2013年01月エロパロ284: 牙狼<GARO>でエロパロ 第二章 (248) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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牙狼<GARO>でエロパロ 第二章


1 :2012/08/05 〜 最終レス :2013/01/05
前スレ
牙狼<GARO>でエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1318429553/

新スレたてました(前スレは989でdat落ちした模様)
テンプレ案も何も決めないまま前スレ落ちちゃったけど必要ですかね?
職人様方の素敵な作品をお待ちしております

2 :
>>1乙です
やっぱり落ちちゃったか〜
個人的にはテンプレあった方がいいと思うんだけど
第三章まで行きそうなら考えますか?

3 :
ぶっちゃけ三章に本当に突入しそうになってからテンプレ考えるので十分な気もするが
テンプレ作るとしたらライダー総合とか戦隊総合とかみたいな感じ?
正直このスレそんなに人居なさそうだし扱うキャラも少ないから
・カップリングの明記
・特殊な属性、シチュエーションの場合は要注意書き
・ネタバレの話題の場合は要警告
くらいでいいと思う
あとは前スレでいくつかエロなし作品もあったことだしエロなしSS可を付け加えるくらいかな
即回避がどれくらいかわからんのでとりあえずage

4 :
>>3
・BL、百合は該当へ
・好みに合わない、苦手等はスルーで
まで入れるとくどいかな

投下してくれる職人さんお待ちします
出来たら自分も書きたいけど

5 :
>>1 スレ立て乙です
また素敵な作品が読めるといいなぁ
前スレで続き上がらなかったやつとかまだ待ってますが
>>4 どうぞ書いて下さいませ

6 :
>>1
乙です。
>>4
くどくないと思いますよ。念のために
・役者含む実在の名は伏せるか適当にぼかす
もあっていいかも。

7 :
スレたて乙です!
>>6のいうとおり実際の名前は伏せた方がいいな。
公式で拾われたりした日にゃ…gkbr

8 :
俺も気になってた。
キャラクターはキャラクターだからまあいいと思うけど、俳優さんの名前出してエロ妄想はちょっと…

9 :
・エロなしSS可。
・役者含む実在の名前の書き込みは禁止。伏せるか適当にぼかして下さい。
・BL、百合は該当板、スレへ。
・ネタバレの話題の場合は要警告。
【投下される方へお願い】
・カップリングの明記 。
・特殊な属性、シチュエーションの場合は要注意書き。
【読み手の方にお願い】
・好みに合わない、苦手等はスルー。

今のところまとめるとこんな感じ?

10 :
>>9
基本的にはsage進行で、っていうこともとりあえずテンプレに入れたらどうだろう
あとはそれでいいんじゃないかなって気がする

11 :
「相棒」の再放送をたまたま見てたらカオルの中の人出てきてワロタ
拉致監禁される役で、縛られてたシーンがとても扇情的でございました。
ちょっと黄金騎士に斬られてくる。

12 :
もうsageでも大丈夫なのかな?
>>11
縛られてるカオルいいね
最近、カオルに関して妄想がS方向になりがちだから自重…

13 :
煮詰まったので気分転換
短いので全部収まるかな
・カオル一人でいたす
・カオルの妄想入り
・鋼牙は約束の地に行ってしまってる
・勢いだけで書いてしまった
―――――――――――――――――――――――――――――――――
『カオル』
彼の甘い声が私の名前を耳元で囁いてくれる。
それだけでも蕩けそうなのに、その指が私の女の部分を弄る。
「あ…ダメ…っ」
ほんの少しだけ秘裂に指が押し込まれて小さな肉の芽に触れる。
円を描くように捏ね回されたり、指先で強弱をつけながら押し潰されて私の唇から嬌声が漏れる。
「ん…あっ…あん…んぅ…はぁ…ああっ…! いやぁ…んっ」
いやって言っちゃうけど本当は嫌じゃない。
乳首もクリクリ摘んだり、指で弾いたりする。
あそこから溢れ出た蜜を絡めた指が私の弱いところを擦る。
くちゅくちゅと卑猥な音が聞こえてくる。
蜜で滑りの良くなった指の刺激と相俟って更に声を上げてしまう。
「ふぁ…ん! やぁ…あ…あ…はぁん…ぅく…ああん! ああん!」
『こんなに濡らして…カオルの身体はいやらしいな…弄られるのが好きなのか?』
「いや、そんなこと言わないで…私…淫乱じゃない…」
彼にそんな風に思われたくない。
私は恥ずかしくて嫌々をするのに、更に蜜を溢れさせて快楽を求めて腰を動かしてしまう。
彼のが欲しくて堪らなくなる。
なのに、ここにいてくれなくて…
苦しくて彼のの代わりにぬめぬめとしたぬかるみに指を突き入れた。
自分の指だから太さも大きさも物足りない。
それでも膨らんだ芽を弄りながら抜き差ししていると快感が高まって来る。
「や…イッちゃう…イッちゃう…! 鋼牙…ぁ…っ」
私は身体をビクビクと震わせ、達する。
心が酷く虚しかった。
鋼牙に抱いて欲しい。
「早く…帰って来て」
涙に濡れた睫毛を閉じる。
そのまま寂しさの深淵に意識が沈んで行った。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
お目汚し失礼しました
カオルの二人でいたした経験があるなしはどちらにも取れるようにしたかったな
一人シチュも難しい
後でまた、こんなの投下してと落ち着かなくなるんだろうな… |||●| ̄|_

14 :
>>13
さっそくの投下乙!

15 :
保守

16 :
前レスから傍観してた者です。
ここの職人さんがレベル高くてビックリ。勉強させてもらっております。
私の牙狼エロSSなんて投稿できない。

17 :
職人さんgjgj!
一人いたすって初めてだし新鮮でした!
これからハードになるとよいなとか
陰我に満ち溢れてすみませんw

18 :
乙!
これからも楽しみにしてますぞ
>>16さんもそんなに気負わず、いつでも投稿氏てください
職人さんは何人いても嬉しいですからね!

19 :
基本的には鋼牙リードみたいな方がいいというか考え易いんだけど
性的な知識はカオルのがありそうに思えてしまう
亜佐美の存在のせいかもしれない
でも彼女の存在は有り難かったりする
>>16
その気になったらぜひ投下お願いします

20 :
即回避
カオル以外の女性キャラのエロを書いてみたいんだけど、シチュエーションが思い浮かばないなぁorz

21 :
>>20
烈花は一人いたすとか半裸での凌辱ネタのイメージが

22 :
う、うむ。烈花で妄想するとついヒロピン系に走ってしまう。俺っ娘キャラのせいかな。
陵辱とか触手とか…

23 :
人間の精気を餌にする触手に凌辱される烈花とか
でも助けが来ないと最終的にされてしまいそうな

24 :
人いないね
前スレの旅行の続きも待ってる
シグマxミオとかミオが喋らないから自分で書くにはハードル高いわ

25 :
イッキミ前にこっそり投下……
前スレでちょこっと話題に出したレオミオシグマの3P書いてみた
・わざわざ3Pとかいいつつ具体的な描写は少なめ
・シリアス成分なんてなかった、というより基本的にギャグ
・ミオがやたらエロい子
・残念なシグマ兄さん
・状況に流されるレオ
等々本当にアレなことになってるんで、それでもいいという奇特な方のみどうぞ
NGワードは「僕たちの夜」でお願いします
ではいきます

26 :
僕は久しぶりに布道家の本宅に戻ってきていた。
いや、正確には少し前、イデアの一件で兄さんの計画について調べるためにいちどここに立ち寄っては
いたけど、そのときには数時間も居なかったし。
ミオがんで兄さんが行方不明になった後、僕は魔導書と工房の道具を持ってこの家を離れた。
それからは少し離れたところに自分の魔戒工房をつくって暮らしていたから、こっちの家には特に用がない限り戻らなかった。
そんな僕が今日ここに来たのにはもちろん理由がある。
……兄さんとミオの魂をここに呼び出すため。
兄さんとイデアの一件は、僕がまったく予想もしていない形で幕を引くことになった。
ギャノンに取り込まれた兄さんは、その後冴島邸に現れて鋼牙さんと闘を繰り広げた。
結果として鋼牙さんは兄さんを斬ることになったけれど、僕はそのことで鋼牙さんを怨む気持ちにはなれない。
の間際になって兄さんは何かに気付き、そして僕に魔導筆を託してくれた。
穏やかな顔というわけにはいかなかったけれど、兄さんは鋼牙さんと切り結んだ最後の一瞬に何かを悟り、
そして自らを縛っていた妄執から解き放たれたんだと思う。
僕はそれが何かを知りたかった。
兄さんが気付いた、鋼牙さんの言っていた約束とはなんだったのか。
それに、兄さんがミオとちゃんと和解することが出来たのかも。
崩壊した冴島邸のものを探し集め、ゴンザさんたちが冴島邸を立て直して一息つくのを待って、
僕は兄さんたちを召霊することにしたのだ。

大丈夫、魔戒法師にとって、者の霊を呼ぶことはそれほど難しいことじゃないはずだ。
最適な日時と方角を選んだ上で然るべき道具を使えば、修行中の魔戒法師でも可能なほどだしね。
そう、たとえば、数年前に翼さんの妹が行ったように……。
とは思うものの、今夜僕がやろうとしていることは、その子がやったものとは規模がまったく違うといってよかった。
二人分の魂をいっぺんに呼び寄せ、丸々一晩の間、屋敷全体を歩き回れるようにするほどの結界を張るなんて、
僕が自分でやるんじゃなかったら、そんなこと本当にする気ですか、って聞き返してしまうような話だ。
……まあ、なんとか魔法陣は完成したので、あとはいよいよ鏡に術をかけるだけだ。
深く息を吸って鏡に正対する。
「やあ!」
筆の先から放たれた法術が鏡に吸い込まれ、そして今度はその鏡から光があふれ出し……。
「兄さん!ミオ!!」
「――♪!」
「よくこれだけの結界を張ったものだ。流石は俺の弟だな、レオ」
生きていたときと変わらない姿の兄さんたちが姿をあらわした。
ミオは灰色のワンピースで、そして兄さんはまだ仮面をつける前、シャツの上に旅人用のマントを羽織った姿。
正直こんなにあっさり来てくれるなんて思ってなかった。
「本当に、きて、くれたんだね……」
「♪」
「まさか、来ないとでも思っていたのか」
「だって、あんな別れ方だったし。それに、ミオと二人でっていうのも、大丈夫なのかなって不安で」
「レオ、お前が気にすることではない。
 こうして肉体を失った今なら、かつての俺自身の歪みも見つめることが出来る。
 ……ミオも俺を赦してくれた」
こくりとミオが頷く。
ああ、やっぱりミオはこんな風に笑ってくれるのが一番いい。
「しかし一晩とはまたずいぶんと大掛かりな術を施したものだ」
「だって、話したいことも聞きたいこともいっぱいあるから」
「うむ。だがまずは我らからの詫びを受け取れ、レオ」
「え?」

27 :
兄さんの言葉に、ミオの瞳に怪しげな光が宿る。
あれ、ミオがこんな顔をするときって、なにかいたずらを思いついたときだったような……。
「ミオがお前を男にしてやるそうだ。さあ、大人しくミオにおろしてもらうがいい!」
そう兄さんが高らかに宣言するとミオがあっというまに僕のベルトを外して僕のパンツを下着ごとずりおろした。
「ちょ、え、なに!?」
びっくりして棒立ちになった僕をミオはえいっと押して、僕はそのままソファに沈み込んだ。
そして僕の足元に座り込んだミオは、あろうことかむき出しになった僕の……を、
両手で握ってぺろぺろと舐め始めたのだ!
え、ちょ、なにこれ、男にしてやるって、そういう話!?
混乱する思考とは裏腹に僕のそこは悲しいくらいにあっという間に反応を示し始めていて、
ミオはその様子を嬉しそうに眺めながら舌使いを大胆にしていく。
「♪」
「ははははは、やるなミオ!!」
「!? う、わっ……、ちょっ、ミオ、駄目だって!
 兄さんも笑って見てないで止めさせてくださいよ!!」
さっきまでのちょっとしんみりした雰囲気なんかもう木っ端微塵に吹き飛んでしまって、
ありえない展開に僕は悲鳴を上げた。
僕だってミオのことは好きだし兄さんと兄弟でよかったとも思ってるけど
兄さんと穴兄弟にまでなるつもりなんてこれっぽっちもないんですが!!
僕のそんな心の叫びなんかまるで聞いて無い兄さんは――まあ、心の叫びなので聞こえるはずも無いんだけど――
ゲラゲラ笑いながらなぜかミオではなく僕を押さえつけてソファから逃げられないようにした。
「いやいやいやいやおかしいから!兄さん、僕じゃなくてミオを止めて!!」
自分の恋人が違う男のアレを嬉々として咥えてるんですよ!?
恋人にこんなことさせちゃ駄目なんじゃないですか普通は!?
「何故止めさせる必要がある?ミオが楽しそうなのだ、構うことはなかろう。
 なに、心配しなくてもお前にミオはやらん。ミオが最後に選ぶのは俺に決まっているだろう」
いつでも自信たっぷりな兄さんに僕がちょっとあこがれていたのは事実だけど、
今はその、根拠も無いのに無駄に自信たっぷりなところが恨めしい。
ミオはやらんって、どういうことなんだそれ!?
「それにな、これはここに来る間にミオと話し合って決めたことだ。
 俺はイデアの件でお前に詫びねばならん。
 ミオはミオで、イデアの後始末をお前に託さねばならなかったことでお前に迷惑をかけたのではと気にかけていてな。
 そこで俺たちで話し合った結果、どうせまだお前は童○なのだろうから、
 俺たちでお前の筆おろしを済ませてやろうということになった。
 俺はミオをお前に貸す、ミオはお前の相手を務める、これで万事丸く収まるではないか!
 ふははは、やはりこの俺の計画は完璧なのだ!!」
……ゴメン、ニイサン、ボク、ナニヲイワレテルカチョットワカリマセン……
って、現実逃避してる場合じゃなかった、ちょ、ミオ、やめ……っ、
「〜〜〜〜♪」
「う、わ、……わぁぁっ!」
ミオにぱくんと咥えられて僕は情けない悲鳴を上げた。
混乱しきっていた僕は逃げることもミオを振り払うこともできずにソファに沈み込み、
目の前の光景を見ているしかできなかった。

28 :
「レオ、その様子ではお前、本当に女を知らないのだな」
兄さん、その哀れむような目をやめてくれませんか!
「あの、ほんとに、筆おろしとかいいから!っていうか頼みますからもう勘弁してください!!」
「むぅ、レオがそうまで言うのであればいたし方あるまいな。咥えるだけで許してやろう。ミオ、お前もそれでいいな」
「♪」
ああ、なんで僕へのお詫びなのに、許してやろうなんて言われてるんだろう僕。
そしてミオ、頼むから僕の咥えながらそんな風ににっこり笑うのやめて……!
顔がエロいとかそういうのもあるけど口の中ですれて正直刺激が強すぎる……!!
「……しかし、ここで見ているだけというのもつまらんな。おいミオ、悪いが少し相手をしろ」
「!」
そういうと兄さんはミオの後ろにまわると彼女のスカートを捲り上げた。
え、ちょ、この人何する気なんですか!
いや僕だってそれくらいわかるけど正直全然わかりたくないんですけど!
……という僕の心の中の悲鳴は、やっぱり心の中のものなので兄さんに届くことはなく、
兄さんは自らのソレ――兄さんは見てただけなのにもう半分以上勃ち上がっている気がするんですが――を
取り出すとミオのそこにぐりぐりと擦り付けた。
「〜!?」
「なんだミオ、咥えていただけだったのにずいぶんとここを濡らしているではないか。
 やはり俺が欲しくてたまらなかったのだな」
「〜〜♯!」
「まあそう怒るなミオ。それにお前だって後ろからされるのが好きなのだろう?」
「////」
やめて!そういう会話するのほんとやめて!!
っていうか、兄さんとミオがそういうことする分には僕は邪魔する気はないから、
もう僕のことなんか放っておいてどうか二人だけでやってくださいほんとお願いしますから!!
……と僕は言いたかったんだけれど、口から漏れるのは
「はぁ、っ、……ミオ、そこ、やめ……ぁっ!」
なんていう声ばかりだった。
そんなこんなうちに、しばらく自分のものを擦り付けていた兄さんがミオの腰をがっしりと掴む。
そしてそのまま一気にミオに突き入れて、その衝撃にミオの体が揺れた。
当然、そのミオの動きは僕にも伝わるわけで、突き入れられたと同時にミオが僕のを一気に根元までくわえ込むこととなった。
「〜〜!」
「う、あっ……、兄さん、もうちょっと手加減してやって欲しいんだけど!!」
ミオの為に、……そして僕自身のために、もうちょっと優しくしてくれないかなあ!?
そう思ったんだけど、兄さんはもう僕のことなんか全然聞いてない感じで好き勝手にミオを揺さぶっていて。
ミオもミオで、まったく嫌がる素振りも見せずに兄さんを受け入れて腰を揺らめかせ、
そしてその勢いも利用してさっきよりもいっそう艶かしく僕のに吸い付いて、舐めあげてきて。
この一種異様な光景にもう僕の頭は処理容量を超えてしまって、なんだかもう開き直ってしまった。
そういえば、ミオって昔から割と突拍子もないことしたりしてたものなあ。
兄さんが人の話をあんまり聞かないのも昔からだし。
兄さんが変なこと言い出して、ミオがノリノリでそれについて行って、そして最後に加わった僕が
何故かいろんな後始末をしながら三人で大騒ぎっていうの、僕らのいつものパターンだったものなあ……。
ああもうわかったよ、僕が二人に付き合えばいいんでしょう付き合えば!!
半ばやけっぱちになってミオの頭に手を添えて髪の毛をすくとミオが凄く嬉しそうに笑って。
ああ、ミオが喜んでるのなら、もう何をされてもいっか、と、まるで先ほどの兄さんみたいなことを考えて。
それからは僕ももうあんまり何も考えられなくなって、僕とミオと兄さんの三人の行為は
僕たち三人がそれぞれに身体を震わせぐったりするまでしばらく続いたのだった。

29 :
身支度を整えた僕らは何事もなかったかのように居間でお茶を啜っている。
この家に残ってたものじゃなくて、僕が自分の工房から持ち出してきた黒イチゴの香りのするとっておきのやつだ。
ミオのお気に入りだったこれを持ってきて正解だったなあ、なんて暢気に考える。
さっきまでの事がありえなさ過ぎて――でもその大騒ぎはどこか昔の僕たちを思い出させるもので、
僕はかえって緊張を解くことができたみたいだった。
この二人相手に僕が緊張したってしょうがないんだから。
「兄さん、僕は兄さんに二つ聞きたいことがあったんだ。
 ひとつはミオとちゃんと仲直りできたのかってこと」
「まあ、それは見ての通りだがな」
「♪」
「うん、それは僕もよくわかってる。本当によかったよ、安心した。で、もう一つなんだけど。
 ……兄さんは鋼牙さんと戦って最後に何に気付いたの?」
イデアを失った憎しみだけで戦っていたような兄さんが、最期にふっと戦意を喪失したのは
いったい何があったからなのか僕はどうしても知りたかった。
「……冴島鋼牙は、幼き日の約束を守ったのだ。俺自身すら忘れていた約束をな」
「え……?」
「俺と奴は、かつて修練所の同じ組で修行を積んでいたのだ。
 ……俺が闇に落ちたときは、奴が俺を斬る。そういう約束だった」
「それって……」
「奴は俺がムラサキだと何時から気付いていたのだろうな。
 ……俺は最期のときまで、奴がシロだということに気付かなかった。
 あの力強い目はあの時から何一つ変わっていなかったというのにな。
 俺たちの中で一番優しかったあのシロに俺を斬らせてしまって、すまないと思っている」
「兄さん……。きっと、鋼牙さんなら、兄さんがそう思ってるって聞いたら許してくれると思う。
 それより兄さん。今、鋼牙さんは約束の地に行っちゃってるんだ」
「それはまた酔狂なことだな」
「兄さんのせいだよ!!……そんなわけだから、何かあったら兄さんも鋼牙さんの力になってあげてほしいんだ。
 鋼牙さんの帰りを待つ人はいっぱい居る、何よりカオルさんが待ってるんだ」
「よかろう、あの女への詫びもあるからな、任せておけ」
それから僕らはまたいろんなことを話した。
僕の作りかけの新しい号竜の改良を手伝ってくれて、更に名付け親にもなってもらった。
名前はベレッタ。コルトに負けないくらい凄い奴になってくれるはずだ。
でもそんな楽しい時間は長くは続かなくて、とうとう空が白み始め、兄さんたちがかたちを失い始める。
せめてもう少し一緒に居られたらいいのにと思うけれど、こればかりはしょうがなかった。
「……そろそろお別れなのかな、ミオ、兄さん」
「なに、そう心配することはない。お前の魔戒工房にて十日後の午後九時ごろなど、
 我ら二人を呼び出すに当たり日時も方角も最適の条件が揃っているはずだ。
 というわけで、お前が女の扱いをものにするまで、今日出来なかった分まで俺とミオできっちり指導してやるから
 忘れずに我らを呼ぶのだぞ!いいなレオ!!」
「〜〜♪ 〜〜☆ミ」
「いいから帰ってください!!」
……やっぱり、兄さんたちに会うのは年に二回、いや一回くらいでいいかもしれない。
僕はそんな風に思ったのだった。

30 :
以上です
お目汚し失礼しました……
なんだろう、ミオを一言も喋らせないように頑張ったら余計にひどいことになったw
書いちゃったものはしょうがないし今更後悔はしないけど流石に反省はしています
お付き合いありがとうございました

31 :
あああありがとうございます!!最高です!お盆ばんざい!
>>27ですでにトびましたwエロい子ミオ素敵w
お兄ちゃんは魔戒騎士になってたとしても、きっと何かどこか残念な人だったと思います。

32 :
笑わせて頂きました
レオって何か、そういうポジションが似合ってるというか
一挙放送で初見の人も結構いたみたいだから、職人さんになる人がいたらいいなと思ったり
投下するのは怖いけどまたやってみようかな

33 :
職人さんGJ!
笑えるしエロいし、おまけに仲のいいシグマとミオ見れてちょっと幸せになったよ。
高笑いと共に何言い出すんだシグマww夜中に声出さずに笑って腹筋痛い

34 :
幸せなレオミオシグマが見れて自分も幸せ
さらにシグマの闇堕ち前はエロはないけど概ねこんな感じで3人でキャッキャウフフ
してたんだろうかと思ったら可愛すぎて萌えころがった
職人さんGJです!

35 :
レオって何となく人妻とか好きそう
何でそんな風に思ったのか自分でも分からないけど

36 :
親しくなった女性キャラが尽く男付きだからじゃね

37 :
んでその男が不在中にずっとここにいてもいいんだよとか言っちゃったり
一緒におでかけしたりするからなんじゃ…


38 :
1本投下させて頂きます
書き込み自体不慣れなので何か失敗したらすみません
字数制限とかもよくわからないので、ちょっとこまめに分割してます
・鋼牙×カオル
・違う穴を攻めるネタなのでそういうの苦手な方はスルーで
・エロパートより後半の会話部分のが無駄に長いです
NGワードは「Your Everything」でお願いします
ではいきます

39 :
「…なぁに?」
浴びせられる視線にカオルが恥ずかしそうに問う。
「いや…」
一人湯船に浸かりながら、シャワーに打たれるカオルの姿に鋼牙は目を細めていた。
ベッドの上よりも風呂場が最も彼女の裸体を――全身をじっくりと眺められる。
照明を落とすこともないし、少し離れた所から見る事ができるからだ。
つい、その白い肌をじっと見つめてしまう。
カオルの身体のあちこちには、先程までの交わりで自分の刻んだ紅い痕が散っている。
明るい光の下で見ると、痛々しいようで、やはり扇情的でもあった。
ざばり、と湯から上がると、シャワーを浴び終えたカオルを後ろから抱き寄せる。
「ん?どしたの…」
腹から掌を滑らせて、柔らかな彼女の身体の中でも特に柔い…乳房に触れる。
「やんっ」
びくりと震えたのに構わず、首筋に唇を寄せた。
濡れた肌に流れる雫ごと吸い上げる。
「ふぁっ…!」
綺麗になった肌を味わうように舌で舐め上げると、カオルの唇から甘い声が漏れた。
水滴の滴る音と、カオルの浅く弾む息遣いだけがバスルームに響く。
「ん、あっ…鋼牙ぁ…」
「こっちを向け、カオル」
両乳首を弄ばれて恍惚とした声を上げるカオルに、耳元で囁いて顔を上げさせる。
言われた通りカオルが首を反らせてこちらを見上げると、その唇を塞いだ。
「ん、む……はあっ…」
片手で屹立した胸の先端を撫でつつ、もう片方の手を彼女の腿の間に滑り込ませる。
「んぅうっ…」
びくん、と腰が揺れた。
「…またこんなに濡れているのか」
湯とは違う、ぬるりとした熱い滴りを指に纏わりつかせながら鋼牙は囁いた。
「まだ足りないのか?」
「や、だって、鋼牙が…触るからぁ…」
頬を上気させてカオルが抗弁する。
「反応するお前の身体がいやらしいんだろう」
「…っ、ばかぁ…」
鋼牙の指に膣内を掻き回されて、カオルの声と脚は揺らいでいる。
浴室を満たす蒸気よりも熱い吐息が鋼牙の肌を掠めた。

40 :
「…感じる、のか?」
「…っ、そんな、こと…訊かなくたって、分かってる、くせに…」
喘ぎながらカオルが答える。
「鋼牙が、わたしの身体、こんな風にしたんだ、から」
その通りだった。
男を知らなかったカオルの身体を開いて、慣らしたのは自分だ。
もっとも、鋼牙自身にとっても女を知ったのはカオルが初めてだった。
全てが未知の試みで、悦びだった。
「こぉがが、知らないところなんて、無いでしょ…?」
舌足らずな彼女の問いかけに、鋼牙の眉がぴくりと動く。
「…そうか?」
その瞳に僅かに剣呑な色が浮かんだのが、カオルには見えない。
「ここは、知らない」
柔らかな双丘の間に指を這わせる。…秘所の少し上。硬く閉じた蕾に触れた。
愛撫を施さぬ部分など無い彼女の身体の中で唯一、そこは未だ自身の探求の及んでいない場所だった。
指の先端で少しだけ、押し広げるようにくりくりと撫ぜる。
「ひゃんっ…」
慣れない感覚にびくりとカオルが身体を震わせる。
「や、鋼牙、そんなとこ…」
羞恥と困惑が滲んだその声に嗜虐心が刺激される。
…更に深く探ったなら、彼女はどんな反応をするのだろう。
知りたい。不意にそんな黒い欲求が頭を擡げてきた。

41 :
「…壁に、手をつけ」静かに命令する。
「…ん…」
身体を折らせて腰を引き寄せると、鋼牙は硬くなった自分自身で後ろからカオルの秘所を貫いた。
「んあっ…!あ…っ」
カオルの嬌声が上がる。
さっきまで寝室で何度も交わっていたというのに、カオルの中は変わらず鋼牙を強く咥え込んでくる。
その中に入っていける硬さを何でもなく取り戻している自身も、人のことは言えないが。
「………っ」
しばらく抽送を繰り返すと、おもむろに快楽の壷から自身を引き抜く。
「あ、こ、鋼牙…?」
突然止んだ行為に、カオルはのぼせた声で疑問符を投げかける。まだどちらも達していないのに。
「………」
返事は無い。
代わりに、愛液に塗れた熱いそれの先端が、先程までより少し上の部分に擦り付けられる。
外側から開かれたことはない、窄まった小さな扉。
ぞくりとした。
「鋼牙、そっちは、違……」
制止の声が届いているのかいないのか、熱が侵入を試みている。
「や、鋼牙、待っ……ああっ!!」
振り返る間もなく、息が止まるような衝撃がカオルを襲った。

42 :
無理矢理抉じ開けられた。
本来受け入れるべき場所ではないその部分に、突然押し入ってきた熱く硬い塊の与える痛みにカオルは悶えた。
「や、嘘っ…こぉが、いや…!ダメ…っ」
思わず身を捩って異物を遠ざけようとするが、鋼牙の手が腰をがっちりと掴んでいて逃れる事が出来ない。
ぎちぎちと内部を侵して来る鋼牙自身にカオルは必で抗った。
鋼牙を拒もうとしたのは、これが初めてのことだ。
感じたことの無い圧迫感に裂かれるような苦痛と、アブノーマルな行為に対する恐怖が無意識に拒絶を選択させていた。
「ひあっ…こぉがぁ…!」
「……は、ぁぁ…っ!」
そのとき、背後で掠れた声がした。
苦悶に涙を滲ませながらも、初めて聴く鋼牙の震える吐息にカオルはどきりとした。
「こ、が…気持ち、いいの…?」
「……あぁ…」
短くもどこか耽溺したような声に胸が高鳴る。
それだけで、
苦痛さえも彼に捧げる快感に変わってしまいそうだった。

43 :
「〜〜…っ…!!」
ぐぽぐぽと卑猥な音を立てて抽挿が繰り返される。
排泄のための器官を、外から貫かれる背徳感にカオルはぞくぞくと慄いた。
ふと、臀部に当たる彼の下腹部の感触に、彼自身が全て埋められているのだと気が付く。
(うそ…全部入っちゃってるの…!?そんな…とこ、に…っ)
信じられない気持ちだったが、事実に違いない。
「や……」
初めてだというのに、しかも本来行為のための場所ではないのに、苦痛ながらも彼を飲み込んでしまっている
自分の身体がひどくいやらしく思えて、カオルは恥じ入った。
自身を支えるために壁についた両手に力がこもる。
「ひっ……や、あっ…!」
彼の熱に体内を直に灼かれるようだった。遠慮なしに打ち付けられ、根元まで打ち込まれる欲望の塊に
心身の隅々までが侵し尽くされる。
痛い。怖い。けれど、
「ふ、あぁ…っ…」
悦楽を伝える彼の声が、自身の全てを凌駕してしまう。
―――鋼牙が気持ちいいなら。
ぽろぽろと涙を零しながらも、カオルの内には確かな喜びがあった。

「あぁ…っ、カオル、カオルっ…!!」
「はぁっ…!!」
一層激しく責め立てられ、鋼牙の声が焦燥を洩らす。
程なくして、初めての場所に熱いものが放たれる感覚を味わう。
遂に鋼牙が達した安堵感に―――カオルは意識を手放した。

44 :
翌日、目が覚めると見慣れた鋼牙のベッドの中だった。
(あれ…?どうやってここまで来たんだっけ…)
風呂場から後の記憶が無い。
どうやら、眠ってしまった自分を鋼牙が運んできてくれたようだと思い至った。
辺りを見渡すが室内に鋼牙の姿は見えない。
布団の中で腕を伸ばして彼の温もりを探ったが、もうどこにも残っていなかった。
随分前に出て行ったものらしい。
「ん……」
身を起こそうとして、下半身に重さを感じた。
昨夜のことをぼんやりと思い出す。
攻められた部分にはまだ少し違和感が残っていて、カオルは一人頬を染めた。
(あんなところまで、……されちゃった)
自分の身体の隅々まで、彼のものなのだと改めて教え込まれた気がした。
でも、それが嫌な訳ではなくて。
彼の征服欲に全てを委ねることで、彼女自身も求められている実感を得られた。
鋼牙がそんな風に執着を見せるのは、自分だけだと分かっているから。

早起きの反対語として遅起きという言葉があるならまさにそれといった感じで、もそもそと身支度を整えると
カオルはのんびりと階下に足を運んだ。
行為があった翌日は、大体いつもそんなものだ。
カオルはもともと朝が早い方ではなかったが、愛し合った翌朝は特に起きられないことが多い。
鋼牙も無理に起こそうとはしないので、目が覚めたとき既に彼の姿が無いことは珍しくなかったし、
ゴンザにもそれとなく伝えてくれているのか気詰まりな思いをすることも無かった。
居間に顔を出すと、ゴンザがグラスを磨いていた。
「おはようございまぁす…ごめんなさい、起きるのが遅くなっちゃって」
「おはようございます、カオル様。いえいえ、お気になさらず。ただ今、卵の用意を致します」
いつもと変わらぬ笑顔で、ゴンザはてきぱきとカオルのための朝食準備に取り掛かる。
椅子に腰掛けると、カオルはほっと息をついた。
時計を見上げれば10時を回っている。
朝食というよりブランチか。
その内午前の仕事を終えた鋼牙も戻ってきて、すぐにお昼になってしまいそうだけれど、そんなに食べられそうも無いなぁと
カオルは一人苦笑した。
……しかし、何故かその日鋼牙は昼に戻ってこなかった。
それどころか午後を回ってやがて日が落ち、夕食の時間になっても、一向に帰宅しなかった。
「どうしたんだろう、鋼牙。何か聞いてる?」
「いいえ何も…。でも大丈夫でございますよ。きっと何か急なお仕事が入ったのでしょう」
「うん…そうだよね」
午後のお茶を一人供されながら、カオルは窓の外を見つめた。

45 :
ようやく玄関のドアが開いたのは、夜も遅くなってからだった。
「お帰りなさいませ、鋼牙様」
「…カオルは…」
「お帰り!鋼牙」
やっと帰ってきた、と戻りを待ち侘びていたカオルは嬉しそうに階段の上から声をかけた。
しかし鋼牙は、カオルの姿を認めると何故か顔を顰め、すぐに視線を逸らしてしまった。
コートをゴンザに預け、そのまま自室に戻ろうとする。
「鋼牙様、お食事は…」
「いい」
慌てて尋ねたゴンザに短く答えると、鋼牙はカオルの方を見ようともせず、横をすり抜け足早に階段を上がっていく。
「?鋼牙!」
声を掛けても振り向こうともしない。
何やら様子がおかしいと、ゴンザと視線を合わせるとカオルは鋼牙の後を追った。
「鋼牙、鋼牙ったら」
廊下をずんずんと歩く背中を追いかけながら何度呼びかけても答えがない。
そのとき、ザルバの声がした。
『おい鋼牙、何か腹に入れた方がいいんじゃないのか?昼も食ってないだろうが』
「うるさい」
煩わしそうに返す鋼牙に、こっちには返事しないくせに、と頬を膨らます。
お昼も食べてないなんて、そんなに忙しかったのだろうか。
(だから機嫌が悪いの?…でも、お腹空いてるならザルバの言う通り何か食べた方が…)
やはり釈然としない。
結局何も言葉を寄越さないまま自分の部屋に入った鋼牙に続き、カオルも押し入るように足を踏み入れる。
部屋に入るなり鋼牙はザルバを引き抜くと、押し込めるように箱に収めた。

46 :
明らかにいつもの鋼牙ではない。
何かあったのだろうかと、カオルは気遣わしげに声を掛けた。
「どうしたの?ご飯、食べないの?お昼も戻ってこなかったじゃない」
「…平気だ」
鋼牙は背を向けたままだ。
先程自分を見て不快そうな顔をしたことといい、帰宅してからの鋼牙の様子を訝しく思いながら
カオルは更に問い質す。
「ねえ、何か怒ってるの?…こっち向いてよ」
「……ぃのか」
「え?」
「お前こそ、怒ってないのか」
思わぬ切り返しに、カオルは目をぱちりと瞬いた。何故そんなことを訊かれるのか全く分からない。
「?何で?」
「…昨夜…」
何とも歯切れの悪い話し方をする。彼にしては珍しいことだった。
「ゆうべのこと?…私、寝ちゃったみたいでよく覚えてないんだけど、鋼牙が私を運んでくれたんでしょ?
ありがと」
「寝たんじゃない。気絶したんだ、あれは」
鋼牙の口調は何故か苛立たしげだった。
「そうなの?どっちでもいいけど…とにかく私別に怒ってないし」
「…………」
「ねぇ、鋼牙…」
また黙り込んでしまった鋼牙の背中に再び呼びかけると、ほんの少しだけ首がこちらに向けられたのが分かった。
「…俺はもう、お前を抱かない」
「え!?…何で…?」
唐突な、思いも寄らない科白にカオルは衝撃を受けた。
「どうして…?何か、その、…具合、悪かった?私の、その…」
何と言っていいのか分からず、しかし他に思い当たらなくて、カオルはぎこちなく言葉を繋いだ。
「…?何を言ってる」
意味が分からないといった風に眉をひそめて返す鋼牙。
「や、だって……急にそんなこと言うなんて、ゆうべの、が、良くなかったのかな…って…」
「……!!そんなことは…!」
恥じ入って半泣きのカオルと、慌てたように声を上げた鋼牙は、お互いに顔を紅くしていた。
「…じゃあ、き、…気持ちよかっ、た…?」
上目遣いに問うてくるカオルに、鋼牙は眉根を寄せたまま視線を逸らすと
「…そういう問題じゃない」
とだけ、ぼそりと答えた。

47 :
「…すまなかった」
「鋼牙?」
背を向けたまま、またも唐突に投げられた謝罪の言葉にカオルは戸惑った。
「…お前の意思を無視して、あんなことをして…俺は、自分が分からない。自分が見えなくなる、行為が怖い」
苦渋と悔恨を滲ませて、鋼牙は呟く。
初めて身体を重ねたときから変わらない。大切に抱きたいと思っていても、知らぬ間に求めることにばかり
意識を奪われて、気がつけばカオルに無理をさせている。
自らの内の、彼女を欲しいと思う欲望に果ては無いのだろうか。
陰我に飲まれた自分が情けなかった。
「鋼牙…」
白いコートの背中をまじまじと見つめて、カオルは思った。
もしかして今日一日、そのことを気に病んでいたのだろうか。
無理矢理に行為に及んで、後から申し訳なく思って……
――だから顔を合わせ辛かったとか?
「ふふっ……」
そんな風に考えて、カオルは思わず口元に両手を運ぶと小さく笑った。
「…何がおかしい」
想定外の反応だったのか、肩越しに振り返った鋼牙が訝しげな声を漏らす。
「ううん…何か、可愛いなって」
「…可愛い?」
ますます不可解だというように眉間に皺が刻まれる。
本人は至って真面目に悔いているのだろうが、そんな様子も愛おしく感じられるばかりで、カオルは少々
悪いと思いながらもくすくすと笑った。

48 :
表情を硬くする鋼牙の背中に、カオルはそっと抱きついた。
そうして、ゆっくりと語りかける。
「大丈夫だよ。前にも言ったでしょ?…私、鋼牙になら何されてもいいよ。全部、受け止めるから」
「カオル」
僅かに動揺したような鋼牙の声がする。
「鋼牙、気持ち良かったんでしょう?私、嬉しかったよ。…その、慣れてないしいきなりで痛かったけど、
それでも嬉しかった。…だから、また、してもいいよ?」
「…不用意なことを言うな」
「ほんとだもん。…まあ、そっちばっかりじゃ困るけど…」
恥ずかしそうに笑ってカオルは言う。
「………」
しばらくの沈黙の後、鋼牙は呟いた。
「…どうしてお前はそう、俺を許す」
いつだってそうだ。気が付けば、自分は彼女に一方的な感情や行為をぶつけている。
彼女の命を救ったときですら、そもそもの根底にあったのは自身の信念だった。
それがカオルのためだとか、そんなことは二の次だった気がする。
ただんで欲しくなかった。
陰我に魂を染められた訳でもない人間に、自分の目の届く範囲で、誰も理不尽なを迎えさせたくなかった。
共に過ごす内、やがて彼女の存在自体を貴いものだと思うようになっていったが、そういった心を上手く伝えることも
自分には出来なかった。
だが、結局カオルはその全てを理解し受け入れてくれてきた。
それをいいことに、いつの間にか何も言わず彼女に甘えることが当たり前のようになってきていた。
考えてみれば何と傲慢で自分勝手な男なのだろう。
何故カオルは、そんな己を許してくれるのだろう。

49 :
「どうしてって…わかんないの?そんなの、鋼牙が好きだからに決まってるじゃない」
「……!」
じれったそうに放たれたカオルの科白に、鋼牙は心臓が大きくひとつ脈打ったのを感じた。
……『好き』。
特別な存在を表す言葉。
ただの音の響きに過ぎないのに、カオルの声で紡がれるそれはどうしてこうも自分を甘く痺れさせるのだろう。
心が、囚われている。
「鋼牙に喜んでほしいから、気持ち良くなってほしいから。そしたら、私も嬉しいから…当たり前でしょ?」
鋼牙の背に真っ赤になった顔を押し付けて、カオルは言った。
「…カオル」
自分の胸の下辺りにしがみつくカオルの腕に、彼女の身体の小ささを感じた。
それでも一身に自分を受け止め愛し返してくれる、心の深さと大きさも。
回されたその手の一方に鋼牙は自分の手を重ねる。
小さく温かい手。何よりも愛おしい。
自分が甘えることを、許してくれる存在。甘えることを自分が許せる、唯一の存在。
今までも、これからも、ただ一人。
「…また、お前を抱いてもいいか」
「うん。…何度だって、抱いて欲しい」
柔らかなアルトの声が、甘やかに鋼牙を包んだ。
自身が望んだ通りの答えを返してくれたカオルへの感謝と愛しさに、鋼牙は一人静かに微笑む。
窓ガラスの向こうに輝く満ちた月だけが、それを見ていた。

50 :
以上です
お目汚し失礼しました
鋼牙さんは最初はともかく慣れてくると色々無茶なことをし始めるんじゃないかという
勝手な予想というか妄想の下に生まれた駄文
レスを分割しすぎたせいか途中連投規制に引っかかってしまいものすごく焦った…
色々と申し訳ありません
お付き合い下さった方どうもありがとうございました

51 :
リアル投下久々に見て更新押しまくってしまったw
GJでした!
確かに慣れてきたら、色々凄そうな気がします

52 :
いやあ、早起きは三文、いや三百万両の得ですね!
朝から極上の鋼カオ読めて最高です!!! 
投下の最中にじりじり更新しながら読み続けましたw
鋼牙の、我を忘れたカオル好き過ぎぶり、愛するがゆえの鬼畜ぶりがもうたまらんです。
後半の会話も二人が可愛くてしゃあない!すべてがツボ突きまくりです。
Great Job!! 
またぜひよろしくお願いしますね〜〜!!

53 :
朝から幸せ(*´∀`)
ここが天国だったのか……   GJ!!!

54 :
GJGJ!!
朝からええもん見せてもらいましたw
イイヨイイヨー抑えの利かなくなるS鋼牙(・∀・)イイ!!

55 :
GJGJGJGJ!!イイヨーS鋼牙!
そっちの穴も開発されちゃった話って
なかったから新鮮でした〜

56 :
保守

57 :
こちら何人の職人さんがおられるかわかんないけど、
文章のレベルが高いよねえ

58 :
ほしゅ!

59 :
マンネリにならないように、とベビードールとかセクシー系のランジェリーを
着てみるカオルとか考えてみたが、鋼牙には不評そうだな

60 :
たしかにガーターベルトのエロスとか鋼牙は理解できなさそうだよねw
でもベビードールだったら、セクシー系じゃなくて可愛いの選んだら鋼牙にも好評な気がする
マンネリ回避ということだったら、下着じゃないけど、裸エプロンしたときの鋼牙の反応が気になるw

61 :
着たままのずらし挿入とか…エロいなw

62 :
可愛い系ベビードールと男物のシャツだったらどっちがいいんだろうか
個人的にはシャツが好みだけれど
>>60
冴島家で裸エプロンでキッチンは無理だなw
そもそもカオルをキッチンに立たせるのが危険だけど

63 :
撮影モデルのバイトでカオルにベビードール着せてみる話は考えたことあるけど
(鋼牙にばれて止められるとか)結局あまり面白くならなそうだったんでやめた
裸エプロンなカオルを見ても鋼牙は「気が狂ったのか?」で終わりそうな気が…

64 :
もしくは「……風邪ひくぞ」か
>>62
自分もシャツがいい。あの肩のラインが下がって袖が思いっきり長いから
くるくる折って着てる、とかお決まりながらたまらん。古い好みかもしれないけど。

65 :
自分もシャツに1票
鋼牙はベビードールとか裸エプロンみたいなあからさまな狙ったのより
彼シャツとか彼ジャケットみたいな方が理性とぶ人な気がする

66 :
素肌に鋼牙の白コート羽織ったカオルはよ

67 :
白夜の邪美をカオルに脳内変換!
はともかく、素肌でも服着てでもカオル+鋼牙のコートは見たいよなー
稚魚カオルはいつもコートに潜り込んでたけど
その都度鋼牙の脳裏にコート羽織るカオルが浮かんでプチ動揺してたらいいな

68 :
>>67
うん、鋼牙のコートを羽織るカオルは見てみたかった
前にも書いた気がするけどw
着衣なら羽織ってる、素肌なら包まってる、かな

69 :
ベビードールも捨てがたいにゃあ。
前に亜沙美におもちゃを無理やりプレゼントされて・・・てのがあったと思うけど、
それと同じで亜沙美にもらったものをうっかり身に着けたところに鋼牙がやってきて・・・とか。
鋼牙の目の前での衣装着脱が見たい、じゃない読みたいんだよねえ。
着よりは脱、かなあ、やっぱ

70 :
>>69
カオルさん自らお脱ぎになるのも読んでみたいかも
嫌々、恥じらいながらとか
ベビードールネタも考えてみたんだけど上手く纏まらなかった
個人的に亜佐美は結構便利キャラになってるなぁw

71 :
ほしゅ!

72 :
ageておきます
職人さんも読み手さんも今はいないのかな?

73 :
>>71
>>72
タイミングがすごいww
前スレの旅行の話はもう続き書かれないのだろうか…待ってるんだけどな

74 :
>>73
自分でもびっくりw
旅行SSの続き、自分も待ってるんだよね
もちろん、他のSSだって待ってる

75 :
旅行のSS続き、私も読みたいです〜〜
今回のYour Everythingも良かったなあ(*゚▽゚*)
さらにエスカレートする鋼牙も見てみたい気が・・・カオルが受けいられる範囲内で(*^_^*)

76 :
メシアに憑依されてSっぽくなってるカオルが好きなのは
自分だけでしょうか…

77 :
メシア憑依状態のカオルの顔、嫌いじゃない
自分では基本的に鋼牙ややS傾向だけど、Sカオルも見てみたい(読んでみたい)

78 :
>>76
もちろんあの声あの目つき。大好物です。
カオルさん、自分を振り回してくれた男性陣に無意識下で鉄建制裁を下してたりして。
(龍崎先生にはかなりコアな制裁でしたが)

79 :
変わり種だけど鋼カオで寝取られを読んでみたい
完璧クール男が嫉妬で崩壊していくのが好物

80 :
クール男の嫉妬ものは大好物だけど
マジな寝取られはちょっと・・・

81 :
>>79
ナカマいた。実は自分もちょっと読んでみたい。

82 :
いっそ思い切って自分で書いてみると言うのはどうだろうか…?

83 :
おまいら、言い出しっぺの法則というのがあってだな…

84 :
そもそもあの黄金騎士の嫁を寝取るような勇者なんているのか
ってところからまったく妄想が動いてくれない困った

85 :
>そもそもあの黄金騎士の嫁を寝取るような勇者なんているのか
ベタだけど銀牙騎士にがんばってもらってはどうか

86 :
嗜好に合わないなら無理に妄想するものでもないし

87 :
ここはシグマ兄さんに頑張ってもらうとか。
それじゃNTRじゃなく陵辱ものになるか…

88 :
>>85,87
やっぱりベタだけどその辺ですよね
>>86
いや読むのは好きなんだ、自家発電ができないだけで

89 :
自分レオカオが好きなんでレオでNTR考えてたことはあったな
鋼牙に発覚すると面倒なんでそこまでちゃんとした形にはできなかったけど
Sカオルもいいよね

90 :
自分がSなカオルを想像するとどうしてもメシアカオルになっちゃうな…。

91 :
>>89
自分もレオカオ好きだ。NTR妄想は膨らむんだけど、行き着く先は寸止め、
プラトニック、壮大な夢落ちのどれかになっちゃう…

92 :
>>91
レオカオってそうだよね
普通に考えたらプラトニックで終わっちゃうと思うんだけど
ひとつだけ、関係まで持ち込めるかもしれないという道筋を無理矢理見出して
妄想で遊んでる

93 :
ほしゅ

94 :
職人さんカムバーック!

95 :
落ちまでたどり着けなかったり、時間が取れなくてでいくつか止まってる

96 :
>>96 途中でもあげてくれ下さい!
前レスでも途中の話があったから大丈夫。
書けないのでぜひお願いします。

97 :
ごめん、>>95 でした。

98 :
>>96-97
せめてキリでもよければいいんだけど、そうでもないんだわ
カオルはウェディングドレスが着たいのかな
魔戒の人々がどういう結婚式をするのか分からないけど

99 :
保守

100 :
誰もいらっしゃらないのかね。
>>98 メシアの衣装は花嫁衣装を意識したと
どっかで聞いたことあるけど、あれに近いカンジなんだろうか。

101 :
>>100
一応いるよ
1期のカオルメシアの衣装なら『冴』じゃないかな
儀式用の礼服って設定で、ウエディングドレスをモチーフにしたと書いてあるよ
涼しくなってきたからか、またいろいろ妄想してる
シグマ兄さんが来なかったらどんな感じだっただろうとか

102 :
>>101
>シグマ兄さんが来なかったらどんな感じだっただろうとか
ぜひ!
そのシチュエーション、ほんと想像しちゃいます
鋼牙が旅立つ前に、カオルにいい夢見させてあげてください〜

103 :
キスもしてたかどうか…

104 :
>>98
結婚式自体ないと予測してたよ。>魔戒の方々
いや、でももしあったとしたらやっぱりかなり独特の、カオルが「えええ!そんなことするの!?」
みたいな儀式とかあったりしたら楽しいかもしんない。
…そこで指南、と。
>>101
あのドレスは龍崎先生の趣味かと思た。

105 :
>>104
自分も結婚式みたいなものはないかなと思った
元老院とかに「結婚しました」って報告、系譜に書き加えて終わり、みたいな
>>102
何度か書いてみたんだけど、文章が…

106 :
魔戒の人達に結婚式という風俗慣習があるのかどうかまずわからんけど
やるとしても衣装はもっと地味目な気がする
リアル「儀式」なイメージ
メシアの衣装は単にバラゴ様の趣味なんじゃないかとw
ウェディングモチーフで製作されたのはムックか何かに書いてあったね

107 :
あのメシアの衣装どうしたんだろうかねぇ
キバ撃破に駆けつけた時にはセーター着てたけど。
ゴンザが処分したんだろうか。

108 :
気の早い話だけど、約束の地から鋼牙が帰って来た日の夜に期待
夜じゃなくてもいいけど

109 :
最終回のラスト、鋼牙が帰ってきた(?)シーンは昼間みたいだったけど
約束の地から帰ってくるのはEDの歌詞のように夜明け頃が理想なんだよね
ええ、もちろんその流れで勢いのままに、とか期待してますよ

110 :
いいねいいね、ガジャリ契約履行帰還後の流れ

でも鋼牙に一回眠らせてあげて!w

111 :
何言ってんや!
鋼牙が抑えられないんや!カオルが寝た方が良いよって言っても
聞く耳持たない狼なんや!






な〜んてね

112 :
鋼牙が出張から帰って来る、はいいチャンスなんだけどなぁ
閑岱から帰ってきた時もだし、今回もだし
使徒討伐から帰ってきた時はシグマ兄さんが恨めしかったわw

113 :
でもシグマ兄さんがいたからカオルの顔を切られた時の鋼牙のあの表情が見られたわけで

114 :
>>113
RR(使徒ホラー討伐)→1話のこと
鋼牙に破滅の刻印つけるのでも、二人が再会して時間が少しでもあったらって

115 :
>>111
オレが悪かった。オレが間違ってたよヽ(;▽;)ノ

116 :
今、職人さんいないのかな?
雑談もいいけどちょっと寂しい

117 :
待てば海路の日和あり

118 :
果報は寝て待て

119 :
過疎っていてもここがいいや

120 :
>>119
うん(^-^*)(・・*)(^-^*)(・・*)
クオリティも気立てのよさもここがいいよね(^O^)

121 :
顔文字キメェ。半年ROMれ。

122 :
映画情報解禁一気にきたな。
ネタバレはあちこちでされそうな悪寒w
地方民だからこんな時困るぜ。あと4ヶ月待ちだなんてorz
二次創作とかやりにくそうだな。
観てきた人のとか影響出てそうでなんだかな。

123 :
地方民だけど先行行くよw
ネタバレ嫌ならネットから離れるしかないよ

124 :
やりにくい、書きにくいとは思うけど映画未見で嘘になっちゃってもいいから
妄想でも創作でもばんばん披露してほしい。
萌えはいいものだ。疲れも飛ぶわ。
…と休日出勤から帰って思った。

125 :
二次、やりにくいかな?
二次創作なんて所詮は嘘だよ
本編と展開が違うからダメだってことにはならないでしょ
映画本編を踏まえた物なら公開まで投下はしないのが当然だと思うけど
>>123
嫌なら自衛はするべきだけど、見てきた方も公開まではネタバレは控えるべきだと思う
自分も行くけど公開まではバレスレ以外では話さないし書くつもりもない
中の人'sの仲の良さに普通に萌えてしまった
可愛らしさに和んで妄想も創作意欲も鎮静化する

126 :
ネタバレ控えるなんて当たり前じゃん

127 :
>>123 出た、嫌ならネット見るな系ww

128 :
>>127
出たもなにも監督も似たようなこと言ってるじゃん
自衛しかないって
ネタバレ嫌なら最終的にはそれしかないけど何か?

129 :
書いても今度の話や設定がかけ離れてたらどうしようもないか
所詮二次なんて嘘なんだろうが、それ故に近づけたいと思うからさ..
未見とのその辺の差はやりにくいと思う
いろいろなモチベは下がるよな。

130 :
言葉足らずだったけど勿論ネタバレする人が最悪最低なの前提でね

131 :
>>126
その当たり前ができない人がいるんだよ
嫌がる人がいるからわざとやるとか

132 :
チャンネルかえれば見ずに済む、って話なら
嫌なら見るなでいいけどそうはいかないもんね

133 :
行けない者は黙れと言いたい。
場所わきまえてネタバレはやるから、その辺はわかってるし。

134 :
MAKAISENKIの時だってネタバレらしいネタバレは無かったわけだし、
住人の良識に期待でいいんじゃないの?
少なくとも職人さんにはネタバレ厨は居なかったんだし
俺らが色々言ったってしょうがない

135 :
133だけはわかってないな…

136 :
>>135の方が分かってなさそう

137 :
さすがに黙ってろは何様だよ

138 :
行った人からしたらネタバレネタバレ言われるのはうるさいよ

139 :
確かに暴論というのは認める。すまん。
だが血眼になってネタバレ禁止言われるのが嫌なんだ。
ここやシブの職人達に影響が出ないか心配だ。
雑音に気にせず書いて欲しい。

140 :
ネタバレ禁止と言われるのが嫌だとかただの我が儘
弁えてるならネタバレ禁止と言われても不満はないと思うけど
先行行った側からしても不快
映画に絡んだ話じゃないとダメな訳でもあるまいし、心配されなくても書く人は書くよ
投下する雰囲気じゃなかったら投下はしないだろうけど

141 :
してもいないのにネタバレネタバレがウザイだけだと思うけど
あまり言ってると意地悪したくなるのが現れるよw

142 :
ここの職人さんは元々ネタバレとか特殊な嗜好とかに一言書いてくれる
マナーのいい人がほとんどなのに
なんでこんな流れになってるんだろう
MAKAISENKIで騎士排除派がたくさんいるのにびっくりした辺境の魔戒法師の気分……

143 :
自分がちゃんとしてるなら気にしなくていいんじゃないの
ただ嫌な思いしたことある人ならちょっと神経質になるのも仕方ないしその気持ちはわかるし、
どうにかできるのもなら協力したい。故意にやる人からの自衛は難しいものだし

144 :
いやーそこまで気にするならマジで2chは止めといた方が。
もちろんネタバレするアホ垂れが悪いんだけどあまりに神経質ならさ。

145 :
そうじゃない
ネタバレ禁止が当然なのと同じくらいに、誰でも自衛はしてるだろうし、ある程度の諦めもあるんじゃないかな。
そしてマナーのいい人の方が多いのもわかってるけど言いたくなる事もあるんだろう。
その気持ちもわかるよということだけなんだけど

146 :
2期の先の鋼牙とカオルを見たい
この二人だけという訳ではないけど
本当は映像が一番だけどね

147 :
お久しぶりです
鋼カオで一本投下します
・ネタバレなし
・二期終了後のイメージ
・相変わらず適当設定
特に注意点はないつもりなんですが、
鋼牙がたとえ一瞬でもカオル以外を見るのは許せない、という方の精神衛生には微妙に悪いかもしれません
なお今回も無駄に長いです……お急ぎの方には申し訳ない
NGワードは「ペンダント・パニック!」でよろしく
ではいきます

148 :
カオルのアトリエから程近い場所にあるこじんまりとしたカフェ。
最近お気に入りにしているそのカフェの窓際の席で、カオルは朝の出来事を思い出してため息をついた。

「何しに来た」
その日の朝冴島邸を訪れたカオルに浴びせられた第一声は鋼牙の冷たい言葉だった。
「何しに、って……特に用事はないんだけど」
用もないのに冴島邸を訪れるのはいつものことだ。
というか、何か用事があってくることのほうが珍しいくらいで、そんな風に聞かれるとは思わなくてカオルは戸惑った。
ただ一つわかったのは、鋼牙は非常に機嫌が悪いらしいということ。
「用もないのに来たのか」
「だって、そんなのいつものことじゃない。
 っていうかそういう言い方ってないんじゃないの?」
「うるさい。邪魔だ、帰れ」
「な、なによそれ! ……いいよ、わかった。帰ります、帰ればいいんでしょ!?
 しばらくこっちには来ないから安心して! じゃあね、お邪魔しました!!」

そう言ってろくに挨拶もせずに冴島邸を飛び出してきたのだ。
そんなことがあった後ではなかなか絵に集中することも出来なくて、
昼過ぎには早々に描くのを切り上げてお気に入りのこのカフェにやってきたというわけだった。
鋼牙が時につっけんどんにも思える態度を取るのは今日が初めてだったわけではない。
出逢ったばかりの頃はそれはもうひどかったなぁ、とカオルは記憶を辿る。
……うるさいとか、邪魔だとか、あっち行けとか、挙句の果てには消えろとまで、色々言われたっけ。
だけどそれから色々あって、お互いの気持ちを通わせあうようになってからは
そんな風な態度を取られることもなくなってたのに。
「邪魔だ、帰れ」なんて、そんな風に言うことなんてなかったのに。
鋼牙、どうしたんだろう。何があったのかな……。
鋼牙がただ意地悪でそんなことを言うとは思えないし、
帰れって言ったのだってきっとなにか理由があるはずで。
鋼牙があんな風に言ったってことは、なにか大変なことでもおこってるんじゃないのかな……。
鋼牙が自分を遠ざける理由が必ず何かあるに違いない、ということは
冷静になってみればカオルには容易に察することができた。
鋼牙が自分を遠ざけねばならなくなる理由など、仕事柄一つや二つでは済みそうに無い。
そしてそれがどんな理由にせよ、鋼牙にとってはおよそ不本意なものであるはずだった。
それなのに売り言葉に買い言葉で鋼牙自身を責めるような物言いをしてしまったことがただただカオルには悔やまれて。
「……はぁ。なんであんな風に言っちゃったんだろう……」
本当なら今すぐにでも謝りに行きたい。
行きたいけど、鋼牙の言葉を思えばきっと今鋼牙に会いに行くのは止めた方がいいはずで。
……ゴンザさんに伝言を頼もうかな?
でも、やっぱり直接鋼牙にごめんなさいって言いたいし。
それにそのためだけに電話しても今朝の鋼牙の様子じゃ出てくれるかもわかんないよね……。
またあんな声で何の用だ、とか言われたらうまく答えられる自信もそんなにないし。
ああでも、やっぱり早く謝っちゃったほうがいいよね……。

149 :
堂々巡りを続ける思考のまま啜ったコーヒーはすっかり冷め切っていて、
ここに来てからかなり時間がたってしまっていることにカオルは気付いた。
いつのまにか外の景色は夕闇に沈み始めていて、秋の日はつるべ落としという言葉がよぎる。
……いつまでもここでぼんやりしててもしょうがないし。今日は帰ろ。
カオルは席を立つと身だしなみを整えようと化粧室に入る。
鏡の前に立ったところでカオルは洗面台のところにあるペンダントに気付いた。
……ペンダントなんて落とすものなのかな……。
でも放っておくわけにもいかないし、お店の人に預けておいたほうがいいよねきっと。
そう思ったカオルがそれを手に取ったとき、異変は起こった。
ペンダントから禍々しい邪気があふれ出す。
え、とカオルが気付いたときにはもう遅く、カオルの体はあっというまに邪気に飲み込まれた。
渦巻く邪気で何も見えなくなり、金縛りにあったように体が動かない。
(今夜はあなたの身体ってわけね)
妖艶な女の声が邪気に混じり、カオルの目に映る景色は一変した。
真っ黒い邪気から、広さの感覚を奪われるような真っ白な空間へ。
その場所はカオルにはなんとなく見覚えがあるものだった。
かつてメシアに体を奪われたときと同じ、内なる魔界。
(できればもっとグラマーな身体がよかったんだけど……ま、こんなのもアリかしら)
再び声だけが真っ白い空間に響く。
あなたいったい何者なの、と叫びかけてカオルはその疑問を飲み込んだ。
こんな芸当ができるものの心当たりなどカオルには一つしかなかった。
(ホラー……!)
そう言うと、カオルの声が聞こえたのか目の前に黒い霧の塊が現れた。
みるみるうちにその霧が濃さを増して人型を形作る。
豊かな乳房、くびれた腰、すらりと長い手足を持つそれは、そこだけ見れば魅惑的な女の姿だったかもしれない。
だがその背に生えた蝙蝠のような翼が、刃のように鋭く伸びた爪が、全身を覆う鉄灰色の硬質な皮膚が、
その人型が決して人間ではないことを如実に物語っていた。
かつてカオルも見たことのある人魚のホラーにも似たぎょろりとした目と裂けた口を持つ顔がカオルを覗き込む。
(あら、あなた魔戒法師でもないのになんでホラーを知ってるのかしら……って、やだ、もしかして……)
(な、何よ……?)
ホラーは何かを思案するかのように更にまじまじとカオルの顔を見つめる。
それからぱちりと瞬きをして確認するようにカオルへと語りかけた。
(……黄金騎士の女っていうの、あなたね?)
(っ!!)
ホラーから飛び出した言葉はカオルを動揺させるのに十分だった。
(やっぱり。セディンベイルから話は聞いてたけど、本当にこの町にいたのねぇ。
 ふふ、こんなの呼ばわりしちゃってごめんなさいね?
 あの黄金騎士を虜にした女の体なんて、ちょっと面白そうじゃない。
 あなたの体、今から存分に使わせてもらうわ)
(使うって、どういうこと!?)
(黄金騎士を食べるために、あなたの身体を借りて近づくってこと。
 あ、つまり、この場合の『食べる』っていうのはダブルミーニングよ?
 男としての彼を味わって、それから彼の肉体と魂を――)
(そ、そんなのわざわざ言わなくていいから!!
 っていうか何言ってるのよ!やめて、私の体返して!!)

150 :
(だーめ。あなたにはちょっと眠ってもらうわね。心配しないで、後でちゃあんと起こしてあげるから)
(そういうことじゃなくて!! ちょっと!! そんなのダメ――)
(うふふふ、おやすみなさい……)
ホラーの指先がカオルのつけていたペンダントにふれる。
恐怖に身を竦ませたカオルの額にこつりとホラーの額が当てられて、カオルの意識はふつりと途切れた。

カオルが次に気付いたときも、周囲は相変わらず馬鹿みたいに広い真っ白い空間だった。
(あ、れ……、私……)
(あら、自分で起きたの?ちょうどよかった、そろそろ起こそうかと思ってたところだから)
響いた声にカオルは一瞬で状況を思い出した。
そうだ、私ホラーに身体を奪われて、それで、鋼牙が危なくて……!!
(危ないなんて人聞きの悪い。彼に最高の快楽を教えてあげるだけよ。
 “んじゃう”くらいに気持ちいい、とびっきりの快楽をね……)
声と共に周囲の景色がぼんやりと変わる。
カオルの目の前にはアトリエの風景が広がっていた。
視点はおそらくイーゼルのあたり、とカオルは思う。
そして正面のベッドの上には『カオル』と、そして『カオル』に半ば押し倒されている鋼牙の姿があった。
『カオル』の胸元に揺れるペンダントは、今朝からカオルがつけていたものではなく、化粧室で見つけたそれ。
『カオル』が艶かしい手つきで鋼牙の黒い戦闘服の留め具を外していく。
それを鋼牙は制止もせずに受け入れていた。
(鋼牙……!)
(ね?そろそろ起こさなきゃっていうのはこういうこと)
(なんでこんなもの見せるの!?)
(んー、かいつまんで言うと、後であなたの魂をおいしく頂くためってところかしら)
(っ!?)
(偏食ってよくないでしょ?
 もちろん私が好きなのはいい男だけど、だからって女は食べないなんて贅沢は言わない主義なの。
 寝取った男を食べるのはこのうえないご馳走だけど、愛する人を寝取られて絶望に沈む女っていうのも
 それはそれで結構いけるんだから。
 ふふふ、暗く染まったあなたの魂の味も楽しみね)
カオルの質問に流暢に答えながらも『カオル』の姿をしたそのホラーは
手を休めることなく鋼牙の服のファスナーを下ろし、その鍛えられた胸に指を這わせた。
つっとその指が鋼牙の肌をなぞると鋼牙がぞくりと身震いをする。
(ふふ、敏感なのね、彼)
(やめて……!!)
(そうそう、あなたのその声が聞きたかったの)
『カオル』が鋼牙にしなだれかかるように身を寄せる。
潤んだ瞳で鋼牙を見上げるその表情はカオル自身から見てもどきりとするような色気があって、
カオルは悔しさと焦りの混じった悲鳴を上げる。
(ダメ……ダメだよ鋼牙!そいつは、そいつは……!!)
(何を言っても無駄よ?今のあなたの声は私にしか聞こえないんだから)
ぎゅっとカオルは唇を噛み、ある存在を思い出した。
そうだ、ザルバならきっと、あれがホラーだって気付くはず!

151 :
(ザルバ、ザルバ、聞こえる!?お願い、返事をして……!)
(あの失礼な魔導輪なら今はここに居ないみたいよ?)
(え……)
(今朝会ったときにちょっとご挨拶したから、今はまだ鼻が効かないはずなの。
 だから、もしここにいたとしてもあなたに気付くことはないわね、きっと)
鋼牙の胸に指を滑らせていた『カオル』が少しだけ体勢を変えた。
「鋼牙ぁ。なんだか熱いの……」
『カオル』が鋼牙の首筋に唇を這わせる。
ちゅう、と吸い付いたそこに赤く痕が出来た。
声も出ないほどに動揺したカオルに、『カオル』の瞳が勝ち誇ったように向けられる。
実際の仕草としては『カオル』がイーゼルのあたりをちらりと見たようにしか見えなかっただろうが、
ホラーの瞳が明らかに自分を見ているのだとカオルにははっきりとわかった。
「カオル、お前、さっきから自分が何をしているかわかってるのか」
「そのつもりなんだけど。……お願い。鋼牙と一つになりたいよ……」
(あらあら、大事にされてるのねあなた。
 私としては、問答無用で襲われてもよかったんだけど……。
 私の吐息を受けてまだこんなに理性が残ってる男なんて珍しいのよ?
 さすがに魔戒騎士最高位ともなると中身もそこらの男たちとは違うってことかしら。
 ……私がホラーだって見抜くことができてないのが致命的だけどねぇ?)
(それはあなたが私の身体なんか使ってるから……!)
(うふふふ、たしかにそうね。私としても、彼に怪しまれないためにあなたの身体を使ってるわけだし?
 だって黄金騎士を『食べる』機会なんて滅多にないんだもの。
 せっかくなら人間の身体で彼をたっぷり味わってから、その魂と肉体を食べたいじゃない)
(やめて……!!)
(ふふ、あなたが頑張ればやめてあげてもいいわよ?そうね……じゃあ、こんなのはどうかしら)
そう言うとカオルの目の前に黒い霧の塊が現れる。
その塊はすぐに丸く形を成し、ホラーの頭部を模した面となった。
(これを手に取れたら、あなたの魂をそこから出してあげる。せいぜい頑張りなさいな)
それだけ言うと、カオルの視界の向こうで『カオル』は鋼牙に更なる攻勢をかけた。
着ていたワンピースをするりと脱ぎ去ると下着姿のまま鋼牙の裸の胸に自らの身体を寄せ、
艶かしい手つきでレザーパンツの上から鋼牙の雄への愛撫を施していく。
「っ……、カオル……」
(感じやすい割りにあんまり表情には出さないのね。そんなところも彼の魅力なのかしら)
ホラーの声が響く。
けれどカオルにしてみれば、ホラーのその言葉は事実を表したものとは到底言い得なかった。
カオルにとっては、鋼牙の様子は十分表情に出ていると言っても過言ではない。
困惑したように眉間に皺を寄せる鋼牙の表情は、鋼牙が感じているときのそれだった。
(鋼牙、鋼牙……! 気づいて、あれは、私なんかじゃない……!!)
(ほらほら早くしないと“本番”が始まっちゃうわよ?)
目の前の面を掴む努力ならカオルはさっきから必にやっている。
しかし、相変わらず金縛りにあったように身体は思い通りに動いてくれない。

152 :
カオルがもがいていると目の前に映し出されている鋼牙がすっと『カオル』の頬に手を伸ばした。
鋼牙がカオルに口付けるときのいつもの仕草。
……鋼牙が鋼牙自身の意思でカオルの姿をしたホラーに触れようとしている。
そのことがカオルには耐えられなかった。
(鋼牙、やだよ、やめて、鋼牙ぁぁぁ!!)
絶叫と共に渾身の力を振り絞る。
そして。
何かが砕け散る音と共にカオルの拘束が解け、その手にホラーの面を手にしていた。
(取れ、た……)
だが希望もその一瞬だけしか続かなかった。
(やだ、……やだ、何これ……!!)
面から指先を伝ってカオルの中に黒い何かが入り込んでくる。
自らが侵食されていくおぞましい感触にカオルは悲鳴をあげた。
(まあ、ほんとに取っちゃったの?……あらあら、かわいそうな子)
(いや、いやぁ……!!こたえて、どういうことなの……)
(ここから出してあげるとは言ったけど、身体を返してあげるなんて一言も言ってないでしょ。
 あなたは今からホラーになるのよ)
目の前の景色がゆがんでいく。
ホラーの姿となった自分が自らのアトリエへと出現するのだと、カオルは絶望的な気分の中で悟った。

今にもカオルに口付けようとしていた鋼牙が突然室内に渦巻きだした邪気に気付き、『カオル』から身を離して
その身体を背後に庇う光景をカオルは見ていることしかできなかった。
自分をにらむ鋼牙の瞳はホラーを前にしたときの戦士の目だった。
(鋼牙!!)
届かないと理解しつつも呼びかける声は醜い威嚇の声にしかならなくて。
目の前に突き出された魔戒剣の鋼色の輝きをカオルは間一髪で避けた。
既に魔法衣を羽織った鋼牙から逃げるように窓から外へ飛び出す。
逃げなきゃ。そして、何とか鋼牙に私だって気付いてもらわなきゃいけない。
……でも、どうやって……?
悠長に考えている暇はなかった。
最強の魔戒騎士たる牙狼の称号は伊達ではない。
背後に迫り来る気配は確実に距離を詰めてきている。
慣れない身体で逃げ続けるのは到底不可能だった。
ざっと空気を裂いて魔戒剣の先が背の翼の先端を引っかき、その痛みにつんのめるように
カオルは目の前の倉庫へと飛び込む。
ホラーの瞳は闇の中でも不自由なく物体のありかをカオルに示したが、
今のカオルには大して助けにもならなかった。
一つきりの入り口から入ってくるのはホラーを狩る定めに生きる者。
鋼牙に自らのことを伝える術も思いつかないままに退路を断たれ、カオルは壁際で立ちすくんだ。
(あらあら、万事休すね)
頭の中でホラーの声が響く。

153 :
(っ……! お願い鋼牙!! 気付いて!!)
(ほらほらどうするの?このままだとあなた、黄金騎士にされちゃうわよ?
 今の彼、『カオル』を傷つけられそうになって大層ご立腹みたいだし)
(っ!! 鋼牙!本当の私はこっちなの!!鋼牙!鋼牙ぁ!!)
(せいぜい頑張りなさい。彼を『食べ』終わったら、あとであなたも食べてあげるから)
凍りついたように動けなくなっているカオルを前に、鋼牙は隙一つ見せることなく距離を詰める。
くるりと頭上に魔戒剣で円を描き、次の瞬間には金色の狼がその場に姿をあらわしていた。
黄金騎士・牙狼。
当代最強の魔戒騎士が、左手を前に出しその手の甲に牙狼剣の切っ先を添える独特の構えを取った。
今まで何度この剣に命を救われてきただろう。
だがその切っ先は今、自分に向けられている。
逃げても何の解決にもならないことも、逃げ切れるはずがないこともわかっていたけれど、
カオルは逃げずにはいられなかった。
敵を見る目で鋼牙が自分を見ているということに耐えられなかった。
鋼牙が足を踏み出した瞬間に壁伝いに走り出す。
生来のそそっかしさからか足元に置かれていた何かに躓いてひどく身体を打った。
躓いてこけるホラーなんて相当滑稽だろうな、などと思う間もなく金属質の足音が響き、カオルは這うように逃げる。
だが抵抗もそこまでだった。
背後の気配が鎧の重さを感じさせないほど俊敏な跳躍を見せカオルの正面に回りこむ。
一瞬立ち止まったところを一気に詰め寄られ、左手一本で首を掴まれて倉庫の壁面に縫いとめられた。
ぎりぎりと首を締め付ける左手を外そうともがくけれど、両手はむなしく鎧に覆われた手首をひっかくだけだった。
ソウルメタルの鎧に触れている首と掌が焼けるように痛い。
霞む視界の正面で、闇に輝く緑の瞳が恐ろしい形相でこちらを睨みつけていた。
(……こう、が……)
右手に構えられていた牙狼剣が止めを刺すためにすっと引かれる。
カオルはぎゅっと目を閉じて最後の瞬間を待った。
しかし次に聞こえてきたのは牙狼剣に自らの肉身を切り裂かれる音ではなく、ガシャンという音だった。
首を締め付けていた手が外され、がくりと膝から崩れ落ちたところを支えられてゆっくりと地面に下ろされる。
カオルはおそるおそる目を開けた。
そこにいたはずの黄金の狼の姿はどこにもない。
かわりに鎧を解いた鋼牙が片膝をついて青い顔で自分を覗き込んでいた。
「カオル……」
(え……)
「カオルなんだな」
問いかけの形を取ってはいるものの確信したようにそう訊ねる鋼牙にカオルはこくこくと首を縦に振った。
気付いて、くれた……。
鋼牙は一瞬瞑目し、そして次に目を開いたときには普段の顔色を取り戻していた。
「待ってろ、すぐに助ける」
再びカオルはこくこくと頷いた。
大丈夫。鋼牙がそう言ってくれるなら、必ず、助けてくれる。
今まで何度も自分を守ってくれたときのものと同じ声、同じ眼差しに、カオルはどうしようもなく安堵していた。

カオルがしっかりと頷いたのを見届けて、鋼牙は立ち上がり振り返った。
いつの間にか倉庫の中にワンピースを身に付けた『カオル』が立っていた。
「鋼牙、どうしたの?うしろに、まだホラーが……」
「……正体を現せ」
「鋼牙?いったい何を言って――」
「長々と問答するつもりはない。カオルを開放しろ」

154 :
ホラーの姿をしたものを背に庇いカオルの姿をしたものに魔戒剣を向ける鋼牙の姿は
本来ならば異様な光景であるはずだった。
困惑した表情の『カオル』と、それをにらみつける鋼牙の間でつかの間時が止まる。
その静寂を破ったのは『カオル』の方だった。
「……ふふ、うふふふ、あはははは……!!なんでわかっちゃったのかしら」
カオルの姿をしたものがカオルではありえない声で笑った。
「でもあなたに私が斬れる?大事な大事なカオルの身体が、あなたに……」
「斬るのはカオルじゃない、お前だ……!!」
そういうと鋼牙は躊躇いもなく『カオル』に向けて突進した。
その首めがけて魔戒剣を突き出し――繰り出された刃から逃げるようにその身体からペンダントがはじけとんだ。
制御を失ってがくりとくずおれたカオルの肉体を鋼牙は抱きとめる。
カオルの身体を操っていたペンダントが物理の法則を無視してその質量を増していく。
現れたものは内なる魔界でカオルが見たとおりの姿をしたホラーだった。
「何故……どうして……!?」
鋼牙はもはやホラーの問いに答えることはなかった。
頭上に掲げた魔戒剣で光の円を描く。
金色の輝きが再び鋼牙を包んだ。
「ま、待って……!この子の身体は後でちゃんと返すわ!あなたの肉体と魂も諦める!
 だから一度でいい、この子の身体で、私にあなたを味わわせて――あ、あ、あああああ!!!!」
ぼう、と牙狼剣から放たれた緑の炎に包まれたホラーが断末魔の悲鳴を上げた。
同時にカオルが閉じ込められていたホラーの姿がさらさらと砂のように崩れていく。
そこに残ったのはカオル自身が身につけていたペンダントであった。
そっとそれを拾い上げて自らの唇に押し当てると、倒れ伏しているカオルを抱き起こしてペンダントを掛ける。
いつかもこうしてカオルの魂を肉体に戻したことがあったなと思い出しながら鋼牙はカオルの唇に口付けた。

「……ん……」
ふわふわと漂っていたカオルの意識がゆっくりと覚醒する。
あれ、ここ、鋼牙の部屋……?
「カオル……」
鋼牙の声が聞こえてカオルがそちらに顔を向けると
これ以上はないほどに安堵を滲ませた鋼牙がベッドの傍に座っていた。
もぞもぞとブランケットから自分の腕を出して確認する。
いつもどおりの、自分の両腕。
体を起こそうとしてふらりと体勢を崩しかけ――鋼牙の腕に抱きとめられた。
「……無理をするな」
そういって覗き込んでくる鋼牙の姿に、本当に助かったんだと言う実感がこみ上げて
カオルはじわりと涙を滲ませて鋼牙に抱きついていた。
「っ、ひっく、……鋼牙……鋼牙……!」

155 :
自分の存在を、鋼牙の存在を、確かめるように鋼牙の胸にしがみつく。
鋼牙は一際強くカオルを抱きしめると、自責と悔恨を滲ませた声ですまなかったと囁いた。
そのまま鋼牙自身もベッドに乗り上げる。
ヘッドボードに背を預けて自らの脚の上にカオルを抱きなおすと、
次第に落ち着きを取り戻し始めたカオルが身じろぎして鋼牙の肩口に顔を摺り寄せた。
「……何があったのか、聞いてもいい?」
カオルの問いかけに答えて、鋼牙はぽつぽつと今朝からの出来事を話し始めた。
明け方ごろ、カオルを襲ったホラーと一度交戦したこと。
その最中一瞬の隙を突いてホラーが姿をくらまし、その際に浴びせられた毒のために
ザルバはホラーを追えなくなり、また鋼牙自身にも毒のもたらす媚薬の効能が現れはじめ、
カオルを守るために朝屋敷を訪れたカオルを遠ざけたこと。
日が落ちてからザルバを置いて再びホラー捜索に出たところ、
朝のホラーに襲われかけている『カオル』を見かけ、それを倒して『カオル』を助けたこと。
『カオル』をアトリエに送り届けるだけのつもりが中に通され、あとはカオルの見たとおりだ、ということ。
「……おそらく俺の目の前で『カオル』を襲っていたものは、ホラーの操る抜け殻だったんだろう。
 そしてその抜け殻を利用して、今度はお前の魂をそこに封じ、俺にさせようとした。
 ……ザルバはそう言っていた」
「そうだ、ザルバは大丈夫なの?」
「心配ない。今はもう休んでいるが……会うか?」
「ううん、無事ならいいの。もう寝てるなら起こしちゃ悪いもの。
 ……鋼牙はどうしてホラーの姿にさせられてた私のことがわかったの?」
「牙狼剣がお前の姿を見せてくれた……お前の姿が映ったんだ。
 そのとき初めて何が起こっているか理解した。
 俺が刃を向けているのがおまえだということも、カオルの姿をしたものの正体も、
 そして、……お前の目の前で、俺が奴と何をしていたか、ということも。
 ……すまない、カオル。本当にすまなかった」
そういい終えると、鋼牙はカオルから視線を逸らした。
話している間だけでもこっちを向いていてくれたのは、鋼牙の誠実さの表れなんだろうな、とカオルは思う。
眉間に皺を寄せてぐっと口を引き結んだ鋼牙の様子は合わせる顔がないという言葉を文字通り実践しているようであった。
「鋼牙、こっち向いて? 私、別に怒ってたりなんかしないのに。……助けてくれて、ありがと」
「だが、俺はお前ではないということにも気づかずに、お前の目の前で……」
「しょうがないよ。だって、実際に体は私のだったんだし。
 それに、鋼牙は最後にはちゃんと私のこと気付いてくれたじゃない」
「しかし……お前は、それでいいのか」
何故自分を責めないのかと暗に問う鋼牙に、カオルは別の質問で返した。
「ね、鋼牙。鋼牙は、ホラーに色々されてたとき、気持ちいいなって思った?」
「…………ああ」
苦い沈黙のあとに搾り出すように鋼牙は答える。
優しい嘘をつけるほどの器用さなど持ち合わせていなかった。
「じゃあ、あれが私じゃないってわかってても、鋼牙は受け入れた?」
「それはない」
今度は即答だった。
「……ホラーにされてたのとおんなじくらい気持ちよくても?」
「当たり前だ。お前以外とそういうことをする気はない」
その言葉にカオルの瞳がみるみる潤んだのに気付いて鋼牙は言葉を継いだ。

156 :
「……すまない。今更何を言っても信じられないだろうな」
「やだ、鋼牙、違うの、そうじゃないよ。……私、幸せだなあって。
 鋼牙の気持ちはずっと私に向いてたってあらためて聞くと、恥ずかしいけど嬉しいっていうか」
「え……」
思いがけないカオルの言葉に鋼牙は言葉を詰まらせた。
「鋼牙が今言ってたのって、そういうことだよ?」
「それは確かにそうだが」
「それにさっきも言ったけど、鋼牙は本当の私に気付いてくれた。
 だから、本当にもう気にしなくていいんだよ、鋼牙」
「……赦して、くれるのか」
「うん。っていうか、最初から鋼牙を責めるつもりなんてないもの。
 助けてくれてありがと、鋼牙……」
そういってカオルは微笑むと甘えるように鋼牙の胸元に頬を擦り付けた。
赦されていると自覚した途端にカオルを求める気持ちが自らの内に湧きあがり鋼牙はぐっと奥歯をかみ締めた。
今回の顛末を受けて、自らの肉欲を戒めなければと思ったばかりのはずだった。
それでなくても今のカオルは魂を肉体に戻されたばかりの状態であるわけで、
カオルの身体に負担を掛けるようなことは避けるべきだ、と理屈ではわかっている。
しかし信頼しきったように自分に身を預けているカオルの感触に、
その全てを抱きしめ、奥の奥まで触れたいという欲望が首をもたげてきているのも確かだった。
「鋼牙の匂いがする……」
「すまない、まだ着替えてもいなかったな」
「あ、ううん、嫌とかそういうのじゃないから。それに、その……お風呂なら後で一緒に入ろ?」
“後で”一緒に入ろう?というやや遠まわしなカオルの誘いの意味に気付き、鋼牙は驚いたようにカオルを見つめる。
「私だって、あんなの見せつけられて悲しかったし怖かったし、……寂しかったんだよ。
 あ、鋼牙を責めてるわけじゃなくて、そのときはそう思ったっていう話。
 だから、鋼牙が私に気付いてくれたとき、すっごくうれしかった。
 今だってそう。鋼牙にぎゅってしてもらえるのってすっごく幸せだなあって。
 こうやって、鋼牙の匂いとか、声とか、体温とか、そういうのを一番近くで感じていいのは
 自分なんだって確かめたいの。
 鋼牙に抱いてもらえるのは私だけなんだって、確かめたいの……」
「……カオル……」
「……ごめん。やっぱり変かな、そういうの。
 あ、っていうか、鋼牙も色々疲れてるよね!
 ホラーと戦って、そのままここまで私を連れて帰ってきてくれたわけだし、鋼牙も早く寝たいよね――」
「カオル」
「な、なに?」
「俺は別に構わない……いや、正直お前に触れられるのはかなり嬉しい、と思う。
 だが魂が体に戻ったばかりでお前のほうこそ消耗しているはずだ。……あまり無理をさせたくない」
「ちょっとくらいなら付き合えるはず!……それに今は、鋼牙を感じてるほうが早く元気になれそうなの」
……鋼牙の心は決まった。

明かりを落とした部屋に衣擦れの音が響く。
鋼牙がカオルのワンピースをするりと滑り落とすとカオルは一度ふるりと体を震わせて
それからそっと鋼牙の衣に手を伸ばした。
一つ一つホックを外していき、ファスナーを開けて前をはだけさせる。
鋼牙は脱がされるままにカオルの行動を受け入れ、自分はそのままカオルの下着を解いていった。
一糸纏わぬ姿になったカオルを抱き寄せるとその身体は逆らわずに鋼牙の裸の胸におさまる。
触れるだけの口付けを交わして鋼牙がそっと顔を離すと、瞳を伏せたカオルに指先で首筋の一点を撫でられた。

157 :

「カオル……?」
「あ、ゴメン。……大した事じゃないんだけど」
そう言うとカオルは反対側の首筋に顔を埋めた。
唇のやわらかな感触が触れ、啄ばむようにいくつもの口付けが落とされる。
同じ場所に何度も吸い付くその様子に鋼牙は怪訝そうにカオルの名を呼んだ。
「カオル?」
「……上手くつかない……」
「?」
「キスマーク。……だ、だって!!私の身体だったんだから、あのホラーにできて私に出来ないはずがないのに、
 私だけ出来ないのって悔しいじゃない。
 それに。……ホラーがつけた痕が残ったままなのって、やっぱり落ち着かないっていうか……
 鋼牙を取られちゃったみたいで」
その言葉でようやく鋼牙はカオルが何を気にしていたのかを悟る。
「もう、そんな顔しないで?本当に、大した事じゃないし――」
「……吸い付く面積を出来るだけ小さくしてみろ。舌を使ってもいい。
 あとは皮膚の薄そうなところを狙って、思いっきり吸い付け」
「ん……やってみる」
謝罪の代わりに口にしたのは、カオルの欲することへの助言。
鋼牙の言葉を受けてカオルは再びゆっくりと鋼牙の首筋に唇を寄せた。
鋼牙の肌に湿った感触が触れ、それからちりりとした痛みが走る。
カオルがおそるおそる唇を離すと、果たせるかな、鋼牙の肌にぽつりと赤い花びらが舞っていた。
「……できた……」
本当に痕が出来ていることに感動の声をあげたカオルは
今度はホラーが鋼牙に残していった痕へと吸い付いた。
同じように、温かく柔らかなカオルの唇と舌の感触のあとにかすかな痛みが鋼牙にもたらされる。
「……上書きしちゃった……!」
カオルは恥ずかしそうに笑って、それから鋼牙の胸に抱きついた。
「カオル?」
「……なんだか、鋼牙がすぐ痕つけたがる理由がわかった気がする。
 ね、鋼牙。……今日は、いっぱい痕つけても、いいよ……?」
普段はキスマークをつけられると困った顔をするカオルがそんな風に言い、鋼牙は驚いた様子で一つ瞬きをした。
「……いいのか」
「うん。いつもそうだとちょっと困るかもだけど。……きょ、今日だけだからね……?」
「……あまり俺を甘やかすな、カオル……」
嘆息交じりにそう言いつつも、免罪符を得た鋼牙はカオルの首筋に赤い花を咲かせる。
吸い付かれた場所を恥じらいながらも嬉しそうにそっと指で撫でるカオルがどうしようもなく愛おしくて。
鋼牙は自らも衣服を全て脱ぎ捨てると優しくカオルを押し倒し、
そのままカオルのあらゆる部分に口付けを繰り返していく。
「はぁ……、ぅ……っん……」

158 :
鎖骨に。胸に。腕に。おなかに。鋼牙の唇が触れるたびに切ない吐息がカオルから漏れる。
唇だけではない、鋼牙の指が、髪が、吐息が肌に触れるたびに鋼牙を求める気持ちがあふれ出すようだった。
そこかしこに赤い痕を刻んでいく鋼牙の唇がとうとう足の付け根まで降りてきて、
カオルは次に触れられるであろう場所への期待に胸を膨らませる。
しかし鋼牙はにやりと笑うとカオルの体をひっくり返した。
え、と思う間もなく鋼牙の唇がカオルの背筋を下から上になぞり上げる。
「ひあぁぁっ……!」
びくんと大きく体を震わせたカオルがうつぶせのまま顔だけを背後の鋼牙へと向けると、鋼牙とばっちり目があった。
「何を期待してたんだ、カオル?」
「……もう!」
全部鋼牙に見透かされていた恥ずかしさにカオルが涙目になって抗議の声をあげると鋼牙は罰の悪そうな顔をして謝った。
「すまない。少しからかいすぎた」
鋼牙はカオルのお尻に左右に一つずつ痕を付けると背後からカオルに覆いかぶさる。
カオルの肌とシーツとの間に鋼牙の腕が差し込まれ、カオルはそのままゆるく抱きしめられた。
脚の間に鋼牙の剛直がぐっと押し当てられて、その感触にカオルはふるりと身を震わせる。
そんな風にしたってごまかされないんだから、と更に抗議の声をあげようとしたけれど、
カオルが口を開くよりも鋼牙が次の言葉を口にするほうが早かった。
「カオル」
「……鋼、牙……?」
耳元で囁く鋼牙の声は驚くほど真剣で。
カオルは何も言えなくなり、ただ鋼牙の名を呼んだ。
自分を抱きしめる鋼牙の腕の力がきゅうっと強くなる。
「お前の目の前であんなことをしていたとわかったとき。
 ……俺は今度こそ、お前を失ってしまうかもしれないと思った」
「そんなこと、考えてたの……」
「こうしている今でも、お前に赦されたことが夢ではないかと思う」
「夢じゃないよ。そんなに自分を責めなくていいんだよ、鋼牙……」
「カオル……本当に、お前に触れても、いいんだな」
「うん」
背後の鋼牙を振り返ってカオルが恥ずかしそうに微笑む。
鋼牙は詰めていた息を吐き出すと己の分身をカオルの秘裂に擦り付けた。
「ん、あぁ……っ、この、まま……?」
「俺としてはこの体勢でもいいんだが……」
「や……やぁっ……」
既にしとどに濡れているカオルの中心は鋼牙のものが擦れるたびにちゅくちゅくと音をたてて蜜をまとわりつかせ、
既に鋼牙を受け入れる準備が整っていることを伝えている。
それでもカオルはいやいやと首を横に振った。
鋼牙を受け入れることを拒んでいるわけではない。
ただ今日は……あんなことがあった後では、鋼牙の顔をよく見られない格好で抱かれるのは
ひどく寂しい気がしていた。
「わかってる。……そう言うと思った」

159 :
そう言うと鋼牙はカオルを抱きしめていた腕を緩めて体を離した。
出来た隙間でカオルは寝返りを打つと正面から鋼牙と向かい合う。
……やっぱり、後ろからされるよりこっちの方がいい。
そんなことを思いながら再び覆いかぶさってくる鋼牙に腕を回そうとするけれど、
自分で思う以上に体力が削られているのか、持ち上げる腕がひどく重い。
鋼牙に触れていたいと願う気持ちとは裏腹に、この調子では揺さぶられ始めたとたんに
回した腕なんて解けてしまいそうだった。
腕を持ち上げるほどの体力も残っていないのに抱いてほしいとせがんだ自分が
あのホラー以上にどうしようもなく淫らな女に思えてきて、カオルは羞恥に消えたいような気分にすらなる。
「きゃっ……」
くるりと鋼牙とカオルの上下が入れ替えられた。
自らを支えることなど出来ずにカオルは鋼牙のたくましい体にぺたりと肌を密着させて倒れこむ。
カオルの胸のふくらみが鋼牙の胸板とカオル自身に挟まれて柔らかく押しつぶされた。
「無理をさせてすまない……これで大丈夫か?」
鋼牙の声には、カオルの淫らな欲求――少なくともカオル自身にはそう思えた――を軽蔑するような響きは
微塵も感じられなかった。
ただひたすらにカオルを求め、そして気遣う言葉。
溶かされてしまいそうに熱いのにどこまでも優しく響く鋼牙の声に
カオルは泣きそうになりながら頷いて、鋼牙にすがりついた。
鋼牙の手がカオルの腰を少しだけ持ち上げ、ぬちゅり、とカオルの蜜口に鋼牙の切っ先があてがわれる。
ゆっくりと鋼牙に中を押し広げられていく感触をカオルは吐息を震わせながら受け止めた。
「……うごくぞ」
「うん……」
はじめのうちはゆったりとしていた鋼牙の動きが段々と激しくなっていく。
ずっずっと突き上げられるたびにカオルの体が鋼牙の上で揺れた。
硬くなっている胸の頂が鋼牙の肌にこすれる痛みを頭の片隅で感じながらも
それをはるかに圧倒する快楽の波にカオルの思考は霞んでしまう。
「すごい、な」
「あ、ああっ、……んっ」
自分の身体だというのに自分の意思とは関係なく戦慄き、震え、鋼牙に翻弄される。
自らの身体を自分ではコントロールできないという意味ではホラーに奪われていたときと変わらないのに、
そのときとはまったく違う喜びがカオルを満たしていた。
「はあ、あぁん……っ、ひあぁっ……!?」
お尻をくるりとなでられて、その途端背筋を駆け抜けた快感にカオルは思わず身体を仰け反らせた。
あまりにもあからさまな反応に鋼牙は楽しそうに口の端を持ち上げると
今探り当てたカオルの感じる動きを何度も繰り返す。
「あっ、あっ、だめ、だめぇぇ……っ」
だめ、なんて嘘だった。
もう何にも考えられないくらい気持ちよくて。
「やあぁっ……あっ、ああぁっ……!」
「っ、……、嫌、か……?」
「んん、違……あぁっ!……やめ、ないでぇ……!!」

160 :
カオルは鋼牙の首筋に埋めていた顔を必で持ち上げて鋼牙に懇願した。
耐えるように眉を寄せて息をあげている鋼牙と視線が絡まる。
ホラーに見せていたものとは比べ物にならないほどに切なく甘く、そして余裕などなくただひたすらにカオルを求める
鋼牙の表情に、カオルは泣きたいくらい幸せだと思った。
「……一緒にいこう、カオル」
「んっ、うんっ……」
喘ぐようにこくこくと頷いてカオルは力の入らない腕で鋼牙にすがりつく。
本当は今すぐにでも達してしまいそうなほどに快感が襲ってきている。
それでも、どんなにカオルがもう無理、我慢できない、と思ったときでも、
鋼牙が一緒にいこうというときには必ず鋼牙は一緒にいかせてくれた。
なにより、一緒に、と言ってくれる鋼牙の気持ちが嬉しかった。
「あっ、あっ、……ふぁぁ!」
「は……っ、カオル……!」
「っ……こうがぁ、あっ、あんっ、……ああぁぁっ!!」
「……っ、く、ぅぁ……っ!」
互いの身体と心を震わせて、二人は同時に上り詰めた。

くたりと身体を鋼牙に預けたカオルの息が整うのを待って、それから鋼牙はカオルの体を軽々と抱き上げる。
「鋼牙……?」
「後で一緒に入る、と言ってただろう」
その言葉にカオルはようやく一緒にお風呂に入ろうと鋼牙に言ったことを思い出した。
「えっと、……誘っておいて非常に申し訳ないんだけど。
 私もう動けそうになくて、だから、その、鋼牙だけで入ってきて……」
「……? だから一緒に入るんだろう。心配するな、全部洗ってやるから」
「そうじゃなくて。その。……い、一緒に入っても、私もう鋼牙になんにもしてあげられそうにないっていうか……」
カオルの言葉に鋼牙は一瞬きょとんとしたような表情を見せ、それからわずかに笑った。
「……お前、俺のことをどれだけ狼だと思ってるんだ」
「だ、だって!鋼牙と一緒に入って何にもないことのほうが少ないくらいだし……」
最後まですることはそう多くないにせよ、吐息を震わせて鋼牙にしがみつくはめになったことなんて
もう数えていないほどだ、というのがカオルの言い分だった。
「今夜はもう無理そうなのは見ればわかる。安心しろ、本当に洗うだけだ」
「……うん。ゴメンね。……ありがとう」
それから数十秒後。
バスルームの鏡に映る、赤い花弁を体中に散らされた自らの姿にカオルは絶句することになるのだが、
そのことにカオルは未だ気付いてはいなかった

161 :
以上です
サキュバス的な色っぽいホラーを出して鋼牙を誘惑させたいと思ったはいいけど
実際に書くとなるとマジで身の程知らずだった……
あ、投下間隔が延び延びなのは私の場合映画との齟齬が怖いとかじゃなくて単に遅筆なだけなのです
幸い映画祭に見に行くことが出来たのですが、今のところ映画公開まではバレを含む話を書くつもりはないです
ご心配の方が多いようなので先にことわっておきます
まあ、自分の遅筆っぷりではそもそも映画までに一本投下できるかも怪しいんですが……w
お付き合いありがとうございました

162 :
投下ありがとう!
職人さんがいて良かった
映画祭行ったら書くのが止まってしまったけど、自分も頑張って仕上げたい…
(自分の場合は映画の内容と関係なく、映像自体見ると満足してしまうのと体調的な理由)
後ほど落ち着いて読ませて頂きます
生放送のカオルの人が可愛すぎ

163 :
職人さんありがとう!

映画に関してはネタバレを書く内容ではないんじゃないかなあ。
映像見ないとなんのこっちゃだろうし。

カオルの中の人のような人ってなかなかいないよね。可愛いし面白いし魅力的。
監督が撮る彼女とはまた違っていて非常に良かった。

164 :
>>147-161
GJ
カオルが他の人とのパターンは作れるけど、鋼牙が他の人とっていうのはなかなかないね
SSの投下があることが嬉しい
>>163
あれを見たら元気になるだろうなと思ったよ

165 :
職人さんGJ
長編続きますな〜

166 :
目隠しでとかカオルさん、嫌がるだろうか…

167 :
>>166
いいね! 
嫌がってみせながらもやがて…ってやつですね
鋼牙のキャラでどうやってそこにもってくか、が問題だ

168 :
上であったメシア状態カオルが鋼牙を攻めるって見たい。
積極的なカオルがみたいんだぜ。
悲しいかな文章までに至らないんだ(泣)

169 :
人がいて良かったw
>>167
イヤイヤ言いながら流されちゃう…的なのです
でも自分が妄想するカオルはいつもこんなかも
そこへ持ってくのは良かったんだけど、その先が違う方向に行きそうで保留にした
>>168
自分が分かればいいってものならいいけど、他の人も見るとなると投下を迷う
でも>>168の妄想は見たい
攻めのカオルもいいね

170 :
>>169
ソフトS鋼牙とイヤイヤ流されカオルが大好き人間です!
そこへ持ってったんならもうOK!! どの方向でもいいから連れてってください〜
投下を切にお待ちしております

171 :
「カオルは俺のものだ!」って、劇中にちゃんとカオル本人の前で言えよ鋼牙!
全然関係ない場所で中の人が言ってどうするよorz

172 :
何かこうね、鋼牙って無自覚に色々自信ありすぎるんだなあと思うと
ちょっとそこ座れと問い詰めたくなる
それにしても「カオルは俺のものだ」「今だけです」にはちょっとnynyした

173 :
中の人の発言だけど鋼牙相当自信があるんだなと思ったw
でもカオルの中の人は身長でレオを選んだとかやっぱ裏話面白いww
非常に2828できる回で保存した

174 :
三角関係のスピンオフ、ちょっと見てみたいw
カオルが怖い顔したとか、烈花のヤキモチとかも面白い話だった

175 :
「カオルは俺ものだ」とジェラS鋼牙がいると聞いて!
職人さんお願いします!!全裸で土下座!!

176 :
劇外では「鋼牙に逢いたい鋼牙に逢いたい」「カオルは俺のものだ」なくせに
劇中はお互い素直になれないとかどんだけ妄想族を萌えにさせる気ですか!!

177 :
ネタが浮かんだけど、メモっぽいのでどうしよう…
長編と良作品が続くと上げるのを躊躇うです(汗)

178 :
>>177
ぜひ!
自分もどうしようと思うことばかりだけど、同じような人がいて良かった。

179 :
思いついたプロットを書く

文章能力に長けた職人様の降臨を待つ

(゚∀゚)ヒャッホウ

180 :
誰か保管庫管理してくれる人とか居ないのかなあ
前スレの作品が埋もれてしまうのは寂しい

181 :
>>177
他のスレだとSSとまで行かないような小ネタの書き込みもあるし、前スレにもそんな感じのあったような…?
是非投下して欲しいけどSSとして書き始めたとかなら待ってる

182 :
カオルが誤って媚薬を飲んでしまう、みたいなのが浮かんだけど
カオルじゃなくて鋼牙が飲んでしまうパターンはどうなんだろうか
鋼牙がやらかすのってあまりないような
浮かんだだけでSSまでは持って行けそうにないんだけどさ
嫌がる人がいるとは思うんだけど、レオが飲んでしまってカオルに…とかも浮かんでしまった
ごめん

183 :
長編もいいけど短編や荒削りな作品がみたいです。
次に続きにくいのですかね?

184 :
>>183
ここだと短編は何レスくらいだろう?
書くと長くなりがちだから気になる

185 :
個人的には4レスくらいまでが短編と思ってる
これが書きたかっただけ、なネタを書くと自分の場合だいたい4レス目までに収まるからなんだけど、
これって長すぎるんだろうか

186 :
面白ければエロければ、短編でも長編でも全然オッケーで〜す!
>>183
荒削り、の定義がいまいちわかりませんが・・・
文章がなってないのは勘弁です。
下手くそな文章だと、いくらエロそうなこと書いてても全然エロれまっせ〜〜ん
その点、ここの職人さんはレベル高いといつも思っとります

187 :
>>186みたいのがいるから挙げてくれる人が減るんだよ
勘弁して欲しいのはあなたの方

188 :
>>185
4レスなら長いとは感じないな。
投下テンプレさえ守ってもらえればなってなかろうが基本何でも歓迎するね。
短編どころか小ネタでも妄想トークだけでもツボに入る時もある。
レベル高くても萌えが合わなかったらごめんなさいする。それだけは読み手にまかせてもらえれば。

189 :
>>185>>188
ありがとう、参考・目安にしてみます
読み手の好みと書き手の好み・その時書きたい物が噛み合うとは限らないね
でも初見でパスしても後から見返して読んだりもする

190 :
このスレは金岡カオ以外はダメな流れなの?
前スレはなんでも大丈夫な感じだったけど…

191 :
>>190
そんなことないでしょう
カップリングやシチュエーションがこうじゃないと嫌だって人もいるかもしれないけど、嫌ならスルーしてって
話になってるんだし、そういうのは気にしなくていいと思う
反応は薄いかもしれないけど書けるなら投下して欲しい
自分は基本的に鋼牙カオルだけど他も有りだし、烈花とか翼と邪美とかもあったらいいのにと思ってるよ

192 :
とりあえず>>190>>25の職人さんの話を読んでないことは理解した
まだ200レスも行ってないんだし、
鋼カオ以外の作品が本当にないかどうかくらい確認しようぜ

193 :
>>182
久しぶりなので遅レスですまんの
>レオが飲んでしまってカオルに…
カオルさん逃げて超逃げてと遠ざけようとするレオに
○○は無理だけど手伝うくらいなら!、とパニックで妙な方向に振り切ったカオルという妄想竹が生えました
しかしたとえレオでも一般人とは比べ物にならない身体能力の方々がそんなもの飲んじゃった日には
カオルさんが壊れるかも…まして鋼牙…

194 :
・徹夜続きなので自分の為に栄養剤を用意したつもりが誤って精力剤的なものを飲んでしまうレオ
・鋼牙の為に栄養剤的なものをレオに頼むが誤って精力剤的なものを貰って鋼牙に飲ませてしまうカオルさん
法師のレオが間違うとは…と思うけど、彼に何となくドジなイメージを持ってるのでw
>>193
勢いでカオルの限界までやっちゃったら鋼牙は帰って来れないくらい落ち込みそうだ
レオが手伝うからってカオルに言われたりしたら言いなりになってしまいそう
レオってカオル、ミオ以外だとちゃんと絡みのある女性がグレス様くらいしか思い出せない…

195 :
キバ様とミサキも妄想しようと思えば、、、
、、、あかん、無理やorz
鋼カオ以外も書いてみたいのに、すすまないぜ

196 :
他キャラもと言われていて自分も見たいのに鋼牙カオルで申し訳ない。
拙いながらとりあえず書くだけ書いてみたので落としてみます。
・鋼牙Xカオル
・2期最終回のシグマ兄さんが来るのがもっと遅かったら…みたいな
・特別な注意点はないかと思います(個人的にはモヤモヤありますが)
・キーワードは『少し時間があれば』で

197 :
約束の地へ行くことになったと伝える為に、鋼牙は自室にカオルを呼んでいた。
「話って…何?」
何かを期待するような瞳でカオルが見上げて来る。
ドレスアップしたカオルは何時もと違って見えるが、とても綺麗だと思った。
そっとカオルの頬に触れて顔を見詰めた。
「何?」
ふっくらとしていて柔らかそうな唇だ。
胸に破滅の刻印があったことを引いても、今までに少しは物理的な進展があっても良かったのではないだろうか。
しかし進展がない理由を考えて心の中で苦笑する。
今夜ばかりは自分を抑えるのをやめようと鋼牙は思っていた。
顔を近付けると意図を理解してカオルが瞼を閉じる。
しっとりと柔らかな感触を味わいながら、鋼牙は指からザルバを抜いて机に置いた。
カオルの腰を抱き寄せ、滑らかなドレスの生地を撫でながら背中のファスナーへと手をかける。
身動ぐカオルの体を抱いて更に密着させた。
「…っ鋼…」
開いた唇に舌を捩込み、絡ませる。
カオルの口を塞ぎ、肩紐を下ろしてドレスを開けた。
ストラップレスのブラジャーを下へずらすと、あまり大きくはないが丸みのある乳房が零れ出る。
肌が白く、淡く色付いた先端が可愛らしい。
鋼牙は手で触れるより先に、ツンと上向いた頂きに唇を寄せ、優しくくわえ込む。
「ん…鋼牙…っ!」
初めての刺激にカオルは鋼牙から逃れようと身を捩った。
逃すまいとする鋼牙の腕に力が籠り、小柄なカオルを拘束する。
執拗にむしゃぶりつき、乳首を強く吸い、舌で転がす。
「…っは…ぁあふ…っ」
生暖かく湿った感触に包まれカオルが身悶える。
更に反対側の乳房に鋼牙の手が触れて来た。
乳首を弾くように弄られ、堪え切れずに鋼牙の頭を掻き抱いた。
「やあぁっ…鋼牙…ぁ…」
涙混じりの鼻にかかったような声音に鋼牙が愛撫をやめて顔を上げる。
体はこんなに反応しているのに何故拒むのかと訝しんだ。
「嫌か?」
尋ねられてカオルは頭を振り、
「やじゃない……鋼牙が…私を欲しいと思ってくれてて…嬉しい…でも…」
「でも?」
「ちょっとだけ怖いの。だから…痛くしないで…優しくして…」
「…分かった」
「あと…ザルバが…」
と、頬を染めながら机の上に視線を向ける。
いつもはお喋りな魔導輪が今は机の上に後ろ向きに置かれ、ただの指輪のように静かだ。
「ザルバのことは気にするな」
再びカオルの唇を塞いだ。
気にするなと言われても、ザルバの前でするつもりなのかとカオルは慌てた。
抗議したかったがろくな抵抗も出来ずに、ベッドへ連れて行かれてしまった。
鋼牙はカオルを滑らかなシーツの上に座らせるとハイヒールを脱がせた。
ブラジャーを外され、恥ずかしそうに身を捩るカオルからドレスを剥ぎ取って行く。
白いレースをあしらった下着やガーターベルトで吊られたストッキングが露になった。
肘をついて横たわる括れや腰から腿のラインが艶めかしい。
上気してほんのり染まった柔肌を撫でてやると、擽ったそうに身を震わせる。
カオルの衣服を脱がせるという行為と彼女の反応に興奮を覚える。
逸る気持ちを抑えながら、鋼牙も自らのスーツに手をかけた。

198 :
目の前で脱がれて、カオルは慌てて鋼牙から視線を外した。
鋼牙の体を見てみたいとは思うが、今はまだ何となく恥ずかしい。
鋼牙の下でやや俯せのようにして横たわっていると不意に抱き起こされた。
膝を立てて、背中を鋼牙に預けて座る格好になった。
直に触れ合う肌から鼓動や体温が伝わって来る。
生地の感触から鋼牙は上半身だけ脱いでいるようだった。
首筋に欲情を隠さない荒い吐息がかかった。
背後から回された鋼牙の手がカオルの腹部を這って下着の中へと潜り込む。
「こっ…」
思わず内腿の筋肉に力を込めて、その手を阻んだ。
下着に手を入れられるという行為が何となく如何わしく思える。
「あ…あの…脱いでからじゃダメ? あんっ」
阻まれても強引に中を弄り、陰裂をなぞっていた指先が柔らかな肉の中へ押し込まれた。
「や…先に脱がせて…」
鋼牙の腕がカオルの膝を割り、閉じられないように脚を広げさせる。
包皮に隠れていた敏感な芽を剥き出しにして、直接触れた。
カオルの体がびくりと揺れる。
「あく…っ、やだ…ぁ」
擦らずにふにふにと捏るようにゆっくりと指を動かすと、カオルが逃れようと腰を捻る。
今更でも、やはりザルバの存在が気になる。
これ以上喘ぎ声を聞かれるのが恥ずかしくて声を押しした。
「…気持ち良くないのか?」
「だっ…ザルバに…」
「気にするなと言っただろう…」
カオルに構わず、更に少し奥まで指を伸ばしてみると、ぬるりとした液体が絡み付いた。
「もう濡れてる…これでも嫌なのか…? …カオルは感じ易いんだな。まだ少ししか触っていない…」
「ん…だって鋼牙が……っく、そんなとこ…っ触る…か…ら…っ、んぁ」
くちゅり、と水音をさせて、滲み出た愛液を指に絡ませる。
それを淫芽に塗り付けながら小さな円を描くように動かし、
「カオルの体は可愛いな…」
らしくもない言葉をカオルの耳元へ囁く。
「や…ダメぇ…」
敏感な部分が指先に軽く叩かれた。
与えられる刺激に震えながら崩れるように鋼牙の胸に凭れ掛かる。
下半身に力が入らない。
カオルの弱いところに触れる指が強引なくせに優しい。
潤滑油として塗り付けられる愛液は媚薬のように小さな刺激を大きな快感に変えた。
カオルは知らず知らずのうちに、もっと触って欲しいと言うように自ら足を開き、腰をくねらせていた。
「あ…っ…ん…ぅく」
興奮と声を堪えるせいでカオルの呼吸が荒くなる。
鋼牙が空いた手で乳房を掬い上げるように絞り、指先で乳首を擽った。
「っ…ん…」
鋼牙の首筋に蕩け切ってしまったような温かな吐息がかかる。
乱れた息遣いに時折混ざる甘い喘ぎ声が耳に心地好かった。
一頻り愛撫すると小さく震えているカオルを横たえた。
今は抵抗する様子は見られない。
愛液で濡れた下着を脱がせ、両足から抜き取る。
女の裸は見慣れているし、どうかと言えばカオルの体はグラマラスとは言い難い。
それでも裸体にガーターベルトとストッキングだけという姿にはそそられるものがある。
紅潮した肌に下腹部の黒い茂みが妙にいやらしい。
蕩けた表情もとろりと潤んだ目も色っぽくて、こんな顔をすることがあるのかと思う程だ。
鋼牙はいい加減窮屈さを覚えていた自身の昂りを解放した。

199 :
鋼牙の手がカオルのむっちりとした張りのある太腿を膝裏から押し上げる。
両腿をM字に大きく開かれて、カオルははっとした。
「あ…鋼…」
灯りも落とさずに行為に及んでしまった為、蜜を溢れさせる陰裂の奥までが曝されてしまう。
流石に恥ずかしくてやや本気で抵抗した。
「やっ、ダメ、見ないで…! 見ちゃイヤ、恥ずかしい…」
しかしカオルの言葉と裏腹に、愛液で濡れた女の部分は鋼牙の挿入を待っているようだった。
「…俺が…お前を欲しがるのが嬉しいと言っただろう…?」
指で包皮を広げると綺麗なピンク色をした芽が愛撫でぷっくりと膨らんでいた。
それが可愛くて惹き付けられるように鋼牙が優しくくちづけを落とす。
「は…! ぅっ…く」
カオルは手の甲を口に当てて背を反らした。
強く吸ったりはせず、啄むように触れてくる。
恥ずかしい所を鋼牙の唇が這い、蠢いている。
想定内のこととはいえ、カオルは恥ずかしくて、逃げたくて腰をくねらせた。
「いやぁっ…鋼…牙…ぁダメぇ」
だが、その行為は切れ切れに喘ぎ、悶える姿と相俟って、より深い快楽を求めていると鋼牙に思わせてしまう。
唇と舌に攻められ、カオルにはよがり泣くことしか許されなくなった。
様々な感情が綯い交ぜになり涙が溢れた。
「っんー…」
少し強めに吸うと、カオルが足指を握り込んで小さく腰を痙攣させた。
漸く秘所への愛撫を終わらせた鋼牙は口許を手の甲で拭い、顔を上げる。
そこで身を縮めて震えながら泣いているカオルに、彼女が本当に嫌がっていたのだと初めて気付いた。
やり過ぎたかと指でカオルの涙を拭う。
「済まなかった…大丈夫か?」
「ん……大…丈夫…」
鋼牙はその言葉に反省しながらも安堵する。
そして、
「カオル、体の力を抜いていろ…」
今までのねっとりとした柔らかな感触に代わって濡れた固いものがカオルに押し当てられた。
思わず剥き出しの陰核に触れたものへと視線を向けてしまい、息を飲んだ。
勿論、こんな状態になった男性自身を見るのは初めてだった。
話で聞いてはいても、こんな大きなものが自分の中に入るのかと不安になる。
「カオル?」
完全に屹立しているものをじっと見詰められるのは何となく気恥ずかしい。
反面、自分は散々カオルの恥ずかしい部分を見て凌辱していたくせにと自嘲する。
呼ばれて見上げて来るカオルと目が合い、そこに怯えがあることに気付いた。
鋼牙自身も初めてのことで自信がある訳ではなかったが、
「大丈夫だ。俺を信じろ…」
その言葉に不安を堪え、カオルは破瓜の瞬間に備えた。
自身を落ち着かせるために数度深呼吸をして、
「ん…」
しっかりと頷く。
それを確認すると溢れ出ている愛液を自身の高まりに塗り付け、カオルの入口へ宛がう。
まだ男を知らない体へと熱いものがゆっくりと挿し込まれて行く。
慣れていない筋肉が太く固いものに押し広げられる痛みにカオルが小さく呻いた。
「…っ…たい…」
はっとして口元を押さえるが鋼牙の耳には聞こえていたようだ。
挿入を止め、心配そうにカオルの顔を覗き込んでいる。
「大丈夫、大丈夫だから。初めてだから…ちょっと痛いだけ」

200 :
痛みを堪えて笑顔を作り、鋼牙に続きを促した。
それに応えるように鋼牙は挿入を再開する。
しかし拒んでいる訳でもないのに簡単には侵入を許されなかった。
「…は…っ」
手探りで力の加減をしながら、時間をかけてカオルの中へと全てを収めた。
温かな膣内の締め付けが堪らない。
欲望に任せて突き上げたくなる。
その衝動を抑え込み、額に汗を滲ませて痛みに耐えるカオルにキスをした。
その頬を撫でながら、
「辛いか?」
カオルが瞼を開くと涙で霞んだに視界に鋼牙の顔が見えた。
興奮で息が荒い。
辛そうな表情から腰を動かしたいのを我慢しているのだと気付いた。
自分を気遣ってくれるのが嬉しくて痛みに涙を滲ませながらも笑顔で促す。
「大丈夫、動いて…いいよ…」
カオルの言葉に鋼牙はギリギリまで腰を引き、今度は一気に突き入れた。
擦れ合う肉の齎す感覚に蕩けそうだった。
突き上げられる衝撃と痛みに耐えるようにカオルは歯を食いしばりシーツを握り締める。
しかし苦しげな表情をしていても、鋼牙を感じられることがカオルには何よりも嬉しかった。
「鋼牙…鋼牙、もっと…あ、んく…鋼…」
鋼牙が既に限界迎えている自身のものをカオルに突き立てたまま、華奢な体をゆったりと揺さぶる。
揺さぶられることに痛みはあるが、甘やかな刺激と密着感が心地好くてカオルは身を委ねていた。
直に触れ合うしっとりと汗ばんだ肌や男性的な筋肉質の逞しい体が堪らない。
鋼牙の首に回していた腕に力を籠め、更にしがみついて甘えるように囁く。
「こ…ぅが…ダメ…ん…もぉ…私……っちゃ…う…」
「…分かっている」
限界を訴えるカオルが愛おしくて全身使ってくまなく愛撫する。
腿を撫で、乳房を捏ねて尖った先端を捻る。
カオルは今までよりも激しい愛撫に翻弄された。
肌にかかる吐息も触れ合う素肌や指も痛みさえもがカオルには快楽だった。
ザルバの存在など既に頭の中から消え去っている。
カオルも鋼牙を求めた。
「ふ……ああっ鋼牙…! んぁっ…あ…あ…ぅああああっ」
悲鳴のような声を上げて波に飲み込まれた。
同時に鋼牙も己の熱をカオルの中へと放つ。
体を繋げたまま、未だ小さく喘ぎ快感に震えているカオルの額へとキスをひとつ落とした。
旅立ちの前に一度でもカオルを抱いておきたかったが、自分がカオル無しでいられる訳がないと再認識するだけだった。
放したくないがそうも言っていられない。
カオルから力を失った自身を引き抜くと手早く身形を整えた。
余韻に浸る時間も作ってやれないのは可哀相だったが、カオルにも服を着るように促す。
後戯もないせいか、体を起こすカオルはどこか寂しそうだった。
辛そうに顔を顰める。
シーツや白い内腿の血痕に気付き、初めてだと言っていたのを思い出した。
休ませてもやれず、鋼牙は胸が痛んだ。
再びドレスを纏い、乱れた髪を直し終わったカオルに暫くの別れを告げようと重い口を開く。
「カオル」
しかし声をかけた所で屋敷内の異変をザルバが知らせた。

201 :
お粗末さまです。
書き途中の物に詰まって別の書きかけに手を付けたけど、こんなで…(汗)
拙いところは温い目で見て頂けたら。
カオルの下着はらしくないかもですが、ドレスならガーターを使う方がいいかなと。
趣味もあるけどw
書いてる途中でザルバが同じ部屋にいることに気付き…
後のことを考えればいた方がいいのかな?
最後が上手く締められずにすみませんでした。
あとキーワードに『1/4』とか付け忘れました。ごめんなさい。

202 :
濃密ですねw 乙です!

203 :
何時戻ってこれるか分からないし、せめて旅立つ直前の今だけは同じ時間を過ごしたい
鋼牙の身勝手というか我が侭を感じましたが、事情が事情だけに切なさの残る話でした。乙です!

204 :
鋼カオエチまとめですね!

205 :
静かだね

206 :
甘々なのとか、ちょっと笑える感じなのを見てみたい
自分生産できればいいんだけどなかなか完成しない

207 :
お腹いっぱい、胸焼け気味…
なんだか続け辛いね、

208 :
>>207
お腹いっぱいとは羨ましい。自分は飢えてます
>>197
出遅れたのですまないんですがありがとう!
前スレで兄ちゃん来たのが恨めしいと書いたので補完されて嬉しい限りです
…このくらい鋼牙が積極的に出てくれる人だといいのだがいかんせん…

209 :
他のには飢えてますよ。何か。

210 :
>>207
何で続け辛いと思ったの?
>>208
>このくらい鋼牙が積極的に出てくれる人だといいのだがいかんせん…
それがいいところでもあるけどw

211 :
ニコ生の牙狼一期放送を見て思ったんだけど
一話で吹っ飛んで来たカオルを抱きとめもせず投げ捨てて
三話でお姫様抱っこから下ろしてと言われて容赦なく地面に落とし
十話ではノックもせずに部屋に入室、寝ているカオルを無表情で見下ろ
すドSなコミュ障っぷり、
その気になったら むしろ強引に浴びせ倒しからの
下着をむしり取り
右手で口を塞ぎ
左手で頭を押さえつけ
そのまま一気にコトに及びそうなんだけどなぁ

212 :
>>207
胸やけだの他なら飢えてるだのお前の好みだけだろ厚かましい
言いたかったら自分のPCで言ってろ

213 :
趣向を変えて翼と邪美とか考えてみたけど難しい
翼だったらどうだろう、の妄想茸がなかなか育たない

214 :
昨日の魔戒指南、子連れで戦う邪美が頭から離れないせいで妄想が一気に所帯じみた方向に…ozn

215 :
そういえば邪美って過去にそういう関係になった相手とかいなかったんだろうか?

216 :
誰もいないね
鋼牙牙狼の新シリーズなんて夢を見てしまったせいかちょっと切ない気分だ
邪美に嫉妬するカオルとかも今更でもありなのかなと思ったり
あからさまなのでなくても、二人で出掛けて行けば心中やっぱり穏やかじゃないみたいな

217 :
>>215
誰もいないとは考え難いが、いるならいるでどんな男なんだと
大河さんがもうちょっと長生きしてたら結構好みだったんじゃないかと思った
どうこうにはならないだろうけど
>>216
まあ今ラストスパート中なもんで 来たのもしばらくぶりだ

218 :
関係が進展しないからとカオルから仕掛けても、鋼牙に拒否られたらどうにもならないよね
カオルにできるかどうかは置いといて
鋼牙的に婚前交渉はアウトだったんだろうか

219 :
カオルから仕掛けて溜まっていたものが爆発鋼牙
カオルから仕掛けて拒否するも悲しそうなカオルを見て溜まっていたものが爆発鋼(ry
カオルから仕掛けて拒否したらカオルが怒ってそれに逆ギレしてやっぱり爆(ry


爆発鋼牙しか思い付かんww

220 :
誰もいない。
このまま落ちてしまいそう

221 :
書き込みあれば落ちないよ
鋼牙とカオルは「会えるときには会える」って言い切れる2人だからなあ。
肉体的な繋がりよりも精神的な繋がりの方が強すぎる。
でもそこをあえて妄想するのがこのスレの住人だからw
某コーナーで監督が
「(カップルとして)レオと烈花もあり。烈花はシグトもいるし。レオと邪美もあるかも」
と言っていたが、翼の立場は…、とか思ってしまったよw

222 :
うんでもほらそこは翼だから…w

223 :
がんばれ翼 
ただでさえ、鈴が一人前になるまでは俺のことなど、とか言いそうだもんなあ
そういや以前海外の掲示板見たときに、
カオルはセクシーなナイティを用意する必要があるとか書かれてて、
海外にもけしからんファンはいるんだなあと感心したことがある

224 :
感心かいw

225 :
>>219
何にしても行き着く先は一緒かいw
>>221
「会えるときには会える」って言い切れるてベタベタしすぎないのは理想的
しかし肉体的な繋がりも必要だよ…ということで妄想するw
邪美だけでなく翼にも良い伴侶をお願いしたい
>>223
海外でもそんな意見があるとはw
前にもベビードールとか話が出てたけど、戸惑うか怒るか動じないか…

226 :
ニコ生で一期一挙放送を見てきた
「鋼牙はいつも一言足りないのよ」と言うシルヴァさんが素敵に的確すぎた
そんで婚前交渉がダメというなら結婚!結婚!さっさと結婚!しばくぞ!
とか零シルヴァさんが焚きつけてくれそうだと思った
零「そもそもカオルちゃん待たせ過ぎだしー」
シルヴァ「女には適齢期ってものもあるのよ」
ゴンザ「お式はいつでも挙げられるよう御用意してありますぞ」
約束の地から戻って第一声
鋼牙「いま戻った。じゃあ結婚するぞカオル」
カオル「( ゚д゚)」

227 :
さくっと結婚してさくっと子作りですね
カオルが更に( ゚д゚)になりそうだ
結婚初夜にお祝いの品として夜用ドリンク剤を贈る零とかレオとかetc…
早く後継ぎをと似たような物をせっせと手作りするゴンザ
頭を抱える鋼牙
「鋼牙に飲ませろって貰っちゃった」と烈花からのプレゼントを持って来るカオル
最近こんな小ネタみたいなのを妄想していた

228 :
でもカオルはそれでも幸せなんだよね

229 :
だからやきもきしちゃう訳でw
結婚式や出産後の家族写真でしか
鋼カオが見れないんじゃないかと妄想する3期。

230 :
しかし1期を改めてみたら、鋼牙が勢いありすぎて
カオルを犯す勢いありそうにみえてしまって
仕方ないったらもうww

231 :
1期21話のカオルの肩を抱き寄せたとことか、この後イチャイチャするんですか?と思えなくもなかったのに
2期の鋼牙は年齢分落ち着いちゃってた感じ
もちろんそこが良かったんだけど
カオルといると嬉しそうなんだけど、ヤキモチなんて微塵も妬きませんていうか
でも鋼牙はこうしようと決めたらサクサク進めそうなイメージ
帰って来てから何事もなければ1年後には子供がいそう
あれこれ考えるけど上手く纏まらないわw

232 :
そういえば先日のリターンズを見ていたら
泣きながら鋼牙に手料理を食べさせようとするカオルと慰めにならないような慰め方をしながら
それを無理して食べる鋼牙が過ぎった

233 :
インターネットが増幅する人の昏い思念
そこから生まれたホラーを退治しに行く鋼牙
しかし、それはかの「嫁のメシがまずい」スレから生まれた哀しき夫達の叫びだった
零<やべぇ!あいつホラー見ながら泣いてる!ていうか鋼牙がホラー化しかけてるぞ!
レオ<助けてゴンザさん!

234 :
「カオル!お前の手は包丁を持つためにあるんじゃない!」

235 :
将来的にも鋼牙は料理を覚えた方がいいかもしれない
でもいずれは鋼牙もカオルの料理に慣れていくんだろうな…

236 :
約束の地へ向かう鋼牙は
「俺、この戦いが終わったら彼女と結婚するんだ」という亡フラグを立ててるようにしか見えなかった
映画楽しみだなー

237 :
映画楽しみだね
2期2話の壁画を見る〜手繋ぎは何度見てもいいなぁ
物語として出てない部分では鋼牙からも何かアクション起こしていて欲しい
キスとかそういうのじゃなく、手とか肩とかをちょっと触ってみるとか

238 :
1レス目だけ本スレに誤爆したにたい
・鋼牙×カオル
>>226の続き。前半アホ茶番、後半ぬるいエロ
・カオルがノリノリ
・NGキーは「蜜月」

239 :
「おかえり、鋼牙」
「ああ、ただいま。それじゃカオル、結婚するぞ」
 約束の地から帰還してすぐ、まるで風呂に入るような調子で鋼牙はカオルに求婚し、その言葉の足りなさに馴れきってしまった彼女も、呆れつつそれを快諾した。
 この魔戒騎士と一般女性との結婚は、大いに物議を醸した。
 守りし者にとって結婚とは、子を成してホラーへの次世代戦力を作る、ということに他ならない。ならば花婿の母がそうであったように、その花嫁には魔戒法師こそが相応しい。ましてや、数々の黄金騎士を輩出した冴島家なら。
 だが、当代の牙狼を良く知る者たちは、みな口を揃えてこう言ったのだ――冴島鋼牙を光へと導ける伴侶は、観月カオル以外には有り得ぬ、と。
「結婚を伝えに来る二人と言うのは、いつ見てもいいものです」
 元老院にて、神官グレスは慈愛に満ちた笑みで若い二人を迎えた。
「さて冴島鋼牙」
「はい」
「牙狼の称号を継ぎ、またこのグレスの祝福を受けしものよ。ここで貴方に一つ命じましょう――何、そんなに緊張することはありません。蜜月の儀、知っていますね?」
 その言葉に、場が一気にざわついた。
 柱の陰に控えていた法師や騎士たちがおののいている。
「……お言葉ですが、グレス様」
「拒否権はありません」
 ぐ、と抗議を飲み込む鋼牙のこめかみからも、冷や汗が流れていた。
「蜜月ってハネムーン?え、なに、なんでみんなそんな震えちゃってる訳?」
 カオル、そして祝いに来ていた零は、その言葉の甘さとこの周りの反応との落差に戸惑うばかり。命じたグレスは、悪戯な少女の顔でコロコロと笑っている。
「蜜月の儀……聞いたことがあります」
「知っているのかレオ!」
 同じく祝いに来ていたレオの顔も真っ青だ。
「元老院の祝福を受けた黄金騎士が百日の間、その妻と交わり続ける儀です。無事に儀を終えた暁には、それは壮健な子が宿ると言います」
「えっ」
「いいですか零さん、恐ろしいのはですね」
「あ、うん」
「百日間、祝福の効力で賢者モードがないんです」
「……なあシルヴァ、俺、牙狼に憧れるのは止めてもいいかな」
「そうね、いくらロマンチックでも腎虚は嫌よね」
――グレス様もお優しい顔で厳しいことを仰る。あれを乗り越えた者は有史以来、片手で数えるほどではないか。
――否、この牙狼なら或いは。奴は破滅の刻印を受けてなお、魔導列車を沈めた男ぞ。
――そうだ、冴島殿ならやってくれる。
――しかし、あの花嫁は?いくら魂が強くとも、身体はか弱い小鳥ではないか。
――法師を!誰かあの娘のために強壮剤を!
「初っ端から羞恥プレイとは上級者だなあ、え?」
 ザルバがカカカ、と笑う。
「……もうやだ、お嫁に行けないっ……」
「泣くな。あとお前、今日ここへ何しに来たか忘れたのか」
 顔を両手に埋めてうずくまる花嫁を、新郎は眉間に皺をよせたままコートで包み隠した。

240 :
 帰宅後は、お互い、何を言っていいのか判らなかった。
 これまで一人用として設えられていた寝室は、老執事の手によって二人用に組み替えられ、柔らかな蝋燭の光が灯っている。二人はシルクのシーツが張られたベッドに腰掛けたまま、そこから前へ進めないでいた。
 いつかは、否、いつだって夜を共にしていいと思っていたのに、いざその段になると躊躇いばかりが指先を巡る。ましてや、一度触れてしまえば――そこから淫靡な百の夜が始まると思えば。
 鋼牙は両手を膝に置いて明後日の方を向き、カオルは、邪美と烈花から贈られた薬酒をちびちびと飲んでいる。
――これから百日、本当に頑張ってくれ。これは俺達で調合した。夜を迎える前に、必ず飲むんだぞ。
――痛み止めでもあるからね。大丈夫。カオル、あんただったら必ず乗り越えられる。
 大輪の華。そう例えるに相応しい女魔戒法師二人は、美しく細工された酒瓶をカオルに手渡すと、その両手を包むように握り励まして言った。戦場に娘を送る母親とは、あのような顔をするのだろう。
「カオル」
 ようやく、鋼牙が口を開いた。
「う、ん」
「……酒、美味いか」
「うん」
「……そうか。良かったな」
 再び、しばらくの沈黙が下りる。
「あのね」
「ああ」
「嫌じゃ、ないよ。その――大変なことになっちゃったとは思ってるけど」
 その言葉に、鋼牙の顔が妻の方を向く。
 蜜色の酒を舐める唇は濡れ、揺らぐ光に照らされて。伏せた眼差しも、同じだけ濡れて。それでも確かに、固い意志はそこに宿っていた。
「……いいよ」
 ぐらり、と理性の傾く音を聞いた。
 カオルの手の中のグラスを取り上げて、鋼牙はその中身を口に含む。甘味と、意外に強いアルコールが舌を焼いた。彼女を抱き寄せ、そのままその唇へ一気に流し込む。
 白い喉が上下しても、唇は離れない。焼けた舌を癒すように、口づけはむしろ深くなるばかりで。そのうちに、とんとん、と可愛い拳が抗議する。
「っ……ぷはっ…苦しいよ、鋼牙ぁ…」
 蕩けた声は酒のせいか、これまでにない接吻の淫らさのせいか。
「先に謝っておく。加減は、出来そうにない」
 どうしてだか、カオルの困り顔は守りたくなると同時に、もっと滅茶苦茶にしてやりたくなる。
 唇から溢れた分を舐め取ってやり、また深々と彼女の中に戻す。ぬるくぬめる音、微かに鼻に残る薬の匂い。擦り寄せた頬は熱く、重ねた胸は荒く上下し始めて。
――ああ、服が邪魔だ。
 絡め合うのは舌と指だけでは足りない。剥いでみればこんなにも布地は薄いのに、そこから生まれる隔たりが鎧よりも厚くてもどかしい。

241 :
 求める指先は髪の中から背中へ、腰へ。噛み付く唇は、おとがいから喉元へ。
「食べられちゃう……?」
 捕食者の髪を梳き撫でながら、獲物が幸福そうに笑う。
「ああ。骨一本、残してやらない」
 貪る狼の声は、熱に浮かされて。
「ここも」
 これまで触れたことのない場所へ、鋼牙の指が走る。
「ここも」
 更に別の場所に、唇。
「――全部、喰ってやる」
 カオルの肢体が、ばね仕掛けの玩具のように跳ねた。
「いいよ、いい、全部、あげる……鋼牙に、全部!」
 嬲り喰われる悦楽は、恥じらうのが馬鹿馬鹿しくなるほど。自分の指で辿り着く絶頂より、遙かに高い場所に押し上げられる。しかも、そこから一歩も下ろしてもらえない。融けてしまった理性が、シーツに垂れて染みを作った。
「ひゃく、にち」
「……ん?」
 楽しむ指先はそのままに、この上なく優しい瞳と声音が、しゃくり上げられた言葉の続きを促す。
「こんっ、なの、百日も、されたら……どうなっちゃうのっ……?」
「溶けてる、かもな」
 乱れた髪を払いのけてやり、溺れた唇を啜る。
「俺は、百日じゃ足りない」
 耳朶を噛む囁きに、切なさが交じった。
 指と指を繋げられたと思ったら、すぐにそれを解かねばならなかった日々。その長さに比べたら、この蜜月は余りにも短くて。
 魔戒騎士としての使命も宿命も、痛いほど判っている。この百の夜とて、儀式でなければ得られぬほどい長い、長すぎるほどの安息なのに。
――それでも。
「足りないんだ――きっと、千でも」
「……鋼牙の、欲張りっ!」
 渇望する掌が、カオルの膝を割り開く。そのまま剣が鞘に収まるように、鋼牙は彼女の中に沈み込んでいった。
「鋼牙、こぉがっ……!」
 破瓜の痛みなど微塵も感じさせない、これまで以上に甘く、聞くだけで気をやってしまいそうな声が鼓膜を揺さぶる。
 縋り付いてくる手に応えて、細い身体を抱き締めてやれば、彼女の中できつく抱き返された。ぬるりとしたその感触がどうしようもなく淫らで、幸福で、たがが外れる。

242 :
「カオル」
 息を吐く代わりに、名前を呼んだ。
 気持ちが良い。我慢が出来ない。猛る本能が命じるまま、彼女の空だった器官を責め立てる。突き上げ、引き抜く度に、ぞくぞくと背筋に震えが走った。
 睦言を交わす余裕などなかった。絡み合う唇から零れる喘ぎは、最早どちらのものか判らない。それが次第に、切羽詰まってゆく。
 逞しい背中を撫で回しながら、白い足を絡ませながら、ねだるようにカオルが身をくねらす。それを閉じ込めるように抱き締め、彼女の欲しがる場所を苛み続け、そのまま上がった甘美な断末魔に酔い痴れ吠えて――鋼牙は、その最奥で爆ぜた。

「……重くないか」
「ん、ありがと」
 くたりと力の抜けたカオルを巻き込んで転がり、身体の上下を入れ替える。繋がったままの場所も頭の中も、まだ熱い。軽く何度かキスをして、細い肩を掴んで押し上げた。
「いい眺めだ」
「まったく、もう……」
 卑猥な馬乗りの格好にさせられたカオルは、腰から頬までを撫で回す武骨な手を捕まえて、なじるようにその指を軽く噛む。
「俺は欲張りだからな」
――だからもっと。
――もっと、狂え。
「……たぶん私も、同じくらい欲張りだよ」
 噛み付いた指に舌を這わせると、心地よいリズムを探すようにカオルは揺れ始めた。

 そして百日が過ぎ。
「この度は、大儀でした――ふふ、蜜月は無事に楽しめたようですね」
 流石に腰に来た様子はあったものの、しっかりとした足取りで元老院へ報告に来た鋼牙は、魔戒の全ての男連中から尊敬――否、畏怖の眼差しで崇められることになった。
 その黄金騎士の中の黄金騎士が恐れたのは、それ以上にケロリとしていた妻とその手料理だと言うのは、ごく一部のみが知る話である。

243 :
以上になります。
もうやだ何でマジ誤爆してんの俺

244 :
>>206
アイシャドウはダイソーのパールインシャドウが良いよ
ブランド名はエルファーってやつ
グラデーションが出来る四色パレットで、茶系・青系・紫系がある
シャネルのパッケージをパクったようなデザインだけど、凄く使える
アイブロウパウダーは自前眉が濃いので使ってないけど、ダイソーのアイブロウコートを併用すれば落ちにくくなるんじゃないかな?

245 :
ふおおおおお!誤爆った!
すまんです
たた>>243を乙したかっただけなのよおおおおおお
。・゜・(ノД`)・゜・。

246 :
なにこの誤爆祭りw
>>238新年早々乙です!マジで生きろ。
100日頑張れる鋼牙もそれについていけるカオルも、
なにより互いを大切に想い合っているのが素敵。
鋼牙は約束の地から戻った後は諸々さくさく進めそうな気がする。
たぶん考えすぎてもたついてるうちに2期であんな事になっちゃったから。
だから早く雷牙くんと親子3人+ゴンザさんの家族写真見せてくれよぉぉ

247 :
本スレで投下に気づいて来ましたw皆正月気分でめでたいなw
>>238
HAPPYなえろえろ、ごちそうさまでした!
冴島殿ならやってくれる、で吹きましたが2828が止まりません
これによってさらに鋼牙の名声が不動のものとなって行くんですねー

248 :2013/01/05
新年早々乙乙!GJ!
エロの中にも笑える要素、大好物ですよー
しかし百日で賢者モードなしってどんな野獣wwww
今年はいろんな陰我…いや、作品が生まれますように。
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