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学園都市TRPG


1 :11/09/18 〜 最終レス :12/04/21
テンプレ貼ってやろう

2 :
やりましょう

3 :
あろうほ

4 :
やろうず

5 :
あおうう

6 :
は?

7 :
統一世界歴100年。
文明は過渡期を迎え、あらゆる閉塞の果てにいつしか天変地異が起きる。
世界の異常が確認されたのは15年前にもなるだろうか?
魔力を生まれつき能力として有している。
悪魔の力に覚醒する。
デビルチルドレンと言われる種類の子供たちが続々と生まれ始めたのだ。
そして悪魔の力を当たり前のように使える事への危惧は現実のものとなり
世界各地で引き起こされる悲劇に、世界ガイア教会は一つの決定をなす。
学園都市の開設!
全てのデビルチルドレンを学園都市に集め学ばせるのだ!
己の中の悪魔を抑制する術を!

8 :
テンプレ
名前
性別
年齢
髪の色
瞳の色
容姿
備考
好きなもの
嫌いなもの
うわさ@
うわさA
魔人化後の能力
(デビルチルドレンの中には変身ヒーローのように悪魔に変わる子もいるようです)
抑えられない衝動
(デビルチルドレンは生まれつき良くない癖を持っています。例外もありです)

9 :
学園都市の周辺にはトライブ(族)と言う、学園から逃げ出し、完全に悪魔化した子供達がいます
彼等の中には仲魔を喰らい、力を増幅させ、強力な力を手に入れた者もいるみたいです
参加者の皆さんはデビルチルドレンとしてでも良いし
生徒たちを導く先生役、見守る街の住人、はたまた凶悪なトライブとして
気楽に自由に参加して下さって結構です
どうかよろしくお願いいたします

10 :
鳥も付けずキャラもださずじゃ

11 :
フィジルのパクリじゃん

12 :
フィジルの厨二バージョンみたいで面白そう

13 :
大学卒業後、楽だからってズルズルとフリーターを続けてたら
                                                        
いつのまにか三十路手前になってしまい、おまけにバイトをクビになってしまった。
                                                        
                                                        
                                                        
そんなわけで10年続けてきた一人暮らしをやめて、実家に戻ったのだが
                                                        
なにせ実家は四国という田舎である。都会以上に求人数は少ない。
                                                        
正社員はおろか、アルバイトですらなかなか見つからない。
                                                        
                                                        
                                                        
一方、3歳年下の妹は看護学校を出て、地元の県立病院で真面目に働いている。
                                                        
実家住まいだから家賃代わりにと毎月10万円を両親に渡している。
                                                        
俺は両親に無心することはあっても、実家にお金を入れるなんてしたことなかったのに。
                                                        
自分が情けなくなって、死にたくなった。
                                                        
                                                        
                                                        
そんなとき、妹が気分転換にとドライブに誘ってくれた。
                                                        
ガチの俺は妹とはいえ、女と二人でドライブするのがやけに楽しくて
                                                        
昔話やら一人暮らしの頃の話をして盛り上がっていた。
                                                        
                                                        
                                                        
それで話の流れで「おまえは結婚はしないのか? つきあってる男はいないのか?」
                                                        
と聞いたら「無職の兄が家にいちゃあ、結婚したい相手がいてもできないよ」と言われた。
                                                        
                                                        
            
「……小さい頃は俺がおまえのことを守ってやるって言ってたのに、今じゃただの邪魔者
だよな。ごめんな、ダメな兄ちゃんで……」
「でも、まぁ、二人だけの兄妹だし、いざとなったらお兄ちゃんをお婿にしてあげようか?」
そう言って笑い飛ばしてくれた妹の言葉は嬉しかった。
そして家に帰った俺は妹を犯すシーンを想像しながらーして寝た。

14 :
いいコピペあるよお兄さん
ttp://copipe.cureblack.com/

15 :
>>7-9
サンプルキャラ投下希望
即興で二人ほど考えてみたけど世界観に合うのかわからん

16 :
>>10
そうですね。書いてみます
>>11
フィジルは尊敬しています
>>12
ありがとうございます
>>15
サンプルです。テンプレは、すべてを埋めていただかなくても結構です
名前 シュナ・オルム
性別 男
年齢 16
髪の色 黒
瞳の色 茶色
容姿 学生服姿
備考 ストレスを溜めやすい性格。どこか影がある
好きなもの りんご
嫌いなもの 束縛
うわさ 警察官だった両親は謎のデビルチルドレンにされたらしい
・平常時(人間状態)の能力『物体膨脹』
一度、触れた物を任意で大きくすることが出来る
・魔人化後『オルムルム』
黒い甲殻に全身が覆われ銃撃などが効き難くなる
パンチ力は3dくらい
・抑えられない衝動
常に束縛されたくないという衝動に駆られているシュナは
学園生活に大きな不満を持っている
・魔人化は一日に一回、数分程可能だが、限界を超えると人間に戻れなくなり完全な悪魔となってしまう。
理性を失った悪魔はガイア協会によって狩られてしまうだろう

17 :
◎世界観は近未来っぽい感じです。銃を売っている店もあるし、おでんの自販機もあります
世界中からデビルチルドレンを集めているせいか、
都市には神社や教会などが建てられていて文化の坩堝となっています
(あくまでも予定です)

18 :
しつもーん
女神転生デビルチルドレンとは何か関係あるんですかー
いや、デビチルさっぱり知らないからもしそうだったら参加しにくいなって

19 :
デモンパラサイトみたいな感じなのかな?

20 :
名前 ニト・フーダ
性別 男
年齢 24
髪の色 錆の様な赤茶色
瞳の色 ブラウンとレッドの判りにくいオッドアイ
容姿 白衣ならぬ黒衣を纏っている。
   やや長めの髪を後ろで纏めており、無精髭を生やしている
備考 学園の体育教師 基本的に仕事に対してやる気が無い
好きなもの 美人 ナナイタ草(どくだみに良く似た性質の植物)の茶
嫌いなもの 小賢しい子供
うわさ1「『漆黒の王(ダークネスキング)』と呼ばれる、裏社会で恐れられる最強の戦闘屋」
     ……という設定で過ごしていた時期があり、その当時の事を指摘されると
     恥ずかしさで「うわあああああああ!!」となるらしい
うわさ2 彼の右の眼球は、死んだトライブのそれを移植したものである
・平常時(人間状態)の能力
『戦闘技能』
銃火器から重火器、刀剣類、徒手空拳まで、おおよそ武器と成り得る物ならば
効果的に扱う事が出来る。尚、これは能力ではなく彼が磨き上げた技術である
・魔人化後『ダエモヌム』
目視された者は、ニトの姿がその者が「最もしたくない存在」に見える
更に、その相手は常に5秒前のニトの姿しか認識出来なくなる
・抑えられない衝動
軽度の氷食症
はいはい参加参加っと

21 :
相手の認識を歪めちゃう系の能力ってどうなの
正直言って最強スキルな上に加減が出来るようなものでもなさそうだけど
数分間も相手の五秒前の姿しか見えなかったら確実にぶっされちゃうよね
まさかこれからの参加者全員に何らかの対策スキル持たせる訳にもいかないと思うんだけど

22 :
>>21
教師だからそう簡単に生徒に負けないようにしようと思った(キリッ)
というか、そもそも能力者じゃあるまいし五秒で人はせないだろjk……
うん、でもおまいさんの言ってる事も一理あるとも思う
とりあえず、5秒から1秒に減衰するのはどうだい?
致命傷かと思ったら急所は外れていた的なのを実践できる感じで

23 :
能力者じゃないのに魔人化?
移植の影響?
ニトが対象を見たらアウトではなく、ニトの「何か」を対象が見たらの方が幅が広がりそうだよ
「何か」は秘密でいいと思う

24 :
>>23
表現悩んだけどテンプレっぽいからそのまま書いた
本物の魔人化というよりは、ただ特殊能力が
発動出来るようになるって考えてくれたまえだぜ
ちなみに発動できるようになった原因は移植の影響でFA
視認遅延は自身が視界に捕らえたら
容姿誤認は他人が所持品(?)を見たら
にしようかね
身体能力は人間だから、視認遅延まできつい制約かけると即死の予感がするんよ

25 :


26 :
それ逆の方が、っていうか能力もうちょっと変えた方がいいんじゃないの?
>>16のテンプレ見てみなよ。普段の能力なんて触れたものを大きくする程度だよ
一秒間遅れて認識させるにしたって武器使いでしょ?
相手を見てからすぐに銃抜いて撃ちして、それくらい一秒で済ませられちゃうよね
発動したら即座に相手をせる可能性がある能力って、そりゃマズいと思うんだ
のっけから魔人化して戦わなきゃ即死させられるかもって能力を、本当にちゃんとコントロール出来るの?

27 :
まーまーせっかくの参加者なのに出だしから名無しが文句つけても仕方がないだろ
スレ主のシュナさんの判断一つで決まる事だからここで騒がないのがスレの為だと思う

28 :
>>26
だから、おまいは銃をどんな兵器だと思ってるんだw
1秒で即死させる箇所を狙った射撃なんて無理だよ!
冴羽涼とかゴルゴ13の領域だよそれは!
あと、魔人化しないと対処できないっていわれても
こいつのこの能力は他のキャラの魔人化と同じく切り札なんだぜ
それが他キャラ未満じゃないといけないって言われるのはちと寂しい
そも、なな板のTRPGで
雑魚NPC以外の相手を即死させる
のっけから切り札全開で襲い掛かる
って発想自体がまずおかしいと思うぜい?
おまいが過去にどんな同僚と絡んだかは知らないが、
少なくとも俺はそんなロールはしたくないし、やらないつもりさ!
安心してくれ!
……けど、それでもおまいさんがどうしても不安で
憤懣やるかたないって言うなら、更に能力を縛ってもいいと思ってる
遅延の発動限界時間
その継続時間は数分ではなく5秒間のみ
容姿誤認はなし
これでどうだい?

29 :
うーん、テンション上げすぎた書き込みになった気がする
一回頭冷やして能力考え直してみるかぁ……

30 :
>>28
いえ、こっちが悪かったです
そこまで言わせておいて更に文句を付けるなんて真似は出来ません
能力の縛りは最初のままでもいいと思います
でも一つだけ誤解を解かせて欲しいんです!
自分が心配したのは
「瞬狙いの厨ロール」ってのも勿論ありますけど
「やろうと思えば瞬出来るかもな能力保有者に、どうやってそれを使わせないか(中の人的な意味で)」ってのもあったんです
とは言え余計なお世話だったようで、本当に申し訳ないです

31 :
名前 アルベ
性別 女
年齢 13
髪の色 緑の黒髪
瞳の色 鈍い赤色
容姿 矢絣の着物に袴をはいた女学生風のいでたち
    背中まで伸びる髪はきれいに切りそろえてある
備考 「おとら」という名の優麗な日本人形を常に抱いている。アルベにとって彼女は姉であり母であり友達である。
    アルベは終始こそこそとおとらに話かけている。おとらも非常にお喋りな性質である。
    なおアルベがおとらの声を出しているのか、人形が勝手に喋っているのか、端から見ても判断はつかない。
好きなもの 身内の者 綺麗な服や布、装飾や人形
嫌いなもの その時気に食わないもの 感動的な話
うわさ@ 生き別れの父と母をさがしているらしい
うわさA 残忍な性癖があるらしい
・平常時(人間状態)の能力
『隠線傀儡』
自分の視線に入っているものを数秒〜数十秒意のままに操る
操れる時間や精度はアルベの傀儡の技能による。慣れたものなら多少長く、複雑なことは難しく。
人間や動物など意思を持つものは睡眠、気絶など意識的に抵抗できない場合に限り、操れるときがある
・魔人化後の能力
『マノス』
人の形をしたものを魔形化して戦わせる。
生物を能力の対象と出来るかは不明。したことはないし、今後も機会はこないだろう。
・抑えられない衝動
自分の心の拠り所である人形がそばにないと、とてつもない不安に苛まれる
参加したいな。……するね?

32 :
>>30
でもニトさんの能力って肉体強化とか無いんだよね
だから生身相手なら確かにアドバンテージはあるけど
魔人化した相手だと火力不足で必ってわけにはいかないんじゃないか?

33 :
嫌韓厨って生きてて恥ずかしくないの?ねえ。お前の事だよ、お前の。聞いてる?                             
                                                                                
在日発見?サヨク来たー?あのねえ、俺はそう言うレベルの話してるんじゃないの。                        
                                                                                
ただ、いっつも韓国を馬鹿に・・・。え、何?言いたい事があるの?うん、じゃあ話を聞こうか。                    
                                                                             
「技術大国の日本に比べて、韓国は技術もなく手抜き上等の癖に傲慢な野蛮人w」?                         
                                                                            
「日本の素晴らしい教育で識字率は世界有数!それの比べて自称先進国のお隣はww」?                       
                                                                                 
その通り。日本は素晴らしい国だよ。それは今さら言うまでもない。                                    
                                                                   
でもさ。お前、その素晴らしい日本にする為に何かひとつでも貢献したの?                                  
                                                                     
なんかの新技術でも開発したの?製品の規格の法整備でもをしたの?教育制度もお前が作ったの?               
                                                                                
ねえ、何もしてないくせに勝手に自慢しないでくれる?キショいからさ。                                    
                                                                               
そうだ、お前なんか人に自慢できるものとかないの?地位とか、学歴とか、収入とかさ。                       
                                                                         
え?え?何も無いの?ただ、「日本人」ってのだけがアイデンティティー最後の砦?                          
                                                                             
「日本人」ってのにぶら下って生きてるだけ?えー、やめてよ。正直、「日本」も君みたいなのは邪魔なのよ ね。       
                                                                                  
確かに日本は偉いし多くの日本人も立派。彼らのおかげで日本の繁栄がある。                        
                                                                   
でもお前はそれを食いつぶしてるだけなのよね。                                        
                                                                   

34 :
>>18
デビチルとは関係ありません
冒頭の文章ではフィジル魔法学園という別スレをパクっていますが、
一応はオリジナルな世界です。
デジタル・デビル・サーガなどのゲーム作品からは、少なからず影響を受けていますけど。
>>19
はい。ぐぐってみたらかなり近い世界だと思います。
ただ、何故人間が悪魔化するのかは不明というか、まだ理由が決まっていません
学園都市では、学生の日常と能力バトルが主になると思います
◎先のことはわかりませんが、このスレは四日ルールを採用したいです
レスの投稿は週一ペースくらいがちょうど良いかなと考えています
一話3〜4ターンで終了予定です。
>>20ニトさん
ありがとうございます。氷が好きなのですね?
鉄分が足りてないのかな?
能力はニトさんのさじ加減にお任せします。
よろしくお願いします!
>>30
ニトさんの能力の扱いかたは、オレも楽しみです
>>31アルベさん
ようこそおいでくださいました!
ぜひぜひ参加してください!
女の子キャラはスレに花が咲いた感じがして良いですねw

35 :
オレの名は、シュナ。
名前を聞けばわかると思うが、男だ。
そして、名前を聞いても分からないと思うが、デビルチルドレンだ。
デビルチルドレン?そんなもの知らない?
いや、それはわかっている。わかってるさ。
オレだって自分が何者なのかはわかんねーんだから。
第一章『怪盗角砂糖と学園の謎』
二学期初日の昼休み。オレは第二校舎の屋上で昼食中。
フェンスの網に額を張り付かせ、水たまりの氾濫した校庭を眺めている。
夏の終わりに降り止まぬ小雨。そのせいか、少し肌寒い。
そんで今日のオレの弁当は、中身の無いジャンボおにぎりが1つ。
おかずは無い。こっちも寒いな。
まー男子高校生が自分で作っているのだから仕方ない。という事にしておいて貰おう。

36 :
オレは塩味の効いたおにぎりを、震えながら野武士のように頬張っていた。すると―
――ぴんぽーんぱーんぽーん♪
と校内放送。
―ふー、ふーッ
鼻息が荒い。マイクに近づき過ぎだろ。誰だよ。
―じゅる…ずびーっ!
汚ね!鼻をすするな!
「ごきゅ。拙者の名前は怪盗角砂糖。
明日の午前0時に学園の守り神を盗むでござるぞ。
以上。怪盗角砂糖でございました」
モザイクのかかった声が学園全体に鳴り響く。
いたずらか?
明日の午前0時って今日の夜か?ん?わかんねーな。
まあいいや。
(訂正:第一章じゃなくて第一話です。すんません)

37 :
参加希望です
名前  シャルル・ロッテ
性別 女
年齢  25
髪の色  ピンク
瞳の色  黒
容姿 ファンシーな魔法使い風のローブ
備考 学園の博士課程に在籍・高等部以下の生徒相手に講師もやっている。
  生徒達からは『お菓子の魔女』として親しまれている。
好きなもの  お菓子 でも一番好きなのはチーズ
嫌いなもの  誰かがトライブ化すること
うわさ@  デビルチルドレンについて研究しているらしい
うわさA  魔人化すると人格が変わり、超残虐になるらしい
平常時(人間状態)の能力
お菓子を自由に作り出す。主な戦術はパイ投げ
魔人化後の能力 『エホウマキ』
漆黒の翼が生え、髪とローブも漆黒に変化。
主な戦術は巨大な鎌を振り回しての首チョンパ。
抑えられない衝動
チーズを見ると食べずにはいられない。

38 :
デビルチルドレンの上限年齢何歳?
テンプレでは15歳くらいだと思ってたけど
それから学生の年齢枠は?

39 :
>38
上ですでに24歳が出てるからあんまりこだわらなくていいのかなと思いました。
ただの学園じゃなくて学園「都市」なので各種施設が併設された大マンモス校を思い浮かべた次第です。
いずれにしても決定権はスレ主にあるので、シュナさん御判断をお願いします。

40 :
濡れたブーツで床を擦るようにして、アルベは見知らぬ長廊下を歩いていた。
青い着物に黒袴をはいて、腕には大事そうに見事な日本人形を抱いている。
切れ長の目は涼やかな中に、ほのかな愁いといたずらっぽさをたたえていて、みずみずしい唇は白い肌に紅をさしたように鮮やかだった。
服や髪の所どころに露滴が残っており、彼女が少し動くたびに、飛んだり散ったりきらめいたりする。
窓の外は雨。目の前に続く廊下の先に、人の影はまるでない。
「なあアルベ! ここは一体何処やねん。今日は女学校行くんと違うのか?」
少女が右腕に抱えた人形が、きょろきょろと辺りを見回しながら問いかけた。
赤い着物に濃緑の帯をして、さらりとした髪を後ろで丸く結わいつけている。
肌はあくまで白く、釣り目がちの目元はぱっちりとして、煌くような黒い瞳と精巧に動くせわしない口元が、その人形をまるで生者に見せていた。
人形の声はなんとなく、人に愛嬌を感じさせる声だった。
さほど大きな声ではなかったのだが、それは廊下に反響して、先ほどまでの静寂に比べるとよく耳に残った。
しかしアルベはそういうことには、まるで関心がないように――ちらりと辺りを一瞥すると、クスリと笑った。
「それはね、おとら。私にもわからないのだけれど……」
そこまで言いかけると口を閉じて、思案げにまた視線を泳がせる。
「私にもよくわからないのだけれどね、おとら」
「うーん?」
歩みを止め、しばし逡巡の後少女は答えた。
「ここで何か……何かが始まりそうな気がするの」
「な、何かって……何?」
>――ぴんぽーんぱーんぽーん♪
その時人形と少女の会話を遮るように、チャイムが鳴った。
>「ごきゅ。拙者の名前は怪盗角砂糖。
>明日の午前0時に学園の守り神を盗むでござるぞ。
>以上。怪盗角砂糖でございました」
「……」
頓狂な放送が終ると、しんと静かになった。少女の顔色を伺うように、おずおずと人形が切り出した。
「ひょっとして……今の? 何かって……なあ、アルベ」
「予感よ。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないわ」
心持ち楽しそうに言うと、足取り軽く少女は歩き出す。
人形は眉間に皺を寄せ、物言いたげに腕組みしていた。アルベは意に介した風もなく、さらに足取りを速め
「おとら。きっとこれからわかるわ。ここが何処かも、私の予感が何なのかも……。この先はどうなっているのかしら……」
「おっ、階段あるやんか。そんなら上にも行ってみよーや! 少しは景色も変わるやろ!」
人形の陽気な声と少女の靴音が階上へ消え、廊下にまた静けさが戻った。

41 :
>>37シャルルさん
よろしくお願いします!
>>38-39
上限や制限枠は無くてもよいと思いました
シャルルさんは、15年くらい前にデビチルに覚醒した、ということにしてくだされば大丈夫だと思います
デビチルの皆さんにとっては、すごく重大なことなのに適当ですいません
>>40
投稿ありがとうございます!

42 :

(――あー、あー。聞こえてるか?)
(よう、くそったれな馬鹿ガキ……おいおい、お前だよ。お前の事だ
 お前が能力で俺の心を除いてるのはとっくにお見通しだ
 懲罰室に連行されたくなかったら、さっさとその気色の悪い能力引っ込めて
 まっとうに授業受けるんだな、ゴミ屑が)
かび臭い鉄筋コンクリートで囲まれた学園の一室
快適でもなく不快でもない吐き気がするような室内環境のその教室で、
白衣を黒く染めた黒衣とも言うべき衣装を纏った男が、教卓に突っ伏していた
その容姿は子供というには年月を重ねており、また今現在教卓に突っ伏して
いる事からも、この男が学生ではなくこの学園においての教師、
或いはそれに順ずるなにかだという事は容易に判断できるだろう
そう。その容易く叶う推測に間違いはなく、男は教員であった
名は、ニト・フーダ。この化物だらけの学園における「体育」の教師である
そんなニトが突っ伏していた顔を上げ、やる気のない瞳で教室内を見渡すと、
視界の中に現れるのは十数名という教室の大きさに対して少数の学園の生徒達
その誰もが皆、現在机の上の一枚の紙に必死にペンを走らせている
そして、奥のホワイトボードに水生マジックペンで書かれているのは
「補修中」の三文字
端的に言えば、現在ニトは成績不良な生徒達への補修テストの監督中なのである
そうして一通り生徒達を見渡し異常がない事を確認したニトは、
再び教卓に突っ伏し、小さくため息を吐く
(……はぁ。読心能力対策たぁいえ、毎度毎度、追試の度にこの台詞を
 内心で呟くの嫌なんだよなぁ……こっ恥ずかしいし。中学生かっつーの
 つか、なんでこの新学期初日に追試なんてやんなきゃならねぇんだよ
 ああ、なんかもの凄く帰りてぇ……業務時間さっさと終わんねーかな……)
全うな教師が教師が聞けば激怒する様な言葉を内心で呟きながら時計を見るも、
現在時刻は未だ昼。追試の終了までは残念ながら時間はまだまだある
「緊急の事態」でもない限り、生徒と共に追試の終了まで教室に缶詰になる
手はずであるニトは、今度は大きくため息をついた。と
>「ごきゅ。拙者の名前は怪盗角砂糖。
>明日の午前0時に学園の守り神を盗むでござるぞ。
>以上。怪盗角砂糖でございました」
そこで、奇妙な放送が鳴り響いた。鼻を啜る音と共に流れたのは、
紛れもない犯罪予告……のようなもの
補修中の生徒達は不可解な表情でその放送を聴いていたが、放送の終了
と共にニトがいきなり立ち上がった事で、その視線はニトに集約された
「……これは、緊急事態に違いない。俺は様子を見てくるから、
 お前らは補修テスト続けてろ。いいな」
そう言い放つと爽やかな笑顔で教室を出て行くニトの姿を見て、
補修中の学生達は全員一致でこう思ったことだろう
(ああ、サボる気だな……)
と。
これは、追試の監督を放棄したことが発覚し、ニトがこの事件の
捜査責任者を押し付けられる、少し前の出来事である

43 :
名前 ニト・フーダ
性別 男
年齢 24
髪の色 錆の様な赤茶色
瞳の色 ブラウンとレッドの判りにくいオッドアイ
容姿 白衣ならぬ黒衣を纏っている。
   やや長めの髪を後ろで纏めており、無精髭を生やしている
備考 学園の体育教師 基本的に仕事に対してやる気が無い
好きなもの 美人 ナナイタ草(どくだみに良く似た性質の植物)の茶
嫌いなもの 小賢しい子供
うわさ1「『漆黒の王(ダークネスキング)』と呼ばれる、裏社会で恐れられる最強の戦闘屋」
     ……という設定で過ごしていた時期があり、その当時の事を指摘されると
     恥ずかしさで「うわあああああああ!!」となるらしい
うわさ2 彼の右の眼球は、死んだトライブのそれを移植したものである
・平常時(人間状態)の能力
『戦闘技能』
銃火器から重火器、刀剣類、徒手空拳まで、おおよそ武器と成り得る物ならば
効果的に扱う事が出来る。尚、これは能力ではなく彼が磨き上げた技術である
・(魔人化?)能力名『ダエモヌム』
ニトを中心として半径50m以内の「空間の色」を変化させる
色と変色の範囲は、好きな速度で好きな色に変化可能
ただし、空間が着色されても物体が見えにくくなる事はあれ、
見えなくなる事はない
例:空間の色を黒にする→風景がモノクロ写真の様に見える
・抑えられない衝動
軽度の氷食症
能力変えてみたよー

44 :
>41
ありがとうございます。
皆さんよろしくお願いします!
>35
高等部以下の生徒達の、2学期初日の4時間目。
アタシは高等部の『魔力制御』の授業をしに来ていた。
「こーら、そこのキミ、起きて!」
寝ている生徒にパイ生地を投げつけると、教室が大爆笑に包まれる。
別にもしもこれが数学や英語の授業なら、いくらでも寝てもらっていい。
でもこれは悪魔の力を抑制するための重要な授業だ。
片手間の講師とはいえ自分が教えた生徒がトライブ化、なんてシャレにならない。
やがて、鐘が授業の終了を告げる。
昼休憩になりざわめき出す教室から、そそくさと出ていく少年が目についた。
この子、前から気になってたんだよね、どこか影があるっていうか。
思いたって、こっそり後を付けてみる事にした。
辿り着いた場所は、校舎の屋上。
そこで少年は、雨が降っているにもかかわらず、一人で弁当を食べ始めた。
弁当と言っても大きいおにぎりが一つ。
「アタシ達って何なんだろう、何のためにこの力を授かったんだろう――」
そう言いながら、少年の隣に座る。
「なーんてね。それがアタシの研究テーマなの。」
手のひらを広げ、さっきパイを投げた時と同じように、魔法を使う。
手の上に、苺の乗ったショートケーキが現れる。
「食べなよ、みんなには内緒だよ」
ショートケーキを少年に差し出す。
本来ならご飯にはおかずが欲しいところだが、お菓子しか出せないのだ。
15年前にアタシの中に目覚めた悪魔の力。
それは――お菓子を自在に作り出すというなんとも微妙な能力だった。
>36
>――ぴんぽーんぱーんぽーん♪
校内放送が流れ始めた。
>「ごきゅ。拙者の名前は怪盗角砂糖。
明日の午前0時に学園の守り神を盗むでござるぞ。
以上。怪盗角砂糖でございました」
「この魔境に犯罪予告なんざ只者じゃないわ。鼻息鼻水はきっと油断させるための作戦よ!」
拳を握りしめ、力説する。
「で、学園の守り神って何だと思う? 
都市の中心の祠に祀ってある悪魔の力を抑えるための”結界石”かな?
それともまさか一昔前の学園7不思議で流行ったデビル池のデッシー?」
問題はそこからだった。

45 :
名前:タサン
性別:男
年齢:205歳
髪の色:銀
瞳の色:茶色
容姿:赤色の皮ジャケット、白の、見た目の年齢は20代前半
備考:校内の開かずの間に生息する謎の男
好きなもの:冷たいもの
嫌いなもの :熱いもの
うわさ@:かつて勇敢な戦士によりその力を封印された
うわさA :自己中心的かつ粗暴
魔人化後の能力
「魔手」
完全な魔人への変身は不可能。
片腕のみ真紅の魔人の手へと変化する。
だからといって何かできるわけでもない。
多少は腕力が上がる程度。
抑えられない衝動
誰かの不幸を見たくして仕方が無い

46 :
>>44
オレの隣にはお菓子の魔女、シャルル・ロッテが座っている。
こいつは男子生徒の人気者。
だが裏ではお菓子より男子が好きと噂されていて、犯しの魔女の異名をもつ女講師。
もちろんアンサイクロペディア的にだ。
それはきっと、獣臭に満ちた若い男たちが生み出した妄想に違いない。
オレはそう信じたい。
「甘い…」
ショートケーキを頬張れば、口の中は、しょっぱいのと甘いのカオス。
空腹は満たされるがストレスがたまる
でもそんなオレの様子もおいてきぼりでシャルルは力説を続けている
「しらねーよ。うぜぇんだよ」
オレは人間が嫌いだ。
近くにいるだけでストレスがたまる。
そのくせに寂しがりや。
どうしようもない奴なのだ。
オレは大股で階段の扉にむかう

47 :
>>40
アルベの赤色の瞳に映った景色はなんだろう
灰色の雨雲から耳朶を打つ機械音。
雲の中でうごめく巨影は巨大な魚を想起させる
刹那、屋上に垂れ落ちる無数の紐
空に浮遊する魚影から吐き出される人影
「動くな!」
アルベに突き付けられる銃口
警察はひどく騒々しくやってきた
「学園のDエリアを全面封鎖しろ。まだ角砂糖は潜んでいるはずだ。
奴の正体は誰も知らんのだから、ネズミ一匹逃がすなよ」
オールバックの偉そうな警部が煙草を吸っている
腰には結界石で作られた刀。
魔人の体さえ一刀両断する代物らしい
ああ、オレたちはどうなるのだろう

48 :
>>42
「動くな!」
階段から降りて来た警官隊が銃を構えニトの前に立ちはだかる
それを制したのはDエリアの学園長『樽間総一郎』(たるまそういちろう)
鋭い眼光に禿げた頭のつややかなこと。六十八とは誰も思うまい。
(特に女性を見る目には生々しいものがあった)
「銃をさげたまえ。彼はこの学園の体育教師だ。」
響き渡る野太い声。大きな体に太い指。
樽間は学園長であり優れた発明家であり彫刻家、それゆえに大富豪であった。
15年前に発表した『守護天使の化石』はアート業界で知らない者はいない
「しかしニト先生。君はこんなところで何をしている?
学園内に怪盗角砂糖が紛れ込んでおるかもしれんのだぞ。
考えたくはないが生徒の誰かかもしれん。
君は生徒の扱いに慣れていることだろうし
彼等を刺激しないように怪盗を見つけ出すのだ」
そう言い残すと、樽間は警官隊に守られるように建物の奥へと歩いて行った

49 :
>>45タサンさん
よろしくねー
◎うまく書けませんですた。さーせんm(._.)m
動かし難いと思うのでリレー小説的に付け加えたり
場面転換もありかもです
3〜4ターンだとキツキツになりそうなので変更も予定してます
あとシュナの性格悪過ぎですね

50 :
>46
>「甘い…」
「あっ食べた♪」
が――
>「しらねーよ。うぜぇんだよ」
シュナ君は逃げるように階段へと向かう。
お口に合わなかったか、それともやはり食べ合わせがまずかったか。
犯しの魔女――じゃなかった、お菓子の魔女の実力を持っても落ちないとは。
もちろんお調子者の男子生徒達が生み出したちょっとしたダジャレね。
学園エロ漫画じゃあるまいし、夜の特別授業、なんてあるわけない。
>40
>47
シュナ君を追いかけようとすると、人形を抱いた少女が階段を上がってきた。
「見慣れない顔だね、転校生かな?」
と、さも当然のごとく自然に、彼女に銃口が突きつけられる――。
>「動くな!」
「あなたたち、いきなり何なの!? その子が何をしたっていうのよ!」
>「学園のDエリアを全面封鎖しろ。まだ角砂糖は潜んでいるはずだ。
奴の正体は誰も知らんのだから、ネズミ一匹逃がすなよ」
漫画のキャラ付けのようなオールバック、仰々しい装備、結界石の刀――あ、こいつただのsラじゃないわ。
魔人やトライブ絡みの事件を捜査するための警察の特殊部隊――デモンスレイヤーズ。
もう事件を嗅ぎつけてきたなんてどんだけ初動が早いんだ。
「つまり……アタシ達は全員容疑者!? 真犯人を見つけるまでこのエリアから出られないってこと!?」
聞くまでも無くそのようだ。こいつはえらい事になった。
>45
敵役でしょうか!? 宜しくお願いします!
>49
了解です。どんどん場面が動いてとても楽しく絡ませてもらってますよ!
その性格も魔性の異能力もののテーマのど真ん中を突いてると思いますw

51 :
>>47
上空から次々と降りてくる威圧的な制服の者たちは、あっというまに屋上を制圧してしまった。
「は〜?」と不思議そうに空を見上げるおとらをよそに、アルベは別段関心のない顔でぼうっとしている。
>「動くな!」
>アルベに突き付けられる銃口
「い、いきなり何やねんっ! 危ないモン持ってからに……」
アルベの抱え持つ人形が、反射的に声を上げる。
「……」
ちらり、ちらりと周囲を見回し、すっかり囲まれてしまった中に、警官隊以外の者が数人いるのを確認すると、
特に慌てる様子もなく少女は目だけを銃口に向ける。
「これホンモノかいな。脅かそう思ってもアカンでー! 今日び銀行強盗もモデルガン使う世の中やからな〜」
人形は緊迫した空気を無視するように、突きつけられた銃に触ったり、銃口を覗き込んだりしている。
>「学園のDエリアを全面封鎖しろ。まだ角砂糖は潜んでいるはずだ。
>奴の正体は誰も知らんのだから、ネズミ一匹逃がすなよ」
>オールバックの偉そうな警部が煙草を吸っている
「聞いたかアルベ、学園のDエリアやて。やっぱりここ、うちらの行くとこと違うてるみたいやね。
おい! そこの、偉そうなお前! そうお前や。ちょっと、ちょっとこっち来いや。
……この扱いはなんやねん! うちら部外者やで。善良な一般市民に対する接し方っつーのを考えろや。学校では教えてくれんかったか?
とりあえずこのアホに銃下ろさせんかいっ!」
この場の責任者らしき刑事を見つけると、人形が大声でまくし立てる。
「それはそれとして……おい、聞いとるか? ……角砂糖っちゅうのは何者やねん?
うちらそんな名前聞いたこともあらへんよ。さっきの放送かてただのアホにしか聞こえんかったし。
警察がこないにピリピリして、女子供をおどかさないかんような危険なヤツなんか?」
>>50
>「あなたたち、いきなり何なの!? その子が何をしたっていうのよ!」
自分に向けられた銃口とそれを抗議する声。その声の主を確かめるように、アルベはちらりと頭を動かした。
「そう! うちらは無実や! まだなんも悪いことしてへんねん! 姉ちゃん、そこの兄ちゃんでもいいわ、こいつらになんとか言ったってよ!」
少女の持つ人形が大げさな身振りと手振りで警官ではないらしきその場の者に助けを求める。
>「つまり……アタシ達は全員容疑者!? 真犯人を見つけるまでこのエリアから出られないってこと!?」
「容疑者〜!?」
人形がまた大げさな声をあげる。
「うちらホンマに関係ないねん! ここ学園のDエリア言うたやろ? うちら街向こうの女学院の生徒やもん!
こっから見えるかな〜。旧教会の時計塔のもう少し向こうなんやけど……。
だいたいこの街に来たのもほんの一ト月前なんよ! こないに物騒なとこやったなんてな。一度身の振り方考えなアカンよホンマに。
なー姉ちゃん、この学園はどないなってんの? もううちには何がなにやら――」
もはや誰に話しているのかすら不明瞭なほど体と顔をきょろきょろあちこちに動かしながら、人形は喋り続けている。
一方アルベは微動だにせず、じっと銃口を睨んでいた。

52 :
近未来。統一世界歴100年目。
ここは学園都市。
世界中から集まるデビルチルドレンと呼ばれる特殊な子供たちを隔離し、
教育するために造られた巨大な都市。
そこの学園長、『樽間総一郎』(たるまそういちろう)が統括するDエリアでは
二学期開始早々、怪盗が犯行予告をするという珍事件が発生していた。
現在12時51分。
小雨降る学園の屋上では
犯行予告を聞きつけ駆けつけた警察の特殊部隊デモンスレイヤーズと
容疑者たちとの対峙が続いている。

53 :
「ひ!!」
アルベに銃口を突きつけた警官の一人が短く悲鳴をあげた。
ただの日本人形かと思っていたものが、おもむろに銃に触ったり銃口を覗いてきたりしたからだ。
>「これホンモノかいな。脅かそう思ってもアカンでー! 今日び銀行強盗もモデルガン使う世の中やからな〜」
脅かされたのは警官隊のほうであろう。目の前で日本人形が動き回り、関西弁を喋っているのだから。
当然、部下の些細なたじろぎを察したオールバックの警部は
二本の指で挟んだタバコをキュッと吸うと、溜め息と一緒に煙を吐き出す。
彼のおとらを見つめる目は至極冷酷であった。
>「聞いたかアルベ、学園のDエリアやて。やっぱりここ、うちらの行くとこと違うてるみたいやね。
>おい! そこの、偉そうなお前! そうお前や。ちょっと、ちょっとこっち来いや。
>……この扱いはなんやねん! うちら部外者やで。善良な一般市民に対する接し方っつーのを考えろや。学校では教えてくれんかったか?
>とりあえずこのアホに銃下ろさせんかいっ!」
おとらの大声に、警部はコートを靡かせながら仁王立ち
「部外者が何故ここに?
それにお前たちが善良な一般市民だと?笑わせるな。
この世の法則から外れた化け物たちではないか。…クックク」
そう吐き捨て、天を仰ぐ警部。デビルチルドレンにとっては聞き捨てならない台詞だろう。
>「それはそれとして……おい、聞いとるか? ……角砂糖っちゅうのは何者やねん?
>うちらそんな名前聞いたこともあらへんよ。さっきの放送かてただのアホにしか聞こえんかったし。
>警察がこないにピリピリして、女子供をおどかさないかんような危険なヤツなんか?」
「あ?角砂糖をなめるなよ。奴の正体は誰も知らん。
美少年という目撃情報もあればだったという目撃情報もある。情報が交錯しているのだ。
ただ確かなことは、奴は狙った獲物は逃さない神出鬼没の大泥棒だということ。
そして今だ捕獲出来ぬのはデビルチルドレンの可能性が大ということだ。
たとえ阿呆でもデビルチルドレンなら、我々デモンスレイヤーズを出し抜くことが可能だろう。
そうは思わんか?化け物」
警部はおとらを一瞥すると、鋭い視線をアルベに向けた。

54 :
今の自分達は容疑をかけられ束縛されている。
それに銃口を向けられているということは命を束縛されているという特異な状況。
束縛はこの世でシュナがもっとも嫌うこと。
溢れ出す怒りからか、彼の耳には誰の声も届いていない
「…ぅぜぇんだよ。これが警察の…大人のやり方かよ!
オレを…、オレを束縛するんじゃねぇーっ!!」
肩を震わせながら指についた生クリームを握り締める。それはシャルルにもらったショートケーキの残滓。
無意識なのだろうか。拳から溢れ出す生クリームは、いつの間にか屋上の床を真っ白く濡らしていた。
「なんだこれは!?」
異変に気付いた警官隊が一斉にシュナに銃口をむければ
同時にシュナのストレスは大爆発。
屋上が一瞬にして生クリームで包まれる。そう、それはまるで巨大な白繭。
警官隊は生クリームの津波でフェンスに押し流されている。
「ぷはっ!」
アルベが立っていた扉から校内に飛び出すシュナ。
階段の下にまで生クリームが流れ込んでいるのが見える。
「束縛されたら、オレは狂っちまう」
彼は階段を滑るように駆け降りると生クリームの足跡を残しながら逃走する。
入口付近にいたアルベはどうしたのだろうか。それはわからないし、彼は気にしない
当然シャルル・ロッテのことも。

55 :
「あぼがごばば!?」
生クリームに包まれたデモンスレイヤーズ。
「うぶぼべべら〜!(く!こいつら全員確保しろ!)」
と警部が叫んだが、どこに誰がいるかもわからない
完全に頭に血が上った警部は生クリームを掻き分けながら、
何とか校内への扉を見つけ出すとほうほうのていで生クリーム地獄から抜け出した。
「ちっ!逃げられたか!?」
頭から流れ落ちる生クリームを手でかき上げながら警部は立ち尽くしている。

56 :
>ニトさん
忙しいのかな?
先に投下してしまいました。ごめんねー
我ながら動かし難いフリだったかもと反省しています…
【屋上からシュナ逃走。現在の屋上は生クリームまみれです】

57 :
>51-54
>「そう! うちらは無実や! まだなんも悪いことしてへんねん! 姉ちゃん、そこの兄ちゃんでもいいわ、こいつらになんとか言ったってよ!」
少女が抱くは喋る人形。その瞳は見つめると魅入られそうで、まるで心が宿っているよう。
最初はよく出来た腹話術だと思ったけど――まさか、人形自身が喋っているの?
>「うちらホンマに関係ないねん! ここ学園のDエリア言うたやろ? うちら街向こうの女学院の生徒やもん!
こっから見えるかな〜。旧教会の時計塔のもう少し向こうなんやけど……。
だいたいこの街に来たのもほんの一ト月前なんよ! こないに物騒なとこやったなんてな。一度身の振り方考えなアカンよホンマに。
なー姉ちゃん、この学園はどないなってんの? もううちには何がなにやら――」
都市には、女子生徒だけが入学を許可され、独特な文化を築いているという女学院も存在する。
「ああ、女学院の生徒だったの。住めば都ってね。慣れれば楽しいよ」
一方、少女は無言で銃口を見つめている。どこか魔力を秘めたような瞳。
気のせいだろうか、銃口が少しそれたような気がした。
>54-55
>「…ぅぜぇんだよ。これが警察の…大人のやり方かよ!
オレを…、オレを束縛するんじゃねぇーっ!!」
辺り一面が生クリームに覆われる。
>「なんだこれは!?」
警官隊はクリームの激流に押し流されていった。
「あっはははは! 自分で言ったじゃない、この世の法則から外れた化け物って。
それを忘れちゃ駄目よ〜ん。さあさあ、あいつらが出てくる前に早く逃げましょう」
少女を促して階段を下りていく。
そういえば、どうしてクリームは警官隊めがけて行って、自分たちの方には押し寄せてこなかったのだろう。
何気なくちらりと、あどけない少女の方を見た。
階段の近くの廊下で、ハゲのおっさんにぱったり会った。
Dエリアの学園長『樽間総一郎』だ。
「君達、生徒とバイト講師の分際でこんなところで何をしている?
学園内に怪盗角砂糖が紛れ込んでおるかもしれんのだぞ。
考えたくはないが生徒の誰かかもしれん。
下手に刺激して事態を悪化させないように大人しくしておくのだ。
くれぐれも首を突っ込んではいかんぞ。犯人の捕獲はニト先生に頼んであるから心配ない」
「すいませーん、分かりました」
アタシは学園長が視界から消えてから、ニヤリと笑う。
「いい? 今学園長は何が何でも首を突っ込めと言ったのよ。
何よりあの厨二病先生だけに任せておけないわ!」
そう言って、シュナ君に目配せする。
ニト先生の厨二病武勇伝は、公然の秘密となっているのだ。

58 :
参加希望です!
名前 ルニキス・ベルハルト
性別 男
年齢 18歳
髪の色 赤
瞳の色 茶
容姿 髪型はポニーテール。目つきは悪い。黒いパーカーに白いジーンズが基本的な服装。
備考 遅刻、サボリの常習犯。口癖は「かったりー。」
面倒事はゴメンだと言いつつも困ってる人は見捨てられないタイプ。
好きなもの 昼寝、タバコ
嫌いなもの 説教、教師
うわさ@ 外見ほど悪い人ではないらしい
うわさA 猫に囲まれて寝るらしい
平常時(人間状態)の能力
 自分の触れた相手(又は物)に負荷をかける事が出来る。
 負荷をかける事が出来るのは最大で200kgまで。継続時間は最大で10分。
 自分の意志で負荷と継続時間を決められる。
魔人化後の能力
赤髪が銀髪に変わり、狼のような鋭い牙と爪が生える。
 視界に捉えた相手(又は物)に負荷をかける事が出来る。
 かけられる負荷と継続時間は変わらないが、視界から対象が外れた時点で継続時間が残っていても自動的に負荷は解除される。
抑えられない衝動
肉球がある生き物を見ると5分以上触らずにはいられない

59 :
>>58
かったりーまけたりー。
わーい!大歓迎です。よろしくお願いします!

60 :
>「いい? 今学園長は何が何でも首を突っ込めと言ったのよ。
>何よりあの厨二病先生だけに任せておけないわ!」
「たしかに…」肯くシュナ。そのとき。
「待てぃ!貴様ら!」
太い怒鳴り声を伴い、現われたのはあのオールバックの警部。
オールバックを睨みつけ、怒鳴り返すのはシュナ。
「てめぇはオレに近づくんじゃねえッ!オレは角砂糖でも黒砂糖でもねぇんだよッ!!」
怒り狂ったシュナは右手で壁に張り手をすれば鈍く響き渡る音と共に壁に亀裂が走る。
見れば壁に減り込んだ手が黒く変色しかけている。硬質化しかけている、つまり彼は悪魔化しかけているのだ。
「化け物が!本性を現したか!」
瞬間、冷たい煌き。抜刀した警部が白刃を低く構え猪突。
銀光が尾を引きながらシュナに迫る。
刹那、シュナの右手から投擲される校舎の欠片。無数のそれは巨大化し警部に激突する。
苦鳴をあげ廊下に倒れこむ警部。
それをシュナが罪悪感溢れる顔で見つめていると…
「ぴんぽーんぱんぽーん☆
拙者〜、さっきは守り神を盗むって言っちゃったでござるが
それじゃあ犯行予告にはならないでごじゃったぁ。フェアじゃないでござるね?
コホン☆でわー今からはっきりと盗むものの名前をいいますぞぉ。
えっと、それは〜、あの『守護天使の化石』でござるよー。
知ってる人は知っているかなかなぁ?じゃあにー☆怪盗角砂糖でございまひた(はあと)」
間の抜けた怪盗の校内放送。つまりはここにいる人間は全員白なのであった。
「言ったろ。オレたちじゃねえって」とシュナ。
「バカ野郎!それなら早く放送室へ行け!角砂糖はそこにいる!!
もたもたするな!ばかものがー!!守護天使の化石を盗まれたらお前たちは終わりだぞ!!」
恥かしさと流血で真っ赤な顔の警部が叫ぶ。彼は全身を複数箇所骨折していた。
もう立ち上がることも出来そうにない。
「オレに指図すんじゃねぇよ。オレは束縛されるのが大嫌ぇなんだ。
今慌てて捕まえなくってもよぉ。明日の午前0時に奴は、その化石を狙ってくんだろ?
そん時にぶっ倒せばいいってだけの話だぜ。役立たずのオールバックさんよぉ」
シュナが視線をむけると警部はすでに気絶していた。
舌打ちをしたあと、シュナはアルベに視線を移す。そして彼女の様子がおかしいことに気がつく。
「おい、お前どうした?」
廊下の奥に影があった。その影は日本人形を持っていた。

61 :
すいません。どうしても挟みたかったというか
前の自分のレスで書いておけばよかったことを書いていなかったので書きました。
ごめんなさい。アルベさんが書いてたらアルベさんのレスを優先します

62 :
>ルニキスさん
よろしくおねがいしまーす。
>シュナ君
もしペースを重視したいなら4日ルール廃止で順番制無しにしてしまうのも手だと思うよ。
どっちにもメリットデメリットがあるからスレ主さんの好み次第、かな。
アタシはどっちでもOKよ〜ん。

63 :
飲酒と喫煙は20歳になってから、なんて事を決めた奴は一体どこのどいつだ?
20歳になった途端に酒や煙草に対する免疫が出来るのか?
答えはNO―――だろ?
それに俺はただの未成年じゃねぇ…。
普通の人間から見りゃ化け物以外の何者でもない…デビルチルドレンだ。
だから喫煙ぐらいどうって事ない。
俺はいつも通りタバコに火を点けながら1時近くに校門をくぐる。
「はぁ・・・かったりー。」
とりあえず保健室でもう一眠りすっか…。
保健室を目指し階段を登っている途中、ふざけた校内放送が響き渡る。
>「ぴんぽーんぱんぽーん☆
拙者〜、さっきは守り神を盗むって言っちゃったでござるが
それじゃあ犯行予告にはならないでごじゃったぁ。フェアじゃないでござるね?
コホン☆でわー今からはっきりと盗むものの名前をいいますぞぉ。
えっと、それは〜、あの『守護天使の化石』でござるよー。
知ってる人は知っているかなかなぁ?じゃあにー☆怪盗角砂糖でございまひた(はあと)」
・・・怪盗角砂糖?
何だかまた訳のわからん奴が出てきたな・・・。
ま、俺にゃ関係無い話か。
守護天使だか守護月天だか知らんが勝手に盗めば良いさ。
俺は保健室に向け再び歩き出す。
あと数十メートルで保健室という時に上の階から鈍い音が聞こえてきた。
何の音だ?
誰かが上でドンパチやってんのか?
それはけしからん事態だ。
これから保健室で心行くまで昼寝しようというのにドンドンパンパンされたら心地良く寝れねぇだろ。
どこのどいつだか知らんが説教しに行かなければ。
「おい、うるせーんだよコラ。俺は今から保健室で・・・」

64 :
なんだよ、生徒同士でドンパチやってんのかと思ったらデモンスレイヤーズとシャルルちゃんまで居るじゃねぇか。
あっ・・タバコ・・・ま、良いかシャルルちゃんだし。
で、一体こいつはどういう状況なんだ?
デモンスレイヤーズ格好したオールバックは顔面血塗れで気絶、見たことねぇガキは右手が悪魔化しかけてる・・・。
右手が悪魔化しかけてるガキは気絶してるオールバックと別の方向に声をかけているが、誰か居んのか?
事の一部始終を見てない俺には全然理解出来ない状況だが、俺の言いたい事はただ一つ。
「何があったか知らねーけど、とりあえず静かにしてくれや。
 今から保健室で寝なくちゃならねぇからよ。それではさらばだ諸君。」
俺は言いたい事だけ言って連中に背を向ける。
これ以上この場に居ると面倒事に巻き込まれそうな気がするのだ・・・。
改めまして皆様よろしくお願いします。

65 :
>>53
警察隊を前に人形が騒ぎ立てている。喋る人形という一種の怪異に直面した警官たちの間にわずかな動揺が走った。
件の人形は対峙した相手の驚く様に調子付いて、とても満足そうになにか取るに足りない一人喋りを続けている。
その様子をさも鬱陶しそうに睨みながら、オールバックの警部が横柄に歩み寄って来た。
>「部外者が何故ここに?
>それにお前たちが善良な一般市民だと?笑わせるな。
>この世の法則から外れた化け物たちではないか。…クックク」
上手い皮肉を口にしたと思ったのだろうか、警部が噛みした笑い声を上げる。
アルベと人形は顔を見合わせ、
「うちら化け物やて。恐ろしいな〜! アルベ!お前何人しとるんや!」
「数えてないわ」
「これから何人すんや!」
「たくさんすわ」
「悪びれんな〜・・・!確かにお前化けモンや!」
「……おとら、うるさい」
意に介した風もなかった。
>「あ?角砂糖をなめるなよ。奴の正体は誰も知らん。
>美少年という目撃情報もあればだったという目撃情報もある。情報が交錯しているのだ。
>ただ確かなことは、奴は狙った獲物は逃さない神出鬼没の大泥棒だということ。
>そして今だ捕獲出来ぬのはデビルチルドレンの可能性が大ということだ。
>たとえ阿呆でもデビルチルドレンなら、我々デモンスレイヤーズを出し抜くことが可能だろう。
「なんや、大したことわかってる訳やないんやね
アホに出し抜かれて悔しいのはわかるけど、うちらはホンマに関係ないで。犯人探しは他当たってな」
>>54-56
こちらに向けられた不思議そうな視線に気づくと、人形は相手の女性の顔を覗き込むようにしてにんまり笑った。
あるいはそう見えただけかもしれない。そもそも人形が表情を変えるだろうか?
しかし人形はそうした周囲の疑念とは全く無関係に生き生きと動き、喋り、怒り、笑っている。
いつの間にか女性のすぐ近くにいて「最近はどこも物騒でなぁ」などと世間話を一つ二つ、一方的に仕掛けていたところ、
>「…ぅぜぇんだよ。これが警察の…大人のやり方かよ!
>オレを…、オレを束縛するんじゃねぇーっ!!」
瞬く間に白いクリームが屋上を埋め尽くす。
アルベは大きな繭玉のように膨張するその流れに飲み込まれたかに見えたが、
生クリームが彼女を避けるように、逆流したり渦を巻いたりして警官隊を押し流していった。
少女はマリオネットを操るように、左手指を歪に動かしながら、傍らの女性に促されて屋上を後にした。
先ほどの惨状を尻目にして、少女の抱く人形がこっそり耳打ちする。
「アルベ・・・さっきの、力使ったんか?」
「……」
少女はそれには答えずに、着物の裾や袖にぽたぽたと付いた生クリームを指で拭って、苛立たしげに言った。
「……服が汚れたわ」
>>60
屋上から廊下に出た後、アルベはずっと一人の学生を睨みつけていた。
少女にはDエリアの学長の言葉も、屋上から追いかけてきた警部の末路も、
件の怪盗角砂糖による二度目の犯行予告も、耳に入っていなかった。
おろおろと顔色を伺う腕の中の人形さえもその時は眼中になく、ただじっと、自分の不愉快な感情の矛先を見つめている。
>「おい、お前どうした?」
先ほどからずっと自分を見つめる少女に気づいたのか、学生がアルベに声をかける。
心配そうな顔をした人形が何か少女に語りかけたが、眉一つ動かさない。
しばし二人は視線を交わす。と、不意に少女が口を開いた。
「……服が汚れたわ。まだ新しくて、気に入っていたのに」
そう言って、袴の裾についたクリームをまた拭った。

66 :
>60
>「たしかに…」
「でしょー?」
>「待てぃ!貴様ら!」
再びオールバックが現れた。しつこい奴め。
>「てめぇはオレに近づくんじゃねえッ!オレは角砂糖でも黒砂糖でもねぇんだよッ!!」
シュナ君が壁に叩きつけた右手が、硬質化を始めている。
いけない、オールバックの矛先をこっちに引きつけないと。
冷酷な魔女のような笑みを浮かべ、オールバックを嘲笑う。
「一つ教えといたげる。オールバックはおでこからハゲあがっていくのよ。
将来学園長のようにハゲあがったあなたが目に浮かぶようだわ。やーいハーゲハーゲ!」
>「化け物が!本性を現したか!」
スルーされた。思いっきりスルーされた。白刃が閃く。勝負は、一瞬だった。
倒れたのは、オールバックの警部の方。
それを、シュナ君が複雑な表情で見つめている。
「……」
これが、デビルチルドレンの宿命。
デビルチルドレンの宿す魔は、自分であって自分ではないもう一つの人格のようなもの。
そのもう一つの人格に支配され尽くした時、トライブ化する――と、アタシは考えている。
そんな感傷を打ち壊すように、怪盗角砂糖の間の抜けた放送が再び流れる。
これで、アタシ達は全員白だということが立証された。
怪盗が狙っているお宝は、守護天使の化石。
「守護天使の化石――学園7不思議の一つとして聞いた事があるよ。
校内のどこかにあるという”開かずの間”に安置されているという……」
天使――伝承の中に存在する、悪魔の宿敵。清廉なる神の使徒。
開かずの間自体が眉唾ものの上に、天使の化石なんて、もちろん信じてなかったけど――
現にこうして、それを狙って酔狂な怪盗が暗躍している。
もしも、もしも本当にあるとしたら――? 研究者の血が騒ぐ。

67 :
>60
>「おい、お前どうした?」
シュナ君が、少女――アルベ、と呼ばれていた――に声をかける。
>「……服が汚れたわ。まだ新しくて、気に入っていたのに」
「ごめんねー、もっと汚れないお菓子を出しとけばよかった」
>64
そこに、我がマブダチが通りかかる。
「おおーっ、ルニキス君、いいところに来た」
彼は、お堅い先生たちからは不良生徒と認識されているけどアタシはそうは思わない。
むしろいい奴。滅茶苦茶いい奴。
「はいっ、どうぞ」
シガレット(タバコの形をしたラムネのようなお菓子)を渡す。もはや挨拶代りの恒例行事。
アタシに言わせれば、飲酒と喫煙は20歳になってから、なんて注意するお堅い先生たちは野暮すぎる。
体に悪いものは何歳になっても悪いのです。
>「何があったか知らねーけど、とりあえず静かにしてくれや。
 今から保健室で寝なくちゃならねぇからよ。それではさらばだ諸君。」
何という誘い受け。わざわざ暇なのを明言するあたり、面倒事に巻き込んでくださいと言わんばかり。
「あ、ちょっと待って。保健室に一緒に寝る猫ちゃん軍団がいるでしょ、あの子達を連れてきてくれる?
服が汚れちゃった人がいるから舐めて綺麗にしてもらおう」

68 :
>>66
>「守護天使の化石――学園7不思議の一つとして聞いた事があるよ。
>校内のどこかにあるという”開かずの間”に安置されているという……」
「はあ?あれはただの噂だろ。守護天使の涙に触れると普通の人間に戻れるとかよ。
そんなもんがあるんだったらとっくの昔にみんな人間に戻っているぜ。
そもそも天使なんていんのかよ。それに化石だ?誰かが石のなかからでも発掘したっていうのか?ふざけてる。
それに開かずの間だなんてよー。おめーはホントに大人なのかよ?脳みそまで生クリームで出来てんじゃねえの?」
ここまで言ってシュナは自分の異変に気がつく。
(なんでオレ…こんなに喋ってんだ)
>>65
>「……服が汚れたわ。まだ新しくて、気に入っていたのに」
「けっ!たったそれだけのことかよ!生きてりゃ汚れるんだ。野糞がまきついてるよかいいだろうが!
それとも何か?ぶちきれたオレが悪いってか?喧嘩売ってんのかこの小娘!」
>「ごめんねー、もっと汚れないお菓子を出しとけばよかった」
「そういう問題か!」
シュナは頭を掻き毟る。アルベを気にかけて損をした。真面目にそんなことを思っていた。
だから女は苦手なのだ。っていうか他人が苦手だ。そばにいるだけでストレスが溜まる。
>>63-64
>「何があったか知らねーけど、とりあえず静かにしてくれや。
 今から保健室で寝なくちゃならねぇからよ。それではさらばだ諸君。」
>「あ、ちょっと待って。保健室に一緒に寝る猫ちゃん軍団がいるでしょ、あの子達を連れてきてくれる?
>服が汚れちゃった人がいるから舐めて綺麗にしてもらおう」
来てすぐに去るル二キスにシャルルが一言。シュナは唖然とする。
「猫ちゃん軍団ってなんだよ。それに舐めて綺麗にするって、正気の沙汰かよ!?」
そしてアルベをみて…
「もう、おめー(アルベ)は女学院に帰んな。ここにいたら猫になめられるぜ。
あ?オレは開かずの間を探す。死んじまった両親がどっちも警察官だったんだ。
真実を知りたいっていう警官の血が騒ぐのさ。じゃあな。あばよ。面倒かけて悪かったな」
少女に生クリーム塗れで帰れというのも酷な話である。
シュナは痛む右手を摩りながら呟く。
「痛ぇ…やっぱ保健室に行くぜ」

69 :
保健室の前まで来ると何やら室内が騒々しい。
驚いたシュナが扉を開けると怯えている猫たちとハゲ頭の学園長。
一体何をしていたんだこいつ。まさかメス猫までに手を出し始めたか?この学園長。
「おい、エロハゲ。開かずの間を知らねえか?」
「知らん!!だが!!杉浦太陽の塔に開かずの間などありはしない!絶対になッ!!」
(…そこにあるってことか?もうわけがわかんねーぜ)
「では、わしはこれで」
学園長は前かがみで懐に何かを隠していた。襟から三角の耳がちらり。
それは等身大の猫の石像だった。
きっと誰かが何かに気がつくだろう。
・杉浦太陽の塔
別名ウルトラの塔。全長約634メートル。
黄金に輝く謎の建造物。Dエリアの中央に位置している。
うわさ@どこかに学園長一家が隠れ住んでいるらしい。
備考・これでも学校の一部。二宮金次郎的なポジション。
(みなさん投下ありがとう)
(シャルルさん。お気遣いありがとう。
いまのところ4日ルールでいいかなあ。オレが焦ってしまうぜw)

70 :
シャルルちゃんは俺の数少ない信頼出来る教師の一人だ。
もはや生徒と教師というよりダチ公…いや、マブダチと言っても過言じゃない。
>「あ、ちょっと待って。保健室に一緒に寝る猫ちゃん軍団がいるでしょ、あの子達を連れてきてくれる?
服が汚れちゃった人がいるから舐めて綺麗にしてもらおう」
一度保健室に行ってニャンコ共をここに連れてくるなんてかったりー事も、シャルルちゃんにお願いされては断るに断れん。
服が汚れちゃった人ってのは・・・あのうるせぇ人形を持ってる着物の嬢ちゃんか。
確かに言われてみりゃあちこちにクリームが・・・
>「猫ちゃん軍団ってなんだよ。それに舐めて綺麗にするって、正気の沙汰かよ!?」
そのツッコミはあながち間違いじゃない。
だが・・・
「狂気の沙汰ほど面白い・・・ってな。」
タバコを携帯灰皿に入れ、シャルルちゃんから貰ったシガレットをくわえつつ台詞をキメてやった。
>「もう、おめー(アルベ)は女学院に帰んな。ここにいたら猫になめられるぜ。
あ?オレは開かずの間を探す。死んじまった両親がどっちも警察官だったんだ。
真実を知りたいっていう警官の血が騒ぐのさ。じゃあな。あばよ。面倒かけて悪かったな」
にもかかわらずこのガキ完全にスルーしやがった。
一体どんな教育受けて育ったんだこのガキャ。
「さて、保健室に行こうぜ。俺が保健室に行ってニャンコ共連れて戻って来ても良いが、それだと時間かかるしよ。」

71 :
所変わって保健室。
何やらギャーギャー騒がしいと思ったらさっきのガキとジジイの仕業か。
ってか保健室で騒ぐんじゃねぇっての。
>「では、わしはこれで」
ジジイは二言三言言葉を交わすとそそくさと保健室を出て行った。
ジジイの襟からチラッと何かが見えた気が……気のせいか?
「お前さっき開かずの間に行くとか何とか行ってなかった?
 悪魔化しかけた手が痛くて諦めたか?
 どうでも良いけど保健室で騒ぐのは止めてくれよ?
 俺にもニャンコ共にも迷惑だからな。」
ニャンコ共の肉球を触りながらガキに注意をしておく。
ちなみに俺は肉球のついてる生き物を見ると5分以上触らずにはいられないのだ。
まったく面倒な体だぜ。
気持ちいいから良いけどよ・・・。
「ほれ、ニャンコ共。あの着物の嬢ちゃんのクリームを舐めてやりな。」
ニャンコ共は一斉に嬢ちゃんに襲い掛かる。
なんというか・・色々とアレな光景だな・・・。
「さ〜て、これで良いだろシャルルちゃん?他に何か要件が無けりゃ俺はそろそろ眠りたいんだけど。」

72 :
>>67
>「ごめんねー、もっと汚れないお菓子を出しとけばよかった」
「程度の問題じゃないわ……」
アルベは口の中でぼそぼそと不満を漏らす。
「それに、あんなに大きくて不細工なお菓子なんて、どれほどおいしくたって嫌よ」
>>68
>「けっ!たったそれだけのことかよ!生きてりゃ汚れるんだ。野糞がまきついてるよかいいだろうが!
>それとも何か?ぶちきれたオレが悪いってか?喧嘩売ってんのかこの小娘!」
「こンのクソ餓鬼――」思わず開きかけた人形の口を少女が塞ぐ。
>「もう、おめー(アルベ)は女学院に帰んな。ここにいたら猫になめられるぜ。
>あ?オレは開かずの間を探す。死んじまった両親がどっちも警察官だったんだ。
>真実を知りたいっていう警官の血が騒ぐのさ。じゃあな。あばよ。面倒かけて悪かったな」
じっと相手を凝視したまま、アルベはここまで黙って聞いていたが、
捨て台詞の言葉と共に学生が立ち去ろうとする動きに合わせて一歩踏み出すと、
思い切り相手の向こう脛を蹴り上げた。
ごちん、という鈍い音を廊下に響かせるとすぐに少女はたったか走り去って行った。
すれ違い際に「いいわ、許さないから」とささやいた声は相手に届いたかどうか。少女自身にはそれはどうでもよかった。
「好きで来たわけと違うんじゃ! お前に言われんでも帰ったるわ小僧このボケ〜!
お前みたいな切れる若モン、親の顔が見たいっちゅうねん! どうせ親御さんも草葉の陰で泣いとるやろ! 
警官ちゅうたらお前がぶちのめしたさっきの警部と同類やんけ! 笑わせんなや! せいぜい月のない夜には気ーつけーよ!
後でお前の住所調べて河原の石でも送りつけたんぞ! 覚悟しとけ〜! ばーか! ばーか!」
戒めを解かれた人形が少女の肩ごしに聞くに耐えない罵声を飛ばしていた。
少女と学生の距離が離れていくにつれてそれは次第に小さくなり、最後は聞こえなくなった。
「そんで何処行くねんアルベ。とりあえずもうこの建物に用はないやろ? 外出ようや、外」
自分の顔を覗き込む人形にちらりと目をやると、少女は「それもそうね」と答えた。
手近な窓から飛び降りて外に出てみると、なにやら黄金に輝く塔が初めて少女の目に入った。
それは随分巨大なものらしく、雲間からのぞく日の光にきらきらと塔身を輝かせていたが、
宗教施設にしては威厳がなく、記念碑にしては慎ましさがなくあまりに成金趣味的に見えて、一体何なのか彼女には理解出来なかった。
それに加えて塔が反射する日の光がとにかく目に眩しいので、少女はなんだか腹が立った。
「あれ塔やったんやな〜。壁かと思ってたわ」
「あんなに大きいのに、今まで全く気づかなかった。だからね、きっとそれほど重要なものじゃないのよ」
>>71
>「ほれ、ニャンコ共。あの着物の嬢ちゃんのクリームを舐めてやりな。」
>ニャンコ共は一斉に嬢ちゃんに襲い掛かる。
「……なに?」
「猫やんけ! 何かぎょーさんおるねんけど!」
どこからともなく現れた猫の群れが少女に擦り寄ろうとする。
少女は猫が嫌いではないが、野良猫は汚らしくて大嫌いだし、何より今、猫に抱きつかれるのはたまらなく嫌な気分だった。
猫から逃げるようにして、少女の足は自然と黄金の塔へと向かっていった。

73 :
>68
>「それに開かずの間だなんてよー。おめーはホントに大人なのかよ?脳みそまで生クリームで出来てんじゃねえの?」
「ふふっ、最高の誉め言葉よ。
常識と言う名の偏見に染まり過ぎて真実が見えなくなった人の事を大人と言うのなら――ね」
神話、伝承、更には現代の都市伝説。
”いい大人”なら夢物語と一笑に付すものこそが、真実に至る大事な手がかりだ。
文明の停滞の果てに起きた天変地異――”魔”が再び歴史の表舞台に現れた意味とは――?
>「もう、おめー(アルベ)は女学院に帰んな。ここにいたら猫になめられるぜ。
あ?オレは開かずの間を探す。死んじまった両親がどっちも警察官だったんだ。
真実を知りたいっていう警官の血が騒ぐのさ。じゃあな。あばよ。面倒かけて悪かったな」
「そう言うと思ってた!」
これは、開かずの間を探す、という部分に対して。次の言葉は予想外だった。
シュナ君、両親共に死んでるんだ……。
もしかして、デモンスレイヤーズだったのかな? もしかして、トライブにやられたのかな?
何故かそんな事を思った
>70
>「痛ぇ…やっぱ保健室に行くぜ」
>「さて、保健室に行こうぜ。俺が保健室に行ってニャンコ共連れて戻って来ても良いが、それだと時間かかるしよ。」
ルニキス君は、この状況から最も効率的な解決方法を編み出した――
と言うと大袈裟だが、彼は困ってる人を放っておけないのである。
あげたシガレットもちゃんと咥えてるし感心感心。
「そうね、保健室に行きましょう」

74 :
>72
三人一致で保健室に行くことになった時、アルベという少女が、シュナ君の向う脛を蹴り上げる。
「おおうっ、痛い!」
思わず、代わりに痛いと言ってしまった。
少女と人形は、元気に罵声をあげながら離れて行ってしまった。
「あ、待って! 猫ちゃんが綺麗にしてくれるから……」
>69
>71
保健室には、なぜかまたハゲの学園長がいた。
そして、にゃんこ達が異様に怯えている。
>「知らん!!だが!!杉浦太陽の塔に開かずの間などありはしない!絶対になッ!!」
「うわー、怪しいなあ、分かりやすく怪しいなあ」
開かずの間が実は、学園長の自宅だったらどうしよう。
盛り上がり最高潮で突入して、目の前で学園長の一家団欒が繰り広げられてたら全く締まらないじゃない。
>「では、わしはこれで」
「ちょっと待った、それは何!?」
学園長はそそくさと行ってしまった。裾からちらりと見えたのは猫の耳。
守護天使の化石を盗まれないように持ち歩いてるならまだしも……なぜに猫?
それにあの猫達の怯えようはまさか――。
「がびーん! にゃんこを一匹石化して連れ去った――!?」
半分はツッコミ待ちのボケだけど、半分は本気。
この学園都市では何が起こるか分からない事は、学園生活の年期が入りまくったアタシが保証する。
>「ほれ、ニャンコ共。あの着物の嬢ちゃんのクリームを舐めてやりな。」
にゃんこ達が窓から飛び出し、さっきの少女を追跡し始める。
かなりハイスペックな猫達だ。
>「さ〜て、これで良いだろシャルルちゃん?他に何か要件が無けりゃ俺はそろそろ眠りたいんだけど。」
「ええ、深夜12時の杉浦太陽の塔突入作戦に備えて寝るのよーっ、と言いたいところだけど……
あの学園長は何かあるわね。見たでしょ? さっきのにゃんこ達の怯えよう。
そうね、まずは――念のために猫が全員いるか確認しましょう!」
さすがのルニキス君も、猫の事になると寝ているわけにはいかない。
残念ながら、彼に安眠の時はまだ訪れないようだ。

75 :
>「さて、保健室に行こうぜ。俺が保健室に行ってニャンコ共連れて戻って来ても良いが、それだと時間かかるしよ。」
とルニキス。
>「そうね、保健室に行きましょう」
と答えるシャルル・ロッテ。
「ちっ…勝手にしろ」
そう言ってシュナが保健室へ向かおうとしたその時だった。脛に激痛。
>「いいわ、許さないから」
「いぢぢ…何をだよ?」
脛を押さえながら片足でぴょんぴょん飛び跳ねるシュナを尻目にアルベは風のように去る。
「いってぇな…。あの根暗娘、覚えてやがれ」
*  *  *
所変わって保健室。学園長の言葉にシャルルは訝しげな顔。
ルニキスも何かしらの異変に気がついていたようだが彼は猫の肉球に夢中だ。
>「お前さっき開かずの間に行くとか何とか行ってなかった?
 悪魔化しかけた手が痛くて諦めたか?
 どうでも良いけど保健室で騒ぐのは止めてくれよ?
 俺にもニャンコ共にも迷惑だからな。」
「開かずの間には行くけどよ。手の治療が先だ。脛も痛ぇし。
それに騒ぎゃしねーよ。ニャンコたちにも迷惑はかけねー。オレは動物には優しいんだ」
ルニキスが猫とじゃれあっている間、シュナは棚から勝手に消毒液を取り出し傷口にかける。
するとシャルルが…
>「がびーん! にゃんこを一匹石化して連れ去った――!?」
「あ!?いきなりなんだよ。おまえそんなくだらねー嘘ついてまで他人の注目引きてぇのかよ?」
シュナの目は吊り上がり舌はトグロを巻いている。怒り心頭で今にも火を吐きそう。そんなイメージ。
だが何かひっかかる。親譲りの警官の血が騒ぐ。
>「ほれ、ニャンコ共。あの着物の嬢ちゃんのクリームを舐めてやりな。」
>にゃんこ達が窓から飛び出し、さっきの少女を追跡し始める。
「んな!!」
>「さ〜て、これで良いだろシャルルちゃん?他に何か要件が無けりゃ俺はそろそろ眠りたいんだけど。」
>「ええ、深夜12時の杉浦太陽の塔突入作戦に備えて寝るのよーっ、と言いたいところだけど……
>あの学園長は何かあるわね。見たでしょ? さっきのにゃんこ達の怯えよう。
>そうね、まずは――念のために猫が全員いるか確認しましょう!」
「おい!猫のやつらは外に飛び出しちまったぞ。まさか追いかけんのかよ!?」
猫達はアルベを追いかけ太陽の塔へ駆けてゆく。これは運命のいたずらか。
どこかで不思議な力が働いているとしか思えない。

76 :
午後の陽射しが眩しい。いつのまにやら雨も晴れ、水たまりがキラキラと輝いている。
迫る猫から逃れ、杉浦太陽の塔にむかうのはアルベ。
――塔の入り口は自動ドアだった。それに節電のためか薄暗い。
その薄暗いなかを目を凝らして見れば君達は気がつくであろう。
ホールの壁に描かれている天使と悪魔の巨大な壁画に。
しばらくすると、どこからともなく聞き覚えのある声が響く。
「ふふふ。変わった壁画でござろう?所謂芸術ってやつでござろうか?
拙者にはよくわからぬでござるが…。
ただ拙者は思うのでござる。天使と悪魔の戦う理由はなんであろうかと。
あ、それはそうと君達は今、幸せでござるか?
もしも幸せならその幸せを不幸な人達に分けてあげたいと思ったことはないでござるか?
ん?ないのでござるか?顔にないと書いてあるような気がするでござる。
まあ、土台無理な話なのでござるが…。
だって、それは幸せではないのでござる。ただの偽り、嘘、虚像、幻想。全てはキミの錯覚にすぎないのでござる。
他人を不幸と決めつけて、君達が造り上げた虚構の城。その逆もまた然り。
可哀想で悲しくて愛しい。君達も拙者もみんな同じ。虚ろな主観で全てを決める愚者。
この世界に、真実の善も本当の悪も存在しない。
自我で決めた境界線なんて、何の役割も果たさないのでござろうな。
なぜなら君達の存在が定めた境界線が、不条理を、痛みを、苦しみを、憎しみを、侮蔑を生んでいるのでござるよ。
それは、人が存在し始めたときから続いていて、そしてこれからも続いていくのでござる。
ノアの方舟の神話や神々の黄昏にあるように、一度、虚無に還った後でさえそれは続いてきたのでござる。
それならばどうしたら、みなが幸せになれるか。答えは明明白白。負の始まりを正せばいいのでござる。
じゃあその負の始まりとは何でござろう?人は一体どこから誤りを正せばいいのでござろう。
キリストの死、最後の晩餐。或いは、ユダの裏切りか契約の箱か。それともアブラハムの誕生、楽園喪失自体が間違いだったのでござろうか。
過去の事象を完全に知り及ぶことは不可な上に人の虚ろな主観では根本を審理することは出来ないのでござる。
だから正せばいいと言いながらも正すことは出来ないのでござるよ。――人が人である限りは…」

77 :
「というわけで、拙者は君達の力を借りたいのでござる。
この塔の150階『知恵の部屋』に拙者はいるゆえ、そこで合流するでござる。
拙者との遭遇は、きっと君達を新しい世界へと導くでござろうよ。
あ!それとこの塔のセキリィーシステムは狂っているから気をつけるのでござるよ」
謎の声、多分、角砂糖であろうその声はそう言った。
しかし怪盗と名乗る者の言葉を、そう簡単に信じてよいものだろうか。
チーン。沈黙を破り開くエレベーターの扉。
面白がってエレベーターに飛び込む元気な猫が一匹。
猫は隅っこの匂いを嗅いでいる。
「たくっ!なんなんだよ!」
シュナは声のする方向を睨みつけたが、角砂糖の返答はなかった。
舌打ちをしてシュナはエレベーターに乗ろうと一歩足を踏み出す。
その瞬間。ガコン!
「あ!?」
扉に挟まれるシュナ。突如上昇するエレベーター。
「うががぁ!!」
扉に固定され、エレベーター側に飛び出しているシュナの下半身と
反対に外側に飛び出している上半身が離れ離れになるのは時間の問題だろう。
果たしてシュナは、始まってすぐに死んでしまうのだろうか。

78 :
セキリィーじゃなくてセキリティーですねー
ごめんなさい(汗)

79 :
>「ええ、深夜12時の杉浦太陽の塔突入作戦に備えて寝るのよーっ、と言いたいところだけど……
あの学園長は何かあるわね。見たでしょ? さっきのにゃんこ達の怯えよう。
そうね、まずは――念のために猫が全員いるか確認しましょう!」
・・・・・え?
ちょっと待ってちょっと待って。
今の話だと俺が杉浦太陽の塔に一緒に付いて行く話になってるんですけど?
「あの〜シャルルちゃん、杉浦太陽の件はパスしたいんだけd・・・」
いや、そんな目をされましても・・・。
>「おい!猫のやつらは外に飛び出しちまったぞ。まさか追いかけんのかよ!?」
・・・なんでこうなるのかねぇ。
・・文句言っててもしゃあねぇか。
「分かった分かった。分かりました。行けば良いんだろ行けば。
 乗りかかった船だ、最後まで乗ってやらぁ。」
今保健室に居るニャンコ共は3匹。
全部で15匹居る筈だから、あの嬢ちゃんの所に12匹居ればOKなわけだ。
・・・そんじゃ、行きますか。
割と長いことこの学園に居るが杉浦太陽の塔に来たのは始めてなわけで・・・。
塔の入り口が自動ドアだった事に少し驚いた。
天使と悪魔の巨大な壁画をマジマジと見ていたら、さっき学園で聞いた声が響いてくる。

80 :
・・・なんだか長々と訳の分からん事を言ってたが、ニャンコ共を捜しながら150階を目指せばいいわけだ。
エレベーターが開くと同時にどこからかニャンコが一匹飛び込んだ。
コイツは保健室に居たニャンコじゃねぇからノーカウントだな。
>「たくっ!なんなんだよ!」
苛つきながらガキがエレベーターに一歩足を踏み出す。
>「あ!?」
>「うががぁ!!」
エレベーターはガキの足を挟んだまま上昇しようとする。
このままじゃ上半身と下半身がお別れになっちまうとこだが・・・
「ったく・・・危ねぇガキだな。」
焦るガキの襟元を力任せにエレベーターの外へと引っ張り出す。
地面にケツを強打してジタバタしてるが、バラバラになるより良かっただろ?
「さ、気を取り直して乗り込むか・・・ん?」
エレベーターに再び乗り込もうと思ったその時、複数のニャンコ共の声とが聞こえた。
目を凝らせば少し離れた所でさっきの嬢ちゃんと騒がしい人形?とニャンコ共がじゃれあっているじゃないか。
「こんな所で何じゃれあってんだよ。」
着物のクリームは所々が所々残っているのと嬢ちゃんの疲れ具合を見ると、相当抵抗していたのが分かる。
ニャンコが嫌いだったのか?
とりあえずニャンコの数を確認する。
「・・・何度数えても11匹か。やっぱり1匹足りねぇな。」
シャルルちゃんの推測が当たっている可能性も否めない感じだな。
だとしたらジジイの目的は何だ?
ニャンコを石化して何をするつもりだ?
・・・今考えても仕方無いか。
俺は嬢ちゃんに手を差し伸べ、一つ質問をする。
「一緒に来るか?答えは聞いてない。いいから黙ってついて来な。」
こういう時は人数が多い方が何かと便利だ。
悪いが一緒について来てもらうぜ。

81 :
(開かずの間にて)
「暇だな」
この言葉を彼は何千回、いや何万回も呟いている。
何処にも扉がない、不気味な空間で男は大きく欠伸をする。
しかし、眠気は出てこない。まるで呪いのように、ここ何年も
寝てないのだ。
彼の名前はタサン。たぶんそうだろうと思っているだけで
本当は違うかもしれない。
ちなみに下の名前は忘れてしまった。
「夕日が綺麗だな。」
タサンは窓も無い場所で、爽やかな笑顔を浮かべていた。

82 :
近未来。統一世界歴100年目。
ここは学園都市。
世界中から集まるデビルチルドレンと呼ばれる特殊な子供たちを隔離し
教育するために造られた巨大な都市。
現在の登場人物達は、杉浦太陽の塔に進入したデビルチルドレン達と
塔の開かずの間に眠ると噂されている「守護天使の化石」を狙う怪盗「角砂糖」。
そして保健室の猫を石化し、どこかへ持ち去ったとされるエロハゲ学園長「樽間総一郎」に
開かずの間でデビルチルドレン達を待っているであろう謎の男「タサン」の計六人(コテさんは四人)
猫の数を確認すべく塔内に進入したデビチル達は、やはり猫が一匹いないことに気がつく。
これは一体どういうことなのだろう。
※  ※  ※
物語を進める前に時は少しだけ遡り、デビルチルドレン達が杉浦太陽の塔に進入する数分前。
塔の150階。「知恵の間」に到着した学園長こと樽間総一郎は、石の猫を台座に置くと深い溜め息を吐いていた。
「角砂糖…。いったい何者だ?」
もともと杉浦太陽の塔はサグラダ・ファミリアと同じく建設に数百年の歳月を要した塔。
永遠に完成しないであろうと噂された塔を、強引に設計変更をしてまで完成させたのが
何を隠そう樽間総一郎であり、設計変更してしまったことについては今だにガイア協会で物議を醸している。
「何者かの恨みだろうか?」
心当たりがあり過ぎてわからない。虚ろな視線を移せば
円形で大きな二つの窓から差し込む光を浴び、わけのわからないオブジェが輝いている。
その鉄屑をばら撒けたようなごちゃごちゃしたオブジェの足下のプレートに刻まれている謎の文章。
金○ 玉○ 見つめあう時
閉ざされし門 開かれん
○は欠けて読めない部分。決して放送禁止用語ではない。
樽間は太い指でリモコンのスイッチを押す。すると円形の窓のシャッターが降りてゆく。
そう、まるで瞼を閉じるかのように。

83 :
>>81(開かずの間)
>「夕日が綺麗だな。」
窓もなく見えないはずの夕陽を見つめタサンは微笑んでいた。
きっとそれは孤独なタサンが生み出した記憶の夕陽なのだろう。
不気味な部屋のほぼ真ん中には苦悶に満ちた天使の石像。
そう、これは守護天使の化石。
それは四つん這いの姿で、地面を掻き毟るかの如く指先を突き立てており
減り込んだ指先が、恐ろしい猛禽類の鉤爪を想起させている。
タサン以外は静寂を維持している不気味な空間。
停止した警備ロボットが数体、守護天使のまわりで眠っている。
果たしてタサンは15年前の出来事を覚えているのだろうか。
この開かずの間で起きた出来事を。
(15年前のウロ覚えな記憶の世界)
「ひいいい!もう逃げろ!あとは樽間に任せるんだ!!」
「ばかもの!それでも貴様はデモンスレイヤーか!?」
「もうダメです」
「か!変わるぞ!!」
「こ、せー!!今のうちにしてしまえー!!」
「ぬわあぁゃ!!」
「う、うたっている!?」
「きゃあぁーやめてー!!」
「アハハハハーケダモノドモメー!!」
記憶の中のタサンの頬を目がけて、光り輝く謎の平手打ちが襲い掛かる。

84 :
(追記しました。まだ塔のほうは動かしてないですよ〜)

85 :
>>ALL
>「ったく・・・危ねぇガキだな。」
エレベーターの扉に挟まれてしまったシュナだったが、ル二キスに引っこ抜かれ助かった。
その代償として、彼は床に思いっきり尻餅をついてしまったわけだが命が助かったのだから文句は言うまい。
「いたたた!!なにしやがる、このちょんまげやろう!尻が爆発するかと思ったぜ!こんちくしょう!」
尻をさすりながら怒鳴るシュナ。一瞬、自分の体重が増加したような気がしたが、まさか…。
>「こんな所で何じゃれあってんだよ。」
「あ?」
ルニキスの見つめる先にはあの少女がいた。
「おめー帰ったんじゃなかったのかよ」
ピクミンのように引っこ抜かれた所をアルベに見られたかと思うとシュナは赤面する。
「でもよ。このエレベーターは大丈夫なのかよ。向こうに階段もあるぜ。
つっても150階も昇るのは骨が折れるだろうな。特におばさんが…」
シュナはシャルルを見たあと足下に視線を落とす。変な音がするからだ。
ワシャワシャワシャワシャワシャ…
「おい。なんだこれ!?痛ぇ!!噛まれた!!」
床に無数の蟻が這っている。セキリティーシステムとか関係なく蟻である。
それも化け物蟻が自動ドアの隙間から津波のようにどんどん入って来ていた。
通路の両端を飾っている観葉植物が蟻に喰われアっという間に崩れ落ちる。
「わああ!!」
ホールに雪崩れ込む化け物蟻に階段への道は塞がれる。
【まだアルベさんが書いてなかったとしたらこんなレスも書いてみましたので〜。
書いてたらこっちをボツにするよぉ〜】

86 :
もっと気楽に書けるように四日ルール廃止しよー!
忙しい時や体調不良があるから四日ルールにしたけど、もともと立て逃げスレの廃品利用っつか
落書き垂れ流しくらいの感覚のつもりのスレだったのね
アルベさんが悩んでるのかなと思って、仮のレスを差し込んでみたんだけど余計なことでした
アルベさんごめんなさい。オラも、もっと気をつけないと…とほほ〜。
みなさんこれからもよろしくねー!

87 :
>75
>79
>「おい!猫のやつらは外に飛び出しちまったぞ。まさか追いかけんのかよ!?」
>「分かった分かった。分かりました。行けば良いんだろ行けば。
 乗りかかった船だ、最後まで乗ってやらぁ。」
猫を追いかけて、なし崩し的に杉浦太陽の塔攻略が始まる――!
>76-77
>80
猫を追って、杉浦太陽の塔にやってきたアタシ達を出迎えたのは、天使と悪魔の壁画。
どこからか声が響いてくる。怪盗角砂糖の意味深な演説。
「天使と悪魔が戦う理由――それは、神に仕える者と神に刃向う者だからよ。
そして悪魔とは、神に逆らい堕天した元天使と、貶められた異教の神々――
つまり、創造主たる神そのものが争いの種になっているのよね。
正せなくて当たり前よ。世界創造の瞬間が、言うなれば負の始まり……」
>「というわけで、拙者は君達の力を借りたいのでござる。
この塔の150階『知恵の部屋』に拙者はいるゆえ、そこで合流するでござる。
拙者との遭遇は、きっと君達を新しい世界へと導くでござろうよ。
あ!それとこの塔のセキリィーシステムは狂っているから気をつけるのでござるよ」
罠かもしれないのは分かっている。それでも行くしかない。
怪盗角砂糖は、世界の根幹に関わる重要な手がかりを握っているかもしれないのだ。
「どんな罠があるか分からないわ。気を付けて行こう」
言ったそばから、シュナ君が真っ先にエレベーターに乗ろうとする。
早速はさまれて、エレベーターが上昇し始めた。
>「あ!?」
>「ったく・・・危ねぇガキだな。」
>「いたたた!!なにしやがる、このちょんまげやろう!尻が爆発するかと思ったぜ!こんちくしょう!」
間一髪でルニキス君が引っ張り出した。
「ああ、びっくりした〜! 真っ二つになるところだったのよ!」
ルニキス君が、少女とじゃれ合っている猫達を見つけ、その数を数える。
>「・・・何度数えても11匹か。やっぱり1匹足りねぇな。」
……いよいよハゲの容疑が信憑性を帯びてきた。

88 :
>85
>「でもよ。このエレベーターは大丈夫なのかよ。向こうに階段もあるぜ。
つっても150階も昇るのは骨が折れるだろうな。特におばさんが…」
「ん? 何か言った? ……ひぃ!?」
足元で黒いものがワシャワシャしていた。
>「おい。なんだこれ!?痛ぇ!!噛まれた!!」
「蟻!? どうしてこんなに……? とにかく入り口付近に餌を撒いてせきとめましょう!」
魔力で角砂糖を生成して、入り口の前あたりへばら撒く。
>86
【了解っす! こちらこそよろしく!】

89 :
>>76-77
黄金の塔の中、天使と悪魔の壁画を前にしてアルベは、またしても珍妙な演説を黙って聞くことになった。
「またかいな・・・。何回やんねん。二度あることは三度っちゅうけどな、仏の顔も三度やで」
人形はうんざりとした表情で耳を掻く。そしてアルベには、馬の耳に念仏だった。
彼女は目の前の壁画をぼんやりと見つめている。
彼女はふと思った。あまり意識したことはなかったけれど、天使というのも随分醜悪なのね、と。
「――なんや、何かと思えば。倫理の講義でもしたかったんかい」
怪盗角砂糖の、些か壮大な演説を聴き終わり、人形が呆れたように口を開く。
「宗教の話だったのかもしれないわ。原罪がどうとか……」
「お生憎さま! うち仏教やねん!まあ人間の罪っちゅうのもうちには関係ない話や。うちは人形やからね。
あいつはああ言うとったけど、人形の幸せまでは考えとらんやろうな〜」
人形の言葉を受けて、アルベはクスリと笑った。
「不思議なものよね、さっきの。人間の幸せとか、人間の罪とか……。
もしかして、自分がまだ「人間」だとでも思っているのかしら。とても滑稽だわ。
せっかくこの都市に来たって言うのに、結局余所ともあまり変わらない……「なり損ない」ばかりなのかしら」
>>80
塔に入って来た時は少女一人だったはずだが、いつの間にかホールに人影が増えていた。
校内で居合わせた学生二人と教師風の女、そして猫。
彼らもさっきの話を聞いていたのだろう。怒り出したり、考え込んだり、猫と戯れたり、それぞれに反応が見えた。
>「一緒に来るか?答えは聞いてない。いいから黙ってついて来な。」
こちらに差し伸べられた手を全く無視して、アルベは壁画の方へ近づいていく。
「アハハ、おもろいボケやな〜。猫がおらなんだらもうちょい笑えたかもしれんわ。これからに期待やな。修行しとき」
通りがけ、少女の人形が代わりに学生の肩をポンポンと叩いた。
「で、お前はどこに行くんやアルベ?」
「そうね、さっきの……下らないことを喋っていた男の顔、せっかくだから見て帰ろうと思うわ」
>>85
エレベーターに切断されそうになったあの男が間一髪で助けられたようだった。
少女はあまり関心はなさそうにしながらも、その一連の事態を目端に捉えていた。
>「おめー帰ったんじゃなかったのかよ」
何を思ってか照れくさそうに男が言い捨てる。
「……ねばよかったのに……」
目も合わせずに少女は呟いた。その声はあまりに小さく、周りにはよく聞こえなかったようだが、
それをしっかり聞いていた人形は「また縁起でもないことおっしゃいますなァ!」と楽しそうに笑う。
「なんで笑うの?」
少女の方は飽くまで不機嫌そうに、まだ服に残るクリームの汚れを指で擦った。
壁画のすぐ傍まで近づくと、少女はぺたぺたとあちこちに触りだした。
少女が壁画を押したり叩いたりしているのを横目に、人形は「う〜む」と難しい顔で絵を睨んでいる。
>「おい。なんだこれ!?痛ぇ!!噛まれた!!」
>「わああ!!」
叫び声に振り返ると、床が黒く波うっていた。
「アリや〜!」
人形が声を上げる。
「おいアルベ!アリや!あのアリごっつヤバそうやで・・・。あの草食うスピード!
アルベ!アルベ! お前さっきから何してんねん!」
もう半ば壁画にへばりつきながら少女は答える。
「セキュリティーが狂っているっていうの、本当みたいだから……。
エレベーターも階段も、見えているところはどうせまた別の罠があるわ。だからこの辺にきっと……」
「隠し通路でもあるっちゅうんか!? アルベ!あるなら早う見つけてーや!」

90 :
>>87-88
>「天使と悪魔が戦う理由――それは、神に仕える者と神に刃向う者だからよ。
>そして悪魔とは、神に逆らい堕天した元天使と、貶められた異教の神々――
>つまり、創造主たる神そのものが争いの種になっているのよね。
>正せなくて当たり前よ。世界創造の瞬間が、言うなれば負の始まり……」
(なんか、生まれて損した気分になるぜ〜)
>「ああ、びっくりした〜! 真っ二つになるところだったのよ!」
(うるせえな!)赤面中。
>「蟻!? どうしてこんなに……? とにかく入り口付近に餌を撒いてせきとめましょう!」
化け物蟻たちはシャルルの作り出した角砂糖にむしゃぶりつくと
触角をゆらゆら動かしながら大人しくなっていく。
「初めて見たな、こんな蟻。新種かよ?」
蠢動し波打つ黒い床が次なる獲物を狙い動き出すのも時間の問題であろう。
>>89
>「……ねばよかったのに……」
アルベのつんけんとした性格は彼女の性(さが)というものか。
ルニキスは猫好きで「かったりー」が口癖。
大人のシャルルが比較的まともなのは、学園生活で自分を抑制する術を身に着けたためかも知れない。
実際学園都市では、誰も誰かを救える事なんて出来てやいない。
シャルルの道徳の授業も、聞く耳をもった生徒が自分で変わろうと思うだけのこと。
傷の舐めあいと、人のままでありたい。そんな儚い思いだけが詰まったここは砂の城。
>「隠し通路でもあるっちゅうんか!? アルベ!あるなら早う見つけてーや!」
「はあ?隠し通路だ!?仕掛けでもあるってのかよ!?」
噛み付いた蟻を潰して怒鳴るシュナ。
「つーか、おめーさっきなんつったよ?どうせ悪口だろうけどよ。
どうでもいいけど謝りな。廊下で俺の脛を蹴り上げたことをひっくるめて
まるっと謝罪しやがれ!土下座しろ土下座衛門が!まあ、あとでいいけどよ」
シュナは意外とねちっこい。懸命に壁画を叩くアルベの背に更に怒りの言葉を投げつける。
壁画には天使に悪魔に烏に兎が描かれており、兎穴の奥には何故か猫の姿。
「ん?あの壁画の猫、見覚えが。保健室にいた猫にそっくりじゃねえか?」
よく目を凝らしてみると壁画の中の猫は動いていた。なんと絵と思っていた兎穴は本物の穴。
所謂トリックアートになっており、保健室の猫たちが奥に逃げ込んでいたのだ。

91 :
※穴に気がついて奥の魔方陣に進んだ場合
『隠し部屋のなかで』
兎穴と言っても天使と悪魔の姿がアホほど大きく描かれているのだから
現実の穴は兎どころか人間が入れるほど大きい。
奥に進めば魔方陣。移転先は150階。魔方陣の中央に立つだけでワープできる。
学園長も消えた角砂糖もこれを利用したのだろうか?
保健室の猫たちは本能からか、みんな穴の奥の魔方陣の部屋へ避難していた。
もしもキミ達がここへ辿り着いたら、すりすりされたあと脛に齧り付かれるだろう。
「にゃあああああ!!」
突如、噛み付いてきた一匹の猫から黒い翼が生えてくる。
他の猫達も悶絶しながら床を転げまわっている。気絶している猫もいる。
あろうことか猫が悪魔化しているのだ。
「るにゃきしゅぅ〜たしゅけてぇ〜」
転げまわっている猫がおもむろに喋る。悪魔化は猫に特殊な力を与えていた。
まさか人間以外がトライブ化するなどデビルチルドレンの研究者でもあるシャルルもびっくりのことだろう。
口をあわあわしながらも自制を失った魔猫は君の脛から噛み付いて離れない。

92 :
・・・あれ?
何かさりげなくカッコつけたつもりだったけど普通にスルーされた?
>「アハハ、おもろいボケやな〜。猫がおらなんだらもうちょい笑えたかもしれんわ。これからに期待やな。修行しとき」
ニャンコの肉球を触りながら握手をスルーされた俺の肩を人形がポンポンしやがる。
生まれてこの方人形に慰められたのなんて今回が初めてだが、無性に腹立つなこんちくしょう。
まあ良いさ、どうせうちの学園なんてロクでもねぇ捻くれたガキが大半を占めてんだ。
いちいち腹を立ててたらキリがねぇ。
さっさとエレベーターで上を目指して・・・
>「でもよ。このエレベーターは大丈夫なのかよ。向こうに階段もあるぜ。
つっても150階も昇るのは骨が折れるだろうな。特におばさんが…」
そう言ってシャルルちゃんを見る。
「こらこらガキんちょ。シャルルちゃんをおばさん扱いはヒデーじゃねぇか。
 シャルルちゃんはまだ2ピー歳だぞ。まだギリギリ賞味期限内だ。」
そんな失敬極まりない話をしているのも束の間、災難とは重なる時はよく重なるもので・・・。
>「おい。なんだこれ!?痛ぇ!!噛まれた!!」
>「蟻!? どうしてこんなに……? とにかく入り口付近に餌を撒いてせきとめましょう!」
現れたのは大量の蟻。
シャルルちゃんが角砂糖をばらまくが大量の蟻共の前では一時凌ぎにしかならない。
階段とエレベーター、どっちから逃げるべきか・・・。
>「セキュリティーが狂っているっていうの、本当みたいだから……。
エレベーターも階段も、見えているところはどうせまた別の罠があるわ。だからこの辺にきっと……」
>「隠し通路でもあるっちゅうんか!? アルベ!あるなら早う見つけてーや!」
二択で悩んでいると着物の嬢ちゃんが新たな選択肢を導き出した。

93 :
確かに嬢ちゃんの言う事も最もだ。
蟻はあくまで階段かエレベーターに誘う為の布石という可能性も大いにあり得る。
こうなったら何とかして隠し扉を探すしかない。
>「ん?あの壁画の猫、見覚えが。保健室にいた猫にそっくりじゃねえか?」
そう言われて壁画のニャンコを凝視すると、何と壁画のクセに動きやがった。
そう、絵ではなく本物の穴になっていやがった。
「こっちだ!早く来い!」
それに気付くなり他の奴らを呼び寄せ、穴の中に入り込む。
穴は人間が余裕で通れる位大きかった。
蟻からの追跡を逃れ奥に進むと魔法陣がある。
魔法陣の近くに保健室に居たニャンコ共は非難していたようだ。
「無事だったみてぇだな、良かった良かっ・・てぇぇえ!!?」
すりすりしてきた一匹の肉球を触っていると急に脛にかじりつかれた。
甘噛みとかいうレベルじゃない。
本気で噛んでやがる。
>「にゃあああああ!!」
>「るにゃきしゅぅ〜たしゅけてぇ〜」
「なっ!!」
俺にかじりついているニャンコから黒い翼が生える。
オマケに転げ回っているニャンコは喋りだしやがった。
人間以外が悪魔化するなんて聞いた事ねぇぞオイ。
「ちょっとちょっと、どういう事だシャルルちゃん?
 悪魔化すんのは人間だけじゃねぇのかよ?
 もしかして歴史的大発見の現場に立ち会っちゃってんのか俺達?」
しかも脛から離れないんだけど、メチャクチャ痛いんですけど。

94 :
>89-93
>「……ねばよかったのに……」
少女は、この学園での禁句を言い放った。幸い、シュナ君には聞こえていないみたいだ。
「冗談でもそんな事を言っちゃだめよ〜。この学園で言うとシャレにならないから!」
そして話題は、正解ルートの探索に移る。
>「セキュリティーが狂っているっていうの、本当みたいだから……。
エレベーターも階段も、見えているところはどうせまた別の罠があるわ。だからこの辺にきっと……」
>「隠し通路でもあるっちゅうんか!? アルベ!あるなら早う見つけてーや!」
「こういう時は壁画が怪しいと相場が……」
>「ん?あの壁画の猫、見覚えが。保健室にいた猫にそっくりじゃねえか?」
>「こっちだ!早く来い!」
皆の素晴らしい連携によってトントン拍子で推理は進み、隠し通路が見つかった。
穴に入って進んでいくと、魔法陣のある部屋に出た。なぜか猫達が寄り集まっている。
猫達は、アタシ達の姿を見つけるとすり寄ってきた。
「ここは危険よ、キミ達は保健室に帰りなさい――あいだだだだだ!!」
直後、アタシ達は信じられない光景を目撃する事になる。
>「にゃあああああ!!」
猫の背に生えるは、黒き翼。漆黒の悪魔の羽根!
さらに、転げまわっている猫が人語を喋る!
>「るにゃきしゅぅ〜たしゅけてぇ〜」
>「ちょっとちょっと、どういう事だシャルルちゃん?
 悪魔化すんのは人間だけじゃねぇのかよ?
 もしかして歴史的大発見の現場に立ち会っちゃってんのか俺達?」
脛を齧られながら繰り出された質問に、脛を齧られながら回答する。
「そうね。――動物が悪魔化した、という情報は現在のところ報告されていない。
ある程度の知性を持つ者でないと悪という概念も持たないから――と考えられていた。
でも根本から学説が塗り替わるわこりゃあ。
実のところ文献には動物と悪魔の関連を示唆する情報は思いっきりあるのよね。
例えば――7つの大罪を司る悪魔にはそれぞれに対応する動物が設定されている。
嫉妬のレヴィアタンは蛇、強欲のマンモンは狐、と言う風に――」
そこまで言って、悪魔学講義をしている場合ではない事に気付く。猫達を助けてやらなければ。
少なくとも喋った猫は、まだ正気が残っている。完全にトライブ化はしていないはずだ!
この猫達には餌をやった事が何回かある。
小魚スナックを生成し、ばら撒く。餌やりすれば正気に戻ってくれるかもしれないとの願いをこめて。
「アタシよ、シャルルよ。覚えてる? お願い、脛じゃなくてこっちを食べて!」

95 :
>>90-94
少女は壁画に隠された穴をくぐって奥へ進んだ。
先の部屋には魔方陣と猫がいる。一見したところ、それ以外に不自然なところはないようだった。
>「つーか、おめーさっきなんつったよ?どうせ悪口だろうけどよ。
>どうでもいいけど謝りな。廊下で俺の脛を蹴り上げたことをひっくるめて
>まるっと謝罪しやがれ!土下座しろ土下座衛門が!まあ、あとでいいけどよ」
「ホンマ女々しいやっちゃな〜。事の発端はお前にあるんやで。自分、そんなん言うて恥ずかしくならんの?」
後ろからうるさいくらいに聞こえる批難の声に耳を掻き掻き、人形が答える。
「土下座衛門……だって。おとら、どんな意味なのかしら」
「知ら〜ん。あいつの名前と違うかな」
「ふうん……。土下座衛門……」
>「冗談でもそんな事を言っちゃだめよ〜。この学園で言うとシャレにならないから!」
「……耳がいいのね」
ちらっとシャルルの方に顔をやり、向き直ってまたつぶやく。
「私、冗談は言わないわ」
「それで、あの魔法陣に乗ればいいの?」
人形に問いかけながら少女が床の文様に近づいていく。
>「にゃあああああ!!」
>「るにゃきしゅぅ〜たしゅけてぇ〜」
部屋をうろついていた猫たちが突然もがき苦しみながら人語で助けを求めて来た。
あるものは翼が生えるなど、姿形にまで異常をきたしている。
「うわっ、猫が喋った! 何やねんこいつら・・・バリキモいわ!」
「そういうこと、あなたが言う?」
眼前の怪異に驚く人形と対照的に、アルベは落ち着いた顔で猫たちを観察していた。
「翼の生えた猫……。旧暦時代にも、世界各地でいくつか目撃例はあるはずだけれど。
おとら、そんなに珍しいものなの?」
「う〜ん・・・まあ、うちも見たことは無かったんやけど・・・。
動物のナリした悪魔や妖怪なんて腐るほどおるし、翼猫自体はそんな大したやつとちゃうで。
けどなぁ、こいつらの場合は目の前で変異してるみたいやし・・・」
少女の問いに答える人形は、やはり猫たちの不気味さに顔をゆがめている。
「何が原因なのだと思う?もしかしてあの魔法陣?」
「いや、あれはただの転移魔法やろ。近世の儀式魔術っぽいからもしかしたらあれやけど、見たとこヤバイ感じではないよ」
「……だとしたら何が問題なのかしら。この塔?」
「今んとこ何とも言えんなぁ。この街におるくらいやから、こいつらがもとから翼猫だったとしても、うちは驚かんけどな」
>「アタシよ、シャルルよ。覚えてる? お願い、脛じゃなくてこっちを食べて!」
アルベと人形が事態を分析しているその一方で、女教師が猫たちを助けるべくお菓子をばら撒いている。
それを横目に少女と人形は顔を見合わせた。
「うちらどうする?」
「そうね。特に障害は無いようだし、先に進もうと思うのだけど」
「まあ〜・・・ちょっっっとだけ猫が邪魔やけどな」
「転がってるだけなら邪魔じゃないわ。邪魔してきたら……」
言いながら少女は魔法陣に近づいていく。
「せやなぁ。羽生えて苦しんでんなら、もいでやったら治るかもしれんもんなァ」
少女はその後を言わなかったが、人形は少し口元をにやけさせた。

96 :
>「ホンマ女々しいやっちゃな〜。事の発端はお前にあるんやで。自分、そんなん言うて恥ずかしくならんの?」
「恥かしいも糞もねーよ!発端なんて忘れたぜ。ばかやろ」
>「土下座衛門……だって。おとら、どんな意味なのかしら」
>「知ら〜ん。あいつの名前と違うかな」
>「ふうん……。土下座衛門……」
「は?んな名前つける親がいるわけねーだろ!オレの名前はシュナ・オルムだ!
おめーこそイッコクドウとかそんな名前じゃねーだろうな不気味んちゃんよー」
アルベを睨みつけたものの彼女は知らん顔。
>「何が原因なのだと思う?もしかしてあの魔法陣?」
>「いや、あれはただの転移魔法やろ。近世の儀式魔術っぽいからもしかしたらあれやけど、見たとこヤバイ感じではないよ」
>「……だとしたら何が問題なのかしら。この塔?」
>「今んとこ何とも言えんなぁ。この街におるくらいやから、こいつらがもとから翼猫だったとしても、うちは驚かんけどな」
「ふーん。あの魔方陣で転移できるのかよ」
>「そうね。――動物が悪魔化した、という情報は現在のところ報告されていない。
>ある程度の知性を持つ者でないと悪という概念も持たないから――と考えられていた。
>でも根本から学説が塗り替わるわこりゃあ。
>実のところ文献には動物と悪魔の関連を示唆する情報は思いっきりあるのよね。
>例えば――7つの大罪を司る悪魔にはそれぞれに対応する動物が設定されている。
>嫉妬のレヴィアタンは蛇、強欲のマンモンは狐、と言う風に――」
「頭いいな。ボケた顔してっけどな」
悪魔講義をしているシャルルに、両足の脛を齧られながらシュナは言う。
>「アタシよ、シャルルよ。覚えてる? お願い、脛じゃなくてこっちを食べて!」
「むにゃ!?にゃにゃにゃむむぐもぐもぐ」
猫たちは脛ではなく小魚スナックを一心不乱に食べはじめた。
「うひゃ!大成功だぜシャルル先生。
これならルニキスの旦那も保健室で安眠できるぜー」
シュナは嬉しそうに魔方陣の中央に立って先に進む。

97 :
「なんだこれ!?あやしいぜ!また罠とかあるんじゃねーのか?つーか怪盗角砂糖はどうした!?」
君達が魔方陣でワープしたら目の前には長い廊下があるだろう。
廊下を抜ければ部屋にでる。部屋には西洋の鎧や古時計。ずらりと並ぶ本棚と巨大な鏡が数枚。
部屋の奥にはエレベーターの扉があり、ここが150階ということがわかる。
窓から首を出せば人型をした杉浦太陽の塔の鼻の先が見える。
部屋の中央のテーブルにはワインとチーズ。もみ消された樽間の葉巻。
奥には子供部屋があり人形や玩具で溢れかえっているが使われていないのかどれも皆埃っぽい。
ネズミがちょろちょろと顔を覗かせているのも見える。
ここで君たちはいくら探しても「扉」と呼べるものを見つけることが出来ないだろう。
しかし誰かが気付くかもしれない。大きな鏡の一枚が自分の姿を映さないということに。
それは鏡ではなく。対称に造られたもう一つの部屋。
その部屋に入り奥の扉を開けると狭い通路に古めかしい鉄巨人がいる。
それは狂った警備ロボットであった。特定の人物以外をやっつけるのだ。
鉄巨人は動きは鈍いが顔から網を飛ばし捕獲し、巨大なピコタンハンマーで君たちを叩き潰すであろう。
そして君を捕獲したあとロープでぐるぐる巻きに縛りあげ窓から投げ捨てるのだ。
鉄巨人の力は凄まじく捕まってしまったら普通の人間にはどうしようも出来ないことだろう。
選択@
部屋で寛ぐ
チーズをねらって魔ネズミが襲いかかってくる。
「ちゅー!」
選択A鏡が入り口になっていることに気がつき進む。
「ガオーン!」
扉を開けると鉄巨人。口からネットを吐いてくる。
選択B自由
選択の自由

98 :
右脳の部屋から左脳の部屋へ移動して
奥の扉を開けて通路の鉄巨人を倒すか逃げるかどうにかしたら
通路の奥に扉があります。
そこが知恵の部屋です。樽間がいる部屋です。でも今は樽間はいません。
知恵の間を開けたら、閉まった大きな丸い窓が二つ。中央に謎のオブジェ。
床のプレートに
金○ 玉○ 見つめあう時
閉ざされし門 開かれん
と記されています。○は傷ついて読めなくなっている箇所です。

99 :
テンプレ
名前 トム・ジリノフスキー
性別 男
年齢 16
髪の色 金
瞳の色 青
容姿 学生服姿、線目、中肉中背
備考 野次馬根性が強い、が、人に迷惑をかけるのが嫌い
好きなもの ゲーム
嫌いなもの 痛い事
うわさ@ 大した実力もないのに色々な事に首を突っ込んでは痛い目にあっているらしいが、全く懲りない
うわさA しかし「関わるからには何かしろ役に立とう」と言う変な使命感があり、邪魔にはならない…のか?
うわさB タンクローリーが間近で爆破する大事故に巻き込まれるが、黒焦げになっても生きており、翌日には完治した
能力:傷の治りが恐ろしく早い、致命傷を受けると自動的に魔人化し、傷を修復する
抑えられない衝動 怪事件や厄介事を見ると周りに迷惑がかかるのがわかっていても関わりに行ってしまう

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