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2012年08月創作発表46: 薔薇乙女の奇妙な冒険4 (369) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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薔薇乙女の奇妙な冒険4


1 :2012/09/24 〜 最終レス :2012/11/24
前スレ http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1341584000/
まとめ http://slpy.blog65.fc2.com/?tag=%A5%ED%A1%BC%A5%BC%A5%F3%A5%E1%A5%A4%A5%C7%A5%F3

2 :
主な登場人物
水銀燈
強い賢い美しいと三拍子揃った頼れる長女。しかし二言目には憎まれ口を叩く困ったちゃん。
自己嫌悪することもあれば自惚れたり、冷静かと思えば猪突猛進の気もあり、忙しい娘。
金糸雀
賢い馬鹿。やる時はやる子。やればできる子。しかしダメな時は何もかもダメ。
欲望には弱いがナイスな次女。
翠星石
人見知りするくせに相手を自分より格下だと判断するや否や急に態度がでかくなる。
しかも薔薇乙女の中で三女という結構な地位にいるので大概の相手を格下と見なす。
蒼星石
薔薇乙女一の常識人。薀蓄大好き。マスター大好き。
今のところ、マスターを結菱一葉と桜田ジュンの並立制にしている。
真紅
薔薇乙女一の問題児。特に下ネタを躊躇せず使う。ジュンをホモだと思っている。
趣味の釣りが嵩じてnのフィールド(記憶の海)に第五真紅丸という漁船を有している。
雛苺
可愛い馬鹿。純粋な馬鹿。翠星石、真紅とともに桜田家の三馬鹿と呼ばれる。
今のところ、マスターを柏葉巴と桜田ジュンの並立制にしている。
雪華綺晶
姉達のものを何でも欲しがる癖がある末っ子。趣味は悉く陰湿。
幽霊みたいな側面があり、浮いたり壁抜けができる反面、お経や清めの塩を受けると蒸発する。
ブサ綺晶
雪華綺晶子飼いの傀儡人形。一応は操り糸で操作されているらしいが、自律型も存在する。
大きさも何種類かあり、ガンプラBB戦士みたいなサイズから雛苺サイズまである。
薔薇水晶
槐メイデン。しかしその経緯はラプラスの魔と雪華綺晶に唆された槐が作ったもの。
自身とお父様に対する誇りと、はたして自分は生まれてきてよかったのかという迷いを常に持つ。

3 :
主な登場人物
桜田ジュン
三馬鹿の面倒を見る苦労人。
桜田のり
三馬鹿に加えジュンのことも見守る真の苦労人。
柏葉巴
ジュンのことは嫌いではないが、もっと自信を持ってほしいと思っている。
柿崎めぐ
ジュンのことはどうでもいいが、からかうと面白いと思っている。
草笛みつ
金糸雀を溺愛しているが、あまりに金糸雀がアホの子の時はついていけないこともある。
結菱一葉
最近、ジョギングが趣味。
結菱二葉
最近、ジョギングしている兄の背後霊として付きまとうのが趣味。
オディール・フォッセー
エセ外人臭の抜けないフランス人。薔薇屋敷で住み込みのメイドをしている。
鳥海皆人
桜田ジュンに憧れる同級生。だが傍目には彼が桜田ジュンに劣る要素は一つもない。

自称ローゼンの弟子。ローゼンを越えたいという執着心に雪華綺晶が目をつける。
彼女とラプラスの魔の協力の下、薔薇水晶を作成しアリスゲームを撹乱した。
その頃のことはそれなりに反省し、今では娘を溺愛するとぼけたオッサン。
ラプラスの魔
雪華綺晶とつるむ事もあるが、基本的には裏方でなんやかんやと企んでいる。
ボス猫
桜田家の近所一帯を支配するボス的存在な猫。雛苺の友達。
ビッグジュン
隣の世界のもう一人のジュン。たまに人手が足りない時に真紅にむりやり連れてこられる。

4 :
主ではない登場人物
nのフィールドの四大集団
庭師連盟、東果重工、ネクロポリタン美術館、渡し守の集い。
メメントリオン
主に記憶の海に生息するクリオネ型の妖怪。呪いを消化(浄化)する掃除屋でありスカベンジャーな存在。
ヤドカリのように他の物体を鎧として身に纏う。鎧となる対象は船や学校などさまざま。
野薔薇
ローゼンメイデンを模して作られた出来損ない達。nのフィールドの各所に潜む。
製作者、制作年代はバラバラであるが、その多くが孤独と狂気に蝕まれている。
薔薇水晶も広義ではこのカテゴリーに属する。
ロゼリオン(旧)
メメントリオンが死んだ野薔薇の躯を鎧として纏った状態。
外側が人形なだけで中身はメメントリオンそのままなので知能は低い。
人工的に量産されようとしていたが薔薇乙女達の介入により殲滅された。
ロゼリオン(新)
生きた野薔薇が生きたメメントリオンを捕食し融合した状態。
旧型がほとんどメメントリオンの亜種に過ぎないのに対し
こちらは野薔薇がメメントリオンの力を取り込んでパワーアップした。
数は多くなく、確認されているのは五体で、いずれも既に死亡。
これらとは別にロゼリオンを自称した人形、オズレがいるが真偽は不明。

5 :
【薔薇乙女の芋煮会】
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1341584000/571-
の続きから

6 :
巴「……あ、これはサツマイモね」もぐもぐ
薔薇水晶「私はヤマイモです」しゃきしゃき
みつ「なぁんだ、中身もイモ尽くしね」
金糸雀「雪華綺晶の用意した闇鍋なんて怪しすぎるから
     身構えちゃったけど、案外普通かしら」
真紅「拍子抜けなのだわ」
翠星石「味も悪くねーですね」
水銀燈「意外だわぁ。末妹が真面目に料理していただなんて……」
雪華綺晶「……」

7 :
ジュン「ぎゃああああああああああああっ!!」
蒼星石「!? どうしたのジュン君!?」
めぐ「虫でも入ってた?」

ブサ綺晶「き……ききー……」ねばぁ〜

ジュン「ぼ、僕の箸が鍋の中に引きこまれそうになって……
     引っ張り上げたら! コ、コイツが……!!」
翠星石「ぬおっ!? ブサ綺晶!?」
水銀燈「やっぱゲテモノを入れてたわね!!」
雪華綺晶「お姉様方に不足しがちな人形分をブサ綺晶で補ってもらおうかと。
       どうぞ桜田ジュン、遠慮せず頭からがぶりと」
ジュン「がぶりと、じゃねーよ!! 何考えてんだお前!!
     鍋に人形を入れるな!! 人形を!! ものすごいびっくりしたわ!!」
雪華綺晶「この程度でビックリしすぎです。
       ベルセルクだったら人形じゃなく、人間のR児が入ってますよ」
ジュン「料理でベルセルクと張りあうな!! あれはファンタジー漫画だろ!!」
めぐ「でも純正の料理漫画で、鍋に審査員の飼い犬をバラして入れたってのあるわよ」
水銀燈「鉄鍋のジャンね。あのシーンは下手なホラー漫画より怖かったわぁ」

8 :
ブサ綺晶「き……、きーっ」ねばねば
ジュン「あ、わ、悪い! すぐ洗ってやるからな!! 結菱さん、水道は……!?」
一葉「ああ、あっちだ。なんなら風呂場の方でお湯を使っても構わんぞ」
ジュン「ありがとうございます! よし、行くぞブサ綺晶」
ブサ綺晶「きき……」

雪華綺晶「やれやれ。せっかく入れましたのに」
巴「……流石に悪趣味すぎるんじゃないの、雪華綺晶」
真紅「しかし、ダシに何とも言えない風味があったのはブサ綺晶が入っていたからなのね」
雛苺「香ばしくて食欲がそそられるの。お箸がすすんじゃうのよ」ひょいぱくひょいぱく
翠星石「グロいものは大概美味と相場が決まっているですからね」むしゃむしゃ
金糸雀「桜田家の三馬鹿には許容範囲なのかしら。鍋の中にブサ綺晶入ってても……」
真紅「人間だってゴリラやサルを食べたりするじゃない」
金糸雀「……」
薔薇水晶「……」
みつ「ところで雪華たん、私が持ってきた食材は?」
雪華綺晶「美味しくいただきました。料理の腕を振るうために栄養とパワーが必要でしたので」
みつ「ああ、そう……」

9 :
§第五班・ふかしイモ
真紅「じゃじゃーん、真紅ちゃんと愉快な仲間達がお送りする最後の料理はー」
翠星石「すばり! 『ロシアンふかしイモ』ですぅ!!」
槐「すっげぇ、イヤな予感」
雛苺「サツマイモ、ジャガイモをふかしただけじゃなく中にいろいろ入れたの!」
真紅「バター、塩コショウ、辛子明太子などなどオーソドックスなものから……」
水銀燈「真紅、今さらヤイノヤイノ突っ込むつもりはない。
     だからハズレと言うかアタリに何を仕込んだのかだけ言って」
翠星石「やれやれ、あんたってお人はせっかちですねぇ水銀燈」
雛苺「えっとね、アタリにはカラシをたーくさん入れてあるのよ!」
巴「カラシ?」
みつ「ロシアン系としてはベタね」
のり「カラシなら、まあなんとかなりそう。ふかしイモともマッチしてるし」
翠星石「チューブ二本分ぶち込んでいるですけどね」
蒼星石「げ」
一葉「なぜ、二本も……?」
翠星石「特に意味はねーです。たんなる悪意ですよ」
雪華綺晶「悪意の塊ですわね、翠のお姉様」

10 :
真紅「それじゃあ、みんな自分のイモを選んで手に取った?」
雪華綺晶「紅薔薇のお姉様、桜田ジュンがいませんが」
薔薇水晶「まだブサ綺晶を洗っているのでしょう」
翠星石「チビ人間を待っていたら、イモが冷めちまうです」
みつ「そうね。ジュンジュンには悪いけど先に食べちゃいましょう」
めぐ「こういうパターンだと、ジュン君にカラシ入りのが残っちゃいそうじゃない?」
巴「うん。桜田君ってそういう星の下に生まれてるところあるから……」
金糸雀「それはそれでジュンはオイシイからいいのかしら〜」
一葉「そうだな。では、いただくとしようか」
蒼星石「よーし、いっせーの……」
全員『せっ』ぱくっ

11 :
金糸雀「おうげぇっ!! げえほっ!! ゲホッ!! カハッ! ケハァッ!」じたばた
翠星石「あ、カナチビが大当たりですか」
みつ「カナ……」
金糸雀「ぐへあっ!! ごふっ」びったんばったん
雪華綺晶「今日はもう、踏んだり蹴ったりですわね金のお姉様」
薔薇水晶「ええ」
翠星石「オイシイやっちゃですぅ」

ジュン「やれやれ、なんとかブサ綺晶のネバネバを洗って寝かせて来たぞ……て?」
金糸雀「ぐ、ぐはっ……」びくんびくん
ジュン「なんで金糸雀が痙攣してるんだ? 喉でも詰まらせたのか?」
一葉「実は……かくかくしかじか」
ジュン「なんだ、ただのお約束か。で、僕の分のふかしイモは?」
真紅「これよ」
ジュン「どれどれ、僕には何が出るかな」ぱくっ
蒼星石「カラシはもう金糸雀に当たっているから安心だね」

12 :
ジュン「おうげぇえええええええ」びたびたびた
槐「ッッ! は、吐いた!?」
水銀燈「まさかのもう一個、カラシ入りが!?」
薔薇水晶「飛天御剣流は隙を許さぬ二段構え……?」
真紅「いいえ、カラシは一個だけのはず」
のり「じゃ、じゃあジュン君は何を食べ……?」
ジュン「ひ、雛苺〜……ぉッ!!」
雛苺「うゆゆ?」
ジュン「お、お前だろ!! ふかしイモに苺ジャム入れたの!!」
めぐ「い、苺ジャム!?」
翠星石「うわぁ……それはきついですぅ。
     チビ苺ったら翠星石達の目を盗んでそんなものをこしらえていたですか」
雛苺「そうなのよ」
ジュン「そうなのよ、じゃねーよ! お前……何考えて……ッ!!」
雛苺「えー? 美味しいはずだと思ったのに〜」
ジュン「どういう思考回路してたら、そういう風に」
巴「待って桜田君! 大学芋とか、イモに甘い蜜を掛ける料理もあるじゃない」
ジュン「く……、柏葉は雛苺には甘いんだから」
真紅「そしてジュンは柏葉巴に甘いのだわ」ぼそっ
ジュン「……何だよ?」
真紅「何よ?」
蒼星石「ほらほら二人とも、芋煮会でケンカしないでしないで」
一葉「料理はまだまだ残っているんだ。若い者はたくさん食べなさい」
みつ「はーい」
蒼星石「余ったのはタッパーに入れて持って帰ってくださいねー」
のり「あら、嬉しいわね」
雪華綺晶「鍋ごと持って帰るのはダメですか?」
蒼星石「ダメ」

薔薇乙女の芋煮会・終

13 :
乙でした
容量落ちになるペースがだんだん早くなってるな
4番目の鍋を見て何かを想像しなかったorそれを口に出さなかった真紅は
ギリギリで空気の読める子

14 :
乙ー
食材食べるなよきらきーwww

15 :

飛天御剣流ふかし芋ワロタwww

16 :
>>13-15
ありがとうございます
雪華綺晶は末っ子だから本当に好き勝手やっちゃうよ

17 :
【水銀燈は動かない『くんくん探偵リュックサック編』】

18 :
真紅「さあ、桜田家家族会議のお時間なのだわ」
翠星石「ファミリーの絆を高めるために皆で忌憚の無い意見を言いあうですぅ」
雛苺「楽しくて、そしてちょっと切ないトークの始まりなのよ」
ジュン「……単に、いつものお前らの駄弁りに僕とのりを巻き込んだだけだろ」
のり「でも、こういう風に前置きされるとちょっとドキドキしちゃうわねジュン君」
ジュン「しない」
真紅「ふふふ、そんなぶっきらぼうな態度で緊張を隠さなくてもいいのよジュン。
    トークに不慣れなあなたのこと、本当はもう心臓バックンバックンで
    MG5(エム・ゲー・ヒュンフ)なんでしょ?」
ジュン「え、えむげー? なんだって?」
真紅「MG5(エム・ゲー・ヒュンフ)」
翠星石「マジでゲロする五秒前の略称ですぅ!」
雛苺「今年の流行語対象狙ってるのよ!」
ジュン「……好きなだけ狙ってろ」

19 :
翠星石「ま、そういうわけで翠星石達は優しいですから
     そんなにゲロを吐くほど怖がらずに安心するですチビ人間」
ジュン「だからこんな家族会議もどき怖がってもいないし、ゲロも吐かないってば。
     で、今度は一体どんなテレビ番組に影響されたのかは知らんが
     どうして突然こんなのを催した?」
真紅「昨今、家庭内での会話の減少が青少年の犯罪に結びついているのだわだわ」
翠星石「対話なくして平和なしですぅ」
ジュン「まーた、お昼のワイドショーか何かの話を鵜呑みにしちゃって……」
雛苺「特にジュンは引きこもりで危険があぶないのよ!」
ジュン「ええい! それはもう克服して学校にも行ってるだろうが!!」
真紅「風邪でも何でも治りかけが一番危ない。現に、ジュンだって
    柿崎めぐに生足で踏まれて、なじられた程度で入院騒ぎになったじゃない」
翠星石「マジドン引きナサバナ(情けない話)ランキングナンバーワンですぅ」
のり「そうねぇ、社会人だったら逆にお金払うシチュエーションよジュン君」
ジュン「うぐ……」

20 :
真紅「とは言え、ジュンのカウンセリングだとかセラピーだとか大々的に掲げると逆効果」
雛苺「だから家族会議ってことに落ち着いたの」
ジュン「……」
翠星石「一家の大黒柱も、おふくろさんも不在。子供達のストレスも限界のはずですぅ」
真紅「だからジュン、この真紅パパに青少年の青臭い悩みを打ち明けなさい」
ジュン「お前がパパかよ」
翠星石「そんでもって翠星石がママですよ」
雛苺「ヒナはママの弟、おじさんなの。さぁジュン君、なんでも相談してくれたまえ、なのよ」
のり「そういう設定でいくんだ……」

21 :
ジュン「そうは言われてもな、特に相談したい悩みなんか今のところ……」
真紅「……じゃあ、こちらから話題の助け船を出してあげるのだわジュン」
ジュン「?」
真紅「いや〜、こうしてお前と面と向かって話すのも久しぶりだな〜ジュン。はっはっは」
ジュン「はぁ?」
のり(急に役作りを始めたわね真紅ちゃん……)
真紅「で、どうだ? 学校は楽しいか?」
ジュン「ぼちぼち」
真紅「ダメだぞー、折角の青春の1ページなんだ、もっと楽しめー。
    夕日に向かって走ってこけろー。あ、でもジュンはスタートダッシュでこけて
    青春ノートの前半がデスノート化していたっけかー、はっはっは!」
ジュン「お前は僕を励ましたいのか、それとも傷つけたいのか。
     あと、デスノートに例えた意味が全く分からん」
真紅「……彼女は出来たか?」
ジュン「嫌味で言ってんのか?」
翠星石「あらあら、駄目ですよアナタ。ジュンだって年頃なんですから」
真紅「おいおーい、お前はそうやって、すぅぐにジュンを庇うな〜、はっはっは」
のり(翠星石ちゃんまで完全に役になりきって……。
   あと真紅ちゃんがなんだか藤岡弘、っぽい)
翠星石「私達に内緒なだけで、彼女の一人や二人ぐらい……ね? ジュン君?」
雛苺「おじさんがジュン君ぐらいの年の頃はそりゃもうバンバンだったぞー」
ジュン「何がバンバンだよ」

22 :
翠星石「え、ひょっとしてジュン君、彼女とか……出来たことない?」
ジュン「……」
雛苺「いやいやいや、でも彼女とキスとかはしたことなくとも
    女友達と手を繋いだ経験ぐらいは……」
ジュン「……」
真紅「ま、まさか……? それすらない?」
ジュン「……」
翠星石「うわぁ……」
雛苺「あかんわ、これは……」
真紅「お前、本当に俺と母さんの子か?」
ジュン「そのわざとらしい演技を今すぐ止めろ」

23 :
のり「あ、あの、これって家族会議じゃなくて、単にジュン君を吊るしあげているだけじゃ」
ジュン「何が悩み相談だよ。傷口をナイフで抉るようなものだ」
真紅「ナイフを熱することで傷口の消毒になるかと……」
ジュン「だったらちゃんとしろ。無傷なところを火傷させようとしてたとにしか思えん」
真紅「火遊びでの火傷は男の勲章よジュン」
ジュン「適当に上手いこと言おうとするな真紅」
翠星石「……うぅむ、翠星石達なりにチビ人間とアットホームな感じで
     フランクでピースなRレーションをトークる筋書きだったのですが」
真紅「いかんせん、ジュンをつついて出てくるのは汚点ばかりだったのだわ」
ジュン「あのな、自分で言うのも何だが僕だって頑張れば長所の一つや二つ」
真紅「だめだめ、ジュンが頑張ったところで出るのはゲロとRだけ」
雛苺「無理するとまた病院送りになるのよ?」
ジュン「……」

24 :
真紅「仕方ない。話題を転換するのだわ」
のり「?」
翠星石「今度はチビ人間の心の闇とは全くカンケーない話ですぅ」
雛苺「気軽なおしゃべりでジュンの冷え切った心を温めるの」
ジュン「つまりはただの雑談ってことか?」
真紅「そうとも言う。では、早速……私、常々気になっていたことがあるの。
    いい機会だし、この場でみんなの意見をたまわりたいと思う」
のり「なになに?」
真紅「ダイアーさんの稲妻十字空烈刃を破った格闘者は本当に一人もいなかったのかしら?」
ジュン「おいおいおいおいおいおいおい!」
真紅「もちろん稲妻空烈刃じゃなくて稲妻十字空烈刃の方の話ね」
ジュン「だから、おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい! 
     ほん〜〜〜〜っっっっとに、いきなりどうでもいい話題に変えたな!」
真紅「私は真剣よ」
翠星石「えー? でも真紅、スト様がそう言ってたんですし、そうなんじゃねーですか?」
真紅「でも、あれって前蹴りでダイアーさんのマタンキをガシャン出来そうじゃない?」
のり「そう言われれば確かに」
ジュン「そんなところまでキックが届けばな。それに、あの技って
     最初のスローな蹴りでガシーンってするところは猫だましみたいに
     相手をびっくりさせて硬直させるのも狙ってるんだろう」
真紅「なるほどなるほど」
雛苺「漫画とかの話になると、いっぱい喋ってくれるのよねジュン!」
ジュン「悪かったな」

25 :
真紅「では、次の議題、というかぶっちゃけ本題。まずはこれをご覧ください」パサッ
のり「? なにこれ? 雑誌?」
翠星石「こりゃ『Garden』(※1)最新号じゃねーですか?」
雛苺「うにゅにゅ? 『ライトブルーの少女』がアニメ化決定って大きく書いてあるの!」
ジュン「どこの局で流すんだよ」
翠星石「ほほぉ、確かにこの漫画のお陰でGardenの発行部数は増えたと
     シキ(※2)もホクホク顔で自慢していたですね」

※1 『Garden』
nのフィールドの庭師のコミュニティ『庭師連盟』が不定期刊行している雑誌。
元々は庭師間での情報共有などが目的だったが、色々と迷走した結果
美味しいラーメン屋さんの紹介記事やストーリー漫画を掲載している。
ちなみに蒼星石が『Blue-Star』名義で『ライトブルーの少女』を好評連載中。
※2 『シキ』
庭師連盟の一人、少しジョニー・デップ似のイケメン。Garden編集長。
それぞれ詳細は『蒼星石と若人の特権』 ttp://slpy.blog65.fc2.com/blog-entry-4245.html参照。

26 :
真紅「この間、試しに作者のサインが欲しいとシキにねだってみたこともあるのだけど
    Blue-Star先生は恥ずかしがり屋だから勘弁してくださいと断られたのだわ」
翠星石「ちぇー、サインぐらい減るもんじゃねーですのに」
雛苺「Blue-Star先生ちょっとケチなのよ」
ジュン(こいつらBlue-Star=蒼星石ってことは知らないのか)
のり「ええと、この『ライトブルーの少女』って面白いの?」
真紅「勿論。『ライブル』は繊細な心理描写を交えながら
    大胆な構図とアクションでストーリーをぐいぐい引っ張っていくのだわ」
ジュン「ライブルって略すんだ」
のり「どんなお話なの?」
翠星石「血が青いという理由だけで言われなき差別や迫害を受けた主人公の少女が
     自分の血統を調べるためにファンタジーな世界を旅するハートフル世紀末伝ですぅ」
ジュン「ハートフルなのか? それ?」
雛苺「基本的には主人公がある場所を訪れる→事件発生
    →機転で解決→次の目的地って感じなのよ」
真紅「血が青い理由については、人造人間説、魔族とのハーフ説などなどが
    におわされているけど、ゴルゴ13の素性よりも曖昧にぼかされている」
翠星石「主人公が結局、血が青いだけで特殊能力が何もないですからね。
     問題解決の方法も、あくまで人間の勇気と閃きの範囲内です」
真紅「だから面白いのだわだわ。
    主人公が少女だから体力は無いんだけど、とにかく精神的にタフ。
    R発酵させて爆弾とか毒饅頭とか作っちゃう」
ジュン「ああ、そう」
雛苺「それでどれだけ新天地でうまくやっていけそうだとしても
    結局は青い血がばれて旅立ちを強いられちゃうの」
翠星石「いつもの終わりのシメのお約束のコマがいいんですぅよ。
     スカイブルーの晴れた空の下、主人公がポツンと歩いていくのです」
のり「へ、へぇ〜。タイトル的に少女漫画だと思ってた……」

27 :
のり「じゃあ、折角だから、この誌上のライブルをちょっと見せて……」
真紅「今号のライブルは休載なのだわ」
のり「ええっ? どうして?」
真紅「作者が岸辺露伴先生の漫画家体操を真似しまくって肩が脱臼したんだって」
ジュン(何やってんだよアイツ)
翠星石「あらら、そいつは痛そうですねぇ。そういえば蒼星石もこの間
     庭仕事中に梯子から落ちて肩を脱臼したって言っていたですね」
ジュン「?」
のり「ええ? 蒼星石ちゃんも脱臼ぅ!?」
雛苺「うぃ? おじいちゃんとの絆の力で直らないのよ?」
真紅「そうね、私とジュンの間の絆ですら、腕の切断が直ったのよ。
    結菱老人との絆であれば、蒼星石が微粒子レベルに
    分解されても復活しそうなもんだけど」
翠星石「今度、暇があれば薔薇屋敷を覗きに行けばいいですよ……。
     ここぞとばかりに蒼星石が大袈裟におじじに甘えているですから。
     しばらくは肩を直すつもりが無いですね、蒼星石にも、おじじにも」
のり「あらあら……」
真紅「なかなか想像しづらいわね、蒼星石が甘えているところなんて」
翠星石「普段は真面目君ですけど、蒼星石の根っこは甘えたがりですぅ。
     ちなみに私以外の姉妹の前では絶対そんな姿は見せないですから
     薔薇屋敷を偵察する時は蒼星石に気付かれずに隠密乙女でよろしくです」
雛苺「金糸雀みたいにすればいいのよね!」
翠星石「いんにゃ、カナチビの真似してちゃ0.2秒で見つかるですよ……」

28 :
真紅「話が恐ろしく脱線してしまったけれど今はライブルは置いといて……
    皆と相談したい問題はこっちよ」
のり「え!? ライブルの件が本題じゃなかったの!?」
真紅「つい、熱が入ってしまっただけなのだわ。本当に見てもらいたいのはこっち」
ジュン「んん? 『それ行け!くんくん探偵!』?
    なんでくんくん探偵の漫画が『Garden』に?」
翠星石「漫画路線がウケると思ったのか掲載漫画の種類も増えたのです」
ジュン「いいのか? 勝手に『くんくん探偵』とか使って?」
真紅「庭師連盟側は原作者の了解を得たスピンオフだと言っている、一応。
    ま、それはそうとして注目すべきは漫画本編ではなく、こっちの……」
のり「読者プレゼント当選結果?」
ジュン「プレゼントとかもあるんだ、いっちょまえに」

29 :
雛苺「うにゅにゅ……『ライブル特製R饅頭』!
    あのR味のカレーの開発者E氏の全面協力により出来あがった
    至高の一品の当選者は……」
真紅「だからもう、そっちじゃない! こっちよ。こ・れ!」
翠星石「くんくん探偵リュック?」
のり「あー、すごい! 可愛い〜! くんくん探偵がリュックサックになってるのね」
真紅「ええ。ベロがジッパーのつまみになっているという遊び心にも溢れた
    非常にクオリティの高い一品よ」
ジュン「これ、リュックを開けようとベロを引き下げたら
     口がヘソのあたりまで引き裂かれてるみたいな構造になっているじゃないか」
翠星石「流石はくんくん! グロテスクですぅ」
のり「それで、これが欲しいの真紅ちゃん?」
ジュン「けど、これはもう当選者の発表だろ? 応募じゃなくて」
真紅「当選者の名前をよく見てみなさい」
翠星石「どれどれ……? 当選者は以下の3名です……?」
のり「……栃木県在住医療従事者『くんくん探偵大好き』さん」
ジュン「……ガーナ在住大使館員『ニャホニャホタマクロー』さん」
雛苺「……住所不定無職『柿崎水銀燈』さん……ッッ!?」

30 :
のり「あら? 水銀燈ちゃん、くんくん探偵リュック当てたんだー。良かったわね〜」
真紅「全ッ然、良くない!! なんで!? 私はこの応募のために
    お小遣いを全てハガキに費やしたというのに! 何故この私ではなくあの性悪水銀燈に!?」
ジュン「ああ……そういうこと」
翠星石「まあ、こればっかりは運ですからね……」
真紅「違う! きっとあの水銀燈の事だから不正をしたのだわ!! だわだわ!
    あの子は暇さえあればウサギにすら色目を使う女狐なのだわ」
雛苺「し、真紅ぅ……落ち着いてぇ〜」
真紅「いいえ、落ち着かない! 純真で清廉潔白なこの真紅を差し置いて
    水銀燈は汚い手を使ってくんくん探偵リュックを手に入れた!!
    そんな汚れた女の手に抱かれてくんくん探偵も喜ぶはずがなかろうなのだわァーッ」
のり「し、真紅ちゃん……」
真紅「ぬおおおおおお……神様仏様お父様! なぜ、この迷える子羊をお見捨てにぃぃぃぃ!!
    そして! よりにもよって水銀燈のような野蛮乙女にくんくん探偵リュックサックををををを」

31 :
§5分後
真紅「ふーっ……、ふーっ……」
ジュン「気が済んだか真紅? 取り敢えず紅茶を入れたから飲んで冷静になれ」
真紅「ありがとうジュン。でも、私は最初から冷静よ」
翠星石「とてもそうは見えなかったですがね」
真紅「私、真紅は決心したのだわ」
雛苺「何を?」
真紅「必ずや邪智暴虐の水銀燈から、くんくんリュックサックを助け出せねばならない」
ジュン「おいおいおいおいおいおいおい!」
真紅「待ってて! くんくん! 少しだけの辛抱よ……っ!」
ジュン「だから、おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい! 
     お前、水銀燈からくんくん探偵をドロボーするつもりか?」
真紅「人聞きが悪い事を言わないで頂戴ジュン。
    それに私達は薔薇乙女、欲しいものは奪い取るアリスゲームが身上よ」
翠星石「当の水銀燈ですら、その考え方を改め始めているですのに……」
のり「ダメよ真紅ちゃん、ケンカばかりしてちゃ。姉妹なんでしょ?」
真紅「じゃあ、ここは平和的に妹にくんくん探偵リュックを譲ってもらうよう交渉するだわ」
雛苺「うゆゆ、だったらヒナがもらうのよ! くんくんリュック〜」
真紅「雛苺は私の召使だから駄目」
雛苺「うにゃっ!?」

32 :
§その頃の柿崎めぐの部屋
水銀燈「……」ジジジジー
めぐ「ふふ、さっきからリュックサックのベロつまみを上げたり下げたりばっかりして。
   本当に嬉しかったのね水銀燈。そのリュックが当たって」
水銀燈「べ、べつにぃ。ベロを下げた時の
     この犬の間抜け面が面白くてやっているだけよ」ジジジジー
めぐ「でも、そんなに激しくしてると壊れちゃうかもよ、探偵さん」
水銀燈「!」ぴたっ

電話『RRRRRRRRR』

めぐ「あ、電話だ。はい、もしもし柿崎です」がちゃっ
水銀燈「……」

33 :
めぐ「えー? あー、やーだー! ひーさーしーぶーりー! 元気ー?」
水銀燈(友達の誰かから? めぐって電話口だと声が大きくなるのよねぇ……)
めぐ「うん? うんうん! なるほど! へー、あらやだ! うそ〜! それ本当?」
水銀燈「……」
めぐ「え? 何言ってるのよ〜! そんなことしたらイカがカワイソーじゃない!
   ほーんと、あなたって下ネタ好きよねー! え? あ? 水銀燈? うん、いるわよ」
水銀燈「……?」
めぐ「はい、水銀燈。あなたに電話かわってほしいって」
水銀燈「誰よ? 相手は?」
めぐ「真紅ちゃん」
水銀燈「ッ!?」

34 :
水銀燈「ちょっと真紅!? アンタうちのマスターと何くっちゃべってんのよ!!」
真紅『他愛のない世間話ぐらいいいじゃないの。独占欲強いわね貴女』
水銀燈「他愛のない世間話で、イカが可哀そうな話題を振らないで」
真紅『はいはい。それじゃ早速だけど用件を言う。貴女、くんくん探偵を強奪したでしょう?』
水銀燈「……はぁ!?」
真紅『とぼけた真似はヨシ子さんよ水銀燈。ネタは上がっているのだわ。
    貴女がGarden応募係に体を売って、くんくん探偵リュックを入手したことは』
水銀燈「……」
真紅『汚らわしいのだわ! おぞましいのだわ! 貴女のような端女にくんくん探偵を
    委ねるわけにはいかないのだわ! だわだわ!!』
水銀燈「……あのねぇ」
真紅『言い訳無用! ウナギは土用!』
水銀燈「……」
真紅『いいこと!? 今すぐにでも私が貴女の魔の手からくんくん探偵を救出……』
水銀燈「……素直に貸してほしいと真紅が言うのなら貸してあげなくない事もないけど?」
真紅『……ッッッ!?』

35 :
§桜田家・廊下
ジュン「なんだ? 真紅の勢いが急にしぼんで受話器握ったまま立ちすくんでいるぞ?」
真紅「……」ぷるぷる
翠星石「水銀燈が挑発に乗らず、大人な切り返しをしてきたせいで
     真紅の調子が狂っているみたいですね」
真紅「そ、そんなの信じられるわけがないのだわ!
    どうせ、3回まわってワンしろだとか、土下座しろだとか……」
水銀燈『馬鹿言ってんじゃないわよぉ。そもそも未だに余っていた1枚の年賀ハガキを使って
     試しに応募してみたらタマタマ当たっただけだし……。それに
     真紅がどうしても欲しいと言うのなら、譲ってあげなくもないわぁ』
真紅「うぬぎぎぎぎぎぎぎ」みしみし
のり「し、真紅ちゃん! 力が入ってる!! 力が入ってるッッ!!
   それ以上、握りしめると受話器砕けちゃうわよ!?」
雛苺「でも、良かったのよね真紅。水銀燈がくんくん探偵をくれるって言ってるのよ!」
翠星石「うむうむ。譲り合いの精神が水銀燈に生まれたのはいいことですぅ。
     それもこれも蒼星石が水銀燈に取り込まれた過去があってこそです……」
水銀燈『なんだったら、今からそっちに持って行きましょうか?』
真紅「見くびらないで! この真紅、勝利を譲られるほど
    落ちぶれていないのだわ!! 失礼したわね! ごきげんよう!!」ガチャン

36 :
§柿崎めぐの部屋
真紅『ごきげんよう!! ガチャンッ!! ツー……ツー……』
水銀燈「……」
めぐ「怒らせちゃったわね。せっかく水銀燈が優しい態度だったのに」
水銀燈「まあ、わざとよ。真紅は天の邪鬼だから、ああ言えば、くんくん探偵の事も諦める。
     あの子のプライドの高さは筋金入りだしね。売り言葉に買い言葉じゃ泥沼化して
     古いアリスゲームに逆戻り。いつまでもループしてるわけにもいかないのよ」
めぐ「さっすが水銀燈。似た者同士の真紅ちゃんの事はよく分かってるのね!」
水銀燈「似てないわよ」
めぐ「……そういうところが似てるんだけど」

37 :
§桜田家・廊下
真紅「ううう……」がっくり
のり「あらら、真紅ちゃんが、くずおれちゃった」
ジュン「なんだかうまいこと水銀燈にあしらわれちゃったようだな」
真紅「もう……駄目なのだわ。私は……もう、一人だけで生きていく自信がない」ぐて〜
翠星石「少し前までは一人で生きていく自信があったんですね」
ジュン「分かった分かった。分かったから寝るんなら自分の鞄で寝ろ。
     こんな廊下の真ん中で寝っ転がられたら邪魔でしょうがない」
真紅「じゃあ、あなたが鞄まで私を運んでちょうだい」ぐて〜
ジュン「はいはい……」ひょい
雛苺「蒼星石も真紅も甘えんぼさんなのよね」
真紅「できればお姫様抱っこで。この廊下は一人で寝るには冷たすぎたのだわ」
ジュン「はいはい……」
真紅「はい、は一回でよろしい」
ジュン「はいはい……」

38 :
§桜田ジュンの部屋
ジュン「ほら、それじゃゆっくり寝てろ。2〜3日ぐらい起きてこなくていいぞ」
真紅「ジュンも一緒に鞄に入って……」
ジュン「入れるわけねーだろ」
翠星石「強引に関節を折り曲げれば入れないこともないですよ」
ジュン「僕は究極生物じゃない」
真紅「じゃあ、両手両足を切断するのだわ。そうすれば多分入る。
    あとで絆の力でくっ付けてあげるから。もしくはジョナサンみたいに首だけでもベネ」
雛苺「名案なのよね」
ジュン「無茶言うな。いいから一人で寝ろ」
真紅「夕ご飯の時間になったら起こして」
ジュン「甘えるな。自分で起きろ」
真紅「人形は起きるものじゃない、起こすものよ。
    あ、なんだか私、すごい良いこと言ったっぽくない?
    冬休みの宿題の新年の書初めに使ってもいいわよ今の言葉」
ジュン「やかましいわ」

水銀燈は動かない『くんくん探偵リュックサック編』 終

39 :

仮にも美少女からの添い寝願いなのにモニョるなここの真紅さんだと

40 :
あいかわらずネタが新鮮すぎる

41 :

しかしいつもの真紅さんなら暇人暇人形を集めて自作するはず…

42 :
>>39-41
ありがとうございます
確かに真紅さんは自作する子だった
けど今回はそれ以上に水銀燈が許せなかったということで

43 :
【コカトリスは桜田ジュンが好き】

44 :
      .ィ/~~~' 、 
    、_/ /  ̄`ヽ} 
    ,》@ i(从_从)) 
    ||ヽ|| ^ω^ノ
    / ̄旦 ̄/ヽ  
  /___/ ※/) 
 / ※ ※ ※ ※ //
(ー―――――_,ノ   
真紅「ふー、ぬくぬくなのだわ」
翠星石「ですぅ。こたつの発明者にはノーベル賞を送ってもいいと思うですよ。
     でも調べるのが面倒くさいですから、感謝の気持ちだけにしておくです」
ジュン「……ちょっと冷え込んだ程度でミニこたつを引っ張り出して来やがって。
     この先、冬本番になったらどうするつもりなんだよ二人とも」
真紅「大丈夫。今は目盛りを『弱』にしてあるから。冬になったら『強』にするのだわ」
翠星石「チビ人間、ミカンはねーですか?」
ジュン「ねぇよ」

45 :
雛苺「ただいまなのよー」がちゃっ
翠星石「お? チビ苺、朝っぱらからどこ行ってたんですぅ?」
雛苺「アッー!?」
真紅「ホモビデオ出演とメジャーでの勝利を成し遂げた世界で唯一の野球選手みたいな
    叫び声を出してどうしたの雛苺?」
雛苺「真紅と翠星石だけ勝手にコタツに入ってずるいのよ! ヒナも入れさせて」
翠星石「ちょい待ち!!」
雛苺「うぃ!?」ぴたっ
翠星石「コタツに入るには相応の覚悟というものが必要なのですよ?
     それを分かっているですかチビ苺?」
雛苺「か、かくごぉ〜?」
翠星石「いかにもたこにも、覚悟ですぅ。
     コタツは、温もりを与えるに足る魂を持たない者に対しては
     遠赤外線効果で体の内側から焼き尽くしてしまうのですぅ〜」
雛苺「ええええええ〜!?」
ジュン「……」
翠星石「翠星石や真紅のように暗闇の荒野に光輝く道を築けるほどの気高き覚悟と
     黄金のような夢を持つ者にのみ、コタツ様は温熱の祝福をくださるのですぅ」
真紅「……」
翠星石「で・す・か・らぁ〜、チビ苺のように貧弱な精神の持ち主では
     コタツに入ったが最期、夏場の密閉された車内に置き去りにされた犬よりも
     残酷な運命が待ち受けていると言っても過言ではないと翠星石は断言するです」

46 :
雛苺「びゃあああああああああっ!! コタツ様コワイのーっ!!
    ヒナもうコタツに入れなくなっちゃったのよ〜〜〜っ!! びええええ〜〜っ」
ジュン「こぉら翠星石、またデタラメで雛苺を怖がらせるな」
翠星石「ええ〜? デタラメじゃないですよー? 現に人間だってコタツを甘く見て
     油断して眠りでもすれば、低温火傷や風邪ひきさんになるですぅ」
ジュン「それは、そうだが……別にコタツを甘く見たわけでは」
真紅「何にしろ、話を盛りすぎなのだわ翠星石。
    さ、雛苺、死にはしないから安心してコタツにお入りなさい」
雛苺「うゆゆ、本当……?」

47 :
雛苺「えへへ、あったかいの〜」ぬくぬく
翠星石「ちぇ〜、外から帰って来たばかりのチビ苺が入ったせいで
     コタツの中が冷えちまったですぅ」
真紅「すぐ暖かくなるんだから少しぐらい我慢なさい翠星石」
ジュン「……」
真紅「ジュンも入る? あと一人分ならちょうど空いているわよ」
ジュン「いや、いい。お前らコタツから出入りする時に
     やれ『布団をちゃんと閉めろ』だ『0.2秒で足を入れろ』だとかうるさいから」
翠星石「チビ人間が何度もコタツを出たり入ったりするからですぅよ」
ジュン「仕方ないだろ。トイレとか生理現象なんだし」
真紅「人間は不便ね」

48 :
雛苺「あ、そうだ! ねぇねぇ真紅! 翠星石!」
真紅「何? 雛苺?」
雛苺「さっき朝のお散歩中に蒼星石と一葉おじいちゃんに会ったのよ」
翠星石「あっちも散歩ですか? おじじの朝は早いですからね。
     蒼星石も寒い中を付きあって大変ですぅ」
真紅「蒼星石は寒色だから見てるだけでも体感温度が下がるってのに」
雛苺「それでヒナは伝言を頼まれたの!」
ジュン「伝言? 蒼星石からか?」
雛苺「うぃ! まず翠星石は貸している500円を早く返すようにって」
翠星石「うぐっ!? わ、分かってるですってば……」
ジュン「お前、双子の妹から金借りるのやめろよ」
雛苺「それでそれで、あとはね、近々の行事予定として紅葉狩りと
    ハロウィンが近付いてきているけど、準備は大丈夫かい? って!」
真紅「あらもうそんな時期?」
翠星石「月日が流れるのはあっちゅう間ですねぇ」
真紅「とりあえずハロウィンの方は何とでもなるわね」
翠星石「ですね。翠星石達は素の衣装が仮装大会みたいなもんですし」
雛苺「手抜きはダメって蒼星石、言っていたのよ」
翠星石「うぬぅ……、じゃ、じゃあそれなりのものをちゃんと考えておくですか」
真紅「面倒くさいわね。コタツに入ったままで『ヤドカリ』! てのはどう?」
翠星石「多分、それだと蒼星石にコタツごと真っ二つにされるですよ」
真紅「やっぱり?」

49 :
ジュン「イベントごとになると蒼星石は張り切るから、翠星石達も大変だな」
翠星石「ふん、なめるなですよチビ人間。『お菓子はもらう』『イタズラもする』
     チビ人間如き相手になら、両方やるのはワケねーですぅ」
ジュン「どっちかだけにしろ」
真紅「私だったらお菓子をくれたら『いいこと』してあげるわよ、ジュン」
ジュン「悪い長女の真似はやめろ真紅。それで仮にもし、あげなかったら?」
真紅「その翌日の朝刊に載るわね」
ジュン「犯罪レベルのイタズラする気かよ……」
翠星石「っちゅーわけで、ハロウィンについては、おいおい詰めていくんで
     蒼星石にまた会ったら、そのように伝えてくれですチビ苺」
真紅「私達が蒼星石に会っても、そう答えるから」
雛苺「うぃ!」

50 :
翠星石「問題は紅葉狩りの方ですね」
真紅「ハロウィンと違ってアドリブが利かないのだわ」
ジュン「?」
雛苺「それにハロウィンよりも先に紅葉狩りをやるって蒼星石は言ってたの」
翠星石「え? そうなんですぅか?」
真紅「いつもより早くない?」
雛苺「今年は紅葉の発生が早いらしいのよ」
翠星石「そりゃ、てぇへんですぅ。呑気にコタツ入っている場合じゃないですよ真紅」
真紅「まったくなのだわ。蒼星石ももっと早く教えてくれたらいいのに」
ジュン「? 何をそんなにそわそわしてるんだ?
     どう考えても紅葉狩りなんてハロウィンよりお手軽なはずじゃ……」
翠星石「馬鹿言ってんじゃねーですよチビ人間。
     紅葉狩りとは、狩るか狩られるかの命をかけたデスゲームですぅ。
     半端な気構えじゃ、石にされるですよ?」
ジュン「え? え? デスゲーム? 石? だって紅葉……て紅葉だろ? 葉っぱの」

51 :
真紅「ジュン、あなたは大きな勘違いをしている。
    nのフィールドにおける紅葉狩りはあなたの常識とは全く違う。
    これに関しては今、翠星石が言ったことも決して大げさではない」
ジュン「nのフィールドの紅葉は、観光客を石化させるのかよ」
真紅「紅葉……と言うか、モミジの持ち主がね」
ジュン「モミジの持ち主?」
雛苺「コカトリスさんなのよ!」
ジュン「……は?」
翠星石「コカトリスの足のことをモミジと言うのですぅ。この時期が旬の珍味ですよ」
ジュン「おいおいおいおいおいおいおい!?
     じゃ、じゃあ紅葉狩りって、秋の木々の紅葉じゃなくて……!?」
真紅「動けない木の葉っぱを狩って何が面白いのよ」
ジュン「い、いや、あの、ちょっ……コカトリスって? マジで? あのモンスター的な?」
真紅「全長約10メートル、黒い羽根の雄鳥に似ているが
    トカゲのような鱗をも備え、尻尾は蛇のように長い」
翠星石「石化ブレスを吐き、爪には毒があり、雄叫びには混乱効果まであるですぅ。
     状態異常の総合商社ですよ」
ジュン「マジかよ……」
雛苺「でも、ヒナ達は人形だから石化と毒は効かないのよ」
真紅「私ら最初から半分石みたいなものだし」
ジュン「ああ、そう……」
翠星石「逆に、金の針で一撃死するかもしれないですね」
ジュン「ゴーレムかよ……」
真紅「効かないとは言え対策は必要、コカトリスもパワーアップしてきている」
翠星石「前回の紅葉狩りでは油断していた金糸雀が混乱させられたですからね」
雛苺「うぃ! 水銀燈が手刀で金糸雀を気絶させてくれたから事なきを得たの!」
真紅「よし! それじゃ早速、モミジ狩りのために槐の店に装備を整えに行くのだわ」
翠星石「合点でーす!」

52 :
§槐の店
真紅「お邪魔するのだわー」カランコローン
槐「らっしゃい」
金糸雀「ふわ? 真紅?」
水銀燈「あら?」
翠星石「カナチビに水銀燈?」
雛苺「ひょっとして二人もモミジ狩りの準備なのよ?」
水銀燈「ええ、そのとおり。蒼星石から連絡があったんだけど
     今回はいつもより早く、もう予定日が迫ってきていたから」
翠星石「おお、翠星石達もそうなんですぅよ。蒼星石ったら
     もっと早く知らせてくれてもよかったですよねぇ〜」
槐「いやいや、そうもいかなかったみたいだよ。
  急にコカトリスがnのフィールドに現れたらしい」
ジュン「槐先生もコカトリスのこと知ってるんですか?」
槐「まーねー、錬金術師の間じゃあ有名だよ。
  あれのモミジをラーメンの出汁に使うと美味しいって」
ジュン「錬金術師なのにラーメン作るんだ」

53 :
薔薇水晶「さらに今年のコカトリスは例年に比べてタチが悪いようです」
水銀燈「例年に比べてタチが良いって話は聞いたことないけどね」
薔薇水晶「今回はガチです。石化ブレスだけじゃなく石化睨みも多用。
       さらには、どこかで体を鍛えていたのか長時間の飛行も確認されています」
翠星石「マジですか!? アイツ飛ぶのはへたくそだったハズですよ」
金糸雀「今年のコカトリスは一味違うかしら」
真紅「モミジの味にも期待が出来るわね」
雛苺「腕とお腹が鳴るのよ」
槐「ま、そういうことだから、出来るだけたくさん買って準備していってね」
金糸雀「商売上手かしら槐」
翠星石「それでカナチビ達は、どんなのを買おうとしていたのですぅ?」
水銀燈「ひとまず定番の雄叫び対策用の耳栓ね」
薔薇水晶「これは良い耳栓ですよ。対金糸雀用に開発されたものですから」
金糸雀「っ!?」
槐「ちょっと値は張るけど、耳栓を付けた者同士の間でのみ
  会話可能な特殊なタイプの耳栓もあるよ」
ジュン「え? なんです、それ? 地味に凄くないですか?」
槐「だろ? 耳栓の中に特殊な振動素子が埋め込まれていて
  発言者の骨伝導が耳栓に伝わり、それが他者の耳栓に向かって……。
  つまり、これは耳栓であると同時にトランシーバーでもあるかのような……」ペラペラ
真紅「何かよく分かんないけど便利なのだわ。これをいただきましょう」
槐「毎度あり。一人分で一万円」
真紅「御機嫌よう」すたすた
槐「おおい!? ちょっと待って!? どうして!? 値段は適正だよ!?」
真紅「よく考えたら最初からお金なんて持ってなかったのだわ」
翠星石「ですぅ」
雛苺「ヒナ達は一文無しなのよ」
槐「じゃあ、何しに僕の店に来たの?」
ジュン「本当スンマセン槐先生」

54 :
§そんなこんなでお買い上げ結果(主に水銀燈と金糸雀が支払った)
対コカトリス用催涙弾(防犯カラーボール型)10個;1500円
万能解毒剤(甘いシロップ型)1本;2000円
薔薇水晶(戦力として)1体;priceless

真紅「薔薇水晶さえ借りることが出来ればコカトリスごとき恐れるに足らずなのだわ」
翠星石「足を洗って待っていろですぅコカトリス」
雛苺「準備は万端なのよ!」
ジュン「耳栓はいらないのか?」
水銀燈「あとで百円ショップで買うわぁ」
槐「……えと、いいのか薔薇水晶?」
薔薇水晶「はい。どの道、最初から私もモミジ狩りに参加するつもりでしたし。
       当日はお土産を御期待くださいお父様」
槐「あ、ああ……。気をつけてね、一応」

55 :
§それから数日後・紅葉狩り当日・nのフィールドのとある森林地帯
蒼星石「はーい! どーもー! みんな揃ってるね〜?
     大丈夫〜? いない人がいたら返事して〜っ!」
雪華綺晶「……」
蒼星石「うん、参加者はドール八名と
     特別に見学で来てくれたジュン君。全員きっちり居るね」
ジュン「ちょっと待て! 僕は見学に来るつもりなんか無かったぞ!
     なんで縄でぐるぐるに縛られて、連れて来られてるんだよ!?」じたばた
翠星石「薄々感づいているはずですよチビ人間」
真紅「ええ、今まで黙っていたけどコカトリスは人間の子供が大好物なのだわ」
金糸雀「ジュンみたいに、だらしない引きこもりで肉が柔らかいのもモアベターかしら」
ジュン「おいおいおいおいおいおいおい!? やっぱエサ役かよ!?」
水銀燈「ファイトっ!」
ジュン「『ファイトっ!』じゃねーよ!!」

56 :
蒼星石「さて、僕が独自の情報網から調べたところ
     今年のコカトリスは手強いことが予想される。
     そういうわけで耳栓もちょっと特別なものを用意した」
薔薇水晶「これは……」
雛苺「うゆゆ!? 槐せんせーの『会話できる耳栓』なのよ!?」
水銀燈「ちょ? ちょっとこれ凄い高価なやつのはずじゃ……!?」
蒼星石「大丈夫、レンタルだから。あとテスターも兼ねているからね
     槐先生も格安で貸してくれたよ」
水銀燈「レンタル!? そういうのもあるのか!」
ジュン(でも槐先生、レンタルのこと少しも言わなかったよな。
     蒼星石のヤツ、まさか槐先生から無理やり……?)
蒼星石「何? ジュン君? 何か言いたいことがあるみたいだけど?」
ジュン「あ、いや、何でもない。それよりも、この縄をほどいてくれないかな〜?」
真紅「ダメに決まってるでしょ」
薔薇水晶「再確認しますが、基本的に私達には石化と毒は効きません。
       気をつけるべきは雄叫びによる混乱」
翠星石「ですね」
ジュン「僕はどうするんだよ」
水銀燈「それも大丈夫。コカトリスはエサに対しては毒も石化も使わないから」
ジュン「……なんで?」
雪華綺晶「エサがまずくなるからですわ」
ジュン「ああ、そう……」
真紅「仮に耳栓が外れて、雄叫びを聞いて混乱したとしても
    縄で雁字搦めにしておけば不測の事態にもなりにくい」
蒼星石「そう。その縄は決してジュン君の自由を奪うものじゃない。
     それどころか君を守る命綱だ」
ジュン「そもそも僕をエサにするのをやめてくれませんか?」

57 :
蒼星石「作戦は至極簡単。ジュン君をエサにコカトリスをおびき寄せる。
     現れたら僕達でコカトリスに殴る蹴るの暴行を加えて死に至らせる」
翠星石「もうちょい、その言い回しは何とかならんかったのですか」
金糸雀「しかし的を射ているかしら」
水銀燈「紅葉狩りだなんて風流に言っても、やってることは暴力だからね」
薔薇水晶「……」
雪華綺晶「あまり深く考えるのは止した方がいいですわよ薔薇水晶。
       狩りとは、技術の研鑚、食料の確保、享楽の追及……
       そのいずれでもあり、そのいずれでもない」
薔薇水晶「分かっています」
雛苺「むーっ! 薔薇水晶が難しく考えることはないの!
    ヒナ達はお肉が食べたいの! だからコカトリスさんを倒すのよ!
    それは悪いことじゃないの! だって生きるってことは命をもらうってことなんだから!」
ジュン「……」
雪華綺晶「やれやれ。苺のお姉様が一番よく分かっていますわね」
水銀燈「……動物的な本能が強いだけでしょ」

58 :
???「コケコッコーーーーッ……!!」

水銀燈「っ!? 鳴き声!? まさか!?」
金糸雀「いや、まだ遠いかしら!! けど……!」
翠星石「間違いないです! コカトリスです!!」
蒼星石「どうやら、もうジュン君の匂いを嗅ぎつけたらしい」
真紅「今にもこっちに来るはずなのだわ」
雛苺「うぃ! ジュンを木に苺わだちで縛りつけるのよ」
ジュン「な、なんで!? どうして!? 縄だけで充分でしょ!?」
雪華綺晶「勝手にどこかに行かないようにするためです」
薔薇水晶「大丈夫。コカトリスには指、あ、いえ手羽先一本触れさせません」
ジュン「た、頼むぞ……ホントに……」
蒼星石「さ、みんな耳栓をつけて!!
     あと、催涙カラーボールを持っているのは水銀燈で
     万が一の時の解毒薬は金糸雀が持っている! 確認を」
水銀燈「問題ない」
金糸雀「こっちもかしら!」
蒼星石「よし!」

???「コカーーーーッ」

真紅「来たわよ! 近い!!」

59 :
コカトリス「コケコーッ!!」ドギャーン
翠星石「来た来た来た来た来たーーーっ!」
ジュン「ひぃやあああああああああ!? で、でかい!?
     10メートルどころか、その倍!? 20以上は……ッ!!」
コカトリス「ゴッゴッゴーー!!」バサバサバサ
金糸雀「エサを見つけて興奮しているかしら!!」
ジュン「でかいでかいでかいーっ!! 喰われるっ! 喰われるーーッ!!」じたばた
水銀燈「ちょっと人間!? うるさいわよ!!」
コカトリス「キョキョキョーーーッ!」
薔薇水晶「真紅! ローズテイルを撃って! 桜田ジュンに近づけさせてはいけません。
       私も水晶の礫(つぶて)を打ちます!」
真紅「わ、分かった! 行け! ローズテイル!!」ズバッ
薔薇水晶「行って! 水晶群!」ドバッ

60 :
コカトリス「クックドゥードゥルドゥー」ぺしんぺしん
雪華綺晶「翼ではたきおとした!?」
翠星石「鼻くそでも弾き飛ばすようにローズテイルと水晶群をっ!」
真紅「そんなッ……!?」
薔薇水晶「このコカトリス、強い……!」
コカトリス「ゴカカー!!」
雛苺「お、怒らせちゃったみたいなの」
ジュン「やめよう! ほら逃げよう!! ね!? 出直そうよ! ねーっ!? 縄ほどいてーーっ!!」
水銀燈「ええい! うるさいっつってんでしょ!?」ギンッ
ジュン「くかっ……!? か……は……」
金糸雀「あら? ジュンが固まっちゃったかしら?」
蒼星石「コカトリスの声にやられたのか? 耳栓してるのに」
雪華綺晶「いえ、黒薔薇のお姉様の麻痺睨みですわ」
水銀燈「魅了(チャーム)って言ってよ」
真紅「そう言えば、そんな特技も持っていたわね水銀燈」
ジュン「……ッ!!」ぴくぴく

61 :
水銀燈「さあ、うるさいエサは黙らせた。これでモミジ狩りに集中できる!」
蒼星石「水銀燈! 空から催涙弾を! コカトリスを怯ませるんだ!」
水銀燈「了解!」バサァ
コカトリス「ゴッカーーーァァッ!!」ブワサァ
水銀燈「!? 馬鹿な!!」
薔薇水晶「一瞬で水銀燈よりさらに上空へ飛びあがった!?」
翠星石「あの巨体でなんという俊敏さ!」
水銀燈「空で私の上を取るなんて……っ!! しかし! 行けッ!! 黒羽根ェッ!!」ドババッ
真紅「ダメよ水銀燈! 黒羽根の威力はローズテイルや薔薇水晶の礫と大差ない!
    それではコカトリスにダメージが通らない……ッ!」
水銀燈「忠告アリガト、真紅。でも私は自分を知っている、馬鹿じゃあない」
コカトリス「コッカカクワーーーッ!!」ボゥンボゥン
翠星石「コカトリスが怯んでいるですぅ!?」
雛苺「水銀燈の攻撃が効いているのよ?」
蒼星石「流石だ! 黒羽根に催涙カラーボールを結び付けてコカトリスに撃ちつけたんだ!」
雪華綺晶「コカトリスもボールから割れて出た催涙ガスまでは払い落とせませんね」

62 :
コカトリス「ケケッ!? ケーンッ!」バサバサ
水銀燈「好機! このまま押しきる! さらに行けっ! 黒羽根ェ!!」ズドド
コカトリス「クワーーーーッ!!」ズドド
水銀燈「なっ!?」
金糸雀「コ、コカトリスも水銀燈の真似を!? 自分の黒羽根を打ち出してきたかしら!!」
水銀燈「鳥風情が……っ!? 私の真似を!? くっ!」ぐらっ
真紅「まずい! 水銀燈が黒羽根のコントロールを失っている!?」
蒼星石「自分の黒羽根以外の黒羽根が多すぎて混乱しているんだ」
金糸雀「水銀燈! 一旦、降りてくるかしら! 空中戦は不利よ!」
水銀燈「ちっ!」すたっ
真紅「催涙カラーボールをよこすのだわ水銀燈!
    私と薔薇水晶が貴女と同じ方法でコカトリスに撃ち込む!」
水銀燈「……もう無い」
薔薇水晶「え?」
水銀燈「10個全て使いきった。こんなことならケチらずにもっと買い込んどけばよかったかしら?」
真紅「くっ……」

63 :
コカトリス「グッグッグ……」ずしん
雪華綺晶「コカトリスも降りてきましたわよ」
水銀燈「地上戦で仕切り直しってとこね」
コカトリス「グゴガッーーー」バササッ
雛苺「!? また黒羽根を撃ってきたの!!」
蒼星石「くっ!? どうやら水銀燈の技を完全に覚えたらしい!」
翠星石「しかもでかい図体だけに羽根の数も水銀燈の何十倍もあるですよーっ!」
真紅「ローズテイルッ!! 黒羽根を相殺して!」どばっ
薔薇水晶「水晶の礫っ!」ずばっ
翠星石「す、翠星石も! 如雨露ビーム!!」ばびーっ
雪華綺晶「ダメです! 手数で圧倒されていますわ! 防ぎきれな……」
金糸雀「やっぱりここで来たかしらカナの桶狭間!」
蒼星石「金糸雀!?」
金糸雀「ハイドン交響曲第83番! La Poule!」♪〜♪♪〜〜
コカトリス「クキャーッ!?」
水銀燈「いける! コカトリスの黒羽根の勢いが落ちた……っ!?」
コカトリス「……スゥゥウウウウウ」ぷくっ
翠星石「コカトリスが大きく息を吸い込んだですよ!?」
蒼星石「石化ブレスか!? 雛苺! 雪華綺晶! ジュン君に息がかからないよう……!」
雛苺「うぃ!」
雪華綺晶「承知しました」

64 :
コカトリス「♪ガーガー ♪ゴガガー」
金糸雀「か、かしら!?」♪〜♪♪〜〜
蒼星石「え!?」
翠星石「ま、まさか!?」
水銀燈「歌っている!? コカトリスが歌を!!」
金糸雀「し、信じられない!? カナの演奏を中和している!?」
コカトリス「♪ガーガー ♪ゴガガー」
真紅「えええ〜っ?」
雪華綺晶「敵の黒羽根の勢いが盛り返してきましたわ」
翠星石「そんな!? 黒羽根に歌!! こちらの技がどんどんコピーされているですよ!?」
蒼星石「いや、いい! これでいい!! そのままだ!
     金糸雀、翠星石、真紅、薔薇水晶! 君達はそのまま手を休めないで!」
薔薇水晶「は、はい!」
蒼星石「君達が頑張り続けるかぎり、コカトリスも翼と嘴を封じられている。その隙に……」
雪華綺晶「私たちの出番ですわ苺のお姉様」
雛苺「うぃ?」
雪華綺晶「苺わだちでコカトリスの足を、私も人食い薔薇で一緒に足を掴みます」
雛苺「うぃ! 苺わだち〜っ!!」しゅるる
雪華綺晶「出ませいマンイーター……」しゅらっ
コカトリス「クケッ!?」ガクッ
蒼星石「今だ! カワイソーだがモミジをいただく!!」ジャキッ
翠星石「やったれです! 蒼星石ーーーーっ!!」

65 :
蒼星石「ッッ!?」ガキーン
金糸雀「き、切れてなーい!? コカトリスの足が、蒼星石の渾身の一撃だったのに」
コカトリス「ゴッガガ……!」
蒼星石「ば、馬鹿な!? こ、こんなに足が頑丈だとは……」
水銀燈「怯むんじゃなくてよ蒼星石」スッ
蒼星石「水銀燈!?」
水銀燈「私も手を貸す。もう一度、もう一度よ! 二人で鋏を握れば
     この忌々しいコカトリスの足をぶった切って! 美味しいモミジが手に入る!」
蒼星石「……ああっ! 分かった! やろう! タイミングは僕の呼吸に合わせて!」
水銀燈「ええ!!」
翠星石「おおっ!? 蒼星石と水銀燈の共同作業ですぅ!!」
雪華綺晶「切るのはケーキじゃなく鶏の足だとは、ムードがありませんがね」
金糸雀「ムードを求める場でもないかしら」

66 :
蒼星石「せーのっ!」グッ
水銀燈「でやあああっ」グッ
コカトリス「グカーーーーーーッ!!」ギチッ
真紅「っ!? まだ切れない!? 二人の力ではまだ足りないって言うの!?」
雪華綺晶「残念ながらコカトリスの必死さが、まだ……勝っているようですわ」
翠星石「な、なら翠星石も鋏に力を……!」
金糸雀「ダメかしら翠星石! 自分の役割を怠っちゃ、相手(コカトリス)に余裕が……」
翠星石「えっ!?」

67 :
コカトリス「ぐわわっ」ヒュカッ
水銀燈「痛っ!?」びしっ
蒼星石「水銀燈!?」
水銀燈「黒羽根で耳を打たれた! でも大丈夫、ケガは無い……けど!」
蒼星石「けど……?」
水銀燈「耳栓を片方取られた」
雛苺「ピンチなのよ水銀燈!」
金糸雀「逃げてかしら! 雄叫びをもろに食らっちゃうかしらーっ!?」
コカトリス「グッグッグ……」ニヤリ
蒼星石「笑った? コカトリスの嘴の端が、きゅーっと歪んだように見えた……!」
水銀燈「ちっ! どうやら、このコカトリス、随分と頭がいいみたい。
     逃げることは不可能のようよ。私もあんた達も……」
真紅「ちょっと! 何を格好よく諦めてるのよ水銀燈!!」
水銀燈「取られた耳栓、今どこにあると思う?」
薔薇水晶「……!?」
水銀燈「あのコカトリスの口の中よ。今、あいつに叫ばれたらどうなるのかしら?」

『発言者の骨伝導が耳栓に伝わり、それが他者の耳栓に向かって……。
 つまり、これは耳栓であると同時にトランシーバーでもあるかのような……』

水銀燈「蒼星石、あとで槐にしっかりクレーム入れときなさいよ」

68 :
コカトリス「ゴカカアアアアアアアアッーーーーー」
水銀燈「ッ!」
金糸雀「きゃっ!」
翠星石「ひっ!」
蒼星石「がっ!」
真紅「ぐあっ!」
雛苺「いやぁ〜っ」
雪華綺晶「〜〜ッッ」
薔薇水晶「ッ!!」

かくして薔薇乙女達はコカトリスの前に敗北。
桜田ジュンはコカトリスによって連れ去られてしまった……。

69 :
§数日後・桜田ジュンの部屋
ジュン「……ただいま」ボロッ
翠星石「お、お帰りですぅ」
蒼星石「やあ、お邪魔してるよ」
真紅「お疲れ様」
雛苺「悪いけど今コタツはヒナ達でいっぱいなのよ」
ジュン「あのね、いろいろ言いたいことはあるけど、何で僕は放置されちゃったの?」
蒼星石「あの後、僕達全員がメダパニ状態になっちゃって。
     真紅は裸踊りするわ、水銀燈はその場でぐるぐる回り続けるわ
     僕と翠星石はひたすら穴を掘っては、埋めたりの繰り返し」
雛苺「ヒナと薔薇水晶と雪華綺晶は三人でダチョウ倶楽部の真似をしてたの」
翠星石「カナチビは延々と蒲田行進曲を弾いていたですぅ」
ジュン「そっちの混乱ぶりはいいとして、助けに来てくれてもいいじゃない」
真紅「蒼星石が言うには、コカトリスはエサを巣に持ち帰る習性は無い。フツーその場で食べる」
蒼星石「我に返った僕達がその場を確認したところ
     ジュン君が食べられた形跡は無かったから、連れ去られたのだと判断した」
ジュン「ほうほう、それでそれで?」
蒼星石「コカトリスが別の生き物を連れ去る目的はただ一つ。自分の卵を抱かせるためだ」
ジュン「……」
翠星石「チビ人間もコカトリスの巣で卵を抱かされてたんですよね?」
ジュン「その通りだよド畜生。馬鹿でかい卵にへばりつかされてたわい」
蒼星石「コカトリスの卵は不思議なことに他の生物に数日間、温めてもらわないと孵化しない。
     それと、温めてもらった後はその生き物は無傷で解放されるから……」
真紅「要するに待っとけばいいとの結論に至ったのだわ。あ、学校とか柏葉巴には
    他所で産まれる子供のために自らの責任を果たしに行っていると伝えておいたから」
ジュン「誤解を招く気満々のお気遣い、あ・り・が・と・う!」

コカトリスは桜田ジュンが好き 『完』

70 :
>金糸雀「ふわ?
なんだこのかわいい生き物…

71 :

ジュン悲惨だな

72 :

タイトルですでに吹いた

73 :
>>70-72
ありがとうございます。ジュンの不幸はまだまだ続くよ

74 :
【恐怖を乗り越えられない雛苺】

75 :
真紅「ふぅーっ……」
ジュン「どうした真紅? 『どうしたの?』って聞いてほしいと
     言わんばかりの、大きな溜息なんかを窓辺でついて。
     あと、外暗くなってきてるんだから窓は閉めてくれよ、虫が入る」
翠星石「溜息をつくと幸せが逃げるですよ真紅」
雛苺「えええ? 幸せが逃げちゃったのよ!?
    早く追いかけて捕まえなくちゃ! ジュン、虫取り網かしてぇ〜!」
ジュン「網で幸せは捕まえられんよ。それより真紅、本当にどうした?
     悩み事なら相談に乗るぞ? お前は一人じゃないんだ、何でも言ってみろ」
真紅「実は……」
翠星石「実は?」

76 :
真紅「憂いを帯びた薄幸の美少女真紅ちゃんを演出していたのだわ」
ジュン「はぁ?」
真紅「最近の私は恵まれすぎている」
翠星石「ほうほう?」
真紅「三食昼寝、テレビにDVD付き。ほねっこゴン太くんよりもだらしのない生活。
    昨日なんて、折角の休日だったというのにドクターマリオしかやってない。
    ジュンですら図書館で巴とデートしていたのに」
ジュン「デートじゃねぇッつの。と言うか、つまりは真紅
     一日を無駄に過ごしたことに自己嫌悪してるってわけか」
真紅「いいえ、そうじゃあない。過ぎ去った昨日を悔やんでも取り戻せるわけがない。
    大切なのはいつだって明日に繋がる今日、そう……今だけなのだわ。
    今を頑張った者だけに明日は来るのよ。明日って今よ」
ジュン「へーへー。で?」
真紅「最近、近所のおばさま方からも『働かない乙女』の
    レッテルが張られている、この真紅ちゃんは考えた」
翠星石「ちなみに『働く乙女』は蒼星石のことですよ」
ジュン「そうなんだ」
雛苺「ヒナと翠星石は、たまに
    のりのお使いとかするから『少しは働く乙女』なの」
ジュン「ふーん」

77 :
真紅「『働かない』のではなく『働けない』ということにしようと」
ジュン「?」
真紅「そのために、この部屋の窓から顔を出して
    ひたすら具合が悪そうな演技をしていたというわけなのだわ」
翠星石「とどのつまり、仮病……ですか?」
ジュン「あほらし……」
真紅「あほらしいとは何よ!? ローゼンメイデンは風評が全てなのだわ!
    伝説の薔薇乙女という肩書もこういった地道な努力あったればこそ!」
ジュン「はいはい。心配して聞いた僕が馬鹿だったよ。
     もう分かったから、好きなだけそこで溜息ついてろ」
真紅「……その点、水銀燈はうまくやっていた。
    廃れた教会で自らの姿をチラ見させて、幽霊の噂まで作り上げた」
ジュン「意図的だったんだアレ」
真紅「なんとなく水銀燈のイメージ戦略が鼻についたから
    役所に連絡して、その廃教会の撤去工事を前倒しで進めさせたけど」
翠星石「なんと!?」
真紅「ここの役所は一般市民の声に迅速に応えるいいお役所なのだわ」
ジュン「真紅……」
雛苺「真紅は水銀燈のことが嫌いすぎなの」
真紅「いいえ! みんながあの女狐に甘すぎるだけなのだわ!
    あの子のキャラ作りはもうJAROに通報してもおかしくないレベル!
    BIRZの表紙では血糊使ってまで吐血&病弱メイデンのフリをやっていた!」
翠星石「人形が血を吐くわけねーですしね」
ジュン「と言うか、そんなのあったっけ?」
真紅「こすずるくてよ水銀燈!」
ジュン「……本人に直接言えよ」

78 :
真紅「しかし、水銀燈がその気なら私だってやってやるのだわ。
    清純派乙女の真紅ちゃんが本気を出せば
    今世紀抱きしめたい薄幸の美少女ランキングトップに入ることぐらい……」
ジュン「いい加減、清純派を気取るのはやめろって」
翠星石「発想が完全に『汚れ』なんですから、真紅」
真紅「だまらっしゃい! 見てなさい! 一週間後には近所のおばさまの風評も
    私の憐憫さを高く評価するものに変わるはずなのだわだわ!!」
ジュン「憐憫さは評価されるものじゃないはずだと思うが」
真紅「ええい! ああ言えばこう言う下僕ね!!」
ジュン「お前がつっこみどころと穴が満載な理論ふっかけるからだろうが」
真紅「何よ!?」
ジュン「何だよ!?」

79 :
§桜田家の前の道路
ジュン『わーわー』←窓開けっ放しなので声が駄々漏れ
真紅『ぎゃーぎゃー』←上に同じ

近所のおばさん「今日も桜田さんのとこの真紅ちゃんは元気ねぇ」

80 :
§五分後・桜田ジュンの部屋
のり『みんなー? 夕ご飯できたわよーー』

ジュン「お? メシだってさ」
真紅「わぁい」
翠星石「わぁい」
雛苺「……」

81 :
§桜田家・リビング
ジュン「いやぁ、お腹が減った」
真紅「くんくん、いい匂いがする」
翠星石「間違いなく花まるハンバーグですね、これは」
雛苺「……」
のり「せいかーい! 今日は久しぶりの花まるハンバーグよ!」
真紅「いぃやっほーっ!!」
翠星石「花まるです! 花まるですー!!」
真紅「この喜びをダンスで表現したいのだわ」
のり「あらあら」
ジュン「埃は立てるなよ」
真紅「いぇ〜い! 花まる花まる〜」ふりふり
翠星石「花まる! 花まる! エル・オー・ブイ・イー・は・な・ま・る!!」ぴょんぴょん
雛苺「……」

82 :
ジュン「? あれ? どうしたんだ雛苺? お前は踊らないのか?」
真紅「そうね、花まる感謝ダンスのセンターはいつも貴女なのに」
翠星石「お腹でも痛いんですかチビチビ?」
雛苺「そ、そんなことないのよ! ヒナはただ、ダンスよりも早く食べたいだけなの!」
のり「あらそう? じゃ、早速いただきましょうね〜」
雛苺「う、うぃ……」

83 :
真紅「ぐゎふぐゎふ! もしゃもしゃ!」
翠星石「ずびずばー」
ジュン「本当、いい食べっぷりだよなぁ。大して動いてないくせに」
真紅「これこそお父様が私達に付けてくれた超絶高機能」
翠星石「お父様は翠星石達に美食を堪能するという楽しみをくれたのです。
     マジ感謝です。リスペクト・ザ・ゴッドファーザーですぅ」
ジュン「だよなぁ。昔、槐先生や薔薇水晶も言っていたけど
     薔薇乙女は栄養源として食べ物を摂る必要は必ずしもないんだろう?」
真紅「マスターさえいれば、食べなくても20〜30年は平気ね。水も要らない」
ジュン「単純に道楽で食事しているだけか? なんだか無駄だなぁ」
翠星石「それを言っちゃあ究極の少女自体が無駄の極みですよ。
     事業仕分けのメスが入ったら、まず第一に消されるですぅ」
真紅「ローゼンメイデンは七体も要るんですか? 一体じゃ駄目なんですか!?」
翠星石「アリスゲーム的には一体でいいんですけどね……」

84 :
ジュン「それでその……だ、その食事という道楽に命を懸けていると言っても
     過言ではないおチビさんは……」
雛苺「……もそもそ」
のり「どうしたの? ヒナちゃん? 今日の料理、口に合わなかった?」
雛苺「そ、そんなことないのよ! とっても美味しいの!」
翠星石「うむむ、おかしいですね? いつもなら翠星石達と一緒に
     ゴハンおかわり競争に突入して、ブッチぎりの一位のはずのチビ苺が」
雛苺「きょ、今日はお腹が減ってないだけなのよ」
ジュン「また、僕達に隠れてお菓子を勝手に食べたのか?」
のり「ううん。それはないはずよ。お菓子の戸棚に鍵をつけるようにしたから」
真紅「ええ、のり以外にお菓子の出し入れができる人間はいないのだわ」
ジュン「既にそこまでセキュリティを強化せねばならなくなっていたのか」
雛苺「ヒ、ヒナだっていつだって元気いっぱいなわけじゃないのよ。
    レディにはレディの都合ってものがあるの!」
ジュン「む、そうか。そりゃ悪かったな……」

85 :
真紅「……ところで雛苺?」
雛苺「うぃ?」
真紅「貴女、顔……だけじゃなくて体全体が微妙に右に傾いているんだけど」
のり「そう言えば確かに斜めになっているわねヒナちゃん。
    だめよ、ちゃんとまっすぐ座ってご飯は食べなくちゃ」
雛苺「そそそ、そんなことないはずなの!」
真紅「……もっとはっきり言うと、雛苺、貴女、右側の歯だけでご飯食べてるでしょ?」
雛苺「ッッッ!?」
のり「!? ま、まさかヒナちゃん」
翠星石「チビ苺……ひょっとして虫歯……?」
雛苺「ちちち、違うのよ! ヒナ、虫歯なんかじゃないもん!
    これはアレなのよ! 右脳を鍛えるためにやっているのよ!!」
ジュン「脳ミソ無いだろ」

86 :
翠星石「……スィドリーム!」
スィドリーム「しゃきーん!」
雛苺「にゅにゅ? スィドリームを出して何をする気なのよ?」
翠星石「ここにスィドリームの、あむぁ〜くてキンッキンに冷えた水を用意したです」
雛苺「……っ!!」
翠星石「さあ」
真紅「ぐいっと飲んでみなさい。それも体は真っ直ぐにして
    口全体に水を含ませるようにしてね……」
雛苺「ヒ、ヒナはダイエットのために甘いものは断っているのよ!」
ジュン「昨日はマポロチョコとポッキーを食べてたよな?」
雛苺「今日からダイエットなの!」
翠星石「スィドリームのお水はカロリーオフですから安心するですぅチビチビ。
     それともなんですか? この姉のすすめた水が飲めねーと言うのですか?」
雛苺「でもぉ」
真紅「デモもスト様もないのだわ。いいから飲みなさい」
雛苺「うゆゆ……」
真紅「さあ!」
翠星石「さあ!」
ジュン「さあ!」
のり「ヒ、ヒナちゃん……」

87 :
雛苺「わ、分かったのよ! 飲めばいいのよね! 飲めば」ぐいっ
真紅「お!」
ジュン「いった!」
雛苺「……ッ!」ぷるぷる
翠星石「? 小刻みに震えているですぅ」
雛苺「びぇえええええええええええええええええ!!
    痛いのーっ!! 沁みるのーーーーっっ!!」
のり「だ、大丈夫!? ヒナちゃん!?」
ジュン「あらら、やっぱ虫歯か……」
翠星石「この姉達に隠し事ができるはずもなかろうです」
真紅「バレバレだったのだわ」

88 :
§食後・桜田ジュンの部屋
雛苺「うゆゆゆ……」ひりひり
ジュン「とりあえずアイスノンで左のほっぺを冷やしてはいるが
     ローゼンメイデンって虫歯になるんだな……」
翠星石「これぞお父様が翠星石達に付けてくれた超絶高機能!
     私達にとって虫歯になるぐらい、朝飯前……いや朝飯後ですぅ!」
ジュン「いらん機能つけたなローゼン」
真紅「最近ちゃんと歯磨きしていなかったでしょ雛苺」
雛苺「し、してたもん!」
翠星石「嘘つくなですぅ。チビチビの歯ブラシ、真紅や翠星石の歯ブラシと比べて
     ピカピカの新品みたいに綺麗じゃねーですか。たいして使ってない証拠ですぅ」
雛苺「うゆゆ……」
ジュン「で、どうすりゃ治るんだ? 歯医者に行くわけにもいかないんだろ?」
翠星石「ふふふ、お父様がつけてくれた素ン晴らしい自己再生機能を
     忘れちゃいないですかチビ人間? つまり、虫歯ごとき放っておいても治るのです!」
ジュン「あ、それは凄い。人間だったら虫歯放置で深刻な事態になりかねないのに。
     で、どれぐらいで治るんだ?」
真紅「ざっと一年ぐらいね。人工精霊の補助があったとしても」
ジュン「長いな!」
真紅「それも、その間は一切食事をしないという条件付きで」
ジュン「きついな!」

89 :
翠星石「まあ、食べなくても死にはしないのは、ついさっきも真紅が言ったですが……」
雛苺「うゆゆ……」ずっきんずっきん
真紅「雛苺のような甘味中毒メイデンの場合、禁断症状で発狂するかもね」
雛苺「ヒナ、一年もうにゅ〜が食べられないくらいなら、虫歯を我慢するの!」
ジュン「馬鹿言え。今は左の奥歯だけだが、その内に全部の歯が虫歯になるぞ」
翠星石「一年だけの辛抱ですから養生しろですチビ苺。一年なんてあっと言うまです」
雛苺「いーやーなーのっ!!」
真紅「それなら取るべき方法はただ一つ」
雛苺「?」
翠星石「……虫歯を抜くしかないですね」
雛苺「ッッ!?」
ジュン「ぬ、抜くって? どうやって!?」
真紅「どうもこうも物理的によ」
翠星石「ペンチとかねーですかチビ人間?」
ジュン「い、一応プラモなんかを作る時に使うのがあるが……」
真紅「それで結構」
雛苺「いいい、嫌なの! ペンチで歯を抜くだなんて怖すぎるのよ!!」がくぶる
翠星石「そうビビんじゃねーですよチビ苺。抜いた方が治りは早いんですから」
真紅「ええ。抜けば一週間で次の歯が生えてくる」
ジュン「サメかよ」
真紅「かの水銀燈も私の絆パンチを顔面に受けた時に
    歯が4〜5本イったけど、次に会った時には元通りになっていた。
    翼の方は治りが遅かったようだけど」
ジュン「マジかよ」

90 :
雛苺「それでも、いーやーなーの!! ペンチで抜くのはダメーーっ!!」
真紅「しょうがない。じゃあ歯を食いしばりなさい雛苺」
雛苺「うぃ?」
真紅「水銀燈方式で行くのだわ。この場合、関係ない歯も巻き添えで抜けるけど
    いいわよね? ペンチよりも恐怖は薄いはず」
雛苺「いやーーーーーっ!! 真紅の鬼ーーーーッッ!!」

91 :
雛苺「ううう! ひっく……っ! ぐずっ……」びくびく
ジュン「あーあ……、完全に怖がっちゃってアルマジロみたいに丸まっちゃったぞ。
     力尽くは無理なんじゃないのか?」
真紅「後頭部を殴って気絶させて、その隙に抜くというのは?」
翠星石「気絶中に抜けば痛みも感じないはずですぅ」
ジュン「他人事だと、本当に無茶苦茶言うよな、お前ら」

92 :
真紅「それじゃあ、しょうがない。困った時の槐だのみといきましょうか。
    ちょっと遅い時間帯だけど、まだギリギリ営業時間でしょ」
翠星石「あのオッサンに借りばっかり作っている気がするんで、気は進まないですけどね」
ジュン「他に方法も無いだろうしな……、ほら雛苺起きろ。さっさと行くぞ」
雛苺「い、痛くしない……?」
ジュン「知らん。が、真紅と翠星石よりは優しくしてくれるはずだ」
雛苺「う〜、それなら行くの……」
真紅「面白そうだから私もついていくのだわ」
翠星石「翠星石もですぅ」
ジュン「……気が進まないんじゃなかったのかよ」

93 :
§そんなこんなでドールショップ槐
ジュン「おじゃましまーす」カランコローン
鳥海「いらっしゃい。て、ジュンじゃないか? 久しぶり」
ジュン「あれ? 鳥海!?」
アレニエ「ドドドールショショップドドドドドドドドドールショショショショッププププ
      ドドドールショッププププええええええんじゅヘよよよよようこそそそそそそ」
真紅「いつになくバグってるじゃないアレニエ? ダイジョブ? 千手ゲンキ?
    ここっていつからムーンサイドになったの?」
翠星石「カナチビに手酷くやられたのが直りきってねーんじゃねーのですぅ」
アレニエ「ゲゲゲンンキキキ。ワタシハハハハゲンキ……」
鳥海「まあリハビリ中だね。お店の掃除とかは特に手をたくさん使うことにもなるから
    アレ二エにはちょうどいい」
雛苺「そういうものなのよ?」

94 :
ジュン「と言うか鳥海、お前が店番やってるってことは、槐先生と薔薇水晶出かけてるのか?」
鳥海「いや、二人ともちゃんといるよ。だけど今は薔薇水晶のレストア中だから」
真紅「へー……て、レストアぁ!?」
鳥海「最初はちょっとした整備のつもりだったらしいけど
    なんか二人とも熱中しはじめちゃって。だから俺が急遽、店番に呼ばれたわけ」
翠星石「奥のアトリエで秘密の作業中というわけですか」
ジュン「うーん。今日は出なおした方がいいかもな」
雛苺「!? イヤなのよ! ヒナは一生懸命勇気を出して来たのよ!
    今日駄目だったら明日はもっと勇気が必要なの!!
    もうヒナはこれ以上勇気が出る自信がないの!」
真紅「私らもここまで来たのだから手ぶらで帰るのは嫌なのだわ」
翠星石「店のもの何か一つでもお土産にもらわなくちゃ、ワリにあわねーですぅ」
鳥海「何の用だか知らないけど、槐先生なら構わないんじゃない?
    俺で応対しきれない客が来たら、呼んでくれとも言われていたし」
ジュン「そうか? 悪いな。ちょっと雛苺の虫歯を診てもらいたくて」
鳥海「虫歯ぁ!? ローゼンメイデンって虫歯になるのか!? 嘘だろ!?」
ジュン「嘘じゃないよ。僕だって驚いた」

95 :
鳥海「凄いな……、いや、凄くないのか? まあどっちでもいいか。
    けど、そういうことなら槐先生も興味津々なはずだ。
    よし、一緒に奥のアトリエへ行こうぜ」
ジュン「え? 店番は?」
鳥海「ダイジョブダイジョブ。アレニエ、君一人でもできるよな?」
アレニエ「オオオオオオマカセセセセセアレレレレレレ」かくかく
鳥海「な? アレニエもああ言ってるし」
翠星石「いや、アレは全然ダメなパターンだと思うですぅ」
鳥海「そう? じゃあ、ジュディカ達も呼ぶか?」
真紅「増えたらもっとダメな気がするのだわ」
雛苺「なんでもいいから、早く槐せんせーにヒナの治療をお願いするのーっ!」
ジュン「わ、分かったよ。じゃ、鳥海も一緒に」
鳥海「そうこなくっちゃ」

96 :
§槐のアトリエ・入り口のドア前
ぎゅいーん! ごがががっががっがががが!!
ジュン「なんかすごい音が部屋の中からしているな」
ギコギコギコギコ! ゴリゴリゴリゴリ!!
真紅「薔薇水晶のレストアッてこんなにメカメカしい音がするものなの?」
翠星石「きっとドリルとかロケットパンチが出るように改造しているですぅ」
鳥海「そんな馬鹿な。……と、ノックしてもしもぉ〜しっ!!」ドンドン
槐「あれ? 皆人君? お客さんでも来たの……?」がちゃっ
鳥海「あ、いえ実は」
ジュン「どうも、すいません。お取り込み中に」
真紅「やっほー」
翠星石「ちょりーっす」
雛苺「……」
槐「ジュン君と三馬鹿メイデンじゃないか? 何か用?」
ジュン「実は……」

97 :
槐「雛苺が虫歯になったぁ!? 本当かい!? 凄いな……いや、凄くないか」
鳥海「あ、俺と同じリアクション」
槐「しかし飲食を断てば一年で治癒。抜けば一週間で治癒。やっぱり凄い、ローゼン」
ジュン「薔薇水晶もそうじゃないんですか?」
槐「自己再生能力は、かなり難しいものだよ。薔薇水晶にも僅かには備わっているが
  それでも、こうして日常生活中での劣化は僕の手でレストアしなくちゃいけない」
真紅「へー……」
ジュン「重ね重ね、大切な作業中に邪魔してすいません」
槐「いやいや、レストアはあらかたおわったところだ。むしろ、状況的にはナイスタイミング」
雛苺「?」
槐「薔薇水晶も今ちょうど歯の交換が終わったとこ」
翠星石「歯の!?」
鳥海「交換んんんんん!?」
槐「驚くことじゃないだろ? 薔薇水晶、お米もちゃんと77回噛んでから食べるから
  歯の摩耗が早くてね。新しい歯に取り替えたんだ」
ジュン「いやいやいや、簡単に言うけど、そんなことどうやって?」
槐「乱暴に言えば、ペンチみたいなので一本ずつ抜いて新しい歯を突っ込むんだけど」
雛苺「……ッッ!?」がくぶる
槐「雛苺の歯も今なら道具も揃ってるし、スパっと簡単に抜いてあげられる。
  新しい歯を入れなくても一週間で生えるんでしょ? 素晴らしきかなローゼンメイデン」
雛苺「いいい、嫌なのよ! 痛いのは嫌なのぉおおおおおお!」がくぶる
槐「えー? ダイジョブダイジョブ。僕のやり方は全然痛くないからさ」
雛苺「ししし、信じられないの!!」
槐「じゃあ薔薇水晶に確認するといい。彼女、レストア中ずーっと平気な顔してたから」
雛苺「そうするの! 薔薇水晶は、そこ(部屋の奥)にいるのよね!?」
槐「うん。まだ横になっているけどね」

98 :
§槐のアトリエ内
槐「やあ薔薇水晶、気分はどうだい?」
薔薇水晶「もんひゃいあひまへん。ひゅぐに動へまふ」むくり
ジュン「?」
槐「今はうまく喋れないんだ。声帯が少し麻痺している。麻酔みたいなのを使ったから」
真紅「あら、よかったじゃない雛苺。麻酔使ってくれるって」
翠星石「人形なのに贅沢ですね」
雛苺「ま、麻酔を使えば痛くならないのよ?」
鳥海「そうだろうね」
雛苺「ねえ薔薇水晶! 本当に歯を抜いたりした時は痛くなかったの!?」
薔薇水晶「……ひゃい、じぇんじぇん」
ジュン「薔薇水晶もこう言っていることだし
     抜くならさっさと抜いてもらった方がいいんじゃないのか雛苺?
     ここでぐずっちゃ、槐先生にも迷惑だぞ」
雛苺「うにゅ〜……」
槐「今ならサービスで2〜3本おまけに抜いてあげようか?」
雛苺「っ!?」
槐「ジョーダン! 冗談だって、ちゃんと虫歯しか抜かないから」

99 :
ジュン「えぇと、それとまたもやすいませんが槐先生、代金の方は……」
真紅「私達、保険が効かないのだわ」
槐「僕も医者じゃあないんだけど。まあ、それはさておくとして、お金は要らないよ。ただ……」
翠星石「ただ?」
槐「抜いた雛苺の虫歯を僕にくれないか? 色々と調べてみたい」
鳥海「俺も俺も」
槐「うん、皆人君にも、あとでちゃんと見せるよ」
鳥海「やったね」
ジュン「うーん……歯の一本ぐらいなら、いいかなぁ?」
雛苺「ヒナは虫歯なんて要らないから、それでいいのよ」
真紅「虫歯とは言え、ローゼンメイデンの一部。
    それを槐に明け渡すのは、ちょっとねぇ……」
翠星石「タダより高いものはないというのはこのことですか。
     でも、ここまで来たんですから、やってもらえばいいんじゃねーのですぅ?」
ジュン「だよな。雛苺本人も了解していることだし」

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