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2012年3月アニメ映画228: きっといつか… (160)
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きっといつか…
- 1 :
- さあ、次いってみよう!
- 2 :
- ばーか
- 3 :
- なんだこれ
- 4 :
- しらねー
- 5 :
- わらた
- 6 :
- ひょっとすると・・・・・
- 7 :
- 果たして正体は?
- 8 :
- 日直なうだ。さくしゃがんそこねえのかな?
- 9 :
- やっぱりここですか。有難うございます!
- 10 :
- みっけ!
ここではコテ止めときま〜す。
- 11 :
- 甘いな
- 12 :
- うそみたい。
- 13 :
- ニッチョクで大漁ですね。
- 14 :
- 荒らさずにいきましょう?
おやすみなさ〜い♪
- 15 :
- シンプルスレ続いてんな。
- 16 :
- 一方春日家では
「お兄ちゃんもあかねちゃんも中でお人形さんみたいになってる!」
「今、二人の意識は体を離れ時空の歪みを探し回っとるんじゃろう。」
まどかは輝く球体の中の二人を心配気にみつめながら
(あたしと逢えない『淋しい春日クン』…逢ってみたい。)
その頃
「恭介、あんた本当にここ(ハワイ)が好きね。」
呆れ顔のあかねに
「いや、このビーチが俺と鮎川に関係してるみたいなんだ。」
「でも、ここはちょっと違いすぎるよ。左右全部逆になってるし。」
あらためてよく見ると
「ホントだ!」
「ね?次行こう!」
ポォ〜ン!
「ここは?」
「駄目だあ…月が赤いし、海がグリーンに輝いてる。ここも違うよ。」
ポォ〜ン!
「ああ…めまいがしてきた。吐きそう。」
「恭介、あれ!」
あかねが指さす先に2人のカップルが。
よく見ると恭介とひかるが楽しそうに手をつないでいる。
- 17 :
- 「この裏切り者!」
「お、オレ知らないよ!」
(こういうバリエーションもあんのか。)
タジタジとなりながらもまんざらでもなさそう。
そんな恭介の表情に、あかねは眉間にしわを寄せムッとする。
「次行くわよ!」
ポォ〜ン!
時間にして数時間、恭介のアンテナを頼りに時空を旅する2人。
「おい、あれ!」
恭介が指さす。
「うん、なんか暗いね。髭面だし、やつれてるよ。」
「ちょっと待ってて。」
恭介はビーチストリート沿いにある店のデジタル時計で西暦、日付を確認した。
(おお!!5年後だ!ひょっとして?)
慌ててあかねの所に戻る。
「はーはー…」
「大丈分?」
息を切らしながら5年後の自分を見ている。
「あれ、多分…5年後のオレだよ。
細かい時間差は分んないけど…
西暦は5年後だし、それに…すごく感じる!」
『こりゃ!さっさと戻ってこんかい!』
「え?ええ…?」
ポワ〜ン!
いきなり二人は『現在』に連れ戻された。
- 18 :
- 虹色の球体が消え、蝋人形のようになっていた二人が元に戻る。
「一体いつまで待たせるんじゃ!」
「じいちゃん!今見つけたとこだったのにい!!」
「え?あ、そうか。悪かったのう…スマンスマン。」
照れ笑いするじいちゃんの傍からまどかが尋ねる。
「居たの?『あたしの』春日クン…」
「多分!」
「やった〜〜!!」
妹達が大喜びする。
じいちゃんは考えた。
「あかね、ちょっくら頭をこっちに貸してくれ。」
(……?)
じいちゃんはいきなりあかねの頭に手を載せるとぶつぶつ何か呟きだした。
そして…
「無限次元の座標から居場所を割り出したんじゃが…
後はまどかちゃん、あんたが自分で確かめるしかないのお。」
「あたしが?」
まどかはじいちゃんから説明を受ける。
「あんたが行って、本人と会ってみなさい。それがあんたと別れた恭介なら、
同じ時間を共有していた者同士ということであんたを覚えとるはずじゃ。」
「『今の』あたしと関係ない春日クンだったら?」
「恐らく、あんたには見えんだろうし…
向こうもまどかちゃん、あんたに気付かないじゃろうて。」
「とにかく、行ってみたい!」
「ふむ。あかね、今度はまどかちゃんと手をつなげ。」
「うん!!」
じいちゃんはあらためてあかねの脳に『座標』をインプットした。
- 19 :
- 「頑張ってね、あかねちゃん!」
姉妹に励まされているのだが聞こえていない。
年上のまどかと手をつないで、あかねは真っ赤になって見とれている。
自分が憧れた彼女が5歳お姉さんになって目の前に居る。
(きゃ〜、気絶しそう!!)
「あかねちゃん!んもう。」
心を読んだまなみとくるみにたしなめられた。
あらためてまどかと手をつなぐ。
「お願い、あかねちゃん!」
(はあぁ〜…)
真剣な眼差しで見つめられめまいを覚える。
「こりゃ!はよせんかい!」
(しょ、しょうがないか。)
気を取り直して
「じゃ、手を離さないでね!」
そう言うと
ポォ〜ン!
不思議な音と共に二人は虹色の球体に包まれた。
「何だよ、あかねのヤツ。オレの時は散々嫌がってたのに。」
「しょうがないよねえ〜。まどかさんとお兄ちゃんじゃ月とスッポンだし。」
「ホント、まどかさんあんなに綺麗になって…」
まなみは目をウルウルさせていた。
- 20 :
- アップ数は少ないが、1つが長いのは900超えないようにする工夫か?
つ〜ことは、まだまだ続けるつもりか?
- 21 :
- また早朝アップしてやがる・・・・
誰かの自演にしようという目論見かい?
もしそうならある意味サプライズだぜ。
- 22 :
- 無限に分かれるバリエーションの中には
恭介クンとひかるちゃんが結ばれるってのもあるんですね。
そう思えば、少しホッとします。
あかねちゃんがうっとりするのも解るなあ〜。
- 23 :
- 作者の理屈じゃ万分の一秒違っても別の世界になるぞ。
たかだかショップのデジタル時計で確認したところで
危ういなあと突っ込まずにはいられない。
- 24 :
- 自分でも解ってはいましたが、あえて指摘されると辛いですね。
よろしければ読み流して頂けると幸いですが。
- 25 :
- 不粋な突っ込みですよ〜。んもう!(拝借)
- 26 :
- 何となくはわかるけど、ほんと無理があると思わないか?
- 27 :
- やっと発見しました^^
ノーヒントで探すのは結構大変な気がするのに皆さんスゴイですね^^;
- 28 :
- 発見した嬉しさでコテをデフォルトでやってしまいました^^;
- 29 :
- せんぱいキタ〜〜〜〜〜!
- 30 :
- がんそとどくたしか知らないスレがあんだろ?
悔しいがいまだそこがどこかわかんねー!
ここはkey ward 入れりゃ瞬だろw
- 31 :
- そうすか?
- 32 :
- 30さん、そのスレッド一年以上更新されていません。
あまりにアップが遅いと、ひょっと他にあるのかしらって
疑心暗鬼にかられて、血眼になることがあります。
今のところ、此処が最新と思っていますが、
他の人に出し抜かれてるとすれば・・
ちょっと悔しいなあ。
27さん、こんばんは〜♪
27さんやレスペ〜さんの見解は読んでてスッゴク参考になりますよ〜。
- 33 :
-
釣り針見え見え
- 34 :
- そういう糸はありません。
- 35 :
- 上手い!
- 36 :
-
2chではふつー
- 37 :
- ポォ〜ン!
二人は夕暮れのビーチに着いた。
「まどかさん?」
まどかは気絶している。
でも、頑張って手だけは離さなかった。
(まどかさんはあたし達と違うから無理ないよねえ?
でも…『いじらしい』なあ…)
あかねはもたれかかる彼女をそっと抱きしめ
そして、耳元でささやいた。
「着いたよ。」
「…う〜ん?…ここは…」
あかねはまどかの体を支えてやると、やさしい笑顔で
「確かめてきたら?ほら!」
あかねが指さす向うに『彼』が座っていた。
髭面でも、やつれていても……まどかにはすぐに解った。
(春日クン…!!)
まどかは少しふらつきながらあかねから離れると二、三歩踏み出し、
そして小走りに駆け出した。
- 38 :
- 彼の姿からは長旅と、そして患った心の疲れがにじみ出ている。
恭介はアジアからヨーロッパ、アメリカへと西回りに放浪の旅を経て
5年ぶりにハワイにやって来ていた。
(5年経ってもまだ忘れられないよ、鮎川。
…キミの居ない世界は夢がないんだ…もう夢が…)
恭介の5年間は…
目指す大学には入ったものの、結局アルバイトばかり転々として
その内自主退学してしまった。
時には公園の階段を訪ねてみるけれど、『新しいまどか』と出逢うことも無く
想い出だけを引きずる日々を過ごしていた。
家族やあかね達は新しい世界で自分の道を見つけると、もう振り返る事をせずに
日々それに没頭して慌ただしく生活を送っているのに…
恭介だけは過去にとらわれたままであった。
そういう自分から逃れるように、バイトで貯めた貯金で放浪の旅へ出たのだが
何処に居ても彼女のことを想わない日は無かった。
それはまるで、『まどかの5年間』と同様の日々であった訳で…
恭介はぼんやりと日が沈んだ海を眺めている。
(もう…)
瞳を閉じてまどかを想いながら…
ガラスの欠片を頸の脈打つ部分に当てた。
「春日クン!」
(…?)
振り向いた彼の顔を見てまどかはいきなり
「なんてことすんの!!」
バチン!!
- 39 :
- 彼女を見た瞬間、言葉を失い
(…!!?)
何が起こっているのか全く理解できず、呆然としている。
(あ、あゆ……?!)
「何処に行ってたの?!探したんだよ…ずっと探したんだよ!!ずっと…」
まどかは涙をポロポロこぼしながら伝える。
「もう逢えないと…」
そう言うとひざまずき、彼に抱きついて泣き出した。
あふれ出る涙が彼のシャツに浸み込んでいく。
「バカ…恭介のバカ!」
まどかの深い愛情につつまれ放心している。
手から欠片がポトリと落ちた。
「ゆ、夢じゃないよね?…逢いたかった…俺も逢いたかった…」
恭介は何度も何度も繰り返しながら咽び泣く。
お互いが互いを5年後の姿として自然に受け止められた。
(良かったね、二人とも。あたしも…もらい泣きしそう…)
ヤシの木の下で、あかねはしゃがみ込むと両手で顔を覆った。
- 40 :
- あら?
これって、ハワイ編に出てきたシーンですよね。
混乱してきました〜・・
- 41 :
- おかしいなあ・・いつもならもう少し多いのに。
明日の朝に期待してみようかしら。
でも・・まどかちゃん、恭介クンよかったね。
もうお互いの手を離しちゃだめだよ。
- 42 :
- 今回少な!
- 43 :
- 逢いたかった〜会いたかった〜あ〜痛かった〜
ちぃみに〜 BYきょうすけ
- 44 :
- 叩かれたから?
- 45 :
- しばらくして
「あかねちゃ〜ん?」
「まどかさ〜ん!こっち、こっち〜!」
恭介がまどかに手を引かれ、あかねのもとにやってきた。
3人は松明の下に集まる。
「お、お前は…あかね?」
若返った彼女にびっくりする恭介。
「訳解んないよね?」
「一体…?」
「う〜ん…ちょっとおでこをくっつけてよ。」
「何で?」
「いいから!」
あかねは恭介にいきなりおでこをくっつけると、
ピリッ!
「痛てっ!」
二人は飛び退くように離れた。
「どう?分かった?」
おでこをさすりながらあかねは尋ねる。
「そ、そうなんだ…驚いた。」
瞬間にあかねの言いたいことが恭介に伝わった。
(しかし、こいつ…まどかさんのいい匂いと違って…汗臭い!)
- 46 :
- 「じゃあ、俺が鮎川の住む世界に…俺たちの居ない世界に移ればいいの?」
「来てくれる?」
「でも、その世界じゃ、親父も妹達も…じいちゃんもお前もいないんだよな?
俺みたいなパワーを持った存在が誰も居ないのか…。」
ふと、あかねが
「作ればいいじゃん。」
「え?」
あかねは赤くなって念を押す。
「だ、か、らあ…二人で『作れば』いいでしょ?」
2人は視線を合わせられない。
「みんなに言わなくっちゃ、行くこと。」
「じゃあ、来てくれるの?」
「だって、俺もう耐えられないよ。鮎川の居ない世界なんて。」
まどかは恭介の手をしっかり握った。
あかねはそれをちらっと見やると話題を変える。
「ねえ、みんな元気にしてる?」
「まなみはイギリスに留学してるし、くるみは秋葉に入り浸りだし、
親父は相変わらず仕事忙しいみたいだよ。
お前は新米スポーツキャスタ一で頑張ってる。
でも、みんな時を移ってから…なんか心がバラバラになった気がするよ。」
「やっぱり…まどかさんの存在が必要だったのよね。」
「そうだね。」
3人はしんみりとする。
あかねが口を開いた。
「恭介、報告しといで!きっとみんなも笑顔で送り出してくれるって。」
「うん。じゃあ、ちょっと待ってて。」
5年ぶりに体の中から蘇るパワーを感じ、ギュッと両拳を握るや
シュパッ!
その姿は消えた。
- 47 :
- 数分後
「春日クン大丈夫かなあ…もし引きとめられたら、その時はあたしがここに残る!」
「大丈夫ですよ、あんなヤツ居ない方が…でもホントは…
やっぱり…みんな恭介には幸せになって欲しいって思うだろうから。」
シュパッ!
「どうだった?」
「うん、みんな凄く喜んでくれてた。オレの戸籍を鮎川の世界に移すんだって。」
「じゃあ、オマエも晴れてまどかさんの世界の住人だ。」
「あかねちゃん…何度も有難う。」
(え?)
まどかは彼女を抱きしめると、前髪をたらしたおでこに軽くキスをした。
あかねはギョッとしてまどかを見ていたが…その内、目がトロンとする。
身を委ねたくなった。
「ごめんね、あたしに今出来るお礼って…これくらいしかないから。」
何となくあかねの気持ちは解っている。
まあ、まどかにとっては可愛い後輩に悪戯するようなもの。
「あ、有難うございます。」
あかねは真っ赤になってドキドキしている。
「じゃあ、あかね、俺たちを彼女の世界に連れて行ってくれよ。」
「うん、その前に一度『現在』に戻って、座標インプットしなきゃ。」
「座標?」
「い〜から、い〜から。」
3人は手をつないだ。
(父さん、母さん、まなみ、くるみ、じいちゃんやばあちゃん、あかね、一也
みんな…みんな、さようなら。)
ポォ〜ン!
三人の姿が虹色の球体に包まれた。
- 48 :
- 覗いてみればサプライズ!
相変わらずあかねちゃんパワー炸裂してますね〜!
- 49 :
- 恭介達が待つマンションにて
ポォ〜ン!
球体が消えていくと、中から3人の姿が現れる。
年上の恭介はまどかに支えられていた。
「帰って来た!…え?お、俺?」
まどかが彼に寄り添っている姿に、恭介はちょっとショックを受けた。
そんな表情を『彼女』に見られたら、ず〜っと口をきいてもらえないはず。
あかねがやれやれという口調で
「ふ〜、疲れた…なんか食べさせてよ。パワー限界まで使ったから。」
くるみが
「うわ〜汚いお兄ちゃんだ!」
「くるみちゃん!」
「シャワー浴びて髭も剃っといで。」
「うん。」
年下のあかね達に言われ、サッパリ身綺麗になって出てきた。
「お兄ちゃん、痩せたね〜…。」
「うん…。」
恭介は時を移ったその後の5年間を語り出した。
黙って聞いていたみんなは考えてしまう。
あかねが訊いた。
「結局、みんなもう力を使うことに懲りて、心もシラケてしまったのかしら?」
「そう…あれ以来、もう誰もあの事に触れようとしなかったし、
みんなそれぞれがバラバラに自由に生きるようになったかな?
俺だけだったよ、いつまでも忘れられなかったのは…」
そんな話を彼から聞いて恭介は呟いた。
「別れないで済んだ俺、別れて5年後に逢えた俺…逢えないままの俺もどこかに…」
「おるんじゃよ。深くは詮索するな、詮無いことじゃて。」
- 50 :
- バチン!って・・・・
手加減ってもんが・・・・
- 51 :
- うわ〜〜!着いて行くのがやっとです〜♪
- 52 :
- まどかはそっと恭介の手を取ると
「春日クン、あたし…またあなたに逢えて嬉しい。」
「俺、喜んでいいのかな?俺以外の『俺』のことを考えると…」
「あたしだってそうだよ…。」
そんな二人を見ていた恭介がポツリと
「今は…いや、今から二人は二人のことだけ考えて生きて行けば…」
柄にもないことを言う。
「やる〜恭介!!」
あかねが喜んだ。
まなみも応えるように
「そうよ、みんな『今この瞬間』を大切にしなくちゃ!」
「ほれ、あかね、頭貸せ。まどかちゃんもちょっと貸してくれんかのお?」
まどかの頭から彼女が居た5年後の座標があかねにインストールされた。
「じゃあ、連れてってあげる。」
「ちょ、ちょっと待って。」
まどかが待ったをかける。
「もう一度彼女に会えないかしら?」
鮎川邸にて
ルルルル…!
「まどか〜、出て頂戴!」
バスルームから声が響く。
(んもう、夜中に大声出さないでよ、恥ずかしいんだから。)
子機を取り上げディスプレイを見ると『KYOUSUKE』!
- 53 :
- 慌てて受話ボタンを押すと部屋の鍵をかけた。
「はい、鮎川です。」
「まどかちゃん?あたし。」
「まどかさん!…ママ達まだ当分居そうで」
「ううん、そうじゃないの。あなたにお別れを言おうと思って。」
「ええ?帰っちゃうんですか?どうして?」
(まさか、あたしに気を使って帰る決心をしたんじゃ?)
「…駄目よ!!絶対駄目!!」
怒った口調の中に年上の彼女を思いやる気持ちが溢れだす。
彼女は微笑んで
「あのね…、『あたしの春日クン』が見つかったの。」
「え?どういうことですか?」
「詳しくはあたしもよく解らないんだ。でもね、もう淋しくないの。」
彼女は傍に立つ『同じ歳』の恭介の手に自分の手を絡ませた。
「おじいちゃんが今からすぐに戻った方がいいって。
あなたにもう一度会いたかったんだけれど…」
「…本当に見つかったんですか?」
「ええ。」
「じゃあ、もう…もう淋しくないんですよね?」
「…うん。」
ちょっとの間沈黙が流れる。
「本当…に?」
「…本当よ。」
二人は涙で声を詰まらせていた。
「じゃあ、行くね。あなたに逢えて良かった。」
「あたしも。お幸せに。…あ、春日クンに代わって…」
まどかは年下の恭介に受話器を手渡す。
- 54 :
- 今日はこれで終わりかなあ?
しみじみと・・まどかさん、よかったですね。(涙
- 55 :
- ムキになった?いきなりアップするなんて。
- 56 :
- 自分の手柄とでも言いたいのかw
- 57 :
- 上からな物言いがムカつくんだよなあ。
- 58 :
- まどかちゃんとまどかさんの心の通いって
すごく素敵です!
原作では恭介クンのいないバラレルのストーリーが確か二回くらいあったと思いますが
その内の一回は、まどかちゃんスッゴイ不良だったし
怖かったですもん。
パラレルって形でいろんなバリエーションが存在するってのが
今回の流れなんですよね?
とにかく離れ離れになって5年も経つのにお互いを忘れずに思いあってたってところに
そして出会えたことに心からよかったとつくづく感動してます〜!
- 59 :
- >>56
べつに〜。
>>57
そうかい?
- 60 :
- 「もしもし、鮎川?」
「ねえ、ホントに見つかったの?」
「うん!」
「良かった…」
見ている恭介に二人が手を振った。
「あっ、今…」
「何?」
ポォ〜ン!
不思議な音が聞こえた。
「何?今の音。」
「うん、たった今、あかねが…二人を連れてった。」
「そう…。」
電話口のまどかと、そしてそこに居る全員が目を潤ませている。
(良かった…)
ポォ〜ン!
「ここでいいかしら?」
「ちょっと待ってて。」
まどかは駆け出し、ストリートに面した店のデジタル時計を探す。
見つけるや自分の腕時計と比べ、秒単位まで合っていることを確認。
(西暦、日付、そして時間…間違いない!)
「大丈夫みたい。」
- 61 :
- 「じゃあ、あたし戻ります。恭介、あとは自分の力で!」
「ああ。有難う。」
「あかねちゃん、ほんとにいろいろ有難う。」
「え?いや…」
(もう一度ギュッとして欲しいんだけど…)
あかねはまどかの姿をしっかり目に焼き付けた。
「じゃ、お幸せに!さようなら!」
「さようなら!」
あかねは暗がりに入ると
ポォ〜ン!
虹色の光を放って消えた。
あかねを見送ると二人はお互いの顔を見つめ…
「春日クン、もう離さない!」
「俺もだよ、鮎川!」
人目もはばからず二人は熱い口づけを交わす。
何度も何度も…
まどかは恭介の目を見つめながら
「ね、ねえ、行くとこないんでしょ?うちのコンドに…」
さっきからお互い解っていたこと。
そんな時間が近づくのを感じ、胸の高鳴りを抑えられない。
「い、いいの?」
「うん!」
まどかは恭介の腕にギュ〜ッとしがみついた。
- 62 :
- そしてその夜…
遅れてシャワーから出ると、自分の部屋に入る。
カーテンの隙間からストリートの明かりと喧騒が漏れてくる。
彼の待つベッドに入ると
そっと恭介の胸に顔を埋め
目をつむって彼の鼓動を頬で感じてみた。
「ほっぺた…痛かった?…ごめんなさい。」
「うん。でも…5年前の『あの日』…」
すると、閉じていた目を開くまどか。
(やっぱり。)
「今でも覚えてる。まさか、『あの日』と今日が繋がってたなんて…
あたしたち、こうなる『運命』だったのよね」
応えるように彼女を抱きしめ
「随分遠回りしたけど…良かった。」
離ればなれの年月が互いの想いをより深いものへと育んでいた。
- 63 :
- 二人はしばし熱い口づけを交わし合う。
「鮎川…」
(…んもう。)
クスッと笑うまどか。
「23歳になっても『鮎川』なの?」
「変かなあ?」
「変よ。」
二人は笑った。
「ねえ、…『恭介』って呼んでいい?」
「うん。じゃあ、俺も…『まどか』って呼ぶよ。」
すると、まどかはいきなり恭介に覆いかぶさり
「コラ、恭介!ずっと泣いて暮らしてたんだぞ!5年分…甘えてやるから!」
「あゆ…まどか…」
「んもう!」
「ゴメン。」
「恭介…」
まどかは恭介の口に自分の唇を押し付けた。
愛おしくて…
愛おしくって…
二人は初めて結ばれた。
- 64 :
- ハワイに行く前に初めて2人で行った学食で思いとどまったセリフが、
やっと言えたと思うとより感慨深く感じます^^
結ばれて本当によかった^^
- 65 :
- これってあの夏のパクリじゃね〜?
- 66 :
- 同じ方でしょうか?パクリパクリって、しつこいんですけど。
- 67 :
- >64さん
気付きませんでした!
一番のファンのつもりでいたのに・・
- 68 :
- 誰が見てもパクリっしょ! どー見ても!!
- 69 :
- 続きはまどかが悶えるシーン!!
- 70 :
- 見たいような見たくないようなおかずに・・・・・・
- 71 :
- 期待したけど
- 72 :
- ポォ〜ン!
「お帰り、あかねちゃん!!」
「どうじゃったかのう?うん?」
「おい、お前、顔真っ赤だぞ!どうした?」
「任務完了!ちょっとシャワー浴びてくる。まなみ、パジャマ借りるね。」
急いでバスルームに入ると、全開で頭からシャワーを浴びる。
(あたしって…最低!)
あかねは帰った振りをして、つい覗き見してしまった。
そんなつもりじゃなかったのに…別れるのが名残惜しかっただけなのに…
二人の『現場』を見てしまった。
互いが初めてとは思えないほどに愛おしく求め合う姿を見てしまい…
頭がカッカして、顔が火照る。
(あたしも…いつかは『あんなこと』するのかしら?
今はまだ、まどかちゃんのことから離れられないのに…)
- 73 :
- 新展開がと思いきや以外な展開^^;
- 74 :
- 翌朝
恭介のマンションは賑やか。
「行ってきま〜す!」
みんながそれぞれ学校に向かう。
「じゃあな、あかね。」
「うん。」
一方、鮎川家では
「行ってきます。」
「あ、まどか、今夜は何食べたい?」
(…当分居るつもりね……は〜…)
心で溜息をつきながら笑顔を浮かべ
「ママの料理なら何でも!じゃ、行ってきま〜す。」
恭介と妹達が歩いている。
「おはよう!」
「あ、まどかさんおはようございます!!」
「おはよう、鮎川。」
「『まどかさん』…もう居ないのよね?」
「うん。…淋しい?」
ちらっと彼女を見ると、まどかは他所を向いて表情を隠した。
「ううん。彼女が幸せになってくれたらそれが一番だよ。
それにしてもあかね、大変だったんじゃない?」
「もう大活躍だよ。でも、帰って来てから…な〜んか変なんだよなあ?」
「きっと疲れたんだよ。…後でまどかさんのこと詳しく教えてね。」
「うん。」
学校が終わりまどかは恭介のマンションに寄る。
恭介と妹達から一部始終を聞いて
「すっご〜い!!でも、『まどかさん』…良かった。」
まどかはやさしく微笑を浮かべた。
「どうして5年後のオレは鮎川をパワーで探さなかったんだろ?」
「掟を守ったからでしょ?」
まなみがコーヒーを持ってきて口を挟む。
- 75 :
- 「つ〜ことは、あかねは相当掟を破った訳か…」
今度はくるみが冷静に突っ込む。
「破らせた一番の原因は…お兄ちゃん『達』じゃない。」
まどかはコーヒーをこぼしそうになった。
「くるみ!お前…」
言いかけた恭介を慌てて制して
「ううん、いいの。ホントのことだし。
あたし…あかねには感謝してもしきれないよ。
あたしがひかるを無事受け止めることが出来たのも、
春日クン達が行ってしまう寸前で時を止めてくれたのも、
そして、今回も…『悲しいあたし』を救ってくれた。」
コーヒーを少し飲んで、ふと
「あたしに出来るお礼って何かしら?ねえ、あかね、何が喜ぶかなあ?」
「(まどかさんの)キスじゃないですか?」
「え?」
「くるみ!」
「だって、あかねちゃん‥」
恭介とまなみは慌ててくるみの口を塞いだ。
まどかはドタバタしている3人を眺めながら
(な、何よ?)
恭介がその場を取り繕うように
「あ、鮎川が友達でいてくれることが一番だと思うよ。」
「そうかなあ?それって普通だし、あたしだって…」
「そうですよ。まどかさんが居てくれることが一番だと思う。」
「まなみちゃん…有難う。」
まどかは腕時計を見て
「あ、もう帰んなきゃ。」
「え?もう?」
「うん、今ママ達居るから…当分大人しくしてなくっちゃ。」
妹達は玄関のドアのところまで、恭介はマンションの出口まで
それぞれ見送った。
- 76 :
- あれから2カ月
パパ達はヨーロッパツアーに出かけ今はまどか一人。
ただ…以前に比べ、お姉ちゃんやママからかかってくる電話の回数が増えた。
(受験の時期にピリピリしてる娘を煽ってどうするのよ…)
ママとお姉ちゃんに監視されているのがたまらなく鬱陶しい。
(心配してくれるのは有り難いんだけど、度が過ぎると『グレちゃう』よ)
ルルルルル…!
「んもう!集中できないじゃん。」
傍に置いていた子機を取るとディスプレイを確認する。
(あ!あかねだ。)
「もしもし?」
「やっほ〜!昨日はごちそうさま〜。」
「どういたしまして。あかねには大恩があるし。
って言うか、一緒に食べると楽しいよ。
で、何?」
「うん、実はねえ…明後日から連休でしょ?日光で『勉強合宿』を‥‥」
「紅葉でしょ?」
「あははは、バレたか。」
「春日クンは?」
「それがね、誘ったんだけど勉強があるから行かないって。」
「あらら、おめずらしい。」
「でしょ〜?」
「あはははは!!」
二人は電話口で笑いあっている。
- 77 :
- 二人は打ち合わせをする。
まどかはちょっと尋ねてみた。
「ねえ、くるみちゃんとまなみちゃんは?」
「たまには『大人の女』二人旅で行こうよ。」
「そうねえ…ま、それもいいわね。」
意気投合して続きはアバカブですることにした。
翌日
「おはよう。」
「あ、おはよ…」
よそよそしいまどかにちょっと引っ掛かりを覚える恭介。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもないよ。」
そう言うとさっさと歩きだした。
(…?)
恭介は気にしながら後ろを付いて行く。
まどかはまどかで
(もし春日クンと二人きりだったら…
こいつ迫ってきそうで、危ないよねえ?)
頭の中で余計なことを考えながら表情は平静を装う。
二人はそのまま教室へと上がり授業開始。
気にしてまどかの方を見ているのだが、彼女は知らんふり。
- 78 :
- (ちぇ、俺には心を読む能力ないからなあ…)
集中していない恭介に
「おい、春日。当てられてるぞ!」
小松が小声で教える。
「え?あ、はい!」
恭介は慌てて立ち上がる。それを見て先生は
「ん?どうした、春日。」
「え?」
まんまと小松の罠に引っかかった。
「あ、す、スミマセン…」
顔を赤くして座りなおすと小声で
「やりやがったなぁ〜!」
余所を見て知らん顔している小松を睨み付けた。
それまで緊張していたクラスは大爆笑!
見るとまどかもお腹を押さえて笑っている。
(ちぇ、なんだよ…こっちは心配してんのに。笑い過ぎだっつ〜の!)
恭介は面白くない。
昼休みはいつも通り。
まどかはどっかに行ってしまう。
恭介は小松たちにからまれ学食へ。
ひかるとは少し会話もできるようになったけれど、お互い遠慮している。
そして放課後。
「ねえ、なんか隠してない?」
「別に。」
「まさか、またアメリカに?」
「ほお、よくお分りで。」
しらっとした眼差しで彼女を見つめる。
「んもう、嘘だね!」
「あはははは!アバカブに行ったらわかるよ。」
- 79 :
- カランコロ〜ン!
「よお!いらっしゃい。学校の帰り?」
「ごらんの通り。ねえマスター、あかねは?」
「約束してるのかい?ん〜まだ来てないけど。」
「あかね?呼んだの?」
恭介はキョトンとしている。
「うん。実はね…」
まどかは恭介抜きで日光に勉強合宿(紅葉見物)に行く予定を語った。
「え〜、(鮎川も行くって)聞いてないよ。」
「今回は春日クンお留守番だね。ごめんね。」
決定事項を告げられ引き下がるしかない。
「そ、そうだよね、いつもオレとじゃね。たまには…」
ちょっと顔を引きつらせる恭介。
「お!到着したよ。」
マスターが店のウインドウの外に到着したあかねに視線を送る。
季節は11月、
彼女はニットの帽子を目深にかぶり赤い縁の眼鏡をかけている。
帽子から栗色の髪が可愛く伸びている。
長い脚線美にジーンズがフィットしてとてもカッコいい。
白地に赤い柄のニットを着て、おしゃれな自転車に乗ってきた。
肩からバッグをたすき掛けにからっている姿が彼女らしい。
カランコロ〜ン!
「こっちこっち。」
まどかが手招きした。
- 80 :
- あかねはカウンターに寄り、バッグをおろすと何やらゴソゴソ。
「じゃじゃ〜ん!!」
「お!それ、門屋のたい焼きじゃない!」
「はい、これマスターとバイトのお姉さんの分。」
「有難う!まだ熱々ね。美味しそう!」
「でしょう〜?どうぞ。」
バイトのお姉さんに笑顔で応えると、まどかと恭介の傍にやってきた。
「やっほ〜、まどか。待った?」
「うん、『待った』よ。あはは。」
「あははは!」
あかねは恭介を押しのけるように隣に座る。
「今日はコンタクトじゃないの?」
「たまにはメガネっ娘もいいでしょ?」
「うん!似合ってるよ。」
「きゃ〜!まどかに褒められたぁ〜!」
「でも、ホント、メガネ姿も可愛いよ。」
「じゃ、あたしと付き合ってよ!」
「何言ってんのよ!んもう。…あははは。」
恭介は楽しげにおしゃべりする二人を眺めながら、空気に入れない。
「あかねちゃん、何にする?」
マスターの呼びかけに振り向いて
「すぐ出るからいいです〜。」
そう言うと、
「ねえ、まどか、今日はあたしの家においでよ。」
「いいよ。」
「じゃ…」
一緒に立ち上がろうとする恭介を見て
「あんたはいいよ。」
「え?」
「いつも一緒なんでしょ?たまには貸してよ。」
「あ、ああ…」
恭介は座りなおした。
- 81 :
- 「はい!あんたの分。」
あかねはたい焼きを恭介の前に置くと
「じゃ、行こう!」
「え…う、うん。」
まどかは彼に済まなそうな表情をして店を出て行った。
テーブルには紙ナプキンの上にたい焼きが置かれている。
(ちぇ…)
恭介は取り上げると頭からかぶりつく。
(くやしいけど…ん?)
あらためてたい焼きを見ると
(これ旨いや!)
私服のあかねの後ろにまどかは制服姿のまま横座り。
カバンを自転車のかごに入れてもらい、彼女はあかねの腰に手を回す。
「むふふふ。やった〜!」
「何よ?」
「なんでもないで〜す。」
「重くない?」
「あたし陸上部だよ。」
「そうだったわね。じゃあ遠慮なく!」
「しゅっぱ〜つ!」
秋の温かい日差しの中、二人乗りして街中を通る。
色づいた銀杏並木から街路樹が続いている。
二人はおしゃべりをしながら楽しそう。
- 82 :
- 久しぶりの大量アップ!
内容物はダラダラしてるが、二人の仲良しが微笑ましいな。
まさに元祖好みだな。一時続くんだろうな。
新しい展開はあるのか?
- 83 :
- 自転車に二人乗りするまどかちゃんとあかねちゃん・・
絵が欲しいです〜。
- 84 :
- まだかしら?
- 85 :
- そろそろ三週間経つんですけど・・
- 86 :
- 今しばらく。
- 87 :
- 待ちますとも、3週間でも4週間でも!
- 88 :
- もう年末だけど、作者も忙しいんだろう。
- 89 :
- 明日にしよ。
- 90 :
- 待ってま〜す!
- 91 :
- つーことは今日だな?
- 92 :
- 固唾を飲んで待っている・・・・・ほどでもないか。
- 93 :
- あかねの家に到着。
「おじゃましま〜す。」
彼女の部屋に招かれびっくりするまどか。
「な、なによ〜これ!増えてるじゃない!」
以前来た時より写真が増えている。
- 94 :
- 中でも、あかねと二人で『変顔』して撮った写真が大きく引き伸ばされている。
「ねえ、あれ恥ずかしいから剥がしてくれない?」
「ダメよ、あたしは気に入ってるんだから。」
「んもう。あれ?あれ何よ?」
10月の体育祭のリレーで綺麗なフォームでトップを走るまどかの姿が。
- 95 :
- 「あれ?あれね、恭介が撮ったやつ。現像して貰ったの。」
「恥ずかしいなあ〜。」
「いいのよ、あたしにも素敵な人が現れたら熱が冷めるんだから。」
そう言って、例の二人のことを思い出した。
- 96 :
- 少し頬を赤くして想いにふけるあかねに突っ込む。
「ねえ、ところで、たい焼きくんはどこに行ったのよ?」
「あ!待ってて、チンしてくるから。」
あかねはバッグから袋を出すと慌てて台所に行った。
- 97 :
- 間もなくして、ほっかほかのたい焼きとお茶をお盆に乗せて戻ってきた。
「待ってたよ!いただきま〜す!!」
まどかは二つに割って口に入れる。
あかねはそのままかぶりつく。
「おいしい〜〜!」
- 98 :
- ムフ〜と二人の顔が緩む。
やっぱりそこは女の子である。
二人でたい焼きを4匹平らげた。
「美味しかった〜。尻尾までちゃんとあんこが入ってるんだもん。」
「皮がパリッとしてて…あ!!」
- 99 :
- 「どうしたの?」
「…一也の分食べちゃった。」
「え〜〜!!やばいよ、それ。一也クン怒っちゃうよ!」
「ただいま〜!」
「うわっ、やばい!」
あかねは慌ててたい焼きの袋をゴミ箱に押し込んだ。
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