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2012年07月創作発表88: 【スポコン】ロウきゅーぶ!SSスレ【ロリコン】 (200)
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【スポコン】ロウきゅーぶ!SSスレ【ロリコン】
- 1 :11/08 〜 最終レス :12/08
- 第15回電撃小説大賞<銀賞>受賞作、蒼山サグのロウきゅーぶ!についてあれこれ妄想し創作するスレです。
少女はスポコン! コーチはロリコン!?
高校入学とともに部長のロリコン疑惑で部活を失った長谷川昴。ただでさえ小学生の話題は
タブーなのに気づけばなぜか小学校女子バスケ部コーチに就任って……!?
小学生の女子だって抱えている悩みは多いのです。
そんな彼女たちに翻弄される、さわやかローリング・スポコメディ!
●次スレは480kか960レスを超えたのを確認し宣言後に建ててください
●ネタバレは公式発売日から24時間後に投稿してください(それでも貼りたい方は※ネタバレありと記入)
●カップリングがある場合は本文に入る前に宣言してください
まとめwiki(二人称等の参考にどうぞ)
ttp://www14.atwiki.jp/ro-kyubu/
ttp://www47.atwiki.jp/ro_kyu
※R18作品はエロパロ板に投稿してください
蒼山サグ ロウきゅーぶ!でエロパロ 4本目!
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1309716743/701-800
- 2 :
- ロリキューブが正式名称だと思ってた
- 3 :
- この過疎りようである
- 4 :
- スレさえ立てれば誰かが書いてくれると思うのは間違い
- 5 :
- とりあえず来てみましたよっと
- 6 :
- とりあえずみんな誰が一番好きよ?
- 7 :
- ひなたちゃん
書いてくれるのか?
- 8 :
- 内容が内容だけに、エロパロ以外では厳しい
- 9 :
- ある日、昴のもとに一通の封筒
その中にはDVDが…
とかですね、わかりません
- 10 :
- 竹中と1on1して、ごめんねと言いながらもさり気なく本気を出し続ける智花
というのも良いかなぁと思った。
- 11 :
- あと、ひなたを溺愛するかげの小ネタを考えてるけど
どうあがいてもキャラ崩壊orz
- 12 :
- 多少のキャラ崩壊はしょうがないと思う
- 13 :
- とりあえず誰かもっかんでお願い
- 14 :
- 智花「昴さんってロリコンなんですか…?」
昴「えっ…」
- 15 :
- 智花「紗季が疑ってたので…」
昴「そ、そんなわけないさー」
- 16 :
- 智花「でっ、でも私はそれでも…///」
昴「へ?」
- 17 :
- 昴、記憶喪失に
↓
真帆や紗季が昴と智花が恋人同士だと吹き込む
↓
記憶のない昴はそれを真に受ける
みたいな話を
- 18 :
- キャラスレ
http://speedo.ula.cc/test/r.so/yuzuru.2ch.net/anichara2/1318003124/352?guid=ON
- 19 :
- 昴「俺が守る!智花のバスケも。居場所も。」
智花「でも、勝てないって…」
昴「正直勝算があるわけじゃない。けど…」
ん?
昴「勝算って言ってみて。」
智花「ふぇ?し、勝算。」
昴「何故だろう、勝算って言葉を耳にした途端に胸がときめいて。…智花、お昼の12時の事なんて言うんだっけ。」
智花「正午。」
昴「はぅ!」
智花「昴さん?!」
さっきより、さらに胸がときめく。
昴「智花。詳しく記録する事って何て言ったっけ。」
智花「詳録。」
昴「どかばき!」
智花「昴さん!?」
胸にハンマーで殴られたように衝撃が走る。
昴「ありがとう智花!そう、詳録こそ俺が求めていたものだ!」
智花「し、詳録がですか?」
そう、詳録こそ勝利の鍵なのだ。
でも。
昴「まずは家に帰って作成会議だ。母さんのオムライスを食べながら、ね。」
智花「はい!」
- 20 :
- とある日曜日。可憐な制服に身を包んだ智花と出会った。
男バスとの試合も近いし学校で自主練をするつもりだったが、コートが使われてしまっていたのだ。
昴「うちにもゴール位あるし」
こんな、寂しそうな可愛い小さな女の子を捨て置ける人間がいるだろうか。いたら、全力で殴ってやる
俺は、ほとんど条件反射で智花を誘っていた。
昴「ここからなら自転車で二人乗りした方が早いし」
智花「わ、わかりました!」
少しでも長く練習したいという智花の意思をくみ、自転車の二人乗りで行く事に。
俺は自転車の荷台に腰をおろし、智花の華奢な腰に手を回す。
智花「さあ行きますよ、長谷川さん!…って私が漕ぐんですか?!」
女子小学生に自転車を漕がせる男子高校生の図。
昴「…自転車を漕ぐのは足腰を鍛えるのにいいからね」
智花の練習のためだ、多少のそしりは甘んじじて受けよう。
智花「なるほど、さすが長谷川さんです!私、頑張っちゃいます!」
昴「あ、もちろん立ち漕ぎね。」
立ち漕ぎじゃないと足腰を鍛える事は出来ないからな。
- 21 :
- 昴「…」
智花が元気よく自転車を漕ぐ。揺れるスカートが目の前に見える。
昴「後少し」
智花「まだこぎだして30秒ですけど。ずいぶん近いんですね」
昴「あ、いや、こっちの話。」
智花には悪いが今はスカートの揺れを見守るのに忙しい。
スカートで立ち漕ぎなんかしたら下着が見えてしまうかもしれないからな。そうならないようにしっかり見守らなくては。
昴「!」
揺れるスカートがついに捲れあがり、智花のお尻の真後ろにある俺の視界にその中身が飛び込んでくる。だが。
昴「す、スパッツだと!?」
智花「ふぇ?!」
昴「確かに着替えの時間さえ惜しんで少しでも練習したい気持ちはわかる。でも、スカートの下にスパッツをはくのは間違いだ!」
智花「ふえぇ!?」
昴「いいかい、自転車を漕ぐときスカートの下にスパッツをはくと本来排出される熱が中にこもり、必要以上にスタミナを奪ってしまうんだ!」
智花「そ、そんな理由があったんですか。私、てっきり長谷川さんがを見たいからそんな事を言い出したのかと誤解してました!」
昴「誤解がとけて良かったよ。」
智花「通報するところでした。」
昴「誤解がとけて本当に良かった!」
- 22 :
- 智花「わかりました、スパッツを脱ぎますね」
なんて物分かりのいい子なんだ。
俺が言わんとする事をすぐ理解するなんて。
智花「うんしょ」
太陽の下、スカートの中に手を突っ込みスパッツを脱ぐ美少女とそれを見守る男子高校生の図。
智花の為とはいえ、端からみるとなかなか危険な状態の気がする。
智花「は、恥ずかしいです。私、なんだかいけない事してる。」
昴「ごめんな、いけない事させちゃって。」
智花「ふぁうっ!?」
スパッツを脱ぎ終えた突然智花が驚いた声をあげる。
智花「あの、長谷川さん。やっぱり長谷川さんに漕いでもらっていいですか?」
昴「どうしたの?」
智花は顔を真っ赤にし、スカートを押さえながら。
智花「スパッツの下にはくのは忘れてました」
- 23 :
- グッジョブ
- 24 :
- 智花「き、今日は晩御飯に招待していただきまして、あ、ありがとうございます!」
昴「遠慮しないでいいよ。さあ、食べて。」
今日はいろいろあったな。
街で偶然出会った智花を家に誘って。そして俺がコーチに復帰するという条件でバスケ勝負したり。
そして智花の悲しい独白を聞いた俺は、いても立ってもいられなくなり、帰宅中の智花を迎えにいって。
何だかんだで今、一緒にご飯を食べている。
七夕「うふふ、久しぶりににぎやかで楽しいわね、昴くん。晩飯三人前な!って、セリフ、ラノベの主人公みたいに格好良かったわよ。」
昴「う、うるさいな!格好いいとか言うな!あと昴くんと言うな!」
高校生にもなって格好いいとかそんな事言われると背中がむずむずするわ。
智花「す、昴さんは格好いいです!さっき私を守ってくれるってセリフすごく素敵でした!」
昴「そうかな?俺格好良かった?」
智花「はい、とても!」
うーん、格好いいと言われるのはいくつになっても嬉しいなあ。
- 25 :
- 昴「あれ?智花はお肉嫌い?」
そういえばさっきから智花はまったくお肉を食べていない。
せっかく焼き肉なのに、肉を食べないとは。あ、智花のようなちっちゃくて可愛い女の子はお肉が苦手な子も多いようだけど。
智花「ふぇ!?き、嫌いじゃありませんけど、サラダの方がもっと好きなだけです、昴さん。」
昴「そっか。ドレッシングいる?」
智花「は、はい、いただきます。はぅ!?」
ドレッシングを受け渡した時、智花が容器を強く握りすぎたのか、中身が飛び出し顔にかかってしまう。
昴「…」
白い液体がかかった智花の顔、なんかエロチック。
昴「なあ智花、ここにウインナーあるから食べない?」
深い意味はないけど。
智花「は、はい?い、いただきます。」
昴「はい、あーん」
智花「あーん…って、は、恥ずかしいですっ」
- 26 :
- 昴「これも男バスに勝つために必要なんだ」
智花「いただきます!あーん。」
うーん、素直な子だなあ。
可愛い口で、差しだしたウインナーにはむ、と食いつく。
昴「あ、歯を立てないでね」
そこは大事だよね。深い意味はないけど。
智花「ふぇ?」
智花が口にウインナーをくわえたまま頷く。
智花「はむ、ふあ。ふあふさん…」
顔に白い液体をつけたままウインナーを頬張る小学生の図。
うん、健全だ。
昴「よし、今度は動かすぞ、智花!」
智花「んっ。ふあっ!?」
涙目で必死にウインナーをくわえる智花。
なんかみなぎってキター!
七夕「うふふ、本当に仲がいいわね。」
昴「あ」
…しまった。母さんがいるの忘れてた。
俺の全ての脳細胞が言い訳を考えるためにフル稼働を初めた。
智花「…ふぁ。な、何だかドキドキしちゃったよぉ」
- 27 :
- 盛り上がってまいりました
- 28 :
- 智花「すいません、昴さん。家にお邪魔したうえ、勉強まで見ていただいて。」
とある休日。いつものように家に来てバスケの練習を一緒にしたあと、智花から宿題でわからないところがあるのですが、と切り出されたのだ。
昴「気にしないで。それにほとんど教える事ないくらい、すらすら解いてるし」
うーん、はっきり言って俺要らなかったんじゃないのか。
智花「そんな事ないですっ。昴さんにみてもらうといつも以上に頑張れるんです。」
嬉しい事言ってくれる。
コーチ冥利につきるな。
でも何もしてないのは事実だしな。
- 29 :
- 昴「俺が智花にまともに教えられるのは保健体育くらいだからな。何か知りたい事ある?」
昔から俺、保健体育の評価だけは良かったんだよな。
あまり算数では智花の役にたたなかったけど、バスケの事や効率的な運動についてなら教えてあげられる。
智花「ふぇっ!?ほ、保健体育ですか?!」
あれ、智花の顔が急に真っ赤になったぞ。
昴「あ、もしかしたら智花、保健体育が苦手なんだ?」
智花「あ、あのっ!?昴さん?!」
昴「よし、遠慮はいらない。色々教えてあげるよ、手取り足取り!」
もちろん手取り足取りは言葉のあやである。
昴「じゃあまずは赤ちゃんの作り方からかな」
智花「ふぇぇぇ!?」
- 30 :
- 昴「なんてね、冗談だよ。」
アグネスも怖いしな。
智花「は、はい、では、それはまたの機会にお願いしますっ」
昴「え?何か言った?」
智花「いえ、何も。」
昴「そう?じゃあまずは軽い運動から。逆立ちをしようか」
智花「ふぇぇぇ?さ、逆立ちが保健体育の勉強と関係あるんですか?」
昴「当然だよ。逆立ちは全身の筋肉をくまなく鍛えられる素晴らしい運動なんだ。テストにでるよ。」
決して智花がミニスカートを履いているからではない。
智花「そうなんですか。私てっきり昴さんがを覗くためかと誤解してました、ごめんなさい。」
昴「誤解がとけて良かったよ」
いたいけな少女にそんな誤解をさせてしまうなんて。反省が必要だな。
智花「えへへ、今日かわいい履いてたか確認するところでした。」
昴「大丈夫、今日の智花のもかわいいよ」
智花「何で知ってるんですか?!」
昴「かわいい教え子の事だからね。」
どんな事でも把握するのはコーチの勤めである。
智花「う、嬉しいです、昴さんっ」
智花がにっこりと微笑む。
かわいい笑顔だ。まるで可憐な花が咲いたような。
結局その日は、何故か怒りの表情のミホ姉が乱入してくるまで逆立ちの練習をしたのだった。
- 31 :
- この天然変質者ぶりは紛れもなくすばるんだなw
- 32 :
- 天然じゃなくね?
- 33 :
- 夕方。今日は部活の日ではない。本来はバスケ同好会の活動日だったのだが、無理をいって休ませてもらった。
自宅のベランダに腰掛け、シュート練習をする小さくて可愛い幼い美少女、智花を見つめる。
相変わらず美しいフォームだ。思わず惹き付けられてしまう。
いつもなら、智花がシュートを撃つたびにチラリト見えるおへそや、微かに揺れる胸をみるだけで満足なのだが。
昴「そわそわ」
今日の俺は智花に集中しきれないでいた。
智花「どうしたんですか?昴さん」
落ち着きのない俺を見て、シュート練習をしていた智花が手をとめ駆け寄ってくる。
心配してくれているのだろう。本当にいい子だなあ。
昴「ごめんな、智花。何でもないんだ」
智花「は、はい。あの、もし何か悩み事があるのならおっしゃってください!わた、私に出来る事なら何でもしますっ」
昴「な、何でも!?」
智花「は、はい!」
そうかそうか、何でもか。いったい何をしてもらおうかな。
昴「とりあえず裸エプロンでジャンプシュートを…」
と、言いかけた時、玄関のチャイムが鳴らされる。
- 34 :
- 昴「来た!」
俺はそれと同時に玄関へ走る。
智花「わ、わかりました!昴さんがおのぞみなら…。あれ?」
すまない智花、後できちんと見せてもらうから。
だが、今は何よりも優先しなくてはならないのだ。
そう、一分一秒を争う事なのだ。
母さんが玄関へ出るより早く!
男「長谷川さん、お届けものです」
昴「はい!」
よし。母さんより早く出る事に成功した。
宅配便を受けとる事に成功したのだ。
この中身を母さんに知られるわけにはいかないからな。
智花「あ、あの、昴さん?宅配便だったんですか?うふふ、嬉しそうな顔してます。」
昴「ああ。今日発売のロウきゅーぶの二巻が届いたんだ…って、あ!?」
智花「え?」
結局。
智花「ろうきゅうぶ?バスケのアニメなんですか?わあ、私見てみたいな」
何故か自室で智花と一緒にロウきゅーぶBlu-rayを鑑賞するはめになってしまった。
正直引かれるかと思い針のむしろだったのだが。
智花「昴さんと一緒にアニメを見れて、私、幸せです。えへへ」
天使のような笑顔で微笑んでくれる智花をみて、少し嬉しくなったり。
- 35 :
- 後日。
結局母さんにばれてしまい。
いや、本当の所、母さんにはばれても良かったのだが。
本当に恐れていたのは隠し事を出来ない母さんから漏れる情報だったわけで。
ミホ「またんかこのロリコン!」
葵「あんたを殺して私も死ぬ!」
怖い大人達に追いかけ回される事になったのだった。
追伸。裸エプロンの智花は天使だった。
- 36 :
- 登場人物自身が観るってどういうことだよwww
- 37 :
- ちょwwwwなんかワロタwwww
- 38 :
- 交換日記
湊智花「あふうう…。うふ」
まほまほ「お、もっかんが壊れてる」
あいり「と、智花ちゃん?大丈夫?」
紗季「大丈夫よ、こんな時のトモは、きっと長谷川さんといい事があったのよ」
ひなた「おー。ひなたもおにいちゃんといいことしたい。えっとね、おにいちゃんと一緒にアニメみたい」
湊智花「はふっ!?」
まほまほ「お?どうしたもっかん。アニメがどうかしたのか?」
湊智花「な、何でもない、よ?」
まほまほ「そーだな、すばるんといいことするにはやっぱりこーかんどあげないとな。やっぱり妹メイドで…」
紗季「その作戦ちっとも駄目だったじゃない」
まほまほ「んなことねー!すばるんのかいそうシーンにいっつもメイド服でてくるし!」
紗季「長谷川さんは家庭的な方が好きなのよ!」
まほまほ「水着エプロンは大失敗だったじゃねーか!」
紗季「あ、あれはスクール水着を着ていたからよ!裸エプロンだったらきっと…。ね、トモ?」
湊智花「ふええええ!?な、何で私にふるのかな?!」
紗季「何でって。ねえ?」
ひなた「おー。ひなも一緒にロウきゅーぶみたい」
あいり「と、智花ちゃんって大胆だよね…。わ、私も長谷川さんの前で裸エプロン…。あうう、無理っ」
まほまほ「ん?なになに?すばるんに裸エプロンシュートお願いされたの?w」
湊智花「み、みんな、どこまで知ってるの?!」
- 39 :
- 昴「あれ、智花、おへその横、虫に刺されてるぞ。かゆくない?」
智花「はう、少しかゆいです。でも、何でおへその横に刺されてるのに気がつかれたんですか?」
昴「智花のシュートのフォームチェックのために見ていたら、偶然可愛いおへそが見えてしまったんだよ」
コーチたるもの常に選手の変化には気を付けないと駄目だからな。
決して可愛いおへそを見るためにフォームチェックをしていたわけではない。
智花「えへへ、そうだったんですか。てっきりおへそを見るためかと思ってました」
昴「ははは、そんなわけないじゃないか。」
智花「じゃあシャツの裾、中に締まっておきますね。」
昴「いや、それはそのままでいい。
…智花そこに横になって。薬を塗ろう。」
可愛いお腹に痕が残ってはいけないからな。
- 40 :
- 智花「は、はい」
そう言って智花は仰向けで横になる。
智花「あの、す、昴さん。」
昴「ああ、わかってる」
智花が顔を真っ赤にして何かを訴える。
やはり恥ずかしいだろうからな。
前回と同じように目隠しをつける。
昴「よし、これで何も見えなくなったよ、智花。」
智花「は、はい。では誘導しますねっ」
昴「うん、よろしく」
薬を塗った指を智花のお腹の上におく。
智花「はぅっ。え、えっと、ここから少し上に…」
昴「うん?こんな所に窪みがあるぞ」
智花「はぅぅ!?そ、そこはおへそですぅ!」
昴「あ、失礼」
決してわざとではないんだ、ごめん。
昴「小学生のおへそに指入れちゃったー。ひゃっほーい」
智花「す、昴さん。心の声と実際の台詞が逆ですっ」
- 41 :
- 昴「あ、ごめん。嫌だったよね」
智花「い、いえ。嫌というわけでは…はぅ」
ん?何て言ったかよく聞こえなかったな。
まあいいか、気をとりなおそう。
昴「お。ここ、ぷっくり腫れてる。ここだね。」
智花「はぅぅぅ!?」
お、凄い反応。どうやら正解のようだな。
智花「はっ、んっ!す、すばっ!?ひゃうう!」
…なんか智花の反応がおかしい気がする。
気のせいか、腫れがさらに大きくなってきたような。
これはいけない、もっと薬をつけなくては。
たっぷり薬をつけ、もう一度腫れに塗りこむ。
智花「んーっ!んっ!ひゃううう!?」
昴「お、こっちにも腫れてる場所がある。」
こっちにも薬を塗っておかないとな。
ぐりぐり。
智花「〜〜〜〜〜っ!?」
智花の体が跳ねる。
虫さされがそんなに痛かったのか。
でも、早い段階で薬が濡れて良かった。
- 42 :
- 昴「智花、終わったよ。」
俺は目隠しを外し智花を安心させるために、にっこり微笑む。
智花「…ふぁう?ふ、ふばるひゃん…?」
何故か顔を真っ赤にし、荒い息をする智花の姿。
昴「どうだった?」
智花「は、はひ。む、胸がすーすーしますけど、きもちよかったです…でも」
昴「でも?」
智花「あの、まだ刺された所には塗れてないです…ふぁう。」
昴「あれ?おかしいな。もう一度塗らないとか」
智花「はぅっ?!…お、お願いします、昴さん…♪」
昴「よし任せろ、また気持ちよくしてあげるよ」
ミホ姉「へえ、また気持ちよく?」
背後から殺気をはらんだ声が聞こえる。
昴「…え?」
うーん。激しく誤解をされている気がする。
ミホ姉「百回!このロリコン!」
昴「ぎゃー!?」
- 43 :
- 相変わらずの高クオリティw
- 44 :
- 昴さん凄いよ最高だよ
- 45 :
- いいぞもっとやれ
- 46 :
- ho
- 47 :
- 朝からハアハア
- 48 :
- ww激カワ(ニコ動)
http://www.nicovideo.jp/watch/1321418959
こいつら良くねぇ??久々ど真ん中来たで!!!!!
- 49 :
- ここはエロ禁止とのことですが、
原作レベルのエロならOKなんですかね?
具体的には小学生の入浴シーンとか下着姿とかキスシーンとか。
- 50 :
- せっかく全年齢板があるので投下してみます。
もしも葵が告白して昴と付き合ったらというお話です。
・葵メイン(のはず)なので、女バスの面々は基本敵役です。
・原作9巻直後を想定してます。
・続きものです。無駄に長かったり、そのまま放置する可能性もあります。
・どこまでが非エロかは色々な判断がありますが、
原作レベルのエロは許容範囲ということで書いてます。
ご注意ください。
- 51 :
-
「昴っ!」
「ん? なんだ、葵?」
読んでいた『ミニバスケット・コーチO』という本から顔をあげてぼけっと間抜け面を向けるのは
長谷川昴――七芝高校一年十組、好きな物はオムレツで、ポジションはポイントガード
……ううんっ、そんなことは重要じゃない。
こいつは私の十数年来の幼馴染で、……そして……そして……。
「…………あ、……あ、あ、あのね、昴……私……ずっと言えなかったことがあるんだけど……」
ここは昴の部屋。練習に役立つDVDがあるからといって上がりこんだのは1時間も前。
七夕さんは出掛けていて居ない。一つ屋根の下に昴と二人っきり。
見ている人間は誰もいない……そう千載一遇のチャンスなのだ。
- 52 :
-
「言えなかったこと? なんだ、改まって。俺で良ければ何でも聞くぞ」
俺で良ければって……ああんっ、もうばかっ。あんたじゃなきゃ意味がないのよ!
カッとなって声にだそうとした言葉をどうにか飲み込む。
……だめだめ。それじゃいつもとおんなじ。今日は……今日こそはって、覚悟を決めたんだから……。
「……あ、あ、あのね、昴……」
「うん。なんだ、葵」
すーはーと大きく息を吸う。心臓のドキドキが止まらない。
今まで経験したどの試合よりもずっと緊張しているのがわかる。
昨夜から練習してきた言葉を頭の中で繰り返しながら
私は清水の舞台から飛び降りる気持ちで言った。
「――私っ、昴のことが好きなの! 昔から、ずっとずっと小さい頃から、ずっと!」
- 53 :
-
言った!
ついに言った。昴に、私の気持ちを、ついに――!
言った瞬間、頭が真っ白になった。
かぁぁぁっと体中の血が顔に集まってくるのが分かる。
「? ああ、俺も葵のことは好きだぞ」
「ええっ!? ほっ、ほ、ほ、ホント!?」
「もちろん。幼馴染だしな。プレイヤーとしても尊敬している」
「――そうじゃなくって!!! 幼馴染とか、バスケとか、そういうんじゃなくって、
……その……私は、……私と、つ、つ、付き合って、ほしいっていうか……」
「うん? どっか行くのか? 葵には世話になっているし別に構わんけど……」
こ、こいつはああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
なんでいつもいっつも私の言うことを曲解しようとするのよ!
「あああっ、もう! 私は、男として昴が好きだって言ってるの!
昴と付き合って、恋人同士になりたいって言ってるの!!!」
「……は?」
絶句……といった感じでぽかんと口を開けたまま固まる昴。
その表情に胸が締め付けらるほどの切なさと後悔を覚える。
昴は私がそんなことを言い出すなんて考えもしなかった。
私を女の子として見ていなかったのだ。
どうしよう! このままじゃ、私たちの、幼馴染としての関係まで崩れてしまう。
- 54 :
-
「……葵……」
「あの、そのっ、これは……じょ……」
冗談――そうだ。冗談って言ってしまえば今までの関係を失わずにすむ。
でも、いいの? 私は本当に、それでいいの?
私は――。
昴が真剣な表情で私にぐっと顔を寄せる。
「……葵……お前……」
「……わ、私……は……」
「……正気か?」
「……へ?」
コツンとおでことおでこをくっつけて、昴は心配そうに私を見る。
「やっぱり熱があるじゃないか。すぐに帰った方がいいぞ。
いや、それともここで横になって休んでいくか?」
そう言ってピラッと自分のベッドの布団をめくる。
「……………………こ………………こっ………………こっ………………」
「なんだ、オンドリのマネ? いかん、精神に異常をきたしているな。
やっぱりいったん寝て、あとでミホ姉に車で送ってもらえば……」
「こおおおおんのっっっっばかああああああああああああああ!!!!!!!!」
私の右ハイキックが昴の頭を薙いだのは、その直後だった。
- 55 :
-
「ぐわっ!?」
私に勧めたベッドの上に倒れ込んだ昴の上にのしかかり、襟を締めあげガクガクと揺らす。
「なんでっ、あんたはっ、いつもそうなのよ!
昔っから私の気持ちなんてちっともわかってくれなくて!!
私がどんだけ勇気を振り絞って告白したと思っているのよ!!!」
「え? え? こ、告白って?」
「したでしょう! 今!! 昴のこと好きだって!!! 恋人同士になりたいって!!!!」
こいつわざとすっとぼけてんじゃないのかしら!?
そんなことはないって経験上わかってるんだけど、さすがにここまで鈍感だと疑いたくなる。
……次おかしなこといったら殴ろう。
「あ、葵が俺のこと好きって……そ、そんな……いつから?」
「いつって、ずっと前からよ! 小学生の時から! 悪かったわね!」
「嘘だろ!? 俺ぜんぜん気付かなかったぞ!」
「――だからあんたはっ!!!」
マウントポジションのまま拳を振り上げる。
「うわっ!? 待てっ…………て、あれ?」
「……うっ……うっ……ぐすっ……」
私は握りしめた拳をポンっと昴の胸に落とした。
「……うぅっ……なんで……なんでよ。なんでわかってくれないのよ。
ずっと……ずっと好きだったのに……。
私は昴を好きになっちゃいけないっていうの?
私が昴を好きってことは、そんなに信じられないようなことなの?」
「……葵……」
ゲンコツの代わりにポツポツと昴の顔に涙が落ちる。
- 56 :
-
自分の想いが受け入れられない悔しさと悲しさ。昴への怒り。
いろんな感情が溢れてきて頭の中がごちゃ混ぜになる。
なんで私、こんなやつを好きになっちゃたんだろう……。
「あの……葵は本当に、俺のことが好きなのか?」
「嫌いよ。昴なんか、だいっきらい」
「ええと……ごめんな。俺、葵がそんな長い間俺のことを好きでいてくれたなんて知らなくって……」
「普通気付くわよっ。いったいどんだけ、私があんたの側にいたと思ってんのよ!
それなのに昴は私のことなんかちっとも見てくれなくて……昴にとって私なんかどうでもいい存在なんでしょ!」
「そんなわけあるか!」
「え……」
思いがけない強い否定。
昴は真剣な眼差しで私を見つめると、はっきりとした口調で言った。
「俺は葵のこと大好きだぞ。子供のときからずっと一緒にいて、何でも遠慮なく話せて、
俺のことを一番よくわかっていて、……その、かけがえのない女の子だと思っている」
「す、昴っ」
初めて聞く幼馴染の言葉に胸がトクンと高鳴る。
え、嘘。昴が私を好きだって言ってくれた。女の子だって見てくれていた!
暗く鬱積した心の中にぱあーーっと光が溢れだしたようだ。
「……でも……ごめん。確かに好きなんだけど……今まで葵をそういう風みたことはなくって……
ていうかそもそも俺自身が恋愛とかに疎いから……正直恋人とかいわれてもピンとこないんだ」
「あっ……」
その光りが急速にしぼんでいく。
「それに今の俺はバスケで手一杯だから。女バスはもちろん、来年バスケ部を復活させるっていう目標もある。
葵の気持ちは嬉しいけど、女の子にうつつを抜かしている余裕は……」
「――だ、だったら!」
やっと射した光の道を途切らせまいと、私は咄嗟に声を出した。
- 57 :
-
「お試し期間ていうのはどう!?」
「へっ!? お、お試し?」
「そう! わ、私だって昴を幼馴染以上に見るのはちょっと勇気と時間が必要だし、
お互い今後のためにとりあえず付き合ってみるっていうのはどうかな?
もちろん昴はバスケ優先で構わない。智花ちゃんたちのことしっかり指導してあげなきゃいけないことはわかってるし、
私だって5年生の子たちのこと見なきゃいけないから。それにバスケ部のことは最初からサポートするって言ってたでしょ。
昴の助けにこそなれ邪魔にはならないはずよ。ただ……それ以外の時間は……私と一緒に……いてほしいかなって……」
「でもっ……そんな中途半端な関係、葵に失礼じゃ……」
「――私は構わない!」
きっぱりと言い放つ。
「……私は、それでもいいから……そんで、昴がもしどうしても、私のこと、幼馴染以上にみれないって時は……別れる。
今まで通りの幼馴染に戻るから……ね、いいでしょ?」
「葵……」
すがる思いだった。
やっと告白できたのに、昴が私のこと好きって言ってくれたのに、
これで終わりだなんて絶対に嫌だ!
昴はちょっと困ったように目をつむって僅かに逡巡した後、顔を赤くして恥ずかしそうに口を動かした。
「……わかった」
「……えっ、わ、わかったって」
「だから……葵がそれでいいっていうんなら……付き合うよ。
――葵の、恋人になる」
こうして、私の積年の想いは報われたのだった。
- 58 :
- とりあえず今日はここまで。
忍法帖のレベルが低いので、レベル上げがてら
少しずつまったり投下していきます。
- 59 :
- おつー。
続き待ってるよー。
- 60 :
- >>59
ありがとです。
では続きまいります。
- 61 :
-
「…………はふぅ……」
「おーい、ブチョー? きーてるー?」
「…………え!? な、なにゾノ?」
「ふふ、葵ちん、幸せいっぱいって感じだねぇ」
私と昴が晴れて恋人同士になった夜、ゾノとショージが家に集まってくれた。
そう、何を隠そう、今回私が昴に告白できたのはこの二人の脅迫……もとい協力のおかげなのだ。
「で、で、そのあとどうなったの? やっぱりアレ? 若い二人はそのまま一気にベッドの上で
熱く火照った体をくんずほずれつーーーって!」
「そっ、そんなことあるわけないでしょ! あの後急に七夕さんが帰って来ちゃって大変だったんだから。
……私が昴に跨がっているところみられちゃって……」
「いいんじゃなぁい。将来を予兆してるみたいでさぁ」
「ブチョーは中学んときからセンセーをお尻に敷いてたもんな」
「そ、そんなこと……」
ケタケタと笑う二人を怨みがましく見るも、二人の後押しがあったからこそうまくいったので
今日ばかりは叱るに叱れない。
- 62 :
-
「あはは――って、それでいいと思ってるのか! ブチョー!!」
えっ、!? なに、私が叱られるの?
「ほんとに無かったの!? くんずほずれつの全体運動!」
「うん。あのあと恥ずかしくなって帰ってきちゃったけど……」
「あ〜〜〜、も〜〜〜」
なぜだかゾノは頭を抱えて天を仰ぐ。
その隣ではショージがやれやれというふうに肩をすくめていた。
「な、なによ二人とも。二人のおかげでちゃんと昴とこっ……恋人になれたんだらいいでしょ?」
「……あのねー、ブチョー」
ため息をひとつ突いてゾノがジト目で私を見る。
「蹴りいれて締めあげて馬乗りになって告白したのは……まあショーガナイ。ブチョーだし」
「し、失礼ねっ」
「でもその後の泣き落としはグッジョブ! 女の武器をちゃんと使えたんだね!」
「別に嘘泣きじゃないんだけど……」
「でーーーもーーー!」
ゾノはばしっとテーブルを叩いて――
「お試し期間ってなんなのさ! なんで期限をつけちゃうわけ!?」
「え、あの、期間ていってもいつまでってわけじゃなくて、もし昴が嫌になったらってことで……」
「おんなじだよ! そんな男に都合のいいようなこと言っちゃってセンセーが別れようっていったらブチョーそれでいいの! 諦められんの!?」
「う……そ、それは……」
そんなの無理! せっかく恋人同士になれたのに、また幼馴染の関係に戻るだなんて……。
でもあの時は昴に断れそうだったから必死で……。
- 63 :
-
「ほら、嫌なんでしょ! だったら今すぐ夜ばいをかけて逃げられないように既成事実を!」
「まあまあ、ゾノ、コーフンしないでさぁ。私はむしろよかったと思うよぉ。
葵ちんに好きって言われてセンセぇが即答できるとは思っていなかったしぃ、
お試しってことでハードルがさがってOKしやすくなったんじゃないかなぁ」
「そうよねっ、ショージ! 私もそう思ったんだ!」
「それにぃ、葵ちん、ちゃんと自分の気持ち伝えられたんでしょう? センセぇのこと、ずっと前から大好きだって」
「……うん。それは大丈夫。ちゃんと伝えた……」
今度こそ、間違いなく……。
私が頷くと、ショージはそばかすの残るほっぺたをほころばせ、おっとりとした笑顔を作った。
「なら平気だよぅ。センセぇはぁ、葵ちんが24時間365日センセぇのこと想い続けてるって知った上で
別れようって言えるほど冷たい男のコじゃないよぅ」
そっか、そうだよね。
昴がそんな薄情なヤツじゃないってことは、私が一番よく知っている。
いつも自分のことなんて省みないで、人のことばっか世話やいているお人好しなんだから。
- 64 :
-
「うん。わかった。ありがとう、ショージ。……でも私、別に一日中昴のことばっか考えているわけじゃないんだからね!」
「ふーん、じゃあ、例えば一日のうちどれくらいセンセーのこと考えてんの? パーセントで答えてくれい!」
「へ!? いや、その、あの…………50%くらいかな?」
控え目に答えると、ゾノとショージは目を見開いて驚いた。
「なっ!? 過半数越え!」
「一日の半分も想っているだなんて、葵ちんはほんとセンセぇのことが好きなんだねぇ」
え? もしかして多かった?
「ち、違うのよ! ほら勉強している時とかに『この問題解けるのかな、あいつ』って思ったり、
ご飯食べているときに『これ、あいつ好きなか』って思ったり、
バスケしているときに『昴ならこのときこうする』って考えたり、
何かするときにふと昴のことが一緒に頭に浮かぶから50%って言っただけで、
別に一日の半分ずっと昴のこと考えているわけじゃないんだから!」
そういう時間は別にあるから本当は50%じゃきかないんだけど。
「……ブチョー、それは年がら年中っていうんだよ。ほぼ100パーじゃん」
「違うわよ! だって寝ているときは考えてないし! 毎晩昴の夢を見られるとは限らないんだから!」
「……週何回……って聞くのが怖いな……」
- 65 :
-
「葵ちん!」
「きゃっ、な、なに?」
呆れるゾノとは対照的にショージはプルプル震えていたかと思ったら突然抱きついてきた。
「葵ちん、けなげ! いいよぉ、葵ちんが正式な恋人になれるまで、私たちが全面バックアップしてあげるからぁ」
「あ、ありがと、ショージ」
ちょっと戸惑ったけど、私のことをこんなにも応援してくれる親友の気持ちに応えるべく、私もぎゅっとジョージの体を強く抱きしめた。
……ショージって女の子でもドキドキするくらい柔らかくっていい匂いがするのよね。
「そーだな! とりあえずこれからのこと考えよ! 敵に勝つには先手必勝! 攻めて攻めて攻めまくるんだ!」
「……あのさー。今更いうのもなんだけど、その『敵』って……本当のことなの?」
私の問いかけに、ゾノとショージは「まだわかってないのか」とばかりに揃ってため息を吐いたのだった。
私が幼馴染の関係を壊してまで、なぜ今、昴に告白をしたのか。
そして今まで見守っていただけの二人が、なぜ強力に私を応援しだしたのか。
その原因が、二人のいう『敵』にあるのである。
あれは私と昴が京都旅行から帰ってきてから少しした時のことだった……。
- 66 :
- 以上。今日はここまでです。
- 67 :
- 続きが楽しみだ
- 68 :
- おつおつ
- 69 :
- ttp://news.dengeki.com/elem/000/000/438/438737/
ttp://news.dengeki.com/elem/000/000/438/438749/c20111214_curtain_12_cs1w1_720x540.jpg
ttp://news.dengeki.com/elem/000/000/438/438750/c20111214_curtain_13_cs1w1_720x540.jpg
ttp://news.dengeki.com/elem/000/000/438/438751/c20111214_curtain_14_cs1w1_600x643.jpg
ttp://news.dengeki.com/elem/000/000/438/438752/c20111214_curtain_15_cs1w1_600x643.jpg
そうだ、カーテン買おう
- 70 :
- 続きです。
- 71 :
-
「ブチョー! あれはいったいどゆこと!? 京都で何があったのさ!」
突如家まで押し掛けてきた二人が、私に詰め寄った。
「なにって……お土産渡した時にも話した通り、別に昴とは何にもなかったわよ。……あのを見られた以外は」
「それは聞いたよぅ。葵ちんがセンセぇとひとつ屋根の下で二晩も過ごしたのになんの進展もなかったってことはぁ」
「……随分ひっかかる言い方ね。――って、だいたい私と昴はただの幼馴染なんだから、
進展なんてあるはずないでしょ!」
うぅ、自分でも気にしているのに……。そりゃあの昴が私になんかしてくるとは思わなかったけど
……本当に、なんにも、まーーーたく何もなかったんだもん。落ち込みもするわよ。
……ちょっとは覚悟してた私がバカみたいじゃない……。
でもゾノはいつものおちゃらけた様子とは違い、真剣な表情で私の肩を掴んで揺さぶった。
「今はツンデレってる場合じゃないよ! なにさっ、あのまほまほの態度は!?」
「へ? 真帆ちゃん?」
あ、そういえば京都ではちょっと事件があったんだっけ。そのことかな?
私は京都であった真帆ちゃんにまつわる顛末を二人に聞かせてあげた。
- 72 :
-
「――い、許嫁だとう!?」
「いや、だからそれは真帆ちゃんのお父さんが勝手に言っただけで、もちろん昴は断ったわよ」
「……なるほどねぇ……葵ちん、これはちょっと……ううん、かなりまずいと思うよぉ」
「え、な、なんで? 昴は断ったのよ。真帆ちゃんの気持ちが大事だって言って……」
「だからぁ、その気持ちが問題なんだよぅ」
「あたしたちさ、今日たまたまセンセーとまほまほたちが一緒にいんの見たんだよ!
そしたらさ、まほまほがセンセーに抱きついて!」
「えっ!? ……で、でも、真帆ちゃんって割とそういうことしない?
人懐っこいっていうか、誰にも構わずじゃれてくるから、そんな問題にするほどじゃ……」
「最初はね、私たちも『ああ、またやってるぅ。センセぇもてもてだねぇ』くらいに見てたのね。
……でも、あの目がねぇ……」
「め?」
「まほまほがさ、センセーに抱きついて、離れる一瞬、すごい熱のこもった目をしたんだよ!
今までのまほまほからは想像できないような熱い眼差し! あれは恋する乙女の目だね!」
「……いや、さすがにそれは考え過ぎじゃないの?」
三沢真帆ちゃんはお金持ちのお嬢様で……ていうと聞こえはいいけど、
明るく元気、やんちゃが服着て駆けずり回っているような男の子みたいな女の子だ。
すっごくかわいいし、話してみると驚くほど素直で、とってもいい子なんだけど
……正直あの5人の中では『恋する乙女』という言葉から一番かけ離れていると思う。
……ふーんだ、どうせ私も昔はそう思われていた女の子でしたよーだ!
- 73 :
-
「葵ちんもセンセぇほどじゃないけど、鈍感ちんだからねぇ。でもほんとだよぉ。
それにさぁ、それを見る紗季ちゃんもねぇ、ちょっとおかしな感じだったしぃ」
「へ!? 紗季ちゃんも!」
「うん。何かいーたそうな、でも我慢してるって凄くせつなげな目をしてたんだよぅ」
そんなっ、紗季ちゃんまで……。
真帆ちゃんなら笑い話ですませるが、紗季ちゃんとなれば聞き捨てならない。
なにせ今まで昴と付き合っているという疑惑があったり(私の勘違いだったけど)、
二人一緒に待ち合わせをして買い物に行ったりと(智花ちゃんへのプレゼント選びだけど)、
私の中ではひそかに要注意人物になっているのよね(……ごめん、紗季ちゃん)。
「そのせいかさ、なーんかみんなの雰囲気が浮ついてるっていうか桃色がかっててさ!
ブチョーヤバイよ! マゴマゴしてたらあの子たちの誰かにセンセー取られちゃうよ!」
「そんなことあるわけないでしょ! みんなまだ小学生なのよ! 恋愛なんてまだ早過ぎるわ!」
私が大声で否定すると、二人は顔を見合って「ハァーーー」と揃ってため息をついた。
「あのさ、そのセリフ、小学生のときからセンセーに恋しまくってたブチョーがいう?」
「だめだよぅ、葵ちん。自分のこと棚にあげちゃぁ」
「なっ、なにバカなこといってるのよ! 私がいつ、昴なんかに恋したっていうのよ!?
あいつとは小学校から中学校まで9年間も同じクラスだったから誤解されやすいけど、
ただの幼馴染なんだからね!!!」
ああ、もう! 自分で言ってて嫌になってくる!
これも全部昴のせいだ。明日このことをしっかり問い詰めてやらなくっちゃ!
- 74 :
-
私が昴への制裁を決意していると、目の前にすっとショージの顔をが現れた。
いつものぽわぽわした感じではなく、めったにみない真剣な表情。
「葵ちん、本当に、それでいいの?」
「え、そ、それって?」
「いつまでもぉ、センセぇのこと、幼馴染のまんまでいいのかなぁって。ぐずぐずしてるとほんとに誰かに取られちゃうよぉ」
「だから私は昴のことは好きでも何でもないんだってば! 今日のショージ、ちょっとしつこいよ!」
いつもならからかうだけからかってすぐ次の話題にいくはずのショージが、このときばかりは様子が違った。
癖のついた髪の毛を指に絡ませながら、私に意味深な流し眼を送ってくる。
「ふぅん。そっかぁ。葵ちんはぁ、センセぇのこと、好きでも嫌いでもない、ただの幼馴染だっていうんだねぇ」
「そ、そうよ! 何度もそう言ってるでしょ!」
「だったらぁ、私ぃ、センセぇと付き合っちゃおうかなぁ」
「はあ!?」
「なっ、なんだとー!?」
な、な、な、なにいっちゃってるのよ、このコは!?
昴とショージが付き合うなんて、あり得るわけないじゃない!
「センセぇってぇ、あの通りのイケメンだしぃ、面倒見がよくって優しいしぃ、実は前から狙ってたんだぁ。
でも葵ちんがセンセぇのこと好きだって知ってたから諦めてたんだけどぉ、葵ちんにその気がないんなら私が先に告っちゃってもオッケーだよねぇ?」
「ダメよ! そんなの絶対ダメ!」
「んー? どぉしてぇ? 葵ちんはぁ、センセぇが誰と付き合おうとかまわないんでしょう?」
「だって、……そのっ、昴なんかと付き合ったらショージが不幸になるのが目に見えてるものっ!
あいつってば頭ん中バスケバスケで女の子の気持ちをまるで分からない朴念仁なんだから!」
「いいじゃなぁい。純情でぇ。バスケ一筋に打ち込んでる男のコってぇ、すごくカッコイイよぉ。ちょっとくらい鈍感だってゆるしちゃう」
「ちょっとじゃないのよっ、あいつの鈍感さは! じゃなきゃ私だっ――」
思わず口にしてしまいそうになる本心を慌てて止める。
私だって、指をくわえて待っていたわけじゃない。そ、それらしいアプローチだってちゃんとしてきたんだから!
なのにあのバカってばそれをことごとく無視するは台なしにするは曲解するは……ああ、もう! 思い出しただけで腹が立つ!
- 75 :
-
「ふふぅ、大丈夫。どんな鈍感ちんでも会うたんびに『愛してるよぉ』て言ってあげれば、嫌でも気付くからぁ。
センセぇだって毎日そう言ってあげれば私のこと好きになってくれると思うよぅ。私ぃ、がんばって迫っちゃう」
うそっ、そんな、昴がショージのことを好きになるだなんて、考えるのも嫌だ!
「ショージ! あたしとの関係はどーなるのさ! あの二人で過ごした熱い夜はウソだったの!?」
「ごめんねぇ、ゾノのことは大好きだよぅ。でもやっぱりぃ、女の子よりも男の子の方がいいかなってぇ」
「がぁーーーーん!」
なんかゾノがショックを受けているが今はそんなこと気にする余裕すらない。
「ねぇ葵ちん、どうする? もちろん葵ちんはぁ、私のこと応援してくれるよねぇ。
だってぇ、葵ちんはセンセぇとはただの幼馴染でぇ、私とは親友なんだもん。当然祝福してくれるよねぇ?」
「……わ、私は…………うん。もちろん、おうえんするよ。ショージが本当に昴を好きなら……私は……温かく見守るから……」
「……そっかぁ……ありがとう、葵ちん。……でもぉ、ならなんで泣いてるの?」
「……ふぇ?」
そこで私は初めて自分が涙を流していることに気付いた。
……あれ……なんで?
こらえようとしても、一度流れ出た涙はおさまらず、次から次へと溢れだす。
ふいにがばっとショージが抱きついてきた。
「ごめんっ、葵ちん。全部うそ、センセぇなんかより葵ちんの方がずっと好き!
だから言ってみ。どうして泣いてるの? 素直に吐き出してみ?」
「わ……私は…………私はっ!」
後は言葉にならなかった。
ただショージに抱かれながら、私は涙と一緒に昴への想いを吐露したのだった。
「私は昴が好き! 小さい頃からずっと好きだったの! 誰にも取られたくない!」
「うん。そうだねぇ。みんなわかってるよぅ。あとはそれをぉ、センセぇに伝えればいいんだよぅ」
「でも告白して昴に断れたらイヤ! そんなことになったら、もう顔も見られない! 一緒にいられられないっ!」
「大丈夫だよぅ。葵ちんはこんなにもセンセぇのことを想っているんだもん。絶対に気持ちは通じるってぇ」
幼子をあやすように、ショージは優しく私の背中をさすって言い聞かせる。
- 76 :
-
「よし! そーとなれば即決行だ! ブチョー、明日センセーに告白な!」
「ぐすっ、わかった…………ええええ!? なっ、あ、明日!? むりっ、まだ心の準備がっ」
「ダメダメ! ブチョーいったい何年準備体操してるつもりだ! 今のブチョーに必要なのは決断だ!」
「そうだねぇ、思いたったら吉日っていうしねぇ。今のまんまだとぐずぐずしてる間にあのコたちに先こされちゃうよぉ。
ほんとはもうちょっと葵ちんとセンセぇのすれ違いっぷりを楽しみたかったんだけどぉ、敵が出てきたとなれば話は別だよぅ」
抱きしめられた体の温かさとショージの髪の毛から香る匂いにちょっとぼぅとなっていた私の耳に、その言葉は異質に聞こえた。
「敵……って、真帆ちゃんたちが? でも相手は小学生だよ……」
「甘い! 恋愛に小学生も高校生もない! ブチョー、これは戦争なんだ! あるのは勝者と敗者のみ!
勝った者だけが獲物をゲットできて、負けた者は何も得られない非情な闘いなんだ!
だってセンセーの彼女になれるのは一人だけなんだよ!?」
ゾノの言葉が私の胸にズキンと突き刺さる。
そうだ。昴と付き合えるのはこの世界でたった一人。もし誰かが先に昴と付き合ってしまったら、私はそれを見ているしかないんだ。
……それも、昴の間近で。
――そんなのは、絶対にいやだ!
「――うんっ、わかった! 私、明日昴に告白する。自分の想い、全部昴に伝える!」
「よぉーしっ、よく言ったブチョー! そーと決まれば作戦会議だ! 小学生なんかに負けるなー!」
『おー!!!』
「…………今思い出すとなんて恥ずかしいっていうか、大人げないというか……」
「ふふぅ、でも良かったじゃなぁい。そのおかげでこうしてセンセぇの恋人の座を手に入れられたんだからぁ」
「そーだブチョー! もっとあたしたちに感謝したまえ!」
「うん、それはしてる。ありがとう、ゾノ、ショージ」
私は床に手をついて深々とお辞儀をする。
たぶん一生言われ続けるんだろうけど、そんなことは気にならないくらい二人への感謝は大きい。
「よーしっ、じゃ早速次の作戦を考えよーぜい! やっぱアレだよアレ! 幼馴染といえば!」
「幼馴染といえば?」
- 77 :
-
「……で、これか」
翌朝。
ジャージに着替えた私は、練習用の荷物と学校の鞄、制服をもって昴の家へと向かっていた。
『幼馴染といえば、やっぱ毎朝起こしにいくのが定番でしょ!』
『無理。あいつ自主練してるから朝早いし』
『なら葵ちんも一緒に練習すればいいんじゃなぁい?』
『おおっ、ナイスショージ! 毎朝一緒に練習だなんて、同じバスケ選手で幼馴染のブチョーにしかできない技だぜ!』
『うん、すごいアピールになると思うよぉ。これを半年も続ければセンセぇのハートはもう葵ちんのものだよぅ』
まったく簡単に言ってくれる。こうみえても女子高生の朝は何かと忙しいのだ。
「……でも考えてみたら昴が自分のバスケできるのって、同好会と朝と夜の自主練くらいしかないのよね。
来年のバスケ部再開のことも考えたら朝練にも付き合ってあげた方がいいのか」
一人で練習するのと、相手がいるのとでは練習の幅が格段に違う。
今までは時間と恥ずかしさの面もあってできなかったが、こ……恋人になったからには
しっかり昴のバスケ部再生の目標をサポートしてあげなくてはいけない。
そのためには朝の貴重な時間も惜しくはない!
私はそう決意すると、意気揚々とした足取りで長谷川家の前までやってきた。
するとリングのある庭の方からボールが弾む小刻みな音が聞こえてきた。
「あ、やってるやってる。相変わらず早いなあ」
ふふ、私がいきなり現れたら、昴おどろくかな?
これから毎朝昴と一緒にバスケができると思うと嬉しくって、つい浮かれていた私は
玄関を通らず、直接庭へまわってしまった。
「昴―っ、おはよう! あのね、今日から私も一緒にれんしゅ――」
「ふぇ!?」
「え!?」
どがっ!!!
「……え?」
私の手から持ってきた荷物がバタンッと地面に落ちる。
目の前で、昨日恋人になったばかりの幼馴染の男の子が、スパッツをはいた小学生の女の子を、今まさに襲いかからんと押し倒していた。
- 78 :
- 以上。今日はここまでです。
- 79 :
- おつー
俺は読んでるから続き待ってるぞ
- 80 :
- >>79
さんくすです。
では続きを。
- 81 :
-
「……つまり、私がいきなり声をかけたから驚いて智花ちゃんが転んじゃって、
それを助けようとした昴の手を掴んだまま一緒に倒れちゃったって訳ね」
「はい。そうなんです。私のせいでお騒がせしてしまって申し訳ございませんでした」
私の前で髪の毛が地面に届かんばかりに深くお辞儀をしているのは、湊智花ちゃん。
昴がコーチをしている彗心学園女子バスケットボール部の子だ。
礼儀正しくてお淑やかで、ご両親からお茶や日本舞踊を習っている大和撫子という言葉がピッタリくる女の子だが、バスケは攻撃的で負けず嫌い。
最初の頃は適役がいなかったからポイントガードをやっていたけど、
紗季ちゃんにその座を譲ってからは生粋のフォワードとしてその力をぐんぐん伸ばしている部のエースだ。
163cmのセンターなどと不愉快な異名を付けられた私としては、共感しつつも今の彼女が羨ましくてたまらない。
……ええ、ほんとにもう、羨ましいったらありゃしない!
「……はは、誤解が解けて良かったな! じゃ、今日はこの辺であがろうか。智花、先にシャワーを浴びておいで」
「ふぇっ、あ、はい。それでは葵さん、失礼します」
「ええ。どこかのに覗かれないように気を付けてねー」
私はパタパタとお風呂場に向かう智花ちゃんに笑顔で手を振った。
「…………」
「な、なんだ、葵。あれだけ蹴りまくっておいて、まだ俺に文句があるのか?
あと俺はでもないし、智花のシャワーを覗いたことなんて一度もないぞ!」
「当たり前でしょ!!! そんなことしてたら今頃あんたは生きていないわ!
私が綺麗さっぱりこの世から抹殺してるんだから!」
智花ちゃんの上に覆いかぶさった昴を見た瞬間、私の意識は吹っ飛んでいた。
気付いた時にはボコボコになった昴を足で何度も何度も踏みつけていたのだった。
……智花ちゃんが止めてくれなかったら、危うく出来たばかりの彼氏を撲殺してしまうところだったわ。
- 82 :
-
「だいたい誤解がとけたんなら、無実の罪で蹴られた俺にも謝ってほしいんだが……」
「……無実?」
「……ええと、その……あれは事故だって理解してくれたんだよな?」
「……昴……あんたこそ、私が何に対して怒っているのかわかってるの?」
汚物をみるような眼差しをむけると、昴は焦ったように釈明しだした。
「……あの、もしかして、智花が毎朝家にきてたのを黙っていたことを怒ってる?」
「当たり前でしょ!! あんたが私に内緒で智花ちゃんと毎日毎朝いっしょにバスケをしてただなんて、許せるわけないでしょ!?
いいなさい、いったいいつからこんないかがわしいことをしてたの!」
「ええと、智花と出会ったすぐだから4月からかな?」
「なっ!?」
『うん、すごいアピールになると思うよぉ。これを半年も続ければセンセぇのハートはもう葵ちんのものだよぅ』
そんな、もう半年以上じゃない!
どうしよう! 記憶がなくなるまで殴ればまだ間に合うかな!?
「こらっ、拳を握るな! だいたいいかがわしいことってなんだよ! 俺達は純粋にバスケをしていただけだ!」
「さっきのアレをみてそんな言い訳信じられるわけないでしょ!」
「葵、おまえな、少しは自分の彼氏を信じろよ!」
「えっ!?」
昴の発した言葉に、振り上げていた拳がピタリと止まる。
「……す、昴……ちゃんと憶えてくれていたんだ、昨日のこと……」
「当たり前だろ。……むしろさっきの仕打ちから、葵の方こそ憶えていたのか疑わしいんだが、俺は」
「そ、そんなことないわよ。しっかり憶えているわよ。私と……その昴がこ、恋人……になったってことは」
ごにょごにょと指先を動かしながら私は口に出して確認する。
そ、そうよ。私は昴と付き合うことになったんだから、恋人のことは信用してあげなきゃだめよねっ。
- 83 :
-
「ああ、確かに葵に言わなかったのは悪かったと思っている。でも別に隠していったってわけじゃないんだ。
このことは女バスのみんなも母さんもミホ姉も、もちろん智花の親御さんだって知っているから、つい葵も知っているような感じがしてさ。言うの忘れてた」
「あのねえ。……はあ、まあ智花ちゃんのご両親が許可しているなら私が文句言う立場じゃないけど……
……わ、私は一応、す、昴の彼女になったんだからっ、これからはちゃんと話してよね!」
「ああ、わかった。気を付けるよ」
はにかみながら謝る昴の顔に、ぽっと頬が熱くなる。
す、昴って、こういう何気ない表情がやたら可愛いかったりするのよね。
そうよっ。過去のことはもういいわ! だって今まではただの幼馴染だったんだし、
これらは彼女として、ちゃんと接してもらえればそれで十分!
私がぐっと手を握って心を新たにしていると、昴が言いにくそうに声を掛けてきた。
「……で、あのさ葵。……悪いんだけど、俺たちが付き合うってこと、智花たち女バスの子には秘密にしてほしいんだ」
「……へ?」
ぽかん……としている私に昴は畳みかけるように言う。
「いや、前に葵のことを初めて智花が知った時さ、なんかすごく調子が悪くなって……やっぱりあの年頃の女の子ってすごく繊細だろ。
コーチが彼女とイチャイチャしてるって思われるのは、教育上良くないんと思うんだ」
「……ええと……そっか、な?」
一瞬なにか後ろめたいことがあるじゃないかと疑ったが、『彼女とイチャイチャ』というフレーズでブレーキのかかった私は、少し冷静になって考えてみた。
たとえば自分の部のコーチが男子バスケのコーチと付き合ってイチャイチャしていたとしたら……それは面白くないだろう。
たとえイチャイチャとかしてなくても、やっぱり気を使うだろうし……。
ゾノとかショージなら盛大にからかうだろうけど、それはそれで部としては好ましくない。
- 84 :
-
「……でも隠れて付き合ってて後でバレるのも、それはそれで傷つくと思うよ。さっきの私みたいにさ」
「わかってる。でもタイミングってあるだろ? 今はちょうどみんな11月の大会に向かって頑張っている時だ。
それを俺たちの事情でモチベーションを下げるようなことはしたくないんだ。
やっと掴んだ公式戦のチャンスだし、負ける要素は極力排除しておきたい」
そうだ。今度真帆ちゃんのお父さんの主催でミニバスの大会があって、女バスの子も、
そして私が指導している5年生の子たちも、それに向けて一生懸命練習をしている。
そんな大事な時期にコーチが、しかも一応敵対しているチーム同士のコーチが付き合うだなんて、害以外のなにものにもならないだろう。
……特にうちの子たちが問題よね。一方的に敵視してるんだもの……。
「……そうね、少なくとも5年生と6年生がもう少し仲良くならないと、私、コーチ解任されちゃうかも」
「ま、葵はなんだかんだ言ってあの子たちに信頼されているから大丈夫だろうけど、
言うタイミングは慎重に選んだほうがいいと思うんだ」
「わかった。たしかに昴の言う通りだわ。じゃあ、小学生組には秘密にしておきましょう」
ちょっと残念な気もするけど、バスケ優先と言い出したのは私なんだから仕方ないよね。
「……でもその代わりってわけじゃないけど、私も明日から朝練に加わるからね、いいでしょ?」
「えっ!?」
「……なによ、その驚きは? まさか智花ちゃんとの二人の時間を邪魔されたくないとか世迷言を言うんじゃないでしょうね!?」
「そ、そうじゃないけど、……ほら智花にも聞いてみないと、俺の一存ではなんとも……」
「なら智花ちゃんがいいっていったら昴はOKってことでいいわよね。私が聞いとくから」
「そ、そうだな。……ははは」
……なんか怪しい。
でもいっか。明日からは私の監視下でビシバシしごいてやるんだから!
- 85 :
-
「昴さーーん、お待たせしましたー。シャワー空きましたー」
「おっ、なんだ智花、早かったね。じゃ悪い、葵。俺もシャワー浴びてくるわ」
「あ、うん。いってらっしゃい……」
昴がリビングを出ていくのと入れ替わりに、シャワーを浴びたばかりの智花ちゃんが
ほんのりと体を上気させてやってきた。
「あの、葵さんは、シャワーを浴びなくてよろしいのでしょうか?」
「あ、一応家でるとき軽く浴びてきたから大丈夫。今日は運動もしなかったし」
「ふぇっ、あ、あれは運動では……ないんですね」
「? ところで智花ちゃん、明日からは私も朝、一緒にバスケの練習しようと思うんだけどいいかな?」
「ええっ!? そ、そんな!」
智花ちゃんんはその小さな体からは想像もできないような大きな声を出して驚いた。
……え、なんでそんなに驚くの?
「……えっと、もしかして嫌かな? 私、邪魔?」
「そ――そんなことはありません! ……でも、と、突然のお申し出なのでびっくりしてしまいまして……」
「あ、そっか。ごめんね、いきなりで。……で、いいのかな? 私が一緒でも」
「は、はい! ……もちろん……です。……はぅ……」
……あれ、なんだろ。智花ちゃん、すごく落ち込んでいる気がする。
……もしかして本当に、昴と二人きりで練習するのを邪魔されるのが嫌とか……。
でもそれって……智花ちゃんが……昴のことを……好き?
…………あはは、ま、まさかねえ……。
……智花ちゃんはまだ小学生なんだから……そんなこと……あるわけ……。
- 86 :
-
その時、キッチンの方から七夕さんがちょいちょいと私を手招きしているのが見えた。
私が智花ちゃんに断ってから七夕さんの所に行くと、七夕さんは困ったような顔で私に話し始めた。
「ごめんね、葵ちゃん。あのね、智花ちゃんはすばるくんと一緒に朝の練習をするのをとても楽しみにしているの。
だから朝は智花ちゃんとすばるくんのふたりだけにさせてあげてくれないかな?」
「ええっ!? そ、そんな、なんで!?」
二人の様子から薄々そんな感じはしていたが、まさかそれを母親の七夕さんから言われるとは思わなかった。
「智花ちゃんが、一度バスケをやめてしまったお話は聞いてる?
それを真帆ちゃんたちが一緒になってもう一度バスケを始めたの。
で、部がなくなっちゃいそうになったのを助けたのがすばるくん。
その時からずっと、智花ちゃんは毎朝早いのに家に来て、すばるくんとバスケの練習をしているの。
智花ちゃんにとって、すばるくんと朝バスケの練習をすることは、自分の居場所を守ったという証で、とても特別なことなの」
「ええと……すいません、よくわからないんですけど、……要は二人で朝練をすることは、
智花ちゃんにとってただの練習以上の意味があるということですか?」
「そう! ごめんなさいね、私、説明が下手で」
七夕さんはおっとりしていて、あまりハキハキ説明するタイプじゃないからなあ。
「あとね、智花ちゃんだけじゃなくって、すばるくんにとってもそうなのよ」
「昴も?」
「ええ、バスケ部がなくなって落ち込んでたすばるくんが、またバスケをやり始めたのは智花ちゃんがいたから。
すばるくんが智花ちゃんを連れてきて一緒に練習してからね、すばるくんがまた本気でバスケをやり始めたのは。
試合に勝って女子バスケット部が存続することになった後も、智花ちゃんが毎日きて、すばるくんのために頑張って、またコーチになるようにしてくれたのよ。
だからね、二人で朝バスケをすることは、すばるくんにとっても、智花ちゃんにとっても、とても大事なことだから、申し訳ないけど葵ちゃんは遠慮してくれないかな?」
「そ……それは……」
七夕さんの言いたいことはなんとなくわかる。
でもだからって、はいそうですかと引きさがるわけにはいかない。
だって私は昴のこ、恋人なんだから、他の女の子と毎朝二人っきりでバスケをすることなんて容認できるはずがない。
……そんな強い絆みたいな話を聞かせれれば余計にだ。
- 87 :
-
私が余程不満な表情をしていたのだろう。
七夕さんは「あらあら」と困った顔を見せた後、にっこりと笑顔で言った。
「大丈夫よ。すばるくんと智花ちゃんの間には、葵ちゃんが心配するようなことは起こらないわ。葵ちゃんの代わりに私がちゃんと見張っておくから。
葵ちゃんはすばるくんの彼女さんになったんだから、ここはでんっと構えて、年下の子にゆずってあげてくれないかな?」
「いえ、ですから彼女だからこそ心配…………って、ええええええ!!!!
な、な、七夕さんっ、どうしてそれを!? まさか昴がしゃべったんですか!?」
あいつ、昨日の今日でなんで言うのよ! 私だってまだお母さんには言ってないのに!
慌てふためく私を見て、七夕さんは「ふふっ」と優しく微笑む。
「すばるくんはなんにも言ってないわ。むしろ必死に隠そうとしてたけど……見てればすぐわかるわ。
私がね、葵ちゃんの話をすると、今の葵ちゃんみたいにすごく慌てるのよ。ほんとお似合いね」
「あう……そうですか」
でも……そっか、昴のやつ、私のこと言われてすごく慌てたのか……えへへ、なんか嬉しいなっ。
にやける私を七夕さんはますます笑顔になって見る。
「葵ちゃんがすばるくんの彼女さんになってくれてほんと嬉しいわ。これからもすばるくんのこと末長くよろしくね」
「は、はいっ。こちらこそ、よろしくお願いします!」
「ふふ、でもすばるくん、やっぱり最後には葵ちゃんを選んだのね。
葵ちゃんはしっかりしてるし、小さい頃からずっとすばるくんと一緒にいてくれたから、
私も安心してすばるくんを任せられるわ」
「そ、そんな任せるだなんて、まだ結婚するわけじゃないんですしっ」
でも七夕さんとだったら、きっと幸せな嫁姑関係を築けるんだろうなあ。
- 88 :
-
「あら、私、昔は葵ちゃんがすばるくんのお嫁さんになってくれるものだとばかり思ってたのよ。
葵ちゃんもあと数カ月したら結婚できる年齢になるんだし、そろそろ考えてもいいんじゃないかしら?」
「いや、さすがにまだ早いですよう。それに昴はあと2年たたないと無理ですしぃ」
顔の前で手をブンブン振りながら、私の心はすでに2年後の新婚生活へと向かっていた。
えへへ、昴と結婚……新婚生活。七夕さんと一緒にご飯作ってえ、ふふ、楽しいだろうなあ。
……ん、あれ? ……『昔は』『思っていた』……? いやおかしくはないだけど、
七夕さんの性格からすると『今も』『思っている』の方がしっくりくるような……。
「そうね、もうちょっとの辛抱ね。葵ちゃんがお嫁にきてくれたら、きっと毎日楽しいでしょうに。
……あ、でも智花ちゃんとか紗季ちゃんがきてくれても楽しいだろうから、それが選べないのがちょっと残念かな」
「ちょ、ちょっと七夕さんっ、なに言っているんですか!?」
なんでそこで智花ちゃんと紗季ちゃんの名前がでてくるの!?
「あ、ごめんなさいね、葵ちゃん」
「いえ、わかっていただければ……」
「真帆ちゃんや愛莉ちゃん、ひなたちゃんがお嫁に来てくれても楽しいわね。仲間はずれはよくないわよね」
「違いますっ! 七夕さんっ、お嫁さんは一人だけです! 日本は一夫多妻制じゃありませんから!」
激こうする私に七夕さんは「そうね。残念だわ」と本当に残念そうに答えたのだった。
- 89 :
-
「ああ……なんだか疲れた」
七夕さんが私と昴の中を認めてくれたのは嬉しいんだけど……
……なんか素直に喜べない……。
私がリビングに戻ると、智花ちゃんはソファーにきちんと膝を揃えて座ってテレビを見ていた。
でもその視線はテレビを見ているというよりは、何かを思い悩んでいるように見えた。
「智花ちゃん、ごめんね。一人でほっといちゃって」
「いえっ、とんでもございません。……あの、葵さん、先程の件なんですけど……」
智花ちゃんがとても真剣な表情で、私の方に向き直る。
なんだか見ているこちらの胸が痛くなるような切羽詰まった感じだ。
「あ、朝練のこと? あれ、やっぱり無し。私はいいや、やめとく」
「ふぇっ!? よろしいんですか!?」
「うん。実はね、私、朝、すごく弱いんだ。今日は頑張って起きたんだけど、今すごく眠くって……
これじゃ授業中に寝ちゃいそうだから、やっぱり朝は今まで通りギリギリまで寝ていることにするわ」
「そうですか……でも睡眠時間は大切ですものね! 授業中に寝ちゃったら先生に怒られてしまいますしっ」
適当な理由をつけて辞退を申し上げると、一転、曇った顔がたちまち快晴の笑顔に変わる。
七夕さんが言う通り、智花ちゃんは昴と二人だけで朝練をしたかったんだろうけど、
あまりに嬉しそうな様子に、若干不安を覚えてくるわ。
- 90 :
-
「……ねえ、智花ちゃん。ちなみに昴との練習って、どんなことしてるの?
まさかとは思うけど、何か変なこととかされてないわよね」
「ふぇっ、そんな変なことなんて……昴さんは、私にとても優しく指導してくださいます。
それはもう手とり足とり、体を使ってじっくりたっぷり熟練した大人のテクニックを教え込んでくださっています。
あ、でも優しいだけじゃないんです。私の弱いところをすぐに見つけては重点的に攻めてきて、私、いつも昴さんに先に行かされてしまうんです。
私も頑張らなきゃって思って、自分が知っている限りの技を駆使して昴さんを抜くと、
昴さんはとても気持ちが良さそうなお顔で『智花、上手になったね』とおっしゃってくださるんです。
私は嬉しくって苦しいのも飲み込んで、『昴さんが教えてくださった賜物です』って答えて、昴さんをもう一度抜こうとするんですが、
やっぱり昴さんの方がすごくって、私、何度も何度も腰が抜けてへたりこんでしまうまで、昴さんに翻弄されてしまいます。
昴さんは手技もうまいんですが、腰の使い方が特にすごくって、私も合わせようとするんですが、どうしても昴さんのスピードが速くて体を打ち付けられてしまうんです。
最初の頃は昴さんは私の体を気にしてやめてしまっていたんですけど、私が頑張って耐えられるようになってきたので、最近では遠慮なくガンガン攻め続けてくださいます。
私もまだちょっと痛いんですけど、このごろはなんだかそれが気持ち良くなってしまって……えへへ、いけない子ですね。最後はお互いに一回ずつ決めて終わります。
終わった後は体はヘトヘトなのに、すごい幸福感に包まれて……昴さんが『智花、今日もお疲れ様。すごく良かったよ。智花は日に日に上達していってるね』って髪を撫でて頂くのがとても嬉しくって……
私、毎朝昴さんとできてとても幸せだなあって思っています」
…………。
「ふー、さっぱりしたー。あ、葵もシャワー浴びていくか? まだ時間あるだろ?」
「……昴、ちょっと顔かして」
「ん? なんだ?」
私は昴を廊下まで連れ出すと
「こーーーのーーーロリコンばかああああああ!!!!!!!」
自分の蹴り技のすべてを叩きこんでやった。
- 91 :
- 今日はここまでです。
- 92 :
- gi
なんか読んでたらショージ×すばるんを書きたくなってきた
いつかチャレンジしたい
- 93 :
- 乙
七夕さんの台詞回しにやや違和感があったが、
プロットは面白いと思うからがんばってくれー
- 94 :
- GJですよー。葵も好き派(たぶん割といる)なら一度は妄想したことを形にしてくれてる
のはありがたい。是非完走してくれ
- 95 :
- 久々に更新したら大漁レスと共にぐふさんがイタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
これから読み耽る
- 96 :
- 続きです。
自分では非エロだと思うのですが、人によっては
今回の内容をエロだと思うかもしれません。
気になる方はご注意ください。
- 97 :
-
放課後。
「ねえ昴! ちょっと待ってよ!」
昇降口でずっと待っていた私は、見慣れた顔がやってくるのを見つけて声をかけた。
「よ、葵。いま帰りか?」
「うんっ。……あの、け、今朝はごめんね! いきなり蹴り飛ばして出て行っちゃって。
あの後よく考えてみたんだけど、もしかしてまた私、早とちりしちゃったんじゃないかと思って……」
今朝、私は昴を叩き伏せ、ジャージのまま学校まで走ってきてしまった。
せっかく昴と恋人同士になった初日だっていうのに、私ってば何やってるんだろう……。
あれからずっと授業中も後悔しっぱなしだった。
よくよく考えればちょっと語弊はあるものの、智花ちゃんはバスケの練習のことを言っていたのかもしれない。
そう気付いたものの、今さら昴の教室まで謝りにいくきっかけもつかめず、結局ズルズル放課後まできてしまった。
こうしてみるとずっと同じクラスだった小中の9年間は良かったな。
ケンカしても近くにいるからすぐ仲直りできたものね。
「ああ、気にするな。たぶん葵のことだからそんなことだと思ったし」
「そ、そう。……念のために聞いておくけど、智花ちゃんとはバスケの練習しかしてないのよね。
へ、変なこととかしてないんでしょうね!」
「当たり前だって。いいかげん、そこらへんは信用してくれよ」
そりゃ信じたいけど……昴が疑われるようなマネばっかしてるのがいけないんでしょ!
思わずそう言いかけたけど、ここでケンカしたらまた同じだ。
そうだ信じよう。恋人を信じることは何よりも大切なことだ。
- 98 :
-
「うん、わかった。あ、あのさ、ところで今から慧心にいくんでしょ。私も一緒に行っていいかな?」
「あれ? 5年生は今日学校で練習するのか?」
「ううん、そうじゃないけど……どうせなら学校でみんなと会ってから移動したほうがいいと思うし……
……その、す、昴と少しでも一緒にいたいから……」
「え? ごめん、途中から声小さくてよく聞こえない……」
「いいから、とくかく一緒に行くわよ!」
今日は昴は女バスのコーチ、私は5年生たちのコーチがある。
とはいえ体育館は女バスが使うので、5年生は別の場所で練習せざるをえない。
その間は昴とは会うことができないのだ。
昴にもバスケ優先を言ったし、私だって恋愛にかまけて指導を怠けるつもりは微塵もない。
バスケを愛する可愛い後輩たちのためにも、全力をもってコーチにあたるつもりだ。
……だからその……それ以外の時間は、できるだけ多く昴と一緒にいたいと思ってもいいわよね?
慧心学園までは七芝高校から駅まで歩いて、そこからバスに乗る。
その間の正味1時間足らずの僅かな時間、それが私と昴が二人きりでいられる時間だ。
大切にしなきゃ!
私がそう思いながら昴と並んで校門を出た瞬間だった。
目の前にすーっと大型のリムジンが止まった。
「お待たせいたしました。すばるんさま。あおいっちさま」
「へ?」
車から出てきた三沢家のメイド――久井奈聖さんが深々とお辞儀をする。
- 99 :
-
「久井奈さんっ、これは何なんですか!?」
「はい。旦那さまのご命令により、お二人をお迎えにあがりました。さ、どうぞお乗りくださいませ」
頭を下げたまま、すっと後部座席のドアを引く。
ハッと隣を振り向いたが、昴も口を開けて唖然としていたのでどうやら初耳らしい。
「そんないいですよっ。一介の高校生がこんな豪華な車でお出迎えなんて贅沢すぎます!」
「それは困りました。お二人を慧心学園までお送りしないと私が旦那様に叱られてしまいます」
頬に手を当てて全く困ってないようにやんわりと答える久井奈さん。
「ねえ、ちょっと昴、どうすんのよ!」
「どうするもなにも……きちゃった以上、今回だけでも乗せてもらうしかないだろ?
ここで追い返しても久井奈さんに悪し、……それに周囲の目がある」
周りをみるとすでにガヤガヤと下校する生徒たちが集まってきている。
そりゃ校門前にこんな豪華な車が止まってたら、どこのお金持ちかと気になるわよね。
「……うぅ、わかった。さっさとこの場を立ち去りましょう。
それじゃあ、久井奈さん、申し訳ございませんが、今回だけお願いできますか?」
「かしこまりました。どうぞお乗りください」
うー、二人の大切な時間がーっ。
そうして私と昴は三沢家のリムジンの中へと乗り込んだ。
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