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2012年5月ニュー速VIP+88: 俺が魔法使いになった話 (934)
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俺が魔法使いになった話
- 1 :12/03/27 〜 最終レス :12/06/01
-
某アイドルグループの一番人気の子が脱退するとか何とかで世間を騒がせた日、俺は魔法使いになった
それは、俺の人生をその後大きく変えていく事になるわけだが
その時の俺はそんな事は知るよしも無く、いつもと同じ日常を営んでいた
朝からPCの前に張り付き、一瞬も気を抜く事なくひたすらwebサイトを徘徊していたのだ
俺はアイドルグループの看板娘の脱退ニュースを一通り流し読み、ウィンドウを閉じた
「くだらないな・・・・」
俺にとってそのニュースは大して興味をそそらなかった
そのグループのめぼしいメンバーは大体妄想の中で抱いていたが、正直、どれもあまりそそらなかった。
まず三次元の人間であるという時点で、そもそも俺にとってはかなり興ざめだ
俺の名は妄想男。今日で丁度30歳になるが、別にだからといって何か特別な事があるわけでもない
ただいつもと同じように一日中PCの前に張り付いて、平穏な日常を過ごすだけの事だ
- 2 :
- 長い
- 3 :
- おめでとうさん
- 4 :
- 産業で
- 5 :
- 俺はお気に入りのエロゲを立ち上げると、CGギャラリーを開いていつもの如く自家発電に励む
妄想力を振り絞り、画面内の裸の女を具現化させ、俺の望み通りのプレイを展開する
最近じゃ3D映像とやらがもてはやされているが、俺の妄想力からしてみれば笑止もいいところだ
あの程度の映像を見てイマジネーションがどうこうとか言っているヤツらの気が知れない
俺は速やかにコトを終えると、一つ大きなため息をつき、冷静になった頭で衣服をただした
その時、俺の携帯が震えた
- 6 :
- 俺の携帯にメールが来る事はほとんど無い
アドレス帳には10件ほどの名前しか入って居ないし、メールが来る可能性があるのはその中でも2〜3件
つまり、バイト先から何か連絡が来るか、親から愚にも付かないようなメールが来るか、どちらかだ
しかし、そのメールはどちらでも無い。知らない文字列のアドレスが送信者の欄に表示されている
どうせ迷惑メールだろう、と思いつつも俺はそのメールを開いた
すると、本文が表示されるよりも前に、携帯から何か煙のようなモノが立ち上ったような気がした
「よう、お前が妄想男か・・・まあ、思った通り冴えない面してやがるな」
聞いたことの無い声が聞こえた
- 7 :
- go on
- 8 :
- 声がした方に目をやると、何だか緑色をした三頭身の気持ち悪い生き物が居た
妄想男「な・・・なんだ・・・おまえ・・・」
妖精「お、ちゃんと俺が見えてるみたいだな、オーケーオーケー、初めまして、俺は妖精だ」
妄想男「妖精・・・・・?いや、どう見ても妖怪じゃないか」
妖精「あーそうか?まあ妖精も妖怪も大差ないさ、細かい事は気にすんな」
妄想男「細かい事じゃない!妖精ってのはもっと可愛い小さな女の子で露出度が高いのが基本だろう!」
妖精「まあ、そういう妖精も居るには居るが、まあお前の所には俺が来る事になったんだ、運が悪かったな」
そう言うと、その気持ち悪い生き物は、気持ち悪く笑った
妄想男「来る事になった・・・って何しに来たんだよ」
妖精「ああ、そうそう、大事なのはそこだ。今日からお前、魔法使いになったから」
妄想男「はぁー?」
- 9 :
- go on
- 10 :
- 妖精「魔法使いってのは、魔法を使える人間の事だよ、知らなかったか?」
妄想男「そのぐらいは知ってるけどな、実際に魔法使いなんて居るわけがないだろう」
妖精「俺の目の前に一人いるさ、オーケー、もちろん世間一般の常識では魔法使いなんて居ない事になってる」
妖精「お前が今すぐ信じられないのもムリはない、まあ安心しとけ、俺がちゃんとレクチャーしてやっから」
妄想男「はあ・・・じゃあアレか?空飛べたり炎出せたりするのか?」
妖精「まあそれも可能性が無いわけじゃない、その辺は適性によって何が出来るかは色々だからな」
妄想男「適性とかあんのかよ、ていうかなんで俺のトコに来たんだよ」
妖精「お前知らないのか?やのまま30歳を迎えた人間は魔法使いになれるんだよ」
妄想男「どう・・・て・・・俺がその、だって証拠でも・・・」
妖精「そう顔真っ赤にすんな、俺がココに来てて、お前に見えてるって時点で立派な証拠さ」
妄想男「・・・・・・・・・・・」
- 11 :
- uzi
- 12 :
- 妖精のオーケー、っての好き
- 13 :
- 妖精「ただ、なら魔法使いになれる可能性があるってだけで、実際にはもう一つ条件をクリアしなきゃいけない」
妄想男「条件?なんだよそれは」
妖精「その人間に、絶対に満たされないような強い欲求があるかどうかって事さ」
妄想男「どういう意味だ・・・?」
妖精「まあ、要するにでも何でも、毎日が充実してるような連中ってのは、魔法使いにはなれない」
妖精「なれるのは、お前みたいに夢も友達も恋人も特技も何も無いにもかかわらず、それを熱望してるヤツだけだ」
妄想男「な・・・ふざけんな!いきなり現れて失礼にもほどがあるぞ!」
妖精「待てよ、俺は褒めてるんだぜ、お前はきっと大魔法使いになれる。保証してやるよ」
妄想男「そんな褒め言葉があるか!もう帰ってくれ!俺は今日はやる事が色々あるんだ!」
妖精「そういうワケにはいかないんだなー、俺はお前が魔力を失わない限りはずっと一緒にいなきゃならんのだ」
- 14 :
- 妄想男「はぁ!?ずっとって、お前ずっとこの家に居る気かよ!?」
妖精「そうなるな、まあもちろんお前が出かける時には着いてくけど」
妄想男「まてまてまて、俺、明日バイトだぞ?お前みたいな変な生き物が外に出たらどうなると思ってるんだ!」
妖精「あ、それは心配すんな、俺はお前以外の人間の目には見えないし、声も聞こえないから」
妄想男「・・・・そうなのか?それにしたって・・・あ、まてよ、お前、魔力を失わない限りって言ったな?」
妖精「おう、魔力が無くなったら俺はココに存在できなくなっちゃうからな」
妄想男「どうしたら魔力を失うんだ?」
妖精「簡単だ、じゃなくなればいいのさ」
妄想男「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
- 15 :
- これは良スレの予感
- 16 :
- 明日の朝が楽しみwww
- 17 :
- 妖精「ま、いきなり妖精だ魔法使いだって言われて混乱するお前の気持ちもわかるよ」
妖精「でもまあどうせ否応なしにこれから毎日一緒なんだ、一つよろしく頼むぜ」
妄想男「来てくれなんて頼んだ覚えはないぞ・・・」
妖精「それじゃ、急いで脱でもして俺を追い出してみるかい?ウキャキャキャ」
妄想男「・・・・・・・・・・・・・・・解ったよ、魔法使いでも何でもなってやるよ」
妖精「オーケーオーケー、そうこなくっちゃな!よし、それじゃ早速魔法使いの修行を始めようじゃないか」
妄想男「何をすればいいんだ」
妖精「まずは、ココに初級の色々な呪文が書いてある、とりあえず片っ端から何も考えずに読んでってくれ」
そういうと、気持ちの悪い生き物は、気持ちの悪い素材で出来た本を中空から取り出して俺の前に広げた
- 18 :
- 妖精「うーん、お前の適性はあんまり一般的じゃないのかもしれないなー」
妖精の見せたページの呪文を俺は一通り読み上げたが、何も起きる気配は無かった
注釈が書いてあり、炎を出す魔法、千里眼の魔法、空を飛ぶ魔法、天候を操る魔法など色々あったが
どれ一つとして、ピクリとも効果は無かったようだ
妖精「んー、対象者が必要な魔法だったりすると、ココじゃ試せないからな、外行ってみるか?」
妄想男「やっぱり魔法使いなんて嘘なんじゃないの?もういいよ、疲れたから俺寝るよ」
妖精「しょうがないな、まあ魔法使いの適性があるヤツなんて大体そんなモンだけどさ」
妄想男「まあ明日にでもやればいいじゃん、昼寝するから黙っててくれよ」
妖精「オーケーオーケー、そんじゃ俺はしばらく消えてっから気にしないで寝ててくれ」
そう言うと、妖精はフっとその場でかき消えた
妄想男「まったく・・・妖精?魔法使い?俺、もしかして妄想のしすぎで本当に頭おかしくなったのか・・・?」
- 19 :
- wktk
- 20 :
- 本気で自分の頭が心配になったが、妖精が消えてみると、別に自分に異常があるようには思えない
何にしろ、とにかく頭が混乱している、まずは落ち着く事だ、落ち着け、俺・・・
妄想男「うん、まずは落ち着こう、落ち着くって言ったら・・・アレだよな」
俺は周囲を見渡し、妖精が居ない事を確認してから、再びPCの中の画像を漁る
しばらくし、今日のオカズを決めると、精神を統一していつもの如く儀式を始める
精神を集中させていると、画面の中の嫁が徐々に立体化して行き、リアルな姿で俺の前に現れる
俺は徐々に右手の感触を忘れ、俺の妄想が作り出した嫁との性行為に没頭しはじめる
俺の左手にはずっしりとした房の感触が現れ、俺はそれをもみしだく
俺の愛撫に嬌声を上げた彼女は大きくのけぞり、愛液をしたたらせた
よし、このまま一気にフィニッシュまで・・・・
妖精「おい!!!わかったぞ!!!!」
妄想男「うわああああああああ!!!!」
突然現れた妖精の醜貌に、俺は叫び声を上げてひっくり返った
嫁の姿はすっかり雲散霧消しており、俺の息子はすっかりしょげかえった
- 21 :
- 妄想男「お前!こんな時に現れるんじゃねーよ!!何考えてんだ!!!」
妖精「おっと、悪い悪い、そういえば自慰をジャマするのは人間のマナーに反するんだったか、忘れてたよ」
妄想男「そんな大事な事を忘れるなよ!!!ああもう・・・今日は最悪の日だ・・・」
妖精「すまなかったな、今後は気を付けるよ、よし、じゃあもっかい引っ込んでるからゆっくり続きを・・・」
妄想男「できるかぁああああああ!」
- 22 :
- リアル魔法使いも見てるよ
- 23 :
- 妄想男「すっかりそんな気分じゃなくなっちまったよ・・・そんで?何しに出てきたんだ?」
妖精「そうそう、お前の適性が解ったんだよ」
妄想男「どういう事だ?」
妖精「お前が今、リアルにそこの画面にある女とのを想像してただろ?その時にお前の魔力がな・・・」
妄想男「ちょっとまて」
妖精「なんだ?」
妄想男「なんで俺がそんな事を想像してたって解るんだ」
妖精「そりゃ解るよ、妖精は、パートナーとなる魔法使いの思考は感じとれるんだ」
妄想男「なんだと!?!!?じゃあ俺の考えてる事筒抜けなのかよ!?」
妖精「まあ、表層で強く念じられた事しか解らないけど、さっきのお前の想像はもうそりゃあ見事だったぜ」
妄想男「ぐあああああ、これじゃ落ち着いてーも出来やしない!お前ホントにどっか行ってくれないか!?」
妖精「あんまり気にすんなよ、お前、ネコ飼ってた時だってネコの前で普通にやってたろ?それと一緒だと思っt」
妄想男「だから俺の頭の中を覗くなってば!!!!」
- 24 :
- パッパグで再生してる
- 25 :
- 俺はピッコロを小さくしたやつで再生してる
- 26 :
- 妖精「おっと、すまんすまん、別に意識して見てるわけじゃないんだが、お前の思考は形になりやすいんでなー」
妄想男「形になりやすい?」
妖精「ああ、そうそう、問題はそこだわ。ちょっとお前さ、何か想像してみ」
妄想男「何かって?」
妖精「何でもいいよ、あ、それでいいわ、その初音ミクのフィギュアで行こう」
妄想男「いや、だから俺の頭を・・・・・もういいや、それで何だよ」
妖精「そのフィギュア想像したまま、コレ読んでみ?」
妄想男「えーと?幻影召喚・・・?」
俺がそれを読み上げた瞬間、頭の中を何かが通り抜けたような感触があった
気が付くと俺の頭の中からフィギュアの想像が消え去っていた
そして、俺の目の前には・・・・
- 27 :
- 妄想男「な・・・なんだ・・・これは・・・?」
さっき想像していたフィギュアが中空に浮かんでいた
妄想男「これが・・・魔法なのか・・・?」
妖精「そういう事だ、おめでとう、お前は今から正式に魔法使いだ」
妄想男「これが・・・・・・」
信じられない思いで俺はそのフィギュアに手を伸ばした
しかし、その手は空を切り、そしてフィギュアはぐにゃりと歪んでかき消えてしまった
妖精「おっと、この魔法はただの幻影を投影するだけの簡単なヤツだからな、見えても触る事はできないよ」
妄想男「そう・・・なのか・・・でも触ったら消えちゃったぞ?」
妖精「それはお前が触れられなかった事で、その存在を疑ったからそこで効力が途切れたのさ」
- 28 :
- 妄想男「つまり・・・俺が無いと思ったから消えたって事か?」
妖精「そういう事。ま、お前の適性も解った事だし、これから修行を積めば、ちゃんと物体だって呼び出す事ができるさ」
妄想男「俺の適性って?」
妖精「お前はどうやら妄想力が人一倍優れてるみたいだ。だから、妄想したモノを現実に作り出す魔法が向いてるみたいだな」
妄想男「現実に作り出す・・・・・・」
妖精「まあ、アレだ、ハンター×ハンターで言うと具現化系ってヤツだ」
妄想男「ふーん・・・ってお前、マンガとか読むのか」
妖精「ああ、大好きだぜ!一番好きなのは・・・そうだな、家畜人ヤプーかな」
妄想男「マニアックな・・・」
- 29 :
- これはwktk
- 30 :
- なIDがとおりますよー
- 31 :
- 誕生日だから立てたのかと思って開いたらSSだったでござる
- 32 :
- 俺は興奮した。想像したモノがこの世に現れる能力!なんと素晴らしいんだろう!
最初は妖精に向かって「帰ってくれ」と言ったことも忘れて、俺は妖精から魔法を習った
妖精は俺に魔術の基本と、俺が使える魔法についての詳細を教えてくれた
魔法を使うためには呪文を唱える必要がある事
魔法を使うと体力でも精神力でもない「魔力」を消費する事
「魔力」がどの程度あるかを自分で知るためには魔法に慣れて感覚を覚える必要がある事
「魔力」が尽きると魔法が使えなくなり、回復には睡眠や時間が必要である事
魔法で何かを具現化する際には、そのイメージが正確かどうかで効果時間や大きさ、強度が違う事
具現化したモノを消すには一定時間経過するか「それが存在しない」と考える必要がある事
具現化したモノを動かす事もできるが、それには莫大な集中力が必要である事
などが解った
俺は喜び勇んで練習を繰り返し、夜が更ける頃には
大好きな澪の映像にベースを弾かせる事すら出来るようになっていた
- 33 :
- 妄想男「あーくそ、やっぱりサビまでたどりつけない・・・」
妖精「あんまり焦るな、初日にしちゃ驚異の成長度だよ、でもそろそろ休んだ方がいいな」
妄想男「休んでなんかいられるか!今日中に一曲全部弾かせてみせるんだ!幻影召喚!!!・・・あれ・・・」
さっきまで快調に幻影を生み出していた呪文は、急に何もおこらなくなった
妖精「ほら言わんこっちゃない、もう魔力がカラッケツだよ、今日はここまでだな」
妄想男「くそっ!せっかくここまで出来るようになったのに・・・魔力を回復させる事はできないのか!?」
妖精「まあ、出来ない事はないけどな・・・」
妄想男「どうやるんだ!?」
妖精「お前が一番ニガテな事をするんだよ、そうすると、魔力は通常の何倍もの速度で回復する」
- 34 :
- 妄想男「苦手な事・・・・・・・?」
妖精「そう、それだよ、お前から誰かに話しかけるんだ。知らない人や苦手な人種ならなお回復量が上がるだろうな」
妄想男「また俺の頭をのぞきやがって・・・・・・っていうか、そんなのムリに決まってんだろ!」
妖精「まあ、そうだろうな、だからこそ効果があるってワケよ」
妄想男「・・・・・・・・・・いや、もうわかった、普通に寝て自然回復を待つよ」
妖精「今は別に困ってないんだからそれで充分だと思うぜ」
妄想男「それにしてもなー・・・あーあ、澪ちゃん、明日までお別れだね」
妖精「呼び出してもない幻影に話しかけるとは、お前の才能が俺は怖くなってくるぜ」
妄想男「余計なお世話だ!じゃあ寝る!明日また続き教えろよ!」
妖精「オーケーオーケー、任せておけって、じゃあな、おやすみ」
- 35 :
- 読んでくれてるみんなありがとー!
今日はこの辺で寝ます
タイトルがSSらしくなかったって書き出してから気付きましたw
- 36 :
- 乙
期待
- 37 :
-
翌日、胸が苦しくて目を覚ますと、妖精のヤツが俺の腹の上で寝ていた
想像して欲しい、目が覚めると布団の上に緑色の気持ち悪い50cmほどの生き物が居るところを
それも、大の字になって大いびきを掻いてご丁寧に鼻ちょうちんまで出している
妄想男「うわあああああああああ」
思わず跳ね起きると、そのひょうしに妖精はベッドから転げ落ちた
妖精「あいててて、随分ハードな目覚ましだな、おはよう妄想男」
妄想男「お前!なんで俺の腹の上に寝てんだよ!きもいわ!」
妖精「おっとすまねーな、お前のでっぱった腹が思いの外気持ち良さそうだったモンでつい、な」
妄想男「大体お前寝る時は消えてるんじゃなかったのかよ!?」
妖精「まあ消えててもいいんだが、アッチで寝るよりこっちの方が寝心地がいいんだよ」
妄想男「知るか!心臓に悪いからもうやめてくれ!」
妖精「オーケーオーケー、今度からはもうちょっと邪魔にならないトコで寝るよ」
妄想男「そうしてくれ・・・・」
- 38 :
- 妖精「そうだな、そんじゃあの本棚の上あたりが良さそうだ、後で寝床を作ってくれよ」
妄想男「お客様気取りかよ、なんでそんなモン作らなきゃいけないんだ」
妖精「そうかい?じゃあやっぱりお前の腹の上で・・・」
妄想男「わーかったわかった、じゃあバイトの帰りにペットショップに寄って買ってやるから」
妖精「お、それはすまねえな、まあ、これから一生を共にするんだ、お互い譲りあわなきゃな」
妄想男「・・・・・・・・・・」
妖精「さて、今日もいい天気だ、どうするね?昨日の続きをやるかい?」
妄想男「あー・・・まずは朝飯だな」
- 39 :
- 俺は近所のコンビニに朝食を買いに出かけた
普段なら昼過ぎに起きるんだが、今日はヤツのせいで朝から目が覚めてしまった
時間帯が違うせいか、弁当の棚にはロクに商品がない
仕方なく残っていた弁当から比較的マシな物を選ぶとレジへ向かった
妖精「お、唐揚げ弁当か?美味そうだなー、俺にもちょっとくれよ」
妄想男「はあ?お前も食うのかよ、妖精って普通なんか日光とかオーラとかそういうモノで生きてるんじゃないのか?」
妖精「バカ言っちゃいけねーよ、俺だって物質で出来てんだぜ?補給しなきゃ身体がもたねーよ」
妄想男「・・・そうか、何食って生きてんだ?」
妖精「そうだな、基本的には何でも行けるんだが、俺はポテチが好物だな」
妄想男「しょうがないな・・・一袋でいいか?」
妖精「あ、のりしおよりはコンソメの方が好きなんだ俺」
妄想男「まったく・・・妖精のくせに好き嫌いとか贅沢な・・・」
- 40 :
-
その時、横に居た買い物中のおばちゃんが俺の方を変な目で見ている事に気が付いた
それもそうか、こんな変な生き物がコンビニ居れば不審に思うのが当たり前だな、と思い
コンソメのポテトチップスをカゴに突っ込んでレジに向かったが、そこで昨日の会話を思い出した
(妖精「あ、それは心配すんな、俺はお前以外の人間の目には見えないし、声も聞こえないから」)
そうだった!コイツの姿も声もオバチャンには見えていない!
つまり、あのオバチャンには、妖精がどうとか一人でぶつぶつ呟いてる危ないオッサンの姿が映った事になる
おそるおそるオバチャンの方を振り返ってみると、こちらを何か可哀想な物でも見るような目で見ている
やめてくれ、俺は至って正常な20代・・・あ、いや昨日から30代だったが、普通の青年なんだ
顔から火が出る思いで会計を済ませ、俺は全速力で家に帰った
- 41 :
-
妄想男「お前!人前で俺に話しかけんじゃねえ!オバチャンに変な目で見られたじゃないか!」
妖精「ああ、すまんすまん(テヘペロ)こっちの世界は久しぶりなモンでついな」
妄想男「ついで済むか!俺は危うくあのコンビニで近所の頭のカワイソウな人として定着するトコだったぞ」
妖精「そんなにあそこ良く行くのか」
妄想男「あそこは俺の冷蔵庫みたいなもんだからな」
妖精「ふーん、不健康だなあ、まあいいや、これからはアレだ、外で俺に返事する時は頭の中で文を考えろ」
妄想男「そういえばお前は俺の頭の中が見えるんだったな・・・全く不愉快だが」
妖精「まあそういうなよ、お陰で人前でも変な目で見られずに万全なコミュニケーションがとれるんだからさ」
妄想男「別にとりたくもないがな・・・でも喋らないでも言いたいことが伝わるってのは便利だな」
妖精「そうそう、以心伝心ってヤツよ」
- 42 :
- 妖精「おし、試しにお前、俺に心の中で話しかけてみろよ」
妄想男「む・・・こうか?」
俺は妖精の方を向いて『早くメシを食え』と念じてみた
全く、なんだって俺がこんなヤツの面倒をみた挙げ句心の中で話しかけなければいけないんだ
大体、あのオバサンもオバサンだ、人間だってたまには独り言だって言うだろうに、変な目で見やがって
それにレジにはいつもなら可愛い女の子が居るハズなのに、時間帯が違うせいか愛想の無いデブが立っていたし
あーもうこの弁当、あのデブが触ったんだよな、いつもよりマズく感じる・・・
妖精「あー、なんかダメだな、お前の思考、とりとめが無さ過ぎてよく聞こえないわ」
妄想男「あ?どういう事だ?」
妖精「なんか今、色々な事考えてんだろ?それだと俺には漠然とした雑音にしか聞こえないんだよ」
妄想男「昨日はもっと的確に俺の考えてる事を読み当ててたじゃないか」
妖精「それは多分アレだ、お前が雑念を入れずにその事だけ考えてたから、解りやすかったんだな」
妄想男「なんだよ、テレパシーってのも難しいな・・・」
その後も何度か試してみたが、ほとんど上手く妖精には伝わらなかった
仕方が無いので、外で会話をする時には極力小声で話をする事になった
言葉として喋ってしまえばどんなに小さくてもちゃんと妖精には聞き取れるんだそうだ
- 43 :
-
朝食を終えた俺は、一通りネットを徘徊すると、再び魔法の練習を始める事にした
しばらく幻影召喚の練習をしていると、昨日よりはかなりスムーズに動かせるようになってきた
試しにBRSを呼び出して動かしてみたが、かなり良い動きで再生出来た
この調子でいけば、いつかアニメを丸ごと再生する事もできるかもしれない
もっとも、まだ背景までは手が回らない。修行あるのみという事か
2時間ほど経った所で幻影にも少し飽きてきたので、妖精に次のステップを教わる事にした
妖精「そうだな、じゃあ次は物質召喚をやってみるか」
妄想男「物質、ってのは、こういう机とかみたいな物質か?」
妖精「そうそう、一応この世にある物質なら何でも呼び出せるぜ?」
妄想男「じゃあ!もしかしてどんな萌えキャラでも・・・」
妖精「あー、昨日のフィギュアみたいなのだったら呼び出せるけどな」
妖精「生きてる物は呼び出せないから、動かす事はできないし、生きた肌の質感も出す事はできないぞ」
妄想男「なんだ、つまらん」
妖精「まあそう言うなよ、これでなかなか便利なモンだぜ?トイレに入って紙が無かった時とか使えるぜ?」
妄想男「最初に挙げる例がそれかよ」
- 44 :
- 妖精いわく、呼び出す物質はなるべく明確にイメージ出来る物が良いという事なので
手始めに毎日使っている携帯電話を呼び出してみる事にした
妄想男「物質召喚!!」
妖精「お、初めてにしちゃなかなかキレイに出たじゃないか」
妄想男「おおー、ホントに出るんだな!すごいわこれ・・・あれ?電源がはいらないぞ」
妖精「ああ、まあお前、携帯の内部構造までちゃんとイメージ出来てるわけじゃないだろ?」
妄想男「内部までイメージしなきゃいけないのか?」
妖精「そりゃそうだ、呼び出した物は物理法則に従うからな。だからそれはまあ、良くできたモックって事だ」
妄想男「なんだ・・・バイクとか車とか呼び出して乗れるかと思ったのに・・・」
妖精「お前が自動車整備工なみに内部構造に詳しくなれば出来ないこたないぞ」
妄想男「そんな面倒な事誰がするかよ・・・あ、消えちまった」
妖精「ま、初めてならこんなモンだろ、練習すれば長い時間呼び出していられるようになるさ」
- 45 :
- 妄想男「それにしてもさ・・・魔法ってこんななのか」
妖精「なんでだ?」
妄想男「いや、もっとなんか長ったらしい『○○の契約によって命ずる、我がナントカでカントカなるどうこう』とか」
妖精「ああ、そういうのは結構昔のトレンドだなー、最近の魔法にゃ流行らないんだわ」
妄想男「それに、呪文も日本語だしさ」
妖精「昔は単一の魔法言語ってのがあったんだけどな、今の魔法は他言語化が進んでるしな」
妄想男「そういうものか」
妖精「せっぱ詰まって呪文を忘れちまうってトラブルが結構あったんでな、今の魔法はシンプルで解りやすく、が主流だ」
妄想男「それって誰が決めてるんだ?」
妖精「さあなあ、よくわからんけど、この魔術書が知らないウチに改訂されてんだわ」
妄想男「そうなんだ・・・じゃあどうせなら呪文を口で言わないでもいいようにしてくれればいいのに」
妖精「そうはいかない、呪文を唱えるのが魔術の基本だからな、それも強く言えば強く言うほど効果が増すんだ」
妄想男「ふーん・・・でも、これ、外で唱えるの恥ずかしいな」
妖精「あんま気にすんなよ、誰もお前の事なんか見ちゃいないからさ」
妄想男「・・・・・・・そっすか」
- 46 :
- 支援
- 47 :
- 俺のとこにも妖精きてくれ!
- 48 :
- 妄想男「それはそうとさ、これって逆に存在するモノを消す事って出来ないのか?」
妖精「それはまた別系統の魔法だからな、お前には使えないんじゃないかな」
妄想男「なんだ、そうなんだ」
妖精「お前の魔力の源は『こんなモノがあったらいいのに』という欲求だからな」
妄想男「どうせ俺は妄想ばっかりしてるよ」
妖精「いいんじゃねーか?『こんなモノが無ければいいのに』って考えてるよりはよっぽど健全だろ」
妄想男「そうかな・・・・」
妖精「ちなみに、何を消したかったんだ?」
妄想男「いやさ、ネトゲの最中にトイレ行きたくなった時に、小便とか消せたら便利だなーって」
妖精「普通にトイレぐらい行けよ・・・・・・」
- 49 :
-
妄想男「あ、そうか!トイレ行きたくなったらトイレまで通じるパイプを出現させればいいのか!」
妖精「お前、変な事にばかりアタマが回るな」
妄想男「そうすれば、そこに小便すればいいし、勝手に消えるから後始末に困る事もないじゃん!」
妖精「いいけどな、お前それ、設計が間違っててどこかに溜まってたら、消えた時にえらい事になるぞ」
妄想男「そうか・・・・ちょっとリスキーだなあ・・・やっぱ魔法って以外と不便かもなー」
妖精「お前の便利さの基準はそこなのかよ」
妄想男「あ、そうだ、それじゃこういうのはどうだ?腹減った時に魔法で食い物を出せば・・・」
妖精「そりゃその時は腹は満たされるかもしらんが、胃の中で消えるから元の黙阿弥だぞ」
妄想男「ちっ、トコトン使えないなー」
妖精「だからもうちょっとモノグサする以外の事にアタマ使えよ」
- 50 :
- 待ってましたーっ!
- 51 :
- つC
- 52 :
- はよ
- 53 :
- これはおもしろいな
- 54 :
- はよ
- 55 :
- 面白い、いいね頑張れ>>1
支援あげ
俺は妖精をドビーで変換中
- 56 :
- 妄想男「ところでさ、俺以外にも魔法使いって居るんだよな?」
妖精「おう、結構いるぞ、昔は少なかったんだけどなー、最近ふえてきて妖精も大わらわだよ」
妄想男「って事は、そいつらはそれぞれで妖精連れて歩いてんのか?」
妖精「一人に妖精一体が基本だからな」
妄想男「じゃあこれから街歩いたらお前みたいのがいっぱい居るのか?」
妖精「や、妖精は、自分の担当にしか見えないから、他の魔法使いに妖精がついててもわかんねーよ」
妄想男「なんだ、そうなのか・・・・って事は、お前には他の妖精は見えるのか?」
妖精「当たり前じゃん、同族だからな」
妄想男「じゃあ、もしかして誰がとかすぐ解るって事か・・・?」
妖精「ああ、30過ぎててやで、非リア充ならすぐ解るぞ!」
妄想男「・・・・・・あんまり他の魔法使いに会いたくないな」
- 57 :
- 続きはまだかえ?
- 58 :
- 待ってるぜ>>1
- 59 :
- 俺は変なスレを開いてしまったようだ・・・・・・
支援
- 60 :
- ニコちゃん大王で変換
- 61 :
- 来月30になるDT社畜だけど
ちょっとリアル捨ててくるわ
- 62 :
- 支援支援
- 63 :
- で、おまえらなら、何を物質化するんだ?
俺なら隕石だして嫌いな奴に落とすわ。
- 64 :
- >>63
好きな人だしてダッチ
- 65 :
- >>63
とりあえずお金かな、使ったあと消えても問題無いし
あと、壁とかよく使いそう…
- 66 :
- >>65
通し番号とか細部まで妄想出来ないから無理だなそれ
- 67 :
- >>64
女性器の柔らかさや暖かさを細部まで妄想出来るならお前はDTじゃないわけで
- 68 :
- >>66
そうか…
いや、500円玉くらいならいけるwww
500円玉いっぱいだすお
- 69 :
- くっそ!なんで俺DTなんて大事なもん捨てちゃったんだ…
- 70 :
- >>66
どうせしばらくしたら消えちゃうわけだから問題なくね?
- 71 :
- 続きはまだか!
- 72 :
- おはようございます、ちょこっと続き書きます
妄想男「でもさ、そんなに沢山魔法使いが居るのに、なんでニュースになったりしないんだ?」
妖精「ああ、それは俺らがちゃんと管理してるからな」
妄想男「管理?」
妖精「そうそう、妖精の業務の一つに、魔法使いが人間社会を荒らさないように監視するっていうのがあるんだ」
妄想男「ふーん、まあ考えてみりゃ当たり前だよな、でなきゃ魔法で完全犯罪とか簡単そうだもんな」
妖精「そういう事、殺人とか、社会に大きな影響がある事をしようとすると、俺らが魔法をストップさせるんだ」
妄想男「なんだ、じゃあ魔法でひと儲けとかできねーのかよ」
妖精「ひと儲けのやり方にもよるけどな、魔法を使わないでも出来そうな事なら止めない場合もあるぜ」
妄想男「じゃあ、例えば俺が金塊を出して、それを売るとかは・・・」
妖精「それは多分アウトだわ、金額が大きいし、金塊が後から消えたらあきらかに異常現象だしな」
妄想男「じゃあ、俺が限定版のフィギュアを出して、それの型をとってレプリカを作ったりは・・・」
妖精「それは別にオーケーじゃないかな、魔法を使わないでも出来る事だしな」
妄想男「マジか!じゃあ・・・それヤフオクで売れば・・・・」
妖精「でもお前、細部までイメージ出来るほど知ってるのか?そんなレアモノ」
妄想男「・・・・・・・・・・知らない・・・・」
- 73 :
- 待ってました!
- 74 :
-
妄想男「ちっ、上手くいかねーなー、仕方ない、バイト行くか」
妖精「そうそう、勤労が一番ってこった、行こうぜ」
妄想男「・・・って、お前ついてくる気かよ」
妖精「そりゃそうだ、俺はドコ行くんでも一緒に行かなきゃいけないんだからな」
妄想男「マジか、バイト先であんま話しかけんなよ」
妖精「オーケーオーケー、大丈夫だ、お前が変人に見られたらかわいそうだからな、ちゃんと気ぃ使ってやんぜ」
妄想男「まったく、偉そうに・・・」
- 75 :
-
バイト先では特に変わった事は無かった
店長と二人で夕方から来る客をさばきながら、誰とも目を合わせないようにして黙々とレジを打つ
妖精のヤツは最初は立ち読みしている客の後ろに浮いてマンガを覗き見たりしていたが
退屈になったのか、途中で「じゃあ、俺昼寝するから」と言って消えてしまった
シフトの時間が終わったので、店長と深夜番の同僚に挨拶をして俺は家路についた
帰りに妖精の寝床を買いに行こうとしたが、すでに大半の店は閉まっていたので
24時間営業のスーパーで毛布だけ一枚買って、他のモノは後日買う事にした
妖精「なんだよ、夜店が閉まってるんなら昼間のうちに行けよなー」
妄想男「昼から意味もなく外に出るなんてアホのする事だ」
妖精「しょうがねーな、今夜はガマンしてやっから、明日寝床作ってくれよー」
妄想男「わかったわかった、うるせー妖精だな」
歯を磨きながら、口が異常につかれている事に気が付いた
そういえば、一日でこんなに喋ったのは久しぶりだ
考えてみれば、ここ数年の生活で
「いらっしゃいませー」「お弁当あたためますか?」「○○円のお返しになります」
以外の言葉をほとんど口にする事がなかった
喋るというのはこんなに疲れる事なのか、そう思いながら俺は眠りについた
- 76 :
-
ひとまずこの辺で・・・また夜に戻ってきます
- 77 :
- 待ってるお
- 78 :
- 何だこのスレ・・・
支援
- 79 :
- ただいまー、続き投下しまーす
翌日、俺はバイトの前にペット用品店に行って犬用のベッドやら何やらを買い込んだ
意外と値が張る事を知ってちょっとイラっと来たが、まあ仕方ない
妖精とは長い付き合いになるわけだし、大体あんな生き物が俺の腹の上で寝ていたら
日常生活もおちおち送れない
レジで会計をすませ、店を出る。大荷物で前がよく見えない
ドン!!
店を出たところで、俺は沢山の犬をつれた誰かとぶつかってすっ転んだ
ワンワン!キャンキャン!!
大量の犬が、倒れている俺の周りに群がっているようだ
転んだ拍子にメガネがどこかに行ってしまい、良くみえないが10匹近い数がいるようだ
女「あ、す、すみません!!!!」
- 80 :
- !?
- 81 :
- 早速妖精と別れフラグかよwwww
- 82 :
- ぶつかった相手は女だったようだ、だがメガネの無い俺には顔どころか、茶色っぽいシルエットしか見えない
妄想男「あ、いえ、その、荷物で前が見えなくて・・・」
女「こちらこそボーっとしてて・・・コラ!やめなさい!」
犬「ピタッ」
女が一喝すると犬はぴたりと鳴きやんだ
女「あの、メガネ・・・・」
妄想男「あ、すみません・・・ありがとう・・・(ゴニョゴニョ)」
女がおずおずとメガネを差し出してくれた。
俺は慌てて受け取って礼を言おうとするが、他人と話し慣れていないのでつい語尾を濁してしまう
メガネをかけて改めて見てみると、茶色を基調としたゆるめの服装をした女が立っていた
年齢は20代後半から同い年ぐらいか?化粧っけがほとんど無いので逆に年齢がよくわからない
いわゆる森ガールとかそういう人種だろうか?ともかく俺は女と喋るのは苦手中の苦手だ
女「本当にすみませんでした、ケガとかは・・・」
妄想男「だ、大丈夫です、ありがとうございました!」
俺は目を合わせないようにしてそれだけ言うと、散らばった荷物をかき集めて
自転車に乗って慌てて立ち去った
- 83 :
- 妄想男「ふう・・・びっくりした・・・やべ、バイトギリギリだな」
妖精「おい」
妄想男「なんだよ、急いでんだよ俺」
妖精「イイコト教えてやるよ、今の女、魔女だぜ?」
妄想男「な、なに!?」
思わず俺は急ブレーキをかけて自転車を止めた
妄想男「あの犬まみれの女が?」
妖精「おう、あいつは化粧だのオシャレだのが面倒くさくて、恋愛から遠ざかってるうちに魔女になったみたいだな」
妄想男「ふーん・・・・」
妖精「でも一人は寂しいからって犬を飼いだしたらどっぷりハマっちまったらしい」
妄想男「そんな事まですぐ解るのか?」
妖精「あの女の妖精から聞いたんだ、お前がコケて犬にジャレつかれてる間にな」
妄想男「じゃあ、もしかして俺の事も・・・?」
妖精「ああ、若い頃からモテなくて二次元に逃避した妄想男だって伝えておいたぞ」
妄想男「・・・・・・・・・・・ミもフタも無い言い方するなよ・・・」
- 84 :
- 妄想男「そんで、あの女はどんな魔法使うんだ?」
妖精「犬を溺愛してるから、動物操作とかそっち系の魔法が使えるそうだ」
妄想男「そういう魔法もあるのか」
妖精「ああ、犬に限らず色々な動物を操ったり出来るんじゃねーかな」
妄想男「それは便利そうだな」
妖精「どうだろうな、でも犬とかに家事やらせたりは出来るかもな」
妄想男「あー、そうかー・・・・つーともしかして・・・・・」
妖精「いや、お前、バター犬思い浮かべるのやめてくれ」
妄想男「・・・・・・だから俺のアタマを覗くなってば」
- 85 :
- 支援
- 86 :
- バター犬ワロタwwwww
- 87 :
- さっきまで割りと可愛い娘を想像してたのに
動物操作と聞いて何故か女がハイジに出てくるペータに変わってしまったorz
- 88 :
- それから二週間ほどの時が経った
俺は妖精との共同生活(?)にも大分慣れて来た
他人といるのは苦手だったが、妖精はあまり邪魔にもならないし
しゃべる相手が居るのも悪くはない気分だった
魔法の方もそれなりに上達した
幻影召喚はかなり大がかりな幻影でも10分以上持続させられるようになったし
物質召喚も、結構複雑なモノでも出現させられるようになっていた
自分の中で流行っているのはピタゴラスイッチを作って動かす事だ
どうしても細部を間違ってイメージしてしまい、最後まで正常作動しない事が多い
妄想男「くそ、また失敗した・・・ココのレールはこっち向きだったか」
妖精「お前、それ好きだな」
妄想男「子供の頃から工作は好きだったんだよ、これなら材料とか道具とか要らないから手軽だしな」
妖精「でもまあお前も随分進歩したな、そろそろ次の呪文を教えても良い頃かもな」
妄想男「お!マジか!!次ってどんなのだ!?」
妖精「オーケー、落ち着けよ、次の呪文は『複製召喚』だ」
- 89 :
-
妄想男「複製って事は、何かのコピーが作れるって事か?」
妖精「そう、目の前にあるとか、ある程度良く知っているとか、そういう物なら何でも複製できる」
妄想男「でも、それだったら今までの物質召喚とあんまり変わらないんじゃ?」
妖精「ところがそうじゃない、この呪文は生物や機械なんかの複雑なモノでも複製出来るんだよ」
妄想男「という事は・・・・・まさか・・・・・人間も・・・」
妖精「まあ、そりゃ女の子をコピーして出現させる事は出来るが」
妄想男「!!!!!!」
妖精「でも、性格はコピー元と一緒だから、呼び出してイタズラしようったってさせてくれないと思うぞ」
妄想男「こういう時、ホントお前にアタマの中が見えるって事実が恨めしいわ」
- 90 :
-
妖精「複製を作る時は、対象物を見ているか触ってるかすれば、確実にすぐ作れる」
妄想男「ふむ」
妖精「対象物が目の前に無くても、ある程度見た目をイメージ出来れば、少し時間がかかるが出現させられる」
妄想男「それは便利だな」
妖精「だろ?オーケー、まずは論より証拠だ、お前のその携帯の複製を作ってみろ」
妄想男「よし・・・・複製召喚!!!」
呪文を口にすると同時に、俺の手の中に二つ目の携帯が現れた
ここまでは物質召喚でも出来た。問題はこの先だ
電源ボタンを長押しすると・・・・起動した!!!
妄想男「すげえ、ちゃんと動いた!」
妖精「どうだ、なかなか便利だろ?」
妖精は相変わらず気持ち悪い顔でニヤリと笑った
- 91 :
- でも犯しても消えるから通報されないな
いや複製して画像を本人に送りつければ・・・
- 92 :
- ってことはこれでやっと限定版のフィギュアが作れるのか!
- 93 :
- ってことは
確実にお金を増やせるということか?
- 94 :
-
妄想男「うーん、これはいいなー、便利だなー、何しようかなー」
妖精「使用例によると、乗物なんかコピーして目的地に着いたら人気の無い所で消すといいって書いてあるな」
妄想男「ああ、それは便利そうだなー、明日バイト行くのに使ってみようかな」
妖精「でも、そういえばお前、免許あるの?」
妄想男「・・・・・・ない」
妖精「まあ別に俺は人間の法律については細かい事いわねーけど、無免はやめといた方がいいんじゃ?」
妄想男「そうだなあ・・・運転の仕方もよくわからないしな・・・あ、そうだ、こういうのはどうだ?」
妖精「偽金はやめとけよ、少額ならたまには見逃してもいいけど、経済に関する事はシビアに対処しろって言われてんだ」
妄想男「ちっ」
- 95 :
-
妄想男「その、シビアに対処しろって、誰に言われてんだ?」
妖精「そりゃ、妖精協会からのお達しだ」
妄想男「そんなのがあるのか」
妖精「ああ、アッチの世界に本部があって、俺らは報告書を毎日出すんだ」
妄想男「へー、意外と面倒なんだな」
妖精「そこで、報告書に虚偽があったり、人間の不適切な行動を黙認してたりすると俺らが処罰される」
妄想男「そっか、お前がココいるのはそういえば仕事なんだったな」
妖精「そういう事、まあそうは言っても気楽なモンだけどな」
- 96 :
-
妄想男「ところで、お前らはそうやって魔法使いを育ててどんな良い事があるんだ?」
妖精「えーと、つまりお前らを魔法使いとしてレベルアップさせるだろ?」
妄想男「ああ」
妖精「そうすると、魔法を使った分だけ、アッチの世界に力が流れ込むんだ」
妄想男「へえー、それをエネルギーとして利用してるってワケか?」
妖精「そうそう、だから、強い魔法を使うほどアッチの世界にはエネルギーが入るんだな」
妄想男「だからどんどん魔法をレベルアップさせてんのか」
妖精「そういう事。そして、どんどんレベルが上がってレベルの高い魔法使いが死ぬと、更に莫大な力が生じるんだ」
妄想男「ってまさか・・・お前、俺を気じゃ・・・・」
妖精「そんな勿体ない事するわけないだろ、なるべく長生きしてレベルアップしてもらった方が得だもん」
妄想男「それもそうか」
- 97 :
- 妖精「だから、人間世界であまり魔法使いが公の存在になると、困るんだよ」
妄想男「なんでだ?別にもっとおおっぴらに魔法が使えて妖精世界も潤いそうなもんだが」
妖精「ところが、そうもいかないんだな、そうなると魔女狩りが始まるんだ」
妄想男「あー、まあ言われてみればそういうモンかもなー、社会混乱するもんな」
妖精「事実、中世ヨーロッパでは魔女狩りが起きて、妖精界では深刻なエネルギー危機が起きたんだ」
妖精「それと、魔法使いの存在が公になると、魔法の便利さに目がくらんでみんななりたがるだろ?」
妄想男「それで何か不都合あるのか?魔法使いが増えればそっちは大もうけじゃん」
妖精「ところが、それだと世の中とばっかりになっちまう」
妄想男「いいじゃないか、理想的だ、俺だって大手を振って外を歩けるよ」
妖精「そしたら人間の数がへっちまうじゃねーか、今は良くても何十年後かに困る事になるんだよ」
妄想男「あ、そっか・・・なんか難しいモンだな」
妖精「そういう事、だから、今の妖精界は人間社会に魔法使いの存在がバレないように気を遣ってんだよ」
- 98 :
- ふかいー
- 99 :
-
妖精「ま、妖精界としちゃ魔法使いが増えすぎても減りすぎても困るって事よ」
妄想男「ふーん、そーゆーモンかねー、あ、やべえそろそろバイトの時間だ」
妖精「帰りにポテチ買うの忘れんなよ」
妄想男「わかったわかった」
いつも通り出勤した俺はレジに立って客をさばき続けた
一通り客の列が途切れた所で店内を見回すと、不審な動きをしている高校生ぐらいの三人組が居た
万引きだな
このバイトで、万引きを見つけるのが一番面倒くさい
なぜなら、まず声をかけなければいけないのだが、それが非常にハードルが高い
そして、その後大人しくついてきてくれる万引き犯は希で、大体騒ぎになる
こういう時は店員の姿を側に見せるのが抑止力になる
俺はレジを空けて、彼らの方に近づいて行った
しかし、彼らは俺がすれ違っても、商品を詰め込んだ鞄を手にそしらぬ顔で出口に向かって歩いて行った
仕方がない、気が重いが声をかけないわけにもいかない
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