飛び散る血しぶき
このくだりなんかつぼですw
続き期待してます。

6 :
>>3続きうpします。
なんか結局エロに持ち込めてない・・・。尻すぼみですみません。
********************************************************
全てが一瞬の出来事だった。
硬直した両者、動いたのはスナコ。
恭平、我に返り突進。
スナコ、残りのブラウニーを猛然と貪る。
恭平、スナコの腕を掴む。
「むぐぐぐぐぐぐ」
「ってめー!!キタネエぞ!やっぱおかしいと思ってたんだよ昨日からよー、てか寄越せ!」
「いひゃでふ!!ふぁなひてっ」
渾身の力を込た奪い合いは、僅差で恭平に軍配が上がった。
スナコの腕が次第に傾く。
だがしかし、この男にだけはやるまいとでも言わんばかりにスナコの指は獲物を捕らえたままで。
・・・甘い香りに誘われて、掴みあげた指ごと口に含んだのはほぼ無意識における食い意地の為せる業だったのだけれども。
「ひぁッ」
味覚より先に、聴覚が甘さを感知した。

舌に広がるショコラの香味。
口の中でほろりと崩れる生地が、間違いなくケーキだと伝えている。
だから、瞬時に引き抜かれた細い指の味に感じられたのは明らかに気の所為だ。
「・・・ったく、なぁに女みたいな声上げてんだよお前」
不規則に早まる鼓動に気づかない振りをしながら軽口を叩く。
「あ、た、ななな、またっ、」
顔を真っ赤にして、酸欠のようにぱくつかせている口元に大きな欠片。
「いただき」
こっそり独り占めしようとした罰、とばかりにわざと顔を寄せて舌で絡めとった。
「ヒギャァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
顔色を赤青へ目まぐるしく変えながら、ザリガニの如くスナコが後ずさる。
「てめーがずりぃ真似すっからその罰だ、バーカ」
憎まれ口を叩きながらも、それに反して頬が赤らむのがどうにも忌々しい。
恨みがましく向けた目線は固まりかけた三頭身へ。
色気もくそも減ったくれもないというのに舌に残る感触はあの時と同じで。
あー、やっぱ、こいつのほっぺた桃。
そう思うと同時に、居心地の悪い落ち着かなさを感じて思わず宙を仰いだ。
・・・これじゃ、まるでずっと触りたかったみたいじゃねーか。
***********************************************************
前スレのケーキネタ続きみたいになってる割に状況後退してるし
それ以前に前回のケーキネタって何、って感じで突っ込みどころ満載になってしまいました。
ほんと申し訳ないす。。。
まぁ拙作はさておき、前スレに降臨されていた神職人様方の一刻も早いお帰りをお待ちしております。

7 :
>>227さんGJ!
くっくっく待ってたぜ…
つか、前スレの倉庫とかないんでちゅか?

8 :
即落ち防止保守カキコ
どもです、227です。
感想ありがとうございます、保守がてらちまちま>>6続きを書き溜めてますので、
そのうちぽつぽつ投下できたらと思います。
>>7
今の所ないみたいです〜


9 :
新スレ待ってました!
227さん相変わらずスゴい萌えな小説ですね!楽しみにしてます。
盛り上がってほしいのでage

10 :
あげ

11 :
うわぁ、久々にすごいうれしいっす。
おまけあげ
過去ログとってあるんで、
保管庫作りたいと思いつつ、
アダルトサーバ使ったことないんで躊躇してた。
ただ貼り付けるだけでいいんなら、
その内時間のある時にでも作りましょうか?

12 :
>>11
お願い出来るのならば是非お言葉に甘えさせて頂きたいです。
まとめサイト等作成スキルがないので、丸投げですみません。
>>6続きを投下いたします。
エロに持ち込もうとした結果、なんだか妙にシリアスでキャラが崩壊気味に
なっております・・・。
ひとえに私の文才のなさが原因なのですが、それはちょっとと思われた方は
お手数ですがスルー推奨でお願い致します。

13 :
なんでそんな事を、こいつに?
自問しても答えは出ず、もやもやした思いが苛立ちに変わる。
その理由を考えることを早々に放棄し、恭平はこの場を去ることにした。
「おい」
またこっそり作ってもぜってー見つけてやっからな、覚えとけよ。
背中を向けたまま、軽口を叩いて退散する筈だったのだが
「ひっっ」
動いた恭平にビクゥ、と大きく震えたスナコが更に後ずさり、
ガシャン
「あッ」
不意に飛び込んだ硬い音に思わず動きを止めた。
「おい、どした・・」
「こっ、来ないでくださいっっ」
上ずった制止の声が飛ぶ。
構わず振り返って見ると、スナコの足元で割れたティーカップから零れた液体が絨毯を濡らしている。
「だいじょ」
「へーきです!ティッシュあるし片付け位自分で出来ますからッ!!」
被せるように発せられたスナコの硬い声が恭平を拒絶した。
視線を合わせようともせず、黙々と箱ティッシュから紙を引っ張り出しているスナコにむっとして、
あーそうかよ。とちいさく吐き捨てて今度こそ部屋を出ようとドアノブに手を掛けた時。
「痛っ」
微かに聞こえた単語が耳に引っかかり、回れ右で部屋の中へ踏み込む。
屑入れを手に、ぎこちなく立ち上がったスナコが足元を見つめ顔を顰めていた。
「切ったのか」
見せてみろ、と近寄り強引に座らせる。
普段よりやや弱い抵抗は痛みの所為だろうか。
脚を持ち上げると流石に怒りを露わにしたが、照れてる場合かと叱り飛ばしてジャージの裾をずり上げた。
スパッと一条の赤い線が足の甲を走っているが出血はひどいものではなく、
ちいさな破片が傷に入り込んでいる様子もない。
「たいしたことねーな」
こんくらいなら唾付けときゃ治らぁ、と何の気なく発したのだが、
「・・・」
ぴく、とスナコが震えて息をつめた。
なに変な反応してんだよお前、と笑い飛ばそうとした唇が言葉を忘れたかのようにわななく。
咄嗟に逸らした視線の先に映る白い脚が眩しかった。
握り締めた足首は折れそうに細い。
傷に気を取られていたとはいえ、気づけば明らかにふたり良からぬ雰囲気の中にいた。

14 :
居心地悪そうにスナコが身じろぎする。
「あの」
自分で手当てしますから、という言葉を無視し逃げないように脚を引き寄せ、躊躇うことなく傷口に唇を当てた。
ひんやりした肌は、仄かに鉄の味がした。
「!!」
何すンですか、とすっかり裏返った抗議の台詞が頭上から降ってくる。
じたばたと暴れる脚を押さえ付け、
「あんま暴れッと傷口開くぞ」
と最もな助言をしてやったのだが聞き入れた様子はない。
「いいから、離して、くださいっ、てば!」
「やだ」
真っ赤な顔で言葉をなくしたスナコをじっと見る。
ふいと勢い良く背けた首の動きにつられ、靡いた長い髪が恭平の頬をさらりと撫でて落ちた。
同じものを使っているはずなのに、嗅いだ覚えのない柔らかな甘い残り香が鼻腔を擽る。
刹那、一際大きく鼓動が跳ねた。
どくん、と耳元で響いたように思えた。
なんだ、これ。
いつかもこんなことがあった。
考えるより先に、体が動いて中原スナコにキスをした。
あのときは気の迷いだと片付けた。
今は、もっと触りたいと湧き上がるものがある。
すべらかな脚に、桃のような頬に、さらさら流れる黒髪に。
「----------------------、ッ」
もやもやと思考を曇らせていた苛立ちが理由を得て容を変え。
同時に、現状認識が強烈な動揺をつれてやってきた。

喉の奥が干からびたように掠れている。
脚を床に下ろして向き合うように座り、手を伸ばしてスナコの頬に触れた。
「やっ」
指先が熱い。
そのまま頤に手を掛けて上向かせる。
震える紅い唇に、引き寄せられるように自らの唇を重ね合わせた。
「んぅ、んっっ」
逃げようともがく細い体を抱き締めて更に深く唇を貪る。
小さな拳が何度も胸板を叩いた。
だが、次第に抵抗はか弱く途切れ、諦めたかのように腕が落ちた。
固く瞑った瞼を開けると、飛び込んできたのは今にも泣き出しそうなスナコの揺れる瞳。
咄嗟に拘束を弱め唇を解放すると、間髪入れずに平手が飛んだ。

15 :
ぱん、と乾いた音が響き渡り頬にひりつくような痛みが広がる。
「・・ってぇ」
「なんでっ、なんでこんな嫌がらせすんですかっっ!!」
怒りにきらきらと瞳を燃え上がらせてスナコが噛み付く。
「そりゃ、ケーキ隠したのは悪かったかも知れねーですけど、だからってここまですることないじゃないですかっっ」
先程の泣き出しそうな表情はどこへやら、あたくしをす気ですかと烈火のごとく怒っている。
動揺を怒りにすり替えて自意識を保っている、等と恭平が思い至る訳もなく。
女の強がりを見抜く術も宥めすかす術も彼は持たない。
だから嫌がらせと断言されてむかっとし、それをぶつけることしか出来なくて。
「はぁ?嫌がらせって何だよ」
不機嫌に下がった声のトーンに、険悪なムードが漂う。
「嫌がらせ以外の何だってゆーんですかっ、だいたい、前にケーキ作ったときだって人を惑わしてあたくしのケーキ強奪してっ」
どうやら、スナコ理論では恭平は菓子を強奪するためにこのようなことをする、という事らしい。
「ていうかあなただったら散々より取り見取りなのになんでわざわざあたくしがこんなことされなきゃいけねーんですかっ、
ケーキがほしいなら今度から分けますからこーゆうやり方しないでくだ」
「他の奴等にわざわざこんなことしねぇよ」
喚きたてるのを遮る様に、スナコを見据えて恭平が言い放つ。
一瞬ぽかんとしたスナコが怒りに顔を赤く染めてキッと睨み返す。
「ちょ、尚の事わりーじゃないですか!」
おちょくるのもいい加減にしてください!と本気で激高している。
「だーかーら!お前にしかこんなことする気もねーし、しねーって言ってんの」
「なっ何言って」
飲み込みの悪いスナコに痺れを切らし、恭平は再度スナコをきつく抱き締めた。
「・・・いーかげん解れよ」
嫌がらせなんかじゃねーっつの。
金縛りに遭ったかの如く動かないスナコの耳元に宥めすかす様に囁く。
「い・・意味わかんねーです」
か弱い返答があったのは暫しの沈黙の後。
本気で分からないのか、それとも追求を避けているのか。
「じゃ、分からせてやるよ」
伝わらない苛立ちと、受け入れてほしいという狂おしい想い。
湧き上がる感情に身を任せ、恭平はそのままスナコを押し倒した。

16 :
「ちょ、な」
抗議の声を口付けで封じ込め、振り上げられた腕を片手で拘束して床に縫い留める。
獣のように圧し掛かって膝を割り、空いた手をスナコのTシャツの裾に潜り込ませると、
体の下ではっきり分かるほど大きくスナコの体が震えた。
突き動かされるままに素肌を弄り、膨らみに指を掛けようとしたそのとき。
「んーっ、んむぅっ!!んん!」
異常な事態に必に抵抗したスナコが、恭平の舌を噛んだ。
がり、と鈍い音。
じわりと広がる血のにおい。
「っ」
「ぃ、やっっ!!」
痛みに一瞬力が抜けた恭平の腕を振り払い、そのまま渾身の力を込めて突き飛ばした。
「なんで・・・なんでこんなこと・・・・・・っ!!!」
カタカタと震え自らを抱き締めるスナコを見て、恭平は血の気が引いた。
“俺、なにやってんだ・・・・・”
恭平から瞳を逸らし、小さくなって蹲るスナコの姿に過去の自分がダブる。
一方的な感情を暴走させ、抵抗も許さずに自分を蹂躙した女達。
怒りも懇願も聞き入れられることはなく、味わった恐怖と屈辱。
“-------------俺がしたことは、あいつらと同じだ”
背中に冷や水を浴びせられた気がした。
「マジサイテーだ、俺・・・・・・・・・・・・・ごめん」
謝って済む事ではないのは分かっている。
でも、それ以外に掛ける言葉が見つからなかった。

よろけるように立ち上がった体が異様に重く感じられた。
もうここには居られねぇな、と陰鬱な気分で部屋を出ようと歩き出す。
「どこ行くんですか」
ドアの前まで来た辺りで、背後から声が掛かった。

17 :
「質問に、こたえてください」
喉がかすれて、声がうまく出ない。
からだもまだ細かく震えているし舌に残った微かな鉄くささが気持ち悪い。

最初に感じたのは驚き、その次に怒りと恐怖。
まぶしい生き物がなぜこんなことをするのかが分からなくて、怖くて。
いやだと言ってもやめてくれなくて。
渾身の力で振り払おうとしたのに、かたい腕はびくともしなくてパニックに陥った。
まぶしい生き物のこんな顔、知らなかったから。
咄嗟に振り払って、直視出来ずに盗み見た顔はにそうに暗い表情を浮かべていた。
ズキ、と心の隅が軋んだ。
散々人を振り回して、挙句ひとりで勝手につらそうな顔で出て行こうとしている。
自分には彼の行動の訳も、浮かべた表情の意味も分からないのに。
そう考えたら、無性に腹が立った。
−−−−−−−気づいたら、引き止める言葉を掛けていた。

「・・・質問って、何だよ」
背を向けたまま、力ない返事が返ってくる。
「ですからっ、なんでこんなこと、したんですか」
つられ、発する言葉もか弱く消える。
長い、間があった。
「・・・・・・今更、」
こんなこと言ってもほんと今更だから。と口ごもる恭平に無言で続きを促すと、根負けしたようにぽつりと呟いた。
「お前が、好きだって、・・・そう思ったら抑えらんなくなった」
単語が、耳を滑り落ちて心の底にすとんと落ちるまで、一瞬のような、永劫のような。
動揺の抜けきらない頭の中で、告げられた言葉がぐるぐる回る。
普段のスナコなら瞬時に消去していたであろう。でも、聞き流すことをこの状況が許さなかった。
このまぶしい生き物が、あたくしを、好き
そんなこと、言われたことがないからどう反応していいか分からない。
じゃあ、あたくしは、まぶしい生き物をどう思ってる?
眩し過ぎて落ち着かなくて苦手で・・・けど。

何か言わなきゃ、と焦る気持ちと裏腹に喉はヒュウ、と空気を漏らすだけ。


18 :
黙り込んだスナコに拒絶の意を受け取ったのか。
ごめんな、いやな思いさせて。もうこんなことしねーから、と再度歩を進める恭平に。
「・・なんで、どーして、そうやって勝手に自己完結して、人の話聞かないんですかっ!」
沸々と沸いてきた先程とは違う怒りを、体ごとぶつけた。
ごめんと力なく繰り返す恭平のシャツの背中を握り締めて、スナコは喘ぐ様にひとつひとつ言葉を紡ぐ。
一度に沢山の感情が渦巻いて、鼻の奥がつんとしびれた。
ちゃんと言ってくれなきゃわかんないじゃないですか。
ちゃんと言ってくれなきゃ、答えられないじゃないですか。
思いをうまく形に出来ないもどかしさを抱えながら、振り向こうとしない恭平の正面に回りこむ。
何かを堪えるように歪んだ口元に、こびり付いた血。
先程彼が拭った自分の血と同じ、鮮やかな赤。
スナコは勢いをつけて爪先立つと、恭平の口元を自らの唇で拭った。
びくんと恭平の体が大きく震える。
不器用に押し付けた唇をそっと離すと、そのままじっと睨み付けた。
「・・・お前、なんで、」
「さっきのお返しです」
恭平が毒気を抜かれたようにスナコを見返す。
「お返しって、」
俺はお前に、ひどいことをして。
「あなたがひどいのは今に始まったことじゃねーですっ」
「・・・・・・」
フォローのつもりなのか、それとも追い討ちを掛けたいのか。
微妙な表情で沈黙する恭平から目を逸らさずに畳み掛ける。
ものすごく眩しくて、でもそれ以上に体中が燃え上がるように熱くてくらくらする。
「あたくしはっ、あなたと違ってこういうこと全然わかんないですけどっ、でもあなたのことを嫌だとは思わないです、」
だから、そんな顔して出て行こうとしないでほしい。
「同情とかなら、」
しなくていーからと言い掛けた恭平の言葉を最後まで待つことはせず、
「そんなんじゃねーです!」
あぁ、もう。
喉の奥で飛び出そうと暴れる言葉は、未だ惑う感情が押しとどめているのだけれど。
今伝えないと、これからずっと後悔する。そんな気がして。
「あたくしだって・・・っ、あなたのこと、いやじゃないですからっ、だからっ」
こんな気持ちのまま置いていかないで。
「だからっ、一緒にいてくださいっ」
戸惑いながらの、精一杯の告白だった。
恭平の瞳が驚いたように大きく見開かれ、次の瞬間息が止まるほどに抱き締められた。

19 :
とりあえず、ここまでです。
どの位で収まるか現時点で分かりかねた為*/*とナンバリング出来ませんでした。
いざコトに及ばせようとすると進まない・・・
本来はきちんと完結させて書き込むべきなのに中途半端で本当にすみません。
また、続き出来たらこそっと投下しに来ます。では。



20 :
続きが気になるー!
ワクテカしながらお待ちしてます。

21 :
保守AGE

22 :
ほす

23 :
保守AGE

24 :
保守あげ

25 :
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com

26 :
ほっす

27 :
GJ〜
保管庫あったら読みたいっす

28 :
保管庫ほしゅい

29 :
保管庫作り始めたんですが、
1スレの過去ログがマカエレのしかなく、
改行を手打ちしているので、
ちょっと時間がかかっています。
もう少々お待ちくださいね。

30 :
誰か〜(涙)1スレ読みたいんだけど、方法教えてくれ゜・゜(⊃д`)゜・

31 :
だから … 作成中なんだけどなぁ。
とりあえず、つ ttp://green.ribbon.to/~yamanade/index.html

32 :
>>31 GJ!マジ感謝!ありがとな。

33 :
>>31
ありがとうございます!!
このスレ盛り上がって欲しいのでageておきます

34 :
女とヤってお金が貰える♪
まさに男の夢の仕事!
出張ホストっておいしくない?
ttp://godblessall.net/2ch/01_info.html

35 :
ご無沙汰しております、227です。
遅筆でホント申し訳ないです。
>>11様、まとめサイト本当にありがとうございます!
初期に投下させていただいた拙作の殆どが携帯からなので
改行めちゃくちゃでお手数おかけする旨お詫び申し上げますorz
お忙しい中丸投げでご苦労おかけしますが、どうか無理はなさらずに。。
>>18からの続きをちょろっとですが投下します。
ってもやっとエロにたどり着いただけでまだ終わらないんです、
だらだらとスレ使ってすいません。

36 :
息のしかたを、忘れた。
一瞬の抱擁。
「あ・・・」
わりぃ、と顔を曇らせた恭平が腕を下ろした。
「俺、また」
行き場をなくした腕が、乱暴に頭をかく。
しばし首を振りながら視線を彷徨わせた後。
「ぎゅってしていー?」
ぶっきらぼうに呟き、だー、やっぱこーゆうのガラじゃねーと怒った様な顔でじぃっとスナコを見据える。
当のスナコも勢い余ってなんてこと言ってしまったの、と初めての状況にあわあわしながら。
とにかく直視は毒過ぎる、と妙に冷静な部分をほんの僅かに残して。
こくりと小さく頷いた。

「俺・・・自惚れッぞ?」
あつい吐息が耳朶にかかり、背筋からぞわぞわと何かが這い登る。
悪寒のようでいて、何故か一抹の心地よさを感じさせる不可思議な感覚。
「ん、っ」
予期せず漏れ出た声にならない声と微かな震えは、隙間なく触れ合った身体を伝って相手に届いてしまった。
「耳、よえーの?」
わざと耳たぶに唇を掠めさせながら、楽しそうな声音が踊る。
「しらな、っ、ひゃ!!!」
何が弱いのか分からないがぞくぞくする。
ただ、それを口に出すのは何か癪に障るので、堪え、ようとしたところに。
ぬめ、と柔らかく蠢く “なにか” が軟骨をなぞって滑り降り、思わず悲鳴を上げた。
「ふぅん」
妙に機嫌のいい声音に、薄らと本物の悪寒が走る。
こういう声を出すときは、何かよからぬことを考えていると経験が告げる。
きっと、表情は悪どい笑みを浮かべているに違いないのだ。
「あのっ、」
もうそろそろ、離して。
このままでは気が狂ってしまう。
身動きの取れない両腕を捩じらせて拘束を解こうと試みるも
「はなさねーし」
さらにぎゅっときつく抱きしめられて胸が詰まった。

37 :
苦しげに胸板を叩く拳が強さを増して正直痛いので、逃げられない程度にすこしだけ力を弱めてやる。
ぐいと両腕を突っ張ったせいでぬくもりが離れ、仄かに肌寒い。
名残惜しく見下ろすと、困ったように見上げてくるスナコと目が合った。
その瞳に怯えの色がないことにほっとする。
じんじんと音が聞こえそうに紅潮した頬にそっと掌を這わす。
焚き火に当たってるみてーだな。と頭のどこかでぼんやり思う。
ぶつかり合った視線から逃げるように俯こうとするスナコの顎を上向かせ、息の掛かる距離で覗き込んだ。
「・・・・は、」
離せと言われる前に、言葉ごと封じ込めて。
だから、はなさねっつの。
おまえが引き止めたんだからな、俺を。


やわやわと食まれている。
不思議なほど柔らかい、恭平の唇。
頬を伝い、耳を撫ぜ、喉を甘く噛みながら掛かる吐息と髪がスナコを擽る。
「ん・・ふぅ、っ」
なぜ、こんなことになっているの?
問いかける困惑と裏腹に、喉を突くのは淫靡なためいき。
「あっ、やぁっ」
最初は遠慮がちだった長い指が、雄弁にからだを駆け回る。
わななく呼吸に合わせ上下する桜の頂をつまみ、震えるまろい丘を捏ね、形を変えて。
思考が戸惑いと背中合わせにやってくる漣に攫われ、解けて行く。
なぜ、と再度問いかけるも答えは遠い波の向こう。
ただ感じているのは、腰骨から這い上がる奇妙な高揚と恭平への泣きたくなる様な想い。
苦手なはずなのに、どうしてこの男に触れられるとこんなにも胸が苦しいのだろう。
苦しいのに、もっと触れてほしいと思うのだろう。
そこかしこに触れる指から、くちびるから溢れ出す熱に冒されてくらくらする。
こんなこと、はじめてだからよく分からない。
なのに、とめられない。やめないでほしいとすら思う。
怖いのに、恥ずかしいのに、眩しいのに。
合わさった裸の素肌が、吐息が腕が胸が熱くて痺れて浮き上がるような解けていくような。

38 :
噛み付くように口付けて、もうそこからとまらなくて。
驚いたように逃げる唇を追いかけて、舐めて這わせて噛み付いてなぞって。
がっついている自覚は十分に過ぎるほどある。
でも、止められない。
好きだと自覚した、好きな女が自分を受け入れてくれた。
こんなにうれしいことなのか、そして好きな女とはこんなに欲情させる存在なのか。
逸る気持ちと戦いながら、力を入れすぎないようにそっと触れると甘い息を紡ぐ、それだけでどうしようもなくて。
もっと声を聞きたい、もっと乱れてほしい、俺だけに全部見せてほしい。
甘く耳をくすぐる声を、潤んだ瞳を、やわらかく薫るからだを。
吸い付くようなきめ細かい素肌を思うまま蹂躙した指先が膝を割り、ついと足の付け根をなぞる。
「!!」
身体の下で震えたスナコが腿を閉じようと力を込めたが、そのまま強引に指を這わせるとそこは明らかな熱を持って熱く蕩けだしていた。
「ひぁ・・っ!?」
ぬちゅ、と指先が粘り気のある音を立てて滑る。
「濡れてる」
感じてくれているのが嬉しい。
「〜〜〜っ」
真っ赤になって顔を背けるスナコのこめかみにキスをして、入り口を執拗になぞり、少しずつ指を潜らせ。
指にざらつく箇所を見つけ、力を入れすぎないように擦りあげる。
くちゅくちゅと漏れ聞こえる、粘り気のある水音から逃れようとするかのようにぎゅっと固く目を瞑るスナコの吐息が徐々に乱れ。
「あっ、は・・・やっあっあ、あぁん!!!」
ぷくりと主張する蕾に甘露を何度も強く擦りつけると耐え切れずに嬌声があがった。
ぴんと伸びたまっすぐな脚が、ぐったりと落ちる。
どうやら軽く達してしまったらしい。
はぁはぁと荒く息をつく唇が妙に艶めかしくてごくりと息を呑む。
自身の高ぶりが更に勢いを増し、張り詰めて先走りを滴らせている。
目の前でこんなに乱れて、焦らされて。
正直もう限界だった。
「・・入れッぞ」
まだぼんやりと霞む思考の遠くで恭平の声がして。
「いたッ・・!や、っ痛いっ!!」
次の瞬間下半身に灼熱が走った。
みしみしと引き裂かれるような鈍く激しい痛み。
恭平が少し動くたびに、ずん、と杭を打ち込まれるようで。
吸血鬼が銀の杭を打ち込まれるとき、こんな気分なのだろうか。等と軽い現実逃避に走ってみるも瞬時に激痛で現実に引き戻される。
「あ、やっ、イ・・ッ、う、」
ぼろぼろと勝手に涙が流れて視界が滲む。
「わり・・・、くっ、」
そっと涙を拭われて一時見えた恭平の顔は、とても切なげで。
すこし、ぞくりとした。

39 :
とりあえず、ここまでです。
すんごく中途半端ですみません。
また続き出来ましたらこっそり投下しに来ます。
他の職人様のSSも、ぜひ読みたいな〜とか空気読まずに言ってみたり。
では、また。

40 :
GJ!!待ってました〜
だんだん盛り上がってまいりましたね!!

41 :
GJ!!
続き期待してるよ〜。頑張ってくれ!

42 :
凄い良かった!続き楽しみにしてますね!

43 :
続きPlease!! >>39

44 :
もっと盛り上がって欲しいのでage。

45 :
保守で age!

46 :
ひなまつりも終わっちゃいましたね。
>>38の続きを、と思いつつ泣けるほど進まないので
気分転換に浮かんだ小ネタを保守がわりにコソーリ投下。
エロのほうもきちんと完結させますので、もうちょっとお待ち頂けると
幸いです。
gdgdでほんとすみません。

47 :
一緒にいると楽だと感じたのはそう前のことではない。
・・・いなきゃいないで何だか、と思ったのはついさっきのこと。

「大変よスナコちゃん、お兄様が」
珍しく取り乱したセレブな大家が爆音とともにスナコを連れて何処かへ飛び立ったのは三日前。
とりあえず、当面の食費ね。無駄遣いするんじゃないわよと 武 長 に 渡された現金で
4人は細々と食いつないでいる。
「スナコちゃんのおとーさん、大丈夫なのかなぁ・・・。」
「あれから連絡もないしなぁ」
リビングで武長と雪乃丞がペットボトルを片手に顔を曇らせる。
蘭丸はデートに出かけ、どうやら今日は戻ってこないらしい。
「だ〜〜〜、ピザ飽きた」
大きな一片をやる気なく口に運びつつ、和食が食いてぇとぶちぶち文句を垂れ、
恭平は胡乱な目つきで回りに目を遣った。
忙しく給仕に動き回るちんまりとした三頭身がいないだけで妙に寒々しい空間が居心地悪い。
じゃぁ寿司でも取るかとのたまう期間限定財務省の言葉にゆるゆると首を振り
「つか出前飽きた」
「仕方ないだろ、外じゃおちおちゆっくり食事も出来ないんだから」
スナコが旅立った夜、四人でぶらりと外食に出かけたところ
『いつもくっついてくるホラー女がいない!チャンス(はぁと)』とばかりに追っかけに人垣が出来るほど囲まれ、
ろくに食べられず早々と逃げ帰ってきたのだ。
「スナコちゃんのごはんが恋しいや・・・」
ポツリと洩らした雪乃丞の言葉。
その名前に、妙に気分がささくれ立つ。
そうだな、と宥めるような武長の声音を背中で聞き流し、恭平はキッチンへ足を伸ばした。
苛々した時は甘いものに限る。
整然と片付けられたシンクを横切り、大きな冷蔵庫の冷凍スペースを開けると目に付いたのは
ハー●ンダッツのクリスピーサンド“練乳いちご”。
箱には耳なし法一もびっくりな程に
『スナコの』 『食べるな!』 『食べたら拷問・折檻します』 『呪います』 『特に 高 野 恭 平 !!!』
等の文句がっしりと書き連ねられていたが構わず手に取った。
・・・てめーが留守にしてんのがわりーんだからな、中原スナコ。
遠慮なく齧っても、当然ながら止める声も顔を真っ赤にして怒り狂う相手もいないわけで。
「・・・・・・」
大好きな大好きないちご味なのに、何だか少し物足りない気がした。

スナコが帰ってきたのはさらに翌日のこと。
「も〜、お兄様ッたらぎっくり腰程度で大袈裟なんだから」
振り回してごめんなさいね、と優雅にウィンクし、おばちゃんは自家用ジェットで颯爽と去っていった。
「お帰り、スナコちゃん」
「大丈夫?スナコちゃん、疲れてない?」
暑さに弱い彼女を労わる雪乃丞にへーきですと首を振り、
短期間で荒れ果てた部屋と大量に詰まれた出前のごみに呆れた様に眉を顰めたスナコは
ごはんの仕込みしますね、とキッチンへ入っていった。
数分後。
「イヤァァァァァァァ!!!あたくしの、あたくしのハー●ンダッツ!!」
キッチンで響いた絶叫の直後、憤怒の形相のスナコが足音も荒くリビングへ舞い戻ってきた。
「あたくしのアイス食べたのあなたですか!?」
「おめーがいないのがワリーんだろ」
食って掛かるスナコにしれっと言い返す。
ワナワナと震え、殴りかかるスナコの頭を片手で押さえ恭平は心なしか頬が緩むのを自覚した。
あぁ、そうだ、これだ。
いつもの日常、いつものやり取り。
「わーったって、今度買ってくるからよ、忘れてなければな」
「今すぐ!今買ってきてくださいッッ!!!」
やっぱり涙目で怒り狂うスナコの叫びを妙に心地よく感じながら、恭平は花開くような笑顔でふっと笑った。

48 :
ぎゃあ、誤字が!!
誤)『スナコの』 『食べるな!』 『食べたら拷問・折檻します』 『呪います』 『特に 高 野 恭 平 !!!』
等の文句がっしりと書き連ねられていたが構わず手に取った。
正)『スナコの』 『食べるな!』 『食べたら拷問・折檻します』 『呪います』 『特に 高 野 恭 平 !!!』
等の文句がみっしりと書き連ねられていたが構わず手に取った。
です。
チェック不足でお見苦しいところを晒してすいません。
では。

49 :
乙! >>48
これからも応援しているから頑張ってくれww!!

50 :
>>49
応援thxです〜
皆様の暖かい言葉が支えですよ、ほんとにありがとう。
>>38続きをうpします、一応完結です。
レス数だいぶ使っちゃってスイマセンでした。。。

51 :
汗で張り付いた前髪を何度も払いのける。
何かしていないと瞬時に爆発しそうな程きつい。
「あっ、あ、いた、ぁあっ」
縋る様に抱きついてくるか細い腕が、男を迎え入れたことのない其処がぎりぎりと恭平を締め付けた。
くちくちと控えめに響く、粘膜の擦れ合う音。
肘をついて身体を支えながら、両手でスナコの顔を包み向き合わせる。
堪える様に固く閉じられた瞼にそっと唇を落とし、止め処なく溢れる塩辛い涙を再度拭う。
なぁ。
こんなことされて、痛い痛いってこんなに泣いて、それでも俺と一緒に居たいって言ってくれる?
すげぇ大事だって思ったのに、いきなり泣かせてっし。
どーやって大事にしたらいいか、わかんねえし。
今だって、どーやってお前に気持ちを伝えればいーか、ぜんぜんわかんねー。

「・・・・だから、ッ、」
痛みに呻きながらも、弱弱しくスナコが眼を開けた。
「もぅ、何度も言わせないでっ、ください、」
何を。と暫し考えて。
「おま、今、俺、聞いて」
脳髄をぐるぐる駆け回っていたはずの言葉たちは、知らぬまま疾うに喉を飛び出していたらしい。
「ぁー・・・」
妙なバツの悪さに口ごもる。
「最初からっ、やだったら、・・っ、こんなこと、しない・・・ッ」
切れ切れにそれだけ吐き出すとスナコは首を振り手をほどいて俯き、恭平の胸板に顔を埋めてしまった。
予想外の言葉に頬がかぁっと熱を持つ。
「それってさ、−−−告白って思っていー訳?」
返事はない。
けど、からだの下でびくんと大きく跳ねたスナコが、すこしの沈黙のあと黙って頷くのが分かった。

52 :
告白、と言われてやっと心のもやもやが晴れた気がした。
さっき掴み損ねた答え。
そうか、あたくしはこの、まぶしい生き物に魅入られたのね。
だから、こんなに痛くて苦しくてつらいのに、やめてと言えないのだ。
重ねられるからだの重みが、心地よくて離れがたいなんて思ってしまうのだ。
言葉をなくして頷いたら、またぎゅうぎゅうと抱きしめられた。
頭に掛かる吐息が、感冒のように熱っぽい。
「ごめん、マジ嬉し過ぎて」
加減ができねー、と掠れた呟きとともに、下肢にまた鈍い刺激が襲い掛かる。
「ひ、やぁっ!」
慣れない痛みにずり上がった身体を抱きとめ、爪立てていーから、と恭平が耳元で囁く。
無意識かわざとかなんて分からない。
でもその行為は確実にスナコの身体を解し、背中に痺れを走らせ。
「んうっ」
「くぁ、締めん、な、っ・・・あ、出るッ」
律動が激しさを増し、ずん、とより一層大きく深部を抉るように侵入され、次の瞬間ずるりと引き抜かれ。
なにか暖かいものが、スナコの腹を濡らした。

「あ゛〜〜・・・」
何故か妙に落ち込みながら、恭平が腹を拭ってくれている。
下に伸びた手を制止し、スナコはティッシュペーパーを受け取った。
お互い妙に気恥ずかしく背中を向け、余韻をふき取りそそくさと着替える。
今更だが、恥ずかしすぎて顔をまともに見られない。
初めての行為の疲れもあり、スナコは気だるくベッドに突っ伏して枕に顔を埋めた。
「なぁ」
ぶっきらぼうな恭平の声。
「その・・・なんつーか、ありがとな」
ぐしゃり、と髪を乱される。
「あー、ったく、こーゆー時なに言えばいーんだ?全然わっかんねー!」
発した言葉に気恥ずかしくなった恭平が、ぼすん、と乱暴にスナコの横に寝転がった。
出来ればなにも言わないでほしい。
ひとりになりたいような、離れたくないような矛盾した感情に困り、更にいやでも感じる横の男の体温にすっかり弱って
そっと顔を背けると。
「あ・・・・・・」
視界の隅に飛び込んだのは、紅茶を吸い上げて変色した塵紙の山と大きく割れたままのティーカップの残骸。
そうだ、ゴミを集めて捨てようとしてたら怪我して、それっきり・・・・・。
どうしよう。
いつもなら即片付けるのだが、いかんせん身体が鉛のように重い。
いつのまに聞こえ始めた規則正しい寝息が呪縛のようにゆるゆると身体をベッドに縫い付けていくようで。
とりあえず、少し休もう。
もぞもぞと身じろぎした恭平にそのまますっぽり抱き枕にされ、スナコもゆっくりと意識を手放した。


53 :
13(結)て入れたかったんですが手が滑った。
えと、これで終了です。
1へぼ職人である前に、ヤマナデの1ファンとしてここが以前のような
賑わいを見せてくれるよう祈ってます。
つーことで暫く神待ちROMに戻ります〜ではノシ

54 :
49です。
まじお疲れ様 >>50
気が向いたらまた投稿でもしてくれよww
では、まじお疲れ〜

55 :
227氏待ってました〜GJ!
今回も萌えました、ありがとう!
次回作期待してます(・∀・*)

56 :
1スレがないか色々な所探していたらやっと見つける事が出来た・・・(感涙)
まだ1スレのアド載せられてなかったから俺が載せるな。
ちなみに変換機を使って見てくれ。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172496654/
それから1スレって435までしかスレされてなかったのか?(以前1スレ見てた人いたら教えてくれ。)

57 :
ageとく

58 :
職人さんもまとめサイト作成者さんも前スレ添付者さんも皆まとめてGJ(GOD JOB)!!
べっかんこからちまちま前スレ見てるけど前は結構賑わってたんだね、
今はどれくらいの人達が常駐してるんだろ。
前スレみたいに盛り上がってほしいのであげ

59 :
本当にまた盛り上がって欲しいな!
age

60 :
ageちゃえ〜

61 :
あげ

62 :
あげと保守ばかりでスレが進むのも淋しいな
マターリ職人様を待ちつつやっぱりあげ

63 :
保守

64 :
4月だぜっ

65 :
保守

66 :
保守AGE
職人様はおらぬのか(・ω・`)
人いないから仕方ないのか…サミスイ。

67 :
本誌で恭平キタ――!!!あげ!!
このスレの内容がリアルに感じられてくるwww

68 :
>>67見てヤマナデの為だけに別フレ買っちまったw
教えてくれて有難う!!
突っ込みどころもあるけどホントよかった、頬が緩みっぱなしだ。

69 :
5月号その後 捏造

@
あの変なにわとり達が現れた後からか。
最近どうもまぶしい生き物の様子がおかしい。

妙に間合いを詰めてきたりやたらとじろじろ見てきたり。
正直困る。
人の噂も75日と言うし、ひっそりとやり過ごして早く平穏な(暗闇の)生活を取り戻したいのに
常に近くに居られるとそうもいかない。
学校での唯一の癒しスポットも、多少減ったもののやたらとヒトが来るし、
一人で過ごす時間がめっきり減ったのは気のせいではない。
「はぁ・・・」
買い物籠を片手に、重い溜息が漏れた。

「なんだよ辛気くせーな」
頭上から降る声音にいらっとしても、それは仕方の無いことだと思う。
「・・・何で付いて来るんですか」
あなたが近くに居たら、消える噂も消えないじゃないですか全く。
「お前ひとりで出歩かせっとあぶねーだろ」
「あなたが付いて来るから危ないんです」
現に四方から突き刺さるような視線が思い切り投げつけられている。
最近は襲撃にも慣れたし、一人のほうが気楽だから、いや、一人になりたいのだ。
だから、ひとりで平気だと何度も言っているのに。
「俺が近くに居る限り、変な攻撃とかしてこねーだろあいつらも(動物含む)」
晩飯の材料ぐしゃぐしゃにされんのは御免だからな、と珍しく尤もらしいことを言う。

確かにそうなんだけれども。
けれど近くにこのひとが居る限り、噂が消えることは無い。
だからひとりでいたいのに。

「ですから、別にアナタの責任じゃないですから気にして頂かなくて結構ですってば」
この台詞を言うのももう何度目か。
半ば自分に言い聞かせている事にスナコは気づいていない。

両手にいっぱいの荷物を抱え玄関をくぐる。
怖い女の子にも春が来たね、よかったねぇと最近商店街の人がサービスしてくれるので
買い物袋ははち切れんばかりに膨らんで重い。
「ただいまー」
よっこらせと恭平が長い脚でドアを開け、先に入れとスナコを促す。
慣れない妙な優しさがこそばゆくてもぞもぞと落ち着かない。

「おかえりー、スナコちゃん、大丈夫だった?」
「ちゃんとガードしたかぁ恭平ー」
ぱたぱたと足音を鳴らし、残りの三人が出迎えに出てくる。
「今日のご飯は何〜??」
「ただいまです、今日は魚屋さんでブラックタイガーをサービスして頂いたのでエビフライにでも」
「エビフライかぁ、恭平 大好き だよねっ、スナコちゃん の エビフライっ」
妙な抑揚は聞かなかった事にして、そのままキッチンへ足を伸ばす。
るせーんだよ、と不機嫌に窘める残響だけが耳にこびり付いた。

70 :
「はぁ〜満腹満腹っ」
大皿のエビフライは瞬く間に姿を消し(言うまでも無く、一番平らげたのは恭平だ)、食後のお茶を啜りながら蘭丸がスナコを見遣る。
恭平と雪乃丞は早々にリビングへ移動し、なにやら対戦型ゲームに夢中になっている様だ。
「スナコちゃん、その後変なのに襲われたりは大丈夫そうだね?」
生傷こさえて帰ってくることも無くなったし、良かったよ〜やっぱ女の子だからね、と満足げに微笑む。
「恭平も少しは役に立ってるみたいだね」
湯飲みをテーブルに置き、武長も横で頷いている。

「あたくしは、別にひとりでもへーきです・・・」
自分の湯飲みに煎茶を注ぎながら、憮然とスナコが呟く。
「なんで?一人でいるほうが危ない目に遭いやすいでしょ?」
「それはもう慣れましたし、」
何よりも噂が消えないではないか、と不服を唱えるスナコを諭すように武長が口を開く。
「そうは言ってもね、スナコちゃん」
ここまで浸透してしまったものを無かったことにするのは難しい。
噂が落ち着くまでスナコちゃんが大変な目に遭う位なら、いっそのこと噂を『本当』にしちゃって外野を諦めさせるほうが早いんじゃないかな、と。
「それ名案」
そーだよスナコちゃん、いっそのこと武長と乃依っちみたいに学校公認のカップルになっちゃえばいーじゃん!と蘭丸が軽口を叩く。
「ちょ、俺らのことはいーでしょ」
一瞬動揺した武長だが、すぐに体裁を整えにっこり笑ってスナコを見た。
「・・・・・・・」
言っている意味が分からない。
「はて?なぜ、あたくしとまぶしい生き物がお付き合いを?」
どこからそんな案が出てくるのか本気で理解出来ず、本気でいぶかしむスナコを見て、二人は顔を見合わせた。
(やっぱまだ早かったか)
(そうは言っても恭平とスナコちゃんだぞ、コレくらい焚き付けなきゃ)
 
「・・・まぁ、こういうのもひとつの選択肢かなってことで。ね」
うやむやに苦笑した武長と蘭丸の意図を量りかねたまま、スナコは温くなった茶を啜った。


『やめて、来ないで!!!・・・・・・ひぎぃ!いやぁぁぁぁぁぁあぁ』
ごりっ、ぐしゃ、びちゃびちゃっ。がしゅ。
どうも気分がもやもやするので、秘蔵のスプラッタDVDを引っ張り出して一人見ている。
ここ一番のグロテスクなシーンだというのに、なぜかいまいち気分が盛り上がらない事に苛立つ。
先程武長に言われた台詞がぐわんぐわんと頭の中で反響していて、その所為だろうか。
せっかくの、一人の時間なのに。
せっかくの、とっておきのDVDなのに――あぁ、いやだ、もう。
気がついたら、思うのはまぶしい生き物のこと。
大きく嘆息して、プレーヤーを止める。
こんな状況では、せっかくのDVDが勿体無い。
大体、あの変なにわとり頭に捕まった時だって、あの位ならひとりでも何とかなったのに。
そりゃあ、怪我して少し梃子摺ったけれど。
でも、押さえ込まれたときよりも、彼が登場したときのほうがよっぽどダメージが大きかったし。
「・・・うぅ」
まずい。思い出してしまった。
扉が開いたときの、差し込んだ光の眩しさ。
天使が現れたんじゃなかろうかと錯覚を覚えるくらい、神々しく輝いていた美貌。

あたくしの綺麗な暗闇を侵食しないで。
あたくしの心の中に、ずかずか入ってこないで。
騒ぎ立てないで、そうっとしておいて。

あのまぶしい存在たちに囲まれるようになってから、安息が遠ざかっているのは間違いない。
「・・・」
間違いないのに、前程嫌悪感が無いのは何故だろう。
嫌だったのに、少しずつ麻痺してきているのだろうか?―――分からない。

あの時“オニブス”と罵られた時も、痛くなかったのは、同じような事なのだろうか。
考えても、答えは出ない。

71 :
職人様待ち、と言いつつのこのこ出てきてすみません。
本誌見てあまりの嬉しさについはしゃいでしまいました。
思いつきの小ネタなので続きません。
至る所破綻してますが見なかった事にしてください…。

72 :
スナコかわいい!乙!

73 :
227さんまた素敵な作品待ってます☆
盛り上がって欲しいのでAGE

74 :
武のい小ネタ。

「やぁんっ、あん、んぅ、んっ、あっ、は」
胎内を執拗に掻き回され、自然と喉を嬌声が突く。
「痛くない?乃依」
そんなこと、見れば分かるのに。
行為のたびに、幾度も問いかけてくる―――初めて肌を合わせた日から、決まり事の様に、何度も。
「あんっ、気持ち、ひぁ、いい・・、よ、んんっ!!やぁん!」
ぬちゅりと粘る水音をわざと聞かせるように突き上げながら、満足げに彼は頷いて。
「俺も気持ちいいよ、乃依のナカ」
熱くてぐちゅぐちゅで、すごいきつい。
苦しいほど敏感になった耳元へ卑猥な言葉を転がされ、項から全身に鳥肌が広がった。
「やぁんっ、も、や・・・意地悪・・っ、うんっ!」
「あ、すご・・・そんな締め付けたら、」
かすれた囁きとともに骨盤を鷲掴まれ、体積を更に増した熱の塊が幾度も子宮口を激しく叩き上げる。
「あっ、あああ、あん、やぁっ、だめぇぇぇ!」
ぱん、ぱんと肉のぶつかり合う音が外から中から乃依を苛み。
「そろそろイクよ、乃依」
「あぁんっ、あたしもぉっ、い、くぅっ!いっちゃうのっ、やぁぁん!ふぁぁぁぁぁあ!!」
びくびくと別の生き物のように痙攣する男根が濁りを薄膜に吐き散らす。
渾身の力で武長の広い背中に縋りつき、快感に押し流されて乃依は最盛に達した。


「たけながくん・・・あの、」
もう、痛くないから。だから、聞かなくても平気だよ?
裸の胸板に顔を埋めたまま、ぼそぼそと切れ悪く呟く乃依の髪を手櫛で梳く。
「でもあんなに痛がってたでしょ、初めてしたとき」
いたくしないって言ったのに。武長君のばか、うそつき。とわんわん泣かれてほとほと困り果てたのは未だ鮮烈に覚えている。
「だから、心配でね。つい」
流れ出た朱に、泣き腫らした痛ましい眦に心臓がきりりと痛んだのも、忘れられないから。
「もぅっ、武長君の意地悪っ」
可愛らしく拗ねる恋人をやんわりと抱き締め、ひっそりと笑みを漏らす。
訊ねるまでもなく快感にむせび泣いてくれるようになったら、聞くのをやめてあげてもいいかな、等とほんのり考えながら。

終。
***************************

ことの後に大泣きする乃依っち、なんてデムパを受信したので保守の間のおやつがわりに。
武長は巨根だと思うのは自分だけではないと思いたい。

紳士なドSが大好きです。
が、S成分が激しく足りないのは筆力ですねすいません。
このふたりの馴れ初めが激しく気になります。
無味無感動な武長がいきなり自分からアプローチするわけないよなぁ、とか、
乃依っちへの恋心をどうやって自覚したのかなぁ、とか妄想が膨らみます。
いつかはやかわ先生が形にしてくれますようにと願いつつ保守

75 :
agaです!
 武のいっちで、良い小ネタがキテマスヨ━━━━━━━(;゚∀゚)=3━━━━━━!!!!!

76 :
凸(゜皿゜メ)

77 :
あげちゃう

78 :
新刊発売age

79 :
ちょい大人恭スナ? でろんでろんに甘いので要注意。
*******************************************************

好き。 好きです。 好きなの。 好きよ。
物心ついた頃には聞き飽きていた、その台詞。
好きって何。
他人のテリトリーに土足で踏み込んで、散々騒ぎ立てる事か?
それとも、人の迷惑そっちのけで追い回して、住み処まで奪う事な訳?
一方的に振りかざして、無理矢理押し付けて、それが正しい表現なら。
…そんなんなら一生解らなくていーし、解りたくもない。
俺は、誰も好きにならない。


「…っ」
いやな夢を見た。
裸の肌に不快な汗が浮いている。
髪を掻き上げ深く息を吐き、隣で眠る女の頬を撫でた。
しばらくそうしていると、段々と張り詰めていた感情が解れていく。
「ん…」
微かな声を上げ、女が身じろいだ。
ぼんやりと彷徨う視線が自分に据えられる。
「わり、起こした」
大丈夫ですと首を振ると、先程まで自分がそうしていたように、頬に手を伸ばし触れてくる。
「どーかしましたか?」
寝起きの体温がじんわりと染み込んで、自然と笑みが漏れた。
「いや」
添えられた手をとって、甲にやんわりとくちづける。
「おまえがいて、よかったなって思って」
一瞬頬を染めたものの、すぐに訝しげな表情を浮かべその割には険しい顔でしたけど、等と云う。
愛情表現を自然に受け入れてくれながらも変化を見逃さないという二段コンボに、『あの頃』からの大きな進歩を感じながら。
「ん」ちょっと、大昔の夢見ただけ。
かなわねーなと軽く溜息をつくが、けして嫌ではない。
そーですか、と深く追求することはせず、そのままうとうとと瞼を閉じる。
味気無い遣り取り。
けれど深くを聞き出そうとはしない彼女なりの気遣い方を知っているからそれが逆に心地佳い。
眠りの世界に戻ろうとする細い肢体を、背後から抱き締めた。
すっぽりと収まったやわらかい温もりに頬を寄せ、つむじに軽くキスを落とす。
愛しい、いとしい存在。
存在を確かめるように、肩に触れ、腕を撫で、腰をなぞって。
「…あの、」
当たってるんですけど。と控え目な抗議の台詞が耳朶を打つ頃には、すっかり彼女に欲情していた。

80 :
「や」
「やりません」
「ちぇ」
やるか、と言い切る前にざっくりと容赦なく切り捨てられてむくれる。
けれども、つれない言葉とは裏腹にほんのり呼吸が浅くなっていることを見逃しはしない。
「ほんとに、やんねぇの?」
耳元で熱く囁きかけながら、いきり立った自身を細腰に擦り付ける。
「ッ」
もう数えることすらかなわないくらい、幾度と無く身体を重ねていると言うのに、行為に至る前はひどく恥らう。
むず痒そうに身じろいでいるくせに。
耳たぶを染め、あがり始めた吐息は淫靡な艶を纏いはじめているくせに。
流されまいと強情を張る様子が嗜虐心を擽る。
声を出すまいと固く引き結んだ唇に指を這わせこじ開けて、口腔内をまさぐりながら対の手で柔らかく流れる乳房を揉んだ。
「んぅ!」
「なァ」したい。
衣の上からはっきりと分かるほどに立ち上がる先端を指の腹でこりこりと転がすと、堪えきれず嬌声があがる。
抱き込んでいるので表情を確認することはできないが、ひくひくと震え始めた躯やいつからか指を絡め取り嘗め回す舌の様子から灯った欲情の火を感じ取る。
口内から指を抜き取り、ローブの裾を割ってそのまま秘部に直接滑らせると、そこは既に蕩け熱い潤みを湛え弄る指先をしとどに濡らした。
「やぁっ!!」
「すげ、いつもより濡れてっし」
そういう自分も先程から擦り付けているモノが痛いくらいに怒張しているのだが。
二本の指で軽く入り口を掻き回してやると、止め処なく蜜が溢れる。
「やぁっ、駄目、て、言った、あん、…ん、くふぅっ、ん!」
執拗な愛撫から逃れようと捩る肢体をがっしりと抱え込み、尚も指を躍らせ腰を押し付ける――まるで、まぐわうそのままに。
「やなの?じゃ、やめるか?」
そんなこと、露ほども思っていないけれど。
「やっ・・、やめな・・・で、・・・あぅんッ」
「んじゃ、このまま入れっからな」
肌衣を取るのももどかしく、後ろから彼女を貫いた。
「ふぁあああああんっ、あぁ!」
剛直を待ち焦がれた蜜壷が、満たされた歓喜をもって収縮し締め付けてくる。
「くぁ、は、ッ」
直でするのは初めてだったから、想像以上の快感に今すぐにでも達してしまいそうになる。
恋人を掻き抱き、込上げる射精感を堪えながら緩慢なグラインドで内奥を突く。
「あ、ああんっ、あっ、やぁあん、んんー!」
顔が見えないかわりに、全神経が快楽に流されてゆく彼女を感じ取ろうと研ぎ澄まされてゆく。
「気持ちいー?」
仰け反った首筋に顔を埋めて尋ねる自分の声も息絶え絶え宜しく掠れていて、それどころでないのに微苦笑が浮かぶ。
「んッ、あ、はぁん、いっ、い、あぁ!」
「俺もッ、すげ、きもちー」
気持ちよすぎて、このまま溶けてしまいそうな気さえする。
ぐちゅぐちゅと絶えず響く水音が眩暈がするほど不埒で、擦れ合う粘膜同士が熱くて、密着した肌の火照りにどうしようもなく高ぶって。
こいつとのセックスは、何でこんなに気持ちいい。―――否。こいつとするセックスだから、こんな気持ちいーのか。
恥らって伏せた貌も、流れる髪も、滑らかな白い肌も、可愛らしい意地も、快楽に咽ぶ高い声も。
スナコを形作る全てが愛おしくて、高ぶらされて。
(あー・・・ほんと、)
すきだ。こいつのことが。
いろいろなものが込上げてきて、一心不乱に腰を埋める。
一段と高い声でスナコが啼く。
「そろそろ・・・ッ、イ、クっ・・・っあ」
眼裏で光が白くはじけた。
腰骨を這い上がる快感に身を委ね一層深く捻じ込んで、そのまま胎内に迸りを吐き出した。

81 :
「・・・・・・」
流されて乱れた自分を恥じているのか、気まずそうに沈黙したスナコが衣服に手を伸ばす。
体を起こし、一瞬硬直し。
「あぁ!!」
慌ててサイドボードの箱ティッシュに手を伸ばしながら猛烈に睨み付けてきた。
「ちょ、なっ、中にっっ!」
「あ、わり」出しちった。
「出しちった、じゃねーです!!もう、なにしてくれやがるんですかっっ」
もし危険日だったら出来ちゃうかもしれないんですよっ!?と余韻も吹き飛ぶ剣幕で食って掛かる拳をさっくり受け止める。
「出来たら産んでよ、俺の子供」
「!! って何さらっと爆弾発言してんですかっ」
「嫌か?」
「・・・・別に、嫌じゃ、ないですけど・・・」
「んじゃ決まりな」
「ちょ、何が決まりなんですかっっ!」
「・・・あのよー、ふつーここまで言えば察するだろ・・・」
「察するって何を・・・あ」
振り上げたまま行き場をなくした両手を口元に降ろして、そのまま真っ赤になって固まったスナコを抱き寄せる。
ひどく晴れやかな気分だった。
あー、やっぱ、こいつのことすげー好きだ、俺。
他人を拒絶し、異性を嫌悪していた頃もあったけれど。
好きだと思う感情なんて知らなくて、きっとこれからも知ることはない、知る必要もないのだと、当然のように思っていたこともあったけれど。
そっと抱きしめ返してくれる温もりが、何よりも大切でこころ満たされることがどうしようもなく幸せで、恭平は瞳を閉じた。

**********************************
えーと、なんつーか色々と痛くて本当にすみません。




82 :
素晴らしくて、涙が出ましたウワァァ-----。゜(゜´Д`゜)゜。-----ン!!!!
こんなに良い作品は久しぶりです。
>>79 まじで乙&サイコーです!!

83 :
超乙!超GJ!!
原作者にもこのくらいヤってもらいたいもんです…
新刊いつでるんだろうね or2.

84 :


85 :


86 :
夜中にこっそりと保守。
捏造しまくり砂吐きでろ甘ネタにお褒めの言葉を頂けて嬉しいです。
読んでくださる心の広い方々、ありがとうございます。
恭→スナばっかりじゃつまらないからスナ→恭的なものを書いてみました。
(でも基本恭→スナ。スナコ自覚編みたいな?)
・・・長いくせにエロに発展しないよorz
えろい方向に持ってけたら続き出来次第うpします、
これはこれで保守ネタとして投下させていただきたいと思います。
それはイヤ、と思われた方はスルーしていただけると幸いです。
6レスほど頂戴します、スレ無駄遣いしてすみません。

87 :
「スナコちゃん、お茶碗」
一人分多いよ、と言われてはっとする。
そうだった、今日はまぶしい生き物のバイトの日だった。
「あ、すみません」
「そんなぁ大丈夫だよ〜、恭平がご飯時にいないのが悪いんだもんね、で」
やっぱり、居ないと落ち着かないのかな?
・・・何か言われた気がするが、意味が分からないので聞き流し、余分に出した食器を片付ける。
「スナコちゃん・・・こうゆう話は相変わらず徹底スルーだね・・・」
「ほんとに・・・もーちょっと位意識してくれても・・・」
意識と言われても、何を意識しろと言うのだろう。
「よけーなお喋りはいーですから、冷めないうちにどぞ」
「わぁ、今日もおいしそーだねっ、いただきまぁすっ」
いつもの団欒。
今日も腕によりをかけて作った自信作。
けど、自分の作ったご飯を我先にと頬張る人がいないのがちょっと物足りない気もする。
「でもさ、恭平バイトってなにやってんだろね」
「さぁねー、てか俺らまだ15じゃん、まともなとこじゃ雇ってもらえないと思うんだけど」
「年ごまかしてなんかいかがわしい仕事とかしてないよな・・・」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・や、でも恭平だよっ?さすがに怪しいとことかは野生の勘で避けるんじゃ・・・」
「そだね・・」
一番良く食べ、一番うるさいひとが居ない。
別に、あの人がいない食卓はこれが初めてな訳じゃないのだけれど。
 
奇妙な沈黙を取り繕うように言葉を交わしながら、その日の夕餉は終わった。


「あづい・・・」
湯上り独特の、纏わりつくような篭った湿気がどうにも気持ち悪い。
こんな日は、こっくり甘いアイスではなく、さらりと軽いシャーベットの気分だと冷凍庫に思いを馳せる。
そうだ、昨日買ったメロンシャーベットにしよう、うふふふふ。
髪を乾かした所為で火照った顔をぱたぱたと掌で扇ぎながら、気持ち弾んだ足取りでキッチンへ向かう。
「ふんふんふん♪    ・・・・あ」
「んぁ」
・・・どーして、こういつもいつもこーいうタイミングで現れるの。何か第六感でも働くのこのひと。
内心毒づきながら歯切れ悪く挨拶の言葉をかける。
「あの、おかえり、なさいです」
「これ、食っていーの?」
キッチンにいた先客が作りすぎた夕飯の皿のラップをとって、テーブルに運ぼうとしていた。
すっかり冷めてしまったおかずをその手から取り上げる。
「おい」
「冷めてたら、おいしくないですから」
ちょっとあっため直しますから座っててください。と促すと、うれしそうに頷いた.

88 :
「わりーな、わざわざ。・・・ん、うめ」
「別に、ついででしたし」
「ついで?」
ヤバイ。あたくしってば余計なことを。
「イエ、別に。・・・こんな遅くまで、バイトしてたんですか」
時刻は22時を回っている。
「まぁな」
はー疲れたぜ、と言いながらも忙しくその口は食物を咀嚼し嚥下していく。
気持ちのいい食べっぷりに、自然と頬が緩んだ。
「明日も学校なのに、だいじょぶなんですか」
「ん〜、ビミョー?」
まったく、と呆れて軽く息を吐く。
「まぁ、無理しよーがあなたの勝手ですけど、皆さん心配してましたよ?」
言外に、無茶はするなと潜ませる。
「まーなー、あんま無理はしたくねーし、しねーけどよ」
ごっそさん。と綺麗に食器を空にして。
ずずいと玄米茶を啜りながら、存外静かな口調でぽつりと漏らす。
「しょーじき、いつまでもこのままじゃいられねーじゃん?」
武長や蘭丸みたいに金持ちの家柄でもねーし、ゆきんちみたいにおばちゃんと元々伝手があるわけでもないんだから少しでも先の蓄え作っとかないといけねーし。
・・・まぁ、ってもガキの稼ぎなんて笑っちまうくらいたいしたことねーけどな。
と嘯いた恭平の言葉に、何故か心臓がちりっと痛んだ。
「で」
ついでって何だ。
「・・・・・・」
一瞬かすめた切ないような感情は、夜空のかなたに飛び去った。

結局、メロンシャーベットは守したものの一緒に買っておいた苺アイスは恭平の胃袋に飲み込まれてしまった。
シャーベットだって、そっちもうまそーだなと据えてくる視線から隠すように急いで食べたから満足に味わうこともできなくて頭はキーンとするし、
いろんな意味で悔しくてはらわたが煮えくり返る。
(確かに、今日はアイスの気分じゃないって、思ったんですけど・・・・・っ!!)
あれはあれで楽しみにしてたのに。
ちょっと涼しい夜とかに、ひとりでゆっくりまったり味わうはずだったのに。
あぁ腹が立つ。
・・・ここで暮らし始めてから、こんなことばっかり!
所謂“ひとりっこ”のスナコは、食べ物を誰かと激しく取り合うなんて経験はしたことがない。
「大体、あたくしのデザート強奪するよーな人にレディ修行とか、ありえねーんですけどっっっ!」
怒りに任せてクッションに拳を叩き込む。
はぁ、とせつない溜息が漏れた。
少しばかり落ち着いてきて、そうしたら先程の恭平の言葉が不意にリフレインする。
『しょーじき、いつまでもこのままじゃいられねーじゃん』
思い返せばなんだかんだでいろいろなことがあった。
レディ修行なんて有り得ないことから始まって、まぶしいし落ち着かないし色んなことに巻き込まれるし振り回されるのが嫌で
ほうっておいてほしくって、大変なこともいっぱいあったけどたのしいこともたくさんあって、
・・・一緒に暮らしていくうちにみんな大事な家族みたいに思うようになって
スナコとて、そりゃあ一生この暮らしが続いていくとは思っていない。
けど、
―――いつか終わりが来るということを突きつけられて胸が詰まった。


89 :
このくらしの中から、いつかあのひとたちはいなくなってしまうのだろうか?
あのひとがいなくなったら?
そんなこと考えたことなかった、いつのまにかみんなで居ることが当たり前になってたから
さっきみたいにあたくしがつくったごはんをあのひとがあーふだこーだ言いながらばくばく食べて、みんなで暮らして学校に通って
当たり前のことは、実はぜんぜん当たり前じゃなかったことに今更きづいて地面がゆれた
そう思ったらなんだか苦しくなって、でもずっとここにいればいいじゃないですかと言い切れるほど子供じゃないから結局何も言えなくて
そんなことを延々考えてる自分に苛立つ

ベッドにぼすんと横になっても鉛を飲み込んだような気分が消えなくて頭がぐるぐると廻る。
あたくしは、なににそんなに動揺してるの?
考えることに倦んで、枕に頭を押し付ける。
知らない。もう今日は寝よう、明日も学校だし。
無理矢理に思考を中断して、言い聞かせるように眠りについた。


「スナコちゃぁーん、あいにくのお天気だけど元気にレディへの階段を登ってるかしらぁ〜?・・・ってあら、どうかしたの?」
メアリー・ポピンズさながらに、優雅におばちゃんが降ってきたのはとある雨の日曜日のことだった。
「いえ、いつもどーりです」
それならいいんだけど、と豪奢な傘をたたみながら、おばちゃんはぐるりと辺りを見渡す。
「なぁに、もう。この家の居候たちはレディのお出迎えもできないのかしら」
「や、今日は皆さんもれなく留守なので」
「んまぁ!こーーんな可愛らしいスナコちゃんを一人お留守番させるなんて、なんて気が利かない子達なのっ!」
あとで全員お仕置きが必要だわねと憤るおばちゃんを宥めつつ傘を預かり、あったかい紅茶淹れますね、とスナコは足早にキッチンへ向かった。

「で、あの馬鹿共はどこへ行ったのかしら?」
まったく、か弱い女の子を置き去りなんて、いい根性してるじゃないのと尚もご立腹のおばちゃんである。
「あたくしは別に構いませんが・・・まぶしくないから気楽だし・・・」
それは紛れもなく本心。
けれど、ひとり、という単語に何となくこの間の一幕が脳裏を過って語尾が喉奥に蟠る。
「いーえ、スナコちゃんがいいと言おうがあたくしは許しがたいわっ、全く」
で、あいつらはどこへ?と再度凄みのある笑顔で確認されて刹那意識を戻し、えーとえーとと記憶の引出しを引っ張り出して。
「確か、デートとか買い物とかバイトだったような・・・」
「まー色気づいちゃってっ、バイトは恭平かしら?珍しく続いてるのね」
優雅なしぐさで紅茶の飲みながらおばちゃんが毒づく。
「おばちゃん知ってるんですか?バイトのこと」
つい尋ねてしまったのは、純粋な好奇心だけだったのかスナコには分からない。

90 :
どうやらバイトはおばちゃんの紹介のようだった。
まぁ、紹介するからにはきっちり働くように釘はさしたけどと微笑うおばちゃんに、この間の恭平との遣り取りを話したのは
ひとりでいる事を変に意識してしまったからなのだろうか。

・・・恭平一人ぐらい養うのはたやすいことよ、でもあのこが自分でなんとかしたいというならあたくしにそれを止める権利はないのよ。
と少しだけさびしそうに、でも毅然とおばちゃんは言う。
「でも、そうなったらみんなさびしいです」
「そうね。スナコちゃんは、さびしい?」
聞かれて一瞬ことばにつまる、また心臓の辺りがちりちりする。
さびしくない、と言えない。
どうしてかしら、どちらかといえば苦手なはず。
だって、苦手かどうか聞かれたら即答できる。自信がある。
「・・・わかりません」
うれしそうに、おいしいとご飯をたべる姿が脳裏に浮かぶ。
おいしいとほめてくれてうれしかった、だからもっといろんなごはんを食べさせて、よろこんでくれたらうれしい。
作りがいがなくなるのはつまらない
でも、それだけ?
・・・・・・やっぱり、わからない。
わからないなりにひとつだけ分かること、それは、いなくなってしまうのはいやだ――あのときみたいに。自分が、傷つけてしまったときみたいに
スナコちゃんが何を考えてどういう答えをだすか、それはスナコちゃんだけのもの。
あたくしはそこまで踏み込むことはできないし、結果どうなっていくのかまでは分からない。
でも、スナコちゃんのなかで固まっている気持ちがあるのならそれを大事になさい。
そうして、恭平に伝えてあげなさい。
スナコの膝にそっと手を置いて、普段とは打って変わった静かな口調で諭すようにおばちゃんが語りかけてくる。
言いたいことの全ては分からなかったけど、頷いた。

「じゃあ、あたくしはそろそろお暇しようかしら、雨も止んだみたいだし」
すっくと立ち上がるおばちゃんに、今日はありがとうございますと頭を下げた。
「いやぁね、スナコちゃんが頭を下げることなんてないのに」
ふわりと艶やかに微笑んだおばちゃんが、手品のようにどこからともなく豪華絢爛な携帯電話を取り出す。
「今出るわ」
言い終わらないうちに爆音が響く。
「じゃあねスナコちゃん、あいつらは次回きっちりお仕置きするからよろしくね」
「おばちゃん、そっちお庭・・」
いいのよと構わず勢いよく窓を開け、おばちゃんは目の前にぶら下がる縄梯子に颯爽と脚をかける。
「また来るわ〜〜〜」
やっぱり、去り際はあの『おばちゃん』なのだった。
虹を背負って爆音とともに遠ざかっていく無駄にきらびやかな小型ジェットを暫し呆けた様に見つめていたスナコだったのだが。
「あ」
傘、どうしよう。
持ち主と同じくらい主張の激しい忘れ物の存在を思い出したのは、辺りが静寂を取り戻した後のことだった。
お出かけしていた各自が戻り、忘れ去られた傘を見て顛末を聞いた後揃って蒼くなったのは想像に難くない。

91 :
慌しく週末は過ぎ、学生としての日課を過ごして。
教科書をかばんに詰めながら、夕飯の買出しルートについて思い巡らせていると。
「なー」
今日の飯なに。
やる気なく現れた恭平が、鳩尾をさすりながら腹減ったとぼやく。
「まだ何も考えてません」
て言うか、バイト行かないでいーんですかと遠回しに追い払おうとしたのだが、今日は休みだからうまいもん食わせろとそのまま付いて来てしまった。
値段も見ないでぽんぽん買い物籠に好きなものを放り込もうとする恭平を牽制しつつ特売品をチェックするのは非常に骨の折れる作業で。
「だーっ、それ幾らすると思ってんですかっ!駄目ですそんな高いおにく!戻してきてくださいっ」
「んだよ、いーもん食って体力つけなきゃやってけなーだろーがよっ!」
「んなこと知ったこっちゃねーですっ、いいから置いてきて下さい、今日はこっちを買うんですっ!」

色々な意味でぐったりしながら何とか帰宅し、食材を冷蔵庫にしまう。
手早く整然と仕舞われてゆく戦利品を興味深そうに見ている恭平から買い物袋を受け取り、
「あの、こないだおばちゃんにききました、バイトのこと」
切り出したはいいけどそこから何を言えば良いのか分からなくて、話を振ったことを早速後悔した。
「まー別に秘密にしてたわけじゃないからいーけど、家がどーの、て話はあいつらには言うなよ」
「言わないです、そんなこと」
でも、やっぱりゆくゆくは皆さんともお別れするときが来るんですよね、なんかちょっとだけさびしい気もします。
何の気なしに口をついた言葉に、言いだしっぺの自分が地味にダメージを食らって。
やっぱり言うんじゃなかった、と俯く。
買い物疲れか、何だか今日のあたくしはおかしい。
「何だよ急に」
何か変なもん食ったかとか茶化していた恭平が、なんだかしゅんとしているスナコにちょっと焦って。
「イヤべつにいますぐとかじゃねーし、てかお前をレディとかなんとかにしなきゃいけねーしよ」
「レディになんかなりたくねーです、今のままがいーんですっ」
珍しく取り繕おうとする言葉に噛み付く。
「家賃タダの為に皆さんがんばってるってわかってます、けど、あたくしがレディになったらこの生活も終わっちゃうんでしょう?
そんなのはいやです」
駄々っ子のようにいやいやと首を振る。
「こーやってあたくしが作ったごはん食べて喜んでくれるひとがいなくなるのさびしいです」
まぶしいの苦手だけど、でもまぶしいことよりみんないなくなるほうがいや
「なぁ」
おれがいなくなったらさびしい?
急にまじめな顔して聞いてくるからびっくりしてうまく喋れない。
「わかんないです、でも、いなくなるのは・・・いやです」
考えながら、ぽつりぽつりと言葉を選ぶ。
それがさびしいってことじゃねーのと苦笑しながら
「じゃあさ」
「おれはおまえのそばにいてやるよ、おれのめしお前がつくればいーじゃんよ」
言い方こそぶっきらぼうだけれども、やさしい掌がぽすぽすとあやすように頭を軽く叩いてくる。
その温みや、一緒にいると言ってくれた言葉になぜかすごく安心するのに涙が勝手に滲んで唇を引き結んだ。
「まぁ、あいつらなら離れたとしてもずっと何かしらつながりは消えないと思うけどな?あー、だから泣くなって、こーゆーの慣れてねーから苦手なんだよ」
困ったように首を振って、恭平がスナコをぎこちなく抱き寄せる。
長い指が遠慮がちに背中をさすってスナコが落ち着くまでそうしててくれて。

一緒にいるのが当たり前だと思っていた。
でもそれは当たり前なんかじゃなかった。
だからいつまでも変わらないままではいられないんだけれども、
そばにいようと思う気持ちがあればいい、そんなことに今やっと気づいた。

92 :
なんだか気分が楽になったら落ち着いてきて妙に気恥ずかしくなって、あたくし何してるのとふと我に返ったら猛烈に恥ずかしくなって、
すみませんもう大丈夫ですからと離れようとしたんだけれど離してくれない。
「あのっ?」
もぞもぞ動いてみるのだけれど、絡み付いた腕は逆にぎゅう、と力を増して本格的に困る。
「もうちょっとこうしてていー?」
「いやです」
「なんでだよ、ついさっきまで離れたくないって泣いてたじゃねーかよ」
「! ・・・あれはそのッ、」
事態が思わぬ方向に転がり始めている。
いつもなら問答無用で張り倒すのだけれども、みっともないところを見せてしまったという気後れの所為でどうにも動きが鈍る。
どうしよう。
この状況は、とてもよろしくない・・・・・・何か、気を紛らわせねば。えぇと。

“だからぁ、忘れたとか思い出すとかそーゆうレベルのモンダイじゃないのよぅ!”
「!?」
なに。
と言うより、あぁもうよりによって、何で今!?
適当に聞き流していた筈だった、乃依の弾んだ声音が今なぜかこの状況下でひとつ、またひとつと泡沫のように浮かんでは消える。
“近くにいると苦しいのに、でも離れるとさびしいの 思わず眼が追っかけちゃったりとかしてねっ”
ちがう。そんなんじゃない。
何か別のことを、と必で思い巡らせても、芋蔓のように湧いてくる乃依の言葉が脳裏を駆ける。
“もう、そーゆうのって理屈じゃないの!一緒がいいって思っちゃった時点で恋なのっ”
・・・・・・待って。
それじゃあまるで。
ついさっきまでの遣り取りが心にざわりと漣を立てる。
いなくなったらさびしい。
ずっと一緒がいい。
波紋が広がる。
心臓が、全力疾走した直後みたいに音を立てて暴れ始める。
黙って、お願い。乃依さんも、心臓も!!
やめて、だってこれじゃまるで。
・・・あたくしが、恋をしているみたいじゃないの。
(そんなこと、ありえない)
そうよ、恋なんて錯覚だもの。
「その、何?」
混乱のさなか不意打ちの声に、反射的に振り仰いだ瞬間、バチリと視線がぶつかって―――――
“眼が合ったら、ビビビって電気が走って”

――んっとね、落とし穴みたいな感じかなぁ 
もーね、ほんと、いきなり すとーん って、落っこちるの。あれって思ったときにはもう遅くってね

あぁ。

ストン、と。
堕ちた、落とし穴。

93 :
以上です。
1/6が文字化け起こしてたので訂正をば。
誤)・・・何か言われた気がするが、意味が分からないので聞き流し、余分に出した食橇片付ける。
正)・・・何か言われた気がするが、意味が分からないので聞き流し、余分に出した食器を片付ける。
です。
メモだと普通に大丈夫だったんですが。いきなりこんなんですみません。
そして、えろくなくて本当にすみません・・・・
では、失礼致します。 

94 :
わぉw久しぶりの投稿。
エロなしでも全然オール桶だよww
ってか>>277さん。相変わらず神業ですな〜(*゚∀゚)=3
サイコーに萌えましたw
良かったら続き(出来ればエロありで)をキボンしたいですw
あ、あんまり無理に書かなくても大丈夫ですので、頑張って下さい(^^)/

95 :
>>94
こんな拙作に萌えて頂いてすごい嬉しいです、てか恐縮です。
お気遣いありがとうございます、せっかくだからやっぱり
エロにもちこみたいなーと思っております、がんばりますw

落ち着いて見直してみたら文字化け直ってる?し、相変わらず誤字だらけ・・・
なんかもうホント恥ずかしいです。すみません。
次来るときにはもうちょっと落ち着いて投下するように気をつけます。
では。

96 :
とりあえずキスまで持ち込んだので投下逃げ。
スナ→恭の筈が恭スナになっちゃったよ、引き出し少なすぎだよ自分。
次らへんから徐々にエロになだれ込みたいなと思ってます。
とりあえず2レスほど。
だらだら続いてすみません。ではまた。

97 :
立っている位置が分からない。
膝が笑う。
がくん、と崩れ落ちる身体を、咄嗟に支えた恭平の腕が熱かった。
「おい」
どした、と焦ったような声がひどく遠く聞こえる。
耳にもやが掛かったようで、水の中にゆっくりと沈み込んでいくような。
あたくしは、どこに堕ちていくの。
このままじゃ、溺れてしまう。
苦しい。息ができない。
助けて。
酸素を求めて戦慄くくちびる。
彷徨うように泳いだ視線が、いぶかしむ形に動くうすい唇をわずかにとらえて。
――息を。
無我夢中だった。
「は・・・・・・ッ」
喘ぐように、わなないて。
貪るように、ふさいだ。
恭平の唇は、すこし乾いていた。
睫毛が触れ合うくらいの至近距離で、再び視線が絡み合う。
驚愕に見開かれた一対の瞳が、熱に浮かされた自分の貌を映して揺れている。
それがキスだと気づいたのは、どのくらいの時間が経った頃だろう。
「!!!」
あたくし、なにをして。
カァ、と頬に熱が集まる。
こんな、まるで誘っているみたいな―――いやらしい、そんな! いや!
「おま、」今の。
「やっ」
言わないで、何も。
答えを突きつけないで。
咄嗟に振り払い、今度こそその場にへたり込んだ。
「何で・・・なんでこんなっ」
項垂れて頭を振る。
が、何も見まいと俯いた顎を長い指に取られ、ついと上向かされる。
「ぃやっ・・・」
「おまえさ」
俺のこと、すきなのか?
すき。
簡潔すぎるその二文字が胸を貫く。
どくどくと耳元で鳴っているかのように、絶え間なく鼓動が響いて。
ちがう、そんなことない、わからない
取り繕う言葉は喉の奥に張り付いて
見ないで、やめて、見透かさないで。
縛られたように動けない。
覗き込んでくる熱いまなざしを、拒めない。

98 :
スナコは観念した。
だって、どうあがいても逃げられない。
頭はまだ全力で誤魔化そうと、逃げようと警鐘を鳴らしているのに、全神経がそれを無視する。
この男の一挙一動を見逃すまいと痛いくらいに張り詰めている。
おちた先。
それは、目の前のこの許しがたいくらいに眩しい男だったと。
・・・認めざるを得なかった。
「すき・・・・・・です」たぶん。
それは搾り出すようなか細い囁きなのに、どんな大声を張り上げるよりも困難な作業に思えた。
本来ならば、それは甘美なシチュエイションなのであろう。
だも今のスナコには毒過ぎた。
「あの、もういいですか、」
だから、離してと続く筈の台詞は紡がれる前に恭平の唇に飲み込まれて消えた。
「んむっ」
三度目の視線の逢瀬。
それを認識したか否かの瞬間に、フイと音もなく温もりは離れて。
「なっ、」今の、何。
「言い逃げすんのかよ」
少し怒ったように煌く双眸に見据えられて息が止まる。
この顔は心臓に悪いのだと、今更になって思い至った。
「・・・・・」
いっぱいいっぱいと言える範囲を疾うに超えていた。
今は、これ以上、無理。
何も聞きたくない―――今日はもう、暫く、触れたくない。
じり、と後ずさろうとした二の腕をがしっと掴まれて動けなくなり、逃げ腰のまま押し黙る。
じわじわと、染みのように心に広がる苦い記憶。
そんなもの、とっくに昇華していたはずだったのに。
これ以上先に進むのはイヤ。助けて。
堪えるように固く眼を瞑り、ちいさく肩を窄めるスナコに。
ふわり、覆いかぶさった、太陽のにおい。
「あのさ」つか、ひとのはなし聞けよ。
ふぅっと、呆れたような吐息が降って来る。
「好きなんだけど」
「はへ?」
「だから、俺も」
「・・・・・は?」
は、じゃねーよ、と肩が落ちた。
鳩豆状態のスナコに大仰に溜息を吐いてみせた恭平が、顎をスナコの肩に乗せる。
あぁそこそこ、丁度凝ってて、と中途半端に意識を飛ばす。
・・・ったく、俺が答える前に誰かさんは言うだけ言ってトンズラこく気満々だし?
つか人が告ろーとしてる時に昔のオトコのこととか思い出してんじゃねーよ、しつれーだぞてめ。
細切れに飛び込んできた単語に、咄嗟に耳が反応した。
「昔のオトコって、それ語弊が・・・って、何でそれを」
「やっぱりな。・・・見てりゃわかんだよ、わかりやすいんだよ、てめーは。」
で、返事は?と問われ困惑する。
好きだと伝えた(不本意ながら)。相手も好きだと言ってきた。
・・・こういう時、返事というのは何を、どう答えるべきなのだろう。
こんな時こそ、乃依の言葉が降ってきてほしいのに。
憎たらしいくらい、頭の中はまっしろだ。

99 :
スナコかわええ
きょーへーもかわええ
幸せにおなり
続き待ってます

100 :
わーい、職人様GJ!
本編がgdgdなので、ここに来て癒される始末wwww

101 :
初めまして、この度は楽しく読ませていただきました
恭スナのラブップリに乾杯です
続きを楽しみに待っています

102 :
こんばんは。
積極的なスナコという設定に首を絞められております。
さくさくエロに持ち込みたいんですがもうちょいかかるやもです、
エロ待ちの方々、本当にすみません。
ぶつ切りでちまちま投下というのも申し訳ないのですが、
エロまで全部書き切ってからだとかなり先になると思われるので
保守がてら投下させていただきます。
3レスほどです、ヤルヤル詐欺ですが、この次辺りにはエロいの落としたい・・・

103 :
とりあえず、離してくれないだろうかと切に思う。
一度意識してしまったら、この状況は恥ずかしすぎて居た堪れない。
一般的なところのすきというものがどういうものか、聞きかじった知識を必に探っては見るもののどうも今の気持ちとしっくりこない。
もっと、ふわふわして甘酸っぱいものじゃないのかしら。
近くにいるだけで息ができないくらいに胸がぎゅうぎゅう締め付けられて苦しくて。
全てが初めてのことだから頭で考えても分かるわけがないと言うのに、聡くて不器用なスナコはまだ気づけない。
(・・・あたくしばっかりこんなに動揺して、なんでこのひとはこんなに余裕な訳?!やっぱり経験の差とかなのかしらっ)
答えが出ないイラつきが別の苛々をつれてくる。
ていうか、いい加減離してくれてもいいんじゃないかしら、ここ台所だし。と少しの反抗心を込めて首を巡らせたら、視界に入ったのは真っ赤な耳たぶで。
「・・・」
全然大丈夫って訳じゃないのだろうか、このひとも。
どうしていいか分からなくなる程どきどきしているのは、あたくしだけじゃないのだろうか。
そう思ったら、また胸がぎゅっとして。
あぁ、どうしよう。
時間が止まったかのように、ふたり、そのままじっと座り込んでいた。
りりりりり、りりりりりりりん
不意に響いた固い音に、はっとして離れる。
電話が鳴っているのだと気づいたときには既に音は途切れていた。
誰かが取ったのか、それとも切れてしまったのかは分からないけれど、ふたりを現実に引き戻すのは十分で。
「あのっ」
そろそろ、ごはんの用意しなきゃ。と立ち上がると、そうだったなと恭平も膝を伸ばす。
「スナコちゃーん、今蘭丸から電話あったんだけどー」
何か言いかけた恭平の言葉が、闖入者の声に被さって霧散した。
「蘭丸今日ごはんいらないってー、ってあれ?何で恭平もいるの?」
きょとんと小首をかしげる雪乃丞に、おかいものについてきたので片付け手伝ってもらったんですと説明した言葉は、不自然に震えたりはしていなかったか。
そっかぁ、と屈託なく笑いながら今日のごはんなにー、と問いかけてくる雪乃丞に冷やし中華と棒々鶏と杏仁豆腐ですと答えながら、
徐々に落ちついてきた鼓動をすこしだけさびしく感じた。
結局、その日はそれ以上何事もなく過ぎ、眠れない思いだけを抱えて悶々と夜は更けた。

「うぅ・・・」
思うように寝付けなかった所為で身体がだるい。
目の下には隈が出来ているし、顔も浮腫んでいる気がする。
ベッドに潜ってからも、あの一幕がぐるぐるとリプレイされ続けたせいだ。
夕飯のときだって何度か目が合ってそのたび苦しくなって何だか思うように箸が進まなくて、せっかくの中華麺が伸びてしまって台無しだった。
事情を知らないふたりには妙に心配されるし。
はぁ、と重苦しい溜息が漏れる。
前みたいに、リセットできたら楽なのに。
出来ない。
しようとしても消えてくれないどころか、却って鮮明に思い出される。
その度に、息が詰まって肌の下が熱く火照って、何ともいえない気持ちを抱えてぐったりするのにどこか温かくて困惑する。
抱きしめられたぬくもりに心が震える。
これも、好きということなのか。
この、どうしようもなく揺れる感情と動悸を錯覚だと言い切るには、こころが動きすぎて。
頬をつねってみても痛くない、なんて事はやっぱりなくて。
「・・・いひゃい」
何もなかったように振舞うには、どうしたらいいのだろう。
こんなふうに意識する前はどんな接し方をしてたんだっけ。普通にしてたいけど普通ってどんな感じだったかしら。
取り繕った普通なんて、もう既に普通とは呼べないのに。
どうしよう、とひとりごちる。
疑問符は受け止める相手を見つけられないまま、かそけく宙を漂って解けた。

104 :
明けて一日、ろくに何も手につかなかった。
行儀のわるい食べっぷりだとか、笑うと幼く見える表情とか、陽光に透ける色素の薄い髪だとかを気がついたら目で追っていることに激しく困惑した。
ふとした瞬間にぶつかる視線で、きっとばれている。
その度にばつが悪い思いをし、何をしているのと自分を叱咤して、なのに気づくとまたそうしている。
このおとこに、溺れていく。
何か別のことをと気を紛らわせてみても、気づくと気持ちは恭平へと移ろっている。
ふとした瞬間にあのときのことが思い出されて。
もう一度、触れてみたいと思った。
そんなこと考えるなんてどうかしている、なのに一度想ってしまったら抑えることが出来なくて。
それなのに、いざ近くにいると意識しすぎてどうしていいか分からない。
きっかけをつかめず、悶々と澱のように満たされない欲求が溜まる。
あのとき、電話が鳴らなかったら。
・・・あたくしは、どうしていたのだろう。

転機は不意に訪れた。
その日はもう随分と続いている恭平のバイトの日で、いつものように四人で夕食を終える。
帰宅後遅い夕食をひとり摂る恭平から、量が少ないとクレームが出たので追加を拵えるのが当たり前になり。
いつもなら多めに用意して作り置くのだけれど休み前という余裕も手伝い、帰宅時間を見計らってもう一品用意しようと台所に篭っていた。
「さて、と」
こんなもんかしらと味を見て、時計にちらりと目をやる。
そろそろ帰ってくる頃だろう。
せっかくここまで用意したのだから給仕まですべきか、それとも役目は終わったと部屋に戻るべきか暫し逡巡した。
・・・ほんとうは、どうしたいのかなんてとうに決まっている。
尤もらしい理由をつけて料理をしながら気分を落ち着かせようなんて試みたけれど駄目だった。
幾度となく眠れぬ夜を過ごしながら一生懸命頭を絞って、あぁでもないこうでもないと悩み倒して、結局同じところに行き着いてしまったのだから。
だから、これはきっと最後の悪足掻き。
確かめたい。
あの日の続きを。
今なら、きっと触れられる。
いや、そうじゃなくて、触れたいのだ、あたくしは、あのひとに。
それを認めるのはとても恥ずかしくて癪な感じもしたけど、しょうがない。
きっと、というかやはり、あのときに堕ちたのは恋という名前をしたものなのだろう。
ぱたぱたぱた。
スリッパが床を叩く音がキッチンを目指し近づいてくる。
きっと、腹減ったと開口一番に漏らすだろう。
こんな時間にここにいるのは不自然じゃないかしら、と引き絞られるような緊張感に背筋を伸ばし、スナコは大きく息を吸い込んだ。

一瞬驚いたような顔をして、なぜかうれしそうに笑って。
「ちゃんと俺の分残してあんだろーな」
やっぱり、腹減ったと鳩尾をさすりながら、恭平は椅子に腰を落とした。
「いつも残してないみたいな言い方しないでください」
するりと自然に憎まれ口が喉をつく。
気負わずに話せた事が妙に嬉しかった。
「だってぜんぜん足んねーんだもん、・・おっ」
不満そうに尖らせた口がすぐに緩んで視線が食卓に釘付けられていくのを見て、勝ったと思った。

105 :
相変わらず、綺麗に平らげる男だ。
ここまで食べつくしてくれると本当に作り甲斐がある。
ついでに冷たい飲み物くんね?とのリクエストに頷きながら空いた皿をまとめる。
「お皿下げていーですか」
「あぁ、ごっそーさん」
はー食った食った、と満足げに頷く恭平を横目で見遣る。
ふと目が合って慌てて逸らした。
がちゃがちゃと耳障りな硬音が水音と混ざる。
さっきまで普通に平気だったのに、ほんの一瞬で心をかき乱されて平常心を根こそぎ奪われて。
触れたいと思って、きっかけを探して、頭の中では割とちゃんと気持ちを整理できていた筈だったのに、いざ目の当たりにするとそんなもの全く役に立たない。
積み上げたものがあっさりと崩れてくじけそうになる。
今なら大丈夫、なんて。
「全然、だいじょうぶじゃない・・・」
蛇口を捻って肩を落とした。
とりあえず冷蔵庫に入っていた500mlのペットボトルを適当に取り出し持っていく。
直接渡すのは何だか憚られて、目の前にそっと置いた。
「さんきゅ」
おかしいくらいに意識しているのがいやでも分かって顔を向けられない。
じゃぁ、あたくしはこれでと踵を返しかけ
「っ」
「もう行くのか?」
頼むから、いきなり触れないで。
触れられた手首に意識が集まりすぎて呼吸を忘れた。
「なぁ、おまえあれから俺のこと避けてねぇ?」
「うぇっ?」
喉が裏返って奇妙なトーンの声が踊る。
まったくの想定外の言葉に思わず振り向くと、また小難しい赤い顔をして、こちらを凝視していた。
視線が痛くて俯く。
「そんなこと・・・」
「じゃぁ何で目、逸らすんだよさっきから」
返事とか聞いたからか?トラウマ引っ張り出したからか?と問いかけてくる内容はついこの間やり取りした事なのに随分昔のはなしのようだ。
ちがう、そんなことない。
ただ余裕がないだけなのだと。
今だって、ぎりぎりの淵に覚束ない足取りで何とか立っている。
するりと手首が開放されて、重心を図りかねている。
あぁどうしよう。
ちがうんですと言いたくても喉は張り付いたように渇いて空気を漏らすだけ。
ぶんぶんと勢いよく首を振って、必の思いで顔を上げる。
久々にきちんと合わせた恭平の眼差しは痛みを堪えるように揺れていて、ぎゅっと胸が痛くなった。
こんな顔させたいんじゃない。
すぅっとひとつ深呼吸をする。
ちゃんと、伝えなきゃいけない、このままじゃダメだ。
ごく、と息を飲み下す。
「あ、・・・あの、そうじゃなくて」
揺れる視線にぶつかるたび、逃げ出したくなるけど。
「あのっ!そのっ、こないだからあなたのことばっか考えて落ち着かなくなって、どきどきしてっ、・・・なんかいつも見ちゃうしっ、触りたい、とか思って、おかしいんです、こんなっ」
喋れば喋るほど本題からずれていくような気がするのに、伝えようと思う気持ちが堰を切って溢れる。
「おかしくねぇよ」
ふ、と恭平が泣きそうな顔で笑った。
「俺だって、ずっと見てたし触りたかった」
来いよ、と手を伸ばしてくる。
難しく考えるのはやめて、素直にそこに飛び込んだ。

106 :
早速読ませていただきました。
いつにないスナコの積極性にドキドキです。
あぁ、早く続きが読みたくてしょうがありません。
がんばってください。
待たせていただきます。

107 :
コソーリと続きを投下。
案外長引いてしまってすみません、まだちょっと続く様子です。
そして前回ナンバリング間違えてました、8〜10ではなく9〜11です。
お目汚し、重ね重ねお詫び申し上げます。
では、また続き出来たら投下させていただきます。

108 :
すみません、うっかりトリバレしてしまったので変えます。
無駄レスで申し訳ありません。
実質12から投下します。

109 :
ぎゅっと抱きしめてくる広い胸に顔を埋めたら、やっぱり太陽のにおいがした。
どくどくとうるさく跳ねる心臓とは対照的に、穏やかなあたたかいものが心をじわりとぬくませる。
泣きたいような嬉しいような何ともいえない感情が込み上げて、背中に手を回した。
不思議だ。
この間こうされたときは、早く離してほしいと、逃げ出したいとそればかり考えていた。
今だって、同じ位どきどきして胸が痛いのに。
硬い掌が、ぎこちなく後頭部を往復する。
そのゆるやかな動きに、うっとりと瞳を閉じた。
ほんとうに、不思議。
ひとの腕の中が、こんなに心地いいなんて。
包み込んでくれる暖かさが、鼓膜を揺らす自分のものではない鼓動が、こんなにも頬を緩ませるなんて。
触れていること、触れられていること。
それはすごくこそばゆくて恥ずかしくて、とても幸せに感じられた。
こんな気持ちをほかに知らない。
こんな気持ちになったことは今までない。
他の誰かにこんな気持ちを抱いたことはない。
きっと、それを特別と呼んで、特別に思う相手だからすきだと思うのかしら。
やっぱり、頭で考えても良く分からないのだけれど。
でも、それはなかなか悪くないことかもしれないと思った。
もっと触れてみたい。
もっと触れてほしい。
シャツに皺を寄せた手が、ゆるゆると這い登って首筋に絡む。
触れ合った自分の指先が思った以上に熱かった。
胸の間にすきまが生まれて、冷えた空気が流れ込む。
ちいさくふるえて顔を上げたら、ひどくやさしく見下ろしてくる恭平と目が合って。
そのままどちらともなく、唇を重ねた。
啄むように軽く触れ合って、角度を変えて何度もくっつけては離して。
口付けの合間に湿った吐息が漏れる。
やわらかく食み合っているうちに、だんだんと意識がぼぅっとしてきて。
「ふ・・・ぅんっ、は、」
いつしか夢中になって、互いの唇を食べていた。
ぬるりと熱い塊に口を舐められて、それが舌だと気づいたのは歯列をなぞられているときで。
ぞわりと膚の下で何かが蠢いた。
そのまま静かに這い上がってくるなにかの正体が分からない。
口腔内を侵される度にそれは全身に拡散し四肢から力を奪い去っていく。
「ぁ・・・」
頼りなく震える腕が恭平に縋る。
もっとこうしていたい。
なのにからだが言うことを聞かないことに困惑する。
ぽん、と軽く頭をはたかれて温もりが離れた。
「後で行くから」
とりあえず、風呂入って来い。
その言葉が示す意味は一つしかない。
わからないほど幼くは無いし、それがどういうことになるのかも何となく知識として知っている。
だから、その言葉を受け入れることに何のためらいもないとは言えない。
けれども、このときを逃したら、また、眠れぬつらい夜を幾度と無く過ごすのだろうと直感していた。
それは、イヤ。
でも、かしこまって答えるのはどうにも恥ずかしかったので黙ってひとつ、頷いて離れた。

110 :
温いシャワーに全身を打たれながら妙に感情は凪いでいた。
まだ、いまいち現実味がないのかもしれない。
長い髪を丹念に洗いまとめ上げる。
スポンジをあわ立ててくまなく全身を磨き、肌を隠す泡を流していくと曇った鏡にぼんやりと人影が映った。
女のからだ。
硬い胸板や大きな肩とはまったく違うまろやかな曲線、華奢な骨。
まじまじと見ると変な感じがした。
異性に身体をさらしたのは、物心つくころが最後だったような気がする。
ちちとお風呂に入ったくらいだろうか。
女の兆候を色濃く見せ始めてからは、よりいっそう人目に触れさせなんてしなかった。
誰にも見せていないものを、これから見られる。
そう思ったらなんだか妙に居た堪れないようなむず痒い気持ちになって早々と風呂を上がった。
極力体を見ないように黙々と拭いてきっちりとパジャマを着込み、髪を乾かして歯を磨く。
「暑い・・・」
長い髪を乾かすと首から背中にまで熱気が篭って、洗い流した汗がまた浮かびだす。
けれども鎖骨を覆うボタンを外すのは何となく躊躇われ、そのままキッチンで冷たい麦茶を飲んだ。
部屋に戻っても何をしていいかわからない。
普段ならベッドにごろんと身体を預けるのだが、いつも寝ているそこが妙に生々しく感じられて近寄るのを躊躇する。
うろうろと落ち着き無く歩き回り、結局クッションをひとつ抱えてカーペットに座り込んだ。
・・・ひとりでいると色々と考えてしまう。
浮かされたように交わし合ったくちづけを思い出し、顔の温度が急上昇した。
後で行く、というのは場の雰囲気に流された空耳だったりして。などとじたばたして、
もしそうならなんて浅ましいの、まるで期待しているみたいじゃないのいやらしい、と激しく首を振り。
だったら来ないかもしれないと考えて、心のどこかでほっとしながらも寂しさにぎゅうと締め付けられて。
自分はこんなじゃなかった、恋というものはこんなに人を変えるものなのかと今更慄く。
考えて答えが出るものでないなんて嫌になるくらい自覚した、それでも思考がぐるぐる湧いては回るのを止められない。
ちいさく丸まって蹲り、はぁぁと力なく溜息を零し。
途方にくれながら、少しずつ意識が遠のいて―――――

「おい」
寝てんのか、とどこかでうっすら声がして。
「ふゎ」
がばりと勢いよく身体を起こす。
屈んで片肘をついた恭平が、呆れたように見下ろしてきていた。
「え、あっ、いつの間にっ!?・・・て、レディの部屋なんだからノックぐらいしてくださいっっ」
「したっつーの!返事ねーしあんまうるさくすっと他の奴等に感づかれんだろ」
まさか寝てるとは思わなかったぜ全く、と大仰に溜息をつかれ、いちいち顔が熱くなる。
「す、すいません・・・て、今何時」
とっさに時計を見る。
部屋に戻ってからそうそう経過してはいないようだった。
しっかり寝過ごしたと言うわけではなくほんの少し、転寝をしていたのだろう。
「意外と早かったんですね」
率直に述べただけだったのだが、恭平は真っ赤になってうっせ、と横を向いた。
「・・・・・・」
身体を起こして座りなおして。
そこから、会話が途切れた。
ふたりして居心地悪く座って微動だにしない。
勢いとタイミングというのは一度途切れると、ほんとうにどうしようもない。
「なぁ」
「ひゃいっ?!」
不意にかけられた言葉に心臓だけでなく全身が跳ねた。
「おびえんなよ・・」
僅かに苦笑して、じっと視線を据えられて。
「キス、していーか?」
逸らされる事ない視線から逃れるように頷いてそっとあげた顔に、ゆっくりと綺麗な顔が降りてくる。
「目、瞑れって」
視界が閉じると同時に、柔らかく触れられた。

111 :
一度灯った熱が再び熱を帯びるのにそうそう時間は掛からなかった。
「んむ、っ、・・ふ」
呼吸と唾液を交換しながらどんどん温度が上昇していく。
とろりと流し込まれるたび、頭の芯がほぐれてじくじくとお腹があつくなる。
なにかしら、これ。
お腹と言うより、脚の付け根が。
もぞもぞしてくすぐったくて、唇が深く重なり合うごとにその感覚もどんどん強くなっていく。
急にぐい、と腰を掴まれて立ち上がらされ。
何だかよくわからないうちに、軽々と抱えあげられていた。
「なっ?」
「首にうで回せ」
浮遊感が落ち着かず、言われたとおりにしがみつく。
そのままベッドまで運ばれやんわり圧し掛かられたところで、ふと恭平が動きを止めた。
「・・・ひろし達何とかなんねぇ?」
何か見られてるみたいでヤダ。と憮然とする視線の先には、いつもおはようからおやすみまでスナコを見守る
親友ひろしをはじめとする大事なお友達数体が鎮座している。
「何とかって言われても」
この部屋は無駄に広いが収納スペースがあまりないし、あったとしてもひろしくん達を
そんな狭苦しいところに押し込めるのは気が引けます、と言うと何だか不満げにぶすくれている。
「じゃあとりあえず何か被せんぞ」
あたりをぐるりと見渡して、部屋の隅に置いてあった予備の暗幕を被せて満足げに頷いて。
「よし」
なにがよしなのか良く分からないまま、今度こそ押し倒された。
スプリングの軋む音に、先程漠然と感じた生々しさを今度ははっきり意識した。
長い指が頬を伝って顎を固定されて、またキスが何度も降らされる。
生暖かい舌が半開きになった唇を割って入り込み、絡みついてくるのに必で応えた。
口の中で発する音が耳の外から聞こえてくるのが何だか変な感じがする。
また、そっと頭を撫でられてふわふわと漂い始めて。
自分のものでない手が頭から耳、肩を伝って腕をさすって、肩を這い上がって胸にたどり着き。
「!!」
すっぽりと丸みを包み込まれ、捏ね上げられて吐息が乱れた。
ぐにぐにと揉まれている中心部に意識が集中しているのがわかって猛烈な恥ずかしさに苛まれる。
「ふぅっん!」
服の上からそこを摘ままれて泣きそうになった。
ちゅ、と音を立てて唇が離れて、まじまじと覗き込まれる。
気持ち良いのかなんて聞かれて、答えられるわけがなくて思い切り背けた。
耳たぶが熱い。
きっと、言わなくてもばれているんだわと思っていたら、今度は熱いそこを舐められてびくんと跳ねた。
「やぁ、っ・・!」
背筋がぞわぞわする。
耳も顔も全部が熱くてまるで燃えているみたいだ。
「脱がすぞ」
答えを待つまでもなく、パジャマのボタンに手がかかってぷちぷちと外されていく。
きっちり着込んだそれらが取り去られるのに大して時間は掛からず。
汗ばんだ素肌が外気に触れてひんやりしたのは一瞬。
まじまじと凝視されてからだが火照る。
「やっ、、、見ないで、くださ・・・ひゃうん!!」
「やだ」
露わになった鎖骨に顔を埋められ、首筋を撫でる髪のくすぐったさに身を捩る。
デコルテに落とされた唇がそのまま胸元へ降りていく。
また脚の奥がもじもじしてきて勝手に腰が動いてしまう。
無意識に両手は広い肩を掴み、Tシャツを大きく歪ませた。
「は、あん、っ・・・やぁん」
ふるえる胸をまた揉みしだかれて勝手に変な声が出る。
不意に身体を浮かされたと思ったら、ふつりと音もなく背中のホックを外された。
そのまま肩からするりと引き抜かれ、胸が露わにされてしまう。
「や」
咄嗟に隠そうとした両手を掴まれて身体ごとベッドに縫い付けられて。
硬く立ち上がった乳首を熱い舌で舐め取られて悲鳴が漏れた。

112 :
反応に気を良くしたのか、恭平が執拗に胸を弄る。
片方を口腔に含み転がし、もう片方を指先でくにくにと押しつぶす。
頭がおかしくなりそうだった。
「やっ、は、あ、ああん、ふぅあ」
「気持ちいいのか?」
もう一度、はっきりと聞かれた。
背筋を這い上がるそれに、脚奥で蠢くそれに形容詞をつけるなら。
「きもち、い、です、やぁん!」
それは間違いなく快感というものだろう。
「そっか」
満足げに頷いた恭平がおもむろに姿勢を正し、Tシャツを脱ぎ捨てた。
ほっそりとしていて、しなやかな筋肉のついた美しい肢体に目がくらみ、思わず目を逸らす。
ただでさえ眩しすぎる人なのに、これではあまりにも目の毒すぎる。
「・・・ぁの、電気、消してもらえます?」
でないとあたくしの目がつぶれてしまいます、と切実な思いでお願いしたのだが
「なんでだよ」
至極不満そうに返された。
「でんき消したら見えねーだろ」
「見えなくていーんです!」
「俺は見たいからやだ」
「見慣れてんのにこれ以上何を見んですかっ」
「見慣れてるって何をだよ、俺はおまえの裸が見たいんだよっ」
「!!! なおさら駄目ですそんなん〜〜〜!!」
お互い半裸という悩ましくも情けない状況でのにらみ合いが暫し続き。
渋々ながらも間接照明のみという着地点でとりあえずの一段落を見せ、ぎこちなく行為は再開された。
見られている、と知ってしまったら消えてしまいたいくらいに恥ずかしくってどうしようもない。
見せたくなくて縋りついたら素肌の触れ合う熱さをいやでも感じて、敏感になった突起が擦れてそれにもいちいち興奮してしまうのが堪らない。
今日だけで何度重ねたか分からないくちびるをまた食み合い、露わな背中を腰を滑る手の動きにも反応して。
尻を撫でる手が、つ、と脚の隙間に吸い込まれた。
「あぁっ!!!」
ずっとじくじくしていたところに指を滑らされて身体が一際震える。
「くふぅっ、あ、はんっ、ダメっ、やぁ!」
ひどくゆるやかな往復なのに、先程と比べ物にならない刺激が駆け巡る。
じわ、と染み出してくる何かが唯一の着衣を容赦なく濡らしていった。
「や、何これ・・・うぁ、あた、くし、へん・・やぁあんっ」
「もっと変になれよ」
耳に掛かる吐息が熱い。
「やぁっ!こわい、だめ・・・です、ひぃうっ」
得体の知れない底知れぬ快感が思考を白く塗り替えていこうとする。
「ここにいるから」
怖いなら、俺の手握ってろ。
熱く囁かれ、握られた手を堅く握り返す。
塗れそぼった下着の隙間からつるりと指が入り込み、じんじんと熱いそこを直に触れ。
「ぁあぁ!!」
突起をつんと弾かれて、刹那意識が飛んだ。

113 :
ちょwwwwww
テラ寸止めwwwwwww
すごい期待してます。ウホウホ

114 :
だらだら長引いてすみません。
2レス頂戴して完結になります。
長々お付き合い頂きありがとうございましたノシ

115 :
一瞬身体に電気が走って、通り抜けていったと思ったらぐったりと力が抜けて。
言うことを聞かない身体の、唯一腰が違う意思をもつ個体のようにびくびくと跳ねている。
ぼうっと霞んでうまく回らない頭を何度かなでられキスをされた。
そのまま髪の毛がおなかを滑っていくのがやたらとくすぐったくて。
まどろみかけた意識が。
「や、あああっ!うぁっ、んー!!」
苦しすぎる凶暴な快感に急激に引き戻されて訳の分からない涙が溢れた。
柔らかいようなそうでないような生暖かいものが、じゅるじゅると音を立ててむしゃぶりついている。
舐めている。
自分でさえ、見たことのないところを。
そう気づいたときには抗うことも出来ず翻弄されるだけ。
「んはぁっ、や、あっ、あ、あああああん!ひぃん!!やっ、やめっ、ああああああああ」
いうことをきかず暴れる腰を押さえつけ、尚も愛撫が繰り返されて。
硬く凝った舌先が入り口を抉り、何度も差し込まれて抜かれて。
一瞬なんて可愛いものじゃなく、止め処なく流れる強い電流のような快感に五感のすべてが流された。
「う、あ」
言葉を忘れたかのように、かたちにならない声だけがか弱く喉を抜けていく。
研ぎ澄まされすぎた意識は、ときに感覚を鈍らせるのだと初めて知った。
すぐちかくに恭平がいる。
なのに握りしめたはずの手が今どこに投げ出されているのか分からない。
「イったか」
どこに行ったというのだろう。
確かに感覚は何処かへ行ってしまった。
声のするほうへ首を向けようとしても、重い首輪に繋がれたようで動かすことがひどく億劫で。
そのまま力なく瞳を閉じたら軽く頬をはたかれた。
「おい、へーきか」
平気だったらちゃんとこたえてます。
そう心の中で言い返す。
返事の代わりに重い瞼を持ち上げて視線を送る。
霞んだ視界に認めた表情は、震えがくるほど色っぽかった。
「俺そろそろ限界なんだけど」
入れていーかって、答えらんないんだよなおまえ。と独り言のように呟いて。
「なんかすげー痛いらしーから、力抜けよ」
だから意味わかんないんですけど、と頭の隅っこで思ったとき、熱の冷めないそこに更なる熱が押し付けられた。
痛いらしい、なんて軽いものなんかじゃなかった。
「ーーーーーーーーーー!!!」
引き裂かれる体が悲鳴を上げ、浮遊していた快楽の名残は一気に冷え込んで強張る。
快感でなく苦痛にひきつる喉がひゅう、と掠れた音を鳴らした。
逃げようと本能的に引く腰を太腿ごと引寄せられ容赦なく割り入って来る。
熱い。
ねじ込まれた箇所からすごい速さで拡がるものが痛みなのか熱なのか分からない。
「あ...くっ、うぁ」
辛そうな表情を浮かべ自分を見つめて切なく息を漏らす恭平、動く度にひりひり痛む腰、ぶつかる身体の固さ、湧き上がる涙
今起きている身の回りのこと全て、きっと一生忘れない。
永遠に続いたような、そう長い時間でなかったような。
はじめての肉体の逢瀬は、意外とあっけなく幕を閉じた。


116 :
たいして動いてもいないのに、炎天下でのマラソン後よりもぐったりと体が沈む。
身体を離してごそごそと後始末をする恭平から気まずい顔でティッシュを渡され、のろのろと重い身体を起こして自分も名残を拭き取った。
あんなに痛い思いをしたのに思ったほど出血はなく、こんなものなのかとぼんやり思う。
ゴミを丸めて投げ捨てるのに異様なほど消耗して再度マットレスにぼすんと横たわったら、ぐしゃりと髪を撫でられた。
「なんかすげーがっついてたよな俺」
おまえのからだとか全然気遣ってやれなくて御免な、と珍しく悄然としている。
「やっぱ痛かったか?」
「ええ、そりゃもう」
世間の方々がなんでこんなことして喜ぶのかわかんない位に痛かったです。と正直に言うと
「そんな痛かったのか?」
いつもふてぶてしい顔がますますしょぼんとしてしまった。
本来笑うところではない状況なのだろうけれども、その様子に苦笑が漏れる。
「でも、」
一生ずっとこんな痛いわけじゃないならいーです。
これもある意味ひとつの人生経験ですし。
つーかこんなの、何とも思ってない相手とだったら絶対無理ですよほんと。
何だかよく分からないフォローをしてみたら、一瞬の間のあとすごい顔で固まられた。
「...おまえ、達観しすぎ、てか余韻もくそもねー」
表情こそ苦虫を噛み潰したような不機嫌なものだけれど、顔色は茹蛸みたいになっているので今聞いた暴言は聞き流してあげることにする。
「だって実際そーでしょう?だから、次からはちゃんと痛くなくしてくださいね。あたくし痛いのキライですから」
あんなに痛いのはホントに勘弁してほしい。
でも、やさしい指や蕩けそうなまなざしは、行為のときでないと見られないのだろうから。
直に触れる肌の熱さは、そのときでないとあんなにも感じられないだろうから。
...あんなに痛かったのに、またしたいと思っている。
痛みと恭平の痴態を秤にかけて、後者に抗いがたく魅入られている。
これが所謂恋の病だと言うのなら、なんて厄介で浅ましいものなのだろう。
フゥ、と半ば諦め交じりの息を吐いて横に寝転がる男をちらと見る。
悪戯を思いついた子供みたいな顔、と思った刹那。
「じゃ、今度は痛くしねーから」
にんまり笑って圧し掛かられて思考が止まる。
「はぃ!?今度って、いま、ちょ、待っ...!!」
「待ったなし」
仏頂面はどこへやら、上機嫌で身体をまさぐる指の動きに意識を奪われかけ。
結局惚れたら負けなのよ、と今更の乃依のお言葉を脳裏に聞きながら、スナコはその日何度目か分からない恍惚の世界の扉を開けた。


117 :
神乙です!!
昼間っから萌え萌えしすぎて大変だ。

118 :
亀ですがGJ!!
やっぱ恭スナ最高です!
ageときます

119 :
>>3

120 :
ほしゅ

121 :
間違えたほしゅ

122 :
通りすがりですが、前スレググったら見つかったので貼っておきます
ヤマトナデシコ七変化
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172496654/

123 :
既に>>56で貼られていましたね
スマソ

124 :
神よ・・・気タレ(涙祈)

125 :
保守アゲ

126 :
ttp://jbbs.livedoor.jp/movie/8656/

127 :
全話改めて見て見た。
http://m.animefree.biz/anime/episode_list.php?idx=ya&tidx=0

128 :
ご無沙汰しております。
227改め、うめと名乗らせて頂きます。
武のい(しかも書きかけ)ですが、保守がてら投下させていただきます。
続きは出来次第。
中途半端ですみません。

129 :
「や〜、難しいと思うよ?実際。」
こないだので懲りてなかったの、と呆れたように息を吐く蘭丸を不満げに一瞥し、乃依は唇を尖らせた。
「こっ、こないだのは、ちょっと準備不足ってゆーかっっ」
なんのことはない。
懲りずに恭平・スナコをくっつけたい乃依と、緩やかに諦めの境地に足を踏み入れつつある蘭丸との意見交換会?の一幕である。
「だからさ、あの時は俺らだって散々色々やってきたのに駄目だったんだからって言ったでしょ」
「だって!分かってるけど、でも、最近ほんとにいい感じだし、見た感じ ほんっと お似合いのカップルなのに
じれったくて見てるこっちがやきもきしちゃって」
ちなみに乃依は当然武長に会いに来たのだが、ちょっと片づけが立て込んでて、とのことでリビングにいると
蘭丸がやってきたので、なし崩しに作戦会議の様相を呈している(蛇足)。
「う〜ん・・・つーかさ、恭平たちの場合本人たちに全くその気がないっつーか自覚症状がないのが問題なんだよねぇ」
俺らとしてもくっつけたいのはやまやまなんだけどさ。と蘭丸がぼやく。
「お互いを異性として意識しあってるならともかく、ねぇ」
それ以前の問題だからなぁ。と優雅に髪なんぞかき上げた蘭丸の言葉に、ぴくりと乃依が反応した。
「それよ、それなのよ蘭丸君!」
異性よ、そーよ、あのふたりはお互いの “性” をもっと自覚するべきなのよっ!!
何か閃いたのか、急に生き生きと目を輝かせる乃依。
なんか違う方向に思考を飛ばし始めたなー、しょうがないねぇ、と蘭丸は苦笑しつつも一応聞いてやることにする。
こんな時は黙って聞き役に回るほうが得策だとは、長年の?経験から。
「そぉよっ、こないだの作戦が失敗したのはちょっとヌル過ぎたのよっ!
やっぱり体育倉庫なんかじゃなくて、吹雪の山荘とか、露天でばったりとかっ、それから、んーっと
『この焚き火を越えて来い』、みたいなっっ!?」
「・・乃依っち、どっからそんな古いネタを・・・」
「前に武長君が読んでた本のビデオ借りて見てみたの」
あぁんもう、今日のあたし冴えてるぅ♪と一気にテンションだだ上がりの乃依を横目で見遣り、
あ、そう。と今度はふかーい溜息を吐き出して、やれやれとばかりに首を振り。
うーん、やっぱそれくらいのインパクトが必要よねっ、とうきうきしているところ悪い気もするが
「乃依っち、少女漫画読みすぎ」
さっくり、冷静に釘をさす。
「だいたい、どーやってそんな状況にもってくのよ」
あのふたりをおびき出すのもそうだし、そんな都合のいいロケーションないでしょ。
一般の同年代よりは恵まれた環境を整えやすいとはいえ、自分たちはまだ高校生なのだ、
未成年ふたりがやすやすと泊まれるようなそんな都合のいい処、そうそう無い。
(まぁ、あったらとっくに俺が活用してるけどね)
「・・・・・・」
じゃぁどーすればいーのとばかりにむぅ、と黙り込んでしまったので、話題を変えてみる。
正直、女の機嫌を損ねると色々面倒くさい。
「スナコちゃん達のことに一生懸命になるのはいーけどさ、乃依っち自身はどーなの?武長とは」
ちょっとは進展してるの?と矛先を変えてみると、乃依は面白いくらいに動揺した。
「え゛っ、あ、あたしっ?!」
スナコ達の事に関してはすらすらと勢いよく回っていた舌が、途端に動きを鈍くする。
「あ〜、えっとぉ・・・」
「あいつ見たまんまの硬派だからねぇ。ヒトの事心配するのも結構だけどそっちはぶっちゃけどーなってんのよ?」
ついでにこっちの腹を探るなとの意味も込めつつ、進展の有無を暗に探れば乃依は火を吹かんばかりに真っ赤になった。
「あたっ、あたしたちはっ、そのっ・・・・・」
もごもごと口を濁す乃依が面白くて、ついニヤニヤと眺めていたら。
「乃依っち、ごめん、待たせた・・」
幸か不幸か、絶妙なタイミングでがちゃりとドアを開けた武長が二人の顔を交互に見て表情を険しくする。
「・・・何かあったの」
ヤバイ。
心なしか、部屋の気温が下がった...ような気がしないことも無い。
「じゃ、武長来たしお邪魔虫は退散するわ」
流れ出す不穏な空気を感じ取り、そそくさと蘭丸はその場から逃亡した。

130 :
「何はなしてたの、乃依っち」
親友と恋人が、ふたりきり。
もちろん二人とも信用に足る存在なのだが、傍から見たら蘭丸に口説かれた乃依が頬を染めていたように見えなくもないこの状況。
ありえないと分かっているものの、面白くない―――早い話が嫉妬だ。
「やっ、あの、別に大したことじゃ・・・」
顔色をなくしてあたふた焦った様子が更に追い討ちを掛ける。
「おれには言えないようなこと話してたの?」
思ったより厳しい声音が喉を飛び出す。
響きの大人気なさに更に苛立った。
(言えるわけない、あたしたちがどこまでいってるか聞かれたなんて・・!)
居心地悪そうに言い淀む乃依に一瞥をくれ、はー、と深く息を吐く。
「ふぅん、そう」
今の言い方、我ながら意地悪いな。とちらりと思って乃依を見たらやっぱり半泣きになってしまった。
「言いたくないなら、」
「あの!その・・・スナコちゃん達をくっつける話してたら、乃依っち達こそどこまでいってるのって・・・」
言いながら、羞恥が蘇ったのか再び耳を赤く染めながら、後半は消え入るようなか細い声音でぽつぽつと。
「わざわざ言うよーなこと、ないし・・・」
「あったら、云うの?」
「そんなことっ、言えるわけないょ、」
「じゃあ、作る?」
ふたりだけの秘密。
「えっ?」
唐突にしれっと返された言葉の真意を図りかねたのか、乃依が小首を傾げた。
ぽかんとした、毒気を抜かれたような表情が妙にかわいくてふ、と笑みが零れる。
「とりあえず、ここに居るのもなんだし俺の部屋行こうか。」
怒ってないよと微笑みかけると安心したように笑った乃依が、そうだねと腕を絡めてくる。
ふわりと甘く空気が香った。

さて。
大口叩いて誘い込んだものの、どうしたものかと内心溜息を吐く。
自分らとてもう高校生なのだし、いっぱしの知識は持ち合わせている。
女子のほうが色恋沙汰において早熟なことも知っているし、ましてや自分は健全な男子、
そういった事柄に対して興味をもつのは当然であるし。
そして、自慢の彼女は本当にかわいいのだ、そういう関係に発展することを願うのはごく当たり前のこと。
なのだが。
(今更、だよなぁ…)
清く正しく美しく。
所謂 “健全なお付き合い” を続けてきた所為でもう一歩を踏み出すタイミングが掴めない。
いきなり襲い掛かって嫌われるのは何としても避けたい。が、流れるようにことを進める方法も分からない。
次の一手に詰まり、内心頭を抱えた。
「武長君?」
控えめに問いかける声音に、ふと我に返る。
「え、ああ、ごめん」
どうしたの、と何の疑いも無く問いかけてくる双眸に一抹の後ろめたさを感じながら、適当に座ってと促す。
…よりによって、ベッドに腰掛けてうふふと笑う乃依に一瞬くらりとした。
―もういっそ、このまま押し倒してしまおうか。
刹那掠めた危険な誘惑を理性で追いやって、対角線上の椅子に腰をおろすと。
「となり…空いてるよ?」
ぽすぽす、と片手を招くようにマットレスの上で弾ませながら見つめてくる乃依とまともに視線がぶつかった。


131 :
“作る?二人だけの秘密。”
ほんとうは、聞こえてた。
咄嗟に聞こえないふりをしてしまったのは、恥ずかしかったから。
その意味がわからないほどコドモじゃない。
だけど、武長君と『そうゆう関係』になるということに現実味がなかったから。
興味はあるし、そうなりたいと思う気持ちだって勿論ある。
でも、たどり着く方法が分からなくてそのままリアリティをなくしていったというのが現実、みたいな感じだろうか。
だから。
急に飛び込んできたこの『タイミング』を逃したら、暫く先には進めないと思った。
毎回そうなることを仮定してるわけじゃないけど、デートのときは武長君が好きそうなとっておきのかわいいランジェリーをつい選んでしまう。
素肌につけるものには気を使いなさいと言うママの方針で、一応コスメとランジェリーにはこだわってるつもりだし。
今日も、先週買ったばかりの新しいやつをおろしてみた。
うすい水色で、つやつやしたサテン地に真っ白なレースを重ねたブラとショーツのセット。
見られてもいいものを選んだのに、いざそういう場面になったらもっと清楚なコットンのとかにすればよかったかも、なんて今更後悔した。
武長君の部屋。
来るのは初めてじゃない。
けど、ここでキス以上のことは、したことがない。
そしてそれは武長君から遠慮がちにくれるもので、あたしからは一度もないわけで。
(あたしから誘ったら、やらしい女って思われちゃうかなぁ...)
正直怖い。
「となり…空いてるよ?」
さりげなく、さりげなくと念じながら言った台詞は、わざとらしく震えてなかったか瞬時に反芻するけどもう思い出せない。
驚いたような武長君とまともに眼が合う。
赤くなるな、顔。
どきどきしすぎて心臓が痛い。
「じゃあ、遠慮なく」
すこし間を空けて、武長君が隣に来た。
ぎし、とスプリングのきしむ音がやけに響いて意識する。
そっと、掌を重ねてみた。
「乃依っち?」
あたしとは違う、骨ばった固い手が、一瞬ピクリと震える。
どうしよう。
いきなりこんなことしたら、やっぱり引かれちゃうかな。でも。
オンナノコにだって、そういう気持ちはあるんだもん。
…神様、ちょっとだけ勇気をください。
少し困惑気味の武長君にそっとからだを寄せて、触れるだけのキスをした。


132 :
ゆっくりと乃依のかおが近づいてきて。
ふわ、とシャンプーの匂いが鼻腔をくすぐり、そっと唇が重ねられた。
「!!」
ただただ単純にびっくりして思考が止まる。
瞬きを忘れた所為で間近に見た乃依は、目尻がほんのり桃色に染まっていて。
悩ましすぎるその表情にぞくりと背中があわ立つ。
伏せた長い睫毛がふるりと震えるのを、息を潜め見つめた。
「あの、ごめ..」
目を伏せて、そのまま音もなく離れていこうとする肩を掴んで抱き寄せる。
「なんで謝るの」
「だって、急にこんなことしたらイヤだったかなって」
「何言ってるの」
乃依からしてくれたの、初めてでしょ。嬉しかったよ。と腕の中に閉じ込め囁いて。
「だからお返し。」
羽のような口付けに、深く重ね返して応えた。
本当は、嬉しい反面困惑した。
必になってどうすればいいか悩んでいたのに、そんなものどっかへいってしまった。
もじもじと身じろぎながらも、シャツを握り締めてくる感触がいとおしい。
「乃依」
充血している耳たぶにそっと唇を寄せて抱きたいと告げると、こくりと静かに頷いた。
がっつくようなまねはしたくないと、常々戒めていたはずだったのに。
触れたふくらみに全て持っていかれた。
自分にはない柔らかさ。
甘い匂い。
勢いに任せて押し倒し、さらさらと流れる栗色に鼻先を埋めてかき分け、じんじんと発熱する耳たぶを甘く噛む。
「っ、ひゃん」
くすぐったそうに捩る体を抱きしめた。
すっぽりと隠れてしまう華奢なからだにそぐわない、豊かな胸が胸板に押し付けられて潰れる。
下半身が熱を帯びて凝った。
一度知ってしまったら、もう歯止めが利かなかった。
腕の中の『異性』にどうしようもなく興奮した。
見るもの触れるもの、すべてがどうしようもなく女を感じさせて高ぶる。
もっとすみずみまで見たい、自分のものにしたい。
他の誰かになんて見せない。
俺だけの、大事なだいじな女の子。
「乃依」
すきだよ。
答えようと動く唇をふさいで言葉を封じ込めて貪って。
腕を絡ませあい、お互いの身体を確かめながらぎこちない手つきで服を脱がしていく。
やっぱり流れるようにとはいかなくて、顔を合わせて情けなく笑いあった。

133 :
続き〜!

134 :
アクセス規制に巻き込まれてまして携帯から投下してるんですが、
改行吹っ飛んでえらく読みずらくなってますね、すみません。
続き分からは多分大丈夫だと思うのですが。

えーと、なんかすごく尻すぼみというか中途半端な結末になってしまってすいません。

135 :
素肌に薄物一枚になってから、あわてて気づいてカーテンを閉めた。
「なんか、決まらないなぁ俺」
もっとこう、ムードとか出したかったんだけど。
はぁ、と浅く溜息が漏れる。
「たけながくん」
こっち、来て?と可愛らしく言われ気持ちを切り替え振り向くと、下着姿の乃依が恥ずかしそうにこちらを見つめている。
白い素肌に映える空色が眩しかった。
「かわいいね、それ」
歩み寄りながらそう言うと、乃依はひどく嬉しそうな顔をした。
「えへ、よかったぁ」
ちょっと派手だったかな、て思ってたから、と頬を染めて笑う。
それはそれで見てみたい気もする。
等と考えながら。

…ふと、思いついた可能性。

「もしかして俺のために選んでつけてきてくれた?」
途端真っ赤になる乃依の姿に思わず頬が緩むのを止められない。

派手だったかと気にする。
それは見られるということを想定して出たひとこと。
すなわち、“そういう” 事態に陥ることを彼女も是としている、ということ。

俺だけが悶々としてたわけじゃなかった。
乃依っちも、同じこと考えたりしてたんだ。

シンプルな答えが妙に嬉しくて、恥じ入ったままの乃依を抱きしめる。
頭でっかちに色々ぐちゃぐちゃ考えたりなんて、しなくてよかったのだ。
もっと早く、見栄を張らずに素直に抱きたいと言えば良かった。


…ばれた。
なんとなく期待してたのが、ばれてしまった。

「もしかして俺のために選んでつけてきてくれた?」

そのひとことを聞いたとき、あまりの恥ずかしさに今すぐ消えてしまいたいと思った。
な、なんでばれたのっ、てかあたし何か変なこと言ったっけ?!
どうしよう。
いきなりキスとかしちゃったし、やらしいオンナだって呆れられちゃったかな、ああもうっ…え?
訳が分からないままいろんな事に後悔してぐるぐるしていたら、不意に抱きしめられた。
くすくす、と耳元でかすかな笑い声が聞こえて泣きたくなる。
どういうことかわからなくて何も喋れずにいると何故か珍しいほど弾んだ武長くんの声。
「よかった」
「なにが?」
「俺ばっか、したいって思ってたんじゃなかったから」
いわれた言葉に顔がかーっと熱くなる。
「えっ、あの、」
「俺、ずっと乃依としたかったけど、言えなかった」
がつがつしてるって、嫌われたくなくて。
抱くことを受け入れてくれたのも、この状況で断れなかったのなら?
そんな不安が、ない訳じゃなかった。
「でも、乃依もそう思ってくれてたんだったら、すごくうれしいんだけど」

136 :
そう言って覗き込んできたかおは赤い。
きっと、あたしも同じくらい、赤い。
「女の子の癖に、やらしいなって、呆れたり、してないの…?」
震える声で何とか言葉を搾り出す。
「何で?嬉しいよ?それより」
乃依は、したくない?とちょっとまじめな顔で、じっと目を逸らさずそんなことを言われて。
武長くんのこういうカオに弱いって、今更思い知る。
「…あたしも、したい。…したいって、思ってた」
だから。
「続き、しよう?」
そう言って、もう一度触れるだけのキスをした。
俺が言いたかったのに、と唇が離れたあと、武長くんが苦笑した。

はいそうですか。といきなりはじめられるほど慣れていないし恥ずかしくて、何度もぎこちなくキスをした。
そのままゆっくり、ベッドに身体をやわらかく押し付けて遠慮がちに指を這わす。

つんと上を向く形の良い双丘。
指に吸い付く肌理の細かい白い膚。
立ち上る、甘い薫り。
その全てが武長の雄を煽る。

はじめて触れた裸のからだの、その凶悪なまでの柔らかさに頭がぼうっと痺れ。
どのくらいの強さで触ればいいのか分からなくてそっと撫で回すと、くすぐったそうに乃依が身体をくねらせる。
上がる呼吸に合わせて上下する桃色を口腔に含み転がすと、か細い悲鳴が漏れた。
「はぁん…っ!!」
舌の上で凝るそれを丹念にねぶる。
先端を尖らせて突いてやれば段々と嬌声が増し、腕の中の肢体が跳ねた。
「気持ちいい?」
「んっ、は、わかんな.‥やぁん!!」
瞳を潤ませて悶える、その色香にぞくぞくする。
もっと乱れさせてみたい。
もっと、感じさせたい。
瑞々しいふくらみを掌に包み、あふれる質量ごとゆるやかに揉みしだく。
指先で張り詰める先端を捉え、くりくりとはさみ擦る。
「や、あんっ、あ、あぅ」
眦に薄紅をほんのり佩いて流れた視線が壮絶な色気を醸すから。
ふつ、とどこかで理性が途切れた。

「やっ、たけなが、くんっ、待って、はげし…ふぁんっ、あぁっ!!!」
気がつけば夢中になって乃依を弄っていた。
駆け上がる快感に戸惑う乃依の上ずった声音を遠く聞きながら、憑かれたように舌を這わせ、撫でまわし、捏ね上げて。
這い回る指を固く閉じられた両脚の隙間に差し入れると、びくりと大きく震えて強張った。

137 :
いつも憎たらしい位に冷静な武長くんが、あたしをほしいって、全身で訴えかけてくる。
息を乱してあたしをまさぐっている。
それがたまらなく恥ずかしくて、ものすごく興奮した。
興味本位で自分でしてみたときと全然ちがった。
気持ちいいと言うより、妙な後ろめたさばかりだったのに。
「ああん、やっ、はぁん、んん」
途切れ途切れに聞こえてくるいやらしい女の声は、間違いなくあたしの喉をついて漏れている。
それを聞くたびに、どうしようもなく昂ぶっている自分がいる。
「乃依、感じやすいみたいだね?」
あつい声音が耳を滑り降りるだけでぞくぞくして、きゅっと武長くんにしがみついた。
「やぁ、そんな、…ひぁぁん!!!」
じんじんと熱く痺れるちいさな箇所をきゅんと摘まれて、背中に電気が流れた。
甘く欲情を纏った悲鳴に衝き動かされて、けだものと化した自分がいる。
がっつくのは格好悪いなんて、知らなかったからこそ言えたんだ、ほんとうに。
乃依が漏らす声、絡む腕、柔らかい体を目の当たりにして、紳士ぶった仮面はとうに意味を成さない。
笑えるくらい、余裕がない。
滑らかに潤ってはいるが、乃依の孔は指だけでキツキツになっているというのに。

早くここにいれてみたい。
ぐちゃぐちゃにしたい。

硬く屹立したの欲望が痛いくらいに主張している。
とろとろと蜜を零し、摩擦の所為なのか発熱しているのかわからないくらいに熱いそこへ、滑り込みたくて。
きっと、まだ、早い。
いきり立った己の侵入を難なく許すほどに、ソコはまだ拓かれてはいない。
でも。

「乃依、おれ」
もう、我慢できないんだ。
「入れたい」
内壁をぐるりと掻き回しながら、耳元に劣情を流し込む。
「あぁんっ!!」
「入れて、いい?」
「んっ…!い、いよっ、ふぅ、んっ」
途切れ途切れに紡がれる肯定を、唇で呑み込んで。
「痛かったら、ごめん、ね?」
急かされる様に枕元をまさぐって、取り出した避妊具を慌しく被せる。
つぷりと指を引き抜いて、余韻で震える亀裂にそっと亀頭を押し付けた。

「!!!!!!」
いきなりすぎる圧迫感に自然からだが強張った。
指が入ったときとは比べ物にならない異物感、というよりも。
痛い痛いいたいイタイ痛い痛い痛いってば!!
ほんのすこし読んだことのあるえっちな雑誌には、こんな痛い思いをするなんて書いてなかった。
だいすきなカレとひとつになれた感動、なんて。
うそばっかり。
こんな痛くてしんどいなんて聞いてない。
…正直、やめるか聞かれたら速攻で頷いてしまうと思う。
ついさっきまで気持ちよくておかしくなっちゃいそうだったの、どうしてこんなに痛いの。
甲高い甘ったるい声の代わりに漏れるのはうめき声。
こんなの、色っぽくないし可愛くも無い。
視界は涙で滲んでるし、きっと、顔もひどく歪んでいる。
武長くん、がっかりしちゃう、こんなんじゃ。
どうしたらいいかわからなくなって、涙目のまま途方にくれた。

138 :
「乃依」
俯いて伏せた顔を覗き込まれて、こつんと額がぶつかる。
「痛いよね?ごめんね」
そう言って謝る武長くんも、なんだかつらそうな顔をしている。
そんな顔しないで。
あたしだって、したいって思ってた。
こんな痛いと思わなかっただけなの。

「もう、やめようか…?」
「だいじょうぶ、だから…っ、」

さっきは、そう聞いてほしかった。
中断するきっかけがほしかった、のに。
いざそう問われたら、思い切り否定してしまった。
意地になってるのかもしれない。
引くに引けなくなってるというのもちょっとある。
ほんとにこんなんで気持ちいいなんて思うようになるの?って頭の隅では思ってる。
でも。
やっぱり、すきなひととの初めてだから。
ちゃんと、したい。

「でも、無理、してるでしょ?乃依」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、おれ、ちゃんとやさしくできないかもしれないよ?
「…正直、すっごい痛いけど、…でも、武長くんとのはじめてだもん…」
だから最後までするの。
妙な覚悟を決めて言い切ったら、困ったように笑う武長くんの顔がそのまま近づいてきて、ふわっとキスをされた。
くちびるに、頬に、目尻に何度もキスが落ちてくる。
「しょっぱい」
ふふ、と顔を見合わせて力なく笑い合って。
しばらくこのままでいよう。慣れてくるまで動かさないから。と妙に具体的な台詞におなかの中の武長くんの“アレ”を意識して、
なんだか猛烈に恥ずかしくなった。

正直に言うと、やっぱりその後も痛かった。
武長くんが動くと引き攣れるような痛みが広がって、汗ばんだ背中にすがり付いて必になって声をした。
「乃依、のい…っ」
うわごとのように、武長くんが何度もあたしの名前を呼ぶ。
応えるようにきつく抱きしめ返す。
上ずった声が、膚の火照りがざわざわと痛み以外の感覚をつれてくる。
それを掴めそうで、でもつかめなくてもどかしさに焦がれて。
「は‥んぅっ、ふ」
鼻にかかった吐息が喉を滑る。
だんだんと、武長くんの息が荒くなって。
「ごめ、俺、もうっ…!」
一層ずくんと深く捻じ込まれて、ずるりと抜かれた。
そうして、武長くんとあたしの初めて、は終わったのだ。

139 :

「…えーっ、なんでそこでそうなるのよぅあのふたりはぁー!!」
「ほんと、さすがの俺も言葉をなくしたよ…」

相も変わらず中原邸では、不毛な会話が繰り広げられている。

「もう、いっそのことおばさまにお願いして二人を無人島にでも放り込んでみるとかっ」
「前にアパートで思い切り失敗してるじゃん、それに色恋どころかサバイバル生活まっしぐらだよあの二人じゃ‥」
優雅に紅茶を啜りつつ、蘭丸はクッションを抱きしめてぷんすか怒る乃依を横目でちらりと見やる。
最近、明らかに雰囲気が変わった。
こりゃ、武長とやったかな。などと内心ほくそ笑む。
(…あの堅物がどーやってそんな状況に持ち込んだんだかっ)
まさか自分が大きく関わっているとまでは考えが及ばない、そこはまだトシ相応なのだが。

「乃依っち達は 順 調 に 進展してるみたいなのに、ねぇ?」
わざと一部分を強調して鎌をかけると、乃依はクッションを取り落とした。
「なっ、ななななんでっ」
あわあわと酸欠の金魚のような顔色と態度で硬直する乃依のわかりやすさに思わず口元が緩む。
「あれ、どうしたの?」
俺、なんかおかしなこと言った?とさりげなく追い討ちをかける。
武長は絶対に口を割らないだろうから、聞き出すなら乃依からのほうが妥当だ。
と思ったのだが。
「べっ、別になんでもないよっ!!」
嬉々として語るに落ちるかな、との大方の予想を裏切り、まっかな顔のまま乃依は慌しく立ち上がり。
「あっ、あたし武長くんの様子見てくるからっ!」
落としたクッションを再度抱きかかえ、脱兎の如くリビングを駆け出していってしまった。

「…あのクッション、リビングのなんだけど、ねぇ?」
まぁいいか。あとで取りに行きついでに武長つっついてみよ。と紅茶をもう一口優雅に飲んで蘭丸はうっそりと笑った。


「武長くぅうん!!」
机に山積みになった本をどこに仕舞うか頭を悩ませていたところに。
うわぁん、と半泣きで駆け込んできた乃依に面食らう。
「どーしたの、また蘭丸になんか言われたの?」
「あたしたちのこと、ばれてるよぉ!!」
「え」
手元にあった参考書がばさりと音を立てて落下した。
「え、なんで…」
「わかんないっ、ふたりの秘密だから、誰にも言ってないのにぃー!!」
明日からどんな顔して学校で顔合わせればいーの、とテンパる乃依の声を遠く聞きながら、武長は今晩、蘭丸の襲撃をどうやってかわすか必に思い巡らせた。

(膠着状態の)恭平弄りからターゲットを移した蘭丸にふたりが散々からかわれるのは、また別の話。



140 :
>>134
面白かったよ、中々蘭丸がいい味ですな〜
また面白い作品読ませてくださいな。

141 :
個人的には欄丸とスナコとか王道じゃないのが読みたい。
武長乃依とかも好きだけどね。>>129乃依っち可愛かったよGJ

142 :
保守

143 :
ハロウィンネタ見たいな

144 :
まぶしい男に焼かれたい・・・

145 :
期待age

146 :
おおおヤマナデスレあったのか!
テラ腐wOPの裸野郎どもアッーwwwとか思いつつネタで眺めてて
いつの間にかスナコたんや乃依っちに萌えて最後まで見たなあ
職人さんGJ

やっぱ女性向けみたいだな、場違いすまん
懐かしくてどうしても書き込まずにいられなかった

147 :
保守ネタ。
‥になれたら良いな
全くなってないが‥orz
そして意味不でほぼ会話文。

ある日の夕方―
こんがりと狐色に揚がったエビフライを皿に盛り付けていたスナコ。そこへ背後から忍び寄る影が一つ‥。
「良し!後は付け合わせのトマ‥
ひょいぱく「ニシシッ♪エビフライもーらい♪」
「あっ!何するんですか!眩しい生き物!!」
「良いじゃねーか。エビの一本や二本」
「全くッ毎度貴方という人は!!それをこちらに返しなさい!!」
途端に凄い形相で追い掛けてくるスナコ。
戦利品のエビフライを口にくわえ、スナコに向かい
「やなこった♪」
と言い放った瞬間、恭平は何故か‥そこに在ったバナナの皮に足を捕られた。
「なッ‥」
そのまま床に尻餅を付く。「痛ぇ‥何でこんな場所に‥」
そこへ勢い余ったスナコが
「あッ‥」
ドサッ
恭平の胸にダイブしてしまった。
「‥おい「‥あの」
そこへ‥ガチャッ
「ただいまスナコちゃん♪」
「はぁーお腹空いた。スナコちゃん夕飯出来てる?」
「恭平は先に帰ってた?」
タイミング悪く入ってくる三人組。
「「「「「……」」」」」
スナコが恭平を押し倒してる状況を見た三人組。
「‥邪魔したな恭平。ごゆっくりお二人さん♪」
「えーと図書館まだ開いてたっけ?」
「おっ俺は‥何も見てないから!!ごめん!スナコちゃん!!恭平!!」
バタン‥バタバタ
「…って」
「勝手に解釈してんじゃねぇよ!!」
「勘違いですからぁ!!」
虚しく響いた恭平とスナコの主張だった‥。

148 :
ほしゅ

149 :
神はまだか‥

150 :
スナコママもいいよ〜

151 :
保守

152 :
ほす

153 :
過疎だな…

154 :
保守。

155 :
こんな寒い日はスナコちゃんの作る鍋が食べたいな
と思いつつ保守

156 :
きっと恭平達はきっとコタツでの鍋なんだろなぁ〜。

157 :
こたつにスナコちゃんお手製の鍋…!
恭平うらやましいよ恭平!!
エアコンが壊れた極寒の部屋からこっそり保守

158 :
保守がてらちょこっとおつまみ。
スナコの豆乳鍋食べたいなーと思いながらチョコねた。




ほらよ、と無造作に投げ付けられたそれをぱし、と掴んで、そっと拳を開いた。
何ですかこれ。と聞くとちょっとだけ言い淀んであいつらが、だのテレビがどうだのぶつぶつ言う。
てのひらに遠慮がちに乗っかるチロルチョコは、すこしひしゃげている。
包みを解いた中身は、握りしめていた時間と体温を何も言わず主張していた。
「溶けてるんですけど、これ」
なんて突っ込んでやろうかと思ったけど、しなかった。
そのかわり、とりあえずぽいっと口に放り込む。
食べ慣れた甘さに自然頬が綻んだ。
いつ食べても、やっぱりチョコはいいものだ。
人にもらうと、尚更うれしくておいしい。

だから、仕方ないけどやっぱりあげることにした。
背を向けて座る広い背中を軽くつついて、ごちそうさまでしたと一言。
何かまた言おうとした鼻先に差し出す、…今年のバレンタインチョコ。
「先越されると思いませんでした」


巷で話題の?逆バレンタイン。
短いしエロないしいろいろとお粗末さまですた。

159 :
>>158
逆チョコ恭スナ、キタ━(・∀・)━!!!!
チョコネタだけに、甘くて美味しかったよGJ!!
もうバレンタインの季節なんだな
最初チョコネタと聞いて、チョコプレイかと思っ(ry

160 :
チョコネタ待ち保守

161 :
チョコネタ待ち

162 :
古閑美保ちゃんなど美形アスリートお宝・女子中高生ものなどスケベ画像・動画無料で見れました。
携帯で見れて最高でした
http://1pg.in/~rest

163 :
バレンタインまであと2日…
恭平たちはすごい量のチョコもらうんだろうな
そして、スナコちゃんお手製のチョコはすごく美味しいんだろうな

164 :
庵野監督は、永井豪の「デビルマン」やウルトラマン、ガンダムシリーズなどから影響を受けたと認めているが実は永井豪作品の「マジン・サーガ」と多く共通する点がある。
内気な少年主人公がロボットに乗るため都市に引っ越してくるところが初盤で、 「ロボットとパイロットの神経系統の接続による操縦」 「ロボットのダメージがそのままパイロットに」
「液体でコックピットを満たすシステム」 「研究所にある垂直発進装置からロボットが迎撃出撃」 「突如目覚めた先住民族が人間を攻撃」 「分析したら敵のDNAが人間と同じ」
「クローン人間には魂が無いので、そこに先住民族の魂を入れて新人類を作り出すマッドサイエンティスト」
「正体不明の美少年天使と主人公のやおい的関係」 「先住民族の超古代科学遺跡・地獄の門に先住民族の魂が封印されている」 「主人公がロボットの力を使って、地球を滅ぼしてしまう」等である。
また研究所/要塞もはどちらも富士山近郊。ロボットの手足がちぎれると血が吹き出る
エヴァの顔の造詣は漫画のZ似。前傾屈で走っているところはZそのまんま。さらに劇場版のラストはデビルマン
エヴァが鎧つけてるのは、強すぎる筋肉で内臓を潰さないためだがこれは「バイオレンスジャック」のキングのパクリまた、「戦闘妖精・雪風」には両作品の共通点、
「国連直属の地球防衛特務機関」が「謎の敵」に対して「地下都市構造の基地」から時折制御不能になったり勝手にパイロット保護に走る謎めいた  人型戦闘兵器に特別に選ばれたまたは人間性というものが全くない人間を乗せて発進させるというものがある。
深井零=綾波レイ


165 :
保・エロ無・恭スナ・5レス消費


一筋も光を通さぬ暗室にその少女はいた。
少女は室内の片隅に置かれたTVを凝視していた。
その中には、何かに怯え逃げ惑う人々・惨体・飛び散る内蔵などが次々と映され、人々の絶叫が室内に響く。
その映像を顔色一つ変えず少女は見ている。
時折手元に置いてあるお菓子を摘み、飲み物で喉を潤す作業を繰り返すだけだ。
コンコン‥
「…‥」
しかし少女は全く気付かない。

166 :


カチャキィ‥
ノックの主は、そのまま許可を得ずに入って来た。
僅かに開かれたドアの隙間から、闇一色であった室内に一筋の外明がもたらされる。
そして訪問者は少女の真横まで来ると
「おい中原スナコ!いい加減昼飯作れ!」
「……」
スナコはそれには一切答えず、TVの映像に集中している。
相手は呆れた様にため息を一つ吐くと、何を思ったか窓側に足を進め
バァ‥シャー
勢い良く両側にカーテンを開いた。

167 :


室内は一転昼間になり、
ほぼ闇と同調していたスナコの姿が現れる。
丁度、眉毛の上で切り揃えた前髪に長い黒髪。そして陶器のごとく白く艶やかな肌を持ち、目鼻立ちがすうーと通った顔立ちに、すらっと長い手足。
格好こそは、白の長袖でにジーパンとラフな格好だが、まさにその容貌は美少女。古き日本の大和撫子であった。
そんなスナコの部屋は、大和撫子らしからぬもので、随所にドクロをかたどった置物や、何処から拾ってきたのか内蔵部分を失った人体模型などでコーディネイトされ、所有しているDVDは発禁ホラー関連ばかりだ。

168 :


スナコは長い髪を振り乱し物凄い勢いで振り向くと
「何て事しやがるんですか?!!今が一番良い所でしたのにィ!!‥うッ眩しい‥閉めて‥下さい!‥」
と相手に怒鳴り散らした後、その場にまるでバターが溶ける様に塞ぎ込んでしまった。
一方、スナコと共に現れた張本人の姿は、
細身の長身で街中を歩けば、老若男女問わず振り返り、その時点から人生を踏み外しかねない程に魔性で端正過ぎる美貌を持つ鋭い目付きをした少年だった。
唯一残念なのは、本人がそんな自分の容貌に興味がない事だ。

169 :


そんな張本人は
「‥どーせDVDだろ?昼飯作った後、見れば良いじゃねーか‥」
と全く悪怯れずに欠伸を一つかますと、着ていたスウェットのズボンに両手を突っ込み、部屋を出て行ってしまった。
「…くッ‥」
美少年が立ち去ったのを気配で感じ取ると、スナコはずるずると這い上がり、膝に付いた埃を払った。
そして窓側へ行き、カーテンを閉めると
「‥眩しい生き物めッ、いつか世界に一つ最高級・最高傑作のホル〇リン漬けにしてやります」
と何とも物騒極まりない言葉を吐き捨て、部屋を後にした。

End.

170 :
非ェロだって思っていたけど・・・
「いつか・・・必ず」をここで使うとはww
GJです!

171 :
スナコママの見たいな‥

172 :
「スナコママ」・・・一気に妄想が膨らんじまったぞ!w

173 :
さあ文章に起こすんだ

174 :
久々来たら投下きてた!>>165乙!
ホワイトデーねた来ないかな。
恭スナ不足で保管庫読んで来たけどやっぱりいいね。

175 :
ホワイトデーだな
チョコネタのお礼に何か書きたくても書けない自分の文才の無さが悲しい…

176 :


177 :
しゅ

178 :
a

179 :
g
e

180 :
保守

181 :
保守

182 :
切な甘い恭スナが読みたいなとつぶやいてみる

183 :
恭スナはギャグ+エロが萌えるんじゃない?w

184 :
何でもいいから、新作読みたいage

185 :
恭スナ待ち保守

186 :


187 :
もv

188 :
コラッ

189 :
アッーー

190 :
ス「ホモとはなんですの?」
恭「俺たちのエロを汚すヤツらの事だ。」
ス「?よく分かりませんが、一応呪ったほうが良い方達なのですか?(私の呪いは百発百中でにますよ)」
恭「あぁ。エビフライが食えないくらい、苦しい呪いをかけてやれ。」
ス「分かりました。では・・・」
>>186・187 ごめん。下らないこと2人に言わしてしまった(;-Д-)

191 :
「なぁ」
「…」
「おい、シカトすんなよ」
「………」
「なぁってば」
「……ちょ、なにしやがんですかっ、重いです!!」
「何してんだよさっきからよー」
「あなたには関係ありませ…って!!変なとこさわんな…やっ」
「俺暇なんだけど」
「そんなの知らな、んっ!!」
「あっそ、そーゆーこと言っちゃう訳。もうこんなんなってんのに?」
「ちょっと、だからっ、や、ダメっ…待って、あっ!服かえしてっ」
「ヤダ」
「も、やめっ、や…」
「無理」
「無理とか意味わかんな、ひぁ」
「だってオマエそそるんだもん」
「なっ…馬鹿なこと言わないで、くださ、やぁん!」
「構う気になった?」
「〜〜! わかりましたから!だから、ちょっとだけ待って下さい!これだけやんなきゃいけないんです!!」
「…わーったよ、つか何すんの」
「このスレの…保守を」

つうことで保守。おそまつ。

192 :
>>190 だけど、同じ暇人の仲間がいたー(;゚∀゚)=3
俺と同じく下らない内容なので、かなり嬉しい。

193 :
>>191 GJ!!
保守の小ネタだとわかりながら続きを期待してみる

194 :
数年ぶりに読み返してみたら面白かったので、10冊くらいまとめ買い
しちゃったよ。
保守。

195 :
2人のKiss記念にアゲv

196 :
あげ

197 :
上げ

198 :
上がってないから、代理age

199 :
あげ

200 :
過疎だな…

201 :
モザなしDVDサイト!!
ただ今230円キャンペーン中につき1枚230円也!
業界最安値!!
業界最多タイトル!!
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202 :
上げ

203 :
代理あげ

204 :
保守

205 :


206 :


207 :


208 :


209 :


210 :


211 :


212 :


213 :


214 :


215 :


216 :


217 :
アッ

218 :


219 :



('A`)
ノ(ノ )― }プゥ‥
< <

220 :
何だこの流れw
というか、このスレにこんなにまだ住人いたことに驚いた

221 :
>>220禿げ上がるほどry
保守。
ハロウィン小ネタ、えろなしですいません。



「とりっくおあとりーとー」
やる気のない声でがちゃりと無遠慮にドアを開けた侵入者を一瞬ちらりと見て、私はテレビ画面に意識を戻した。
「なんですか。お菓子ならさっき貴方遠慮なく強奪してったからもうありません」
それにまぶしいんです。気が散るからさっさとドア閉めてください。とあからさまなくらい背を向け、口早に言い捨てる。
勿論反論なんか聞く耳はない。
南瓜のプディング、タルトにパウンドケーキ、マフィン。今年も精根篭めて作ったのに。
思い出すとイライラするので意識して目の前のDVDに没頭する。もとい、しようと試み…敢えなく失敗した。
「だから出てけと言ったはずですけど」
何故横に座るのだ。何故こちらを凝視するのだ。全く以って意味が分からない。
「出てけなんて言われた覚え、ねーけど?」
まぁ、言われた通りドアは閉めてやったけどな。と鼻で笑うその美しい顔がぬほど憎たらしい。
「じゃあ今言います、出てってください」
「やだ」
「ハァ!?何なんですか、一体!」
お菓子強奪したあげく、ご丁寧に嫌がらせですか。この極悪非道!
腹が立ってじゃああたくしが出ていきます!と言いかけ、なんであたくしが出て行かなきゃいけないんだと思い至り忌ま忌ましくて唇を噛む。
むっつりと押し黙る私をちらと一瞥し、高野恭平は事もなげに「お前さぁ、何しに来たのか位聞けよなー」などと抜かした。
「…何か御用ですか」
何だか負けた気がして非常に気分が悪い。
不機嫌も露な質問に、しれっと返ってきた反応は。
「菓子ねーから悪戯されにきた」
で、この場合いたずらってトリックか?じゃあトリックオアトリートになんねーな。などとうそぶく横顔に、私は思い切りクッションを投げつけた。
おわる
*********************************
トリックは悪戯、トリートはおもてなし、と言う意味らしいですね。知らなかった。
このあとそんなのいらんと突っぱねるスナコに、じゃあ俺が悪戯するわと恭平に美味しく頂かれちゃえばいいなぁ。と
思いつつ続きが浮かばず断念。すいません。


222 :
>>221 GJ!
ヤマナデといえばハロウィン、ハロウィンといえばヤマナデだなw

223 :
保守age

224 :


225 :


226 :


227 :


228 :


229 :


230 :


231 :


232 :


233 :


234 :


235 :


236 :


237 :
なんじゃこりゃー

238 :
泡立てていたホイップクリームが勢い余って顔にかかっちゃったスナコちゃんに無理やりキスする恭平という電波を受信した。

239 :
保守

240 :
保守age

241 :


242 :
ドラマ化と聞いて…
ドラマは見ないかもしれないが、それをきっかけに職人さん来ればいいなと思った

243 :
ドラマの設定だと雰囲気変わるだろうけど
それでスレが活性化してくれたらやっぱり嬉しいな
ジャニーズだし荒れないといいが

244 :
スナコは栗山千明にしてほしかったな

245 :
>>244
同じく
栗山千明のイメージだよね

246 :
保守

247 :
のいっちの配役が…orz

248 :
君に届けの主人公と被る

249 :
ああ

250 :
保守

251 :
保守

252 :
保守

253 :
保守ついでに小ネタ投下。
恭スナ、スナコ目線。付き合い始めたばかりの二人、のつもりです。
エロに持ち込めなかったうえ無駄に長くなりますたorz
改行エラーのため、2レス消費させていただきます。
ドラマもあるし、また盛り上がってほしいなあ。
************************************************
最近、おかしい。自分が。
学校にいて授業を受けている間も、部屋に籠ってひろしくんを磨いているときも、
こうして大好きな料理をしているときですら。
集中できていないのだ。
原因は自分でもうんざりするほどわかっていた。
気がつけばぼう、と考えている。
「おい、」
…。
「おい、中原スナコ。」
名前を呼ばれて驚く。
気づいたときには既に、整いすぎた美しい顔が自分を覗き込んでいた。
「……!!」
しまった。思い切り後ずさった後で思う。
拒否の意味にとられただろうか。
相手は少し黙り込んでから、小さく嘆息して
「ただいま」
少し寂しそうに言った。
ああ、違うのに。
言いたいことはたくさんあるのに、弁明の言葉は浮かんできてはくれなくて。
あなたのことを考えていた、なんてもちろん言えるわけもなく。
「…おかえり、なさい」
自分を腹立たしく感じながら、紡ぎ出せた言葉はそれだけだった。
「おう。晩メシ、何?」
自分の最近の散漫さの原因でもある男は、
冷蔵庫からペットボトルの水を取り出しながら何事もなかったように訊ねる。
「…鯖の生姜煮と、温野菜と味噌汁、です」
傷つけただろうか。
努力してはいるものの、やはり気恥ずかしさと彼の眩しさに慣れることは、
暗闇で長い時間を過ごしてきた自分には想像以上に難しくて。
またやってしまった、と俯きながら応えると、大きな掌が頭の上に降りてきた。
「何おまえ、元気ねえぞ?」
ぽんぽんと、まるで小さな子どもに、大丈夫だよと言うみたいに。
彼なりの気遣いに安堵すると同時に、申し訳なさが胸を締め付けた。
ごめんなさいと、俯いたままごく小さな声で呟くと、
何謝ってんだよ、と彼が笑った。

254 :

聞こえていたことに驚いて顔を上げると、切なそうな瞳と視線がぶつかる。
なんて綺麗な目、などと一瞬ぼんやり見とれていると、そのまま距離が縮まってくる。
驚いて反射的に避けそうになって初めて、緩く抱きしめられていることに気がつく。
いつの間に、なんて思ったときには額に口づけが降っていた。
真っ直ぐな目が、私を捉えて離さなかった。
「逃げんなよ。」
無理はしなくていーけどさ。少し拗ねたように言ってから、タコみてえ、と真っ赤になった私の顔を笑う。
どうしていいのかわからなくて、とりあえず小さく頷くと、今度はしっかりと抱きしめられた。
額に、こめかみに、頬に。優しい口づけが降りてくる。
心臓の音が、相手にも聞こえてしまいそうなくらい、うるさかった。
そっと添えられた骨張った指先の冷たさが、火照った頬に心地良かった。
「外、寒いんですね」
あまりの近さが恥ずかしくて言うと、
「うん、お前のほっぺたあったけー」
少し赤くなった顔で笑いながら、額をこつんと合わせてくる。

愛しい、と思う。
今でさえ持て余しているこの気持ちを自覚するのに、いったいどれ程の遠回りをしただろう。
恋なんてただの錯覚だと思っていた。
人を好きになる資格なんて、私には一生無いと思っていた。
思いを交わしたあの日から、私でいいのかと何度も問うた。
その度に、おまえがいいと笑ってくれた。
これからだって、きっと悩みは尽きないけれど。
あなたが笑ってくれる度、私の気持ちは軽くなるから。
今はまだ恥ずかしくて、言葉にするのは難しいけど。
ずっと隣にいさせてください。
心の中で、目の前の愛しい男にそう呟く。

合わせた額が離れて、真っ直ぐに見つめられて。
「目、閉じろ」と彼が囁く。
唇が、重なった。
溶けてしまいそうだと思いながらも、離れていくのが名残惜しかった。
「なぁ、」
見上げると、赤くなった顔が、子どもみたいに笑って言った。
「ずっと一緒にいてな。」

*************************************************
以上です。
えっと、ごめんなさい。

255 :
GJ!スナコかわええ
ドラマ化したしまた盛り上がってほしいねえ
恭スナでなにか書きたいなあと思ってるんだけど、ネタが降ってこないんだよなあ
なにか浮かんだら投下しにきまーす


256 :
>>253
すごく良かったです!
ありがとうございました。

257 :
>>253です
>>255,256様、拙い文章にコメントありがとうございます
小説を書くこと自体初めてで
とても緊張していたのでほんとに嬉しかったです
ありがとうございました!
255様、恭スナ待ってます!

258 :


259 :


260 :


261 :


262 :
ニヤニヤニヤニヤ

263 :


264 :




やv

265 :
保守

266 :
ほしゅ

267 :
ドラマの恭スナもエロくて萌えるのに
スレが止まってる…_| ̄|○
恭スナもいいけど、雪スナや蘭スナもいいよ。
竹ノイは…。

268 :
>>267
さあ、その萌えを文章に起こすんだ!

269 :
保守

270 :
保守

271 :
ドラマ版8話終了後の蘭丸
原作を知らないので多々お目こぼしを

俺は自分しか愛せないんだ。確かにそう思っていた。なのになぜ、こんなに心がざわついているのか自分でも分からない。
泣かれたから?
まさか。女性の涙なんて、俺には別れを彩る小道具の一つでしかない。
だいたい、あの子は親が決めた婚約者で…
「何考えてるの?」
髪を絡めとる指先に漂うのは、俺がプレゼントしたのとは違う香りだ。
甘い匂いがさらに近くなり、耳たぶから首筋へと女の吐息が落ちてきた。
俺の胸に添えるようにしなだれていた女の指にくちづけてやる。
「なんでもありませんよ」
「あら、気にしないわよ、私は。昼間の子のことでしょう」
「僕にはあなたしか見えませんよ」
今度は唇を重ねて、ゆっくりと彼女の体をベッドに沈めた。

272 :
柔らかな乳房に触れると、女の体温が次第に高くなっていくのがわかった。
それに合わせて、肌から立ち上る香りも、より甘く、鼻をつくように感じた。
俺以外の男の匂いをさせて、俺に抱かれる女…良いんだよ…それくらいで。お互い様じゃないか…今までだって、そうやって…
「オソレイリマス」
どうしてこんな時にあの能面娘の顔がちらつくのか…。
「ごめん。用事を思い出した」
「え?」
「埋め合わせは必ず。部屋は使って良いから」
振り返りもせず、乱れた襟と髪を整え、ホテルを出た。
心臓が燻されていくみたいだ。
「今までのバチが当たったんだよ」
ふんっ と雪之丞がそっぽを向く。
「夕方、珠緒ちゃん来てたんだよ。蘭丸に失礼なことしたから謝りたいって」
「え…」
「女のとこになんか行ってないって、信じたかったんだよ。蘭丸のバカ」
「それは…」
「電話くらいしてあげたら。待ってるかもよ。付き合うって言ったんだろ」
武長に促されるようにして、俺は部屋に戻った。足が重い。

273 :
「わざわざのお電話恐れ入ります」
能面娘が電話口でお辞儀をしているのがわかった。
礼儀正しくて成績優秀。習い事もピアノにお花にお茶に琴だか。多分森井グループの嫁としては申し分ないんだろう。
ただ、問題は俺が彼女を愛せるかどうかなんだ。そしてそれはすごく難しいことな気がする。
「あの…」
「…ごめん。今日来てくれたって」
付き合うと言ってしまったことを今さらに後悔しながら、相手を伺う。どうせならあっちからふってくれれば楽という打算も無くはない。
「今日は申し訳ございませんでした。挨拶もせず帰ってしまって」
「いや、こっちこそ」
まさか、君の顔がちらついて最後までできなかったと言うわけにもいかず、気まずい沈黙が流れてしまう。
「…会えるかな」
「え?」
「会えるかな。今から」
いっそのこと、嫌われてしまおう。
時計は十二時。俺は前持って、大人の付き合いと断ったからな、と自分に言い聞かせた。

274 :
どうして、この子はこんなにも素直なのだろう。待ち合わせ場所に現れた姿に、もう一度胸が痛んだ。
「出てきて大丈夫だった?」
「両親は海外に行っておりますので」
外泊の為の余分な嘘は要らないようで、なぜかほっとする。
白いコートの下に、ほっそりとした足が見える。清潔感のあるメイクに、髪もきちんとセットされて、こんな夜中でも一部の隙もないお嬢様なんだな。
けしてブスというわけじゃない。むしろ美人の部類に入るだろうこの子を、なぜ愛せないと思うのか。
女なら誰でもOKと自負していたはずなのに…
「寒いだろ。中に入ろう」
さりげなく肩を抱くと、彼女がかちかちに強ばっているのがコート越しにも分かった。
これからのコトが分かっているのかどうなのか。
ふっと、柔らかな髪の匂いが鼻をくすぐった。シャンプーか石鹸か…香水ではない、優しい匂いだった。
「良い匂いだね」
「恐れ入ります」
「泊まれるんだよね」
「……」
「意味は、分かるね」
能面のようだった顔に赤みがさして、彼女はうつむいた。箱入り女子校育ちとは言え、大学生だ。その手の噂話と無縁で生きてきたわけでもないのだろう。
「嫌?」
「……」
「今なら…」
「だい…じょうぶ、です」
傷付けたくなんかないんだ、と言っても伝わらない気がして、言葉を引っ込める。
彼女の指は、俺のコートの端を掴んで、わずかに震えていた。艶めいていく夜に怯えたのか、視線を俺に向けてくる。
「入って」
促されるままに、彼女は進む。
ダブルのベッドはこんな時、なんとも生々しく存在を主張するんだな。
「シャワー、先に使う?」
「いえ、もう入って来ましたから」
「そう」
とん、と軽く背中を押すと、彼女はよろめくようにベッドに手を着いた。薄い橙色の灯りに、泣きそうな顔がゆらゆらと揺れている。
ゆっくりと間合いを詰め、彼女の横に座る。彼女は逃げなかった。
「昼間ヤれなかったんだ。他にいなくてね」
「私…」
「大人の付き合いだって言ったよね。だから、嫌だったら帰って良いんだよ」
「だい…じょうぶ…ですから」
「ふうん」
上から覆い被さるように、彼女の手を抑えつけ、唇を吸った。薄い唇は外の冷気をまとって冷たく、口紅の匂いがした。
コートのボタンを外し、ブラウスに手をかける。胸元に小さなネックレスが光っていた。
「蘭丸…さ…」
舌を絡め取ると、彼女の口から吐息が漏れた。抑えている手が震えている。
「こわい?」
「初めてなので…」
「優しくできないかも知れないよ」
ぎゅっ と目を瞑り、俺を待っている。多分、彼女にしてみれば、相当の勇気を必要とすることだろう。
俺は、何をしているんだろう。傷つけたいわけじゃないのに…
そのまま、俺は彼女から手を話し、ベッドに腰かけた。

275 :
「…私、何か失礼なことを…」
はだけた胸元を集めながら、彼女は起き上がり、声を震わせた。その目は涙に潤んでいた。
「君のせいじゃない。俺は、自分しか愛せない男なんだ」
喉の奥から搾り出すようにして声にすると、少し気が楽になったように思えた。
「雪之丞様に伺いました」
「ごめん。ひどいことを」
彼女の頬に伝う涙を拭ってやると、ほっそりとした指が、包むように俺の手を握りしめてきた。
「初恋の方のことも…伺いました」
「あいつ」
「私の方から聞かせて欲しいと頼んだのです。申し訳ありません」
はらはらと涙がこぼれて、俺の膝を濡らす。
「私のせいだったのですね。私がいたから」
「違うよ。君がいなくても、結果はきっと同じだった」
あの冬の日、駆け落ちまで誓いながら、彼女はとうとう俺の前に現れなかった。
冬の雨の中で、新しい彼氏と腕を組んで歩いていく姿に、どうして声をかけられなかったのだろうか。
もう夢にも出て来なくなったというのに、まだ俺は忘れてはいないらしい。
「初恋だったんだ…だから」
「……」
「認めたくなかったんだよ。捨てられたことを」
「……」
「認めたくなくて、君のせいだと心のどこかで思っていたかったのかも知れない」
「はい」
「ごめん…俺は」
ああ、そんなことだったのか。彼女に向けていたのは、行き場のない八つ当たり。それを知って尚、彼女はここに来てくれたのか。
俺は…
「…私、蘭丸様をお慕いしておりました。初めて会った時から」
触れあう相手の指を優しいと感じたのは、いつぶりだろう。誰と、どんなに体を重ね合わせても消えることのない虚しさが、澱のように心の底に溜まっているのが、今は分かる。
俺は愛されたかったんだ。ただ、自分が愛したときに相手が去って行くのが恐ろしくて…。
「私は…蘭丸様のもとから去ったりは致しませんわ。お誓いします」
「珠緒ちゃん…」
「蘭丸様だけなのです。私を美しいと言ってくださったのは」
もう、彼女の涙は乾いていた。
「私は父から、感情を表に出すのは恥ずかしいことだと教わりました。笑うのも、泣くのも、良くないことだと」
「……」
「蘭丸様だけですわ。私をあんなふうに言って下さったのは。でも嬉しくても、それをどう伝えたら良いのか…分からなくて」


276 :
空調でかすかにカーテンが揺れるのに合わせて、彼女の顔にできた、橙色の影も揺れている。
なんだ…普通の、優しい子じゃないか。そんな子に、こんな悲しそうな顔までさせて、俺は…
「本当にごめん…」
「…私こそ」
沈黙が、夜を支配していく。窓の外では雪が降り始めていた。
「帰る?送るよ」
「…はい…でも」
「なに?」
「もう少し、いても良ろしいですか?」
そう言われて、胸の奥がシクシクと疼いた。
「…蘭丸様は、お嫌ですよね。申し訳ございません」
そそくさと立ち上がり、ドアに向かおうとするその手を、何故か俺は握り止めていた。
このままなら、間違いなく俺の思い描く結末に持っていける。婚約を破棄できる。なのに何故か、手を離すことができなかった。
「蘭丸様?」
「もう少し、ここにいようか」
「え?」
「笑ってくれる?別に…笑うだけじゃなくて…その…色々、表情見せてくれると嬉しい、っていうか」
あまりにもブンブンと首を上下に振られて、思わず吹き出してしまった。
可愛いじゃないか。
女の子の表情でドキドキするなんて、いつぶりだ?あれ?
「蘭丸様?」
「可愛いよ」
「恐れ入ります」
ぐっと手に力を入れると、彼女はよろめくように俺の胸の中に落ちてきた。
細い腰が、腕の中で小さく震えている。ドキドキ言っているのは彼女なんだろうか、俺なんだろうか。

277 :
彼女の背中に回した腕を、背骨を数えるようにうなじへなぞり、コートを脱がせた。
先ほどは見もしなかったコートの下の服は、白いブラウスに白いスカートだった。
「可愛いよ」
「恐れ入ります」
緊張しているのか、彼女の指は冷たく、俺の手の中で、居所なくうごめいている。
「鏡、見て」
彼女を鏡の前に立たせると、後ろからスカートのファスナーを下ろした。
しゃら、としなやかな音を立てて、輪のようにスカートは滑り落ち、彼女は身を強ばらせた。頬が染まっていくのが分かる。
「蘭丸…様」
「見て」
俯きがちになる彼女を、後ろから支えながら、ブラウスも脱がせる。
膝上の白いロングスリップが、細い肩紐に支えられて、しっとりと肌に吸い付いていた。
「きれいだよ」
彼女はもう、恐れ入りますとは言わなかった。
首筋に軽くキスを落とすと、ビクリと体を震わせ、身をよじった。
そのまま、首筋へと唇を這わせると、小さな吐息と同時に、熱が上がっていくのが分かった。
左手は腰を支え、右手でスリップの肩紐をつまむ。胸の膨らみを覆っている固い布を外すと、よりくっきりと、スリップに彼女の肢体が映し出された。

278 :
>>271


279 :
>>271
横レス失礼。
投下してもらうのは非常にありがたいが、ある程度まとめてから投下してもらいたい。

280 :
ゆっくりとスリップごしに、体のラインを確かめていく。
小さいけれど、存在を主張する二つの丘。その頂点はもう硬く尖り、色づいている。
うなじにキスを落とすと、珠緒の背中がビクリと強ばる。俺たちの姿が鏡に映り、なんとも淫靡な光景だ。
「恥ずかしいです…」
頬を赤らめ、うつむくその姿は、もういつもの能面ではなく、恥じらいに揺れる、清楚な花の風情だった。
ドクン、と俺の心臓が大きく打った。
ヤバい。これはヤバい。
反則だろう、これは。
支えていないと倒れてしまいそうなほどに、珠緒は震えていた。
けれど、それは俺も同じで、まるで、生まれて初めて女に触れた時のように、身体中が熱く高ぶっていた。
珠緒を抱き上げ、ベッドへと運ぶ。
なんなんだ、この余裕のなさは。どうした森井蘭丸。百戦錬磨の手腕はどこへ行った。
「蘭丸様…」
潤んだ瞳で見つめられた瞬間、俺の中で何かが弾け飛んだ気がした。
可愛いじゃないか。
「こわい?」
「…少し…でも」
「優しくする。約束するよ」
珠緒の肩を抱きしめ、唇を重ねた。さっきの強引な口づけを詫びる代わりに、何度も優しくくちづける。
舌を差し入れると、彼女もまた、俺を求めるように応えてくれた。
こんなことが一々嬉しいなんて、どうかしている。

281 :
胸元を軽く噛むと、花びらが散ったように、赤い跡がうっすらと浮かび上がった。
身体中に花びらを降らせるように、俺は珠緒の身体にキスをし続けた。してもしても足りない気がした。
彼女の指が髪を撫で、俺の肩を抱く。
足を開かせ、その間に割って入ろうとすると、やはり彼女は小さく悲鳴のような声を上げた。
「恐くないから」
きゅっと目を閉じ、震えている彼女をもう一度抱きしめ、ゆっくりと、足の間を探り、源泉を辿るように指を動かす。
「あ…」
吐息が彼女の口から漏れ、体がしなる。甘い蜜がこぼれ落ちるように、俺の指をぬめらせ、溢れていく。
さらに指をよじると、彼女は悲鳴とも喘ぎともつかない声を上げた。
俺は俺で、もうとっくにはりつめて、余裕などなくなっていた。
この子といると調子が狂う。ああ、でももうそんなこと知るか。
「痛かったら言って…」
ぐ、と男の部分を押し当てると、珠緒は一瞬逃げようと身を固くした。ごめん、と心の中で小さく詫びて、俺は珠緒の中に押し入った。
ゆっくりと、暗い道を進む時のように、珠緒の中を確かめる。
「…あ…ぅは」
苦しそうな息遣いから、彼女が耐えているのが分かる。
額に、頬にとキスを落とすと、今度は彼女の方から唇を求めてきた。
切ない喘ぎを受け止めながら、俺は夢中で彼女を貪った。
「蘭丸…様…」
うわ言の様に俺の名を呼びながら、彼女の指が俺の首に絡み付く。
「…はぁ…ぁあ…」
何度目かの大きなため息を吐ききった途端、するりと彼女の力が抜け、くったりとベッドに沈みこんだ。
額に張り付いた髪をよけてやると、その指を握り返してきた。

282 :
「最低!最低だよ!」
雪之丞はそう言って、またそっぽを向いてしまった。
「結婚する気もないくせに、あんな良い子をさ」
確かに結婚するかどうかとなると、話しは別な気がした。
それでも、昨日とは確実に何かが変わった。もう少し時間はかかるのかも知れないが、いつかはっきりと答えが出せそうな気がした。
それまで、あの子の色々な表情をもっと見てみたいと思っている俺がいる。
このおかしな感情は、どうやらそう嫌な物でもないらしい。

283 :
>271です
以上になります
お目汚し失礼致しました。

284 :
>>271蘭玉GJです!
正反対な二人がいいですね♪ドラマもこんな感じになってほしいです。

285 :
>>271
GJです!
あ〜ドラマ後一回で最終回か…

286 :
>>271
投下乙。
>>285
最終回前だってのにスレ過疎ってんな…放送時間が悪いのか?

287 :
蘭珠GJ!ドラマ見て読みたいと思ってたからすごく嬉しい!!

288 :


289 :
しゅage

290 :


291 :
保守

292 :
職人さん待ってます!

293 :
保守

294 :
書きたいけど書けねぇ
誰かリアルな恭スナ書いてくださいな

295 :
原作とドラマ版だとどっちの方が需要が高いのかな?
自分はドラマでハマッた口なんだけど・・・
このスレの流れからして、やっぱり原作だろうか。
・・・と。恭スナに飢えすぎたが為に
自給自足を考えてる自分が投下検討中。

296 :
どっちでも萌えさせて貰ってるよ
お待ちしてます

297 :
>>295
期待保守

298 :
保守age

299 :
お待ちしてます!

300 :
保守!

301 :
>>295に期待。
正座して待ってる

302 :
保守age

303 :
職人さん来ないかな〜
保守

304 :
食欲の秋!
スナコちゃんの手作り料理食べたいな〜

305 :
保守

306 :
職人様降臨期待age

307 :
保守

308 :
フライングいい夫婦保守。



*
恭平は、うなじのにおいを嗅ぐのが好きだ。
セックスのあとでうっすらと汗ばんだ首筋を甘く噛むのも好きだ。
お互いの熱を分け合うように混ざり合って、荒く息をつきながらぐったりと沈み込む白い背中に散らばる長い髪を掻き分けると、
ぶるりと震えたスナコが寒いんですがと恨み言を吐いた。
わりぃ、と全く悪びれない軽い調子でうっすら笑って恭平は体を傾ける。
すべらかな膚をまっすぐ伸びる背骨にやわらかく舌を這わせて舐め上げた。
「や…あ、っ」
引ききらない余韻があらたな漣をつれてきて、スナコはか細く喘ぐ。
少しだけ掠れた甘い吐息にぞくぞくしながらゆっくりと脊髄まで確かめ、辿りついたうなじにかぷりと歯を立てる。
ぴくんと跳ねる正直な反応に、恭平は至極満足した。
鼻筋で生え際に潜りこむ。そっと息を吸い込むとシャンプーのにおいに混じってほのかに甘くスナコが馨る。
その慎ましいやわらかさにちょっとうっとりして目を細めた。
女の人工的なにおいを恭平はひどく嫌っていた。
たいていその強いにおいは突き刺すような視線だとか、物欲しげな甘ったるい声色と一緒にやってきて彼を辟易させたからだ。
「あ〜…落ち着くわあ〜…」
すんすんと鼻を鳴らし、首を曲げて流れる髪に顔を埋める。頤をすこし上向かせて形の良い耳を食む。
薄い耳たぶから耳殻をねぶってかたちをなぞり、わざと濡れた音をたてて舌先を捻じ込むと痙攣したように震える。
「やだ、あ、もぅっ」スナコが逃げようと身を捩るので、押しつぶさない程度に体重をかけて圧し掛かる。
「さみーんだろ、ほら、あっためてやっから暴れんなって」
「ちょ、なに、ばっ、…やぁ!」
ちゅぷ、と高く音を出して耳から口元を離し、またうなじへと。
今度は密やかに撫でるようにくちびるで愛撫する。
さらさらと背中からシーツに散らばる黒髪を全て片方に流し、そのまま先程舌で辿った薄い背を、今度は掌でさすりおろして行くとスナコの体がひくひく波打った。
「まっ、 ばかっ、また」するんですかとか細くあがった抗議が嬌声に変わる。
くるりとまろみを帯びた尻に恭平が忍び込んだからだ。
くちゅりと粘ついた水音をたてて、長い指が秘裂をそっと解していく。
「俺もさみーんだよ」
だからあっためろ。とばかりに指先を遊ばせてしまえばスナコはもう断れないと恭平は知っていた。
*

中途半端にエロなしぶった切りすいません

309 :
308、何故いいとこでぶった切る〜ww
是非に続きを!

310 :
>>308 いい夫婦の日ネタGJ!
しかし、続きが読みたすぎるんだせ…

311 :
今月はコミックの新刊発売です。
誰か職人さんが出てきてくれるでしょうか?

312 :
誰かスナコから恭平を襲う話し、書いてくれないかなぁ〜

313 :
保守

314 :
過疎ってますね…

315 :
>>308
しばらく見てない間に投下GJGJ!!!
激しく続きが読みたいのだが…是非お願いします!

316 :
227さぁ〜ん!カムバック〜

317 :
保守

318 :
ほしゅ

319 :
復帰

320 :
保守

321 :
保守

322 :
保守

323 :
保守

324 :
保守

325 :
保守

326 :
保守

327 :
hosyu

328 :
保守

329 :
               __
            , -:::"::::::::::::::- 、
          /::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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.  /:/::/:/    ヽ   l:::::::V  o \| j::::::レ    /ーr "   j
 //:::/:/|       \ l:::::::レ  ̄ ̄ ̄ ̄     /__//:、_/|
.////::/: |       ::l ヽ:/    ヽ       / --'---ゥ |
.///::/: : :l |     \l  /       |     _/    二ニゝ |
://::::| : : : : 、l    :::|  /      /   /ヽ       イ7 |

330 :
>>329 GJ

331 :
保守

332 :
保守

333 :
保守

334 :
保守

335 :
保守

336 :
保守

337 :
保守

338 :
保守

339 :
保守

340 :
保守

341 :
保守

342 :
保守

343 :
保守

344 :
age

345 :
保守

346 :
age

347 :
保守

348 :
保守

349 :
age

350 :
保守

351 :
保守

352 :
中原

353 :
保守

354 :
貞子

355 :
恭スナ読みたいなage

356 :2012/11/27
保守
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