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2012年09月詩・ポエム93: 前の人のお題を書き込むスレ (461) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
僕のせいで 死んじゃえばいいよ (944)
君のセンス5段階+αで評価するよ[vol.105] (439)
もう詩なんて書けない (869)
ぶち込み詩 (231)
THE BACK HORNの詞 4 (395)
意味不明ポエム8 (987)

前の人のお題を書き込むスレ


1 :2010/11/08 〜 最終レス :2012/09/02
前の人が出した題にそって詩を書き、 次の人にお題を出すスレです。 詩を書いた人は必ず新しいお題を出してください。

「風鈴」
記憶している事は何かと語らう縁側が暖かければ
その人は人には無いものを持っている
銅張りの瞼が開くまでの時間を知っている事で
僕らはまだ見ぬそれを補おうとする
レム睡眠の震える目玉の奥底で
冷たい水をゆらゆらと
細い灯火をゆらゆらと
蓋の下で扱えるものは小さい
聴いて眠る時
風上が林の明かりに隠れ
土の上に短い影が色濃く落ちて
雲の降らせたような島を作る
砂場で人が泳いでいる
洗い物が風を嗅ぎ
帆のようにはためく

次は「AKB48」でお願いします

2 :
無題の詩に題を付けるスレじゃないのかw

3 :
一応歴史あるスレなんだけど…
しかし激しくキラーパスだぜ>>1はドS

4 :
「48-??」
彼女たちが48人とされているのは
もしかしたら四十八手によるところなのかもしれない
そんなことを思いついたのが昨夜22時
なんだか妙な気持ちになって
虹に似た溜め息を
炊飯ボタンでやっつけた
純真そうな瞳(め)、聡明そうな額(ひたい)、快活そうな唇(くちびる)
沢山あるけど皆親しみ易すぎて
とっても覚えらんない
いつも真ん中に居た子と元気そうなポニーテールの子だけは
うっすら顔が浮かぶのだけど
いつかきっと
渋谷にも新宿にも原宿にも
北の国にも沖縄にも
親しみ易い笑顔の48人が現れて
いつしか日本は
ご当地48だらけになっちゃうんだろう
そうして彼女たちは
世界の終わりについて囁き合うことなんかなくって
こんな風に沢山の好奇や皮肉や憶測を囁かれて
純な部活みたいな悩みを抱えていそうな名前たちは
‘まにあ’たちに高値で売れてゆくんだ
彼女たちが私と同じくらいの年齢になって
もしも未来が見えなかったら?
一体どんな気持ちになるのかしら
……余計な心配押しやって
掃除機を止め汗を拭う
溜め息をコンロで掻き消す私を
猫が呼んでいる
ご飯をあげなくちゃ

――あの人何時に帰ってくるんだろう。
パタパタとスリッパが踊る向こうで
大根が窮屈そうに炊き上がっている
思い出したように送ったメール
「名前くらい知っていますJ」

次の方「女王蜂とわたあめ」でお願いします

5 :
「女王蜂とわたあめ」
古びた団地の前、公園のベンチで
サッカーをする子供たちを尻目に
あたしの生きる意味は何なのか?と
ふと思い悩んでいた日曜日の午後。
白衣を着た初老の精神科医の言葉
”糖分を取ったほうがいいですね。”
なぜか頭の中でぐるぐる回った。
かっこよく言えばあたしはきっと
生きることに疲れきった女王蜂。
ロイヤルゼリーは高かったから
デパートのわたあめでやせ我慢した。

次は「東京」でお願いします。

6 :
「東京」
東京駅までの切符、一人分ください
どこよりもにぎやかなにほんの中心
あれだけあった夜空の星も拾われすぎて残り少ない
海ありビルあり山あり飛行機あり帝もおわします
なのにこの交差点にはだれもいません
前後左右だれもいません
空き缶だけが転がっていきました
東京駅からの切符、それはいりません

次は「エラー」でお願いします。

7 :
「エラー」
虹の窓から林檎が飛び交い
頭上を掠めて雲を引いている
疲弊が四肢を重くしながら
身中に冷たい水の感覚を満たした
ブレーキが折れたら
それはエラー
拙い細工はほうき星になり
遠くの町に消え

次は「鱒」でお願いします

8 :
「鱒」
あなたはうつくしい
だから作曲家は女性にたとえた
あなたは一途だ
だからふるさとは旅人の支点になった
あなたは刹那だ
それでも永遠に遡る尊さだった
あなたのとっての尊さは全身を羽に変えてしまった 
そしてあなたはうつくしい魚になった

次は「時空警察の職務質問」でお願いします。

9 :
時空警察の職務質問

あの。すみません。
時間を教えていただけますか?
ありがとう。助かります。
あと、今日は何月何日でしたしょうか?
あぁそうでした。
いつの間にかもう年の瀬になりましたね。
年賀状など出されましたか?
来年は西暦…えっと……
そうそう。2011年!
世紀の公転記念年!
…っえ?
…公転記念日はもう過ぎた?
…半公転も遅かった?
…なるほど……
おまえを逮捕する!
なぜかって?
地球が何回回ったかを知るおまえは
違法タイムトラベラーだからさ

次は、すれちがい

10 :
「すれちがい」
結構日本人発揮してると思います
道を譲るときは壁に張り付く勢いだったり
ほんと笑っちゃいますよね
ラスボスとのニアミスは勘弁してください
会釈さえ覚えておけば大体かわせます
いちいち一期一会なんてやってらんない
すれちがい恐怖症
罹患 対症療法 なんちゃって完治 またすれちがって勘違い再発
なんて素敵なキャリア思考
入手困難なお薬はハイタッチの一瞬のあったかさと痛み・・
だそうです(涙目)

次は「うさぎの森」

11 :
((スミマセン))
ぼんやりしてたら耳の側で小さな声が聞こえて、びっくり仰天
思わず歯がカチリと鳴った
((何ッスカ))
目が合った
((授業))
((詰マラナイデスネ))
そしたら、待ってましたとばかりに辺りがヒソヒソ声でざわついてきた
((デスヨネ)) ((長インダモン))
((タシカニ))  ((ハラヘター))
((俺モソー思ッテタ)) ((デスヨネ)) ((ヤッパリ、ネェー))
耳打ちをする度、皆して耳をさわさわ揺らすものだから
その様子ったら木の葉がさわめくようで
教室の中は耳たちのさわさわと口たちのヒソヒソで
てんやわんやだった
まるで森ん中にいるみたいだったぜ
「兎」の長ーーい耳が囁き蠢きまわる、耳の森。
うさぎの森。
センセーがコホンって咳をすると静かになって
仮の姿に戻るんだけれど
俺たちゃホントは兎
俺ちょっと目とかも輝いちゃって、隣のコを見たら
すやすや眠ってた
((……チェッ))
暇つぶしにペンをくるくる弄ぶ
教室は仮の姿のまま、時計の針はゆっくり進んでゆく
耳が縮みきる前に
センセーが授業に飽きたらいいのに
つか、あのコやっぱ睫毛なげーわ
センセーの長話の、百倍ときめく新情報
何となくノートの隅に
横顔の似顔絵を描いた
勿論、兎耳つきで

次の方「泣き顔」でお願いします

12 :
「泣き顔」
先を行く
駈けて行く
急ぎ足で
誰よりも
振り向かなければ
どんな人混みでも
知られない
この顔は
本当は あなた以外
気にもとめないというのに
先を行く
先へ行く

次は
「キャンドルナイトの日」でお願いします

13 :
「キャンドルナイトの日」
どこかで灯り どこかで消え入りそうな 慈しみのあかり
この両手だけで守れるだろうか
直接触れることの叶わない思い
その穏やかな揺らめきにすべての影が従う

次「ことづけ」でおねがいします。

14 :
「ことづけ」
この頃、空を見上げなくなった。
誰かの言葉を借りれば東京には空がないからだが
今歩むこの道すら存在が危うい。
道の存在が危うい。
新宿の連れ込みホテルでめくったあのメモ用紙――哀しきかな。
駆け足で奪い取った電車の座席の下に潜り込んだ手帳――気恥ずかしいかな。
信仰の人の、呪文を唱える、君よあなたよ俺よ入れよと。
雑音と我が定義した雑音を貝殻に閉じ込めてみた。
貝殻の中の宇宙を彷徨う雑音はいずこへ行くか。
また戻るのか。耳殻という貝殻へ。
花の金曜日にかこつけて、一体にして地球の海水の半分ほど
小便色した微弱なアルコールを飲み込み、小便よろしく
目覚めた新宿の朝の太陽は黄色いではないか。
踏みしめた一歩は、いつだってはじめの一歩とロックシンガーが歌った。
その曲名を訳すと「失った男」である。失ったのだ、なんだって始めではないか。
この踏みしめた一歩は、終わりの一歩でないと誰が保証してくれる。
私の祖父の友人は硫黄島初期の戦闘で左足を付け根から失い、常に左足の一歩を歩めない。
世界中の地面という地面から、道という道から、立ち昇る陽炎が語りかける。
明朗さなど気にせず、私の耳殻に潜り込んで自家中毒。
Aから始りZで終わる言語をあまり勉強しなかったのだ。
外国語は理解しないよ、母国語に至ってはなおさらだ。
だいたい荒井由実が歌ったように、言伝というものは人間の鮮血のように生臭く、醜悪で、
受け取った男どもは精神的に子供に帰る以外ないのだ。
女よ、学べ。知識があるのに、ないふりするは、男だったらキザと言われて後ろ指なんだぞ。
_
次のお題「定期券」

15 :
「定期券」
A地点からB地点へ
鉛筆で往復
どんどん濃くなる 傷が深くなる
無意識が刻まれる 懐かしさに変わればいい
どこからAへ Bからどこへ
この券は覚悟がいる

次は「海が消える日」でお願いします。

16 :
「海が消える日」
外は真っ暗で
息が詰まる
海の水がひいてゆく
そこには貝殻や
木の枝
魚の骨
石っころが
転がっている
遠くで聞こえる
波の音
懐かしい香り
私は1人
空を見つめる
大きく息を吐く
天空の空高く
星がきらめく
次は「妄想」でお願いします。


17 :
「妄想」
たぶんこれは死者と生者の会話
嘘と嘘 現実と現実 +と+
お互いを説明できない
まるでダークマター
人間は空間を無にできない 
きみの妄想の海に漂ってたら、自分の真実が妄想に変わる
そしてついに溺れて、きっとボクは狂って安らかに死んでしまう

次は「双子星へ」でお願いします。


18 :
「双子星へ」
君は元気でいるだろうか
もうずいぶんたった
二人でいる時間は
きらめく光の中に
とけてしまった
嵐のように別れた日
今でも思い出すと
胸の奥が痛む
無邪気な君の笑顔が
愛おしい
あの頃には
戻れない
空を見上げ
双子座が輝くと
君との思い出が
優しく降ってくる

19 :
すみません書き忘れていました。
次は「心の叫び」でお願いします。

20 :

「心の叫び」
あの子はどこだ
あの美しい人は
どこだ
どこだ
あの子の名前は
声は
香りは
会いたい
触れたい
あの子がほしい
笑顔の美しい
あの子
そう
あの子に会いたい
触れたい

次は「サンタ」でお願いします。

21 :
これはルドルフに何かを覚えさせておくことを計算したお話。
サンタは何かをされていない
バカは、オープン時に知っている
天命は、目に見えなくされ、それらを補う
ルドルフは睡眠の目の深さで揺れ
赤くした、冷たい水
間の光と薄膜
サンタのカバーの下
数倍
泣のそよ風の中で隠し
人間の地面に短いボールを埋める
これは同じ人間を作るまでの雲のような{啇半}魂香(はんごんこう)
出会は、サンドボックス内で泳いでいる
ルドルフの洗浄をスニッフィング
クリスマス・イブのように舞う

次は[羅刹]でお願いします。

22 :
「羅刹」
何度話してもだぁれも信じちゃくれないけど
おれ、鬼に会ったことがあるんだ
姉ちゃんだとか
母ちゃんだとか
そういうヒユとかじゃ全然なくて、
本当に本当の、鬼
けどさあ
「沢山食ったよ。沢山焼いたし、沢山殺した」
なんて誇らしげにガハハとわらうそいつは
聞いてたのと違って
ムジャキそうで全然恐くなかった。
だってさ、それ
おれらと全然違わないじゃん
だから
今日び子供をそんな文句でオドすなんて
全然流行らないんだよ
そう言って得意げに鼻を鳴らしたら
母ちゃんに睨まれて
姉ちゃんに殴られて
父ちゃんに溜め息をつかれた
なんだいなんだい。
今日は羅刹日なんだなぁ。
おれ、つまんなくなって
鬼に愚痴でも零せたらなぁって
も一度鼻を鳴らしたよ
らせつらせつ
おれの住むヨは羅刹国
やっぱり教科書やオトナなんて
嘘ばっかりなんだ
ああ
も一度あいつに会いたい
げんこつが飛ばないよう小声でいって
鳴らすのやめて鼻をこすった

次の方「ジングルベル」でお願いします。

23 :

キャンプファイアーをしながら
ペットボトルに涙を零した
イエメンの少女が黒曜の指先で
熱いコーヒーに砂糖を零した
眠りは11時にやってきて、朝はパイプ椅子の
細い細い角度の、その影に宿っているのよ
秘密の誰かが私をさらって
真っ赤な記憶をその袋に閉じ込めた
私のかけらは遍く夜に降り 夜は世界に新しい星を与えた
見たこともない光
弦影のスキップ
天使は祈りの言葉を待っている
今、雫が零れるままに
星々が移ろうままに
大陸の片隅でささやかな鐘が鳴る

次は「月に咲く」


24 :
「月に咲く」
通いなれた夜道
憂いを
身につけた私
憂いが
馴染んだ私が…
思いにふけ
帰らぬ日々を
思い出し涙を流す
優しさに飢え
冷えてしまった
心に…
暖かい明かりを
無意識に求め
月を見上げる
そこには
両手を広げた
あなたがいた…
次は
「無邪気」で
お願いします。

25 :
無邪気
よく言われるよ 
お前は無邪気な奴だなって
でも 案外そんなこともなくてね
ほら、見てみる?
結構凄いだろ
どす黒いだろ?
この大部分は醜い計算で出来てる
醜くて汚いんだ
で、ほら
ここをこうすると
ほら、壊れた
醜くて汚い上に壊れやすい
こいつはもうどうしようもないね
ははは
笑っちゃえよ
そうすればたいていのものは吹っ飛んで行くから

次の方
「夕焼け」でたのむ

26 :
夕焼け
仕事帰りの車
FM流し走らせる
日々追われ
心身どっぷり
正面近いようで
遠くに夕焼け
助手席に
相棒でも乗ってりゃあ
ちょっとは
ロマンチックだが…
一人でみる
夕焼けは
やけに寂しく
いや
恐怖すら感じた
今日も一人黄昏て
今年も残りわずかだなぁ〜って
夕焼けに向かって
呟いていたんだ
明日は
晴れるんだろうなぁ〜って
思いつつ
ゆっくり家に着いたんだ…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
まとまりなくて
ごめんなさい
次は
「迷走」でお願いします。

27 :

   迷 走
ダスト 息苦しい部屋
無数 それは拘りの数だけある クサリ
意思 太陽の縊死 言葉は溢れ散り咲くサクラ
物事の熔解 自傷はいつだって流星気分
話す事 離す事 放す事
その磁性が繋がりを背くなら
僕達は祈りの速さで走ればいい
ダイヤ
ルビー
サファイア
傷ものの光 街のネオンは裸の擬態
指先の無垢を選ぶなら
もう少し掌を広げようか 
返す事 還す事 孵す事
その磁性が繋がりを描くなら
僕達は迷いながらも進まなければいけない 

次は「キャラメルボーイ」

28 :
キャラメルボーイ
三度の飯よりキャラメルが好き
そううそぶく少年達
いまのうちにたくさん食べておけよ
おやつは子供の特権
君達のおなかを満たすには
三度の飯では足りないから
とにかくなんでも食べてみて
見極めて
必要なものとそうでないもの
年くってからのおやつも
悪くないけれど
よけいなモノがついたりして
ちょっと困ることになるかもよ

次「刃」

29 :

きらめく刃 
首筋にあてて
矛盾するふたつの感情の葛藤
死への傾倒
生への渇望
どちらが勝るか試してみるか
やめた
余計な感情は心から消したい
刃のきらめき
刃は刃そのもの
俺も
俺そのもののように
迷い無き純粋ななにかになりたい

次の方「夜明け」で

30 :
「夜明け」
裏切りと孤独感に
ビクビクした日々
信じられるものが
わからなくなり
もう何もかも
投げ出して
楽になりたいと
毎晩泣き寝入り
身心疲れきり
感情さえ
衰弱していく
夜という闇が
精神を更に追い込む
このままスーッと
目が覚めません様にと祈りながらも
未練たっぷり
どんなに辛くても
必ず夜明けが
やってきて
無気力な私を
鍛える

次の方
「道しるべ」で
お願いします。

31 :
そっちに行けってーから行くんじゃないのよ
ただ風に吹かれるままも飽きちゃったの
道はいつか行き着くんじゃないかな
おんなじとこに
とか言ってると山に登って崖にハマルの
たいてい近道じゃないのが珠に疵よね

次「エッジワーク」

32 :
「エッジワーク」
あなたのつま先は
この頬を掻きむしり
白く白く抉る
心に届くほど
僕は涙すら流せないのに
あなたは氷の女王
僕は愛の言葉を探す
あなたの瞳を
ばら色の春で満たすため
次、「ベートーベン」

33 :
「ベートーベン」
下町のベートーベンはど素人
ほら言わんこっちゃねえ
また金槌で指を叩いてら
あんたの腕じゃ大工なんて言えねえ
第八だ
第八が第九より下だって事は
分かり切ってら
なぜなら
聴いたことがねえから
次「ホルモン焼き」

34 :
「ホルモン焼き」
じりじりと下から照りつける熱さに
屈してたまるかときらきら上を睨む
じわじわと焼けて来ちまったよ
それでも
ぎりぎりと上から下からの咀嚼に
負けてたまるかと粘る
だんだんが伝わってくるよ
反骨の魂を燃やして
飲まれない様に精一杯さ ホルモン焼き
次は「ほくろ」で

35 :
「ほくろ」

凜と仰いだ
仕草に連なる
白い頬に
隠れる目印
触れてしまえば
晴れ渡る空も
静かに泣いて
雨へと変わるから
せめて守りたい
貴方が見とれる
景色だけは
隠してしまえば
優しい夜に
照らす明かりが
見えなくなるから
どうか仕留めて
私の指先が
壊す前に
君の中に潜む星座を
その身に纏う
恥じらいを晒して
一つ残さず
繋いでみたい
囁くような調律で
境界線へ踏み込んだ
感じたままに継ぎ足して
柔らかな印に口付けを

次、「カーテン」

36 :
カーテンを開ければ
外の景色は見えるけど
同時に
外から僕の姿をみることもできるね
だけど僕と君の間には
へんなカーテンがある
君は君の心をさらけ出すけれど
僕はそんなことはしない
だって
僕の心をさらけ出したら
君は僕の前から去っていくだろう
一方通行のへんなカーテン
面倒だね
取り払ったらどうなるか
ためしてみようか

次「雲」

37 :
「雲」
まだ真っ白なスケッチブックに
お気に入りの景色を描いていく
無我夢中にひたすら描いていくうちに
いつの間にか流れが速くなった雲を
懸命に追いかけていく君
その雲が流れる空は何色ですか?

次は
「言霊」

38 :

太陽は横滑りすることはない
ヘラヘラ回るのはいつだって小っぽけな奴らの、その言葉だ
寿司詰めの電車だってグルグル回ることしか知らねえくせに
ホワイ?なんて訊くなよ
海老蔵だってようやく丸くなったんだ
だから明後日辺りブルブル小さく回りだすんだろうよ
シケモクだね
ギラギラしたものが抜け落ちてみんな、シケモクだね
十一月はさっぱりで
十二月にお袋さんを聴いて
元旦正月にパパイヤを食べ過ぎたよ
まるで嵐さ
嵐の前の静けさだって?
NO 嵐は過ぎ去った後がもっとも恐いんだ
だって血まみれで殴られるより
赤目で土下座するほうが屈辱ってもんだろ
太陽は自作自演はできないけど
木星だってプチ整形はできません
あのでっかい渦を小さくとか
あの土星の輪を十字にとか
宇宙の半分を豪華にシャンパンゴールドにとか
海老象の鼻を可変式にとか
…できねーんだわ
あくる日、美しい如雨露からはミミズの群れが漏れ出して
大地に花に群がるんだ
そしてやがて胸のイチジクのペンダントも腐食しだして
小さな僕はその意味を悟るんだろう
傷をもったこの唇は 広げると傷口が開くから
魔法瓶にそっと閉じ込めよう
真昼のワインを飲み干して
空っぽのグラスを叩き付け
キャメルでも静かに吹かしながら


次は「ダブル」

39 :

練習スタジオの店員が王様で
見ず知らずのレコード問屋の店員が
俺達のキラーチューンを値踏み
観客はバンドの襟元のタグをさがすのに必死で
PAはギターの音量を1にしろと叫ぶ
だから俺達は誰も信じない
「とても感動しました」なんて言われたら
「ハア、そうですか」と目を背ける
「ギブソン渋いですね」には
「は?グレコです」
嘘は言っていない
俺達はギターのヘッドに書いてある英語なんて
読めやしないのさ
意中のあの娘と普通のホテルに泊まる時も
ベッドは1つでいいから
「シングルで」と言ったはずが
ショボイベッドが二つあって
ドキドキしながら別々のベッドで寝たり
朝食に苦手な奈良漬けが出たりで
ダブルパンチさ
で、何の話だっけ?
次は「味噌と醤油」

40 :
おじいちゃん
今夜のメニューは何にしましょうか?
わしも一人独居でのう家内が居た頃は
世話なしだったんだがのう
見ての通り生活保護の身食材も不足しててのう日々精一杯の暮らしじゃよ
あら
おじいちゃん筍が
いっぱいあるわ
近所の人達が持って来て置いてくれているんじゃろう
でも何もできない
おじいちゃん私に任せて
筍を細切りにして
油で炒めて
砂糖、味噌、少量の醤油で絡めて
はい
筍の味噌ころの出来上がり
おじいちゃん食べてみて
涙…
美味い家内がよく作ってくれていた。
ありがとう。
わしの好物じゃよ
良かったぁ
また作ってあげるね


「ヘアーチェンジ」

41 :
何があったって
この感情は消えないままで
怒り悲しみ愛おしみ苦しみ
いくらだって
髪が伸びたって
また切ったって

いくら待ったって
いくら泣いたって
また髪が伸びて切ったって
ただもどってきただけだって

下手な上に暗くてすいません
次「快晴の朝」

42 :

一歩家をでれば快晴の朝
朝日は僕には眩しすぎて
僕の背を見れば
日の光が強いほど濃い影が生まれる
すべては相対的なもの
逆もまた真なり
でも、ま、
せっかく明るい朝なんだから
明るくいってみるかね
微笑んでみよう

次「コーヒー」で


43 :
ふぅ〜っ
入れ立てのコーヒーは
癒やしの薫り
お砂糖とミルクは?
抱き合った朝の
コーヒー
それは至福の味わい
独りで飲むより
二人で飲むコーヒー
贅沢なコーヒー

「繋がり」

44 :
ケータイ見れば
電波がみっつ
メール送れば
返信がくる
何か言えば
君が笑う
君が笑えば
僕も笑う
僕が笑ったら
また誰か笑うのかな
誰か笑ったら
それがきっと世界の裏側まで繋がって
僕はみんなと繋がった
ケータイみたいに
そんな世界だったらな

次「祈り」

45 :
「祈り」
傷と孤独
哀しみ
あなたは未来を信じて
溢れる
傍もさらに
鼓動
強がりは快適になりたい
蒼い譲歩を望んでいない
本当に疲れた体と心
も届かない
空の問題
遅すぎる闇
さらに未来に置くか、
そして、これはまだ今は停止され
吹くような目で祈っている
漂う多くの後悔
どんなに白い苦痛
行きは常に
飛び


次の方
「今宵」で
お願いします。

46 :
星一つない夜だね
闇にまぎれていまえば誰も俺に気づかない
難しく考えることもない
「この程度のことは俺にとってどうということはない」
この嘘は
俺にとって現実以上に価値のある真実になりつつある
俺は俺だってだませるってこと
呆れた?
でもね
あなたが本当に俺に呆れるのはこれからだと思うから


「トゲ」

47 :
僕はトゲを持って
誰かを刺すの
それは美しい薔薇が咲く
一瞬でもろくはかなく消えて行くもの
いつだってこんなもの投げ捨てることはできたのに、本当はアイツが怖いだけなのかもしれない、逃げているだけかもしれない
こんな気持ちなんて、いつまでも輝いていける太陽には、あの星には、わかりっこない
やがて光も消える
僕はまだ逃げてる
怯えてる
そこにに残ってたのは
闇のニオイだけ

僕が怖がっていものは
逃げてきたものは
あのトゲの矛先は
僕だったのかもしれない


次「今」


48 :
何も分からない今
今までも分からない
今が分からないと
もがいている分けではない
今のこの日々
1秒1秒も分からないなりの必要な時間
慌ただしくても
緩やかな流れでも
この今を通る事に
意味があってもなくても
何かを学びとる
それはただ考える時間なのかもしれない
成り行き任せだって
真剣に考えた行動だっていいじゃない
今は分からなくったっていいじゃない
何もやらなくても
事を起こしたって
後悔はあるんだから
それならやるだけの事やっていいじゃない

「シングル布団」

49 :
ちょっ
えっ
僕のお気に入りの場所
僕の安住の地
僕の隠れ家
僕はここが好き
この一人分の窮屈な
ここが好き
僕はここで寝るんだ
僕はここで起きるんだ
みんなといたって楽しいんだけど
外せない
この時間
この気持ち
この安堵感
誰だっていれてやらないよ
君だって
ここにいる僕を邪魔するやつはここにいる僕が許さないけどあっちにいる僕は許しちゃいそう
こんな僕をどうか許してください
でもやっぱりここが好き

次「穴あき靴下」

50 :
手の爪は切るのに
どうしたものか
いつも足の爪は切り忘れて
いいえ
足に爪がある事を
忘れてしまっている
だから
靴下をほがして穴あけて
足先がSOSを出しているんだよ
足にも爪があるんだよ〜忘れないでねって

「展望台」

51 :
見晴らしのよい場所にいこうよ
車がないなら歩きでもかまわない
ここはいま俺だけの展望台360度みわたすかぎりの
絶景
風が強いねでもいい天気さ
絶景
この場所ははるか昔からあり
そしてこれからもここにあるだろう
俺がいまここに来て景色を見ているのは
この場所にとってそうたいした意味はない
だって見てみろよ
この世で最も美しいモノそれは
自然の光と影の中にある
でもね
その景色を味わうモノがいなければ
どんな絶景だって意味がないのさ
さて
いつまでも景色に見とれているわけにはいかない
下界に戻るかな

次「猫」


52 :
にゃあ
日だまりからの一声
猫じゃらしを見ても動こうとしない彼は
じゅうたんの色の違いに気付いているのだろうか
にゃあ
のそのそと近づいてくる
鰹節をせがむ為に近づく彼は
鰹節の値段の違いに気付いている
にゃあ
とぼとぼと家を出る
私が忙しいときに限って甘えてくる彼を
つい私は怒鳴り付けてしまった
にゃあ
血だまりからの一声
車にひかれて日だまりになった彼は
私の枕の色の違いに気付いているのだろうか

次は「道」で

53 :
「道」
いつもの帰り道
見慣れた庭みたいな道
なのに
いつも何度も車止めて…
仕事は早く終わったのに
帰り着くのが遅くなっちゃう
今まで来た道も
進む道も分からなくなって
ただただ停滞
光の差す道へと進みたいのに
私の進む道には
終わりなく果てしなく伸びていて
幾つもの棘の枝道が歩行をも許さない
自ら棘の枝を摘む事も出来ない小心者
ぽつりと寂しそうに祀られたお地蔵様に
手を合わせ心境を聞いてもらう
お地蔵様はにっこり優しく笑っている様に見えた。

「オープンカー」

54 :
一本の道
まっすぐ続く道
この道の先には,何があるんだろう
未来か,過去か
誰にも分からない
一本の道
今はもう無い一本の道
その道は一体何処に続いていたのか,
もうもはや誰にも分からない
はい次は「戦争と平和」

55 :
「戦争と平和」
きっと僕らの平和はこんなんじゃない
力が作った平和
誰かを踏み潰した上に立つ平和
僕らは馬鹿なだけ
馬鹿な僕らが笑うのに
賢く尊い命は消えて行く
僕らの望む理想平和
それは鳥や山にとればただの迷惑
みんな平等だなんて、そんなこと誰もおもっちゃいない

次「出口」

56 :
ぐるぐる迷路 ぐるぐる迷路 ぐるぐるぐるぐる
行く先はどこですか? 帰り道わかりますか?
ぐるぐる迷路 ぐるぐる迷路 ぐるぐるぐるぐる
進むしかないですか? まわり道ぐるぐる
入り口もわからずに 気がつけばここにいて
へとへとで立ち止まる チシャ猫がわらう
ぐるぐる迷路 ぐるぐる迷路 ぐるぐるぐるぐる
出口もわからずに どこまでもぐるぐる
出口なんてないですね? いつまでもぐるぐる
次「ひどく飲んだ夜」

57 :
悪酔いして飲み屋のトイレ
鏡をみれば何物かが俺をにらむ
「誰だお前」
あ〜トイレの壁に
貼ってはいけないモノ貼ってやがる
「にんげんだもの」だと?
くだらねえ
そんなモノで酔った客の心が癒せるとでも思っているのか?
用意周到なこった
そんなに 
この俺が恐ろしいのか?
ムンクの叫びでも貼ってたほうが
よっぽどしっくりくるぜ
ふ 
ふふふ
あまりにくだらなさすぎて
通り越して
笑いがこみあげてくる
涙も
なにもかも吐いてすっきりしたい夜

次「酔い覚ましの水」

58 :
昨日使いすぎた肝臓の為に
いたわりをこめた水道水を
じんわりと体に馴染ませる
ずきんと軋み
脈打つたびに
痛むこめかみを
押さえて顰め
食道に何か
詰まったような
水も入らない
吐き気を押さえ
水を飲み
横たわる
この僕に
なけなしの
いたわりと
当然の
優しさとして

次は「終電」で

59 :
「終電」
時間が無い
北風に自分の軸すら把握できない煽られ様
無気力 今日はきっと帰らない
夢現わかりそうにないような恍惚だった三分前
定期なんてどこぞに落とした
鞄の底 あいつの写真が入った青い縁
どんな時も怪訝な影一つも落とさない直向きなあいつ
ああ ああ そうだ
気持ちだけ終電に乗せて自宅に帰してやろう
次は「みかん」

60 :
十六番ホームへ向かう途中
突風に目をやられて
階段から転がり落ちた女の顔
擦りむいた手の平が
赤く焼けている  
なぜか
酔い覚ましにともらった蜜柑を
うっかり線路へ落としてしまった
この電車の十四輌目の車輌が
ホームへ辿り着く頃に
それを拾いに走った私の 過日 は擦り切れひきのばされている 
 
あの人の所へかえりたい
電車の窓の明りが身体を通過してゆく
何処にも帰る場所のない顔をした
人間を運ぶ列車
永遠に交わることがない明日テラス誓約 (グリーングリーン♪)

次は「トンネル」

61 :
トンネルを抜けると満天の星空で
欠伸をしながら四角いそれを見ていると
何故だか急に寂しくなった
空気の変わる音とともに
星の代わりの赤色灯が
我先に四角い空から消えていく
赤い流れ星に願いは届くのだろうか
この列車が少しでも早く
あなたの町に着きますように

別にいいんだけど何故私の出すお題は複数該当するだろう作品が作られるんでしょう?
時間的に二人目が超推敲してくれてるのか、単純に書きたいだけなのか…
まあいっか。次は「鏡」で

62 :
割るのではなく開くものなのだと聞いて
納得、割ると危ないもんね
お出かけの前のお化粧を行う
ひびの入った肌におしろいはたき
頭の上にみかんを乗っけて
三面鏡を閉じたなら
わたしはすでに開かれている
あらゆる方面への光を完全に反射し
目出度い
目出度かった
そのどちらでもあり
最終的には美味しければ一番だけど
実際は売れ残りのかびくさい
でも
透明人間になりたいだなんて思ったことない
だれにも見せられないなんて悲しすぎない?
次は「醤油」

63 :
キスのしすぎでもなく
布団被って寝ているわけでもなく
ストレスのせいなのか
唇カパカパで
切れちゃって…
目の前にある刺身食べたいのに
醤油が唇に染みちゃって痛いなぁ〜
でも醤油外せなくって
唇の痛さとの我慢大会で
もういい我慢出来ない
美味しい刺身
いただっきまぁ〜す

-----------------
うっ…低レベルで申し訳けない
次は「道化師」

64 :
「道化師」
僕は道化師だから
みんなを笑顔にさせたいから
鼻を赤く塗るよ
ネガティブな哂いも
ポジティブな笑いも関係ないのさ
僕は道化師だもの
みんなの心を弾ませたい
命綱なしの綱渡りさ
可笑しいなと思って
変わったやつだな思ってよ
もっともっと沢山
滑稽な僕を見に来ておくれ

次は「リップクリーム」で

65 :
私が貴方を守ります
痛みから
渇きから
愛する人からの
言葉のトゲから
何度浮気をされたって
私が貴方を守るから
だからお願いもう一度
化粧ポーチをまさぐって
私を見つけてキスをして
買ってもらった洋服は
いくつも穴が開いていて
それでもこれだけ着ていたい
貴方は私にキスをした
キスをした
キスをした
キスをした
キスを
私は貴方へお返しに
他の誰かにキスする口を
痛まないよにコートして
私を忘れないように
嫉妬の残り香押しつけた
私が貴方を守るため

次は「扉」でお願いします

66 :
『扉』
扉は開いてたけれど
閉める気はなかった
風にのって妹が
帰ってきた
何をしていたのか問うと
別にと言う
開けたのなら閉めろと言うと
はいはいと言う
冷蔵庫を覗き込み
口を尖らせると
二階へ上がっていった
扉はそのまま
閉める気はなかった

次は「焦げ」で

67 :
ちょっと焼きすぎちゃったかな
あの白と黄色の円に不細工な色が混じる
こんな簡単な料理も出来ない自分を責める
作ったんだから食べようか
でも黒い部分がきたないな
もったいないから
でもマズそう
意外とイケるかも
体に悪いぞ

食べるべきか、食べないべきか
僕の馬鹿な頭じゃ分からない
優柔不断な僕には決められない

68 :
あ、ミスった
次「冷たい手」

69 :
どうしたの?
そんなに血の気の引いた顔をして
手がつめたくなっているね
ほら
氷みたいにつめたくなっているよ
僕の首で手をあたためるといい
どう?
僕の首の感触は
君の手の冷たさで
僕の首の感覚は満たされる
君の手があたたまって
感覚を取り戻したなら
どうする?
その手に力をこめてみる?
ははは
冗談だよ

次「春」

70 :

この季節ほど悲しいものはないだろう
寒さに耐えなきゃいけないのに
なぜ辛い別れが待っているのだろう

この季節ほど嬉しいものはないだろう
寒さに耐えた新しい命が芽生え
新しいRが待っている
何処かで終わりをみつけたら
なんか急に寂しくなったんだ
いつかこんな風に僕らの毎日もあっけなく時に流されて行くのでしょう
どこかで始まりをみつけたら
急に笑顔になれる気がした
明日待っているRはきっと
一生もんになることでしょう

涙が枯れそうになっちゃって
笑顔のシワ増えてっちゃって
こんな辛い季節だから
こんな優しい季節だから
僕らは大切にしなきゃいけないんだね
昨日の別れも
明日のRも


71 :
またミスった
「コードレス」

72 :
「コードレス」
目の前に置いとけば
いつでも使える
でも充電を忘れないで
私も本体を置いて
魂だけあなたの届く所に置いて欲しい
でも
愛の電池切れだよ
たくさん愛を補給してくれないと
すぐに新品と交換されちゃう
私というコードレスの使い心地はどうですか?
お手軽に使って
壊れて
ちゃんと修理して
また使ってね

次は
「どこでもドア」

73 :
もしどこでもドアがあるんなら
こんなPCぶっこわしっちゃって
くだらんE-mailいらないでしょう?
そりゃ引きこもりもっちとはへるんでしょ?
もしどこでもドアがあるんなら
プライバシーなんてないでしょう?
なら今すぐ君の目の前行っていいんでしょう?
会えない時がないなら
それもそれで楽しそうだけど
会えないときあるから
会えた時が楽しいんでしょう?
次「忘れん坊」

74 :
『忘れん坊』
これこれこんな風にしてくれと
ヘアカタログを指差したりして言う
今は髪型さえ売ってるのかと思うと
少し笑える
美容師が
ローンのまだ残っている鋏でおれの髪をさわる
おれの髪は値打ちがある
さっぱりしてから
フルーツみたいにふとった男が奥の部屋から出てきて
床に散らばったおれの髪の毛を指差して
これこれこんな値段で売ってくれと言う
今は髪の毛さえ買ってくれるのかと思うと
少し笑える
おれはその商談をまとめ
銭湯による途中
軽くなったあたまで思い出すのは
契約書のぜろの数
次は「最終回」

75 :
僕らの最後はどっかでよく見る最終回のようなもの
君はやだって言う
でもありきたりな最終回でもいいじゃない
僕らきっと幸せになれるから
僕らのシナリオ作ろう
どうせなら波乱の展開もありかも
でもきっと最後には二人笑あっていられるから
次「缶コーヒー」


76 :
缶コーヒーが250円の駅では
人格が切り取られ
性別が破綻し
そうして誰もが独りぼっちになる
誰も気付かないアイデンティティーを
大事そうに抱え込んだまま
少女はホームのベンチで眠る
缶コーヒーが320円の駅では
世界が軋んで
道徳が破綻し
誰もが思うままにRをする
線路の軋みを気にしないまま
通過する列車を睨みながら
少年はじっと立っている

二人が出会うのは
缶コーヒーが130円の駅だ

次は「柱」で

77 :
いつも誰かに合わせるのはもう飽きた
自分の意思はっきり持って行きたい
やろうと思うことやりとうせない
こんなんじゃやだ
他力本願、一人じゃなんもできやしない
なんだってできるあいつが嫌い
変わりたい
でも変われない
自分のゴール見つけても
ゴールまで走ろうなんて思えない
それなのにゴールについてるあいつを憎む
走りたい
でも面倒くさい
こんな自分が嫌い
いっそ柱になりたい
何に押されても倒れないあの家にあるような
僕みたいに柔らかく、それなのにすぐ折れちゃうものとは違う
太く、重々しい柱になりたい
誰かために、誰のためにでも支える柱になりたい
きっとあいつは柱なんだ
きっとあいつは僕みたいにすぐ曲がったりしない、折れやしない
まっすぐと
誰かのため

次「鉛筆」


78 :
鉛筆の芯を
きりきりとすり減らす
まじめな君は何色の
絵をかくの
君のひきつった笑顔
うまくしゃべれなくて
重い空気
鉛筆の音だけが
きりきりと
やけに響く

次は「ドキドキ」

79 :
このドキドキは何だろう
貴方の
絵が
歌が
声が
私を夕焼け色にして
傍にいる安らぎと
いくらかの緊張を持って
このドキドキは
何だろう

次は「エイプリルフール」

80 :
「エイプリルフール」
四月馬鹿、晴れて
卒業しました合格しました もすこし学生
してやったりの 決定モラトリアム
四月馬鹿、晴れて
成人しました就職内定 いっちょ前に酒も煙草も
これでたぶん さよならニート
四月馬鹿、晴れて
不況サバイバル 土下座の神です
もぬけの殻のワンルーム
四月馬鹿、晴れて
入籍しました結婚します 彼女ともども今後もよろしく
別姓彼女はマタニティーブルー
四月馬鹿、晴れて
和解成立 調停終了
ハロー・アゲイン シングル・フリー
四月馬鹿、晴れて
雨も霰も降りゃあしない 嗚呼
本日は晴天なり 本日も晴天なり
四月馬鹿、晴れて
"思えば遠くへ来たもんだ" 唯一
夏模様なのは"少年時代"

しがつ、ばか。
おおかみがきた おおかみがきた
そろそろ絵本を閉じてくれ

次は「秤」
でお願いします

81 :
・秤
左と右と右と左と
ずっと揺れてる。ずっと揺れてる
いいと悪いと悪いといいと
あと1個がわかんない
2個しかわかんない
どうしてさっきから吊り下げられて
どうしてさっきから揺れてばっかり
揚げ足の取り方も教わらないで
上と下とを行ったり来たり
安定しない価値に舌打ち
体とこころとこころと体
一体どっちが重かったのか
全然思い出せない
だから私売ってしまった
秤を買いたいと手を揉む
嫌な笑い方の行商人に、
私の価値ごと、全部
不思議
ゆらゆら、ゆらゆら
売り払ってもまだ揺れてるの
けどわかっちゃった
実体をなくした私の
存在ってこんなに軽い
軽い体と軽いこころで
紙切れみたいにひらひらの頭で
丁度これから、鋏を買いに行くゆくところ
秤だったら新宿辺りできっと沢山買える
だってあの街、実体がないもの
揺れを断ち切る鋏
探さなくちゃ
なくなった街を上へ下へ
前後不覚で、ゆらゆら泳いで
あのね、教えてあげるよ
はかりきれないハカリゴト
それが成功しないのは新宿と同じに
私と君と君と私と
実体がないからなんだよ
君は黙ったまま私を見下して
ずっと揺れてる。ずっと揺れてる
違う。揺れてた
これが正しい結果
初めてとれた均衡
君とやっと
揺れ終えた
次、「工場長は二度眠る」でお願いします。

82 :
工場長は永い眠りからさめた
いったいどれほど眠っていて
いったいどれほどの時間がすぎたというのだろう
あるいは
永遠とも思える時間の半分の永遠が過ぎたのかもしれない
これほどの時間工場長が眠っていたのでは
工場の機能が充分に稼働していたかどうか不安にならざるを得ない
けれども工場のすべての仕事は
副工場長が把握している
工場長は眉ひとつ動かさずに言った
「アスファルトに突き刺さる鉄の刃の角度には寸分の狂いもありません。ご安心を」
工場長は安心した
そして再び眠った

次「ストーブ」

83 :
>>82
訂正
×工場長は眉ひとつ動かさずに言った
○副工場長は眉ひとつ動かさずに言った
俺のせいじゃないんだ
お題が鬼畜すぎるからなんだ

84 :
ストーブ
芯からあたたまりたいときはこれが一番
この冬はあまりに寒すぎたから
ストーブにはお世話になった
灯油のにおい なんともいえないね
お湯も湧かせるし料理だってできる
便利なものだね
でも危険でもある
なんといっても火を使うものだから
ぬくもりを求めれば危険をともなうということか?
注意と用心が必要だね

次「カレンダー」

85 :
カレンダー
二十四時間経ったら×を書き込まれて
七百二十時間経ったら皮を一枚剥ぎ取られて
八千七百六十時間経ったら御役御免
去年の事は分からないし
来年の事も分からないけど
除夜の鐘から除夜の鐘までの
ちょっとした時の旅人
なんて言ったら少しはロマンチックかな
何はともあれ今年一年よろしくね
次「南国の雪」

86 :
「南国の雪」
青かったり、白かったり
酸素やら何やら含んでる透明が
絶えることなく靄ゝ揺らめいて
美しいと言えば美しいんだが
俺は爪先から髪の毛先から
終始ちりちり灼かれてるわけだ、さっきからさ
気候に比例した露出度のベッピンたち
小さいのから大きいのから
文句なしに口元はだらしなく緩む ……緩みはするのだが
撓わに実る 黄色や茶色はもう沢山
美味くったって飽きるもんは飽きる
健康的に乾く喉 けだるさ隠さず
それしかないから受けてたつぜ
甘い水の恩恵
此処の女たちは…… いやいや男たちなら尚更
考えたことがないんじゃないのか?
俺みたいなのは ヤケルばっかじゃ干からびちまう
偶にゃうんと冷たく
さまして貰わにゃあ、な
お嬢さん
あんたの緑色の瞳から零れる
そのドロップみたいなやつ すげー、いいぜ
泣く暇あったら見上げてみ?
1、2の3で魔法の完成
( そら、降ってきた )
乙女たちの褐色に\飽き飽きの果実に\その実る幹や根に
辿り着いて薄ら消える ヒトヒラたちが可憐
呆けたように見上げる 女、男、子供、あんた
ドロップはどっかに消えちまったが 魔法の掛けがいがあるってもんだぜ
俺?
俺はしがない旅行者、ってね
以後お見知りおきを なんちって
さてさて
ちりちりヤケタ肌には有難い
うっとりと 降り、溶け、消えゆく夢に
それからエメラルドアイのお嬢さんに
怠惰を丁度冷やしてもらったところで
お暇としようか
別れのキスは次回に持ち越し
今度こそご機嫌よう
アディオス 憧れの南
怠惰が甘く誘う 魅惑の地平
しんしんと 冬の舞う
青かったり、そう
白かったり

87 :
>>83
鬼畜……でしたか汗
書けなそうで書けそなお題を、詩書きさんたちがどう料理してくれるかが楽しみで偶に参加させて貰っています
書いてくれてありがとう
しかし改行規制?辛いですなorz
改めまして
次、「降るまいて、月」でお願いします。

88 :
月の光は
とてもかすかなものなので
心もとない
でも
夜中に歩かざるを得ないワケありの旅人や
猫たちは
月明かりを頼りにしている
かすかな月のあかり
夜の闇が暗すぎないように
見張っているのかもしれないね

次「掃除」

89 :
また今度
また今度
先延ばしにしていたら
いらない物や本が
床に散乱している
タンスの中や押し入れの中にも
くたくたの衣類や
ガラクタが入っていて
片っ端から捨てようと握ってみるものの
なに一つ捨てられない
それどころか
心の整理も何一つできやしない
たかが物でも思い出が詰まっていて
重い物も思いも
大切なものだから

次「拠」

90 :
>>89すみません
漢字一文字になってたわ
「よりどころ」で
お願いします。

91 :
「拠」
幾らお銭を貰うても
こんな処に来うない
拠にしたさら肌に
しん しん しん
風がつめたい
去りし童の頃の手が
地獄に安らぎ求めてしもて
拠にした左手に
しん しん しん
液がつめたい
表じゃ雪がちらついて
あんたは家で燗ひとつ
差し出す女(ひと)の左手が
ふっくらと綺麗
風の便りが届くころ
あんたは思い出すやろか
しん しん しん
逢瀬の桜の木の下も
染まって、つめたい
拠にしたつめたさが
空を掴んで 綺麗
あたしもあんたとお燗
呑りたかった
此処じゃない
緩やかなお室で
雪がとうとう溶けるころ
思い出すやろか
あんた

次、「ショコラリキュールと砂漠」でお願いします

92 :
『ショコラリキュールと砂漠』

今日び軍隊式精神訓練なんかはやんねーんだよR
と悪態をついたところで富豪が死ぬわけでもなし
おれはもくもくとさらさらの砂にざくざくとスコップを刺す
背後には何個目かの砂山
それと
脱水症状でぶったおれた何人かの同僚

残った奴が合格らしい

とりあえずビール
おれが今一番言いたい言葉はそれだ
コロナなら最高だ
あの水のように飲める味のなさ!
ひえてなくとも文句はいわねえ

おれの全体液がビールと交わるべきだったとき
ガボン
栓を抜いた音にしちゃあちょっとでかい音が足元で
ガボン
きついアルコールの匂いをともなって
どん

おれはふっとんだ
なにが起こったのかわからなかったが
眼下にまっくろい液体が地面から噴出しているのが見て取れた
おれは空中で
顔についたそれを指でぬぐって舌に運ぶと
おれの体液とはおよそ交わるべきでない味の濃さと甘さがした

次は『回覧板』


93 :
私の地元は田舎だから水道代とか税金の集金や町だよりなんかRの班長さんが
一軒一軒訪ねてくる
時々
回覧板が混ざっていて内容が何かと思えば
公民館に家具屋さんが来るだとか
衣類屋さんが来るだとか
いつも大した事のない回覧板だが
目を通す前に殆ど内容を班長さんが喋っていく
回覧板に目を通さなくてもいいような〜?
回すの面倒だから次に持って行ってよ
お願いだから
えっ?どこどこの誰誰さんはなんたらかんたら?
そんな事まで話して行くんですか?
ある意味
喋る回覧板
ご苦労様です

次は
「公園と野良猫」

94 :
ジャングルジム
てっぺん
高層ビル
滑り台
出来た影
狭い布団
砂場
そこかしこ
大きなトイレ
鉄棒
細いけど
一本の道
ブランコ
腰掛けて
大仰なゆりかご
人間
声かけて
残飯レストラン

次は「蛍光灯」

95 :
「蛍光灯」
まるで真昼の蛍光灯
疲れ果てた点滅を繰り返す
膨大な時間は勢いを増し雪崩を起こして記憶を消す
そして真夜中の蛍光灯
目を閉じても点滅は瞼を叩く
焼け残った記憶の影が背後に伸びる
ずるずる引きずりながら私は振り向くことができない

次は「何もない部屋」でお願いします

96 :
「何もない部屋」
なんも ねけど け け
おめさ なにしどった いまごろどのつらさげてよお
:以下標準語でお送りします
お前がいなくなってから どんな思いで暮らしたと思う
泣いたぞ 母ちゃんと 泣いたぞ 俺もな
ばかやろうが 親不孝がよ
何が善行だ ゼンコーはよスズキだけでよ 昭和は遠く
なりにけりだよ
親きょうだいをないがしろにして 何が世界の平和のためにだ
俺はよ ずっとよ 待っていたんだぜ お前が汚れた顔をしながら
父ちゃん やったぜ俺は 世界の ために大きな仕事をよ
そう言いながら笑っていつか 今日みたいに帰ってくると
こっちに来い 今夜は鍋だ 母ちゃん風呂
兄貴に電話だ まず上がれ まず喰え 喰え
              *
風は吹き抜け
火の気のない木の カサカサした音
そしてそれから木の芽の季節に ようやくネコやカラスに遅れて
人が見たのは 何もない部屋 人の形した乾いた物が
たった一体横たわった部屋

-------------------------------------------------------------------------
お次は「私が欲しかったものはそれなのですが」でお願いしまっす

97 :

ぼくのはるか先を歩いているそのヒトは
ケタケタと愛嬌良く笑いながらそれでいて
その背中にはありとあらゆるものと対立する炎が燃えている
彼は何も語ることなく表現する
うまくやろうとしてはならない
うわべだけとりつくろってはならない
そして何より 本能に逆らってはならない
その言葉は鈍器のように俺の脳を揺らす
彼はさらに進む
そしてついには宇宙と対立した
そのヒトの意識は恐るべきものを生み 
そしてあろうことか
その恐るべきものをお手玉にして遊んだ
「見てろ こいつを宇宙にぶつけてやるよ」
彼がもてあそぶソレを見て
ぼくの本能が思わず叫ぶ
「私が欲しかったものはそれなのですが」


次「エネルギー」

98 :

テスト

99 :
「エネルギー」
日の汗がしたたりません。
私は、あなたの今日を記述し、あなたが詩を書く友人のために料理をしても幸せだった
私は誰でしょう
しかし、何を破るにしても、放射能(いたみ)があるのです

次は「獄卒衆」でお願いします。

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