2013年01月エロパロ67: 調教や洗脳などで悪の奴隷になるヒロイン48【悪堕ち】 (174) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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調教や洗脳などで悪の奴隷になるヒロイン48【悪堕ち】


1 :2012/12/24 〜 最終レス :2013/01/05
調教や洗脳などで悪の奴隷に堕ちるヒロイン達・・・
【ヒロイン悪堕ち】シチュ全般に激しく萌える心優しき同志がまったりと過ごすスレッドです。
◆前スレ
調教や洗脳などで悪の奴隷になるヒロイン47【悪堕ち】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1346948100/
 ◆注意事項
◎ウザイ広告阻止のため、sage進行にご協力を
◎dat落ちは最終書き込み時間で決まるので、age保守しなくても大丈夫
◎「教えて」と聞く前にまずググル(ttp://www.google.co.jp/)
◎ふたばのことはふたばでやれ
◎荒らし、煽り、広告は無視の方向で
◎気に入らない属性や話題もNGワード使用を推奨します。マジレスしても得るものはありません
◎うpろだの使いすぎには注意
◎レス数が970を超えたら次スレを立てましょう
 ◆関連スレ、関連サイトへのリンク
悪堕ちするヒロインを語るスレ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1254322952/
MC関連ページ リンク集 (実写非対応)
ttp://marie.saiin.net/~mcharem/MCGAME.htm
MC関連スレ保管庫(画像掲示板へのリンクあり)
ttp://marie.saiin.net/~mcharem/MClog.htm
悪堕ち作品情報まとめWiki
ttp://wiki.livedoor.jp/akuoti/d/FrontPage

2 :
なんだろう?俺は正義の敵なはずの>>1大首領が愛しく思えてきたぜ
相手は男だぞ?ムキムキのオヤジだ、それを男の俺が愛しくだなんて…
大首領、どうやら俺はお前にラブしちゃったようだぜ
俺の物で大首領のケツに入れて歓喜する大首領を見てみたい
その後は大首領のお前が俺のケツを使え
もう男だとか正義や悪なんてどうでもいい!
俺は正義で悪に、大首領のお前は悪で正義になりゃいいんだよ…ふふふ…

部下A「大首領さま!敵の女戦士であるラブピンクが食べるハズだったのを
ガチムチのリーダーであるサンレッドが食べてしまったようです!
げ、現在レッドが我々の基地に…だだだ大首領さまぁ!……」
部下B「どうやらサンレッドは大首領さまを自分の物にする為、我々の基地を手当たり次第に制圧し
大首領を捜しているようであります!あの支部は潰滅、いずれここにも……」

3 :
ttp://fetishcolon.com/lumina_top.html
閃攻のルミナ 前編 〜潜入! 聖アルカード女学園〜
Dlsiteの予告には“悪堕ち”と書かれている。容量が尋常じゃなく大きい分
今一番期待しているゲーム。ただその割に値段が安いのが気になる。
まさか容量だけでかくて、中身はスカスカでは?という不安もありけり。

4 :
容量なんて飾りだろ
ゲームなら音声フォーマットやムービーのレートをあげるだけで何倍にもなるし
CG集なら、差分はもちろん台詞ありなしBMP高画質だと
同じ画像を何重にも入れればそれだけで膨れあがる

5 :
肉声が一番重たいんだろうな
個人的には殆どスキップするからいらない要素なんだけども

6 :
>>5
某「ほらほらぁ、やっちゃえ〜☆」のCMとか見てるこっちが恥ずかしくなるよな

7 :
>>6
場違いな時間に入るGF(仮)のCMやバハムートもかなりむずむずするけど
正直そのセリフが一番来るかもw
誰の声かわかったりすると恥ずかしさが増してくる…

8 :
スーパーダッシュ文庫のレンカクに洗脳・悪堕ち描写があるわ
ただ、その仕込み過程の描写が略されてて若干不完全燃焼気味
もし書かれてたら薄い本行きかも知れぬがw

9 :
>>8
もうちょっと早かったらセツナと一緒に買ったのに…
そこは妄想力で補おう

10 :
>>7
カーチャン「ねぇ…おめーらのインターネットの世界ってこんな気っ色悪い世界なん?ねぇ?」
とあのCMを指さしながら言われたときはゾッとした。
一人暮らし始めようかな…と思うレベル

11 :
「おめーら」とか使っちゃう元ヤン豹柄BBAが自分の親だったら、人生に絶望してもおかしくない

12 :
>>10の名前が「おめーら」なのかもしれん

13 :
>>12
>>10が意識していない>>10がいるかもしれないだろ?

14 :
「おめーら 火頭山」

15 :
>>13
なんと>>10の中には金髪美人のぼいんぼいんおねいさんや、おしとやかで艶やかな黒髪のお嬢様タイプのぼいんぼいんおねいさんが同居していると?
ところでボクタイって何?

16 :
>>15
コロコロコミックの漫画版 ボクらの太陽
ヒロインが敵に噛まれて吸血鬼化し敵対する
元々吸血鬼の力が眠っていたんだか
吸血鬼だったのが誰かに封印されて人間になっていたのかは覚えて無い
とにかく敵に噛まれた事がきっかけで覚醒する
ちょっと前の作品だから詳しくは忘れた
原作ファンにはあまりお勧めしないかな 改変が多いから
ヒロインも漫画オリジナルキャラ

17 :
>>16
ご親切にありがとう
「轟け!一番」やら「アクション刑事ザ・ゴリラ」、「鉄戦士ムサシ」とは違う世代の漫画なのかな
覚えがないや

18 :
ボクらの太陽の吸血鬼は
太陽光に弱い化け物の総称が吸血鬼と呼ばれていたはずだから
一般的なイメージのコウモリ系の魔物以外にも
ゾンビ(これはメジャーな方かな)とかラミアとかそういった敵もいる
吸血鬼と魔物で作中区別してたかどうかは覚えて無いですごめんなさい
植物系の敵やゴーレム系も吸血鬼のカテゴリーでいいんだっけ……
漫画版ヒロインはラミア系で頭?に羽生えた姿だったかな
ヒロインを噛んだのは一般的なコウモリ系紳士型

19 :
>>17
「ボクらの太陽」は元々ゲームボーイアドバンスのゲームが原作なので
世代はものすごく違うw

20 :
>>15
巨乳好きということはわかった

21 :
>>18
まさかカーミラじゃないよな…
ボクタイは原作でのガチ悪堕ちは主人公の父親と主人公という誰得状態だからなぁ
ちなみにゾンビ好きならゾンビUが良いって聞いたな。

22 :
>>19
それはかなり世代が違うねえ
ファミコン時代にはコロコロは卒業してたもんなあ
>>20
読心術か?勝手に人の心を読むのはやめてくれ

23 :
ここで、キャッツ・アイのフォーマットについてどうだろう
正義側と親密だけど、秘密の顔は犯罪者ってのは
主人公は知らないが、隣の美人が実は悪の幹部で
美人も、実は主人公が敵だとは知らず仲良くというの
そしてジャイロゼッターの精神操作されてる敵、女キャラの方になってればなー…

24 :
>>23
ジャイロゼッターも妄想の種はいっぱいあるんだよね
・イレイザーが男装のオレっ娘だったら…とか
・アヌビアがウイルスで操られ敵になったとき、ドライバーの沙斗理にも影響があったら…とか
・敵女幹部のハルカも洗脳されていたら…とか

25 :
>>22
長老って呼んでいいすかw

26 :
子供向けのって何故か
漫画→ヒロイン、またはサブヒロインが操られる
アニメ→ライバル(男)が操られる
というイメージがあるなぁ
漫画は結構好き勝手描いてるから、作者や編集の趣味で女の子が操られることが多いのかもしれないが、
ジャリアニメで操られるのは圧倒的に男が多い

27 :
退魔師物語のDLパスなんだったか忘れてDLできねぇ!
なんたる不覚・・・

28 :
またまたご冗談を(AAry
だって俺今ggっただけで1分で分かったし

29 :
東京アンダーグラウンド読んでたらネタにできそうな子がいたな 名前が04って番号でそのままなんだが
半獣人のロリが普段から実験の反動で苦しんでる→研究者「私が治そう」→更に実験、羽つきの究極生物に進化(成長)
→操られそうになるが研究者撃退→反動なくなってロリから自由に変身可になりました。でももうあの姿やだー
→でも結局使うんだけど打ち切りのせいであまり活躍できなかったじゃないですかー  …弄ればどうにかなりそうだ

30 :
お前ら…
たしかにカーチャンは「〜べ」圏のテンプレなヤンキーだがな、
銀杏か蟹か31アイスのジャモカコーヒーをやると、
天使の笑顔でとりつかれたようにむさぼり食ってかわいいんがね!
それと、その、…中二病ちゃうがね!
>>17
ロックマンとコラボしてたあれのことだな?
ロックマン系列は悪堕ちしてる女の子はパンドラ(ZX)しか知らんなぁ
常識がおかしいキャラなら数名いるが

31 :
>>30 ロックマンで悪堕ちっていったらアレじゃない? 流星1の委員長→オヒュカス・クイーン
エグゼならロールちゃんがアニメでちょっとしてて、ロックマン自身もしょっちゅうしてて誰得
アニメはバグスタイルで声変わりしてたり漫画はウィルス混入でワイルドな口調になってたりね
X4のアイリスがラストでカーネルのメモリで変身するのは…ちょっと違うかな

32 :
>>31
流星なんてなかった…
じゃなくて、エグゼ系列とゼロ系列の一部しかやってなかったから見逃してたか…
エグゼではロックマンにダンディにさせたり中二病を罹患させたりお笑いのノリにさせたり、
けっこう会話口調多かった記憶が蘇る
今思い出したがダークソウルはよかった。目押し苦手で技発動に成功できなかったがw

33 :
>>8
そのセツナって本は悪堕ちあんの?

34 :
すまん>>9だった・・・

35 :
>>32 サイトスタイル時のロックマンは漫画だと中二病っぽかったなw

36 :
DMMで買ったプリズムセイバーが起動できなくて泣いた
64bitはあかんのか…

37 :
>>36
DMMのダウンロード版特有のソフト電池とかのセットアップはちゃんとした?
俺それ自体は買ってないけど、win7 64bitで普通にプリズムセイバーのパッケージ版も、ソフト電池使うマキナ外伝も動いてるんだがなあ……

38 :
ボンボンのロックマンは悪いロックマン
コロコロのロックマンは綺麗なロックマン
という、まるで悪落ちしたかのような仕打ち
忘れない
そして、ガリバーボーイのフィービーは

39 :
七つの大罪のディアンヌ堕ちフラグ立ってるな

40 :
ひょっとしたら前スレで書かれてたかもしれないが、読みそこなったので教えてほしい。
ディバインハートカレンってこのスレ的にどうだった?

41 :
キャラ崩壊が好きな人向け

42 :
カレンのラミア化の描写をもっと濃くすれば当たりだったって感じかなあ
マキナは自分の意思で進んで悪の道へ堕ちたって感じだからこのスレ的には微妙かも
エロゲとしての完成度は高いと思ったけど

43 :
野良堕ちは萎えるよなー…

44 :
洗脳シーンはとても良いんだけどなぁ・・・惜しい

45 :
結構、ここオヌヌメwww
http://blog.livedoor.jp/hentaiking/

46 :
悪堕ちにも悪なりの正義とかダークヒーローとか求めてはダメなのかな
かつての仲間を惨とかするシチュは胸が痛い(罪悪感的な意味で)

47 :
>>46
昔の仲間を惨するより誘惑して連鎖堕ちの方が好きだ
自分が快楽堕ち好きだからかもしれないが

48 :
ダークヒーロー的な立ち位置は全然ありなんじゃないの?
一般向けの悪堕ちキャラはピクシーミサとかイクサー2っぽい感じのが多いし

49 :
>>40
一言でまとめてやろう
マキナに比べて首領がヘタレだったせいで、いわゆる闇堕ちに近くなってる
まあ俺はああいうストーリーも、快楽堕ちして痴女化するのも好きだからよかったけど

50 :
悪墜ちしてもわずかに墜ちる前の心が残ってて、その葛藤に想い苦しみ心の中でのたうちまわって涙に濡れるのがいい

51 :
それは救出フラグじゃん!好きだけど

52 :
救出されない様に気をつけながら、たまに忠誠心を試す様なイベントをこなさせていたぶり続けたい
一度、救出リリースして正気に戻った後にまたキャッチ
墜ちてた頃の楽しい思い出を語り聞かせたり、痴態をビジュアルで見せてあげて精神的にのた打ち回らせたい

53 :
洗脳されたままのヒロインと一時的に共闘するハメになって
性奴隷に堕ちた喜びとかを延々と聞かされたい

54 :
>>37
うーん、起動した瞬間終了しちゃうんだよなあ
ソフト電池周りは大丈夫なはずなんだけどね

55 :
伸びてたらかSSでも来たのかと思ったらしょうもない妄想ばかりしやがって
クソウンコどもが

56 :
SSとかオナニー臭いの見たくも無いですしおすし

57 :
>>55もアレだが>>56にはここがどこだかわかってるのか?と問いたい

58 :
Shimada Shinsuke

59 :
弱小組織の悪の幹部が対抗している組織の幹部に洗脳されるとかいうシチュないかね?
どこかのスレに書いたかもしれないが、悪堕ちキャラを救出して復帰させるためにいろいろな装置にかけてやりたい
もう堕ちネタなら善悪なんて関係ないよ!

60 :
いや関係あるだろ・・・

61 :
結構、ここオヌヌメwww
http://blog.livedoor.jp/hentaiking/

62 :
悪が関係ないなら、スレチだな

63 :
悪ではないが、今月の別冊コロコロに母をペットにする話があるな。(ワンワン言わせる)

64 :
何歳だよお前・・・来るなよ

65 :
>>64
親だろjk

66 :
お前は我が子の本をどういう目線で見ているんだよ

67 :
実子に悪堕ちされると手に負えないな

68 :
青肌になれば悪堕ちになると思ってるのとはわかりあえない

69 :
悪堕ちスレは誰でもウェルカム

70 :
そんなことを言ってると知らぬうちに濃厚なホモスレに作り変えられるぞ

71 :
>>70
スレタイからしてそんな心配はいらないと思うぞ…
>>66
>>63が傷つく一方だからやめたげてよぉ!

72 :
つか幼年誌までチェックしてくれる人に感謝すべき

73 :
今は知らんけど昔のジャリ漫はこの手のネタの宝庫だったからなぁ

74 :
>>72
コロコロってやっぱ幼年誌なのかぁ・・・
高校まで買ってたわ

75 :
そして厨房になった頃にはガンガン買っていたんだろう?お前らは

76 :
おじゃまユーレイ君が人気と聞いて

77 :
イース7の終焉の巫女ティアルナは悪堕ちなのか闇堕ちなのか…自分の意志でしかも正気のままとは
BBCSのミュー(こっちは完全に別人格だから真逆)みたいな「エロコスだけどなんか違う」って感じだ

78 :
アサギ3。悪オチあったけど惜しいなあ。
記憶が残ったままのほうが良かったのに。

79 :
>>64
二十歳過ぎだが、ガンダムとかオレカとかの付録が欲しくてな。(シングル買いだとたまに本と同値段か販売しないとかで本買っちゃうんだよね)
それにより、遊戯王とドラゴンボールの為にVジャンプ購読してる。(まぁVジャンは購読すると1パック5〜7000で売れる時がある遊戯王カードが半年に1個、1年購読だから2個貰えるし)

80 :
自己紹介いらないです

81 :
>>79
なるほど、すっきりした
トンクス

82 :
自分語りとかおまえらの親とか興味ねーから

83 :
自分を語る

84 :
ただの返信に対していらないだの興味ないだの言ってる奴の方こそ
自己紹介しているように見える

85 :
>>84
無意味な自己紹介レスを叩いてるレスに噛みつくお前の意図がわからない

86 :
>>85
顔真っ赤にしている本人なんだからやめてあげてよ
つーかやっぱり子供の親とかそういうんじゃないな
未成年だろ

87 :
どうしてこのスレはこの程度のネタすら流せないのか

88 :
悪堕ち好きな奴は何故かあれな人が多いからなぁ
まぁ話題を変えよう

89 :
やっぱ悪墜ちしてて従順になっても、ふと元の人格がちろっと目覚めて苦悩してもだえ苦しんでほしいよね。

90 :
元の性格ベースでそのまま悪堕ち後も適応されるパターンがいいな
奔放なら奔放な悪女に。クール系なら冷酷な感じにと。

91 :
>>87
自分ルール押し付けすぎ

92 :
>>90
同意だわ。
素材の持ち味を活かした墜ち方はして欲しい。
でも、すなおに墜ちたままじゃなくて、墜ちた現状の自分の姿にのたうちまわって欲しいんだよ、俺は。

93 :
同意。
完全に精神を上書きされたらそれはまた別でいいがそれだと個性もなにもあったもんじゃなくなる

94 :
>>89
いいね!
大好物だ( ´△`)

95 :
>>89
はい

96 :
>>88
俺は悪堕ちは好きだが頭悪い会話は嫌いなんだよ

97 :
年の瀬くらいもちつけ(お雑煮的な意味で)

98 :
年末だし結構よかった動画でも貼るか、ここは、3次だとまずい?

99 :
惨事の悪落ちってライダーとかあの辺りか?
好きにすりゃいいんじゃないか

100 :
鼻の穴空いてる女なんてどうでもいい

101 :
ジバンのヤドカリノイドが、GNドライブ型になって背中にくっついて操るのは割と斬新に思えた
対象が男の医者と間下このみだったから1ミリも勃たなかったが
医者じゃなくてナースだったらなあ

102 :
グローランサーじゃなくラングリッサーのリメイクでないかなあ

103 :
画質とかいまいちなんだが、俺が今年見た中で一番よかったかな
2.5次元ってことでどうか
ttp://www.youtube.com/watch?v=I-4GNe-OQdI

104 :
やあドク、デロリアンの調子はどうだい?

105 :
コミケ帰宅。やっぱ佐藤空気はわかってるわ。新刊最高だたぜ。
宮代の方は絵が雑杉。もちっと丁寧に描けといいたい。

106 :
>>105
宮代は時間切れで新刊の後半ボロボロって自分で言ってたぞ

107 :
アクましてオチでとうございます

108 :
今日は寒いなあ

109 :
>>101
洋子先輩が操られる回が明日配信だった気がするけど、
そっちは想像力しだいでイケそうな気もする

110 :
>>103
懐かしいな…
当時は今ほど悪堕ち注目してなかったんだよな…

111 :
俺はこれがよかった
http://www.youtube.com/watch?v=dxvc4QTHQw4

112 :
こんなもんデイリーモーション行けば腐るほどあるぞ

113 :
MtG wikiのグリッサの項読んでたら興奮してきた
ファイクレシアの油ネタで妄想が捗る

114 :
MTGは何気に悪堕ちが多い

115 :
>>109
操られる時間が短かったのがなあ
どちらかというと、正気に戻った後でジバンを刺したことを悔やんでいるところに萌えた

116 :
あけましておめでとうございます。猟血の狩人のタオファ編の最後です

「やめろぉ―――――っ!!」
リオンは声をからしてタオファを止めようとしたが時すでに遅く、タオファの突いた剣はティオの胸に深々と突き刺さった。
『ぞぶ』と肉を貫く嫌な音が響き、直後にティオの口から真っ赤な血がごぼりと溢れ出てきた。
口からこぼれてくる血は鮮やかな深紅に輝く動脈の血であり、これだけでもティオが内臓に致命的な傷を負ったのは間違いないところだ。
「んふふ〜〜〜。この肉を抉る感触はたまに味わうといいものですねぇ〜〜。うりうり」
剣を握るタオファは満面に笑みを浮かべてティオに刺した剣をさらにぐりぐりとティオへ捻じ込み、傷口から吹き出す血を嬉々として眺めている。
「あ、あ・あぁ……」
その血の芳香はリオンの鼻にも届いており、本来なら静脈ではなく動脈の新鮮な血が醸し出す香りに酔いそうになるところなのだが、リオンはそれ以上にティオが致命
傷を負ってしまった衝撃に心が動揺しきっており吸血鬼の本能すら忘れてしまっている。
「さ〜て、これであとは完全にぬまで待ちますか。体にならないと屍鬼への処置は出来ませんからねぇ〜〜」
ティオの法衣が血を吸って布から血が滴り落ちるくらいにまでなって、タオファは気が晴れたのか剣から手を離し、それを見てニースはティオをポイと興味なさそうに投げ捨てた。
ティオの体はそのまま屋根にドスンと背中から落ち、その拍子でまた傷口から血が派手に噴き出してきていた。
「せ、先輩!先輩先輩せんぱぁ〜〜い!!!!」
ティオの無残な姿を目の当たりにしたリオンは絶望的な叫びを上げたが、もちろんティオはリオンの声にピクリとも反応を示さない。
「き、貴様ぁぁ……!よくも、よくも先輩を……!」
リオンが人間としても、そして獲物としても特別な思いを抱いているティオをあっさりとしたタオファに、リオンはこれ以上ないというほど怨念を籠めた目で睨みつけた。
恐らくは無意識のうちに魔眼も発動しているのだろうが、者亡者の扱いに長けているタオファは視線を巧みに逸らしながらニタニタと嘲笑を浮かべている。
以前はニースの魔眼をまともに受けていたこともあったが、あれは油断を誘うためと自分はここでされることはないと確信を持っていたからなのだろう。
「す!す!してやる!!先輩をした貴様を、決して許しはしないぞ!!」
「キヒヒッ!私の下僕に無様に捕まったままのカスが何バカなこと言っているのかな〜!出来もしない戯言を大声でほざくんじゃねえよバァカ!!」
身動きできず口と目だけで反抗するリオンにタオファは中指を突き立てて挑発し、懐から墨壺と筆を取り出してきた。
墨壺に突っ込んだ筆先からは赤黒い墨が滴ってきており、その色からあれこそアンナの額に書かれた屍鬼を操るために用いる道士の道具だということが想像できる。
「こいつでちょちょいっと印を穿てば、お前も他の連中と同じ私の屍鬼になるのですよ〜
散々生意気な口を叩いている貴様が物言わぬ下僕になった姿を想像するだけで、もう笑いがこみあげて堪えきれませんです〜。フククッ!」
「うぅ……!」
勝ち誇るタオファの憎たらしい顔をリオンは鬼の形相で睨み続けていたが、現実としてもうリオンには打つ手はない。
四肢をアンナに拘束されているのに加え頼みの魔眼もタオファはまともに視線を合わせようとしてこない。
そしてタオファの使う者を縛る術法にリオンは抵抗する術を持っていない。
だが、ここで自分がタオファの手に堕ちてしまってはご主人様やニース様を救う手だてはない。
いや、それ以上に自分が何とかしないと先輩が本当にんでしまう。
溢れ出てくる血と共に先輩の生命力もだくだくと流れ出ていっているのが手に取るようにわかる。
一刻も早くという逸る気持ちは心の焦りを生み、逆に何の妙案も思いつきはしない。
自分の情けなさと無力さにリオンは薄く涙目になり、それを見てタオファは堪らず吹き出してしまった。
「……っ、ふくーっ!!な、泣いていますかぁ!きゃはははは!!ここまで後ろの吸血鬼と反応が同じですとさすがに笑いが止まりません!!ああ可笑しい!!」

117 :
どうやらアンナもニースとタオファに襲われた際、リオンと同じく抵抗らしい抵抗も出来ない自分を呪い涙目になり、そのまま下僕に堕とされたようだ。
その光景を思い出してタオファはゲラゲラと笑い転げ、リオンは自分が笑われていると感じる以上に主人であるアンナがバカにされたと感じてさらに憤り、目を真っ赤にして泣きながらアンナへ訴えかけた。
「ご、ご主人様!後生ですから放してください!この、このクソ外道にせめて一矢報いないと僕は、ぼくは……ぐはぁっ!!」
が、その懇願の最中、タオファの体重の乗った拳がリオンの鳩尾にめり込んできた。
「…おい、これから貴様のご主人様になる私にクソ外道とは、ずいぶんな口のきき方するじゃねえか!貴様の立場がどういうものか、少し躾けてやる必要があるみたいだな……。アンナ!!」
「……はいご主人様」
タオファはアンナに対し首を掻っ切るようなしぐさを見せ、それに反応したアンナは拘束していたリオンを持ち上げるとそのまま屋根へと叩き付けた。
「げは!」
吸血鬼の怪力で叩き付けられたリオンの肋骨は軋んだ不気味な音を上げ、あまりの痛みに目の前が真っ暗になる。
だが、アンナの責めはそんな程度では終わらず、そのままアンナはリオンの上に圧し掛かりその牙をリオンの首筋に埋めてきた。
「!!はうっ!」
久しぶりに感じた主人の牙の甘い感触に一瞬リオンは陶然とした表情を浮かべたが、その顔はすぐに凍りついた。
リオンの首筋にかぶりついたアンナは喉を鳴らして血を啜り始め、血と一緒にリオンの精気を飲み込んでいくのだがその勢いは尋常なものではなかった。
2本の穿った牙は頸動脈どころか喉までも喰い破り、リオンの精気を体の隅々まで根こそぎ吸い尽くさんばかりに啜りこんでいく。
「あ…あ、あ!ご、ごしゅじんさまぁぁ!!」
自分の体から精気が見る見るうちに抜けていくことにリオンは悦楽に蕩けていた顔を強張らせたが、主人に血を吸われている以上抵抗することさえもできずにアンナに血を吸われ続けるほかない。
吸血による強烈な快感の上にさらにけだるい倦怠感がリオンの体を包み込み、抵抗のするための力も意思もどんどんと萎えさせていく。
「キヒヒッ、いい様だなぁおい。したいほど憎んでいる相手の前でアへ顔晒してチンポ勃たせているなんざぁとんだ変態吸血鬼様だな!あぁ?!
どうした。せっかくこうして顔を合わせてやったんだ。自慢の魔眼で私を縛ってみればいいさ。ほら、ほらぁ!」
タオファはリオンの髪の毛を掴んで強引に自分のほうへ顔を向けさせ、これでもかというほどにリオンを罵倒する。
もしリオンに少しでも先ほどまでの怒気が残っていたならこの魔眼で捕える千載一遇の機会を逃しはしなかっただろう。
が、今のリオンはアンナの強烈な吸血で頭にピンク色の霞がかかっていてそこに気を回す余裕は残っておらず、涎を垂らしながら半開きになった口から意味をなさない悲鳴を僅かに上げることしかできなかった。
そして、リオンが魔眼を使える余裕など持っていないとわかっているからこそタオファもそんな挑発が出来たのだろう。
「……ふふっ、どうやら抵抗の意思も根こそぎ吸い取られたみたいですねぇ〜。まったく身の程知らずもいいところですよ〜」
リオンがおとなしくなったことでタオファも心の平静さをとりもどしたのか、いつものどこか小馬鹿にした口調に戻ってにんまりと微笑んだ。
「それじゃあそろそろ、リオン君にも下僕の刻印を刻ませてもらいましょうかね〜。アンナ、リオン君を立たせて下さい〜
そのままじゃちょっと額には書きづらいですから〜」
タオファの命令にピクッと体を震わせたアンナはすぐにリオンの首筋から牙を引き抜き、リオンの両脇に腕を絡めるとぐいっと力を入れてリオンの体を持ち上げてきた。
強引に立たせられたリオンの目には、ちゃぽちゃぽと墨壺に筆を突っ込みにやけながら近づいてくるタオファの姿が見える。
「あ、あぁ……」
このままでは自分もタオファの屍鬼にされてしまう。という警戒音をリオンの心はけたたましく鳴らしている。
だが、アンナに血と精気を相当量吸い取られたことによりリオンの体には力が全く入らず、アンナの拘束を引き離す気も力もまったく生まれてこない。
「ふっふっふ〜、もうあなたもティオさんやニースさんのことで気を悩ませる必要もないのですよ〜〜
なにしろこれからは、私の言うことを聞くだけでいんですから。悩むどころか考える必要もないんですから!ああなんて素晴らしい人生なんでしょ〜!
て、もうんでましたねあなたは!ごめんなさ〜いキヒヒヒッ!!」
タオファの嫌味満載の挑発にもリオンはもう反論することすら出来ない。倦怠感と脱力感に支配されたこの体では何の抵抗も出来はしない。

118 :
(もう、だめだ……)
ここに至り、リオンはもう全てを諦めてしまった。自分へのふがいなさと情けなさに自然と涙があふれ出てくる。
(すみません先輩……。先輩を、みんなを助けてあげられませんでした……)
リオンは、屋根の上でを待っているティオのほうへ泣きじゃくった情けない顔を向け……
絶句した。

時間を少し前に戻す。
(……?)
胸にとすりと受けた熱い感触に、ティオの闇の底にあった意識が僅かに目覚めた。
(あれ?なんだろ……)
まるで起き抜けのように働かない頭をくるくると回転させティオは自身に何が起こったかを知ろうとするが、それを判断するまもなくティオの体はふわっと宙を舞い、固い瓦に背中からズドン!と叩き付けられた。
(あいたた……え?)
叩き付けられた強烈な痛みにまだ霞があったティオの意識は急速に回復し、焦点が合った瞳に映ったものは……
胸から伸びている、一本の剣だった。
(え……?私、なんで……剣が……)
一体いつの間に、どのような経緯があって自分に剣が刺さっているのか。というか、今自分はどのような状態なのか。
まるで記憶がすっぽりと抜けているような自分の状態にティオはなんとか最後におぼえていることを思い出そうと頭を巡らし、最後に見た怒りに満ちたニースの顔を思い出した。
(あ、そだ……。私、ニースに蹴られて……)
蹴られて窓を破って外に投げ出されたことは思い出した。が、そのあとは意識を失ったようで何が起こったのかは思い出せない。
そして、なんで自分に剣が刺さっているかもまた思い出すことは出来ない。
(私が……意識がない時に何が……うっ!)
一体何が何だか訳が分からず混乱するティオだったが、突然胸がカッと熱くなったと思ったら喉の奥から凄い勢いで何かがこみ上がってきて、咽たティオが「ゲホッ!」とえずくと口から大量の血が溢れ出てきた。
「うぁ……!ゲホッ、ゲホォッ!!」
一体自分の体のどこからこんなに血が溢れ出てくるのかとまるで他人事のようにティオは思ったが、血は口からだけでなく剣が突き刺さっている胸からもとめどなく溢れ出してきており、血が抜けていくのに併せて自分の体温と生命力が抜けているのが手に取るようにわかる。
(あぁ……。私、もうだめかも……)
今まで『』を感じたことは何度もあったが、ここまで『』を身近に捉えたことはない。
その原因がわからないのは癪ではあったが、こうなってしまってはもうから逃れられることは不可能だろう。
(ごめんね……ニース。約束、守れなくて……)
事が成った暁には自分がニースを滅ぼす。この約束を果たせないままニースを残してんでしまうことはティオにとって非常に心残りなことだった。
自分がんでしまった後、ニースはどうなるのだろう。
そういえば、なんでニースは自分に襲い掛かってきたのか。それよりニースはなんで、タオファさんが使役している屍鬼みたいな服を着ていたのだろう。
一体なにがニースに起こっていたのだろう……
様々な疑問がティオの頭の中を駆け巡ったが、それに対する答えを連想させるほどの思考力はティオには残っていなかった。
血が抜けすぎたティオの意識と生命は、すでに闇の中へと喰われつつある。
(……もう、だめ……。私、ぬのね……)
様々な思いが逡巡するが、それも次第に闇に食われていく。
碌に働かない頭を動かすのを諦め、ティオは力なくかくんと天を見上げた。
そこには、満点の星に加えて満月が煌々と輝いていた。

119 :
(……あ、きれい……。こんなに、綺麗な月を見るの……はじめ、て かも ……)
まるでにゆく自分を看取っているかのように輝く月を見てティオは少しだけ顔を綻ばせ……
次の瞬間
(………ッ!)
ティオの瞳はギラリ!と金色に輝き、開き切っていた瞳孔がキュッと縦長に切れ上がった。

「ん?」
それまで悔恨でくしゃくしゃに崩れていたリオンの表情が突然サァッと青ざめたことにタオファは一瞬不審に思ったが、リオンが自我をなくすことへの恐怖で青ざめていると判断し、怯えるリオンを見て愉しそうに顔を歪めた。
「そんな怖がる必要なんてないんですよ〜〜。すぐに、怖いなんて感じることすらなくなるんですから〜〜
ほぉら、もうすぐ、あとちょっとで書いちゃいますよ、ちょちょいっとねぇ〜〜。うりうり」
タオファはリオンをいたぶるかのように墨のついた筆先をちょんちょんとリオンの額に近づけていく。
ところが、リオンはそんな筆なんかには視線も向けず、ある一点をじっと凝視している。その視線の先はタオファですらない。
「……?何見ているですかお前……、なななななぁっ!!」
これはさすがにおかしいと思ったタオファは後ろを振り返ってリオンが何を見ているのかを確かめ、目をひん剥いて驚いた。
リオンとタオファが驚きの視線を向けている先には、にかけているはずのティオがゆらりと立ち上がっていたのだ。
当然ながら胸にはタオファの刺した剣がいまだに突き刺さっているのだが、不思議なことに傷口から流れてくるはずの血は一滴たりとも零れてきてはいない。
いや、ティオの口元も法衣も血まみれではあるのだが、それらはすでに乾いてこびり付いているものか空気に触れて酸化し真っ黒に変色しているものばかりで今吹き出してきている新鮮な赤い血は全くないのだ。
「テ、ティオさん?!あああなた、まだ生きているんですかぁぁ?!」
タオファからすればそれは絶対に考えられないことだった。
さっきのタオファの一撃は間違いなく心臓を貫いた感触があった。心臓を破られて生きている生物などこの世のどこにもありはしない。
ニースたち吸血鬼も心臓を杭などで貫かれたら絶命するのだ。ななければおかしいのだ。
もしかしたらぬ寸前の最後のあがきかもしれない。タオファはそうも考えた。
だが、あのティオはどう見ても力が抜けてぬどころか溢れ出る力を抑え込むかのように背中を丸めて小刻みに震え、絶え絶えだった息はまるで深呼吸するかのように荒く、かつ強く吐いている。
「ウゥ……、ウゥウ……!」
カチカチと細かく歯が震える口元からは人が発するとは思えない重く太い唸り声が漏れ、大きく見開かれた瞳は夜の闇の中鮮やかな金色の光を放っていた。
そして腰の法衣が不意にぴょこんと持ち上がったかと思うと、厚い法衣の布地を突き破って中から鮮やかな金色をしたふさふさの尻尾が飛び出てきた。
「え?!なに!!尻尾?!一体、なんなんですかこれは?!」
ティオの突然の変化に混乱するタオファとは裏腹に、リオンの顔はこれ以上ない恐怖に彩られていた。
「あ、あああ……!あの、あの先輩は……!!」
そう、リオンは以前見たことがある。
あんな金色に輝く目をした、かつて自分もアンナも、ニースすら圧倒したもうひとつのティオの姿を。
「グゥゥゥ……!!」
タオファやリオンが呆然と見つめる中、不気味に唸り続けるティオは自分に刺さった剣の柄を握りしめると一気に体から抜き放ち、そのまま手で握りつぶしてしまった。
「うそ!剣を?!」

120 :
タオファが驚くのも無理はない。普通の人間で鋼でできた剣を素手で壊すなどという真似ができるはずがない。
しかも、今までにかけていた人間がだ。
が、ただの鉄くずになった剣を投げ捨てたティオはにかけどころか体中から猛々しいまでの生命力を放ち、その力にふさわしい姿へと変貌していっている。
動きやすくするため短く刈っていた髪が風もないのにざわざわと棚引いたと思うと恐ろしい勢いで伸び始め、あっという間に腰までの長さにまで達するボリュームになった。
しかも伸びているのは髪の毛だけではないようで、ティオの着ている法衣のあちこちが膨らむと同時にあっさりと千切れ、その奥から鉄よりも固く且つしなやかな獣の毛が顔を出してくる。
月光に照らされた金髪は色が抜けるかのように銀色に変化し、腰から伸びた尻尾もそれまでの数倍のボリュームに広がっていき髪の隙間から2つの獣の耳が顔をだした。
「ウワォ―――――ン!!」
丸く輝く満月を称えるかのように遠吠えをし、ぼろきれになった法衣を鬱陶しいかのようにあっさりと引きちぎった中から現れた肢体は、かつて吸血鬼アルマナウスの手によって変化させられた人狼のものであった。
「な!け、獣憑き?!ティオさんは獣憑きだったんですか!!き、聞いていませんよそんなの!!」
目の前で人狼に変化したティオにタオファは明らかに動揺していた。
者を操るのは容易い。人を騙すのも容易い。
だが、獣を相手にするのは完全に想定外だ。今回はそれ用の武器の手持ちはほとんどない。
「………ウゥ……」
月光に照らされたティオの銀毛はキラキラと青く輝いて、透けるような白い肌と合わさって神秘的な美しさを見せている。
が、その美しさは愛でて鑑賞する美しさではなく、無駄なものをすべて捨て去り破壊と戮に特化した機能美としての美しさだ。
そしてそのままタオファのほうへと振りむくと、月夜にもわかる真っ白な牙を剥きだしにしてニッと微笑んだ。
まるで、獲物に狙いをつけた肉食獣のように。
「ヒィッ!!」
自分を狙っている!そう直感したタオファは筆を投げ捨て後方に飛びのいた。
そして、その動きに反応したかのようにティオは屋根を蹴ってタオファに跳びかかってきた。
「ガァ―――ッ!!」
「ニ、ニース!!私を助けなさぁい!!」
夜空を跳躍してくるティオを見たタオファは血相を変えてニースに命令し、ニースも即座に反応してティオとタオファの間に強引に割り込んできた。
ニースはティオがタオファめがけ振り下ろしてきた右腕を両腕で受け止め、そのまま右足を即座にティオの腹へと蹴りこんでティオを後方へ吹き飛ばしてタオファとの間合いを開かせた。
そうしてタオファへの安全を確保してからニースはタオファを助けるためティオめがけて突撃し、急な割り込みに不意を突かれたティオも体制を整えると向かってくるニースを迎え撃つ形で相対した。
「………」
一足飛びにティオに接近したニースは素早い突きを交互に繰り出してティオに攻めかかる。もちろん先端には鋭い爪が顔を覗かせておりまともに当たれば家の壁も難なく貫く破壊力を持っている。
が、ティオのほうも自分に襲い掛かる幾重もの腕を上体のみを使って巧みにかわしている。

121 :
ニースの突き出す腕も目では追い切れないくらいのものすごい速さなのだが、ティオの獣の動体視力は全てを確実に捉え紙一重どころかぎりぎり掠めるレベルの間合いで見切り続けていた。
「………!」
当たりそうで決して当たらないティオへの攻めに感情をあまり露わにしていないニースに明らかな焦りと苛立ちの表情が浮かび上がり、逆にティオはニースが攻撃を重ねれば重ねるほどその表情が歓喜で鮮やかに染まっていっている。
「クハハハハハッ!!」
自分の身体能力を惜しみなく使わせてくれるニースにまるで感謝しているかのようにティオのニースを見る目には意も怨恨もなく、悦びの気持ちを露わにしていた。
それはともすれば余裕を見せているようにも見え、そう感じたニースはティオへの敵愾心を一層燃やし突きだけではなく蹴りも交えたラッシュをかけてきた。
突きという前からの攻撃だけではなく時折交える下方や上方から飛んでくる腰の入った蹴り。
並大抵の相手ならその動きに目が追い付かず、いつかはどちらかの攻撃をまともに喰らうことになるのは間違いない。
が、それすらティオにとっては対処の範囲内であるようでニースがどんなに不意打ちを狙おうとしてもティオの体には当たる気配を見せない。
「ああもう!なにをやっているのですかニース!そんな獣、さっさとひき肉にでもしちゃいなさい!!」
意外、というか予想外にてこずるニースにさすがにタオファは苛立ちを隠せず、声を張り上げてニースを叱咤する。
そしてニースも命令を遂行するためさらに攻撃の激しさを増していった。
「………っ!!」
手は単純に突くだけではなく払ったり薙いだり振り下ろしたりと攻撃の角度を変え、蹴りも両足同時に繰り出しとかフェイントをかけるとか、とにかくティオの意表を突くように変化をつけてきている。
「グッ…!」
これにはさすがにティオも対応しきれなかったのか、右回し蹴りを上体を逸らしてかわした後に間髪入れずにニースが放った左手の突きに対して、体が伸びきってしまっていたティオは反応はしたが上体を動かして避けることはできなかった。
「やった!!」
それを見たタオファはニースの突きがティオの胸板を貫くことを確信し勝利ガッツポーズまであげてしまった。
が、それはティオがニースの攻撃を躱せなくなっただけで避けられないわけではなかった。
「ニィッ!」
ティオはニッと微笑むと右手をブンっ!と払ってニースの突いてきた左手をそのまま弾き飛ばして攻撃を防いだ。
パーン!と腕を払われたニースは左手を泳がせたまま呆然とした表情を浮かべている。
そしてこれが決定的な転換点になった。
「フウゥッ!」
ニースの攻撃が止んだこの一瞬を付き、今度はティオが攻勢に打って出た。
無防備な姿を晒しているニースの懐に一気に飛び込んだティオはそのまま強烈なタックルをぶちかまし、バン!と弾かれたニースはそのまま家の煙突まで吹っ飛ばされ古くなったレンガと埃を派手に周囲にまき散らした。
「えっ?!ニ、ニース!!」
勝ちを確信していたところのあっという間の形勢逆転に、さすがにタオファは狼狽した。しかも、ティオのターンはまだ終了してはいない。
「ガウウウゥッ!!」
ティオは煙突に突っ込んで動きが止まったニースに反撃させる間も与えまいというように突っ込んでいった。
「………っ!!」
そしてもうもうと上がった埃の中からよろよろと出てきたニースが目にしたのは、弾丸のような疾さで自分に迫ってくるティオの姿だった。

122 :
慌ててニースは腕をクロスさせて突進のショックを食い止めようとしたが、それすら許さない圧倒的な速さでティオの右ストレートがニースの腹にめり込んできた。
「……グハッ!!」
このインパクトにはさすがにニースも堪えきれず、あまりの痛みに蛙がつぶれたような悲鳴を上げてニースの体は前屈みになってしまう。
その姿を見てティオは、追い打ちとばかりに腹を打った右手を引き戻すとそのままブォン!と振り上げた。
振り上げた手にはニースのものと比べてもそん色のない硬度と切れ味を持つ五つの爪が伸びており、これがまともに食いこんだらニースの体もさすがにただでは済まない。
「クゥゥッ!!」
気が遠くなるような痛みをなんとか堪えたニースは限界まで体を逸らしてティオの爪から逃れようとした、が、僅かに間に合わなかった。
前のめりになっていたニースの顔をティオの爪は捕え、爪は額をざっくりと切り裂きついでにニースの額に貼られた札までバラバラにした。
「…………ぁ」
その瞬間、ニースの額に描かれた呪紋と札が効力を失いタオファの術に捉われ濁りきっていたニースの瞳にスッと光が戻った。
が、それを確認することもせずティオは棒立ちになったニースを力任せに蹴り飛ばし、ニースはそのまま向かいの家まで吹っ飛び屋根を突き破ったまま出てくることはなかった。

「ニ……ニースが、ニースがあんなにあっさりと……?!」
タオファは目の前で起こったことがどうしても信じられなかった。
自分が手に入れた屍鬼の中では間違いなく最強のニース。動く体の中では最高峰の材料である吸血鬼であり夜の闇の中では絶対無敵の力を持つ。はずだった。
なのに、獣憑きだったティオに完全に圧倒され、完膚なきまでに叩きのめされてしまった。
こんなはずはない。これは何かの間違いだとタオファの頭の中は今あった現実を受け入れられず完全にショートしていた。
そんな感じでしばしタオファは呆然としていたが、自分を見る射るような視線を感じてハッと我に返った。
「あ、あぁ……!」
自分をじっと見ているティオの視線。
それは、まだ自分の力を振るう獲物が残っていることへの悦びに満ち溢れ、抑えきれない暴力への衝動からくる輝きを爛々と放っていた。
このままでは確実にされる!
「お、お前たち!あの、あの犬っころをせ!すのよ!!絶対に!!」
湧き上がる『』への恐怖にタオファは完全に取り乱し、泡を喰いながら従えている全ての屍鬼にティオへ襲い掛かるよう命令した。
その命令に従いタオファの後ろにいた屍鬼は一斉にティオに向かって跳躍し、アンナもリオンを放り捨ててティオへと向かっていった。
タオファが侍らせていた屍鬼は普通のリビングデッドに比べたら身体能力は当然のことながら比べ物にならないほど高く、屍鬼は連携でもとっているかのごとくティオの四方八方から同時に攻撃をかけてきた。
普通の人間も並みの化け物もこの同時攻撃を喰らえばただですむはずがない。ないのだが
だが、屍鬼が襲い掛かったのは『並み』の化け物ではなかった。
自分に向かってくる無数の獲物にティオは弾む心を隠すことなく顔を輝かせ、一番最初に自分に飛び込んできた屍鬼めがけ屋根を蹴ってジャンプした。
「!!」
まさかティオが向かってくるとは考えていなかった屍鬼は、ティオに攻撃する間もなくティオに顔を掴み取られそのままぐしゃりと握りつぶされてしまった。
そのままティオは空中で屍鬼の体を両手で抱えて左下から腕を突き出してきた屍鬼に首なし屍鬼を投げつけ、2体の屍鬼はそのまま屋根に叩き付けられてしまう。
その重なった屍鬼にティオは落下する加速度を重ねた蹴りをぶちこみ、腹に大穴があいた屍鬼はそのまま2つに千切れてしまった。

123 :
「キャハハハハハァ!!」
暴力をふるうのが楽しくて仕方がないと言わんばかりにティオは屍鬼をげしげしと踏みつけながら高笑いを上げ、ついでに上から飛び込んできた屍鬼を左手で突いて串刺しにしてしまい、もう片方の手で顎を掴んでから左手を振り下ろし屍鬼を2枚におろしてしまった。
「「「………!!」」」
あっという間もなく3体の仲間がバラバラの体にされたことで、残りの屍鬼は波状攻撃を止めて一旦ティオとの間合いを開けようをしていた。
が、ティオには攻撃を躊躇する理由はまったくない。
「フウゥ……ハアアッ!!」
ティオは一つ大きく息を吸うと、自分から逃げようとしている(ように見えている)獲物に目では追い切れないほどの速さで襲い掛かった。
自分たちが反応できる以上の速さで突っ込んできたティオに屍鬼たちは完全に対応が遅れ、最初の屍鬼はティオが振り下ろした爪で袈裟切りにされ、自分が何をされたのか分からないまま屋根にごろりと上半身が落っこちた。
「………!」
次に狙われたのはアンナで、さすがに吸血鬼であるアンナはほかの屍鬼たちよりかはティオの動きに対応でき、ティオが繰り出してくる爪撃をヒュン!ヒュン!とギリギリでかわし続けた。
アンナとしてはこの間にもう一体の屍鬼がティオを仕留めてくれればと思っていたのかもしれない。
が、それが叶う間もなく屍鬼はティオのアンナへ対する爪撃に巻き込まれ、頭をすっぱりスライスされて屋根に崩れ落ちてしまった。
「っ!」
しかも、その屍鬼の体にアンナが躓いてしまい体のバランスが大きく崩れてしまう。
当然その隙をティオが見逃すはずがなく、ティオの横殴りの爪撃がアンナの腹を大きくえぐりアンナは腹から大量のどす黒い血を吹き出しながらドォッと倒れこんだ。
この間、時間にすればものの数分もないであろう。
「ウオォォ〜〜〜ン!!」
圧倒的な戦闘力をティオは月夜に見せつけ、血まみれになった手をぶんぶん振るって誇らしげに遠吠えをしていた。
そして、いよいよ最初に狙いを決めた獲物に襲い掛かろうとタオファのほうへと顔を向けると
「…ゥ?!」
すでにタオファはその場を逃げ出しており、辺りにはボロボロになった屍鬼や戦闘不能のリオンなど身動きできない肉の塊が転がっているだけで動いているものはなにもなかった。
どうやらタオファは屍鬼たちがティオに襲い掛かったあたりですでに逃げ出していたようで、すでにティオにはタオファの気配は全く感じ取ることは出来ない。
だが、だからといってタオファを見逃すという行為をティオがするはずがなかった。
別に、人狼になっているティオにタオファに対する恨みや憎しみといった気持ちはない。そんな感情は人狼にはない。
ただ単純に、一度狙った獲物は決して逃がさない。そういった純粋な獲物をしとめる狩人の本能がティオの心を支配していた。
「フゥッ!」
いずこかへ消えた獲物を求め、ティオは何一つ動くものがなくなった屋根から飛び降り、夜の闇へと消えていった。

124 :

「うぅ……御主人様ぁ……」
ティオがタオファの後を追って消え去った屋根の上で、リオンは自由が利かない体を騙し騙し動かしてアンナの元へ這い寄っていた。
アンナがリオンを投げ捨ててティオの元へ向かっていった時、リオンは掠れる声でアンナに行ってはダメだと叫んだのだがもちろんアンナは聞く耳を持たずにティオへと襲い掛かっていた。
そして、その顛末はリオンが予想した通りアンナが返り討ちにあう形になってしまった。
リオンとしてはすぐにでもアンナの安否を確かめに行きたかったのだが、少しでも動いたりしたら間違いなくティオに狙われるためティオがいなくなるまで息を潜めてじっとしてるほかなかった。
「ご主人様……大丈夫ですかご主人様……」
リオンはアンナの額に記された忌まわしい紋様を手で擦り落とし、目を虚ろに開いたままのアンナに必に呼びかけていた。
皮肉にも先ほどリオンから吸い上げた血によって相当量の力を体に受け入れたことで、相当の深手を負っているにもかかわらず生命力が尽きて滅びる気配は感じられない。
が、やはりタオファに操られていたことの心の負担と肉体のダメージからかアンナは意識を取り戻す気配を見せず、リオンはこのまま意識を取り戻すことがないんじゃないのかと気が気でなかった。
その時、向かいの家の壊れた屋根がガラガラと音を立てて崩れたかと思うと、中から人影が一体ぬっと顔を出してきた。
「………ぅぅ……」
中から現れたのは、顔を血まみれにしたニースでありその姿を見てリオンはサッと顔を青ざめた。
何しろリオンはさっきニースにされそうになっているのだ。ニースを見て恐ろしく思わないほうがおかしい。
ところがニースは別にリオンに襲い掛かるわけでもなく、拳をわなわなと震わせながら悔しそうに唇をかみしめていた。
「うぅぅ……畜生。なんで私が……ティオちゃんに……」
「……!ニース様……」
ニースの口から放たれた『ティオちゃん』の単語を耳にしたリオンは、それまでの青ざめきった顔を喜びでパッと綻ばせた。
それはニースへのタオファの呪縛が解けたことを示すものであり、正気に返ったことを表すものだったからだ。
「よかった!ニース様!あの人間の術が解けたんです……ね……?」
が、そんなはしゃぐリオンをニースはギロッ!と意がこもった目で睨みつけた。
「……あったのよ。あいつの術に捉われてからも、私の自我は。私の心は。
あいつがティオちゃんをせと命令してきたときも、私の心はちゃんと起きていたのよ。それがわかっていて、あいつは私にティオちゃんをせと言ってきたのよ。
そんな命令、聞けるはずがない。ないはずなのに……
私は逆らえなかった。私の心は必に拒否ってるのに私の体はあいつの命令に黙々と従ってティオちゃんをそうとした!
人狼になったティオちゃんに呪縛を解かれるまで、私の心と体はバラバラになって悲鳴を上げて、ティオちゃんをしたくないのにそうとして……!」
ニースの声は怒りと悔恨で最後は絶叫に近くなり、真っ赤な目をさらに赤く染めてはらはらと泣き腫らしていた。
「くそっ、くそっ!なんて情けない私!!あんな奴の罠にまんまとはまって、ティオちゃんをあんな目にあわせて……挙句の果てにまたティオちゃんが人狼に……
許さない。許さない……あいつも……私も!!」
「ニ、ニース様……」
ニースが怒っているところはこれまで散々見てはきたが、ここまで自分に対して怒った姿はリオンは見たことがない。
それほど、自分の意思に反してティオをそうとした自分とそうさせたタオファに対しての怒りが大きいのだろう。
「してやる!してやるタオファ!!たとえ地の果てまで逃げても絶対に見つけその血を吸って……じゃない!吸っちゃだめだ!!
吸わずに全身バラバラに千切ってばら撒き家畜の餌にしてやる――っ!!」

125 :
ニースは村中に響き渡りそうな大声でがなり立てると、いずこかへと消えたタオファを追うため屋根瓦を蹴り壊して飛び降りあっという間に見えなくなってしまった。
かなりの傷は負ってはいるもののあの様子なら心配はいらないとリオンはひとまず肩を撫で下ろし、より深手を負っているアンナを少しでも介抱しようとアンナのほうを向いたとき
「!ご主人様?!」
なんと、アンナの全身から真っ白い煙が吹いているではないか。
「ど、どうしたんですかご主人様!!どこか、体におかしいところがあるのですか?!」
いきなりの異変に度肝を抜いたリオンが必にアンナに呼びかけるが、アンナの意識は戻らず吹き出す煙もさらに勢いを増しアンナの姿が見えないレベルにまで達しており、あまりの勢いに直視できないほどだ。
そして、ある程度煙を吹き出したところから急速にその勢いは落ち、リオンの視界が晴れてきたところで目の当たりにしたものは……
「ご、ご主人様ぁ?!」
そこにいたのは、いやあったのはアンナの形をデフォルメした例の人形だった。
「な、なんで……ハッ!」
なんでアンナがあの人形に戻ってしまったのか訳が分からず困惑していたリオンだったが、ふと見ると自分からも同じような煙が体の節々から吹き出していることに気が付いた。
「こ、これって……、人形の呪いはまだ解けてないって、ことなのかぁ――っ?!」
つまり、ニースの大量の血によって二人は人形から吸血鬼の姿に戻れたのだが、それはニースの血に含まれる大量の魔力によって人形の呪いを抑えていただけで魔力が切れたらまた人形に戻ってしまうということなのだ。
そのことにリオンが思い立った時、リオンもまた全身を煙に包まれ人形の姿に戻っていた。

「ヒイハァ、ヒィハア!!」
一方タオファは屍鬼たちを捨て駒にしてティオの目を引き付け、自身は一目散に逃げ出していた。
ニースをほとんど一蹴したティオの実力を見れば、ニースより数段劣る他の屍鬼ではティオを倒すことはまず不可能、というより時間稼ぎ程度にしかならないのは分かりきっている。
ならばあの場で屍鬼が全滅するさまを呑気に見物しているよりはとっとおさらばしたほうが利口というものだ。
「な、なんなんですかティオさんは……、ティオさんが獣憑きだったなんて、聞いてないですよお〜〜!」
最初にこの依頼を引き受けたときは、どれほど実力を秘めていようが所詮はバカ正直な人間だから騙くらかすのは訳がないと思い込み、実際ティオはタオファの意図通りに動いてまんまと騙された。
その後に出てきた弱い吸血鬼たちの乱入もタオファからすれば予想されるイレギュラーの範囲内だった。
だが、ティオが獣憑きで獣人に化けたのは完全に予想の斜め上だった。しかも、かつて見たことのある獣憑きとは比べ物にならないほどの戦闘力をもっている。
一瞬、あれを屍鬼にしたら……などという考えが頭をよぎったりもしたが、今のタオファの手持ちの武器では不意打ちでもしない限りあれを仕留めることは難しい。
となると、今は何とかこの場を逃げて対策を練り直すしかない。
「はあぁっ……はあっ……。つ、疲れましたぁ〜〜……」
後ろも振り替えずただただティオから離れるようにタオファは逃げてきたが、さすがに息が切れたのか家と家の隙間の壁にもたれかかるとぜいぜぃと切れている息を整えようとした。
そもそもこんなに必になって逃げたことはここしばらくの間覚えがない。相手を嵌めて自滅させるのが得意のタオファにとって体力勝負はいまいち得意ではないのだ。
「ま、まったく……なんでこんなに疲れなければいけないんですか……。屍鬼たちも恐らく全滅でしょうし、これじゃ割に合わなさすぎますよぉ……」
タオファは自分にティオをすように依頼してきた相手を恨めしく思った。
もっと簡単な仕事じゃなかったのか。これじゃあ例え依頼を果たしても収支は完全に赤字になってしまう。
「あのクソッ垂れ野郎……。もしティオを仕留められたら金をもらうついでにティオにさせてしまおうか……」

126 :
そうすればまた新しい屍鬼の材料が……などとタオファがぶつぶつと考えているその時、タオファの周囲がフッと暗くなった。
「!!!」
その直後、真上からすさまじい気を感じたタオファは跳ねるようにその場を離れ、その直後にタオファが立っていた場所の上からティオが爪先をぴいんと立てて蹴りこんできた。
ドカン!とすさまじい音と土ぼこりが舞ってタオファが立っていた場所はぼこりと陥没し、もし一瞬でもタオファが逃げるのが遅かったらタオファの体はぺちゃんこに潰れていたことだろう。
「ガウウウゥ……!!」
「テ、ティオ……!そんな、早すぎる……」
相手が獣ということでそうそう簡単には逃げきれないとタオファも覚悟はしていたが、こうも短時間で屍鬼が蹴散らされしかも自分の居場所を突き止められるとはさすがにタオファも予想はしていなかった。
まさに獲物を地の果てまで追いかけ追いつめる猟犬そのものと言っても過言ではなく、タオファはティオが想像を超えた化け物であることを再認識せざるを得なかった。
一方ティオのほうはようやっと追いついた獲物を前に喜びを隠せず、尻尾をピンと立てながら背中を丸め襲い掛かる機会をうかがっている。もしタオファが何らかの動きを見せれば、それを契機にティオはタオファに襲い掛かるのは間違いない。
「……もう、ここまで来たらティオさんを仕留めない限りは村から逃げ出すことは出来ないみたいですね……」
どうやらタオファは覚悟を決めたようで、両腕を一旦ブン!と大きく振り腰の剣をスラリと抜き放った。
「さあ来なさいティオさん!こうなったら私も逃げも隠れも致しません!」
タオファが武器を抜いて対峙したことにティオはそうでなくてはとばかりに体をブルッと武者ぶるわせ、両手をわきわきと戦慄かせながらタオファに真正面から突っ込んでいった。
それに対するタオファは剣を構えて受け止める……のかと思いきや、何を思ったのかぴょんと後ろに飛びのいてしまった。
突進を続けるティオの顔はタオファの不審な動きに僅かに曇ったが、ティオの跳躍はタオファが多少間合いを離したところで一気につめられるだけの突進力は持っている。
そのためティオはそのままタオファに追いつこうとさらに飛び込んだが、その時ティオの額に何か糸のようなものががグイッと食い込んできた。
「キャハハーッ!!引っかかりましたね――!!」
それを見たタオファは勝ち誇った笑みを浮かべる。
実はタオファは先ほど手を振りかぶった時、家と家の壁の間に一本の鋼線を張っておいたのだ。
この線はタオファが刃物のように砥ぎこんだ刃鋼線で、表面を指でなぞるとそれだけで手が切れて血が滲み出すほどの鋭さをもっていた。
そんな刃鋼線にまともに力いっぱい突っ込んでしまったら、そのまま皮膚だけでなく肉も骨も真っ二つに裂けてしまうのは間違いない。
数少ないティオに手傷を与えられると思われる武器なのだが、普通に使ってもティオを仕留めることはまず不可能。
だが、この狭い場所ならティオはまっすぐ突進してくるだろうというタオファの見事な読みが生んだ会心の策だった。
「しょせんは犬っころ、人間様の英知には勝てはしないのです!!」
いくらなんでも脳みそを破壊されて平気な生物はいないだろう。あとはスライスされたティオの頭をつなぎ合わせて屍鬼の処置をするだけだ。
「しかも吸血鬼と違って獣憑きなら昼間でも使えます!これなら今までの損失もチャラに……」
ティオを手に入れた後の皮算用を早くも目論んでいるタオファだったが、次の瞬間その余裕も吹き飛んだ。
「ガアアアアァッ!!」
なんと、ティオの額に食い込んだ刃鋼線はティオの頭を二つに割くどころか傷一つ与えることは出来ず、突進するティオの力を受け止めきれずにビィン!と千切れ飛んでしまった。

127 :
ティオとタオファの上には満月が昇り地面を明るく照らしている。
人狼は満月の時に最大の力を発揮することが出来、この日は人狼自身が望まない限りはいかなる武器でも人狼をすどころか傷一つつけることもできない。満月の日は人狼は吸血鬼以上の不身の肉体を持つことになるのだ。
これはティオたちにとっては常識なのだが東方地域ではこちらでいう人狼そのものが存在せず、動物の霊などが人間に憑く獣憑きとタオファは混同してしまっていたのだ。
もちろん獣憑きに人狼並みの肉体能力はなく、それ故タオファも今の策で確実に仕留められると考えていたのだろう。
「え、ええええええ!!ウソウソウソウソ―――――――っ!!」
あまりのことにタオファはパニックに陥って剣を構えることすら忘れてしまっており、ティオに対し一瞬ではあるが無防備になってしまった。
その隙を付き、ティオはタオファとの間合いを一気につめるとその眼を眩ますかのように上へと跳んだ。
ティオの爪が天頂に輝く月光に反射して幻想的に煌めき、光の筋を描いてタオファの脳天へと振り下ろされていく。
「ひぃっ!!」
その美しさと恐ろしさを兼ね備えた爪撃にタオファは慌てて両手で剣を握りしめ渾身の力を込めて受け止めようとした。が
ティオの爪は鋼の剣を飴細工のようにあっさりと切り裂き、そのままタオファの右腕の肘から先までバラバラに切り落としてしまった。
「ぃっ!!ぎゃああああ――っ!!!」
自分の腕がまるでハムのように斬られる様を目の当たりにし、次の瞬間に傷口が燃えるような熱さに包まれたかと思ったらまるで噴水のように赤い血が吹き出し、タオファはこの世の終わりを見たかのような絶叫を上げた。
「て、手が!私の手がぁ!!」
地面に転がる剣と自分の右手だったものを見てタオファは半狂乱になり、怒りと恐怖で血走った眼をティオへと向けた。
「こ、この犬っころぉ!よくも、よくも私をこんな目にぃぃ!!」
一方ティオは血にまみれた右手の爪をべろりと舐めまわしながら、溢れる血の匂いに酔って恍惚の笑みを浮かべている。
ただ、それでもまだ満足はしていないのかタオファの怨念籠った視線を感じてタオファのほうへと顔を向けると、牙を剥きだしにしてニィッといやらしく微笑んだ。
もっと、もっと私を満足させて。血の匂いと肉の暖かさを味あわせて。逃げちゃダメよ。逃がさないから……
口でこそ言わないもののティオの発する気配からタオファにはティオの欲望が痛すぎるほど感じられる。
(冗談じゃない。手前の欲望を満たすためだけにされてたまるか!)
それを自分がするのは愉しいのだが相手にされてはたまったものではない。
多分に自分勝手な理屈だが、タオファはズキズキと痛む手を左手で抑えながら今にもとびかかってきそうなティオを懸命に牽制していた。
とはいえ、今の状態では反撃すら碌に出来はせずなぶりしにあうのは確実だ。なんかしてこの場から逃げきらないといけない。
だが、今は少しでも逃げるそぶりを見せたらティオはその瞬間タオファへ襲い掛かり命を取るだろう。残念だが今のタオファにそれを阻止する力はない。
どうすれば、どうすれば……とタオファが逡巡しているとき、思わぬ助けが飛び込んできた。
「見つけたぞ!タオファァァ!!」
ティオとタオファのにらみ合いが続いている中、金切り声を上げながらニースが二人の前に飛び込んできたのだ。
タオファにとっては一見敵が二人に増えてさらに絶体絶命に……と見えてしまうのだが、それはティオとニースに意思の疎通があればの話である。
ところが実際は
「!!っ♪♪」

128 :
目の前にいる怪我をして動きが鈍ったタオファに比べてピンピンしている活きのいい獲物が現れ、ティオはニースのほうへクルッと振り向くとニパッと顔を綻ばせた。
「もう絶対許さない。八つ裂きにしてやるから覚悟……、え?」
タオファをバラバラにする意気込みで表れたニースだったのだが、ティオが自分のことを爛々と輝かせている目で見つめているのに気づきギョッとなった。
「え?ちょ、ちょっと待ったティオちゃ……。あっち、あっち……」
「グルルルゥ………!」
明らかに自分を狙っているティオに対してニースはタオファを両手で指差してティオに翻意を迫るが、ティオはもう壊れた獲物には興味がなくより楽しめる獲物であるニースに興味が満々だったりする。
(こ、これは……チャンスです!)
もちろんこの機会を逃さないタオファではなく、出来るだけティオの興味を引かないようにそろりそろりとその場を離れ、建物の影に入った直後脱兎の速さで逃げ出した。
「あぁっ!こら待てタオファぁ!!」
そんなタオファを、ニースはつい大声を出しながら追いかけるために一歩足を踏み出した、その時
「ガウ――――ッ!!」
動き出すきっかけを待っていたティオが牙を剥いてニースへと跳びかかってきた。
「わぁっ!!ティ、ティオちゃん?!」
ビュイン!と空気すら斬り裂くような鋭さで飛んできた爪をニースは懸命に避け、路地に消えたタオファを追いかけようとした。
が、ティオは逃げようとしている(ように見える)ニースを逃がすまいと前へと回り込み、間髪入れずに両腕をものすごい速さで振るってニースへと襲い掛かってくる。
「どいて、やめてティオちゃん!このままだとあのタオファを見失っちゃうよ!!」
「ガウウウウゥッ!!」
満月の人狼に何の攻撃も通用しないことを身をもって知っているニースはティオを気絶させて止めることも出来ず、愉しそうに自分に攻撃してくるティオを何とかいなしながらどうにかしてタオファの後を追いかけようとした。
が、結局それは叶わず月が天頂から傾いて僅かばかり空が薄く白み始めた頃、散々暴れたティオは満足したのか突然フッと力が抜けたかと思うとその場にくてっと突っ伏した。
月の光を受けて白銀色に輝いていた体毛も光を失ったかと思うと元の金色に戻っていき、髪から覗いていた耳もスッと引っ込んでいった。
ただ、尻尾だけは消えずに相変わらずティオの腰から伸びており、時たまぱたん、ぱたんと地面を叩いている。
「お、終わった、ぁ……」
もしかしたらこのまま元に戻らないのではと危惧していたニースはどうにか元に戻ったティオにホッと胸をなでおろし、そしてどんなに感覚を鋭敏にしてもタオファの気配が全く掴めないことに悔しさをにじませた。
「くそぅ……逃げられたか……」
まあ、さんざんティオに付き合わされていた故とてもタオファのほうに気を回す余裕はなかったので仕方がないといえば仕方がないのだが、ティオの命を狙ってきただけでは飽き足らず、自分を使ってティオをそうとしたタオファへのニースの怒りは半端ではない。
このままティオの害を諦めてくれれば万々歳なのだが、あの歪んだ性格からしてそうなるとはとても思えない。
「次あった時は……必ず、してやる……」
ティオに危害を加えようとする者には容赦はしない。
ニースは怒りに燃える目でタオファが逃げ去った路地をじろりと睨んだ後、地面に気を失って倒れているティオを抱きかかえた。

129 :
「ん……。んぅ……」
疲れ果てて寝ているティオはニースの抱えられても起きはせず、ニースの腕の中でゆったりとまどろんでいる。
「……元々、今回の原因はティオちゃんなんだからね。ティオちゃんがほいほいあいつの言うことを信用したりするから……
わかってんのか、おいこら」
あまりに幸せそうに寝息を立てているティオに、ニースは少しは反省しろと言わんばかりにティオの額に軽く頭突きをかました。
ゴチン!と軽くというには鈍すぎる音がした気がしたが、これくらいはしておかないとニースとしては気が済まなかった。

ちょい長になってしまいましたのでオチは明日(今日)の夜に…

130 :
おい、長文厨氏ねよ

131 :

で、どこに悪堕ちがあるの?

132 :
GJ
三者ともに呪いは解けずの展開だったか
これはティオにとってまた何か人狼絡みであるかな
ともあれオチにも期待
タオファさんはどうなるか。どう見ても彼女自身ネタ切れな感じはするが

133 :
>>129
新年早々お疲れ様、と言いたいところだが。
いいか?一つ念を押させてくれ。
長編を書いてる時に陥りやすいのが、自分の作品への思い入れが深まり過ぎてしまうという状況でな。
そこから生まれるのが自分の作品をただの悪堕ち物ではない、余韻有る印象深いものしたいという欲望な訳だ。
これが筆を曇らせるのだよ。
よーくよく自らの文章を省み給え。ここで必要とされてるのが何なのか。
その上でオチとやらを作りなさい。失望させてくれるなよ。

134 :
スレ投下用の長編SSって、スレ違いにならないように毎part求められている
要素を入れないといけないのが難しいところよね

135 :
ここを練習場化されないための最低限のルールだからな

136 :
まあ待て、俺の長編SSも初回はスレタイのスーツ破壊でも何でもなかったぞ
こういうのはタメが大切なんだ、タメが

137 :
>>136
レッドトルネードの人ですか?
しかし、>>129は主人公格がとっくに堕ちた後だったりもするからなぁ(過去作より)
新参には確かに、は?ってなってしかりとは思うから一言かいてもいいかと

138 :
>>137
おお、読んでくれてる人がいたんだ、有難う
おまいの言う通り、長文投下の最後には「悪堕ちでも何でもないですが…」と記しておくと良かったかも

139 :
「猟血〜」は、前回の南天北天(外伝じゃなくて本編のほう)もちょっと怪しかったが、まだティオの人狼化・手先化があっただけマシだった。
けど今回のタオファ編は全編通して蛇足感がひどい。
既に吸血鬼化してるニースが再度操られても正直ピンとこないし、最後のティオの変身でギリギリ体裁を保ってるかも、という程度の印象しか持てない。
これが個人サイトなりpixivなりでの連載なら、まあこういう展開もアリか、と思ったろうけど
ここで読む以上は肩すかしを食らった気分が拭えないな。

140 :
過程があっての悪堕ちだからとはいっても・・・

141 :
https://twitter.com/chebu_o/status/286761290351906817/photo/1/large

142 :
プリキュアのスタッフさんいつもありがとうやで

143 :
これだけ毎シリーズ徹底しているとやはり性癖なんだろうか…

144 :
相変わらず上から目線からの批評()大杉

145 :
魔物化&凶暴化は広義での悪堕ちではないのか?
ちょっと厳しすぎるぞ

146 :
コレは楽しみ
薄い本が渋るな

147 :
>>145
だって前回やってるし
今回の本筋とあんまり関係ないし

148 :

一方、ティオとニースの同士討ちの間隙をぬって何とか村から脱出できたタオファは傷口の応急手当てをした後癇癪を爆発させていた。
「ざーけんじゃねぇーっ!!何が簡単な仕事だってんだぁ!!
あのバカの言うことをほいほい聞いたせいで、屍鬼は全部やられて腕まで失くしちまったよ!!」
あまり大きな声を出すとニースたちに届いてしまうのではないか、なんてことを考える心の余裕なんてない。
なにしろ2本しかない大事な腕を一本吹っ飛ばされてしまったのだから。
「してやる!してやる!!ティオもニースも吸血鬼のガキ共も、全員纏めてぶっしてやる!!」
もう強力な手駒が増えるとか貴重な素材だとか、そんなことはどうでもいい。四肢を八つ裂きのバラバラにして屍鬼に全身食いちぎらせながらじわじわと命を奪うくらいのことをしないとこの気持ちは収まりそうにない。
「見てろよティオ、ニース!てめえらの首は絶対この私が獲ってやる!この腕の恨み、万倍にもして返してやるからな!!」
そうと決めたらさっそく戦力の補充をしなければならない。
まずは全滅してしまった屍鬼軍団を再生させるために生きのよく優れた肉体を持つ体を集め直さないといけない。
身体能力ばかりで脳みその足らないバカを騙すのは訳ないからその辺は数週間もあればある程度の数は揃うが、問題はあの二人をどうやって嵌めるか。
今度はさすがに警戒してくるだろうから、もっと手の込んだ……
などとタオファがいかにしてティオとニースをすかの算段を立てている、その時
「……何をやっているんだ、お前は……。依頼もこなせずに逃げ出すなんて、前金も渡しているんだからきちんと仕事をしてほしいな」」
タオファの前に、歳は二十歳に届くか届かないかというくらいの美青年が現れた。
「お前は……」
その青年を見てタオファの顔は一気に強張った。
この青年こそタオファにティオの抹を依頼した張本人であり、タオファが散々な目にあう原因になった男なのだ。
タオファは依頼主の尊大な態度に少し収まった怒りが一気に吹き出し、怒りに肩を震わせながら青年に詰め寄った。
「あのねぇ……、なにが人間一匹狩るだけの簡単な依頼よ!何が寝ていてもできるような楽な仕事よ!
その口車に乗ったおかげで私は手駒をすべてなくし、挙句に腕まで失くしちゃったのよ!見なさいよオラァ!!」
タオファはぎゃんぎゃんと捲し立てながら肘から先がなくなった右腕を突き出した。
「これはこれは……随分と派手に斬られたもんだ。しかし、あの人間が剣の使い手だと言うのは教えていたはずだけど……」
青年の口調はタオファが油断しすぎていたのではないかという嗜めの色がこもっている。が、タオファはそんな青年の態度にマジ切れし、残った左手で襟首を掴みあげた。
「んなのはわかってんだよ!でも貴様、ティオが狼女だなんてこと、一言も言ってなかったじゃねぇか!!」
「狼、女……?」
その一言は青年にとっても予想外だったようで、初めて青年の顔に動揺の色が走った。
「そ、そうなのか……それはすまなかった。しかし、人狼とは……」
「今更謝っているんじゃねえ!ただの人間と聞いていたからそれに対する策を持っていったらご覧のありさまだよ!!」
タオファは青年を絞すくらいの勢いで襟首を掴み取っていたが、悲しいかな片手では勢いだけで決して絞めすまでには至らない。
「あいつらは絶対に許さない!!ティオもニースも、みんな纏めてぶっしてやる!私の腕を取った報いを、思い知らせてやる!!」
「ち、ちょっと待った!僕の依頼はティオ・スダートのみの抹だぞ!他にせとは一言も言っていない!」
ティオだけでなくニースもすと聞き、青年は慌ててタオファに語りかけた。がタオファはすでに聞く耳をもってはいない。それだけ二人への恨みは深いものがあった。
「うるせぇ!!お前は良くても私は良くないんだ!もうあいつらがバラバラのグチャグチャになるところを見ないと、どうにも収まりはしないんだよ!!
『吸血鬼』の貴様に人間様の考えなんかわかる訳ないんだから引っ込んでろ!!」

149 :
そう、この青年は吸血鬼だった。闇夜に光る赤い瞳。血が通っているとは言い難い白蝋色の肌。どれをとっても人間のものではない。
タオファは依頼人がどんな種族というのはあまり考慮に入れていない。人間だろうと怪物だろうと体だろうと、金を払ってくれるのがいい依頼人であり金を踏み倒すのが悪い依頼人なのだ。
「わかったらさっさと帰れ!ティオ以外の奴は報酬なしのサービスでしてやるからさ!!」
タオファは襟から手を外すと吸血鬼をドン、と突き飛ばした。もうこんな奴に関わっている時間すら勿体ない。早く手勢を増やし、あの連中を葬る算段を考えなくてはいけないのだ。
が、突き飛ばされたはずの吸血鬼は目の前から吹っ飛んでいかない。変わらずタオファの眼前に相対している。
その時タオファは気が付いた。自分の左腕が吸血鬼にがっちりと掴まれていることを。
「っ?!何しているんだバカ野郎!お前にはもう用はないってんだよ!」
勝手に手を掴まれたことにタオファはイラつきながら吸血鬼の手を振りほどこうとした。が、吸血鬼は放すどころかますます力を込めて掴みかかっており痛さで手が痺れてくるくらいだ。
「あぅっ…!ちょっ、いたいっ……。手を離し……て?」
これはさすがにただ事じゃないとタオファは少しばかり冷静さを取り戻して吸血鬼に頼み込んだが、吸血鬼の顔を見てタオファはギョッとなった。
吸血鬼はなぜか怒りに怒っており、夜の闇にもはっきりとわかる赤く輝く目でタオファを睨みつけてきていた。
「え……?!」
「誰がティオ・スダート以外の者をせと言った。言われたことすらきちんとできない癖に余計なことをしようとするな」
先ほどまでの小馬鹿にしている雰囲気はあっても少なくとも礼儀は心得ていた姿とは打って変わって、吸血鬼は高圧的な態度でタオファに接してきている。
一体何が吸血鬼の逆鱗に触れたのかが全く分からないが、今の吸血鬼からは明らかにタオファに対する敵意に満ち溢れている。
「ち、ちょっと待って……!なんでそんなに怒ってるの……?私、あんたに何かした……」
「黙れ。口先だけで何の役にも立たないお前のような屑がニースをそうとするなど許されると思っているのか」
え?なにそれ。なんであんたが私がニースをすのを許さないのよ……、と理不尽極まりない吸血鬼の主張にタオファが当惑しきっているその時、吸血鬼の残っていた左手がタオファの顔面を鷲掴みにしてきた。
顔面一杯が凍るような冷たさの掌に覆われ、タオファは何をするのよ!と吸血鬼に怒鳴りつけようとしたが、それよりも早く吸血鬼の親指と小指がタオファのこめかみにずぐり、と突き刺さってきた。
「ぎぃっ?!」
脳天を抉られるような痛みにタオファは背筋をビクンッ!と震わせたが、まだこれは障りに過ぎなかった。
吸血鬼の指が穿たれたところがカッと燃えるように熱くなっていき、逆に体からはどんどんと熱が奪われていくような感覚が全身に走っていく。
(こ、これって……まさか、吸血されて、いる……?!)
そうタオファが思うのも無理はない。タオファが奪われている熱だと感じているものは間違いなくタオファの生気であり、生気が奪われていくにつれ全身から力も抜けていくのが実感できている。
だが、こめかみからは一滴の血も流れ出てはおらず血が奪われているという感じもない。
というか、血を吸われているならむしろタオファの思うつぼなのだ。
タオファの血は体を使役する力があり、迂闊に血を飲んだりしてしまったら血の虜になって逆にタオファに支配されてしまう。そう、先ほどまでのニースのように。
ところがこの吸血鬼はタオファの体に触れているだけで直接血は吸っていないのにタオファの体から生気をどんどん奪っている。
しかもそれだけではない。体から抜けていく生気を埋めるかのように吸血鬼の指からどす黒い吸血鬼の鬼気が流れ込んできている。
もしこのまま生気をすべて抜かれ吸血鬼の鬼気にすり替えられたらタオファも吸血鬼と化してしまうのは間違いない。
実際、タオファの顔色はどんどんと血色を失い顔から首、首から胸へと範囲を広げていっている。
「な、なにをしやがりますか……や、やめ……!」
吸血されない吸血の恐怖にタオファは切羽詰った叫び声をあげ吸血鬼の掌をなんとか顔面からはがそうと試みる。

150 :
が、左手は抑えられ右手は失っている以上体を揺するとか吸血鬼を蹴り飛ばすくらいしかなく、その程度の抵抗で吸血鬼を引きはがすことは出来なかった。
(あ、ああぁ……。このままじゃまずい。まずい、のに……)
最初のほうこそじたばたともがき抵抗していたタオファだったが、生気が抜けていくに従いその抵抗も弱くなり声にも力がなくなると同時に艶っぽいものが増えていく。
掌の下から僅かに見える口元は歓喜に綻び、とめどない涎が滴り落ちてきている。
吸血鬼へ抵抗する心や吸血への嫌悪感は見る見るうちに消え失せ、自分の全てを吸血鬼に捧げたいといった従属の心が爆発的に広がっていく。
それに抵抗しなければという思いもあるにはあったのだが、強烈な吸精による脱力感が抵抗を実行しようとする気持ちをあっという間に萎えさせ、気が付けばそんな思いは圧倒的な快感の前に掻き消されていった。
「あぁ……や、やめ……
やめ、ないでぇ……」
そしてついにタオファから吸血を求める言葉が飛び出し、爪先まで血の気が抜けた四肢を吸血鬼に絡めてより深く吸血鬼を感じ取ろうとしてくる。
その四肢もやがて力なくだらりと垂れ、『彼』が掌を離すとタオファはその場にどさりと崩れ落ちた。
「……結構遊んでいるみたいであまり美味くはなかったな……。まあ、食べるのが目的じゃないから贅沢は言わないけどな……
ほら起きろ。そして、あの村で起こったことを仔細漏らさず詳しく教えるんだ」
吸血鬼はタオファを掴んでいた手を汚いものでも払うかのようにブンブンと払うと倒れているタオファに語りかけ、その声に反応したタオファはゆっくりと腰を上げて吸血鬼を赤く潤んだ瞳で見上げた。
「……承知いたしました。ご主人様」
吸血鬼にニイッと媚びた笑みを浮かべるタオファの口元からは、生えたばかりの真っ白な牙が伸びていた。

「なるほど……。しかし、意外だったな……。まさかあいつが使い魔を作っているなんて……」
自分の下僕と化したタオファから事の顛末を聞き、『彼』は妙に晴れやかな顔をしていた。
「てっきりニースがあのティオ・スダートに使役されていると思っていたのに、ティオ・スダートのほうがニースの使い魔だったとは。いや意外意外」
吸血鬼であるニースが人間に扱われているのが癪だから『彼』はティオをすように依頼したのだが、どうやら早とちりをしていたようだった。
普通人間と吸血鬼が一緒にいて、且つ人間が人間のままでいる状態を見れば人間が吸血鬼を何らかの方法で使役していると考えるのが普通だ。
もし吸血鬼が主導権を持っていれば人間が人間のままでいるはずがないのだから。
が、タオファの言い分が正しいとしたらニースはティオを使い魔にして自分を護らせていると考えるのが妥当だ。普段は主従の関係には見えないのは多分ニースの趣味なのだろう。
「しかし、あいつも使い魔を作れるくらいに力を増したのか。アレからそんなに時は立っていないというのに……」
今でも思い出す。追いつめられたニースが怯え、竦み、立ち尽くしていた姿。その白い腕を掴み牙を突き刺した感触。
血を吸い上げたときの恍惚の笑み。腕を回して『もっと吸って』とせがんだ甘い声……
あれからもう幾らになるだろう。吸い足りないからあの時には吸血鬼化は出来なかったが、なにかのきっかけで無事吸血鬼に生まれ変わることは出来たようだ。
しかも人間を使い魔に出来るほどの力を得て。
「やっぱあいつには素質があったようだね。あの時あいつだけはさないでおいて正解だったよ」
元々、ニースが使役されていると思って癪に障ったからティオの抹を思いついたわけで、ニースが束縛されてないとわかったからにはティオをす道理はない。
もっとも、ティオがニースの使い魔だと思っている時点で『彼』は酷い誤解をしているのだが、そこに気付くことは今の『彼』には出来なかった。
「さて、じゃあご主人様の元に戻ろうかな。ご主人様の元にニースを連れて行くわけにはいかないし……」
『彼』を下僕にした親吸血鬼は女の吸血鬼が嫌いで、もしニースを連れて行こうものなら問答無用で滅ぼしてしまうだろう。それではニースを助けようとした意味がない。
「じゃあね、ニース……可愛い妹に夜の祝福があらんことを」
そう言い残し『彼』、吸血鬼アルムはタオファと共に夜の闇に消えていった。

151 :
…女吸血鬼嫌いの主人の元になぜ吸血鬼化したタオファを連れていくのか。
それはもちろんニースをそうとしたタオファにの恐怖を改めて与えるためだ。
主人であるアルムがどんなし方をしようともタオファは悦んでそれを迎え入れるだろう。
それではだめだ。妹を滅ぼそうとしたゴミ屑にはこの世に生まれてきたことを後悔させるくらいの恐怖を与えななければならない。
ご主人様ならそれをタオファに与えてくれることができる。
「うふふ〜〜ご主人様、タオファは永遠にご主人様の下に付いていきますねぇ〜〜」
顔を紅潮させて後をついてくる下僕に、アルムは顔色一つ変えず振り向きもしないで丁重に無視した。
どうせすぐにいなくなる下僕だ。気に掛ける時間も勿体ない。

「話は分かったわ……。つまりタオファさんは……いえタオファは最初から私をすつもりで接触してきたってことね……」
ニースから事の次第を聞き、ティオは自分の不明さと迂闊さに臍を噛んでいた。
あの笑顔と態度にころっと騙され、自分もニースも危機に陥らせてしまったのはティオ一世一代の不覚と言わざるを得ない。
ただ、何故自分が狙われるのか。その点だけはさっぱりと分からなかった。
もし『狩人』が吸血鬼を匿っている自分に制裁を加えるためにタオファを寄越したならばこんな回りくどい真似はしないだろうし、なによりニースに手を付けてこないはずがない。
が、ニースの言う限りにはタオファの目的はあくまでもティオのみであってニースは含まれていないとのことだ。
だとすると、タオファは一体誰に頼まれて自分をしに来たのか、全く見当がつかない。
「ま、タオファが私を狙っている以上また私たちの前に現れるでしょうから、その時に分かるかもしれないわね。しかし……」
そこまで言って、ティオは自分の腰をちらりと見た。
そこにはふさふさの金色の尻尾が人狼になった影響からかいつもよりさらに毛量を増してもっさりと伸びている。
「まさか私、また人狼になるなんて……全然覚えていないわ……」
ティオには自分が人狼になってタオファや屍鬼を圧倒したときの記憶が全く残っていなかった。
何しろ意識を取り戻したとき自分が真っ裸で一瞬パニックになり、さらに立派になった尻尾をみて卒倒しかけたのだ。
ニースに説明を受けてなんとか納得はしたものの、自分が知らないうちに人狼になってしまったというのはあまり気持ちの良いものではない。
ちなみに今はニースが着ていた屍鬼用の袖長の東方風の服を着込んでいる。ニースに丈を合わせているので多少つんつるてんであり、スカートではないので収まりが悪い尻尾は腰を緩めて外に出している。
「で、でもまあそのおかげでタオファも逃げたんだから万事オッケー。今回ばかりはね……!」
そう、今回ばかりはティオに残された人狼の残滓に感謝するほかはない。あれがなかったら間違いなくティオはに、ニースはあの憎ったらしいタオファの傀儡になってしまっていたのだから。
とはいえ、それはあくまでも特殊な状況なわけで、出来ることならあの忌々しい尻尾を取って元のきれいな血のティオに戻ってほしいのがニースの本音だ。
そのためにはあの吸血鬼兄妹、アレクサウスとアルマナウスを滅ぼさねばならない。
(……クソガキ吸血鬼め、感謝するのは今回だけよ……)
アレクサウスとアルマナウスにはティオだけでなくリオン、アンナにかけられた人形の呪いもかけられた恨みがある。
今回リオンたちから自分の血を大量に浴びせれば一時的に吸血鬼の姿に戻れるということは聞いたが、一時的にしか戻れないというなら痛い思いをするだけで全然割に合わない。
そして、タオファを雇った謎の敵。こっちは正体も目的も見えないだけにアレクサウスたち以上に油断が出来ない。
(くそっ、ティオちゃんを他の奴に奪われたりされてたまるものか。
ティオちゃんは私のものだ。ティオちゃんの体も心も血も、全部全部私ひとりのものなんだから……)
ティオを奪われまいとする妄念が悶々と湧き上がり、ニースの顔は自然と険しくなる。その時

152 :
「あぅっ……」
突然ティオが苦痛の悲鳴を上げ、くたくたと腰から崩れ落ちた。
「えっ?!ティ、ティティオちゃんんん?!」
突然体調を崩したティオにニースはただでさえ悪い顔色をさらに血相変えてティオに飛びついた。
もしかしたら人狼化の後遺症で体のどこかに不調が出ているのか、それともタオファが自分が知らないところでティオちゃんに何らかのちょっかいを出していたのか。
とにかく、せっかく危機を脱したというのにここでティオに倒れられてしまってはなんの意味もない。
「どうしたの!ティオちゃん、ティオちゃん!!」
「あ、頭が……」
腰砕けになったティオは額を片手で押さえながら苦しそうに顔を歪めている。その痛みは相当なようで脂汗がじくじくと滲み出し顔色も真っ青になっている。
「頭?頭が痛いの?!ティオちゃん!!」
「………」
ニースの悲鳴に近い問いかけにティオは応えるそぶりも見せない。そうする余裕もないのだろう。
(なんで?なんでなんでなんで?!もう大丈夫だと思ったのに、なんでティオちゃんが……頭に……)
頭?
その時ニースはふと思い出した。
さっき、幸せそうに眠るティオの頭に一発頭突きをかましたことを。
「あ……」
まさかもしやと思い、ニースはティオの手を掴み額から放すと、そこには大きく真っ赤に腫れたこぶが一つ出来ていた。
「頭、すごく痛い……。私、人狼になっていた時にどこかに思い切りぶつかったのかしら……」
「あ、ああぁ……うん、そうだよ。きっとそうに違いないよアハハ」
(ち、ちょっと強く打ちすぎたかな……?でも、あの何も知らずに寝ているティオちゃん見ていたらなんか無性に腹が立っちゃったし……)
まさか自分がしたなどとは言えるはずもなく、ニースは顔をひきつらせながらティオに悟られないように相槌を打っていた。
「すぐにここから出ようと思ったけど……ちょっと気分が悪すぎるわ……。しばらく横になるね……」
顔を真っ青にしたティオはそのまま横になり、あっという間もなくスゥッと寝入ってしまった。
人狼から人間に戻った際に寝ていたとはいえ、考えてみれば朝から歩き通しとリビングデッドと終わりのない戦いを繰り広げ、挙句一晩中駆けずり回ったうえ変身までしたのだ。
ニースの頭突きだけが原因ではなく疲労そのものも限界に来ていたのだろう。
ニースはそう結論付け、自分のせいだけじゃないと思い込むことにした。
これでやっと一安心……と思った時
「……お腹すいた」
ニースは無性に空腹を感じてきた。
そういえば疲れているのはティオだけではない。ニースも日中ティオと共に駆けずり回り、タオファとの戦いで大量に血を流したり人狼のティオと本気でバトルして来たりしたのだ。
これまでは緊張や怒り、はたまた操られていたことで自我が薄れていたりでそんなことを思う余裕はなかったのだが、こうして落ち着くと一気に他の欲望が顔を覗かせてくる。
「………」
ニースの前には無防備にティオが横になっている。その真っ白な喉首がちらりと晒され嫌でもニースの目に入り込んでくる。
その艶やかな姿についニースは喉を鳴らし、するすると腰を落としてティオの喉へと顔を近づけていく。
「ティ、ティオちゃん……?」

153 :
耳元でティオは全く起きる気配を見せない。いくら知っている仲とはいえ吸血鬼の前でここまで無警戒に寝られるのは迂闊というか大胆というか。
とにかくティオが目を覚まそうにないことでニースの吸血衝動もムラムラと大きくなっていく。
(す、少しだけなら。少しだけなら……)
その肌に牙を突き立てても疲労の極みにあるティオは起きないかもしれない。起きはしないがその体は吸血に反応しあられもない姿を晒すことになる。
意識のないまま吸血の快楽に悶えるティオを想像するとそれだけでニースの気分は昂ぶってくる。
「い、いいよね……。いいよねティオちゃん……!」
ティオの返事がないことは分かっているがニースは形だけティオに問いかけ、返事がないのをいいことにその牙をティオの喉元へと近づけていく。
その眼は欲望で薄暗い部屋全体を照らすぐらいに真っ赤に輝き、真っ白な牙はぎりぎりと音を立てて伸び鋭さを増していっている。
そして、その先が今にもティオの肌に触れそうになった、が
「……ダメ。抑えろ自分……!」
ニースは湧き上がる吸血衝動を必に抑え、乾きかけの糊をはがすかのようにゆっくりと未練たらたらにティオの首から口を離した。
今までニースはティオから血を貰うときは必ずティオの傷口から吸っており、直接牙を立てて吸ったことはない。
直接吸うときは、それはティオが自らの意思で吸血鬼となることを求めニースに喉首を晒す時と決めている。
それまでは決して牙を立てないと決めているのだ。いくら疲れて意志が弱まり吸血の本能が先走ろうとも、それだけは絶対に破るわけにはいかない。
「……ふぅっ……。全く、罪な女だよティオちゃんは……」
何とか吸血衝動を心の奥に仕舞いこんでニースは一息を付き、くぅくぅと静かな寝息を立てるティオの顔を覗き込んだ。
どうせ日が暮れるまでここから出たくもない。なら夜までティオと一緒に寝ていよう。
「おやすみ、ティオちゃん……」
ニースは牙を立てる代わりにティオの額に軽くキスをしてそのまま横になり、そのまま瞼を閉じた。

第14回終

以上
長々と本当に失礼いたしました

154 :
ご苦労さん。
何と言うか君が復讐や純愛をテーマにした吸血鬼ロマンを書きたいと言う事はよくわかったよ。
俺はそう言った物に悪を感じる事は出来ないが、共感してもらえる人が見つかると良いな。

155 :

タオファはやっぱりあっさりんだかー
しかしタオファ堕ちがあったのはありがたい。ナイスアルム
なんだか兄の妹を堕とすフラグが微妙になった感じはしたけど信じていいんですよね?

156 :
なんという二次元エンド

157 :
ttp://subcultureblog.blog114.fc2.com/blog-entry-9830.html
プリキュア悪墜ちくるー?

158 :
>>157
ニセモノパターンっしょ

159 :
偽者確定
ttp://beebee2see.appspot.com/i/azuY08vUBww.jpg

160 :
なんか賛否両論(否多め)だけど俺は好きだよ
このままの路線でいいと思う
しかし作者メンタルつえ〜www

161 :
ニセモノなのは仕方ないが多分中の人も同じだろうから妄想で補えばおk

162 :
>>153
ご苦労様です。
過去作と一緒に読むとします。獣化は至上、堕ちはロマン、最高っにテンション上がります。
とりあえず酷評する連中にはぶどうをプレゼント^^

163 :
>>162
>ぶどう
食った上で酸っぱいって言ってるつもりだが。
あと獣化堕ちならこのシリーズの前回分のほうがもっと充実してるよ。これから読むというならどうぞ楽しんでおいで。

164 :
>>163
あ、いや、違うんだ。
>>153の過去作ネタなんだ、失礼しました。

165 :
別人設定は萌えないなー
外れないイヤリング(ピアス)を強制的に付けられ徐々に心が闇に堕ちていくSSはよ

166 :
プリリズは今年も前シリーズヒロインが絶賛洗脳中
前回は争うの良くないって言ってたのに
今回は邪魔する人は排除するとか言っちゃっててますます悪化してる
結局今週、負けたらお前らも俺のもの的条件で助けに来た味方を
あっさり返り討ちにして連れてっちゃったし…
あの呪いのドレスを全員に着せちゃえばいいんじゃないかな
ttp://live2.ch/jlab-tv/2/k/s/tv1357347874192.jpg
ttp://pa.dip.jp/jlab/a1/s/pa1357347982896.jpg
ttp://aug.2chan.net/dec/18/src/1357348516171.jpg
ttp://aug.2chan.net/dec/18/src/1357348579004.jpg
ttp://pa.dip.jp/jlab/a1/s/pa1357348582065.jpg

167 :
プリティーリズムはここで話題に上がってから見はじめたけど
設定からしてチョン推し全開ってのがどうも…

168 :
てか正直前作見てないからピンと来ない

169 :
大丈夫前作見ててもピンと来ない

170 :
ちょっとワロタ
観た事ないけどw

171 :
悪堕ちって下手に堕ちENDにしちゃうと俺たちの戦いはこれからだな打ち切り臭がするのは何でなんだろう。

172 :
デビチルL&Dェ・・・

173 :
あれで活躍してくれれば良かったものを・・・

174 :2013/01/05
>俺が神になる
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