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2012年07月中国英雄60: ●● 売国奴? 秦檜 ●● (311)
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●● 売国奴? 秦檜 ●●
- 1 :2007/01/04 〜 最終レス :2012/07/22
-
長らく売国奴の扱いを受けて蔑まれてきたが、最近では評価を見直す動きもある南宋の宰相秦檜。
本当のところは、どんな人物だったのでしょうか?
「秦檜」
日本語版
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%A6%E6%AA%9C
中国語版
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%A6%E6%A1%A7
- 2 :
- とりあえず、>>1が一番悪い。以上。
- 3 :
- 李卓吾にすら弁護されてない。
- 4 :
- 共犯と言うか黒幕の>>1に汚名を全部負わされてしまったような印象を受ける。
>>3
それはきついな。
- 5 :
- 実際のところ、この人は金に内通していたのかな?
岳飛の処刑については、宋朝の伝統的な軍閥解体策も背景にありそうだし。
- 6 :
- 軍閥を解体するのに、個人を「」というところに、実行犯および黒幕たちのえげつなさがある。
軍閥の解体は過去の乱世期にもあったし、むろん殺しもあった。
その多くは皇帝などの武力討伐だったりするわけで、無抵抗な個人を権力をもって嬲りのは、普通に非人道的な行い。
秦檜だけが特に、というわけではないが、比較的開明政策な宋にあっては黒い一点の染みのごとく目立つ。
- 7 :
- 高宗の負の面を一身に引き受けた人。
- 8 :
- ずっと売国奴の代名詞にされて、民衆から罵られ続け、
唾を吐きかけられ、小便を引っかけられてきたんだから、
もう十分に報いは受けただろう。
そろそろ評価を見直してやってもいい。
- 9 :
- 見直しても単なる卑劣漢だからどうしようもない。
- 10 :
- 秦檜の子孫って残っているのかな?
いたら、かなり居た堪れないと思うが。
- 11 :
- 秦檜の一族は、秦檜死後に追放されたんじゃなかったっけ?
- 12 :
- 政権からは追放されたけど。
なにも族滅されたわけじゃない。
- 13 :
- 戦争を終わらせて空前の経済大国を造り上げる下地をこしらえ、
皇帝の意向である軍閥解散命令に従わなかった反逆者の芽を摘み、
基本的には民衆に直接害を及ぼすことがなかった。
まさに最低最悪、救いようの無い悪党だな。
- 14 :
- >>10
あれだけ、世間的に悪役にされちゃったら、
祖先の名を隠すだろうね。
- 15 :
- >>13 金国への多額な歳幣の元手を民衆に課した。 という最高の功績が抜けているじゃまいか!
- 16 :
- >>14
岳飛の子孫で、清代に武官になった者がいるけど、
こちらの場合は、ちょっと誇らしげな感じだろう。
- 17 :
- >>16
でもさ、抗金の英雄の子孫が清(後金)に仕えるってのも
何か皮肉だよね。
- 18 :
- それが公瑾の子孫だったらもう完璧
- 19 :
- 愛国正義の英雄 岳飛
最低最悪の売国奴 秦檜
の構図は、今に至っても武侠小説世界に格好のネタを提供
- 20 :
- >>1も汚名の半分は肩代わりしてやるべき。
>>1の意を受けて、秦檜は動いたんだろうし。
- 21 :
- 虚偽浅慮無謀の「英雄」 岳飛
冤罪の真の愛国者 秦檜
- 22 :
- ところで、秦檜って、奸臣によくあるような不正蓄財はしていたのかな?
賄賂をがっぽり取って金銀財宝をたくさん隠し持っていたような。
このへんは評価に関わる重要な部分だと思うんだけど。
- 23 :
- うーん、岳飛は野に降りた後も兵を養っていたからなぁ(岳飛贔屓に言わせると人望があったから勝手についてきただけ、となるが)
電撃逮捕と苛烈な処罰がなければ内乱になってたんじゃないの?
軍閥解体で政権を安定させる事は南宋の命題だったわけで
- 24 :
- 岳中麒は岳飛の子孫であること、小説家のほら吹き話らしいだけど
何百年前の親なんかはっきり覚えていること信じられない
- 25 :
- >>23
もともとが私兵じゃなかった?
- 26 :
- 私兵なら韓世忠や張俊の軍勢も同じでしょ
やっぱり国軍に組み込んでもらうべきだったんだよ
政府の方針に反して下野した人間が軍事力持ってりゃ警戒される
日本でも時代は違うが西郷隆盛の例がある
- 27 :
- 張・韓の場合は同じ私兵でも将官は高宗に即位前から付き従っていた実績が
あり、抗金戦争でも朝廷の言うことをよく聞いていた。
朝廷が劉光世の軍閥を解体するときに失敗して副将が軍と共に敵に投降する
不祥事があったが、その再来を極度に恐れて岳飛とその軍閥に対して
苛烈になったというのが真相だと思う。
- 28 :
- 四川の呉氏軍閥はどうなんやろう
- 29 :
- >>28
呉氏の軍は元来は対西夏戦に備えて配置されていた北宋正規軍。そしてその
将校は正規の軍人。信用については5大軍閥中最高だった。
それに呉カイ・呉リンと並び称されることが多いが、呉カイ存命中は
呉リンは他の副将と同格。事実呉カイ死後
最後の戦いで四川方面軍の総指揮を執ったのは胡世将だった。
戦後かなり経って呉リンが四川宣撫使と
なることで事実上呉氏軍閥が開始されたと考えることも可能。
四川方面軍に私兵的要素は皆無と言ってよい。
- 30 :
- そうや呉兄弟って甘粛の方の出身だよね。
- 31 :
- 秦檜は金が異姓の傀儡王朝を作るのに公然と反対した硬骨漢
宋への忠心は確かだった
ただ路線の違いが岳飛との運命をわけてしまった
固有の武力を持たない文官が武官を抑えるために酷吏を使うというありふれた例の一つ
- 32 :
- 靖康の変で、大楚皇帝に反対したから、
金に連れ去られる羽目になったんだよね、この人は。
大楚皇帝も可哀想な人だが。
- 33 :
- 張邦昌、説岳で極悪に描かれていてカワイソスw
- 34 :
- 民と宋歴代の陵墓を守った忠臣なのにねぇ
皇帝すら金の命令に服従して連れ去られる中、違命を受けたとかいわれても……
- 35 :
- 李綱とかはものすごい正義の人って描かれ方だよな。
- 36 :
- 岳飛は好きなんだが、李鋼はダメだ。
主戦派という論調で見た場合、岳飛は実力が伴うが、李鋼は口だけ。
戦中の日本陸軍か現在の愛国心を強調しているヤツラと同じにおいがする。
- 37 :
- 岳飛が日本で流行らないのは、そういう漢民族マンセーが強烈過ぎるからか?
- 38 :
- 人從宋後羞名檜,我到墳前愧姓秦
- 39 :
- そもそもの間違いは岳飛が出てくる話で最初に読んだのが田中芳樹の「岳飛」だったこと
本当に時間の無駄
岳飛のどこが偉いのかさっぱりわからない、はっきり言って鼻つまみものにしか見えない
史実の岳飛云々以前に「岳飛」の名のつくものにマイナスイメージが定着してなかなか抜けない
- 40 :
- 39
田中芳樹の「岳飛」→田中芳樹の「岳飛伝」に訂正
- 41 :
- 日本人に岳飛を紹介するのに、説岳をそのまま持って来るのはあまりよくない。
中国の古典なんだし、当然漢民族の嗜好に合わせた内容。
三国志だって、三国演義そのままじゃなくて、
吉川英治がオリジナルの三国志に改編したから、あれだけ人気が出た。
だから田中芳樹も説岳を基に、日本人の嗜好に合わせた面白い物語にして、
売り出すべきだった。
田中芳樹にできるかどうかは別として。
- 42 :
- >>41
そうか?これまで岳飛モノの翻訳したものがなかったんだから
まずは原典直訳を考えるのは不自然じゃないと思う。
- 43 :
- >>42
原典に忠実に訳してれば、また評価は違ったと思うよ。
中途半端に手を加えてるから、評価も中途半端になってる。
- 44 :
- ここは一つ北方謙三に岳飛を書いてもらおう
ハードボイルド秦檜… イカスぜ
- 45 :
- 岳飛とか秦檜より韓世忠の方が主人公としては無難で日本人好みになる。
軍閥間は不仲と史書に書かれている中でも他のみんなと比較的仲良かったし、
朝廷の言うとこはよく聞くし、終わりもいいから紹興の和約でハッピーエンド
にすることもできる。
岳飛伝は史実で病死だった宗弼や張俊をわざわざ変な死に方を用意したり、
釈然としない。そこまでしなくてもと思う。
特に父親を殺した曹寧の結末は後味悪杉。岳飛の死後に、岳飛の仇敵の遺子が
岳飛の遺族を厚遇して父親のことはスッパリと水に流していい人として描かれているところと
比べると明らかに釣り合いがとれてないし。
- 46 :
- 秦檜は良い奴だったよ
- 47 :
- 岳飛はどうも他の武将と折り合いが悪かったみたいだな。
性格的に問題があったんだろう。
- 48 :
- 主人公にするとDQN扱いされてウケないだろうね、日本じゃ
準主役にすれば映えるだろう
- 49 :
- むしろ秦檜は最近でいる汪兆名のような立場じゃないのか?
俺は尊敬するけどなぁ。
- 50 :
- 岳飛は好きなんだがあのままなら亡国を招いていただろうなぁ
そこからすると秦檜は救国の志士ということになるか
タイムマシンがあったら是非話をしてみたい人物のひとり
そういえば自ら岳飛の末裔だという中国人女子中学生は祖先をとても誇りにしてたよ
- 51 :
- 日本人で近い武将は義経か真田雪村あたりかね
なんとなく近い路線でしょ
もし義経や雪村の子孫だったら誰でも誇るでそ
- 52 :
- それは先祖の美名に遠く及ばない自らを恥じることと裏返しのように思う。
- 53 :
- 誇るのと自慢するのは、ちょっと違う。
でも、歴史的に(いい方で)有名な先祖だったら、ちょっと嬉しい。
- 54 :
- >50
義経は本懐を遂げても身内(この場合は梶原と兄)にやられたような
もんだから微妙に違うかな。日本の場合いい意味で特別すぎて
その辺の中国人の感覚は理解がし辛いかも。
日本人の感覚だと清濁併せ持つ方が(勿論「清」のほうが強い方が)共感を得易い
だろうし。
- 55 :
- 今でもしょんべんかけられているのかな
- 56 :
- >>44
もう書いている。
北方水滸伝・楊令伝を語ろう 第十九章
http://book4.2ch.net/test/read.cgi/books/1174951291/
- 57 :
- 岳飛が政府にとって迷惑な存在で排斥すべき人だとは思うんだよね
ただ、他にやり方はなかったのか
秦檜ひとりが汚名を被る形になってしまったでしょ
- 58 :
- 言論をもって士大夫を殺さず、が宋の国是
岳飛が科挙に通ってたら追放だけで済んだかもね
軍閥のボスだから生きている限り火種になる
- 59 :
- 秦檜も同じ売国奴なら、せめて桑維翰見習って、敵勢力を追い返せばよかったんだよ軍閥を利用して。
やることやってないで、他人を犠牲にだけしているから蔑まれるんだな。
- 60 :
- 読売新聞の調査によると、
【中国人大学生が好きな日本人】
@川端康成
A小平邦彦
B高倉健
C村上春樹
D黒澤明
E松下幸之助
E(同点)豊臣秀吉
G武田信玄
H浜崎あゆみ
H(同点)宮崎駿
【日本人大学生が好きな中国人】
@チャン・ツィイー
Aジャッキー・チェン
B孔子
C諸葛亮
D劉備
E曹操
F関羽
G毛沢東
H楊貴妃
I孫文
となったようだけど、もし日本側が、好きな中国人で秦檜を1位にしたら、
中国人はどう思うんだろう?w
- 61 :
- 素朴な疑問なんだが、なぜに秀吉がランクインしてるんだ?
明を攻めようとした男が
- 62 :
- 隣の9センチ属国と違って庶民から成り上がったことや数々の能力は認めてるらしい
あの国は優秀な人物は国籍を問わず尊敬するところがあるからな
- 63 :
- それと中国で、日本の戦国時代は、NHK大河ドラマの視聴や、
ゲームとかの影響だろうけど、そこそこ人気がある。
秀吉は日本の戦国時代では一、二を争う英雄だから、
自然と入ったんだろうと思う。
- 64 :
- 異民族でも皇帝になれる国だしな
秀吉だって十分な資格があったわけだ
それにチャレンジした精神を認めてるんだろ
政府はともかく知識のある中国人は反日少ないらしいし
- 65 :
- >>64
良識ある日本人に、反中が少ないのと似たようなもんか。
- 66 :
- 間違っても「中共の核だけは綺麗な核」とかほざくアフォが良識ある日本人とはいえないと思うがw
- 67 :
- ネット右翼は、もっと知的レベルを上げて欲しいとは思うが、
脳味噌がお花畑の人間を良識ある人物と言うのにも抵抗感があるw
- 68 :
- 親中は脳みそお花畑かもしらんが、反中でない=親中でもないしな。
なんにせよ、戦争回避の策は秦檜に見習って欲しいが、
だからといって、民衆「だけ」の負担には決してしないでもらいたいね。
今の日本で中国や韓国に腰砕け外交したら、怒り狂う人たち多いんじゃないのかね?
今もそなんもんか。
- 69 :
- つうか岳飛をそのままにしておいたら、靖難の変の時みたいに講和が成立して帰ろうとした金軍に勝手に攻撃かけて(奇襲自体は正規の作戦だったが抜け駆けとも)大失敗かましたヨウ仲平みたいなこと連発しかねないんじゃ?
- 70 :
- 靖康の変だね。
そんな失敗していたら、後世に馬鹿扱いされていただろうな。
- 71 :
- 岳飛がもし金を滅ぼして欽宗を救出していたら、
それこそ厄介な問題が持ち上がるな。
下手したら内乱が起きるし。
- 72 :
- いや岳飛じゃ絶対に金は滅ぼせないから、その心配はない
- 73 :
- それはどうだろうね
というか岳飛が結構強いのである程度河北攻めあがったら金は和睦の条件に欽宗を出してきそう
- 74 :
- 無理。岳飛だからって兵站や金軍に有利になる地勢の差まで克服できるはずもない
宋軍全般の善戦自体が防御的なものだったことを忘れちゃ駄目だ
- 75 :
- 岳飛が指揮すれば防御型の軍編成してる南宋が攻勢に出て金を滅ぼせるって
どんな架空戦記小説だよ
- 76 :
- 金朝の内乱に付け込むことはできなかったのかな?
初期の金朝はかなり内部がごたごたしていたでしょ。
- 77 :
- 防御主体の編成は孟キョウ以降だろ。
出来るかどうかはともかく、岳飛の頃なら戦略的な機動力は失われてはいない。
弱兵と言われる宋も、それ以前に指揮官が素人ばっかなのが問題なだけ。
アホ上司が無茶か馬鹿な命令しか出さないんじゃ士気も奮わんよ。
これはシビリアンコントロールの弊害と言うべきだろう。
朱温のような殺されるべき色魔がのさばり、本当の忠臣が冤罪で死ぬ。
ふざけた世の中だ。
- 78 :
- 指揮官が素人というよりも、指揮系統が分散されすぎているのが、北宋の制度なんだな。
有事の際っていうのは、特に個々人の能力の差が顕著に顕れ、やり手が兵という数の力を手にすることが往々にしてある。
そういうのを防ぐために、誰か一人に権限が集中しないように、同一の権限を持った役職を複数つくり、それぞれの合意で軍は進退したという。
それはつまり、軍としてのレスポンスの悪さに直結するわけだけど、本来最高司令官として皇帝があるはずだった。
皇帝の意思によって、軍は即座に反応することが望まれるのだけど、それは皇帝が親征して自らの意思で決定していくという、まぁかなりの現場能力が要求される制度ということになる。
最終的に、享楽になれた皇帝は親征しないものだから、軍の機能はのろまの亀状態だったわけ。
>>アホ上司が無茶か馬鹿な命令しか出さないんじゃ士気も奮わんよ
ということになる。
岳飛はそこで、当時最大のリーダーシップを発揮して、官軍ではない私兵をもって戦線に突入していた。
これは唐末からあった節度使とその元従牙兵と同じ構図なので、軍隊としてはかなり強力な結束とレスポンスをもっていた。
当然、指揮者たる岳飛の現場判断力とそれなりの視野と思考力があってこそだろう。
完顔宗弼が岳飛にどうしても勝てなくて、恐れて逃げ出したときが、開封を奪還する最大で最後のチャンスだったろう。
そこを政事的な理由から、秦檜に阻まれ目前の好機をみすみす逃したのが、職人岳飛としては腹に据えかねたのだろう。
勃興期でこれから充実を向かえる金を、南宋がこの時点で「滅ばす」のは無理だが、故地回復ならば、河北住民のゲリラとかとあいまって、可能性はあると思える。
かつて、契丹が華北を席巻したとき、最大の敵は旧王朝のレジスタンスだったわけだから、ありえなくはないと思う。
そういうのに乗っかって、有利な平和条約を結べば、秦檜も悪評を買わずにすんだのに、自己保身が優先したのだろうかね。
- 79 :
- 可能性の薄い希望的観測頼みで無理矢理北伐したらそのほうが異常
北伐したところで成功する見込みは無く、上手く占領できたとしてもその維持には莫大な兵と資源が必要
有利な和平というが、交渉の主導権は(欽宗の存在など政治的なものを含めて)金が持っていたという前提を全く無視している
出先の一軍のアドリブを過大評価しすぎ
- 80 :
- 海陵王が暴政の挙句殺された混乱期ですら、宋軍は多少北上するのがやっと
このときはそれこそ遼族らの大反乱が起こってたんだが、それでも宋はその程度
で、結局和約を多少緩やかな条件で結びなおすのが精々
岳飛に天地そのものをひっくり返す力でもあればそりゃ別だろうがね、彼だって普通の人間だよ?
- 81 :
- そりゃいろいろと条件は違うから、上のようなかつての成功がまたあるとは限らないが、開封奪還の好機であったのは、高い可能性をもっていたと思っている。
外交上、相手が欽宗や他の皇族を人質としているなら、戦勝あるいは相手が和平に傾いているときに、返還交渉を持ちかけることはできなかったのだろうか?
まず外交上で対等以上の関係を作ることが、外交のキモだと考えるが。
秦檜は、というより高宗の意を受けた秦檜は、取り返したいくらかの土地と毎年の歳幣を貢ぐことによって、早期に戦争終結を為したわけだけど、そのあたり裏の事情に自己保身が優先したのじゃないか、と思うわけ。
その場合、高宗の皇帝としての地位に対するこだわりみたいなもんだろうと考えているけど。
説岳に限らず、そういった講談は皇帝を悪くは言えないものだから、その側近に罪を転嫁することが多い。
その点では秦檜は割を食っていると思う。
上でも書いているように、別に金そのものを滅亡させられる、などとは思っていないが、せっかく南下してきた相手を撃破した以上、優位に立てるようにはできなかったのか、ということ。
開封まで目と鼻の先に勢力を戻してきていたわけだから。最初は多方崩壊していたのに、よく戻したものだ。
同じように土地を売った後晋の桑維翰は、あまり売国奴とは言われていないように思う。
この人は、契丹との和平論者だけど、主戦論者が勝つ見込みもなく戦争しだしたところ、中央に入って契丹迎撃の指揮をしている。この辺が違うのだろうと思うのだが。
戦勝後の和平交渉で、契丹から主戦論の代表者と桑維翰自身がここに来い。さらに、鎮・定両州の割譲が条件だ、と言われたとき、そこまで譲歩するいわれはないといことと、相手が怒気を孕んでいることを察して、和平案はお流れになったが。
その後桑維翰が無能な主戦論者に排除され国家は滅亡したので、主戦論自体を容認するわけにはいかなのは、いつの時代でも同じこと。
北宋滅亡前後の場合の無能な主戦論者というのは、説岳では正義の塊のような李鋼を指すかな…
桑維翰はうまく軍閥を動かして、あの耶律徳光を幽州に追い返し、じだんだ踏ませているのだから、すごいもんだ。
そういう前例があるから、北宋の背信や秦檜のやりかたが、どうにかならんかったものか、と思ってしまうのだ。
- 82 :
- 今も秦って姓の人いるの?
いじめられるんじゃない?
- 83 :
- 宋が建国以来恐れたのは、軍閥が独立して政府を脅かすこと
だから節度使は名誉職化し、進士に及第した文官が高位の軍職をもほぼ独占することになった
後世の視点からだと岳飛が謀反することなんてありえない、と思うだろうが当時の固有武力の弱い南宋政府から見たら軍閥が強大化して逆らったらどうするか、というのは深刻な恐怖だっただろう
そして中央政府が軍閥に勝とうと思えば謀略程度しか手段が無いのが現実
そもそも中央軍が強いのなら、軍閥私兵に頼る必要性自体が発生しないわけだし
秦檜の行為自体は情勢下の判断としては止むを得ないよ
問題は、その後富貴を手放さなかったものだから断腸の処置であったとしても私欲の為と見られちゃった点
和平が成立した後に非常手段を連発した責任を取って官を辞しておく、とかすれば小説的な悪役にならずに済んだかもね
- 84 :
- 兵站は江南を押さえている限り優位。
では宋に何が足りないのかというと、それは死兵。
上下ともに真面目に戦う気はあるのか?という連中ばかりだったが、指揮官が岳飛、韓世忠なら問題は無い。
民族主義と愛国心を極限まで煽れば士気においても互角以上の戦が出来るのは古今の例を考えてみれば、決して現実味の無い空論ではない。
唐末以来の戦乱で荒れ果てた中原が、莫大な投資をしてまで切実に必要だったのかは別にしてもだ。
岳飛の粛清など終わってからでも出来る。
あのタイミングでやるのが疑問だ。
だいたい金の戦力は過大評価気味。
軍閥の台頭以前に、首都を容易く囲まれてしまうのは北支那の地勢上しょうがない。
そこで持ちこたえられない弱腰が失笑ものなだけ。
常識的に考えれば攻勢限界を明らかに超えた侵攻作戦。
正常な戦争による征服というより、宋が対外交渉でいもを引いただけ。
- 85 :
- 忠臣蔵の吉良と似たようなイメージだな、この人は。
- 86 :
- >兵站は江南を押さえている限り優位。
意味不明
ひょっとして兵站て食べ物いぱーいあるよだと思ってるの?
- 87 :
- どう意味不明なのか?
莫大な食料とそれを運ぶ水運があれば、補給線を断ち切るのは金軍の編成では事実上無理だろ。
江南〜旧都間の運河一帯は地政学的に宋が一時でも保持しておかしくはないと思うが。
- 88 :
- >>82
宮崎や宅間だからって全員が全員いじめられるわけじゃない
- 89 :
- 水運の利があったから、長江流域地帯でようやく金軍を食い止められたんだよ
北上するとなると、当然補給線の設置は必須だがそうなると運輸の労と防衛の苦労は並大抵じゃない
平原での野戦となれば、抗金の名将達が山岳や水路を利用して封じてきた金の騎兵戦力が最大限に稼動することになるし
宋側から打って出た場合の難しさは、他の戦例が証明している
- 90 :
- 例えば、金滅亡後の端平入洛なんかで宋軍は補給失敗で殆ど自滅している
豊かな物資を抱えていることと、前線にそれを円滑に送ることはイコールではない
- 91 :
- >>83
ま、それはそうで、宋という政権の立脚した意義はそこにあるというのは理解している。
本来、皇帝が万機親政してこそ威力を発揮する体制なわけだから。
それにしても、後周期には「近代無比」と讃えられた少数精鋭の殿前司が、北宋になると見るも無残な弱兵に…
またまた桑維翰を持ち出すが(彼にも性格的な欠点はあり、緊急の際ということもあれ賄賂を強要していた黒い部分もある)、文官でありながら武人に対して戦略での手腕をみせつけたのは偉い。
さらに言えば、後晋期のときのほうがよっぽど節度使は危険な集団であって、それをよく統御できた。
だから余計に嫉妬も買い、自分たちの立場を文官より上にしたい武人や皇帝側近どもに、ヒステリックな追い落としを喰らっているが。
>>秦檜の行為自体は情勢下の判断としては止むを得ない
いや、和平論を否定はしていない。むしろ、それはして当たり前だと思っているが、つまりはそれを利用して自己の利益にし、岳飛を無抵抗な状態で、というのが究極的な非難の対象。
より権力をもったものが、ないものを排除することを容認するのは、とてもできないので。
和平するにしても、民に負担の少ないやりかたを、もっと苦慮してもらいたいと思うわけだ。
高宗にしろ、秦檜にしろ、権力者は自らを犠牲にした例はかなり少ない。
>>84
>>民族主義と愛国心を極限まで煽れば士気においても互角
あるいは、岳飛あたりの愛国心は本物だったかもしれない。自ら体を張って戦線に突入しているから、偽物であってもそれは賞賛されてもいい。
問題は、それを煽るだけの輩。
唐末からやたら武人優位だったのは、常に有事だったからと、軍閥の統率者は第一線で実力を示し続けていたから。
後周と北宋初期の軍隊が強かったのは、統率者たる皇帝の力量と意思が、他の軍閥を凌いでいたからに他ならない。
愛国心を煽るだけの輩は、北宋滅亡直前の単なる背信行為しかしていない、最低な連中だ。
そういう連中のためには、誰も戦う気など起きないだろうね。
- 92 :
- >>89
南宋初期のころは、ようやく長江の線での延命をてにしたけど、最終的には淮河〜漢水の線まで攻め上ったのじゃなかったっけ?
で、鄧州から陳留への行程に朱仙鎮があり、開封からの金軍出撃に呼応して、そこで岳飛が邀撃に成功した、と…
今確認してないから、そんな感じだと思ってた。
訂正はよろしく。
- 93 :
- >>89-90
いくら宋のテクノクラートが無能だとしても、運河沿いに進めば孤立はしないと思うが…
それが点と線の攻勢で面の制圧にはいたらない可能性が大きいというのは判る。
- 94 :
- 最近良スレ化してきたな。
自分は卒論でこの辺りのこと書こうと思ってるけど
結局結論は>>83と>>91の折衷案に近い感じで納まるんだよな。
あの時代の秦檜以前の文官達も目指したものは文治国家としての宋朝で一致していたし、
秦檜の政策自体にケチ付ける訳じゃないけど岳飛の処分やその後の専横はなぁ…。
その後の専横が後世に与えた影響を考察しないと彼個人の評価は決められないけどやっぱり嫌いだな。
- 95 :
- 和平策のお陰で、南宋がその後150年の寿命を持ったのは事実
専横というが、戦乱で荒れた国政を立て直し文化・経済・生産力を向上させた手腕は無視できないよ
一身の富貴や反対派を抑えて政治をやりやすくしよう、という方策は別に珍しいことではない
当時の士大夫層の価値観というものも見逃してはいけない
- 96 :
- 軍閥は軍閥でお互いに対立していたしな
岳飛と張俊なんかは実際に小競り合い起こすほど険悪だったんじゃない?
韓世忠は岳飛を助けようと秦檜の元に怒鳴り込んだほどだったけど、この人は岳飛よりはずっと中央に忠実で兵権をあっさり返しちゃったし
- 97 :
- >>95
秦檜の手柄かどうか確認はしていないが、実際には次の孝宗の手腕によるところが大きいのじゃないのかな。
二代目が優秀だと、その政権は長命であったり、内実が伴いいい方向に進んだりする例が多いし。
むろん、基礎は高宗によって為されたわけで、そこは秦檜の宰相としての手腕を無視するわけにはいかないが。
でも宰相の専権という事態も、実のところ宋の制度では御法度なんだよね。
それは軍閥の抑制と同じことで。宰相は多く置かれて、権限が個人に集中しないようにしているのが宋という国なわけだから。
あくまで君主にのみに権限が集中するシステム。
そういう点、あまり岳飛だけを危険視するわけにもいかないと思う。
- 98 :
- >>97
そういや何かの史書で四姦臣についての批評をみたけど
他は社稷の狐鼠扱いだったけど秦檜だけは下手すりゃ簒奪してたかもって言われてたな。
それにしても高宗がヘタレの印象があるせいか孝宗の名君ぶりは目立つね。
個人的には金とバチバチやり合いたかったのを抑えてあれだけの仕事するんだから頭が下がる。
- 99 :
- 秦檜の死後、実は定数がそれまで二十万程度だった禁軍だけでも二倍ほどにまで軍拡がされている
これは秦檜後の和平派が、強硬派を抑えられなくなったことを端的に示している
いくら南宋が豊かな国家であっても、軍事費の異様な増大は明らかにマイナス
しかもそれだけ強化された軍隊を持ってしてもモンゴルが勃興してくるまでてんで勝てなかったのが実態
南宋の発展は、戦後日本に似てカネで平和を購った産物だが当然それは軍事費や戦争への支出より外交的に払うカネが少なくてはじめて成立するもの
強硬派の放埓を許して、金にやった違背連発の二の舞を演じるような連中が主流になっていった経緯を見ると一概に秦檜悪玉、というのはやはりおかしい
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