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2012年07月FF・ドラクエ304: クリフトとアリーナの想いは Part12.5 (453) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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クリフトとアリーナの想いは Part12.5


1 :2011/12/26 〜 最終レス :2012/08/19
職人さんによるSS投稿、常時募集!
クリフトとアリーナへの想いは@wiki(携帯可)
ttp://www13.atwiki.jp/kuriari/
前スレ
クリフトとアリーナの想いは Part12
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/ff/1294626561/
性描写を含むもの、あるいはグロネタ801ネタ百合ネタ等は、相応の板でお願いします。
趣向の合わないスレはスルーしましょう。
また、ファンサイトやファンサイトの画像への直接リンクを無断で貼るのは控えましょう。

2 :
過去スレ↓
クリフトとアリーナの想いは Part12
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/ff/1294626561/
クリフトとアリーナの想いは Part11
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/ff/1263220200/
クリフトのアリーナへの想いはPart6
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/ff/1154693017/
クリフトのアリーナへの想いはPart5
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1145158924/
クリフトとアリーナの想いは Part4.2
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1137763522/
【片想】クリフトとアリーナの想いは Part4【両想】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1127912729/
【脳筋】クリフトとアリーナの想いは3【ヘタレ】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1107964272/
クリフトとアリーナの想いは その2
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1054024302/
クリフトのアリーナへの想いは
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1027954353/

3 :
    うみうしがあらわれた!
           (・ ))(( ・)
             ヽ,l  |,ノ
              ||  ||
          \,イ  ̄`ヘ/
             ̄| _ _   | ̄
         __ノ ノ|!,||`l |
      / ̄ 0  |_,v-、l`ヽ、
     ,イo O  o | | |´   0l、
   /        ヽ,ノ    ノ
   ` ̄ー─、_,ー-||-─ー´

4 :

  あたしたち 純真無垢のDQフジョシ系カプオクテット
  叩かれても晒されても ずーっとラブラブし続けまーす!         +
   ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         ,. -−、   love            +        love
  love     | |田||.        . love                ._.、 ノ,_
.    __△__ |__,|_|| +  ._ _       ,'^y'⌒⌒ヾヽ.〃彡ミヽ.  ,〃ミ'彡ミ、    +
.    ヽ_____L..、_,i  , '´ ,_丞_ヾ'"ヾi"ミ. ))!#八~゙リ(,〈(((/(~ヾ》 ソノ〈〈、~゙))〉ニニヽ
     / ,ノノノぐ/*゚.-゚ノゝ.i ./ノノノ))〉(O=O)゙(.(ヾ(!゚ n゚ノ!) ヾ巛^ヮ゚ノ"  〈リ(_゚ -゚ノ>(゙)从ハ
   (9ノノ(,^ヮ゚ノK~キチス ノゞ(! ^ヮノ'σ)^ヮ゚ノj '゙ /ヽ、)ノ)づく"'i':=:゙i!}つ〔_〕キ干!〕’- ’*リノ、
  @ノノ (゙フづ∪i÷-|j((ソ/゙ミ三ノノi| 兄゙i⊃  U曰ニ〈  〈._,」"Yヾl.  U〉=ニ=iJ)'i:lと》))ソ
.    んく/__i.〉.Li_,_/」 ゙ゝU .  ノ/ il.__」!. + // ,!@   i†=|=|ノ   /_i__i_i_〉/ |;|_ ヾ'  love'
 +    じ'ノ  し'`J . ん、;___,ゞーじ' J'   ん、_!__!,ゝ.  |ー |-|.  +  |ー||-|. ~じじ~´
                                   ̄  ̄ .    ̄  ̄

5 :
>>1
スレ立て乙ですー!
前スレ落ちちゃったんだね

6 :
俺が板住人になった頃からある古参のスレだけにあるとなんだかほっとする

7 :
>>1

8 :
皆の乙レスでこのスレにまだ住人がいることを知ってホッとしたw

9 :
>>1

再建されて良かった

10 :
>>1

11 :
>>1
おつ!ありがとう。

12 :
>>1
乙乙乙!!
毎日二人の事考えて現実逃避してるよ

13 :
クリアリは永久に不滅!

14 :
クリアリは大晦日をどんな風に過ごしているかな

15 :
二人共行事とかで忙しそうだなー>大晦日
その忙しい時間の合間にこっそり会ってて欲しい

16 :
クリアリあけおめ

17 :
昔はまったカプなんだけどなあ
どうしたってクリフトの力と体力をプラス100するかアリーナの乙女度をプラス200しないと話にならないんだよなあ

18 :
アリーナは充分乙女じゃん

19 :
ふとした瞬間に乙女になっちゃうアリーナや、体力ないのに姫様のために頑張っちゃうクリフトは大好物です。
初夢でクリアリがイチャイチャしているのを漫画に書いてる夢をみた。同人やったことないがこれは何かのお告げか…

20 :
>>19
頑張れ!
サイトでもコミケでも買いに行くぞw

21 :
今年はクリアリいっぱい書くぞー

22 :
おお、期待してる!

23 :
クリアリ作品沢山見たい!

24 :
スレ復活してるよかったー>>1
コミケ行ってみたはいいけど、作品別の案内とかないのね・・・
カタログ買わなきゃいかんのだな。

25 :
>>24
初めて行くならカタログは買った方がいいよ
あとはスレチになるので
初めてのコミケ 〜コミックマーケット初心者のためのQ&A〜
http://comiguide.seesaa.net/

26 :
アリーナ視点のSSください

27 :
全裸待機

28 :
<ミントス前>
「姫様、食事のときに歌をお歌いになってはいけません」
「クリフトはホントに口うるさいんだから」
アリーナの攻撃!かいしんのいちげき!
「んもー、クリフトったら、頼りにならないわね。」
「ううう…。」
<ミントス後>
「姫様、もう少しおしとやかになさってください」
「はーい、えへへ」
「姫様べホイミ!」
「ありがとう、やっぱりクリフトがいると安心ね!」
「…?姫様はいったいどうされてしまったのでしょう、ブライ様」
「さあな。わしゃ知らん」

29 :
これは、できたなこの二人www

30 :
姫様の気持ちの変化をばっちり感じとってるブライがいいな〜
クリフトは灯台もと暗しで気がつかなそうだ

31 :
クリフトは肝心な時に鈍そうだねw

32 :
ミントスイベントでクリフトを意識し出すアリーナ良いね

33 :
クリフトの一方通行なようでいて実はそうでもないのがいいよね

34 :
アリーナは、クリフトへの恋心を自覚していなくても
クリフトが他の女性と親しそうだったり、自分の傍にいないと
何か落ち着かなくてモヤモヤした気持ちになるとかだったらいいなw

35 :
でも自分蛇もやっとしている事にも気づいてなかったりw

36 :
クリフト「姫様かわうぃ〜ね〜」

37 :
>>36
宴会で周りに無理矢理酒を飲まされ、酔っ払ってそう言いながらアリーナに抱きつくクリフトと、
突然クリフトに抱きつかれて驚いて固まるアリーナの姿が思い浮かんだw

38 :
あけましておめでとうございます。
当方、何度かSSを投下させていただいている大うつけ者にございます。
自分の中では「神学校から帰ってきて、あまりにも凛々しく変貌してしまった
姿を見て以来ずっとクリフトを意識している」というのが姫様の真意だったり。

39 :
連投失礼します。
鯖の不具合なのか何なのかずっと書きこめずにおりますが、ネタはいくつか
ありまして…
以前の「我が女神」の続編で、クリフトが姫様に「綺麗な夕焼け」を見せて
語り合うシーンなんてのも妄想しております。
今年もよろしくお願い申し上げます。

40 :
楽しみにしてる!

41 :
最近SS少なくて寂しかったんだ
待ってるよ

42 :
「ほら見てクリフト!空がすごくきれい!」
「ほお・・・これは見事な夕焼けですね・・・」
「こんな綺麗な色、初めて見たわ。ね、クリフト」
「え。あ。その・・・」
「あら、クリフトは見たことあるの?」
「いえ・・・」
(まるで姫様の御髪のような色だと・・・とても口に出しては言えませんが)
「あ、でも、ほら見て!」
「?」
「ほら、空の上の蒼くなってるあたり。あの色は、クリフトの髪の色そっくりだわ!」
「・・・!」
「?・・・どうしたの、クリフト?」
「いえ、何でもありません」
(夕焼けに感謝します。どうか姫様がこの火照った頬に気が付かれませんよう・・・)
クリアリで夕焼けっていうとこんなイメージ

43 :
>>42
なにこれカワイイ!
ほっこりできたありがとう!

44 :
>>42
可愛いwwGJ

45 :
>>42
萌えたwww

46 :
>>42
(´Д`)

47 :
寒さが続くある朝
ブライ「起きぬかクリフト!これはどういう事じゃ」
クリフト「え、ブライさま?…はっ!」
その横には、夜中にクリフトのベッドに潜りこんだアリーナの姿が…
猫が暖を取ろうと布団に潜ってくるように、アリーナも同じ事しそうな気がした
この時期は電気毛布無しで寝れないw

48 :
>>47
いいなぁ
姫様が「寒いんだもん」とか「寝ぼけちゃって…」とかいいつつ、クリフトのベッドにしか潜りこまなかったらよいな

49 :
クリフトは布団の中に入ってくるアリーナに熟睡してて気づいていなくても
そのぬくもりのおかげで良い夢見れてそうだw

50 :
>>47
「していません!私はなにもしていませんよ!」つって慌てふためいてそうw

51 :
クリフトは例え夜中にふと目が覚めて隣に眠るアリーナを発見しちゃっても
その状況に混乱して慌てふためくだけで手出しはできそうにないよねw

52 :
そういう時はさりげなく髪を撫でてキスのひとつもかますのがうちのクリフト。
…すいません、当方大うつけ者にございます。
SSは現在、鋭意制作中です。

53 :
待ってますw
ヘタレもいいけどイケメン神官も捨て難い

54 :
誰こいつってくらいイケメン神官も見てみたい

55 :
SS全力で待機してますw

56 :
鈍感アリーナで書きました!
-------------------
「頭痛い…」
階下からにぎやかな声が聞こえる。日は随分高くなっていた。
夕べのこと。
「子どもはもう寝る時間よ」とマーニャに就寝を促されたアリーナは、
「子どもじゃないもん!」と、目の前にあった酒を飲み干した。
気付いたクリフトが止めに入ったが、面白がったマーニャに注がれるがまま、
慣れないアルコールを喉に流し込んだ。
「…だるい…」(これが二日酔いってやつなのね)
「姫様?」ふいにドアをノックする音が聞こえた。
(クリフトだ)
夕べは、怒るクリフトに「クリフトまで子ども扱いしないで!」と言い放ち、挙句の果てに酔いつぶれて
この部屋まで運んでもらったのだった。
「怒ってるだろうなあ」
ああ、こんなに頭が痛いのにお説教なんて聴きたくない。アリーナは寝たフリを決め込んだ。
「姫様?大丈夫ですか?姫様?」
(早くあっち行ってよー頭に響く)
「失礼します」
ドアの開く気配がした。
「…姫様、もうお昼前ですよ?大丈夫ですか?」
(寝たフリ寝たフリ…)
「…まったく。まだ寝ておいでですか」
(そうそう、寝てるんだってば。早くあっち行って!)
「全く、意地になってあんなに飲むから…」
(分かってるわよーもう。反省してるってば!)
ふいに、頭に優しい感触。
(ん?)
気がつくと、クリフトはアリーナの頭を撫でているようだった。
「姫様のそういうところもかわいくて、好きなんですけどね」
(え?)
つぶやくとクリフトはそのまま部屋から出て行った。

57 :
「まだ寝ているみたいです。二日酔いではないでしょうか」
「あらーやっぱりアリーナには早かったわね」
「まったく、おぬしがついていながら…」
とっくに朝食を済ませた仲間たちが、アリーナが来るまでの時間を持て余していたそのとき、
アリーナが二階から降りてきた。
「みんな、おはよう」
「お、遅いじゃん、アリーナ」
「はは、もうお昼だね」
「何時だとお思いですかな。全く、王女ともあろう方が自覚が足りませんぞ」
「ごめんごめん。もー頭痛いんだからあんまり言わないで」
ゆらゆらと、頭を押さえながらクリフトの隣に腰掛ける。
「姫様。お止めできなかった私にも責任はありますが、飲みすぎです。
これに懲りたら、もう二度とあのような真似はなさらぬよう」
「何よ、頭痛いんだからやめてよ〜」
「いいえ、言わせていただきます。もし姫様一人のときに酔いつぶれでもしたら」
「そんなことしないし、もう懲りたわよ、うるさいんだから」
「姫様はすぐ意地になるんですから。もう少し冷静に行動していただかないと。」
「もーしつこい。何さ、さっき私のそういうところも好きだって言ってたじゃない」
「なっ!?」
「えっ!?」
「さっき言ってたでしょ?はー水飲も」
「何それ?いつのまに」
「クリフト、だいたーん」
「何の話じゃ、クリフト」
「いや、その、あの…」
青くなったりにやにやしたりしている面々を、アリーナは不思議そうに眺めながら
コップを手に取った。
「変なの」
もうお酒はこりごりだな。でも、あんな優しく頭撫でてもらえるなら、たまの朝寝坊も悪くないかも。
うろたえるクリフトのことなどお構いなく、そんなことをアリーナは考えながら水を飲んでいた。

58 :
ひゃあああああ萌えたwwww
GJGJGJ!!!

59 :
>>56
あああこういう二人すごく好きだー
朝から萌えしにました

60 :
GJ!!
朝から良いものを見れた

61 :
ニヤニヤが止まりませぬなぁ(;´Д`)…GJです

62 :
クリアリ可愛すぎるwww

63 :
初投下緊張してたんでGJ貰えて嬉しい!ありがとうございます!

64 :
アリーナが聞いてないと思えば本音も言えるくせに
それを知られると狼狽するクリフトなんてツボ過ぎる!
>>56さんには是非これからも期待したい^^

65 :
こんばんは。
職人様が増えるのは素晴らしいことですのう。>>56様、これから
も期待しておりますぞ。
本SSは鋭意作成中ですが、クリフトに関する妄想は止まらず、こ
んな設定までこさえてしまいましたw
・父は神官、母は看護師(よってどっちに転んでもホイミ系呪文
の素質あり)
・クリフト母と姫様母は姉妹同然の仲良し(クリフト母は姫様母
の3歳ほど年上)
・姫様母の出産の介添えはクリフト母
・姫様母は、実は姫様が生まれる前までは結構なはねっかえり
以上を踏まえて、おつき合いいただければ幸いに存じます。

66 :
クリフト母「ねえ、どうしたの、お姫様が生まれてから元気ないよう
ね、何か悩みがあるなら話を聴くけど?」
姫様母「じゃあ聞いてもらおうかしら…」
クリフト母「何かあった?」
姫様母「ブライさんにたしなめられちゃった…」
クリフト母「たしなめられたって何を?」
姫様母「この子の教育上よくないからいい加減おとなしくしろって…こ
の子のためと思って言うこと聞いてるけど一週間で限界よ、上品に振る
舞うのって窮屈ね(ため息)」
クリフト母「(くすくす笑う)」
姫様母「笑わないでよ、ちやほやされて鼻持ちならない嫌な女の子に
なっちゃわないか、私そっちが心配なんだから…」
クリフト母「(笑いながら)あなたと陛下の子ならその辺大
丈夫じゃないの?それにしても、こんなに大騒ぎされてるのにすやすや
寝ていられるんだから、将来大物になるわよ、お姫様」
姫様母「(腕の中の姫様を見下ろして)元気に育ってくれれ
ば私はそれでいいの…あ、そういえばあなたの坊や、また熱出したって
聞いてるけど?」
クリフト母「(ため息をついて)そうなのよね、体が弱いと
ころがあの人に似ちゃって…どうせ私に似るなら顔より、体力で似てほ
しかった…」
姫様母「(微笑んで)頭の良さそうな子よね」
クリフト母「体が弱くて心配だらけよ、元気なほうがいい…」
姫様母「(姫様とクリフト母を見比べて)この子、ゆくゆく
はあなたの坊やにどうかしら」
クリフト母「(微笑んで)夢があっていいわね…」
16年後、エンドールで開催された武術大会で見事姫様が優勝を果たすこ
とになるとは露知らぬ両母親でしたとさ。

クリアリに直接関係ない小ネタで失礼いたしました。

67 :
>>47 こんな感じか
「ねえアリーナ、アンタなんで野宿になるとクリフトの布団に潜りこむのよ」
「なんでって、野宿は寒いし。クリフトあったかいし」
「暖かさで言ったらトルネコさんの方が上じゃないの?」
「そんなことないよ、クリフト、すごいあったかいんだよ!」
(それは、アンタが引っ付くから体温上がってるだけよ!)
…クリフトが寝不足で倒れないことを祈るw

68 :
アリーナ「でも芯みたいなのが気になるわね」

69 :
つまりこういうことか、改変失礼
「ねえアリーナ、アンタなんで夏でもクリフトの布団に潜りこむのよ」
「なんでって、クリフトの体ひんやりして気持ちいいのよ」
「…それは血の気が足りなくなってるんじゃ」
「あー、一部に集中しちゃったってわけねー」
もちろん鼻血の話ですよ
クリフトが倒れないことを祈ってます。

70 :
>>65
乙!
アリーナ母おてんば説は自分も考えたことあるよ
ブライが口うるさくおしとやかおしとやか言うのには実は裏があってみたいな

71 :
>>67-69

なんだかんだ理由つけてクリフトの布団に潜りたがるアリーナ
でもなんでクリフトの布団にだけ潜りたいのか実際のところよくわかっていない
結果アリーナは今後も無自覚に潜り続けるに一票

72 :
>>42
この前見た夕焼けが濃紺〜オレンジの綺麗なグラデーションでこのレス思い出した
夕焼け見る度クリアリ妄想できるって幸せ

73 :
冒険後の話で一つ書きました。
ちょと長くなりましたが。
----------
アリーナたちがサントハイムに帰還してから半年。
着々と復興は進み、城は元通りの美しさを取り戻しつつあった。
だがそこに、頭を抱える人物がいた。
「足りませんな」
「足りぬか」
サントハイム王、ブライ、それに大臣たち。
「失業者も増えておると言うのに」
「しかしこれ以上国民に負担はかけられん」
「うーむ…」
復興は進んでいたが、空白の数年間、ほぼ国としての機能が停止していたのだ。
その間に職を失った者、整備されなくなった道路、廃墟と化した関所など、
まだまだ問題は山積みだった。
アリーナとの結婚と引き換えに、多額の寄付を申し出る有力者も少なからずいたのだが、
これまで苦労をかけっぱなしだったアリーナに、そのようなことはさせたくないと
サントハイム王は親心から縁談を断り続けていたのだが。
「…やはり、アリーナ様に…」
「…」
大臣が何か言いかけたが、王はまだ決心がつかなかった。
「そのことなんですが、陛下」ブライが口を開く。
「私にひとつ、案があるのですが」

74 :
「なあに、話って」
アリーナの格好ときたら、旅をしているときよりも酷いものだった。作業着に安全靴。
本人たっての希望で、彼女はあちこちの現場で復興作業に追われていた。
ブライも王もいい気はしなかったが、一人で10人分の仕事をこなすのだから文句は言えなかった。
「今度、武道大会を開きたいと思う」
「あら、素敵ね!」アリーナが目を輝かせる。
「私も出ていいのかしら」
「いや、お前は主催として見物していてもらう」
「えー。つまんない」
ふくれっつらになるアリーナの横には、一緒に呼び出されたクリフトが立っていた。
(姫様らしい)アリーナの顔を見たのは1ヶ月ぶりだった。自然と笑みがこぼれる。
「大会では参加費を徴収し、これと観戦チケット代を財源にあてようと思っている」
「ふーん。たくさん集まるといいわね」
自分が出られないと分かった途端、アリーナの興味は削がれたようだった。
「優勝商品なのだが、現金か、アリーナとの結婚か、どちらかを選べるようにしようと思う」
「ふーん…って、え!?」
「は!?」
アリーナとクリフトの声が響く。
「ななな何勝手なこと言ってんの!冗談じゃないわよ!」
「へへへ陛下。それは、本気で仰っているのですか?!」
「落ち着け2人とも。これは、復興資金を集めるのが目的。
エンドールの大会は実に多くの参加者が集まったと聞く。要はそのパクリだな。
それでだ、クリフトには、サクラになってもらおうと思う」
「サクラ…ですか?」
「うむ、クリフトには出場してもらい、ぜひとも優勝してもらいたい」
「えええっ!?」
今度はアリーナとクリフトの声がハモった。
「まあ待て。クリフトには賞金の方を選んでもらってかまわん。当然ながら賞金は受け取ったフリになるわけだが」
「…セコ」アリーナがつぶやく
「参加費は集まるわ入場料は取れるわサランには人が集まるわで経済効果が期待できるだろう、ん?」
「…」(ああ、そういうことですか…)
一瞬胸が高鳴った自分のなんと愚かなことか。
「しかし陛下、私が優勝するとは限らないのでは…いえ、全力は尽くす所存ではありますが」
「うむ。念のため、勇者殿とライアン殿にも使いを出した。」
「ふーん。どうせ賞金はあげないんでしょ。ずるがしこいっていうかなんていうか」
「まあまあ。もちろん、参加費は受け取らないし、最大限のもてなしで迎えるつもりだ。」
「ブライでしょ、これ考えたの。まったくもう。」
「ほほほ。まあ、もし万が一どこの誰とも知らないものが優勝しても、よいではありませんか。
それだけ強い者であれば、相手に不足はないでしょう」
それまで黙っていたブライが高らかに笑う。
「冗談やめてよ。もう。」

75 :
時は流れ、大会当日。
「久しぶりだな、クリフト。」
「ソロさん。ライアンさん」
出場者控え室でそわそわしていると、懐かしい2人がやってきた。
「お前も出るんだって?ザキはやめてくれよ」
「公衆の面前で唱える勇気ありませんよ」
「随分と参加者が多いようだな」ライアンがつぶやく。
「はい。やはり、姫様と結婚…というので話題を呼んだようで」
「…ふーん。アリーナってけっこうモテるんだな」
「どうなんでしょうね。腕試しや、賞金が目的の方もいるでしょうし」
「クリフト、それでお前は何が目的なんだ?」
「分かってるくせに聞かないでください」
クリフトがむっとした声で答えた。はいはい、とソロが笑う。
「マーニャさんたちは来てるんですかね」
「2人とも、サランで遊んでるよ。出店とか色々出てたから」
「トルネコも家族で来ると言っていたから、後で来るだろう」
「そういえば、ソロさんは一人ですか?」
問いかけられて、ソロは下を向く。
「それがさあ。朝ふざけて俺アリーナと結婚したらサントハイムの王になるのかなーとか言ったんだよ。
そしたらシンシア怒っちゃって、勝手にしろって追い出された」
「…」
クリフトが笑いをこらえる。
「不用意だったな」ライアンが笑って言う。
「負けないぜ、二人とも。」
「ああ」
「…ええ」
「あーあつまんない。私も参加したかったなあ」
久しぶりにドレスに身を包んだアリーナは、特設スタジアムに用意された高台の特別席から、
リングをぼうっと眺めていた。
「何を仰いますやら。姫様をダシにしたおかげで、ほれ、この参加者と観客の数。
笑いが止まりませんな」
満員になったスタジアムを見渡しながら、ブライがほくそ笑んだ。
「ま、いいけど」
(つまんない。出たかったなー。誰が優勝だろ。やっぱりソロかな?でも、力だけならライアンよね。クリフトは…どうなんだろ)
「魔法の使いどころや戦法で、勝者が決まるでしょうな。さて、誰が優勝しますやら」
アリーナの考えを読んだのか、ブライが呟いた。

76 :
大会はトーナメント方式で、順調に3人が勝ち進んだ。
クリフトは難無く準決勝戦の相手を倒した。もう一つの準決勝戦である、ソロ対ライアンの試合はもうすぐ始まる。
(クリフトって、こうやって見ると、強いのよね)
アリーナは旅の間はソロやライアンといった達人を見慣れていたため、クリフトのことはそこそこ戦える回復役、
くらいにしか思っていなかった。
「…いつの間にかあんなに強くなってたんだなあ」
「おし。行くか。」「本気で戦わせてもらうぞ」
ソロとライアンは気合十分だ。
クリフトはリングの下から、「2人とも頑張ってください」と声をかけた。
試合開始の合図が鳴る。剣で打ち合う2人。
(ソロさんもライアンさんも強いもんな…決勝でどっちとあたっても、勝てる気がしない)
少しソロが押されているように見えるが、即座に回復し、反撃する。
(魔法がある分、一対一ではソロさんが有利なのかも)
一進一退の攻防が続く。
客席から、聞きなれた声で「ライアン行けー!」「ソロさんもがんばってー!」という声がする。
ライアンの放った一撃が、ソロの剣を床に落とした。
「!やべ」
ソロが剣を拾おうとしたそのとき、ライアンがすかさず剣を繰り出してきた。
「ライデイン!」
閃光が走り、ライアンの剣を直撃する。
「ぬわっ」
ライアンも剣を取り落とした。
その瞬間、ソロは剣を拾い、反撃に出る。
「…参った」
ソロの剣を喉元に突きつけられ、ライアンが唸った。

77 :
「お疲れ様でした。すごい試合でした。」
リングから降りた二人にクリフトが駆け寄る。
「はぁはぁ、めっちゃ疲れたわ・・・」
「さすがでしたな、ソロ殿…はぁはぁ」
「なんか、これが決勝戦でよくない?」
客席で勝手なことを言っていたのはマーニャだった。
決勝戦は1時間の休憩を挟んでからだ。
(勝っても負けても、何が変わるってわけじゃないんですよね)
クリフトが勝とうが負けようが、賞金が出るわけでも、アリーナが結婚するわけでもない。
それに、ソロ相手に勝てる気もしない。
(でも、勝ちたい。)
「全力で行くぜ」
「はい。よろしくお願いします。」
試合が始まった。
(速いな…)魔法を唱えるのが速いし、次の動作に移るのが速い、とソロは思った。
一撃一撃は重くは無いが、なかなか隙が無い。
(ダメージ与えるそばから回復されちゃあ、たまんねえな)
「一気に決めてやるぜ、クリフト!」
ソロが畳み掛ける。
(やっぱり強い)
クリフトは必死でソロの攻撃を受け流す。
(まともにくらったら、まずい…)
勝ちたい。姫様にいいところを見せたい。我ながら、子どもみたいな理由だ、とクリフトは思う。
「クリフトがんばれー!!!」
ふいにアリーナの声が会場に響き渡った。
2人は剣を構えたままにらみ合った。2人とも、だいぶ息が上がっている。
「往生際悪いぜ、クリフト」
「ソロさん、こそ…」
「俺もシンシアとの仲がかかってるからな。負けるわけにはいかないんだよ」
「それと試合と何の関係が…」
「うるせーな。優勝して、アリーナとは結婚する気ありません!って宣言しないといけないんだよ、俺は!」

78 :
その瞬間。
「隙ありいいいいい!!!」
ソロの放った一撃が、クリフトの剣を叩き落した。
「あっ!」
「どりゃあああああ」
ソロの渾身の一撃が、クリフトを盾ごと吹き飛ばした。
「疲れたあ…」
「良い試合だった。クリフト殿も惜しかったな」
「いえ、私なんて全然…」
「何を言う。最後の一瞬の隙が実に惜しかった。ソロ殿の集中力もだいぶ切れていたし、持久戦に持ち込めば勝てたのではないか?」
「とんでも、ないです…」
「クリフト、お前さ…」
ソロが何か言いかけたそのとき。
「みんなお疲れ様!」アリーナが駆けてきた。
「よーアリーナ。これで俺と結婚だな」
「バカ言わないで。3人とも、すごいかっこよかったよ!」
クリフトが目を伏せる。
「おい、何テンション下げてんだよ!」
「べ、別に」
「おいアリーナ、こいつお前にかっこいいとこ見せたかったんだぜ〜なのに悪かったな!な!クリフト!」
クリフトにヘッドロックしながらソロが笑う。
「ちょ、な、何言ってるんですか」
「…うん。かっこよかったよ、クリフト」
「あ、ありがとうございます…」消え入りそうな声でクリフトは答えた。
「この後ね、優勝者へのインタビューがあるから。くれぐれも私と結婚するなんて言わないでよね」
「ああ、そんな冗談今度こそシャレにならん」
その後、ソロは高らかに家でかわいい彼女が待っているので結婚はしません!
賞金はサントハイム復興のため寄付します!などと宣言していた。
「皆の者、今日は遠路はるばるご苦労だった。おかげで大会は大成功だ。
心より感謝する」
マーニャとミネア、トルネコ一家も加わって、
約束したとおり、その夜はソロたちを労っての晩餐会が開かれた。
「意外に盛り上がったわね、決勝戦」
「クリフトさん、あんなに強かったのね」
「そりゃあ、いいとこ見せたかったんですよ。ね、クリフトさん。あれ、クリフトさん?」
トルネコが声をかけた先にクリフトはいなかった。
「あれ?さっきまでいなかったあ?」マーニャが首を傾げる。
「なんか教会に用事がとか言ってたけど」ソロが答える。
「俺ちょっと見てくるわ」

79 :
サランの街には多くの旅行者が訪れ、街灯が明るく街を照らしていた。
その様子は城からもよく見える。
「大成功だな、ほんと。よかったよかった」
教会の扉を開けると、椅子に腰掛けるクリフトの背中が見えた。
「何やってんだ?」
「あ。ソロさん…」
言いながら、ソロはクリフトの隣に座る。
「どうしたんだよ」
「いえ、なんだか気まずくって」
「なんでだよ。俺に負けたくらい、どうってことないだろ」
「いや、そうじゃなくて…なんというか」
「…お前さ。途中で手抜いたろ?」
「え?」
「ふっとお前から戦意が消えたんだよ。そこで一発叩き込んだわけだけど」
「…あー…」
「俺を勝たせようとか思ってくれたわけ?」
「いや、別に…大体、優勝しなくたって、誤解くらい解けるでしょう、あなたたちなら」
「ま、そーかもな。早く帰って謝らねーと」
クリフトが視線を落とす。
「なんだってんだよ。お前」
「ふと、思ったんですけど」
「ん」
「私がもし優勝してたら、姫様ではなく賞金を選ぶと宣言しなければいけなかったわけですよね」
「…まあ、そうなるな」
「あ、そうなるか、とか思ってしまって」
「なるほど」
「いや、別に元々、結婚なんて出来るわけないですし、宣言したところで、姫様にとってはそれが当たり前なのは分かってるんですが」
「…」
「そしたらなんだか、姫様の顔を見るのが辛くなってしまって」
うーん、とソロは腕組みして唸った。
「…あんまり思いつめんなよ。とりあえず、アリーナはしばらくは結婚とか考えなくてよくなったんだし。
戻って飲もうぜ」
「…はあ…」
ゆっくりと2人で立ち上がる。
「サントハイムの料理、俺けっこう好きかも。けっこう香辛料とか効いてて…」
突然、ソロが言葉を失った。
「ソロさん?」クリフトがソロの視線を追う。
そこにはアリーナが立っていた。
「姫様。どうしました?」
涼しい声を取り繕って口を開いたが、は、と我に返る。
―いつから。どこからどこまで聞かれていた?

80 :
「あ、あのいつからそこに」
「…」
アリーナは答えない。みるみる真っ赤になる顔色から、全て聞かれてしまったんだとクリフトは悟った。
「…」
なんて。
なんて、言い訳したら。
(こうなったら)
「あの、姫様、その、行きましょうか。みなさん待ってますよ」
(シラを切り通す!)
アリーナの横をすり抜け、歩き出したそのとき。
アリーナがクリフトの服の裾を掴んだ。
「姫様?」
「…クリフト、今日かっこよかったよ」
「あ、ありがとうございます」
「がんばれーって、言ったの、聞こえた?」
「え。…幻聴かと思っておりました…」
「やだ。違うよ」
アリーナが笑った気がするが、クリフトは振り返れない。
ソロはアリーナとクリフトの顔を交互に見ると、
「あー俺、さ、先行くから!」
猛ダッシュして見えなくなってしまった。
(…ソロさん、ひどい…)
クリフトはしばしこの状況に絶望したが、そうも浸っていられない。
「さ、行きましょう姫様。しかしソロさんは何一人で走って行ったんでしょうね」
クリフトはあくまでもシラを切り通すつもりだ。
「待って」
「…はい」
「さっきの言葉の意味、ちゃんと教えて」
クリフトの背筋が凍りつく。
「な、何のことでしょう。私は何も」
「聞き間違いじゃなかったら、とっても嬉しいことだったと思うの」
「…え?」
「だ、だからあの、やだもう、恥ずかしい」
アリーナはクリフトの背中に顔を埋めた。
「何ー遅くない、あの2人」
「なあマーニャ、賭けないか」
「何が?」
「戻ってくる二人がどんな顔してるか」
「えー?」
俺は真っ赤な顔してくるに一票だな、そうソロが言ったとき、静かに扉が開いたのだった。

81 :
以上です。>>56ですた。
やっぱりクリアリはいいなあ!と勢いで書いてみました。
>>65
クリアリは設定をいくらでも転がせるのがいいですよね。
いろんな設定で書いてみようって気になります。

82 :
GJGJGJ!!
アリーナ可愛いなあ
バトルシーンもカッコ良かったし仲間達も仲良さそうでよい
夜中まで起きていて良かった!

83 :
うひょおおお!
GJGJGJ!

84 :
良かった…
乙です

85 :
SS投下ラッシュだ!
これは嬉しい

86 :
うひょ〜!ビッグイニングだ〜!

87 :
こんばんは。
スレが華やかになって嬉しい限り。
SSはでき上がったのですが、「忍法帖」やらの都合で長文を投下できず…orz
しばらくレベル上げの修業の旅に出かける次第です。
それまでスレが落ちておりませんように…

88 :
アリーナ「う〜ん、寒いわねぇ……。クリフト、入るわよ。」
クリフト「………!」
山田「みんな〜クリフト君のおちん●んがでっかくなってるじょおおお あはははは」

89 :
>>87
どんまい
気長に待ってるよ

90 :
「・・・今日の戦闘はきつかったわね・・・(ふぁ・・・)」
「姫様、今日は早めにお休みなされ。人前であくびなど一国の王女がするものではありませんぞ」
「ん・・・分かってるけど、疲れてる割には眠くないのよね」
「それはただ、戦闘の8余韻で興奮されているだけですじゃ。何なら、このブライがラリホーで睡眠導入を・・・」
「いやよ、そんなの」
「姫様!?まだお休みになられてなかったのですか!?」
「あ、クリフトやっと帰って来たー」
「も、申し訳ありません、教会で癒しの呪文を求める信者が思いの外多くて・・・」
「お主が帰って来ぬから、姫様がこのように夜更かしするんじゃ」
「え」
「何言ってるのよ、ブライ、そんな・・・こと・・・な・・・(ス―――)」
「・・・」
「・・・」
「あ、あの、ブライ様、私はどうしたら・・・」
「知らん。姫様をそのままできるだけ動かさんよう、お前が隣に座って膝枕でもしたらどうじゃ。
「は!?」「 ワシは向こうから毛布をもらってくる。」
「え!?え・・・でも。こんな状態で、えええ・・・!?」
と言いつつ暖炉の前のソファでアリーナを一晩膝枕して翌日足がしびれまくっているクリフトとかw

91 :
トイレも一晩我慢したんだろうなー

92 :
最近萌えネタ大量で嬉しいw

93 :
クリアリの萌え破壊力は異常w

94 :
>>81ですがGJありがとうございました!
また書いたので投下します。
----------
「好みじゃないわ」
そういって書類から目を逸らす。目の前ではブライが怒ってる。
「姫様。いい加減にしてください」
「だってヒョロヒョロして、全然強そうじゃないじゃない。
なあに、これ。趣味はチェスだって。つまんない」
私はうんざりしていた。
毎日毎日、ブライはお見合いのことばかり。
求婚されるってのは正直悪い気はしないけど、私はまだ結婚なんてする気はないし、
何よりどの男も弱そうなこと!
「姫様、あなたより強い男などこの世におりません」
「別に、私より強くなきゃダメなんて言ってないわ。
でも、勉強しか出来ないようなタイプは絶対嫌」
「…夫婦揃って脳みそまで筋肉じゃ、サントハイムの将来は暗いですな」
「どういう意味よ」
「姫様。強いのはあなた一人で十分です。夫となる者には、姫様に無い部分を
補える、聡明なものを選ばないと」
「…じゃあそういう人を連れてきなさいよ」
「…いればとっくに紹介しています」
ブライの言いたいことも分かる。だって、私はあまり勉強が得意じゃないし、
お父様の仕事を毎日横で見ているけれど、難しくてよく分からないことも多い。
「強くて頭も良い人かあ…」誰かいたっけ。

「うわぁ!」
「わっ!驚かさないでください姫様」
「ご、ごめん」
「姫様?顔が赤いようですが…?熱でもありましたかな?」
「そ、そうかも。悪いけど今日はもう出てって」

95 :
ブライは私の部屋を後にした。
ああびっくりした。だって。
いきなりクリフトの顔が思い浮かんだんだもの。
「…」
確かに、クリフトは、けっこう強くなったし、頭もすごくいい。
神官学校は首席で卒業したとか聞いたことあるし、魔法だって一杯知ってるし
私の知らないことを沢山知ってる…けど。
「でも私別にクリフトのことなんて」
ああどうしよう。顔が熱い。
参った。
あれから。クリフトのことばかり考えてしまっている。
難しい書類。クリフトに聞けば分かるかな?
クリフトなら、組み手の相手もしてくれるかな?
特訓で怪我してもすぐに治してくれるよね。
ああもう。なんでこんな。
「クリフトのバカ。いきなり頭の中に出てくるから」
「…お呼びですか?」
「ひゃあ!」
急に廊下の角からクリフトが出てきたものだから、私は大声を出してしまった。
「な、何よいきなり!バカ!」
「え、あ、驚かせてしまってすみません…」
うなだれるクリフト。ああもう、そんなつもりじゃ。
「ご、ごめん。違うの。それよりどうしたの、こんなところで」
「ああはい、今朝バザーに用事がありまして出かけたのですが、
異国の焼き菓子を売っているのを見つけまして。
姫様のお好みに合うかと思いまして、いくつか買ってきたのですが」
「お菓子!?」
なにそれ、外国のお菓子?ちょっと気になる。
「もしお時間がありましたら、いらっしゃいませんか?お茶をご用意いたしますので」
「うん!じゃあおやつの時間になったら行く!」
うれしい。どんなお菓子だろう!

96 :
「おいしそう」
色とりどりのかわいらしいお菓子を前に、私は目を輝かせた。
「紅茶でよろしいですか?」
「うん」
「マカロン、と言うらしいです。アーモンドで出来たお菓子だそうですよ」
「へえ」
「サランの子どもたちをバザーに連れて行く約束をしたもので。
久しぶりでしたね、姫様たちと行って以来ですので」
「いいなー。私も行きたい」
「では、そのうち行きましょうか」
ドキっとする。それってデートのお誘い?
「2人で行くの?」
「誰か誘っても構いませんよ?」
「…」
そうじゃなくて。何聞いてんだろう私。
「どうぞ」
急に黙った私に疑問を抱く様子もなく、クリフトがお茶を出してくれた。
「ありがとう。じゃ、いただきまーす!」
わ、甘い。美味しい。お茶を一口。
「おいしい!」
「それは良かったです」
クリフトはニコニコしている。
「その赤いのは、フランボワーズで、茶色いのはチョコ、緑はピスタチオ…だそうです」
「わーどれもおいしそう。全部食べていい?」
「どうぞ」
美味しい。嬉しい。お茶もおいしい。しあわせ。
「あ、そういえばさ」
「なんでしょう」
「この間ね、若い女の子たちが集まって、アフタヌーンティ?だかをしたんだけど」
「はい」空のコップにおかわりを注ぎながらクリフトが答える。
「肝心のお茶があんまり好みじゃなかった」
今日のお茶はおいしい、そんなことを思いながら。
「甘いお菓子だと伺っていたので。少し濃い目に淹れてあります。
茶葉も、姫様が確か前に好きだと仰っていた物を」
「あ、そうなんだ。さすが」
感心して答える。
「今までどれだけ姫様にお茶を淹れてきたと思ってるんですか」
クリフトが微笑んで言う。
うわ。なんか。
「…」
私のことよく分かってるみたいな。いや、分かってるんだけど。
「あ、濃すぎました?」
「ううん、ちょうどいいよ」
赤くなった顔を見られたくなくて、下を向いたまま答えた。

97 :
それ以来、私は一層クリフトのことが頭から離れなくなってしまった。
幸か不幸か、クリフトは忙しいらしくお城の方に来ることも無い。
私もブライのもってくるお見合い写真を眺めるのに忙しかった。
クリフトのほうがかっこいいとか、
クリフトの方が強そうとか。
クリフトのほうが優しそうとか。
頭に浮かぶのはそんな言葉ばかり。
もうなんでこんなにクリフトのことばっかり!
「もういい加減にして!」
「いい加減にして欲しいのはこっちです」目の前のブライが言った。
ああ忘れてた、ブライ居たんだった。
「そろそろ一人くらいお会いしても良いのではないですかな!」
「…」
だって。そんな時間あるならクリフトに会いに行けるのに。
「ブライ…私やっぱりお見合いなんてしたくないわ」
「そうは言いましても姫様。もうそろそろ結婚していただかないと」
そうだけど。だって。今はこんなに
「クリフトのことばっかり考えちゃうんだもん」
「はっ!?」
「クリフトといるほうが楽しいに決まってるのに、お見合い相手なんかと会いたくない」
「姫様…クリフトと何かあったんですかな」
怒るかと思ったけど、ブライは優しい目をして聞いてきた。
「何も無いよ、別に。ただ私が、勝手にクリフトのことばっかり考えてるだけ」
ブライに何言ってるんだろう私。でもお見合いとかもう真っ平。
「…私どうしちゃったんだろう…」
ほんと、どうしちゃったんだか。
「…それは、クリフトに聞くのが一番ではありませんか?」
「クリフトに?」
「本人にそのまま伝えて来なされ」
ブライは呆れたような、笑ってるような…複雑な顔をして言うと、ブライは部屋を出て行ってしまった。
クリフトに…直接聞く?

98 :
「急にどうしたんですか?」
夜、クリフトの部屋を訪れた。随分驚いているようだった。
「ちょっと、聞きたいことがあって」
どうしよう。緊張してきた。
「…どうぞ。」
もうクリフトは寝巻きを着ていて、「こんな格好ですみません」とガウンを羽織った。
「何かありましたか」
何かっていうか。なんて言うか。
「…」
そのまま伝えろと、ブライは言ったけど。
なんていえばいいんだろう。
朝から晩までクリフトのことばかり考えてしまうんだけどなんだろう?って言えばいいの?
ダメダメそんなの恥ずかしすぎる!
「…よっぽど深刻なのですね?」
「いや、深刻ってわけじゃ…えと…」
どうしよう…あ、そうだ!
「あ、あのね。ある人のことをね」
「はい」
「あ、ある人ってのはよく知ってる人なんだけど…なんだかその人のことばかり
朝から晩まで考えてしまって!ドキドキして、顔が熱くなっちゃって…」
クリフトの顔が見れない。
「わたし、ど、どうすればいいのかな…?」
そうっと、顔を上げてみる。クリフトが一瞬目を見開いた気がした。
次の瞬間、優しく微笑むと、「そうですか」と答えた。
「その方は幸せですね」
そ、そうなの?ていうかクリフトなんだけど。
「姫様は、その方のことが好きなんですね」
…え?
「きっとそれは恋ですよ、姫様。」
恋…恋!?これが恋!?
顔が赤くなるのがわかる。
クリフトのことばかり考えて、会いたくて、お見合いなんてどうでもよくなっちゃって。
恋。そっか、言われてみれば。
「ク、クリフトは!」
「はい」
「クリフトは恋、してるの…?」
言ってしまって後悔した。どうしよう。怖い。
「私は…そうですね。ずっとお慕いしてる方がいらっしゃいました」
…え。
「ですが、私は神官ですから。そういった感情はもう持たないと決めたのです」
…それは。どういう。
「今後また恋をすることは無いでしょうね」
「そ、そうなんだ」
どうしよう、声が震える。
「あああ、あの、ありがとう、その、教えてくれて。
じゃあ私、もう行くね!」
言い終わると部屋を飛び出した。
そっか、私恋してたんだ。でも、クリフトは。
自分の部屋に飛び込むと、ベッドに突っ伏した。涙があふれてきた。
「クリフト…」

99 :
朝が来てるのはわかったけど、気にせず寝ていたら、ブライの怒鳴り声が聞こえた。
「姫様!!!公務をサボる気ですか!!!」
ドアの開く音がして、ドンドン、と大きな足音を鳴らしてブライが入ってきた。
「いい加減にしてください。何時だとお思いで…」
「なによう」
むくりと起きた私の顔を見てブライが絶句した。
「なんですかその顔は」
一晩泣きはらしていたから、きっと目がはれて酷い顔なんだろう。
「ああもう、お客様が見えるというのに…」
「今日は何もしたくない…」
「何を仰いますか!姫様、一体どうしたって言うんです」
どうしたって。
「クリフトが…」
また思い出して、涙があふれてきた。
「クリフトは私のこと好きじゃないの」
「はい?」
「クリフトは私じゃない人が好きで…でも神官だから一生恋もしないの」
最後の方は涙声でグズグズだった。
「そんなアホな」らしくない口調でブライが言う。
「だって、言ってたもん〜〜〜」
涙が止まらなくて大声で泣き続けた。
顔をあげるとブライがいなくなっていた。
「…」
考えてみたら、私、ブライにクリフトが好きだって打ち明けたようなもんだよね。恥ずかしい。
「はあ」
私はこんなおてんばで、クリフトに今までいっぱい迷惑かけてきて。
そうだよね。クリフトが私のこと好きなわけない。
その瞬間、ドアが勢い良く開いて、ブライに蹴飛ばされてクリフトが転がり込んできた。
「もう一度ちゃんと話をしなされ!」
ブライはそう言うとドアを閉めて出て行ってしまった。
え?なに?え?
「ひ、姫様…」
クリフトが起き上がって、真っ赤な顔でこっちを見てる。クリフトの目は腫れあがっていた。
「…な、何?」
クリフトに会えたのは嬉しいけどつらい。
「あ、あのですね…姫様…」
「まったく、世話の焼ける」
扉の向こうから、ブライの声が小さく聞こえた。

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