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2012年4月ニュー速VIP347: 吸血鬼「死神?」「ええ、まあ」 (187) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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吸血鬼「死神?」「ええ、まあ」


1 :12/05/05 〜 最終レス :12/05/06
「だからですね、感謝してるんですよ、おにーさんには」
吸血鬼「そうか」
「道ばたに倒れたままだったら、誘拐されていたかもしれません」
吸血鬼「そうだな」
「もしそうだったら、使い倒されて殺されていたでしょう」
吸血鬼「そうだな」
「でも、おにーさんが家に運んでくれた」
吸血鬼「そうだな」
「……」
吸血鬼「どうした?」
「……さっきから生返事ばっかりじゃないですか」

2 :
吸血鬼「悪い、ぼーっとしてた」
「……なるほど、未成熟な私の身体に見とれていたんですね」
吸血鬼「違うけど」
「ロリコンなんですね」
吸血鬼「違う」
「いいえ、欲情したんです! この!」
吸血鬼「……」
ばしんっ
「いたっ! ……ふふ、女の子を叩くなんて最低ですね」
吸血鬼「今のはお前が悪い」

3 :
うーん
一応上げ

4 :
「そうでしょうか?」
吸血鬼「どういうことだ」
「ロリコンでもないのに、見ず知らずのガキを助けたりしますか?」
吸血鬼「する」
「どうして?」
吸血鬼「面倒だから」
「……はい?」
吸血鬼「家の前で全裸のが倒れていたら、俺が警察に通報される」

5 :
ほうほう

6 :
「……一つ間違っていますね」
吸血鬼「?」
「ではありません。美です」
吸血鬼「……」
「……まあとにかく、私はあなたに心を許したわけではないんです」
吸血鬼「だろうな」
「納得してる場合じゃありません」
吸血鬼「はあ」
「あなたが私に害を成すんじゃないかと疑っているんです」

7 :
吸血鬼「こっちだって、家にあげただけで懐かれたんじゃ困る」
「それで、どうなんです?」
吸血鬼「……そうだな、今のところはないだろう」
「というと?」
吸血鬼「お前が犯罪者などの反社会的存在でなければ、危害を加えるつもりはない」
「信用できませんね」
吸血鬼「まあ、仕方ないだろうな」

8 :
「単刀直入に聞きます」
吸血鬼「ああ」
「おにーさんは……」
吸血鬼「俺は?」
「……怪しい薬の売人ではないですか?」
吸血鬼「……どうしてそうなる」
「だっておかしいんですよ」
吸血鬼「何がだ」
「私の体力がこんなに回復してるんです」

9 :


10 :
吸血鬼「寝てたら回復するだろう、普通」
「普通じゃないんです。回復しない体質なんです」
吸血鬼「体質って……」
「私に変な薬を注射したんじゃないですか?」
吸血鬼「してない」
「薬漬けにして奴隷にするつもりじゃ」
吸血鬼「絶対ない」

11 :
「じゃあ、一体何をしたんですか」
吸血鬼「……言わないと駄目か?」
「ダメです」
吸血鬼「……血を」
「はい?」
吸血鬼「血を与えた」
「……えっ」
吸血鬼「俺吸血鬼なんだ」

12 :
うんうん
いいよー

13 :
「ちょっと待ってください、どうしてこんなところに」
吸血鬼「……一族を追い出された、らしい」
「らしい?」
吸血鬼「捨てられてた俺を拾い育ててくれた人がそう言ってた」
「なんでそんなことに?」
吸血鬼「吸血鬼の中でも特異な体質でな」
「得意?」
吸血鬼「多分字が違う。まあ、変わり者ってことだ」
「へえ、私と同じですね」
吸血鬼「……は?」

14 :
「おにーさんはどんな吸血鬼なんですか?」
吸血鬼「えっ、お前も吸血鬼なのか」
「はい、ハーフですけど」
吸血鬼「……分かった、あまり聞かないことにする」
「別に気を使わなくていいですよ、迫害には慣れてますから」
吸血鬼「……そうか、悪いな」
「謝るなら、おにーさんのことも教えてください。それでおあいこです」

15 :
いいよーこれ
いいよいいよー

16 :
吸血鬼「……俺は……同族殺しなんだ」
「oh」
吸血鬼「いや、能動的にわけじゃない。むしろ過剰防衛的な体質だ」
「なら安心しました。私が殺されることはなさそうですね」
吸血鬼「その気もないしな」
「それでそれで?」
吸血鬼「俺の血には、他の吸血鬼を力があるらしい」
「えっ、それを私に与えたんですか」

17 :
吸血鬼「だってハーフでもヴァンパイアだとは思わなかったし」
「人間に与えてもいいものとは思えないんですが」
吸血鬼「人間と吸血鬼じゃ身体の構造が違うだろ」
「まあそうですけど」
吸血鬼「俺の血は、他の吸血鬼にはエネルギーが大きすぎる」
「だから殺してしまうと」

18 :
アニメ化決定!

19 :
吸血鬼「それが人間は、余ったエネルギーを垂れ流してしまうらしい」
「都合のいい解釈に聞こえますけど」
吸血鬼「吸血鬼は下手にキャパシティが大きいってことだろ」
「なるほど、うっかり溜め込んでしまうんですね」
吸血鬼「お前も人間に近いってことか?」
「いえ、私が死ななかったのは、別の理由だと思います」

20 :
吸血鬼「別の理由?」
「私の体質です」
吸血鬼「さっきも言ってたな、体力が回復しないって」
「はい、私は、自分の体内でエネルギーをつくれないんです」
吸血鬼「じゃあ全て他から摂取する必要があると」
「ええ、具体的には『吸血』です」
吸血鬼「それは普通の吸血鬼でも同じだけどな」

21 :
「呼び名こそ同じですが、行為は全く別のものです」
吸血鬼「噛み付くんじゃないのか?」
「一応できますけど、もっと簡単な方法をとります」
吸血鬼「それは?」
「触れることです」
吸血鬼「……! 触れるだけで?」
「はい。それが、私が『死神』と呼ばれ、迫害された理由です」
吸血鬼「死神?」
「ええ、まあ」

22 :
いいよー
映画化もあるよー

23 :
「生まれつきこの体質のせいで、周りの吸血鬼を次々に殺してきたんです」
吸血鬼「それでコミュニティを追われた、と……」
「何しろ両親まで殺してしまいましたから」
吸血鬼「なるほど……俺と同じだな」
「へえ、おにーさんもですか」
吸血鬼「今こうして生きてるのも、奇跡みたいなもんだ」
「そうですね」

24 :
吸血鬼「つまり……」
「はい、エネルギーはいくらあっても足りないんです」
吸血鬼「結構やったのにか?」
「いえ、今は割と安定してます」
吸血鬼「どれくらいの持ちそうなんだ?」
「二、三日ですかね」
吸血鬼「そうか……ところで、さっきから気になってたんだが」
「なんですか?」
吸血鬼「なんでお前未だに全裸なんだ」

25 :
「暑いんです」
吸血鬼「今四月なんだが」
「服とか邪魔なの」
吸血鬼「それはただのだ」
「冗談です。お金ないんですよ」
吸血鬼「……お前、何歳なんだ?」
「見た目のままです。おにーさんは?」
吸血鬼「俺もだ。……そうか、その年で……」
「え? ロリが好みですか?」
吸血鬼「そういう話じゃない」

26 :
いいよー
なんで伸びないのかわからないけどいいよー

27 :
「別に大してしんどくもなかったですよ」
吸血鬼「でも、ハーフヴァンパイアで、親もいないんじゃ……」
「野犬狩ったり通行人から吸ったり」
吸血鬼「うわあ」
「殺しはしませんよ。でも、私だって命がけですから」
吸血鬼「まあそうだけど」
「これからもそうしていくつもりだったんですけどね」

28 :
ケータイとPCで自演してないか?

29 :
吸血鬼「だった? そういえば、なんでこんなところで倒れてた?」
「ハンターに襲撃されたんです」
吸血鬼「ハンター? 近くにいるのか?」
「ええ、応戦したんですけど、力尽きて」
吸血鬼「……そういうことか。で、どうするんだ?」
「え?」
吸血鬼「このままじっとしていたら、ハンターに殺されるだろ」
「そうですね……」

30 :
支援する。全裸で。

31 :
>>28
必死チェッカーにかけてみろよばーか^^

32 :
吸血鬼「例えば、戦って勝ち目はあるのか?」
「厳しそうです。『吸血』が効かなかったので」
吸血鬼「なんだと?」
「魔法具か何かですかね。ハーフには効力が薄いだろうと思って、油断していました」
吸血鬼「なるほど……分かった」
「?」
吸血鬼「お前、うちに住め」

33 :
「いきなり何言ってるんですか?」
吸血鬼「俺の血はエネルギーが大きすぎるって話しただろう」
「はい、だから他の吸血鬼は死んでしまうと」
吸血鬼「でも俺は死なない」
「!」
吸血鬼「大量のエネルギーと、キャパシティがあるわけだ」
「おお」
吸血鬼「というかむしろない」

34 :
「そうなんですか」
吸血鬼「だから、俺が用心棒になれば、お前は安全というわけだ」
「それはありがたいんですけど、なんでそこまでしてくれるんですか?」
吸血鬼「いや、全裸のをほっぽり出すわけにもいかないだろう」
「美です」
吸血鬼「……まあ、境遇が似てるから……」
「放っておけないと」
吸血鬼「ああ」

35 :
「……同情するな、と言いたいところですが。まあ、ひとまずお言葉に甘えることにします」
吸血鬼「そうか」
「ハンターをやり過ごしたら、その後のことはまた考えます」
吸血鬼「分かった、じゃあよろしく」
「よろしくお願いしますね、ロリコンのおにーさん」
吸血鬼「違う」
「いいえ、絶対ロリコンです」
ばしんっ
「うっ……顔はやめてください」

36 :
ほうほう

37 :
吸血鬼「お前が悪口を言わなければ俺だって叩かなくて済む」
「だからって顔じゃなくてもいいじゃないですか」
吸血鬼「尻ならいいのか?」
「そうじゃなくて……ああもう鼻血出てきた」
吸血鬼「……」
「……何してるんですか?」
吸血鬼「え、お前の鼻血舐めてるだけだが」
「……やっぱりですね、ちょっと本気で引きました」

38 :
翌朝
「おなかすきました」
吸血鬼「昨日は二、三日もつって言ってたじゃねえか」
「誰かさんのせいで鼻血出したから消耗したんです」
吸血鬼「それは悪かった、おわびに抱きしめてやる」
「ちょ、やめてください!」
吸血鬼「そう嫌がるなよ」
「やっぱりですね!」
吸血鬼「ああ、もうのロリコンでよくなってきた」

39 :
実写で!実写で!

40 :
「はあ……はあ……」
吸血鬼「殴られた」
「自分だって叩いてるでしょうが!」
吸血鬼「……で、回復したか?」
「え? ……あ」
吸血鬼「触れるだけでいいんだろ?」
「はい……ありがとうございます」

41 :
吸血鬼「それにしても、やけにあっさりと信じたな」
「何がです?」
吸血鬼「俺が吸血鬼だって」
「そりゃあ二度も回復してますから。それでおにーさんはピンピンしてますし」
吸血鬼「なるほど」
「むしろおにーさんこそ私を
疑わないんですか?」
吸血鬼「別に。疑いも信じも」
「え?」
吸血鬼「どっちだとしても俺に実害はないから」

42 :
「なんかムカつきますね」
吸血鬼「証明もできないだろ」
「噛んであげましょうか?」
吸血鬼「やめてくれ、冗談だから」
「え、冗談なんですか」
吸血鬼「触れたときに吸われてるのは分かるから」
「なるほど」

43 :
吸血鬼「飯はいらないのか」
「エネルギーならもらいましたから」
吸血鬼「とはいえ自分一人で食べるのも心苦しいな」
「遠慮しなくていいですよ、テレビ見てますから」
吸血鬼「そうか」
「ところでおにーさん」
吸血鬼「なんだ?」
「今午前10時ですけど」

44 :
吸血鬼「あー、ワイドショーはつまらないか?」
「そうではなくて、出かけないのですか?」
吸血鬼「出かけないけど」
「……もしかしておにーさん」
吸血鬼「なんだよ」
「……NEETですか?」
吸血鬼「違う」
「じゃあなんでふがもが」
吸血鬼「それ以上言ったら叩く」

45 :
支援

46 :
「ぷは! だって学校にも働きにも行かない人は……!」
吸血鬼「いくら死ななくても日中は出歩けない」
「おっと……おにーさんは純血でしたね」
吸血鬼「ハーフなら日光耐性もあるのか?」
「それなりには」

47 :
支援

48 :
吸血鬼「第一、俺が出かけたらお前また一人だろうが」
「そうでした」
吸血鬼「仕事は家の中でか、夜してる」
「傍目には無職にしか見えないですね」
吸血鬼「ご近所でも評判だよ」
「夜型だから朝も遅いんですね」
吸血鬼「そういうことだ」

49 :
「ではその仕事のときにはいっしょについていくと」
吸血鬼「ああ、ハーフでも空間転移くらいできるよな?」
「エネルギーと座標指定さえあれば」
吸血鬼「手をつないでれば問題ないだろう」
「昼間の仕事は?」
吸血鬼「まずは家事だ」

50 :
「……これは」
吸血鬼「一週間分の洗濯物だ」
「なんでこんなに溜めたんですか」
吸血鬼「一人暮らしだから」
「今日から三日ごとにします」
吸血鬼「えー」
「これでも全然少ないです」
吸血鬼「量は変わらないのに」

51 :


52 :
「洗い物が……」
吸血鬼「面倒だから放置してたらこうなった」
「どこまで面倒くさがりなんですか!」
吸血鬼「ゴミ屋敷の主に比べればマシ」
「比較対象がおかしい!」
吸血鬼「あいつらも昼間は家にこもるじゃん?」
「それくらいしか共通点ないでしょうに……」

53 :
数時間後
吸血鬼「おー、きれいになった」
「疲れました……」
吸血鬼「回復する?」
「いや、抱きつかなくていいです、手で充分です」
吸血鬼「ちっ」
「本格的に化してきた?!」

54 :
吸血鬼「冗談だ」
「冗談に聞こえませんよ……」
吸血鬼「さて、手伝ってもらって家事も一通り済んだ」
「半分以上私がやりましたけどね」
吸血鬼「というわけで俺は夜まで寝る」
「寝すぎです」

55 :
「だいたい今朝も昼前まで寝てたじゃないですか」
吸血鬼「誰かさんの世話で睡眠サイクルがだな」
「むー……」
吸血鬼「怒るなって。いっしょに寝るか?」
「…………はい」

56 :
こ、こいつ・・速い・・ッ!

57 :

吸血鬼「夜だ!」
「いぇい!」
吸血鬼「吸血鬼の時間だ!」
「きゃっほう!」
吸血鬼「バリバリ働くぜ!」
「ぜー!」
吸血鬼「……」
「……」
吸血鬼「なんでこんなハイテンションなんだ」
「さあ」

58 :
吸血鬼「とりあえずなんか着ろ」
「服無いんですってば」
吸血鬼「ほれ、俺の貸してやる」
「裸ワイシャツ……マニアックですね」
吸血鬼「パーカーもあるけど」
「いえ、これをお借りします」

59 :
吸血鬼「*******」
しゃらん……
吸血鬼「****」
きゅうん……ぽんっ
吸血鬼「できた」
「簡易魔法陣ですか」
吸血鬼「それほど得意じゃないんだ」

60 :
「そんなに強いのに?」
吸血鬼「戦ったことないだろ、お前とは」
「おにーさんの話を聞く限りではかなりのスペックですけど」
吸血鬼「ああ、同族殺しとか言っても、普通の吸血鬼のような技の強さじゃないから」
「その血の力ですか」
吸血鬼「そうそう、CPUでブン回す感じ」
「このクアッドコアが!」
吸血鬼「罵倒が斬新すぎて意味分からん」
「それで、行き先はどこです?」
吸血鬼「協力者がいてだな、そいつの家に。女だからそんなに心配すんな」
「もしかして彼女とか?」
吸血鬼「そういうのじゃない」
「ああ、ロリコンですもんね」
吸血鬼「また叩くぞ」

61 :
「叩いてから言う台詞じゃありません」
吸血鬼「顔じゃないからいいだろ。馬鹿なこと言ってないで行くぞ」
「はーい」
吸血鬼「ほら、手を握って」
ぎゅっ
吸血鬼「ーーーーーー」
きゅるるるるる……

62 :
ぱちんっ
吸血鬼「よし、着いた。こんばんはー」
研究者「いらっしゃい。じゃ、今夜もよろしく……あれ、その子は?」
吸血鬼「いろいろありまして。拾いました」
研究者「手出しちゃだめよ」
吸血鬼「出しませんよ」
「おねーさん、この人やっぱりロリコンなんですか?」
研究者「うん。だって私に欲情しないし」
吸血鬼「あんたらまず挨拶しろ」
「こんばんは、おねーさん」
研究者「こんばんは。それじゃ吸血鬼くん、早速仕事」
吸血鬼「採血からですか?」
研究者「うん、これに二三本」
吸血鬼「この注射器使っていいですか?」
研究者「いいよー」

63 :
「何してるんですか?」
吸血鬼「見ての通り。加工して裏ルートに流すんだって」
研究者「海外の軍とかね。ぼろ儲けだよ」
「嫌な仕事ですね……」
吸血鬼「そうか? 楽してお金が手に入る、この上なくいい仕事」
「さいですか……」
研究者「子供がそんなに気にすることじゃないよ。これ食べる?」
「キャンディーは好きです、いただきます」

64 :
「でもまさか、仕事ってそれだけじゃないですよね」
吸血鬼「もちろん。この家の家事を」
研究者「私生活能力ないからねー」
「ないにも程があるでしょう……」
吸血鬼「ひどいもんだよ、一晩かけてきれいにしても、一日でこの状態に元通りなんだ」
「おにーさんが自分の家の家事がはかどらないのも分かる気がします」
吸血鬼「だろ?」

65 :
数時間後
「やっと終わりましたね……」
吸血鬼「ああ。手伝ってくれてありがとうな」
「いえ、養ってもらう身ですから。当然のことです」
研究者「お疲れー。もう帰って大丈夫だよー」
吸血鬼「了解。少しでいいから寝ておけよ」
研究者「気が向いたらねー」

66 :
おもしろくない

67 :
>>62
えっ

68 :
ぱちんっ
「ふう。絵に描いたような研究者さんでしたね」
吸血鬼「そうだな。出会ったときからあんな感じだよ」
「どうやって知り合ったんですか? 二人とも引きこもりなのに」
吸血鬼「おい……まあ、育ての親の紹介だ」
「一体どういう人物なのでしょうか……」
吸血鬼「うーん……まあ、普通だよ」

69 :
この前立ってた「大掃除してたらが出てきた」ってスレを思いだした

70 :
いいよー
そして速いよー

71 :
吸血鬼「さて、寝るか」
「またですか?」
吸血鬼「もう朝だろ、眠くて起きてられない」
「根性ないですね……」
吸血鬼「お前が元気すぎるんだよ」
「ハーフですから」

72 :
波の無いSSだな

73 :
>>62
ここだけIDが前日

74 :
……
吸血鬼「……ふわあ…………」
「起きましたか」
吸血鬼「ん、おはよう」
「おはようございます。ご飯食べますか?」
吸血鬼「料理できたのか」
「まあそれなりに」
吸血鬼「……」
「どうしました?」

75 :
吸血鬼「……目玉焼き焦げてる」
「すいません……ちょっと眠くて」
吸血鬼「……エネルギー、減ってきたのか?」
「ええ、ちょっと……」
吸血鬼「早く言えよ、いつでも分けられるんだから」
「それは……」
吸血鬼「何だよ」
「……ちょっと、恥ずかしくて」

76 :
吸血鬼「……分かった」
「え?」
吸血鬼「えい」
ぎゅー
「あ……」
吸血鬼「今度から、俺がしたいときにこうする」
「したいときって……」
吸血鬼「一日二回で充分だろ」
「おにーさん……」

77 :
「……やっぱり、ロリコンなんですか?」
ぱしんっ
「……また顔を」
吸血鬼「軽くしただろ。それよりどうだ?」
「抱かれ心地ですか? 手つきがいやらしいです」
吸血鬼「体力のことだ」
「割と楽になりました。ありがとうございます」

78 :
さっさといれろよ

79 :
吸血鬼「俺がやりたくてやることだからな。気にすんな」
「……ふふ」
吸血鬼「ところでさ」
「どうしました?」
吸血鬼「なんでまた裸なんだよ」
「エプロンつけてるじゃないですか」
吸血鬼「ハグが恥ずかしくて裸が平気って……」

80 :
そんなこんなであっという間に一週間ほどたった
寝て起きて飯食ってハグして家事して採血して寝るの繰り返し
極めて平穏だった

81 :
吸血鬼「ハンターだっけ、何の動きもないな」
「多分、おにーさんが怖くて近づけないんだと」
吸血鬼「……そんなに怖い?」
「蝙蝠を使って、会話を聞かれてたんだと思います。おにーさんが同族殺しだって」
吸血鬼「ん? そのハンターって……吸血鬼?」
「ええ、言わば奴も同族殺しです」

82 :
吸血鬼「吸血鬼がハンターって……」
「いなくはないですよ」
吸血鬼「そうなのか」
「このままあきらめて退散してくれるといいんですけど……」
吸血鬼「じゃあ、それまで気長に待とう」
「そう、ですね」

83 :
まあそう簡単には行かなかった
「……××市内で血液を抜かれた死体が発見され……」
「……首元には噛み傷のようなものがあり……」
「……警察は吸血鬼を模した愉快犯と見て……」
ぴっ
吸血鬼「そんな……」
「……」
その夜、脅迫状が届いた
『死神を引き渡せ、さもなくば二人目が出る』、と

84 :
「……私のせいです」
吸血鬼「そんなことはない」
「あります……私を殺せないから、奴は一般人を……」
吸血鬼「それはあくまであいつ自身の犯罪だ」
「……動機の根本は私です」
吸血鬼「……」

85 :
「……私が……出向きます」
吸血鬼「駄目だ」
「そうすれば奴は街を去ります」
吸血鬼「お前はどうするんだ」
「この街の全員を人質に取られた以上、私に勝ち目はありません」
吸血鬼「なら俺が……」
「おにーさんが?」

86 :
しえ

87 :
吸血鬼「俺が奴を仕留める」
「相手はハンターですよ? いくらおにーさんでも、対吸血鬼用武器を使われたら、無事ではないはずです」
吸血鬼「それを言ったら俺だってこの体質がある、最悪でも刺し違えられる」
「馬鹿言わないでください、私なんかのために、おにーさんが傷つくなんて……」
吸血鬼「……お前を家に上げた時点で、もう他人事じゃねえよ」
「それでも……」

88 :
吸血鬼「分かった、二日だけ待ってくれ……その間に方策を考える」
「……」
吸血鬼「……駄目か?」
「……分かり……ました…………」
吸血鬼「……とりあえず、今日は大人しくしてよう」
「……はい」

89 :
ぷるるるる……
「……おかけになった電話は……」
吸血鬼「……繋がらない、か……」
敵は待ってくれなかった
「……先日と同様の手口で……」
「……」
吸血鬼「…………済まない……」
『次は三人目だ』
……言われなくとも、分かっていた

90 :
「……今日はもう、寝ましょう」
吸血鬼「そう、だな……」
「……おやすみなさい」
吸血鬼「……おやすみ」

91 :
吸血鬼「…………すぅ」
「……」
「…………」
「………………」
むくり
「(ごめんなさい、おにーさん……さようなら)」

92 :
あと5レス以内にズッコンバッコンしてなかったら閉じるわ

93 :
たったったっ……
「(これ以上死ぬのは私一人でいい)」
「(これ以上迷惑はかけられない)」
『……まあ、境遇が似てるから……』
『……で、回復したか?』
『今度から、俺がしたいときにこうする』
「……」

94 :
「(やっぱり)」
「(同情なんか受け入れるんじゃなかった)」
「(こんな気持ちになるなら……)」
「(私のせいで二人も死んだのに)」
「(それでもまだ頼りたくなってしまう……)」
「(私は他人を不幸にする『死神』なのに……)」

95 :
「……」
「……馬鹿野郎」

96 :
>>17
944
>>28
6736
4231
22262

97 :
「……」
「……さあ、来ましたよ」
ハンター「やあ、やっと会えたねえ」
「卑怯な手を使ってくれましたね」
ハンター「それが僕の仕事だからなあ」
「……なら、終わらせましょう」

98 :
「私だってただ殺られる訳にはいきません」
ハンター「だろうねえ」
「覚悟してください」
ハンター「覚悟ならもう済ませてあるよ?」
「なら死ぬのも簡単でしょう」

99 :
ひゅうん……
がっ……!
「くっ」
ハンター「相変わらずいいパンチだねえ」
ハンター「まあ、吸えないなら意味がないけど……ねっ!」
どごぉっ!!
「ぐあっ!」
ハンター「ん? 腹蹴っただけでKO?」

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