2012年1月1期創作発表59: 非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part26 (55) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
・ 次のスレ
60: みんなの厨二妄想を発表したり、聞いたりするスレ (53)
61: 【SS】 コメディ  【ラブコメ】 【パロディ】 (120)
62: 私メリーさん3 (173)
3: 【リレー小説】磯野カツオの冒険 (436)

非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part26


1 :11/12/28 〜 最終レス :12/01/01
1999年刑行された小説「バトル・ロワイアル」
現在、様々な板で行われている通称「パロロワ」はリレー小説の形をとっておりますが
この企画では非リレーの形で進めていきます。
基本ルール
・書き手はトリップ必須です。
・作品投下前の登場キャラクター、登場人数、主催者、舞台などの発表は書き手におまかせです。
・作品投下前と投下後にはその意思表示をお願いします。
・非リレーなので全ての内容を決めるのは書き手。ロワに準ずるSSであればどのような形式、展開であろうと問いません。
・非リレーの良さを出すための、ルール改変は可能です。
・誰が、どんなロワでも書いてよし!を合言葉にしましょう。
・「〜ロワイアル」とつけるようになっています。
  〜氏のロワは面白いでは、少し話題が振りにくいのでAロワ、Bロワなんでもいいのでロワ名をつけてもらえると助かります。
・完結は3日後だろうが5年後だろうが私は一向に構わんッッッ!!
前スレ
非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part25
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1322494596/
非リレー型バトルロワイアルwiki
ttp://www26.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1.html

2 :
新スレ乙です!
では、厨二ロワ第一話、中編を投下します。

3 :
■◆
「――――叩け」
ガッゴォォォォオオオオン!!
先程攻略したものと同じ氷の塊が、京介を潰さんと叩きつけられる。
しかし只でやられる程京介は馬鹿ではない。
衝撃を最大限逃がすように攻撃を避け、その手に握る短剣で塊を両断。
コルト・アーヴィングを害せんと迫るその刃を見ても尚、大魔術師の余裕は全く崩れない。彼からすればこれは、蠅を蠅叩きで叩こうとして避けられた程度に過ぎなかった。
氷が空気中で渦を巻き、コルトの盾となる。
短剣の刺突は氷の渦に突き刺さり、それを破砕させる。
相当な霊装のようだな――――、とコルトは『魔術師』としての笑みを浮かべる。
「貫け」
槍状に変化した氷が京介にかなりの速度で向かう。
もしまともに受ければ串刺しは免れないだろう。
暴走しながらも理性を働かせ、短剣を盾として槍の刺突を防ぐ。
かなり押されはしたが、魔術により生み出された槍では霊装を破壊することは困難だ。
京介が短剣を振り、槍を振り払う。
そして再び、コルトに向け突撃。その短剣は禍々しい魔力を放っている。
コルト・アーヴィングはそれを見て初めて、一つの疑問が脳裏をよぎる。
「(何だあの霊装は………あれほどの魔力を放つ代物はそうそうお目にかかるものではない筈………そしてそれを使いこなすだと?あの少年、何者だ?)」
「■■■■■■■■―――――――――!!!!」
咆哮しながら駆ける京介。
コルトの放つ氷の礫を正確に打ち落とし、逆に跳ね返してさえみせる。
『第一世界』において相当な高位の大魔術師の魔術を、全力でないとはいえ素人がこうも的確に対処できる筈がない。
魔術師の中で、京介の持つ短剣への興味が更に高まる。
少なくともあれはあんな少年が持っていていいものではない。
自分のような魔術師にこそ真の力を引き出してやれる。
――――――――――――してでも、奪ってやろう。
コルトを囲むように、無数の巨大な氷柱が地面から生える。
氷魔術を応用した防御。
氷の質も先ほどまでの攻撃に使ったものとは段違いの良質なものだ。
霊装を用いたとしても、そう簡単に破壊できる代物ではない。
これで当面の足止めは出来そうだ。

4 :

「…………天地を凍らせ縫い止める氷の鬼神よ」
一小節の詠唱。
それを終えると同時に、コルトの前に一体の怪物が出でる。
それを形容するなら東洋の『阿修羅』。
三つの面と六本の腕を持つ、氷で出来た化け物。
「命ずる。外敵を速やかに抹し、霊装を奪取せよ」
罅が入り始めた氷柱の檻が消え、京介の姿が露わになる。
同時に阿修羅が接近、その六つの腕で京介を粉砕せんと迫る。
京介は短剣を振るってそれを払い、後退。
もしこれが長剣であったなら、居合斬りの要領で阿修羅をより確実に破壊出来たかもしれないが、短剣程度のリーチでは精々阿修羅の指先を削ぐ程度が限界だ。
次の瞬間にはあの氷の腕が京介を粉砕する。
余裕。
コルト・アーヴィングには神流京介が阿修羅を攻略できる可能性は皆無と踏んでいた。
あれは自律行動が出来る。
自律行動をする魔術で生成した怪物は、術者の腕が試される。
術者が未熟であればあるほど生成したモノの動きは単調かつ無駄が多くなるのだ。
逆に優秀であればあるほどその動きは精密かつ複雑になる。
コルトほどの魔術師であれば生成体にはその場で最適な行動を取るだけの知能が宿る。
先の索敵氷塊の自律行動には魔力節約の為単調な生成しかしていなかった。
しっかり詠唱工程を踏んでいれば、神流京介はせていたかもしれない。
が、コルト・アーヴィングの『魔術師としての誇り』は、索敵魔術などで外敵を葬ることを良しとしなかった。
それでも京介が本当の一般人だったなら、十二分に事足りたろうが。
詠唱工程を踏んだ『阿修羅』を、この少年は攻略できない。
コルトはそう確信している。
大魔術師と一般人の力の差は、霊装一つで埋まるほど小さくはないのだ。
どれだけ強力かつ絶大な代物でも、使い手次第で只の玩具にも成り果てる。
神流京介はあの霊装と相性の良い人物のようだが、それでも霊装頼みの輩などに自分の魔術は攻略できない。真に魔術を知る者でなければならない。
あれで、普通の魔術師レベルの魔術を行使できたなら。
それなら、『切り札』を抜くこともあったかもしれない。
だがこの少年には、それほどの価値はない―――それが、コルト・アーヴィングの見解だった。

5 :
理性を失った狂犬如き、秘術を尽くすまでもない。
「■■■■!!」
阿修羅の腕が迫る。それを軽く避けるが、その腕は六もあるのだ。
軌道も速度も角度もバラバラに、京介を潰さんとする。
ああされてしまえば、鎖から放たれた犬ではどうすることもできない。
コルトの予測通り、悪足掻きはあっさりと終わった。
六つの腕が神流京介の肉体をがっしりと捉え、身動きの一切を封じる。
後はもはや言うまでもなく。
阿修羅の剛腕が少年の体を捻り潰し、鮮やかな臓物をぶち撒けさせるだけ。
コルトは微笑を浮かべ、少年と自らの生成した阿修羅に背を向ける。
―――期待した程でもなかったか。
またケーキの食べ比べでもしてみるか。
いや、今度は真面目にし合いでもするか?
そういえば地図にはデパートも載っていた。
そこにならひょっとするともう少しマシなケーキがあるかもしれないし。
すっかりした少年には興味を失い、いざ当面の指針を固めた時に。
がきゃっ。という音が二回鳴って。
ごとっ。という音が鳴って。
最後に、がたっ。という音が鳴った。
「………………何?」
コルトが怪訝な顔をして振り返ると、まさについさっきした筈の少年。
コルトの阿修羅は確かに、その六本の剛腕で京介を捕縛した。
だが、コルト・アーヴィングの失敗は神流京介という少年を『ただの少年』『理性を失った狂犬』と断じてしまったところである。霊装云々より、彼を侮りすぎたこと。
35分間を延々と繰り返し、誰よりも『死』に敏感になった少年。そんな彼が、たかが身動きを封じられた程度で取り乱し、冷静さを失うなどあるはずもない。
そしてコルトが警戒した短剣の霊装もまた、非常に強力な一品だ。
六本の腕で捕縛されながらも、右手の短剣で阿修羅の腕の一本を落とし。
予想だにしない反撃を受けて力を緩めた阿修羅の体を真横に両断。
強引な手段ではあったが、阿修羅を攻略して見せたのだ。
そしてその事実は、コルト・アーヴィングに対して屈辱的な事実を気付かせる。
「そうか――――狂化はただの演技でしかなかったのか」
「悪いね、担がせて貰ったよ。アンタが魔術師だってことは最初の氷で理解した。だから、さっきみたいな化け物を出してくるのは幾つか想定した内の一つだった。
もしアンタが最初の氷柱だけを慎重に撃ってきたり、防御に徹してくることも想定してた。それら全てを考慮したら最適なのは『暴走』だ」

6 :
暴走して冷静さを失った相手なら多少手を抜いても勝てる、という慢心。
それを想定して、神流京介は『狐火つぐみ』をされた怒りで暴走した――――と、見せかけた。皮肉にも、コルトが行った挑発が彼の芝居により高い信憑性を生んでしまったのだ。
コルト・アーヴィングはまんまと、何の力も持たない少年に出し抜かれた。
しかし、大魔術師コルトの中には不思議と怒りの感情は沸いてこない。
むしろ、自分を出し抜き一矢報いるに至った京介への感嘆があった。
かつてこれほど白熱した戦いがあったか。
これほど―――コルト・アーヴィングを奮わせた男がいたか。
この少年はきっととても正しい。どう悪ぶろうが、姑息とさえいえる手段に訴えようが。彼は正しい道を結果的に歩むのだろう。実に―――面白い生き様だ。
だから彼は自分を刺さない。斬らない。
自分の氷は接近戦に向かない、そのくらいは既に気付いているだろう。
この距離から猛攻されれば、切り札など使う暇がない。
詠唱行程を踏めないのだから、不慣れな戦いを強いられることになる。
きっと負ける。
「君は、狐火つぐみという少女のことを聞いた。君にとって、大切か?」
「俺は自分が可愛い人間だから」
自分はこの少年に救われたのだ。
この少年には人しなど出来ない。その彼が、守りたいという人物。
「―――――まあ。何十年も一緒に居続けて飽きないくらいには大切ですかね」
コルト・アーヴィングは勢いよく神流京介を蹴り飛ばした。
その体から迸るのは先程までとは比べ物にならないほどの人的な冷気。
彼の魔力が空気中に放出され、纏う『氷』の属性も放出されたことによる冷気の発生。その状態は、コルト・アーヴィングの『本気』を意味していた。
これを最初から発動していたなら、京介は今頃全身氷付けで凍死している。
彼が『大魔術師』格にまで上り詰めた理由―――最強の氷魔術の行使。
試し撃ちをすることさえままならないだけの威力。
一度行使すれば環境が壊れ、植物は遺伝子レベルで凍結する。
彼は知らないが、時之坂祠が制限を加えるのに手を焼いたほどの威力。
名を――――――『氷帝(フローズンエンペラー)』。
「行け。これから此処に途轍もない『何か』が来る」
予期はしていた。
バトルロワイアル開幕直後から、自分の本気を以てどうにかできるかどうかレベルの使い手が居ること。本来は神流京介をどうにかして逃走予定だった。

7 :
しかし。生きるべきは神流京介の方なのだ。
コルトの死で彼が生きるならコルトは此処で死ぬ、それが正しい。
「早く行け。君の霊装はこのし合いで必ず君の力になってくれる。事情は知らないが、君が成し遂げられずにいる『何か』を越えることだって可能な筈だ」
「アンタ………死ぬ気なのか?」
さあな、と応え、コルトは迸る冷気を抑えようともせずにただ、佇む。
もう語る事はない、ということをその背中が示していた。
「死ぬなよ」
コルトは最後まで答えずに、京介の走り去る音を聞いていた。
戦慄を覚えるような怖気はもうすぐそこまで迫っている。コルト・アーヴィングの人生で最大の難敵。最後の戦いとなるか、生き残って更なる戦いに進むかは分からない。
絶対級の切り札を抜きながらも、尚全身の悪寒が消えないほどの相手。
一向に構わない。魔術師として最高の誇りである―――。
姿を現した『それ』。
それは少女の姿をしていた。
しかし全身から放つ気と悪意は隠し切れていない。
彼女の名を、名塚京子という。
ストーリーは、またも持ち越される。

8 :
投下終了です。
次回の投下で今度こそ第一話終了!

9 :
新スレ&投下お疲れ様です。
その圧倒的文の質、羨ましい限りです。自分もその意気に達したい。
そんな感じで数だけロワ投下。

10 :
先に言っておこう。
おれはである。逃げも隠れもしない。おれはである。
どこぞの熊は言い逃れとしてという名の紳士だとかほざいてやがったが、おれはあんな見苦しい真似はしない。
おれは言うなればという名の変質者だ。
女子を見れば普通に欲情する至って健全な高校生。
小学生女子を見れば紺のスク水を着せてみたくなる。
中学生女子を見れば初ブラジャーを初々しく着用する姿を想像して悶える。
高校生女子を見ればぴっちりとした瑞々しい太ももを惜しげなく晒すブルマを履かせてみたくなる。
大学生女子を見れば普段ありのままの姿で慣れない大人の色気を放とうと努力している姿を観察してみたくなる。
それ以降も勿論見れば見るほど欲情の対象だ。
どんな後期高年齢者な老人のおばあさんであろうとおれは尊重する。
おれが性に興味を持ったのはなんのことはない。
当時中学生たるおれたちの義務を全うしたまでだ。
まあ、他の男子はそういうことを表沙汰にしたがらないけどおれはそういうことはしない。
おれは正面切って斬りこんでいく。
高校生たる他の女子の反応も楽しくて仕方がない。
おれはぶつのも好きだが、ぶたれるのも好ましい。脚色はあらず。快感さ。
いやー高一のときは真っ赤になりながら罵ってくれたものだが、最近は半分の人間は冷えた笑顔で「死んでくれ」って言ってくれる。
溜まらないよ、まったく。あの学校はおれのハーレムだ。元女子高からの共学ということもあり男子に比率も低い。
わざわざ苦労して頑張って勉強した甲斐があったというものだ。ん? ああ勿論大学の志望校はできるだけ女子の多い所に行こうかな、って。
で、だ。
そんな事はどうでもいい。
ていうかおれもその大学いけるかどうかが危うくなってきた。
別に成績な意味ではないさ。
違う、そうじゃない。
じゃあなにか。決まっている。
運命の仕業だ。
運命論、宿命論。
特別信じている訳ではないが時には肯定もする。まあ相対的に否定もするが。
し合い、表向きは共同生活。
何故ここで共同生活という設定を引っ張りだしたのかはおれには分からないが、そこはいいだろう。
問題は前者だよな。
し合い。まごうことなきし合い。
意味が分からなければ辞書をやる。今はないけど。
いや。
もっと正しく言うとそこまではいい。
それ以上に問題なのが―――――女の人までも参加しているって言うことだ。

11 :
したくもないが、最低限男をすことならやってやる。正当防衛。
繰り返すがおれは女性が大好きだ。愛している。詐欺にだって掛かってやろう。
女性であれば問答無用でおれの嫁だ。
おれは女性であれば無償の愛を捧げよう。無駄な恋に溺れよう。
女性が望むならおれはここにいる男を撲滅しよう。
女性が望むならおれはこの物語の頭を滅しよう。
宣言、及び義務だ。もしくは枷だ。
おれは女の味方でいよう。
正義の味方でも悪の味方でもなく。
善人を目指すわけでも悪人を志すわけでもなく。
偽善者になるわけでも偽悪者になるわけでもなく。
むろんペット、奴隷としては動かない。
おれがおれとして、自己証明のために、自分の心を支える為に。
女性に縋る形で、おれはおれの在り方を。
探し、求め、手に入れる。
おれがおれを決めたらそれはきっとおれじゃない。
きっと狂いに狂った、「おれ」を名乗る誰かなのだろう。
女好きの情けないヘタレがおれなんだ。
女好きの頼れるヒーローがおれなんだ。
騎士のように女に忠誠を尽くすのがおれなんだ。
戦士のように欲の為に薙ぎ倒すのがおれだから。
そんな。
変哲もない女性が大好きな人間の物語である。
 ♂♀
おれが目覚めたのは、海だった。
真夜中の海。
月日が差し込み煌く海面がおれの視界を奪う。
「…………はあ」
まず出たのが嘆息だった。
深い深い、だらけきった情けない溜息だ。
両手をを腰に当て、やれやれと格好つけた感じで首を振る。
おれのツンツンとした髪が少し揺れる。
「どうなってやがってんだか」
どうやらおれは言葉を出すことによって自意識を保っているらしい。
―――――言葉を切らせたら、何かが終わってしまう。そんな悪しき予感がして。

12 :
少しとはもったいぶらず、豪快におれは混乱しているらしい。誰かエスナを唱えてはくれないものかな。
「し合い―――ねえ」
言葉に出しても実感がわかない。
し合い、死ぬ。
どう思い描いたところでおれが死ぬ場面など想像が出来ない。
いや、こういうとなにやら自信家のように聞こえてしまうがただ単におれが平和ボケをしている、そう言う意味だ。
まあ平和ボケも何も、平和が崩れることなんて誰も想像だにしてなかっただろうが。違うな、この考え方が平和ボケか。
やれやれだぜ。……心境が心境だけにあまり格好も決まらないが。
と、おれは砂浜に座り込み、ディパックという支給されたバックを弄る。
なにやら中身が乱雑してたので、一先ず適当に紙の束を取り出した。
そこには「参加者名簿」と表紙に簡単に書かれて、あとは箇条書きで恐らくはあいうえお順で名前が並んである。
………ていうか並びすぎだろ。何だこの数。アホか? アホなのか?
なんでもっと小分けにしないの? 馬鹿なの? 馬鹿でしたか、そうでしたか、すいません。
……ともあれだ。
とりあえず、といった具合にお気楽におれは名簿を上から追う。
しかし、先が長い。一人目の名前ですでに挫折気味だ。なんだこれ、地獄か?
おれは文字が大っ嫌いなんだよ。あー、頭が痛くなってきやがった。
「とはいえな」
見なきゃ始まんないだろう。
もしかしたら、幾数億の確率でおれの知り合いがいると適わんし。
はいはい、見りゃいいんだろう。見りゃ。
誰とも知れず語るおれ格好いい、さすがそこに痺れる憧れるぅぅ! まあ自分に憧れてどうすんだ、って感じだが。
「で、だ。………えっと」
と、おれは読み進みていき、眠気も襲うイの塊に突入(無駄にアの塊が多かった気がする)。
えーと、次は飯島遥光。いいじまようこう。いいじま………ようこう。
……エート、ツギハ。
「って、まてまてまて」
思わず声を出して無心の境地に踏み入ったおれを止める。
飯島遥光?
いや、アホか。アホなんだな。
主催はアホなのか? 馬鹿なのか? 死にたいのか?
そいつは、おれの彼女だろ。

13 :
永遠を誓った、永久の朋。盟友。そして恋人。
浮気性どころではないおれを支えてくれる。
無言のうちに支えてくれる、そんな女の子。見守ってくれる女の子。
それが!
それが、それが。
それが、それが、それが。
なんで、なんで、なんで。
なんで、なんで。
なんで!
ここに―――――いるんだっ!
「ふ、ざ、け、ん、なあああああああああああああああっっ!」
怒号。
迸り溢れかえる感情がこの身を支配する。
どうしようもなくリミッターは解除され、爆弾のように心情を破裂させる。
意味が分からない意味が分からない意味が分からない。
どうしてこうなったどうしてこうなったどうしてこうなった。
いやはや、この感情の起伏についていけない人もいるかもしれないが、おれはそう言う人間だ。
本能には逆らわない人間だから。
本能には逆らわない。
だから、このどうしようもなさをどう解消すればいいのか。
おれにはわかっている。
「………ぜってえ、す。あの二人をす。」
煮えたぎってしてやる。
切り刻んでしてやる。
見るに堪えなくしてやる。
おれは血眼になり、名簿を乱暴に上から下へと走らせる。
イ、ウ、エ、オ、カ、キ、ク、ケと読み進めて(ちなみにおれの名前ももちろんあったが)、コの塊で、また手を止める。
そこに映るのは、一つの名前。
「国分……哲也………?」
いやいや。
いやいやいや。
ないない。
ないないない。
それだけはない。

14 :
確実に確定的に、おれは言える。
こいつだけは、ない。ありえない。
だってこいつ。
死んでるんだぜ? おれが三歳ぐらいの時に。
それまで仲良くやっていたと聞いたが、死んだのは事実だ。
どう足掻いたところで、それはない。
…………いや。
「………いや、まてよ」
そうだ。そうだよ。
一番可能性が高かった可能性を見落としてたわ。
同姓同名の別人なんだよ。いやー、おれとしたことが参ったね。
流石に恋人が載ってた直後だからかな。いやはや早とちりご苦労様ですってか。
ま、まあ。
うん、そういうことなんだよきっと。
だって死人が生き返るとか、おれの性格が真面目ちゃんになるのと同じだよ。
とりあえず、だ。
おれの当面の目標は、飯島遥光を探すことだ。
そして、女の子を守ることだ。
そして、そして。
女の子に、ここでのおれの動き方を指示してもらうんだ。
いや、そうでもしないと、おれは―――――おれは―――――。
おれでなくなる。
 ♂♀
その女の子。
勇気凛凛と出遭ったのはそれから間もなくのことだった。
「こんばんわ、熊本潤平です」
「こんばんは、勇気凛凛です」
至って平和的に、平和すぎて逆に何かあるんじゃないかと疑わせるぐらい、そのには悪意が無かった。
むろんのこと、おれは女の子を傷つけることはしない。それがたとえし合いであっても。
だが、この少女は違うんじゃないか?
怯えるなり、竦むなり、疑ったり、妬んだり。
普通はそういうことをするもんじゃないのか?
この少女にはそれがない。
まるで、この世には慈愛しか満ちていない。
その揺るぎない信頼―――――いや押しつけを彼女は放っていた。

15 :
言わずもがな、まるでそう言ってるかのような錯覚すら覚える。
そんな姿を見て。
おれは―――――――。
「素敵過ぎるぜっっ! なんだこの愛おしい女神っ! なんだこれ、本当にこの世の生き物なのか!?」
途轍もなく愛でたくなった。
やっべぇぜ! やっべぇぜ! やっべぇぜ! テンション上がってきたぁぁぁあああああああああああああああっ!
んだよこん畜生、バトルロワイアルも捨てたもんじゃねえよ!
なんだこの可愛い生物、むぎゅうううううううううってしたい。
ていうかする! 決めたぜ。おれこの子についてくよ!
「むぎゅうううう、むぎゅううう、むぎゅううううううううううううううう!!」
柔らかい。この感触はきっと中学生だな。ふむ発育が良くて結構だ。
まあ発育無かったところでおれのまえでは些細な問題に過ぎないがな。
対し凛凛ちゃんは。心地の良いの声で叫ぶ。
「い、いやっ、止めてくださいっ! くすぐったいですっ! おにいさん」
おにいさん。 おにいさん!!
いいねいいねいいね。とことんこの子はおれのありまくるツボをおさえてくれるぜ。
ああもう、もうもうもう。この鈴みたいなおさげがキュート過ぎて泣けてくる。
え、彼女? ああ遥光なら大丈夫だよ、あっちもあっちて大概な奴なんだから。許しだってもらってるね。
「っていうかお、落ち着いてくださいおにいさん」
「おにいちゃんって呼んだらね」
無駄に凄む。
これがおれ。格好いいね。
「………はあ、おにいちゃん離してください、くすぐったいです」
「ベリーグッ!」
で、おれは約束通り凛凛ちゃんを離す。そして爽やかな笑み。
約束を守らない男はどうかと思うぜ。男としてはやっぱ失格かな。
……あぁ、けど温もりが………。
っておよおよ凛凛ちゃんの姿が若干遠くへ……。なにから遠ざかっているんだろう。おかしな子だなあ。
そんな事を思っていると凛凛ちゃんの方から話を振ってきた。
どうやら最低限の威厳は消えていないらしい。って素晴らしい。
しかしながら声色は若干疲れている様子で。
ぼくはなにもわるいことはしてないよ?
「はあ、まったくおにいさん……いえおにいちゃんはですか」
「ああ、だ。またの名もだ」

16 :
「そこまで堂々と言われると対応に困りますね」
と、いいつつ溜息を吐いた。
いやはや苦労人って感じがまた可愛らしい。しかし何に苦労してるんだろうな。
そんな中。
おれは何かの予感を――――直感した。
「さて、おにいちゃんに問います」
予感は的中するもんだ。
凛凛ちゃんの手には《剣》が握られている。
汗一つ。
おれは額からようやく流した。
興奮の汗だった。
 ♂♀
満月がおれを照らす。
だが、それは同時に彼女、勇気凛凛を照らすものでもある。
懐中電灯なんて、「無粋」なものとっとと降ろしたさ。
なんだこりゃ。
なんなんだよ、こりゃ。
「…………すげぇや」
思わず感嘆の声を漏らす。
この戦乙女は―――――――すごい。
《剣》だとか、《可愛い》だとか。

17 :
そんな事がどうでもよくなってくる。
この揺るぎない
「もう一度問いますよ。答えなければ、わかるはずです。おにいちゃん。
 ですから賢そうなおにいちゃんだからこそ、問いているんです。
 おにいちゃん。あなたにとっての《正義》はなんなんですか。わたしはそう問いています」
《正義》が心地悪い。
おれの前には正義なんて意味を成さない。
女性を前にしたらおれにとって正義なんてカスも同然だ。
だから、新鮮なのだ。
まだ、こんな生物がいたのか。
「このわたしにとっての《正義》は弱きを助け悪を挫く。善人は守りますが、悪人は斬らなければなりません。
 わたしの《正義》が直結して平和です。それがわたしの英雄論。英傑です」
それはまた高尚なモットーなことだ。
ただ、――――――――――それは、
「そりゃあ、また低俗なこった」
あんまりだ。
どこまでも杜撰でヒーローとは程遠い。
「それはまた酷い言いぶりを受けてしまいました。
 ………では、おにいちゃんの《正義》はなんなんですか?」
凛凛ちゃんは、眉間に皺を寄せる。
声色は興味半分、怪訝さ半分。
それでもまだ剣を振るうことはない。おれはまだこの子の言うとこの《悪》ではないって証だろう。
「きみの英雄論は安っぽい。中学生らし過ぎるんだよ、きみの論は」
「もう一度言います、ならばあなたの《正義》とはなんなんですか」
「違うね、全然違う。そもそも《正義》なんて語っている時点でダメなんだよ。
 《正義》何て捨てちまえ。それは縛りにしかならない。不自由な生活をして何が楽しい」
言葉は返ってこない。
剣を地に突き刺しているまんまだ。
「《正義感》が救えるのは、自分だけだ。ごちゃごちゃ御託を並べるのは雑魚のすることさ」
「……つまりは何がいいたいのですか」
静かに言葉は返ってくる。だからおれは返す。
「きみの正義はきみの《正義》でしかないってことだよ。女性に運命を任せると決めたおれだが、
 きみの《正義》では間違っても動いていない。おれはおれの《目的》で動いている。
 そもそも《正義》と《目的》をまとめてる時点でそこで失敗してるんだよ、凛凛ちゃんの指針は」
「つまりは、わたしに対してなにをしろと」
「慌てるなよ、今はおれにスポットライトが当たってるんだぜ。横やりは無粋以外なにものでもない。
 きみはようするに善人を救いたいのだろう? だがそれはきみでいうところの善人だ。
 おれでいうところの善人とは違うかもしれない。たとえばおれみたいなのがいい例だろう。

18 :
 おれはおれを良しとしている。そして少なくともそれを良しとしている人を数人知ってる。だがきみにとってはどうなんだい」
「善人だとは―――思えませんね」
当然の答えが返ってきた。
だからおれも当然の答えを返す。
「だろうね。だがおれは無論ながらそれを由として動いている。
 当然これが《正義》だとは言わないさ。自覚している。だが、《悪》だとも思ってねぇよ。
 悪人になった覚えもねえし、人としては欲に生きて当たり前だろう」
「ですが、その欲に生きる為に犯罪者――――所謂悪人は絶えません。
 おにいちゃんだってそうです、あなたはいつか性犯罪でも起こしそうです」
「せ、性犯罪!? おいおい凛凛ちゃん! おれはそんなことをしないよ!?
 肉体関係なんてもってのほかだよ! あんなの人間のすることじゃない。まったくどうしてこう人間ってのはあんな生殖しかねえんだろう」
「中途半端なさんですね」
呆れた口調で返す。
仕方ないじゃん。それをおれはしたくないんだから。
「いや、だってよう。犯すってことは少なからずそいつの領域に踏み入ってしまうんだよ。
 おれは怖いんだ。誰か一人に固執するなんて俺にはできないし、おれはすべての女性を愛したいんだぜ?」
「………まあ、そんな事はいいんです。話を戻しましょう。
 ですが、人は本能に任せれば、目一杯に狂うんですよ、おにいちゃん。
 誰もが本質的には善人では無かれ、「いい人」、わたしをそう考え、そして信じる。そう言う愚者のつもりではあります。
 ――――だからこそ、わたしはここにいる狂った人たちを正さなければならないんです。それが《目的》じゃ駄目なんですか」
「それはきみの《正義》ありきだろう。だが考えろって。
 きみの善人は、おれにとっての悪人でもあるかもしれない。きみとっての悪人は、おれの悪人かもしれない。
 そんな中、きみは誰が、間違っている、なんて言うんだよ。そもそも実を言うとおれは凛凛ちゃんのことを割と悪人ってみてるんだぜ」
「わたしが―――――悪人?」
今まで微動だにしなかった眉間が動く。
だが、この女神をおれは―――――受け入られない。
「押しつけがましいんだよ。凛凛ちゃんの考えは。
 善人であることを強要するなんてそれは一つのいじめだよ。人には人がある。人には特色がある。人には個性がある。
 必ずしも善である必要なんて無い。人類補完計画じゃあるまいし、全人類をおなじにしてどうするんだよ。
 馬鹿馬鹿しい。そんなのだったらきみが忌み嫌う「人間などくだらないから全滅させる」とかほざく悪人と大差ないんだよ」
どの口が言うんだか。
おれは静かにそう思うが、口は止まらない。
「ですが、平和であることがいいことに変わりはありません」
「きみの平和はどうせあれだろう。争い事がない、とかそんな感じだろう」
「そうです。わたしは幼き頃から争い事が無くなるといいな、と夢を見ていたらしいです」
「だろうね。だったら一つ聞くよ。
 たとえば悪人が人類を全滅させたとしたら、そこには争い事なんて無いんだよ。これは平和なんじゃないのか」
「屁理屈です」
「よくいうじゃないか。屁理屈も理屈。スモモも桃ってな。
 それに地球にとっては救われたとさえ言ってもいい。有害なガスだのなんだのそういったものがなくなるんだからな」
「…………つまりは、わたしの《正義》は間違ってると」

19 :
「正義としては間違ってないよ。それを行動としての《正義》としては間違ってんだよ、って言いたいんだよ」
よく言うよ。
おれは――――おれは――――。
「ならおにいちゃんはわたしになにを望んでいるのですか?」
「なにも望んでいないんだよ。きみの《目的》が間違っていると意趣返しの意味合いも兼ねて言ってるだけなんだから」
「そう、ですか」
なんでおれはまた。
なんでおれはまたこうしてこうしてこうして。
「凛凛ちゃんの《正義》をおれは正してほしいんだよ。
 自惚れるな、きみは女の子だ。背負い過ぎちゃいけないんよ。争い事などもってのほかだ。肌が傷ついたらどうするんだよ」
人の個性を壊して。
人の長所を滅して。
「はあ」
彼女の溜息に介さず、おれは言った。
否、言ってしまった、そんな描写が正しいのだが、ともかく声に出していってしまうのだった。
「女の子は女の子らしく可愛らしく、そして凛々しくそれでいてくれたら、何よりの至高なんだよ」
「きみの《正義》なんてどこにも無いんだ」
―――――また、やっちまった。
凛凛ちゃんの手からは、《剣》が粒子状になって消える。
 ♂♀

飯島遥光が以前俺に対してこう名付けた。

20 :
「流星(ブレイカー)」と。元々中二病のように人を名付けるのが好きだった彼女であるが、おれは何故だか納得してしまった。
時に煌く、裏で何かを壊してゆく姿はまさしくおれであるからだ。
人格を壊してゆく男。
それがおれの全貌である。
人を受け入れられない。
人を拒み続ける。人の性格を拒絶する。
王者性質。
人に左右されたくない。そう言う男なのだ。
故におれは気にいらない人間を壊す。自分好みに改革する。
時には暴力を。時には知力を。時には詭弁でおれは破壊の旋律を奏でる。
しかし徹底的な、というわけではなくあくまで最低限の個性は残してだ。
王者でありども、暴君ではない。
それでも、おれは「人間」を壊し続けてきた。
だがおれはそんなおれが嫌いだった。
人は生まれながらに美しい。そう言う観点から見たらおれは確かに勇気凛凛ちゃんと似通っていたのだろう。
そのような思想を持つおれは、人間が壊れてゆくのが耐えれなかった。
そうしておれは改心しようと頑張った。
最初は抑制しようという気持ちを保ち続けようと、耐え忍んだ。
それでも長くは続かず、そこでおれは考えた。
『そうだよ、おれ自身から、そういうキャラクターを消せばいいんじゃないのか?』
と。
おれの王者気質に上回る何かしらのキャラクター。
思い立ったら吉日。
直ぐ様おれはなんのキャラクターを演じようかと画策した。
そんな時に接触したのが、飯島遥光。その人だった。

21 :
そして彼女からの一言で、おれは全てを決めたのである。
 ♂♀
ここで、おれの鍍金が剥がれた理由を考察するのであれば、すごく簡単だった。
混乱していたのだろう。
おれがここにいること。遥光がここにいること。
その二つで混乱していたのだろう。
だから後は簡単。
落ち着けばいい。落ち着いて対応すれば――――おれはただのになることが出来る。
というキャラクターを身につけることで。
おれはおれという人間を束縛する。――――――まったく、凛凛ちゃんに言う立場がないよな。おれは。
詭弁師、詐欺師。
王者とは程遠い。まあ遠くておれは安心ものなのだが。
さて、ここからの後処理はなにをすべきなのか。
まあ極めて単純な話で、セクハラ……じゃなくて交友を深めながら、彼女の指針をたてなおすことだろう。
今更、おれが考え直すってのも変だしな。
ってなわけで。
「潤平おにいちゃん。なにがしたいんですか」
「潤平お兄ちゃんは凛凛ちゃんに膝枕をされてみたい」
「はあ、それは何になるのでしょうか」
「おれの心が救われる」
「いや、割とわたしは潤平おにいちゃんに対して快くは思ってないんですよ?」

22 :
「いやー、救われない人がここにいるんだけどなー! 誰か助けてくれないかな―!」
「…………おにいちゃんはそれでも、大人ですか」
「いーや、おれは子供だよ。いつまでも子供さ。ピーターパンだよ」
おれは、この子について行こうと思う。
責任であり、キャラクターを創る上で大切であろうから。
そう。
おれはである。逃げも隠れもしない。おれはである。
どこぞの熊は言い逃れとしてという名の紳士だとかほざいてやがったが、おれはあんな見苦しい真似はしない。
おれは言うなればという名の変質者だ。
女子を見れば普通に欲情する至って健全な高校生。
小学生女子を見れば紺のスク水を着せてみたくなる。
中学生女子を見れば初ブラジャーを初々しく着用する姿を想像して悶える。
高校生女子を見ればぴっちりとした瑞々しい太ももを惜しげなく晒すブルマを履かせてみたくなる。
大学生女子を見れば普段ありのままの姿で慣れない大人の色気を放とうと努力している姿を観察してみたくなる。
それ以降も勿論見れば見るほど欲情の対象だ。
どんな後期高年齢者な老人のおばあさんであろうとおれは尊重する。
おれが性に興味を持ったのはなんのことはない。
当時中学生たるおれたちの義務を全うしたまでだ。
まあ、他の男子はそういうことを表沙汰にしたがらないけどおれはそういうことはしない。
おれは正面切って斬りこんでいく。
高校生たる他の女子の反応も楽しくて仕方がない。
おれはぶつのも好きだが、ぶたれるのも好ましい。脚色はあらず。快感さ。
いやー高一のときは真っ赤になりながら罵ってくれたものだが、最近は半分の人間は冷えた笑顔で「死んでくれ」って言ってくれる。
溜まらないよ、まったく。あの学校はおれのハーレムだ。元女子高からの共学ということもあり男子に比率も低い。
わざわざ苦労して頑張って勉強した甲斐があったというものだ。ん? ああ勿論大学の志望校はできるだけ女子の多い所に行こうかな、って。
自分に言い聞かせる。

23 :
そう言う人間であろうと、自らに罰する
宣言、及び義務だ。もしくは枷だ。
おれは女の味方でいよう。
正義の味方でも悪の味方でもなく。
善人を目指すわけでも悪人を志すわけでもなく。
偽善者になるわけでも偽悪者になるわけでもなく。
むろんペット、奴隷としては動かない。
おれがおれとして、自己証明のために、自分の心を支える為に。
女性に縋る形で、おれはおれの在り方を。
探し、求め、手に入れる。
おれがおれを決めたらそれはきっとおれじゃない。
きっと狂いに狂った、「おれ」を名乗る誰かなのだろう。
女好きの情けないヘタレがおれなんだ。
女好きの頼れるヒーローがおれなんだ。
騎士のように女に忠誠を尽くすのがおれなんだ。
戦士のように欲の為に薙ぎ倒すのがおれだから。
そんな。
そんな。
変哲もない女性が大好きな人間の物語である。
【一日目/深夜/H-Z 住宅街】
【熊本潤平@オリキャラ】
[状態]、健康
[装備]勇気凛凛(膝枕中)
[道具]KS×1、RS(1〜3)
[思考]
基本:女性を守る
1:勇気凛凛ちゃんと行動
2:飯島遥光と合流、国分哲也に関しては保留
3:女を守る
【勇気凛凛@他の書き手様のオリキャラ】
[状態]悩み、健康
[装備]
[道具]KS×1、RS(1〜3)
[思考]
基本:……………?
1:……………?

24 :
投下終了。
とりあえず一言。YO氏。本当に申し訳ございませんでした。
題名:無題――――NoTitle――――

25 :
投下乙です。
すげぇいいキャラ…
投下します。
DOL4th43話 バトロワロンパ―希望の書き手と絶望のし合い―
登場人物:◆xzYb/YHTdI、◆8nn53GQqtY、苗木誠、大神涼子、クルト・アーウィング、桜井咲夜

26 :
【0・BAD END START】
「………」
◆xzYb/YHTdIは放送を聞いていた。
死者で呼ばれた中で知っているのは2人である。
◆9QScXZTVAcと◆9n1Os0Si9Iの二人。
ある程度ではあるが、面識がある人間が死ぬのは悲しことだ。
さて―――閑話休題。
僕は今何をやっているのだろうか。
そんなことは見ればわかるだろう?
これは狂った物語なんだ。
それは当然であり。
それは必然であり。
それは偶然であり。
それは悠然であり。
僕にとってはどうでもいいことなんだよ。
では―――――はじめようか。
この腐った、物語を。
【1・ハジマリ】
「……9Q氏に9n氏がか…」
隣にいた◆8nn53GQqtY氏がつぶやく。
短時間、4時間で知り合いが二人死ぬという状況は、やはり悲しいものだった。
ちなみに今、僕こと◆xzYb/YHTdIと◆8nn53GQqtY氏は資料室にいた。
どこの工場にも資料室があるものなのか、僕は知らない。
でも、ここの工場には結構大きい資料室があるようで、今はそこを探していた。
「……あれ、これは」
資料室にあった、数年前の記事。
それ以外何も入っていないの棚に一つだけ放置されていた。
僕はそれをとり、近くにあったソファに座る。
◆8nn53GQqtY氏は他に何かないかずっと探している。
記事を開くと、一つの小さな記事があった。
「……消えた少年、ねぇ」
数年前の記事、その地域欄の見出しにあったその記事。
少年が消えた――――それだけの小さな記事。
少年の名前は――――と言うらしい。
どこの地域の事件かは知らない。
だが、もし生還できたらその少年がどうなったか調べてみよう。
その記事を、デイバックにしまう。

27 :

「……ぁ?」
何故か視界が揺れる。
立ちくらみか?
おいおい、この若さでそれはないよ。
自分はそのままソファに腰を落とした。
【2・change】
ドン、という音が聞こえた。
放送後、少し傷心しながらも立ち直ったところにその音が聞こえた。
場所的には室内だろう。
多分◆xzYb/YHTdI氏が転んだとかそういったところだろう。
この資料室は資料が散らばっていたりするので転びそうに自分もなった。
だから、特に気にすることではないだろう。
さて―――今考えるべきことを考えよう。
し合いの人数は67人にまで減った。
だが、放送後というのは裏切りが多発する。
その点については心配することはないだろう。
自分を危険人物であろう人間から助けてくれた少女。
本気でし合いを打破しようとする戦略化である青年。
そして、近くにいる善人である少年。
自分の身は今のところ安全だろう。
だが――――問題はひとつ。
いつ、どうやってその3人を裏切ってすかだ。
今の時点でしては、駄目だろう。
残りの63人を相手取るだけの武器も強さも自分にはない。
まぁ、だからこそ悩んでいるわけで。
「…すみません、8n氏」
「ん?どうしたの?」
後ろから声が聞こえてくる。
声の主は◆xzYb/YHTdI氏だろう。
役に立ちそうな資料を探しながら返事をする。
「先ほどはすみません、立ちくらみがしてソファに激突してしまって」
「ああ、やっぱりxz氏が出してたのか、いいよ…それくらいさ」
転んだのではなく立ちくらみ。
まぁ、普通に立ちくらみなんてあるしね。
気にすることはないだろう。
「…まぁ、念のために休んでおいたほうがァッ!?」
ドゴォ、という低音が一瞬耳に入ってきた。
それと同時に感じたのは、後頭部に感じた強烈な痛み。
前のめりに倒れる。
薄れゆく景色の中、最後に見たもの。
それは―――――――

28 :

笑いながら見下している、◆xzYb/YHTdIの姿だった。
【3・ダンガンロンパ】
さて、今まで僕がまじめな人だと思っていた人。
それはお気の毒に、僕なんかに騙されているんなんてね。
僕は、超真面目でお利口な人間なんかじゃないんだよ。
ここで倒れている◆8nn53GQqtYも、僕に騙されていたんだろう。
信頼して、こっちを見ずに対応するなんてさ。
警戒くらいしないと簡単にされちゃうんだよ?
だってここは、バトルロワイアル。
無法の地帯、裏切りなんて至極当然。
裏切りなんてものは、知り合い同士でもあるんだよ。
「…はぁ、かったる」
今まで着ていた◆xzYb/YHTdIの皮は捨てよう。
今から僕の名前は、◆xR8DbSLW.wだ。
◆xzYb/YHTdIは僕に似ている超善人。
◆xR8DbSLW.wは、今の僕だ。
言い表せば、
月と鼈。
雲の差。
雪と墨。
提灯に釣り鐘。
駿河の富士と一里塚。
こう言ったところであろう。
似ていても似ていない。
表と裏。
それはまさにオセロみたいなものだね。
白と黒。
善と悪。
本物と偽物。
本物は、◆xR8DbSLW.w。
偽物は、◆xzYb/YHTdI。
「…さてと」
閑話休題、どうしようか。
◆8nn53GQqtYをした今、下の二人をどうしようか。
あの二人は確実に、自分が犯人だと断定するだろう。
この場は逃げるべきか。
いや、逃げて自分の情報を他人に回されたら困る。
この「罪」を、誰かに被せ付けるんだ。
「おい、テメェ!何してやがる!」

29 :
声が聞こえて、ふとにやりと笑ってしまう。
いいカモが見つかったからである。
そこにいたのは二人の人間。
大神涼子と苗木誠の二人。
両方とも特徴は把握している。
善人であり、この場にとって希望である点だ。
だからこそ、早めに始末しないといけない。
「…何って、正当防衛ですけど」
「正当防衛、だと?」
「ええ、この人が僕に襲いかかってきたから倒したんですよ、だから僕は悪くな「それは違うよ!」」
それは違うよ、という声は苗木誠のものだった。
早くも、自分を論破する材料が見つかったらしい。
「その人は、何も持ってないのに…男性であるあなたを攻撃するはずがない」
「この人が武道の達人かもしれないよ?」
「それだったら、その人が死んでいるはずが無い!」
まぁ、それはそうだな。
武道とかは全然やってないし、多少喧嘩ができるだけだ。
体格を見れば分かる通り、そこまで良くはない。
武道の達人と戦えば、もれなく負けるだろう。
「…実は、この人が襲いかかってきたときに持ってた武器がこれなんだよ。
 僕が偶然避けれて、その時武器がこっちにわたってきたから殴ってしまったんだ。
 だから、僕は「それは違う!」」
再び、妨害される。
さすが苗木誠である、◆xR8DbSLW.wは思った。
「この人はバッグを持っていない、君のバッグもその人のバッグも机の上に置いてあるよね?
 さっきまで、君たちは味方で…君が裏切ったんじゃないのか?」
「……」
さて、返しの言葉が見当たらない。
正直言って口戦で勝てる気はしない。
とりあえず、この場を切り抜けることに考えを向けようか。
「……ああ、そうだよ…俺がしたよ…◆8nn53GQqtYがな」
「ッ――――テメェ…!」
俺は右ポケットから銃を取り出す。
それは普通の銃ではなく、特殊な銃なのだが、見せるだけなら十分だ。
俺はこの銃を大神と苗木に向ける。
「…死にたくなければ、ここを通せ」
「脅しのつもりか?」
「ああ、そうだよ」
これで騙せれば、上々だ。
そう思いながら、銃を持った手を少し動かす。
撃つぞ、という意思表示に見えなくはないかな。
苗木は、黙って動いた。
「な、苗木っ!」
「大神さん、ここは退くべきだよ…今の僕達にはどうしようもない」
「くっ…!」

30 :
二人ともあきらめたようだな。
俺は、堂々と扉に行く。
このまま外に逃げては、自分がやったことはばれてしまう。
だから――――ここでの得策は。
【4・FAKE STORY】
「クルトさん!」
「……◆xzYb/YHTdIか、どうした」
「8n氏が、された!」
「っ――――なんだと!?」
報告によると、◆8nn53GQqtYが死んだらしい。
そしてしたのは、二人組の男女らしい。
焦って、びくびくしながら◆xzYb/YHTdIは話した。
「…そいつらは?」
「まだ、二階に…」
「そうか」
そういうのを放置してはいけない。
銃を持って立ち上がる。
「君はここで待っていてくれ、説得するなり、どうにかする」
「お願い、します」
部屋を出て行き、周りを確認する。
銃は持っていないらしいから、待ち伏せをして襲おうとしているかもしれない。
一回を周って、いないことを確認して、二階に向かう。
【5・WORST END】
「…そこの二人!両手を上げろ!」
二階に上がってすぐに二人の人間を見つけた。
特徴も聞いた通り、あの二人がした人物だろう。
「…誰だテメェ」
「NO.7…」
「セブン……?」
敵に対してまで本名を言うつもりはない。
銃を構えて、二人に問う。
「質問に答えろ…何故、お前らは人をした」
「……え?」
「何言ってんだ?」
「とぼけても無駄だ…!女性をしたと聞いた…言い逃れは出来ないぞ!」
「…待て!それは、したのは!」

31 :

バン―――――――――――


そう音が鳴り、何があったのか分からなくなった。
いや、それはすぐに分かった。
自分の体が倒れていて、視界が狭くなっていく。
後ろから、狙撃されたのだ。
誰に――――なんだ?
俺は最後に後ろの方を見た。
そこにあったのは、ピストルを構えて笑っている◆xzYb/YHTdIがいた。
【6・END1】
「あんた!大丈夫か!返事しろ!」
「……駄目だ、死んでる」
すべて去った後、残ったのは二人の人間だけだった。
苗木誠と大神涼子はクルトの死体を前に悔しさを隠しきれなかった。
「…◆8nn53GQqtY…許せねぇ……!」
「僕もだよ、絶対に…許せない」
二人の男女に残ったのは、希望と怒り。
この二人がその後どうなるかは―――まだ分からない。
【◆8nn53GQqtY@非リレー書き手 死亡】
【クルト・アーウィング@戦場のヴァルキュリア3 死亡】
【残り 65人】

32 :
【夕方/C-4工場二階】
【大神涼子@オオカミさんと七人の仲間たち】
[状態]健康、怒り
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:このバトルロワイアルをゼッテー潰す
1:苗木と行動
2:◆8nn53GQqtY(◆xzYb/YHTdI)は許さない
3:御伽銀行のメンバーと合流、特に亮士
[備考]
※オオカミさんと○人間になりたいピノッキオ後からの参戦です。
【苗木誠@ダンガンロンパ】
[状態]健康、怒り
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:このバトルロワイアルを止める。
1:大神さんと行動
2:◆8nn53GQqtY(◆xzYb/YHTdI)は許さない
3:皆を見つけたいな…
[備考]
※第一章「イキキル」の(非)日常編からの参戦です。
【7・END2】
今回の終了後の小話。
結局僕は工場を出た。
咲夜さんが持っていた銃を奪って、クルトさんをした。
自分を守ってくれた人をして、心を痛めている。
……とでも思ったか?
それは大間違い、僕はそんな良い人ではない。
さて―――特に言うこともないのでそれくらいで。

33 :
【夕方/C-4】
【◆xzYb/YHTdI@非リレー書き手】
[状態]頭に治療痕、他はいたって健康
[装備]FNハイパワー@現実(8/13)
[所持品]基本支給品、アンプル・シューター(1/1)@のびハザG2、デイライト(25)、FNハイパワーのマガジン(2)、何かの記事@オリジナル
[思考・行動]
基本:し合いに優勝する
1:武器をを探す
2:誰だろうが容赦しない
[備考]
※DOL3rd死亡後からの参戦です。
※二次元の知識は覚えている部分と忘れている部分があります。
※何故スタンスを方向転換したかは不明です
【夕方/C-4工場医務室】
【桜井咲夜@ドラえもんのび太のBIO HAZARD G2版】
[状態]気絶中、Gウイルス覚醒
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(0〜1)
[思考・行動]
基本:し合いの阻止
1:……
2:のび太君達と合流する
[備考]
※本編開始前、飛行機に乗る前からの参戦です。
※Gウイルスが目覚めました。以下の状態となります。
○怪我の治りが早くなる
○筋肉量の増加
他にも増える可能性があります。
※し合いを聞いていませんが、近くにクルトがまとめた放送情報が置いてあります
投下終了です。
そろそろ死人のペースが異常になってくる…少なくなるようにしないと

34 :
投下乙です。こちらは死人がまったくでません。というかマーダーが少ないです。ゲェー。
投下します。 六話 十と九
登場者:柳生十兵衛三厳

35 :
 そこは城であった。荒城の月という歌があるように、題名だけで言うならまさにそのような感じの日本の城である。
 城はそれほど大きくない。連結式層塔型四重五階、内堀のみで水がたまっていた。外周もそんなになく走って三十分で外周を一周できるほどだった。
 その場に似つかわしい男がいた。和服に松の様な髷に眼帯、眩く眼光。
 男は剣豪、柳生十兵衛三厳である。
(父上や玄信斎、そして死んだはずの烏丸少将まで)
 名簿を見るなり彼はそう思う。死んだはずの人物、ここではかなり生き返っているのだ。
(となるとあれは化け物か。少なくとも)
 仏、ではない。御仏がこんなことをするはずはない、と彼の思考回路の一つとしてあった。
 神ではないのならせる。とは言えど徳川家光は言っていた。
 親に会うては親をし、仏に会うては仏をす。
 同じく父上もそのようなことを言っていたのだろう。たとえ誰の信頼を裏切っても己の欲望のために。
 ならない。そんなことはあってはならない。が、このし合いの場は父上は水の得た魚のようなもの。策略、陰謀、剣術。全てを総動員するはずだ。
 それを止めるためには力もいる。支給品を調べると一つの日本刀が見えた。
 物干し竿。そのような名称だがあながち間違いではない。あまりにも長すぎる。柳生十兵衛とて使えるかどうかわからぬ代物だ。
 だが見たところ名刀とはわかる。済んだ刃は月光を照らしていた。
 鞘にしまうともう一つ、あるらしい。バックの中だが十兵衛の時代にそんなものはなかったため、何か南蛮のものか、とぐらいにしか思わなかった。
 ジッパーの開け方は日本刀と同じく試行錯誤した末にわかった。ぐいいい、というような音と共に中身が見える。
 中身のものは白い。白い、うさぎのような生物だった。だがそれはうさぎではない。未知の生命体だ。
 生物はまるで笑顔かのように、話し始めた。
「やあ、君は誰だい?」
 十兵衛はすぐさま刀を抜こうとする。どうみても目の前のはあやかし、化け物だからだ。
 だがいつもより長いせいか抜刀までの時間が長い。白い生物はバックから飛び出し、犬のように後ろへ飛んだ。
 バックは切り裂かれ、その後、十兵衛は怪物に構える。
「貴様、怪物かっ!」
「怪物? そこまでは言われたくないなあ。僕の名前はキュゥべえ。君にはあまり関係のない存在だよ」
「きゅうべえ?」
 まるで自分の名前をもじっているかのような言い方だ。気に食わない。
 だがそんな気持ちはまったく察せず、キュゥべえは話を続ける。
「しかし僕が支給品とはね。この惑星にあんな力を持つものがいるとは思いもしなかったよ。
 そうだね、その国での、いや世界での宗教にでてくる神のようだよ。人知を超えた、と君たちは言うのかな?」
「神?」
「そうだよ。別世界にいる僕たちを集めてきて時空さえも移動して、あんな化け物のような女もす。とんでもない代物だ」
 時空の移動。その言葉で十兵衛がわかるのは浦島太郎の話ぐらいである。
 まさか自分がとうに昔の過去の人間か、と。
「大体、僕は自分が選んだ少女しか可視できるはずなんだよ。なのに君は選んでもないのに見えてる。つまり僕は、ものということだ」
 支給品なのだからものなのだろう。役に立ちそうではない。
「まあいい。このまま僕は移動することにするよ。用もあるからね」
「待て」
 立ち去ろうとしたキュゥべえを止めるように十兵衛は言った。
「なんだい? 詳しいことは聞けないよ」
「俺はどういう者だ。それだけを答えろ」
 十兵衛が今、第一に聞きたいことであった。自分の存在がこの場でどういう者かというのは重要なことだ。
 キュゥべえは無表情に答えた。
「そうだね。君はさぞかし、過去の時代から来た剣豪、ってことかな」
 そう言い残すとキュゥべえは高く飛んだ。まるで狐のように。
 あの生物に自分の父親、柳生但馬守宗矩と同じ所を感じる。心の奥底まで深い欲がつまっているかのような。
 自分は過去の人間、そしてあの生物の存在。二つは彼に冷や汗を起こさせる。
 城内は底知れぬ不安で埋め尽くされている。まるで夜の暗闇のように。

36 :
【一日目/深夜・晴れ/城・内部】
【柳生十兵衛三厳@柳生一族の陰謀】
【状態】健康
【装備】物干し竿@Fate/stay night
【道具】通常支給品
【思考】基本:主催のお命を頂戴する。
    1:父上を止める。
※キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカはどっかに行きました。
【物干し竿@Fate/stay night】
すんごい長い日本刀。アサシンの得物。宝具ではないがそこそこ名刀。鉄も斬れるらしい。
【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
意思あり支給品。みんなの黒幕。本来は少女の前に現れ、どんな願いでも一つ叶える代わりに魔法少女になってもらう契約をしてくる。
見た目は可愛らしいけど無表情なので不気味。みんなからうざいと言われる。
人間の倫理観が無いため寄生獣みたい。人は食わないけど代わりに死んだ自分を食べる。
代わりはいくらでもいるとレイみたいなこと言ってたがこのし合いでは代わりなし。
本来はインキュベーターという地球外生命体。だから寄生獣ってより物体X。
投下終了です。

37 :
一旦今やっている非リレーロワを凍結させます。
暇が出来たら書きに戻ります。
いままで応援してくださった方(いないだろうけど)ありがとうございました。

38 :
突然ですがschoolバトルロワイアルを打ち切らせていただきます。
代わりに人数と規模を小さくしたオリロワを開始します
では、op投下

39 :
……………めっちゃ眠い。
それが至って普通の青年である俺、佐原裕二の最初に抱いた感想だった。
いやね、皆さん。だからって俺が何事にも冷静沈着を装う厨二病とか思わないでね。俺本当に普通だから。多分この場にいるみんなが同じこと思ったよ絶対。
だってね、俺は普通に宿題やって普通に親から小言を貰って普通に布団に入って寝て普通に目を覚ました筈なんだよ。なのに今の俺が居る場所ときたらさ、ちっとも普通じゃない。
考えてみろよ!瞼を開けたら訳の分からん美術館に居た俺の気持ちを!
えー、こほん。
というわけで俺は今、美術館らしき場所に居る。
俺が夢遊病患者だとか、そんな馬鹿みてえな話は絶対有り得ない。
誘拐。俺はどうも寝てる間に誘拐されたらしい。
――――それも、俺だけじゃないから余計性質が悪い。
数えてみたら俺を含めて16人も、こんな妙ちくりんな場所に呼ばれていた。
テレビのドッキリにしちゃ過激すぎだ、いただけない。
いたいけな少年少女の手足を椅子に縛り付けるのはやり過ぎだ。
しかも縛り付けてる物は麻の紐。ったく痛いったらありゃしねえ。
「       」
声を出す。出した筈なのに、空気が漏れるだけ。
どうやってんだか知らねえけど、声帯がおかしくなってるらしい。
得体の知れない薬品でも投与されたか?後遺症が残るようなことはやめてくれよ?
ふざけんなって―――俺は、俺は。声を失う訳には―――
「皆様。目はお覚めになりましたでしょうか?」
怒りに沸き立っていた俺の心が一気に冷却される。まるで氷水を浴びせられたように全身が萎縮し、怒りやパニックを忘れたように思考は冷静になっていく。
そして最初に俺の普通すぎるどこにでもある脳が導き出した答え。
この声には。俺たちを誘拐した奴にだけは、何があっても逆らうな。
本当は怒りに身を焦がして怒鳴る場面だろう、それが『普通』だ。
なら今の佐原裕二は。今だけは『異常』でいい。
こんなところで惨めに死ぬくらいなら―――異常でいい!!
声の主は女だった。
20代前半くらいに見える、まだアイドルとしてやっていけそうな可愛らしさの残る顔をした美人。プロポーションも悪くないし、恐怖とはかけ離れた風貌。
だけど、コイツは悪魔なんだ。もしくは魔女、魔物の類。
コイツは現に俺たちを誘拐して拘束してる。でもそれだけじゃない。
どす黒い、闇。そんなものを俺はコイツに感じている。

40 :
「……うふふ。やっぱり私の目に狂いはなかったようですね」
いや。お前の言ってることは分からんが中身は狂ってるだろうよ。
というか早く俺達を集めた理由を説明しろ。そして早く帰してくれ。
「おっと失礼!私は楓坂闇薙という者です。職業は学生、大学四年。趣味はボトルシップの制作、将来の夢はありません!何処にでもいる普通の若者でっす!!」
嘘吐け、という空気が美術館のホールを支配した。
少なくとも普通というところだけは確実に嘘だ。
この女―――楓坂闇薙は異常。むしろ異端と言った方がいいかもしれない。
だから俺の敵だ。今すぐにでもあの喉笛を食い千切ってやりたいくらいの嫌悪。
「えーっとですね。自覚の有無はそれぞれ違うと思いますが、皆さんがこの場に集められた理由は皆さんのとある『共通点』に由来しています。
そしてその『共通点』を生かして『ゲーム』をして貰いたいのですよ」
ゲーム………。共通点を生かす………?
おい。此処に集められた奴等には、俺も含めて共通点があるってのか?
待ってくれ。俺は『無個性』を体現したような人間なんだぞ?
幸運も不幸も得ずに、まさしく中間を永遠に進むだけの人間だぞ?
此処に居る奴。
16人がみんな、俺と同じなのか?
そりゃあ―――最高に狂った傑作だぞ?
俺からしたら俺みたいな人間が他にも居るのは嬉しいけど、世の中としてどうよ。
しかしそんな心配は不必要だった。最悪な言葉が、楓坂の口から紡がれた。
「『異常能力者(サイキッカー)』。それが貴方たちの共通点です。
そして皆様には今宵、『最優の能力者』を決める為に『生き抜いて』頂きます」

楓坂闇薙は、笑いながらそれを告げた。
今まで平穏に生きて―――平穏に紛れて生きていた能力者たちに。
終わりの始まり。平穏は終わり混沌が始まる。
「まー簡単に言うとね。『てめえらには最後の一人までし合って貰う』ってこと。反則は基本的になし。冷たい謀も熱い殴も何でもオッケーだよ。
だけどね、三つだけ禁止行為を決めちゃう。
『私の定めた区域からの脱走』『私への反抗』『12時間の間一人の死者も出ない状況を作り出すこと』。これは反則だから絶対にしないようにね!」
騒然、といった空気ではない。
どこか悟ったような、まるでいつかこうなると知っていたかのような。
此処に集められた16人は、簡単に言えば人格まで『異常』な人間たちだ。
通り魔。

41 :
人鬼。
果てには能力を自覚して悪を働く卑劣漢。
逆に能力を自覚せずに悪を無自覚に働く少女。
とにかく異常な連中のみを集めた、狂人どものデスゲーム。
例えば先の佐原裕二。彼は『普通に執着し過ぎている』。
そして彼もまた、『普通の道だけを歩む』為に無自覚で能力を使っていた。
「あーっと!大事なことを忘れていました!!反則行為をするとどうなるか教えなきゃいけないんでした………。じゃあそういうことで、西藤明くん!きりーつ!!」
西藤明。金髪のsラ風の男が、全身をびくっ、と震わせた。
無理もないだろう。目が覚めたら得体の知れない場所に拉致されていて、犯人の女が訳の分からないことをのたまい始め、果てにはし合いときた。
彼は自らの『物体を浮遊させる能力』を犯罪行為に使っていた小悪党だったが、まさか他にも能力を持つ奴等がいるとは思わなかった。
そして『反則を犯すとどうなるか』。完全に見せしめの空気である。
「早く!……ってああ、手足を縛ってるから立てないのかー。んじゃいいや。えいっ」
ドゴン。
何処かくぐもった、押ししたような音がした。
直後、比較的落ち着いた空気が漂っていた空間は戦慄に。
西藤明の胸元が弾け。真っ赤な鮮血が飛び散り。断末魔の叫びさえなく。
逆に言えば、彼は幸せだったのかもしれない。
苦しむことなく、死んだことさえ理解できない内にたのだから。
「君たちの心臓には、爆弾が埋め込まれています!でも心配しないで。私の能力で作った爆弾なんだから、勿論私の任意で傷痕も体への影響もなく消滅させられます。
まあいきなりこんな事されて怒らない方がおかしいけど、大丈夫!何も見返りなしで協力しろとは言わないよ。ちゃんとすっごい賞品を用意してるんだからー!!」
指を一本突き出して。
「優勝者には自分が『神』となった平行世界を一つ、あげちゃいます!金も女も地位も名声も、果てには絶対的な能力も何でも思うがまま!」
それからルールの説明を開始する楓坂。
一頻り説明を終えた時、唐突に人々の姿が消えていく。転送の開始。
美術館に、楓坂闇薙の笑い声だけが響いていた。
【サイキッカーバトルロワイアル  開幕】
【主催―――楓坂闇薙】

42 :
地図
 A B C
1港 森 森
2遊 ア 商
3住 神 廃
港=港 森=森 遊=遊園地
ア=アミューズメントパーク 商=商店街
住=住宅地 神=神社 廃=廃団地
■ルール■
1:最後の一人になるまでし合いをする。優勝者には自らが『神』となった平行世界が与えられる。
2:参加者たちにはランダムで支給品が与えられる。
3:死者五人毎に死者の告知放送を行う。
4:尚、12時間の間死者が出なかった場合全員の『爆弾』を起爆する。
5:放送ごとに禁止エリアが設定され、そこに進入した者も『爆弾』が発動する。
名簿
【参加者】15/15
○翁街護 ○沖崎翔 ○銀丘白影 ○佐原裕二 ○野神麗音
○福沢正也 ○由能寺雅弘 ○江之本澪 ○鏡御音 ○死神舞凪
○柄部霊歌 ○十上鈴音 ○葉桜くのん ○魅上礼 ○璃神妹花
【主催者――――楓坂闇薙】

43 :
投下終了。
では改めてこれからよろしくお願いします

44 :
投下乙です。
サイキッカーのロワってありそうでなかったんですよね。
新ロワ投下します。

45 :
小さな小さな脳みそを持つ頭が、それについていけていなかった。
『一体、何が起きているのか』と考えるのみで脳みそは答えを出そうとしていない。
今回なのも、幻影のなのかもしれない。そう、考えてしまいたいと思う自分が恐ろしい。
いつまでこのままなのだろうか?
変な首輪つけられて、手錠もつけられた。他の奴もそうだが、ほぼ寝ている。
恐らく知り合いもいるのだろうが、視界がぼやけてよく見えないし、顔までは確認できなかった。
普通なら、罵声とか、悲鳴とか、鳴き声とかあってもいいのに無いから、余計実感がわかない。
『っと、全員そろっているかな?』
小さな小部屋の前に大きく掛けられたスクリーンにあの青年の顔がどアップで映った。
不気味さと、シュールさで、思わず噴出しそうになったが、堪える。
こういう場合、ヒーローぶる奴は真っ先に死ぬ。見せしめとか言う存在には、絶対になりたくない。
仕方ないので、心の中で「大体分かっている」と少し呟き、「シュールすぎる!!」とつっこんだ。
『皆さん。こんにちわ!!!』
もちろん、子供向けの番組やヒーローショーのように声が帰ってくることは無い。
ほとんどは、ウザそうに画面をにらめつけている。
首輪をつけられ、手錠も掛けられ、いきなり大声を出されたらさすがに頭にくるだろう。
『あれ?元気が無いな。もう一度、こんにちわ!!!』
ってか、このタイミングで、返事返す奴なんていないだろ。
つぅか、こんばんわの時間じゃないか?
あーあ。早く終わってくれないかな‥‥。
どうせ、見せしめみたいなのして、ルール説明するだけだろ。

46 :
「眠いんだよ。起こすんじゃねぇよ。」
あーあー出ちゃったよ。見せしめポジションのヤツ。
でかいヤツだから、ぶっちゃけやばそうだと思っていたけど、ここで死んでくれたら楽だ。
ピーピーと機械音が流れていて、やばそうな展開を作っている。
何故か、音源は、近くにいたおっさんの首輪。
『あーミスッた。』
「嘘だろ!!止めろよ!!止めてくれよ!!!嫌だ!!!嫌だ!!!嫌だぁぁぁ!!!」
首が吹き飛んだ。
呆気ないほど、鮮やかに吹き飛び首の無い死体が転がる。
微妙に返り血がついた。
って、これ、明らかに誤爆だよね。
今、ミスッたっていっていたじゃんね。
あのデカイ男そうと思ったんだよね。
「なんだこれ。」
『何か言った?関勝宏君。』
「いや、何もないッです。」
目立つことしてされたくない。
死にたくは無い。ってことも無いけど、なんか嫌だ。
死にたいけど、死にたくない。すごく矛盾している。
僕もこの男みたいにされたのだろうか?
いつの間にか、辺りもざわついている。
「それじゃ、ルール説明す‥‥‥。」
「ちょっと待てィ!!!俺は許さねぇぞ!!!」
のっぺらぼうの青年(?)がいきなり飛び出すと、スクリーンに向かって走り出す。
ヒーロー気取ったヤツ。こいつも死ぬんだろうな‥‥。
ってか、スクリーンに抵抗するつもりなのか?
あれ?主催者すつもりだけど、せないよねこれ。
多分、幻影見せられているんだろうな‥‥
「ダストアウト。バイバーイ崖鉄平君!」
落とし穴に、のっぺらぼうは落ちていった。
しばらくすると、グシャという何かが潰れる音が聞こえてくる。
死因は転落による後頭部打撲か、そんなものだろう。
馬鹿みたいに目立つことはしない。そう決めた。
「最初に言ったとおり、僕の能力は完全催眠。いつでも君たちをせるんだよ。」
完全催眠。
この三日間。まるで、し合いに巻き込まれていたかのように見せかけられた。
痛みも、匂いも、音も、色も、性格も、行動も、全て惑わされた。
化け物のような能力。危険だ。
しかも、この爆弾付首輪。行動を抑制され、下手すれば死ぬ。

47 :

「ルールを説明するよ。よぉ〜く、聞くんだよ。聞き逃しても教えないから。」
【呉莫氏@ネタキャラ 死亡】
【崖鉄平@ネタキャラ 死亡】
【夢オチだったオリロワのキャラでロワ GAMESTRAT】
【色欲(アンドレイ・チカチーロ)@精霊】
 
 [オリキャラ紹介]
 呉莫氏(くれ・ばくうじ)
中年男。ネタキャラ。名前どおり誤爆死した。
 崖鉄平(がけってぺい)
のぺらぼう。ろわらじおつあー2nd in 非リレーバトルロワイアルにて誕生したキャラクター。
色欲(アンドレイ・チカチーロ)@精霊
唯一、前ロワに出せかなった精霊。長谷川脱獄の前に、実は声だけ出している。
紅の目をした青年。『永遠の苦しみ』という、完全催眠を使うことが出来る。

48 :

○基本ルール
・し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝。
・優勝者は無事にもとの世界へと戻れ、願い事をかなえられる
(幻影であるが、そのことは参加者に伝えられない)
・デイパック・ランタン・携帯電話・食料一日分・地図・時計・戦利品支給は行われる。
・禁止エリア(後術)やルールに違反した場合は首輪が爆発
・首輪の威力は、成人男性の首が胴体から離れるくらい
・見せしめ以外の十一人が死亡した、もしくは半日が経過すれば放送が流れる。
 【放送】
・放送では、死亡者と禁止エリア、その他情報が言われる
 
○特別ルールについて
・24時間以内に優勝者が決まらない、15時間以内に死亡者が出なかったら自動的に全ての首輪が爆発。
・禁止事項を犯すと、特別制裁ルールが施行される。
・禁止事項を犯すと、首輪から声が流れる。
 【禁止事項】
・十人異常、同じ建築物に存在する。
・特殊能力で、攻撃力やパワーなどの補助能力が短時間で急上昇する。
・主催者を害しようとする。
・17時間の時点で一人も害していない。
・首輪を解除した。
 【特別制裁ルール】
・同じエリアに10人以上>建物内の生命反応が9人になるようにしないと、首輪爆発。
・補助能力上昇>特別制裁(どうなるかは、不明。)
・主催者害未遂>主催者からの制裁
・17時間時点で未害>一分以内に人をさないと首輪爆破
地図
 ABCDE
1森森病森小
2学湖家家森
3家レ工林家
4警家デ空空
5×××デレ
空=空港 森=森 林=林 空=空港 レ=レストラン
病=病院 湖=湖 ×=禁止エリア デ=デパート
家=民家 小=小屋 警=警察署  工=工場

49 :
参加者

【精霊】6/6
○ボニー・パーカー(嫉妬)/○ジャック・ザ・リッパー(暴食)/○巴御前(憤怒)
○ビリー・ザ・キッド(強欲)/ヨハン・ゲオルク・エルザー(傲慢)/○チェ・ゲバラ(怠惰)
【元所有者】3/3
○関勝宏/○ジェイミー・バセット/○平沢健雄
【単なる伏線キャラ】6/6
○長谷川雫/○関春翔/○山口美雪/○ソ・ワルピン/○海棠/○伊達坂浩二
【名前が出てこなかった奴】3/3
○山口美砂/○平泉弥生/○伊達坂拳
【出すつもりだったキャラ】3/3
○諏訪悠磨/○暁秋九朗/○細身の男
【一般人。出す気無いよ枠】5/5
○エヴァン・グラニット/○香坂幹葦/○ヴェル・ロベス/○大塚英哉
【ネタキャラ。出す気なんて無いよ枠】3/3
○豆眼伽羅/○ク・レナドナ・キゲー/○雷音金倶
【二つ名キャラ。出す気無いよ枠】6/6
○瓜生雁茄(不死人し)/○阿亜吾アア(地獄の訪問者)/○フリックス(キモ笑い剣士)
○軌条口兵(灼熱の受験生)/○鈴木花子(凄く☆凡人)/○五条ひとみ(デリケートハート)
34/34
【主催】
○アンドレイ・チカチーロ(色欲)@精霊
○???@???
○???@???
○???@???

50 :
ということで、投下終了です。
投げやりのように、完結させた前ロワの伏線回収とかするつもり。

51 :
投下乙です。
オリキャラでも癖の強そうな…。
変哲オリ投下します。

52 :
「…人しなんてしたくないな」
僕、轟車は隠れてお菓子を食べていた。
友達もいなく、ただお菓子を食べることが好きな男。
それが僕の特徴であった。
数少ない仲のいい人と言っても、深川君くらいのものだし。
彼も無口だから話すことはほとんどない。
「……あ、チョコなくなっちゃった」
袋に入っていた小さい英語のついたチョコがなくなっていた。
いつの間にこんなに減っていたんだろう。
僕はカバンの中からポテトチップス(450g)の大袋を出した。
ゲームセンターでよくある大きいのを一回でゲットしたから持ってきたのだ。
「死にたくはない、けど…正直、もう生きてなくてもいいかな」
ポテトチップスを5つくらい口に放りこむ。
口の中で大量に潰されていくのを感じる。
その中で血の味が少し混ざっているのを感じた。
唇を触ると血が付いていた。
唇が切れていたのか…と思ったところに痛みが生じる。
塩が傷口についていて地味に痛かった。
「……」
ポテチの袋をゴムで閉じてカバンにしまう。
その代わり出てきたのはグロック17という拳銃。
それをじっと見つめる。
エアガンではないのかとは思ったが、付いていた予備弾が本物であるのを見て本物だと実感する。
「これで人を―――――す」
窓からのぞいて見えた木に向かって銃を構える。
発砲はしないが、撃つふりをする。
少し時間が経った。
仕方ない――――そう思ってグロック17をカバンにしまう。
その代わり次はチョコチップクッキーを取り出す。
5枚組のが3つ入っているチョコクッキーだ。
これがお気に入りで大量に持ってきている。
「いただきます」
1つ開けて食べ始める。
好きなものはどんな所で食べてもおいしいものである。
それが例え――――し合いが舞台の島でも。
級友をさなくてはいけなくても。
「動かないで」
後ろから声が聞こえた。
その声には聞きおぼえがあった。
そう―――確か彼女の名前は―――――――。
【残り 30人】

53 :
昔、超巨大な会社を運営する名家がおりました。
代々第一子が引き継ぐ―――その第一子が私でした。
瀬戸家、その第一子が私、瀬戸麗華。
生まれてから人生のレールは決まっていた私はとにかく英才教育を受けました。
赤子のころから様々な語学を植え付けられました。
幼少のころには護身用の格闘技を何種類も受けました。
そんな完璧な人生を歩んでいた私にはないものがありました。
それは――――友人と言うもの。
父上は私には必要ないとおっしゃりました。
帝王とは孤独なものである――――だそうで。
でも、ある時私は一人の少女に声をかけられました。
「すごいむずかしほんよんでるね、なんていうほんなの?」
見た目はすごく可愛らしい少女という感じでした。
その時最初に感じたものはその印象―――。
その次に感じたものは、嬉しさでした。
始めて声をかけてくれた、それが嬉しくてたまりませんでした。
人前ではじめて泣いた瞬間でもありました。
私は今でも彼女に感謝しています。
「―――――雪子」
私は外に出て、はじめて気づいた。
雪子が、そばにいなかった事に。
「雪子――――どこなの――――?」
私が唯一信頼している人。
その人が今――――いない。
焦りが生まれてくる。
もしかしたらされそうになっているのかもしれない。
もしかしたら悪漢共に犯されそうになっているのかもしれない。
もしかしたら自分も考えすぎで無事なのかもしれない。
もしかしたら――――――死んでいるのかもしれない。
「ッ―――――!」
自分が冷や汗をかいていることに私は気がつきました。
だが―――私は帝王になるべき人間なのです。
こんなことくらいで焦ってはならないのです。
ここで私がすべきことは―――――。
「どうしよう――――分からない」
し合いに対抗するべきか―――?
いや、それは駄目―――会社に迷惑がかかるわ。
私だけの問題ではない、働いてくれている皆のためにも駄目だ。
じゃあ―――し合いに乗る?
駄目だ―――雪子をすことになってしまう。
それだけは駄目だ。
じゃあ―――どうすればいい?

54 :

「――――――――」
答えは、一つだけだった。
成功するかは分からない。
それでも――――この可能性に賭けたかった自分がいたのです。
「――――瀬戸さんじゃないか」
「ええ、轟君―――久しぶりというべきでしょうか」
「いや、そうでもないと思うよ」
初めて会ったのは、クラスでも浮いている轟車―――。
自分もあまり話したことはなかった。
相手が先ほど持っていたのは銃―――こちらの武器はスタンガンだったので、不利である。
だが、唯一の救いは轟君が乗っていないように見えること。
現に武器をしまいお菓子を食べている。
「―――さっそくで悪いんだけどさ、轟君」
「何?瀬戸さん?」
「――――――死んでもらえません?」
いきなり言い放った。
スタンガンを起動させて轟君に近づく。
しかし、轟君は動くことはなかった。
スタンガンによる一撃で轟君はうつぶせに倒れる。
「――――――ああ、こんなものですか」
クロッグ17を取り出して轟の額に押し付ける。
引き金を引く指が、震えた。
少し引くたびに増える重み。
少し引くたびに増える幻聴。
人し、鬼、悪魔、屑、瀬戸家の恥、消えてしまえ。
どんどん増えていく幻聴。
それは少しづつ、少しづつ、瀬戸麗華を崩していく。
瀬戸麗華という人間を崩していく。
「あ、あああああああああああああああ!!!!!」
思い切って、引き金を引いた。
そしてその瞬間、私は人者の名前を背負うことになった。
【残り 29人】

55 :12/01/01
投下終了です。
今までのサブタイトルを決めてなかったのでここに。
1-1 フタリ、ヒトリ 1-2 決意/決別
2-1 run!run!run!  2-2 正当化☆BOY 2-3 虚しさと悔しさと自分の弱さ
3-1 sweetboy    3-2 人者誕生
以上です。
TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
・ 次のスレ
60: みんなの厨二妄想を発表したり、聞いたりするスレ (53)
61: 【SS】 コメディ  【ラブコメ】 【パロディ】 (120)
62: 私メリーさん3 (173)
3: 【リレー小説】磯野カツオの冒険 (436)